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2005/01/31

お題「相変わらず量的緩和雑談など」

○まずは金曜の訂正

金曜日に金融政策決定会合の議事要旨をご紹介しましたが、その中で当座預金残高目標減額に関して言及があったのですが、「水野さんですかねぇ」などと申しあげたのは大間違い。病み上がりでぼけてましたな。

ブルームバーグのインタビューでで水野さんは当座預金残高目標引き下げに関してこのようなコメントをしております。まぁ実に真っ当なコメントです。

「当座預金残高目標を引き下げると、量的緩和解除の第1歩と受け止められるリスクがある。日銀は過去、目標引き上げの際に『金融緩和効果を高めるための措置』と説明してきただけに、持続的な景気回復に自信を深め、景気判断を上方修正できるような状況にならないうちに目標を引き下げると、政治的に批判される可能性も高い」

「量的緩和の枠組みを変えないまま目標を段階的に引き下げることは、技術的にも非常に難しい。日銀がいったん目標を引き下げ始めると、さらに誘導目標が引き下げられるという思惑が働き、新しい誘導目標を維持する事が難しくなる。『なお書き』や『ただし書き』を加えることはあり得るかもしれないが、いずれにせよ簡単にできることではないと思う」

「そもそも、量的緩和政策の枠組みは、市場参加者が必要と考える量よりも潤沢に流動性を供給することによって景気刺激効果を出そうという枠組みだ。日銀の資金供給オペに対して資金需要が低下し、札割れが頻発したからと言って、簡単に目標を引き下げると、自己矛盾が生じてしまう。当座預金残高目標を引き下げても、潤沢な資金供給と、その結果としてゼロ金利は維持されるので、量的緩和政策の枠組みは維持できるという議論は、市場が受け入れないと思う」(以上ブルームバーグニュースより)

まぁそりゃそうなんですが、じゃあ量的緩和政策の量を増やしていく意味は何なんでしょうかという質問をしたくなる気もするのですが、まぁこの量的緩和政策における「当座預金残高目標額という量の意味」に関しては以前からドラめもんでも申しあげているように、正直どういう意味とどういう効果があるのかさっぱり意味不明でございまして、(あたくしの個人的な印象としては、量的緩和の量に関しては恐らく超過準備数兆円までのレベルに関しては「ゼロ金利を維持する」という意味があると思うのですが、残りに関しては単なる過剰準備。非不胎化介入とか、危機回避の意味はあると思いますがその辺の匙加減は良く判らん)まぁ融通無碍な解釈をしつつ時間軸効果が発揮されていくって感じではないかと思う訳です。

それはさておきまして、水野審議委員が量的緩和政策の枠組みの中における当座預金残高目標の減額に明確に反対をしましたので、政策委員会の票読みをしますと、岩田副総裁、中原審議委員(この二人は量的緩和の糊代論を主張しているので減額に賛成する訳が無い)、水野審議委員が明確に反対となりますな。残り6人中5人が賛成しないと過半数にならないと考えますとまぁ当分は現実問題にはなりそうもありませんなぁという感じです。


○ちなみに水野さんのインタビューによりますと

まぁ当然と言えば当然なのですが、水野さんのインタビューもまた「タカ派」なのか「タカ派じゃない」のか謎な節がございますな。量的緩和政策の弊害について言及して「量的緩和コミットメントの3条件にかかわらず量的緩和政策の解除を行う」可能性について言及しているかと思えば、量的緩和の枠組みを終了する時には「量的緩和の枠組みからゼロ金利政策を経て、複数回の利上げができるような環境まで待ちたい」とビハインド・ザ・カーブ容認とも取れるようなコメントをしておりまして、正直どうとればいいのか良く判らん。というか恐らくは「総合判断で量的緩和政策の脱却。ただし予防的利上げは行う気はさらさらない」という辺りなのではないかと。

水野さんが一番恐れているのは、景気に遅行して動く消費者物価指数のプラス転換をひたすら待ち続けているうちに、量的緩和政策の弊害というか景気刺激効果が効きすぎてしまって「どこかで変なバブル発生」→「みんなでそこに突っ込む」→「不動産バブル崩壊の二の舞」という下らない事態が生じることなのでしょうかなぁと思う次第でございます。そうならないようにどこかでブレーキをかける必要があるというのが「量的緩和政策の弊害への言及」となっているんでしょうな。


○というわけで、当座預金残高目標引き下げの話が少々遠くなりましたが

債券市場および短期金融市場の今年の最大のネタあるいはメシのタネになりそうな話題が「当座預金残高目標引き下げ」でございましたが、皆さんネタが無いせいかせっせと話題盛り上げを頑張りすぎまして(^^)、時期尚早とばかりに見事に話が潰れてしまった形になってしまいましたわな。残念!って感じですが、足もとの経済指標もどうもパッと致しませんし、特殊要因が色々と効いているとは言え12月の東京都区部CPIは▲0.5%と見事なトホホ状態になっておりまして、債券市場と致しましては誠に困った事に死角なし状態になってしまいました。

ま〜世の中良く出来た物で、こ〜ゆ〜時には皆で総強気になったあたりで意表をつく材料が飛び出してきてアヒャヒャヒャヒャ状態になるというのが債券市場の伝統芸能でございますが、今のところはまだ「ああ死角がございませんなぁ」くらいの感じではないかと思うところでございます(金曜の相場は少々強気相場の香りがしましたが)が、正直先週は前半風邪引きで休業し、後半はやみあがりボケボケ状態でしたので、相場の空気みたいなものが実感として感じられてませんので、よーわからんという説も大有り。

まー今週は10年国債の入札もございます。2月債ってのは同償還3回目の発行です。同償還3回目の発行の場合、往々にして「同じ償還もの既に2回出てるからニーズが無いんですがねぇ」という状態になりがちなのですが、その状況を「死角なし相場」が打破できるかというのが注目材料でしょうな。10年のあとにも5年、20年が「同償還3回目の法則」に引っ掛かりますので、最初のうちはともかく後半は・・・・・・


#てな訳で相変わらず病み上がりのあたくしでございますので今日も簡単な雑談で恐縮。






2005/01/28

お題「今更ですが12月16〜17日の決定会合議事要旨」

いやはやどうも、病み上がりなので本日は簡単に参ります。

さて、あたくしがインフルエンザでひっくり返っている間に日銀からは金融政策決定会合議事要旨が出て世の中の話題になってみたり、難しそうな論文が何本もでてみたりとなっております。で、既に世の中では随分話題になっていたようですが、あたくしのリハビリも兼ねて本日は簡単に議事要旨のチェック。

http://www.boj.or.jp/seisaku/05/pb/g041217.htm

○話題になった「当座預金残高目標引き下げ論」

『当面の金融市場調節に関して、多くの委員は、金融システムに対する不安感の一段の後退などから、市場の資金余剰感が強くなっているが、このところは資金余剰期に入っており、オペレーションによる資金供給必要額が減っているため、短期資金供給オペの運営上の工夫によって、当座預金残高目標を達成していくことは可能であるとの見方を示した。』

運営上の工夫という事になりますと、手形オペとか現先オペの期間をまた長くするとかいうお話か、短期国債の入札の翌日に短期国債買入オペを実施するという実質短期国債引受状態のオペを乱発するというような豪快な工夫になるのですが、それでもいいのでしょうか?とおもいつつ、問題の部分。

『複数の委員は、当座預金残高目標の引き下げは引き締めと捉えられる可能性があり、景気が微妙な情勢である現状は、残高目標をしっかりと達成していくことが大切であると述べた。』

そりゃそうですなぁ。何でそういう話になるかというと、

『この間、一人の委員は、ペイオフ解禁を契機として金融市場の流動性不安が後退していく中では、デフレが継続するもとで、量的緩和政策における潤沢な資金供給と結果としてのゼロ金利の維持という枠組みは堅持しつつ、タイミングを十分に見極めながら、市場の資金の余剰度合いに応じて徐々に当座預金残高目標値を減額していくことも考えられるのではないかとした。』

こういう話をした人がいるようです。水野さんですかね。 追記:水野さんは「現行の政策の枠組みの中で当座預金残高目標の減額をするのは金融引き締めになるので不可」とブルームバーグのインタビューで語っていました。ということで水野さんではなくて須田さんか福間さんあたりになるのでしょう。

『もう一人の委員は、こうした考え方に基本的に賛成であるとしたうえで、実際に目標値を見直していく際には、その時点の景気動向なども無視できないと述べた。』

もう一人の委員が誰だか判りませんが、「当座預金残高目標減額問題」が実際に論議に上ったというのはそれなりにインパクトのあるお話ではないかという感じですか。大体今まで議題にはならないけれども話題に上った話ってのは基本的に量的緩和政策の解除先送り論に類するお話だったことを思えば隔世の感とまで言うと大げさですが、まぁ量的緩和政策の終了に向けてこっそり雰囲気を作ろうとしているという気持ちが伝わってきますな。


当然ながら、この部分に関しては早速「こんな議論をするなら量的緩和政策のコミットメントをする意味が無い」という趣旨の批判も所謂リフレ派の方からは出ているようです(この点に関してはあたくしも理解できますな)し、それ以前の問題として議事要旨の最後にある「政府からの出席者の発言」を見ますと、財務省と内閣府の出席者から『デフレは依然として継続しており、その克服に向けた揺るぎない姿勢を堅持していくことが重要であると考えている。したがって、日本銀行におかれては、引き続き量的緩和政策堅持の姿勢を明確に示して頂きたいと考えている。(財務省)』、『デフレ克服には、結果としてマネーサプライが増加することが不可欠であることから、効果的な資金供給に繋がるような措置も含め、さらに実効性ある金融政策運営を行って頂きたい。また、金融政策運営に関する透明性の一段の向上に努める中で、デフレ克服までの道筋を明確に示して頂くことを期待している。(内閣府)』といちゃもんがついております。実に香しい。

で、内閣府は相変わらずマネーサプライがどうのこうのという話が好きなのね〜とも思う訳ですが、まぁそれはともかくとして、当座預金残高目標の引き下げだけでこれだけ大騒ぎになるようであれば、やはりCPIが小幅マイナス近傍でフラフラしているうちはちょっとダメダメの予感ですな。


○量的緩和政策の効果と副作用という不毛な論議

先ほどの話の続きの部分で量的緩和政策の効果について総括しようという動きがあるのか、量的緩和政策の効果についてお話している人がいます。

『現在の政策が金利に働きかける効果について、ある委員は、(1)ゼロ金利が一定期間続くことをコミットすることにより中長期の金利を引き下げる時間軸効果、(2)当座預金残高目標の引き上げが時間軸のアナウンスメントを補強する効果、(3)様々なオペレーションを通じて銀行間のクレジットスプレッドのばらつきを縮小させる効果、の3つに整理した。』

(1)以外は意味不明ですな。しかも(2)を認めたら同じ理屈で当座預金残高目標の引き下げは時間軸のアナウンスメントを弱める事になりますので、当座預金残高目標の引き下げ=金融引き締めになってしまうので、解除まで残高目標の引き下げが出来なくなるという罠(^^)。


『別の複数の委員は、こうした整理に概ね同意したうえで、現在の政策が経済に働きかける効果としては、さらにクレジットスプレッドの縮小が企業のバランスシート調整を促す効果なども考えられるとコメントした。』

「クレジットスプレッドの縮小」は良いとしまして、それが「企業のバランスシート調整を促す」という理屈は物凄く意味不明。どっちかというとクレジットスプレッド縮小→企業の資金調達の容易化→バランスシート調整の遅れって話にならないのかと小一時間問い詰めたいところでございます。


『もう一人の委員は、それぞれの効果の存在は否定しないが、時間軸効果以外の効果がそれほど大きいとは思えないと述べた。』

そうですな。この人だけ割とまともな意見ですなぁ。


で、この後量的緩和政策の副作用に関しての話になるのですが、どう読んでも量的緩和政策の効果と同じ話をしているとしか思えませんのぉ。

『一方、量的緩和政策の副作用として、複数の委員は、(1)資金調達者のモラルハザードの拡大、(2)短期金融市場の市場機能の低下、(3)金融政策の機動性の低下、(4)財政規律の低下などを挙げた。これら委員を含めて、現状においてはこれらの副作用が効果との比較でみて著しく大きいとは言えないとの見方で一致した。』

(1)でいう資金調達者が誰を指して言っているのか良く判りませんが、企業部門というか不振企業という意味で言えばさっきの効果で言っている「クレジットスプレッドの縮小」と同じ話ですし、インターバンクという意味でいうのであれば、「時間軸効果」によるものですからメリットと同じ話をしているでしょって感じですな。(2)も同様。

(4)の財政規律の低下というのも言いたいことは判らんでもないですが、議論としては本末転倒の香りがするお話ではないかと。別に低金利だから財政規律が低下する訳ではないんですからねぇ。しかもさっきは「クレジットスプレッドの縮小が企業のバランスシート調整を促す」と言っておきながら、相手が財政になると急に「低金利の継続が財政規律の低下という副作用を生む」というのはあまりにも話の前後が矛盾しておりますな。

・・・・で、(3)はギャグですか?


病み上がりなので本日は簡単にさせていただきました。皆さんもインフルエンザには注意しましょう!マジでシャレにならん。。。










(お詫び)2005/01/25

ドラめもん作者は月曜の朝から38.0℃の高熱攻撃を受け(昨日のドラめもんは日曜日に作成)、原因を究明するため(その時点でヤバイとは思っていたので人にうつさないよう配慮して)会社に行かずに内科に直行したところ・・・・

「B型インフルエンザ」

に罹患している事が判明。いやもう全然熱は下がらないし体のあちこち痛いし、咳は出るわ鼻水は出るわと真性大病人状態。

という訳で、長期休暇以外でドラめもん休載するのは初めてなのですが、ドラめもんをお休みさせていただきます。

こんな駄文でもアクセスしてくださる皆様には大変恐縮でございますが、何卒よろしくです。

・・・・・つーか、インフルエンザって20年以上やってなかったのですが、こんなに凶暴な病気だとはって感じです。皆様もご注意ありたし。


2005/01/26

お見舞いのメールありがとうございました。熱はと申しますと、上記お詫びを書いていた頃はまだ37.6℃とかあったのですが、その後急速に回復して火曜日の夕方には37℃をちょっと切る位まで安定しましたが、インフルエンザ保菌者としてエエカゲンな状態で出社する訳にも行かず(^^)、本日(水曜日)は一日ボーっとしておりました。「会社に行く前に医者の許可貰え」とのお告げがあったので、とりあえず午後から医者に行ったのですが、「インフルエンザウィルスの活動が止まるのは風邪の自覚症状が出てから5日間程度」という事でして、土曜から調子の悪かったあたくし的にはちょうど無罪放免タイムという感じのようです。

とりあえずマスクを用意して、明日朝の調子がよければ復帰する所存です。よってドラめもんは明日もちょっとございませんな。


で、もうこれに激しく懲りましたので、来年というか今年からは予防接種を受ける事にします。罹患してからだと保険が利くので、自腹が幾ら痛むかという点では予防接種のほうが高くつくのですが、さすがにこれだけ消耗すると・・・・・・・


2005/01/24

お題「積極的な曖昧さ・・・・なんでしょうか」

まだまだ出口は遠いような気もしますが福井日銀の棚卸も必要なのかな〜って思う今日この頃。

○当座預金の「量」の意味付けに関して

金曜日にご紹介した福井総裁の定例記者会見で質疑がありましたが、当座預金残高目標を引き上げる時に色々な言い訳を駆使していた事もありまして、「当座預金残高目標のうち、緊急避難の流動性供与の分が引き下げても良いんじゃネーノ」という理屈が成立するのは先日来ドラめもんで申しあげているとおりでございます。

再掲になりますが先日の定例記者会見ではこんな感じで聞かれていた訳ですな。

『当座預金残高目標に関しては、今までの引き上げの過程の中でもすべてが追加的な緩和ではなかったと思うが、当座預金残高目標の引き下げに関しても、コミットメントの条件をクリアすることが必要なのか。』

短期金融市場の関係者にはこの理屈が十分に浸透しているようでして、量的緩和政策の出口をどうのこうのって話になる前に徐々に当座預金残高目標を減らしていくのが吉ではないかってのがコンセンサスになりつつあるようでございます。


ところがそう世の中上手くいかないわけでございまして、当座預金の量に関しては岩田副総裁が2003年10月2日の記者会見でこんな話をしております。(http://www.boj.or.jp/press/03/kk0310a.htm)

『(2003年)8月18日の記事についてであるが、先週、内閣府の国際セミナーでも同様のことを申し上げた。すなわち、今年に入ってからの為替介入額は、財務省の発表によると、現時点では13.5兆円、先月までは9兆円程度であった。一方、年初からの日本銀行の追加的な流動性の供給額は計10兆円──3月2兆円、4月5兆円、5月3兆円──で、偶然ではあるが、為替介入額と追加的な流動性の供給額がほぼ同額であった。このように、国内の流動性の供給と介入を併せて行うと、事後的には、「非不胎化政策」と呼ばれる政策を実行したのと同じ効果が出る。また、これも結果的にはであるが、日本銀行が米国債を購入するのと同じ経済効果が生じる、ということを申し上げた。』

『次に、介入額の増加と量的緩和の拡大についてであるが、日本銀行は、今年に入ってからの10兆円の追加緩和を実施した過程でも、あるいは99年からのマネタリー・ベースを大幅に増やしてきた過程でも──現在も前年比+20%程度増やしているが──、為替レートを目的として緩和政策を採ってきたわけではない。あくまでも、国内金融市場の安定化あるいは国内景気回復の足取りを確実にして、最終的にはデフレを脱却し、物価の安定を図ることを目標に金融政策を行っている。したがって、追加緩和額と介入額が同じでなければならない、ということではないと認識している。』


ビミョーな言い方なんですが、「事後的に非不胎化介入を実施している」という風に述べている訳でして、短期金融市場から遠くなりますと概ねこういう認識になって来るようですので、テクニカルに当座預金残高目標を引き下げると言っても中々厳しいものがあるという事になるでしょう。

ちょうど今岩田規久男さんの「日本経済を学ぶ(ちくま新書)」を読んでいる(書評は後日)のですが、岩田規久男先生も同じような認識をお持ちのようでして、著書の254pでこんな話をしております。

『福井総裁就任後、次第にデフレ脱却にコミットするようになった日銀は、財務省の円安誘導の為替介入政策をきっかけに、いっそうの量的緩和に踏み切り、為替介入政策を支援しました。』

と、まぁ日銀がそもそも当座預金残高の意義付けに関して曖昧にしていた事もありまして、取りようによって色々解釈できるある意味便利な当座預金残高の「量」でもありますので、まーやはりこの辺に関しては量的緩和政策を継続している限りにおいては「どうとでも取れる状態」にしておいたままにしておくのが吉なんでしょうな。そう考えますと、当面当座預金残高目標という「量」を増やす事はあっても減らす事は(解除すれば別ですが)考えにくいと見るのが宜しいかと存じます。


○量的緩和政策の継続に関するスタンス

この岩田規久男さんの本を読んでいて思ったのは「福井総裁ってのは上手に立ち回っているんだなぁ」という事です。同書の同じ部分で岩田規久男さんはこう書いています。

『福井総裁の方針が評価できる点は、第一に、総裁就任までは、デフレの原因を世界のグローバル経済化に求め、もっぱら日本の構造改革の必要性ばかり主張していたため、金融政策によるデフレ脱却には消極的であると予想されたのですが、総裁就任後はその予想をよい意味で裏切り、ことあるごとに量的緩和の継続に言及して、市場の「量的緩和出口論」を封じ込めてきたことです。』

まー確かに量的緩和政策を早く脱却してくれという人は市場(というか短資会社あたり)にはおいででございますが、そもそも量的緩和出口論が早々と出てきたり、量的緩和政策のコミットメント3条件なんぞが打ち出されるようになったのは、日銀の蒔いたタネだったと認識しておりますが、どうもそのような話は伝わっていないようでございまして(^^)、このように福井総裁の評価は日銀直下のインターバンクなんかよりはエコノミストというか経済学者なんかから高いものをいただいているようであります。

先日の記者会見における「量的緩和の量の問題」の質問に対して福井総裁は(金曜日のドラめもんで申しあげましたが)さらりとかわしておりますわな。

『量的緩和に踏み切って以降、ターゲットとする流動性の目標を数次にわたって切り上げてきた。全体として、流動性の供給枠の追加は、信用秩序というか金融システムの安定化を図るということも包摂しながら、究極的には、デフレ脱却という目的を最終的に念頭に置きながら実施してきたものだ、とまとめることができる。従って、量的緩和の枠組みとは、所要準備額を超えて市場に対して思い切った流動性を供給する枠組みのことを言っている、と思って頂きたい。』

これだけ見ると当座預金残高の引き下げに関しては留保状態であるとも言える訳ですが、量的緩和政策の量を潤沢に供給するとも言っておりまして、マネタリストの皆さんへのお答えにもなっており、自分の手足を縛るような「量的緩和の量を減らす事は無い」というような発言もしておりません。巧みな答弁ではあります。


とまぁそういう訳でして、風邪引いて死にそうな中、ここの所の量的緩和政策の「量の問題」について昔の記者会見なんぞも持ち出しつつ考えてみた訳ですが、やはり結論としては福井日銀の「積極的な曖昧さ」によってとりあえずCPIがゼロ以上になるのを待ちつつ、量的緩和政策に関するレビューは避けておこうって感じになるのかと思います。その間に局地的な資産バブルが発生すると色々問題がおきそうなのが怖いのですが・・・・・・

たぶん、量的緩和政策が終了(一体何時になる事やら・・・・)した1年後とか2年後くらいにこっそりと「量的緩和政策は実はゼロ金利+時間軸だったので、量に関しては意味が無かった」とか「量を増やしたのは実質的な非不胎化介入だったんだけど、認める訳に行かないから黙っていた」といったレビューのレポートがこっそりと出るのではないかと勝手に想像しております。

#しかし風邪は辛いですなぁ





2005/01/21

お題「総裁記者会見ですが・・・・」

政策決定会合を受けた総裁記者会見。会見要旨が日銀Webにアップされました。http://www.boj.or.jp/press/kk0501a.htm
結構質疑応答が長かったようですが、債券市場として見ておく所は「で、日銀の景気認識はどうよ?」ってのと「当座預金残高目標をいじる(勿論下げ方向で)可能性はどうよ?」って所かと。概ね質疑の大きな部分が「量的緩和政策のフレームワーク」に関する内容でございましたが。

○景気認識に関して

昨日ご紹介した金融経済月報にありますように、景気認識に関して特に変化が無いと言うのが正解なのではと思われます。

即ち、10月の月報までは随分威勢が良かった景気認識が11月に景気の先行きに関する「前向きの循環」というダム論もどきの言葉が消えて12月には現状判断を大幅後退させる「ヘッジクローズ入りの現状判断」に切り替えており、1月は現状判断、先行きともに不変となっているので、この点に関して言えば債券相場が反応のしようが無いというのが宜しいかと存じます。

冒頭の質疑(というか説明)部分でこのようにコメントしています。

『またお尋ねの通り、昨年10月に発表した「展望レポート」で示した日本銀行の経済・物価見通しについての「中間評価」を行った。一言で言えば、私どもの基本的な判断は変更していないということである。』

『景気面で足許修正をしている理由は、繰り返し申し上げている通り、輸出が横這い圏内で推移する中で、IT関連分野の在庫調整などから生産面などに弱い動きがみられている点を取り入れたということである。』

『先行きについては、海外経済が拡大基調を続ける――これは我々の想定通りである――中で、春以降、IT関連財の調整が一巡すると見込まれる。企業の過剰設備・過剰債務などの構造的な調整圧力も和らいできている。そうした状況のもとで、景気は回復を続け、次第に持続性のある成長軌道に移行していくというシナリオを維持している。』

『物価面については、国内企業物価は、足許内外商品市況高や需給環境の改善を反映して上昇しており、先行きも今申し上げた通り10月の見通しに沿って推移するとみられる。消費者物価についても、基調的な判断は10月の見通し通りである。今申し上げた通り、他の条件を一定とすれば、指数的には、新たな要因あるいは特殊要因――そのように言って良いのかわからないが――である固定電話通信料等の引き下げが影響を及ぼす可能性がある。』

ところで、昨日のドラめもんで申しあげた「いや〜また新たな言い訳が出てきましたな〜」って話ですが、固定電話通信料の引き下げ絡みでCPIの押し下げ要因が発生って話はかなり大昔(2ヶ月くらい前)から言われているお話で、市場は織り込んでるでしょうというご指摘(というか事実なのですが)を頂きました。恐縮至極であります(ま、プラス方向にぶれない限り最近はCPIに対して債券相場ってあまり反応しなくなっているようでありますが)。

で、まぁ同じ質疑で総裁は『一言で言えば、私どもの基本的な判断は変更していないということである。』と言っており、昨日ご紹介した金融経済月報でも『先行きについては(略)、「景気は回復を続け、次第に持続性のある成長軌道に移行していく」という「見通し」に概ね沿った動きとなると予想される。』とあるように先行き見通しを変えていないって事になっているのですが、よくよく考えますと先ほど申しあげたように、11月の金融経済月報で「前向きの循環」という文言が削除されているので、冷静に考えれば「先行き判断も下方修正しとるじゃろうがゴルァ」というのが正しい認識ではないかと存じます。ま、何となく有耶無耶にしておくというのがオトナの対応でしょうが(^^)。

じゃあ債券相場はその辺どう考えてるのよ?って話ですが、既にそのあたりは相当程度織り込んではいるというのが実情ではないかと思うので、株式相場で先行き先高期待があるような状態が続いていると「さて債券市場と株式市場とどっちがただしいのよ?」って話で気迷いになっちゃうような感じですが(^^)(実際は製造業中心に構成されている株式市場の数字が各所で2極化というかまだら模様というか、回復の具合がバラバラの景気を正確に反映しているのかという別の論点もあるのですが、その話はまたいずれどこかで)、実際問題として「11月にダム論が消えた」って話を皆さんどのくらい覚えているのかというのも謎ですので、正直よーわからんですなぁ(答えになってないですな)。



○量的緩和の作用副作用論と当座預金残高目標引き下げに関して

昨日ロイター日本語版のニュースから引っ張ってきてご紹介した質疑なのですが、実は質問の部分はかなり鋭い点を突いていたようでして、ロイター記者肝心なところを端折るなよって感じなのですが、改めて質問部分をご紹介(^^)。

『(問)2点伺いたい。現状の量的緩和のフレームワークに関して、2003年10月に決められたコミットメントをクリアしなければフレームワークの変更はされないということかと思う。一方で、当座預金残高目標に関しては、今までの引き上げの過程の中でもすべてが追加的な緩和ではなかったと思うが、当座預金残高目標の引き下げに関しても、コミットメントの条件をクリアすることが必要なのか。』

時事メインコラム「金融観測」で取り上げられ、東短リサーチ加藤氏のレポートでも触れられていましたが(ってあたくしも紹介しましたな)、実は当座預金残高目標の引き上げはこの質問にありますように「今までの引き上げの過程の中でもすべてが追加的な緩和ではなかったと思う」訳でして、理屈の上から言えば「危機回避のために投入した流動性は危機発生の惧れが無くなったなら回収してもよかろう」という理屈になる筈なのですが、岩田副総裁のだいぶ前の講演にもありましたように、供与した流動性は事後的には非不胎化介入にもなっていたので話がヤヤコシイ訳です。

『次に、総裁は以前から、景気が回復すれば金融緩和の効果が増してくると言っている。現在、一部で、金融緩和で狙っていた効果としてポートフォリオ・リバランスとか、クレジット・スプレッドの縮小ということがみられるかと思うが、今後、景気が回復してくると、金融緩和の効果と副作用の両面が増してくると思う。その辺について総裁の考え方を伺いたい。』

で、答えに関しては昨日ご紹介したように、前半部分に関しては『量的緩和の枠組みとは、所要準備額を超えて市場に対して思い切った流動性を供給する枠組みのことを言っている、と思って頂きたい。』と言っておりまして、例によって「思い切った流動性」という曖昧模糊かつ主観的なお言葉を使っておりますが、これを「当座預金残高目標の引き下げを排除していないので引き下げの可能性大有り」と読むのか「思い切った流動性というからには引き締めを連想される当座預金残高目標の引き下げの実施は相当先の話」と読むのかは読み手の勝手でしょうな。後半部分に関しては「作用と副作用のネットのメリットの大きさ」って話をしてますが、そんなの計測できるのかというのは??ですな。



別の部分ではこういう質疑になっています。

『(問)(前半部分割愛)最後に、効果と副作用についてであるが、先程のお答えでは景気が以前に比べて回復過程に入っている一方、金融システムの不安は後退してきているとのことであった。こうして環境が変わってきている以上、効果・副作用の両面に変化があるので、ネットのメリットも変わってくるであろうし、それをきちんと議論されていくとのことであった。このネットのメリットが減って逆にネットの副作用が増すような状況になれば、量的緩和の枠内で所要準備を超えて非常に思い切った流動性を供給する考え方の中で、現在の30〜35兆円という当座預金残高目標を引き下げる可能性はあるのか。あるいはコミットメントである3つの条件自体を反故にするというようなこともありうるのか。』

『(答)最後の反故とはどういう意味か。』

『(問)条件を変えるという意味である。』

『(答)それはない。』

と、まずはコミットメント3条件の変更をおもむろに否定(この時点で岩田副総裁などと意見が違っているような気がする訳で、この「それはない」ってのも福井審議委員の意見としてはそうなんでしょうが、政策委員会の総意じゃないんだから厳密にはどうよって気もしますが、ある何て言い出したら大変な事になるので致し方なし)しておいてからメリットデメリット話。

『(答)当座預金残高目標の引き下げについて予言的なことは何も申し上げられない。これはその都度政策委員会が決めていくことである。ただ、効果と副作用の点について言えば、景気が安定的な回復過程を辿るとすれば、量的緩和の時間軸効果が効いて、長期金利を含め金利が比較的低水準で安定している限りにおいて実質金利は下がるということなので、マクロ的に明らかに効果は強まるということであると思う。』

「景気回復局面で量的緩和政策の効果が高まる」って話はいつもしてますが、実質金利が下がるって言い方したのは始めてではないかと言う気がします。確かに仰せの通りです。

で、この応答部分を見ますと「量的緩和の時間軸効果が効いて」「長期金利を含め金利が比較的低水準で安定」というコメントをしておりまして、量的緩和政策のキモが「ゼロ金利+時間軸」による金利への期待形成を行う事にあるという話をしているようにも読めますな。足元金利より長い金利に関して期待形成をするという話は量的緩和政策の開始時に速水総裁(当時)も言及しており、当時発表されたQ&Aにも書かれておりましたな。

その後FRB理事のバーナンキ氏が講演でデフレに陥らない為に長めの金利へのコミットメントをする(バーナンキ氏の場合は2年もの財務省証券の金利の誘導目標を設定という話でしたが)というお話をしてましたな。余談ですが。


んじゃあデメリットはどうよ?って話ですが、質疑の続き。

『一方で、ある意味でそれは金利機能というものを少し抑えている面がある。従って、資源の再配分機能をフルに発揮させるという点では次第に物足りなくなるという副作用も出てくる。この兼ね合いをどう考えるかという問題は常にあるわけであるが、私どもが事前に考えていたこと、そして今も考えていることは、CPIでみて前年比変化率が安定的にゼロ%以上になるまでの間に、副作用がメリットを上回るほど大きくなるとは想定していない。今もそういうことは予見していないということである。従って、デメリットが大きくなったから量的緩和に大きな修正を加えなければならないというようなことは予見していないということである。』

金利機能による資源の再配分機能って話だとデメリットも糞もないような気がするのですが、時間と量の関係上省略しますが、まぁ資産バブルみたいなものが物価の上昇を伴わずに発生した場合にどうするのかってところが「資源の再配分機能がワークしない」って意味だと解釈しておきましょう(^^)。他の質疑で不動産価格がどうのこうのという内容があったのですが、それを見る限り(引用割愛)今のところ福井さんとしてはそこまでナーバスにならなくても良いんじゃね〜のって感じに(表向きは)なっているようですね。


正直、資産価格デフレを止めないと景気回復しないと思われますんで、どこからどこまでがメリットデメリットなのかもよ〜判らん面がございますがね。

ではでは。






2005/01/20

お題「金融経済月報と総裁記者会見」

金融政策の変更が無いのは当たり前なのですが、さて1月の月報はどうなったでしょうかって話ですわな。

○金融経済月報

http://www.boj.or.jp/seisaku/05/pb/gp0501_f.htm

景況感はまるっきり変更なしですが、物価に関して微妙な表現があるというのが今回の注目点、というかそこしか変更部分がないというのが今回の月報でございます。

債券相場強気筋のお方は展望レポート中間評価の部分(上記URL文書の最後の部分)での「景気下ぶれ推移」にも注目していたようですが、惜しくも(^^)上記のように景況感に関る月報の1月分は物の見事に12月分と同じ内容となっておりまして、そ〜ゆ〜意味では日銀の景況感に関しては既に織り込み済み状態になっていると考えるのが至当でございますな。念の為。

・景気の基調判断

『わが国の景気は、生産面などに弱めの動きがみられるものの、基調としては回復を続けている。』
→12月と全く同じ表現

・景気個別要因の現状認識

『輸出が横ばい圏内で推移する中で、IT関連分野の在庫調整などから、生産に弱めの動きがみられる。一方、設備投資をみると、企業収益が改善するもとで、引き続き増加傾向にある。また、雇用面での改善傾向が続き、雇用者所得も下げ止まる中で、個人消費は底堅く推移している。この間、住宅投資は横ばい圏内で推移しており、公共投資は減少している。』

→12月はこの文の中に短観結果を受けて「企業の業況感にも一部に慎重さが窺われる」って文言が入っていましたが、それ以外12月と全く同じ。

・景気先行き見通し

『先行きについても、景気は回復を続けていくとみられる。』
→12月と全く同じ表現

・景気個別要因の先行き見通し

『すなわち、当面はIT関連分野の在庫調整の影響が残ると予想されるが、海外経済の拡大が続き、内需も増加を続けるもとで、輸出や生産は、基調的には増加していくとみられる。企業の過剰設備・過剰債務などの構造的な調整圧力も和らいできている。また、企業の人件費抑制姿勢は引き続き根強いとみられるが、企業収益の増加や雇用過剰感の緩和が続くもとで、雇用者所得は緩やかな増加に向かう可能性が高い。この間、公共投資は、基調としては減少傾向をたどると見込まれる。』

→素晴らしい事に12月の全くのコピペ状態です。先行き懸念材料としてIT関連需要動向と原油価格に対する言及をしている部分までまるっきり同じ。


という事で、ここまでは12月と思いっ切り同じですので、「展望リポート中間評価で景気が幾分下振れで推移した」という部分を注目したコメントをするのは(別に間違っているとは申しませんが)「ちゃんと毎回月報を読め」という事でございますな。あっはっは。


で、ちと気になるのは先ほど申しあげたように、今回の月報では物価に関して微妙に表現をいじっていることでございます。

・物価の現状(消費者物価はいつもどおりなので、国内企業物価に関して)

(1月)『国内企業物価は、原油高の一服等により、上昇テンポが幾分緩やかになっている。』

(12月)『国内企業物価は、内外の商品市況高や需給環境の改善を反映して、上昇している。』

今回「上昇テンポが緩やかになっている」と判断を後退させたのはちょっと注目しておく方が良いのではないかと思う訳でして(つーか指標には既に出てますが)、物価上昇が川上から川下(=消費者物価)に波及するって理屈から言いますと、消費者物価の先行き見通しの「上昇」のペースが緩やかになるという見方もできるわけでして、まぁ今後の川上の物価に関する審議委員等のコメントには注目してみたい所です。まぁ「安定して上昇」というペースなら望ましい状況だって気もしますが(^^)。

・物価の先行き(これも国内企業物価)

(1月)『国内企業物価は、商品市況の騰勢一服を受けて、目先、頭打ちとなる可能性が高い。』

(12月)『国内企業物価は、原油高の一服等により、上昇テンポが緩やかになるとみられる。』

まー別に「国内企業物価が下落する」と言ってるわけではないので大騒ぎする事もないでしょうが、ちょっと気になるところではございます。

金融面に関してはいつもどおりなので割愛。


○展望レポート中間評価

概ね11月以降の金融経済月報での「判断じりじり後退」に対応したものとなっておりまして、そ〜ゆ〜意味では予想通りなんですが・・・・

『わが国の景気は、IT関連財の生産・在庫面での調整が予想より深まったこともあって、昨年10月の「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)で示した「経済・物価情勢の見通し」に比べ、幾分下振れて推移した。先行きについては、海外経済が拡大基調を続ける中で、春以降、IT関連財の調整が一巡すると見込まれることから、「景気は回復を続け、次第に持続性のある成長軌道に移行していく」という「見通し」に概ね沿った動きとなると予想される。』

『物価面では、国内企業物価は、10月の「見通し」に沿って推移するとみられる。消費者物価についても、基調としては10月の「見通し」に沿って推移するとみられるが、固定電話通信料引下げの指数面への影響等によっては、やや下回って推移する可能性がある。』

消費者物価に関して「固定電話通信料引下げの指数面への影響」というのが出てきたのが唐突な感じでして、何か毎度毎度コメだの健保自己負担分がどうのこうのだの電力料金だのと特殊要因の話ばっかりですなぁ。何と申しますか(^^)。



総じて申しあげると、今回は物価に関してちと弱気になっているのが注目でしょうね。



○総裁記者会見は玉虫色あるいは本音は??

正式な会見要旨は本日日銀Webにアップされるので今日はロイター日本語版の記事を参考にします。続編は明日にでも。

当座預金残高目標の変更に関して誘導尋問(^^)が。

『問:量的緩和は、2003年10月のコミットメントをクリアしなければフレームワークの変更はしないということだと思うが、その中で、当座預金の変更に関してもコミットメントのクリアが必要か。景気回復過程で緩和効果と副作用の両面が増してくると思うが、その辺の考え方を聞かせて欲しい。』

『答:量的緩和に踏み切って以降、ターゲットとする流動性の目標を数次にわたって切り上げてきた。全体として、流動性の供給枠の追加は、信用秩序、金融システムの安定化を図るということも包摂しながら、究極的にはデフレ脱却という目的を最終的に念頭に置きながら実施してきたものとまとめられる。従って、量的緩和の枠組みと言っているのは、所要準備額を超えて、市場に対して思い切った流動性を供給するという枠組みのことを言っている。』

『(答えの続きですが、一部引用割愛します)景気が以前に比べて回復過程に入っている。一方で、金融システムの不安定性は大幅に後退してきている。環境、金融政策実施の舞台が変ってきている以上、効果と副作用についても両面変化がある。両方付き混ぜた場合のネットでのメリットの大きさというものがどう変っているかということも変化がある。毎回きちんと議論を詰めて、毎回、毎回の結論を出していくという事になっている。』

『景気が回復過程に入ると、量的緩和の景気刺激効果も強まる。一方で、副作用の面もより大きくなる可能性がある。それを両方比べて、差し引きどういうことになるか、よく注意していきたい。』

今回は「甘いささやきには乗らない」というような迷言は残念ながら(^^)出ませんで誠に結構でございますが、要するに「量的緩和政策は継続するぞコノヤロー」といいつつも作用副作用問題に関しては模範解答をし、当座預金残高に関しては「量的緩和の枠組みと言っているのは、所要準備額を超えて、市場に対して思い切った流動性を供給するという枠組みのことを言っている。」という表現を使っておりまして、「思い切った流動性を出す枠組みなのだから絞るという選択肢は無い」とも読めますし、「結果として潤沢な流動性になっていれば量的緩和の枠組みは達成できている」とも読める所でありまして、お上手にかわしたという感じですな。

恐らく金利上昇熱望の短期市場関係者は「副作用問題に丁寧な言及をしている」のをネタに「当座預金残高引き下げの可能性は大有り」と宣伝しそうですが、マネタリストの皆様を説得するのは大変という問題がありますんでそこんとこヨロシクです。


#その他の質疑に関しては(相場でネタが無ければ)明日にでも。






2005/01/19

お題「昨日の続き/とある記事から」

例によってまとまって無いのですが。

○金融改革プログラム(続き)

昨日ドラめもんでご紹介した金融改革プログラム。最後の方でこんな事を申しあげたのですが。

<昨日のドラめもんより>
この「金融改革プログラム」に出ている施策ってやたらと個別具体的な「偽造カード犯罪等の金融犯罪防止のための対策の強化・徹底」などという話があると思えばその並びに「金融商品・サービスにおける情報の有用性に配慮しつつ、情報の適正な保護を図る具体的な個人情報保護ルールの明確化」と何の事かよ〜わからん漠然としたお話があったりと、何かこう「?」なものを感じてしまいますな。どうもそういう点も含めまして、このプログラムって妙に読みにくいんですよね。

↑何で読みにくいのかについて読者様から鋭いご指摘を受けました。この金融改革プログラムのアクションプログラムなんですが、書いてある事(施策)が「とりあえずこれをやっておくべきでしょう」というようなものをてんこ盛りに盛り込んでしまって、施策の総合的な整合性といった面への配慮が欠けているのではないか?というご指摘でして、確かに言われて見ればそんな感じが致します(^^)。

よくよく考えれば、繰延税金資産の計上とその否認に関る「梯子外し攻撃」もやっている事の一つ一つはそれなりに理由のあるご尤もな施策ではありましたが、全体を通してみると「金融庁に突如梯子を外された」という話になっていた訳ですわな。ま〜繰延税金資産に関してはその間に金融庁の基本方針がだいぶ変わっているので「途中でこりゃヤバイと思えよ」とは思いますけど。

暫く前のドラめもんで「官製の罠ですか?」などと悪態をついたように、不良債権処理をはじめとして金融庁から色々な施策は出てくるのですが、出てくるガイドラインが何とも曖昧でして、その上後から「先端の金融技術を使った取引に関して重点検査」と重点検査を示唆するような話が日経新聞あたりで報道されちゃったら金融機関経営サイドとしては「梯子外し」を恐れてよー手を出しませんわな。大勢に影響がない案件以外では。

だからこそ金融機関がややこしい債権を産業再生機構にぶちこみに行くのかな〜などと思う次第であります。


○「当座預金残高目標引き下げに関するアンケート」を見て

昨日ロイター通信が市場関係者(債券、短期、株式、為替の各市場)とエコノミスト合計29人に「日銀の当座預金残高目標引き下げに関するアンケート調査」を行ったそうで、その内容が日本語版ロイターの14:03発の記事として配信されました。

で、内容に関しての詳細はロイターのニュースを見ていただきたい訳ですが、この結果を見た印象をいくつか。

・やっぱり「引き締め」扱いにされるわな

「当座預金残高目標を引き下げた場合、市場は金融引き締めのステージ入りと判断するか」という問いには「する」が17票で「しない」が9票となっておりまして、記事によりますと「しない」と見ている人のほとんどが短期金融市場関係者だようです。

記事では大和総研の奥原主任研究員のコメントとして「当座預金残高の引き上げは緩和措置と解釈されているので、その逆の当座預金残高の引き下げは引き締め措置と解釈される」というのがございましたが、ま〜当然の解釈ですわな。残高目標引き上げのときに緩和措置の振りをしながらやっていったツケがここへ来て回ってきている訳でして、誠に香しいものを感じる次第であります。

あちこちで指摘されてますが、もともと当座預金残高目標の引き上げに関る言い訳もその度ごとに違う(イラク戦争だのSARSだのりそな問題だののショックに対する流動性供給強化ってのと、郵政部門の公社化に伴うテクニカルな引き上げと、景気が回復しているのに残高目標引き上げっていう「押し上げ介入」がございます^^)ので、言い訳を今度も使い分けて説明するんでしょうが、残念ながら短期金融市場以外では「引き締め」という解釈をするようで、日銀さま残念無念と言ったところでしょうか(^^)。

このニュースが出た後に読者様にもお伺いしたのですが、やはり「引き締め」と解釈する人が債券市場関係者やら海外投資家などには多いでしょうというのが結論のようでして、テクニカルに残高を減らすのも一苦労のようですな。

元々やっている政策の意味を曖昧にして外部(というか官邸というか)からの政治的圧力をかわしたり、原則を曲げていないように見せかける(最後の方の当座預金残高目標引き上げは岩田副総裁が指摘するように「非不胎化介入」でしょと思うのですが、それは認めたくないらしい。東短リサーチの加藤氏のレポートを見ても再三再四「これは非不胎化介入ではない」と主張してる所をみますと^^)のが良くも悪くも福井日銀クオリティだったのですが、上で申しあげたように、量的緩和政策の出口をどうやってつけていくかというこの時期になって今までの曖昧にやってきたツケを払っていただこうではないですかってなもんですなぁ。


・相変わらず誤解している人がいる訳ですが

ロイターの当該記事によりますと、債券市場関係者である都銀の人のコメントとして「引き下げの延長線上として国債買い切りオペの減額がイメージされ、そのリスクプレミアムが上乗せされる可能性が大きい」というのがあったのですが、債券市場の中でもアクティブに動くためにマーケットインパクト最大級の都銀のお方(全員がそうではないでしょうか)がこ〜ゆ〜理解でおられますと益々当座預金残高目標をいじるのが大変ですなぁという印象を強くすると同時に、「こういう認識ではちょっとCPIが上ったら債券慌てて売りに出すわな」ってちょと納得しちゃいました(^^)。

ご存知のように、福井日銀体制になってからは当座預金残高目標の引き上げに長期国債買い切りがリンクしておらず、速水日銀時代に引き上げた「月額1兆2000億円」から増えておりませんわな。という事は速水さん時代の(確か)5兆円+郵政事業の公社化に伴うテクニカルな引き上げ分5兆円であります「当座預金残高目標10兆円」までは当座預金残高目標の引き下げに長期国債買い切りリンクさせる必要なしという事になりますな。それ以前の問題として成長通貨の供給が命題の長期国債買い切りなので当座預金残高目標とリンクさせるのがどうかと思う訳ですが。

まぁこのあたりの経緯も量的緩和政策の長期化ですっかり忘却のかなたに去ってしまったようですな。ついでに悪態をつけば、これもまた「政策にあえて明確な意義付けを行わなかった福井日銀クオリティ」のツケが回ってきたって事なのかもしれ
ませんな。


・正直すぎるのも如何なものか(^^)

ど〜でもいいのですが・・・・・

記事でバークレイズ銀行資金証券部の箙氏のコメントとして「短期ゾーンのイールドカーブが立つのは、収益機会の創出と市場活性化につながり、短期資金関係者には歓迎される」ってのがご紹介されておりました(^^)。

いやまさにその通りなんですが、そ〜ゆ〜事は思っていても公衆の面前ではコメントしないのがオトナの対応というものでして(笑)、ただでなくさえ「市場関係者は金融政策に関してポジショントーク(と言えばまだ良いのですが、普通は自分たちの利益のために・・・って言い方されます)をして誠にケシカラン」と学者先生(特にリフレ派と言われる人)たちに言われている訳でして、まぁ如何なものかと(^^)。



・結局テクニカルな訳で

このアンケートで一番ウケたのは、「当座預金残高目標を引き下げた場合、各市場への影響は」って部分でして、複数回答可になっているのですが、円高、円安のどっちになるかというところの回答が、円高円安どっちも3票と同数(^^)。

まぁ要するに解釈がムツカシイというかその時の外部要因によって反応が違うでしょってことなんでしょうが、意見が真っ二つな上に、そもそも29票中6票しか為替市場の反応にコメントしていないって事は、「よーわからん」という事なんでしょうね。


ま、当座預金残高目標の引き下げをテクニカルに実施するだけでも相当の困難がありそうですな〜というのが良く判るアンケート記事ではありました。





2005/01/18

お題「ちと古い話ですが金融改革プログラム」

年末(12月29日)に金融庁ネタとして何か「それのどこがどうリレバンなんでしょうかねぇ皆様作文ご苦労さん」としか申しあげようが無い「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況」をご紹介して、ついでに「ああ相変わらず金融庁様は各銀行横並びでやらせるのね」という「決済用預金の導入に向けた金融機関(業態別)の準備等の状況の公表」ってのをご紹介しましたな。

で、よくよく思い返してみるとあたしゃー「金融改革プログラム」に興味があって金融庁のWebにお邪魔した訳でして、「金融サービス立国」といういきなり「立国」ですかと素晴らしいキャッチフレーズが出ている資料をちょっとだけ拝見しましょう。
http://www.fsa.go.jp/news/newsj/16/f-20041224-6.html

○心意気は壮大で文章が妙に硬い(^^)

『これからの金融行政は、「安定」から「活力」へというフェーズの転換を踏まえつつ、利用者の満足度が高く、国際的にも高い評価が得られるような金融システムを「官」の主導ではなく、「民」の力によって実現するよう目指す必要がある。我々はこのような取組みを敢えて「金融サービス立国への挑戦」と名付け、そのためのプログラムをここに策定した。』

さすがに「金融サービス立国」というのは現状からの乖離が激しすぎるので「敢えて名付けた」という事のようでして、ちょっとだけ安心。でまぁそれはそれで良いのですが、この「はじめに」の文章が妙に生硬な印象を受けるのは(単にあたくしが金融庁作成の文書を読みなれていないせいなのかもしれませんが)気のせいでしょうか??

「はじめに」の冒頭部分を引用しますとこうなるのですが、ど〜も硬い気が。

『わが国の金融システムを巡る局面は、「金融再生プログラム」の実施等により不良債権問題への緊急対応から脱却し、将来の望ましい金融システムを目指す未来志向の局面(フェーズ)に転換しつつある。「金融システムの安定」を重視した金融行政から、「金融システムの活力」を重視した金融行政へ転換すべきフェーズと言っても良い。また、金融のIT 化が進むとともに、経済社会全体においてもインターネット取引の比重が高まっている。今後の少子高齢化、経済のグローバル化の更なる進展に的確に対応し、わが国経済の持続的成長に資するためにも、構造改革の一環としての金融改革の具体的プログラムを以上のようなフェーズの転換に即して考える必要がある。』

今気が付いたのですが、上記段落内での各文が一つ一つ完結していて、話がブツ切れになっている(ように思える)のが読みにくい原因かと(^^)。英語版の方が読みやすいとはこれいかにという感じですな、あっはっは。

それはともかく。


○「リスク管理の高度化」ねぇ・・・・

まぁ細かく読もうとすると色々と債券市場にも宿題がありそうなプログラムではありますが、とりあえず目に付くのは「バーゼルU」に関する言及でございますな。

日本語資料の7ページ部分に『金融機関のガバナンスの向上とリスク管理の高度化を通じた健全な競争の促進』ってお話がありまして、「ああまたリスク管理ですか」ってものなんですが、その辺にこんな事が書いてあります。

<ここから引用>

金融機関のリスク管理の高度化を促すとともに、不良債権問題の再発防止のためのルールを整備し、主要行の不良債権比率が17 年3 月末時点の水準以下に維持されるよう、最善の努力を求める。また、各金融機関において収益性や健全性を示す財務指標や外部格付けが一段と向上することを目指す。

○バーゼルU(新しい自己資本比率規制)の導入に向けた金融機関のリスク管理に関するルール・態勢の整備及び検査・監督当局の体制整備

○ 早期警戒の枠組みの一層の活用
・銀行勘定における金利リスク等、自己資本比率の算定に含まれないリスクの適切なモニタリング等

○ 主要行のリスク管理の高度化
・バーゼルU導入を踏まえ、主要行に対しリスク管理高度化のための計画の策定を要請
・大口与信管理態勢や債務者企業の再建計画の検証
・主要行の自己査定と検査結果の格差に係る業務改善命令の発動等・繰延税金資産の自己資本への算入適正化ルールの検討

○ 証券会社・保険会社のリスク管理の高度化
・証券会社の自己資本規制の算定方法の見直し
・保険会社のソルベンシーマージン比率の見直し、新しい保険商品に係る責任準備金積立ルールや事後検証の枠組み等、財務関連ルールの整備

<引用終了>

まー結局のところ「バーゼルUの考えを金融機関全部に適用していき、ついでに皆様をせっせと監督しますので一つよろしく」と言っているように読めますな(^^)。


んじゃあ「バーゼルU」が導入されるから金融機関のリスク管理がより精緻になるかと言いますと、確かに表面的には精緻になるんですが、実態を反映した精緻さになるかというとこれがまた疑問のかたまり。以前から悪態をついておりますように、バーゼルU自体色々と政治的妥協のようなことをやっていると思しき節がありまして(昨年の6月30日のドラめもんで申しあげた事の繰り返しになりますが)、中小企業向け貸出金に対する所用(追記:「所要」ですな)自己資本が何故か少なくなってしまうという不思議なことがある訳ですな。

『バーゼルUの枠組みは、信用リスクがより高いと考えられる債務者についてはより高い水準の所要自己資本額を課すという手法を全般的に適用することにより、信用リスクに対する自己資本の枠組みの感応度を高める。』

ってのがバーゼル委員会のプレスリリース「編集者のための解説」って所にあるのですが、何故か中小企業向け貸出金は「小口分散によるリスク軽減効果を考慮して、所要自己資本額を軽減」(日銀あんど金融庁の出した「新BIS規制案の概要」って資料のあたりに説明があるのですが)という不思議な扱いになっておりまして、http://www.boj.or.jp/intl/04/data/bis0410c.pdfあたりの資料の3ページ目くらいを見ますと、「標準的手法」によってリスクウェイトを算出すると大企業向け貸出金のリスクウェイトの方が中小企業向け貸出金(追記:一件あたりの上限額が設定されています)のリスクウェイトが高いという極めて意味不明の状況が発生しておりますわな。

債券ポートでも同じような訳のわからん事態が発生しておりますのは皆様ご存知の通りで、何故か変動利付債券の金利リスクが「利息変更サイクル期間が満期の固定利付債と同じ」という状況になってまして、長期金利にフロートしてようと短期金利にフロートしてようと金利リスク量が同じとなっているという実に心の温まる規定がございまして、本日入札が予定されている変動利付国債の人気が絶賛大沸騰しっぱなしとなっている訳ですな。既に市場に「制度による歪み」が発生している好事例(というか悪事例)となっているのが実に素晴らしい。


○地域金融機関にも「バーゼルU」だそうで

「U.地域経済への貢献」って所に「中小・地域金融機関の経営力強化」って部分があるのですが、そこを見ますとこんな件が。

○ 中小・地域金融機関のリスク管理の高度化やガバナンス向上に向けた取組みの促進
・バーゼルUの導入、選択制の下での内部格付け手法の採用

っつー訳でして、何で地域金融機関に対してバーゼルUを適用してどうのこうのという話をするのか相変わらず理解に苦しむ(国際展開する訳でも無いのに、わざわざそんなややこしいものを適用する必然性はあるのか?)のですが、こ〜ゆ〜事を言っておる(まぁ大体こうなるのは方向性として以前から打ち出されておりましたが)とすれば、中小・地域金融機関に対しても金利リスクの計測だの標準的な金利ショックに対する想定損失の算定だのといった七面倒くさいことが求められる事になる訳で、誠にご愁傷様でございます。

面倒になってフローター債ばかりがアフォのように売れるような事態になりそうな悪寒が致しますわな。


○余り関係ないですが・・・・・

まぁおまけなんですが、この「金融改革プログラム」に出ている施策ってやたらと個別具体的な「偽造カード犯罪等の金融犯罪防止のための対策の強化・徹底」などという話があると思えばその並びに「金融商品・サービスにおける情報の有用性に配慮しつつ、情報の適正な保護を図る具体的な個人情報保護ルールの明確化」と何の事かよ〜わからん漠然としたお話があったりと、何かこう「?」なものを感じてしまいますな。

どうもそういう点も含めまして、このプログラムって妙に読みにくいんですよね。ついでに申しあげると、金融庁のWebってのもまた読みにくいデザインになっておりましてなれない人には情報探しにくいったらありゃしないので改善をお願いしたいものです。

ちなみに、バーゼルU関係資料はhttp://www.boj.or.jp/intl/05/intl_f.htmのあたりに資料が纏まっております。




2005/01/17

お題「金曜の相場後講釈/当座預金残高目標どうしましょ?」

○相変わらず方向性が出てくれない相場

先週末の債券市場は米国市場の株高債券安ってことで当然ながら買い先行でスタートになったのですが、金曜の朝のドラめもんで申しあげたように、10年新発も5年新発も業者の持ちになっている(要するに売れ行きがスロー)となっているところでの相場上昇って事でお馴染みの債券先物独歩高モードになりました。

まぁ木曜日の引け味があまりにも宜しくなかったので、基本的に業者のヘッジが先物に結構入っていたと思われる状況で先物独歩高攻撃をされると業者はヘッジの買戻しを先行させるしかございませんなぁってなもんでして、益々先物独歩高になってしまう訳ですな。

少々買いもあったのでしょうが、相場上昇で10年新発債が1.35%をマークしちゃうあたりでは戻り待ちのヤレヤレ売りまで出てしまったようで、尚の事現物ポジションが重くなり業者青息吐息の図。

・・・・そこで出てくださったのが目を疑うような強い数字になった機械受注でございまして、マーケットが何となく「仕方ないからロング気味」になっていた所に出たサプライズはさすがにインパクトがありまして、指標発表後からの先物の下げは約50銭と久々に動いてくれました。

10年1.40%まで相場が下落したところで買いも入って反発して相場は終了しましたが、終わってみれば場中延々と先物一人旅だった相場は一転してごく普通のイールドカーブになりまして、現物ポジションが重くてヒーヒー言っていた業者(対顧やっている人)にとっては「天の助け」としか申しあげようがない相場展開でありました。


と、相変わらず相場の後講釈をしているのですが、先週末の相場で受けた印象がいくつかございまして、箇条書きすると・・・・

・まだまだ「昔の捕まった玉」整理は残っている
→10年新発債が節目(1.4とか1.35とか)を抜きに行く度に現物債に売りが出てくるようですな。出てくるのはロークーポン銘柄と直近発行銘柄の合わせ切りみたいな感じだったりするのですが、まぁ昔のロークーポン物に関しては期間収益の足を引っ張るので懐具合見ながらまだ売ってくるようで。

・とは言え相場は中々下がらない
→じゃあ上らないなら相場が下がるかと言いますとこれがまた下がらない訳でして、金曜日も結局あっさり10年1.4%とその前の週の安値1.42%なんぞ全然見る事も無く反発を相成りました。「捕まった玉の整理」をしても結局その資金は債券買わないと行けないので下がると買いが入ってくる訳ですな。

・業者は現物債の持ちが高水準になっているようで
→上に書いたとおり。何だかんだと言って相場上昇で先物ばかり強くなるのは業者の現物持ちが多いからでしょう。


まぁ運用資金の余りまくりVS新発債絶賛発行の綱引きという図は引き続き変らんようで、折角金融緩和して国債も発行しているのにその資金は結局債券市場に大幅に戻ってくるというのは相変わらずのようでございますなぁ。1〜2月って妙に債券相場強い事が多いのですが。




○当座預金残高目標維持大丈夫?

まー既にあちこちで話題になっておりますが、年明けから日銀の行う公開市場操作のうち、短期市場に資金供給をするオペレーションで「札割れ」が連発しておりまして、年明けから既に6回も札割れ。短期国債買入まで札割れになってしまい、恐らく手形オペ以外では何でも札割れしちゃうんじゃね〜のって勢いでございます。

年末年始に運用を控えていた資金が短期市場に流入したり、新規の運用資金が入ってきたりしているのも有るんですが、まー要するに当座預金残高目標の維持が益々しんどくなっているという有様ですが、4月にペイオフ完全解禁(抜け穴ありですが)を控えてまさかここで当座預金残高目標を減らす訳にも行かないでしょうから、ご苦労な事ですなぁとしか言いようがありません。

じゃあ4月のペイオフ解禁を通過した時点で景気腰折れ懸念が無ければ当座預金残高目標を引き下げられるかと言いますとこれがまたムツカシイ。

と申しますのも、相変わらず「デフレは通貨的な問題」(いやそれはそうだけど金融政策単体でデフレ解消できないから困ってるんでしょ)と毎度毎度同じお話をする竹中大臣並びに岩田副総裁がででーんと構えておりまして、この「そもそも意味の無い超過準備なので目標を引き下げても全く問題が無い」という当座預金残高目標引き下げの実施も政治的説明が物凄く困難ではないかと思う訳です。所謂「リフレ派」の巣窟になっている某匿名掲示板(有名な某巨大掲示板ではありません)での論議をROMっておりますと、「デフレはマネーの現象だからデフレ解消は金融政策で」という人たちを説得するのは(前提になっている「デフレはマネーの現象」が正しいだけに)大変だと思う次第。

日銀としては、恐らくマーケットが「当座預金残高目標を引き下げすべし」という大合唱状態になって雰囲気を盛り上げて「援軍」になってくれないと当座預金残高目標の引き下げがど〜のこ〜のって話を持ち出しにくい所でしょう。いざ当座預金残高目標引き下げたら長期金利大上昇の株価下落なんて話になったらシャレにならないですしねぇ。

って事で、まー相場が動意付いてくれないと業者としては商売があがったりだし、少々の金利上昇の方が商売やりやすいし運用サイドも投資環境の改善になるでしょうから、この調子で債券相場がうだうだと値持ちしていると、次の商売ネタとして「当座預金残高目標引き下げ議論」が盛り上がって来るかと存じます。結局空騒ぎに終わるのでしょうが今年前半はこの話が何度か浮上してくると思いますよ(^^)。

ただ、当座預金残高目標引き下げは@技術的に言えばまぁ意味が無い(為替介入をまたおっぱじめれば話は別だが)し、Aそもそも竹中大臣をどうやって説得するかという政治的問題があり、B間違って景気腰折れのトリガーを引いてしまうとシャレにならない、という大いなる問題点がありますので、そもそも実施困難であり実施しても無意味だという事を忘れずに対処したいものです。

ではでは。



2005/01/14

お題「イールドカーブ大暴れ/まだまだ景気に強気な福井総裁」

この時期お得意のネタなし状態(通常国会前ですしね)。どうも貸出資金動向なんぞを真面目に分析すると面白いらしいのですが、分析する時間も無いし、そもそも普段みていないので分析不能(汗)。で、久々に大暴れ相場(詳細はこの下^^)状態でしたのでネタは相場講釈になってしまうわけです。あっはっは。

○5年国債入札レビュー

あんまり書くネタが無いとついつい相場講釈&後講釈になるわけですが、昨日の相場は先物ベースでの値動きは大したことありませんでしたが、やたらとよく動く相場でした。

業者間気配の推移を見ますと、「朝一番(または前日の余波)に20年ゾーン中心に買いでブルフラット商状」→「フラットニングして20年2%割れ(高値1.99%)までマークしたところで10年か20年かよく判らんが長期ゾーンに売りご登場でフラットニングあっさり終了」→「急に4年前後の中期ゾーンの債券が売り物がちになる」→「前場引けに掛けて4年〜5年ゾーン中心にヘッジ売り合戦で、何と下落してるのにイールドカーブ上先物よりも5年の方が安く、10年も安い」と、ここまでが前場。

入札の札入れが終了した後場寄り付きから前場引けでボロボロだった中期ゾーンがそっくりそのまま5糸(=0.5BP)堅調になり、「ああ入札は悪くないのね」って安心感が広がるものの、何故か戻るのは先物ばかりなりとなりました。で、落札結果はまぁ前場引け時点での最終出合い値(一応オファー残りにしていた)の2銭上が平均で最低落札は前場引け時点での1銭上の99円72銭しかも按分97%でして、入札参加者にとっては正に想定通りドンピシャリの落札結果が得られるという誠に穏当かつ妥当なものとなりました。

で、毎度お馴染みの絶賛トップ争い大手業者2社様が5000億だの4000億だのと大量にご落札されていた事もありまして、益々安心感が出てきたのか相場はじり高になったのですが、長期債は相変わらず売り物勝ちで、中期債も第U非価格競争入札が構えている関係上こちらも売り物が待ち構え状態で、先物だけ何故か独歩高状態。何せ前日比先物がプラス圏で推移しているのに現物の業者間気配は先物周りのゾーンを除いて悉く前日比安いという素晴らしい相場になってしまいました。

で、引けタイムが近づくにつれまして「やっぱり新発売れて無いじゃん」というお話になって来ましてヘッジが入って先物を下げて取引終了でした。

まー現物の気配というかイールドカーブがこれだけ乱高下したのも久し振りでして、前場途中まで5年の入札どころの騒ぎではなく、長期債や超長期債のポジションを物凄い勢いでメンテナンスしておりました(^^)。


で、何も無ければ「やっぱ5年新発は売れてないようだし、大体10年新発も重そう(昨日もまた長期ゾーン最弱銘柄の名をほしいままにしておりました)だからちょっと週末ポジション調整で先物売り先行ですかな」って事になる筈だったのですが、海外市場で原油高だのイニシャルクレームの予想外の悪化(というか申請者数の増加というべきか)だので米国長期債が買われて米国株式は結構売られるという状態で戻ってきたので、またまた先物独歩高の悪寒がしますなぁって所であります。10年も5年も新発国債は業者の持ちに残っているようですので、相場上昇時にはどうしても先物独歩高になりそうですなぁ。


○日銀支店長会議における総裁挨拶

まー基本的に支店長会議の総裁挨拶ってのはあまり見ないんですが、一応来週金融政策決定会合があって4半期ごとの展望レポート中間レビューもあるので見ちゃいますと、これがまた例によって例の如く景気には強気な福井総裁な訳でございます。市場との景況感の乖離は相変わらずですな。
http://www.boj.or.jp/press/05/siten0501.htm
基本的に言ってることは先月の金融経済月報と同じでして、一々引用する程の事はありませんが、要点だけ箇条書きするとこんな感じ。

・景気は生産面などに弱めの動きがあるが回復基調継続
・先行きも景気回復は継続
・IT関連分野の在庫調整の行方や原油価格の影響に注意が必要
・海外経済の拡大、企業の構造問題の解決、不良債権処理の進捗が景気をサポート
・国内企業物価は商品市況高や需給環境の改善から上昇
・消費者物価は企業部門の生産性上昇や人件費抑制もあって小幅マイナス・量的緩和政策の緩和効果は景気が回復基調にあるのでより強まっている

まー大体いつもと言ってる事は同じなんですが、あたくし的に気になった部分は、

1.「雇用環境に関して改善傾向が続いて家計部門では個人消費は底堅く推移」ってくだり(箇条書きに書いてませんな^^)。家計部門に関しては単に2極化が進行している(平均を取ると改善だろうが)だけのような気もしますが、予定されている家計部門への実質増税に関する効果に関して相変わらず言及が無いのがどうなのかねぇと。まー言及すると政治から文句が来るでしょうから福井総裁は触れないんですが。もしかして素で懸念してないのかも。。。

2.わざわざ項目を分けて言及した「量的緩和政策の緩和効果がより強まっている」というところ。金融経済月報では言及してませんが、記者会見で折に触れてこの話をしているのでこれまたまぁ驚く話でも何でもないのですが、量的緩和政策の長期化による弊害がど〜のこ〜のという方が新しく審議委員に就任した後でもございますのでいつもと同じ話でもちょっと気になる訳です。

てな感じです。

で、景気の現状認識に関しては先ほど申しあげたように12月の金融経済月報から(12月17日発表ですな)変化がなく、どっちかというと景気に関して強気ではないあたくし(企業業績に関しては比較的強気だが^^)としては「相変わらず往生際が悪いのぉ」ってなもんです。恐らくこの調子では来週の金融経済月報は12月とほぼ同じものになりそうな予感が致します。


では〜(^^)/~~





2005/01/13

お題「5年国債入札/債券相場に対するよくある誤解」

○5年国債の入札な訳ですが

毎度毎度のお話で困ったもんだって感じですが、入札前に債券相場がじりじり上昇致しまして本日はそもそもクーポンが0.5%になるのか0.6%になるのか判らんという状況にまでなってしまいました。まー今回の上げの原因ははお馴染みの「嫌がらせ的先回り買い」ではなさそうなので話はやや違うようであります。

とは言いましても、今回の5年国債は0.5%台前半になるでしょって状況ではてどうしたもんかと思います。フツーだと売れそうも無いのですが、無理矢理セールスポイントをこじつけるとこんな感じになるのでしょうか。

・短期ゾーンの需給が良好
→年末にやや崩れた感のあった短期ゾーンですが、年明けからまたまた運用圧力が復活してきて、国債買現先オペで派手に札割れをしてみたり、FBの入札は良好と行った事で、2年国債のカレントゾーンあたりも堅調になっており、短期資金潰しのニーズは高そう。

・15年変動利付国債との比較
→来週の入札を前にやっと気が付いたかのように変動15年国債が今月利払い物(=次回利払いの基準金利が1.39%でめでたく確定しちゃったので向こう半年のパフォーマンス低下が確定した銘柄群)を中心に売り物勝ちではありますが、まー今のところは発行αが100位になりそうですなぁという状態です。15年変動利付国債の初回クーポンが0.4%を割りそうな勢いで、じゃあ5年債は幾らよ?って言った時にまぁ0.5%台半ばだったら何となくお買い得感が出てくるかな〜という淡い期待。実は15年変動利付国債が割高なだけだという説も少々ありますが。

まー後は今週になってから見事に上昇してくれた債券相場の背後にある運用圧力というか新規資金流入というか、ですかねぇ。


相場が動かないと商売あがったりなのは業者でありまして(まぁ何とかテキトーに商売ネタはございますが)、「相場動けや」って思いも込めているのか最近は妙に「ペイオフ通過後に当座預金残高目標の減額」ってお話があちこちで盛り上がるという日銀大喜びの図が展開されております。当座預金残高目標を減額するとまぁTBFBあたりの運用圧力が少々落ちてくる可能性はありまして、回りまわって中期ゾーンに影響してくるという「良い金利上昇(というのか??)」の図というのも想像される所ではありますが、まぁど〜せ「当座預金残高目標減額」の話が出てくるのは3ヵ月後以降の話ですんで、今買っていても何とかなるでしょ(実は何とかならないのが相場の恐ろしいところですが^^)って事で中期債は買えないことも無いでしょう。あっはっは。

ちなみに、入札に関しては事前ヘッジはそこそこやっているかも知れませんが、本日相場持ち上げの刑が起こると前回の10年新発国債のような破目になりかねない(というかなる)と言った所でしょうか。前場に相場が下落すれば無問題です。なお、0.6%クーポンで発行(この場合既発の5年42回債リオープン)になった場合は(業者としては)良いのですが、0.5%で新発債発行となった場合は、42回債のショートがそこそこ業者に溜まっているようなので、5年カレント2銘柄の間で下らん需給の歪みが発生して対顧売買を担当する中期債担当ディーラーの頭が痛い日々が始まりそうですな。当然ながら需給関係が42>>43となる訳ですが。

という訳で、こんな水準で堅調な入札になるのは甚だ遺憾ですが、ど〜せ堅調入札になるんでしょ。相場持ち上げ攻撃になるとまたも遺憾の極みですし・・・・・(-_-メ)。


○債券市場に対するよくある誤解

一昨日のことですが、別のお笑い記事(いやまぁ日経さまにおかれましては真面目に書いているんでしょうが)を見るために日経金融新聞1面コラムの「複眼独眼」を拝読したのですが、執筆者の「一葉」氏が「郵政民営化と国債消化の調和」ってお題でコラムを書いておりまして、郵政民営化と国債消化の配慮をどうするのって話がありました。書いてある論理展開が何を言いたいのかさっぱり判らんという突っ込み所満載コラムなのですが、それはともかくとしてこのコラム執筆者も債券市場に関してこんなコメントをしている訳です。

『債券市場関係者は、不景気になって金利が低下することを喜び景気回復による金利上昇を嫌うという「あまのじゃく」だ。彼らは、郵政民営化によって国債相場が弱くなると困るだろう。』

随分前にご紹介したバーナンキ氏の講演録「リフレと金融政策」でも高橋洋一氏による解説部分でも『彼ら(=金融・市場市場関係者)がインフレ目標に反対する理由は、インフレ目標が採用されると名目長期金利が上昇(フィッシャー効果)し保有債券の評価損が生じると信じられているからであるといわれている。』というような件があるように、この説は恐らく外部の方々(リフレ政策を提唱するお方に目立つのは気のせいかもしれませんが)の間ではまず「定説」化している話でございます。

でも本当にそうなのかと申しますと、これがまた違うんですよって話でございますわな。以下債券市場関係者には「あたりめ〜だろ」って言われそうな話ですが・・・・

保有債券の評価損がど〜のこ〜のって話は勿論問題なのですが、株式のような資産と違いまして、現在国内で流通している債券っつーものは基本的に満期が来れば(発行体が破綻しない限り)償還されるものでして、正直「保有債券の評価損は時間が解決する」ものでありまして、これが株式だの不動産だのといった投資対象と根本的に違うところ(株や不動産ではバブル崩壊以降「耐えていれば何とかなる」と耐え抜いた挙句に再起不能になったお方が沢山おいでな訳ですが)でして、破壊的な金利上昇(連日債券先物ストップ安とか)でも起きれば話は別ですが、少々の含み損などというものは「そのうち何とかなるだろう」ってなもんです。

でですな、債券と言う商品は期限が来ると償還されて現金が返ってくるという(おまけに保有期間内に利息がチャリンチャリンと入って来る)商品特性上、常に債券での運用には「再投資リスク」っつーのがある訳でして、少々の金利上昇が起きると「運用環境が改善された」という話になるのでございます。基本的に「利息をつけて預かっている資金の運用」を行っているので、運用利回りというものを叩き出さないといけない訳でして、相場が上ったからといって手持ち債券を全部売って利益確定するなんて事はできん訳ですよ。

そんな訳で、債券市場関係者と致しましては、金利上昇必ずしも困る話ではなくて、正直その速度がのんびりであれば無問題だし、却って有り難いと言うのが普通の見方でございましょう。大体からして量的緩和政策の長期化で国内債券市場の(使わないといけない資本に対する)収益率が甚だ低下したせいで海外系の業者さまにおかれましては国債(とか金利)部門に対してあちこちで業務縮小の刑を執行して下さったというのもあって正直、金利が上って相場が少々動いてくれないと業者も困る訳ですな。

どうも「金利上昇」→「債券価格下落」という部分にばかり注目されるのは仕方ない面はあるとは言え、誠に遺憾なことでございますなぁ。







2005/01/12

お題「ニュース雑談」

本日はもしかしたら米国株安円高を受けてちったぁ動きが有るかもしれませんが、まぁ相変わらず10年1.4%で5年0.5%台後半で推移しとる間はネタも無くて困りますわな。海外出張にいっちゃった人以外の動きは無いですし・・・・・

○努力の方向が激しく変だと思うのですが・・・・

本間宗久相場三昧伝の一節に「米商いは踏み出し大切なり。踏み出し悪しき時は決して手違いになるなり。」なんてぇのがございますが、あたくしが大いに楽しくウォッチしている木村剛大先生肝いりの日本振興銀行さまにおかれましては、現在の金融行政の迷走ぶりをきっちりと具現化していただいているという意味で実に貴重な存在ではないかと思う訳です。

先日の発表でとうとう木村剛さんが社長に就任(した割には早期に後任を見つけ筆頭株主らしいですが木村さんの持ち株も売るかもとか言っている超越的無責任筆頭株主代表取締役なのは激しく顎が外れるのですが)した日本振興銀行ですが、早速新社長ご就任の1月から「土日も営業(ただし午前中だけ)」という新企画を打ち出したようであります。

・・・・・まるで結果から逆算すると債務超過なのに税金を絶賛投入されたのではないかとの疑惑も高い何故か旧国鉄の人がエライひとになっているどこぞの銀行を彷彿させるような企画なのですが、大手町の本店一つしかない銀行(というかただの商工ローン会社だが)が土日に午前中だけ店を開ける意味がどこにあるのか理解に苦しむのですが、まぁご苦労な事です。


この銀行が掲げる理念っつーかどうやって融資やって行きますかって話を見ておりますと、上記したように現在の金融庁の金融行政にも相通じる(金融検査マニュアルの策定に大きく貢献した木村氏肝いりの銀行なんだから当たり前ですが)訳でして・・・・・・

・担保不足で資金需要のある新興中小企業への融資を行う
・融資先の人物本位で審査を充実する
・無担保無保証融資(結局保証人は徴求しているようですが)

ってなお話を並べると、どうも金融検査マニュアルの香りが大変に漂って来るものを感じまして実に香しい。導入当初「これじゃあ担保不足の中小零細企業にプロパー融資できねぇ」ってなもんで「貸し渋りの原因」と悪態をつかれてから政治問題化。で、その後「金融検査マニュアル中小企業編」が出てきてたり、「リレーションシップバンキングの推進」などという話が始まって益々訳がわからなくなったというか現実離れしてきた訳ですな。

金融庁の仰せになられるリレバンに関しては年末(12月29日)のドラめもんで金融庁「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況について」の悪態をついたのでご記憶に有るかと存じますが、もう物の見事に鉛筆なめなめ状態になってりまして涙無しでは見られない事例発表となっております。

大体ですな、「リレーションシップバンキング」とか言いながら「クレジットスコアリングモデルの活用」を提唱するという時点で既に話が自己矛盾しているので、本気でリレバンを推進する気があるのかそれとも中小企業イジメとの政治的軋轢を避ける為の方便なのかよー判らんのだが、どうも日本振興銀行がやっている(というかやろうとしている事というか)を傍目から見ておりますと、少なくとも木村さんは素に大真面目になって「中小企業金融は金融検査マニュアル中小企業編の如くあるべし」となって現実に実行しようとしたんでしょうなぁと思わせるものがございます。


まぁ現実の壁にぶち当たって精々「金融検査マニュアル」が如何にとんでもない物だったかという事を反省していただき今後の金融行政に役立てる事が出来るのであれば大変に結構ではありますが、ど〜せそういう話にならないんだろうな〜と思うと実に暗澹たるものを感じます。また、銀行批判というかほとんど誹謗言いがかりに近い素晴らしい言説を展開しつつ金融行政に貢献していた木村剛さまがいざ銀行経営に携わった時に「今まで言ってた事とやってる事が違いませんか?」っていう様子(「銀行というのは融資先に個人の連帯保証を求めるのだから、預金に対して経営者が個人保証すべきだ」などと大変にご立派な話はどうなったのかな?木村さん)を見ておりますと、この国の行政機構はどうなっちゃってるんでしょうか?「吏道」ってもんがありませんでしたっけ?などと悲しくなってくる訳でございます。悲しいもんだ。


○青色LED和解問題

青色LEDの新技術が出て本件特許の優位性が無くなったってニュースが出た時点で「そろそろ終結?」と思っていたらまぁ無事に終結。

最初の報奨金とやらがふざけた額だったから話がこじれたんでしょうが、200億円とかいう判決を出した地方裁判所も何を考えているのか1ミリも理解できないというか、何か「新技術」というのを誤解しておられる悪寒。

一審判決を出した裁判官に置かれましては「特許」というのはもしかして「ニュートンがリンゴが落下するのを見て万有引力の法則を思いついた」とかいうエピソードのようなものと勘違いしているのではないかと憶測したくなってしまいますわな。開発ってのは数々の失敗実験という屍を乗り越えて当たりを引くものでございますんで、そりゃ当たりを出した人はエライですが、そこだけ大いに金持ちになるというのは何っつーか技術の進歩の為に試行錯誤している多くの人々の貢献を相対的に軽視してませんかねぇって思うところであります。

まームツカシイ話ではあるのですが、あまり金金やっちゃうと地味だけど重要な基礎分野に人的資源が回らなくなっちゃって、却って技術の発展を阻害するような気が致しますな。

200億円判決が出たときの話の蒸し返しで恐縮至極。


○国債管理政策を担う部署の設立話

竹中大臣が何故か「国債管理政策を別組織化するのはどうよ」って話を先日しておりまして、早速谷垣大臣が文句つけておりました。まぁ英国の歳入管理庁とかの例から思いついたのかもしれませんが、国債管理政策だけ別組織にする意味がさっぱり判らん話であります。

それ以前の問題として、国債管理政策でど〜のこ〜のという技術的な話よりも財政健全化に向けて努力するのが筋なんじゃないでしょうかと思う次第でありまして、どうも「2010年度にプライマリーバランスを達成」っていう話が無理だろって話になる前にお得意の目くらましをするという意図があるんじゃね〜のって憶測してしまうあたくしはやはりひねくれ者なんでしょうな。

問題が深刻化してくると目先の組織いじりとか精神的なスローガンをぶち上げて目くらましをするというのは日本古来の伝統芸とも言えるものですので、まぁこの手の話がごちゃこちゃ浮上する時には碌なことはなかろうと思うのが吉かと。相場云々としてはどうでもいい話ですが。


・・・・てな訳で本日はどうも使いまわしネタの陳列会になってしまいました。正直すまなかった。








2005/01/11

お題「妙にネタが無い債券市場ですが・・・・」

先週末の債券市場は朝から「何でそんなに売るの?」って感じで相場が下落してくれましたが、まぁ「ロング振り落としモード」だったようで、寄り付きかは下がりましたがその後は寄りから5銭しか下落しないで次第にじり高という「振り落とされロングVS実需押し目買い」の対抗戦と相成りました。

・・・・しかし相変わらず理解に苦しむのは押し目買いの入り方でして、確かに10年新発債も買われていたようですが、先週末の相場の戻りは何故か今週木曜日に入札が予定されている5年債に買いが入ったとしか思えない戻り方でした。3営業日後には5年新発債が2兆円出て来るのにそんなに「先回り買い」したいのかねぇと不思議ではあります。(まぁ先週の10年入札前の先回り買いと比較すれば相場が下落している分だけ理解は出来ますわな。それにしても10年入札前日に先回り買いした人って結局いかれてるじゃんよ)

という訳で、入札後ヘロヘロになって「これは一相場発生するかも」とちょっとだけ期待(してませんでしたが^^)させた材料の10年新発国債も目出度く持ち直しまして(入札順調でその後も堅調だったらそれはそれで一相場になったのですが)、結局またもお馴染みの「10年1.4%」に吸い寄せられちゃったので、益々相場の膠着感が強まりそうですな。

相場が膠着して政策当局も動きがあんまり無いのでネタが無い訳ですが。


○総裁のニューヨーク講演(スピーチ)

金曜のドラめもんでは「量的緩和政策のコミットメント遵守を強調したらしい」とテレビニュースを基に申しあげましたが、どうも日銀Webにある英文原稿(しかないのだが)を読む限りでは、量的緩和がどうしたこうしたというような話はしておりませんので、恐らく質疑応答コーナーでのお話だったのではないかと思います。

で、この講演(http://www.boj.or.jp/en/press/04/ko0501a.htm)ですが、話の内容は普段お話していることからあまり変わりばえしませんので、特にどうこうというお話はございませんが、相手がニューヨークの「ジャパン・ソサエティー」って所なのだからかどうか知りませんが、妙に気取っているのが何とも微苦笑を禁じ得ないものがあります。

いきなり題名が「A Tale of Two Cities in the Eyes of a Central Banker」てディケンズの「二都物語」から取っているのが凄いのですが、別に話しの内容は二都物語でも何でもなくて、単に日本経済と米国経済の話(経済と言うか金融セクターの話ですが)をしているだけなので何と申しますか「??」ではあります。で、その調子でスピーチは続く訳でして、何もそこまで気取らなくても良いんじゃネーノとは思うのですが、これもまた福井総裁らしい「サービス精神」によるものなんでしょうか。まぁ草稿作ったのは企画部門だと思いますが、総裁が最終チェックするでしょうし、総裁の意を汲んで一生懸命に名文句を考えたのでしょうなぁと思うと涙が出てきちゃいます。

折角ですから名(迷)文句をテキトーに引用してみましょう。誰ですか?「ネタが無いから引用で増量してる」と言う人は?


冒頭の挨拶部分

『The purpose of my visit to New York in this frigid season is to commemorate the 100th anniversary of the Bank of Japan's representative office.』

別にthis frigid seasonって一々言わんでも・・・と思うとこれが次への前振り(^^)。

『Some of you might feel disinclined to listen to me, as central bankers tend to harp on the same string. But I can assure you that my speech here will prove to be a lot warmer and more humane than the freezing air outside.』

・・・・・・・・・(^^)。この次の段落まで「this frigid season」でネタを引っ張るのが凄い。

『Ladies and gentlemen, the world economy is in fact a lot warmer than a year ago.』


日米の金融セクターについて話をする前振り部分

『There is always a Japanese way of business like there is an American way of business, a French way, an Italian way, and a Chinese way. In fact, such diversity makes the world very rich, in the same way as we enjoy Japanese food, Chinese food, French food, Italian food, and American hot dogs and hamburgers.』

何っつーかまぁちょっとずつシャレたフレーズを入れているのが福井総裁スタイル。


日本の金融セクターのお話なんですが・・・・

『After a decade-long hardship, however, a silver lining has finally emerged on Japan's financial horizon.』

文学的(なのか?)な表現がお好きなのは日本語の時だけではないようです。


まぁ相手が一般向け(そもそもジャパンソサエティーって聴衆の半分くらいは日本人だというお話を人から聞いたのですが、日本語でも良かったんじゃないんですか?)なので文章を捻ったのかもしれませんが、妙に気取った講演ではございました。


○補足シリーズ

てめぇの備忘録でありますWebの方には既に書いておいた補足を2つほど。

・10年国債入札に絡んで

今回の10年国債入札の応札倍率が4倍とまぁ普通の倍率になりました。確かに少々ニーズが少なかったというのもあるようですし、ほぼ一本値に近い入札だったのも影響しているかもしれませんが、「まぁ普通の応札倍率」になった理由の一つに財務省が先日発表した「年限種類別の落札順位と応札順位の発表」が影響して「明らかに無駄な札」が入らなくなった(誰が無駄な応札をしているのかバレバレになって市場に健やかな笑いを引き起こしたから)のかもしれませんな。かなり楽しい憶測ですが。

・「経済論戦の読み方(田中秀臣著)」に関して

田中氏が本著書で『FRB理事のベン・バーナンキらは貨幣発行益を用いた減税政策を勧めている。』って書いて、そのあとに『貨幣発行益を用いれば、赤字国債の発行も増税も不要なので、財政赤字問題を悪化させることはない。』って述べている点に関して、バーナンキ氏の講演録の訳本「リフレと金融政策(高橋進訳)」で紹介されている2002年11月の講演で『通貨創造を財源とする減税は、ミルトン・フリードマンの有名な「ヘリコプター・マネー」と本質的に等しいものです。』と言及してまして、ご丁寧にも脚注で『通貨創造を財源とする減税は、債券発行で財源を調達した減税にFRBによる公開市場操作での証券買い入れを組み合わせたものと同じである。』と言及しています。

で、この脚注をあたくし「高橋さんが入れているんでしょうね」などと書きましたが、実はこの脚注はバーナンキ氏の講演原稿としてFRBのWebに公開されておりまして、高橋さんが挿入したものではありませんでした。失礼致しました。
http://www.federalreserve.gov/boarddocs/speeches/2002/20021121/default.htm

・・・・しかしそう考えるとこの著書の書き方はテクニックとは言え、あたかもバーナンキ氏が「貨幣発行益を用いた減税政策は赤字国債の発行も増税も不要なので、財政赤字問題を悪化させることはない。」と言っているようにミスリードされやすいですな。

如何なものかと・・・・




2005/01/07

お題「今年最初の長期債入札/その他雑談少々」

○10年国債入札レビュー(というか相場メモか)

昨日の入札。寄り付き前からお約束のように相場は堅調でして、しかも昨日のドラめもんで申しあげた悪い予感通りに10年カレントゾーンがイールドカーブ上一番強いという涙を禁じえない上昇を示してくださいました。

で、債券先物の高値は前日比14銭高の138円87銭。10年265回債の1.38%(▲0.015%)が買われて買い気配というのがピークでしたが、前場引けが近づいて来るとその265回債の1.38%とか264回債の前日比1毛強なんぞが業者間で頑張って叩く動きが見られだしまして、前場引けでは先物も落とされて前日比6銭高の138円79銭。新発266回債の発行前取引は1.395%−1.40%の気配(出合いは395%)でございました。

入札のプライストークは100円30銭(出来上がりで1.391%)のほぼ一本値でしょうって話(その一つ下だと1.397%で最終出合いよりも安くなる)でしたが、按分がどのくらいになるのかはさっぱり読めないという状態。蓋を開けてみれば100円25銭まで入ってしまっていたのですが、25銭の按分が2.9%ですし、平均落札価格が100円30銭でしたから、まぁ事実上100円30銭一本値みたいなもんでした。


あたくしは昨日のドラめもんで「10年1.4%割れるかって位置からなおブルフラットさせるのは如何なものかと思いますので、今回は頑張ってデルタでドン!って所でしょうか。」などと勝手な大予想をしておりましたが、結局30銭一本値ながら札が全部入ってしまったことも手伝いまして相場を持ち上げるパワーも乏しく、まぁ運の良いことに「100円」というのが目の前にあったことから一気に相場を叩く必要もなしという環境になっちゃいました。また外しましたな(汗)。

で、どうなったかと申しますと、「先物でヘッジを掛ける」→「下がった所で100円で売却」→「ヘッジ(ちょっと)買戻し」→「戻ったところで改めてヘッジ」という高級な(?)作戦によって相場がちょこちょこ振幅する間にせっせと皆様先物ヘッジをお掛けになられたようで、14時30分を過ぎて皆様のヘッジが十分に進んできたあたりから新発266回が弱含みまして(というか20年カレントが妙に安くなったのですが)、「助さん格さんもういいでしょう」ってな事で最後は残ったロングの振り落とし攻撃になった次第。


有力業者と違いまして、まぁアレな立場で市場に参加しておりますとやたらと業者間売買や先物のプライスアクション(板付きとも言う)を読む芸風が身についてしまう訳でして(^^)、まぁ終わってからそういう話をしても仕方が無いのですが、入札のプライストークであたくしが傍目八目(主担当商品じゃないから)よろしくお話していたのは・・・

(1)1.4%割れだし雇用統計の3連休前で裸ロングは厳しい
(2)前場引け前に頑張って売っている人がいると言う事は大量に落札してくる業者は大手投資家の札は期待しにくいと思っているのではないでしょうか
(3)事前ヘッジはイールドカーブでもデルタでもやられ状態になっていてバッファーなく、余裕があるのは前場の85銭どころを売った人くらいであまり鼻歌交じりで入札する余裕はないでしょう

ってな話でして「こりゃ落札後の相場上昇、ましてやブルフラットは中々厳しいでしょうな。落札した分どこかで目を瞑って先物を叩くんですかね〜」とひとごとのように予想しておりました。その割には落札結果発表後1時間半も値持ちしたのは案外しっかりしているという感じでしたので、四半期スタートで「期初の買いもどき」がそれなりにあったんでしょうね。

何だかんだと言いましても、やはり10年ものとなりますと価格変動リスクがでかいって事があるようで、ここ数ヶ月の入札では10年国債入札が恒常的に「まともな入札」になっておりまして、その傾向は今回も継続しておりました。まぁ宜しかったんじゃないでしょうか。

#一昨日の10年買いがなければもっと楽な入札だったと思いますが

(1月10日追記:今回の10年国債入札の応札倍率が4倍とまぁ普通の倍率になったのですが、もしかして先日ネタにしたした「応札順位の発表」が影響して「明らかに無駄な札)が入らなくなったのかもしれませんね^^)

○福井総裁の講演

がニューヨークで行われたそうでして、MXテレビで見たブルームバーグニュースによりますと「量的緩和政策のCPIコミットメント」に関して強調するようなお話をして、最近話題に乗りまくっている「量的緩和のコミットメントの条件変更論」を一応否定するようなお話をしたと言う事のようです。この文章書いている時点では日銀のWebにまだスピーチ内容がアップされていないので詳しいことは判りませんが。

とりあえず当然の話をしている訳ですし、内容をちゃんと見ているわけではないのでアレなわけですが、条件変更がどうのこうのって話が折角市場で「有り得るかも」くらいの雰囲気になっているのにわざわざそれを大々的に否定せんでもよかろうにって気もするところでして、これでまたぞろ「条件変更話」が浮上してくると「日銀政策委員会はマッチポンプですか?」って事になっちゃわないかという懸念があるわけでございます。

まぁあたくしが勝手に憶測するに、福井総裁さまにおかれましては念願の量的緩和解除に向けて雰囲気を盛り上げてみたり盛り下げてみたりしながら地合いをみていくという作戦なのかな〜って感じなんですが、やりすぎると発言が全く信用されなくなるという諸刃の剣でございますので、不規則発言の目立つ福井総裁のキャラクターではあまりやらない方が吉かと思うんですが。

まぁムツカシイ所ではあるんですけどね。総裁が出張る機会が多すぎなんじゃないかと思う今日この頃。



○お札を巡る与太話

以下ひたすら馬鹿話です。

その1:偽札騒ぎ

恐ろしく作りのヘタクソな偽札が流行しているようでして、今朝のモーサテによりますとどこぞの銀行で出来の悪い偽札を日銀に持ち込んでしまうという有りうべからざる事務ミスをしていたらしいですな。もうアホか馬鹿かと。でまぁ神社仏閣で偽札(と言えるのか?ただのコピーでしょ)が見つかるのですが、不謹慎ながら楽しみにしているニュースは・・・

「賽銭箱から偽札が見つかった」

という話題。そういう激しく無駄な偽造通貨行使をしてこそ世に笑いを巻き起こしてほのぼのとさせてくれる(本当か?)な訳でして、「神社仏閣の境内で偽札を使う輩がいる」というニュースでは世相が暗くなるだけでございます。ああ不謹慎。


その2:お札の肖像

まぁデザインが発表された頃から話題にはなっていましたが、5千円札の樋口一葉さまというのは物凄くお金に縁が無かったということで著名なお方でして、あたくしも勉強不足でよー知らんのですが、親が事業に失敗しちゃったり色々とお金で苦労した挙句に早世してしまったという大変なお方でしたようですな。

てな事を事前知識として持っておりますと、「なんで金に縁のなかった人を紙幣の肖像に採用するのよ」って疑問が起こる訳ですが、現実に新5千円札を手に取りますと樋口一葉ファンには甚だ申し訳無いのですが、どうも金に縁が無くなりそうな気がして来るあたくしなんぞはもう物凄い勢いでこのお札を費消してしまう訳で、貨幣の流通速度を速めることに1ミリほど貢献している所でございます(^^)。

・・・・・実は「早世した偉人」をお札の肖像に採用したのは「貨幣の流通速度を上げよう」という日本銀行の深慮遠謀だったのでしょうか?



まぁ新通貨のデザインがどうのこうのって時にも「誰が肖像に良いか」って話題がひとしきり盛り上がった訳ですが、あたくしとしてはやはり景気回復といえば第7代日銀総裁って事でこの方を推奨したいところです(リンク先から戻る時はブラウザの「戻る」ボタンでよろしく)。
http://www.boj.or.jp/about/basic/governor/sousai07.htm
(既に50円札の肖像に採用された実績があるんですけどね)

で、日銀総裁という事で見ておりますと、第4代総裁のこの人も中々勇壮な肖像なのですが、特定企業グループを連想させるお方なので採用されないでしょう。
http://www.boj.or.jp/about/basic/governor/sousai04.htm

まぁ申し訳ないですが、他の総裁の写真を見てもあまり「お札の肖像」っていうインパクトを感じませんが、一万円札には第18代総裁が宜しいのではないでしょうか。
http://www.boj.or.jp/about/basic/governor/sousai18.htm

おあとがよろしいようで。





2005/01/06

お題「例によって雑多な小ネタ」

しかしまぁ昨日の相場はイールドカーブは動くも先物はまた全然動かずという困った相場。馬鹿馬鹿しく動くか全然動かないかというのは何なんでしょ?

○国債市場特別参加者に関る発表

国債市場特別参加者に1月から東海東京証券が加わる事になりまして、誠に慶祝の極みでございます。で、財務省さまにおかれましては今回「落札・引受額ランキング」「応札額ランキング」なんぞを公表されましたが、これが中々笑えますわな。

国債の落札・応札順位について(平成16年7月〜12月)http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/jgbsp/050104a.pdf(財務省のWebはPDFをハイパーリンクすると見えない傾向にあるので、元アドレスを念の為申しあげますとこちらであります→http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/jgbsp/jgbsp.htm)

大変に楽しめるのはその資料の2ページ目と4ページ目あたりでございまして、「超長期国債(30年、20年、変動15年)」の落札額順位と応札額順位を見るとランキングの順位が全然違う訳でございます。何せ落札額ランキング上位5社は日系大手(と大手銀行)が占めているのに、応札額ランキングの上位5社中3社が外資系(どこなのかはリンク先の資料を見ましょう^^)。

超長期国債で「按分狙いの過大入札」ってのはちょっとリスキーでしょうから(15年だと少々有りえるけどやっぱリスキー)、まぁ応札順位が落札順位よりだいぶ上のお方はいずれ「入りもしない札」をせっせと入れておられるものかと存じます。まぁそりゃ入ったらラッキーな札を下のほうまで流すのは結構ですが、もしかして(最近はあまり気にされなくなってきたとは言え)応札倍率を大きく見せかける為(応札倍率が高い→ニーズが高い→販売順調という連想が働きやすい、最近は余り騙されなくなっているが)に応札だけしているのではないかという疑惑も(^^)。

まぁ何ですな。要するに「応札倍率は低い場合以外は材料視しても全く無意味」という事ですわ。一つ宜しく。


○で、10年入札ですが

昨日の時点で既に10年カレントゾーンが強含みというお約束の展開で10年入札を迎える破目になってしまいました。入札前に買うという意味不明の投資行動はご勘弁願いたいというか何が楽しくて嫌がらせのような事をするのか1ミリも理解できませんが、まぁとにもかくにも今回の入札も思いっきり割高入札になってしまう懸念が大有り。

まぁだいたい業者(というか入札しないといけない対顧やってる人)の昨日引け時点での平均的心理を勝手に想像しますと、恐らく本日の前場引け時点で先物対比10年カレントが5糸強い位の所までは覚悟しているという所でしょう。それより強い状態で入札を迎えると甚だご機嫌が悪くなると言った感じ。ただし前場に相場水準が下がる(海外要因から言ってそれは無さそうだが)のであれば無問題。

割高入札になった場合に業者が助かる道は「相場じり高(あるいは暴騰)でより割高にする」か「相場水準を全体的に押し上げてデルタで勝負」のいずれか(「一旦持ち上げてフルヘッジしてから相場を叩いてカーブ上強くする」という高等戦術もありますが)という事になりますので、どっちにしても血圧の上がる展開が想定されますな。10年1.4%割れるかって位置からなおブルフラットさせるのは如何なものかと思いますので、今回は頑張ってデルタでドン!って所でしょうか。週末に米国雇用統計控えてなかなか厳しい気がしますが。

・・・・今回はさすがに当たるでしょうと思うあたくし(^^)。


○再度「経済論戦の読み方(田中秀臣著、講談社現代新書)」と関連話

途中で一旦挫折しましたが、後半部分を頑張って読むとそれはそれで面白い本でありました。どうも経済の現状認識部分に関して所謂「リフレ派」の見方が市場からみる直感的な印象(理論的に話ができないのが甚だ遺憾なのですが)とどうも合わないので、市場関係者としては第1章の「実践(プラクティカル)マクロ経済学」のコアという部分は読まないで(そこでやたら引っ掛かる)第2章の「経済論戦の見取り図」以降を読むのが吉かと(^^)。

基本的に現在のデフレ状況(しかしデフレ継続で景気が回復している・・・って資産価格のデフレが止まって一部じゃ絶賛インフレ状態だから当然なのですけどね)をどうやって脱却するかって話になりますと、所謂「リフレ派」の皆様も市場に近いところにいる人も「金融を緩和状況にして、財政も緩和状況にする」という合わせ技しか無いでしょってのは意見が一致してると思います。現在の回復だって一般財政は緊縮の振りをしてますが、銀行への税金投入やら産業再生機構、外為特別会計経由の財政出動などが支えている訳ですし。

ただ、その結論に至るまでのプロセスが所謂「リフレ派」は「デフレは貨幣的現象」(そりゃそうだが)という面を重視しすぎる余り、金融政策に力点を置きすぎていると見える訳ですよ。市場にいる浅学非才なあたくしとしては。で、「金融政策はもう大して効かねぇから財政ですよ財政」ってのがどっちかというと市場の見方だと思う訳で(だからりそな救済以降株価が反転した訳だが)して、所謂「リフレ派」への市場からの疑問もその辺にありますが、何せ出てくる処方箋らしきものは本質的に同じなのにプロセスが違うってのは基本的に宗教論争に近くなってしまうようですな。そもそも経済学の基礎知識に乏しいあたくしは論戦以前の問題ですが、とあるブログで敢然と論戦をしているお方がいて(結局平行線であることが明らかになって目出度く終了したようですが)勉強になりました。勝手に紹介していいのか良く判らんから個別にお問い合わせ下さい。

話は戻って田中氏のこの著書ですが、本書の「流動性の罠に陥った日本経済」の中(77ページ)で『FRB理事のベン・バーナンキらは貨幣発行益を用いた減税政策を勧めている。』って書いて、そのあとに『貨幣発行益を用いれば、赤字国債の発行も増税も不要なので、財政赤字問題を悪化させることはない。』って説明しているんですが、(以前ドラめもんでご紹介した)バーナンキ氏の講演録「リフレと金融政策(高橋洋一訳、日本経済新聞社)」を見ますと、2002年11月21日の講演でバーナンキ氏は『通貨創造を財源とする減税は、ミルトン・フリードマンの有名な「ヘリコプター・マネー」と本質的に等しいものです。』と言及してまして、ご丁寧にも脚注(って高橋さんが入れているんでしょうね→1/8追記:この脚注はBernanke氏の講演原稿としてFRBから発表されている中にございます。つまり、高橋氏の入れた注ではなくて、元々から有った注です。当該講演脚注18番の部分です)では『通貨創造を財源とする減税は、債券発行で財源を調達した減税にFRBによる公開市場操作での証券買い入れを組み合わせたものと同じである。(この後の説明が長いのですが省略)』と補足して下さっている訳でして、ちょっと「通貨発行益の減税」に関する説明が雑なんじゃないのって感じですな。

先日も書きましたように、新書だから説明を端折ってしまうのは致し方ないと思うのですが、全体的に説明をちと端折っているのが残念なところです。







2005/01/05

お題「余り相場と関係ない世間話」

年末にあれだけ威勢良く上げていた米国株が続落ってのも誠にまぁややこしい相場でございますわな。本日は世間話に近いネタを簡単に。

○日本振興銀行

今度は小穴社長@元DKBが「健康上の理由」で会長に退いてとうとう木村剛さんが社長に就任ということで、もはや壮大な自爆芸となりつつある「金融維新」に涙を禁じえない所であります。

そもそも「ミドルリスクミドルリターンの中小企業融資」ってのに無理があるというお話はあちこちで指摘されています。まぁあたくしなりに纏めると・・・・

融資先というのは「生きてるか潰れるか」という「1か0か」というもので、おまけに現在の日本の商慣習から言いますと企業というのは「完全に死ぬまでバンザイしない」のが普通。よって死んだときの回収率がいくらかというのは基本的に「物的担保と人的担保で幾らカバーされているのか」がポイントになります。

然るに担保を取らない(代表者の個人保証は処分可能な資産持ちでもない限り基本的に気休め以上の効果は無い)となりますと、要するに貸出金利でカバーするという事になりますが、「リスクに見合った金利」でカバーするためには統計でいう「大数の法則」が成立するくらいに小口分散をする事が必要でしょう。即ち新規開業直後で営業カバーエリアがそもそも狭い状況でいきなり「ややリスクの高い中小企業融資を無担保で実行」するのは無茶としか言いようが無いし、スコアリングモデルのような機械的な与信判断をしないのが基本的コンセプトになっているので、そもそも小口分散的な発想と矛盾していますわな。

おまけにこの銀行は決済業務を全然やっていないに等しい(そもそも決済をやらない銀行を銀行と呼ぶ資格があるのかという疑問もあるのですが)ので、融資先の業況をモニタリングする事が出来ない(特にメイン銀行は融資先の資金の出入りを常時モニタリングする事ができるので、ちゃんと見てれば業況の変化を速やかに知る事ができる筈。特に中小企業の場合は)という絶対的なハンデがあります。もともと高利の金でも喜んで借りに来る相手なんですからまぁ普通の与信先よりはきっちりモニタリングしないと焦げ付きの危険大なのに、30人だか50人だかの担当者(都銀の中規模支店2〜3個分くらいですが・・・・)で1都3県をカバー(しかも新規開拓もしないといけない)するのはそりゃ無理でしょう。

とまぁうだうだ並べると、日本振興銀行の迷走は内紛がどうのこうのというような属人的問題に矮小化されるべきものではなくて、そもそものビジネスモデルに問題があったという話になって頂きますと、金融庁だの日銀だのが持ち出す「頭でっかちプルーデンス」に冷水を浴びせる効果が期待出来るわけでして、壮大な大失敗実験もまた「重要な知見が得られた」(実験やっててよく言うんですけど^^)という事で意義はあるのかなと思うわけです。ケツが国民負担になるのが激しく遺憾なので木村氏今までご主張されていたように精々丸裸になって頂かないとあたしゃー納得いたしかねますがね。


どこかのブログで議論されていた(どこだか忘れた)ものの受け売りになりますが、所謂商工ローンなどの業態の融資開拓の肝は「アウトバウンド営業」(要するにこっちから融資先を決め打ちしてセールスすること)であって、「融資してくれと言って来る相手には基本的に貸さない」というのが常識だそうです。そんな中で日本振興銀行では木村剛さんがブログでも「開業前から融資の申し込みが沢山やってきました」と嬉々として書く位ですからまぁそういう発想は無いんでしょうなぁということがよくわかります。

やっぱ根本的に発想がずれていると思います。精々国民負担が大きくならないようにして頂きたいものです。竹中さんに倣ったのか火中の栗を拾おうという志は壮としたいですがね。



○「決済用預金を作れ」というプレッシャーですか?

4月のペイオフ全面解禁に向けての準備ということで、決済用預金(別名ペイオフ尻抜け預金)の設定が各金融機関で進んでいるようでして、年末のどさくさに紛れて金融庁はこんな発表をしておりました。

決済用預金(当座預金以外)の導入に向けた各金融機関の準備等の状況(平成16 年12 月現在)http://www.fsa.go.jp/news/newsj/16/ginkou/f-20041228-2.html

『この度、「無利息・要求払い・決済サービスの提供ができる」という要件を備えた決済用預金(当座預金を除く)の導入の準備・検討等の状況について、各金融機関に対しヒアリングを実施し、これを取りまとめましたのでお知らせします。なお、当分の間、毎月の取りまとめ結果をお知らせします。』

取りまとめ結果はhttp://www.fsa.go.jp/news/newsj/16/ginkou/f-20041228-2.pdfにあるのですが、確かペイオフ解禁ってのは金融の健全化を推進するために実施する筈でして、健全な金融という状況下では金融機関各自に自主的な経営をしていくって話だったと思うのですが、決済用預金の導入状況を毎月ヒアリングして発表ってのは要するに「金融機関へ導入しろとプレッシャーを掛けてる」んじゃないでしょうかって思うんですが・・・・・

金融健全化どころか益々官が管理(というよりは指導だわな)していく流れが強化されているようですが、国際競争力のある日本の製造業は官の関与がより少なかったという歴史的事実に関してもうちょっと考えて頂かないと。。。



○何か勘違いしている訳でして

報道によりますと、伊藤金融大臣は年頭の訓示だか何だかで、「金融サービス立国」などという話をしていたそうですが、「立国」ってのは普通「貿易立国」みたいな意味で使う言葉でして、「海外にうって出る」というような状況とほど遠い現状でその言葉を使うのはちょっと何と申しますか「??????」なものを感じるわけです。勇壮なキャッチフレーズに貧弱な中身というのはどうも「無敵皇軍」みたいな香りが漂ってくる訳でして、誠に遺憾の極みであります。

何考えてるんだか・・・・・


#まだ暖気運転状態ですんで本日もまぁこんな所で。




2005/01/04

お題「例によって新春読書室」

今年もドラめもんをご愛顧の程宜しくお願い致しますm(__)m。

年末年始と申しましても4日間しか休みはなかったのであまり時間が有ったわけではないのですが、とりあえず読んでみた本。

○虜人日記(小松真一著、ちくま学芸文庫)

以前ご紹介した山本七平著「日本はなぜ敗れるのか−敗因21カ条」(角川oneテーマ21)に大きな影響を与えた(というか底本となった)本です。重複になりますが、小松氏は台湾でブタノール(ガソリンの代用品)製造に従事しておりまして、昭和19年に陸軍軍属として比島に渡り、ブタノール生産の拡大に働き、米軍上陸と共にジャングルに退却して敗戦と共に捕虜生活を送った人です。

大戦末期の比島の様子、米軍上陸後のジャングル戦、戦後の捕虜収容所生活について、本人が文章や絵で記述しているのですが、これを読みますと「日本は負けるべくして負けたのね」ってのが良く判ってしまいますわな。上記の3つの状況について小松氏がつけたお題が「漂流する椰子の実」「密林の彷徨」「虜人日記」とありまして、まぁ虜人日記というのはともかくとして、ブタノール製造の為に軍属となって派遣された比島での生活が「漂流する椰子の実」であり、ジャングルでの戦闘と後世言われている筈の戦いが「密林の彷徨」という事からも、日本は何やってたのよってのが何となく判って頂けるかと存じますが、極めて淡々と正確な記述をしつつ、内容はちょっと初心者には刺激が強すぎますわな。

山本七平氏も解説で指摘してますが、戦争体験の風化がどうのこうのとか言うよりはこの本一冊読んでみましょうって感じです。正直、あたくしなんぞ3日と生きてられませんわな。

ただし、この本は事実を淡々と記述しているだけであっても、天下泰平に慣れまくっている現代日本人にはあまりにも刺激が強すぎますので、とりあえず「アーロン収容所(会田雄次著、中公文庫)」→「日本はなぜ敗れるのか−敗因21カ条」→本書の順でお読みいただく事をお勧め致します。

ISBN4-480-08883-0 C0195 \1300


○日本の総理学(中曽根康弘著、PHP新書)

ご存知中曽根元首相の本。総理大臣時代のお話は少々あるのですが、基本的には中曽根さんの国家論とか安全保障論とか教育論とかです。最後の方でリーダーの仕事って話をしていまして、「大局を見据え、小局にこだわらず」と言う事で「大をなすためには風見鶏である事も必要。要は背骨となる国家観や思想があるかが大事だ」って感じの記述があるのですが、その割にはあたくしの読み込みが足りないのかもしれませんが、中曽根さんが本書で語る国家論とか安全保障に関する考え方とか教育論が今一歩見えてこないのが残念ですな。特に何考えているのか良く判らんのが防衛に関する話なんですが。

虜人日記と比較しちゃあちょっとかわいそうかもしれませんが、虜人日記が1300円でこの本700円なのは如何なものかと。まぁ書いてあるテーマも文章の量も全然違いますから仕方無いのですが、事実を冷静かつ淡々と批判的な目で記述した「虜人日記」により深い思想を感じてしまうのは何故でしょう。

中曽根さん他にも本を出してるますので、そっちを読んだ方が宜しいのではないかと存じます。思いっ切り辛口書評になっちゃいましたな。

ISBN4-569-63830-9 C0230 \700


#年末年始でぼーっとしているので本日はこんな所で(^^)