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2007/09/28

お題「須田審議委員講演はタカにみえないのですが・・・・」

期末だというのに盛り上がらないこと夥しいです。正直言って資金供給オペ打ち過ぎだと思うんですけど・・・・・

という話は兎も角(というか後日)。

須田審議委員の講演ですけど、今回あたくしはヘッドラインを見る前に講演(挨拶)要旨を見た(と書くとナンノコッチャですけれどもヘッドライン出てた時間に席を外していたという事でございまする)ので、「おお!これは須田さん慎重派になったですなあ」と思って後からヘッドラインを見たら全然印象が違うのにビックリしちゃいましたことよ。。。。

http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/ko0709d.htm

○総じて言えば「現状判断は弱気、政策に関しては強気」っすか

挨拶前半の部分では米国サブプライム問題の話をしているのですけれども、この部分を見るとサブプライム問題の影響に関してかなり懸念しているように見えます。ということで現状判断は慎重、というよりは弱気になっているような感じです。

んで、ヘッドラインの方ではボカスカ使われていた金融政策に関するお話の部分では毎度お馴染みの「フォワードルッキングかつ漸進的な政策の必要性」について述べているのですけれども、これは将来の話であって、足元の慎重姿勢へのある意味転換したっぽい部分の方が気になりますですよ。はい。

A4の紙に印刷すると14ページになるといういつもながら長い要旨でありますのでちょっと端折りながらになるかも知れませんが。


○米国サブプライム関連

ということで経済見通しの標準シナリを部分をいきなり端折りまして『(2)標準シナリオにおけるリスク要因』の米国サブプライム関連の部分から参ります(^^)。んで、まずは『(ii)米国経済はソフトランディングするか』ってところを見なければなりますまいて。

『現在、欧米のクレジット市場では、依然としてクレジットリスクの再評価の過程にあるとみられます。もちろん、クレジット・スプレッドが一頃のような極端に薄い状態に戻ることはないと思っていますが、サブプライムローンを含む証券化商品のリプライシングにある程度目途が立てば、もともと投資家のリスクアピタイトは旺盛だったわけですから、いずれクレジット市場の正常化は進むと思われます。』

と始まるのですが、そのパラグラフのまとめは『市場は、引き続き不安定化し易い地合いが続くとみられ、まだ警戒を解くわけにはいきません。』となってまして、その次のパラグラフも警戒モード。

『今後、クレジット市場が落ち着きを取り戻したとしても、クレジットリスクの再評価が行われるとすれば、結果として信用力の乏しい借り手を中心に、与信条件が厳格化されることとなります。リスクプレミアムの復活によってクラウドアウトされた信用力の乏しい借り手が、FRBの利下げによって再び住宅市場に戻ってくるとは考え難く、結局、住宅市場の調整はこれまで以上に長引く可能性が高いと思われます。』

で、この部分のまとめはこうなっています。

『住宅在庫水準が高いことや、延滞率や差し押さえ発生率はむしろ2008年にかけて高まっていくとみられていること等から、私は、米国住宅市場の調整は2008年後半まで長引く可能性が高いと考えています。そうなれば、現在、平均的に2%台半ばと見込まれている市場の2008年成長率見通しは、もっと下振れることになります。ただし、仮に、2%程度にまで下振れたとしても、2007年の市場見通しとほぼ同程度であり、ソフトランディングシナリオから大きく逸脱するものではありません。』

最後でソフトランディングするという話になっているのですが、サブプライム問題が住宅市場の調整につながり、実体経済に悪影響ってパスに関しては慎重に見てますなあと思うのです。


○中銀の流動性対応に関して

引用した部分の前段は各国中銀の流動性対応について触れているのですが、日銀の対応に関して須田さんご説明モード。

『なお、日本銀行に対して、一部の市場参加者から、「FRBやECBに比べて対応が不十分だったのでは」との声を耳にすることがあります。しかし、私ども日本銀行では、金融システム不安や量的緩和政策の時期を通じて、流動性供給方法に工夫を凝らしてきた結果、海外中央銀行と比べても、かなり充実した供給手段を持つに至っています。』

『今回のサブプライム問題につきましても、各国中央銀行や金融機関から収集した的確な情報に基づき、通常の金融調節の範囲内で十分対応可能との判断のもとで、粛々と対応してまいりました。8月積み期の最終局面で、無担コール(オーバーナイト物)レートが誘導目標の0.5%を大幅に下回ったことや、その最終局面を除けば、レートは概ね安定して推移していたことからも、我々の対応が十分であったことがお分かりいただけると思います。』

てかレートが大幅に下がったという位ですから十分以上に対応しているのですけどね(^^)。まーこれは批判するほうが不勉強というか無理解のまま勝手に馬鹿解釈した挙句にケシカランとか言ってる訳で、今話題のモンスターペアレントみたいなもんですわな。


○サブプライム問題の波及にも結構慎重姿勢に見えますが

その次のあたりから。

『以上みてきましたように、米国のサブプライム問題を端緒とするクレジット・リスクや流動性リスクの高まりは、これまでのところわが国には目立って伝播してはいません。しかし、実体経済のチャネルを通じた波及、すなわち、(1)米景気の下振れに伴う米国向け輸出の減少、(2)株価や為替の変動を通じた企業の投資マインドや消費コンフィデンスへの影響については、慎重に検討する必要があります。』

ということで、ここでも慎重に検討と出てまして、まーニュアンスとしては見極め必要ってのが目に付いちゃいますわな。ただまあ結論としては先ほど引用したように「とは言え織り込み済みですから影響大きくないですよ」にはなっておりますので念の為。

『そもそも米国経済については、住宅市場の調整を背景とする景気の減速とその後のソフトランディングを織り込んでいますので、現在市場が平均的に見込んでいる程度の下振れであれば、わが国の輸出全体に与える影響はあまりないと言ってよいでしょう。私自身は、先ほど申しましたようにもっと下振れる可能性が高いとみていますが、世界経済へかなり影響が出るほど大幅な下振れにはならないと考えています。』

ということですが、「かなり影響」がでるほどの「大幅な下振れ」にはならないというのは少々下振れはあるかもねって話でもございますので(??)・・・・・・

途中を端折って(2)部分。

『もう一つの波及ルートである、株価等の金融資産価格の変動が企業の投資マインドや消費者コンフィデンスに与える影響については、今後公表される指標の動向を注視していくしかないと思っています。実際、今夏以降、株価下落、為替円高が進んでいるわけですから、その影響はゼロではないと考えています。それが、原油価格の高止まり等とも併せて、標準シナリオにまで影響を及ぼしてくるのかどうか、注意深くみていきたいと思います。』

どう見ても慎重姿勢です。本当にありがとうございました。


○国内要因でも中小企業動向に注目しています

米国の話の後で国内に関して言及。

『展望レポート等では、これまでもIT関連財の在庫調整について経済の下振れリスクとして指摘してきました。最近、デジタル家電やゲーム機向けの出荷が世界的に好調を持続するもとで、パソコン向けも新型OS関連向けに持ち直す動きが窺われており、電子部品・デバイスの在庫調整にも漸く目途が立ちつつあります。このままクリスマス商戦へ向けて良好な需給環境が継続すれば、年後半にかけてその点からの下振れリスクはかなり軽減されると見込まれます。』

と、ここまではよいのですが。

『一方、ここへきて気になっているのが、中小企業の状況です。4-6月の法人企業統計の資本金別設備投資をみますと、10億円以上の大企業が前年比+2.5%と増加基調を継続している一方で、1億円〜10億円の企業が同-3.7%、1,000万円〜1億円の企業が同-19.9%と、ここへきて大企業と中堅・中小企業とのコントラストが目立つようになっています。』

『また、中小企業金融公庫の「中小製造業設備投資動向調査」による2007年当初計画をみても、前年度の当初計画対比-7%とやや弱めです。法人企業統計の設備投資の下振れについては、サンプル要因による振れが影響している可能性を指摘しましたが、それだけでこの中小企業の弱さをすべて説明できるわけではありません。』

『食料品や卸・小売、不動産といった中小企業の比率が高い業種も、軒並み前年割れとなっており、中小企業の収益環境が全般的に厳しさを増しつつあることを示唆しています。確かに、中小企業庁のアンケート調査結果からも、原油や原材料価格の上昇が収益を圧迫していることが窺えますし、中小企業金融公庫の「中小企業動向調査」でも、業況判断DIが足もと頭打ち傾向となっています。』

ということで、実は中小企業に皺寄せが来てるんじゃないですかという指摘をしておりますです。


○物価について触れていますが

『これまでみてきましたように、息の長い景気拡大を続けてきた日本経済の今後を考えるとき、どうしてもダウンサイドリスクに目を奪われがちになります。しかし、ここであえてアップサイドリスクについても触れておきたいと思います。具体的には、物価動向の今後についてです。』

ということで生活関連用品の値上げの話をしておりまして、結論として『このまま雇用のタイト化と原材料価格の高止まりが続けば、そう遠くない将来、インフレ率が思いのほか上振れるリスクも、念頭においておく必要があると思っています。』と纏めててそれはそれでアップサイド(実はスタグフレーション入りだったりしてという暗い話は措く)リスクなんですけど、「ここであえて」っていう風になる所が須田さんのマインドがちょっと慎重化している事の反映ですかなとか思ったのは裏読みのしすぎですかそうですか。



○で、金融政策に関してですが時間切れですな

そもそも須田さんの講演(挨拶)はやたら長いので量と時間が追いつかないのでありますが(^^)、今朝も案の定追い着かないの巻になってしまいましたスイマセンスイマセン。

えーっと、金融政策に関する話はテイラールールの話から始まって講演要旨の後半部分になるのですが、ちとこれは週明け送りでしゅ。一応超端折って申しあげますと・・・・・

『このようにバブル崩壊の懸念が強まった後に、金融政策対応だけでうまく経済をソフトランディングさせることはなかなかむずかしい、というのが日本の経験が我々に語っていることだといえます。将来に対する経済主体の期待が著しく強気化した後は政策対応が大変になります。したがって、バブルの発生を未然に防止するよう努めることも、重要だと思います。そのためには、フォワードルッキングに様々なリスクをできるだけ顕現化しないうちに把握し、早めに対応していくことが不可欠です。』

とか、

『先行きの政策スタンスについては経済・物価情勢の変化、及び、それを取り巻く不確実性の状況に応じて政策金利水準を調整することになります。望ましい金利調整パスもそれにつれて変わりますので、今後どのようなスピードで金利調整するのが望ましいのか定かではありません。ただ、あまりにゆっくりとした金利調整を行うと、経済が過熱するリスクが高まります。もし遅すぎる対応であったことが判明し、将来の過熱リスクが高まれば積極的に対応しなければなりません。したがって、これからも過熱リスクの点検は怠れません。そのようなビハインド・ザ・カーブになることを極力避けるためには、経済情勢をかなり先まで見通して、ある程度早めに、かつ漸進的に対応することが望ましいと思っています。』

といった部分がタカ派ヘッドラインの元になったと思うんですけれども、まあ講演要旨を頭から読んでいきますと、前半部分の「景気の現状および先行き見通しに関して慎重な見極めが必要」って所がクローズアップされると思うんですけどね。景気判断から離れた金融政策ってのは有り得ないですから・・・・


#上期はどうもでした。下期もよろしゅうに












2007/09/27

お題「小ネタ雑談を少々」

世界地図を近代史から頭に入れたせいか「ミャンマーのヤンゴン」というのは常に「ビルマのラングーン」と脳内変換してしまうあたくしですが、とうとう抗議行動に武力鎮圧とは。。。。

しかしあのですな、モーサテさん「ミャンマーという国はあまり馴染みがありませんが」って・・・・「援蒋ビルマルート」「インパール作戦」って知らんのですかいな(知らないんでしょうなあ)と思うのですが、昭和は遠くなりにけり(ま、あたくしも昭和40年代の生まれですけどね)と言った所でしょうか。


○フェイル雑考

昨日期末のレポ状況に関して駄文を少々書きましたが、どうも知人友人から教えて頂きました所、「特に期末だから全くどうにもならない」という銘柄がある訳ではなく、どうも特定銘柄でバッドフェイルをしている人がいて、それが期末とぶつかってややこしい事になっているようですな。

なんつうかね、確かにまあ受渡でのフェイルと赤残を意図的に埋めないフェイルって外から見てると区別つかない(強いて言えば振替国債の寄託機関でありますところの日銀なら判ると思うのですが)のですけど、本来SCのレポを埋めるのはマーケットメークしてる(プロップだってそうですが)業者として責務だと思うんすけどね。いやまあてめえが赤算放置して顧客との関係でややこしくなるだけなら勝手にどうぞなのですけど、そーゆー輩に限って相手方が業者だったりして他の業者を巻き込んでしまったりう訳でして、まあ如何なものかと思うのでありますが。

まあフェイルの慣行に関しては業者だけではなくて最終投資家(「フェイルしたら出入り禁止」「フェイル3回やったらオペ出入り金利禁止」のような物理的なペナルティーよりは経済的なペナルティーの方がバッドフェイルの抑止になると思うんだが)もより一層考えていかないといかんように思えるのでありますが、まあ突きだすと結構利害関係者(というか行儀の悪い人)の間でややこしい議論になる悪寒。

ということでまあ書いてみただけなんですけど(おい)。

#要はね、昔みたいに「ループ取引おっけー」にしてくれりゃ問題大軽減と思う次第。そういう意味で言えば現物株式の制度信用における「零銭」「逆日歩」って(要するに株不足)のは天才としか言いようがございませんですわなと思うのであります。


○CP現先オペ実施ですかそうですか

昨日はCP買現先オペ実施。3000億円のオペで9月28日〜11月14日という期間でしたけど、応札は3693億とまあ低調でございます。

いやまあいざという時のためにオペを温存するのは判らんでもないのですけれども、オペってある程度恒常的にやってくれませんと、特にCPの場合は応札する玉の問題もありますのでどうなんですかと思う次第でありますが、そもそも論として企業の格付け絶賛向上の流れが続く中でCP市場は甚だ安定的というか正常化というか、実に真っ当な値付けになっている(TB/FBの方が「国債というモノ」を買いに来る人がいるので歪むケースが・・・・^^)ので、別にまあオペ自体イラネという気もします。とは言え、世の中何が起こる判らんので、CPオペのノウハウを残しておくという意義があるんでしょうなというのも理解はしてますけどね(^^)。

そういや共通担保の27日スタート1日エンドの1兆円のレートが平均0.688%って割と確り目ですな。末初が0.74%位のイメージになると思う(計算間違ってたらゴメンナサイ)んですが、ロンバートに行けば0.75%で借りれるのだからオペでそこまで上に行く必要があるのかにゃあとも思うんですが、一気にロットを捌くにはオペが便利ですから使うってことなんですかね。よーわからん。



○それはひょっとしてギャグで言っているのか

・その1:議会のねじれ現象ですかそうですか

昨日時事メインを見ておりましたらこんな記事が。

『16:39 国会のねじれ現象による政策リスク、日本の信用力に最大の障害=S&P』

ということで昨日の16時39分配信の記事なんですけど、まあ趣旨としては構造改革(あたくしにはその構造改革って何よと言いたくなるがそこはまあスルーしまして^^)が国会のねじれ現象で政策リスクがあるという話をしてるんですな。

えーっと、大統領と議会の多数派がねじれているのはどこの国でしたっけ?


・その2:日本版サブプライムローンですかそうですか

久しぶりにこの先生のブログを見たら素晴らしいエントリーが。
http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_5d89.html

#この先生のブログはかつてプチ炎上した実績からリンクとかも妙にうるせえので直リンはとりあえずしません(あたくしの駄文を過去ログ送りにしたら直リンしちゃうけど)。

さてまあこちらのエントリー、ツッコミどころ満載なのですが、米国のサブプライムローン問題とか日本の住宅ローンとかこの先生理解してるのかという疑問が。。。。

固定金利と変動金利の借り入れ比率のデータも出さないで、「日本は変動金利が極めて高い」とか発言するのはいつもの事ですが、「金利が上昇したらデフォルト続出」とかあの日本ではバルーン返済の住宅ローンって存在しないはずなんですけどとか思うんですが、どこの高金利国家の話ですかという感じですわな。

#まあこの先生の「金利上昇」「キャピタルフライト」話は「いつの日かそうなる」という事で毎度毎度時間の概念が無いのですけど(^^)

で、先生のご高説によりますと、日本では年収の5〜6倍のローンを組ませるけど諸外国では2〜3倍に抑えているのがバンカーとして良識的らしいのですが、それなら何で米国でサブプライム住宅ローン問題なんて起きちゃったんでちゅかねえと思うんですな。何というか故事成語にありますところの、麒麟も(激しく自主規制)というものを思わせてくれまして、反面教師として自戒の見本にしないといけないと思うあたくしであります。


いや、まあそれよりも何よりも・・・・最初に題名を見た時に感じたのは「日本版サブプライムローンってもしかしてそれは貴方様の銀k(略)」ということでありますが・・・・・・(^^)








2007/09/26

お題「8月の決定会合議事要旨/その他少々」

昨日安倍ちゃんの会見に悪態つきましたが、新聞読んで確認したら「在任中に首相たるもの健康状態がどうのこうのと言うのは如何なものかと思って前回の会見で健康状態の話をしなかったのはミスリードでした(意訳)」という話だったんですな。こりゃ失礼しましたけど、石橋湛山、池田勇人と健康状態を理由に退任した大先輩だっているんですからそこに拘る必要があったのかは疑問が少々。

それは兎も角として議事要旨の前に少々別件。


○だいたい平和な期末

早いもので昨日は債券のレギュラー受渡が期末。期末ということでGCレートとかどうよというのはありましたが、結局順当に0.75%(ロンバートですな)近傍での着地のようですわな。で、6月末には10年カレントがアホのようにスクイーズ状態になってエライコッチャだったSC取引に関しても「もう取れねええ」というような銘柄は殆ど無く、期末と言えばよくある飛んでもないレートも殆ど無しと。相場水準が相場水準なので現物の需給がタイトじゃないという話は昨日もしましたが、まーそんなところなんでしょうかいなという所で。一方でFBが強くて国債としてのFBへのニーズが驚倒する有様というのもその裏返しなんでしょう(しつこいですな)。

あとは無担保コールがどうなのよとかありますが、1%あたりのオファーがあるという話をどこぞの情報ベンダーが市況ニュースで書いておりましたくらいですので、まーそんなに過激なことにはならないでしょうし、当日になればだいたい低下すると思いますので(まれにそうならないのが市場クオリティなのですが)、最終的には加重平均ベースではロンバートを切るでしょとか想像する次第であります。まーあんまり波乱は無さそうな。郵政民営化絡みで混乱とかにならなくてよかったですね(まだ最後蓋を開けてみないと判らんけど、無担保コールが跳ねるのは郵政公社的には「そんなの関係ねえ」ですから^^)という所で。



さて8月の金融政策決定会合議事要旨ですが・・・・
http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/giji/g070823.pdf

○金融経済月報ではさらりと流していたサブプライム関連ですが

本文5ページ(PDFファイル7ページ目、以下同様に本文+2ページになります)から始まる『V.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要』でありますが、サブプライム問題に関して(当たり前ですが)色々と意見が交換されていた事が読み取れると存じます。

んでまあやたらと長いので全部引用するとそれだけで駄文が終わってしまうのですが(1ページ強に渡ってサブプライムの話と米国経済の話になっておりまして・・・)、ほほうと思ったあたりを引用するだよ。

8月会合時点では基本的にはこういう認識でござんした。

『海外経済に関して、委員は、世界経済全体としては、地域的な拡がりを持って拡大が続いているとの認識を共有した。』

『米国サブプライム問題に端を発した各国金融市場の動向について、委員は、基本的には、市場参加者がリスクとその価格付けに関する従来の見方を改め、株式市場、クレジット市場、為替市場などでポジションの調整を行っていることが背景という見方で一致した。』

『もっとも、多くの委員は、今後の調整の程度やスピードによって世界経済に与える影響は異なり得るので、引き続き注視していく必要があるという認識を示した。何人かの委員は、海外経済は拡大を続ける可能性が高いが、そうしたシナリオの不確実性は高まっていると付け加えた。』

てなわけで、多くの委員の様子見に加えて「シナリオの不確実性拡大」に関して複数の委員が言及していた訳でして、8月の月報基本的見解では先行き見通しに関して特に書き換えなし(9月になって「全体として」という文言が入ったのはご案内の通り)でしたが、その間にこういう認識は出てたちゅうことですわな。なるほどなるほど。



○7月の個人消費コンフィデンス落ち込みに関して

本文7ページ(の最後)より。

『一部の消費者コンフィデンス指標が足もとやや悪化していることについて、何人かの委員は、特別減税の廃止や地方税の負担増、年金問題、ガソリン高に関する懸念などが、消費者マインドに影響を与えている可能性はあり、今後の動向は注意してみていく必要があると述べた。』

でこの部分、7月会合でどんな話をしてたかと言えば・・・・

『複数の委員は、特別減税の廃止や地方税の負担増、年金問題、ガソリン高に関する懸念などが、消費者マインドに影響を与えなないか、注意してみていく必要があると述べた。』(7月の決定会合議事要旨本文6ページ)

つまり、7月時点で複数の委員が指摘していた個人消費のマインドに悪影響を与えた要因が顕在化してきているのではないかというお話になっていると読めちゃいそうです。まあ大勢意見ではなくてあくまでも複数の委員の意見ではありますけれども。


○消費者物価に関して意見割れる(?)

本文9ページになります。

『一人の委員は、デジタル家電などウェイトの大きい一部の品目が下押しに働いている一方で、消費者の生活に身近な財・サービスでは値上げの動きが拡がっており、消費者物価指数( 除く生鮮食品) の構成品目では上昇品目数が下落品目数を上回る状況が11 か月連続でみられていると述べた。』

上昇品目と下落品目云々の話が議事要旨に出たの久しぶりな気がしますが、それはそれと致しまして物価が上るでしょという話と上らないでしょという話がこんな感じで。

『これに対し、何人かの委員は、小売段階での競争環境が厳しい中で、コスト高を販売価格に転嫁することが難しい状態が続いていることが大きいという見方を示した。(この次に携帯電話料金の指摘もしてますが引用割愛)』

『この間、別の複数の委員は、企業のコスト高に対する吸収余力がなくなってきていることは事実であるので、物価上昇圧力がいずれかの段階で予想以上に強まるリスクも念頭に置くべきであるとコメントした。』

このあたりなんですけど7月会合ではこうなってました。

『ある委員は、小売段階において、コスト高を販売価格に転嫁することが難しい状態が続いており、物価上昇が明確化する時期については不確実性があると述べた。』

『別の委員は、一方で、企業のコスト高に対する吸収余力がなくなってきていることも事実であるので、インフレ圧力がいずれかの段階で予想以上に強まるリスクも念頭に置くべきであるとの考え方を示した。』(以上7月の決定会合議事要旨本文8ページ)

7月は「ある委員」「別の委員」とそれぞれ一人の委員が話していた件に関して8月は「何人かの委員」「複数の委員」が両方の立場で議論をしていたということですかな。まあこの文章一つの意見として繋げても(やや妙ですが)あまり変ではないとも言えるので、実は両論併記の人もいるのかもしれませんが(^^)。ところで「何人かの委員」と「複数の委員」ってどっちが多いんでしたっけ??


○金融政策運営に関して付け加えられた部分

8月会合議事要旨の『W.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要』に新たに加わったのがほほうという感じ。本文10ページ。

『何人かの委員は、データや情報の分析を更に深めたうえで、先行き、金融市場が落ち着きを取り戻し、経済・物価情勢が見通しに沿って展開していくとの確信を持つに至った時点では、金利水準の調整を先送りすることは適当ではないと述べた。』

ただまあこれに対する意見もあった次第。

『複数の委員は、金融政策はフォワード・ルッキングに行っていく必要があると指摘したうえで、金融環境が実体経済に及ぼす影響を踏まえると、当面の金融市場の状況について十分注意してみていく必要があると述べた。』

『そのうち一人の委員は、市場の安定を図るための短期的な流動性供給と経済・物価見通しに基づく中長期的な金融政策運営は、概念としては別の物であるが、金融面のショックが実体経済に及ぼし得る影響は考慮する必要があると付け加えた。』

この辺の話は利上げ近しモードだった7月には逆にスルーされている部分でして、こりゃ勝手に想像(かなり妄想)するに、7月には「まあ8月利上げですよウッシッシ」という感じでサラサラ流していた利上げ論議が8月会合時点ではサブプライムのせいでどう見ても様子見です本当にカムサハムニダという流れになっていたので利上げするのか様子見るのかに関して論議になったということなんでしょうかな(濃厚妄想モード^^)。

まあこのあたりの話が8月に入ったのが何とも味わい深いです。


○おまけの余談にしては重い余談

本石町日記さんのエントリーですが、注目はコメント欄。

http://hongokucho.exblog.jp/7470766/

コメント欄でオモロイ話になってると思ったら例によって話が噛み合わないまま終了してますな。残念無念。

実務的には準備預金残高を積み最終日にちょうど終了するように(追記:ここの表現変でした)するようにではなく、余るように(かつての時点決済時代ならきちんとトン調節でしたが、現在はRTGSの資金繰りバッファーとかもあって一定のブタ積みがある。また準備預金のキャリーオーバーが有りの場合ちょっと違いますけどその話までするとややこしいので割愛)増やした場合、預金ファシリティ金利近傍(日本や米国だったら預金ファシリティが無いのでゼロ%ですわな)に短期金利が必然的に低下しちゃうというのは積み最終直前に国際協調(??)でやたら資金供給した結果積みが進捗し過ぎて積み最終日にコールがゼロ近辺まで下がりやがった8月の積み最終近辺の動きがまさに実例だったと思うのですけれども・・・・・

で、もっとうだうだ書こうかと思ったのですが、そのうちネタ切れになったらちゃんと整理して書く事があるかも知れません。lukeさんのコメントにあるように「金利操作をすると結果としてタイムラグを伴いベースマネーに変化が起きることになるでしょう」というのが現在あちこちで行われている準備預金制度を利用した金利操作手段で取ってる実務的なお話だと思う次第。

つまりですな、準備預金制度を利用した金利操作をしている時には「直接」ベースマネーを操作するのではなくて、金利操作の結果(世の中のマネーに対する需要に変化が生じるはずなので)ベースマネーが変化することもあるでしょうという途中に色んなクッションが入っているラジコンというか何というか、そういう動きしかできないんですという話だと思うんですけど。

#書いてて説明しにくくなってきたのでよく整理して出直してきますかも知れないっす








2007/09/25

お題「連休明けでボケボケなので雑談です」

まあいつもの事でございますが、休み中のあたくしは基本的に相場もネットもオフモードになる(要するにナマケモノな訳だが)ので3日も休みがあるともう何がなにやら(苦笑)。

○まもなく郵政民営化ですが・・・・

http://www.boj.or.jp/type/release/nt_cr07/ntyucho0709a.htm

要するにゆうちょ銀行の準備預金分については別書きで「その他」扱いしますよというお話。ゆうちょ銀行発足するけど資金繰り管理の面で他の金融機関並み(一部の外銀とかでもたいがいアフォかという動きをするのも暫く前にはいましたけどその比では無さそう)の管理はできませんという事でありまして、綿貫センセイあたりが「それ見たことか」と喜びそうなネタではありますが、まあこんなマニアックな話では世間様へのアピールも出来ませんし、そもそもこの話の意味する所も何のコッチャでしょうから(^^)、ちょうど世の中が自民党総裁選モードでよかったですねということで(本当か?)。

実務上は極めてまともというか、こうするしか無いという施策ですので、これ自体は適切なのですけれども、こーゆー事になるという時点で郵政民営化のやり方が拙速に過ぎたんじゃないのかと思う次第でありますな。郵政三事業に関してはナショナルミニマムとして必要な部分を国営化して、他の部分に関しては規模縮小(ということで、郵政解散の時に民主党が「郵貯の規模縮小で預入限度額を半減」という施策は賛成してたんですけどねえ)が筋だったんじゃねえのと相変わらず思ってるんですけどねえ。

などと書いておりましたら、例によって本石町日記さんが既にエントリーをあげておりますので、そちらもご参照(とか言わなくてもご覧になってると存じますが^^)されるのが吉かと存じます。まああまり暴れて民業圧迫するのだけは勘弁して頂きたく存じますが、フツーの金融機関になったら利用者的には別にメリットねえような気がするんですけど。

しかしこの話って郵政の公社化時点で当座預金目標をテクニカルに2兆だか3兆だか引き上げたときに「量的緩和が終わったら郵政公社の準備預金が判らないと皆さんの過不足が判りませんって事になるんでしょうかこのままだと」とか駄文を書いた覚えがある(過去ログには無いかもしれませんが)のですが、そのときから結局ろくすっぽ進展してないですねってお話でありまして、(ついこの前までゼロ金利だったコールの部分で資金繰りの精緻な管理の為に投資するのは物事の優先順位からして後になるのは重々承知していますが)ナンノコッチャと言ったところでございますです。はい。


○末初レート(国債は)落ち着くの巻

先週末のGCレギュラーネクストは27日スタートの翌日物でして、本日の国債レギュラー渡しは28日で中間期末になるのでありますけれども(早いね)、27日スタートのGC取引も特にレートが盛り上がるでもなく0.6%近傍での取引らしいですわな。んでまあ末初のレポも0.75%とかでやってるらしいので、極めて順当かつ盛り上がりの無い展開でありまする。金曜日は国債買現先が実施されましたが、こちらもレート落ち着いてまして、水曜の共通担保と比較すると末越えで期間短くなっているのにレート低下ということで、まあGCレートが落ち着いているというか順当な数字になっているのと平仄を合わせる感じ。

ただまあCPとかの現先レートはやや確り目で、末越えのコールは気配がよくわからんですけれどもそんなに下がってなさそうな感じでもありまして、要するにファンディング付きやすいものとかの金利は上がってもロンバートが頭で、無担保とかの金に関しては今週になってもうちょっと動きが出てくるのでしょうかというような話になるんでしょうかにゃ。

SCレポに関しては一部の特殊銘柄でエライコッチャになってましたようですが、あまりこう全体的に大変という話は聞きませんな。まー6月末の時と違いまして、債券相場の水準がだいぶ違う所におりまして、投資家様がどっちかというと戻り売りモードで市場にそもそも流動玉が多いという状況がございます(その分短期国債などに皺寄せが逝ってて3か月FBが凄まじい事になっている訳なのですが)ので、まあ良かったですねという感じでありますにゃ。

余談ですが、昨年の相場はゼロ金利解除まではもう物凄い勢いで利上げが続くのでエライコッチャとか逝って相場下をやらかしましたが、ゼロ金利解除後は織り込み過ぎて下がりすぎた相場が戻るわ、CPIが市場予想以上に下に改定されるわという事で、年の前半下げの後半上げという感じでしたのはご案内の通り。で、どういう事が起きたかと申しますと、年前半はカレントとかやたら買いが多くて常に強い展開になり、年後半はカレントの買いが下がらないと来ないの巻きになり常にヘロヘロの展開となってましたが、はてさて今年はどうなるのやら。


○何かスティープしやがってますが

米国利下げ以来先週は米国金利がいい感じでスティープしやがりまして、さすがに今週は落ち着いてきたようですが、先週は利下げしてから3か月TBの金利は低下する一方で10年国債金利は20毛くらい上昇するの巻となりました。

いやまあ今回の措置はあくまでも「信用市場への対応」がメインで「それが景気に対する予防的措置」なので、短期金利を下げることが大事なんでしょうけれども、米国市場のテーマが「インフレ懸念でスティープニング」になっちゃったのは皮肉としか言いようがございませんで(運悪く原油価格が上昇してたのもありますが)バーナンキ先生大変ですわな。

そんな米国金利上昇を受けて日本の金利も中長期金利は気持ちよく上昇しやがりまして米国利上げが伝わって以来債券先物は148銭も下がるわ、10年カレントは18日の引け1.525%から21日引けで1.675%と15毛上昇するわとこちらも上昇の巻となりましたわな。まあグローバルスティープニングとか言うのかも知れませんけど、米国は確かに原油価格上昇すると直撃食らいますし、ドル全面安も進行してますし、気持ち悪いには気持ち悪いのかも知れませんけれども、少なくともドル全面安では日本に輸入インフレは発生しませんし、そもそも日本のインフレ懸念って何ですかって話ですから、一緒くたにするのは如何なものよという感じが致しますです。

まー米国のカーブの動きも止まったような感じですので、落ち着くんジャマイカとは思いますけど・・・・・・



○自民党総裁選ですから床屋政談(雑談)

・ローゼン閣下善戦

330対197で、地方票では76対65ということですので、まあこりゃ結構善戦したという結果。麻生派以外全部福田さん支持という時点ではこりゃ参ったと思いましたが、この結果なら閣下の目も潰れずで誠に結構でございました。まあこれだけ得票してれば無役でも良いんじゃ無いですかにゃ。

・谷垣政調会長

入閣かとも思いましたが、谷垣さんが党三役になったということで、
政拡張懸念が若干緩和されるかなあと思ったんですが、読み過ぎでしょうかねえ。まあ閣僚の名簿見ないと何とも言えませんが。

・舛添厚生労働大臣留任らしいですが

WE法案を「家族団らん法案」と言い出して通常国会あたりに提出した挙句に内閣支持率が10%下がるに100万ジンバブエドル。

・官房長官はまっちーでしょうけれども

幹事長が総裁派閥じゃないですから普通に考えて官房長官はまっちーになるんでしょうが、まっちーの抜けた外務大臣がどうなる(公共放送様の辞令によりますと高村外相に石破防衛相のようですが)とか、与謝野さんどこに行くのかとか、安倍ちゃん辞任のどさくさで華麗にスルーされている若林農相のアレはどうするのとか、まあ興味津々であります。

・安倍ちゃん会見

いやまあ病人に鞭打つのも何ですが、「総理大臣は在職中に健康状態について言うのはイクナイ」と言ってる側から「総理大臣の職を辞する前に国民にお詫びしたい」ってお前は在職中なのか在職中じゃないのか一体全体どっちなんじゃいと言った所でございます。さすがは「今年を漢字一字で表せば」事件をやらかしただけの事はございます次第。それは兎も角、まーしかし人間中年過ぎて自らの器を遥かに超える事をしようとするのはいかんってえ教訓を身を持って実行してくださったですな。合掌。

#と、全部雑談で恐縮至極






2007/09/21

お題「だいたい総裁記者会見」

総裁会見の前に何となく短い所のお話でも。

○FB入札とか

昨日の3か月FB入札ですが、平均落札価格が利回り換算で0.555%で最低落札が0.560%という結果でして、何ですかそりゃというレートでしたが、その後またまた強くなって日本相互証券の引けは0.545%なんですけど出合いベースでは0.54%ということで、あの一応所有期間のファンディングコストとか考えて欲しいんですけどそのレートと逝った所では存じますところで(涙)。

ということで、このあたりに関しましては現状では「利回り商品」じゃなくって「モノ」状態になってるの図っぽくなっておりますが、まー運用資金が余ってるのがチョー短い所に来てしまっているようでして、1年以内のゾーンに関しては国債と名が付くものがやたら堅調で、その流れで高格付けの一般債も堅調という有様でして、誠に香ばしい展開となっております。期末越えのあたりも10月償還のFBとか今週になってちょっと気配が弱くなってましたけど昨日は反転ということで、いやあ何かとにかく強いですねえという状況ですにゃ。

まあ何ですな、ここもとのECB利上げ停止、FRB利下げという動きと、サブプライム訳判らんモードということで、日本の金融政策に関しても時間が止まってしまいましたなあ(チャンスがあるのは12月ですかね)ということで、特に金融政策に左右されるチョー短いゾーンはエセ時間軸と申しますか、亜空間と申しますか、まあ何か妙な空間に入ってしまいましたなあと逝った所でございます。ナムナム。


ということで総裁記者会見ですが・・・・

http://www.boj.or.jp/type/press/kaiken07/kk0709a.pdf

まず読んだ印象を申しますと、複数のメディアでは「日銀総裁は利上げ姿勢崩さず」ということでまだまだ早期利上げの意欲満々っぽい報じられ方ですけれども、会見要旨を見ておりますとやたらと「慎重に見極める」「不透明要因」を持ち出しておりまして、ヘッドラインで威勢の良い発言として報じられている部分はどっちかと言いますと、質問者が「もう利上げできないでしょホレホレ」というのに対して(本音は本音なんでしょうが)「言わされてる」発言という感じを受けたんですけど(^^)。




○最初の説明部分が留保つきモード

毎回そうなのですが、会見の冒頭は今回の決定会合の結果と背景の説明になります。で、その説明部分なんですけれども、今回は留保つきモードが目立つ印象です。物は試しに前月の同じところと比較してみる(全文引用すると長くなるので一部になっちゃいますんで、ちゃんと見たい場合は日銀サイトへおねがいしたく)のでした。

『本日の決定は多数意見を背景とするものですが、多数意見では、経済・物価情勢について、これまでに公表された経済指標から、わが国経済は引き続き緩やかに拡大していることを確認しました。一方、金融市場においては世界的に不安定な状況が続いているほか、米国経済の下振れリスクが高まるなど、世界経済について不確実性が増大しているという認識です。従って、金融市場や世界経済の動向を引き続き注視する必要がある、との判断となりました。』

このあたりですが、前月会合時ではこんな感じでした。

『その背景となる経済・物価情勢についてみますと、前回の政策決定会合以降、あるいは前月以降、いくつかの指標が明らかになり、日本経済は引き続き緩やかに拡大していることを確認しました。その一方で、金融市場は、世界的に振れの大きい展開となっており、その影響を引き続き注視する必要があると判断しました。』(8月23日総裁会見)

ということで、金融市場限定の「振れの大きい展開」だったのが「米国経済の下振れリスクが高まる」「世界経済について不確実性が増大」に昇進(?)していますので、金融経済月報ではしらっと「全体として」となってた所ですが、実はリスク見てるのねと言ったところでありましょうか。

同じ発言の続きですが、こんな感じで留保つき発言が増えてるなあという感じをこの字面見てると受けます罠。

『企業部門の状況については、来月初の短観で改めて確認していきたいと思います。』

『一方、冒頭で述べましたとおり、世界経済を巡る不確実性は増大している状況にあります。私どもとしては、今後公表される経済指標や情報、内外の金融市場の状況等を引き続き丹念に点検し、見通しの蓋然性とそれに対するリスクをさらに見極めたうえで適切な政策判断を行っていきたいと考えています。』

ちなみに、2番目の方は冒頭発言の最後の部分になるのですが、この部分も前月と比較するとやはりトーンダウンを印象つけられますわなあという感じで。

『今申し上げましたとおり、日本経済は生産・所得・支出の好循環のメカニズムが維持される中で、先行き、物価安定のもとで息の長い成長を続けていく蓋然性が高いけれども、今後公表される指標や情報、内外の金融市場の状況などをさらに丹念に点検し、見通しの蓋然性とそれに対するリスクを一層見極めた上で、適切な政策判断を行っていきたいと考えています。』(8月23日総裁記者会見)


○FOMC関連

会見要旨の5ページから6ページのあたりですが、FOMCの結果を受けてどうよという質問に対する総裁の答。ちと長いので適当に段落分けしつつ当該部分を引用します。

『それから、米国経済の方ですが、FOMCのステートメントをご覧になったと思います。日本時間では今朝早く出たものですが、これは日本語で言えば、金融市場の混乱から生じるかもしれない経済全般への悪影響を未然に防ぐという書き方になっています。8月以降の金融市場の混乱が、もはや米国の実体経済に強い下振れの効果を及ぼしつつある、という判断に立っているわけではないと思います。』

『「Today's action is intended to help forestall some of the adverse effects on the broader economy」となっており、つまり経済に悪い影響がいくらか及んでくることに対して、先回りして手を打つという、そのような感じの表現になっているわけですので、FRBは将来の不確実性というものを認識していますが、確実に非常に悪い状況になるというところまで判断しているわけではなさそうです。』

とこの辺までは「明確な下向きではない」となってますが・・・・

『私どももほぼFRBと同じような見方に立っており、これまでのところ住宅市場の調整は、事前の予想よりは少し延引気味、遅れ気味であると。現在も米国の住宅在庫の水準はなお非常に高いわけですので、これからも住宅調整の期間はそう短期間のうちには終わらないかも知れない。』

『その過程で米国の住宅価格に対する下押し圧力がさらにどの程度出てくるか、住宅価格の上昇速度が鈍ったり、あるいは場合によっては下落するという場合には、いわゆる逆資産効果を通じて米国の個人消費に影響が及んでくる可能性がある。』

逆資産効果キター!

『そのリスクがあるということですので、リスクの筋道というものを頭の中に置きながら、これから米国経済の調整過程がどのような形で全うしていくか、かつまた時間的な距離はどれくらいの幅を持って見ておけば良いかということを、これからしっかり読まなくてはいけないということではないかと思っています。現在のところ、少し当初の予定よりは時間はかかるかも知れないけれども、いわゆるリセッションに至るということではなくて、いずれ経済が底を打って米国経済自体の潜在成長能力近傍に緩やかに成長が戻っていくという標準シナリオは崩れていないのではないかと見ています。』

ということでして、ポイントは「時間の距離が伸びました」ということなのかなあと勝手に理解した次第であります。



○日本経済の下振れリスクは否定するけど留保つき

日本経済の下振れリスクが高まっているのかという質問に対する答えの部分(9ページ)から。

『日本経済については、足許までの動きは概ね展望レポートで示した標準シナリオに沿って動いてきており、これから先もそれから外れることなく、物価安定のもとで緩やかではあっても息の長い成長が続く蓋然性が高いという点では判断は変わっておりません。ただし、日本経済を取り巻く環境と世界の金融市場、そして世界の経済、特に米国経済、といった環境要因に不確実性が高まっているということですので、その相互作用がどのように出るかということは従来以上に慎重に点検していくというように申し上げております。』

ここでも慎重に点検というフレーズが出てますが、大体こう「言わされる」部分以外では「標準シナリオ通りだけど時間の距離が伸びたand/or不確実性が増した」とういうトーンになっている希ガス。



○威勢の良いヘッドラインを打たれた質疑応答を

要旨12ページから13ページの部分になります。これは質問も引用するだよ。

『(問) 先程の金利の質問にも関連しますが、現状の金利水準について以前総裁は、金利が変わらない状態が長く続いた時のリスクとして、市場に歪みを生じたり、あるいは安定した成長を目指す中で波を起こすリスクを説明されましたが、現状そのリスクは、後退してしまったのか、変わらないのか、あるいは増大しているのか。また、先行きについてこのリスクが増大する可能性があるのか、変わらないのか、といった足許と先行きについて、このリスクをどのようにみておられるかお伺いします。(後半割愛)』

これは良い挑発(^^)。

『(答) まず前者のご質問については、先程の質問に対して、一定の具体的なあるべき金利水準というような意味での目指すべき具体的なレベルは意識していないと申し上げました。そのように申し上げましたが、現状の金利水準は、実質2%前後で安定的に成長し物価は極めて安定した状況にあるという経済の実勢との対比でみれば、やはり相当低いところにあり、この大幅に緩和的な金融環境が提供され続けているということは否めない事実です。』

『こういう状況がいつまでも続くという認識が市場に定着した場合には、明らかに資源配分の歪みを生ずるような方向に資金が使われていくということは疑いようがないと思っております。従って今後とも標準的なシナリオどおり経済が動いていくのであれば、金利調整の必要性にいささかの変化はなく、私どもとしても重要な政策課題になり続けると思っています。』

で、ここから先が言わずもがな発言。

『これまで皆様方からも度々円キャリー・トレードはどの程度リスク要因として膨らんでいるかという質問を受けました。今の時点で振り返ってみると、幾ばくかやはり低すぎる金利水準に端を発する一つのディストーション(歪み)だと言えると思います。私が言わなくても市場関係者の多くの方がそのように認識しておられます。マスコミの皆様方もそのように認識しておられ、最近の市場の変化の中で多少その歪みは吸収されているという状況ですが、将来に亘ってまた日本銀行はいつまでも金利を据え置くという安易な認識が市場に定着した場合には、同じこと、あるいは同じ以上のこと、あるいは別の形のリスクが膨らむ可能性は十分にあると認識しておかなければならないと思います。』

わざわざ聞かれもしない円キャリ話を言うところなんぞを見ますと、日銀執行部としての福井「総裁」は経済物価情勢における時間の距離が伸びたという認識はしているのですけれども、福井「政策委員」としましては「低金利の継続イクナイので何とかしたいですなあ」というのがあるのかなあと思わせてくれました次第。

でもまあ会見全体のトーンは福井「総裁」になってるように見えますんで(^^)、一部のメディアが言うほど「やる気満々」には見えませんですけど・・・・・


本日はそんなところで。今週も連休ですか。








2007/09/20

お題「金融政策決定会合とか金融経済月報とか」

昨日の時事メイン10時33分配信記事によりますと、FOXテレビのインタビューでグリーンスパン氏は「FRBには無分別な判断をした一部の投資家を結果的に救済することになっても経済の安定を維持する義務がある」といった趣旨の発言をしたそうですな。言わんとすることは判りますけど、あたくしの感覚からすると、この先生今はドイツ銀行グループのアドバイザリーだかなんだかやってて報酬も受け取ってる立場でありますからして、利害関係人(しかもドイツ銀行グループはサブプライム問題での被害がでかいと言われてますし・・・・)による利益誘導発言ですがなとか思ってしまう(言うなら利害関係人じゃない立場で言えと)のですが、もしかしてあたくしの感覚がおかしいんでしょうか????


と前置きの悪態が長くなりましたが決定会合あれこれ。


○水野審議委員が利上げ提案でしたか

決定会合どう見ても現状維持(「利上げ見送り」というのもよく考えたら変な言い方ですな、トリシェみたいに予告ホームランしてるわけじゃないんですから・・・)なのに、13時回っても決定会合が終わらねえとか思ってたら8対1でございました。結果出る前には「利上げと利下げ提案が出てたら面白え」とかギャグを言ってたのですが、利上げ1票だったか惜しい(笑)。

水野審議委員の先日の講演によれば、今回は一旦様子見モードになるという意味で現状維持に賛成しても何らおかしくはないと思ったのですが、米国の利下げをあくまでも「予防的措置」であって、景気悪化ではないというロジックで利上げを出してきたということなんでしょうかね。詳しくは議事要旨みないと判りませんけど。

まあそのロジックはロジックと致しましても、その発想の中に、「一度出した方向性を引っ込めるのは簡単にできない」というのがあって「方向性の自己目的化」状態になっているとなりますとそれは如何なものかと存じます次第でして、それって例えは良くないけど、支那事変おっぱじめたら全然エグジットできず結果はご存知の通りとなった人たちを思い出してどうもねって所であります。そうではない事を切に希望致します次第です。

ま、方向性を一度出したら状況が変っても自己目的化ってのは困りますけど、さりとてコロコロとドテンドテンされても困りますけれどもね。市場的には何か変な仕掛けみたいな動きでその後下がってたみたいですけれども、ふーんという感じであります。

・・・と微妙に悪態をついているようですが(苦笑)、後でご紹介する金融経済月報を見ると微妙な形で下方修正(普通は下方修正とは言わないが、月報(ただし基本的見解のみ^^)読みが趣味のあたくしには下方修正に見える)をしていますが、よく見りゃサブプライムの話がねえええええというのもありまして、基本線に変化が無いとなれば例の「確信度の問題」になるので、現状維持のロジックもそりゃどうなのよという事になるのがアレなのでございますが。

#水野さん、あえてドンキホーテ(安売りの殿堂じゃない方)を買って出ているのかも知れないですけどね



○総裁記者会見のヘッドライン研究(??)

月報の前に記者会見の話なのですが、今回の会見に関してブルームバーグと時事メインとロイターの打って来るヘッドラインを眺めていたらオモロイ傾向があるように見えました。

と申しますのは、ブルームバーグとロイターは総裁の「タカ派」的な部分を前半のヘッドラインに打ってまして(しかもロイターは日本語よりも英語の方がよりタカの印象を与える打ち方)、時事メインでは「注視する」というのを最初に出してきているという印象でして、最終的には日銀のサイトに今日アップされるものを読むということになりますが、印象違いますなあという所でございます。特にブルームバーグニュースでは総裁記者会見の記事の見出しが『福井日銀総裁:今後も想定通りなら金利調整の必要性変わりない』となってまして、いやあタカ派ですなあ(誰が?)という感じです。

で、研究とか言ってるくせにブルームバーグのヘッドラインのスクリーンショット取り忘れている間抜け振りがドラめもんクオリティなのですが、ロイターと時事を比較してみると面白れえのです。最初から数本を並べてみるとその印象の違いが明確なので引用してみますね(^^)。なお日付とかベンダー名(JIJIとかRTRSとか)とか「福井総裁」ってあたりは割愛してますのと、手元の紙ベースの記録なので念の為。

(時事メイン)
16:32 国内経済、8月会合以降で大きな変化はない
16:33 米経済は下振れリスクが高まり、世界経済の不確実性が増大
16:33 逆資産効果を通じ米消費に悪影響与えるリスクある
16:33 市場動向を引き続き注視する必要がある
16:33 米経済、いずれ潜在成長に戻るシナリオ崩れていない

(ロイター日本語版)
16:32 海外中銀の適切な政策判断は日本経済にとって好ましい影響
16:32 米経済、サブプライム問題波及し、景気下振れリスク高まっている
16:32 ECBやFRBの政策で日銀の判断が狭められることはない
16:32 米国経済の調整、当初予想よりも少し時間かかるがリセッションには至らず
16:33 水野委員は利上げを提案、金融市場注視も世界や日本経済拡大の可能性高い

(ロイター英語版)→BOJ'S FUKUI SAYSが全部頭につきます
16:31 CURRENT RATES VERY LOW COMPARED WITH JAPAN'S ECON CONDITIONS
16:32 CAN SAY YEN CARRY TRADE A MARKET DISTORTION RESULTING FROM TOO LOW RATES
16:32 DOES NOT SEE NEED FOR NOW TO DRASTICALLY CHANGE SENARIO IN BOJ OUTLOOK REPORT
16:32 DOUNSIDE RISKS FOR U.S. ECONOMY RISING
16:33 WANTS TO LOOK AT TANKAN TO JUDGE CAPEX STRENGTH

一応早いものから5本分を引用した積りですが、印象違いますなあという所で(^^)。ブルームバーグを入れてないのは単にスクリーンショット取り忘れで他意はありませんけど、先ほど申しあげたようにタカ派的な印象を与えてくれますな。



○微妙に下方修正&サブプライムの話がねええええ(金融経済月報)

http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/gp/gp0709.htm(9月分)
http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/gp/gp0708.htm(8月分)

殆ど中身が同じという所が何ともでございますが、違っている点は2箇所+α。

・現状判断部分における住宅投資

『住宅投資は足もと減少している』(9月)
『住宅投資は横ばい圏内の動きとなっている。』(8月)

・先行き判断部分における海外経済の部分

『輸出は、海外経済が全体として拡大するもとで、増加を続けていくとみられる。』(9月)
『輸出は、海外経済の拡大を背景に、増加を続けていくとみられる。』(8月)

で、注目すべきはこっちの方でありまして、「海外経済の拡大」と言い切ってたものに「全体として」というヘッジクローズ(苦笑)が入っている所に、先行きの不透明さが高まったという心が現れているというものであります(^^)。

ちなみに、物は試しに英語版(http://www.boj.or.jp/en/type/release/teiki/gp/gp0709.htm)を読んでみたら海外経済が云々部分はこのようになっておりました。

『Exports are expected to continue rising against the background of the expansion of overseas economies as a whole.』(9月)
『Exports are expected to continue rising against the background of the expansion of overseas economies.』(8月)

このas a wholeがあるのと無いのとではどうニュアンスが違うのよという話に関しましては英検1級不合格(受験だけなら誰でもできるというツッコミは謹んで却下^^)のあたくしにはよーワカランチ会長ですけど、どうなんすか?


で、もう一丁気が付いたのは今回の基本的見解部分にサブプライム関連のお話がねえええええということであります。とは申しましても、前回も景気の基調判断部分にその話はなくて、金融面で『為替・資本市場では、米国の住宅金融問題に端を発した世界的な不透明感の高まりを背景に、わが国でも、前月と比べ、長期金利は低下し、株価は下落している。』という形にしかなってないんですが。

で、書きながら物凄く勝手な解釈を思いついたんですが、サブプライム問題の影響が前月段階では「金融面」であったものが、景気の基調判断における海外経済部分に「全体として」という言葉に昇格したとも言えるのかもしれませんが、それはちと強引な解釈ですかそうですか(^^)。

ではでは。





2007/09/19

お題「ほほう0.5%」

昨日はまさしくFRB待ちでございましたな。で、結果でましたな。

モーサテがいまだに「今日は日銀利上げするのか」とか言ってたり、その線で解説コーナーやってるのは、他にネタが無いので引っ張ってるのかも知れないですけど、ちょっと何だかねって感じです。こーゆー報道やりやがるから「日銀の利上げバイアス」が国内金利市場の人たちが見るよりも遥かに過大に伝わるんじゃねえのかと思うのですけど。

ということで声明文

http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20070918a.htm

FED文学には詳しくない(日銀文学だって詳しくはねえが^^)ので内容無保証でございます(いつもそうですけど^^)なのですが、声明文の原文をつけながら読みますので一つ勘弁。

金融市場(クレジット市場)の混乱が景気に悪影響を与えるという部分を強調し、景気の先行き不透明感が高まったとしているので、まあ予防的とは言いつつも景気配慮の利下げになるんでしょうと思うのですけれども、インフレ圧力は緩和されたけど残っているという文言が残ってまして一応インフレ警戒もしてるという内容っぽいでありまする。うーむ苦しい。

The Federal Open Market Committee decided today to lower its target for the federal funds rate 50 basis points to 4-3/4 percent.

ところであたくしうっかり八兵衛にも程があるのですが、つい先週は米国市場は50bpクレクレ相場で、25と50の両睨みだったと思ってたんですが、50って思いっきりサプライズだったんですかそうですか。ちなみに最後の最後にありますけど、公定歩合もフルスライドで下げています。

Economic growth was moderate during the first half of the year, but the tightening of credit conditions has the potential to intensify the housing correction and to restrain economic growth more generally.Today’s action is intended to help forestall some of the adverse effects on the broader economy that might otherwise arise from the disruptions in financial markets and to promote moderate growth over time.

経済情勢は今のところ緩やかに推移してますけど、クレジット市場の収縮が住宅市場の調整に拍車をかけて経済に悪影響を与える懸念が高まったので、予防的に利下げすると仰せのようでございます。

ということで、「予防的措置でちょっと多めに利下げ」ではあるのですけれども、「信用収縮→住宅市場悪化→景気悪化」というロジックでもあるので、「景気に対する措置を早めに打ってみました」ということになるんでしょう。じゃあその景気なんですけど、後のほうでは「景気見通しに不透明感が高まった」と言ってまして(後で引用します)、明確な悪化とは言ってないですけど、まあトータルで見れば「悪化の懸念もあるので予防的措置でちょっと大きめに下げてみましたよ」という事になるんでしょうか。

さて、我が国に戻りまして、水野審議委員が先日言ってました「米国が景気悪化懸念を理由に利下げした場合は議論の前提が変る」という面に関してはどうでしょとなる次第。日銀の景気判断の前提としては「米国経済は緩やかだけど拡大継続」というものでしたが、何せFRBさまが予防的利下げ(しかもちょっと多め)を行ったということでありますので、こりゃまあ一旦様子見モードに入るのには良い言い訳ですな(^^)。

てな訳で本日は水野審議委員も一旦利上げ提案見送りになるのかとは思うのですげれども、予防的措置であって景気悪化懸念の利下げじゃないから米国経済はメインシナリオ通りというやや強引な解釈で利上げ提案したらそれはそれで芸風としては面白いですが、まあやらんでしょうと思うんですけど。振り上げた拳を引っ込めるのにはいいタイミングですから。



まーしかし信用収縮対応で利下げして時間稼ぎ、でやや市場が驚く幅で多めに下げる事によってアナウンスメント効果もということなのですけれども、信用収縮対策はプルーデンス政策の問題でして、本当に無茶なことになると少々の金利操作は気休めにしかならんという話は日本の例から(以下いつもと同じ話^^)。

Readings on core inflation have improved modestly this year. However, the Committee judges that some inflation risks remain, and it will continue to monitor inflation developments carefully.

コアインフレは落ち着いているけど、インフレリスクは残っていると仰せで、今度もインフレの動向については注意深く見るとも仰せなのが泣ける所でありますな。

Developments in financial markets since the Committee’s last regular meeting have increased the uncertainty surrounding the economic outlook. The Committee will continue to assess the effects of these and other developments on economic prospects and will act as needed to foster price stability and sustainable economic growth.

さっき申しあげたように、前回(定例)会合以降の経済見通しには不透明感が高まっているということですが、最後の文は微妙でありまして、「必要ならば適切な行動を取る」というのは利下げ継続と言っているようでもありますけれども、その前にしらっとインフレリスクが依然としてございますがと仰せでもありますので、信用市場の混乱がおちついて住宅市場の調整がソフトランディングしたら不透明感解消かつインフレ懸念で利上げやらかすこともできますなあという感じですか。まあ金利下げても問題の本質的な解決にはならず、解決するまでの時間稼ぎと解決のコスト低下(がまあ大事っちゃあ大事ですけど)に寄与するに過ぎないので、そうそう簡単に利上げに転換できないとは思いますが。

ただまあ困りやがるのは米国株式市場が案の定派手派手に上昇しやがったことでして、資産価格上昇するはインフレ懸念が拡大するわと仮になっても信用収縮は信用収縮で相変わらずとかだと、次にやることが難しいような気がしますがね。「バブルの傷をバブル発生で何とかする」というのは勘弁ありたしですけど。

以下の引用は割愛しますが、今回の決定は全会一致ということでその点でもFRBのボードメンバーの「やる気」を見せたということではないかと思います。

ということで、珍しく不慣れなFOMCステートメント読みなんぞをやらかしてしまいましたが、本職でも何でもないので内容無保証(引用文はコピペしてるから正確の筈ですよ^^)でして、間違い解釈してたらご指摘賜りますと幸甚であります。

ではでは。







2007/09/18

お題「決定会合とか超足元の金利が上昇した話とか」

モーサテ様で貧乏人向け特攻ローンの実例の話してるんですが、世帯月収が20万円なのに頭金なしで7000万円の「夢のマイホーム」を購入とか、英語が苦手でローン契約内容を理解している云々の問題じゃなくて借りる方が足し算すらできないとしか思えません次第でして、恐るべし米国人。どっちもどっちというかこんな連中救済する必要あるんかいなと思う次第。まあこれは幾らなんでも超越的に極端なケースなんでしょうが。

○さて決定会合

今週の金融政策決定会合は連休明けの今日と明日というちと早めの日程になっておりますが、まーどう見ても今回は利上げ見送り間違いなしでして、全然材料にならないのではございますが(苦笑)。

んでまあ今回の注目材料ですが、前回の金融経済月報(基本的見解部分)では米国発の信用収縮問題に関して基調判断やリスク要因としては華麗にスルーし、金融面の現状部分で触れていましたが、今回の金融経済月報でどのような扱いになるのかと言うところでしょうか。ただまあこのあたりは微妙ではありまして、8月会合後の総裁記者会見の中で福井総裁は「毎月の月報ではあまり大きく方向を動かすことはございませんですが」というように取れる発言をしておりましたので、もしかしたら今月も華麗にスルーなのかもしれません。ただし、7月会合の議事要旨では複数の委員からの指摘として「情勢は毎月変化するものだから展望レポートおよび中間レビューをあまり特別扱いするのは如何なものか」という意見もあったようですので、もしかしたら今月は何かあるかなあとも思うのですが・・・・・

まーFOMC次第という面も思いっきりございまして、先日の水野審議委員の講演にありましたように、要するにFRBが米国経済の下向きリスクを唱えて利下げすれば水野さんも利上げ提案引っ込められるし、日銀も「いやあ米国経済に下落リスクがあると向こうの中銀が言ってますからねえ」としらっと日和見モードに入る事もできるという点で、実はどっちに転んでも日銀的には「余裕を持って」対応できるのかも知れませんな。福井総裁的には無念かも知れませんけれども(^^)。

というような感じですので、先週も申しあげたように、まあ順当に考えると次に利上げするタイミングが有るのは12月がワンチャンスと言ったところではないかと思うのですよね。可能性は市場が見てるほど低くは無くて、全く無いと思うのはちょっとやり過ぎ感もあるのですが。


そういえば、英国の住宅ローンを熱心にやってた挙句に(金繰りつかずになって)現在虫の息でありますところのノーザンロック銀行(詳しくは知らんのですが、汗)に対するBOEからの金融支援(先週末からそんなヘッドラインを見たような記憶がありますが、具体的な動きは週末にあったんですね)というお話に関しては本石町日記の最新エントリーをご参照されると吉かと存じますが、今朝のNHKニュースのヘッドラインでは同行の取り付け騒ぎの画像を放映しておりまして、あまり思い出したくない光景でありますことよと思いました。

#そして取り付けモードだというのに銀行に並ぶ行列が整然かつ静かに画面上からは見えまして、まさにエゲレスクオリティとか思いましたけど、気のせいですので悪しからず(^^)。



○また「急に出し渋りが来たので」ですかな

国債の3/9月利払い銘柄の振替停止期間の関係上やや低調だったレポ取引でしたが、先週金曜のレギュラー受渡が20日になりましたので、先週金曜からGCレポ取引も本格稼動。で、そのGCレートなのですが、20日スタートの翌日物のレートがまた突如上昇しやがりまして、それまで0.52%とか0.53%あたりだったのに0.60%近くに上昇の巻になったそうですわな。

それで相変わらず3か月カレントのFBとかは0.555%などとやりやがっておりますので、現先やレポ対比で華麗に逆鞘という有様になっておりますわな。ナンノコッチャとしか言いようがありませんが、日本相互証券の引けを拝見しますと10月9日償還のFB459回が2.5毛甘の0.600%とかになってまして、この短すぎゾーンに売りもでたのかねえという感じでもありますわな。まあ実弾が出やがったのか、3月末と同じパターンで20日渡しのあたりから急に出し渋りが来たので(えーっとちなみに元ネタはQBK(=某サッカー選手の迷言「急にボールが来たので」)ですので念の為^^)が出やがったのか、複合要因(金がいるから売りが出たとかね)なのか知りませんが、突如期末らしい雰囲気が出てまいりましたということです。やっぱ期末はこうじゃなきゃ。


ただまあ先ほども申しあげましたように、金利が上昇してるの超足元だけでして、3か月あたりの金利はビクともしてませんので、あくまでも足元の期末要因でして、超足元の金利で勝負する人以外には「でもそんなの関係ねえ」と言ったところですよねスイマセンスイマセン。


○たまには本の紹介

実は積読状態なのが3冊も4冊もあるっちゅうのに、日曜にまたフラフラと本を買ってしまい、先入先出法の適用(違う)ということで成敗した本がございますが、あまりにも趣味の本はアレですので1冊だけご紹介。

・「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年(上杉隆著、新潮社)」

先日見事に大崩壊しましたが、鳴り物入りでスタートした安倍政権の1年の迷走っぷりの内幕レポートっぽい内容ですが、まあ軽いので1時間もあれば楽勝で読めます。これが1800円だと金返せと言いたくなるのですが、1400円ですのでまあ適正水準といった所でしょうか。

テンポがよいのと、記憶に新しい事象の話ですので、講談でも聞いているような感じでスラスラ読めますが、正直これなら立ち読みで読破できたなあという気がしないでもない。

ISBN978-4-10-305471-9 \1400

ではでは。






2007/09/14

お題「まー本日も雑談であります」

NYの利下げクレクレ相場をどう捌くのか、バーナンキ先生ドウスルドウスル。

○目線が変るとはこういうことで(笑)

昨日のあたくしの駄文、後から見て「ありゃりゃ」と思った箇所がございまして、それはこちらでありました(汗)。

『FRBはFF下げそうだわ、ECBの利下げも微妙だわ』(昨日の駄文)

・・・・ECBは利下げじゃなくて利上げでしょうがということで、謹んで訂正するのでありますが、まあ要するに文章書いているあたくしの脳内が利上げモードでも何でもなくなってしまったのが手に出てしまったということでありますな。このタイポは思いっきり無意識でやらかしましたのが何とも(苦笑)。

と、アセアセになっていたあたくしなのですが、そんな昨日に電話がやってきて話をしてたら「おお!」というのがあったんですよ(^^)。「OIS市場で利上げ確率がマイナスになっているって話を聞いたんですけどどうよ」って言われてほほうと思ってベンダーの画面を見たら、9月からのBOJタームのOISのレートが0.51〜0.52%になっておりまして、画面を見ると確かに「Probability」の所が−1%ちょっととなっております。

うーむ、これは末初のレート上昇を見て計算してるのかとか思っていたのですが、画面をもう一度見たら、その「Probability」の続きにあったのが「25bp BOJ Rate Cut」とありまして「そりゃマイナスだわ」と納得した次第(利下げ確率マイナス1%=利上げ確率1%ですわな^^)であります。

なるほど、頭の中に最初に出てくる言葉が利上げじゃなくて利下げになってきているのはあたくしだけじゃないと安心(??)したあたくしなのでありました(^^)。ちょっと見つからなかったのですが、どこぞの本職さんのレポートでも何か頭の中から利上げの言葉が抜けてしまった微苦笑レポートがあったらしいとも聞きましたし、まあ何とも。


ちなみに、昨日の1年TB入札は案の定0.7%にちょっと届かずでありますし、それよりも「えええええ」って感じなのは3か月FBの0.555%でありまして、いやあの昨日とか足元(積み最終日近くという要因はあるんですけど)金利上ったりしてるんですけどちょっともうその利回り何よということで、全く利上げ観測が盛り上がらないというか盛り下がりにも程がある展開になっておりますわな、合掌。



○んじゃあたくしの利上げ経路予想はどうよとなりますと・・・・

まあ何せ政局もカオスですし、FEDはFFは下げそうだわECBは利上げ(^^)しそうもないわでありますし、今頃が回答期間の10月短観が良い数字出る訳ないですから、10月の利上げはどう見ても苦しい。FF下げで打ち止め感でも出れば話は別ですが、市場の勢いは全然そんな感じでもないですし、そもそも信用問題というのはそう簡単に不安一掃とはならないですからして、11月に利上げ環境が整う感じもないでしょ。CPIもまだ11月までの発表数値で強くなるのも無理ぽでしょうし。

ということでですな、12月にワンチャンスあるかなとは思うのですけれども、このワンチャンスと言えども、株式市場が平均株価で1000円位は上で、コアCPIもプラスになり、GDPの数字も復活して・・・と言った感じで「文句の出にくい」状況にならないと難しいでしょうなあと思うのですが。あ、それからこの時点で米国は利下げモード終了&欧州利上げ再開になってナイト。

1月〜3月の利上げは8月や9月に利上げができていれば「経済物価情勢の改善に応じた政策金利の調整」路線を淡々と継続と言う意味でやれたのでしょうが、12月までに利上げしてなくて1月〜3月に利上げするとなりますと「政策金利の調整(=利上げ)再開」となりますが、3月の執行部交代前に「再開」ってのはどうも「やり逃げ」の観が否めないですし後任を縛るのはイクナイという話になるのでやりにくいでしょとなりますわな。そして12月に利上げできてたとしても、その時点で第4次利上げが3か月後にできるような経済物価情勢になっているとは思いにくい(なってりゃ目出度いですが)ですので、やっぱり1〜3月利上げ難しかろうとなるのであります。

てなわけでして、結論は「12月に1回やれるかもしれないけど、年度内はできて1回」となるのでありました。当たるか外れるかは完全無保証です(というか外すの得意ですから^^)ので投資判断は自己責任で(^^)。


○床屋政談というか雑談

小ネタ雑談で恐縮至極。

・安倍退陣による不幸と悪運と

同じく昨日知人と電話で与太話相場観の意見交換をしていた時に指摘されてハッとなったことがあります。それはと申しますと「こんな辞め方されちゃあ松岡さんが浮かばれないよぉ」という指摘でありまして(涙)、まあ勿論松岡さんが何故死を選んだのかというのは他人には判らないですけど、どうも辞めるに辞められずに進退窮して死を選んだんじゃないかとか思って安倍ちゃんの突然の退陣を見ますと何とも申しあげようがございません・・・・

そしてですな、どう見てもお助けだったのは舛添厚生労働大臣。WE法案を「家族だんらん法案」はねえだろと思う次第ですし、他の動きも見てると数ヶ月もすれば馬脚でまくりの悪寒でしたので、見事なお助けになりましたな、悪運の強いお人よ。


・ローゼン閣下残念無念

福田元官房長官総裁選出馬というニュースが夕方に飛び込みまして、相場はほぼ終わっているのであたしゃてめえの脳内だけでまた祭りになってしまいました。祭り疲れで今日はもうダメポなのでありますが(苦笑)それは兎も角。

古賀、谷垣、山崎派などが清和会の総裁候補を支持するってのが実にこうオモロイ話でありますが、昨日の朝のニュースの時点で日本テレビがやたら反麻生なニュース(安倍ちゃんが「麻生に騙された」と言っていたという話をしてた云々とか)を出してたので何かあると思ったらこれですかそうですか。

津島派が乗ってくれないとローゼン閣下はそもそもの勝算が厳しいというのに額賀さんが出馬意向と来てます(何か出馬できなさそうですので額賀さんの涙目ぶりのほうが凄いのか・・・)し、ローゼンオワタという感じですが、福田さんだったら安定感抜群だからこの際良いんじゃないでしょうかという(実はあたくしこの前の自民党総裁選前にどこぞの情報ベンダーのアンケートに「小泉後継は福田がよかろう」と答えてましたわ。すっかり忘れてたけど^^)感じでございますわな。

福田さんも確か各省の大臣はやってない筈でしたが、官房長官としては小泉内閣の初期を上手に捌いて安定政権の基礎を築くのに貢献してたようにも思えます(安定しきっていた安倍官房長官時代とは違うかと)し、大臣やってないけど何故かサラリーマンを17年(でしたっけ?)やっているのもポイント高かろうと存じますので、安倍ちゃんのような事にはならないと思いますがどうでしょう。

・・・そして、麻生銘柄とか言って買ってた人残念無念というかテラアホスと申しますか。まさか樹海逝きはいないでしょうけどまあナムナムナムということで。

#しかし福田に小沢じゃ角福戦争再びですか・・・・


・ところで福田後継で債券相場や金融政策への影響は

・・・・正直申しあげまして、経済閣僚や官邸の人事がどうなるのかさっぱり判らん状況では何とも申しあげようがございませんです。谷垣さんとかの財政健全化路線で来るのか、それとも地方への配慮路線で来るのか、はたまた町村派が中心になって中川前幹事長の上げ潮路線復活なのか、イールドカーブがどっちに逝くのかそれによって全然違いそうですわな。

まあいずれにせよ、金融政策に関しては暫く「低金利継続で景気をささえてね」攻撃になりそうではございますけど・・・・・

ということでですな、正直申しあげて自民党総裁選来週水曜にして頂きたいのですが。内閣が判らないとこっちとしても予想のしようがない(予想しても当たらないというツッコミは却下)です。


まあ本日はそんなところで。よい週末をお過ごし下さいませ。







2007/09/13

お題「失われた半年(苦笑)/15年変動国債から色々」

1年前にこのような事態を誰が想像しえたでしょうか・・・・

○安倍首相辞意表明雑感

所信表明演説までやって辞任とか無責任にも程があるとしか言いようが無いですわな。最初に思いついた原因は昨日外務省とか官邸とかを訪問したらしい何処かの国の駐日大使(以下激しく自主規制)。

午後の寄り付き後、案の定強いFBの落札結果などをマターリと見ながらのんびり気分だったのをニュースフラッシュで急に脳内が祭り状態に(^^)。しかしファーストアクションが株先買い債先売り(債先の売りは株先を見て売った感じですが)だったのには爆笑を禁じ得ませんでした。さすがにその後下落したのはご案内の通りですが。

まあ色々と感想はあるのですが、各省の大臣も未経験で総理大臣になっちまったということで、確かに立場が人を作るというのもあるのですが、それも程度問題ということで、人間その能力と器をあまりにも越えた立場にいきなり就くのは無理があるということなのでしょう。何と申しますかねえ、最初に思いついた例えって、勢いで「若手支店長公募」に受かったものの、自分よりもベテランの部下を使いこなす事ができずにズタボロになってしまうの図みたいな感じでございますが・・・・

最初の組閣時点で党人事でシンキローのお伺い立てながら意に沿わないのを押し込まれた時点から安倍さんの不幸は始まったのかとは思いますが、姑小姑の多い中で思うように出来ず、安倍さんとしては「こんなはずじゃ無かった」という思いなのでしょうけれども。まあ同情はしますが、テラアホスとしか言い様がございませんですわなあ。


で、改革がどうのこうのと相変わらず言われる訳ですが、保守反動の抵抗勢力であります所のあたくしとしては、そもそもあの改革は如何なものかと思っておりますというのは郵政解散前後のあたくしの駄文でもお読みいただければ判ると存じますけど、まーこれでちったあ大人しくなってくれよと思うのでした。

小泉改革路線の無茶(というか強引というか拙速というか)な部分が出てきて安倍ちゃんの足を引っ張った面があるのに小泉再登板ってのもねえ。小泉さん賢い(というか勘が良いというか)から受けないとは思いますが。チルドレンの皆さんも小泉さんに言われた「政治家は使い捨てにされる覚悟」という話を身に沁みているんでしょうかねえ。

#マザーズの麻生フォームクリートがS高買い気配になっていたのにはご祝儀買いにも程があるというものです(^^)。


○これは失われた半年ということですな(涙)

そもそもがFRBはFF下げそうだわ、ECBの利下げ(利上げですがな・・・・)も微妙だわという状況となりつつある中で、国内ではGDP改定値が予想より弱いわ、景気ウォッチャー調査は下向いてるわという有様で昨日の3か月FB入札があったわけなのですが、平均落札が0.574%で最低落札が0.578%と0.60%どころか0.58%も買わせてくれないという大変にニーズの高そうな入札になりやがった挙句に、安倍ちゃん辞任の報道で「こりゃまあ金融政策フリーズですなあナムナム」という思惑が益々高まった(のかどうか知らんけど)ということで、新発FBの引けは0.560%(日本相互証券)となりやがりましたですよ先生。

んでまあ6か月FBは0.620%ちゅうことで、まあこのあたり見てますと年内利上げ無しどころか、「次の利上げは次の総裁で」という感じにまでなってくるのかなあという所です。まあそれはちょっと勢い余っているかもしれませんが、年内どんなに早くても12月でしょうなという感じですと、その次は精々次の夏以降となる訳ですから、思惑としてはそうなるでしょうねえということでまことにテラオソロシス。

じゃまあこの短い所のレベルってどうなのよという話なのですが、FBの利回りだけ見てると、これは3月〜4月のレベルかなという感じです。3か月だけで言えば3月ごろのレベルなのですけれども、6か月や1年は4月終わり頃のレベルという感じでして、ええもうこの半年色々と大騒ぎしたのは何だったんでしょうかと脱力感を拭えないのでありました、とほほのほ。

しかしあの一応期末越えもありますし、別に足元いつまでも資金余剰のまんまじゃないと思うのですが(そんだけサブプライム問題の根が実は深いというのならまあそれも正しいのかもしれないですけれども)、0.56%ってそりゃねえだろと思うんですけどねえ、とまだ意地張ってますかそうですか(^^)。


○15年変動利付国債から色々と

昨日の駄文で国債市場特別参加者会合の15年変動国債の話をしましたが、後で読み直してみたら引用した発言者に向けて一方的に悪態をついているようにしか読めない書き方になっておりましたのはあたくしの不徳(というか文章力の欠如)によるものでありまして反省反省。平にご容赦賜りたしでありますm(__)m

ではあたしゃ何を申しあげたかったかと言いますと、引用した発言の人向けじゃなくてですな、国債市場特別参加者会合の議論の方向がどうもこう「中長期的な国債発行、安定消化」の話じゃなくて「目先のポジションに有利なポジショントーク」に走るのがちょっとどうなのよという話なのでありますわな。業者が基本的な参加者だからある程度仕方ない面はあるのですが、一応これはれっきとした公的な審議会なのでありますから、ポジショントーク丸出しってのもどうなんでしょうかねえと思うのでありますよ。

それにしてもこの15年変動利付国債に関しては、業者も投資家も(おまけに当局の一部でも)「イールドカーブがフラットニング(特にベアフラット)した場合にやられる債券」という特性について理解して無かったのか敢えて目をつぶっていたのか存じませんが、金利上昇ヘッジとかバーゼルUのアウトライヤー規制対策商品だとかいうことで無用なニーズを発生させて、実際に短期金利が動き出したら討ち死に(その前にもウルトラ債券高のブルフラットで討ち死にしましたけれども、この時はベースレートがゼロで受取金利のフロアに救われた面がありました)して「もうイラネ」って悲しいお話であります。

まあ結局のところ、銀行のポートフォリオに「イールドカーブのスティープニングをヘッジするニーズ」があったのかよ(15年変動利付国債はイールドカーブがフラットするとやられる債券なので、ひっくり返して言えばスティープニングのヘッジになる)という話になる訳でして、カーブがスティープするということは基本的に短期調達長期運用の銀行業態としては収益環境が改善することになる(確かに手持ち債券の評価はベースでは食らいますが、再投資レートは改善しますし、そもそも貸出利鞘が改善する話になる)筈なので、そんなにドカドカ買う必要があったのかと。銀行全体のALMって考えたら債券ポートフォリオの中でオマジナイとして持つ位のものだったんじゃないかと思うのでありますがなどと今更言うのは簡単ですけど、まあそういうことで。

結局ですな、この手の仕組モノっていうのは、結局どういう方向にリスクがあって、そのリスクはてめえのところの資産負債状況や収益構造からして取るべきものなのかというようなことを考えないといかんのじゃないかなあとか思うのでありますよ。変にプレミアム取れるから仕組調達するとか、仕組運用するとか、別に端からやらないという必要もないですけれども、やるならやるでよく考えるべきではないかと思うんですよね。

とまあそんなところで。





2007/09/12

お題「FB入札/15年変動利付国債の受難」

米国の利下げクレクレ市場状態。前任の撒いた種(しかも前任は暢気かつエラソーに警句を発していたりしますが、このジジイが顧問だか何だかで金貰っている相手がサブプライムで大怪我こき太郎というのが何とも香ばしいですな^^)ではありますが、この状況をどう軟着陸させるんでしょうな。この株式市場の地合い見てると、FFを50下げたらバブル発生コースでしょ・・・・・

「バブルの傷はバブルでしか癒えない」というのも判らんでもないですけれども、あたくしにはそれは「問題先送りの飛ばし」にしか思えません次第でして、飛ばしをやればやるほど災厄がでかくなるのは相場の基本っすからねえ。


○さてFB3か月入札です

本日も水曜日恒例の3か月FB入札でございます。で、そのレベルなんでありますが、今週になって内外の経済指標を受けまして年内利上げも怪しかろうという感じになってきて強気だったストラテジストだかエコノミストだかの皆様も続々撤収という今日この頃でありまして、昨日0.575%とか出合いやがってうへえと思った前週発行のFB472回債の利回りは昨日は0.57%になりやがりまして、どう見ても年内利上げ無警戒モードです。本当にありがとうございました。しかも誠にコリャコリャと思うのは、10月アタマの償還から先に向けてチョー緩やかですが逆イールドになっている事でありまして、カレントがショート目になっていて需給上強いというのもあるのですけど、利上げ警戒皆無で期末越えのプレミアムだけついてるという講釈が可能(実際問題は需給とかあるので)な動きなのであります。いやはや何とも。

とまあそんな次第でありますので今日の3か月FB入札もまあ0.6%も買わせてくれませんですなあという状況のようでございます。しつこく申しあげるが、先月末にGC0.7%台とか暫く推移したこともあるというのにそのレートで本当にいいのかと小一時間でありまして、まーGCとか現先とかコールとかの金利と比較して利回り考えるって人にはちょっと如何なものかと思われますけど、4兆2000億捌けるのかね。

まあ期末で債券残高調整とか、8月利上げで盛り上がってしまったので言い訳上買わないでいた皆様大慌てとか、信用収縮対策で足元資金を抱えた分の反動が来てるとか、需給のお話もありますので、単純に割り切れるもんでもないというのは判るのでありますけどね。


○15年変動利付国債の受難

昨日ご紹介した国債市場特別参加者会合ですが、よく見りゃもうひとつお題があってそれは15年変動利付国債のお話でございました。

http://www.mof.go.jp/singikai/kokusai/gijiyosi/c190907.htm

ということで、こちらの最後の方に15年変動利付国債の話があるのですが、この意見は何と申しますか。

『15年変動債については1回あたり7,000億円の発行でよいが、リオープンする必要はないのではと思っている。15年変動債はかなり高い水準から減額が進んでおり、どの水準になったらフェアバリューに戻るのかといった印象がある。恐らくマーケットでは、減額についてかなりの部分を織り込んでいることもあって、現在は多少カレント部分の割安が解消されているものの、基本的には割安な状況が維持されている。』

昨日ご紹介しましたが、流動性供給入札の話をしている中での話の趣旨は「流通量が少なくなると流通市場での売買が円滑に進まないので追加発行してくれ」というものだというのに、こちらでは発行を減らす話はあるわ、リオープンもイラネとか言われると落涙を禁じ得ません。もちろん、この前には原則リオープン発行でよいという人もいまして、そっちの方が多分意見としては多数派なんじゃねえのかという気はするのですが。で、この人の意見中々アレなのでその続き。

『こうした中では、今後さらに1回5,000億円に減額されることも考えられ、またリオープンして1兆円を維持するのかという議論が繰り返し生じてしまうと思っている。』

しかし、「銘柄毎の発行量」が多いか少ないかで15年変動国債のバリューが割高になったり割安になったりするという話をしているように見えますが、その理屈はおかしいだろ。「全体として」15年変動利付国債の発行量が多いか少ないかというのが問題じゃないっすかねえ。で、その続きが更に落涙。

『やはり15年変動債は最終的にはexitするということも含めて、投資家の意見を中心に議論をしていく銘柄ではないかと思っている。』

いやあ皆さん揃ってニーズがあるからドンドン発行しろとか逝っておきながら2年ちょっとでエグジットですかそうですか。と思ったら別の人からもこんな意見が(涙)。

『15年変動債については、個々に新規の発行銘柄を減額したところで、理論値と実勢価格の乖離幅が縮小するのか、という疑問を正直なところ持っている。15年変動債については可能な限り減額の幅を大きくする形で、最終的にはexitというところまで議論を進めていく段階に来ているのではないかと思う。今年度下期についてであれば、1回あたり7,000億円で原則リオープンということに異論はない。』


いやはや何ともという感じなのですが、発行体も何か減額する気が満々っぽいのはその前の発行体様のご説明にございますわな。

『19年度下期の国債発行については、市場には15年変動債の減額を求める声があるものと承知している。当局としても、15年変動債の市況を踏まえれば、納税者に不利となるような水準での発行を極力回避するという観点から、これを減額することはやむを得ないと考えているところ。』

ここで水準論議が出てくることがもう何か減額する気満々という感じでありますわな。国債発行って安定消化が大事なんじゃなかったのかなあとか思う訳ですけど。いやまあ15年変動利付国債自体無くすっていう方向ならまあそれはそれでも仕方無いのですが・・・・

せっかくプレーンじゃない国債発行したというのにですな、本来この国債はイールドカーブに影響を与える債券なのですから安易な増額には慎重であるべきであったのに(と後講釈なら何とでも言えるとか言われそうですが、商品の特性上イールドカーブがフラットすると討ち死に商品だというのはアウトライヤー規制バブルが発生する前の債券相場大上昇時にも発生してた筈)アウトライヤー規制バブルで勘違いニーズがアフォのように発生した市場の言うことをホイホイ聞いて発行を増やした挙句にこの有様というのは何とも残念としか申しあげようがありません。まあこれはこれで確かに撤収モードなのかもしれませんが、市場の言うことをあまりホイホイ聞くのも如何なものかという教訓にしていただけると誠に幸いに存じますところでございますです、はい。


話は変りまして、この一連の流れの中で???だったのはこの人。

『15年変動債については流動性が著しく乏しくなっているので、減額については優先して実施して頂きたい。リオープンについては特に意見はないが、利払いについては分散するような形で検討して頂きたいと思っている。』

減額したらもっと流動性が無くなると思うのですが・・・・・(-_-メ)

ま、このあたりの意見が妥当なのではないかと存じますけどいかがかしらん。

『15年変動債については、1回あたり7,000億円で原則リオープンでよいと思う。全体的には、確かにマーケットではフェアバリュー対比で割安に放置されている一方で、個別銘柄を見た場合には、20番ないしは30番台の一部のように、過去に発行量の少なかった銘柄等で非常に流動性の落ちているような銘柄もあるので、相応に1銘柄あたりのボリュームを確保して頂いた方が後々禍根を残さないという気がする。』

実は国債のモノの決済を完全RTGSから外して、昔みたいにネッティング可能(即ち売った先からレポするループ取引オッケー状態)に戻せば、かなりの部分流動性問題が解決できるんですよね。よくありましたよ、「えーっと、その銘柄レポ付きなら5毛強ですけど、レポ無しだと出せませんなあ」というような引き合い(^^)。

ま、そんな所で、何か寂しいですけど撤収になっちゃうんでしょうかねえ・・・・







2007/09/11

お題「相場が盛り下がりますなあ」

あたくしは保守反動の抵抗勢力ですから平沼先生の復党に大いに賛成するものであります。

○盛り下がってまいりました!

米国雇用統計に続いて日本のGDPということでまあ思いっきり相場上昇になりやがりました(おまけに景気ウォッチャー調査も悪かったですな)が、正直申し上げまして世の中では金利が下がって困る人だらけであります(と思う)次第でして、相場が上昇してますが何というか「いえーい♪」って感じの買いではなく、「もう仕方ねえから買うか」という渋々な感じがするのはあたくしの一方的な見方ですかそうですか(苦笑)。

という訳で金利があちこちで下がっているのでありますが、2年の4毛強(0.775%)とか、3か月FBの3.5毛強(0.580%、ちなみに出合いベースは0.575%も)とか何たる水準という感じであります。単純に計算しても2年の0.75%とかになると「半年後に利上げして、その次の利上げが1年後」というような織り込み方になりますし、3か月の0.6%割れってついこの前の積み前半でGC0.6%台に乗っかってた筈なんですけどそれで良いのかというレートになっていまして、当然ながら11月までの利上げ織り込み殆ど無しのすけでございますわな。

と、まーそういうことで、物凄い勢いで盛り下がって参りまして、次に波乱になるのは何でしょという感じなのでありますが、ちょっと波乱になるとすれば例によって期末越えの無担ファンディング部分かなあという程度ですわな。そもそも足元こんなに下がっている上にタームの金利も落ち着いているのですが、その割には期末越えの資金供給が威勢良く行われている印象がありまして(個人的印象論だから間違ってたらゴメンナサイ)、そのココロは期末越えのファンディングについて日銀は結構目配りしていまして、とりあえずオペ打って金を出しておくことによって妙な取り上がりを予防しようってえ所なのではないかと勝手に想像してますが如何でしょう。

んでまあ期末も盛り下がると波乱らしきもの無いですなあという感じですが、一応景気と物価に関してそれなりに強気なあたくしとしては、まあ年末近くになればCPIもプラスになってきて景気指標も持ち直すでしょうから、そこまでは果報は寝て待てスキームしかございませんかなあという感じでありまして、その頃になって指標が良くなってくればまた日経あたりが鉦や太鼓で利上げを煽るでしょという感じであります。

ま、あたくし世間(というかメディアというか日銀を批判したがる人)が言うほど日銀に利上げやる気満々感があるようには見えないのですが。とりあえずここまで上げて御の字なので、まあ次に上げられる時に上げられればいいですねというような感じじゃねえのかとは思うのですけど、月末から来月に掛けまして須田審議委員(27日)、岩田副総裁(4日)と講演が並んでおりますので、このお二方(でも岩田副総裁は個人的にはハトでも講演内容は執行部として行いそうですけれど)の講演でも注目・・・・って月末までネタがねえのかよ!と逝った所でありますな。(FF下げは最早織り込み済みなのですが、その内容に関しては注目ですけどね)


○為替の人の金融政策講釈はワケワカラン

いやまあモーサテのゲスト解説にいちゃもんつけても仕方無いのですが、ドル安の説明してる人の話が実に香ばしかったのでちょっとだけ悪態。

基本的にFFを今後引き下げる観測があるからドル安トレンドって理屈はまあ判るのですけれども、その後の話の流れが中々凄くて、「雇用統計で米国経済減速が鮮明になり利下げ観測は確信に」(ここまでは判る)→「しかし利下げはサブプライム問題の本質的な問題解決にはならない」(ほうほうなるほど)→「したがって利下げは今後トレンド化する」となるのですが、利下げが本質的な問題解決にならないのであれば、そんなに何発も利下げをしないで別の方策(要は担保政策の変更)を取ると思うのですが、その解釈は無茶なのではないでしょうか。

ちなみにこちらのセンセイは「FOMC前に緊急利下げも」というお話してましたが、金融市場がパニックにでもなっているのであれば兎も角、そもそもが後になってやたら修正される(今回も無闇矢鱈と過去分が下方修正されてましたが)雇用統計の結果一発で緊急対応を取るというのは政策ロジックとして変でございますがと思うのですが、まあ為替の人全体に悪態ついてると思われると少々困りますが、どうも為替市場方面から金融政策に関する話が出てる時って「いやあのそれは金融政策のロジックとしておかしいぞ」というのが散見される次第でありますが、何せメディアはセンセーショナルな話大好きですので、その話がドンドン歩きだすというのも困ったもんですなあと思う今日この頃なのでありました。

#と、悪態ばっかですいませんね。まあ為替市場だけじゃなくて債券市場でも「日銀のヘボ調節で株が下がった」(直近じゃなくって今年の2月の話ね)というような馬鹿講釈する本職がいる位ですから人の事は言えませんが(汗)。


○国債市場懇談会

http://www.mof.go.jp/singikai/kokusai/gijiyosi/c190907.htm

えーっとまあ議事内容に関しましては「ほうほうそうですか」という感じなのですけど、どうも何だかねえと思うのは「市場の声とやらをある意味聞きすぎなんじゃないのかなあ」って所なのであります。

いやね、今回の議事内容のお題を並べると、40年国債発行するのは発行するので良いのですが、その後のお題が流動性供給入札の範囲拡大で、その次が原則リオープン発行の対象拡大なんですが、後ろの2つのお題が「国債の銘柄ごとの発行量を増やしましょう」って話なのに、40年国債発行する話は新しい年限の物を出すという話でして、話の次元が違うからこれはこれでよいのかもしれないですけれども、何となくこう出てくる施策が頭と尻で別の方向になってねえかという気がしないでもないですわな。

で、40年国債なんですけど、今でも30年国債の流動性がアレな状況で40年国債と言われましてもねえという感は否めませんが、どーせガイジンさんが楽しくいじくりまわすでしょうし、国内投資家が買うかという議論になりますと、正直身も蓋も無い意見ですが、「ボンドインデックスに採用されるようになったら、ここの年限を飛ばす訳にいかない(カーブの一番ケツなので代用品が無い)のでインデックス系の投資家が渋々買うでしょ」という位しか思い浮かばないですが、まあ1回1000億なら何とでもなるのではないかと存じますが。

流動性供給入札の年限拡大や緊急流動性供給入札の話なんですけど、意見の中にもありましたけれども、そもそもの流動性供給入札の意義は昔に発行された関係上、発行量が少なくて流通玉が枯渇している(昔は資金構造が違ったのもあるけれども、RTGSじゃなかったので売った先からレポできたので流通玉はある程度何とかなった)銘柄の流動性を供給するものでありまして、一時的にタイトになってるから発行増やすというのは如何なものかと思う次第。10年カレント追加発行とかそれはさすがに(気持ちは物凄く判るが)ちょっとどうよという感じなのであります。

それならば、少なくとも国債入札参加者に対してスクイーズ規制というかレポ市場への品貸しを積極的に行うようにさせるとかの施策を行うべきだと思いますし、仮に対応するとすれば、日銀の国債補完供給(要するに売り切りでは無くレポ)で対応するのが筋じゃないかと思います(と言っても日銀は持ってない物を出すわけに行かないですし、その分財務省が追加発行して日銀が引き受けた場合、後処理が問題になりますので技術的に無理があるのですけど・・・・アセアセ)が如何でしょ。


○武藤副総裁のジャパンソサエティでのスピーチですか

http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/koen0709a.htm

まあ今回は一般的な話に終始しておりますが、前回お話した時にひと騒動あったなあと懐かしく思った次第です。と申しますのは、前回2004年6月7日のスピーチも英語で行われたのですが(上記URLは邦訳です)、前回はこのスピーチの英文(本文)の方だけが翌日に日銀のサイトにアップされまして、英語ページなだけに当時の参加者そこまで細かくチェックする人もあまりいないのを良い事に、その英文の解釈を明らかに恣意的に解釈して「武藤ショック」とかいう流れでお話をしたレポートがどこぞのエコノミストだかストラテジストだか知りませんが、まあそういうひとから出されましたんですよ。

で、その恣意的解釈な内容が何せ武藤さんの発言であって、しかもこのときは金利が上るような地合いだったのでさあ大変となって債券市場(というか中期債)は大いに驚愕してやたら売られたのであります(スピーチの本文見た人から順に買戻しモードになりましたが^^)が、今回早速邦訳がアップされたということは政策広報の中の皆様は2004年の悪事例をご記憶になっておられると見ました(^^)。お疲れ様であります。

ちなみに、そのとき怒りまくって書いた駄文はこちらです。暴言モードになっているのは若かりし頃なので勘弁してください。
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/hatsugenmutoh.html#mutoh040610

(当時書いたリンクはリンク切れなのですが、その時のスピーチはこちらです→http://www.boj.or.jp/en/type/press/koen/ko0406a.htm


ではでは。







2007/09/10

お題「雇用統計とかその他雑感」

安倍首相の政治信条を貫くなら心中すべき法案はテロ特措法じゃなくて憲法改正とか教育とかだと思うのですけれども・・・・・らしくないなあ。

ということで、しばらくは国会見てるほうがオモロイかも知れませんな。金融政策関連は争点になりそうもないけど。


○雇用統計キタコレ

ご案内の通り先週末の米国雇用統計は予想を大幅に下回るNFPマイナス。何か後から上方修正の香りもしないでもないのですが(苦笑)、これはこれでFRBが利下げをする良い言い訳になりました。「金融市場の混乱回避で一時措置として利下げ」というのは何だかんだと言いましても政策ロジックとして苦しいところであります(一時措置と言って下げた後更に下げる時にロジック変更となるので話が苦しかろう)ので、下げるならストレートに「景気の腰折れだか悪化懸念」という方がやりやすかろうということで。

しかし雇用統計を受けて利下げ期待が高まった筈なのに米国株式市場大幅安ということは、米国株式市場ではもしかして「景気は悪化してないけどFRBは利下げしてくれる」とでも思っていたのでありましょうか。もしそういう動きで米国株式市場がやたら堅調だった(というか下がった下がったとか言ってもダウ平均株価高値から大して下がってないじゃん)のであったらナンノコッチャ感は否めません。というかそんな楽観で金融市場が動いていたら、景気悪化がある程度見えてこない中で利下げかましたらバブル発生間違いなしですな。ナムナム。


まーそれはそれと致しまして、米国が利下げする場合のロジックに「景気悪化」というのが出てくるとなりますと、それこそ先日の水野審議委員の講演で出てまいりました「議論の前提が変ってくる」という話になりますので、これだけ市場から散々催促されると9月に米国がどうせ利下げに追い込まれるのでしょうが(本当はやるやる詐欺で上手く引っ張れる方がオイシイと思うので、良い経済指標がでるといいですねと思うが)、その時のロジックに注目としか言いようが無いですな。で、米国単体で言えば景気悪化を全面に出した方がスッキリしてますが、そうするとインフレ警戒の姿勢を崩していない他の中銀(日本はインフレ警戒じゃなくてただの正常化ですが)の足を引っ張るという面もあり実にややこしいですな。


○短い所のカーブは潰れて来そうですなあ

雇用統計を待たずしての事ですが、既に3か月までのFB利回りが見事に潰れていまして金曜日の引けは(ショートカバーが入っているので1毛弱余計に低いように見えますが)新発3か月の472回債で0.615%(日本相互証券引値ベース)となっておりましてまあ3か月までの全ゾーンに渡ってイールドフラットとなっておりますわな。

でですな、CPの発行レートに関してはさすがに「利回りベースでそのレートを最後まで持ちきって間尺に合うのか」という事を考えて買う人が主体(FBの場合は「ポートの国債残高調整」でドカンと買う人がいて、まともに利回り見ながら売買する人にとっては迷惑至極)なので、先に行くほど利上げになっているかもしれないの理論(?)で何となく順イールドとなっているようですな。

しかしながら、どうもECBも利上げ見送りやがったということで、こうなると10月一発目会合での利上げもかなり怪しく(既にOISのレートはそういう風になっておりますけど)、11月ですか12月ですかという雰囲気になってきますと当然ながらここのカーブが潰れてくる訳であります。まあさすがに10月以降全く利上げなしで決め打ちするような状況ではないので、FBみたいにフルフラットになりゃあせんと思いますが、どうも12月足のレートが低下してきたような気が。

期末越えのCP発行に関しては来週がピークになると思いますが、積み期間が新しくなるタイミングでもありますので、このときになってもレート潰し状態が続いていると「ほほー」となりますが、はてさてどうなる事やら。

CPのある意味良い所は、レートが上ろうと下がろうと発行予定量を淡々とこなす国債などと違いまして、発行体サイドである程度まで「ご判断」が入る所でありまして、「そのレートなら銀行から借りた方が間尺に合うので発行シネーヨ」とか「そのレートならもうちょっと確保しておきますか」とか発行量が増減する所でして(^^)、まさに市場の自動調整機能でありますな。


○またまた与謝野官房長官

官房長官記者会見の内容ってのは何故か官邸のHP見ても見当たらないのでありますが(誰か知ってたらご教示頂きたく存じます)、金曜のブルームバーグニュースによれば前の金融大臣がご執心だった外準の積極運用に対して与謝野さん7日午後の記者会見でこのように発言したそうですな(外準が過去最高を更新したことについて)。

『手堅く運用するほうが、後で考えると「良かった」という結果になる。国の資産だから、慎重の上にも慎重に運用する必要がある』

『運用とか為替のリスクとかいろいろ考えなければならない』

『これだけ外貨準備をもった国は、世界の通貨市場の安定とか、為替市場の安定などについて常に留意しながら、そう極端な動きをしないで、他の方に影響を与えないように、徐々に動いていくという心配りが必要だ』

とまあ前の金融担当大臣路線を見事に否定しておりますわな。あたしゃ外準積極運用なんて業者のカモになるだけだから(そりゃまあ業界人としては大金をわざわざ落としに来る巨大カモが発生するのでオイシイ話でありますけど)止めとけというのは既にこの話出たときに書いた次第でして、業者(銀行とか証券とか)が外準積極運用を提唱するのは十中八九ポジショントークでありますので、金融業界に顔がお広いらしい現金融担当大臣様におかれましてはポジショントークに乗せられないようにして頂きたいところでありますが(などと書くと業界から総スカンですかそうですか^^)、この件でもひと悶着起きるのかも知れませんな。

前任金融担当大臣の東京金融街構想なんてどこの誰にそんな筋の悪い話吹き込まれたのとか言いたくなりましたが、現金融担当大臣様におかれましては一つ落ち着いて頂きたいものだと思いますが、あたくしかつて悪態つきましたように、このセンセイどうも「中途半端に知識があって、功名心旺盛でパフォーマンスが得意」っていうパターンのお人にしか見えないので・・・・・しょうもないぶつかり方するんでしょうね。









2007/09/07

お題「台風襲来につき小ネタ雑談」

台風がやかましくて参りましたので今朝は簡単で恐縮。

○ECBは利上げ見送り

まあ前日の時点で声明が出てたので利上げしないというのは織り込み済みではございました。しかしまあ昨日はご丁寧にも朝一発目にイレギュラーのオペ実施をしてまして、期間1日で平均4.13%の足切り4.06%で422億ユーロの(当初落札予定額は決めてなかった)落札というのが早々に出たので益々利上げ無しのすけモードではございましたので利上げ無し自体は兎も角、トリシェ先生利上げ方向の旗は降ろさずだったとの報ですわな。

とまあそんな訳で、頼みの(???)ECBが利上げ見送りという最中に小島よしおよろしく「でもそんなの関係ねえ」と日銀が利上げするかと言ったらまあさすがにそれは無いでしょという感じですが、既に国内市場は9月無理でしょ状態になっていますのでこれ自体は影響なく、それよりも毎度お馴染みの「9月ダメだと10月ダメ」理論によって年内無理じゃねえのか状態になりつつある(少なくとも短期国債の利回りやら2年国債の利回りなんぞを見てるとそんな感じでございますわな)我が国の市場の見方が「やっぱECBは利上げ方向なのかねえ」となって影響でるのかが興味津々。

まあアレでございますよ。日本の金融政策という面で言えば、そもそも単体ベースでインフレ懸念が顕在化しているというのなら兎も角、CPI上りだすのせいぜい年末近くという状況で、コアコアがマイナス0.5%とかいう数字を出されてますと(救いなのは10%刈り込み平均がここのところごくごく僅かなプラスの牛歩モードながらも上昇は上昇という感じになっているとか、東京都区部のコアがゼロまで戻ったとか)目先利上げするとなれば、海外がインフレ懸念で利上げする中で日本も金利の調整をしますよという感じで話を持って行かないと理屈として苦しかろうと妄想するのでありました。いやまあ福井総裁が記者会見で海パン一丁で登場して「でもそんなの関係ねえ」と踊りだして利上げの背景説明(説明にならんが)したらオモシロイので許す(ってウソですからね^^)。


例によって外部要因待ちという主体性の無いにも程がある流れではありますが、次の利上げに関する思惑が盛り上がるのはECBが利上げするか、FRBの利下げに打ち止め感が出るかしないと厳しいでしょうなあと言った所で、正直これ以上中央銀行チェックするのかよ面倒ですなあと存じます(^^)。


○OISの利上げ織り込み度合い

ご案内のように9月利上げなんぞ関係ねえという価格形成が行われている短期市場(以外もそうですな)でございますが、今回は10月の決定会合が2回あるために9月20日からのインターミーティングタームが10月11日エンドになるのでありました(よって期間21日)。

んでまあ情報ベンダーで某業者様がお出しになっているインディケーションによりますと昨日のレートが0.525%−0.535%とのことで、0.25%の政策金利引き上げ織り込み度合いは0.5%VS0.75%だと思って計算すると4%の織り込み度合いとなるとのことで。

・・・・ってまあそれはそれでよいのですけれども、あーた期末期初というのが世の中ありまして、今回だとインターミーティングの21日に対して3日間期末期初があるざますので、その分ベース高くなるでしょうと思う訳でして、例えば今年3月末の期末レートと同じレートを末初レートと想定して0.715%(3月末も末初は3日ありました)を置きますと単純な算術平均(OISは複利積み上げ方式なので単純算術平均だと微妙にズレがでるのですが、ここはざっくりで勘弁)を出すと0.5307%となる訳でして、これは見事に上記オファービットの真ん中。

ということで、どう見ても9月利上げ織り込み0%です。本当に以下略。


○FRBはどうするんでしょうな

まあつらつら雑感ではありますが、一番ややこしいのはFRBでございまして、市場の方がもう勝手に利下げクレクレ状態になっている中でインフレ懸念の方は相変わらずという有様ですから、どこをどうすりゃ良いのでしょうかという話になるのですけど、担保基準の緩和方向よりも金利引下げの方がやりやすいということで金利引下げが先行しそうな悪寒。実際問題として以前から何度も申しあげてますし、10年選手以上の方々なら身に沁みていると思いますが、本格的な信用収縮モードになると市場メカニズムが壊れるので市場経由の調節は効かないのでありまして、後出しでプルーデンスが出てくる手遅れモードが一番不吉な絵かと存じます。

そんでですな、じゃあFRBがどうすりゃいいのかというのを極東の無力市場関係者でありますあたくしが勝手に妄想しますと、これはもう「やるやる詐欺」しかないでしょうと思うのであります(次善の策はプルーデンス炸裂)。幸か不幸かいわゆるグリーンスパンのプットが何となく生きていまして、しかも公定歩合引下げをさっさとやったことも妙に評価されて、市場は「バーナンキなら、バーナンキならきっと何とかしてくれる」(AA略)状態になっておりまして、市場金利が勝手に利下げを織り込んでおりますので、この調子で沈静化するまで「やるぞやるぞ」と見せかけて出すものはあまり意味無いものを出すと言う「やるやる詐欺」コースが宜しいのかと存じます

結局1回下げると1回だけという訳には逝かなくなりますんでね。


○LIBORが高いという話(ひとことだけ)

前々から高かったのですが、最近はモーサテなどでも話題になってますけど、円金利でみればTIBORがありますので上昇歴然(^^)。

で、報道各社の皆様に置かれましては、なぜこの件を「ユーロプレミアム」と煽り報道しないのでしょうか。日本の時だけ「ジャパンプレミアム」とか言って大々的に報道するのは自虐にも程があります(-_-メ)。

ではでは。





2007/09/06

お題「材料は外からですので・・・・・」

なんか今日は富裕層向け金融ビジネスのニュースが出てましたが、その話をしてて「具体的には金融資産1000万円以上」とかいうお言葉が出ると激しくずっこけるのですけれども。そりゃ桁が2つ違います(千歩譲って1つ)がな。日本の個人金融資産の一人当たり平均幾らでしたでしょうかと小一時間問い詰めたくなるのですけどねえ>某公共放送


○何というこの運用圧力

昨日のFB3か月入札でございますが、平均が0.65%を割り込むんでしょうなあとかのんびりした事を申しあげておりましたが、入札の結果は平均0.634%で足切りが0.638%と12月10日償還だというのに何ですかその利回りはという結果。おまけに引け値(日本相互証券)ベースでは0.62%になっているという有様でして、純粋にこの利回りを保有期間中に予想される現先やレポ金利の足し算と比較して考えた場合に、下手したら足元金利の足し算に負けそうな悪寒のする利回りなのですけど、買いは多いちゅうことのようで誠に何とも。

まあ相変わらず債券と名前がつく短いゾーンのモノは人気高いようで、ゾーン的にはこのあたり新発一般債いうものは普通出てこない(短いゾーンでコンスタントに量が出るのはCPですんで法律上は短期社債ですけど債券扱いじゃない)ので既発の売り物が出てくると世の中の在庫が増えるの巻なのでしょうが、どうも高格付けもの中心に売り物出てもあっさり吸収されるようで、キャッシュ潰しのニーズが強いというところでしょうな。相場が上昇して迎える期末らしい光景ではあるのですが、今回に関しては直前の利上げ観測とか、海外信用収縮の波及懸念(というか巻き添え懸念というか)によるキャッシュ厚めに保有の動きとかあったのでいつもよりキャッシュが多かったですねえというのもあったのかなあと思うのでした。


昨日は後場から株価指数が威勢良く下落したのもフォローになったとは言え、中長期ゾーンでも諸々の新発一般債がここぞとばかりに山のように出たのも構わず相場上昇とか、ここに来まして運用圧力の強さに正直「ひえ〜」と脱帽なのでありまする。ナムナム。


○しかし織り込みがデジタルになりますなあという感想

長いところでも結構その傾向があるように思えますけど、より短い所に関しては特にその感を強くするあたくしなのですけれども、利上げだけじゃなくて期末越えとか、月末越えとか、その手の材料の織り込み方が最近益々デジタル化してるんジャマイカと思うのでありますよ。

例えばね、昨日もちょっと触れましたが、FBの落札利回り推移なんぞ見てますと、8月の週3発入札の時に行われたFB落札結果見ますと、7日の6か月が0.734%−0.750%で、8日の3か月が0.726%−0.745%といきなり上昇。10日の2か月に関してはまあちょうど信用収縮炸裂モードで資金抱え込みの動きがあった分で流れたというのもありますが、何と0.747%−0.771%と、まあこのあっという間に盛り上がる動きが何ともなんですが、9月に入ってからの金利の下げ方(というかタームものレートの潰し方と言った方が実感があるのですが)もまた織り込みデジタルコースで、9月利上げ無しどころか10月も11月も利上げ無しのような勢いでFBの金利が低下するわけよ。まあ需給要因もあるからそこは割り引かないといけないけど。

もっと端的にはGCの動きとかもそうなんですが、いくら足元の需給が反映するって言いましても、カレンダーベースで8月末までのレートが妙に下がらないで、9月になったとたんに急に金が出たのでコースになるとは何たること(だってGCって基本先日付渡しなんですから、カレンダーベースじゃなくて受渡ベースで動かないと変)という風に思うのでありますよ。

何と申しますか、低め誘導(キングナツカシス)以来政策金利がロクに動かないというのが10年どころでなく続いていたせいか(それでも低め誘導時代には何度か利上げ観測で短期金利が上昇したことはありましたが)全体的に政策金利が動く事に関しての反応がデジタルになるのかなあなどと思うのであります。というか政策判断の材料が「与えられる」のを待っているというか、上手く表現できませんが、要するに思考力が低下してるのじゃないかなあなどとエラソーな事なんですけどね。織り込み具合がゼロと1の間をデジタル的に飛んで、しかも動きが横並びってイメージが強いのですよねえ。

まあそのうちこなれてくるんでしょうけれども、この調子ですと今は表面的には無警戒に見える期末もあるとき突然織り込みモードになるんでしょうなと思うのでした。

#だから日銀は期末越えのオペを結構なペースで打ってるのでしょうけれども


○相場の材料は外からですな

ECBが何か声明を出しているらしいのですが、報道ベースでしか見ておりませんので内容知らず。たぶん報道されている内容によりますと、こっちがECBに対して「まあまあ落ち着いてよ」と申し上げたくなるような感じがするのですが気のせいかな?

それは兎も角として、昨日は為替市場方面から内閣退陣の噂が出て(鴨下大臣の記事が出てたのが噂発生の元のようですな)株は下がって債券上昇とか、何かもう相場のネタが金利市場のそとからやってくる事の方が多そうな感じ。正直言ってちょっとくらいのタカ派発言が政策委員から出ても反応しないんじゃないかというような勢いであります。

まあ先ほどから申しあげておりますように、運用圧力が高いという問題があるので仕方ないのでしょうけれども、こういうときには日清食品が来年1月から17年ぶり値上げとかいうようなニュースが出ても華麗にスルーするのが金利市場クオリティで、今見てるのは海外の中央銀行の動きと、何か出てくる買い材料といったところでありましょうな。

どこぞの情報ベンダーのコメントに出てましたが、相場を一番動かすものは「恐怖感」でありまして、今は「金利が低下する」のが恐怖なのでありましょうなあ。

#本業多忙のため雑談に終始して正直スマンカッタ








2007/09/05

お題「短い所が強いですなあ」

欧米の株価が何を見て動いてるのかワケワカランです。

○FBなどしっかりさんです

昨日は6か月FB入札で本日は3か月FB入札なのですが、そのFBのレートが見事に潰れておりまして、期末越えとか利上げ観測とかどこへ逝ってしまったのと言いたくなる様な金利形成になってまして何とも???な状態になっておりますわな。先週の3か月FB入札は平均0.666%だったのですが、昨日の6か月FB入札の平均は0.678%でございまして、先週の3か月とろくに変らんレートとなっておりますが、どう見ても10月利上げすら半分も織り込んでいません。本当に以下略。

ま、昨日も申しあげましたが、月が変ったらGCレポレートやらオペ金利なんぞが見事に低下しておりましたので、3か月とかのFB金利が低下するのは当然と言えば当然なのですけれども、ついこの前まで「期末越えに償還が掛かるので担保などに使えませんなあ」ということで何か親の敵のように売りが出てた10月1日償還(FB458)とか10月3日償還(FB467)のFBの戻り具合が中々でありますな。日本相互証券の引け利回りベースの話になりますけど、昨日の引けがFB458で0.620%のFB467も0.620%ということで、これはまあ他の10月償還ものと比較した場合、直後の償還ものとのレート差が1毛しかないという有様。親の敵のように叩かれていた時はもうちょっとあったんですけど、ここへ来て「期末越えプレミアム」を潰しに逝く格好になっています。

ただまあこのFBって奴は「債券」というモノとしての需要もありまして、またまた日本相互証券の引けベースですけど、9月後半に償還が来る銘柄の利回りを見ますと軒並み0.535%だのという数字でありまして(ここまで短くなると正直引けもあてにならないのですけど・・・)、レポレートとか勘案してもそれは如何なものかという状況でありますんで、「とりあえず足元のキャッシュを債券で消費しないと」という動きがあるのでしょうなあという感じです。


しかしですな、6月末の四半期末であれだけ大騒ぎしておいて9月末がノーケアーのような金利(末初金利が跳ねると思ったら期末越え直後からちょっと先の金利は本来逆イールドになる筈なのですが・・・・)形成になっているのは如何なものかと思うのでありますが、何か思いまするに、最近の足元資金の動きって「その時になってみて始めて動き出す」という市場が先読みして動くという機能はどちらに逝かれたのでしょうかという観が強うございまして、今はこの調子でも9月の積み期間に入ると急に期末を意識したのでモードになるんだろうなあと漠然と思うのでありまする。正直ワケワカランのですが。

#9月になった途端に足元などの金利がいきなり低下するような動きを拝見致しますと、誠に恐縮なのではありますが「資金大きく動かしてる人たちって機械的かつ横並びで動いてるだろ」と申しあげたくなるのでありますよね。


○キャッシュ潰しか債券残高調整かその両方か・・・

などとうだうだ申しあげましたが、今日は3か月FBの入札でして、先週発行の470回債が0.630%(何かショートカバーでちと強くなってる感もありますが)となっておりますので、まあ平均落札では0.65%を割りこむんでしょうな。12月10日償還でして、この間に金融政策決定会合が4回あり(10月は2回)、ついこの前はGCが0.6%台半ば近くまで上昇した事もあるっちゅうのに何たる糊代のない利回りとか思うのですが、キャッシュ潰しとか債券残高の積み上げ(先般金利が急低下した時に「らっきー」と売った人は多いようですのでその分の調整玉ニーズはあるようですわな)ニーズやらで確りなんでしょうな。ナムナム。

ま、今月の利上げは難しい(とか言ってたら今週のECBが利上げかましたら笑うしかないのですが)のは衆目の一致する所だとは思う(のは今に始まった訳ではなく、そもそも先般のECB9月利上げ無し観測拡大以来でしょ)のですが、その後に関してあまり楽観的になりすぎるのもどうなのよとは存じますけどね。で、8月の頭の6、3、2か月FB入札3連発ウィークのように利上げ観測が出ると今度は最後には利上げ確定モードまで織り込みに逝くという極めてデジタルな動きは香ばしいと言うか落涙を禁じ得ないと言うか・・・・


債券残高の積み増しという話で言えば、1年ゾーンなどまでニーズが伸びてきているようで、昨日は2年248回債の補完貸付が実施ということで、またスクイーズか!という所でございます。この債券は来年9月償還でして、国債の元利金取扱手数料が沢山(償還金に対して1万分の9、利金に対して1万分の18でしたかな)支払われる最後の債券ということで妙に強いらしいのですが、まあそれは特殊事情と致しましても、2年だの5年だのの金利が下がっておりまして、何せ2年カレントの国債が0.85%(260回の昨日の引け)とかやりやがっているので、1年の0.73%(これはTB424を使いましたよ)がお買い得に見えてしまうというまさにこれは諸葛孔明の罠(^^)。

足元金利を足し算していくと1年の0.75%水準ってその間に利上げ2回実施されたら結構苦しいですし、2年の0.85%なんぞナンジャソリャなのでありますが、手前から見ると割高に見えても後ろから見ると割安に見えるところがオソロシスでありまして(^^)、月末月初恒例のインデックス落ち一般債の売りが今回は通常比物凄い勢いで消化されてしまったようですな。そりゃ1年の電力ネームで0.9%VS2年カレント国債0.85%と並べられると電力ネームが安く見えてしまいますわな・・・・というのも孔明の罠のような気がするんですけど(苦笑)。何せ比較対照している2年カレント国債の利回りがアレでございますから。

ま、いずれにせよキャッシュ潰しだ債券残高調整だという話になれば超長期国債を買うチャレンジャーは居ないわけで、短い所の債券を買いますわなということなんで、ここもとの動きは利上げ観測後退も勿論ありますけど、そんな需給要因でドライブ掛かっているんジャマイカとは思うのであります。

#日経が書いたら終了の法則によりますと、短期の利上げ観測後退(が需給要因で増量されてる気はしますが)もやり過ぎゾーンに入っているのかもしれませんね


ということで、相場雑談に終始して、岩田副総裁の講演を華麗にスルーしているような気がしますが、それは孔明の罠であります(誤用)。






2007/09/04

お題「短い所の金利低下/その他」

ミンスの新人議員で(ある意味予想通りの)火吹きが起きたというのに、農相大炎上とは間抜けというかブーメランというか涙が出てまいりますなあ。

○月が替わって金利が下がるの巻

昨日は長いところは売られていましたけど、短い所では月が替わっていきなり金利が低下するの巻となったのでありますよ。なんたるあからさまな展開、うーむ。

昨日も相変わらず9月末越えの資金供給オペが景気良く実施されておりまして、9月4日〜10月6日の8000億円の落札利回りが平均0.630%で足切りが0.62%、9月5日〜12月7日の8000億円が平均0.658%の足切り0.65%でありました。このレートが何ですかと言いますと、金曜日にも似たような感じのオペを打ち込まれていたのでありますが、10月15日エンドの足切りが0.64%で、11月27日エンドの足切りが0.66%でしたので、どっちも2毛下がったような感じでしょうな。

FBも確りで3か月カレントFBの昨日の日本相互証券の引け利回りは1.5毛強の0.64%ってそりゃあのまあ一応GCレートが0.57%あたりに下がったのは判るのでありますが、こりゃまたGCやら現先やらと比較して全然バッファーのないレートなんですがそれで良いのかという感じでありまする。一応9月末の期末越えはありますし、10月や11月の利上げの可能性だってある(9月についてはさすがに無理でしょという見方が大勢)のですけどにゃあ。

ま、昨日の場合途中から(午後の途中?)急に資金の出し手がでてきたらしく、最後には翌日だのスポットスタートだののGCレポ金利がアホのように低下して、0.5%台前半に下がった(T+3は先ほど申しあげたように0.5%台後半)というお話もあるように、どこの誰の懐具合が変りやがったのか存じませんが(というか知らんがな)資金がまたまた出てきたようですので、FBのレートもいきなり低下ですわな。足元の資金を潰す動きが出てきたということでしてすわな。

償還の関係で期末越えでの資金繰りがつかないので何となく弱かった10月1日や3日償還のFBの引けも昨日は強くなってこの部分のイールドが潰れてますし、強引に後講釈すれば法人企業統計の数字が弱かったのでGDPがよくならないでしょう→どう見ても9月利上げは無理です本当にありがとうございました→じゃまあ足元のキャッシュを潰しておきますかとなるのですけど、それで3か月まで強くなる理屈も何のこっちゃでありますので、単にここもと資金繰りに余裕もたせてた人が出しに回っただけのような気もするんですが、よーわからん。


しかしまあオモロイですなと思うのは、サブプライム問題絡みで起きてる短期市場の現象が国内と海外で真逆に見える所でありまして、海外市場ではご案内のように信用不安が煽られるとフライト・トゥー・クオリティの動きが加速して短期国債の金利がアホほど低下(FFマイナス200bpとか)し、安心感が出てくるとアホほど低下したのが巻き戻されるのでありますが、国内市場では海外での信用不安煽りモードの時にはとりあえず足元の資金繰りに余裕を持たせる動きからGCなどのレートが上昇して短期国債の金利が下がりにくくなって、安心モードになるとキャッシュ潰しで短期国債の利回りが低下しやがりますわな。

ということはですな、現象面見てりゃどう考えても日本国内の短期金融市場は信用不安とあまり関係ない(のかセーフティーネット万全で心配ありませんなのかは微妙ですけどね^^)です本当にありがとうございましたという事でございまして、資金供給のテクニカルな問題であそこまでギャーギャー言われるのはさすがに日銀カワイソスと思うのですけどねえ。


○これはまた

昨日の夕方に各社ベンダーに出てたヘッドラインは中々アレでございました。というのは与謝野官房長官のインタビュー記事でありますが、例えばブルームバーグニュースの3日18時24分配信記事によりますと・・・・・

『9月3日(ブルームバーグ):与謝野馨官房長官は3日午後、首相官邸で報道各社のインタビューに応じ、日本の財政状況に関し、税制改革に本格的に取り組んで財政健全化を進めなければ、長期金利を1.5-2.0%の水準に10-20年の長期間にわたって保てるか疑問との認識を明らかにした。その上で、高い名目成長率を目指すことによる税収増で財政健全化を目指す考え方と「インフレ政策だ。悪魔的政策で国民には迷惑な話」と批判した。』

長期金利を1.5%〜2.0%の水準に10年〜20年キープってえことになりますと政策金利はどう見ても1.5%までしか上昇できませんのですが・・・・・・うーむ。財政健全化路線炸裂だとイールドカーブもフラットしそうですけど、はてさてどうなることやら。

#しかし悪魔ってあーた(苦笑)

まあこの路線だと財政健全化が先に来るので実は金利引き上げがやりにくくなる可能性もあるなあなどと漠然と思うのであります。財政健全化先行で景気をサポートするために低金利継続という要請になるのかも知れませんわな。必ずしも日銀に追い風なのかは微妙じゃないでしょうかねえ。


ところで、バーナンキ議長の講演とかもあった(んでしたよね)カンサスシティー連銀主催のコンファレンスで岩田副総裁が講演しておりまして、不動産バブルと金融政策に関してはこの講演要旨の最後の方にあります『Inflation and Asset Price Bubble』あたりから先のあたりでお話してますなあと言うのは把握しましたがでありますが、まだちゃんと読めてないので(おい)URLだけ置いときますね。

http://www.boj.or.jp/en/type/press/koen07/ko0709a.htm

ではでは。





2007/09/03

お題「水野審議委員会見/その他雑談少々」

○格付け雑感

先週末の市場ではブッシュ大統領が住宅ローン問題で対策発表するという話が切っ掛けになり債券先物は寄り付きの136円01銭からスタートして135円割れまでやらかしたあとで大引けに掛けてインデックス系と見られる買いで戻して135円35銭で終了ということで、大台替わりを3回やるとはこりゃ参りました。

そんなニュースの中でしらっと見つけたのが(ブルームバーグニュースで見たのですが)米国格付け機関の社長が辞任するというモノでした(手元にソースはない)のですが、理由は「家族との時間をとるためであって、サブプライムとは関係ない」という風になっていますが、どう見ても敵前逃亡です。本当にありがとうございました。

まあ何と申しますか、余りにも露骨な動きなので笑うしかないのですが、そもそも格付けに権威が付与される中でその格付けが高いけど利回りは良いという魔法の商品(魔法でも何でもなくてプライシングが実際のクレジットリスクを反映していなかっただけの話ですが)が出てしまい、それが売れてしまうというのが間違いの始まりということですわな。バーゼルUで「格付けによるリスクウェイトの調整」という手法が導入されて、高格付けが制度上の優位点となり、その制度上有利になる商品のプライシングがおかしくなるというのはこの手の規制や制度があると必ず発生するお約束のようなもの。最近の日本では「15年変動利付国債バブル」が発生してエライコッチャになったのは皆様ご案内の通り。

まあ格付け問題とかバーゼルUとか、これからも香ばしい展開が待っているようですので、ヲチ対象ですわなという雑談でありました。


さて本題。
http://www.boj.or.jp/type/press/kaiken07/kk0708b.pdf

やたらと利上げ正当化理論が多い会見要旨でした。で、水野審議委員会見の仕様と致しまして、質疑応答のうち答えがやたら長いと来ておりますので、引用するのも中々難しいので、会見要旨も併せてご覧になられると吉かと存じますです。

○円安バブルですかそうですか

今後のマーケット動向をどうみるかという質問に対しての答からサブプライム問題に関する部分を引用(要旨3ページ目)。

『ただ、今回のサブプライム問題をどう捉えるかということになりますと、いわゆるサブプライム問題という言葉が最早適切ではなく、「クレジットバブル」、あるいは「円安バブル」という言葉が当てはまるかもしれませんが、金融市場全体に疑心暗鬼が広がって、その結果、サブプライム問題に端を発したと言いながら、非常に広がりをみせていることは確かです。そういう意味では、今回の問題が、日本経済に与える影響がないとは言いませんが、直接的な影響がないということはその通りであると思います。』

『株価の安定、為替の安定が早く訪れることを望んでおりますが、多少の振れがあったとしても、ファンダメンタルズがしっかりしていれば、日本の株価の下げ幅が欧米よりも大きいという状態がいつまでも続く訳ではないと考えております。また、円ドル相場の評価についても、日本の金利が諸外国より低いということを前提に、いわゆる円キャリートレードなども起きていた訳ですから、いずれは、マーケットも落ち着きを取り戻すと思います。』

円キャリートレードに円安バブルでございますかという所でありますが、こんな感じで水野審議委員の会見要旨はこの先でも利上げロジック満載なのであります。

しかしまあ何と申しますか、先々週の福井総裁の記者会見では要旨を見るとトーンダウンに見えるのに報道ベース(ヘッドラインとか他市場での言われようとか)では強気の会見になっていて、今般の水野審議委員の講演は要旨を見ると利上げロジック満艦飾だというのに報道ベースでは弱気になるとはテラワロスであります。


○サブプライム問題の影響について

ちょっと面白い質問があって、それに対する答えから(要旨4ページ目)。

『サブプライム問題は、日本銀行の金融政策の判断、そして私の判断を縛るものではないというのが基本的な考え方です。(中間割愛)9 月の金融政策決定会合については、今のところ白紙であるとしか言いようがありません。ただ、今の時点では、本日の挨拶要旨にもある通り、サブプライム問題が日本経済のファンダメンタルズを揺るがすような問題に発展する可能性は小さいと考えております。』

他の部分でも同様に言及しておりますが、ここでありますように、水野審議委員としては現在のサブプライム関連問題に関して日本経済への影響は小さく、従って9月会合でも利上げ提案する勢いだということになるんでしょう。


○FRBが景気悪化を理由に利下げをした場合云々

会見要旨の6ページ目になります。とにかく水野さんの話は長い上に途中で切りにくい流れなので引用するの難しいのよ。

『FRBについては、流動性の確保という観点から「公定歩合」を下げ、金融機関に対し資金繰り面での支援をしております。ただ、米国経済のファンダメンタルズについては、今のところ、景気の下振れとインフレ・リスクの上振れ、両サイドのリスクがあるという判断を彼らは示しています。そういうことから考えますと、金融政策の面でマーケットが思っているほど直ちに動くかどうか、私には分かりません。FRBがどういう判断を9 月にするかについては分かりませんが、その背景やその時点の状況を踏まえてからでなければ、われわれの行動について議論し得ないと思います。背景によっては、私の考え方も変わってくると思います。』

ということでして、まあ講演要旨と同じではありますが、改めて強調しているのでありますわな。

『仮に利下げが実施された際は、その背景がより重要であるということです。それを見ないうちに、FRBがこういう政策を採ったから日本銀行はこうである、例えばFRBが利下げをしたから日本銀行は利上げをできないという見方に対しては、必ずしもそれほど単純なものではないということを述べたかったということです。』

てなわけでして、木曜日にヘッドラインで反応したのは何だったんでしょうということでありますが、ロイターの明らかにミスリードなヘッドラインに関しては猛省を促したいところであります。まあ営業上ヘッドラインは注目されるモノの方が良いというのは判りますけれども、明らかに発言(今回は講演というか挨拶ですが)の趣旨と違う印象を与える切り取り方をするのは問題でしょうな。



○低金利政策がサブプライム問題の原因の一つ部分はトーンダウン

話をしててちとマズイと思ったのでしょうか(笑)。会見要旨の5ページ目。

『最初のご質問については、私は「カネ余り」という言葉は使っておらず、「グローバルな過剰流動性」という言葉を使っています。しかも、「グローバルな過剰流動性」が生み出された背景のひとつとして日本の低金利政策があると言われていますが、そのような面も否めないという気持ちからコメントしております。』

『日本銀行の低金利政策は、日本の経済・物価状況に照らし合わせれば、適切であると思っておりますが、結果として、「グローバルな過剰流動性」をつくりだした一因になったということです。今回の円相場の急騰を受け、欧米市場よりも日本の株式市場の調整が一時的に大きくなってしまったという意味でも、「関係している」ということです。日本銀行の低金利政策がサブプライム問題をつくったという訳ではありませんが、遠因のまた遠因になっているという認識は持たなければなりません。』

本当は全部引用した方が良いのかもしれませんが、例によってやたら長いのでポイントと思われる部分だけですが、講演要旨よりもトーンダウンした感じです。

『ただ、金融政策というのは、経済のグローバル化の中で、基本的には自国経済のファンダメンタルズに沿って行う訳ですが、同時に、これからは世界の金融市場に対する影響についても、目配りをしていかなければならない時代になってきております。こうした教訓をわれわれに与えてくれたという点を、懇談会でお伝えしたかったということです。』

ということで、水野審議委員としては「だから政策金利の正常化が必要です」という結論になるのでしょうが、世界の金融市場に対する影響に目配りするならサブプライム問題に対する目配りも必要ではないかと言われたらどう答えるのでしょうかな?


○中立金利云々の話

利上げが遅れた場合の弊害についてというお話。要旨8ページから。

『総裁も発言されていますが、基本的に、ファンダメンタルズからみて相応しくない水準に金利を中長期的に放置しておくと、なんらかの副作用が出てくるリスクがあり、今の金利水準はそれほど低い状況にあるということが私の考えのベースラインにあります。』

で、この次に中立金利の話が。

『現状が中立金利──中立金利はどこかという議論は幅を持って聞いて頂ければ幸いですが──に近いところにある場合には、1 か月、2 か月ずれることはどうかという判断はあり得ますが、中立金利から遥かに低いところにあるという判断を私は持っています。その中で、ましてや私のようにファンダメンタルズに照らして他のメンバーよりも若干確信度合いが高いという判断をした者からしますと、1 か月、2 か月待つことが、想定以上にマーケットのリアクションを生んで、例えば、円キャリートレードが再燃してしまったり、当分利上げができないから国債バブルと言いますか、長期金利の急低下を招いてしまったりしかねない訳であります。』

ということで、1、2か月待つことによって市場が当面利上げできないのではないかというリアクションを生んで弊害が発生するという話をしているのですけれども、現在の市場リアクションは別にFRBの政策(あるいはCPIとか特定の何か)に一点張りしている訳ではなくて、サブプライム問題の落ち着き具合とか経済指標とかに割と素直に反応していると思いますので、そこまで懸念されることも無いかと存じますがどうでしょう。

#でもまあ金利市場がそう反応しても為替市場は全然違う場合も多々ありますので何とも言えませんが。

という訳で、水野さんだけに引用だらけになってしまいました。