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2009/10/30

お題「日銀レビューを読みながら何故か特オペの話を」

決定会合今日は何時までやるのやら。

○日銀レビューから

先日出ていた奴ですが。

http://www.boj.or.jp/type/ronbun/rev/data/rev09j14.pdf
米欧諸国における銀行貸出の低迷の背景
―― 日本のバブル崩壊期との比較 ――

日本のバブル崩壊以降の銀行貸出推移と比較して米欧諸国や欧州新興国まで含めてバブル崩壊(ITバブル崩壊と最近の信用バブル崩壊)後の銀行貸出動向を考察するという話で、ややこしい計算式とかございませんので、数学と言えばハクション大魔王並みの頭を誇るあたくし(というフリが判る人は年寄り)にも優しいレビューなのれす。

で、まあ引用始めると全部引用しそうな勢いですが、まあ米国の銀行貸出の部分を引用してみましょ。

4ページ目の『(米欧の 2000 年代前半における金融緩和局面)』って所から。

『図表 6 で、米国の金融緩和局面をみると、2001年から2002年前半にかけて、金利と貸出の伸びの双方が低下したが(--■--)、2002 年後半以降は、金利の低下を伴いながら貸出の伸びが拡大に転じた(--△--)。』

なお、()で書いてあるのは顔文字ではなくて、図表にあるグラフのどれがどれに対応しているかを示しているモノでありますが、図表をスルーして引用すると顔文字みたいですな、特に後の部分(^^)。

『これは、当初、IT バブル崩壊による景気悪化に伴い、借入需要曲線の左方シフトが支配的であったが(前掲図表3B)、その後、銀行の融資スタンスが、調達金利の低下を受けて次第に積極化し、貸出供給曲線が右方シフトしたことを示唆している(前掲図表3@)。つまり、銀行貸出チャネルを経由した金融緩和効果がラグを伴って拡がっていったと考えられる。銀行の貸出態度に関するサーベイ調査からも、この時期に、貸出基準が徐々に緩和の方向に向かっていったことが確認できる。』

機種依存文字は原文ママで勘弁。で、実際問題として確かに当時のイメージはそんな感じでしたねって所ですにゃ。

『また、英国では、2000 年代前半の緩和局面において、貸出の伸びがほぼ一定のもとで、貸出金利が低下していった(--●--)。これは、景気の低迷による借入需要曲線の左方シフトと、金融緩和による貸出供給曲線の右方シフトが同時に生じた影響とみられる(前掲図表3C)。』

『このように、米英における 2000 年代前半の金融緩和局面では、1990 年代前半までの日本の緩和局面と同様に、銀行による貸出供給の増加が景気回復を後押しする効果が確認される。』

で、今回の信用バブル崩壊ではどうですかという話がその次にございまして、『(米欧の今次金融緩和局面)』っつー所に続きますわな。

『一方、2008 年以降の局面では、金融市場が混乱する中で、銀行貸出チャネルを経由した金融緩和効果は弱いものとなった。2008 年中は、貸出金利がほぼ一定のもとで、貸出の伸びが低下しており(−□−)、借入需要曲線と貸出供給曲線の双方が大幅に左方シフトしたと解釈できる(前掲図表3D)。』

『これは、1990 年代後半の本邦貸出市場でも観察された現象であり、金融と実体経済の間の負の相乗作用が顕在化していた可能性を強く示唆している。実際、サーベイ調査でみた銀行の貸出態度や企業の資金繰りは、2008 年中、前回の金融緩和局面時の水準を超えて、厳しさを増していった。また、この局面では、政策金利の低下にもかかわらず、銀行の短期金融市場での調達金利が、市場機能の低下を背景に高止まりする期間が続き、金融緩和効果の浸透を阻害する一因となった(図表7)。』

んでまあその後ですけど。

『その後、2009 年に入ると、金利と貸出の伸びの双方が低下するようになり(−■−)、貸出供給曲線に沿って借入需要曲線の左方シフトが続いたと解釈できる(前掲図表3B)。より厳密には、借入需要曲線も貸出供給曲線も左方シフトが続いたが、後者のシフトが小幅化していった可能性が高い。』

図表なしで引用してるとちょっとアレですので、まあご興味のある方は日銀レビューのホンモノを読んでくださいね。次に具体的な話をしていますのでどういう話なのかは判ると思いますが(^^)。

『すなわち、過剰債務を抱えた家計やストック調整圧力に直面した企業は借入削減を進め、一方の銀行は、サーベイ調査が示す通り、依然厳格な貸出スタンスを維持しつつも、公的資本注入など金融システム安定化策を背景に、貸出供給の絞込みペースを以前に比べ落としていった。』

『また、金融市場における流動性危機が沈静化し、銀行の市場調達金利が低下していったことも、貸出供給曲線の左方シフトを以前に比べ小幅化させたものとみられる(前掲図表7)。』

ということなのですが、まあこれは日本の90年代後半と比較した場合はご案内の通りでありまして。

『このように、米欧では、貸出供給の削減による悪影響が和らいできたが、前回局面と異なり、金融緩和による銀行の貸出供給を通じた景気回復の後押し効果はみられなくなっている。この背景としては、深刻なバランスシート問題を指摘できよう。』

『米欧の銀行は、バランスシートを身の丈にあった規模にするよう調整を進めると同時に、民間主体が過剰債務を抱えるもとで、新規貸出からは収益機会を見出しにくくなっているとみられる。これは、日本の1990年代後半以降の貸出市場と同様な状況と言える。』

ということで、まとめの部分では、当然ながらこういう指摘がございます。

『今後、米欧先進国では、景気回復に向けた動きが続いていくと考えられるが、バランスシート調整圧力が続くもとで、不良債権比率の動向など銀行の財務内容に関する不確実性は払拭されていない(図表10)。このため、何らかの追加的なショックが加われば、銀行の貸出スタンスが再び厳格化の程度を増し、貸出供給曲線が左方シフトすることで、金融と実体経済の間の負の相乗作用が再燃するリスクも存在する。』

まあ日本の経験からすると欧米(特に米国)って妙にこの点楽観していますわなあと思うのであります。

という訳で先日の日銀レビューをちょっとだけ引用してみましたが、まあ読みやすいので、というか一般向けに近い感じですので、金融機関の中の人じゃない方にお勧めかも知れませんね。



○そこから何故か特オペに話が飛ぶのだがオチは予定調和です

今日の決定会合でうっかりすると打ち切りが決定されてしまう、と言っても実際は12月までの実施は確定しているので打ち切りは本当の即打ち切りではないのが何ともアレですが、まあその特オペに関して。

いやね、上記の日銀レビュー読んでて思い出した(わけでも無いのですが^^)のですけど、特オペがモンスターオペと呼ばれる強力効果を発揮しておりますという話ですが、冷静に考えますとこの特オペ、第1回目のオファーは今年の1月8日に実施されたのでありまして、じゃあその頃の金利はどうでしたかと考えますと、確かにまあ利下げもありましたしレートは低下傾向ではあったのですけれども、CPレートの推移を改めて見直しますと実は当初はそんなに強力下げ効果が出てた訳ではないのですな。

つまり、1月になった所で3か月の期越えCPとか出てた訳ですが、当初レートが低下してたのは期内物で格付けの高い企業さんネームのもので、期末越えは途中で下げ足が止まる感じになったんですよね。んでもって1月の終わりあたりから2月の頭にかけては格下げ大会が始まった事から、業績的にちと格下げを食らいそうな業種さんとかのネームの金利がちょっと上昇したりしてたんでございますよ。

じゃあレートが急低下したのはいつかと言いますと2月の下旬というか最終週のあたりでありまして、そこから3月はもうレート低下の勢いが凶悪化しやがりましたなあという流れになった訳であります。

じゃまあその間って何がどうなってましたかと言いますと、当時は海外も国内も株価が極めて遺憾な水準で推移していまして、金融機関の資本不足がどうしたこうしたという話や、保有株式の損失で自己資本がどうしたこうしたというような話が盛り上がっていた訳でして、国内金融機関の自己資本増強策がワークしだして、その「資本制約」が引っかかっていたのがCPレートが存外下がらなかった時期だったりすると(極めてざっくりとした言い方で、より精密分析をするとやや怪しい所もあるかも知れませんが)いう感じだと思いまする。

んでもって、その辺りの資本制約が軽くなったとかいう時期とCPの金利が下がってきた時期が割と近いように思われるのですよ。勿論資金需要が落ちて来て従来CPなんぞに回している場合じゃなかった資金が浮いて出てきたとかいう事もあると思いますから、どっちの影響なのかってえのは本当はちゃんと分析する話ですし、まあ自分の懐具合なら兎も角、人の懐事情は良く判らんので即断するのも乱暴ですけど、当時の状況を見てると何となくそんな感じもするのであります(他にも理由がありそうなのですがここでは割愛)。

とまあつらつらと書いてみましたけど、つまり話を綺麗に落とす方向でネタを振りますと、特オペのモンスター効果と言いましても、そこに金融機関のバランスシート制約がある場合にはその効果は減殺されてしまうという落ちになるのでして、さっき引用した日銀レビューは壮大な前振りになっておりますという予定調和にも程がある話の流れ。まあ強引な話の振り方してますけど(^^)。

実際問題として、特オペでもっとジャンジャンレート下がるのかと思ったら、当初は「そうは言ってもオペ担保として保有するという事はリスクアセットを保有する事になるから自己資本を食う訳で、そうジャンジャンCP買ってオペ入れて攻撃は出来ませんがな」というような感じだった事を考えますと、上記の何か予定調和の如く進めている話も一部には合っている所もあるんじゃないかなーって思いますがどうでしょうかね。

ということで、貸出ルートでどうのこうのという話になった場合、重要なのは貸出仲介機能を持つ部分の資本問題がどうなのよという点になるんですねという事になりますわなというある意味当たり前なのですが、資本問題って世の中が平和あるいは小康状態になっている時はすっかりスルーされやすいお話なので、改めて考えないといかんですなあという所で。

・・・・とここまで書いた所で、そういやこの前出てた金融システムレポートを忙しさにかまけて半分くらいしか読んでいない事を思い出したので、週末改めて読んでみないといかんじゃないのと思うあたくしなのでありました。








2009/10/29

お題「色々な観測とか発言とかクリップ/市場雑談」

ほとんどメモ状態(いつもそうですが)で恐縮ですけど。

○観測記事クリップ

昨日は最初に朝日新聞が割と「全部解除」っぽいニュースを。

http://www.asahi.com/special/08017/TKY200910270496.html
緊急資金供給策、日銀が年内打ち切りへ

『しかし、日銀は、民間金融機関同士が市場で資金をやりとりする際の金利も低下し、緊急策がなくても通常の資金供給策で代替できるようになったと判断。金融政策を決める審議委員や執行部の間で、年内いっぱいで打ち切っても問題ないとの意見が大勢になっている。白川方明総裁は14日の記者会見で、今の措置を続けることが「市場にゆがみをもたらしている」と指摘していた。』(上記URLより)

ということでこちらでは特オペまで解除という観測ですが、夕方共同通信が打った観測記事では割と特オペ解除っぽいものの、やや微妙な書き方に。

http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102801000551.html
日銀、支援策を年内打ち切りへ 資金調達環境が改善と判断

『CPなどを担保に金融機関に資金を貸し出す企業金融特別支援オペについても、市場に支障を来さない形で通常の資金供給策に振り替える方策を検討中だ。』

だそうで、まあ観測記事を纏めてもしょーもない話ではございますが、「CP、社債の買入は解除」で、「特別オペはどうなるのか微妙だけど解除するのですかねえ」という感じなのでしょうかねえという所ですか。何が何やらという感じですし、おまけに今日は米国株式市場が続急落とか何というギャグのような展開とか思うのですけど。

しかし共同の記事で「これはまた」と思った部分を引用。

『しかし、社債やCPの購入は利用実績が少なく、異例の措置を長期化させれば市場機能をゆがめかねないと懸念。日銀内では10月30日の会合で打ち切りを決めるべきだとの意見が強まっている。』(上記共同ニュースより)

・・・・利用実績が少ないなら市場機能は歪まない筈なのですが(^^)。

ちなみに、今朝の公共放送ニュースは共同の記事に沿った感じで、「買入は解除」「特オペは他のオペで代替する方法を検討」という線での報道になっておりました事を付け加えます。



○政府の発言クリップ

ま、それはともかくとして、昨日は政府の人達の発言が色々出ていたのでそっちもクリップ。

どっちも昼ごろ出ていたのですが、ロイターでは津村内閣府政務官のインタビューが。

http://jp.reuters.com/article/domesticJPNews/idJPJAPAN-12156320091028
インタビュー:景気回復重視し果断に対応=津村内閣府政務官

こちらがまた微妙なのですが・・・・・

『企業金融支援措置の扱いについては100%日銀の専管事項であり、一切コメントするつもりはない。ただ、政府として、企業金融支援措置が非常に異例な措置であることは十分理解している』

『政府の中小企業金融円滑化法案と日銀の企業金融支援措置は全く違うフェーズの政策手段であり、同列に議論するのは適当でない』

ということで、特オペ解除まで含めて理解を示しているようにも読めるのですけれども、景気認識の部分ではいい感じで日銀に釘をさしているようにも読めます次第。

『補正予算の見直し議論とは別に、日本経済の景気回復基調は極めて緩やかであることは間違いなく、特に雇用不安は深刻なものがある。景気回復を重視する立場から、新政権として必要に応じて果断な措置をとる姿勢を持っており、年末・年始にかけての景気情勢次第では2次補正の議論が出てくる可能性はある。(景気の)二番底をつくってはならない』

『中小企業金融を含めて、景気の先行きは予断を許さない非常にデリケートな時期にあることは、政府も日銀も共通の認識を持っている。』(以上上記ロイター記事より)

何か「やるならやっても結構ですが、景気が二番底になったら日銀は責任を持って倍返しで緩和をやってくださいね」と言っているように読めてしまうのは気のせいですかそうですか。


同じく昼に出てた野田財務副大臣のインタビュー記事でこちらはブルームバーグ。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aO8qENOj5M4M
野田財務副大臣:今年度国債発行50兆円台に−国債管理政策に重点

50兆円が改めて出たせいでは無いと思いますが、後場になって債券市場がずっこけの巻になっていたのは誠に遺憾でございましたな。

『野田副大臣は政府代表として30日の日銀金融政策決定会合に出席する。同日の会合では、日銀が年末に期限を迎えるコマーシャルペーパー(CP)や社債の買い取り、企業金融支援特別オペの3つの企業金融支援策の打ち切りを決定するとの見方も浮上している。これに対し、野田副大臣は「日銀がこれらの措置の効果を検証している。その判断を注意深く見守る」との見解を示した。』

『また、CPや社債の買い入れオペで札割れが起こっていることに対して「応札が3カ月なかったという状況があることは事実。それを踏まえて日銀がどういう判断をするかだ」と述べるとともに、「どういう決定をするにしろ、国民とマーケットに説明することは大事だ」と述べ、日銀に説明責任を果たすよう求めた。』(以上上記ブルームバーグ記事より)

これはまた理解を示しているのか牽制しているのか実に微妙な感じですけれども、どちらかというと「やった後景気悪化したら当然倍返しですよね」って言ってるような気がする次第で。


ついでに夕方の会見記事から2つ。

http://jp.reuters.com/article/domesticJPNews/idJPJAPAN-12163920091028
日銀には金融面からの景気下支えを期待=古川内閣府副大臣

『古川元久内閣府副大臣は28日夕の会見で、一般論と前置きした上で、「日銀には、金融政策面から景気を下支えし、企業金融に目詰まりないよう適切な対応をして欲しいとの思いはある」と述べた。』

どう見ても牽制です本当に(ry

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aDMasdk0M9B4
平野官房長官:長期金利問題は政府も十分にチェックする(Update1)

『平野氏は、鳩山内閣の財政再建に対する取り組み姿勢が長期金利上昇の一因になっているとの見方について「過去のトレンドを見ると、そういうことの判断で長期金利が上がったという理由ではないと認識している」と指摘。その上で、「金利の問題は政府としても十分にチェックしていかなければならないという考え方は変わっていない」と語った。』

これ自体は「政権の財政規律に関する姿勢に市場が疑問」って言われている話を否定してるってえ文脈ではあると思うのですが、これ即ち特オペ解除をした後に長期金利が上昇した時に(本来あまり関係ない話なのですが)他にケツの持って行きようが無かった場合に「日銀の判断が結果的に不適切だった」とかねじ込んで来るリスクがあると思うのですが。財政再建姿勢の話を振られて「そもそも自民党のせい」と言い出す位のハイクオリティーな政権なだけに・・・・・


ということで、昨日は政府側から色々と発言が出てきた訳ですが、どうも出ている発言を総合すると、企業金融支援関係の措置を全部解除しちまった場合、その後景気が何らかの要因で下振れした場合には日銀に対する追加緩和圧力が相当な物になり、倍返しの刑を食らうような悪寒が思いっきりする次第なのであります。

下振れリスクを依然として警戒し、先行きの回復にも相応の時間が掛かるという展望レポートを出す中で、企業金融支援関係の各施策を解除しなければいけない程の弊害がこの措置によって起きているのかという点をもうちょっと熟慮して頂きたいものでありますが、どうもトルコのG7以来総裁の中の人が急に変わった(のか元に戻ったのか知りませんが)かのような頑張り(正直頑張る所を間違っていると思うが)振りなので何ともはやという感じでございまする。


○投資家懇談会とか市場雑感とか

・投資家懇談会

こっちは最後まで読めますな(^^)。
http://www.mof.go.jp/singikai/kokusai/gijiyosi/b211027.htm

投資家懇談会の方では増発に関しては超長期ゾーン、特に流動性がイマイチというか普段の品薄感が強く、たまに売りが出るといきなりゲロゲロになるという30年ゾーンの増発を希望する向きが多い感じが致します。まあそりゃそうだわなという所ですが。

んでまあそれに関する意見が多いので一々引用しませんけど、微妙な意見があったのでちょっと引用。

『・インデックス運用を中心としている当社としては、特定の年限に強い選好があるわけではないが、一部アクティブ運用を手掛ける関係で話題に上るのは、我が国や米国をはじめ各国で財政負担が高まる中で金融政策が出口に向かった場合、財政リスクプレミアムに対するセンシティビティが高まることである。我が国の場合、政権交代に伴う不透明要因も市場では意識されているので、今回の対応の中では長期や超長期ゾーンへの増額は極力避けて、出来る限り5年債以下を対象に振り替えた方が、イールドカーブに影響を与えないのではないか。』

将来財政リスクプレミアムに対する意識が高まる事を懸念するなら、そのプレミアムが拡大する前にとっとと超長期を増発しておいた方が発行コストの削減に寄与するような気がするんですが。まあいいですけどね。

あと、後半の市場環境に関する発言でも見事に「財政規律堅持の姿勢をお願いします」のオンパレードになっているのが誠に素敵な展開でございました(めんどいので一々引用しません)。


・入札2本はまあ微妙

で、昨日は2年国債と3か月TBの入札があった訳ですが、2年は入札前に強くしちゃいまして思ったほど安くない入札になったんですが、第U非価格入札がろくすっぽ入っていない所を見るとプライマリーで終了っぽい香りがするのは気のせいでしょうか。で、3か月TB入札はこれまた前場の板通りの入札でしたが平均オファー足切りビットとか毎度おなじみの展開になっておりました。

まー2年の方は何となくここもと売られ気味の10年とかの資金の受け皿になったっぽいですが、3か月の方はいつも通りという感じっすか。特オペ警戒というよりは単にGCが安かった時から比較して1bp強上昇したような感じですから、その分3か月が上昇しただけという感じがせんでもないですな。まあ定例購入する投資家以外の買いが細っているのもあるのでしょうが。あまりインプリケーションがあったような感じでもない入札でございました。弱くは無いけどイマイチ感って所でしょうか。


・日本郵政のマネーは「預金者のお金」だと思うのですが

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/196114.html
地銀や信金と協調融資実施 ゆうちょ銀、亀井氏意向

『亀井氏は「郵便局には資金を集める力があるが、運用は国債ばかり。融資のノウハウがある地銀や信金、信組と組むと地域は助かる」と述べ、協調融資で地域経済を活性化させたい意向を強調した。』

ネットで記事が見つからないので引用できませんけど、公共放送ニュースでは斎藤新社長のコメントでも「国民から集めた資金を民間で活用できるように云々」って話をしていたように見えるのですな。

何かね、そりゃまあ民間で活用できりゃそれはその方が良いのでしょうけれども、そもそも金融機関は民間に資金需要が弱いから国債買っている訳でありまして、無理やり貸せという事になると不良債権の山を築くだけの話になるのではないかと愚考するのでありますが。

それからもっと気になるのですが、「国民から集めた資金」ったって郵貯のお金は税金でも何でもなくて、「預金者のお金」なのでありまして、そうホイホイと穴を開けられてしまっても困りますがなというか預金者保護はどうなったのよという論点もこれありという所でありまして、本格的な融資のノウハウが無くて、しかも景気がこの有様という厳しい環境下でいきなり融資業務を本格化っていうのは何とも。

#そういや「当行は1000万円までしか預金を受け付けませんので全額預金保険でカバーされるのがミソです」という宣伝をしてた素晴らしい銀行があったような気がするが・・・・











2009/10/28

お題「何せ材料待ちですので待ち時間の雑談は続く」

しかし今回はどうなるのか判らんし、政策が動いても動かなくてもその後の動きがこれまた決め打ちしにくいし・・・・

○相変わらず決定会合に向けてうだうだと雑談

昨日の夜はこういう観測記事が。
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009102700913
企業支援措置、縮小で最終調整=物価、3年連続下落の公算−日銀

展望レポートに関しては2011年度のCPI見通しがマイナスというのは市場コンセンサスで、多分マイナスゼロ%台後半辺りに予想があるんじゃネーノと思うのでありまして、そうだったら時間軸の時間が伸びるという話になる筈なのですが、ご案内のように2年は9月には0.20%近辺まで特攻しましたが0.28%だのという水準(昨日の引けは0.275%)にまで上昇したでござるの巻。

まー時間軸が効く話は勿論あるのですけれども、企業特オペ問題の方が何となく重荷になっているという話で、実際に特オペが解除されちゃったら3か月TBが上昇するでしょという(あたくしも申し上げてますけど)話になると、ついこの前まで0.15%がバリバリのビットサイドだった3か月の位置が変化するから後ろもそりゃまあその分上昇しますがなという理屈でレート上昇(ちなみに今は3か月TBは0.15%オファーって感じですな)しましたというのが簡単な後付け講釈。

でもね、もうちょっと突っ込んで考えると、ここもとの動きも微妙にワケワカメな面がございます次第でして、まず何が変かと申しますと、今売買されてる(今日も入札ね)3か月TBってのは当たり前ですが償還が2月の頭とかになっているのでありまして、その時分にはまだ企業金融特別オペそのものは生きている(3月エンドのオペまでは実施がアナウンスされている訳で)のですから、本来的に言えばこの足にそんなに影響するのかよという話がある訳ですな。

まーここもと足元コールやGCが微妙にきつめ推移(GCは昨日の末初の所は13割れていたので低下傾向ですが)してるという要因もあるのかもしれませんけど、それよりは何か「まあ特オペがどうのこうのちゅう話もありますから買いは手控えますか」というような感じで手控えモードになっているんでしょうかねえという感じはします。平準買い以外の人の買いがイマイチみたいですし。

そらまあ6か月だの1年だのが重くなるのは判るのですが、何故か3か月まで重くなるというのは実にアレなお話でして、まー別に誰かが気合入れて売ってるというような話では全くございませんと思われますが、黙っていても毎週5兆7000億円の入札が実施されるという素敵なゾーン(いやまあその分償還もしてますが)でありますので、ちょっと参加者のマインドセットが変わると直ぐに重くなるという事なんでしょうね。将来大丈夫なんでしょうかね。


ところで上記記事から。

『日銀は30日の金融政策決定会合で、企業金融支援のための時限措置を縮小する方向で最終調整する。昨秋のリーマンショックで傷ついた金融市場環境が正常化しつつあるためで、コマーシャルペーパー(CP)や社債の買い取りは延長せず、12月末での終了を検討する。金融機関に低利で資金供給する「企業金融支援特別オペ(公開市場操作)」の打ち切りも視野に入れる。』(上記時事通信記事から)

・・・・うーむ、この「打ち切りも視野に入れる」という表現が実にこうファジーでして、打ち切るのか打ちきらないのかさっぱり判らないというのが実に素敵な書き方。この時点でこういう書き方になるということは特別オペがどうなるのかはワカランチ会長ということでよろしゅうございますでしょうか>時事通信さま

本件なんですけど、まあ特オペに関しては市場は半身の構え(そもそも解除が今決定されてもオペそのものは年末まで実施するので足元に影響があるのか無いのかも良く判らん。常識的に考えると無い筈なのですが、上記のような心理的な物もありますから)なんでしょうが、まあどっちに転んでもそれなりに反応するんでしょうな。

で、結局議論が煮詰まらずに11月会合まで検討継続という話になるという線もあるでしょう。この場合はまあひたすらモヤモヤとした状態が続くでござるの巻になるのでしょうけれども、最近話題になっているFOMCでの声明文文言変更ネタが11月4日に控えているので、そっちがまた2年あたりから先の金利に影響したりしなかったりするのでしょう(そんなに急いで声明文の文言いじって来るのか疑問はあるのですが)かねえ。

一番訳判らんのは「買入解除だけ決定して特オペ延長するかしないかは継続審議」というような結果が出た時なんですが、一応「包括的に考える」ということですから結果は小出しにはならないとは思うのですけど・・・



ところでちょっと前の記事なんすけどね。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=alZw44amNilE
日銀の企業金融支援特別オペ長期化「モラルハザード生む」−経済学者

ほほーと思って記事読んだのですが、この経済学者様の解釈の部分を読んでおりますと何を仰せになりたいのか頭のよろしくないあたくしと致しましてはさっぱり理解できず、誠に遺憾の限りでございます。

『一方、福田教授は日銀の企業金融支援策について、次のような整理を行った。日銀のオペレーション(公開市場操作)は市場価格で売買するのが原則だが、それでも日銀に売りたいというニーズがある。例えば、今回の金融危機のように、市場が壊れて買い手が付かない場合、日銀が市場から買い入れる。』

?????

『福田教授は「CPや社債の買い入れは、今年年初は日銀のオファー(提示)に対し2倍近く応札が出るなど、金融市場の安定に寄与したが、最近ではほとんど応札もなく、市場も安定しているので、その役割は終えた」と指摘する。』

えーっと、例えばペイオフ制度だの預金保険制度というのは利用は最近ございませんけれども・・・・いやまあどうでも良いです。

『これに対して、「企業金融支援特別オペは特殊な性格がある」と福田教授はいう。「必ずしも市場価格で日銀が購入するものではなく、むしろ、ある意味での補助金付きで日銀が金融機関から購入するというものだ。金融機関にとっては、常に売れるものなら売りたいという性質のものでもある」。』

購入????

『CPは過去3回の応札がゼロ、社債も直近の応札は15分の1にとどまったが、特別オペの残高は高水準を維持している。福田教授は「出口戦略を考える場合、CPや社債はある意味で分かりやすく、売り手がなくなってきたら必要ないと判断できる。しかし、特別オペには本来必要ない場合でも常に需要が残るので、あまり長く続けると、ある種のモラルハザードのコストが大きくなる」と指摘する。』

本来必要ないのに需要が残るとは意味が良く判らないのですが????

『一方、東大大学院の柳川範之准教授は同じ討論会で、異なる視点から日銀の企業金融支援策を分析した。まず、「日銀が金融危機後にやってきた緊急対策には、大きく分けて2つの目的があった」と指摘。1つは資金繰り不安、あるいは流動性のひっ迫への対応。もう1つは緊急景気対策という意味合いであり、「この両方が混在する形で行われた。特別オペもその典型」という。 』

緊急景気対策????

いや別に煽りでも嫌味でもなく、この記事で説明されている説明が何が何やら真面目に判らんのですが、もしかしたらリアルでこの説明を聞きに行ったらもうちょっとここの行間を埋める話があって判るのかもしれない(あたくし現場労務者でございますので場中にこういうイベントに出席するほどの暇はございません)のですが、何となく何を言っているのか判らん事も無い部分も勿論あるのでございますが、微妙に説明が変な気がします。

などと無知蒙昧のあたくしが大先生様にいちゃもん付けるとは無茶にも程が
ありますかそうですか(滝汗)。


○その他まあ少々余談

・新日銀ネットの構築について

http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc09/set0910b.htm
説明文はこちら
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc09/data/set0910b.pdf

さすがに日銀ネットがどうのこうのという話になるとあたくしもよー判らん(あたくしフロントとバックで使った事あるの国債系だけですし)のでまーアレなのですが、決済期間の短縮化だの約定処理のSTP化だのという話になってきますと、ある程度の知見はもっておくべきものであると思いますので、色々と勉強したいと存じます。


・法則キタコレ

http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20091026AS1K2600326102009.html
昨日の日経様の社説で長期金利上昇ネタ

・・・・早速法則発動で、昨日は取引時間中先物が下がっても延々と10年1.40%が壁(引け後に下がってたみたいですが)でござるの巻であったようですし、おまけに今朝は米国債が反発して戻ってくるとは法則恐るべし。


・んでもって2年と3か月TBのダブル入札

短期ゾーン担当の皆さまお疲れ様ですという感じですが、微妙に注目の短いゾーンですので、入札結果もさることながらセカンダリーで盛り上がるのか盛り下がるのかがポイントじゃないかと思います。まあそんなに変ちくりんな話にはならないと思いますが。







2009/10/27

お題「PD懇と決定会合に向けた世間話と」

10月も終わろうというのに台風ちゅうのも何ですな。

○いやまあ中短期の吸収余地があるのは判りますが

http://www.mof.go.jp/singikai/kokusai/gijiyosi/c211023.htm

どうでも良い話だが、何故かあたくしの環境でみると最後の方の表示が切れてしまう(2番の途中から、F5攻撃しても変化なし)のですが、ソースをみるとちゃんと最後まで拾っている(つまり表示されてないだけ)ので、IE7(OSはVISTA)との相性なのか、単にあたくしのブラウザーが良くないのか良く判らないのですが不思議ちゃんです(IE6だと普通に読める)。

それはそれとして、今回は個人向け国債とか物価連動国債とか変動利付国債とかの振替発行の2.6兆円をどうしますかという話をしているのですが、まあその2.6兆円の話よりも実際には今後増発がどうしたこうしたと言われている中で、どの辺りの年限を増発するのかという事を展望して吸収余地がどの年限にどのくらいありますのという事なんでしょ。と思いますが。

んでもって、「増発余地は中短期」が多かったのは予想通りで、代表的と思われるのはこの辺ね。

『個人向け国債等の振り替えに関しては、日銀の金融政策のサポートがある短期ゾーンで振り替えればよい。具体的な上乗せ額は1年T-Billと2年債をそれぞれ月2,000億円増額し5回、5年債を月1,000億円増額し3回と考えている。』

まあ現下の環境はそうなんですけど、ついこの前量的緩和解除とか金利引き上げとかやってた時には中短期がもう買えません状態というような話をPD懇でやっていた事を鑑みると、万年デフレで一生金利が上がらないというのなら別ですが、1年や2年ぽっちで借換が来た時にマズーになってたらどうするんのという気はするんですが。

と申しますか、3か月TBだって週5.7兆とかお洒落な発行をされていますが、あれだって政策金利が動くよってえ話になってきたら入札の度にダダ流れになっても何らおかしく無い訳で、随分前にもご紹介した平成16年に行われた財務省実施の「日本経済の将来ビジョンを語る懇談会(第十回)」における池尾先生が指摘した、

『換言すると、日銀が量的緩和政策を続けざるを得ない経済情勢が続くことが、財政の安定が維持できる条件になってしまっているともいえる。そうした経済情勢とはデフレの持続にほかならず、デフレの脱却による日銀の政策スタンスの変更が財政危機の顕在化につながりかねない状況と言える。』(これは平成16年6月1日の「日本経済の将来ビジョンを語る懇談会(第十回)」議事要旨による池尾先生の発言http://www.mof.go.jp/singikai/vision/gijiyosi/a160601.htmからです)

ってえ点を改めて指摘しているっちゅう感じがしてどうも何だかねという感じもするのでありまして。


今回はまあ中短期の吸収余地の話が多かったですが、何気に超長期だの流動性供給入札だの、もうちょっと長い年限で発行した方がいいんじゃネーノという話もあって、まーさすがにここでの中短期シフト(ったって別に全体から見た時に凄いシフトな訳ではないですが)もどうよというイメージなのは激しく同意です。

しかしさっきの意見もそうですが、日銀の金融政策のサポートがどうのこうのという指摘は別の人もしっかり行っていまして、まー国債増発と絡めて企業金融特別オペがどうのこうのと言われましても日銀的には困るでしょうけれども、現実問題として「ターム物金利を低位安定させる効果がある」というような議論が決定会合で行われているという状況もありますので、そーなってきますと逆にそんな話しなきゃ良かったですねえ(棒読み)という感も致しますです、はい。

『(引用者追記:意見の前半では中短期と流動性供給入札増加という話をしています)一方、流動性供給入札の増額ではなく、短期ゾーンにもう少し集中的に増額するという考え方もあり、1年T-Billと2年債を月2,000億円ずつ増額した上で、来年の2、3月には、6ヶ月T-Billを3〜4兆円発行する方法も考えられる。しかし、日本銀行の金融政策について、今後も企業金融支援特別オペを継続するかどうかへの懸念から、足元では短期マーケットもやや不安定な状態にあり、万一、短期、中期のところの需給が崩れると、イールドカーブ全体が上方にシフトするというリスクもあるため、バランスよく配分した方がよいのではないか。』

これは激しく同意しつつ、日銀ちゃん特オペどうすんのという感じっすな(ニヤニヤ)。


で、後半の『(2) 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて』ではもう「現政権におかれましては財政規律堅持の姿勢をお願いしたい」の連発でありまして(まあ当たり前ですが)、そうは言っても現政権がアレな状態である事からしますと、目先は財務省の今や芸術の域とも言える国債管理政策に益々負担が掛かりますなあという感がするのであります。(冒頭に述べた理由により引用はしません)


○で、今週の決定会合は難しいですな

週末は決定会合。今回は展望レポートの回なので1日会合なのですが、俄かに浮上しやがった企業金融支援臨時措置解除問題のせいでネタが倍になってしまうでござるの巻でして、そもそも1日会合で間に合うのかという説もありますがまあそれは兎も角。

あたくし的べき論で申し上げれば、企業金融支援の臨時措置に関しては別に今慌てて解除する話では無いですし、そもそもこんなに大騒ぎして解除騒動をするほどのものでも無し(もっとこっそりフェードアウトする方法があったと思う)とは思います。それから特オペに関しては「中小企業金融への染み出し効果」というような話までしちまった以上は、期末越えのサポートまでは最低でも実施した方が無駄な軋轢生まないと思うのですが、まあ以下の話はそれはそれという事で市場的雑談を。

CP、社債の買入解除に関してはまあCPに関して言えば(社債に関しては本当にどっちでも良いかというと怪しさ爆発なのですが)別にどうでも良いでしょという感じで、そっちはあまり気になっていないというのがコンセンサスっぽいのですが、問題は特別オペがどうなるか。で、今回難しいわと思うのは、そもそもマーケットがどこからどこまで織り込んでいるのかさっぱり判らない所であります(涙)。何せ色んな人にアホのように聞いて回って(何度も同じ質問をして回っているオトモダチの皆さんどうもすいません)いるのですが、これがまた皆さん「予想はあるがコンセンサスの位置は判らん」という話になってしまうのよ。

まー今回に関しては、そもそも特オペが12月まで実施確定で、3月エンドのオペまでの実施日程が公表されているので、オペ終了となってもいきなりオペが無くなる訳ではないので、織り込むにしてもどこをどう織り込んで良いのかというのもありますので、なおのこと(参加者個々人の見通しはあっても)市場コンセンサスがどこにあるのか判らんという感じでしょうか(^^)。

市場コンセンサスがどうでも良いっちゃあ良いのですが、何せポジションをどうしますかという話になりますと、政策の予想を当ててもポジションがフェーバーにならないと意味が1ミリも無い訳でありまして、そーなりますとやはり「市場コンセンサスはどこで今の相場はどこまで織り込んでいるのですか」というのが気になるのであります。

・・・・・やはりさっぱり判らんです。正直言って「特オペ解除」+「時間軸をやたら強化してオペ打ちまくり」のコンボを実施したら下手したら金利下がるんじゃないか(特オペそのものは3月エンド物まで生きているのだから)という気がしないでも無いですが、日銀クオリティを考えると特オペ解除をした分でそんなに威勢よく共通担保オペ打つのかいな(代替するのであれば、特オペの規模を大きく超える共通担保を打つ必要があると思う)という疑問もありまして、結局「出てこないと判らん」状態なのが実に困ったちゃん。


と、ここまで書いて、結局結論が無い事に気がついて正直スマンカッタのであるが、まあ要するに今回の決定会合は色々な意味で決め打ちできませんわという所であります。展望レポートがどう見ても下方修正含みって報道が続いてますが、展望が下方修正なのに臨時措置解除ってのも政策の整合性(以下同じ悪態)。

ま、日銀の臨時措置関連と、政府の予算関連はどうも不透明としか言い様が無いので、その不透明感が債券買い手控えの良い言い訳になってますなという現状認識をしてますので、どういう形で透明になってくるのか注目ですな、と最後までフニャフニャした話をするあたくしでありました。









2009/10/26

お題「月曜につき小ネタで」

○BOEの議事要旨(10月)から少々

http://www.bankofengland.co.uk/publications/minutes/mpc/pdf/2009/mpc0910.pdf

英国債市場は議事要旨を受けて「資産買入プログラムの拡大が無かった」という話で債券が売られたという相場講釈を聞いたのですけれども、あたくしとしては量的緩和政策の効果について話をしている部分が気になったのです。

まずは第11パラグラフから。

『Adjusted M4 growth was weak compared with its average of the past decade. Although the counterfactual was hard to identify, the strength of broad money growth relative to nominal GDP was consistent with there having been a boost to M4 growth from the asset purchase programme.』

ということで、資産買入プログラムによってM4がより拡大したという話をしています。

『The sectoral M4 data provided some evidence on the extent to which money, which had been created by the programme, had begun to flow through from institutional investors to the non-financial sector.』

んでまあ金融政策に関する議論の頭の23パラグラフでもその効果が具体的にどこに出たとかいう話を。

『The Committee reviewed the impact of the asset purchase programme on financial markets.』

ということで。

『The spread between gilt yields and OIS rates had fallen substantially since March. Over that period, there had been significant reductions in sterling Libor rates and sharp rises in a number of sterling asset prices, including those of equities and corporate bonds, and liquidity conditions in many financial markets were considerably improved compared with six months earlier.』

という現象があった訳でしたが。

『It was probable that the asset purchase programme had contributed to these developments, although it was unlikely to have been the only factor.』

前の方でも微妙な言い方してますが、一応資産購入プログラムの効果に関しては「きっちりと確定的な因果関係ってのは微妙だけど、マネー経由で効果がありました」という話をしているんですな。ただしその量との関連については言及を避けるという感じっすかね。

『Earlier cuts in Bank Rate, official sector intervention to stabilise the banking system, improvements in the global economy and the recovery in confidence since the panic of autumn 2008 had also probably played a part.』

そらそうですな。

『The rate of adjusted M4 growth relative to nominal GDP was consistent too with money growth having been boosted by the asset purchase programme, although monetary data were volatile and not straightforward to interpret.』

定量的な話は微妙みたいですが、定性的には効いているちゅうことでしょう。

『Overall, the evidence suggested that the effect on asset prices had been of the type that the Committee had anticipated when it launched the programme and had been substantial.』

とまとめています。

ちなみに今回の会合では景気に関しては状況改善という話をしてて、物価に関してはややボラタイルながらも中期的なインフレはまだ安定しているという話。企業金融やら銀行のバランスシート調整などの金融面やバランスシート調整に関しては依然として厳しいですってえ感じだと読みました。

んでまあ英国債を下げた最後のパラグラフ。

『There were differences of view among members of the Committee on the balance of risks to the medium-term outlook for inflation, and how it had shifted in recent months.』

中期的なリスクバランスへの意見が分かれますか。

『All Committee members, however, agreed that recent developments were not sufficiently compelling to justify revising the target level of asset purchases that had been agreed at the August meeting or to change the level of Bank Rate at this meeting.』

『The forecast round ahead of the November Inflation Report would provide an opportunity to assess more fully how the medium-term outlook for activity and inflation had evolved since August.』

だそうなんですが、7月のMPCではこんな話になってましたわな。

『There had not been enough clear evidence to suggest that the £125 billion target should be changed at this meeting. In the short term therefore, asset purchases would continue over the month ahead as they were still short of the target level of £125 billion.』

『The Committee would keep the scale of the programme under review, and the preparation of the August Inflation Report offered an opportunity to reassess the stock of asset purchases in the light of a fully updated assessment of the outlook for inflation and growth at its next meeting.』(以上7月の議事要旨から)

まあ7月の時も「判断は次ですよ」と言っておいて一旦市場を失望させておいて8月にちゃっかり買入拡大したという実績もあるので、別に来月になったらあっさり買入継続とか下手したら拡大とかしてもおかしくはないと思うのですが、前回と違って今回のまとめは「8月からの改善度合いを点検する」ってニュアンスになっているので、その辺りはBOEを年がら年中見てる訳ではないのでニュアンスとしてどーなのかは専門家の人に聞かないと判らんです。

ということで後半はどっちかというとおまけでして、前半の資産買入プログラムの効果に関する議論を「ほほー」と思いながら読むのでありました。


○ちょっと前の総裁講演(というか特別講義)からほんのちょっとだけ

http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/data/ko0910c.pdf
「法と経済」からみた中央銀行

東大法学部での講義だそうで、中央銀行の業務は経済だけじゃなくてリーガルマインドも大切ですという話をしてまして、まーそっちの方がメインだと思うのですが、微妙にそこから小ネタ的な部分を引っ張って来るでござるの巻。

・リーマン破綻処理は遺憾ですかそうですか

今般の金融危機が拡大する過程の説明でこんなまとめをしています。

『こうした現象の本質を一言で言うとすれば、「信頼の崩壊」です。金融取引は、信頼で成り立っています。単純な売買契約を考えても、様々なリスクが存在します。』

んでまあそのリスクは信用リスク、流動性リスク、決済リスクという話をしてまして、

『こうしたリスクが大きいと感じると、危なくて取引関係を結べません。特に、金融取引は、金額が大きく、内容も複雑なことが多いので、金融機関が、こうしたリスクを強く意識するようになると、通常のようには取引をできなくなってしまいます。金融取引が滞ると、企業や個人の経済活動にとって必要な資金が、行き渡らなくなり、経済活動はさらに停滞することになります。』

『このように、今回のグローバルな金融・経済危機では、「行き過ぎ」の巻き戻しの過程で、金融に一番大切な信頼が崩壊しました。その結果、お金の流れが止まったため、経済がさらに悪化し、危機は大変厳しいものとなりました。』

・・・・つまりリーマンをこかしたのはイクナイということですね。

#という話って表立って中銀の中の人は言わないけど、その辺って実際問題としてはどういう認識になっているんでしょうかね


・どう見ても地均しです本当に(ry

もっと後の方に出てきますが。

『今回の危機にあたって、日本銀行を含めて、各国の中央銀行は、通常であれば行わないような異例の措置を矢継ぎ早に実行するなど、極めて積極的に行動しました。一連の措置は危機を鎮静化させる上で大きな効果を発揮しましたが、金融市場の状況の変化に応じこうした措置を素早くとれたのも、各国の中央銀行が独自の判断ですばやく政策を決定し、また不要になったらそうした措置を元に戻すことが可能だからこそ、実行できたことでした。』

ほほう。

『中央銀行の独立性は、中央銀行が、通常の手段・業務を使って政策を行っている場合には、あまり疑問の余地は生じません。ただ、今回のように、異例の措置を行う場合、中央銀行が、どのような考え方に立って、何をどこまで行うのか、難しい決定でした。』

んでもってCP買入の話をしてる部分は割愛しまして。

『中央銀行が、法律に定められた目的に照らし、経済や金融の状況に応じた柔軟な対応を行うことは重要ですが、中央銀行の場合、通貨を無制限に発行できる能力を認められているだけに、「やるべきこと」と「やるべきでないこと」の線引きは特に難しい問題となります。』

ほほう。

『これは民主主義社会における意思決定の問題として重要です。中央銀行の使命や民主主義の中での中央銀行の位置付けを意識しながら、「信認」という資源をできるだけ有効に使って使命を達成するというのが、私たちの仕事であり、そこに判断の難しさがあります。』

つまり臨時措置の解除は理念の問題だからとっとと解除するという事ですかそうですか。


・とゆーよーな部分を引用しちゃいましたが

てな所を引用しちゃいましたが、こちらの講義は法律的な側面から中央銀行業務に関する話をしてて、これは中々な講義だと思いますので、まあお暇な時にお読みになるのは吉かと存じます。最後の方にあった話のうち、「破綻法制の国際的な整合性を取ることが重要」とか「政策論における実務の理解が重要」っていう話は中々でありました。

#長くなるから引用は割愛しますけど



○市場雑談

えーっとですな、市場雑談という程の物では無いのですけど、ここもと妙にコールが確りしていまして、と言いましてもまあ0.10が0.11になったというような話ですが、今回はレポというよりはコールが微妙に締まっている感。

先日もちょっと申し上げましたが、資金の回り方がちょっと悪くなっている感じで、偏在している資金が偏在しっぱなしという傾向が続いている上に、それをかきまぜる機能は結局オペ頼みという状態になっておりますが、そのオペが微妙にきつめに推移しているのが影響している感じ。

・・・・えーっとまさかとは思いますが、ここもとの絞り気味のオペ推移というのは11月になってから共通担保オペを沢山うつ為に「溜め」を作ってるのでしょうか?え、何で11月から大量供給という予想をするかって言えば(妄想モード全開につき以下割愛^^)。

てな事は無いと思うのですが、時々微妙に微妙なオペを打って来るのが日銀クオリティなもんで(どういうオペなのかは昨年11月辺りのあたくしの駄文をひっくり返せば判ります^^)、ちょっと気になる次第。









2009/10/23

お題「引き続き企業金融特別措置関連の雑談で勘弁」

どうもここの所ネタが雑談系で申し訳ない。

○西村副総裁会見から

http://www.boj.or.jp/type/press/kaiken07/kk0910c.pdf

昨日ご紹介した西村副総裁講演と基本的な流れは同じでして、「展望レポートでの先行き見通しは下振れ警戒しつつ、企業金融臨時措置は解除しましょう」ってえのが基本になってますわな。

でですね、それって政策の整合性ってどうなのというのは連日申し上げているので繰り返しませんけど、どうも上記の一連の流れっていうのは、「企業金融関連の臨時措置は解除(または手直し)する」「そうなった場合のマーケットインパクトを軽減しないといけませんね」「じゃあ展望レポートで時間軸を強化しましょう」っていうような感じがヒシヒシと伝わって来る次第。いやまあマーケット的にはその理屈も判らんでも無いのですが、やはり政策としての一貫性という意味ではアクセルとブレーキを両方踏むような話だと思うのですよね。

下振れリスクがあるんなら別に今ここで解除せんでも良いのにと思うのですけど、まあ同じ話ばっかしてもアレですので、以下会見引用ちゅうことで(^^)。


・セーフティーネットの弊害ですかそうですか

『(問) 臨時措置の効果とその必要性に関してお伺いします。9月1日に公表された西村副総裁のブエノスアイレスにおける講演の中で、セーフティーネットについて、改善していることだけをもって臨時措置をやめることについては慎重なコメントをされていました。(途中割愛)このところ間接金融、直接金融ともに改善しているとみられる中で、セーフティーネットからみた各種措置の必要性について現状ではどうお考えなのでしょうか。』

答えがやたら長いので途中から。

『(答)(前半割愛)したがって、ブエノスアイレスの講演でも申し上げましたように、そのスキームというのは確かに効果を持っており、そして、その結果、確かに使われなくなってきました。使われなくなってきたというのは効果があったからです。セーフティーネットが使われないからと言って効果がないと断定するのは適切ではないということになります。』

という話ですが、この先から話の筋がこの前としらっと変化するのだ。

『それと同時に、私もブエノスアイレス講演の中の「4つの基本的な考え方」という箇所で説明しましたが、この異例の措置は、やはり色々な意味でミクロの資源配分への介入になります。かつ、リスク資産の買取り等では中央銀行自らをリスクに晒すことになります。そして市場に対してある種の歪み──これはある程度は意図したというか、予想された歪みですが──をもたらすことになります。』

ふむふむ。

『そしてセーフティーネットがずっと存在すると言うことは、これは明らかに、モラルハザードの問題が生じます。こういった点も含めて全体を勘案して現在はどういう状況にあるかということを見なければいけないのです。』

あらま。

『したがって、先ほど申し上げましたように、1つの市場だけを見ることではいけない、全体を見なくてはいけない、ということです。まさに今はその全体を見る状況だろうと思います。そういう中で、今後この時限措置、主なものは3つの時限措置ですが、その1つ1つを個別に見るのではなく全体として包括的に判断していくというのが一番望ましいだろうと思っています。市場機能の改善の度合い、それから市場参加者の過度の不安心理が十分に解消したか、これからもう一度頭をもたげる可能性があるのかということを考えながら、適切に取りまとめて判断するということが望ましいと考えています。』

どう見てもセットでやる気満々です本当にありがとうございました。


・特別オペをピンポイントで聞く人まで出てきます(^^)

特オペについてピンポイントで質問してきた人まで登場しまして、そちらに対する答がまた微妙にアレでして。

『(答) 企業金融支援特別オペの基本を確認しますと、これは、固定金利で、担保の範囲内で金額無制限に資金供給をするということです。これを通じて、金融機関の資金調達を支援して、金融市場の安定を確保するという点で非常に大きな効果を発揮したと思っています。それと同時に、担保を企業債務に限定しているということで、これは間接的効果ですが、企業金融への支援の効果も相当あったと考えられます。』

何かこの話だと企業金融支援よりも金利固定とか資金の潤沢供給がメインであるかのような話で、企業金融支援のトーンを下げている所が微妙に???なのですが、この施策を導入した時はどういう理屈でしたっけと思って過去の公表文書を見ますとこれがまた何というか微妙なのです。

昨年12月2日の公表文
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/un0812b.pdf

『民間企業債務を担保とする資金供給面の工夫として、「共通担保として差入れられている民間企業債務の担保価額の範囲内で、金額に制限を設けずに、無担保コールレートの誘導目標と同水準の金利で、年度末越え資金を供給するオペレーション」(別紙2)を導入する。』

昨年12月19日の公表文
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/k081219.pdf

『2.企業金融の円滑化に向けた措置
(1)企業金融支援特別オペレーションの決定(全員一致(注1))
12 月2日の金融政策決定会合で導入することとした「民間企業債務を活用した新たなオペレーション」について、「企業金融支援特別オペレーション基本要領」等を決定した。同オペレーションは、来年1月8日より実施する(別添)。』

・・・・なるほど。具体的な施策の名前は「企業金融オペ」でCP買入(この時は買入の方は詳細まではまだでした)とセットで実施したのですが、そもそもその前に導入を決定した時はあくまでも「資金供給手段の新しい工夫」だったですわ。で、今になって12月2日の理屈が蘇ってくるというのが日銀恐るべしという所でありまして、色々な筋を使った理屈を埋め込んでいるんですなあと変な所で感心してしまいましたです(−−)。

ということで、どさくさに紛れて徐々に「企業金融支援」よりも「資金供給の新たな工夫による臨時措置」という話に持っていくという驚倒すべき日銀的な「別の理屈がしらっと登場」により続く説明も何となくそんな流れになるのです。

『この特別オペの取扱いを検討していく際に重要な点は、過度の不安感が十分に解消したのか、再び頭をもたげることがないのかという点と、金融市場の分断、それによる価格形成の歪みの有無、価格の情報としての機能が十分に回復しているかどうかの2点です。』

どう見ても市場価格しか注目してません本当に(ry

『そうした2点から考えると、企業金融支援というのは、最初の時点では過度の不安解消ということに対して確かに非常に強かったと思いますし、それは、現在のところはかなり解消したという状況――これは一部を除いてということですが――であると思います。それから、企業金融の状況の改善という点ではかなりの大きな改善があったと思います。』

ちょっと前までは「CP市場などでの短国CP逆転などはあるけど、局地的な動きだけフォーカスして解除議論をするのはイクナイ」って話をしていたというのにこの見事な攻撃はさすがです。

『ただし、これが今後も十分に維持できるかという重要な点を考えていかなくてはいけません。それを考えるためのポイントとしては、先ほど申し上げましたとおり、単純に一つの企業金融の市場をみるのではなくて、企業金融全般をみていく、そして間接金融への染み出しについてもみていかなくてはなりません。』

その前の話で散々金融市場の改善を強調しているのですが・・・いやまあいいです。

『そういう意味で考えていくならば、やはり、しっかりと現在の状況を把握し、将来どういう状況になっていくかということについての予想を立てながら判断していくということになります。また、これは他の手段等とのセットとして考えてきたわけですから、当然、包括的に取りまとめて次回の決定会合以降に判断をすると考えて頂いて結構です。』

つまり次回会合は展望レポートに加えて臨時措置がどうのこうのという議論を1日で行いますという事のようですが、大引けに間に合わないんじゃネーノという感じでございますな。いやまあきっちり議論して頂きたいので別に間に合わなくても良いですけど(^^)。


・でもって景気認識は「バンピーロード」とな

昨日は講演の引用で景気認識の方を散々引用しましたので、まあそっちの引用はちょっとにしますが、キャッチーな言葉があったのでその辺を引用します。国内の景気二番底懸念に対する質問がありまして、それに対する西村さんのお答え。

『「二番底」という言葉が適当か、適当でないかという論点もありますが、日本だけではなく、世界全体を見渡してみましても、各国の政策担当者、特に中央銀行には、今後自らが進む道は平坦な道ではない、つまり「でこぼこ道(バンピーロード)」であるということに関して、ほぼ共通な理解があると言っていいと思います。』

これはまたキャッチーなお言葉(^^)。

『そういう意味で、ご指摘になったように、今の政策効果がどういうかたちで持続していくのか、あるいは剥げ落ちていくのか、それから他の政策効果が効いてくる、例えばアメリカの場合であれば公共事業が効いてくる、日本の場合であれば消費者に対する新しい対応が効いてくる、そういったものが複雑に絡み合うわけです。そういう点から考えれば、私どもが見通している回復そのものも、かなり「でこぼこな回復」という形になると思います。』

そういえば白川総裁は「偽りの夜明け」と仰っていましたなあ(遠い目)。

『ただ、少なくとも各国政府は、景気回復が確実となるまで現在の緩和・拡張的な政策を続けていくというコミットメントをしているのですから、そういう意味で大きな「二番底」は考え難いとみた方がいいだろうと思います。しかし、回復の道が決して平坦ではなくて、かつ時間がかかり、そしてなかなか厳しいものになるということについては、世界がそうなるとすれば、やはり世界との相関がだんだん高くなってきている日本においても同じようなことになる可能性は高いのだろうと思います。』

ということでこちらでも何となく時間軸を強調するでござるの巻。

『重要な点は、「バンピーロードであるから放っておいていい」という話ではなくて、「此処其処に対して適切なマクロ財政・金融政策を世界で考えていく」ということが一番肝要な点だと思っています。』

だからバンピーロードをこれから走るのに何でサスペンション(なのかバンパーなのか判りませんが^^)を外そうという話が出てくるかと小一時間問い詰めたいのですが・・・・・


○まあそりゃ金利上がると金利市場的には結構な話なんですけど・・・・

とまあここもとしつこくこのネタに絡んでいる粘着質のあたくしでございますが、いやまあ市場の上がりでメシの種を頂いておりますあたくしと致しましては、そりゃまあ金利が上がった方がオイチイ(特別オペを外したらそれなりに金利は上昇すると思います。上昇しなかったら全俺が泣くが^^)ですけど、そう話は簡単じゃないっしょって事なんですな。

#市場の人的には今更の話ですが、「金利が上昇」→「債券価格下落」→「保有債券が損失」だから債券の投資家は金利上昇で困るって解説をよく見るんですが、そりゃまあ短期的にはロングの分が時価的にやられるという話なので困るには困りますが、それよりも金利上昇によって(債券は償還や利払いによって自動的に再投資の金が入って来るのが株と違う所)より長い目で見ればポートの利回りが上昇して、その分参加者全体の実入りが増えるのでして、金利急上昇とかいう事でなければ基本的に金利上がっても困らんのです。と一般の人向けに一言

つまりですな、このバンピーロード中かつ政府が中小企業金融支援とか言ってるという状況の元で、(実際問題として本当に中小企業金融支援にどの程度の効果があるかは兎も角として)企業金融支援と銘打った臨時措置の解除を行うとなりますと、今後景気が失速した場合に今度は(市場でメシの種を頂いてる人的には)恐怖のゼロ金利政策とかいう話になってしまう訳でして(−−)、目先オイチイ話でもその後倍返しを食らったら1ミリも意味が無いのですわな。

と思いますので、まあ判断は慎重にして頂きたいと切にお願いしたい次第なのでありますけど、執行部の爆走はノンストップのように見えるのでして、あのーこの先はバンピーロードなんですけど徐行運転しないんっすか??って感じっす。


などとつらつら書いておりまして今更気がつきましたが、政策の整合性という意味ではFRBも大概にワケワカメなのでありまして(^^)、やはり見せ方というか狸成分というか、まあそーゆー物も大事な話ですなあなどと思ってしまうあたくしなのでありました(苦笑)。


○これはこれは

昨日の東京新聞サイトでは債券市場に関してこんな話題が。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009102201000676.html
長期金利が上昇傾向 国債増発懸念、政権不信も
2009年10月22日 18時15分

『長期金利が上昇傾向となっている。22日の国債市場で指標の新発10年債価格が下落し利回りは一時、1・365%に上昇、約2カ月ぶりの高水準となった。鳩山政権がマニフェスト(政権公約)実現の財源として、赤字国債を増発するとの懸念が根強いためだ。郵政民営化の見直しを契機に、鳩山政権の財政運営にまで不信感が広がったことも影響した。』

・・・・・ニヤニヤ。

この政権って結構色んな所の反応を気にするのが仕様みたいで、まー良く発言が二転三転七転八倒するという仕様(バグではありません^^)ですから、長期金利上昇がこーゆーコンテクストで語られだしますと、今度は急に市場の反応を気にして国債発行額に関してまた別の話をおっぱじめるに100ルピア。

#で、今日はPD懇談会ですな

まー政権不信っつーか、元々民主党政権になるのは選挙前から市場は織り込んでましたけど、最初のうちは「民主党になったら公約がバラマキちっくだから財政懸念とか出るでしょ」というイメージだったのが、選挙が近付くに連れて民主党の偉い人たちが「財政健全化への姿勢を堅持する」っていう話をしだしたので、「じゃあそんなに懸念する事もないでしょ」となったのがこれまでの流れで、最近は「何だやっぱり・・・・」という事になっているちゅー所かなあと思うのと、まあ確かに言ってることがコロコロ変わるので、その分リスクプレミアムが乗りますよってえ話も勿論あるので、その分が加わってるって話なんじゃネーノっていう所でしょうか。よー知らんが。








2009/10/22

お題「臨時措置の解除と暗黙の時間軸堅持がセットに出来るかどうか」

という話の前に「斎藤次郎キター」ネタ雑談を少々。

#しかしニュースベンダーのヘッドラインの「斎藤氏」というのを頭の中で「斎藤次郎さん」に一発変換出来た人と出来なかった人がいる訳でして(^^)、世代の差ってえ奴を感じますな(^^)。


○武藤前副総裁に謝れ!

産経の首相ぶら下がりの記事から。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091021/plc0910212101012-n4.htm

鳩山様のお告げによりますと・・・・

『武藤さんの場合は、財務省を辞められてから5年間、必ずしも民間で働かれておられなかったと。』

えーっと、武藤さんは日銀副総裁になられて、日銀の為に尽力されまして、あたくしが微かながら存じ上げている範囲内では日銀内でも厚い信頼を幅広く受けていると聞いておりましたが、そういう実績を全く無視して反対をしたのは一体全体何だったんだと。

あと、もっと下らねえツッコミをすると、日銀副総裁は民間じゃないという鳩山様のお告げでございますが、まあやはり鳩山様におかれましては日銀は政府に従属して言う事聞くべき機関であって、金融政策の独立がどうのこうのというのは単に自民党批判の為に言ってた方便だったという本音も垣間見れるご発言ではございます。

『で、今回、斎藤次郎さん、(途中割愛)その間に東京金融取引所など民間でも働かれておられる方ですから、そういう意味では、ある意味で民間で働いた方を、今度は、ある意味での民間の社長になっていただくということですから、必ずしも武藤さんの場合とは違うなと。そう理解をしております。』

・・・・・TIFFEが民間で日銀が民間じゃないという説明の意味が1ミリも理解できませんが。

まあ何はともあれ、武藤さんの総裁就任を潰した理屈と斎藤さんの日本郵政社長就任(まだ内定ですが)の理屈が見事なまでに整合性取れてなくて、最初聞いた時に何のギャグ(以下保安装置作動の為激しく自主規制)。


ところで、もっとどうでもいいですが、同じく産経(だけどgooから)記事より。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/elex/e20091021054.html

『当時、下野していた自民党の斎藤氏への反目は強烈で、天下りなどで徹底した冷遇が続いた。』

>徹底した冷遇
>徹底した冷遇
>徹底した冷遇

・・・・東京金先に謝れ!!


ということで雑談はここまで。


○西村副総裁講演ですが

http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/data/ko0910b.pdf

基本的に「景気に対する下振れリスクが依然として残る」というのと「企業金融特別措置は一気にやるかどうかはともかく解除の方向」という話でありまして、何気に西村副総裁の講演は長い(つーか最近の講演は皆さん長いのが仕様)ので、早足で引用するのだ。

・景気に関して

国内景気の先行き見通しについて。

『景気の先行きは、当面は世界経済の動向に大きく依存する展開となりますが、先ほど申し上げました通り、これについては緩やかながらも持ち直していくと考えています。』

『もっとも、景気見通しを巡る不確実性は、依然高いとみています。最大のリスク要因は、やはり世界経済の動向です。これには、先に申し上げた通り、上下両方向のリスクが存在します。また、国内固有のリスク要因としては、国内外で従来と比べ成長率が低下する下で、企業の中長期的な成長期待が下振れるリスクが存在します。』

『このように景気の先行きを巡っては、上下双方に様々なリスク要因が存在しますが、リスク要因全体でみますと、現時点ではなお下振れリスクの方が高い状況が続いているのではないかと判断しています。いずれにしましても、こうした様々なリスク要因に十分注意しながら、引き続き、経済情勢を丹念に点検していく所存です。』

昨日(やっと)引用致しました先週水曜の白川総裁定例記者会見でも指摘している質問者がいましたが、先日の総裁もそうですが、西村副総裁の今回の講演でも、景気に関するコメントとしては「改善方向だけど下振れリスク警戒」の「下振れリスク」の方をやや強調気味になっている感じはします。で、物価の見通しに関してはまあ先行き厳しいでしょという話になる訳で、物価に関する部分を引用。


・物価に関して

消費者物価の先行き見通しに関して。

『消費者物価前年比の先行きについて展望しますと、石油製品価格高騰の反動の影響が薄れていくとともに、景気の持ち直しにより経済の需給バランスが改善していく中で、下落幅は縮小していくと考えられます。もっとも、昨年秋以降の急激な景気の落ち込みを反映して、需給バランスは大きく緩んだと考えられ、その改善テンポは緩慢とみられるため、前年比でみた物価下落が相応の期間続く可能性が高い状況にあります。』

『このような消費者物価の下落傾向は、実は日本だけでなく米国をはじめ主要先進国で広範にみられる現象です。これらの国の多くでは、経済を襲った負の需要ショックが余りに大きかったため、今後景気は持ち直していくものの、物価が望ましいと考えられる上昇率に復するまで、かなり時間を要する姿が予想されています。』

ということで、こちらに関してはダメダメ感の強いお話ですが、これがまたチャーミングな事に、デフレとデフレスパイラルを分けて理解をするという最近良く出てくる説明がその後に続くのでした。


・デフレとデフレスパイラルって話ですかねえ

んでまあデフレという話が出てますが・・・・という所から例の説明になってくるのでありまする。

『重要なのは、こうした特定の「デフレ」の定義に基づいた議論ではなく、日本経済が物価安定のもとでの持続的成長に復する展望が拓けるか否かという点です。その観点から、物価下落が起点となって景気悪化をもたらすことのないようにすることが大事であると考えています。そのためには、以下の2点が重要であると思われます。』

これはまあ白川総裁なども言及してますし、確かにまあ物価低迷下での景気拡大局面という場面も過去にあったっすなあというのもありますので、まーこーゆー説明が出てくるってえ話になると思うのですけど、やはり微妙な気がするというか、日銀はそんなに物価上昇お嫌いなの?というツッコミを食らいそうな説明だと思うのれす。現実問題としてじゃあどこまで中央銀行単独で出来るのかという話になってくるとこれまた難しい問題になりそうなので、頭の悪いあたくしは勉強しないとお話は出来ないのですけど(涙)。

『第1には、金融システムの安定が維持されていることです。』
『第2には、中長期的な物価上昇率の予想が、足下の物価上昇率の推移に引き摺られて下落することなく、安定していることです。』

という話は既に白川総裁などもしていますので内容割愛。

『こうした観点から、最近のわが国の物価動向を巡る状況を評価しますと、まず、わが国の金融システムについては、これまでのところ欧米諸国と比べて不良債権など自国に由来するストレスは小さいとみられます。また、中長期的な物価上昇率の予想についても、サーベイ調査や市場のデータから推測する限り、これまでのところ大きな変調を来たしているとは考えられません。』

というのがメインシナリオですけど。

『もっとも、世界経済がバランスシート調整の途上にある下では、これに起因する金融システム面でのリスクはなかなか払拭しきれるものではありません。また、物価の下落が相応の期間続くことが見込まれる状況では、中長期的な物価上昇率の予想が、物価上昇率の実績に引き摺られて大きく下振れる脆弱性リスクを抱えていることとなります。これらの下振れリスクに十分に留意して、今後とも物価動向を注視していく所存です。』

ということで、下ぶれるに「大きく」までおまけがつくという次第ですので、物価警戒モードにはなっているというのがアピールされていますわな。



・という訳で緩和的政策の継続という話に

金融政策の出口政策に関する話をしていますが、そちらでは緩和的な金融政策の継続の話が出ています。

『この点、先月のG20 財務大臣・中央銀行総裁会議では、次の通り確認されました。すなわち、出口戦略については、「国や政策手段によって時期や順序は異なるが」、「景気回復が確実になるまで、必要な金融支援や拡張的な財政・金融政策の実施を継続する」というものです。こうした考え方は、先日のG7でも改めて共有されました。』

『実際、欧米において様々な調整が進捗するには、なおかなりの時間を要すると考えられ、その間は、拡張的なマクロ経済政策により経済の下支えを続けていく必要があります。わが国経済も、ようやく持ち直しの緒についたばかりであり、金融政策運営面では、持続的成長経路への復帰を支援するため、緩和的な金融環境を粘り強く確保することが重要であると考えています。』


・・・・とまあそういう感じでして、実は景気の所とか物価の所とかでの話になると「低金利継続」へのアピールはきっちりしているのですけれども、まあ当然ながらニュース的にオイシイのは金融政策の変更に関わる部分でして、企業金融オペの解除に掛かる部分の報道が多いのは当然。


・どう見ても次回会合解除やる気満々です本当にありがとうございました

企業金融環境に関する話の部分とかがこれまた長いのですが、引用してるとキリが無いし、まあ白川総裁の会見やら金融経済月報でも示されているのでその辺の引用を全部割愛しちゃいまして(手抜き)、結論の所だけ。

『一方、昨年秋のリーマン・ブラザーズ破綻をきっかけとする「市場参加者の過度の不安心理」や「市場機能の急激な低下」などの急性症状に対応して導入した緊急手段の取り扱いは、只今申し述べたようなマクロ経済政策の出口とは異なる問題であり、過度の不安心理の解消度合い、市場機能の回復度合いなどに応じて見直していくことが適当であると考えられています。実際、米国では、Fed による長期国債の買入れやTAF(Term Auction Facility)と呼ばれる期間の長い資金供給オペなどいくつかの措置について、既に停止あるいは縮小の方針が打ち出されています。』

『私どもの各種の時限措置の取り扱いについても、それぞれの効果や必要性をできるだけ包括的に点検した上で、次回金融政策決定会合以降の適切なタイミングでとりまとめて判断してまいりたいと考えています。』

もうね、こーゆー時だけサクサクと他国の話を持ってくるのが(緩和の時は協調緩和とか言わないのに)日銀クオリティだと思うのですけど、まーこのトーンは普通に次回会合での解除やる気満々という話になるのですが、本当に全ての審議委員がその線でまとまっているのかも怪しいですし、大体からして展望レポートで厳しい話を出すなかでの整合性はどうよというのもありますし、どっからどこまで解除するのかしないのかとか、さっぱり判らん部分も多いのですが、とりあえず執行部様に置かれましてはやる気満々というのだけは把握しました(というかニュースもその方向で報道されてましたけど)。


○つまり臨時措置解除に時間軸の確認をセットにしたいのでしょうけれども・・・・

以下あたくしのまとまって無い妄想モード。

西村さんの講演をざざーっと読みますと、トーンとしては景気認識や物価認識、特に物価に関する警戒モードになっている中で企業金融措置の解除見直しに積極的という話になっておりまして、これをセットとして考えると、臨時措置を解除しながら時間軸については堅持し、時間軸が揺らがないように注意する。という話で持っていこうとしているのは把握しました。

ただね、そう世の中上手くいくかというと、これまた昨日も申し上げたと思いますが、今回の解除騒動がどう見ても総裁主導で唐突に出てきたものでして、そーゆー点では市場的には「やっぱり白川さんも隙あらば正常化路線」という認識を与えてしまったように思える訳でして、ちょっとでも経済指標(たぶん物価とかそうじゃなかったら株価)が改善してくると時間軸があっさり揺らぐという感じになるんじゃないのかという気がします。

だからと言ってまた前のようなコミットメントをするのかと考えると、まあドタ勘的には白川さんはそういうのやらなさそうな感じですし、目先は展望レポートの物価見通しとセットで(というのも政策の整合性上如何なものかって思いますがそこは一応オミットして)時間軸を確認しつつ臨時措置の解除という市場的には訳判りますが、常識的に考えると微妙なバーターみたいは話で乗り切るんでしょうけど、その先ではまた色々と波乱になりそうな悪寒もするのであります。

というこのネタはもっと掘っていかないといけない話なので、今日はメモだけ。





2009/10/21

お題「出遅れたネタの虫干し/ちょっと雑感」

この際西川さんまさかの全銀協会長就任というのは如何でしょう(^^)。

○証文の超越出し遅れですが先週水曜の総裁定例会見

http://www.boj.or.jp/type/press/kaiken07/kk0910b.pdf

技術論云々の話しか引用しなかったので、同じく質問が集中した企業金融措置のどうのこうのという話に関連して。

・特別オペの歪みがどうのこうの

包括的に考えたいってどういう事なのよという質問に対して。

『先ほど、昨年秋以降に導入した様々な時限措置があると申し上げました。先ほど説明したのはCP・社債の買入れですが、もう1つよく議論の俎上に上るのは、企業金融支援特別オペ、いわゆる特別オペです。特別オペについてどう考えるかということは後で申し上げますが、CP・社債買入れの部分だけ発表すると、全体として日本銀行が考えていることが正確に伝わらない惧れがあります。その意味で、経済・金融環境を包括的に点検し、またその中で金融政策さらには様々な時限措置を包括的に点検し、出来るだけ誤解のないかたちで発表したいという気持ちがあります。』

イスタンブールでの総裁会見ではCP社債買入の話だったのに、この場(定例記者会見)では完全に企業特オペまで視野に入れた話になっているという事ですな。この時点で市場的には「まー買入解除するけど、買入解除と特オペの継続はセットみたいなもんでしょ」というイメージだったので、特オペ解除の話がいきなり出てきたのは「ありゃりゃ」という感じでしたわな。

で、まーこの発言を読みますと、あの時点で多くの人のイメージにあった「買入解除だけはとりあえず実施、特オペはとりあえず年度末越えまではやってその後は状況次第だけど中々外しにくい」っていうのを総裁自らが「もっと積極的に解除ですよ!」とぶち上げましたという所ですわな。

『特別オペについて申し上げると、皆さんご存知の通り、固定金利、担保の範囲内で金額無制限という点で、金融機関の資金調達を支援し、金融市場の安定を確保する上で大きな効果を発揮してきたと思います。ただ、最近では金融市場が安定を取り戻すとともに、特別オペと従来からある共通担保資金供給オペとの差は小さくなってきていると判断しています。』

んでまあ後の方でより「技術的」な説明をしているのですが、そこでは「レート差は2〜3bp」という話になってます。いやまあ現象面では今の所そうなのですが、実際に特オペ外したらやはりファンディングの部分でボラが上昇するだろうという事も勘案すると、普通に3MTBで5bp位は楽勝で金利上昇すると思うのですが。

・・・まあ5つ上昇しても0.20そこそこですから低金利っちゃあ低金利なのですが、0.15水準(というか15割れ)に延々と目が慣れてしまっているだけに上昇しましたなあという感じにはなるでしょうね。

『一方、この特別オペについては、担保をCP、社債あるいは証貸債権といった企業債務に限定しているという点で企業金融支援の効果を持つわけですが、同時に企業発行のCP金利と国の債務である国庫短期証券金利との逆転現象にもみられる通り、担保として利用されている特定資産の市場取引に歪みをもたらすという問題も持っています。』

従来はこの辺りの話をスルーして「企業金融問題はトータルで考えましょう」とか「特定市場の部分だけ取り出してしまうのイクナイ」とか言ってたので、まーこれは態度急変でして、急変する背景には要するに特オペ解除やる気満々という姿勢に豹変したちゅう事なのは明白ですなという感じっすが。

#しかし何で急にこういう動きになったのかがよー判らんっすな

『特別オペという異例の臨時措置の取扱いを検討していくにあたっては、今後とも金融機関の資金調達の安心感を維持し、金融市場の安定を確保するためにどのような手段が最も有効かということが判断の基準になります。』

んでこの後が技術論ね。

『多少技術的になりますが、固定金利、それから金額無制限という特別オペの特殊な機能が依然として必要とされるのか、あるいは特別オペの担保を含む広い範囲の担保を利用し、市場に与える歪みの小さいかたちで資金供給を行う共通担保オペ等を積極的に活用した方が有効かつ望ましい局面になっているのか、といったことが判断基準になると考えられます。これは、基本的には金融調節をどのようなかたちで行うことが適切かという、優れて技術的な問題です。そうした技術的な問題と先々の金融政策をどのように考えるかは全く別の問題ですが、そうしたことも含めて包括的に点検するということです。』

技術論を言い出す時に碌な事なしというのは先週木曜日に申し上げた通りでございまする。ちなみに、指値オペを実施するというのは全然技術的な話ではなく、これは低い金利固定誘導であれば「市場金利をそこまで持っていきますよ」という意味で極めて政策的な意図があると思うのですが。昨年10月に各国協調で実施した「ドル資金供給」がまさに指値無制限でして、あれが「技術的」とは言えませんでしょ。

#市場が落ち着いた時点で金利が実勢より高くなったのでドルオペ自体はそこで「低金利へ誘導」じゃなくなりましたけど、企業特オペの場合は何せ0.10%でございますからねえ

『繰り返しになりますが、私どもが景気をしっかり支えていく、そのために現在の超低金利を続けていく、あるいは潤沢な流動性を供給していくという姿勢には変わりありません。』

とはおっしゃいますが、本来もうちょっと静かにフェードアウトする事が出来る筈の臨時措置の縮小あるいは解除という案件に関して、やや唐突感および強引感のあるやり方で解除を打ち出してくるという時点で、白川総裁の「前のめり感」が伝わって来る訳でして、特オペ解除による金利上昇ど〜のこ〜のという話以前の問題が発生すると思うのですな。つまり、従来は「主要国の中で最もデフレ環境である日本において、出口政策が出てくるのは最後の方になるし、日銀も出口政策を急ぐ気配が無い」という認識が共有されていて、それがまあ暗黙の時間軸形成を後押ししていた部分があったと思うのですが、今般の解除騒動によって「日銀の前のめり感」が伝わってしまうというのは期待形成の部分に影響を与えるんじゃネーノという話になるんですな。

まあ一応解除の話をしながら低金利継続の話はトーンを強くしている感じではあるのですが、解除の話を思いっきり強調(まあ質疑応答の関係で強調している面もあるでしょうけど)してる方が普通に先に印象として出るわなという事で、その上先般のさくらレポートでの全地域上方修正(単に「最悪期を脱した」という表現が並んでいるだけの気もしますが)と来た日には月末の展望レポートでのストーリー次第では「やっぱり日銀クオリティか」という観測が強化されてもおかしくはないんじゃないっすかねえ。まあよー知らんが。


・ということで技術的な説明に微妙な煙巻き成分が

『例えば、実際の金利をみると、特別オペは0.1%に固定されていますが、2か月あるいは3か月の期間で実行している共通担保オペは、このところ落札レートが0.12%あるいは0.13%であり、差は0.02 ないし0.03 と小さいわけです。また、この2つのオペには担保の違いがあり、例えば、特別オペでは企業の証貸債権等を比較的多く担保に取るために様々な事務コストがかかってきます。そうした事務コストも考えると、実質的な差はより小さくなります。このように、レートひとつをとってみても差は小さくなっていると思います。』

という話をしているのですが、まあ先般来申し上げておりますように、この2〜3bpというのは特オペに行けば使える担保分は10bpでジャンジャン出てくるというお助け措置が控えているからという面もある訳で、特オペ分以上にコンスタントかつ予見可能なスケールで3Mでも2Mでも良いですけど、きっちりとタームの共通担保オペを打ってくれるというのなら差はあんまり生じないかもしれませんが、現状では3Mの共通担保がそもそもそんなにコンスタントに実施している物ではないですから、その状態と比較して2bpだ3bpだという話をされても何だかなあ感はございます。

まー共通担保オペの残高を(ある程度調整しないといけないのは判るけど)財政払いの大型超過日に向けてドカンと落としてしまう現在の運営をやっていると、ど〜してもモノ日跨ぎの調達の所でレートが上昇しやすくなると思うんですが、その辺はどういう工夫になるんでしょうかね。


・(;∀;)イイシツモンダナー

この質問はワロタ。

『(問) 「誤解」という話と関連してCP・社債の買取りを打ち切るかどうかということが議論になっているという話に対して、亀井金融大臣が「日銀が時々寝言を言う」といったような発言をされていたと思います。それも「誤解」の1つなのか、それともそもそもの見解が亀井大臣とは違うのか、どのように思われますか。』

最早答えようが無いのは判りますが、この回答は何も言ってないのと同じっすな。

『(答) 今の金融環境について全体としては改善が拡がっていますが、中小企業については厳しい状態が続いていると認識しています。私どもが金融政策についてしっかりと景気を支えていきたいと繰り返し申し上げているのも、そうした全体としての景気情勢、金融情勢も含めて判断しているということです。』

政府との整合性という質問が幾つか出ていましたが、回答は大体こんな感じのものが並んでおりまして、まーそこを聞かれると技術論で逃げるという話になるんだなあと。

んでまあ最後の最後の質問で本当に(;∀;)イイシツモンダナーなツッコミが。

『(問) デフレの傾向というのは、まだ強い状態が続いていると思います。総裁は先ほどから、景気を下支えしていくための「超低金利かつ緩和的な金融環境」ということを相当明確に、以前にも増して繰り返して述べていると感じました。今の政策を続けるというスタンスは分かるのですが、デフレのこの傾向を弱める、もしくは景気の回復をより下支え、もしくは押し上げていくために、日銀が新たにできることは何かあるのでしょうか。』

『(答) 今、日本経済が直面している経済の厳しさというのは、世界経済全体に降りかかったショックに端を発しています。これは、日本に限らずどの国も大きなショックに直面し、経済が完全に回復するにはかなり長い時間がかかるという姿を予測しています。そういう意味で、どの国も政策運営という点では、既に積極的に行っていますが、調整が完了するにはかなり時間がかかる、そういうものとして粘り強く取り組んでいく必要があるということだと思います。日本銀行もそうしたスタンスで現在取り組んでいるということです。』

ということで低金利継続の話で支えようって流れだと思うのですが、それなら前のめり感を出すようなここもとの動きは何か整合性が取れませんわなという風に思うのですよね。まー臨時措置解除するにしても、「急いで実施した」という印象を与えないように(って既に与えているので「急いで」感を軽減するという話になりますけど)対処しないとマズーなんじゃないっすかね。

#という虫干しネタを延々引っ張ってどうもすいません


○市場雑感

カレンダーベースというよりはスポットベースの20日の着地が見えてきた辺りからGCレートがまた12とか13とかの水準になってきたみたいなのですけれども、その前のレギュラー15日渡しの辺りから暫くの間GCが14とかのレベルで微妙に高くなってましたみたいで。

んでまあ気になったのは、レートが上昇云々というよりは、資金の回り方がどうもあまりよろしくありませんでしたなという事でして、9月の財政余剰で発生した資金偏在がこなれるのに6月の時に比べて時間掛かってるんじゃないのという所。

つまりですな、以前だったら着地が見えたあたりで資金の市場放出が行われていた部分のお金がそのまま超過準備に回ってしまうという動きが段々増えているんじゃネーノという話でありまして、市場の活力が落ちてきたんじゃねえのかという気がする次第。まあ今月は15日に財政余剰があって、20日に財政不足があるので、15日と20日の両方を跨ぐ共通担保オペとかが少なくて、ファンディングがショートになり易くなってしまったというのもあるんですけど、益々オペ頼りという事になっているとも言えそうで、2度目の利下げをして10か月とか経って段々市場ちゃんが息をしていないの!になってきた悪寒がしてきたのがちょっとアレでございます。

#という話をしても何が何やらと存じますが、まあこのネタ後日に続くという事で









2009/10/20

お題「日銀から色々出てますので追いつかないっす(汗)」

なのでネタを絞りまして、ここもと微妙にアレな企業金融環境に関する言及がどうなっているかという辺りを見たいです。

○9月会合議事要旨、企業金融環境の改善に関して

http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/giji/g090917.pdf

当然ながら今の注目は企業金融支援策の帰趨になりますので、金融環境に関する議論の部分がニュースネタにもなるという事で、そっちのヘッドラインが踊りまして、益々企業金融支援策の今月末決定会合での見直し(というか買入の解除とか)への雰囲気が高まるでござるの巻という感じでしょうか。

ということでそっちの辺りから。

『U.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要』の後半が『2.金融面の動向』でございますが。

『わが国の金融環境について、委員は、厳しさを残しつつも、改善の動きが拡がっているとの認識を共有した。』

まあ確かに(後で出てきますが)社債市場とかでもスプレッドが全般縮小というような感じで9月の辺りまでは進んでましたけど、直近で言えば必ずしも何でもかんでもスプレッド縮小という感じかというと、ど〜も弱い所は弱くなるって感じも見受けられる気がする(特にどこぞの消費者金融さんがADRとか言い出したのは影響してると思うのだが)のですけど。まあ業績的やネーム的に買いやすいものは相変わらずスプレッド堅調なんで、市場による信用力による選別機能がワークしてるという話だと言ってしまえばそれまでかも知れませんけど・・・・・ナンカドウモネ

んでその内訳。

『CPの発行環境について、多くの委員は、A−2格の発行スプレッドがリーマン破綻前と遜色ない水準まで低下しているほか、発行残高も昨年末以降大きく増加していることを踏まえると、下位格付先の発行環境も改善していると述べた。ある委員は、CP市場では、高格付けCPの発行レートが短国レートを下回る官民逆転現象など、引き続き、政策効果に行き過ぎの面がみられていると付け加えた。』

まあそれはそうですにゃ。

『社債の発行環境について、多くの委員は、下位格付先は依然として厳しい状態にあるものの、全体としては信用スプレッドの低下や発行銘柄の拡大など、改善傾向が続いているとの見方を示した。』

これも9月時点ではまさにこんな感じでしょう。

『その上で、委員は、社債市場の二極化、特にBBB格の発行環境の厳しさをどう評価するかについて検討を行った。』

んでまあこの後の話は中々。

『ある委員は、最近、社債流通市場では、スプレッドの厚い銘柄に対する投資家の物色が進んできており、BBB格のスプレッドも、一部銘柄を除いて縮小してきていると述べた。』

『また、何人かの委員は、リーマン破綻前に比べてBBB格の発行が減少しているのは事実であるが、一方で、わが国の社債市場については、元々リスク許容度の高い投資家層が薄いほか、コスト面で銀行借入れとの差が大きく、企業の発行ニーズもさほど大きくないとの指摘を行った。』

『ある委員は、昨年秋以降の金融市場の混乱を経験したことで、企業、金融機関とも、間接金融の重要性を意識するようになってきているため、今後、社債市場が改善するとしても、その姿が、かつてと全く同じになるとは限らないと付け加えた。』

『こうした議論を経て、多くの委員は、社債市場の状況を踏まえると、下位格付銘柄の発行が限定的であることをもって、金融環境に厳しさが残っていると評価することは必ずしも妥当ではないとの認識を示した。』

んーっとですね、いやまあこの辺りって実に難しい話なんですが、入口としてはリーマン破綻以来の金融市場の混乱によってアホウのように味噌も糞もスプレッド拡大でござるの巻になったのですが、それが年末年始の利下げだのCP買入だの社債買入だのによって一巡してスプレッドが戻った後も実は2月位って「企業の先行き業績懸念、格下げ懸念」とゆーネタで業種によってはスプレッド再拡大(特にCPで顕著でしたけど)したりという現象もあったという事を勘案すると、市場環境の改善っちゅうのは運用難という状況によってスプレッドが潰れに行ってるだけなんジャマイカとゆー気もせんでもないっす。よー知らんが。

まあその運用難になる金融環境ってえのが金融政策全般の効果っちゃあ効果でもありまして、それはまあ臨時措置よりも低金利政策の効果&資金需要低迷によるものであると言われてしまうとまーその理屈も話としては通るのですが、超根拠レスで単なる杞憂かもしれないですけど、どうも何だか現状で臨時措置をホイホイ解除に回ってしまうのは、CPまだしも、社債とか微妙にいやーな予感はするんですけどね。

んでもって企業の資金繰りがどうしたこうしたという話が続く。

『企業の資金繰りについて、委員は、中小企業を中心に、なお厳しいとする先が多いものの、改善の動きが続いているとの見方を共有した。』

でも10月頭に出た短観の数字(まあアンケートなんで「いやー苦しいっすよ」って答えるバイアスは掛かりそうですけど)からすると残念ながらそーゆーイメージでも無かったですな。

『何人かの委員は、最近の資金繰りの改善は、運転資金需要や設備資金需要の減少による部分が大きいことから、企業の資金繰りについて楽観はできないと述べた。』

全く同意っす。まー売上急減などに伴う企業のストック調整が一巡しているのであれば、平常運転であれば資金需要が盛り上がるっちゅう話にもならんのではとは存じます。前向き資金需要の時は景気が良くなっているので無問題ですけど、問題はここから景気腰折れして赤字資金需要がって話になった時にはおそロシアという所ですか。

『この点に関連し、ある委員は、確かに先行きの景気や売上が見通せないことを心配する声もあるが、今年の春頃までの、日々の資金繰りも覚束ない状況に比べれば、資金繰りを巡る心配の性質は変わってきたように感じていると述べた。』

で、延々と引用して恐縮ですがなお続きます。まあ何か大事な話をしているようですので・・・・・

『その後、委員は、景気の下振れリスクを点検・整理する上で、わが国の金融環境をどう位置付けることが適当か検討を行った。』

『何人かの委員は、景気の先行きを巡る不確実性が大きい中で、将来の資金繰りに対する企業の不安感は十分払拭されていないほか、景気の下振れに伴う金融機関における信用コストの増加や株価下落リスクの顕現化等により、金融と実体経済との負の相乗作用が生じるリスクは解消されていないと述べた上で、わが国の金融環境を、当面、リスク要因として認識しておくことが適当との意見を述べた。』

『これに対し、何人かの委員は、景気のリスク要因については、それ自体が起点となって景気を上振れまたは下振れさせるものとして整理することが適当であると指摘した。』

後半部分がさらっと流れてますが、これは結構委員の間での温度差があったという理解で宜しいのではないかと思います。という事から致しますと、今般絶賛急浮上している企業金融支援の臨時措置に関する扱いに関しても総裁はどう見てもやる気満々ですが、政策委員会の間では温度差があるんでしょうなあというお話で。

『その上で、多くの委員は、現に国内の資金調達環境は着実に改善し、わが国の金融システムも総じて安定を維持していることを踏まえると、今後、わが国の金融市場や金融環境の動向それ自体が起点となって、景気を下振れさせるリスクは減少してきたとの見方を示した。』

たぶんね、景気が下振れした時に加速装置になると思うんですけど・・・・

『こうした議論を経て、委員は、@ 最近の金融環境の評価を踏まえると、わが国の金融環境を景気の下振れ要因として強調する必要性は低下した、もっとも、A 海外経済や国際金融市場の不安定化が、結果としてわが国の金融環境を悪化させ、これが景気を下振れさせるリスクはある、B 経済の先行きを巡る不確実性は大きいため、企業が先行きの資金繰りについて依然不安感を持っている、との認識を共有し、その上で、こうした認識について丁寧に情報発信していくことが適当であるとの見解で一致した。』

機種依存文字は原文ママで勘弁。んでまあこういう話だったら昨今の解除大騒ぎにはならんような気がするんですけど、何故か丁寧な情報発信が技術論による臨時措置解除祭りになっているのが白川総裁クオリティだったりするのです。


○同じく決定会合議事要旨から、物価の見通しは・・・・

金融環境の前の部分で消費者物価の話をしているんですけどね。

『複数の委員は、足もとの下落幅は想定より幾分大きいとの見方を示した。』

ほれほれ。

『この点に関連し、何人かの委員が、需給バランスの悪化を示唆する動きとして、食料品とエネルギーを除いた消費者物価の前年比下落幅が徐々に拡大していることなどを指摘した。』

『消費者物価( 除く生鮮食品) の先行きについて、委員は、当面、下落幅が幾分拡大するものの、石油製品価格などの影響が薄れていくため、本年度後半以降は、下落幅を縮小していくとの認識を共有した。』

『なお、ある委員は、わが国と同様、他の主要国においても、需給バランスの大幅な悪化に直面しており、今後、需給バランスが改善し、望ましい物価上昇率の水準に復するまでには、かなり時間がかかるとの見方が共有されていると述べた。このほか、何人かの委員は、需給バランス以外にも、家計の中長期的なインフレ予想や企業の価格設定行動、為替相場や一次産品価格、雇用者賃金の動向などについても、先行きの物価動向に影響を与え得る要因として注視していく必要があると指摘した。』

どう見ても下振れ認識です本当にありがとうございました。

・・・・つーことですね、まあ企業金融臨時措置を技術的論点だかで解除したり見直ししたりしても結構なんすけどね(だいぶ投げやり)、消費者物価の先行きに不安があるっちゅう見通しを出す中で敢えて実施する必要があるほどの弊害が出ているのかって話になりゃあせんですかという気はするんですよね。まあその異例措置自体が中央銀行としてケシカランので弊害ですと言われてしまえばそれまでですけど。


○その他少々雑談ネタ(だいたい日銀ネタ)

・総裁発言動向

議事要旨引用でむやみやたらと増量されたのでそのほかのネタはまた後日(どんどん溜まっていねえかというツッコミはしないように)ですが、まずはここもとの総裁発言。

http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc09/siten0910.htm
支店長会議での総裁挨拶

『わが国の金融環境をみると、厳しさを残しつつも、改善の動きが拡がっている。CP・社債市場では、低格付社債を除き、良好な発行環境となっている。企業の資金繰りや金融機関の貸出態度については、中小企業を中心に、なお厳しいとする先が多いものの、改善の動きが続いている。』

ええまあ金融経済月報通りですけどね。

http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/ko0910a.htm
全国信用組合大会における挨拶

『この間、企業金融の動向をみると、大企業の資金調達手段であるCP・社債の発行環境は、低格付社債を除き、良好なものとなっています。一方、中小企業については、資金繰りの改善度合いが大企業に比べて小さいものにとどまるなど、なお厳しい状況が続いていると認識しています。』

ということで、まあ大企業向けの部分に関して技術的な対応をするだけですよってえロジック(というか技術的説明)で行きますという感じでしょうか。


・さくらレポート

http://www.boj.or.jp/type/ronbun/chiiki_rep/chiiki0910.htm(概要)
http://www.boj.or.jp/type/ronbun/chiiki_rep/data/chiiki0910.pdf(詳細)
詳細はPDFで71ページありますのでご注意を。

・・・・何という全地域改善。2回連続で全地域改善ちゅうのも何ですけど、矢印の右側にある中身をみるとまだまだ大した事は無いという感じ。

でも、現状では臨時措置の解除がどうしたこうしたという話をしている中でもありますので、矢印上向きっていう方が思いっきりクローズアップされるという感じで、債券市場的には何となく買いを待って様子見地蔵になる良い言い訳になってしまうんでしょうなあという感じなのがアレな所です。


・国債発行がどうしたこうした

話はワープしますが、国債発行が増えるだの何だのって話に関しては、既に税収だめでしょというような話って市場の人達的にはフツーに共通認識として持っていた話なんですが、こーゆーのも市場心理というのはオソロシスという所でして、債券買う時には「国債発行が増える背景は景気実態が悪いからで、別に財政刺激による発行増加じゃないのだから、最終的には国債買いにならざるを得ない!」と言い出すのですが、債券買わない時には「国債市場の需給悪化懸念」と言い出す次第でありまして(^^)、結局のところ後付けで市場の動きを正当化するだけのネタだったりするような気もしますが、ちょうど日銀の臨時措置解除だの米国株が上昇だのという話があるので、買い控えのネタにされるんでしょうなー、などと相場を呆然と見てて思うのでした。

いやまあそんだけのことですが。







2009/10/19

お題「やっぱり上方修正/その他少々」

総裁会見の続きとか他にもネタはあった気がしますが(汗)、今日は金融経済月報など少々で勘弁。

○金融経済月報(概要)の内容は強くなってますね、特に金融関連

http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/gp/gp0910.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/gp/gp0909.pdf(前回)

総括判断と現状判断のあたりは声明文でも示されたような部分の改善になっていますのでその辺はスルーしまして、先行き判断の項目別部分から。

・公共投資

『公共投資も、当面は増加を続けると見込まれる。』(今回)
『公共投資も増加を続けると見込まれる。』(9月)

ここは補正の執行停止絡みもあって下方修正気味ですが。

・国内民間需要・・・をめぐる環境

『国内民間需要は、耐久財の消費が各種対策の効果などから当面堅調に推移するとみられるが、全体としては、企業収益や雇用・所得環境などの厳しさが続くもとで、引き続き弱めに推移する可能性が高い。』(今回)

『国内民間需要は、耐久財の消費が各種対策の効果などから当面堅調に推移するとみられるが、全体としては、収益・資金調達環境の厳しさが残り、雇用・所得環境が厳しさを増すもとで、引き続き弱めに推移する可能性が高い。』(9月)

引き続き弱めに推移という話は同じなのですが、良く良く見ますとその環境に関しては、「資金調達環境の厳しさ」というのが削除されて、「雇用・所得環境の厳しさが増す」というのが「続く」と方向性的に下向きから横向きに変化しています。ということでこちらはしらっと結構な上方修正。


・物価の先行き

物価の現状に関しては9月と同じなのでスルーしますが、先行き見通しは下落幅の拡大は止まるという話に。ほうほうそうですかそうですか。

『消費者物価の前年比は、当面、現状程度で推移したあと、前年における石油製品価格高騰の反動の影響が薄れていくにしたがい、下落幅が縮小していくと予想される。』(今回)

『消費者物価の前年比は、下落幅が幾分拡大したあと、前年における石油製品価格高騰の反動の影響が薄れていくにしたがい、下落幅が縮小していくと予想される。』(9月)

まあこの調子で下がったら洒落にならんですからね。


・金融環境はどさくさに紛れて結構改善

『資金供給面では、企業からみた金融機関の貸出態度は、なお厳しいとする先が多いものの、改善している。』(今回)

『資金供給面では、企業からみた金融機関の貸出態度は、なお厳しいとする先が多いものの、幾分改善している。』(9月)

幾分改善から改善とヘッジクローズ解除ですな。

『CP・社債市場では、低格付社債を除き、良好な発行環境となっている。』(今回)

『CP・社債の発行環境は、信用スプレッドの低下や社債の発行銘柄の拡大など、改善傾向が続いている。ただし、下位格付先の社債の発行環境は依然として厳しい状態にある。』(9月)

これまた数あるヘッジクローズを堂々の解除となっています。


・ということで

声明文の方ではサラッとしか書いていなかった金融面に関する環境改善が結構書かれているというのが今回の月報の特徴。あと、何気に雇用環境とかも悪化下げ止まりという表現になっていますので、まあやっぱり内容的には強くなっているという感じでしょう。しかも金融環境の改善が出ているのが企業金融関連臨時措置の扱いをどうにかするという話の布石チックでちょっときな臭しという所でしょうな。


○決済フォーラムがあったので雑談

http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc09/set0910a.htm
議事内容はこちら
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc09/data/set0910a2.pdf

えーっと、まあこちらの話は「ほうほうそうですか」という話なんですけど、どうも相変わらず決済期間短縮に話を持っていこうとするのが何だかなって気もしますが、今日はちょっと別の雑談を。

リーマンが飛んだ時ってまあレポ取引が止まったとか一般売買取引が止まったとかいうのも(リーマンは国債ディーラーとしてのプレゼンスがでかかったから)大きな影響あったのは間違い無いですが、現場的に「ええええ!」と思ったのは取引所関連の委託取引までフリーズしやがったことだったりします。

どうも業務停止処分+民事再生法というコンボが初めての例だったからというのは判るのですが、リーマン経由で取引所取引を行っていたものがフェイルするとか、制度信用取引の反対売買が出来なくなったとか、先物委託取引の反対売買が出来なくなったとか、中々素敵な事象が発生したんでございますな。未決済建玉の移管の手続きが始まるのにも数日掛かってたりと、まあ事例が初回で突然の出来事だったとは言え、取引所は危機管理プランをちゃんと組んでたのかよという感は激しくしたのでありました。

つまりですね、通常のOTCの一般売買とか、レポ取引とかっていうのであれば、当然ながら相手方に対する与信行為だったり、取引再構築コストが掛かるという事は認識している(まあ今回はその認識が今一歩だった人もいたかも知れないけど)のですが、取引所取引の委託で1日2日であっても反対売買が出来なくてしまうっていうのは「一体全体何のために取引所取引をしているのか」という取引所の根幹に関わる問題につながる話だと思うのですよ。

たまたまリーマンの事例では、同社が一般の個人相手の営業をしていないから良かったようなもんで、同じ事例を国内で幅広い顧客相手に営業している証券会社が行った時にフリーズしちゃったらどうすんのとか、これまたラッキーだったことに、リーマンの事例では債券先物やら株価指数先物の当限最終決済やメジャーSQが済んでいたから先物絡みの混乱も大した話にはなりませんでしたけど、これがSQ直前に発生して建玉の整理が間に合わなくなって、予期せぬ最終決済に掛かってしまった場合、特に現物決済になだれ込んでしまう債券先物ってどうなってしまったのとか、まー取引所取引に関しては結果ラッキー的な部分があったと思うのですよ(山一の時は自主廃業だったから別に取引所取引が動かせなかった訳ではない)。

という話って、別に決済システムがどうのこうのっていう話とは全然違うかもしれません、というか決済システムのデザインの話じゃなくて、破綻法制の問題になると思うのですけれども、これだけ取引が巨大化かつ錯綜して回っている中で、破綻時の取引をどう処理するのかという部分をもっと明確化していかないと、市場参加者が法的破綻を来たした時にまた同じように「取引が止まってしまった」「じゃあ取引先を絞ろう」「売買も絞ろう」って事になってしまうんじゃないかなあと思うのでありました。

ま、それだからこそ金融市場に直接アクセスしている大きな参加者をいきなり法的破綻をさせるというのは良くないちゅう話なんでしょうけどね。


○FOMC議事要旨

http://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20090923.htm

と言いましても、めんどいので最後の金融政策に関する部分(第34パラグラフ)だけ斜め読み。

『In their discussion of monetary policy for the period ahead, Committee members agreed that no significant changes to its policy target rate or large-scale asset purchase programs were warranted at this meeting.』

というのはまあ毎度なのですが。

『 Although the economic outlook had improved further in recent weeks and the risks to the forecast had become more balanced, the level of economic activity was likely to be quite weak and resource utilization low. With substantial resource slack likely to persist and longer-term inflation expectations stable, the Committee anticipated that inflation would remain subdued for some time. Under these circumstances, the Committee judged that the costs of growth turning out to be weaker than anticipated could be relatively high. Accordingly, the Committee agreed that it was appropriate to maintain its target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and to reiterate its view that economic conditions were likely to warrant an exceptionally low level of the federal funds rate for an extended period.』

ここの部分が前回から比較してちょっと長くなってまして、改善の話をしつつもインフレ懸念が低く、当面の間の低金利継続という話を丁寧に説明した感じだと思いますので、まあ景気底打ちがどうのこうのという話で予定外に市場金利が上昇されても困りますがなってえ話になるんでしょうな。

『 With respect to the large-scale asset purchase programs, some members thought that an increase in the maximum amount of the Committee's purchases of agency MBS could help to reduce economic slack more quickly than in the baseline outlook. Another member believed that the recent improvement in the economic outlook could warrant a reduction in the Committee's maximum purchases. 』

ということで、資産買入の拡大を行うべきという意見と、最近の金融市場の改善傾向は買入を減らす根拠と言えるという意見があって、まあその辺りの意見が分かれてしましたというのは報道されてましたな。まあ結論は全会一致で買入関連の変化なしでしたが。

『However, all members were able to support an indication by the Committee of its intention at this time to purchase the full $1.25 trillion of agency MBS that it had previously established as the maximum for this program. With respect to agency debt, the Committee agreed to reiterate its intention to purchase up to $200 billion of these securities. To promote a smooth transition in markets as these programs are concluded, members decided to gradually slow the pace of both its agency MBS and agency debt purchases and to extend their completion through the end of the first quarter of 2010. 』

ということでしたが、最後の部分が微妙。

『 The Committee agreed that it would continue to evaluate the timing and overall amounts of its purchases of securities in light of the evolving economic outlook and conditions in financial markets. 』

というのはいつも最後の締め文句なのですが、その締め文句の次にこんなのが挿入されたりしてるんですなこれがまた。

『Members discussed the importance of maintaining flexibility to expand the asset purchase programs should the economic outlook deteriorate or to scale back the programs should economic and financial conditions improve more than anticipated.』

その前と同じ話のようなのですが、わざわざこういう話が入っているのがちと何でなんじゃろと思うのでありました。まあ出来るだけ変な思惑を呼びたくないということなのか、それこそ「技術的対応」にしたいのかという感じですが・・・・・


#1パラグラフ丸引用という手抜きでどうもすいません








2009/10/16

お題「技術論ですかそうですか(-_-)メ」

1年入札が落札後ぱっとしなかったり、5年入札がコケたのは国債増発の話というよりは特オペ見直し本格化への思惑のような気が思いっきりするのは気のせいですかそうですか。

時に今日は総裁記者会見の一部で一発芸という勘弁してちょ。

http://www.boj.or.jp/type/press/kaiken07/kk0910b.pdf

○最初の総裁の説明の時点でまあ何と申しますか

冒頭の説明(幹事社の質問に対する応答という形ですが)の部分から。

『こうした決定の背景となる経済・物価情勢についてご説明致します。まず、わが国の景気について、先月は「持ち直しに転じつつある」と評価しましたが、今月は「持ち直しつつある」と判断を一歩進めました。』

まずね、ここ見た時点で「今までと違うわ」となるのでありまして、ほんの4か月前の決定会合後の会見ではこう言ってたんですな。

『なお、ご質問の中で、大幅な見直し、あるいは上方修正という言葉を使われていましたが、先月の会見でも申し上げました通り、日本銀行では、4月末に公表した展望レポートにおいて、既に、「わが国経済は、悪化のテンポが徐々に和らぎ、次第に下げ止まりに向かう」との見通しを示しています。繰り返しになりますが、本日の判断は、こうした見通しに沿った動きが続いていることを確認したものであり、従来の見通しを修正したのではないことを、改めて付け加えておきます。』(6月16日の決定会合後の総裁記者会見における冒頭説明部分より)

・・・・どう見ても態度の変化です本当にありがとうございました。

で、金融環境に関しては・・・・

『この間、わが国の金融環境は、厳しさを残しつつも、改善の動きが拡がっています。企業金融面をみると、CP・社債市場では、低格付社債を除き、良好な発行環境となっています。また、企業の資金繰りについては、中小企業を中心に、なお厳しいとする先が多いものの、全体としては改善の動きが続いています。』

短観でも見られましたように、改善の動きってのは「広がっている」のではなくて「局地的な部分だけ著しい改善をしている」というイメージなんでございますけど。広がるというより局地的な所だけ深くなってるというような感じっすかね。

で、ここの理屈も謎なんですが・・・・

『CP・社債市場につきましては、先般のG7でも説明しました通り、低格付社債を除き、良好な発行環境となっておりまして、政策に支えられている点は後退している、という判断には変わりありません。』

政策が支えているのじゃなかったら別に外さなくても弊害無いじゃんとか思うのですが、まあ後の方で「市場に歪みがどうのこうの」って言ってますから、これは「政策効果よりも副作用の方が大きい」と言いたいのでしょうけれども。

『ただ、日本銀行が講じている時限措置には、このCP・社債買入れだけでなく、企業金融支援特別オペや補完当座預金制度、適格担保の要件緩和措置など、様々なものがあります。これら各種の時限措置の取り扱いについては、それぞれの効果や必要性を出来るだけ包括的に点検した上で、次回以降の適切なタイミングで取りまとめて判断することが適当という結論になりました。』

「出来るだけ包括的に点検」「取りまとめて判断」というのは、一般ピープル言語に翻訳すると「できるだけまとめて解除したいです」というお話になるんですよね、と思いますけどどうでしょ?で、「次回以降の適切なタイミング」というのは「次回の決定会合で」という話でございまして、展望レポートでそんなに明るい未来が出せるとは到底思えないのに何がどういう理屈で解除という話になるのか政策の整合性はどうなってるんでしょうかねえと小一時間問い詰めたいのですが・・・・


○そこで技術論ですよ

ということで、まあそう上手いこと話が進むか判らん(大体からしてあと2週間で意見まとめて手直しなんかの案とか作る時間ねえだろと思いますけどね、展望レポートだって重要なのに・・・・)としか申し上げようが無いのですけれども、冒頭の白川総裁による説明(や今日ご紹介間に合うかどうか判らんっすけど特別オペに関する総裁の説明とかを)見ますと、物凄い勢いで企業特別オペまで手直ししそうな勢い。

展望レポートで物価見通しとか景気見通しとかが明るくなる気が全然しない(結局低空飛行のまんまでしょ)最中で臨時措置解除とは言え、そもそも臨時措置というのが緩和措置でもある訳ですから、それを外すのは緩和を減らすという話ですが、はてさてどう説明するんだかという時に出てくるのが「技術論」なのでありました(-_-)メ。


『(問) 時限措置の関係で、先ほど「包括的に考えたい」とおっしゃいましたが、これをもう少し詳しく解説して下さい。』

で、この説明色々と長いのですけれども、駄文の話を展開する関係で総裁の説明の後半部分を先に引用しますね。

『特別オペという異例の臨時措置の取扱いを検討していくにあたっては、今後とも金融機関の資金調達の安心感を維持し、金融市場の安定を確保するためにどのような手段が最も有効かということが判断の基準になります。多少技術的になりますが、固定金利、それから金額無制限という特別オペの特殊な機能が依然として必要とされるのか、あるいは特別オペの担保を含む広い範囲の担保を利用し、市場に与える歪みの小さいかたちで資金供給を行う共通担保オペ等を積極的に活用した方が有効かつ望ましい局面になっているのか、といったことが判断基準になると考えられます。』

『これは、基本的には金融調節をどのようなかたちで行うことが適切かという、優れて技術的な問題です。そうした技術的な問題と先々の金融政策をどのように考えるかは全く別の問題ですが、そうしたことも含めて包括的に点検するということです。』

で、その先でも技術論炸裂。もうちょっと先(5ページ目です)でもこんな説明を。

『また、先ほど「誤解のないように」と申し上げたのは、金融市場あるいは広く国民の皆様に、日本銀行の考えていることが伝わっていくようしっかり説明をしていくということです。日頃より金融政策をウォッチしている方々は、技術的なことも含めてご理解されているかと思いますが、なかなか一般の方には理解されにくい内容です。景気をしっかり支えていくことと、金融調節の技術的な修正との違いを正確に理解して頂かないと、市場に対して影響が出てくる、そういうことを避けたいという意味です。』

でもって技術的という話はもうちょっと先でもまた強調してまして、10ページ目でも技術論をアピールアピール。

『今回、時限措置の取扱いについて多少丁寧に説明したのは、技術的な側面が強いにもかかわらず、技術的な話ではなく受け止められる可能性があると考えたからです。ただし、次回以降の決定会合でどのような決定を下すかについて、今回の決定会合で決めたとか、判断を固めたということではありません。あくまでもこれまでのマーケットの状況をみた上で解説し、技術的な説明を行ったということです。』


○そして技術論と言えば・・・・

受け売り成分が入っております事を先にお断りさせて頂きとう存じますが、技術的対応といえばこんなものがあったりするのですが、さてこれはいつどこでの話でしょうか??

第1問(^^)

『(問)(前半割愛)さらに市場の一部には、今回の措置が技術的なものではなく、金融引締めの第一歩であるという解釈もあるが、この点について総裁の見解を伺いたい。』

『(答)(冒頭割愛)私どもの今回の措置は、基本はあくまでも「30〜35兆円程度」という従来のターゲットを維持しており、極力、オペレーション上の工夫を通じてこれを達成していくという根幹はいささかも変わっていない。(途中割愛)金融引締め方向への大きな転換ではないかという意見についてであるが、私どもは、量的緩和の骨格はそのまま維持し、消費者物価指数の前年比変化率が安定的にゼロ%以上になるまで堅持すると繰り返し約束している。今回のような措置をとることとしても、その点についてはいささかの揺るぎもない。従って、方向転換という解釈は当てはまらないのではないかと思う。』


第2問(^^)

『ポイントとしては3つあり、1つは、ゼロ金利政策の解除をするけれども、経済の改善に応じて金融緩和の程度を微調整するという措置であって、引締めというよりも、──金利は0.25%になるけれども──今まで「超超緩和策」で危機対策であったものを0.25%まで上げて、微調整、緩和を若干弱めると、──弱めるという言い方はおかしいのかもしれないが──そういう「超超緩和」を「超緩和」にするという措置である。それが一つ。』


第3問(^^)

『ゼロ金利を解除するといっても、これは引き締めを始めるということではなく、昨年の2月に、あのような異常な事態の中で決めた非常対策というものを元へ戻す微調整──ファイン・チューニングと英米などでは良く使うが──であって、金利を上げて引き締めたり、インフレの対策にしたりということではない。危機対策として採った措置を微調整して、普通の元へ戻していく過程というふうに考えて頂きたい。だから解除しても、今の情勢なら潤沢な資金供給を続けていくということが前提になっているから、その辺はそんなに大きくやったというようなことにはならないはずである。そういうことであるので、今後なるべく早い時期を見て、今の微調整をやっていく、その事が決して政府の政策と反するものではないと思っている。』


・・・・・・・・(-_-)メ

えーっと、まあ正解は申し上げるまでもございませんけど(^^)。

第1問の答え:2005年5月20日に当座預金残高目標30兆円割れのなお書き修正を決定した時の福井総裁(当時)記者会見から
http://www.boj.or.jp/type/press/kaiken/kk0505b.htm

第2問の答え:2000年8月11日に無担保コール翌日物誘導目標を0.25%に引き上げの決定(いわゆるゼロ金利解除っすな)をした時の速水総裁(当時)記者会見から
http://www.boj.or.jp/type/press/kaiken/kk0008a.htm

第3問の答え:2000年7月17日にゼロ金利解除をしないで(そごう問題のせいで)ゼロ金利政策を継続決定した件に関する1速水総裁(当時)記者会見から(ちなみに会見の実施は7月19日です)
http://www.boj.or.jp/type/press/kaiken/kk0007a.htm

30兆円の時は結局その後も隙あらば量的緩和解除やる気満々モードになって、あんな感じになりましたし、それよりもゼロ金利解除がファインチューニングって何というか今にして思えば豪快にも程がある技術論でありまして、まあ技術論と言い出す時はだいたい技術論じゃ済まないって感じがするんでございます。

唯一の救い(???)は「技術論」の豪快さに関して前々回よりも前回の方が豪快成分が減っている事でして、その流れを継承して今回の豪快成分が減る・・・・ようにもあまり見えない所がアレなのですが。

ということで、特別オペがどうしたこうしたとかいう話などに関しては後日続きということでご勘弁頂きたく候。








2009/10/15

お題「解除は見送りだったのは良いのですが・・・・」

妙に決定会合が長かったですな・・・・

○声明文は上方修正のようだがあまりそうでもなさそう

http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc09/k091014.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc09/k090917.pdf(前回)

・総括判断は上方修正

『わが国の景気は持ち直しつつある。』(今回)
『わが国の景気は持ち直しに転じつつある。』(9月)

「転じつつ」というのから「持ち直しつつ」になったのですから方向性として持ち直し=回復の方向になりましたって事なのでありますが、上方修正っちゃあ上方修正ですが、標準シナリオ通りと言えば標準シナリオ通り。


・なのですが個別項目の上方修正はあまり無い

個別項目の現状認識に関する部分は大体前回と同じなのですけれども、良く良く見ると変化がある部分があまり無いのですが、変化したのは設備投資部分と個人消費部分。

『設備投資は、厳しい収益状況などを背景に減少を続けているが、減少ペースは緩やかになってきている。』(今回)

『一方、厳しい収益状況などを背景に、設備投資は減少を続けている。』(9月)

まあ一応減少のペースが緩やかになったのだから上方修正ですが。

あとは個人消費。

『個人消費は、各種対策の効果などから一部に持ち直しの動きが続いているものの、厳しい雇用・所得環境が続く中で、全体としては弱めの動きとなっている。』(今回)

『個人消費は、各種対策の効果などから一部に持ち直しの動きが窺われるものの、雇用・所得環境が厳しさを増す中で、全体としては弱めの動きとなっている。』(9月)

持ち直しの動きが「窺われる」から「続く」になったのでこちらは方向性確定って感じですからまあ上方修正なのですが、各種対策の効果によってってえ事ですから、対策剥落したらどうなるんでございまちゅかねえ。


・見通しがこれまた微妙に上方修正

『2010 年度までの中心的な見通しとしては、中長期的な成長期待が大きく変化しない中、海外経済や国際金融資本市場の回復に加え、金融システム面での対策や財政・金融政策の効果もあって、わが国経済は持ち直していくと考えられる。』(今回)

『2010 年度までの中心的な見通しとしては、中長期的な成長期待が大きく変化しない中、本年度後半以降、海外経済や国際金融資本市場の回復に加え、金融システム面での対策や財政・金融政策の効果もあって、わが国経済は持ち直していく姿が想定される。』(9月)

・・・・うーんとですね、まずは「姿が想定」ってのが「持ち直していくと考えられる」となって変なヘッジクローズが外れたというのは微妙ではありますが、一応これまた方向性確定って話ですので、上方修正ですな。あと9月にあった「本年度後半以降」ってのは10月入りしたから外れたのかどうか良く判らんですな。


・しかし見通しの個別項目は変化なし

変化がないのでめんどいので引用割愛。


・リスク要因でも微妙な上方修正(か?)

『リスク要因をみると、景気については、新興国の回復といった上振れ要因はあるが、』(今回)

『リスク要因をみると、景気については、新興国の回復といった上振れ要因が生じているが、』(9月)


「生じている」というのが「ある」とこれまた断定口調に変化ということですな。あと下の方は特に変わっておりませんです、はい。


ということで、内容的には総括判断の所や先行き判断の所で上方修正をしているものの、個別項目を見ると「展望レポートで示されている緩やかな回復をするでしょうシナリオ」通りって所なんじゃネーノと言った所でありまする。



○で、CP社債買入の解除は検討のみ

となったようでして、まあ誠に結構というか日銀暴走しないで良かったですねという所でありますが・・・・・

総裁会見を報じるブルームバーグのヘッドラインは堂々の内容でして
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aA5awI6l.U14
白川日銀総裁:企業金融特別オペの終了または見直しを示唆(Update3)

えーっと、CP社債買入解除どころか企業特別オペの終了ですかあ???とビックリしつつ記事を拝読(会見要旨は今日出るので、詳しい話はまた明日でございますが)。

『10月14日(ブルームバーグ):日本銀行の白川方明総裁は14日午後の定例記者会見で、12月末を期限とする企業金融支援策のための時限措置のうち、企業金融支援特別オペについて「特定資産の市場取引に歪み」をもたらしていることに加え、通常の資金供給手段である「共通担保資金供給オペとの差は小さい」と述べ、次回30日の金融政策決定会合で終了、または見直しを行う可能性を示唆した。』

マジっすか??という感じでして、まあポジショントーク的には涙が出るほど有難い(あたくしは堅気なので?阿片窟には立ち寄れませんからねえ)のでありますが、CP社債買入解除からそっちに話が行くのってどうなのでしょうかねと。

前から申し上げているように、市場的な話をすれば特オペ見直しはどっちかと言えばレートの問題で、買入解除はバックストップが外れるので、まあ梯子が外れる世界ですから、本来的には特オペ見直しが先に来てよってえ感じでしたが、一連の流れの中でそれこそモーサテに出演した大塚金融担当副大臣が「企業特別オペは中小企業金融支援に役立っている」という発言をしていた事に象徴されるように、「企業特オペ=中小企業金融支援」ってえ位置づけになったの感がある訳で(実態は兎も角としてね)、そこに手をつけるという話は政府サイドの思惑とはだいぶ差があるのではないでしょうかという悪寒がするんですけど大丈夫っすかねえ。

『コマーシャルペーパー(CP)と社債買い入れについては「政策に支えられている面は後退しているとの判断に変わりはない」と言明。この日の会合で打ち切りを決めなかった点については「その部分だけを発表すると、全体として日銀が考えていることが正確に伝わらない恐れがある。経済、金融環境と金融政策、さまざまな時限措置について包括的に点検し、できるだけ誤解のない形で発表したい」と語った。』

つまり打ち切りを決めない=弱気というのがケシカランと言いたい訳ですね。

『その上で、企業金融支援策の取り扱いは「それぞれの効果や必要性をできるだけ包括的に点検した上で、次回以降の適切なタイミングで取りまとめて判断することが適当という結論になった」と語った。』

取りまとめて判断って全部セットで解除なり見直しするとはまた威勢の良い話ですが、一連の流れで「使われていない買入の解除は容認するけど中小企業支援策をやってる政府との政策との整合性に問題がある企業金融支援特別オペに手をつけるのは容認せず」っていう一種のバーターみたいな流れになったんじゃねえのという風に理解してたのですが、白川総裁的には企業特別オペまで含めて政府の理解得られてると思っているのか思っている振りをしているのか判らんですが、何か政府の政策との整合性という点で微妙に寒い物を感じるのですけど・・・・大丈夫かなあ。


○特オペが共通担保などのオペで代替できるかという話(考えの叩き台)

叩き台をいきなりそのまま垂れ流すなというツッコミは勘弁頂くとして(^^)。

んーっとですな、まあCP市場が阿片窟というのはきっかけそのものは特別オペなんですが、多分現状では需給関係によって金利が下がっている部分もあるので、特オペ外した所でも電力さんとかのような超優良銘柄に関してはうっかりしたら短国程度のレートまでしか上昇しないのではないかという感じではないかと思われますし、銘柄間のスプレッドが開くでしょうけれども、そう無茶な状況にならないとは思います。何せ発行は減るわ運用資金は増えるわという状態ですから。

でですな、共通担保で代替ってえ話はお話の上では沢山打てば代替可能って話になると思いますが、何せ共通担保オペってのは資金需給の繁閑によって増えたり減ったりするもので、例えば四半期の20日の国債大量償還になると共通担保オペの期落ちが大量に設定され、その先の共通担保オペの残高が減るという仕様になっております。

つまりですな、特オペ代替って話になるのなら、それこそ毎週月曜(でも何曜でもいいですけど)に3か月ものの共通担保を常に打ち続け、それは財政余剰日で落とすとかいう事をしないでひたすら打ち続けみたいな事でもやって頂かないと本当の意味での代替にならないと思うんすけど、通常のオペ運営の中に紛れさせられますと、安定した供給ということにならない(財政余剰タイミングでオペが絞られてしまうので)ので、代替するならそれなりに特徴的な事をしないとマズーなんではなかろうかと。

・・・・というのがとりあえずの所ですが、もうちょっとこの辺の技術的な話に関しては考察の余地が沢山ありそうなので更に考えたらまた書く予定。









2009/10/14

お題「ということで決定会合」

本当は金融システムレポートとか、期越えオペの分析レポートとか興味のあるネタが積み残しになっているのですけど、どっちも結構腰を据えて読まないといけないモノでして、これがまた読んでる暇がねえと来たもんでorz

○結局今回は「検討しました」になるのですかね

これは昨日の夕方に出てた東京新聞ですけど、記事の元は共同通信。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009101301000560.html
日銀「異例の措置」解除を議論 CPや社債購入

『日銀の金融政策決定会合が13日、2日間の日程で始まった。大企業の資金繰りが安定してきたことから、「異例の措置」として実施してきたコマーシャルペーパー(CP)や社債を購入する支援策を、期限の12月末で解除する是非を議論。政策金利は据え置き、超低金利で経済を下支えする姿勢は継続する。』

ということで、報道のトーンが「異例の措置解除へ」からややトーンダウンした感じです。まー政府サイドが容認姿勢ってえ事なのですからいずれ解除というのが(少なくとも執行部の)方向性という事なのでしょうけれども、何ちゅうか以前も引き合いに出した西村副総裁のアルゼンチンでの講演での「セーフティーネットを過小評価する勿れ」というお話はどこへ行ったのやらという気は思いっきり致しますが。

まー年末向けの金融環境がどうなるか今の時点では不確定要素が大きく、もうちょっと様子見しといた方が無難(どうせ今止めると言っても後で止めると言っても止まるのは12月末なのですから)だと思うので、今日は肩透かしにしておいて、もうちょっと政策のロジックに関する整理&一般向けご説明をした方が良いんじゃないでしょうかね。



「使われないセーフティーネット」なんですから別に放置しておけば良いじゃんという話は前から申し上げている通りですが、こーゆー所で妙に原理原則に拘るというのが白川日銀(というか一連の騒ぎに火がついたのがトルコでの総裁会見から始まっているのですから、発端は白川総裁なんでしょうね)クオリティというのが判ったというのは今回の騒動の収穫(??)という感じでしょうか。

つまりですな、あたくし的(僭越ながら申し上げれば「市場的」でしょうか)な感覚からしますと、CP市場の価格形成に大きな影響というか歪みを与えている元凶である企業特別オペの手直し(要するにCPを0.1%指値貸出の担保に無尽蔵に入れられないようにするという事ですが^^)を先にやってちょーだいと思う一方でCP社債の買入なんぞどーでもよいという話になるんですが、とにかく「中央銀行の金融政策として国債以外の資産「買入」はケシカラン」という原理原則の方が白川総裁にとっては重要という事なのでして、そー考えますと総裁の言う「市場機能論」って一体全体何なんでしょと言う事になるんですが、やはり「市場との対話」とか言っても感覚が根本で違う所があるんですなあと思うのでありました。

#そーゆー所バーナンキ議長の千両役者(またの名をインチキパワー)振りが対照的というのは先日も申し上げた通り

学者のバーナンキ議長が柔軟対応をして、中銀マン純粋培養の白川総裁が実務者出身なのに妙に原理原則に拘るというのが皮肉なのですが、まー中央銀行のDNAがどうのこうのとか言われそうな話ですわな。



○今後の政策方向性について勝手な妄想をしてみる

で、その原理原則にうるさいという姿勢の場合、今後何か緩和政策をというような話になった場合に何を嫌がるのかという事を考えてみたり、今後の出口政策の順序はどうなのよと考えてみるのですが。

まず、CPやら社債の買入という措置は相当嫌いだというのは今回の一連の流れで良く判りました。この流れを振り返ってみると、要するに白川総裁の意向が働いたとしか思えない展開(総裁がやる気満々だったからトルコG7後の会見以降話が盛り上がったんでしょうから)ですので、白川総裁的にはこの復活というのはハードルの高い話なんでしょうな。

そーなりますと輪番拡大か利下げかという話になるのですが、何かまあこれもどっちにしてもハードル高い話で、おそらくゼロ金利は金利じゃないとか言い出すんでしょうし、輪番拡大は日銀のバランスシートの長短バランスがどうのこうのとか言い出しそうですのでこれまたヤヤコシヤ。

となりますと、何をやるのよと考えるのも難しいのですが、バーナンキ議長の例がありますので、「期限を切って長期国債買入拡大」というような訳わからん事でもやるとかになるんですかね。まー実際にそれに効果があるのかというと怪しさ爆発でして、福井さんみたいに効果があるのか無いのか判らんという政策を平然と強化するような芝居っけの無い白川総裁にそういう選択肢があるのかは良く判らんです。

#結局書いてみたものの「訳わからん」という結論なのが残念

で、今後の出口政策の順序という話ですが、まー順番からしたらCPの買入解除が先で社債に関してはCPと同時なんでしょうけれども、正直言って(レート形成とかも勘案すると)CP止めても恐らく1ミリも影響無いですが、社債を止めた場合にはもしかしたら影響があるんじゃネーノって気が若干するのでありまして、どっちかと言えば社債は年度末まで残した方が良いんじゃないのと。

で、市場的には(金利がついてくれた方がオイシイので)特別オペを何とかしてくれと思うのですが、一連の流れの結果として買入解除と特別オペの継続がバーターになってしまった感が強いので、こちらは年度末までの延長は楽勝で決定になるんでしょうという感じですな。

恐らく原理原則の方が大事なので、指値オペでレートを抑えつけてCP市場が阿片窟というのは別に白川さんにとっては二の次という話になると思われる次第でして、こっちの手直しは(念願?の買入解除のバーターにもなったことですし)うっかりしたら結構先になるのではないかという悪感がするのでした(涙)。

まーさすがに展望レポートでCPI絶賛マイナス継続という話が続くでしょうから、これまたデフレ継続の中で利上げというのも「原理原則」的にはあり得ない話だから、そう簡単に利上げどうのこうのという話にはならない・・・・と思いたいのですが。


ところで話はやや脱線しますが、さっきの東京新聞(というか共同)の記事のリードに続く部分ではこんな説明が。

『日銀の資金繰り支援策をめぐっては、政府は大企業向けの解除を容認する姿勢を示す一方、中小企業支援は継続を求めている。』

企業金融特別オペのどこがどう中小企業支援なのか今百歩訳わからんのですけれども、ロジック的に「大企業向けの解除を容認」ってえのがまー現政権っぽいなあという印象でして、まーそれこそどこぞの金融担当大臣の経団連に対する意味不明の苦言とかにも見られますように、現政権の方向性が大企業叩きになりそうな悪感もするのでありました。


#ということで積読ネタの成敗をしたいのですが、もうちょっとお時間を・・・・

#しかし「期初の売りが出たら買い」とか投資家の皆さん言ってましたが、結局逆に「期初の売りが出なくて踏み上げ」→「踏み終了したら今度は段々失速」という皮肉な展開になっちゃいましたねえ





2009/10/13

お題「今日も今日とて小ネタ雑談で勘弁」

どうにもこうにも落ち着かないもんで。

○あたくし的出口政策論の続き

火曜日および水曜日に全力で悪態を書きまして、金曜日には改めて「まあ一応ロジックは判るんですけど」という線でお話を申し上げましたところ、「話のトーンが変わったようですが何かございましたか」というご質問も頂きましたので(汗)、今日から決定会合が始まりますのでそのネタで更に雑談。

んでまあ寝言だの聞いてないだの言われたCP社債買入解除ですけれども、金曜は政府内から容認意見という感じになって参りまして、まあ日中からこんなニュースが出てましたわな。

http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c6%fc%b6%e4&k=200910/2009100900427
大企業向けは解除容認=日銀の資金繰り支援−菅経財相

『菅直人経済財政相は9日の閣議後会見で、日銀の金融政策に関連し「大企業の資金繰りはかなり安定してきているという認識を持っている」と述べ、コマーシャルペーパー(CP)・社債の買い取りを12月末の期限で打ち切ることを容認する考えを示した。』

んでまあ政府は容認というまとめ記事はこんな感じですか。
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c6%fc%b6%e4&k=200910/2009100900959
政府内に容認意見=日銀の企業支援縮小−特別オペ廃止には異論

そちらにもありますように、菅さんの後、藤井さんからも容認発言が出てきまして、ふ〜んって感じではありますが、まあそーゆー雰囲気を市場の方では感じまして、さすがにここもとは2年とかがやや重そうにしていますわな。まあ9月に0.20近くまで下がったのが勢い良すぎというのはあると思いますけど(^^)、市場的にいえば「別に誰も使っていないのだから、そんなに急ぐ必要があるのか???」という発想になってしまうCPと社債の買入解除に関して頑張っている日銀というのを見ると、「出口政策に前のめり」という印象を与えてしまいやすくなる訳でして、結果として従来超ど盤石(盤石過ぎという説もあるが)だった暗黙の時間軸状態がどうなるのよという心理的な影響は出て来るんじゃなかろうかと。

つまりですな、金曜に急に日銀の理屈(と思われるもの)を述べ立てて見ましたように、日銀様としては「買入をしている」という行為そのものがバランスシートに抱える中央銀行としてナッテナイ政策であるという発想になるので「緊急避難措置はさっさと解除」という話になるのに対しまして、市場の発想としては「別に誰も使ってないものだったらどうでも良いでしょ」というあくまでも現実の話しか見ないのでありまして、そこの温度差があるので、逆に「日銀はやっぱり(利上げも含む全体としての)出口政策に前のめりなんですね」(=別に急ぐ必要もないものの解除すら急ぐので)というイメージになってしまい易くなるのではという懸念はややございます。


まあ何と申しますか、こっそりフェードアウトしようと思えば出来たものの解除をわざわざ政治的軋轢を起こしながら解除するってえのは「必要も無い所で頑張っている」というか「政治に要らない所で借りを作った」っていう感じでして、そういう政治力コマンドはもっと使うべき所がある筈なのではないかと思いますけどね。勿体ない。

で、金曜までの報道では結構な勢いで盛り上がってましたが、土曜以降あまりその話の続きを聞かないので、今週解除をいきなり決定するのかどうかびみょーな気がしますが、まあ延長するなら早めに決めるのもウマーなのですけれども、解除をわざわざ早めに決めなくても良いと思いますけどね。もし10月の頭なんぞに12月以降の解除を決定した後に、何らかの経済情勢の急速な悪化が発生してやっぱり年末の企業金融環境が悪化して解除したものを再度復活とかになりますと、さすがにトンマにも程があると思いますので、解除するなら別にまあ11月会合で十分じゃないのとは思いますけどねえ。

しかし10月の展望レポートで物価見通しが更に先まで上昇見込み薄という数字が出てくると思われる中で、特別措置の解除とは言え、出口政策方面への政策を実施っちゅうのも何だか政策としての整合性はどうなのよって気がしますです、はい。


で、結局おめーの意見はどうなのよと言われますと、まあ解除するなら解除でも良いですけど、政治リスク取ってまで慌てる話かいなという所でして、理屈上は兎も角として、叩かれやすい日銀としては組織防衛の観点からしても、別にそこまでのリスクを取ってまで急いで解除するもんじゃないでしょうという所です。年度末の金融環境対応で3か月延長した所でフェードアウトの方が一般向けの説明としては文句が出にくい選択肢だと思いますけどねえ。という所です。



○取引所競争に関して雑談雑談

まあCP社債買入解除に関する話でも見ようかと土曜日に日経新聞を珍しく読んでみたのですが、そこで「ふ〜ん」と思う記事が。

と申しましても、ネットの方には出てない記事でして、10日土曜の日経新聞15面の左上に『株式市場進化と課題 手数料自由化から10年』という記事がありまして、当日はその(下)となっています。

まあ記事は新聞あたってちょという感じなのですが、記事の話は東京株式市場が世界的の証券取引所との競争や、PTSとの競争によって、機関投資家の取引発注の高速化加速に対応する為にはその対応が必須で、東京証券取引所も対応が進んでいますという話です。

・・・・ま、それが世界の潮流っちゃあ潮流ですからそういう発想になるのはシャーナイナイなのかもしれませんけど、従来、というか昔からの流れでの(たぶんほんの10年くらい前まで)日本の証券取引所ってえのは、その値付けルールとかはどちらかと言えば「小口投資家にも参加の面で不利にならないような」値付けのルールだったと思うのですが、値付けルールがどうのこうのという話になると、(一応は理解しているつもりですが)本当に詳しいのは証券会社で市場部員やってた人とか実栄証券あるいは仲立証券にいた方って話ですので、あたくしなんぞ僭越至極ではありますが(汗)。

まー細かく見てた債券先物の話をしますと、98年くらいだったか忘れましたけれども、国際標準とやら的には極めて訳わからん債券先物の注意気配制度を廃止したら、結果として債券先物の値動きが訳わからん高速でアホウのように動くようになって、その結果指値を置く人間が極端に減って、売買が激薄になってしまい、債券現物市場のオファービットまで拡大(ヘッジ市場の流動性が無くなってしまったのだから当然)というのがありましたが、ガイジンの皆さまやら国際標準的には評判の悪い注意気配制度というのは実は小口注文を集めやすくする「零細投資家保護」の役割があって、その結果として市場の厚みが拡大するので、実は大口投資家にもメリットがある制度でしたと思うのですよね。日本の(かつての)値付け制度って零細投資家保護という観点では高度に発達したというか非常に良く考えられた制度なんですよね。

ただまあ記事にもございますように、機関投資家の売買が益々高速化しているという現実これ有りということで、東証もそれに対応していくという流れになっているのですが、IT技術を駆使した機関投資家だの証券会社などの高速売買に対応する売買システムの構築ってえ話になりますと、当然ながら一方で低速売買(?)をする一般個人などの零細投資家は置いていかれるんでしょうなあという話になるのは残念無念としか申し上げようが無いです。

つーことで何ですな、東証も大口機関投資家および証券会社などの売買取り込みを行うようなインフラ整備をするという方向なのであれば、正直に「小口の零細投資家は取引所に来ないでプロに任せた方が良いですよ」という話をすべきでありまして(イヤミですので念のため^^)、一方で「個人投資家を増やそう」みたいな話をするのはどうなのよという気がします(投資信託経由で増える分には話は別ですが・・・・)。

まー取引所が高度装置を駆使するプロ同士の撃ち合いになるってえのも参加者の種類の厚みという意味でどうなんだろと思いながら記事を見ていたらずっこけてしまうコメントがあったので引用。

『こうした資金はときに、市場を不安定にするという批判も一部ある。しかし「多様な参加者を呼び込み流動性を高めることで価格形成が効率化し、市場の魅力は増す」(コメントした人の名前は割愛^^)という考え方が世界の市場関係者の間では主流だ。』(日本経済新聞10月10日15面記事より)

・・・・・いやあの瞬間高速売買のプロだらけの市場になるのがどうして「多様な参加者を呼び込み」になるのかさっぱり判らんのですけど。確かに「多くの参加者」は来るでしょうけれども、その来る人たちって全員揃って瞬間高速売買のプロばっかなんであって、それは「多様」とは言わないと思うのですけど。

いやまあ市場関係者っていうのは要するにプロさんですから自分らに都合の良い話は歓迎でしょうけれども、流れとして小口投資家が置いていかれるような方向性が続くというのは必ずしも市場の安定化や効率化につながらないのではないかってえ気もするのであります。

#ひたすら変な雑談で恐縮至極








2009/10/09

お題「多忙につき今日もメモだけで勘弁」

あたくし的に本業が忙しいもんでメモメモで勘弁。

#昨日の台風は色々と大変でしたね


○人のふんどしに便乗して出口政策論

本石町日記さん
http://hongokucho.exblog.jp/12085066/

a-kunさん
http://d.hatena.ne.jp/a-kun/20091008

って思いっきり同じような意見の方へのリンクを張っている時点で大変恐縮至極なのですが(汗)、来週の週明けに金融政策決定会合実施という事で、G7前から突如盛り上がったCP・社債買入解除に関する議論が行われるという話になるんじゃないのって感じですけれども、その辺りに関して。


・2種類の「解除」

本件解除に関しては、先日は悪態を交えながら「政治的な軋轢を発生させるリスクに対して、措置解除によって得られるリターンが少ないのではないか」というような趣旨の積もりでうだうだと書いたのですけれども、まー金融政策に関してそーゆー政治的なファクターを持ち出すのはどうよという議論もあろうかとは思います。

現在の主要国の金融政策は「低金利政策の維持によるイールドカーブ全体への働きかけによる金利ルートでの緩和」と「金融市場の混乱に伴う市場仲介機能低下に伴う金利ルートでの緩和効果減殺を防ぐための個別市場への介入措置」の2本立てになっている(BOEも「量的緩和」と言ってますが、先日ご紹介したMPC議事要旨を見ているとマネーの量に関する定量的な効果よりも、いわゆる時間軸効果よるイールドカーブ経路での効果を見ているように感じられます)ものとざっくり整理できると思いますけど、その整理から言えば、a-kunさんも指摘していますように、「金融市場の混乱が片付き、市場仲介機能も戻ってきたので、そっちの政策は解除」という理屈は政策ロジックとしてはまー仰る通りではございまする。

ただ、「景気に関連なく市場機能回復に向けた措置を解除ですよ」っていうロジックがどういうリアクションを起こすのかという話になりますと、これはもう市場心理とかアナウンスメント効果というような世界の話になってきますので、これはまあ他のファクターも考えないといけませんですよねと思うっていうのがあたくしが何となく考えていること。


・日銀とFRBと

さっきのa-kunさんとこの一つ前のエントリー(あたくしの駄文にご賛同頂きまして恐縮至極です)http://d.hatena.ne.jp/a-kun/20091006で、『この辺り、別に景気回復が十分な訳でもなく、失業率は23年ぶりの高値圏にあり、デフレ懸念を口にする地区連銀総裁もいるなかで国債購入を停止するFRBが特に批判されそうにないのとは好対照である(笑)』ってのを拝読致しましてつらつらと考えたのですけれども、米国の場合は実施した財務省証券の購入とかMBSなどの購入とかによって、FEDのバランスシートがどどーんと拡大して「ほら普通じゃない政策実施してるでしょ」というのを世の中に判り易い形で見せつけた事によって、「これは普通じゃない政策なんだから混乱終了したら終了ね」というのが通り易いのではないかなー何て考えてしまうのであります。

一方で日銀の方は、元々長期国債の買入を実施しているのと、日本では過去のいわゆる「運用部ショック」と言われるもののトラウマがありますので、どどーんとテンポラリーに増やして「どうだ」と言うのも難しい(実施するのは良いけど出口の時に長期金利が急騰したら意味が無い)ですな。今般の施策においては輪番のゾーニングという措置を実施してやたらと短い所ばかり入るようになってしまった輪番オペの機能強化を実施したのですが、正直言ってその効果って債券市場の中の人くらいしか判らんでしょうなと。

また、日本の各種臨時措置に関しては、当初の「考え方」でも示されたように、措置実施において出口をやり易いように設計している分、関連市場以外の人には判りにくい部分がありますから(本当は企業金融支援特別オペの効果が大きいのですが、話題に出てくるのはCP社債の買入ばっかりだったりするように)、逆に出口がどうのこうのとなった時に「何で?」という話になりやすくなるのかなという気がしてきました。


などとつらつらと考えておりますと、バーナンキ議長って政策の整合性とかロジックとかへの拘りよりも見せ方を上手にコントロール(財務省証券買入に関してなんか結局何の為に実施して何の効果があったのかという話を最初から最後までファジーなままで通してしまいましたよね)するという点で、学者さんではあるのですが、その辺は福井前総裁チックな所があるなあと改めて思うのでありました。その辺の微妙な機微をスルーして真っ正直に理屈どおりに突っ込んで行く白川総裁とは対照的ですね。


・企業金融支援というお題目に関して

でもって、来週の会合でその辺の決定が行われるかと言いますと、そりゃまあさすがに早いというか、中小企業支援の為に返済猶予法案を提出するという話をしている真っ最中で「企業金融支援措置の一部解除」と言い出すのは何ぼ何でも無茶だと思いますので、とりあえず11月会合(うっかりしたら12月会合)まで様子を見ながら延長の是非や手直しについて引き続き論議するという話になるんでしょう。

正直言って日銀が企業金融支援って言いましても、日銀の個別取引先っていうのは金融システムのど真ん中にしか無く、ミクロへの個別介入をどうするという話になると日銀の手に負えない部分(そりゃまあ日銀が個別企業に貸出を行うとかやれば別ですけれども、それは政策金融というか金融行政の世界になるので中央銀行の範疇とは言い難い)になる訳ですし、直接金融市場への介入は日銀だけでは無く、主要国の中央銀行も行っていますけれども、その直接金融へのアクセスが出来るのは大企業の中の大企業っていう部分に限定されてくる話。つまり中小企業金融がどうのこうのという部分は中央銀行の手に余る部分があると思うのですよ。

今般の政策導入に際して、日銀は中小企業金融への染み出し効果みたいな話もしてたと思うのですが、まー確かにあの時期は大企業であっても市場の混乱で資金調達ニーズが高まって大変な騒ぎになっていました訳です。つまり「大企業の金融状況も全体的に逼迫していたら中小企業の金融状況は逼迫します」けれども、「大企業の金融状況が緩和されたからと言って、中小企業の金融状況が必ずしも緩和される訳ではない」という部分の話になるのかなと思います。

という整理はまあ成り立つのですけれども、当初「企業金融支援」を銘打ってしまったのですから、いきなり路線変更というのはやはり無理があるので、その辺りに関する説明を丁寧に行う事も必要になるでしょうな、と思います。


・やはりバランスシートを気にするんでしょうね

ということでつらつらと更に考えてますが、いわゆる市場機能論がどうのこうのという話をするのであれば、CP金利を無茶下げしているのはご案内の通り企業金融支援特別オペ(モーサテで大塚金融担当副大臣が「中小企業向けで残高ウン兆円(言ってた数字忘れた)」とコメントしてましたけど、中身ってCPだらけではないかと・・・・まあそこは日銀に対してオトナの対応をしているのかと思いましたが)でありますので、順序としては市場介入効果がでかい特別オペを手直しまたは停止というのが先な気がしますけど、使われていない買入の解除を先にやろうとするのは、これまた日銀のDNAなのかなと。

つまりですね、特別オペはあくまでも「金融機関に対する担保付与信行為」ですので、従来のオペの延長線上という事も言えます(まあ指値無制限という時点で従来のオペとは思いっきり違いますが)し、あくまでも「担保」なので最終的なケツ持ちは金融機関ですけど、買入という事になりますと(たとえその残存期間が1年以内であっても)、日銀としてバランスシートに本当に抱える事になり、ケツ持ちが日銀という事になりますので、それは金融政策としてどうなのよという原則論が先に来たという事なんでしょ。

まあその辺りの感覚は「市場が阿片窟になって困ったな」という市場の中の人的な物とは違いますなって思います。まあ日銀の言いたいことも話としては理解できますけどね。

#ということで雑談恐縮至極






2009/10/08

お題「大型台風到来の為今日はメモで勘弁」

どうもすいません。

○9月の中長期国債買入

ちょっと遅くなりましたが。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei0909.htm

例によって例のごとく、手元のエクセルでヘコヘコ計算させているので内容無保証(いちおうちゃんと計算しているつもりですが)ですが一応作ってみました。

・9月に新たに入った償還銘柄は約2000億程度

今回は9月に大量償還がありましたので、残存1年以内のうち、償還になった部分を除いて前月対比の増分を計算させますと、4466億円となります。大体残存1年以内は毎月6500億円増加する(ゾーニングで1年以内をそう買っていますので)ので、当月に輪番に打ち込まれて、そのまま償還になってしまったモノは2000億円程度という勘定になりますね(全体の増分も概ね16000億円と、輪番オファーベースの18000億円から2000億円少ないです)。かつてのように輪番で入るものが半分以上償還銘柄というような無茶な展開は無くなったのですけれども、引き続き償還銘柄打ち込みのニーズはそこそこあるんですねという事を再認識しました。


・9月は2年以内の短期に近いゾーンがあまり入っていない

その一方で、という事になりますが、残存1年〜2年に関しては前月対比の増分が2670億円となっておりますが、ここもと大体この額が5000億円近辺で推移していまして、9月はこの部分が若干少なめになっています。

これは相場付きに依存する面がありますので、だからどうだこうだと言うのも一概には決められませんが、9月は短いゾーンがやたらめったら堅調推移していたという事を反映した結果(輪番は買入対象ゾーンの中でその日イールドカーブ上一番弱いものが入るから)になっておりましたということで。


輪番に関しては、ゾーニングを行った結果、極端に短いものばかり入るという事はなくなりまして、こちらも単に月例行事という感じになってまいりましたが(汗)それはそれでまあ輪番オペの本来の趣旨からしますと良い傾向という所ですかね。


○返済猶予法案関連

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009100800017
返済猶予、国会報告で実効性=「努力義務」で導入−金融検査で実態公表・検討チーム

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009100800018
貸し渋り・貸しはがし防止対策法の素案骨子=返済猶予

で、下の方のURLから引用しますと

『【貸出条件変更の対象】
 一、対象企業の明確な基準、規定を設定
 一、中小企業融資での貸し手側の業態は預金取扱金融機関
 一、個人住宅ローンも対象
 一、ローンの種類は手形割引、当座貸し越し、債権買い取りなど』

ということのようで、さすがに何でもかんでも救済とか全面的にモラトリアムみたいな話には成らないようですが、国際基準行の場合にBIS規制上の話と整合性が取れる(国内の法律的におっけーでも国際規制上不良債権扱いになったら困るので)という話にはなっているのかな、まあさすがにその辺りは抜けてないとは思います(損失発生時の政府負担という話があるので、政府がカバーする部分に関しては政府向け与信になるんでしょうか??)。

最初にモラトリアムとか徳政令みたいな話が出てどうなる事やらという感じでしたが、そこまで極端にはならないのですかね、って当たり前と言えば当たり前なのですが・・・・・どうも良く判らん。

しかしこれはまた各行の企画とかの人は大変ですね。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200910/2009100700730&rel=j&g=pol
返済猶予で意見聴取=大手4行から−大塚内閣府副大臣

『大塚副大臣は各行に対し、正式な意見書を9日に提出するよう要請した。』



○生活意識アンケートですが

http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/ishiki/ishiki0910.pdf

アンケート結果を箇条書きで掲載しているのが16ページ目以降なのですけれども、こちらを簡単に。質問項目とかは上記URLからの引用です(めんどいので『』をつけません)。数字は今回の結果が先に出て、()内は3か月前の調査結果の数字です。改行とかスペースとかはあたくしが適当に挿入しています

Q1. 1年前と比べて、今の景気はどう変わりましたか。
1 良くなった 1.8 ( 0.5 )
2 変わらない 23.5 ( 17.1 )
3 悪くなった 74.1 ( 81.9 )

ということで、景気が悪化したという人が減ったという数字が出ているので、「おお!」と思いますが、冷静に考えれば延々と「悪くなった」が続くというのは余りと言えば余りの話でありますので、ちったあ歯止めが掛かってくれないと困るという話でもあります。

Q3. 現在の景気をどう感じますか。
1 良い 0.1 ( 0.0 )
2 どちらかと言えば、良い 0.8 ( 0.6 )
3 どちらとも言えない 10.6 ( 9.6 )
4 どちらかと言えば、悪い 46.5 ( 41.8 )
5 悪い 41.6 ( 47.7 )

一応「悪い」カテゴリーの数字は減っていますが、質問1を見た時の印象とはちと違い、まあ大して改善してませんなあって読めてしまいますね。アンケートというのは恐るべし。

一方で、特に現状の景気が改善しているという認識結果にはなっていない中でも金利に関してはこんな結果が。

Q5. 景気の状況を考えたとき、現在の金利水準をどのようにお考えになりますか。
1 金利が低すぎる 50.0 ( 45.5 )
2 適当な水準である 33.5 ( 35.8 )
3 金利が高すぎる 14.1 ( 15.6 )

金利が低すぎるが多いのは毎度の事なんですが、景気認識が特に大きな改善を示さない中で金利が低いという見解が増えているのは、低金利継続によって金融商品の利回りが全般的に低下してきたというのが浸透してきた結果なのかもしれませんね。微妙ですけど。


それから物価に関する部分。

Q12.次に「物価」についておうかがいします。あなたご自身の感じでは、「物価」は1年前と比べてどう変わりましたか(「物価」とは、あなたが購入される物やサービスの価格全体のことです)。

1 かなり上がった 8.0 ( 8.1 )
2 少し上がった 39.4 ( 39.4 )
3 ほとんど変わらない 31.5 ( 29.2 )
4 少し下がった 18.6 ( 21.0 )
5 かなり下がった 1.5 ( 1.3 )

下がったという人が減っているのは何で??と思いましたが、数字的にはそうでも無いんですよね。

Q13. それでは、1年前に比べ現在の「物価」は何%程度変わったと思いますか。
―― 数値をご記入のうえ、上・下いずれかに○をお願いします。なお、「0%」と思われる方は、記入欄に「0」とご記入下さい。

平均値: +3.6 ( +3.5 )
中央値: +0.1 ( +1.0 )

ただまあ引き続きプラス圏内継続というのが物価統計の数字と違う(物価統計だと生活関連商品の下落とか、下落品目数の増加とか、いかにも生活者の物価が下がっているという結果なんですが)んですよね。先行き見通しに関してもそうでして。

Q14. 1年後の「物価」は、現在と比べるとどうなると思いますか。

1 かなり上がる 4.0 ( 3.4 )
2 少し上がる 41.9 ( 34.5 )
3 ほとんど変わらない 42.4 ( 44.5 )
4 少し下がる 10.3 ( 15.6 )
5 かなり下がる 0.4 ( 0.5 )

Q15. それでは、1年後の「物価」は現在と比べ何%程度変わると思いますか。
―― 数値をご記入のうえ、上・下いずれかに○をお願いします。なお、「0%」と   思われる方は、記入欄に「0」とご記入下さい。

平均値:+3.1 ( +2.2 )
中央値:+0.1 ( 0.0 )

・・・・うーむ、上昇なんですか。

あと、最後に新設コーナーでは日本銀行の広報活動に関する質問というのが出来てまして、ふーんと思いましたが台風到来なのでまた後日にするかも知れませんが多分このままスルーです。








2009/10/07

お題「盛り上がって参りました!!(ただしどう見ても無駄)」

まさかこんなに早い時期に金融政策ネタで悪態(そういや30兆割れの時にも地均し段階から散々悪態ついてましたなあ、ナツカシス)をつくことが出来ようとは思ってもいませんでした(−−)。


○ほら言わんこっちゃない・・・・

昨日は10年国債入札が順調ですなという話があったりしますが、そーゆーネタは華麗にスルーしまして、藤井さんと亀井さんの閣議後の会見報道が実に(;∀;)イイハナシダナーとしか申し上げようが無い流れで腹筋の良い訓練になりました。


藤井財務相様発言
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aOtQaiJGG98A
財務相:日銀が経済状況に逆らうことはしないと確信−CP・社債購入

『10月6日(ブルームバーグ):藤井裕久財務相は6日午前の閣議後会見で、12月末に期限が来る日本銀行によるコマーシャルペーパー(CP)と社債の買い取りなどの企業金融支援策について「経済の見通しがどうなるか慎重にみた上で、日銀が金融の運営をするだろう。経済状況に逆らうことはなさらないと確信している」と述べた。また、「日銀の金融政策は国の経済政策と調和するものと考えている。日銀はそういう姿勢を取ってくれるだろう」との認識を示した。』

(;∀;)イイハナシダナー

『財務相は日銀が今月の金融政策決定会合でCPと社債の購入の見直しを検討するとの報道については「今月見直しするとは聞いていない。企業の資金繰りをみるということだ」と述べた。』

(;∀;)イイハナシダナー

・・・・もうね、何ちゅうか「ほら言わんこっちゃない」という言葉がここまでピッタリ嵌る展開も無いですなという感じで、これで(本来は実務的に特にどうという事は無い筈の)社債とCPの買入解除を強行した場合にはその後に発生する災厄は日銀のせいという流れが出来てしまいましたなあ。


亀井金融担当相様発言
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=a1F6UFn9WKuU
亀井金融相:「日銀は時々寝言を言う」−CP・社債購入見直し

『10月6日(ブルームバーグ):亀井静香金融・郵政担当相は6日の閣議後の会見で、日本銀行がコマーシャルペーパー(CP)と社債の買い入れの見直しに入る可能性が高まっているとの観測報道などに関連して、「景気回復過程に入っているとは思わない。日銀は時々寝言みたいなことを言う」などと述べ、日本の実体経済は出口戦略を論じる段階にないとの認識を示した。』

景気回復過程に入っているとは思わないというのは内閣府の景気判断と整合性どうなんでちゅかねえというツッコミはあるのですがそれはさておきまして、「寝言」とはこれまたキャッチーな(^^)。

『亀井金融相はまた、「日銀も経済の実体、実勢をじっくり見ていただきたい。日銀だって人がたくさんいるだろう。取材した人がたまたま寝言を言ったからといって日銀全体が寝言だと思うことはない」とも語った。』

一応「これは取材を受けた人が寝言を言っただけで日銀全体の判断が出ている訳ではないから日銀そのものを寝言呼ばわりしてるんじゃないですよ」という感じで微妙に逃げ道を用意してあげている所に亀井さんも配慮してるじゃんという事は把握した。

産経とか(昨日はヤフーのトップにもヘッドライン出てて、記事内容は産経だった)は後半の「日銀全体が」云々部分がばっさり削除されていまして、益々日銀イタタという感じでありますが、まーこの「寝言」っつーのは言いえて妙ですなあと思うのでありました。



藤井さんの発言をもうちょっと詳しく報道してるのがあって、この辺見ると中々強めの牽制球っぽく見えますわな。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=a4_OYbnt2pXs
日銀のCP・社債購入停止に政府から慎重論−今月にも検討との観測で

『また、藤井裕久財務相は同日の会見で、「今月うんぬんということは聞いたことがない。日銀が適切な企業の資金繰りを見る段階だ」と言明。財務相は「最終的には年末の経済情勢を見なければ分からない」とし、「経済の見通しがどうなるかを慎重に考えた上で、日銀が金融の運営をなさると思う。白川(方明)日銀総裁がそういう経済状況に逆らうことはなさらないと確信している」と述べた。』

>最終的には年末の経済情勢を見なければ分からない
>最終的には年末の経済情勢を見なければ分からない
>最終的には年末の経済情勢を見なければ分からない

・・・・いやはや来ましたなあ。年末の情勢見ないとという話になりますと、(前回延長措置からの流れでいけば)遅くとも11月の決定会合で延長の有無に関して決定するという話になりますので、どっからどう見ても次回3か月延長という話になりますわなあという話になりますわな。

『さらに、「日銀法では日銀の独立性を尊重すべきとあるが、同時に国の経済政策と調和するようにとも書いてある」とし、「日銀は必ずそういう調和した政策をとると思う」とし、日銀に慎重な判断を求めた。』

いやまあ来ちゃいましたねという感じではありますが、ところで民主党様におかれましては、この前の利上げの時に「与党による政治介入が云々」と批判してましたと思いますが、あれも「批判の為の批判」だったんでちゅかねえという悪態を一応付け加えさせて頂きたく存じます。

#まー今回は日銀の「間の悪さ」以外の何物でもないんですけどね


つーことで、新政権の船出と共に円高株安となって、特にきっかけを作ったと文句の矢面に立たされていた面白大臣ズの面々から致しますと、まさに飛んで火に入る夏の虫という感じで、ノコノコと日銀が矢の飛んでる中に棒立ちでご登場という流れになって参りましたので、これはもういい感じで全身に矢が突き刺さるでござるの巻という流れになって参りました。

・・・・だから言わんこっちゃないとしか申し上げようが無いですが、ここはまあ大怪我にならないうちにかすり傷のうちに撤退するしかないっしょ。

まあG7後の会見での発言はあたくし昨日「どう見ても地均しです」とか書きました(多分トーンもそんな感じだったんでしょ)けど、まあそこに関しては「あれは一般論ですよ一般論、何おっしゃってるんですか皆様」とか何とか言って有耶無耶にするしかないと思いますけどね。


○そもそも正面から強行突破するような案件では無い訳で

さらに悪態なのですが、現在ろくすっぽ利用が無い社債とCPの買入(ただし外した場合に本当に影響が無いのかというと、特に社債に関してはちょっとヤバイ気がするんですけどね、あたくしの外れやすいドタ勘としては)を解除だの何だのという話っているのは、小見出しの通りでありまして、「そもそも正面から強行突破しないといけない案件ではない」のであります。

つまり、元々あんまり利用が無いものですから、継続実施することによって喫緊の問題が生じるという訳ではなく、どちらかと言えば利用も少ないのでとりあえず1回当たりのオファー額を減らして見ましょうとか言いながらこっそりフェードアウトする事が十分に可能(かつてのABCPオペみたいなもんですな)な措置なのでありまして、何も堂々正面突破せんでも裏口からコソコソと出口に向かう事も出来る施策だと思うんですよ(ここでは特別オペに関する話は除く、そっちはちと微妙)。

かつての量的緩和解除みたいに、どっからどう見ても裏口が無くて、正面突破しないと行けない案件だったら仕方ないのですけれども、裏口からこっそり夜逃げすりゃあ良いものを債権者勢揃いの正面玄関から堂々脱出しようとするようなもんで(たとえが悪いですかそうですか^^)、そりゃわざわざ自分から叩かれに行くようなもんですわなと。


もはや「麿」という名称を奉りたくなる政治的なセンスの悪いタイミングでの動きに加え、別に突っ込まれに行く必要が無い案件でわざわざ自分から突っ込まれに行くという無防備マンっぷりはさすがしか申し上げようが無いですなあと。



○しかしこのトーン変更にはワロタ

そもそもこのネタが急に盛り上がったのは、「ブルームバーグニュース独占記事」と銘打って(かどうか知らんが、ブルームバーグプロフェッショナルの方では営業から「当社独占記事です」ってリンク付きご案内が来たので独占記事なんでございましょ)30日に出た記事ですわな。1日の駄文でご紹介しましたが念のためリンクを張っときますね。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=akiSHesItvDk
日銀がCPと社債買い入れ停止を検討、特別オペは見直しか

でまあこの話はどうでも良いのですが、ワロタとしか申し上げようが無いのは、藤井さんがどう考えてるのよという事に関する報道トーンでありまして・・・・

4日の記事から
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=arLkYG3zSOUU
白川日銀総裁がCP、社債の買い入れ停止を強く示唆−財務相も容認か

『企業金融支援策の終了ないし見直しは、民間金融市場に中央銀行が介入する「異例の措置」からの出口政策にほかならないため、財務相の発言は一見、日銀の動きに釘を刺したかのようにみえる。しかし、発言の真意を聞かれた財務相は次のように述べて、日銀が企業金融支援策の終了ないし見直しに踏み切っても黙認する姿勢を示した。』(上記URLの一部だけ引用ね)


6日の記事はさっき引用した通りですが、
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=a4_OYbnt2pXs
日銀のCP・社債購入停止に政府から慎重論−今月にも検討との観測で

『財務相は3日にトルコのイスタンブールで開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、世界経済の現状は「出口政策を具体的に実施する段階ではない」と発言。日本経済の先行きについては「非常に不安定だ。雇用や所得環境がより悪くなる可能性を十分持っている」と説明したという。』

・・・・・テラトーンダウンwwww

いやまあこの流れってバカスとしか言いようが無いですけど、藤井財務大臣が大狸で白川さん見事に嵌められたという流れなのか、もともと臨時措置は臨時措置なので外したいという願望があったんじゃねえのとしか一連の流れを見ると思われる白川総裁が、世界的な出口政策モードに乗っかろうとして国内事情をすっかり忘却してKY全開になったのか、単にメディアが勝手に大騒ぎしたのかという所はよー判らんですな。

まー、結果としては外から見ますと見事に手のひら返しというか梯子外しになってしまいましたなあという所ですが、そもそも政治的状況から言って今どうしてもやらないといけないという訳でも無いものを、こんな微妙な時期に打ち出そうとした動きが悪いちゅうことでしょうなあ。

ちなみに、財務省発表のG7後の会見での藤井さんの発言はこちらに。
http://www.mof.go.jp/kaiken/my20091003.htm

『(導入部分割愛)(日本経済の状況が)非常にまだデリケートな部分だと言わざるを得ません。したがって、私といたしましては、財務省といたしましては、私は経済なくして財政はないんだということをずっと国内でも言ってまいりました。そういう意味から、今までとられていた金融の、金融機関に対する支援、あるいは金融財政政策での継続ということをやってまいります。ですから、一部にあるような出口の議論というのをまだする段階ではありませんということを申しました。(以下割愛)』

『出口政策というのは何かというのは、いろんな意見がありますから、私は日銀、白川さんが言われたことが本当に出口政策なのかどうかはわかりません。色々な意見があるのでしょう。私達としては基本的に色々な問題について、もはや経済が立ち直ったのだというような判断に基づく政策転換は有り得ないという意味で出口政策という言葉を使いました。』

・・・・うーむ、どこがどう容認姿勢なのかよーわからんが、実際に会見場での雰囲気とかと省庁のウェブサイトの発表とではトーンが違いますからね。


○余裕を持った対応とな

という微妙なタイミングの中でロイターが水野審議委員のインタビューを実施したようで、記事はこちら。

http://jp.reuters.com/article/domesticJPNews/idJPJAPAN-11821120091006
インタビュー:出口戦略、余裕もった対応が適切=水野日銀審議委員

何か微妙にどっちとも取れるような表現がひたすら続くというインタビューになっておりますが、まあ足元の一連の買入解除云々の話に関する部分に対するコメントとしてはこの辺りがポイントになるんでしょ。

『コマーシャルペーパー(CP)・社債の買入れなど「異例の措置からの出口戦略について、余裕をもって対応することが適切だ」との認識を示した。』

『また水野委員は、企業金融支援についての各種時限措置はテクニカルなものなので、その「出口」についての議論は、関係する短期金融市場、債券市場だけでなく、その他の市場参加者にも十分理解してもらうことが重要だ、と強調。そうすることで「日銀は出口戦略に前のめりになっているとの誤解が生じることを回避できると思う」と述べた。』

いやーまあそうおっしゃいますが、既に一連の流れで「出口戦略に前のめり」という印象が形成されつつあると思われますので、来週の決定会合後の総裁会見は相当気を使わないと、日銀フルボッコの蟻地獄に自分から特攻していく事になるんじゃないっすかねえという悪感がします。

しかしこの「余裕を持った対応」ってフレーズは福井の俊ちゃんからも良く聞いたような記憶が物凄くあるのですが、ちゃんと余裕を持って頂きたいものであります。


上記URL2ページ目の方には景気見通しとか物価見通しとかの話がありますけれども、まあ景気の見通しが厳しめなのは水野審議委員の仕様なので、その辺りに関してはいつも通りちゅう感じですな。


#ということで、日銀からWPが出てましたとか、年度末越えの所で準備預金が進捗し過ぎて足元の供給が少なくなったのでGCレートがトムスポの足元から上昇しやがってますなあとか、その手の話はまた別に(汗)







2009/10/06

お題「CP社債の買入解除検討に関して雑考というか悪態というか」

昨日既に日銀のサイトにG7後の白川総裁会見が出ていたのは把握してたのですが、まさか地均しをしているとは思わずに(この土日はPCとの格闘に忙しくてサイトチェックをしてる余裕がなかったというのもありますが)スルーしたら、昨日の朝刊各紙で企業金融措置の解除に関する検討がどうのこうのと出てきて新聞読みながら「はー??」となっておりました次第なのれす。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2009100502000063.html
出口戦略へ地ならし 日銀総裁支援解除姿勢強調

んで、良く良く総裁会見を見たらこの有様ですよ。
http://www.boj.or.jp/type/press/kaiken07/kk0910a.pdf

『席上、私からは、わが国の金融情勢に関して、CP・社債の発行環境が大きく改善しており、日本銀行のCP買入れも大幅な札割れが続き、政策に支えられている面は後退していることを説明しました。また、企業の資金繰りも着実に改善していることから、金融面から実体経済を下押しするリスクが大きく減少していることも説明しました。』


・・・・・・どう見ても地均しです本当にカムサハムニダ。

#ところで、さっきから目の前のテレビで「金利が上がるような環境になって出口政策だの利上げだのという話になれば株が上昇」と言わんばかりの説明をしている人がいるのですが、「株が上昇するような環境になったら出口や利上げが見えてくる」というべきであって、どう見ても因果関係が逆ではないかと思うのですが・・・・


○先日も書きましたが政治センス無さ過ぎのタイミングに落涙

えーっとですな、金曜にも同じこと書きましたが、あえてまた同じ話をしますと、時あたかも亀井金融大臣様や直嶋経済産業大臣様などが貸し渋り、貸し剥がし対応の返済猶予法案がどうのこうの(本当は返済猶予したら逆効果なのですがその論点はスルー)という話をしている最中に「企業金融円滑化の支援のための措置」(こちらhttp://www.boj.or.jp/type/exp/seisaku_cfc/index.htm#0103にもありますように、日銀が自らそう言っている訳でして)を一部外そうとか言い出すとか何というKYまたはルンバ。

んでまあこれまた金曜日に申し上げましたが、コアCPI堂々の▲2%台となっている今日この頃で、ただでなくさえ日銀の緩和が足りないと言われる中で何も好き好んで緩和措置の一部停止とか言い出す必要があるのかと日本橋本石町に乗り込んで小一時間問い詰めたい次第なのであります。


それからね、鳩山政権の船出にあたって、面白大臣約2名が不用意な面白発言をするもんだから円高アタックと金融株アタックを食らって株価は下がるわ円高に振れるわといいう楽しい状況になっておりまして、さすがの大新聞様も「新政権発足後の1か月で日本株のパフォーマンスが主要国株価の中で一番駄目駄目」とか言うような状況なんですから、政権の中の人達、特に面白大臣様ズ様におかれましては「こりゃマズー」と思っているのではないかと思料されるのれす。そうじゃなかったら発言が急にトーンダウンしたりせんでしょ。

てな状況になっている現在のタイミングで「企業金融円滑化支援措置の一部解除」とか言い出したら、当然ながら円高とか株安とかを招いた責任者は日本銀行という事にされて(政治家なんぞ責任転嫁するの得意ですからねえ、かつて選挙に負けた与党幹事長が「日銀のせい」とか言い出したのには幾らなんでも失笑を禁じ得なかったけど)、それこそ極端に言えば白川総裁クビにしろとかいう話に発展するようなシナリオだって想定できるんですが、そこまでの覚悟を持って解除云々という話をしているのか日本橋本石町に乗り込んで小一時間(以下同文)。

ふつーに考えて、こりゃマズーと思っている中で責任転嫁の絶好の材料が見つかったら、自分らが後押しして据えた総裁だってクビじゃクビじゃという話になるでしょうし、放置して株安円高傾向で景気が悪化という話になって政権の支持を失いかねませんって話になった時に絶好の生贄の羊さんがいたら磔刑まっしぐらだと思うんですがねえ。


現政権、というか面白大臣ズが今のところ何も文句言わないのは、あたくしには「これで株が下がっても日銀のせいに出来るでウッシッシ」と思っているからなのじゃないかというひじょーにいやーな悪感がするのでありますけど、気のせいだと良いんですが・・・・



○市場の影響ってどうなのよ、特に他市場

さて、そのCP買入だの社債買入なのですが、確かにまあここもと買入実績は少ないのでありまして、これを止めた場合にどうなるかっていうと、数字的な面で言えばあんまり影響が無さそうに見えるのですが、それはまあマネーマーケットおよび1年以内の債券なんぞを実際に扱っている人達の理屈でありまして、他市場にどういう影響があるのかという点に関しては正直言って微妙な所があります。

つまりですな、ここもと(というかとっくの昔から)企業業績がアレで格下げがどうのこうのという事で、企業のクレジット環境はファンメタからしたら別に好転してる訳ではなく、単に需給(金が余ってるのと資金需要が落ちているのと日銀が特オペを実施していること)関係なのでありまして、需給って奴はマインドが変化するといきなり変化する面もあったりすると思うのれす。つーことで、マネーマーケット的に問題があまり無さそうに見えても、それは特殊世界での話なのでして、特殊世界の事情というのはそんなに周知されている物では無いという事を勘案しますと、社債市場に対しても影響が無いとは断言できませんわなと。

で、金利の世界という意味でも、ニホンジンの債券投資家だけならまあ話は通るかもしれませんが、金融政策に関して斜め上の解釈をして斜め上の行動をしてくるガイジンさんとかもこれ有りでして、そーゆー連中がまた馬鹿動きをすると国内勢もそれに引っ張られたりするかも知れないとか、いやまあ全部杞憂なら問題ないのですが、ここで参加者のマインドセットをわざわざ変えるメリットが全然見いだせないのですな。

しかも、特に為替市場という話になりますと、もう金融調節のテクニカルな部分を捕まえて緩和だ引き締めだ金融調節が稚拙だ(そんなアホウレポートが以前ありましたな、懐かしい)とか、斜め上どころかアホダラ経典でも読んでいるのかというような解釈をして(というかポジションの都合上そういう解釈を流布するという方が正しいんですが)動く人達がいるみたいなので、それこそ「臨時措置解除」→「金利上昇懸念」→「円高」とかアタックしかねませんけど大丈夫っすかねえ。オラ知らね。

つーことで、その辺をちゃんと考えて全ての状況悪化の責任をおっかぶされる(しかも自民党政権と違って政治介入する気満々にしかあたくしには見えてしまう民主党政権下なのですが)覚悟をしてこのような話をしているのかと日本橋本石町に(以下同文^^)。



○わざわざこのタイミングで解除しなきゃいけないメリットは無いのですが

そもそもですな、CPおよび社債の買入の利用がここもと少ないという事は、確かに解除しても問題ないという事ですが、同じ理屈で解除しなくても何ら問題無いのですよね。

つまり、現状でCPや社債の買入が市場の価格形成なり資源配分なりに悪影響を与えているという訳ではなく(レートを無茶下げしてるのは特別オペ)、従って現状の措置を延長する事に対する弊害が無いのでありまして、「弊害が無いのであれば無駄に波風を立てるよりも、フェードアウトを目指す方が問題無い」という発想にはならんのかと小一時間。

確かにまあ純粋にマネーマーケット周りの事情を見れば、「解除しても問題が無いから異例措置は解除」という理屈になるのは判りますが、一方であたくしがさっきから散々悪態を申し上げているように、環境が必ずしも好転している訳でもない(というのは短観の企業金融環境関連DIが碌に好転からも明らか)という中&政治的に要らん摩擦を生みそうだという最中に敢えて突っ込む意味は無いと思います。

それだけのリスクを取ってまで今解除しないと行けないような措置じゃないものをわざわざ解除に行くとか、政策としてのリスクリターンが全然間尺に合わないのでありまして、そういう観点で物を考えているのかと日本橋(以下同文)。



○大体からして恩の売り方がヘタクソなのですが

てな話を月初期初の忙中に市場の中の人や周囲の人(ただしあたくしのお友達フィルターが掛かっているので似たような話をする人達という点は割り引いてちょ)とうだうだとしておりまして、まあ上で申し上げましたような話になったのですが、それに加えて皆さんが指摘するのは「白川日銀は恩の売り方がヘタクソ」という観点。

いやまあ色々と説明している資料を読みますと(というか読まなくても市場の中でマジメに政策動向見てればわかりますけどね)今次金融危機対応に関しては(当初の出遅れはちょっとアレでしたが)特に12月の利下げと企業金融円滑化措置の実施以降は日銀も結構やっていると思う(まあB/S拡大が足りないとかいう人もいますからあくまでも一つの意見としてとらえて下さいね)のですよ。企業金融特別オペなんぞ効き過ぎでCP市場が阿片窟になってしまい、すっかり堅気の投資家が離散する有様なんですし。

しかしながら折角やってるのに(11月までの出し惜しみ感はともかくとして)、こんなどうでも良いタイミングで解除の地均しとかすると、「日銀は良くやってる」とはとても言い難くなる訳でして、それどころかうっかりしたら株が下がったり為替が円高に振れた場合の責任をおっかぶされるという話になったら、何のための異例措置だったのよという残念な話になる訳ですわな。

一方(こーゆー時に前任と比較するのも何ですが)前任の極めて政治的インチキパワーに秀逸な物をお持ちだった某福井の俊ちゃんだったら、今般の一連の措置に関して物凄い勢いでアピールして物凄い勢いで政権に恩を売りまくっているに違いないと思われる次第。俊ちゃん時代は小泉首相というもっと凄いインチキ力(りょく)の高い人がいたので、インチキ力もそんなに目立たなかったのですが、こうなってみると前任の空気読む力(インチキばかり言ってたら申し訳ないので言い換えた^^)には敬服せざるを得ないという話。

ま、白川総裁にそれを求めるのは難しいですし、今更そうなってくれとは思いませんけれども、何もあーた痩せ馬ロシナンテに跨って風車に絶賛特攻しなくても良いのでありまして、そりゃまあ小説の中だったら絶賛特攻した結果マドリッドのスペイン広場に銅像が立ちますが、現実の世界で絶賛特攻しても残念ながら銅像は立たないのではないかと思われますので、ここは一つ慎重になって頂きたいものであります。


#いやね、そりゃこの手の措置解除してくれた方がこっちとしては収益機会が復活するからオイシイ話なんですが、そーゆー目先の細けぇこたあ良いんだよ!(AA略)という所なのでありまして・・・・・

以上、ひたすらあたくしの独り言にお付き合い頂き恐縮至極でありましたm(__)m













2009/10/05

お題「今日も雑談小ネタで勘弁」

なんつーかね、PCのセットアップって何でこんなに七面倒になってるのという感じでして、テレビだの画像編集だのするようなヘビーユーザー以外にとっては今のPCって手間ばっか掛かるいらない子になるんじゃねーのと初期設定などで半日潰したあたくしは思うのでありました。と朝から愚痴ですが(^^)。

そんな訳で、週末あまり資料読みが出来なかったので、今朝は(量的にはそこそこありますが)簡単ネタで勘弁でございまする。

○短観の続き、というか数字編

・業況判断DIの達成度合い

6月調査時点での先行き見通しがどのくらい達成出来ているかという話。前回は3月時の予測よりも総じて好転ということで、これは回復期に出てくる(前回の回復期ってひたすら毎回「前回出した先行き予測以上に好転」という言ってみれば「堅めに出した予想を上回る業況が続く」という状態になりました)傾向に似ているじゃあーりませんかという明るい話をしておった訳なのですが・・・・・
          (6月時点)        (9月時点)
          現状→9月予測     現状→12月予測
製造業大企業  ▲48→▲30     ▲33→▲21
製造業中堅企業 ▲55→▲46     ▲40→▲35
製造業中小企業 ▲57→▲53     ▲52→▲44

非製造業大企業  ▲29→▲21    ▲24→▲17
非製造業中堅企業 ▲36→▲32    ▲30→▲28
非製造業中小企業 ▲44→▲45    ▲39→▲40

前回あたくしこんな事書いたんですよね。

『3月時点での予測数値よりも実際に6月になった時の数値が好転しているのってえのは、実は上向き方向になっている時の仕様でもありますので、次回短観で今回の予測数値を達成し、それ以上にDIが改善という事になると、中々美しい話になると思います。』(あたくしが7月2日に書いた駄文から)

んでまあ今回ですが、残念ながら6月時点での予測数値近傍だわ、回復過程で調子良かった大企業が予測数値達成できずでござるの巻となっておりまして、残念ですねという感じですわな。

予測数値および方向性は上になっていますが、6月調査時点の雰囲気からの進化が無いという所で。


・雇用判断DI

前回は内容悪いけど先行きの予測的には製造業大企業中心にマシになってくれそうな数字にはなっていたのですが・・・・

          (6月時点)         (9月時点)
          現状→9月予測    現状→12月予測
製造業大企業  +33→+24     +26→+18
製造業中堅企業 +37→+29     +32→+25
製造業中小企業 +40→+34     +35→+27

非製造業大企業  +7→+4      +11→+7
非製造業中堅企業 +11→+8     +10→+7
非製造業中小企業 +13→+11    +12→+9


6月に予想しているほどの好転になっていない(まあそんなにブレも無いですけど)というのもそうですが、非製造業が前回予想では雇用判断改善する予定になっていたのに、蓋を開けてみれば悪化というのは残念無念。まあ非製造業の雇用判断となると遅行指標の遅行指標っぽいのでこんなもんで勘弁なのかもしれませんが、まあ雇用環境がどうのこうのと問題視されている中ではあまり良い数字ではないですね。


・証券業の業況判断

今回も長期時系列を更新。サブプライム爆発前でありますところの一昨年6月調査分から並べますね、前回▲29でしたが・・・・・

        現状→次回予測
(6月時点) +34→+52
(9月時点) ▲30→+23
(12月時点)▲26→+4
(3月時点) ▲55→▲15
(6月時点) ▲45→0
(9月時点) ▲70→▲44
(12月時点)▲70→▲59
(3月時点) ▲76→▲68
(6月時点) ▲29→▲21
(9月時点) ▲4→+4

前回6月調査の数字をみたあたくしはこんな事を書いたんですな。

『さて、このインプリケーションですが、この流れを見ると「株式市場は当面堅調に推移する」という答えになるのです!』(7月2日の駄文より)

その理由ですが・・・・

『・・・・良く見ると、次回予測が前回同様に、足元の数字とあまり大差が無いのでござんすな。ということは、願望成分入れまくって外すのが仕様となっている証券業DIクオリティを勘案すると、株式市場は当面堅調推移というのが結論になる。とまあこういう話になるのであります、ゲラゲラ。』
(これまた7月2日の駄文より)

うーむ、まあ6月は瞬間平均株価瞬間10,000円程度で、その後3か月は基本10,000円キープでしたから、それを堅調と言えるのかは微妙ですが(汗)、まあ無事に推移しやがったという所で、相場観とか入れないで(^^)斜に構えて書いたもんが割と良いパフォーマンスとは喜んで良いのやら悲しんだ方が良いのやら(^^)。

で、今回ですが、どうも先行きがプラス数値になっているのが気になる。数字的には8の改善に留まるのですけど、マイナスがプラスってのが・・・・


んでもって企業金融関連(どうもこっちの数字は良く判らんが)ですけど、引き続きインプリケーションが微妙っすな。

・資金繰り判断DI

前回は大企業がやっとプラスに復活するも中堅中小はまだ厳しいという内容に読めましたが・・・・

      (6月時点) (9月時点)
大企業    +1     +6
中堅企業   ▲7     ▲6
中小企業  ▲20     ▲18

どう見ても2極化です本当にありがとうございました。


・貸出態度判断DI

      (6月時点) (9月時点)
大企業    ▲9     ▲4
中堅企業   ▲9     ▲6
中小企業   ▲13    ▲12

はいはい2極化2極化。しかし銀行的には「貸出を伸ばせるような先が無くて困っている」という話を良く聞くんですけどね。


・借入金利水準判断(プラスが金利上昇です)

         (6月時点)     (9月時点)
         現状→9月予測   現状→12月予測
大企業     +5→+15     +2→+10
中堅企業    +3→+14     +3→+12
中小企業    +2→+12     +3→+10

これね、前回あたくしが書いたのをこれまた引用しますね。

『中堅中小企業の借入金利水準が前回低下してたのに上昇ですかそうですかというのは残念感が漂うのですが、大企業では基本的に足元の資金需要が一巡して年末から年始に掛けてウハウハ金利で貸出をしていた銀行のローンがロール時期になっているので、もうちょっとこの辺の数字が改善してるのかと思いましたが。』

『で、もっと不思議なのは先行きの金利に関して「上昇する」が現状判断よりも増えていることなのですが、これってどうも短観の仕様みたいでして、過去の短観データをクリッククリックしながら眺めていたのですが、量的緩和実施の2001年3月調査時点でも「先行き予測数値」は金利上昇という結果になっていたりするので、どうも「先行き借入金利上昇」というのは仕様ということで。ちなみに、先行き予測で「現状よりも好転」という話になるのは97年とか98年くらいに遡るみたい(全部見てないので見落としはあるかもです)な気がします。もしかしたら、「借入金利が上昇する懸念を持ってると思われた方が日銀に対するプレッシャーになる」っていうような事を答えながら思ったりしてるのかな(^^)。』

(以上7月2日に書いた駄文より)

ということで、これは先行き予測数値を見てもあまりあてにならなさそうですが、金利そのものはあまり下がっていない(微妙に上昇している)というのは継続してるのね。


・CP発行環境判断DI(プラスが楽でマイナスが厳しい)

      (6月時点) (12月時点)
大企業   ▲14     ▲11

これは相変わらず「またまた御冗談を」という数字ですが、そもそもCP発行していない企業さんとかもこの項目答えさせているらしいので、あんまり意味は無さそうなので、多分次回からは華麗にスルーすると思います。


でね、全体を見れば企業金融って別にビックリするような改善をしている訳ではありませんで、一方で企業金融に対する支援がどうのこうのと(肝心の大臣様の発言が段々トーンダウンしてきているのがチャーミングですが)政治方面からぶちあげている中で、企業金融支援策として実施している臨時措置をわざわざ止めに行くとか言い出す政治センス(以下金曜と同文^^)。


まあこれはこんなところで。真面目な分析は本職の方へどうぞ。



○フェイル慣行がどうのこうの

国債決済T+1がどーのこーのという謎の新聞記事が出た直後にこれが出るとは
これまた微妙なタイミングで。
http://www.boj.or.jp/type/ronbun/rev/rev09j12.htm
わが国におけるフェイル慣行の一層の定着に向けて
― フェイル慣行の意義・役割と米国の取組み事例を中心に ―

んでもって本文はこちら(PDFです)
http://www.boj.or.jp/type/ronbun/rev/data/rev09j12.pdf

最初の部分から。

『わが国では、国債決済のRTGS 化が図られた2001 年1 月にフェイル慣行が導入された。フェイル慣行整備の背景には、RTGS システムの下で、決済事務の増大や取引の連鎖による決済の遅延、ループの発生などが避けられないことから、市場流動性の確保や決済の円滑化のためには一定のフェイル発生が不可避との認識があった。もっとも、その後も同慣行は十分に定着せず、債券・レポ市場における取引の効率性や市場流動性を歪める場面がみられるとの指摘があった。2008 年9 月のリーマン・ブラザーズ証券の破綻に起因してフェイルが多発する状況でも、これを容認しない先が多いことが、レポ取引の混乱に拍車をかけたとの認識から、市場関係者の間でフェイル慣行に関する問題意識が一段と高まった。』

『こうした中、2009 年5 月、日本証券業協会(日証協)が「債券のフェイル慣行の見直しに関するワーキング・グループ」を設置した。同WGは上記問題意識の高まりを映じて、最終投資家を含む幅広い業態や市場参加者団体の代表者に加え、金融庁・財務省・日本銀行がオブザーバーで参加するなど、フェイル慣行の定着に向け、市場横断的な検討体制となった。』

だそうです。んでまあ問題点としては・・・・

『フェイル慣行の定着に向けては、債券やレポ取引の幅広い市場参加者(経営層を含む)において、同慣行の意義や役割について理解促進を図りつつ、フェイルへの対応のあり方についてコンセンサスを形成すること、更にそうした対応を可能とする制度的枠組みや個社体制の整備が重要との指摘が多い。』

つー話で、フェイルに関する解説があって、まーレポ&決済関連にあまり土地勘の無い方にはお勧めの内容になっておりまして、まあ読めという所なのですが、内容とは微妙に違うかもしれないけどあたくしが思う話を少々申し上げてみましょ。

まずフェイル慣行もさることながら、債券市場での玉繰り円滑化という観点からすると、投資家が気楽にホイホイSCレポを出すようになると良いと思う次第ですが、そもそも論として現状において投資家がフェイル出来ないという建付けになっているのではないかと思われる(思われると微妙な書き方をしているのは、制度上出来ないのか慣行で出来ないのかが良く判らない為ですが、資金運用目的じゃない債券借入って出来ないという人もいると思う)ので、新発引受玉のツモ切りは別ですが、基本的に投資家って支配残ベースじゃなくて保有残ベースで売却可能額を考えるように思えるのですが、まーその辺は自己勘定と他人勘定でまた違っていたりすると思うのであまり断言しませんけどね。

SCレポで貸したは良いけど、エンド時にフェイル食らった場合の事を考えるとその分って実質売れなくなってしまう事になっちゃうというのでは、ロットがでかくて底溜まりになっている玉があるでかい投資家さんでしたら無問題だと思いますけど、特に他人勘定だとロットが細かくなるケースこれありという事で、そうホイホイと玉も出せずで、まあロット細かいから気にすんなとい話もありますが、ナントカも積もれば山になるというのもあるんじゃねえのという気がします。

つまりですね、投資家がフェイルを容認しないというのはよく言われる表現(さっきの所にもありましたが)ですけれども、「容認しない」という背景には「投資家の方がフェイルをできない」という事情もあるというのを勘案して頂きたいのでありまして、まあ色々とクリアすべき点は他にもたくさんあると思うのですが、ひとつ宜しくお願いしたいものでありまする。

米国と違って日本の場合はカストディー銀行に参加者がぶら下がるのではなく、日銀ネットに数多くの参加者が直接参加しているという仕組みをどうするのよ(とは言え、金利が絶賛低下した時にカストディ銀行の収益が悪化して、本当にカストディ専業って食えるのかよという論点もあるし、普通の投資銀行や商業銀行がカストディ兼業した場合には、そのカストディの経営が悪化したらどうなるのよという話もありますし)とか言うのも有りますわな。うーむ。

まーこの話はまた勉強しますです。


○その他雑談ですが

・モラトリアム法案関連

何がどうなっているのかよー知らんのですが、段々大臣様のトーンが下がっているようで誠に結構。ただまあトーン下がるのは良いのですが、落とし所が「運用で解決しましょう」というのになりますと、今度は誰も返済猶予を頼めなくなる(潰れる気満々なら頼むでしょうが、ゴーイングコンサーンを目指すんだったらよー頼まんでしょ)ような気がするんですけど大丈夫かね。

金融検査マニュアルの基準が緩和という線もあるでしょうけれども、その場合今度はまた政権変わるなり政権の方針が変わって検査マニュアルが厳しくなるとかなったら目も当てられませんというか、当然ながら貸す方としては一番厳しい時に与信基準を置かざるを得ないですから、あんまり意味無いちゅうか、もうちょっと銀行の自由裁量を認めて欲しいもんだと思います(が、そもそも不良債権が絶賛増加する中で自由裁量でやらせてたら全然不良債権処理が進まなかったという過去の悪事例があるのが問題なのですがorz)。


・G4とかIMFでの新興国の発言拡大とか

新聞で斜め読みしただけなんですが、G7が今度G4というどっかの痔の薬のような名前になって(ってネタ古すぎですかそうですか^^)、日本と米国とEUと中国で実施する形になる構想があるという話があったようで。

えーっと、そうなりますとこれはどう見てもアジア代表の地位が日本から中国に交代しますというインプリケーションにしか見えないのでありまして、甚だ遺憾の極みとしか思えないのですが、EUと一緒くた扱いになる英国と共に、島国コンビとしてはちょっと何だかなという感じがするんですが・・・・

また、IMFがどうのこうのというニュースもあって、こちらも何だか残念感漂うニュースに見えますがどうなんでしょうかね。

ということで、とりあえず本日はこんな所で。







2009/10/02

お題「色々と雑談を」

一つ一つ深く突っ込むと結構な話なのですが。

○市場雑談

本当は昨日書かないといかんかったのですが、債券市場はともかくとして、短期方面では早速絶賛期初の買いが到来したでござるの巻となっておりまして、想定はしてましたが、そうあっという間にレート下がるなよと(汗)。

何で昨日だと申しますと、短期国債市場では期初の買い攻撃が何と30日に御到来となりまして、前日に0.155%のレベルで入札をやった(のであたくしが0.15割れでしょとか書いてまた外すというお馴染みのアホウ振りを発揮したのですが)年末越えの3か月物TBは0.145%まで金利が低下しまして、年内物は0.135%となり、こちらはこれまで0.14%が壁だったのにあっさりと壁突破と相成りました。そして昨日も年内物のTBの引けが強くなっておりまして、まー買いで強いのか気配釣り上げているのかは微妙ですけれども、CPレートが低かったりするのを見ると(相変わらずの何でもかんでも官民逆転)、まー運用資金なのか待機資金なのか知りませんが、短期市場ちゃんにお金がうなってますなあという感じであります。

期初の買いなのにナンデ30日に来るのかと申しますと、まあ期末の金繰りなどの着地が見えて来て、約定ベースで期末を跨いでも無問題という人から順に「俺も俺も」とご登場してくるということでしょ。1日にならないと動けない人も居ますので昨日は昨日で強かったですねとなったんでしょう。

まー短期は短期だけに債券みたいにじっくりと動向見ながらタイミングを待つというのも中々難しく、って例えばの話3か月TBでラダーのポート組んでいたらポートのデュレーションって45日位にしか無いのですから、様子見するにも限度というものがある訳でして、金が余っている状況というのはモロに短期には出てきますわなという所でしょう。ああ金余り。


○財務省と日銀の政治センスの違いですかねえ

一昨日でましたブルームバーグの記事に続いて、共同通信なども「日銀はCP買入や社債買入の停止を検討」という記事を昨日出して居るわけですが・・・・・・

えーっとですな、現在実施している一連の臨時措置っていうのは「企業金融支援策」というお題で行っていると存じますが、今まさに金融担当大臣が返済猶予制度だの何だのというものを打ち出して大騒ぎになっている今日この頃のタイミングでわざわざ政治に喧嘩を売るんですかという感じ。おまけに言えば時あたかもCPIが弱くて日銀を叩きやすい環境にあるのですから、わざわざ自分たちでフルボッコにされに行くようなネタを提供するとか、あまりにもアレなセンスで落涙を禁じ得ません。

つーかね、バックストップで今使われていないものだったら別に停止してもしなくても問題無いのですから、タイミングをもっと選ぶというか、「ああそう言えばそんな措置がありましたね」位のタイミングでフェードアウトすればヨロシとあたくしは思うのですけどねえ。

一方、これまた一昨日のネタですけれども、財務省はこんな事を。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/yotei/2110a.htm

『10月9日(金)に予定していた国庫短期証券(2ヶ月程度)の入札は、行わないことにしました』

ということで、補正予算の執行停止に伴い、国庫資金繰りに余裕が出来るので2か月ものの国庫短期証券発行を中止するって話なのでしょうけれども、「補正予算執行停止で財源を作って」っていうような話をしている現内閣に対するいい感じの「お土産」っぽい香りも漂ってくる事案でありまして(^^)、いやまあ別にこれそのものに政治的な意図がある訳ではなくて単にテクニカルな話であると思いますが、そういうテクニカルな物であっても良い見せ方ですよね。

ということで、財務省の政治センスと日銀の政治センスの隔絶振りには、まあ今に始まった話では無いですが、日銀にとって誠に遺憾な状態が続いてますなあという感想を受けたのであります。


○CPレート公表

保振がCPレート公表という事で日銀のレート公表終了でござるの巻。
http://www.boj.or.jp/type/release/nt_cr09/re0910a.htm

で、保振のページではこんなリリースが。
http://www.jasdec.com/news/20091001_02.html

んでまあ公表画面を見るわけですが・・・・・
http://www.jasdec.com/reading/cprate_page.php

アサイチだと9月30日分集計が見れますが、暫くすると今日発表分の数字(=10月1日分集計)が出てきちゃうと思うのでアレなのですが、昨日の数字をベースにしてお話しますと・・・・・

その他金融のa-1という所なんですが、タームストラクチャーがこういう感じになっております。

発行期間1週間以内:0.33%
発行期間2週間:0.19%
発行期間1か月:0.29%
発行期間2か月:0.18%
発行期間3か月:0.18%
発行期間3か月超:0.21%

・・・・・うーむ、当該期間に対応する発行を行った発行体さんのネームによってレートがぶれてしまうのでタームストラクチャーもへったくれもあったもんじゃない数字。何だかなあ感がプンプン漂ってくるのですが・・・・

んでまあしつこく悪態ですが、今般のCPレート公表に関する保振のリリースを読みますと・・・・・
http://www.jasdec.com/download/cp/CPpress20091001.pdf

『当機構は、CP 市場の整備及び透明性の向上に資する観点から、本日より当機構ホームページ上において「短期社債(電子CP)平均発行レート」の公表を開始いたしました。』

えーっと毎度申し上げておりますが、短期社債というのは法律上の建て付けとして「少人数私募発行」を行うものでありまして、従いまして法律上の建て付けとして一部の人たちが相対で取引する世界というものなのでありまして、そーゆーものに関して「透明性」を求めるというのは法令解釈的に変な話じゃないでしょうかと思うのですけど。

透明性透明性言うのでしたら、短期社債(電子CP)の法的な建て付けを再考すべきなのではないかと前々から申し上げている悪態なのでした。


○モラトリアム雑談

いつの間にやら「返済猶予して飛んだら国が金融機関に損失補償」という更に斜め上の話が展開されている今日この頃ですが、もう何だかカオス過ぎて何がなにやら。

えーっとですね、返済猶予した挙げ句に返済不能になったら国が損失補償してくれるのでしたら、当然ながら融資先がお父さんになってくれれば貸出金がめでたく全額回収できてウハウハになるのですから、普通に考えるとそんな制度にしたら時限措置終了直前に融資止めて与信先を破綻させるインセンティブが金融機関に生じちゃうと思う次第でして、貸し渋り対策どころか倒産促進の施策になってしまうのではないでしょうかとおじちゃんは思うのですけれども、何か勘違いしてますでしゅかねえ?????ま、その前に反社会的勢力が借り得でウハウハとか言ってそうですが。

一応「とりあえずビーンボール投げてから落とし所を探る」という事を考えて色々な話をしているのだと信じたい所なのですが、そーゆー腹芸的な物事の進め方っていうのは身内の狭い範囲内で仕事を回す分にはそれでも良いと思いますが、世界に開かれている金融市場という中で斜め上の話を連発されますと、当然ながら日本の金融に対する信認問題とかにまで発展しかねない話ですから、どこぞの大臣様におかれましてはもうちょっと国際的な場を見ていただきたく存じますが、国際会議でも言い出しそうな悪寒が・・・・

何かどこぞの鶴航空(仮称)に関してはどこぞの国土交通大臣が国が全面支援とか言い出してますし、どこがどう財政規律堅持なのか1ミリも理解できない話が続々出てくるのが実に頭の痛いところであります。


○短観は全体感は明るいけど個別内容を見るとイマイチ

という所ではないかと思いますが、上記雑談を書いているうちに毎度お馴染みのギャグ分析をする(というかテキストに落とす)時間がなくなってしまったので詳しくは週明けに。

http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/tk/gaiyo/tka0909.pdf

毎度見ている部分と、資金繰り関連の部分を見まして思ったことを箇条書きしますね。

・前回の先行き予想DIの達成度合い
→今回は見事にまちまちで傾向がないです

・雇用判断DI
→残念な事に前回の先行き予想よりも好転していません

・資金繰り、貸出態度判断
→どう見ても改善していません本当にありがとうございました

・証券業の業況判断
→先行き判断よりもかなりよろしゅうございますな

というかですね、金融機関の業況判断が今回貸金業以外ではそこそこ改善してまして、特に証券と銀行の改善が非製造業大企業の改善幅(前回比+5)を上回っており、金融市場が何となく改善していった流れを反映しているのでしょうなあとか思うのでありましたです、はい。









2009/10/01

お題「期初から雑談で恐縮ですが」

今期もよろしゅうに。

○証券決済期間短縮の方向性は良いのですが・・・・

昨日の続き。

いやまあ新聞記事読んだら2015年とか随分先の話で、何で中間期末の次期に唐突にこのニュースが出るのか普通の発想だとサッパリ判らんという話ですが、一つ超下らない事を妄想したのはアレですよアレ、今年度上期の業務施策として証券決済期間短縮に関する着手を行うとかあったんで期末の駆け込み施策ということで、って書くとナンジャソリャと思う人とニヤリと思う人がいるかと存じますが(苦笑)。

まー証券決済までの期間短縮というのは方向性としてはあるべき姿だというのは全くの正論なのですが、世の中正論だけで通れば全く苦労しない訳でして、実際問題として上場株式の取引以外で全然STP化が進んでいない上に、債券取引なんて特に投資家サイド的にはもう思いっ切りSTPに馴染まないような取引という状態になっている(STP化しようとして却って不便になったとか、現場がぶち切れ状態になったとかいうような残念な話は良く聞くのでありまして)のですがそこをどうしますのよという話とか、T+1決済になりますと債券ディーラーの玉繰りあんど資金繰りがより一層タイトになりますが、実際問題として管理が半自動状態でマンパワーで何とかしている部分が多い中でどうなんですかとか、よーするに既存インフラとのフリクションをもうちょっと考えて頂きたいという話ですな。

ま、今回の唐突振りからすると、どっちかといえば「先にビーンボール投げておいて」って話なのかも知れませんが、例えば東証の債券先物最終決済がT+1になったときに回るんですかねえとか、山のように問題あるでしょと思う次第でして、推進するのは結構なのですが、その辺りも調整して頂きたいもんであります。

あと人と話をしてて指摘されたんですけど、日本で国債決済T+1をやると海外投資家は事実上T+0決済になってしまいますわなという(まあガイジンさんはT+2とかになるんでしょうかね)オチもあるのですな。また証券決済が短縮となりますと、投資信託とかの設定解約のタイミングも短縮という話になるでしょうから、これまたリアルタイムのポジション管理などという思想に基づいていない投資家(や受託銀行)サイドとしてはかなりのマンパワーとシステムへの投資が必要になるのですが、雀の涙しか金利が無い時にそーゆー施策をされましても投資する金が無い訳でして、やるなら政策金利1%になってから実施して下さいお願いしますお願いします。

なお、金利が低い時(量的緩和ね)にもCPの電子化が出来たじゃないかという突っ込みはあろうかと存じますが、あれは印紙税の問題があって電子化するメリットが発行体にあったのと、関係者がほぼ大手銀行だけの世界という事でまあシャーナイですなでやってくれる人であったという点がある訳でして、アレだって金利水準がとても低い時に実施したから手数料体系とかがおかしくなっちゃってシステム投資に全然見合わない水準にせざるを得ない状態になってしまったとかやっぱ問題含みは問題含みだったと思うんですけどね。

今回の証券決済短縮はべき論としてはあるべき話なのですが、それを実行するとなると人手も金も掛かる話で、そんなら別に取引先の与信管理を厳格にすれば良いじゃんという既存のインフラを使った代替案が存在しちゃうだけに、ある程度気合で進めないといけない部分はありますけど、それだけで済むもんじゃないと思いますです、はい。

ところでですね、当然ながら日本銀行様におかれましては、証券決済期間短縮を推進するという事になりますと、フェイル慣行の定着化を率先して推進して頂くことになるのかと存じますが、従来オペ系でフェイルをすると閻魔帳ポイントカードのポイントがついて(って比喩でして、実際はそんなポイントカードはありませんので念の為^^)、ポイントが溜まりますとオペ先選定の際に不利に働くやに伺っておりますが、フェイル慣行を定着させるという観点から致しますと、当然ながら率先してノーチャージ、ノーペナルティーでフェイルおっけーにして頂けるんですよね?と最後に悪態ついてこの話は進行したらまた続く(がまだまだ先の話でしょ)。

ま、証券決済期間短縮そのものはやるべき話だと思いますけどね。


○微妙な記事が

昨日のブルームバーグ独占記事だそうで。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=akiSHesItvDk
日銀がCPと社債買い入れ停止を検討、特別オペは見直しか

一瞬「おお!」と思ったのですが、良く見たら微妙に柔らかい話ですわな。リード部分を引用しますとこうなるのですが。

『9月30日(ブルームバーグ):日本銀行は12月末に期限が来る3つの企業金融支援策のうち、コマーシャルペーパー(CP)と社債の買い入れを年明け以降停止し、企業金融支援特別オペについても見直しを行う可能性が高まっている。10月1日発表の日銀企業短期経済観測調査(短観)をみて、早ければ10月に開く2回の金融政策決定会合のいずれかで判断する。複数の関係者への取材で明らかになった。』

複数の関係者って誰よという感じですが、そもそも論としてバックストップとなっている買入に関しては利用が無いから廃止とかいうのは話としておかしいのでありまして、いやまあ停止するけど必要になったらまた実施するというのなら別に停止でも良いのでしょうけれども、モノの順序としてバックストップを外すのは後でしょと思う次第。何か記事のコメントの中でも「買入が全然利用されていないので止めても意外感なし」みたいなのがあるようですが、金利押し下げをしているのは買入じゃなくて特別オペなのですから、市場環境の改善に対応して臨時措置の内容を見直すというのであれば、どう考えても特別オペの内容手直しが順序として先ではないかと小一時間。

そりゃまあ延長の是非に関して11月の決定会合位までには検討結果を出して結果をアナウンスするわけですから「停止を検討」といのはこれから検討するという意味でウソじゃないですけど、可能性高まってるって微妙な???感が。大体からしてこの前西村副総裁がアルゼンチン中銀コンファランスの講演で『Don’t Underestimate Safety Nets』って話をしてたじゃんと思う次第でして、正直言って買入は利上げするまで残しておいて良いんじゃないですか位のイメージなんですが。

まーよー知らんけどね。


○船頭多くして船山に登る位なら良いのですが

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=axFEMGTw4Xjw
内閣府副大臣:景気下振れリスクも−民間との意見交換会設置

いやまあ景気認識とかはさよですなという感じですけど、民間との意見交換会云々が何と言うか気持ちは判りますし市場を気にして頂くのは市場の片隅でメシを食わせて頂いているドブ鼠のあたくしと致しましては誠にありがたい話ではあるのですが・・・・・

『古川副大臣は、市場との対話を促進するため、民間エコノミストらを招いて意見交換会の場とする「マーケット・アイ・ミィーティング」を設置することを明らかにした。副大臣はその狙いについて「できる限りマーケットとみなさんとの対話を重視してまいりたい。そしてマーケットの声に真摯(しんし)に耳を傾け、マクロ経済政策を実施していきたい」と説明した。』

・・・・えーっとですね、市場なんちゅうものは所詮目先の材料に一喜一憂しながら悲観と楽観のオーバーシュートを繰り返しているものでありまして、マクロ経済政策というようなもうちょっとタイムスパンの長い政策に関してそう一々市場との対話とか気にしなくても良いと思いますし、市場の対話とかを気にしすぎて「自分の尾を追う犬(byブラインダー元FRB副議長)」になっちゃいますと却って市場からの狙い撃ちの良い標的になるだけだと思いますんで、国債管理政策みたいなテクニカル面が大きくて市場動向を見る必要があるものと一緒くたに考えない方が良いと思うんですけどね。

何か決定会合の政府代表に菅副総理が堂々やって来るという話があったり、金融大臣様は色々とお話したり(しかし猶予した結果損失でたら銀行に財政で補填するくらいなら最初から政策金融公庫(元国民金融公庫という意味ね)やら商工組合中央金庫で政策融資すりゃいいじゃないのよと思うのですが)と大変に楽しい状態になっておりまして、よく言えば百家争鳴ですが、どう見ても船頭だらけです本当にありがとうございましたという感じですな。あっはっは。

#と、期初は雑談大会でした