トップページに戻る
月別インデックスに戻る

(各日付の最初にラベルを「130801」というような形式でつけていますので「URL+#日付(6桁表示)」で該当日の駄文に直リンできます)


2013/08/30

お題「各種雑談メモ/岩田副総裁の講演を色々とつついてみるの巻」

東京の今日の予想最高気温がさんじゅうろくどですと・・・・・・・・(白目)

#師匠の高座ネタのせいで森本さんの講演ネタができませんでしたすいませんすいません

○債務管理レポートが出ましたよ(と言ってもただのメモ)

http://www.mof.go.jp/jgbs/publication/debt_management_report/index2013.html
債務管理レポート2013 −国の債務管理と公的債務の現状−

一括ダウンロードすると物凄い量になりますので、部分部分をちょこちょこ読んで行くのが吉。今年は例年よりも微妙に出るのが遅かったような気がするわと思ったら今朝のニュースを見て何となくそういうことかと思ったのは陰謀脳ですかそうですか。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130830/t10014147731000.html
来年度予算案 概算要求は99兆円台に
8月30日 4時23分

・・・・・・・・まあ何ですな、出る方がこの有様なのに「消費税増税がー」とか言って有識者会議とやらを大々的にやっているバヤイでは無いという気がしますがねえと思うのですが、さてはこの概算要求期限に債務管理レポートをぶつけて来たなとかそういう事を考えるのは楽しいのですが、あまりやっていると何でも陰謀で処理する陰謀脳になるので注意しましょう(^^)。

まあ折角出たのでメモメモということですな、うんうん。


○2年国債入札結果発表遅延とな

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2013/resul037.htm
入札結果発表時刻の遅延について

『本日の2年利付国債(第332回債)入札については、入札事務トラブルの発生により、入札結果の発表が当初予定している12時45分から遅延します。発表時刻は、改めて連絡します。』

でまあ実際は30分遅延したのですけれども、同日に実施された短国の入札結果発表は普通に進行していまして、何か以前2年の入札結果が遅延した時も短国の方は無事に行われていて、同じプラットフォームを使っているような気がする(違うのかも知れんが札入れサイド的には同じに見えるのだが)のになぜこうなるしと思いつつ、来月は祝日2発ある上に3/9月利払い銘柄の振替停止期間が入るので輪番と国債入札が物凄く忙しくなると存じますので事務は無事に回って頂きたい物だと存じます。

でまあその2年入札は市場推計によりますとどこぞの業者さんがドカンと落札しておられたとの由ですが、まー足元では短期の所に銭が唸っておられますので2年とかキャッシュ潰しのニーズあるでしょうなあと思いますし、9月20日の大量償還分が来た時にとりあえず2年とか潰しの金が入ってきそうですし、まあニーズあるんじゃろうなあという感じではございますの。よー知らんけどな。

#なお、全然関係ありませんが、今週の頭に「どうもこう盛り上がらなくていかん相場ですなあ」などと雑感を申し上げたら直近で10年が久々に高値面合わせから上昇となったのは何の北ハマー先生状態なのかとorzorzなこのあたくし


○やっぱり岩田副総裁の講演が色々とアレな件についての続き

昨日は我ながら消化不良気味でしたが、もうちょっとつついてみることにしましょう。

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko130828a1.pdf
「量的・質的金融緩和」のトランスミッション・メカニズム── 「第一の矢」の考え方 ──


・波及メカニズムのそもそもの起点の説明が微妙にも程がある件について

QQEの説明部分はまあほうほうと読み流してしまうのですけれども、一応最初でこういう話をしておりますので引用。本文4ページ(ファイルで5枚目)から。

『第1のポイントは、消費者物価の前年比上昇率2%という「物価安定の目標」を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現するということを、日本銀行がはっきりと約束したうえで、そのための具体的な行動として、これまでとは次元の違う金融緩和、すなわち「量的・質的金融緩和」を進めていることです(3枚目)。金融緩和政策が実際に効果を発揮するためには、2%という物価安定の目標を中央銀行が責任をもって達成するのだという強い意思表示、すなわち「コミットメント」と、それを裏打ちする具体的な行動を伴っていることが何より重要です。』

『中央銀行がインフレ目標の達成にコミットし、その実現を目指して思い切った金融緩和政策を実施することによって、人々の期待がデフレ予想からインフレ予想に変わり、行動が変わり、経済全体の動きが変わってきます。このことが、政策効果実現の大きな鍵を握っています。』

という説明は一見するとご尤もなのですが、良く良く考えてみると波及メカニズムの図表(昨日も申し上げましたが上記URLの22枚目にある図6になります)を見ますと、まずインフレ目標を設定してQQEを実施すると予想インフレ率が上昇するというのが所与になっているように見えますし、こちらの説明でも「思い切った金融緩和策を実施すると期待が変化する」というのが所与になっているように見えます罠。

しかしですよ、その前に「コミットメントとそれを裏打ちする具体的な行動」という話をしているのですが、そもそもその具体的な行動によってどのような経路を経て人々のインフレ期待に影響を及ぼすのか、という事に関しての説明がこの講演では示されておりませんで、インフレ期待が発生して予想インフレ率が上昇するのが所与になっていて、その予想インフレ率が上昇することによって色々な波及効果が出てくるという話になっているのがもう何だかねという所です。

つまり、師匠の説明の場合は最初のインフレ期待の変化が所与扱いになっているという訳でして、中央銀行がインフレ目標でございと言って数値を設定して政策を実施すればインフレ期待がそこにアンカーされますよとか随分とめでてえ話であって、各国の中央銀行が常にインフレ期待がアンカーされているかどうかという事を金融政策運営上重視しているというのは無駄な努力なんでちゅかねえとか思うのですが。

つーても良く考えたら師匠の場合は以前このような話をしておられましたので、MB増やせば自動的にインフレ期待が上昇するんですねわかります。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL040PK_U3A300C1000000/
岩田規久男氏「期待実質金利の低下が円安・株高の要因に」
2013/3/4 17:44

『「多くの人が抱くデフレ予想をインフレ予想に変えなければ、デフレ脱却はできない」と指摘。「金融政策だけがデフレ予想をインフレ予想に変えられる」と強調し、日銀の金融政策の転換が必要との考えを示した。その際に市場がみているのは日銀の当座預金やマネタリーベース(資金供給量)との考えを示し、「当座預金残高が10%増えると、予想インフレ率は0.44ポイント上がる」とし、マネーの供給拡大が必要との考えを説いた。』(上記URLより)

当座預金残高幾らでしたっけねえ(棒読み)。


ちなみに、具体的な波及経路の説明部分が本文7ページからになるのですけれども、そこでもやはり・・・・・・

『こうした二つの柱、つまりインフレ目標の設定とそれに向けた大胆な金融緩和を行うことにより、世の中の人々が予想する将来の物価の動き、つまり予想インフレ率が上昇します。そうすると、物価の上昇を織り込んだ将来の実質的な金利負担、つまり予想実質金利が低下することになります。』

とありまして、どう見ても所与です本当にカムサハムニダとしか申し上げようがない説明となっているのが実にチャーミングとしか申し上げようが無い訳ですよ。

でまあそこを起点にしてああなるこうなるという話を桶屋が儲かる理論で説明している訳ですが、そもそもそのインフレ期待を飴細工のようにホイホイいじる事が出来るのであれば先程も申し上げましたようにどこの中央銀行も苦労しない話でありまして、そうじゃなくて金融緩和効果によって起きる具体的な事象によってインフレ期待に対してなんらかの効果を与えることができますよねという話ではないかと思うのですが、どうもこの先生、相関関係と因果関係をごっちゃにして説明するのが得意のようで、いやそれって鶏が先か卵が先かよく判らないんじゃネーノという話もバッサバッサと自分の理論に合う方向の因果関係に話を帰着させちゃうから、話をぼーっと聞いていたりする分には何となくそうかなと思ってしまうという感じなんじゃネーノと思ったりするのでございまする。


・実質金利が下がるとこんないい事がありますのオンパレードを鑑賞

本文9ページの冒頭から。

『このように、予想インフレ率の上昇を通じて予想実質金利の低下を促すことが、様々な経路を通じて需要の増加につながっていきます。』

ほほう。

『まず、予想実質金利が低下すると、資金調達の実質的なコストが下がるわけですから、設備投資や住宅投資が刺激され、増加します。』

とあっさり説明しているのですが、確かに資金調達の実質的なコストが下がる事は借入を行って投資をするインセンティブを高めますが、そもそも論として設備投資を行うには資本投下して装備した設備によって収益が向上しないと何の意味も無い訳でありまして、一面として実質コストが下がるというのは重要ですけれども、収益期待というか成長期待が無かったら更新需要以上の設備投資需要が出てくるんでしょうかという話になりますし、住宅投資ったって将来の収入に対して不安があるとか、どう見ても全然給与がアガランチ会長という状態でよーしパパ物価が上昇しそうだから借金して住宅買っちゃうぞーとはならんだろ常識的に考えてと思うのですが。

つーかですね、その前の方での説明で日本経済の現状ということで(昨日引用した部分になります、本文3ページ図表の2枚目(PDFの18枚目))説明している部分で・・・・・・・

『一旦デフレと需要縮小の悪循環に陥った経済を立て直すには、大胆な金融政策、すなわち「第一の矢」によって物価の継続的な下落に歯止めをかけ、デフレによって減少した需要を本来あるべきレベルに回復させることが有効であり、また必要でもあります。これが、現在日本銀行が進めている金融緩和の背景にある考えであり、また私が研究者として長年主張してきたことでもあります。』

という話をしていて、日本経済の現状について大幅な供給能力の過剰状態にあるという認識になっているのに、予想実質金利低下如きで何で設備投資が刺激されるのかをもう少し詳しく説明して頂きたいと思う訳ですよいやマジで。

つーことでですね、まあ部分部分での説明は何となくほほうと思ってしまうのですけれども、このテキスト読んでいて違和感持つのって結局の所この「全体としての話の整合性」と「因果関係と相関関係をごっちゃにした説明」であって、ついでに言えば黒田総裁の先日の講演と話が違うじゃないかというような部分(昨日引用した潜在成長率引き上げに関する説明部分ですが、他にもあるのよね)だったりする訳ですよね〜。

『次に、予想実質金利の低下は、株式や住宅・土地などの資産価格の上昇要因でもあります。手持ち資産の価格が上昇した方々は、以前よりも気前よくお金を使い、消費を増やす傾向があります。これを資産効果と呼んでいます。また、株価や地価が上昇すると、家計や企業の財務状況が改善しますので、銀行などから資金が借りやすくなり、企業の設備投資や家計の住宅投資も増える傾向があります。』

そもそも予想実質金利が低下すると資産価格が上がるのかというのが????なのですが財務状況が改善したからと言って設備投資や住宅投資が増えるかというとそれはそう単純な物じゃないでしょという話は先ほども申し上げた通りですわな。

でまあ資産効果が消費に効くのはそらまあそうでしょうけれども、経済に有意な刺激を与えるような資産効果って事になるとそれなりに顕著な資産価格の上昇、つまり経済の成長力などを大きく上回るような上昇が必要になるんじゃネーノと思うのですけれども(違ってたらスイマセン)、それってつまり一発的な効果はあるでしょうけれども、どう見たってサステイナブルな話じゃない罠と存じますが・・・・・・・・・・・・(長期間継続したらそれは資産バブルじゃろ)


『さらに、円の実質金利が外国の実質金利に比べて相対的に低くなると、為替は円安方向に動きやすくなります。円高が修正されることは、輸出を押し上げる要因となりますし、企業収益の増加を通じて設備投資を増加させる要因にもなります。京都のような観光地では、円安による外国人観光客の増加も期待できます。加えて、皆さんが外貨建てで持っている資産の円建て価格が上昇しますので、資産効果により消費を増加させる要因にもなります。』

輸入の方の話をしてねえわと思いますし、そもそも実質金利なの??とかまあ色々と?????な部分があるのですが、確かにまあこのような話が全部所与でしたらバラ色の展開という図表が見えますわなあと感心した次第です。


・結局何でインフレ期待が上昇するのかの話がワカランチ会長のままでした

でまあこのようなバラ色トークは更に続くのですが、結論部分をば。

『また、このプロセスの最初の段階では、皆さんが物価上昇を予想することが重要な鍵を握っていると申し上げましたが、そうしたプロセスの過程で需要が増加して、実際に物価が2%という「物価安定の目標」に向けて上昇し始めると、そのことが、将来の安定的な物価上昇に対する予想をさらに強め、それがまた予想実質金利を低位で安定させることにつながります。』

いやだから需要が増加するのには師匠の理屈だと物価上昇予想が高まることによって発生するという話なのですから、そもそもの話のスタート時点で循環論法をしてどないしますねんと思うのですけれどもねえ。

『このように、これまでデフレと需要縮小の悪循環に陥っていた日本経済は、緩やかで安定的な物価上昇と需要の拡大という好循環に向けて、いままさに舵を切ったところであると言えるでしょう。』

まあコストプッシュで物価は上昇してますけどね。

『「人々の期待に働きかける」という私の説明を聞いて、おまじないのような話だと思われた方もいらっしゃるかも知れません。しかし、金融政策というのは本来、「人々の期待に働きかけること」を通じてその効果を発揮するものなのです。』

えーっと岩菊先生って貨幣数量説での説明じゃなかったでしたっけというか3月も直線番長よろしく当座預金残高10%引き上げで期待インフレ率が0.14%(訂正追記:上の記事にあるように0.44%でしたね!あまりにも実態と違うからつい数字間違えちゃいましたよ!!!)上昇って言ってましたのに、いつの間にかこちらがメインに??いやまあどうでもいいですが。

『過去15年近く続くデフレの中で定着してしまったデフレ予想を「緩やかで安定的なインフレの方向」に変えていくことが、私たちが現在取り組んでいる金融緩和政策の、最も重要なポイントだというのが私の考えです。』

まあ期待を何らかの気合のようなもので変化させようというのに対して頭から否定する気はこのアタクシも毛頭ございませんが、しかしながら結局の所「具体的にどのような経路でインフレ期待が上昇することになるのか」という点については説明がトートロジーの域を1ミリも出ていない訳でして、これがまあ円安修正で輸入価格の上昇を起点にするとか、資産価格の上昇によって消費を刺激して企業の価格設定行動に変化を生じさせるとか、そんな話でもあるのならまだ判るのですが、師匠の話だと結局の所「インフレ期待が上昇するから上昇するんです」という話をしているだけにしか見えないのでしてもう何だかねという所ですなあと思った次第でありまする。


・因果関係と相関関係

でまあ波及経路の説明をしている図表もあるんですけどね。

『(3)予想実質金利の低下⇒ 設備投資の増加』ってのと『(4)予想実質金利の低下⇒ 資産価格の上昇』『(5)資産価格の上昇⇒ 設備投資の増加』ってのが時系列で出ているのが図表9から11(PDFファイルで25枚目から27枚目)になるんですけれども、そもそもが単にプロットしているのに怪しげな丸を書いてあるだけとか、予想実質金利の数値が『10年物国債金利−最長期間BEI』ってもしもしあの物価連動国債ってここ5年ほど新発債出てないんですけどとかいう所で誠にアレ。

まあそれは兎も角としましても、そもそもが予想実質金利と設備投資の間に相関があるからと言って因果関係があるのかどうかってまた別問題でしょと思う訳でして、例えばこの図だけの説明だと⇒を逆にしたって同じことになる訳でして、そこの因果関係についての説明が先ほど引用したように何か随分と雑な中でこの説明って何なんでしょうねという所で。

でまあそういう因果関係と相関関係の考察がアレだから先ほど引用したように「当座預金残高が10%増えると予想物価上昇率が0.14%(訂正追記:上の記事にあるように0.44%でしたね!あまりにも実態と違うからつい数字間違えちゃいましたよ!!!)上昇する(キリッ)」って話になるんでしょうなあとしか申し上げようが無いのでございますが、とりあえずあたくし頭が悪くて良くワカランチ会長ではございます。


・纏めの部分から少々

最後の部分で本文13ページ目(PDFの14枚目)を鑑賞。

『「量的・質的金融緩和」は、まず、人々、とくに、資産市場における投資家の予想インフレ率を引き上げることにより、予想実質金利の低下をもたらします。』

QQEの後結局BEIは行ってこいですけどね!

『この予想実質金利の低下が国債や株式や外国為替といった資産市場の市場価格の変化を引き起こします。こうした資産価格の変化は、投資家が投資資産の構成を変えるだけで生じますから、「量的・質的金融緩和」実施後、ただちに始まります。』

ただちに始まったけど以下同文。

『一方、こうした資産価格の変化が、消費や実物資産投資――すなわち、設備投資と住宅投資―――および輸出などの総需要を増やし、その総需要の増加が生産と雇用の増加をもたらす、といった、実体経済の変化を引き起こすまでには時間がかかります。』

あっそう。

『それは、企業や家計や外国の企業が、資産市場で起きている変化が短期的な現象なのか、それとも長期的な変化なのかを見極めてから、企業であれば、設備投資を増やすかどうか、家計であれば、消費を増やすかどうか、あるいは住宅投資に踏み切るべきかどうか、外国企業であれば、日本からの輸入を増やすかどうか、といったことを決めようとするからです。』

QQE実施によってインフレ期待が上昇して、インフレ期待が上昇したらホイホイと効果が出るような話をつい今しがたまでしておられたような気がしますが??????

『現在、「量的・質的金融緩和」が始まってからまだ5ヶ月しかたっておりません。』

あと1年7か月「しか」ございませんけど。

『モノやサービスに対する需要と雇用が増え、その結果、物価と賃金が本格的にかつ安定的に上がり始めるまでには、もう少し時間がかかります。しかし、時間はかかるものの、現在の「量的・質的金融緩和」を粘り強く続ける限り、かならず、実体経済も良くなり、物価と賃金はともに上昇し、多くの人の所得は増えるはずです。』

信じる者は救われるとの事ですが、2年で達成と大口を叩いているのですからタイムスケジュールマダー(・∀・)っ/凵⌒☆

『現在はまだ「量的・質的金融緩和」の入口に入ったばかりです。したがって、皆さんには、「最近、物価が上がったのは、円安でエネルギー価格が上がったからにすぎない、悪い物価上昇だ」とか「まだ賃金が上がらない」と言って、「量的・質的金融緩和」の効果に失望されることなく、今しばらく、「量的・質的金融緩和」の効果を見守っていただきたいと思います。』

これは昨日の再掲でありまする。


・ところでこれは・・・・・・・・

ロイターの記事から。

http://jp.reuters.com/article/idJPL4N0GT1IB20130828?sp=true
UPDATE 1-物価目標2%達成しても、賃金・生活改善なければ失敗=岩田日銀副総裁
2013年 08月 28日 17:06 JST

昨日も引用しましたがアップデートされていました。

『金融政策が実体経済に波及するには「株価の上昇と円安が必要」と指摘し、波及するには「半年から1年半かかる」との見通しを述べ、アベノミクスが実体経済に好影響を与えていないとの見方をけん制した。』(上記URLより、以下同様)

んーっとですね、円安が必要というのは多分それ国際的なお約束違反発言になると思うので、まあこのニュースが英訳されていない事を祈りたいと思います。つーか黒田総裁はあくまでも為替操作はしていませんと主張している訳で、こういう所で師匠が不用意に「円安が必要」とか言い出しちゃうとか閣内(?)の意志統一大丈夫かと心配になってしまいますよ。

『実体経済に効果が波及するまでの間は「財政政策による需要の下支えが重要」とも指摘。安倍晋三政権が「第3の矢」として進める成長戦略は、一時的に過剰な供給力を作り出すと指摘し、「金融緩和で需要を創出することで、潜在成長力を引き上げることができる」と述べた。』

えーっとですね、師匠講演の方では潜在成長力の引き上げは成長戦略で実施するって説明しているのに何でここでは金融政策で潜在成長力を引き上げるって話になってるんですか?????


更にロイターの記事から。
http://jp.reuters.com/article/idJPTYE97R07B20130828
岩田日銀副総裁、物価2%超えて上昇なら国債買わないと明言
2013年 08月 28日 19:55 JST

まあ買わないと明言するのはインフレ目標の趣旨からしてそうなんですけどね。

『大胆な金融緩和は戦前の軍事調達のための国債発行同様にハイパーインフレを招かないかと出席者から質問された同副総裁は「終戦直後は戦争で生産力がなくなったため人々が少ない物を買おうとして猛烈なインフレが起こった。今は生産能力はあるが需要がない状況。高いインフレになる確率は少ない」と説明した。』(上記URLより、以下同様)

まあやはりこういう懸念ってご年配の方程経験値あるいは親から聞いたとかの体感があるから持つ罠と思います。

『それを踏まえて「物価が2%を超え、3%、4%と中期的に上昇していくような場合には、政府の財政規律が緩んで『どんどん国債を買ってくれ』と言われても日銀は買いません」と言い切った。』

キタコレ!

『「戦前は軍の言いなりで国債を買わざるをえなかったが、今の日銀は独立しておりそういう状況でない」と付け加えた。』

えーっとあのそのそもそも貴殿が日銀副総裁に就任した時の経緯ってとか、貴殿が日銀入りする前には国債の引受しろだの日銀法改正しろだの散々仰せで、日銀の独立性は手段の独立であって目的は政府が決めるとのロジックだった(のでその理屈だと政府が財政に協力せよと命じたら従うという話だ罠)と思うのですが、説明に都合の良い時だけ急に独立して云々というのが出てくるその豪気さに痺れるのでございましたとさ。まあどうでもいいですけど。


#ということで、森本審議委員講演の話が出来ませんで誠に申し訳ございません


2013/08/29

お題「木久扇師匠の高座岩田副総裁の講演キタコレ/その他少々」

政策委員会の皆様におかれましては、普通の場合デビュー戦の講演というのは「金融経済懇談会」というものであって、それには記者会見コーナーというものもございまして、ついでに会見要旨もアップされる、という種類のものになる筈なのですが、はてさて何故師匠におかれましては質疑応答なし(と思ったらさすがに講演参加者ただし記者以外の方からの質問はお受けしていたようでございますな)のデビュー戦になったのでしょうかねえ(棒読み)。

という話の前に少々別件バウアーな雑談でも。

○各種雑談メモコーナー

・浜田先生ェ・・・・・・・・・・・・・・

昨日は木久扇師匠マダー(・∀・)っ/凵⌒☆っと思いつつニュースヘッドラインなどを眺めておりましたが、その前に顎が盛大に外れそうになったニュースが出ておりましてですなあ・・・・・・・・・

http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013082801000996.html
浜田氏「1年延期後は増税決行」 景気にかかわらず
2013/08/28 10:47 【共同通信】

『消費税増税の1年延期を主張している内閣官房参与の浜田・米エール大名誉教授は28日のテレビ番組で、1年後の対応について「(その時点で)景気が上向いていなくても、断固として決行する」と述べ、1年延期後は景気動向にかかわらず増税に踏み切るべきだとの考えを示した。』(上記URLより、以下同様)

これ共同が報じていたので地方紙があっと言う間にリファーしてネットで見ると地方紙のサイトの殆どで報じられていましたな。

『浜田氏は「優柔不断さが日本経済に多少のもやもやを及ぼし、債券市場にも影響している」との認識を示し、増税の際は、法人税率も含む税制見直しなど「消費税の悪影響を中和するような政策が必要だ」と強調。「税制の構造改革で、消費増税でも日本経済がものともしないような体質に変わっていくことに期待したい」と語った。』

・・・・・・・・・・そもそも消費税増税の延期論というのは「折角回復しだしている景気に悪影響を与える」から打ち出された話だと理解していたのですが、1年先送りしてその後は「景気が上向いて無くても断固として決行する」って従来の増税慎重ロジックとの整合性があたくしのような浅学菲才で下賤の者には全くもって理解致しかねる訳で、それこそが「優柔不断」というものではないのか等とあたしゃ思ってしまうのですが、どういうロジックでそういう話になるのか難しすぎですぞな。なお、今回先送りが決まって何か悪影響が出た時にそもそもの言いだしっぺとして糾弾されるリスクに気が付いたので急に日和ったなんてそんな事は全く無いと存じますので念のため申し添えます(棒)。

ちなみに、技術的に見て難しいというのと、小刻みの場合増税部分の価格転嫁をするのに対して流通における中間業者や製造における下請企業などのような弱い立場の人たちが価格転嫁しにくくて結果的に増税分を幾分(下手したら全部)被る破目になりかねないという問題があるので現実論としては難しいのですが、まあ1%ずつ小刻み増税というのも継続的な(ただの名目であって実質の話では無いにせよ)物価上昇を政策的に演出できるかもしれないという意味ではお話としての可能性はありますし、増税した側から大規模財政打ったらそもそも何のために増税しているのか意味ないだろという浜田参与の指摘(火曜日の経済財政諮問会議分室での提出資料でも指摘されておられます)もご尤もではあるのですけれどもという話でも雑談の続きでしようかと思った矢先にこの奥の深すぎる発言にシビレ節になってしまいますたという事で。


・輪番ェ・・・・・・・・・・・・

昨日の輪番もちと話題になっていましたが。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of130828.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,500 2013年8月30日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,500 2013年8月30日
国債買入(残存期間10年超) 2,000 2013年8月30日

超長期の買入に関しては毎度おなじみの入札があった翌営業日に入札のあったゾーンを含む輪番実施(それは財政ファイナンスに随分近いですねえなどというツッコミを大人の皆様はしてはいけませんぞ^^)というのでいつもの話なのですが、昨日えーという感じだったのは中短期の買いが入った事ですな。

2年国債入札前なのでそこで買うかよというのがあるのと、あと1回輪番日程があると思われるので、明日輪番が有ると思われるのですが、その際に長期債の買入が入るというのはそれどう見てもインデックス長期化対応の売買と競合するんですけど(長期化対応で短い所に売りが出るので中短期の買いを入れた方が一般的に想定される投資家のオーダーフローと競合しないと思われる)何ですかこの嫌がらせはという事で話題に。

この前の輪番では急に長期の買入を事前アナウンスの下限を切ってオファーしてきたので、もしかしたら月末の輪番で長期買わないのじゃないかという観測も出たりして、何かここへ来て輪番のパターンが微妙に読みにくくなっているようですにゃ、うんうん。

最近の債券市場はもうすっかり現物債の投資家アクティビティーが下がって(今のレンジをどっちかに抜けたらアクティビティー上がるかもしれませんが、株もそうだけど)板がスッカスカとなっておられますので、輪番の市場での存在感がアホのように高まってしまっておりまして、そーゆー意味では輪番の予見可能性が微妙に下がるようなオペの打ち方をすると債券市場の価格形成にも何らかの影響を与えるのじゃないかね、とか何とか思いつつ輪番の精密予想しないといけないのかねとか思う今日この頃なのでありました。



○木久扇師匠の高座ですよ皆さん!!!

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko130828a1.pdf
「量的・質的金融緩和」のトランスミッション・メカニズム── 「第一の矢」の考え方 ──
京都商工会議所における講演


師匠の高座なのですが、通常政策委員の皆様におかれましてはデビュー戦は「金融経済懇談会」となる(総裁は別ですけど)というのが仕様というのは先ほども申し上げた通りですが、今回の講演は「京都商工会議所における講演」ということで、メディアは聴くのはおっけーだが質問は不可みたいな仕切りだったようですけど、質疑応答自体はあったので正直その内容のアップをお願いしたいのですがまあ多分やらないだろうなあと思うのでありました。

しかしまあ色々とツッコミ所があって大変に面白い高座もとい講演だった訳ですけれども・・・・・・


・えーっとあれインフレ目標行ったらすべてがハッピーだったのではなかったんでしたっけ?????

のっけから講演じゃなくて質疑応答の方をネタにしますけれども(^^)。

#これ日銀が質疑応答要旨を出してくれない場合は共同でも時事でもブルームバーグでもロイターでも良いので一問一答形式で詳しくネット版にアップして頂けると全力でネタにできるんですけどねえ・・・・・

ロイターの記事から
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97R05Y20130828
物価目標2%達成でも賃金・生活改善なければ失敗=岩田日銀副総裁
2013年 08月 28日 17:11 JST

『[京都 28日 ロイター] - 日銀の岩田規久男副総裁は28日京都市内で講演し、物価上昇率2%の目標を達成した際に「賃金や設備投資が増えて人々の生活が改善していなければ、政策は成功でない」と述べ、家計の所得や企業の設備投資がそれぞれ増え経済に好循環メカニズムが働く姿を目指す重要性をあらためて強調した。』(上記URLより)

・・・・・・・・・・・えーっと、インフレ目標2%達成で世の中ハッピーになるって宣伝してたの岩菊先生たちだった筈なのですが、何でまた急にこういう話になるんですか従来までの話はどこに行かれたのですかと思うのですけれども、いつの間に宗旨替えしとるんじゃこの師匠はというか、きっとこれは日銀のインボーで中の人が笑福亭鶴光師匠に入れ替わっているんですよ!!!!(超大嘘)

ま、従来はそういう現実的な問題を全く斟酌しないで金融政策を論じておられたけれども、実際に政策を行う立場になってみて初めて気が付いた、などという事では無いと存じますので、これはきっとロイター辺りの報道が岩田副総裁の発言の真意を取り違えているということではないかと存じます(棒読み)って言いつつ他のベンダーも同じようなリファーをしていた気がしますがね。


さてまあそんな事はともかくとして、師匠の能書きを拝読すると致しましょう・・・・・と言いつつこの師匠の説明がこれがまた実はちょっと読んだだけだと微妙にツッコんで良いのやら良くないのやらがワカランチ会長な部分があって、今日とりあえず一通りツッコムのですが、数回再読したり発言の詳報を見たりしながらツッコミどころを追加するかもしれません(^^)。


・どうでも良いが京都で掴みに「東京遷都」を出すのはどうかと

折角の関西での講演なので掴みは「わんばんこ」とかそういうネタで入るという訳には逝かないですかそうですか(当たり前)。

『京都商工会議所は、明治15年(1882年)に創立され、昨年130周年を迎えたそうですが、日本銀行も同じ年に開業しましたので、京都商工会議所と同じ年齢を重ねていることになります。当時京都は、東京遷都によって失われていた活力を取り戻そうと、事業家たちが発電事業や博覧会などの先駆的事業や商工会議所の設立に取り組んでいたと聞いています。一方、当時全国的には、西南戦争後に大量に発行された政府紙幣を回収するために、中央銀行の設立が求められていました。』(以下断りが無い場合は最初に出した講演テキストより引用)

・・・・・・・んーっとですね、遷都に関する詔が最後に出たのは桓武天皇による平城京から平安京への遷都でして、東京遷都というのは厳密にいうとややこしい話(事実上で言えばどう見ても遷都状態ではあると思いますけど)で微妙みたいなのですが、あたくしは何せ東夷なもんで「由緒ある京都人は帝が現在一時的に東京に出張しているだけと認識している」というネタが都市伝説なのかマジなのか存じませんのでアレなのですが、京都商工会議所という所で微妙な表現を使うのってどうなのよとか思っちゃいましたが単に都市伝説に釣られているだけですかそうですか(^^)。

Wikipediaで恐縮ですが
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%A5%A0%E9%83%BD
東京奠都

http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/iten/onlinelecture/lec16.html
首都機能移転問題と「東京遷都」

#「遷都やなんて関東のイナカモンはこれだから困りますなあ(ヒソヒソ)」などと言われてませんように^^;


とまあそんな話はどうでも良いのですが、2ページ目辺りから早速ツッコミどころが発生するのでございます。


・閣内(?)不一致キタコレ!!

最初に第一の矢から第三の矢までの説明があるのですけど、その役割分担に関して師匠はこのようにご説明になられています。

『「第一の矢」である金融政策や「第二の矢」である財政政策は、経済全体の需要を拡大することで、わが国の経済を本来あるべき成長軌道――これを「潜在成長軌道」といいます――に復帰させることを目的としていますが、「第三の矢」である成長戦略は、潜在成長軌道そのものを引き上げる、つまりわが国の経済が成長していく「伸び代」自体を拡大することを目的としています。』

・・・・・・・・・・・・・・・・えーっとですな、ほんの4日ほど前のジャクソンホールでの黒田総裁の講演ではQQEによって「自然利子率の上昇」を図るという説明をしておりまして、それは即ち「第一の矢である金融政策によって潜在成長率を高めます、その為に成長基盤オペなどが用意されています」という説明だったのですが、岩田副総裁様におかれましては黒田総裁の直近の説明と整合性が取れない(まあ岩田さんの説明の方が普通だと思いますが・・・・・・^^)とはこれはまた如何なることなのか実にこう????????∫dxという所でございます。

まあ岩田さんの方が普通の説明なのでどちらかというとジャクソンホール講演の方について「この原稿を作ったのは誰だあ(ガラッ)」と海原雄山状態になるのが正しいような気もしますけど、いずれにせよつい直近の総裁の説明と副総裁の説明がずれているのはどういう事ですかと存じます、はい。


・デフレスパイラルだったのか!!!!

そのちょっと先で3ページ目の説明から。

『ご覧のように、現在のわが国経済は、点線で示された潜在成長軌道、すなわち本来あるべき成長軌道よりも低い位置にあります。これは、継続的な物価の下落、すなわちデフレの状態が続いてきたことによって、経済全体の需要が落ち込み、それがさらなる物価の下落を招くという、悪循環に陥っていることが原因となっています。』

デフレスパイラルだったんですかそうですか・・・・・・・・・・


・改めて閣内?不一致を確認

でまあその3ページ目の説明の最後の所ですけど改めて説明しているので更に引用。

『さて、さきほど申し上げたように、「第一の矢」である金融政策の効果が本格的に表れるには、ある程度の時間が必要です。このため、政策発動当初は「第二の矢」である財政政策の効果が先に表れ、そこに重なるように金融政策の効果が強まってくることで、実線で示した経済の成長軌道が、点線で示した本来の軌道に近づいていくことになります。』

『一方、先ほど述べた「第三の矢」、すなわち成長戦略は、点線で示した潜在成長軌道そのものを引き上げる役割を担っています。言い換えると、金融政策や財政政策は、わが国経済の一時的な体力低下を、本来の元気な状態まで戻すための政策であるのに対し、成長戦略は、元気な状態で発揮される「地力」そのものを引き上げるための政策です。日本経済が長期的に発展し続けるためには、この成長戦略の成功が望まれます。』

この点線だの実線だのというのは図表の2枚目(上記PDFだと18ページ目になります)にあるのですが、これですとつまりは潜在成長率を引き上げて潜在成長軌道をシフトアップするのは第三の矢だという事になりますなあというのを思いっきり図でも示していて黒田総裁涙目ということですねわかります。


・メカニズムの説明が正直訳判らない件について

でまあその次にQQEに関する説明があって、何かそこの説明も微妙にアレなのですが、どこをどう突っ込んで良いのかを思いつくのに少々時間が掛かるので明日続きをやる(ちなみに今日は森本審議委員の講演(岩手での金懇)があるからそのネタも投下しないといけないのだが)としてQQEの波及メカニズムがもう良く判らない件について。

本文7ページ(PDFで8枚目)の『4.「量的・質的金融緩和」の波及経路』なんですけどね。

『ここからは、金融緩和政策が実体経済に影響を及ぼしていく、その波及経路について、私の考えをご説明したいと思います。はじめにチャート図をご覧ください(6枚目)。やや細かい図になっていますが、これが金融緩和政策の波及経路の主な部分を説明した全体像になっています。順を追って説明させて頂きますので、しばらく辛抱してお付き合い下さい。』

ということで何で辛抱しないかといけないかと言いますと、そのチャート図というのが図表の6枚目(PDFだと22枚目)にあるのですが、この図が正直何じゃそらな説明になっておりまして、もう何だかこう盛大にツッコミたいのですが、とりあえずこれ余りにも盛大なチャートなのでツッコミの内容を考えるだけでも中々大変という代物になっております。

まあ図を一見して「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉が真っ先に浮かんでしまったのは気のせいということで勘弁なのですが、なんかもう説明が物凄く部分部分はそうかも知れんがそれ全体として整合性はどうよというのと、それに加えて個別の説明でも怪しげな部分があって盛大にツッコミたいのですが、実はまだ全部纏まっていなくてあまり美しくないのでこのツッコミも明日行う(単に時間が無いというのとこの先にもっと面白いツッコミどころがあるのでとりあえず駆け足モードというのがあるのですがががが)としまして、皆様におかれましては上記のチャート図をぜひともじっくりとご鑑賞されることを全力で推奨させていただきたいと存じます。


・グラフの解釈が超越手前味噌な件について

実際にQQEがこんな効果を出しましたという話をしている部分も盛大にツッコミどころがあるのですけれども、その中で一番これは酷いと思ったのは図表の8枚目になります。

説明は本文11ページ(PDFで12枚目)にあるのですけれども。

『予想インフレ率が上昇すると、名目金利から予想インフレ率を差し引いた予想実質金利が低下するとご説明しました。ここで、金融市場で観察される実際の金利等の推移を見てみると、今年の初め以降、金融市場参加者の予想インフレ率は上昇傾向、予想実質金利は低下傾向にあることがおわかり頂けるかと思います(8枚目)。』

図表はPDFファイルの24枚目にあるのですが、BEIの推移とプレーン国債利回りの推移と予想実質金利の推移を並べているのですが、そこに引いてある矢印の補助線が如何にも胡散臭くて、3月の所からトレンド線っぽく矢印引いているのですが、このグラフ見ると3月対比で見た場合はBEIはいいとこ横ばい、予想実質金利は普通に見て上がってませんかという感じにしか見えないのに、何故かトレンド線っぽく引いている矢印ではBEIは拡大、予想実質金利は低下となっていまして、矢印の最後の部分がBEIは実際のグラフの線よりも上、予想実質金利は実際のグラフの線よりも下となっているとかお洒落にも程があります。

まあ百歩譲って1月からの傾向で言えば岩田副総裁の仰せの通りですが、これジャクソンホールでの黒田総裁の講演でのツッコミと同じですが、3月以降で見た場合横ばい(4月以降でみたら悪化してるようにしか見えませんが・・・・・・)ということは、それはQQEの効果では無くて白川総裁時代に行ったインフレ目標の2%への引き上げの方が効果あったという話にならんかってことで、説明が胡散臭い上にグラフに引いている補助線がインチキくさいとか本当にこれが日銀かよ経済学者かよと申し上げたくなってしまう図に吹いたウーロン茶を返せと申し上げたい所ではございまする。

#もちろんその前からQQEみたいなものを市場が織り込んだというのはあるとは思いますけど、まあこのグラフだけ持ち出してQQEの効果です(キリッ)というのは無理筋でしょうなということです


・まずい時間が無いから最後にこれを

つーことで続きは明日になりますが、最後の所はワロタ。

『現在、「量的・質的金融緩和」が始まってからまだ5ヶ月しかたっておりません。モノやサービスに対する需要と雇用が増え、その結果、物価と賃金が本格的にかつ安定的に上がり始めるまでには、もう少し時間がかかります。しかし、時間はかかるものの、現在の「量的・質的金融緩和」を粘り強く続ける限り、かならず、実体経済も良くなり、物価と賃金はともに上昇し、多くの人の所得は増えるはずです。』

信じる者は救われるとな。

『現在はまだ「量的・質的金融緩和」の入口に入ったばかりです。したがって、皆さんには、「最近、物価が上がったのは、円安でエネルギー価格が上がったからにすぎない、悪い物価上昇だ」とか「まだ賃金が上がらない」と言って、「量的・質的金融緩和」の効果に失望されることなく、今しばらく、「量的・質的金融緩和」の効果を見守っていただきたいと思います。』

確か浜田先生などは「適切な金融政策を実施すれば数か月でデフレ脱却」という話をしておられた訳でして、(今日引用できませんでしたが)質疑応答の中で岩田副総裁は「CPI+1%ではまだ事実上のデフレ状態」というような話をしていた訳でしてあれどうなったのかなとか、そもそも岩田副総裁も副総裁就任前に「当座預金残高80兆円で1年半で2%達成」とかいう話をしていたように、何かもうちゃっちゃと効果が出るような話をしていた筈だったのですがどうなったんでしょうかねえと。

つーか、物価上昇に良い物価上昇も悪い物価上昇も無い、というのがリフレ派の主張だったと思うのですけれども、悪い物価上昇なる言葉を使うのではなく、本来は「悪い物価上昇などというものはございません(キリッ)」って説明するもんじゃないのかねと思いましたがまあどうでもいいです。


いやー、ということで鑑賞すべき所が盛大にあって我ながら消化不良でどうもすいません。まあ皆様に置かれましても木久扇師匠の講演テキストと図表を穴のあくほど読まれるとオモロイと存じますのでお暇な方にはオヌヌメ^^;

#お暇じゃない方には明日続きを投下しますぞな





2013/08/28

お題「集中点検会合の資料がアップされてますね(雑談)/7月FOMCで出口ツールの話ががががが」

シリアが益々どひゃーな事に・・・・・・・・

http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-23847839
US ready to launch Syria strike, says Chuck Hagel
27 August 2013 Last updated at 17:58 GMT

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MS7HU86TTDSM01.html
米国株:S&P500種は6月以来の大幅安、シリア情勢緊迫化で
更新日時: 2013/08/28 05:35 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MS6KZ16K50YH01.html
ロンドン外為:円上昇、新興通貨安で逃避−リラとルピー最低
更新日時: 2013/08/27 17:41 JST


○消費税関連の資料が鑑賞物としては面白そうな件について

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/tenken/index.html
今後の経済財政動向等についての集中点検会合

つーことで今週に入って会合が行われておりまして、議事内容とかどういう扱いにするのかと思っておりましたら、有識者の皆さんが用意した提出資料が事務局の方からホイホイとアップされておりますようで、既に昨日の分も昨日アップされるとゆー中々の手際の良さとなっております。

んでまあここに出ております資料を拝読すると中々香ばしい物件も散見されますので、本当はここで物件の鑑賞とツッコミと悪態でも書きたい所なのですが、各資料に関してそもそも引用可なのか不可なのかがワカランチ会長であります(基本的にこの手のって作成主体が内閣府となっていればホイホイ引用しても問題無いというのが建付けなのですけれども、見れば判るように各有識者の提出資料に所属団体のクレジットが入っていたりしますので、こういうのは一般的に引用不可と見た方が無難)ので惜しくもネタにする訳には参りませんな、残念無念。

人によってペラ1(どころか資料無の人もいますが)だったり40ページ組の人がいたりと中々オモロスだったり香ばしかったりするのですけれども、見てて盛大に爆笑の発作を禁じ得なかったのは、某どこぞの誰かさんが「消費税先送りで金利が上昇するのが正しければ投資家が先に収益機会の手の内を明らかにするとは考えにくい」(ので市場が言ってる金利急騰リスクというのは違いますよと言いたいんでしょう。なお端折ってますので念の為)みたいな話を資料に書いているのを拝読した所ですかねえ。

いやね、収益機会の手の内は出さないってじゃあ何とかストの皆さんとか市場の中の人の話はというのはありゃ常に本当の手の内を話していないんですよみたいな物言いで何とかストに随分こりゃ失礼なお話ですなあと小一時間問い詰めようかと思ったらその指摘をしている資料に何とかストの館みたいなところのお名前が入っていた所に何とも味わいの深いものを感じましたとだけ申し上げておきましょう。

まあ「人の行く道の裏に宝の山がある」というのが相場様ではあるのですが、一方で相場様におかれましてはアホウも集団になると大変な力になりますし、世間様の逆を張った場合にそのポジションの耐久可能損益とか耐久可能時間とかそういうポジション耐久力の問題もあるのですから1から100まで「正しければ勝つ」という話でもないですし、だいたい相場で「正しい」とか「間違い」とかも良く判らん話ですし、手の内を明かす明かさないとかいうような単純な話だけでは無いのですけどねえ・・・・・・


つーかですな、「相場見通しはこうです」というのと「ではどういうポジション運営をしてどういう風にして収益(または対BM超過リターン)を上げるのか」というのは全く関係ない訳では無いですけれども、そもそも戦略(というかそれ以前の話のような気もするが)と戦術の問題というのはまた別の話で、別にポジションシート大公開している訳でも無いのに手の内を明らかにするもへったくれも無いのですがねえ。

正直どうでも良いのだがこの2日分の資料の中でもオモシロ成分の高さでかなりのレベルに達している部分だったので一応あたくしの個人的愚感想を申し上げてみましたけど、まあ有識者様であらせられますお方の見解というのは不肖あたくしのような低レベルでは到達できない高みがあるのでしょうから恐らく何かもっと高度な視点からの見解ではあると存じますので失礼の段重々ご容赦をという所ではありますけど(棒読み)。


#まあしかし何ですな、ついこの前までアベノミクス大勝利とか言ってた人たちが消費税増税反対とか仰せになっておられたりして、アベノミクスが絶賛大勝利しているんだったら増税くらい屁でも無いじゃろと思うのですが大勝利というのは何だったのかいやまあいいです



○そういえばFOMC議事要旨ネタでうっかりスルーしていたのがあった話

http://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20130731.htm
http://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcminutes20130731.pdf

例によって7月FOMC議事要旨なのですが、冒頭部分にオモシロ記述があるのをネタにするのをうっかりしておりましたので投下。PDFだと2ページ目になりますが、まあ要するに最初の方に延々と書いてある出席者リストの次の『Developments in Financial Markets and the Federal Reserve's Balance Sheet』というバランスシート政策の運営状況に関する報告部分でして、普段は報告をさらっと書いてある(為替介入の有無も報告がある、まあずっと無しだけど)のですが、その次に妙に長いパラグラフがあるのです。

『In support of the Committee's longer-run planning for improvements in the implementation of monetary policy, the Desk report also included a briefing on the potential for establishing a fixed-rate, full-allotment overnight reverse repurchase agreement facility as an additional tool for managing money market interest rates.』

こんな所でしらっと「固定金利フルアロットメント型のリバースレポファシリティーを導入する件に関して」という検討報告をしているのですな。

『The presentation suggested that such a facility would allow the Committee to offer an overnight, risk-free instrument directly to a relatively wide range of market participants, perhaps complementing the payment of interest on excess reserves held by banks and thereby improving the Committee's ability to keep short-term market rates at levels that it deems appropriate to achieve its macroeconomic objectives.』

どうもオーバーナイト方式で実施するようで、つまりは超過準備付利と同じような話なのですが、「relatively wide range of market participants」とありますように、超過準備付利の外側にいる市場参加者に対してこのファシリティーを提供することによって、短期金融市場において量的緩和状態になっている中でも市場金利の下限を画する事ができるのではないか、というお話ですな。

と書くとナンノコッチャですけれども、米国の場合はいわゆるGSMとかそういう手の人たちの短期金融市場におけるウェイトが高いので、超過準備付利を行っていてもそこが必ずしも短期市場における翌日物金利(など)の下限にならないという状態が延々と続いているという状態なので、このままFEDのバランスシートが大きい=短期市場での資金余剰というか量的緩和状態が続く中でFF誘導目標を正常化しようとした場合に、本当に正常化できるのかという問題が当然ながら生じますので、その対策として「超過準備付利対象じゃない人にも広くFED様が翌日物を借りてあげますよ付利しまっせウェーハッハッハしかも何ぼでも持ってきんさい」というのを打ち込む事によって、(事務手間さえ問題無ければの話になりそうですが)FEDに突っ込んだ方が当然リスクフリーなので皆さんそこに短期余剰資金を突っ込むので、実効FFレートがそれよりも高くなるのではないか、とまあそういう話なのですな。

・・・・・・・・ってそれ正常化に向けた新ツール導入の話以外の何物でも無いのですが、微妙に皆さんがスルーしそうな部分にこの話を突っ込んでいる辺りが何とも味わいのある所ではございます。

いやね、まあ議事要旨の構成的にはここに入るブツではあるのですが、普段ですとこの話に関しては別途小見出しを用意しているのが多くの場合のパターンになっている(「短期市場金利の円滑な誘導に関する新たなツールの検討結果について」みたいな名前の小見出しが入って然るべき)のですが、しらっと小見出し抜きでこの話を入れているというのが実にこうお洒落というかFEDも色々とオモシロ文学を駆使するようになっているなあというのを感じました事よということで。

『The staff also identified several key issues that would require consideration in the design of such a facility, including the choice of the appropriate facility interest rate and possible additions to the range of eligible counterparties.』

なお、上記の「オーバーナイトフルアロットメント方式でどちらの旦那様もドンドン持ってきなはれ」ファシリティー以外の手段についても研究中の模様。

『In general, meeting participants indicated that they thought such a facility could prove helpful; they asked the staff to undertake further work to examine how it might operate and how it might affect short-term funding markets.』

FOMC参加者の皆様(日本語だと微妙にここの表現テキトーになってしまいますが、FED文学によりますとparticipantsというのは全員を指していてmembersというのは投票権のある委員という事になるので、いちおうあたしゃ「参加者」「委員」とか書き分けている積りですが、勢いでてきとうになっている場合がございますのですいませんすいません)におかれましてもこれらの手段に興味をお持ちになった模様です、って当たり前ですけど。

『A number of them emphasized that their interest in having the staff conduct additional research reflected an ongoing effort to improve the technical execution of policy and did not signal any change in the Committee's views about policy going forward.』

技術的な検討をもっと進めて頂きたい(そら正常化のツールとして使えそうですから)という見解が参加者から出される一方で、最後に「これらのツールの検討は今後のFOMCの金融政策の方向性に対してなんらの示唆を与えるものでは無い」という見解が示されていまして、まあ当然そういうことになるとは思いますし、だからこそ今回この件に関する表現が目立たないような箇所に書かれている(頭から読めば一発で気が付きますが、インスタント読みをするときには基本後ろから読むので前の方は最初に読まない人の方が多いんじゃないかなと思います)んですねわかりますという所で実にこう味わいの深いものを感じるのでありました(^^)。

つーかまあこういうツール検討して「金融政策の方向性を何ら示唆するものでは無い」とかはいはいワロスワロスという所ではあるのですけどね。

#つーことでうっかり八兵衛な事に関しまして伏してお詫び申し上げます


○ところでCP市場ってどうなってんのよというマージナルな雑談

昨日の金融ファクシミリ新聞さん(つーかCPレートに関しては金ファクさんの所くらいしか大々的に表に出ているの無いのですけれども(昨日ご紹介した保振のはざっくりとした平均レート))でもニュースになっていましたが、最近CPの金利が益々低位モードになっていて、0.10%割れがドンドン普通のレートっぽくなってきて、格付けアクションをものかわともせず金利はアガランチ会長モードという事案があったりとか実にこうどうなってるんだ状態。

これで短国のレートが大々的に低下しているとかいうのであれば、まあ短期の市場金利が全般的に低下しているという話になりますけれども、そらまあ短国のレートも0.09%とかちょっと割った辺りとかで推移しているから一頃よりは若干低下しているのはいるのですが、どう見てもそれだけでは説明不可能な状態。

でまあ先日来申し上げておりますように需給ですよ需給という所ではあるのですが、CP市場におけるディーラーさんって基本的に大手銀行さんであるという市場構造を考えますと、これは大手銀行さんの短期市場における行動様式に変化が生じている可能性があるという話であって、これがCP市場の局地戦で済んでいる分にはまあそこだけ何か凄いですねそうですねで終了となるのですが、資金ポジション運営全般における行動様式変化という事になりますと、現在のQQEをこれからも拡大継続という話になっている建付けの中でそちらに影響が出るんじゃないですかねえというのが少々気になる所でございます。まあこの前も申し上げたように、恐らく9月の国債償還による資金余剰の後の動きを見ないと何とも言えないのですけど、短期市場全体の中では規模的には恐らくマージナルな話ではあるのですが、どうも足元の動きが妙に過激化しているように見えますので連日のようにメモをするのでありました。

#しかし盆休み明けている筈なのに20年国債入札あったのに何こう盛り上がるような感じがしないのが貫録の円債先生という感じで、どうもこう市場ネタが書きにくくてカナワンチ会長ではございますことですよorzorzorz

#ついでに諮問会議資料を再度鑑賞して色々と詫び寂びの世界を堪能していたら時間が無くなっていたのはここだけの話です^^;




2013/08/27

お題「消費税関連ニュースクリップ/売買高ががががが(メモ)/フォワードガイダンス論議がカオスだったBOE7月MPC」

うむ。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE97P03D20130826
国際社会、シリア化学兵器の責任追及に立ち上がるべき=米国務長官
2013年 08月 27日 04:49 JST

『[ワシントン 26日 ロイター] - ケリー米国務長官は26日、シリアの化学兵器使用疑惑をめぐり、国際社会は責任の所在を明らかにするため、立ち上がるべきとの見解を示した。』(上記URLより)


○消費税関連ニュース雑談

・消費税判断はAPEC直前とな

日曜のニュース(今さらでスイマセン)。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130825-00000027-jij-pol
日銀短観、最後の材料に=消費増税、判断はAPEC前―甘利経財相
時事通信 8月25日(日)11時14分配信

『甘利明経済財政担当相は25日、東京都内で記者団の取材に応じ、10月1日に公表される日銀の9月の企業短期経済観測調査(短観)について、安倍晋三首相が今秋に消費増税の実施の是非を最終判断する際の「最後の材料になってきそうだ」との見方を示した。判断の時期に関しては「(アジア太平洋経済協力会議=APEC=首脳会議までしか)スケジュール上の余地がないという意識を主要閣僚で共有しつつある」と語り、10月7日からインドネシア・バリ島で開かれるAPEC首脳会議の前になると指摘した。』(上記URLより)

いやこらまた随分引っ張りますなあという所ですが、辛うじて物価連動国債入札前には最終判断になるようで誠に結構。つーかこれ最終判断出なかったら物国の入札日程ずらさざるを得なくなる話っすからねえ。

で、安倍ちゃんの外遊先での発言。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013082600848
安倍首相の発言要旨(2013/08/26-23:08)

『【クウェート時事】安倍晋三首相が26日、同行記者団に語った内容の要旨は次の通り。』(上記URLより、以下同様)

ということで消費税のパートなんですけどね。

『〔消費増税〕誰かが判断をしなければならないから、最終的に私の責任で決めていく。帰国した後、甘利明経済財政担当相から(集中点検会合の)報告を受ける予定だ。さまざまな指標を踏まえて秋に適切に判断したい。』

えーっと、本件というのは昨年の3党合意で決定していて法案措置まで出来ているのですから、本来的に言えば既定路線を既定どおりに粛々と実行していくだけの話になる筈なのでございまして、「最終的に判断」も蜂の頭も無い話ではある筈なのですが、すっかり安倍ちゃん「決められた路線には乗らないで俺が決定する」(キリッ)モードの気合が伝わりますなあという所で、まあこの調子では時間切れギリギリまで引っ張られるでしょうなあというのは把握した。


どうでも良いがこの共同と日経のヘッドラインは本当にそういう発言をしたのかヘッドライン詐欺なのかがワカランチ会長なのだが、法人税減税ネタがまた来ましたぞなという所なのですけれども、「法人税減税」とは明言していなくて選択肢の一つみたいな気がするし、それ以前の問題として時事の報道する発言要旨見ると少なくとも安倍ちゃんが現時点で消費税増税を前提としてどうしましょうという話を前面に出すとは思えないのですが・・・・・・・・

http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013082601002458.html
安倍首相、法人税減税も検討 「景気回復が観点」
2013/08/26 22:22 【共同通信】

『【クウェート市共同】安倍晋三首相は26日、訪問先のクウェートで同行記者団に対し、消費税率引き上げに伴い、法人税減税も検討する考えを示した。「景気回復、デフレ脱却という大きな目標がある。何をなすべきかという観点も十分に踏まえながら議論してもらいたい」と述べた。』(上記URLより)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2602J_W3A820C1MM8000/?dg=1
首相、法人減税「幅広く議論」 消費増税判断と並行

『【クウェート=坂口幸裕】中東・アフリカ歴訪中の安倍晋三首相は26日、クウェート市のホテルで同行記者団と懇談し、法人税の実効税率の引き下げについて「我々は景気回復、デフレ脱却という大きな目標がある。そのために何をなすべきかという観点も十分に踏まえながら幅広く議論をしていただきたい」と述べた。来年4月からの消費増税の判断と並行し、検討する考えを示した。』(上記URLより)



・岩田一政さんも段階的に1%とな

当時の与野党が協議して国会で決めた話について専門家とは言え別に選挙で選ばれた訳でも何でも無いのを50人だか60人だか雁首揃えてああだこうだ言わせて判断材料とゆーのも何だかなあとは思いますがそれは兎も角として経済財政諮問会議の分室みたいな感じで開催されます会合の初回が昨日行われて、何故か岩田一政さんの提出資料とかが報道されたようで。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130826-00000078-reut-bus_all
デフレ脱却には小刻み増税ふさわしいが課題も=岩田元日銀副総裁
ロイター 8月26日(月)19時46分配信

『[東京 26日 ロイター] - 岩田一政・日本経済研究センター理事長(元日銀副総裁)は26日、消費税率を法律に従って来年4月に3%引き上げるべきかどうかをめぐって開かれた有識者会合後、記者団に対し、消費の下振れを抑えるには毎年1%ずつの増税がふさわしいが、消費増税の3党合意などを踏まえると、課題があると指摘した。法律通り2段階で引き上げる際は法人税や所得税の減税などを検討するべきだと指摘した。また、小刻み増税に変更することで海外投資家が増税延期などととらえる可能性は少ないとの認識を示した。』(上記URLより)

増税の影響を平準化するという意味では小刻み増税というのは話としては分かるのですけれども、現実問題として毎年消費税率が変わるとなると対応する民間の事業者に掛かるコストとか、徴税に掛かるコストとかの事を勘案したら残念ながら机上のお伽噺ではないかと思うのですが、マジでそういう話になったら何だかなあという気はしますけど、内閣官房参与コンビに続いて岩田一政さんも言い出すとはという所ではございます。

ついでに言うと「1%だったらお前ちょっと我慢しろやゴルァ」というような圧力が中間業者に掛かったりするんじゃネーノ的な懸念もあったりするのですが、現実に落とし込むのは大変じゃないのかねえと思います。

でまあ法律どおりの2段階引き上げの場合は減税検討ということですが、税上げの影響を緩和させようとして大盤振る舞いしたらその場は良いですが単に「増税の崖」を後年度に先送りしているだけの話で、「翌年度の落ち込みを防ぐために今年も財政措置」とかなったら何もカワランチ会長のように思えますけれどもねえ・・・・・・・


○市場雑談をしようと思ったら・・・・・・・(雑談メモ)

今日は20年国債入札でして、そもそも今月はリャンウーパー月(11月もあるでよ)という翌月インデックス長期化の規模が大きい月となりますので、さて超長期入札ネタでもと思いながら相場を見ておったのですが・・・・・・・・

債券先物9月限出来高:11970枚
東証1部売買代金:1兆2759億7800万円

・・・・・・・・・・orzorzorz

お盆ウィークはとっくに終了している筈なのですが、東証1部売買代金は19日のボトム12566億円といい勝負の売買高だし、先物売買枚数に至っては今月に入って一番少ない(ちなみに今月少ないのは6日の12029枚、19日の12603枚など)とかもう勘弁して下さいというお洒落な状態なので市場雑談を書こうにも書けませんな。昨日は輪番も無かった(のは市場予想通り)だし。


でまあ相変わらず微妙に振れるのがTKRR(東京レポレート)だったりしてますが、これは先日来申し上げておりますように、レポGC市場の商いの厚みが無くなってきて足元の資金需給(つーか短国の在庫状況というか)にホイホイ振らされているからという訳で、日銀様の盛大な買入によってあちこちで市場機能がアレと化しているのが誠に寒いものを感じる所でありますが、特に短期市場の部分については9月の動向も見ていきたい次第でして、実は今のQQEの枠組みがワークするのかみたいな話に繋がる可能性もありますなという考察もあるのですが、もうちょっと様子見てからその辺の考察をしたい所です。


○BOEネタでございますが(汗)スレッショルドの設定で意見が割れたようですな

http://www.bankofengland.co.uk/publications/minutes/Documents/mpc/pdf/2013/mpc1308.pdf

例のスレッショルド決定の7月会合ミニッツネタの続きという趣味コーナーだが『The immediate policy decision』の後半パート。第36パラグラフからは「どのような数値を設定するのか」という部分になりますが・・・・・・・・・

『36 Price stability remained the Committee’s primary objective, and in that light it discussed the application of two price stability knockouts which, if breached, would mean that the policy guidance would cease to hold. 』

結局ここのところが今回のBOEのフォワードガイダンスをややこしくしているのですが、インフレターゲットの枠組みを堅持しながらフォワードガイダンスを導入、というのがそもそも政策技術論として矛盾した話であり、「総合判断」あるいは「定性判断」成分を極力排除して「経済指標などの定量判断」あるいは「期間確定のコミット」をすることによって将来の金融政策運営の自由度を縛るというのがフォワードガイダンスの本旨であり、BOEのってどう見てもそうなっていないからややこしくなるのよね。

『The first knockout would apply when the Committee judged it more likely than not that inflation 18 to 24 months ahead would be half a percentage point or more above the 2% target. The second knockout would apply if there was evidence that medium-term inflation expectations were no longer sufficiently well anchored. The Committee had also discussed the desirability of adding a financial stability knockout: the Financial Policy Committee had agreed to alert the Committee publicly should it judge that the stance of monetary policy posed a significant threat to financial stability that could not be contained by the substantial mitigating policy actions available to the regulatory authorities.』

でまあ例の「18−24か月先の物価見通しが2.5%を超えた場合」「中期的なインフレ期待がアンカーされなくなったと判断された場合」「FPCが緩和的な金融政策が金融安定化を阻害すると判断した場合」というノックアウト条項を設定したという事ですが、最初の数値は既にアクチュアルの物価水準が3%近くに達している時点でナンジャソラでありますし、中期的なインフレ期待云々はどうみても定性的判断です本当にありがとうございましたという話ですがな。

『37 The Committee also agreed that, in the event that the unemployment threshold were reached, or if any of the knockouts were breached, there should be no assumption of an immediate, automatic change to its policy stance. Rather, the Committee would assess the prevailing economic conditions, including wider measures of slack and inflationary pressures, before deciding the appropriate stance for monetary policy.』

おまけにスレッショルドに関しても「達したからと言って利上げする訳ではありません」という話で、まあそれはそれでハト感を出したいからそういう話をしているのですが、結局そうなるとこのスレッショルドは何なんですかという事になると思うのですけどねえ。

『38 The Committee agreed that it was of paramount importance for the credibility of the monetary policy framework that its commitment to meeting the 2% inflation target in the medium term was beyond doubt. It was critical that the design of the guidance strategy did not put this credibility at risk.』

いやなんかもうねという感じですが、金融政策のフレームワークとして2%のインフレ目標というコミットメントについての信頼性を維持する事は「物凄い勢いで重要」(paramountっての中々ミニッツでは出てこないので^^)という話をしている訳で・・・・・・・

『One of the cornerstones of the policy framework was the individual accountability of members, and the Committee agreed that it would be important that individual members continued to form their own judgements about the outlook for inflation and whether the price stability knockouts had been breached.』

「個別メンバーは各人のビューでスレッショルドやノックアウトについて判断することが重要」ってのが出てきて微妙に唐突感のある文なのですが、前後を読み直しているうちに何となくこういうことでは無いかなと思ったのは、要するにこのスレッショルドやノックアウトに関して「経済数値を見て自動判断するのではなく、あくまでも総合判断の一環として行うものである」ということを言いたい、つまりフォワードガイダンスと言っても金融政策の先行きに対するコミットメントというよりも、単に「総合判断において重視する数値を具体的な水準と共に示しました」というだけの話ですかそうですかという事になるのかなと思いましたが同様の趣味人の方のご見解を伺いたいものですm(__)m


『In the discussion of the time horizon for the first inflation knockout there had been a range of views, and some members remained concerned that the longer the time horizon relative to the Committee’s usual policy horizon of around two years, the greater the risk that its commitment to returning inflation to the target over the medium term might be brought into doubt.』

物価のスレッショルドに関して、そのタイムホライズンを長くすると物価目標2%との整合性という問題が生じて(物価目標で想定しているタイムホライズンと一緒にしたらそもそもが2%やる気あるのかという話になるから)インフレ期待のアンカーに対するリスクになりませんかというのが数名(some)から指摘されてますな。


『39 Most members of the Committee judged that a horizon of 18 to 24 months struck an appropriate balance between not bringing inflation back to the target so quickly as to threaten the recovery, while demonstrating the Committee’s determination to bring inflation back to the target over the medium term. One member, while accepting the principles of forward guidance, saw a particularly compelling need to do more to manage the risk that forward guidance could lead to an increase in medium-term inflation expectations, by setting an even shorter time horizon; that would make clear that the forward guidance was fully compatible with the Committee’s commitment to meeting the 2% inflation target in the medium term.』

まあこのフォワードガイダンス出す前からの話ではあるのですが、「現在の経済状況を踏まえると2%の物価目標を中期的に達成するという「中期的」の期間は通常よりも長くなって然るべき」というスタンスでBOEは臨んでいる訳ですが、フォワードガイダンスの物価スレッショルドの見通し期間を18-24か月としてもインフレ期待のアンカーに問題は無いという見解になっているのですが、Weale(後で反対票を投じているので名前が出てくる)委員は「18−24か月の見通しが2.5%を超えない」というガイダンスの物価スレッショルドはタイムホライズン的に問題(もっと短くすべき)という話になっています。


結局の所、従来のインフレ目標堅持という話と、それに加えてそもそも英国の場合は実際の物価水準が恒常的にと言っても良い位に目標から上方乖離しているという状況がある中で、いわゆるタイムコミットメントに近いようなフォワードガイダンスを導入するというのは如何にも話に無理があって、結局の所無理くり最大公約数をとってフォワードガイダンスでございとしたのが今回のガイダンスである、という状況だったのではないかと思われますが、まあ実際にどうなのかは本人たちに聞いてみないとワカランですけどね。


#ということで趣味のコーナーでした^^;



2013/08/26

お題「黒田さんのジャクソンホールデビューは微妙/オペ雑談&短期雑感」

週初なので雑談である・・・・・・っていつも雑談ですかそうですか。

○ジャクソンホールで微妙な講演とな

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko130825a1.pdf
日本の非伝統的金融政策と国際金融システム安定に向けた取り組み
カンザスシティ連邦準備銀行主催シンポジウム(米国ワイオミング州ジャクソンホール)における講演の抄訳

ということでバーナンキ先生もドラギ先生もいらっしゃらない中で黒田総裁の講演があったのですけど、面倒なので英文では無く抄訳の方で勘弁。

ちなみに英文は
http://www.boj.or.jp/en/announcements/press/koen_2013/data/ko130825a1.pdf
ですが今日は手抜きで引用するのは日本文の方である(汗)。

『本日は、まず、この4月に日本銀行が導入した「量的・質的金融緩和」の概要を説明します。次に、その波及経路の特徴について、実質金利と自然利子率への影響という観点からお話します。最後に、非伝統的金融政策と国際金融市場との関係について、いくつかの論点に触れておきたいと思います(図表1)。』

ということで説明しているのですが・・・・・・・・・・

・効果の説明部分でツッコミ所というか何というかな箇所がですなあ

何をやりましたかという話はさておきましてその効果に関する説明を『足元までの量的・質的金融緩和の評価』という小見出しから。

『量的・質的金融緩和は、既にその効果を発揮しつつあります。ここでは、3つの点を指摘しておきたいと思います(図表4)。』

ほう。

『第1に、金融市場や企業金融の好転です。』

企業金融の好転とな???

『株価は上昇しており、長期金利は、一時的にボラティリティが高まる局面もありましたが、足元では、海外金利が上昇する中にあっても、ほぼ横這いで推移しています(図表5)。企業金融面でも、銀行貸出が伸びを高めると同時に、貸出金利も史上最低の水準にあります。』

銀行貸出はQQEの前から十分緩和的な状態で関係ないと思うけどね。

『第2に、人々の期待の好転です。消費者マインドや企業の業況感が大幅に改善しています。また、多くの指標が、市場・企業・家計、いずれについても、予想物価上昇率が上昇していることを示しています(図表6)。このことは、名目金利の低位安定と相まって、実質金利の引き下げに効果を発揮しています。』

ほほう多くの指標とな!

・・・・・・・・・と思いまして図表6とやらを拝読した瞬間に盛大に椅子からコケそうになってしまったのですが、図表6には板がスッカスカな上に消費税の分を思いっきり加味している物価連動国債のBEIの推移のみが堂々と出ているのみという図表となっておりまして、どこがどう「多くの指標が示している」という事の説明なのかが1ミリも理解できない上に、いかにも「ここから好転しました!」というような感じでグラフの縦軸に途中で線を引いているのですが、その縦軸の位置がQQE実施時期の4月ではなくてその前の1月であり、4月水準から見たら一旦上がって下がっているので、この数字だけ取り出すと白川総裁時代の物価目標2%への引き上げの方がよっぽど効いているように見えますけれども随分とこらまあ雑な説明っつーか何つーか。

でまあ一発だけなら誤射かもしれないので念の為本チャンのテキスト(英文版)の方を見たのですが、残念ながら図表は同じでしておいおい大丈夫かと思って英文を見ると・・・・・・

『Second, there has been a favorable turn in the public's expectations. Consumer sentiment and business sentiment have improved markedly. Many indicators suggest that inflation expectations have been picking up in the market, as well as among firms and households. A recent development in one such indicator is shown in Chart 6. This development, together with low and stable nominal interest rates, has been effective in lowering real interest rates.』(講演の英文本文テキストより)

「A recent development in one such indicator is shown in Chart 6.」って何か判ったような判らんような言い方だが、こちらでは「多くの指標が改善を示しています、でもってそのうちの一つを示しています」というような英文に読めそうな気がする(何か変な英文だが)のでまだマシな気はするのだが、それにしても「多くの指標が示しています」って言って図表まで出しているのにそれが1つだけというのが何だかねえとは思います。まあBEIが指標として使うにはあまりにも市場がスッカスカでその数値については一定の幅を見て考えた方が良いと思うのですけどみたいな話はジャクソンホールの皆様にバレはしないと思うのですけどね(棒読み)。


『第3に、実体経済や物価の好転です(図表7)。個人消費は、マインドの改善や株価上昇による資産効果もあって、底堅く推移しています。設備投資は、企業の業況や収益が改善する中で、持ち直しに向かう動きがみられています。消費者物価上昇率も、景気改善や円高修正を背景に、ゼロからプラスに転じています。』

景気改善???いやあのここまでのは単なる円高修正のコストプッシュではないかと思うのですけどまあいいです。


・自然利子率が上昇????????

とまあそこまでの説明も微妙にツッコミどころがある訳ですが、その次の部分が更に???である。

『2.非伝統的金融政策と実質金利そして自然利子率』という小見出しなのだが。

『このように、日本銀行の量的・質的金融緩和は既に成果を上げつつありますが、次に、実質金利と自然利子率という2つの観点から、その政策効果の波及メカニズムについて考えてみたいと思います(図表8)。』

ほほう。

『言うまでもありませんが、金融政策の効果は、実質金利と自然利子率の差によって決まります。したがって、金融緩和効果を生じさせるためには、自然利子率を所与として実質金利を引き下げるという方法と、実質金利を所与として自然利子率を引き上げるという方法の2つが考えられます。』

「実質金利を所与として自然利子率を引き上げるという方法」とな??

『日本銀行の量的・質的金融緩和は、実質金利の引き下げと自然利子率の上昇という2つの側面から、効果を発揮しつつあるものと考えられます。以下、順を追って説明していきましょう。』

えーっと、自然利子率とゆーのも定義によって微妙に違うのかも知れませんけど、一般的には自然利子率って潜在成長率とほぼ同じという話で、そうするとQQEをローンチして半年もしないで潜在成長率を引き上げつつあるという話になるのですけど、そこまで金融政策が万能であるみたいな話ってさすがに最近は米国の中銀でもそんな事言わないと思うのですけれども、んな大口叩いて大丈夫でしょうか???


ということで説明を拝読。

『まず、第1の論点として、実質金利の引き下げ効果について考えてみたいと思います。』

『政策的に実質金利を引き下げる場合、名目金利を引き下げるのが普通です。もちろん、こうした政策が可能であるためには、名目金利の低下余地が十分に大きいことが必要です。例えば、米国の場合には、インフレ予想がアンカーされていることを前提に、名目金利の引き下げによって、実質金利の低下が図られました。』

ふむ。

『これに対し、日本の場合は、もともと名目金利の水準が低かったため、名目金利の引き下げによって実質金利の低下を図る余地が限られていました。そこで、実質金利を引き下げるためには別の方法が必要でした。つまり、予想物価上昇率の引き上げです。実質金利を引き下げるという目的自体は米国と同じですが、それを実現するためのストラテジーは対照的です。』

>もともと名目金利の水準が低かったため
>もともと名目金利の水準が低かったため
>もともと名目金利の水準が低かったため

えーっと、QQE最初の頃は堂々名目金利を下げる話をしていた筈なのですが、「もともと名目金利の水準が低かったため」とかそういうのはQQEを打ち込む前およびその時点でちゃんと説明して頂きたいのですがねえ。「それを実現するためのストラテジーは対照的です」とかしらっと言ってるけど元々あんさん(と木久扇師匠)は何って言ってましたっけちょっとお前説明してみろやゴルァと思いますけど見事な変わり身。

『日本銀行が、2年程度の期間を念頭において2%の「物価安定の目標」の実現を目指すことは、こうした政策上の制約を克服する上で有用です。量的・質的金融緩和によって、予想物価上昇率が実際に上昇しつつあるのは、先に述べたとおりであり、日本銀行の政策は、所期の効果を発揮しつつあります。』

図表を見ますとQQE実施前と対してBEIの水準が変わっているようには見えませんけど(ニヤニヤ)。


でまあその次が今回の白眉ではあるのですけど(ここまでも大概に(短い講演なのに)ツッコミどころが多いのだが)自然利子率がどうのこうのの話。

『次に、第2の論点として、非伝統的金融政策と自然利子率の関係について考えてみたいと思います。ただ、こうした論点については、これまでほとんど議論されてこなかったように思いますし、多分に見解が分かれるところかもしれません。』

と一応ヘッジクローズは入ります。

『そもそも自然利子率とは、企業が実物投資を行うことで得られる予想リターンに相当します。日本銀行の量的・質的金融緩和は、人々の間に定着した「デフレマインド」を打ち破り、日本経済が本来持っているダイナミズムを取り戻そうとするものです。その政策的帰結として、日本の潜在成長力が回復すれば、投資機会が増え、自然利子率の上昇という形になって現れてくると考えられます。』

英文を引用してみよう。

『To begin with, the natural rate of interest corresponds to expected returns from firms' capital investment. The Bank's QQE aims at conquering the "deflationary sentiment" that has been entrenched among the public and restoring what had been the intrinsic dynamism of Japan's economy. As a consequence of the policy, if Japan's growth potential recovers, investment opportunities will increase and the natural rate of interest will rise.』(講演の英文本文テキストより)

何か言ってる説明がかなり怪しげなのですが、何せこのあたくし浅学菲才につきさぱーりワカランチ会長ではあるのですけど、「デフレマインドを打ち破る」って「インフレ期待の引き上げ」という話だったら今さっき説明した「実質金利の引き下げ効果」を別の言い方をしているだけで、さっきの繰り返しにしか見えませんし、そうじゃなくて経済の構造変化によって潜在成長率が引き上げられるというのであればそれは金融政策の範疇を超えた話じゃないかと思うのですけれども、何をどうして中央銀行が潜在成長率の引き上げを行う事ができるのかねという疑問、つーかバーナンキだってそんな事言わないぞという話だと思うのですが・・・・・・・・・・

『潜在成長力の強化に資する非伝統的金融政策という意味では、実は日本銀行は、「貸出支援基金」という資金供給手段も設けています。同基金は、日本経済の成長基盤強化に資する貸出について資金供給する「成長基盤強化支援」と、金融機関の貸出増加に向けた取り組みを支援するため、貸出増加額についてその全額を低利・長期で資金供給する「貸出増加支援」の2本立てで構成されており、成長性の高い企業や事業分野の資金需要の発掘に向けた金融機関の取り組みを促進することを狙いとしています。』

何と麿の遺産が重要施策に何時の間にか格上げ(いやまあ元々重要でしたけどQQEではあまりクローズアップしてませんでしたからね)になっているんですけど、つーか成長基盤強化の方は兎も角、貸出増加支援ってのは貸出先が非効率的な分野とかだったりすると経済の構造改革に資するかどうかってちょっとアレなんじゃなかろうかという気がするのですけど何かこれまた大きく出ましたなという所で。

『ここで一点だけ補足しておきますと、自然利子率を高く維持することは、様々なショックに対する経済の耐性を高めるという点でも重要です。この点、自然利子率が十分上昇した暁には、政策金利が再びゼロの下限にヒットする可能性が低下し、日本経済の耐性が高まると考えられます。』

まあこれは良いんですけど、何かこう説明が凄まじいというか何というかで、これは唸ってしまうとしか申し上げようが無しの助なジャクソンホールデビューなのでありました。



○オペ雑談および市場雑談等

・謎の輪番オペ

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of130823.htm
国庫短期証券買入 20,000 2013年8月27日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,500 2013年8月27日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,500 2013年8月27日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2013年8月27日

市場で中期ゾーンに若干の荷もたれ感があったようですので、中期の買入を6000億円打ち込んだのは最近の中期の買入打ち込みの際に1回5000億円だったのに対して増額なのでほほう市場動向見てるんですねという話なのですが、何故かそれに合わせて長期ゾーンの買入が500億減額というのがワケワカラン。

つーのも、従来こちらの買入額は1回4500億円で推移していたのですが、直近では1回辺りの買入額をこちらの別紙の通りで中期は5000〜7000程度、長期は4500〜6000程度としていたので、まあ勿論「程度」だからぶらしても良いのですが、何も中期増やす側から長期減らして事前に話をしていたレンジを割りに逝かなくても良いのではと思う訳ですよ。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/rel130530b.pdf
当面の長期国債買入れの運営について
2013年5月30日 日本銀行金融市場局

まあ市場局はそんなに他意がある訳では無く、中期増やしたからちょっと長期減らして全体額の帳尻を合わせるけど増やした分よりも減らした方が少ないんだから良いでしょとか、もしかしたら長期買うと10年カレントばっかりバカスカ入るので平均残存が思ったよりも長くなりがちなので少し帳尻合わせるかとか、まあ多分帳尻程度の思いしか無くて特段何かの政策的意図があるとは思わないのですけれども、何も長期の買入を事前にアナウンスしたレンジ割らんでもと思うのですよね。

つまりですな、折角中期の買入増やして市場に配慮しているのに、長期の買入額がレンジを割るという事になると「オペの事前予想可能性」という面でもそうですし、「買入の年限を長くするという政策意図」という面でも微妙に疑問を持たれるリスクが出てくる話でありまして、んなもんたかが500億の減額で市場を驚かさんでも良かろうにと、何でそういうどうでも良い所で市場に変なメッセージを送るリスクを取るんですかねえとちょっと??????であったのでとりあえずメモを置いておきます。

まあそれで市場が大コケした訳では無いので、中期の買入増額で重たかった中期が捌けてという方のメリットを重視したプライスアクションだったという事なのでしょうが、世の中オペ先だけが市場では無いのでありまして、債券市場の需給を考えたというのは市場の需給が見えている業者などのオペ先には伝わったのかも知れませんが、中期が重いから増やしたという方よりも「長い方が減額になって何と事前にアナウンスしていた額を割って来ました」という方にメッセージを感じてしまう人も当然ながら現れる訳でして、これ事前にアナウンスしていたレンジの範囲内での減額だったら別にどうという事も無くて「ああ調整ですね」で済むのですが、一応事前に「4500〜6000」というレンジを示していて、その数値をわざわざ割り込みに逝くというのは無駄なメッセージ性が出てしまうのでちょっと何だかなあと思ったのでありました。



・CP金利ェ・・・・・・・・・・・

細かい数字でインターネットでホイホイ見れるのはこの辺になりますけどね。
http://www.jasdec.com/reading/cprate_page.php
短期社債(電子CP)平均発行レート(日次)

この辺の過去データをポチポチ押して頂きまして、特に「事業法人(除く電力・ガス、その他金融)」の辺りでも見て頂くとちょくちょく0.10%割れの数値が見えてくると思いますが、まあそんな感じで推移しているようで、お盆明けモードになった先週後半になって気持ちもう一発金利が下がったような感じ(ちなみにさっきのURLは発行日ベースの数値が出ているので実質3日遅れの数値になる)で、コーナーケース扱いだった10割れもすっかりホイホイと見られるようになって誠に遺憾の極み。

まーよーするにCPの需給が良いという話になるのですが、事業法人さんのCP発行が急に大きく減る訳ではないので、そうなると金融機関のCP発行が減るのか、短期金融市場での運用資金が増えるのかのどちらかが現象として発生している、という事になるのでしょうが、そこで気になるのがこの前ネタにした準備預金動向でして、7月積み期間に準備預金制度非適用先の当座預金残高がどーんと増えているというのは、金融機関の金余り状況が証券会社にも絶賛波及して証券の資金ニーズも無くなりましたぞなもしという事になる(まあ業者は商品在庫のファイナンスが必要だから無担資金需要無くなりはせんが)のですかねえという話でもあります。

それよりもアレなのは、国内銀行業態の超過準備が減っていた方でして、超過準備積みたくないとかいう話になっているとすると今後の買入が本当に回るのかね当座預金残高積み上げられるのかねという話になりますし、まあそんな状況だから無担保の資金も要らんわという話になると短期市場の運用ニーズ絶賛大超過となるので、はてさてどうなんだかというのが少々気になりますです。

前回積み期間の国内銀行業態の超過準備減少が単なる季節的資金需給の綾であればそれほど懸念する話でも無いのですけれども・・・・・・・・・

#ということで雑談シリーズでした




2013/08/23

お題「だいたいFOMC議事要旨ネタの続きですお」

これはまた悪意のあるヘッドラインだなおい。
http://www.asahi.com/politics/update/0822/TKY201308220384.html
「お酒を飲めば交渉の知恵も出てくる」甘利TPP相
2013年8月22日23時12分

○市場備忘メモ

・3MTB入札とかCP金利とか

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20130822.htm

(3)募入最低価格 99円97銭7厘5毛
(募入最高利回り)(0.0902%)
(4)募入最低価格における案分比率 0.7790%
(5)募入平均価格 99円97銭8厘0毛
(募入平均利回り)(0.0882%)

ということで足切りは0.09%に乗ったのですが按分が屁のような按分でこれ実質0.09割れかまあシャーナイナイとか思ってたら何かセカンダリーは0.09%近くに弱含みだったりして、何かこの辺の金利って下に突っかけそうで突っかけず、じゃあ金利が上がるのかというとCPの金利とか見ていると最近は新発が平気な顔して0.10%割れとかの発行になっていたり買入オペの金利が0.10%を割ってみたりと、毎度申し上げておりますようにこちらの金利形成がもう銘柄間格差はなくなるわクレジットリスク有る筈なのに付利金利よりも低いのがホイホイ出てくるわというどんな市場ですねん状態ですから、まーどー見てもこれ短国の金利が0.10とか厳しいんでしょうね。

#ちなみに20日のCP買入結果はこちら
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba130820.htm
CP等買入 8,182 3,902 0.097 0.099 48.9

TKRRは微妙に上行ったり下行ったりしているのですが、一方でCPのレートが短国レートとの差がかなり詰まっている(以前短国のレートが0.05%だの0.06%だのとやっている時でもCPのレートは0.11とかあったので今の低下状態はその時から見てもえーという感じ)とかゆーのを見ていると、短期の運用難ここに極まれりという感じはするのですけれども、正直何でCPの金利がこうホイホイと10を割るのかがワカランチ会長ではございます。

たぶんGCが結構上がったり下がったりしているのとか、準備預金非適用先の当座預金残高が増えてるのとか見るとそもそもの短期市場におけるファンディングニーズの総量が減っている関係で板が薄くなっていて需給のブレが超足元に思いっ切り反映されていると思うので、あまり健全な感じはしないのですけどねえ・・・・・・・・


・中国PMI

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRWT3A6KLVRT01.html
中国:8月のHSBC製造業PMI−予想外に活動拡大示す
更新日時: 2013/08/22 13:22 JST

てな訳で昨日は中国のPMIが出た所で株価は反発するわ為替はドル高になるわでリスクオンキタコレとか思ってたらふと見たらUST10年が2.9%抜けて確か2.925%とか位まで東京時間でやってやがったのが誠にアレ。

まあNY市場で更にあばばばばーとかには成らずに2.90%で踏みとどまっているのですけれども、中国PMI一発で随分とこりゃ砲撃力ありましたなとゆー所ですが、その他のEM株とかは引き続きあばばばばーだったりするので、色々と何がどうなっているのかムツカシヤですな。

貫録の円債先生もUSTが売られてるのに影響してるのか知らんけど微妙に後場途中に中期から先物あんど長期位までが弱く推移してました(引けに掛けて戻った)ので、ちったあ影響あったのかも知れませんな、よーわからんけど。


○FOMC議事要旨の続きである(汗)

既に本職の方々がレポート出していて、よーするに結論は「Taperingに関する追加情報がねえじゃねーかコノヤロー」ということのようですが、確認のために続きを引用なのだ。

http://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20130731.htm

『Committee Policy Action』の所を引用するだよ。

・景気認識の話はまあ声明文で示されたものをなぞるような感じ

『Committee members viewed the information received over the intermeeting period as suggesting that economic activity expanded at a modest pace during the first half of the year.』

とまあここはサラッと流されていまして、実際問題としては(引用してませんが)前の部分での景気認識に対する議論を見ないといかんのですが、そちらを斜め読みした印象では景気に対してはまあ強気の認識を示しているように見えましたけどね。

で、ここの表現って(この先もそうですが)声明文に示されていて、当初出た時に「モデレートがモデストになったこれは下方修正ヒャッハー」という見解も散見されましたけれども、まーどー見てもそうじゃなかったですよねと存じますです、はい。


『Labor market conditions showed further improvement in recent months, on balance, but the unemployment rate remained elevated. Household spending and business fixed investment advanced, and the housing sector was strengthening, but mortgage rates had risen somewhat and fiscal policy was restraining economic growth. The Committee expected that, with appropriate policy accommodation, economic growth would pick up from its recent pace, resulting in a gradual decline in the unemployment rate toward levels consistent with the Committee's dual mandate.』

『With economic activity and employment continuing to grow despite tighter fiscal policy, and with global financial conditions less strained overall, members generally continued to see the downside risks to the outlook for the economy and the labor market as having diminished since last fall. Inflation was running below the Committee's longer-run objective, partly reflecting transitory influences, but longer-run inflation expectations were stable, and the Committee anticipated that inflation would move back toward its 2 percent objective over the medium term. Members recognized, however, that inflation persistently below the Committee's 2 percent objective could pose risks to economic performance. 』

まあこの辺は声明文でも示された認識でして、ここまでは前座。


・先行きの金融政策については確かに金融政策予想に対する追加情報に乏しいですな

『In their discussion of monetary policy for the period ahead, members judged that a highly accommodative stance of monetary policy was warranted in order to foster a stronger economic recovery and sustained improvement in labor market conditions in a context of price stability.』

ということで先行きの金融政策に関する議論が始まる。

『In considering the likely path for the Committee's asset purchases, members discussed the degree of improvement in the labor market outlook since the purchase program began last fall. 』

オープンエンドQEを開始したのが昨年の秋なので、そこからの改善がどうよという話をするというのはまあその通りではあるのですが、そーゆーロジックで来ると、比較対象があまりにも昔なのでどの程度の改善を評価するのかというのが感覚的に掴みにくくて、市場の方としてはTaperingを判断する反応係数が判らんということになりそうな気がします。だったらもっと定量的な数値をとなるでしょうな。

『The unemployment rate had declined considerably since then, and recent gains in payroll employment had been solid. However, other measures of labor utilization--including the labor force participation rate and the numbers of discouraged workers and those working part time for economic reasons--suggested more modest improvement, and other indicators of labor demand, such as rates of hiring and quits, remained low.』

でまあ金融政策は「総合判断」の世界だからどうしてもこういう定性的な言い方での「改善状況の判断」となるのはまあシャーナイのですけれども、その一方で金利ガイダンスにおけるスレッショルドを設定しているというのが現在のFEDでありまする。

勿論このスレッショルドとオープンエンドQEを整理した今年1月のFOMC声明文で示されているように、当初から資産買入政策の運営に関しては「労働市場の顕著な改善」という表現を継続の目安としておいているので、そういう意味ではこのような定性的な話をするのは当初のお約束通りの話ではあるのですが、実際にQE縮小検討みたいな状態になってみると、定性的な評価でどうのこうのとやると、金利ガイダンスに関する部分でも市場の思惑がぶれて、予想短期金利パスに影響を与えているという結果になっている訳でして、運営上あまり面白くない(傍から見ていると面白いのだが^^)展開になっちゃいますよねという感じがします。

つまりですな、Tapering如きでこの状況な訳ですけれども、実際に利上げ云々のスレッショルドが見えて来た段階になると、恐らく市場の予想短期金利パスが跳ねて、それに対してFEDが定性的な話を色々とするんじゃネーノというのが妄想されるのですけれども、そうなった場合に益々市場がワケワカランとなって暴れモードになり、コミュニケーション的にあちゃーな展開になりゃせんかとそっちの方が気になってくる今日この頃なのでありました。


・・・・・・すいません話が逸れました。

『While a range of views were expressed regarding the cumulative improvement in the labor market since last fall, almost all Committee members agreed that a change in the purchase program was not yet appropriate.』

ここの所をヘッドラインにしているニュースワイヤーがありましたが、7月で何もしなかったし、反対が1名なのだから「殆ど全ての参加者が資産買入政策の変更は現状では不適切と合意」って当たり前の話。

『However, in the view of the one member who dissented from the policy statement, the improvement in the labor market was an important reason for calling for a more explicit statement from the Committee that asset purchases would be reduced in the near future.』

反対したジョージおばちゃんによりますと、労働市場の改善状況は顕著なので近い将来に資産買入を減らすというより明確な表現を声明文に突っ込めやゴルァとの由。

『A few members emphasized the importance of being patient and evaluating additional information on the economy before deciding on any changes to the pace of asset purchases.』

『At the same time, a few others pointed to the contingent plan that had been articulated on behalf of the Committee the previous month, and suggested that it might soon be time to slow somewhat the pace of purchases as outlined in that plan.』

どっちも数名(A fewとa few others)ですが、資産買入のペース縮小についてはより多くの経済データを見極めてからという慎重な姿勢であるべき、というのと、前回示された資産買入の縮小が間もなく必要になるという認識の人がいると。

『At the conclusion of its discussion, the Committee decided to continue adding policy accommodation by purchasing additional MBS at a pace of $40 billion per month and longer-term Treasury securities at a pace of $45 billion per month and to maintain its existing reinvestment policies. In addition, the Committee reaffirmed its intention to keep the target federal funds rate at 0 to 1/4 percent and retained its forward guidance that it anticipates that this exceptionally low range for the federal funds rate will be appropriate at least as long as the unemployment rate remains above 6-1/2 percent, inflation between one and two years ahead is projected to be no more than a half percentage point above the Committee's 2 percent longer-run goal, and longer-term inflation expectations continue to be well anchored.』

という議論を経て政策変更なしになった、ということですが、これペース縮小慎重派と積極派がそれぞれ数名(a fewだから3名以上のそんなに多くない人数)いるのは分かるのですが、残りの軽く見積もっても10名以上はいる筈の中間派(?)の皆さんがどういう話をしているのかがまるで見えないような書き方になっているのが少々アレであります。

つまり、議論がカオスになって要旨に載せるのもアレと判断されたのか、それともマジで中間派が置物になっていたのでこの程度の話になっているのかとか、話としてはかなーり重要で市場の注目が高いのは分かり切っている資産買入ペースに関する議論のこの部分の記述があっさり味(パラグラフの文章自体は長いのですけれども、後半部分で増量して稼いでいて金融政策に関するインプリケーションという意味での情報が少ないという意味である)になっているのが奥が深いというか何というかでありまする。



・声明文のワーディング:物価警戒文言と「緩和的なスタンスが適切」の表現強化とな

『Members also discussed the wording of the policy statement to be issued following the meeting.』

声明文のワーディングに関して議論とな。

『In addition to updating its description of the state of the economy, the Committee decided to underline its concern about recent shortfalls of inflation from its longer-run goal by including in the statement an indication that it recognizes that inflation persistently below its 2 percent objective could pose risks to economic performance, while also noting that it continues to anticipate that inflation will move back toward its objective over the medium term.』

足元のインフレの低下傾向に関する警戒と、そうは言いましても中期的にはインフレは目標に戻りますよんという見通しについての表現を明確化すべきであるというのは声明文に反映されていましたな。

『The Committee also considered whether to add more information concerning the contingent outlook for asset purchases to the policy statement, but judged that doing so might prompt an unwarranted shift in market expectations regarding asset purchases.』

これは昨日引用した部分にもありましたが、資産買入政策に関する追加情報を声明文に記載するという議論もあったようですが、さらに市場を混乱させる結果になる可能性があるということで断念したのはまあ正解でしょ。

『The Committee decided to indicate in the statement that it "reaffirmed its view"--rather than simply "expects"--that a highly accommodative stance of monetary policy will remain appropriate for a considerable time after the asset purchase program ends and the economic recovery strengthens.』

これも声明文に反映されていましたが、ガイダンス文言に有る中の「高度に緩和的な金融緩和スタンスは資産買入プログラムが終了し、経済の回復が強まった後でも相当の期間適切である」という事に対しての表現を「expects」から「reaffirmed its view」としたのは、これによりますと「資産買入プログラムが終了しても金融政策は緩和的」というのをより強く言いたかった、ということのようですな。


ということでミニッツネタでありました。



2013/08/22

お題「FOMC議事要旨である」

高校野球の決勝となるとそろそろ夏が終わりかという話になるのだが今年は(−−;

○7月FOMC議事要旨である

寝起きで斜め読みなのでポイント外してたらゴミンナサイ。

http://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20130731.htm
http://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcminutes20130731.pdf

・足元までの金融市場動向に関する委員の見解に少々意外感があるという件

早読みの基本なので『Participants' Views on Current Conditions and the Economic Outlook』をケツからざくざく読んだのだが金融市場に関する話の部分からまずは読んでみるざます。ちなみに何故そこから読むかと言うとこのパラグラフがクソ長いので、クソ長いということは何かあるに違いありません(と言って空振りの場合もあるので要注意^^)。

『Both domestic and foreign asset markets were volatile at times during the intermeeting period, reacting to policy communications and data releases.』

金融市場が世界的にボラタイルになりましたぞなと。

『In discussing the increases in U.S. longer-term interest rates that occurred in the wake of the June FOMC meeting and the associated press conference, meeting participants pointed to heightened financial market uncertainty about the path of monetary policy and a shift of market expectations toward less policy accommodation.』

さいですな。

『A few participants suggested that this shift occurred in part because Committee participants' economic projections, released following the June meeting, generally showed a somewhat more favorable outlook than those of private forecasters, or because the June policy statement and press conference were seen as indicating relatively little concern about inflation readings, which had been low and declining.』

要因としてはFOMCの強めの経済見通しと、6月声明文やプレコンでインフレ低下に対する警戒感があまり強く出ていなかったと見なされたことなどが挙げられるでしょうと。

『Moreover, investors may have perceived that Committee communications about the possibility of slowing the pace of asset purchases also implied a higher probability of an earlier firming of the federal funds rate.』

そしてTaperingトークの影響についてで、Taperingトークが利上げの前倒しも連想させるようになっているという認識はあるのだな。

『Subsequent Federal Reserve communications, which emphasized that decisions about the two policy tools were distinct and underscored that a highly accommodative stance of monetary policy would remain appropriate for a considerable period after purchases are completed, were seen as having helped clarify the Committee's policy strategy.』

『A number of participants mentioned that, by the end of the intermeeting period, market expectations of the future course of monetary policy, both with regard to asset purchases and with regard to the path of the federal funds rate, appeared well aligned with their own expectations.』

利上げとQEは別という理屈で金融政策スタンスの説明を明確化しているものの、委員からは金融市場の反応を見るとQE縮小に加えてFF金利パスの予想にも影響を与えておりますなあと。

『Nonetheless, some participants felt that, as a result of recent financial market developments, overall financial market conditions had tightened significantly, importantly reflecting larger term premiums, and they expressed concern that the higher level of longer-term interest rates could be a significant factor holding back spending and economic growth.』

キタコレという所ですが、複数名(some)の委員は足元の金融市場動向、特にタームプレミアムの拡大によって「顕著に」金融環境がタイト化しており、長期金利の上昇は消費や経済成長の抑制に「顕著な」要因になる事を懸念していると来ましたよ!

『Several others, however, judged that the rise in rates was likely to exert relatively little restraint, or that the increase in equity prices and easing in bank lending standards would largely offset the effects of the rise in longer-term interest rates.』

しかしながら他の複数名(Several others)は長期金利の上昇の悪影響は相対的に低く、株価の上昇や銀行の貸出態度の緩和化による効果で悪影響は相殺されるでしょうと指摘していて、意外に「上がったっていいじゃないかきんりだもの」という人が居るのにはほほーという感じではございます。もっと「金利上昇はケシカラン」というのが前面に出てくるのかと思いきやという所ですな、うんうん。

『Some participants also stated that financial developments during the intermeeting period might have helped put the financial system on a more sustainable footing, insofar as those developments were associated with an unwinding of unsustainable speculative positions or an increase in term premiums from extraordinarily low levels.』

更に複数名(Some)の委員はこの間の金融市場動向について、「金融システムをより持続可能な立場に置く事を助ける」という指摘をしているとか、スタイン理事みたいな事を言ってるのが複数名いるっちゅう事かいなという所でして、insofar以降に書いてありますように、要は「いつまでもあると思うなQE拡大」によってガス抜きが出来て、利回り追求の行き過ぎに対する抑制効果があったとかいう指摘をしていて、この「直近の金融市場」に関する評価部分でタカっぽい人がそこそこいるじゃネーカというのと、その辺に関する記述がこんな感じで続いているのには若干の意外感を受けました。


・6月以降のコミュニケーションは概ね満足との認識な件

『In looking ahead, meeting participants commented on several considerations pertaining to the course of monetary policy.』

キタコレ。

『First, almost all participants confirmed that they were broadly comfortable with the characterization of the contingent outlook for asset purchases that was presented in the June postmeeting press conference and in the July monetary policy testimony.』

ほとんどすべて(almost all)の委員は6月FOMC後と7月の議会証言における逆さ絵先生による資産買入の先行きに見通しに関する表現に概ね満足しているとな。

『Under that outlook, if economic conditions improved broadly as expected, the Committee would moderate the pace of its securities purchases later this year. And if economic conditions continued to develop broadly as anticipated, the Committee would reduce the pace of purchases in measured steps and conclude the purchase program around the middle of 2014. At that point, if the economy evolved along the lines anticipated, the recovery would have gained further momentum, unemployment would be in the vicinity of 7 percent, and inflation would be moving toward the Committee's 2 percent objective.』

ここは耳タコの話で新たな表現はございませんですな。

『While participants viewed the future path of purchases as contingent on economic and financial developments, one participant indicated discomfort with the contingent plan on the grounds that the references to specific dates could be misinterpreted by the public as suggesting that the purchase program would be wound down on a more-or-less preset schedule rather than in a manner dependent on the state of the economy.』

今後の金融政策パスは先行きの経済金融情勢によって決定されるものであるということから、1名の委員は議長の示したパスについて特定の日程が示されている事に対して不快感を示していて、日程を示すのは市場などを誤解させるリスクがあるという点を指摘しておりますな。

『Generally, however, participants were satisfied that investors had come to understand the data-dependent nature of the Committee's thinking about asset purchases.』

ただ他の人たちは市場が資産買入の今後の動向に関してデータディペンデントであるという理解が市場に広がってきている事に対して満足しているとな。

『A few participants, while comfortable with the plan, stressed the need to avoid putting too much emphasis on the 7 percent value for the unemployment rate, which they saw only as illustrative of conditions that could obtain at the time when the asset purchases are completed. 』

数名(A few)の委員はプランについては満足しているものの、7%の数値に対して過度な注目が集まらないようにする必要があると指摘しています。


・資産買入政策に関連してステートメントに追加記述を入れることを検討していたとなという件

んでその次。

『Second, participants considered whether it would be desirable to include in the Committee's policy statement additional information regarding the Committee's contingent outlook for asset purchases.』

資産買入政策運営に関してステートメントに追加の記載をすべきかどうかという議論をしたそうな。

『Most participants saw the provision of such information, which would reaffirm the contingent outlook presented following the June meeting, as potentially useful; however, many also saw possible difficulties, such as the challenge of conveying the desired information succinctly and with adequate nuance, and the associated risk of again raising uncertainty about the Committee's policy intentions.』

殆どの委員はその記載の有効性は認めたものの、実際にどのような記述をするかという事になると結構難しく、下手な書き方をすると誤解を招くリスクがありますよねという見解。

『A few participants saw other forms of communication as better suited for this purpose. Several participants favored including such additional information in the policy statement to be released following the current meeting; several others indicated that providing such information would be most useful when the time came for the Committee to begin reducing the pace of its securities purchases, reasoning that earlier inclusion might trigger an unintended tightening of financial conditions.』

数名(A few)は声明文以外の別の方法での説明(プレコンなどでしょうか)が適切との認識を示す一方で、数名(Several)の委員はこの回の声明文での追加記述が適切との見解を示していたようですな。でまあ他の数名(several others)は資産買入拡大のペースを縮小する時に資産買入政策運営に関する追加情報を示すことによって、市場の過度な早期引き締め懸念の抑制に寄与するのではないかとの見解を示しておりますな。

ということで、最後の所はもしかすると「声明文で詳しく書けばプレコン無しでも行けるんじゃないか」って考えを元にしている(つまり10月Taperingを念頭に置いている)のかも知れないですなとまで読むのは読み過ぎかもしれませんが、まあちょっと引っ掛かったのでメモメモ。


・フォワードガイダンス関連の議論がどう見てもカオスです本当にありがとうございましたな件

でこの部分の最終パラグラフはフォワードガイダンスの強化??について。

『Finally, the potential for clarifying or strengthening the Committee's forward guidance for the federal funds rate was discussed.』

ほほう。

『In general, there was support for maintaining the current numerical thresholds in the forward guidance.』

全般的には現状維持でエエンチャウノという話。

『A few participants expressed concern that a decision to lower the unemployment threshold could potentially lead the public to view the unemployment threshold as a policy variable that could not only be moved down but also up, thereby calling into question the credibility of the thresholds and undermining their effectiveness.』

そらそうよという感じだが、数名(A few)の委員はスレッショルドの失業率数値を下げるというのは如何なものかという指摘を。

『Nonetheless, several participants were willing to contemplate lowering the unemployment threshold if additional accommodation were to become necessary or if the Committee wanted to adjust the mix of policy tools used to provide the appropriate level of accommodation.』

一方で数名(several)の委員はもし仮に(仮定法過去)追加緩和が必要になった時や、適切な緩和のレベルを調整する為に複数政策手段のセットを使う際に必要であればにスレッショルドの失業率数値を下げることが適切であるとの認識をしめしております。

ただまあ追加緩和が必要な時ってそらスレッショルドが遠くなっている時だからわざわざ下げる必要あるのかいなという気はだいぶするんですけどね・・・・・・・・

『A number of participants also remarked on the possible usefulness of providing additional information on the Committee's intentions regarding adjustments to the federal funds rate after the 6-1/2 percent unemployment rate threshold was reached, in order to strengthen or clarify the Committee's forward guidance.』

数名(A number of)の委員はスレッショルドに到達した後のFF金利レートパスについての追加上方を示すことによってフォワードガイダンスを明確化するのはどうよという見解とな。

『One participant suggested that the Committee could announce an additional, lower set of thresholds for inflation and unemployment; another indicated that the Committee could provide guidance stating that it would not raise its target for the federal funds rate if the inflation rate was expected to run below a given level at a specific horizon.』

もはやカオスなのですが、インフレと失業の数値を両方下げろというのが1名いたり、他の1名はインフレが一定期間特定レベルを上回らないと予想される場合に金利を上げないと明確化する特定レベルを明示すべきとかもうコミュニケーションの話が凄まじくカオス。

『The latter enhancement to the forward guidance might be seen as reinforcing the message that the Committee was willing to defend its longer-term inflation goal from below as well as from above.』

でさっきの後者の人はこの方法によって、物価目標に対する明確な姿勢を打ち出すことが出来るという説明もしておりますな。


つーことで引用してみましたが、何かもうこの部分とか意見がバラバラにも程があって、こりゃ逆さ絵先生てーへんですなと思いますが、まあそれまでが「建設的な曖昧さ」でやってたツケが回っているという面がだいぶあるので致し方ない面もありますね。

で、ここで次の『Committee Policy Action』を引用しないといかんのだが、時間の関係でここで終わってしまう所が誠にすいませんすいませんすいませんm(__)m



2013/08/21

お題「ドイツ連銀とか新興市場ェ・・・とかの雑談/BOEのスレッショルドは「景気回復での金利上昇抑制」なのかな?」

インドで引導・・・・・と言ってみたかっただけですけど。
http://jp.reuters.com/article/idJPTYE97I07R20130819
インド・ブラジルなどの新興国通貨、米緩和策縮小懸念で大幅下落
2013年 08月 20日 06:30 JST

○ニュース雑談メモ

・ドイツ連銀の8月月報があったぞなという件(すいませんすいません)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130820-00000136-jij-eurp
アベノミクス「わらに付いた火」=効果は短期間―ドイツ連銀論評
時事通信 8月20日(火)20時22分配信

『【フランクフルト時事】ドイツ連邦銀行(中央銀行)は20日までに発表した8月の月報で、日本の経済政策「アベノミクス」による景気押し上げ効果は「わらに付いた火」のように、短期間で消え去るとの批判的な分析を示した。』(上記URLより)

・・・・・・ということで8月の月報とな!と思ってドイツ連銀のほんちゃんのサイトでありますところのドイツ語版をみましたら、8月月報がございましたぞな(大汗)。

http://www.bundesbank.de/Navigation/DE/Veroeffentlichungen/Monatsberichte/monatsberichte.html
Aktuelle Monatsberichte

Monatsbericht - August 2013
Der Monatsbericht August 2013 erlaeutert die Wirtschaftslage in Deutschland im Sommer 2013.

Datei offnen 19.08.2013 | 1 MB, PDF (書き物作成環境の関係上ウムラウトとかその手の全部外れてますので念の為)

「Datei offnen」って所をクリックするとレポートが出てきます

昨日はドイツ連銀の月報でフォワードガイダンスをdisってた云々の記事をクリップしたのですが、英語サイトでは7月版が8月15日に出ているもんでそんなもんかと思ってたのですが、本家のドイツ語サイトの方が8月分を19日に出しておりましたすいませんすいません。

でまあここでドイツ語の文章を引用しながらドヤ顔で解説するとどこぞの前財務次官かという位格好いいのですが、不肖このアタクシ、大学での第2外国語がドイツ語だった筈なのですが、喋れるドイツ語がだんけしぇーんとぷろーじっと位しかございませんので、とりあえずページだけ見つけたような気がするのでそれだけ。

えーっとですね、フォワードガイダンスがどうのこうのと書いてあるのは本文31ページ目(PDFでも31枚目)から2ページ半ほどある『”Forward Guidance” - Orientierung uber die zukunftige Ausrichtung der Geldpolitik』という所にあるようですが、あたしゃドイツ語は字面を追ってもワカランチ会長なので何が何やら(大汗)。

それから日本の話は本文16ページ目(PDFでも16枚目)にございますが、これがまた延々と図表も並べて4ページ組という代物でして、お題は『Zu den makrookonomischen Effekten der neuen Wirtschaftspolitik in Japan』というものですがドイツ語の得意な人は頑張って読んであたくしに解説して下さいお願いしますお願いします。

でまあ超どうでも良いのですが、このドイツ連銀のレポート、ページの打ち方が表紙や目次にもページを打っているので先ほどのように「本文のページ=PDFファイルでのページ」となっているのですが、そういうのきっちり合わせようとするのはやっぱり律儀なドイツクオリティがこういう所に示されているのではないかと思ったのですが気のせいですかね。表紙や目次のページにもページ打ってるレポート(ただのペーパーだったらそういうこともあるのだが)って中銀関連物を色々と(趣味で)見ているが初めてかも知れん(^^)。


・新興市場ェ・・・・・・・・・・・

インドで引導(しつこい)
http://jp.reuters.com/article/idJPTYE97I07R20130819(再掲)
インド・ブラジルなどの新興国通貨、米緩和策縮小懸念で大幅下落
2013年 08月 20日 06:30 JST

でまあインドで引導なのでFTQヒャッハーと。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRUE2F6S972Y01.html
米国債:4日ぶりに上昇、新興国市場の波乱で安全への逃避
更新日時: 2013/08/21 03:51 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRTL1T6S973901.html
NY外為:ユーロやフランが上昇、新興市場から資金引き揚げ
更新日時: 2013/08/21 04:23 JST


昨日は後場になってアジア株が全般的にゲロゲロちゃんで日本株もゲロゲロになって為替が円高に振れて債券は先物から長期中心に買われて先物はだいたい高値引けとかになっている訳ですが、雨公のTaperingでどんだけキャリートレードモードになっていたんだよというか、単に連想だけのような気もせんでもないが、どうにもこうにもという所で。

でまあ債券ちゃんはFTQキタコレ(というか単に連想のような気もするが)の巻でここもとTaperingヒャッハーとか言ってて(これまたホンマカイナという気がするのだが)米国長期金利上昇していたのですが、日本時間からFTQキタコレとなって米債強くなっておりましたな。

まあそれ以前の問題として円債先生の場合前日の米国10年金利2.9%ワンタッチでも10銭少々しか下がらず、その後は貫録の金利低下モードとなっている辺りが威風堂々たる風格を漂わせているのですがね(^^)。でまあいずれにせよ新興国市場が怪しいとなりますと主要国債券はFTQモードという事になるんでしょうが、Taperingネタ一発でこんなになるのかねとどうも微妙に「???」は飛び交いながらちょっと色々と真面目に調べながら考えていきたいと思います。

まーしかし何ですな、これでFEDがびびってTaperingに対して曖昧な状況が続くと更に市場が嫌がる不透明性の継続パターンになってしまいますので、益々ボラタイルになるというあばばばばーなパターンになってしまいますので、全然TaperingやりませんよQE3ヒャッハーですよオープンエンド万歳ですよというのであれば話は別ですが、そうじゃないならとにかく早めに引導を渡す方が吉(=9月にTapering決定しておけということ)だと思うのですけれどもどうなんすかね。


○さてFOMC議事要旨の前にBOE議事要旨ネタでも

http://www.bankofengland.co.uk/publications/minutes/Documents/mpc/pdf/2013/mpc1308.pdf

フォワードガイダンスを突っ込んだ(ガイダンスの公表はインフレレポート時点でしたが)回のBOE議事要旨でありますので少々鑑賞。

・経済認識は割と強めだったりするということはつまり・・・・・・・・・・

前段の執行部報告部分なのですが、経済に関しては「先進国経済については想定より強い」「EM諸国は想定よりも弱い」となっているのですが、英国経済については結構強めの認識を示しておりまして、今回のフォワードガイダンス導入の文書の中でもまあ説明らしきものはあったのですが、なるほどこういう景気認識を示す中でのフォワードガイダンス導入というのは「新たな緩和策」というよりは「将来の政策金利パスを示すことによって回復初期段階での金利上昇を抑えたい」という意図の方が強かったんだなあと思う訳ですよ。

すなわち、『The immediate policy decision』の所でフォワードガイダンスを導入しましょうという話が第31パラグラフから延々と続くのですが、その冒頭でこういう認識を示しているのですわ。

『31 In these unprecedented circumstances, the Committee agreed that explicit policy guidance could enhance the effectiveness of monetary stimulus in three ways.』

まあ金融緩和をエンハンスするってんだから緩和の強化みたいな意味はあるのですが、これをもって長期金利を下げようとか更なる刺激を突っ込もうとしている、と解釈するとそれはちょっと違うんじゃないかなあと思うのでして・・・・・・・・

『It could provide greater clarity about the Committee’s view of the appropriate trade-off between the speed with which inflation was returned to the target and the support given to the recovery. It could reduce uncertainty about the future path of monetary policy as the economy recovered. And it could deliver a robust framework within which the Committee could explore the scope for economic expansion without putting price stability and financial stability at risk. Forward guidance, as part of a mixed strategy towards the conduct of monetary policy, would complement the Committee’s asset purchase programme and the FLS.』

つーことで、2番目にある「as the economy recovered」ってあたりだけこのミニッツ全部を読まないで見ると何を先の話をしてますねんという事になるのですが、前半の方で指摘されているBOEスタッフの経済認識と、ここの部分での前のパラグラフにあるMPC委員の経済認識を合わせて考えますと、「経済が回復する中で先行きのBOEの政策金利パスに対する不確実性を減らす効果」というのは遠い先の話を言っているのではなく割と現実的に「米国に連れて金利が上昇するのは勘弁」「せっかく回復基調にあるのにここで金利急上昇されるのは勘弁」という考え方をしているんだなあというのは把握しました。


では念の為経済状況の検討部分をざくざく引用。第27パラから第29パラまで引用します。

『27 Financial market volatility had fallen since late June, and advanced economy equity indices had risen. UK short-term interest rates were lower than they had been at the time of the July meeting, in part reflecting the Committee’s statement, but remained higher than in early May. Sterling’s effective exchange rate was around 2% lower than in May, in line with the movement in interest rates.』

とりあえず市場のボラは低下して先進国の株価が上昇したという話ですが、その中でUKの短期金利が低下した話の中で「in part reflecting the Committee’s statement」としらっと自画自賛しているのがワロタ。

『28 The news on foreign demand conditions had been mixed. The US recovery seemed to be proceeding broadly as the Committee had expected, and there had been encouraging signs that the euro area might be returning to modest growth. But there were also signs that the slowdown in the emerging economies might prove to be more durable than anticipated.』

USはほぼ予想通りに強く、ユーロ圏は水準はうんこだけど予想よりはやや強いということですな。

『29 Developments in the domestic economy on the month had again been broadly positive. The preliminary release suggested that GDP had increased by 0.6% in Q2, in line with the Committee’s expectation. Survey indicators had risen more strongly than expected. In particular the composite Markit/CIPS output index had risen strongly on the month and was above its historical average prior to the financial crisis.』

つーことでUK国内に関しては強いという認識を示しています。サーベイに見られるセンチメントが強いんですと。

『The revival in growth had partly been driven by a pickup in private consumption, as retail sales had strengthened and consumer confidence improved. Housing investment had also grown strongly in the first quarter.』

個人消費と住宅投資が強いとな。

『It was plausible that the pickup in growth reflected a combination of reduced uncertainty and easing credit conditions, and that these factors would in due course also support a stronger recovery in business investment. Housing market activity had so far picked up only modestly, but some forward-looking indicators pointed to a stronger recovery that might represent a further stimulus to growth.』

要因としては不確実性の低下とクレジットコンディションの改善とそれによって起きた企業投資の強い戻りとな。

『These factors had underpinned the materially stronger near-term growth profile in the Committee’s August Inflation Report projections.』

materially strongerキタコレ。

『Twelve-month CPI inflation in June had been a little lower than the Committee had anticipated at 2.9%, and was expected to stay at around that level for the next few months. The current strength of inflation reflected pass-through from higher import costs and an elevated contribution from administered and regulated prices.』

物価に関しては輸入価格の転嫁と公共料金等の上昇が効いて当面は3%程度で推移とな。

『Pay growth remained subdued. The Committee’s August inflation profile was similar to that in May, reflecting a judgment that much of the increase in demand relative to the May forecast would be matched by an increase in supply.』

物価動向は前回インフレレポートの想定に沿って推移と。


・「実質GDPスレッショルド」VS「失業率スレッショルド」だったとな

でまあ先行きの物価に関する考察の第30パラグラフがあるのですが後回し(つーか明日以降回し)にしまして(汗)フォワードガイダンスにどういうのを設定するかという話がほほうという所ですので第32パラグラフ以降になります。

『32 Prior to its policy meeting, and in the context of preparing the assessment requested by the Chancellor, the Committee had discussed the potential design parameters of a forward guidance strategy. It had agreed that framing guidance in terms of the likely response of monetary policy to economic developments, rather than specifying the period over which it intended to maintain the current highly stimulative stance of monetary policy, was likely to render it more effective. This could be achieved by indicating an intention not to tighten policy at least until some suitable threshold had been met.』

つーことで最初は「カレンダーデート方式」のフォワードガイダンスを却下。

『33 The Committee had discussed a range of potential indicators that might form the basis of such a threshold, focusing on real GDP growth and the unemployment rate. There were risks if policy appeared to be mechanically tied to a single real-side indicator. Those risks included the perception that the Committee would attach undue weight to a single variable in setting policy, and potential confusion about the Committee’s objectives. Nevertheless, the Committee recognised the importance of simplicity in its guidance and concluded these concerns could be mitigated by careful design.』

ここの部分は中々オモシロスと思ったのですが、スレッショルドに「実質GDP」と「失業率」のどっちを使うかという検討をしたという話で、まあ検討内容はここから延々と続くのですけれども(実質GDP対失業率のあとは物価の話になるのですが)、最初の所でこういう話をしているのってアタクシ的にはイイハナシダナー(イヤミじゃなくて^^)と思う所。

つまりですね、「スレッショルドを自動発動のトリガーと取られるのはイクナイ」という認識を示しつつも、「でも総合判断みたいなのだったら意味ないよね」ということで、「スレッショルドとして出すものはある程度シンプルである必要がある」という話をしてまして、その双方をどう天秤に掛けるかという注意深いデザインが必要ですよねという話になっているのを示しているのがいいねえと思う所です。

ただまあこういうイイハナシダナーをしている割には説明の方がとんでもない分量のドキュメントを出してきて何をしたいのか判らんぞなもしという結果になっているのがこれまた残念な所でありましてどうしてこうなったという所ですな(−−;


さて実質GDPと失業率のプロコン比較が34パラと35パラに。

『34 In this context, there were advantages to employing a real GDP growth threshold, since it provided a comprehensive measure of the expansion in economic activity and, as such, provided an indication of the rate at which the margin of spare capacity was closing.』

実質GDPを使うメリットとして、経済活動および経済のスラックを見るのに適切な指標だというのがありますよと。

『The Committee already published projections for real GDP growth and so it had the benefit of continuity. While not a measure of the extent of slack, once growth had reached a suitable threshold, there could be a review of evidence of both unused capacity in the economy and inflationary pressures.』

更なるメリットとして、MPCは実質GDP成長に対しての予想を既に公表しているので、コミュニケーションポリシーとしても有効であり、また、経済のスラックというのは計測しにくいですが実質GDPは経済のスラックとインフレ圧力に対するレビューにもなるので有効ですよという所で。

『On balance, however, the Committee decided that the disadvantages of framing the threshold in terms of real growth - including volatility of GDP growth data, their propensity to be substantially revised, and the need to specify the evolution of potential supply in any event - outweighed these considerations.』

一方でGDPの数値はボラタイルな上に改定が多く、さらにGDPスレッショルドを設定する場合には潜在成長率の置きをしないと適切な数値を設定できないというのも問題なので却下したとの事。

しかし「名目」じゃなくて「実質」で来たのはふーんという所ですが、良く良く考えたら目標じゃなくてスレッショルドなのですから名目は使いにくい(インフレ目標を名目GDP目標に変えるというような場合だと名目が出てくるということでしょうな)んでしょうね。


一方の失業率。

『35 The unemployment rate provided a measure of spare capacity in the labour market which would be likely to move in tandem with the unobservable and highly uncertain margin of spare capacity in companies. Using the unemployment rate would allow the Committee to set monetary policy so that it provided enough support to activity to reduce the degree of spare capacity in the economy without having to rely on an explicit judgement about the extent to which productivity would pick up as the recovery gathered pace. Moreover, the unemployment data were relatively reliable, less prone to revision and well understood. On balance, therefore, the Committee preferred the unemployment rate as a threshold indicator.』

失業率については労働市場のスラックを推計するのには適切であり、労働市場のスラックは企業部門における資源の余剰状況という計測しにくいものとある程度関連するものなので、指標としてはまあ適切でしょうという話。

そんでもってこれは説明文にもありましたが、失業率は改定が少なく信頼性が高い上に、一般的にも知られているので、スレッショルドの数値として適切だという比較検討でありました。

・・・・・・・という所で時間がががが(大汗)



2013/08/20

お題「休んでも無いのに頭がお盆明けモードなので雑談で勘弁」

お盆休み明けたと思ったらジャパンの株も債券も売買代金ががががががorz

○市場ニュース雑談というかクリップ用メモ

・米債ェ・・・・・・・・・

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRSJY66S972901.html
米国債:続落、2年ぶり高利回り−FOMC議事録に注目
更新日時: 2013/08/20 03:59 JST

瞬間風速で2.9%マークですかそうですか・・・・・・・・・・

だから議事録は5年後に出るTranscriptであって今週出るのはあくまでも議事要旨ですぞなもしという悪態は1万回位は申し上げたと思いますのでスルー致しまして(粘着^^)、ミニッツ待ちとかそういう問題ではなく、ようはTaperingはどうせ年内のどこかで始まるんでしょうけれども、その影響って始まってみないとワカランチ会長だよね〜とか言ってる内に皆さん様子見地蔵になって積極的に買う人が居なくなってしまいましたとかそういう話ですよねと思うのですがどうっすかね。

とまあそんな事を考えますと、Taperingやるならやるでとっとと開始時期を決めるなりやっぱやらねえよヴァーカと宣言するなりして、とにかく方向性を見せろやゴルァと思う次第でして、個人的には9月FOMCでまずは「オープンエンド買入はやりすぎなので買入拡大を毎月削減(USTとMBSの月の拡大額をそれぞれ1m$ずつ減らすとか)して来年のどこか(多分前半)で拡大停止するからもうオープンエンドじゃないよ〜。あそうそう必要があったらまたQE4やるからね〜」とでもアナウンスして、とにかく一回灰汁抜けさせないとアカンと思われますけどね。

ただまあ昨日ネタにしたようにFRBの「資産買入政策と金利政策は完全に分離」というのは虫のよすぎる理屈であって、ブラード総裁も指摘しているように、Taperingトークといやいや拡大だってあるぜよみたいなのが続くと先行きの政策金利パスがどうしても影響される訳でして、だったら「フォワードガイダンスでの金利政策を中心にしております」というのをより前面に出してLSAPについては別に規模縮小しなくても良いけど拡大はすっぱり止めた方が一々市場が振り回されなくても済むような気もしますが良く判らん。

#従ってオープンエンドとかトンマ政策だったにも程があるというのは連日申し上げておりますが、それはそれとしてほんの1年前に「米国のように日本もオープンエンドをすべき」とか主張していた連中ちょっとツラだせやコノヤローと思うのですが、そういう人たちは既に何事も無かったようにしているのが非常にトサカに来るので過去の人様のレポート調べて糾弾会をしたい気分である

しかしまあ何ですな、米債売られると米株が一緒になって売られておりますのを見ますと、まあ足元だけの瞬間芸だとは思うものの、米債が米株のヘッジになっておりませんという状態ですので、つまり米債を持っていても株式ポートフォリオのヘッジどころか一緒になってズブズブと沈没してしまうという状況になっているとは何ということでしょう状態で、日本株ポートと米債ポートが一緒にズブズブとかになるとマズーな人もいそうな気がするが気のせいかもしれませんな(-Д-)。


・ドイツ連銀ェ・・・・・・・・・

貫録のブンデスバンククオリティ。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRRVUQ6S972T01.html
ECBのフォワードガイダンスは利上げ可能性排除せず-独連銀
更新日時: 2013/08/20 00:53 JST

『独連銀は「このコメントが条件付きであることは明瞭だ」とし、ECBの不変の責務である物価安定維持が条件だと説明。「従って、ユーロシステムのフォワードガイダンスは政策金利の将来の動向に関する無条件の約束ではない」と強調した。ECBのフォワードガイダンスは失業率やインフレ率の数値目標を設定していないため、米金融当局のガイダンスとは異なるものの、共通点もあると独連銀は指摘。「両中銀のフォワードガイダンスはいずれも、それぞれの金融政策戦略に基づいていることを強調する必要がある。従って、米国の政策決定も実際の経済動向に左右される」と説明した。』(上記URL先より)

まあ仰る通りなのですが何も一々後ろから刺すような話をせんでもと思いますけど、しらっと物議を醸しそうなタイミングで投下するのがブンデスクオリティ。

ちなみにドイツ連銀のマンスリーレポートってどこにあるんじゃいと思って探したら、この辺にあるようです。
http://www.bundesbank.de/Navigation/EN/Publications/Monthly_reports/monthly_reports.html
Monthly Report - July 2013 2013-08-15 | 1 MB, PDF

『The Monthly Report July 2013 examines the background and framework for the introduction of the common European Banking Supervisors, explains the problem of the estimates of yield curve in the financial crisis and analyzes the differences in monetary and credit growth in the euro area.』

直近のはこいつ(URLがクソ長いので割愛、さっきのURL先にある「Open File」って所をクリックすると1MBの144枚組ファイルがどどーんと出てくる)ですが、内容が大杉でさすがにその利上げ可能性云々が見つからない、というかその話をしている箇所が良く判らんかったぞなもしというか、多分そういう話よりももうちょっとこの月報ってトーンが違う気がするのだが探して来たものが間違いかも知れん(汗)。内容は面白そうな気がします。


○当座預金残高である

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/jcabs.pdf

平残ベースで見ると(というか普通は平残を見る)当座預金残高自体は6月積み期間よりも4500億円ほど増えているのですが、良く良く見ると『その他の当座預金取引先』の残高が2兆円弱増えていて、都市銀行の超過準備が1.1兆円、外銀が0.7兆円増えているので地方銀行、信託銀行、その他準備預金制度適用先の残高は落ちているのですなうんうん。

だからどうしたと言われても困りますが、今回ほほーと思ったのは最初に申し上げた「その他の当座預金取引先」が(元の数字がそれほど大きくないので)率的に結構な増え方をしていることでして、これって多分短資会社と証券会社になると思われる(違ったらスイマセン指摘キボンヌ)ので、はてさてこれはどういうことなんですかにゃあという所ですが、足元GC市場ちゃんでの業者の売りが多く無かったりするのと関係あるんすかねえというような寝惚けた事を申し上げてツッコミを待ちたいと思うのだ。



○SF連銀ペーパーネタの補足

しつこく続き、というか補足。

URLが長くて画面レイアウトが壊れるのでリンクは「こちら」に付けます。
http://www.frbsf.org/economic-research/publications/economic-letter/2013/august/large-scale-asset-purchase-stimulus-interest-rate/
PDFバージョン(同じくで直リンは「こちら」で)
http://www.frbsf.org/economic-research/publications/economic-letter/2013/august/large-scale-asset-purchase-stimulus-interest-rate/el2013-22.pdf

・市場のセグメンテーションがどうのこうのってのの意味が分からん件

昨日引用しましたように、LSAPの効果は「長期金利のリスクプレミアムを下げる(金利を下げる)ことによって長期債のみに投資ニーズのある経済主体の投資消費行動に変化を与える」という形で実体経済に影響を及ぼすというナンジャソラというような理屈になっているのですが、そらまあその理屈だとLSAPによるインフレ期待がどうのこうのとか、直接的な資産買入による効果がどうのこうのという話が無いんだから「効きが悪い」という結論になる罠と思いつつちょっと引用の続きを。

でまあQE2の効果は突っ込んだ年には実質GDPに+0.13%の効果を出したとかいうのが図1のグラフの辺りにありまして、その辺の説明。

『The 0.13 percentage point median impact on real GDP growth fades after two years.』

グラフを張り付けられないのが残念ですが、もうワロタとしか申し上げようが無くて2年後(8Qという表示になっているが)には効果殆どゼロとか「LSAPはその残高も効果を発揮する(キリッ)」とかゆうとった話はどうなっているのかと小一時間な訳ですよ。

『The median effect on inflation is a mere 0.03 percentage point. To put these numbers in perspective, QE2 was announced in the fourth quarter of 2010. Real GDP growth in that quarter was 1.1% and personal consumption expenditure price index (PCEPI) inflation excluding food and energy was 0.8%.』

ふむ。

『Our estimates suggest that, without LSAPs, real GDP growth would have been about 0.97% and core PCEPI inflation about 0.77%.』

ふーん。

『Chung et al. (2011) find effects about twice as big. Baumeister and Benati (2010) find marginal effects on GDP and inflation of about 3 percentage points and 1 percentage point respectively. Both studies use different methods and assumptions regarding the risk premium. The results of Chung and co-authors fall inside our 50% probability band. But our analysis assigns a negligible chance of LSAP effects as strong as those reported in Baumeister and Benati.』

でここで先行研究の話をしているのですが、先行研究に比べてワシらの推計する効果が何で小さいねんという話なのですが・・・・・・・・・・・

『Our effects are more limited because the data do not support much bond market segmentation. Thus, we find only modest economic impact.』

つーことで、昨日引用した「LSAPが実体経済に影響を与えるには「ボンドオンリー投資」の投資主体以外の債券投資主体の動きが重要」という話のような気がするのだがここのsegmentationの意味が微妙にワカランチ会長orz

『It’s possible that our data sample excludes periods of high financial turbulence that could encourage stronger financial segmentation. That could cause us to underestimate LSAP effects, particularly during the first few asset purchase rounds. To evaluate this, we run our simulation with at least a 5% degree of segmentation. In our first simulation, the probability of at least that level of segmentation is only 50%. With at least 5% segmentation, the impact on real GDP growth nearly doubles to 0.22 percentage point. The effect on inflation remains only about 0.04 percentage point.』

ここでの部分だけを見ると、QE1の頃の方が金融市場にsegmentationが高かったのでLSAPの効果が上がったという話をしているので、このセグメンテーションとは要するに金融市場にストレスが掛かっている状態の事を言うのかと思うのですが、昨日引用した辺りの実体経済への波及ルートの話を見るとそれって金融市場のストレス云々関係ないだろと思うので正直謎。


・LSAPよりも金利政策の方が効くという話

『Fed interest rate policy plays an important role in determining the effects of LSAPs on economic growth.』

LSAPの効果は金利政策が重要な役割を果たすとか何という金利政策重視攻撃。

『The Fed normally sets a higher federal funds rate target in response to higher inflation or economic growth. Thus, if LSAPs boost the economy, they should lead to a higher federal funds rate, offsetting the stimulus. In our simulation, we assume that the FOMC keeps the rate at zero for four quarters and then follows conventional monetary policy.』

ほうほうそれでそれで?

『To explore this interaction, we consider two alternative scenarios. First, if the FOMC had no commitment to keep the interest rate near zero, the median effect of QE2 would have dropped to only 0.04 percentage point on economic growth and 0.02 percentage point on inflation.』

ワロタというか何というか、フォワードガイダンス無かったらQE2の効果ってこんだけとか随分と酷い推計ですなこりゃ。

『Second, if the commitment to keep the federal funds rate near zero lasts five quarters instead of four, then the effect would be 0.22 percentage point on GDP growth and 0.05 percentage point on inflation.』

ほうほう。

『Taken together, these alternative simulations suggest that LSAP economic effects greatly depend on expectations about interest rate policy.』

という結論になっておりまして、ではLSAPと利下げはどう違いますねんという比較が続きます。

『How do LSAP effects compare with those of a conventional federal funds rate cut? Figure 2 shows the effects of a standard 0.25 percentage point temporary federal funds rate cut.』

でまあ例によって図を磔刑にするスキルが無いので図2というのはURL先を見てちょ。

『GDP growth increases about 0.26 percentage point and inflation rises about 0.04 percentage point. This suggests that a program like QE2 stimulates GDP growth only about half as much as a 0.25 percentage point interest rate cut.』

QE2は0.25%の政策金利引き下げの半分の効果ですってよ奥様、というかこれはまた何というLSAPケチョンケチョンの話ということですが、そもそも論としてゼロ金利制約の有る状態での政策と通常の政策を比較するのがおかしい気がするのですが・・・・・・・・・・・

『Both policy tools have similar effects on inflation. However, if we pair the LSAP program with a commitment to keep the federal funds rate near zero for five quarters instead of four quarters, then the median effects on real GDP growth and inflation are similar to those of the 0.25 percentage point interest rate cut.』

はあそうですか。

『Importantly, uncertainty about the effects of LSAPs on economic growth is much higher than uncertainty about the impact of a federal funds rate cut, as can be seen by comparing the shaded bands in Figures 1 and 2.』

そらまあ政策の効果を主に「長期金利のリスクプレミアムの縮小による効果」なのですからLSAPの方が効果が不確実だ罠と思うのですが。

『Our simulations suggest that the main reason for this difference is substantial uncertainty about the degree of financial segmentation. Segmentation is crucial for the effects of asset purchases, but is irrelevant for the impact of a federal funds rate cut on the economy.』

ということでdegree of financial segmentationが資産買入政策の効果に重大な影響を与える、という話になっておりまして、結局このfinancial segmentationが何を言いたいのかがイマイチ判らんのだが、文脈から判断すると「市場が正常化した状態で資産買入を突っ込んでもそれは効果が低いです」という話のような希ガス。


・つーことで結論なんですが

『Asset purchase programs like QE2 appear to have, at best, moderate effects on economic growth and inflation. Research suggests that the key reason these effects are limited is that bond market segmentation is small.』

ほう。

『Moreover, the magnitude of LSAP effects depends greatly on expectations for interest rate policy, but those effects are weaker and more uncertain than conventional interest rate policy. This suggests that communication about the beginning of federal funds rate increases will have stronger effects than guidance about the end of asset purchases.』

ロジックはもうツッコミ所が多数のペーパーで、なんかもうワロタとしか申し上げようがないのですが、要するにロジック云々よりも結論を出したかったというのがこのペーパーなんでしょと思いっきり思う訳で(個人的見解とのクレジットは入ってるけどSFとNY連銀のシニアエコノミストの見解ですからねえ)要するにFOMCの主流見解がQEよりもフォワードガイダンスによる長期金利の抑制が効くという話なのでしょうが、実際問題としてTaperingトークによってこれだけ長期金利が上昇しちゃっている訳(他にも要因有りますけど)でして、まあFED的には出口政策のリスク考えるとLSAPをもう増やしたくないし、長期金利が先走って上昇されると困るし、というジレンマに陥っていますねさてどうしましょ、っていうのが示されたペーパーなんですなということだけは把握できました。

#補足と言いつつ結局後半全部引用になってしまいましたなすいませんすいません

つーことで、BOEミニッツネタを投入する時間が無くなってしまいました(俺様無計画過ぎ)。



2013/08/19

お題「先週頭出しだけした米国のネタを少し真面目に読んだのでネタに」

しかしまあ最近海外ネタばかりで恐縮至極なのですが、GC先生ばかりは上げ下げしますし貫録の円債先生ももうちょっと細かく見ないといかんですなマッタクモウ。

と言いつつ今日も海外ネタで誠に遺憾に存じますm(__)m

#モーサテ3日で15マソ円の金融養成塾ではDCFを難解な数式としているのですか???

○毎度お馴染みブラード総裁は結局慎重派で更に物価重視を強調

木曜日に週末の宿題とした奴を(珍しく)宣言通りに読んだのでネタに。

http://www.stlouisfed.org/newsroom/displayNews.cfm?article=1890
News Releases: 2013
AUGUST 15
St. Louis Fed’s Bullard Discusses Debate on Tapering the Fed’s Asset Purchases

講演資料(プレゼンテーションのPDFバージョンなのでクソ重い)はこちら
http://research.stlouisfed.org/econ/bullard/pdf/BullardLouisville15August2013Final.pdf

この前8月2日にはボストンで同じお題で講演をしているので、差分を取ってどんな話をしているのかという違いの部分だけ見ておきます(8月2日の講演については8月7日の駄文でネタにしました)。ちなみに8月2日のスライドショー(プレゼンのお題は『The Tapering Debate』)はこちらなのですが、この時は44枚組だったのに対して今回(プレゼンのお題は『An Update on the Tapering Debate』)は51枚組になっておりまする。


・9月のTaperingに対する反対姿勢が強まったのと物価重視の姿勢を見せた(ような気がする)

いきなり最後なのですけどね(^^)。スライドショーの方が分かりやすいのでスライドショーの実質最終ページ『Conclusions』の所を比較するのだ。

『I have suggested some key questions for the tapering debate in the following areas: Labor market performance, growth, balance sheet size, and inflation.』(今回:8/15ルイビルでの講演)
『I have suggested some key questions for the tapering debate in the following areas: Labor market performance, growth, balance sheet size, and inflation.』(前回:8/2ボストンでの講演)

うむ、最初の所は全文一致。

『The resolution of the tapering debate will depend on additional macroeconomic data from the second half of 2013.』(今回:8/15ルイビルでの講演)
『Most of these questions can be better addressed once we see additional macroeconomic data from the second half of 2013.』(前回:8/2ボストンでの講演)

次の所で表現が異なっていますが、前回は「これらの疑問については年後半のデータを見てからの方がよりよく対処できるでしょう」って言い方だったのが、今回は「年後半のデータ次第だコノヤロー」というような感じの直球モードになっているように見えまして、投票権のあるブラード先生がこのように9月のTapering決定に対してより牽制球を強く放っているという感じがするんですが。

『It is especially important to see if better macroeconomic growth materializes in the months and quarters ahead, and whether inflation naturally returns toward target.』(今回:8/15ルイビルでの講演)
『In particular, it is important to wait to see if better macroeconomic outcomes materialize in the months and quarters ahead.』(前回:8/2ボストンでの講演)

今回の方が「より見る必要がある」というのを強調した表現になっている上に、「インフレがターゲットに戻るかどうかを見極める必要がある」というのを入れているだけに更にその「経済データ確認」のスタンスを強調すると共に、(もともとブラード総裁は物価重視派なのでこれは当然ちゃあ当然なのですが)物価動向についての注意喚起をする形になっており、前回の2週間前よりもより9月Tapering開始に対して慎重姿勢という所でしょう。


・もしかしてブラード総裁は10月(29-30)FOMCが判断時期と考えているのかもね&関連雑談

ではその「年後半に出てくる経済指標を見ながら判断していく」とはどういうことやという話になる訳ですが、ブラード総裁は今回の講演でこんな話をしています。

講演のプレスリリース(講演の要約)の方ではこんな風に書かれています。

『He also stressed the importance of having a press conference after each FOMC meeting instead of after every other meeting, as is the case now. For instance, the tapering debate is currently centered on the September and December FOMC meetings, Bullard noted, adding that because the October meeting does not have a press conference scheduled, it is thought to be an unlikely venue for important policy action.』

まあこれはワタクシなんぞもTapering開始時期の本命を9月に設定する理由の一つとしているだけにこの指摘自体は判らんでも無いという所ですが、ブラード総裁は「FOMC議長の記者会見を(今のようにSEPとセットの形で出てくるのではなく)毎回のFOMCミーティングの後に行うべき」という話をしておりまして、「記者会見が行われない10月FOMCは重要決定を行うミーティングにはならないだろうと市場が予想していて、Taperingについても市場は9月か12月かということで見ている」という指摘ですの。

『“The FOMC should make all meetings ex ante identical so that key decisions can be made at any juncture. This would allow the Committee to better align appropriate decisions with incoming macroeconomic data,” Bullard said.』

そういう会見が有る無しとかで日程が決まるものでは無く、金融政策の決定はその時のマクロ経済データで決まるべきものである、というのはまあその通りでして、つまりはブラード総裁としてはある程度の経済データが出てくる10月末のFOMCでのTapering判断をするのが吉という判断をしているんでしょうなあと思われますがどうですかね。

この部分、プレゼンの方では最後から2枚目(ページで言えば49枚目)の『A press conference at every meeting?』というお題でして、そちらにはこういう風に書いてあります。

『・The tapering debate is currently centered on the September and December meetings of the FOMC.
・What about the October meeting?
・The October meeting does not have a press conference scheduled and so is thought to be an unlikely venue for important policy action.
・The FOMC should make all meetings ex ante identical so that key decisions can be made at any juncture.
・This would allow the Committee to better align appropriate decisions with incoming macroeconomic data.』

ま、それはその通りではあるのですが、この「毎回会見をすべき」という話は諸刃の剣みたいなもんでもありまして、毎回会見をするという事は毎回市場にオラオラとケツを叩かれるリスクがある訳でして、結果としてブラインダー元副議長の言う「自分の尾を追う犬」状態になるリスクが高まると思うのですよね。特に最近のように「市場の期待に働きかける」系の金融政策を実施しておりますと、期待に働きかけようとした結果、その働きかけている市場から振り回されるという流れになると思うのですよ。最近で言えばECBが結構そういう状況になっているように見えますけど。


・これは仰る通りの指摘だが「量と金利を分けるというのは理屈としてはあっても現実は難しい」という話

前回のプレゼンのアップデートとしてこの点もほほうという所です。スライドショーだと10枚目になるのですけれども、『The expected policy rate rose ・・・』という部分での指摘。

『・The expected path of the policy rate increased, meaning that the date of expected liftoff is earlier than it was in May.

・This suggests that any tapering decision is difficult to separate from Committee promises on the expected path of the policy rate.』

今回この説明が加わったのがブラード総裁分かってますなあと思う所でありまして、もちろんその前の部分で従来からのFEDの主張である「量の決定と金利の決定は別問題」という説明はしていますが、実際問題としてTaperingトークによって市場の予想短期金利パスは上昇しており、「この事は実際問題としてtapering decisionを政策金利予想と分離して市場に認識させることの難しさを示唆している」ということでして、まあその通りとしか申し上げようがないですな。

でまあ何度か指摘しておりますように、従いまして「オープンエンド方式の量的拡大」という政策は明らかに出口政策に対する考慮を欠いた失敗手段でありましたよねという事になるのですけれども、そういう話はしないのがFEDクオリティーではありますが、まー最近のこのドタバタぶりをみるとそういうことです罠。


・景気に対しては「偽りの夜明けリスク」を指摘

まあここに関しては前回も同じ話をしているのですが念の為引用。説明文書の方から。

ブラード総裁はGDPに関しては比較的楽観的にみているのですが、一方で世間的にも先行き景気に関しては楽観的と思われるよねという指摘をしていまして、その見通しに依存しすぎることに対する警戒をしています。プレゼン資料の方ですと29枚目の『The problem with optimism』という所になるのですが。

『・I have been optimistic in my own forecasts for the U.S. economy over the last several years.
・In part, this is because empirical models suggest that, with the current configuration
of data and policy settings, rapid growth lies just ahead.
・I have tempered these forecasts with an explicit recognition that economies tend
to grow more slowly following a financial crisis.
・Still, I have generally been too optimistic.
・Given this experience, I think caution is warranted in taking policy action based on forecasts alone.』

つーことで、説明文の方だと微妙に良く判らんのですが、スライドショーの方ですと割と分かりやすく書いてあると思う次第で、よーするに「ここ数年の「偽りの夜明け」に引っかかってしまってはいけませんよね」という話でして、これまたブラード総裁のTapering早期(つーか9月)決定に関して慎重であるというのが判ると思います。

つーことで、まあ予想通りの結論ではあるのですが、ブラード総裁は9月Taperingについてはかなり否定的であるという感じで、よほど凄まじく良い経済指標でも出てこない限りは、恐らく9月のTaperingには反対票を投じそうですね。


・SF連銀のペーパーネタ

これまた木曜に頭出ししましたけど。

URLが長くて画面レイアウトが壊れるのでリンクは「こちら」に付けます。
http://www.frbsf.org/economic-research/publications/economic-letter/2013/august/large-scale-asset-purchase-stimulus-interest-rate/

PDFバージョンはこちら(同じくで直リンは「こちら」で)
http://www.frbsf.org/economic-research/publications/economic-letter/2013/august/large-scale-asset-purchase-stimulus-interest-rate/el2013-22.pdf

・フォワードガイダンス付きの方が効果があるとかいう話

最初のサマリーみたいなのはこの前ネタにしたので本文リードの部分から。

『In November 2010, the Fed’s policy committee, the Federal Open Market Committee (FOMC), announced a program to purchase $600 billion of long-term Treasury securities, the second of a series of large-scale asset purchases (LSAPs). The program’s goal was to boost economic growth and put inflation at levels more consistent with the Fed’s maximum employment and price stability mandate. In Chen, Curdia, and Ferrero (2012), we estimate that the second LSAP program, known as QE2, added about 0.13 percentage point to real GDP growth in late 2010 and 0.03 percentage point to inflation.』

ほほう。

『Our analysis suggests that forward guidance is essential for quantitative easing to be effective. Without forward guidance, QE2 would have added only 0.04 percentage point to GDP growth and 0.02 to inflation. Under conventional monetary policy, higher economic growth and inflation would usually lead the Fed to raise interest rates, offsetting the effects of LSAPs. Forward guidance during QE2 mitigated that factor by making it clear that the federal funds rate was not likely to increase.』

ナンジャソラという感じですが、フォワードガイダンス付きのQEの効果がGDPで0.13%、物価で0.04%の押し上げで、ガイダンス無いとGDPで0.04%、物価で0.02%の押し上げという話なのですが、そもそもこの程度の効果しかない話をああだこうだと分析しているのですが、それって結論として「いやあ効果が無いですなあ」ということなのではないかと・・・・・・・・・・

『Our estimates suggest that the effects of a program like QE2 on GDP growth are smaller and more uncertain than a conventional policy move of temporarily reducing the federal funds rate by 0.25 percentage point.』

確かSF連銀って「QE2は雇用をこのように創出した」(キリッ)というようなペーパーを出していた筈だったのですが、今さら何をゆうとりますねんという話なんですが。

『In addition, our analysis suggests that communication about when the Fed will begin to raise the federal funds rate from its near-zero level will be more important than signals about the precise timing of the end of QE3, the current round of LSAPs.』

QE3になってからは更に量的拡大の効果が無くなってきておりますので、金利を暫く上げないというフォワードガイダンスの効果が大きいという話をしておりまして、ナンジャソラという話ではあるのですが、先日も申し上げましたように、このペーパーを書いているのが空気を読む事で著名な、というか翼賛レポートを書くのが得意な、というかなSF連銀のエコノミストが書いている上に、共著者がNY連銀のエコノミスト、ということですので、これは即ちFEDの方向性が明らかにQEをフェードアウトさせる気満々という所でしょうな。


・ちなみに前提になる話の意味がどうみても胡散臭い件について

LSAPの効果として「リスクプレミアムを下げる」という話ですけどね。

『The first feature involves LSAP effects on financial markets.』

LSAPが金融市場ルートで効果を出すとな。

『An investor can buy either a short-term bond and reinvest proceeds until the desired maturity or buy a long-term bond of the desired maturity. If these alternatives are identical, then their expected returns should also be identical. Hence, the long-term yield should be an average of expected future short-term yields. In reality though, these alternatives present different risks and costs, which imply that the long-term yield equals the expected average future short-term yield plus a risk premium.』

で、ここから怪しげな説明になるのですが・・・・・・・

『LSAPs can affect economic growth and inflation through the risk premium. (For an analysis of the impact of LSAPs through signaling effects about future short-term yields, see Bauer and Rudebusch 2012). In our model, the risk premium results from transaction costs paid to buy long-term bonds. We assume that transaction costs increase with the amount of long-term bonds held by private investors, suggesting that LSAPs reduce the long-term bond risk premium by reducing the absolute amount of privately held long-term bonds.』

LSAPは長期金利のリスクプレミアムに影響を与えることによって効果を出すそうな。

『The second feature in our model concerns the transmission from the risk premium to the economy.』

で、そのリスクプレミアムが経済に対して波及効果があるらしい。

『We consider an economy with two types of investors. The first can invest in both short- and long-term assets. For them, a lower risk premium prompts them to reallocate their portfolios, but doesn’t change their spending behavior. If all investors behaved this way, a change in the risk premium would not affect the economy.』

ここからの話が更に胡散臭いのですが、「短期債と長期債を買う投資家に対しては、長期債のリスクプレミアムを引き下げたとしても、その場合はリスクプレミアム縮小によって魅力度の下がった長期債の投資意欲が低下して短期債にシフトするだけの話で実体経済に影響が小さい」という事だそうで・・・・・・

『The second type of investor buys only long-term bonds, for example to match asset duration with life events, such as retirement date. If long-term yields fall, these investors have less incentive to save and may allocate more money to consumption or investment in nonfinancial assets. This boosts aggregate demand and puts upward pressure on inflation.』

長期債だけを投資対象にする投資家、例えば退職時期に合わせた投資を行うような投資家の場合は、投資のDurationが決まっているので、リスクプレミアム縮小の結果長期金利が低下した場合、貯蓄のインセンティブが低下したり、非金融資産に対する投資を拡大させることになるので、これが需要の拡大やインフレ上昇圧力になります。ということですが、正直んなアホなとしか申し上げようがない理屈。

つーかですな、そういう「金利ルート」の話だけをしていたらそらまあ資産買入がどの程度金利低下に効くかってのは普通の金利フォーカス政策に対してみたら不確実にも程があるのは当たり前になるのですから、当然ながら「フォワードガイダンスの方が効く」「政策金利操作は効果に対する不確実性が低い(引用しないけど後半でそういう話をしている)」っての当たり前にも程があるだろ(ついでに言えばゼロ金利状態なのだから効果の数値自体もGDPで0.1%とかのしょぼい数字になるのも金利水準が低いのだから当たり前だわな)と思うのでして、もうどこからどう見てもこのペーパーって「結論としてQE拡大をdisるのが先にありき」で屁理屈を展開したペーパーじゃねえの疑惑はプンプンします。

ちなみにこの部分の最後はこうです。

『These two types of investors represent a form of financial market segmentation, allowing for the risk premium to affect economic activity. The degree of segmentation is determined by what fraction of investors buy only long-term bonds. The higher the proportion of such investors, the more LSAPs affect the real economy.』

この先の方(引用しませんけど)で「金融市場のsegmentationが小さいとQEの効果が限界的に小さくなる」という文があって、そこだけ読むと所謂ECB的な説明でのsegmentationと勘違いしそう(あたしも最初斜め読みしたら勘違いしかけた)ですが、こういう2つのタイプの投資家のsegmentationが大きいと効果があるとかもう何が何やらという感じです。

まあ結論から申し上げると、何かどうもインチキ臭がプンプンするペーパーですが、その政治的(?)意図は「Taperingを正当化する」というのだけは良く判りますし、書いているのがSFとNY連銀でございますのでああそういうことですねという話っすな。



2013/08/16

お題「何か消費税ネタ落ち着きませんなあ/BOEの金融政策の説明が味わい深いというネタの続き(ほぼ趣味コーナー)」

んーっとですね、今週は6チャンネルの某朝の番組が通常と違って暑苦しくないのでこのまま続けと思ったのですが今日までのようでございますな(−−)。

話は変わりますが時事にしては長い解説なのでほほうということで。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201308/2013081500782&g=pol
安倍首相、靖国参拝になお意欲=歴史認識で新たな火種
(2013/08/15-18:54)


○引き続き消費税関連ニュースクリップ&市場雑談

・R&Iキタコレですが

http://www.r-i.co.jp/jpn/body/cfp/news_release_A/2013/08/news_release_2013-A-0756_01.pdf
安倍政権の財政運営に懸念−規律維持できねば方向性ネガティブも

『安倍政権は、経済を成長軌道に乗せデフレから脱却することを最優先の課題であるとしているが、巨額の政府債務を抱えている現状からみて、財政再建も待ったなしだ。経済成長がもたらす税収増を待っている余裕はなく、増税による税収の確保や歳出の抑制にも早期に取り組む必要があるとR&Iは判断している。そうした観点から、R&Iは安倍政権の財政運営に懸念を抱きつつある。』(上記URLより)

ということで、昨日の10時半過ぎにR&Iからこういうのが出ましたというヘッドラインが出ておりまして、こちらのリリースを見ると中々こう熱く語っている感じがしまして、通常の格付けに関する淡々としたリリースとは雰囲気が違う気がするんですがどうでしょうかね。

まあR&Iさんが仰ることは今までの説明からの整合性という意味では一々その通りでございますなとしか申し上げようがございませんけれども、これリリース文を真面目に読むと鑑賞用としても中々オモシロスなのでヘッドラインだけ見ていた方には一読推奨(R&Iの引用に関するポリシーがイマイチ判ってないのでうだうだ引用するのは控える)。

しかし何もお盆のど真ん中にこんなリリース打たんでも・・・・・・・・・


・消費税、というか法人税発言でアチャー

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRJLUF0D9L3501.html
日本株は3日ぶり反落、米政策や国内税制不透明−幅広く売り
更新日時: 2013/08/15 15:39 JST

『米国株安の流れを受け、きょうの日本株は反落して取引を開始。午前半ばにかけ下げ渋る場面もあったが、菅官房長官や麻生財務相が法人実効税率下げについて、安倍首相が指示した事実はないと閣議後の会見で発言したことが市場に伝わると、再度下げ足を速めた。実効税率引き下げを検討するよう、安倍首相が関係府省に指示したことが分かったと13日付の日本経済新聞朝刊が報じたことを材料に、日本株は前日まで連騰。その反動もあり、政策の不透明感から午後には一段安となった。』(上記URLより、以下同様)

ですなあ。

『為替市場ではリスクオフの流れでドル売り・円買いが先行し、法人税減税に関する官房長官発言が伝わると、再度円買いの動きが強まった。午後にはドル・円は一時1ドル=97円59銭と、きのうの東京株式市場の終値時点98円37銭に比べ円高方向に振れた。』

特に為替方面はR&Iの格付け見直しリリースを遥かに上回る法人税聞いてねえよ発言パワーという感じのプライスアクションだった希ガス。

『「財政赤字の大きさや税対応による企業活動への影響を考えて、マーケットは予定通り消費税を引き上げる方向となれば円安・株高で反応していた」と、三井住友アセットの生永氏。それが不透明になれば、今度は円高・株安の反応が起きやすいとし、「消費増税に対する不確定要因は早めに解消した方が良い」としている。TOPIXと日経平均はこの日、国内税制期待から上げた過去2日間の上げ幅の約半分を失った。』

まーここもと毎度毎度このネタになっておりますが、しかし「法人税下げの話なんぞ聞いてねえよ」攻撃は他にネタの無い市場に格好のネタになりましたなあという風情である。


実際は閣議後(安倍ちゃん夏休みという話だった気がしたのだが結局休み無しで忙しいのう)会見は麻生さんの方が先に出てきてその後菅さんでしたが、為替とかは菅さんの後の方が反応大きかったような気もするが良く判らん。まあ麻生さんの所から反応しとるが。


http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRK0KD6JTSEG01.html
法人実効税率下げ:「首相指示ない」と官房長官、「効果少ない」と財務相
更新日時: 2013/08/15 13:12 JST

『菅官房長官は午前の繰り上げ閣議後の会見で「報道は承知している」としながら、内容については否定した。日本経済新聞は13日付朝刊で、首相が法人実効税率の下げを検討するよう関係府省に指示、来年4月の消費増税を決めた場合に引き下げ方針を合わせて打ち出す狙いがあると報じていた。』(上記URLより、以下同様)

『法人実効税率については麻生財務相も閣議後会見で「引き下げの効果は少ない」と述べた。法人税を払っている企業は30%程度しかないとと強調、消費増税に伴う景気の腰折れを回避する対応策の1つとして「投資減税は十分に考えられる」としながらも、法人実効税率引き下げについては「全然くみしていない」と述べた。』

あいやーと申しますか日経新聞くやしいのうくやしいのうと申しますかという所ですが、やはり最初に感じた違和感(消費税引き上げをしたくなさそうな気持ちが思いっきり出ている安倍ちゃんが消費税上げ前提の指示だすのかね??という違和感)の方が正しかったのかねというか、消費税増税ネタがすっかり情報合戦状態になっている時点でもうなんだかねという所でございます。

しかしこの日経(NQNニュースなんでクイックですか)記事は内容が有料会員向けなので読めませんが、ヘッドラインを見るともう日経新聞くやしいのうくやしいのうwww

http://www.nikkei.com/markets/features/26.aspx?g=DGXNASFL150PK_15082013000000
NQNスペシャル
株安招いた麻生発言 法人税率巡り期待に冷水
「閣内不一致」はポーズか 見極めに時間も
公開日時(1/2ページ) 2013/8/15 15:12


・3MTB入札である

落札結果である
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20130815.htm

(3)募入最低価格 99円97銭7厘5毛
(募入最高利回り)(0.0902%)
(4)募入最低価格における案分比率 30.2908%
(5)募入平均価格 99円97銭7厘6毛
(募入平均利回り) (0.0898%)

落札分布を見ますとまあいわゆる不明玉はそんなに多い訳でも無く(1兆円台前半なら通常運転)足切りがこの水準だったらまあこんなもんですかね。平均8台かよとは思いますが、これで不明玉2兆5000億円とか言われたら悶絶モノでしたので(^^)。


○でまあお盆モードでBOEネタの続き

例のクソ長い説明文書から今日は小ネタというか何というか。
http://www.bankofengland.co.uk/publications/Documents/inflationreport/2013/ir13augforwardguidance.pdf
Monetary policy trade-offs and forward guidance

本編なのですが後半の方に「このフォワードガイダンス以外にどんなのがあるの」という論点整理もこれまたオモシロスなのですが『2. Challenges facing monetary policy in the current economic environment』の辺りもまた中々味わいが深いのでその辺から。

・物価が上振れている理由をさすがに最初に説明しているがどう見ても言い訳モードです本当に(ry

最初に『2.1 The current economic environment』ってのがあってね。

『Since 2007, inflation - as measured by the twelve-month change in the Consumer Prices Index (CPI) - has been elevated, averaging close to 3% (Chart 1). Inflation has been above the 2% target for around 90% of that time, and above 3% for almost half.』

これでインフレ目標を達成できているというのかと小一時間問い詰めたいですがそれは兎も角以下言い訳。

『The elevated rates of inflation have largely reflected the effects of a series of cost shocks - increases in energy prices, higher non-fuel commodity prices, and rises in VAT - and the depreciation of sterling in 2007/08. More recently, above-target inflation has also reflected an unusually large contribution from administered and regulated prices - that is, prices that are affected by government or regulatory decisions and so tend to be less sensitive to the balance of domestic demand and supply (Chart 2).2』

まあそらそうなんですけどね。こうなってくるとインフレ目標の枠組みそのものがどうかという話だと思うのだがそっちは堂々堅持みたいな絵を描いているのがこの説明の以下オモシロスというか香ばしいというかな所で、結果として何をやりたくてこの説明をしているのかが正直ワカランチ会長になっている原因だと思うのだ。つーことで経済の説明はパスして次の部分へ。


・0.5%割れの政策金利のデメリットとな

だいたいBOEにおかれましてはてめえの金融政策の説明をおっぱじめると天上天下唯我独尊モードなドヤ顔風味の所が多分にある(資産買入を開始した時も「国債の買入のみを行うのが真の意味でのQEであり他の連中のQEはパチモンである(超意訳)」という説明を堂々としていて、それがフォワードガイダンスになってねえねえどんな気持ちどんな気持ち(AA略)と申し上げたい所なのですが、その辺の話はいつのまにか無かったことになるのがジョンブルクオリティ)のですが、蟹総裁におかれましては結構平然と他所様の政策に嫌味をかます(ように見える)のが仕様な節がありまして、このコンボが色々とお洒落な発信をしてくれるのではないかとワクワクテカテカであります。

というのはともかくとして、政策金利を0.5%に下げたので名目金利制約がという話をしているのはワロタ。

『Since early 2009, the MPC has had to rely on unconventional policy tools to provide additional monetary stimulus. Bank Rate was cut sharply in response to the financial crisis and the associated deterioration in the economic outlook, to 0.5% in early 2009 from 5% in the summer of 2008.』

0.5%まで下げたのは判るが。

『Since then, the MPC has judged that further cuts in Bank Rate - including cuts that could take Bank Rate below zero - were not the preferred way of providing additional monetary stimulus.』

いきなり英仏海峡の向こう側に喧嘩を売るのが蟹クオリティですねわかります。

『That is because there are limitations to the extent to which the rate of interest paid on reserves could be held below zero without inducing significant substitution into cash, and because lowering Bank Rate below 0.5% could also have adverse consequences on the strength of banks’ balance sheets and the supply of credit, thus offsetting any expansionary impact on aggregate demand.3』

ほほうというところですが、3にあるように『3 The reasons underlying this view are set out in a paper on negative interest rates, sent from the MPC to the Treasury Committee on 16 May 2013. The paper is available at www.bankofengland.co.uk/publications/Documents/other/treasurycommittee/ir/tsc160513.pdf.』(リンクは「こちら」)ってなことですのですが、しまったこれ見落としたと思う。

まあいずれにせよ「短期政策金利をこれ以上下げても追加緩和効果は限定的で、マイナス金利とか実施してもそれはリザーブが現金に化けるだけの事で意味ないし、んなことやったらクレジットアベイラビリティーに悪影響を与えるわ」というECB涙目だわ政策金利が0.5%を切っているFEDやBOJに喧嘩売っとんのかという俺様は我が道を逝く攻撃ワロス。

『Additional monetary stimulus has instead been provided through the Committee’s programme of asset purchases, financed by the issuance of central bank reserves (also known as quantitative easing). Some £375 billion of gilts have so far been purchased, equivalent to about a quarter of annual nominal GDP.』

ということで、金利政策に限界があるのでQEやったりECTRやったりFLSやったりしましたよっつー話が続くがそこはスルーします。


・金融政策は失業率のような実体経済の変数の水準には短期的な影響は与えられても長期的には影響を与えられない

その次の『2.2 Challenges facing monetary policy in present circumstances』の冒頭(ちなみにPDFの15枚目)を見ると盛大に吹けます(^^)。

『The MPC’s primary objective is to deliver price stability.』

何回これゆうとるねんという位にBOEのフォワードガイダンス導入にあたってインフレ目標の堅持を主張するのって自己矛盾を孕んでるだろうよと思うのですが。

『Subject to that, the Committee is also required to support the Government’s economic policies, including those for growth and employment.』

物価安定のために、MPCは政府の経済政策をサポートする事も求められています、それには成長と雇用に関する政策へのサポートも求められています。というのですからほほうと思うのですけれども次の下りで吹いた。

『As explained in the box on pages 14-15, those objectives stem from the fact that, while monetary policy can affect both real activity and inflation in the near term, it cannot affect the long-run level of real activity, or other real variables such as employment.』

「the fact」とか言ってるのがお洒落ですが、金融政策は実体経済およびインフレに対して短期的なタームでの影響を与えることができるが、長期的な実体経済活動レベルや他の変数、例えば雇用に影響を与えることはできない(キリッ)と仰せになっておりまして、どこぞのデュアルマンデートの国にしらっと喧嘩を売る(まあFEDも「金融政策だけで長期的な失業率は完全には決定できない(ので目標数値は出さないよ)」とは言ってるけど)のがジョンブル+蟹コンボ恐るべしという所ですなあっはっは。


・金融政策の目的とはという壮大な説明キタコレ

で、14-15ページ(PDFで16-17枚目)に『The objectives of monetary policy』というのがあって天上天下唯我独尊モードキタコレの話が炸裂しているので鑑賞しませう。

『The Monetary Policy Committee’s (MPC’s) primary objective, as defined in its remit, is to meet the inflation target set by the Government, which is 2% as measured by the twelve-month increase in the Consumer Prices Index.』

さよで。

『The remit makes clear that the inflation target applies at all times. The remit also recognises that when inflation departs temporarily from the target as a result of shocks or disturbances, attempts to bring inflation back to the target too quickly could lead to undesirable volatility in output.』

『Indeed, subject to its primary objective of ensuring price stability, the MPC is required to support the Government’s objectives for growth and employment. This box explains the effects that monetary policy is likely to have on the economy in the short, medium and long term, and so how the MPC can meet its objectives.』

(・∀・)

『In the long run, monetary policy determines only the general level of prices in the economy. It cannot affect the long-run level of real activity, or other real variables, such as employment and unemployment.』

さっきも言ってたけどこれわwwwという所ですが、FEDから見たら「インフレ目標も碌にキープできないで上振ればっかりしてるBOEが何を言うかヴォケ」という所だと思いますが。

『That is because, in the long run, real variables are determined by structural features of the economy. For example, the rate of unemployment that prevails in the long run will reflect the institutional features of the labour market, such as how costly it is to find information about available jobs, the ease with which employees can move between jobs, the level of unemployment benefits, and the willingness of those not in employment or actively seeking work to look for employment.』

雇用などは経済の構造要因で長期的な部分は決定されるので、金融政策の出番では無い、ということですが、まあこれ自体は英国唯我独尊という訳でも無くて、ブラード辺りのインフレ目標重視派の米国FED高官もこういう話はする(露骨に言うとデュアルマンデートという法的な制約とのコンフリクトが起きるからあまり露骨には言わない場合が多いけど)のでまあそうっすなという所ですが。一方で「失業率も金融政策の目標に加えるべき」などとどこぞの国で主張する方も居ますので世の中色々と考え方というのはあるというものです(棒)。

『Trying to use monetary policy to raise the long-run level of real activity would, ultimately, result only in higher inflation.』

クロワロタ。


『Nevertheless, monetary policy, by anchoring long-run inflation expectations around the Government’s inflation target, does play an important role in facilitating long-run economic stability. That is because price stability is a precondition for ensuring that resources are allocated efficiently across the economy. Price stability can also contribute to financial stability, for example by removing distortions caused by shifts in inflation expectations over time.』

物価安定をさせることによって(英国の場合それが出来ているのかというツッコミはさておき)経済活動の安定化、金融の安定化などに繋がるという理屈ですな。

『It is for these reasons that the primary goal of the MPC is to ensure price stability. Delivering low and stable inflation is the best contribution that monetary policy can make to achieving long-run growth and prosperity.』

まあそのbest contributionが以下同文。

で、以下は実際にどういう波及効果ですねんという説明である。

『Monetary policy can, however, affect the level of real activity in the short term.1』

ほうほうそれでそれで?

『Monetary policy primarily works by influencing the level of money spending by households and businesses. For example, if the MPC changes Bank Rate - the short-term interest rate at which reserves held by commercial banks at the Bank of England are remunerated - that will affect other market interest rates, mortgage rates, bank deposit rates, and the prices of other assets, such as bonds, equities and the exchange rate. In turn, those changes in interest rates and asset values affect the spending and saving decisions of households and companies. Changes in the amount of money spent are not matched immediately by changes in prices, because it takes time for companies to adjust the prices of the goods and services that they produce in response to changes in demand. As a result, changes in the money value of spending lead to changes in the real value of spending in the short term.』

『But, over time, prices gradually adjust until they match the changes in money spending, leaving real spending unaffected by monetary policy in the long run.』

金利の上げ下げによって短期的にはこのような波及効果がありますという説明をしている訳ですが、各種の金利によって貯蓄や借入の行動に影響を与えたり、資産価格に影響を与えたりといった効果がありますという説明をしております。

で同時にお洒落なのは最後とその前2つの文章なのですが、「価格設定行動は需要などの変化に応じて変化していくものであるから、短期的に変化するものではない」という話をしておりまして、つまりここでは「金融政策行動は短期的には経済の活動に影響を与え、長期的には物価水準に影響を与える(つまり短期的な物価水準や長期的な経済レベルには大きな影響を与えない)」という話をしておりまして、そういえばどこぞの国では「適切な金融政策を取ったらあっという間に物価が上昇する」ような話をしていた人が居たような気がしますが以下自主規制。

なお、中期的なのはどうかという話はこの後あって、「中期的にも経済活動に影響を与える」というのが何だか判じ物というか鵺のような説明になっているのが更に味わいがありまする。

『Monetary policy can, at times, affect real activity in the medium term.』

中期的な視点キタコレですが、中期的にも経済活動に影響を与えると。

『That is because the level of output that is produced today can have persistent effects on the level of output that can be produced in the future - a phenomenon that is sometimes referred to as ‘hysteresis’.』

短期的に影響を与えれば中期的な所までは効くとな。

『Unemployment is a key channel through which the future supply capacity of the economy is affected by current conditions. If demand is persistently weak, then unemployment will rise, and so too will the number of people who are unemployed for a long period of time. People who have been unemployed for a long time tend to become less able to move back into employment, for example because they lose the skills that they need to compete effectively for jobs or become disconnected from the labour market. That can lead to a persistently higher level of unemployment, which would mean that the ability of companies to increase output - that is, the economy’s supply capacity - will be lower than it otherwise would have been.』

ふむふむ。

『Monetary policy may also affect how much output can be produced in the medium term for a given amount of employment by affecting the allocation of resources across companies.』

『Policy has two offsetting influences. On the one hand, the current exceptionally stimulative stance of monetary policy may raise growth in the medium term, because low interest rates may help to keep companies with a viable future in business and so help prevent inefficient capital scrapping. But on the other hand, low rates may keep companies without a viable future in operation and so might hinder the reallocation of resources to more productive uses.』

ふーんという感じですが、金融緩和政策は中期的には企業の活動を支援して成長を押し上げるのですが、一方で企業の生産性を高めるような資本のアロケーションに対するインセンティブを下げるので、それが長期的な経済構造に悪影響を与えるとのお告げで、何かシバキっぽい香りがぷんぷん。

『It is because monetary policy can affect real activity in the short and medium term that the MPC can act to support the Government’s economic policies for growth and employment, provided that such an approach remains consistent with meeting its primary objective of medium-term price stability.』

でまあその結果として物価安定と経済活動のサポートというトレードオフに直面していますという認識を示していて、インフレ重視しすぎて経済殺してもダメだし、経済重視しすぎてインフレがスパークしたり金融不安定化を招いたらダメですよね、という話を以下行っていますがここはまあ普通の話なのでパラグラフごと引用して終了ということで勘弁。

『At times, the MPC will face a trade-off between the speed at which it seeks to return inflation to the target and supporting growth and employment. That is because the economy can be hit by shocks and disturbances that push inflation and real activity in opposite directions - for example, an increase in wholesale energy prices tends to raise inflation and reduce activity. Adjusting monetary policy to return inflation to the target rapidly in such circumstances would exacerbate the fall in output. But while the MPC can look through the direct effects of such cost shocks, it must ensure that the rise in the prices of a particular subset of goods does not lead households, businesses and financial market participants to expect the prices of all goods and services to rise more rapidly, potentially jeopardising medium-term price stability.』

『It is also possible that, in attempting to support real activity in the short run, monetary policy might lead to greater output and inflation volatility further ahead by generating financial instability. For example, a prolonged period of low interest rates could encourage both lenders and borrowers to take on more risk. If the microprudential and macroprudential regulators are unable to ensure that such an increase in risk-taking takes place in a safe way, then such behaviour could exacerbate financial imbalances and so endanger financial stability and hence price stability.』

以上お盆モードで趣味のコーナーで誠に申し訳ございませんでしたm(__)m




2013/08/15

お題「短期雑感/BOEとかFRB関連のネタとか俺様宿題メモとか(汗)」

毎度思うのだが、マンデルフレミングだから財政政策じゃなくて金融政策だとか言ってたリフレの方々がここへ来て増税反対ってのがマンデルフレミングとの理屈の繋がりがさっぱりワカランチ会長なのですが誰も説明しませんよねえ・・・・

○短期雑感というかただの雑メモ

・今日は3M入札ですな

ということで3M入札なのですが、足元ではGCのレートが相変わらず上がったり下がったりするのですけれども、その前は0.10%辺りで安定した時期もあったのに対して直近ではこの状況。超過準備付利と関係ない人は0.10%を割っても突っ込んでGCを買い(=資金運用)ますので、この人たちのニーズがGC市場の売りニーズに対してどの程度のシェアを持っているかでレート形成が思いっきり変わってくる箇所が発生するということで、0.10%辺りで推移している時はGCの売りニーズに対して事実上のGC成行買いニーズが大幅に不足している為、超過準備付利金利との裁定が働くレベルまで金利が上昇し、そうじゃない場合にはコールとかの金利の方まで下がっても不思議では無い(まあ資金調達時限の関係とか無担保コールのクレジットアベイラビリティの関係とかあるからそこまでは余程の事が無いと下がらないと思うのだが)という流れでして、つまりは超過準備付利と関係ない人たちの買いが多い、または(同じ話の裏表だが)業者の在庫が軽くなってファンディングニーズが低下した場合に足元のような状況がという所で。

今週は火曜日に2MTBの入札があったのですが、市場推計(つーか金融ファクシミリ新聞さんの集計だったりしますが)の落札分布を見ると投資家にそのままスポッと嵌ったという感じですが、今日の3Mの入札でどの位そのまま投資家に入ってしまうんですかねえというのはちょっとだけ気にしております。

つーても昨今は(今週はお盆で発行体さんがお休みだったりしますが)CP市場はレートが猫も杓子も同じようなレートという市場の価格発見機能はどこにおいででしょうかという状況な上に0.10%割れの発行もひょいひょい出てくるという有様でございますし、まあ短期市場的にはど〜みても金イラネ状態なので、しばらくこのような感じが続くんでしょうな。

GCレートが低い弊害としてGC−SCスプレッドを維持するとSCレートが当然ながら下がりますが、そうなるとSC出すサイドのうち投資家的に言えばそんな低い水準だったらSC出すの躊躇しますなあとなりますし、SCレートが下がらんとなると今度はGC−SCスプレッドが拡大する事になるので債券ディーラーというかマーケットメーカーのポジションコストが高まるという事になりますので、市場の取引がバカスカ行われているような状態の中だとひじょーに業者がしんどくなるのですけれども、最近は売買が低調でポジションがウゴカンチ会長なのでしょうかよくわかりません><;

まあ色々と金利が限界的に低下すると市場機能方面には弊害がありますなあという雑談メモでありました。何が何だか判らん話で恐縮至極。


○BOEネタの続きと思ったら新規ネタも突っ込まれているぞな

新規ネタというのはフォワードガイダンス投下の議事要旨。

http://www.bankofengland.co.uk/publications/minutes/Pages/mpc/pdf/2013/mpc1308.aspx

『This guidance linking Bank Rate and asset sales to the unemployment threshold would cease to hold if any of the following three knockouts were breached:

・In the MPC’s view, it is more likely than not that CPI inflation 18 to 24 months ahead will be 0.5 percentage points or more above the 2% target; ・Medium-term inflation expectations no longer remain sufficiently well anchored; ・The Financial Policy Committee (FPC) judges that the stance of monetary policy poses a significant threat to financial stability that cannot be contained by the substantial range of mitigating policy actions available to the FPC, the Financial Conduct Authority and the Prudential Regulation Authority in a way consistent with their objectives.』

『Regarding the proposition, eight members of the Committee (the Governor, Charles Bean, Paul Tucker, Ben Broadbent, Spencer Dale, Paul Fisher, Ian McCafferty and David Miles) voted in favour. One member of the Committee (Martin Weale), while supportive of the adoption of forward guidance, voted against the proposition in order to register his preference for a time horizon for the first inflation knockout that was shorter than proposed. He nevertheless intended to form his future judgements about the application of guidance and the knockout criteria in line with the framework adopted by the Committee.』

ということで1名反対なのだが、反対の理由は物価のノックアウト判断における予想タイムホライズンを1年半〜2年という期間にするのが長いという話のようでございまして、まあインフレ目標を置く中で元々が「中期的に2%」と言っている中でノックアウト判断のタイムホライズンも中期的な水準にするのは確かにインフレ目標のフレームワークとの関係としてどうよということなのかも知れませんが、その辺の詳しい話はミニッツの方にありそうなので週末の宿題ですな(汗)。

議事要旨本編はこちら。一つ一つの単語にテクニカルタームをあまり使っていないので読みやすそうに見えるのですが、文脈を取るのが難しいというジョンブルクオリティー炸裂の英文でございますのでご注意を。

http://www.bankofengland.co.uk/publications/minutes/Documents/mpc/pdf/2013/mpc1308.pdf



○つーことでBOEのフォワードガイダンス大演説ネタの続き

ほぼ趣味の世界ですいません。
http://www.bankofengland.co.uk/publications/Documents/inflationreport/2013/ir13augforwardguidance.pdf

引き続き『Executive summary』であるが(汗)。

・失業率をスレッショルドにした理由について

後半になりましてファイルで言えば8ページのケツになります。

『The best collective judgement of the MPC is that the unemployment rate is the most suitable indicator of economic activity, given present uncertainties about the evolution of supply.』

つーことで以下何でスレッショルドに失業率を使ったかの説明。

『The unemployment rate relates directly to the amount of slack in the economy, is less volatile than some alternative measures of activity, is not prone to substantial revisions, and is widely understood.』

経済のスラックにダイレクトに関係する、指標としてボラタイルではなく改定も他の指標に比べて相対的に少ない、幅広く認識されている指標である、という3点を挙げています。

『The MPC anticipates that it will be appropriate at a minimum to maintain the current stance of monetary policy at least until the LFS headline measure of the unemployment rate falls to 7%, provided that such an approach remains consistent with meeting the inflation target in the medium term. 』

ということでLFS公表のヘッドラインの失業率が7%に低下する水準をスレッショルドにしますたと。


・7%はトリガーではありませんし、目標値でもありません

ってな説明が続くのでした。

『In recognition of the fact that no single variable can provide a comprehensive indication of current economic conditions, the 7% unemployment rate is set as a ‘threshold’, not a ‘trigger’: that is, reaching the threshold will not automatically result in a rise in Bank Rate. Instead, the MPC will reassess whether or not to raise Bank Rate above 0.5% in light of its assessment of the economic outlook. 7% does not represent the MPC’s view of the lowest sustainable rate to which unemployment can fall. Indeed, it is likely that, over time, unemployment can fall materially lower. Rather, the MPC judges that 7% provides an appropriate point at which to reassess the state of the economy and consider whether or not it should start to withdraw the current extraordinary levels of monetary stimulus.』

で、最後のRather以下なのですが、どうもこの部分を読みますと「ヘッドラインの失業率が7%に達した所で金融政策をどうすんべと考える」というような言い方になっていまして、7%のスレッショルドに関しても米国の説明よりもよりファジーな言い方になっているように見えるのですがどうでしょうか。


・そしてまた物価目標重視の話をするのだ

ノックアウトの設定についての説明でしつこく「物価の安定がMPCの目的」というのを繰り返すのがチャーミングっちゅうか何ちゅうかでして、ここを強調するとじゃあフォワードガイダンスは何ですねんという話になるのですが、その能書きがPDF9枚目から延々と続くのですが多分そこを延々とやる時間は無いのでサマリーとイントロ程度しか出来なさそうな気もするが(汗)。

『Price stability remains the MPC’s primary objective.』

んだんだ。

『There are two price stability ‘knockouts’. First, the MPC’s intention not to raise Bank Rate above 0.5% will cease to apply if, in the Committee’s view, it is more likely than not that inflation 18 to 24 months ahead will be half a percentage point or more above the 2% target. Setting this knockout at 2.5% at the 18 to 24-month horizon should allow sufficient scope to return inflation to the 2% target from its current elevated rate without derailing the recovery. But, at the same time, it underlines the MPC’s determination to bring inflation back to the target in the medium term.』

『Second, in order to ensure that the risks to price stability remain contained, the Committee’s intention not to raise Bank Rate above 0.5% also applies only if medium-term inflation expectations remain consistent with the 2% target. In making this assessment, the MPC will draw on a wide range of external indicators as an independent cross-check on its own inflation projection.』

この部分、何の不思議もなく読んでしまってましたが、先ほどのウィール委員の反対理由を見てから改めて読むと確かに微妙に変っちゃあ変で、従来は「中期的に2%になるように」と言っていたのが今回「中期的に2.5%まで逝かなければ良し」ということですので、すなわちインフレ上振れ容認であるという風に読むことも出来る訳です。まあここの文章自体は「この2.5%というのがあるから中期的なインフレを逸脱させないという決意を示している」とか仰せですが。

つーか最初にこのフォワードガイダンスを見た時にインフレ目標の実質的な形骸化かと思ったので、そういう風に普通だったら読めるのですが、何せ説明文書(この説明文書や声明文)ではやたらめったら何度もしつこく「物価目標はMPCの一番の目的である」という文章を突っ込んでいる次第で、こらまあ前から思っていますが、結局何をやりたいですねんというのが細かく読めば読むほど判らなくなるという蟹総裁のロジックが南海ホークスにも程があるわという話で。



・金融安定化がどうのこうのというのはまあ中銀だったら誰でもいう話なのでまあそうでしょ

『Because price stability is the MPC’s primary objective, either of the price stability conditions, if breached, would render the MPC’s unemployment threshold no longer applicable.』

ノックアウトは物価安定と金融の安定という目的のために設定していますという話ですな。

『In a similar vein, a judgement by the FPC, which would be made public, that the stance of monetary policy poses a significant threat to financial stability that cannot be contained by the substantial range of mitigating policy actions available to the regulatory authorities, would also knock out the Committee’s guidance. That is because financial instability could have lasting effects on the economy,damaging growth and endangering price stability. In some circumstances, monetary policy has an important role to play as a last line of defence in mitigating risks to financial stability. While the MPC’s guidance is in force, the MPC will continue to meet each month to decide the level of Bank Rate and the size of the asset purchase programme. These decisions will be made in the context of that guidance.』

ああだこうだゆうてますが、まあ要するにFPCが毎度公表するアセスメントで金融緩和政策の弊害によって金融の不安定化が起こるリスクが高まったという時にはフォワードガイダンスはノックアウトするという話。


・スレッショルドに達しても直ぐに金利は上げませんという話

んでまあ最後の部分。

『So long as the unemployment rate remains above the 7% threshold, the MPC plans that its monthly decision on Bank Rate will depend on individual members' assessments of the price stability knockouts, and on whether or not the FPC has alerted the MPC to financial stability risks. In the event that the unemployment threshold is reached, or if any of the price stability or financial stability knockouts is breached, the action taken by the Committee would depend on its assessment of the appropriate setting of monetary policy required to fulfil its remit to deliver price stability. There is, therefore, no presumption that there would definitely be an immediate rise in Bank Rate.』

スレッショルドはトリガーではありませんしノックアウトが発動されてもトリガーではありませんとかどんだけゆるゆるのガイダンスですねんという感じですな。

『The MPC stands ready to undertake further asset purchases while the LFS unemployment rate remains above 7% if it judges that additional monetary stimulus is warranted. But until the unemployment threshold is reached, and subject to the price and financial stability knockouts not being breached, the MPC intends not to reduce the stock of asset purchases financed by the issuance of central bank reserves and, consistent with that, intends to reinvest the cashflows associated with all maturing gilts held in the Asset Purchase Facility.』

で、フォワードガイダンスが生きている間は利上げやAPPの規模縮小は行わず(償還による自然減部分は買入で補充する)、必要な場合は更なる追加緩和策を実施しますという説明でした。


#説明の所にもうちょっとオモシロ部分があるので続きは明日(大汗)


○米国金融政策関連メモメモ(俺様宿題リスト)

・ブラード総裁がまたまた講談を

http://www.stlouisfed.org/newsroom/displayNews.cfm?article=1888
AUGUST 14
St. Louis Fed’s Bullard Discusses Debate on Tapering the Fed’s Asset Purchases

プレゼンテーションはこちら(PPTをPDFにしているので重い、1.4Mあるので注意)
http://research.stlouisfed.org/econ/bullard/pdf/BullardPaducah14August2013Final.pdf

面白そうなので後で(たぶんこれも週末の宿題)読む


・話題になっていたSF連銀のペーパーは実はNY連銀も関係しています

URLが長くて画面レイアウトが壊れるのでリンクは「こちら」に付けます。
http://www.frbsf.org/economic-research/publications/economic-letter/2013/august/large-scale-asset-purchase-stimulus-interest-rate/

PDFバージョンはこちら(同じくで直リンは「こちら」で)
http://www.frbsf.org/economic-research/publications/economic-letter/2013/august/large-scale-asset-purchase-stimulus-interest-rate/el2013-22.pdf

で、お題ですけれども・・・・・・・・^^;
How Stimulatory Are Large-Scale Asset Purchases?
Vasco Curdia and Andrea Ferrero

『The Federal Reserve’s large-scale purchases of long-term Treasury securities most likely provided a moderate boost to economic growth and inflation. Importantly, the effects appear to depend greatly on the Fed’s guidance that short-term interest rates would remain low for an extended period. Indeed, estimates from a macroeconomic model suggest that such interest rate forward guidance probably has greater effects than signals about the amount of assets purchased.』

というのが最初にございまして、下の方の図表を見ると「量的緩和政策の効果が買入の拡大と金融市場の正常化に伴い効果の逓減傾向が見られます」という大変にお洒落なペーパーとなっております。

で、注目を浴びたのはご案内のようにこれを出したのがSF連銀のエコノミストという所でして、SF連銀と言えばもう思いっきりFEDの決定に関する「政策効果」に関連するペーパーで盛大にFOMCに対して(∪^ω^) わんわんお!!なペーパーを捻りだす、じゃなかったまあFOMCをサポートするようなレポートと出すというのが仕様となっている地区連銀(イエレン先生が前議長なのですから当然ちゃあ当然かもしれんが)なのでして、そういう地区連銀がこういうレポートを出してきたというのがお洒落なのですよね。

あ、ちなみに申し添えますと、どこの中銀でもそうですけれども、この手の「リサーチレポート」は「これは弊社エコノミストの見解ではありますが、弊社のハウスビューでは無い場合があります」ってのがございますので念の為。

『Opinions expressed in FRBSF Economic Letter do not necessarily reflect the views of the management of the Federal Reserve Bank of San Francisco or of the Board of Governors of the Federal Reserve System. 』

しかも更にお洒落なのは、このレポートの最後を見ますと・・・・・・・・・・

『Vasco Curdia is a senior economist in the Economic Research Department of the Federal Reserve Bank of San Francisco. Andrea Ferrero is a senior economist at the Federal Reserve Bank of New York.』

・・・・・・・・SF連銀とNY連銀のシニアエコノミストの共著ですかそうですかということで、これもまたあちゃーという感じですが、文章量は少ないのでサラッと読めますのでオヌヌメ(今朝は時間の関係上ネタにする暇がないのだが)。

#しかしこういう逓減というようなグラフが出る中、ジャパンでは量的緩和政策に対して直線番長(政策効果を何でもリニアに計算する人たちの事を某金融クラスタ方面でそう称するらしいので使ってみた)が跋扈しているように見ますなああっはっは





2013/08/14

お題「消費税関連雑談メモ/7月議事要旨の物価の話と国内景気の話を鑑賞するのだが・・・・・・」

ドルと円の逆相関ってお前は何を言ってるんだ>モーサテの電話コメントの人

・・・・ってまあその背後に何らかの因果関係があるのかと思って思わず話を真面目に聞いたが何もないのが更にお前は何を言ってるんだ状態なのですけどね。

#7月議事要旨ネタを投下してたら時間が無くなったので昨日のBOEネタの続きはございませんすいませんすいませんm(__)m

○法人減税報道で株と為替が反応も債券市場は貫録の金利低下とな(兼自分用ネタクリップ)

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRFWK10YHQ0X01.html
日本株は急反発、自動車など全業種高い−円安と法人減税期待
更新日時: 2013/08/13 15:32 JST

『また、安倍晋三首相は法人税の実効税率の引き下げを検討するよう関係府省に指示したことが分かった、と13日付の日本経済新聞朝刊が報道。来年4月から消費増税を決めた場合、法人税の引き下げ方針を併せて打ち出し、景気の腰折れ懸念を払しょくする狙いという。「安倍首相が法人税減税の調査を求めていることはポジティブな『発言介入』」と、パリー・インターナショナル・トレーディングのマネジング・ディレクター、ギャビン・パリー氏(香港在勤)は指摘する。SMBC日興証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは同報道について、法人税減税がすんなりと決まるかどうは不透明とした上で、首相が検討を指示したこと自体は、@来年度の景気に強く配慮する姿勢を読み取ることができる、A安倍政権が産業界や株式市場の期待を強く意識し、それにポジティブになるよう働き掛ける姿勢を有している、B現状では来年度からの消費税引き上げが議論の前提になっている、という点でポジティブと評価した。』(上記URLより)

法人減税ニュースで随分反応しやがったなという所ですが、まあ要するに「第三の矢」に期待する所大であるということなんでしょうねえとは思いますが、それにしても株が為替に反応したのか為替が株に反応したのか両方で手に手を取って株高円安に逝く中で債券市場先生は前場途中まで貫録の先物値幅実質3銭状態で債券先物ちゃんが息をしていないの!状態ではありましたが、前場引けに掛けて急にカーブの後ろ中心に確りしてきて5年入札を迎えて落札結果もまあ堅調なんじゃネーノという通りに堅調な結果となり、その後は更にじりじり堅調モードで10年カレントの引けは0.730%(1.5強)だわ5年カレントの引けは0.270%(1.5強)だわと株価とか為替とか関係なく金利様は堅調に推移致しやした。

まー株式市場様や為替市場様は朝から強かったので債券市場は単に他市場のネタも華麗にスルーして需給とかで確りということですが、まあ消費税ネタとか入札がありますなとか、その手の買い様子見をしたくなるネタが弱まると何となく債券が堅調になるというのがここもと続いているようにも見えまして、何かこの調子だと消費税先送り話になっても債券買いになるんじゃネーノ位の勢いですな(^^)。


消費税先送り云々とかゆー話になって財政発散懸念ガーというのはまあそれはそれであるかも知れませんが、その前の反応として一番最初に起きそうなのって「アベノミクス期待ポジションの巻き戻し」だと考えますと、株と為替は巻き戻しが起きると株は下がるわ為替は円高になるわですし、債券市場様におかれましては既にアベノミクス第一の矢ポジションとしての債券ロングポジションは盛大に振り落されている訳ですからして、そっちの方は全体的にポジション軽いでしょとか考えると、これがまたオソロシスというかワロスというかで、株と為替見て債券買いになっても全く不思議では無いというのが国内で多くが回っているジャパンの債券市場の恐ろしいというかオモロイ所ではありますな、実際に何が起きるかよー知らんけど。

まあ実際問題としては消費税先送りにしたってどういう絵の描き方になるのかで印象違ってくるでしょうし、そうは言っても海外格付け会社は消費税先送りとなると格下げする気満々という状態ですので、まあ海外がどの位気合入れてくるか次第ですな債券市場は、と思いますが正直言ってワカランチ会長。


ところで話は少しそれますが、昨日の消費税増税と法人減税セット報道ですけれども、最初に見た時には日経新聞のポジショントーク落語かと思いましたが(最近金融政策にしてもそうだが、日経新聞の朝刊1面トップで出てくる観測記事の精度が下がっている気がするんだが・・・・・・・・)、もしかすると法人減税を持ち出して「消費税増税して法人減税したって企業は給与を増やさないではないか実にケシカラン」という話が出ることによって消費税増税への雰囲気を盛り下げようという高度な(?)戦略に基づく作戦なんジャマイカとか思うアタクシは陰謀脳ですかそうですか。

まあ何ですな、昨日の法人減税検討報道ですけど、日経の落語じゃなくて安倍ちゃん方面からの話でしたら、財務省の引いたレール(というのがあるのかどうか知らんけど)にそのまま乗るかよヴァーカという声が聞こえてくるような気がしたんですけどねえ・・・・・・


#まあ消費税ネタは当分続きそうですがとりあえず物価連動国債入札までには片を付けてくれ


○決定会合議事要旨である

今週はBOEネタでまる潰しという触れ込みでしたが良く考えたらこれが今週出るんでしたorz

http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2013/g130711.pdf

まあ中間レビューが大本営じゃなかった楽観的ですなあという話なのですが・・・・・・・・

・物価に関する部分を鑑賞である

この回で声明文に「予想物価上昇率の上昇を示唆する」というような表現が入ってきて、先日のMPM声明文で更にその予想物価上昇率の上昇傾向という表現になって、期待によってフィリップスカーブの上方シフトをさせて2%達成という尤もらしいというか屁理屈というかな理論キタコレという風になっているのですが、さてどういう検討をしていたのかというのが最初に気になった所なので鑑賞。

『T.金融経済情勢等に関する執行部からの報告の概要』から。

『この間、予想物価上昇率については、マーケットの指標などで上昇が一服しているものもあるが、6月短観の販売価格判断をはじめ企業や家計、エコノミストに対する調査なども踏まえると、全体としては上昇を示唆している。』

短観の販売価格判断が上昇しているのでそれはまあよろしいのですが、それ以上に仕入価格判断の方が上昇しているのですから、当然ながらその部分というのは企業収益のマイナス要因になる筈なのですが、企業の収益環境などに関する部分ではこのような報告になっておりまして・・・・・・

『設備投資は、企業収益が改善する中で下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられている。この間、企業の業況感は改善しており、6月短観の業況判断DI(全産業全規模)は「悪い」超幅が明確に縮小し、5年半振りの高い水準となった。先行きの設備投資については、企業収益が改善を続ける中で、防災・エネルギー関連の投資もあって、緩やかな増加基調を辿ると予想される。6月短観で2013 年度の設備投資計画(ソフトウェアを除き土地投資額を含むベース)をみると、全産業全規模では、3月短観と比べて上方修正され、前年比+2.0%となった。』

ということで、どう見てもコストプッシュ要因無視です本当にありがとうございましたという所で、都合の良い所だけ切り取って来る大本営発表クオリティキタコレという風情が漂う誠に心温まる報告でございました。

では『U.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要』ですが物価の部分から。

『物価面について、委員は、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、足もとではゼロ%となっており、先行きはプラスに転じていくとの見方で一致した。ある委員は、流通の各段階で値上げの動きが徐々に増えてきていると指摘した。別の一人の委員は、外食産業の一部で高価格商品を投入する動きもみられるなど、企業の価格設定行動に変化の兆しが窺われるとの見方を示した。』

でまあコストプッシュだったらどうなのという話がその前の所で何かあるかというとそれはやはり執行部報告同様に無いのが残念な所です。

『この間、複数の委員は、消費者物価の前年比プラス幅は、夏頃までは前年のエネルギー価格下落の反動などから拡大するが、その後、拡大が一服する可能性があるとの認識を示した。』

ですなあ。

『このうちの一人の委員は、世界的なディスインフレ傾向の中で、わが国の物価が、わが国独自の要因でプラス幅を拡大していくか引き続き注視していると述べた。』

これは6月議事要旨にもありましたが、何でこの話を「一人の委員」しかしないんでしょうかねえ。

『予想物価上昇率について、委員は、マーケットの指標などで上昇が一服しているものもあるが、6月短観の販売価格判断をはじめ企業や家計、エコノミストに対する調査なども踏まえると、全体としては上昇を示唆しているとの認識を共有した。』

執行部報告通りですかそうですか・・・・・・って内訳は??

『一人の委員は、消費税率引き上げの蓋然性に対する認識の影響を識別することは引き続き難しいとの見方を示した。別のある委員は、「生活意識に関するアンケート調査」では、1年後の物価が「上がる」との回答が約8割まで増加していると指摘した。』

この文脈が端折り過ぎて良く判らんのだが、別のある委員は前の「一人の委員」の意見を補強するつもりで言った(消費税引き上げの蓋然性に対する影響の認識を識別するのが難しい理由として、生活意識アンケートでの短期の見通しを持ち出しているという意味だわさ)ように見えるのですが、そうじゃなかったら足元の物価上昇見通しを出すのってSo What?なのでありまして、さらっと読んでしまうと後者の人が大ボケ発言に見えてしまうのでもうちょっと補足して頂きたく存じます。

というのはともかくとして展望レポート中間評価の物価部分も引用しようず。

『先行きの物価の中心的な見通しについて、委員は、消費者物価(除く生鮮食品)は、概ね4月の展望レポートの見通しに沿って推移するとの認識を共有した。』

ふーむ。

『大方の委員は、消費者物価の前年比は、マクロ的な需給バランスの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを反映して上昇傾向を辿り、見通し期間の後半にかけて、「物価安定の目標」である2%程度に達する可能性が高いとの見方を示した。』

はあそうですか。

『ある委員は、人々の期待を変え、フィリップスカーブを上方にシフトさせるという観点からは、定例給与の上昇が重要であるとの認識を示した。』

まーこれはある委員っつーか大方の認識ではないかと。

『一方、複数の委員は、4月の展望レポート時と同様に、予想物価上昇率の変化が現実の物価上昇率の高まりにつながる点について不確実性が高いと考えられることなどから、自身の物価見通しは中心的な見通しに比べて慎重であるとの見方を示した。』

佐藤さんと木内さんですねわかります。

『これらの委員は、先行きの物価をみるうえでは所定内賃金の動向が鍵となるが、これまでのところ弱めの動きが続いていると付け加えた。』

まったくですな。

『さらに、ある委員は、消費税率の引き上げによる上昇分を加味すると来年度の物価上昇率は2%の物価目標を大きく上回ることが想定されるため、この分が短期物価上昇予想に十分織り込まれていくのか注視していると述べた。』

ふーんという所ですな。

でまあ結局この予想物価上昇云々に関する部分ですが、どこのどの数字を見てというよりは必殺兵器「総合判断」で判断ということのようなのですが、その予想物価上昇率の先行きについて、『V.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要』の所でこんな見解が。

『量的・質的金融緩和の効果について、委員は、効果はしっかりと働いており、企業や家計の支出活動を支える金融環境の緩和度合いは、着実に強まっているとの認識を共有した。委員は、こうしたもとで、実体経済や金融市場には前向きな動きが拡がっており、人々の経済・物価に関する期待は好転しているとの見方で一致した。』

はあそうですか。

『ある委員は、アンケート調査などをみると、先行きの実体経済の改善が見通されるもとで、予想物価上昇率が徐々に高まってきており、経済・物価が着実に改善していく姿が展望できると述べた。』

貴殿の目に見えている物は蜃気楼なのではないでしょうかなどという無粋なツッコミをしてはいけません(^^)。

『経済主体の期待の転換を通じた効果について、多くの委員は、名目金利が安定的に推移するもとで、予想物価上昇率の高まりを背景に、実質金利は低下しているとの見方を示した。先行きについて、このうちの一人の委員は、予想物価上昇率は2%に向けて上昇している過程にあるため、予想物価上昇率の上昇とそれに伴う実質金利の低下は、今後さらに進むと付け加えた。』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・何かやたらと楽観的にしか読めませんが気のせいですよね(−−)


・前向きの循環メカニズムですかそうですか

前向きの循環メカニズムと言えば日銀が調子こいて来たじゃなかった先行きの経済物価情勢に自信を強めたモードになった時に強調される話ではあるのですが、6月の議事要旨でもその辺の話がちゃっかり出ているのでありました。『U.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要』から。

『わが国の景気について、大方の委員は、国内需要の底堅さに輸出の持ち直しも加わって経済活動の水準が緩やかに高まる中で、企業部門において所得から支出へという前向きの循環メカニズムが次第に働き始めているとみられることから、緩やかに回復しつつあるとの認識を示した。』

キタコレ!!

『これに対し、ある委員は、経済情勢に関するこのような認識を概ね共有しつつも、海外経済を巡る不透明感や、足もと改善を示す経済指標にはDIや計画値が多いことなどを踏まえると、「回復」という文言を用いるにはもう少し時間をかけて見極めた方が良いのではないかと述べた。』

(;∀;)イイシテキダナー

『一方、複数の委員は、各種経済指標の水準が相応に高く、前向きの循環がみられつつあるため、緩やかに回復しつつあるという景気判断を示すことが適当との見方を述べた。別の一人の委員は、短観や需給ギャップの改善状況などをみると、現在の経済活動の水準は過去の景気回復局面並みまで高まっているとの認識を示した。こうした議論を経て、委員は、わが国の景気は緩やかに回復しつつあるとの判断を共有した。』

何という強気。円安株高によるマインドと公共投資で下駄履いているだけだったりしないのかねという風に思うのは債券屋独特の悲観脳ですかどうもすいません。

『項目別には、輸出について、委員は、米国経済が緩やかに回復する中、為替相場の動きも下支えとなって、持ち直しているとの認識を共有した。』

まあこれは良いとして。

『設備投資について、委員は、企業収益が改善する中で下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられているとの見方で一致した。ある委員は、一致指標をみる限り、これまで出遅れていた設備投資も、4〜6月から持ち直しに転じた可能性があるとの認識を示した。』

(・∀・)ニヤニヤ

『個人消費について、委員は、消費者マインドが改善するもとで、引き続き底堅く推移しているとの認識を共有した。一人の委員は、個人消費が堅調に推移している主因として、株高などによる資産効果を指摘した。別のある委員は、商業販売統計をみると、多くの業態で売上高が前年比プラスに転じていると述べた。この間、ある委員は、4〜5月の家計調査は年初来の増勢一巡を示唆しているほか、自動車販売も足もと減速しており、今後の個人消費の持続性には注意が必要であるとの見方を示した。』

正直いつまでもサステイナブルとは思えんのだが。

『住宅投資について、委員は、持ち直しが明確になっているとの認識で一致した。鉱工業生産について、委員は、国内需要が底堅く推移するもとで、輸出が持ち直していることを反映して、緩やかに増加しているとの見方を共有した。』

ふむ。で、先行き見通しですがね。

『景気の先行きについて、委員は、国内需要の底堅さと海外経済の持ち直しを背景に、緩やかに回復していくとの見方を共有した。この点、多くの委員は、6月短観をみると、企業の業況感は、業種の裾野の拡がりを伴いつつ、明確に改善していると指摘した。』

さいざんすか。

『そのうえで、これらの委員は、2013 年度の事業計画についても、売上や収益見通しが改善するもとで、設備投資をしっかりと増加させていく計画となっており、マインドや収益の改善が実際の支出活動に結び付き始めているとの認識を示した。』

(・∀・)ニヤニヤニヤニヤ

『これに対し、ある委員は、設備投資計画をみると、大企業製造業の前年比伸び率や修正率には力強さが感じられないとの見方を述べ、企業は引き続き国内よりも海外での設備投資を重視していると指摘した。』

だすなあ。

『先行きの景気回復の持続性をみるうえでのポイントとして、多くの委員は、所得面への波及が重要であると指摘した。この点に関し、ある委員は、足もと、一人当たり賃金が下げ止まる中で雇用者数が増加しているため、雇用者所得は増加に転じているとの認識を示した。複数の委員は、夏季賞与などには良い兆しがみられ始めていると述べた。もっとも、このうちの一人の委員は、こうした動きはまだ大企業の一部に限られており、中小企業も含めた全体に拡がるかはなお不透明であると付け加えた。』

まあ物価上昇というのに繋がるという面では一人あたりの名目賃金が上がらないと物価上昇に耐えられませんがなという話になりますからねえ。

ということで、物価と経済に関する所を鑑賞致しましたが、今回は木内さんの提案部分と債券市場の話の部分は前回とそんなに変わらないので面倒なので割愛します。

#あちゃー時間が無いのでBOEネタががががが




2013/08/13

お題「世の中夏休みモードの為のんびりBOEの演説?でも鑑賞をば」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130813/k10013738961000.html
野党の再編「必要」が5割超
8月13日 4時9分

『また、今後、勢力を伸ばしてほしいと思うのはどの政党か尋ねたところ、▽自民党が31.7%、▽民主党が9.2%、▽日本維新の会が10.5%、▽公明党が5.7%、▽みんなの党が6.7%、▽共産党が4.3%、▽生活の党が0.1%、▽社民党が0.8%、▽「特にない」が20.9%でした。』(上記URLより)

民主党よりも維新が多いという数字を見て朝から絶望したというか何というか。もう大概青い鳥を探すの止めた方が良いんじゃないかと思うのだがねえ・・・・・・・・


○一応GDP関連メモ

日経とかの記事を見ると消費税引き上げ方向の誘導する気満々なのでまだそうでも無いブルームバーグの記事から雑談。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MR3KCK6JTSE901.html
4−6月は3期連続のプラス成長、予想は下回る−消費がけん引 (2)

『8月12日(ブルームバーグ):今年4−6月期の実質国内総生産 (GDP)速報値は、前期比年率で2.6%増と、3四半期期連続でプラス成長となった。政府の経済政策「アベノミクス」に伴う景況感の上向きや株高などの資産効果で消費者の購買意欲が高まり、円安で企業の輸出環境も改善している。』(上記URLより)

設備投資が引き続き若干のマイナスというのが残念ですが、名実逆転解消というのが目出度い話だったりしますけれども、まあ個人消費が強いのですがはてさてこの強い個人消費っていつまでサステイナブルなのよとか考えますと中々アレではございますな。

んでもって昨日の反応としてはGDPが出た瞬間債券先物が5銭少々(^^)下落したものの、まあそれで反応はおしマイケルという風情でありまして誠に遺憾の極みに存じます。まー良く判らんけど、GDPが予想より弱い→消費税増税先送りの可能性高まるかも→債券売りって反応したんですかよくわかりません><;まあ5銭ですからどうでも良いのですが。

でもって債券の方の前場引け後に夏休みなのに安倍ちゃんが11時半くらいから官邸で会見をするとかいうニュースが出たのが本当にネタになったのかどうかは知らんですけど、その辺りのタイミングで為替がやや円安に振れて株価指数が上昇していたのですが、まあ会見の方は消費税に関する話はスルーで経済政策が順調とかそういう話をして終了で、そらまあ消費税に関する話は引っ張るんでしょうなあという結果でありました。まあそのあと反動があったのか無かったのかワカランチ会長(株価指数は後場失速したけど為替は割と値持ちしていた)ですけれども、どうも最近は消費税増税先送り→第三の矢に対する失望→海外中心に株売ってくるんじゃネーノという反応になっているようで誠に結構なお話ではございますな。

しかしまあ何ですな、この微妙に中途半端なGDP速報数値ですと、消費税増税予定通り実施にしても先送りにしてもどっちからもいちゃもんをつけられそうな絶妙な数字なので、まだまだこの話題引っ張るんでしょうな。本田内閣参与も早速コメントしてますし。

http://jp.reuters.com/article/idJPTYE97B01Y20130812
内閣官房参与「消費増税環境整ったと言えず」、GDP減速受け
2013年 08月 12日 11:00 JST

『「消費増税により景気が腰折れする懸念ばかりが焦点となっているが、『デフレ期待からインフレ期待への転換』が腰折れすることの方が重要」と強調。「参院選で国民は、デフレ脱却と経済成長を両立する政権を選んだ」と指摘し、政府として「デフレ脱却が失敗するリスクを最小限にする必要がある」と述べた。』(上記URLより)

・・・・・・・・・・・おじちゃん頭が悪いからさっぱり判らないのですが、間接税をホイホイ上げると名目の物価にモロに跳ねるのでインフレ期待という意味ではプラスじゃネーノ、いやもちろん実質ベースでの所得が下がるから景気が腰折れする懸念があるっちゅうのは判るのだが、懸念する方を間違えているようにしか思えんのでこの理屈を教えてジェネラル!



などと思ったらあたくしの購読していない(こら)日経新聞朝刊にはこんな記事があるようで。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1203O_S3A810C1MM8000/
首相、法人税率引き下げ検討指示 消費増税と一体
2013/8/13 2:00 情報元 日本経済新聞 電子版

『安倍晋三首相が法人税の実効税率の引き下げを検討するよう関係府省に指示したことが12日、わかった。日本は企業の実際の負担率である実効税率が主要国より高いため、来年4月から消費増税を決めた場合、引き下げ方針をあわせて打ち出し、景気の腰折れ懸念を払拭する狙いだ。成長戦略として海外投資を呼び込む起爆剤にもなるとみており、財政再建と経済成長の両立をめざす。』(上記URLより)

何か「また日経か!」という悪寒がだいぶするのですが、ホンマカイナというか何というか。投資減税とかするならまだ判るのですが、消費税増税に法人税率引き下げを「一体」って政治的に死ぬほど受けの悪そうな話でそれはねえと思うのですけどねえ。それで景気が回復してトリクルダウンでみんなハッピーにでもなればまあ問題無いでしょうが、普通に考えて物価上昇させましょうという政策をやりながら消費増税と法人税率引き下げの一体実施って露骨に消費者から企業への所得移転でございみたいなのを実施したら、そのトリクルダウンが来る前のタイムラグに耐えられない人たちというのを踏まえてそれこそ格差拡大ガーとか庶民の生活ガーとかいう話になって安倍ちゃんの歴史的使命(とか言ってたと公共放送ニュースが申しておりましたが)の憲法改正どころの話じゃなくなると思うのだが。

企業減税するにしても、「国内に設備投資をした企業に減税」とか「雇用を増やした企業に減税」とかそういう話にしないとウケないだろと思うのですが、何か日経のポジショントークの香りがするのは気のせいですかそうですか。


○BOEの政策大演説を鑑賞するでござるの巻

http://www.bankofengland.co.uk/publications/Pages/inflationreport/2013/ir1303.aspx
Inflation Report, August 2013

http://www.bankofengland.co.uk/publications/Documents/inflationreport/2013/ir13augforwardguidance.pdf
Monetary policy trade-offs and forward guidance

この前も申し上げましたが、まあ大体政策の説明に48枚組のペーパーを出すという時点でもう何が何やらという所でして、この前どこぞの麿銀行が物価安定の目標がどうのこうので8ページ組だったかの説明をああでもないこうでもないと書いて世間的には「????」という所で、一部のマニアからは「何じゃこの往生際の悪い説明は」と大変に好評(イヤミ)だったという事案がありましたが、さすがBOE!俺たちにできない事を平然とやってのける!!そこに痺れない憧れない!!という所でありまして、まあこのクソ暑い中こんな長文出すな読んでる時間は兎も角この暑さで根性が続かんわ(←それはアタクシの個人的状況^^)という話ですな。


つーことでまずは冒頭説明から。PDFの3ページ目にまえがきが。

『In the letter accompanying the 2013 remit for the Monetary Policy Committee (MPC), the Chancellor of the Exchequer asked the MPC to provide more information about the trade-offs inherent in setting monetary policy to meet a forward-looking inflation target while giving due consideration to the desirability of avoiding undue output volatility.

The Committee was also asked to provide an assessment of whether it would be appropriate, given the current exceptional economic circumstances, to deploy explicit forward guidance - including intermediate thresholds - in order to meet its objectives more effectively.』

『This document sets out the MPC’s response to those requests.』

つーことで、このレポートのようなものは一応建付けとしては財務大臣あて書簡の一環のようですな。


・結局何をやりたいのかが判らない理由は「フォワードガイダンスやりながらインフレ目標一点張りを継続」なこと

小見出しが長くてスイマセン。まあそういうことだと思いますけどね。

ファイルの7枚目から始まる『Executive summary』の所は概ねこの前引用したプレスリリースの話を冒頭でしていて、その内容のもうちょっと細かい話が展開されるという物件で、大体からしてサマリーで3ページあってその後の背景説明が延々と続くという時点でナンジャコラという所なのですが、観賞用としては中々面白いので以下鑑賞ということで参ります。

#なお、このネタで今週持たせてやろうなどという事は毛頭考えておりません(キリッ)

最初の部分はスレッショルドとノックアウト条件の話なのでちょっとパスしまして、声明文で出ていた話をもうちょっと敷衍した辺りから参ります。

『In essence, the MPC judges that, until the margin of slack within the economy has narrowed significantly, it will be appropriate to maintain the current exceptionally stimulative stance of monetary policy, provided that such an approach remains consistent with its primary objective of price stability and does not endanger financial stability.』

経済のスラックが顕著に縮小しない限りは、緩和的な金融政策を継続しても物価安定と金融安定に対しての弊害は少ない、という認識を示しております。

まあこの時点でホンマカイナという風情ではありまして、BOEの物価に対するアセスメントというか分析の推移を見ていると、最初の頃は「経済のスラックがあるので物価はいずれターゲットに向かって低下する」という理論を唱えていたのに対して、まてど暮らせど物価がサガランチ会長となって「経済のスラックがあるのに物価が下がらんとはどういうことや」という話になって今度は「英国経済の生産性が低いまま推移しているのが物価を中々下げない事に繋がっている」というような話をしておりましたので、そこから考えると「経済のスラックがあるうちは超緩和政策無問題だぜヒャッハー」にまた宗旨替えですかそうですかというのはマニア的にはツッコミ所ではあります。

『This approach is consistent with the MPC’s objectives, as defined by its remit.』

ほほう(棒)

『The MPC’s primary objective is to maintain price stability - as defined by the Government’s 2% inflation target - and, subject to that, to support the Government’s economic policies, including those for growth and employment. The inflation target applies at all times. The remit also recognises that the actual inflation rate will, on occasion, depart from the 2% target as a result of shocks and disturbances. In the face of such disturbances, particularly when they are large or persistent, the MPC may be confronted with a trade-off between the speed with which it returns inflation to the target and the scope for economic expansion. The remit allows the Committee to extend or reduce the period over which it intends to return inflation to the target, provided that such an approach remains consistent with meeting the inflation target in the medium term.』

でまあここでインフレーションターゲットとはみたいな話をおっぱじめているのが実にこう今回のフォワードガイダンスの話をややこしくしているのですよね。

んでもって今日はそこの引用まで手が回らないので明日のネタ要因なのですが、一方でこの後の方にある背景説明の中ではBOEは「金融政策は経済の一般的な物価水準のみを決定することができるが、長期的な経済の実質レベルや他の変数、例えば失業率などについては影響を与えることができない」(キリッ)とお前はFEDに喧嘩を売っとるのかという貫録の説明をしていまして(読みたい人はPDF16枚目にあるコラムをどうぞ)、失業率スレッショルドとは何なのかという風情。

つーことで、最初スレッショルドを見た時に「これはインフレターゲットから失業率重視に変更したのか」と思わせた訳ですが、ここの大演説コーナーを見ると思いっきりインフレターゲットをベースにした話をしているということで、こらまあ何をやりたいのかというのが判らんわなあという所であります。


・現状の経済認識ですが

その次のパラグラフから。

『Unlike the first decade of the MPC’s existence, the UK economy has been subject to substantial disturbances during the past six years, including not only the global financial crisis and the attendant need for significant private and public sector balance sheet repair, but also the repercussions of the continuing adjustment within the euro area and several significant cost shocks.』

金融危機以降の英国経済は金融危機やバランスシート問題やらユーロ圏問題やその他の価格ショックなどでここ6年あばばばばーでしたと。

『As a consequence, output has remained depressed while inflation has been persistently above the 2% target. Moreover, employment has remained surprisingly resilient and productivity unusually weak, leading to considerable uncertainty about the supply capacity of the economy and the extent to which the deterioration in supply performance will reverse as demand recovers.』

でその結果生産は弱くて経済のスラックは大きく、失業もうんこな中で物価は2%超え状態が継続的に続いたと。

『As a result, the Committee has been faced with the need to balance the risk of achieving an insufficiently rapid restoration in activity against the risk that continued elevated inflation results in medium-term inflation expectations becoming less well anchored to the target. In addition, the scope for further cuts in Bank Rate has been limited since early 2009, complicating the conduct of monetary policy.』

インフレ期待のアンカーが弱まるリスクとの兼ね合いとか名目金利制約とかの中でリスクをどうバランスさせて金融政策を運営するかということを考える困難に直面とな。


・つーことですのでフォワードガイダンスは「リスクバランスアプローチ」らしい

『The MPC has in the past provided broad guidance on its reaction function via its Inflation Reports, the minutes of its monthly meetings, evidence to the Treasury Committee, and speeches by individual Committee members. In the current exceptional circumstances, with both inflation and economic activity far from desirable levels, the MPC has decided to provide explicit forward guidance. In these exceptional circumstances, explicit forward guidance can enhance the effectiveness of monetary stimulus in three ways.』

で、その3つの有効性ですけど・・・・・・・・

『1) It provides greater clarity about the MPC’s view of the appropriate trade-off between the horizon over which inflation is returned to the target and the speed with which growth and employment recover. The forward guidance agreed on 1 August 2013 clarifies that the MPC will seek to reduce the margin of slack in the economy, if necessary by varying the speed at which inflation returns to the target, but only if that does not entail material risks to its overriding objective of price stability. In particular, the guidance is subject to two price stability ‘knockouts’ that, if breached, would mean that the guidance would no longer apply: first, if in the MPC’s view, it is more likely than not that CPI inflation 18 to 24 months ahead will be at least half a percentage point above the 2% target; and second, if medium-term inflation expectations no longer remain sufficiently well anchored.』

は?という感じなのですが、ここの説明が結局物価を重視するのか景気を重視するのか非常に訳判りにくいという感じでして、フォワードガイダンスはそもそも論として景気重視のために将来の金融政策を縛るものなのに対して、一方でこうやってインフレターゲット重視の話をやたらと強調するというのが何とも。

『2) It reduces uncertainty about the future path of monetary policy as the economy recovers. In particular, it increases the understanding of financial market participants, businesses and households of the conditions under which the highly stimulative stance of monetary policy will be maintained. That should reduce the risk that, as the recovery gains traction, market interest rates rise prematurely and people worry excessively about early rises in borrowing costs. By so doing, it should help to secure a recovery of sufficient strength and duration to return output, employment and incomes to their full potential levels, consistent with medium-term price stability.』

まあこれも虫の良い話だと思うのですが、一応「景気が回復した時の先行き金融政策パスの不確実性を減らすことによって金利が安定する」という理屈を掲げています。つまりは景気回復の初期段階において、金融政策の出口論が出て早すぎる市場金利の上昇を起こしたくない、という意思は判るのですが、実際にそれがワークするのかというとだいぶ別問題だと思いますし、大体からしてスレッショルドが近すぎ(つーか物価は上抜けとるし)なのでこの効果を期待するのは無理だと思う。

『3) It delivers a robust framework within which the MPC can explore the scope for economic expansion without putting price and financial stability at risk.』

もうね、これ虫良すぎるでしょとしか申し上げようが無いのですけどね。

『The trade-off between the horizon over which inflation is returned to the target and the speed with which output and employment recover is unusually uncertain at present.』

それはそうなのですが。

『Moreover, the sustained period for which interest rates have been held at historically low levels means there may also be a trade-off between the support monetary policy is able to provide to the UK real economy and the risks that might pose to financial stability.』

超緩和を必要以上に継続すると金融不安定リスクというのはまあその通り。

『Misjudging either of these trade-offs could have significant costs in the medium term. Rather than having to make a firm judgement about the extent to which it can reduce the margin of slack without prompting either of these risks, the existence of the price stability and financial stability knockouts allows the MPC to learn and update its view of the tradeoffs as the economy recovers.』

ふむ。

『In particular, if supply picks up strongly as demand increases, guidance can maintain the current exceptional degree of stimulus until the margin of slack within the economy has narrowed substantially. But if material risks to either price stability or financial stability emerge - such that any of the knockouts were breached - then the guidance would no longer hold and the MPC would reassess the appropriate stance of monetary policy.』

へーという所ですが、経済が順調に回復する中では超緩和政策を継続しますが、一方でファイナンシャルスタビリティーやインフレ期待の不安定化のリスクが高まった場合はその時に改めて適切な政策を考えますのでフォワードガイダンスは反故になりますとな。

『Importantly, the existence of the knockouts, by demonstrating the MPC’s unwillingness to tolerate any material risks to price stability or financial stability, may reduce the likelihood of either risk occurring.』

従って金融不安定化やインフレ期待の望ましくない上昇を防ぐと言う意思を示すということによって、これらの不安定化を防ぐのです(キリッ)という話でして、何だかねえという気はするのですけれども、まあそういうややインチキな理屈になっているのでありますた。


・しまった時間が無いので続きは明日

で、この次に何で「失業率7%スレッショルド」を付けるようになったのかという背景説明があるのですが、時間切れですすいませんすいません。

ちなみに、この先の部分を引用する前に先に申し上げておきますと、BOEパターンのスレッショルドはFED方式と同じように「これはスレッショルドであってトリガーではありません」という説明なのですが、BOEの場合は「このスレッショルドに達してからさてどうしましょうかという検討を開始します」という説明を前面に打ち出しておりまして、そーゆー意味ではFEDの6.5%スレショルドと比較してより緩い感じがしますけどどうでしょうかね。

#以下明日に続く(大汗)



2013/08/12

お題「金融経済月報と総裁会見は意外にネタがあったりするのだ」

毎年この時期にあるのですけどね。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/rel130809a.htm/
若い人を1000人も募集ですかというオヤジギャグにもならんボケは兎も角として絶賛募集中ですよ。(←1000人じゃないですからね!!)

○表現が殆ど一致なのだが良く見ると「ダム論」と「フィリップスカーブのシフトアップ」ががががが(金融経済月報)

http://www.boj.or.jp/mopo/gp_2013/gp1308.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/mopo/gp_2013/gp1307.pdf(前回)

・総括判断は同じ

『わが国の景気は、緩やかに回復しつつある。』(今回)
『わが国の景気は、緩やかに回復しつつある。』(前回)

まあこの辺は声明文にある通りですけどね。

・現状判断は海外の部分に変化があったのみ

というのも声明文と同じですが、後でネタにする総裁会見で黒田総裁が「海外のリスク認識を引き下げ」という話をしておりまして、まあここの表現変化はそういうことでしたねえという所です。

つーことで外需。

『海外経済は、一部に緩慢な動きもみられているが、全体としては徐々に持ち直しに向かっている。そうしたもとで、輸出は持ち直している。』(今回)
『海外経済は、引き続き製造業部門に緩慢な動きもみられているが、全体としては徐々に持ち直しに向かっている。そうしたもとで、輸出は持ち直している。』(前回)

「製造業部門」と特定していたのが「一部に」というぼやっとした言い方になったというのは声明文どおりですけど、こういうぼやっとした言い方になる場合は表現として弱くなる、ということですので、今回に関してはその弱くなった表現の掛かる場所が「緩慢な動き」であることから「下向き判断をやや弱くした」ということのようですな。

内需は以下の通り。

『設備投資は、企業収益が改善するなかで下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられている。公共投資は増加を続けており、住宅投資も持ち直しが明確になっている。個人消費は、消費者マインドが改善するもとで、引き続き底堅く推移している。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は緩やかに増加している。』(今回)

『設備投資は、企業収益が改善するなかで下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられている。公共投資は増加を続けており、住宅投資も持ち直しが明確になっている。個人消費は、消費者マインドが改善するもとで、引き続き底堅く推移している。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は緩やかに増加している。企業の業況感は改善している。』(前回)

企業の景況感という短観関連の部分以外は同じですな。


・先行き見通しでダム論キタコレ!

先行き見通しなんですけどね。

『先行きのわが国経済は、国内需要の底堅さと海外経済の持ち直しを背景に、緩やかに回復していくと考えられる。』(今回)
『先行きのわが国経済は、国内需要の底堅さと海外経済の持ち直しを背景に、緩やかに回復していくと考えられる。』(前回)

という総括判断の全文一致は良いとしまして・・・・・・・・・・

『輸出は、海外経済の持ち直しなどを背景に、緩やかに増加していくと考えられる。国内需要については、公共投資が各種経済対策の効果から引き続き増加傾向をたどり、住宅投資も増加していくとみられる。設備投資は、企業収益が改善を続けるなかで、防災・エネルギー関連の投資もあって、緩やかな増加基調をたどると予想される。』(今回)

『輸出は、海外経済の持ち直しなどを背景に、緩やかに増加していくと考えられる。国内需要については、公共投資が各種経済対策の効果から引き続き増加傾向をたどり、住宅投資も増加していくとみられる。設備投資は、企業収益が改善を続けるなかで、防災・エネルギー関連の投資もあって、緩やかな増加基調をたどると予想される。』(前回)

ということでここも全文一致なのですけれども・・・・・・・・・・・

『個人消費も、雇用・所得環境の改善に支えられて、引き続き底堅く推移するとみられる。こうしたもとで、鉱工業生産は緩やかな増加を続けると考えられる。』(今回)
『個人消費も、雇用環境の改善にも支えられて、引き続き底堅く推移するとみられる。こうしたもとで、鉱工業生産は緩やかな増加を続けると考えられる。』(前回)

ここがダム論キタコレの部分でありまして、従来は「雇用環境の改善にも」というような言い方だったのが「雇用・所得環境の改善に」とこちらはぼやっとした言い方から言い切り型になった部分が個人消費が底堅く推移という部分に掛かっていまして、これは雇用所得環境の改善を前月より強調している事でもありますし、さらに「雇用環境」から「雇用・所得環境」となっていて「所得環境の改善」というのが出てきたのはどう見てもダム論です本当にありがとうございましたという風情。

ちなみに月報本文の方ではこうなっています。

『雇用・所得環境をみると、厳しさを残しつつも、労働需給の緩やかな改善が続くなか、雇用者所得も持ち直しに向かう兆しがみられる。』(今回の月報10〜11ページ))
『雇用・所得環境は、厳しい状態が続いているが、労働需給面では緩やかに改善している。』
(前回の月報13ページ)

『雇用者所得は、以上のような雇用・賃金動向を反映して、足もとでは前年比で小幅のプラスとなるなど、持ち直しに向かう兆しがみられている(図表21(3))先行きの雇用者所得については、経済活動や企業業績の回復がはっきりするにつれて、次第に持ち直しが明確になっていくと考えられる。』(今回の月報11〜12ページ)

『雇用者所得は、以上のような雇用・賃金動向を反映して、前年比でなおゼロ%近傍ではあるが、足もとでは小幅のプラスとなっている(図表25(3))。先行きの雇用者所得については、経済活動や企業業績の回復がはっきりするにつれて、次第に改善が明確になっていくと考えられる。』(前回の月報14ページ)

改善と持ち直しだと持ち直しの方が表現が強いとなという所ですが、まあ超地味な表現の変更ではございますが、何気に重要な部分(会見でもその話が出ている)のダム論話に繋がっているのでそーゆー意味では今回の月報の表現変更は中身的に更に強気化しているということですな。


・リスク認識も同じ

『この間、世界経済を巡る不確実性は引き続き大きい。』(今回)
『この間、世界経済を巡る不確実性は引き続き大きい。』(前回)

声明文どおりです。


・物価もフィリップスカーブのシフトアップネタなのだが・・・・・・・・・

物価ですけどね。

『物価の現状について、国内企業物価を3か月前比でみると、国際商品市況や為替相場の動きを背景に、上昇幅が縮小している。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、プラスに転じている。予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる。』(今回)

『物価の現状について、国内企業物価を3か月前比でみると、国際商品市況や為替相場の動きを背景に、上昇幅が縮小している。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、足もとではゼロ%となっている。予想物価上昇率については、上昇を示唆する指標がみられる。』(前回)

ということで声明文でもありました予想物価上昇率の「全体として上昇」というフィリップスカーブの上方シフト大本営発表なのですけれども、月報本文を見ますと当該箇所はこうなっているのでして・・・・・・・

『この間、予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる(図表28)。』(今回の月報14ページ)
『この間、予想物価上昇率については、上昇を示唆する指標がみられる(図表33)。』(前回の月報17ページ)

で、今回の図表28はPDFファイルベースで47枚目、前回の図表33はPDFファイルベースで55枚目の所にあるのですが、そもそもグラフのスケールが毎度のように2005年から取ってあって、足元の数字が前回対比でどう動いたのかがさぱーりワカランチ会長(まあそんなに動いていなかったからというのも有ると思うのだが)となるような見え方になっておりまして、その中でどの辺の数値をどのように見ながら「全体として上昇」というフィリップスカーブ上方シフト理論になるのかの説明が上記のように一言攻撃ということで、まあ声明文比較の時に今回は詳しい説明があるでしょうなあという悪態をついた通りに説明ががががという所ですな。

『物価の先行きについてみると、国内企業物価は、当面、緩やかに上昇するとみられる。消費者物価の前年比は、プラス幅を次第に拡大していくとみられる。』(今回)
『物価の先行きについてみると、国内企業物価は、当面、緩やかに上昇するとみられる。消費者物価の前年比は、プラスに転じていくとみられる。』(前回)

まあこの辺はそうでしょうなあという所です。


・金融環境に関しては引用割愛

『わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(今回)
『わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(前回)

つーことで、金融環境の部分は基本的に同じです。CPの発行環境に関する認識が改善(前回まであった「総じてみれば」が外れている)のと、ファクトベースになるのでそれは認識も糞も無いのですけれども、銀行貸出残高の前年比部分が変わっております。


○総裁会見が今回意外にオモロイ件について

http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2013/kk1308a.pdf

まあ何ですな、当然ちゃあ当然なのですが、今回は消費税増税に関する質問がバカスカ飛んで来まして、それに対する答えがどう見ても財務省です本当にありがとうございましたという風情ではあるのですが、まあ良く考えたら元財務官というナンバー2なのですからそもそもがザ・財務省みたいなもんですからねえ。

・フィリップスカーブのシフトアップ、ダム論の説明キタコレ

いやあ何でそんなに自信満々なのかよー知らんけど、冒頭の説明部分から一部引用。

『物価面では、6 月の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は+0.4%とプラスに転じています。予想物価上昇率については、いわゆるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)などのマーケットの指標に加え、企業、家計、エコノミスト、市場参加者に対する様々な調査も踏まえると、全体として上昇しているとみられます。』

はあそうですかそれでもって具体的にどの辺の数値がどうなったからそういう判断に至ったんでしょうかねえ。

『以上のように、「量的・質的金融緩和」のもとで、実体経済や金融市場には前向きな動きが拡がっており、人々の経済・物価に関する期待は好転しています。』

前向きな循環のダム論キタコレ!!

『公表文に示されている通り、全体として「緩やかに回復しつつある」との景気判断は前月と同じですが、前月よりも前進しているところもみられます。そうした中で、先程申し上げた「所得から支出へ」という前向きの循環メカニズムが、次第に働き始めていることは確実です。』

どう見てもクソ強気です本当にありがとうございました。


・物価上昇はコストプッシュじゃネーノという質問を一蹴とな

冒頭の質問がまずこれ。

『(問) 物価について伺います。6 月の消費者物価は、1 年2 か月振りにプラスに転じましたが、円安に伴うエネルギー価格の上昇が大きく影響しています。日銀は、需要増を伴う物価上昇を目指していると思いますが、足許の物価状況についての評価、受止めをお聞かせ下さい。』

コストプッシュで喜んでるんじゃねえよヴォケということですねわかります。

『(答) 私どもは、前月も、消費者物価の前年比はプラスに転じていくとの見通しを示していたわけですが、6 月の実績は、こうした私どもの見通しに沿った内容であったと思っています。』

ほう。

『やや子細にみると、6 月の消費者物価が前年比+0.4%になったことには、石油製品や電気代といったエネルギー関連の押上げ分だけではなく、個人消費が底堅く推移するもとで幅広い品目に改善の動きがみられたことも影響しています。こうした改善の動きは、食料・エネルギーを除く消費者物価(いわゆるコアコアCPI)でみても、前年比マイナス幅が縮小していることに表れていると思います。』

>個人消費が底堅く推移するもとで幅広い品目に改善の動きがみられたことも影響しています
>個人消費が底堅く推移するもとで幅広い品目に改善の動きがみられたことも影響しています
>個人消費が底堅く推移するもとで幅広い品目に改善の動きがみられたことも影響しています

コストプッシュの指摘に対してこの切り返しとな!!!

『先行きについても、先程申し上げたように、わが国経済が緩やかに回復し、需給バランスが改善していくもとで、消費者物価の前年比は次第にプラス幅を拡大していくとみています。』

ということで前向きの循環で物価上昇が拡大するんですってよ奥様!


・消費税率の引き上げ云々の質疑鑑賞会である:一般論攻撃キタコレ!

消費税増税を予定通り実施しなかった場合の影響に関する質問がその次にありまして、質問はまあ普通なので割愛しますがその答えを見てあたくしが盛大にウケた箇所がありましてですね。

『(答) いつも申し上げている通り、消費税率の引上げについては、政府において、経済状況等を総合的に勘案して判断されると認識しています。』

そしてその次っすけどね。

『その上で、一般論として申し上げれば、』

麿キター状態ですが、同じ一般論として申し上げればでもポリティカルリソースがある人と無い(−−)人ではまた違いますのでその辺は兎も角としましても、一般論攻撃をして来るというのが黒田さん頑張ってますなあという所です。まあ麿じゃなくて財務省キターという所でしょうけれども(^^)。

『大幅な財政赤字が続き、既に政府債務残高が極めて高い水準になっていることを踏まえると、政府において、今後の財政健全化に向けた道筋を明確にし、財政構造改革を進めていくことが極めて重要であると思っています。日本銀行としては、その着実な推進を強く期待しています。「中期財政計画」も示されたので、これに沿って、着実に財政健全化が推進されることを期待しています。』


・脱デフレと消費税増税とな

消費税増税の質問は続く。

『(問) 消費税に関してお伺いします。日銀は、中期見通しを出されていますが、今、トレードオフとなっているのは「脱デフレ」と「消費税増税」で、どちらを取るのかという議論になっているのですが、消費税増税が脱デフレにとって非常にマイナスになるというお考えをお持ちかどうか教えて下さい。また、政府との共同声明の中で、政府には「持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進」してもらいたいという文言を盛り込んでいるのですが、持続可能な財政構造を確立する取組みを着実に推進するということに「消費税増税」が含まれるとお考えかどうかお聞かせ下さい。』

『(答) 1 点目は、「脱デフレと消費税増税は両立するか」というご質問だと思いますが、私は、両立すると思っています。』

ほほう。

『以前にも申し上げた通り、政策委員会として、消費税率が法律通りに引き上げられることを前提として、展望レポートや7 月の中間評価における見通しを示しているわけです。』

キタコレ!

『7 月の中間評価においても、政策委員の成長率に関する見通しの中央値は、13 年度は+2.8%、14 年度は+1.3%、15 年度は+1.5%となっているわけであり、消費税率引上げの経済への影響については――もとより駆込み需要とその反動は予想されますが――、基本的には、景気の前向きな循環が維持され、基調的には潜在成長率を上回る成長を続ける可能性が高いと考えています。』

強気ですな。

『2 点目については、1 月の共同声明で示されている政府の財政健全化へのコミットメント、約束は、まさにそこに書いてある通りだと思います。』

まあここではそこまでツッコんで答えていませんが、次にお約束のように財政規律の質問ががががが。


・財政規律と大規模緩和

『(問) 消費税の関連になるかもしれませんが、財政規律のことでお伺いします。総裁就任前の1 月の共同声明には、政府・日銀の間で、日銀が積極的な金融緩和をするという一方で、政府の方には持続的な財政構造の確立を求めています。金融政策運営の立場からみて、なぜ持続可能な財政構造の確立が必要、重要なのか、仮に持続可能な財政構造が確立されない場合に、引き続き大規模な異次元緩和を続けていくことが可能なのか、総裁はどのようにお考えでしょうか。』

まあ前半は「お約束のお答えを期待」という奴ですが、後半の質問の答えも期待される訳で。

『(答) 1 月の共同声明は、まさに、そこに示してある通りです。日本銀行は、金融緩和を行うことによって、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現する一方、政府は、第2 の矢、第3 の矢にあるように、当面は機動的な財政運営を行いつつ、中期的には財政再建を実現するとともに、第3 の矢で示されている、成長戦略、民間部門を中心とした成長力の強化といった政策を実行することになっているわけです。』

ふむ。

『ご指摘の日本銀行の金融緩和と政府の財政健全化は、確かに、関連しています。日本銀行の「量的・質的金融緩和」は、その非常に重要な部分に、長期国債を幅広く、しかも大量に購入することが含まれています。これ自体は、2%の「物価安定の目標」を達成するために必要なものですが、その際、財政規律の緩みや、最近言われる「財政ドミナンス」、あるいは「財政ファイナンス」のような懸念が持たれ、その影響が長期金利に跳ね返るようなことがあると、せっかくの「量的・質的金融緩和」の効果が減殺される惧れがあります。』

ほほう。

『もちろん、財政再建は、まさに財政そのものとして不可避・不可欠、絶対に重要なことであることはその通りですが、財政規律が緩むということがあると、間接的に、金融政策の効果に悪影響を及ぼす懸念があるということです。』

ということで、「日銀が書面にある通りに大胆な金融緩和を行ったのだから財政健全化路線の堅持するのはお約束だろヴォケ」とはさすがに言わない辺りが黒田さん気を使ってるねと思いましたが、それはそれとして「当然やっていただける」とは言わないもののそれに近い話をしている辺りは中々。

次の質問に対する答えで当初の話と違うという見解についてというのを求められてましてね。

『(答) 1 点目については、消費税率を2 段階で引き上げる法律自体、経済動向を踏まえて実施することになっています。経済動向をみることは当然であり、私は、それ自体を不思議なことだとは思っていません。そうしたもとで、政府においては、当然、経済動向を踏まえつつ、中長期的な財政構造の改革、健全化が行われることになると思いますし、そうなるべきだと思っています。』

こんな感じで、今回の会見要旨を見ると消費税増税とか財政再建に関する質疑って最初はソフトな言い方をしながらも記者から色々と煽り質問(^^)が飛んでくるときっちり煽られて結構頑張った言い方をしてますねという風になるのが実にチャーミングです。


・前向きの循環メカニズムとかウソコケという質問も一蹴とな

答えだけ引用したのですが、先ほどの質問が実は2つありまして。

『(問)(前半割愛)もう1 点は、景気について「所得から支出への好循環が出つつある」とおっしゃいましたが、賃金のところで基本給はなかなか上がらないとか、物価のところも円安の影響で特に足許ガソリンが相当上がっているとか、一般からするとまだマイナス面が大きいと思いますが、これは本当に確実に良くなるのかどうか、伺います。』

(;∀;)イイシツモンダナー

『(答)(前半割愛)2 点目の所得から支出への好循環というのは、部分的には既に起こっているわけです。』

ほほう。

『例えば、雇用はかなり改善しています。先程申し上げたように、有効求人倍率は上がってきていますし、失業率も4%を割って3%台に入ってきています。賃金についても、所定外あるいはボーナス等々でプラスがみられる一方、所定内はまだプラスになっていないわけですが、雇用と賃金全体を掛け合わせた雇用者所得は増えてきています。また、夏のボーナスも、久方振りにプラスになっているようですので、雇用者所得が消費に結びついていく部分は始まっていると思います。これがさらに強まっていくことが望まれますが、既に始まっていることは事実だと思います。』

ほほう(棒)。

『他方、企業の側をみると、企業収益はかなり好転していますが、設備投資は、一部に増加している部分もありますが、足許ではまだ具体的に増加していないわけです。全体としては、まだ明確に増加を示していないわけですが、設備投資計画をみる限りは、相当プラス――一部の調査をみると、2 桁台のプラスという結果も出てきています――になっています。これらをみても、企業収益から設備投資への好循環が始まる兆しはあると思いますが、もう少しハードデータをみていきたいという気持ちが、政策委員の中にあるということだと思います。』

へえへえそうだっか。

『全体として、所得から支出への好循環は始まってはいますが、もう少しクリアなハードデータを、特に設備投資については、みたいと考えています。』

とは言ってますが、何かコストプッシュじゃないみたいですね前向きの循環メカニズムだそうですよ!


・海外経済のリスクは減少とな!!

『(問) 2 点お伺いします。1 点目は、海外経済の見方について、ステートメントの文言が前月と若干変わっていますが、全体のリスクは増えているのか、減っているのか、ご所見があればお願いします。(後半割愛)』

海外に関する質問はこの前にもう一つあるのですが、その時はその辺の答えがムニャムニャモードで、判断を強めたのかどうかがワカランチ会長な内容だったのですが。

『(答) 海外経済全体のリスクは、毎回の金融政策決定会合で色々と議論します。全体のリスクは、前月と比べて非常に大きな変化があったとは思いませんが、どちらかと言えば、若干、減少したようにみえます。』

ほうほう。

『米国が引き続き民需を中心に堅調に推移していることに加え、欧州も企業や家計のマインドが改善してきているので、先進国経済を中心に、海外経済は全体として持ち直しの方向に向かっています。また、新興国・資源国は、国あるいはセクターにより若干区々ではありますが、例えば、中国についてみると、現在のような成長率が安定的に続くとみられることなど、どちらかと言えば海外経済のリスクは、むしろ若干減った方向にあると思います。ただ、月々の変動は色々な要素を含むので、私どもが半年毎に展望レポートで行う評価のように、明確な判断が出てくるとは限らないと思います。ただ、どちらかと言えば、全体のリスクはむしろ若干減った方向だと思っています。』

つーことで、今回の質疑を見てて思ったのですが、どうも本人が自信を持って話をする部分に関しては質問を手を変え品を変えて繰り出すと徐々に本音モードというか絶好調モードになってくるというのが黒田総裁の仕様のようでありますので、今後も記者の皆様におかれましては絶好調モードを引き出すような会見質疑をよろしくお願いいたしますm(__)m





2013/08/09

お題「予想通り無風のMPMだがドヤ顔成分入りに注目ということで」

いやもう何も申すまい。
http://www.asahi.com/politics/update/0807/TKY201308070530.html
「使い古しのカス一掃したい」みんな・渡辺代表会見要旨 2013年8月7日23時17分
(肝心の渡辺氏の部分は有料会員のみ閲覧可能でヘッドライン詐欺かどうかは判らん)

んーっとですね・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE97704820130808
消費増税の首相判断、9月下旬から10月上旬=甘利経済再生相
2013年 08月 8日 14:05 JST

10月8日に物価連動国債の入札が予定されているという状況(他の物価連動国債の発行日が10日なので入札8日で発行日10日というのがビューテホー)なので10月にはもつれ込まないで頂きたいのですけどそんなの知るかヴォケですかそうですか・・・・・・・

てな話は兎も角MPMですが、全力で予想通りの無風ではありましたが・・・・・・・・・・


つーことで決定会合レビューである

○3打席連続で正午前の公表で「戦力の逐次投入無し」というビューテホーな展開

http://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2013/index.htm/
金融市場調節方針に関する公表文 2013年

2013年 8月 8日 当面の金融政策運営について(11時59分公表)

ということでこれで3打席連続で正午前の決定アナウンスという実にこう無風にも程がある決定会合でありまして、まさしく「戦力の逐次投入はしない」というのを実践に移しているということで政策運営的に言えば実に美しい形になっております。

暫く前の「2年オペ導入騒ぎ」とは何だったんだという話ではありますが、まあ足元では経済指標もここまでは好調ですし、一方で債券市場は貫録のサガランチ会長(日経平均とかいうのが毎日ランコルゲしているというのに)というか何というかでありまして、まあ為替とか株価見ておりますと先行きに盛大な暗雲がどよよーんと垂れこめている気もしないでもないですがそういうのは気にしませんですかそうですかという所で、この調子で美しい金融政策が継続するんでしょうなあというのは把握しました。


つーことで声明文比較。

○今回の白眉は「フィリップスカーブの上方シフトが始まっているかも」部分ですな

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130808a.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130711a.pdf(前回)

決定内容はどうでもヨロシなので景気認識の部分から。

『わが国の景気は、緩やかに回復しつつある。』(今回)
『わが国の景気は、緩やかに回復しつつある。』(前回)

ということで総括判断に変化なし。

『海外経済は、一部に緩慢な動きもみられているが、全体としては徐々に持ち直しに向かっている。そうしたもとで、輸出は持ち直している。』(今回)
『海外経済は、引き続き製造業部門に緩慢な動きもみられているが、全体としては徐々に持ち直しに向かっている。そうしたもとで、輸出は持ち直している。』(前回)

海外経済ですけれども、これ金融経済月報を見た方が分かりやすいと思うのですが、「製造業部門」と書いてある部分が「一部に」とぼやっとした表現になっていまして、こういう場合は文学(どこの?)的に言えば表現が弱まった形になっておりますので、何気に海外経済の強さについての判断が若干ですが引き上げになっているという結果になると思います。

『設備投資は、企業収益が改善するなかで下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられている。公共投資は増加を続けており、住宅投資も持ち直しが明確になっている。個人消費は、消費者マインドが改善するもとで、引き続き底堅く推移している。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は緩やかに増加している。』(今回)

『設備投資は、企業収益が改善するなかで下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられている。公共投資は増加を続けており、住宅投資も持ち直しが明確になっている。個人消費は、消費者マインドが改善するもとで、引き続き底堅く推移している。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は緩やかに増加している。企業の業況感は改善している。』(前回)

国内部分は短観結果に関する言及部分(これは当たり前ですが3か月に1回しか言及部分がありませんので今回のと比較する意味は無いです)以外はどう見ても全文一致です本当にありがとうございました。

『この間、わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(今回)
『この間、わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(前回)

金融環境はまあ毎度これです罠。で、今回の声明文の白眉は物価ですにゃ。

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、プラスに転じている。予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる。』(今回)
『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、足もとではゼロ%となっている。予想物価上昇率については、上昇を示唆する指標がみられる。』(前回)

>予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる
>予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる
>予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる
>予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる
>予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる

キタコレ(・∀・)!!!!!

まあ物価がプラスになった件については事実関係の話なのでこれはまあ良いとしまして、何と来ました「予想物価上昇率は全体として上昇」!!!という所でありまして、ここまで書いたのだから今日出る金融経済月報はまさかこの一言だけであとはグラフを見ろで済ませるなんてえ事は無いものと存じますが(とプレッシャー^^)、どのへんの予想物価上昇率がどのように上昇しているかという辺りについて、目盛も細かく打っていないような例のグラフだけではない詳しいご解説があるものと朝からワクワクテカテカしながらお待ち申し上げております(棒読み)。

てな事はまあ良いのですが(^^)、この「予想物価上昇率は全体として上昇」というのはつまり現在の日銀様による2%2年で達成という強引な屁理屈もとい理論のベースになっております「フィリップスカーブの上方シフト」の可能性があるという認識を示しましたと言うことであります。

ということはつまり、今回の声明文は景気判断についての変化は海外をちょっとだけ微調整の上げをしただけ(先行きはこの後比較引用しますが基本同じです)という内容ではあるのですが、2年で2%目標達成という文脈から重要な物価および予想物価上昇率に関してもうドヤ顔感満載の内容となっておりますので、そーゆー意味では結果そのものは無風なのですが、内容的には追手に帆かけてシュラシュシュシュ♪って光景を絵に描いたような感じですな。


でもって先行きですけど。

『先行きのわが国経済については、国内需要の底堅さと海外経済の持ち直しを背景に、緩やかに回復していくと考えられる。消費者物価の前年比は、プラス幅を次第に拡大していくとみられる。』(今回)
『先行きのわが国経済については、国内需要の底堅さと海外経済の持ち直しを背景に、緩やかに回復していくと考えられる。消費者物価の前年比は、プラスに転じていくとみられる。』(前回)

先行きに関しては物価を「プラス幅を次第拡大」と表現を変えていますが、これはそもそもの物価水準のベースが変わっているので表現が変わっている物ではありますけれども、先ほどのドヤ顔部分と合わせて読みますと「ほら予想通りにプラスを拡大していくんだよ(ドヤッ)」という風情も醸し出しておりますな(^^)。まあそこまでの他意は無いと思いますが。


リスク認識も同じ(展望レポート中間レビュー部分は今回対象外なので比較しません)。

『リスク要因をみると、欧州債務問題の今後の展開、新興国・資源国経済の動向、米国経済の回復ペースなど、日本経済を巡る不確実性は引き続き大きい。』(今回)
『リスク要因をみると、欧州債務問題の今後の展開、新興国・資源国経済の動向、米国経済の回復ペースなど、日本経済を巡る不確実性は引き続き大きい。』(前回)

決意表明みたいな部分の最終パラグラフも全文一致である。

『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う(注)。このような金融政策運営は、実体経済や金融市場における前向きな動きを後押しするとともに、予想物価上昇率を上昇させ、日本経済を、15 年近く続いたデフレからの脱却に導くものと考えている。』(今回)

『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う(注)。このような金融政策運営は、実体経済や金融市場における前向きな動きを後押しするとともに、予想物価上昇率を上昇させ、日本経済を、15 年近く続いたデフレからの脱却に導くものと考えている。』(前回)

でもって(注)の部分である所の木内審議委員の提案も同じとな。

『木内委員より、2%の「物価安定の目標」の実現は中長期的に目指すとしたうえで、「量的・質的金融緩和」を2年間程度の集中対応措置と位置付けるとの議案が提出され、反対多数で否決された(賛成:木内委員、反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員、佐藤委員)。』(今回)

『木内委員より、2%の「物価安定の目標」の実現は中長期的に目指すとしたうえで、「量的・質的金融緩和」を2年間程度の集中対応措置と位置付けるとの議案が提出され、反対多数で否決された(賛成:木内委員、反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員、佐藤委員)。』(前回)


○木内さんの提案に雑感というか雑考というか

木内さんの提案なんですが、この「中長期的に目指す」というのは判るのですが、そこに今の政策で2年先の実施までコミットしている形になっている事との整合性を取ろうとしているのか「2年間程度の集中対応措置」というのが入っているのが政策論として分かりにくくなっていると思うのですよね。

じゃあ「中長期的に目指す」だけ入れれば良いような気もするのですが、実際問題としては声明文から「2年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早期に」という文言って「量的・質的金融緩和政策の導入」の際に最初の「導入しますよ」って所に文言として入った後には声明文ベースでは2年程度云々の文言が記載されていないのがこれまたややこしい所。

まあ常識的に言えば現在行っている政策を「量的・質的金融緩和政策」と言っている以上は訂正を入れない限り最初の文言が生きるので、あくまでも4月導入時点から起算して2年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早期に目標達成という風になってはいるのですけれども、じゃあやっぱり短期的に引き上げるのが得策かという議論をして「中長期的という見方もあるよね」となってもコミュニケーションの作戦上暫くトボけるという手を使うには現在のように足元の声明文ではスルーしてその辺の論議は後になって考えましょうというのが得策という考え方もありますな。

つーことで、個人的には既に今如きの物価上昇でもニュース報道が物価上昇で庶民の生活ガーとなってきている状況において、そんなに無理繰り2%目指して変に経済に無理掛けて政治的にも苦労する結果を招く位だったら目先1%程度でも景気が良ければいいんじゃネーノとか思うので、「中長期的」という看板を出すのは賛同したい所ではあるのですが、それはそれというものでありまして、これを出してしまうと4月4日の声明文の第一パラグラフをひっくり返す話になりますので、意外にこの提案ってハードルが高いんですよねと思います。

#ちなみに4月4日の会合でも木内さんは「2年」の文言に反対しているからその点では主張が一貫しております、為念

まーいずれにせよ足元で(コストプッシュだろうがなんだろうが現実問題として)物価がプラス圏に浮上しましたし、何かよく判らないですけど予想物価上昇率も上昇しているということでありますので、目先その「中長期的」という話にはなってこないと思いますけど。

ついでに木内さんの提案とは別の論点になりますが、「2年で2%」の定義としてその数値がアクチュアルなものなのかフォーキャストベースのものなのかという論点を講演(先日の講演は選挙翌日という凄いタイミングでしたが)で指摘している佐藤審議委員の論点というのも、2年で2%のケツが短くなってくる間に実際にアクチュアルの物価がそこまで浮上しないという状況が見えてくると論点に浮上という事になるんでしょうなと思います。

でもって、先日のBOEのフォワードガイダンスに見られますように、割とピュアな形でのインフレ目標枠組みだった英国が、よりファジーな枠組みに移行している、というような主要国の金融政策の枠組み変化が起きている中でその「2年で2%」というのを普通に(短期的変動要因を除外して考えたベースの)アクチュアルな物価上昇率で捉えて良いのでしょうかねえという論点もある訳ですな。

とは言いましても、まあその辺の話が出てくる条件は「2年でアクチュアルの物価上昇率2%がどう見てもマズーです本当にありがとうございました」となってくる段階であり、それは残り時間が短くなってくるか、コストプッシュ効果が減衰するかという段階じゃないとそういう話にならんと思われますし、何かコストプッシュ攻撃が秋も電力料金などあったりして、意外に持ちこたえそうな見通しも増えてきている中では暫くの間ドヤ顔モードでシュラシュシュシュって流れが続くのかなあと思います。


○会見も鑑賞物としては期待

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE97700220130808
アングル:黒田総裁、消費増税の修正論議にクギ
2013年 08月 8日 21:07 JST

ロイターの消費税ネタと言えばまた某記者の記事かと思ったらこれは別でした。

『[東京 8日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は8日の政策決定会合後の記者会見で、来春に予定されている消費増税について、政府内外で取りざたされている計画修正の動きにくぎを刺した。「脱デフレと消費増税は両立する」。総裁の踏み込んだ発言は、増税案が変更された場合、政府の財政再建の機運が後退し、日銀による大規模な国債買い入れが「財政ファイナンス(穴埋め)」と市場に受けとられることを警戒したためとみられる。』(上記URLより)

まあ実質とか気にしなければ消費増税すると名目の物価は間接税上げた分が跳ねますからそら名目上は両立するわと思いますが、それは兎も角としてまあ日銀総裁としては政府との共同文書で書かれていた大胆な金融政策やってるんだから玉はそっちじゃヴォケという発言をする罠と思う所でありますが、実際にどのような文脈で話をしているのかは今日の会見録を鑑賞ですにゃ。

#ということで無風会合の為だいぶ雑談モードで恐縮至極





2013/08/08

お題「BOEのフォワードガイダンス(とその他雑談)」

俺様の党ですねわかります。まあ野党再編とかの前からずーっとアレでしたからねえ。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000010210.html
みんなの党・江田幹事長更迭 「野党再編」代表と溝(08/07 18:01)

#そういやラマダン明けですな

○最初マクラの積りだったが長くなったのでニュース雑談マクラである

・為替関連悪態

ところで今日のモーサテで為替について喋ってた人の「年間緩和量÷M1で緩和の大小比較」というのが何の意味があるのかさっぱり判らないのだが、だいたいお前本当に異次元投下の時から少ないって言ってたかよと小一時間問い詰めいたいのだがメリケン国まで逝って問い詰めている暇は無いですな。

でまあそれはそれとしてこの後講釈は幾らなんでも・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MR5H6K6KLVRU01.html
NY外為午前:円上昇、一時96円77銭−ポンド反発、中銀発表後
更新日時: 2013/08/07 20:44 JST

『8月7日(ブルームバーグ):ニューヨーク時間7日朝の外国為替市場では円がほぼ全面高。日本銀行が8日の政策決定発表で緩和拡大を見送るとの見方を背景に、ドルに対して約7週間ぶり高値を付けた。』

>8日の政策決定発表で緩和拡大を見送るとの見方を背景に
>8日の政策決定発表で緩和拡大を見送るとの見方を背景に
>8日の政策決定発表で緩和拡大を見送るとの見方を背景に

????????????


・ピアナルト総裁もTaparingトークとなというメモ

サンドラ姐さんもTaperingトークのようだが。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MR6DY86S972F01.html
クリーブランド連銀総裁:労働市場改善続けば債券購入縮小も
更新日時: 2013/08/08 04:52 JST

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0G84C020130807
UPDATE 1-米FRB、労働市場の改善継続なら近く緩和縮小に着手の可能性=クリーブランド連銀総裁
2013年 08月 8日 05:23 JST

まあTaperingトーク関連についてはここへ来てまたうじゃうじゃ出ているので読めるものは週末に読みたいのだが今日のネタのBOEがこれまたドキュメント絶賛大量投下しているのよね・・・・・・・・

以上マクラの積りが長くなったがただのマクラである。

マクラ追記:モーサテでウィリアム総裁のインタビューやっているのだが「米国経済は順調で追加刺激は必要ない」と言っているのに何で「量的緩和の縮小に慎重」という最初の見出しになるんだよと思ったらその後のインタビューの展開もLSAPと金利は別というベースの話をしていて慎重なのはQE拡大の縮小ではなく利上げの方にしか見えないぞ最初だけ見た奴ミスリードされるぜよと思いましたので追記しておく。


ということでBOEのフォワードガイダンスなのですが・・・・・・・・・・・・

○ドキュメント大杉勝男ですわ

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE97600Q20130807
英ポンドが1カ月半ぶり高値、中銀の失業率の政策目標設定受け
2013年 08月 8日 00:33 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MR5MYY6JTSEC01.html
英中銀総裁:政策見通しに数値基準を連動−条件次第で解除も
更新日時: 2013/08/08 03:08 JST

えーっとですね、最初にヘッドライン出た時は「えーこれインフレ目標の形骸化かよー」と思う方が自然だと思うように、ポンドは下がるわ短期ゾーンのGiltは買われたけど10年のGlitは金利上昇するわという反応をしていたのですが、説明文書を見た後にさらにインフレレポートのプレコンとかもあったりして、その後の反応が上記の2番目にあるようにそんなに強いフォワードガイダンスじゃないということになったんですかね、良くわかりません。

つーのはですね、今回の決定に関するドキュメントがBOE大杉だわというのもありますのよ。

フォワードガイダンス導入に関するニュースリリースがこいつ。
http://www.bankofengland.co.uk/publications/Pages/news/2013/096.aspx
News Release - Bank of England provides explicit guidance regarding the future conduct of monetary policy

インフレレポートに関するリリース、つーかリンク集状態。
http://www.bankofengland.co.uk/publications/Pages/inflationreport/2013/ir1303.aspx
Inflation Report, August 2013


でまあ上記リンク集ですが、本ちゃんのインフレーションレポートはともかくとして、最初のカーニー総裁の説明と質疑応答はいつも通りにあるのですけど・・・・・・・・・

http://www.bankofengland.co.uk/publications/Documents/inflationreport/2013/irspnote070813.pdf
INFLATION REPORT PRESS CONFERENCE
Wednesday 7 August 2013
Opening Remarks by the Governor

インフレレポートのプレコンと言いつつ説明の大半がフォワードガイダンスに関する話なのはまあシャーナイナイではありますけどね。

http://www.bankofengland.co.uk/publications/Documents/inflationreport/2013/conf070813.pdf
Quarterly Inflation Report Q&A
7th August 2013

まあ当然ながら一発目からフォワードガイダンスの質疑応答になっているのだが、27ページもあるので(毎度その程度の量があるので今回特に多い訳では無い)残念ながら週末の課題である。

・・・・・・・とまあここまでは良いのですが、今回何か凄そうに見えるものがががが。

http://www.bankofengland.co.uk/publications/Documents/inflationreport/2013/ir13augforwardguidance.pdf
Monetary policy trade-offs and forward guidance
August 2013

何とPDF48枚組でして、表紙とか目次とかるので本文は38ページになるのですが、まあああでもないこうでもないとの大演説モード。冒頭部分はだいたい最初のBOEのリリースとかカーニー総裁の会見での冒頭説明と被っているのですが、その後理論的背景と思われるもの(と思われるというのは超斜め読みしかしていないのでなんですけどorzorz)を出しているという代物であります。

まあ何ですな、こういう理論的背景の説明をするっつーのはまあ随分色々と練ったんですねというのは判るのですけれども、ただまあ金融政策に関する説明がドキュメント30ページ以上に渡ってああでもないこうでもない、という状況になっていること自体が「新たな政策のローンチ」という意味で如何なものか(本来フレームワークはシンプルな方がベターであって、ああでもないこうでもないと大演説をしないといけない時点で政策としてどこかに無理矢理部分があるということを意味するでしょと思うのだが)という気もしますが、38ページ精読は土日にでも行う(って時間が・・・・・・・)ということでありまする。


さてさて、単にあたくし用のリンク集を付けるのに能書きをおまけに付けたらそもそも何の話をしているのかワカランチ会長になって参りましたが(あほです)、最初にこのリリースに関するヘッドラインが出た時には「え?失業率スレショルド??」という反応をする罠と思い、その次に「1年半から2年のインフレ見通し2.5%越えたら」ってお前アクチュアルの物価がほとんど経常的にと言っても良い位マンデートを大きく上回って推移しているのにナメトンノカと思うのかなあとゆー所なのですけれども、さらに総裁の会見とかで追加情報もあるんでしょうなあと思います。

#つーことで詳しく読むにはこれ全部のドキュメントを相当真面目に読んで、ついでに言えば今度出るMPCのミニッツ(いつもだと3週間後に出るのだが今回は何と来週(2週間で)出るようです)も合わせないとマジワカランチ会長っすよ


○ではまあ声明文の説明を読んでみるぞなもし

最初見たら「インフレ目標の形骸化かよ」と思いましたがががが、つーことでとりあえず普通の人が最初に読むリリースの方でも。

http://www.bankofengland.co.uk/publications/Pages/news/2013/096.aspx
News Release - Bank of England provides explicit guidance regarding the future conduct of monetary policy

『At its meeting on 1 August, the Bank of England’s Monetary Policy Committee (MPC) voted to provide some explicit guidance regarding the future conduct of monetary policy.』

ということで、明示的なフォワードガイダンス導入キタコレということですがさて・・・・・・・・

『The Committee intends at a minimum to maintain the current highly stimulative stance of monetary policy until economic slack has been substantially reduced, provided this does not entail material risks to either price stability or financial stability.』

現在の高度に緩和的な金融政策運営スタンスに関して、その金融政策スタンスが物価安定やファイナンシャルスタビリティーを損なわない限りにおいて、経済のスラックが顕著に縮小するまで継続するとゆーことで・・・・・・・

『In particular, the MPC intends not to raise Bank Rate from its current level of 0.5% at least until the Labour Force Survey headline measure of the unemployment rate has fallen to a threshold of 7%, subject to the conditions below.』

フォワードガイダンスキタコレなのですが、0.5%の政策金利を引き上げませんよというガイダンスに関しまして、LFSの総合失業率が7.0%の閾値に達するまでは少なくとも現在水準からの利上げは行いませんよ、ということですが、以下の付帯条件が「provided this does not entail material risks to either price stability or financial stability」という部分になる訳ですな。

『The MPC stands ready to undertake further asset purchases while the unemployment rate remains above 7% if it judges that additional monetary stimulus is warranted. But until the unemployment threshold is reached, and subject to the conditions below, the MPC intends not to reduce the stock of asset purchases financed by the issuance of central bank reserves and, consistent with that, intends to reinvest the cash flows associated with all maturing gilts held in the Asset Purchase Facility.』

フォワードガイダンスにはAPPでの資産買入規模の維持しますし、必要なら買入規模拡大も有るでよというのも含めているというのが米国と違っている(米国のフォワードガイダンスは金利政策は明示的にスレッショルドを置きながら資産買入に関しては微妙に有耶無耶にしていた(あたしゃ最初からその点指摘してましたけど、とたまには自画自賛させてケロケロ)のに対して、BOEの場合は「量と金利は一体」的な話をしているのがチャーミング。

『The guidance linking Bank Rate and asset sales to the unemployment threshold would cease to hold if any of the following three ‘knockouts’ were breached:』

ただまあしらっとここで「asset sales」とか言ってて出口で平然と国債叩き売りをしてくるような言い方をしているのもこれまたチャーミングですが、3つの条件を「ノックアウト」ってお前エキゾチックオプションかよ^^という所ですがその条件とは。

『・in the MPC’s view, it is more likely than not, that CPI inflation 18 to 24 months ahead will be 0.5 percentage points or more above the 2% target;』

これ最初に読んだ時にナメトンノカと思った訳ですが、お前の所は年がら年中アクチュアルの物価水準が2%を大きく超えて推移して、その度に「中期的には物価は2%ターゲットに向かうんです(キリッ)」とか抜かして財務大臣に紙を書いている訳で、まあゆうてしまえばここの文言ってかなーーーーりファジーな話になると思うのですよね。

つまりですな、今の調子で「足元暫くは高いですけれども中期的には下がるから無問題」と言い続ける攻撃をするのであれば、失業率重視政策ということになる訳で、それってインフレ目標の形骸化に繋がりはせんかという連想になるので、まあファーストアクションでギルトのカーブがツイストスティープしてポンドが下落する罠と思いましたし、これによって恐らくインフレ期待のアンカーが弱まるでしょとは思いますので、実際にインフレ期待が上に振れた場合にこの条項をどう適用するか次第で何とでもなる罠と思いました。

まー米国の場合もスレッショルドに中期的な物価見通しの2.5%というのが入っていまして、その期間に関しても1〜2年程度ということですので、その辺りだけ見ると米国のフォワードガイダンスに建付けは似ているのですが、何せ毎度申し上げておりますように、英国の場合はそもそもインフレ目標に対して実際のインフレ数値が上振れ方向でマンデート逸脱状態になっているので、既に現時点でこの「1年半から2年先の物価見通しが2.5%を上回らない」という条件に相当の鉛筆舐め舐め部分(裁量部分ともいう)が入る事になるので、その点どういう折り合い付けるんでしょうね、というのは若しかしたら質疑応答の方に詳しくあるかもしれませんね!

話が長くなったが後2つのノックアウトオプションのトリガー^^;

『・ medium-term inflation expectations no longer remain sufficiently well anchored;』

『・ the Financial Policy Committee (FPC) judges that the stance of monetary policy poses a significant threat to financial stability that cannot be contained by the substantial range of mitigating policy actions available to the FPC, the Financial Conduct Authority and the Prudential Regulation Authority in a way consistent with their objectives.』

ということで、中期的なインフレ期待がアンカーされない場合、というのと、FPCがファイナンシャルスタビリティーの面で緩和的な金融政策が問題をもたらしていると判断した場合、というのがありましてこちらはまあかなーり定性的な話になりますな。

でまあ先ほどの話と同じですけど、この「中期的なインフレ目標がアンカーされない」という判断を実際に切りだすような事が起きる可能性があるのってフォワードガイダンスを先に投下している米国と比較しますと英国の方がどこからどう見てもマズーなのでありまして、実際にこの条項をどういう経済指標や市場指標、サーベイなどを見ながら判断するのかというのが注目される所でしょう。まあ手の内は見せない(「いやいやそれは総合判断ですよ」となる筈)でしょうけど。

『The Committee will continue to set the level of Bank Rate and the size of the asset purchase programme each month, taking these criteria into account. The action taken by the MPC if any of these knockouts were breached would depend upon its assessment at the time as to the appropriate setting of monetary policy in order to fulfil its remit to deliver price stability.』

とまあここでは「in order to fulfil its remit to deliver price stability」とあくまでもインフレ目標が第一の責務である、という説明をしているのがややこしい(まあそう説明しないといけないので仕方ない面はあるのですが)訳で、この手前まで見ていると「物価の少々の上振れを覚悟しつつ経済に緩和効果を」という文脈になりそうな展開なのですが、ここではインフレ目標の責務という話をして「インフレ期待が上がるのも阻止」というような話(まあ虫の良い話にも見えますが)をしております。

『There is therefore no presumption that breaching any of these knockouts would lead to an immediate increase in Bank Rate or sale of assets.』

これまたややこしくて、ノックアウトに達したからと言ってもじゃあ即座に利上げしたりAPPの資産売却をするのかと言うとそうでもありませんとか、何かもうね・・・・・・・

『Further information regarding the background to this decision can be found in the document Monetary policy trade-offs and forward guidance published alongside today’s Inflation Report, available at http://www.bankofengland.co.uk/publications/Documents/inflationreport/2013/ir13augforwardguidance.pdf

ということで、さっきリンクを付けた貫録の48ページ(ただし本文38ページ)を読めとかもうorzですな。で、ここで華麗にそのドキュメントネタを投入したいが量は兎も角まだ斜め読みしかしてないしこれから読む時間がががががなので勘弁(すいません)。

『As previously announced on 1 August, and consistent with the policy guidance above, the Committee also voted to maintain the official Bank Rate paid on commercial bank reserves at 0.5%, and to maintain the stock of asset purchases financed by the issuance of central bank reserves at £375 billion. The minutes of the meeting will be published at 9.30am on Wednesday 14 August.』

つーことで何と2週間でミニッツ公開ですかそうですか。





2013/08/07

お題「市場ネタ等雑談メモ/ブラード総裁は「年後半のデータを確認して慎重に判断すべき」とな」

「イエメンからの退避勧告」を「イエレン」と空耳する位には職業病のあたくしorz

○ニュースおよび市場雑談等

・内閣支持率キタコレ

JNNの調査である。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5402289.html
安倍内閣支持率64.6%、発足直後を下回る (06日00:54)

『安倍内閣の支持率が先月の調査より6.9ポイント減少し、64.6%になったことが、JNNの世論調査で分かりました。調査は今月3日から5日にかけて行いました。安倍内閣を「支持できる」とした人は、先月より6.9ポイント減り、64.6%と、初めて発足直後の支持率を下回りました。「支持できない」とした人は、6.1ポイント増え、33.7%でした。先月行われた参議院選挙で与党が大勝し、衆議院と参議院の多数派が異なる「ねじれ」状態が解消されたことについては、「歓迎する」と答えた人が57%で、「歓迎しない」と答えた31%を上回りました。』(上記URLより)

ということですが、この辺にもうちょっと詳しい項目別の結果があるようで。
http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/yoron/backnumber/20130803/q1-1.html

でまあ暫く前に出ていたANN系列の調査であった「政策に期待できない」的な不支持理由が高まっているのかと思って「不支持理由」を見てみたら・・・・・・・・・
http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/yoron/backnumber/20130803/q1-1-2.html

・・・・・・・「政策に期待できない」が減っているのかと思ったら「自民党中心だから」が増えてるとかおまいらねじれ解消を歓迎する人が過半数なのに何でこうなるのかと小一時間問い詰めたい内容でして、これで政策に対する不満が増えているのだと足元の物価動向に対する世論ガーの例かなとも思ったのですが単なる選挙結果の反動みたいでありますな。よーわからん。


・6か月TB入札とかその辺の雑談

昨日の6MTB入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20130806.htm

(3)募入最低価格 99円95銭5厘 (募入最高利回り)(0.0888%)
(4)募入最低価格における案分比率 26.1925%
(5)募入平均価格 99円95銭6厘 (募入平均利回り)(0.0868%)

ということで6か月TB入札は貫録の9bp割れとなっております。6Mは発行量が3.5兆円なのでやや強めのニーズが入ると入札が強くなるのですが、今回のいわゆる不明玉は1.6兆円程度で一応大手証券さんでも4ケタ億落札とかしているのですが、9割れで切れて按分も3割弱とはまあ入札は強くなってしまいましたなあ。

東京レポレート
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html
(数値の方はエクセルリンクになるのでリンク割愛)

こちらの翌日物T+1スタートのレート推移を見ますと最近の金利市場の中で一番イールドが日々飛ぶのが東京レポレートですかそうですかという位に上がったり下がったりしますが、こちらが昨日は6.3bpとかやってまして、ここの所ドカンと下がる時が散見されるようになりまして、まあ超過準備付利がある皆様におかれましては落ち着いて超過準備に積んでちょと思うのですけれども、必ずしもそうでない事案などもあるということで、レポレートは下がるわ短国レートは下がるわという流れのようで。

最近金融ファクシミリ新聞さんが指摘していますが、CPレートとかも超低位安定は兎も角、10bp割れ突っ込むケースがあったり、10bp乗っている場合でもいわゆる銘柄間格差がまるっきり無かったりとか、ど〜も超短い所はそういう感じで推移ということで、夏枯れで枯れているのはカネの方では無くて運用対象物という状況のようですな。

つーことで本日は3Mの入札ですが、はてさてどうなるのやら。


○結局どっちなのかよく判らんですがそれはそれとして雑談

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MR4CZX6VDKHS01.html
シカゴ連銀総裁:債券購入総額は1.2兆ドルに、今年1月以降
更新日時: 2013/08/07 03:17 JST

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE97501V20130806
米資産購入は年内縮小の公算、指標次第で9月開始も=シカゴ連銀総裁
2013年 08月 7日 04:35 JST

ソースによって9月縮小(というか本当は「拡大ペースの減額」なのだが・・・・・)なのかそうじゃないのかさっぱりワカランチ会長ですが(−−;

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE97501Y20130806
米緩和縮小は9月の可能性、先送りも─アトランタ連銀総裁=MNI
2013年 08月 7日 02:38 JST

シカゴとアトランタの連銀サイトに行ってもこの辺りのコメントが出ていないので、実際にどういう文脈でどういう話をしたのかが知らんがな状態なのが遺憾にも程があるのですけれども、今回の2名はどちらかと言うと「ハト」系と目されるお方ですので、まあその辺りから「経済が想定通りに推移すれば9月Taperingの可能性も排除しません」というのが出てくるということでしたらもっと米債とか反応するのかと思えばそうでも無さそうという状況。

つまりまあ何だかんだと言いながらも米国市場的には9月のTapering開始についてはまあそんなもんだろと思っているとゆーのと、最近FEDが強調する「LSAPの拡大ペースを落とすのに着手するのと金利政策は別問題」というロジックに皆さん乗って価格形成していますね。とゆー所なんでしょうな、よー知らんが。


先般来申し上げておりますように、Taperingの着手、ということになりますとそこそこ大きな変化ということになる(=ということで「バランスシート規模を減らす訳でも無い」事にこれだけエネルギーが必要になる結果となった「オープンエンドQE」というのは政策技術論的に明らかに失敗だったですよね、という話になるのだが)ので、それはつまり実施する時には記者会見がセットの9月か12月が適切なのですが、逆さ絵先生が次もFRB議長やるなら兎も角、そうじゃないのに12月18日という任期どん詰まりまで引っ張るというのは普通は考えにくいです罠。

勿論10月から開始という可能性もあるのですが、10月FOMCは声明文1本出して終了の回になりますし、SEPも出ない回になりますし、うっかりするとこの時期には時期FRB議長人事が出ている可能性がありますので、まあその時点で逆さ絵先生がいわゆる死に体モードになって重要な決定をするのも如何なものか状態になっているリスクもありますんで(10月会合は10月と言っても29-30なので殆ど11月)、スケジュールから逆算すると9月が一番美しい。

もちろん「データ次第」というのはあるにせよ、そうは言いましても色々なプロトコルというものも考えると9月しか日程的に有り得ず、まーハト派と目される人たちも別にそこに強硬に反対するという風情でも無さそうな中ですと・・・・・・・となりそうですけどにゃ。

#Tapering着手したから金利が上がるかというとこれは一筋縄ではいかないと思います


○ブラード総裁の直近講演から少々

毎度お馴染みブラード先生。
http://www.stlouisfed.org/newsroom/displayNews.cfm?article=1877
AUGUST 02
St. Louis Fed’s Bullard Discusses Debate on Tapering the Fed’s Asset Purchases

プレゼンのスライドショーはこちら(プレゼンテーションのPDF化なので重い)
http://research.stlouisfed.org/econ/bullard/pdf/BullardBrandeisMunicipalFinanceConference2August2013.pdf

要約文章の方(上の方のURL先)から引用します。

『BOSTON - Federal Reserve Bank of St. Louis President James Bullard gave remarks Friday on “The Tapering Debate” at the 2013 Municipal Finance Conference, hosted by the Brandeis International Business School.』

こらまた直球の題名ですが、この豪直球(?)振りがブラードクオリティ。


・LSAPに関しては年後半の経済データを良く見てから、と9月着手反対っぽく

『During his presentation, Bullard discussed recent developments in monetary policy. In particular, he noted that at its June meeting, the Federal Open Market Committee (FOMC) authorized Fed Chairman Ben Bernanke to discuss possible plans for reducing the pace of asset purchases, which is often referred to as “tapering” asset purchases.』

さいですな。

『“The financial market reaction was substantial, even though the Committee did not actually change any policy settings at that point or at its recently-concluded July meeting,” Bullard said.』

>The financial market reaction was substantial

この前ネタにした(あれはタイミングが6月末の講演ですから更にですけど)パウエル理事の講演などでも指摘されていましたが、ほぼ全てのFED高官から市場の反応についての感想が出ているというのは「出口政策の困難さ」というのを恐らく初めて実感し、Taperingトークだけなのにあれだけの反応をした事についてFED高官が軽い衝撃を受けたということを示しているんでしょうなあと思いますがどうでしょう。

『Given that altering the pace of asset purchases will depend on economic conditions, Bullard shared his views on how four areas of macroeconomic performance-labor markets, GDP growth, the Fed’s large balance sheet and inflation-might affect tapering. 』

この辺は後の方に。

『“The Committee needs to see more data on macroeconomic performance for the second half of 2013 before making a judgment on this matter,” Bullard concluded.』


>needs to see more data on macroeconomic performance for the second half of 2013

つーことで、ブラード総裁は「年後半の経済パフォーマンスのデータをより多く見てから」のTapering着手を主張しているので、まあ普通にハト成分が高いというのが結論のようです。


・LSAPと金利政策は別ですといういつもの理屈

で、次が『Recent Developments in Monetary Policy』という小見出し。

『Current U.S. monetary policy has three components: the policy rate, forward guidance and asset purchases, he said. The policy rate has been near zero since December 2008, while forward guidance is a promise to keep that rate near zero at least until unemployment falls below 6.5 percent or inflation rises above 2.5 percent. Asset purchases of Treasury securities and mortgage-backed securities are continuing at $85 billion per month until there is substantial improvement in the labor market, as stated by the FOMC.』

まあこれは良いとしまして。

『As the Chairman has emphasized, any decision on the asset purchase program is conceptually separate from any decision concerning the policy rate. “In particular, a decision to reduce the pace of asset purchases does not change the nature of the Committee’s commitment to keep the policy rate near zero,” Bullard explained. He then discussed some possible arguments that might be made for or against tapering.』

つーことで、まあこの辺は普通の説明ですが「LSAPと金利政策は完全にセパレート」という話になっておりますな。今の所市場もこの理屈に乗った形にはなっているものの、じゃあ実際にLSAPがもう増えませんという話になった時に実際どうよというのも微妙だが。


・労働市場の改善を見る基準がファジーな件についてとな

でもって先程出ていた各項目ですけれども、まずは『Labor Market Performance』。

『Bullard noted that by some key measures (e.g., the unemployment rate and payroll employment growth), labor markets have improved since the FOMC adopted its current asset purchase program last September. However, other measures (e.g., the labor force participation rate and the employment-population ratio) have not seen such improvement.』

労働市場の改善については失業率などでは改善しているものの、参加率などでは改善が乏しいとな。

『Therefore, a key labor market issue for the tapering debate is whether the FOMC should focus attention primarily on nonfarm payroll employment and unemployment or consider a wider range of labor market indicators. “If the former, then labor markets have clearly improved since September 2012. If the latter, then labor markets may be judged to remain weak, but the criterion for labor market improvement would be considerably muddied,” Bullard said.』

こらまたオモロイ言い方ですが、改善についてどの位の所まで見て行って判断するのかとなると見る指標によって違ってくるので、その基準ということになると相当に泥まみれ(muddiedって単純に辞書引くとそんな感じなのだが・・・・)になります罠という事で、何かこの辺の判断においては議論が結構分かれているのかも知れませんねということで。


・先行きについては比較的強めに見ているようではあるものの・・・・・・・

次が『Growth in Real GDP』である。

『Recent real GDP growth has been weak, averaging about 1 percent over the past three quarters. Bullard noted that while the FOMC would not normally remove accommodation if real GDP growth was viewed as weak, the FOMC may still wish to remove accommodation if future growth is expected to be strong.』

先行きに相当の自信がないとここもとのGDPの弱めな状況で緩和を取り除く事はしませんよねとな。

『Bullard then addressed the case for an optimistic view of the U.S. economy, explaining that many, but not all, of the factors slowing down the U.S. economy are waning. “Real estate markets are improving, equity markets have rallied, the European sovereign debt crisis remains subdued for now, U.S. fiscal brinksmanship has been less of a problem and household deleveraging is further along,” he said.』

と言いつつもブラード総裁は景気に関しては比較的先行き楽観しているようですね。

『Although he expressed caution against relying too much on optimistic forecasts alone, Bullard noted that a key growth issue for the tapering debate is whether the FOMC should focus attention primarily on recent growth performance or on future projected growth.』

ふむ。

『“If the former, then growth has clearly been weak in recent quarters. If the latter, then growth may be judged to be improving, but forecasting performance for this variable has been poor over the last several years,” he said.』

ふーむ。


・面白いのは「バランスシート規模」に対する警戒である

ここがオモロイというのが次の小見出し『The Size of the Fed’s Balance Sheet』で、バランスシート規模のプロコンという話。

『The Fed’s large balance sheet has been viewed as posing risks to the FOMC’s exit from unconventional monetary policy, Bullard noted.』

巨大なバランスシートは出口政策のリスクを与えるという事は、現在の所ハト派分類となるブラード総裁ですら指摘とはキタコレ。

『While the balance sheet is large by the standards of the past several decades, he pointed out that the Fed’s balance sheet relative to GDP is not particularly large compared to other major central banks or to historical data.』

他の中銀と比較したグラフというのは上記プレゼンテーションのスライドの32枚目にあるのですが、日銀、BOE、ECB、FEDのバランスシートの対GDP比の推移を見せておりまして、ほら他の中銀と比較してFEDってそんなに大きくないよね、という図表になっておりまして、日銀のバランスシートガーという批判をしている人たちにおかれましてはこの図表についてのご感想をぜひ頂戴したいものでございます(^^)。

『Thus, regarding the balance sheet, a key issue for the tapering debate is whether the FOMC should be more concerned about its exit strategy when the size of the Fed’s balance sheet relative to GDP is 30 percent than when it is 20 percent. “If yes, then balance sheet size may be judged a constraint at some point in the future. If no, then exit is equally difficult if the balance sheet is 30 percent or 20 percent of GDP, and the Committee need not view balance sheet size as a constraint going forward,” he said.』

20%位ならまだしも30%になるとマズーとかその辺の積算根拠は判らん(まあそもそもこんなの感覚の問題になっちゃいますし、市場がどう捉えるかの問題でもありますからシャーナイナイだけど)のですが、先ほどの32枚目の図表を見ますとGDP比30%を超えてきた日銀のバランスシートテラリスクということですねわかります(違)。

まーいずれにせよ、ブラード総裁もLSAPをこの調子でノーズロで拡大し続ける事は明確にリスクと認識しているのはほほうという所ですな。


・インフレ目標論者だけにインフレが纏めに

最後が『Inflation』です。

『Turning to recent inflation developments, Bullard noted that current inflation is low and that, on balance, inflation expectations have declined since March. “The Committee would not normally remove policy accommodation in an environment where inflation is below target and is projected to remain there,” he said.』

キタコレ!ということで「物価がこの状況で緩和政策を取り除く方向とか常識的に考えて有り得ん」攻撃ですな。まあブラード総裁はFED高官の中でもインフレターゲッティングを一番重視する方向の人ですから当然なのは何度もこのネタが出ているのでご案内の通りだと思いますが。

『A key inflation issue for the tapering debate is, therefore, whether the current low levels of inflation, as measured by the year-over-year percentage change in the personal consumption expenditures price index, will naturally move up toward 2 percent in the coming months and quarters. 』

つーことで・・・・・・・・・

『If the answer is yes, Bullard said, the FOMC could reduce the pace of asset purchases without worrying about pushing inflation even further below target. “If no, then inflation may be pushed even lower by a decision to taper and hence the risk of deflation may increase,” he added.』

ブラード総裁はTapering着手には少なくとも物価上昇率が戻り基調を見せないと賛成しない、という明確なメッセージでもあります。物価が上がらないままバランスシートだけ拡大していった場合どういう話をしだすのか、というのも見てみたいですけれども、まあその前に大勢見解の方でバランスシート拡大が止まる方向なのでそれは見れないかなあとは思います。


・ブラード総裁の結論は「年後半のデータを慎重に見極めてからTapering着手を検討すべき」

最後がまとめ。

『Regarding these four issues for the tapering debate, Bullard suggested that most of them can be better addressed once the FOMC sees additional macroeconomic data from the second half of this year. “In particular, it is important to wait to see if better macroeconomic outcomes materialize in the months and quarters ahead,” Bullard concluded.』

さっきまあそういう話をしていましたがね。

#結局全部引用してしまったorz




2013/08/06

お題「ドラギ総裁会見は鑑賞物としてはオモロイので続き/面白いのが見つかったので久々に電波浴」

昨日は友人と会話していて「いやあ今週はBOEのフォワードガイダンスが楽しみですなあ最大注目ですよ〜」とドヤ顔(かどうか知らんが)で話をしていて「あのー決定会合あるんですけど・・・・・・」とツッコまれて素で忘れていたので慌てて「いやまあ今回は無風だし」とその場で反応しましたけれども本当は素で忘れていましたすいませんすいません(^^)。

ということでMPMプレビューとか言ってもどう見ても何もなく、会見では総裁がドヤ顔で「ご覧の通りCPIもゼロから脱出してきましたよ(ドヤッ)」という話をするだけなので糞面白くも無いでしょうもうMPM無しで良いですよ。

○ECBドラギ総裁会見は鑑賞物としては中々面白い

http://www.ecb.int/press/pressconf/2013/html/is130801.en.html

だいたいポイントは昨日ネタにした冒頭の4本くらいの質疑でカバーされているようにみえるのですが、その後もまあフォワードガイダンスとミニッツの質問が出るわ出るわという所でして、しかも(まあ昨日ネタにした質問が既に大概にアレですが)全般的に記者のツッコミがキツいという代物になっております。

まあね、6月ECBでの会見でも一部の質問で「OMTやると言ったけれどもそもそもOMTの条件すら公表してないけどお前本当にやる気あるのかゴルァ」(意訳)というようなのが飛んだりしておりまして、ドラギ先生におかれましてはまだ一応ドラギマジックとか何とか言われてはいるものの、記者の皆様的におかれましては「このオッサン実はやるやる詐欺師なのではないか」という感じでゴリゴリとツッコんで逝ってる感じもしますな、うんうん。

ただまあドラギ総裁の場合はかなーり同情すべき面がありまして、何せビールとヴルストの国にバイトマンというファンキーなおっちゃんがいまして、先般ネタにしましたようにドラギ総裁が「画期的な変更」と自画自賛したフォワードガイダンスに対して背後から全力で機関銃をぶっ放してくれますので、まあやり難いったらありゃせんでしょうなあとは思います。

http://www.bundesbank.de/Redaktion/EN/Kurzmeldungen/Current_issues/2013_07_11_weidmann_gvb.html
No sea change in monetary policy communication

ちなみにさっきブンデスのHP見たら相変わらずトップページの最近の話題の中にこれが堂々と載っているのがブンデスクオリティというものでありまする。


・コミュニケーションポリシーにも繋がる回答(かも)が

昨日ネタにした質疑の次にはこんなのが。

『Question: First question, on the economy: you commented on improved sentiment and the situation getting better. A very simple question: are we still in recession or are we already out of recession in the euro area?』

経済状況の「水準」についての質問とは中々良い感じ。

『And the second question - I will give it another try: was the decision on interest rate cuts or no interest rate cuts unanimous or not? And if you do not comment on it, why do you not comment on it? Or maybe I missed it, then I do apologise.』

金利変更についての議論はあったのかという質問が再度、ということですが・・・・・・・・・

『Draghi: No, you did not miss it. We actually only discussed forward guidance and within the confirmation of forward guidance you have an implicit decision about today’s interest rates. And the decision about forward guidance was, in fact, unanimous.』

「金利もフォワードガイダンスも全員一致」という説明は最初の方からの質疑でずーっとしているのですが、実際問題としてドラギ総裁の説明を子細に見ますと「全員一致でした」という話はしているのですが、ガイダンス文言の見直しとか政策金利水準の見直しとかに関する議論についてはそもそもあったのか無かったのかもワカランチ会長でありまして、議論になっているのかなっていないのかが良く判らんという素敵な代物になっています。

でまあ先般のフォワードガイダンスに関するバイトマン総裁の背中から盛大に斬り付けの図とかを見ておりますと、これECB内部でまともに話がまとまるようなコンセンサスが取れる状況になくて、仕方がないので全員が一致できる妥協点として「ただの期待」のフォワードガイダンスと金利政策の据え置きが妥協されましたというような感じなんじゃないのと思われますがどうっすかねえ。

『By the way, it is not a decision in the sense that we take a decision each and every time. And here, I should say something. There was some discussion on whether we should repeat these words every time.』

ほほう。

『I mean the words: “the Governing Council confirms that it expects the key ECB interest rates to remain・・・”. Now, because of an excess of prudence, we repeated them today. But we may not repeat them if we judge that you and the markets understand that a certain forward guidance is valid until further notice. So, in other words, we may not repeat the words if we are convinced that you and the markets understand that, if we do not say anything, it does not mean that we have changed our mind. It means that we stay with the same mind until we do change our mind! But that is an aside issue.』

いやいやフォワードガイダンス文言突っ込んだなら突っ込み続けないとマズイでしょうと思うのですけれども、そもそもフォワードガイダンス自体がそんな扱いだと何がどう画期的な変更だったのかがワカランチ会長。 BOEがフォワードガイダンス入れるという話をしたので対抗上突っ込んだというのが見え見えとしか・・・・・・・・・

『On the second question: again, I can refer to our statement here. It says: “ recent confidence indicators based on survey data have shown some further improvement from low levels and tentatively confirm the expectation of a stabilisation in economic activity” in the second part of the year. In other words, it seems that the signs we are seeing now confirm the baseline scenario of the ECB staff projections for the second part of the year.』

リセッション段階ではなく回復軌道に乗りつつあるが、そのペースは緩慢ですよという話をしているのですが、(さっきの所もそうですが)ここで冒頭でのステートメントを再読するという技をぶちかましておりまして、この前の会見でもステートメント読み上げ攻撃をしておりましたけれども、今回もこれが出ましたと言う事で、「おまいらちゃんとステートメント読みやがれ」というある種の苛立ちみたいなのが(それがドラギさんとしての苛立ちなのか総裁としての苛立ちなのか合わせ技なのか分かりませんが)出ているなあと思うのでした。

つーかね、前段の部分でも「But we may not repeat them if we judge that you and the markets understand that a certain forward guidance is valid until further notice.」とか言ってる位ですから、ちょっとこうコミュニケーションポリシーがギクシャクしているという認識を強めているんでしょうねと思うのですけどどうですかね。

でまあそのギクシャクの原因としてはご案内の通りファンキーなおっちゃんがいたりするとゆーのも一因としてありますし、ドラギ総裁は強引に全員を引っ張る(というか承服させるというか)タイプでも無さそうですので、そういう中でしかも域内でのfragmentationが色々な意味でありーの、大体からしてブンデスバンクの伝統と違うような政策(非伝統的政策とかフォワードガイダンスとか)を打ち込まないといけない状況で文句が出やすいのという状態でありますので、そらまあ大変は大変だなとは思うのですが。

しかし良く考えたら質問はレートカットに関する議論の話だったのに何故かフォワードガイダンスの話をおっぱじめている辺りが中々味わいがあるというものです。


・もう一丁フォワードガイダンスの質問から

これ以外にあと3つほどあるのですが(^^)、全部引用すると長くなるので。

『Question: Going back to the forward guidance, do I understand correctly that we should assume it is carrying on, even if you don’t repeat it every month? But then the question is how do we know if forward guidance has ceased: would the first signal be that you raise interest rates, or would you first say we are now at a position where we feel forward guidance is no longer appropriate - but then you might still hold rates?』

先程引用した部分は確かにナンジャソラですから質問来ます罠。

『Draghi: You are asking me a second or third derivative question.』

まあその前にもフォワードガイダンスの質問が2つ(このあと1つ)あったのですがワロタ。

『We just introduced it a month ago. Now, you are asking me what signals we would give if we were to change forward guidance in the coming months. You know very well that another monetary policy jurisdiction is now struggling exactly with this problem: whether it should do it through interest rates, through language which hints at tapering, by changing some liquidity provisions, or even by changing the assessment.』

何か金融政策に引き締め方向の変化があったらそらフォワードガイダンスのチェンジというのは仰る通り。

『In our case, we have an equivalent variety of ways to signal this, but going back to the statement here we say that this expectation of interest rates “continues to be based on an unchanged overall subdued outlook for inflation extending into the medium term” - so that is one thing one should look at - “given the broad-based weakness in the economy and subdued monetary dynamics”.』

また冒頭説明文読み上げキタコレですが。

『I think you have all the parameters in your hands to judge the length of time and especially to judge when the language on forward guidance might be changed. Admittedly, these parameters are not specified in quantitative terms as thresholds, because, as I said before, our strategic framework is different, and it is rooted in the assessment of the medium-term outlook of inflation. But they are expressed in qualitative terms.』

ということで、声明文であるような景気認識のうちはフォワードガイダンスは有効ですよという話をしているのですが、そんなのは言われるまでもなく当たり前田のクラッカーでありまして、いやだからそのフォワードガイダンスをもっと具体的に示さないと「金融政策の反応関数」が伝わらないでしょうと思うのですが、恐らくはこれ以上の具体的な物を出すのはコンセンサスが全く取れないというのが本当の所なんでしょ。


・ミニッツについて

昨日引用したように、恐らくECBの場合ミニッツ出すとそれはそれで話がややこしくなる面があるんでしょうね。

『Question: (前半はデフレ圧力への懸念に関してですが割愛)And my second question is on the minutes again because you said you represent 17 countries and, from 1 January 2014, 18 countries. Why do you take this decision? Don’t you fear that some of your colleagues may feel they have to represent in future more nationalistic issues?』

『Draghi: (前半割愛)On the other point, if we were to come out with a communication that would put into question the independence of the members of the Governing Council, we would have clearly failed. So I would rule this out. I think there is some added value in communication only to the extent that this pillar of our credibility is not going to be threatened.』

まあこの件についての最初の質疑見た時に???だったのですが、質問者の質問を読んだ方がミニッツ出す件についての問題点が分かりやすかったりするというのがお洒落ですな。最後の質疑から。

『Question: I have two questions on the publication of minutes. First, in your opinion, will the publication of minutes show that the Deutsche Bundesbank and the ECB are not as far apart as the German public has been led to believe? And, second, do you think that the publication of minutes would weaken the need for dissenting members to communicate individually in public?』

『Draghi: I think it would be nice to achieve all these things. But, at this point in time, it would be extremely premature for me to comment on the specifics of what we - “we” meaning the Governing Council - will be able to produce in terms of improving communication on this front. And let me wish all of you good holidays!』

ということでECBは夏休みですかそうですか(^^)。


○久々に電波浴シリーズでも

電波浴なのでリンクを貼ってアクセス向上に寄与するのも遺憾ではありますが、まあネタにして引用する手前リンクを貼らないと仁義に反すると思うのでリンクリンク。

ドクターZは知っている
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36559
バーナンキ発言の読み解き方
2013年08月04日(日)

ドクターZ先生(追記:これゼットと窃盗を掛けてるとしか思えんのだが)ですが、ちなみに『数学の天才とも言われた気鋭のエコノミスト。その正体は……』(上記URL先の『著者』というのをクリックするとそういう紹介がでます)だそうでどこのどなたか存じませんが数学の天才な上に気鋭のエコノミストって凄いですねえ(棒)。

でまあのっけからこのような説明が。

『初めに確認しておきたいのは、金融政策は金融市場のみならず実体経済にも影響を及ぼす。つまり、強力な威力を持つということ。』(上記URLより、以下同様)

ほほう。

『2年後のインフレ率、賃金上昇率、失業率、名目GDP成長率までを9割方決めてしまうのが金融政策である。そんな馬鹿なと思うかもしれないが、過去のデータから見ればこれは厳然たる事実である。』

数学とか言われましてもハクション大魔王並みの数学力を誇る無知蒙昧であります所の不肖アタクシには数学の甜菜様の仰せになっておられる「9割」という積算根拠がさっぱりワカランチ会長で誠に残念なのですが、それはそれとして「2年後の実体経済を9割方決めてしまう」のが金融政策であるということでしたら、足元の日本経済の改善傾向は「アベノミクスの効果」ではなくて「2年前に行った白川日銀体制における金融政策の効果」という事になろうかと存じますが、確かドクターZ先生におかれましては白川日銀体制の政策やら白川前総裁やらを口を極めて罵じゃなかった厳しく批判しておられたと存じますが、その辺との話の整合性はどうなるのでございましょうか??????

『ただ、われわれにとって重要なのは、「中央銀行ウォッチャー」などと称する金融市場関係者の意見はまともに聞かないほうが得策だということだ。理屈は簡単で、金融市場関係者が「当局はこう言っている」と話す内容は、自己ポジションに有利なようなマーケット・トークばかりだからだ。』

まあアタクシなんぞはウォッチャーの端くれにもならないヲチャー程度でございますのでどうでも良いのですが、まあ解釈にはそら幅がありますからそんな事もあるでしょうねえ。全員が全員そうとは思いませんけどね、つーかそういうのって自然と淘汰されて気が付いたら以下自主規制だったりしますけど。

『良い悪いの話ではない。金融市場関係者は儲けるプロなのだからマーケット・トークをするのは当然だろう。中央銀行も金融市場関係者が何を言おうと、反論をしない。むしろ、「何も言えない」というのが正しい。それをいいことに、金融市場関係者は言いたい放題になる構図だ。』

>それをいいことに、金融市場関係者は言いたい放題になる構図だ

つ鏡

『金融市場関係者は中央銀行当局の話を曲解してでも、マーケット・トークを広げようとする。それは彼らの仕事の一つ≠ナあるともいえる。金融市場関係者とはそんなものだと理解しておいたほうがいい。』

>金融市場関係者は中央銀行当局の話を曲解してでも、マーケット・トークを広げようとする

つ鏡

とまあそんな辺りはどうでも良いのですが・・・・・・・

『実際、ここ最近はバーナンキ議長の金融緩和に対するスタンスが変節≠オているなどという発言をよく聞くが、実態はどうか。FRBの目標はインフレ率2%、失業率6・5%。一方で5月のインフレ率はコアで1・7%、同失業率は7・6%だから、当分は金融緩和をするのが当たり前といえる。』

うむ、目標のうちのインフレ率はその通りなのですが、失業率の6.5%は「金利政策におけるフォワードガイダンスのスレッショルド」であって目標値というのは現実には無くて、近い数字としてSEPで示されているロンガーランの失業率なので直近だと「中央値で5.2%〜6.0%のレンジ」になるんですけどねえ。「金融市場関係者は中央銀行当局の話を曲解」ですかそうですか(^^)。

『FRBのホームページに掲載されているバランスシート(BS)の図を見ると、BSの規模は2011年6月頃から昨年11月頃までは2兆8500億ドル程度であったが、その後に急増してこの7月には3兆4900億ドル程度となっている。つまり、バーナンキはどこも変節≠オていない。』

ワロタ。

えーっとですな、そもそも変節しているかというと別に変節している訳では無い。というか変節しているとか言ってるのって金融市場関係者でそんなの居るかよと思いますし、仮に言ってるのいてもそらシロウトだろと思いますけどまあそれはそれとして、最近のFEDの金融政策トークは「従来継続していたオープンエンドQEをこれから買入ペースを下げましょうか」という話をしている訳でありまして、それはあくまでも「将来の金融政策運営」に関する説明部分でありまして、現時点での政策行動は以前決定した「資産買入を継続してバランスシート規模を毎月拡大する」というのを継続しているのだからそんなの金融政策トークがあっても無くても同じですがな。

『FRBの動きと、巷で流布される「発言内容」がいかに乖離しているかがわかるだろう。』

いやはやという所でございますが、こういうの平然と掲載するのもどうかと思うのですけれども、まあここのサイトの執筆陣見てると中々いい感じで電波浴が出来そうな物件なのですが、たまにアタクシがまともと思う人が寄稿しているのがアレでして、まともな人は出稿する媒体をもうちょっと考えて頂かないととは思うのですけどね。いやまあどうでも良いですけど。

#そういや「微妙に中途半端な数字を出す」というのは「尤もらしく見せる」以下自主規制



2013/08/05

お題「ドラギ総裁講演から(市場金利に関する部分とフォワードガイダンスに関する部分に注目)」

ほほう。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC04007_U3A800C1MM8000/
都民銀と八千代銀統合へ 14年秋にも持ち株会社
預金量4兆4千億円 2013/8/5 2:00 情報元 日本経済新聞 電子版

#本当は他に雑談系ネタがあったような気がするのだが、気が付いたらドラギ総裁会見ネタだけになってしまいましたorz

○ドラギ総裁質疑応答から「金利上昇に関するコメント」と「フォワードガイダンスに関するコメント」を少々

http://www.ecb.int/press/pressconf/2013/html/is130801.en.html
Introductory statement to the press conference (with Q&A)
Mario Draghi, President of the ECB,
Vitor Constancio, Vice-President of the ECB,
Frankfurt am Main, 1 August 2013

・金利上昇がケシカランという認識

冒頭説明部分のリスクの話がキタコレである。

『The risks surrounding the economic outlook for the euro area continue to be on the downside. Recent developments in global money and financial market conditions and related uncertainties may have the potential to negatively affect economic conditions.』

キタコレという所ですが、経済のリスクがダウンサイドなのは良いとして、最初に出てくるリスク認識が何ということでしょう!直近のグローバルマネーと金融市場の環境およびそれに起因する不確実性というのを出しています!

まー欧州経済は改善の傾向ということにしているものの、ペースが遅いとはしておりまして、そういう認識の中で市場金利が上昇するのは困るという事なのでしょうが、市場のファンディング状況があばばばばーとか短期金融市場に異常なテンションとかいう訳でも無いただの金利上昇だけでメインのダウンサイドリスク的な言い方をするというのも何だかねえという感じはします。

つまり、口先介入して市場金利の上昇を抑えたいというのは判るのですけれども、ここまで話を大きくして介入せんでも良かろうと思う訳で、魔弾の射手がその腕に溺れて最後に魔王が目の前に現れてしまうの巻という流れになることを懸念する訳で市場への口先介入も程々にとはドラギ先生を見ていて思うのですけどねえ。

まあ難しいのは市場金利上昇はケシカランというならそもそももっと経済の見通しを弱く言えば良いだけの話なのですけれども、そのような景気の悪い話をすると今度はマインドの悪化を中銀が自ら打ち込むという話になるので、中々そういう話も出来ないということで、口先介入するにも限界というのが有りますなというお話。

ちなみにその他のリスクは内外需要が想定よりも弱い事というのに加えまして「構造改革の遅れ」でして、構造改革ガーを強調するのは直近特にその辺りの話に力入れているなあという印象も受けますです、はい。

『Other downside risks include the possibility of weaker than expected domestic and global demand and slow or insufficient implementation of structural reforms in euro area countries.』


・クレジットに関しての説明を詳しく

物価に関する説明は前月と同じで「暫く低空飛行ですが中期的には2%以下かつ2%近辺という目標に近づくですよああそれから上下のリスクはバランスだよ」という話なので割愛致しまして、その後の所で今回もまたクレジットに関する説明が。

『Turning to the monetary analysis, underlying money and, in particular, credit growth remained subdued in June.』

これまた最近になってここのコーナーでの説明っぷりが徐々に変化気味なのですが、マネタリーの分析に関する部分ではマネタリーの話よりもクレジット市場の話の方が強調されています罠というところであります、まあ今月急にという訳では無いですけど。

『Annual growth in broad money (M3) decreased in June to 2.3%, from 2.9% in May. Moreover, annual growth in M1 decreased to 7.5% in June, from 8.4% in May.』

M3の話はこれだけ。

『The annual rate of change of loans to the private sector weakened further. While the annual growth rate of loans to households (adjusted for loan sales and securitisation) remained at 0.3% in June, broadly unchanged since the turn of the year, the annual rate of change of loans to non-financial corporations (adjusted for loan sales and securitisation) was -2.3% in June, after -2.1% in May.』

民間向け貸出の伸びが更に弱くなっている(前年比マイナスが拡大)という話がキタコレ。

『Weak loan dynamics continue to reflect primarily the current stage of the business cycle, heightened credit risk and the ongoing adjustment of financial and non-financial sector balance sheets. The bank lending survey for the second quarter of 2013 confirms that borrowers’ risk and macroeconomic uncertainty remained the main factors restraining banks’ lending policies. At the same time, the degree of net tightening of credit standards for loans to non-financial corporations remained unchanged in the second quarter of 2013, compared with the first quarter, and declined for loans to households.』

つーことでビジネスサイクルで弱い分もあるのですが、バランスシート調整が続く中でクレジットリスクに対する警戒感の高まりも影響しており、銀行の貸出態度に関しても先行きの不透明感などが原因で貸出政策がタイトな状態が継続しているという説明。

ということで、金利がどうのこうのの政策やるよりもこっちの支援をもうちょっとやったらとは傍で見ていて思うのですけれども、ブンデスバンクの伝統もあるのか民間クレジットに関して手を突っ込んで行くという事に関してはECBって微妙(その割には担保政策だけは何か時々えーというのが出てくるのも不思議ちゃんではあるのだが)ですなあという感じです。


・財政に関しては中期的な健全化の重要性を主張

この辺は毎度ですがわざわざ成長重視政策に関する嫌味を入れるとな。

『As regards fiscal policies, in order to bring debt ratios back on a downward path, euro area countries should not unravel their efforts to reduce government budget deficits.』

should notと来ましたな。

『The emphasis should be on growth-friendly fiscal strategies which have a medium-term perspective and combine improving the quality and efficiency of public services with minimising distortionary effects of taxation. To reinforce the overall impact of such a strategy, Member States must step up the implementation of the necessary structural reforms so as to foster competitiveness, growth and job creation. Removing rigidities in the labour market, lowering the administrative burden and strengthening competition in product markets will particularly support small and medium-sized enterprises. These structural reform measures are essential to bring down the currently high level of unemployment, in particular among the younger citizens of the euro area.』

中期的な財政健全化のためにも構造改革が必要という話を毎度のようにしているのですが、こちらに関してはまあECBの立場というのもありますが、各国が財政再建コースを知らんがな状態にするのについては釘を差すというパターンですな。

というのが説明でして、質疑応答はのっけからオモロイ。

・フォワードガイダンスに関して&金利の引き下げに関して

冒頭の質疑ですが、質問もまあ微妙に嫌味が効いているのですが答えの方がアレ。

『Question: Mr Draghi, first of all, I would like to know whether the Governing Council discussed cutting rates today and whether the decision to hold rates at 0.5% was unanimous.』

金利引き下げの議論は無かったのですか、金利については全会一致ですか?という質問は普通ですな。

『My second question is regarding forward guidance.』

キタコレ。

『You have just confirmed the forward guidance you gave in July, and the market impact you had in July has fizzled out by now. It had an impact, but then the impact weakened.』

今日はドラギさん7月のフォワードガイダンスをコンファームしただけですね、でも7月のフォワードガイダンスのマーケットインパクトはもう無いです(fizzled outって辞書を見ると「失敗した」とか出てくる)ねえと嫌味嫌味。

『Now, other central banks started off like the ECB - they had a vague form of forward guidance and then progressed further and introduced a more explicit form of forward guidance. I would like to ask you whether you would rule out that the ECB could go down a similar path.』

これはまた(;∀;)イイシツモンダナーという所ですが、他の中央銀行のフォワードガイダンスの推移を見ておりますと最初は今のECBみたいに曖昧なフォワードガイダンスを実施してその後より具体的かつ明示的なガイダンスを導入していますが、ECBも同じようなパスを辿るのでしょうかとかどう見ても嫌味です本当にありがとうございました。

で、その答えがまたオモロイのですけどね。

『Draghi: Incoming information has confirmed our previous assessment. Underlying price pressures remain subdued, as does money and credit growth. Incoming survey data in July showed some further improvement from low levels and tentatively confirmed the expected stabilisation. So, against this background, our monetary policy stance will remain accommodative for as long as necessary. Basically, we have unanimously confirmed the forward guidance we gave last time.』

ちょwwwwこれはひどいというか何というかですけれども、7月以降に得られた経済データは見通しを確認するものでしたのでこの背景から以下棒読みというのが中々。

で、ここでの説明で何気に聞かれても居ないのに「前回示したフォワードガイダンスは全員一致でその内容をコンファームした」としていまして、わざわざ言う辺り先般のバイトマン辺りの発言(フォワードガイダンスは「海の色の変化」の意味は全くございませんが何か?って奴)で示されたフォワードガイダンスに関する不協和音という市場の認識に対するアピールもしているのでしょうなあというのがお洒落。

まあつまりは全員で一致できるのはこの曖昧な文言という話なんでしょうけどね。

『We want to be clear in this - and this is a partial response to your second question - we want to be clear about our assessment of the inflation outlook over the medium term, and about our “reaction function”.』

フォワードガイダンスに関しては金融政策の反応係数をクリアにしたいということです(キリッ)だそうで。

『We want markets to see our reaction function linked in time to the outlook for price stability.』

しかしその反応係数は「物価安定に対する見通し」じゃあどこがクリアなのかと小一時間。

『So, I will repeat what we stated, and this was unanimous: the Governing Council confirms that the key ECB interest rates, including the rate on the deposit facility , will remain at present or lower levels for an extended period of time.』

で、フォワードガイダンス文言ということですがこのどこが(以下同文)。

『This expectation continues to be based on an unchanged overall subdued outlook for inflation extending in the medium term, given the broad-based weakness in the economy and subdued monetary dynamics.』

結局概念的な話をしているだけという何のフォワードガイダンスだかワカランチ会長。

『So, how long will this horizon be? As long as it is our assessment that inflation remains subdued, as indicated by weak economic activity, weak credit and weak monetary aggregates.』

反応係数を明らかにする、というのはじゃあそれらのアセスメントをする際にどのような経済指標を重視していますかというような話になる筈なのですが、まあ「画期的な変化」と自賛している後ろからバイトマン先生が「金融政策スタンスに何の変化も無い」とか後ろから盛大に銃撃する状況なので、結局の所具体的な物を出すにはコンセンサスが全然とれないということでしょうな。

『As I have said, this assessment was unanimous. All interest rates, including the rate on the deposit facility, are part of that statement.』

金利についても全員一致とな。

『At the same time, let me stress this once again, liquidity will remain abundant. It will stay ample for as long as needed so as to guarantee banks full access to funding, and fixed rate full allotment will stay in place until at least July 2014, although let me underline that there is no connection between this date and the extended period of time to which the forward guidance refers.』

で、聞かれもしないのに「流動性を潤沢に供給していますし少なくとも来年の7月(この時期とフォワードガイダンスの時期は別問題、という話もしています)まではそれが続きます」という話をしているのですが・・・・・・・・・・

『Let me also say that current expectations - and this is a partial response to your last question - of rate hikes in money markets are, according to our assessment unwarranted.』

さらに聞かれもしないのに説明コーナーですけれども、金融市場における金利の上昇はECBの経済見通しに対して正当化されません、と先ほどの「経済のリスクは最近の金融環境」に続いて金利上昇警戒発言キタコレということですな。

『As I have said, current data confirm our baseline scenario, and risks are on the downside. So, developments have to be significantly better than our current baseline scenario for an outlook for price stability in order for us to change our guidance.』


・フォワードガイダンスの質問と議事要旨の質問

フォワードガイダンス繋がりで一つ飛ばして次の質問から。

『Question: First, did you discuss tying the forward guidance to a quantitative threshold or trigger, or is this a discussion that you might want to have in the future? If yes, can we expect it to be introduced sometime soon? Second, did you discuss introducing minutes? What is the latest on this issue?』

スレッショルドを付ける議論はしたのかという質問と議事要旨出す件についての討議はしたのかという質問ですな。

『Draghi: With regard to the first question, no we did not discuss that. However, our formulation of forward guidance is in line with our strategic framework, which is anchored in our assessment of the medium-term outlook for inflation, or price stability. And this outlook depends on economic activity and on money and credit developments. So this is our strategic framework, within which we can say that medium-term inflationary expectations remain firmly anchored. Within this framework, we did not discuss the introduction of thresholds or quantitative benchmarks.』

つーことで、まあ実際問題としてはスレッショルドの導入は反対が多くて議論を始めようがないというところなのか、はたまた中央銀行のDNAとして先行きの政策運営を縛るのが気に食わないという認識が強いのかは兎も角として、あくまでもECBのフォワードガイダンスは「見通しベース」のものとなっておりまして、データベースの話では無いということのようですな、まあ今の所だとは思いますが。

『On the minutes and communication, we are not starting from scratch.』

ふむ。でまあ説明をしているのだがこれがまた話を切りにくい流れで引用者が泣く。

『All central banks have changed their communication throughout the years. This central bank changed the way in which it communicated with the introduction or with the publication of forecasts a few years ago, and even earlier with the precise definition of inflation rate we aim at. Other central banks have taken on our customs and have included press conferences in their communication strategies. It was only natural that the Governing Council should ask for a richer way of communicating our deliberations beyond what is already a fairly transparent way of communicating - given that we already have monthly press conferences, the Monthly Bulletin, and many speeches and other forms of communication.』

皆さん色々とやっていますが、ECBだって会見したりブルテイン出したりスピーチしたりしてコミュニケーションの改善に努めておりますよと。

『In any event, given the increasing complexity of certain types of communication, but also in the long run, the Governing Council thought that it would be wise - as I have said - to have a richer communication of the rationale behind its decisions.』

でまあそれらの機会を通じてクリアなコミュニケーションに努めていますと。

『At this early stage, I can only be relatively general. I think that it is necessary to give an account of why certain decisions have been taken or why they have not been taken, as well as to give a sense of the discussion that has taken place within the Governing Council. 』

ふむ。

『On the other hand, we are not a one-country set-up: we are not the United States, the United Kingdom or Japan. We are members of a 17-country euro area, so it is especially important that any modifications we introduce do not put at risk or call into question the independence of the members of the Governing Council. I should remind everybody that members of the Governing Council sit around that table in their personal capacity, not as representatives of their own countries. They are acting in the interests of the euro area and of the euro. Thus, any change in communication policy should respect this essential ingredient of our monetary policy, which, in a sense, forms the basis of the credibility that this institution has acquired throughout the years. More specifically, the Executive Board will present a proposal to the Governing Council for discussion during this fall.』

ECBは一つの国の中央銀行ではないので、各国中央銀行の独立性というのも論点としてあります(でも政策議論は各国の代表としてではなくてあくまでもECB全体としての論議をしているとも)。現在のコミュニケーションポリシーは長年の工夫によって作っている制度なので、変更をするに当たってもその影響などを考慮しないといけませんというまあ慎重な話をしていますな。実際にはこの秋に執行部から理事会に対して提案をするそうな。

・・・・・・・ということですが何か判ったような判らんような話かと思ったらその次の質疑が分かりやすい。


・もうちょっとクリアカットの質疑が直後に

『Question: I have two questions on forward guidance. First, it is still not entirely clear to me what the difference is between “forward guidance” and just a forecast of the economic outlook for the economy and of inflation. Is there actually a difference, or is it like adding value to a forecast?』

フォワードガイダンスって全然クリアじゃねいですよねという質問がまたも飛ぶ(^^)。

『Second, with regard to the minutes, one of the reasons that the ECB has not published minutes so far is the fear that debates will become politicised. What made you change your view about this risk? It seems to me that the debate in Europe has even become more politicised in recent months, and not less so. What made you change your stance?』

ここの質問でさっきの説明でドラギ総裁が説明していたのがクリアになる訳ですが、議事要旨を出すとECBのメンバーが「各国の代表として発言しているのか、あくまでもECB全体の1委員として発言しているのか」というような点でややこしい事が起きるリスクがありますよね、というのがまあ議事要旨を出すことに関して躊躇する理由というのは判る気がします。

『Draghi: In response to the second question, clearly, that is where the challenge is - to be able to provide you and the markets with greater and richer information without putting into question the independence of the members of the Governing Council and without politicising the discussion, because that would certainly be a big loss. We hope that we will be able to cope with this challenge.』

なるほどですな。

『With regard to the first question, it is not really a forecast; it is more than a forecast.』

フォワードガイダンス文言の背景になるのは単なるフォーキャストではないとな!

『Allow me to point out that the statement says “ We expect”. It does not say “It is expected” and it does not say “An international institution expects”; it says “We - the policy-makers - expect the key ECB interest rates to remain at the present or lower levels for an extended period of time”. So, it is an expectation by a very specific set of policy-makers.』

何じゃこの禅問答という感じですが、フォワードガイダンスでは「It is expected(これはFRBがフォワードガイダンスで使ってる言い方ですな)」ではなく「We expect」と言っており、この「We」というのはECBという意味でのWeであり、すなわちECB理事会の総意を示すものである(キリッ)という説明なのですが、何か屁理屈感は満載というのがドラギクオリティではあるなあと思いましたぞな。

更に延々とフォワードガイダンスの質問は続くのですが、時間と量の関係上この辺で、つーかまあ主要な論点は大体この辺りまでで出ていたように思えるのですが、追加することがありましたら明日追加します。

#過去ログ整理してて思ったのですがすっかり海外金融政策ネタばっかですなすいませんすいません




2013/08/02

お題「各種雑談メモ程度で恐縮至極(しかも大体海外金融政策ネタ)」

えーっとどっちなのでしょうか(−−)

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MQUU3Z6TTDSC01.html
米国株:S&P500種は初の1700台−緩和継続と経済統計で
更新日時: 2013/08/02 05:12 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MQUF3K6K50XX01.html
NY外為:ドル上昇、99円台半ば−米指標好調で緩和縮小観測
更新日時: 2013/08/02 04:46 JST

まあUSTの金利が上昇しているみたいですから緩和縮小観測の方が正しいようなのですが、そのベースが指標好調という場合は・・・・・

○雑談メモである

・FOMCレビュー補足

昨日のFOMC声明文ですけれども、よーするにあの声明文で示されたのは「長期金利が経済状況を踏まえない形で跳ねるのはケシカラン」というのを全力で主張しているのは判るのですが、一方でLSAPと金利政策を思いっきり分けるという理屈を更に補強しておりまして、まーそう考えますと足元のFOMCの中心的な意図と思われるものは「金利政策に政策の重点、注目点をシフトすることによって少なくともオープンエンドQEとなっているQE3を円滑に終了する」というのが眼目にあるという事でしょうなと思われる次第。

あれだけ全力で長期金利上昇に対するケシカラン文言が並んでいる上に、ディスインフレに対する警戒文言が入っているので、そらまあハト的な声明文ではありますな。でまあそのディスインフレ文言については、足元までは金利スレッショルドの6.5%に加えて6月FOMC後の逆さ絵会見で7%という数字が出たので益々失業率にリンクしたような金融政策に見えていた「見せ方」の改善(=あくまでもデュアルマンデートですよというのを示す)に繋がっているなあとも思えます。

つーことで「金利上昇は許さん」ではある声明文が出た所で今朝の金利上昇というのがお洒落なのですけれども、たぶん経済データの好転による長期金利の上昇についてはそこまで問題視しなくて、問題視するのは政策金利の早期引き上げ思惑による中短期金利のゲロゲロ上昇だと思われますが、こういう時にFEDの高官がホイホイとコメントをする訳では無いのでその辺が判らんのは残念無念。

でまあこの「LSAPと金利政策を分ける」という話には金融緩和政策のプロコン議論とも繋がる所ではありまして、それはつまり「バランスシートが大きくなりすぎる弊害」と「必要以上の低金利政策長期化期待による利回り追求などの動きが発生する弊害」というのがまあ金融緩和政策の弊害論議としてある訳ですが、LSAPにおける「大きすぎるバランスシート」問題の弊害は結構共有されているみたいなので、こっちの論点からはQE縮小という話になるのは見えてくるのですが、その一方で金利面で言いますと、足元でやっている「LSAPと金利は別」理論で市場の早期利上げ思惑を排除するような形でフォワードガイダンス政策を強化しすぎると、金融緩和政策のもう一つの弊害である「ゴルディロックスヒャッハー相場の発生による金融不安定化」というのは却って拡大する可能性がありますよとゆーことだと思うのですよね。

くどくど申し上げてスイマセンが、つまりこれはFOMC委員の皆様の中で、金融政策のプロコン分析の中で「バランスシートが大きくなるリスク」と「低金利長期化リスク」をどのようなウェイトでどのように考えているのか、という辺りは(あくまでもプロコンレベルの話ですが)金利政策の方の出口論議に影響するかもしれませんなとは思う訳で。バランスシート巨大化リスクに関しては恐らくこの前までの金利上昇で「これ以上調子に乗ってバランスシートを拡大したら収拾がつかなくなる」という話になったと思われるのですが、今後は主に中立的な人とかハトの人とかが低金利長期化による金融不安定化に関する認識をどう考えているのかという辺りの発言を注意したいと思いまする。まあその前に今回会合のミニッツも注目ですが。



・ローゼンェ・・・・・・・・

麻生さんの例の発言に関しては週前半から何か色々と出ていましたが、朝日新聞デジタルに発言全文書き起こしと思われるものが掲載されたので観賞鑑賞。

http://www.asahi.com/politics/update/0801/TKY201307310772.html
麻生副総理の憲法改正めぐる発言の詳細
2013年8月1日2時18分

まあ下手に一部だけ引用するとアレですし、これだけ長いのを全文引用するのはさすがに如何なものかと思うので引用割愛します(しばらくすると朝日の場合はアーカイブになってしまいますので読めなくなるのが難点ですが)けれども・・・・・・・・

うーむ、麻生さんは真意が伝わっていなかったようだが云々という話をしているのだが、そもそもこの文字起こしで出てきた話自体が何か前後の文章で同じことを違う文脈で説明するから話に脈絡が無くて真意が伝わるも伝わらんもそもそも何を言いたいのかが判らん。まあ前後の文脈を勝手に補完すると解釈は可能なのだが、これだと補完の仕方によって真逆の解釈も可能(=前後で話の脈絡がないからどっちを取るかで真逆になる)という中々凄まじい案件ですな。

#ちなみに「静かに改憲」云々の部分はどうみても歴史認識相違だとおもう

何か大騒ぎモードになってきたのでメモメモ。


○BOE:フォワードガイダンスは来週までお預け

http://www.bankofengland.co.uk/publications/Pages/news/2013/008.aspx

『The Bank of England’s Monetary Policy Committee today voted to maintain the official Bank Rate paid on commercial bank reserves at 0.5%. The Committee also voted to maintain the stock of asset purchases financed by the issuance of central bank reserves at £375 billion.』

資産買入規模は据え置きですが、まあフォワードガイダンス導入するという話をして居る中ですからこのタイミングで投下は無いわな。

『The Committee’s latest inflation and output projections will appear in the Inflation Report to be published at 10.30 on Wednesday 7 August. As previously announced, the Committee will also respond to the Chancellor’s request for its assessment of the use of thresholds and forward guidance at that time.』

ということで、来週水曜日にインフレーションレポートを出すので、そこで財務大臣に出す書簡の中でスレッショルドを使ったフォワードガイダンスのアセスメントを出しますとのことですな。

『The minutes of the meeting will be published at 9.30am on Wednesday 14 August.』

しかしまあ何ですな、英国の場合フォワードガイダンス政策といいましても、そもそも論としてインフレが延々とターゲットを上振れて推移している状況になっていて、超厳格に物価のみを目標にしているんだったら金融政策は現状維持か緩和縮小方向となるべきものという状況な訳で、インフレーションターゲッティングの趣旨を損なわない形でどういうフォワードガイダンス出すのやらというのは気になりますな。

カーニー総裁は暫く前に名目GDPターゲットに言及していて、まあそれに近いものが出てくるのかねとも思われるのですが、名目GDPだとインフレが上振れても達成してしまうというのがお洒落な所で、単純に名目GDPだけ使うとなるとインフレーションターゲッティング政策の趣旨が益々形骸化するんじゃネーノという気がするので、はてさてどういうのものが出るのか8月7日は正座して(嘘)待ちたいと思います。


○ECBである

諸金利は据え置き。
http://www.ecb.int/press/pr/date/2013/html/pr130801.en.html

『At today’s meeting the Governing Council of the ECB decided that the interest rate on the main refinancing operations and the interest rates on the marginal lending facility and the deposit facility will remain unchanged at 0.50%, 1.00% and 0.00% respectively.』

『The President of the ECB will comment on the considerations underlying these decisions at a press conference starting at 2.30 p.m. CET today.』

んでもって会見。

http://www.ecb.int/press/pressconf/2013/html/is130801.en.html
Introductory statement to the press conference (with Q&A)
Mario Draghi, President of the ECB,
Vitor Constancio, Vice-President of the ECB,
Frankfurt am Main, 1 August 2013

・決定事項と金融政策全般に関する説明は今回も1パラグラフなのですが・・・・・・・

説明の冒頭ですが、最初に決定事項の話をして経済全般と金融政策運営全般に関する話をして、経済認識の詳細という風に話が展開されるのですが、前回に引き続き今回もこの部分の説明が1パラグラフで収まっております。

『Based on our regular economic and monetary analyses, we decided to keep the key ECB interest rates unchanged.』

金利は据え置き。

『Incoming information has confirmed our previous assessment.』

最近のデータは前回の見通しを確認するものであるとな。

『Underlying price pressures in the euro area are expected to remain subdued over the medium term. In keeping with this picture, monetary and, in particular, credit dynamics remain subdued. Inflation expectations for the euro area continue to be firmly anchored in line with our aim of maintaining inflation rates below, but close to, 2% over the medium term.』

物価に関する言及はまあ判で押したように同じ話をしとります。

『At the same time, recent confidence indicators based on survey data have shown some further improvement from low levels and tentatively confirm the expectation of a stabilisation in economic activity.』

経済活動の状況が低いレベルから更に幾分か改善している傾向を最近のデータは示している、ということでここでの説明ベースでは経済に関する認識をすこし強くしていますな。


・フォワードガイダンス部分を前回と比較すると謎の「confirm」文言が入る

つーことで前回と比較してみませう。

『Our monetary policy stance continues to be geared towards maintaining the degree of monetary accommodation warranted by the outlook for price stability and promoting stable money market conditions.』(今回)

『Our monetary policy stance is geared towards maintaining the degree of monetary accommodation warranted by the outlook for price stability and promoting stable money market conditions.』(前回)

しかし良く考えるとこの「物価安定の見通しの元で正当化される緩和的な程度の金融緩和と短期金融市場の環境の安定をもたらす為の金融政策スタンス」ってのも何とも判じ物のような表現ですな。

『It thereby provides support to a gradual recovery in economic activity in the remaining part of the year and in 2014. Looking ahead, our monetary policy stance will remain accommodative for as long as necessary.』(今回)

『It thereby provides support to a recovery in economic activity later in the year and in 2014. Looking ahead, our monetary policy stance will remain accommodative for as long as necessary.』(前回)

まあ同じだな。

『The Governing Council confirms that it expects the key ECB interest rates to remain at present or lower levels for an extended period of time. This expectation continues to be based on an unchanged overall subdued outlook for inflation extending into the medium term, given the broad-based weakness in the economy and subdued monetary dynamics. In the period ahead, we will monitor all incoming information on economic and monetary developments and assess any impact on the outlook for price stability.』(今回)

『The Governing Council expects the key ECB interest rates to remain at present or lower levels for an extended period of time. This expectation is based on the overall subdued outlook for inflation extending into the medium term, given the broad-based weakness in the real economy and subdued monetary dynamics. In the period ahead, we will monitor all incoming information on economic and monetary developments and assess any impact on the outlook for price stability.』(前回)

でまあここがちょっとお洒落なのですが、前回はこの「長期間政策金利を据え置きまたは今より低い水準で維持します」という部分に関して「expects」という風に表現していたのですが、今回は「confirms that it expects」になっていますな。

表現としては「confirm」って入ったからフォワードガイダンスもどきに対してやや表現を強めてはいるのですが、しかし残念なのはコンファームしたのは結局前回と同じく「it expects」以下の文言でありますので、そのコンファームに何か意味があるのかという感じで、わざわざ言う必要が有る文言なのかよという気はしますが、恐らくブンデスバンクバイトマン総裁の先日の台無し発言に見られますように、これ以上のガイダンス文言強化はECB内部でのコンセンサス取れないんでしょ。

ちなみに、今回の冒頭説明では第1パラグラフが前回より4行ほど長くなっているのですが、前回との差分は経済に関する説明がちょっと長くなっているせいでした。


・経済認識部分でも認識の引き上げを示す

経済認識とリスク認識などが第2〜5パラグラフですが時間の関係上第3以降は只のベタばりで勘弁。

『Let me now explain our assessment in greater detail, starting with the economic analysis. Following a six-quarter economic contraction in the euro area, recent confidence indicators based on survey data have shown some further improvement from low levels and tentatively confirm the expectation of a stabilisation in economic activity at low levels. At the same time, labour market conditions remain weak.』

冒頭説明でもありましたが改めて「some further improvement」を示していますが労働市場は弱いと。

『Looking ahead to the remainder of the year and to 2014, euro area export growth should benefit from a gradual recovery in global demand, while domestic demand should be supported by the accommodative monetary policy stance as well as the recent gains in real income owing to generally lower inflation.』

先行きは緩やかな回復という話で、海外の需要と実質所得の増加が寄与というのも前回と同様です。

『Furthermore, the overall improvements in financial markets seen since last summer appear to be gradually working their way through to the real economy, as should the progress made in fiscal consolidation. This being said, the remaining necessary balance sheet adjustments in the public and private sectors will continue to weigh on economic activity.』

この辺も同じですな。で、結論は・・・・・・

『Overall, euro area economic activity should stabilise and recover at a slow pace.』(今回)

これ前回はこうでして・・・・・・

『Overall, euro area economic activity should stabilise and recover in the course of the year, albeit at a subdued pace.』(前回)

まあ基本的に言ってる事は変わらないので見通しが上がっている訳では無いですけれども、「文章がすっきりした場合は確信度上昇」の法則(?)からするとまあ回復への自信度は上がっているんでしょうな。

リスク認識、物価に関する部分はほぼ前回と同じ話をしています。引用だけで勘弁(時間ががががが)。

リスク認識(下です)。

『The risks surrounding the economic outlook for the euro area continue to be on the downside. Recent developments in global money and financial market conditions and related uncertainties may have the potential to negatively affect economic conditions. Other downside risks include the possibility of weaker than expected domestic and global demand and slow or insufficient implementation of structural reforms in euro area countries.』

物価動向。

『According to Eurostat’s flash estimate, euro area annual HICP inflation was 1.6% in July 2013, unchanged from June. Annual inflation rates are currently expected to temporarily fall over the coming months, owing particularly to base effects relating to energy price developments twelve months earlier. Taking the appropriate medium-term perspective, underlying price pressures are expected to remain subdued, reflecting the broad-based weakness in aggregate demand and the modest pace of the recovery. Medium to long-term inflation expectations continue to be firmly anchored in line with price stability. 』

物価の先行きリスク(上下バランスです)。

『The risks to the outlook for price developments are expected to be still broadly balanced over the medium term, with upside risks relating to stronger than expected increases in administered prices and indirect taxes, as well as higher commodity prices, and downside risks stemming from weaker than expected economic activity.』

ということで。



2013/08/01

お題「FOMC声明文である/久々に決定会合議事録ネタで俊ちゃん鑑賞会である」

会見無しの分声明文の作り込みを考えましたというか、これ読んでいてFED文学として第一級の芸術作品だなあこりゃ、と思いましたけど。

○FOMC声明文である

今回はSEPも会見も無いので声明文だけの公表っす。

http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20130731a.htm(今回)
http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20130619a.htm(前回)

・第1パラグラフその1:景気現状判断の文言がFED文学の最高峰じゃないかと思う件

景気判断の文言の解釈が無茶苦茶難しいというか、これが今回の最大の芸術部分だと思います。以下は(いつもそうですけど)ドラめもんの中の人があたしゃこう思うんだけどねという解釈であって、本人は解釈するのに20分くらいああでもないこうでもない考えた結果ですけれども、当然ながら勝手読みの可能性があるので一つの考え方として以下よろしくでありますよ(とヘッジクローズという名の逃げを打つ^^)。

つーことで冒頭一発目の表現はこのように前回と比較されます。

『Information received since the Federal Open Market Committee met in June suggests that economic activity expanded at a modest pace during the first half of the year.』(今回)

『Information received since the Federal Open Market Committee met in May suggests that economic activity has been expanding at a moderate pace.』(前回)

はてさて、一発目からややこしいのですが、景気判断に関する部分が「経済活動はmoderateなペースで拡大を続けてきている(has been expanding)」としていたのが、今回「経済活動はmodest(これはmoderateより弱い)なペースで今年の前半において(during the first half of the year)拡大を続けた(expanded)」という表現になっていますな。

モデレートがモデストになっているので判断文言として弱くなっているのはその通りなのですけれども、動詞の使い方が現在完了進行形だったものを過去形にしておりまして、しかも「今年の前半」という言い方にしているのが物凄くお洒落というか芸術品だと思うのよね。

つまり、前回声明文は「モデレートなペースでの拡大が続いている」という判断だったものを何でまたここで「今年前半はモデストなペースで拡大していましたな〜あっはっは」という表現に変更できるのかというのは良く良く考えないといかんと思うのですよ。いやまあFEDってそこらの整合性を気にしないというのであれば別ですが、メリケンクオリティでもそういうわけは無い、と思って改めて考えるとこうなるのではないかと思うのですよね・・・・・・・


つまりですな、今回の表現が前回と同様に現在完了足元のペースについてモデストであるという話をするのであれば、まあ単純に足元の拡大の勢いが落ち気味であるという認識を示したのですなあで済むのですが、今回の表現って「モデスト」をわざわざ「今年の前半は」という期間に言及して居る訳でして、それはつまりどういう事かと言いますと、つまりこれは単純に前回の声明文の文言から見て「下がった」と読むのは比較として正確性を欠くという事になるんじゃないかと思うのですよね。ということで「今年の前半」の声明文冒頭にある景気判断部分を引用するとこうなる(6月は前回ですのでさっきの再掲です)のですよ。

1月FOMC声明文「growth in economic activity paused in recent months」
3月FOMC声明文「a return to moderate economic growth following a pause late last year」
5月FOMC声明文「economic activity has been expanding at a moderate pace」
6月FOMC声明文「economic activity has been expanding at a moderate pace」

つまりね、良く考えてみたらFOMC声明文で示されていた景気認識なのですが、年初は概ね一時的な要因としながらも経済活動の拡大が停止しているという認識で、3月になって「昨年末の経済活動拡大状態からモデレートな経済活動拡大へと戻っている」という表現になっているのであって、年冒頭の停止モードからの全体レビューを「モデスト」としているのでありまして、何という芸術作品というのはそういうことでありまする。

前回のモデレートがモデストに変わっているので、見た目景気の現状判断を慎重化しているようにも見えるのですが、良く良く考えると前回の表現が「前回会合以降」の判断を示して居るのに対して、今回の表現は「今年前半」の判断を示している訳でして、そこの表現の変化が下がったと言ってもそもそもその前はどうでしたっけとなると、これは結局前回からの継続という観点での判断が本当に下がっているのかと考えると、まあ表現的に敢えて判らなくしているとしか言いようがないですな。

そして、冒頭の文言を「モデレート」から「モデスト」にしているのも当然作り込みでの工夫が有る訳で、この先に(すいません最初の文章でこんなにああだこうだ書いてまして・・・・・・)モーゲージ金利上昇と物価上昇圧力低下(ようはディスインフレ傾向)に関する言及もありまして、つまりはテーパリングトークヒャッハーの反応をされないように表現を思いっきり工夫しているという点で今回は1級芸術品だと思うのですよね。つまり「実質的な景気判断を下げていない(下手したら上げている)可能性もあるのに判断を下げているかのような表現をすることによって市場の過剰反応を防ぐ」という話。

何故そういう話になるかと言いますと、これまた先の話になるのですが景気の先行き認識に関して回復のペースが「ピックアップする」という表現を使い、しかもそれ以外の表現が前回声明文と同じで、すなわち前回FOMCの判断を踏襲しているとしか思えないので、そう見ると景気判断ってこれ実は下がっていないんじゃないの(うっかりしたら上がっているのかね)とも読めるのですが、今回は説明もSEPも無いので、あまり威勢の良い話をすると市場が過剰反応してケシカラン金利上昇になるのを相当懸念した結果としての表現なのではないかなあ、とまあ20分ほどああだこうだと考えて、おまけにキーボード打ちながら更に考えていくうちにそんな結論になったんですけどどうっすかね。

つまり、長期金利が出口政策ヒャッハーにならないようにという点では確かにハト的というのはあるのだが、それとLSAP拡大停止に向けた動きは依然として別物のような気がするということっす。まあ的を盛大に外しているかも知れないけど。


・第1パラグラフその2:モーゲージ金利上昇について言及

最初の所でクソ長くなってしまって正直スマンカッタ。

『Labor market conditions have shown further improvement in recent months, on balance, but the unemployment rate remains elevated.』(今回)
『Labor market conditions have shown further improvement in recent months, on balance, but the unemployment rate remains elevated.』(前回)

労働市場の部分は前回と同じ。

『Household spending and business fixed investment advanced, and the housing sector has been strengthening, but mortgage rates have risen somewhat and fiscal policy is restraining economic growth.』(今回)
『Household spending and business fixed investment advanced, and the housing sector has strengthened further, but fiscal policy is restraining economic growth.』(前回)

家計消費と企業の固定資産投資に関しては同じ、住宅セクターに関しては前回が「has strengthened further」だったのが「has been strengthening」ですけれども、その次にありますようにモーゲージ金利の上昇を従来からあった財政政策に加えて経済成長の阻害要因として言及しているので、まあそれが住宅セクターに影響を及ぼさない訳が無いと考えると微妙に下げているようにも見えるけど良く判らん。

まあそれよりもこの「モーゲージ金利上昇への言及そのもの」の方が当然ながらポイントになる訳で、つまりは早すぎる出口政策ヒャッハー相場により金利上昇は誠に遺憾に存じますということを示して市場の長期金利の無秩序な上昇に対して牽制していますよというのを改めて示している、ということですが、これ後の方でもダメ押しのように金利に関するのが
有るので後ほど。

『Partly reflecting transitory influences, inflation has been running below the Committee's longer-run objective, but longer-term inflation expectations have remained stable.』(今回)
『Partly reflecting transitory influences, inflation has been running below the Committee's longer-run objective, but longer-term inflation expectations have remained stable.』(前回)

物価の現状判断に関する表現は前回通りです。


・第2パラグラフ:ディスインフレ傾向のリスク認識表明キタコレ&先行き認識の文言が難しい

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(今回)
『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(前回)

ここはまあ良いとして。

『The Committee expects that, with appropriate policy accommodation, economic growth will pick up from its recent pace and the unemployment rate will gradually decline toward levels the Committee judges consistent with its dual mandate.』(今回)

『The Committee expects that, with appropriate policy accommodation, economic growth will proceed at a moderate pace and the unemployment rate will gradually decline toward levels the Committee judges consistent with its dual mandate.』(前回)

ここがこれまたヤヤコシヤなのですが「これまでのペースからピックアップ」となっている割にはこれ以外の文言が同じでして、結局の所そんなに判断を変えていないのではないかとは思われるのですが、1パラの方でモデストという言い方にしているので、こっちを「最近のペースからピックアップする」としてバランスを取っているのか、はたまたこの「recent」は本当に足元のペースの話をしている(のだったら従来のモデレートなペースから見通しが上がることになるのですよ!)のかがヒジョーに曖昧でして実にワカランチ会長にも程がある表現にしていまして、まあ最初のパラだけ独立してみると「下がってるじゃん」と思ってしまうのですが、ここの部分も総合して読むと、結局の所景気判断は単に横ばいなのではないかと思ってしまうという実にこう解釈が難しい表現です。

まあこれもまた長期金利の跳ね上がるを防ぎつつも悲観的なメッセージを出す気は1ミリも無い、というバランスを考えて表現を練った結果の芸術作品だと思うのですけどね(^^)。

『The Committee sees the downside risks to the outlook for the economy and the labor market as having diminished since the fall.』(今回)
『The Committee sees the downside risks to the outlook for the economy and the labor market as having diminished since the fall.』(前回)

昨年秋から比較して下振れリスクが軽減しているというのは前回と同じ。

『The Committee recognizes that inflation persistently below its 2 percent objective could pose risks to economic performance, but it anticipates that inflation will move back toward its objective over the medium term.』(今回)

『The Committee also anticipates that inflation over the medium term likely will run at or below its 2 percent objective.』(前回)

でまあここがキタコレなのですが、2%目標を持続的に下回る物価水準は経済のパフォーマンスにリスクを与えるという所で、ここまでの流れで妙に失業率の注目ばかりが上がる格好になっていた点のバランスを取る(この文言が入った為に前回反対だったブラード総裁が賛成に回りましたがそれは最後に)という形になったのはまあ良い話です罠。物価先行き見通しについても「中期的に戻る」という言い方になりまして、足元のディスインフレ傾向が暫く継続するという見通しになっていてまあここは明確にハトモード。


・第3、第4パラグラフのLSAP部分は前回と全文一致

例によって透かし読みにて確認したので今回分だけ一応引用。

『To support a stronger economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at the rate most consistent with its dual mandate, the Committee decided to continue purchasing additional agency mortgage-backed securities at a pace of $40 billion per month and longer-term Treasury securities at a pace of $45 billion per month. The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction. Taken together, these actions should maintain downward pressure on longer-term interest rates, support mortgage markets, and help to make broader financial conditions more accommodative.』(今回)

『The Committee will closely monitor incoming information on economic and financial developments in coming months. The Committee will continue its purchases of Treasury and agency mortgage-backed securities, and employ its other policy tools as appropriate, until the outlook for the labor market has improved substantially in a context of price stability. The Committee is prepared to increase or reduce the pace of its purchases to maintain appropriate policy accommodation as the outlook for the labor market or inflation changes. In determining the size, pace, and composition of its asset purchases, the Committee will continue to take appropriate account of the likely efficacy and costs of such purchases as well as the extent of progress toward its economic objectives.』(今回)


・第5パラグラフの金利ガイダンス部分はLSAPと金利は別理論を改めて強調

『To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee today reaffirmed its view that a highly accommodative stance of monetary policy will remain appropriate for a considerable time after the asset purchase program ends and the economic recovery strengthens.』(今回)

『To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee expects that a highly accommodative stance of monetary policy will remain appropriate for a considerable time after the asset purchase program ends and the economic recovery strengthens. 』(前回)

わざわざ「reaffirmed」したというのがチャーミングですが、要するにAPPと金利政策は別途のものであって、LASPの拡大を止めるのと金利のノーマライゼーションは全く別箇の議論ですよウェーハッハッハとこれまた市場金利上昇を牽制モードというのがここにも(さっきは1パラのモーゲージ金利ね)あるというのが実にお洒落であります。


以下の部分は前回と同じです。一応並べておきまふが長くて正直スマンカッタ。

『In particular, the Committee decided to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and currently anticipates that this exceptionally low range for the federal funds rate will be appropriate at least as long as the unemployment rate remains above 6-1/2 percent, inflation between one and two years ahead is projected to be no more than a half percentage point above the Committee's 2 percent longer-run goal, and longer-term inflation expectations continue to be well anchored. In determining how long to maintain a highly accommodative stance of monetary policy, the Committee will also consider other information, including additional measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial developments. When the Committee decides to begin to remove policy accommodation, it will take a balanced approach consistent with its longer-run goals of maximum employment and inflation of 2 percent.』(今回)

『In particular, the Committee decided to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and currently anticipates that this exceptionally low range for the federal funds rate will be appropriate at least as long as the unemployment rate remains above 6-1/2 percent, inflation between one and two years ahead is projected to be no more than a half percentage point above the Committee's 2 percent longer-run goal, and longer-term inflation expectations continue to be well anchored. In determining how long to maintain a highly accommodative stance of monetary policy, the Committee will also consider other information, including additional measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial developments. When the Committee decides to begin to remove policy accommodation, it will take a balanced approach consistent with its longer-run goals of maximum employment and inflation of 2 percent.』(前回)

金利政策の運営だのスレッショルドだのの話は(当たり前だが)前回と全文一致。


・第6パラグラフ:票決ではブラードさん賛成に回る

ディスインフレ警戒文言が入ったのでブラード総裁賛成に回るの巻。

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; James Bullard; Elizabeth A. Duke; Charles L. Evans; Jerome H. Powell; Sarah Bloom Raskin; Eric S. Rosengren; Jeremy C. Stein; Daniel K. Tarullo; and Janet L. Yellen.』(今回)

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Elizabeth A. Duke; Charles L. Evans; Jerome H. Powell; Sarah Bloom Raskin; Eric S. Rosengren; Jeremy C. Stein; Daniel K. Tarullo; and Janet L. Yellen.』(前回)

ジョージおばちゃんの反対理由は判で押したようにカワランチ会長。

『Voting against the action was Esther L. George, who was concerned that the continued high level of monetary accommodation increased the risks of future economic and financial imbalances and, over time, could cause an increase in long-term inflation expectations.』(今回)

『Voting against the action was James Bullard, who believed that the Committee should signal more strongly its willingness to defend its inflation goal in light of recent low inflation readings, and Esther L. George, who was concerned that the continued high level of monetary accommodation increased the risks of future economic and financial imbalances and, over time, could cause an increase in long-term inflation expectations.』(前回)

先程来申し上げておりますように、セントルイス連銀のブラード総裁は前回物価上昇力の低さについての警戒をより強く示すべきであるとして反対しているので今回は賛成なのは当然っすな。



○俊ちゃん鑑賞会である

決定会合議事録キタコレ。

http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/record_2003/index.htm/
金融政策決定会合議事録 2003年

まず最初に鑑賞すべきなのは「就任直後の謎の臨時会合」であるが、討議内容云々の前に冒頭から俊ちゃん節が炸裂している事にワロタとしか申し上げようがないので、俊ちゃんの勇姿を鑑賞しませう。

http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/record_2003/gjrk030325a.pdf(7Mとかあるのでご注意)
2003年3月25日開催:議事録

なお、物は画像ファイルなのでアホのようにファイルが重く、ついでに画像なので引用しようとするとタイピングが必要という誠に遺憾な物であります。つまりタイピングは不肖このアタクシが行いましたよって、タイプミスは無いと思っていますが、間違えがございましたら誠に申し訳ございませんと先に謝罪しておきます。

以下、『』つけると見にくいかもなので(引用開始)(引用終了)とします。

冒頭(議事録本文2ページ)から。

(引用開始)
T.開会

福井議長
 それでは臨時の金融政策決定会合をただ今から開催する。

(午前8時3分開会)

遅起き鳥の私が早朝から招集申し上げたような感じになっていて大変恐縮に存じている。特に政府代表の方、突然のコールをかけて大変失礼した。ありがとうございます。

U.臨時会合開催の趣旨および議事進行についての説明

福井議長
 まず最初に議事進行を説明させて頂く。最初に私から、臨時会合の趣旨説明、あるいは論点の提示といったことを簡単にさせて頂きたいと思う。その後執行部から市況動向について簡単に報告してもらう。その後討議だが、趣旨説明のところでも申し上げるが、イラクとの戦いが始まったことを受けて、それをも含め、当面の対応を議論するパート1と、より基本的に今後の政策運営、これをパート2と、一応二つに分けながら討議をした方が良いのかなと思っている。そのパート1、パート2の討議が一巡したところで政府代表の方から発言を頂戴したい。それを受けて、その後、議案の取り纏め、採決に入りたい。最後に議事要旨の日程の承認という順で行いたいと思う。今日は臨時会合でもあるし、今日の討議の結果、あるいは結論を東京市場が開いている間に公表すべきではないかと思っていて、そういう観点から効率的な議事進行に協力を是非お願いしたいと思っている。そういう趣旨で開始時間も8時とやや異例の早さにさせて頂いた訳である。初めての議長ゆえ不慣れで、不行き届きのところも沢山あると思うが、その点をお許し頂きながら、効率的な中にも、是非活発な討議を期待している。

まず、政府からの出席者だが、財務省から谷口副大臣、内閣府から小林審議官である。宜しくお願いする。なお、いつも申し上げていると思うが、会合の中での発言は全て記録するということになっている。委員、ならびに政府からの出席者は、そのことを踏まえて発言頂ければと思う。
(引用終了)

・・・・・・・・とまあここまではちょっと微妙(コールだのパート1だの^^)ながらも普通なのですが、この次がもう俊ちゃんですよ俊ちゃん!!議事録本文3ページの上段から引用再開。

(引用開始)
ではまずはじめに趣旨説明、あるいは論点の提示を私から簡単に行いたい。

ご承知のとおり日本経済、国内需要が自律的な回復力を欠いている、あるいは乏しいという中で、株価の低迷や不良債権問題など大きな問題を引き続き抱えていて、経済のベースラインがフラジャイルである、外的なショックに対して脆弱な状況にある。こういう基本認識は恐らく皆、共有しているのかなと思うが、そのうえに3月20日からイラク情勢が急展開を遂げている、今後の影響、その帰趨は極めて不透明だという状況である。従って、まず第一に金融市場の安定確保を中心にして、当面の危機対応をここでしっかり検討しておく必要がある。既に、これまでの政策委員会・決定会合の決定内容に従って、執行部において対策本部も設けながら流動性供給を中心に必要な対応をしてきているが、やはりこの決定会合の場で改めてきちんと対応振りについて点検し、確認頂く必要がある、あるいは必要な追加措置をお決め頂く必要がある、これがナンバー1である。それからイラク情勢が今後どう展開するかよく分からない。巧くいかない場合には多少長期化するかもしれない。あるいはシナリオどおりというか、あるいは表面上短期で終結したという場合でも、やはり各国、特に日本経済に対してボディーブローのように、ダウンサイド・リスクがおよんでくるという心配も全くない訳ではないと思う。元々、これまで日本銀行が進めてきた金融緩和政策の効果が十分浸透している部分と、実体経済への効果、というところまで目を通すとなお不十分な面を残している部分、そのうえに新たな条件が加わってきているということも考慮に入れて、今後のより基本的な金融政策の展開ということを考えた場合に、金融緩和の枠組みを今日から、新しいメンバーも加わった今日から討議を開始するという意味合いを今日の会合に持たせるべきではないかと、このようなことが今日会議を招集させて頂いた趣旨である。こういう認識に立って今日は、敢えて臨時決定会合ということにさせて頂いたが、今申したとおり当面の対応ということ、そして少し長い目でみた政策の枠組みの検討の開始ということで議論をして頂きたいと思う。
(引用終了)

俊ちゃんのカタカナ発言・・・・・・・・・(^^)

で、この後の部分でも非常に味わいの深い所があるのですが(^^)、本日は俊ちゃん節鑑賞会ですので、途中ちょっと飛ばして議論が始まった中での俊ちゃん節をちょっとだけ拝見しましょう。

W.金融経済情勢に関する討議および金融政策運営に関する討議・決定
1.金融経済情勢および当面の金融政策運営に関する討議

の議事録本文12ページから始まる俊ちゃん発言なのですが、ちょっと前半割愛して13ページの辺りから本領を発揮しているので途中から引用します。

(引用開始、福井議長の発言の途中から引用しています)
それから今最後に説明のあったいわゆるロンバート貸出、これについては5日間という規制、これなどは少し緩和してこの貸出のファンクションを強化する必要があるのではないかと、こんなことが問題意識である。なお、問題意識をもう一つ付け加えさせて頂くと、株価におよんでくるリスク、それへの対応ということである。先程日本経済は引き続き脆弱な基盤のうえに立っている、最初の基本認識のところで申し上げたが、幾つものファクターがあるが、やはり金融システムが株価の変動と連動しているという点がその大きな弱点の一つである。今後株価にどいうショックが及んでくるか、全く不透明であるが、もし及んでくれば、もっとも経済に直接的な打撃を与えかねないとも心配される。この点を念頭に置きながら考え得る対応はないかという点も、問題意識のナンバー2として議論して頂ければと思う。

もっともこの点については、日本銀行は既に銀行保有株の買取り措置というものを実施してきている。この買取り枠の拡大の可能性という点について、実はこの点に限れば政策決定会合マターではないということだが、全体の危機対応ということに絡む問題としては、必要があればこの場で議論を出して頂いて結構である。

以上問題意識の説明、極めて簡単に申し上げた。以上の点を中心に、政策委員方の意見を伺いたいと思う。今日の議論の仕方は、このパート1については、トゥール・ドゥ・ターブルという形ではご意見を求めない。皆様方から順不同で自由に発言頂ければと思うが、従来の議事進行のルールは私は承知していないが、ランダムになってもいけないので、ご発言を希望の方は手を挙げて頂ければ私が指名させて頂くという形で議論を纏め上げていきたいと思っている。そういう進め方で宜しいか。
(引用終了)

フランス語キタコレ!!ですが更に議論が始まって17ページの所でもついでに引用します。


(引用開始)
福井議長
 会議を招集させて頂いた私の気持ちだけを参考までに申し上げれば、イラクの問題というのはやはり会議を開く重要なきっかけになっているということは事実だと思うが、議題に載せた点は、大きく言って、これは本当にセパレートかどうかも疑問だが、一応大きく分けて二つのことについては、議題に載せたからには、いずれもやっぱり重いと私は思っている。非常にロングランに議論していかなければいけないことと、今日できちんと結論を出さなければいけない当面の対応、この性格の違いはあると思うが、決定会合で議論する以上、やっぱり相応の重みを持って世間も受け止めてくれるように議論を尽くすべきであるし、また当然世間はそのようにみてくれるのではないかと私は期待も持っているということである。取り敢えず私の気持ちはそういうことである。
(引用終了)

・・・・・・・・・・話が進むうちに益々絶好調になってくるのでお暇な人はご鑑賞あれ(^^)