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2018/12/28

お題「1月輪番予定でしたな(大汗)/10月決定会合議事要旨ネタの続きで無駄に暑苦しく悪態の巻」

公共放送「NY市場が下がって取引”始まる”」でニュースになってしまうとはww

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181228/k10011762071000.html
NY株価 一転し大幅値下がりで取り引き始まる
2018年12月28日 0時01分株価・為替

『26日、過去最大の上げ幅を記録したニューヨーク株式市場のダウ平均株価は一夜明けた27日、米中貿易摩擦や景気の先行き不安が再び強まり、一転しておよそ300ドルの大幅な値下がりで取り引きが始まりました。』(上記URL先より)

これはチャートの上下で轢死体になっている人たちが続出ですな。

バカみたいなボラを抑制するために高速取引が可能な今のシステムが取引の安定や投資家保護のために適切なのかどうか、ということを検討する・・・・・・訳はないと思いますが、昔の「注意気配制度」という一般投資家にも優しい制度(=システムでの値付けに場立ちによるバイカイでの手法を取り入れてみたような仕組み)はよくできた制度だったと思うんですがねえ(ブロックトレードしたけりゃ場外でやってくれ)・・・・・・・、などというのは典型的な老害脳ですかそうですか。

#そして老いぼれ爺さんらしく昨日の渾身といいたいがただのマジボケだった話から参ります


〇1月輪番予定表は昨日でした(超大汗)、で変更なしとな

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2018/rel181227c.pdf
当面の長期国債等の買入れの運営について

『日本銀行は、長期国債等の買入れについて、弾力的に実施することとしており、当面、以下のとおり運営することとしました(2019年1月4日より適用)。
── 次回公表は2019年1月31日17時を予定』

ということですっかり昨日は大ボケにも程があるプレイをかましてしまいまして誠に申し訳ありませんが、しかしまあ足元の状況ってオペがどうのこうのというよりも話が大きくなっているのでして、まあ円債村でしか注目されないイベントにあっさり戻っている感じはしますが・・・・・・・

0−1年:100-1000、月2回(変更なし)
1−3年:2500-4500、月4回(変更なし)
3−5年:3000-5500、月4回(変更なし)
5−10年:3000-6000、月5回(変更なし)
10−25年:1500-2500、月4回(変更なし)
25−40年:100-1000、月4回(変更なし)
物価連動国債:250、月2回(変更なし)
変動利付国債:1000、隔月1回(変更なし)

お、おぅ・・・・・・・・・・・

今回は多分市場予想の中心は「10年輪番を5回→4回にして1回が5000億になるようにレンジを作る(3500-6500または3000-7000)」だったと思う(実際に5000になるのかは月初一発目の輪番にならないと分からんけど)のですが、市場コンセンサス(たぶん)を外して回数5回でレンジも据え置きで来ました。

でもってその5回の日程を見ると、『1 月 4 日、9 日、17 日、 25 日、30 日 』ってなっていまして、「入札翌営業日の輪番」が相変わらず残っているうえに、今回は何と1月4日に月初1回目の輪番になるという手厚い10年過保護政策になっております。

・・・・・・・でですな、まあ最初にこれ見て思った(というか多分普通に円債村の方々は思うんじゃないかって感じですが)のは「ヘイヘイピッチャー円高にビビってるよビビってるよー」って奴でして、昨年12月から今年の1月という流れの時って、12月に債券需給がタイトになって、散々減額予想がある中で何もしないでいたら年明けの超長期入札を市場の意表をついて減額して来てその後リバーサルレートヒャッハーとかになった訳ですが、今回の場合は先々週金曜の長期輪番で4500→4300に落として来たところで、それを踏まえると月末に輪番を5回→4回にする布石ですなとか思われていましたし、そもそも市場のコンセンサスが4回に回数削減(よって月額ベースで減額)だったところだったので、それに乗っかっても特段問題は無かったと思うの。

然るに、市場のコンセンサスを外してまで長期輪番の5回を維持し、しかも入札前(&年末年始連休後)にも長期輪番を入れてきたっていうのはこれはもうどこからどう見てもヘイヘイピッチャー以下同文ってことになりますわな、と思います。いやまあこれでいきなり4日の長期輪番が4000億円になったら大爆笑しますが、まあさすがにそんな闇討ちを2回やるようなことはしないと思います(個人の感想です)ので、これは足元のパツキンズラご謹製の円高株安相場にビビった(ビビったからこそ4日に輪番を用意しておいた)ということになるわなあという話になると思われます。

でまあ多分株安円高(のうち基本は円高)を警戒して今回は本来乗って差支えの無かった円債市場の減額織り込みに乗らなかった(うえに10年過保護政策を強調した)という事だと思う(というかそれ以外の理由が考えられない)のですが、ちょっと警戒しすぎだなとは思う訳でして、そもそも足元の市場は米国株式ドリブン(またはパツキンヅラドリブン)となっていて、昨日だって輪番予定表発表の時に何かドル円って円高っぽくなっていましたが、それはダウ先物が下がるとリスクオフでドル売り円買いになっている、というような図式で動いていただけで、株式市場にしても外国為替市場にしても日銀の政策に関しては、よほどとんでもないサプライズでも打ってこない限りは完全スルーモードになっていて、今回は注目度下がりまくりという図だったと思うので、本当は目立っていない時なんて絶好の輪番減額ボーナスステージなんですけれども、それでもビビりました、という所なんでしょうな。

でまあこうなりますと、来月は余程の事がない限り輪番は動かしてこない(月末どうなるかは今から予想するのほぼ意味がないのでパスしますが動かない方が無難とみてくるかも)という話になるでしょうなーと思うのでありました(個人の感想です)。


・・・・・・・とまあこれ単体で考えた場合にはそういう事ですなというのは理解可能なのですが、輪番減額する中で、外部要因によって金利がドドーンと下がった時に、やろうと思えば特に問題が起きそうもない輪番の減額、しかも発行対比での買入が一番多い年限の所を減額できずにステイになったという流れというのは、これまでの減額モードからの整合性が取れないという理解になると思うのと、もう一つもしかすると禍根を残す可能性があるとすれば、「実はこの政策って金利低下局面になると打つ手が無くなってしまうのでは」という点への確信度を高めてしまったという可能性も否めない所でして、せっかく2週間前にしれっと減額を上手く実施したのに勿体無いなあとは思うのでした。

あとは均衡イールドカーブとの関係で今のカーブはどうなんですか、というアセスメントをお願いします、という一番答えようがない質問を飛ばされたときに、金利が下がる前にも減額したのに金利下がったら減額しないという話になりますと、それって均衡イールドカーブが下方シフトしているのか、必要な緩和度合いが高まっているのかのどっちかだと解釈できますけれども、日銀はどちらで見ているんでしょうか、みたいな質問(だいぶ嫌がらせ成分が高いですけど)したときどう整理するのかな、というのは気になります(^^)。


とまあそんなことで。これで10年過保護の姿勢に戻ってしまったので長期輪番の減額タイミングは難しくなりましたな(個人の感想です)。


〇10月金融政策決定会合ネタの続き:これでは単なる「主な意見」の継ぎはぎではないかという危機感

ということで昨日の続きですけれども。
http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2018/g181031.pdf

本文13ページ目からの『V.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要 』の最後のパート、『次に、委員は、金融政策運営の観点から重視すべきリスクとして、 長期的な視点からみた金融面の不均衡などについて議論を行った。』の部分が何というかかんというかでして、ここをネタにするのにはちょっと時間と降圧剤を必要とするという感じだったので今日に先送りになってしまった訳ですよ。では参ります。

・全般的に何を言っているのか分からない個別意見が並んでいるのですが・・・・・・・・・・・

ということで本文15ページのケツの方からになります。

『委員は、これまでのところ、資産市場や金融機関行動において過度な期待の強気化を示す動きは観察されていないとの見方を共有した。一方で、委員は、低金利環境や金融機関間の激しい競争環境が続くもとで、 金融機関収益の下押しが長期化すると、金融仲介が停滞方向に向かうリスクや金融システムが不安定化するリスクがあるとの認識で一致した。そのうえで、委員は、現時点では、金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどから、これらのリスクは大きくないと判断されるが、金融機関の収益動向がその経営体力に及ぼす影響は累積的な ものであることも踏まえ、先行きの動向を注視していく必要があるとの認識を共有した。』

というのはまあ大本営発表部分なのでさておきましてここからを鑑賞。


『こうした点に関し、一人の委員は、地域金融機関では、経費控除後の貸出利鞘が過去の平均信用コストを下回る中で、 ミドルリスク企業向けの貸出等を増やしており、将来、仮に景気後退局面となって信用コストが顕在化した場合には、加速度的に収益悪化が進む可能性には留意が必要であると指摘した。』

FSRの指摘通り。

『また、複数の委員は、 金融機関の収益悪化については、低金利環境だけでなく、人口や企業数の減少、それに伴う競争環境の激化など、構造的な要因も強く影響していることから、金融仲介の機能度についても、この点を踏まえ、より多面的に点検していくことが重要との認識を示した。』

どう多面的に点検するのかがさっぱりわからん。

『ある委員は、 金融システムに関するリスクを点検する際には、不動産市場における不動産投資信託(REIT)の拡がりなど、モデルでは必ずしも描写しきれない構造変化を含め、様々な要因に目配りする必要があると付け加えた。』

うーんこの。

『この間、一人の委員は、金融仲介機能の低下や金融面の不均衡の蓄積といった問題に対応するための政策ツールとして、金利変更などの金融政策に焦点を当てる見方も見受けられるが、金融システムの安定確保を目的とするプルーデンス政策の重要性を見落としてはならないと指摘した。そのうえで、この委員は、金融仲介機能は金融政策の重要な波及経路であるため、金融政策運営面からも、その持続性確保に配慮する必要はあるが、その場合でも、金融機関収益そのものの動向ではなく、金融緩和効果を全体として阻害するリスクや、 マクロ経済全体にマイナスの影響を与えるリスクをどう評価するか、 といった視点が重要であると述べた。 』

この人の言っていることに関しても何となく言いたいことは分からんでもないのですけれども、じゃあ具体的に何をどうするのか、という話が少しでも示されているのであれば、具体的なイメージをしやすいですし、大体からしてこういう話があったら他の人が「具体的にどのような局面をイメージしているのか」という話をして、そこからこの見解のブラッシュアップが行われていって政策論としてロバストなものに成長していくと思うんですよ。

然るに、なんかこう(この前の各人のお話もそうですが)今回の議事要旨における政策論の部分って、ふわふわとしたイメージの話が会議の会場にふわふわと飛び交っていて、各人が好き勝手に自分の見解は言うものの、それに対する議論が行われるでもなく、ただの青年の主張全国コンクール状態になっているんとちゃいますかとか考えると非常に寒いものを感じるんですよね。まあ議論ができそうもないのが政策委員にホイホイと送り込まれるんですから仕方ないのでこれは任命責任の世界でもあるのですが、まあ会見でのあの姿勢を見れば想像できますように、そもそも論として黒田総裁が議論を尽くして政策のブラッシュアップを行っていこうという姿勢があるとは思えず、執行部がお膳立てして来たのを与党審議委員の数で押してしまえってな感じで運営しているから(個人の妄想です)議論が活性化しないし議論が活性化しないから政策がブラッシュアップされる機会も無いので、結果としてロバストではないその場しのぎチックな政策が継ぎはぎされるってことなんじゃないのかね、とか頭から湯気を出しながらこの辺を読んでいたのですが、この次のパラグラフを見てアタクシもうぶち切れですよ。


・政策担当者としてあるまじき見解を表明しているとアタクシは思う(評論家なら有りだが、という意味)

ということで本文15ページの下段の段落である。

『このほか、ある委員は、金融業の規模に対して十分な借入需要がな いという構造問題は、過度にリスクを取ることではなく、利益のあがらない仕事を止めることで対応すべきであり、また、これは金融政策によっても解決することはできないと指摘した。』

『そのうえで、この委員は、金融政策にできることは、十分な金融緩和を早期に行うことで デフレを防ぎ、名目GDPを拡大させることにより、全ての産業の名目の生産額を増大させ、経済の調整コストを引き下げることであると 述べた。』

どこかで見た気がする文章(種明かしは後程)ですがこれは酷いとしか言いようがない。前段の部分ですけれども、人口減少などの問題で借入需要が中々伸びないという点は金融政策では解決できない、という部分についてだけ言えばそれはそうなのですが、問題はこの人「過度にリスクを取ることではなく、利益のあがらない仕事を止めることで対応すべき」とか平然と言っていること。

というのはですね、これ銀行業態の話をしていると思うのですが、銀行業態って公益に資するってことで、色々と制約があるというのが現実問題としてある訳ですし、その証左としてマイナス金利政策を日銀がぶっこんだ時には国会だかの答弁で黒田総裁は「預金金利はマイナスにならないでしょう」みたいな話をしていたりした訳ですよ。特に地域金融機関の場合、地域経済を支えるという公益に資する部分だってある訳で、「儲からないから預金にマイナスチャージしますよ」とか「この地域の店舗は全部廃止な」みたいなことをそう簡単にできるような建付けになっていない訳ですよ。

そらまあ確かにオーバーバンキングの改善が必要というのは事実としてあるのですが、特に地域金融機関だとその一方で「地方創生」とか政策でやっている訳で、そういう所での協力もしないといけないでしょうし、もっと過去にさかのぼれば、かつての金融行政による業態棲み分けによって業務制限が色々とあるという状態を戦後(第二次大戦後)延々と続けていたという過去の経緯がある中で、突如金融自由化してお前らは収益力の多様化が出来てないからダメ銀行とか言われてもふざけるなよというお話な訳ですよね。

まあそんなこんなというのがあるのに、この審議委員は、「過度にリスクを取ることではなく、利益のあがらない仕事を止めることで対応すべきであり」とか簡単に言い切ってしまうのが、政策を担っていく一員としての自覚に極めて欠ける発言だと思うのです。しかもこれがまあ一般の企業だったらこういう言い方で済ますのもありかもしれませんが、銀行業というのはそう簡単に割り切れるものではないし、だからこそ日銀やら金融庁やらがああだこうだと行政的に色々と管理監督している訳で、そういうバックグラウンドに関する理解もまるでなくて評論家のような話をする政策責任者って何なんだよ今すぐそこの窓から(以下の部分は内務省検閲により削除されました)。

・・・・・・・とまあ暑苦しく悪態を申し上げましたが、この「過度にリスクを取ることではなく、利益のあがらない仕事を止めることで対応すべきであり」というのを入れたが為に、こことその先の部分がまた整合性としてどうよという話になっているのですな。つまり、

『そのうえで、この委員は、金融政策にできることは、十分な金融緩和を早期に行うことで デフレを防ぎ、名目GDPを拡大させることにより、全ての産業の名目の生産額を増大させ、経済の調整コストを引き下げることであると 述べた。』(再掲)

って話をしているんですが、金融緩和政策は経済の調整コストを引き下げるという効果はありますが、一方で借入コストを下げることにより、事業の限界的な損益分岐点を引き下げるという効能があって(だからこそ投資の拡大を促すんだが)、それは一面収益性の低い企業を温存するという事にもつながるって話な訳で、しかも財政部門が真っ赤っ赤で民間部門が絶賛黒字という状況で企業部門までカネ余りになってしまっている中で、大規模金融緩和を拡大し続けるってのは、潜在的に信用リスクの高い先に対して低い金利で貸さざるを得ない状況を作っている、ということでございまして、「過度にリスクを取ることではなく、利益のあがらない仕事を止めることで対応すべきであり」とか言ってるそばからおまいらがそうできないような政策を行っているんだという認識は無いのか、とまあそういう話になる訳で、これまた評論家にもほどがあるわということでして、まあこの8行(議事要旨PDFのベースです)の文章を見てこれだけ湯気がポッポーと出てくる辺り釣られ過ぎなのかもしれませんが、こんな昼寝をしているような話が我が国の金融政策決定会合で行われていると思うと泣きたくなりますし、これに対して何らかのインタラクティブな議論は無かったのかと小一時間ですけど、まあアタクシの想像通りジンバブエ先生だったりすると、あの金懇を見ればわかるように、そもそも別の意見の人と議論ができるような人ではない唯我独尊おじさんなのは明らかですから、議論にならんでしょうなあというのもわかるけど・・・・・・・・・・・


と年末も押し迫っている中朝っぱらから湯気ポッポーのアタクシはこの段落の次の文章に行きます。

『この間、一人の委員は、金融政策では財政の持続可能性や潜在成長率の低下という日本経済の課題を解決することはできないとの考え方があるが、現実には、「量的・質的金融緩和」の導入以降、 景気の拡大を通じて雇用や財政は改善し、潜在成長率も安定しているとの見方を示した。 』

という事になっていて、一昨日の経団連の講演で黒田総裁もその話に関してアピールしていたのですけれども、そこにも何だかなあというツッコミを満を持して用意していておりまして、まあこちらも同様で「QQEでこのような効果があった」という話になっているが、それ本当にQQEの効果なのか?他の効果によるものじゃないのか??という話やら、政策効果とか言ってるけど最終的にはこの政策の異例な部分って巻き戻していかないといけないのに、その際のコストを無視してませんかねえとか、そういうツッコミがある訳ですよ。

でまあこの前段のが多分ジンバブエ先生だと思うのですが、後半の「この間、一人の委員は」の人が誰なのかよくわからんというか、リフレ3馬鹿のもう1名(なお櫻井さんはリフレカウントされません、念のため)という感じで、ジンバブエ先生の金融に関する政策責任者とは思えない発言に同調してこういう話をしました、ってなもんですから、幾らなんでも(総研だから銀行員とは言い難いですけど銀行直の総研だったら銀行業が通常の民間事業会社と同じように割り切れるものじゃない部分があるくらい肌感覚で身につくでしょうという意味で)片岡さんではないでしょうと思いまするに、これは銀行業とか全然知ってそうも無いバじゃなかった若田部副総裁様なのではないかとか思うと背筋が寒くなって参りますな、ナムナム。


〇そもそも今回の議事要旨の政策論議部分が「主な意見」の継ぎはぎじゃんという件について

http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2018/opi181031.htm/
金融政策決定会合における主な意見 (2018年10月30、31日開催分)1
2018年11月8日  日本銀行

・・・・・・・ということでこちらはHTMLバージョンも出ています(PDFバージョンは上記リンク先にリンクがあります)ので、これを見てみますと、特に昨日の後半と今日ネタにした『V.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要』ってこの主な意見の『II.金融政策運営に関する意見』の継ぎはぎじゃんという事に改めて気が付くわけですよ。

でもってこれ出た時のアタクシの駄文が11月9日にありまして、
http://www.doramemon7743.sakura.ne.jp/doramemon1811.html#181109

この時も、

『決定会合主な意見ちゃん登場。
http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2018/opi181031.pdf

んでまあ登場しているのは良いのですが、「おまいら本当に議論しているのか」という感じが漂う「主な意見」という風情でありまして、今まで出ていた中でもトップクラスに首をかしげてしまうような出来に仕上がっております。まあ四の五の言わずに鑑賞鑑賞。』(アタクシの11月9日の駄文より)

ってなっていまして、要するに今回の議事要旨の政策に関する部分って「主な意見の継ぎはぎ」であって、よくよく見れば今回アタクシが湯気ポッポーになった最終パラグラフだって主な意見の中に、

『・金融業の規模に対して、十分な借入需要がないという構造問題を、金融政策で解決することはできない。金融政策にできることは、十分な金融緩和を早期に行うことでデフレを防ぎ、名目GDPを拡大し、金融業を含むすべての産業の名目の生産額を増大させることで、経済の調整コストを引き下げることである。』

・金融政策では財政の持続可能性や潜在成長率の低下という日本経済の課題を解決することはできないとの考え方もあるが、現実には、「量的・質的金融緩和」の導入以降、雇用や財政は改善し、潜在成長率も安定している。』(以上10月決定会合「主な意見」より)

ってな形で載っていて、ジンバブエ先生と思しき部分に関しては途中のふざけた文言が入っていないので、これだけだとふーんで終わってしまう代物だったのですが、そこに端折られていた主張がもう一つ入ることによって何だこれナメトンノカという正体が明らかになりました、というような感じではありますな。

・・・・・・・・ということでまあそれはそれでわかったのですが、この「単なる主な意見の羅列(やや主な意見を詳しく書いているものもあり)」というのが「議事要旨」になってしまうっての何だよそれはという話でございまして、要するにお前ら議論していないだろというのを示している、というか事実として全然議論が成立していない、というのを満天の下に曝け出す、という作業を行っていると思えば、この議事要旨は「金融政策決定会合の議論が全く建設的に行われていなくて、各政策委員が勝手にしゃべっているだけの集いに堕落しているということを満天下に示す」という効能(?)を狙った作品だと思えば、作品としての意味はあるのかな、とか思うのでありますが、中身に関しては目を覆いたくなるような状態で、もう見てらんないです悲しいです。


#とイカリ心頭滅却してしまいましたので総裁の経団連講演ネタは年末年始に投下する暇があれば投下しますし、無い場合は4日以降にドバドバ投下します


〇ということで年末のご挨拶

えーまあすいません年末だというのに湯気ポッポー悪態になってしまいまして無駄に暑苦しくて誠に申し訳ございませんでした。来年はもうちょっとジャパンの金融政策的にマシな年になってほしいものですが、まあ全然期待はしておりませんで、この限界集落が全部なくなってしまうような事の無いように願いつつしぶとく生き延びていこうと思います。

しょうもない文章にお付き合いいただきましてありがとうございます。来年もまたよろしくお願い申し上げます。皆様良いお年をお迎えください(平伏)。






2018/12/27

お題「10月決定会合議事要旨は政策インプリケーション特にないのに謎のツッコミ大会をしてしまうま」

ワロタ。
https://jp.reuters.com/article/usa-trump-fed-idJPKCN1OP14S
2018年12月27日 / 03:13
米FRB議長、解任の恐れなし=CEA委員長

見境なく暴れまわるもんだから問題の根源がパツキンヅラのせいであるという認識が広がって火消しモードになっているのは結構結構。とは言いましても元凶のパツキンヅラに反省の文字はなく、豹変するのって相手がどこぞの将軍様みたいな同類の人間の時というのがなんともかんとも。

でまあ昨日はジャパンの株式市場も最後の最後に先物方面から誠意が見られたようですが、誠意を受けたかどうか知らんけど米国株も盛大なるリバウンドの巻ですと今日はあんぎゃーにはならないけど、ここまで戻ると結局はボラ上昇とかそういう奴にはなると思いますが、まあ今朝は市場雑談はスルーしておきまして日銀から出た紙シリーズでも。


〇10月決定会合議事要旨は何と申し上げて良いのやら・・・・・・・(呆)

http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2018/g181031.pdf

・先に全体的な感想なんですがこれ議論ちゃんとやってるのかよという疑問が

・・・・・・・・と申しますのはですね、ここ数回その傾向は明らかにそうだなとは思うのですけれども、今回の議事要旨って全体的に「この人たちは何を論点にして議論しているのかというのが非常に読み取りにくくなっている」という印象なのですよ。まあ背景としてオイボレジジイのアタクシの知能が日々絶賛低下しているだけだったら残念無念ではあるのですが、一応そこまでのことは無いとしますと、特に今回に関しては賛成派反対派問わずなのですが、委員の意見に関する欄の記述が要領を得ないというか一読してわからんというのが多いと思うの。

でね、事務局(議事要旨の1ページ目の最後の方にお名前が並んでいたりする)を見ましても別に人が大きく変わったわけでもないので、事務局が急にヘッポコ化するわけもなく、たぶんこれって各審議委員の意見に対して議論が行われていなくて、皆が揃いも揃って「言いっぱなし」になっているから、皆さんの意見の論点が整理されない(自分だけで考えた意見って結局のところ人と話をしていかないと論点が整理されない、というのは心当たりある)まま陳列されている、ということになっているのではないかと思うのですよね。

ということですので、まあ議論になっていないこと夥しく、議長はどういう差配をして要るんだと思いますが、まあ元々そういうのやる気もなさそうですからねえ。


・情勢分析と展望レポート部分は別にどうという事も無いが微妙な意見だけ晒してみる

盛大にワープして『U.金融経済情勢と展望レポートに関する委員会の検討の概要』から。

何か海外市場に関する話が妙に長いのですが、まあ長いだけで大した話はないのですが、これは直近になって読み返されると残念というものがあった。本文5ページの一番下のあたり。

『このうちの一人の委員は、米国の株価下落は、一部のIT関連企業に 対する過大な期待が調整された面があるほか、株価の下落が為替市場に波及していないことからみても、市場が、先行き、米国経済は堅調を維持するとみていることを示していると付け加えた。』

「株価の下落が為替市場に波及していないことからみても」、「市場が先行き米国経済は堅調を維持するとみていることを示している」って理屈がさっぱり分からんのですが、これは一体全体どういう理屈によるものなのでしょうか。

・・・・・・・でですね、それこそこういう意見が合ったら「何で為替が動かなければそうだと言えるのか」と誰かが突っ込んで、それに対してこの意見を言った人が「こうこうこういう理屈だよ」って議論が起きていれば、それを踏まえて議事要旨の方でも、その論点を含んだ書き方になると思うのですよ。でもって議事要旨作っている方が手抜きでそこを端折っているという可能性は無い訳ではないのですけれども、理屈として明らかにそこは途中の説明が必要だろという物件がそのままポーンと出てくるというような見せ方はせんじゃろ常識的に考えて、と思うので、まあこういう「何かよくわからん理屈」が議事要旨にそのまま出て来ちゃうあたりに発言した人が言いっぱなしモードになっているから、事務局もそのまましか書きようがない、ことになっているのではないか、とまあそう思う次第なのですけど、こんな感じのが後からも出てきますのでお楽しみに。


海外経済の話の部分で米国の話ですけど二つほど、場所はまたワープして本文6ページの最後のあたり。

『ある委員は、財務制限条項を緩めたコベナンツライト・ローンの増加やサブプライム自動車ローンの延滞率上昇などがみられており、今後の金融面の動向を注視していると述べた。』

これ米国の話ではあるのですが、金融面の動向という意味ではこの手の物件を対象とするミューチュアルファンド経由で日本や欧州などのサーチフォーイールド軍団が利回りクレクレ状態になっていたりする訳でして、米国経済云々よりも金融不均衡の観点から注視して頂けるとありがたいですな。

でまあこれは良いんですがその次が唸ってしまう。

『この点に関連して、別のある委員は、循環要因を調整した株価収益率はリーマンショック時を上回っているが、それだけで市場の過熱感を判断することはできないほか、家計や企業の債務残高は、リーマンショック時ほど極端に積み上がってはいないことから、現時点で、金融面の大きな歪みは生じていないとの見方を示した。 』

「それだけで市場の過熱感を判断することはできない」という最初の所は良いんですが、それを否定する理屈が「家計や企業の債務残高は、リーマンショック時ほど極端に積み上がってはいない」だとそれは理屈になっていないというか、そもそもリーマンショック前ほど積みあがっていたらそれは地獄の一丁目でありまして、比較するものを間違えてませんかねえと思いました。

・・・・・・・とまあそんな感じで別に読み物としてもおもろくないので展望レポートの議論の方に飛ぶ。


・展望レポート物価部分の検討の辺りから

『2.経済・物価情勢の展望 』という本文10ページ目から。

最初の方はどうでもいいですが、物価がアガランチ会長の話のあたりから幾つか見てみる。

『一人の委員は、最近の物価上昇の遅れについては、長期的な需要停滞が供給力の低下をもたらすという、いわゆる履歴効果(ヒステリシス)に基づくデフレマインドや、ここ数年の生産性向上等の物価下押し要因が複合的に作用しており、需要不足という単純な要因によるものでないことは明らかであると述べた。 』

今日ネタにする予定で満を持して(ウソ)ツッコミどころを考えていた年末恒例の経団連での総裁講演の中でも「状況が複雑」みたいな言い方をしていて、複雑化という話をするのがすっかり言い訳としての仕様になっているのですが、そもそも「単純な要因によるものではない」のであったらどのような政策を実施すべきか、という話に行かないと政策論として意味がない訳でして、いろいろとゴテゴテクリスマスツリーの如く電飾や飾り物を施した政策ですけれども、基本的にQQEというのがあって、その最初にあったQQEのコンセプトって物凄く単純な「大規模金融緩和でインフレ期待に直接働きかける」「物価はいついかなる時も貨幣的現象(byミルトン・フリードマン)」というものだった訳ですから、装飾物いくらくっつけても基本の部分が単純というかナイーブな政策だった訳で、もし複雑というのを認めるのであれば、政策そのものをスクラッチから再構築していくべきだと思うのですが、そういう話にはならないのがもう負けを認めないジャパニーズ官僚思想の権化という感じではありまして悲しい。

でまあ物価上昇のメカニズムとかいつも通りの議論になっていますが、最後に反対の片岡さんの意見があって、これはどういするわという代物になっています。まあつまりは今の物価上昇メカニズム自体が砂上の楼閣どころかそもそも楼閣にすらなっていないだろいい加減にしろということだからなんですけどね。もう本文11ページの中段まで飛んでしまいました。

『この間、別の一人の委員は、需給ギャップの拡大が物価を押し上げにくくなっている可能性があることや、予想物価上昇率が弱めの動きを続けていることなどを踏まえると、現時点では、この先、2%に向けて物価上昇率が伸びを高めていくとは判断できないと述べた。』

「需給ギャップの拡大が物価を押し上げにくくなっている可能性」はまあ可能性というよりは既にそうじゃんというのが思いっきり出ている訳で、ではそれを踏まえてどうするのかという話になってくるのでして、それに関する片岡さんの理屈は政策提案のところで出てきます。理屈はその通りだが問題はその手段でその理屈が達成できそうもないこと、というのが残念無念。

でまた1ページくらい飛んで(それほど見るべきものがないということです)本文12ページの下段。

『このうち、中長期的な予想物価上昇率の動向について、委員は、先行き上昇傾向を辿るとみているが、企業の賃金・価格設定スタンスが積 極化してくるまでに予想以上に時間がかかり、現実の物価が弱めの推移を続ける場合には、適合的な期待形成を通じて、予想物価上昇率の 高まりも遅れるリスクがあるとの見方で一致した。』

ここはいつもの話ですが、次のを唐突に出すのも何かなと思ってマクラにしてみただけです。

『一人の委員は、需給ギャップが拡大するもとで現実の物価が上昇し、適合的期待形成を通じて予想物価上昇率も上がることがメインシナリオではあるが、その前提となる海外経済について下振れリスクが高まっていることは 気がかりであると述べた。』

ということは1月展望レポートでどういう認識になってくるのかなこの人、とちょっと思いました。

『この間、別のある委員は、プラスの需給ギャップのもとで物価の上昇が遅れているが、これは、企業の生産性向上の取り組みが物価上昇を抑制するなど、以前に比べて物価変動メカニズムが複雑化しており、先行きの不確実性も高まっていることが影響しているとの見解を示した。』

まあ執行部系がそういう説明になっているんだが、だからどういう政策論になるのよ、という話が進んでこないのがどうなのかと思うのでした。


・7月の柔軟化を評価している部分があまりと言えばあまり大臣という感じの酷い認識で債券市場が泣いた

かどうかは知らんけど、『V.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要』の部分は例によってツッコミどころが多いという話になります。まずは上記小見出しの部分になりますがこれが泣ける。

『委員は、7月の金融政策決定会合で決定した「強力な金融緩和継続 のための枠組み強化」について議論を行った。』

ほう。

『ある委員は、民間エコ ノミストへのアンケート調査によれば、政策金利のフォワードガイダンスの導入以降、「日本銀行が早期に利上げする」との見方が大きく減少していると述べ、こうした結果は、強力な金融緩和を粘り強く続 けていくという日本銀行の政策スタンスに対する理解が進んでいることを示しているとの見解を述べた。』

ちょっと何言ってるんだかわからない。そら柔軟化という名前で1回利上げじゃないけど利上げみたいなのをしたら「早期に利上げする」が減るの当たり前だろいい加減にしろと思いますし、そんなのよりもそもそも論として民間何とかストのサーベイとか、ちゃんと分析している人とベンダーが適当に選んでいるようなのが混在しているようなものを見てどうこう(例えば某B社のサーベイとか30人近くいると思ったが、3分の2はカカシか自分の思想をただ述べてるだけで真面目に分析してそうなの数えるくらいしかおらんがなという話)というよりも、金利市場の動きの方を見てくれよと思うのでした。はっきり言ってあのサーベイとかほとんどゴ(爆発音の為以下聴取不能)。

『何人かの委員は、国債市場の流動性や機能度を示す指標が、ある程度改善していることを踏まえると、 7月に決定した金融市場調節や資産買入れの弾力的な運営は、概ね狙いに沿った効果を発揮していると指摘した。』

あっそう。

『このうちの一人の委員は、 7月の決定以降、国債金利は経済・物価情勢等に応じて多少変動するようになっているが、これは、強力な金融緩和効果がしっかり確保されていると評価しうる範囲内の動きであるとの認識を示した。そのうえで、この委員は、長期金利が多少なりとも変動しうるとしたことで 政策の持続性が担保された結果、そうした対応をせずに単に金利水準を維持する約束だけをした場合に比べて、フォワードガイダンスに対する信頼性は高まったとの見解を述べた。 』

前半はまあ良いんだが後半の「フォワードガイダンスに対する信頼性は高まった」の結論になる理屈がさっぱりわからんし、大体からしてこれ委員の議論のせいなのか事務局が端折り過ぎなのか分からんけど、今の日銀のフォワードガイダンスって「QQE+YCC政策持続のコミット」、「オーバーシュートコミットメント」、「政策金利水準のフォワードガイダンス」があって、たぶんここでいうガイダンスは政策金利のガイダンスの話だと思うのだが、そもそもどれなのか明示してほしかったし、政策金利のガイダンスだけだったら別に柔軟化しないでガイダンスだけ入れても良かった話で、柔軟化した時に更なるおかわりを要求されないためのガイダンス導入という順番の筈で、こういう評価をするのがそもそも変じゃねえのと思うのですがどうなんでしょうか。

ということで、7月の措置に関する評価の部分が物凄くピントがずれた意見しか出てきてないのが非常に悲しいし、政策が複雑化した結果、これやっている方ですら政策の組み合わせがわけわからなくなっているという恐ろしい状態である、ということを示しているのではないかと思うとうすら寒いものを感じます。


・政策運営スタンスの部分も議論というよりは意見発表会ですがこちらも読んでいて引っ掛かる話がががが

『続いて、委員は、金融政策の基本的な運営スタンスについて議論を行った。』というのは本文13ページのケツになるので、14ページの辺りがこれまたツッコミ大会というかで。例によって途中からなので本文14ページの上段の辺りから。大勢の意見はこうですよ、というのの後から。

『また、ある委員は、 金融システム面の副作用について慎重に点検しつつ、現行の金融緩和を続けることで、マクロ的な需給ギャップがプラスの状態をできるだ け長く維持し、物価上昇を粘り強く待つことが肝要であると指摘した。』

ということで持久戦ということですがマイナス金利は持久戦向きじゃないんだよな、という話にならないのが残念です。

『別のある委員は、過去に金利を引き上げた後に景気が悪化し、かえって長期金利が低下した局面があることを指摘したうえで、現在は、強力な金融緩和を粘り強く続けることが重要であり、こうした考え方は、 金融機関にも理解されるようになってきていると述べた。』

物凄くジンバブエからの風を感じてしまいますが、そもそも「金利を引き上げたら景気が悪化」とか言いますが、どの水準が中立でどの水準が引き締めなのかとか、そういう話抜きに単に「金利をあげたら景気が悪化し」となってしまうの話が乱暴すぎるし、ちょっと金利上げたくらいで景気が悪化するというのであれば、それはそもそも今までの金融緩和政策が碌に効いていないことを示すので、QQEの成果を大々的に自慢している側から微調整も許さんみたいな説明するのおかしくないですかね。しかしこの最後の「金融機関にも理解されるようになってきている」というフレーズが金融機関の皆様の神経を全力で逆なでするだろというのは気が付いているんだか気が付いてないんだか知りませんが、単に喧嘩を売っているだけだから言い方を何とかした方が良いと思います。

『この間、一 の委員は、名目長期金利を長期にわたって「ゼロ%程度」に誘導した場合、長期的な実質金利の動向等によっては、金融緩和が予想物価上昇率に与える影響がかえって低減する可能性がないか、注意する必要があると述べた。そのうえで、この委員は、政策の枠組みとしては 緩和方向を維持しつつ、金利変動幅や金利操作目標年限等について、 柔軟に検討していくことが重要であると指摘した。』

柔軟化検討の話の人に悪態つくのも何なのですが、この前半の理屈は背景説明をもうちょっと入れてくれないと何でそう言う風になるのかが分からない。つまり「長期的な実質金利の動向等によっては」というのがあまりにもフワッとしすぎていて、どういう事態になるとそうなり得るのかの説得力がないように見えるんですが、こういうのだってツッコミが入って前向きの議論が起きていたらもうちょっと議事要旨の書きっぷりも変わったのではないかと思ってしまうの。

『一方、ある委員は、 2%に向けて物価に加速感がみられない現状を重く受け止める必要があり、こうした中にあって、市場の一部で言われているような更なる長期金利変動幅の柔軟化を行えば、2%の実現に対する日本銀行のコミットメントを揺るがしかねないとの認識を示した。』

これ(次が片岡さんなので)ジンバブエかな、と思いますが、まあこの理屈はわかる。更なる柔軟化とかやるとそもそもYCCって何なんだよという話になる訳で、だったら政策枠組みの見直しをした方が良いと思う。結論として出てくる政策論は多分この意見の人とは逆になると思うのだが、無原則に柔軟化の拡大をするというのはおかしいというのには賛成。

『また、ある委員は、適合的な期待形成を通じた物価上昇経路が本格的に機能し始めるには、想定以上の時間を要するため、物価目標の早期達成に向けて は、予想インフレ率に直接的に働きかけることが特に重要であるとの見解を示した。』

これは片岡さん。

『そのうえで、この委員は、金融緩和の強化とともに、 政府との政策連携ももう一段強化する必要があるのではないかと述 べた。』

予想インフレに直接働きかけるのは今まで成功していないだけに、こういうフワッとした話だけではなく、メカニズムも含めてもうちょっと具体的な話を入れて頂きたいし、それで政策委員会の中でちゃんとした議論をして頂きたいと思うのだが、これだと「憲法9条を世界に広めて戦争の無い世界を」と言ってるのとあんまり変わらんので、もうちょっと具体的に議論を見える化できるような工夫が欲しい。いやまあ実際はこのことについて議論していて議事要旨の方では端折られている可能性もあるけど、たぶんこの感じだと片岡さんが言いっぱなしでおしマイケル、という感じだと思う。


〇ひえー思いの外時間が掛かってもうちょっとあるのですが(涙)

さて10月決定会合議事要旨ネタをここまでお送りしましたが、実はこの次になりますところの『次に、委員は、金融政策運営の観点から重視すべきリスクとして、 長期的な視点からみた金融面の不均衡などについて議論を行った。』から先の所が政策的な話ありエンターテイメント(=侮蔑表現)ありと大変結構なのと、経団連での総裁講演というのが昨日あって、これもまた政策的な部分が若干とエンターテイメントなのがあったりして、まあネタが割とあったのですが、事前準備をしている暇と体力があまり無かったので、誠に残念なことに大納会まで引っ張るの巻になります。まことに相済みません。

#来月の輪番予定(ちなみに10年は回数4回にしてくると思う、5000じゃなくて4800でどうよこの金利水準だったら、とは思うけど普通なら5000×4ですよね、または5000×4にして入札翌日というのを遂に外すとか)がありますから皆さん明日も出勤ですよね!!!!!!!!!!!(白目)






2018/12/26

お題「日米相場雑談世間話ですいませんすいません」

トランプェ・・・・・・・・・・・

http://www.afpbb.com/articles/-/3204008
「まだサンタを信じてるのか?」 トランプ氏、7歳の子どもに発言し炎上
2018年12月25日 18:37 発信地:ワシントンD.C./米国 [ 米国, 北米 ]

『トランプ氏はこの日、メラニア・トランプ(Melania Trump)夫人と共に応対係として参加。7歳の子どもからの電話に対し、最初は「やあ、コールマンかな?メリークリスマス。元気かい?君は何歳かな?」と当たり障りなく対応した。』

『しかしその後、決して言ってはならないことを口にしてしまった。』

『「まだサンタクロースを信じているのかい?7歳といったら大人と子どもの境界線だろう?」』(以上上記URL先のAFP通信社ニュース記事より)

こういう小学生がするマウントみたいなのをやっているとかもうアカンよねと思う訳でして、お前らは星新一のショートショート「ある夜の物語」(単行本「未来イソップ」に収録されています)でも読んで心を洗って来いと小一時間問い詰めたい。


・・・・・・・しかしこれはですよ、もう日本と致しましては「リーマンショック級」を使って消費増税を延期するという荒業の株価対策がございますので、新春に安倍ちゃんどうせ伊勢神宮に行かれる訳でして、その時に年頭インタビューっぽいのもあるでしょうし、前回もリーマンショックを言い出して他のサミット参加者をポカーンとさせた賢島にも近いことではありますので、年初一発目に消費増税延期打ち込むしか無かとよとか申し挙げたくなります。

#今回は軽減税率だのポイント還元だのがあるから決断のタイムリミットは近いでしょ


〇落としどころがどうなっているのかという問題でしょうな(トランプ)

昨日は東京の前場中にこのような記事が出てきて情けないやら呆れるやら。とにかくこの調子じゃアカンバイという認識が益々昨日の株式市場の売りなんだか投げ何だかを加速させたんちゃうのかとかも思ってしまいます。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-25/PK9PBA6JTSE801
米財務長官、株安の責任取らされる恐れ−大統領が解任検討と関係者
Margaret Talev、Andrew Mayeda、Ben Bain
2018年12月25日 10:48 JST

→大手銀首脳や金融監督当局トップと協議も投資家の懸念解消に至らず
→FRB議長解任の権限ないなら財務長官をいけにえと大統領が検討か

というリードから出てくる記事が中々のアレ。

『トランプ大統領はこれまでツイッターへの投稿やインタビューで、市場動向への不満をパウエルFRB議長にぶつけてきたが、今後の矛先はムニューシン長官に向かう恐れがある。トランプ大統領の考えに通じている関係者1人によると、大統領はムニューシン長官の解任を検討しているという。また別の関係者は、ムニューシン長官の在任期間は相場がどのくらい下がり続けるのかによっても左右される可能性があると語った。』(上記URL先より、以下同様)

これはいわゆる一つの八つ当たりって奴ですかね。

『ムニューシン長官と金融監督当局者との電話会議後、米株は下げ幅を拡大し、S&P500種株価指数は1年8カ月ぶりの安値で終了した。トランプ大統領はスケープゴート(いけにえ)を探し続けると考えられ、パウエル議長を解任する権限がないと認めた以上、それはムニューシン長官になりかねない。』

どう見ても他人に責任転嫁をするジジイですが、こんなのについて行くというのは出世の見込みがない人か、在任中に自分にウマーな施策をぶっこむかとか考えるようなロクデナシしか来ないんじゃないですかねえ。

『元財務省当局者で現在はビーコン・ポリシー・アドバイザーズでマネジングパートナーを務めるスティーブン・マイロー氏は、「ホワイトハウス内にはムニューシン氏のことを好ましく思わず、喜んで犠牲に差し出す人がたくさんいる」と発言。「ムニューシン氏はこれまで、トランプ大統領に好かれており、大統領に忠実ということで守られてきた」と説明した。』

・・・・・・・・・・・このパラグラフの部分における説明に色々なものが集約されている感じで、結局のところすべての問題はトランプに集約されていますというお話なのですが、本人に反省という言葉は存在しないので、そうなると物理的いや何でもないです。


〇でもって日本の方のお話でも少々

ジャパンネタといえば今朝のインターネット版ロイターさんのトップは

https://jp.reuters.com/
でして、あたくしが駄文を書いている今の時間ですと、真ん中のところに「オピニオン:平成時代に変貌した日本企業、「株10万円」への布石=武者陵司氏」という12月25日の記事らしきものがあるのですが、アタクシの徳の積み方が足りないために肝心の記事へのリンクを踏むと何もないページが出てくるという事案がががが。
https://jp.reuters.com/article/opinion-ryoji-musha-idJPKCN1OO03X

#正確にはF5で更新すると一瞬文章が見えてくるのだがすぐに見えなくなる

いやまあ別に今更ムーシャ先生のストラテジーとか正直言ってどうも良いのですが、まあそうは言いましてもムーシャ先生ですので、この記事の今後の扱いが気になっております(笑)。まあ記事が無かったことになるのは普通過ぎてインプリケーションよー分からんのですが、それよりもここでまさかの記事差し替えになって日本株式市場は地獄の窯が開きましたレポートという方向に一気にムーシャ先生がドテンして頂きますとそれは大変にアレなソレになる可能性もあるので、別にネタにする気も無かったのに思わずページ表示を何回か調べてしまいました(笑)。

でもって単に足元の数字を踏まえた解説が出てきて結局「株10万円」の話は変わらないというオチになるんジャマイカとは思いますが・・・・・・・・・・

というのはマクラみたいなもんでで発行計画と債券市場参加者懇談会。


でまこの議事要旨見ますと、債券市場参加者会合は債券先物12月限様がやたら強くなっている時期の会合でして、12月5日とか債券先物が猛威を振るったものの、チーペストが▲10bpの所で一旦頭打ちした日、6日は何故かこの水準からブルスティープの日になったとかで、まあ相場だいぶ変ですなという感じではありました。

http://www.boj.or.jp/paym/bond/mbond1812.pdf
「債券市場参加者会合」第8回議事要旨


『 1.開催要領

(日時)銀行等グループ(24 先) 12 月 5 日(水)16 時から
    証券等グループ(23 先) 12 月 6 日(木)16 時から
    バイサイドグループ(21 先) 12 月 7 日(金)16 時 45 分から
(場所)日本銀行本店
(参加者)「債券市場サーベイ」等に参加する金融機関の実務担当者
(本行出席者)金融市場局長、金融市場局総務課長、同市場調節課長、同市場企画課長』


でまあそちらのご意見を確認。

『・7 月の政策の枠組み強化以降、日本銀行による弾力的なオペ運営により、円債市場でのボラティリティが幾分高まっており、取引も一頃よりは活発になっている。』

『・一部の年限を除き国債発行入札の翌営業日にオペが実施されなくなったことのほか、オペの頻度削減や減額により、外部環境や需給環境に応じたポ ジションの調整が促され、柔軟な金利形成に繋がっていると感じる。』

ってこの時期既に先物が怪しくなってきている時なんですけどねえと思うのですが、この手のヒアリングで「忖度」をしているトンチキは居ないと思うのですが、変な忖度をしてしまうと、まさに現場の兵士が現地の参謀将校に対して戦況の報告をゆがめるということになってしまい、戦略どころか戦術とか作戦レベルがグダグダになってしまうのでお前は何を言っているんだとは思うのだが個人の感想ですと言われてしまうとぐうの音も出ない。

『・日本銀行による大量の国債買入れが継続する中、銘柄間の需給の偏りがみられており、特にチーペスト銘柄の需給が逼迫している。 』

全くで。

その次の『債券市場の機能度・流動性についての見方』が面白い。

『・債券市場の機能度・流動性は、このところ低い状況にあったが、7 月 MPM 以 降、海外金利に連動して国内金利が変動する場面もあるなど、回復に向けた 動きもみられ始めている。』

まあ今になって見ればわかりますが、マイナス金利+YCCって外部環境ファンメタに変化が生じて金利が下がりだすと機能度も流動性もあばばばばーになるという仕組みなんで金利が下がって色々おかしくなりだした時にこの見解というのはちょっと。

『・依然として本邦固有の経済・物価情勢が円債市場に与える影響は限定的な 中、オペ運営への注目度はなお高い。機能度が低い状況には変わりはない。 』

『・ビッド・アスク・スプレッドなどの指標をみると流動性が改善しているよう にもみえるが、引き続き、大口のロットでの取引は難しい状況にあり、国債 発行入札の翌営業日等、ある程度流動性を期待できるタイミングであってさ え、意図したロットおよび価格で取引できないことがある。 』

大変に結構な説明でして、こういう所で悪態をきちんと言わないと戦況が現場師団の師団作戦参謀にきちんと伝わらなくなって酷いことになるんですな。でまあこれ発言まとめているのは当然ながら金融市場局のスタッフの筈で、こういう説明にちゃんと文章が出来ているという辺りを見ると、現場師団の作戦参謀には話は伝わっているようで誠に結構。

これが毛沢東主席の人民公社訪問見学モードになってしまうとそら作戦は失敗するわという話であり、こういう席で自分の為だけのポジショントークするのはダメダメだと思うけど、忖度して戦場で起きている話を丸めて伝えるというのはマジで止めて頂きたい。特にこんな惨状になっているんだから。

『レポ市場では、日本銀行の保有割合が高い銘柄の流動性が低下した状態が続 いている。そのもとで、証券会社がレポ市場でショートカバーを行うことが 困難になっており、投資家の注文に積極的に応えられず、証券会社のマーケ ットメイク余力が低下している。 』

『現物国債と長国先物の関係性がこのところ不安定であるため、金利変動リス クのヘッジを行いづらい』

全くその通りですな、でもってこういう説明をするときに(実際にそういう説明しているかもしれないですけれども)「証券会社のマーケ ットメイク余力が低下している」だけではなく、それが結果として何をもたらすのか、という話をするのが吉だと思うの。いわゆる「運用部ショック」ってのは直接には大蔵省資金運用部の国債買入がちょろっとだけ減ったという話ですが、その背景にはその前にあった東証の先物システム変更によって債券先物市場の流動性が極端に低下し、その結果「証券会社のマーケットメイク余力が低下している」という状況があった中での事案でした、みたいなことを認識共有するのが題字でしょうなあと思うの。


『市場調節運営』の方からですがこちらは悲痛

『今後もオペ運営の弾力化が進み、市場の機能度が更に回復することを期待す る。 』

『日本銀行による国債買入れのストック効果もあって、中長期的にはイール ドカーブ・コントロールに必要な国債買入れ額は減少していくとみている が、市場の機能度・流動性の更なる改善や、需給逼迫への対応のため、今 後は、一段とスピード感をもって買入減額等を進めていただきたい。』

中々悲痛な叫びで。

『市場の価格発見機能を高めるためには、市場参加者の注目がオペ運営よりも 経済・物価情勢等に向かうよう、国債買入れ日程を数か月先まで公表したり、 買入金額のレンジをより狭めるなど、オペ運営のさらなる透明性向上を進め ることが考えられるのではないか。』

どうなんですかねえ、そんなに先までやっちゃうと却って硬直的になりませんか???

『多額の国債買入れの結果、市中残高が少ない個別銘柄も多く、市場動向如何 では、マーケットメーカーとして顧客のオーダーに応えることが難しい場面 が増えている。国債補完供給があくまでバックストップとしての制度であることは認識しているが、限度額などを見直して、一層使いやすくすれば、市 場機能の向上に役立つのではないか。 』

これね、確かにQQE政策やっている時限定だったら、QQEで需給ひっ迫での弊害防止措置で、SLFの常設ファシリティ化とかいうのはアリなのかもしれないのですが、スクイーズ行為に関する規制みたいなのが存在しないので、常設ファシリティ化した時に要りもしないチーペストをジャンジャン借りてしまってから玉締め上げとかやる浅ましさに程があるので天罰が落ちて然るべきみたいな輩が普通に出てくるだろと思いますと、意外にこれ制度設計が難しい。

『このところのチーペスト銘柄の需給逼迫感を踏まえると、日本銀行が保有している銘柄を売り出す等の流動性改善策を検討してはどうか。』

日銀によるスイッチングオークションとかもその一環ではあるんですけど、日銀って会計上売買目的で持っている訳ではない筈なので、スイッチングオークションみたいなのをやった時に受動的に出ていく国債があって、売買目的でもないのにホイホイと売買が出て行ってしまうというってどうなのよ系の話が出てくるので、オペレーション技術以外の所が問題になりそうな気がします。(会計の詳しい話はあたくしもそこまで詳しくないので中の人だれか教えてくらはい(平伏土下座))

最後にその他

『・足許では、日本銀行と市場参加者のコミュニケーションが奏功して、国債買 入れオペの運営に対する市場の不安が和らいできている印象がある。今後も 丁寧なコミュニケーションを継続していただきたい。』

まあそうだろうなと思うのだが、毎日オペの当てっこをするのをレポートネタにしている(以下自主規制)。

『・流動性・機能度が若干改善したとはいえ、引き続き円債市場では収益をあげ づらい環境にある。こうした状況が続くもとでは、各金融機関が円債市場に 充てる人員は減少せざるを得ない面がある。こうした人材面の影響は目に留 まりづらいが、累積的な性質を持っていることには留意が必要であろう。』

そらそうよ。


〇国債発行計画と輪番(の冒頭だけ)

先週出ていましたなすいませんすいません
https://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/fy2019/181221.html
平成30年12月21日
財務省
平成31年度国債発行計画等を策定しました
平成31年度国債発行計画等を、次のとおり策定しましたのでお知らせします。

ということで「平成31年度カレンダーベース市中発行額 (PDF:129KB)」は下馬評通りに2、5、10、20の月額1000億円の減額となりました、個人的には5年2000で2年は無しでも良かったと思うけど。

で、これと輪番の関係というのを作ってみたのですが、さすがのアタクシもこのケースだとエクセルの検算を何回か行っていまして、それやっていると時間がない(単にアタクシが冬至の影響で起床がノロいのが悪い)ということもございますので頭出しメモだけで勘弁してつかあさい。


〇その他ネタで今更感のあるパウエル会見ですが(予告編)

パウエル会見、会見の中身ではタカ派っぽいキーワードを連ねてアルゴとかも意識したんジャマイカとの評判になっているのですが、質疑応答の前のオープニングリマークの方ではかなり言い方を慎重寄りにしている感じで、これ色々と工夫しているんでしょうけれども、策士策に溺れるというか、自分の尾を追う犬状態になってボラをふりまいたり、自己実現的なこみゅにけーしょんがでてくるリスクもあるなあとかそんなことを思いながらネタにするつもりなのですがこちらも時間段取り的なアレがございまして、(もうちょっと段取りする時間があればなのですがまあ年末なもんで、汗)予告編で勘弁させていただきます。




2018/12/25

お題「米国市場が今日もおはぎゃあああああ/総裁会見は覇気無しやる気なしモード」

本日もおはぎゃああああああああああ!!!!ございます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181225/k10011758741000.html
NY株価下落続く 650ドル超下げ 1年3か月ぶり安値水準
2018年12月25日 4時55分

『トランプ大統領をはじめホワイトハウスの動きも、市場にはむしろマイナスに働いている」と話しています。』(上記URL先より)

(;∀;)イイシテキダナー


〇というわけで米国様があばばばばーのようなのでメモメモ

まあアレだ、俺様備忘用と雑談という事で勘弁してつかあさい。なおネタは毎度恐れ入りますがロイターのネット版からで恐縮至極。

https://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPKCN1ON13Q
2018年12月25日 / 04:49
米国株は大幅続落、政治動向に不安

『24日 ロイター] - 米国株式市場は短縮取引の中、大きく続落して取引を終えた。ムニューシン財務長官が市場急落阻止チームを招集するなど政治動向に不安が広がり、S&P総合500種.SPXが弱気相場入りに近づいた。』(上記URL先より、以下同様)

とまあそういう状況のようですが、そもそも財政で吹かした結果持ち上がった部分が剥落したというので馬鹿騒ぎになってしまう時点でこの政権大丈夫かという感じですし、だいたいからして下げたの馬鹿大統領があちこちに無駄に喧嘩を吹っかけて回っているからだろいい加減にしろという感じではありますが。

中々良いまとめになっているので以下続けて引用しますと、

『クリスマス休みを控え、主要3指数が2%超下落して取引を終えた。S&P総合500種は9月20日に付けた終値最高値を約19.8%下回って引け、下落率が弱気相場入りの節目とされる20%に近づいた。翌日のクリスマスを控え、この日は米東部時間午後1時(日本時間25日午前3時)に取引を終えた。』

そしてこれ。

『ムニューシン氏が、市場急落を阻止するチーム(「プランジ・プロテクション・チーム」)の電話会合を招集したことが、相場の重しとなった可能性がある。』

(;∀;)イイハナシダナー

『TDアメリトレードの首席市場ストラテジストは「ムニューシン氏の意図は非常に評価できるが、『市場が知らない、より大きな問題が存在するのか』という疑問が広がったのだろう」と話す。』

こっちの記事だと詳細が無いですが、その前にはムニューシンが大手金融機関に流動性供給を要請するというお前は何を言ってるんだというか、素人丸出しのプレイに出てアカンヤロ感を強めていたという事案がありましたな。そのうえ・・・・・・・

『株式相場が下落する中、ムニューシン氏は23日、大手米銀トップと電話協議を行った。このほか政府機関閉鎖や、トランプ大統領が連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長解任の可能性を非公式に議論したとの報道も材料視された。』

電話協議の方がその流動性供給云々ですが、ここでパウエル解任してどないするんじゃというか、そもそも普通にやってりゃ巡航速度で好調だった経済に対して財政を無駄に出して変に過熱させに行って、その側からFRBのプットがあるみたいな前任前々任からの流れがあるから株式市場が何でもかんでもヒャッハーヒャッハー言ってしまってきたのが9月くらいまでの流れだった訳でございまして、それに対して淡々と中立金利っぽい所に向けて利上げしますよって話をしたり、過熱していた時には中立金利よりもちょっと高くなるかもしれませんよって話をしたりして、市場のヒャッハーモードの火消しをしていたのがFRBなんですけどね。

『UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのトレーディング戦略部門幹部は「市場はワシントンの動向に懸念を抱き、市場の大きな修正に直面する中、さまざまな見方が出ているようで、マイナス材料と捉えられている」と指摘した。この時期の流動性が極端に限られ、少しでも売られると非常に大きな下落を引き起こすと分析する。』(以上引用部分は上記URL先記事より)

でまあこの政府の対応という意味でムニューシン大先生のスットコドッコイ振りに関してというか、流動性云々に関しては以下の記事なんかがありまして、

https://jp.reuters.com/article/us-bank-cnbc-idJPKCN1ON10T
2018年12月25日 / 02:44 /
米財務省当局者、銀行流動性は23日時点でも懸念せず=CNBC

『[ワシントン 24日 ロイター] - 米財務省当局者は、ムニューシン財務長官が23日に大手米銀トップと電話協議を行った際も、銀行システム内の流動性について懸念は持っていなかった。CNBCが24日、財務省高官の話として報じた。財務省は23日のムニューシン長官と米国の大手6行の銀行トップとの電話会談後に公表した声明で「銀行トップは貸し出しに充てる潤沢な流動性を保有していることを確認した」としていた。』(上記URL先より)

ってさあ、そもそも株価が高値から3か月かそこいらで2割下がったくらいで流動性が枯渇するような市場ってその時点でそもそも設計に問題があるだろいい加減にしろという話だし、お前ら前回の金融危機を踏まえて金融機関の資本増強とレバレッジ規制とシャドウバンキング規制やったばっかりだろう何をうろたえているんだという話だし、短期流動性という意味で言えば超過準備をせっせと不胎化しているような状態なんだから何とでもなるだろと思いますし、自分らの政権が傍若無人に大暴れするからこうなっているというのに何をアホな騒動起こしているんだと思いますけれども、だからこそアホウの集団ならではという事なので致し方ない。

とまあそういう状況のようで、まあこのムニューシンの大慌てってのが却って騒ぎを助長するという辺り、どこぞの政権のアホウが「デフレ宣言」とかいう言う必要もないことを言って更に雰囲気を悪化させるというのがありましたが、これだからアレは困るという感じですし、勝手に自国だけでずっこけるなら勝手にコケてろという感じですけれども、米国の場合は馬鹿が世界に伝染するから勘弁してほしいもんです。


ロイターさんの他のニュースだと、

https://jp.reuters.com/article/us-shutdown-president-idJPKCN1ON13O
2018年12月25日 / 04:44 /
米政府閉鎖解消、大統領が保守派議員に影響されている限り困難

『[ワシントン 24日 ロイター] - 米民主党のシューマー上院院内総務とペロシ下院院内総務は24日、トランプ大統領が保守派の下院共和党議員に影響されている限り、政府機関の閉鎖を終わらせるのは難しいとする共同声明を発表した。シューマー氏とペロシ氏は「大統領が下院のフリーダム・コーカス(自由議員連盟)に導かれている限り、上院と下院の双方で承認される解決法を見出し、『トランプ閉鎖』を終わらせるための解決法を見出すのは難しい」との考えを示した。』(上記URL先より)

なるほどそうですか。まあよく考えれば大統領選挙の時には「トランプが大統領になったらこの世の終わり」とばかりに相場が展開していたことを考えれば、まだまだその時に比べて相場ちゃんは全然いい所にいるんですし、今年中盤までのユーフォリアっぽい相場はバブル(という程でもないしフロスとかいう程度のそれも小さな奴)でいい夢見ましたなあと思うのがよろしいんじゃないでございましょうかねえ(棒読み)。


しかしこのトランプの「私言いましたよね」状態はアカン。

https://jp.reuters.com/article/usa-trump-fed-idJPKCN1ON0YF
2018年12月25日 / 01:44 /
米経済唯一の問題はFRB=トランプ大統領

『[ワシントン 24日 ロイター] - トランプ米大統領は24日、自国経済が抱える唯一の問題が連邦準備理事会(FRB)との認識を示した。トランプ氏はツイッターで「FRBは市場感覚に対する認識がない」とし、貿易戦争や強いドル、壁を巡る政府機関閉鎖について理解していないと指摘した。』(上記URL先より)

どう見ても問題はお前だろ貿易戦争とかメキシコの壁とかお前が吹っかけまくっている話じゃんいい加減にしろこのパツキンヅラ野郎てめえはダイエーホークスのヘルメットでも着けてやがれというところではございますな。


・金曜のウィリアムス総裁発言はこちら(あとで詳しく確認してみるかもしれないので備忘用にURL置いときます)

ちなみにウィリアムスが金曜の朝(NYの)にCNBCでインタビュー受けていまして、Transcriptが無いので聴くしかない(しかも20分なので真面目に寝起きで聴ける物件ではない)ので、ご参考にURLを貼っておきます(もしかしたらCNBCなので後で何かフォロー出てくるかもしれないので)。

https://www.cnbc.com/video/2018/12/21/cnbcs-full-interview-new-york-fed-president-john-williams.html
Watch CNBC's full interview with New York Fed President John
10:13 AM ET Fri, 21 Dec 2018
New York Federal Reserve President John Williams sits down with CNBC's Steve Liesman to speak on the economy and the Fed's decision to raise rates for the fourth time in 2018.

同じ時間のニュース記事の短い奴(利上げに関する部分だけネタにしている分ですな)
https://www.cnbc.com/video/2018/12/21/ny-fed-president-2019-outlook-change-rate-hikes-not-guaranteed.html
NY Fed President: 2019 outlook may change, rate hikes not guaranteed
10:17 AM ET Fri, 21 Dec 2018
CNBC's Steve Liesman speaks to New York Federal Reserve President John Williams about the potential for interest rate hikes in 2019.

なるほどまあ「見通しが変わったら利上げペースは変わるかもしらん」という辺りで一瞬市場ちゃんが喜んだらしいとかいう後講釈をどっかで見ましたが、まあ基本的にペースは落としても別にこんなところから緩和にはならんじゃろとは思う(打ち止め感出すにはもう2回利上げしたい所なので、中途半端なところで止まってまだ利上げあるでとなっている方が却ってやり難そう)ので、さてどうなるやら。


ということで本来はここでFOMC後の記者会見ネタが華麗に登場するはずなのですが、何故かここから日銀ネタに話は飛ぶのでした(準備不足なだけですけど、大汗)。


あと、上記の引用した記事群の中にもありましたと思いますが、まあこの時期って歳末大休暇モードになっている上に、歳末決算締め締めモードでそもそもがここからニューポジション取りに行くというのは変態か数字が出来ていなくて背水の陣の最後の勝負をするかというのが外国クオリティと理解しておりますので、一連のコレが年明けになった時に加速したらエライコッチャモードかも知れんし、下げ止まるんだったら皆さん戻ってきて根来鉄砲衆登場ということでまあそんなもんでしたな、という話になると思うので、まあ年末まではもう知らんので年始1月前半次第って感じじゃないですかね、よー知らんけど。



〇黒田総裁定例記者会見:覇気がまるで感じられない総裁答弁だが打つ手がないので致し方なし

ということで決定会合後の定例記者会見である。

http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2018/kk181221a.pdf

・総じて言えばやる気あんのかという質疑

確かにこの後金曜月曜とあばばばばーが加速する前とは言え、なんかこうもうちょっとゴリゴリと追及して頂いてもよかったんじゃないのとか思うのですが。

『(問) 世界経済について、米中両国の対立激化、あるいは原油価格の下落など、世界経済の下振れを示唆する動きが相次いでいますが、日銀が目指している 2%の物価上昇のモメンタムに影響はないのか、総裁のご見解をお聞かせください。』

というのが実質最初の質問(たしか幹事社質問)でしたが、

『(答) 日本銀行としては、わが国経済の見通しについて、確かに海外経済の動向を中心に下振れリスクの方が大きいと判断しています。特に、米中間の貿易摩擦を始めとする、保護主義的な動きの帰趨には注意が必要であると思います。この先、仮に貿易摩擦が長期化するようなことがあれば、この問題は、内外経済に広く影響を及ぼす可能性もあります。』

『もっとも、IMFの見通しによれば、世界経済は、足許幾分下方修正されたとはいえ、2019 年にかけて3%台後半の高めの成長が続くと予想されています。また、先日の短観の結果や、この間の企業ヒアリングなどによれば、 わが国についても、これまでのところ貿易摩擦の影響は限定的なものにとどまっていると考えています。』

足元の市場の雰囲気の話をしている訳でない時点でまあ話す気はありませんよ直近の市場に関する感想は、というのが見え見え、

『こうした点を踏まえると、様々なリスクに注意を払う必要はあります が、現時点では、わが国の景気が、先行き緩やかな拡大を続ける、という中心的な見通しに変化はないと思います。物価面でも、マクロ的な需給ギャップがプラスの状態が続くもとで、引き続き「物価安定の目標」の実現に向けたモメンタムは維持されており、消費者物価の前年比は、2%に向けて徐々に上昇率 を高めていくと考えています。』

これは酷いと言いますか、もう最初から想定問答というよりは展望レポート的な説明をするだけですよ、という宣言をしているような説明、まあ聞く方も通り一遍の聞き方をしているのもあるけどさ。


・追加緩和の手段に関してはYCC導入時の声明文を引っ張り出してきました

次の質疑。

『(問) ECBが量的緩和の年内終了を決め、一方でFRBは来年の利上げペースが鈍化するとみられています。こうした中で、日銀は世界経済が悪化した際の政策の余地が乏しいのではないかとよく指摘されますが、総裁のご見解をお聞かせください。』

まあ何となく想像はできる答えですけれども・・・・・・・・・

『(答) 各国の金融政策は、あくまでもその国の経済・物価の安定を実現する ことを目的として行われていますので、経済・物価情勢が異なれば、各国の金 融政策の内容や方向性に差が生じるのは、ある意味で当然だと思います。』

どうせこう来る。

『そのうえで申し上げると、将来、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するために必要と判断されれば、もちろん適時・適切に追加緩和を検討していくことになると思います。』

という話をわざわざ入れたのは何でかというと、質問にもありましたように「追加緩和の余地がないという見方を否定したい」ということで入れてきたと思うの。

『その際には、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入時に公表した通り、緩和の手段として、短期政策金利の引き下げ、長期金利操作目標の引き下げ、資産買入れの拡大、マネタリーベースの拡大ペースの加速など、様々な対応が考えられますが、いずれにせよ、そうした事態になったときに適切に判断して行うことになると思います。 』

ということで、結局何やるかみたいなのはどうせ出たとこ勝負ということですが、まあわざわざ「追加緩和の余地がある」と答えているのは(もちろん質問されたからというのはあるけど)追加緩和をするしないという問題よりも、「追加緩和が出来ないと思われると甚だ問題が生じる」という認識の下にあるから、という点は日銀執行部も状況は把握しているんだと思う。


・今の質疑に関連して雑談コーナー

急に雑談入れてすいません。上記の追加緩和云々なんですけどね、よくよく考えてみますとここからの追加緩和って先日もちょっと悪態申し上げましたが。「縦の物を横にして緩和と言ってお茶を濁す」というようなのだったらまあ1回くらいはやることがあるのかも知れないですけれども、そもそも論としての問題点は、ここから利下げをするとどこからどう見てもただの金融機関への殺人剣にしかならないし、量を拡大するって言ったって既に量をやったからと言って期待に働きかけるルートが崩壊している以上、やるだけ無駄だし量拡大したら金利は下がらざるを得ない(マイナス金利解除とYCC撤回して量的拡大とか訳分らん事をすればどっちに転ぶかよくわからんけど多分イールドカーブがフラットして結局殺人剣だと思う)ですし、まさかここからETF拡大してどないすんねん、ということでもありますので、まあ要するに「手段は無い」のですよこれがまた(なお一番効くのはマイナス金利撤回だと思うけど追加緩和という名目が使えないので無理でしょ)。

ということですので、1月MPMは展望レポートちゃんでもありますし、何かやるなら検討指示でもいいから打ち込むタイミングではあるのですが、まあここは地蔵になるしかない(もしかしたら1月になってそうだ年初だ頑張ろうの海外勢が復活して相場も落ち着くかもしれませんし・・・・・・・)というか、地蔵以外に手が無い(輪番減らすのはできるでしょうがそのような現場の戦術で何とかなる次元の話ではない)という状況になりましたなウヘヘヘヘヘヘという風情。

まあですね、そんな地蔵モードになっていること自体はさすがに日銀執行部ちゃんも把握していると思いますので、地蔵にならざるを得ない会見場に来たらそら質疑応答が基本的に路傍の地蔵モード(口を開いているから地蔵ではないですかそうですか)となってしまう訳でして、その点では今回の会見がしょうもないのも致し方なし、という事なのかもしれませんね。


・寧ろ「インフレ期待が上がっていないことについてどのように思われますか」と聞いてほしい

確かこれはとある美声の方からの質問。

『(問) 今年 1 年を振り返って頂きたいのですが、総裁は、日本のデフレマインドは思った以上に根強いものがあるとおっしゃっていましたが、今年 1 年で 日本のデフレマインドはどのように変化したとお考えでしょうか。』

もうちょっと詰問調で質問してほしいんですがこの美声のお方。元々が美声で優しい声だからぬるま湯に感じてしまう。

『(答) これはなかなか難しい問題で、色々な指標でみることができると思いますが、典型的には労働市場が非常に引き締まり、完全雇用といわれるように失業率も 2%台前半まできている割には賃金の上昇がやや鈍いですし、物価も、 最近の動きは若干原油の動向に影響されていると思いますが、生鮮食品とエネルギーを除いてみてゼロ%台半ばくらいで動きがやや鈍いです。そうした中で、予想物価上昇率も一時下がった後に上がってきたのですが、このところは大体 フラットで、加速する状況にはまだなっていません。このような賃金・価格の 決定行動、そして予想物価上昇率をみても、1998 年から 2013 年まで 15 年間デフレが続いたもとで生じた、賃金や物価があまり上がらないことを前提にした 考え方や慣行からなかなか抜け切れていないといえると思います。その中でも、労働集約的なサービス業を中心に賃金は上がり、運輸や外食などで価格も上 がってきていますし、最近の短観の販売価格DIも非常に久しぶりにプラスの 領域に入ってきていますので、いわゆるデフレマインドが少しずつ和らいできているとは思いますが、まだそれを払拭するには至っていないのは事実だと思います。 今後を展望すると、需給ギャップがプラスの状況が続く中で、実際の物価上昇率が上昇し、それを適合的期待によって反映して予想物価上昇率も上がっていくことで、徐々に 2%に向けて物価上昇率は上昇していくとみていま す。ただ、そのテンポはかつて考えていたよりもやや鈍いことは事実だと思います。』

という全然答えてねえやという感じでして、結局のところ「人口動態で人手が足りなくなった部分で辛うじてコストプッシュが起きています」「わしらが期待に直接働きかけるのには失敗しました」以外の話を全然していなくて、お前らの当初の目論見全然行ってなくてこの盛大な馬鹿緩和だけは残っているんですがという話ではありますな。


・まあこう答えることになるんだが足元金利低下の評価

ちょっと先に飛びます。

『(問) 米国金利の低下を受けて、日本の長期金利も低下して、イールドカーブもフラットニングしています。日銀では過度なイールドカーブのフラット化 が、金融面への影響を通じて、日本の経済活動にも悪影響を及ぼすと、そのように以前分析されていると思うのですが、現在のイールドカーブのフラット化、もしくは更なるフラット化というものが、日本の経済・物価に悪影響を及ぼす可能性について、今の段階で総裁はどのようにお考えでしょうか。 』

これね、本来つかっていた筈の概念を使えば、経済物価情勢を踏まえた場合に、適正と考えられる緩和度合いを加味したあるべきイールドカーブの姿には変動が生じることもあり得るので、現状の金利低下を特段問題視する必要はない、みたいな話になると思うのですが、これは質問の仕方が悪くて、もっと正面から「リバーサルレート」で斬りかかるべきだとおもうの。

『(答) 2 年前、イールドカーブ・コントロールを導入する前に「総括的な検証」を行ったうえで、超長期等の金利が下がってイールドカーブが過度にフラット化することは、経済を押し上げて「物価安定の目標」を実現するうえで 必ずしも望ましくないため、適切なイールドカーブが実現されるようにしました。』

『今年 7 月の金融政策決定会合では、資産買入れをより弾力的にすることとしました。特に今年の前半は、10 年物国債金利が非常に狭い幅で動き、しばしば取引が成立しないということがあり、国債市場の機能度が低下しているように思われましたので、経済・物価・金融情勢を反映して、もう少し幅広く動くのが当然であるということを申し上げました。』

『今も、欧米の長期金利が下がる中で、日本の長期金利も下がっており、 これ自体は何ら問題ではないと思います。10 年物国債金利の操作目標をゼロ%程度とすることは全く変わりませんし、その変動幅が従来のようにあまりに狭いことは、マーケットの機能度の面で問題があるため、もう少し幅の広い中で、 経済・物価・金融情勢を反映して変動することは認めるということです。』

『私自身は、今の金利変動、特に海外の長期金利の動向を反映して低下しているとい うこと自体は、別におかしいことではないと思っています。』

何で「海外の金利変動」なのかがよく分からん。経済物価情勢を踏まえて、という答えの方が良いと思うし、だったら海外の金利が上昇して日本の金利が上昇した時に何で指値オペ実施するんだよこのスットコドッコイという事になるので答えの仕方が何かおかしい。


・副作用で出口、という質問は無駄なので別の聞き方でお願いします

そもそも「副作用があるから出口」なのではなくて、「副作用が大きくなりそうだから別のアプローチをしてみる」というのが正しい政策論でしょと思う訳で、相変わらずこういう質問をするのもヘボと思いますが、そもそもこの質問にあるように「副作用があるから出口」みたいなマーケットトークをするヘッポコがいるのが悪いので、何とかストとかでそういうの言ってるのいたかどうか覚えてませんが(全部見て回っている訳でもないし)、まあ何だかなとは思います。

『(問) 副作用について追加でお尋ねします。市場では一部でそうした副作用への配慮から出口を探るのではないかという観測があったようです。最近の世 界経済の不安定化で、そうした観測はなくなったようですが、総裁が追加緩和 を示唆する中で、そうした副作用に対してどのように対処していくかと、副作用が既に累積している中で、本当に追加緩和が可能かどうか、追加緩和したと きの影響はどのようなものがあるかについて教えてください。 』

そもそも「総裁が追加緩和を示唆する中で」ってのも何言ってるんだという質問ですが、そらまあこういう答えにしかならんわ。

『(答) 私どもは、あくまでも 2%の「物価安定の目標」を達成することを最 大の使命として金融政策を運営しています。現時点で、出口を探ることは全く ありません。いつも申し上げているように、出口について具体的に議論するのは時期尚早ですので、その点は誤解がないように、今後とも明確に申し上げて いきたいと思います。現時点で、副作用が顕現化して金融仲介機能に障害が出るとか、過度なリスクテイクで将来大きな問題を生じ得るような状況にはなっていません。 更に、わが国の金融機関は潤沢な資本と流動性を持っていますので、今の時点 で、何か問題があるので金融政策を変更することが必要だとも思いませんし、考えてもいません。金融政策は、金融システムを通じて実体経済に影響を与え ますので、金融システムが正常に機能することの必要性は非常によく理解でき ます。その点には十分配慮しつつ、必要に応じて金融庁等とも十分な連携をして、金融システムの健全性を保っていくように努力したいと思っています。 』

とまあそんな感じで。



2018/12/21

お題「決定会合レビュー雑談など」

おはぎゃあああああああございます(この時点でまだ引けてない)。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181221/k10011755041000.html
NY株価 ことし最安値更新 3か月ぶりの円高水準
2018年12月21日 4時53分

こちらは内海プロテクト漏れショックということでよろしいでしょうか(野球脳)。

〇超無風金融政策決定会合にも程があるMPMレビュー雑談

・声明文はまるで超無風ですが・・・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2018/k181220a.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2018/k181031a.pdf(前回)
http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1810a.pdf(前回展望レポート)

昨日の決定会合の結果リリースって11時52分だったと思うのですが、まあ昨日は一応正座して(ませんが)待機していたのですけれども、こっちもワンテンポ遅れて「あ、ベンダーのフラッシュ出たわ」となったので日銀のサイトを更新してPDFを見に行くわけですよ。そしたら何の引っ掛かりもなくすんなりとページは更新されるわPDFは閲覧できるわ、ということでして、そらまあ何も無いのは想定されていましたけれども、この注目のされなさ方たるや笑ってしまうしかありません。

それから昨日の記者会見も、まあ最近は何を聞いても暖簾に腕押し糠に釘な上に、金利が下がってしまいますと話をすることもなくなって、「追加緩和の余地はありますか?」→「あります」というのと「副作用について問題になりませんか?」→「ないです」というパターンしかなくなってしまうという大変に心温まる展開で、たぶん45分くらいで終わってしまっているという会見の短さという所でございまして、こちらももう何の注目も無いということで落涙を禁じ得ない展開になっておりますな。

ということで声明文比較。なお、前回分の引用に関しては編集しやすいHTML版を使っております。HTML版の前回はこちら。
http://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2018/k181031a.htm/(前回声明文)
http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1810a.htm/(前回展望レポート)

政策(ディレクティブ)は変更ないので項番2から。

『わが国の景気は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、緩やかに拡大している。』(今回)
『わが国の景気は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、緩やかに拡大している。』(前回展望レポート)

はあそうですか。

『海外経済は、総じてみれば着実な成長が続いている。そうしたもとで、輸出は増加基調にある。国内需要の面では、企業収益が高水準で推移し、業況感も良好な水準を維持するもとで、設備投資は増加傾向を続けている。個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、振れを伴いながらも、緩やかに増加している。この間、住宅投資は横ばい圏内で推移している。公共投資も高めの水準を維持しつつ、横ばい圏内で推移している。以上の内外需要の増加を反映して、鉱工業生産は増加基調にあり、労働需給は着実な引き締まりを続けている。』(今回)

『海外経済は、総じてみれば着実な成長が続いている。そうしたもとで、輸出は増加基調にある。国内需要の面では、設備投資は、企業収益が改善基調をたどり、業況感も良好な水準を維持するもとで、増加傾向を続けている。個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、振れを伴いながらも、緩やかに増加している。この間、住宅投資は横ばい圏内で推移している。公共投資も高めの水準を維持しつつ、横ばい圏内で推移している。以上の内外需要の増加を反映して、鉱工業生産は増加基調にあり、労働需給は着実な引き締まりを続けている。』(前回展望レポート)

企業収益の所で「改善基調」→「高水準」になったのが変更点ということなのでこれはまあ現状判断は何も変わっていないという評価。

『わが国の 金融環境は、きわめて緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、1%程度となっている。予想物価上昇率は、横ばい圏内で推移し ている。 』(今回)

『わが国の金融環境は、きわめて緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品、以下同じ)の前年比は、1%程度となっている。予想物価上昇率は、横ばい圏内で推移している。』(前回展望レポート)

こちらもカワランチ会長ということで項番3になる。

『先行きのわが国経済は、緩やかな拡大を続けるとみられる。国内需要は、きわめて緩和的な金融環境や政府支出による下支えなどを背景に、企業・家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、増加基調をたどると考えられる。輸出も、海外経済が総じてみれば着実に成長していくことを背 景に、基調として緩やかな増加を続けるとみられる。』(今回)

『先行きのわが国経済は、緩やかな拡大を続けるとみられる。2018年度についてみると、国内需要は、きわめて緩和的な金融環境や政府支出による下支えなどを背景に、企業・家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、増加基調をたどると考えられる。(途中割愛)輸出についても、海外経済が総じてみれば着実に成長していくことを背景に、基調として緩やかな増加を続けるとみられる。』(前回展望レポート)

どう見ても全回踏襲です本当にありがとうございました。

『消費者物価の前年比は、マクロ的な需給ギャップがプラスの状態を続けることや中長期的な予想物価上昇率が高まることなどを背景に、2%に向けて徐々に上昇率を高めていくと考えられる(注2)。』(今回)

『先行きの物価を展望すると、消費者物価の前年比は、マクロ的な需給ギャップがプラスの状態を続けることや中長期的な予想物価上昇率が高まることなどを背景に、2%に向けて徐々に上昇率を高めていくと考えられる。』(前回展望レポート)

片岡さんの反対というのまで同じですぞな。

項番4ですが、

『リスク要因としては、米国のマクロ政策運営やそれが国際金融市場に及ぼす影響、保護主義的な動きの帰趨とその影響、それらも含めた新興国・資源国経済の動向、英国のEU離脱交渉の展開やその影響、地政学的リスクなどが挙げられる。 』(今回)

『第1に、海外経済の動向である。具体的には、米国のマクロ政策運営やそれが国際金融市場に及ぼす影響、保護主義的な動きの帰趨とその影響、それらも含めた新興国・資源国経済の動向、英国のEU離脱交渉の展開やその影響、地政学的リスクなどが考えられる。』(前回展望レポート)

これは文章量の関係で展望レポートでたくさん並んでいるうちの1番目が出てくるのが仕様になっているのでまあこういう風になるのはシャーナイのだが何か加えたりしないのかとは思った。

項番5もご案内の通りで、

『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実 績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。政策金利については、2019 年 10 月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定して いる。今後とも、金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検を行うとともに、 経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う(注3)。 』(今回)

『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。政策金利については、2019年10月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している。今後とも、金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検を行うとともに、経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う(注2)。』(前回)

こちらは声明文と展望レポートの両方にあるのですが、前回声明文の項番2の方を使ってみました。オーバーシュートコミットメントとかガイダンスとかも同じですな。

ところで提案芸人片岡大先生の反対意見なんですけどね、


『(注1)(票決部分割愛)原田委員は、長期金利が上下にある程度変動しうるものとすることは、 政策委員会の決定すべき金融市場調節方針として曖昧すぎるとして反対した。片岡委員は、 先行きの経済・物価情勢に対する不確実性が強まる中、10 年以上の幅広い国債金利を一段と引き下げるよう、金融緩和を強化することが望ましいとして反対した。 』(今回)

『(注1)(票決部分割愛)原田委員は、長期金利が上下にある程度変動しうるものとすることは、政策委員会の決定すべき金融市場調節方針として曖昧すぎるとして反対した。片岡委員は、先行きの経済・物価情勢に対する不確実性が強まる中、10年以上の幅広い国債金利を一段と引き下げるよう、金融緩和を強化することが望ましいとして反対した』(前回)


『(注3)原田委員は、政策金利については、物価目標との関係がより明確となるフォワードガイダンスを導入することが適当であるとして反対した。片岡委員は、2%の物価目標の早期達成の ためには、財政・金融政策の更なる連携が重要であり、日本銀行としては、中長期の予想物価上昇率に関する現状評価が下方修正された場合には追加緩和手段を講じるとのコミットメントが必要であるとして反対した。 』(今回)

『(注2)原田委員は、政策金利については、物価目標との関係がより明確となるフォワードガイダンスを導入することが適当であるとして反対した。片岡委員は、2%の物価目標の早期達成のためには、財政・金融政策の更なる連携が重要であり、日本銀行としては、中長期の予想物価上昇率に関する現状評価が下方修正された場合には追加緩和手段を講じるとのコミットメントが必要であるとして反対した。』(前回)

・・・・・・・ということで、デビュー2戦目(昨年の10月会合)の「15年物国債金利が 0.2%未満で推移するよう」という債券市場関係者が椅子から崩れ落ちる面白提案をしていただいたりして、提案芸を披露するという新手のエンターテイメントを行ってくれていたというのに、最近はこの「10年以上の幅広い国債金利を一段を引き下げるよう」だけしかしないし、しかもここに来てその理由の部分の文言も前回と同じとか面白くないにも程があるので片岡さん提案やり直しでよろしくお願いします。

つーかですな、この「10年以上の幅広い国債金利を一段を引き下げ」はいいんですけど具体的に何をどうしたいのかさっぱり分からんし、その金利を下げることによってどのように効くのか、という話になると総括的検証とマッコウクジラで対決する話で、もちろんこの時は片岡さんいないからワシは知らんがなと対決してくれれば良いのですが、一応日銀としてオーソライズされた総括的検証があるのですから、それを覆すなり、それとの整合性が取れる(となると超長期までの均衡イールドカーブと、適正な金融緩和度合いに関しての提示が必要になる)理屈を持ってこないと、ただの「私言いましたよね」というどこぞの元審議委員のような事になってしまいますので、年末年始よくお考えいただきまして、来月にはもうちょっと工夫したものを出していただくなり、本来のご主張の筈の量的目標にしていただくなりして欲しいものだと思うのでありました。


・金利が下がってくると手も足も出ないモードになる政策枠組み

ということでまあ声明文の方は無風なのですが昨今の金利低下で更にしょぼーんとなっているのでちょっと雑談をしますけど、いまの政策って「米国が利上げサイクルにあるうちに政策を長持ちさせる」というのには良いのですけれども、米国の利上げサイクルが止まって下がる方向を見だすようになってくると、追加緩和の余地が事実上ない(縦の物を横にして追加緩和をしたふりをするしかない)ですし、大体からしてそもそもの「期待に働きかける」というのに失敗していて、今や呪文のように「需給ギャップがプラスの状態が続き実際の物価が上昇していくに連れて適合的な期待形成が機能して予想物価上昇率が2%に向けて上がっていく」という「物価が上がるためには物価が上がることが必要」という残念モードとなっているので、そもそも追加緩和したからと言って物価予想期待形成に直接働きかけることはできない、と来ていますので、金融システム云々の前にそもそも追加緩和しても屁の突っ張りにもならん訳で、米国が利上げサイクルにあるような海外経済をバックにして、その海外を成長ドライバーにして成長してくれたら、もしかしたら国内の方で所得が上がって内生的な成長サイクルになるかも知れませんね、という前提がコケると話にならんし、それに輪を掛けて先般は外国人労働者受入拡大とか普通にそれは賃金上昇圧力を弱める(婉曲表現)だけじゃろというのをぶっこんで来る訳で、どうやったら国内で自律的に物価がホイホイあがるような成長力を期待できるのかと小一時間という状態な訳です。

まあYCCに関して言えば「海外初の金利上昇圧力が来た時」とか「国内経済物価情勢がうまいこと行って金利上昇圧力が来た時」にウマーとなる(なお後者で本当に金利が上昇するときはオペレーションの工夫が難しくて実は持たないかもしれないけど経済物価情勢が目論見通りになっているときなので達観すればまあ良しということで)政策ということでさて困りましたなという感じです。

まあアレです、昨日ちょっとやけくそになって「撤回か追加緩和」とか申し上げましたが、このまま政策維持されても金融機関の体力が全体的に皆削られていくだけですので、どうせ政策が爆発するならさっさと爆発してくれた方がまだマシ、というヤケクソ思考をベースにしますと、どうせマイナス金利撤回とか黒田さんの面目玉があるからやらないでしょうから、それなら追加緩和でもやって政策大爆発した方がマシなのではないかというような焦土思想がチラチラと頭をよぎるようになってくるというこの不健全な思考を何とかしたいです(涙)。

しかしまあ何ですな、どこからどう見てもこの金利水準って「リバーサルレート」な訳でございますが、何か資産バブルが崩壊したわけでもなく、金融は未曽有の緩和を行っているのに、金融システムに不具合が起きるとかいうことになりますと割と斬新な事案で、またまた金融論の教科書(というのがあるのかどうか知らんが)が書き換えられるという事になるんでしょうかね、いやそうなったら困るんで理屈は何でもいいからマイナス金利とYCCを撤回しろというお話ですけどね。


・・・・・・・・すいません金利が下がると気分がどよよーんとしてくるので雑談になってしまいました。


〇超長期方面があばばばばー

昨日の債券市場、といいつつまたもロイターさん。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL3N1YP2HQ
2018年12月20日 / 15:14 /
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸、ブル・フラット化の形状

『<15:10> 国債先物は続伸、ブル・フラット化の形状

長期国債先物は続伸して引けた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、現在のバランスシート縮小戦略は重大な問題を引き起こしておらず、変更する理由は見当たらないと発言。市場が期待したほどハト派的ではないと受け止められ前日の米国市場がリスク回避となった。この流れを引き継ぎ国債先物に買いが先行。日経平均株価が3月26日につけたザラ場ベースでの年初来安値を下回ったことも買いを誘った。海外勢主体の需要とみられている。

現物債市場では、超長期ゾーンの金利低下が目立った。30年債利回りは一時前営業日比4bp低い0.715%、20年債利回りは一時同3bp低い0.510%といずれも7月20日以来の水準に低下。円債を持たざるリスクを意識し始めた投資家が、我慢できずに相対比較で利回りの乗っている超長期債を買い進んでいる。イールドカーブはブル・フラット化の形状。日銀は20日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決定した。想定通りの内容で、相場への影響は限られた。

長期国債先物中心限月3月限の大引けは前営業日比12銭高の152円51銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比0.5bp低い0.025%。』(上記URL先より)

昨日は債券先物ちゃんの板がとうとう直近価格帯に入っているバイカイがどの値段見ても2桁億円しか入っていないというような状況になってしまいまして、まあ動いているには動いていますが、前日のようなぶっ壊れな動きというよりは、焼き払え!ってされた後の死屍累々感が漂う板という感じになっておりましたな。まあ死んではいなくて動いてはいるけど。

でもってその一方で何か知らんが超長期方面が盛大に強くて、中短期弱くて、そらまあ追加緩和余地も無いのにブルスティープするっちゅうのもナンヤソラというのはありましたけれども、一転して今度は元気にフラットニング(ツイストフラット化しとったが)とかもうねという感じですし、どうもスワップ方面からキタコレというのもあるようで、今度はこっちも壊れてきたという風情。

まあ年末の店じまいモードとかによって加速された現象であって壊れっぱなしのままで延々と、ということの無いように願いたいのでありますが、しかしこれを見てもどうせ黒田総裁とか「値動きが活発で市場機能が回復している」とかしか思わないでしょとか考えますと暗澹たる思いになるのでありました。

・・・・・と昨日の会見ちょっと見てて暗澹としてきたのでその程度の感想で勘弁。

#FOMCネタの続きとかその他もろもろは年末向けネタ枯れ用企画ということで勘弁って手抜きではないのですが段取りがイマイチでネタ消化遅れてすいませんすいません(大汗)



2018/12/20

お題「寝起きでFOMC/・・・・なのですが昨日は円債市場が壊れましたのでその話を先に」

もうここまで円債酷いことになってきたら「現状維持」じゃなくて「政策の撤回」か「マイナス金利の深堀り」かどっちかをやってくれや位の心境ではありまする。

〇FOMCの前に円債市場ちゃんが遂に壊れたのでその関連雑談でも

・2年7年までインバートしてからの先物急落とかもうね

https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_daytime
(寄り付き以降は今日の実績が出るのでお早めに)

長期国債先物 19年3月限 12/19
152.45(08:45)
152.84(12:49)
152.15(14:04)
152.39(15:02)
+0.07 62,265

日中足はこちら(こちらも今日の寄り以降は今日のイントラデイが出てしまうので見たりスクリーンショット保存するなり印刷するなりはお早めに)。
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/popchart&QCODE=601.555
長期国債先物(夜間除く) 19年3月限

・・・・・・という壮絶な先物チャートですが、何せここもとからそうですが、先物が大暴れしまして、昨日は(というか昨日も)寄りからいきなり14銭高の152.45から始まって、いったんちょっと押したと思ったら長期輪番減額なし・・・・って割と当たり前だと思うが、その後一段高になって前場には152.70超えるレベルまで上昇するの巻で、先物40銭高水準ってそれはどう見ても5年7年どころか2年7年までインバートしてるんですが何かという市場展開になってもう無茶苦茶。

でもって後場の12:49には先物152.84とか前日比52銭高とかになってしまいまして、昨日の2年高値▲16.5bpだし、5年高値▲16.5bpだしということで、前日のCTDが▲14bpで引けてるんですからどう見ても2年7年インバートです本当にカムサハムニダという状態になっておりまして、イールドカーブもへったくれも無い状態。

とまあそんな感じで先物から相場は完全に壊れたわとか思ったら、今度は一転して先物が売り売りになるというのが13時半くらいに来まして、あっという間に先物高値84銭から安値15銭までやらかすという頭のおかしい相場になりまして、どう見ても債券市場が壊れています本当にありがとうございました状態ですわな。

ちょうど昨日は円債村の古老とも話をしたのですが、サンプル数2の全員が「これは2008年3月を思い出す」という状態でして、2008年頃の駄文ってあんまりちゃんとしたのが無いのですが、当時はリーマンショック前でしたが一部で閉店モードからの相場壊れるの巻みたいなのがあって、当時はそこまで詳細なメモ残っていませんがこの中の3月中盤辺りがそのネタですが、昨日の相場ぶっこわれもそんな風情の相場(別に金融機関がどないかなった訳ではないが)ではありました。
http://www.doramemon7743.sakura.ne.jp/mitoushi07-02.html


ロイターさんのURLを貼っておく。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL3N1YO1TI
2018年12月19日 / 15:32 /
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸、YCC導入来の高値更新後に乱高下

『<15:31> 国債先物は続伸、YCC導入来の高値更新後に乱高下

長期国債先物は続伸して引けた。今晩の米連邦公開市場委員会(FOMC)でハト派的なシグナルが出るとの見方や、一部で減額の可能性があるとみられていた日銀オペが据え置きとなったことが材料視され、一時50銭超高まで買いが進んだ。しかし、午後には債券先物取引で緊急取引証拠金を発動され一時マイナス圏に下落、不安定な値動きとなった。

午後序盤までは意外感のある先物高・金利低下となった。FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが強くなるとみられていたが、先物買いが先行。金利も一段と低下した。HSBC証券東京支店のグローバル・マーケッツ債券営業本部・マクロ経済戦略部長の城田修司氏は、今回は利上げを実施すると予想した上で、「FOMCではドットチャートと声明文の2つでハト派的なシグナルが出てくるとみている。ドットチャートでは来年の利上げ回数がこれまでの3回から2回に引き下げられる」との見方を示す。

日銀オペのオファー額が据え置かれ、「事前の減額予想がそれほど強かったわけではないが、先物買いのきっかけにされた可能性がある」(国内銀行)との指摘もあった。

ただ、午後に日本証券クリアリング機構が、債券先物取引について緊急取引証拠金を発動すると雰囲気が一変。売り材料視され、国債先物は一時マイナス圏に沈んだ。

長期国債先物中心限月3月限の大引けは前営業日比7銭高の152円39銭。一時、前営業日比52銭高の152円84銭まで一時上昇。中心限月の日中取引ベースで、日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)政策を16年9月21日に導入して以来の高値をさらに更新した。

10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比0.5bp高い0.030%で引けた。一時は0.010%と昨年9月12日以来の水準に低下したが、後場に反転した。』(上記URL先より)


・先物追加証拠金で売りが出る訳ねえだろと思うんだが・・・・・・・・・・

でまあ上記のロイターニュースでもそんなことになっていますけれども、この「先物の緊急証拠金で売り」とかいうのアタクシが見た限りだと別の某ベンダーが最初に書いていたような気がするのですが、それに皆さん乗っかるわ、どこぞのベンダーに至ってはどこの誰とは武士の情けで言いませんけど、何とかストまでがそのコメントをしているのでそこに関してはちょっとお前ら落ち着けと言いたい。

えーっとですな、先物の証拠金って日本証券クリアリング機構の方で計算して徴求する物件だと認識していますが、あれって「相場変動が大きくなると証拠金率が上がる」というもので、それはもとよりシステマティックに計算されているものなので、追加証拠金が来ましたって言ってもそれはお前これまでろくすっぽ動いていなかった相場が2日連続で盛大に動けば追加が発動になるの当たり前だわという話で、それを見てびっくりするとか脳味噌がおがくずか何かで出来ているのかと小一時間問い詰めたい。

しかもその計算ロジックというかシステムって取引所が海外でやっている方式を輸入してきた物件だからして(何かしらんが登録商標とかだったと思うので略称は出さんけど)、それを知らんで先物振り回すガイジンさんがいるとは思えん。

というのもありますけど、そもそも債券先物の証拠金って直近(臨時出る前)1枚当たりで40万円かそこらの筈でして、まあ追加の証拠金ったってあの程度だったら数万円程度のオーダー(クリアリングのページ見るとその何とかシステムのパラメータは公開されているのだがパラメーターだけ見ても正直よーわからん)の筈でして、お前昨日とか途中で50銭以上先物動いていて、緊急証拠金なんかより更新差金の出入りの方がはるかにデカいだろ頭沸いてるのかという感想しかない。

いやまあ低能アルゴとかが「ジャパニーズガバメントボンドフューチャーにアディショナルサーチャージ」みたいなのに低能だから反応して売りでも入れたとかいう可能性は排除できないとは思いますけど、緊急証拠金って言ったって先物値幅換算で数銭の世界なのにそこで手じまいをしないといけないとかいうのって、個人のFXとかでレバかけまくって背水の陣の鉄砲相場でも張っているのとごっちゃにするなよと言いたいし、まあベンダーはよー知らんでしょうからしょうがないとしても、それを追認するようなコメント出していたどこぞの何とかストとかさすがにお前今すぐ店閉めて新人研修からやり直せという世界ですな。


などと悪態をついていますが、まあ昨日の相場とか壊れていて何が何だかという相場なので「わからん」というのが一番正しい対応だと思う次第ですが、ベンダー見たら今の証拠金もそうですけど、他にも何だかそれは知ったかにもほどがあるわみたいなのがボロボロとあって、まあこういう日はベンダーの取材を受けたもん負けみたいなのはあるのですけど、あーあダメじゃんこの人というのは散見されまして、知ったかには注意しないといけませんな、と自戒を込めて思う1日なのでした。


・・・・などと偉そうに申し上げましたが、本当に緊急証拠金掛かったから売ったとかいう人が(勘違い売りじゃなくて本当にお家の事情で、という意味ね)出てきていたら全面的にアタクシがゴメンナサイをする番になりますので真相は分からんと思いますが何かネタがございましたら是非教えてジェネラルということで伏してご教授お願い申し上げます。


ということで以下FOMCですな。


〇FOMC声明文は多分事前に市場が期待したほどDovishではないと思う(個人の感想です)

なお毎度申し上げておりますが、これを見るときは市場の動きを見ないことによって予断を持たないようにしながら読んでおります(^^)。

https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20181219a.htm(今回)
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20181108a.htm(前回)

・第1パラグラフ:現状認識はほぼ同じ

『Information received since the Federal Open Market Committee met in November indicates that the labor market has continued to strengthen and that economic activity has been rising at a strong rate.』(今回)
『Information received since the Federal Open Market Committee met in September indicates that the labor market has continued to strengthen and that economic activity has been rising at a strong rate.』(前回)

前回と一致じゃの。

『Job gains have been strong, on average, in recent months, and the unemployment rate has remained low.』(今回)
『Job gains have been strong, on average, in recent months, and the unemployment rate has declined.』(前回)

今回の1パラで違っているのはここだけですが、引き続き失業率は低いという認識なので基本的に前回と同じようなもん。

『Household spending has continued to grow strongly, while growth of business fixed investment has moderated from its rapid pace earlier in the year. On a 12-month basis, both overall inflation and inflation for items other than food and energy remain near 2 percent. Indicators of longer-term inflation expectations are little changed, on balance.』(今回)

『Household spending has continued to grow strongly, while growth of business fixed investment has moderated from its rapid pace earlier in the year. On a 12-month basis, both overall inflation and inflation for items other than food and energy remain near 2 percent. Indicators of longer-term inflation expectations are little changed, on balance.』(前回)

ということで後続の文言も同じなので現状認識は事実上不変。


・第2パラグラフ:例の文言に「some」が入り動詞を変えるという芸が見られリスク認識にヘッジクローズが

今回ネタになるのはこの2パラのみである。

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(今回)
『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(前回)

これは話のマクラのようなもんで不変。

『The Committee judges that some further gradual increases in the target range for the federal funds rate will be consistent with sustained expansion of economic activity, strong labor market conditions, and inflation near the Committee's symmetric 2 percent objective over the medium term.』(今回)

『The Committee expects that further gradual increases in the target range for the federal funds rate will be consistent with sustained expansion of economic activity, strong labor market conditions, and inflation near the Committee's symmetric 2 percent objective over the medium term.』(前回)

「will be consistent with」以下の文言は同じ(というかこれもマクラみたいなもん)なので問題はその前の部分になりますが、アヘアヘドメスティック中学高校英語おじさんのアタクシが読むと、前回のは「FOMCは更なる緩やかなFF金利の引き上げが〜であると期待する」となっていて、今回のは「FOMCは更なる少々の緩やかなFF金利の引き上げが〜であると判断する」となっていて、まあこの「some」ってのは数回なので今後も数回は上げますよとはゆうたものの、まあそこまでは上げませんとはゆうてまして、ただ一方で市場ちゃんがどこかでもしかしてと思っていた早期利上げ打ち止めを強く示唆するものでもないという感じでしょうかね、よー知らんけど。

でもってこの動詞のexpectsがjudgesになったのは何でじゃろというのは会見で誰か聞くのか、それとも向こうの人たちなら動詞見てニュアンスが伝わるのかは知らんけど、アタクシはドメスティックジャパニーズおじさんなのでまあ一応「前回よりも今回の方が「判断する」になったので「あと何回かは上げますけどそんなにバカスカ上げませんで」というのを明確にした、前回までのは「期待する」なのでそこまで明確じゃなくて何となくこれからも上げますぜという感じで最終着地点とかはふわっとした状態」という事にしておこうかと思います。

『The Committee judges that risks to the economic outlook are roughly balanced, but will continue to monitor global economic and financial developments and assess their implications for the economic outlook.』(今回)
『Risks to the economic outlook appear roughly balanced.』(前回)

リスクバランスの所に余計なものが加わりまして、海外経済動向というのはまあ基本下振れの話なのですけれども、financial developmentsに関しては株価が下がって下振れの話もあるし、まあ足元ではそっちの方向が意識した受け止めになるかなと思いますけれども、金融不均衡の進展(すいませんブレイナードの先般の講演ネタこの辺一巡した来週にやります)というのも実はあるのですな。たぶんそっちはあまり市場的に注目されないポイントだと思うけど。

でもって「and assess their implications for the economic outlook」っていう文言は要するに今後の金融政策(というか金利の上げ下げ)運営においては、よりデータディペンデント(方便としてのデータディペンデントではなくて、むしろ「予断を持たずに出たとこ勝負」という方がニュアンスとして近い)になって行いますよって話をしているんだと思います。

てなわけで今回の声明文で色々変わったのはこの2パラ。あとは事実上の全文一致が続きますが一応比較引用しますね。


・第3パラグラフ:25bp利上げでござる

『In view of realized and expected labor market conditions and inflation, the Committee decided to raise the target range for the federal funds rate to 2-1/4 to 2?1/2 percent.』(今回)
『In view of realized and expected labor market conditions and inflation, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 2 to 2-1/4 percent.』(前回)

まあそういうこと。


・第4パラグラフ:全文一致ですな

『In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its maximum employment objective and its symmetric 2 percent inflation objective. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments.』(今回)

『In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its maximum employment objective and its symmetric 2 percent inflation objective. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments.』(前回)

ご覧の通りの全文一致。


・第5パラグラフ:全員賛成ですかそうですか

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Jerome H. Powell, Chairman; John C. Williams, Vice Chairman; Thomas I. Barkin; Raphael W. Bostic; Michelle W. Bowman; Lael Brainard; Richard H. Clarida; Mary C. Daly; Loretta J. Mester; and Randal K. Quarles.』(今回)

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Jerome H. Powell, Chairman; John C. Williams, Vice Chairman; Thomas I. Barkin; Raphael W. Bostic; Lael Brainard; Richard H. Clarida; Mary C. Daly; Loretta J. Mester; and Randal K. Quarles.』(前回)

声明文に関しては市場が期待してたかどうか知らんが、可能性は指摘されていたと思うdovish転換とまでは行かなかったんじゃないですかねえ、と思いますがどうでしょうかね。


〇SEPドットチャートは「来年の利上げ1回分下方シフト」という感じですかねえ(個人の感想です^^)

HTML版(簡易版)

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcprojtabl20181219.htm(今回)
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcprojtabl20180926.htm(前回)

PDF版
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20181219.pdf(今回)
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20180926.pdf(前回)

まあ注目はドットチャートですけどね。

・経済見通しではGDPと失業率のロンガーランのメディアンが少し動くの巻

左から2018、2019、2020、2021、ロンガーランのMedian

Change in real GDP
3.0 2.3 2.0 1.8 1.9
September projection
3.1 2.5 2.0 1.8 1.8

Unemployment rate
3.7 3.5 3.6 3.8 4.4
September projection
3.7 3.5 3.5 3.7 4.5

PCE inflation
1.9 1.9 2.1 2.1 2.0
September projection
2.1 2.0 2.1 2.1 2.0

GDPと物価は2019年までの見通しが若干下がり、失業率は2020年以降が若干上がっていますが、失業率の方はたぶん誤差の話で、GDPと物価の方が手前下がったという感じ。

まあそれよりもロンガーランのGDPが0.1だけだけど上がり、失業率の方が0.1だけど下がっていまして、誤差ちゃあ誤差なのですが、一応この後に出てくる金利のドットプロットが25bp分くらい全体的に下がっているのと整合的(成長見通しと失業率見通しが従来から変わっていなくても、ロンガーランの成長率上昇=プラスのギャップ縮小だし、同様に失業率の方もプラスのギャップ縮小だから、適正金利水準はそれに応じて変化しうる)という感じですな。


・ドットチャートはだいたい来年の利上げ1回分下方シフトしたという感じじゃないですかね

2018年の数値で「今回利上げすんじゃねえよ」というドットが二つあるのはご愛嬌というところですが、問題は2019年。

こちらですが、

利上げせず:2名(うち1名は変態仮面ブラード先生な)
1回:4名
2回:5名
3回:6名

となっているので、これは来年2回ですわということになりますが、前回どうなっていたかと言いますと、前回はだいたい(上げないという人を抜かすと)1回1名、2回4名、3回4名、4回4名となっていた(12月利上げすることを前提にしてドットを計算していますが、12月利上げしないというのが4名いたので、そこを補正しないといかんのですがややこしいのでパス)ので、概ね1回分下方シフトしたという感じでしょうか。

2020年に関してはザックリ見て2019年の分布よりも利上げ1回分弱の上方シフトになっていまして、前回の分布だと明確に1回分という感じでしたので気持ち下がっていますが、それでも2020年も利上げするかもねというのは割と残っていて、確かに利上げ1回分下方シフトは下方シフトなのですが、明明白白な打ち止めっぽさにはなっていない感じ。

2021年に関してはカオスにもほどがあって、ドット自体はロンガーランのドットよりも利上げ1回分くらい上の所でまとまっているので結果的には揃っているものの、そこに至るパスがどう見ても21年も利上げというのと21年は利下げというのが混在した結果で、まあ前回もそんな感じでしたけれども、ここは出たとこ勝負モード。

でもってロンガーランですが、

前回
2.50%3名
2.75%4名
3.00%6名
3.25%1名
3.50%1名

今回
2.50%4名
2.75%5名
3.00%5名
3.25%1名
3.50%1名

になっているので気持ち下がって結果メディアンが2.75になったですぜというところで、どのくらい反応しているのか知らんですけど、もとより2.75-3.00のドットが中心的というのは変わっていないですし、あと2回利上げしたらFFのレンジが2.75-3.00だし、たぶん実効FFは2.9%くらいとかなんでしょと思いまするに、まあその辺までは市場織り込んでいますよねとは思いますけどどうなんでしょ。

ただ、これでまあ中立水準と思われるのはあと2回利上げ、という感じになったので、そういう意味で来年の利上げに関しては2回で見るのが順当という感じになったのでしょうな。まあ今後は出たとこ勝負感が強まるというのは思いますけど。


なお会見まで手が回らないのでそこは後日でご勘弁。




2018/12/19

お題「FOMCとMPM前で債券市場ちゃんはアレなので市場雑談と関連雑談でご勘弁」

これさあ、外国人労働者受入拡大とキャッシュレス推進にかこつけてタコ部屋奴隷労働を可能にする制度を導入して日本人外国人問わずにタコ部屋送りを目指してるんじゃないの??しかも来年度からとかどう見ても拙速。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181217-00000586-san-pol
政府、給与支払いに電子マネー解禁へ 
12/17(月) 20:49配信

『政府の国家戦略特区諮問会議は17日、現行法で認められていない電子マネーによる給与支払いを解禁する方針を決めた。経済界などとの協議を経て制度設計を進め、来年度からの実施を目指す。』

『新制度の導入により、企業は専用のプリペイドカードやスマートフォンの決済アプリなどに給与を入金できるようになる。キャッシュレス化の推進が期待される半面、電子マネーの管理業者が経営破綻した際に入金済みの給与をどう保全するかなどの課題もあり、対策を検討する。』(以上上記URL先より)

この制度見て瞬間的に(漫画の)カイジとか、玉置紙幣とか普通に想像できる訳で、そういう弊害を回避するという意味も労働基準法の給与支払いの5原則(でしたっけ)の中の意味となっているはずなんですが、この話をしている国家戦略特区諮問会議の連中ってそういうの想像力が皆無な馬鹿なら今すぐこういう仕事を返上して頂きたいし、最終的に日本の全労働者タコ部屋送りの企業支配国家でも目指しているなら極悪級の国賊にも程があるから今すぐ国家戦略特区会議ごとドラム缶で行くマリアナ海溝片道ツアーにご参加されることをお勧めしたい。

なおこの前もご紹介しましたが大東島紙幣(玉置紙幣)のwikipediaはこちら
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%9D%B1%E5%B3%B6%E7%B4%99%E5%B9%A3

と、なんかここに来て何やってるんだよというのが色々あってどうなってるんだよと思うのでつい柄にもなくこんなマクラが長くなりますが(汗)。


〇相変わらず円債がエライことになっているので備忘メモ雑談

・先物ェ・・・・・・・・・・・・・

ということで昨日の債券市場ではありますが・・・・・・・・・・

https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL3N1YN239
2018年12月18日 / 15:21
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅続伸、長期金利一時7月2日以来の0.020%に低下

『<15:17> 国債先物は大幅続伸、長期金利一時7月2日以来の0.020%に低下

長期国債先物は大幅続伸して引けた。前日の米国市場で、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にリスク回避で金利が低下した流れを引き継ぎ買いが先行。日経平均株価が弱含みで推移したことも買いを誘った。海外勢主体の需要が観測されていた。

現物債市場では、広いゾーンで金利が低下した。20年債入札を順調にこなすと、超長期債利回りに低下圧力がかかった。先物高に連動して中長期ゾーンもしっかり。

長期国債先物中心限月3月限の大引けは前営業日比23銭高の152円32銭と中心限月の日中取引ベースで2016年9月以来となる高水準を付けた。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比0.5bp低い0.025%。一時0.020%と7月2日以来の低水準になった。』(上記URL先より)

限月が交代すると心機一転相場の流れが変わるという光景もよく見るのですが、今回は心機一転どころか更に先物が凶悪化しておりまして、先週末に152円マークしてチーペスト▲11.5bpとか言ってたのに昨日は23銭も1日で先物上がって(おまけに高値引け)チーペスト▲14bpとかどうなっとるんじゃおまいら追加利下げでもあると思ってるのかと小一時間な展開になっておりますな。

しかもまあ昨日に関しても前場は寄り付き近辺だったのですが、入札終わって後場になってエッサホイサと強くなって、一方で10年アガランチ会長で20年も途中までパッとしなくてもとっと後ろの方が寧ろ確りな感じだったと思うのですが、まあそれはそれとして中期から10年のカーブがエライことになっていまして・・・・・・・・・・・

売買参考統計値の平均値単利ベース

2年(395)▲0.160%
5年(137)▲0.150%
チーペスト(10-342)▲0.139%
3か月短い奴(10-341)▲0.135%(ちなみに複利だと▲0.140%に▲0.135%)
10年(10-352):0.025%

ということで、5年ー7年のカーブが1毛しかなくて7年ー10年のカーブが16毛5糸あるってどういうイールドカーブになっとるんじゃいということですし、先物チーペストとの利回りは月曜日は並びでしたが昨日の引けで逆転していますので、これはもう「逆イールド発生でリセッション」ですよキタコレ(嘘)という話ですし、だいたいからしてイブニングで債券先物高値50銭(20:18)とか東京引けから更に18銭も上がっていたら5年の追随度合いにもよりますけれども、5年とイールド逆転するだろおいどうなってるんだというような状況。イブニングの引けが「152.45(05:24) +0.13」などという文字が東証のページを見ると拝見できるのですが、5年が引けだと5年と先物チーペストがフラットになってしまうんですけど何ですかこれはという状況。

でもって最早後講釈不能なのですが、忘れるといけないのでメモをせっせと取りました、というだけの話にしかならんのですが、ちょっと先物バクシンオーにも程があるんですけどどうしてこうなったという感じではありますが、普通は先物がこういう水準に来ると金利低下余地のある方が買われる筈なのですけれども、まあそっちは一応買われているものの、先物の爆走ばかりが目立つろいうのは、要するにこの前まで大本営が言っていた「7月の柔軟化措置によって債券市場の流動性が改善した(キリッ)」っていうのはやはりただの幻想皇帝だったという残念なことが見えてきたという感じですな。

なお、リーマンショックみたいなカウンターパートに対する市場ストレス級の事が起き市場の流動性が極端に落ちるとか、チーペストの流通量が無くて一大スクイーズが起きたみたいな時は、6年7年インバートみたいなおかしいことは発生しうるのですが、まあそういうのは当然市場に何らかのストレスが掛かっている(スクイーズをストレスというのかは微妙だけど)ので、まあそういう時は平常時の理屈では 割り切れないというのはあるんですけど、それにしてもアチャーという感じです。


・てーした話ではないが短国買入

昨日の短国買入
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba181218.htm
国庫短期証券買入 2,791 1,000 0.160 0.160

って突如16甘とかいう結果になって、まあ単に入力間違えただけだと思うし、1000億円だったら痛手もそこまでではなかろうとは思います(けどご愁傷さまです)が、何をどうすると16毛甘になるのかがさっぱり分からん。▲0.20%を▲0.02%で入れたらとか思ったのだが、売買参考統計値見た感じだと▲0.02%で16毛甘になる短国の銘柄ってのがよー分からんし・・・・・・・・

というメモだけおいとく。


・そういやこの日経記事は呆れたわ

昨日の日経ですけどね、
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO39047570X11C18A2EE8000/
金利 緩和修正前に逆戻り
米の低下波及/市場の国債不足 日銀、政策運営難しく
2018/12/18付日本経済新聞 朝刊

ネットで見れるのは(有料会員じゃない限り)リードのどうでもいい所だけなのですが、昨日の日経本紙を見ると「日銀オペに「札割れ」リスクの影」とか書いてあって、記事の方でも札割れがどうのこうのってあってもうブチ切れですよ。

えーっとですな、今はYCCになっていて量的目標は事実上無い(オーバーシュートコミットメントの縛りはあるので厳密にいえばあるので事実上とした)ので、別に札割れをしても(見てくれ上の問題はあるけど)別に構わんですし、それこそ極端に買入レートが低くなりそうだったら日銀は一部の極端に低い買入レートを募外扱いにすることもできるんですが、札割れリスクってYCC前の話を堂々と書くなよこっちは駅売りで大枚180円もはたいて買ってるのに何ちゅうもんを見せてくれるんだというか、突発性海原雄山になって「この記事を書いたのは誰だあ(ガラッ)」ってやるレベルなんですけど勘弁してください。

いや金利下がると政策運営難しいというのはその通りなんですが、それを札割れと絡めるのは政策のフレームワーク的に終わってる話なんですよということで。


〇決定会合は当然無風なのだが今こそマイナス金利とYCC撤回のチャンス(冗談ですけど)

https://jp.reuters.com/article/g20-japan-asakawa-idJPKBN1OH0QG
2018年12月18日 / 17:56 /
来年G20は貿易不均衡が重要議題に、多国間の議論必要=浅川財務官

『[東京 18日 ロイター] - 浅川雅嗣財務官は18日、国際通貨基金(IMF)とピーターソン国際経済研究所(PIIE)が主催したセミナーに出席し、日本が議長国を務める2019年の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では多国間の貿易不均衡問題が重要な議題になると語った。』(上記URL先より、以下同様)

というのがありましてね、まあ途中は良いのですが、最後の方にこんなのが。

『リーマンショックとアベノミクスを経て、過去10年間の円相場は大きく変動したものの、輸出量は安定していたことにも言及し、「為替と輸出のパフォーマンスがリンクしなくなっている」と語った。』

>為替と輸出のパフォーマンスがリンクしなくなっている
>為替と輸出のパフォーマンスがリンクしなくなっている
>為替と輸出のパフォーマンスがリンクしなくなっている

・・・・・・・これはまたキタコレでして、もちろん日銀が円安政策をとるとかいうと掟破り扱いになるのでアレとは言いましても、どこからどう見ても黒田日銀になって為替円高を極端に忌避するような形で金融政策運営をしていたんですけれども、浅川さんしらっと日銀の梯子を外しに掛かっているのでしたらこれは存外サプライズではないかと思ったんですが。

まあ最近トランプが五月蠅いので為替の話をするときに変ないちゃもん付けられたくないから「為替政策?滅相も無いそもそも輸出に関係ないのに何で為替政策やるんですか??」とか言い逃れをするつもりでこの発言を打ち込んできただけ、という対外配慮モードだったら特に深読みする必要はないのかもしれませんけど、ヘッドラインでこの発言を見た時にはちょっとおーと思いました。何せハマコー先生辺りが能天気に言うのとは発言の重みが無限大倍くらい違いますのでね。

でですよ、まあ金利が下がったのでオペ減額をもうちょっとやりますかとかいう話はあっても然るべきかもしれませんが、そもそも論として多少円高振れても輸出に影響がそんなに来ない、という話が官邸方面などで共有されるようになる、という事態になった日には、そもそも論としてどっからどう見ても為替対策(でやったら却って円高株安になったのですが)でヤケクソでぶっこんだマイナス金利政策とか撤回したっていい訳ですし、おまけにこの金利水準になっている訳ですから、今マイナス金利撤回してYCC解除したって、マイナス金利になっている部分はフルスライド近く金利上がると思うけど、10年とかもしかして30bpまでも上がらんのでは無かろうか(個人の感想です)とか、20年80bpまでも上がらんのでは無かろうか(個人の感想です)とか、そんな市場環境に見える(しつこく申し上げますが個人の感想です^^)という状況でして、出口云々と無関係な時こそマイナス金利撤回ですよこの際ヤケクソでマイナス金利撤回したら如何ですかできれば10年YCCも、という感じではあります。

#まあそれをする屁理屈が存在しないのが困ったもんですが日銀の超優秀な企画脳なら変態屁理屈を捻りだすのはお茶の子さいさいなのではないかと存じます

・・・・・・・・ってのはまあ勿論95%はギャグで申し上げているのですが、最近は官邸方面から携帯料金の下げの話だったり、こちらは予算の方になりますが教育費の負担軽減の話とか、消費者の負担を下げる話がホイホイ出ている訳でして、そうなりますと円高気味に振った方が輸入価格の上昇圧力が弱まるのでこれまた消費者には優しいお話になるんですし、円安と輸出のリンクが切れているんだったら円安に振るのって誰得円安(海外拠点の円ベースの売上や収益が減るというのはあるけど)にも程がある訳でして、だったらマイナス金利撤回したって緩和は緩和なのだから市場金利水準が下がってきている時こそチャンスなのではないか、とか5%くらい真面目に思ってしまう程度にはこの踏み踏み踏み踏み相場で踏みつけられて思考回路があばばばばーになっております。


〇そういやFOMC

明日のは楽しみなので早起き待機、はたぶん寒いのでしませんが、そもそも「景気拡大ペースが下がったから利上げ躊躇」というのも微妙な論点でして、中央銀行って景気循環サイクルの中での過熱と落ち込みを平準化というかスムージングしにいくのがお仕事なので、そらマイナス成長とかになったらマズいですけど、潜在成長を上回る成長が続いているという認識の中で多少減速するのって本来の政策が出来ています(キリッ)って話に中央銀行の理屈としてはなるので、確かにまあ来年の利上げドットは中心が2回になると思うけど、それ以上のハト派になるかというのは疑問が。

つーかさ、米国10年金利の水準と、米国何とかストの言っている「来年の利上げ回数」と、FF先物が織り込んでいる利上げ回数って常に乖離しているんですがアレは一体全体何なのかと昔からさっぱりワカランチ会長。




2018/12/18

お題「市場世間話メモ/短観の企業の物価観連は動かざること山の如し」

このオッサン利上げ止めたいならFOMC直前に表で恫喝したらダメじゃんと思う訳で、パイプがないのかも知らんけど本当に圧力掛けたかったら表じゃなくて裏じゃろと思うし、単に景気がコケた時にFRBのせいにする準備作業なのが見え見えで、ただの保身なんだよなー、浅ましい浅ましい。
https://jp.reuters.com/article/usa-trump-fed-idJPKBN1OG1RU
2018年12月18日 / 00:40
米大統領、FRBの引き締め策を再度批判 通商政策局長も同調


〇相場世間話メモ(だいたい俺様備忘録)

・金曜の月曜でこういうのは如何なものかと思うのだが

昨日は朝からうっかりこんなヘッドラインを見つけておじさんもうぶち切れですよ。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-16/PJP5NL6KLVR501
日銀オペ減額の加速は必至か、国債発行6年連続減−金利低下回避
三浦和美、Chikako Mogi
2018年12月17日 7:19 JST 更新日時 2018年12月17日 11:22 JST

『債券市場では来年度の国債発行額が6年連続で減少すると見込まれており、日本銀行は国債利回りが低下し過ぎないように買い入れオペの減額ペースの加速に迫られるとの見方が出ている。』(上記URL先より)

あのさあ、金曜の債券先物高値引けの引け後かつ先物夜間セッション寄り付き前の時間にあなたがたこんなの報道していましたよね。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-14/PJPQ4S6JIJUR01
複数の日銀当局者、長期金利が0%以下でも構わないとの意見−関係者
日高正裕、藤岡徹
2018年12月14日 15:26 JST

『世界的なリスク回避で日本国債の金利が低下する中、日本銀行当局者から長期金利が0%以下になっても構わないとの意見が複数出ている。事情に詳しい複数の関係者への取材で明らかになった。関係者らによると、複数の日銀当局者は長期金利について、7月に決定した0%を挟んで変動幅を上下に拡大した操作方針の下で、マイナスになっても問題ないとみており、金利が内外のファンダメンタルズに沿って変動する限り静観する構え。』(上記URL先より)

いやまあ書いている記者さんが違うというのは分かるのですけれども、国債発行が来年度も減額になるのとか別に月曜になって初めてわかった話でも何でもない訳で、金曜の引け後に「日銀は金利低下を容認か」日高砲打っておいて月曜の朝っぱら(最初のURL先のタイムスタンプの通り)から「金利低下回避で輪番減額加速か」ってマッチポンプにも程がある訳でして、そらまあ別にあんさんらは証券会社でも総研でもないですから別にハウスビューとかそういうの関係なくて取材した結果を垂れ流しているだけですよと言われればはいそうですかという話にはなりますが、一応金融市場向けのベンダーやってるんだから何ぼ何でも金曜の月曜で真逆の話を流すとか為にするニュースヘッドラインの打ち方してるのかよと言いたくなってしまいますし、そういうのやってるから肝心の金融政策見直しのニュースになると時(以下割愛)。


・ところで1月輪番予定で減額するとして(と勝手に置いているアタクシ)・・・・・・・・

昨日の続きというか書ききれなかったので補足する輪番関連ですけどね。

まあ昨日申し上げましたように、先週金曜日に10年輪番減額したのって、アタクシの勝手読みですけど読み筋としては、まあ1月の10年輪番は5回→4回にするための予告ホームランではあるでしょうし、予告ホームラン打ったのはちょっとノーケアーになっていたので、需給が強いうちに予告ホームラン打つことによって月末にサプライズにしてそのまま年初から売りモードにされるのを避けた、ということでしょう(そう考えますと「入札の翌日に10年輪番」は継続する方が無難という話になるんでしょうな、減額をする方を優先するでしょうし、両方やって冒険する意味も無い)。

でまあ4300×5だと21500になるので、4回にするんだと、まあキリの良い所で考えますと5000×4の20000で月額1500億円の減額、なのですが、実を言えば12月頭の段階だと4500×5だったので22500からの2500億円の減額ですから、何気に結構な減額なのですが、途中に減額を挟むことによってしらっと2500億円(年間3兆円)の減額を打ち込むことが出来そうな感じですな。

ちなみにこの時は来年の頭始まった時点での長期国債買入ペースは来年暦年で21兆円の買入拡大になるというアタクシの手計算(と言っても表計算ソフトで計算していますが)ベースの結果になりますな。

なお、昨日は月額買入額(除く1年で月額6兆円になるように計算してみた)の方から逆算してみて、かつ500億円の増額で大減額というのを考えてみたら4800億円というのが出てきたのでそれで考えてみましたが、これだと4800×4で19200なので、12月当初から見ると月額3300億円の減額(修正後だと2300億円の減額な)になって物凄くデカいのですが、相場の位置次第ではそこまで減らしてもエエンチャウノとは言いたくなるのですが、昨日も10年カレントだけ重いとかお洒落なことになっていましたので、まあそこまで頑張らんでも良いのかなとは思いましたが、減らせるもんなら4800くらいまでやってほしい所ではありますな(ただの買入減らせ人間の感想ですが)。


というのは兎も角として、来年の発行減額が予想される中(ちなみに昨日はロイターの記事を引用しましたが、アタクシ思うに5年はいらない子なので仮に2〜20を各1000億円とするのでしたら2年は据え置きで5年2000、10年20年1000の方が良いんジャマイカとは思った、よー知らんけど)、10年が月額1000億減額になったら10年輪番のシェアってどうなんですかと計算(という程のもんでもないが)したのですが、5000億円×4だと2兆円になるので、やっとこれで発行予定額以下の買入になるという数字ですが、それでも9割以上の買入をしている訳で、まあ勘弁してくらはいという感じです。


・チーペストェ・・・・・・・・・・・・・

先物ちゃん強いんですがそもそもネットベーシスどうなっとるんじゃい、ということでブルームバーグ端末を叩くのも良いのですが、まあ人力でホイホイ見れるようにしておかないと、と思って先物裁定表(先物裁定表とか今そんな言葉残っているのかというのは知らんのだが、何の意味か分からない人は村の古老に聞いて下さい)作ってみた訳ですよ。引値を売買参考統計値の単利から引っ張ってくれば公開データで全部作れる(CFは東証にある、どっちもエクセル形式で取れるので安直にできる)ので、昔取った杵柄でホイホイと作ってみたのですが(今はキャッシュのトレーダーではないので)、レポレート▲10bpで計算すると3月限チーペストのネットベーシスって10銭台後半とかいうようなとんでもない数字が出てきまして(昨日の売買参考統計値だと342の引けが単利で▲0.012%なのですが、そこからレポレート▲10bpで計算すると20銭近くなると思うんだが)、レポレート▲70bpでネットベーシス4銭くらいで、▲80bpで2銭弱くらいになると思う(なおこの辺の数字は全部アタクシが勝手に手計算しているものなので違っていたらゴメンナサイというか誰か指摘してくださいお願いします)というような状況。

っていうことは要するにチーペストのレポが概ねそんなもんというのを織り込んだ状況になっているということですので、そら先物売りにくいわ(前の限月も結局最終建玉2000枚ちょっとまで買い戻しされましたし、現渡するのはちょっとアレという感じなんでしょうな)というか、今の債券先物って商品設計上(設計されたのが金利が高かった時代だから仕方ないけど)および銘柄統合ルールの関係上チーペストがほぼ一義的に定まってしまうので、チーペストのレポがぶっ飛んでしまうと先物が色々とやりにくくなるわなという事なんですけど、まあ前々から言われてはいましたが、いやこれはあばばばばーとか思ったのでメモだけしておきます、という所ですが、12月限チーペスト341回の時はここまで金利下がる前の時点ではレポレート▲10bpで計算してネットベーシス5銭程度だったと思うので、うーんこのという風に思ったのでした、というメモだけ。

#以上の数値に関してはアタクシがヘコヘコと表計算ソフトで人力計算しているものなので、そこまで突拍子もなく間違ってはいないと思いますが、正確性に欠ける可能性が思いっきりありますので、数値の正しさについてのご確認は各自でお願いいたします


〇短観企業の物価見通し

まあこれって結局動かざること山の如しではないか、とか何とか言い出しているような気がしますが、
折角のデータなので確認確認。

http://www.boj.or.jp/statistics/tk/tankan12b.htm/
短観(2018年12月)

http://www.boj.or.jp/statistics/tk/bukka/2016/tkc1812.pdf

1.販売価格の見通し(現在の水準と比較した変化率)

全規模合計 全 産 業

1年後 前回:0.8%→今回:0.8%
3年後 前回:1.3%→今回:1.2%
5年後 前回:1.5%→今回:1.5%

前回アタクシこんなこと書きました。

販売価格の見通しが全般的に上がっているから企業の価格設定行動が改善しているよ!やったね!日銀!!・・・・・・・って現象的には確かに1年後と3年後の販売価格の見通しは上がっているのですが、まあ遅々として歩みの鈍い足取りでして、前々回の販売価格判断がそれぞれ0.7、1.2、1.4なので、半年かけてそれぞれの数値が0.1ずつ上がりました、というような結果になっております。

でもってインフレ期待って言いましてもそもそもがふわっとした話で、実際にインフレ期待がビルトインされて出てくるものっていうのは「販売価格判断」というあたりや「定例給与の引き上げ動向」という話になる(・・・・・・って定例給与の引き上げってのは「生活給」という概念で考えて申し上げているのですが、まあ世の中的には最近って払う側は職能給みたいな理屈を持ってくるのでそれだと労働生産性が上がった分で昇給になるからインフレ期待あまり関係ないともいえるけど)のですが、企業の価格設定動向、という意味で言えば短観のこのデータをベースにすれば「半年間で0.1%上昇しました」とまあ非常に時間の掛かるお話でして、この調子で2%物価上昇を所与とした価格設定行動に持っていけるのってあと何年かかりますねんというお話ではあります。

が、まあ半年に0.1%だけど上がっているからよかったじゃないですか、2%行く前に次の景気後退が来て全部おじゃんになってしまうって気もしますけどね!!!!(白目)(ここまで前回の短観を受けたアタクシの駄文)

・・・・・・・・今回は3年後の数字が下がって他がウゴカンチ会長ということでもう書くことがございませんが何か???という風情なのが悲しい。


2.物価全般の見通し(前年比)

全規模合計 全 産 業

1年後 前回:0.8%→今回:0.9%
3年後 前回:1.1%→今回:1.1%
5年後 前回:1.1%→今回:1.2%

前回アタクシこんなこと書きました。

・・・・・・・と販売価格判断を見てせっせとコメントしたというのに何ですかこの根性の無い物価見通しの推移は!!!という感じですが、これがまた前々回の数字がそれぞれ0.8、1.1、1.1でしたので、何のことはない要するにこの半年横ばいというお話。

ただまあ無理矢理日銀に都合の良さそうな屁理屈を回しますと、物価見通しが変わらない中で価格設定見通しに関してはじっくりではありますが上昇している訳でして、物価見通しというのが実際に企業の行動にどう影響するかはよくわからないですが、現実に行動として出てくる価格設定見通しの方が強くなっている訳ですから、これは企業の価格設定動向の強気化を示していて、インフレ期待が上がらなくても能動的に価格設定を引き上げるコースが見えてきた、といって喜ぶというのが無理矢理読むとそう読めないこともない。

ってまあ普通に読めば「今回も横ばいですな全然カワランチ会長ですなあ」でおしマイケルなのでございますががががが。(ここまで前回の短観を受けたアタクシの駄文)

・・・・・・・・うーんこのという感じで、今回は一応上がるには上がったのですが、結局ずーっとこんな感じで動かんのでして、まあこれはこれでアンカーされているんじゃないですかデフレ期待じゃないだけマシという事にしておきませんか、とは思いますが、この調子だと「実際の物価が上がってくると適合的な期待形成が」とかいう話も大丈夫かと思いますし、そもそも論として「日銀が強力なコミットメントとそれを裏付けする強力な金融緩和政策をとることによってフォワードルッキングな期待形成が行われてインフレ期待が上がる」という置物理論あんど黒田ドクトリンとは何だったのかという話になりますし、そら若田部副総裁も「世の中が日銀の示す2%物価上昇を理解してくれません」と泣きを入れるというものですな、ナムナム。

なお、すっかり無かったことになっている「中小企業のインフレ期待の方が見るべき」の方ですが、

中小企業 製 造 業

1年後 前々回:1.0%→前回:1.0%→今回:1.0%
3年後 前々回:1.2%→前回:1.3%→今回:1.2%
5年後 前々回:1.3%→前回:1.3%→今回:1.2%

中小企業 非製造業

1年後 前々回:1.0%→前回:1.0%→今回:1.0%
3年後 前々回:1.2%→前回:1.2%→今回:1.2%
5年後 前々回:1.3%→前回:1.2%→今回:1.2%

なお前々回の前というのもこんなもんの数字でして、そら日銀がこのアンケートの話をすっかりしなくなるわな、と思うのでした、ちーん。

#ECBドラギ会見とかブレイナード講演の続きはどうしたと質問してはいけません(大汗)


2018/12/17

お題「短観私家版チェック/10年輪番減額で市場雑談」

しかしこの芥川賞直木賞って(全然読まないからどうでもいいとはいえ)何のために継続しているのかというと粗製乱造あるいは話題性だけ小説の跋扈に手を貸しているだけじゃろと思うのですけれども(個人の感想です)。
https://www.asahi.com/articles/ASLDF5FTVLDFUCVL00S.html
芥川賞・直木賞の候補に古市憲寿さん、森見登美彦さんら
2018年12月17日05時03分

という話だけだと悪態なので浄化のためにこんなのでも
https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-nowotny-idJPKBN1OD15V
2018年12月14日 / 19:29
ECB、できる限り早期にマイナス金利撤廃を=オーストリア中銀総裁

イイハナシダナー(なお実現するとは言っていない)。


〇そういえば短観だったので私家版定点観測

http://www.boj.or.jp/statistics/tk/gaiyo/2016/tka1812.pdf
短観概要

・先行きDIの達成度合い

         (9月時点)     (12月時点)
         現状→12月予測    現状→3月予測
製造業大企業   +19→+19     +19→+17 
製造業中堅企業  +15→+13     +17→+11        
製造業中小企業  +14→+11     +14→+8

非製造業大企業   +22→+22    +24→+20
非製造業中堅企業  +18→+15    +17→+13
非製造業中小企業  +10→+5     +11→+5

前回9月短観ではこんなことを書いておりました。

でもって今回ですけれども、見てて多少唸ってしまったのは「前回見通しDIよりも今回のDIが製造業で下振れしている」という部分でして、ここまでずーっと「固めの先行き見通しDIに対して実際に出てくるDIはそんなに落ちない(どころか良くなる)」というのを継続していたのですけれども、そらまあ+20だとかいうようなDIの水準そのものが強いのでそらそうよということではあるのかも知れませんが、これは製造業ピークアウトの香りも仄かに漂う今日この頃って奴ではないかという気がせんでもないが、そういってただの踊り場だったというのも何度か見ているので別に決め打ちをする気はさらさら起きません。(ここまで9月短観の時に書いた駄文より)

前回は製造業ピークアウトかと思わせる怪しげな数値をたたき出していた短観ちゃんでございますけれども、今回は前回時点の予測をプラス(除く製造業大企業)して達成しているので無問題という感じがします。なお短観DIの市場事前予測は知らん(無頓着)。あと、これ先行きDIが弱いというのはネタになる話ではあるのですが、基本的にこの位強い状態で、かつバンバン上がる訳でもないという地合いにおいては、先行きDIは保守的に出てくるのが仕様なのでそこはそんなに気にしなくてエエンチャウノとは思います。


・雇用判断DI(ここの数値はマイナスが大きい方が雇用情勢的には良い)

        (9月時点)      (12月時点)
        現状→12月予測     現状→3月予測
製造業大企業  ▲18→▲18      ▲19→▲19
製造業中堅企業 ▲27→▲28      ▲26→▲30
製造業中小企業 ▲32→▲35      ▲33→▲35

非製造業大企業   ▲29→▲30    ▲29→▲31
非製造業中堅企業  ▲36→▲41    ▲39→▲41
非製造業中小企業  ▲40→▲46    ▲43→▲47

前回に続いて今回も基本的に不足感が拡大というオソロシスな数字なのですが、その割に給与が増えた感じが全然しないし、社会保障費は増えているし控除は減っているし(じっと手を見る)。


・販売価格判断(「上昇」-「下落」)

        (9月時点)      (12月時点)
        現状→12月予測     現状→3月予測
製造業大企業  +7→+3        +6→+1
製造業中小企業 +5→+6        +4→+6

非製造業大企業  +7→+5       +8→+7
非製造業中小企業 +2→+4       +2→+3



仕入価格判断(「上昇」-「下落」)

        (9月時点)        (12月時点)
        現状→12月予測       現状→3月予測
製造業大企業   +27→+23       +24→+20
製造業中小企業  +41→+43       +41→+42

非製造業大企業  +18→+17       +18→+17
非製造業中小企業 +26→+29       +26→+29

前回9月短観ではこんなことを書いておりました。

でもって今回なのですが、製造業大企業で販売価格判断が上がっているのに仕入価格判断が下がっていたり、製造業中小企業でも販売価格判断が横ばいで仕入価格判断が下がっているという中々素敵な事案が発生していますし、販売価格判断は非製造業中小企業を除いて横ばいから上昇しているのでこれは日銀ニッコリの展開・・・・・・になるんでしょうかねえ。(ここまで9月短観の時に書いた駄文より)

今回一見して「おー」と思ったのは何かと申しますと、前回時点の「12月予測」よりも価格判断が上がっているのが大企業、下がっているのが中小企業となっていまして、まあ仕入れも販売も上がっているからアレではございますが、謎の二極化になっているのが一見して気になりました。

なお、このコーナーにある「需給判断」ですが毎度ほぼ同じ数字が並んで面白くないのでパスします。



・金融商品取引業ェ・・・・・・・・&預金金融機関

        (9月時点)        (12月時点)
        現状→12月予測       現状→3月予測
金融商品取引業  +4→+14        ▲7→+0

前回9月短観ではこんなことを書いておりました。

でまあ今回は6月時点での「今度こそ反転上昇」をあざ笑うように一段とDIのプラス幅が縮小となっておりますが、一方で直近株式市場の方はエッサホイサと上昇しているんですが今後どうなるのやら。(ここまで9月短観の時に書いた駄文より)

・・・・・・・・・いやーマイナス来ましたよマイナス。ちなみに短観大企業の業種別DIを見ましても金融業の業種別DIを見ましてもマイナスというのはここだけという辺りに悲しみを感じます。


でもってあばばばばー感一服という風情が前回に漂っておりました預金金融機関ですけれども、

        (9月時点)        (12月時点)
        現状→12月予測       現状→3月予測
銀行業      +7→+6         +13→+4
協同組織金融業※ +2→+0         +2→+0
(※昨年12月短観までの「信用金庫・系統金融機関等」)

前回9月短観ではこんなことを書いておりました。

銀行業の現状判断DIと先行き判断DIはいったん落ちるの止まった(まさかとは思いますがアンケート回答に際して忖た・・・・・いやなんでもないです)のですが、協同組織金融業の方が下がっておりますな今回というところでありまして、うーんこのという感じです。(ここまで9月短観の時に書いた駄文より)

でまあ銀行業は何か知らんが下げ止まったような感じなのですが、そんなにおまいら業況良いのかよというのは物凄い勢いで疑問を感じざるを得なくて、前々回にあばばばばーな業況判断DIが出て以降状況が改善しているとも思えないのに妙に銀行業の方が反転している辺りに何か陰謀論を妄想したくなりますが個人の感想ですという所で。


〇10年輪番減額キタコレということで色々と雑談を

・ノーマークの時に減額するのが趣味なのか??

金曜の輪番オファー。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of181214.htm
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,300 2018年12月17日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,000 2018年12月17日
国債買入(残存期間25年超) 500 2018年12月17日

・・・・・・・ということで金曜の輪番は割とノーケアーだったと思うのですがおもむろに10年輪番減額というところですが、しばらく前から申し上げておりましたように、12月輪番予定表出した時に10年だけ相変わらず入札翌日の輪番をぶっこんでいるし、10日に金利下がった時にも長期輪番減額は無かったし、というような展開になっておりましたので、10年過保護姿勢が明白ですなあとか申し上げておりまして、こりゃ10年5bpどころかマイナス突っ込んでこないと減額こないんじゃないのかな、とかいう風に申し上げていたし、金曜は警戒感まあ無かったと思うの。

でもってしばらく前に月の中で減額したときもそうなんですが、なんか今回も「市場が警戒している時に減額しないで市場が無警戒の時に減額する」という一々何か芸をしないと気が済まないのではないかというようなタイミングでの減額でして、輪番の前は先物が(その時の)高値93銭とか付けていたのですけれども、ノーケアー減額キタコレとなってホイホイと先物が下がって86銭まで下がった訳ですよこれがまた。

しかし86銭まで下がった所から急にサガランチ会長になって来て先物じりじりと上昇となって徐々に押し返していって、そのあとは輪番は強い(というか応札が少ない)は株は弱いわで最後は152円台に上昇してしまいまして、輪番減額で余計な先物ショートが出来て踏むものが出来まして踏み踏み相場の進捗に寄与しちゃいましたなあというオソロシスな展開になって、引け後は日高砲(あとでメモ入れる)登場で更にあばばばばーな展開となりましたな。

ということでロイターさんから。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL3N1YJ2DA
2018年12月14日 / 15:19 /
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅反発、長期金利0.030%に低下

『<15:15> 国債先物は大幅反発、長期金利0.030%に低下

長期国債先物は大幅反発して引けた。国債大量償還を控えた好需給に加えて、日経平均株価が大きく値下がりしたことから買いが優勢になった。日銀が14日発表した12月全国企業短期経済観測調査(短観)の結果は、総じて足元しっかりだったが、先行きは楽観できる内容ではないとの評価がみられた。現物債市場では、先物高に連動して金利に低下圧力がかかった。超長期・長期を対象にした日銀の国債買い入れオペの応札倍率が前回から3本とも低下し、需給の引き締まりが意識されたことも金利を押し下げた。日銀が「残存5年超10年以下」のオファー額を4300億円とし、前回から200億円の減額に踏み切ったことの影響は限られた。』(上記URL先より、以下同様)

寧ろ減額して先物の叩き料理がでたのが踏み材料になってしまうというオソロシスな展開でして、しかしまあ長期輪番減額して金利が上がるどころか下がるわ、ドル円市場は全然反応しないわという展開ですので、今回もまた金融市場局大勝利の巻でして、柔軟化して最初に臨時オペ砲撃を打った以降は金融市場局大勝利の連続にも程があるわと感心するやら呆れるやら。まあ本来は金利が自然に上昇するような外部環境(つまり市場のインフレ期待が上がってフィッシャー効果炸裂の巻となる展開)になって金融市場VS日銀金融市場局の大坂夏の陣の如き攻防戦が行われて最後は落城炎上というの方がインフレ目標達成コースなので負けても勝ちなんですけどまあそこはキニシナイ。

『欧州中央銀行(ECB)は13日、主要政策金利を据え置くと同時に、量的緩和(QE)を終了させることを正式に決定した。積極的に材料視されるまでに至らなかった。長期国債先物中心限月3月限の大引けは前営業日比25銭高の152円02銭と中心限月の日中取引ベースで16年11月9日以来となる高水準を付けた。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比2bp低下の0.030%。』

とまあそういうことで、結果的に減額しても全然関係なかったのでまあアレなのですが、さて現実問題としてこういう結果にならなかったという可能性だってある訳で、何で金曜日わざわざノーケアーの所に減額をぶち込んできたのでしょうか、ということは妄想しておく必要がある。


・結果無問題とは言えノーマークの時に減額した理由を妄想してみる

まあ幾つかの要因があると思うのですが、10日の時点ではもうちょっとリスクオフだったのと、為替が112円台だったというのが違うかなという感じでして、金曜は為替が113円台(そこの1円って誤差じゃろといいたくなるけど最近ドル円全然動かんからそこの1円も気にしたくなるのは分かる)になっていたので金利上昇円高という展開で色々と言われるのもアレという事でタイミングを見た、というのが一つの考え(個人の感想です)。

でもって他の妄想としては、「本当は月末の1月輪番予定の所で回数削減の実質減額をやろうと思っていたのだが、あまりにも市場がノーケアーになってしまっているので、輪番実質減額を年末に入れてしまうとサプライズになってしまって年始に輪番要因で金利が上昇する、という昨年のトラウマの再来を恐れて予告ホームラン打ってきた」という所でして、何せ去年は輪番といえば12月の需給がクソ良い時に全然減額しないで金利がホイホイと下がった所の年始一発目の超長期輪番減額でいきなりリバーサルレートの話と絡めての売り攻撃で金利が上昇して、2月のところで抑えにかかるの巻、というのがあって、その前の年も1月に中期輪番スキップからのインザマネーで指値オペという事案がありましたように、1月2月というのは輪番オペをやる方にとっては2年連続でアチャーという事になっていますので、来年に関しては1月動くのではなくて、12月に動くことにして、1月の悪夢を避けようということなのかも知れませんな。

あと考えられるのは国債発行計画との絡みとかで、1月はいずれにせよ動かないにしてもやるなら地合いの強い今のうち、というのがあったのかもしれませんけどよくわからん。

こういうのが出てました。
https://jp.reuters.com/article/jpn-bbond-idJPKBN1OF06Y
2018年12月16日 / 17:50 /
市中国債、20年債以下対象に減額4.8兆円=19年度計画で政府筋

『市中発行額の減額は6年連続。これまで最大だった13年度当初の156.6兆円からは27.2兆円下回る水準で、金融政策の柱として買い取ってきた日銀の国債購入量は、一段と減りそうだ。 年限別では20年債と10年債、5年債、2年債の4銘柄をそれぞれ年1.2兆円減額する。20年債の年間発行額は10.8兆円、10年債は25.2兆円、5年債は22.8兆円、2年債は24.0兆円となる。超長期債のうち、18年度に減額を優先した40年債や30年債の年間発行額は、それぞれ2.4兆円、8.4兆円に据え置く。1年割引短期国債や物価連動債、流動性供給入札の年間発行額も、19年度計画では変更しない。』(上記URL先より)


・これで来年の買入がどうなりますねんと言いますと・・・・・・・・・・・・

例によって例のごとく計算してみた。使うのは日銀保有国債残高表と、営業毎旬報告と、償還日拾ってくるために売買参考統計値(12/3の奴)辺りといういつもの道具です。

年内の償還は額面ベースで97247億円、額面ベースで見た場合の11月末の残高は前年末対比で393677億円の増加、営業毎旬ベースだと400249億円の増加で、差分は7000億円弱なので計算楽な方で額面で見ておきます。

買入の方は今回の減額によって月額63500億円、1年以内に関しては償還銘柄が入るという前提だと月額62500億円になりますが、今回のは途中での減額なので今月は62900億円の買入でして、あと11/30の輪番で入った分が6833億円ありますので、その足し引きをすると結局今年(暦年)の長期国債増加額は366163億円という計算になりますな。

でもって来年ですけれども、償還が521932億円、買入が月額62500億円で計算すると750000億円になるので、増加額が228068億円でだいぶ減って来ましたな結構結構という数値。

あとは10年の所に関して、アタクシの妄想通りで来月から月4回にして、1回5000億円か4800億円か、という形で減額できればもうちょっと減る訳で、4800×4にすると月額買入が1年以下を除いて60200億円まで減るので、来年の暦年での増加が200468億円まで行くのですな、うんうん。


・ところで先物が強い件について

・・・・・・・・ということで先物強いんですけどチーペストのベーシスも大概おかしいことになっている(レポレート何ぼですねんというような感じ)という話もあるのですが、短観の方に時間かけてたら時間が無くなってしまいましたのでその辺の続きは明日でご勘弁。



〇ところで日高砲

MPM前といえば日高砲
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-14/PJPQ4S6JIJUR01
複数の日銀当局者、長期金利が0%以下でも構わないとの意見−関係者
日高正裕、藤岡徹
2018年12月14日 15:26 JST

債券先物が高値引けした金曜の引け後(15時25分くらい)を狙って打ち込んでくるとかタイミング狙いましたなという感じですが記事の方は・・・・・・・・・・

『世界的なリスク回避で日本国債の金利が低下する中、日本銀行当局者から長期金利が0%以下になっても構わないとの意見が複数出ている。事情に詳しい複数の関係者への取材で明らかになった。関係者らによると、複数の日銀当局者は長期金利について、7月に決定した0%を挟んで変動幅を上下に拡大した操作方針の下で、マイナスになっても問題ないとみており、金利が内外のファンダメンタルズに沿って変動する限り静観する構え。ただ、金利が急速に変動したり、下限を下回るリスクがあると判断すれば対応するという。』(上記URL先より)

って今回の記事なんですが、見事に関係者コメントの名前入り物件も無いという中々な作品なのですが、いやまあそれ自体は変動容認だし、もともと0%下限でも何でもないのですけれども、まあタイミングがまたまた金曜の引け後とかかよという奴でして、一応メモということで残しておきます。



2018/12/14

お題「ECBは順当な決定で前のめり感はまるで見られないステートメントになっていますな」

ブレイナード理事講演の続きをやります(キリッ)とか言っていましたがECBネタを寝起きで投下しないといけないというのがありましたな(超大汗)。

〇ECBは順当おぶ順当な決定で先行きの前のめり感も出していない気がしますがさて・・・・・・

・決定事項:資産買入拡大の停止(縮小する訳ではない)と償還再投資の当面の継続

https://www.ecb.europa.eu/press/pr/date/2018/html/ecb.mp181213.en.html
Monetary policy decisions
13 December 2018

『At today’s meeting the Governing Council of the European Central Bank (ECB) decided that the interest rate on the main refinancing operations and the interest rates on the marginal lending facility and the deposit facility will remain unchanged at 0.00%, 0.25% and -0.40% respectively. The Governing Council expects the key ECB interest rates to remain at their present levels at least through the summer of 2019, and in any case for as long as necessary to ensure the continued sustained convergence of inflation to levels that are below, but close to, 2% over the medium term.』

最初のパラグラフは金利に関して。金利は据え置きで金利に関するフォワードガイダンスに関しても変化はなくて、少なくとも今のレベルを2019年の夏までは続けまっせというのも同じですの。

『Regarding non-standard monetary policy measures, the net purchases under the asset purchase programme (APP) will end in December 2018. At the same time, the Governing Council is enhancing its forward guidance on reinvestment.』

2パラ目は資産買入に関してで、APPプログラムは12月で終了というのは事前予告通りで順当。償還再投資に関するフォワードガイダンスを設けましたってことでその内容は・・・・・・・・・・

『Accordingly, the Governing Council intends to continue reinvesting, in full, the principal payments from maturing securities purchased under the APP for an extended period of time past the date when it starts raising the key ECB interest rates, and in any case for as long as necessary to maintain favourable liquidity conditions and an ample degree of monetary accommodation.』

長いフォワードガイダンスだなと思いますが、APPで保有している債券の償還元本部分に相当する額を再投資行い、その償還再投資は政策金利の引き上げを開始する時期以降当面の間継続し、流動性供給や金融緩和度合いを維持するために必要であると判断される相応の時期までさらに継続することを企図している、ということですな。

でもって割と味わいがあるのは、金利ガイダンスの方が「expects」なのに対してAPPの償還再投資、すなわちバランスシートの維持に関しては「intends」になっているので、後者の方が積極的な意図があることを示している表現となっていますので、まあ米国のケースと同じで、バランスシート維持しながら利上げしていって、金利が相応に上がった時点で償還再投資の停止(段階的かどうかは知らん)を行うということになるんでしょう。もともとECBの場合はマージナルレンディングファシリティとデポジットファシリティで短期市場の金利回廊を作っている設計というのが金利が存在した時代からあったので、それを使いつつ超過準備の不胎化に必要な施策があればまたぶっこむとかそういう感じになるんでしょうな。

#ECBの場合はバランスシートの縮小が出来るところまで利上げ出来るのか説があるような気もするが


・ドラギ総裁会見、と言いたいがQAまだなのでINTRODUCTORY STATEMENTをば

https://www.ecb.europa.eu/press/pressconf/2018/html/ecb.is181213.en.html
PRESS CONFERENCE
Mario Draghi, President of the ECB,
Luis de Guindos, Vice-President of the ECB,
Frankfurt am Main, 13 December 2018

とりあえず朝の時点ではまだQAは無いのでINTRODUCTORY STATEMENTだけですにゃ。

『Ladies and gentlemen, the Vice-President and I are very pleased to welcome you to our press conference. We will now report on the outcome of today’s meeting of the Governing Council, which was also attended by the President of the Eurogroup, Mr Centeno.』

これはただの挨拶。

『Based on our regular economic and monetary analyses, we decided to keep the key ECB interest rates unchanged. We continue to expect them to remain at their present levels at least through the summer of 2019, and in any case for as long as necessary to ensure the continued sustained convergence of inflation to levels that are below, but close to, 2% over the medium term.』

これは金利の部分、決定事項にあるように今回は変更なし。

『Regarding non-standard monetary policy measures, our net purchases under the asset purchase programme (APP) will end in December 2018. At the same time, we are enhancing our forward guidance on reinvestment. Accordingly, we intend to continue reinvesting, in full, the principal payments from maturing securities purchased under the APP for an extended period of time past the date when we start raising the key ECB interest rates, and in any case for as long as necessary to maintain favourable liquidity conditions and an ample degree of monetary accommodation.』

これはAPPの部分、決定事項にあることをそのまま発言。

『While incoming information has been weaker than expected, reflecting softer external demand but also some country and sector-specific factors, the underlying strength of domestic demand continues to underpin the euro area expansion and gradually rising inflation pressures.』

最近のデータは見通しよりも弱いのですが、海外の需要が軟化していることや、複数の国におけるセクター特有の要因によるもので、基調としての域内における需要はユーロ圏の景気拡大とインフレの漸進的な上昇を支えています、だそうな。

『This supports our confidence that the sustained convergence of inflation to our aim will proceed and will be maintained even after the end of our net asset purchases.』

ということなのでAPPプログラムは終了ですよ、だそうで。

『At the same time, uncertainties related to geopolitical factors, the threat of protectionism, vulnerabilities in emerging markets and financial market volatility remain prominent.』

同時に地政学的要因、貿易戦争の影響、新興国市場の脆弱性と金融市場のボラティリティは不確実性の
顕著な要素ですとな。

『Significant monetary policy stimulus is still needed to support the further build-up of domestic price pressures and headline inflation developments over the medium term. Our forward guidance on the key ECB interest rates, reinforced by the reinvestments of the sizeable stock of acquired assets, continues to provide the necessary degree of monetary accommodation for the sustained convergence of inflation to our aim. In any event, the Governing Council stands ready to adjust all of its instruments, as appropriate, to ensure that inflation continues to move towards the Governing Council’s inflation aim in a sustained manner.』

つーことなので顕著な金融緩和措置は引き続き必要で、そんなわけでフォワードガイダンスによって金融緩和効果を強化していますよああ必要となった時には然るべき措置取るけんね、というのがステートメントの政策運営に関する部分ですの。

ここで念のため10月ECB会合後のステートメントの上記パラグラフ部分の表現(金利の話とAPPの話は別に比較する必要もない)を比較してみましょう。

https://www.ecb.europa.eu/press/pressconf/2018/html/ecb.is181025.en.html

『Incoming information, while somewhat weaker than expected, remains overall consistent with an ongoing broad-based expansion of the euro area economy and gradually rising inflation pressures. The underlying strength of the economy continues to support our confidence that the sustained convergence of inflation to our aim will proceed and will be maintained even after a gradual winding-down of our net asset purchases. 』(この部分直上URL先となる10月25日ECB定例理事会後のINTRODUCTORY STATEMENTより、以下同様)

10月も「somewhat weaker than expected」で今回も「weaker than expected」なので、前回よりも今回の方が言い訳が入っているのが分かるかと思います。

『At the same time, uncertainties relating to protectionism, vulnerabilities in emerging markets and financial market volatility remain prominent.』

前回10月の不透明要因に「geopolitical factors」ってのがあって、まあ大体ハードブリクジットとか、イタリアの予算がどうのこうのとか、フランスの大暴れモードとかその辺なんですかね。QAで誰か質問しているかもしれません。

『Significant monetary policy stimulus is still needed to support the further build-up of domestic price pressures and headline inflation developments over the medium term. This support will continue to be provided by the net asset purchases until the end of the year, by the sizeable stock of acquired assets and the associated reinvestments, and by our enhanced forward guidance on the key ECB interest rates. In any event, the Governing Council stands ready to adjust all of its instruments as appropriate to ensure that inflation continues to move towards the Governing Council’s inflation aim in a sustained manner.』(ここまで10月ECB定例理事会後のNTRODUCTORY STATEMENTより)

「Significant monetary policy stimulus is still needed」以下の部分はおおむね同じ話をしていて、ただまあAPPが終了したので今回は資産規模維持のフォワードガイダンスが緩和効果みたいな話がかわりにぶっこまれて来ましたという辺りに変化はありますが、基本的な話の筋は同じです。


でもってその次は景気と物価の話になります。今回のINTRODUCTORY STATEMENTに戻ります。

『Let me now explain our assessment in greater detail, starting with the economic analysis.』

はい。

『Euro area real GDP increased by 0.2%, quarter on quarter, in the third quarter of 2018, following growth of 0.4% in the previous two quarters. The latest data and survey results have been weaker than expected, reflecting a diminishing contribution from external demand and some country and sector-specific factors. While some of these factors are likely to unwind, this may suggest some slower growth momentum ahead.』

最初の所でもあった「weaker than expected」となった言い訳。これらの言い訳のいくつかは「likely to unwind」なんですが、全部じゃなくて「some of these factors」なので先行きの成長モメンタムは「some slower」となりますぜというお話ですな。

『At the same time, domestic demand, also backed by our accommodative monetary policy stance, continues to underpin the economic expansion in the euro area.』

ほうほう。

『The strength of the labour market, as reflected in ongoing employment gains and rising wages, still supports private consumption. Moreover, business investment is benefiting from domestic demand, favourable financing conditions and improving balance sheets. Residential investment remains robust. In addition, the expansion in global activity is still expected to continue, supporting euro area exports, although at a slower pace.』

域内の需要に関する話は何か知らんが威勢のいい話をしていて、そんなに威勢がよかったっけとは思いますが、一方で外需ガーという話をしてるんだが、これって日米欧(ついでに英国も)全部の中銀が「ドメスティックなディマンドは堅調ですが海外の減速が気がかり」とかいう言い方をしているように思えるのですが・・・・・・・・

『This assessment is broadly reflected in the December 2018 Eurosystem staff macroeconomic projections for the euro area. These projections foresee annual real GDP increasing by 1.9% in 2018, 1.7% in 2019, 1.7% in 2020 and 1.5% in 2021. Compared with the September 2018 ECB staff macroeconomic projections, the outlook for real GDP growth has been revised slightly down in 2018 and 2019.』

今回のECBスタッフによる成長見通しは9月の見通し対比で2018年と2019年を若干引き下げているそうな。

『The risks surrounding the euro area growth outlook can still be assessed as broadly balanced. However, the balance of risks is moving to the downside owing to the persistence of uncertainties related to geopolitical factors, the threat of protectionism, vulnerabilities in emerging markets and financial market volatility.』

リスクはバランスしているものの以下のような要因でバランスはややダウンサイドに動いているって何じゃその文学的な表現はという感じですが、このリスクバランスの部分に関して10月はこうなっていました。

『The risks surrounding the euro area growth outlook can still be assessed as broadly balanced. At the same time, risks relating to protectionism, vulnerabilities in emerging markets and financial market volatility remain prominent.』(10月ECB定例理事会後のNTRODUCTORY STATEMENTより)

まあ10月も微妙ちゃあ微妙ではありますが、今回のはどう見ても文芸作品状態になっていて、リスクはバランスしているけどダウンサイドリスクに動いてるって何だよそれとしか申し上げようがないのですが、APPを今回終了させた手前、リスクがダウンサイドに傾いているというのを主文にしてしまうと、だったら何でAPP終了したんだこのスットコドッコイと言われるのが明らかだからというのがあるのはまあ分かるがこの文芸作品はいただけませんな。

『Euro area annual HICP inflation increased to 2.1% in September 2018, from 2.0% in August, reflecting mainly higher energy and food price inflation. On the basis of current futures prices for oil, annual rates of headline inflation are likely to hover around the current level over the coming months.』

物価はしばらくエネルギー食糧要因で堅調推移の見込み。

『While measures of underlying inflation remain generally muted, they have been increasing from earlier lows. Domestic cost pressures are strengthening and broadening amid high levels of capacity utilisation and tightening labour markets. Looking ahead, underlying inflation is expected to pick up towards the end of the year and to increase further over the medium term, supported by our monetary policy measures, the ongoing economic expansion and rising wage growth.』

基調的な物価の伸びは以前より上がったとは言え依然として抑制的ですが、経済の稼働率の上昇や労働市場のタイト化によって物価の基調は徐々に強まると予想していますし、ワシらの緩和政策によってそれらの動きをサポートするので、経済の拡大が続いてお賃金も上がるんで物価には上昇圧力が今後もかかりまっせ、というお話。

以下はブンデスバンク時代からの伝統なので仕方ないのですが今更M3かよといういつものマネタリーアナリシスの話があって、最後にstructural reformsだのfiscal policiesのお話があって終了の巻となりますがその辺はパスします。

#ということでブレイナード理事の話は週明けに(たぶんこのQAネタと共に)



2018/12/13

お題「ブレイナード理事講演は金融不均衡ネタなのですがその前段の現世利益部分を鑑賞ということで」

これは流行る。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken4_000785.html#topic5
河野外務大臣会見記録
(平成30年12月11日(火曜日)13時39分 於:本省会見室)
・日露関係

・・・・・・・・・・・もうこの際黒田さんも会見を全部これで通したらどうでしょう。円安が盛大に進行して物価目標達成するかもしれませんよ!!!!!(大嘘)


〇ブレイナード理事講演より(その1)

まあ円債に関しては先物が相変わらずお強いのですが夢(または悪夢)の10年0%とか20年0.5%割れとかがぶっこまれないと輪番減額とかがぶっこまれる雰囲気を感じないですし、輪番減額スキームとか言っても実は最近って回数減らして掛け算で増額減額スキームやってばかりで、実は1回の金額を純粋に減らしてはいないという状態なので、さすがに長期5回のまま4回→3回にするのは(まあ本来はやった方が良いと思うけど)やりにくいでしょうし、長期の方はあの過保護ぶりの状況で簡単に減額してくるとも思えないので、そう考えると10年マイナスにでも突っ込んで来ない限り1月輪番予定表って12月と同じで来るんジャマイカという気がしてきました(個人の感想です)。

とまあそんな状態だと12月会合プレビューって言ったってそもそも展望レポートも無い会合ですのでまあ何も無いでしょという感じですが、毎度申し上げておりますように、こういう時こそリスク性資産の買入(まあゆうて株系は色々と難しいでしょうけど社債CPと貸出支援は見直せよという話)の検討をしやがれコノヤローと思うのですがねえ。

・・・・・・・という程度しか決定会合プレビューも無いですので、またまたFOMCプレビューのつもりで(話の展開が無理矢理すぎますかそうですか)これまた先週の講演ネタで誠に恐縮ですがブレイナード理事の講演ネタということで。


https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/brainard20181207a.htm
https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/files/brainard20181207a.pdf
December 07, 2018
Assessing Financial Stability over the Cycle
Governor Lael Brainard
At the Peterson Institute for International Economics, Washington, D.C.

というお題にありますように基本的にはFSRのお話であまり利上げパスがどうのこうのという話ではないのですがまあ鑑賞ということで。


・そういやFSRちゃんと読まないといけませんな(汗)

最初のマクラの2パラ目ですが。

『If we learned anything from this experience, it is that we must be especially vigilant to safeguard the resilience of our financial system in good times when vulnerabilities may be building. That is why the Federal Reserve actively monitors the potential vulnerabilities to the financial system. Last week, for the first time, we released our assessment in the Financial Stability Report.2』

ということで出ているのですが何せここもと逆イールドヒャッハーだの株式市場あばばばばーだのというようなネタで泡吹いておりましてFSRちゃんと読めてないので読まんといかんわ、と思うのでありました。

『Today I will offer a brief summary of the outlook, highlight areas where I see financial imbalances building, and touch on the implications for policy.』

「implications for policy」であってマネタリーポリシーではないのでファイナンシャルスタビリティに問題が起こりそうだからBISビューで利上げしろみたいな話は出てこない仕様になっておりますのであらかじめ申し添えます。


・米国経済に関しては基本的に強い見方を示しています

『Sustaining the Expansion』って小見出しから始まる部分が経済物価見通しに関するお話です。

『Domestic economic momentum has been strong, as evidenced by the labor market.』

米国経済のモメンタム(なんかどこかで聞いた言葉じゃの)は労働市場に示されるように強いそうな。

『With the November data, monthly payroll gains have averaged 170,000 over the past 3 months, well above the pace necessary to absorb new entrants into the labor force. The share of the prime-age population (people ages 25 to 54) that is working is closing in on its pre-crisis level. By most measures, wages have accelerated over the past year and are now growing around 3 percent, the highest level since the crisis. These are welcome developments.』

でもってこれ12月7日の講演なので11月雇用統計の話をしれっとぶっこんでいますが、「3か月平均で17万超え」という言い方で「well above the pace」とか言ってて、しかもその他の数値も強いとかぶっこんでいるのがほほーという所で、まあ執行部見解はそういう感じなんでしょうな。

『While the most recent reading on core personal consumption expenditures, or PCE, inflation ticked down, indicators of underlying trend inflation remain encouraging overall, providing little signal of an outbreak of inflation to the upside, on the one hand, and reassurance that underlying trend inflation may be close to our target of 2 percent, on the other (figure 1).』

物価についても足元ちょいと下がっているかもしれませんが基調としては(なんかどこかで聞いた言葉じゃの)2%水準に近い状態が続いている、というお話。

『The economy has grown 3 percent over the past year, and there are good reasons to expect growth to remain solid next year, supported by the strong underlying momentum in domestic demand. Consumer spending looks to be robust going into the fourth quarter, and ongoing gains in income and employment provide positive fundamentals. In addition, business investment should be solid, even with recent declines in oil prices. Sizable fiscal stimulus has provided an important boost to demand this year and will likely contribute somewhat further next year, given the usual lags in outlays and in the effects of tax cuts on business and household spending.』

12月7日の講演にしてこの強い認識ということで、月末近辺にクラリダパウエル(と10月議事要旨)の日和というかサービスというかな情報発信で寧ろ米国経済先行き不安って感じになって月末月初に株が下がったので今度は強めの話をするようにしてきたんかいなとか思ってしまうのは考え過ぎでしょうかね。

ただゆうてそこまでガンガンの強気モードでもないというのも出していまして、

『The most likely path for the economy is positive, although some tailwinds that have provided a boost are fading, and we may face some crosscurrents. The global growth that provided a strong tailwind going into this year has moderated. The earlier strong growth in Europe and Japan appears to be softening toward trend. China is shifting to an accommodative policy stance to contend with a challenging trade environment and lagged effects from its earlier tightening.』

海外に関しては欧州と日本の成長が減速する一方で中国が緩和的になっているので今後そっちが効いてくると。

『Here at home, the impetus to growth from fiscal policy is likely to fade going into 2020. And after being exceptionally accommodative, financial conditions have tightened in recent months. Financial conditions are still supportive of growth by many measures (figure 2), but less so than last year.』

国内に関しては財政刺激の効果は2020年に向けて弱まって来るし、金融環境は依然緩和的とは言え徐々に引き締まっている、ということなので来年はそのまま強気でも2020年はそこまでいかんでしょという見解になっていますな。

『There are risks on both sides of the economy's likely path.』

ほう。

『In Europe, there are risks associated with deliberations over Italy's fiscal and debt trajectory and the United Kingdom's deliberations on the Brexit deal.』

イタリア予算だのブリクジットだのというのは順当。

『Here at home, we hear from businesses that the uncertainty associated with trade policy and the implications for supply chains may weigh on business capital spending. Although it is reasonable to expect fiscal spending to be extended around current levels in real terms after the Bipartisan Budget Act expires, we cannot rule out that fiscal policy could become a headwind in 2020.』

貿易戦争とそれによるサプライチェーンの影響とか、財政刺激効果の減衰とかまあこの辺も順当。

『The risks are two-sided.』

でこの後がちょっとほほーと思ったんですが、

『Business contacts report difficulties finding qualified workers and increased costs associated with inputs, tariffs, and transportation, along with somewhat greater ability to pass through those increases to consumer prices.』

企業が増大するコストを価格に転嫁するのが難しくなっている、というアネクドートな話がありまっせというのってこれ昨日ネタにしたカプラン総裁のCNBCインタビューでも同じネタがぶっこまれていましたので、この部分は今後の物価のポイントになるとともに、もしその問題があるならば実は企業収益がスクイーズされてこないかねという問題にも通じる話になりますので興味のある部分になりますな。

『Despite this, however, inflation remains muted overall. At 3.7 percent, the unemployment rate is at its lowest level in 49 years, and payrolls have been growing well above the pace that is consistent with labor market stabilization.』

『Historically, the few periods when resource utilization has been similarly tight have seen elevated risks of either accelerating inflation or financial imbalances.』

ここらで金融不均衡ネタが顔を出してくる。

『Our goal now is to sustain the expansion by maintaining the economy around full employment and inflation around target. The gradual path of increases in the federal funds rate has served us well by giving us time to assess the effects of policy as we have proceeded. That approach remains appropriate in the near term, although the policy path increasingly will depend on how the outlook evolves.』

ということで目先の現世利益に関する利上げ云々の話はここにちょろっと出ているという感じですが、ゆっくり利上げしているから金利引き上げの効果を見ながら対応する余裕があって誠に結構という認識で、「That approach remains appropriate in the near term,」と言っていてこの「in the near term」がどの程度のニアータームなのかワカランチ会長ではありますが、1年とかいうような長さではなさそうな感じもしまして、しかも続きが「although the policy path increasingly will depend on how the outlook evolves」となっていますので、まあこれは来年4回まで利上げするのではなくて、来年2回か3回か(2回上げれば実効FF金利は3%に近いところまで行くのでそれで打ち止めでエエンチャウノとは思いますがあくまでも個人の感想ですし、株がホイホイ上がってくればもうちょっと利上げすると思うし、もちろん上記のような企業の価格設定行動からコストのパススルーモードになったらこれまた利上げじゃろとか思いますけど)というようなのを念頭に置いた話になっていますな、という所です。

つーことでここまでが経済物価見通しと政策金利に関する言及部分になりまして、以下の部分がFSRのネタになるのでした。


・金融不均衡は非金融部門の借入などで絶賛拡大中というお話

次が『Assessing Vulnerabilities over the Cycle』という小見出しでして、最初の所はほほうそうですかと思うけどいまさら何をおっしゃるやらというのも無くはない。

『The last several times resource utilization approached levels similar to today, signs of overheating showed up in financial-sector imbalances rather than in accelerating inflation.』

経済の過熱は物価上昇よりも金融セクターの不均衡として表れておりました、って1980年代のジャパンから始まって何度もやっとる話ですが、それでもサブプライム危機をやらかしたのが雨公クオリティ。

『In contrast to the past, the Federal Reserve now has a systematic forward-looking approach to identifying increases in financial vulnerabilities. This monitoring is the focus of regular Federal Reserve Board and Federal Open Market Committee discussions. Last week, the Board released its first Financial Stability Report to help inform the public and promote transparency and accountability as we carry out our financial stability responsibilities.』

ということでFSRを出しましたよという話で、以下家計の負債、金融システムの頑健性が改善しましたよその証拠に個人負債の伸びが対GDP比で同じくらいのペースに留まっているし、金融機関の自己資本は拡大したし、短期金融市場ではMMF改革で短期ファンディング依存が減って、MMFはガバメントオンリーのファンドにとってかわられたですよというような話をしていて、ただヘッジファンドのレバレッジが拡大していますね、という話がPDFだと1ページ分、パラグラフで4つ分あるのですがそこはぶっ飛ばして次の部分に参ります。

『In contrast, we are seeing elevated vulnerabilities in the nonfinancial business sector.3』

キタコレ。

『Business borrowing has risen more rapidly than GDP for much of the current expansion and now sits near its historical peak (figure 6).』

GDP伸び率よりも非金融企業の借入伸び率の方が高い、というのが図表6に示されていて割とほほーと思う。

『The run-up in corporate debt has brought the ratio of debt to assets close to its highest level in two decades on an overall basis, and this is also true for speculative-grade and unrated firms (figure 7). And whereas previously, mostly high-earning firms with relatively low leverage were taking on additional debt, analysis of detailed balance sheet information indicates that, over the past year, firms with high leverage, high interest expense ratios, and low earnings and cash holdings have been increasing their debt loads the most.』

図表7とかも中々アレなのですが、しかもこの借入の増加が今次拡大局面においてはリスクの高い企業への増加の方が大きいという割とアイヤーという感じの図表が出てくるのでご覧になることお勧め。

『Historically, high leverage has been linked to elevated financial distress and retrenchment by businesses in economic downturns.』

そらそうよという感じですが、この「相対的に信用力の弱い企業の借入増加ペースが速い」「そういう企業は経済に下向き圧力のかかる段階において、信用力の更なる悪化とファイナンスの困難化という状況が発生し、その結果ネガティブフィードバックループが発生する」というような話って、まあ話として順当ではありますけれども、奇しくも日銀のFSRでも直近のFSRで金融機関貸出の拡大においてGDP伸びよりも伸びが多いし、しかもミドルリスク向け(という言い方を日銀はしているけど要するに上記の話と同じですわな)が増えていて経済に下方ショックが掛かった時にネガティブフィードバックループが発生するってな話をしていたりするので、FRBのFSRに関しては日銀のFSRを参考にした部分って結構あるんじゃないかとか読みもしていないのに思ってしまいました(個人の感想です)。

・・・・・・・と折角金融不均衡の本題に入った所なのですが、諸般の事情(ただの段取り不足)により時間が無くなってしまいましたので金融不均衡の具体的な話については明日で勘弁してつかあさい。なお割と厳しい認識を示していて図表とか見るとアイヤーとなりますのでご興味のある方はこの先(今引用した最後の部分がPDFだと講演原稿5ページ目終わった所で、全部で14ページありまする)も読んで味噌。





2018/12/12

お題「そういや黒田総裁が要らん事ゆうてましたなメモ/カプラン総裁はpatienceを連呼ですな」

小物界の大物キタコレ

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181211/k10011743181000.html
「次の質問をどうぞ」河野外相 会見で質問を繰り返し無視
2018年12月11日 16時18分

日銀の政策が云々だの原発が云々だの威勢のいいことを言うだけ言って顕職についたらこの有様な人とか、

https://www.asahi.com/articles/ASLDB3R8DLDBUTFK007.html
小泉進次郎氏「平成の次に、今の国会を引き渡せない」
2018年12月10日14時48分

国会終わってから一般受けしそうな事をまことしやかに言うなら国会中に発言しろよという話ですが、すべてが終わってから「実は反対でした」と言うだけの芸風な人とか。


〇ETFの買入がニュースになりましたがそういえば国会でこんな総裁発言がありましたな

こいつは日経ですけれども、

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38798040R11C18A2EA1000/
日銀のETF購入、年6兆円突破 市場の依存強まる
経済 2018/12/11 19:04日本経済新聞 電子版

『日銀が金融緩和の一環として購入している上場投資信託(ETF)の買い入れ額が11日、初めて年間6兆円に達した。2018年は米国と中国の貿易摩擦や世界経済の減速懸念から株価の調整が続き、株価が下がったときに買い入れる日銀の購入ペースが速まったためだ。市場の「日銀依存」が鮮明となる中、政策の手じまいも難しくなっている。』(上記URL先より)

今朝は一般ニュースにもなっていたようで、色々と話題になるのは結構なことですけれども、そういえば先週はこんなニュースがありましたな、国会発言ですがネタにするのうっかり忘れていたわ(汗)。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-07/PJCLUO6TTDSF01
日銀総裁、個別株への影響は市場関係者のセールストーク−ETF購入
日高正裕
2018年12月7日 13:22 JST 訂正済み 2018年12月10日 17:10 JST

日高砲キタコレと言いましてもこれは国会答弁ですので、会議録とか見てない(というか会議録はまだ出てこない、国会放送のアーカイブなら見れると思うがめんどいのでパス)のですが気が向いたら後日確認します。

『日本銀行の黒田東彦総裁は7日の衆院財務金融委員会で、日銀による指数連動型上場投資信託(ETF)の購入が個別銘柄に大きな影響を与えているとの見方を否定した上で、そうした指摘は株式市場関係者の「セールストーク」であるとの認識を示した。』(上記URL先より、以下同様)

これはまたキャッチーなご発言キタコレという所ですな。

『黒田総裁は「株式市場の関係者はいろいろと(影響を)与えているとか、それをセールスポイントにしていろいろなことを言っている人がいるが、私どもの見るところではセールストークであって、具体的に個別銘柄に大きな影響を与えることになっているとは思ってない」と述べた。』

これは酷い。

『丸山穂高氏(日本維新の会)が、日銀のETF購入により間接的に「ファーストリテイリングは2017年時点で15.8%、浮動株だけで見れば63%保有している。個別銘柄への影響は非常に大きいものがある」と質問したことに答弁した。』

そらそうよ。(なお記事の引用は適宜飛ばしていますので念のため)

『ETF購入の効果については「特定の株価水準を目的にやっているわけではないが、株式投資リスクに対する懸念が低下し、リスクプレミアムへの働き掛けを通じて株価への影響も出ている」と述べた。一方で、「日銀の保有額は株式市場の時価総額の4%程度にとどまっている」として、株式市場の価格形成や機能度に「大きな歪みをもたらしていることはない」との見方を示した。』

リスクプレミアムがマイナスになっていませんですかねえ。

『ETF購入の出口については「2%の物価目標の実現になお時間がかかることを踏まえると、ETFの買い入れを含む金融緩和からの出口のタイミングやその際の対応を検討する局面にはまだ至っていない」と述べた。』

「ETFの買い入れを含む」って言ってるんですが、そもそも国債買入とリスク性資産の買入だと効かせに行っているところが違う訳で、「リスクプレミアムへの適切な働きかけ」とか言いながら国債よりも低い金利の社債買入とかが発生するような状態になっているのに、リスク性資産の買入をいつまで続ける気なんだよこのスットコドッコイという感想しか沸かないですし、FSR見たら貸出金利が無駄に下がっているというような指摘があるのに、一方で貸出支援オペは相変わらず漫然と継続しているとか、お前ら何も考えてねえだろというスタンスは何とかならんですかね。


・・・・・・・というのもありますが、まあ何せこの「私どもの見るところではセールストークであって、具体的に個別銘柄に大きな影響を与えることになっているとは思ってない」というのが実に味わいがある訳で、「私ども」ですよ「私ども」。つまりまあ日銀が「市場との対話」とか抜かしているのですが、結局のところ市場なんぞは強欲なチンピラゴロツキ共が政策の意図などもちゃんと理解しないで勝手なことを言っているものである、というご認識を「私ども」がお持ちでいらっしゃる、という大変に心の温まるお話を総裁が行っていただいている、ということですな。

とは申してみたものの、まあこれは「私ども」ではなくて「黒田総裁が」本質的に市場のチンピラゴロツキどもからああだこうだ言われるのがケシカランと思っている市場蔑視姿勢の本音がポロリもあるでよとなったというだけの話であって、黒田総裁としては財務官やっていただけに市場を知らん訳ではないにせよ、市場は支配するものであって、その被支配階級にいるゴロツキどもが支配者様の俺様の政策に文句を言うのがケシカランという意識が抜けがたいというだけではあると思いますが、まあ一々市場をカチンとさせるのは得意ですなとしか申し上げようがないので可及的速やかに引退して頂きたいものだと存じます。

いや時々「市場機能が」みたいな発言したりして、それがズレているので市場はカチンとくるわ金融市場局は涙目になるわという展開がみられるわけでして、まあ本質的に市場と何とかというのは向いてないお方ですなあと前から思っていますが改めて思うのでした。


〇FRB高官ネタの虫干しシリーズですいません

市場ちゃんの動きがよー分からん時にはFRB高官発言シリーズみたいな(汗)。

https://www.cnbc.com/2018/12/06/cnbc-transcript-dallas-federal-reserve-president-robert-kaplan-speaks-with-cnbcs-steve-liesman-today.html
CNBC Transcript: Dallas Federal Reserve President Robert Kaplan Speaks with CNBC's Steve Liesman Today
Published 10:28 AM ET Thu, 6 Dec 2018

ちなみにURLがクッソ長いのでこれをまんま全部にハイパーリンクかけると画面が乱れると思いますので、途中の所まででハイパーリンクして改行するようになっておりまする。

でもって日付を見ればわかりますように先週の発言ネタで恐縮ですが、この人も割とよーしゃべる方のダラス連銀カプラン総裁のCNBCインタビュー。直近ではWBSでもインタビューしているのですが、WBSだと会員じゃないと見れないのですが、CNBCはTranscriptを基本的に公開してくれるのでアリガタヤアリガタヤ。海外でケーブル見るときはCNBCの視聴ヒットに貢献して参りますわ。

『The following is the unofficial transcript of a CNBC interview with Dallas Federal Reserve President Robert Kaplan and CNBC's Steve Liesman on CNBC's "Squawk Box" (M-F 6AM ? 9AM) today, Thursday, December 6th. The following is a link to video of the full interview on CNBC.com: https://www.cnbc.com/video/2018/12/06/watch-cnbcs-full-interview-with-dallas-fed-president-robert-kaplan.html.』

ということで、「unofficial transcript」なので発言の重みとしては連銀公式サイトに出てくる講演などよりは格落ちしますけど。


・2年10年のイールドカーブの件

一発目のQ&Aがこの件でして、

『STEVE LIESMAN: I mean, you're -- It's not just great you're here on day when the market's down 400, we've got major questions about the outlook for the Fed, but you're also the guy to have because you're a former Goldman guy. So tell us about the message that you're getting from markets here; the recent selloff and especially the 2/10 spread, which is -- I'm saying it's up a little bit this morning, but crazy saying it's up twelve basis points between the two. What's the message about the markets, Robert?』

質問しているSTEVE LIESMAN記者は確かFOMC後の議長会見の会見録出るようになった初回からずーっと議長会見に登場している筈のお方です、しかし思いっきり会話ですなこりゃ。

答えは長いので適当に切りながら引用。

『ROBERT KAPLAN: Well, let me start with the 2/10 spread. And you've heard me say this and I'd emphasize what I've been saying: the short end of the curve has been acting to what the fed is saying. The longer end of the curve tells me that expectations of future growth are sluggish.』

短期はFEDの見解通りに動き長期は景気の先行きが弱まるという市場の見方を示している、という答えですけれども、カプラン総裁は延々とこのイールドカーブのフラット化に関して「米国経済先行きの懸念を市場が示しているものなのでFEDは慎重に行動すべき」という話をぶっこんできている方でもありまして、まあそういう観点からすると平常運転。

『And what I see in the stock market, and I obviously am a student and have worked with companies my entire career and am a student of earnings reports, I'm seeing input costs are rising. Tariffs are a part of it, but it's not the only part of it. And companies -- many of them are struggling to pass on those cost increases to their customers. And you're seeing margin erosion. And you're also seeing deceleration of expectations for next year's earnings growth which are off a high base.』

企業のコスト増大(関税も含む)が中々パススルー出来ないという指摘をしていますな。

『And so, when you put all of that together, I just think there's a lot more uncertainty. And it's very consistent with what I hear from companies I talk to and what we see in our surveys. And I think the implications for me and my job as a central banker, I think getting to 2, to 2.25, I've had a lot of confidence that we should be moving along. I think at this stage, you're going to hear me be much more cautious and counsel patience.』

ということで早速結論としてFEDは「much more cautious and counsel patience」と来ました。

『I think there's more uncertainty, global growth's decelerating. I'm seeing interest rates showing some weakness. It's too soon to say what to make of it. But I think one of the key tools we have with Central Bank is patience, and I think we ought to be using that tool.』

「one of the key tools we have with Central Bank is patience」とかハト派丸出しキタコレではあります。


・中立金利に近づいた時の政策運営に関して

次の質疑(というか会話)。

『STEVE LIESMAN: Robert, I want to give you some credit because you were talking back in mid-October about getting to the range of neutral, before the leadership at the board was talking about the range of neutral. Are we at neutral now possibly or how far below it? I mean, do you still think we need to get there?』

まあこの辺りの話はこの前パウエルが要らん事言うから話が盛り上がるネタですけれども、中立金利自体は物凄く乱暴に言っちゃうと「中央銀行がやりたいことの後付け理屈に便利なもの」なのでどうもそういう使われ方になってしまうんですがさてカプランさんはというと、

『ROBERT KAPLAN: So, neutral is by its nature imprecise and uncertain --』

『STEVE LIESMAN: Sure. Sure.』

なぜそこで合いの手が入る。

『ROBERT KAPLAN: -- and you're not going to see it on your screen. So I think the range at the FMOC and our longer run rate is somewhere between 2.5 to 3.5. I'm at the lower end of that range. And so, my guess is we're probably a little bit below neutral, but we're approaching it. We'll know in hindsight where neutral was. But I think normalizing monetary policy was always going to be challenging and I think we're in the stage of this process where you're going to hear me shorten up on the prognostications and be much more vigilant as to what's going on in the economy. But particularly, not just the data, but what the outlook is, and what the markets are saying about the outlook and what companies are saying. And right now, I'm just seeing a high level of uncertainty. And I think it's a factor in my thinking.』

つーことで、どこで止めるかというとさすがに今止めるという話ではなくて12月利上げはするんでしょうが、その後に関しては「normalizing monetary policy was always going to be challenging」でして、中立金利のレンジ2.5-3.5に差し掛かってくるので今後は出てきているデータというよりも見通しベースで判断すべきだし、見通しの中には市場が示すような先行き見通しもみろ、という話をしているので、「データディペンデント」というのと微妙なニュアンスの違い(実際に出てくる行動にどういう差がでるのかは微妙だけど)がございますなという感じを受けます。


・ペイシャントは連発するが景気は減速程度で成長はするとみている

そらまあそうじゃなかったら利下げ提案という話になりますが、次の質疑はこんな話。

『STEVE LIESMAN: Robert, I've got to be direct about this, only because we're coming up quick on the meeting, and you guys are going to enter a blackout period where you won't talk at all.』

『ROBERT KAPLAN: Right.』

『STEVE LIESMAN: And I know one thing you don't want to happen is for the market to be mispriced going into the meeting. But here we are with a 76% probability of a rate hike in December. Is that too high?』

なんちゅう露骨な。

『ROBERT KAPLAN: You've talked to me enough to know that I'm not going to comment on the market probabilities.』

『STEVE LIESMAN: I know, but I have to go right at it, Robert.』

ワロタ。

『ROBERT KAPLAN: And I would just say my comment would be: I think we ought to be very gradual and patient here. Inflation, in my judgment, isn't running away from us. The Dallas Trim Mean, which we just published over the last week, shows muted levels of inflation growth on core inflation -- our reading of it. So I think we have the luxury of patience. And I'm not going to judge or predict what we're going to do in the December meeting. Obviously, I'll have a strong point of view going into that meeting. But I think we ought to be patient. There's a good possibility, and I'm very attune to the possibility, if not the probability, that the economy is going to look very different in the first half of 2019 than it does today, because fiscal stimulus is waning and we've raised rates eight times over the last 2-1/2, 3 years. So I think all of that means we ought to shorten up on our assessments and be willing to be very patient.』

ということで、物価と成長に関して別に悲観的でもなんでもなくて、見通しは強気だけど不確実性が高いから利上げは慎重にしろ、というお話をしている人なので、発言の方はハト派という事実は事実としまして、実際にそんなに悪くないデータが出ると利上げにそこまで反対する感じにはならんのかも知れず、ただまあいまみたいに中立金利よりも上に金利を持っていけ年4回上げるぜヒャッハーみたいなのには与しないでしょうし、この説明だとどう見ても中立金利で利上げを止めろという話になるので、おそらく来年の利上げに関しては四半期に1回とかいうようなペースでは早いって言い出すのは明らかという感じで、SEPのドットに関して誰が何とかあんまり細かく分析していないので何ですが、まあ次回のドットチャートでは前回以上に慎重な利上げとか出してくる人になるのかもしれませんな(もともと慎重なのを出していると何ですけど)。


・来年の見通しについて

ちょっと飛ばして(途中は貿易戦争とかの話)最後に雇用の話になった所のお答えが来年の経済見通しの話になったので引用しますね。

『ROBERT KAPLAN: Yeah. Well, our own forecast at the Dallas Fed is you'll see growth move down from 2 to 2.5 next year. We're -- I'm not predicting and we're not predicting a recession. We're just saying that the fiscal stimulus will fade somewhat. And back to the job growth numbers: job growth numbers have been very strong, which tells me and it tell us that there's been more - you know, more women are entering the workforce and I think the data shows high school and less. People are coming off of disability. But the demographic trends in this country, the aging trend suggests workforce growth is going to slow. The big and ponderable for the next year is: is productivity growth going to jump more than we expect, but I'm a little skeptical about that. So --』

『STEVE LIESMAN: Okay.』

『ROBERT KAPLAN: I don't think it's going to be a bad year in 2019. But I think growth will be slower.

ということで別に景気の大幅な減速とかを見ている訳ではない。

『ROBERT KAPLAN: And I think these uncertainties we've talked about, we have to watch very carefully. And that's why I'm just counseling patience, as we assess all of this information.』

ということで、とにかくひたすら「patience」を連発するという図式になっておりました。まあ昨日のブラードセンセは変態仮面(というか確かこの人に掛かると常に「俺様修正テイラールールを使うと今の金利が最適」って講演ばっかりしていてお前この前と金利水準ちゃうやんとか思ってしまうんですが)なのでアレとしまして、まあ12月利上げ見送りはさすがに余程のトンチキなことにでもならないとやるんでしょうが、その先は慎重にというのが増えてきて利上げ4回の図を出すのは総意とはならないんじゃないですかねえ、という所だと思います(個人の感想です)。




2018/12/11

お題「ウィリアムス副議長のインフレ目標に関する枠組み見直しに関して(主に水準目標的な話)」

産業革新投資機構ネタはマクラにするつもりでしたが余計なものを入れて長くなってしまいましたので小見出し入りにしましたがただの雑談です。

〇産業革新投資機構ェ・・・・・・・・・・・

実に強烈ですな。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181210-00010003-wordleaf-pol&p=1
革新機構・田中社長が辞任会見(全文1)この水準の報酬が欲しいとは一度も言ってない
12/10(月) 17:17配信

4ページ目が実に厳しい。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181210-00010003-wordleaf-pol&p=4
革新機構・田中社長が辞任会見(全文1)この水準の報酬が欲しいとは一度も言ってない
12/10(月) 17:17配信

『経産省と私ども9名の取締役間で、信頼関係が毀損されている状況であることは明白です。しかしながら、その原因行為を単に私と嶋田次官との会談に求めるのは適切ではありません。日本国政府の高官が、書面にて約束してた契約を後日、一方的に破棄し、さらには取締役会の議決を恣意的に無視するという行為は、日本が法治国家でないということを示しております。』(上記URL先より(直上の方です))

まあ書面は締結していないですけれども国会で「日銀が全責任を持って2年で達成する」と仰せになって「達成できない場合の最高の責任のとり方は辞任」と大口を叩いて日銀副総裁に就任(しかも就任会見では「2 年くらいで責任をもって達成するとコミットしているわけですが、達成できなかった時に、「自分達のせいではない。 他の要因によるものだ」と、あまり言い訳をしないということです。」とまで大口をたたいた人がその後2年どころか5年かけても目標達成できなかったのになんだかんだと言い訳をしてのうのうと副総裁に居座ることを許容している時点でまあこういう事案が起こるのもむべなるかなという所でして、他にもいろいろと案件はございましたけれども、あの置物がのうのうと任期を全うして恥知らずにも程がある書籍を出版(しかも何とか大学の先生とかで好意的な書評が出てくるという辺りに日本の経済学というののゴミクズダメっぷりがよくわかるのですが)してる訳ですからそらもう国としてのタガは外れていますがな皆さんもっと前に怒らないと。

なお毎度の鑑賞用資料ですが、これ置物師匠の答弁見ているといい感じで血圧上がりますぜ。
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/183/0020/18303050020012a.html
第183回国会 議院運営委員会 第12号
平成二十五年三月五日(火曜日)
午前十時三十分開議


〇マクロ加算比率減額とな

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2018/rel181210b.pdf
日本銀行当座預金のマクロ加算残高にかかる基準比率の見直しについて

『日本銀行は、日本銀行当座預金のうち、ゼロ金利が適用されるマクロ加算残高の算出に用いる基準比率(「補完当座預金制度基本要領」4.(3)イ.に定める基準比率)について、次のとおり定めることとしました。

2018 年 12 月〜2019 年 2 月積み期間:31.5%(注)

これにより、日本銀行当座預金のうち、マイナス金利が適用される政策金利残高(金融機関間で裁定取引が行われたと仮定した金額)は、上記3積み期間において、平均して 5 兆円程度となる見込みです。』


ここで3カ月前のリリースを確認しましょう。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2018/rel180910a.pdf
日本銀行当座預金のマクロ加算残高にかかる基準比率の見直しについて

『日本銀行は、日本銀行当座預金のうち、ゼロ金利が適用されるマクロ加算残高の算出に用いる基準比率(「補完当座預金制度基本要領」4.(3)イ.に定める基準比率)について、次のとおり定めることとしました。

2018 年 9 月〜11 月積み期間:34.0%(注)

これにより、日本銀行当座預金のうち、マイナス金利が適用される政策金利残高(金融機関間で裁定取引が行われたと仮定した金額)は、上記3積み期間において、平均して 5 兆円程度となる見込みです。』

ということでご案内の通りでマクロ加算比率下がっても政策金利残高が減らないというのはどういうことかと言えばそれはどう見ても前四半期に対して次の四半期は日銀当座預金残高が平均して減るという話になる訳ですがな(マクロ加算残高の基準平均残高は何年たっても改定されないから)というお話になりますが、えーっとすいませんオーバーシュートコミットメントはなどという野暮なツッコミはしない方が良いですかそうですか。

まあ何ですな、どうせ「平均して増加していればよい」「資金需給の季節的な要因」で押していくことになるんでしょうなとは思うのですが、中々感慨深いものを感じつつ、実際には政策金利残高がマクロ的に5兆でも10兆でも限界的に裁定に回らない部分があって、結局のところ短期市場の価格形成にあまり影響が無いという感じですので、現実の短期の所の価格形成に大きな影響があるのかというと無さそうな感じではあるのですが。

それからたぶん誰もネタにしないと思うのですが、本来的に言えば「貯蓄から投資」っていう政策やっているんだったら、貯蓄から投資のゲートウェイになるMRFに関してはマクロ加算の適用って基準年度平残から徐々に増やしていく方向にする方が政策的に意味がありませんかとか思うのですけどねえ(そもそも当初MRF特則無かったくらいですから日銀がそういうの理解しているとは思えませんので期待できませんが)。



〇色々と発言が飛び出すFRBですな(ということでちと出遅れだけどウィリアムスネタです)

セントルイス連銀のお役立ちページ
https://www.stlouisfed.org/fomcspeak
FOMC Speak: Remarks by Federal Open Market Committee Participants

これ見ながら(それだけだと時々抜けがあるので)各地区連銀のサイトをチェックしている訳ですが、そこで出遅れネタが出てくるアタクシ。

11月30日なのでだいぶ証文の出し遅れ感が高いですが。
https://www.newyorkfed.org/newsevents/speeches/2018/wil181130
Monetary Policy Strategies for a Low-Neutral-Interest-Rate World
November 30, 2018
John C. Williams, President and Chief Executive Officer
Remarks at the 80th Plenary Meeting of the Group of Thirty, Federal Reserve Bank of New York, New York City

来年見直されるということになっている金融政策フレームワークに関するお話なんですが、ウィリアムスさんは「インフレーションターゲット」の枠組み自体というよりは「どのインフレをターゲットにする」みたいな感じで話をしています。まあ出てくるネタとしてはふーんという感じではありますが。

・つーことで政策枠組みの見直しに関して

最初のマクラの所(小見出し無いのでどこからどこまでというのは無いけど)の途中から参ります。

『In my remarks, I will focus on the following question: What long-run monetary policy strategy is best suited to anchor inflation expectations, foster price stability, and promote maximum employment?』

ロングランの政策ストラテジーをどないしましょうかという話です。

『I emphasize the phrase “long-run” because I will focus on the features of a systematic policy framework, rather than tactical policy decisions. This topic is not only of academic interest: As was recently announced, the Federal Reserve is embarking on a review of its long-run monetary policy framework.1 』

でもって今回の政策フレームワークの話はロングランのシステマティックな政策判断に関する話として、個別の総合判断の話ではない、と先に断っていまして、たぶん現在パウエル辺りが考えていそうなのって中立金利のレンジ内に入った後に総合判断でどのように見せていくのかという話なので、そっちとはぶつかりそうでぶつからない話をしてくる辺りが中々忖度成分が入っていて味わいがあります。

『I will argue that the global decline in the neutral rate of interest over the past quarter century poses significant challenges to maintaining well-anchored inflation expectations in a standard inflation-targeting regime. I will then lay out some alternative policy strategies that have the potential of providing a solid anchor for inflation expectations-even with a very low neutral interest rate-while preserving broad continuity with current inflation-targeting practice. Now that I am already way out on a limb, I should emphasize that my remarks reflect my own views and not necessarily those of the Federal Open Market Committee or anyone else in the Federal Reserve System.』

ということで始まり始まりなのですが、


・自然利子率が低下しているし当面続くでしょうと

『As a starting point, it’s useful to travel back in time to the 1980s and 1990s, when inflation targeting was introduced.』

つーことで序論が入るのですが、インフレーションターゲット政策がぶっこまれるようになった時には、問題は高インフレあんどやたらぶれるインフレであり、インフレ期待が一定になっていないという状況で、それが経済成長に阻害要因になっていたので、それをどないかせないかんということでぶっこんだら、顕著な成果が出ましたぜグヘヘヘヘという話なのでその辺は割愛。

『Today, we face an altogether different set of problems stemming from a very low neutral interest rateーthat is, the short-term real interest rate consistent with an economy operating at its potential alongside low and stable inflation. Ironically, the problem we need to solve these days is the risk of inflation that is persistently too low, rather than too high.』

でもって最近の問題は自然利子率の低下、インフレが低い状態で継続すること、という問題に変わりましたと。

『Today’s low neutral interest rates reflect the culmination of trends extending back 25 years. A quarter century ago, a typical estimate of the neutral rate in the United States was 2 or 2-1/2 percent-consistent with historical averages over the preceding half century. Since then, however, there has been a clear downward trend in neutral interest rates in the United States and other advanced economies, with current estimates ranging from 0 to 1-1/2 percent.2』

ここは世界的に自然利子率が下がったという話で、25年前のトレンドであれば2-2.5%だったのが最近は0-1.5%になっていると推計されると。

『Three main global trends appear to account for the bulk of the decline in the neutral rate over the past quarter century.3 One is demographics: populations are aging as people live longer and birth rates have fallen. The second is productivity growth, which has slowed around the world. The third is the heightened demand for safe and liquid assets, which has led to a wider wedge between yields on safe government securities or central bank reserves and yields on riskier assets such as corporate bonds.』

でもってこの自然利子率の低下要因は主に3つあって、一つが人口動態の変化、一つが生産性の世界的な低下、一つが安全資産への需要拡大による国債への需要拡大、というのを挙げていまして、まあこの辺はECBでも同じ話をしますけれども、FRBはほぼ皆さん揃ってこの話をしているので皆さん既におなじみのネタでありまする。

『Importantly, the onset of these trends preceded the global financial crisis and they have continued even as countries have recovered. Although there is a great deal of uncertainty about the neutral rate, and conditions may change, a reasonable assumption is that it will remain low-not far from current levels-for the foreseeable future.4

その動きに金融危機も後押ししていますので、かなりの長い期間において今後も自然利子率は低いじゃろ、という前提で金融政策どうしますかという話になる訳ですな。

『What does a low neutral rate mean for monetary policy and the anchoring of inflation expectations? When a recession hits, central banks may not be able to reduce interest rates well below their neutral level to stimulate the economy as warranted because of the effective lower bound on nominal interest rates. This shortfall of monetary accommodation would result in less desirable economic outcomes during the recession and recovery. In particular, inflation would typically undershoot its desired target during these episodes. The persistence of below-target inflation rates in many advanced economies over the past decade is a testament to this dynamic.』

自然利子率が低下する中でインフレ期待をアンカーさせるためにはどうしましょうという話で、自然利子率が低い中で金融政策の発動余地が下がっているから、低インフレ状態が長く続くという試練を世界的に中銀が受けています、とかそんな話をしていまして、

『As a result of the inherent asymmetry introduced by the lower bound on interest rates, an inflation-targeting central bank could experience inflation that is below target, once we consider the average inflation rate over periods when policy is constrained and those when it is not. With inflation on average below the target level, inflation expectations will likely slip below the target rate as well.5 』

そのため平均してみるとインフレ目標未達の期間が長くて平均インフレ率でみると低かったりするので、期待インフレが下がってねえかという話は思いっきりあるということで、以下対策になるのですが・・・・・・・


・インフレ期待コントロールの為の新しいストラテジーだが実用性にはだいぶ唸ると思うんだが

『A simple example helps illustrate this problem. Say that 80 percent of the time, the lower bound on interest rates does not constrain policy and the central bank aims for a 2 percent target inflation rate. During these “good” times, an inflation-targeting central bank aims to keep inflation near 2 percent. But, 20 percent of the time, the economy falls into a recession that’s severe enough that the lower bound constrains policy. Assume that during these periods, inflation averages only 1 percent. So, 80 percent of the time inflation averages 2 percent and 20 percent of the time inflation averages 1 percent. The resulting average rate of inflation is about 1.8 percent. As a consequence, inflation expectations are likely to become anchored at the long-run average of 1.8 percent, below the desired 2 percent target.』

まあこの前提がホンマカイナという感じはするのですが、8割の期間はインフレ2%、2割の期間は1%だとすると、平均すると1.8%なのでインフレ期待も1.8%でアンカーされてしまうでしょう、というこの前提がかなり胡散臭いんですが、まあそういう前提で話が始まる。


『But, that’s not the end of the story.』

しかもなお前提の話が続く。

『This downward shift in inflation expectations has a second-round effect on real interest rates, the economy, and inflation. When policy is constrained by the effective lower bound, the downward shift in inflation expectations raises the real interest rate, further diminishing the degree of monetary stimulus, making the downturn worse and reducing inflation even more. Even in times when policy is not constrained, the expectation of below-target inflation in the future affects current decisions, putting additional downward pressure on inflation.』

『In other words, monetary policy is always swimming upstream, fighting a current of too-low inflation expectations that interferes with achieving the target inflation rate. 』

インフレ期待が下がると二次的効果で実質金利の低下につながって緩和政策の有効性が落ちるので問題、という話をしていて、お前だったらインフレが上がった時どうするんだよとツッコミを入れたくなるのですが、インフレがアガランチ会長であるという認識はこのおじさん強いんでしょうな(なのでたぶん本質的にはハトなんだが、しばらくタカっぽいのは一つは忖度でしょうけれども、しばらく物価が威勢よく2%に向かっていたのも大きいと思います、エバンスもそうですが、物価重視の人って足元の物価動向に結構振らされます)と思われます。

ということで、

『A number of alternative monetary policy frameworks have been proposed that aim to tackle the problems associated with the lower bound on interest rates. Although they differ in many ways, it is useful to divide these proposals into three broad categories.』

はい。

『The first option is to maintain the basic framework of inflation targeting and to rely on a combination of aggressive conventional and unconventional policy actions when facing economic downturns to limit the deleterious effects of the lower bound. This carries with it the risk that inflation expectations become anchored at too low a level.』

経済が下向きになった時には非伝統的政策も含めてアグレッシブな緩和を行い、ゼロ金利制約に引っ掛からないようにする(金利引き下げと非伝統的政策を併用する)という話ですが、そもそも金利をプラスに維持しながら行う資産買入って超過準備を不胎化しないと金利コントロールができないので、せいぜいイールドカーブを潰すか、リスク性資産に特攻するかという話になるんですけどどうなんでしょうかねえという気はする。

『The second option is “average-inflation targeting,” whereby the central bank purposefully aims to achieve an above-target inflation rate in “good” times when the lower bound is not a constraint. Properly designed and implemented, such an overshoot can offset the inflation undershoot during “bad” times so that the longer-run average inflation rate and inflation expectations are in line with the target. 』

二つ目は「アベレージインフレーションターゲット」ということで、インフレ率が高かったり低かったりしながらも2%になるように目標を設定するみたいな話なんだが、それはどう見てもインフレ期待がアンカーを外れると思うんだが学者の考えることはよくわからん。

『The third option is price-level targeting, including its various offshoots, such as nominal GDP targeting and temporary price-level targeting. In such a regime, the central bank commits to keep the price level near a steadily growing target path. Like average-inflation targeting, this strategy promises to overshoot the target inflation rate in “good” times to make up for the inflation undershoot when policy is constrained.』

プライスレベルターゲットまたは名目GDPみたいなののターゲット、ということで、こちらにありますようにさっきと同じような話ではあるのですが、プライスレベルターゲットって昔(ブランシャール辺りが言い出して一時思いっきり話題になった時なんですが)FRBのコーン副議長が講演で「実務的に無理があるしインフレ期待が動き出す」みたいな感じで思いっきりダメ出ししていたんですよね。さて実務派の方はどういう反応するかという所です。

『In theory, both average-inflation and price-level targeting can solve the problem of anchoring inflation expectations at the target rate while maintaining a low inflation target rate amid low neutral rates.』

よってここが胡散臭い。

『Although price-level targeting is a bigger leap from inflation targeting than average-inflation targeting, each can be implemented in ways that are very similar to standard inflation targeting, either in terms of forecast-targeting or a policy rule.6 Importantly, neither will likely be effective in practice unless communicated clearly and carried out consistently over time. More broadly, all of these proposed strategies face potential costs and benefits-in terms of macroeconomic performance, communication, and robustness to uncertainty-which require careful study.』

まあさすがに最後の所でコミュニケーションとかロバストネスについて言及しているのでこの線で特攻するという事はなさそうな感じですけど、まあ学者的にはこう考えるだろうなあというのが出ていました。あと最後になるので一応引用しておきます。

『In considering alternative monetary policy strategies, academic experts, policymakers, and others from around the world have an important part to play, sharing and discussing ideas and comparing experiences to help all of us to think through these issues. This process of careful study and discussion proved highly valuable during the development and implementation of inflation targeting in decades past, and will be equally valuable in the present debates.』

ただのご挨拶ですが引用しておきました、ということで相場ワケワカラン時はFRB講演に行くアタクシでした(大汗)。





2018/12/10

お題「久々に芸人ブラード先生の修正テイラールール論でも見てみるの巻」

結局一連の法案全部通ったのかよ・・・・・・・・・
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181210/k10011741071000.html
臨時国会 きょう閉会 国民投票法の改正案など継続審議に
2018年12月10日 4時56分

〇米国雑談世間話でブラード総裁の「金利は2%で据え置き」の修正テイラールール論

まあゆうて米債次第ですから、ということにしておく。

https://jp.reuters.com/article/-idJPL4N1YC4UD
2018年12月8日 / 07:06 /
米金融・債券市場=長短金利差拡大、雇用統計受け早期利上げ打ち止め観測台頭

30年債 17時05分 3.1474% 前営業日終値 3.1360%
10年債 17時05分 2.8576% 前営業日終値 2.8760%
5年債 17時05分 2.7009% 前営業日終値 2.7480%
2年債 17時05分 2.7190% 前営業日終値 2.7580%

『米金融・債券市場では長短金利差が拡大した。11月の雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想に届かず、連邦準備理事会(FRB)が予想よりも早い時期に利上げを打ち止めにするのではないかとの見方が出てきたことが背景。』

『労働省発表の11月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が15万5000人増と前月の23万7000人から鈍化し、市場予想の20万人増を下回った。時間当たり平均賃金の伸びは前月比0.2%と前月の0.1%から拡大したものの、予想の0.3%に届かなかった。ただ失業率は3.7%と、49年ぶりの低水準にとどまった。』(上記URL先より)

ということで金曜の雇用統計は弱いとかそうはいってもこんなもんとか、いろいろとコメントするところによって微妙に説明が違いますし、相場後講釈の方でもセントルイス連銀のブラード総裁の発言を受けて反応というのもあればこちらのロイターみたいにそうじゃないのもいる、とか中々良い感じで決定打が無いようですが、まあ結果としてブルスティープというか30年前で見るとツイストスティープするという短期金利引き上げ打ち止めだけどリセッションまでは・・・・・・というような典型的な動きになってこれはこれで納得はありますな。実際にどうなのかは知らんが。

という訳でブラード総裁ですが、
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-bullard-idJPKBN1O628N
2018年12月8日 / 03:41
FRB、利上げ休止すべき 金利は幾分抑制的=セントルイス連銀総裁

『インディアナポリス 7日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は7日、連邦準備理事会(FRB)の政策がすでに景気を抑制している可能性があるとして、利上げを休止すべきとの見解を改めて示した。ブラード総裁は講演原稿で「政策金利の現行水準はおおむね適切」と言明。市場ベースのインフレ期待指数は最近低下しており、金利はすでに幾分抑制的な水準にあるとの認識を示した。中立水準は2%近辺と試算した。また、低水準の失業率がインフレ圧力をあおる公算は小さいとし、労働市場とインフレの関連性は極めて薄いとの見方を示した。』(上記URL先より)

ブラード総裁って基本的に変な事言ってウケをとるのが得意技の芸人ではあるのですが、時々言ってることがキャッチーに大当たりすることがあって、複数均衡論の話とかは大当たり作品の1つなのですけれども、最近はSEPのドットチャートで常に「今の水準から利上げをしない」「ロンガーランの金利水準を提出しない」という芸風を確立しているので、この人が利上げ休止とかいうのはそういう文脈から言ってただの仕様なのですけれども、金曜はこの芸人にも反応した(というようなコメントもあったのですがまあ実際にどうなのかは知らん)とかしないとかで、つまり市場ちゃんの方が「利上げ打ち止め」ネタに反応するような地合いになっている、としか申し上げようがないのですけれども、まあ市場も反応したらしい(実際は知らん)のでここもと放置プレイだったのですがブラード総裁の落語を拝見。


・ブラード総裁の理屈はネタとしては面白いのだがこじつけ成分が強い気がせんでもない

https://www.stlouisfed.org/news-releases/2018/12/07/bullard-more-on-modern-monetary-policy-rules
St. Louis Fed's Bullard Presents More on Modern Monetary Policy Rules
12/7/2018

スライドショーはこちらのPDFです(やや重いので注意)
https://www.stlouisfed.org/~/media/Files/PDFs/Bullard/remarks/2018/bullard_indiana_bankers_association_7_december_2018.pdf

とりあえずプレスリリース(PDFじゃない方)から引用しますと、

『Carmel, Ind. - Federal Reserve Bank of St. Louis President James Bullard gave remarks titled “More on Modern Monetary Policy Rules” to the Indiana Bankers Association on Friday. He further elaborated on some key directions the Fed could take to update monetary policy rules.』

来年予定になっている金融政策フレームワークの見直しに関して(うっかりスルーしていますがウィリアムスが先般インフレーションターゲットに関するフレームワークに関する講演をしていますので後日ネタにします)というのがあるので、ここぞとばかりに芸人たるもの打ち込んでこないといけませんわな。

ただ、以下の話って先を読んでいただけると分かるのですが、基本的には「修正テイラールール」ベースの話をしていて、その「修正」にどのようなエッセンスを加えるべきか、というのを最近の経済情勢を勘案して考えていく、というようなお話になっています(この前のウィリアムスはそもそものインフレ目標の部分での変更なのでもうちょっと大きな話になっている)。

『In his talk, Bullard pointed out that “monetary policy rules have proven to be very useful in laying out benchmarks for monetary policy actions.”』

『One popular rule has been the 1999 version of the Taylor rule, referred to here as Taylor (1999), which was constructed based on U.S. data from the 1980s and 1990s.』

金融政策ルールは先々の金融政策行動に対するベンチマークをレイアウトする事に対して非常に有効で、その一つの著名なルールがテイラールールですとな。

『“Since that time, three important macroeconomic developments have altered key elements of policy rule construction,” he said. These developments are lower short-term real interest rates, the disappearing Phillips curve and better measures of inflation expectations.』

でもって金融政策ルールを作るのに際して最近は重要な3つのポイントがあって、一つが短期実質金利の低下、二つ目がフィリップスカーブの消滅、三つ目がインフレ期待の測定に関するより良い方法に関してだそうな。

『“Incorporating these developments yields a modernized policy rule that suggests the current level of the policy rate is about right over the forecast horizon,” Bullard said.』

ということで3つの件に関して。

『Lower Short-Term Real Interest Rates』

『The first adjustment in a modernized version of the Taylor (1999) rule is to account for the trend in short-term real interest rates, which has been decidedly lower over the last three decades, he explained. He noted that the Fed can influence short-term real interest rates through monetary policy but cannot control trends in these rates.』

実質金利の低下という現象に関して、短期的にはFEDの金融政策で影響を与えうるけど、長期的なトレンドに関しては金融政策でどうこうできるものではないそうで。

『To obtain a trend value of the short-term real interest rate, he calculated the trend in a one-year ex-post safe real rate of return. He noted the current trend value of the short-term safe real interest rate is about zero in the U.S., and is even lower when measured on a global basis.』

でもってプレゼン資料だと13枚目のスライドになるのですが、このおじさん何だか知らんのですが、実質金利水準を計測するのに「安全資産の実質金利」を計算するということで、「1年ものT−bill金利−ダラス連銀の計測した刈込平均PCE物価指数」を使うのが仕様になっていまして、毎度のごとく今回も計算しています。でもってこちらの説明だと端折っていますが、プレゼン資料の方を見ますと、

『・I will use a simple atheoreticmethod to choose an appropriate level for the short-term safe real rate to place in the modernized policy rule.
・I say “atheoretic” because I will not impose a theory on the level of this rate, but instead simply consider the trend that is evident in the current data.
・ To draw the trend line, I will use the Hodrick-Prescott filter.*
・ According to this calculation, as shown in the next chart, the current trend value of the short-term real interest rate is about zero. 』(この部分はプレゼン資料(PDF)の12枚目のスライドより引用しています)

ということで米国の短期安全資産の実質金利(が短期実質金利水準ということのようで)は(ここもと上昇してきて)ほぼゼロ近傍ですよ、となっていまして(グラフが13枚目)、グローバルに関しては「GDPウェイトで日本と米国をユーロ圏の1年もの実質金利を算出」というのをして▲1%ですよという話をしています(スライド14枚目が説明で15枚目がグラフ)。

『Therefore, he used zero as the value of “r-star” in the modernized policy rule, and assumed it would not change appreciably over the forecast horizon. “I think this is prudent given the especially low value of the global safe real rate,” Bullard said.』

でもって短期実質金利がゼロで当面もゼロ近辺にいるとみられるので(と言っているのですが、実際はプレゼン資料の13枚目のスライドを見るとトレンドとして上昇してきているように見えるのですがそれはスルーする辺りがブラード総裁インチキ臭いのですがそれはさておき)、そうだとすると修正テイラールール使ったら金融政策運営は慎重にするべきという結論になりますな、という利上げすんなモードになるのでした。

次が『The Disappearing Phillips Curve』ですな。

『The second adjustment is to account for the disappearing Phillips curve, which describes the feedback from the real economy to inflation.』

フィリップスカーブが消滅してしまったのか、それともフィリップスカーブの逆襲がおっぱじまるのかについては、一応今のFRBの執行部ベースの見解になりますと、このまま潜在成長率を上回る成長が継続して経済のスラックがほとんどない状態であればいずれ逆襲する、という見解になっていますがブラードおじさんは消滅と仰せ。

『“In the 1970s and 1980s, this feedback was relatively strong and formed the basis for the part of the monetary policy rule labeled as the output gap,” Bullard said. “However, this feedback has attenuated markedly since that time, to the point where arguably there is very little feedback at all.”』

でもってその辺に関してはブラード総裁は今年のシントラでのECBフォーラムで講演していて、J. Bullard, “The Case of the Disappearing Phillips Curve,” remarks delivered at the 2018 ECB Forum on Central Banking Macroeconomics of Price- and Wage-Setting, Sintra, Portugal, June 19, 2018.というのがありますが、この辺(とにかくこのオッサンはよー喋るというかよー講演する人なのよ)にリスト有りますのでご興味のある方は。https://www.stlouisfed.org/from-the-president/speeches-and-presentationsでも。

『Bullard noted that the degree of attenuation has been approximately a factor of 10 in the U.S. That is, an unemployment gap that would have generated 100 basis points of inflation in the past would today generate only about 10 basis points of inflation, he explained. As a first pass to capture this in a modernized monetary policy rule, the coefficient on the output gap can be reduced by a factor of 10, he said.』

でもって、フィリップスカーブの傾きがフラット化していますとかいうのがスライドの20枚目とか22枚目にあったりするのですが、まあ大体過去からの比較で言えば最近は寄与が10分の1くらいまで落ちていますよという説明をしています。まあここは現象面の話をしているだけで、じゃあその後フィリップスカーブはこのままなのか逆襲するかという考察はあんまりない、というかブラード総裁って基本的に色々なデータを引っ張り出して来て帰納的に話をするのが得意技というかそればっかりする人で、それはモデル依存して「こうあるべき」みたいな話をしないという点では面白いのですし、過去の理屈が通用しないという時に一つの視点を与えてくれるのはくれるのですが、データから帰納的に出してくるだけに、そのデータ自体の前提となる経済の条件が変化した時にこの人いきなり豹変してくるというのもあって、そのあたりがまあおもろいんだけど極端から極端に振れる(一時このおじさんタカ派だった時期もあったのよ、コア指数なんぞつかうのはケシカランヘッドラインのインフレが重要って原油高でヘッドラインが上がっている時に言ってたりしたのよ)のはどうなのかねとは思います。


次が『Better Measures of Inflation Expectations』って小見出しでして、

『The real-time measurement of inflation expectations has improved markedly in the U.S., Bullard noted.』

マジかよと思うのですが、リアルタイムでインフレ期待を計測する手法が米国では顕著に改善したそうですよ。

『Therefore, the third adjustment to the policy rule would be to change the inflation gap term to measure the distance between the market-based expectations of inflation over the next five years and the inflation target.』

いやいやいやいやそれは違うだろとは思うのですが、

『One advantage of using inflation expectations in a modernized policy rule is that it allows for a forward-looking element in the rule, Bullard noted. “Forward-looking financial market participants are incorporating all available information-including existing theories, market developments and other policy developments-in forming their expectations of future inflation,” he said.』

ということで、どうも市場のインフレ期待の計測がリアルタイムかつ精緻にできるようになったので、修正テイラールールで政策を検討する際にそれを考慮しましょうという話なのですが、そこの話がスライドの方だと25枚目の所あたりにありまして、

『・I have so far made two adjustments to modernize the monetary policy rule.
・ There is one more adjustment to make regarding inflation.
・ In the 1980s and 1990s, there was no market for Treasury inflation protected securities (TIPS), and consequently there were no reliable realtime estimates of inflation expectations.
・ However, we now have about two decades’ worth of data on inflation compensation coming from these markets, and these data provide an important guidepost for monetary policymakers』(この部分はプレゼン資料(PDF)の25枚目のスライドより引用しています)

っていやいやいやTIPSの利回り見れるから市場のインフレ期待見れるってそれはちょっとという感じのスライドがあるのがなんとも。でもってちなみにスライドの28枚目に『Real-time inflation expectations are low』ってのがあって、まあTIPSの利回りだけじゃなくて修正は加えているようなのですが、そこから引っ張ってきた市場のインフレ期待というのが28枚目のグラフにあって、それ見ると足元では市場のインフレ期待が急落している格好になっています。

『Bullard added the current reading on market-based inflation expectations suggests that financial markets do not expect the Fed to attain its stated inflation target over the next five years on a personal consumption expenditures (PCE) inflation basis.』

というのがこの部分ね。

『When incorporating an expected inflation gap in the modernized version of the monetary policy rule, he also assumed that expected inflation returns to target over the forecast horizon, he pointed out.』

つーことで、スライドの29枚目に『The message from inflation expectations』ってのがあって、

『・The current reading on market-based inflation expectations shown in the chart suggests that financial markets do not expect the Fed to attain its stated inflation target over the next five years on a PCE inflation basis.
・ I will incorporate an expected inflation gap in the modernized version of the monetary policy rule.
・ I will also assume expected inflation returns to target over the forecast horizon.
・ This completes the necessary adjustments to the policy rule, so let’s now turn to the implications of modernization for current policy.』(この部分はプレゼン資料(PDF)の29枚目のスライドより引用しています)

つーことで、市場のインフレ期待下がっとるのに利上げすんなよ、とかそういう話になるのですが、そこまで市場のインフレ期待がさがっとるのかねというのは正直謎ではある。

ということで最後のコーナーが『A Modernized Monetary Policy Rule』でして、

『Bullard then examined the recommended policy rate path implied by the modernized monetary policy rule, which accounts for the three adjustments: using a lower value for the short-term real interest rate, accounting for the reduction of the feedback from the real economy to inflation and replacing the inflation gap with an inflation expectations gap.』

『He also compared this path with the median in the Federal Open Market Committee’s (FOMC) Summary of Economic Projections (SEP) and the policy rate path implied by the unmodernized Taylor (1999) rule.』

てなことでスライドの32枚目に『Federal funds rate projections』ってのがあって、オリジナルのテイラールール、9月FOMCのSEPにおける中心的な金利パス、ブラード総裁が上記の3点を考慮に入れた修正テイラールール、の3本があって、オリジナルのテイラールールは高めに出てくるのは当然として、ブラードの修正テイラールールベースの金利パスが思いっきり「今の所から大体変わらないで2%程度の数字を維持」というのになっているのが中々味わいがある数値になっております(PDFの方を見てくらはい)。

『He said that “the modernized version of the Taylor (1999) rule recommends a relatively subdued policy rate path over the forecast horizon-similar to the St. Louis Fed’s recommended path in the SEP.”』

そらお前が作った修正テイラールールだから「similar to the St. Louis Fed’s recommended path in the SEP」
なの当たり前だわ。

『The unmodernized Taylor (1999) rule calls for rapid increases in the policy rate, he noted, but this rule does not take into account the three important macroeconomic developments since the 1980s and 1990s.』

まあオリジナルのテイラールールの方はさておきまして、

『The median path for the policy rate in the FOMC’s September 2018 SEP arguably takes on board some of the modernization, Bullard said. Thus, the projected policy rate path is between the modernized and unmodernized versions of the Taylor (1999) rule.』

SEPのパスもテイラールールの修正の一バージョンとも言えますな、とかいう話なのですが、たぶんパウエルの考える金融政策パスってテイラールール的なものはあまり考えていないと思う(よく言えば総合判断、悪く言えば出たとこ勝負)ので、これはまあ芸人の芸風扱いになるとは思うのですが、久々にブラード先生のを見るのも悪くないと思ってネタにしましたです、はい。







2018/12/07

お題「相場雑談と若田部副総裁金懇ネタ」

ほほう。
http://www.imes.boj.or.jp/research/abstracts/japanese/18-J-20.html
暗号資産における取引の追跡困難性と匿名性:研究動向と課題

取引の追跡困難性と匿名性において現金取引に勝るものはないですし、うっかり完全キャッシュレスなんぞになったらお上に盾突く不埒者を経済的に廃人にするの瞬間で出来ますがなという全然違う論点を考えてしまうアタクシは碌な人生を送りませんな。

なお本文はこちら。
http://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/18-J-20.pdf

あと話は飛びますが一昨日のアタクシの駄文で超長期ブルフラットについて「そら(金利が下がらんとなれば)そう(超長期のカーブを潰しに行く)よ」とか言ってましたが、金利が下がらんとなれば、じゃなくて上がらんとなれば、の書き間違いですすいませんすいません。過去ログはあとで訂正線入れて直しておきます。

#と言いつつ昨日はブルスティープしやがったんですが円債ちゃん


〇引き続き相場世間話俺様備忘録メモ

とりあえず米国株は人がぐうすか寝てる間に大下げからの戻しのようですのでさてどうなりますかという話はありますがその前に昨日の円債ちゃん。

・円債ブルスティープとな

https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1YB2FR
2018年12月6日 / 15:19 /
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅反発、長期金利0.050%に低下

『 <15:10> 国債先物は大幅反発、長期金利0.050%に低下

長期国債先物は大幅反発して引けた。日経平均株価が大幅下落となる中、海外勢を巻き込んだ需要が強まった。中心限月12月限は一時151円82銭と2016年11月9日以来の高水準を付けた。現物債市場では、金利への低下圧力が強まった。先物高と株安を手掛かりに広いゾーンで買いが優勢になった。中長期ゾーンは堅調で、長期金利は一時0.040%と7月20日以来の水準に低下。5年債利回りは一時マイナス0.140%と昨年11月9日以来の低水準を付けた。超長期ゾーンも強含みで推移。ただ、流動性供給(対象:残存15.5年超39年未満)の入札は、ショートカバー需要が限られて弱い結果になった。長期国債先物中心限月12月限の大引けは前営業日比21銭高の151円65銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比1.5bp低下の0.050%。』(上記URL先より)

ということで昨日は何ぼ何でもちったあ落ち着くかとおもったら寄りからファーウェイ砲が飛んできて株が盛大に下がってくれましたので前日チーペスト▲10bpで反転したかという期待を一瞬したりしたのを打ち砕いてもう一戦バッチコーイという状態になりまして、株の方がホイホイと下がってくる中で債券先物様前日の一文新値キタコレとか前場はまあその辺までだったのですけれども、後場寄りから一段と上がりまして一文新値とか言ってる場合じゃないでござるの巻。

後場も株は下がるわ先物は上がるわとなっていましたけど、中短期がホイホイと強くなりまして、一方でこれまでは超長期がフラットするのと先物がグングン上がるのが仕様だった円債ちゃんの一方の旗頭でありますところの超長期ちゃんが出遅れの巻となりまして、なんとまあブルスティープの巻とかになっていて、えーっとすいません利下げ期待でも出ましたっけ円債ちゃんという動きになっているのがお洒落というか何というか。

せっかく一昨日に5年7年10年の売参を見たので今朝も見るとしますと、
http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php
売買参考統計値

                  複利利回り(%) 単利利回り(%)
中期国債 137(5) 2023/09/20  -0.128  -0.130
長期国債 340 2025/09/20  -0.100  -0.100
長期国債 341 2025/12/20  -0.100  -0.100
長期国債 342 2026/03/20  -0.090  -0.090
長期国債 352 2028/09/20  0.050   0.050

先物ちゃんは、
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_daytime
(今日の寄り後は今日のになります)
18年12月限 12/06
151.51 (08:45)
151.82 (13:20)
151.45 (09:01)
151.65 (15:02)
+0.21
64,882

でまあ一昨日の高値が67銭なのでだいたい7年金利▲10bpで反転でしたが、昨日は高値82銭とかどこからどう見ても7年金利▲10bpよりも低い金利まで突っ込んだ挙句に最後は7年▲10bpで終了しましたでござるの巻ということになっているのですが、まあ先物先生に関しては、CTAみたいなのにかかりますとただの5桁の数字なので、この金利水準だとチーペストの金利が▲10bp下回るしみたいな事を考えた値ごろ感のようなものは存在しないと思っておりますので(偏見)、まあ行くときは行くというもんですな、ナムナム。

#自分も昔々の大昔に先物日計り兄ちゃんをやった(儲かったとは言っていない)ことがあるので身に覚えがないわけではない

ただまあ昨日の場合は何せ中短期強くてブルスティープっぽい動きになっていて、いやあのすいませんここからどうやって短期金利を下げるとおっしゃるとは思うのでチーペストの▲10bpガーとか言っても空しいような気がする(とフラグを立ててみる)というのが残念無念。

でまあ輪番ガーとかいうのも何かそういうレベルじゃないよねという風に思いますが一応輪番ネタを妄想してみますと、ゆうて今月の輪番でも10年の「入札翌営業日輪番」は維持するし、10−25の輪番は金利がホイホイさがっていようとも2000億円にしてきました(1800にはしなかった)ですし、特にこう金利下がって怪しげな雰囲気になると寧ろ追加緩和(マイナス深堀はやると単に副作用爆裂なのでできないのだがそれはさておき)とかいう話になってしまいますから、そこで輪番を目立つような減額とかするわけにもいかんでしょう(リフレ系の政策委員から文句出るリスクをとれないでしょ)と思う訳で、精々できるのは月末の所で長期輪番の回数減らす掛け算での増額減額スキームくらいしかないじゃろと存じます次第なのですが、ここで10年5bp切ってきたので堂々の減額とかやったらちょっと唸りますけど、ここまで10年のところをこれだけ過保護にしてきたのとの整合性が全然取れないのでやるとコミュニケーション訳分らなくなってしまうと思う、とまあその程度ですがあまり深く考えている訳ではないのでそんなところで。

しかしこれ昨年末水準に戻った感がありますなあということで手元の帳面見ますと、昨年の12月29日の数値って、

(レートは全部単利で複利じゃない上に売参から取っていますのでBB引けと違うかもです)
40年カレント:0.965%
30年カレント:0.805%
20年カレント:0.565%
10年カレント:0.045%
チーペスト:▲0.050%
5年カレント:▲0.105%
2年カレント:▲0.140%

とかになっていて、ドル円は前日のNY引けレベルが112円80−90銭水準で、日経平均が22764.94円とかでして、なんか円債ちゃんは1年かけて大体もとに戻ってるじゃん(なお米債は利上げしてるからそら金利上がっています)という感じですが、それにしてもチーペストの居場所がやたら強くなっていますなとは思うのですけどそう考えると先物様オソロシスでもありますな。


なお米債(メモだけ)。

https://jp.reuters.com/article/-idJPL4N1YB5B5?il=0
2018年12月7日 / 05:55
米金融・債券市場=10年債利回り3カ月ぶり低水準、来年の米利上げ観測後退

『連邦準備理事会(FRB)は18─19日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決定するとの見方が大勢となっているが、CMEグループのフェドウオッチによると、来年の利上げ回数の予想は現在は1回と、1カ月前の2回から減少した。』(上記URL先より)

ということのようですけど、まあさすがに12月利上げ見送りという所までは行かないにしても、こうなると来年は半年に1回利上げとかその手のネタは尽きなくなってまいりましたな、いやはや何とも。



・日経謎の「米国逆イールドニュース」連発の巻(与太話コーナー)

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38592490V01C18A2EA2000/
長短金利11年ぶり逆転 米景気後退の予兆か
2018/12/6付日本経済新聞 朝刊

『【ニューヨーク=大塚節雄】米債券市場で期間が長めの金利が、短めの金利よりも低くなる「逆イールド」と呼ぶ逆転現象が起き始めた。将来の景気後退の予兆とされる動きで、4日に米国株が急落する要因となった。米景気の先行き懸念がじわじわと強まるなか、目先は米政策金利の引き上げが続きそうなことなどが背景にある。』(上記URL先より)

ということで昨日は日経本紙の3面(総合2面)の左上とか割と目立つところに堂々と掲載されていたのですが、一昨日も同じく長短金利11年ぶり逆転の記事が手元に新聞が無いのでどこの面か忘れましたが同じように掲載と、連日の「長短金利逆転」報道が来ています。

・・・・・・・・でまあその「逆イールドだから景気後退」って相関はそうだが因果関係はちゃうやろという話が連発しているのも何だろうねというのはありますけれども(なお水曜の記事よりも木曜の記事の方がマシになっている感はあるが詳しくは本紙読むか有料会員向け記事を読んでくらはい)、それよりもやたら気になるのは「2年金利と5年金利」のインバートを捕まえて、「長短金利逆転」ということでして、いや普通2年とか5年とか中期って言わないかと思うところでして、まあそれでも2年は短期に近いから良いとしても、5年を長期というのはこれどうしたんですか(単に「逆イールド発生」じゃダメなのか)と思うのですが、これを物凄い勢いで陰謀論を炸裂させますと、「5年金利は長期金利」というのを刷り込むことによって、どこぞの中央銀行の行っている「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の「長期金利」を10年ではなくて5年も長期金利である(キリリッ)とするための遠大なる日経新聞様とどこぞの中央銀行様のコラボレーションとか思うと陰謀論としては面白く・・・・・ないですかそうですか誠に申し訳ございません。



〇若田部副総裁講演ネタの続き:しかし内容が誠に残念ですな

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2018/ko181205a.htm/
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2018/data/ko181205a1.pdf
【挨拶】最近の金融経済情勢と金融政策運営
新潟県金融経済懇談会における挨拶
日本銀行副総裁 若田部 昌澄
2018年12月5日

HTMLバージョンの方がアップされていますので今朝はHTMLの方から引用しますが書いてあることは同じなので(当たり前だ)まあそこはキニシナイということでよろしく。

でもってまあこの講演(金懇挨拶)正直全然見るべきものがないという点でジンバブエ大先生などの金懇挨拶の方がよっぽど面白い(ただし頭がクラクラする)という代物で、昨日も申し上げましたが、何かこう心がこもっていないというかパッション(某証券のキャッチフレーズとは無関係です^^)を感じないというか、とにかくこう心に来るものが全然無くて、抜け殻になる前の置物師匠とかジンバブエ先生とかはトンチキはトンチキなりの熱いものがあって、全然賛同はしないけどこれを伝えたいみたいなのはあったんですが、金懇初戦という割と力が入って然るべきものがこれかよと失望というか絶望の念を禁じ得ない。

という悪態は兎も角として、その伝わるものの無い金懇挨拶の実質最後(最後は新潟県経済の話とかでまとめに掛かるのがお約束なので)の小見出しが『(3)幅広い主体に向けたコミュニケーション』というのがなんともアレなのですが・・・・・・・・・・・


・コミュニケーションの話がもう色々と残念

『私は、政策効果を最大限に発揮するためには、日本銀行が目指す経済の姿やその背景となる考え方を、できるだけ多くの方に分かっていただけるように情報発信や対話をしていくことが重要だと考えています。』

日本銀行の考え方を「デフレ派」とか勝手にレッテル貼ってネガティブキャンペーンしていた皆様のお言葉とは思えませんな。

『私たちが学校で習った伝統的な金融政策は、金利の引き上げと引き下げが中心で、比較的分かりやすかったように思います。』

って言ってるんですけど、おじちゃん学がないから高校の政経の授業くらいしか教科書見てないですけど、金利の上げ下げじゃなくてマネーを上げ下げとか準備預金率操作みたいな説明を受けていた記憶しかないですし、金利の上げ下げが伝統的な金融政策の顔をしているのってつい最近の話だし、そもそも資本や為替の制限をしているような国だったら資金割り当て(準備預金率の上げ下げって資金割り当ての一種みたいなもんですよね)の方が主体だったりする訳ですけど、なんかエライ話が雑なように見えるんですけどそう簡単に割り切っていいもんなんですかね。

でまあこの「金利の上げ下げが分かりやすい」のを良しとしますと、そもそも「マネーを増やすとインフレ期待が上がる」という政策自体が伝統的な政策でもないし、学校で習うような政策でもないという話になるんじゃないでしょうかと思う訳でして、まあ話の流れ単純化する為にこういう割り切り方で説明しているのかも知れませんけれども、これじゃあその場の話の流れはこの続きにありますように単純になるのですが、単純化した結果がブーメランになるように見えるのは何とも残念。

『もっとも、日本では1990年代後半以降、米国や欧州ではリーマン・ショックのあった2000年代後半以降、短期金利がゼロ%近くとなり、伝統的な金融政策では対応できない状況となりました。そのもとで各国が積極的に講じてきたのが非伝統的金融政策と呼ばれるものです。これは、世界経済がグローバル金融危機から脱出するうえできわめて強力な効果を発揮しました。しかし、同時に、金融政策が非常に複雑なものとなり、一部の専門家以外の方々にとっては分かりにくいものになってしまった面があります。』

さっき「政策効果を最大限に発揮するためには、日本銀行が目指す経済の姿やその背景となる考え方を、できるだけ多くの方に分かっていただけるように情報発信や対話をしていくことが重要」と言って、非伝統的金融政策について「きわめて強力な効果を発揮しました」のに「一部の専門家以外の方々にとっては分かりにくいものになってしまった」となっていて、結局どうなっとるんやと小一時間問い詰めたい。

『海外でも、中央銀行の公表文は経済学博士でないと理解できないなどと揶揄されているようです。』

というのがこのパラグラフのオチになっているのですが、若田部先生も経済学博士じゃないのでこれは何かのギャグかと思うのですが、経済学博士と言いましてもジンバブエ先生あり某さゆりちゃんありと、だから何なのという気もしますけどね。まあそれはさておき続きに参ります。

『確かに、日本銀行が現在行っている政策に技術的な側面はあり、市場参加者や海外当局者といった専門家の理解を得るため、私どもは情報発信を積極的に行っていくことが求められます。もっとも、中央銀行は、専門家だけでなく、日本経済の主役であり原動力たる家計や企業にも働きかけを行っていくことが重要です11。』

ほうほうそれでそれで??

『家計や企業の方々に対しては、技術的な側面が強い政策運営の細部よりも、そのエッセンス――日本銀行が何を目指し、それをどのように実現しようとしているのか――を、繰り返しお伝えしていくことが重要ではないかと感じています。』

置物リフレ理論の説明通りに全然物価が推移していなくて大見得切ったことに対しては置物日記とかいうような見苦しい言い訳に終始しているような気がしますがまあ次のパラグラフに参ります。

『例えば、日本銀行によるアンケート調査によると、物価が上がると生活が苦しくなると考えている家計が多いのが現状です(図表10)。自分の所得が上がらないのに物価が上がるのは誰でも嫌に決まっています。』

でもってこの次の説明がもうアレ。

『価格上昇に対する家計の許容度がなかなか上がらないのも当然に思えますが、緩やかな物価上昇が実現していた過去の局面では、賃金は概して物価のペースを上回って上昇し(図表11)、家計の購買力は高まっていました。価格上昇に厳しい目を向けがちな家計の慎重なスタンスを転換していくためには、こうした経済の基本的なメカニズムを人々に分かりやすく伝えていくことも重要となります。』

でまあこの(図表11)というのが「物価と賃金」って題名ついて、日本と米国の棒グラフで「消費者物価」と「時間当たり名目賃金」とを並べているという代物(PDFの方か上記HTMLの最初にある「図表」ってのをポチっとなとすると図表11というのが見れます)でして、期間が1980年代、1990年代、2000年代、2010年代って形でその間の平均を取って比較しているのですが、「物価がプラスで時間当たり名目賃金がそれよりやや多めのプラス」ってのに〇をつけて強調しているという物件なんですよ。

えーっとあのーすいません、それって「経済が平均して成長していて、その間に生産性が平均的に高まっていたから結果として物価も賃金も伸びていて、時間当たり名目賃金の伸びが高かった」とかそういうような事であって、別に物価2%だったから賃金がより高く伸びたという因果関係を示すものじゃないと思うのですが・・・・・・・・

『また、金融政策の効果は、経済の状況によっても変わってきます。民間企業がモノや人への前向きな投資やイノベーションに取り組む一方、政府がそうした未来への投資を促進する環境を整備したり、財政の信認を確保しながら教育、科学技術振興等の有益な支出を行ったりすれば、わが国経済の期待成長率が高まることが見込めます。期待成長率が高まれば、企業の投資意欲や家計の消費意欲はより大きく高まり、2%の「物価安定の目標」への道筋はより確たるものとなるはずです。』

おいこらお前ら一派は物価目標達成は金融政策で実施するって主張してただろうが、ということでいつものアレになりますがここで置物師匠のご高説になりますが、毎度おなじみ2013年3月5日の衆議院議員運営委員会の会議録を確認してみましょう。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/183/0020/18303050020012a.html
第183回国会 議院運営委員会 第12号
平成二十五年三月五日(火曜日)
    午前十時三十分開議

いつもの2年で云々ではなく、その先にあった日本維新の会(当時)の阪口直人委員の質問に対する師匠のご説明を引用致します(会議録の概ね半分くらいの所になりますが半分より気持ち上程度の所になります)。

『(阪口委員の質問部分割愛します)

○岩田参考人 私が一番懸念しているのは、どうも日本銀行が、物価の安定あるいは一%とか二%とかそういうインフレ目標達成を金融政策だけではなかなかできないという立場に立っている。やはり、世界のインフレ目標国のように、物価の安定は責任を持って日銀がやるんだ、中央銀行がやるんだ、そういうような考えをもう少し持っていただきたいというふうに思っておりますので、それが組織上の問題でそうなっているのかどうかよくわかりませんが、私、そういうふうな考え方も、もう少し柔軟になってほしいなという気持ちは持っております。

○阪口委員 岩田候補の、とにかく、そのときの経済や政府の政策のせいにはせず、日銀の責任で二%を達成する、この覚悟、これは大変にすばらしいものだと思います。
 また、先ほど、それが二年という期間内に達成されなかった場合には責任を負うんだと。このことも、ある意味、きょうは、市場を動かす上での大きな御発言であったかと思います(以下割愛します)』(この部分は直上のURL先になります衆議院会議録から引用しております)

・・・・・・・・とまあこうやって日銀批判して白川さんたちを石持て追い出しておいた一派の皆さんが今や「金融政策の効果は、経済の状況によっても変わってきます」とかヘソが茶を沸かすわ以外の感想はありません。


『このように、様々な経済主体の取り組みと日本銀行の金融政策との間には、相乗作用が働きます。その意義を各主体との間で共有していく観点からも、幅広い方々へ向けた私どもの効果的なコミュニケーションが求められています。』

『この懇談会にご出席の皆様も、日々の複雑な実務に携わる一方で、住民や顧客には分かりやすいメッセージを伝えていくことが必要な場面があるのではないかと想像します。金融政策も同じです。本日はこうしたことも意識して、金融政策運営のエッセンスとなる考え方を中心にご説明しました。』

ということですが、「金融政策運営のエッセンスとなる考え方を中心にご説明」したのがこれかよという感じでございまして、まあ何ともかんともという所ですけど、そもそも説明がちゃんと伝わっていないとか何ねんこの政策やってるんだよという話ですが、もしかして若田部さんは前任のせいにするという荒業に出るということでしょうかね。

なお、ご参考まにとなりますが、このセクション全体に関しては朝日新聞からもツッコミがございまして・・・・・・・

https://www.asahi.com/articles/ASLD55F5KLD5ULFA02D.html
物価上がらないのは「理解得られてないから」日銀副総裁
湯地正裕
2018年12月5日19時19分

『日本銀行の若田部昌澄(まさずみ)副総裁は5日の新潟市での講演で、物価上昇率が目標の2%より低く、企業などによる先行き見通しも低い原因について「日銀の決意について理解が十分に得られていないことも影響している」と述べた。若田部氏は積極的な緩和策を唱える「リフレ派」。大規模な金融緩和の開始から5年たっても物価目標が未達成な理由を、政策への「理解不足」に求めた形だ。』(この部分直上URL先の朝日新聞デジタル記事より引用)

まあこのタイトルはちょっと煽り過ぎだとは思いますが・・・・・・・・・・・・


〇でまあ会見な訳ですが

http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2018/kk181206a.pdf

9ページあるうちの冒頭から2ページ半が最初に用意済みの想定問答って奴なのでその時点でお察し案件なのですが、その次から参ります。

・まあ想定問答の通りなんだろうけど「副作用が顕現化したときは手遅れ」ということ分かってないでしょ

『(問) 金融緩和の副作用に関してですが、本日の講演では、政策の効果だけではなく、金融市場、金融システムへの影響も間断なく点検することが必要だ とおっしゃいました。3 月に就任されたときの記者会見では、副作用が、金融政策がこれまでもたらしてきた効果を覆すに至るようなものであるならば、やはり点検すべきだと言っておられましたが、3 月と現在とで緩和の副作用を巡る状況はどのように変わったとご認識されていますでしょうか。』

まあご認識も蜂の頭もそもそも何もいやなんでもないです。

『(答) 3 月に申し上げた通りでありまして、現状で金融政策がもたらしてきた効果を覆すような副作用が顕現化しているとは考えていません。もちろん、これについては様々な議論があり、また、3 月から今までの間で金融環境も変化していることは承知していますが、現在行われている大規模な金融緩和政策をやめるに至るような、いわゆる副作用は顕現化していないと認識しています。』

いやだからそれは顕現化してたらもう手遅れなんですけどね。まあ大本営発表としてはこう答えるしかないというのは分かりますけど。


・追加緩和の余地とか言って具体的手段はあるんでしょうかねえ

次の質疑。

『(問) 追加緩和の余地に関してです。講演でも貿易戦争の影響に触れられていました。国際的にも景気下振れリスクへの警戒が強まっていると思われますが、これまで副総裁は、必要があれば躊躇なく追加緩和をすると主張されてきました。副作用への警戒が強まっている中で、仮に景気後退ですとか、物価上昇率がゼロ%程度あるいはマイナスに陥った場合、追加緩和は必要だと考えられますか。あるいはその余地はあるとお考えでしょうか。 』

『(答) 必要があれば躊躇なく追加緩和をすべきだという考え方は変わってい ません。現状では、先ほど申し上げたようないわゆる副作用は、金融政策の効果を覆すほど顕現化していないと考えています。』

???

『ただ、もちろん今後、追加緩和をすべきかどうかというのは、景気後退であるとか、物価上昇率がゼロに陥る可能性やその持続性──その後の見通しとして、2%の「物価安定の目標」への道が非常に遠のいてしまうことが懸念される状態であるか──も踏まえて、判断すべきだと思います。』

で?

『余地については、巷間では追加緩和の余地はないのではないかという議論がありますが、私自身は、追加緩和を行う必要があるならばその余地はあると考えています。ただ、その具体的な内容を明らかにすることは適切ではないと思いますので、この段階ではコメントを差し控えさせて頂きます。』

ナンジャソラという所でして、追加緩和の手段って実はYCCぶっこんだときの声明文だと順序まで書いてあるんで、「例えば一つの考え方としては、2016年9月の決定会合声明文」とか言ったらお洒落なんですけどね、まああの時と今とでは状況違いますし、まあアタクシは追加緩和するならば今すぐ思いつくのってマイナス金利撤回して付利10bpの世界に戻して量に時間軸付けてやっていく位しか現実的に持続性のありそうなのは思いつきませんけどね。それを追加緩和という屁理屈(いわゆるリバーサルレートの議論を持ち出すしかないと思う)にするのが大変だけど。


・財政との連携の質疑もあるけど中途半端な回答しかございませんな

次の質疑。

『(問) 午前中の講演でお話になった内容の確認です。副総裁は、未来への投資を促進する環境を整備したり、財政の信認を確保しながら教育や科学技術振 興等の有益な支出を政府が行ったりすれば、期待成長率が高まり、期待成長率が高まれば 2%への道筋もより確たるものになるとおっしゃったと思いますが、 これは 2%目標の達成に向けて、より積極的な財政支出が必要だというお考えと理解してよろしいでしょうか。』

こじつけっぽいですな(^^)。

『もう 1 点も関連しますが、その場合に、財政健全化との兼ね合いをどのように考えていらっしゃいますでしょうか。』

でもってお答え。

『(答) 先ほどの挨拶の中で私が申し上げたのは、政府はそうした未来への投資を促進する環境を整備しようとしていますが、これには数々の規制改革や制度改革が含まれると思いますし、また、財政の信認を確保しながら教育や科学技術振興等の有益な支出を行ったりすれば、ということです。』

うーんこの中途半端な回答。まあ想定問答の世界なんでしょうけど。

『2 番目の質問へのお答えとしては、財政の信認を十分に意識しながら、 そういう支出を行うことが望ましいと述べました。 ただ、これらは全体として期待成長率を如何に上げるかという文脈での話であり、短期的な支出というよりは、中長期的な成長力を上げるような支出が望ましいということです。』

『それがなければ 2%を達成できないということではなく、期待成長率を上げるような形で財政が適切に支出され、そして各種 の制度改革が行われるならば、2%への道のりはより確たるものになるだろうということです。』

まあそう答えるだろうなというような感じですが、通り一遍感が強いお答えで。

『財政の健全化を巡っては、様々な方法論や議論があることは 私も承知しておりますが、財政の信認が確保されるような経済政策がとられていくことが重要であるという点に関しては、大方の合意があるところではないかと考えます。』

消費増税の話とか質問すればいいのにとか思ってしまいますけど、まあ思いっきりどうでもいい答え方で逃げていますな。


・逆イールドの質問の答えはよくできている

『(問) 本日はアメリカの債券市場で逆イールドが近づくなど、海外経済の不透明感が非常に強まっている状況かと思うのですが、副総裁はまだ 2%の目標 の達成が現状の政策で可能だとお考えでしょうか。 (後半割愛、というか何言ってるんだかよくわからん)』

『(答) まず、米国の長短金利の逆イールドが今話題にはなっていますが、こ のこと自体の解釈も注意しなければいけないと考えています。これは、基本的に米国の中央銀行であるFRBが行っている金融政策運営に関わりますので、 具体的に現状の金利がどうであるということを私から申し上げるつもりはありませんが、一般的に言って、逆イールドであるから景気が後退するということは必ずしも正しくないということです。』

ほう。

『例えば、過去においては、物価が上がっていくもとで、その急激な上昇を抑え込むために短期金利を大きく上げていったところ、それによって逆イールド化が進んだということもあったわけですので、逆イールドになること自体が必ず景気後退をもたらすという関係はな いのではないかと考えています。(後半割愛)』

想定問答なんでしょうがこれはよく答えている、感動した!(してないけど)


・これは良い質問なのだが答えが盛大にズッコケ三銃士

昨日の駄文でアタクシも思って書きましたが、同じツッコミが会見であったのかこれはこれは(^^)。

『(問) 先ほど、講演でも記者会見でも、物価安定そのものではなく、国民経済の健全な発展こそが重要である、究極の目的であるとまさにおっしゃっています。一方で、2%の達成はできるだけ早くということで、2%の重要性も講演ではかなり触れているわけですが、副作用論のようなものがかなり高まってきている中で、果たしてこの 2%をどのように位置づけて、金融政策を判断されていくお考えなのか、両者をどのように両立させていくのかをお聞かせください。』

副作用というのは余計だと思いますけどね。では答えを鑑賞しましょう。

『(答) まず、国民経済の健全な発展に資するために物価の安定が必要だということは、私自身は歴史的にも理論的にも明らかだと考えています。』

物価は結果ではないのでしょうか、ということでいきなりズッコケにも程がある。だったら何で講演前半であんなに成果を自慢しているんだよ。

『挨拶の中でもお示しした通り、15 年、人によっては 20 年という長期にわたって低成長とデフレが続きましたが、15 年程度も続いたというのは世界的にみても極めて異例なわけです。』

そこまで言い切れるの?とは思いますがそれはそれとして、

『その意味でいうと、日本銀行がやろうとしていることは、世界各国で標準的に行われている経済運営の姿に戻っていくことであり、広い意味でこれは日本経済が正常化していく姿だと考えています。』

世界標準キタコレ(ゲッソリ)。

『金融政策は、日本経済を後押しして、こうした姿をできるだけ早く実現するように、2%を「物価安定の目標」として運営していくことで全く変わりません。』

全然質問の答えになっていない、というかこの先生、金懇挨拶の方で前半で2013年以降の政策と今次回復が同時期にみたいな話をして、(いちいち引用しなかったけど)QQEが効果を上げたというような説明とか関連文献とか挙げていて成果を強調しているのと、後半の「2%の重要性」というのが話として繋がってこないというのに気が付いていないのではないかと。

『そのもとで、いわゆる副作用の問題をどう考えるかですが、私自身は 現状で金融政策が生み出している成果は様々あり、成果があるからこそ経済全体がよくなっているという確信を持っています。』

2%達成してないのによくなっているのだったら無理をして2%達成しなくても良いんじゃないでしょうか、という疑問どころか浜田先生までが仰せになっている点との整合性は?????

『いわゆる副作用が急激に大きくなって、金融仲介機能が急激に機能不全に陥るということが起きると、確かに金融政策を伝達する経路に大きな支障が生じることはあり得ると思いますが、その可能性は現状においては極めて低いと考えています。金融機関をみても、いわゆるコアの収益は減少傾向にありますが、全体としては充実した自己資本を備えています。いわゆる副作用については、間断なく点検するつもりですが、現時点においては、2%の達成における支障になっているとは考えていません。』

まあこの辺は最早どうでもいいのですが、どうも「成果の強調」と「2%の重要性の強調」がロジカルにつながらないというのが分かっていないというのだけは分かりました、まあ他は特に何という事もない質疑なのでこの辺で。




2018/12/06

お題「チーペスト▲10bpで一旦反転???/若田部副総裁金懇初戦とな」

もう採決ですか審議したつもりなのかね。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181206/k10011736341000.html
外国人材法案 採決めぐり攻防激化へ
2018年12月6日 4時53分

〇市場世間話備忘録

https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1YA2ER
2018年12月5日 / 15:21 /
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反落、長期金利変わらず0.065%

『<15:14> 国債先物は反落、長期金利変わらず0.065%

長期国債先物は反落して引けた。前日の米債高を手掛かりに買いが先行して、中心限月12月限は一時151円67銭と2016年11月9日以来の高水準を付けた。終盤にかけて高値警戒感が浮上。日経平均株価が下落幅を縮小すると、戻り売りが優勢になった。現物債市場は荒い相場展開になった。中盤にかけては、先物に連動するかたちで、買いが勢いづいた。20年債利回りは0.545%、30年債利回りは0.765%、40年債利回りは0.920%といずれも一時8月1日以来の水準に低下。』

『超長期を対象にした日銀オペで「残存10年超25年」が前回から200億円増額、「25年超」が据え置きでオファーされた。オペ結果がしっかりだったことも買いを誘った。中長期ゾーンも強含む局面があり、長期金利は一時0.050%と7月31日以来の水準に低下。5年債利回りもマイナス0.130%と昨年11月27日以来の低水準を付けた。終盤は、先物がマイナス圏に沈むと、売り圧力が強まり超長期債利回りは上昇、中長期債利回りは低下幅が縮小した。』(以上上記URL先より)

とまあそういうことで、昨日は朝から(9時くらいに)10年5.5bp(1強だけど前日の最終出合いからみたら1.5強くらいとも言えそう)だの20年0.55%(1強)だの威勢の良いことをやっておりまして、10年やるじゃんとか思っていたらそのあとすかさず6.0bpに10年が後退していて残念感溢れたのですが・・・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of181205.htm
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,500 2018年12月6日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,000 2018年12月6日
国債買入(残存期間25年超) 500 2018年12月6日
国債買入(物価連動債) 250 2018年12月6日

ということで輪番のオファーが長期は4500億円と特に減額するでもなく(まあしませんでしょうなという所で、そんなの10年が5bp明確に割ってからご相談しまひょかくらいの話だし10年が置いて行かれる状況で減額するのもねえとは思うし)超長期に関しては25年超が600じゃなくて500で来ましたけれども、まあここに関しては既に買入がだいぶ減っているところなので500減っても100減っても大差なかろうというのもありまして、500にするのもありかなあという話でしたし、超長期前半に関しては2000億円ですと輪番のレンジが出た瞬間からそう来るでしょと思われていたところで、金利低下が来たこの中でもうちょっと減らしてくるのかなという声もあった中なので、これはあんまり減額してないやんという話になって(と言ってもまた月額1500億円の減額なんですけどね)安心感だか何だか知りませんが、オペオファー来てから早速10年カレントが5.5bpに戻ったり、20年カレントが0.545%キタコレ!となったりとか中々素敵なことに。

でまあ後場の寄りから10年ちゃんが5bpになるわ5年が▲13bp(1.5強)になるわとかで、おまけに先物もホイホイ強くて下記のように12時39分には先物19銭高とかになっておりましたが・・・・・・・

https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_daytime
18年12月限
12/05
151.64 (08:45)
151.67 (12:39)
151.42 (14:33)
151.44 (15:02)
-0.04 50,632
(なお上記URL先は本日の寄り付きになると12/6の数値になってしまいますのであしからず)

えーっとですな、前日のチーペストの引けが▲8.5bp水準という中で先物が19銭上昇となりますとチーペスト水準が堂々の▲10bp水準になってしまうのですけれども、利下げ期待でもあるならともかくお前それはねえだろとか思いながらも、うーんこれはつまり7年を起点にイールドカーブを考えればとかアホウなことを考えながら目の前に起きていることを正当化する屁理屈を考えていたら記事のようにさすがに冷静になったのかちと失速という展開になりましたな。

ということで何の役にも立たない俺様備忘録な訳ですが、昨日は何せ「逆イールドで景気後退ウギャー」みたいな地獄の黙示録みたいなベンダーコメントや何とか経済新聞の記事とかが飛び交っておりました(ちゃんとしたコメントもさすがにあったんですけど)し、ちょっと記事拾ってくるのめんどいのでパスしますが、某ブルームバーグちゃんでは海外記事の翻訳記事ではありますが、ヘッドラインに「破滅の前兆」といかいうのもまで出てくるというお前らいいから落ち着けという話になっておりましたが、昨晩の米国は急に発生したお休みでございましたので、一日水入りして冷静になりませんですかねえ、とか思うのでありました。


〇若田部副総裁の金懇である

初回金懇ですな。
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2018/ko181205a.htm/
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2018/data/ko181205a1.pdf
最近の金融経済情勢と金融政策運営
── 新潟県金融経済懇談会における挨拶 ──
日本銀行副総裁 若田部 昌澄

HTML版の方は今朝の時点ではまだ出来ていませんのでPDFバージョンで参ります。


・相変わらずQQEの成果が雇用な訳ですが

『2.経済・物価の現状』の辺りは執行部の自慢話とだいたい同じなのであまり見るものも無いのですが、

『(1)今次回復局面の特徴@:景気回復の拡がり 』
『(2)今次回復局面の特徴A:物価上昇率のプラス転化 』

って話をしておりまして、ああそうですかという感じですが、相変わらず雇用の所はやたら威張るのが置物一派の仕様になっておりますな。

ということで『(1)今次回復局面の特徴@:景気回復の拡がり 』の真ん中あたりになりますけど、

『労働市場の改善は、世代という切り口でみても、拡がりをみせています。例えば、15〜24 歳の若年層の失業率は、1990 年代後半の金融危機のもとで大幅に上昇し、その後も長らく緩やかにしか低下しませんでした(図表4)。もっとも、ここ数年で状況は様変わりしました。若年失業率はバブル期を下回る水準まで低下し、新卒採用は空前の売り手市場となっています。人手不足感がますます強まる中で、従来、職を見つけることがかなり難しいとされていた失業期間1年を超える長期失業者も、着実に減少してきています。加えて、雇用環境の好転は、これまで労働市場に参加していなかった層に、新たに就業機会を提供している面もあります。労働市場で中心的な役割を占めてきた 15〜64 歳の人口、いわゆる生産年齢人口は、わが国では 2000 年頃をピークに減少しています。一方で、実際に職に就いている就業者の数は、このところ大幅に増加しています(図表5)。 これは、雇用環境の改善と、政府による各種の制度整備が相まって、女性や高齢者の労働参加が促進された結果として実現したものです。こうした中、1990 年代以降、緩やかに上昇してきた貧困率も、最近では、横ばい、ないし幾分低下してきているように見受けられます。』

『若年失業率や長期失業率の低下、さらには女性や高齢者の労働参加の拡大などは、現在の雇用や生産を増やすだけではなく、将来に向けた経済の成長力強化という点でも重要な意味を持ちます。人々は、日々、実際に働く中で技能を身につけ、生産性を高めていきます。特に、若年期に技能を磨く就業機会があるかないかの差は、その後の個々人のキャリア、さらには、一国全体でみた生産性にも大きな影響を及ぼすと考えられます。この点で、若年層に多様で安定した就業機会が提供されていることは、非常に重要です。また、失業期間が長期化すると、せっかく身につけた技能が徐々に失われてしまう惧れがあることから、長期失業率の低下も、経済の生産性を高めることにつながります。このように、労働市場が幅広く改善していることは、わが国の成長力を高めることにもつながっていくと考えています。』

というようにいいことづくめのような説明になっている訳で、まあこれは別に置物一派という訳ではなくて、大本営もこんなトーン(ここまでは自画自賛しない)で話をする部分なのですが、何せ置物日記などにありますように(実はここもと置物日記は「消費税が悪いよ」という説明が本の中で何度も別の論点になっていて結局どこが悪いのかの明快な説明がないのでそれを探して苦吟しながら読んでいて何時まで経っても麿の本に向かえないという不幸が続いておりますので置物日記日記は少々お待ちください)、この一派の「このように効果がありました」については一々裏を取りにいかないと都合の良い所だけ引っ張って大成果とか言い出す可能性があるので、油断も隙も無いということで調べてみたらこんなんありました。

https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/index2.html
平成29年就業構造基本調査の結果

でまあこちらの中の
2.結果の概要(PDF:2,598KB)って先をクリックして出てくる
https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/pdf/kgaiyou.pdf
平成 29 年就業構造基本調査
結果の概要
平成 30 年7月 13 日
総務省統計局


なんぞをチラチラと見ますと、

『<全国結果>

15 歳以上人口について,就業状態別にみると,有業者は 6621 万3千人,無業者は 4476 万4千 人となっており,平成 24 年に比べ,有業者は 179 万2千人増加,無業者は 163 万1千人減少と なっている。 男女別の有業率(15 歳以上人口に占める有業者の割合)についてみると,男性は 69.2%,女性 は 50.7%となっており,平成 24 年に比べ,男性は 0.4 ポイント上昇,女性は 2.5 ポイント上昇 となっている。

年齢階級別にみると,平成 24 年に比べ,男性は特に「60〜64 歳」及び「65〜69 歳」で大きく上昇しており,女性は全ての年齢階級で上昇している。 (表T−1,表T−2) 』(この部分は上記URL先の総務省統計局によります「平成 29 年就業構造基本調査 結果の概要」本文1ページより引用しています)

とかなっていまして、雇用改善って言ってるけど子細に見た場合にその中身ってどうなのとか、金懇挨拶にあるような、「労働者のスキルが上がるような雇用」が本当に増えているのかよとか、大体からして若年層の雇用って(そら増えているだろうなあとは体感的には思うけど)失業率なり就業率って分母がジャンジャン減少している中ですから全体の数字だけで言われてもどうなのよとかありますし、大体からしてそんなに雇用が良いならもっとジャンジャン賃金上がるじゃろと思うのですけど・・・・・などなどいろいろとホンマカイナとか調べたくなるのですが、本職がエコノミストじゃないのでまあ素人なりにボチボチ見て行くことにしようかなとは思いますが、大本営発表体質になっている日銀のせいで余計な手間が増えたですぜとか過去の自分の手抜きを棚に上げて文句を垂れるアタクシ。


・インフレ目標2%が重要という説明の部分はツッコミどころが色々あるので読んでみる

まあそのあとの話も見るべきものはなく、だいたい某政井審議委員といい勝負の読み物という図式になっておりまして、こうなってみると内容はハチャメチャでもツッコミどころという意味で読み応えのあるジンバブエ先生の金懇の方が面白いわと思いながら読み進めて早くも『4.日本銀行の金融政策運営』にまいります。

『そこで、金融政策運営に話題を進めます。現在、日本銀行は、市中で保有されている国債を大量に買入れることを通じて、10 年物の国債金利をゼロ%程度というきわめて低い水準に維持することなどにより、大規模金融緩和を続けています。また、こうした金融緩和を、先行きも継続していくことを約束しています。以下では、なぜ日本銀行が今もなお金融緩和に取り組んでいるのか、何を目指しているのか、その原点に立ち戻ってお話ししたいと思います。』

ということで。

『(1)デフレの弊害

日本銀行はなぜ「物価の安定」を目指しているのでしょうか。そもそも市場経済の主役は、家計であり企業です。ただ、市場経済は政府や公的機関が適切に補完をしないとうまく運営されないことがあります。物価の安定もそうした公的機関が関与すべき事柄の一つです6。 』

というのは良いのですが、この脚注6を見ますと、

『6 そもそも物価とは、一つ一つのモノやサービスの価格とは異なり、経済に存在するあらゆるモノやサービスの価格を総合したものです。こうした物価は、長期的には、経済で取引 されるモノやサービスの総量と貨幣との関係で決まります。つまり、長期的には、経済に ある貨幣の量が増えれば、物価は上がり、貨幣の量が減れば、物価は下がります。現代社 会では、この貨幣は、銀行貸出等の結果生じる銀行預金が中心なのですが、その大元を発 行するのは中央銀行です。』

うーんこの。まあこういう説が相変わらずあって論争ネタとしては古いのですけれども、銀行貸出の結果生じる銀行預金の大元を発行するのは中央銀行っていうのはちょっとねえという感じでして、別に中銀マネーが無くても貸出は増えたり減ったりできるんですけど系の話をすると長くなるので先を急ぐからパスするけど、まあECBとかでも「中銀の当座預金が貸し出しに振り替わるようにマイナス金利」とか言い出す委員がいたりするので、頭の痛い所ではあります。


でまあ話をしている内容は以下どうでもいいので割愛しまして『(2)2%の「物価安定の目標」 』に飛びますとまたツッコミどころが発生するのだ。

『こうした考えに基づいて、日本銀行は、2%の物価上昇率を「物価安定の目標」とし、その実現にコミットしています。これは、国民の皆様に対する日本銀行の約束であり決意表明です。この約束が守られる限り、あのデフレの時代を繰り返すことはありません。』

そもそも約束が達成できていないのに「約束が守られる限り」とかお前は何を言っているんだ。

『現在、わが国の物価上昇率は、着実に改善していますが、依然として1%程度と、2%との対比では途半ばにあります。再び経済への下押し圧力があるとデフレに戻ってしまうかもしれません。日本銀行としては、2%の実現を目指して大規模金融緩和を今後も継続し、景気の改善を十分に長く持続させることで、「経済の適温」まで物価上昇率の高まりを促していく方針です9。』

でもってこの脚注9が酷くて、

『9 なぜ2%なのか、あるいは最も望ましい物価上昇率が何%なのかについては、様々な議論 があります。最近の学界では、2008 年からの世界的金融危機を経て、デフレに陥る懸念を 見越して、望ましい物価上昇率はプラスとみなす研究が増えてきていますが、具体的な数 値についてはゼロに近いプラスから6%程度までと幅があります。また、これとは視角が 異なる研究として、安達誠司氏は、1983 年から 2017 年第2四半期までの日本経済のデータ を用いて、インフレ・レジームにおいて一定の条件のもとで成立すると考えられるインフ レ率は、消費者物価指数(除く生鮮食品、エネルギー)の上昇率でみて 1.94%であると論 じています(「2%のインフレ目標は妥当か」『景気とサイクル』、第 64 号、2017 年、3-16 頁)。 』

ってのに頭がクラクラしてきまして、いやまあ景気循環学会の出版物をリファレンスにするのってジンバブエ先生もやっていたからやるだろうなあとは思っていましたが、ヒラ政策委員じゃなくて日銀副総裁たるお方が身内感満載のアレをリファレンスにするとかああやっちまいやがったなと思う訳ですよ。

それから、この安達さんの分析とやら当然すぐに拾ってこれないので中身は知らんのですが、「1983 年から 2017 年第2四半期までの日本経済のデータ を用いて、インフレ・レジームにおいて一定の条件のもとで成立すると考えられるインフ レ率は、消費者物価指数(除く生鮮食品、エネルギー)の上昇率でみて 1.94%であると論 じています」ってその期間のとり方はどういう根拠なんだと小一時間問い詰めたいですし、1983年と現在では経済の前提条件が全然違っているのに、その期間を分析に入れてどうしますねんとも思いますし、だいたいからして最近は他の主要国でも経済の基本的な構造変化によって中立金利水準に変化が生じており、この中でどのように政策運営を行うべきか、ってえのがテーマになる中で、1983年からの分析をした結果こうなりましたキリリッってのはどうなのよとか、まあ色々と頭が痛くなるわけです。


・・・・・・・・というのもさることながら、最初の所では「QQEがこんなに効果を上げました」的な説明をしているのに、後半の2%が大事という話の中では「2%達成必須」という説明になっていまして、後半の2%を重視するなら今までの効果とか自画自賛している場合ではなく、「2%に向けてまだまだ足りないのでドンドン頑張る」という話をすべきだし、(割愛したところにちょっとだけそれらしい記述がない訳でもないのだが)「2%達成」が単に象徴的に経済として目指すものであって、それこそハマコー大先生の言うような理屈で国民厚生の最大化のための象徴であるので、現状で国民厚生の大幅な改善が行われているという認識であれば、何が何でも2%ではなくてもっとフレキシブルな話をすべきなのでして、前半の政策効果自画自賛コーナーと、後半の2%物価目標の重要性の話がそもそもロジカルにつながっていないというのがもうね、と思うのでありますけど、この辺の整理は置物一派ではどのようになっているのか小一時間お伺いしたいものであります。


えーすいません。という訳でお前内容に全然突っ込んでねえじゃんと言われそうですが、まあ何と申しますか経済状況とか経済見通しとかの話は正直読んでも全然響かない(ジンバブエ先生の方がよほど響く)というお話でして、実はあとコミュニケーションの話とかもあったりしてそっちもツッコミどころがあったりしないでもないのですけれども、とりあえず時間も無くなってしまいましたので続きは本日出てくる会見と共に明日にでも。






2018/12/05

お題「市場雑談世間話ですが米国金利が色々振り回すというオモシロ展開のような気もしますな」

ナンジャソラ・・・・・・・
https://www.asahi.com/articles/ASLD43R4SLD4ULBJ00C.html
水道「民営化」の海外失敗例、調べたのは3例のみ
姫野直行
2018年12月4日12時34分

『政府が成立を目指す、水道事業を「民営化」しやすくする水道法改正案に関連し、海外で民営化の失敗例が相次いでいる問題で、公営に戻した海外の事例を、厚生労働省が3例しか調べていないことがわかった。調査は2013年に実施し、07〜10年の事例だった。再公営化事例は00〜14年に35カ国で180件あったとの報告もあり、野党側は再調査を求めている。』(上記URL先より)

国土強靭化とか強い日本とかそういうのに逆行する話にしか見えないんだが。


〇さすがにこれだけキタコレになると市場世間話兼俺様備忘メモ

・円債ブルフラットキタコレなのですが10年ェ・・・・・・・・・・・

https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1Y92B5
2018年12月4日 / 15:29 /
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅続伸、ブルフラット化の形状

『<15:22> 国債先物は大幅続伸、ブルフラット化の形状

長期国債先物は大幅続伸で引けた。前日の米債高を手掛かりとした買いが先行。後場に入ると、日経平均株価の下落幅が500円超となり、海外勢を主体にリスク回避の買いが勢いづいた。中心限月12月限は一時昨年9月8日以来の高水準となる151円50銭を付けた。』(上記URL先より、以下同様)

は良いのですが、昨日は超長期がフラットニングするわ先物は強いわということで、

『現物債市場では、超長期・長期ゾーンの利回りに強い低下圧力がかかった。20年債利回りは0.560%、30年債利回りは0.780%、40年債利回りは0.935%といずれも8月1日以来の水準に低下した。イールドカーブはブルフラット化の形状。長期ゾーンも先物に連動して堅調。米10年債利回りが2.9%割れを意識させる水準に低下していることが材料視された。10年債入札は弱めの結果になった。利回りの絶対水準が下がり過ぎたことで、一部で応札に慎重になる市場参加者がいた。』

ということで、

『長期国債先物中心限月12月限の大引けは前営業日比22銭高の151円48銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比1bp低下の0.070%と8月1日以来の水準に低下した。』

つー結果なんですけど、

http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php
売買参考統計値

                   複利利回り(%) 単利利回り(%)
中期国債 137(5) 2023/09/20   -0.114   -0.115
長期国債 340 2025/09/20    -0.087   -0.086
長期国債 341 2025/12/20    -0.084   -0.085
長期国債 342 2026/03/20    -0.075   -0.075
長期国債 352 2028/09/20     0.065    0.065

先物がホイホイ強くなるもんだからチーペストが▲8.5bpとかいう水準になってしまって(そらまあ前日の引けが▲6.5で先物22銭上昇してるんだから当たり前ですが)、一方で中期がアガランチ会長なのはまあともかくとしまして、10年ちゃんが売参ベースだと辛うじて1.5強にしていますけど、(上記のロイターニュースの方にもありましたけど)引け近くの先物高値近辺でも普通に1強の7bpとかで出合っていましたので、いやお前10年何ぼ何でも置いて行かれ過ぎじゃろという状況でして、最近はカレントの償還月が債券先物チーペストの償還と3カ月ズレるのが仕様になっているので念のため売参からはチーペストと次のチーペストと前のチーペストを拾って参りましたが、一応償還揃えて並べてみたとしても、5年ー7年が複利3毛弱で7年−10年が複利15毛ってお前それ7年沈みすぎか10年ついて行かなさ過ぎじゃろ(なおもっと後ろのカーブを持ち出すとまた話が変わるのではなかろうかなどというツッコミはしないようにしてください)というあばばばばーなカーブがもうねという所で。

チーペストがプラス金利になると買いが来ますなあみたいな話をしていたのが遠い昔のように思えるところまで逝ってしまいましたが、これさすがに10年に買いが来ないのかよと思ってしまうのですが、10年入札ちゃんは上記ロイターさんのように足切り予想よりも微妙に流れるでござるの巻とかなっていますし、まー10年ピン止め政策だから金利が下がる時にはピン止めされているのが置いて行かれるという理屈は思いっきりあるのですけれども、それにしましても先物との関係で何でこうなる10年カレントという所ですが、まあ先物の場合は売る人がいるので踏み上げ御所となってしまう時はなってしまうというのがある中、10年カレントは日銀が相変わらず発行対比でバカスカ買うのですが、イールド的にこんなんだと余資運用に使うには利回りが足りなさすぎるし、担保需要で使うにしてはデュレーションが長すぎて何ぼ何でも「短国と似たようなもん」とかいうわけには行かんし、まあここまでくれは対中期とか対7年とかでインデックスのアクティブプレーヤーが買ってくれませんですかねえとかいう話になるのかもしれませんが、どうせ主戦場超長期だし、普通にやっていると中期ってアンダーだと思うし、中期のエクスポージャーはクレジット取るのに使ってしまって動かせないとか、まあどうせそんな状況だからレラティブの買いも来ない(それ以前の問題として円債の対インデックスアクティブというのがナムナムナムというのがあるのかもしれませんが)とか、状況はそんな感じなんですかねえ、よー知らんけどな。


でまあ超長期がこの期に及んでブルフラットというのはそら(金利が下がらんとなれば)そう(超長期のカーブを潰しに行く)よという話で、どうせ米債様の金利低下モードの方がヒャッハーとやっているうちはこの調子でしょうし、米債の金利ヒャッハーって(ウィリアムスが何か仰せのようですけど)FOMC後の会見でパウエル砲が炸裂でもしてくれないと目先のヒャッハーを止めるの難しいじゃろ(長期間レンジワークしてたの抜けたんですから)と思う訳ですが、さりとて米国の政策金利がこんなところで止まるというのも物価水準2%で長期実質均衡成長率が1%半ばはあるじゃろ(SEPだと2%な)となる中で政策金利をここらで止めるというのは話がさすがにおかしいと思うので、3%割れの10年というのはそれはあなたリスクプレミアムがゼロなのか期待FFレートがここから下がるという話なのかという事になると思ってはおりますけれども、まあだいたい米国市場というのは傍観者として眺めていると市場が何も考えずに暴走するのは米国市場の仕様のようなもんなので、まあ頭冷えるまではこの調子じゃなという所で。



・でもって米国はウィリアムスが何か言っているようですが

昨日リンク張りましたように講演もしているのですが諸般の事情で本日はロイターニュースからで勘弁。

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-williams-idJPKBN1O32GL
2018年12月5日 / 04:00 /
FRB、段階的な追加利上げを来年も継続へ=NY連銀総裁

『ニューヨーク 4日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は4日、米経済が「極めて好調に」推移する中、連邦準備理事会(FRB)が来年も追加利上げを継続していくとの見通しを示した。 ウィリアムズ総裁は記者団に対し、労働市場が「非常に堅調」で健全であることを示す多くの兆候が見られるほか、2019年の米成長率が潜在成長率を上回る2.5%近辺で推移すると予想し、米景気の拡大期が来年半ばに史上最長を記録する見通しだと語った。』(上記URL先より、以下同様)

ほほう。

『その上で「こうした堅調な成長と労働情勢、インフレ率が目標近辺で推移するとの見通しと、見通しを巡る多様なリスク要因を踏まえ、段階的な利上げの継続が持続的な景気拡大とFRBの二大責務達成を助長する上で最善」と予想した。』

あらそうですかという感じですが、 ウィリアムスが上記と同じところで、
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-williams-yields-idJPKBN1O32GH
2018年12月5日 / 03:55 /
向こう1年程度の段階的な利上げ、なお理にかなう=NY連銀総裁

『[ニューヨーク 4日 ロイター] - ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は4日、向こう1年程度の段階的な追加利上げが引き続き理にかなっているとの認識を示した。長短金利の逆転が、景気減速・後退の危険信号と解釈できるかとの質問に答えた。』(上記URL先より)

というように威勢の良い話をしておりますが、

https://jp.reuters.com/markets/bonds

米国債10年 利回り US10YT=RR 2.919 -0.072

とか素敵な金利低下を示していまして、えーっとすいません今年あと1回来年2回利上げするとFFの誘導目標って2.75-3.00%になるんですけど、実効FF金利ってだいたいこのレンジの上の方にいつもいるからそれって3回利上げしたら10年利回りとFF金利のバッファー無いんですけど大丈夫ですかというような水準に金利低下しているのですが、そんなん知るかとホイホイ金利が下がるのがなんとも米債らしくって良い、と言いたいですが、まあ大体金利が下がると債券市場で飯を食っている人たちは不幸になるというのが仕様になっておりますので、これはどう見ても誰得金利低下という感じではございますな、ナムナムナム。


・しかし何でまた株が盛大にさがるんじゃろ

さっきのウィリアムス総裁に関するロイター記事がそうですけど、まあ米国ちゃんは昨日の朝の時点では3年5年がインバートしたとか言ってネタになったりして、上記記事にもありますような「長短金利の逆転が、景気減速・後退の危険信号」程度ならまだいいんですけど、「長短金利が逆転すると景気が悪くなる」とか、はては「FRBの利上げが止まると景気が悪くなる」とか因果関係と相関関係を取り違えた話題が沸騰して、さらに市場がフィーバーするという流れになるのでもうねという感じですな。

・・・・・・などと悪態をついてみたものの、よくよく考えたら「物価が上がると経済の問題が解決します」という置物リフレ理論に則って金融経済政策を5年以上やっている国の人間が悪態をついても全くもって説得力がないんですがそれは兎も角として。

またまたロイターさんから(別にロイターの回し者ではないがブルームバーグのネット版は使い勝手が極端に悪いのでアカン、なおロイターも最近広告付けすぎで重いんですが何とかしてください)

https://jp.reuters.com/article/instantview-us-stock-idJPKBN1O32OM
2018年12月5日 / 06:00 /
ダウ一時800ドル安、利回り曲線が平坦化:識者はこうみる

『[4日 ロイター] - 4日の米国株式市場で主要3指数が急落し、ダウ工業株30種.DJIは一時800ドルを超える下落となった。』(上記URL先より、以下同様)

サムネの写真が中々良い。

『●米中関係は単なる休戦、景気後退疑う見方も

<レイモンド・ジェームズ(フロリダ州)の首席エコノミスト、スコット・ブラウン氏>

(今回の米中首脳会談の結果について)多くの人は合意というより休戦と見ていて、単なる休戦のほかに何で合意したのかがあまりはっきりしない。長短利回りの逆転について、米連邦準備理事会(FRB)が行き過ぎた政策を採ったのか、この先景気が後退するのかと人々が疑っている状況だ。今年は良好な形で成長したが、ある時点で鈍化し、より持続可能なペースとなるだろう。』

いやいやいや中立金利が2.2%ってこたあいくら何でもないじゃろ、と思いますし、だいたいからしてお前ら昨日は米中手打ちだバンザイヤッホーって株価上がっていたじゃん何ゆうとりますねん。

『●ブレグジット、FRB発言、関税が重し

<ドイツ銀行ウェルス・マネジメントの首席株式トレーダー、デロレス・ルービン氏>

直近の大きな値動きは、その大部分がブレグジット(英国の欧州連合離脱)への反応だ。今日の売りは、関税に関する一連の発言を見て、問題が何も解決されていないことや、なお取り組むべき作業があり、前日に感じた高揚感が実体のあるものではなく大見出しのようなものだったと気付いたことが背景だ。 前週の米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言の影響も続いている。多くの人はパウエル議長のコメントが利上げ鈍化を示唆したと受け止めている。今日はニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が発言したが、来年のFRB政策について読み違いがあるのかもしれない。 ブレグジット、FRBの発言に加え、関税を巡る懸念も再浮上してきた。』

『●FOMC前に2・10年債利回り逆転なら来年の利上げペース鈍化

<ナティクシス(ニューヨーク)の米州担当首席エコノミスト、ジョセフ・ラボーニャ氏>

まず成長が鈍化している可能性がある。欧州と日本発の指標が軟調だったことで、過去6─8週間はこれが市場のテーマだった。次に、米連邦準備理事会(FRB)は金利を中立金利と考えられる水準を超えて引き上げる可能性がある。 (途中割愛)長期的な視点で見れば、利回り曲線は逆転せざるを得ない。逆転は大方の予想よりも早い時期に起こるだろう。今から今月18日までの間に2年債利回りが10年債利回りを上回れば、FRBは来年の利上げを縮小せざるを得ないだろう。』

などとオモシロコメントが色々と出ているのですが、「まず成長が鈍化している可能性がある」って話はまあよくわかるし、その辺無視して上がってたような節はあるわとは思うのですが、FEDに関するコメントが皆さんオモシロコメントになっていますけど、さすがに最後の「今から今月18日までの間に2年債利回りが10年債利回りを上回れば、FRBは来年の利上げを縮小せざるを得ないだろう。」とかどこの世界に市場金利がそうなったから利上げペースを変更する中央銀行が居るのかと小一時間問い詰めたくなる(もちろんその時に経済物価見通しが下がっているなら利上げペースを変更してもおかしくはないが)訳でして、こんなんで米州首席エコノミストが務まるならFRB何とかストがワシでも務まるので10億円下さいとか言いたくなる(なお英語力)トンチキコメントに落涙を禁じえませんな。


とは言いましても、まあ今回は何だかんだ言って「米国長期金利の低下」がテーマのうちの一つに堂々と上がってきてしまっている訳で(日本も昨日は最終的には米中ネタという事になっていたけど、取引序盤は電機と銀行が下げ主導してて、電機はともかく銀行はどこからどう見ても金利低下を受けての売りじゃろという感じでしたからねえ)、こうなって来ますと「中立金利に関するパウエルの一見するとサービス発言に見えるような発言」→「長期金利低下」→「長期金利が低下してイールドカーブがフラットから一部インバート」→「景気悪化懸念」→「株式下落」とかいう展開を呼んでしまいましたかパウエル議長、とか思うと中々味わいの深いものがありまして、先日来申し上げておりますが、パウエルFRBが行おうとしている「市場との対話」みたいなのが自家中毒を起こしてあばばばばー、というのは来年(もしかしたらもう始まっているのかも知れませんが)の主要なテーマになってくる可能性もありますし、まあそうは言いましても重要なのは実際の経済ファンメタでもありますので、FEDから飛んで来るノイズに対して経済のファンメタをちゃんと踏まえた対応をしないといけませんな、とかそういうことになるんでしょうな、などと思うのでした、よー知らんけどな。

#よし無理矢理まとめた





2018/12/04

お題「政井審議委員会見は一応執行部見解を確認という事で/債券市場サーベイ改善してるじゃないですか(棒読み)」

昨日の日経朝刊に出ていた「経済教室」がハートマン軍曹によりますとそびえたつクソのような出来栄えだったと話題になっているようですが、月曜日は日経新聞を読まないアタクシの大勝利だったようで何よりでございます。血圧に悪いわ血圧に。

〇ということで政井審議委員会見な訳だが

http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2018/kk181130a.pdf

・9ページ中2ページ半の仕込み問答キタコレ

いやまあ仕込み問答とか言うのもちと言い過ぎではありますけれども、金懇って当然ですがその地域経済に関する話とかをするんですが、最近特定の政策委員の金懇の場合にはこの「当該地域の経済に関するお話」での質疑応答がやたら長くなっていまして、もちろん会合の趣旨からして地域経済の話をするのが悪いとかそういう事は毛頭ないですし、寧ろそこから金融政策運営に繋がる考察などが出てくると大変に良いお話ではあるのですが、一部の政策委員の場合はどう見ても想定問答丸読みして時間稼いでるだろおんどれはというのがございまして、まあ何なんでしょうねえとは思います。

というわけで小見出しだけ付けたが別に引用はしないで3ページ目に入る。

・地域金融機関の課題

『(問) 本日午前中のご挨拶の中でも、今後の景気の見通しについても、 緩やかな拡大が維持されると述べられていましたけれども、一方で、九州の地銀でも、いずれ景気の後退局面が来るとして、貸倒れの引当金を積み増したりといった信用コストが嵩む動きが出てきています。そうした地銀の懸念についてどのように受け止めておられますでしょうか。』

とは言いましても質問は構造的な話ではなくて単に今後の経済に関する質問っぽくしてノーコメントにならないように工夫しているのは狙っているんだったら涙ぐましい。

『(答) 地方銀行の収益力、経営体力の動向については、まず上半期に関して、おそらく地方銀行など国内の金融機関だけに限ったことではなく、 例えばヘッジファンドなどといった国際的な運用機関でも、今年は世界的に運用環境が不透明で難しかったと言えたのではないかと思っています。』

『加えて、地盤地域の人口減、低水準の貸出金利といった慢性的な状況が重なっていることもあって、収益が一部下押しされていることは認識しています。』

一部?というのはさておきまして地域金融機関の課題というたぶん質問する方としては質問したかった方向の話をしてくれていますな。

『もっとも、過去の金融危機の経験で、当局としても、日本だけではなく国際的にも、いわゆるバックストップと言われるような様々な措置が 拡充されてきています。また、全体としてみると、金融機関は十分な資本を有していると考えていますし、先々、長期でみれば、日本だけではなく、各国各々の経済や情勢に合わせた課題をそれぞれの金融機関は持っており、それぞれの課題に向かって各々が経営努力をしているところだろうと思っています。』

何と申しますかうーんこのという感じではありますが。

『当然のことながら、支店を中心に様々なコミュニケーションを今後とも金融機関とは取りつつ、必要であれば、そういった施策もしていくということだと思いますが、』

そういった施策とは??

『今のところは、資本は充実していると思っていますし、また、色々な地方の課題が明確であることが極めて重要なのではないかと思っています。 』

うーんこの何だかよく分からん問答。


・マイナス金利政策に関する質疑

上記の質疑の次ですが、何だかよく分からん問答になったことを受けたのか、質問が細かくなっているのはご愛嬌。

『(問) 副作用への対応について伺います。講演の中で長期にわたって金利が低位に推移することに伴う副作用として、国債市場の取引と金融機関の収益の2つを挙げられたと思うのですが、7月の政策修正で国債市場についてはある程度の変動が生まれて、やや改善の動きはあるとは思うのですが、金融機関への累積的な収益影響という意味では、貸出金利の低下が続いており、なかなか難しい状況にあると思います。』

『一方で、マイナス金利政策については、このところ止めたほうが景気・物価にプラスではないかといった論文なども出ているわけですが、この辺りをどのように考えていらっしゃいますでしょうか。』

金懇挨拶でマイナス金利に関する政策的な説明は無くて、マイナス金利やっていること自体の言及はありましたけれども政策の柱はYCCとQQEになっていましたもんね。

『(答) 金融緩和には、一般的に、景気を刺激する効果がある一方、これが長期間にわたって金利全般が低位で推移すると、国債市場の機能や金融機関の収益にマイナスの影響を及ぼす可能性があると言えます。このため、 日本銀行としては、政策の効果と考え得る副作用について、あらゆる角度 から検討し、コストとベネフィットをきめ細かく点検しながら、政策を進めていく必要があると考えています。』

んーっとですね、基本的に金融緩和ちゅうのは将来の需要を手前に引き寄せる効果があって(引き締めはその逆)、それによって景気の山谷をスムージングするという面が強い筈なんすけど、長期間に渡ってくると問題は手前に寄せてくる需要が無くなってしまうって話の方が問題だと思うの。でまあ質問する方も副作用とか金融機関の云々という話になってしまっているし、そっちが話題になっているから仕方ない面はあるのですが、コストとベネフィットという時に、本来発生するベネフィットって本当にあるのかねという問題に関しての意見ってのが中々中心的に議論されないのってどうなんじゃろとは思います。

まあ議事要旨とか見ていますと、政策継続による追加的な効果が限定的な中で副作用が累積する、という観点での議論もあるようなのですけれども、(そらまあ政策の効果がないのに政策続けるという話になると困るからそういうのをメインに持っていけない、という大人の事情も分かりますけど)今の政策を続けることによる追加的な効果に関する考察ってのをもうちょっとしてほしいもんだとは思いますけど、まあそれは政策の枠組みを変えるような「総括的検証第2弾」の時じゃないと無理なのかなあとは思います。

『ただし、話題になることの多い、特に地域金融機関を巡る議論に 関しては、鳥瞰的にみる必要があると感じています。』

つまりマイナス金利のせいではないと言いたい。

『すなわち、金融機関は、環境変化に応じたビジネスモデルの変革といった極めて大きな課題にも直面しています。』

これもよく考えればひどい話で、金融機関(商業銀行業務)をめぐる環境が構造的に悪くなっているのって確かに今に始まった話ではないのですけれども、環境が悪化するまで規制でガチガチにしておいて護送船団方式で業界秩序みたいなのをガッチリ固めていたものをいきなり荒波に放り出した過去の行政ってのも何なんだよという感は金融業界の片隅で飯を食っている身としては釈然としない面は多々ある。

『今後 10 年を見据えると、人口の減少や企業数の減少、 そして内外に共通するデジタル化などの環境変化への対応が不可欠だと思います。そのために必要な対応は、銀行規制の再検討や、今般の政府会議で調整することとなった、競争政策のあり方などを含むグランドデザインのもとで検討されるべきものかと思います。』

まあ思いっきり時期を失しているとは思いますがやらないよりはマシ、と言いたいのですけれども、某銀行が新しいビジネスモデルのお手本とか絶賛されるような事案が発生してたような状況を見ると出てくる施策やら規制の再検討の結果を見たい気持ちはない。

『また、わが国に限ったことではありませんが、潜在成長率や自然利子率が低いもとでは、過去のようなスティープなイールドカーブは期待しづらいなど、単純に以前の状態に戻らない可能性にも十分留意しなければいけないとも感じています。』

まあこの辺りでやっとマイナス金利政策の想定問答の話が出てきましたなあと思いますけど、過去のようなスティープなイールドカーブに戻らないとか言っていますが、日本のイールドカーブに関しては物価2%目標達成して潜在成長率が1%半ばでもあれば盛大にスティープするんですけどねえということで、一般論としてはお言葉の通りですが、日本の場合は国債馬鹿買入とマイナス金利、しかも物価目標は達成しないという無駄玉によってカーブがフラットしているんですけどね。

ま、いずれにしましても「マイナス金利解除しやがれ10年コントロールとか止めちまえ」というような声に対する執行部のお答えが上記のようなご回答です。もちろんこれ将来豹変する可能性は毎度のようにある、というか今の政策枠組みって基本的に「ある日突如豹変」じゃないと政策コントロールができないので、このような話が突如ジャガーチェンジしまして企業向け貸し出しの太宗を占める中短期の金利を抑制しながら経済実態に即した長期金利形成を促す、とか言い出してスティープニング容認するかもしれませんのでそこはそこという所ですが、まあ今はマイナス金利解除とかの話はゼロ回答を続けるんでしょうな。

でもって何故か質問の回答は続く。

『2%の物価目標を通じて真に目指す姿は、長期的にわが国が安定的に成長を続けられる状態に少しでも近づくことにあります。金融システムの安定を維持していくことは、長期的な成長維持のためには不可欠であり、そうした姿を目指すうえで、当然含まれていると考えています。今後とも、そうした視点で判断していくべきと思っています。』

とか言ってますが、問題は金融機関収益が足りないことによって金融機関がリスクに合わないリターンを甘受しながら投融資を行うことによる金融不均衡とか資源配分の非効率化などということであって、単に銀行が儲からないからどうのこうのという話ではない筈ですし、日銀はそういう話をして欲しいんだが、まあやりませんよねって思う。

『また、ご指摘の論文は、日本銀行の公式見解を示すものではありませんので、私からの具体的なコメントは差し控えさせて頂きたいと思います。そう申し上げたうえで、日本銀行が行っている金融政策の効果についてご説明いたします。「量的・質的金融緩和」の導入から5年ほど経ちましたが、わが国の経済は大幅に改善し、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっていると考えています。この点に関しては、確かに金融政策全てで成し得たとも思いませんし、全く金融政策の効果がなかったということでもないだろうと思っています。今後とも「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みのもとで、こうした金融緩和を粘り強く続けていくことが必要だろうと考えています。』

何という棒読み。


・債券市場の質問をするのはたぶんするだけ無駄だと思います

『(問) 講演の中で、7月の措置のような弾力的な措置が市場機能を維持することに繋がるとありますが、最近また 10 年債金利も 0.1%を下回る動きをしていて、今後更にこういう柔軟化の措置を取る必要性、余地があるのかどうか。特に、「より幅広いバンドで長期金利が動くことを容認すべき」ですとか、「対象とする目標金利の年限を変えるべき」という意見 も委員の一部から出ているようなので、それも踏まえて政井さんの考えをお願いします。』

超どうでも良いのですが、IE10の環境(なのでPDFの閲覧はMS−Edgeで行っています)でこの部分コピペしたら「最」の文字が文字欠落を起こしたのですな。ちなみにこの次も同様に文字欠落を起こしまして、もしかしたらこの前の部分でも文字欠落あったかも知れない(一応読みながら貼っているので欠落無いと思いますが)のであったらそこは心眼で読んでくださいMS標準じゃないと思われるエディタを使っているであろう日銀が悪いよ日銀が。

『(答) 日々のマーケットの動きに関して、何かコメントをするというのはあまり適切ではないので、控えさせて頂きますが、』

いや日々の話を聞いているんとちゃうと思いますが、

『全般的な動きとして は、例えば米国であっても、先進国全般に金利があまり上昇していない状況とみていますので、日本のマーケットも世界の流れにある程度準じている可能性があるのではないかと思っています。その観点で言えば、年初にみられたような、欧米市場の動きとはやや異なった動きをマーケットがしているという指摘を受けたもとで考えれば、機能度としては回復している道筋にあるのではないかと判断しています。』

なお昨日出た債券市場サーベイは(次にネタにします)一応大本営発表もニッコリという結果になっているのですが、しかし別に機能度上がっている気は全然しないんですけど値動きがあると機能度上がるという認識になるんだとするとそろそろ金利が下がった所で動かなくなりそうだから(と死亡フラグを立ててみる)機能度低下への道ですかねえ。

『また、今後の話に関しては、色々な方々が色々なお考えのもとで、 ご意見をお持ちなのだろうとは思いますけれども、私としては、その時その時で最適な、ないしは最適と考えられる政策のコンビネーションというものは、やはりその場でなければ分からない部分があり、先程申し上げました通り、例えば米中間の貿易問題であったり、そういった世界経済、日本経済を巡る部分でも、先行き見通しが非常に不透明な部分が大きいわけです。そういった不透明感が強い中で、これがこの時点で最適であるということをなかなか申し上げるのは難しいのではないかと感じておりまして、色々なものをひとつひとつ、効果と副作用を見ながら、その場で判断していくということに尽きるのではないかと思っています。』

これは見事な無回答。

『(問) 金融調節の話ですが、今月から国債の買いオペを従来入札の翌日だったものを翌々日以降に変えています。これによって市場の反応がどうなっているのか、その辺の評価が何かあればお伺いしたいのですが。』

さっきのが無回答なのに聞くだけ無駄ですがまあ無駄な質疑になるというのを確認するのもいとをかし。

『(答) 日々の調節に関しては、私どものお示ししているダイレクションに従って適切に執行部の方でやっていると思っていますし、足許のところも、先程申し上げた通りで、市場の機能度という観点で言えば、一時期に比べれば回復の途上にあると考えています。 』


#日産自動車云々は当たり前ですがノーコメントなのでネタにしません


〇債券市場サーベイとな

http://www.boj.or.jp/paym/bond/bond1811.pdf
債券市場サーベイ <2018年11月調査>
回答期間:2018年11月5日〜11月9日
調査対象先数:67先
(「調査対象先数」は、国債売買オペ対象先のうち調査協力を得られた先、および大手機関投資家<生命保険会社、損害保険会社、投資信託委託会社等>)

ということですが、せっかくですので総裁もニッコリという8月調査もみながら確認しましょう。
http://www.boj.or.jp/paym/bond/bond1808.pdf

『(1)貴行(庫・社)からみた債券市場の機能度(注)    
(注)債券市場の機能度は、(2)@〜Fの質問項目への回答内容等を総合的に勘案して、ご回答下さい。』

というのがいちばん上にありますが、これが5月調査→8月調査→11月調査とどう推移しているかを見ますと、

(現状)
機能度判断DI(現状) -45→-39→-40
内訳
さほど高くない 55→61→60
低い 45→39→40

(3か月前と比べた変化)
機能度判断DI(変化) -10→1→3
内訳
改善した 0→7→9
さほど改善していない 90→87→85
低下した 10→6→6

となっているので、このサーベイ上は柔軟化見直しを行った結果機能度が回復途上にある、という大本営発表もニッコリの結果が出ていますが、「3か月前と比べた変化」のところで頑強に「低下した」の回答を続けている「4先(なので4社なのか4行なのか4庫なのかは知りませんが)」については個人的には高く評価したい(^^)。


とはまあ言いましても、今回調査見ますと実際の取引という意味では・・・・・・・・・(この辺は前回対比だけです)

『B貴行(庫・社)の取引頻度についてご回答下さい。』

(現状)
取引頻度判断DI(現状) -15→ -26

(3か月前と比べた変化)
取引頻度判断DI(変化) 10→ -8

『C貴行(庫・社)の実際に取引した相手の数についてご回答下さい。』

(現状)
取引相手数判断DI(現状) -15→ -19

(3か月前と比べた変化)
取引相手数判断DI(変化) 3→ -12

『D貴行(庫・社)の取引ロット(1回あたりの取引金額)についてご回答下さい。』

(現状)
取引ロット判断DI(現状) -11→ -14

(3か月前と比べた変化)
取引ロット判断DI(変化) 5→ -7

などとなっていまして、おまいら自分らは取引頻度落としたけど市場が値動きしているから機能度上がったとか回答しとるじゃろう疑惑は多々あるのですが、まあ一応これは大本営ニッコリということで、まーた12月MPMで総裁が市場機能度は回復の途上にある(キリッ)とか言いそうで今から血圧が上がらないように注意しておくしかありませんな。

ああそれから全然話違いますが、輪番で10年の所の回数削減に関してですけど、多くの方が指摘しているように、相変わらず10年は入札翌日の輪番とかやってやがるので10年金利が明確に低下(少なくとも5bpよりも下)に突っ込んでこないと中々調整が入らなさそうな悪寒がしますし、ここをガチガチにしておくと結局中期も上がらんですし、超長期も上がるにしたって限界がということになるんでしょうな、と昨日の値動き見てて思いました。





2018/12/03

お題「パウエル発言は今後振り回されそうですなあという世間話/12月の輪番は順当オブ順当でしょうな」

本日は時間とアタクシの考える重要度の都合上政井審議委員の会見を明日にしますが、たぶんPC壊れた時と金懇と別の講演が2日連続みたいな以外で金懇会見を翌日回しにしたのは初めてですけど、まあ重要度の都合上という辺りでお察しいただければ幸いです。

〇10月3日パウエル講演「we're 'a long way' from neutral on interest rates」ネタの続報でございまして

金曜日にああでもないこうでもないと関連記事を確認してみましたという話を申し上げましたが、10月3日の対談の動画のあるニュース、

https://www.pbs.org/newshour/show/fed-chair-jay-powell-u-s-may-be-in-a-different-era-for-workers-wages-despite-economic-gains#transcript
Fed Chair Jay Powell: U.S. may be in a different era for workers’ wages despite economic gains
Oct 3, 2018 6:35 PM EST

を全部聞いていただいた読者様からご指摘頂きまして、CNBCやブルームバーグなどが報じた「We may go past neutral, but we're a long way from neutral at this point, probably」に関しては動画の11分40秒くらいの所にあったとのことで、再度聞いてみたのですがアタクシの耳に問題があるようでイマイチよく分からん(パウエルって滅茶苦茶早口でドメスティックジャパニーズおじさんのアタクシには厳しいものがありまして、前任のイエレンさんはゆっくりと話すので分かりやすかったし、バーナンキさんも大概に早口だったのですが、発音が大変にクリアというか滑舌が綺麗で聴きやすかったのですが、パウエルさんのはドメスティックおじさんにはキツイです)のでございますが(大汗)、別途講演聞いた方の方面からも「確かにそんな話しておったわ」とのことですので、まあこれは発言していた(そもそもしていなかったら他も揃ってニュースにしないし後日訂正になるわ)ということでファイナルアンサーでよろしいようです。

でまあこの時分ってその場ではこのニュースというよりも9月FOMC後の記者会見以降の流れで、2日のパウエル講演や4日だかのウィリアムス総裁辺りの発言などで金利が上昇したという感じで、パウエル議長の発言だけで動いたわけでは無かったのですけれども、先週は何かエライ勢いで反応してしまってナンジャソラと思ったのでちと見てみた次第。

時々抜けがあるのでこれだけに頼らない方が良いのですが、例のセントルイス連銀のお役立ちページ(https://www.stlouisfed.org/fomcspeak)に出ている中でも、記事のアーカイブへのリンクになっているものよりは、連銀(やFRB)のホームページの方に載っている講演等に書かれている物件の方が(連銀お墨付きのアーカイブなのですから当たり前ですが)重要となりますので、だいたいアタクシの場合も連銀高官発言を拾う際には、(ネタ枯れ時は別ですが^^)連銀のサイトに載っているものからネタにしていく、ということをしておりましたもんで、他の地区連銀総裁発言などもあったこともありまして、このPBSニュースの方は正直スルーしていましたけど、多分発言の重みとしては連銀サイトに載っている奴が重要ですし、それ以上に重要なのは議会証言とかFOMC後の会見とかになる(講演では「これは私の意見であってFOMCや他のFOMC参加者の意見を必ずしも反映しません」って言っていますからね)ので、基本的にこういうのでアーカイブされていないというのには逆に「書かれていないこと」の意味があるという奴ですな、うんうん。


でまあ「we're a long way from neutral」発言はしていた、というのがファイナルアンサーとして、CNBCやブルームバーグがネタにして、この対談の直接の関係者であるところのPBSニュースとアトランティックマガジン社の方で記事にアーカイブする段階でこの発言を削除あるいはニュースネタにしていない(金曜にリンクしましたように、アトランティックマガジン社のサイトでニュースにされているパウエル発言では当該部分はニュースネタになっていない、PBSニュースに関しては金曜に申し上げた通りTranscriptから落とされている)というのは、実際に発言はあったけれどもそれは不規則発言だったので削除という扱いにしている、という扱いになるのでしょうから、そこにはまあ忖度だか以下自粛だか存じませんが、そのようなサムシングを感じたり感じなかったりというところでございまする。

・・・・・・・・・・でですね、あの当時の状況を思い出してみますと、その前って米国経済ゼッコーチョー→株が上がる→金利が上がる→でもそれは景気が良いという証拠だから株式市場はキニシナイ!ってパターンだったのですが、10月入るころからFRB方面からこのパウエル発言だけではなくて、色々な方から「中立金利までで利上げ止めるとは限りませんぜグヘヘヘヘヘ」という感じの発言や(そもそもSEPがそういう見せ方になっているのだが)なんやらが飛び出して参りまして、米国10年金利は上がるは30年はもっと上がるわと、そらまあ利上げの終着点が違ってきて、しかも経済が思った以上に強いとなればそら金利はスティープマックイーンですわという流れになって金利がホイホイ上がってきたら、金利上昇だけが原因じゃないですけど今度は金利上昇見て株があばばばばーとかなってきて今に至っているという流れな訳ですな。

さらにですね、パウエルってファイナンシャルコンディションの話をするときに株価の話を思いっきりする傾向がありますけど、これって実際に本人の腹の中でどういう整理になっているのかはともかくとしまして、まあ直近の講演で「ブロードレンジの中の」とは逃げを打ちながらも、明らかにヘッドラインとしてはハトに見えるような(実際は「ブロードレンジの中の中立金利に近い」といっているだけなのハトでも何でもないのですが、ヘッドラインになった時にハトに見える、というインチキ臭い手法をとっているのは明らかでしょう、意図的じゃなくてああいう表現をわざわざ使っていたらただのポンコツジジイ)言い方をしたのって、要するに株価が下がってきたのでサービス発言している訳でして、これってアタクシのいやーな予感が当たっていれば、株価が上がると威勢の良い発言が飛び出して金利上昇→株価が下がるとサービス発言が飛び出して金利低下、という思いっきり株式相場に発言が振り回されて金利市場が大迷惑、というパターンになりかねないし、しかも余計な事に来年から議長会見年8回になって、基本的には今までだと講演とか議長に近そうな人の講演とかを使ってやっていた情報発信が議長会見重視パターンになって来ると思うので、FRB当局としてはこの流れって金融市場の動きを情報発信でうまく制御しているつもりになっていそうな気がするんですけれども、たぶん市場のボラを増幅するノイズおじさんになってくるんじゃねえのかってえ気がだいぶします。

まあもとより金利が中立に近づいてきたら、その先って「状況次第でどっちもあり」という事になるのですから、つまりは「次は緩和」「次は引き締め」のどっちになるかということでイールドカーブのロンガーエンドは振れやすくなってしまうのは仕方ない所ではあるのですが、そこに株価に反応しやすい議長会見というのがあると中々面白い事になるのかなあ、とか来年の事を話すと鬼に笑われそうですが、まあそんなことをこの一連の調べものなどの後に思うのでありました。


なお、ウィリアムスが
https://www.newyorkfed.org/newsevents/speeches/2018/wil181130
Monetary Policy Strategies for a Low-Neutral-Interest-Rate World
November 30, 2018
John C. Williams, President and Chief Executive Officer
Remarks at the 80th Plenary Meeting of the Group of Thirty, Federal Reserve Bank of New York, New York City
1
ってのやっているのですが、諸般の事情で精読できていないので後日ネタにするかもしれません。


〇12月輪番は超長期を多分減額という順当オブ順当な結果だが

うーんこの順当な結果。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2018/rel181130d.pdf
当面の長期国債等の買入れの運営について

0−1年:100-1000、月2回(変更なし)
1−3年:2500-4500、月4回(変更なし)
3−5年:3000-5500、月4回(変更なし)
5−10年:3000-6000、月5回(変更なし)
10−25年:1500-2500、月4回(1500-2500、月5回から変更)
25−40年:100-1000、月4回(100-1000、月5回から変更)
物価連動国債:250、月2回(変更なし)
変動利付国債:1000、隔月1回(変更なし)

とまあそういう訳で、衆目の一致するような結果で超長期が5回→4回に減額となり、長期に関しては今回も据え置きの巻となりました。

でまあ元々が超長期前半1800億円×5=9000億円、超長期後半500億円×5=2500億円だった訳ですが、まあ常識的に考えると超長期前半が2000億円×4=8000億円、超長期後半が600億円×4=2400億円というのになるのでしょうが、さすがに回数をこなしてきて、「月間の買入回数減らした輪番の初回で1回辺り増額になったので「増額」というヘッドラインを単純に打つアホウベンダー」というのにも反応しない体制になってきたと思われますので、そう考えますとレンジが両方とも据え置きになっているのですから超長期後半は500億円×4=2000億円にするっちゅう手はアリエールというか、だいたいからしてここの500億円って非価格競争一発でぶれる額だし、元々来年度発行計画の方面では30年超に関しては来年度の国債発行を減額しないでちょという声が大きいという状態になっているのですから、それなら日銀の買入を減らしても実害無いじゃろという風になりますと、今までは「回数減らして1回辺りの買入を増やして増額だけど減額」という掛け算スキームを使っていたのに対して、超長期後半で初の掛け算スキームじゃない事実上の1回分スキップ(ただし500億円)というのが行われても別におかしくないし、そもそも市場のコンセンサスどっちなのかはイマイチよく分かっていないのですが、500と600の間に大差があるというとり方はしないんじゃないかなと思う(個人の感想です)。

まあこれで超長期前半を平然と1800億円で打ってきて初の掛け算スキーム脱却でスキップキタコレとなりますとそれはそれでおおおおおおおーと思いますけれども、まあそれなら10年の回数減らしてくる方が先なような気がしますし、今回10年いじってないという事はそこまで冒険はしてこないと思うのですけれどもどうなんでしょうかね。まあ20年は来年度の発行減額が確実視されるので、1000億円減らしても発行減額で華麗にツーペーになってしまいますからと勝負してきたらオモロイのですが。

なお、さすがに月3回にするのって1回辺りの額の問題とか、そもそも買入を減らすにしたってオーバーシュートコミットメントの問題もあるし、一応そういう文脈で買入残高増えるのには意味があるという話だし、80兆円という謎文言も残っていますので、まー主要年限全部が3回になったらそれはそれで感動しますが、ここから行ってもあとは10年を4回に減らしたら何か打ち止め感出てくるんじゃネーノという気がしてくるのは気のせいでしょうかね。


〇政井審議委員会見ネタは本日はパス

時間と量の関係上本日間に合わないのでパスしますが、何でそっちを先にやらないかの理由はお察しの通り。