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2019/01/24

お題「決定会合レビュー」

今回は(も)政策何もカワランチ会長だったので展望レポート基本的見解の方がツッコミどころという感じでしょうかねえ・・・・・・・・・・・・

〇声明文:政策は不変、貸出支援基金等は漫然とまた延長とな

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2019/k190123a.pdf
当面の金融政策運営について
2019年1月23日 日本銀行

政策に関するところですが、

『(1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)(賛成7反対2)(注1) 』
『(2)資産買入れ方針(全員一致) 』

ともに前回と同じでしてまあ何もないという感じ。よー知らんですがETFの買入に関して日経平均型とTOPIX型がどうのこうのみたいな思惑があったらしい(終わってから知る程度にスルーモードだったのですが、汗)のですが、現状その手の小手先変更をする理由が見当たらないのでやらんじゃろ、と思う。

でもって、

『2.日本銀行は、「貸出増加を支援するための資金供給」、「成長基盤強化を支援するための資金供給」、東日本大震災および熊本地震にかかる「被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーション」等の措置について、受付期間を1年間延長することを決定した(全員一致)。 』

なんですけれども、主な意見とか議事要旨の方を見ながらとはなりますが、どうせこの制度が貸出金利の無駄な引き下げを生んでいる弊害の方が大きくて、別にこんな措置無くても貸出は出ますがな、というあたりの論点とか検討してねえだろ、というのは大体わかる。

しかしこれの件なのか共通担保オペの方だか知らんですが、最近は「マイナス金利のオペ」みたいな思惑もあるらしい(人が休みのうちにそういうネタが投下されていたみたいですな)のですが、日銀様が金融機関の負債全部に渡って見合いでマイナス金利でも出してくれるような話ならともかく、貸出金全体から見たら屁みたいな額のオペでマイナス金利だとか言われましても、預金金利のマイナス化がそう簡単にできない以上、貸出金の金利引き下げ圧力が莫大に高まってそっちのやられの方が莫大に大きくて、それは「マイナス金利政策で金融緩和をしたつもりになるだけの中央銀行の自己満足」であり金融機関に対しては明確な引き締め政策なので無駄無駄無駄で、机上の空論にも程があるし、無害な空論なら別に勝手にすればと思いますが明確に有害なだけに空論にしても質が悪いですな。

そんなにマイナス金利やりたいんでしたら久々に銀行等の預貯金等金利に対して臨時金利調整法による規制金利を復活してマイナスレートにして頂きまして、きちんと当局がマイナス金利の一般への転嫁に関して責任被っていただきたいものだと思います(なお臨金法上でマイナス金利が適用できるのかは怪しい(当座預金の金利が明示的に無利息となっていたと思うので当座預金金利をマイナスにするというのが臨金法的にどうなのかと)のですけど)。

という雑談は兎も角フォワードガイダンス。

『3.日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。政策金利については、2019 年 10 月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している。今後とも、金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検を行うとともに、 経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う(注2)。』

一応前回声明文
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2018/k181220a.pdf

『5.日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。政策金利については、2019 年 10 月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を 踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している。今後とも、金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検を行うとともに、 経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う(注3)。』(こちらは前回声明文より)

・・・・・・・・どう見ても全文一致です本当にありがとうございました。


でもって最後に反対理由。

『(注1)賛成:黒田委員、雨宮委員、若田部委員、布野委員、櫻井委員、政井委員、鈴木委員。反対: 原田委員、片岡委員。原田委員は、長期金利が上下にある程度変動しうるものとすることは、 政策委員会の決定すべき金融市場調節方針として曖昧すぎるとして反対した。片岡委員は、 先行きの経済・物価情勢に対する不確実性が強まる中、10 年以上の幅広い国債金利を一段と引き下げるよう、金融緩和を強化することが望ましいとして反対した。』(今回)

『(注1)賛成:黒田委員、雨宮委員、若田部委員、布野委員、櫻井委員、政井委員、鈴木委員。反対: 原田委員、片岡委員。原田委員は、長期金利が上下にある程度変動しうるものとすることは、 政策委員会の決定すべき金融市場調節方針として曖昧すぎるとして反対した。片岡委員は、 先行きの経済・物価情勢に対する不確実性が強まる中、10 年以上の幅広い国債金利を一段と引き下げるよう、金融緩和を強化することが望ましいとして反対した。 』(前回)

展望レポートの方での先の物価見通しが変わっていないとはいえ、メカニズム的に行くという話に説得力が全然ないという状況になっていく中で片岡さんの反対理由が同じとはつまらん、やり直し。


『(注2)原田委員は、政策金利については、物価目標との関係がより明確となるフォワードガイダンスを導入することが適当であるとして反対した。片岡委員は、2%の物価目標の早期達成のためには、財政・金融政策の更なる連携が重要であり、日本銀行としては、中長期の予想物価上昇率に関する現状評価が下方修正された場合には追加緩和手段を講じるとのコミットメントが必要であるとして反対した。 』(今回)

『(注3)原田委員は、政策金利については、物価目標との関係がより明確となるフォワードガイダンスを導入することが適当であるとして反対した。片岡委員は、2%の物価目標の早期達成のためには、財政・金融政策の更なる連携が重要であり、日本銀行としては、中長期の予想物価上昇率に関する現状評価が下方修正された場合には追加緩和手段を講じるとのコミットメントが必要であるとして反対した。 』(前回)

こちらも片岡さん理由が同じで工夫が見られない、やり直し。

・・・・・というか「中長期のインフレ期待の現状評価が下方修正された場合」ってそもそもが中長期のインフレ期待に関してジャストタイミングで正確なデータが取れる訳が無くて、それって結局のところお手盛り成分満載にならざるを得ない性格のものであるからして、そのような物件の評価が下方修正される、というのはそもそもがお手盛り的に追加緩和をしようと執行部が思うとき、でもある訳で、そういう意味ではこの片岡さんが必要と言っているコミットメントの意味がさっぱり分からんというかキツくいってしまえば無意味文言でありますな。大体からして金融政策って政策の波及経路的にラグがあるんですから「現状評価」じゃなくて「先行き見通し」が下がったらそこで追加緩和じゃろという事を勘案すると、この反対理由ってしばらく前から出てきますけど、「インフレ期待自体が直接的に計測不能でしかも誤差あり」「現状判断が下方修正で金融政策の変更というのはそもそも論として金融政策効果の現出にラグがあることを勘案すると政策態度としておかしい」という2点で大丈夫かこのオッサンという文言なんですよねー。いまさらのツッコミですけどね。


などと悪態を並べただけの声明文比較よりも今回は展望レポート。


〇展望レポート基本的見解:このメカニズムで物価が2020年度に向けてホイホイ上がる理屈の説得力は???

http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1901a.pdf(今回)

http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1810a.htm/(前回)
http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1810a.pdf(前回のPDF版、比較引用はHTMLからします)

・成長率見通しは手前を下げて19年度20年度をちょっとだけ上げていますな

今回は9ページのボックスと10ページのファンチャートから突っ込んでみますかな。

成長率見通し(レイアウトの作り方が悪くて縦長になってすいません)

2018 年度
+0.9〜+1.0
<+0.9>

→10月時点の見通し
+1.3〜+1.5
<+1.4>


2019 年度
+0.7〜+1.0
<+0.9>

→10月時点の見通し
+0.8〜+0.9
<+0.8>

2020 年度
+0.7〜+1.0
<+1.0>

→10月時点の見通し
+0.6〜+0.9
<+0.8>

本文の方ああだこうだと説明がある(多分今日はそこまで間に合わない)のですが、手前は自然災害の影響でどどーんと下がっていて、先に関しては財政(消費税対策と災害復旧など)が上方修正になっているのでちょっとだけ上がりますよ(なお総括判断としては「概ね不変」)という話。


・物価見通しなんですが・・・・・・・・・・・

2018 年度
+0.8〜+0.9
<+0.8>

→10月時点の見通し
+0.9〜+1.0
<+0.9>

2019 年度(19年度と20年度で引用しているのは「消費者物価指数 (除く生鮮食品)」の所です)
+1.0〜+1.3
<+1.1>

→10月時点の見通し
+1.5〜+1.7
<+1.6>

2020 年度
+1.3〜+1.5
<+1.5>

→10月時点の見通し
+1.5〜+1.7
<+1.6>

という事になっているのですが、10ページのファンチャート(というのか??)の方を見ますと、物価の方ですが2019年度は一人高い所に置いている謎の人がいますが、それ以外全員が下振れマークついているという壮観な物件でして、2020年も9名中2名が下振れリスクマークになっていて、辛うじてそこで+1.5%の所にドットが並んでいるけど全員下振れリスクありという事になっていまして、これで見通しがこれでございと数字を出すものなのかと小一時間問い詰めたいですし、これで本当に2%に向けて上がるのかよ、というのも中々のアレ。


しかもですな、9ページの図の方を見ますと、『2018〜から2020年度の政策委員の大勢見通し』の物価の表が、

『消費者物価指数(除く生鮮食品)』にプラスして『消費税率引き上げの影響を除くケース』というのが前回で、ファンチャートの方を見ますと、ドットの分布が『消費者物価指数(除く生鮮食品)』の『消費税率引き上げの影響を除くケース』で分布のプロットが行われていたのですが、今回は図表の方が『消費者物価指数(除く生鮮食品)』にプラスしている部分がしらっと、『(参考)消費税率引き上げ・教育無償化政策 の影響を除くケース 』となりまして、よくよく見ますとファンチャートの方のプロットが今回から『消費者物価指数(除く生鮮食品)』の方になっているというドサクサに紛れて中々洒落た対応をとっているという次第。

つまりですな、説明に使っている物価見通しに関して、前回までは消費増税で下駄を履く分について除外して考えている、というまあ普通の事をしていたのですが、今回は教育無償化措置が増税対策のセットで出るというのを大義名分にして、しらっと下駄の方を取り込んでしまって見通しの数字を出しているということでして、えーっとすいませんそれってそれで良いのかよ、という気がする何とも釈然としないサムシングを感じる次第ではございます。

ただまあそれよりもアレなのは物価上昇メカニズムに関してでしてですね・・・・・・・・・・


・物価が上がるメカニズムの説明が如何にも苦しい点について

1ページ目に戻って『<概要> 』の2ポツ目ですけれども、

『消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、プラスで推移しているが、景気の拡大や労働需給の引き締まりに比べると、弱めの動きが続いている。これには、@賃金・物価が上がりにくいことを前提とした考え方や慣行が根強く残るもとで、企業の慎重な賃金・価格設定スタンスなどが明確に転換するには至っていないことに加え、A企業の生産性向上に向けた動きや近年の技術進歩なども影響している。』(今回)

『消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、プラスで推移しているが、景気の拡大や労働需給の引き締まりに比べると、弱めの動きが続いている。これには、(1)賃金・物価が上がりにくいことを前提とした考え方や慣行が根強く残るもとで、企業の慎重な賃金・価格設定スタンスなどが明確に転換するには至っていないことに加え、(2)企業の生産性向上余地の大きさや近年の技術進歩なども影響している。』(前回)

この辺の言い訳は同じ。

『こうした物価の上昇を遅らせてきた諸要因の解消に時間を要している中で、中長期的な予想物価上昇率も横ばい圏内で推移している。』(今回)
『こうした中で、中長期的な予想物価上昇率の高まりも後ずれしている。』(前回)

ということで、要するにフォワードルッキングな期待形成が相変わらず遅れているのだが。今回ってそこの言い訳成分が更に強まっている次第でして、この説明だと片岡さんの言う「中長期の予想物価上昇率に関する現状評価が下方修正」じゃないんですかねえとか言いたくなりますがまあそれはそれとして要するにフォワードルッキングな期待形成に関してはだめバイという状態が更に強固になっていますなという事ですわ。


『もっとも、マクロ的な需給ギャップがプラスの状態が続くもとで、企業の賃金・価格設定スタンスが次第に積極化し、家計の値上げ許容度が高まっていけば、 実際に価格引き上げの動きが拡がり、中長期的な予想物価上昇率も徐々に高まるとみら れる。この結果、消費者物価の前年比は、2%に向けて徐々に上昇率を高めていくと考えられる。』(今回)

『もっとも、マクロ的な需給ギャップがプラスの状態が続くもとで、企業の賃金・価格設定スタンスが次第に積極化し、家計の値上げ許容度が高まっていけば、実際に価格引き上げの動きが拡がり、中長期的な予想物価上昇率も徐々に高まるとみられる。この結果、消費者物価の前年比は、2%に向けて徐々に上昇率を高めていくと考えられる。』(前回)

とまあここの言い訳も同じなのですが、ここで「マクロ的な需給ギャップ」の現状について確認してみましょう。

http://www.boj.or.jp/research/research_data/gap/index.htm/
需給ギャップと潜在成長率

こちらのデータを見ますと、日銀様謹製の需給ギャップに関しては、2017年2Q(暦年だよ)にはその2四半期前からの展開で0.26%→0.58%→0.95%と上がって来まして、その後1%台の需給ギャップを維持(2018年3Qは災害の影響で下がっているけど1.24%)し続けている訳でして、実は1年以上にわたって「マクロ的な需給ギャップがプラスの状態が続くもとで」というのが続いている訳ですわ。

でもってですよ、GDP見通しの方を見ますと概ね潜在成長率からやや上程度なので別にここから需給ギャップのプラスが加速する訳でもなく、しかも実際の物価に関して言えば原油の影響出てくるからその分での下押し圧力がありまっせ、という話になっている訳ですので、適合的期待形成に必要な「物価が上がるから物価が上がる」が中々上手くワークしにくいという状況になっている訳ですよ。

そこに来てフォワードルッキングな期待形成に関しては望み薄、という状況で何がどうなって2020年に向けて物価がホイホイと上昇していくのか、という点について説得力がねえよと小一時間問い詰めたい訳でして、だったら2014年みたいに「期待に直接働きかける」追加緩和やってみろやというところですな。いやまあその期待に直接働きかけてフィリップス曲線を上方にシフトアップする、というのに2014年からの一連の政策がワークできなかったから今回はやらん、ということなんでしょうが・・・・・・・・・・・

とまあそういう訳で、「マクロ的な需給ギャップがプラスの状態が続くもとで」そのうち上がっていきますよ、という理屈に関しても、需給ギャップが相応のプラスという状況になってそれほど経過していない時期だったらそういう説明でも通せると思うのですが、これあと半年とか1年とかしても物価の上げ下げって結局のところ原油とか消費税とか財政による無償化措置とかそういうので上げ下げしているだけじゃん、というような状況が続いてくると、益々この理屈が苦しくなってくる(1年半くらい経過しているんですから既に苦しいとも言えますが)のでして、さすがに7月くらいの時点で何らかのレビューしないと(もちろんその前に物価がホイホイと上がってくれれば見通し大当たりなのでセーフですけど)マズイんじゃないですかねえ、とかまあそんなことを思いつつ、この理屈でいつまで押し通せるか(または目出度く花開くか)というのを見て行きたいと思います。

・・・・・・・とは言いましても、マイナス金利にYCCという毒性の強い政策をやっておりますので、この「マクロ的な需給ギャップがプラスの状態が続くもとで」の結果が花開く前に金融システム方面に毒の方が回ってしまい、花開く前に別の所で阿鼻叫喚という方が先に来るのではないか、とも危惧される次第でございまして、まあ要するにマイナス金利撤回しろやゴルァという所ですな。

#なお、アタクシ最近は「マイナス金利とYCC撤回」→「銀行株爆騰」→「株価インデックスも爆騰」→「爆騰した日本株を見て為替が円安」という説を唱えようと思いますがどうですかねえ(^^)

ということで基本的見解の前回比較をろくすっぽやっていないうちに時間になったので続きは明日で勘弁してつかあさい。





2019/01/23

お題「ハイパー虫干しネタですいませんが今更12月FOMC会見を改めて鑑賞するの巻」

キャッシュレス推進っていう筋違いの観点を使って給与現金払いの原則を逸脱しようとするのは非常にインチキ臭くて悪い予感しかしないのですけど。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190122-00000034-kyodonews-bus_all
政府、賃金デジタル払い解禁検討 戦略特区、キャッシュレス化推進
共同通信 1/22(火) 10:08配信

キャッシュレスは先日こんな事案もあったばかりだし、無批判に良いテックみたいな扱いになる風潮ってどうなのかとは思う(とアナクロニズム全開)。
https://this.kiji.is/459642838872769633
Tカード情報令状なく捜査に提供
規約明記せず、当局は保秘
2019/1/20 19:381/20 20:03updated 一般社団法人共同通信社


〇FED関連のハイパー出遅れネタですが結果を見てから記者会見の鑑賞も悪くはない(←ただの自己弁護)

まあ本日の金融政策決定会合は見事に何も無さそうで、昨日はあのように申し上げましたが、どういう屁理屈を繰り出して追加緩和をしないで済ますかとかはマニアとしてはタマランチ会長な面白ポイントだと思うのですが、何故か何とかストの皆様におかれましては短国買入だのの話をせっせとするというのが流行みたいで、何だかなあとか思う今日この頃でございます。そのあたりってはっきり言って調整項の世界だし、MBがどうのとか言いましても暫く前に計算しましたように今のペースで長期国債の残高は暦年2019年で見て22兆円は増えるのですからそんなに気にすることか???とか思いますけどねえ。

・・・・・・と小見出しと全然関係ない悪態を申し上げつつ今更ネタで(今日あたりやっておかないとFOMCになだれ込んでしまいそうなので)12月FOMC会見のネタをこんなところで書いておく(書かないと忘れる)の巻でありまする。思いっきり寝ぼけたネタですいませんすいません。


でもってですね、まあ傍から(というか市場の中の人のイメージ的にというか)見たらこのオッサンどう見てもブレブレなんですが、ということで会見と議事要旨のトーンが違うわ、という話になっておりましたが、こうやってその後の経過を見たあとから後付けで会見を見るとどうなるのか、という小ネタモードで(実はすっ飛ばしていた)FOMC会見ネタを今更消化してみます。

ということでこちらから。
https://www.federalreserve.gov/mediacenter/files/FOMCpresconf20181219.pdf
Transcript of Chairman Powell’s Press Conference December 19, 2018


・流れるような記者の連係プレイを鑑賞しましょう

Q&Aの最初の方を見ますとですな(本文5ページ)、

『SAM FLEMING. Thanks very much. Sam Fleming from the Financial Times. One of the recent surprises has been fairly tepid inflation data. I wonder, first of all, if you could explain why you think, despite the extremely tight labor market, we’re still not seeing much in the way of inflationary pressures. And in the context of a more data-dependent Fed, how will the Fed respond to further undershoots of inflation moving into next year? Thanks.』

データディペンデントというのならば足元でインフレが加速する兆候が無いことに関する評価はどうなのよ、とか12月の会見ってのっけから良いツッコミなんですよねえ。どこかの中銀総裁会見も見習って頂きたいものです。

『CHAIRMAN POWELL. Well, you’re right, Sam.』

こういう答えをするのは本当に良い質問というケースもありますが、質問されて困る場合にも使われるので要注意(^^)。

『Inflation has come in just a touch below where we expected it to be-not by a big amount, but by a small amount. More broadly, 2018 has been the strongest year since the recov-since the financial crisis.』

ちなみにどうでも良いといえばどうでも良いのですが、この部分って今取れるFINALバージョンだとこうなっていますが、最初に出てきたPRELIMINARYバージョンだと「More broadly, 2018 has been the strongest year since the recovovery since the financial crisis.」ってなっていて、中々ナンジャソラではあります。

『And during that period we’ve had low unemployment and strong growth, and inflation has still remained just a ouch below 2 percent. So I do think that gives the Committee the ability to be patient in moving forward.』

ということで、実は「to be patient in moving forward」って言葉はタカ派会見とされていた会見でもしらっと発言(しかも質疑応答の一発目に)していまして、パウエルさんって基本的には株価を見ながら発言のトーンを上げ下げしているとは思うのですが、そうは言ってもこういう感じでしれっと両論は言っておいて、「僕言いましたよね」攻撃ができるようになっている感はあって、さすが弁護士とか思ってしまいます。

『As I mentioned, there’s significant uncertainty about the-both the path and the ultimate destination of any further rate increases. 』

ということで、最初の質疑だと割と慎重トーンになっていた筈なのですが、この先の質疑でいきなりトーンを変更するというのがよー分からんオッサンでありまして、次の質疑が「じゃあバランスシートは?」なんですけれども、

『HEATHER LONG. Hi, Heather Long from the Washington Post. Today, the Fed lowered its expectations for interest rate increases. Given that, I’m wondering if the Fed has had any discussion of altering the course of balance sheet normalization and if you could give us any insight on what might lead the FOMC to alter that balance sheet normalization in 2019.』

って質問の所では、

『CHAIRMAN POWELL. Sure. If you go back some years, I think we-people who were working at the Fed in 2013 and ’14 took away the lesson that the markets could be very sensitive to news about the size of the balance sheet, the pace of asset purchases, the pace of runoff, and things like that.』

バランスシートの話は市場がセンシティブだというのは過去の経験で把握したと。

『So we thought carefully about this, on how to normalize policy, and came to the view that we would effectively have the balance sheet runoff on automatic pilot and use monetary policy, rate policy, to adjust to incoming data.』

とまあこの時には「レートは今後のデータを見ながら調整するし、バランスシートの縮小は正常化プロセスの間はオートパイロットでいった方が(市場がバランスシートにセンシティブだから)良いという結論に達した」って思いっきりお話をしている訳ですな。

『And I think that has been a good decision. I think that the runoff of the balance sheet has been smooth and has served its purpose. And I don’t see us changing that. And I do think that we will continue to use monetary policy, which is to say rate policy, as the active tool of monetary policy.』

でまあこれだけ言っておいて、今年になって突如年初のアレでバランスシート縮小ペースの見直しとか言い出している訳で、これは発言に一貫性が無いのか、それとも株式市場がおかしくなりだした時のカードとして温存していて1月頭にぶっこんできたのか、というのがさっぱり分からんのですが、いずれにせよこの部分って来週のFOMCで誰か突撃してくるでしょうなあとは思います。

でもってですよ、バランスシートの方はさておきまして金利の話なんですが、次の質問が最初の質問のフォローアップになっていまして、

『NICK TIMIRAOS. Thanks. Nick Timiraos of the Wall Street Journal. Chairman Powell, you talked a little bit earlier about the ability to be patient.』

早速こうやってフォローアップの質問が飛んでくるのがFRB議長会見の良い所でして、各社自分の聞きたいことだけ聞くから同じような質疑が延々と続くどこかの中央銀行のヘッポコ会見も学習して頂きたいものだと思います。

『And so as you think about your next policy moves, are you inclined to go at the current recent pace to a slightly different destination that’s laid out in the projections today? Or does the current environment of restrained inflation maybe allow you to space out your next few moves and take more time to get there?』

patientと来たからには利上げペースを遅らせたりするのかね、という質問が飛ぶのは実に美しい流れ。

『CHAIRMAN POWELL. So, as background, I would just point to 2018 being a very strong year and the Committee looking forward to 2019 and still having what amounts to a positive forecast. We still are forecasting, individually, growth a bit above its longer-run potential-2.3 percent is what we’re forecasting. We’re forecasting that growth will be strong enough that unemployment will drop still further and inflation will remain right near our target. So I’d say that’s a reasonably positive forecast.』

でもってそれに対していきなり強い経済見通しの話をおっぱじめる訳よパウエルさんって。

『Going forward, you know, I will be looking, in particular, to see whether incoming data tell us that we’re, in fact, on that path, that development of the economy is in line with that expectation. That will be the main thing.』

でもって先行きも強い話なのがメインだ、という言い方をしだして、これ後付けで見てみれば今でも確かに(他のFED高官もそう言っている、というのは月曜に投下した先週末のウィリアムスの講演にもありますけれども)「成長率に関して言えば2018年ほどの強さは無いけれども、そうは言いましても潜在成長率を上回る程度の成長は続くでしょう」って話は確かに今のハトハトモードの中でも行っている(ブラードみたいな昔からのハト派は別ですが)訳で、そうやって達観してしまえば確かにこの部分も「僕言いましたよね」ではあるんですよこれがまた。

『More broadly, though, I think we’ve reached the bottom end of the range of Committee estimates of what might be neutral. I think, from this point forward, we’re going to be letting the data speak to us and form the outlook and inform our understanding of what would be appropriate policy. So there’s a fairly high degree of uncertainty about both the path and the ultimate destination of any further increases.』

でもって金利はFOMCの考える中立レンジの一番下に到達したからこの先は更にデータディペンデント、という話もしているので、確かに市場的にはどう見ても「カメレオンかお前は」なのですが、後付けでその後の発言トーンを見てからこうやって鑑賞すると「僕言いましたよね」になっている訳ですな。


・・・・・・・じゃあ何でこうなるのか、ということなんですけれども、一つ質疑を飛ばしてその次に行くとですな、


・売り言葉に買い言葉

本文8ページの後半になりますが。

『BINYAMIN APPELBAUM. Binya Appelbaum, the New York Times. You’re about to undershoot your inflation target for the seventh straight year. Your new forecasts say that you’re going to undershoot it for the eighth straight year. Should we interpret the dot plot as suggesting that some members of your Committee believe that policy should be in a restrictive range by the end of next year? If so, can you help us to understand why people would be advocating restrictive monetary policy at a time of persistent inflation undershoots? 』

おう偉そうなこと言ってるけど8年間の間物価2%全然達成してなくて今だって2%行ってねえのに金融政策を引き締め的にする必要とかあるのかよこのスットコドッコイ、と売り言葉質問キタコレなんですよね。

『CHAIRMAN POWELL. Well, we-as a Committee, we do not desire inflation undershoots. And you’re right, inflation has continued to surprise to the downside-not by a lot, though. I think we’re very close to 2 percent, and, you know, we do believe it’s a symmetric goal for us.』

いやでも今はそんなに2%からアンダーシュートしてませんがな。

『Inflation is symmetric around 2 percent, and that’s how we’re going to look at it. We’re not trying to be under 2 percent. We’re trying to be symmetrically around 2 percent. And I don’t-you know, I’ve never said that I feel like we’ve achieved that goal yet. The only way to achieve inflation symmetrically around 2 percent is to have inflation symmetrically around 2 percent, and we’ve been close to that but we haven’t gotten there yet, and we have not declared victory on that. So that remains to be accomplished.』

まだ勝利宣言するまでには到達してませんぞな、とこの辺までは穏当な質疑応答で結局この質問には事実上何も答えていないのですが・・・・・・・・・

『JEANNA SMIALEK. Hi, Jeanna Smialek, Bloomberg News. Just following up on Binya’s question-I guess if you haven’t achieved 2 percent inflation and you don’t see an overshoot, which would be sort of implied by a symmetrical target, what’s the point in raising rates again at all? 』

と追撃が来たらパウエルおじさんいきなり買い言葉になる。

『CHAIRMAN POWELL. So, again, I go back to the health of the economy. If you look at 2018, as I mentioned, this the best year since the financial crisis. You’ve had growth well above trend. You’ve got unemployment dropping. You’ve got inflation moving up to 2 percent. And we also have a positive forecast, as I mentioned, and, in that context, we think this move was appropriate for what is a very healthy economy.』

いや経済は強いですよ、ってところまでは良いのですがこの次がアカン。

『Policy at this point does not need to be accommodative.』

そらアルゴが反応するわ(これに反応したかどうかは知らんけど)という売り言葉に買い言葉。

『It can move to neutral. It seems appropriate that it be neutral. We’re now at the bottom end of the range of estimates of neutral. So that’s the basis upon which we made the decision. I also think we took on board, you know, the risks to that, and, you know, we’re certainly cognizant of them.』

ただまあその続きを見ると「現状ではニュートラルと考えているレンジの下限までは利上げしましたので」という話をしているので、それを踏まえて今後はデータディペンデントだ、と言っている、というのは後付けでハトハトモードになっている状況である、という前提をもって読めばそう読めるのですけれども、どうもパウエルさんは言葉の使い方を意図的にやっているのか無意識でやっているのか知らんですが、一々余計なバイアスが掛かるような話の仕方をするなあ、って思うのですよね。無意識だったらもうちょっと慎重になれよと思いますし、意識的にやっているんだったら本人は市場コントロールをしているつもりという事になりますが、これはいずれ市場のコントロールを失うパターンだわな、と思います。


・ちなみに質疑の最後の方ではド直球質問も

21ページまでワープします。

『COURTENAY BROWN. Hi, Chairman, Courtenay Brown from Axios. I’m wondering if you could clear up what’s become a little bit of a debate in the financial community.』

いきなり直球。

『You said in October in an interview with PBS that interest rates were a long way from neutral. A month later you said interest rates were just below neutral. And I think a lot of people interpreted that as a shift in tone from you. Were they right to interpret it that way? 』

これはいい直球ですが、答えはと言いますと、

『CHAIRMAN POWELL. You know, monetary policy is a forward-looking exercise, and I’m going to-I’m just going to stick with that.』

だいたいこういう答えから入る時は誤魔化す気満々の時です。特にこのおじさんの場合。

『It’s-where we are right now is, we’re at the lower end of the range of neutral. We’ve arrived effectively at the bottom end of that range. And, you know, there are implications of that. For that, as I mentioned, going forward, there’s real uncertainty about the path-the pace, rather, and the destination for further rate increases. And we’re going to be letting incoming data inform our thinking about the appropriate path.』

今後の政策はincoming dataだというのですが、肝心の中立金利水準の話を誤魔化したままで進めていく、というのがこれを見ると明らかでして、そこが誤魔化されている状況だと「現在の金融政策が緩和的/中立的/引き締め的」というのを市場ちゃんの方が判断する基準が無い訳でして、FEDの方でも「外部環境」とか「ファイナンシャルコンディション(という名の下の株価の話)」とか言いながら話をするので、政策が緩和的、中立的、引き締め的、というのに関しての判断がご都合主義になってくるように見える次第でございまして、この状態で毎回のFOMCで会見入れるとか、SEPで金利パス出すとかするのってどう見ても話をややこしくするだけのように見えますので、まあ今年はFEDの君子ジャガーチェンジを楽しむ(楽しくないが)ということになるんでしょうな、と今更1か月も前の会見を読み直して思った、とまあそういう超虫干しネタで古文書読みの世界になってしまいまして誠に申し訳ありませんが思うのでございました。







2019/01/22

お題「決定会合プレビュー雑談/休み明けなので読書室」

どもどもご無沙汰しております。昨日しらっと直近のウィリアムス講演をネタにして(あたくしのリハビリ代わりに、汗)投下していますので、下の方に21日分としてつけておきます。

〇決定会合プレビュー雑談

とまあそういう訳で復帰した途端に金融政策決定会合な訳ですが(さすがに展望レポートもあるMPM1日目まで堂々の連休は人の道に反すると思ったので本日から復帰な訳ですが^^)、MPM前に日高砲出ているかねえと思って探してみたらこんなもんしかないのかな(ダータで見られるネット版は営業的にプロフェッショナル版に誘導する物件という面があるから仕方ないけど、ネット版は記事検索性能がイマイチで適わん。ちなみにブルームバーグの場合以前は英文ページの方から日本語で検索を掛けた方が色々見つかるという謎の技があったのだが最近はどうでしょうかね)と思うのですがどうかしら。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-16/PLEJZ36TTDS101
日銀が来年度物価見通しを下方修正へ、原油の大幅下落で−関係者
日高正裕、藤岡徹
2019年1月16日 13:03 JST

日高砲キタコレと言ってもこれでは空砲というより礼砲ですな、まあシャーないけど。

『日本銀行は23日の金融政策決定会合後に公表する経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)の2019年度見通しを下方修正する公算が大きい。複数の関係者への取材で明らかになった。』(上記URL先より、以下同様)

そらそうよ。

『昨年10月の展望リポートでのコアCPIに関する政策委員の大勢見通しは、18年度が前年度比0.9%上昇、10月予定の消費増税の影響を除き19年度が1.4%上昇、20年度が1.5%上昇。複数の関係者によると、物価の基調の弱さに加え、WTI原油先物が昨年10月初めの1バレル=75ドル超から足元で52ドル前後と大幅に下落していることが下方修正の主因となる見通しだ。』

そらそうよ。

『複数の関係者によれば、日銀は成長率見通しについては18年度を引き下げる可能性がある一方、19年度は消費増税に伴う一連の経済対策を踏まえて上方修正が必要かどうか検討する見通し。今回の会合では金融政策は据え置く見込みだ。』

>(19年度の成長率を)上方修正が必要かどうか検討する
>(19年度の成長率を)上方修正が必要かどうか検討する
>(19年度の成長率を)上方修正が必要かどうか検討する

大本営キターーーーーー(・∀・)ーーーーーーー!!!

『複数の関係者によると、原油安は企業活動や個人消費に好影響を及ぼすほか、消費増税対策の幼児教育無償化や、携帯通話料の引き下げは一時的な要因と日銀はみており、特に問題視しない構え。企業や家計の物価観は消費者物価の実績値に強い影響を受けるため、その低迷が予想物価上昇率に与える影響を注視する。』

「原油安は企業活動や個人消費に好影響を及ぼすほか」「一時的な要因と日銀はみており」「特に問題視しない構え」と来ましたが、さてここで2014年10月2回目(10月31日)の金融政策決定会合の声明文を確認してみましょう。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/k141031a.pdf
「量的・質的金融緩和」の拡大
2014年10月31日
日本銀行

『2.わが国経済は、基調的には緩やかな回復を続けており、先行きも潜在成長率を上回る成長を続けると予想される。ただし、物価面では、このところ、消費税率引き上げ後の需要面での弱めの動きや原油価格の大幅な下落が、物価の下押し要因として働いている。このうち、需要の一時的な弱さはすでに和らぎはじめているほか、 原油価格の下落は、やや長い目でみれば経済活動に好影響を与え、物価を押し上げる方向に作用する。しかし、短期的とはいえ、現在の物価下押し圧力が残存する場合、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがある。日本銀行としては、こうしたリスクの顕現化を未然に防ぎ、好転している期待形成のモメンタムを維持するため、ここで、「量的・質的金融緩和」を拡大することが適当と判断した。』(2014年10月31日金融政策決定会合の声明文より)


「短期的とはいえ、現在の物価下押し圧力が残存する場合、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがある。」

「好転している期待形成のモメンタムを維持するため、ここで、「量的・質的金融緩和」を拡大することが適当と判断した。」

さて2014年はこのようにして早期の物価目標達成に向けて追加緩和を行った訳ですが、今回はブルームバーグの報道をベースにしますと、「原油安は企業活動や個人消費に好影響を及ぼすほか、消費増税対策の幼児教育無償化や、携帯通話料の引き下げは一時的な要因と日銀はみており、特に問題視しない構え。」ということですが、2014年との整合性はどう取る気なのでしょうか。今回追加緩和しない、ということであれば、それはつまり2014年の追加緩和はやらずとも良かったという話になると思うのですが、より物価目標達成に向けて近そうだった2014年に追加緩和をして、物価目標達成の時間が遠そうな2019年は追加緩和しないという事に関しては整合的なご説明を頂きたいので記者会見で皆さん揃って質問してほしいものであるとお願い致します、いやマジで。

これを整合的と言い張るための屁理屈としてパッと浮かんだのは、2014年10月の展望レポートでは、

http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1410a.pdf
経済・物価情勢の展望(2014 年 10 月)

『2016 年度までの成長率の見通しを、7月の中間評価時点と比べると、2014 年度については、駆け込み需要の反動の影響や輸出の弱めの動きなどから幾分下振れるものの、2015 年度と2016 年度については概ね不変である。』(2014年10月展望レポート基本的見解本文4ページより)

とありまして、今回はブルームバーグの報道をベースにすると、「複数の関係者によれば、日銀は成長率見通しについては18年度を引き下げる可能性がある一方、19年度は消費増税に伴う一連の経済対策を踏まえて上方修正が必要かどうか検討する見通し」だそうですので、これもう2019年度の成長見通しを上方修正することによって、「成長見通し上方修正」→「需給ギャップのプラスが拡大する見通し」→「よってモメンタムは維持されている」という強引な展開を使って今回は追加緩和を見送るという事になるんでしょうなあ、というのは何となくわかるのですが、だったらそもそも今の声明文の中にあるフォワードガイダンスであるところの、

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2018/k181220a.pdf
当面の金融政策運営について
2018年12月20日 日本銀行

『政策金利については、2019 年 10 月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している。』(2018年12月、つまり直近の金融政策決定会合声明文項番5より)

と言っている「消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性」とは何なのかと小一時間問い詰めたい訳でして、「消費税率引き上げの影響が不確実だから今の極めて低い金利水準を維持する」のに「消費税増税対策の効果を勘案して成長見通しを上方修正するので物価が足元で下がるけれども追加緩和不要」とはどういう判じ物になっているのかと、理屈が崩壊なんてもんじゃない凄いレベルになっているのですが、まあ日本の最高レベルの頭脳を駆使して整合する屁理屈を用意してくると思うと楽しみで楽しみで仕方ありません(棒読み)。


ということでどうせ現状維持なのですが、どういうロジックを出してくるのかが今回の見ものというのが決定会合プレビュー雑談になってしまうのですが、非常に惜しいことに、この辺りのロジック崩壊に関してネチネチと皆でツッコミを入れて火だるまにしたとしても、残念ながら一般メディア的にはそれだとニュースとしてのバリューが無いというのが仕様のようですので、会見でそういうロジカルハラスメントで集中砲火ってのが期待できないのが実に残念ではあります。


さてさて、他に1月会合と言いますと、
http://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2018/k180123a.htm/
当面の金融政策運営について
2018年1月23日 日本銀行

『2. また、日本銀行は、「貸出増加を支援するための資金供給」、「成長基盤強化を支援するための資金供給」、東日本大震災および熊本地震にかかる「被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーション」等の措置について、受付期間を1年間延長することを決定した(全員一致)。 』(2018年1月決定会合声明文項番2より)

というのがありまして、貸出増加支援も成長基盤支援も今更なんの存在意義がという話で、むしろFSRで貸出金利が信用リスクに見合わない水準まで低下しているのではないか、という指摘があるような事態になっている訳ですからして、この措置によって金融機関の貸出態度がタイトではなくなるとかそういうような話ではなくて、寧ろFSRの指摘を見れば貸出態度がルーズになっているのではないかというような状況になっている中ですし、大体からしてこれ白川さんの時の遺物なんですから別に黒田さん何か思い入れがある訳でもないのに何でこれを残しっぱなしにしているのか全く持って意味不明にもほどがあるんですが、これはQQEとは関係ない過去のもので金融機関の貸出態度や、短観で見られる中小金融機関からみた金融機関の貸出態度などの指標を見れば明らかに目的は達成しており、今後新規の受付は停止するって判断にならんのかね、と思うのだが、そもそも論として金融政策決定会合議事要旨を見てもまともにこの件について討議している形跡が見当たらないというのがもうねという感じで、お前ら真面目に金融政策やる気あるのかと小一時間問い詰めたい。


という感じですかねえただの雑談で申し訳ないですけど。


〇休み明けなので恒例の(?)読書室

・「金持ち課税 税の公正を巡る経済史(ケネス・シーヴ/デイヴィッド・スタサヴェージ著、立木勝訳、みすず書房)

原題が「TAXING THE RICH A History of Fiscal Fairness in the United States abd Europe」って本の日本語訳です。課税に対しては「平等な扱い」「支払い能力」「補償」という3つの異なった論点から論じられるのですが、その中で累進課税などによる富裕層への課税強化は主に「補償」論によって行われ、この「補償」の根拠となる外部環境が徐々に弱まるにつれて最近は累進的な課税が弱くなっています、とまあそういうのが歴史的な事実としてありまして・・・・・・というようなお話があります。でもってこの「補償」ってナンジャラホイという事ですが、まとめの辺りから引用しますと

『人びとを平等に扱う第三の道である補償論は、国家の行為についてさらに幅広い文脈を直接考慮に入れる。もし国家がある次元において人びとを不平等に扱っているなら、税を用いてその分を補償するべきだ。14世紀のシエーナでは、市の評議会が、いくつかの税がある集団に重く降りかかるなら、別の税はそれに替わる集団に降りかかるように設定するべきだと考えた。19世紀にも同様の主張が行われたが、このときは、富裕層の間接税負担がほかの層と比べて軽いなら、その影響を打ち消すように所得税を設計、実施するべきだとして、所得税が支持された。最後に補償論は、なぜ20世紀の各国政府が、戦争のための大規模動員の時期に非常に高い最高税率を採用したかの説明に役立つ。戦時政府が戦争の支出を賄うために新たな歳入を必要としていたことはたしかだが、そのことだけでは、なぜ最上位層への税率を大きく上げる選択をしたかが説明できない。この選択がなされた理由を説明できるのは、戦時補償論のパワーである。』(上記書籍、第9章、本文230ページより引用)

とまあそういう話で、戦時補償論と聞いて何となくお察しだと思いますが、まあそういうことだったりしまして、現代になって累進課税の最高税率が下がっているというのもこの戦時補償論のパワーが減衰しているから、というようなお話になる訳ですけれども、詳しい話を読みたい方は是非どうぞ。

なお、元の文章を読んでいる訳ではないのでどっちのせいなのか分からんのですし、単にアタクシが頭悪いだけなのではないか、という方が正しい気もするんですけれども、この本は文章が読みにくいと言いますか、あまりサラサラと読める本じゃなくて、寧ろ何回も行ったり来たりしないと頭がこんがらがってきますので、厚さ(本文241ページ)にしては時間が掛かる(ついでに脚注が40ページ分もあるのが中々)気がしました。

#まあ置物日記(ネタにしてませんなすいません)のような内容の無い本と比較しちゃいかんのでしょうが

ISBN978-4-622-08701-4 C0033 \3700E


・「交渉の達人 トランプ 若きアメリカ不動産王の構想と決断(ジェローム・トッチリー著、植山周一郎訳、ダイヤモンド社)」

何か変な題名だな、と思われるでしょうが、実は年末年始に帰省した時にアタクシの本棚に長期ご積読になっていた(のか読んだのかも忘れている)書籍なのでただのネタです(汗)。

原題は「TRUMP」というそのまんまの物件で、書籍の方を見ますと英文の初版が1987年(!)で、日本語訳の初版が1988年7月(アタクシのは1989年4月の6版)という年代物オブ年代物。

不動産王トランプ立志伝なのですが、当時の本人は評伝書かれるの好きじゃなくて、本人以外の周囲から色々と取材して回って作った本だそうなのですが、訳者の植山さんは訳を終わった後にホスト役をやっているテレビ東京系列のインタビュー番組のゲストとして出演を快諾してくれたという話があとがきにあるので、まあ別に本人これでお怒りとかは無かったようですな。

ということでとりあえず1987年時点までの大活躍ですが、要はNYがどん底オブどん底で、皆も尻込む中で果敢にマンハッタンに突撃していった2代目不動産あんちゃんで、2代目とは言いながらこの人どう見ても叩き上げだし修羅場もくぐっているわ、というのは把握しました。

ISBN4-478-32023-3 C2034 P1960E

#定価=1960円(本体1903円)という表示に時代を感じます^^




2019/01/21

お題「朝でもないですしお休み予定でしたが気が向きましたので少々」

1週間休んでいる間にキセノンは引退するわタイボーは下がるわですが、明日からはMPMですので生き返らないといけませんな(汗)。

ところでこれは何ぞ?
https://jp.reuters.com/article/idJP2019012001001831?il=0
2019年1月21日 / 02:00 / 
安倍政権、2島決着案を検討
共同通信

『安倍晋三首相は北方領土問題に関し、北方四島のうち色丹島と歯舞群島の引き渡しをロシアとの間で確約できれば、日ロ平和条約を締結する方向で検討に入った。複数の政府筋が20日、明らかにした。2島引き渡しを事実上の決着と位置付ける案だ。4島の総面積の93%を占める択捉島と国後島の返還または引き渡しについて、安倍政権幹部は「現実的とは言えない」と述べた。首相はモスクワで22日、ロシアのプーチン大統領との首脳会談に臨む。』(上記URL先より)

って日ソ共同宣言の線で妥結して良いんだったら昭和31年の時点で領土問題は解決してたって話だろうし、「現実的とは言えない」で放棄するなら竹島どうするんだよ・・・・・・・

#そもそも全千島は侵略戦争で獲得したのではなくて千島樺太交換条約での日本領の筈なんだが


〇先入先出の法則でウィリアムス総裁講演だがまあ色々と気になる点が

https://www.newyorkfed.org/newsevents/speeches/2019/wil190118
Monetary Policy: A 'Data Dependent' Approach
January 18, 2019
John C. Williams, President and Chief Executive Officer
Remarks at the New Jersey Bankers Association's Economic Leadership Forum, Somerset, New Jersey

まあ別に市場がこれで反応したという感じでもなかったようで、ここもとFEDの方々から出ている「ちょっと利上げは様子見な」(ただしこの様子見の中身が人によって何を言っているのかよくわからんというのが曲者、だと思うのですけれども)というパターンから大きくはズレていないと思うので、特段のサプライズにはならんかった、ということなのでしょうかねえ、よー知らんけど。

ということで最初のマクラはすっ飛ばして本題から参ります、『The Dual Mandate』という小見出しから。

・デュアルマンデートは絶賛達成なうという認識

というのはまあ大体FOMC参加者の皆さん同じように説明していますけど念のため。でもって最初の方は話のマクラなのでパスして現状認識を見ますとですな、

『The unemployment rate last year averaged just under 4 percent, the lowest such annual figure since 1969. The latest jobs numbers also showed very strong growth, with over 2.6 million jobs added last year. The ongoing strength in the labor market has led to encouraging gains in wages. No matter how you cut it, the labor market is strong, consistent with our maximum employment goal.』

現状は「consistent with our maximum employment goal」ですと。んじゃあ物価はと言いますと、

『When we say price stability, our goal is to keep inflation around 2 percent.1 Those of you who are of my generation will remember the runaway inflation of the 1970s and early 1980s. Obviously that’s something we must avoid repeating. But the challenge of more recent years actually hasn’t been too high inflation. Instead, it’s been inflation that’s persistently too low. Over the past decade, inflation has more often than not come in below our goal.』

昔は高インフレが問題でしたが最近は低インフレが問題で、ここ10年ほどは物価がしばしばワシらの目標に達成しておりませんでした、と来まして・・・・・・・・・・

『But things are looking better. Underlying measures of inflation have been running just below 2 percent over the past 12 months, and I expect them to be right at 2 percent this year. And I don’t see any worrying signs of inflationary pressures building. So, from the perspective of the Fed’s dual mandate as a whole, things are looking very good.』

状況は良くなってきています。基調的な物価は2%より若干下のレベルでここ1年は推移していて、今年はまさしく2%で推移すると見込んでいます。しかもインフレが高進するような兆候もなくいので、デュアルマンデートの見方からすれば状況は大変に宜しいということです、だそうな。

『Of course, for this healthy jobs market and low and stable inflation to persist, we need solid growth in the economy. While GDP growth in 2018 looks to have been a robust 3 percent, we’re hearing anxiety both in the markets and the commentary, about what’s to come in 2019.』

でまあここからが「慎重に」な金融政策運営を示唆、というののマクラになってくるのですが、今後もこのような状況を続けるためには、われわれは「solid growth in the economy」が必要である、という話になっております訳ですよ。

・・・・・・でね、まあこの後の話の前にアタクシ思うのですけれども、「物価の安定と最大雇用の達成」を継続するのに「solid growth」が必要というのも理屈から行ったら変な話で、一番の「安定」は潜在成長率前後での成長が続くということで、需給ギャップが需要超過にも供給超過にも大きく傾かない状態の中にいて、金利水準が中立金利水準にあることによって金融政策も経済に中立的な状況であるからこそ、デュアルマンデートが達成できる、って話になる筈でして、このように「solid growth」が必要だという話になりますと、それは「軽度の高圧経済アプローチ」みたいな話になるんで、それはチャウやろと思ってしまう訳ですよ中央銀行的な理屈の立て方からしたら。

でまあ先走ってしまいますが、ウィリアムス総裁は今回の講演で今後の金融政策について慎重姿勢を強調する、という最近の一連の流れ(というかパウエル体制になって締め付けでも厳しくなったのか、パウエルが右と言い出すと皆さん右になり、左と言い出すと皆さん左になるという感じで、イエレンバーナンキの時みたいにタカとハトの最右翼が居て、そこからグラデーションのように見解が割れているという感じがしないので、今までとは調子が違ってこれは確かに米国市場も困るだろとは思う)に沿っている内容を喋っているのですが、肝心な「中立金利水準」に関する言及が全然無いんですよこれがまた(中立金利のレンジの下限に居る、という話はしているけど)。

でもってですな、中立金利水準に関してはウィリアムスは芸風のようによく言及していたのに、ここに来て言及しないってのも、これまたパウエル大先生の統制キタコレなのではないかと邪推してしまう訳ですが、それにしてもこの説明だとむしろ中立金利手前までしか利上げしない方が良いような説明になっていまして、それだとマンデート達成と言えるのかよとか、まだスラックあるのかよみたいな色々とツッコミどころがという感じがあるのよね。

ということで話が結論ぽくなりましたが講演はまだ本題になっていないので続きを読む。

『I wish I could now tell you with certainty what will happen to the economy, but anyone who promises they can see into the future is a charlatan. However, what I can do is provide you with some insight into how I assess the health of the economy and what that means for my view on the monetary policy decisions before us.』

先行きの事は確信をもって言えませんが、金融政策運営について考えるにあたって経済を取り巻く環境についてどのように見ていくのかという説明をしましょう、だそうで次が小見出し『Data Dependent』になる。


・データディペンデントというのは要するに総合判断という事じゃねえかという件

『Data Dependent』という小見出しに参ります。

『I often say I’m data dependent, and I’ve talked about the major economic indicators, GDP growth, inflation, and employment. But these headline numbers aren’t the only things that inform my view on monetary policy, or the economy more broadly. I’m looking at a whole raft of information about what’s going on and where risks may be lurking.』

主要な指標はGDPとインフレと雇用だそうだが他にもいろいろとみていますだそうな。

『Employment and unemployment numbers provide a useful summary measure of what’s happening in the labor market. But “data” doesn’t stop there. There are many sources of information on labor market conditions that I regularly consult. They range from very granular data that zero in on individuals’ experiences in the labor market, to indices of job openings, how many people are quitting their jobs, and labor market participation, to name a few.』

雇用数と失業数は労働市場で何が起こっているかを示す重要な数字だが、「“data” doesn’t stop there.」ということで色々な指標を見ますよというまあこの辺りありきたりな説明。

『But it’s not just these hard numbers that matter. I also find surveys of households and businesses provide valuable and timely perspectives about economic conditions. For example, there’s a questionnaire that asks people whether jobs are “hard to get.” It’s helpful because it gives the perceptions of normal people (and not economists!) about whether there are a lot of open positions. This survey continues to report that it’s relatively easy to find work, which is a very good sign about the strength of the economy.2』

ハードデータだけではなくてサーベイデータなども有益、とこの辺までは一般的な話をしていますが、この次のパラグラフは「市場を見ている」という話で、まあよく言えば市場の動きを重視しているという事ですが、悪く言えば、アラン・ブラインダーの言う「自分の尾を追う犬」化まっしぐらというコースが懸念されるお話が出てきます。

『Beyond the economic data and surveys, financial market indicators are a critical source of up-to-the minute information on how investors view the economy.』

金融市場から見られる動きは「毎分更新される」重要な指標で、投資家がどのように経済を見ているかを示すものである、とまあキタコレな話が始まりましてですな、

『In addition, stock prices and interest rates affect the spending decisions of households and businesses, and the value of the dollar affects demand for exports and imports, so these are important factors shaping the economy’s trajectory.』

株価や金利は家計や企業の消費投資行動に影響を与えるし、外国為替市場でのドルの上下は輸出入の需要に影響を与えるので、これらの動きは経済の先行きに対して重要なファクター(important factors shaping the economy’s trajectory)になるとか、もうマーケットディペンデントになる気満々といった感がするんですが大丈夫かね。

『More broadly, I look at a wealth of data on international financial market developments and banking conditions, which feed into my understanding of the global outlook.』

海外の金融市場動向や銀行の状況なども海外経済見通しの参考になります。

『Finally, and perhaps least well known, I spend a great deal of time speaking with members of the public, at our Board and Advisory Group meetings, community and business leader forums, and events like today’s. I get immense value from their insights, whether it’s the challenges they face in filling positions, their plans for capital investments, or how global developments are influencing their decisions. These discussions provide a huge amount of detail and texture to the economic picture. One of the great strengths of the Federal Reserve System is our extensive networks of contacts in our communities, and we share what we learn from these conversations when we meet at the FOMC.』

この講演会のような数々の機会で皆様とお話をして得られるアネクドータルな話も重要です、などと言いながらデータディペンデントのまとめになる。

『Being "data dependent" means taking this holistic view when thinking about the economy and monetary policy.』

「 "data dependent" 」というのはこのような全体論的なビューで経済を見て金融政策を考えるということです(キリッ)、ってことなんですが、結局のところおまいら株価に一喜一憂しているだけじゃんという気は思いっきりしますなあ。

『Not all of these types of data draw headlines the way shifts in the stock market do, but together they provide a much richer and more complete depiction of what’s happening. And they also tell me whether the signals we’re getting from the markets are reflected in the economy as a whole.』

今回の講演相手は(パスしたマクラの部分にあるんですけど)金融機関の方々も多いようですが、まあ結局データディペンデントの最後の部分が金融市場が示してくれる経済の見通しがどうのこうのとありまして、思いっきり「マーケットディペンデントでござる」って話になっているのが笑えるというか笑えない。


・昨年は経済に強い追い風があったが今年はそれが弱まり一部に向かい風が、という理屈を持ち出す

とまあそこで話が終わってしまいますと完全に「市場に振り回されています主に株式ですが」という中央銀行としてはだいぶなさけない話になってしまいますので、何で足元で急に慎重方向に転換したのかというために屁理屈は登場するのでした。ということで次の小見出しが『2018 Tailwinds』という物件。

『In thinking about where the economy is heading, it’s worth reflecting on where we were 12 months ago.』

ほう。

『At the start of last year the message I was getting-from business leaders, economic data, and the markets-was one of overwhelming positivity. This reflected three tailwinds: strong global growth, fiscal stimulus, and quite accommodative financial conditions. Each of these was giving the economy an extra boost. Indeed, these tailwinds provided even more of a boost over most of 2018 than forecasters had anticipated.』

昨年の頭の事を考えまするに、経済に3つの追い風があり、それは世界経済の強い成長に財政刺激に緩和的な金融環境でございましたよと。

『Fast forward 12 months and indicators in Europe and Asia point to less optimism about global growth. The initial lift from the fiscal stimulus will likely wane over the course of this year. And financial conditions have become less accommodative over the past several months.』

この1年間の間に欧州やアジアではグローバル経済の先行き楽観論が後退し、財政刺激の初期効果は徐々に剥落し、金融環境はここ数カ月で緩和度合いが弱くなってきている、だそうですが、この「financial conditions」ってのここ数カ月で云々って言う事になりますとそれはどう見ても株価です本当にありがとうございました(長期金利はここ数カ月だったら達観すれば動いていないし寧ろ長期は下がってますがな)というお話でして、この最近のFED語にすっかりなっておられる「financial conditions=株価」というの紛らわしいにも程があるわと思ってしまうんですがががが。

『In addition, we are now seeing some emerging headwinds to growth from the partial government shutdown in the United States and elevated geopolitical uncertainties abroad.』

その上ガバメントシャットダウンと地政学的な不確実性という向かい風まで起きてきているんですが、だそうな。

『Other “data” confirm that the winds in our sails have calmed. The headlines have been about investors’ concerns around growth, which have contributed to volatility in markets. This is also showing through in surveys of households and businesses, who say that they are somewhat less confident about future economic prospects.』

別の「データ」からも向かい風が弱まっている事が示されますなということで、投資家の先行き不安が市場のボラティリティに出ていますとかまたも市場の話をして、そのあとにサーベイデータの悪化の話が出るというこの順序ェ・・・・・・・・・

『For example, the latest Empire State Manufacturing Survey and New York Fed Business Leaders Survey both point to slowing growth in the region. And there is no doubt that my colleagues and I are hearing the same thing directly from our business and financial market contacts, who are more focused on the possibility of a weaker economic outlook this year.3』

ということでサーベイの話がと思ったら企業や金融市場のコンタクトの方々との話でも先行き懸念が聞かれる、としれっと金融市場の話が出る辺りがもうね。

『But let me be clear: a softer economic outlook doesn’t mean we should prepare for doom and gloom. On the contrary, it’s likely we’ll see GDP growth somewhere between 2 and 2-1/2 percent this year. That’s a step down from 2018, but still consistent with a healthy, growing economy.』

とまあこれだけ言っておいて最後に「そうは言いましても別に経済が悪化するとかそういう話をしている訳ではありませんで、今年の成長は2.0-2.5%程度で推移するとみているし、昨年よりは成長は鈍化するけれども経済は健全に成長を続ける、という見通しですよ、と入れているのがこれまたアレでして、可能性があるかどうかは兎も角としまして、今後それほど色々なものが大コケしなくて、株価がまたゴルディロックだの適温経済だのと言ってホイホイと上昇しだした時には、今度はこのパラグラフに示した話を思いっきり強調して中立金利に向けてもう少し利上げしますが何か?とか言い出す余地をキチンと残しているという感じではございますな、うんうん。


・ということで金融政策は「patient」キタコレ

『Supporting a Strong Economy』という小見出しが次になります。

『So, how should the Fed respond to an outlook of slowing growth and one that’s less certain than, say, this time last year? In a word: carefully.』

「carefully」と来ましたか「patient」ちゃうのかと思いましたが後にちゃっかりあるのでまあ別に他のFED高官と変わった話をしている訳ではない。

『At the start of 2018, when the economy was growing well above trend and interest rates still were still quite low, gradually raising rates was the obvious and necessary choice. Twelve months later, the tailwinds have lost their gust, interest rates are closer to normal levels, and inflation is tame.』

昨年1年たって、経済の追い風は強さを失ってきたし、金利は「closer to normal levels」ということで、「ノーマルな水準により近づいた(1年前は「quite low」)」し、インフレはおとなしい状態ですよ、ということだそうな。

『The approach we need is one of prudence, patience, and good judgment. The motto of “data dependence” is more relevant than ever.』

ということで「carefully」と来た後に「prudence」で「patience」と慎重アピールしていて、おまけに「good judgment」とジャッジメンタルというのも見せているので、そういう意味ではこれまでのオートパイロットではありませんぞなという話をしているのは良いのですが、そこで“data dependence”がこれまでよりも重要とか言っている中で、そのデータの中に金融市場というのが思いっきりあるという事ですので、これはもう自分の尾を追う犬まっしぐらというのが見えてきた感じでして、来週のFOMC後の会見で足元の市場が回復してきたのを見てパウエル先生何を言い出すやらというのは非常にアレではあります。

『If growth continues to come in well above sustainable levels, somewhat higher interest rates may well be called for at some point. However, if conditions turn out to be less robust, then I will adjust my policy views accordingly.』

成長が「well above sustainable levels」ならば「somewhat higher interest rates may well be called for at some point」と言っているので、とりあえず利上げ打ち止めって言い方になっているのは分かるのですけれども、ただ水準的に今の政策金利水準が本来マンデートを安定的に達成できている時の中立金利なのかという話は結局していないのがオモロイというかワケワカラン所でして、まあ普通に考えて米国の潜在成長率が2%近くで物価が2%なのでしたらば中立金利って今のFFのわけねえだろと思うのですが、とりあえず足元利上げ一旦止めて様子見したい、という意思が先にあって、そこに理屈を付けに行くとなりますと、中立金利の話をしだすと物凄い勢いで都合が悪い(どう見ても利上げ打ち止めだと中立金利より遥かに低いじゃろという話になる)ので、中立金利の話をしないで、「昨年は経済に追い風があったけれども、今年はその追い風も止まってきて向かい風もキタコレ」という「見通しベースの総合判断という名の下での足元の金融市場動向重視」コースでの説明にもっていっている辺りがチャーミングとしか申し上げようがございません。

『I assure you that I have my eyes wide open and my ear to the ground when it comes to thinking about how the economic outlook will unfold in the year ahead, and as ever I’ll be guided by the data in all its forms.』

はあそうですかという感じですが、状況を見ながら判断していく、というのを強調の巻ですな。


・バランスシート縮小方針の一部修正にウィリアムスも言及とな

次に『The Balance Sheet』という小見出しがあるんですが。

『Aside from my views on interest rates, the other issue I get asked about is the normalization of the balance sheet.』

キタコレ。

『When we first announced our plans in June 2017, I was poised to expound on them in great detail.4 But when I raised the topic I was sorely disappointed to be met with glazed eyes and general indifference. Sadly, nobody seemed to care!』

「Sadly, nobody seemed to care!」ってお前らがオートパイロットだって言ってたじゃんと小一時間問い詰めたい訳でして、どうもこのオッサンは平然と豹変した上に前の話を無かったことにして今のスタンスを正当化する歴史改竄をしてくる素質がありそうなので油断できませんな。

『Now that’s changed, and I’m getting more interest on this topic.』

ほう。

『It’s important to remember why the Fed took unconventional monetary policy actions in the first place. Large-scale asset purchases, forward guidance on the future path of interest rates, and seven years where the federal funds rate hovered close to zero, were all measures necessary for the full recovery from the Great Recession.』

はいそうですね。

『A decade later and the FOMC has slowly but surely been moving monetary policy “back to normal.” We’ve moved interest rates closer to neutral, scaled back on forward guidance, and are over a year into the process of winding down the balance sheet.5 』

はいそうですね。

『Our goals throughout the policy normalization process have been twofold. First and foremost, to support a strong, sustainable expansion of the economy. Second, to do this in a predictable and transparent way that creates as little disruption as possible.6 So far, this plan has worked very well, with the economic expansion nearing record duration.』

で?

『But it is important to stress that if circumstances change, I will reassess our choices regarding monetary policy, including the path of balance sheet normalization.』

あらま。

『Data dependence applies to all that we do. And, as always, if the outlook deteriorates in a material way, we stand prepared to deploy all our policy tools as appropriate in support of the economy.』

「outlook deteriorates in a material way」の時にはバランスシート縮小方針の見直しも、という話をしている訳ですが、それはoutlook deteriorates in a material wayだったらそら緩和方向になるんだからそうなりますがな、という話なのですが、サービスで言ってるんだったら無駄なノイズだし、先行き実は本当の本当にビビっているんだったらその前の説明は何なんだという話で、そもそもこのパラグラフ自体が無駄なような気がするんだが、まあバランスシート縮小見直しの可能性に言及、という事になるんでしょうな。


最後のまとめの部分はさっき言ってた話の「よく状況を見ます」というのの繰り返しなのでパスします。


#ということで1週間ぶりに駄文ということで





2019/01/11

お題「パウエル先生ェ・・・・・・/生活意識アンケート/支店長会議関連その他メモメモ/お休みのお知らせ」

ゲラゲラゲラ(笑ってる場合ではないのだが)
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2019011002000072.html
2019年1月10日 朝刊
勤労統計で偽装ソフト 厚労省、04年から不適切調査

『賃金や労働時間の動向を把握する厚生労働省の「毎月勤労統計調査」について、全数調査が必要な対象事業所の一部を調べない不適切な調査が二〇〇四年から行われていたことが分かった。担当者間で十五年間引き継がれてきた可能性があり、データを正しく装うため改変ソフトも作成していた。』(上記URL先より)

「データを正しく装うため改変ソフトも作成していた」ってナンジャソラ・・・・・・

と思えば(これはただのミスでしょうが)こっちもか。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019011001088&g=eco
消費動向指数に誤り=昨年11月分の公表延期−総務省
2019年01月10日20時48分

昨日はFOMC議事要旨インスタント読みで他のネタをスルーしてしまいましたので
それも含めまして少々成敗の巻ということで。

〇とは思ったもののパウエル砲が発生しているようなのでメモと雑談

https://jp.reuters.com/article/-idJPL3N1ZA4ME?il=0
2019年1月11日 / 05:14
米金融・債券市場=国債価格下落、軟調な30年債入札やFRB議長発言で

『米金融・債券市場では国債価格が下落。株価の動きをにらみながら上下に振れる展開となった。30年債入札の軟調な結果に加え、連邦準備理事会(FRB)は将来的にバランスシートを大幅に縮小するとのパウエル議長の発言が材料となった。』(上記URL先より、以下同様)

ほほう。

『こうした中、パウエル議長はバランスシートが現在よりも「かなり小さくなる」と発言。安定的な物価指標を踏まえ、FRBは金融政策に忍耐強くなれるとの認識を示したほか、好調な経済指標と市場のリスク懸念という2つの側面を見極める考えを明らかにした。』

これはワロタので発言のニュースを(発言の方は残念ながら今の所FRBのサイトには無いようです)確認しますと、


https://jp.reuters.com/article/usa-fed-powell-idJPKCN1P42GO
2019年1月11日 / 04:04 /
FRBは忍耐強くなれる、好調な指標と市場のリスク懸念見極め=議長

『[ワシントン 10日 ロイター] - パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は10日、安定的な物価指標を踏まえ、FRBは金融政策に忍耐強くなれるとの認識を示した。議長は首都ワシントンのエコノミック・クラブで「とりわけインフレが低く抑制されている中で、われわれは忍耐強くなれるし、根気よく注意して見守ることが可能だ」と言明。好調な経済指標と市場のリスク懸念という2つの側面を見極める考えを明らかにした。』(上記URL先より)

ということでバランスシートの発言どこよという感じですが、そらまあバランスシートに関しては「将来的には」盛大に縮小するもんでしょうからそらそうよとは思いますけど、先般の記者会見(をネタにしていなくて申し訳ございませんが議事要旨とセットで見ると味わいが深いのでそれはまた後日)でもそうなのですが、一々発言がこうブレブレに見えるような物言いするのってアカンじゃろそれという感じではありまして、月末週のFOMC会見でまーた変なのが出てアカンタレになるとか思っていましたが、その前にもう出てくるとかこのジジイ黙れとしか申し上げようがありませんなマッタクモウ。


しかしまあ何ですな、昨日の議事要旨(の金融政策の部分)はハト色が強かった訳ですが、FOMC後の会見は何だったのかという話になるので色々な説が出るとは思いますが、一応アタクシ的には「4日のパウエル発言に沿うように忖度攻撃」説に与しようかなとか思ってまして(個人の感想です^^)、もちろん無かったことを掲載する訳には行かないにしましても、あったことを「要旨ですから」ということでバイアス掛けて掲載すると言うのは可能な訳でして、足元の株安にビビってこりゃハト砲を打っておかないといけない、となったので4日はパウエル発言が出て、議事要旨もその線で編集してみましたって話だったりするんじゃネーノとか思ってしまいますな。まあそういうことされるとその後やっぱり大丈夫だから正常化路線継続という事になった時に逆方向をやらないと行けなくなるからどう見ても自分で自分の首を絞める結果になるんですがががが。

でもってコミュニケーションがどうのこうのの話ですけれども、もし議事要旨の線でFEDが「今後の金融政策運営は(これまでの決め打ち正常化じゃなくて)状況次第で見ていくしかない」と思っていて、しかも「中立金利の水準ってのは分からんから経済データ見ながら政策を調整しよう」とか思っているのでしたら(ただそれが総意という訳ではないと思われますけど)、ドットチャートとか出すの明らかに混乱の元だし、もっと極論しちゃいますと中立近辺に政策金利がある中での政策金利25bp程度の微修正というのに意味があるのかという話になると思いますので、一々コミュニケーションするんじゃなくて市場に勝手にやらせておく方が良いんじゃないのとも思ってしまいますけどねえとか思うのですが、まだ文章に落とせるほどまとまっていないのでそのうちまた。


〇生活意識アンケートの割と謎な景況感は消費増税予定の影響っすかねえ

一昨日の物件ですけど。
http://www.boj.or.jp/research/o_survey/ishiki1901.htm/
「生活意識に関するアンケート調査」(第76回<2018年12月調査>)の結果

ということで全文はこちら。
http://www.boj.or.jp/research/o_survey/data/ishiki1901.pdf

全文の方から引用します。

2ページの『1-1. 景況感等』の『1-1-1. 景況感』

『景況感のうち、現在(1年前対比)については、「悪くなった」との回答が増加したことから、景況感D.I.は悪化した。先行き(1年後)については、「良くなる」との回答が減少し、「悪くなる」との回答が増加したことから、景況感 D.I.は悪化した。

なお、現在の景気水準については、「良い」、「どちらかと言えば、良い」との回答の合計が減少し、「悪い」、「どちらかと言えば、悪い」との回答の合計は増加した。』

ということで現在の方はまあ大したことないのですが、1年後の方が物凄い勢いで悪化していて、何だこの出オチはという感じなのですが・・・・・・・・・・

5ページから始まる『1-2. 暮らし向き、消費意識』の『1-2-1. 現在の暮らし向き』

『現在の暮らし向き(1年前対比)については、「ゆとりが出てきた」との回答が減少したものの、「ゆとりがなくなってきた」との回答も減少したことから、 暮らし向きD.I.はほぼ横ばいとなった。』

ほうほう。

『1-2-2. 収入・支出』

『収入については、実績(1年前対比)は、「増えた」との回答が減少したものの、「減った」との回答も減少したことから、現在の収入D.I.はマイナス幅が縮小した。先行き(1年後)については、「増える」との回答が減少し、「減 る」との回答が増加したことから、1年後の収入D.I.はマイナス幅が拡大した。』

とはあるもののそんなに極端に悪化している訳でもない。

『支出については、実績(1年前対比)は、「増えた」との回答が減少したもの の、「減った」との回答も減少したことから、現在の支出D.I.はプラス幅が拡大した。先行き(1年後)は、「増やす」との回答が減少したことから、1年 後の支出D.I.はマイナス幅が拡大した。』

とはあるもののこちらもそんなに極端に悪化している訳でもない。

おまけにその先の『1-2-3. 雇用環境』に至っては、

『1年後を見た勤労者(注)の勤め先での雇用・処遇の不安については、「あまり感じない」との回答が増加したことから、雇用環境D.I.は改善した。』

改善しとるやん!!

・・・・・・・とまあそんな感じで、割と目立って悪化しているのって、15ページの『1-5. 日本経済の成長力』でして、

『日本経済の成長力については、「より高い成長が見込める」との回答が増加したものの、「より低い成長しか見込めない」との回答も増加したことから、経済 成長力D.I.はマイナス幅が拡大した。』

ってのを考えますと、これ消費増税が与える経済の悪影響という話しかないじゃん(なお目先で言えば対策の方を打ちまくった結果初年度は財政出る方が多いのとちゃいますかねえなのですけど)というお話でして、まあそこまでビビる話かよとも思いますが、マインドに直撃しやがるわというのは把握しました。

なお物価ちゃんですけど10ページから始まる『1-3. 物価に対する実感』になります。

『1-3-1. 現在の物価』

『現在の物価(注1)に対する実感(1年前対比)は、『上がった』(注2)との回答が 増加した。 1年前に比べ、物価は何%程度変化したかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+5.0%(前回:+4.7%)、中央値は+3.0% (前回:+3.0%)となった。

(注1)「あなたが購入する物やサービスの価格全体」と定義。
(注2)『上がった』は「かなり上がった」と「少し上がった」の合計。 』

平均値が上がっていますよイイハナシダナー(なのかどうかは知らんが)。

『1-3-2. 1年後の物価』

『1年後の物価(注1)については、『上がる』(注2)との回答が増加した。 1年後の物価は現在と比べ何%程度変化すると思うかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+4.3%(前回:+4.4%)、中央値 は+3.0%(前回:+3.0%)となった。

(注1)消費税率引上げの影響を除くベース。
(注2)『上がる』は「かなり上がる」と「少し上がる」の合計。 』

ほうほう。

『1-3-3. 5年後の物価』

『5年後の物価(注1)については、『上がる』(注2)との回答がほぼ横ばいとなっ た。 これから5年間で物価は現在と比べ毎年、平均何%程度変化すると思うかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+3.9%(前回: +3.9%)、中央値は+2.0%(前回:+2.0%)となった。

(注1)消費税率引上げの影響を除くベース。
(注2)『上がる』は「かなり上がる」と「少し上がる」の合計』

まあここの数字は毎度の安定ぶりですが、ここで安定しているのに物価目標2%が達成できないというのはこれはもうどう見てもリアンカーしないといけないということですね!!!!!!!


〇そういえば輪番

これまた一昨日のネタですが。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of190109.htm
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,300 2019年1月10日
国債買入(物価連動債) 250 2019年1月10日

特に何の変哲もなく水曜日は平常運転で長期輪番4300億円のオファーがあった訳ですが、なんか水曜は輪番に関して減額の観測が局地的(と言ってもベンダーに出ていましたけど)にあったり、この前から長期輪番の対象銘柄がチーペーストから先の先物裁定ゾーンがカレント近辺しか入らなくなっている件で先物が下がりやすいとか謎のコメントがあったようですな。

でまあ先物云々は結局昨日になったら超長期は強いのに10年カレントはダメダメで、7年10年は見事にスティープしましたからいやはやという結果でしたけど、水曜の減額観測というのはナンジャソラという感じで、水曜に減額するくらいなら1月の輪番予定を4回でやっとるじゃろうよという所でして、1月2月というのが2年連続で輪番にとっては鬼門としか申し上げようがない状況の中で何でそんな不意打ちしますねんと思うのですが、どうも未だに「日銀は金利を上げようとして輪番減額をする」という見解があるようですが、ここ数回の「主な意見」とか議事要旨とか見れば分かりますように、全員がそうなのかはともかくとして、一部の(というか置物一派な)委員の方々が物凄い勢いで日銀が能動的に金利を上げることに対して物言いをしている訳でして、この前みたいに政策として柔軟化を打ち出したから11bpで止めなくても良いよというような時なら兎も角として、政策としての何らかのアクションが無いのに現場(輪番の上げ下げを決めるのは金融市場局という建付けになっているので現場マター)が勝手に能動的に金利を上げるようなことできるわけないじゃん常識的に考えて、という風に思うのですが、どうしてそういう話になるのか非常に理解に苦しみますな、というメモをしらっとおいてみただけの話です。


〇日銀支店長会議関連

・総裁挨拶ェ・・・・・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2019/siten1901.htm/(今回)
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2018/siten1810.htm/(前回)

比較する、と言いたいのですが比較するまでも無いという状態ですけど・・・・・・・

『(1)わが国の景気は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、緩やかに拡大している。先行きについては、緩やかな拡大を続けると考えられる。』(今回)
『(1)わが国の景気は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、緩やかに拡大している。先行きについては、緩やかな拡大を続けると考えられる。』(前回)

『(2)物価面をみると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、1%程度となっている。先行きについては、マクロ的な需給ギャップがプラスの状態を続けることや中長期的な予想物価上昇率が高まることなどを背景に、2%に向けて徐々に上昇率を高めていくと考えられる。』(今回)

『(2)物価面をみると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、1%程度となっている。先行きについては、マクロ的な需給ギャップがプラスの状態を続けることや中長期的な予想物価上昇率が高まることなどを背景に、2%に向けて徐々に上昇率を高めていくと考えられる。』(前回)

『(3)わが国の金融システムは、安定性を維持している。金融環境は、きわめて緩和した状態にある。』(今回)
『(3)わが国の金融システムは、安定性を維持している。金融環境は、きわめて緩和した状態にある。』(前回)

『(4)金融政策運営については、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。政策金利については、2019年10月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している。今後とも、金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検を行うとともに、経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う。』(今回)

『(4)金融政策運営については、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。政策金利については、2019年10月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している。今後とも、金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検を行うとともに、経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う。』(前回)

・・・・・・・・挨拶要旨とは言え一言一句変わらんという状態でして、いやあの特に物価ちゃんとか前回(10月)から今回までの間に消費増税対策の話とか携帯電話料金の話とか、原油価格の下落の話とか出てて、もう暫くするとマイナス転換待ったなしという状態になっている筈ですし、金融市場情勢というか株価がそうですけど色々とあるやんとか思う次第なのですが、何ぼ挨拶要旨でもこの不変っぷりは何なんでしょとは思いますけど、まあどうせ不変だろうなあと思っておりましたのでサプライズはありませんorzorz


・さくらレポートは自然災害関連で落ちた分を戻しているという感じですかな

http://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rer190110.htm/
地域経済報告―さくらレポート―(2019年1月)

全文はこちら
http://www.boj.or.jp/research/brp/rer/data/rer190110.pdf

概要説明をしているHTMLの方から引用します。

『(1)各地域の景気の総括判断』

『各地域の景気の総括判断をみると、全ての地域で「拡大」または「回復」としている。前回(2018年10月時点)と比較すると、地震や豪雨など自然災害の影響から判断を引き下げていた北海道と中国では、復旧・復興が進んでいる状況を踏まえ、判断を引き上げている。それ以外の7地域(東北、北陸、関東甲信越、東海、近畿、四国、九州・沖縄)では、前回の判断から変更はない。

こうした各地域の判断の背景には、海外経済が総じてみれば着実な成長を続けるもとで、輸出が増加基調にあることや、労働需給が着実に引き締まりを続け、個人消費が緩やかに増加するなど、所得から支出への前向きな循環が続いていることが挙げられている。ただし、米中貿易摩擦をはじめとする海外経済の不確実性の影響については、現時点では限定的なものにとどまっているが、受注の下振れなどを指摘する声は徐々に増えている。』

という結果になっていまして、まあこの感じですと再来週の展望レポートで成長の方の基調判断はあまりいじってこないで、貿易問題などはリスク要因の方で対応という感じでしょうな。物価はそもそも現象的に下がる要因が転がっているので下げるんでしょうが、さっき申し上げたようなネタは「基調的な部分とは別の話(キリッ)」とするのでしょう。確かQQE2の時には「原油価格が下がってくるとインフレ期待が下がる懸念があるのでQQE2」だったような気がするのですがその時との整合性はどう取るのでしょうかねえ(棒読み)。


〇夏じゃないけど夏休みのお知らせ

えーっとすいません、アタクシ来週遅めの夏休みを取る予定でして、来週と再来週の月曜日は基本的に更新しない予定になっております。特にFEDネタが積み残しが多いのと、そういや最近置物日記日記の続きをすっかりやっておりませんので、気が向いたらこの間に少しネタを投下する可能性が無い訳ではないのですが、やるとしても不規則更新とかになるので、あまり期待しないで下さい。

ということで来週更新が止まっていてもPCの故障ではありませんのでよろしくお願いいたしますm(__)m










2019/01/10

お題「FOMC議事要旨の今後の金融政策に関する部分から(というだいぶ局地的なネタ)」

何かおおごとになっとるな。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190110/k10011772751000.html
不適切な手法で調査 新年度予算案にも影響か
2019年1月10日 5時10分

〇FOMC議事要旨前に色々な発言があったようなのでメモ(あとで調べる用)

https://jp.reuters.com/article/-idJPL3N1Z94K1?il=0
2019年1月10日 / 05:42 /
米金融・債券市場=利回り低下、FRB当局者のハト派的発言などで

『米金融・債券市場では、利回りが一時2週間ぶりの高水準を付けたが、その後低下した。米連邦準備理事会(FRB)当局者らが相次いでハト派的発言をしたほか、米10年債入札が強い内容となったことが背景。この日は、シカゴ地区連銀のエバンズ総裁、アトランタ地区連銀のボスティック総裁、ボストン地区連銀のローゼングレン総裁らが相次いで追加利上げに慎重な姿勢を示した。午後に公表された昨年12月18─19日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、多数のメンバーが将来の利上げに忍耐を持つことが可能と表明していたことが判明した。また金利据え置きが好ましいとするメンバーも数人いたという。』(上記URL先より)

ということで、「この日は、シカゴ地区連銀のエバンズ総裁、アトランタ地区連銀のボスティック総裁、ボストン地区連銀のローゼングレン総裁らが相次いで追加利上げに慎重な姿勢を示した」とあるので該当委ヘッドラインを見ますと、

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-evans-idJPKCN1P31QT
2019年1月10日 / 00:32 /
FRBは年前半に様子見可能、金利3.25%まで上昇も=シカゴ連銀総裁

・・・・・・年前半に様子見しても最終的に今年3回の利上げまであります、と言っているのの何がどうハト派的発言なのかと小一時間。

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-bostic-idJPKCN1P31R7
2019年1月10日 / 00:32 /
FRBは利上げに忍耐を、企業は景気減速に警戒=アトランタ連銀総裁

・・・・・・ボスティックさんは元々慎重派ですのでいつも通りです。

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-rosengren-idJPL3N1Z94JI?il=0
2019年1月10日 / 05:32 /
今年2回の利上げなお必要となる可能性=米ボストン連銀総裁

・・・・・・本人のビューは2回利上げで「市場が正しければ利下げの可能性」って話のようですが。

ということで確かに「3月の利上げには慎重」なのだが最終的な出来上がりの金利水準が12月SEP時点で各高官が考えている水準からぶれているような感じでは無いのですけれども、そこ3Mとか1Yくらいの金利ならともかく10年とか30年とかの金利に考えてみたら3月か6月かとか誤差になると思うのですが地合いというのはオソロシス。

#なお実際の発言とかの内容が拾えるようなら拾って確認したいので備忘用メモです

ということで、上記の最初の記事にありますように、議事要旨はハト派という評価になったようなので取材班は寝起きの寒さを凌ぎながらFOMC議事要旨の確認に向かうのでした(実は先にざっくり斜め読みして「これは市場が利上げ慎重と読んでヒャッハーするかな」とは思ったんですけど^^)。


〇寝起きでFOMC議事要旨:データディペンデントというコミュニケーションがどうなるのでしょうかね

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20181219.htm
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcminutes20181219.pdf

最初の方に『Long-Run Monetary Policy Implementation Frameworks』という読んでおいた方が良さそうな小見出しがあるのですが、今朝はそこまで手が回らないのでパスするとしまして(汗)、ハイパーインスタント読みということで『Participants' Views on Current Conditions and the Economic Outlook』のケツ(つまり『Committee Policy Action』の手前)から逆順に読んでみる訳ですな。

・・・・・・ということで以下の引用は『Participants' Views on Current Conditions and the Economic Outlook』の最終パラグラフからパラグラフごとに逆順に読んでいくことにしますね。

『Participants supported a plan to implement another technical adjustment to the IOER rate that would place it 10 basis points below the top of the target range for the federal funds rate. This adjustment would foster trading in the federal funds market at rates well within the FOMC's target range.』

IOERのレートを誘導レンジの上から10bp下にしましたよって奴で、これはまあ実効FFレートって概念的には本来IOERを下限にして推移するもの(そうならないのはIOER適用外の人たちの短期運用資金がじゃぶじゃぶしている時)なのですな。短期市場的には重要なネタだがまあテクニカルちゃあテクニカル。

でもってその前のパラグラフ。

『Participants discussed ideas for effectively communicating to the public the Committee's data-dependent approach, including options for transitioning away from forward guidance language in future postmeeting statements.』

中立金利に近くなってきたのでフォワードガイダンスという決め打ち手法が出来なくなってきまして、「データディペンデントアプローチ」をしていくにはさてどういうコミュニケーションをするのかというお題。

『Several participants expressed the view that it might be appropriate over upcoming meetings to remove forward guidance entirely and replace it with language emphasizing the data-dependent nature of policy decisions.』

というのでこのパラグラフは話が終わっているのでまあそれはそうなんだが問題はその時にどういう情報発信するのかなんですけどねえと思いながら一つ前のパラグラフに戻る。

『Participants emphasized that the Committee's approach to setting the stance of policy should be importantly guided by the implications of incoming data for the economic outlook.』

今後の政策運営は今後のデータを受けて経済見通しがどうなるかという事によってガイドされていく、というスタンスになりますがな、というお題がその前にあったので、さっきのはその続きということですな。

『They noted that their expectations for the path of the federal funds rate were based on their current assessment of the economic outlook.』

ということで、今後利上げをするとかその辺の話に関しては経済物価見通しによって決まりますな、というのはまあその通りなんですけど、既にもうパウエル議長のコミュニケーションが「データディペンデント」というよりは「マーケットディペンデント」になっている訳でして、見通しベースが大きくブレブレしているというのでしたらそらまあしょうがないですけど、何ぼ何でもそんなことは無い筈でして、議長がこれだけブレブレ発言をする中で「データディペンデントアプローチ」って大丈夫かという気は思いっきりしますよね。

『Monetary policy was not on a preset course; neither the pace nor the ultimate endpoint of future rate increases was known.』

「preset course」じゃなくてペースが分からんというのは別に問題ないのですが、なんかここに来て議長の「中立金利とかわからんし」発言があって、この「ultimate endpoint of future rate increases was known」ってのもおいおいという感じがある訳でして、そらまあピンポイントで中立金利が幾らとは言えないのは分かるのですが、こういう言い方までされちゃうと今度は「何を基準にして緩和的/引き締め的の水準を判断するのか」という話そのものが訳分らなくなってしまうんですが大丈夫かという気がするのはアタクシだけでしょうか。

『If incoming information prompted meaningful reassessments of the economic outlook and attendant risks, either to the upside or the downside, their policy outlook would change. Various factors, such as the recent tightening in financial conditions and risks to the global outlook, on the one hand, and further indicators of tightness in labor markets and possible risks to financial stability from a prolonged period of tight resource utilization, on the other hand, were noted in this context.』

経済物価以外の観点なども見ながら、先行きの見通しに大きな変化が生じれば政策の見通しも変わります、という話をしているので、まあこの辺を見ると今の地合いだと「利上げをこれ以上行わない可能性キタコレ」ということになるでしょうなという所で、いやまあそれはそれで良いんですけど、だったらSEPで示している皆さんのコレクティブ・ビューによるロンガーランのFF金利との整合性どうなってるのよ、というのは小一時間問い詰めたい。

もひとつ前のパラグラフに戻る。

『With regard to the outlook for monetary policy beyond this meeting, participants generally judged that some further gradual increases in the target range for the federal funds rate would most likely be consistent with a sustained economic expansion, strong labor market conditions, and inflation near 2 percent over the medium term.』

この前のパラグラフが利上げを決定しましたよのパラグラフで、これはその続きということで、利上げしましたけれども「some further gradual increases」が適切であると概ねの参加者は判断したって声明文の話でもあったりしますな。でもって声明文にも記載されていましたが、さっき引用したそのあとの方のパラグラフ(ややこしくてすいません)ではこれをもうそろそろ削るのが適切になるじゃろ、という意見もという話でした。

『With an increase in the target range at this meeting, the federal funds rate would be at or close to the lower end of the range of estimates of the longer-run neutral interest rate, and participants expressed that recent developments, including the volatility in financial markets and the increased concerns about global growth, made the appropriate extent and timing of future policy firming less clear than earlier.』

最近の金融市場のボラとか、世界経済減速懸念とかを考えるに、今後の利上げに関しては従来よりもその利上げタイミングを見通すのがクリアカットではなくなってきましたという点について委員の人たちは意見を表明した、ってんですからまあ確かにこれは3月利上げはこの先も順調な推移じゃないと厳しいかもしれませんな、という話になっていますので、これは今の地合いだと「3月利上げ消えたぜヒャッハー」という雰囲気になるわなと思います。

『Against this backdrop, many participants expressed the view that, especially in an environment of muted inflation pressures, the Committee could afford to be patient about further policy firming.』

物価上昇圧力が限定的な環境なので、多くの参加者は今後の利上げに関してpatientであることを許容できる、というのですからこれもまた早期利上げが消えたぜヒャッハーではありますな。

『A number of participants noted that, before making further changes to the stance of policy, it was important for the Committee to assess factors such as how the risks that had become more pronounced in recent months might unfold and to what extent they would affect economic activity, and the effects of past actions to remove policy accommodation, which were likely still working their way through the economy.』

数名の参加者は金融政策のスタンスを今後変えるのであれば、その前に先行きリスクがどの程度高まって顕在化して経済に悪影響を与えているのかとか、これまでの緩和縮小の効果がどの位出ているのかをきちんとアセスメントしやがれと言っておりますの。

でもってもう一つ前に戻る。

『In their consideration of monetary policy at this meeting, participants generally judged that the economy was evolving about as anticipated, with real economic activity rising at a strong rate, labor market conditions continuing to strengthen, and inflation near the Committee's objective. Based on their current assessments, most participants expressed the view that it would be appropriate for the Committee to raise the target range for the federal funds rate 25 basis points at this meeting.』

さっき申し上げたように利上げしまっせという決定部分。

『A few participants, however, favored no change in the target range at this meeting, judging that the absence of signs of upward inflation pressure afforded the Committee some latitude to wait and see how the data would develop amid the recent rise in financial market volatility and increased uncertainty about the global economic growth outlook.』

数名の参加者は利上げに反対した(SEPでも2名のドットが利上げ反対に入っていましたが、それ以外にも反対がいましたということで)そうな。


・・・・・・という所までが金融政策決定の部分で、その前の所は経済物価情勢の判断と先行き判断とリスクの所になりまして、まあそこも読まないといけないのですが、なんか本日はWin10のメジャーアップデートもあるようなので甚だ簡単ではございますがこれで勘弁させていただきとう存じます。


でですな、まあさっきも申し上げましたが、「データディペンデントアプローチ」と言いましても、本来は「事前に決め打ちするのではなく、出てきた経済物価情勢を見ながら先行きの経済物価見通しをアップデートしていき、その間で見通しに大きな変化が起きたら政策スタンスを躊躇なく修正していきましょう」というお話であって、一々足元の数字に全部反応するとか、足元の金融市場動向に一々全部反応するとか、そういう物では無い筈なのですけれども、まあそうは言いましてもパウエル大先生の朝令暮改タカハト豹変攻撃を見ておりますと、「見通しが変わったから」ではなくて「足元の動きに一々反応してジャガーチェンジ」という感じが既に出まくっていますので、まあこれは今年のFEDは面白いというと物凄く不謹慎で、たぶんワシら皆揃って振り回されて疲弊しそうな展開になる、ということでしょうな、と思いました(個人の感想です)。





2019/01/09

お題「今年暦年の長期国債買入拡大は22兆円程度の見込み/年末の経団連総裁講演を前年と比較してみたりした件」

華麗にスルーしているのですが年末にこーゆーの出ています。
http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2018/rev18j09.htm/
地域銀行の中期経営計画の特徴点
2018年12月26日

・・・・・・が本件はFSRの他のネタとかと絡めて読む方が良いと思うので、料理するにやや面倒ですなあとか言ってたら年末年始のあの相場でしたが、やっとこう少し落ち着いてきた感もあるのでそろそろですかね(とフラグを建築してみる)。


〇2019年暦年の長期国債買入拡大ペースは今の所22兆円少々(と思う)

ということで昨日の計数雑談の続き(と昨日の訂正を、汗)。

・長期国債残高に関する俺様メモからの世間話

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/index.htm/
営業毎旬報告

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/index.htm/
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高

ここから例によって例のごとく直近2018年末時点での長期国債銘柄別保有残高を確認しつつ営業毎旬の数字なども見ながら確認していきますと、と言いましても銘柄別残高を償還順残高に直すときに売買参考統計値の銘柄属性使ってソートとかしながらやっておりまして、一応二度見した(昨日はPCのご機嫌が悪かったので二度見している余裕が無かったんですが)のでこんなもんかと思います。

暦年2018年の実績
→長期国債買入残高の増分は営業毎旬ベースだと375,962億円(37.6兆円)、額面ベースだと367,276億円(36.7兆円)と相成りました。日銀が「いくら増えました」という時は営業毎旬報告ベースの数字の方が近い(実際に何兆円増えましたというのは決算のバランスシートベースになるから保有国債分のアモチアキュムが入るとかあるように思えますが、まあ今の状況だと極端な差は無いのかな、と思います)と思いますけど、まー大差ないので通常は額面を見ておくという感じで。

暦年2019年の見込み
→国債の銘柄別残高を償還順にソートして計算すると、2019暦年の償還額は524,977億円(52.5兆円)になります。買入に関しては今のペースが続くと考えた場合、残存1年未満対象の輪番をツーペーとして除外すると、月額の買入額は6兆2500億円(変動利付は便宜的に月500億円で計算)なので、年間買入額は750,000億円(75兆円)ですから、今年の買入拡大ペースは今の所225,023億円(22.5兆円)となる見込み。

・・・・・・って80兆円の4分の1かよ!ってなるのですが、そもそも80兆円という文言の方が意味不明モードになっている(YCCなんだから市場金利にリアクティブに対応して買入額が増減するのに80兆円とか決め打ちをした書き方をするのが矛盾)のでそっちを何とかしやがれと思います(毎度言ってますな、汗)が、これ1月MPMで蛮勇を振るって文言削除したらちょっとは評価したいですな。

実際問題として、海外金利がホイホイと上昇して何となく雰囲気が良い(債券の金利ちゃんに関して言えば何となく上昇モードということね)時っていうのは、80兆円の文言削除とかやりますと「出口を模索している!」って話になってしまいますが、今のようにそもそも米国の利上げモードが腰砕けモードっぽくなっている時などは、こういう文言を削除しても出口が近いとかそういう連想を招きにくい(政策の全面差し替えの思惑が出るかもしれないので微妙ちゃあ微妙ですが)のでお勧めしておきたい。

つーかですね、この点は毎度何だかなーと思うのですが、出口政策云々って話に関しては、「検討する時期ではない」の一点張りでいつも話をするのが黒田日銀しぐさなのですが、FRBが出口政策プランを出した時というのを思い出しますと、出口が具体的に全然見通せないような時期にいきなり出口プランを出したので、市場も「ふーん、まあそんな感じでしょうねえ」という感じの受け止めでしたし、実際に最初のプランと違ったからと言って文句が出た訳でもない(テーパータントラムはプランがどうのこうのとは全然関係ないレベルで起きた話)という事もありますように、時期が近いという時に出すと市場の変な動きを加速するリスクがあるんだから、年末の経団連講演で降参宣言している今の方が寧ろ出口の時にどういう手段があるかという話をした方が良いんですよね。

・・・・・・とは申しましても当初が「2年で達成」だし最近だって「早期に達成」というのは一応看板としてあるので、「当分達成しないから当分先の話なんですけど思考実験として出口の場合にどういう話があるのか考えてみました」というのを公式に打ち出すのは矛盾がある、というのもあって、まあ何と申しますか、最初が「短期決戦」で作戦や兵站を作ってしまったので泥沼化すると本質的な部分でも無理が出ますなあと思うのでした。


・短国に関しては市場買入分と償還乗り換え等の分を合算してましたすいませんすいません

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/index.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額

昨日はつい安直に短国残高に関して営業毎旬ベースだけで話をしておりましたが、営業毎旬で上がって来る短国残高に関しては償還乗り換え分と対政府現先取引分が乗っかっているので、市場買入の数字はこのうちの一部ということです。謹んでお詫びいたします。

・・・・・・という事で改めて。

2017年末の日銀保有短国残高
営業毎旬ベース:221,560億円
買入残高ベース:180,315億円

2018年末の日銀保有短国残高
営業毎旬ベース:114,455億円
買入残高ベース:89,357億円

ということですので、短国保有残高自体は107,106億円(10.7兆円)の減額になっていますが、買入短国に関しては90,958億円(9.1兆円)の減額で、1年で半減しましたかそうですかというのが数字としては正確な言い方になりますので、昨日のは雑にもほどがある説明でした誠に申し訳ございません。


・そういえばだれも気にしないでしょうが銀行券ルール

営業毎旬報告を見ますと2018年末の発行銀行券残高は1,103,625億円(110.4兆円)になっておりますが、日銀の保有残高を償還順に並べてみると・・・・・・・・

2028年以降に償還の来る銘柄合計:1,125,352億円(112.5兆円)
2029年以降に償還の来る銘柄合計:914,724億円(91.5兆円)

となっていまして、以前は10年たっても銀行券残高以上に残るなどと嘆いていましたが、買入ペースが減って若干改善したという感じになっています。まあこっちよりも日銀の場合はJ−REITとETFどうするんだというヘビーな問題があるんですけどね!!!!!!!!

という計数雑談でした(最終確認しながら書くので量の割に時間が掛かる^^)。

#ああそれから2020年暦年の償還は今の所496,006億円なので2019暦年よりも3兆円ほど少ないのですが、1−3年の輪番で2年のオフザランが入ったりすると増える余地があるので、償還は2020年の方が多くなるような気がします(個人の感想です)


〇年末の経団連での総裁講演ネタ続き

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2018/ko181226a.htm/
【講演】わが国の経済・物価情勢と今後の展望
日本経済団体連合会審議員会における講演
日本銀行総裁 黒田 東彦
2018年12月26日

てな訳で昨日飛ばしたところを簡単に。

・人手不足からの賃金上昇からの生産性向上に向けた話だったのがいつの間にやら・・・・・・・・・・

真ん中ら辺の『3.生産性向上に向けた取り組み』という小見出しの辺りの話なんですけどね、

『ちょうど1年前、私はこの場で人手不足の問題をとりあげたうえで、わが国経済はこうした制約を乗り越え、成長を続けることが展望できるといった話をさせて頂きました。この点、企業の皆様には、これまでのところ、大きな成果を挙げていただいています。ここ数年、労働需給がタイト化する中で、多くの企業は、より効率的な業務運営を目指して、省力化・合理化投資やビジネス・プロセスの見直しを積極的に進めています。ITを中心とした近年の技術進歩は、こうした取り組みを後押ししており、この点は、人手不足が深刻化している建設や小売、宿泊・飲食などの業種で、ソフトウェア投資が大きく増加していることからもわかります(図表8)。』

というようなお話をしております。一応そのあとを引用すると、

『このように、わが国では、多くの企業において、このところの労働需給のタイト化をきっかけに、労働生産性を高めていく前向きの動きが拡がっています。ただ一方で、企業の皆様からは、先行きの成長の持続性を不安視する声が、少なからず聞かれます。戦後最長の景気回復を実現し、バブル期を超える人手不足に悩むほどの需要増加に直面してもなお、将来に対する慎重な見方を示す企業が少なくありません。これについては、最近の海外経済を巡る不確実性の高まりが、企業マインドを慎重にさせている面があると思います。また、長期にわたる低成長やデフレの経験が、こうした不確実性を、大きくみせている可能性もあります。しかしながら、以下に述べるいくつかの事実を踏まえると、あまり過度な悲観に陥る必要はないと考えています。』(2018年12月講演より)

ということでその説明の所は飛ばしますが、「生産性向上への投資が進んでいる」というのが今回の売り文句になっていたりする訳ですよ、だからこそ小見出しが「生産性向上に向けた取り組み」なんですけどね。


・・・・・・ここで一昨年の経団連での講演を確認してみましょう。

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2017/ko171226a.htm/
【講演】人手不足を越えて:持続的経済成長への展望
日本経済団体連合会審議員会における講演
日本銀行総裁 黒田 東彦
2017年12月26日

ここの小見出し『4.人手不足と賃金、物価、生産性:過去の経験と現在への示唆』という所の『今回の景気回復局面への示唆』というのを見ますとこのようになっております。

『ここまでの話をまとめますと、今回の景気回復局面においても、人手不足を起点とする賃金上昇圧力の高まりが、企業に対し、販売価格の引き上げや労働生産性の向上を促すというメカニズムは働いています。この点で、今回の局面は、2000年代半ばの回復局面ではなく、いざなぎ景気や平成景気に類似しています。同時に、これまでのところ、こうした動きは、過去の局面に比べて力強さを欠いています。特に、人手不足が叫ばれる割には、企業の賃金・価格設定スタンスが積極化してくるのに時間がかかっています。』

『もっとも、賃金の上昇を促す環境は間違いなく整いつつあります。有効求人倍率は、既にいざなぎ景気や平成景気のピークを上回っているほか、失業率も3%を下回る水準が定着してきており、ほぼ完全雇用の状態にあると考えられます。企業収益は、過去の景気回復局面を大幅に上回り、既往ピークの水準で推移しています(図表8)。先行きについても、きわめて緩和的な金融環境が後押しするなか、しっかりとした景気の拡大が続くと見込まれ、労働需給は一段と引き締まっていくと思われます。こうしたことから、賃金の上昇とともに、物価や労働生産性が上昇し、家計や企業の支出活動が活発化していくメカニズムは、今後、ますます強くなっていくとみています。そうなれば、わが国の経済は、先行き、より持続的な拡大が続くと考えています。』(この2つの引用部分は2017年12月講演より)

ということでですな、一昨年末の講演の時って賃金が上がっていく話をメインにしてそれに伴い企業の生産性向上への動きも高まるというようなメカニズムで話をしていたのですが、今回は明らかに企業の生産性向上への投資の方にフォーカスを置いて話をしているんですな。

そらまあお賃金が待てど暮らせど碌すっぽアガランチ会長なのですから現象面的にこういう話にもって行かざるを得ないというのは事実ではありますけれども、さっき引用した年末の講演で「ちょうど1年前、私はこの場で人手不足の問題をとりあげたうえで、わが国経済はこうした制約を乗り越え、成長を続けることが展望できるといった話をさせて頂きました。この点、企業の皆様には、これまでのところ、大きな成果を挙げていただいています。」って言ってるけど、1年前に言っていたメカニズムは賃金が上昇するのがカタリストという説明だったのにそうなってない訳で、そら賃金上がらんから物価も上がりにくいし、先行きの消費盛り上がりも何とも期待が盛り上がらんという事になるわな、と思いまするに、これ前年考えていたメカニズムじゃないじゃん、と思うのですが、何故か「前年にご指摘しました通り」っぽくなっているのは何なんでしょうと申し上げたい訳ですな。


ちなみに2018年講演ではさっき引用した部分の続きとして『今後の展望』という小見出しがございまして、

『今申し上げたいくつかの事実を踏まえると、わが国や世界の経済は、仮に何らかのショックが生じたとしても、それに耐え得る相応の頑健性を有していると考えられます。こうした中にあって、企業の皆様が、生産性向上に向けた前向きの取り組みを、今後も継続していっていただければ、わが国経済の持続的な成長とともに、様々な不安心理が徐々に解消されていくことが期待できると考えています。』(2018年12月講演より、以下同様)

となっていて、労働生産性がどうのこうのとかの話と潜在需要の掘り起こしの話がある(なお潜在需要の掘り起こしの例が何だかなあ感はあるのだがスルーする)のですが。その結論部分で、

『当然のことながら、潜在需要の掘り起こしに、何か決まった手法があるわけではなく、イノベーティブな取り組みが重要な役割を果たすといえます。そのために必要なことの一つには、創意工夫に長けた優秀な人材の確保が挙げられます。人材の確保にあたっては、働き方改革を始めとする職場環境の整備など様々なポイントがありますが、生産性の持続的な向上による賃金の上昇も大事な視点です。人手不足に対応して省力化投資を進められていることが、結果として、賃金の上昇と優秀な人材の確保により、新たな需要をつかむチャンスを手に入れることに繋がっている面もあるのではないかと感じています。』

ということになっておりまして、前年は賃金上昇がカタリストになって生産性向上に向けた取り組みが高まって物価も上がるわ潜在成長も上がるわ的な論理展開だったのが、どうみてもお賃金の方が後回しになっているという辺りに味わいを感じるというか、結局のところ企業の設備投資が強めで推移しているので、その強めで推移しているものをアッピールしましょうとなったら昨年とメカニズムが違う話になっちゃいましたテヘペロということなんでしょうかねえ、よくわかりませんですな。


・・・・・・ってまあしょうもないツッコミと言われそうですが、賃金上昇の話が生産性向上の話にしらっとすり替わっているのが気になったので、昨日のに追加でネタにさせていただきました。






2019/01/08

お題「昨年の長期国債増加は38兆円とな/年末経団連での総裁講演より(その1)」

これはこれは40歳定年の柳川先生ですか。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190107/k10011769711000.html
経済財政諮問会議に竹森氏と柳川氏起用へ 政府
2019年1月7日 12時38分

この構成はまーた労働者をシバキアゲる気満々ですね!!!!!orz

#なお柳川先生そこまで酷い事を言ってるわけではないでしょ、というのはあるが、実際に制度設計されるとどう見ても労働者の待遇不安定化+切り下げになるのが今のジャパンクオリティ

https://jp.reuters.com/article/abe-ctax-idJPKCN1P10HH
2019年1月7日 / 16:23
消費増税へ十二分な対策打つ、デフレ脱却確かなものに=安倍首相

・・・・・・増税しなきゃええやん。

〇2018年暦年の長期国債買入増加は約38兆円とな(計数雑談メモ)

営業毎旬報告(平成30年12月31日現在)
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2018/ac181231.htm/

資産項目中の「国債」の内訳(単位:千円)

長期国債:456,113,082,890
国庫短期証券:11,445,489,006


営業毎旬報告(平成29年12月31日現在)
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2017/ac171231.htm/

資産項目中の「国債」の内訳(単位:千円)

長期国債:418,516,866,727
国庫短期証券:22,156,047,179

・・・・・・・ということで、結局2018年暦年での買入国債の残高ちゃんですが、37.6兆円の増加ということになりまして、80兆円とは何だったのかとかいう話に気が付くといちゃもんをつける人が出て来そうなので敢えてスルーしますが(していない)、寧ろ今後の政策運営というか、この前からアタクシが勝手に申し上げている「金利はどう見てもリバーサルレートなんだから量に回帰するしかなかとよ」理論(でも何でもないが)を実践するのにどこからどう見ても80兆円文言が政策撤収&転進の際に邪魔になりそうなので、何とかならんですかねえ(回避策はありそうな気がしてきたけどもうちょっと考える)。

でまあ一方で短国ちゃんはしらっと10.7兆円減額していまして誠に結構なのですが、そんだけ減額してもこの需給ということでして、まあ買入自体は絶賛週1000億円コースなのでもっと減っていくのですので楽しみ(?)にしておりましゅ。

あと、国債と短国の明細も昨日の夕方に出てきてましたが諸般の事情(?)でまだそのファイルの料理をしていないのでその辺はまた明日にでも(汗)。

それから貸出支援基金ですけどね、

2018年末
「貸出支援基金」の内訳(単位:千円)

成長基盤強化を支援するための資金供給*:9,102,758,764
貸出増加を支援するための資金供給:38,191,500,000
合計:47,294,258,764

2017年末
「貸出支援基金」の内訳(単位:千円)

成長基盤強化を支援するための資金供給*:9,463,875,760
貸出増加を支援するための資金供給:40,210,100,000
合計:49,673,975,760

ということでこれ減っても別に貸出が減る訳でもないですし、一方でFSRとかでもそうですし、先般ネタにした12月会合主な意見では社債の募残の話が出ていますように、クレジットスプレッドが縮小しているのが適正度合いを越えているんちゃいますかということで、この基金に関しては継続する意義って何なのという話を1月会合はこれを検討する会になるはずなのですが、ここ数年真面目に検討している形跡が議事要旨や主な意見から全然見えてこないので、今年こそはもうちょっと真面目に検討して頂きたい(廃止するったって新規受付を停止するってことになるという話だとは思うけど)ですわな。


〇だいぶ遅くなってしまいましたが年末恒例の経団連での黒田総裁講演ネタで

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2018/ko181226a.htm/
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2018/data/ko181226a1.pdf
【講演】わが国の経済・物価情勢と今後の展望
日本経済団体連合会審議員会における講演
日本銀行総裁 黒田 東彦
2018年12月26日

あまりにも出遅れてしまったのでHTML版が出てしまいましたが、図表にツッコミどころがあるので鑑賞の際にはPDF版(図表だけのもある)を見るのがお勧め。なお引用の方は楽なのでHTML版の方から参ります。

『1年を締め括るこの時期に、私がこの場所でお話しさせていただくのも、今年で6回目となりました。本日は、最初に、この6年間を振り返りつつ、わが国の経済・物価情勢に関する日本銀行の見方をお話しします。次に、人手不足等を背景とする生産性向上に向けた企業の皆様のこれまでの取り組みと、今後の展望について申し述べたいと思います。最後に、日本銀行による金融政策運営についてご説明いたします。』

ということで始まるのですが、過去5年間のも実は引っ張り出してきて読んだりして推移をみると味わいがあるのですが、年始の相場で毒気を抜かれてしまったのでそっちのネタはやるかもしれないけどやらないで進行の所存。

・QQEの成果と言いたいのだろうが別にトレンドラインが変わった訳ではないように見えますが

ってナンジャラホイという所ですが、『2.わが国の経済・物価情勢』の最初の小見出しが、『この6年間の経済・物価情勢』なんですよね、でもって・・・・・・・・・

『それでは、わが国経済を振り返ることから、話を始めます。2013年からの約6年間で、わが国の景気は大きく改善しました(図表1)。2012年12月に始まった今回の景気回復局面は、この10月で連続71か月に達したとみられ、こうした回復が続けば、今月で戦後最長の73か月に並ぶことになります。』

ってある訳ですよ、でまあその図表1っての見ますと(図表を磔刑にするスキルは無いので図表はPDF版から見てちょ)、確かにまあ大きく改善しました(キリッ)って話なんですが、これ単にシャドー以外の所って2011年の震災の所を除けば普通にトレンドラインの中にいるようにしか見えないですので、これってQQEだから回復したっていう話なのかっていうとQQEじゃない金融緩和をしている時の回復ラインと変わらんじゃんと思う訳で、QQEだから大きく改善したとでも言いたそうなのですがそうなのかよ????と思いっきり思うんですがどうなんでしょ(図表のGDPの方をみてくんなまし)。

その続き。

『今回の景気回復局面については、こうした息の長さに加え、景気拡大の牽引役が特定部門に偏らないバランスの良さも大きな特徴です。業種ごとの業況感をみますと、2000年代半ばの前回の長期回復局面は、好調な輸出を背景に、自動車や生産機械など、製造業の一部が景気全体の改善を牽引していました(図表2)。一方で、建設や小売などでは、景気回復期の最後まで業況感が明確に改善しないなど、業種間に大きなばらつきがみられました。この点、今回の回復局面では、製造業、非製造業ともに、ほぼすべての業種で万遍なく業況感が改善しています。景気回復のバランスの良さは、企業規模別にみても確認できます(図表3)。ここ数年、企業の業況感は、大企業だけでなく、中小企業でもはっきりと改善しており、このことは、両者の間に大きな差がみられた前回の局面とは対照的です。地域という切り口でみても、今回は、大都市圏に集中した景気回復ではありません。地方圏の有効求人倍率は、バブル期の水準を大きく上回るなど、大都市圏と遜色ない改善振りをみせています。』

という話をしているんですが、デフレ脱却とか2%物価目標の重要性を話をするときにはデフレで苦しんでいた云々という話をする割には今回の講演では上記にあるように「2000年代半ばの前回の長期回復局面」との比較をするとかご都合主義で中々味わいがありますが・・・・・・

『こうしたバランスの良い景気回復の背景の一つとして、幅広い分野で需要が拡大していることが挙げられます。例えば、海外需要の動きをみると、前回局面では、財の輸出の伸びが目立っていました(図表4)。一方、今回の局面では、外需全体の伸びは緩やかですが、財の輸出だけでなく、インバウンド需要や海外拠点からの特許使用料を中心とするサービス輸出も増加しています。なかでも、インバウンド需要の増加は、地域や規模を問わず、幅広い企業に新たなビジネスチャンスを提供しています。』

って話をして、まあ物は言いようだなと思うのですが、この辺の図表3〜5ですけど、図表4の「輸出の多様化」っての見ますと、「前回の回復局面」と「今回の回復局面」の比較があって、いずれも回復期間の起点からの変化幅を示しているんですけど、図表4を見ていただければわかるように、「前回」の方が輸出の伸びが明らかにデカくて、まあこれは物は言いようの世界ではありますが、財の輸出が今回対比で物凄い勢いでジャンジャン出ている訳でして、えーっとすいませんたぶん製造業の財が主導する輸出の方が結果的にはすそ野が広くなるし、前向きの循環メカニズム働きやすいと思うんですけどという結果。まあこの間の産業構造とか国際競争環境とかの変化があるから金融緩和云々の話ではないと言ってしまえばそれまでではありますけれども、この図表4を見る限りにおいて、これじゃあそんなに回復感が出んわなと逆に思ってしまったのはアタクシだけでしょうかねえ。

『また、固定資本形成、いわゆるモノへの投資の内訳をみると、前回局面では、輸出の増加を背景に機械投資が増加した一方、建物などの構造物投資は大きく減少していました(図表5)。今回は、両者が揃って増加しています。このうち、構造物投資の増加については、住宅投資や公共投資の増加に加え、都市再開発に伴うオフィスビル投資や、インターネット通販の急拡大に対応した大型物流拠点の建設、さらには、インバウンド需要向け宿泊施設の建設需要の高まりなど、投資需要の多様化が大きく影響しています。』

だそうな。でもって物価の話だが。

『次に、この間の物価の動きについて、お話ししたいと思います。わが国の生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は、2013年半ばにプラスに転じた後、2014年春にはいったん+1.5%まで上昇しましたが、その後は、原油価格の大幅下落などを背景に、横ばいから前年比マイナスとなりました(図表6)。もっとも、2016年末頃からは、需給ギャップのプラス転化と歩調を合わせる形で、物価は再び緩やかな上昇に転じ、足もとでは+1%程度で推移しています。エネルギー価格の影響も除いた、より基調的な物価の動きをみても、2013年の半ば以降、5年以上にわたり、ほぼ一貫して前年比プラスを維持しています。景気の拡大や労働需給の引き締まりに比べれば、なお弱めの動きが続いていますが、この数年で、少なくとも、「物価が持続的に下落する」という意味でのデフレではなくなっています。』

って話なんですが、2002-2008の前回の回復局面って時も結局のところ「景気の拡大に比べれば弱めの動き」で結局物価が上がって何か得したのかという話が見えてこないんですが、とは思いました。


・・・・・・ということで何を言いたかったかと言いますと、この説明ってQQEが物凄い勢いで効果があったという話をしているのでしょうが、QQE独自の効果って何ですかというのがワカランチ会長にもほどがあって、それなら別に従来の路線上での金融緩和を継続していても問題なかったし、労働需給のひっ迫って単に人口動態に乗っかっただけなんじゃないのかねえとか思ってしまったりもする次第で、QQEがどう波及して効果を出したとかいう話が無いんですよねーと思いました(インフレ期待の話でもしていればまだわかるのですがその手の話は無いのだ。たぶん明日に続く)。


・諸般の事情で時間が無いので金融政策の話だが「何もできません」宣言ですなこりゃ

本当は途中の話にもう少しツッコミを入れるつもりだったのですが、今朝はPCちゃんのご機嫌があまり麗しくなかったこともありまして、作業時間が思いの外かかった(メーカー保証が切れたと思ったらこれというのがアタクシのクオリティなのは何なんでしょうかねえ)ので途中をいったん飛ばして金融政策に関する話。『4.日本銀行の金融政策運営』まで飛ぶ。途中から。

『こうした強力な金融緩和は、わが国経済を大きく改善させる効果があったと考えています。物価面でも、既に、「物価が持続的に下落する」という意味でのデフレではなくなっています。』

という部分に関しては、先ほど申し上げたようにQQEだから大きく改善したという説明になっていない(今までの緩和政策化においても回復はしている)し、デフレではなくなっていると宣伝しているが別に物価が上がらん時でも長期の景気回復(2002-2008)をしているのですが何のためにデフレ脱却するのって話に説得力を欠いてしまうんですがという話だがそれは兎も角として、

『ただ、景気の拡大や労働需給の引き締まりに比べれば、物価は弱めの動きを続けており、「物価安定の目標」の実現にはなお時間を要する状況にあります。ここにきて、海外経済を中心とする下振れリスクにも一層注意が必要になってきました。』

へえへえ。

『こうしたやや複雑な局面において必要なことは、金融緩和の効果と副作用、ベネフィットとコストをバランスよく考慮しながら、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことです。まさに、政策の持久力が大事になっています。』

そもそも常に経済は複雑だろいい加減にしろというのもありますが、「政策の持久力が大事」とかもう早期達成は諦めた宣言登場というところでして、

『もう少し具体的に申し上げれば、政策の効果の面では、現在の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みのもと、物価上昇の原動力であるプラスの需給ギャップをできるだけ長く持続させ、2%に向けたモメンタムをしっかりと維持していくことが必要です。』

ほほう。

『7月の金融政策決定会合では、政策金利のフォワードガイダンスを導入し、「当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持していく」という方針を明らかにしましたが、これも、現在の強力な金融緩和を継続するという、日本銀行の政策スタンスを明確にするための措置です。』

「現在の強力な金融緩和を継続する」ってのは前から言ってますけどね。

『一方、こうした強力な金融緩和の持続性・持久力を強化していくためには、政策の副作用への目配りも必要です。』

ほうほう。

『本年前半、国債市場では、日本銀行による大規模な国債買入れのもとで、金利形成が幾分硬直的になるなど、市場機能の低下が指摘されていました。このため、日本銀行は、7月の決定会合において、金融市場調節や資産買入れの運営をより弾力化していくことを、あわせて決定しました。これにより、わが国の国債利回りが、再び株価や米国金利に連動して上下に変動するようになるなど、市場の機能度は一頃よりも改善してきていると認識しています。』

『また、日本銀行は、低金利環境や金融機関間の厳しい競争環境が続くもとで、金融機関収益の下押しが長期化すると、金融仲介が停滞方向に向かうリスクや金融システムが不安定化するリスクがあると認識しています。現時点では、金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどから、こうしたリスクは大きくないと判断していますが、政策の持久力を維持する観点からも、先行きの動向を注視していく必要があると考えています。』

とまあそういう訳ですので・・・・・・・・・

『このように、日本銀行は、金融緩和のベネフィットだけでなく、コストについてもバランスよく考慮しながら、「物価安定の目標」の実現に向け、強力な金融緩和のもとで、一歩ずつ歩みを進めていく方針です。』

>一歩ずつ歩みを進めていく
>一歩ずつ歩みを進めていく
>一歩ずつ歩みを進めていく

・・・・・・・2年で達成とは何だったのかと小一時間問い詰めたい。

『目標の実現には、想定していたよりも時間がかかると見込まれ、先行きを巡る不確実性はさらに高まっていますが、こうした政策運営により、2%に向けたモメンタムをしっかりと維持していくことが、結果的に、実体経済や金融機能に過度な負担をかけることなく、「物価安定の目標」を最も早く確実に実現することに繋がると考えています。』

とまあそういう訳で、「コストについてもバランスよく考慮しながら」とか実際に考慮してるのかよというツッコミなどはありますが、この部分の中で何度も「時間が掛かる」「持続性」という話があって、しかもプロコンの話がある、というのはすなわち、「追加緩和政策はできません」と言っているのとまあ同じでして、今回は金融政策に関してどう見ても「これ以上は動けない」という話をしている一方で時間が掛かるのだから政策の良い出口も見えないので政策は維持するという話もしている、という悲しい結論になっている、というのが金融政策運営の現世利益部分を読むと読み取れますな、ということですな。

てな訳で、今年の金融政策は基本動くに動けないのでしょうが、「政策の持続性」「デメリット」という面から仕方がないので何らかの手直し、という昭和バブルの温泉旅館方式ような継ぎ足し継ぎはぎ金融政策というのはあるでしょうな、と思うのでありました。

#PCのご機嫌が麗しくなかった(何かこの時間になって機嫌がよくなっているのだが時すでにお寿司)ので途中がすっ飛ばしになって誠に申し訳ございません・・・・・・・







2019/01/07

お題「パウエル議長株式市場の下げに日和って今後のコミュニケーションを難しくするの巻」

ネタの先入れ先出し法が続きますな(大汗)。

〇パウエル議長発言でまーたこれはボラが上がりますのうという雑談(個人の感想です^^)

物件はこちらですが、小一時間あるビデオを見る根性は無い(というか土日にそんなに暇が
無かったんですけど、大汗)ので報道ベースからの雑感になりまして誠に恐縮至極。

https://www.aeaweb.org/webcasts/2019/us-federal-reserve-joint-interview
Jan 04, 2019 (10:15 AM ET)
Chairman Powell, Panel Discussion, American Economic Association's Annual Meeting in Atlanta, Georgia, Federal Reserve Chairs: Joint Interview

なお、再生速度が変更可能というオモシロ機能があります。


という訳で報道ベースからまずは参りますとして、

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-powell-idJPKCN1OY1LB
2019年1月5日 / 01:48 /
FRBは柔軟に対応、下振れリスクに敏感 パウエル氏「議長辞めない」

『[アトランタ 4日 ロイター] - パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は4日、FRBは忍耐強く臨むとともに、経済の勢いが堅調であっても市場が織り込む下振れリスクに対して敏感であるとの認識を示した。また将来の利上げやバランスシート縮小を巡って柔軟に対応すると明言。世界経済の減速から貿易戦争に至るまであらゆるリスクを考慮しつつ、好調な経済統計との均衡を図る考えを明らかにした。』(上記URL先より、以下同様)

ということで、今回は何せ「ペイシャント」と「バランスシート縮小の調整」の話をしているのがサービスのし過ぎにもほどがありまして、このオッチャンはハトでもタカでもサービス発言が過ぎるというか、発言を強調するために一々言わんでもいいことを発言し過ぎで、これはもうアラン・ブラインダー元FRB副議長が言う「自分の尾を追う犬」一直線ですわという感じです。

『パウエル氏はイエレン、バーナンキ両元議長との討論会で「とりわけインフレ指標がこれまで落ち着いている中で、われわれは経済動向を注視しつつ、忍耐強く当たる」とした上で、利上げは既定路線ではないと強調。必要に応じて「常に政策スタンスを大幅に変更する用意がある」と述べ、2016年当時と同様、金融引き締めの停止もあり得るとの考えを示唆した。』

別にペイシャントとか言わなくても「データディペンデントであってプリセットコースではない」と言っておいて、返す刀で「米国経済は好調だが足元では一部に減速の兆候も見られ、海外経済も先行きの懸念材料と考えている」とか経済の状況に関してちょっと先行きを懸念してますよという話をしておけば十分だと思うんですけどね・・・・・・・・・

『またこうした「柔軟性」はバランスシートの縮小にも該当すると明言。FRBが保有する債券の安定した圧縮が市場に甚大な影響を与えるとは考えにくいものの、それが最大雇用と物価安定を巡るFRBの二重責務遂行に支障をきたすようであれば方針を変更すると表明した。』

バランスシートの話まで言わんでもヨロシ、と思うのですけれどもこれは身から出た錆にも程がある訳で・・・・・・・

『議長は先月、バランスシート縮小は「自動操縦」と述べ、市場で物議を醸したが、今回の発言は「特に趣旨が変わったわけではなく、議長なりに根気よく細部にわたり丁寧に説明したもの」(DRWトレーディング)とみられる。 』

肝心の議長会見ネタも未消化という誠に申し訳ない展開が続いている(だってその後円債市場があんなになるなんて・・・・・・)ので恐縮ですが、FOMC後の議長会見って、オーニングステートメントに関しては別にそんなに極端な話をしていた訳でもないと思うのですが、会見の質疑応答がAIのテキストマイニングを意識しているんじゃネーノというような感じで、タカっぽくしてたらトランプ砲と相まってあばばばばーになったので今度はわざわざ黙ってればよいのにバランスシートの話までも話題に上がるの巻。

『さらに議長は「市場は下振れリスクを織り込みつつあるが、けさ発表された雇用統計を見れば市場がかなり先読みしていることは明白だ」と指摘し、「われわれは市場のメッセージに注意深く敏感に耳を傾け、政策運営に当たり下振れリスクを考慮するということを申し上げたい」と語った。』(以上上記URL先より)

ということで、同日の朝に出た雇用統計はまあ強い結果だったので「ほれこの通り」という話もしているのですけれども、まあ色々とアカンヤロなと思うパウエルのコミュニケーションという感じは強いですな、トホホのホ。以下思いつく論点を小見出し形式で(個人の感想です)。


・データディペンデントじゃなくてマーケットディペンデントではないかと捉えられる問題

まあなんだかんだと言いましても、この発言ってどこからどう見たって年初2営業日目にアポーショックで盛大に株式市場が下げてしまってヘイヘイパウエルビビってるよビビってるよ!!!ということであるのは(個人の感想的に^^)普通に受け止められると思うの。これでまあ雇用統計が悪いんだったら「今日の雇用統計を見ればわかるように米国経済はこれまでの好調な状態からやや減速傾向がみられるので、今行っている金利の正常化に関してはやや慎重に進めていく必要があるかもしれない」とか言えばまあ普通にリップサービスになるし、しかもそれならデータディペンデントだよ、という従来からのお題目(実際はデータディペンデントじゃなくてオートパイロットであったとしても)と合致する説明になるんですけれども、雇用統計が好調なのに「Patient」というFED語的に言ってかなり強めのハト用語を使って来るとなりますと、そらもう株価が下がったのを受けてビビったとしか思えず、パウエルは市場が催促するとホイホイとパウエルプットを出してくる、と市場が認識したんじゃネーノという辺りがアカンと思う。「市場のメッセージに注意深く敏感に耳を傾け」ってのもこの人の場合は「市場に振り回されている」という感を強くするように見えるし。


・パウエルプットがあります、と市場に見られる問題

でですな、しかもバランスシートの話までしちゃったのがあちゃーという感じで、これはもう「株式市場が追い込みに掛かるとバランスシート政策も出てくるじょー」という話になるからそらゴルディロックス大好きアメリカ株式相場ちゃんが盛大に上昇するの当たり前だわという所ではありまして、まあこうなると他の市場は知らんけど株式市場は中銀プットが大好きなので、「パウエルプットキタコレ」となるわな、とゆー話になりますぞな(個人の感想です)。

ただですよ、パウエルFRBの今までの所一貫しているのは「ゴルディロックあるいは高圧経済相場からの資産市場でのバブル発生をさせるとその後非常に面倒なことになるからそれは避ける」というのがありまして、だからこそ株価がゴルディロックスヒャッハーとか高圧経済ヒャッハーとかやりだすとタカ発言をして頭を叩いてきた、というのがあるし、そもそもが(直近では足引っ張りまくりですけれども)トランプ財政が財政出し出しおじさんだったので財政要因での上振れという問題もあった訳ですな。まあ確かに財政やら貿易戦争やらが足を引っ張り出すと別にタカ発言をして頭を叩く必要もなくなって来るのですが、今回の発言で実際に米国株式市場やら資産市場やらがどの程度パウエルプットに期待するようになるのかよくわからんですが、パウエルプットに期待→適温経済相場ヒャッハーとなった時にどうしてくるのか、というか今までのパターンだと頭叩きに来るんですが、そうなってくると「こいつは株式市場を見ながらマッチポンプをしているのか」ということで、政策の一貫性とか政策反応関数とか、パウエル議長への信認問題とか、そっちの方に飛び火していく可能性があるんじゃないのかね(個人の感想です)。


・次の利上げをするときには「いきなり地均し」になるのに要注意

まあ何ですな、ここまで威勢よく(本人威勢よくなのかただのサービスフレーズなのかはともかくとして、結果としては威勢よくハト派強調をした形になってしまいましたねー)ハトというか、下がった株式市場にビビって日和りまくった腰砕け発言をしてしまいました(本人の意図は兎も角市場の反応はそうなったと思うのだが)ので、こうなると次回の利上げ(経済物価情勢が別にコケないのであれば、そもそも今の水準が中立金利の訳が無い、米国の潜在成長率が0%前半とかいうのでない限り)をするのが無茶苦茶ハードルが高くなったと思うの。

・・・・・・・・という事例といえば、それはもうイエレン議長時代の利上げペース再開の時(2017年)を思い出すわけで、あの時も3月FOMCで利上げするのに何時まで経っても市場が織り込みに行かないもんだから2月の終わり位から強引に織り込ませに行って最後の方は予告ホームランを出しまくって強引に利上げしましたが、それまでが「忍耐強い」緩和政策が続くって話で長期金利が低位安定していたのでそっちに思いっきり食らってしまいまい、3月に相場激変ということで本邦金融機関とばっちりというのがありましたな、というお話。

でまあペイシャントだのというのが出てしまって利上げのハードルを思いっきり自分で上げてしまったパウエル大先生なのですが、これ正常化再開しようとする時には「お前言ってたことと違うじゃねえか」という話になるの必定でして、(さっきの「マーケットディペンデント」とも被りますけど)この人は結局どういう理屈をもってやっているのかというのが分からん、というのでまー今は金利が上がらなくなるのは良いとして、この先(景気がコケれば別に悩むことは無いのですが)景気がコケずに順調に推移した場合にさて正常化路線再開、というのをどうマネージしていくのか、まあスムージングなマネージは無理でしょうなあ、と思いますし、市場サイドはそれを念頭に置いておく必要がある(備える必要があるかというとそこはタイミングが大事になるので別問題ですけど)という感じだと思うの。


・しかしこれトランプが調子に乗るのがリスクなんですけど

ということで株価下落にヘイヘイビビってるよビビってるよではあるのですが、何がトサカに来るってこれでもうトランプが「私の言ったことが正しくてパウエルはやっと間違いを認めた」とか調子に乗ってほざくんじゃないかというのに100トランプタワーインターナショナルといった所でして、さらに調子に乗ったトランプが一段と馬鹿踊りをするだろうなあと思うとため息が出ますな。

つーことで、何もこんなにサービス発言せんでも、もうちょっとマイルドな言いようはあったと思うし、この発言で盛大に株が戻っちゃいましたので、その前の株安はパウエルの利上げ路線のせいということになってしまったというのも間抜け(直近ではさすがにトランプのせいじゃないかという感じになってきたところだったのでもう少し我慢が必要でしたな)だな、とまあそう思うのでありました(個人の感想です)。


・ということで市場の反応に関して俺様用備忘メモ

https://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPKCN1OY21A
2019年1月5日 / 07:53 /
米国株が急反発、良好な米雇用統計やFRB議長発言で

『[ニューヨーク 4日 ロイター] - 米国株式市場は急反発。上げ幅は2週間ぶりの大きさとなった。良好な米雇用統計やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言が寄与した。主要3株価指数は3%を超す上昇。アップル(AAPL.O)の売上高見通しの下方修正を背景に7年超ぶりの大幅な下げとなった前日の下落分を取り戻した。米労働省が発表した2018年12月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が31万2000人増加し、2月以来10カ月ぶりの大幅増となった。市場予想の17万7000人増も大きく上回った。[nL3N1Z43KT] またパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は4日、FRBは忍耐強く臨むとともに、経済の勢いが堅調であっても市場が織り込む下振れリスクに対して敏感であるとの認識を示した。また将来の利上げやバランスシート縮小を巡って柔軟に対応すると明言。世界経済の減速から貿易戦争に至るまであらゆるリスクを考慮しつつ、好調な経済統計との均衡を図る考えを明らかにした。[nL3N1Z43Y9] 』(上記URL先より)


https://jp.reuters.com/article/instant-view-fed-chair-idJPKCN1OY1R8
2019年1月5日 / 03:48 /
FRB議長発言:識者はこうみる

『●金融政策巡る懸念払拭、柔軟・忍耐強く対応との発言で
<スレートストーン・ウエルスの首席投資ストラテジスト兼シニアポートフォリオマネジャー、ロバート・パブリク氏>

●2つのメッセージに注目
<ジェフリーズ(ニューヨーク)の金融市場エコノミスト、トマス・サイモンズ氏>

●BS縮小の「柔軟性」で不透明感払拭
<キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の主任市場ストラテジスト、ピーター・チェキニ氏> 』
(上記URL先の内容の方はパスしてます、小見出しだけ引用)


・ちなみにメスター発言

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-mester-idJPKCN1OY21S
2019年1月5日 / 07:58 /
インタビュー:米金利は中立水準に接近、FRBは時間かけ政策決定を=クリーブランド連銀総裁

『[アトランタ 4日 ロイター] - メスター米クリーブランド地区連銀総裁は4日、金利が中立水準もしくはそれに近いことを示す経済的根拠が増しているとした上で、連邦準備理事会(FRB)は時間をかけて次の政策対応を決めるべきとの考えを示した。』(上記URL先より、以下同様)

ほほう。

『総裁は米国経済学会(AEA)の年次総会が開かれる中、インタビューに応じた。FRBが過去2年間、約四半期ごとに行ってきた利上げについて、インフレが予想外に高進したり景気が急拡大しないかぎり今年打ち止めになる可能性を示唆した。景気減速見通しや低失業率の安定推移、金利動向に敏感な住宅セクターの後退といった動きは金利が中立水準に近づいている兆候と考えられると指摘。「われわれは本当に経済統計を吟味する必要がある。(中略)時間をかけて判断すべきだ。われわれは(すでに)必要な場所に来ているかもしれないのだから」と語った。足元の経済状況は「かなり良好」との認識を示した。』

うーんこれだとやるのかやらないのか分からん。まあ本人たちも難しい局面だという認識なんでしょうし、だからこそのパウエルのpatientではあるのでしょうが、これまでFED語のpatientは「利上げしません」という用語だったのでちょっとねえとは思うのでした。

#ロイターのネット版はページがクソ重い(何とかしてください)ので駄文作成に時間が掛かって他のネタがパスに(汗)







2019/01/04

お題「1週間ぶりなので市場レビュー(ただのロイター記事URL集・・・・)/12月決定会合主な意見」

新年で目出度いのですが、とりあえず何でも「平成最後の」と枕詞を付ければ良いという風潮が安易というかさすがに聞き飽きたので他の枕詞キボンヌ。

〇年末年始に円高キタコレとな

新年あけましておめでぎゃーございますがね。

https://jp.reuters.com/article/global-forex-idJPKCN1OX08D
2019年1月3日 / 14:46
円急伸、一時104円台 アップル下方修正で世界経済巡る懸念高まる

『[シンガポール 3日 ロイター] - アジア時間3日序盤の取引で円が主要なテクニカル水準を抜けて急伸し、対ドルで一時104円台後半を付けた。世界経済を巡る懸念の高まりで安全資産が買われたほか、年末年始で薄商いとなっていることも振れを大きくした。米アップル(AAPL.O)が2日、中国でのiPhone販売減速を理由に10─12月期の売上高見通しを下方修正したことで、リスク回避ムードが高まった。[nL3N1Z313A] 』(上記URL先より)

ということで昨日はドル円がぶっ飛んだのが一般ニュースでもネタにされておりましたが、東京やっていた時間帯では110円台は持ちこたえていたというのに年末に110円割ったと思ったらアポーショックとやらでこの有様。

足元は107円台水準だそうですけど、昨年は地蔵のようなドル円で、基本的にドルユーロが動くとそれにえっちらおっちらついて行くというイメージだったのですけれども、今回はリスクオフネタとは言え為替が思いっきり飛んで戻って来るとはこれはまたという感じですが、今年は久々に為替が大暴れして他の市場が振り回されるようになるんでしょうかねえ(個人の感想です)。


あとこんなんあるようですな。あまり詳しくないのでニュースだけ。
https://jp.reuters.com/article/-idJPL3N1Z33MK
2019年1月4日 / 03:51
ユーロ圏金融・債券市場=イタリア国債下落、カリジェ銀不安強まる

『 ユーロ圏金融・債券市場ではイタリア国債が値下がりし、利回りは約3カ月ぶりの大幅な上昇となった。経営難に陥っているカリジェ銀行を巡り不安が強まった。欧州中央銀行(ECB)は2日、同行の救済に向け3人の暫定的な管財人を指名したと発表した。これに先立ち同行の筆頭株主は資本調達計画を拒否。会長や最高経営責任者(CEO)以下、取締役の大半が辞任する事態となっていた。市場では「いずれ公的支援が必要になるのではないか」(ナティクシス)といった懸念が根強い。ディマイオ副首相はこの日、政府としてカリジェ銀を巡る動向を注視していると述べるにとどめた。』(上記URL先より)


〇年末で10年マイナス金利になりまして7月の柔軟化とは何だったのかという話に

いやまあ柔軟化は別に金利を意図的に上げるという話ではない、というのはその通りではあるのですが、本来はこれって「海外が利上げモードになっている中で日銀が無理くり買入をしないで済むようにしながらスムージングしていけると良いですね」という意図はあったと思うので、そういう意味ではあの時点では「自分からは上げないけど金利上昇は11bpでは止めないですよ」という話なので、昨年の米国の利上げサイクルに乗りながら自然にイールドカーブがスティープ気味に上昇してくれた方がアリガタヤ、という思いはあったんでしょうが、1年終わってみると米国の利上げモードはまあ一応続いているものの、かなり怪しげでどう贔屓目に見てもあと2回利上げしたら打ち止めになるようなお話となりまして、海外金利上昇モードに乗っかって政策の柔軟化ウマーというのが全然違う流れになってきてさあさあドウスルドウスル。

https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL3N1YX1SO
2018年12月28日 / 15:31 /
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が反発で引け、長期金利は1年3カ月ぶり-0.005%に急低下

『 <15:25> 国債先物が反発で引け、長期金利は1年3カ月ぶり-0.005%に急低下

国債先物中心限月3月限は前日比15銭高の152円48銭と反発して引けた。前日の米債高に加えて、日銀が昨夕に公表した「当面の長期国債買い入れの運営について」(1月分)で、 オファーの回数・金額を据え置いたことで安心感が広がり、買いが先行した。「日銀が今後も積極的な買い入れを進め、10年金利のマイナス化も容認するとの思惑が広がった」(国内金融機関)という。また、年内最終売買日で、市場参加者が限られる中、伸び悩む場面があったが、引けにかけて現物買いが観測されると、一時152円49銭まで水準を切り上げた。』(上記URL先より、以下同様)

すっかりこの「10年マイナス金利の容認」というネタになってきましたが、まあそもそも論としまして、海外情勢などがこうなってくると金利低下圧力が出てくるのは致し方ないですし、(まるでその説明しなくなりましたが)均衡イールドカーブの考え方からすれば、円高だの株安だの物価指標が予想通りにアガランチ会長だのというような状況になれば、そら均衡イールドカーブにも金利低下圧力が掛かるので、そうであればそこからの望ましい緩和度合いというのを加えた結果としての誘導すべイールドカーブ水準が低下しても何らおかしくない訳で、そもそも容認するもしないもないという話。容認しないのはいつぞやの短国買入みたいに、期末だの年末だのの需給要因で実体から考えてそれは無いだろうという買占め食らったコモディティー状態になってしまった時ということですからねー。

とは言いましても、金利低下圧力が掛かる環境という事になりますと、それは当然市場の中で買いたい勢いが強いのですからして、日銀の買入をそのまま同様にしていて良いのかよ、という問題もありますが、まあ今までのを見ていると(昨年1月の超長期闇討ち減額のトラウマがあるから)オペいじって金利が急上昇したり、それに加えて為替が円高に振れると泡を吹くという習性があるようで、まあよー減額しにくいんでしょうなとは思います。今日平然と長期輪番を4000億円とかで打ってきたらいい根性していると褒めて進ぜようとは思うけど、だったらそもそも翌月予定の時点で月4回にしてるじゃろとは思うので1ミリも期待していません(個人の感想です)。

『現物市場がしっかり。急激な利回り低下に対する警戒感から、超長期ゾーンに利益確定売りが持ち込まれたが、引けにかけて月末の年限長期化とみられる年金勢の買いが長期・超長期ゾーンに観測されると、利回りが急低下。10年最長期国債利回り(長期金利)は同2.5bp低いマイナス0.005%と17年9月11日以来、約1年3カ月ぶりにマイナス水準を付けた。市場筋によると、10年債・マイナス0.005%の出来高は日中取引ベースで100億円強とみられている。20年債利回りも一時同2.5bp低い0.490%と7月20日以来の水準に低下した。2018年の10年最長期国債利回り(長期金利)はマイナス0.005─プラス0.155%で推移した。』(上記URL先より)

http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php
売買参考統計値/格付マトリクス ダウンロード

売参の方では平均値単利が▲0.004%とめでたく(かどうか知らんが、というかめでたくないけど)10年カレントマイナス利回りで越年という事になっておりますな。ナムナムナム。


〇まあしかし金利低下方向では手も足も出ない日銀な訳ですがこんなのはどうでしょうか

ええすいませんすっかりネタにするとか言いながら越年してしまいましたが、昨年の年の瀬には年の瀬恒例の経団連での黒田総裁講演っちゅーのがあって、面白いから過去5年分引っ張り出してああでもないこうでもないと鑑賞をしていた訳ですな。でまあそちらのネタはちょっと今日間に合わないので(すいませんすいません)急ぐネタでもなさそうなので週明けに投下する所存な訳ですけれども、端的に言って金融政策に関しては「手も足も出ません」という事になっている訳ですよ。

そらここから自主的に金利を上げに行くっていうのはさすがに論理矛盾にも程がありますし、一方で追加緩和と申しましても、どこからどう見ても手段はあるけど効果が期待できないどころか大体逆効果になりそうですよね。まさに「リバーサルレート」の世界になっていて、マイナス金利深堀したら預金金融機関が益々厳しくなりますし、長期金利(というか超長期金利)をこれ以上下げると運用できないわ企業の年金債務があばばばばーだわとかで、一方で企業サイドは全体で見れば資金超過なのだから金利が下がったから借入が促進されるかというと促進されるとは思うけどそっちのデメリットを上回る気がしない(個人の感想です)という有様。

まあ正直言ってそういうことで八方塞がりにもほどがあるんですけど、まあ要するに短期決戦で作ったQQEもそうですし、マイナス金利に関しては「流動性トラップを一段進めたリバーサルレート」という新しい概念を示すことになりまして金融政策の新たな知見をジャパンの金融機関の身を切って示すことになりましたし、YCCも外部環境が良くて金利が自然に上がる風潮の時はいいけど金利が下がりだすとお手上げというのが見えてきましたし、ということで明らかに無理が出てきております。まー念仏唱えて米国の状況が改善されるのを待つのでなければ、アタクシ思うに、もうこうなったら量に戻ってそのドサクサにマイナス金利とYCCを止めて、「マネタリーベースを年間約5%ずつ拡大する」とかにしたらどうですかねとか思う。ちなみにMB自体は直近だと(日銀のトップに出ていますが)500兆円なので来年は25兆円拡大ということなのでまあ行けるかな、と思うのだが、これやる時に問題なのは80兆円とかいうゴミ文言が声明文にあることでして、80兆円のMBという比率でやっていくと政策がやはり持たない(そもそも80兆円は短期決戦の時の枠組みの数字だから当たり前)ので、何でこの文言残ってるんだよと非常に遺憾極まる物件ではありますなあと思い、まあ上手くいかない時は色々なパーツが上手くいきませんわな、と思うのであります。

あああと1月なんでMPMで貸出支援関連の延長ネタがあると思うのだが、全く持ってイラネと思うのでとっとと廃止して頂きたいですな、どうせならCPと社債の買入も(ETFは勘弁しておいてやるわ、こっちも問題だけど)。


〇12月会合主な意見は10月主な意見よりも更にグダグダ感が強いと思う

http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2018/opi181220.pdf
金融政策決定会合における主な意見 (2018 年 12 月 19、20 日開催分)1

・経済物価の方はどうでも良いのだが一応悪態を

物価の所ですけどね、

『・プラスの需給ギャップが物価の押上げ圧力として作用し、消費者物価の前年比はプラスで推移している。ただし、原油価格下落の物価への影響は今後の懸念材料である。』

『・今後、需給ギャップが一本調子で拡大する可能性は低く、原油価格の下落も「物価安定の目標」達成をさらに遅らせるかたちで作用する。』

原油キタコレですが、かつては「原油価格はコストなのでこれが下がれば他の需要にプラスで実に結構」とか「個別物価と一般物価は別の話」とかいう威勢の良い話もあった時代が懐かしいというようなもんで、引用すっ飛ばしてますけど経済のパートの中で誰か「原油価格の下落は燃料費などの低下から家計や企業のコスト削減に寄与するので必ずしも問題視するだけのものではない」みたいな見解が示されてほしいものなのですが、そーゆー指摘は無い(昔はそういう指摘があったというのに)というこの物価のことに視野狭窄モードになってませんかねえというのが気になりますな。

いやまあ確かに物価目標達成という意味では目先のマイナス要因ですが、「目先マイナスだけど日本経済に取ってはプラスの要素が大きいので需給ギャップの改善にも寄与する話で長い目で見れば良いこと」という話がマジでなくなっているのは寂しいですな。

その他物価の話。

『・プラスの需給ギャップに伴う物価上昇圧力と、生産性上昇などに伴う物価抑制効果が複雑に影響し合う中で、物価上昇は遅れており、先行きの不確実性も高まっている。』

よくよく考えれば妙な説明で、生産性上昇による部分で物価上昇抑制効果が出るのは別に構わんという話になっているはずなので、先行きの不確実性とは何ぞやという感じ。

『・7月の展望レポートにおいて、「物価の上昇を遅らせてきた要因の多くは次第に解消していく」と整理したが、その後の展開を みると、そうした要因の解消にはなお一層時間がかかるとみられる。』

結局ね、需給ギャップがプラスの状況の中で生産性向上などに伴う物価上昇抑制圧力(というのも何だかなあとは思うけど)が起こるのは望ましいので気にしない、というのかというとそうでもなくて、実際の物価が上がらないと適合的期待形成がワークしない、というのであれば、生産性向上がどうのこうの言うんじゃなくて、もっとド直球で実際の物価が上がる話、つまり円安にもっていく話を(オブラートに包まないとホワイトハウスが五月蠅いのでオブラートに包む必要はあるが)した方が良く(なおアタクシ思うにそれは誰得物価上昇にも程があって、国民厚生の向上に全然寄与しないというかマイナスなので、そんなんで物価目標達成とかするなよふざけるなとしか思いませんので念のため申し添えます)って、結局この人たちって「日本の潜在成長率を高めていきたい」なのか「適合的期待形成を後押しするために実際の物価が上がってほしい」のかのフォーカスが甘くて、どっちつかずになってダラダラと現状維持を続けているという状況に陥っていると思う訳で、政策枠組みなんかも含めてもうちょっとこうフォーカスしてほしいものですな。


・金融政策に関するパートはまあ動物園なのですが

しょうがないから最初からチラチラ見る。

『・「物価安定の目標」の実現には時間がかかるものの、2%に向けたモメンタムは維持されていることから、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことが必要である』

『・息長く経済の好循環を支えて、「物価安定の目標」の実現に資するべく、現在の金融政策方針を継続すべきである』

もうこの辺りは見飽きた。

『・不確実性の高い経済・物価動向のもとでは、不均衡を蓄積させずに緩やかな景気拡大を持続させることが重要であり、政策の効果と副作用を慎重に点検しつつ、現行の金融緩和を続けることが肝要である』

これは正常化を進めたい人のコメント。

・・・・・・で次の片岡さんの(と思われるもの)は何を言いたいのかはわかるがちょっと???????な物件。

『・「物価安定の目標」達成前に拙速に正常化を図ると、副作用がかえって強まる可能性がある。副作用の影響は累積的であることから、追加緩和とコミットメントの強化により、早期に物価安定目標を達成することが必要である。』

>「物価安定の目標」達成前に拙速に正常化を図ると、副作用がかえって強まる可能性がある。

??????

もうちょっとこう日本語として意味を通して頂きたい訳で、どうも片岡さんは「今の政策を長期化すると副作用が累積することを考えれば、追加緩和をコミットメントの強化で物価目標達成を急ぐべきである」ということを言いたいのでしょうが、前段のマクラが意味不明になっているのでその時点でこの意見を読む気が起きなくなってしまいますな。

でまあそれはそれでいいんですけど、問題なのは片岡さんの追加緩和提案で物価目標を早期に達成できるというパスが全然描けないことでして、金利下げてもリバーサルレートなんだし、量のコミットメントだけでは残念ながら期待インフレのシフトは起きないし、「物価が上がるためには物価が上がることが必要」みたいな適合的期待形成を待つというのだったら究極的には誰得円安するくらいしかない訳で、それだったら弊害を除去しながらさっきアタクシが与太話として申し上げたマネタリーベース拡大一本にしてどさくさに紛れてマイナス金利とYCCを撤回する(ついでにその他資産買入も縮小とか)追加緩和策(もはや何が何だか分からないがそう言い張る)というのならば早期達成するかどうかはともかく、軌道修正はできるかもしれませんぜとは思う(個人の妄想です)。

『・7月の「枠組み強化」に沿って、長期金利が一時的にマイナスになることも許容すべきである。長期金利は「ゼロ%程度」を中心に上下に概ね対称的に変動するのが自然であり、長期国債保有残高の年間増加額約 80 兆円の「めど」のもとで、柔軟に買入れ額を増減させることが望ましい。 』

まあジンバブエ先生だなとは思いますが、そもそもマイナスになるのを許容してなかったわけでも何でもないので、いまさら何をゆうてますねんこの人という感じですが、つまりはリフレ一派的には7月の柔軟化をどう捉えていたか、というのがここで示される話ではありますな。

まあしかしこの短い中でツッコミどころが多いのですが、「長期金利は「ゼロ%程度」を中心に上下に概ね対称的に変動するのが自然であり」っていうのがお前は何を言ってるんだという話で、物価安定目標を達成する気があるんだったら「物価安定目標の達成を市場が意識する中での過度な金利上昇を抑制してより緩和的な金融環境を作るために枠組みを強化した」という解釈になるべきであり、「0%を中心に上下対象に金利が動くのが自然」なのは物価目標が全然行きませんという状態である、ということの証左なのでして、それは物価目標達成させる気がないですと言ってるのに等しいんんですけれども大丈夫かジンバブエ(かどうか知らんが)。

でまあ最後の「年間増加額約 80 兆円の「めど」のもとで、柔軟に買入れ額を増減させることが望ましい。」も何だかなあでして、そもそも80兆円とか邪魔にも程がある話をするのもさることながら、柔軟に増減とか言いましても基本的に今のYCCの枠組みの場合は増減って市場に応じて受動的に行う形になるというのが建付けで、ただまあ実務的に現状がストック効果でまくって金利が下がりやすいので買入を減らしていますという話ではあるんですが。まあその辺分かっていて嫌がらせにこういう意見を言っているんだと思いますけどね。


『・長期金利のより大きな変動を可能にする政策変更を行ったあと、 長期金利は上昇したが、このところ低下している。これは米中通商摩擦などを要因とした世界経済の先行きへの不安が引き起こしたものと考えられる。この状況で、金利を元に戻すような オペレーションを行えば、むしろ金融を現状より引き締めることになってしまう。 』

まあそれはそうなのですが、これ言い出すと結局「均衡イールドカーブ」の問題になって話がややこしくなりますなというのと、外部要因で金利が下がった時に手が打ちにくくなるYCCの問題点という感じですな。まあこの辺りの「主な意見」はもしかしたら1月輪番予定表作る時に念頭にあって、ここは無理ができない、と思ったのかもしれませんね(個人の妄想です)。


『・長期国債買入れにより既に積み上げてきた国債のストックによるタームプレミアムの押下げ効果の大きさや、新発債の国債市場での残存率の低さを踏まえると、現状の国債買入れオペの運営には相応の見直し余地があると考えられる。 』

提案してくださいお願いします。まあ結構減額したと思うけど。

『・社債市場では、足もとの低金利により募残の比率が高まっているとの報道がある。長めの金利がより高い方が投資家の需要は増す可能性があり、金利変動幅や金利操作目標年限等を柔軟に検討していくことが、将来の選択肢として考えられる。』

うーんこの。募残に関してはもうちょっと話は単純で、足元の低金利云々というよりも適正スプレッドと思われる所よりも低い所で発行しようとする一部の発行体と、それをホイホイと引き受けてくる引受サイドの引受部門という問題であって、別に金利が上がれば社債の募残がどうのこうのの問題が解消する訳でもないですな。もし社債の募残云々を問題にするなら、信用リスクに対して適正ではないスプレッドの発行が問題になるのは自分らの社債・CP買入(や貸出支援基金)に問題がないか、というそっちの方を考えるべき話で、ベースレートの問題とは別途考えるべきだと思います。

てな訳でまあそんなところですが、なんかもう前回のもそうですけど、完全に「言いっぱなし」になっているし、その結果として「議論をしないから意見がブラッシュアップされてこない」という弊害がますます高まっているような気がしておじちゃんは悲しいというのを年の瀬に見て悲しいまま新年初悪態になるのでした。


#今年もよろしくお願いいたします(平伏)