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2022/10/31

お題「決定会合レビュー:物価見通しのパスは政策先にありきだしガイダンス文言はリスク認識の度合いを下げているのに変更なしだし」

おりほーでしたな。2敗1分けからの4連勝とは恐れ入りました。

〇決定会合レビュー:まあ結局何も無かったのですけれども・・・・・・・・・・

いやまあ何ですかねえ、逆切れ追加緩和は無かったんですが、輪番でキレ芸を見せてくれたって感じなんですが、今回の展望レポート、前回にも増して「政策先にありき」なもののなってしまいましたなあという所で。

・声明:ガイダンス文言は変わらないのですかそうですか

https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/k221028a.pdf(今回)
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/k220922a.pdf(前回)

連続指値オペは相変わらず実施するようですし目標金利も変わらないようですが、ガイダンス文言も変わらないということで。

『2.日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。』(今回)

『6.日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。』(前回)

YCCつきQQEの継続とオーバーシュート型コミットメントが同じなのはまあ期間の長い話扱いなので良いとしまして、

『当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。政策金利については、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している。』(今回)

『当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。政策金利については、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している。』(前回)

ということで、コロナひも付きの金利ガイダンスも一緒です。緩和バイアスも相変わらずではありますが、まあそっちはどうでもよいのだが、コロナひも付きのガイダンスって何だかなーって感じです。

・・・・・・と申しますのも、今回って展望レポートの見通しで言えばコロナの影響は小さくなっていますし、リスク認識の中での扱いも以前よりも小さくなっています。でもってそもそもこれは前回からそうなのですが「コロナオペ」に関しては年度末に向けて廃止の方向になっていますので、(その代わりに、本来短期金融市場の資金需給調節に使うはずの共通担保資金供給をまさかのフルアロットメント形式にしてしまって、後で金利誘導の世界に戻った時にどうするんだよこれ、というかなりの後先考えていない施策を入れたんですけど)「当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとともに」というコロナ非常時モードの時の文言そのままで突き進むのは話がおかしくね????という風には思うのですが、もうそういうロジック整合性シランガナで、うっかり文言を変えると政策変更の話が出て来るので、死んでも文言を変えませんって気概に溢れていておじちゃんは悲しいです。


・相変わらずまともに議論してねえだろ

『(参考)
・開催時間――10 月 27 日(木) 14:00〜16:12
10 月 28 日(金) 9:00〜11:43』(今回)

『(参考)
・開催時間――9 月 21 日(水) 14:00〜15:59
9 月 22 日(木) 9:00〜11:44』(前回)

・・・・・・・・・・orzorz

えーっとすいません、今回って展望レポートの検討をしている筈なんですが、何で展望レポートの無かった(ただしコロナオペ廃止で共通担保資金供給のフルアロットメント化はあったけど)前回と判で押したように時間同じなんですかねえ。

ちなみに7月の展望レポートでは『・開催時間――7 月 20 日(水) 14:00〜15:45 7 月 21 日(木) 9:00〜11:57』になっておりまして、2日目の時間7月会合よりも短い、ということでございまして、あのーすいません7月の決定会合後に投入された2名の審議委員によってやっとまともな議論がやっと始まると思って期待してました絶滅危惧種である円債村の村人の期待を返せとしか申し上げようがないのです次第で、これが1ミリも期待できないような方なら別にどうでもいいんですけど、期待されてた(実はアタクシはT1さんに関しては最近になって言う事がだいぶ現政策寄りの事をいうようになってたと認識してたのでそんなに期待してなかったんですけどね)だけにちょっとねえって感じですよ特にT1さん。(1と2の区別は年齢順です他意はないですよ)。


〇展望レポート:何をどうするとこのような器用な物価パスが発生し得るのか小一時間問い詰めたい件について

という訳で展望レポート基本的見解に参ります(細かい文言確認は3日の寝起きFOMCの後にでも祝日編おまけで)
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2210a.pdf
経済・物価情勢の展望(2022 年10 月)
【基本的見解】


・何といいましても今回の物価見通しが不自然極まりない

まあどうせメカニズムに関してはそんなに変わらんだろうという所で、それは順当にあんまり変わって無かったのであります(ただしリスク認識には声明文との関係でツッコミどころがある)が、物価見通し見てさすがに笑いを禁じ得なかった。

コアCPI見通し
2022年度:+2.9%(前回+2.2%)
2023年度:+1.6%(前回+1.4%)
2024年度:+1.6%(前回+1.3%)

コアコアCPI見通し
2022年度:+1.8%(前回+1.3%)
2023年度:+1.6%(前回+1.4%)
2024年度:+1.6%(前回+1.5%)

いやーなんですかこの見通し。いやまあ前回もちょっと不自然なパスですねえって申し上げましたが、まあそれでも22年度平均から23年度平均の下げが0.8%分でして、一時的要因が剥落していく中で23年度は下がっていくので、年平均は22年度の余波がある分だけ24年度よりちょっと高いです、ああその間コアコアはじっくりとあがっていきます勢いはないけど、というのはまだ話として無理矢理感があるものの一応お話は組み立てられない事もない。

しかしですな。今回の見通しって22年度と23年度のコアCPIの年度平均のの下げ幅が1.3%もありますし、大体からして9月までの全国コアCPIが平均2.43%なんですから、年度後半のコアCPIって3.3−3.4の間で推移する、って計算になっていると思うのですよね22年度+2.9%ってのは。

まあ何ですな、10月の全国CPIって10月東京都区部と同じ幅で上がるとコアCPIって3%台半ばになるから、10月〜3月の平均が3.3〜3.4ってのはなるほどそうですかって感じ(例の経済対策は入れてませんし、展望レポートの見通しにも入っていない筈なのでそこは気にしないで下さい)でいいんですけど、10月〜3月の平均でコアCPIが3%台前半で推移しているのに、2024年度の年度平均+1.6%ってどんな激しいダウンをするんですかと小一時間問い詰めたい訳ですよ。

もちろんエネルギー等の上昇の前年比が収まる分があるのは承知していますが、それが1%どころか2%近くあるってどういう話だよという感じですし、2023年度の頭の部分で前年効果が死ぬほど剥落してスタートしないと、年度平均で+1.6%にするためには期中で物凄い落ち込みをしないと帳尻合わないと思うんですよね。

でもって更にそこに輪をかけて訳分らんのは2024年度の平均が2023年度の平均と同じって図式であります。

端折って基本的見解の4ページの『(2)物価の中心的な見通し 』を見ると、

『物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、本年末にかけて、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により上昇率を高めたあと、これらの押し上げ寄与の減衰に伴い、来年度半ばにかけて、プラス幅を縮小していくと予想される。その後は、マクロ的な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まっていくもとで、再びプラス幅を緩やかに拡大していくとみられる。』

という見通しになっていて、どうも来年度半ば(だから来年の今頃)に掛けて前年比効果がバカスカ落ちて伸び率が縮小、ということなのですが、今申し上げましたように来年度ってスタート時点で余程のギャップダウンとするか、それとも今年度のパスを年末にかけて無茶苦茶上がって3月にかけて無茶苦茶下げる(とスタートの発射台が下がる)というような、大変にアクロバティックな形で期初の発射台下げない限り、「下がって上がって年度平均+1.6%」の翌年度が「同じく+1.6%」にならんじゃろとしか申し上げようがないです。

2023年度のパスが途中まで物価の伸び率が下がってその後上がりだす、というのならば、年度平均で24年度の方が高くなってて然るべきだと思うのですが、どうしてこういう器用極まりないパスになるんでしょう???????



・・・・・・いやまあこんなの答えは明らかで「政策変更の話に持ち込まれたくない」の一心で、やりたい政策が先にあって物価見通し出したらこうなる訳でして、23年度+1.6で24年度+1.8とか出そうものなら、「じゃあこれは2%に向かって進んでいるんですから緩和政策を継続するにしたってその緩和度合いの調整はあって然るべきなのではないでしょうか」ってツッコミが盛大に飛んでくるし、かといってまさか24年度が+1.4みたいに下がる見通しを出したら今度は「じゃあ追加緩和しないとダメじゃないですか」ってツッコミが飛んでくるし、ということで、「政策は上手く進んでいくのだが物価目標は達成しませんので今の政策を一切修正する必要はありません」ってのを出すのに、2024年度を2023年度対比で横ばいで出しました、ってのが見え見え過ぎて、こんな見通しよくもまあ議論も碌すっぽしないで恥ずかしげもなく出してくるわと呆れ果ててものも言えませんわ(言ってるけど)。


ま、前回の展望レポートの時も申し上げましたが、今回はそれに輪をかけて「政策先にありき」というのが露骨に出ていて悲しいとしか申し上げようがないです。



・感染症に関するリスク認識が以前よりも下がっているのに金利ガイダンス文言は不変ですかそうですか

https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2210a.pdf(今回)
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2207a.pdf(前回7月)

まず、鏡の部分のリスク認識ですが、

『リスク要因をみると、引き続き、海外の経済・物価動向、今後のウクライナ情勢の展開や資源価格の動向、内外の感染症の動向やその影響など、わが国経済を巡る不確実性はきわめて高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。』(今回)

『リスク要因をみると、引き続き、内外の感染症の動向やその影響、今後のウクライナ情勢の展開、資源価格や海外の経済・物価動向など、わが国経済を巡る不確実性はきわめて高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。』(前回7月)

今回はそもそも論として現状認識で海外を下げていますし、先行きに関しても海外の減速を要素に入れて来ましたので、リスク要因に関しても順序が変わって、海外がトップ、感染症が3番目に降格しているんですよね。でもって本文のリスク要因で感染症に触れた部分ですが、

『第3に、内外における新型コロナウイルス感染症が個人消費や企業の輸出・生産活動に及ぼす影響である。わが国では夏場に感染が再拡大したものの、過去の感染拡大局面と比べてその影響は小幅にとどまっており、感染抑制と消費活動の両立は着実に進展している。もっとも、今後の感染症の動向次第では、ペントアップ需要による押し上げ圧力が想定よりも弱まるリスクがある。一方で、感染症への警戒感が大きく後退すれば、行動制限下で積み上がってきた貯蓄の取り崩しが想定以上に進み、個人消費が上振れる可能性もある。また、一部でなお供給制約が残るもとで、内外で感染症が再拡大した場合、サプライチェーン障害などを通じて、供給制約が再び強まる可能性もある。こうした場合、わが国の輸出・生産が下振れるとともに、財消費や設備投資にも悪影響が波及するリスクがある。』(今回)

『第1に、内外における新型コロナウイルス感染症が個人消費や企業の輸出・生産活動に及ぼす影響である。わが国においては、高齢者を中心に感染症への警戒感が根強く残る場合、ペントアップ需要による押し上げ圧力が想定よりも弱まり、個人消費が下振れるリスクがある。一方で、感染症への警戒感が大きく後退すれば、行動制限下で積み上がってきた貯蓄の取り崩しが想定以上に進み、個人消費が上振れる可能性もある。また、グローバルに半導体不足が続くもとで、内外で感染症が再拡大した場合、サプライチェーン障害などを通じて、供給制約の長期化・拡大につながる可能性もある。こうした場合、わが国の輸出・生産が下振れるとともに、財消費や設備投資にも悪影響が波及するリスクがある。』(前回7月)

ということで、(面倒だからまとめて引用しましたが)感染症に関するマイナス認識が前回対比でかなり弱まっておりますし、更に供給制約に関する文言も今回上方修正(供給制約の影響が和らぐ方向)となっておりまして、しかも順番が3番目に降格しておるわけでして、それでもなおコロナ非常時モードの時に記載した文言をそのままフォワードガイダンスで継続する、というのはどういうことなんでしょうかねえ???


・・・・・ええまあ答えは勿論「文言を一言でも変えると政策変更の話になるから」ですよね。こっちの場合はさっきの結論先にあり気とは別でして、状況が変化しているのに政策を全く変えない、という政策の硬直性の話になっております、あーやだやだ。


とまあそういう感じで今日の所は目についたツッコミどころについてでありますが、もう一つありまして・・・・・・


〇オペ紙超長期輪番増額は良いんだがじゃあ売られてるときに何でもっと積極的に増やさないんですかねえ

今回のオペ紙
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/rel221028f.pdf

前回のオペ紙
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/rel220930c.pdf

あらまあ超長期の回数が2回→3回になっていますわよ・・・・・・・・・・・

1回辺りの金額に関しては、これはまあ2日に中期と超長期後半、8日に長期と超長期前半があるので、そこで確認することになるんでしょうけれども、(超長期はさすがに回数増やしたから元に戻すんでしょうけど)臨時輪番実施した時は「直近で輪番を増額した時の増額分だけの買入を実施」だったのに、今回はいきなり回数増やす攻撃しかも超長期だけ、という結果に。

・・・・・・・・いやなんですかね、この発動基準が訳分らん動かし方はって感じでして、だから日銀が自ら超長期のボラを上げてどうするんだという話で、真面目な話、この発動基準の意味不明さは投資家を遠ざけることによって、却ってボラは上がるわ(先日のPD投資家懇談会のように)超長期国債の安定消化を難しくするわで、誰も得しないムーブになっているのは、本当に何とかしていただきたい。

まあ何ですな、そもそも「超長期国債金利について望ましいイールドカーブ水準(=均衡イールドカーブ水準に対する適度な金融緩和度合いが達成されるべき水準(レンジ))」というものがあるの無ないのか、あるとしたらどういうレンジで見ているのか、と言ったものもないのにホイホイと「イールドカーブ」をコントロールしようとしているのがアカン訳で、いいからおまいら均衡イールドカーブの水準(幅があるのは当然としても)を出してみやがれって感じですわね・・・・・・・・・・・・

何ちゅうかね。まあ訳分らんです。

#という辺りでまずは勘弁して明日は総裁会見とか展望レポートの基本部分あたりですかね







2022/10/28

お題「寝起きでECBを少々」

ECBはいろんなもんを別々の紙で出すので(単に慣れてないだけ説があるが)いただけませんな。

〇本日は話題の声明文から:利上げ予告ホームランから出たとこ勝負へ

ECBの場合は紙が大杉なのと長いので結果は見ることの方が多い、そんなに思い入れないというのもあるけど。ということで答え(?)をみたらそらまあここが注目だわなと思うのでありまして。

今回
https://www.ecb.europa.eu/press/pr/date/2022/html/ecb.mp221027~df1d778b84.en.html

前回
https://www.ecb.europa.eu/press/pr/date/2022/html/ecb.mp220908~c1b6839378.en.html

・声明文の一発目に出オチがある訳でして

まあアレです、最初にネタになるのはここですわな。声明文の第1パラグラフ。

『The Governing Council today decided to raise the three key ECB interest rates by 75 basis points. With this third major policy rate increase in a row, the Governing Council has made substantial progress in withdrawing monetary policy accommodation. 』(今回)

『The Governing Council today decided to raise the three key ECB interest rates by 75 basis points. 』(前回)

今回、TLTRO3が補助金レートになっていることに関して修正したのは良いんだが、そもそも論として後からいきなり適用基準金利変える(しかも不利益変更)とかそれインチキじゃねえかって話なんだが、まあ掴み金レートになって問題になっていたのでシャーナイのと、そうは言っても別に過酷な条件になった訳ではない(と思われる)というのはある。

でもって今回も75利上げは事前予想通りでMROが2%、預金ファシリティ金利が1.50%に引き上げになりましたな。

『The Governing Council took today’s decision, and expects to raise interest rates further, to ensure the timely return of inflation to its 2% medium-term inflation target. The Governing Council will base the future policy rate path on the evolving outlook for inflation and the economy, following its meeting-by-meeting approach.』(今回)

『This major step frontloads the transition from the prevailing highly accommodative level of policy rates towards levels that will ensure the timely return of inflation to the ECB’s 2% medium-term target. Based on its current assessment, over the next several meetings the Governing Council expects to raise interest rates further to dampen demand and guard against the risk of a persistent upward shift in inflation expectations. The Governing Council will regularly re-evaluate its policy path in light of incoming information and the evolving inflation outlook. The Governing Council’s future policy rate decisions will continue to be data-dependent and follow a meeting-by-meeting approach.』(前回)

前回は「今後数回の会合で利上げを継続する」という決め打ち文言と共に「ミーティングバイミーティングアプローチ」っていうのを言ってる、というよく考えたらナンジャソラな内容になっておりましたのと、インフレ退治にバンバンやるでーって雰囲気を漂わせる長めの書き方だったのが、今回はまず「更に利上げしまっせ」は残しましたが、一方で「今後数回の会合で」という決め打ち文言を削除して「今後の物価目標達成と経済の為に適切にやっていきまっせ」となっているのですけれども、前回はあくまでもインフレーションの話しばかりがこの部分に書いてある中でしれっと「エコノミー」と入れているのもお茶目で、これはまあつまり素直に取れは「政策金利水準も2%という水準まで上がったことだし、インフレは怪しからんから利上げはしないといけないけど、今までの急いだ金融緩和解除をするのの延長線上では政策運営しませんよ」って説明ですね。

でまあ寝起きなんで会見を実はまだ見ていないのですが(紙が多くて読み込んでるだけで時間がなくなって結構焦っておる)おそらくポイントになるのは今回利上げした結果中立金利になってるのかなってないのか問題という所で、アタクシ勝手にユーロ圏の中立金利2%台前半あたりと踏んでいるので、まあ今回の利上げによって今後そこまで慌てて利上げせんでも良かろうという感じになったことにはそこまで違和感が無いのですが、ECBにしても「中立水準」には急いで持って行きたいってイメージはある(もしかしたらコストプッシュとかの問題もあるから中立のちょっと手前なのかもしれないですけど、インフレのベースの数字が高すぎなので金融政策で緩和的にするのもどうかって思ってるとは感じてるんですけどね)ので、中の人たちがどういう中立のイメージ持っているか次第ではありますな。


ということでほぼこの冒頭パラグラフでメインの話は終わってしまう気がするんだが(汗)声明文の中で決定事項を説明する前の部分は前回と比較します、といってもECBの場合、ここから先の書きっぷりが会合毎に違う(今回は9月にスタッフ見通しが出てた要因です)ので比較しにくいんですけどまあご愛嬌で、

『Inflation remains far too high and will stay above the target for an extended period. In September, euro area inflation reached 9.9%. In recent months, soaring energy and food prices, supply bottlenecks and the post-pandemic recovery in demand have led to a broadening of price pressures and an increase in inflation. The Governing Council’s monetary policy is aimed at reducing support for demand and guarding against the risk of a persistent upward shift in inflation expectations.』(今回)

『The Governing Council took today’s decision, and expects to raise interest rates further, because inflation remains far too high and is likely to stay above target for an extended period. According to Eurostat’s flash estimate, inflation reached 9.1% in August. Soaring energy and food prices, demand pressures in some sectors owing to the reopening of the economy, and supply bottlenecks are still driving up inflation. Price pressures have continued to strengthen and broaden across the economy and inflation may rise further in the near term. As the current drivers of inflation fade over time and the normalisation of monetary policy works its way through to the economy and price-setting, inflation will come down. Looking ahead, ECB staff have significantly revised up their inflation projections and inflation is now expected to average 8.1% in 2022, 5.5% in 2023 and 2.3% in 2024.』(前回)

前回は四半期のスタッフ見通しを踏まえた部分があったりして長い、というのもありますが、前回はインフレ警戒の話が思いっきり載ってて、しかもこのパラでも「先行き利上げするぞするぞ」という勢いを感じる表現になっていましたが、今回はこの部分もあっさり味に修正されています。内容自体は引き続きインフレがケシカランし供給制約はまだ物価に上昇圧力掛けてるし、ワシらの金融政策によって今後も需要の適度な抑制とインフレ期待のアンカリング継続に努めないといけませんね、っていう話でそれ自体は前回と趣旨は同じなんですが、あっさり味仕立てに変更するとやはり前回の出来上がりと比較した場合にあっさり感が目立ちますな。


3パラ以降は最早全然別の話なのですが。

『The Governing Council also decided to change the terms and conditions of the third series of targeted longer-term refinancing operations (TLTRO III). During the acute phase of the pandemic, this instrument played a key role in countering downside risks to price stability. Today, in view of the unexpected and extraordinary rise in inflation, it needs to be recalibrated to ensure that it is consistent with the broader monetary policy normalisation process and to reinforce the transmission of policy rate increases to bank lending conditions. The Governing Council therefore decided to adjust the interest rates applicable to TLTRO III from 23 November 2022 and to offer banks additional voluntary early repayment dates.』(今回)

今回の3パラはTLTRO3の条件変更(不利益方向の変更っていいのかねそれとは思うがそこはさておき)の話をしてて、銀行貸出チャネルによる無用な景気刺激イクナイって話をしています。

『Finally, in order to align the remuneration of minimum reserves held by credit institutions with the Eurosystem more closely with money market conditions, the Governing Council decided to set the remuneration of minimum reserves at the ECB’s deposit facility rate.』(今回)

元々ECBって法定準備預金にも付利してたんですけど、この付利金利を預金ファシリティレートに下げるようですな。

『The details of the changes to the TLTRO III terms and conditions are described in a separate press release to be published at 15:45 CET. Another technical press release, detailing the change to the remuneration of minimum reserves, will also be published at 15:45 CET.』(今回)

今回実を申せばこのTLTRO3とかのリリースを読んでたら過去のをたどりたくなって色々とみているうちに時間が無くなるというアカンタレな事になりまして、今日は声明文だけで勘弁して頂くということで以下ちょっと続きます。


比較対象にならんのだが前回の3パラ以降。

『After a rebound in the first half of 2022, recent data point to a substantial slowdown in euro area economic growth, with the economy expected to stagnate later in the year and in the first quarter of 2023. Very high energy prices are reducing the purchasing power of people’s incomes and, although supply bottlenecks are easing, they are still constraining economic activity. In addition, the adverse geopolitical situation, especially Russia’s unjustified aggression towards Ukraine, is weighing on the confidence of businesses and consumers. This outlook is reflected in the latest staff projections for economic growth, which have been revised down markedly for the remainder of the current year and throughout 2023. Staff now expect the economy to grow by 3.1% in 2022, 0.9% in 2023 and 1.9% in 2024.』(前回)

前回は四半期見通しの話をしています。

『The lasting vulnerabilities caused by the pandemic still pose a risk to the smooth transmission of monetary policy. The Governing Council will therefore continue applying flexibility in reinvesting redemptions coming due in the pandemic emergency purchase programme portfolio, with a view to countering risks to the transmission mechanism related to the pandemic.』(前回)

ユーロ圏の国債市場のフラグメンテーションはいかんぜよという話を前回は押し出していましたが、今回(別件があったせいなのか意図的なのかがわからんですけど)この話をカットしている、という構成になっています。

以下は決定事項の説明で本当はネタにして然るべきなのですが時間もないのでパスして。


〇5分で読める政策決定も前回対比のニュアンスは分かりやすいですな

今回
https://www.ecb.europa.eu/press/pressconf/visual-mps/2022/html/mopo_statement_explained_october.en.html

前回
https://www.ecb.europa.eu/press/pressconf/visual-mps/2022/html/mopo_statement_explained_september.en.html

・絵柄の比較(は引用できないけど)

経済どうなってますかの認識、という所の絵の比較に味わいがある。順序逆ですが経済の方がアタクシ的には目についたので経済のパートから。

今回
The economy will weaken in the coming months...
… even though lots of people have jobs

『This weakness will probably last for the rest of this year and into the first part of 2023. High inflation, problems with gas supplies and worries about the future mean that people are buying less and businesses are cutting production.』(今回)

『Unemployment is still low and new jobs are being created. But as the economy weakens, this could change.』(今回)


前回
The economy is holding up for now, mainly because of tourism
The economy will slow down substantially later this year

『People are travelling again and spending money on services. A record number of people have jobs. But businesses are suffering from high energy prices and remaining problems with shortages of materials and equipment. The outlook for the coming months is worsening.』(前回)

『High inflation is dampening firms’ production and people’s spending. The supportive effect of the reopening of our economy will weaken. Less demand from the rest of world is weighing on the economy. People and businesses are much less confident because the outlook is very uncertain.』(前回)

先行き暗いですよ、の絵が先に来る(つまり主文が経済の先行き懸念になる)となっておりまして、ここでもさっきの「エコノミー」入りと同じメッセージを感じます。


物価に関しても味わいがあって(個人の感想です)

今回
Inflation is far too high, and will stay high for a while

『Prices are rising across the economy. Very high energy prices are still the main reason for this. Supply problems are getting better but are still driving up prices. The exchange rate has also pushed up inflation, by making imports more expensive.』(今回)


前回
Inflation remains far too high and will stay high for a while

『Extremely high energy prices, especially for gas, are pushing up inflation. Supply problems of firms, demand from consumers and a weaker euro are also driving up prices in more and more sectors of the economy.』(前回)

物価が高いよって話自体は同じですけど、前回は物価が上がって頭抱える人の絵という露骨なメッセージだったのに、今回は物価が高い所にいてなんか高いままですなあというイメージ図ではあるのですが、頭抱える人の図が無くなったのは何と申しますかその露骨感が無くなり、一方で経済の先行きの暗さはより前面に出ている、ということでまあそういう感じで正常化まで行ったんでここからはチンタラ利上げになりますわよ、という話んでしょうねとは思いましたし、まあゆうて「出てとこ勝負」なのは変わらないので、結局は出てきたデータ次第ということになるかと思いますが、今後は「インフレ退治大正義で決め打ちバンバンやりまっせ」という勢いは弱まる、という市場の受け止め通りで何の変哲もないですけど、まあそうなると思うのですが、じゃヒャッハーしてればいいかっていうと、それは物価次第なんでそんなにヒャッハーヒャッハーする話でもない気がしますけどねー。

ということで勘弁してくんなまし。







2022/10/27

お題「日銀が自ら輪番でボラ上げるの勘弁してくれませんかねえ/補正の増発も超長期は無理となるの巻」

日本はどうなんでしょうかしら???????
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-imf-cenbank-idJPKBN2RL1BP
2022年10月27日12:54 午前
各国中銀、「中立」水準達成まで利上げ継続を=IMF専務理事

『[ベルリン 26日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は26日、各国中央銀行はインフレ抑制に向け金利が「中立」水準に達するまで利上げを続けるべきとの見解を示した。ほとんどの地域でまだその水準に達していないとした。ベルリンでロイターのインタビューに応じた。

同専務理事は、中銀がいつまで利上げを続けるのかとの質問に対し、IMFは「2024年までに中銀がその効果を確認する段階に至る」と予測していると回答。各国中銀による利上げの効果はすぐには現れず、好ましい影響が得られるのは2024年までかかるとの認識を示した。』(上記URL先より)

ねえねえ日本はどうなんですか日本は(しつこい)。


〇日銀が超長期のボラを自分で上げに行ってどうするんだよ・・・・・・・(輪番雑感)

昨日の輪番オペはご案内の通り、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of221026.htm
国債買入(残存期間3年超5年以下) 5,750 2022年10月27日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 6,500 2022年10月27日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,500 2022年10月27日
国債買入(残存期間25年超) 1,500 2022年10月27日

(指値とか他のオペとかのオファーは引用割愛)

ということで増額輪番が実施されました。

・・・・・・えーっとですな、水曜に輪番増額するんだったら何で月曜に臨時輪番入れないのかという話だし、火曜はまあ流動性供給入札があったから若干輪番打ち難いのは一理あるんですけれども、バカスカ売り込まれている日に臨時輪番で止めに掛かる姿勢を見せてなかったのに、相場が戻ってから輪番増額するとかオメー何やってるんだよ、と思ったが、これ3月のラリラリ輪番(1日2回の輪番、しかも2回目は相場が上がってきている中で実施)と似たパターンではございますなという所で、あの時各所から苦情が上がったと思うのですが全然学習してないのは良く分かりましたorzorz

この増額自体は最近やってる臨時輪番および通常輪番における上乗せトッピング額と同じ中期後半〜超長期前半+1000の超長期後半+500と同じなのですが、何せ月曜火曜が怒涛の超長期甘甘の中で臨時輪番無し攻撃、というのを実施して、昨日は海外金利が下がって寄りから強くなっているところでしたが、そこに通常輪番のままで実施するのかと思えば輪番増額をするというプレイで、いやお前それは相場のボラ上げてるだけだろと思う訳ですよ。

YCCでイールドカーブを適切な緩和度合いとなる水準に持って行く、ということで輪番を活用している、というのが今の政策枠組みではあるのですが、その際って確かにそんなことは書かれていないからシランガナと言われたらそうかもしれんけど、その時の債券市場は水準も大事だけど「安定的に推移する」ってのも大事なことな訳でして、3月のラリラリオペでもやらかしていましたが「債券市場が買われている時に臨時輪番ぶっこんで相場をカチ上げる」ってえのは、そらまあ「マニュピレーションとしては効率が良い」というのは分かるのですけれども、これをすると「板がスッカラカンの中で値段が飛ぶ」という事象が発生してしまい、それって結局の所「ポジションの空白地帯」を作ることになるんですよね。

確かに米国金利が下がって円債も上で寄った時に追い打ちみたいに押し上げすると相場が急騰してキモチエエだろうし、効率的とか思ってるのかもしれませんが、ポジションの空白地帯は次にそこに来た時に同じようにものすごい速度で通過してしまう地帯に成り兼ねない(というかだいたいなる)ものでございまして、市場の安定化に思いっきり反するムーブになるのでありまして、やるなら月曜からちゃんと臨時輪番入れておけや(それなら別に水曜日に輪番増額されても誰も疑問に思わないので不確実性が低下となる)というお話な訳ですな。


・・・・・つーことでですな、日銀自らが輪番増額を不規則にやることによって市場の不確実性を引き上げてしまう、ってのやってるのってこれ大きな文脈で言えばYCCの趣旨を輪番で踏みにじっておるんじゃないですかねえ、って所で昨日は甚だ遺憾な輪番増額でしたなという所であります。

なお、これ言い出すと最近の為替介入もアタクシ的には何だかなーって感じで、おじいちゃんが昔に見た為替介入って東京時間の板がバッチリ厚い時に堂々のぶっこみを行っていたというのを何度か見た記憶がある訳で、ドル円の板が薄い海外の時間とかを狙ってコソドロのように介入するのって、板が薄い所での介入だから少額で相場動かせるんだが、その間にポジションの空白地帯を作るだけなので、戻りだすと結局あっさり味で戻ってしまう(出来高を伴っていれば途中で出来たポジションに絡む売買が入る、というのがまあ理屈ちゃあ理屈、実際にそうなのかというとイメージの話なので何ともですし、債券と為替とはまた違うと思うけど)というのがありまして、なんかもうちょっとこう東京時間に堂々と介入受けて立つぜ、位の勢いが欲しいんですけどねえとは思うのですが、まあ円買い介入は最終的に上限があるから、玉を出し惜しみしたくなるお気持ちは分かるので、まだ為替介入の方が事情は理解できるんですが・・・・・・・・・



まあそんな相場でも兎にも角にもトリオ・ザ・指値のカレント3銘柄に関しては昨日の指値オペちゃんでもこの有様である。

https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba221026.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5) 4,912 4,912
(注5) カレント3銘柄が対象。

これ浮動玉どうなってるんかいなって感じですが最早別世界の銘柄なので良く分かりません。



〇そらこのボラで超長期増発はできんわな

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbi/proceedings/outline/221025toushika.html
国債投資家懇談会(第89回)議事の要点
日時 令和4年10月25日(火)10:30〜11:50
場所 財務省 第3特別会議室
内容 令和4年度第2次補正予算に伴う国債発行計画について

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbsp/proceedings/outline/221025pd.html
国債市場特別参加者会合(第101回)議事の要点
日時 令和4年10月25日(火)16:00〜16:40
場所 財務省 第3特別会議室
内容 令和4年度第2次補正予算に伴う国債発行計画について

投資家懇の方が時間が長いのかとかそういう話はさておきまして、どっちも補正に絡む増発で超長期は勘弁、という話(というよりは他の年限で出しましょう話)に終始していますな、そら(日銀が超長期のボラを上げに掛かってるんだから)そう(超長期の増発が出来る訳が無い)よというお話ではあるんだが。

では投資家懇から先に拝読。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbi/proceedings/outline/221025toushika.html

こちら『<参加者からの主な意見>』のあっさり味箇条書きに対して時間が1時間20分もあったのが何とも言えない味わいを醸し出しておりますがそれはさておき、

『・T-Billはキャッシュの置き場所にしやすく、増発余地がある。』

短国に関しては発行する立場的には一瞬にして借り換えニーズが発生してしまうので、長期的に安定的な調達、という観点ではあんまりバカスカ増発したくないことで、コロナの時に緊急避難でバカスカ増発しました分は減額している訳なんですが、いざ増発してみるとやっぱりニーズがあって、これって短期のリスクフリー資産へのニーズが各種の金融規制の強化が進んだこともあって高まっている所に加え、日銀のコロナオペその他諸々の要因もあって、短国は相変わらずのレートの低さを誇っているんですよね。まあオペ云々をさておいても、金融規制に絡んで流動性規制だの何だのってのは、だいたいなんかあると厳しくなる、という方向性はそう簡単に変わらんと思うので、そういう点で短国の増発は市場ニーズに対応という意味であって然るべきだと思いますです、はい。

『・金利がプラスになってきた2年債、5年債については、増発余地がある。』

そらそうですな。ただまあ増発した後マイナスに突っ込まれたらというのがあって、増発って1回だけの単発ではない話なのでムツカシヤという問題ではあります。

『・増発可能なゾーンを考えると、20年債〜40年債は流動性が低い。他方、2年債、5年債、10年債であれば、流動性が保たれており、増発してもリスクは少ない。』

本来で言えば短国を増発するんだったら利付の方は長めを入れてバランス取った方が発行全体のバランス的には良いようにも思えるのですが、日銀が超長期のボラを上げにいっているのでこうなるわな、ナムナム。

『・マーケットのボラティリティの高さに鑑みるに、今回の補正予算に係る増発については、流動性が一定程度確保される10年以下の年限が短いゾーンでの対応が望ましいのではないか。』

ねー。

『・10年債以下については、相応に購入余力がある。』

これはつまり超長期の購入余力がないって事ですね分かります。

『・超長期ゾーンへの投資余力は引き続きあるが、昨今の金利の変動の状況などに鑑みると、増発という言葉はネガティブに働く可能性もあるので、慎重に対応いただきたい。』

こうなっちゃうんですよね。とは言え中期以下で増発すると足が短すぎ問題が発生するし、10年の増発は日銀がどうせ指値で買うからセーフ、という説はあるけど、ただこれって「財政ファイナンス」問題と絡めて論じられると色々とややこしい事になるので、10年もそんなに派手に増発ってしにくいと思うんですよねー。

『・金利上昇のタイミングでは、段階的に利回りの高い中長期債を購入していくイメージをしている。
・イギリスを他山の石としつつ、財政規律を保って信認を得ていくべき。』

最後の意見がいい、すごくいい。

で、1時間20分でこれなので、実際はどんな感じだったんでしょうね。ワクワク。


ではPD懇、と言ってもまあ同じ話ですけど。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbsp/proceedings/outline/221025pd.html

時間こっちの方が短いのに何で『<参加者からの主な意見>』の数が多いんだよw

『・T-Billを中心とした増発が良いと考えている。T-Bill・6か月物は、以前は月2回発行だったところ、現在は月1回発行となっており、月2回発行に戻せば、増発余地があると考えている。』

まあそうですね。短国については量的緩和状態になって超過準備が積みあがっている状況だとニーズって恒常的にかなり強く続くんじゃないかと思いますので、こちらはバンバン増発していただいて良くってよ、とは思いますが問題はここの増発は長期的な安定調達という観点とマッコウクジラで対立してしまう点。

『・利付債は全体的に増発余地が少ないが、増発するならば、10年債、2年債、5年債の順だと考えている。』

マイナス金利政策の世界における5年はニーズが無くなると一気に無くなるような気がします(個人の感覚的印象であんまり強い根拠持ってる訳じゃないけど)ので、こういう順序は分かるんだが10年は指値をやっているのが何とも困る。

『・超長期ゾーンについて、年度内に減額は必要ないと考えているが、更なる増発は難しい。』

日銀のせい日銀のせい。

『・10年債以下のゾーンでは、5年債がポジティブイールドでの発行となっており、最も増発余地があると考えている。』

そらそうなんだが金利がマイナスに突っ込んだから増発分他年限に振りますわよって急に出来ないのよね。

『・足元のマーケットインパクトを考えると、増発は、短中期ゾーンを中心に考えるべきだと思う。』

うむ。

『・T-Billは、日本銀行の政策修正の可能性、海外投資家の動向、国内担保需要の変化を見つつとはなるが、超長期債の増額よりは影響が少なく、増発する場合には優先順位が高いと考える。』

短国は他年限よりも更にお家の事情ニーズってのが存在するので、適正な発行規模って難しいですよね、と思います。

『・金利水準とボラティリティに鑑みるに、超長期債の増発は難しいと考えている。』

日銀の(以下同文)

『・2年債、5年債、10年債の増発余地にはあまり差がない。
・将来的に金利が上がった時には、銀行セクターが主要な国債の買い手となると思われるので、今の時点で中長期債を中心に増発するという方向で良いと考えている。』

なるほど。

『・10年債はイールドカーブの形状を見るに負荷がかかっていると考えられ、10年債よりは短中期債の方が増発に適していると考えられる。』

寧ろカーブ上クソ割高なのですから増発余地はあるという理屈になりそうなもんですが、この「負荷がかかっていると考えられ」というのは要するに婉曲表現で、日銀の買いによって価格形成がおかしくなっているゾーンに増発を入れると財政ファイナンスって言われたときにややこしくなりますよ、というのを露骨に言うのも(議事要旨が公開されますし)ちょっと自制しないと、という大人の対応を取ったもの、と理解しました。

『・T-Billの増発が優先だと考えており、1年物か6か月物かという話になると、4月から段階的に発行量が減っている6か月物において、相応の増発余地があると思っている。

・T-Bill・6か月物のほか、T-Bill・1年物についても、ある程度の増発余地はあると思っている。』

やっぱ短国って話になりますよね。ただまあ短国はその前に増発し過ぎた問題との兼ね合いが。

『・今年度と来年度において、大きく方向性が変わると、イールドカーブの形状に影響が出るおそれがある。』

ま、そこは今の財務省が極端な豹変発行計画とかやるとは思えないので安心して問題ないと思います。



〇企業向けサービス価格指数とな

https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cspi_release/sppi2209.pdf
企業向けサービス価格指数(2022年9月速報)

・・・・・・・基本的には安定的じり高という指数となっておりますが、今年度に入ってからその上昇率が0.5%ほど高まって安定上昇しているように見えまして、昨日ネタにした基調的物価も含めて、「ノルム」が変わっているように見受けられますので、恐らく日銀の屁理屈は「粘着的価格」方面にしふとしていくじゃないかなーって思いましたですバイ。


#今朝はショパンの事情でこんなところで勘弁してつかあさい






2022/10/26

お題「何ぼ流動性入札要因あるとは言え超長期ェ・・・・・/基調的物価更に来てます/レーン理事の金融政策に関するまとめ(のページ紹介だけ)」

https://www3.nhk.or.jp/news/special/sakusakukeizai/20220907/523/
2022年09月07日為替
覆面介入!?円安いつまで続く(10月25日更新)

どうでもいいけど流石に榊原さんのご尊顔から脂っ気が抜けた感じですな。昔は榊原さんというと(介入でヒャッハーだったテンションも加わって)もっとこうテカテカギラギラという感じでしたが(個人の感想です)。


〇いやもう何ですかこのカーブのすっ飛び方は

昨日の大引け
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N31Q11M
2022年10月25日3:23 午後
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸で引け、流動性供給入札後に超長期金利が低下

昨日の前場引け
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N31Q0G7
2022年10月25日11:12 午前
〔マーケットアイ〕金利:前場の国債先物は続伸、超長期債金利は上昇継続

まあ流動性供給入札前の警戒(婉曲表現)で金利上がったものの、ここもと散々金利が上がった状態で迎えただけに順調な結果になって結果出てから反発、なのはまあいいんですけど・・・・・・・・・・

前場引けの方から先に。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N31Q0G7
2022年10月25日11:12 午前
〔マーケットアイ〕金利:前場の国債先物は続伸、超長期債金利は上昇継続

『東京 25日 ロイター] -

<11:07> 前場の国債先物は続伸、超長期債金利は上昇継続

国債先物中心限月12月限は、前営業日比7銭高の147円92銭と続伸して午前の取引を終えた。新発10年債はまだ出合いがみられていない。先物は買い優勢となったが、超長期金利が上昇を続けるなど、方向感が乏しい展開となった。』(上記URL先より、以下同様)

最近は横綱を見てても相場の方向性が分からんがな的な事が大杉(10年カレントはアレだし)。

『現物市場で超長期債の新発債利回りは上昇。20年債は同7.0bp上昇の1.315%と2015年2月以来、30年債は同3.5bp上昇の1.685%と14年9月以来の高水準となっている。一方、5年債は同0.5bp低下の0.130%。2年債と40年債は出合いがみられていない。』

ということですが、

『TRADEWEB
     OFFER  BID   前日比 時間
2年   -0.009 -0.001  -0.001 11:01
5年   0.126  0.133  -0.006 11:01
10年   0.249  0.255   0  10:27
20年   1.308  1.315  0.076 11:00
30年   1.703  1.711  0.071 11:01
40年   1.949  1.974  0.084 11:01』

先物7銭高で中期が5糸強で超長期が7甘8甘っておまいら超長期に親でも殺されたのかという勢いの売り方ではございましたが、流動性供給が普通に強い結果になりまして大引けちゃんは、

https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N31Q11M
2022年10月25日3:23 午後
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸で引け、流動性供給入札後に超長期金利が低下

『東京 25日 ロイター] -

<15:10> 国債先物は続伸で引け、流動性供給入札後に超長期金利が低下

国債先物中心限月12月限は前営業日比15銭高の148円00銭と続伸して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同変わらずの0.250%。流動性供給入札を無難に通過し、超長期金利が低下に転じた。』(上記URL先より、以下同様)

そら連日大甘やってるんですから、とは言ってもまあ更に滑ったら地獄の黙示録になってしまうというのは勿論ありますし、まあこんだけハチャメチャやるのって、10年カレントだけピンポイントで買う事によって売りエネルギーを超長期に追いやってしまっているのもそうなんですけど、10年がこれだとヘッジに使えない(20年の残存10年ならカーブがまだマシな形成をしているけど、20年国債のオフザランの残存10年となると、それは多少なら兎も角数百億円規模でホイホイ流通するの無理があろう)となると、10年カレントだけ動かん状況は(売り圧力が無い時はいいんですけど)豪州の3年債とかと違ってものが指標銘柄に近いだけに、指標銘柄っぽいものの流動性を無くすってのは他年限に影響するもんだなーってしみじみと思いました。お前は何を今さら言ってるんだと笑われそうでハズいですけど。

『現物市場で新発債利回りは超長期債中心に大きく低下。5年債は前日比2.0bp低下の0.115%。20年債は同5.5bp低下の1.190%、30年債は同8.0bp低下の1.570%、40年債は同8.5bp低下の1.800%。2年債は出合いがみられなかった。』

前場と後場で符号ひっくり返るのはいいんですけど、7毛も8毛もあるものの符号ひっくり返さんでくれませんかねえ(吐血)というところで、

『TRADEWEB
     OFFER   BID   前日比 時間
2年   -0.021  -0.014  -0.014 15:00
5年   0.111   0.118  -0.021 15:01
10年   0.249   0.255   0  15:09
20年   1.187   1.197  -0.042 15:12
30年   1.565   1.574  -0.066 15:10
40年   1.786   1.816  -0.074 15:12』

ということで、ロイターさんご提供のTRADEWEBちゃんの気配だと30年債前場7甘やっておいて後場6.5強とかこれは流動性がないなんてもんじゃねえわという相場になっておりまして、そもそもYCCって何なんでしたっけという根源的な問いが起こる世界(マイナス金利の方も怪しからん政策だがまだ理屈はわかる、賛同はしないが)になって参りましたが、まあこんな所でYCCを引いたら黒ちゃん大敗北って言われてしまうから意地でも引かないでしょうし、まあそんなことはないと思いますけど昨日申し上げたようにワンチャンヤケクソのニューオペレーションでYCC強化だってし兼ねません(そして派手に逝ってしまうんですが)ぞなってなもんですな。

まあ幸か不幸か急に米国利上げ終了ネタで米国金利様も下がってきましたが、どうせこんなの物価の数字とか賃金の数字が強かったら戻ってしまう話だし、大体からして物価や賃金の落ち着きを確認する前に金融市場がヒャッハーしだしたら、特に米国の場合は個人消費が金融市場ヒャッハーになると喚起されてしまうという仕様になっているだけに、それはFED方面からランボー怒りの牽制球が飛んでくるでしょと思う訳でございまして、まあそう簡単に黒ちゃんの任期中に米国金利が緩和ヒャッハー相場になってくれるとは思えませんので、即ち当面「流動性無し時々大荒れ」になってしまうんでしょうかねえ。

勝ったことにしてYCC終了すればすべては解決だし、黒ちゃんの花道になる筈なんですが、ここまで散々「来年度には物価が下がる」を連呼してしまうと、そもそも「苦節10年、やっと物価目標の達成が展望できましたので、引き続き緩和政策は継続しますが、これまでの政策を徐々に戻して参ります、なお戻しきるには物凄い時間がかかりますので悪しからず」とでもやればよかったのに、あれだけ言ったら引っ込みがつかないので勝ち逃げが出来ないというイミフ状態になっておりますけど、どう収拾つけるんでしょうねえ。

なお、このまま何もしないでほったらかして後任に引き継ぐのは人の道に反するので、黒ちゃんに置かれましてはこの政策の収拾に道筋をつけるまでは総裁続けて頂きたいもんだと結構マジで思う今日このごろ。

・・・・・あ、あとアップ直前で入れ忘れてたの思い出したが、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba221025.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5) 7,863 7,863
(注5) カレント3銘柄が対象。

あらあらまあまあ・・・・・・


〇基調的物価キター!!!!!

も り あ が っ て ま い り ま し た !!!!!
https://www.boj.or.jp/research/research_data/cpi/index.htm/
基調的なインフレ率を捕捉するための指標

9月全国CPIを受けましてあぷでーとされてますが、グラフを見るだけでも悶絶しますけど、
https://www.boj.or.jp/research/research_data/cpi/cpirev.pdf

数値を例によって並べておきましょうず。

いつものように左から刈込平均値、加重中央値、最頻値の(前年比、%)ですな。

Jan-21 -0.3 0.0 0.0
Feb-21 -0.2 0.1 0.1
Mar-21 -0.1 0.1 0.1
Apr-21 -0.3 0.1 0.1
May-21 -0.1 0.1 0.1
Jun-21 0.0 0.1 0.1
Jul-21 0.2 0.1 0.1
Aug-21 0.3 0.1 0.2
Sep-21 0.6 0.2 0.2
Oct-21 0.6 0.1 0.2
Nov-21 0.8 0.1 0.2
Dec-21 0.9 0.1 0.3
Jan-22 0.8 0.2 0.3
Feb-22 1.0 0.1 0.3
Mar-22 1.1 0.2 0.3
Apr-22 1.4 0.3 0.4
May-22 1.5 0.4 0.5
Jun-22 1.6 0.5 0.5
Jul-22 1.8 0.3 0.7
Aug-22 1.9 0.5 0.8
Sep-22 2.0 0.5 0.9

いやー遂に刈込平均も2%達成ですよやりましたねー、って今頃赤飯炊いて「奉祝 物価目標達成」って提灯を持って日銀通りを提灯行列でもしておけば皆幸せに暮らせるというのに、出口政策の結果を見るのが怖いんだか責任取りたくないんだか知らないけど黒田のアホウが変な小理屈捏ねて目標達成したことにしないもんだから困ったもんでありますな。

でまあこれは皆様も既にご指摘になっておられますが、最頻値がジャンジャン上がっている訳で、最頻値ってくらいですから、上記URL先にリンクのある(こっちにもリンク貼ったけど)図表の注釈にもありますように、『2. 刈込平均値は、品目別価格変動分布の両端の一定割合(上下各10%)を機械的に控除した値。 加重中央値は、価格上昇率の高い順にウエイトを累積して50%近傍にある値。最頻値は、品目別価格変動分布において最も頻度の高い価格変化率。』ってなことですので、価格が上がりましたね、って中で一番よく観察されるのが前年同月比+0.9%という状態まで上がるって計測以降(といっても2001年以降ですけど)最大の数字になっていて、それこそこれも「ノルム」の変化じゃろという話。

・・・・・ということでありますので、急にここにきて「粘着性のある品目の価格ガー」とか日銀が新手の屁理屈を繰り出してきております次第で、最頻値の上昇とか加重中央値の状況を見て「これってノルムの変化じゃないんですか何で今の極端な緩和を維持する必要があるんですか緩和度合いの調整してもおかしくないですよね」と言われても返せる準備は万端なので、金曜の総裁会見ではこの屁理屈が全面に出て来るに1万ドラクマといった所ですな。


例によって左から、上昇品目比率、下落品目比率、上昇品目比率−下落品目比率、でありんす。

Jan-21 46.7 44.6 2.1
Feb-21 49.0 42.7 6.3
Mar-21 51.0 41.0 10.0
Apr-21 50.2 41.8 8.4
May-21 51.1 41.4 9.8
Jun-21 50.6 42.0 8.6
Jul-21 51.9 41.0 10.9
Aug-21 56.1 36.2 19.9
Sep-21 57.1 35.1 22.0
Oct-21 58.4 34.1 24.3
Nov-21 59.2 33.3 25.9
Dec-21 58.8 34.3 24.5
Jan-22 61.5 31.0 30.5
Feb-22 64.0 28.9 35.1
Mar-22 63.2 29.7 33.5
Apr-22 68.8 24.9 43.9
May-22 69.2 24.5 44.6
Jun-22 71.3 22.2 49.0
Jul-22 73.2 20.7 52.5
Aug-22 72.6 21.5 51.1
Sep-22 74.9 18.6 56.3

こちらも上昇品目7割越えが4カ月連続ときておりまして、エライコッチャになっているんですけれども、さて展望レポートでの物価見通しどう書くんでしょうかねえ。23年度の物価見通しはどっちにしても1%台にするつもり(2%にしておくとそれはどう見ても出口政策なので)なのでしょうけれども、それにしたって説明できるのかよという話になって来ましたが、どうせ日本一の屁理屈集団ですから何らかの屁理屈を捻出するんでしょうね。



〇なんちゅうマニアックなワークショップ(ただの雑メモ)

https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/rel221024b.htm/
日本銀行金融研究所ファイナンス・ワークショップの開催について
2022年10月24日
日本銀行金融研究所

本日、日本銀行金融研究所ファイナンス・ワークショップの開催案内を掲載しました。
開催要領と参加申込方法は以下から確認することができます。

ふーんと思って以下から確認してみましたらこれである。
https://www.imes.boj.or.jp/jp/conference/finance/2022_Fworkshop.html
日本銀行金融研究所ファイナンス・ワークショップ開催のお知らせ
2022年10月24日
日本銀行金融研究所
経済ファイナンス研究課

『日本銀行金融研究所経済ファイナンス研究課ファイナンス研究グループでは、11月11日に、「機械学習のファイナンス分析への応用」をテーマとして、ファイナンス・ワークショップをオンライン開催いたします。』

これはマニア。

『近年、理論・実務両面での技術進歩を背景に、社会の幅広い分野において、深層学習をはじめとする機械学習手法の応用が急速に進んでいます。ファイナンス研究の分野においても、先進的な手法を用いた研究により、様々な知見が得られてきています。』

『本ワークショップでは、1.深層学習を応用した自然言語モデル(BERT)を用いた気候変動関連ニュースの分析、2.機械学習モデルの説明手法を用いた原油価格の変動要因分析、および3.ヘッジング戦略の導出を始めとする深層学習のファイナンスへの応用に関する3本の研究報告を予定しています。』

何か知らんけどすげえな、と思いながらも20世紀(昭和ではない)からの1カイ2ヤリからの叩き上げおじさんとしては、こういうのに対してどうやったら裏かいてリターンだせるか、みたいな事ばっかり考えたくなるんですが所詮は蟷螂の斧ですかそうですかそうですかorz


〇暫く前の物件ですがこんなのがありましたな

何かいろんなもんがドタバタしてすっかり放置プレイになっておりましたが
https://www.ecb.europa.eu/press/key/date/2022/html/ecb.sp221011~5062b44330.en.html
SPEECH
The transmission of monetary policy
Speech by Philip R. Lane, Member of the Executive Board of the ECB, at the SUERF, CGEG|COLUMBIA|SIPA, EIB, SOCIETE GENERALE conference on “EU and US Perspectives: New Directions for Economic Policy”
New York, 11 October 2022

Introduction
The transmission channels of monetary policy
Interest rate and cash-flow channels
Bank lending channel
Risk-taking channel
Exchange rate channel
Spillovers
Risk-sharing
The anchoring of inflation expectations
Model-based impact of an interest rate shock
Policy effects in international comparison - the role of financial structure

と小見出しだけでもエライコッチャな大作なのですが、さらに話は続き、

Empirical evidence on transmission during 2022

ということで2022年のレビューまでおこなっておりまして、

Financial markets
 The money market
 The risk-free curve
 Real rates
 The sovereign curve
 Corporate bonds
 Equity and housing markets
Credit conditions
Inflation expectations

ときまして最後に

Conclusion

となっているとんでもない大作なんですが、英国だの為替市場だのとか言ってるうちに何となくチラ見だけして通過してて、これでもねじり鉢巻きでネタにしようかと思ってちょっと見て見たら内容が多岐にわたり過ぎて(と言っても別に1個1個に小難しい屁理屈とかがあるわけではないですが何せ量が)おりますので、ネタにできるかどうかはちょっと自信が無いのですが、最近はとにかく目先の政策金利がどうなるか、って話ばっかりがフィーチャーされてしまいがちですが、こういうネタ、しかもレーン理事が書いている話なので、次の中央銀行祭りの始まる前にページだけご紹介しておきますです、ということで。

・・・・・なんかメモばっかりで恐縮ですが昨日の超長期市場があまりにもアレでもうねって感じでございました、というのは言い訳になりませんかそうですか。





2022/10/25

お題「MPMプレビュー与太話(超テールリスク逆切れ緩和シナリオ)/安達審議委員金懇会見より」

よすよす。
https://jp.reuters.com/article/britain-markets-idJPKBN2RJ1EL
2022年10月25日2:42 午前
英市場、スナク氏の新党首選出を好感 歳出抑制路線堅持との見方

・・・・・まあこういう事例を見ても財政出せ出せしか連呼しない人達の集合体なのがジャパンクオリティなのは実にアレな訳ですが。


〇逆側のテールシナリオ「日銀逆切れの自爆特攻オモシロオペ投下」の可能性を妄想する

・やっぱり3月の時のブチ切れオペと違うんだよな・・・・・・・・・

昨日のオペオファー
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of221024.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注4) 2022年10月25日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5) 2022年10月25日 0.005
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分) 2022年10月24日 2022年10月25日 -0.350
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分) 2022年10月24日 2022年10月25日 -0.350

とは申しましても、ご覧の通りでいつもの毎日指値オペという松岡修造日めくりカレンダーみたいなのと、いつもの国債補完供給(リクエストベースで実施)の実施だけということで、週末に米国金利が下がった、と言いましても下がったの主に10年より手前で30年とかエライ上がってて、その点では米国債券市場素直な反応(利上げペースが落ちてターミナルレートもそんなにあがらないかもしれないけどインフレが長続きしてしまいますね、ってツイストスティープなんですよね、まあお前らどれだけのターミナルレートを見てたんだという話はあるのだが)をしてたのでして、超長期の輪番ぶっこんでやればそれはそれで味わいがあると思いました(ここまでの流れから言ってたぶんないと思ってたけど)し、3月末近くに行われた連日の発狂したかというような執拗な買入と全然違うんですよね。

ま、あの時と違いまして足元は米国債券市場様の金利があがってしまうと多少日銀が買入をしても焼け石に水なので、焼け石に水ぶっかけるくらいなら放置プレイで水を温存、という発想はそれはそれで分からんでも無いのですが、それにしても「指値オペをやってるから後は知らん」という感じが強すぎる今日この頃の輪番オペの打ち方は気になります。

だってさ、まあJGBのカーブが既に指値3銘柄に引っ張られにくく(引っ張られないとまでは言わないですけどよくわからん)なってしまって、昨日ネタにしたようにカレント3銘柄(特にウルトラショート銘柄になってしまってその銘柄だけイールドがおかしい3月償還が手前と10bpとか平気で逆イールドになってるの見てらんないんだけど)だけ別世界の別の物体、として扱われてイールドカーブが形成されている訳で、そうなってくると「金利を通じて借入コストを下げて云々」みたいな話がそもそもワークしてなくてYCCの枠組み自体がハリボテ状態になっている訳で、「10年カレント3銘柄だけ別世界のレートとして0.25%で固定することによって賃金が上昇する」という風が吹けば桶屋が儲かるんだか損するんだか訳の分からん点についてちょっと説明を願いたいと思う訳です。


・・・・・とまあそんな事を考えますと、これやっぱりテールリスクは「10年0.25%に整合的なイールドカーブを形成する」(ってのがそもそもYCCとして間違いで、本来のYCCは経済物価情勢に応じて適切な規模の緩和状況となることに整合的なイールドカーブを形成するんですけどね)とか言い出して、イールドカーブを更に無理くり押さえつけに掛かって、日銀自爆特攻攻撃に入る、というのがあるなーって妄想は終わらないのでありまする。

さて、では日銀が金利押さえに掛かる攻撃をするとどうなるか、という話ですが、この場合短期的にみたら日銀の意図通りに金利はピンポイントで下がるんでしょうけど、10年カレント&7年チーペストと同様に、売り圧力がほかの年限(または為替市場)に掛かるだけの話になりますし、連続指値オペからの毎日指値オペによって、目先的には10年金利の抑え込みに成功しましたが、もうちょっと長い(と言っても数か月の話だから短期だけど)視点で言えば今の円債市場というのと同じパティーンになるだけだし、より一層政策の限界を早めるという素敵な結果になる筈です。

と申しますのは、最初のQQEもそもそもが2年程度で終わる筈の政策でしたが、その後に行われた諸施策って基本的に「金融緩和方向で実施すると政策の死期が早まる」という流れになっておりました次第でして、一方で「金融緩和を骨抜きにする方向で政策を実施すると政策が延命する」というのも事実として起きてた訳ですな。つまりQQE2(あれもハロウィン緩和だったのをお忘れなく)やって政策の限界が来てねえか、って言われて補完措置入れたけど空振りで、限界限界言われて遂に逆切れしたのがマイナス金利だったのですけれども、あれで政策が一気に行き詰ってしまって打開策としてYCCという事実上の利上げを実施した訳な。

輪番運営のチョンボ(中期輪番スキップ)などから指値を0.11%で入れなければならなくなって、まあ暫くは持ったんですけど、やはり売り圧力が出てきて0.10%を2倍程度にしながら指値は入れて、ということで若干の利上げをしたら政策は長持ちしたんですが、0.25%に明確化したら世界的大インフレキタコレがその後やってきて、でまあ今年に至るんですけど、連続指値だの毎日指値だのバンバンぶっこんでしまったお蔭で円安にバカスカ振れてそっちも色々とアレになっているのはご案内の通り。

とうだうだと記憶によって書いてみましたが、まあ今月は普通の普通に考えると何もしない(展望レポートの作文は楽しみ)のですけれども、YCCがYCCの体をなしていないのに買入だけは続ける、という意味の分からんプレイになっている事に関して、何らかの落とし前を付けに行こうとすると、テールリスクの政策いじりが発生してしまいますので、はてさてどうなるのやらとは思うのですが、アタクシ的にはここであんまり金利を下げようという気が無いオペレーションを続けている市場局の動向に?????な違和感を感じているので、まあそういうことです。



〇安達審議委員の会見だが中身が全然ない(いや質疑応答の字面はあるんだけど)ってどういうことよ

https://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2022/kk221020a.pdf
安達審議委員記者会見要旨
―― 2022年10月19日(水)
午後2時から約35分
於 富山市


えーっとですね、この会見なのですが、まー何ちゅうか何も話をしていないに等しい会見をずーっと実施する、という中々凄い会見になっています。マジでネタにするところが無いので解散!でも良いのですがそれだと甘利と言えば甘利なので。

ちなみに9ページ中最初の3ページがご当地質問な上に、最後にも1ページ分くらい富山県の質問になっていたのですが、今回は何がどうなってるのか分からんのですが質問する方もナンジャソラって感じの質問しかしてなくて、ここまで読みどころのない質疑応答も珍しいとは思ったのですが・・・・・・・・・、

質疑応答の中でも「新幹線に乗って富山入りした」って話が出てたんですが、今回の金懇が対面で実施というのは結構な事よと思ったら、会見が東京とのオンラインやって無かったようで、いつもだとゴリゴリ質問しそうな人が来なかった(審議委員の会見なのにゴリゴリ聞かれてる回とかもありましたからぬー)んだなあとは思ったのですが・・・・・・

『(問) 三点、お伺いしたいと思います。まず一点目につきまして、現在、富山県経済のみならず、日本国内で生産の方が鈍化していると、その理由の一つが供給制約の影響が続いているということですけれども、現時点で供給制約が緩和する見込み、もしくは見通し等もし何か分かりましたら教えて頂ければと思います。』

それを安達さんに質問する意味isあるの???

『二点目につきまして、安達委員、この挨拶要旨の中で金融政策の修正、方向性について、緩和から引締めという認識でよろしいか大変恐縮ではありますが、こちらの方まだ時期尚早という話もありました。この点につきまして、もし懇談会の方で参加者・出席者の方から何かしら意見がありましたら、ご教授の方、よろしくお願い致します。』

はあ。

『そして、最後三点目になりますが、現在物価上昇や円安を受けて私たちを取り巻く環境は非常に目まぐるしく変わっております。その中ですごい大まかで大変恐縮ではありますが、今企業に求められていることというのはどういったことになりますでしょうか。』

証券業界出身であってもセクターとか企業のアナリストやってればまだしもだけど、マクロエコノミストやマクロストラテジストをやってた人にそれを聞いてどうするんだ。

というような感じのヌルヌル質問がひたすら続いて終了、という質疑応答でしたが、ただまあここで何らかの骨太な意見を持っている審議委員の場合(近い過去で言えば石田さんとか亀崎さんとか、他にも一杯いましたけど)だと、何らかの発言をぶっこんで来るのですが、安達さんの場合毒にも薬にもならない答えをするだけに留まりまして、いやマジで見るもんがないのではい解散!になるんですけど、


・10年新発の取引が行われないことは流動性の問題よりもカーブ形成の問題なんだよなー

まあそんなヌルヌル質疑応答の中で辛うじて債券市場の質問があった。

『(問)(前半割愛)三点目ですけれども、日銀は足元でYCCを実施しているわけなんですけれども、JGBでは今日も新発 10 年債の取引が成立しないといったようなかたちもありますし、それから 6 月の市場の混乱以降、流動性が低い状況が続いていると。市場の機能低下を示すこういった事象について安達委員はどのようにご覧になっているでしょうか。』


『(答)(前半割愛)三点目の債券マーケットの市場機能ということでありますけれども、そういうご批判はかなり、特に市場関係者の方々からお受けしているというのは承知しております。ただ、一方で、このところの取引の不成立の話というのは、この 2 週間くらいで起きていることですので、』

取引不成立が問題なんじゃなくて価格形成機能が壊れているのが問題であって、取引不成立はその中で出てきた一つの現象に過ぎない、ってことくらい安達さん証券会社で何とかストやってたから知らない訳は無いので、これは完全に回答を逃げているパティーンですね。

あたかもこの2週間だけの現象のような説明をしているのってただの詭弁で、ヒラ審議委員の金懇会見だからスルーされるけど、これ総裁会見で同じ想定問答で回答したら「ふざけるな馬鹿かテメエ」ってまたそういう話になりますんですけどね。

『それが恒常的にずっとそうなるのかどうなるかというのは、やはりマーケットの環境とか、参加者の方のシナリオ設定とか、投資スタンスで変わってきますので、』

は????

『そこは十分注意しながらみていきたいなというふうに思います。』

そもそもの問題設定がおかしいのに注意も糞もあるかよボケって感じですが、いやーこの調子で総裁会見をやらん方が良いと思うのでまだ間に合うと思うから想定問答書き直しするのをお勧めしますよいやマジで。

『もう一つは、やはり機能度については、私どもも色々な注意をしておりますので、対策は一応講じているつもりでありますので、その辺も含めて、やはり今後注意してみる必要はあるなとは思っていますけれども、すごく何か早急に対処しないとまずい状況が起きているというふうには今のところはまだ考えていないということです。』

まあ先週ネタにした金懇では日銀の新しい屁理屈「粘着性のある物価の上昇が必要」というのが登場していまして、本来の安達さんの安達ワールドの筈のリフレ理論じゃない話が堂々と展開されていた、という辺りから概ね察することができる訳ですが、安達さん普通に執行部の振り付け通りに喋ってますなあということですので、まあ政策に関する質疑応答については応答は想定問答がこう設定されている、あるいは政策委員会の中ではこのように整理されている、とまあそんな話になっている訳でございますよ(個人の妄想ですので念のため申し添えます)。

ということは、債券市場の価格発見機能がおかしくなって(ある意味最近では指値銘柄をすっ飛ばして価格形成が進んでいるので別の意味ではすこし改善しているという説は・・・・・・・ないですかそうですか)おりますがどうでしょうか??という質問に対しては上記のようなゼロ回答が帰って来る、ということを意味しているんだと思いますが、もうちょっと正面から受け止めた回答して欲しいですよね、どうせゼロ回答をするにしたってですよ。


・ヌルヌル質疑の中にも味わいあり

さっきヌルヌルと申し上げた質疑の中でちょっと面白かったのは2番目の質問に対する回答です。再掲になりますけれども、

『(問)(前半割愛)二点目につきまして、安達委員、この挨拶要旨の中で金融政策の修正、方向性について、緩和から引締めという認識でよろしいか大変恐縮ではありますが、こちらの方まだ時期尚早という話もありました。この点につきまして、もし懇談会の方で参加者・出席者の方から何かしら意見がありましたら、ご教授の方、よろしくお願い致します。(以下割愛)』

実はこの回答がちょっと面白くてデスネ、

『(答)(前半割愛)二点目の金融政策の変更が時期尚早というのは、基本的には、今、円安が進んでいる中で、円安をこれ以上進ませないように、現行の政策を変更してくれという要望・意見というか見方というのが、結構大々的に伝えられています。それは私なりに解釈すると、要するに今やっているマイナス金利とイールドカーブ・コントロール、YCCをやめるか、もしくはやや修正してくれという話だと思うのですけれども、そこについてはまだ変更するようなタイミングではないのではないかというふうな意味で用いております。(以下割愛)』

このあとは3点目の質問に対する答えになっておりまして・・・・・・・・あれれ???質問の回答になっていなくないですかこれ?????????????

ということでございまして、これは懇談会の方で「急速な円安は困るので日銀は円安をあまり煽るような事をしないで欲しい」って意見がそれなりに出たんんじゃねえのか????という疑惑が高まる案件でございますな。

・・・・・と申しますのは、そういう意見が出ているのに何も言及しない、ってことになると(運が良ければ別ですが)後からその意見を安達さんに伝えた地元経済界の重鎮の方が「なんじゃこれはけしからん」と富山事務所長なり金沢支店長なりにぶっこんでくる事になるリスクがありますし、一方で「急速な円安を招くような政策スタンスに対する意見がありました」などと発言するとヘッドライン化待ったなしとなってしまいますから、こういう場合は回答しないというのが一つの逃げ方ということで逃げやがったなという感じです。

まあこんなの普通に「急速な円安に対する懸念についてはご出席の方々からのご指摘も頂きましたが、金融緩和政策の早すぎる修正による悪影響についても問題である、とのご認識も頂戴しております。私としては現時点での政策修正は時期尚早すぎる議論であると考えております」とか何とか無難に答えておけばいいのに、参加者から何かお話ありましたかの質問を完全に逃げる必要あったのかというか、完全に逃げる方が却って怪しまれるんですけれども、とは思いました。

なお、単に最初の質問に回答しているうちに2番目の質問の趣旨を忘れてしまって自分の意見を言っただけ、というしょうもない可能性もありますので、その点は念のためお含みおきいただけると吉かと存じます(^^)。






2022/10/24

お題「米国が利上げパスをどう織り込んでるのか訳分らん件/CPIとか為替とかメモ/ハロウィン逆切れの新手オペって方を妄想してみる」

金融システムレポート出ましたな(なお今日はネタにしない)
https://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/fsr221021.htm/
金融システムレポート(2022年10月号)

概要
https://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/data/fsr221021b.pdf

全文
https://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/data/fsr221021a.pdf


〇ところで米国ってどういう織り込みしてるんだよ・・・・・・・

・WSJお馴染みニックティミラス記者の観測記事で好感とな

https://jp.reuters.com/article/-idJPL4N31M3AO
2022年10月22日6:09
米金融・債券市場=利回り低下、米利上げ減速観測が台頭

『[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米金融・債券市場では、連邦準備理事会(FRB)が約2週間後に控える次回会合で12月の利上げ幅を縮小する方針を示すかどうか討議する可能性があるとの報道を受け、数年ぶりの水準に上昇していた国債利回りが低下に転じた。』(上記URL先より、以下同様)

って奴なんですけど、ニックの書いてるもの真面目に読んだわけじゃないからアレなんですけれども、

『米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、FRBが11月1─2日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%ポイントの利上げを決定するとの予想は織り込み済みだが、12月会合で再度0.75%ポイントの利上げを行うか、0.50%にペースを減速させるか、FRB内の見解は分かれていると報した。』

これで金利下がるってどういうことなのかがおっちゃんマジでよくわからなくて、今次利上げ局面のケツに関してFED高官の発言ってほぼ全員が「4.50%-5.00%」って言ってて、しかもこの前のSEPだと利上げ局面は年内か来年の頭で終わるってあって、今の金利が3.00-3.25なのですから、利上げ幅残り150で見ておけば良い筈で、そうなると年内残り2回に75×2か75+50+25で見れば良くて、寧ろ75+50でやった方がその次50上げる可能性あるじゃんと思うのですが、米国って残り150上げてまずは3か月くらい様子見て、勢いよくインフレが沈静化(変な言い方だが)しない限りは政策ステイだし、インフレがサガランチ会長ならもうちょっと上げるけど、さすがに5%近い水準だから上げるにしてもおっかなびっくりでしょ。

というのって既にコンセンサスなんだと思ってたんだが、いやお前らどんだけ利上げ続くつもりでみてたねんという感じだし、年内150なのか年内125で来年微調整(25か50か)で打ち止めっての普通にそういう情報発信出てるじゃんという話で、WSJのニック記者い言われんでもそうじゃん以外の感想が無いんですが・・・・・・・・・

『10年債利回りは一時4.338%と、2007年11月以来の高水準を付けたが、終盤の取引では1.8ベーシスポイント(bp)低下の4.208%。 2年債利回りは一時4.639%と、07年8月以来の高水準を付けたが、終盤の取引では12.5bp低下の4.4872%』

ってありますから、寧ろWSJの記事は売り売りラリラリ相場に水をぶっかけてまあ落ち着けとなったという効果何じゃネーノという気もしますが、何せ米債に関してはおじいちゃん場中に起きてられないし、そもそもジャパンから見ててもわけわかんないからその辺は見るの初手から放棄しているので(やる気無し)詳しい人教えてちょんまげではある。


・最近SF連銀デーリー総裁よーしゃべりますな

またお前か!
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-daly-idJPKBN2RG1NZ
2022年10月22日4:38 午前
FRB、利上げペース緩める時期に近づいている可能性=SF連銀総裁

『21日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は21日、過度な金融引き締めによる「自発的な景気低迷」を回避すべきとし、利上げペースを緩める時期に差し掛かりつつあるという認識を示した。』(上記URL先より、以下同様)

そらまああと150は上げそうですけどそれ以上は見てないんですから、そう考えたら2回か精々3回なんですからね。しかし最近デーリー総裁よー喋りますな。

『デイリー総裁はカリフォルニア大学バークレー校で開かれた会合で「米連邦準備理事会(FRB)は0.75%ポイント刻みでの利上げを続けることはない」とし、「現時点で破綻に向かうのではないかという懸念が多く聞かれる。どの程度制限的であるべきか、熟考する必要がある」と述べた。』

そら200も300もよー上げんじゃろ。

『その上で、金利が経済活動を抑制も刺激もしない中立水準に近づく中、FRBは金融引き締めの第二段階に移行しつつあるとし、「思慮深く」かつ「極めてデータに依存する形」で対応する必要があると指摘。「過度な引き締めを行わないよう、全力を尽くして留意する必要がある」と語った。』

ということですが、今回のは動画で喋っているものしかありませんので、まあ元ネタはこちらというのだけ貼っておきます。(動画は1時間くらいありまっせ)

https://www.frbsf.org/our-district/events/mary-c-daly-in-conversation-uc-berkeley-fisher-center-real-estate-and-urban-economics/
In Conversation: Mary C. Daly with UC Berkeley’s Fisher Center for Real Estate & Urban Economics
President Daly’s Fireside Chat with UC Berkeley’s Fisher Center for Real Estate & Urban Economics
Friday, October 21, 2022
8:30 AM PT

At UC Berkeley’s Fisher Center for Real Estate & Urban Economics’ Policy Advisory Board meeting, President Daly sat down with Alex Mehran, Sr. for a fireside chat. Watch their conversation and hear Mary’s thoughts on the housing market and the state of the economy.

まあこっちも同じく出たということで合わせ技だったので反応した、ということなのかも知れませんけど、単純にその前に何か知らんが勢いで売られてたのがこの2発でラリラリから目が覚めたって感じなんですかねえ、よくわからんです。

まあそんだけ米国債券市場が低流動性高ボラティリティで中の皆さんが泡吹いてあばばばばばーってなっていてラリラリラリーになっているんでしょうなとは思ったのですが、ちょっと先週末の市場の後講釈がさすがに訳分らん(12月75か50かなんて今から決め打ちできないでしょ大体からして)のでメモっておきました。



〇CPI3%に150円のセット詰め合わせというのはそれなりにインパクトある気がするんだが

https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
2020年基準 消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)9月分(2022年10月21日公表)

『≪ポイント≫
(1) 総合指数は2020年を100として103.1
   前年同月比は3.0%の上昇  
(2) 生鮮食品を除く総合指数は102.9
   前年同月比は3.0%の上昇  
(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は101.1
   前年同月比は1.8%の上昇』

はいコアCPI3%来ましたねー。これで10月って去年の携帯電話の裏が出て0.3だか0.4だか乗っかって、ご案内の通り10月はいろんなもんが値上がりしましてあばばばばーな訳で、これは年内3%台後半から4%接近あるで〜って思うのですが実際どうなの教えてエライ人!

しかしまあ何ですな、
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2204a.pdf
4月展望レポート

この時の2022年度物価見通しって、コアCPIの中心が+1.9でコアコアCPIに見通しが+0.9だった訳で、お前らどんだけ外してますねんという話なんですが、それにも増してドイヒーなのは、これは4月展望が出た後にも何度も口を極めて悪態を申し上げましたが、見通しの上下1名刈込後のレンジが、コアCPIが『+1.8 〜 +2.0』でコアコアCPIが『+0.8 〜 +1.0』とクッソ狭い事ですよね。

https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2207a.pdf
7月展望レポート

まあちなみに7月も中心的レンジはコアCPIが『+2.2 〜 +2.4』でコアコアCPIが『+1.2 〜 +1.4』になっていまして、この予想がもっとブレているんだったらまだ中心が外れててもエクスキューズになると思うのですが、どんだけお前らみんな揃って同じ意見出して同じように外してるんだよという話になるわけでございますのよね。しかもこの予想」暦年」じゃなくて「会計年」になるので、4月〜来年の3月までのCPI平均の数値の予測値な訳で、こんだけ外しておいて政策は変わらんとかアホなんじゃないかと思ってしまうんですが、まあアホなんだから仕方がないですね。


しっかしまあまた金曜の夜中とかいう変な時間に介入ぶっこんではいたものの、日中は日中で円安進行するし、オマケに引け後になってからホイホイと円安になって、東京昼間は一応そうは言っても150円台前半で推移してたと思うのですが、夕方ふと見たら151円接近とかやってると思ったら152円接近とかさすがに草も生えませんでしたな。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221022/k10013867051000.html
円相場 政府・日銀が市場介入か 一時7円以上 円高ドル安に
2022年10月22日 18時43分

『21日夜から22日未明にかけて一時、1ドル=144円台まで7円以上、円高ドル安が進む場面があり、政府・日銀がドルを売って円を買う市場介入に踏み切ったとみられます。今後の政府・日銀の対応に市場関係者の警戒感が一層高まっています。』(上記URL先より、以下同様)

そうなの???なんか遅すぎだわーと思ったし、介入やるなら東京時間に堂々とぶっこめよ前回もそうなんだが板の薄い時にやってる時点で「ああ介入のタマをケチってるな」ってワシとか思うし、大体からして何で介入が発生すると収益チャンスってのもあると思うんだが、その機会が何で東京時間に起きないんだよという話で、昔の介入は普通に東京時間でバンバンぶっこんで、板を殲滅してまわってたもんだぞ、と思うのでありまする。

『外国為替市場では日本時間の21日夜、海外の取り引きで円売りドル買いが加速し、円相場は一時、1ドル=151円90銭程度まで値下がりしました。ところが日本時間の午後11時半すぎに、円相場は突然、円高方向に振れ、およそ2時間で1ドル=144円台半ばまで7円以上、変動しました。政府・日銀が急速な円安に歯止めをかけるため介入の事実をあえて明らかにしない、いわゆる「覆面介入」でドル売り円買いに踏み切ったとみられます。』

でも結局戻したの144円水準とかな訳で、やる気あるなら140円割れ位まで持って行けよと思うのでして、何ちゅうかこの中途半端なんだよなー。いやまあ外準の利食いの為にやってるんだたらこれでも良いんですけどねwwwwww

しかしこの記事、下の方によーわからん外人のオッサンが出てきて、『「驚いた。さらなる介入はできないのではないかと思っていた」と述べました。』って言ってるのは馬鹿なのかこのオッサンと思いましたですけど、そのあとの『そのうえでワインバーグ氏は「円安には日米の金利差が大きいことや貿易収支が赤字であること、日本経済があまりうまくいっていないという3つの理由がある。市場介入はこれらの問題を解決しないので、今回、介入したとしても、短期的で限られた効果しか期待できない」と述べました。』はまあ普通なので、なんか当局をヨイショでもしたかったのかね、と思いました(個人の妄想です)。


・・・・・とメモばっかりで恐縮ですが、まあ要するに昨日はCPI3%に150円ということで、それなりにインパクトあったんでネーノとは思うのですが、まあ為替云々よりも物価の動向なんでしょうなあとは思うのでありました。



〇輪番とかイールドカーブとかMPMプレビュー妄想とか

・相変わらず中途半端な追加輪番で金利は指値銘柄だけ置いてって上昇するのでした

昨日の債券市場ちゃんで相変わらずロイターさん恐縮です。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N31M0W7
2022年10月21日3:23 午後
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続落で引け、中期や超長期利回りが一段と上昇

『[東京 21日 ロイター] -   
<15:10> 国債先物は続落で引け、中期債や超長期債利回りが一段と上昇

国債先物中心限月12月限は前営業日比29銭安の147円60銭と続落して取引を終えた。米金利が上昇する中、後場に大きく軟化した。新発10年国債利回り(長期金利)は同変わらずの0.250%。日銀はオペ増額に加え、臨時オペも行ったが、中期債や超長期債の利回りは一段と上昇した。』(上記URL先より、以下同様)

ということで、輪番増額+超長期前半の臨時オペはやってますけど・・・・・・・・

『日銀は午前10時10分の金融調節で、予定されていた中長期債対象オペのオファー額を増額したほか、超長期債対象の臨時オペを通告した。ただ、市場の反応は限定的だった。「海外金利上昇の圧力が強く、超長期金利を低下させるのは難しい」(国内銀行)という。』

まあ米国が昨日勢い止まったし(棒読み)。

『現物市場で新発債利回りは上昇。2年債は前日比1.5bp上昇のマイナス0.010%。5年債は同1.0bp上昇の0.135%、20年債は同4.0bp上昇の1.195%、30年債は同3.0bp上昇の1.550%。5年債、20年債、30年債はそれぞれ約7年ぶりの高水準を更新した。40年債は同3.0bp上昇の1.765%。』

5年がしれっと13とかまで上がっておられるとは草も生えない。

『TRADEWEB
     OFFER   BID   前日比  時間
2年   -0.012  -0.005   0.019  15:10
5年   0.131   0.137   0.008  15:11
10年   0.246   0.254   0.004  15:11
20年   1.194   1.202   0.048  15:11
30年   1.578   1.585   0.062  15:05
40年   1.803   1.83   0.073  15:10』


ということなんですが、そもそも金曜の輪番って、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of221021.htm
(指値以外の輪番だけ引用します)

国債買入(残存期間1年超3年以下) 5,000 2022年10月24日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 5,750 2022年10月24日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 6,500 2022年10月24日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,000 2022年10月24日
国債買入(物価連動債) 600 2022年10月24日

物国はまあ良いとしまして(先月は月末にやったのに何で今月21日になったのかが訳分らんけど)、輪番の方は1−3がちょっと(250)増額、3-5と5-10が前回から1000増額はしているんですが、相変わらず超長期前半1000ぽっちしかやらないし、まあ今日び為替市場が日銀の輪番増額を材料にして円安に振っているのかは怪しいですけれども、「輪番増額」というヘッドラインが出る行為ではあるものの、金利を下げに行くという気概は無い、という各方面に中途半端なオペレーションが金曜も散見されるの巻ということになっておりまして、もうお前ら何なのこのオペって感じであります。


・そもそも指値銘柄だけ置いてって金利が上昇しているのにYCCの意味があるおかと小一時間

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
公社債店頭売買参考統計値/格付マトリクス表

今回は複利(左が複利で右が単利)も入れておきますが、チーペの1つ手前からの10年国債の引けはこうなんですが、

長期国債 356 2029/09/20 0.240 0.240
長期国債 357 2029/12/20 0.245 0.245
長期国債 358 2030/03/20 0.269 0.270
長期国債 359 2030/06/20 0.298 0.300
長期国債 360 2030/09/20 0.312 0.314
長期国債 361 2030/12/20 0.318 0.320
長期国債 362 2031/03/20 0.323 0.325
長期国債 363 2031/06/20 0.326 0.329
長期国債 364 2031/09/20 0.332 0.335
長期国債 365 2031/12/20 0.307 0.309
長期国債 366 2032/03/20 0.200 0.200
長期国債 367 2032/06/20 0.245 0.245
長期国債 368 2032/09/20 0.250 0.250

ここで残存同年限の20年利付国債の引値を見てみましょう。サービス(?)で3か月長いのまで出しました。

超長期国債 112 2029/06/20 0.226 0.215
超長期国債 113 2029/09/20 0.243 0.230
超長期国債 114 2029/12/20 0.244 0.231
超長期国債 115 2029/12/20 0.245 0.231
超長期国債 116 2030/03/20 0.271 0.255
超長期国債 117 2030/03/20 0.271 0.255
超長期国債 118 2030/06/20 0.301 0.285
超長期国債 119 2030/06/20 0.299 0.285
超長期国債 120 2030/06/20 0.297 0.284
超長期国債 121 2030/09/20 0.311 0.295
超長期国債 122 2030/09/20 0.310 0.295
超長期国債 123 2030/12/20 0.318 0.299
超長期国債 124 2030/12/20 0.317 0.299
超長期国債 125 2031/03/20 0.325 0.304
超長期国債 126 2031/03/20 0.323 0.304
超長期国債 127 2031/03/20 0.322 0.304
超長期国債 128 2031/06/20 0.327 0.309
超長期国債 129 2031/06/20 0.327 0.310
超長期国債 130 2031/09/20 0.338 0.320
超長期国債 131 2031/09/20 0.337 0.320
超長期国債 132 2031/12/20 0.341 0.323
超長期国債 133 2031/12/20 0.342 0.323

・・・・・・・・なんかこう普通の順イールドが形成されていて、残存10年近辺は複利0.33%〜0.34%とかになっておられますなあ。


ということでですな、まあイールドカーブは拠点だけ防御しているのを丸無視しして完全に上がっている訳ですし、(まあ別に金曜の引けじゃなくても水準変わってきてからはこうでしたけどね)スワップとかのカーブも綺麗かどうかは兎も角円滑なカーブは引かれている訳でして、そもそも論としてYCCやってる意味があるのかって話に既になっている(海外金利受けて今日ハイパー大戻りでもしてくれれば別だけど)訳ですぞな。

いやだってさ、長期金利水準のコントロールってのは、リスクフリーレートであるところの国債金利を抑えることによって、その低金利が金利ルートを通じて実体経済に効いてくるって話をしている訳でして、3銘柄(とチーペ)だけ金利を無理くり抑えても、それ無視してイールドカーブが形成されていったら、意味ないじゃんとしか申し上げようがないのですわよ。何やってるんでしょうねえ日銀は・・・・・・・・・・


・ということでこれは却って逆切れの可能性も妄想と思ったら時間がねえええええええ

てのがまあ前振りなんですが、日銀だって阿呆じゃない(というかとても賢い)んですから、こういう状況になってYCCがYCCになって無いの位分かってるはずなんですよ。なのに何故かランボー怒りの1兆円オペとかそういうのやらない訳でして、これは正直不可解なんで金曜の駄文でも妄想を書いてましたが、これ逆に金曜のMPMで「再度のブチ切れオペレーションの導入」という逆切れ緩和が出るんじゃないかって妄想が沸き起こってきましたんですけどねえ、という妄想を書く予定だったのですが時間が無いので妄想与太話はMPMまでにまた。








2022/10/21

お題「非常に中途半端な臨時輪番が行われましたというメモと背景の考察(途中から妄想)という小メモですんません」

あっはっは
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR20A2B0Q2A021C2000000/
トラス英首相が辞任表明、経済混乱で引責 就任44日
ヨーロッパ
2022年10月20日 21:36 (2022年10月21日 3:41更新)

対岸が火事ボーボーとなっているのに未だにジャパンは円安正義のYCC継続だし政治方面は与党も野党も財政出せ出せばら撒けだそういうのを後押しする詐欺師学者もどきが今日も今日とて元気にメディアで主張なんですよねー。


〇さて150円ですかそうですか

いつのまにやら債券先物よりもドル円の方が数字大きくなってしまいましたが。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221020/k10013862341000.html
円相場 一時1ドル=150円台 1990年以来 約32年ぶりの円安水準
2022年10月20日 23時03分

東京時間は午後途中からずーーーーーーっと149円90何銭って所でじとーっとしていましたが、夕方遅くになって150円と思ったら瞬間上に抜けて直ぐに下に抜けて、でも介入とかじゃなかったのかまた149円90せーんとかいうのは何となく確認してましたが。

しかしこれはいただけません。
https://jp.reuters.com/article/idJPP8N30R01I
2022年10月20日6:32 午後
円買い原資「無限にある」と神田財務官、介入には言及せず

『[東京 20日 ロイター] - 神田真人財務官は20日、円が一時1ドル=150円を付けたことを受けて為替介入に踏み切ったか問われ、「介入をしているか、していないかにはコメントしない」と述べた。円買い介入の原資に関しては「無限にある」との認識も示した。省内で記者団に語った。』(上記URL先より、以下同様)

自国通貨買いの原資が外貨準備以上には存在しないのは明らかであり、もしそれ以上に介入したかったら、とりあえず大使館みたいな外国にある政府資産を売却するんですがそれも有限の話ですよね。

もしかしてなんですが、介入資金が枯渇しそうになったら本邦企業の在外資産を政府が「西郷札」とでも交換して接収してそれを売却でもする積りなんですか、と申し上げたくなる訳で、再三再四の円売りに頭に血が上っているだけだとは思うのですが、こういう市場を煽るだけの発言というのは一番まずいし、しかも「介入原資無限」などというような3秒考えればハッタリをかましているのがバレてしまうような発言。こういう稚拙な発言で市場を煽るというのは一番良くないんですよね。黒ちゃんの生霊でも乗り移ったんじゃないかってくらいに財務省らしからぬ発言で、これは更に円安誘発するじゃろ大丈夫かよという所でありますが・・・・・・・・



〇ケチなのか諸葛孔明の罠なのかそれとも・・・・・・(あまりにアレな臨時輪番)

昨日の債券市場ちゃん、って金利が上がって来るとノコノコとネタにするのですが。

債券市場は金利売り圧力を10年ピン止めと7年ピン止め装置によって、他の年限に売り圧力が出ててアチャーって話だったのですがまあその辺はどうせ上がっても日銀シランガナだろうなと思っておりましたし、10年カレントだけは下がらんのと、チーペストの25bpの手前で先物が下がりにくくなってしまってて、指標的なのと全体が整合性としてアレという感じで推移しておりましたが、さすがに昨日はちょっと、ということで臨時輪番が入ってさて市場ちゃんはどうなったかというお話と臨時輪番に関する妄想を騙るの巻である。

まずは昨日の相場の結果をいつものロイターさんから。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N31L0WA
2022年10月20日3:17 午後
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続落で引け、日銀臨時オペ後も超長期金利の上昇続く

『[東京 20日 ロイター] -

<15:10> 国債先物は続落で引け、日銀臨時オペ後も超長期金利の上昇続く

国債先物中心限月12月限は前営業日比28銭安の147円89銭と続落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同変わらずの0.250%。海外のインフレ高進を警戒し、超長期金利が上昇した。』(上記URL先より、以下同様)

ってことで臨時輪番は結果的に不発の巻となりましたんですけど、

『日本の10年金利も一時、0.255%と、日銀の変動許容幅「上限」を2日連続で上回る場面があり、日銀は指し値オペに加え、長期・超長期債対象に臨時オペをオファーして対応した。ただ、超長期債に目立った動きは見られず、金利上昇基調が継続した。』

一昨日も引け後に25.5bp付いたんですがまあとりあえずメモリアル叩きみたいな感じでそんなに腰据えて気合の叩き料理って感じじゃなかったのでふーんって感じではあったのですが、昨日はいきなり寄りから148円割れから始まりやがりまして、おいそれ単純にベーシス前日変わらずで計算したらチーペストの単利が指値0.25%行くじゃん水準で始まるの巻で、まあ朝から皆さん「さて今日は臨時輪番ですなあ」って感じで待機していたと思います。

でまあ実際には上記のような感じだった訳で、さらに記事を引用しますと、

『現物市場で新発債利回りは上昇。2年債は前日比1.0bp上昇のマイナス0.030%、5年債は同2.0bp上昇の0.125%。20年債は同3.5bp上昇の1.155%、30年債は同2.0bp上昇の1.525%。5年債、20年債、30年債いずれも約7年ぶりの高水準を更新した。40年債は同変わらずの1.735%。』

『TRADEWEB
    OFFER   BID   前日比 時間
2年  -0.031  -0.023   0.017 15:04
5年  0.124   0.13   0.026  15:03
10年  0.248  0.256   0.003  15:10
20年  1.148  1.156   0.037  15:11
30年  1.519  1.527   0.027  15:09
40年  1.734  1.754   0.012  15:09』

ということで10年指値銘柄とチーペ指値銘柄だけ指値近い値付けになってて、またまた10年367と横綱の値動きが乖離する値付けになってしまいまして、マーケットして何なんですかという感じであります。

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
公社債店頭売買参考統計値/格付マトリクス表

毎度のこちらで昨日の引けを拝見しますと、適格ゾーンの引け単利が、

長期国債 357 2029/12/20 0.240
長期国債 358 2030/03/20 0.264
長期国債 359 2030/06/20 0.289
長期国債 360 2030/09/20 0.300
長期国債 361 2030/12/20 0.305
長期国債 362 2031/03/20 0.310
長期国債 363 2031/06/20 0.315
長期国債 364 2031/09/20 0.320
長期国債 365 2031/12/20 0.295
長期国債 366 2032/03/20 0.200
長期国債 367 2032/06/20 0.245
長期国債 368 2032/09/20 0.250

残存8〜9年と10年カレントがこの有様だし、日銀吸い上げの余波でずっと引値がこんなことになっている366と比較すると手前と10毛インバートとか(366の引値がショート銘柄の特殊値付けなのは今に始まった事ではないが)またカーブがえぐれるというかハラボテ状態というかなんかもうヘナチョコカーブ。

でもってここもとって実は中期もアカン奴なので、適格の手前のところが、

長期国債 353 2028/12/20 0.195
長期国債 354 2029/03/20 0.207
長期国債 355 2029/06/20 0.220
長期国債 356 2029/09/20 0.235
長期国債 357 2029/12/20 0.240

となってて、ちょっと中期が売り込まれるとインバートしちゃうじゃんって状態でもうドイヒーだし、こんな市場でマーケットメークしろって言われたら当然のようにリスク込み、すなわちオファービット拡大して対応しないと、対顧売買で発生したポジションをほぐす間に掛かりそうなコストに全然見合わなくなるし、そうなったら買う方だって売る時に要求されるオファービットスプレッド考えてより慎重に買いに行くことになるし、という大変素敵な悪循環がまっております。


・・・・・・という何時もの記録はさておき、さて何で臨時輪番やったのに金利が上がったかと言えば、その理由のたぶんアタクシは殆どじゃないのと思いますが、まあその一因にこのオファーが挙げられます。

臨時輪番だけ引用しますが
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of221020.htm
国債買入(残存期間5年超10年以下) 1,000 2022年10月21日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,000 2022年10月21日
国債買入(残存期間25年超) 500 2022年10月21日

・・・・・・・・・?????????????

いやあのですね、寄りから先物水準が148円割って始まってるんですよあんた止める気あるんですかってオファーで、やる気があるなら0を一個多くオファーするだろ常識的に考えて、と思ったのと、そもそも論としまして、(オペ結果にも反映されてましたが)昨日の相場ってその前あたりから中短期の値動きがめっきり弱くなってきてまして、まあ結局昨日も10年が+12.5bpという昔で言えば10年債ジャンという水準になっていましたが、短いところ上がっていたんですよね。

まあ超長期は少し勢い止まり気味だったとは言えその前の売られっぷりがアレでしたし、まあ超長期入れるのは分かるんですが、中期の臨時輪番何故入れないってのもちょっと不可解。

でもってこのしょぼすぎる金額ですよ1回のオペ金額に全然届かないオペで、寧ろ「アリバイオペ」にしか見えない打ち方をしておりました。

このため、横綱さまにおかれましては1010に臨時輪番キタ――(゚∀゚)――!!ってことで瞬間値を戻したんですけれども、オファー金額を見て横綱腰砕けとなってすごすごと土俵(148円台)を割るの巻となってしまいまして、オペ結果は5−10確り後ろはアイヤーという結果でしたし、5−10の輪番が4糸アマ平均3糸アマ足切りなのにも関わらず横綱は土俵(148円台)に戻ることもなくしょんぼりと推移するのでありました、っていう悲しき展開になりました。


でまあこういう不可解な臨時輪番をした時ってのは当然こっちとしては幾つかの可能性を考える訳でございますけれども・・・・・・・・・・・

まあごく普通に考えると、「単純にオペの額ケチった」って話になるかとは思うのですが、何もしないのもあれだし、と言ってバカスカやるとまた市場機能ガーって言われるから、とかまあそんな全方面に気を使ったら全方面が「????」となるような中途半端なものになった、ということではないかとは思うのであります。でもそれだけだと面白くないから妄想を逞しくするのが楽しい訳でして・・・・・・・・

次に考えたのが「諸葛孔明の罠」って奴でして、何ですかと申しますと、こうやって中途半端で指値以外のところの金利を別に止める気ないもんねーって感じの臨時輪番の打ち方をしていると、またぞろ海外投機筋中心に来週のMPMでYCCの修正あるでストーリーを組み立ててきて、ショートの山を築いてくるので、国内投資家の皆様にも買う機会を差し上げつつ、来週のMPMで海外投機筋を一網打尽の大殲滅作戦を取るために、あえて「アリバイオペ」に見える臨時輪番をする、つまり偽りの敗走で敵軍を罠に誘導して来週の金曜に一気に火計で海外投機筋殲滅作戦ですね!!!!さすが日銀!!!!!!(ただの妄想です)

なお一段妄想力を高めた場合は「来週野々村総裁の号泣会見があるので先に糊代を作る」という超妄想に発展するわけでございまして(超妄想の与太話なので真に受けないようにお願いします、為念)、来週いきなりYCC修正とかしだして、総裁会見で黒ちゃんが野々村ばりに「円安誘導政策をしてすいませんでしたああああああああ」と号泣しだす、となった場合にある程度金利が上がった状態からスタートした方がショックが小さい。でも今時点ではYCC守らないといけないから、とりあえず臨時輪番入るだろうって思われるような時には臨時輪番入れざるを得ないので、まあしょうがないからお為ごかしの輪番だけいれておく、というこの面白構想力・・・・・って書いてて自分に呆れてしまいました。


まあ黒ちゃんのあの突っ張りように加え、(そういや今朝時間足りんので安達さんの会見ネタ間に合わんのですけどすいません)安達審議委員の一昨日の金懇でさっそうと登場した「価格粘着的な品目の物価が上昇しないとダメ」という新手の言い訳を用意して、賃金連呼からのシフトを図らんとする(ちょうど連合も5%とか言い出したし、賃金上がるじゃん政策修正しろよ、って言われる前に用意するというこの周到さですよねーさすが日本の頭脳は考えるレベルが違うんだがもっと生産的な事に頭脳を使ってほしいもんです)大作戦をしている訳でして、「次の言い訳」を用意しているような日銀がこんな早くに折れる訳はないでしょ、というのが極めて順当に考えた場合の予想となりますので、つまりはゼロ回答というのが普通の予想にするとそうなります。

とは言いましても、そういえば例のQQE2ってのはその直前に国会で別に追加緩和なんてしねーよー、みたいに突っ張っていて騙し討ちに近い「ハロウィン緩和」をした、という事実が厳然としてあるのでございまして、国会で強硬に突っぱねている事と、ハロウィンであることをネタに騙し討ちサプライズあるで、というストーリーを組み立てることも可能ちゃあか能なのですが、誰かそういうの出してくるでしょうかねえ、まあ何にせよ来週金曜です!!!!

#安達さんの会見ネタ行けそうな気もするけど今日は手短で勘弁していただきますサーセン







2022/10/20

お題「安達審議委員富山金懇:置物理論はどこ行った&粘着的な価格という次なる屁理屈兵器の準備万端」

あーあーあーあーあー
https://jp.reuters.com/article/britain-politics-wragg-idJPKBN2RE1EP
2022年10月20日12:56 午前
英内相が辞任、暗にトラス首相批判 後任にシャップス元運輸相


そういやまあ何ですな
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/rel221019b.htm/
「気候変動関連の市場機能サーベイ」説明会
2022年10月19日
日本銀行金融市場局

とりあえず日銀さんに於かれましてはどっかの市場のように馬鹿介入をして市場を壊すことの内容に願いたいものであります(棒読み)。


〇安達審議委員の金懇だが何ちゅうか微妙にツッコミどころは多い(ただし基本は大本営発表)

https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2022/ko221019a.htm/
https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2022/data/ko221019a1.pdf

毎度不思議なんだがHTML版がすぐ出て来る人と出てこない人がいて、HTML版の方がページめくったりしなくて良いから見やすいのと、アタクシのように引用する人には便利なのでありがたいのはありがたいんですが、出るタイミングが違うと毎度変な深読み(ってほどではないけど、つまり決定稿が完成するタイミングが早い人と遅い人がいるのねってこと、というのはあくまでも個人の妄想ですので念のため)をしてしまう訳ですな。でもって安達さんの場合はやたら早くに出てくるのが仕様ということですので以下の妄想はお察しください(^^)。

あと、どうでもいいんですが安達さんの金懇なんか前回から間が空いてねえなと思って確認したら前回って6月にやってて、その前は12月にやってるまして、金懇って1政策委員(除く総裁)あたりで基本年に2回実施なので、半年サイクルで実施するもんなんですが、なぜこの時期に行ったのかというのがちょっと不思議だったのと、その割に何かメッセージあるのかというと別にいつもの大本営って感じなんですよねー、何なんでしょうかね。


引用は(楽なので)HTML版の方から行います。見るポイントはそんなに無いんですけどね。

『1.はじめに』から一応参ります。

『日本銀行の安達でございます。この度は、富山県の行政、財界、金融界を代表される皆様とお話をさせて頂く貴重な機会を賜り、誠にありがとうございます。また、皆様には、日頃から私どもの富山事務所および金沢支店の様々な業務運営にご協力頂いております。この場をお借りして改めて厚く御礼申し上げます。』

『本日は、わが国の経済・物価情勢と日本銀行の金融政策運営につきまして、私の考えを交えつつお話しします。その後、皆様から、富山県経済の動向や日本銀行の業務・金融政策に対する率直なご意見をお聞かせ頂ければと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。』

ほうほうそうですかそうですか。

・経済の話をするのに先行きの話が無いって何なのこれ?????????????

『2.経済・物価情勢』の『(1)経済情勢』ですが、最初の小見出しの『感染症の動向』はどうでも良いのでパスというか、今更これを冒頭に持ってくるのも何だかねえって感じですが、次からが本格的(かどうかはともかくとして)な経済のお話。『内外経済の現状』って小見出し。

『次に、内外経済の現状についてお話しします。』

ということで始まります。

『まずは世界経済についてです。世界経済は、感染症の流行による下押し圧力を受けつつも、コロナ禍の初期に懸念されていたような底割れに至ることはなく、回復し、底堅く推移してきたと言えると思います(図表2)。私としては、世界経済が底堅く推移してきた背景について、以下の2つの世界共通の要因があると考えています。』

私としては、というから何か変わった話でも・・・・とはあんまり思わなかった(そもそも変わった話をする余地があんまりなかろう)のですが、

『第1に、感染症の影響が和らぐもとで、これまで抑制されてきた需要、いわゆるペントアップ需要の存在もあり、個人消費が堅調に推移していることです。』

ごく普通。

『なお、世界的に生じている物価高は消費の下押し要因になり得ますが、これまでのところは物価高が実質可処分所得の減少を通じて消費を大きく減少させるといった動きはみられていません。このように個人消費が耐性を維持している背景としては、コロナ禍で各国政府が所得補償を手厚く行ったほか、政府による行動制限措置等の結果として対面型サービスの消費機会が大きく減少した結果として、貯蓄が積み上がってきたことも影響していると思われます。』

ごく普通。

『加えて、例えば米国では、株式や住宅といった資産価格が上昇した結果、家計の保有資産の含み益が増加し、それが個人消費を支えたことも指摘できます。』

寧ろそれがやり過ぎて過剰需要になって物価が望ましくない上昇をしている件などには一切触れずに次に行く辺りがチャーミングです。

『第2に、設備投資需要の強さも指摘できます。』

『背景として、デジタル・トランスフォーメーション(DX)や気候変動問題への対応のための投資などが挙げられます。』

『そこで、日本経済についても、今申し上げた2つの世界共通の要因からみてみたいと思います。』

ということでまあおもんない話が続きまして民間エコノミストやってた人の「私の見方」ってんだからもうちょっと変わった論点でも出せばとは思うのだが出ませんわな。

『1点目のペントアップ需要については、わが国では、年初にみられた感染の第6波が収束した後に顕在化し、成長率を押し上げたとみています。その後の感染の第7波でも、ペントアップ需要はやや鈍化したものの、景気を下支えしたとみられます(図表3)。』

『2点目の設備投資需要は、各種サーベイ調査における設備投資計画をみると、わが国の経済の前向きな循環メカニズムにおける牽引役としての期待が高い状況が続いています。設備投資は、コロナ禍における供給制約等の影響で、企業の当初計画対比では下振れする状況が続いてきましたが、コロナ禍の影響が和らぐにつれて、先送りされてきた計画が実施に移されていくとみられます(図表4)。』

と、来ましたが、この先はアタクシの小見出しである貿易に関するお話が出ておるのですが、先行き見通しの話が無いんですよね。いやまあ確かに最初のところで、『次に、内外経済の現状についてお話しします。』ってあるんですが、実はこのコーナーの次の小見出しは『(2)わが国の物価情勢』に話が飛んでしまって、何という事でしょう先行き見通しの話が無いというナンジャソラという金懇でお前やる気あんのかって感じを強く受けましたですよ。



・原材料価格上昇の貿易赤字で交易条件が悪化してマイナスだったら円安助長政策はマイナス何じゃないんですかねえ

という悪態はさておき、先ほどの続きはこういう話になります。

『ここで、わが国の輸出についても少し言及したいと思います。』

って来ましたので、円安は善という話かよゲンナリだなーと思ったら、そもそも為替水準の話はしないというある意味アクロバティックな話をしております。

『わが国の輸出は、世界全体の景況感がコロナ禍からの回復過程で底堅く推移してきた中で(図表5)、基本的には堅調を維持してきました(図表6)。』

『ただし、原油等の原材料価格の高騰から輸入が大きく増加しており、貿易収支は赤字傾向で推移しています。』

で???

『日本経済全体としてみた際の取引条件の悪化、つまり交易条件の悪化によって、日本から海外への所得流出が起きているというのが現状です。』

ちょwwwwwwおまwwwwwwwwww

交易条件悪化してるんだったら円安を助長したら更に「日本から海外への所得流出」が我々の生活する通貨であるところの円ベースで見て悪化するじゃねえかよ何でお前ら円安助長政策してるんだよこのボケとしか申し上げようが無いのですが、何ちゅう説明しとるんじゃこのおじさん。

なお、このようなものをぶっこんではいますが、この続きは、

『日本経済の全体については、資源価格上昇の影響などを受けつつも、感染抑制と経済活動の両立が進むもとで、持ち直しているとみています。』

で締まるのでしたwwwwwwwww


・物価の現状説明がインフレ期待の上昇が起きているという説明に見えるんだが

次が『(2)わが国の物価情勢』でまずは『現状』である。

『次にわが国の物価情勢についてお話しします。8月の全国消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合が前年比+2.8%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合が同+1.6%でした(図表7)。食品を中心に多くの品目について今月の値上げが報じられていることも踏まえると、今後発表される10月の消費者物価指数の前年比は、生鮮食品及びエネルギーを除く総合でも、日本銀行が「物価安定の目標」で掲げる2%まで上昇する可能性が高まっています。』

「生鮮食品及びエネルギーを除く総合でも、日本銀行が「物価安定の目標」で掲げる2%」ってのも何か変な言い方で、「物価安定の目標で掲げる2%」というのは「全国消費者物価指数総合で2%」なのであって、他の計測法はあくまでも総合だと一時的なブレが大きいからトレンド見る為の補助物件なんですけど、まあこれって結局日銀大本営が展望レポートでコアだけなら兎も角、「除くナントカの影響」とか出して、挙句の果てに「コアコア」を出すようになって、そもそもの2%が何だか訳分らなくなった感じだなって思いました。

つまりですね、この説明文では「日本銀行が「物価安定の目標」で掲げる」という枕詞は不要であり、単に2%って表現した方が誤解を招かない話(これだとコアコア2%が目標にいつの間にか変わったかのような表現とも取れますからね)でありますが、わざとやってるのか素でやってるのかはよくわからんけど、こういう「定義」に関わる部分ってきっちりと書いた方が良いと思うんですよね。まあ黒田日銀はゴールポストを勝手に動かすのが最近の仕様だからわあとやってるのかも知れないけどさ。

『わが国の物価上昇率は、他国対比ではまだ低い状況にありますが、私自身がこれまで考えていたよりも早いペースで物価が上昇しています。』

からの、

『このように物価上昇率が高まっている背景の一つとして、企業の価格設定行動が変化しつつある可能性が挙げられると思います(図表8)。』

節子、それは期待インフレ率の上昇って言うんや。

『過去においては値上げに踏み切れなかった企業が、先に値上げに踏み切った企業において収益が大きくは悪化しなかったことを確認し、値上げに踏み切るという動きが次第に広がっている可能性があります。企業がこうした価格設定行動を採用している要因として、先ほど申し上げたペントアップ需要やコロナ禍の行動制限下で積み上がった貯蓄の存在、および、今年度の賃上げも影響していると思われます。』

で???とおもったら悲しいかなここから話が膨らんでこないのが安達クオリティでして、『先行き』の話になってしまうんだが、もうちょっと現状認識のところ深掘りしないんですかねえと思う次第ですけど、円安コストプッシュだという話をおっぱじめると今度は墓穴を掘るからなんでしょ。

ということで、単なるコストプッシュなのか、期待インフレが上がっているのかという点の考察を頂きたかったのですけれども、この説明だと期待インフレが上がっているというような言い方で現状認識を締めて先行きに進みます。


・「粘着的な消費者物価」という新しい言い訳の準備が大本営で行われているようです

『次に、今申し上げたようなペースの物価上昇が先行きも持続するのかという点についてお話しします。私は、今後、相応の物価上昇が続くとみていますが、それでも、日本銀行が掲げる「物価安定の目標」を安定的に実現できる道筋が見えてきたのかと問われれば、依然としてその実現には確信が持てません。以下、その理由について、物価変動の背後にあるメカニズムにも触れつつ、お話ししたいと思います。』

そら確信持てたら利上げ主張になりますけどね。

『消費者物価指数は、様々な品目の価格で構成されており、それぞれの品目の価格の変動は一様ではありません。消費者物価を分析する方法は種々ありますが、品目の価格の改定頻度に着目して分析することも有益です。その際、価格の改定頻度が比較的高い品目で構成した「伸縮的な(flexible)消費者物価」と、価格の改定頻度が比較的低い品目で構成した「粘着的な(sticky)消費者物価」に分けて物価動向をみることができます。』

これは新しい言い方。

『大まかな傾向としては、「伸縮的な消費者物価」には財価格が多く含まれ、「粘着的な消費者物価」にはサービス価格が多く含まれると考えられます。』

出たなこの理屈。

『次に、今申し上げた2種類の消費者物価の変動要因は、マクロ経済分析でよく用いられるフィリップス曲線の考えに基づくと、「伸縮的な消費者物価」は景気循環あるいは需給ギャップに、「粘着的な消費者物価」は中長期のインフレ予想の影響を受け易いと考えられます。ただし、「伸縮的な消費者物価」は、商品市況等を映じた原材料価格の影響も受け易い傾向があります。』

あー来た来た。

この理屈は何かと言いますと、まずは「そもそも物価安定というのは景気が良い時だけ2%とかそういう話じゃなくて、経済変動のサイクルの中で平均して2%程度のインフレが継続することを意味します」ってのがある訳ですよ。でもってその中で「財価格というのは基本的に景気変動(時々変動と関係なく動く原材料価格)の動向による価格弾力性が高いので、経済のサイクルの中ではインフレ率押し上げ要因だったり押し下げ要因だったりする」んですけれども、「サービス価格は財価格と比較して景気変動に対する価格弾力性が低いので、サービス価格の部分が安定的にどの程度の水準にあるのか、というのが趨勢的な物価上昇率を規定する」っていう理屈なんですね。

それが今安達さんの言ってる理屈なんですけど、これを持ち出すと、極端な言い訳をおっぱじめると財価格が上がっているのはシランガナになるし、サービス価格って基本的に(エネルギー価格が効いてくるというのはさて置きますと)ドメ要因なんですから為替円安ナニソレ美味しいの位の話になるし、何なら国内旅行サービスが円安で(゚д゚)ウマーまで屁理屈を繰り出せる、という次なる大本営の秘密兵器が登場してきました、ってことですよこれは!!!!!!!!!


『現在のわが国の消費者物価の上昇は、エネルギー関連のほか、食料品、耐久消費財など国際的な原材料価格の上昇の影響を受け易い財の価格が大きく寄与しています。一方、「粘着的な消費者物価」の中心を構成するサービス価格は、まだ小幅の上昇にとどまっています(図表9)。』

図表9は分かりやすい推移になっていて、これは日銀の次なる秘密屁理屈兵器として有能なのが見て取れると思います。

『「粘着的な消費者物価」に影響を与え易いと考えられるインフレ予想について、例えば日銀短観における企業の物価見通しをみますと、このところ「1年後」という短期を中心に上昇しているとはいえ、「3年後」、「5年後」といった中長期の予想インフレ率は、上昇が相対的に緩やかです(図表10)。』

しかし「粘着的な物価が上がらんとダメ」って言いだすと、お前ら一派の最初に話していた「マネタリーベースを拡大して大規模緩和をコミットして期待インフレを上昇させる」って何だったのかというはなしになるのですけれども、その話がこの次の部分に繋がります。


・置物理論の「期待インフレの上昇がスタート」は何処にいってしまったんでしょうねえ

先行きの話になります。

『次に、日本銀行が「物価安定の目標」を安定的に実現するためにはどういった点が重要かについて考えてみたいと思います。』

ということで、

『私は、「粘着的な消費者物価」の動きが重要であると考えています。』

そろそろ日銀の次の屁理屈はこちらに移行してくると思います(断言)。皆さん次回のMPMにおける黒ちゃんの会見で「粘着的な消費者物価」というのが出てきたらキタ――(゚∀゚)――!!って叫びましょうね!!!!!

『誤解がないように申し上げると、「伸縮的な消費者物価」の動きも重要です。しかし、それは、景気循環による上下の変動が不可避です。また、エネルギー価格をはじめ、海外からのコストプッシュ要因の影響も強く受けます。このため、「物価安定の目標」を安定的に実現するためには、「粘着的な消費者物価」による下支えが必要になるのです。』

じゃあ最初から言えよ。

『「粘着的な消費者物価」が、より高い水準で安定的に推移するためには、中長期のインフレ予想が上昇した状態で安定的に推移することが重要です。そのためには、賃金の持続的な上昇が重要になります。賃上げは、これまで価格上昇が小幅だったサービス価格、ひいては「粘着的な消費者物価」の上昇にも寄与すると考えられます。』

ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwwwwwwww


さて、ここで岩田規久男大先生によります2013年10月16日における『「量的・質的金融緩和」の目的とその達成のメカニズム』という題名の講演について確認しましょう。

https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/ko131018a.htm/
【講演】「量的・質的金融緩和」の目的とその達成のメカニズム
中央大学経済研究所創立50周年記念公開講演会における講演
日本銀行副総裁 岩田 規久男
2013年10月18日

『目次』というのがありますのでこれを見ますとこの構成ですね。

『1.はじめに
2.2%のインフレ率を「物価安定の目標」とする理由
3.「物価安定の目標」はどのようにして達成されるか
(1)「量的・質的金融緩和」の二つの柱
(2)名目金利と予想インフレ率への働きかけ
(3)なぜ予想インフレ率は上昇するのか
(4)予想インフレ率の上昇は株高や外貨高をもたらす
(5)消費や輸出の増加
(6)設備投資の増加
(7)産業構造の変化と設備投資主体の変化
(8)労働需給の改善と雇用者所得の増加
(9)消費者物価の動向
4.超過準備とインフレ
5.リスク要因と金融政策
6.おわりに』
(この部分だけ直上URL先の2013年10月岩田副総裁(当時)の講演テキストより引用)

・・・・・・・・えーっとすいません、どう見てもこの「3.「物価安定の目標」はどのようにして達成されるか」を見ますと賃金って最後の方の話になっていますよね。


まあ吉例ですのでいつものあの風が吹けば桶屋が儲かる置物フローチャートの図のURLも置いておきますが、風が吹けば桶屋が儲かる置物フローチャートはこの時ではなくて同年8月28日にで行われた

https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko130828a2.pdf

こちらの7枚目(表紙含む)のスライド、『「量的・質的金融緩和」の波及経路』を見ますと、『賃金上昇』の文字は風が吹けば桶屋が儲かる(2%インフレ目標達成)なり桶屋に近い方に記載されていますし、そもそも賃金上昇の矢印は『物価上昇』『2%インフレ目標達成』のラインの張り出し側にいますし、それ以前の問題として一丁目一番地が『予想インフレ率上昇』になっていますわな。


まあ別に置物フローチャート正しいとは思わん(そもそも1丁目1番地に辿り着けていないんですからね)けど、「インフレ期待が上がるから賃金が上がる」はまだ話の筋としてわかるんだけど、「賃金が上がるからインフレ期待が上がる」ってのは流石に無理がある理論じゃないですかって思うのですが、「賃金が上がらないと粘着的な価格の上昇が起きない」って言ってるのは「賃金が上がらないとインフレ期待が上がらない」って言ってるのと同義な訳で、ちょっとちょっとお前ら置物大師匠の理論はどこに行ったんだよと小一時間問い詰めたい訳です。他の人が言うなら兎も角、若田部野口安達の置物トリオに言われたら置物先生立つ瀬がないと思うんですが、置物先生は謎の悟りを開いているので多分何も思って無さそうなのがこれまた笑えるんですけどねwwwwwwww


・成長期待上げたかったら交易条件の悪化を助長する円安以下同文

とまあひとしきり呆れた所で物価の先行き話の続きですけどね。

『さらに、そうした賃金の上昇を後押しするうえでは、企業の成長期待の高まりも重要と考えられます。』

じゃあ海外への無用な所得流出加速させるなよ。

『ただし、これまでのところ、残念ながら、多くの企業において、必ずしも成長期待は高まっていないようです。例えば、内閣府が発表している「企業行動に関するアンケート調査」によると、今後5年間の実質経済成長率見通しは、直近の令和3年度調査では+1.0%と低めにとどまっています(図表11)。ちなみに、これは日本が長期のデフレに陥る前は、2〜から3%以上ありました。

以上のわが国の現状を踏まえ、私は、日本銀行の2%の「物価安定の目標」の達成は、現時点では依然として道半ばと考えています。』

で物価の話は終わるんだが、円安の話をしないのがお洒落ですよね。実はこの次の金融政策の話でこれがあるんですけど・・・・・・・・・


・企業が外的ショックに依然として脆弱なんだったら急速な円安以下同文

『3.金融政策運営』ですが、言ってることは大本営なので読む価値は無いんですけど話の流れ上最初のところだけ。

『前提となるリスク認識』って小見出しですけど。

『次に、日本銀行の金融政策運営に関して、前提となるリスク認識や為替相場との関連等も含めてお話ししたいと思います。』

と、さすがにというかやっとというか為替の話も絡めたのが出て来るんですけど、

『このところ、物価上昇や円安を受けて、日本銀行は金融政策の修正を図るべきであるとする声が聞かれます。結論を先取りすると、私は、金融政策の修正は時期尚早と考えています。』

だそうなんですが、

『先ほど申し上げたとおり、企業の成長期待はまだ高まっておらず、賃金の持続的な上昇も確認できていません。こうしたもとでは、物価は、負の外的な需要ショックに伴う景気変動に対して脆弱であり、ショックの大きさによっては日本が再度デフレに逆戻りしてしまうリスクも払拭できないと考えています。』

ナンジャソラという感じですが、途中はめんどいので全部ぶっ飛ばしますと、

『以上のように、日本を取り巻くグローバルな金融・経済環境は、急速に下方リスクが厚みを増す展開になっています。これまで高騰を見せてきた原油価格は、足もとでは低下の動きがみられており(図表13)、これは世界経済の減速リスクを意識したものである可能性が高いとみています。歴史の教訓は、「嵐が発生する」リスクが無視できない時に金融政策を引き締め方向に転換することはリスクが大きいということを示していると思います。現在のように下方リスクが高い状況下では、金融政策を引き締め方向に修正することには慎重であるべきではないかと考えています。』

と言ってるんだが、そもそもYCCを無理に続けていることによって、本来10年の金利にも出て然るべき金利上昇圧力が他の年限に出るのもありますが、このエネルギーが為替円安ドライブに繋がっているのも然りな訳でして、外部環境の変化にもかかわらずYCCを一切変更しないという姿勢そのものが急速な円安を助長しているというかほぼ主因だろって状態になっていますし、最近はさすがに先日来の国会でもこの安達さんの金懇会見でも「急速な円安は経済にマイナス」って言ってるのに、経済にマイナスになる結果を招き寄せているYCC(しかも本来のコンセプトは経済物価情勢に応じた最適な緩和度合を作るというものなので経済物価情勢の変化に応じて水準などは柔軟に変化して良かった筈のもの)を一切変更しない、というのはその時点でお前らの政策は経済にとって引き締め的になってねえかって話ですが、まあそういうのは死んでも認めないというか認めたら死んでしまうので、絶対にその理屈には黒田日銀のうちは来週号泣会見でも始めない限り乗ってこないと思うのですが、いやまあ何なんでしょうね、と思いました。





2022/10/19

お題「SF連銀デーリー総裁も4.5−5.0まで利上げした後ステイなのでこれがFEDのコンセンサスっぽく見える」

あひゃひゃひゃひゃ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221019/k10013863501000.html
NY外国為替市場 1ドル=149円台前半 約32年ぶりの円安水準
2022年10月19日 4時29分

『円相場は一時、1ドル=149円30銭台まで値下がりして1990年以来、およそ32年ぶりの円安ドル高水準を更新しました。』

『外国為替市場ではこのところ、ほかの通貨に対しても金利が低い円を売る動きが強まっていて、円はユーロに対しても1ユーロ=147円台前半まで値下がりしておよそ7年10か月ぶりの円安ユーロ高水準を更新しました。』(以上上記URL先より)

コロナ云々以前の問題で海外旅行が無理ゲーになってしまう・・・・・・・・・などとノンビリしたことを言っている場合では無いのですけどね。


〇FEDの金利セッティングについては概ね回答出たんでネーノという話で(デーリー総裁コメント)

https://finance.yahoo.com/video/fed-president-daly-m-not-145854125.html
Fed's Daly: Sept. SEP projections still good guide for policy after hot CPI
Fri, October 14, 2022 at 11:58 PM

Video Transcriptというアリガタヤな文字起こしがある(最初に記事見ると「続きはこちら」のボタンありますが別に問題なく先も読めます)ので見る訳ですが。

・だいたいメディアの関心は「今回の利上げのピークがどこか」と「経済はソフトランディングできるのか」

Q&Aの文字起こしがありまして、前半(3分の2くらい)が政策金利の話なのですが、後半は経済のソフトランディングが可能か、という話なんですけど、昨日ネタにしたブラード総裁のインタビュー記事でも(ネタにする際に後半全部割愛したんですが実は)ロイターの記者さん同じような構成で質問をしておりまして、概ね米国の金融メディアの関心事がこの2点にある、というのは把握しました。

でまあ後半のソフトランディングできるか云々も重要なのですが、こっちのネタに関しては推測に推測を重ねるような話ししかやりようがない面がありますし、まあゆうてワタシらとしては政策金利の方が気になるんですけど・・・・・・・・・


・9月のCPIは失望的だったがサプライズではなくそもそもCPIは遅行指標でありCPIに作用するインプットの動向が重要

最初の挨拶はさておき質問はCPIの評価と政策への関連になります。

『JENNIFER SCHONBERGER: So I want to kick off this conversation and get your reaction to that CPI report and whether it changes the course of policy for you. If we look at the reading on inflation, it appears to be actually moving in the wrong direction, right? We saw core inflation, which excludes those volatile energy and food prices, rise 6.6% last month, up from 6.3% in August and 5.9% in July. Do you still see the Fed funds rate rising somewhere on the order of 125 basis points this year? Or does the Fed need to get more aggressive on the back of this report?』

CPIを見てデーリーさんの年内125bp利上げの主張に変化ありましたか???だそうです(超要約)

『MARY DALY: Sure. And the CPI is one part of the dashboard of indicators we look for. It's an important one. And it does show the data not cooperating. It was a very disappointing report. But I would offer it wasn't that surprising. We would hope that inflation would start to come down faster. But I was prepared for it to just be sluggish in its response.』

CPIの評価は「very disappointing」だけど「it wasn't that surprising」なんですと。

『It's a lagging indicator. And so what I'm also looking at is what's going on in the inputs to inflation. Are demand and supply showing any signs of coming back in balance? And here I would offer two things, that you see the labor market cooling. It's still very strong. But it's cooling. You also see housing demand cooling. So the housing market is softening. And then today's retail sales report, which had showed flat spending is really another sign that we're getting some cooling. And that will eventually feed through to inflation.』

でもってCPIは遅行指標であって、CPIへのインプットがどう推移しているかが重要です、としまして、それは何ですかというと需給バランスなのですが、その需給バランスの中で「労働市場」「住宅市場」を挙げて労働市場は現在もとても強い状況だが、「labor market cooling」であって、住宅市場に関しては「housing demand cooling. So the housing market is softening.」という評価をしていまして、さらに個人消費についても横ばい圏になって来たしその他の経済指標でも沈静化(cooling)が見られるという評価。これはこの前ブレイナード副議長が言ってた「ここまでに行われた金融政策のタイトニングによって需要の過熱が落ち着いてきている兆候がいくつか見られる」という認識ともつながる説明になっています、と思ったんですがどうでしょうかね。

でもってデーリーSF連銀総裁って先代(ウイリアムズ)や先々代(イエレン)ほどではないですが、基本執行部寄りで、最近はそこまで執行部の鉄砲玉感は出さないものの、変態仮面とかボスティックとかあのあたりから比較すると十分に鉄砲玉感はある方なので、鉄砲玉ウォッチングという気分で参りますが、ブレイナード副議長の講演に似た感じの話をするのねーとは思った次第。

『So my own sense is that we went in. I went into this intermeeting period, if you will, thinking that we needed to continue to raise rates to further restrict the economy. And we'll have to be data-dependent about what actual rate hikes we take because we have domestic conditions. But we're also working in a global economy. And there's a lot of uncertainty and risks out there. And we have to think about those in the context of exactly what we do.』

「今後も利上げが必要だがそれはデータディペンデントだよ」と決め打ちを回避します。

『But there is literally no doubt in my mind that we need to put more restrictive stance of policy in the economy to further get demand and supply in balance so that consumers don't have to worry about such high inflation month after month.』

間違いなく言えるのは、FEDは現在よりもより引き締め的なスタンスを取り、需要を抑制することによってより適切な需給バランスにしますよ。だそうでして次の質疑になる。


・2023年末の時点でFF金利は4.5−5.0辺りにいるという9月SEPの数字に違和感なしとな

『JENNIFER SCHONBERGER: So given that you think this is a bit of a lagging indicator and you do see some signs of cooling elsewhere in the economy, does this keep the Fed basically on course for what's been set out for the next couple of meetings? Or what's your sense there?』

では年内残り2回のFOMCはどうするのが適切ですねん、とさっきの125bpに関してデータディペンデントとだけ返されたので言い方を変えて質問してますね。

『MARY DALY: Well, let's go back to the summary of economic projections, lovingly called the SEP. And and that often it is stale right after it's produced. But in this case, I think that's a really good guidepost from our last meeting about what the path of policy is likely to look like. And then it's all about how do you get there? What's the path?』

『And the SEP, if you remember it, it came out at between 4.5% and 5% rates as the best estimate of what rates would be at the end of next year. And it also said that we could get up into the 4's, into restrictive territory, by the end of this year. And I still think that's a reasonable, really reasonable way to think about it. And I'm quite certain that some additional restriction is going to take place. And I do know that that's right for the economy.』

『We are tightening into a strong economy. And so we need to bring it back down to something that looks a lot more sustainable in terms of the pace of growth.』

あーだこーだ言ってますけど、「2023年末の4.5%−5.0%という先般のSEPの見通しはベストインディケーターです」って言ってるので、年内にそこに到達するのか、それとも11月75bp、12月50bp上げて1月(1/31−2/1ですのでFEDの日程表には「1月/2月」って感じの表記になっています)にもう1回25か50か上げるのか、というのは(この先読んでも)イマイチ分からんですけれども、いずれにせよ年内か来年頭には4.5%〜5.0%(なので2通りあるけど)まで政策金利を引き上げて、あとはインフレ動向に対して、とは言ってもデーリー総裁の場合は「インフレにインプットするものの動向」に注意するので、結局は賃金動向が一番デカい気がするんですが、その辺りの指標をみながら、インフレが全然サガランチ会長ならまた利上げせざるを得ないし、思ったより勢いよく沈静化(ってのも変な日本語ですが、笑)したら別なんでしょうけど、チンタラと落ち着いてくる分には政策金利は下げずに据え置き、ってことで、変態仮面と言ってること自体は基本変わらんですね。


・年内2回の利上げは125ですよねとしつこく聞きたい人と先行きはデータディペンデントを連呼する人

『JENNIFER SCHONBERGER: OK, so then to be clear, 125 basis points higher on that Fed funds rate this year, and then looking at a peak of around 4.5% to 5% next year still seems to be the run of play in your mind. Is that correct?』

どうしても年内125を聞きたいようです(^^)。

『MARY DALY: Well, what I would say, Jennifer, and I just want to be crystal clear. I know people would like us to write down the exact numbers for the rest of the period. But there's too much uncertainty for that to be prudent for us. We need to be data-dependent, extremely data-dependent. So clearly, the domestic data are pointing to further rate hikes. And I'm very supportive of continuing to put restrictions in place.』

さっきあんだけ言ってるんですが、決め打ち質問が来ると答えない、ってのは割と首尾一貫してまして、これって「先の事が分からんから下手に決め打ちしたくない」ってのもあるんでしょうけれども、そもそもがこの手の話しって一種のフォワードガイダンスに似たようなものになってしまい、フォワードガイダンスはもうやらねえよと言ってるECBが出ているように、ガイダンス政策自体がこのような状況になると不適切、という認識があるんではなかろうか、ってな話でボウマン理事が政策ツールに関するスピーチをしてたのと話を絡めようかなと思ったんですが、毎度おなじみの計画性の無さと手の遅さにより今日はそっちのネタは間に合わない模様(さーせん)。

『I see the SEP is a good starting point, a guidepost, for people to say that's generally where the Federal Reserve will be heading. That's consistent with my own views. But I also want everyone here listening to recognize that we're not on a pre-set course. We are a data-dependent Fed. And if more is necessary, we'll take it. If less is necessary, we'll adjust. But we're not talking about at this point in my mind pausing or stopping. Nor are we talking about changing our overall strategy because the data are coming in about like we would expect.』

SEPは議論のたたき台、FEDがどっちに向かっているのかというガイドポストとして重要なんですけど、先行きの政策に関してはプリセットされたコースは無く、データディペンデントですよ、とひたすら連呼しておりますな。

『Monetary policy acts with a lag. Inflation is a lagging indicator. It is a hardship that it continues to print so high. And I am very focused on that hardship. And I'm very mindful, my contacts tell me all the time, that we want to make sure that price increases, that inflation doesn't become embedded in psychology. And that's why you'll hear me say again and again, we are resolute as an FOMC, as a Fed, restoring price stability.』

金融政策はラグを持って効くもんだし、インフレは遅行指標であって、そういう意味で政策運営がムツカシイ、というまあ仰る通りにも程がある説明で、まあこの辺りからも中央銀行(日本を除く)ってインフレ目標出してマネタリーベースを云々みたいな能天気にも程がある机上の空論の話をしなくなったよね、というのが良く分かるというものでして、まあこの辺って勿論「決め打ち回答をしたくない」ってのもあるんでしょうけれども、「ラグをもって効く政策を運営するための目標数値が経済の遅行指標」というそもそも論としてのインフレターゲッティングの難しさというのを今更ながらに認識したって話なんじゃなかろうかと思うのは、アタクシが置物政策は親の敵ではないですけれども短期金融市場の敵なのでその意識があってバイアス掛かって読んでるのは自覚してるけど、そんな事思っても良いじゃないにんげんだもの、ということで勘弁してつかあさい。


・結局今次利上げ局面の到達点は4%台後半ということでまあ現時点でのFEDのコンセンサスとしては割と揃ってるんじゃないかな

『JENNIFER SCHONBERGER: Given that you said monetary policy operates with a lag, you still think you would raise up till about 4.5%, 5%, and then pause at that point in 2023?』

質問が中々しぶといですね(^^)。今度は利上げのゴール局面が4.5−5.0で良いんですよねと来る。

『MARY DALY: Well, I think that's exactly the question we have in mind. And there's a big difference between what rate you get to and then holding it. Holding the economy in a restrictive stance of policy also continues to bridle it. So we'll end at a rate that we think is appropriate and in terms of where to stop and look around. But we still need to get the rates up before we ever do that.』

『And then we'll go to what I would think of as, what I call oftentimes a raise and hold strategy, where we raise it. And then we let that sit for a while. But we are always, even in that raise and hold piece, adjusting to the economic conditions as they come in. We are not on some sort of course that can't correct if the economy needs more bridling or needs less bridling. But really, that's how I think about it. Get to between 4.5 and 5 is the most likely outcome, and then raise to those levels, and then hold at that point for some period of time.』

でまあ回答する方も「状況によってそこは変化する」としぶとく回答を留保したものの、最後に「Get to between 4.5 and 5 is the most likely outcome, and then raise to those levels, and then hold at that point for some period of time.」ということで、4.5−5.0の水準に持って行って暫くステイ、が一番あり得る政策パスです、と説明します。

・・・・・とまあ考えますと、5%より上とか織り込みに行くのは、相当にインフレに対して高め、あるいは持続力のあるビューを確信的に持てる、あるいは明確なインフレ期待の上昇(インフレ期待の話はここでは無かったけど、基本的に長期の期待インフレは2%目標に整合的、でFEDは通しているので)に対するビューが無い中で雰囲気でソイヤソイヤとやって良いんでしたっけってのはアタクシ思ったり思わなかったりするんですよねー(あくまでも個人の感想です)。

なお、これで質問した方も満足という感じでこの後は「景気のソフトランディングが出来るのか」という質疑に移行して参りますので、政策金利に興味のあるアタクシとしてはここで本日は勘弁して頂きとう存じます。






2022/10/18

お題「G20後の総裁会見が意外に味わいありました/ブラードさんは年末までに75×2でその後は長めの様子見を推奨とな」

ほうほうほうほう。
https://jp.reuters.com/article/britain-economy-idJPKBN2RC0UA
2022年10月17日8:05 午後
英財務相、減税計画のほぼ全て撤回 光熱費支援も抑制

『[ロンドン 17日 ロイター] - ハント英財務相は17日、市場の混乱を招いたトラス政権の450億ポンドの減税計画について、ほぼ全てを撤回すると表明した。光熱費の支援も抑制し、1000億ポンド以上が費やされると見込まれていた2年間の家計・企業向けエネルギー支援策は4月までに短縮される。』(上記URL先より、以下同様)

「2年間の家計・企業向けエネルギー支援策は4月までに短縮される。」とかどう見ても他山の石とすべきではあるのですが、

『同相は経済成長を目指す前に信頼と安定を確保する必要があると主張。減税計画の変更により、毎年320億ポンド(360億ドル)の歳入が得られるとの見通しを示した。これを受け、ポンド/ドルは一時1.4%高の1.1332ドルを付けた。財政赤字の縮小に向け歳出削減が必要とも述べた。』

相変わらず日本国債は円建てだから破綻しない(そもそもその円自体が国際通貨として通用しなくなったらどうなるのか分かってるのかなー)などといいながら財政出せ出せしか言わない阿呆政治家と置物一派はこういうのを見ても「日本は違う」っていうんでしょうね。明日は我が身ですわよ皆様。


〇G20後の会見って基本あんまりネタにならんのだが今回は「物価見通し」と「イヤミ質問」でかなり味わいあった

まあ今回の会見は二言会見だから追い風参考記録にしかならないですけどG20の黒ちゃん。

https://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2022/kk221017a.pdf
黒田総裁記者会見要旨(10月13日)
――G20・G7終了後の鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣、黒田総裁 共同記者会見における総裁
発言要旨
2022年10月17日
日本銀行
―― 於・ワシントンDC
2022年10月13日(木)
午後6時39分から約20分間(現地時間)

・今度は「来年度になったら物価上昇が2%を割る」理論で逃げようとしているのかしら

『【問】黒田総裁への質問なんですけれども、IMFの専務理事の会見やWEOではインフレの抑制というのを当局者が優先課題であると指摘するなど、インフレが大きな世界経済のリスクであるという議論が中心だったと思います。インフレに対応するための利上げで世界が景気後退に陥るリスクについてもIMFは指摘していますが、こうしたリスクおよびインフレについての議論、総裁としてお話を聞いていて、これが日銀の日本経済の先行き見通しにどう影響を与えるのか、会議に参加されてご感想および今後の10月の展望レポートに向けた議論にどのような影響を及ぼし得るのか、お願いします。』

まあこの会見ではそんなにゴリゴリ聞く会見な訳では無いのでこんな感じでフワッとした質問ですが、

『【答】世界経済の見通しについては、ご指摘のようにインフレがかなり高進したということもあって、多くの国で利上げが進められているわけであります。ただ、これは私からも説明いたしましたが、日本の消費者物価は、コスト高を背景にして、生鮮食品を除くベースで 2.8%の上昇となっておりますけれども、来年度以降は 2%を下回る水準まで低下していくとみられるということを申し上げました。』

『そのうえで、欧米各国あるいは多くの途上国と違いまして、日本の物価上昇率はこの水準であり、しかも来年度以降は 2%を下回る水準まで低下していくとみているということで──これはIMFもそうみているわけですけれども──物価安定の目標の持続的・安定的な実現を目指して、金融緩和を継続するということを説明いたしました。』

とまあそういう回答。こちらの会見って別にゴリゴリくるものじゃないからいつもの「賃金が上がらんとどうのこうの」の話をしていないだけなのかもしれませんが、相変わらず「23年度になると」という自分の任期切れ以降の物価見通しを基にして逃げ切るという完全なるイカサマ手法に走っている感が出ていますね。

もちろん、この「そのうち物価上昇が落ち着く」理論自体は前から言ってますが、だんだんこの時期が後ずれしているのも事実で、ピーク時期が(携帯要因剥落する)10月とその少々後くらいだったのが年末になりまして、でまあ2%切って来る時期も来年の1−3から「来年度」になってきまして、これ多分「来年度以降は」って言い方してるのは4−6とかに2%に下がると言ったら後で困るから、というのがあると思うのよね。

なお、企業物価は9月分再加速しているし、東京都区部9月CPIだって強かったし、さらに10月からは携帯の前年要因が剥落したぶんが乗っかる上に10月にあちこちで価格改定しているのが乗っかると来て、円安だって進行しているんですから、この先全国CPIって軽く3.5%超えるじゃんという風に素人のアタクシでも思ってしまう訳で、そうやってインフレが更に上がってきているのに、この言い訳で突っ張るのはどうなんでしょうね、とは思います。


・日本の経済状態はゼロコロナのチャイナや没義道戦争中のロッシーア並みにダメだから緩和継続ですよね!!!

2問しか質問がない(できないんでしょうね)中で2問目はしらっと厳しめ。

『【問】黒田総裁にお伺いします。今回、G20の方でも、現在、緩和的な政策を採っているのはロシアと中国と日本ということになると思うんですけれども、』

この視点は今までのMPMなどでの総裁会見では無かった論点ですが、実に素晴らしい嫌味な着眼点でございまして、この論点はグッドジョブ過ぎていいねボタンを100回押したくなる、

『ロシアも中国も経済制裁だったりとかゼロコロナとかで国内の経済に明白な下押し要因がある中で、日本は現在もなかなか力強い回復が無いというところで、総裁は今回、G20以外の会合とかでも、各国に対して日本の状況等を説明されてきたと思うんですけれども、』

何というイヤミwwwww

『この辺りの日本がいまだ利上げをできないような環境にあるということについて、その要因、なぜそのような要因になっているかということを、どのようにご説明されていますでしょうか。』

これは良い質問過ぎる。すんばらしい。


『【答】欧米が8%から10%という非常に高いインフレのもとで金利を引き上げているということは、当然、適切であり、正しいと思いますけれども、日本が金利を引き上げられないという見方はちょっといかがかと思います。』

この部分、あんまりヘッドラインになってた記憶が無いのですが(後半のいつもの黒ちゃんが率先して行う円安煽り回答の方はきっちりヘッドラインになっていました)、「日本が金利を引き上げられないという見方はちょっといかがかと思います」ってお前さん自分で「金利を梃子でも上げない」って言い張ってるのは何だったのかと小一時間問い詰めたいwww

『金利は、経済・物価に応じて適切な水準にするということが正しいと思いますので、』

昨年の3月の経済物価状況を背景に適切であるとした0.25%を全く変えていないのは黒田日銀なのでございますけれども大丈夫かおい。

『その面で言いますと、日本経済は、コロナ禍を脱して、消費・設備投資を中心に回復してきていますけれども、まだ、例えば米国などと比べると回復のテンポが遅いということも事実でありますので、当然その回復を支援していくということが必要だということは、まずあります。』

別にリストリクティブな金融政策にしろと言ってるんじゃなくて、金融緩和の程度を調整すべきじゃないですかねえ、って言ってるだけなんですけど、それにも一切聞く耳もってない訳で、前段の「金利は、経済・物価に応じて適切な水準にするということが正しい」というのは何なのかということを是非次回の金融政策決定会合の記者会見でどなたか質問して頂けますでしょうか???どっちかというと何時もの前半のちゃんとした皆様が質問しないと回答してくれ無さそうですけどね!!!!!!!

『もう一つは、そもそも金融政策は物価の安定を目的として行われるわけですけれども、』

これは勿論原則論として極めて正しいのですが、この「物価の安定」って話を、今は「賃金が上がらないといけません」みたいな話に終始させているんですけど、だいたいからして日銀は4月の展望レポートで出した物価見通しを物凄い勢いで盛大に外している訳ですが、盛大に外しているのに政策は何ら変えないどころか(毎日指値オペとかで)事実上強化しているんですけど、ここから年末に向けてCPIが+3.5%とか平然と抜けるようなムーブになったとしたら(ってか携帯剥落だけでだいぶ接近しますけどね)、そもそも日銀が物価安定に失敗してるんじゃないか、って話になりませんかねえ、とまあ思う訳ですよ。どうせ日銀のことだから屁理屈捏ねて誤魔化しにはかかるでしょうけど。

つーかさ、直近の企業物価指数に見られますように、円安進行でも物価上昇圧力しかもコストプッシュ掛っているのですけど、日銀が10年金利の固定化とかするもんだから、「経済物価情勢に応じた金利上昇圧力」が他のところに出てしまう結果が、超長期金利の上昇であったり、円安進行であったりするんじゃないですか、って考えるとそもそもこの10年0.25%固定に何の意味があるのかという話になるんですけどね、まあいいけどさ。

ただね、この「物価の安定」も連呼しているとCPIが3%台後半だの4%だのとかなって来た時に、日銀が一斉に梯子外されてしまう流れを呼び込みかねないので、まあ色々とマズイとは思いますけどね。黒ちゃんが梯子外されて黒焦げにされてしまうのは別にどうでもいいんですけど、日銀には金融政策をやらせると危ないので財務省によるガバナンス強化が必要、とか言われたら新日銀法の危機なんすよね。

『先ほど申し上げたように、消費者物価は足元で 2.8%になっているとはいえ、来年度以降 2%を割っていくという見通しであり、そういう中で、今、金利を上げることは適切でないということは当然出てくる話です。』

という屁理屈なんですが、そもそもこの「2%を割っていく」という見通し時期が段々後ろ倒しになっている訳で、見通し外しているのに政策判断は変えないってのはおかしいですよね、というのは次回の展望レポートの最大のツッコミどころで、当然ながら黒ちゃんの茶坊主な皆様が日本最高の頭脳を駆使して屁理屈の限りを尽くした想定問答を考えているのでしょうが、その屁理屈を来週はじっくりと拝見したいものだと存じます。

『上げられないとかそういう意味ではなくて、経済・物価に対して最も適切な金融政策、金利を考えると、今引き上げる必要はないし、適切でないということであります。』

という説明になっております。だったら「なんで昨年の3月に決定した0.25%が変わらないのか」という点についてちょっと説明してくれませんかねえ。


・・・・・・ということでまあ会見自体の会話はいつも通りちゃあいつも通りなのですが、MPMの時みたいに想定問答集を思いっきりチンタラ見ながらチンタラと想定問答朗読するような会見場でもないし、だいたい時間が短くてそんなこと出来ないし、ゴリゴリと二の矢が飛んでくる会見でも無いので、割と黒ちゃんシンプルに回答していまして、普段からこういう回答しやがれ、と思うのですが、シンプルに回答する分今の日銀の屁理屈があちこちで無理あるなーってのが良く分かる質疑応答になっていて、中々味わいが深かったので、再三再四申し上げますが是非来週のMPM後の会見ではこの会見をリファーしながらご質問をぶっこんで頂くことをお勧めしたいと思います。



〇面白おじさんではあるが結果的に当たってたりするのでちょっとシャクだが変態仮面の利上げパス発言

先週末もFED高官の発言がバカスカ出てまして、今週もどうせバカスカでるんでしょうから、適宜確認しないと行けないですな。ということですが、先週末はウォーラーとボウマンとブラードおじさんで、ウォーラーはCBDCの話なのでパスしまして、しばらく面白枠扱いで眺めるだけにしてた変態仮面のご発言でも、というか今回ロイター(英語版)記事なので短いからネタにするんですがw

(URLがクソ長いので下記記事へのハイパーリンクは文字列全部には貼りません)
https://www.reuters.com/markets/us/exclusive-bullard-september-inflation-warrants-frontloading-may-not-need-higher-2022-10-14/
October 15, 20225:29 AM GMT+9

EXCLUSIVE Fed's Bullard favors 'frontloading' rate hikes now, with wait-and-see stance in 2023
By Howard Schneider

この記事書いてるハワードシュナイダー(で読み方あってるかしら)さんはFOMC後の会見でも毎回登場するいつもの記者さんです。以下上記URL先の記事から。

『WASHINGTON, Oct 14 (Reuters) - A "hotter-than-expected" September inflation report doesn't necessarily mean the Federal Reserve needs to raise interest rates higher than officials projected at their most recent policy meeting, St. Louis Fed President James Bullard said on Friday, though it does warrant continued "frontloading" through larger hikes of three-quarters of a percentage point.』

9月のCPIデータは想定よりも強かったんですが、では利上げパスどうなりますねんという話でして、

『In a Reuters interview, Bullard said U.S. Consumer Price Index data for September, which was released on Thursday, showed inflation had become "pernicious" and difficult to arrest, and therefore "it makes sense that we're still moving quickly."』

perniciousっての手元の辞書で引いたら「有害な、致命的な、破壊的な、悪性の」と出てました・・・・・・・・

『After delivering a fourth straight 75-basis-point hike at its policy meeting next month, Bullard said "if it was today, I'd go ahead with" a hike of the same magnitude in December, though he added it was "too early to prejudge" what to do at that final meeting of the year.』

今の状態のままだったとしたら11月、12月のFOMCは75bpづつの利上げが適切だけど、これに関しては先行きの決め打ち不可能、というはなしですけど、決め打ち不可能なのは「"too early to prejudge" what to do at that final meeting of the year」なので11月は75bp引き上げを主張なんですね。

『If the Fed follows through with two more 75-basis-point hikes this year, its policy rate would end 2022 in a range of 4.50%-4.75%.』

まあゆうて年末は4.25-4.75のどこかって感じですよね今の米国債券市場ちゃん。


・・・・・この調子でやってると全文引用しちゃうので適当に飛ばしながら変態仮面のコメントを拾います。

もはや来年の話の方がネタになるというところですがブラードさんのコメント。

『"I do think 2023 should be a data-dependent sort of year. It's two-sided risk. It is very possible that the data would come in a way that forces the (Federal Open Market) Committee higher on the policy rate. But it's also possible that you get a good disinflationary dynamic going, and in that situation the committee could keep the policy rate and hold it steady," Bullard said a day after the U.S. government reported that consumer price inflation remained above 8% last month.』

これは先月のコメントなのかややこしいですな。でもってこのおじさん、「a good disinflationary dynamic going」になった時にFEDは何しますのん??って事に関しては「the committee could keep the policy rate and hold it steady」なのでありまして、金利下げるという発想は無いようです。

でもって上記の続きにこんなのがあって、

『The possibility of a fifth larger-than-usual increase in December is "a little more frontloading than what I've said in the past," he added.』

と言ってたそうなので、CPI見てブラードさん、今次利上げのケツのレートを気持ち上げているんでしょうね。そして記事はまた解説の中に一部ブラードの発言が入るみたいな感じになりますが、政策金利引き上げに関しては「とっとと上げる」「5%超えまでやるのは今の状況のままだったらやり過ぎ」という見解のようです。記事のちょっと先の方になりますが、

『Even if some of Bullard's colleagues want to reach that point in smaller interim steps and not until early next year, Bullard said he regards faster increases as warranted because the U.S. labor market remains strong, and "there's just not much indication that we're getting the disinflation that we're looking for."』

基本的に利上げのペースは速いままにしておいて、到達点と思しき水準までちゃっちゃと利上げしちまえ、という理論のようです。

『Though some investors and economists expect the Fed will need to lift its policy rate even further, to 5% or higher, Bullard said, "I wouldn't predict that now ... If that happens it will be because inflation doesn't come down the way we're hoping in the first half of 2023 and we continue to get hot inflation reports."』

一方でFF金利を5%あるいはそれ以上に上げないとダメじゃんという風に主張する市場の一部やエコノミストの一部の意見に関しては現時点においては、「"I wouldn't predict that now ...」ということなので、そうするとブラードの見立てはあと2回合計150引き上げていったん打ち止めなんですけど、打ち止めた後は相当のインフレ沈静化が進むまで政策金利水準を維持、って感じですかね。

でもってもしFFを5%やそれ以上に引き上げなければならない状態ってどういう時なの、ってことについてもコメントしている、とこちの記事にはある訳でして、それが「If that happens it will be because inflation doesn't come down the way we're hoping in the first half of 2023 and we continue to get hot inflation reports."」だそうなので、物価が見通し通りに落ち着いてくれない場合は来年も利上げしてFF5%乗せあるで、という話をしているのですが、インタビュー見た訳でもインタビューの文字起こしを見ているわけではないですが、ロイターのシュナイダーさんのこの書きっぷりだと、基本はあと2回で計150上げて打ち止めが本線ってニュアンスで、あまりそれ以上は見てないって受け止め方をして記事書いたんだろうなあと思いました。





2022/10/17

お題「企業物価ェ・・・・・・/日銀からペーパー2本ほど(雑メモ)/9月FOMC議事要旨の物価に関する議論を(木曜の続き)」

ほうほうそうですかそうですか。
https://jp.reuters.com/article/britain-politics-idJPKBN2R91TV
2022年10月15日3:21 午前
英トラス首相、財務相解任し法人減税撤回 政権の足元揺らぐ

『[ロンドン 14日 ロイター] - トラス英首相は14日、クワーテング財務相を解任すると同時に、法人税減税策を撤回すると表明した。9月6日の就任直後に打ち出した大型減税策を柱とする経済対策で金融市場に混乱が広がった責任を示した形だが、トラス氏自身の足元が揺らいでいる。』(上記URL先より)

https://jp.reuters.com/article/britain-bonds-idJPKBN2R91TX
2022年10月15日3:22 午前
英国債利回りが乱高下、減税撤回も踏み込み不足との評価

『[ロンドン 14日 ロイター] - 14日の市場では、英国債利回りが序盤の大幅低下から一転急上昇する波乱の展開を見せた。トラス首相が減税計画を一部撤回すると発表したものの、投資家を納得させることはできず、踏み込み不足との評価が示された格好。

英10年国債利回り は、取引開始時に3.899%まで低下していたが、その後大きく切り返し、終盤は13ベーシスポイント(bp)上昇の4.33%。30年債利回りは、取引開始時に4.244%まで低下していたが、終盤では約25bp上昇し4.79%。20年債も同様の値動きを見せた。』(上記URL先より)

英国債のマーケットメークしてたら命がいくらあっても足りないのは把握した。


〇金曜日ネタにするの忘れてましたが企業物価指数メモメモ

金曜日は生活意識アンケートが(アタクシのイメージ以上に)9月調査(実際には8月位調べている)が酷いことになっておられましたが、木曜日の午前に出てた企業物価も大概でありまして・・・・・・・・・

https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2209.pdf
企業物価指数(2022年9月速報)

国内企業物価指数は、前月比+0.7%(前年比+9.7%)。
輸出物価指数は、契約通貨ベースで前月比▲0.5%、円ベースで同+2.9%(前年比+20.1%)。
輸入物価指数は、契約通貨ベースで前月比+0.2%、円ベースで同+4.7%(前年比+48.0%)。

国内企業物価指数の『前年比+9.7%』ってのも大概なのですが、円ベースの輸入物価指数の『前年比+48.0%』てのはオマエナメトンノカという数字だし、思いっきり為替円安のせいで企業物価が上がってるじゃねえかって話で、輸出企業以外のコストを急激な円安でぶち上げておいて「賃金が上がらないと物価目標達成しない(キリッ)」とか言ってるのもはや犯罪級と申しあげても差し支えない状態なんじゃないでしょうかねえ国賊総裁さん。

ちなみに月次展開ですと、8月に(前年比上がるのはまあ所与として)前月比がひっさしぶりのマイナスになったので、おーこれは、と一瞬思ったのですが、何のことはない9月になったらまた前月比も加速してしまいまして、どう見ても国民困窮化政策です本当にありがとうございましたという流れで、やはりこれは来週金曜日の定例記者会見は腰ミノ一丁で登場してその場で暗黒舞踏を始めて最後に失禁する位のパフォーマンスして円安とめてくれんと(更に円安になるリスクがありますかそうですか笑)アカンヤロと思いますし、ここまで来てるのに何でキッシーは支持率回復の為に日銀差し込みに行かないのかが割と不思議なんですが、まあキッシーさんって西日本豪雨で広島県などで被害続出の時に赤坂自民亭とかに嬉々としてお出掛けする程度にはオツムがアレなんでまあ何と申しますか。


しっかし8月9月の時点でこういう物件が続々と出て来る訳でして、第2種兼業主婦を自称するアタクシが見ても10月から川下の物価(というかまあ要するにスーパーで見る値札)が明確にお高くなってしまっている訳でして、価格転嫁が更に広がる(って既に広がり切っているのかもしれないけどよくわからん)とどうなっちゃうんでしょうと大変にビビる今日この頃なのでありまするが、こんな状況で「来年度になったら物価がうんたらかんたら」とかいう言い訳はどこまで続くのでしょうか、まあもうそろそろ国葬問題は終了して、某宗教団体問題の方は続くでしょうけど、円安と物価高が前面に出て来ると思うんですけどねえ。

勿論日銀ちゃんの方もその辺意識して最近は「賃金」ばっかり言ってるけど、そもそも置物理論って、例のハマコー大先生の仰せのように、置物リフレ政策って「個別賃金は上がらんでも企業が雇用を増やしてマクロベースで雇用者所得の全体が伸びるのが重要、てか企業が雇用を増やす為には寧ろ賃金は上がらん方が良いくらいまである」という理屈ですから、この期に及んで「賃金が上がらんと」というのインチキなんですよね、それまでだって「賃金が上がっていないとかイチャモン付けるのは筋違いで、雇用者が増えて雇用総所得が上がっているのを見るべき」って言ってたんですよね。

まあいずれにしましても、10月の展望レポートでどんな引かれ者の小唄が出て来るのかというのを楽しみに待ちたいのですが、政策委員の情報発信にしたって、そろそろちょっと路線の違った話をする(雨宮副総裁がそういう話をするのがベストなんですが、それが駄目なら中村審議委員辺りの無難な人を鉄砲玉にして気球をあげさせる)ようにしないと、これ黒ちゃん後が「過去からの断絶」からのスタートになった場合に政策委員も上級スタッフも無茶苦茶しんどいことになると思うのですけれどもねえ。(田村さんと高田さんが言うのはある意味平常運転ぽいので効果が少ない)



〇プライベートエクイティとかプライベートデットとかの日銀レビューが登場とな

最近時々PEファンドとかダイレクトレンディングファンドの話を日銀がレビューしてくれていて、今回も色々と解説としては良く出来ていると思いましたには思ったのですけど。

https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2022/rev22j15.htm/
ファンド向けファイナンスの概要とリスクについて
2022年10月14日

これ書いてるのが金融機構局ということで大体お察しなんですけど、まあ当然ながらリスク管理の話になっているんですけど、基本的にはそれこそダイレクトレンディングだと(金利上がりだす前の平和な時代であっても)コベナンツバカスカ抵触するんですけど、寧ろ「コベナンツは抵触するものであって、その後をどうするのかが重要」みたいな感じで、何ちゅうかこのリスクリターンのバランスはちゃんとしてた(もちろんこういうのってアセットマネジャーによる差が無茶苦茶大きい世界なんだが)とは思うんですよね(個人の偏った感想です)。

ということで要旨ですが、

『要旨

プライベート・エクイティ・ファンド等への資金流入が続くもとで、ファンドは自らの投資ステージに応じた資金需要を強めている。こうしたなか、金融機関は、ファンド向けファイナンスの収益性の高さなどを背景にビジネスを推進するとともに、当該ファイナンスに係るリスク特性に留意したリスク管理体制を敷いている。一方で、ファンドは、投資家へのリターン引き上げ等を企図して、当該ファイナンスの借入期間の長期化やレバレッジの拡大等を行っており、当該ファイナンスに係るリスクの高まりが確認されている。そのため、ファンド向けファイナンスの実態把握や潜在的なリスクについて丁寧にモニタリングしていくことが重要である。』

となっていまして、本文の最初の方を見ますと、その冒頭に、

こちらが本文
https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2022/data/rev22j15.pdf

『はじめに

近年、世界的に低金利環境が継続してきたなか、投資家は利回り追求の動きを強めて、ファンドへの投資を活発化させてきた。米国におけるファンドの運用資産残高をみると、金額では、投資信託(ミューチュアル・ファンド)の規模が大きいが、運用資産残高の増加ペースではプライベート資産(非上場資産)を投資対象とするプライベート・エクイティ・ファンド(以下、PE ファンド)等が投資信託等を大きく上回っている(図表 1)。』

『これは、PE ファンド等の相対的なリターンの高さが投資家を惹きつけていることが背景にある(1 図表 2)。世界的なインフレ高進を背景に、海外で利上げを進める動きもみられているが、これまでのところ PE ファンド等への投資需要について大きな変調はみられていないとの声が聞かれている。』

まーこの手の計数は中々タイムリーなものが取れないので、今年入ってからの動きがどうなっているのかというのが知りたいですが、さすがにまとまった集計は半年以上遅れじゃないと出てこなくて、ただまあ日銀の事ですからそれなりに状況は把握しているとは思います。こういうちゃんとした紙では出てこないだけの話で。

『こうしたなか、PE ファンド等の投資対象資産や投資対象地域の拡がりも確認できる。投資対象資産別の運用資産残高の推移をみると、投資対象企業の株式の過半数を取得することで企業経営に関与し、企業価値向上等に取り組むバイアウト戦略を手掛ける PE ファンドの運用資産残高の増加が顕著である。』

『しかし、それ以外にも、信用力の低い企業に対してエクイティではなく融資の形態で直接資金を提供するプライベート・デット・ファンドや、発電設備や交通網などに投資するインフラ・ファンドも増加している(図表 3)。』

さいですな。

『また、投資対象地域別では、北米が PE ファンド投資の主戦場となっているが、欧州やアジア地域などへの拡がりもみられている(図表 4)。』

ということで以下本論がおっぱじまるのですが、今回はファンドの投資対象先がどうのこうのという話ではなくて、その後に『ファンド向けファイナンスの取組み動向 』『ファンド向けファイナンスの概要』ということで、ファンド投資そのものではなくてファンド向けのファイナンスに関する話、というこらまた一段とマニアな話をしておりまして、これはかなり読者を選びそうなネタだと思いましたが、ドメドメジャパニーズ債券ジジイをやっているので、逆に興味の方向がその対極までぶっ飛んでしまうアタクシとしましてはこのネタに一々釣られるのでありました。


〇英語なので分からんのだがインフレデフレは貨幣的現象だったんじゃなかったんでしたっけ(棒読み)

https://www.imes.boj.or.jp/research/abstracts/english/22-E-15.html
Why Aging Induces Deflation and Secular Stagnation
R. Anton Braun, Daisuke Ikeda

『We provide a quantitative theory of deflation and secular stagnation. In our lifecycle framework an aging population puts persistent downward pressure on the price level, real interest rates, and output. A novel feature of our theory is that it also recognizes the reactions of government policy. The central bank responds to falling prices by reducing its policy nominal interest rate and the fiscal authority responds by allowing the public debt-GDP ratio to rise.』

なんかよくわからんけど、

>an aging population puts persistent downward pressure on the price level

って置物がフリードマン持ち出していつも言ってた「物価はいついかなる時も貨幣的現象」とは何だったのかと小一時間問い詰めたくなりますが、もともとここのペーパーは必ず、「Views expressed in the paper are those of the authors and do not necessarily reflect those of the Bank of Japan or Institute for Monetary and Economic Studies.」となっておりますのでセーフ(何が?)。

本文はこちらだがちょっとパス
https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/english/22-E-15.pdf

まあしかしさっきの路線変更の話ではありませんが、ちょいちょいこういう微妙な置物理論にぐぬぬと言わせるネタをぶっこんで来るのが最近の日銀の仕様ではあるのですが、地味すぎて何とも・・・・・・・・・・・



〇FOMC議事要旨ネタの続きですすいません

そういや別件ですが、
https://jp.reuters.com/article/imf-worldbank-fed-bullard-idJPKBN2RB03F
2022年10月16日3:14 午後
ドル高、FRB利上げ停止なら緩和へ=セントルイス地区連銀総裁

『ブラード氏は、FRBの政策は「通貨(ドル)高を生み出した」とする一方、「インフレに十分な下方圧力がかかり」もはや利上げを続ける必要はないと判断できる状態になれば、ドル高圧力は和らぐとした。』(上記URL先より)

・・・・・・・この記事、題名の日本語が分かりにくいったらありゃしない(緩和、とかかないで和らぐ、と書いてくれれば誤読しにくかったんだが)のですけどwwwww

FOMC議事要旨の後も上記のブラードとかジョージさんとかボウマンさんとかのお話があったようですが、木曜日の積み残しを簡単に。

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20220921.htm
Minutes of the Federal Open Market Committee
September 20-21, 2022
A joint meeting of the Federal Open Market Committee and the Board of Governors of the Federal Reserve System was held in the offices of the Board of Governors on Tuesday, September 20, 2022, at 1:00 p.m. and continued on Wednesday, September 21, 2022, at 9:00 a.m.1

『Participants' Views on Current Conditions and the Economic Outlook』の政策の前の部分を少々だけ。

インフレについて3パラグラフ使って議論内容があるのでそこはさすがに要チェックでしょうということであります。まあ後の話は既にいろんな高官発言出ているからフォローしなくて良いかな(読むけど)とは思います。

・インフレの現状認識に関しては「想定してたように鈍化しないしインフレ圧力強いまま」

『Participants observed that inflation remained unacceptably high and well above the Committee's longer-run goal of 2 percent.』

インフレに関する話の3つのパラグラフですが、最初は現状認識。

『Participants commented that recent inflation data generally had come in above expectations and that, correspondingly, inflation was declining more slowly than they had previously been anticipating.』

まず現状認識の一発目に「物価が想定よりも足もとで上振れしていて、インフレ率が下がると期待してたのにその速度が想定よりも遅い」ということで、政策金利の着地点が高くなるのか、または引き締めを長くするのか、(木曜にネタにしましたように、どっちかと言えば「長期間の引き締めを続ける」っぽいですが)というのを物価の話の最初にあいさつ代わりの火の玉ストレートですね。

『Price pressures had remained elevated and had persisted across a broad array of product categories. Energy prices had declined in recent months but remained considerably higher than in 2021, and upside risks to energy prices remained.』

ひたすら物価上昇圧力が強い話。

『Several participants noted the continued elevated rates of increase in core goods prices. These participants considered this development as potentially indicating that the shift of household spending from goods to services might be having a smaller effect on goods prices than they expected or that the supply bottlenecks and labor shortages were taking longer to be resolved.』

『Participants commented that they expected inflation pressures to persist in the near term. Numerous contributing factors were cited as supporting this view, including labor market tightness and the resulting upward pressure on nominal wages, continuing supply chain disruptions, and the persistent nature of increases in services prices, particularly shelter prices.』

現状認識に関しては強い話しか出ないままパラグラフが終了してしまうという話だし、財からサービスに消費がシフトする中で、労働需給がひっ迫しているので、賃金が上がりやすくなってさらにインフレ圧力来るで、という話をしてますし、家賃の問題も指摘していますし、ということで先日はブレイナード副議長の講演で少しは足元でこれまで金融政策が効いてきた話があったのでほほーとは思ったのですが、議事要旨は普通にタカタカ仕立てになっておりますよね。


・中期的には物価上昇圧力が徐々に軽減するとは言ってるが既に「来年以降」って話になっておるわ

『With respect to the medium term, participants judged that inflation pressures would gradually recede in coming years.』

そらまあドットチャートが「2023年は引き締め政策を1年中維持」なのだからそうなるんですけど、中期的展望における物価上昇圧力の軽減が「来年」ではなくて「in coming years」と思いっきり複数年になっているのがあばばばばー。

『Various factors were cited as likely to contribute to this outcome, including the Committee's tightening of its policy stance, a gradual easing of supply and demand imbalances in labor and product markets, and the likelihood that weaker consumer demand would result in a reduction of business profit margins from their current elevated levels.』

『A few participants reported that business contacts in certain retail sectors-such as used cars and apparel-were planning to cut prices in order to help reduce their inventories. Several participants commented that while households across the income distribution were burdened by elevated inflation, those at the lower end of the income distribution were particularly harmed, as a larger share of their income was spent on housing and other necessities.』

金融政策が引き締め的な領域に入って来るので、徐々に需給のインバランスが解消(需要を抑える方向で解消するんですけど)に向かっていってうんたらかんたら、という話があって、その後に一部セクター、特に金利上昇にセンシティブな消費(車とか住宅とか)には既にこれまでの政策効果による金利上昇で需要の落ち着きが見られます、というこの辺りはまさにブレイナード副議長が講演でしてきした話ですが、まあ何せ冒頭の所で思いっきりぶっかましているので、ブレイナードの時ほど毒消し感が出てこないですな、うんうん。


・インフレ期待はアンカーという認識は変わらないけどサーベイの上下テールについての指摘が記載されています

でもってインフレパートのその3はインフレ期待。

『In assessing inflation expectations, participants noted that longer-term expectations appeared to remain well anchored, as reflected in a broad range of surveys of households, businesses, and forecasters as well as measures obtained from financial markets.』

インフレ期待は概ねアンカーされている、とここだけはいつも通りにタカじゃなくなるのですが、まあここのアンカー外れているって話になるとボルカーショックをぶっこまないと行けなくなるんですからそこまではしたくない、ということなんでしょうねわかります。

『Participants remarked that the Committee's affirmation of its strong commitment to its price-stability objective, together with its forceful policy actions, had likely helped keep longer-run inflation expectations anchored.』

ホンマカイナと思いますが、「我々の強いコミットメントが認識されているのでインフレ期待が2%目標に整合的な水準でアンカーされている(キリッ)」ということだそうですが・・・・・・・・

『Some stressed that a more prolonged period of elevated inflation would increase the risk of inflation expectations becoming unanchored, making it much more costly to bring inflation down.』

物価上振れの長期化による適合的期待形成の指摘来ました。

『A few participants discussed the increased dispersion of longer-term inflation expectations across respondents in various surveys, with an increase in the number of respondents reporting relatively low expectations of future inflation acknowledged as a key driver of the increased dispersion but with a couple of participants citing higher inflation expectations among some survey respondents as a cause for concern and a reason not to be complacent about longer-term inflation expectations remaining well anchored.』

これはインフレ期待に関するサーベイとかの回答のばらつきに注目した話のようでして、総じていえばインフレ期待がアンカーされているものの、テールの部分に関して上のテールと下のテールの動向ぞれぞれについての指摘が入っておりますな。

まあいずれにしてもテールが上下に伸びて来るのは、そらまあインフレ期待のアンカーが弱まっている傍証ではあるので、アグリゲートされた数字だけじゃなくて分布も見ますなという話ですけど、今回特にこれに関して決定打のような話はなくて、あくまでも数名がこういの指摘しているよ、って記載にとどまってはおります。今後どういう認識になるかは要注意は要注意ですね。


ということで簡単ではございますがこんな感じですか議事要旨は。






2022/10/14

お題「生活意識アンケート調査が(アタクシの)思った以上の急速悪化だったので予定を変更してお送りします」

グレートブリテン・・・・・・・・
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-13/RJO29ZDWLU6801
イングランド銀の債券購入終了迫る、混乱の責任巡り政府と中銀が攻防
Philip Aldrick
2022年10月13日 10:56 JST 更新日時 2022年10月13日 22:09 JST

『クワーテング英財務相は12日、購入プログラム終了後に市場で新たな混乱が生じれば、それは「ベイリー総裁の問題だ」と発言。総裁をスケープゴートにする意向をうかがわせた。』(上記URL先より)

この第一報見た時は変な声だしてしまいました。


〇介入はどうなってるんだ介入は(ただの雑メモ)

https://jp.reuters.com/article/idJPL4N31E0Q3
2022年10月13日1:34 午後
為替変動「急激に高まり極めて憂慮」と鈴木財務相、G7などで言及

と仰せなのですが、何ぼ仰せになっても介入らしきムーブが無いもんですから、

https://jp.reuters.com/article/-idJPL4N31E16U
2022年10月13日3:25 午後
午後3時のドルは横ばいで146円後半、24年ぶり高値圏で底堅い 米CPI見極め

『[東京 13日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(146.91/92円)からほぼ横ばいの146.88/90円付近で推移している。今晩の9月米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて様子見ムードが広がったが、ドルは24年ぶりの高値圏で底堅く推移した。』(上記URL先より)

前回の介入ポイント近くなのに何ちゅうかそれらしきムーブもなく(為替市場の人じゃないから本当の本当はどうなのかとか知らないですけど)推移っての、以前の日銀の謎な指値オペの入れ方(2月に入れた時よりも金利が上昇しているのに指値オペのオファーを行わなくて市場が「政策修正でもするのか」とびっくりしてしまった今年の事案)みたいで、まあ米国CPI見てからじゃないと先に介入しちゃってCPIで動かされてからまた介入だと弾が1回分無駄になる、という発想だと思うのですが、それは違うと思うんだけどね。たぶんここもとは「あれ??本当に介入する気あるのかね???」みたいな感じだし、「なんだ急激な動きじゃなかったら容認か」という認識になるとまあ当局的にはまずいんじゃないですかねえ。

なんかもう財務大臣言ってるの丸無視相場って感じになっているのはちょっと気になりました。


しかしまあ何ですな、

https://jp.reuters.com/article/reuters-survey-yen-idJPKBN2R72BR
2022年10月13日10:14 午前
10月ロイター企業調査:145円超の円安、75%が対応不可能に 新たな施策必要

『[東京 13日 ロイター] - 10月のロイター企業調査によると、24年ぶりに1ドル=145円台に突入した為替円安について、従来の対応でカバーできる水準を超えているとの認識を示した企業が75%にのぼった。販売価格への転嫁や固定費削減などの対応を進めているものの、企業は限界と感じ始めている。一段と円安が進んだ場合には、新たな対応を迫られることになる。』(上記URL先より)

新たな施策は簡単で、金融政策決定会合の時の「黒塗りの車で日銀入り」の時に車から降りた黒田総裁がパンツ一丁で登場して「円安を煽って大変申し訳ございませんでしたあああああ!!!!」と号泣しながらその場で土下座で3分間止まって、その後おもむろに決定会合に向かえばさせれば一発ですよ20円くらいは戻るんじゃないですかねえ(いやそれで現状維持を決めたらまた20円戻るんだが)。


〇生活意識アンケートは悪化するとは思ってましたが正直これはビックリの悪化です(個人の感想です)

https://www.boj.or.jp/research/o_survey/ishiki2210.htm/
「生活意識に関するアンケート調査」(第91回<2022年9月調査>)の結果
2022年10月13日
日本銀行情報サービス局

図表付の全文の方が見やすいのでこっちから引用します。
https://www.boj.or.jp/research/o_survey/data/ishiki2210.pdf
「生活意識に関するアンケート調査」(第91回<2022年9月調査>)の結果


・景況感の悪化が3か月でこんなに来るなんて

こちらは本文1ページ(PDFの2枚目)からもういきなりアタクシはビックリしやした。いやまあおまえ生活実感足りてないじゃろと言われるとぐうの音も出ないのですが。

『1-1. 景況感等』の『1-1-1. 景況感』です。

『景況感のうち、現在(1年前対比)については、「良くなった」との回答が減少し、「悪くなった」との回答が増加したことから、景況感D.I.は悪化した。先行き(1年後)については、「良くなる」との回答が減少し、「悪くなる」との回答が増加したことから、景況感D.I.は悪化した。なお、現在の景気水準については、「悪い」、「どちらかと言えば、悪い」との回答の合計は増加した。』

ということですが、次の図表『(図表1)景況感〔Q1、3、4〕』の<現在を1年前と比べると> と<景況感D.I.の推移>を見ると、3月調査→6月調査(実際の調査期間はここに記載されている月のだいたい1か月前に実施しているから事実上2月→5月で今回は8月になります)ではさほど悪化していなかった(というか現状判断の方は寧ろ良くなっていた)のですけれども、5月→8月のタイミングで悪化した、というのは正直驚き桃の木でやんした。


・暮らし向きDIの悪化がこれまたエライコッチャになっておる

本文5ページに飛んで、『1-2. 暮らし向き、消費意識』の『1-2-1. 現在の暮らし向き』

『現在の暮らし向き(1年前対比)については、「ゆとりがなくなってきた」との回答が増加したことから、暮らし向きD.I.は悪化した。』

とありますが、これもまた図表を見ればわかりやすいのですけど、3月→6月の段階では一応悪化はしてましたけれどもさほどの悪化は無かったのですが、6月→9月の悪化度合いが大きくて、このアンケートの回答って回答に癖があるから絶対水準で論評するのはあまり宜しくないのですが傾向を見るのにはよくて、長期時系列DI推移みてると、これ単体だと「景気後退期待ったなし」みたいな動きになっているのがオソロシスという感じなんですよねー。

でもって『1-2-2. 収入・支出』

『収入については、実績(1年前対比)は、「増えた」との回答が増加したものの、「減った」との回答も増加したことから、現在の収入D.I.はマイナス幅が拡大した。先行き(1年後)については、「減る」との回答が増加したことから、1年後の収入D.I.はマイナス幅が拡大した。』

ここで「減った」系が増えてるのは単に物価上昇の影響で体感的に減ったと感じたんじゃねえのという風に思うのですが(じゃないとマクロ統計との差がよくわからん)・・・・・・・


『支出については、実績(1年前対比)は、「増えた」との回答が増加し、「減った」との回答が減少したことから、現在の支出D.I.はプラス幅が拡大した。先行き(1年後)は、「減らす」との回答が増加したことから、1年後の支出D.I.はマイナス幅が拡大した。』

この結果はそらそうよという感じですが、ただまあ順当ではあるけど支出が「増えた」人が3月調査からこの半年で、38.0→43.0→48.5と四半期ごとに5ポイント上昇ってのはさすがにヤバくねえかって感じでして、長期時系列の『<支出D.I.の推移>』ってのがあるんですが、それ見ると直近1年ちょいの動きがちょっと豪快過ぎます。


・品目構成は概ねCPIの項目に同じ、って奴ですかね

『1年前と比べて、支出を増やしたものについては、「食料品」との回答が最も多く、次いで「日用品(洗剤、雑貨等)」、「家電」が多かった。』

そらそうよ。

『1年前と比べて、支出を減らしたものについては、「外食」との回答が最も多く、次いで「旅行」、「衣服、履物類」が多かった。』

外食ェ・・・・・・・・・・・

『今後1年間の支出を考えるにあたって特に重視することは、「今後の物価の動向」との回答が最も多く、次いで「収入の増減」、「余暇・休暇の増減」といった回答が多かった。』

この中で図表9っての見ればビジュアル的に分かりやすいですが、「今後の物価の動向」が大爆発しているのは残念だが順当。

『商品やサービスを選ぶ際に特に重視することは、「価格が安い」との回答が最も多く、次いで「安全性が高い」、「長く使える」、「信頼性が高い」、「機能が良い」といった回答が多かった。』

だいたい「価格が安い」が伸びて来るときは碌な事になっていない。


・とは言いましても雇用環境は悪化していないのが救いですね

『1-2-3. 雇用環境』

『1年後を見た勤労者(注)の勤め先での雇用・処遇の不安については、「あまり感じない」との回答が減少したものの、「かなり感じる」との回答も減少したことから、雇用環境D.I.は横ばいとなった。』

まあこれが悪かったらとっくに社会不安だわって感じですから。



・こんな物価実感の状態で「賃金と物価の好循環」なるものが成立する訳が無いとしか思えません

はい、『1-3. 物価に対する実感』に参ります。

『1-3-1. 現在の物価』

『現在の物価(注1)に対する実感(1年前対比)は、『上がった』(注2)と回答した人の割合が9割台前半となった。

(注1)「あなたが購入する物やサービスの価格全体」と定義。(注2)『上がった』は「かなり上がった」と「少し上がった」の合計。』

そらそうよ、ではありますが「かなり上がった」がこの版として22.4→30.6→46.4となってて、この3か月(正確には5月→8月)で盛大にジャンプアップしてヒットチャートを駆け上がっておりましてこれは日銀もニッコリ(棒読み)。


『1年前に比べ、物価は何%程度変化したかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+10.3%(前回:+8.1%)、中央値は+10.0%(前回:+5.0%)となった。』

ひええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!

・・・・・・この推移ですけど、図表にもあるけど流石にコピペしますわ。

<1年前に比べ現在の物価は何%程度変化したと思うか>

左から平均値(上下0.5%分刈込) 中央値ですが、

22/ 3月 平均 + 6.6 % 中央 + 5.0 %
22/ 6月 平均 + 8.1 % 中央 + 5.0 %
22/ 9月 平均 +10.3 % 中央 +10.0 %

ちょっと何ですかその大爆発、という感じですが、体感的に1年間で10%物価が上昇してます!!!って話になりますと、日銀が最近唱えている屁理屈「賃金と物価の好循環」とか起きるかよ馬鹿という感じで、10%も体感物価が上がってて賃金上昇がとか言われてもそれ普通に一般の方々からみたら何言ってるんだこの馬鹿くらいの感想にしかならなさそうで怖いんですけどねえー。



・インフレ期待は高いのが定着への道ですね

『1-3-2. 1年後の物価』と『1-3-3. 5年後の物価』は幸か不幸か3か月前対比横這い、と言ってもその前に上がっているから水準は高いんですけどね。

『1年後の物価については、『上がる』(注)と回答した人の割合が8割台半ばとなった。

1年後の物価は現在と比べ何%程度変化すると思うかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+8.5%(前回:+8.3%)、中央値は+5.0%(前回:+5.0%)となった。』

『5年後の物価については、『上がる』(注)と回答した人の割合が7割台後半となった。

これから5年間で物価は現在と比べ毎年、平均何%程度変化すると思うかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+6.7%(前回:+6.7%)、中央値は+5.0%(前回:+5.0%)となった。』

と、足元の体感物価のジャンプアップの割にこっちが横這いで済んでるのが不幸中の幸いなのですが、これ次に何が起きているのかを速く見たくなりますね。


・いやー今回はやってないんですよねー(日銀の政策に関する質問項目)

6月と12月には『1-6. 日本銀行に関する認知度・信頼度等』という項目がありまして、その中では「日本銀行は私たちの生活に役立っていると思いますか」とか、「日本銀行を信頼していますか」とか大変に心温まる質問項目がありまして、これを6月調査の次が12月調査に飛んでしまうのは惜しいところでございますな、ナムナム。



〇なるほどこの生活実感だったらそうなるわな(時事通信内閣支持率)

記念クリップ。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022101300735&g=pol
内閣支持続落27% 初の3割割れ、不支持43%―時事世論調査
2022年10月13日19時33分

『時事通信が7〜10日に実施した10月の世論調査で、岸田内閣の支持率は、政権発足後最低だった前月と比べ4.9ポイント減り27.4%となった。政権維持の「危険水域」とされる20%台に落ち込んだのは初めて。菅内閣で最低だった2021年8月の29.0%も下回った。』(上記URL先より、以下同様)

自民党支持率が23.5%なので青木率50.9%となっているからセーフです(白目)。

『不支持率は43.0%(前月比3.0ポイント増)。2カ月連続で不支持が支持を上回り、その差は前回の7.7ポイントから15.6ポイントに拡大した。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党の関係、安倍晋三元首相の国葬実施、物価高騰などをめぐり、国民の根強い批判が背景にあるとみられる。』

まあだいたい全部安倍ちゃんの残してくれたものでして、ガースーにしろ岸田さんにしろ安倍ちゃんの後始末でこれなんですが、ガースーは成立経緯からして無理なので仕方ないのですが、岸田さんもっと蛮勇振るってアベノミクスの修正とかを出せたんじゃないですかねーとは思わんでも無いのですが・・・・・・

ヤケクソの起死回生で黒田日銀血祭りに上げる、とかそういう勇気もなさそうなので、さてどうなることやらなのですが、ガースー復活されても結局今のムーブを加速させる方向にしかならんと思うのですが。







2022/10/13

お題「FOMC議事要旨における「今後の政策スタンス」の記述はタカ感出すような書き方ですね(ただし実際はインフレ次第ですが)」

ちょwwwwwwwww
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221012/k10013855321000.html
「知らんけど」って言うのなんでなん?
2022年10月12日 15時59分

何かエライ深い意味があるような解説になっているのは多少の違和感ががががが。


〇記者会見ネタを碌にやらないうちに議事要旨が出ちゃったじゃないですかヤダー

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20220921.htm
Minutes of the Federal Open Market Committee
September 20-21, 2022
A joint meeting of the Federal Open Market Committee and the Board of Governors of the Federal Reserve System was held in the offices of the Board of Governors on Tuesday, September 20, 2022, at 1:00 p.m. and continued on Wednesday, September 21, 2022, at 9:00 a.m.1

ということで議事要旨が出てしまいましたorzorz

今日はショパンの事情により簡易逆順読みで行けるところまで参ります。と言っても最近のFOMC議事要旨では資産買入(の縮小)に関連するああでもないこうでもない話が無いので、『Participants' Views on Current Conditions and the Economic Outlook』以下を追っていけばよろしいと思うの。


・バランスシート縮小に関するああでもないこうでもないコーナーが無い件について(メモ)

とまあそういう訳で、前回もそんな感じでしたけど、今回もまた議事要旨は『Developments in Financial Markets and Open Market Operations』のコーナーから始まっていまして、特段バランスシート縮小に関する議論とか特別コーナーがありませんで、これはまあバランスシート縮小に関して9月のFOMCの段階でFOMCの中の人的には大きな論点になるような事は無い、っていうか、まあ何かこれはちょっとみたいなのがあったら、たぶんスペシャルコーナーが入るので、今回はそういう認識ないというのを消極的なメッセージで示したんだという感じですな、うんうん。

つーことで『Participants' Views on Current Conditions and the Economic Outlook』に参りますが、今回はパラグラフ逆順読みはちょっと読みにくいかなと。アタクシは今回も実はパラグラフ単位で逆順読みからおっぱじめるの巻だったんですが、構成を考えた時にそれだと読みにくそうな気がしましたんで。



・今後の金融政策の方向性の部分ですが、なんかエライ威勢が良いなオイというのが第一印象

このコーナー、最後の3パラ分が結構なクソ長さになっているのですが、その最初は「今後の金融政策運営に関して」というワシら的な現世利益コーナーである。

『In discussing potential policy actions at upcoming meetings, participants continued to anticipate that ongoing increases in the target range for the federal funds rate would be appropriate to achieve the Committee's objectives.』

今後もFF金利の引き上げが適切、というのはずっと言われているのでまあこれはいいんですけど、

『Participants judged that the Committee needed to move to, and then maintain, a more restrictive policy stance in order to meet the Committee's legislative mandate to promote maximum employment and price stability.』

引き締め的(9月の利上げで引き締め的になった、という認識ですね)にして、更に引き締め的(今後の利上げが必要ってので既に示されていますな)な状況を維持するのが大事、とこの辺からキナ臭くなって参ります。

『Many participants noted that, with inflation well above the Committee's 2 percent objective and showing little sign so far of abating, and with supply and demand imbalances in the economy continuing, they had raised their assessment of the path of the federal funds rate that would likely be needed to achieve the Committee's goals.』

今後も利上げするぞ、の根拠として多くの参加者が「with inflation well above the Committee's 2 percent objective and showing little sign so far of abating, and with supply and demand imbalances in the economy continuing」ということで、物価上昇率が2%に向けて落ち着いていくような兆候すら碌すっぽ無くて、おまけに需給のインバランスは拡大しておる、ということで利上げするぞ利上げするぞというのを示していて、おいこらブレイナード副議長の月曜ののスピーチはどこに逝ったんだというこの威勢のよさなんですが、この後の文章の中でさすがに「どっかで利上げペースは落としますよねー」って話はしておる。

『Participants judged that the pace and extent of policy rate increases would continue to depend on the implications of incoming information for the outlook for economic activity and inflation and on risks to the outlook.』

先々の利上げペースはデータ次第、というシランガナ攻撃っすね。だったらどっとチャート出さなきゃ良いのに。

『Several participants noted that, particularly in the current highly uncertain global economic and financial environment, it would be important to calibrate the pace of further policy tightening with the aim of mitigating the risk of significant adverse effects on the economic outlook.』

数名のご指摘ですが、経済と「金融環境」の先行きに不透明感があるから、という金融環境って基本米国じゃなくて海外(英国欧州とかでしょうな)の話だとは思うのですが、まあそういう不透明感があるから常にそのリスク考えて利上げのペースは考えないとね、という指摘からの、

『Participants observed that, as the stance of monetary policy tightened further, it would become appropriate at some point to slow the pace of policy rate increases while assessing the effects of cumulative policy adjustments on economic activity and inflation. 』

いずれどこかで、ってのは無限にこのペースで利上げする訳ないんだから当たり前ですけど、引き締めの効果の波及を確認しつつ利上げペース落とす必要があるよね、という話で、これは何人とか言ってないから皆さんの概ねの意見ですが、アグリーとか書いてないのであくまでもフワッとしていますよ、って事をこれは伝えようとしておりますね。

『Many participants indicated that, once the policy rate had reached a sufficiently restrictive level, it likely would be appropriate to maintain that level for some time until there was compelling evidence that inflation was on course to return to the 2 percent objective.』

顕著に(ってのをわざわざ入れてますね)引き締め的な金利水準になったら、しばらくの間その水準を維持し、インフレ2%に向かって先々進んでいくでしょうという事に対する信頼に足るエビデンスが出て来るまでその維持を続けるのが適切でしょう、と多くの参加者は指摘。

このパラですが、ここまでが政策金利の話で以降がバランスシートの話になるんですけど、政策金利の話のところ見た感じ、冒頭で結構強い事をぶっかましていますし、今後利上げを止めるにしてもそのポイントは「sufficiently restrictive level」だって言ってるんでありまして、この辺りは(今日はうっかりロイターとか見てしまったのでヘッドラインだけ見ましたんですけど)報道のヘッドラインとかで「将来の利上げ停止が適切と多くの参加者が指摘」っていうハトハトヘッドラインを流されないように、「利上げ停止するけどそれはもっとバカスカ利上げしてからだぞ変な期待するんじゃねえよ」ってメッセージっすな。

まあ結局昨日もちょっと書いた気がしますが、利上げ打ち止め観測から金利が下がりだして引き締め効果が弱くなると、結局需要の方が強くなってしまうので、そういう点でFEDとしても(冷静に考えれば当たり前の)利上げどこかでペースダウンして打ち止め、という事を言うのに一々タカ印の文言をベタベタと張り付けておかないとイカン、という認識をしているんだろうな、とアタシャ理解しました。

『Participants noted that, in keeping with the Committee's Plans for Reducing the Size of the Federal Reserve's Balance Sheet, balance sheet runoff had moved up to its maximum planned pace in September and would continue at that pace. They further observed that a significant reduction in the Committee's holdings of securities was in progress and that this process was contributing to the move to a restrictive policy stance. 』

『A couple of participants remarked that, after the process of balance sheet reduction was well under way, it would be appropriate for the Committee to consider sales of agency MBS in order to enable suitable progress toward a longer-run SOMA portfolio composed primarily of Treasury securities.』

バランスシート縮小に関しては特段なんか異論が出ているわけではなく現状の進捗に満足のようです。



・これまでの金融政策タイトニング行動および政策コミュニケーションの効果について

『In their assessment of the effects of policy actions and communications to date, participants concurred that the Committee's actions to raise expeditiously the target range for the federal funds rate demonstrated its resolve to lower inflation to 2 percent and to keep inflation expectations anchored at levels consistent with that longer-run goal. Participants noted that the Committee's commitment to restoring price stability, together with its purposeful policy actions and communications, had contributed to a notable tightening of financial conditions over the past year that would likely help reduce inflation pressures by restraining aggregate demand.』

昨年来の政策タイトニングと、2%へ物価を落ち着かせるためにタイトニングするぞーというコミュニケーションは、金融環境のタイト化と、需要抑制に効果があって、それによって物価上昇圧力を軽減することに貢献した、というご認識。

『Participants observed that this tightening had led to substantial increases in real interest rates across the maturity spectrum. Most participants remarked that, al-though some interest-sensitive categories of spending-such as housing and business fixed investment-had already started to respond to the tightening of financial conditions, a sizable portion of economic activity had yet to display much response.』

市場金利の上昇によって金利感応度の高い、例えば住宅市場や企業の設備投資などは既にこの金融環境のタイト化の効果が出てきているけど、その他多くの経済活動においてはそこまで引き締め効果が出てきていない。

『They noted also that inflation had not yet responded appreciably to policy tightening and that a significant reduction in inflation would likely lag that of aggregate demand.』

そのため、現状ではインフレの抑制にはまだ効果があんまり見られないけど、需要の抑制が時間差攻撃で効いてくるから今後インフレ抑制に顕著に効いてくるんじゃないでしょうかねえ知らんけど(would likely)、だそうです。

『Participants observed that a period of real GDP growth below its trend rate, very likely accompanied by some softening in labor market conditions, was required.』

成長率がトレンド成長を下回って推移しているんで、何ぼかは労働市場の環境も緩和されたでしょう。

『They agreed that, by moving its policy purposefully toward an appropriately restrictive stance, the Committee would help ensure that elevated inflation did not become entrenched and that inflation expectations did not become unanchored.』

金融政策を適切に引き締め的なスタンスにする、という動きによって、今の高インフレによる(適合的期待形成によって発生する可能性のある)インフレ期待の望ましくない上昇を抑えることが出来るでしょう。

とインフレ期待の話を何気にしれっと入れた後、このコーナーの締めの部分では、

『These policy moves would therefore prevent the far greater economic pain associated with entrenched high inflation, including the even tighter policy and more severe restraint on economic activity that would then be needed to restore price stability.』

ということで、引き締めをすることによって将来起こり得るもっと悲惨な状況を避けるんですよ!!って話で締めてまして、頭と締めでキツイ言い方をしていまして、とにかく金融市場がゴルディロックス(はさすがにもう言わんと思うけど)ヒャッハーみたいなことになって、一般の皆様から「FEDはインフレ抑制する気あんのかテメー」ってぶっこまれるのを回避したい、というのが良く分かったような気がします。個人の感想ですけど。


・先行き金融政策の議論の最後のパラがこれがまたエライ勢いで威勢の良い話を冒頭から絨毯爆撃しておる

でもってこのコーナー最後のパラグラフ、というか今PCの右下見たら時間的に今朝はこのパラまでで勘弁でございましたサーセン。

『In light of the broad-based and unacceptably high level of inflation, the intermeeting news of higher-than-expected inflation, and upside risks to the inflation outlook, participants remarked that purposefully moving to a restrictive policy stance in the near term was consistent with risk-management considerations.』

最後のパラも「risk-management considerations」で近いタームの金融政策運営考えないといけないよね、と言ってるんですが、思いっきり「broad-based and unacceptably high level of inflation」だの「higher-than-expected inflation」だの「upside risks to the inflation outlook」と入れてて、リスクマネジメントの考察というのはインフレ上振れリスクの考察ですよ下振れリスクの考察じゃないよ、とパラグラフの最初にいきなり大砲をぶっかますというプレイにでております。うーんこのタカスタンス。

『Many participants emphasized that the cost of taking too little action to bring down inflation likely outweighed the cost of taking too much action. Several participants underlined the need to maintain a restrictive stance for as long as necessary, with a couple of these participants stressing that historical experience demonstrated the danger of prematurely ending periods of tight monetary policy designed to bring down inflation.』

さらにこの部分はニュースベンダーのヘッドラインにもなっていたようですが(細かく見てないけど)、やれ「引き締めが足りないリスクの方がやり過ぎるリスクよりマシと多くの参加者が表明したよ」(まるで逆方向の話をちょっと前に聞いた気がするんですけどねえ・・・・・)からの、数名とか2名とかの意見になるけど「引き締め的なスタンスをより長く続けるのが歴史的教訓を生かす」だの「そのうちの2名は早まった引き締めスタンスの終了ダメ!!!!ゼッタイ!!!!!!」とか、70年台型インフレの教訓持ち出すのかよおいおいタカタカにも程がある。というのをぶちかましております。


・・・・・とまあそんな無茶苦茶威勢の良いのを前半でぶっこんだ後に解毒剤が投下されるんですが、

『Several participants observed that as policy moved into restrictive territory, risks would become more two-sided, reflecting the emergence of the downside risk that the cumulative restraint in aggregate demand would exceed what was required to bring inflation back to 2 percent.』

ここで中和剤が投入されまして、数名の参加者は「引き締め的な金融政策スタンスになったらリスクは(インフレアップサイドだけじゃなくて)両方向あるっしょ」と指摘しているというのを入れてきております。

『A few of these participants noted that this possibility was heightened by factors beyond the Committee's actions, including the tightening of monetary policy stances abroad and the weakening global economic outlook, that were also likely to restrain domestic economic activity in the period ahead.』

で、このうちの数名なんですが、これまた昨日一昨日にネタにしたブレイナードやクックが言ってた(FEDらしからぬ)金融政策の他国へのスピルオーバーの論点でして、海外でも金融政策のタイトニングが進む中で、海外からの下振れリスクが飛んでくることには考慮が必要じゃネーノ。ってので話が締まっております。


その前の部分は明日にでもネタにしますけど、すくなくとも「先行きの政策運営」の所では当面(結局はインフレが落ち着いてくるのが割と明白になるまで、ということになると思います)基本はタカタカスタンスを見せて、金融環境がうっかりゴルディロックスヒャッハー的な楽観相場になるのを戒めよう、というのが少なくとも最後の3パラグラフを見る限りには出ているな、と思います。

まあ要は物価次第で、インフレがまだ上がるとかそんな状態だとタカタカが一層強くなるでしょうし、まーその辺は決め打ちできないってことじゃないでしょうかね、よー知らんけど。





2022/10/12

お題「10年カレントェ・・・・・・・・/FEDコミュニケーション悩んでますなあ/クック理事のデビュー戦だが「出たとこ勝負」さんですね」

なんかどんどんマーケットの体をなさなくなってて・・・・・・・・・

〇10年かレントBBで売買無し3日連続とな

あーあーあーあーあー
https://jp.reuters.com/article/japan-bond-idJPKBN2R60XE
2022年10月11日6:37 午後
新発10年国債が売買未成立、3営業日連続は99年3月以来初=日本相互証券

『[東京 11日 ロイター] - 東京円債市場で11日、長期金利の指標である新発10年国債の業者間取引(日本相互証券ベース)が、6日、7日に続いて成立しなかった。3営業日連続で売買未成立となるのは初めて。今年9月20─21日に、1999年3月に新発10年物が指標銘柄となって以降初めて2営業日連続で売買未成立となっていた。』(上記URL先より)

ということで、10年カレント3銘柄(と長期国債先物チーペスト銘柄の残存7年債)だけを無理矢理0.25%にする、というよくよく考えると何やってるんだかよくわからない政策によりましてこの惨状であります。

イールドカーブ無茶苦茶になるのも困るんですが、日銀がピンポイントで押さえに行ってるのが、長期金利の指標銘柄と先物受渡最割安銘柄なので、この間にイールドカーブというか相場全体が動いて、超長期の金利とかが上がったり、7−10年のイールドカーブが極端に上に凸とかになってしまいますと、指標銘柄が全然市場の動きを反映しないことになってしまいますが、そうなると、そりゃまあイールドカーブ全体ちゃんと見て日々の日中値動きを見ているような人からしたら超長期がブタ売られしているから今日は金利上昇ですなあ、とかいう話は通じるのですが、一般的に(例えば円債しかもクレジットじゃなくて金利専業でやってるとそうなると思いますけど、日本株って言われたらとりあえず日経とTOPIX見ますわな)見られる指標金利が動いてないように見えてしまう、となって、円債市場が「わけわからん」市場になってしまう訳で、もともとこの無理矢理抑えている金利とかマイナス金利とかで、個人とかの一般的な投資家さんが離散しているのは今に始まったことではないのですけど、そこに加えて「長期金利の指標利回りを見ても市場で何が起きてるか分からん」状態になってしまうと、益々一般の投資家から見た時の敷居が高くなるわけでして、そういうのって投資層の多様性が無くなってしまう事になり、それが一段と市場の厚みを無くしていく、という悪循環になるので、まったくもって良くない状況なんですよね。

しかも10年の3銘柄だけ他と関係なく金利を抑えることに何の意味があるのかもわけわかんないですし、とか言い出すと理性が崩壊しておられる日銀さんのことだから全銘柄指値オペとかしかねませんけど、まあ何の意味がありますねんという話だし、大体からしてそこまでして金利抑えたかったら鎖国(比喩的表現)しなきゃ無理だろって話ですなナムナム。


とまあこういう話をすると、「市場機能よりも金利を抑えて緩和をすることが大事」とか藁人形レベルの別次元で返されるんですが、それよりも「10年(と先物チーペスト)だけ金利をピン止めするけど他の年限の金利は普通に上がっていく」という状況が金融政策としてやっている意味があるのか、というのをもっときちんと点検して頂きたいと思うのでありますけれども、まあこの人たちは黒田さんと集団自(一時伏字)でもする気の群衆心理状態になっておらるとみておりますので、そういう方々に理屈を説いても通じないというのが群衆なので(はい、この部分某古典名作の受け売りです)、黒ちゃんいるうちはどうしようもないでしょうなあと思いますけど、その間に日本の債券市場を不毛の地にしないで(だいぶ不毛の地になっているヤバさが特に今年度入ってから酷いのだが)頂きたいものですな。


というただの悪態ですが、どうも日銀の政策というか施策は群衆心理そのものであると考えないとちょっと意味わからんレベルに到達しつつありますので、悪態よ届け、という気力も最近無くなって来たよパトラッシュ。という雑談でした、



〇ブレイナードがちょっと妥協的な言い方をしたように見えたんですが反応しないのね(コミュニケーションが難しすぎる話)

うーんこの。
https://jp.reuters.com/article/-idJPL4N31C3EJ
2022年10月12日5:03 午前
米金融・債券市場=長期債利回り上昇、インフレ指標に注目

『[ニューヨーク 11日 ロイター] - 米金融・債券市場では、長期債利回りが大きく上昇した。英国債市場の動乱で世界的に国債が売られる動きが出ているほか、米国で週内に発表されるインフレ関連指標を受けても、連邦準備理事会(FRB)は急速な利上げを続けるとの見方が出ていることが背景。今週は12日に9月の卸売物価指数(PPI)、13日に消費者物価指数(CPI)が発表される。連邦準備理事会(FRB)は11月1─2日の次回会合で4回連続となる0.75%ポイントの利上げを決定すると予想されており、市場ではFRBの積極的な金融引き締めによる景気鈍化が懸念されている。』(上記URL先より)

昨日ネタにしましたブレイナード副議長の話だと、確かにインフレが落ち着いていくかもしれませんの話が希望的観測成分が結構入っている(需要が順調に弱含んで、その間にサプライチェーンの問題が解消していく、というのが前提)ので、高金利続くわなーってのはあるんですけど、随所に「これまでの金融政策のタイト化の効果が少しずつ見えている」ってのを入れ込んでいて、おまけにFEDの人間が普通言わない「自国の金融政策のスピルオーバー」の話までしてて、あの講演って相場の地合い次第では買い材料になってもおかしくないと思ったんですが、米国債券市場何考えて動いてるのか外野だとこれもまた訳の分からん展開になっていますよね(単にアタクシの洞察力が足りないだけ説は却下)。


でもっていつ見てもロイターさんの出してくるサムネが怖いメスター総裁なんですが、

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-mester-idJPKBN2R61W3
2022年10月12日2:43 午前
米FRB、引き締め継続必要 来年の利下げ想定せず=クリーブランド連銀総裁

『[ニューヨーク 11日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は11日、連邦準備理事会(FRB)は今年に入り大幅な利上げを実施したにもかかわらずインフレ制御に至っていないとし、金融引き締めを継続する必要があるとの認識を示した。』(上記URL先より、以下同様)

米国債券市場も日本とは別のベクトルで市場が壊れてる(どっちもその前に中央銀行の過度な債券市場への介入が起きて市場の自由な価格形成機能が阻害されたり、市場参加者の厚みが無くなったり(この点はバーゼルとかFSBの規制が市場機能に悪影響を与えたという事も大きいと思います、よー知らんけど)ようでして、コミュニケーションが無茶苦茶ややこしい事になっていると思うの。

つまりですね、本来ならば「金融引き締めが成功して物価の落ち着きが見えて来る」のであれば、今度は引き締め長期化のリスクを避けるために、フォワードルッキングで引き締め政策から中立に近い所に金利を下げていくのが然るべき姿な訳で、「来年は利下げ想定しない」とかいうのって「引き締め政策が中々うまくいきません」って宣言しているようなもんで、「インフレ抑制に自信無し」って言ってるのと同じだから、それFRBの信認問題に繋がる話で、ひいては政策の効果に悪影響与えませんか、ってなことになるんですよね本来的なコミュニケーションで言えば。


でも、今時点で「来年になるとインフレが大幅に落ち着いてくるので、引き締め政策に関しても徐々に中立に戻すことが可能ではないか」などと言い出しますと、債券市場の方が一足飛びに利下げヒャッハーと言い出す、という理不尽だが当然の動きをおっぱじめ、その結果として金融環境の引き締まりが弱くなると、需要が思ったように落ちてくれないのでインフレが落ちません、とまあそういう面白スタイルになってしまう訳でして、ここはECB(こっちはスタグフ状態と域内フラグメンテーションと英仏海峡の向こうにあるご近所のお屋敷がかちかち山のぼうぼう鳥になっているので別のレベルで死んでますが)みたいに、もう先の話しするの一切行わない、ってしないと厳しいと思うのよね。

この記事の続きをみましても、

『その上で、FRB当局者の全般的な見解より多くの利上げが実施される可能性があるとし、「金融政策は制約的な領域に入りつつあるが、インフレ率を目標とする2%に向けて持続的に低下させるために、当面は制約的な領域にとどめる必要がある。来年にフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標レンジを引き下げることはないと考えている」と述べた。』

ってことなんですが、だったら先にもっと上げておけば早くに効いてくるから早期に中立にまた戻せるんじゃないですか、って話に繋がると思うのですが、そうも言わない(メスターの場合はタカ派さんなので言ってるような説明ですが)のが面倒な所でして、米国の場合はとにかくSEPのドットチャートに関して、3年も先の政策金利見通し出すの止めて、まあ出さないのが理想ですけど、そうじゃかったとしても精々半年1年くらいの見通しだけ出すようにしないと。

まああの「フォワードガイダンス」というのがそもそも緩和継続のコミットで緩和効果を捻りだす(出たのかどうかは知らん)という物件なので、ドットプロットも一種のガイダンスみたいな性格があるんだから、正常化着手の時に無くしておけばよかったんですけどねー。まあどうするんでしょうか。



〇クック理事の講演1回戦のキーワードは「データに十分な注意を払う」「リスクマネジメントアプローチ」でした

先週の物件で恐縮ですがこんな感じでネタの川上りをしてまいります。

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/cook20221006a.htm
October 06, 2022
Economic Outlook
Governor Lisa D. Cook
At the Peterson Institute for International Economics, Washington, D.C.

『Thank you, Adam, and thank you to the Peterson Institute for inviting me to speak today. This is my first speech as a Fed Governor, and I am delighted to deliver it here, joining friends and colleagues from across my career, from academia to policymaking.1』

『I would like to start with a discussion of the U.S. economy, including the implications of international developments, and then talk about my approach as a policymaker and how I view the current stance of monetary policy.』

ということで話が始まりますが、小見出しの順が

The Labor Market
Inflation
My Approach to Policymaking
My Perspective on Monetary Policy

とあって、そんなに長くないのですが、まあ最初の2つの部分についてはそんなに変わった話をしている訳でもないので盛大にすっ飛ばしますが、インフレーションの最後の所からキーワードが始まります。


・実はクック理事も「スピルオーバー」話をしてたのね・・・・・・・

労働市場、物価、ときた中の最後、「私の政策策定のアプローチ」の手前に当たる部分が次へのマクラになっておりますが、その直前にインフレが世界的な現象だよ、という話が合って、

『While there is heterogeneity across countries, high inflation is a global phenomenon.』

からの、

『And financial conditions also have tightened abroad, as foreign central banks have raised policy rates. Some observers have raised concerns that central banks around the world, which are tightening policy to contain domestic inflation, may not be accounting for the cross-border spillovers of their policies.』

各国が自国のインフレ退治で政策の引き示してるけどこれがスピルオーバーするリスクを指摘する人がいますよね、ということで、昨日ネタにしたブレイナードもそうなんですが、普段そんな話はしないし基本したがらないFEDの理事連中がこういう話をおっぱじめているのには大体意味があると思っていた方が良いです。今すぐどうこうという事ではないかもしれないけど先々の為に何か伏線張っていますよ。

『My role is to focus on the Fed's dual mandate to promote maximum employment and stable prices for the American people, which is a domestic mandate. My colleagues and I on the Federal Open Market Committee (FOMC), however, are very attuned to foreign developments, including monetary policy abroad, and their effect on domestic conditions through trade and financial market channels. Sharp slowdowns in foreign economies, along with dollar appreciation, are reducing demand for U.S. exports, and financial market spillovers between the United States and abroad are a two-way street. As with almost everything else in these times, there is substantial uncertainty about the size of these spillovers.』

世界各国の政策の他国への波及作用が、「there is substantial uncertainty about the size of these spillovers」と言ってるのは基本的にキナ臭い言い方ですよ、と申し上げておく。


・リスクマネジメントアプローチ

『These international dimensions are among those that I consider in my risk-management approach, which I will describe in a moment. I will also address how data drive my understanding of the inflation dynamics I have outlined.』

そういう不透明な時代だからこそrisk-management approachですわよ奥様、だそうです。でもって『My Approach to Policymaking』ですけど、

『he role of policymaker robs economists of one of the profession's great joys, which is to simply ruminate or expound on the vagaries of economics. In my new role, I must make judgments on the economy, weighing new information against existing theories, and translate those judgments into appropriate policy action.』

ここはただのマクラみたいなもん。

『To a large extent, my own research and experiences shape my views on policy. My research on economic growth has given me an appreciation for the dual mandate and the importance of economic and financial stability for fostering innovation and growth. My experience working at the Council of Economic Advisers during the eurozone crisis and with emerging economies-particularly Russia and some African economies-has taught me how difficult it can be to forecast in highly uncertain environments. I also saw firsthand that it is often a mistake to rely on standard models for nonstandard situations.』

なるほど途上国経済の助言とかもしてた人なのね、ということで、「I also saw firsthand that it is often a mistake to rely on standard models for nonstandard situations.」ってな訳で、どこかの馬鹿リフレとは違って「標準的じゃない状況でスタンダードな経済モデル使って考えても上手くいかない」って話をしているのですな。


・データに注目します

『Paying close attention to the data is key, which, of course, includes readings on inflation and the labor market.』

ということで、「Paying close attention to the data is key」という次のキーワード出てきました。

『But we must be humble about our ability to draw firm conclusions and prepare for inevitable surprises. We also need to consider timely high-frequency data that more quickly capture evolving economic developments than do traditional data sources. Examples include wholesale used car prices, rental rates on new leases, and survey responses on supplier delivery times or prices paid. There is also nontraditional, real-time information, such as Google mobility data and Open Table data on dining reservations, which were useful in estimating economic activity during various waves of the pandemic.』

まあここは色々なデータを謙虚に活用しましょうって一般的な話で変な話をしている訳ではなくて、

『In considering whether standard models remain appropriate, one focus for me is the well-known long and variable lag between monetary policy actions and their effect on the real economy and on inflation. Less of a lag may exist now between rate hikes and the tightening of financial conditions, which occurs as markets anticipate future rate hikes.』

とは言え標準的な金融引き締めの効果(が遅れて出て来る)も有効でっせ、というような話をしてますが、波及効果に関しては色々な場所で違ってでてくるので例えば、

『Residential investment also responds quickly to changes in monetary policy, while consumer spending is slower to react. Lags between monetary policy and inflation are even more unclear. Expectations of future monetary policy can have quite rapid effects on commodity and other import prices, but monetary transmission through economic slack appears to affect inflation more slowly.』

ああだこうだと言ってますが、住宅にはすぐ効くし、個人消費には時間持って聞くし、じゃあ雇用や物価はというとこれがまたムツカシね、というような話。

そしてこのコーナーの締めが、

『I believe that uncertain times require a risk-management approach to policy-setting-looking not just at the expected outcomes, but also considering the most salient risks in setting the policy stance. In the current situation, with risks to inflation forecasts skewed to the upside, I believe policy judgments must be based on whether and when we see inflation actually falling in the data, rather than just in forecasts. Although most forecasts see considerable progress on inflation in coming years, it is important to consider whether inflation dynamics may have changed in a persistent way, making our forecasts even more uncertain.』

というころで、訳が分らん時期だから「risk-management approach」だそうです。


・あんまり決め打ちはしてないけど「どこかで利上げのペースは落とすよ、ただし利上げの効果が見えてきてからね」だそうです

・・・・・・・・とまあそういう流れから次の小見出し『My Perspective on Monetary Policy』になるのですが、何となくこの流れでお察しになったかと思いますが、クック理事ひたすら「リスクマネジメント」「データディペンデント」と言ってて、新任の人だから過去の流れが無い、というのを上手く使ってて、ほぼ決め打ち無し、という感じの説明になっています。とか書いてる時点でお察しの通り時間が無くなって来ましたので、まあこの部分は後日追記するかもしれませんけど、一応先の政策に関して最後の最後に一言だけ説明しています。最後の4行ほどです。

『At some point, as we continue to tighten monetary policy, it will become appropriate to slow the pace of increases while we assess the effects of our cumulative tightening on the economy and inflation. In any case, the path of policy should depend on how quickly we make progress toward our inflation goal.』

『In sum, inflation is too high, it must come down, and we will keep at it until the job is done.』

ということで、今の状態は怪しからんからタイトニングは継続するけど、効果が出てきたのが見えてきたら徐々にタイト化の強化は止めていく方向ですよ、とまあ当たり前ちゃあ当たり前なのですが、皆さんこういう話をしておりまして、まー一応年末か来年の頭くらいには政策金利の今回の引き上げポイントまで持って行ってその後はインフレが思った以上にさっさと沈静化すればさっさと戻すし、そうじゃなかったらいったん様子見、ということになるんでしょうし、年末までに物価やインフレ期待が全然下がらんとかインフレ期待が上がるとか、お賃金のスパイラル来ちゃうよ来ちゃうよ、となるならもっと利上げ、って感じでコンセンサスは取れてて、あとはこれらの物価とインフレ期待に関する出たとこ勝負、ああでも海外からの貰い事故には注意、ということでございますな、うんうん。






2022/10/11

お題「ブレイナードの講演(挨拶)見るとここまでの利上げの効果に一定の評価をしている件について」

これは孔子平和賞も裸足で逃げ出すギャグですねorz
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221010/k10013854141000.html
ことしのノーベル経済学賞 米FRB元議長のバーナンキ氏ら3人
2022年10月10日 21時21分

『ことしのノーベル経済学賞に、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会の議長を務めたベン・バーナンキ氏など3人が選ばれました。金融危機が起きる仕組みを解明し、その対処法を示したことが評価されました。』(上記URL先より)

いやいやいやいやお前がリーマンショックの張本人だろうが。

・・・・・おまけに足元の(日本以外の)インフレって大幅な金融緩和という火種に大幅財政出動で点火した所に火種の消し遅れが思いっきり効いてるんだし(個人の感想です)、この選定は一体全体何を考えているのかというか、これを機に改めてバーナンキ批判でも喚起しようとしてるのか、と思う位に意味が分からんのだが。


ところでこれ見る前に公共放送のサイト見たら何か足元で攻めの姿勢が見られますな。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221006/k10013849591000.html
異次元緩和 2年の短期決戦のはずが… 黒田日銀 次の課題は?
2022年10月6日 16時50分

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221008/k10013852941000.html
日銀 黒田総裁 任期残り半年に 円安進む中 難しいかじ取り続く
2022年10月8日 17時08分

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221007/k10013851551000.html
最近日銀内部で話題のことば 「ノルム」って?【経済コラム】
2022年10月9日 0時48分

どうした急にその攻めの姿勢(やや攻めている、って感じですけどね)。


あと別件ですが、
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/rel221007c.htm/
第3回「コロナ禍における物価動向を巡る諸問題」に関するワークショップの開催
2022年10月7日
日本銀行

『第3回の「コロナ禍における物価動向を巡る諸問題」に関するワークショップを、本年11月25日(金)に、「わが国の賃金形成メカニズム」をテーマとして開催します(プログラム案 [PDF 80KB] )。』

そのお題はもはやコロナと関係ない気がするんですが・・・・・・・・・・・・・・


〇ブレイナード副議長とかエバンス総裁とかの発言など(先入先出法)

・基本線は概ね見えてきたと思うのですが(最終的にインフレ次第なので「起きて見ないと分からん」のがアレだが)

ふむふむ。
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-brainard-rates-idJPKBN2R51OM
2022年10月11日4:56 午前
FRB利上げ、道筋やペースはデータ次第=ブレイナード副議長

『[シカゴ 10日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード副議長は10日、FRBは追加利上げと金融政策の引き締め継続にコミットしているが、正確な道筋とペースはインフレと経済の展開次第と述べた。』(上記URL先より)

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-evans-idJPKBN2R51ED
2022年10月11日12:51 午前
FRB、来年3月までに4.5%へ利上げへ=シカゴ連銀総裁

『[シカゴ 10日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンス総裁は10日、政策金利を3月までに4.5%近辺まで引き上げ、その後はインフレへの影響を評価しサプライチェーン(供給網)が回復する時間を確保するために同水準を維持するというのが連邦準備理事会(FRB)の力強いコンセンサスだと述べた。』

『全米企業エコノミスト協会(NABE)での講演で、この計画が覆されるには、今後入手されるデータが現在の予測を根本から「揺さぶる」必要があると指摘。適切な政策に関するFRB当局者の見解に「大きな相違はない」とし、「3月までに4.5%程度のフェデラル・ファンド(FF)金利を目指すことになる。今後2カ月間によほど大きな変化がない限り、データがどうあれかなりの制約をかけるだろう」とした。』(上記URL先より)


って感じで、なんかFOMC以降ああだこうだとグダグダやっておりましたが、まあ大体こんなもんじゃね??ってのが出てきた感はします。しばらくは利上げしていって4%台半ば(物価がその間全然下がらんと5%近くの可能性もあるけど)まで行ったところで打ち止め。物価が3%くらいになるまでは(その時の下げ角度にもよるけど)まあ政策維持って感じじゃないですかねえ、とは思うのですが(思いっきり個人の感想です)、ブレイナードの言ってるのは確認しておいた方が良いと思うので早速(ぞの前に色々と出ているのをさておいて)確認でござるの巻。


ということでブレイナード講演(というより挨拶)からサラサラと

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/brainard20221010a.htm
October 10, 2022
Restoring Price Stability in an Uncertain Economic Environment
Vice Chair Lael Brainard
At "Shocks and Aftershocks: Finding Balance in an Unstable World" 64th National Association for Business Economics Annual Meeting, Chicago, Illinois

さっきの記事によりますとエバンスがNABEで講演してたようですがブレイナードもNABEですね。長くないので全文(と言っても途中は端折りますが)参ります。


・最初の方はご挨拶といつもの「過度な物価上昇イクナイ」話で現状評価としてはちょっと緩和終了の効果を評価してますよ

『It is a pleasure to join this discussion today.1 Inflation is high in the United States and around the world reflecting the lingering imbalance between robust demand and constrained supply caused by the pandemic and Russia's war against Ukraine. Global supply chains have eased significantly, but by some measures they are still more constrained than at nearly any time since the late 1990s.2』

最初の方はご挨拶と今のインフレの原因が「インバランス」であるという話。

『High inflation places a burden on all Americans, but especially lower-income families, who spend three-fourths of their income on necessities?more than twice the share spent by higher-income families.』

いつもの「高インフレは中低所得者層に対して大きな負担だよという話。

『The Federal Reserve has tightened policy strongly to bring inflation down, and U.S. tightening is being amplified by concurrent foreign tightening.』

なので世界のあちこちで金融政策のタイトニングが行われた結果、

『We are starting to see the effects in some areas, but it will take some time for the cumulative tightening to transmit throughout the economy and to bring inflation down. Uncertainty remains high, and I am paying close attention to the evolution of the outlook as well as global risks.』

「We are starting to see the effects in some areas」と、その後に「まあそうは言いましてもまだまだ全然ですけどね」というのを思いっきり入れていますが、政策のタイトニングの効果が一部では見られているという評価をしているのはほほうと思いました。


・利上げの効果が出ている、とも説明

『Higher interest rates are working to temper demand and bring it into better alignment with supply, which is still constrained.』

一々その後に「まだまだですけどね」とは入れるのですが、次のパラグラフに行っても冒頭では「Higher interest rates are working to temper demand and bring it into better alignment with supply」と利上げにより需給バランスがよりよい状態に進みだしているというこれまでの金融政策が効きだしている的な話をしています。

『Output has decelerated so far this year by more than anticipated, suggesting that policy tightening is having some effect. Real gross domestic product (GDP) declined at an annual rate of roughly 1 percent in the first half. Real private domestic final purchases stepped down from a 6.4 percent pace last year to an annual rate of only 1.3 percent during the first half of this year.』

生産が想定よりも大きく減速しており、これは金融政策のタイト化が幾らかの効果をもたらしたことを示しており、から始まり成長率の勢いも大幅に下がったという説明からの、


・コロナ下における「強制貯蓄」の取り崩しが想定以上に進んでいるとも指摘

『Recent revisions to national income and product accounts data imply that the current stock of excess savings held by households is lower and has been drawn down more rapidly in recent quarters than had been previously estimated.』

さらに次のパラに行きますと、家計で積みあがっていた過剰貯蓄の取り崩しが起きており、しかも最近の数四半期においては、この取り崩しペースが想定よりも早まっている、とも指摘してて、この辺の説明(とヘッドラインだけですけどエバンスの説明)見ますと、利上げはするけど段々効果を見極める段階への転換に向けた布石を打っている感は否めませんな。

『Indeed, by Board staff estimates, the revisions imply that the stock of excess savings held by households is about 25 percent lower, which may imply a more subdued pace of consumer spending going forward than had been projected.』

でまあその家計貯蓄取り崩された結果、個人消費にもブレーキがかかりだしているとのお告げ。


・利上げと利上げ期待によって金融環境がタイトニングしたことによって次の景気のリバウンドも大きくならない

『Market expectations for the level of the policy rate at the end of the year are now more than twice as high as they were just seven months ago. As a result of the significant increase in interest rates and associated tightening in broader financial conditions, I now expect that the second-half rebound will be limited, and that real GDP growth will be essentially flat this year.3』

小見出しに書いた通りなんですけど、そういう話をしておりまして、そんな訳で今年の実質成長率は概ね0近辺に落ち着くでしょう、というのがブレイナードさんの見立て。


・金融政策の需要に与える影響はこれから更に出てきますよという話

『The moderation in demand due to monetary policy tightening is only partly realized so far.』

さらに「金融政策引き締めによる需要のモデレーションは今のところ一部で顕在化している」と今後さらに効いてくるんじゃなかろうかという話から次のパラグラフが入りまして、

『The transmission of tighter policy is most evident in highly interest-sensitive sectors like housing, where mortgage rates have more than doubled year to date and house price appreciation has fallen sharply over recent months and is on track to soon be flat.』

その影響が今出ているのが住宅市場。

『In other sectors, lags in transmission mean that policy actions to date will have their full effect on activity in coming quarters, and the effect on price setting may take longer.』

『The moderation in demand should be reinforced by the concurrent rapid global tightening of monetary policy.』

その他のセクターでも金融環境の引き締まりの影響がこれから徐々に時間をおいて出て来るでしょう、という説明になっていまして、利上げの効果が出てきてますよってな話になっておる。


・労働市場にも金融引き締めの若干の効果の兆候が出ているが相変わらず労働市場は強い

『Against the backdrop of slower output growth, we are seeing some tentative signs of rebalancing in the labor market.』

今度は労働市場に関しても「some tentative signs of rebalancing」と効果が出て来だしている兆候があるよとこれまた政策効果の話をおっぱじめる。以下色々な指標を挙げて説明。

『Anecdotal reports suggest the availability and retention of workers are improving.4 For the second month in a row, growth in monthly payroll employment stepped down, slowing from 315,0000 in August to 263,000 in September. There was a sharp 1.1 million decline in job openings from July to August in the Job Openings and Labor Turnover Survey (JOLTS). The ratio of job openings to job seekers declined to 1.7; for purposes of comparison, this ratio was 1.2 prior to the pandemic.5 The sharp fall in vacancies at a time when initial claims held steady at low levels provides support for the possibility that businesses that faced significant challenges finding and retaining qualified workers following the pandemic may be more inclined than in past cycles to retain rather than lay off their workers as demand weakens. In particular, there is still a sizable 1.2 million shortfall in employment levels relative to pre-pandemic levels in the in-person services sectors that accounted for the majority of September payroll gains, suggesting businesses in those sectors may still be trying to narrow that gap.6』

何かこうこれでもかとばかりに色々な指標を出しているって事ですが、雇用統計出たばっかりという事もあるのかも知れませんが、なんかもう無駄に詳しく説明しているのは、労働需給からの賃金動向が気になるって事なのかな???

『That said, a variety of indicators suggest labor demand remains strong, while labor supply remains below pre-pandemic conditions.』

ああだこうだと説明した結論は結局「labor demand remains strong」でした。

『The unemployment rate is now at the very low level that prevailed pre-pandemic, and the volume of quits remains elevated.7 This supply-demand imbalance in the labor market is reflected in strong wage growth.』

ここから賃金の話。

『The employment cost index increased by an annual rate of 6.3 percent over the second quarter-its highest level in decades. A more-timely data source, average hourly earnings, decelerated slightly to a 4.4 percent annual rate over the third quarter, down from 4.6 percent annual growth in the second quarter. Although it is well above levels consistent with 2 percent inflation, wage growth has been running below current inflation.』

賃金の伸びについては足元の物価よりも低いけど2%よりは全然上だそうです。


・サービス価格の上昇がまだ続くけど財価格についてはコロナ前のトレンドに回帰していくと予想しています(前提付き)

でもって物価の話。

『Strong wage growth along with high rental and housing costs mean that inflation from core services is expected to ease only slowly from currently elevated levels.』

『In contrast, core goods have been expected to return to something closer to the pre-pandemic trend of modest disinflation as a result of demand rotation away from goods to services, coupled with the healing of supply chains and declining core import prices.』

賃金強いからサービス価格は強いけど財価格については落ち着くでしょう、なのですが、前提として金融政策による需要の下げと、サプライチェーンの回復による輸入価格の落ち着き、というのがありますねえ・・・・・・・

『Disinflation in core goods would help to offset the inflationary pressures in services. During the five years before the crisis, core goods made a small negative contribution to inflation. The contribution of core goods to inflation swung sharply into positive territory in 2021, and had started to step down somewhat in the middle part of 2022.8 So the surprise in the August inflation data was the large contribution of core goods inflation to overall inflation at a point in the post-pandemic recovery when many forecasts anticipated this contribution would continue moderating.』

前提にホンマカイナ成分は強いけど、財価格に関してはサプライチェーンの回復に伴ってパンデミック前の世界みたいに寧ろディスインフレ的な圧力の方が強くなる、ってのがかなり眉唾(=構造的な変化はどうなった???)ものではあるのですが、そういう説明をしております。


・パンデミック以来の「過剰なコスト転嫁」も落ち着くんですとよ

『Since the pandemic, significant supply and demand imbalances have coincided with large increases in retail trade margins in several sectors. In some sectors, the increase in the retail trade margin exceeds the contemporaneous increase in wages paid to the workers engaged in retail trade, although this is not true in food and apparel. The return of retail margins to more normal levels could meaningfully help reduce inflationary pressures in some consumer goods, considering that gross retail margins are about 30 percent of total sales dollars overall.』

価格転嫁が一部で過剰に進んでいるのが落ち着くことによっても小売り段階での価格上昇が落ち着いていく要因になるでしょう、とこの辺りも何かマジデスカという感じはかなりするのだが、まあそういう前提でお話をしてて、とにかく財価格のインフレが落ち着いてくれるという見通し(希望的観測???)になっとるのは怪しさ爆発だが、まあそういう前提で話をしている、と読めばヨロシ。

『For instance, among general merchandise retailers, where the real inventory-to-sales ratio is 20 percent above its pre-pandemic level, retail margins have increased 20 percent since the onset of the pandemic, roughly double the 9 percent increase in average hourly earnings by employees in that sector.9 』

『In the auto sector, where the real inventory-to-sales ratio is 20 percent below its pre-pandemic level, the retail margin for motor vehicles sold at dealerships has increased by more than 180 percent since February 2020, 10 times the rise in average hourly earnings within that sector.10 So there is ample room for margin recompression to help reduce goods inflation as demand cools, supply constraints ease, and inventories increase.』

自動車価格の上昇などでも需要が強くてサプライチェーンが壊れた中でマージンが爆上がりしてしまいました、というような話を例に挙げてまして、需要が落ち着くことによって価格高騰も落ち着くでしょうというストーリーになっております。


・インフレ期待は依然として2%物価目標に整合的な水準で落ち着いている

『Despite the higher prices for a broad set of goods and services, market- and survey-based measures of longer-term inflation expectations are within ranges consistent with expectations that inflation will return to 2 percent over the medium term.11』

次はインフレ期待の話。

『Treasury Inflation-Protected Securities?based measures of five-year, five-year-forward breakeven inflation compensation are currently at 2.15 percent, roughly 10 basis points below their level at the start of the year.』

TIPSの話や、

『The median of inflation expectations over the next 5 to 10 years in the Michigan survey ticked down in September to 2.7 percent, below the 2.9 to 3.1 percent range in which it had been fluctuating since July 2021 and back within the range that was common before the 2015 decline in this metric.12 Currently, there is a greater dispersion than usual of views about future inflation in survey responses.』

ミシガン大学指数の話しなんぞをしております。

『Previously this reflected a rise in expectations for significantly above-target inflation, but now that dispersion also reflects expectations on the part of one quarter of respondents that prices are likely be the same or below their current level 5 to 10 years in the future.』

一時期物価の急上昇を受けてインフレ期待が上がったりもしましたが最近は落ち着いていますよ、だそうです。


・という長い前振りのあとに金融政策の話になりますが・・・・・・・・・・・・

『In order to bring inflation down and to keep inflation expectations solidly anchored at 2 percent, the Federal Reserve has increased the federal funds rate target range by 300 basis points in the past seven months, and both market and policymaker surveys indicate additional increases through the end of this year and into next year. In addition, balance sheet shrinkage is now proceeding at its maximum rate, reinforcing the move to a restrictive stance. Broader U.S. financial conditions have tightened rapidly in response: The two-year Treasury yield has moved above 4 percent for the first time since 2007, and the 10-year yield is near its highest level in over a decade at 3.9 percent. Corporate bond yields have risen even more, as investment- and speculative-grade corporate bond spreads have increased about 80 basis points and 170 basis points, respectively, over the year. Mortgage rates have more than doubled since the beginning of the year. The Board's broad dollar index has appreciated 11 percent year to date.13』

まあこの辺は金融政策でこのように対応したらこんなに金利が上がってスプレッドも拡大したし、モーゲージ金利も上がりました、って話をしてますが、最後の最後に「ドルも上昇」ってのが入っているのが日本の通貨当局的には「ぐぬぬ」って感じですかね〜。

『Monetary policy tightening is also proceeding rapidly abroad. Many central banks in large economies have raised rates by 125 basis points or more in the past six months, and yields on 10-year sovereign debt in Canada, the United Kingdom, and the largest euro area economies have seen increases on the order of 190 to 360 basis points this year.14』

海外の金融当局も金融政策引き締めをしています、って話をしておりまして、

『The combined effect of concurrent global tightening is larger than the sum of its parts.』

へーへーへーって感じですが、これまでのグローバルタイトニングの合わさった効果は個別でやってるよりも効果が大きいんですとよ。

『The Federal Reserve takes into account the spillovers of higher interest rates, a stronger dollar, and weaker demand from foreign economies into the United States, as well as in the reverse direction. 』

米国の金融政策のスピルオーバーが、って言い出してるの珍しいんですが、まあこういう時にはだいたいなんかの下心がある時っしょ。

『We are attentive to the risk of further adverse shocks-for instance, from Russia's war against Ukraine, the pandemic, or China's zero-COVID policies.』

次はリスクに注意、ということですが、

『And we are also very aware that the cross-border effects of unexpected movements in interest rates and exchange rates, as well as worsening external imbalances, in some cases could interact with financial vulnerabilities. In this environment, a sharp decrease in risk sentiment or other risk event that may be difficult to anticipate could be amplified, especially given fragile liquidity in core financial markets. In some countries, the realization of these risks could pose challenging tradeoffs for policy.』

金融環境のタイトニングなどからのリスク認識の急激な悪化による金融ショックのような事にも注意が必要ですよ、と政策の効果を説明してからのリスクの説明の中でも金融面からのショックの話をしているのがほほーという感じです。


・先行きの政策運営については基本なんの決め打ちもしていないが早期の引き締め打ち止めは無いですね

さもって最後ですが、

『That said, the real yield curve is now in solidly positive territory at all but the very shortest maturities, and the entire real curve will soon move into positive territory with the additional tightening and deceleration in inflation that are expected over coming quarters.』

実質金利は基本的にプラス水準でインフレ抑制すべきとな。

『Monetary policy will be restrictive for some time to ensure that inflation moves back to target over time. It will take time for the cumulative effect of tighter monetary policy to work through the economy broadly and to bring inflation down.』

金融政策はしばらくの間は引き締め的であるべきであって、引き締めの効果で物価上昇が落ち着いてくるのを見るべき。

『In light of elevated global economic and financial uncertainty, moving forward deliberately and in a data-dependent manner will enable us to learn how economic activity, employment, and inflation are adjusting to cumulative tightening in order to inform our assessments of the path of the policy rate.』

先行きの話はひたすら「データディペンデント」なのですが、記事ではスルーされちゃってますが、この話の展開ですと金融引き締めによって海外で変な金融危機みたいなのが起きるりすくにも注意する(って注意したから何をするかというとこれまた謎なんだが)という要素も入ってるな、って思いました。

総じていえばなんかあんまりタカタカしてないですよね、(ハトハトなのかというと微妙なんだがタカではないのは確か)と思いましたが如何でございましょうか?????










2022/10/07

お題「FED要人発言の宿題メモ(汗)/短観私家版チェック(遅くなりました)/さくらレポートでまた小賢しい小細工・・・・・・」

これはひどい
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-britain-energy-idJPKBN2R11NX
2022年10月7日1:11 午前
英、冬季に3時間の計画停電実施も ガス輸入不十分なら=送電大手

『[ロンドン 6日 ロイター] - 英送電大手のナショナル・グリッドは6日、欧州大陸諸国から電力を輸入できず、ガス火力発電所で使用する天然ガスも十分に輸入できなければ、今冬に家庭と企業に対し3時間の計画停電を実施せざるを得なくなる可能性があると警告した。ナショナル・グリッドは「一部の顧客は1日のうち3時間程度、電力供給が途絶える可能性がある」とした。』(上記URL先より)

レンドリース法止められて物資逼迫する中で大寒波が訪れて大変なことになった1947年とか碌でもないことを外野のアタクシも想像してしまうのですが。ポンド安でその輸入価格だって厳しくなるし。


〇また新任理事が講演をしているので週末読んで置く

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-cook-idJPKBN2R11ZN
2022年10月7日4:22 午前
米FRBの先制アプローチ「適切」、インフレ高水準=クック理事

『[ワシントン 6日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクック理事は6日、米国のインフレ率は「根強く、容認できない高水準にある」とし、確実にインフレが低下するよう利上げを継続する必要があるとの考えを示した。』(上記URL先より、以下同様)

てな訳で・・・・・・・・

『クック理事は就任後初めて金融政策について公の場で発言。』

とここもと連続攻撃ですので週末この辺り全部読む(宣言)。

『米ピーターソン国際経済研究所で行った講演で「過去数カ月のデータでインフレ圧力がなお広範囲に及んでいることが示されている」とし、求人や家賃などのデータで前進がみられているものの、連邦準備理事会(FRB)のインフレとの戦いが角を曲がったと結論付けるには十分ではないと述べた。』

『その上で「コアインフレが向こう数カ月で減速すると予想する根拠はある」としながらも、「インフレ圧力が広範に及んでいることは、経済が全般的に極めてタイトであることを示している」と指摘。3回連続での0.75%ポイントの利上げを「完全に支持」し、政策前倒しに合意したとし、FRBの「先制的アプローチは適切」との考えを示した。』

という話ですが、ベースは概ね執行部の話しなんですが、なにせ初任の時点だとこの人がどういうベースで話をしているのか、というのがよー分からん面がありまして、「行くしかないこのビックウェーブ」で単に時流に乗ってるのか、何かの軸があってその軸から話をしているのか、というのがこういう記事だけでは正直分からんので、講演の本チャン見ながら考えて生きます。

ちょっと気になるのは「FRBの「先制的アプローチは適切」との考えを示した。」のところでして、そもそも論としてFRBがビハインド・ザ・カーブをしまくった結果インフレトマランチ会長になった、という面は多々ある訳で、「先制的アプローチ」とか言ってしまうの流石に図々しいにも程があるので、どういう文脈で言ってるのかが気になりました。

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/cook20221006a.htm
October 06, 2022
Economic Outlook
Governor Lisa D. Cook
At the Peterson Institute for International Economics, Washington, D.C.


ちなみに昨晩はよー喋るウォーラー理事も講演してまして、FED百家争鳴祭りにつうこんのでおくれです。

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/waller20221006a.htm
October 06, 2022
The Economic Outlook with a Look at the Housing Market
Governor Christopher J. Waller
At the Mark C. Berger Workshop Series, University of Kentucky, Lexington, Kentucky


〇物凄く遅くなってしまいましたがいつもの短観私家版チェックアップデート

https://www.boj.or.jp/statistics/tk/gaiyo/2021/tka2209.pdf

・どう見ても夢の「期待インフレ率が2%」なんですけれども・・・・・・・・・・・

前回はちゃんと短観の翌営業日にやったんですが、この時もアタクシ興奮して企業の価格設定行動のところを真っ先にネタにしました。

でもって今回一瞬これを最初のネタにするのどうしよう、と思ったのはなぜかと言えば・・・・・・・・

(前回短観の時に書いた7/4の駄文)

えーっとですね、3月短観で投入コスをの上昇をモロに反映した製造業の価格設定行動キタコレでしたが、今回は非製造企業も確りと上がってきているのが良く分かるというのものでした。

日銀公式は「サービス価格が上がらん」とか言っておりますが、企業の価格設定行動を見たらこれどう見てもフォワードルッキングの指標としてサービス価格も上昇しますよ、と言ってるようなもんだと思うのですが、これが出てきても「一時的な物価上昇で物価目標達成ではない」って言い張れるんですかああああああああ?

(7/4の駄文引用ここまで)

ということで、このころ「サービス価格が上がらないので」という話を持ち出していたんですね、という事を思い出させるわけでして、そもそも4月の展望レポートでコアコア物価の見通しを急に持ち出したのだって、コアコアが上がらないから、という話でCPIが上がっているのに緩和度合いの調整すらしない、という頑ななスタンスの理由付けの為に言ってましたし、もうちょっと前からはよく「基調的な物価が上がっている訳ではない」という話をしてましたから、基調的な物価指数→4月ではコアコア物価→サービス価格の動向→賃金動向、と使用する言い訳が倒れてしまうと次の言い訳を繰り出す、という永久機関になっているのが今の日銀ということですわな。

こちらは前回書いたものに今回分をのっけてみますね。

販売価格見通し 全規模合計 全 産 業
1年後 12月:1.2%→3月:2.1%→6月:2.9%→9月:3.1%
3年後 12月:1.7%→3月:2.7%→6月:3.5%→9月:3.8%
5年後 12月:2.3%→3月:3.2%→6月:4.0%→9月:4.2%

大 企 業 製 造 業
1年後 12月:1.1%→3月:1.9%→6月:2.7%→9月:3.2%
3年後 12月:0.7%→3月:1.8%→6月:2.5%→9月:3.1%
5年後 12月:0.8%→3月:1.7%→6月:2.5%→9月:3.2%


大 企 業 非製造業
1年後 12月:0.7%→3月:1.1%→6月:1.5%→9月:1.9%
3年後 12月:1.1%→3月:1.6%→6月:2.2%→9月:2.4%
5年後 12月:1.7%→3月:2.2%→6月:2.6%→9月:2.8%


はい、大企業非製造業の販売価格見通しも1年がとうとう2%近くまで上がってしまいましたし、昨年12月短観時点と比較しての販売価格見通しの上がり方はどの数字を見ても顕著でして、この動きを見て「一時的」とか言い張り続けるのさすがにお前は何を言ってるんだ状態にしか見えませんけどねー。

この「企業の価格設定の変化」ってのはどっからどうみても「ノルムの変化」につながる動きでしょと思うのですけど、最遅行する賃金の話をもっていって、しかも最遅行する賃金が上がるのを見るまで馬鹿緩和政策を修正すらしないっての流石に頭おかしいとしか思えない。


・企業の物価全般見通しも然り

物価全般見通し 全規模合計 全 産 業
1年後 12月:1.1%→3月:1.8%→6月:2.4%→9月:2.6%
3年後 12月:1.3%→3月:1.6%→6月:2.0%→9月:2.1%
5年後 12月:1.4%→3月:1.6%→6月:1.9%→9月:2.0%

中小企業 製 造 業
1年後 12月:1.5%→3月:2.2%→6月:2.8%→9月:3.0%
3年後 12月:1.5%→3月:1.9%→6月:2.3%→9月:2.5%
5年後 12月:1.6%→3月:1.9%→6月:2.2%→9月:2.3%

中小企業 非製造業
1年後 12月:1.3%→3月:2.0%→6月:2.5%→9月:2.7%
3年後 12月:1.4%→3月:1.8%→6月:2.2%→9月:2.3%
5年後 12月:1.5%→3月:1.8%→6月:2.0%→9月:2.2%

日銀はかつて、この短観の企業物価見通しが中々上がらないことを理由に「インフレ期待の引き上げに失敗している」と批判されたときに、「そもそも大企業は市場のエコノミストなどの見解や、金融市場の期待インフレなどに影響されやすい、一般個人などの社会全般の人たちの期待インフレに近いのは中小企業の期待インフレである」という説明をおっぱじめまして、置物緩和政策が不発ではありません、というのを言い訳していましたが、最近は中小企業の期待インフレが下がったのを見ても追加緩和政策を打たず、逆にこの1年に見られる中小企業の期待インフレの上昇に関しては、政策を意地でも微修正すらしない、という黒ちゃんのご意向に沿って丸無視を決めこむ、という何のために膨大な入費掛けてこの調査やってるんだよというような大変にセクシーなアプローチをしておられますが、この数字を見ても何もしないです、って言い張り続けるようですが今から12月短観の結果が楽しみになりますな(棒読み)。


・ではいつもの業況判断DIですが製造業大企業だけ「期待外れ」ですが他はまずまず

         (6月短観)      (9月短観)
         現状→9月予測    現状→12月予測
製造業大企業   +9→+10      +8→+9 
製造業中堅企業  +0→▲3       +0→▲4        
製造業中小企業  ▲4→▲5       ▲4→▲5

非製造業大企業  +13→+13     +14→+11
非製造業中堅企業 +6→+1       +7→+1
非製造業中小企業 ▲1→▲5       +2→▲3


(6月短観の時に書いた駄文)
今回(6月短観)の場合、なんか知らんけど非製造業の業況判断DIが軒並み「3月の時に見ていたよりも全然いいじゃん」状態になっているのが味わい深いものがあって、これってさっきの価格と物価に関する結果を見て無理矢理話を結び付けますと、非製造業でも価格転嫁が進んできた結果、思っていたほど業績がコケ無かった、という話になると勝手に解釈しました。
(以上前回書いた駄文)

今回は全般的に横這いですが、先行きDIの達成、という意味では「製造業大企業」だけはちょっと弱めに出ましたが、他は予想してたほど悪くないという結果ですが、まあゆうて横ばい圏内ではあるのですけど、非製造業の中堅・中小が「懸念してたほど悪くなくて横ばい推移でしたね」というのがやや目立った格好でそこまで今回はインパクトを感じませんな、まあ価格と物価のところでだいたいインパクトが網羅されてる節がだいぶあるが。


・想定為替レートが相変わらずえらい円高水準のまま

鏡の右上『(参考)事業計画の前提となっている想定為替レート(全規模・全産業)』

米ドル円
(円/ドル)
2022年6月調査
2022年度 118.96
上期 118.79
下期 119.12

2022年9月調査
2022年度 125.71
上期 124.98
下期 126.43

さすがに120円割れではなくなったのですが、足元水準から15%以上の円高水準で設定されているのって何なんでしょうかこれ???????????


・雇用判断DI

        (6月短観)      (9月短観)
        現状→9月予測     現状→12月予測
製造業大企業   ▲10→▲13     ▲11→▲14
製造業中堅企業  ▲14→▲18     ▲17→▲20
製造業中小企業  ▲19→▲24     ▲22→▲26

非製造業大企業   ▲22→▲24    ▲26→▲26
非製造業中堅企業  ▲29→▲33    ▲33→▲35
非製造業中小企業  ▲33→▲38    ▲38→▲41

(6月短観で書いた駄文)
今回は製造業に関しては「見込んでいたほど人員必要ナカッタデー」って話でして、逆に非製造業は前回見込みよりもタイト目に出ている、ということでさっきの総括判断で出ている傾向と同じような傾向になって出てきた、という感じですね。

絶対水準的には盛大にタイトはタイトなのですが、うーんこの数字は微妙。
(前の駄文引用ここまで)

そんなに前回時点の予測からのずれは無いからあまり気にしなくても良いのかとは思いますが、製造業は見込みほどの人員不足にはならず、非製造業は見込み通りに人員不足になっています、って感じですが、今回に関しては基本「計画通りに推移」で相変わらず人員は不足、という状態になっていると思います。


・需給判断関係


国内需給判断
        (6月短観)      (9月短観)
        現状→9月予測     現状→12月予測
製造業大企業   +2→+2       +0→+0
製造業中小企業 ▲10→▲11      ▲10→▲12

非製造業大企業  ▲7→▲6       ▲8→▲9
非製造業中小企業 ▲11→▲12     ▲10→▲12


ここ今回結構面白くて、「前回予測ベースより上振れているのが中小企業、下振れてるのが大企業」となっているのが何でだかさっぱり分からんけどすごく興味深いです。


海外需給判断
        (6月短観)      (9月短観)
        現状→9月予測    現状→12月予測
製造業大企業  +9→+8        +8→+5
製造業中小企業 ▲2→▲3        ▲3→▲4

うーん下向き。


製商品在庫水準判断
      (6月短観)  (9月短観)
        現状      現状
製造業大企業  +7       +10
製造業中小企業 +11      +12


製商品流通在庫水準判断
      (6月短観)  (9月短観)
        現状      現状
製造業大企業  ▲4      +1
製造業中小企業 +2      +7

前回は横ばいだったのですが今回は割と明確に在庫水準が悪化しています。ただまあこれについては物価上昇を受けて在庫を前倒しで積み増しておく、というのはインフレ時代にはよくあった話だとアタクシ位の高齢者になると朝の薬を忘れても昔の記憶はあるので、そっち方面なのかな、とも思ったので悪いのかどうかはちょっと微妙な気がします。


販売価格判断
        (6月短観)      (9月短観)
        現状→9月予測      現状→12月予測
製造業大企業  +34→+35       +36→+38
製造業中小企業 +35→+43       +37→+43

非製造業大企業  +19→+21      +23→+26
非製造業中小企業 +21→+27      +23→+31

ここも興味深い結果になっていまして、大企業は6月に期待していた以上の販売価格上昇が出来ているケースもあるという中、中小企業はその逆で6月に期待していた価格上昇が出来ていない、という結果になっています。これって中小企業苦しいじゃん、と言えますけれども、別の見方をすれば、中小企業による価格転嫁はまだ道半ばにも程があり、ここから中小企業による価格転嫁が進んできた場合、川上の価格上昇ってのはかなりの持続性を持つんじゃないの、という風にアタクシはポジショントーク込みで思ったのですがどうでしょうか??


仕入価格判断
        (6月短観)      (9月短観)
        現状→9月予測      現状→12月予測
製造業大企業  +65→+59      +65→+59
製造業中小企業 +79→+76      +77→+74

非製造業大企業  +43→+45     +43→+48
非製造業中小企業 +58→+60     +58→+63

仕入価格判断の方は販売価格判断みたいな傾向は無いっぽいですな。


・毎度おなじみ金融機関の業況判断DI

業況判断DI

        (6月短観)      (9月短観)
        現状→9月予測    現状→12月予測
銀行業     +25→+20     +23→+18 
協同組合金融業 +9→+4       +11→+7        
金融商品取引業 +3→+19       +6→+14
保険業     +22→+18     +13→+5
貸金業等    +38→+14     +33→+14

うーん今回はあんまり特徴が無い。



〇日銀支店長会議ですが「議論内容の公表」とは何だったのかと小一時間問い詰めたい

さくらレポート概要
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rer221006.htm/

さくらレポート全文
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/data/rer221006.pdf

どうせ何出てきたって政策は変わらない、と思うと読む気力を失わせてくれますが、まあこちらは鏡が面白くなくても本文の中の記述の細かいのを見ると結構興味深いアネクドータルなネタは拾ってきているので、そういうのを楽しみましょう、ということでこれまた週末向け積読。


でもってですね、アタクシはまあそれはそれとしてこっちはどうなのかと期待しておったのですよ・・・・・・・・・

https://jp.reuters.com/article/boj-report-idJPKBN2QU0IR
2022年9月29日3:35 午後
日銀、支店長会議での議論要旨を公表へ さくらリポートと同時に

『[東京 29日 ロイター] - 日銀は29日、10月6日に開く支店長会議に合わせ「各地域からみた景気の現状(支店長会議における報告)」を新たに公表すると発表した。黒田東彦総裁の開会あいさつ要旨に代わって公表し、情報発信の充実を図る。新資料は、会議での議論や報告の要約となる見込み。6日午後2時に「地域経済報告」(さくらリポート)と同時に公表する。』(上記URL先より)


https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rera221006.htm/
各地域からみた景気の現状(2022年10月支店長会議における報告)
2022年10月6日
日本銀行

https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/data/rera221006.pdf(PDFバージョン)


・・・・・・・・・・何だよこれただのさくらレポートの鏡部分じゃねえかよ何でこれわざわざ別に出すんだよと物凄い勢いで椅子から転げ落ちそうになりました。

いやあのですな、まあ確かにさくらレポートの鏡よりは若干記述多めかも知れませんけど、結局このあたりってさくらサポートの本文にある『U.地域別金融経済概況』で従来から網羅してる話じゃんということでして、わざわざ議論内容を出すってんだからもっと別のものを期待してたんですけどアタクシ。

いやね、これだったら別に出す必要ないんじゃないのと思いますし、支店長挨拶が定型文だから出さない、てののバーターの積りでこれ出したんでしょうけど、出しても出さなくても同じものをバーターで出すというような小賢しいというか小役人根性丸出しというか、そういう事はしないでほしいんですよね。

こういうのって「小細工」感が満載で、まあ日銀の支店長会議なんて基本金融市場もノーケアーだからダメージ少ないかもしれないけど、この手の「小細工」丸出しの事をやっていると、すこしずつ自分たちのコンフィデンスを毀損していくことになるし、ある意味上記のロイターさんなんて日銀に騙されて記事書いたような結果になってしまっている訳で、何でしょうねえそういう小細工は本当に勘弁して頂きたい。




2022/10/06

お題「7月会合議事要旨で見る政策からの後付けによる経済物価情勢認識、という失礼なお題で参ります」

うーんこの。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-05/RJ9V1IDWX2PS01
「介入資金に限界ない」、過度な変動に必要な対応可能−為替課長
占部絵美
2022年10月5日 17:49 JST 更新日時 2022年10月5日 18:09 JST

『財務省の松本千城為替市場課長は5日、為替介入の資金に限界はなく、今後も過度な変動に対して必要な対応が可能だとの認識を示した。立憲民主党会派財務金融部門会議で述べた。』(上記URL先より、以下同様)

これ報道ベースだからあれなんだが、

『松本氏は、8月末時点の外貨準備180兆円台に対して今回の介入額は2.8兆円であり、「特段、介入資金に限界があるとは認識していない」と説明した。「日本の外貨準備は為替介入に備えて流動性に最大限配慮した運用を行っている」とも語った。』

介入って(ただの交換とは言え)財政から金が出る話なんで「限界無い」って表現をすると財政クレクレ連中から「為替介入に限界が無いんだったら財政支出だってもっと出せるだろ」って変な言いがかり付けられる惧れがあると思うので、確かに(ピー)相手に細かい言い方すると「わかりにくい」とか(ピー)が言うんでしょうけど、やっぱり正確に「外貨準備は円貨に換算して180兆円規模であり、必要な為替介入に対して十分過ぎる規模であるので実務の上で限界が来るとは考えられない」って言わないとマズいんじゃないかと思うの。

まあ何ですな、この記事の最後に「他の発言」ってのがあって、「為替介入を実施した際に公表することもあれば、公表しないやり方もある」ってのがあったんだが、実施した「直後」に公表するしないはあるけど、月末の時点で為替平衡操作については公表するんだから、ここで書かれて「実施した際に」というのも「実施した直後」なら正しい説明だけど、「事後の公表」も行わないわけでは無いので、そこからすると厳密には正確なのか問題が生じる日本語になってますよね。でもこういう正確な説明が必要な時って、財務省の人間は解釈に幅が出る用語の使い方をするとは思えないので、この記事、会議で聞いた人間がソースで、地の発言はもうちょっと違うんじゃないかなって気もせんでもないので、判断は保留しておきます。

・・・・・とは言え、正確な説明をきっちりしているのに言いがかりをつける置物一派という物体も世の中に存在するし、しかもそういうのがのさばっているのが今の世の中であるので確かにムツカシヤではありますよね(溜息)。


ただのマクラなのに謎に長くなってしまいました汗。


〇4−6の需給ギャップは改善したけど依然としてマイナスですかそうですか

https://www.boj.or.jp/research/research_data/gap/index.htm/
需給ギャップと潜在成長率

図表を見ますと、
https://www.boj.or.jp/research/research_data/gap/gap.pdf

『(1)需給ギャップ』の方は相変わらずマイナスで、この1年間(21年の7−9以降)で、▲1.50%→▲1.43%→▲1.02%→▲0.69%という推移になってきておりまして、昨年の7−9と言えばコロナの第何波だか忘れましたが五輪無観客とかやってった時期なので、まあ年末辺りからホイホイと改善しているという図になるのですが、この調子だと来年の前半には需給ギャッププラスとかにならんのかとかいう一次関数脳発言をしてしまいますが、需給ギャップがマイナスだから、というのを緩和修正一切しないことの理屈に使っているだけに、ここからの推移が楽しみであります。

とは言いましても、この数字自体が四半期遅れで出て来るので、黒ちゃんの最後のMPMの時点で出ている需給ギャップは10−12のところまでしかなく、ここでも惜しい事に逃げ切る理屈が出来ている、ということですけれども、これは別に偶然でも何でもなくて、需給ギャップがマイナスだから云々、というのを言い出しているのは黒ちゃんの任期と先行き見通しから逆算して「この屁理屈は使える」ということで採用されている物件な訳ですよね。だって図表でもわかるし、エクセルの表見ればもっと良く分かりますが、2016年からこの方、コロナショック来るまでは需給ギャップってずーっとプラス推移してたし、2018年の10−12なんて+2.15%もあったのに、このころは需給ギャップがプラスという話はしていましたが、それなのに物価目標達成全然しない事に対してはインフレ期待の粘着性だのノルムだの言ってたんですからねー。


まあそれよりも『(2)潜在成長率』の方がちょっとだけ改善しているな、と思ったのですが、データのエクセル見ますと上がったと言っても+0.20%とかの潜在成長率で、ナンジャソラという数字になりますな。


〇何かネタにする順序が無茶苦茶な気がしますが7月決定会合議事要旨(短観はどうしたということですが)

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2022/g220721.pdf


・7月会合での企業金融の現状認識と9月のコロナオペ延長の間になんの飛躍があったんでしょうかねえ(棒読み)

別にコロナオペ延長自体は「まあそういう認識だったらそういうことでしょうね」と棒読みしてたんですけど、7月会合の議事要旨がその後出た訳ですけど、そこを見るとこういう説明になってるんですよね。

だいたい読み飛ばす(ちなみに議事録を見る際にはこの部分が実は読み物として面白いんですよ、もし議事録を暇つぶしに読む機会がありましたら是非お勧め)『T.金融経済情勢に関する執行部からの報告の概要』の『(2)金融環境』を見ますと、(本文の6ページ、PDFの8枚目になります)

『わが国の金融環境は、企業の資金繰りの一部に厳しさが残っているものの、全体として緩和した状態にある。』

まあこれは声明文でも書かれているし、そもそも状況はその通りですから仰せの通り。

『資金需要面では、原材料コストの上昇を受けた運転資金需要がみられているが、感染症の影響を受けた予備的な流動性需要などが総じて落ち着いていることから、全体としては横ばい圏内で推移している。資金供給面では、企業からみた金融機関の貸出態度は、緩和した状態にある。』

以下直接金融市場(CPと社債)と外貨資金繰りなどの話が主になりますので割愛しますが、それはそうとこの冒頭部分を見てあれ??とまあアタクシなんぞは思う訳でございますよ、と申しますのは今回の決定会合において、例の「共通担保オペフルアロットメント」をぶっこむ理由付けとして、

https://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2022/kk220926a.pdf
9月22日決定会合後の黒田総裁定例会見

冒頭の決定内容の説明の中で、

『そのうえで、コロナオペの期限到来後も中小企業等の資金繰りを支えるとともに、感染症の影響だけでなく、例えば、原材料価格上昇に伴う運転資金需要などへの対応も含めた幅広い資金繰りニーズに応える観点から、幅広い担保を裏付けとして資金を供給している「共通担保資金供給オペ」について、金額に上限を設けずに実施することとしました。』(この部分だけ直上URL先の9月22日黒田総裁定例記者会見の総裁発言より引用)

となっていまして、いやいやいや7月の時点で思いっきり資金需要面の執行部の報告がさっきのようになっているのに、急にこういう理由持ち出すんだったら、それは企業金融に対する現状認識に変化が生じたって話になるでしょという話にならんかと思う訳ですし、だったら別に共通担保オペのフルアロットメントとか訳分らんことしないで、素直にコロナオペを全部半年延長すれば良いじゃんって話になりませんかね、という所なんですよ。

結局ですね、「コロナオペはそろそろ終了したい(=コロナオペの終了を決定)」「でも金利のフォワードガイダンスの変更とか言われるの嫌だから黒田さんの任期ギリギリまではコロナオペを残しておきたい(=3か月と6か月に分けてなんか格好つけた延長を行う)」「コロナオペ終了だけだと緩和後退って言われたくないから共通担保オペのフルアロットメント化をする(=その理由の一つに運転資金需要の話をする)」というように、経済物価金融情勢をベースにした政策運営をしないで、政策の結論に経済物価金融情勢を当て嵌めようとして理屈を組むから、こうやってなんか訳分らんことになってしまう訳ですよね。まあ今に始まった事では無いのですが、物価が上昇してきてるのに政策を1ミリたりとも修正しない、という意味不明な意地っ張りモードになっているからこのようなスタンスが加速している訳ですし、まあこういうのを相手にロジカルに先の政策について考察してもしょうが無いというのが良く分かる一例が示されたな、と思います。(とはいっても本来は経済物価金融情勢に応じてロジカルに政策を運営するのが中央銀行なので、そっちの思考訓練は忘れずに行いましょうね!!!!)


なお、政策委員の議論パートを見ても、7月会合の金融面に関する議論部分『U.金融経済情勢と展望レポートに関する委員会の検討の概要』の『1.経済・物価情勢の現状』の該当部分(本文8ページ)では、

『わが国の金融環境について、委員は、企業の資金繰りの一部に厳しさが残っているものの、全体として緩和した状態にあるとの認識で一致した。多くの委員は、企業の資金繰りは、感染症の影響を受けやすい対面型サービス業の中小企業も含めて改善傾向にあり、コロナオペの残高も着実に減少するなど、感染症の企業金融への影響は和らいできているとの見方を示した。このうち一人の委員は、現状、企業の運転資金を中心とした資金繰りに大きな問題は生じておらず、倒産件数も低位で推移していると指摘した。 』

まあコロナオペを終了する方に沿った認識はある(そもそもまだマズいとおもってるんなら期限ぎりぎりになる9月会合を待たずに7月会合でコロナオペの延長を決定している筈だし)し、これは1名の指摘だから別に全体の意見ではないですが、企業の運転資金に関しても問題が起きていないとの認識を示し、別にそれに対する反論があったような記載もない(この部分はきちんと全部引用しましたので為念)のですが、じゃあ何で9月に共通担保オペの延長の中で急に「原材料価格上昇に伴う運転資金需要」とか言い出すんだよという話でありますな。

まあついでに言うと、これは会見ネタにした時にも悪態つきましたが、最近の企業物価指数を見れば為替円安の寄与がでかくなっているんですから、当然ながら円安を助長するような情報発信をしなければ、企業金融面において、「原材料価格上昇に伴う運転資金需要」の無駄な増加は避けられる筈なんですけれども、そういう考察はどこにあるんでしょうかねえと思ってしまいます。


なお、この運転資金需要云々の部分は、声明文にはさすがに記載されていなくて、総裁会見の説明の中で出てきたのが初出となります。


ええまあクッソ細かい誰得話で恐縮なんですが、アタクシはこういうような所を物凄く気にする性分なもんで。


・金融政策決定云々のところからコロナオペ

『V.金融政策運営に関する委員会の検討の概要』に飛びます。本文15ページ以降。

『感染症への対応について、委員は、当面、感染症の影響を注視し、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じるという方針で一致した。』

おまえら今までこの緩和バイアス文言入れてから追加緩和決定したっけ???

『10 月以降のコロナオペの取扱いについては、委員は、今後の感染症の状況や、そのもとでの中小企業等の資金繰りの動向を慎重に見極めたうえで、次回の9月会合で判断することが適当であるとの見方を共有した。』

今までだったら「先行きの継続に対して安心感を与えよう」ということで7月に継続した筈だし、そもそも今残っているコロナオペって、金融機関の該当貸し付けが減ってればオペ残高が自動的に減っていくもんだから(以前のコロナオペは既発の社債とかCPと住宅ローン流動化証券とかでも発動した方の額が巨大にあったので4月からはだいぶ性格が変わっている、というか本来の趣旨に戻ったと言えます)こんなの延長したけりゃ延長して良かったと思うので、7月に判断を留保した理由なんですが・・・・・・・・

『複数の委員は、感染症の企業金融への影響は和らいでき』ているとみられ、コロナオペの残高も着実に減少していると述べた。ある委員は、コロナオペは、所期の効果を発揮し、役割を終えつつあるとみられるが、感染症が拡大する中でもあり、今回会合での決定は見送るべきであると付け加えた。多くの委員は、足もとの感染再拡大がきわめて急速であることに言及し、これが中小企業等の資金繰りに及ぼす影響を慎重に見極めることが必要との認識を示した。』

結局コロナ第7波でしたっけ???の中だから延長しないというのを出すのもKYでしょ、って判断だったという話になっているようですが、寧ろ第7波なんだからちゃっちゃと延長して、例えば3か月延長とかにしておいても良かったと思うのですが、コロナオペ止めたかったんでしょうね、その理由はイマイチ謎なんだが。


・突如の賃金大合唱

続きまして、

『次に、委員は、先行きの金融政策運営の基本的な考え方について議論した。』

ということですが、ご案内の通り7月会合から突如変なもんでも食ったかのように賃金の大合唱になる。

『委員は、わが国経済は、感染症からの回復過程にある中で、資源高による海外への所得流出という下押し圧力を受けており、大規模な金融緩和を粘り強く続けていくことが適当との認識を共有した。』

からの、

『ある委員は、サービス価格など物価の基調を規定する部分が上昇し、消費者物価上昇率が安定的に2%を超えることが視野に入っていないもとでは、現状の金融緩和を継続することが当然であるとの認識を示した。』

いままで基調でサービス価格重視してましたっけ。なんか後付け理屈の香りしかしませんが、まあそんなことより以下は笑ったとしか言いようがない。

『何人かの委員は、「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、賃金上昇が重要であるとの認識を示したうえで、現在の金融緩和を継続していくことが適当であると述べた。ある委員は、需給ギャップは2年以上マイナスであり、需要拡大と持続的な賃金上昇を後押しする現在の金融緩和を粘り強く継続すべきであると付け加えた。複数の委員は、賃金動向を、その分布の変化を含め、統計などを用いて的確に把握する必要があるとの考えを示した。』

wwwwwwwwwww


・物価で説明するのは分かりにくいとかいう意見が飛び出す始末

このちょっと先のこの意見は誰ぞ?????

『金融政策運営に関する対外的な情報発信について、複数の委員は、足もとの実際の物価上昇率や今年度の見通しが2%を超えることになるが、2%の「物価安定の目標」は持続的・安定的に実現することが必要であり、物価の基調を見極め、それに基づいて政策運営することが適切であるという考え方を、従来以上に丁寧に説明していく必要があると述べた。』

基調的な物価ってのも随分上がってますけどねえ(棒読み)、というのはまあ良いんですが次のは爆笑した。

『このうち一人の委員は、様々な物価関連指標を用いた説明はどうしても技術的で分かりにくい面があると指摘したうえで、』

>様々な物価関連指標を用いた説明はどうしても技術的で分かりにくい面がある
>様々な物価関連指標を用いた説明はどうしても技術的で分かりにくい面がある
>様々な物価関連指標を用いた説明はどうしても技術的で分かりにくい面がある

これは2%の物価安定目標を標榜してインフレ期待を引き上げる、と言ってた話や、オーバーシュート型コミットメントによってフォワードルッキングな期待に働き掛けようとしている今の政策枠組みを何だと思ってるんだという話だし、もともとの麿日銀の説明が複雑でわかりにくくて、シンプルに「2%」を掲げるべき、とか言ってた置物一派の話を思いっきり否定されていまして大変に清々しい話なのですが、だれだのこの「一人の委員」ってwwwwwwwww

『日本銀行が目指しているのは、賃金と物価の好循環であり、それが人々の暮らし向きの改善につながること、そして現段階ではそうした目的の実現までにはなお距離があり、金融緩和を継続して経済活動をサポートする必要があること、などの基本的な考え方を分かりやすく発信していくことが重要であるとの考えを示した。』

えーーーーー基本的な考え方は「2年で2%」だった筈なんですけどーーーーーーーーーーー(超棒読み)


ということで、まあここまで迷走しているのはさっきも申し上げましたように「経済物価金融情勢、なかんずく物価が上がっているのに、意地でも政策を1ミリたりとも調整しない」という黒ちゃん謎の全ツッパリに起因しているのは明白なので、まあ全ツッパリモード折れるか折れないか、というだけが今後の政策を読むときのポイントでして、あとはまあ全部屁理屈で構成されている、という事が大変に良く分かる議事要旨でありました、という話をしたかったので今更ネタですがこれを先に投下した次第でございます。




2022/10/05

お題「世界が利上げ打ち止めの空気になれば物価上振れ中の日銀にワンチャンあるかも(ただし黒田さんが・・・・)」

フレンドリーファイヤー・・・・・・・・・・・なのかしら??
https://mainichi.jp/articles/20221004/k00/00m/010/191000c
「根拠は高市早苗氏」 国葬反対「8割が大陸から」と投稿の県議
政治 速報
毎日新聞 2022/10/4 16:42(最終更新 10/4 23:40) 516文字

『小林氏によると、2日に名古屋市内で日本会議の会合が開かれ、高市早苗・経済安全保障担当相が安全保障問題について講演した。高市氏がその際「政府の調査結果」として話した内容を基にツイートしたという。小林氏は、県議会の他会派から問題の投稿について「悪質なデマ」と批判され、根拠を明らかにするよう求められていた。』(上記URL先より)

何か無茶苦茶なカオスが発生しているような気がしますが何ですのこれ????


それはそれとして夜とかにじっくり考えてる暇が月末四半期末半期末の中なのにこの理不尽ジャイアントスイング相場でアレなので短観ネタとか整理している暇が無くて面目なくて直近ネタの雑談になってしまいましたすいませんすいませんすいません。


〇市場コンセンサスを外すのがお得意のRBAぶっこんできましたがこれはある意味日銀にも・・・・・・

・RBAはコンセンサスを外すのが芸風なのかしら

英国と言い豪州と言いいろんなところで大ネタぶっこんでくるから世界中で債券市場がジャイアントスイングしてもう何が何だかワカランチ会長です期初から勘弁して下さい。

https://jp.reuters.com/article/idJPL4N3150SO
2022年10月4日2:18 午後
UPDATE 2-豪中銀、予想外の利上げペース鈍化 今後も引き締め方針

『(内容を更新・追加しました)

[シドニー 4日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は4日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを25ベーシスポイント(bp)引き上げ、9年ぶり高水準の2.60%とした。予想の50bpより小幅な利上げで、市場はサプライズと受け止めた。ただ、中銀は今後の追加引き締めに含みを持たせた。利上げは5月以降6回目で、うち4回は50bpの大幅引き上げだった。』(上記URL先より)

ということでして、ちょっと豪州まで見てる暇が無かったので「あれ??50だった筈の気がしたのだが25だったってコンセンサスは????」とか大ボケかましながらニュース見てたのですが(滝汗)、利上げペース打ち止めの時代キタコレとなって金利下がるわ、前日の英国の減税撤回ネタの英国債ラリーあるわでもう昨日は昨日で金利下げ状態。

そらまあ高インフレが落ち着いてくるようならば、利上げの効果がラグ持って効いてきた、って理屈になるので金利上昇の速度落とすの当然ではあるのですが、何せあちこちで物価の上昇が全然落ち着かないですし、一方で金融市場は「オーバーキルでリセッションだから将来は金利が下がるでしょ」とか言い出してロンガーエンドの金利が上がらなくなったりとかになってみたり、今回の豪州受けて利上げ打ち止め近いよやっほーとなってしまったりするのですが、問題はこの市場金利がどの程度物価(というか経済の需給)に効くのかというのが、ここもと全然物価動いてこなかったからさっぱり読めなくて、お蔭で困ってるんだと思うの。

金利に対する経済の需給とか物価に対する感応度って、アタクシ思いますに実物経済の主体の借入コストコースってのは中期的には効くと思うのですが、結局のところ資産価格ルートと、もしかしたら住宅借入ルートと、そっちの方が先に効いてきて、でもってこのルートの効き方って多分その国の状態(資産価格が上がるとすかさず年金資産増えたからよーしパパアメリカンドリームで消費しちゃうぞヒャッハーとなる国もあればそうじゃない国もある)とかによって実際は異なってて、これを一緒くたに考えてしまうのも(考えたくなるのは人情としてわかるが)どうなのかね、って思うのです。

まあそうは言いましても、こういうのがあると次に出て来る主要国(ただし日本だけ別世界)の物価指数を見て、これが豪州みたいな利上げペース鈍化を正当化させれるものなのか、やっぱり下がらんからまだ大幅利上げか、って判断ネタが出るまでは、しばらくのテーマは利上げペースそろそろピークアウト、ってことになるんでしょうね、よー知らんけど。


・実はこうなると10月会合大チャンスなのだがまあ黒ちゃんにそんな認識は無かろうと思う

ここもと米国金利上昇だの英国ショックだので叩かれた先物ちゃんとか超長期ちゃんとかが戻るの巻になっておるようですが、

https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N315126
2022年10月4日3:13 午後
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は5日続伸で引け、海外金利低下と順調な10年債入札を好感

『[東京 4日 ロイター] -      
<15:08> 国債先物は5日続伸で引け、海外金利低下と順調な10年債入札を好感

国債先物中心限月12月限は前営業日比47銭高の149円03銭と5営業日続伸して取引を終えた。海外金利低下と10年利付国債入札の順調な結果が投資家に好感された。現物市場のカレント10年債(367回債)利回り(長期金利)は同1.5ベーシスポイント(bp)低下の0.225%。』

『現物市場の新発国債利回りは総じて低下。5年債は前営業日比1.0bp低下の0.040%、20年債も同2.0bp低下の0.945%、30年債は同0.5bp低下の1.315%、40年債は同1.5bp低下の1.490%。2年債はまだ出合いがみられていない。』(以上上記URL先より)

10年新発は昨日の入札で新回号になりましたが、こちらは売参見ると0.245%で引けてて、まあここもと金利上がる中で指値パワーで10年カレントゾーンだけ値持ちしてたんで戻る時に戻らんのは順当なのですが、まだこれだと0.25%に近いのかとちょっと惜しいものを。


・・・・と申しますのはですね、黒ちゃん的にはそれも利上げって言ってるから中々実行するのは困難ではあると思うのですが、どう見ても今の政策ってYCCやってるから無理矢理金融緩和になってて、持続性に疑問を持たれる、って話になっている(ただし市場の方はさすがに日銀がRBAのように決定会合前にいきなり梯子外すというような背信プレイをするとはだれも思わんしワシも思わんので持続性というのは若干足の長い話で、「どうせ次回の決定会合までは25bpの毎日指値オペがあるのでヘーキヘーキ」とは思ってるので、そこは別のレベルの話だとご認識下さい、直ぐにそこを混同した説明をおっぱじめる何とかストが散見されるので)と思うんですよね。

すなわち、YCCとか言いながら本当ならしれっと金利の動きの許容幅を拡大した方が、政策の持続性が増すし、何なら長期ターゲットなんぞは外してしまえば更に緩和政策の持続性が高まるし、短期マイナス(アタクシ的にはそれも外せとは思うが)やってたら10年とかよー金利上がらんでしょ、という風には思うんですよ。

しかしながら、10年の金利が上限に張り付いていると柔軟化即利上げになってしまいますし、海外が引き締めモードバリバリの中だとそう簡単に金利下がってくれないでしょと思ってたのですが(個人の感想です)、なんと天の助けか利上げ打ち止めへの期待感が高まってくれれば日本の金利も低下してくれれば変動許容幅拡大しても利上げにならないタイミングって来てくれないかな、とか何か物凄く倒錯した発想なのですが、そんなことを思う今日この頃なのであります。(前にも触れたと思いますが、RBAがYCCの反省レポート出した時に総裁が話をしてましたが、その時に総裁は「経済物価情勢が好転した時点でYCCは不要になっていたので、出口までの距離がある時点でYCCを変更しておくべきだった」とゆうとった訳で、まあ日銀も分かっていないわけがないのでありまして、そういう意味では海外利上げ打ち止め感が出ているところはチャンスなんだよなー(ただし10年カレントがせめて0.10%近くじゃないと厳しいのでムツカシイにはムツカシイ)とは妄想するのです。


・東京都区部CPIェ・・・・・・・・・・・・・・・・・

https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf
2020年基準 消費者物価指数
東京都区部 2022年(令和4年)9月分(中旬速報値)

◎ 概 況

(1) 総合指数は2020年を100として102.9
前年同月比は2.8%の上昇 前月比(季節調整値)は0.3%の上昇

(2) 生鮮食品を除く総合指数は102.7
前年同月比は2.8%の上昇 前月比(季節調整値)は0.3%の上昇

(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は101.4
前年同月比は1.7%の上昇 前月比(季節調整値)は0.3%の上昇

とありまして、その下の表を見ますと、

表2 総合、生鮮食品を除く総合、生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前月比(季節調整値)

ってのがありますけど、季節調整で見て前月比の上昇が威勢よく続いている感じになっていまして、これ9月指数でこれかよ(ただしGoToトラベルの変形バージョン都民割は東京だけは実施が遅かったのでこれに入っていないけど)という話で、どっからどう見ても10月に入っていろんなもののお値段がちゃっかり上がっておる訳ですわな。

でまあアタクシはエコノミストでも何でもないので詳しい事は専門家の方に聞かないと分からんちんなのではございますが、都区部CPI見ても全然勢いが落ちない状況が続いてて、10月も続々値上げになってしまっておりますので、これ日銀(というか黒田さん)が連呼する「来年度になったら物価上昇率が急に鈍化する」ってシナリオの蓋然性がドンドン怪しくなっているようにしかアタクシには見えないですし、そもそも年内にコアCPIが3%を軽く超えてきた時に、どこまでも「一時的」だの「コストプッシュだから金融政策で対応不要」って言い張れるのか、特に日銀の政策が円安助長政策をしているんですから、中々言い逃れしにくくなっているように見えるんですよねー。

つまりですね、物価見通しという一番の肝の部分を(政策をカシュカリ総裁の頭髪ほども修正したくないという結論ありきのスタンスによって)外しまくっておる点につきまして、黒田総裁の任期中だと来年4月の全国CPIの結果出る前に退任だからシランガナの逃げ切りが出来ると思うのですが、「来年度になったら一気に伸び率鈍化」と言い張っているのでマジで重要になりそうな4月のCPIが新体制始まって日が浅いうちに出ますし、しかも更に間の悪い事にその前の段階で展望レポートを出すという段取りなので、下手したら初手から物価見通し外すとかいう悲惨な事に成り兼ねないわけですな、と妄想は膨らむわけですよ。


まあ会見で色々と厳しいツッコミ受けていますが、次回の展望では是非この「今年の4月の展望レポートの時点からそうですが物価見通し無茶苦茶外しまくっているんですが、そもそも物価目標を設定してる中央銀行が肝心の物価見落としを外しているのに、何でフォワードガイダンスは変化しないとか言いきれるんでしょうか」って質問してみたらどうでしょうかねえ、と思うのですが、この調子だと今月の展望レポートで物価見通しをどう出してくるのかが見ものです。今回は手前だけ上げて先はそんなにいじらないと思うのですが、4月以降の新体制で初手から悲惨な事になるのを回避するためには、1月にそれなりに大きめに見通しを変えておかないと、新体制は黒田否定から入らざるを得なくなるリスクが生じる訳で、今回と次回の展望レポートで意地っ張りをどこまで続けるのかは楽しみになって参りました。


ま。それを待たずに物価上昇で支持率低下となったキッシーが黒ちゃんに引導渡しに行く方が早いという可能性もなくはないけど・・・・・・・・・・・


〇とは言いましても早急に打ち止め観測が出てしまうとインフレが止まらないリスクがあるとの認識はあるようで

・ECBちゃん

https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-villeroy-idJPKBN2QZ1AP
2022年10月4日10:59 午後
ECB、コアインフレ抑制に向け必要なだけ利上げ実施=仏中銀総裁

『パリ 4日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるビルロワドガロー仏中銀総裁は4日、ECBはコアインフレ率を低下させるために必要なだけ金利を引き上げるが、そのペースは年末以降に鈍化する可能性があると述べた。オランダ紙NRCで、4.8%となっているユーロ圏のコアインフレ率は過度に広範囲かつ高水準と指摘。「コアインフレ率を低下させるために必要なだけ金利を引き上げる」とした。』(上記URL先より)


https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-lagarde-idJPKBN2QZ1Q7
2022年10月5日2:24 午前
ECB、景気刺激策は「最低限」停止すべき=総裁

『[フランクフルト 4日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は4日、インフレがピークに達したかどうかを判断するのは困難だとした上で、金融政策による景気刺激は「最低限」やめるべきとの認識を示した。』(上記URL先より)

欧州の場合は「経済の状態がアカンっぽい」「コストプッシュの性格が無茶苦茶強い」「域内の南北問題あり」という中ですが「政策金利がまだ緩和的」という状況なので、エライヤヤコシイことになっているのですが、まあこの辺の感じですと中立〜若干の引き締め、までは政策金利上げないとシャーナイという認識はほぼ共有されてるんじゃないですかねえというのと、財政馬鹿みたいに出すな、というのは英国が身を切った壮大なお笑い政策を発動して見せてくれたんで、まあそういう落ち着きどころになるんじゃないかと思うのですが、うっかり緩和政策への思惑が出られると困る、という認識で発言しているんだと勝手に想像しています。

あと、インフレ率がデカいので、これは政治的配慮が入る訳ですが、ラガルドはんとか思いっきりそこの政治の風は読みまくる(良くも悪くも)人なので、政治の風がインフレで人民大変なことになっているんだよお前らエリート様何やってるんだこの馬鹿、という流れのうちは金融市場がヒャッハーになるのは認めんでしょ、というのは概ね想像がつくので、打ち止めヒャッハーとかやってると多分足掬われることになると思うし、そうじゃなくなるのはアクチュアルのインフレ上昇が明確に鈍化するまでは政治の風が厳しいままだと思われますので、まあ最終的にはオーバーキルになりそうな悪寒はだいぶしますけど、それでも戦う感じで行くんじゃないですかねえ(個人の妄想です)。


・FEDちゃん

ほうほうそうですかそうですか、って新任の理事さんの講演が出ているので遅れてもどっかでネタにしなければ。
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-jefferson-idJPKBN2QZ1PT
2022年10月5日2:19 午前
インフレは最大の懸念、物価安定回復に時間=ジェファーソンFRB理事

『[アトランタ 4日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン理事は4日、インフレについて、FRBが直面する最も深刻な問題で、対応に「しばらく時間がかかる可能性がある」という見解を示した。ジェファーソン理事は就任後初の講演で「物価安定の回復には時間がかかり、トレンドを下回る成長の期間を伴う公算が大きい」とし、他のFRB高官と共に「インフレを2%に回帰させるという決意があり、一段の必要とされる措置を講じることにコミットしている」と言明した。』(上記URL先より)

と、ここだけ見てますと公式見解ベースの話なので、元をたどればジャクソンホールのパウエル講演辺りに戻るのでしょうけど、本チャンの方はこちらですがこれはネタとしての重要度が高いので寝る間を惜しんで読みたいがおじいちゃん寝る間を惜しむと翌日身体の節々が痛くなってのう・・・・・・・(ジジイ症候群)。

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/jefferson20221004a.htm
October 04, 2022
Technology’s Impact on the Post-Pandemic Economy
Governor Philip N. Jefferson
At “Technology-Enabled Disruption: Lessons from the Pandemic and the Path Ahead,” a conference organized by the Federal Reserve Banks of Atlanta, Dallas, and Richmond

そんなに長くないのでネタにはすぐできる(しかも最初の方は微妙に現世利益の話ではない)と思います。


https://jp.reuters.com/article/usa-fed-daly-rates-idJPL6N3150EJ
2022年10月5日3:24 午前
米FRB、物価引き下げの手段を保有=SF連銀総裁

デーリーさんの講演ってのはまあ執行部にやや寄ってるのと、時々鉄砲玉をやっているのがあって、特にイエレン議長の時は注目で、今はその時よりは若干注目度下げてもいいとは思うのですが(ウィリアムズが置物になってしまっているので何か信頼のSF連銀ブランド、ってのの輝きが無くなってしまった感はある)そうは言っても多分見ておいた方が良いのですが、

『[4日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は4日、連邦準備理事会(FRB)はインフレ率を引き下げるための手段とノウハウを有しており、これらを使用していくと述べた。』(上記URL先より)

使用してるのに何で高インフレが続くんだよふざけるなこのトンチキ、という外野からの野次が飛んできそうな話で笑ってしまいますが、まあとりあえずこの辺り、ファイティングポーズはまだ出していますが、米国の場合は前回の利上げで引き締め的な領域に入っているので、まあ欧州に比べれば水準的にはこれ以上バカスカ上げなくても、という所なんですが、何せ米国はベースの経済状況が違ってて、経済減速させても物価下げないと状態なのですし、資産価格状況が個人消費にモロに跳ねる国だから、市場の期待をどうするのかってムツカシイと思うというか、操作しようとするの止めちまえば良いのに、とは思いますです。

この辺にも早急に戻って色々と見ないと月末から11月頭に向けてのイベントに頭の整理が間に合わなくなってしまう。






2022/10/04

お題「9月会合議事要旨ですが「政策を修正しない閾値」が人によって微妙に違う事に味わいを感じました」

ヒースローって大昔(10年近く前)に行ったきりだが。
https://jp.reuters.com/article/heathrow-capacity-idJPL6N3140E1
2022年10月4日4:58 午前
英ヒースロー空港、旅客数制限を10月終盤に解除へ=新聞

旅客数制限解除する前にアホのように時間のかかる旅客扱いの遅さを何とかした方が良いんじゃないかと思ったのですが、最近はどうなっているんでしょうか。

〇教訓が深い話が色々とある中で日本はまるで参考にしようとしないのがアレ

いやーあっはっはっはっは
https://jp.reuters.com/article/uk-income-tax-idJPKBN2QY0GO
2022年10月3日3:51 午後
英財務相、所得税最高税率引き下げ案を撤回 政権に打撃

『[ロンドン/バーミンガム(英国) 3日 ロイター] - クワーテング英財務相は3日、所得税の最高税率を引き下げる計画を撤回することを明らかにした。トラス政権は発足から1カ月足らずで屈辱的な政策変更を強いられた。』(上記URL先より、以下同様)

とは言ってもポンド危機発生よりはマシでしょ。

『先月発表した大規模減税や国債増発などの財政計画は市場を揺るがし、野党のみならず与党内でも批判の声が上がっていた。450億ポンドとされた減税規模のうち、最高税率引き下げが占めるのは20億ポンド程度に過ぎないが、財源を明示しなかったため最も強い批判を浴びた。』

>財源を明示しなかったため最も強い批判を浴びた
>財源を明示しなかったため最も強い批判を浴びた
>財源を明示しなかったため最も強い批判を浴びた


一連のこれを受けてEUちゃん。
https://jp.reuters.com/article/eurozone-economy-idJPKBN2QY1W4
2022年10月4日4:48 午前
ユーロ圏、時限的で的を絞ったエネルギー高対策を確約=財務相会合

『[ブリュッセル 3日 ロイター] - ユーロ圏財務相は3日、エネルギー価格高騰に対応するための各国の財政措置について、時限的でかつ的を絞ったものにすると確約する共同声明を発表した。ドイツは先週、エネルギー価格高騰から企業や消費者を保護するため2000億ユーロの支援策を発表。ドイツの措置の規模はフランス(670億ユーロ)やイタリア(680億ユーロ)をはるかに超え、これほどの支出を行う余裕のない他のEU加盟国の間で懸念が広がっている。』(上記URL先より)


一方日本ではいまだに「財源が無ければ国債を発行すれば良いじゃないか」という無能政治家と曲学阿世の提灯似非学者は揃って17世紀に帰れ(物理)という議論ばっかりな訳でございまして、まったくもって頭が痛くなりますわな。

というメモでした。


〇短観私家版チェックと言いたいですが決定会合主な意見とか議事要旨とかの積読を先に成敗で主な意見

田村さん、高田さん加入後の「主な意見」なので一応はワクテカしましたが、なんせあの「通常のテクニカルなオペに企業金融みたいな言い方をしている」という後の人間が運営するのに無茶苦茶困る(まあどうせイカサマ日銀の事だから何も言わないで誤魔化すんだと思うのですが、フルアロットメント止めるときに「なんで企業金融を締めるんですか」って聞かれたら何て答えるんでしょうね、想定問答見たいわ)ような施策をマジに後先考えずに突っ込んでるわという会合でもありましたね。

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2022/opi220922.pdf
金融政策決定会合における主な意見
(2022 年 9 月 21、22 日開催分)


・為替円安の評価を見ますと今の日銀に為替円安に対する当事者意識はないというのが判明します

『T.金融経済情勢に関する意見』の『(経済情勢)』からヘロヘロとみていくが、為替円安の話を鑑賞鑑賞。

『・ 為替円安は、短期的には輸入製品や食料品等の値上げにつながる一方で、中長期的には国内の経済活動を上押しする効果もある。この点で、コスト増加という負の影響のみのエネルギー価格の上昇とは異なる。』

そんなことは当たり前なんだが、だからどうなんだというのが書かれていなくて、これは意見と称する価値がない便所紙の落書きですね。赤点再履修。

『・円安のメリット拡大には、インバウンド消費の拡大や成長投資の国内拠点選択、中小企業の輸出力強化が重要である。』

そらそうなんだが金融政策で出来る話じゃないですよね。上記が進むような環境が整っていたら円安に戦略的に振るってのは大有り(ただしそれを正面切って言うと為替操作国呼ばわりされるからそこはウニャウニャとしないといけないけど)なのですが、この前の経済財政諮問会議とかの話しとかも、「何かエライ円安が一気に来たからこれを使った振興策考えないと」みたいな泥縄なノリを感じたんですけどねえ。

まあ上記のようなムーブがある中、円安でそれを後押ししよう、ってのを戦略的にやってるんならこの意見も意味はあると思う(ただまあ為替操作云々の逆ねじ食らわされるから言うのも間抜けなんですが)のですが、円安に振って慌てて「なんかメリットはいねえかー」となまはげ状態で歩き回っている感isある。

なお、この2点しか為替円安の話が無いのですが、物価の方に円安による影響の話しでもあるだろ、と思ったらこれがまた1個だけあったのですが、それも主要な話かというと微妙、という凄い代物になっていまして、いや何ちゅうかですねえどういう議論してるのよと思いますが、つまり為替市場に対する当事者意識はない、ということを意味しているのでしょうね。


・物価の意見が8本もあるよ!やったね!!!!

ということで『(物価)』ですが、なんと9人の中から8本の意見が出ています。やったね!!!!ということで全部鑑賞しようじゃないですか。

『・ 生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、2%台後半となっている。先行きは、本年末にかけて、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により上昇率を高めたあと、これらの押し上げ寄与の減衰に伴い、プラス幅を縮小していくと予想される。』

はいはい大本営大本営。

『・既往の原材料価格上昇を背景に、企業からは値上げの予定公表が相次いでおり、引き続き、幅広い品目で価格上昇が続くと予想される。』

だから何なの???

『・消費者物価は、目先は上昇率が高まるとみられるが、現時点では賃金上昇の持続性は確認できておらず、「物価安定の目標」の安定的な実現にはなお課題がある。』

完全に「賃金」の話になっているんですが、これもインチキな話で、賃金上がらんじゃないか置物リフレ政策が全然ワークしてないじゃないか、という批判を受けてきたときに置物一派を中心に「雇用の拡大が進んだ結果、総額ベースの賃金が拡大しており、家計の所得などは高まっているのでこの政策は効果を発揮している」って理屈で言い逃れをしていた訳です。

現実問題として家計単位で見た所得が上昇すれば、そら家計の購買力が上がるんですから、この時の言い訳自体はある意味正しいのですが、以前はそういう話をしておいて、今度は物価が上がっているのに何で政策の調整(変更ではない)をしないのかと言われだすと、急に「賃金そのもの」の話をしている、という屁理屈自由自在応用自在な日銀なのであります。


『・わが国の予想物価上昇率が長期のデフレにより低位安定したことは、「物価安定の目標」達成の制約となっている一方で、今次局面では、欧米に比べて物価上昇率が抑制されている要因にもなっている。』

これまただから何なのかよくわからんですよね。まあこの「主な意見」って字数制約があるからというのはあるんだけど、事象を並べているだけだと「だから何なの?」としか言いようのない字面になってしまい、一個前みたいに物価目標達成には課題あり、みたいに見通しなり意見なりを入れて頂かないと、何が何だか訳分らんのでもうちょっと書く方は工夫をしていただきたいものです。


『・消費者物価が大きく上振れするリスクについても、為替相場の影響を含め、予断なく謙虚にみていく必要がある。』

ここで辛うじて為替の話が出たのと、消費者物価の上振れリスクの話がやっとでました。あー良かった高田さんか田村さんでしょうねこういう論点持ち出してくれるのは、と少しほっとしました。


その一方でこれは何ですか???

『・既存の各種コア指標は、輸入物価に大きく影響されており、その解釈は一層難しくなっている。改めて、物価の形成メカニズムの基本、とりわけ賃金の動向を注視していく必要がある。』

為替円安による物価上昇は物価上昇じゃない、という言い方のようですし、円安を問題視しないために賃金という屁理屈で勝負ですわな。

・・・・しかしこの賃金ばっかり押していく理屈。7月展望レポートの所からひどくなりましたが、もう完全に賃金賃金ばっかり言ってますわな。


まあ別の人の意見だから矛盾してても結構なのですが、このほこたて対決はクソワロタ。

『・持続的な「物価安定の目標」の実現には、賃金の上昇が重要である。足もとの人手不足などを踏まえれば、高い賃上げが実現される可能性もある。』

ほうほう、と来たらその次の人は、

『・わが国は、2%の「物価安定の目標」と整合的な賃金上昇に向けて労働需給の引き締まりが必要な状況であり、労働需給が既に逼迫して賃金と物価のスパイラル的な上昇が懸念される米英とは経済状況が異なる。』

方や「足もとの人手不足」でもう一方は「労働需給の引き締まりが必要」という話でして、いや別に皆さんの意見は意見で分かれて然るべきだから、この対立があるの自体は悪い事だとは思わないのですが、今オメーらの屁理屈の中でポイントになっている「賃金」のベースになる「労働需給」の問題における(先行き見通しではなく)現状認識において正反対の意見が並んでしまうってのどうなってるの?????????????????

いやマジで謎ですな・・・・・・・・・


・金融政策だがコロナオペを共通担保オペに振り替える理屈が絶対に後の人が困る理屈なのを誰も糺さないのですね

まあ糺してたら全員一致にならないですけど。『U.金融政策運営に関する意見』から。

『・コロナオペのような急性の危機への対応は段階的に役割を後退させつつ、幅広い資金繰りニーズへの対応に軸足を移すことで、企業等にとって緩和的な金融環境を引き続きしっかりと維持していくことが適切である。』

この無茶苦茶な理屈。いや前半は良いんだけど、後半に関してはそもそも論として緩和的な金融環境作ってて、現状で通常の企業金融に何かクランチでも生じてましたっけって問題考えるに、別に要らんでしょ追加措置は、という話に何でならないんでしょうかね。


『・緊急対応としてのコロナオペは役割を終えつつあるが、感染症の収束は道半ばであり、段階的に終了するのが望ましい。一方、企業では原材料価格高騰等による新たな資金需要が生じており、これに対応するために資金供給手段の利用可能性を高めることが適当である。』

凄い屁理屈持ち出してきたんですけど、「原材料価格高騰で新たな資金需要」ってのに一々「これに対応するために資金供給手段の利用可能性を高めることが適当」って発想が統制経済過ぎて笑うんですが、そら一晩で原材料価格が2倍3倍にでもなりゃ別ですけど、経済のサイクルの中で起きる事象に何で一々中央銀行が個別対応しないといけないんでしょうかねえという話。

そこまで言うなら寧ろ選択すべきは追加的金融緩和じゃないですかねー(鼻ホジホジ)。


でもってこの2本の意見、まあ大本営の意見なんでしょうけど、いずれの意見も「インターバンク市場における短期的、というか日々の資金需給の振れに対応して実施するテクニカルな金融調節の手段」であるところの共通担保オペというただのオペレーションに対して「企業の資金需要に対応するためのもの」という頭の悪い意味づけをしている訳です。

フルアロットメントの方は何だかんだ屁理屈つけて出口の時には誤魔化すでしょうけれども、上記のような理屈を持ち出してしまったあと、(特に日本では財政要因による資金需給の季節的変動が大きいので)共通担保オペの残高が増えたり減ったりしているのを見て、それが本来はただの資金需給調整の結果であるにも関わらず、増減を捕まえて「日銀は企業金融の引き締め措置をしている」とか「日銀は企業金融の緩和措置をしている」とか言われだしたら、いやーすいませんあの時はその場の勢いで適当な理屈つけちゃいましたテペヘロ、とでも言うのでしょうかねえ、と今日も粘着するアタクシでしたが、どうせその頃には皆忘れてるだろ、というのが今の日銀の基本的仕様になっているのは言うまでもありません。


でまあこのあと「共通担保オペってただのテクニカルな資金需給調節ツールであり、このオペを企業金融に結び付けることは、通常の金利誘導政策のレジームに戻った時に、ロジックに混乱をきたすことになるので、どうしても企業金融支援が必要ならば、別建てでターゲットを絞った共通担保資金供給の形にすべきである」などという意見は順当に出ていませんでした。まあ全員執行部に丸め込まれましたな、残念無念。


・政策を梃子でも動かさない屁理屈が並んでいるのですが人によって閾値の設定が違うのはやや味わいがある

後半は「なんで政策の修正をする必要がないか」の意見のオンパレードとなっていまして、おまえらそんなに黒田さんのただの意地と面目に殉じたいんだったら全員来年の4月で退任しろやとトサカに来るのですが、しかしながらこの部分、冷静に読んでみると「なんで政策を梃子でも動かさないのか」の閾値が人によって少しづつ違っていて、これがただの「ああいえば上祐」だったら全くおもんないのですが、そうじゃなくて執行部の賃金一点張り理屈にどこまでも付き合っている訳にはいかないのではないか、という目覚めが起きているのでしたら少しは慶賀すべきことなのかもしれないな、って思いました。まああんまり期待してないれすけれども。


『・物価の上振れリスクは相応にあるが、2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な達成には距離がある。マイナスの需給ギャップが存在し、失業率、有効求人倍率も感染症以前には戻っておらず、エネルギーや原材料価格の高騰によって海外へ所得流出が起きている現状では、金融緩和を維持すべきである。』

えーっと、どっちにポイントがあるのかが良く分からんが、需給ギャップがマイナスなら金融緩和維持、であればプラス転したらお前当然政策変更とは言わんけど微調整するんだよなと思いますし、海外に所得流出云々の話するなら、それを助長する円安についての意見はどうなんですかって話ですな。

『・消費者物価上昇率は2%台後半となっているが、サービス価格など物価の基調を規定する部分が上昇し、消費者物価上昇率が安定的に2%を超えることが視野に入ってくるまでは、現状の金融緩和を継続することが適当である。』

お、サービス価格が上がれば政策修正するんだな。

『・賃金上昇率が低く、広範かつ大幅な物価上昇には至っていない。低成長・低インフレ・低賃金上昇に陥った日本が2%の「物価安定の目標」を達成するには、経済・賃金構造の変革による生産性向上を後押しし、物価と所得の好循環につなげるため、金融緩和継続が必要である。』

これはひどいというか何というかなんですが、外部環境も国内の物価環境も変わってきた現状において、「過度に無理な金融緩和を意地でも継続する」よりも「緩和的な金融政策の状態を長く続けることのできるような方策」にシフトしないといけないんじゃないですかねえ。何でそこで「見直し不要」になるのか、まるでロジカルじゃない。

『・「賃金と物価の好循環」につなげることができるか注視すべき局面にあり、現在の金融政策運営方針を直ちに変更する必要はない。』

じゃあどうなったらつながると判断するんですか、という閾値の記載が無いので赤点再履修。

・・・・・・・ということで、さきほど申し上げましたように、閾値みたいなものにしているポイントというか見る角度というかが、少しづつ違ってきていまして、これが7月だと全員とりあえず賃金賃金とだけ言ってたんですけど、「この辺が駄目だからまだ目標達成無理」という話が賃金以外のポイントを指すようになっているのは、物凄い希望的観測をすると変化の胎動の可能性もあるのではないか、と人間の可能性というものを信じたい(大袈裟)アタクシとしては思うのであります。


・あとは雑多なご意見ですが・・・・・・・・

というあと最後の方はバラバラっとした意見を並べています。

『・金融政策運営にあたっては、為替相場は直接コントロールする対象ではない。「物価安定の目標」を安定的に実現するため、金融緩和を継続する必要があることを丁寧に説明していくべきである。』

黒田さんどう見ても乱暴な説明しかしてないし、乱暴な説明ばっかりしてるから最近の記者会見って一部の(H高さんやHらさんとか)人からだけじゃなくて、多くの従来穏当に質問してた記者の方々からも手厳しいツッコミを受けているんだと思いますけどねえ。おまけにそれに対しての回答が不誠実極まりないから更に状況が悪化なう。

『・海外経済の減速など、他のリスクも当然政策判断に影響するが、感染症は引き続き大きなリスクであり、現在のフォワードガイダンスの表現を変更する必要はない。』

>感染症は引き続き大きなリスクであり

あらあら、海外の観光客受け入れ拡大とか全国旅行なんとか割引とかやってたらマズいじゃないですかー(棒読み)

『・ 感染症の帰趨がまだ不確実であり、また、来年度以降、物価はプラス幅を縮小していく可能性が高いことから、現行のフォワードガイダンスにある緩和バイアスは維持することが望ましい。』

「緩和バイアス」じゃないんですがあそこに記載されているのは。「追加緩和バイアス」でしょ???????でもってしかも追加緩和一回もやってないじゃないですか(輪番サプライズ拡大みたいな政策決定を伴わないのとかはしてるし、まあ連続指値は追加緩和ちゃあ追加緩和ですが「利下げ」じゃないですからね)。


・主な意見でたぶん初めて「出口戦略」の話がでてきましたね

ベンダーヘッドラインにもなりましたが。

『・債券市場の機能度低下を心配する声がある。引き続き市場の状況を確認・検証するとともに、今後、適切なタイミングが来た際には、出口戦略についても、市場と適切なコミュニケーションをとっていくことが、金融市場の安定性確保の観点から重要である。』

とのことですが、残念ながら今のような施策をしている間は、出口政策は騙し討ちで実施する以外に方策は無く(何かの拍子に金利が大きく低下して10年金利が0.25%よりもかなり低くなれば騙し討ち不要になる可能性はあります、為念)、この意見言ってることは分かるのですが惜しいですけど机上の空論にも程があるという感じだと思います。YCCやってなくてただのマイナス金利政策だったら上記の意見もリーズナブルなんですけどね〜。

これ、高田さんか田村さん(会見の時に先に「政策を終了させてから成功失敗の評価ができる」と名言を言ったのは田村さんなんですよね)なのかとは思いますが、これが執行部の誰かが言ってたら無茶苦茶オモロイんですけれどもそんな訳はないですかそうですか。

で、時間切れになったのでまあ一番インプリケーションのありそうなもんを先に成敗した。明日もせっせと積読ネタを成敗します。






2022/10/03

お題「輪番サプライズをぶっこんできやがって又も国債流通市場の破壊ですな/その他少々」

おりほー!

〇超長期輪番を騙し討ちで倍増するといういつもの国債流通市場破壊活動が行われました

金曜日は何がアレってこれですわなー。

https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/rel220930c.pdf
長期国債買入れ(利回り・価格入札方式)の四半期予定(2022年10〜12月)

〜1年:1500億円×1回
1〜3年:4750億円×4回
3〜5年:4750億円×4回
5〜10年:5500億円×4回
10〜25年:2000億円×2回
25年〜:1000億円×2回
物価連動:600億円×1回
変動利付:300億円×(1/3)回

・・・・・・・おいこらちょっと待て、5−10の+500はだいたい織り込み済みとして、超長期両年限とも倍増とかお前何をトチ狂ってんねん。

前回出てた7−9の時の予定額って4−6の時と同じだったんですよ当初は。
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/rel220630c.pdf

(7−9輪番予定額当初)
〜1年:1500億円×1回
1〜3年:4750億円×4回
3〜5年:4750億円×4回
5〜10年:5000億円×4回
10〜25年:1250億円×2回
25年〜:500億円×2回
物価連動:600億円×1回
変動利付:300億円×(1/3)回

なので、今回は5−10を+500億円、はまあだいたいの人が予想できる増額なんだが、超長期輪番をほぼほぼプッシュとなりまして、こりはサプライズにも程がある。


何せですな、直近どころか当日の輪番が主要年限てんこ盛りだった(日程上仕方ないのかも知れないけど半期末跨ぎというのはやらないでほしいんですけどねえ)のですが、それがこちら。

https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of220930.htm
(主要ゾーンの輪番オファーだけ引用)

国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,750 2022年10月3日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 5,500 2022年10月3日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,250 2022年10月3日
国債買入(残存期間25年超) 500 2022年10月3日

ということで、5−10に関してはこの前からホイホイと25bpになって、指値にも何気にホイホイと札がぶっこまれておりましたので、昼の輪番オファーの時点で既に5500になっていたし、その前も26日の輪番の時も5−10は5500になっていたのでまあそんなもんやろなという感じ。

しかしながら、超長期の輪番増額、しかも倍額の増額ってのはちょっと想定外ということで思いっきりサプライズの刑になりました。

・・・・・・えーっとですな、金曜日の午前中の輪番の時に増額してるなあ兎も角ですし、まあゆうて10−25に関してはこの前臨時輪番を5−10と一緒にオファーしたので、もしかしたらそっちは若干増額があるかも感は無くな無かったにしても、超長期の後半とかあれだけ日銀の関与を減らして価格形成を市場にゆだねるみたいなこと言ってたのに、サプライズで超長期後半まで含めて増額、しかも増額も少々増やすどころかだいたい倍増させるって騙し討ちをしてまいりましたな。


先日の40年国債入札当日の臨時輪番(長期と超長期前半)も大概でして、プライマリーディーラーが入札に向けてポジション用意している中で急に入札入れるとか、PDを殺しに行ってるのかってのがありましたが、まああの時は金利上がってたから日銀が泡吹いて入れるかもしれない、ってのありましたけれども、大昔に10年入札の日の先物前場引け直後に「臨時決定会合を実施します」とアナウンスして入札準備してたPDを軒並み殺戮するという事案がありましたように、どうも日銀は昔も今もPDを殺戮するのが大好きみたいで、またやりやがったなという感じですわ。

倍プッシュする気なら別に倍増しなくてもいいけど、せめて午前の輪番で超長期増額しろやという話でございまして、どこからどう見てもこれ確信犯で市場にサプライズを与えて相場を持ちあげようとしている動きでして、お前らの言う市場機能って何なのよって感じだし、

https://www.boj.or.jp/paym/bond/ryudo.pdf
国債市場の流動性指標

そんな日にこんなのが公表されるとか馬鹿にシトンノカとしか思えないですし、どうせお前らこれ出したって役に立てるどころか日本の国債流通市場を壊すのが仕事なんだったら調べたり出したりするだけ時間と資源の無駄だから二度とこんな図表だすんじゃねえよ、と思いました。


なんですかねー、まあ政策が昭和温泉旅館だからこうなる、って言ってしまえばそれまでなんですけど、屁理屈こねくり回して政策ロジックを「やりたいこと(やらない、というのがやりたいことですが)先にありきで屁理屈を繰り出す」という攻撃で政策反応関数はコロコロ変える(今年に入ってだって当初コアコア指数だしてたのに都合悪くなりそうになってからは賃金一点張り)し、その結果ロジカルに考えても日銀の政策が全く予見できません、状態になっておりますが、まあ屁理屈の方はまだ結果が「梃子でも動かん」だから巻き込まれ事案というのは発生しませんけど、オペレーションの方まで完全予見不可能にしてしまうと、こちらは巻き込まれ事案が発生する結果、国債流通市場の機能がドンドン破壊されてしまって、その結果ボラは上がるわPDのリスク許容度は低下するわ、市場の厚みはスッカスカになるわ流動性はなくなるわ、となりまして、最終的には国債の安定消化にも悪影響を与える、ということで各方面に甚大なる悪影響を与えますので、まあ大変に怪しからんことではございます。

オペレーションも黒ちゃんの意地と面目に殉ずるとはたまげたなあ・・・・・・・・・・・

ちなみにCPと社債のオファー金額に関しては10月分については8月末に公表された9月10月予定から変わらず、11月予定については10月分をそのまま横に引っ張っている形になっています。


〇先般の物価何とかワークショップの関連ペーパーが出ているようです(読了未済)

https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/wps_2022/wp22j16.htm/
コストプッシュ圧力の消費者物価へのパススルー

『要旨

新型コロナウイルス感染症からの回復局面において、国際商品市況の上昇や為替円安を背景に、わが国企業が直面する原材料や製品の調達コストは、はっきりと上昇している。本稿では、こうしたコストプッシュ圧力の高まりが最終需要段階の物価である消費者物価に与える影響 ―― いわゆる「パススルー率」―― を定量的に計測し、近年の変化やその背景について考察する。』

まあ折角計測しても政策の方は「黒田総裁の任期中はどんな屁理屈を駆使してでも政策の微修正すら行わない」(それどころかサプライズ輪番拡大をぶち込んで事実上の追加緩和措置を金融市場局が勝手にぶっこんでくる)というのが極めて悲しいですよね。

『わが国に関する計測結果をみると、為替レート変動のパススルー率は、近年、輸入ペネトレーションが高まるなかで上昇傾向にあることが示唆される。』

キタコレ。

『また、為替変動の影響を除いた原材料コスト変動等のパススルー率は、最終需要段階全体としてみれば大きな変化は窺われないが、中間需要段階に加え、最終需要段階でも一部品目においては幾分高まっているとみられる。』

土曜日から値上げされたもんゾロゾロあって、逆にその前に値上げしたもののの方が「価格据え置き」感が出てしまうという諸葛孔明の罠みたいな感じになっていまして、このペーパー以降の動きについて、今回のペーパーで示した「最終需要段階でも一部品目においては幾分高まっているとみられる」がどう進展しているのか、という辺りについて(当然ながら既に考察は行われているとは思いますが)の考察とかを出来れば10月の展望レポートの全文の方のコラムで見たい気がします。、

『パススルー率は、(1)コストプッシュ圧力の大きさ、(2)景気局面、(3)感染症の影響も受けた製商品の需給の引き締まり等によって左右され得るため、先行きの動向を注視していく必要がある。』

ということなのですが、そうなると需給ギャップがプラスに転じた場合には(2)のファクターが効いてきまして物価ってサガランチ会長になるんじゃねえのという気がしますにゃー。

『本稿の内容は、日本銀行の「コロナ禍における物価動向を巡る諸問題」に関するワークショップ・第2回「わが国のフィリップス曲線とコスト転嫁」(2022年5月30日)の第1セッションにて発表された。』

本文はこちらだがまだちゃんと読めていません。
https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/wps_2022/data/wp22j16.pdf


もう一本がこちら
https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/wps_2022/wp22j17.htm/
わが国における物価変動
―感染症下における変化と先行きの論点―

『要旨

最近の物価動向をみると、米欧では、経済活動が再開するもとで、資源価格上昇の影響もあって、物価が大幅に上昇している。わが国でも、米欧ほどではないものの、財価格を中心にインフレ率が高まっている。』

こちらもさっきと同じくで、最初に発表されたのが5月末です。

『本稿では、こうした最近のわが国の物価動向の特徴やその先行きについての議論を深めていくため、(1)感染症拡大前のわが国のインフレ動学の特徴を主にフィリップス曲線の枠組みを用いてまとめたうえで、(2)最近の物価動向の変化や特徴を確認し、(3)先行きの論点を整理する。』

おーフィリップスカーブ。

『本稿での事実整理に基づくと、わが国の物価の先行きについて議論を深めていくためには、わが国で特徴的なサービス価格の粘着性や名目賃金の硬直性、インフレ予想の不確実性等について、分析を積み重ねていくことが重要と考えられる。』

という話だったのですが、インフレ予想は上がってるしサービスも上がってきてませんかぬーという所ではあるのですが、これ10月くらいの状況に即してアップデートしたものを見たいですな、と考えると10月の展望レポートじゃ間に合わないか、というのがちと残念な所ではありますが、1月の展望レポートには今回の2本のペーパーの最新バージョンが(公表されるかはともかくとして)出てきて、物価に関する見通しとかに関して「黒田が政策を変えたくないからこういう見多し」ではないものがちゃんと出されてこその日本銀行の調査部門って存在意義を示して頂きたいものでありまする。

本文はこちらです。
https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/wps_2022/data/wp22j17.pdf



〇サプライズ超長期輪番倍増でトサカに来たのでやっぱりこの前の大阪での総裁会見の続きに悪態をつく

https://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2022/kk220927a.pdf

・「経済物価金融情勢に応じた適正な緩和状態」とは何だったのか

9月は決定会合後の会見もギスギスしていましたが、その週明けに行われたこの大阪講演でも会見も大概にギスギスしてたんじゃないかなーって会話でしたけどこれはひどいですよね〜。

『(問) 先ほどの総裁の当面は利上げをしないという発言に絡んでのお尋ねです。長期金利の誘導目標はゼロ%程度で、許容上限の目安は+0.25%程度となっています。この許容上限を日銀が引き上げることは、総裁がおっしゃる金利引き上げ、あるいは金融引締めになるのか、改めて教えてください。』

これもう回答分かってて聞いてるんでしょうけど、

『(答) それはなると思います。というのは、従来から、10 年物国債の金利をゼロ%程度としてイールドカーブ・コントロールを行ってきましたが、そうしたもとで、当初は非常に狭い範囲でしか金利が動かないかたちになっていました。もっとも、そうした必要はないため、どの程度の幅で金利が変動するかという観点で、国債市場の機能度を維持しつつ、しかしゼロ%程度という適切なイールドカーブのもとで金融緩和の効果を持続させるために、その両者のバランスがどの辺で取れるかを、かなり深く分析し、±0.25%の範囲内であれば、その範囲内で変動しても金融緩和の効果は損なわれない、という結論に達しました。従って、±0.25%の幅をより広くしたら、仮にその上の方に行けば、明らかに金融緩和の効果を阻害しますので、そういうことは考えていません。』

と言ってるのだが、そもそもこの0.25%というのは
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2021/k210319c.pdf
より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検
【背景説明】
2021年3月19日
日本銀行

ということで、2021年の3月、即ち海外の物価上昇も今のような状態ではなく、国内の物価はゼロ近傍で、為替市場の状況も今とは全然違う状況の中で「かなり深く分析し」た結果の数値なのであって、状況がこれだけ変化しているのに何で再点検をしないのでしょうかねえという話だ、もっとそもそも論を言えば、

https://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/k160921c.pdf
目で見る金融緩和の「総括的な検証」と「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」
2016年9月21日
日本銀行

の『6.マイナス金利の金融機関への影響は?』とか『7.どの年限の金利を下げると、経済や物価に効果があるのか?』とかの話を踏まえて『9.新しい枠組み「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」では、どのように短期や長期の金利を操作しようとしているのか?』の中に、

『◆これらによって、経済・物価・金融情勢を踏まえて、2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタム(勢い)を維持するように、最適なイールドカーブ(短期・長期の金利)の形成を促します。』(この部分だけ直上URL先2016年9月21日のYCC解説文書から引用)

とあるんだから、経済物価(だいぶ上がりましたが)金融(為替市場や海外の金利など随分動きましたが)情勢を踏まえた検討をしてるのかいう話ですよねー。まあ誰かこれ突っ込んで欲しいもんです。


・微修正とは???

先日引用した「2−3年は金利上げない」を撤回した後に無慈悲な砲撃が飛んでくる。

『(問) 今まさに総裁は、経済の物価情勢に合わせて微調整も有り得るとおっしゃいましたが、微調整というのは具体的にどのような調整を想定しているのかというのが一点目です。』

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『もう一点は、2〜3 年、そうは言っても現在の金融緩和を続ける方針だという話だと思いますが、これは総裁の任期を考えたときに次期総裁のもとでの政策変更の話になると思うのですけれども、次の体制になっても利上げをせずに大規模緩和を維持して欲しいということでしょうか。』

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なんというイヤミ質問いいぞもっとやれ。

『(答) 私の任期は来年の 4 月までですので、その後のことについては、私が今考えているということではなくて、その後のことはその時の金融政策の決定に関与する総裁、副総裁、審議委員の方々の考え方によります。』

とか言ってる割には次の人が困るような施策バンバン後先考えないでぶっこんでいるんですけど分かってるのかね???

『2%の「物価安定の目標」を安定的・持続的に実現することについては、私の任期が始まる前の 2013 年 1 月に政策委員会で決定されたことであり、』

出たな責任転嫁。

『それを踏まえて、2013年 4 月以降、私が総裁のもとでの政策委員会で、現在の金融緩和政策を続けてきました。』

2年で達成するためにマネタリーベースを2倍にする、ってのはお前が決めたことだし、その後上手くいかないからってマイナス金利やるわYCCやるわとかやってるのお前だろ。

『2%の「物価安定の目標」は今や先進国の殆ど全てが採用している目標であるため、それを変えようとは思いませんし、』

完全に話をすり替えていますな。別に2%の物価目標をするなとは言ってないわけで、そのための手段として行っている馬鹿緩和が頭おかしいし、その結果為替市場の円安進行を煽って国民厚生の低下をもたらしてるんじゃないですか、って話でしょ。

『先ほど来申し上げている通り、2023 年度も、2024 年度も消費者物価の上昇率は 1%台半ばという見通しであり、当然に金融緩和が続くと私は考えています。ただし、私が任期後の金融政策を決める立場にはありません。』

あとは野となれ山となれですかそうですかそうですか。ところで微調整の話は???と思ったらこの有様である。

『微調整は微調整であり、その時にそういうことがあるかもしれない、ということだけであって、今からこのような調整とかあのような調整とかということは言えません。』

じゃあ何なんですか????

『それは、まさにその時の経済・物価情勢に応じて、』

応じてないじゃん。

『特に新型コロナ感染症による影響にもよりますので、今から何か具体的なことを申し上げることは致しません。』

じゃあ最初から微調整とか言うなよ、という所ですが、まあ何というか言ってる側から墓穴掘ってる説明にも程があって悲しいのですが、金曜の輪番サプライズ増額でトサカに来たのでネタとさせていただくの巻でございました。


何かもうネタが渋滞してて週末成敗しなきゃいけなかったのにショパンの事情で週末やってませんですた面目ない。