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2024/01/31

お題「オペ紙雑談/今さらですが展望レポート基本的見解の全体部分の前回比較を実施の巻」

はやいもんで明日から2月ですよ何ですかこのあっという間状態は。

なお、今朝見た段階ではまだ副総裁級の講演予定は公開されていませんですなあいいからはよ出せ何出し惜しみしてるんだよこのトンチキ。

〇オペ紙キタコレだが10年国入札と10年物国入札の間の日に長期輪番入れるのか・・・・・・・・・

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/mpr240130c.pdf
長期国債買入れ(利回り・価格入札方式)の四半期予定
(2024年1〜3月)[一部変更]

オファーのレンジ、金額ともに変化なしで、

0-1年:1500×1(同じ)
1-3年:3000-6500×4(同じ)
3-5年:3500-7500×4(同じ)
5-10年:4000-9000×4(同じ)
10-25年:1000-5000×3(同じ)
25-40年:500-3500×2(同じ)
物価連動:600×1(同じ)

基本的に輪番は買いすぎなのが問題なので、まあ本当は減らせやと思うのですけれども、マイナス金利解除とYCC枠組み見直し(今の日銀の説明だとどうみてもそういうメソッドにしか見えない)というのがかなり近いでしょうという流れになっているので、こういう所で「オペが口を利く」のはあまり好ましくない(オペ上げ下げすると政策に関する変な思惑で要らんボラを投下することになる)というのはまあそれはそれで分かるので、今回レンジ買えなかったのはまあシャーナイかなとは思います。大杉減らせやとは毎度思うけど。

もともともうちょっと金利下がっている時にホイホイと減らしておけばよかったのですけれども、そっちの方はしないくせにちょっと金利が上がるとすぐに輪番増額とか5年共担とか打ってしまってた昨年の所業とかああいうのが基本的によろしくなかった訳で、この人達基本的に輪番減らすという発想があるのか無いのかというのがまあ分からんかったd巣よね。寧ろこちらは黒田時代の途中でバンバン国債買入のペースを落としていた時の方がよーやっとるという世界でした。

でまあそれはそれで良いんですけど、今回って日程がもう思いっきりアレでして、2/2に長期輪番があるんですけどあーた1日に10年入札あって翌日に輪番で、翌営業日の5日には10年物連の入札もあるというゴールデン日程で輪番入れてますし、年限違いだけど7日の30年国債入札の翌営業日に10−25年含む中期長期の輪番実施するし、何かもう「1月の入札が揃いも揃ってコケたから配慮しました」と言わんばかりの日程になっているのはちょっとねえと思ってしまいました。

あのですね、そもそも入札が軒並みコケ傾向だったのって、輪番による金利押し下げ効果(フローかストックか、という話は結構微妙なのでパスしますが)によって市場の金利が日本経済物価のファンメタから勘案してクッソ低い水準に押し下げられてるから最終投資家の買いが中々来ない、って話なのですから、そういう市場を「正常化」方向にしたいんだったら輪番の関与を減らす方向にしないといけなくて、まあオペが口利かないという理屈で減額しないまでは分かるんですが、10年輪番を10年と物国の間の日に入れるなよそういう変なお助けするから市場がファンメタを反映した価格形成をしないでオペ前提の価格形成するんだぞという話だし、そういうのに慣れてPD勢も薬物中毒になっている向きもあるんじゃネーノとかいうのも勘案すると、せっかく薬物中毒の寛解に向けて進もうという中で、禁断症状出てきたからやっぱ薬物提供するわってなってるの甚だ遺憾に思えるんですよねえ(あくまでも個人の感想です)。

・・・・・・・つーことでですね、まあ一事が万事と申しますか、この辺りをみているとビビリンチョにも程がある状態なので、例の「不連続性を避けた政策運営」ということでマイナス金利解除しているにのに下手したら輪番増やして台無しにしかねない勢いを感じました。まあそうならないことをお祈りするお祈りゲーの世界ではあるのですけどね。

あと気になるのはGX国債の扱いで、これ全く買わないと今のヤクチュー市場だと捌けないとか何とか抜かす甘えが発生する訳するので、フツーに買うというのは表明されてますけど、だからと言って結果的にアホみたいに買入をしたらGX国債市場が育成されないで、投資家のポートに沈んでいるもの以外は全部日銀に持って行くだけの市場とかになって、流動性皆無マーケットになり兼ねないリスクも多分にありまして、流動性皆無マーケットになると流動性が無いから投資家の新規参入が進まず、投資家の新規参入が進まないからお助けオペ依存が高まる、というデフレスパイラルみたいなことになり兼ねませんので、まあこういうのは初手が大事なので運営についてはよくよく考えて頂きたいものだと思います。いきなりGX印をアホみたいに買入をしちゃってGX国債の市中流通量を吸い上げ捲って変な流動性プレミアム(または流動性ディスカウント)が発生しないようにお願いしたいものです。


・・・・・・あとついでにもうちょっと。

いやまあ2月は14日に10年GX国債というおかわり君が待っているので、月初の入札イベントに合わせて長期の輪番を、ってのもまあ分からんでもないし、今の長期国債買入ってYCCの一環で実施しているので、適切な緩和状況となるようなイールドカーブの形成を促す、という意味で国債入札のタイミングを勘案しながら前半に長期の買入が多くなる、とかいう運営をしているんですけど、この運営に関してもYCCの枠組み変更していく中で見直すべきだと思っていまして、国債買入の位置づけが「イールドカーブの誘導」から「出口に向けたスムージング」に代わるのであれば、国債買入に関して、あまり入札日程を意識するようなことはしないで、徐々に(時間をかけてゆっくりと、ですよ念のため申し添えますが)日銀が国債市場への関与を減らす、という観点からも、あんまりそういう配慮をしないようにして行った方が良い(そうしないと入札に併せて買入が入る、というのを前提に価格形成されるという悪癖が治らない)んじゃないのかな、ともう少し先の事を考えれば思うのでありました。

いやまあ今はまだ建付け上長期国債買入は「適切な緩和度合いとなるイールドカーブの形成を促す」ものだから良いんですけどね。


なおCP社債の買入予定は特に変更はなしです、相変わらずCPを3/29渡で買入というのをやってますわなあとは思いますが。
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/mpr240130a.pdf



〇ECBの方が大事説がありますがFOMC前に少し展望レポートの確認をしておきますね

さーせんさーせん先週末怠惰だったので。

https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2401a.pdf(1月展望)
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/k231219a.pdf(12月声明文)
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2310a.pdf(10月展望)

・現状認識部分は概ね12月声明文を踏襲(しているのに何であんなに確信ニキになるんすかねえ・・・・・)

『わが国の景気は、緩やかに回復している。』(1月展望)
『わが国の景気は、緩やかに回復している。』(12月声明文)
『わが国の景気は、緩やかに回復している。』(10月展望)

変わらんですな。

『海外経済は、回復ペースが鈍化している。そうした影響を受けつつも、輸出や鉱工業生産は、横ばい圏内の動きとなっている。企業収益や業況感は改善している。こうしたもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にある。』(1月展望)

『海外経済は、回復ペースが鈍化している。そうした影響を受けつつも、輸出や鉱工業生産は、供給制約の影響の緩和に支えられて、横ばい圏内の動きとなっている。企業収益や業況感は改善している。こうしたもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にある。』(12月声明文)

『海外経済は、回復ペースが鈍化している。そうした影響を受けつつも、輸出や鉱工業生産は、供給制約の影響の緩和に支えられて、横ばい圏内の動きとなっている。企業収益は全体として高水準で推移しており、業況感は緩やかに改善している。こうしたもとで、設備投資は緩やかに増加している。』(10月展望)

企業部門に関しては「供給制約」の文言が外れました。設備投資は12月に引き下げた判断を維持していますので10月対比では引き下げ。

『雇用・所得環境は緩やかに改善している。』(1月展望)
『雇用・所得環境は緩やかに改善している。』(12月声明文)
『雇用・所得環境は緩やかに改善している。』(10月展望)

これは同じ。

『個人消費は、物価上昇の影響を受けつつも、緩やかな増加を続けている。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。』(1月展望)

『個人消費は、物価上昇の影響を受けつつも、緩やかな増加を続けている。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。』(12月声明文)

『個人消費は、物価上昇の影響を受けつつも、緩やかなペースで着実に増加している。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は緩やかに増加している。』(10月展望)

12月に個人消費の判断文言を謎にいじっていて、公共投資の判断文言を下げたのですけれども、今回は12月を踏襲しています。

『わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(1月展望)
『わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(12月声明文)
『わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(10月展望)

そらそうだ。

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比をみると、政府の経済対策もあってエネルギー価格の寄与は大きめのマイナスとなっているものの、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰しつつも残るもとで、サービス価格の緩やかな上昇も受けて、足もとは2%台前半となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。』(1月展望)

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果などによって、ひと頃に比べればプラス幅を縮小しているものの、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から、足もとは3%程度となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。』(12月声明文)

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果などによって、ひと頃に比べればプラス幅を縮小しているものの、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から、足もとは 2%台後半となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。』(10月展望)

物価の現状の話って結局特殊要因の動向の説明になっとるなwwwwwww


・経済先行き部分の基本部分は10月のまま(ですが確信が上がったという建付けなんですね)

『2.わが国の経済・物価の中心的な見通し』の『(1)経済の中心的な見通し』です。

『先行きのわが国経済を展望すると、当面は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化に加え、緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果などにも支えられて、緩やかな回復を続けるとみられる。』(1月展望)

『先行きのわが国経済を展望すると、当面は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化などに支えられて、緩やかな回復を続けるとみられる。』(12月声明文)

『先行きのわが国経済を展望すると、当面は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化に加え、緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果などにも支えられて、緩やかな回復を続けるとみられる。』(10月展望)

声明文は尺の関係で長く書けないので10月展望と比較した方が良いのですが、10月と同じですわな。

『その後は、ペントアップ需要や経済対策の効果は和らいでいくものの、所得から支出への前向きの循環メカニズムが経済全体で徐々に強まっていくなかで、わが国経済は、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。』(1月展望)

『その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。』(12月声明文)

『その後は、ペントアップ需要や経済対策の効果は和らいでいくものの、所得から支出への前向きの循環メカニズムが経済全体で徐々に強まっていくなかで、わが国経済は、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。』(10月展望)

こちらも同じ。基本的な部分に変更はないのでした。


・見通しの上振れ下振れですがまあゆうて基本的部分同じですからねえ・・・・・・・・

『こうした見通しを前回の展望レポートにおける見通しと比較すると、2023年度は、設備投資の実績の下振れ等を反映する形で幾分下振れ、2024 年度は幾分上振れとなっている。』(1月展望)

『こうした見通しを前回の展望レポートにおける見通しと比較すると、2023年度は、輸入の減少等を受けた実績の上振れを反映する形で、上振れている。』(10月展望)

というのは最後に出している数字の説明なんですけど、これメカニズムが変わっていない(上の文言が全文一致)のに上振れ、下振れって説明するのも日本語ムツカシネの世界で、これ「出来上がりの数値は動いているけれども見通しは変化なし」って説明文にした方がより分かりやすい(ある意味わかりにくいとは言われそうですが、重要なのは見通しの背景にあるメカニズムなんですから・・・・)んじゃないかと思うのですが、何か書き方変更できませんかねえ。


・受給項目の部分も本来は読むべきなのですが時間の関係で飛ばして物価の基本部分まで今日はやります

さーせん『(2)物価の中心的な見通し』に飛びます。

『消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、来年度にかけて、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰するもとで、政府による経済対策の反動がみられることなどから、2%を上回る水準で推移するとみられる。』(1月展望)

『消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、来年度にかけて、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が残ることなどから、2%を上回る水準で推移するとみられる。』(12月声明文)

『消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、来年度にかけて、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が残るもとで、このところの原油価格上昇の影響等もあって、2%を上回る水準で推移するとみられる。』(10月展望)

まあ結局来年度にかけては2%超で推移。

『2025年度については、これらの影響の剥落から、前年比のプラス幅は縮小すると予想される。』(1月展望)
『その後は、これらの影響の剥落から、前年比のプラス幅は縮小すると予想される。』(12月声明文)
『2025 年度については、これらの影響の剥落から、前年比のプラス幅は縮小すると予想される。』(10月展望)

これも同じ。

『この間、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップがプラスに転じ、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まるもとで、見通し期間終盤にかけて「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくと考えられる。』(1月展望)

『この間、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップがプラスに転じ、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まるもとで、「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくと考えられる。』(12月声明文)

『この間、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップがプラスに転じ、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まるもとで、見通し期間終盤にかけて「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくと考えられる。』(10月展望)

これ12月の時に「見通し期間終盤にかけて」が無くなったという話が話題になったのですが、今回戻しやがりました。というかそもそも本来は展望と声明文では「見通し期間」が異なるので、展望で見通しをしている期間の終盤の話を声明文で行うのも微妙(と言ってこの文言抜くとそれはそれでややこしいことになるのはその通りなんだが)な訳でして、だったら展望回じゃない声明文は展望の中間点検という建付けにして同じような期間の見通しを定性的に(定量も含めて出すのは展望)行う、みたいにすればどうっすかねえと思いますが、まあそもそも3年の見通しなんぞあたりゃしないとか言い出すと話が台無しになるので割愛します。

でもって展望レポートでは当然物価の見通しのコンポーネントに関する話があるのですが、本日は時間の都合で割愛しまして(今週末こそは成敗しますすいませんすいません)、その結論部分(声明文には無い話ね)に行きますか。あ、その前に上振れ下振れね。


『こうした見通しを前回の展望レポートにおける見通しと比較すると、2024年度は、このところの原油価格下落の影響を主因に、下振れとなっている。』(1月展望)

『こうした見通しを前回の展望レポートにおける見通しと比較すると、2023年度は、政府によるガソリン・電気・ガス代の負担緩和策の延長が前年比を押し下げる一方、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁が想定を上回って進んでいることなどから、幾分上振れている。2024 年度は、このところの原油価格上昇の影響に加え、政府による負担緩和策の延長が 2023 年度の前年比を押し下げる反動が現れることなどから、大幅に上振れている。』(10月展望)

どんだけクドクド書いてるんだという話だが、1月になってやっと明かされる「10月の展望で出した24年度25年度のコアコア1.9%は実は物価目標達成と同義で問題なのは”確度”だけになっていた」という事実ェ・・・・・・・・・・・・

でもって最後がその「確度」の話です。

『これらの点検を踏まえると、消費者物価の基調的な上昇率は、「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくとみられる。先行きの不確実性はなお高いものの、企業の賃金・価格設定行動の変化や賃金交渉に向けた労使のスタンス等を踏まえると、こうした見通しが実現する確度は、引き続き、少しずつ高まっていると考えられる。』(1月展望)

『これらの点検を踏まえると、見通しを巡る不確実性がきわめて高い点には留意する必要はあるが、消費者物価の基調的な上昇率は、「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくと考えられる。』(10月展望)

まあ何だったのかという感じではありますな。ということでこの部分の続きは週末更新しますわ。









2024/01/30

お題「多角的レビューワークショップから雑感雑談/物価指標ネタ備忘メモ」

ほうほうそうですかそうですか
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240126/k10014334591000.html
変わるか価格転嫁の“決まり方”【経済コラム】
2024年1月27日 23時25分

まあどうなるんでしょうかねと思いますが何せ日銀の次のアクションの基準は「確度」という「お気持ち」になりますのでお気持ち表明がどう出るか次第。

https://www.boj.or.jp/about/press/index.htm
講演・記者会見・談話

『今後の講演・挨拶等の予定』を見るとどう見ても空欄です本当にありがとうございましたとなっているのだが、たぶん内田副総裁だとおもうのですが金懇なり講演なりの日程をはよう出さんかいワレと申し上げたいですな。


〇多角化レビューワークショップの議事要旨とかが出ていましたようで

https://www.boj.or.jp/mopo/outline/bpreview/bpr231206a.htm
「金融政策の多角的レビュー」に関するワークショップ
第1回「非伝統的金融政策の効果と副作用」
2023年12月6日
日本銀行

こちらなのですが、昨日日銀のようつべチャンネルの方に動画がアップされまして、そちらのリンクが貼られたんですけど、アップされたのは惜しくも日銀の発表部分でして、質疑応答はさておいても、指定討論者の発表部分は見たかったなあと思う所ではありますけれども、まあその辺は大人の事情もあるんでしょうかねえ、よー知らんけど。概ね各発表20分前後となっていますが、まだ碌に見れていませんです(ゆうてポンチ絵の方は既に出ているのでまあねとは思いますが)。


でもって昨日追加で出てたのがこちら
https://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2024/ron240129a.htm
金融政策の多角的レビュー」に関するワークショップ
第1回「非伝統的金融政策の効果と副作用」の模様
2024年1月29日
日本銀行

『要旨

2023年12月4日、「金融政策の多角的レビュー」に関する第1回ワークショップ「非伝統的金融政策の効果と副作用」が、日本銀行本店にて開催された。金融市場、金融システム、日本銀行のバランスシート、非伝統的金融政策の4つのテーマを中心に、過去25年間の金融政策がもたらした効果と副作用について、経済学者や金融・経済分野の専門家らを交えて、活発な議論が行われた。』

ほうほうそうですかそうですか。

『第1セッションでは、過去25年間の国内金融市場の概観や、金融政策が市場機能度に及ぼした影響が報告され、分析対象を拡充するなどして、より幅広い観点で検証していくことが可能か、といった点が議論となった。』

こちらなんですけどね、ポンチ絵ちゃんがこちらにあるんですけど(さっきの方のURL先にリンクがある奴ね)、

https://www.boj.or.jp/mopo/outline/bpreview/data/bpr231206a.pdf
過去25年間の本邦金融市場の振り返り
―― 金融政策が市場機能度に与えた影響を中心に ――
「金融政策の多角的レビュー」に関するワークショップ(第1回)
―― 第1セッション 金融市場 ――
2023年12月4日
日本銀行 金融市場局

この中の『2.短期金融市場における取引インセンティブと市場機能度の変化』ということで日銀当座預金の三層構造が取引インセンティブを高めた、って話で、まあ事実として三層構造による裁定取引によって取引は行われているんで、言ってることはそうなんですけど、これって「マイナスチャージによって取引を行うように強いている」という話でもありまして、まあゆうてみれば囚人部隊の後ろから督戦隊がオラオラオラと銃剣で脅し上げて突撃させているようなもんでもある訳ですな。

でもってこの当座預金の三層構造によるマイナスチャージの負担って一部の所に偏っているので、結局のところこれ一部の参加者に負担を思いっきりかけて市場機能とやらを維持する、というあまり宜しくない事を長年している、ということでもありますわな。

預金ファシリティや貸出ファシリティで市場金利の下限上限を規定する、というのもこれらのファシリティにアクセスできる参加者とアクセスできない参加者の間での裁定取引が発生するというのは勿論あるので、全部が全部イコールフィッティングである必要は勿論ないのですけれども(なおその点を緩和しようというのも含めてONRRPとかを作ったのがFEDですな、まあ米国の場合はONRRP作っておかないと短期金利のコントロールが出来ないというそもそも論の事情もあるんですけど・・・・・・)、マイナスチャージをして取引をするように仕向ける、というのは確かに市場は残りましたが、これは一部のプレーヤーに対して負担を強いることによって生じていることであり、この市場プレーヤーへの資金の出し手(仮に銀行なら預金者だし年金なら年金委託者だし)の負担の下に市場みたいなもんが成り立っている、というのはもう少し考えた方がいいんじゃないのかとまあマイナス金利自体がもうすぐ終わりそうだから今から改修する話ではないのですが、まあこの点はしつこく指摘しつづけていきたいと思うの。

まあ人間のやってることだから仕方ないちゃあ仕方ないのですが、人間普段見ている所の外側ってあんまり気が付かないもんでして(ワシも含めて、です自戒も籠めて)、日銀の場合だとどうしてもオペ先とか当座預金取引先とか、そっちの状況ばっかり気にしてしまう傾向があるように思えますけれども(個人の感想です)、短期金融市場にはより幅広いプレーヤーが関与しているというのを忘れてはいかんとおもうのですよね。

・・・・・・・さて話を戻してさっきの「議事要旨の要旨」に戻ります。


『第2セッションでは、低金利環境が金融機関のリスクテイク行動に及ぼした影響が報告され、資金需要の動向や資金配分の問題などが議論となった。』

ちょwwwwあっさり味wwwww

『第3セッションでは、中央銀行の財務を巡る議論が報告され、対外コミュニケーションのあり方などが議論となった。』

ちなみにこちらのポンチ絵ですけれども、

https://www.boj.or.jp/mopo/outline/bpreview/data/bpr231206c.pdf
中央銀行の財務と金融政策運営
「金融政策の多角的レビュー」に関するワークショップ(第1回)
―― 第3セッション 日本銀行のバランスシート ――
2023年12月4日
日本銀行 企画局

紙芝居の16枚目(PDFの16枚目な)に『(参考)日銀財務のシミュレーション』というのがあるんですが、ここで日銀ちゃんは人様のシミュレーションをリファーして紹介、ということで日銀としての数字を出すと(まあそもそも論としてこの紙芝居の建付けは表紙にありますように「ここで示された見解は、必ずしも日本銀行の公式見解を示すものではありません。」なので出さない、というのもあるんですけど)ややこしいことになるのを回避しているのはちょっとチャーミングですな。

『第4セッションでは、非伝統的金融政策が経済・物価等に及ぼした影響が報告され、インフレ予想の形成メカニズムや賃金・物価の相互連関など、今回の分析で考慮していない要素を含め議論が展開された。』

ほうほう。

『第5セッションのパネルディスカッションでは、金融政策の効果・副作用の分析手法や物価の変動メカニズムなどについて議論があった。議論のなかで、複数の個別政策が併存する非伝統的金融政策の効果・副作用を包括的に評価するのは難しく、今回のように、様々なバックグランドを持つ有識者を集めて多様な論点を議論することが重要との認識が示された。また、金融政策の効果を検証する際には、インフレ予想の形成メカニズムに加えて、企業行動の特徴や、それがわが国の経済動向や賃金・物価形成に与えた影響について、分析を深めていく必要があるとの見解が示された。』

でまあ議事要旨の本チャンはこちら。
https://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2024/data/ron240129a.pdf
「金融政策の多角的レビュー」に関するワークショップ
第1回「非伝統的金融政策の効果と副作用」の模様

こちらには指定討論者の発表と質疑応答が特に質疑応答に関してはあっさり味感が強いですが、まあ記載されています。

その中から少々。『3.第1セッション:金融市場「過去 25 年間の本邦金融市場の振り返り」』も指定討論の部分ですけどね。

本文6ページ、PDF7枚目の真ん中あたりから、

『指定討論者の加藤は、まず、今回のワークショップが市場参加者から非常に注目されていると述べたうえで、本報告のパネルデータ分析は自然体で真摯なものであり、分析結果も市場参加者の実感に合ったものになっていると評価した。』

ってのがありましてですね、まあ加藤さんはあの加藤さんな訳ですが、途中の指摘部分も大変に結構でございますが、締めの部分が大変によろしゅうございましてですね、

『最後に、米国連邦準備制度理事会(FRB)において YCC の導入が検討されたものの最終的には見送られた経緯を振り返りつつ、YCC には、@無理な長期金利ターゲットを設定することが経済を歪めてしまう懸念、A長期金利ターゲットの維持を優先することで中央銀行のバランスシートの規模や構成が制御できなくなる懸念、B出口局面で政府の国債管理政策と対立が生じ中央銀行の独立性が損なわれる懸念が指摘されていると述べた。そのうえで、こうした海外中央銀行における議論も、日本銀行の金融政策を評価するうえで参考になると指摘した。』

イイシテキダナー。

なお、クソどうでもよいのですが『7.第5セッション:パネルディスカッション』の『7−2.ディスカッション』の所にある『(金融政策の効果・副作用の分析手法)』という部分、冒頭に登場する渡辺さんはもちろんあの渡辺さんなのですが、結構凄いことをぶっこんでいまして、本文26ページ、PDF27枚目になるんですけどね。

『渡辺は、日銀が過去に犯した政策の失敗を振り返ると、何かをやってそれが失敗したというよりも、やるべきことをやらなかったという、不作為の過失の方が問題だったのではないかと指摘した。そのうえで、過去の金融政策運営を評価するためには、実際に講じてきた金融政策の効果・副作用の検証だけでなく、「やらなかったこと」が経済・物価に及ぼしたであろう影響――例えば、仮にインフレ目標がもっと早期に導入されていればその後の困難がどれほど緩和されていたか――を検証することが有用であるとの見解を示した。』

ちょwwwwwwおまwwwwwwww白川さん福井さん全否定キタコレwwwwwwwwwwwww

いやほんと、この人商売は上手いのかもしれんけどさあ・・・・・・・・・(呆)

とまあそんな感じで途中も微妙に面白そうな話もありますが、まあ見てお分かりかと思いますが、正直言ってこれ出たからと言って今の政策になんか影響するかって言われたらまあ影響しませんよねと思いますし、もっとそもそも論を言えば最初にご紹介したURL

https://www.boj.or.jp/mopo/outline/bpreview/bpr231206a.htm
「金融政策の多角的レビュー」に関するワークショップ
第1回「非伝統的金融政策の効果と副作用」

の一番下にある照会先が「企画局」になっている訳でして、自分らのやったことのレビューで、しかも直近の黒田の政策がどう見ても効果対比無茶苦茶ぶっこみ過ぎたとか言う訳がないし、挙句に東京大学の大先生まで尻馬に乗って上記のように白川福井は全否定とかお前どんだけ商売人やねんという話をおっぱじめるという時点でまあお察しのものではあるのですが、資料自体は読み物としては面白い部分もあろうかと思いますので(データとかはさすがにちゃんとしてるし)御用とお急ぎでない方はご覧になるのも吉かと存じますです、はい。



〇ところでうっかりしていましたが物価関連

・基調的な物価

https://www.boj.or.jp/research/research_data/cpi/index.htm
基調的なインフレ率を捕捉するための指標

金融政策決定会合の日にぶっこまれてしまいましたので見てる場合じゃなかった(訳でもないですが)ということで今更ジロー。

いつものように左から順に刈込平均値、加重中央値、最頻値です

Jan-22 0.8 0.2 0.3
Feb-22 1.0 0.1 0.3
Mar-22 1.1 0.2 0.3
Apr-22 1.4 0.3 0.4
May-22 1.5 0.4 0.5
Jun-22 1.6 0.5 0.5
Jul-22 1.8 0.3 0.7
Aug-22 1.9 0.5 0.8
Sep-22 2.0 0.5 0.9
Oct-22 2.7 1.1 1.3
Nov-22 2.9 1.2 1.5
Dec-22 3.1 1.4 1.6
Jan-23 3.1 1.1 1.6
Feb-23 2.7 0.8 2.1
Mar-23 2.9 1.0 2.7
Apr-23 3.0 1.2 2.8
May-23 3.1 1.4 2.9
Jun-23 3.0 1.4 2.9
Jul-23 3.3 1.6 3.0
Aug-23 3.3 1.8 3.0
Sep-23 3.4 2.0 2.8
Oct-23 3.0 2.2 2.6
Nov-23 2.7 1.7 2.4
Dec-23 2.6 1.6 2.4

・・・・・・まあ11月よりも下がっているちゃあ下がっているのですが、最頻値相変わらず2%超えでして、何気に刈込平均と最頻値ってここもとずーっと数字が似たようになってきている(昨年3月くらいからですけど)訳ですよ。ちょっと前の数字見ればわかりますが、以前は刈込平均が上昇しても最頻値とかが碌すっぽ上がらんというのが長かったわけですからして、これまあ普通に昨年の春位からはノルムが変わっている、っていう話なんじゃなかろうかと思うと、おいこらハトハトジジイなんぼマイナス金利YCCを引っ張っておるんじゃという話で、先日やっとやる気を出したのはまあ出さないよりはましとしても、半年遅いわという話でもあるわなと思ったりします(個人の感想です)。

同じ期間で上昇品目比率、下落品目比率、上昇品目比率−下落品目比率を見ますと、

Jan-22 61.5 31.0 30.5
Feb-22 64.0 28.9 35.1
Mar-22 63.2 29.7 33.5
Apr-22 68.8 24.9 43.9
May-22 69.2 24.5 44.6
Jun-22 71.3 22.2 49.0
Jul-22 73.2 20.7 52.5
Aug-22 72.6 21.5 51.1
Sep-22 74.9 18.6 56.3
Oct-22 78.9 14.6 64.4
Nov-22 79.9 13.6 66.3
Dec-22 81.2 11.7 69.5
Jan-23 80.3 12.6 67.6
Feb-23 81.0 11.7 69.3
Mar-23 82.6 10.0 72.6
Apr-23 84.3 9.2 75.1
May-23 84.9 8.8 76.1
Jun-23 85.1 9.2 75.9
Jul-23 85.6 8.4 77.2
Aug-23 86.0 8.2 77.8
Sep-23 87.0 7.3 79.7
Oct-23 84.7 9.6 75.1
Nov-23 83.0 11.3 71.6
Dec-23 82.0 12.1 69.9

まあこっちはもうずーっと差し引き7割くらいの品目が上昇している訳でして、こっちであれば植田さんの前の時点でもう結構なトレンドになっているじゃんって話ですな・・・・・・


・東京都区部は何か攪乱要因大杉で良く分からんのだが

https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-t.html
020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2024年(令和6年)1月分(中旬速報値)
2024年1月26日公表

先週金曜日、この数字が市場予想より弱かったということで横綱がドスコイドスコイと横綱相撲をして37銭高とかで引けやがった訳ですが。

https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf
2020年基準 消 費 者 物 価 指 数
東京都区部 2024年(令和6年)1月分(中旬速報値)

『(1) 総合指数は2020年を100として106.3
前年同月比は1.6%の上昇 前月比(季節調整値)は0.1%の下落

(2) 生鮮食品を除く総合指数は105.8
前年同月比は1.6%の上昇 前月比(季節調整値)は0.1%の下落

(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は105.5
前年同月比は3.1%の上昇 前月比(季節調整値)は0.1%の下落』

原数値だとコアで0.3ポイントさがっているのですが季節調整だと0.1%の下げなんですよね。

・・・・・・とまあそういうことで前月比下がっているのでほほーとは思ったのですが、今回のは何か色々な特殊要因(宿泊代とか)やら一発物の要因(固定電話料金の引き下げって確か全国一律料金になったせいですかしら、知らんけど)とかあって何かよーわからん次第でごじゃりますが、決定会合直後のためイマイチこれ細かく見ている余裕がないというかそもそもワシが細かく見るのではなくて人様の分析を集めて色々と勉強するという受け売り攻撃なのですが、その辺はまあアタクシ素人にも程があるので教えてエロイ人!!!!!



ということで今朝はなんか知らんが時間が無くなってしまったので(おい)ECBの話を完全にスルーしっぱなしだわ展望レポート基本的見解の逐語比較はすっ飛ばしたままだわと甚だ申し訳ないのですが、何故かそんな中で雑談になってしまいました(お前はいつも雑談しかしてないだろうと言われるとぐうの音も出ませんがorzorz)。




2024/01/29

お題「決定会合レビューではないが12月議事要旨が色々と訳分らん件について」

例によって記事の中身を見てないのですがw
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB082MH0Y3A201C2000000/
賃上げはコストか人的資本投資か 実は厳しい「好循環」
金融PLUS 金融グループ次長 亀井勝司
金融PLUS
2024年1月29日 5:00 [会員限定記事]

そもそも論として(再三再四悪態ついてるけど)米国だって「上がり過ぎたインフレが鎮静化する中で」実質賃金がやっとプラスになった(でも時間当たりの実質賃金はインフレ加速前の水準を回復できていない)のですから、好循環とかいうのが変な幻想を振りまくマネタリーベース直線一気理論みたいなもんで、「好循環」という言葉から容易に想像される未来は無いのに、日銀の「好循環」に悪ノリして「物価上昇を上回る賃金上昇」とか言い出した官邸が更に幻想を煽る、という非常によろしくない展開になっているんですよね。

という話はさておき、総裁定例会見は昨日の夜にこっそりアップしましたので、今朝は12月会合議事要旨ネタである。


〇12月会合議事要旨:地均し第2弾なのは分かるが12月会合時の情報発信との整合性が取れない

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2023/g231219.pdf
政策委員会金融政策決定会合議事要旨
(2023年12月18、19日開催分)


・うわこのメニューコストの話議事要旨に掲載しちゃったのかよ・・・・・・・・・・・

政策云々の前にここの記述についてなんですけどね。

『U.金融政策の多角的レビューに関する執行部からの報告および委員会の検討の概要』

というのがありまして、いやまあ確かに12月の頭にワークショップ第1回がありましたんで、その報告をしたって事なんでしょうけれど、そもそもこの多角的レビューって「現在の政策判断と関係ない」って建付けでやっているんだったら、何も金融政策決定会合の報告事項にしなくったって、通常の政策委員会で話をすればいいじゃねえのと思いますし、このように「政策委員会・金融政策決定会合で検討をした」ってことにすると、やっぱり金融政策にリンクしてるんじゃねえの疑惑が出て来るので、こういう出し方をする必要があったのかが物凄く謎(まあMPMで報告して討議しちまった時点でこうやって出すしかないけど)。

という事で、『1.執行部からの報告』ってのが最初にあるんですが、

『金融政策の「多角的レビュー」の一環として、調査統計局では、過去 25 年の経済・物価情勢を振り返る調査プロジェクトを実施している。

本調査プロジェクトでは、これまでのところ、@過去の議論や先行研究を整理するとともに、A 1990 年代後半以降のわが国の経済・物価について、グローバル化の影響、生産性の低迷、交易条件の悪化、人々や社会の物価観(ノルム)といった様々な観点から分析を実施している。以下では、進行中の本調査プロジェクトにおける、現時点での分析結果の概要を報告する。』

なのはいいんですけど、物価の所には例の年末の経団連講演で植田総裁が説明していた「標準的なマクロ経済学の考え方から見たら奇論珍論の類になるのできちんと検証をしないといけない」上に「実際に起きていたことを本当に踏まえているのか怪しい」という「メニューコスト」の話が思いっきり最初に書かれているんですよ。

『・ 物価・賃金について、@物価・賃金が上がりにくいとの見方は、企業の価格改定コスト(メニューコスト)が高まるもとで次第に社会に定着し、低インフレ環境の長期化により強まったと考えられる。』


まあ年末にも本件ではネチネチとネタにしましたが、せっかくなので再掲させて頂きますけど、ということでこちらは昨年の12月26日に25日に植田総裁が行った経団連講演に対して突っ込んだアタクシの駄文の焼き直しです。

(ここから昨年12月26日に書いたアタクシの駄文より)

https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/wps_2008/data/wp08j02.pdf
日本銀行ワーキングペーパーシリーズ
物価変動のコスト
――概念整理と計測――
宮尾 龍蔵 中村 康治 代田 豊一郎

「メニュー」でテキスト検索すると引っ掛かって来ますけど、本文8ページ(PDF9枚目)のケツのところからメニュー・コストの説明がありましてですね、

『2.3 メニュー・コスト

メニュー・コストとは、価格変更の際に必要となる費用のことである。これは、実際に値札や価格表の改定に必要な物理的な費用のほかに、価格変更のための交渉費用など間接的な費用も含む比喩的な概念である。もし、持続的なインフレ(あるいはデフレ)が発生した場合、民間経済主体は、インフレ(あるいはデフレ)が進行するにつれて、価格改定を行う必要に迫られる。このため、民間経済主体は、メニュー・コストを払いつづけることになる。こうしたコストは、仮に持続的な価格変動が無ければ払う必要のない費用であるので、持続的なインフレ(あるいはデフレ)の社会的コストとして考えることが出来る。』

でまあ以下続くのですが、

『こうした観点からすれば、最適な状態はインフレ率がゼロのケースである。

では、そうしたメニュー・コストは、実際にはどの程度の大きさであろうか。Levy et al. [1997] は、米国スーパーマーケットチェーンのミクロデータを用いて計測を行っている。彼らによれば、メニュー・コストは、総売上の 0.7%、1回の価格変更について 52 セントのコストがかかるとの結果を得ている。また、単なる値札の付け替えコストだけではなく、価格変更に関連する意思決定に関連する間接費用まで含めてメニュー・コストを計測したものに Zbaracki et al.[2004]がある。彼らの研究によれば、価格書換えのためのコストに間接費用も加えたコストは総売上の 1.22%に相当し、Levy et al. [1997]よりもはるかに大きいコストが存在することが示されている。』

『先述の通り、こうしたコストは、物価変動が無ければ支払う必要が無いコストである。したがって、この観点からは、インフレ率ゼロが最適な状態と言える。ただし、マクロ全体でのインフレ率がゼロであったとしても、個別品目については、個別の需要ショック、価格ショックが常に発生しているため、価格変更を行う必要があり、メニュー・コストを支払う機会は発生しうる。実際、ゼロ・インフレ期においても、個別品目の価格改定は頻繁に行われていることが確認されている(才田・肥後[2007])。』

『こうした点を考慮すると、「ゼロ・インフレであれば、メニュー・コスト分だけコストが削減できる」と考えるのは単純すぎることになる。厳密には、価格変更の原因が何であるかによって、メニュー・コストを物価変動のコストと考えるかどうかが決まるということになる。』

『例えば、個別企業に加わるショックが供給ショック(実質限界費用の変化など)である場合には、メニュー・コストを支払って発生する相対価格変動はむしろ望ましいことになる。このように厳密には、ミクロ的な価格変更の原因が何であるかによって、コストに対する評価も変わりえる23。』(以上の部分直上URL先の2008年日銀WP(宮尾、中村、代田)より引用)

・・・・・とまあこういう説明をしている訳でして、植田総裁のこの講演においては上記のような先行研究も何もすっ飛ばして「物価が安定しているとメニューを書き換えるのが大変でメニューコストが高い」という話をしておりまして、何かちゃんとしたマクロ経済学の考え方からしたら結構な珍説の類になるんじゃないかと思うんですよね、まあアタクシもこういうのパッとわからないから詳しい人になんか違和感あるんだがと聞いている程度の無学人間(このペーパーは日銀のWP漁れば何か出て来るだろ理論で探して来ました)なのですが。

(ここまで2023年12月26日に経団連講演を受けて書いたアタクシのツッコミ悪態)

でですね、そもそも論としてこのメニューコストってのは、インフレが良くないと言われる場合の理由の一つとして、「価格を頻繁に変えるメニューコストがデッドウエイトロスとなる」という話が標準的なお話な訳でして、一方で議事要旨(および植田さんの経団連講演)って「物価が安定しているとメニューを書き換えるのが大変なのでメニューコストが高い」という結構な珍説を唱えている訳でして、それはちょっとちゃんと検証をしないといかん話だし、議事要旨(と植田さんの経団連講演)で示されているメニューコストが云々の話って「一般物価が安定すると個別価格を書き換えるのが大変なので、一般物価を安定させない方が良い」と言っているようにも見えるので結構無茶な話をしているんですよね。

それにそもそも論として所謂デフレ期においても、
https://www.boj.or.jp/research/research_data/cpi/index.htm
基調的なインフレ率を捕捉するための指標

の2000年(からじゃないとデータが無いんだが)以降の「上昇品目比率」「下落品目比率」を見て頂きますと分かりますように、いわゆるデフレ期(ただのゼロインフレだとは思うけどそれはさておきまして)においても価格の上昇品目は常に2割から3割ありまして、おまけに価格の下落品目も含めれば常時8割以上の品目で価格の上昇か下落が発生している訳でして、そもそも論としてこの「メニューコストが上昇したために価格が変動しなくなった」というメニューコストの上昇というのが本当にそうだったのか、ということすらもうちょっと慎重に検証をした方がいいんじゃないでしょうか、とまあそういう話になる訳ですな。

・・・・・・はい、まあ単にアタクシが粘着質でしつこいから、ということではあるんですけど、経団連の講演はまあどうせ屁理屈が得意な(ピー音)な方々の作文かと思っていたのですが、いやちょっと待て調査統計局がこんな結論だしている(最初の所に「調査統計局は」ってありましたよね)のかよお前ら日本最高の経済学徒の集まりじゃなかったのかよと頭がクラクラ来たので思わず書いてしまうのでありました。


・物価の先行きに関して何かこんなに議論していたんですかそうですか

ということで前座の積りが長くなってしまいましたが、次は『V.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要 』に進みますが、物価の先行きに関しての話、無茶苦茶長い議論になっているんですよね。

『物価の先行きについて、委員は、来年度にかけて、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が残ることなどから、2%を上回る水準で推移するとみられる、その後は、これらの影響の剥落から、前年比のプラス幅は縮小する、との見方で一致した。また、委員は、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップがプラスに転じ、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まるもとで、「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくとの見方を共有した。』

はさて置いて、

『この点に関連し、多くの委員は、こうした見通しが実現する確度は、少しずつ高まってきているとの認識を示した。何人かの委員は、賃金の上昇を起点として、賃金と物価の好循環が進展していくシナリオが期待できると指摘した。このうちの一人の委員は、賃金上昇や政府の対策の効果が顕在化するまで、経済、特に個人消費が堅調に推移するか注視していく必要があると述べた。別の委員は、基調的な物価上昇率や予想物価上昇率が高まっていくか見極めるうえで、本年度下期は重要な局面となると指摘した。』

なんですかこの前向きな話は。

『委員は、賃金と物価の好循環の強まりの見極めという観点から、賃金動向について議論した。』

からの部分も、

『何人かの委員は、2024 年の春季労使交渉でしっかりとした賃上げが実現する可能性は高まっているとの見解を示した。このうちの一人の委員は、企業業績、労働需給、物価の実績といった賃金形成に影響を及ぼす諸要因は昨年の同時点より改善し、現時点の賃上げのモメンタムは昨年を上回っており、中小企業を含めて強い期待が持てると指摘した。別の一人の委員は、既往の輸入物価上昇が賃金設定行動に影響を及ぼしているほか、世の中の期待の高まりもあって、多くの企業が賃上げを行う方向に動いており、2024 年の賃金上昇率は 2023 年を上回る可能性が高いと述べた。』

『一方、何人かの委員は、特に地方の中小企業については、収益基盤の弱さなどから、しっかりとした賃上げが実現するか、不確実性が高いとの見方を示した。このうちの複数の委員は、収益や業況感が大幅に改善している業種でも、ベアの引き上げを避ける先がみられるなど、幅広い先で賃上げが実現するか、楽観はできないと述べた。』

『これに対して、ある委員は、コロナ前の局面では、人手不足に対して、不採算サービスの削減や女性・高齢者の労働参加等によって企業は対応したが、最近では、こうした対応余地も縮小しており、企業は人手確保のため賃上げを行わざるを得ない環境にあると指摘した。この委員を含む複数の委員は、価格転嫁の進展もあって、企業収益が改善し労働分配率が低下していることも、賃上げを後押しすると付け加えた。』

ってこれ慎重な意見を前向きな話でサンドイッチする、ということで前向きトーンが強くなるような編集になっていますよね。

さらに、

『委員は、賃金上昇の物価への波及についても議論した。』

こんな話までおっぱじまっていまして、

『複数の委員は、企業の価格設定行動が変化するもと、人件費を価格に転嫁する動きが広がっており、粘着的なサービス価格も、高い伸びが続いているとの見解を示した。また、これらの委員は、価格交渉に関する政府による指針の策定といったサポートも、企業の価格設定に影響を及ぼしていると付け加えた。』

『これに対して、何人かの委員は、賃金上昇のサービス価格への転嫁については、企業からは引き続き難しいという声が多く聞かれると指摘した。このうちの一人の委員は、統計上も、上昇が目立つのは宿泊費が中心であり、消費者物価全体へのサービスの寄与は1%程度にとどまると付け加えた。別の一人の委員は、価格設定を巡る既存の制度や慣行によって価格の引き上げが難しくなっている事例もみられており、そのことが賃金と物価の好循環を妨げることがないか注意が必要であると述べた。これらの点に関連し、ある委員は、コスト上昇を生産性向上で吸収することが製造業対比で難しいサービス業において、人件費の価格転嫁が進んでいくかに注目していく必要があると指摘した。』

こっちは割と慎重。

『この間、一人の委員は、人件費上昇は量産効果などの企業努力で吸収すべきとの高度成長期の考えが根強く、賃上げの価格転嫁には顧客満足度向上が必要なため、能力開発や人材・研究開発投資が重要との見解を示した。』

ちょwwwそれは先の長すぎる話wwwこれは中村審議委員と見た。

・・・・・・・いやまあそれはさておきまして、これ物価に関する話って「賃金から物価」の部分にはやや慎重な見方が多いように見える書き方をしていますが、その前の部分って普通に強気ですよねって話な訳ですよナンデスカコレハ。


・挙句に政策の部分でいきなりマイナス金利やYCCの解除に関する話をおっぱじめているんですが

『W.金融政策運営に関する委員会の検討の概要 』を見て皆さん「話が違うじゃねえか」と思ったのではないかと存じます。まあアタクシもそうですけどね。

最初の所は、

『先行きの金融政策運営の基本的な考え方について、委員は、現時点では、賃金の上昇を伴う形での「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現を十分な確度をもって見通せる状況には、なお至っておらず、イールドカーブ・コントロールのもとで、粘り強く金融緩和を継続することで、経済活動を支え、賃金が上昇しやすい環境を整えていく必要があるとの見解で一致した。』

ってのは10月議事要旨と同じなんですよね。

『何人かの委員は、現時点では、「物価安定の目標」の実現の観点から、需要や賃金の動向を見極めることが肝要であるとの見解を示した。一人の委員は、人手不足を背景とする経済・賃金構造の変化を後押しするため、現在の金融緩和を継続するべきであると述べた。』

というのがありますが、ちなみに10月議事要旨ではこの部分で色々な委員から「〜なのでYCCの枠組みを維持すべき」って意見が連発していた訳ですが、12月議事要旨はそのYCCの枠組みを維持すべき云々の記載が飛んでしまっていきなりこれであります。

『多くの委員は、マイナス金利やイールドカーブ・コントロールの枠組みの解除を検討するためには、賃金と物価の好循環を確認し、「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現が見通せるようになる必要があると改めて指摘した。』

おいこらてめえら急に何言いだしてるんだよ(除く氷見野さん田村さんに向けて申し上げておりますわ)。

『何人かの委員は、その見極めは、労使交渉での賃上げ率や各種指標といった特定の数値で行うものではなく、総合的な判断が必要になるとの見解を示した。また、見極めていく時期について、委員は、今後の各会合で、その時々に得られる様々なデータや情報に基づいて、判断していくことになるとの認識で一致した。』

なにこの前のめり。

『この点に関し、何人かの委員は、現時点では、急いで利上げをしないとビハインド・ザ・カーブに陥ってしまうという状況にはないと考えられるとしたうえで、来春の労使交渉の動向をみてから判断しても遅くはないと述べた。』

むしろそれを見てもまだ慎重に見極める位の言い方だった12月総裁記者会見はナンダッタノカ。

『このうちの一人の委員は、これまで賃金上昇率が物価上昇率に追いついてこなかったことを考えると、2024 年の賃上げが予想よりかなり上振れたとしても、そのことで、賃金と物価の循環が強まりすぎ、基調的な物価上昇率が2%を大きく上回ってしまうリスクは小さいとの見解を示した。別の一人の委員は、2021 年時点の米国とは異なり、現在のわが国では物価への強い上昇圧力は落ち着きつつあり、じっくりと賃金・物価動向を見極めることが重要であると付け加えた。また、もう一人の委員は、前回会合でのイールドカーブ・コントロールの運用柔軟化により副作用が生じにくくなっていることも踏まえると、賃金と物価の好循環の強まりの見極めは、十分な余裕をもって行うことができるとの見方を示した。』

本当にそれで大丈夫なのかどうか、確かに元々のトレンドインフレが違うからスパイラルになる可能性は低いのかもしれないけど、そもそもトレンドインフレが低かったということは家計などの物価上昇に対する耐性も弱いって事も意味してる筈なので、そんなにのうのうと見極めている余裕が本当にあるのか、とは思いますがまあこういう見のようです。

『これに対して、別の何人かの委員は、出口を見据え、イールドカーブ・コントロールやマイナス金利政策について、その副作用や市場への影響も踏まえつつ、その在り方を検討していく必要があると指摘した。』

田村さんと氷見野さんですね分かります。でも「何人か」だったらもう一人くらい居ても良さそうな希ガス。

『このうちの一人の委員は、「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現の確度は更に高まってきており、金融正常化のタイミングは近づいていると指摘したうえで、慎重に確認を重ねた結果、物価高が消費の基調を壊し、目標の実現を損なうリスクを避けるためにも、タイミングを逃さず政策の修正を図るべきであると述べた。この委員は、物価が過度に上振れて、急激な金融引き締めが必要となるリスクは小さいが、そのリスクが顕在化した場合のコストは甚大であることも認識しておく必要があると付け加えた。』

いや仰る通りで、それこそ金融政策運営第二の柱の点検な訳ですよこれこそが。起きる可能性は低くても起きた場合に一撃必殺のものについてはヘラヘラと大丈夫大丈夫とか言っている問題ではない訳で、まさに「全電源喪失はあり得ないので大丈夫」みたいなもんですよ、と思うのです。


・挙句に解除に関しての具体的なシーケンスの話までしているんですけど

さらに続くのですが、

『委員は、マイナス金利やイールドカーブ・コントロールの枠組みの解除を検討する際、どのような手段をどのような順序で用いるのが適当かについては、その時点での経済・物価・金融情勢を踏まえて判断していく必要があるとの認識を共有した。』

ちょwwwwwwおまえらwwwwwwwwww

『そのうえで、複数の委員は、「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現を見通せる状況に至ったあとも、長期金利の不安定化を避けるための緩やかな枠組みは残しておくことも考え得ると指摘した。一人の委員は、マイナス金利の解除は、プラス圏での短期金利の引き上げとは異なる面があると指摘したうえで、必ずしも 2016 年のマイナス金利導入時の逆の変化が起きるわけではないことも念頭に置きつつ、生じ得る影響を分析しておく必要があるとの見解を示した。この間、ある委員は、日本銀行は、多額の国債を保有し、市場の金利リスク量の多くを抱えるだけに、出口での政策運営能力への信認維持という観点からも、中央銀行のバランスシートや収益変化のメカニズムについて情報発信することが重要であると述べた。』

でまあさらに、

『委員は、やや長い目でみた政策運営についても議論を行った。』

お前らなんか変なもんでも食ったのか???

『複数の委員は、マイナス金利やイールドカーブ・コントロールの枠組みを解除したあとも、当面は大幅な金融緩和を継続していく可能性が高いとの見解を示した。このうちの一人の委員は、緩和度合いを幾分調整しつつ、緩和的な金融環境を持続していくことが重要であると指摘した。この点に関連し、一人の委員は、「『物価安定の目標』の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、『長短金利操作付き量的・質的金融緩和』を継続する」という現在の政策運営方針は、一定の政策の修正を行っても目標の実現が見通せる場合には修正を許容するものであり、政策変更後に急速な金利引き上げ等を実施せねばならなくなるまで現在の政策を継続することを意味するわけではないと述べた。』

まあこの辺にある話が、1月会合後の会見で植田さんが口走った「不連続性」のことなんでしょうな。


『これらの討議を踏まえ、委員は、今後の賃金・物価動向との関連を意識しながら、出口のタイミングやその後の適切な利上げのペース等について、引き続き議論を深めていくことが重要であるとの認識を共有した。 』

という結論なのだが何だよこの出口議論開始宣言はwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


・でまあこれはこれで話は分かったんだがじゃあ12月会合直後のアレは何だったんだよ

ご案内の通りのハトハトジジイ会見に賃金ターゲット宣言かよという経団連での講演を行いましたし、そもそも論として「主な意見」だって・・・・・・・・

(昨年12月28日のアタクシの駄文より)

〇主な意見:あのハトハト講演で勝負あったと思ったが結局延長戦でも大敗北と

・市場の反応見ると1月解除示唆を期待してたのか

昨日の横綱相撲
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/popchart&QCODE=601.555
長期国債先物(夜間除く) 24年3月限

取引日 2023/12/27
立会区分 日中取引
始値 146.43(12/27)(08:45)
高値 146.84(12/27)(14:55)
安値 146.42(12/27)(08:45)
現在値 146.83(12/27)(15:02)
前日比 +0.35
取引高 13,126

今週は月曜から売買高が1万枚割れでこのまま金曜までどうするんだよとおもっておりましたが、昨日は主な意見が出てから怒涛のがぶり寄りが出て電車道で146.45レベルから146.65レベルへと20銭くらいの寄り切りプレイが行われまして、まあその後は高値圏で推移っていう奴でしたけど、なんだかんだ言って月曜火曜よりは取引があり(後場になってから生体反応が弱くなっていましたが)まして終わってみれば1万3千枚とか今週の売買にしては活況(普段なら閑散ですがw)になったのでありました。

ということでその原因は主な意見だったのですが、主な意見で早期マイナス解除示唆がクルーという話に期待する向き多かったのかとも思うけど、1月でも4月でもそれ長期金利にそこまで影響する話なんけ???というのがアレ。

(ここまで昨年12月28日のアタクシの駄文より引用)

ということでですね、12月27日に出た「主な意見」を受けて債券先物って怒涛のがぶり寄りで一気に電車道の買い買い相場、という市況だったんですよね。主な意見の方でそういう風に読める内容(28日のアタクシの駄文でもそんなの書いています)マイナス金利解除を早期に期待する向きを全員なぎ倒すような印象の強い仕上がりになっていまして、いやお前らどういう事なんだよ、というお話。


まあ植田さんの「チャレンジング」発言を火消ししたかったのはわかるんですが、火消ししまくって消火剤を撒きまくっておいていきなりまた火付けするとか、お前ら放火と鎮火を楽しんでるのかと悪態をつきたくなるコミュニケーションな訳で、今後も植田日銀のコミュニケーションは半信半疑で構えておかないと梯子外されてひどい目にあいそうな悪寒しかしませんわ、マッタクモウ。

何か引用ペタペタ大会で無駄に長くなっていましてすいませんすいません。



2024/01/28

お題「植田総裁記者会見:まあ基本的に前のめりなのは結構なんですけどねえ・・・・・・・」

いやー土曜日に更新するとか大口叩いてたのですがショパンの事情(ただの怠惰)で結局日曜夕方の投下なのでまあ月曜の朝と変わらんな、ということですが休日に書いているだけに増量企画なので勘弁してちょんまげ。

ということでまずは総裁会見ネタの続きから。

〇植田総裁会見(その2):向かっている方向性は結構なんだがコミュニケーションの整合性の無さよ

金曜に総括っぽく書いた小見出しは

・よくよく考えてみたら定例記者会見で前向きフレーズが飛んだのは初なんよ
・大本営公式お墨付きの前向き判断&判断基準が並べられている
・今回思いっきり焦点になったキーワード「不連続性」
・見通しの数字が変わらないのに確度が高まったとはこれ如何にとワイが思った回答がここにある

というものでした、特にこの「見通しの数字が変わらないのに何で今回こんなにクソ強気になっているのよ問題に関しては結局謎のまま(あとでネタにしますが議事要旨見たら更に謎が深まっておる訳だが)なのですよね。

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2024/kk240124a.pdf
総裁記者会見
――2024年1月23日(火)午後3時30分から約65分

とまあそんな訳で、金曜の続きですが、重要な論点は最初の方の質疑で出てて、あとはその念押しみたいな感じになっているかと思われます今回の会見。


・第一の力、第二の力をあんまり前面に出さなくなってきているのはワロタ

『(問)物価上昇の中身がどのように変化してきているとみていらっしゃるか、教えて頂けますでしょうか。エネルギー価格が下落基調になっている一方で、今回公表文にもわざわざですね、サービス価格は緩やかに上昇しているという一文を書き込んでいますので、より日銀にとって理想的な物価上昇になってきているのかどうかというのを教えて頂ければと思います。(後半割愛というか次に)』

見通しの数字は同じだけど確度が高まった、という背景には物価上昇の背景が違うんでネーノという問いですね。

『(答)最初に物価に関する見方ですけれども、例えば、何度か使ってきました「第一の力」、「第二の力」というような表現で申し上げれば、』

ここの所「・・・・というような表現で申し上げれば」と言ってまして、何か物凄く留保したような言い方になっていますわな。

ちなみに10月の展望の時の会見ですけれども、
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2023/kk231101a.pdf

金曜と同様にアタクシは性格が悪いので「第一の力」「第二の力」という説明がどの位あったか、というのを確認しますと(第一、でテキスト検索してみた)、「第一の力」っての10月会合では19箇所も出ておりまして、うち質問で4回使われているので回答では15回使っていますし、最初にこの「第一の力」のワードが出てきた所(3ページになります)では『後半のご質問ですけれども、今回の展望レポートでは、物価見通しが上振れています。ただ、その主因は、私ども「第一の力」、「第二の力」という表現を使ってきております。』(10月決定会合後の定例会見)って言って物凄く重要な感じで説明してたんですよね。ちなみに12月会合では4回使っておりますね「第一の力」。

ところが今回って(質疑応答が「確度」とか「不連続性」になったという要因はあるにせよ)物価の説明でこの「第一の力」「第二の力」を使って説明しているのこの箇所だけなんですよ。以下今回会見で唯一「第一の力」「第二の力」を持ち出している説明を見ますが、

『輸入物価を起点とするコストプッシュ、あるいは輸入物価が国内物価に転嫁されていく動き、これが「第一の力」ですが、これは継続しつつもピークを過ぎたというふうに判断しております。これが特に財価格のインフレ率を足元下げてきている動きになっていますし、もう少し継続するというふうにみています。』

『それから「第二の力」、国内での賃金と物価の好循環の動き、これは昨年少しずつ育ってきたものですが、引き続き、ゆっくりですが上昇を続けているというふうにみています。(後半割愛)』

この説明は10月と同じです(気になる方は10月会見の3ページをご覧ください)。

『そのうえで、除く生鮮食品の消費者物価指数の動きは、こうした動きを合わせたものに、政府からのエネルギーに関する補助金の動きで、物価が現在押し下げられている部分と、これがもし近い将来終了すれば、それが今年度比ですね、24 年度の物価上昇率を引き上げることになるかもしれないという動きが加わって全体の動きになるというふうにみております。』

ちなみに東京都区部CPIも変な特殊要因が色々とあって訳分んねー結果ではありました。まあ結局「望ましい動きが強まって来たのか」の質問には答えているようで答えていないんですけどね。


・前向きの表現が多いのはゴーサインなのは分かるのだが12月からの差分をちょっと説明しろと

さっきの記者(というか某テレビの人ですが)の質問の後半になります。

『(問)(前半割愛)そして二点目がですね、今回、全般的に展望レポートの中身が前向きな表現が多い印象を受けました。今日は日銀がこれを発表した後ですね、株価も下落しています。マーケット関係者が、これはもう政策変更が現実味を帯びてきたと考えた結果かもしれませんが、総裁もこの出口に向かう条件というのは整ってきているという認識でしょうか。』

こちらの回答ですが、

『(答)(前半割愛)それから、展望レポート等に少し前向きの表現が多いのではないかというご指摘だったと思いますが、これは最初の方のご質問でもお答えしましたが、基調的な物価上昇率が 2%に向けて徐々に高まっていく確度は、引き続き少しずつ高まっている、今直前に申し上げた物価に関する見方を前提としてですけれども、というところは素直にいろいろな箇所で表現しているというふうに認識しております。』

なんとこの普通に威勢のいいゴーサイン。

・・・・・・いやまあ普通に威勢の良いゴーサインするのはするんでもいいんですけど、だったらお前ついこの前の12月に実施した決定会合後の会見で言ってたこれは何だったんだよという話になる訳ですな。

ということで12月会合後の定例会見ですけど、

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2023/kk231220a.pdf

2ページ、つまり幹事社からの質問に対する回答という思いっきり会見のしょっぱなにこれ。

『(答)(冒頭部分割愛)もっとも、ヒアリング情報によると、先行きの経済情勢に対する不確実性が高いこともありまして、現時点で、来年の賃上げについて、方針を固めきれていない先も多くなっています。また、価格設定面においても、中小企業を中心に、人件費や間接費の上昇の販売価格への転嫁については容易でないとの声も聞かれています。こうした点を踏まえますと、基調的な物価上昇率が、2025 年度にかけて物価安定の目標に向けて徐々に高まっていくという見通しが実現する確度は、引き続き、少しずつ高まってきているとは思いますが、先行き、賃金と物価の好循環が強まっていくか、なお見極めていく必要があると判断しています。』(直上URL先の2023年12月決定会合後の総裁会見より)

5ページにも同じように質問されて同じように回答していまして、

『(答)これも関連する二つのご質問だと思いますが、うっかり前回閾値と申し上げたんですけれども、それとの関係で、現在高まった確度がどれくらいかというご質問が最初のご質問の一部だと思いますけれども、感覚的なものでしかないですけれども、確度は少し上がってきているけれども、閾値に達するまでにはもう少しデータや様々な情報をみたいなというところでございます。その際、何をみたいかという点になりますと、先ほど申し上げたことと重なってしまいますけれども、賃金のこれからの動き、あるいはこれまでの賃金の動き、あるいは今後の賃金の動きの価格への波及ということに基本的にはなるかと思います。それぞれについてデータや情報が連続的に入ってくるものですので、どこまでみれば十分だ、どこまでみないと不十分だ、ということはなかなか前もっては言いにくいかなというふうに思います。』(直上URL先の2023年12月決定会合後の総裁会見より)

こういう説明をした挙句に支店長会議でも人件費の価格転嫁はまだ大変、って報告が出ていたし、だいたいからして春闘云々は足元で急に強くなったわけでも無くて賃上げの話は昨年から出ていた話な訳で、この1か月で何でこんなに判断がジャガーチェンジしたのかと小一時間問い詰めたい訳でありますよ。

と思ったら後でネタにしますけど12月会合の議事要旨が結構今の政策の解除に前向きな話が並んでおった訳ですので、その前の12月6日の氷見野さんの金懇講演の方が本線で、12月会合後の総裁会見におけるコミュニケーションっておかしかったんですよね結局のところ。

・・・・・って考えますと、結局の所この人たち、というか大本営及びハトハトチキンジジイにおかれましては、その場の状況によって本来行うべきコミュニケーションをしていなかった、その実例が12月会合後の会見、という話になる訳でして、まあそういうコミュニケーションをされますと「この人たちの言ってる事を素直に受け取ると梯子外されて大けがする」という事になる訳ですよ。

FEDだってECBだって自信満々に見通し外したりしていまして、結局正常化着手をビハインドしてしまって今のテイタラクがある訳ですけれども、この人達は基本的に言ってる事で別にウソは付いていない訳ですよ、インフレの動向を過小評価してしまったという致命的トンチキはあるにせよ、少なくともこの人たちは見通しは見通しでちゃんと言っているんですけど、日銀の場合は今回の12月会合前→12月会合→1月会合、があまりにも不自然な豹変を繰り返しておるわけでして、その間お前正直にちゃんと説明してますか???ってな訳ですよ(大体からして今回だって声明文は変更なしだし躊躇なく追加緩和とかいう寝言は寝て言えレベルのガイダンスまで残っている)

ということで、まあお前らいいからちゃんと正直に説明しろこのアホウという所だし、それこそFEDみたいにパウエルが利下げ方向に威勢の良すぎる発言を口走った後に地区連銀総裁やら理事やらが火消しをする、みたいな政策委員からの火消しってのも無いから非常に困る訳ですよいやマジで。

ま、とにかく今後のコミュニケーションについては大いなる課題が残されていますわな。

あ、そうそうちなみにさっきの質疑応答、サラトイされてまして

『(問)出口への環境は整ってきているとみていらっしゃいますか。』

『(答)確度は高まってきているので、基調的な物価上昇率は 2%に向けて徐々に高まっていく確度は少しずつ高まってきているということは好ましいことですけど、どれくらい近づいたかという定量的な把握自体は、非常に難しいものだというふうに言わざるを得ないかと思います。』

と威勢のいいこと言ってるんだが、申し訳ないんだが12月会合から1月会合でこんなにジャガーチェンジするような経済指標ありましたかアネクドートはありましたか、って話だけどどう見たって無い訳で、12月会合後の会見がハトハトチキンジジイの言い過ぎだったということなのでしょうが、とにかく植田さんは本人計算しないで余計な事を言う癖がある(さっき引用した12月会合でも「前回(10月)うっかり閾値と申し上げたんですけど」というのがありましたよね〜)ので、とにかくこの人の不規則発言は甚だ迷惑なので勘弁して頂きたいものであります。


・不連続とは何なのか問題:結局のところ「長期金利が急激に上昇しない」という意味だったのか????

不連続が起きない、という説明をされた場合、特にポジションテイカーが聞くと「マイナス金利を解除してもその後解除しただけで暫く実質ゼロ金利が結構続くという意味なのか????」と思う人も結構いると思うのよね。

でまあそういう人向けに質問があったのは結構結構。

『(問)(前半割愛)二点目なんですけども、マイナス金利を解除した場合ですね、一般的には利上げによる金融引き締め局面が来るとも考えられるわけなんですけども、解除に当たってですね、解除後の連続的な利上げといったことも視野に入れてご判断されるのか、それともマイナス金利の解除、単体でご判断されるのか、現時点のお考えをお聞かせください。』

まあマイナスをゼロにしたら引き締め、って言ったのは黒ちゃん時代の内田理事(今の副総裁)な訳で、そういう余計な事を言うと後で祟りますよ、という実例みたいな質問です。

本来はマイナスをゼロにしたって緩和も緩和な政策なんですが、何せそれを2022年に日銀理事が否定してマイナスをゼロにしただけで「引き締め」とか言うもんだから上記のような質問も当然のように飛ぶわけですよ。

『(答)(前半割愛)それから二番目のご質問は、マイナス金利を解除するときに、その後の金利の経路についても考慮したうえで解除するかどうかの判断をするかというご質問だったと思いますが、それは当然そういうことになるかと思いますし、先ほどちょっと冒頭のご質問の一つでお答えした点は、そこも含めて深刻なあるいは大きな不連続性が発生するような政策運営は、現在みている経済の姿からすると、避けられるのではないかというふうにみております。』

ここで思いっきり植田さんはマイナス金利解除とその後の利上げがリンクするかということについては「それは当然そういうことになるかと思います」という話なので、この時点で(しばらく前からアタクシが主張していた)「マイナス金利だけ分離して解除する論」というのは実施されないというのが確認されましたな。まあその場合利上げできる環境位になっていないとマイナス解除できないってんだから、12月のハトハトチキンジジイの説明聞いてたらこれは下手打つと24年(暦年)マイナス解除できないんじゃねーのかと戦々恐々としてたわけですなあたしゃ。

まあそしたら1月会合で謎のジャガーチェンジというか12月のハトハトチキンモードは何だったの状態で12月会合ちょっと前の流れに戻ってきた訳ですが、まあ「マイナス金利解除はその後の利上げも含めてできる状況になったら実施」なのですよね。

ということはdすね、そもそも論としてマイナス金利解除が意味するのは「2%物価目標を達成するためにQQE+YCCという異次元の金融緩和政策を実施している」状態からの脱却、ということになる訳で、いやお前それって政策として転換してるだろという話で、政策が転換するの「不連続性は発生しない」というのはアホなのかという説明な訳ですな。

まあどうもその後の長期金利の質問にもありましたし、上記の回答に関しても結局「深刻なあるいは大きな不連続性」ってのは長期金利の極端な跳ね上がりが起きません」って意味にしか取れないと思うのですよ。どうでしょうかねえ??????????

つまりですね、後の方の質疑では、

『(問)(前半割愛)あともう一つが関連してなんですけど、そのマイナス金利を解除した場合のインパクトについて伺います。短期の政策金利がコンマ 1%程度上がるという実質的な経済に対する影響と、一方でこの長期化した緩和手段を手じまうっていうメッセージ性のようなところですけれども、そういうものが持つ影響についての現在のご認識についてお聞きできればと思います。』

という質問に対して、

『(答)(前半割愛)そのときに、これも若干繰り返しになりますが、長く続いたマイナス金利が、ゼロないしプラスに変わるかもしれないというところで、大きな不連続性が発生するようなことは避けるような金融政策運営を、他の政策手段の調整も含めて考えていきたいというふうに思っております。』

と言ってまして、結局のところこれは「マイナス解除して利上げしたとしても緩和的な状態を維持しながらゆっくり利上げしますよ欧米のように中立すっ飛ばして引き締めとかそんな事しませんよ」って話をしているだけで、まあその間に長期金利に関しては「スムージング」ということで買入が続くって話になるんでしょうな、とは思うのですよね。さらにこんな質疑もあって、

『(問)先ほどの総裁の見方ですね、非連続的な政策というのは避けられるんじゃないかということなんですけれども、これは要するにおっしゃっていらっしゃることは、このまま経済・物価が日銀のみている通り進展していったとして正常化に至った場合、そこから何か欧米でみられたような大きなダイナミックな政策変更ということではなく、きわめて小さな正常化のステップを踏んでいくっていう意味でよろしいんでしょうか。それがまず一点。(後半割愛)』

『(答)前段でございますけれども、おっしゃったように現在みえている経済の姿からしますと、仮に物価見通しの達成が視野に入って、マイナス金利を解除するということになったとしても、きわめて緩和的な金融環境が当面続くということは言えるのかなということでございます。(後半割愛)』

とまあこんなに何度も念押しされるのってのも大概な訳ですけれども、これはまあ植田さんが「不連続性」とか訳の分からんバズワードを使った所に根本の問題がある訳で、もしかしたら植田さん英語で説明して貰った方が却って紛れが無いんじゃないかと思わんでもないがよく考えたら「チャレンジング」で物議を醸しているので英語も問題ありそうですねwww


そして長期国債買入に関して。

『(問)先ほどマイナス金利を解除しても緩和的な金融環境が続くという趣旨のご発言をされましたけれども、マイナス金利解除後も長期金利の部分ですね、緩和的な環境を維持するためにYCCもしくは国債買入れ等を続けてですね、長期金利があまり上昇しないように関与していく必要性について、総裁どのようにお考えでしょうか。』

『(答)長期国債の買いオペについても、出口の前後で大きな不連続性が発生するということがなるべくないように金融政策を運営したいというふうに考えて、今のところはおります。』

これはまあ日銀のいつもの理屈からすると、異次元緩和政策自体は2%物価目標達成が見通せる状況になっているので解除するのですが、そうはいってもここまで長期国債をバカスカ買って金利をアホみたいに押し下げたので、いきなり買入をゼロにするんじゃなくて長期金利についてはスムージング措置ということで買入を実施する、という話になるんじゃねえの、とは思います。

つまり、今の買入は基本的に「長期金利に低下圧力をかける」という意図があるのですが、今後は「金融緩和のために長期国債を買っている訳ではなくて、激変緩和措置で買っているんだから、別に無理くり金利を押し下げには行かないよ」という話になる筈、とまあそういう理解をしましたがさてそれが合っているかどうかはシランガナということで。




・でもってマイナス解除のハードルはホイホイ下げているのよね

GDPギャップについては、

『(問)(前半割愛)もう一点、先日発表された 7〜9 月のGDPギャップですけども、マイナス幅を拡大しました。マイナス金利はじめ大規模金融緩和の正常化を進めるに当たっては、この需給ギャップがしっかりとしたプラスに転換していくことが必要なのかどうか、それとも基調的に改善方向であればいいのか、その点を伺えないでしょうか。』

『(答)(前半割愛)それから二番目のGDPギャップですが、おっしゃるようにGDPが第 3 四半期マイナスの成長だったということを反映しまして、ギャップはマイナスの方向に少し拡大しています。ただもう少し長い目でみれば、少しずつ上昇してきてゼロ近辺にいるというトレンドに大きな変化はないというふうにみていますし、これがはっきり大きくプラスにいかないと物価目標達成に到達しないのかといえば、そういうことはないというふうにみております。』

と言ってますし、実質賃金については

『(問)二点ございまして、一点目は今後政策の転換を判断するうえで、今ずっとマイナスが続いている実質賃金、これがプラスに変わることっていうのは、必要な条件になるのかならないのか、これが一点目です。(後半割愛)』

『(答)一点目ですけれども、実質賃金ですが、もちろん実質賃金上昇率がずっとマイナスであるという見通しでは物価目標の達成には遠いというふうに思いますけれども、前回もそういうやり取りがあったかもしれませんが、足元でマイナスであっても、近い将来プラスに転じるという見通しがあれば、それは政策の場合によっては正常化を必ずしも妨げるものではないというふうに思います。(後半割愛)』

そもそもボスティックが(しつこい)米国の実質賃金が「インフレがピークアウトする中で」やっとプラス化してきた、という説明をしているように、そもそも論として物価が下がってこないと実質賃金プラス化しないんだから、物価自体が弱いなら兎も角、現時点で2%を上回って推移しているのに、異次元緩和続けて物価押し上げているのがその時点で訳分らんのですよね、賃金ターゲットの話をおっぱじめだすと。

まあそういうことでこの賃金の話も本来はこんな前面に出てはいけない話なので、引っ込めること自体は方向性としては正しいのですが、いやなにまた勝手にゴールポスト動かしているの感は否めない。


でもって中小企業の賃金がどうのこうのとかいう話に関しては、

『(問)二点目です。その見極めの時期についてなんですけど、日銀、これまで不確実性というところを理由に、随分長い時間をかけてですね、これまで見極めをされてこられたと思います。この中小企業の賃上げというところでいうと、最終的な統計とかが出るのはかなり後になってしまうのかなっていう、そういう気もするんですけども、これ具体的に中小企業の賃上げに関してはどういったデータを参考にされるのかとか、どういった時期をめどに判断されていくのか教えてください。』

まあ従来の説明だと中小企業の云々ってのは政策修正を先送りする言い訳に使っていたのは明白ですわな。

『(答)これは文字通り、中小企業を含めた全ての企業の賃金がどうかということを 24 年度分についても確認するのはすごい後になってしまうというポイントだと思いますけれども。従って、そこを全部みたければだいぶ後になってしまうということでございます。』

なのですが、

『ただ、必ずしも賃金そのものをみなくても、いろいろな他の経済の動きから中小企業の賃金がどうなりそうかということを類推できたり、あるいはヒアリング情報等も入手可能であります。』

この辺りは年末のNHKインタビューでも言ってましたけど、その理屈を蒸し返してきました。

『例えば、先ほど来申し上げてますが、大企業の賃金動向とか先に動く企業の賃金動向は、間違いなくある程度の影響を中小企業に与えるということだと思いますし、中小企業の利益の動向、利潤の動向については賃金よりも少し早めにデータが入るということもあるかと思います。』

『それから、サービス価格の動向がどうなっているかということも、もちろん賃金がサービス価格にという因果関係もありますが、サービス価格が上がることが賃金を引き上げる余地を生むという意味で賃金に影響するということもあると思いますので、その辺も含めて総合判断していくということになるかと思います。』

ということで、ついこの前は完全に賃金ターゲットみたいな説明(12月MPMの記者会見とその後の経団連講演)をしていたのに、NHKインタビューの所からまた軌道修正をしている訳でして、まあ解除のハードルは下げて、というか本来7月にはマイナス金利解除してろやヴォケという所ではあるのですが、まあ方向性はやっとまともになってきたのはいいんですけど、とにかくこの間の説明のプロセスがハチャメチャすぎでして、この調子でコミュニケーションやられると甚だ困るんですけどねえ、とは思うのでした。


#12月議事要旨ネタと展望基本的見解ネタを成敗しないといけませんわ




2024/01/26

お題「植田総裁会見(その1)最初の質疑で既に結構重要ポイントキタコレの巻という事で」

皆様来週は2月ですよorzorz

〇引き続きMPMレビューで植田総裁会見:会見で前向きフレーズが出たんですよね

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2024/kk240124a.pdf
総裁記者会見
――2024年1月23日(火)午後3時30分から約65分

・よくよく考えてみたら定例記者会見で前向きフレーズが飛んだのは初なんよ

えーっとまあそういうことでして、従来の植田さんってどっかの講演(大阪での講演とか)やらメディアの個別インタビュー(読売とかNHKとか)で前向き発言をする、ということはあっても、MPMの後の定例記者会見ではだいたいハトハトジジイだった訳ですよ。でもってご案内の通りで、今回は何とその今までハトハト発言しかしなかった定例会見の方でやる気元気井脇な発言をちりばめてきた訳ですな。

でまあこの定例会見、基本的には想定問答集という名のカンペを見ながらのイベントな訳でして、つまりは発言の基本は日銀大本営謹製の想定問答集であり、想定問答集が前のめりになった=今までやる気が無かった大本営が(半年おせえよという今さら感はあるものの)やっと覚醒してやる気になった、という事を意味する訳ですなこれがまた。

てな訳ですので、今まで隙あらばハトハトジジイ状態だったここで突如目を覚まして正常化モードに舵を切った、という話になりますので、まあそこは従来あったような「どっかのインタビューで前向き姿勢の発言を植田さんが行った」というのとはステータスが一段上がっている、ということを意味する、と解釈するのが妥当ではなかろうかと思う次第でありまする。


・とはいえ土壇場でいきなりチキンジジイにジャガーチェンジするリスクは注意だよね

ということでですね、12月の場合は氷見野さんの金懇からスタートして国会のチャレンジング発言にその後の岸田さんと植田さんの会合、という流れで盛り上げが来たと思ったらいきなりの梯子外しからの決定会合でのマイナス回答でハトハトジジイ化する、という強烈な梯子外しが来たのですが、今回に関しても(1)そもそも論として声明文は一言半句変わっていなくて、ガイダンス文言も一切変えていないのでしらっと話を元に戻すのは簡単、(2)判断基準が「確度」という「お気持ち」なのでお気持ちの変化が生じれば話は簡単に反故になる、というのはリスクとして考えておかないと行けないですわな。

でまあその考察をする際に一番困るのは、「12月はなぜあんなに極端に腰砕けをして正反対のメッセージを出したのかという理由がさっぱり分からん」ってことな訳ですよこれがまた。

客観的に言って12月会合直前でいきなり日和見に転じなければいけないほどの変化ってどこかにありましたっけ問題を考えると、これがまた分からんのよ(マジで安倍派のアレ位しか見当たらないんですが)という話で、何をもって急に日和見チキンジジイに転じるのかが皆目見当がつかない、という植田さんが「確度」というお気持ちで判断するとかいうのはっきり言ってロジカルに読めなくて非常に困るんですけどねえ・・・・・・・・・・・


まあ今回違うのは、先ほども申し上げましたように、今回は「日銀大本営公式から」出発した流れになっている(このまま流れが続けばの話ですが)のが12月会合前の流れと根本的に違う訳でして、まあ大本営公式から流れ作りに行ってるんだったらさすがにね、とは思うし思いたいしそうじゃなかったら悲しいという所であります。


さて前口上が長くなりましたが会見。


・大本営公式お墨付きの前向き判断&判断基準が並べられている

ということで幹事社からの質問はどちらも良い点であった。

『(問)幹事社から質問二点ございます。一点目がですね、前回会合から 1 か月余り経ちましたけども、今、総裁から言及もありましたけど、2%の物価目標の達成に向けた確度はどの程度高まったでしょうか。前回以降、支店長会議など新しい情報も加わっておりますが、その確度の変化についてはどのようなデータが判断材料となっているのか、併せて教えてください。』

ちゃんと「確度」を入れて質問しているのが大本営もニッコリ。

『(答)今申し上げた今回の展望レポートですが、今後の景気に関する基本的な見方は維持しました。そうしたもとで、先行き、賃金と物価の好循環が強まり、基調的な物価上昇率が 2%に向けて徐々に高まっていく確度は、引き続き、少しずつ高まっていると判断しました。』

今回はこの「確度」云々が展望レポート基本的見解の「概要」部分に登場したのですが、最近は展望会合の時にステートメントに情勢判断を書かないから、展望じゃない会合の情勢判断文言に該当する文章っていうのが基本的見解の概要部分なのか本文も含めてのものなのか、というのが何か曖昧だったりしますな。

あと、大昔は展望レポートの見通しと展望じゃない会合の時の見通しに関しては見通し期間が違う、というような建付けだったかに記憶しているのですが、この辺のコミュニケーションも緩和長期化によって何か曖昧になっているのですが、まあマイナス金利解除してYCCの枠組みからも脱却して普通に金利が上げられる状況になったら、この辺の情報発信に関してもうちょっとすみわけをキチンと分担して、それによってより分かりやすい情報発信ができると思うのよね。まあ検討しているかどうかは知らんけど検討してほしいもんです。

でですね、確度が高まっている、までは展望基本的見解の概要(ワイがよく鏡とよんでいる)部分になりますが、この先の情勢判断の根拠に関してはここまで細かく展望レポート基本的見解には出ていない奴(昨日申し上げたように全体版のBOX3に関連する記述がある)ですね。

『もう少し具体的には、物価から賃金への波及の面では、春季労使交渉に向けて労働組合側からは昨年を上回る賃上げを要求する方針が示されています。また、大企業を中心に、経営者から賃上げに前向きな発言もみられています。更に、賃金から販売価格への波及も、サービスを含む価格が緩やかな上昇傾向にあるということや、先日の支店長会議での報告などを踏まえると、賃金から販売価格への波及も少しずつ広がっていると考えました。』

展望の鏡だけだと「お気持ち」の世界なのですが一応こうやって判断根拠を並べているのもほうほうそうですかってなもんで、大体今までは「好循環はまだ起きていないように思われる」みたいな感じのフワフワした説明しかしていなかったのですが、今回はちゃんと情勢分析を行っていますよ的な言い方でこれは調査統計局もニッコリという感じです。まあ毎度おなじみの政策が先にあって調査結果をグゲフンゲフンの可能性はありますけどね!!!!

でまあこれナンジャソラと思ったのは「先日の支店長会議での報告などを踏まえると、賃金から販売価格への波及も少しずつ広がっていると考えました」ってなっているんだが、先般ネタにしましたように、支店長会議後に出てた情勢判断の書きっぷりは寧ろ「進んでいない所も多い」という言い方のオンパレードになっておりまして、いやだからそういう二枚舌使うのやめえやと思う訳ですし、そういう二枚舌戦術を使うのを見ていると今後無事にマイナス金利解除まで行けるのかというのには一抹どころか百抹の不安が否めませんわな。

『この先も、春季労使交渉の動向を含め、各種のデータ、情報を丹念に分析し、賃金と物価の好循環が強まっていくか確認していきたいと思います。』

だそうです。展望レポートによりますと強まった先の地続きにスパイラルリスクがあるように思えますしそうなったら日銀怨嗟の的になると思うんですけどそんなにのんびりと好循環好循環言ってて大丈夫なんですかねえ。


・今回思いっきり焦点になったキーワード「不連続性」

でもって幹事社次の質問が今回のキーワードを引き出しました。

『(問)もう一問あります。金融政策の正常化に向けた一歩としてマイナス金利の解除というのが想定されています。その解除に際してはですね、市場で金利が乱高下するといった混乱を避ける必要もあるかと思います。その実行に当たって最大の留意点というのはどういった点になるでしょうか。』

ライブではどうしても話の中で流れていくので例の「不連続性」がバズってしまうのですが、最初に出てきたこれはどういう文脈だったのかをここでじっくり見ますとですね・・・・・・

ご案内のように回答の中で「大きな不連続性が発生するような政策運営は避けられるというふうに思っております」と回答しているのですが、この回答が何を意味するのかというのがこれがまた解釈難しいですよね。

「政策運営に大きな不連続性が発生しない」の意味だってこれ、「マイナス金利解除をしても金融緩和政策に不連続性が生じない」というのであれば、それって「マイナス金利解除をしてもゼロ近辺の金利が長らく続きます」って解釈もできるし、そうじゃなくて「マイナス金利解除とその先の利上げは連続的です」って話なのかもしれないし、どっちなんだよというお話になりますわな。

でまあそもそもこの「政策運営」という言葉も混乱を招く要因でして、質問は「マイナス金利を解除した時に市場が乱高下する混乱を避けるのにどうしますか?」なのですから、本来はここではオペレーショナルな質問(恐らく質問した人は国債買入の扱いについて聞いたんだと思う)な訳ですよ、でまあ植田総裁も質問がオペレーショナルな事は理解しているっぽい回答をしているので、そこで「政策運営」って言ってしまったのは勇み足というか言葉の使い方が悪かったと思うんですよね。

しかもこの「不連続性」も主語無しで使われてしまうと何とでも解釈できるので、これまたコミュニケーション上は非常に面倒な言葉な上に、言葉そのものがキャッチーだから、今後もこの「不連続性とは何ぞや」ネタでいろんな大喜利が展開されることになると思うのでして、先月の国会での「チャレンジング」もそうなんですけど、植田総裁ああ見えて結構な失言癖があるよね、と改めて思いました。マジでこういうの勘弁してほしい。


では回答を改めて見ますね。

『(答)基調的な物価上昇率ですが、これは見通し期間終盤にかけて、物価安定の目標に向けて徐々に高まっていくという見通しが実現する確度は引き続き少しずつ高まっていると申し上げた通りでございます。この先、もしも賃金と物価の好循環を更に確認し、物価安定の目標の持続的・安定的な実現が見通せる状況に至ったとしますと、マイナス金利を含めました現在実施している様々な大規模金融緩和策、これの継続の是非を検討していくことになります。』

という説明になっています。このポイントは実質的には1つですがまあ2点あって、ポイントは「マイナス金利解除の判断に関しては(従来の長期金利上限緩和と違って)物価目標達成の確度に紐付けて実施する」ということです。これによって「弊害の大きいマイナス金利だけ何かの言い訳を使って先行解除する作戦」というのは採らない、というのが確定しましたので、これはマイナス金利の弊害を理由に解除されると面目丸つぶれになる黒ちゃんもニッコリの展開になりました。

でもってですね、「マイナス金利解除が単体ではない」ということですから、マイナス金利解除の先には(そもそも物価2%達成しているのに短期金利0%近傍では緩和のやり過ぎにも程があるのですから)中立金利まで上げるかどうかはさて置き(物価が上振れしない限りそんなに上げないと思いますが)ある程度の政策金利引き上げまで展望できるという事、それに加えてQQEとYCCのセットになっている今の政策枠組みも全面的に見直す(昭和温泉旅館のかなりの部分が解体できるのかどうかはわからんけどYCCとQQEのガワは無くなる)ということですわな。

まあそんな訳で、今回の会見って頭の部分で既に聞かれている以上の前のめりお気持ちご表明発言をしている訳でして、まあ本来は黒田の時にできただろヴォケとは思いますが、やっと妖術が解けたのかだいぶマシな想定問答が作成されるようになっているなあという事ですわ。

でもって不連続性ですけどね、

『その具体的な内容については、何度も申し上げていますように、そのときの経済・物価・金融情勢次第であるというふうにしか現時点では申し上げにくいところでございます。ただ、現時点での物価・経済・金融見通しを前提としますと、大きな不連続性が発生するような政策運営は避けられるというふうに思っております。』

という言い方なので、これ質問の「マイナス解除時の市場の混乱にどう対応するのか」という命題にはちゃんと植田さん回答しているんですよね。でもってこの質問と回答をセットにすると、「大きな不連続性が発生するような政策運営」ってのはマイナス金利解除時のオペレーションの話として長期金利が大きな不連続性をもって上昇するような政策運営(それこそ極端に言えば売りオペとか)はやらんで済みますわよ、という話をしているのと、もう一つは欧米のような大引き締めモードになるようなガンガン利上げモードにはなりませんよ。って意味合いで説明をしたんでしょうね、と解釈できると思います(個人の感想です)。


・・・・・でもまあこの「不連続性が起きない政策運営」ってのはやっぱり表現が悪い訳ですよ。

だってさ、そもそも論として2%物価安定目標を達成するために超大規模金融緩和を行っている、という金融政策のステージが、2%物価安定目標達成の確度が高まってきたから枠組み含めて見直します、ってのはそれ政策のステージが変わるんだから、どこからどう見たってそこには断層が存在するわけで、それが「不連続性が起きない政策運営」とか言われるとお前は何を言ってるんだそもそも語義矛盾だろ、という話になる訳ですよ。

ということでこの爺さんはもうちょっと使う言葉を考えて使って頂きたいというか、変に上手い事言おうとしないで欲しいというのを切にお願いしますし、この調子でやってたらマイナス金利解除したあとだって色々とやることは聳え立つクソのようにあるのですから、上手い事言うことによって市場に要らん材料提供せんでヨロシアルよと存じます。


・見通しの数字が変わらないのに確度が高まったとはこれ如何にとワイが思った回答がここにある

次の質疑も良かったですね、というか単にこれ大本営謹製の想定問答がやっと今までのインチキコミュニケーションじゃなくなった、というだけの事なのかもしれませんけどね!!!!!!!

『(問)質問二点ございます。まずですね、今回、公表文に物価安定目標が実現する確度は、引き続き、少しずつ高まっているとの一文が加わりました。これは市場に対して政策変更が近いというメッセージととらえていいのでしょうか。総裁、このメッセージの意図を教えてください。(後半割愛)』

直球過ぎるだろwwwwwww

『(答)2%物価目標の達成に向けた確度が少しずつ高まっている表現の根拠というご質問だと思いますが、ざっくり申し上げれば、これまでの物価見通しに沿って経済が進行しているということが確認できたということになるのかなと思います。』

というのはまあさっきも言ってたのでいいとしまして次がこれまた重要なお答え。

『今回の見通しをご覧頂きますと、物価見通しにつきましては、除く生鮮については、24 年度について若干下方修正しておりますが、これは主に先ほど申し上げましたように原油価格の下振れを反映したものでございます。その他のところについては、前回の見通しとほとんど変わっておりません。』

変わってない(寧ろ細かく見れば下がっている)のに確度が高まったとはこれ如何に??とまあ展望レポート基本的見解が出た時に思ったんですよね私は。でその答えがここにありましてですね、

『特に、除く生鮮・エネルギーの方を例えばみて頂きますと、来年度も再来年度も(注)1.9[%]くらいとなっていまして、2[%]に非常に近い値となっている。その姿は前回とあまり変わらないわけですけれども、まだ必ずしも自信が持てないというふうに申し上げていた中で、もう一回点検をしてみたら、同じような見通しが、中心的な見通しであるということになったという辺りが、一番見通しの確度が上昇したということの根拠になります。(後半割愛)』

というこの部分がワイの「見通しの数字が変わらない(寧ろ細かく見ると下がっている)のに確度が高まったとはこれ如何に????」の回答になっていて、ほほーと思いましたですわ。

つまりですね、2024年度も2025年度もコアコア見通し+1.9%という数字は、そもそも論として「数字だけで言えば物価安定目標が達成しているという状態」ですよという話になってきた訳でございますが、従来こういう言い方をずーっと回避していたんですよね。そもそもコアコアの話を前面に出さなかったし。

例えば同じ物価見通しの10月会見。
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2023/kk231101a.pdf

これテキスト検索(F5で出てくる窓に文字入れるやつ)で「距離」って入れてみると6つくらい引っ掛かるのですが、ひたすら距離があるを連呼していまして、実際は目標達成の見通しがあるのに距離があるとかややこしいコミュニケーションするんじゃねえよという話でして、従来だったらこの+1.9ってのは2を下回っているからやっぱり目標達成じゃないよね、というコミュニケーションと受け止めていたのにどさくさに紛れて急に話を引っくり返して数値の話をアバウトにするんじゃという話でして、まあ時間稼ぎで誤魔化したかったのは分かるんですが、こういう説明一つとってみても、黒田緩和の無理くり継続で変なコミュニケーションになっているものは全部スクラップして(本当は自己批判もしろと思うが)ちゃんと一貫性のある説明にしてくれないと困る訳でございますよ。

だって前回の展望レポートの数字、あの数字は物価目標達成の姿だと誰も思ってなかっただろという話なのに、今回確度の話を前面に出しながら、実はあの数字は物価目標達成の姿なんですけど確度が全然無かったんで目標達成への見通しは無いって話をしていましたテヘペロとか言われましても、いやそこに目標達成後の姿があるのに何で距離があるとか、あのヘナチョコポンチ絵の2%がドンドン遠くなっていくとか、そういうコミュニケーションになるんだよヴォケという話でして、まあそういうイカサマコミュニケーションをしてきた大本営なだけに、いつ何時梯子外すか分からんというのは思っていまして、願望としては早期マイナス解除と思いたいのですが、今までのイカサマ対話が上述のように酷くてそこからの整合性が今回もしれっと飛躍している、というのを勘案すると、どこかで半身になってしまいますねえ。


・・・・・・などと書いていたら最初の部分だけで時間切れになってしまって、ECBもあるという状況なので、まあ週末のどっか(土曜日のどっかを想定しておる)に続きその他はさすがに参ろうかと思います、よろしゅうおねがいするます。





2024/01/25

お題「決定会合レビューで本日は会見ではなくて展望レポートの方をネタにします」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC23BF30T20C24A1000000/
物価高超す賃上げ表明相次ぐ 春季労使交渉が開始
賃上げ2024
2024年1月24日 20:00 (2024年1月24日 20:30更新) [会員限定記事]

『2024年の春季労使交渉が24日、事実上始まった。物価上昇を超える賃上げが焦点となるなか、23年を上回る高水準の意向を示す大企業が相次ぐ。アサヒビールやキユーピーは6%程度を掲げる。中小企業がどこまで追随できるかも注目される。』(上記URL先より)

ということで完全に「物価上昇を超える賃上げが焦点」になっているのですが、そういう状況で日銀が言ってる「賃上げを反映した価格設定」が行われた日にはどう見てもそれはスパイラルであって好循環とは言い難いと思うのですよね・・・・・

まあそんな訳で(どんなわけだ)決定会合レビューの続き。今回はまあ色々とネタがあるので明日くらいまでかけて成敗して週末時間があったら展望レポートの逐語比較も、とは考えております(珍しくやる気)。


〇展望レポート基本的見解の中で気になった点が幾つかあるのでまずはそこから

昨日は物価動向の現状判断の変化について書きましたが、再掲になりますがちょっともう一度(サーセン)。

・本文中で気になった事その1:輸入価格の転嫁状況の現状判断(物価の上振れリスク)

『3.経済・物価のリスク要因』『(2)物価のリスク要因 』ですが、

『既往の輸入物価上昇の価格転嫁の影響は徐々に和らぎつつあるが、今後の原材料コストの上昇圧力や企業の予想物価上昇率の動向次第では、価格転嫁が想定以上に続き、物価が上振れる可能性がある。』(今回)

『既往の輸入物価上昇の価格転嫁は既に相応に進捗しているとみられるが、今後の原材料コストの上昇圧力や企業の予想物価上昇率の動向次第では、価格転嫁が想定以上に続き、物価が上振れる可能性がある。』(前回10月)

これは物価の上振れリスクの話ですけれども、今って大本営の説明が「第一の力が弱まってきていて今後も弱まる(からコアCPIの見通しは先に行くと下がる)」となっているんですけれども、これ経済物価の現状部分の記述だとこうなっているんですよね。

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比をみると、政府の経済対策もあってエネルギー価格の寄与は大きめのマイナスとなっているものの、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰しつつも残るもとで、サービス価格の緩やかな上昇も受けて、足もとは2%台前半となっている。』(今回)

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果などによって、ひと頃に比べればプラス幅を縮小しているものの、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から、足もとは3%程度となっている。』(12月会合声明文)

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果などによって、ひと頃に比べればプラス幅を縮小しているものの、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から、足もとは 2%台後半となっている』(前回10月展望基本的見解)

つまり、輸入価格上昇の転嫁に関する文言が

『既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰しつつも残るもとで』(今回)
『既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から』(12月会合声明文)
『既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から』(前回10月展望基本的見解)

となっていて、明らかに12月会合から1月会合の所で断層が発生しているんですが、いやそんなに思いっきり断層発生するような状況かよというのが正直謎で、まあワイは素人なんで知らんけど、これって何か昨日も申し上げましたが、単に最近の想定問答に見通しの方を寄せてるだけなんじゃないかって思いたくなって来る訳ですよ。少なくとも12月決定会合から1月決定会合の間って実質3週間くらいしかないんだし、その間にこんなに判断を変えられるもんなのかというのが????

・・・・・・でまあ何を細かい事ゆうてますねんと言われそうですが、そもそも論としてある程度慣性を持って動く物価の判断部分で1か月もしないで結構重要な「第一の力」の認識をこんなに変化しちゃうのを見ると、「まーたこいつら政策判断に情勢判断を寄せてるんじゃないか」と眉に唾を付けたくなってしまう訳でして、しかも昨日も申し上げた通り、政策修正の判断が「確度」という「お気持ち」の世界になっている事も踏まえますと、昨年12月のように突如変なものを食ったかのようにジャガーチェンジしてしまって、それによって情勢判断もコロっと変わる、というポンポコリンの展開でワシら思いっきり梯子外されるの巻、というのはやっぱり一定の警戒が必要ではないかと思います。


そうなると12月に何であんなに突如の大変化が起きて、またここで出口モードに切り返したのか、というその「12月ジャガーチェンジのトリガー」について知りたいと思いますよね。というか私が知りたいのですがw、あの時に発生したハイパー火消しとジャガーチェンジのハトハトジジイ攻撃のきっかけになったものが、再度浮上して来れば同じことをまた3月4月でやる事になり兼ねませんが、12月のアレが謎過ぎますよね。


・本文中で気になった事その2:賃金と物価の好循環と上振れリスクがどう見ても地続きな件

今回物価の先行き見通し部分で物価がどうなる、という記述のなかで中長期的な予想物価上昇率の見通しに絡めて物価の先行きに関して記述している部分が『2.わが国の経済・物価の中心的な見通し 』の『(2)物価の中心的な見通し』 の後半にあるんですけどね。

『先行きについては、需給ギャップの改善が続き、企業の賃金・価格設定行動や労使間の賃金交渉が変化するもと、見通し期間終盤にかけて予想物価上昇率も緩やかに上昇していくと考えられる。こうしたもと、物価上昇を反映した賃上げが実現するとともに、賃金上昇が販売価格に反映されていくことを通じて、賃金と物価の好循環は強まっていくとみられる。』(今回)

『先行きについては、現実の物価上昇率がプラス幅を縮小していくなかでも、需給ギャップがプラスに転じ、企業の賃金・価格設定行動や労使間の賃金交渉が変化していくもと、見通し期間終盤にかけて予想物価上昇率が緩やかに上昇していくことで、賃金の上昇を伴う形で、物価の持続的な上昇につながっていくと考えられる。』(前回10月)

昨日書きましたように、鏡の部分で先行きの話をする中で「賃金と物価の好循環」が進むかどうかの見極めダイジダイジネーという文言は10月からあるのですが、今回は堂々と見通しの部分が変化しまして、従来の「賃金の上昇を伴う形で、物価の持続的な上昇につながっていく」というまあ何となく名目賃金が上がって物価も上がるんだろうなあという感じの記述から、思いっきり「物価上昇を反映した賃上げが実現するとともに、賃金上昇が販売価格に反映されていくことを通じて」というパスご指定攻撃によって、「賃金と物価の好循環」と大きく出たわけですよ。

・・・・でもってここはまあはあそうですかってな話かもしれませんが、ナンジャソラと思うのはさっきと同じ物価のリスク要因の所でですね・・・・・・・・・

『また、労働需給が引き締まるもと、人材確保などを意識し、企業の賃金設定行動がより前傾化する可能性がある。そのもとで、想定以上に、賃金に物価動向を反映させる動きとともに、物価に賃金動向を反映させる動きも広がることで、マクロ的な需給ギャップの変動以上に、賃金と物価が上振れる可能性がある。』(今回)

『また、労働需給が引き締まるもと、人材確保などを意識し、企業の賃金設定行動がより前傾化する可能性がある。そのもとで、想定以上に、賃金に物価動向を反映させる動きとともに、物価に賃金動向を反映させる動きも広がることで、マクロ的な需給ギャップの変動以上に、賃金と物価が上振れる可能性がある。』(前回10月)

>物価に賃金動向を反映させる動きも広がることで(略)賃金と物価が上振れる可能性がある
>物価に賃金動向を反映させる動きも広がることで(略)賃金と物価が上振れる可能性がある
>物価に賃金動向を反映させる動きも広がることで(略)賃金と物価が上振れる可能性がある

ちょwwwおまwwwwここのリスク認識前回と同じwwwwwwww

ってまあこれ自体は賃金物価が実力以上にスパイラルを起こすリスクの話なので、リスク認識が変わってないのは別にそれ単体では変な事でもなんでもないのですけれども、見通し部分の方で思いっきり「賃金上昇が販売価格に反映されていくことを通じて、賃金と物価の好循環は強まっていくとみられる。」って言ってるわけで、じゃあその差はどこにあるんだよというお話ですわな。

まあこれは前から多くの人が指摘している話ですけれども、そもそも論として標準的なマクロ経済学の考え方からしたら(と言ってるけどワイは受け売りなので念のためwww)賃金ってえのはそもそもが遅行指標である物価に遅行するものなのですから、物価上昇率が伸びていく局面において物価上昇に追いつく方がおかしくて、現に先般ネタにしたアトランタ連銀ボスティック総裁の講演で言及されていたように、米国の時間当たり実質賃金ってこの物価上昇局面においては上昇せず、足元上昇した物価が下がる中でやっとプラス推移しているけれども、コロナ前を回復できていないという状況な訳ですよね。

となりますと、好循環とスパイラルの間になんか断層あるのかというとそれも怪しげな話だし、もっとアレなのはそもそも上記のスパイラル(リスク)記述に「マクロ的な需給ギャップの変動以上に、賃金と物価が上振れる」とあるけど、そもそもがマクロ的な需給ギャップの変動というのがピンポイントでリアルタイムで見れるものではないわけですから、どこかで「好循環」が「リスク」になった時って事後的にしか分からないってお話なんですよね。

つまりですね、まあそのスパイラルが起きても日銀は涼しい顔していられる、というのであれば「ああ何か好循環と思ってたら上振れしちゃいましたねえテヘペロ」と言って金融引き締めに一気に転じる欧米スタイルで行けばいいんですけど、まあ物価上昇に対する忌避感がもっと強そうなジャパンにおいてそんなこと言って日銀が只で済むと思う方が目出度い訳でございまして、この「好循環と上振れリスクは紙一重」状態について、そんなに物価が上がらん自信ニキではあるのでしょうけれども、それにしても下手打ったら十字砲火浴びて火だるまになってハトハトジジイ以下全員磔獄門か日本海溝ドラム缶片道ツアー送りになり兼ねないリスクだし、だいたいからしてそんなことになったら国民も不幸だし、いやこのロジック大丈夫かというのは物凄く感じるのであります。大丈夫なんでしょうかねえ。それこそ何かの拍子にうっかり財価格もう一発あがりだすとか(なので円安はヤバイ)、トランプ大統領爆誕してトランプ大減税大会とかやらかして米国がまたやらかすとかなった日に日本の物価って上振れしないのかよと・・・・・・・・・



〇展望レポート全体版のBOXを見るの巻(すいません会見やってる時間がががが)

ほら、会見ネタは皆様注目してみておられるのでアタクシが書くまでもないということで(震え声)。

というのは兎も角、会見ネタも何かよくよく整理してみないと、と思うのでもうちょっと考えて見ますというのもあって、まだ自分的にまとまっていないというのも正直ありますサーセン。

さて展望レポート全体版ですが

https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2401b.pdf(1月)
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2310b.pdf(前回10月)

いつも最後の所にコラム形式のBOXってのがあるんですよ

今回のBOXのお題

(BOX1)最近のグローバルなIT関連需要の持ち直しとその背景
(BOX2)最近の賃金を巡る環境と企業の賃金設定行動
(BOX3)消費者物価を巡る最近の動き:
輸入物価を起点とするコスト上昇圧力と賃金・物価の相互連関の現状評価

前回のBOXのお題

(BOX1)2023 年春季労使交渉の振り返り
(BOX2)企業のコスト見通しと価格転嫁
(BOX3)賃金と物価の相互連関:現状整理と今後の論点


なんですかこれはBOX3を比較しろという挑戦状ですかそうですかじゃあ受けて立とうじゃないの(何か間違っている人)。

今回は前回のBOX2とBOX3を融合してBOX3にしているっぽいので、今回分は前回のお題「相互連関」に関する記述部分から引用を開始しますね。

『このように、既往の輸入物価上昇を起点とするコスト上昇圧力は徐々に減衰している25。こうしたなか、先行きの物価動向を考えるうえでは、賃金・物価の相互連関――とくに、賃金上昇を販売価格に反映させる動き――が強まり、企業の前向きな賃金・価格設定行動が広がっていくか、という論点の重要性が増している26。以下では、賃金・物価の相互連関の現状を整理する』(今回、以下暫く今回より引用)

しかしまあ何ですな、展望レポート全体版のBOXでは「賃金と物価の好循環の点検」とか書いていないのはさすがに標準的なマクロ経済学(以下略)を鑑みて「相互連関」にしているんだろうなあと思いながら読むと味わいが深いというものですwwwww

でははじまりはじまり。

『まず、企業からは、「原材料コストの変動は価格転嫁できるようになったが、人件費は転嫁しにくい」との声が引き続き多いものの、』

これは支店長会議の報告の中でも散見されましたね。

『需要が回復している対面型サービスを中心に、賃上げの原資を得るべく、値上げをする動きも徐々に広がっている。』

ってそりゃサービスの場合は製造業の原料価格に該当するのが人件費ですからねえ、とそういや大昔に商業簿記とか工業簿記とか勉強したのを思い出す(遠い目)。

『この点、景気ウォッチャー調査における企業のコメントを分析すると、人件費を値上げの理由に挙げる先が、小幅に増加している(図表B3-2)。』

まあ普通にそう言って店頭価格上がったりしているのもあるように思えますけど半径5メートル以内の観測だと(って零細消費者のワイにBtoBの世界はわからんからな)、

『次に、時系列データを用いて定量的に分析すると、緩やかではあるが、賃金を物価に反映させる動きが広がっていることが窺える。』

キタコレ!

『図表 B3-3 で、消費者物価を、品目別に、変動率の高低に応じて、3つのグループに分類すると、これまで動意に乏しかった「低変動品目」でも、足もと緩やかに上昇している。』

盛り上がって参りました!!!!!!!(って消費者として見ると複雑な心境になるが)

『そのうえで、@この分析の「低変動品目」と、A変動率の高低別の物価動向と輸入物価・需給ギャップ・賃金との関係性を用いて試算した消費者物価変動に占める「賃金要因」の寄与度、B産出価格に占める人件費の比率が高いサービス価格のトレンド、の3指標をみると、』

みるとどうなる???

『いずれも、長らくゼロ近傍で推移してきたが、このところ緩やかに上昇している(図表 B3-4)2』

いやっほううううううううう!!!!!!!!


ということで結論は、

『以上のように、企業の賃金・価格設定行動において、前向きな動きが徐々に広がりつつある。引き続き、賃金と物価の連関が強まっていくか、ヒアリング等の定性的な調査を丹念に行うとともに、様々な角度から定量的な分析も行うことで、見極めていくことが重要である。』

と締めておりますが、前回のBOXではこの結論部分が

『以上のとおり、わが国で長年みられてきた、賃金や物価が上がりにくいことを前提とした企業行動について、緩やかではあるものの、変化の動きが徐々に広がっている。先行き、景気の回復が続くもとで、賃金と物価の相互連関が一段と強まっていくか、注視していく必要がある。』(前回10月)

ということでどう見ても判断大幅前進です本当にありがとうございましたという風情な訳でございまして、これはキタコレの世界になっております。

まあお前ら(いくら3か月ラグがあるとはいえ)こんなに急にそれこそ不連続的なんじゃねえかというような強気ジャンプアップになっているのはナンナンダという話な訳ですが、これ即ち先ほど申し上げたように、このBOXでいう「賃金と物価の連関が強まっていく」が地続きでそのまま上振れリスクになる可能性ってやっぱり気にしないと行けないと思うのですが、「好循環」連呼する姿にそういうのは感じられない訳でして、うーん大丈夫なのかと思ってしまうのでありました、なおワイの賃金と物価の以下省略。





2024/01/24

お題「賃金ターゲットから「確度」が前面に来たので今後の説明次第ですなこりゃ(MPMレビュー)」

これはひどい
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240123/k10014331421000.html
岸田首相 派閥を政策集団に改める方向で意見集約へ
2024年1月23日 16時55分

派閥を解消して政策集団ってそれ角福戦争の時代からそういう名目でああだこうだやってたんですけど今時そんな昭和な説明が通じるとでも思っているのか???

#なお角福戦争なら思いっきり記憶にある位には老人会のメンバーなワイ

まあそんな話はさておきMPMレビューですが今回はまあ解釈が「今後の説明次第」になってしまったので今時点ではどうなのかというのがムツカシヤ。

〇声明文:政策のガイダンス文言は完全ゼロ回答

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/k240123a.pdf(今回)
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/k231219a.pdf(前回12月)

・見事なゼロ回答である

政策変更なし、貸出増加支援1年延長がしらっと入っていましたが、ではガイダンス文言はどうなっているかと言いますと、

『3.日本銀行は、内外の経済や金融市場を巡る不確実性がきわめて高い中、経済・物価・金融情勢に応じて機動的に対応しつつ、粘り強く金融緩和を継続していくことで、賃金の上昇を伴う形で、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現することを目指していく。』(今回)

『5.日本銀行は、内外の経済や金融市場を巡る不確実性がきわめて高い中、経済・物価・金融情勢に応じて機動的に対応しつつ、粘り強く金融緩和を継続していくことで、賃金の上昇を伴う形で、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現することを目指していく。』(前回12月)

相変わらず変更なし。

『「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。』(今回)

『「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。』(前回12月)

相変わらずである。ところでこの「必要な時点」ってのが何じゃろというのは昔から謎のまま推移しているのですが、今回の展望レポート基本的見解の「鏡」部分と総裁記者会見の説明によって「確度」という言葉がより前面に押し出されてきた格好になっておりますので、まあ当面はこの「確度」で行くことになるでしょう。

でもって「確度」なんてどっからどう見てもそれは定量数値が客観データから出せるようなものではなくて、主観的判断になりますので、今後のコミュニケーション(とりあえず次の注目材料は展望レポート会合の後に行われる金懇なり何らかの講演でして、展望回の時は総裁か副総裁が一発目に講演を行いますので、前回10月が氷見野さんでしたから次は内田さんか植田さんになりますな、年末植田さんやったばかりだから内田さんの方が可能性高い)次第ということになります。

でまあコミュニケーション次第なのは良いんですが、最近の日銀って金懇(特に総裁副総裁クラスの)やら講演の日程をやたらギリギリにならないと出さないという悪癖があるんですけれども、今回の会合で明確に「確度」を前面に押し出してきた以上は、政策委員の皆様の公式見解が出て来る機会が重要になる(3月中旬までMPMないし)ので、とりあえず昨今のような「不意打ち金懇」は止めて頂きたいと思います。どうせ日程なんて前から分かってるんだから出し惜しみする意味が分からん。

『マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。』(今回)

『マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。』(前回12月)

「実績値の2%超え」が延々と続いているのに「安定的に2%を超えるまで」とかいう文言でこれを残し続けているのも意味不明なんですけど、これ結局YCC導入時の「80兆円」と同じく空文化しちゃっている訳でして、こういう「なし崩しの空文攻撃」っていうのは将来においてフォワードコミットメント政策を活用しようとしたときに「どうせこいつら今入れてる文言を後から勝手に反故にしてしかも文章だけは残すんだよな」という認識になると将来のコミットメント政策を実施する際に信用されないんじゃなかろうか、とは思う訳なのですが、まあその頃にはどうせ市場の中の人も入れ替わっているし、だいたいからして市場の中の人は記憶力が壊滅的にアレという傾向があるのでヘーキヘーキとか思っているんでしょうなあ、とは思います。

『引き続き企業等の資金繰りと金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。』(今回)

『引き続き企業等の資金繰りと金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。』(前回12月)

いやーコアCPIが先行きどんどん上昇率を消していく見通しになっているんだから今こそ追加緩和する必要があるんじゃないですかねえ(超棒読み)。


ということでどんどん阿呆陀羅経になってきているガイダンス文言はいじらず、ということでして、まあコイツラもうYCC解除までこのガイダンス意地になって残しそうですね。



〇展望レポート基本的見解の鏡(概要)部分:「確度」が前面に押し出される

https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2401a.pdf(今回)
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2310a.pdf(前回10月)

まずは鏡(概要)部分を比較してみます。いつもならそこから経済物価情勢判断の確認に行くのですけれども今日はちょっと趣向を変えてアプローチする予定(って文章の構想出来てないので考えながら書くので展開違ったらゴメンよ)

1ページ目が<概要>でしてまずはこちらを見るのですけどね。

・経済の先行きに関する説明部分は文言変化なし

1ポツ目。

『・日本経済の先行きを展望すると、当面は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化などに支えられて、緩やかな回復を続けるとみられる。その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。』(今回)

『・日本経済の先行きを展望すると、当面は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化などに支えられて、緩やかな回復を続けるとみられる。その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。』(前回10月)

まあしかしこの説明、「判断が変わらない」という意味合いを出したいから文言不変なのはわかるんですけど、見通しで書かれている「当面」の経済状況を規定する要因が「ペントアップ需要の顕在化」って言ってるんですけど、アフターコロナ(またはウィズコロナ)になってから1年近く経過して相変わらず「ペントアップ需要」ってのはさすがにちょっと考え直した方がエエンチャウノと思うのですけどね。


・物価の先行きに「確度」が追加されるの巻

2ポツ目が今回の白眉。

『物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、来年度にかけて、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰するもとで、政府による経済対策の反動がみられることなどから、2%を上回る水準で推移するとみられる。』(今回)

『物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、来年度にかけて、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が残るもとで、このところの原油価格上昇の影響等もあって、2%を上回る水準で推移するとみられる。』(前回10月)

「既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響」について前回が「残るもと」で今回が「減衰するもと」となっているのって、日銀大本営がいう財価格のインフレが一段落、という説明とは整合的ではあるのですが、この部分、展望レポート基本的見解の中での物価の説明を読むと急に話がワープしている部分があってちょっとホンマカイナ感があるのでその点は後述します。

『2025 年度については、これらの影響の剥落から、前年比のプラス幅は縮小すると予想される。』(今回)
『2025 年度については、これらの影響の剥落から、前年比のプラス幅は縮小すると予想される。』(前回10月)

コアCPIの見通しの中心値が今年度から順に+2.8→+2.4→+1.8なのでそういう説明になりますわな。

『この間、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップがプラスに転じ、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まるもとで、見通し期間終盤にかけて「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくと考えられる。』(今回)

『この間、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップがプラスに転じ、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まるもとで、見通し期間終盤にかけて「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくと考えられる。』(前回10月)

この部分はコアコアCPI見通しの中心値に対応しているのですが、これは前回10月の展望でもナンジャソラという感じの説明になっておりますが、コアコアCPIの見通しって前回も今回も、

2024年度:+1.9
2025年度:+1.9

になっていまして、「見通し期間終盤にかけて徐々に高まっていく」という文章との整合性がどうなっているのよという話なんですよね。

一応大本営の屁理屈はこうなるでしょうね、というのを考えてみますと、2024年度のコアコア+1.9は2023年度のコアコア+3.8の影響が剥落する中での+1.9であって、その前の輸入物価要因などによってある意味で下駄を履いている数字、でもって2025年度はその下駄が外れる中で中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率が高まる中で実力がついてくる+1.9、という話になるんでしょうけれども、まあアクロバットな理屈だわなとは思います。

でもって今回ご案内の追加文言。

『先行きの不確実性はなお高いものの、こうした見通しが実現する確度は、引き続き、少しずつ高まっている。』(今回)

前回10月は当該文言が無かったわけですが、じゃあお前ら今までは見通し出してたけど何の根拠もなくエイヤーで出していた、ってことかよだったら最初から「不透明過ぎて予想が出来ませんゴメンチャイ」って言えよこのウソツキ、と思う訳ですわな。

という悪態は兎も角として、今回「確度」というのを思いっきりここに入れてきておりますので、つまりは今後の政策判断は「確度が高まったら超金融緩和政策の修正に着手する」という話になるので、今年の10年金利上限の拡大とは扱いが異なる、というのを示した格好になる筈なんですよねこれは。


・「確度」は額面通りなら「地均し」だが実は「ゴールポストをまた動かす攻撃」の可能性もあるんだよなー

でもってまあこの「確度」ですが、じゃあこの確度とやらを何を基準にして判断しているのか、というのは本日会見QAの文字起こしが出て来ると思いますが、会見でも何回か聞かれていたかと思うのですが、結局のところ何かの経済指標で云々とか言う話はしてなかった(と思う)ので、ウニャウニャとした「お気持ち」の世界になっている筈なんですよ。

まあ従来の説明が「賃金ターゲット」にかなり寄せた説明になっていたので、さすがにそれは政策として如何なものかと考えるとちったあマシになった、とも言えますが、なにせ「確度=お気持ち」なのですから、お気持ちが変わると昨年12月のハトハトジジイ大降臨な金融政策決定会合のようなテイタラクになる可能性もこれまた大有り名古屋は城で持つ状態な訳ですよ。

ということでこの「確度」っていうのはまあ一応鏡の部分やら総裁会見での説明やらを額面通りに受け止めますと「確度が少しづつ高まっている」なのですから政策修正に向けた緩めの地均しをしている、という風に読める訳ですが、これ意地悪解釈をすれば「賃金ターゲットっぽい説明で政策修正の先送りをしていたのですが、そろそろ実際の春闘が出てくる時期になってきましたので、賃金ターゲットのままだとモロにヒットしてしまって政策修正先送りの言い逃れが難しくなる」という現実を踏まえて「お気持ち」に政策修正先送りの言い訳をシフトした、という見方もできる訳です。

つまりですな、これ今今の段階ではまああの総裁会見の説明なので、「3月4月のタイミングに向けてソフト地均しのお気持ち表明が行われた」という事で夜間取引の債券先物が50銭だか何だか下がったりするような流れになる訳ですけれども、そもそも論として黒田末期の一昨年1月以降って「物価目標達成判断のメルクマールというゴールポストをホイホイ動かして政策修正をかたくなに拒んできた」という実績がある訳ですよ、一々並べないけどコアコア物価から始まって賃金になり、そのうちサービス価格の話が出たと思ったら今度は継続的な賃金上昇になって、さらに最近では「好循環」とかいう幻想じみた言葉まで出てくるようになっていたじゃないですか。

ですからそう考えますと、昨年12月のように突如何か変な者でも食ったかのようにコミュニケーションを引っくり返して「確度がまたさがったので物価目標達成はまだ遠いです」とか言い出すジャガーチェンジリスクは多分にありますし、そのための布石としてだれが見ても同じような結論になる「春闘を含めた賃金動向」から日銀の方でどうとでもできる「確度」という「お気持ち」に変わった、ということの可能性も結構あるので、このコミュニケーションで3月4月確実だヒャッホウとは決め打ちしにくい、というか何度煮え湯を飲まされて来たかというイカサマコミュニケーションをしているので、まあ分からんですわなというお話。

でもって最初にも申し上げましたが、今後3月MPMまで間が空くので、そうなると結局内田さんか植田さんのちゃんとした情報発信を見ていくしかない、という割と困った状態になるわな、と思うのでありました。まあ月末か来月の早い時期に何かあるでしょうけれども。

でもってですね、さっきも申し上げましたが、金懇日程が特に総裁副総裁の場合本当にギリギリになってこないと日銀から出てこない(下手したら当日ダマテンで出て来る)という状況だったのですが、今回の展望レポートの記載によってお気持ちじゃなかった「確度」が重要なコミュニケーションのキーになった(ちなみに一応前からそういう説明(確信が持てない、とか)はしていましたけど、オーラルではなくてドキュメントとしてドカンと出たという意味では位置づけが上がっている筈)のですから、コミュニケーションが大事だと思うなら金懇日程は事前に出せやゴルァと思いますし、その点、今度実施される総裁か副総裁かの外部講演または金懇の日程がきちんと事前に公開されるのであればコミュニケーションのやる気がある、ということですし、今までのような舐め腐った日程公表であれば実はこいつら何も変わっていないから「確度」は政策修正を先送りするためのゴールポスト移動というアカン奴の可能性も高まる、ということなんじゃないかとアタクシは思う次第でありまする。



・前回対比はまあ文字通りなので

3ポツ目は前回対比。

『前回の見通しと比べると、成長率については、2023 年度が幾分下振れ、2024 年度が幾分上振れとなっている。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比については、2024 年度は、このところの原油価格下落の影響を主因に、下振れとなっている。』(今回)

『前回の見通しと比べると、成長率については、2023 年度が上振れている。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比については、2023 年度は、政府の経済対策がエネルギー価格を押し下げる一方、価格転嫁が想定を上回って進んでいることなどから、幾分上振れている。2024 年度は、このところの原油価格上昇の影響や経済対策による押し下げの反動等から、大幅な上振れとなっている。』(前回10月)

まあこれはこういう事ですって話なのでいっか(というか今時間見たら残り時間がねええええ)


・リスク要因は文言同じ

泡を吹きながら4ポツ。

『リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性はきわめて高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。』(今回)

『リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性はきわめて高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。』(前回10月)

ここも本文の方を見ると(前回と変わらんのですが)何かこう引っ掛かるものがあるんですけど、ちょっとアタクシの時間の都合で明日以降に(滝汗)。


・リスクバランスは「上下バランス」に上方修正

『リスクバランスをみると、経済・物価のいずれの見通しについても、概ね上下にバランスしている。』(今回)

『リスクバランスをみると、経済の見通しについては、2023 年度と 2024 年度は概ね上下にバランスしているが、2025 年度は下振れリスクの方が大きい。物価の見通しについては、2023 年度は上振れリスクの方が大きい。』(前回10月)

物価の方はまあ今年度の話なのでさて置きますと、経済のリスクバランスが今回上方修正されて「バランス」になったのも何気に「確信度合い」と連動しているのでこれはこれでほほうと思いました。

でですね、

『もっとも、物価については、長期にわたる低成長やデフレの経験などから賃金・物価が上がりにくいことを前提とした慣行や考え方が社会に定着してきたことを踏まえると、賃金と物価の好循環が強まっていくか注視していくことが重要である。』(今回)

『もっとも、物価については、長期にわたる低成長やデフレの経験などから賃金・物価が上がりにくいことを前提とした慣行や考え方が社会に定着してきたことを踏まえると、賃金と物価の好循環が強まっていくか注視していくことが重要である。』(前回10月)

ここなんですけど、前回もこの表現があったので若干今さらジローなところはあるんですけど、賃金と物価の好循環、というのをここ以外にも出してきていて、よりこの「好循環」も表に出ているのですが、よくよく見ると好循環とは何ぞやという話もあるんですよ、というのがさっきかいた「引っ掛かるもの」になるんですがそれは明日。


・本文中で気になった事その1:輸入価格の転嫁状況の現状判断

これは基本的見解本文の『3.経済・物価のリスク要因』『(2)物価のリスク要因 』までワープしてしまうんですけど・・・・・・・・・

『既往の輸入物価上昇の価格転嫁の影響は徐々に和らぎつつあるが、今後の原材料コストの上昇圧力や企業の予想物価上昇率の動向次第では、価格転嫁が想定以上に続き、物価が上振れる可能性がある。』(今回)

『既往の輸入物価上昇の価格転嫁は既に相応に進捗しているとみられるが、今後の原材料コストの上昇圧力や企業の予想物価上昇率の動向次第では、価格転嫁が想定以上に続き、物価が上振れる可能性がある。』(前回10月)

上振れリスクとして示している「輸入物価上昇の価格転嫁の影響」なのですが、前回10月の時点では「相応に進捗しているとみられる」だったのにいきなり今回「徐々に和らぎつつある」となっていて、進捗完了をすっ飛ばしていきなりピークアウトという認識を示しているというのが何か結構違和感ありまして、たかだか3か月でそれまでが「進捗中」だったのが「完了して寧ろピークアウト中」になるんだよと思いますし、だったら12月の時にそういう説明してましたっけってなもんなんですよ。

まあこれは「財価格はピークアウトしてコストプッシュ圧力が下がっている」っていう大本営発表には平仄が合っているのですが、寧ろ毎度おなじみの大本営発表に合わせたマクロ判断してるんじゃねえかという疑惑があるのですが・・・・・・・・・

ということで明日に続きますサーセン。






2024/01/23

お題「本日の興味は方向性の出し方に絞られたようです(MPM)/ハト派連銀総裁の見解を改めて確認の巻」

久々に一切ときめきの無い決定会合2日目を迎えますが如何お過ごしでしょうか。

〇とりあえず何もないようですがまあ方向性の出し方でしょうね(決定会合)

昨晩のNHKちゃん
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240122/k10014330281000.html
日銀 金融政策決定会合“物価や賃金 議論”政策の方向性焦点に
2024年1月22日 19時09分

『日銀は22日から2日間の日程で金融政策決定会合を開いています。日銀は賃金の上昇を伴った形で2%の物価安定目標の達成が見通せれば政策を転換する姿勢ですが、中小企業の賃上げの動きなど不確実性も残るとしていて、物価や賃金の動向に関する議論を経て政策の方向性をどう示すのかが焦点となります。』(上記URL先より)

タイムスタンプ的に19時のニュースでやった物件かと思われますが、特にどうという事もなく、

今朝の日経ちゃん
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB223T70S4A120C2000000/
日銀、25年度までの物価見通し改定へ 午後に総裁会見
経済
2024年1月23日 5:00 [会員限定記事]

『日銀は23日の金融政策決定会合で物価と賃上げなどの経済情勢を議論する。足元では原材料高に起因するインフレ圧力が弱まる一方、人件費の動向を反映しやすいサービス価格の上昇基調が続く。日銀は2025年度までの消費者物価指数(生鮮食品を除く)上昇率の見通しを改定し、賃金と物価の好循環の持続力を見極める。』(上記URL先より)

しかしまあ何ですな、財価格が上がって2%越えを連発している時には「財価格の上昇はコストプッシュ要因の一時的なもの」を連呼しておいて、サービス価格の上昇基調が続くと今度は「賃金と物価の好循環」という訳の分からん事を言い出して結局サービス価格の上昇基調についても見なかったことにするというプレイをしている日銀に真っ当なロジックを求めるのは空しいのですが、今回はどういう小理屈を捏ねるのか、という情報発信次第ですわな。

ということで上中下の三策は以下の通りでして、

上策:物価目標達成に向けた確信度の高まりを強調して3月4月のマイナス金利解除に向けて明確に予告ホームランするという日銀やる気元気井脇な展開(何なら今月サプライズ解除だがさすがにそれはw)

中策:12月会合同様にゼロ回答またはマイナス回答をぶっこんで、円安進行が加速することによって3月4月会合に向けて日銀が追い込まれてションベンチビって泣きながらマイナス解除に向かう破目になる

下策:足元の円安進行だったり、直前に「今後の政策修正へのメッセージが無いとドル円150円待ったなし」とあちこちで言われているのにビビって、別に3月4月もやる気が一切無いのに中途半端な説明をして小賢しく円安牽制をするんだがそもそもやる気はないので3月4月も同じようにグダグダ

という感じのイメージというか、まあこの3展開のどれかになるんでしょうけれども、普通に考えるとこれ「下策」の方になりそうな悪寒がする訳でして、いやだからやる気がないのに変な引っ張り方して延長戦延長戦ってなるの勘弁して欲しいんですけどねえ。

なお、オーバーシュート型コミットメントとか追加緩和バイアスの金利ガイダンスとか、どっからどう見てもゴミ文言以外の何物でもない文言はとっとと外せや馬鹿と思うのですけれども、これまで外してこなかった実績を勘案するとこの人達マイナス金利解除しても下手したら文言外さないんじゃないか(マイナス金利解除が次の利上げへの思惑を呼ばないために)という気がするんで一切期待していない(べき論としては早く外せやこのハゲなのですが)でありまする。

ということで何も無かったので今日の情報発信について大予想(予想は「下策が出てくる」ですをしてみましたというしょーもない悪態でした。



〇FEDもブラックアウトに入ったのでハト派の方々のご意見を見物して回るの巻企画

まあさすがに今月会合で次回利下げ予告ホームラン(そもそも利下げの予告ホームランって要らんのとチャイマスカとは思いますけど)とかそういう物件は出なさそうですが、前回明らかにやらかしてしまったパウエルおじちゃんが会見でのコミュニケーションをどう立て直していくのか、というのが楽しみの一つになろうかと思います。

でまあ利下げ局面入りにはそもそもハト派が利下げ意思満々になっていないと行けないのですけれども、少なくとも表面上は早期利下げ思惑火消しモードに今回は入ったということで、じゃあこの人達実際どのような認識なの、というのを見ておくのが吉かということでウォーラーとボスティックの先般の講演における火消し部分じゃなくて経済物価の先行き見通しに関連するところを確認してみる企画でありまする。

ということでボスティック総裁の方から先に参ります。

https://www.atlantafed.org/news/speeches/2024/01/18/bostic--arc-of-monetary-policy
The Arc of Monetary Policy May Start Bending Soon
Raphael Bostic
President and Chief Executive Officer
Federal Reserve Bank of Atlanta
Atlanta Business Chronicle 2024 Economic Outlook
Atlanta, Georgia
January 18, 2024

最初のご挨拶(ヘッジ文言まで)の部分を飛ばしてその後を見るとですね・・・・・・・・・・

・普通に「実質的な引き締めが強まっている」とか言ってる件

まずは現状認識ですけれども、

『As we enter a new year, we may be approaching a new phase in the monetary policy cycle that began in March 2022. Then, the Committee initiated a series of moves that raised the federal funds rate from effectively zero to a range of 5 1/4 to 5 1/2 percent, as we took action to subdue a bout of inflation born of pandemic-induced economic imbalances. Where are we now in this fight?』

『This slide illustrates that the real federal funds rate-that is, our interest rate adjusted for inflation-is at its highest level in over a decade (chart 1).』

チャート1ってのは上記URL先をみてちょんまげなのですが、実質FF金利が2007年以来の3%水準にあがっていまっせという図でして、

『To summarize one key takeaway for you, my view today is that monetary policy is at an appropriately restrictive stance, sufficient to promote the return of inflation to our 2 percent target over the medium term.』

one key takeawayとしては「FF金利は物価を落ち着かせるのに十分に引き締め的である」って書いてあるのですが、その直下に大々的に貼ってあるチャート1のインパクトの方がデカい、というのはまあこれボスティック総裁としては、早期利下げ観測をみんなで火消ししているし、そもそも早期利下げするまでの確信も無いのにあんまり突っ走った事は言えないというのはあっても、「今のFFは結構なレベルでの引き締め状態だよ」というメッセージを示している訳でして、ニュアンスとしては「金利水準結構高すぎ」と思ってるんジャマイカと感じてしまったのですが、まあそこは大いに個人の感想の世界なので解釈はお任せ。

でもってそのどどーんと貼ってるチャート1の後の文章ですけれども、


・よって政策の部分では早期利下げ観測に放水してたけど基本利下げに向かう気は満々なのよ

『For me, the primary challenge now shifts to assessing how long the federal funds target range should be held at its current level before it will be appropriate to begin unwinding the restrictive stance of policy.』

ワシのthe primary challengeはいつ利下げに転じるか、だそうですのでやる気満々なのはやる気満々なのよね。

『In forming this judgment, the Committee must gauge the long and variable lags of monetary policy-that is, how much bite from restrictive policy remains to play out-in determining the path for normalizing the federal funds rate that will be consistent with achieving the dual mandate Congress has given us. As a reminder, our charge is to return inflation to our target of 2 percent over time while supporting the strongest possible pace of employment growth.』

ここはただ単に「2%達成のために必要であるという判断で利下げ着手します」という程度の話でどうでもよくて、

『You have no doubt heard the goal of getting inflation to 2 percent while experiencing limited or no employment loss described in the popular press as a "soft landing." While I generally avoid using this term, as it doesn't really have a clear definition, whether one calls this dynamic a "soft landing," "the golden path," "immaculate disinflation," or something else, the fact is that it is quite rare and awfully hard to achieve.』

世の中では "soft landing," "the golden path," "immaculate disinflation," というような道になる期待をしている向きも多いのでそういう言葉も良く使われるけどそんなに簡単な道ではないよ、と来ますが次のパラグラフの頭が、

『But so far, so good.』

何だよ調子いいのかよw

『Probably the clearest illustration of our progress is this: when the Committee began increasing the federal funds rate in March 2022, the headline unemployment rate was 3.6 percent. It was 3.7 percent last month. So, the Committee has undertaken one of the most aggressive policy-tightening campaigns in recent Fed history without significant damage to the labor market. That is highly unusual.』

雇用の状況が引き締めぶっこみまくっているのに非常によろしくて、That is highly unusualだと来ました。次のパラの頭が、

『While that progress is encouraging, I want to stress two things.』

その2つとは何ぞや。

『First, we are still a ways from our 2 percent target.』

2%へのまだ途上だと。

『Second, there remains considerable uncertainty about how supply and demand in the economy will evolve in 2024 as we seek to promote a return to balance of these two fundamental forces.』

需給バランスの改善が今年も続くか、という事だそうで、ここで次の小見出しに進みます。


・基本的に現状にはご満足の模様

小見出しがそもそも『nflation rate declining faster than expected』ということで威勢が良いんですけどねw

『Let me offer context for my policy views. Over the past year, many of the key data points I monitor have moved more rapidly than my team and I, along with most forecasters, expected. In large part, that is why we may be approaching the time to consider removing restriction from our policy.』

小見出しはインフレーションですがポリシービューと来てますが、これは金曜日にネタにしました通り、途中か今後の利下げタイミングについてのお話になるからですな。

『What are these fast-moving indicators?』

『Start with overall economic activity. In the early and middle parts of 2023, most economic observers, including economists at the Federal Reserve Board of Governors, predicted that tight financial conditions would contribute to a mild recession in late 2023 followed by a moderately paced recovery. We at the Atlanta Fed were a tad more optimistic. At the start of 2023, rather than seeing a recession, our staff projected gross domestic product (GDP) growth of about 1 percent for the year.』

金融環境について注目しているようですな。でまあその影響を成長予測に勘案しましたワシら、と来まして、

『Well, the US economy proved to be even more vigorous than our more optimistic outlook. We subsequently bumped the forecast up to about 2.1 percent in September, and we are now expecting GDP growth to come in at 2.6 to 2.7 percent for the year. We'll get the first estimate in a week.』

その見通しよりも堅調に推移しましたよとまずは成長が強いという話をしましてその後に物価の話が来ます。


『Inflation has similarly surprised us to the good (chart 2).』

チャートはすっ飛ばしますが、

『Well, the latest print has PCE inflation at 2.6 percent for the 12 months through November.(The US Bureau of Economic Analysis will release PCE inflation for December next week.)』

『Taken together, these data indicate that the golden path of declining inflation and still-solid labor markets and economic growth may stretch farther than most of us figured just a few months ago.』

ということで物価は良い感じで落ち着いてきており、雇用は堅調で成長も強い、といういいことづくめの話をしまして、この先が、

『Because I'm data dependent, I have incorporated the unexpected progress on inflation and economic activity into my outlook, and thus moved up my projected time to begin normalizing the federal funds rate to the third quarter of this year from the fourth quarter.』

ということで先週金曜にネタにしました「利下げ開始時期は今年の第4四半期から第3四半期に前倒ししました」以降になるのでした。


・でもってハト派おじちゃんの注目する指標は何かという話になる

ということで既にネタにした放水箇所は飛ばしまして『What am I watching?』という所に飛びます。

『Let me list a few metrics that will be of particular interest to me in assessing the appropriate path for policy in coming months.』

ほうほうこれはこれは。

『First, I will be looking at shorter-term inflation measures for clues to where the 12-month inflation readings are likely headed.』

まずは短期的なインフレに注目なんですと。

『As the chart shows, the six-month and three-month change in the PCE inflation gauge, respectively, were right at and a bit below the 2 percent target as of November (chart 2). I will look for continued good news there.』

さっき飛ばしたと申し上げたチャート2ですが、「3か月対比」「6か月対比」「12か月対比(いわゆる前年同月比)」のインフレ率を並べておりまして、まあ要するに短期的なインフレダイナミクスがどっちに向いていますかというのに注目しているようですね。


『Next, labor market indicators will offer important signals about whether we remain decisively on the path to 2 percent inflation without serious damage to employment.』


・ところでこの実質賃金の話はどこかのトンチキ中央銀行に読ませて差し上げたいんだがwwwwwwww

次が労働市場の状況を示す指数なのですが・・・・・・・・

『After surging in 2022 as labor demand dramatically outstripped supply, nominal wage growth is easing back toward the average annual rate of just over 3 percent that prevailed in the three years before the pandemic. Meanwhile, inflation has decelerated faster than nominal wage growth, so real inflation-adjusted wage increases nudged into positive territory in mid-2023 and are still climbing.』

おちんぎんの方が物価上昇に追いつくように上昇する中で昨年中盤から物価上昇率が鈍化してきたので、実質賃金の伸びがプラスになった、という話をしております。どっかの寝言をほざいている中央銀行はこのパラグラフを100万回読むことをお勧めしたい。

『However, real average hourly earnings remain below pre-COVID levels. So, a bit more acceleration in real wages should not necessarily spark a resurgence in inflation. In short, a normalization of real wage growth back to prepandemic levels would be conducive to reaching the inflation objective without tanking the economy, and by and large that's what we're seeing.』

ここでハウエバーときまして、「real average hourly earnings remain below pre-COVID levels」と来ておりまして、「時間当たり実質賃金はコロナ前の水準よりもまだ下にいる」と米国の現状についてご説明しておられます。

ボスティック総裁の説明は「だから今後さらに賃金が少々上振れしてもそもそもコロナ前の水準を回復するだけの話だから無問題」という話になります。

でまあ皆様予想通りに隙あらば悪態をぶっこむスタンスなのでぶっこみますが、この部分を見ますと如何に日銀の言う「賃金と物価の好循環」というのが絵空事なのかという事が分かるということでして、この絵空事はどうせ目先の言い逃れに使っているだけなのでしょうけれども、あんまりこのロジックを多用するとそのうち引くに引けなくなってしまうからいい加減標準的なマクロ経済学の常識からして奇論珍論になるような説明は止めろやと思うのですが、そもそも置物フローチャート(2013年8月28日の京都講演)がこの世の物とは思えない奇論珍論なので、その上塗りに更に珍説のデコレーションをしているということなんでしょうけどね、といつもの悪態。


・雇用者数(なのかな)の増減を気にしているようで

さて気を取り直して、

『Finally, I'm tracking job growth and job losses.』

雇用そのものというか就業者というかの増減を見ているそうです。

『For now, the labor market remains broadly healthy-remarkably so during a forceful monetary policy tightening cycle. Even as employment growth has slowed over the past year, the economy is still adding enough jobs each month to hold the unemployment rate stable at historically low levels. And as my staff and I talk to business leaders, we hear very few say they expect layoffs.』

『At the same time, employment growth is slowing (chart 3). It would be slowing even more sharply but for one comparatively small employment sector: health care and social assistance.』

ということでチャート3というのが出てきます。こちらは非農業部門雇用者数全体の推移で、グラフはトータルの増加数の推移になっています。

『Jobs in health care and social assistance, the bulk of which are in health care, account for only 14 percent of private-sector employment. Yet that single sector generated about 60 percent of private-sector job growth over the past seven months. In fact, without health care and social assistance, employment growth over the past several months would be below the level needed to keep the unemployment rate from rising.』

『If employment growth slows more rapidly, then that would complicate the task of continuing to promote disinflation alongside healthy economic activity. In that case, I would need to adjust my view of the appropriate path for policy.』

ということで、雇用者数の鈍化が著しくなった場合は利下げサイクルのスタートが速くなる、というのを言っているのは成程と思いました。まあ一つの考え方として気にしておく必要はありますよね。

ということで最後に『Uncertainty abounds』という小見出しがあるのですがそこはパスします。









2024/01/22

お題「決定会合事前報道無しですね/市場備忘メモ雑談/ブラックアウト駆け込みで地区連銀総裁の発言相次ぐ」

経済ニュースがあるかと思ってチェックしてたら関係ないもんを拾ってしまうま
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240121/k10014329321000.html
初代ミッキーマウス 登場アニメ著作権切れで米で2次創作可能に
2024年1月21日 20時48分

『アメリカでは、1928年に公開されたディズニーのアニメ「蒸気船ウィリー」の著作権が昨年末で切れました。今月1日から、一定の条件のもとでこの作品に登場した初代のミッキーマウスなどのキャラクターを使った2次創作が可能になり、アメリカメディアは世界的なキャラクターの転換点だと大きく伝えています。』(上記URL先より)

全然詳しくないのだけどこの人は今は何代目なんですかしら。


〇決定会合プレビュー雑談

よしどこもトップに記事は載っていないな!!!!

日経
https://www.nikkei.com/
読売
https://www.yomiuri.co.jp/
NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/

あとは知らんという所ですけれども、さっきの某キャラクターネタを拾ったのは単に経済ニュースコーナー(カテゴリは「ビジネス」)に何かあるかと思ったらそっちを見てしまったというだけの話ではあるのですがw

ということでNHKさんから、

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240122/k10014329361000.html
日銀 きょうから金融政策決定会合 政策の方向性どう示すか焦点
2024年1月22日 5時35分

『日銀は、22日から2日間の日程で金融政策決定会合を開きます。日銀は、賃金の上昇を伴った形で2%の物価安定目標の達成が見通せれば政策を転換する姿勢で、市場はそのタイミングに注目していますが、中小企業の賃上げの動きなど不確実性も残る中、政策の方向性をどう示すのかが焦点となります。』(上記URL先より、以下同様)

>日銀は、賃金の上昇を伴った形で2%の物価安定目標の達成が見通せれば

そもそも論としてこの先にもありますように物価の2%超えを延々と続ける中で賃金も今年度は上昇した(なんで丞相って変換するんじゃこのIMEはw)し、とっくの昔にこんなもん達成していることにできるわけでして、つまりは日銀大本営が言っている屁理屈はやりたい政策(まあこの場合はやりたくない政策ですけど)の後付け屁理屈に過ぎないので、結局のところ春闘が強かろうと弱かろうと、それと全然関係ない世界で政策修正をしたければする、したくなければしない、というだけのお話だと割り切って考えればヨロシアル。

『消費者物価指数が先月まで1年9か月連続で2%を上回り、金融市場は日銀がマイナス金利政策を解除するタイミングに注目しています。』

「消費者物価指数が先月まで1年9か月連続で2%を上回り」ってしれっと入れていますよね。

『植田総裁は先月、NHKのインタビューで、政策転換の判断のポイントとして春闘での賃上げの動向とこれまでの賃金上昇の物価への波及という2点を挙げました。』

こちらの記事は年末にご紹介した通りですけれども、じゃあ春闘の賃上げの数字がどの位なのかとか、賃金上昇の物価への波及というのは何の価格を見るのか、とかそういうのは絶対に明言しない(明言すると新しい屁理屈を繰り出しにくくなるから)ので、まあこんなのもその場しのぎの屁理屈でして、黒田の末期も大概でしたが、植田総裁になってからは2%という物価水準が定着して政策を修正しない言い訳をするのに無理が生じているもんだから道理は引っ込みまくってその場しのぎの屁理屈はこねて標準的なマクロ経済の考え方からみたら珍説まで唱えていき、都合のよいミクロを取り出して説明するんだから、まあ何とかストの皆さんも日銀の屁理屈に対応してああでもないこうでもないと説明するしかなくてご苦労な事です。だれか「この人たちの理屈はそもそも信用ならんので真に受けてはいけません」から分析をぶっこむと面白いのですがさすがに会社の名前背負っているとそこまで振り切るのは無理がありますもんね、同情の念に堪えません。

『こうした中、開かれる今回の金融政策決定会合では、日銀が足もとの賃上げの動向を踏まえ、政策の方向性をどう示すのかが焦点となります。』

ということで、まあアタクシの大予想は「まだまだこれからデータをみていかないとわかりません」攻撃で円安にぶっ飛んでいただいて日銀のケツに火が付く、という流れなのですが、3月4月のマイナス解除に向けた何か示唆でもぶっこんで来るのもワンチャン足元の円安であるかもしれないな、とは思わないでもない。

声明文とか展望レポートは最早こいつらの場合後から平気でひっくり返すクソ文書なので、結局は植田さんの会見でやる気を出すのか出さないのか、というのが焦点になるとおもいますが、大体この人想定問答を喋っているときはハトハトチキンジジイ状態になっているのしか見たことないので、まあ期待しない方が良いかとは思います(とフラグを立てる)。



〇お、輪番増額しなかったじゃんよすよす

金曜の輪番オファー
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of240119.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,750 2024年1月22日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,250 2024年1月22日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,750 2024年1月22日
国債買入(残存期間25年超) 750 2024年1月22日

まあ月曜の絶好のチャンスの時に中長期の輪番減額をしなかった人たちなので今回そっちの減額はさすがにねえだろと思いましたが(本来ならバンバン減らすべきだと思うけどそれはさて置きまして)、超長期後半の輪番を750で据え置き=1回スキップ分減額、ということになりまして、これ額増やしたら(ノ∀`)アチャーって感じでしたが、まあ市場も別に増やしてくれとは思っていなかったみたいでこのオファーで特段の反応は無かったようでなにより(ナンジャソラ)。

いつものロイターさん
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/UMMB5I6FPJOKBF2MAM7JAB63NA-2024-01-19/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は小幅続落、長期金利0.665%と1カ月ぶり高水準 超長期債主導の金利上昇
坂口茉莉子
2024年1月19日午後 3:40 GMT+9


『[東京 19日 ロイター] - <15:34> 
国債先物は小幅続落、長期金利0.665%と1カ月ぶり高水準 超長期債主導の金利上昇

国債先物中心限月3月限は前営業日比2銭安の146円68銭と小幅続落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同1.5bp上昇の0.665%と昨年12月19日以来、1カ月ぶりの高水準。現物市場で超長期ゾーンを中心に金利が上昇。その流れが波及し、先物も売り圧力が強まった。』(上記URL先より、以下同様)

月曜のあの相場は何だったのかと小一時間問い詰めたい。

『先物は前営業日終値から横ばいで寄り付いた後は、プラス圏に浮上。前日に大きく売られた反動で買い戻しが優勢となり、じりじりと上げ幅を拡大した。日銀が午前に通告した中長期・超長期債対象の日銀オペのオファー額はいずれも据え置かれた。後場に入り先物は一時マイナス圏に沈んだ後、再びプラス圏に浮上した。中長期・超長期債対象の日銀オペについては「応札倍率は上昇したものの、案分利回りは市場実勢並みで、特段悪い結果ではない」(国内証券ストラテジスト)とし、相場への影響は限定的だった。』

ということで後場の寄り輪番が弱くて下げたのか鈴木財務大臣が為替に言及して下げたのかよーしらんけど、まあ先物ちゃんは値持ちしておったげなという所ですが、

『TRADEWEB

    OFFER  BID    前日比  時間
2年  0.019  0.038    0.001 15:31
5年  0.244  0.258    0.008 15:31
10年  0.661  0.672   0.016 15:31
20年  1.461  1.476   0.008 15:31
30年  1.756  1.771   0.055 15:31
40年  2.023  2.038   0.081 15:31』

ちなみにこちら20年が甘くなっていないように見えますよね。これは単に新発が出て比較する銘柄が既発から新発に代わっている、つまり違うのを比較しているので8糸甘とかなっていますが、記事の引用飛ばした部分にありますように、20年は3毛〜4毛程度金利上昇しているので、まあ普通にベアスティープというか後ろが売られるの巻でした。

まあアレです。米国の3月利下げ祭りが段々意気消沈していくなかでの金利上昇で、その前が3月利下げ祭り+ハトハトチキンジジイのコンボによる金利低下ではあるので、全部が全部日銀のせいではないのですけれども、やっぱり今月の相場は「金利低下局面で入札が悉く不調に終わる」というのが市場の空気としては順当な流れではあったのですが、普通そういうことって単発であったとしても連続攻撃で食らうということはおじちゃんもあまり見た記憶が無いので、非常に興味深く感じました、どうせ数年たつと忘れる(加齢性ではない方で)ので、しつこく書いておいて覚えておこうかと思います(って過去ログ整理しないとですねさーせん)。


〇グールズビー総裁とかデーリー総裁とかの高官発言ネタで

米国の方の記事の翻訳だからロイタージャパン多分関係ないと思うのですが、FED高官発言の記事ってロイターが書くと最近のヘッドラインがやたらハトっぽくなっていまして、ブルームバーグの方がまあ中立に近い書き方をしているのでブルームバーグの記事の方から見るようにしております。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-20/S7J4OZT0G1KW00
米地区連銀総裁、まだ利下げの時期でない−データ踏まえ相次ぎ発言
Laura Curtis、Catarina Saraiva、Steve Matthews
2024年1月20日 9:16 JST

→利下げが「間近だと考えるのは時期尚早」とSF連銀総裁
→アトランタ、シカゴ両地区連銀総裁もデータの役割を強調

『米地区連銀総裁3人は19日、利下げ時期を巡る決定の指針となるのは今後発表されるデータだと強調するとともに、金融緩和開始のための十分な証拠はまだ見当たらないとの考えを明確に示した。』(上記URL先より、以下同様)

ということで、

『サンフランシスコ連銀のデーリー総裁はFOXビジネスのインタビューで、「経済を締め付けないよう、先を見据えて、政策調整がいつ必要なのかを問うのは適切だと考える一方、それが間近だと考えるのは非常に時期尚早だ」と語った。』

ほうほうそうですかそうですか。

『サンフランシスコ連銀のデーリー総裁はFOXビジネスのインタビューで、「経済を締め付けないよう、先を見据えて、政策調整がいつ必要なのかを問うのは適切だと考える一方、それが間近だと考えるのは非常に時期尚早だ」と語った。』

ということで、これ金曜にネタにしてボスティックの講演でも同じようなくだりがありましたが、引き締めの引っ張り過ぎは良くなくてプリエンティブに対応する、という話はするんですよね。


更にボスティックもFOXに登場してて、

『アトランタ連銀のボスティック総裁もFOXビジネスとインタビューし、自分の見通しを変更することにやぶさかでないとしつつも、最初の利下げは7−9月(第3四半期)までないと引き続き予想していることを明らかにした。』

『ボスティック総裁は「こうした見通しや、いつ利下げ開始が必要になるかについての自分の見解を変えることにオープンだ」と発言。ただ、当局の物価目標に絡み、「景気抑制的スタンスを解除するのに先立ち、2%に向かって順調に進んでいることを確認」したいと述べた。』

ということですが、まあボスティックは直前に講演があって金曜にネタにしたのでそれと同じ話でございましょう。


でもってシカゴのグールズビーですが、

『シカゴ連銀のグールズビー総裁はCNBCのインタビューで、「インフレに関して予想を超える速さの驚くべき進展が続けば、景気抑制の度合いを決める上でそれを考慮に入れなければならない」とし、インフレ鈍化に伴い「対応を評価していくのは明白だ」と述べた。』

『グールズビー総裁は最初の利下げ時期について直接コメントしなかったが、予想より速いペースの物価上昇圧力の緩和があれば、インフレ調整後の実質金利が上昇し続けることがないよう確保するため、当局として金利を引き下げる可能性があることを示唆した。』

ということですが、ボスティックは金曜と同じと思われるのでさておきまして、

グールズビー総裁@CNBC
(URLがアホみたいに長いのでハイパーリンクを掛けているの途中の文字列までですが当該ページに飛ぶはずです)
https://www.cnbc.com/video/2024/01/19/chicago-fed-president-goolsbee-a-mistake-for-the-market-to-hinge-on-the-words-of-fed-officials.html

SQUAWK BOX
Chicago Fed President Goolsbee: A ‘mistake’ for the market to hinge on the words of Fed officials

『Chicago Fed President Austan Goolsbee joins ‘Squawk Box’ to discuss the Fed’s inflation fight, rate path outlook, state of the economy, and more.

FRI, JAN 19 20249:25 AM EST』

ということでこっちは動画だけでして、全部で7分26秒なのですが、政策変更に関してはフワッとした話に終始してたら3分半くらいの所で「理論的(セオリティカリー、って言ってた)にはどうなんですか」とかツッコまれて苦笑している場所がありました。

でまあ基本的に「まだ利下げの話を具体的にする時間じゃない」という話ではありましたが、その中でほーと思ったのは(アタクシが聞いてたベースなので聞き間違えていたらゴメンやでなのですが)、グールズビー総裁「物価が下がってくると(政策金利が同じでも)金融引き締め度合いが高まっていくという指摘をしていまして、その上質問の中では(金曜にネタにしたボスティック総裁講演の中で言及されていた)ワイルドターキーネタについても言われていました。

なので基本的に「プリエンティブに利下げ着手の対応をする」ってのはやぶさかではないので、確かにまあホイホイと物価が落ち着いて来ればその場合は対応異なるかもねとは思いますが、まあそれを決め打ちするのは3月ではさすがに時間が足りなさ過ぎやしませんか、とは思うのでありました。


デーリー総裁@FOXビジネス
https://www.foxbusiness.com/economy/feds-daly-warns-premature-think-rate-cuts-around-corner
FEDERAL RESERVE Published January 19, 2024 4:17pm EST
Fed's Daly warns it would be 'premature' to think rate cuts are around the corner
Top Fed official pumps the brakes on interest rate cut expectations

こちらは記事付インタビュー映像が拾えましたが、まあ題名にある通り(インタビューは9分3秒)でこれまたまだ決め打ちできんわという話。

『During an interview with FOX Business' Charles Payne and Edward Lawrence, Daly warned that it would be "premature" to think rate reductions are around the corner, and said she needs to see further evidence that inflation is returning to the central bank's 2% target rate.』(上記URL先より、以下同様)

そらそうよ。

『"While I think it’s appropriate for us to look forward and ask when would policy adjustments be necessary, so we don’t put a stranglehold on the economy, it’s really premature to think that that’s around the corner," she said. 』

でまあこの辺が思いっきり記事の題名とURLになっていましたわな。

『Daly, who is a voting member of the policy-setting Federal Open Market Committee this year, stressed the need to see signs that inflation is falling "consistently and sustainably for me to feel confident enough to start adjusting the policy rate."』

ということでさすがに来週のFOMCでは「方向性は引き締めの終了」であっても「時期はデータディペンデント」って情報発信に徹してくる(この前のパウエルみたいなハトハトジジイ二世みたいにはならない)んじゃなかろうか、と思わせてくれますな。


でまあこれ以降FEDちゃんは喋らん時間になりますので、直近に出た人たちの発言でネタ拾えるものを(日銀ネタと共に)成敗していく感じですかね今週は、と思っております。


#今朝はネタ出しモードですいませんすいません







2024/01/19

お題「相場が売られると相場雑談をしたがる人ので備忘雑談/ハト系おじさんアトランタのボスティックも3月ではないようで」

ゴピナート姐さん・・・・・
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/ODCCY5A24NORJBMNMARC7L47PY-2024-01-18/
中銀は早期利下げ期待抑制すべき─IMF高官=FT
ロイター編集
2024年1月18日午後 3:15 GMT+9

『[18日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゴピナート筆頭副専務理事は、早期利下げへの市場期待をあおらないよう各国中央銀行に対し政策転換を慎重に進めるよう注意を促した。18日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に掲載されたインタビュー記事で述べた。』


〇いやしかし何ちゅう相場なのかということで今日の輪番どうなるやら

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/ISR4OIXBLBMMNMOG6W5JFPQ7J4-2024-01-18/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅続落で引け、長期金利0.65% 1カ月ぶり高水準
ロイター編集
2024年1月18日午後 3:19 GMT+9

あ、そうそう昨日アタクシ幣駄文で6Mの新発とか言ってましたが昨日は1年短国の入札で6Mは先週でしたすいませんすいませんすいません。

というのはまずさて置きまして昨日の相場ちゃんですがロイターさんの講釈を毎度のように引用しますけど、

『[東京 18日 ロイター] - <15:11> 国債先物は大幅続落で引け、
長期金利0.65% 1カ月ぶり高水準

国債先物中心限月3月限は前営業日49銭安の146円70銭と大幅続落して取引を終えた。海外金利の上昇や弱い入札結果が相場の圧迫材料だった。現物市場の新発10年国債利回り(長期金利)は同4.5ベーシスポイント(bp)上昇の0.650%と、12月19日以来、1カ月ぶり高水準をつけた。』(上記URL先より、以下同様)

という訳で月曜の2年カレントマイナス金利突入とは何だったのかと小一時間問い詰めたい相場展開となっておりましたが、月曜中長期輪番まさかの減額見送り→アイヤーと金利低下→5年と20年の入札がどっちも高値圏になってしまって調整しても追いつかずにあばばばばー、ってまあ米国金利というのもあったにせよ何なんだよこれという次第でして、まあ大本を辿れば150回くらいは申し上げていますように、日銀の輪番が過大で金利を馬鹿みたいに押し下げるのと、市場の流動性を引き下げているのが背景にあって、そのせいで何か動き出すともはや大した理由でもなく全員が動き出してしまうダチョウの群れのような相場になってしまっている次第で残念無念。

『きょうの国債先物は、海外市場で米欧の国債が売られた流れが相場の逆風となり、売り先行でスタート。また財務省が実施した20年国債入札が低調な結果となったことから、午後に入って一段と売りが膨らむ展開となった。』

これも落札結果出た瞬間に先物下がったあと先物ちゃんはいったん戻りかけたのですが、しばらくして、というほど暫くもしてなかったですが、まあ数分しか値持ち出来ずにその後下がるという値動きで、入札の後安値付けるまでは脊髄反射なのですが、その後の値動きが気持ち悪いわと思ったらそこから一段の下げでカーブ全般も後ろ中心に売りという状況になってしまってまあ引け味悪い悪い。

今回から発行予定額が2000億円減った20年国債だった訳ですけれども、

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20240118.htm
20年利付国債(第187回)の入札結果

6.価格競争入札について
(1)応募額    2兆5,373億円
(2)募入決定額  8,117億円
(3)募入最低価格  98円45銭
(募入最高利回り)(1.399%)
(4)募入最低価格における案分比率 5.6386%
(5)募入平均価格  98円69銭
(募入平均利回り)(1.383%)

確かベンダーさんの集計とかだと98.60辺りが足切り予想で15銭流れなのですが何かもう流れる入札見慣れてしまってああ1毛ですかシャーナイですねえ位に思ったらどうも今回はいわゆる不明玉も少なくてありゃまあこれ投資家の買い参戦意欲低すぎワロリンチョということのようで誠にアレな結果となったようですな、ナムナム。

でまあロイターさんの記事に戻りまして引けの気配の方を拝見しますと、

『TRADEWEB

   OFFER  BID   前日比  時間
2年  0.026 0.037   0.015  15:08
5年  0.235 0.247   0.035  15:08
10年 0.645 0.656   0.045  15:07
20年 1.387 1.397   0.08   15:10
30年 1.707 1.721   0.089  15:11
40年 1.956 1.965   0.101  15:11』

まあアレです、これ今更詮無いのですけれども、月曜の中長期輪番減額しておいて5年入札をもう少しましな水準でやっていたら後の展開違ってたと思う訳で、市場的な感覚では衆目が減らすだろで一致していた(つまり多少減らしても別に相場はこけなかったんですけどね)ところで輪番減らさんプレイによって変に相場を持ち上げるから山高ければ谷深しということになる訳ですな、南無阿弥陀仏。

いやまあバックにアメリカン金利市場がこの世の物とも思えない3月利下げ着手予想とかでヒャッハーしてたのが現実に戻りだす、というタイミングと重なったにせよ、まあこういうのは運勢の問題でもありまして、どうもこう輪番絡みでは外部環境も含めて日銀の「間の悪さ」を演出する方向に進んでしまうのでそこは同情の余地はあるにはあるんですけれども、まあとにかく輪番の上げ下げに関しては間が悪いとしか言いようがないですな。


・・・・・・という訳でこれがまた本日も輪番ちゃんがあったりするわけでして、しかも今日は中期前半と後半、長期、超長期後半と(昨日新発のあった20年ゾーンを除く)主要年限勢ぞろいという輪番になるのですが、超長期後半に関しては今月の一発目になりまして、なにせ超長期前半と同様に今月から回数が1回減るということになっております。ちゃんと超長期前半と同様に回数1回減った分減額(すなわち12月と1回の買入が同じになる)のかどうかというのが注目されるわけでして、この足もとでの金利上昇を見てビビリンチョして買入額増やしてきそうなところが今の日銀の油断も隙も無い所なわけですなうんうん。

まあアレですよ、しつこく申し上げますが今月の入札クソ流れ連発って別に1月会合に向けた思惑とかそういうのでは全然無くて、おおもとの背景に「日銀の買入のやり過ぎで流動性の低い市場になっている中で年初来の金利低下材料に過剰反応した市場が修正をしている」というのがあるだけに、ここで輪番増えましたとかなると市場の流動性更に下げるだけで何も良いことはないと思うのですが(一時的には効くと思うけど)さてどうなりますか謹んで正座してオペタイムを待とうかと思いますです、はい。


なお1年短国
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240118.htm
国庫短期証券(第1207回)の入札結果

3.発行日   令和6年1月22日
4.償還期限  令和7年1月20日
5.価格競争入札について
(1)応募額      11兆7,829億円
(2)募入決定額    2兆8,429億6,000万円
(3)募入最低価格    100円04銭6厘
(募入最高利回り)   (-0.0461%)
(4)募入最低価格における案分比率  59.8490%
(5)募入平均価格    100円05銭5厘
(募入平均利回り)   (-0.0551%)

ということでそうですか▲5bpですかと思ったのですが、売買参考統計値を見ますと

(今日付け即ち昨日の引値ベースの売買参考統計値)
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/files/2024/S240119.pdf

おいこら1年ゾーン売参全部▲7.5bpに金利低下しとるじゃんというお話でして、まあ短国に関しては純粋な短期資金運用以外のニーズ(担保だの規制対応だの長い所を買いたくない人の代替需要だの)があるので別にこれが全て政策金利見通しを反映している訳ではないにしましても、なんつーかマイナス金利解除見通しとは何なのか(1日前の売参では1年ゾーンの短国の売参は▲5.0bpでした)という感じでして、しかも期末越えの4月足の短国の売参に関しては1日前が▲20.5bpだったのに昨日は▲19.5bpでまあその辺誤差っちゃあ誤差ですけど金利上がっていて、これを短国市場の金融政策の見通しの反映とか言い出すとどう見てもミスリードという面白展開になっておりましたのでメモっておきます。

なおさらにちなみに何ですけど、先月の18日とかいう金融政策決定会合1日目というなかなかエグイタイミングで(日程上そこしか入れるところ無さそうだから仕方なかったんですけどね)入札が行われたときの1年短国ですが

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20231218.htm
国庫短期証券(第1202回)の入札結果

(あんまりペタペタ貼ると今回の入札だと誤読されても申し訳ないのでペタペタ貼りません)

この時は何せ平均▲0.3bpで足切りがまさかの100円というセクシーな入札になっておられた訳でして、この間の日銀による情報発信が如何にハトハト音頭だったのか、というのを如実に示す結果になっておりましておじちゃんは落涙を禁じ得ないといったところであります。


〇アトランタ連銀ボスティック総裁もさすがに3月とは言わないようでハト2名からの放水ですな

ほうほうそうですかそうですか。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-18/S7GLRHT0AFB400
ボスティック総裁、米利下げ開始7−9月期と予想−データ見極め
Steve Matthews
2024年1月18日 22:58 JST 更新日時 2024年1月19日 1:04 JST

→2%目標に向かう軌道にあるという一段の証拠をなお見たいと発言
→利下げ後に再度引き上げを余儀なくされるのが最悪の結果

ということで実はこの「利下げ後に再度引き上げを余儀なくされるのが最悪の結果」というのは3月利下げ派の息の根を割と止める話になるんですがまずはBBG記事を拝読。

『総裁はアトランタ都市圏商工会議所の理事会メンバー向けの講演で「現在の私の見通しは、今年第3四半期のどこかで最初の利下げを行うというものだ。データがどのような進展をたどるかを見極める必要がある」と述べた。』

『ボスティック総裁は、当局が政策金利を引き下げ、その後にインフレ率が上昇した場合に再度利上げを余儀なくされることが最悪の結果だろうとも述べた。』

『「スムーズにはいかないと予想しており、そのために慎重でなければならないと思っている」と発言。「そうしたアップダウンや行きつ戻りつのパターンを望まない」とし、「過度に劇的な行動を起こす前に、インフレがわれわれの求める水準にあることを確信したい」と付け加えた。』(以上上記URL先より)

まあそもそも論として3月利下げと6月利下げで10年金利のベースになる短期金利の足し算にどんだけ違いがあるのよという話はさて置きましても、まー謎に3月利下げヒャッハーしていたアメリカン市場もしょんぼりという所なのかとは思いますが、こちらはちゃんと講演テキストが出ておりますのでアトランタ連銀のサイトにいってみましょうず。

https://www.atlantafed.org/news/speeches/2024/01/18/bostic--arc-of-monetary-policy
The Arc of Monetary Policy May Start Bending Soon
Raphael Bostic
President and Chief Executive Officer
Federal Reserve Bank of Atlanta

Atlanta Business Chronicle 2024 Economic Outlook
Atlanta, Georgia

January 18, 2024

ということですが、アトランタ連銀ちゃんの場合最初にまとめというかキーポイントの箇条書きがありまして、まあこれを見て満足するのが寝起き読み手抜き仕草であります(ってかこの前のウォーラーも肝心の経済物価の見立ての所大体スルーしておりまして、月曜火曜に変なもんでも出なければ決定会合前にこの辺のハトおじさんのポイントで見るべきものがったらネタにできるかなとは思いますサーセン)。

『Key Points』って奴です。

『・On January 18, Atlanta Fed president Raphael Bostic discusses his latest thoughts on the macroeconomy and monetary policy at the Atlanta Business Chronicle's 2024 Economic Outlook event.』

それはわかっておるw

『・Bostic says the Federal Open Market Committee may be approaching a new phase in the monetary policy cycle that began in March 2022.』

利下げサイクルに近づいている、ということですので、まあハト派なのはハト派ですわな。

『・In Bostic's view, monetary policy is sufficiently restrictive to promote the return of inflation to the Committee's 2 percent target over the medium term.』

現状の引き締めは「sufficiently restrictive」ですとな。

『・The Committee's primary challenge, Bostic says, now shifts to assessing how long the federal funds target range should be held at its current level before it will be appropriate to begin unwinding the restrictive stance of policy.』

でもってどこまで今の金利を引っ張るかが課題、と来てからの、

『・Bostic explains that faster-than-expected progress on inflation, strong economic growth, and a healthy labor market signal it may soon be time to reassess the monetary policy stance.』

「it may soon be time to reassess the monetary policy stance」なので早期利下げ着手とはゆうとるのですな。

『・Bostic sums up his current policy views with two words: grateful and vigilant. He's grateful for the progress on inflation. But he's staying vigilant because, though inflation has been moving toward 2 percent for some time, numerous risks could throw it off course.』

しかし「早期利下げ」とぶっこんだその口から「staying vigilant」ということで慎重でもあるんですな。

『・Bostic affirms that his views will be informed by incoming data, and should conditions evolve differently from his expectation, he is willing to adjust based on what happens.』

でまあ本文をざっくり斜め読みしましたけれども、まあそらここから凄まじく結構なデータが出れば前倒しはあるにせよ、「staying vigilant」って言ってるのにさすがに3月はねえだろというのが順当な所なんじゃないかと思うのよね。

本文の小見出しも、

『Inflation rate declining faster than expected』
『What am I watching?』
『Uncertainty abounds』

となっていますが、利下げ時期に関する部分については小見出し『Inflation rate declining faster than expected』のコーナーにあるチャート2のちょっと後から記述があります。

『Because I'm data dependent, I have incorporated the unexpected progress on inflation and economic activity into my outlook, and thus moved up my projected time to begin normalizing the federal funds rate to the third quarter of this year from the fourth quarter.』

その前が小見出しにあるように「物価は予想以上に順調に沈静化している」という話の流れで、このように今の時点では金融引き締めからの正常化着手を7−9月期と見ている、ということですがその直後に、

『On balance, it appears that restrictive monetary policy is indeed working to help lower the rate of inflation. The rub is that if we keep policy too restrictive for too long, we risk doing unnecessary damage to the labor market and the macroeconomy.』

ということで、金融引き締めを引っ張り過ぎた場合に経済に余計なダメージを与える、という点を指摘した上に、追い打ちをかけるように

『Here, I think it is worth considering what my staff and I call "passive tightening." Basically, this means that as the inflation rate declines, and the federal funds rate holds steady, policy in effect becomes tighter.』

ということで、インフレ率が低下すると(同じ名目金利であっても)引き締め度合いが勝手に高まるのだから、その点も留意しないと行けない、ということでまあ基本的に言ってることは「プリエンティブに引き締め度合いを下げるべき」なのでして、まあハトなのは変わらんのですが、さすがに3月ってのは余程の好材料連発がここから来ないと無理があるんじゃないですかねえ、とは思いました。

この直後にシカゴ連銀のグールズビー総裁の使ったアネクドートを引用してまして、

『Put another way, to borrow an analogy from my friend Austan Goolsbee at the Chicago Fed, this phase of policymaking is a bit like cooking a holiday turkey. You clearly need heat to cook the turkey. But everyone in this room knows that one faces the risk of overcooking the turkey by leaving it in at full baking heat for too long, because the turkey continues to cook even after it is removed from the oven. You have to take the bird out before it is fully done or we get a dry holiday meal.』

七面鳥の丸焼き(だと思うんですが)料理を例えにして、火の通し過ぎイクナイ!というアネクドートを出している訳で、これはもうプリエンティブに引き締めの縮小に着手すべき、ということですわな。

『Likewise, the effects of restrictive monetary policy could continue to impinge on economic activity and labor markets even after the Committee stops actively tightening. Therefore,we must seek a delicate balance, and the time to seriously ponder how we arrive at that balance will quite likely soon be at hand if it is not already.』

『If we wait too long to begin adjusting policy, we run the risk of overtightening the economy and serving up a labor market so weak that it unsettles the economic lives of more American families and businesses than necessary to get inflation back to our 2 percent target. So, our task now is to assess the economy's progress and decide when it is time to start easing our restrictive policy stance.』

ということで、引き締めの解除に着手する時はビハインドイクナイ!という話をしておりますので、まあ7−9から前倒しになるってこともあるわなとは思います(が3月はさすがに)、為念。








2024/01/18

お題「生活意識アンケート/ところで何なんですか今週の円債推移ちゃんは(呆然)」

ヘイヘイまだアメリカン10年金利4.1%手前までしかあがってないよ〜
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB175LP0X10C24A1000000/
円独歩安、一時148円台 日米金利差の定着織り込む
グローバルマーケット
2024年1月17日 20:22 (2024年1月18日 0:23更新) [会員限定記事]

一時148円台、どころか朝方みていると148円20銭水準まで円安になっているように見えますな、南無大師遍照金剛南無大師遍照金剛。

・・・・・・とは言えですね、MPMの前にあんまり威勢よく円安が進行してしまいますと、MPMで何かまたお為ごかしな発言が出てしまってイマイチその後の加速力がつかないというリスク(ナンジャソラ)がある訳でして、ここはあまり会合前にスパークし過ぎない感じで進行⇒MPMを受けて円安大加速、の方が日銀に対する風当たりが強くなって政策修正をせざるを得なくなりやすくなるのでまあそういう方向でヨロ。

などと世の中思う壺には嵌ってくれないんですけど、やはりこれは皆さん揃って神田明神様に「早く本石町にカチコミをお願いします」と参拝するのが吉なのではないか、というのは冗談ですよ冗談(ただの神田違い)


〇生活意識アンケートは相変わらずのインフレ期待高止まりと謎の景況感と植田バブルの剥落を示す

四半期定例生活意識アンケートキタコレ
https://www.boj.or.jp/research/o_survey/ishiki2401.htm(概要)
https://www.boj.or.jp/research/o_survey/data/ishiki2401.pdf(全文)
「生活意識に関するアンケート調査」(第96回<2023年12月調査>)の結果

でもって引用は全文の方から行います。

・今回個人的に一番謎だったのはこの「景況感」ですがどう解釈すればよいのでしょうか

『1.要 旨』の一発目が『1-1. 景況感等』になるんですけど・・・・・・・・・

『1-1-1. 景況感

景況感のうち、現在(1年前対比)については、「良くなった」との回答が減少し、「悪くなった」との回答が増加したことから、景況感D.I.は悪化した。先行き(1年後)については、「良くなる」との回答が減少したものの、「悪くなる」との回答も減少したことから、景況感D.I.は横ばいとなった。』

直近3回の比較を棒グラフで示すいつもの図表が直下にありまして、

(図表1)景況感〔Q1、4〕
<現在を1年前と比べると>

を見ると、「悪くなった」がこの半年の間に
49.6→55.0→58.9

ってエライ勢いであがっているので、 長期時系列でDI形式で出している

<景況感D.I.の推移>

をみましても何かエライ腰折れ感が強い推移に見えてしまうんですよね。

でまあこの景況感DIの推移なのですが、ちょうどうまい具合に2021年3月調査からの時系列で出ているので今回ちょっと引用してみますけれども(長くなってサーセン)

 21/3  21/6  21/9  21/12 22/3  22/6  22/9  22/12 23/3  23/6  23/9  23/12
▲69.4 ▲61.6 ▲55.3 ▲45.8 ▲53.8 ▲50.7 ▲58.4 ▲61.8 ▲57.1 ▲35.9 ▲42.5 ▲49.6
(+0.8) (+7.8) (+6.3)  (+9.5)  (▲8.0) (+3.1) (▲7.7)  (▲3.4) (+4.7) (+21.2) (▲6.6)  (▲7.1)

まあ絶対値がどマイナスなのはこれ回答のバイアスが基本的に弱い方になるから、ということだと思うのですけれども、海外でインフレアイヤーってのが本格化しだしたのが2021年で、地政学リスクで資源とか食糧とか上がるわ円安進むわってのが2022年で、日本でも物価上昇がきっちり定着して要る中でハトハトジジイの効果で更に円安アイヤーってのが2023年という訳ですが、昨年の前半に改善したのがここにきて盛大に剥落中、という流れになっているんですよね景況感。

まあこの間株式市場強いし、実はこの後の項目見ても別に前回対比で生活きついですという話でも無い中でこの現状の景況感悪化、というのが何か違和感あるのですが、なんとなくの想像をすると昨年の前半って賃上げネタとかあったからなのかな、とも思ったりはしたのですが、しかしこの景況感現状認識の腰折れっぷりがナンデジャロというのは気になりましたです、はい。

まあ「1年前と比較して」なのでこの間に物価がホイホイと上がってきてやっぱり厳しいわ、とかそういう話なんですかねえ。なお私の懐具合の比較とかをすると悲しくなるのでその辺の考察は行わない事にします(現実逃避ムーブ)。


でもって「1年前と比較して」ではなくて「現在の」だけでの質問も同様でして、

『現在の景気水準は、『良い』(注1)との回答が減少し、『悪い』(注2)との回答が増加した。

(注1)『良い』は「良い」と「どちらかと言えば、良い」の合計。
(注2)『悪い』は「悪い」と「どちらかと言えば、悪い」の合計。』

となっていまして、

(図表2)現在の景気水準〔Q3〕

をみましても何か景況感悪化しているんですよねーーーーー。出オチ状態なんですけど今回の生活意識アンケート見てて唸ったのは正直ここであります。いやまあ確かに実質賃金下がりっぱなしだからというのはあるのかもしれませんけど、それにしてはその後の回答項目はそんなにお先真っ暗じゃないというか寧ろ希望が持てそうな感じになっているのに、アグリゲートすると悪いってのが謎オブ謎。

いえね、自分の生活実感から言って諸色上がっているからしれっとこの辺をバサッと削ってシンプルライフ(と言えば格好いいが)でエコロジーですよ(もはや謎)ということで増大する食費を賄うの巻みたいなのがあって、必要なもんを維持するために選択的消費しているから全体は?って言われるとそういやこの辺切り詰めたもんなあ〜ってことになって景況感に跳ねるのかね、とかまあ色々と考えて見たりするのですが、まあ何せこの先の収入支出とか雇用のDIとか見ていると悪いわけでも無いと思うんですけどこの景況感は謎でした。

と、しょうもない能書き長くてサーセン。


・収入支出に関する実感は別に悪くないんですよね

項目『1-2-2. 収入・支出』

『1-2-2. 収入・支出

収入については、実績(1年前対比)は、「増えた」との回答も、「減った」との回答も横ばいだったことから、現在の収入D.I.は横ばいとなった。先行き(1年後)については、「増える」との回答が増加したものの、「減る」との回答も増加したことから、1年後の収入D.I.は横ばいとなった。』

ほうほう。では支出はというと、

『支出については、実績(1年前対比)は、「増えた」との回答が減少し、「減った」との回答が増加したことから、現在の支出D.I.はプラス幅が縮小した。先行き(1年後)は、「増やす」との回答が減少し、「減らす」との回答が増加したことから、1年後の支出D.I.はマイナス幅が拡大した。』

とはあるのですが、さっきの景況感とは違ってそんなに大きな動きをしている訳でも無かったりします。支出の方は明らかに節約志向が広がっているということですからして、これ要は物価が(日銀大本営様のいうように)伸びを大きく鈍化させないと状況はいつまで経っても改善しない、ということで、そもそも状況改善させるためには極端な金融緩和という物価押し上げ政策を継続するの間違いじゃないのとしか言いようがありませんな。

ちなみにその次は、

『今後1年間の支出を考えるにあたって特に重視することは、「今後の物価の動向」との回答が最も多く、次いで「収入の増減」、「余暇・休暇の増減」といった回答が多かった。

商品やサービスを選ぶ際に特に重視することは、「価格が安い」との回答が最も多く、次いで「安全性が高い」、「長く使える」といった回答が多かった。』

となっていまして物価上昇が顕著になってくるとこうなるわなという何時もの話です。



・雇用判断も別に悪くはない

『1-2-3. 雇用環境』ですけどね。

『1-2-3. 雇用環境

1年後を見た勤労者(注)の勤め先での雇用・処遇の不安については、「あまり感じない」との回答が増加し、「かなり感じる」との回答が減少したことから、雇用環境D.I.は改善した。

(注)勤労者:会社員・公務員(会社役員を含む)およびパート・アルバイトなど。』

まあこれ前回が謎の悪化だったのでその反動はある気がしますけど。



・でもって物価である

みんな大好き『1-3. 物価に対する実感』ですな。

『1-3-1. 現在の物価

現在の物価(注1)に対する実感(1年前対比)は、『上がった』(注2)と回答した人の割合が9割台半ばとなった。

1年前に比べ、物価は何%程度変化したかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+16.1%(前回:+15.0%)、中央値は+10.0%(前回:+10.0%)となった。

(注1)「あなたが購入する物やサービスの価格全体」と定義。
(注2)『上がった』は「かなり上がった」と「少し上がった」の合計。』

いや凄いなと思うけど実際問題そんな感じですもんねえ、と生活品を買いに行くたびに思う。


『<1年前に比べ現在の物価は 何%程度変化したと思うか>』

を見ますと、(左から平均値、中央値)

23/ 6月 +14.7 %  +10.0 %
23/ 9月 +15.0 %  +10.0 %
23/12月 +16.1 %  +10.0 %

2023年度後半に物価上昇率は鈍化して2%を割り込む(ので今のウルトラ糞緩和政策が適切である)と仰せになっていた上に今でも基本的にその緩和を変えていない(長期金利の柔軟化は政策変更ではない、という建付けですからね)のですが、まあこの結果を見ますと普通にお前ら経済予測外しているのになんでその外した予測で決定した政策を見直さないの???と単純に思ってしまいますし誰かちょっとシンプルに来週の会見で質問して味噌。

『1-3-2. 1年後の物価

1年後の物価については、『上がる』(注)と回答した人の割合が約8割となった。1年後の物価は現在と比べ何%程度変化すると思うかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+10.0%(前回:+10.7%)、中央値は+8.0%(前回:+10.0%)となった。』

『<1年後の物価は現在と比べ何%程度変化すると思うか>』

23/ 6月 +10.5 %  +10.0 %
23/ 9月 +10.7 %  +10.0 %
23/12月 +10.0 %  +8.0 %

ちったあ下がりましたが相変わらずダブルデジットレベルでの見通しになっている訳で、生活実感がこれだと3%だ4%だのという賃上げ率の話を笑い飛ばしてしまうレベルなんですよね・・・・・・・orzorz


『1-3-3. 5年後の物価

5年後の物価については、『上がる』(注)と回答した人の割合が7割台後半となった。これから5年間で物価は現在と比べ毎年、平均何%程度変化すると思うかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+7.6%(前回:+8.0%)、中央値は+5.0%(前回:+5.0%)となった。』

ということで、

『<5年後の物価は現在と比べ毎年、平均何%程度変化すると思うか> 』

23/ 6月 + 7.5 %  + 5.0 %
23/ 9月 + 8.0 %  + 5.0 %
23/12月 + 7.6 %  + 5.0 %

はいはい高止まり高止まり、というか全然アンカーされていませんがどういうことでしょうか。

・・・・・でまあこんなに高止まりしているんですから、そら消費支出減るわという話ですよね。「物価が上がる前に消費しよう」とかいうのはリフレ派くらいですわそんなもんwwwwwwwww



・まあこの辺が景況感と連動しているんでしょうかね

物価上昇が困ったとかそういう項目はさておきまして、『1-5. 日本経済の成長力等』を見ますと、

『1-5-1. 日本経済の成長力

日本経済の成長力については、「より高い成長が見込める」との回答が減少し、「より低い成長しか見込めない」との回答が増加したことから、経済成長力D.I.はマイナス幅が拡大した。』

物価は上がるわ景況感は悪いわ成長期待は下がるわ、ということでどう見ても誰得スタグフレーションです本当にありがとうございました、ということですが、ここで唐突にそもそもの置物理論の原点であるところの2013年の教徒での講演を確認してみましょう。

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2013/data/ko130828a2.pdf
「量的・質的金融緩和」のトランスミッション・メカニズム
ー 「第一の矢」の考え方 ー
京都商工会議所における講演
日本銀行 副総裁 岩田規久男

このプレゼン資料の7枚目、まさに伝説のフローチャートの『「量的・質的金融緩和」の波及経路』が今の日銀の金融政策の基本になる訳ですけれども、

2%インフレ目標コミットメント マネタリーベース増加
というのがトップにあって、それが下流に流れる経路は

→予想インフレ率上昇→予想実質金利低下

と来てからどこに流れるかというと

・資産価格上昇
・円高修正

に流れている訳ですよ。

ですからその金融市場へのルートが実体経済の
・消費増加
・設備・住宅投資増加
・輸出増加

に流れてくれれば好循環達成な訳ですが、輸出はともかくとして他の2つに流れないし、何なら消費なんて物価上昇を受けて減っているんですから世話はない訳で、そら生活意識ベースでの成長期待は上がらん、景況感は悪化するけど、資産価格は上昇して、円安は進行するわという話な訳でして、そもそも論として今の政策を継続するのは状況を悪化させる方には良く効くのですから、好循環を求めたいなら緩和の修正をしろよ、という話にやっぱりなると思うんですよねえこのアンケート見ても、と思う訳ですな。


・・・・・・・すいませんついいつもの隙あらばQQE政策への悪態をねじ込む癖が出てしまいましたw


・日銀への信認は植田総裁就任バブルが崩壊した模様で大草原にも程がある件wwwwwwwwwwwwwwwww

『1-6. 日本銀行に関する認知度・信頼度等

(注)原則6月・12月調査において実施。ただし2011年6月は実施していない。』

ってところですけどね。

『1-6-2. 日本銀行に対する関心や認知度、評価

日本銀行に対する関心や認知度等について尋ねたところ、
『日本銀行の活動に日頃から関心がある』(注1)と回答した人の割合は2割台後半、
『日本銀行は私たちの生活に関係がある』(注2)と回答した人の割合は7割台半ば、
『日本銀行は私たちの生活に役立っている』(注3)と回答した人の割合は約4割となった。

(注1)『関心がある』は「関心がある」と「どちらかと言えば、関心がある」の合計。
(注2)『関係がある』は「関係がある」と「どちらかと言えば、関係がある」の合計。
(注3)『役立っている』は「役立っている」と「どちらかと言えば、役立っている」の合計。』


としか書いていないのですが、図表の方の

『(3)日本銀行は私たちの生活に役立っている〔Q23(3)〕』

では『役立っている』の回答が

42.8→44.6→40.4

とちゃっかり落ち込んでいるのは笑いましたし、しかもこの調査って半年ごとに行っているので、実際にはこの結果って・・・・・・・

左から『役立っている』「どちらとも言えない」、『役だっていない』の順なのですが
(原文ママですが括弧が違うのは『役立っている』というのがさっきの部分の(注3)にありますように回答項目2つ分になるからですね、『役立っていない』も同様)

2022/12月:42.8  42.6  14.0
2023/ 6月:44.6  41.3  13.6
2023/12月:40.4  45.0  13.9

という大変に味わいの深い推移をしておられまして、一昨年12月調査と言えばまだ黒ちゃんだったし長期金利ターゲットの柔軟化前でしたが、例の許容度発言とかが一昨年の5月とかの世界でして、円安進行でどうのこうのとか言われだして物価も何か上がっているぞという時でした。

でまあ昨年6月調査と言えば植田先生が新総裁になった、ということで何か数値が改善したのですけれども、今回ドテンして「役立っている」に至っては黒田末期を下回る水準になっております。

でもって・・・・・・・

『1-6-5. 日本銀行への信頼度

日本銀行への信頼度を尋ねたところ、『信頼している』(注1)と回答した人の割合は4割台前半となり、『信頼していない』(注2)と回答した人の割合は1割となった。

『信頼している』との回答の理由としては、「日本銀行の活動が物価や金融システムの安定に役立っていると思うから」との回答が最も多かった。

『信頼していない』との回答の理由としては、「日本銀行の活動が物価や金融システムの安定に役立っていると思わないから」との回答が最も多かった。

(注1)『信頼している』は「信頼している」と「どちらかと言えば、信頼している」の合計。
(注2)『信頼していない』は「信頼していない」と「どちらかと言えば、信頼していない」の合計』

www

もうめんどいので『(1)日本銀行を信頼している〔Q23(5)〕』の全体図を引用しますけど、

左から『信頼している』、「どちらとも言えない」、『信頼していない』ですね

2022/12月:39.5  48.0  11.5
2023/ 6月:43.3  45.4  10.6
2023/12月:41.2  47.8  10.0

www

まあさっきの『役立っている』ほど顕著ではないですが、こちらでも植田バブルが崩壊している様子が見て取れて実に味わいが深いというか大草原不可避としか申し上げようが在りませんクッソ笑いましたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww




〇ところで何と申しますかこの円債相場ちゃんよとメモだけ置いておく

https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_day_through
先物価格情報

長期国債先物(なおコピペした時は夜間取引まだ引けてません)

限月:24年3月限
取引日:01/18
日通し(と言っても日中取引の寄り付き前に取っているので事実上夜間分)
始値:147.17(01/17)(15:30)
高値:147.32(01/17)(18:40)
安値:147.04(01/18)(05:03)
現在値:147.08(01/18)(05:35)
前日比:-0.11
取引高:13,125

いやあのですね、月曜に日銀の輪番が減額にならんかったということでアイヤー相場になって2年カレントマイナスで引けやがった訳ですが、その後火曜水曜と金利上昇して今朝も先物ちゃん下がって帰って来るわけですな。

この間にネタにしてる暇なかったけど5年入札が軽めに滑ってこれで中長期の入札何回滑っていますねん(なお短国入札は強いのが年初から続いておるので今日の6Mと明日の3Mで流れが変わるか注目ですわよ)というムーブもあったのですが、いずれにしましても日銀の買入が相変わらずアホのように過大だから市場の流動性が無くて、その結果マーケットメイカーが市場で発生する一時的なポジションの歪みを吸収する(そら投資家が売買をすればその瞬間はその分だけ需給が変わる訳で、そこをオファービット頂戴しながら流動性供給をして需給調整を行うのが本来のマーケットメイカーのお仕事なんですよね)という機能がある筈なんですが、何せ日銀がアホみたいに買って国債の金利を無駄に押し下げている上に流動性も枯渇させているのでマーケットメイカーが市場の流動性のバッファ機能を果たせない状態な訳ですな。

でまあ日銀が死んでも政策を動かさなくてなんでも最後は日銀が指値で買うわというスーパー官製相場やっている分にはそれでも相場動かないからあまり極端には表面化しなかったわけでございますが、何ぼ何でもこの物価情勢でマイナス金利だの10年0.25%だのは無いだろとなって、円安に押されて10年金利の方を徐々に柔軟化したらこの有様な訳ですな。

・・・・・そして更にタチが悪いのは柔軟化して金利が上昇したのにビビりまくってシャカリキになって買入増やしたり臨時オペ連発したりというように、昨年の金利下がりだす前に最早予見不可能なレベルで市場介入を連発しちまったもんで、マーケットメイクがただのリスクになってしまったので益々市場での需給調整が出来なくなっている、というのがまあ実態に近いんじゃないですかねえ知らんけど。

なのでまあ「金利水準が下がると入札が流れる」という現象が起こる訳で、ここもとの金利低下の前ってどちらかというと「政策変更のリスクがあって先行き不透明だから」とか言って金利上昇局面での入札流れという感じだったと思うのですが(個人の感想です)、ここにきて「金利水準が下がり過ぎて入札が流れる」ということになっているのは、その前の局面と比較すると更に良くない状況になっているなあ、と思うわけなのです。

まあ結局の所アホみたいに輪番やってるのが悪いので全廃しろ(それは極端)と言いたいところだが年額70兆円とかあり得んわ20兆にしろ20兆にと思うし、それで国債が捌けないんだったらそもそも国債の発行のし過ぎ、即ち国力に見合わない財政赤字を垂れ流しているということなのだから財政ダダ漏れを止めろやという話になると思うんですけどねえ(過激派)。







2024/01/17

お題「ウォーラー理事の講演ですが少なくとも利下げに関しては普通の話をしているように見えましたが」

今日も日経の日銀ネタ観測記事は無いと
https://www.nikkei.com/

まあそれよりもウォーラー理事キタコレのようですけどね。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN16DSN0W4A110C2000000/
NY円、147円台に下落 FRB高官が大幅利下げけん制
北米
2024年1月17日 3:18

いやーアメリカン10年金利4%ちょいくらいの水準でドル円147円だとしますと、来週のMPMで能天気に現状維持のチキンジジイ発言をする、からの円安進行、からのインドラの矢が日銀に降り注いで3月会合に向けて泣きながら強引に地均しして3月会合で、というのが段々現実味を帯びて・・・・・ないかなあwww

・・・・・ということで春闘だのなんだの言ってるけどどうせ日銀はそんなちゃんとした基準で政策判断をするのではなくて、インドラの矢が降り注ぐと政策修正をするだけの話でああだこうだ言ってるのは体裁を取り繕っているだけ、という身も蓋もない読み筋に1万麿と言った所でありまする。


〇そういや昨日ネタにするの忘れたがこれはイイハナシダナー

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/73RGXCJO6ZJJ3AUFA3T3VZ2E5U-2024-01-15/
利下げ「特効薬ではない」、タイ中銀総裁補が政府に反論
Orathai Sriring、Kitiphong Thaichareon
2024年1月15日午後 5:24 GMT+9

『[バンコク 15日 ロイター] - タイ銀行(中央銀行)のピティ総裁補は15日、国内の「不均一な」景気回復は金利の調整だけでは解決できないとの認識を示し、低迷する経済活動を回復させるために金融緩和を求める政府に反論した。』

『ブリーフィングで、タイの金利は世界的に極めて低いと指摘。金利を引き下げても、構造問題や世界的な需要鈍化などの外的な要因によって打撃を受けている経済の助けにはならないと述べた。』

『「経済が包括的に回復していないという事実がある。問題の根に働きかける必要があり、金融政策が簡単に解決できることではない」とした。』(以上上記URL先より)

・・・・・・・・・いやー当然ですが立派なもんですなあという話ですし、大体からして一昨年のジャクソンホールでも思いましたが、アジアを代表するセントラルバンカーって今や韓国中銀の李総裁でしょとアタクシなんぞでも思ってしまいますし、まあこんなに政治にヘイコラしている中銀とかトルコかジャパンかってなもんで、経済規模はデカくても中銀として世界の三等中銀への転落を着実に継続していってるし、その流れを作った黒田(と安倍ちゃん)から植田先生に変わったんだから流れを押し戻せるのかと思えば、標準的
マクロ経済学の考え方からみたら奇論珍論の類の話まで持ち出して(12月の経団連講演など)政策の説明をするんだから世話はないですな。

という隙あらば悪態を突っ込むコーナーでしたが、まあ今朝のネタは皆様も今週の大ネタとしていたと思いますがウォーラー理事の発言機会ですよね。


〇ウォーラー理事講演:そこまで盛大な放水ではないけど3月利下げ勢にとっては放水でしょうね

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/waller20240116a.htm
January 16, 2024
Almost as Good as It Gets…But Will It Last?
Governor Christopher J. Waller
At The Brookings Institution, Washington, D.C.

なんですかこのお題はwという感じですがブルッキングス研究所での講演ですな。

ちなみにこのお題はマクラの所で回収されます。お題が回収されますのでマクラを引用しましてその後はまたハイパー手抜きで(一応さっき目を泳がせたけど全編ネタにするのは端から時間が足りないという認識(してるならタイ中銀ネタ書くなと言われそうですがそれはそれw)なので)金融政策の話をしてそこから経済物価情勢の話に戻れるところに戻れればと思います。

でですね、この講演(オンライン)ですけど、上記URL先の本文入る直前に「Watch Live」ってのがあると思うのですが、これを踏むと以下の先になります(そこにある埋め込みようつべを見るよろし)

https://www.brookings.edu/events/a-conversation-with-federal-reserve-governor-christopher-waller/

でもってこれ54分10秒の動画(Zoom会議の映像のようですね)なんですけど、講演テキスト読んでいる時間が20分ほどでして、その後は分ルッキング研究所のおっちゃんとの質疑応答コーナーになっておりますので、やる気のある人は聞いてみてちょんまげと思います。文字起こしとかはとっさには見つかりません(多分無いと思いますけど)。ご参考までに。


・マクラの時点で「ポリシーパスは急がない」で勝負はあったという説はある

マクラ部分は全体観。頭から4パラグラフ目までがマクラになります。

『Thank you, David Wessel, and thank you to Brookings for the opportunity to speak to you today.

In the second half of 2023, I gave a series of speeches about the apparent conflict between the strength of economic activity in the third quarter and continued progress toward the Federal Open Market Committee's (FOMC) 2 percent inflation goal.1 I said then that "something's got to give"-either activity needs to moderate, or progress on lowering inflation is going to stop. By late November, the latest economic data left me encouraged that there were signs of moderating economic activity in the fourth quarter, but inflation was still too high.』

『As of today, the data has come in even better. Real gross domestic product (GDP) is expected to have grown between 1 and 2 percent in the fourth quarter, unemployment is still below 4 percent, and core personal consumption expenditure (PCE) inflation has been running close to 2 percent for the last 6 months. For a macroeconomist, this is almost as good as it gets.』

状況は改善してきていますが、ときまして講演のお題の回収。4パラ目はパラグラフを途中で割ります。

『But will it last? Time will tell whether inflation can be sustained on its recent path and allow us to conclude that we have achieved the FOMC's price-stability goal. Time will tell if this can happen while the labor market still performs above expectations.』

でもって状況の改善が続くか、ということついては「Time will tell」を2連発しておりますので、まあこの時点で少なくとも3月利下げ決め打ちの話が出るとは思えませんな、ということになるわけですけれども。

『The data we have received the last few months is allowing the Committee to consider cutting the policy rate in 2024.』

2024年に利下げが可能である、というデータが最近も出ている、とは言ってますが、そらまあ2024年に利下げはあるじゃろという話な訳でして、しかもこの次がハウエバーな訳で、

『However, concerns about the sustainability of these data trends requires changes in the path of policy to be carefully calibrated and not rushed. In the end, I am feeling more confident that the economy can continue along its current trajectory.』

ということでですね、「changes in the path of policy to be carefully calibrated and not rushed」って来ましたので(さっきの文章の流れからしたら順当ですけど)、これはまあ1月は当然ないにしても、3月FOMCでの利下げ着手についても今後余程自信ニキなデータが出てこないとぶっこむのムツカシクネエカ?と仰せな訳ですな。

でまあマクラで勝負ありなのですが、ここで話を終わりにしてしまうとナンノコッチャにも程があると思いますので、一気にワープしてケツの方の金融政策へのインプリケーションに参ります。


・マクラと同じく金融政策に関しても「利下げは行けると思うんだが急いでホイホイやるもんじゃない」と

上から勘定していると何パラか数えるのめんどいですがしたから数えると5パラ分が金融政策へのインプリケーションになります。

『This brings me to the implications for monetary policy.』

ってのから始まる部分になります。なおモチのロンですがこの「This」はその前にある経済物価情勢と先行き見通しの話になりますので、ネタにするの間に合うかどうかワカランチ会長ですけれどもまあこの先の説明見ればだいたいどういう内容なのかはお察しではあります。とは言えまあ本チャンを読んで味噌とは思います。

『The progress I have noted on inflation, combined with the data in hand on economic and financial conditions and my outlook has made me more confident than I have been since 2021 that inflation is on a path to 2 percent.』

2%のパスに経済が乗っている。というのはまあマクラでもあった通りですね。

『While the emphasis of policy since that time has been on pushing down inflation, given the strength of the current labor market the FOMC's focus now is likely to be more balanced: keeping inflation on a 2 percent path while also keeping employment near its maximum level.』

『Today, I view the risks to our employment and inflation mandates as being more closely balanced. I will be watching for sustained progress on inflation and modest cooling in the labor market that does not harm the economy.』

基本的にはそのパスに乗っている事に関しては今後も良い感じで進むでしょ、というのがウォーラーさんの見立てになっております。では次のパラグラフ。

『I believe policy is set properly. It is restrictive and should continue to put downward pressure on demand to allow us to continue to see moderate inflation readings. So, as I said, I believe we are on the right track to achieve 2 percent inflation.』

現状の引き締め状態に関しても物価を2%に向けたパスに進めるには適切、と肯定するのもまあ順当。

『As long as inflation doesn't rebound and stay elevated, I believe the FOMC will be able to lower the target range for the federal funds rate this year.』

ちょいとちょいとお兄さんお兄さん、今年利下げするのが可能になる、ってのは当たり前田のクラッカーなわけでして、今問題になっているのはその時期じゃろ、と思うのですが、講演テキストの方ではそこは見事にすっとぼけ状態です。でもってこのネタの頭に紹介しましたが、質疑応答はあるのですが、さーせんそこまでちゃんと聞く根性と時間と英語力がありませんので皆様ご確認ブリーズ。

『This view is consistent with the FOMC's economic projections in December, in which the median projection was three 25-basis-point cuts in 2024. Clearly, the timing of cuts and the actual number of cuts in 2024 will depend on the incoming data.』

ちょいとお兄さんそのタイミングについてお兄さんまで「depend on the incoming data」ってあーたちょっと。

『Risks that would delay or dampen my expectation for cuts this year are that economic activity that seems to have moderated in the fourth quarter of 2023 does not play out; that the balance of supply and demand in the labor market, which improved over 2023, stops improving or reverses; and that the gains on moderating inflation evaporate.』

昨年第4四半期に見られる経済のインフレ圧力を弱める流れが終わってしまったりすると利下げできなくなるかもしれませんわよ、というのはまあ当たり前の話ではあるんだが、ハトハト大明神として3月利下げヒャッハー軍団が尊崇している、かどうかは知らんがハトハト攻撃を期待していたヒャッハーチームとしてはウォーラーがこういう「普通の事」を言うのは期待外れになるかな、とは思いました。

でもって更にここはナンジャラホイとは思いましたが、

『One piece of data I will be watching closely is the scheduled revisions to CPI inflation due next month.』

お、CPIの改定に注目ですって。

『Recall that a year ago, when it looked like inflation was coming down quickly, the annual update to the seasonal factors erased those gains. In mid-February, we will get the January CPI report and revisions for 2023, potentially changing the picture on inflation. My hope is that the revisions confirm the progress we have seen, but good policy is based on data and not hope.』

統計の基準改定によって新基準で測定してみたら実はそんなに物価が下がっていませんでしたゴメンチョ、という可能性に関して注目しているようですね。

昨年の1月CPIが季節調整と更新によって実はそんなにインフレが低下してませんでしたぞな、というのがあったのを思い出して下さい、ということで来月に出る改定に注意しているそうな。

『When the time is right to begin lowering rates, I believe it can and should be lowered methodically and carefully.』

でもって最後のパラでは「利下げ開始するにしても規律正しく慎重に実施する必要がある」とかいやなんですか全然言ってることが普通じゃん。というお話をしていまして、

『In many previous cycles, which began after shocks to the economy either threatened or caused a recession, the FOMC cut rates reactively and did so quickly and often by large amounts. This cycle, however, with economic activity and labor markets in good shape and inflation coming down gradually to 2 percent,』

まあこの理屈はそうですね、過去の利下げ局面は経済に下方ショックがあったり時にはリセッションになったり、というような状態で行われたから物凄い勢いで利下げする必要があったけど、今回は物価が2%に向けて下がる段階で経済もしっかりした中で行われるものですから、と来まして、

『I see no reason to move as quickly or cut as rapidly as in the past. The healthy state of the economy provides the flexibility to lower the (nominal) policy rate to keep the real policy rate at an appropriate level of tightness. But I will end by repeating that the timing and number of rate cuts will be driven by the incoming data.

Thank you.』

ということで、利下げするにしても(そらまあ引き締めを中立に戻すだけの話だから当たり前だが)ガシガシと利下げすりゃ良いってもんじゃねえよ、という話をしておりますが、最後の最後に「I will end by repeating that the timing and number of rate cuts will be driven by the incoming data.」とデータディペンデントを強調して終了する、ということで、思いっきり言ってることが普通オブ普通の話になっています。


・おまけ:目標達成へのより強いコンフィデントへは「information in the coming months」が必要

というところで案の定時間もアレなのですが、さっきのインプリケーションの部分の直前のパラにもこんなのがありまして、これは3月利下げ派しょんぼりしそうなもんですけどどうなんでしょうかね。

『PCE inflation of 2 percent is our goal, but that goal cannot be achieved for just a moment in time. It must be sustained at a level of 2 percent. As I said earlier, based on economic activity and the cooling of the labor market, I am becoming more confident that we are within striking distance of achieving a sustainable level of 2 percent PCE inflation.』

目標達成に対しては「I am becoming more confident」ではあるのですが、

『I think we are close, but I will need more information in the coming months confirming or (conceivably) challenging the notion that inflation is moving down sustainably toward our inflation goal.』

それをコンファームするには「information in the coming months」が必要、と言われてしまうと3月に利下げ着手ってさすがに無理がないかねえ、とまあ思うのですけどね。



ということで肝心の経済物価への見立てをほぼすっ飛ばして恐縮ですが時間もアレなのでこの辺で勘弁(明日続きをするかどうかは考えておきます)。





2024/01/16

お題「輪番が減らないで2年がマイナスなので悪態/先週のウィリアムズの講演は早期利下げしそうもない雰囲気しかない訳ですが」

ほうほうそうですかそうですか
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240115/k10014321281000.html
岸田内閣支持率「支持」26%「支持しない」56% NHK世論調査
2024年1月15日 19時00分

『NHKの世論調査によりますと、岸田内閣を「支持する」と答えた人は、去年12月の調査より3ポイント上がって26%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は2ポイント下がって56%でした。』(上記URL先より)

ちょっと回復してるじゃん水準クソだけどw


〇輪番減らさないのかよ・・・・・・・・・・・・・

昨日の輪番オファーにはさすがに呆れた訳ですが。

https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of240115.htm
国債買入(残存期間1年以下) 1,500 2024年1月16日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,750 2024年1月16日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,750 2024年1月16日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,500 2024年1月16日

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

いやあのですね、金利下がっているんだから輪番絶好の減らし時だろ(超長期はまあ1回スキップしているからさておきましても)という話で、そもそも2年カレントが0%とかいう状況だったのに輪番減額しないもんだからこの有様である。

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/BCQFY3OKBFIELBAZQN3H5NZHSU-2024-01-15/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸で引け、長期金利0.555% 2年マイナス半年ぶり
ロイター編集
2024年1月15日午後 3:24 GMT+9

『[東京 15日 ロイター] -
<15:12> 国債先物は続伸で引け、長期金利0.555% 2年マイナス半年ぶり

国債先物中心限月3月限は前営業日27銭高の147円66銭と3営業日続伸して取引を終えた。米金利低下や日銀オペが買い材料だった。現物市場の新発10年国債利回り(長期金利)は同3.0ベーシスポイント(bp)低下の0.555%。2年債利回りは半年ぶりにマイナス圏に低下した。』(上記URL先より、以下同様)

とまあそういう訳で2年カレントマイナスとかナンジャソラという話になっているのですが、そらまあ12月会合前に盛り上げておいていきなりゼロ回答どころかマイナス回答を行い、25日の経団連講演では「あの植田先生が」経済学の標準的な考え方を捻じ曲げてまでも屁理屈捏ねる黒田でもやらなかったような屑講演を実施して、NHKのインタビューで支店長会議へ期待を持たせるような事を言ったと思ったら支店長会議では忖度爆発の循環は起きていない報告アネクドートの連発と来ている上に、こんな輪番減額チャンスに減額しないというやる気の無さを見せれば、そらまあこうなりますわなと。

というかですね、このタイミングで輪番減額できないってチキンとかいうのも鶏に失礼になるんじゃないかという位の話でして、いやマジでこんなテイタラクの大本営だと3月4月にマイナス金利解除の決断とか出来なくなる、となりますと今年はとにかく後ろに行けば行くほど米国金融政策だの米国大統領選挙だの国内政治日程だのややこしい事が起きやすくなるわけですから、これうっかりすると1年間何もできないままで植田総裁の任期の3分の1以上が空費されるという恐ろしいリスクまで見えてきたがな、というお話になるんなじゃかろうか、とアタクシは痩せ馬の先走りなので先走って考えたくなってしまう、という世界ですがな。というか2年マイナスはこれ「マイナス金利解除ができなくなるんとチャイマスカ」というリスクを全く意識しないで良い状態だったらそこまで付かんじゃろという水準だと思うんだよなー、カバーの反動とかあるにしたって。

まあそんなこんなで、

『  OFFER  BID   前日比 時間
2年 -0.008 0.001  -0.009 15:13
5年  0.154 0.163  -0.018 15:05
10年 0.549 0.558  -0.034 15:13
20年 1.266 1.276  -0.037 15:05
30年 1.57  1.582  -0.112 15:13
40年 1.791 1.805  -0.03 15:13』

とまあそんな具合で2年マイナスだわ10年は0.55水準だわということで、10月以降の相場は何だったのかという感じだし、大体からして2年とか半年ぶりってどういう事やという世界なのですが、まあ日銀の情報発信が植田総裁になってから(もともと黒田時代からおかしくて末期に更におかしかったのですがその上塗りの如く)更におかしくなっている次第でしてですね。


昨日は日経ちゃんにこんなのがあったようだが、例によって無課金勢なので中身は読んでない、というか金が無いので読めないw

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB125NJ0S4A110C2000000/
海外勢が戸惑う「好循環」の論理 試される日銀の発信力
日銀ウオッチ
2024年1月15日 5:00 [会員限定記事]

『日銀の金融政策の出口局面が近づくなかで、海外への発信の重みが増している。海外投資家の関心は高まっており、発信の仕方次第では市場にショックが広がりかねないためだ。日銀が目指す「賃金と物価の好循環」は海外勢には理解しにくい面があり、米欧との経済・物価の状況の違いを含めた丁寧な説明が求められる。』(上記URL先より)

別に海外勢じゃなくたって「賃金と物価の好循環」って理解できんわという話なんですけれども、何か「拙速な引き締め」とか「好循環」とか、一々主観的な価値判断入れて説明する上に、まだ拙速云々はタイミングをみたいってんだから分かるけど、賃金と物価の好循環とかいう話になりますとそれ標準的な経済学の考え方から外れているだろうというレべルになっている訳でございまして、何ちゅうかこの黒田政策を継続したい、というお気持ちが先行してそのために(元々の考え方からしたら本来は恣意的な判断を排除するためにターゲット政策にしている筈の)インフレターゲットの枠組みにドンドンと誤魔化しを入れているうちに、もはや標準的なマクロ経済学の考え方では説明不能状態になる、という粉飾に粉飾重ねた決算をした結果政策が破綻という流れしか見えなくなってきているのマジヤバいっすなあと思うのですがそれは兎も角。


まあ何ですな、何せこの絶好の輪番減額チャンスで輪番減額しないというチキンっぷりですと、(確か昨日日経か何かが指摘してたと思うのですが)補選のタイミングどんぴしゃりの4月会合での政策修正なんてする根性は無いんじゃネーノという話になり、そうなるとこれ3月ワンチャン無いとガチでヤバいですな、南無三。

・・・・・とは言えですね、まあ救い(日本経済にとって救いなのかというと救いでも何でもないけど)になりそうなのは為替市場ちゃんということでありまして、この調子で日銀は政策修正すらできません、という思惑が一段と定着すれば、昨年夏のように円安ワッショイが復活する、というのが大有りになる訳でして、しかもここに米国経済が実は強くて物価の沈静化が思いの外遅れてパウエルちゃん泣きながら早期利下げ撤回モードになってしまいますと、現状のアメリカン市場の状況ですらドル円様って145円とかになっている訳ですから、それこそ1月会合(は無風でしょ)の後の情報発信次第では円安ドライブが再度掛かって、それによって最近すっかり大人しくなっておられる神田大明神がランボー怒りのカチコミをぶっこんでチキン総裁とチキン副総裁が急にビビって政策修正に入る、というのが一番早いんじゃないか、とまるでロジカルじゃない政策大予想になりますが、もはやそっちの方面からしか救いの手(なお円安は別に日本の救いにはなっていない)が来ないというイメージになってきましたです、はい。

しかしこれ1月会合で何か前向きな話でもしてくれれば別なのですが、何も無し状態の情報発信をした場合、3月4月会合までにそれを引っくり返すのって相当強引(昨年の2回実施したYCC柔軟化のような無理矢理路線)な情報発信をする必要があるので、ただでなくさえ情報発信において(基本が日銀の提灯持ちの)日経にすら情報発信力が問われるとか書かれる植田日銀はもはや何を言っても話をまともに受け止められない、ってことになると思うんですけどね。なおアタクシは既にこの人たちの情報発信に関しては無茶苦茶過ぎて全然信用できないという烙印を押しておりますのはまあ日々の悪態にお付き合いいただいておりますとお分かりかと(^^)。


〇先週のネタで恐縮ですがウィリアムズの火消しというか何というか講演から少々

https://www.newyorkfed.org/newsevents/speeches/2024/wil240110
Rules of Three
January 10, 2024
John C. Williams, President and Chief Executive Officer
Remarks at Bronx EDC and BICNY’s 2024 Regional Economic Outlook, White Plains, New York
As prepared for delivery

先週水曜(実質木曜)のネタで何を今さらということですが、まあゆうてこの人基本的に最近は無難なことしか言わないので、「無難な線はどこにある」というのを見るときのベンチマークには使えるかなという物凄く雑な扱いですけれどもちょっと無難な線を確認しますね。

手抜きなのでまずは金融政策の所から読む、という無茶苦茶プレイを。

『Monetary Policy』ってところから。

『So, what does this mean for monetary policy?』

手抜きなのでこの「this」の情勢判断部分をかっ飛ばして結論を先に読むという暴挙を行っておりますが、だいたい結論から読んでもthisの部分は推測できますので手抜き読みをするのだ。

最初のパラはマクラみたいなもんなので引用するけど読み飛ばし推奨。

『The FOMC’s policy actions over the past two years have put in place a restrictive policy stance that is helping achieve balance between demand and supply and restore price stability. In December, the FOMC kept the target range for the federal funds rate unchanged at 5-1/4 to 5-1/2 percent. In determining the extent of any additional policy firming that may be appropriate to return inflation to 2 percent over time, the Committee will take into account the cumulative tightening of monetary policy, the lags with which monetary policy affects economic activity and inflation, and economic and financial developments.7』

ってここはただのマクラでして次から。

『So here is my forecast for 2024 and beyond. Taking into account the effects of restrictive monetary policy, I expect GDP growth to slow to about 1-1/4 percent this year, and for the unemployment rate to rise to around 4 percent. I expect PCE inflation to continue to slow to about 2-1/4 percent this year, before reaching our 2 percent longer-run goal next year.』

「Taking into account the effects of restrictive monetary policy,」とゆうとりますが、じゃあその効果はどういうラグを持って出るのかが問題なんじゃ、と思うのですが今回の講演では(前段の部分でも)そこはあんまり触れないで次のパラグラフで、

『All of that said, the future remains uncertain. The risks are two-sided, with the possibility of supply-demand imbalances or inflation remaining stubbornly persistent weighed against that of a weaker-than-expected economy and labor market.』

うーんこのという感じで、金融引き締め政策の効果が出て景気が減速するので過度なインフレが鎮静化される、という見通しを捏ねているのは良いのですが、その効果がどの位のラグが出るからどうのこうの、という話は回避して説明しているのがチャーミングでして、次のパラグラフに参りますと、

『My base case is that the current restrictive stance of monetary policy will continue to restore balance and bring inflation back to our 2 percent longer-run goal. I expect that we will need to maintain a restrictive stance of policy for some time to fully achieve our goals, and it will only be appropriate to dial back the degree of policy restraint when we are confident that inflation is moving toward 2 percent on a sustained basis.』

このパラはちょっと長いので分割しまして前半ですが、ここはウィリアムズの工夫という風に思いましたけれども、引き締め的な金融政策が「for some time」に必要ですよという言い方しかしていなくて、引き締め効果のラグがこの位あるからフォワードルッキングにこの辺りで引き締めを緩める、みたいな話をしないんですよね。

でもって「it will only be appropriate」とちょっと強い言い方をして、金融政策を「dial back the degree of policy restraint」するのは2%に落ち着く確信が出ないとダメでっせ、という言い方をしております。

まあこれ自体はご案内のように12月FOMC以降の金融市場ヒャッハーに対する火消しの意味合いが入っているので強い言い方になっている、という面は多分にあると思いますので、そこは割り引く必要が勿論あるのですけれども、とにかくこの説明、政策の「タイミング」に関して余計な事を言わないというのは目につくところでして、その背景としてこのパラ後半に続くのですが、

『The outlook remains highly uncertain, and I will continue to carefully watch and assess the data to judge whether the stance of policy is best positioned to achieve our goals.』

先行きがワカランチ会長である、というのを強調する訳ですな。

『Our policy decisions will be made meeting by meeting and will follow another rule of three: by looking at the totality of the incoming data, the evolving outlook, and the balance of risks.』

講演のお題の「rule of three」です。まあ判断基準は3つとしているけどこれはまあ普通に当たり前の話を言っているだけで特に何か新しい基準がある訳ではないですな。

でもってこの後バランスシートの話になるという次第で、金融政策というか利下げの話に関しては「すぐにはやらんわ」というのは示していますけれども、それ以上の話って全然していないというのが特徴でして、それが3月利下げ開始だヒャッハーに対する牽制ではあるのですけれども、まあ結局物価動向次第で良く分からん、というのが正直なところなんでしょうね、と思われます。


でもってバランスシートの話は飛ばしちゃいまして、これだけだと手抜きにも程があるのでこの部分の一つ手前に「何の指標を見るのか」というのに言及している部分があるのでそちらもネタにします。

『Future Indicators』って小見出しのとことになります。

『With that summary of the inflation onion in mind, what can we expect for inflation going forward?』

「that summary」とは何ぞやとツッコまれそうですが、これまたその前の部分に記載がありますがなというお話で恐縮至極。まあそれはそれとしてこの先の話をみましょうず。

『One important factor behind inflation is inflation expectations, and the recent indicators here have been quite encouraging.』

ということでウィリアムズ的に見ていくのはインフレ期待なんですとよ。

『Longer-term inflation expectations remain well anchored at levels consistent with the FOMC’s 2 percent goal. Medium-term inflation expectations are fully back to pre-pandemic levels. And one-year-ahead inflation expectations, which rose as inflation surged, have fallen dramatically to within the range seen in the seven years before the pandemic for which we have survey data.4』

とは言いましてもそもそも論としてインフレ期待ってそれジャストドンピシャな数字が計測できるんかい問題があると思うのですが、一発目にはインフレ期待がアンカーされていることが大事ですよと来ております。しかしまあインフレ期待に関してはそもそも「アンカーされていない」となると利下げどころか利上げになってしまう話なので、これは常にアンカーされていることになるので多分気にしなくて良いと思うの(身も蓋もない)。

『A second useful indicator for future inflation is the New York Fed’s Multivariate Core Trend (MCT) inflation.』

何か手前味噌来ましたが、こいつはNY連銀のここにブツがあります。

https://www.newyorkfed.org/research/policy/mct#--:mct-inflation:trend-inflation
Multivariate Core Trend Inflation

足元では11月の数字までアップデートされていますね。

『After reaching nearly 5-1/2 percent in June of 2022, the most recent MCT reading is 2.3 percent.5 Other indicators of underlying inflation are showing significant declines toward pre-pandemic levels as well.』

と言っているのでまあNY連銀のこの数字は見て桶ということですねわかりました。

『The third indicator I’ll mention-there’s my rule of three again-is wage growth.』

ということでまあ結論からしたらお賃金の動向見ておくのが一番手っ取り早そうですね!!!!

『Economists at the New York Fed have developed a measure of trend wage inflation, which has declined to about 4-1/2 percent from its peak of near 7 percent in December 2021.6 This is another indicator that the labor market is coming back into better balance.』

『If we put all these pieces together, the data indicate that we are clearly moving in the right direction. However, we still are a ways from our price stability goal.』

ということでさっきの金融政策の話に繋がっているのですが、要するにおちんぎん見ておけというのが話としてはよかろうバイという結果ではあるのですが、アクチュアルの物価と賃金みておく(どうせインフレ期待はアンカーされているのままなので)ということになるんでしょう。でも物価と賃金って基本遅行指標になるから何かこの理屈だと引き締めの解除って遅行しそうな気がするんですけどねえ・・・・・・・・・・・・

てなことなので、まあ火消しの面はあるにせよ、このロジックだと何処をどう叩いても3月にフォワードルッキングに利下げ、という話にはならない。というのだけは明確にしか見えない訳ですが、もうアメリカン市場の方が隙あらば3月利下げ開始ヒャッハーになっているというこの断層よというところで。





2024/01/15

お題「米国PPIの反応を見ながらのただの雑感雑談ですいません」

ほうほうそうですかそうですか
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240113/k10014319761000.html
台湾総統選 民進党・頼清徳氏が当選 立法院は過半数維持できず
2024年1月14日 19時06分

『13日に投票が行われた台湾の総統選挙で、与党・民進党の頼清徳氏が550万票を超える票を獲得し、野党の2人の候補者を破って当選しました。台湾で1996年に総統の直接選挙が始まってから初めて、同じ政党が3期続けて政権を担うことになります。』

『一方、同時に行われた議会・立法院の選挙では民進党が過半数を維持できず、5月に就任する予定の頼氏は難しい政権運営を強いられることになりそうです。』(上記URL先より)

ワイ前回台湾に観光に行ったのは蔡総統の時でしたな。


〇一々経済指標で振らされておるがこれは過渡期のやむない話なのかも

・PPIでまたまた3月利下げ派が息を吹き返しているとな

うーんこの
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-12/S762MIT0G1KW00
【米国市況】2年債利回り急低下、PPI下振れ−ドル一時144円36銭
Rita Nazareth
2024年1月13日 6:53 JST

『12日の米国債市場では、2年債利回りが5月以来の水準に低下した。米生産者物価指数(PPI)が予想外の低下となったことを受けて、今年の利下げ観測が高まった。』(上記URL先より)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-12/S75HLNDWRGG000
米PPI、前月比で3カ月連続の低下−利下げ観測が再び強まる
Vince Golle
2024年1月12日 22:35 JST 更新日時 2024年1月12日 23:58 JST

→PPIは前年同月比では1%上昇、市場予想を下回る伸び
→コアは前月比横ばい、前年比は20年12月以来の小幅な伸び

『昨年12月の米生産者物価指数(PPI)は市場予想に反し、前月比で3カ月連続の低下となった。生産者レベルでのインフレ圧力緩和があらためて示され、市場では3月利下げの観測が強まった。』(上記URL先より、以下同様)

牽制球もバシバシととんできましたけれども、なんだかんだ言いましてCPI強くて3月利上げ観測が若干のションボリーヌとなったと思ったら今度はPPIでまたもヒャッハー相場というこの流れクソワロタ。


・でもまあ高官発言で右往左往するよりは経済指標で右往左往する方がまだ健全ですわな

・・・・・ということではあるのですが、まあ牽制発言ちゃんの方は牽制発言でこれまた出ているのですが(後述)、言っている人の発言の重みというのはあるとは思うのですけれども、だんだん最近は普通に経済指標に反応するような感じで動いているように見えてきているというのは、何でもかんでも要人発言だけで反応するよりも健全な姿になってきているなあとは思う訳ですな。

緩和政策やっている時にゼロ制約に米国もぶち当たった訳ですが、この時にドットチャートなどを駆使してフォワードガイダンスを出す(可変ガイダンスだけれどもその代わり期間が長い)ことや、緩和姿勢を示す色々な小細工(高圧経済アプローチとか平均物価ターゲットとか)をしていたので、市場ちゃんも当局が何か材料をくれることを前提にしたポジショニング、というのがもはや定番と化していた(個人の感想です)訳でが、過度に当局の情報発信に反応するのではなくて、市場参加者が経済物価動向を分析して経済や金融政策の先行きに関して考えてポジショニングする、というのが本来の健全なマーケットの在り方だと思うの。

ということで、まあ市場が経済指標で動くようになる、ってのは政策当局の寄越す材料でしか反応しないような不健全な状況からの一種の正常化過程ではあろうかと存じますが、そうは言いましてもこちらのニュース記事下の方も読んでみますと・・・・・・・・


・でもまあマクロ見通しでの勝負になっていないのはまだまだ正常化への道は遠いと思いますわ

『食品とエネルギーを除くコアPPIは3カ月続けて前月比横ばい。前年同月比では1.8%上昇と、2020年12月以来の小幅な伸びにとどまった。』

はいいんですけど、

『エコノミストはPPIを注視しているが、特定の医療分野やポートフォリオ管理など、いくつかのカテゴリーが個人消費支出(PCE)価格指数の算出に使用されることが一因となっている。米金融当局はPCE価格指数をインフレ目標の基準にしている。』

という解説があったりするわけでして、いやまあここはブルームバーグの記者の方のご感想という面もあるかとは思うので全員が全員そういう見方でPPI指標に反応している訳ではないと思うのですけれども、この解説を見ると肝心のエコノミストが「物価動向」なのではなく「コアCPIの数字そのもの」に対して注目しちゃっているんだなあ、というのが垣間見える所でして、これはこれでまだまだ「正常化」への道は遠いですなあと思う次第なのであります。

「PPIの構成要素の幾つかの数字がPCEに使われるから注目」とかいうのはまあそういってるエコノミストのお気持ちも分からんではないし、そういう解説をするとエコノミストのクライアントでありますところの投資家ウケしそうですから、商売上そういう話を出したくなるのも分かるのですけれども、いや金融政策運営ってそういうミクロの部分がどうのこうのという話なのではなくて、マクロ経済全体がどういう状況で今後どういう風になるのか、というマクロで勝負の話なのでありますので、個別の価格がインフレターゲットで目標にされている経済指標に影響を与えるからどうのこうの、というのはそれはお前じゃあ特定の医療分野やポートフォリオ管理などの指標に紐付けてマクロ政策を運営する馬鹿がどこの世界にいるのか、というお話でもありまして、そういう意味でアタクシ今「正常化」への道は遠いな、と申し上げた訳ですな、まあそもそもマイナス金利の正常化も進まないジャパンの人間が何言っても説得力がないと言われたらぐうの音もでませんけれども。


・シカゴ連銀グールズビー総裁の牽制球キタコレだが・・・・・・・

ちなみにまたも牽制球が飛んでいるのですが、結局の所パウエルが悪いよパウエルがという話っすな。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-14/S774TPT1UM0W00
シカゴ連銀総裁、投資家は先走っている可能性−利下げ軌道巡り
Catarina Saraiva
2024年1月14日 23:07 JST

『グールズビー氏は12日のFOXニュースとのインタビューで、「市場は前後を誤っている」と発言。「金利に関する判断を左右するのは実際のデータになる」と述べた。』(上記URL先より、以下同様)

という話、これ実際の発言に当たればよろしいのですが、とりあえずFOXテレビのニュース映像自体は拾えたのですけれども、文字起こしをちょっと見つけられませんでしたさーせん(下の方にURL貼っておきます)。

でもってこのFOXニュースのインタビューですけれども、こちらは開口一番「今日のPPIはどうでしたか」から始まったのでPPIのデータを前提にした話になっていまして、その次の質問が「市場の反応についてのご所見は」(2分ちょっとしたところ)になっております。

『昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で公表された最新の経済・金利予測では、2024年に3回の利下げが実施される可能性が高いことが示された。グールズビー氏はこれについて、個々の予測であり、将来の政策に関するFOMC全体の見解として受け止めるべきではないと主張した。』

『「今回は、FOMCがどのように機能するのかに関して市場でやや混乱があったように思う」とし、「われわれはグループとして議論し、現時点での行動に関して投票する。将来に関して議論し、投票するのではない」と話した。同氏は今年のFOMCで議決権を有していない。』

ということだが、この辺りの話は下記FOXニュースの5分過ぎの辺りかな、まあその辺にあります(映像は全部で7分弱)。ちょっと気になるのはこの翻訳の方にもあったけれども、「先行き見通しよりも実際の状況が重要」という言い方で、これは話の流れからすると「SEPで示したドットプロットに縛られるものではない」という趣旨で話をしているようには見えた(というか聞こえた)のですけれども、これ読み方間違えると「実際の物価動向に対してバックワードルッキングで反応します」と言っているようにも見えてしまうので、まあ言い方ムツカシねとは思うのでした。

この部分、アタクシのインチキ臭いヒアリング能力によると「先行きのドットプロット通りに政策を実施する訳ではなくて状況の変化に応じてその時点で最善と思われる政策をやるんですよ」という市場の先走り利下げ観測に牽制球を放る説明だと思います。

FOXニュースのインタビュー映像はこちらになります。先ほども申し上げましたが
https://www.foxnews.com/video/6344779909112
Your World Cavuto
January 12, 2024 06:57
CLIP
Chicago Fed president: This highlights there are a lot of different measures of inflation

Austan Goolsbee, president of the Federal Reserve Bank of Chicago, gives his economic outlook and reacts to the latest inflation data on 'Your World.'

ちなみにさっきのブルームバーグ記事ですが、記事中に原文記事へのリンクはあるのですけれども、英文記事の方は有料読者向けの記事になっている(というかブルームバーグ英語版って記事を踏みに行くとだいたい有料記事だったりします)ので、まあ素直にFOXニュースのヒアリングをした方がよろしいかと存じます。


・一方でそもそもマクロで全然勝負していない日銀というのが何ともはや

・・・・・・でまあ隙あらば日銀への悪態をねじ込むアタクシですが、こういう文脈で言えば日銀の今の政策に関する説明って全然マクロ経済の話になっていなくて、まあ酷いなというのは焼き直しになりますけれども年末の経団連の植田総裁講演ですわな。

まああの経団連講演に関してはまさに「この講演原稿を作ったのは誰だあ(ガラッ)」って海原雄山が某建物の某7階にやってくるレベルのアレ物件でございまして、

年末の経団連講演の図表集
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2023/data/ko231225a2.pdf

政策のキモという扱いになっている「賃金と物価の好循環」ですけれども、これって最後のスライドの図表10に該当するのですけれども、「物価の動向」って小見出しになって、左の「財・サービス価格」は兎も角として「人件費の販売価格への転嫁」ってこれアネクドートのかき集めという状態すわな。

でもってご案内の通りではありますが、ミクロのアネクの話なんて何ぼでも都合の良いのを出せる訳でして、そら政策やりたい方の材料を勝手にチェリーピッキングすりゃあ景気の良い世界、景気の悪い世界のどちらだって存在する(逆に全部が総楽観とか総悲観などという状況になっている方がおかしい)のであり、威勢の良い所だけをミクロヒアリングしたらこの「人件費の転嫁」だって全然違う話になるでしょ、という話になる訳ですよ。

講演本文の方ではこの図表10にリファーしている辺りですけれども、
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2023/ko231225a.htm

『企業収益を維持するためには、原材料価格の転嫁が必要ですが、そのことによる物価上昇は、家計からみれば負担の増加となります。景気が内需主導で持続的に回復し、賃金と物価の好循環が強まっていくためには、企業収益の増加が家計所得の向上につながることが不可欠です。』

『このため、価格設定面では、賃金や間接費など原材料以外のコストの上昇も含め、企業が販売価格に反映していけるのか、という点がポイントとなります。賃金上昇をある程度販売価格に反映することができなければ、賃金と物価の好循環は長続きしません。この点、最近、コストに占める労務費の比率が高いサービスの価格が徐々にプラス幅を拡大していることは、注目すべき材料です。ただし、企業からの声を伺いますと、労務費上昇の販売価格への転嫁は容易ではないとの見方が、なお多いとの印象も持っています(図表10)。』(直上URL先の2023年12月25日植田総裁経団連講演より)

とまあそういうアネクを出して説明した挙句に今回の支店長会議でもご案内の通りの忖度爆発報告になっていたというのは金曜にネタにした通り。


ただまあこのような「ミクロの話で勝負」をしてくるのってのはぶっちゃけ「恣意的にどうとでもなる」という面もありますので、ある日突然チキン総裁チキン副総裁の誰かさんと誰かさんが、突如変なものでも食って急に人間が変わってチキンじゃなくなった場合、イエッサーとばかりに今度は賃金と物価の好循環というものが発生しています、というアネクドート集めに茶坊主の皆さんが狂奔する、という図になるのは言うまでもない訳で、そうなると今度は突然のジャガーチェンジが発生します、という流れもこれまた大有りなのですな。

そういう意味で、思いっきり恣意的判断要素丸出しのこの「賃金と価格の好循環」という概念、よくもまあこんなインチキ思いつくわとは思いますが、マクロ情勢判断とは関係なく恣意的に並べたアネクドートの集大成で「判断」する物件なので、まあ残念ながらジャパンの場合はまともな経済分析によって政策予想をする、というのが無駄という恐ろしい状況が寧ろ一段と悪化しているというのは実に悲しい事でありますな。

と隙あらば日銀への悪態をねじ込むスタンスで今朝はただの雑談でしたさーせん。





2024/01/12

お題「支店長会議での賃金と価格転嫁の報告がションボリーヌだった件について/その他少々」

ほうほうそうですかそうですか
https://www.agrinews.co.jp/news/index/207690
2024年1月12日
伸びる納豆輸出 5年で2倍 中華圏で販路拡大 「日本産大豆」指定も

『健康ブームを受けて、海外の富裕層を中心に納豆の注目度が急上昇したことが要因。全国納豆協同組合連合会(納豆連)によると、インバウンド(訪日外国人)が帰国後も納豆を食べるケースが増えており、「伸びしろがある」という。』(上記URL先より、以下同様)

これはイイハナシダナーではあるのですが(納豆スキーじゃないかたにはナンジャソラニュースではありそうですけれども)、

『納豆連は「中華圏で日本の食文化に対する関心が高く、富裕層を中心に消費が増えている」とみる。納豆人気はオーストラリアやタイなどにも波及している。』

ちょwwww海外富裕層との消費競争に日本のしょみーんが太刀打ちできないあるよorz


〇支店長会議で賃金の動向について云々とは何だったのか(支店長会議関連雑談)

とまあそういう訳で昨日は日銀の支店長会議にさくらレポートだった訳ですよ。

まあ普段は基本支店長会議とかそこまで大きなネタにならんのですけれども、なにせ今回は昨年のハトハトチキンさんの公共放送インタビューで・・・・・・・・・・

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231227/k10014301251000.html
【Q&Aで詳しく】日銀 植田総裁 単独インタビュー
2023年12月27日 19時25分

と、わざわざ日銀支店長会議を名指しして、

『Q.「次回・1月の会合までには材料が少ない」と会見でおっしゃっていました。少しスタンスを長めにといいますか、ある程度しっかり見たいという思いもあるんでしょうか?』

『A.そうした可能性もありますし、全然わかりませんが、例えば1月の支店長会議ですごい楽観的な見方を支店長が示される。そこからかなりの情報が得られるいう可能性もゼロではないと思います。いまのところそんなに高いとは思っていませんが。』(以上直上URL先2023/12/27NHK記事より、改行割愛)

・・・・・・・・いやあのですね、こんな事言ったら支店長会議で何か出るかもしれないってマーケットもメディアも思っちゃうわけで、お蔭で

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB044ZE0U4A100C2000000/
日銀支店長会議、地方企業の「生の声」で賃上げ意欲点検
金融政策
2024年1月9日 5:00 (2024年1月11日 11:39更新) [会員限定記事]

とかいうような感じで報道各社だって「もしかして支店長会議で何かあるかもしれない」って盛り上がってしまう訳ですよ。お蔭で無駄に注目されることになってしまった訳ですが。


でもって結論。
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rera240111.htm
各地域からみた景気の現状(2024年1月支店長会議における報告)
2024年1月11日
日本銀行

『雇用・賃金面では、多くの地域から、労働需給の引き締まりや、企業の人手不足感の強まりが報告された。本年の賃金改定に関しては、一部の大企業において、昨年並みあるいはそれ以上のベースアップを伴う賃上げ方針を既に表明する動きがみられるもとで、地域によって濃淡はあるものの、地方でも昨年よりも幾分早いタイミングで賃上げ機運が醸成されつつある。ただし、競合他社の賃上げ動向等を見極めたいとして、現時点では賃上げ率等を固めていない先が多いほか、中小企業を中心に、収益面の制約から慎重さを崩さない先も少なくないなど、賃上げの広がりや程度等については不確実性が高いとの報告が多かった。』

えーっと、

>競合他社の賃上げ動向等を見極めたいとして、現時点では賃上げ率等を固めていない先が多い
>中小企業を中心に、収益面の制約から慎重さを崩さない先も少なくない
>賃上げの広がりや程度等については不確実性が高いとの報告が多かった。

・・・・・・1ミクロンたりとも前のめり感が無くて、寧ろ期待に盛大に放水しているようにしか見えない内容に仕上がっておるわけでして、じゃああの12月27日のインタビューでの「例えば1月の支店長会議ですごい楽観的な見方を支店長が示される。そこからかなりの情報が得られるいう可能性もゼロではないと思います。」とは何だったのかと小一時間問い詰めたい訳ですよ。

だってさ、対外公表自体は確かに四半期に1回の地域経済報告であるにしたって、当然内部的にはこういう地域経済の状況に関しての報告って随時上がっているでしょうし、そもそも論として政策委員の皆様が金懇で日本各地に行ってるんですから、まとまった形ではないにせよ、アネクドータルな話は随時上がってるじゃんと思う訳ですし、まあマーケットの人間だってメディアの皆様だってそういう事は普通に考えつく話じゃん、と思う訳でして、そこで支店長会議直前のメディアのインタビューのなかでわざわざ日銀支店長会議を「可能性はゼロではない」「そんなに高いとは思っていませんが」と断りながらも名指しして判断イベントの一つですよ、という形で示してしまえば、もし支店長会議で何かあったら、ということでわざわざ身構えてしまうことになり、前述のようなメディアによる報道が行われてみたり、市場の注目材料扱いされてしまったり、ということで、まあ余計なノイズを振りまいているだけ、ということになる次第でして、いいから爺さん余計なサービスフレーズを発言に混ぜるな危険というのに気が付けよと思う訳ですよいやマジで。

福井の俊ちゃんという総裁が居た時にも良くサービスフレーズが飛び出していましたけど、俊ちゃんの場合は後から答え合わせすると計算してサービスフレーズだしていたな、っていう感じだったのですが、植田さんの場合はそういう何か計算に基づいて発言している訳ではない、というのがこの前の国会での「チャレンジング」でモロに出てしまったし、あの発言でどんだけ余計なボラを振りまいたのか、という反省があれば、さっき引用した部分12/27のインタビューに関してだって、別に支店長会議とか名指ししなくたって、単純に「毎回毎回の金融政策決定会合で判断していきます」で済む話だし、まあそれ以前に春闘春闘言うから、それだと年に1回しか判断タイミングないじゃんという話になる訳で春闘春闘と名指ししているという問題もこれまたあるんですけど、いずれにせよ「支店長会議」うんぬんってまあ植田さんとしては親切で具体的イベントについて一例を出しただけだとは思うのですが、こういう悪意の無い不用意な発言というのが一番タチが悪い(某俊ちゃんの不規則発言の場合は意識か俊ちゃん一流の無意識かは兎も角として計算が背景にあったわな)のでして、植田さんが口を開くと所謂「無能な働き者」になり下がってしまうのはかなり残念だな、とまあそのようにおもいましたですバイ。


・・・・・・・まあ実際問題としては昨年の4月の支店長会議でも地域経済の雇用情勢の話があったのに、結局そういうのスルーして後日になってからさくらレポート別冊でエライ強い話が示されていた、というような流れがあったりしますので、結局のところ今の大本営は自分たちの都合の良い時だけチェリーピッキングしてくるだけであって、あんまり「日銀の今までの説明からロジカルに考えると」とか言いながら分析してもシャーナイという黒田末期に華麗に復活した「中原三原則」をモロに実践する流れになっておりますわな、とか言ってしまうと身も蓋も無いんですけどね。


しかもですな、さっき引用した続きには・・・・・・・・・・

『企業の価格設定面では、既往の原材料コスト上昇分を転嫁する動きが続いているが、そのペースは鈍化しているとの報告が多かった。また、値上げの抑制や一部商品の値下げなど、消費者の節約志向の強まりに対応した価格設定行動がみられるとの報告が複数あった。一方で、人件費の上昇を念頭に置いた値上げを実施ないし検討する動きもサービス業等で徐々に出てきているとの報告があった』

というのもこれまた話がしぼみまくっている訳ですよ。

だってさ、「既往の原材料コスト上昇分を転嫁する動きが続いているが、そのペースは鈍化している」ってのは大本営の謎理論(標準的な金融政策運営でそんなこと言わんわという意味で謎理論の)「第一の力第二の力」でいう第一の力が伸びるどころが減衰する話だし、その上、「値上げの抑制や一部商品の値下げなど、消費者の節約志向の強まりに対応した価格設定行動がみられるとの報告が複数あった」ってのも物価上昇鈍化という話でこれまた政策修正をしたくないでござるの大本営もニッコリの報告でありましてハーアソンタクソンタクと思わず合いの手を掛けたくなるお話。

でもってですね、「人件費の上昇を念頭に置いた値上げを実施ないし検討する動き」っのが出て来るからやっと第二の力キタコレと言いたくなるのですが、この表現にも忖たじゃなかった諸葛孔明の罠があって、その直後に「サービス業等で徐々に出てきている」ってなっているじゃないですか。サービス業の場合って人件費は「製造業で言えば原材料コスト上昇」に等しい訳ですし、サービス業ってBtoBもあるけどBtoCってのがイメージされるわけで、諸色上昇のおり消費者向けに転嫁するってのはまあ普通にあるじゃろというお話な訳ですよ。

それよりも「賃金と価格の好循環」というのが「持続的に起きる」というのを考えた場合には、製造業において原材料コストの上昇だけではなく、人件費の上昇を販売価格に転嫁できないと、人件費上昇分をどこで吸収するんだよという話を考えれば持続性に欠けますよね、というようなお話になる訳で(故に賃金と価格の好循環とかいうのはかなりの無理筋な幻想を振りまく非常にタチの悪い説明なんですよね、と思うのです)、上述の部分で「サービス業で」ってわざわざ書かれているのは、裏を返せば「製造業では人件費の上昇を価格に転嫁できていない」という話になる訳でして(BtoCなら転嫁できるのかもしれませんけど)、この記述は「賃金と物価の好循環があまりみられていない」という事を意味している、と解釈すべきだと思うのですよね(個人の感想です)。


・・・・・・・とまあそういう具合でして、今回の支店長会議での報告のこの紙を見ますと、植田総裁が12/27のNHKインタビューでああでもないこうでもないと言ってたのは何だったのかという話になる訳でして、そうなるんだったら最初から言うなよこのジジイとしか申し上げようがないし、そうやって変なポジションを市場に作らせてしまうから10年カレントが0.6%割れ(新発出たから償還伸びて0.6%の引けになっていましたけど昨日は)になるんだよおめー分かってるのかという所でして、政策判断はチキンの癖に不規則発言だけは思い切りが良いというのはマジで勘弁して欲しいと昨日の支店長会議の報告紙を見て思うのでありましたとさ。



〇桜井元審議委員謎にBBGインタビュー

うーんこの
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-10/S713VWT0G1KW00
日銀正常化へ準備完了、マイナス金利解除は4月有力−桜井元審議委員
伊藤純夫、藤岡徹
2024年1月11日 6:00 JST

→順調な賃上げ見込む春闘待ちの状況、「あとは植田総裁の判断次第」
→利上げペースは米欧と異なり極めて緩やか、最終到達点0.5%程度か

というわけで記事をちょっとだけ読みますが、

『桜井氏は10日のインタビューで、日銀は昨年7月と10月のイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の運用柔軟化などで正常化に向けた政策の方向性を示唆してきたとし、「周到な準備は既に終了している。あとは植田和男総裁の判断次第」と指摘。正常化に踏み出すには、「データなど何か一つ背中を押してくれる材料が必要ということだろう」と語った。』(上記URL先より、以下同様)

この櫻井さんの見立て自体はああそうですかってなもんですが、ちょっと面白いなと思ったのは見立ての中で「あとは植田和男総裁の判断次第」とぶっこんでいることでして、これはまさに植田総裁チキン説に符合する見立てになっておるわけでして、ああ桜井さんから見てもやぱりあのおじちゃんはチキン派なんですなあとちょっと笑ってしまいました。

『タイミングに関しては、足元で弱めの経済指標が見られ、能登半島地震も発生した中で、今月22、23日の会合での判断を「急ぐ必要はない」という。企業の好調な収益や価格設定行動の変化を踏まえれば、今年の賃上げは大企業を中心に好調な結果が予想されるとし、春闘の方向性が見える4月27、28日の会合が「妥当だろう」と指摘。マイナス金利とYCCの枠組みは同時に解除される可能性が高いとみる。』

まあ確かにマイナス金利解除して翌日物コール加重平均金利が0〜0.1%で推移(というのがマイナス金利解除の時の現実的な結果だと思います)とかやると、いくら10年1%以上の金利上昇を容認する、と言いましても、YCCのガワ的には10年金利の目標が0%程度になっておりまして、まさかの足元10年フラットあるいは逆イールドって見た目になってしまいますので、見栄えが悪いんですよねー。まあYCC(の長期ターゲット)がどんだけ邪魔ものかというのがよーーーーーーく分かる話ではありますが。


しかしどうでもよいのですが桜井さん、

『日銀ウオッチャーは、岸田文雄首相率いる自民党の政治資金問題がマイナス金利解除のタイミングに影響を与えるかどうかを注視しているが、桜井氏はむしろ追い風になり得るとみている。積極的な金融緩和を支持する自民党最大派閥の安倍派が最も大きな打撃を受けており、政策正常化の障害にはならない公算が大きいという。』

ちょwwwwwあんさんそもそもリフレ派枠の安倍ちゃん人事で審議委員になったんとちゃいますのなにゆうてますのよwwwwwwwwwwwww

と思ってしまいました、どういう立ち位置になっているつもりなんでしょ謎オブ謎。


〇米国CPIを受けてまたも牽制球が飛んでくる(と言っても別に3月利下げを否定しているだけですが)

元々はブルームバーグテレビのインタビューというイベントなのにロイター記事から引用するなと言われそうですがブルームバーグは自分が見たい記事へのリーチの仕方がムツカシイ(日本語版の記事検索機能が使いづらい)のでぱっと見出てきたロイター記事で勘弁してつかあさい。

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/Y7D54FSENRIIHEDUOZFC7TUFBY-2024-01-11/
米3月利下げは時期尚早な可能性=クリーブランド連銀総裁
ロイター編集
2024年1月12日午前 5:10 GMT+9

『[11日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は11日、この日発表の米消費者物価指数(CPI)で示されたようにインフレ率が連邦準備理事会(FRB)の2%目標に戻る道のりは険しいため、FRBが3月に政策金利を引き下げるのは時期尚早な可能性が高いと述べた。』(上記URL先より、以下同様)

はいはいメスターメスター

『米労働省が11日発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.4%上昇と伸びは前月の3.1%から加速し、ロイターがまとめた市場予想(3.2%上昇)を上回った。家賃が上昇傾向を維持した。』

前月比では+0.3%なので2%目標に整合的ではありません本当にありがとうございました。

『メスター総裁はブルームバーグテレビとのインタビューで「もう少し確証を得る必要があるため、3月の利下げはおそらく時期尚早だろう」とし、「12月のCPIは、まだやるべきことがあり、そのためには制約的な金融政策が必要なことを示している」と指摘。モノや住宅などの部門の一段の進展のほか、賃金の上昇が鈍化する必要があるとの考えを示した。』

と3月利下げヒャッハーには放水していますが、

『同時に、12月のCPIはインフレ抑制の進展が停滞していることを示唆するものではないと指摘。「リスクはこれまでと比べ均衡してきているが、インフレ率を2%に戻すプロセスを継続しながら健全な労働市場を維持するために、政策を調整していかなければならない」と述べ、FRBは向こう数カ月、二重の責務である雇用と物価の両面のリスクを一段と慎重に管理しなければならないとの考えを示した。』

とありますので、別に利下げを考えていない訳でもない話なので、まあ何ちゅうか単に3月利下げでゴルディロックスヒャッハーと言っている金融市場に水をぶっかけたいだけの話であって、インフレど警戒モードとかそういうのは脱却していることには変わりはないと思いました。


なおCPIの記事は同じくロイターさんから
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/225XGP2E6FKTNPHIZLAMFHV2AI-2024-01-11/
米12月CPI、3.4%上昇と伸び加速 住居費上昇で コアは鈍化
ロイター編集
2024年1月12日午前 4:03 GMT+9

『[ワシントン 11日 ロイター] - 米労働省が11日発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.4%上昇と伸びは前月の3.1%から加速し、ロイターがまとめた市場予想(3.2%上昇)を上回った。家賃が上昇傾向を維持した。米連邦準備理事会(FRB)が3月に利下げを開始するとの期待が後退する可能性がある。』

『前月比は0.3%上昇。11月は0.1%上昇だった。市場予想は0.2%上昇だった。家賃や宿泊費などを含む住居費の上昇がCPI全体の伸びの半分超を示した。ガソリンは0.2%上昇と、11月の6.0%下落から上昇に転じた。食品は2カ月連続で0.2%上昇した。卵は8.9%急上昇、肉や乳製品価格も上昇した。』(以上上記URL先より)

ということでしてまあそんなもんじゃろとは思いますけど、3月利下げヒャッハーをやっていた向きはしょぼーんという感じですかねえ、よー知らんけど。







2024/01/11

お題「10年入札でやはり国債買入大杉問題を再認識/FEDバランスシート縮小のペースダウンは調節技術の話なのですが・・・・」

おやおやまあまあ
https://www.bloomberg.co.jp/quote/JPY:CUR
米ドル/円JPY:CUR
145.78 JPY

〇10年入札ェ・・・・・

昨日の債券市場ちゃん
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/QVRINMQXWJLFJKVKPHHFPXOIQU-2024-01-10/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反落で引け、10年債入札低調で冷や水 長期金利0.585%
ロイター編集
2024年1月10日午後 3:23 GMT+9

『[東京 10日 ロイター] -
<15:11> 国債先物は反落で引け、10年債入札低調で冷や水 長期金利0.585%

国債先物中心限月3月限は前営業日2銭安の147円03銭と小反落して取引を終えた。買い優勢でスタートしたが、10年利付国債入札が低調な結果となり、冷や水を浴びせる格好となった。現物市場の新発10年国債利回り(長期金利)は同0.5ベーシスポイント(bp)上昇の0.585%。』(上記URL先より、以下同様)

とまあそういうことですけれども、足元では・・・・・・・

『きょうの国債先物は、寄り付き前に厚生労働省が発表した11月の毎月勤労統計で物価上昇に賃金の伸びが追いつかない状態が示されたことを買い手掛かりに、朝から買い優勢の堅調な展開が続いた。』

ってな訳で、毎勤で実質賃金が弱かったから政策変更がどうのこうのという話になっているのですが、そもそも何で実質賃金弱いかと言えば物価が上がり過ぎなのが悪いのであって、だったら円安促進のマイナス金利政策なんぞはとっとと終わらせる方が実質賃金の回復に資するじゃろという話なんですが、足元では12月会合の前に盛り上がり過ぎてしまった分の反動がモロに出てしまい、何か知らんけど「政策修正が先送りになる」という方向の話ばかりに盛大に反応してしまうという有様で、どうしておまいらそう極端に振れるのよとは思う訳です。

『午後に入ると、財務省が実施した10年国債入札でテールが3年10カ月ぶりの大きさとなるなど「低調な結果」(国内運用会社)となったことが相場の流れを変えるきっかけとなった。国債先物はじりじりと上げ幅を縮小し、大引けまであと1分という取引最終盤に小幅マイナス圏に沈んだ。』

ということで入札ちゃんですが、

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20240110.htm
10年利付国債(第373回)の入札結果

6.価格競争入札について

(1)応募額    6兆3,272億円
(2)募入決定額  2兆1,787億円
(3)募入最低価格 99円91銭(募入最高利回り)(0.609%)
(4)募入最低価格における案分比率  30.3621%
(5)募入平均価格  100円03銭(募入平均利回り)(0.596%)

ってなもんで、ベンダー集計ベースの足切り予想が100円02銭くらいだったので、またも足が流れるの巻となった訳ですが、そらまあ12月1月マイナス金利解除と3月4月マイナス金利解除で保有期間10年の間の短期金利の足し算した時にどんだけ差がありますのやら、というお話を考えたら、まあクッソ短い所が反応するのは分かるけど10年ホイホイ買い上げるなよ(と言ってもそうはいかないのが市場ちゃんですけどね)ってなもんですがな、というのに入札になると急に賢者モードになって冷静になるというパターンクソワロタという感じですな。

でもまあ何ですな、金利が上がっている時に入札が先行き不透明で皆さん慎重スタンスになって安値入札になる、というのならある意味ナチュラルな話なんですけど、相場様が買われているなかで入札をしたら入札がスッ転んだ、というのは、これ単純にその前の相場様が買われているという現象があまり自然体ではないということを意味しているように思えるわけでして(個人の感想です)、つまりは日銀の国債買入が無駄に多すぎて市場の厚みがないもんだから、ちょっと材料とか思惑とかが変わると動きやすくなり、しかも市場の厚みがないから動き出すと無抵抗相場になってしまって、でもって入札のような大きな需給イベントの時になると急に皆さん賢者モードになってしまう、とまあそういう困った流れになっているんじゃろうなあと年初早々から思ってしまいました。

ということで結論はもっと買入減らせやはよせえ市場壊れっぱなしじゃねえかこのヴォケ、ということになるわけでして、マイナス金利も怪しからんのですが、今の年間70兆円くらい国債買入をするというようなキチガイ買入の罪も万死に値するわというメモでした。



でまあそれはそれとしまして、毎勤で実質賃金が弱かったからどうのこうので反応しているのですけれども、そもそも論として今の日銀って一貫性のあるロジックで政策判断しているとは到底言い難い状況なのは幣駄文では200回くらいは申し上げていると思うので、日銀のロジックをまともに信用して政策判断を予想しても全然斜め上の方向から覆してくるというのを既に何度もやっている訳ですから、そんなの信用せんでもヨロシカロとは思うのですけど、そもそも論として「実質賃金が弱かったら政策変更が先送りになる」とか言ってヒャッハーと反応する向きにはつい先日のこれを見て桶という話でして、

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2023/kk231220a.pdf
総裁記者会見
――2023年12月19日(火)午後3時30分から約60分

『(問)賃金と大規模緩和の出口戦略について伺います。個人消費が強くないと思われますが、その理由は、物価上昇に賃金上昇が追い付いていないからということが大きいかと思われるんですけれども、現状、実質賃金がマイナスが続いていますが、実質賃金はマイナスのままでもマイナス金利解除をするということはあり得るのでしょうか。その場合、個人消費の腰折れによって景気が減速する可能性はないのでしょうか。教えてください。』

『(答)短くお答えすれば、足元の実質賃金が前年比マイナスであっても、先行きをみた場合に、賃金上昇が続く、そして消費者物価総合のインフレ率が低下を続けるということで実質賃金が好転するという見通しが立つんであれば、足元の実質賃金低下が必ずしも正常化の障害にはならないと思いますけれども。』(この部分直上URL先の昨年12月決定会合後の植田総裁会見より)

という話になっている訳ですし、物価水準が1%そこそこの状況での実質賃金マイナス3%ならそらまあアカンじゃろという話ですけど、物価水準全然違うんですから、これをもって政策修正が遠のいたぜヒャッハーとか言ってるのは馬鹿AIアルゴか何だか知らんですけど、思考能力に問題なしとは言えませんなあ、と個人の感想ではそのように思う訳なのですけどね・・・・・・・・・

#そもそも実質賃金プラスになるのって物価上昇率が低下傾向(上がったのが鈍化するとか物価がそもそも上がらない状態とか)にあるときだろうよ・・・・・・・


〇ダラス連銀ローガン総裁のマネーマーケット考察はかなり(マニア向けですが)オモロイのでオヌヌメ

ということですいません昨日完全に時間配分を失敗しておりました物件の続きですサーセン。

https://www.dallasfed.org/news/speeches/logan/2024/lkl240106
Speech by President Lorie K. Logan
Opening remarks at panel on Market Monitoring and the Implementation of Monetary Policy
January 06, 2024

Dallas Fed President Lorie Logan delivered these remarks at the annual meetings of the International Banking, Economics and Finance Association and the American Economic Association.

・短期金融市場全体での「潤沢な超過準備レジーム」が変化していく中でFEDのバランスシート調整は・・・・・・

昨日の続きから。昨日は「期末などのタイミングで最近は翌日物レポ金利が上昇するようになっているが、これは短期金融市場が「過剰な超過準備レジーム」から脱却しつつあることを示している」という所までネタにしました(話の流れからしてそれを入れておいた方がヨロシイと思ったので書いておきました)。

『Still, individual banks can approach scarcity before the system as a whole. In this environment, the system needs to redistribute liquidity from the institutions that happen to have it to those that need it most. The faster our balance sheet shrinks, the faster that redistribution needs to happen. I’d note that the current pace of asset runoff is around twice what it was in the first half of 2019. And while the current level of ON RRP balances provides comfort that liquidity is ample in aggregate, there will be more uncertainty about aggregate liquidity conditions as ON RRP balances approach zero.』

FEDの保有国債削減によって市場全体としての超過準備が減る訳ですが、個別の参加者ベースで見た場合には全体の超過準備が減ることによって、準備預金の保有調整(資金余剰参加者から資金不足参加者への市場取引を通じた個別行の資金ポジション調整)のニーズが高まります。ということですが、全体としての資金余剰に関しては翌日物リバースレポの残高を見ると掴める、というようなお話ですな。

『So, given the rapid decline of the ON RRP, I think it’s appropriate to consider the parameters that will guide a decision to slow the runoff of our assets. In my view, we should slow the pace of runoff as ON RRP balances approach a low level. Normalizing the balance sheet more slowly can actually help get to a more efficient balance sheet in the long run by smoothing redistribution and reducing the likelihood that we’d have to stop prematurely.』

でもって最近はこの翌日物リバースレポの残高が急速に減っていることを鑑みますと、どこかのタイミングでFEDはバランスシート縮小ペースを落としていくのがよろしいでしょう、と仰せです。

この話ってまあペースが落ちれば債券市場ヒャッハーとかそういう話になってしまうので、そっちの方面からの金融環境に影響を与えて、それがインフレ抑制に対してマイナスに機能するんじゃネーノという問題点が発生する可能性ありますなあ、という論点はあるのですが、ローガン総裁はここではあくまでも短期金融市場における「潤沢な超過準備レジームの終了」という調節技術上の問題として考えていますし、まあその調節技術上の問題で考えるのがそもそも論としては妥当な考え方ではあるのですが、まあ多分市場は純粋な調節技術の問題だけじゃない余計な思惑が出るだろうなあ、というのに1万ドラギ俊彦。

なんでペースを落とした方が適切なのか、という話ですが、さっきのパラグラフの引用の時に敢えてスルーしましたけど、足元のバランスシート縮小のペースは超過準備削減という点から見ると以前よりもペースアップしている状況になっているので、バランスシート縮小を今の規模のままで続けているとどこかのタイミングで縮小のし過ぎという閾値に勢いよくぶち当たってしまう事になりかねないので、ペースを縮小させて適正な準備預金の規模がどのあたりにあるのか、というのを短期金融市場(翌日物レポ市場)の状況(と翌日物レポファシリティの残高状況)を見ながら確認するのが吉、という思いっきり純粋に調節技術上の問題になるのですが、タイミングが利下げ時期とぶつかると別の意味に捉えられそうですね、と思うのでした。


・米国債取引の中央清算機関利用に関して

『Lastly, I want to take note of the Securities and Exchange Commission’s adoption last month of a requirement for broader central clearing for cash and repo transactions in the Treasury market.』

これまたマニアックな話でして、

https://www.sec.gov/rules/2022/09/standards-covered-clearing-agencies-us-treasury-securities-and-application-broker
Final Rule
Standards for Covered Clearing Agencies for U.S. Treasury Securities and Application of the Broker-Dealer Customer Protection Rule With Respect to U.S. Treasury Securities

という件に関する話のようです。さすがにこれはアタクシフォローしてない件なのでまあ今日は字面を追うだけで勘弁して頂きますけど。

『While broader central clearing won’t cure all of the market’s vulnerabilities, our research at the Dallas Fed finds that it will have significant benefits. Related to my previous comments, broader central clearing should make repo markets more elastic as multilateral netting can reduce intermediaries’ balance sheet costs.』

『That will help smooth the redistribution of liquidity when balance sheets are constrained, such as during stress episodes and at period ends. Broader central clearing should also meaningfully improve risk management, in particular by mitigating risks at interdealer brokers in the cash market and by addressing the 74 percent of noncentrally cleared bilateral repos that are currently transacted with zero haircuts. 』

『Of course, careful implementation by the industry and regulators will be important. The SEC has established a phased timeline, with full compliance in 2026. As the market moves toward broader clearing, I think the FOMC should also consider the benefits of central clearing of the Federal Reserve’s own Treasury market operations. The SEC regulation exempts central banks, but in my view, it’s typically most efficient and effective for us to operate in the same way as the main market participants. And, as I’ve discussed previously, central clearing of the SRF could make that facility more effective in providing backstop liquidity to the broad market.』

アタクシ基本的にドメドメジジイなのであんまり外債詳しくないのでまあ勉強しておかないとではあるのですけれども、中央清算機関(日本で言うとJSCC)で米国債の売買取引決済を集中させることによって、清算集中による決済ネッティング機能を通じて資金偏在を小さくしたり、参加者のバランスシートコストを下げれまっせというお話をしているようでございますな。そういや米国債はFEDワイヤーで決済ですけれども中央清算機関じゃなくてカストディ銀行がその下にあってそこからぶら下がっているんでしたっけ(知識不足なのでアレですが)。

まあそういうのも行われているようですが、何ちゅうテクニカルな話をしていますねんさすがNY連銀のデスク叩き上げだわという講演でした。


・ちなみにFED関係者(地区連銀のスタッフペーパーを含む)の出してるものを見たいときには・・・・・・


こんなのがありましてですね
https://fedinprint.org/
Fed in Print
Explore research and publications from across the U.S. Federal Reserve System

こちらを見るとなんか物凄い勢いでいろんなアイテムが日々更新されているのですが、サーチの方でLoganとか入れてサーチをするとローガン総裁のNY連銀デスクの時のペーパーとかも含めて色々とパブリッシュしたものが出てくるので中々お勧めです(どれが面白いかとかいうのはある程度数をこなさないと勘が働かないとは思いますけど・・・・・・)







2024/01/10

お題「輪番もうちょっと頑張って減らしてよ・・・・・/東京都区部CPIとか需給ギャップとか/ローガン総裁講演(その2)」

10日なのに月初4営業日目か・・・・・・・・・

〇輪番は中期も減らしてほしかったんですけどねえ・・・・・・・

昨日の輪番オファー
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of240109.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,750 2024年1月10日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,250 2024年1月10日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,500 2024年1月10日

うーんこの。

結局10−25が1回スキップになっただけの減額で、中期前半中期後半は前回と同じになりやがりまして、せめて250減らしてくれよという思いは通じないのでありました。いやこんなに金利下がってるんだから減らせよという感じですな。

何せ(そういや出た時にネタにしないでおりましたが)年末に出た国債発行計画で20年を先行して1月入札分より月間2000億円減額というのがでていた訳でして、発行減から考えたら減額足り申さんでごわすという世界な訳でして、おめーこんなに金利が下がっているのにもっとやる気出さんかいという所でしたので、債券市場ちゃんも結局堅調推移と相成りました。

でまあこの理屈からすると、10年も減額しそうもなくて、さすがに超長期後半も前半同様(って30年40年は市中消化を減額しませんけど)このまま1回スキップの巻になる、と考えると年間買入予定額(除く1年以内)っていくらになるかと言いますと、

-1y: 1,500×1=1,500
1y-3y:3,750×4=15,000
3y-5y:4,250×4=17,000
5y-10y:4,750×4=19,000
10y-25y:1,500×3=4,500
25y-:  750×2=1,500
JGBI:  600×1=600

除-1yの月額: 57,600
年額換算: 691,200

ってなんですかこの保有国債2024年暦年の償還予定額70兆円を意識したような調整は、という感じでございまして、いやこの調子で買っていると一生正常化できないんですけど減らせるときに減額しろというか多少減らしても市場が暴落する訳でもない時しかバシッと減らせないんだし、いやまあ植田日銀は5年間(というかもう1年を空費して残り4年になりそうですが)正常化やる気一切なし、というのなら別にこの買入でもああそうですかってなもんですが、あーたの歴史的使命はアベノミクスと共に降臨した馬鹿政策の後始末でしょうがなーにビビってるんだよという話でありまして、まあ上がビビりなら調節もビビりという誠に遺憾の極みな訳です。だいたいからしてバシッと減らせばワンチャン円高に振れて誰も困る事が無いというのに・・・・・・・


〇東京都区部CPIですがまあ別に弱くはないんじゃないでしょうか知らんけど

はい
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf
2020年基準 消費者物価指数
東京都区部 2023年(令和5年)12月分(中旬速報値)
※全国結果に先立ち、先行指標として東京都区部(中旬時点)のみの結果を速報として公表するものです。

『◎ 概 況

(1) 総合指数は2020年を100として106.5
前年同月比は2.4%の上昇 前月と同水準(季節調整値)

(2) 生鮮食品を除く総合指数は106.1
前年同月比は2.1%の上昇 前月比(季節調整値)は0.2%の上昇

(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は105.8
前年同月比は3.5%の上昇 前月比(季節調整値)は0.2%の上昇』

でまあコアの前年同月比が+2.1まで伸び率鈍化、となりましたけれども、コアコアって+3.5%と相変わらず前年同月比で強いし、

表2 総合、生鮮食品を除く総合、生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前月比(季節調整値)

季節調整後の前月比を見ると

ヘッドライン:7月 0.3→8月 0.1→9月 0.2→10月 0.9→11月 -0.2→12月 0.0
コア:    7月 0.2→8月 0.2→9月 0.0→10月 0.7→11月 0.0→12月 0.2
コアコア:  7月 042→8月 0.3→9月 0.1→10月 0.3→11月 0.1→12月 0.2

ということで11月に前月比の伸びが鈍化しましたけれども12月にはちゃっかり盛り返して来ておりますし、大体からしてコアCPIはエネルギー補助金云々の下駄(というか逆下駄というか)がある訳で、ここからずるずると2%の土俵を割っていくような流れになるのかというとならんじゃろ、というお話ですけれども、なにせ日銀ちゃんはどさくさに紛れて「2023年度後半になると物価の伸び率は2%を割り込んで鈍化していく(ので金融政策は地蔵が適切)」という看板をこっそりと下げて「賃金と物価の好循環」とかいう悪循環になったらどうするんだよというか標準的なマクロ経済学的にそれは標準なのかといいたくなる看板に付け替えておりますので、今更CPIが強くても最早政策判断に影響がない、という奇策を取っておりますよって、この数字に関しては弱いのをチェリーピッキングするだけでしょ、というのが
甚だ残念なところではありまする。

しかし2ページ目の

[総合指数の前年同月比に寄与した主な内訳]

を見ますと『上昇』に出て来るものが悉く生活価格(教育とかレンタカーとかだと関係ない人もいますけど)になっているのが泣けるわけで、そら実質消費伸びないわなと思ってしまう今日この頃ではありますな、南無三。


〇需給ギャップは相変わらずマイナスですが潜在成長率がしらっと上昇傾向なのね

https://www.boj.or.jp/research/research_data/gap/index.htm
需給ギャップと潜在成長率

  需給ギャップ 資本投入ギャップ 労働投入ギャップ
2022.1Q  -1.11    -0.68    -0.43
2022.2Q  -0.72    -0.73    0.01
2022.3Q  -0.33    -0.36    0.02
2022.4Q  -0.46    -0.32    -0.14
2023.1Q  -0.45    -0.52    0.08
2023.2Q  -0.15    -0.35    0.20
2023.3Q  -0.37    -0.53    0.16

ということで相変わらず需給ギャップマイナス何ですけど、そもそも論として物価安定目標が達成されている時ってえのは、「景気のサイクルの中で物価上昇率が平均して年2%程度で推移している」ってのを示すわけでして、そもそも論として物価目標達成のために需給ギャップがプラスじゃないと行けない、というのも変な理屈でありまして、需給ギャップがマイナスでも堂々の物価上昇率2%越えが継続しているという方が本来の物価安定目標達成の定義に近いんとチャイマスカとこっちも屁理屈を捏ねたくなるんですが、大本営が需給ギャップ需給ギャップいうもんだから需給ギャップがプラスになっているのが継続するのが物価安定目標達成の必要な条件みたいな認識になっているんだがそれは経済成長の方の話であって物価の話ではないんじゃなかろうかと思ったんだが理屈間違っていますかねえ、アタクシアホなのでよくわかりませんが。


それはそれとして潜在成長率なんですけど、

     潜在成長率、TFP、資本ストック、労働時間、就業者数
2021.2Q-2021.3Q  0.29  0.53  -0.04  -0.38  0.19
2021.4Q-2022.1Q  0.40  0.62  0.01  -0.38  0.15
2022.2Q-2022.3Q  0.46  0.67  0.03  -0.38  0.13
2022.4Q-2023.1Q  0.57  0.70  0.10  -0.34  0.10
2023.2Q-2023.3Q  0.71  0.70  0.19  -0.28  0.10

まあ素敵、潜在成長率が1%近くに着実に上がっていますわ(どうでもよいのだが年度の半期で出されるとなんか違和感が)ということのようですな。


〇ダラス連銀ローガン総裁の講演ネタの続きをしてみるの巻

ダラス連銀ローガン総裁ですが
https://www.dallasfed.org/fed/leadership/logan
Lorie K. Logan
President and CEO
Federal Reserve Bank of Dallas

『Lorie K. Logan began serving as the 14th president and CEO of the Federal Reserve Bank of Dallas on August 22, 2022. She represents the Eleventh Federal Reserve District on the Federal Open Market Committee (FOMC) in the formulation of U.S. monetary policy and oversees the 1,200 employees of the Dallas Fed.』

ということでロリー・ローガンさんの経歴なのですが、

『Logan previously was manager of the System Open Market Account for the FOMC and an executive vice president of the Federal Reserve Bank of New York. In that role, she managed the Federal Reserve’s securities portfolio as it grew to more than $8 trillion and led the implementation of monetary policy as directed by the FOMC.』

ということでして、NY連銀でオペの担当をしていた方なのですな。ということで何を言いたいかと申しますと昨日時間が無くてかっ飛ばしてしまったバランスシートの話はちゃんと読まないといけません、ということになりますこの人の話に限って言えば(まあどう見てもMY連銀総裁のウィリアムズなんかよりもこの人の言ってることの方が正しいでしょという意味で)。

『She also oversaw provision of fiscal agent services to the U.S. Treasury Department, analysis of global financial market developments and production of reference rates, including the new Secured Overnight Financing Rate.』

指標金利改革関連でもUS代表しておりましたわということでして、

『She represented the Federal Reserve on the Markets Committee at the Bank for International Settlements and oversaw several public-private sector committees sponsored by the New York Fed to engage with market participants on key issues and advance financial industry best practices.』

BISの市場委員会のメンバーでもありましたと。

『Logan played a crucial role in the development and implementation of the Federal Reserve's actions in response to the COVID-19 pandemic. This included designing and managing several facilities to support market functioning and the flow of credit to households and businesses. She drew on her experience during the Global Financial Crisis, when she was a prominent leader in the expansion of the Federal Reserve's balance sheet and the creation of liquidity facilities to mitigate systemic risks to the financial system.』

ちょっと中曽さんっぽいですね。

『She is a native of Versailles, Kentucky, and holds a bachelor's degree in political science from Davidson College and a master's degree in public administration from Columbia University.』

中曽さんと違うのは経済学の学位もちじゃないことなのですが、経済学の学位もちじゃないのがアタクシ的にはさらに好感度が高い(別に経済学部が悪いと言っている訳ではないのだがハトハトいやなんでもありません)。

・・・・・ということで昨日の続きね。

https://www.dallasfed.org/news/speeches/logan/2024/lkl240106
Speech by President Lorie K. Logan
Opening remarks at panel on Market Monitoring and the Implementation of Monetary Policy
January 06, 2024

Dallas Fed President Lorie Logan delivered these remarks at the annual meetings of the International Banking, Economics and Finance Association and the American Economic Association.

後半3分の1弱くらいのところになります。

・バランスシート運営に関して経験者は語るのコーナーですので正座して読むべきですね(昨日はすっ飛ばしてゴメンチャイ)

『Turning to the Fed’s balance sheet and policy implementation, we have reduced our securities holdings since mid-2022 at a brisk pace consistent with the principles and plans that the FOMC announced earlier that year.』

ということではじまりはじまり。

『While securities holdings have declined by $1.3 trillion, bank reserve balances have actually risen by $350 billion dollars to around $3.5 trillion. That’s because reduced balances in the Federal Reserve’s overnight reverse repurchase agreement (ON RRP) facility have more than offset the decline in securities holdings. Increased Treasury issuance and a less uncertain interest rate path have contributed to the rapid ON RRP runoff by motivating money market funds to invest more in Treasury bills.』

米国債の発行が増えていること、将来の金利パスがより見えやすくなってきたこと(=利上げの終了局面が近くなってきたこと)によって、MMFなどが短期国債への投資を増やしているそうで、その結果翌日物RRPファシリティ(超過準備付利を受けられない人向けお助け運用手段である)の利用が減っているそうな。

『Money markets and policy implementation are continuing to function smoothly. As we did in 2018 and early 2019, we are likely to see modest, temporary rate pressures as our balance sheet shrinks and our liabilities redistribute. These rate pressures can be a price signal that helps market participants redistribute liquidity to the places where it’s needed.』

『Experience shows that these pressures tend to emerge first on dates when liquidity is unusually encumbered or is draining out of the system especially rapidly, like tax-payment dates, Treasury settlements and month-ends. 』

『And indeed, we saw small, temporary rises in the Secured Overnight Financing Rate (SOFR) over the November-December and year-end turns. But on nearly all days, broad money market rates have remained well below the interest rate on reserves.』

説明が調節課長か!って感じですけれども、2018年や2019年の頃と比較して米国の短期金融市場において、資金需給の大幅な不足日や、年末などの要因で翌日物レポ金利の跳ね上がりがおきるようになってきており、今年の11月末や年末も上げはあったけと、ただしそこまで極端な上げじゃないし、あくまでも瞬間芸の上げですけれども、これは短期金融市場がよりスムーズに機能している、ということでして・・・・・・

『The emergence of typical month-end pressures suggests we’re no longer in a regime where liquidity is super abundant and always in excess supply for everyone.』

このように資金需給で翌日物レポ金利が動くのは、かつての超過準備じゃぶじゃぶレジームからの米国短期金融市場の変化を示すものです、とまあ確かにそれはそうですなという話だが、こちとら米国のマネーマーケットはアタクシ本業にしていないのであまり詳しくないですさーせん。

『In the aggregate, though, as rate conditions demonstrate, the financial system almost certainly still has more than ample bank reserves and more than ample liquidity overall. The most recent Senior Financial Officer Survey shows that most banks in the sample have reserves well in excess of their lowest comfortable levels and desired buffers. ON RRP balances remain around $700 billion. And the Federal Reserve’s Standing Repo Facility (SRF) provides a backstop against any unexpected pressures.』

ただまあ現状でも短期市場をアグリゲートしてみた場合、まだ短期金融市場に供給されている流動性と、銀行の超過準備の額は適正と参加者が考えている額よりも多い状況ですよ、という話です。


・・・・・・・あ。しまったまだそこそこ量があるのですが、時間配分完全に間違えてしまって残りを全部やろうとすると時間がないことに気が付きましたすいませんすいません続きは明日。まあ要するにこれはFEDのバランスシート(国債保有)縮小をどこで止めようかという話に繋がるネタなのは皆様お察しの通りかと存じます。









2024/01/09

お題「銀行券ルールまで9年以上か・・・/変態仮面の後任/ダラス連銀ローガン総裁金融環境の緩和を懸念と」

ドリル優子に続いてドリル池田ですかそうですか
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240108/k10014313371000.html
池田佳隆衆院議員の関係先捜索前に記録媒体が破壊 証拠隠滅か
2024年1月8日 1時44分

〇暦年の年末の計数が出たので日銀保有国債の集計をアップデートしてみたら気が遠くなった件

営業毎旬報告の年末版とか日銀保有残高とか出てきたので

https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2023/ac231231.htm
営業毎旬報告(令和5年12月31日現在)

https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/index.htm
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高

例によってアタクシが手計算(というかエクセルで計算)したものなので内容に関してはまあ各自でご確認あれという感じですけれども。

・2024年と2025年の暦年の国債償還はだいたい70兆円(12/20から不変)

というのは実は前回12/20分と変わらずですけど、まあこれは12/20以降に行われた輪番が1-3年がなくて、物国輪番があったのでワンチャン短いのが入るかと思ったら22回債8億円に27回債592億円という結果だったので変更はなくてですね、

2024年:703,808
2025年:710,970

となっております。この前オペ紙が出たときにネタにしたので再掲になってしまいますが、1年未満の輪番を抜いて計算した場合(物国で1年以内銘柄が入る可能性の話はパス)、

12月最終時点での買入ペース:月額59,850億円→年額718,200億円
中期、長期を250減額して超長期は1回分丸々減額:月額54,600億円→年額655,200億円
全年限を思いっきりレンジの下限にするという渾身の減額:月額46,600億円→年額559,200億円

なわけで、まあ年末も同じ話をしましたが、そもそも思い切って減らしても年額の買入が50兆を優に超えるという恐ろしい買入は続いているわけで、この世のものとは思えない買入いい加減にしろやとしか申し上げようがない。

・銀行券ルールに関しても相変わらずのありさまである

営業毎旬が出ているのでちょうどよいので確認しますが、

営業毎旬ベース:長期国債保有残高:588兆4.102億円
銘柄別残高ベース:長期国債保有額面:578兆6,609億円

営業毎旬は取得価格で評価した後償却原価法適用して確か半期か年度で評価替えをしているので、まあ数字は異なる(ちなみに営業毎旬の国庫短期証券には償還乗換で取得した1年TDBが含まれているので銘柄別保有残高とは異なる)のですがそれはさておきまして。

発行銀行券残高の12月末(ちなみに12月末は年末要因で銀行券は増発なので、12月末の数字だとちょっと年末要因の下駄をはいている(3兆円程度って感じですかね)のですが、まあそこはスルーしまして発行銀行券残高を拾ってみますと、

発行銀行券:124兆6,080億円

になるのですが、じゃあ今日からテーパリングワッショイということで日銀が国債の買入を全部止めるというワイルドなことをした場合に銀行券ルールとの整合性はどうなりますねんといいますと、

2032年12月末以降に償還となる銘柄の保有額面:126兆9,706億円(額面)

ということになりますので、つまりここから買入を一切しないという力強いことをしたとしても日銀の保有国債が発行銀行券並みになるのに丸々9年掛かるとかいう状態になっておりますがな(ちなみにこの丸々9年とかいうのは割と変わっていないんですけど、これは10年超の買入がそこまでアホみたいになっていないからというのが効いています)というのを、まあそうだろうなあと思いながらもヘコヘコ計算して頭痛くなりましたwww


〇そういや変態仮面の後任が決まっておりました

https://www.stlouisfed.org/news-releases/2024/01/04/st-louis-fed-names-alberto-g-musalem-next-president-ceo
St. Louis Fed Names Alberto G. Musalem as Its Next President and CEO
January 04, 2024

『ST LOUIS - The Federal Reserve Bank of St. Louis announced today that Alberto G. Musalem will be its next president and chief executive officer. In this role, Musalem will represent the Eighth Federal Reserve District in national monetary policymaking on the Federal Open Market Committee and will lead the 1,500 employees of the St. Louis Fed. He will begin his role on April 2, 2024.』

サムネ見ると若いかなと思ったんですがその後の本文見ると55歳ですので、まあそこまで若いという訳でもないのですな。

『Musalem has more than 27 years of public and private sector experience in economic policy, finance and markets.』

なのですが、

『Most recently, he was CEO, co-chief investment officer and co-founder of Evince Asset Management, a quantitative investment technology company.』

『Prior to Evince, he was executive vice president and senior advisor to the president at the Federal Reserve Bank of New York, where he was head of integrated policy analysis, international affairs and a member of the Bank’s Management Committee.』

『Prior to the New York Fed, he was managing director, partner and global head of research at Tudor Investment Corporation focusing on the interaction of economic policy, macroeconomic performance and markets.』

『As an economist at the International Monetary Fund, he worked with IMF teams and country authorities on monetary policy and inflation targeting frameworks, fiscal responsibility rules and banking systems during the emerging market crises of the late 1990s.』

ひょえーという華麗な経歴ですな。マクロリサーチ系だけどドマクロ学者ではないですね。さてどんなお話を始めるか、前任のブラードおじさんが変態仮面(と二つ名を付けて呼んでるのは世の中にワシしかいませんが)としてキャラが立っていただけに。



〇ほらほら牽制球が飛んでくる(ダラス連銀ローガン総裁講演など)

今朝はこんなのがありましたが、
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/77DJEDQ2FZORXJYQ42HRUCTOSI-2024-01-08/
政策引き締めのバイアス残る=アトランタ連銀総裁
ロイター編集
2024年1月9日午前 4:42 GMT+9

『[アトランタ(米ジョージア州) 8日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は8日、物価上昇によるリスクと雇用の伸び悩みによるリスクとの間で経済全体のバランスが取れてきたとはいえ、インフレ抑制を確実に継続させるため、引き締めの姿勢を崩していないと述べた。』(上記URL先より、以下同様)

ふむふむ。

『同総裁は、インフレ率を米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%に戻すという点について、現時点では勝利を宣言するのは時期尚早との見解を表明。FRBは目先、注意深さを保つ必要があると指摘した。また、「利下げを開始する前に本当にそこまで来ているのか確認したい」と述べ、早ければ3月にも利下げが始まるという市場の期待を退けた。』

そらそうよ。

『さらにインフレが鈍化する一方、多くの地域で雇用が悪化し始めている兆しが見られることから、インフレ率の低下と低水準の失業率維持というFRBの2つの目標が対立するリスクは「確実に高まっている」が、まだ直接的に対立はしていないとの見解を示した。』

ということで、3月利下げ開始ヒャッハーとなっている市場に水をぶっかけて回るのですが、まあこれって年初に出た12月FOMC議事要旨がやたらと釘差しの内容だったうえに、思いっきり「金融環境が緩むと物価が期待したほど下がってくれない可能性があるで」という指摘が入るということで、どう見てもこんなのFOMCの後に米国金融市場が早期利下げヒャッハー相場やっている事に対する牽制だろという話をしたと存じますが、まあそういうことで牽制球を更に飛ばすの巻ですが、アトランタ連銀のサイト見たところこちらのスピーチらしきものが見当たらなかったのでパスしますが、


先週末はこんなのがありまして、

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/BLL5MD4JAVMKRCA64YTDLUUC6I-2024-01-08/
米追加利上げ排除すべきでない、金融環境に緩み=ダラス連銀総裁
Ann Saphir
2024年1月8日午後 2:14 GMT+9

『[6日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のローガン総裁は6日、最近の長期債利回り低下がインフレ再燃につながらないよう、連邦準備理事会(FRB)による利上げ再開が必要になる可能性があるとの見方を示した。』(上記URL先より、以下同様)

なんで6日なんですか土曜日じゃねえかよと思いながら記事を見ますと、、

『テキサス州で開催されたイベントで「十分に制約的な金融環境を維持しなければ、インフレ率が再び上昇し、これまでに遂げた進展が後戻りするリスクがある」と指摘。「ここ数カ月の金融環境緩和を踏まえると、追加利上げの可能性はまだ議題から外すべきでない」と述べた。』

ほれほれ来た来たという感じですが、こちらと思しき物件がダラス連銀のサイトにアップされておりまして、

https://www.dallasfed.org/news/speeches/logan/2024/lkl240106
Speech by President Lorie K. Logan
Opening remarks at panel on Market Monitoring and the Implementation of Monetary Policy
January 06, 2024

Dallas Fed President Lorie Logan delivered these remarks at the annual meetings of the International Banking, Economics and Finance Association and the American Economic Association.

そんなに長くないので読みますけど。

最初はご挨拶。

『Thank you, Diana [Hancock]. It’s great to be at this important annual gathering and have the opportunity to discuss the policy outlook with you, Viral [Acharya] and Markus [Brunnermeier]. I’ll begin with some thoughts on the state of the economy and monetary policy and then turn more specifically to the Fed’s balance sheet and how we are implementing policy in money markets. As always, the views I express are mine and not necessarily those of my colleagues on the Federal Open Market Committee (FOMC).』

ほうほうそんな方がおいでで。

・物価の現状に関してはごくごく普通に「大変に結構な状況」というお話

『As we look back over the past year, inflation today is in a much better place than last January. But the job of restoring price stability is not yet complete. Our challenge now is to finish the work of bringing inflation sustainably back to the 2 percent target.』

物価はベターバランスになったけどまだ2%達成まではさがっていないよ、というのはまあそうでしょうね。

『Inflation data have generally been coming in cooler than expected, which is good news. The price index for personal consumption expenditures (PCE) was nearly flat for November and up 2.6 percent over the past year. The Dallas Fed trimmed mean PCE inflation rate, which drops outliers, is 2.6 percent for the past three and six months. And core PCE increased at only around a 2 percent pace over the past three and six months, an improvement from the middle of 2023 when inflation appeared to be getting stuck at a higher level.』

でもって物価に関しては「cooler than expected」としておりまして、物価の沈静化が進んでいる、というのはこれまた皆様OKOKという認識ですし、

『And there’s clear evidence that the economy is moving into better balance. While GDP grew at an unsustainably strong 4.9 percent annual rate in the third quarter, preliminary readings suggest the fourth quarter will be substantially slower. My business and community contacts consistently report that growth is settling down?not collapsing, not heading toward recession, but settling down.』

「there’s clear evidence that the economy is moving into better balance」と来ていまして、まあいい感じですよ良い感じ、という認識は示しております。


・労働市場のバランスも改善

『The labor market, while still tight, also continues to rebalance. The pace of payroll job gains over the past several months has remained strong but is well below the pace at the start of 2023. The ratio of job vacancies to unemployed workers has fallen, as has the rate of workers quitting their jobs. And wage growth appears to be somewhat more consistent with our 2 percent inflation target. Contacts tell me that applicant pools are growing, and job candidates’ salary expectations are moderating. This is a more consistent picture than we had earlier in 2023. It gives me confidence that we have made a lot of progress toward a more sustainable path for the economy.』

労働市場に関しては最初に「while still tight」とはしていますが、その後の話は全部揃ってベターバランスへ改善しているという話で、ジョブオープニングの拡大、労働参加の拡大、賃金高騰の沈静化、という話を思いっきりしておりまして、締めが「It gives me confidence that we have made a lot of progress toward a more sustainable path for the economy.」なのでこちらも結構なお話。


・金融市場の早期利下げヒャッハー相場が「最大のリスク」とぶっこむローガン姐さんさすがです

でまあ問題は次のパラグラフなんですけどね。

『So, what could derail this benign outlook of inflation returning sustainably to our target as the economy gradually rebalances? There are, as always, plenty of risks:』

ということで経済の望ましいリバランスを阻害するリスクはなんですか、という話ですが、「There are, as always, plenty of risks:」と来まして以下出て来るのですが、話は全然関係ないですがローガンさんのように「リスクは常に沢山ある」のでありまして、「リスクがあるから不透明で良く分からないからマイナス金利解除なんかしたらチビって尿漏れ起こしちゃいますううううこわいでちゅうううう」などと言ってたら一生マイナス金利解除すら出来なくて物価か為替に追い込まれて国民厚生を悪化させてしまう事になる訳で、ハトハトチキンジジイにおかれましては尿漏れを恐れることなく決断をして頂きたいものでありますわ。

という悪態は兎も角としてローガン総裁の指摘するリスクですが、

『geopolitical threats to supply chains,』

地政学的な問題によってサプライチェーンへの阻害が起きること

『financial fragilities in sectors such as commercial real estate』

商業用不動産セクターなどによる金融脆弱性の発生とか

『and just the simple possibility that our forecasts are once again wrong, as they’ve been too many times in recent years.』

ここ何年も起きておりますが、見通しがまた間違えること(という事なのでこれは物価の見通しが外れること、という意味ですな)、と並べた後に記事のヘッドラインにもなっている物件がぶち込まれるわけでして、

『A key risk related to the topic of this panel is that a premature easing of financial conditions could allow demand to pick back up.』

まあこのパネルのお題でもあるらしいのですが、「premature easing of financial conditions」がキーリスクですキタコレである。

『Restrictive financial conditions have played an important role in bringing demand into line with supply and keeping inflation expectations well-anchored.』

そらまあこの人達が昨年のケツの利上げを行わなかった理由が「累次の政策金利引き上げで金融市場がタイトニングしたので政策金利の引き上げが不要になった」ということですから、利下げヒャッハー相場やられてしまうと今度は頼んでもいないのに政策金利引き下げと同じことになってしまうんですからね。

『Yet over the past few months, long-term yields have given back most of the tightening that we saw over the summer. We can’t count on sustaining price stability if we don’t maintain sufficiently restrictive financial conditions.』

ということで、昨年の夏以降の金利上昇のような十分な金融環境の引き締めが維持できないのであれば、持続的な物価の落ち着きに向けた見通しが立たないと仰せなのはワロタ。


でもって状況に関してさらに説明が続きまして次のパラフラフに参りまして、

『Much of the easing in long-term yields since October came in response to softer economic data or policy communications.』

はい。

『Ordinarily, that pattern would suggest that markets expect the FOMC won’t need as restrictive a setting of the federal funds rate to accomplish our goals. But the magnitude of the reactions to data was much greater than normal.』

ワロタという感じですが、弱めのデータとFEDのコミュニケーションに過剰に市場が反応した、と仰せになっております。まあ世の中そう当局者のツボに嵌るようには動いてくれないんですけどねえ。

『Part of what appears to be happening is that when the data are strong, as occurred over the summer, market participants perceive a wider range of potential rate outcomes and require compensation for that risk in the form of higher term premiums. And when the data soften, as happened recently, that term premium comes out because market participants perceive more of an upper bound on policy rates. Some model-based term premium estimates remain higher than levels seen last summer, but I’m mindful that all else equal, a lower term premium leaves more work to be done with the fed funds target.』

でまあその市場の反応が何でユージュアルじゃないか、という話には一応ちゃんとした理屈らしきものがここで示されていまして、「最近の弱い経済データによってタームプレミアムが極めて低くなっており、FEDの政策見通しに関するコミュニケーションによって市場の金利が反応しやすくなっている」んだそうです、ホンマカイナという気はだいぶするんですけど。

次のパラグラフに行きますと金融環境指数によって示される金融環境の状況の話になります。

『Financial conditions indexes (FCIs) can provide a guide to how much restraint there is on the economy. I’ll talk today about four indexes that I find particularly informative. Three of the indexes are helpful because they weight financial variables based on their relationship to economic activity in macroeconomic models.』

金融市場の状況を見るのに有益なFCI指数が3つあるそうな。

『These are the Goldman Sachs FCI and two FCIs published by the staff of the Federal Reserve Board: a baseline index that allows financial conditions to affect the economy with a lag of up to three years and an alternate index that allows lags of at most one year.』

GSの出しているFCIとFRBのスタッフが出している2つの指数とな。

『The fourth index, published by the Chicago Fed, is more statistical in nature and doesn’t translate directly to an effect on economic activity, but it includes a much wider range of financial variables.』

シカゴ連銀のFCIに関しては経済への直截の影響をダイレクトに計測するものではないのですが、より統計的で多くのデータを網羅しています、と4つのFCIがありまっせと紹介しまして、次のパラグラフでは金融環境の経済に与える時間についての話になりまして、

『The Board staff’s baseline index shows a drag on GDP growth from tight financial conditions in the coming year. But that’s because the index assumes long lags. My staff produced an updated calculation of the Board staff’s alternative index with one-year lags, and it shows a tailwind to growth. The Goldman Sachs FCI shows something similar. My own view is that the right answer is somewhere in between.』

金融環境が経済活動に与える影響に関しては1年少々のラグがあると見込んでいるようです。

『These indexes include only a subset of asset prices. Looking across the financial system as a whole, we’re still seeing tightening from bank credit and refinancing of term corporate debt. But a lot of the effects of higher rates are already behind us, and the recent easing in conditions could start to push up on aggregate demand.』

でまあさっきの3つの指数は資産市場の価格で計算しているもので、実際には金融機関の貸出態度などもあってこっちはタイトであるのですが、それでも足元では金融機関の貸出態度なども緩和してきていて、総需要押し上げの方向(=インフレ押し上げ方向)に動いているとの認識でして、

『The Chicago Fed’s FCI, which statistically combines 105 different financial variables, shows that conditions are modestly less restrictive than a year ago and than their average over the past half century.』

シカゴ連銀のFCIを見ると足もとに金融環境は1年前よりも緩和的になっているし、過去50年の平均値よりも緩和的になっている、という話でして、その次のパラになりますが、

『As I said earlier, if we don’t maintain sufficiently tight financial conditions, there is a risk that inflation will pick back up and reverse the progress we’ve made. In light of the easing in financial conditions in recent months, we shouldn’t take the possibility of another rate increase off the table just yet.』

ということで、金融環境が十分に引き締め的ではないと、インフレが再上昇に転じるリスクがあるでと締めてこの金融環境に関する話が終わるのでありました。

でもってこの後はバランスシート縮小と短期金融市場の関係についての話があるのですが、短いから読んでいくとか大口叩いたのに時間が無くなってしまいましたので以下割愛ということでご勘弁いただきとう存じます(滝汗)。





2024/01/05

お題「12月FOMC議事要旨の参加者の議論パートを最初から読んでみるの巻(昨日の続き)」

日経無課金勢のワイ、今頃になって年初一発目の私の履歴書が武藤さんと知る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD078040X01C22A1000000/
武藤敏郎 私の履歴書(4)開成学園
元財務次官
武藤敏郎
2024年1月5日 2:00 [会員限定記事]

黒ちゃんが何か歴史を黒ちゃんフィルターでアレしていたとの評もあったことですし、ここは武藤さんに一発正しい歴史というのをご披露頂きたいものです。


〇FOMC議事要旨ネタの続きである

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20231213.htm
Minutes of the Federal Open Market Committee
December 12-13, 2023
A joint meeting of the Federal Open Market Committee and the Board of Governors of the Federal Reserve System was held in the offices of the Board of Governors on Tuesday, December 12, 2023, at 10:30 a.m. and continued on Wednesday, December 13, 2023, at 9:00 a.m.1

昨日はとりあえず「今後の政策運営」を見たら(足元の米国金融市場における利下げヒャッハーを牽制する意味が多分にあると思うんですけど)2024年は利下げステージ、というのは明確に書いているけど、その書いた側から利下げがそんなにホイホイと実施されるかというとこれはまた別問題でございますよお前ら分かってるだろうな、という釘差しムーブの強い表現になっていましたね、という所だったかと思います。

では今日は真面目に『Participants' Views on Current Conditions and the Economic Outlook』の頭から参ります。

・最初のパラはSEP会合の場合はまあマクラですよマクラ

『In conjunction with this FOMC meeting, participants submitted their projections of the most likely outcomes for real GDP growth, the unemployment rate, and inflation for each year from 2023 through 2026 and over the longer run. The projections were based on their individual assessments of appropriate monetary policy, including the path of the federal funds rate. The longer-run projections represented each participant's assessment of the rate to which each variable would be expected to converge, over time, under appropriate monetary policy and in the absence of further shocks to the economy. A Summary of Economic Projections (SEP) was released to the public following the conclusion of the meeting.』

最初のパラグラフは「SEPを出しました」ということでSEPに付いての説明をしていますが、折角なので読んでおきますと、各参加者の出している見通しは、予想期間中における金融政策は自分の考える金融政策パス、途中に経済ショックなどが起きない、という前提になっています。


・足元の経済情勢に関してはイイハナシダナー状態という認識

第2パラグラフから本番。まずは全体観の現状認識。

『In their discussion of current economic conditions, participants observed that after stronger than expected growth of real GDP in the third quarter, recent indicators suggested that growth in economic activity had slowed. While still strong, job gains had moderated since earlier this year, and the unemployment rate had remained low. Participants observed that inflation had eased over the past year but remained elevated and above the Committee's longer-run goal of 2 percent.』

3Qから見たら成長は減速しているのですが、そもそも3Qの成長が強すぎワロリンチョという状態であったのでシャーナイナイということで、労働市場や物価は一頃のピークから下がってきておりますし、労働市場は下がったとは言え強い、とかもういいことずくめじゃんという現状認識。


・先行き見通しの中では「引き締め状態を引っ張ることによるリスク」に言及(その後に釘差しもあるけど)

3パラは全体観の先行き見通し。

『Regarding the economic outlook, participants generally judged that, in 2024, real GDP growth would cool and that rebalancing of the labor market would continue, with the unemployment rate rising somewhat from its current level.』

24年も経済は減速して失業はもうちょっと上がるでしょう。

『Based on better-than-expected data on inflation, participants revised down their inflation projections for 2023 and, to a lesser extent, in subsequent years.』

物価(の落ち着き度合い)は思ったよりも良かったので、参加者は23年の物価見通しを引き下げて、その先についてはそれよりは若干ですが見通しを引き下げました。

『Participants judged that the current stance of monetary policy was restrictive and appeared to be restraining economic activity and inflation. 』

これは金融引き締めが経済と物価に下押し効果をだしている結果でござる、という認識を示したうえで、

『In light of the policy restraint in place, along with more favorable data on inflation, participants generally viewed risks to inflation and employment as moving toward greater balance. However, participants remained highly attentive to inflation risks.』

でもってここではしらっと「as moving toward greater balance」を物価と雇用の「リスク」としていまして、これ即ち引き締めを引っ張り過ぎると物価や雇用が下押しされ過ぎて(ノ∀`)アチャーとなってしまうリスク、と言っております。

既に昨日ネタにしたように、政策の先行き見通しで2024年は利下げ局面、ってのは明確に示していますので、上記の部分に関しては単純に「引き締めを引っ張り過ぎるのは物価や雇用を必要以上に下押しするから2024年は利下げ着手だよ」という話の構成としてこういう表現になっているのかなあとは思うのですが、ただまあこういうのがあるとやっぱり利下げヒャッハーしたくなるのは分からんでもない。ムツカシアルネ。

でまあヒャッハーされても困るとばかりに「リスク」の話の直後にハウエバーからのインフレーションのリスクはありまっせ、という釘差しは差しているので、まあ早期利下げヒャッハーヒャッハーとかやってるんじゃねえよというお気持ちが表明されているというのが最後のハウエバーなんじゃないの、と思うのですがどうでしょうかねえ(個人の感想です)。

・大勝利宣言をぶっこんでいるのがチャーミング

4パラで物価の話がキタコレである。

『In their discussion of inflation, all participants observed that clear progress had been made in 2023 toward the Committee's 2 percent inflation objective.』

物価の部分の一発目がこれですよこれ。2023年は「2 percent inflation objective」に対する「clear progress」がなされました、と「all participants」が観測したとかこれはまたエライ威勢のよろしい大勝利宣言をぶっこんできております。

『They remained concerned that elevated inflation continued to harm households, especially those with limited means to absorb higher prices.』

華麗な大勝利宣言の直後に「インフレがクソ高いのでそれを避ける事のできない家計には負担を掛けている」と急に穏当な話をしておりますな。まあ政治的に色々とやばいんでしょうけど入れておかないと。

『Participants observed that inflation remained above the Committee's objective and that they would need to see more evidence that inflation pressures were abating to become confident in a sustained return of inflation to 2 percent.』

でまあさっきのは何で入ってるのかという感じではあるのですが、その後は「とは言いましても2%の目標達成に向けてはもうちょっとインフレ圧力が下がらんといかんですよねー」という話になるのでありました。


・物価の落ち着きについて様々な要因がどうなっているのかという議論を結構やっております

5パラはちと長め。

『In reviewing progress to date in reducing inflation, participants noted the improvement in both headline and core inflation and discussed the developments in components of these aggregate measures.』

最初にここまでの物価の動向、ということですが、物価動向に関してヘッドラインだのコアだのと色々な指標で確認してみましょうず、という話になっております。

『They observed that progress had been uneven across components, with energy and core goods prices falling or changing little recently, but core services prices still increasing at an elevated pace.』

エネルギーや財の物価上昇は止まっているのだが、コアサービス価格が相変わらず強い、というようにコンポーネントにブレイクダウンしてみるとまちまち、というのが現状である、だそうです。

『Several participants observed that the ongoing rebalancing of labor supply and demand would help reduce core services inflation.』

労働供給の追加によってコアサービスについては今後沈静化するんとチャイマスカというのが数名(Several)から指摘されました。

『Several participants assessed that housing services inflation would fall further over time as the earlier deceleration in rents on new leases continued to pass through to broader rent measures.』

住宅サービス価格に関して足もとで賃貸価格の下げが起きており、今後新しい物件の供給が続くのでレント価格の下げが一段と進むのではないか、というのが数名(Several)からの意見。

『Participants also discussed the role played by various supply and demand factors in the progress on reducing inflation thus far. They assessed that the contribution of improved supply had come from supply chain normalization, boosts to labor supply due to a higher labor force participation rate and immigration, better productivity growth, or increased domestic oil production.』

需給(というかここではだいたい供給)要因の改善によってインフレが今後も落ち着くのとチャイマスカという議論がありました、ということでその中にはサプライチェーンの正常化、労働参加率の高まりと移民による労働供給の増加、生産性の向上、国内産石油の拡大、をあげていますな。(一方で直近のパナマ運河やスエズ運河(というか紅海)の問題とか天候要因とかはスルーされている気がするのは気になりますけど)

『They also noted that restrictive monetary policy had helped restrain growth of demand, particularly in interest-sensitive sectors such as business fixed investment, housing, and autos and other durable goods.』

引き締め的な金融政策によって特に金利にセンシティブなセクターの需要を抑えておりまっせ、という話が入りまして、

『Several participants assessed that healing in supply chains and labor supply was largely complete, and therefore that continued progress in reducing inflation may need to come mainly from further softening in product and labor demand, with restrictive monetary policy continuing to play a central role. A few others saw potential for further improvements in supply.』

供給制約によるインフレ圧力に関しては、サプライチェーンや労働供給問題の修復もほぼ完了していることから、ここからは引き締め的な金融政策による効果での物価沈静化がメインドライバーになる、と数名(Several)が指摘する一方で、数名(A few)は供給制約の解消はまだ続くとの見方を示しています。

『Several participants noted that longer-term inflation expectations remained well anchored and that near-term inflation expectations of households had declined recently.』

でもって数名(Several)は長期のインフレ期待がアンカーされており、短いタームのインフレ期待も最近下がっているよね、という指摘(だから物価も落ち着く、ということなんでしょうけど)をしてこのパラは終了の巻である。


・家計は強めの話の連呼で企業は弱めの話の連呼ですな

6パラ、7パラはセクター別の動向なのでサラサラと参ります。

『In their comments about the household sector, participants observed that consumer spending had been strong, supported by the healthy balance sheets of many households, a strong labor market, and robust income growth.』

家計消費は、healthy balance sheetsとstrong labor marketとrobust income growthに支えられて強いとな。

『Retail sales growth had stepped down noticeably in October, though a few participants remarked that contacts reported strong sales in November, notably related to holiday spending. Participants mentioned several factors that may contribute to softer consumer spending, including slower growth of labor income and diminishing pandemic-related excess savings. Relatedly, many participants noted increased usage of credit by households, including from credit cards, buy-now-pay-later borrowing, and payday loans, as well as increased delinquency rates for many types of consumer loans.』

後半の所で「家計への信用供与が強い」というのが書かれていまして、まあそうですよねと思いました。書いてあることは総じて威勢が良いし、感謝祭以降の消費が強いんじゃないかというアネクドータルな話も書かれています。

7パラが企業動向。

『Reports from participants' business-sector contacts were mixed, with some contacts remaining relatively optimistic and others expecting slower growth for 2024.』

企業部門に関しては、各参加者が企業に聞いて見ますと、来年下がるんとチャウのという見解と楽観的な見解とでミックスだということです。

『Several participants observed that higher interest rates were leading firms to reassess future projects and were contributing to softer business investment and hiring. A couple of participants commented on small businesses, noting that such businesses were experiencing tighter credit conditions and increasing delinquencies. A few participants noted that contacts in manufacturing reported slowing growth, while a couple of participants expected that low prices for some commodities and drought conditions would reduce agricultural incomes this year. Regarding concerns about CRE, several participants noted that a significant share of properties would need to be refinanced in 2024 against a backdrop of higher interest rates, continued weakness in the office sector, and balance sheet pressures faced by some lenders.』

こちらは色々なコンタクト先からのアネクな話をああでもないこうでもないとご披露するの巻になっておりますが、全般的に足もとおよび今後の減速という話をこれでもかと並べ立てているように見えます。


・労働市場に関しては寧ろ需給バランスの改善が行き過ぎるリスクの指摘までありますな

8パラは労働市場。

『Participants assessed that while the labor market remained tight, it continued to come into better balance.』

労働市場はまだタイトだがバランスは改善している、というのが全体観で、

『Many noted that nominal wage growth had continued to slow broadly and that business contacts expected a further reduction in wage growth.』

おちんぎんの沈静化の動きがみられてきている、だそうです。

『A few participants observed that payroll growth had slowed substantially since the beginning of the year. Some participants remarked that their contacts reported larger applicant pools for vacancies, and some participants highlighted that the ratio of vacancies to unemployed workers had declined to a value only modestly above its level just before the pandemic.』

幾つかのコメントがありますが全般「賃金の沈静化」を示す話。

『Participants viewed improvements in labor supply and the easing of labor demand as both having contributed to the labor market coming into better balance.』

労働需給のバランスも改善中。

『Supply had improved because of higher labor force participation and immigration, with continued solid productivity growth also supporting the productive capacity of the economy. As evidence for the softening of the growth of labor demand during 2023, many participants noted the decline in job openings, and a few remarked on the lower quits rate.』

でそれに関するコメントの後に・・・・・

『Several participants noted the risk that, if labor demand were to weaken substantially further, the labor market could transition quickly from a gradual easing to a more abrupt downshift in conditions.』

バランス改善が行き過ぎて今度は労働市場が悪い方に(ノ∀`)アチャーとなるリスクを数名(Several)が指摘してますね。


・不確実性の記述の最初3分の1くらい「金融環境の緩和によってインフレが鎮静化しないリスク」なのはワロタ

9パラは不確実性に関して。

『Participants generally perceived a high degree of uncertainty surrounding the economic outlook.』

はい。

『As an upside risk to both inflation and economic activity, participants noted that the momentum of economic activity may be stronger than currently assessed, possibly on account of the continued balance sheet strength of many households.』

アップサイドリスクの一発目に「the continued balance sheet strength of many households」とあるのどう見ても足元の金融市場動向を意識してるだろうと思いましたw

『Furthermore, participants observed that, after a sharp tightening since the summer, financial conditions had eased over the intermeeting period.』

「financial conditions had eased over the intermeeting period」という指摘も入るおまけ機能付きwww

『Many participants remarked that an easing in financial conditions beyond what is appropriate could make it more difficult for the Committee to reach its inflation goal.』

そして金融環境の緩和は「make it more difficult for the Committee to reach its inflation goal」とかこの議事要旨書いた中の人達FOMC後の金融市場動向を思いっきり意識してまとめてないか、と思う位にこれでもかとぶっこんで来るのはワロリンチョ。

『Participants also noted other sources of upside risks to inflation, including possible effects on global energy and food prices of geopolitical developments, a potential rebound in core goods prices following the period of supply chain improvements, or the effects of nearshoring and onshoring activities on labor demand and inflation.』

『Downside risks to economic activity noted by participants included the possibility that effects of past policy tightening may be larger than expected, the risk of a marked weakening of household balance sheets, possible negative spillovers from lower growth in some foreign economies, geopolitical risks, and lingering risks of further tightening in bank credit. Relatedly, several participants noted that the weakness in gross domestic income growth relative to GDP growth over the past few quarters may suggest that economic momentum during that period was not as strong as indicated by the GDP readings.』

その後のリスクに関しては物価がアップサイド方向、経済がダウンサイド方向で、まあ言ってることは基本的にそんなに変な話をしている訳ではありません。とにかくここは前半部分がワロエました。


・今回の金融政策についての部分は基本的に既知のお話になります

10パラから12パラが「今回の決定」(13パラから16パラが今後の政策運営について、で昨日ネタにしたところです)ですが、ここは特段新しい情報はない、と見ましたがどうでしょうか。

『In their consideration of appropriate monetary policy actions at this meeting, participants noted that recent indicators suggested that growth of economic activity had slowed from its strong pace in the third quarter. Job gains had moderated since earlier in the year but remained strong, the unemployment rate had remained low, and there were continuing signs that supply and demand in the labor market were coming into better balance. Inflation had eased over the past year but remained elevated. Participants also noted that tighter financial and credit conditions facing households and businesses would likely weigh on economic activity, hiring, and inflation, al-though the extent of these effects remained uncertain. Participants continued to be resolute in their commitment to bring inflation down to the Committee's 2 percent objective.』

ということで10パラは基本的に声明文での経済物価情勢に関する記載を踏襲している(というかここでの認識を反映したものが声明文って順序になりますけど)ものです。


11パラは決定内容でして、

『In light of current economic conditions and their implications for the outlook for economic activity and inflation, as well as the balance of risks, all participants judged it appropriate to maintain the target range for the federal funds rate at 5-1/4 to 5-1/2 percent at this meeting. All participants also agreed that it was appropriate to continue the process of reducing the Federal Reserve's securities holdings, as described in the previously announced Plans for Reducing the Size of the Federal Reserve's Balance Sheet.』

以上の情勢判断を基に今回は政策をこのようにしました、って話。

12パラは「この判断は前回FOMC以降の経済データを基にデータディペンデントだよ、って話をしておりまして、

『Participants assessed that maintaining the current policy stance was supported by intermeeting data indicating that inflation had continued to move toward the Committee's 2 percent objective and that the labor market had continued to move into better balance. They judged that maintaining the target range for the federal funds rate at this meeting would promote further progress toward the Committee's goals and allow participants more time to gather additional information to evaluate this progress.』

最後は今後もデータディペンデントでっせとなっておりますわな、ということで今朝はここで勘弁。




2024/01/04

お題「今年もよろしくお願いします(平伏)」

人災以外の何物でもないマイナス金利政策などというものはとっとと終了して頂きたいものです。

〇今更ながらに基調的な物価は11月下がりましたがさて・・・・・・・・

遅くなりましたが。

https://www.boj.or.jp/research/research_data/cpi/index.htm
基調的なインフレ率を捕捉するための指標

例によって左から刈込平均値、加重中央値、最頻値である。

Jan-22 0.8 0.2 0.3
Feb-22 1.0 0.1 0.3
Mar-22 1.1 0.2 0.3
Apr-22 1.4 0.3 0.4
May-22 1.5 0.4 0.5
Jun-22 1.6 0.5 0.5
Jul-22 1.8 0.3 0.7
Aug-22 1.9 0.5 0.8
Sep-22 2.0 0.5 0.9
Oct-22 2.7 1.1 1.3
Nov-22 2.9 1.2 1.5
Dec-22 3.1 1.4 1.6
Jan-23 3.1 1.1 1.6
Feb-23 2.7 0.8 2.1
Mar-23 2.9 1.0 2.7
Apr-23 3.0 1.2 2.8
May-23 3.1 1.4 2.9
Jun-23 3.0 1.4 2.9
Jul-23 3.3 1.6 3.0
Aug-23 3.3 1.8 3.0
Sep-23 3.4 2.0 2.8
Oct-23 3.0 2.2 2.6
Nov-23 2.7 1.7 2.4

ということで3指数とも下がったのですが、まあゆうてこれが本当に下がり続けるのか、ってなもんでしょうからね。

左から上昇品目比率、下落品目比率、上昇品目比率−下落品目比率です

Jan-22 61.5 31.0 30.5
Feb-22 64.0 28.9 35.1
Mar-22 63.2 29.7 33.5
Apr-22 68.8 24.9 43.9
May-22 69.2 24.5 44.6
Jun-22 71.3 22.2 49.0
Jul-22 73.2 20.7 52.5
Aug-22 72.6 21.5 51.1
Sep-22 74.9 18.6 56.3
Oct-22 78.9 14.6 64.4
Nov-22 79.9 13.6 66.3
Dec-22 81.2 11.7 69.5
Jan-23 80.3 12.6 67.6
Feb-23 81.0 11.7 69.3
Mar-23 82.6 10.0 72.6
Apr-23 84.3 9.2 75.1
May-23 84.9 8.8 76.1
Jun-23 85.1 9.2 75.9
Jul-23 85.6 8.4 77.2
Aug-23 86.0 8.2 77.8
Sep-23 87.0 7.3 79.7
Oct-23 84.7 9.6 75.1
Nov-23 83.0 11.3 71.6

まあアレです、ゆうてまだまだ8割超の品目が値上げなんですよね・・・・・・・という話なのでこれはまあ3か月くらい見て伸び率縮小モードになっているのかどうかというのを見たいのですが、どうせ日銀の事ですからこの数字出してはいるけど、使いたいときに都合のいい時に使うに1万インドネシアルピアと言った所ですな。


〇ところでこの集計見てて思いだしたのですが(植田総裁経団連講演の蒸し返し)

この前こんなのあったじゃないですか。
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2023/ko231225a.htm
賃金と物価:過去・現在・そして将来
日本経済団体連合会審議員会における講演

日本銀行総裁 植田 和男
2023年12月25日

何故かまだHTMLバージョンが出ていないのでPDFに行きますが。
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2023/data/ko231225a1.pdf


この前もネタにした話ですけど、『4.将来:物価安定と企業・経済』の本文9ページ、『(資源配分等への影響)』って所を見ますとですね、

『また、わが国の経験を踏まえますと、賃金・物価が「動く」ようになることは、より大きなプラス効果を経済にもたらす可能性があるのではないか、と考えています。』

これはマクラ。

『本日ご説明しましたように、わが国が陥った低インフレ環境の大きな特徴は、賃金・価格設定行動において現状維持のバイアスが強くかかり、多くの品目で価格が据え置かれるようになったことでした。』

ってあって、

『このことは、個々の商品の間の相対価格が変化しにくくなり、市場の価格発見機能が働きにくくなったことを意味します。結果として、資源配分が非効率的となり、経済全体でみた生産性を損なっていた惧れもあります。』

とある訳ですが、この説明が一般的なマクロ経済学の考え方からすれば珍説の類という話を2008年に日銀と東大の共同コンファランスで発表されたワーキングペーパー(宮尾、中村、代田)https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/wps_2008/data/wp08j02.pdfを引用してご紹介した訳ですが、本文9ページ以降にある『2.4 相対価格に対する歪み』の所を見ても、各小見出しごとに結論が、『以上の観察から、長期低迷期においては、相対価格変動の歪みに由来する物価変動のコストは小さかったものと推測される。』(本文10ページより)『以上見てきたように、長期低迷・デフレ期において、デフレが相対価格変動を通じて価格メカニズムを阻害する効果は、さほど大きかったとは考えられない。』(本文11ページ)とまあ有る訳ですよ。

なんでこんな話になるかというと、そもそも経団連での植田講演における上記の説明、すなわち「わが国が陥った低インフレ環境の大きな特徴は、賃金・価格設定行動において現状維持のバイアスが強くかかり、多くの品目で価格が据え置かれるようになったことでした。」という説明が雑にも程があるから珍説になってしまっている訳ですよ。

つまりですね、さっきの
https://www.boj.or.jp/research/research_data/cpi/index.htm
基調的なインフレ率を捕捉するための指標

ですけれども、データがアベイラブルなのは2001年からなんですけどね、

上昇品目比率、下落品目比率、上昇品目比率−下落品目比率
2000年基準CPI

Jan-01 28.3 61.2 -33.0
Feb-01 29.4 61.2 -31.8
Mar-01 28.7 61.2 -32.6
Apr-01 28.2 61.3 -33.1
May-01 28.2 61.5 -33.3
Jun-01 28.4 60.4 -32.0
Jul-01 28.8 60.7 -32.0
Aug-01 30.7 59.4 -28.8
Sep-01 29.0 60.2 -31.2
Oct-01 27.1 61.9 -34.8
Nov-01 27.1 62.1 -35.0
Dec-01 25.2 63.9 -38.7
Jan-02 24.3 64.0 -39.7
Feb-02 24.3 65.5 -41.2
Mar-02 23.2 66.5 -43.3
Apr-02 23.4 65.0 -41.6
May-02 24.0 64.4 -40.4
Jun-02 23.6 65.7 -42.1
Jul-02 24.7 65.4 -40.6
Aug-02 24.2 66.3 -42.1
Sep-02 22.7 67.0 -44.4
Oct-02 24.9 64.0 -39.1
Nov-02 27.0 62.4 -35.4
Dec-02 26.0 62.7 -36.7

>多くの品目で価格が据え置かれるようになったことでした
>多くの品目で価格が据え置かれるようになったことでした
>多くの品目で価格が据え置かれるようになったことでした

・・・・・・・・・はてこれはどういうことでしょう、ってなもんで、インフレ期待が低迷して強気の価格設定がしにくくなった、というのはあったでしょうなあとは思うのですが、別に皆の価格が動いていない訳ではない(まあこの価格はヘドニック掛かっているのかもしれないから話がややこしいのですけれどもそこは割愛しまして)まあ小幅物価下落が続いていた時ですからマイナス品目が多いのですけれども、それでもプラス品目が2割強は常にあるし、価格自体動いている方が多い訳でして、別にゼロインフレだデフレだからと言って価格が動いていない、と言って話を進めているのは雑なんじゃなかろうかと思う訳ですよ、これってもっときちんと検証してから講演テキストに落とし込むべきものだったんじゃないですかねえ。

と、昨年のネタを新年早々蒸し返しておりますが、とにかくあの経団連の講演は超優秀エコノミストをアホほど飼っている日銀とは思えないガバガバ珍論講演になっておりまして、どうしてこうなった感がつよいわけですな、トホホ。


〇そんなことよりFOMC議事要旨でしたな(正月ボケでボケているので超手抜き読みで続きは明日ですサーセン)

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20231213.htm
Minutes of the Federal Open Market Committee
December 12-13, 2023
A joint meeting of the Federal Open Market Committee and the Board of Governors of the Federal Reserve System was held in the offices of the Board of Governors on Tuesday, December 12, 2023, at 10:30 a.m. and continued on Wednesday, December 13, 2023, at 9:00 a.m.1

例によって『Participants' Views on Current Conditions and the Economic Outlook』を塊ごとに逆順で読むの巻。最後の先行きの政策運営に関しての部分をとりあえず読みますね

13〜16パラが今後の政策運営スタンスになります。まずは13パラ。

・今後の金融政策の話なのですが最初のパラグラフは「インフレ鎮静化はワシ育てた」である

『In discussing the policy outlook, participants viewed the policy rate as likely at or near its peak for this tightening cycle, though they noted that the actual policy path will depend on how the economy evolves.』

利上げサイクルのピークの水準(ドットプロットがまさにその通りだからその通りとしか言いようがないが)ですよと改めて示されています。

『Participants pointed to the decline in inflation seen during 2023, noting the recent shift down in six-month inflation readings in particular, and to growing signs of demand and supply coming into better balance in product and labor markets as informing that view.』

インフレは鎮静化してきましたが・・・・・・・

『Several participants remarked that the Committee's past policy actions were having their intended effect of helping to slow the growth of aggregate demand and cool labor market conditions.』

出たなインフレ鎮静化はワシが育てた。

『They judged that, in combination with improvements in the supply situation, these developments were helping to bring inflation back to 2 percent over time.』

でもって供給制約が解消するにつれて政策効果が更に出るので物価は2%目標に向かうでしょう、とのことですが新たな供給制約があちこちでホイホイと発生しているような気もしますねえ。

『Most participants noted that, as indicated in their submissions to the SEP, they expected the Committee's restrictive policy stance to continue to soften household and business spending, helping to promote further reductions in inflation over the next few years.』

さっきはSeveral participantsでしたが今度はMost participantsになっていますけど、結局の所インフレ鎮静化はワシが育てたという話で締まっているようですわw


・来年は利下げ局面、と言った後には釘差しコメントをブスブスと差す

第14パラ。

『In their submitted projections, almost all participants indicated that, reflecting the improvements in their inflation outlooks, their baseline projections implied that a lower target range for the federal funds rate would be appropriate by the end of 2024.』

14パラの頭で「来年は利下げ局面ですと殆どすべての参加者が表明」となっていて、13パラはまあこの結論の前振りですね。

『Participants also noted, however, that their outlooks were associated with an unusually elevated degree of uncertainty and that it was possible that the economy could evolve in a manner that would make further increases in the target range appropriate.』

これは声明文でも示されていましたように「世の中何があるか分からんから利上げのお代わりもアリエール」という釘差しコメントですな。

『Several also observed that circumstances might warrant keeping the target range at its current value for longer than they currently anticipated.』

Severalは今考えているよりも高金利を長期間継続する可能性も考えておくべきとな。

『Participants generally stressed the importance of maintaining a careful and data-dependent approach to making monetary policy decisions and reaffirmed that it would be appropriate for policy to remain at a restrictive stance for some time until inflation was clearly moving down sustainably toward the Committee's objective.』

ということでこのパラ、来年は利下げ局面とぶち上げたあとは全部釘差しコメントになっているのは、米国金融市場が利下げヒャッハーとなっているからの釘差しムーブの一環でしょうなきっと(個人の妄想です)。



・リスクマネジメントの話が全部「今の金融政策を想定以上に長期化せざるを得なくなった場合のリスク」なのはワロタ

第15パラ。

『Participants discussed several risk-management considerations that could bear on future policy decisions.』

リスクマネジメントの観点からですかそうですか。

『Participants saw upside risks to inflation as having diminished but noted that inflation was still well above the Committee's longer-run goal and that a risk remained that progress toward price stability would stall. 』

『A number of participants highlighted the uncertainty associated with how long a restrictive monetary policy stance would need to be maintained, and pointed to the downside risks to the economy that would be associated with an overly restrictive stance. 』

『A few suggested that the Committee potentially could face a tradeoff between its dual-mandate goals in the period ahead.』

こちらですが、結局言ってることが全部「思った以上に金融引き締めが長くせざるを得なくなった場合のリスク」の話をしておりまして、これも14パラ同様に早期利下げ開始ヒャッハーアメリカン金融市場に対する釘差しと見ました。



・バランスシートランオフに関しては短期金融市場の調節技術上の論点で

でもって16パラ。

『Participants observed that the continuing process of reducing the size of the Federal Reserve's balance sheet was an important part of the Committee's overall approach to achieving its macroeconomic objectives and that balance sheet runoff had so far proceeded smoothly.』

最終パラはバランスシートのランオフの話ですね。

『Several participants noted that, amid the ongoing balance sheet normalization, there had been a further decline over the intermeeting period in use of the ON RRP facility and that this reduced usage largely reflected portfolio shifts by money market mutual funds toward higher-yielding investments, including Treasury bills and private-market repo.』

しかしこのFF金利とか昔々アタクシが小僧だったころは「FF金利というのはホイホイブレるもの」という状況で、ブレることに対して別に米国短期金融市場もそんなに気にしていなかったと思うし、実効FF金利とかほぼノーマークだったのですが、現状は各種のスタンディングファシリティ化しちゃっているオペと当預付利とディスカウントウィンドウでエライ狭いコリドア作ってやっているのは隔世の感があります。

『Several participants remarked that the Committee's balance sheet plans indicated that it would slow and then stop the decline in the size of the balance sheet when reserve balances are somewhat above the level judged consistent with ample reserves. These participants suggested that it would be appropriate for the Committee to begin to discuss the technical factors that would guide a decision to slow the pace of runoff well before such a decision was reached in order to provide appropriate advance notice to the public.』

まあバランスシート、というか超過準備とファシリティの運営に関してはこれは調節技術マターになりますが、基本中の基本は「長期負債見合いには長期資産」ということになりますので、本来的にはファシリティ残して超過準備を残す、というのはあまり美しくはない話なんですよね。どうなることやらとは思うのですが、昔と違って米国の短期市場もファシリティ漬けになってしまっていて、無いとマネジメントできないって参加者も多いんでしょうかね、詳しい人教えてちょんまげ(マイナス金利解除から利上げ着手になった時の日本の参考にもなるし)。