金融庁・銀行経営関連

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2009年度

2010/01/21「で、日銀に中小企業金融の何をしろと仰せで??」
2009/11/09「さて亀井センセイ日銀にモノ申してますけど・・・」
2009/10/08「だいぶ穏当な内容に進みつつあるようで大塚副大臣GJ!」
2009/10/02「ますます斜め上に進むモラトリアム」
2009/09/30「藤井さんと亀井さんの発言が・・・・・」
2009/09/29「貸出しろと言われましてもねえ・・・」
2009/09/17「早速面白発言が連発」
2009/09/16「亀井静香金融担当大臣とな」
2009/07/15「バーゼルUメモ/ベターレギュレーションと政策の現場からの乖離」
2009/04/17「保身的というか朝令暮改的というかな金融庁パンフレット」


2010/01/21

○これは見事な責任転嫁ですね

昨日のロイターニュースから
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK035309920100120
亀井金融担当相と白川日銀総裁が中小企業めぐり議論、月例経済報告関係閣僚会議で

あまりにもアレな話なので記事をだいぶ引用しちゃいます。どうもすいません。

『津村政務官によると、亀井担当相が白川総裁に対して「中小企業の資金需要はどうか」と質問。これに対して、白川総裁は「売上が急に落ちて資金繰りを苦しくしている状態だ。一昨年来の緊急保証制度によってとりあえず金融機関から資金を受ける形で、いったん上がった倒産リスクは、その後は比較的抑えられている」と説明した。』

そうですな。

『この説明に対し、亀井担当相は「そういうことを聞いているのではない。中小企業の設備投資意欲はどうなっているのか。新たな資金需要はあるのか。中小企業の設備投資意欲はなお極端に低いのではないか。そういうことを全体的に聞いているのだ」とさらに質問。白川総裁は「ご指摘の通りで、設備資金は全体としても弱いが、特に中小企業の資金需要は弱い」と答えた。』

それもそうですね。

『亀井担当相は「こうした中小企業の厳しさが日本経済全体の悲観的な見方につながっているのではないか。それとも、大企業が大丈夫だが、中小企業はもう構わないということなのか。そのあたりはどうなんだ」と白川総裁に迫り、これに対して、白川総裁は「中小企業には注目している」と中小企業の軽視を否定した上で、「ただ、新興国経済が非常に強いという話の中で、これを直接享受するのは大企業であったり、特に製造業ということになると思う。中小企業が経済を中心となって引っ張っていくという高度経済成長のときのような姿とは少し違うかもしれない」と答えたという。』

・・・・えーっと、で日銀に何をしろと井脇ノブ子じゃなかった亀井センセイは仰せなのかさっぱり判らんのですが、中小企業の設備投資意欲が弱いのがケシカランとか日銀に言うのじゃなくて、それは経産省やら(銀行の貸出態度を変えるという話だったら)金融庁のお仕事ではないかと存じますが。

何かね、もうとりあえず日銀を空爆しておけば経済無策(いや一応何かビジョンみたいなのはあるけど、あれのどこがどう成長戦略??という感じで、総花的に並んでいる施策を全部実行したら成長力が更に低下するような話ではないかね)のツケ回しを日銀に一部は持っていけるという点で政治的なセンスが素晴らしい発言である事は間違い無かろうという所でございまして、さすがは井脇センセイだと感心することしきりのあたくしでございました(棒読み)。

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2009/11/09

○ロイターの記事を見ながらちょっと余談

ネタは毎度おなじみ亀井静香大先生。

http://jp.reuters.com/article/domesticEquities2/idJPnTK034724620091106
UPDATE1: 日銀の楽観的な見方があるが、なかなかそうはいかない=亀井金融担当相

「下振れリスクを警戒する」とか「日銀は直接中小企業金融対策を行えないので円滑化法案を作成した」とか位に寸止めしておけば良いのにまた亀井センセイはそういう事を言い出す訳で、それって政府経済見通しとの整合性という観点からすると閣内不一致ってことにならないっすかねえ。まあいいけど。

それからですな、民主党の皆さまにおかれましては、確か日銀が0.25%から0.5%への利上げを行うという話をする時に当時の自民党幹事長あたりが強い調子で文句を垂れた時に「日銀に対する政治干渉」とか言って物凄い勢いで批判しておられたと理解しておりますが、党どころか内閣の一員が日銀の見方を「楽観的」と発言する事に関しては干渉ではないと仰せですかそうですか。選挙で勝つまでは自分たちも実際に出来ないような好き勝手な事を言って批判をして良いとは素敵なお話ですね。

まあ要するに、財金分離だの政治干渉がどうのこうのだのといって自公政権を批判していたのは「俺にやらせろ」という事だったという事で、何度かネタに引っ張って恐縮至極ですが、2年前に本石町日記さんが指摘していた事が卓見であったという話ですな。

http://hongokucho.exblog.jp/6974947/
民主党はワンボイス主義を=金融政策論議で考える党戦略

最後の方にございますが・・・・

『特に、日銀を与党に抑圧された存在とみなす戦略は、仮に与党になれば日銀を抑圧するのが見え見えで、薄っぺらな感じである。』(本石町さんの上記エントリーより)


ところで、このニュースが英文に掛かるともっと素敵なヘッドラインになります。

http://www.reuters.com/article/companyNewsAndPR/idUSTKF10672520091106
Japan's Kamei: doesn't share BOJ's economic view

これはまた刺激的な。「政府と日銀で経済認識が共有できていない」というヘッドラインになっておりますけど・・・・・そこまでは亀井センセイと言えども発言してないとは思います(が、実際の委員会質疑を見ていないので何とも言えないですな)けどロイターそれで良いのか??

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2009/10/08

○返済猶予法案関連

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009100800017
返済猶予、国会報告で実効性=「努力義務」で導入−金融検査で実態公表・検討チーム

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009100800018
貸し渋り・貸しはがし防止対策法の素案骨子=返済猶予

で、下の方のURLから引用しますと

『【貸出条件変更の対象】
 一、対象企業の明確な基準、規定を設定
 一、中小企業融資での貸し手側の業態は預金取扱金融機関
 一、個人住宅ローンも対象
 一、ローンの種類は手形割引、当座貸し越し、債権買い取りなど』

ということのようで、さすがに何でもかんでも救済とか全面的にモラトリアムみたいな話には成らないようですが、国際基準行の場合にBIS規制上の話と整合性が取れる(国内の法律的におっけーでも国際規制上不良債権扱いになったら困るので)という話にはなっているのかな、まあさすがにその辺りは抜けてないとは思います(損失発生時の政府負担という話があるので、政府がカバーする部分に関しては政府向け与信になるんでしょうか??)。

最初にモラトリアムとか徳政令みたいな話が出てどうなる事やらという感じでしたが、そこまで極端にはならないのですかね、って当たり前と言えば当たり前なのですが・・・・・どうも良く判らん。

しかしこれはまた各行の企画とかの人は大変ですね。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200910/2009100700730&rel=j&g=pol
返済猶予で意見聴取=大手4行から−大塚内閣府副大臣

『大塚副大臣は各行に対し、正式な意見書を9日に提出するよう要請した。』

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2009/10/02

○モラトリアム雑談

いつの間にやら「返済猶予して飛んだら国が金融機関に損失補償」という更に斜め上の話が展開されている今日この頃ですが、もう何だかカオス過ぎて何がなにやら。

えーっとですね、返済猶予した挙げ句に返済不能になったら国が損失補償してくれるのでしたら、当然ながら融資先がお父さんになってくれれば貸出金がめでたく全額回収できてウハウハになるのですから、普通に考えるとそんな制度にしたら時限措置終了直前に融資止めて与信先を破綻させるインセンティブが金融機関に生じちゃうと思う次第でして、貸し渋り対策どころか倒産促進の施策になってしまうのではないでしょうかとおじちゃんは思うのですけれども、何か勘違いしてますでしゅかねえ?????ま、その前に反社会的勢力が借り得でウハウハとか言ってそうですが。

一応「とりあえずビーンボール投げてから落とし所を探る」という事を考えて色々な話をしているのだと信じたい所なのですが、そーゆー腹芸的な物事の進め方っていうのは身内の狭い範囲内で仕事を回す分にはそれでも良いと思いますが、世界に開かれている金融市場という中で斜め上の話を連発されますと、当然ながら日本の金融に対する信認問題とかにまで発展しかねない話ですから、どこぞの大臣様におかれましてはもうちょっと国際的な場を見ていただきたく存じますが、国際会議でも言い出しそうな悪寒が・・・・

何かどこぞの鶴航空(仮称)に関してはどこぞの国土交通大臣が国が全面支援とか言い出してますし、どこがどう財政規律堅持なのか1ミリも理解できない話が続々出てくるのが実に頭の痛いところであります。

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2009/09/30

○オペ雑談の前に超雑談

2大巨頭様の発言があまりにもアレで、昨日の東京新聞経済面では「人災」とまで言われる有様となってきたのにさすがにヤバイと思ったのか威勢の良い発言がトーンダウンしているようで何よりです。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090929-OYT1T01040.htm?from=main4
円高・株安“火消し”に躍起、藤井・亀井両大臣

『為替介入に否定的な見解を繰り返していた藤井財務相は同日の閣議後の記者会見で、「(為替が)異常に動いたら、しかるべき措置をとる。(今の円高は)少し急激すぎる」と述べ、円売り・ドル買い介入の可能性を示唆した。』

そんなら最初に否定発言をするなよと。

『一方、亀井金融相は、中小企業向け融資の返済猶予方針が株安の材料とされたことについて、「返せる借金を棒引きにするなんて言ったことはない」と強調。「あんたたちがおかしなことばかり書くから」と記者団にいらだちを隠さなかった。』(以上上記URLの読売オンライン記事から)

・・・・なるほど、返せる借金を棒引きにはしないけれど、返せない借金は棒引きですかそうですか、というのは悪意で解釈してますけど(笑)、「あんたたちがおかしなことばかり書くから」とはこれまた面白すぎワロタ。

ということで火消しに躍起のようですが、まあどう見てもこのお二方様におかれましては、ポロポロと無茶な発言をしてくれそうでして、ポロポロと発言するお人だと思えばメディアも喜んでコメントを拾いに行きますので、なおのこと不規則発言を拾いやすくなるという事で、不規則発言スパイラル状態になるのは必定。相場的にはノイズが増えて無駄に盛り上がる場面も起こるのでしょうな。

まあこの調子で延々と続くのでしょうなと思うと落涙を禁じ得ませんが、まー金融庁の副大臣と政務官が大塚さんに田村さん(この田村さんは衆議院静岡4区選出の民主党の財務省出身の人でして、ファッションがアレな自民党の参議院議員とは別人です^^)なので金融庁に関してはまあ何とかこう「殿ご乱心」を上手いところ骨抜きにして頂きたく期待する所でございます。この際ヤケクソで殿の中の人を男の中の男と名高いやる気元気井脇ノブ子先生に(大嘘)。

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2009/09/29

○市場雑談じゃないけど雑談の続き

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090928/plc0909282050011-n1.htm
鳩山首相「モラトリアムまで合意していない」 亀井金融相の主張拒否?

『鳩山由紀夫首相は28日夜、亀井静香金融相が提唱している中小企業向け融資や個人向け住宅ローンを3年程度猶予する「モラトリアム法案」について「連立与党でモラトリアムまで合意しているわけではない」と述べ、亀井金融相の主張は受け入れがたいとの姿勢を示した。』

・・・・・いやまあ何と申しますか「盛り上がって参りました!」としか申し上げようがございませんが、それはそれと致しまして、この法案に関する取りまとめ担当の大塚副大臣って従来それなりに金融市場的には評判が良いと思われる方(あたくし的には微妙なのですがまあそれは措く)でございまして、さて今回は就任当初からいきなり楽しい法案の作成をする事になられまして、この法案の作りこみ次第で金融市場的な高めの評判が更に高まるのかいきなり暴落するのか、真価が問われる場面となりましたので、奮闘を期待したいものです(棒読み)。

いやね、今更あたくし如きが申し上げる話でも無いのですが、金融庁の資産査定の基準がついちょっと前(2年位前)まで結構厳しく適用していたと思ったら今度の大臣登場って話でして、前も申し上げておりますように、銀行貸出なんてそう簡単にホイホイ出したり引いたり出来ない(いやまあ短期貸しとか貸出極度方式だったらリセットが1年位で来ますからやろうと思えば出来ますけど、中小企業のように資金調達のアクセスが借入金のみって場合、いきなり貸出引いたら資金繰りで倒れちゃうでしょ)ものでありまして、ディーリングしてる訳じゃ無いんですから、そうホイホイと貸せ貸せと言われましても、ちょっと景気が良くなって政権の方針が変わった途端に「その貸出全部ハケ(破綻懸念ね)です」とか査定されたら銀行としたって目も当てられないし、ハケ扱いになった債務者さんはもっと目も当てられないっすからねえ・・・・

査定基準をもっと明確にするのか、銀行の裁量をもっと認めるのかとかをしないと、銀行サイドとしては「後から厳しい査定されたら困る」となって保守的な運営になってしまうと思うんですけどねえ。モラトリアム法案がどうのこうのとか言う前にやる事あるんじゃないのって感じですけど・・・・

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2009/09/17

○2大巨頭の面白発言が楽しみ・・・・じゃないのですが

昨日は引けに掛けて株が失速しやがるもんだから何事かと思っておりましたら為替が円高に。もしやと思っていたらやっぱりあの人でした。

http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091601000643.html
藤井氏「為替介入に反対」 異例の発言、円相場が急上昇

いやまあ基本的に主要国といわれる国は通常時に為替介入なんぞするもんじゃないっしょというのはその通りなのですが(SNBのヤケクソ介入の評判の悪いこと悪い事)、相場水準が微妙で、ちょうどまあアタック掛けたくなるような所でこういう面白発言をする必要は無いのでありまして、誠に遺憾としか申し上げようがございません。どうも藤井さん発言の脇が甘そうな感じがしますなあ。ということで面白発言で相場が無駄に翻弄されそうな悪寒が早速。

ま、それより面白発言なのはやはり亀先生。

http://money.jp.msn.com/newsarticle.aspx?ac=JAPAN-115358&cc=03&nt=00
借入モラトリアムの法制化を検討、10月の臨時国会に提出したい=亀井郵政・金融担当相

まずね、「モラトリアム」って言葉を金融担当のエライ人が軽々に使うもんじゃないと思うのですよ。金融市場でモラトリアムって言ったら世の中がとんでもない大混乱に陥っている時に緊急避難措置で行う「全ての支払い停止」であって、例えば日本で実施されたモラトリアムって確か大正12年の関東大震災時と、昭和2年の金融恐慌時の2回であって、預金封鎖新円切替の時だってモラトリアムの実施はしてなかった(まあモラトリアムもビックリの豪快な措置ですけど)話でして、用語として刺激が強すぎでそもそもホイホイ使うようなテクニカルタームではありますまい。

まーしかしそれはそれとして、返済猶予措置っていうのですからまあリスケジュールという話になるのでしょうが、そーゆー事をしますと既存貸出が固定化されてしまいますので、新規貸出に回る資源(まあ要するに貸出に対応するリスクキャピタルみたいなもんですな)がその分減ってしまい、部分的に良かれと思って実施したことが全体のバランスを崩して却って弊害が発生するという楽しい話になるのが火を見るより明らか。

何と申しますか、早速この2大巨頭の発言から目が話せなくなっておりますし、こういう面白発言が出るとなればメディアの方も大喜びして色々な誘導質問を振って来ますから、益々もって面白発言を拾ってくるという話になるのでしょうな。

#つまり金融市場的に言えばニュース情報ベンダー機器を提供する会社(=クイックとロイターとブルームバーグ)が歓喜ということですね(本当か?)

しかしマジでそんな法案出してどうする積りなのやらという所ですが、この調子だと、投資不適格の社債買入とか言い出しかねないですし、まあオラもうワクワクして来ただ!って感じですな。はーナムナム。

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2009/09/16

○亀井金融担当大臣とな

別にそれが出たから昨日は引け際に債券先物が売られた訳でもないとは思います(どちらかと言えば超長期入札絡みのどんぶりヘッジじゃないのかと)が、引け際に出た「亀井さん金融担当&郵政問題担当大臣」ニュースにのけぞった市場の中の人は多かったものと存じます。

えーっとですな、郵政解散の頃からあたくしは郵政に関しては「国営維持して金融部門は段階的縮小」と常々申し上げておりましたのですが、亀井センセイの場合は民営化見直しした結果官営で業務拡大とか言い出しそうな気もするので何ともアレでございますが、就任前から早速西川さんに「自発的退任を求める」とはどう見ても(以下自主規制^^)。

まー何ですな、色々と妄想は沸いてくるのですが、さすがに妄想なだけに書くのも何ですなという所でありますけど、一つ言えそうなのは、会見などで不規則発言が飛び出して楽しい展開が起きそうでございますねという所で。

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2009/07/15

○バーゼルUがどうのこうの

http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc09/bis0907a.htm
バーゼル銀行監督委員会によるバーゼルIIの枠組みの強化に関する最終文書の公表について

金融庁にも同じ件で文書が出てますが、各種ガイドラインが(当たり前ですが)英文なので普段こういうの読みなれないあたくしは悶絶するのですけれども、まあこの手の規制関連に関しては各種金融商品の価格形成にも影響があったりなかったりする類のものですので、本当は読んでおかないといけないと思うのですが、元々得意じゃないので誰かが解説してくれるのを心からキボンヌ(あほです)。


○ベターレギュレーションがどうのこうの

久々に金融庁のサイトから

http://www.fsa.go.jp/policy/br-pillar4/20090713.html
「ベター・レギュレーションの進捗状況について」(第3回)の公表について

ってことで、いつの間にやら第3回になってまして、まあつらつらと公表文書を斜め読みしただけなんですけどね。

http://www.fsa.go.jp/policy/br-pillar4/20090713/01.pdf
ベター・レギュレーションの進捗状況について(第3回)−平成20年5月〜平成21年6月−

http://www.fsa.go.jp/policy/br-pillar4/20090713/02.pdf
(参考1)ベター・レギュレーションの進捗状況に係るアンケートについて

本当は参考2というのもあるのだがまだ見てもいません。どうもすいませんです。

・・・・ということで、マジで超斜め読みしかしてないのですけどちょっとだけ。

冒頭の所に良いことが書いてありますわな。『ベター・レギュレーションの今日的意義』ってところなんですけどね。

『金融規制については、今般の金融危機の顕在化が認識されるまで欧米を中心に、規制をできるだけ緩和することが金融イノベーションを促進させ、それが金融・資本市場の発展につながるとする考え方が広く存在していた。』

さいですな。

『他方で、今般の金融危機に直面し、以下のような事例が認識された。

○ 情報の非対称性を利用し利益を上げるため、複雑な金融商品を組成・販売したり、相対取引のような分断された市場での取引が拡大するなど、金融イノベーションは必ずしも市場メカニズムの発揮の向上につながらない。

○ 短期的な利益の追求を誘引する報酬体系や高レバレッジ化による高収益性の追求が、資産価格の振幅幅の増大や経済の不安定化を助長した。

○ 証券化の一連のプロセスにおけるインセンティブの歪みが、組成・転売型(originate-to-distribute)ビジネスモデルにおける関係者のモラル・ハザードを招来した。』

まあ最先端の金融工学(笑)を駆使して訳判らんブラックボックスを作ってどうのこうのというのは確かにさよでありますし、短期的利益云々に関してはその通りとは思うのですけれども、「情報の非対称性を利用して利益を上げる」って言われましても、金融って商売は本質的にそういう側面があるのでして(つーか商業全部そうでしょ)、情報の非対称性云々というのは耳障りは良い言葉なのですし、まあ顧客をだまくらかすのは論外なのはその通りなんですけど、何か言葉が一人歩きすると変に抑圧的な方向になるのではないかという悪寒も。

『金融市場をより良く機能させ、国民経済の安定や国民厚生の向上を図るためには、全く規制のない状況が最適とはいえず、公的関与の必要性についての認識が高まっていると考えられる。』

そらそうよ。

『他方、質の低い公的関与・規制は、レギュラトリー・アービトラージを招くなどにより市場の歪みを拡大させるといった問題を生じさせるため、質の高い規制を実現するための努力が必要と考えられる。規制の質を高めていくこと(ベター・レギュレーション)の重要性が再確認されるところである。』

変(以下激しく自主規制^^)。

まー中身はまた(たぶん)後日。ちなみに、アンケートの方なんですが、時々オモロイ回答があって(基本的にマンセー回答は面白くも何とも無いので読まないのが吉)、今回はちょっと考えさせられるモノが。



○で、そのアンケートでちょっと思ったのですけど(金融監督とは関係ない話)

アンケートの3ページ目から。

『法令案公開の時点で実務上の懸念事項が見受けられることが時々あるが、こうした場合、パブリック・コメントへの回答においてかなり実務に配慮したコメントをもらえるものの、実務の運用面では困難な部分がなお残ってしまうことがある。この数年はこうした不具合が増加しており、今後は法令案がほぼ固まった時点で、業界の実務担当者を交えた意見聴取の場を設け、無理のない範囲でその意見を取り入れ、スムーズに実務へ移行できるような手続が考えられないか(銀行)』

まあ金融庁とは関係ない話に飛ぶんですけど、ここの所色々な規制とか施策に関連していざ施行段階になって実務上ややこしいことが起きるっていうニュースを良く見るような気がするんですよ。先日だと銃刀法改正に伴って牡蠣の殻剥くナイフが届出が必要なモノになってエライコッチャなんていうニュースネタがありましたけど、裁判員制度導入に伴い性犯罪関連での情報管理をどうするかとか、ちょっと前だと改正建築基準法だかの施行に伴い建築確認の為の検査だか何だか忘れましたが、それが止まってエライコッチャになったというような大ネタもありましたが、まあその手のネタに事欠かないですよね。

官民の意見交換の場が減っちゃったというのが背景にあるんじゃないかなあとは何となく思う次第なのですけれども、ちょっとこの意見を見て「そうですなあ」とか思ってしまったのでちょっと引用してみましたです。はい。

何でもかんでも交流禁止というのは、当初はまあそれでも過去の蓄積があるから大きな弊害にならなかったのでしょうが、これが何年も継続した結果、こういう指摘やら事象が増えて来ていると考えますと、これはこれで官民共に不幸な話でありまして、どうにかならんものなのかいなと思いますが、相変わらず公務員制度改革とか言って公務員は悪みたいな言説がのさばる状況では難しいのでございましょうかねえ(吐息)。

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2009/04/17

○時間がなくなったのでちょっとだけツッコミ(以下続編あるかもしれません^^)

文書のプロパティを見るとどうも今年の正月にアップされたみたいですけれども。
http://www.fsa.go.jp/policy/chusho/nattoku.pdf

まあご丁寧におつくりになりまして(棒読み)と思いながらチラ見したんですがちょっとだけツッコミ。

(1)3枚目(ページ数では2ページ目、以下同様)→「金融庁の検査で問題になる恐れがあるので貸出できません」ということは有り得ないそうですが、そうなりますと資産査定で債務者区分を破綻懸念先に下げられても継続して融資を行って宜しいということですか??

(2)7枚目→「経営者と企業を一体として判断する」というお話ですが、確かこの手の話を始めた時は「担保や保証人に依存しない融資判断をしろ」というのがお題目だったのですが、今はそうではないですよという理解で宜しいのでしょうか?????

いやまあ何でも良いんですけどね、とにかく銀行融資っていうのは普通にやっている場合は長期的な取引関係になるものですから、上のほうでコロコロ方針変わられると現場は何もできなくなっちゃいますので、政治の風向きとかに影響されないでとにかく一貫した動きをしてもらいたいもんですよねと思うのですよ。

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