東京電力賠償支払スキームに関する馬鹿発言は更に各方面から続くので怒って書いた駄文(2011年6月12日設置

2012/08/21「一般担保廃止とか相変わらずアホウな提案だけは多いようです」の
2012/01/23「枝野大臣は東電に何でもかんでも押し付けようとしたいのは判ります」
2011/12/29「悪代官枝野さんは国民の負担を最小化するという発想は無いのでしょうかねえ」
2011/12/28「電力料金を上げさせないで国有化を進めるとかどこの時代劇の悪代官なんでしょう枝野大臣は」
2011/11/17「特別事業計画認可を受けてJCRは1ノッチ格下げで長期Aフラットどまりでした」
2011/10/21「JA鳥取県が東電に賠償請求とな」
2011/10/18「電力関連はまだまだ色々とネタが出るようですなあ」
2011/10/11「R&Iが東電格下げ」
2011/10/07「枝野さんは相変わらず往生際が悪いようで」
2011/10/06「報告書ネタの続き」
2011/10/05「資産査定委員会の報告書を斜め読みするのだ」
2011/10/04「資産査定委員会の下河辺委員長はちゃんとした話をしていました」
2011/10/03「資産査定委員会の発表前に枝野さんは相変わらず枝野さん」
2011/09/30「更に資産査定委員会の漏れっぷりは勘弁であります」
2011/09/29「資産査定委員会は更にダダ漏れでござる」
2011/09/28「資産査定委員会関連でいろいろと報道が出て株式市場も社債市場も動揺」
2011/09/14「枝野が経済産業大臣になって妄言をまたまた・・・・・」
2011/08/04「原子力賠償支援機構法案成立です(メモ)」
2011/08/03「明らかに違う理由で倒産した会社まで原発賠償対象にするんじゃねえよ細野担当大臣」
2011/07/29「東電関連法案衆議院通過ですが法案内容は微妙に玉虫色の部分がある訳ですな」
2011/07/12「河野太郎は東証を法的整理した後かつての時価総額の企業に戻ると誤解しているようですwww」
2011/06/22「東証斎藤社長の見苦しい弁明」
2011/06/21「東電格下げです/日弁連が意味不明の法的整理論」
2011/06/15「東電法案は閣議決定したが枝野官房長官が相変わらずの妄言/東大岩本教授(経済学)から電波が」
2011/06/10「結局斉藤発言と河野発言の影響で東電株は150円割れするわ関電の起債は延期になるわと」
2011/06/09「河野太郎の事後法スキームあえなく崩壊、つーか当たり前なんですけどね」
2011/06/08「そもそも取引所社長が個別の上場企業に対するコメントをするのはサイダー紛いではないかという件」
2011/06/07「東証社長と河野太郎議員の発言を晒してみる」

2012/08/21

○電力債の一般担保がどうのこうの

日曜の日経新聞でこんなネタがあって、既に本職の皆さんがコメントしておられるので、特段あたくしがどうのこうのという話でも無いのですがちょっと雑談。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS18007_Y2A810C1MM8000/
政府、電力債の担保廃止検討 原発賠償の円滑化狙い
起債条件、新電力と公平に (1/2ページ) 2012/8/19 2:05 情報元 日本経済新聞 電子版

『政府は電力会社が発行する債券(電力債)に認めている特殊な担保を廃止する方針だ。担保があると、債券の保有者が優先的に資金を回収でき、原子力発電所事故が起きた場合などに被害者への賠償の妨げになると判断した。担保を持たない新電力(特定規模電気事業者)との競争条件を公平にする狙いもある。発送電分離など経営改革を進める場合には例外も検討する。』(上記URLより)

以下の部分は上記URL先にもありますように、有料会員のみ閲覧可能という事ですので引用割愛(というか引用不能)でございますが、このニュースに関してはもう「いやそのりくつはおかしい」というような話で、これ日曜の日経1面トップ記事だったみたいなのですが、こんな奇天烈な理屈がそのまま経済クオリティーペーパーに掲載されるのが誠に残念ですなという所です。

まあどの辺の理屈が「いやそのりくつはおかしい」かと申しますと、無料閲覧可能な上記掲載部分だけで普通に2か所。

>担保があると、債券の保有者が優先的に資金を回収でき、原子力発電所事故が起きた場合などに被害者への賠償の妨げになると判断した。

・・・・・・・・・・・いやあのすいません、事業破綻する事を前提にした理由を元に「担保付の発行はしません(キリッ)」とか言いながら無担保社債で資金を調達しましょうとかお前はどこの取り込み詐欺集団かよと小一時間問い詰めたい訳でして、そういう潰れる気満々の話をしながら「無担保で貸せ」とかいう理屈を持ち出す発想がそもそもビジネスセンスの欠片も見当たらないと存じます次第でございます。どうも無料記事の最後の部分にある「電力システム改革専門委員会」とかいう所について直近の配布資料みたらメンバーが学者(しかも電力関係あるのかいなというのが)ばっかりじゃねえかという事に気が付きました、いやはや何とも。
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/sougou/denryoku_system_kaikaku/pdf/008_02_00.pdf


更にこれもワロタ。

>担保を持たない新電力(特定規模電気事業者)との競争条件を公平にする狙いもある。

意味判らん。東京電力に関して言えば公的資金突っ込んでいるのであって、そういう会社が保有資産を活用してコストを下げるのって物凄く重要な話であって、ちまちましたリストラした分を調達金利の上昇で全部すっ飛ばす位の勢いのレベルになるんですけれども、調達コストを上げるような話をして収益力を下げてどうすんねんという話なんですけどねえ。

大体からして担保持ってないから競争条件がどうのこうのという話をするのであれば、新電力に対して政策金融対応すればよい話で、電力会社の調達コストを引き上げる事によって競争条件を公平にするとかどんなシバキアゲの理屈あるいは引き下げデモクラシーなんだよという話で、そのアンチビジネス的な発想力に落涙を禁じ得ない所でございます。

いやね、一般担保を廃止してその分で他の資金調達手段(銀行借り入れとか)をとかいう話とか、資産のより一層の活用をするとかいう話ならまあ理屈としては判らんでも無いのですけれども、どこの世界に潰れる事や他社の為に貧乏になる事を前提にした理屈でこういう話が出てくるのかとゆー事で、まあ正直って頭おかしいんじゃネーノというアンチビジネスなのでございますが、こういうのが平然と出てくるのもそうですし、それをそのまま垂れ流した上に1面トップ記事にしてしまう日経新聞のセンスもどうなっているんだという所でございますな。という悪態でございました。






2012/01/23

○どうでもよい雑談

このニュースマジでわけわかんないんですけど。

http://jp.reuters.com/article/kyodoPoliticsNews/idJP2012012001001796
砕石問題、東電に損害賠償指示へ
2012年 01月 20日 14:23 JST

『放射性物質に汚染されたとみられる福島県内の砕石場の石がコンクリートなどに使われた問題で、高い放射線量が測定された新築マンションがある同県二本松市の三保恵一市長が20日、枝野幸男経済産業相と会談した。経産相は「速やかに損害賠償の手続きに入るよう、東京電力に指示したい」と述べた。三保市長が東電と政府に対して、住民の健康対策や移転費用を含む損害賠償の全額負担を求めたのに答えた。』(上記URLより)

・・・・・・・・えーっと、この事案の経緯についてはそんなにあたくしも詳しくはありませんけど、このケツが東電に来るというのが訳わかんね。

ちなみにこんなインタビュー記事はあるけど
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120116-OYT1T01361.htm
砕石会社社長「影響出ると思わなかった」

これって経済産業省が賠償するとかいうならまだ判るのですけれども、こんなのまで東電に押し付けるもんなの????何か東電を財布か何かと思っているのか、それとも大企業は悪の権化だから懲らしめないと行けないので何でもかんでも負担させやがれという事なのでしょうかねえ?????何かさっぱりわからんわ。

ちなみに、さすがに新聞記事などにはなっていませんが、民主党の一部の議員様がガソリン値下げ隊ならぬ「電気料金値下げ隊」とかいうのを結成したとかツイッター方面で話題になっておられましたが、お前ら脱原発して事故の収拾して被害者への賠償しながらがら電気料金どうやって下げるのよとか思う所でありまして、どこのポルポトだよという感じでございますな、うんうん。







2011/12/29

・東電ェ・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE7BR00T20111228
東電株は一時176円に下落、経産相が国有化を示唆
2011年12月28日 10:08 JST

『[東京 28日 ロイター] 午前の東京株式市場で、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)は序盤から大きく売られ、一時176円に下落した。今年6月以来6カ月ぶりの安値圏。足元は前日終値から10%超安い180円台で取引されている。東電株のストップ安は131円。』(上記URLより)

まあ株価は反応します罠という感じですが、そもそも枝野経産相としては「東電国有化」先にありきみたいな話を昔からしている訳ですが、どうもその国有化云々が東電ケシカランので成敗するみたいな勧善懲悪の田舎芝居的な発想しかなさそうに見えるのが極めて遺憾な話。

で、電力料金の引き上げは拒否とかになっているのですが、そうしますと東電の今後の代替エネルギー開発とか原子炉廃炉とか事故の賠償とかって誰が負担するのよという話を考えた場合(どう見ても現在の東電をケツの毛まで抜いても足りないのですから)、誰かの所で負担が掛かってくる訳でありまして、それに対して公的資金注入するか電力料金引き上げするかって考えたら電力料金上げて電気の利用者に負担させた方が合理的だと思うのですけどにゃあ。公的資金突っ込むって結局それは納税者負担となる話で、納税者が負担ってえ事になったら東電利用者以外の人たちも負担させるってえ話になるんじゃネーノと。

つーかさ、早い所政府保証で東電債の発行再開するとか、政府保証で賠償機構が財投機関債を発行するとかして、東電の資金コストを下げる(それによって賠償だの廃炉だの事故処理だのの費用を賄う訳で)のが本来の政府の使い方だと思うのですが、どうも現政権におかれましてはわざわざコストが上がる方向に施策を打とうとしているとしか思えんということでもうアホかと馬鹿かと。





2011/12/28

ちょww昨日の東証1部売買代金4605.66億円とかマジ勘弁だろそれ。

本題の前に雑談。

○ただの雑談だが

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011122701001768.html
東電社長に実質国有化の検討指示 経産相、値上げの動きけん制
2011年12月27日 22時34分

『枝野幸男経済産業相は27日、東京電力の西沢俊夫社長を呼び、同社の実質国有化の検討を指示した。東電が来年3月に策定する総合特別事業計画について「一時的な公的管理も含め、あらゆる可能性を排除しない中で検討してほしい」と求めた。東電が表明した家庭向け電気料金値上げについては、簡単には認めない姿勢を打ち出した。』(上記URLより)

ここだけ読んでると、料金引き上げを監督官庁が認めないで資本不足に追い込むとかどこの時代劇の悪代官だよと思うのですけど何なんでしょうね、まあ枝野大臣がアンチビジネススタンスなのは今に始まった事ではないのですが。いやまあ東電サイドのリストラ不足とかいう話は判るのだが、それならそっちの話を先にした上でバランス考えてどうなのよという話であって、その辺すっ飛ばして国有化どうのこうのが出てくるとかって要するに「見せしめで国有化先にありき」なんでしょ内閣支持率低下してるから東電叩いて支持上げたいんでしょと邪推するのはあたくしの目が曇っているからですかそうですか。

まあ東電も東電で、そういう状況にあるってのを認識してもう少しガードを固めて行動したらどうなんでしょと思いますけれども何か震災前と変わらない平常運転で話をしてるんじゃないかというようなトーンでの動き(報道見ていますと大幅な電力料金引き上げ先にありきという態度にしか見えん)が報道される訳ですが、かつての銀行叩きの時の流れを参考に致しますと、銀行叩かれ時代は「何をやっても悪意で解釈されて報道される」という状態が続いていた訳で、まあ東電さん的にも別に平常運転のつもりじゃないとは思うのですが、大体悪意で解釈されて報道されて益々マイナスイメージが拡大、という状況であることを勘案すると東電のアドバイザーにメガバンクの人でも入れたらよろしいんじゃないですか(違うか^^)。






2011/11/17

・JCR貫録の1ノッチのみ格下げ@東京電力

事業法人格付け関連のリリース一覧はこちら。
http://www.jcr.co.jp/rat_corp/index.php

11年11月16日 東京電力のモニター(ネガティブ)を継続し、#A+→#A/ネガティブに格下げ、CPをJ-1に据置

http://www.jcr.co.jp/release/pdf/11d0662TEP.pdf

先日の緊急特別事業計画の認可と、それに伴う賠償金支払いに向けた支援機構への支援要請とその実行を受けて格付けを1ノッチ下げてきました。ネガティブはついていますが、とりあえずA格維持ということで、JCR素晴らしいと存じます。まあそもそもこの会社既に普通の事業会社じゃねえだろというステージですしねえ。




2011/10/21

○という前にニュース雑談なのだが

http://www.asahi.com/politics/jiji/JJT201110190050.html
ナシ下落で東電に賠償請求へ=「中間指針」の対象外で初―鳥取のJA
2011年10月19日13時6分

『鳥取県の平井伸治知事は19日の記者会見で、東京電力福島第1原発事故に伴う風評被害の影響で鳥取県産のナシ価格が下落していることを受け、県内のJAと協議会を設立し、東京電力に損害賠償請求を行う方向で検討を始めたことを明らかにした。文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の「中間指針」に示されていない都道府県のJAが、東電に賠償を求めるのは全国初。』

『同県生産振興課によると、原発事故の風評被害で価格が下落した福島県産のナシが関西市場に大量に流入し、鳥取県産のナシも対抗して値下げせざるを得なくなった。今年のナシ1キロ当たりの価格は、昨年に比べて3割下落しているという。』(上記URLより)

・・・・・・・なんかどこから突っ込んで良いのか良く判らない記事ですが、つまり平井知事におかれましては福島県の農家の皆様がナシを出荷したので鳥取県のナシの価格が下落してケシカランという風に仰せにも読めるのでございますし、そもそも文句言うのなら東電じゃなくて出荷したナシの安全性の宣伝が足りなかった政府なりに文句いう方じゃないのかねえとか思うのでありまして、もはや言いがかりというかごね得の世界ではないかと存じますが、そのいいががりごね得プレイを知事が率先して推進するとか何だかなあという感じでして、鳥取県におかれましてはこの際大都会岡山(以下悪態)。

んな事言ったら事故に伴い他の電力会社のスプレッドが拡大したとか色々と文句を申し上げたい物があるんですけどにゃあと思うのですが、この調子で何でもかんでも東電に賠償請求とかをホイホイ認める(かどうか知らんが知事が率先してやってるんですからねえ)何でも方向ってえのはまた民主党政権お得意のポピュリズム攻撃かよというのもありますが、こうやって何かあったらばら撒けば良いわ的な体質の中で財政赤字の発散って大丈夫なのかとか、まあそっちの方向に懸念は拡大するのではないかなあとか思うのでありました。


たまたま昨日は何が何だかさっぱり判らないまま東電株が77円も上昇しやがったのですが、ちょうど午後この話が出てたのでこれが原因かと一瞬思いましたが、提訴自体はすでに行われている話ですから結局の所昨日の上げは何だったのという気がしますがまあそれはそれとして。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111020-OYT1T00430.htm
東電に免責不適用は誤り…株主が提訴、国は反論

『東京電力福島第一原発の事故を巡り、東電株を1500株保有する東京都内の男性弁護士が、原子力損害賠償法の免責規定を東電に適用しなかったことで株価を下落させたとして、国に150万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こし、同地裁で20日、口頭弁論が開かれた。国側は「東日本大震災は免責規定が適用される『異常に巨大な天災地変』には当たらず、東電が損害賠償責任を負うべきだとした対応は適法だ」と、これまで政府が示してきた見解と同様の主張をし、請求の棄却を求めた。』(上記URLより)

まあ何ですな、どうせなら国じゃなくて枝野(以下罵詈雑言になるので自主規制^^)。だいたいこの大臣(当時は官房長官)が法的手続きをすっ飛ばして不規則発言をする事によってどんだけ金融市場の価格下落を巻き起こしているかと考えますと(以下割愛^^)。





2011/10/18

○ということで電力関連雑感である

公共放送ニュースちゃんから。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111017/k10013322371000.html
北電 “やらせ”で役員ら処分
10月17日 19時36分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111016/k10013292751000.html
“九電の報告 理解得られない”
10月16日 11時23分

枝野大臣になってからすっかりまた電力会社叩かれモードになっていますが、いやまあ電力会社の偉い人たちの殿様感覚(現場の皆様ががんばっているから安定供給できていると思ってまして、現場の皆様には別にどうこうというのは無いですけれども)振りとかどうなのかとは思いますが、発送電分離にしろ原発依存率低下にしろ、急に電力会社を一方的な悪者にして何でもかんでも強行した時に日本経済どうなるのよとか言う話はどうなっているのだとあのアホウ大臣の言動を見てて思う訳で。

原発は動かすな、発送電分離とかするぞゴルァと言いながら電力は安定供給しろ値上げはするなとか、結論として現場にまた鬼のように皺寄せが来るような気がするんですがねえ。大体からして電力政策なんて従来から政府が政策の一環としてやってたはずなのに問題が生じたら急に現業部門(=電力会社)のせいにして管理部門(=政府)は現業部門を責め立てるって何と申しますか「部下の手柄は俺の手柄、部下のチョンボは部下のチョンボ」みたいな・・・・・と書くとつまり今の民主党政権というのはある意味非常にこう人間的と申しますか何と申しますか、って書いてて悲しくなってきたorz


で、北海道電力ではさっきのアレを受けましてこうだそうで。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111018/k10013330831000.html
泊原発 再稼働手続き予断許さず
10月18日 6時21分

『北海道電力は、一連のやらせ問題の発覚を受けて、一定期間、泊原子力発電所のプルサーマル計画を見合わせる方針などを示しましたが、道議会は、さらに北電の姿勢を追及するとしていて、北電が目指す泊原発の再稼働などに向けた手続きが、今後スムーズに進展するかは予断を許さない状況です。』

プルサーマルは兎も角として定期点検で止めた原発の再稼働は問題が別のような気がするんですが、これから冬を迎える北海道で原発再稼働を止めるんですかそうですかと思うのですがねえ。オラシラネ。


あとですな、九州電力は結局こうなるようですが・・・・・・
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111018/t10013330461000.html
九電 第三者委の指摘受け入れへ
10月18日 4時23分

人のふんどしで恐縮ですが非国民通信さんの所の最新エントリーで
http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/e/f7ac27b9baf1c0ce51946d9e968b3e23
ご機嫌取りはいらない

『どちらかと言えば第三者委員会は九州電力と関係が深いですし、それが県の関与を指摘したときには、むしろ責任の転嫁先を用意したように思えて「ちょっと(電力会社に)甘いかな」とも感じたものです。九州電力に対しても「自分の判断でやりました」と報告するより「佐賀県に指示されたのでやりました」と言い訳した方が自社の立場は守りやすいわけで、報告書の内容がそうであったならば「九州電力は県のせいにして言い逃れしようとしている!」などと大いに責められたであろうことは想像に難くありません。どうなんでしょうね、ことによると九州電力側も枝野のダメ出しは織り込み済みで、再提出分の方が本命だったりして……』(上記エントリーより)

というご指摘通りの展開なのかもしれませんね、うんうん。


んでもって東電ちゃんはこんなニュースが。ヨミウリオンラインから。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111017-OYT1T01456.htm
東電、国に1兆円支援申請へ…今年度賠償分

『東京電力は、福島第一原子力発電所の事故の賠償金支払いのために最大1兆円規模の財政支援を国に申請する方針を固めた。11月上旬に国と東電が策定する緊急特別事業計画に盛り込む。2年間で4・5兆円と試算されている賠償総額のうち、2011年度分の賠償額に絞って支援を求める。支援の前提として、電気料金の本格値上げを見送る一方、来年度中に柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の再稼働を実現させる方向で調整している。』

『緊急計画は、東電の経営を調査する「経営・財務調査委員会」が10月3日に発表した報告書をもとに国の原子力損害賠償支援機構と東電が策定し、枝野経済産業相が11月上旬に認可する。賠償支払額は年内に限れば7000億〜8000億円、年度内まで見通せば1兆円規模になる見通しで、支援機構と東電が申請額の詰めの調整に入っている。(2011年10月18日03時04分 読売新聞)』

はあはあそうですかと思いながら記事中の計画のフローチャートを見ますと・・・・
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20111017-850039-1-N.jpg

計画が2段階になるのは以前も報道されていた通りですが、改めてこの「2012年春」の所を見ると「経営責任と金融機関協力を明記」とかいやあのその何で経営責任と一緒くたなのよとか思ってしまいますなあ(金融機関に何の責任があるんだよヴォケ)というのは兎も角として、何か計画の段取り的にどうなのよという気が。まあちゃんと枝野さんが普通に普通の事をしてくれれば問題は起きないと思いますけど、何せ民主党政権な上に枝野大臣ですからにゃんとも。

しかしまあ相変わらず上場を維持している企業の経営に対する重大な問題にかかわると思われるこの特別事業計画の内容がこうやってお漏らし状態になるのは企業の重要情報管理的にどうなのよと思いますけどねえ。






2011/10/11

○R&Iが東京電力を格下げ

・・・・・・というような決定会合があって、引け後は総裁会見が実施された訳ですが、その辺の流れをすべて吹き飛ばすニュースリリースが15時02分(はあたくしが見たブルームバーグニュースのヘッドラインベース)に打ち込まれました。

R&Iのリリースより

http://www.r-i.co.jp/jpn/body/cfp/news_release_A/2011/10/news_release_2011-A-867_01.pdf
【格付変更/レーティング・モニター継続(格下げ方向)】
東京電力
発行体格付: (A−) → (BBB)
コマーシャルペーパー: (a−1) → (a−2)


・・・・・・・【格付変更/レーティング・モニター継続(格下げ方向)】ですので格下げをした上で格下げ方向のレーティングモニター継続とまあ折角の3連休前に何ちゅうリリースを出しやがるんじゃゴルァという感じでございますが、2ノッチ下げた挙句にレーティングモニター継続という下げ方で、下げ幅の2つも何だかなあという感じですが、このタイミングで下げてきたのには少々意外感が。

と申しますのはですね、

http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/corporate/4050/9501/
東京電力(9501)

ということでR&Iさんの東電に関する最近のリリースが読めますけれども、直近の格下げリリースの前には『東京電力、信用力維持へ正念場―特別事業計画の行方注視 [2011.09.21]』ってのがあったんですよね。

http://www.r-i.co.jp/jpn/body/cfp/news_release_A/2011/09/news_release_2011-A-788_01.pdf
東京電力、信用力維持へ正念場―特別事業計画の行方注視 [2011.09.21]

・・・・・・ということで、原賠機構と東電が共同で作成する予定の特別事業計画の内容を見てからレーティングアクションを起こしてくるかなあとかあたくし的には思っておったのでございますが、最初の所にある格下げに関する背景説明に関しては(めんどいので引用はしません)まあそう言ってしまえばそうですよねとゆー風情でまあ何と申しますか。

金曜の引け後に出たという事もあって、まあ金曜日には具体的にどうこうという訳にも行かなかったとは思いますので、お問い合わせとかその他諸々の動きは今日になってからご登場という所なのではないかと存じますが、とりあえずこれで引き続きA格を維持しておられるJCR大明神様の動向が大大大大注目されると同時に、R&Iこのタイミングで格下げというのは何ですねん(いやまあさっきも申しあげましたが格下げリリースの内容自体はそらまあそうですけどねえムニャムニャという所でございます)とも言えるのですけれども、まあ経済産業大臣があの人なのも雰囲気悪くしていますよね。という所でございましょうか。

まあいずれにせよ、昨日の15時以降に関しては決定会合結果の話はどこぞへワープしてしまったですなあ的な気分であったという所でございましたですが、まあ本日の動きがどうなるやら(動くのか動かないのかという点も含めてね)という所でございましょうにゃ。





2011/10/07

・往生際の悪い人

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-23514720111006
東電向け債権の放棄、可能性としては否定されない=枝野経産相
2011年 10月 6日 16:11 JST

『[東京 6日 ロイター] 枝野幸男経産相は、6日午後の参議院復興特別委員会で、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)に融資する金融機関に対して、「債権放棄を求めたことはない」と述べた。一方、「ステークホルダーに協力を求める、その可能性としては否定されるものではないと今も思っている」と指摘した。』

あーはいはいそうですかそうですか往生際の悪い人は困ったもんですね、としか申し上げようが無いのですけど、政権与党が変わった訳でもないのに海江田さんと全然違う話をするとかふざけるなと申し上げておきましょう。



2011/10/06

○昨日の東電報告書ネタの続きの雑ネタ

例によってこのPDFはアホほど重いので注意。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/siryou1.pdf

・ちゃんとしたレポートもだいぶ揃ったようで

昨日は本職の皆様のレポートがここぞとばかりに出てきましたが、まあそうだろうなあと思いますのは、結局の所この委員会は何かを決める委員会ではないので、今後は賠償機構と東電の間で色々と協議していくという話になる、ということなので現時点で決め打ちできませんわなという所でしょう。

ただ、昨日あたくしも読んでて思ったのですが、『関係者への協力要請と経営責任』のところで社債の話を全く触れないとか、まあ法的に無理筋な話だし、こんな所で金融市場の混乱を引き起こしてこのご時世の中いきなり日本市場がぶっちぎりで地雷を盛大に踏むようなアホウな事は最初からテーブルに乗せる気も無いというのは、極めて当たり前は当たり前なのですが、まあ穏当な線ではないかという印象を受けるのであります。

つーかね、元々の事故前における法的な建付けとか、社債の一般担保とかの前提を考えたら、こんなに債券市場的に大騒ぎになる必要は無かった筈なのですが、何せ枝野官房長官(当時)の無法発言(5月の債権放棄要請発言もそうだが、3月の原賠法の巨大災害免責条項に関しての検証を行う事とか全然しないでいきなり免責条項を無効化しちゃったのも無法な話でしょ)を機に「政治によって今までの金融取引の前提条件がひっくり返されるリスク」を織り込みに行き、まあその後は発送電分離だの値上げケシカランだの賠償はどんどん出そうとか言い出すとか、まあ更に同社の収益能力に関する見通しを悪化させる方向になってきましたね、という話になった訳ですよね、ここまでの動きって。

で、まあ先日の下河辺委員長の会見での発言を見たり、まあこの報告書の同社の資金繰りに関する部分とかのトーンを見ますと、まあ政治はポピュリズムスタンドプレーを実施していても、現場レベルではそのような無法プレイが出る訳でもないんだな、とは思わせてくれる内容ではございましたね、というような分析が多かったように思えますし、まあゼニに関する部分だけ浅ましく斜め読みしただけですけれども、その辺に関しては同意であったり致します。


・しかしこれは・・・・・・

報告書本文106ページ(ファイルの115ページ目)にこんな記述が。

『4.2.2.2 株式の引受け、資金の貸付け、社債等の取得及び債務保証』

『また、資金の貸付けに関しては、東電が締結している多くの金銭消費貸借契約において、担保差入(法律上当然に生じる一般担保を除く)が禁止されていることにも留意が必要である。』

この部分は今後の資金調達手段についての検討部分でして、今後の資金調達を行う際に、東電への追加融資に対して担保付でやったらどうよという作戦が難しいですよね、という点を指摘している部分であります。


さて、先週末に本件の主務大臣であらせられる所の枝野経済産業大臣様はこのように仰せになられたと報道がございました。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111002-OYT1T00520.htm

『枝野氏は「担保権は損害賠償請求の権利よりも優先されるというのが民法の基本ルール」と説明。その上で、「銀行が担保権を行使すれば東電の財産は持って行かれる。ほとんど損害賠償の資金は残らない」とした。』(上記読売オンライン記事より)


>銀行が担保権を行使すれば東電の財産は持って行かれる。ほとんど損害賠償の資金は残らない

と枝野様が仰せの一方で報告書では

>東電が締結している多くの金銭消費貸借契約において、担保差入(法律上当然に生じる一般担保を除く)が禁止されていることにも留意が必要である。

との事なのですが、東電問題って事業の問題もさることながら目先は資金繰りをどうするかってのが大きな問題だと思うのですけれども、主務大臣として重要な課題だと思われる問題に対するご認識としてどうなんですかとツッコミを入れざるを得ない状態ではございます。が、この無法人間が「東電の担保でデカイのは一般担保で社債と政策投資銀行の借入が対象」とか認識すると今度は社債に「協力」を依頼とか無法な上に金融市場破壊のテロ発言をしかねないからこれはこれで良いのかもしれませんね(違)。






2011/10/05

○東電関連

報告書どこにあるのかと思ったらこちらのページにリンクが。

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/gijisidai.html
東京電力に関する経営・財務調査委員会(第十回)
議事次第

内閣官房のサイトから「トップページ>政策課題>東京電力に関する経営・財務調査委員会」で辿れますにゃ。

で、そこのケツにリンクがありますが。

(資料1) 委員会報告
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/siryou1.pdf(PDFで230ページあるので注意)

(資料2) 委員会報告(概要版)
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/siryou2.pdf

でですな、報道ベースだと概要版の所を主に説明していると思うのですけれども、この報告におけるシミュレーションとかの前提となる話や、事業の先行きに関する部分とかを読むという話になったら、やはり委員会報告の本編を読まないと内容が把握できないと思われます。

で、報告書の本文が167ページあるという代物ですので、そらまあ本職の方のレポートも即日は出てこんわなと思った次第でございますが(^^)、まあ安直にも程があるあたくしは東電の資金繰りと今後の資本政策の所を斜め読みするだけ斜め読みしてみた。

・・・・・んでもって適当に引用してみますけれども、まあ本件は色々とアレでございますので、本職ではないあたくしがあまりああだこうだ言うのも何ですからちゃんと委員会報告しかも本文の方を穴が開くほど読めやと存じますので念のため。

本文99ページ(PDFの108ページ)に『3.5 資金繰り分析』というのがあるだよ。

『(2) 平成24 年3 月期における資金収支の概況

東電が提出した資料に基づいて算定した平成24 年3 月期の資金収支によれば、当該期末における現預金残高は、主に以下の要因により前期(平成23 年3 月期)末に対して1 兆3,019 億円減少し、8,325 億円となる見込みである。

@ 燃料費負担の増加(前年比増加見込額:9,778 億円)(説明部分引用割愛)
A 財務収支(資金調達から債務償還を差引いた純収支:△5,041 億円)(説明部分引用割愛)
B 1F 及び2F の安定化費用・冷温停止維持費用の発生(当期支払見込額(税込):2,439 億円)(説明部分引用割愛)』

ほほう。

『(3) 1F 事故後の資金調達環境

従前、東電は運転資金及び設備投資資金を社債発行、メガバンク3 行ならびに日本政策投資銀行を中心とした銀行借入により調達するとともに、月末定時払いに係る短期資金をコマーシャルペーパーにより調達する等、資金使途に応じて弾力的かつ低コストでの資金調達が可能であったが、平成23 年3 月期決算が1 兆円を超える赤字決算に至ったことに伴い、足元の資金調達環境は厳しい状況となっている。

東電の信用格下げに伴い、資金市場からの社債又はコマーシャルペーパーによる直接調達が困難であるなか、東電は平成23 年6 月に全取引金融機関に対し、平成23 年3 月末融資残高の維持(若しくはそれ以上の支援)を要請するなどした結果、短期借入金については平成23 年4 月から8 月までに返済期日を迎えた3,030 億円の全額について借換えが実現している。』

ほほう。

『一方、長期借入金については、設備投資資金の調達となるが、平成24 年3月期においては日本政策投資銀行からの緊急融資1,000 億円を除き長期借入の新規借入れ・借換えは実行されていない。』

ほうほう。

『なお、平成25 年から平成26 年3 月期においては、引き続き電力需要、燃料費負担、財務収支、1F 及び2F の安定化・冷温停止維持費用等の動向等に注視が必要な状況にある。』

そらまあそうですな。


でですな、その後の本文103ページ(PDFファイルでに112ページ)『4 今後10 年の数値ベースの事業計画及び資本政策の検討』というのがありまして、報道されているように原発再稼働するかどうかとか電力料金を引き上げるかどうかという条件の下での東電のB/S、P/Lおよび資金繰りについての3種類のシミュレーションがあるのですが、そもそもそのシミュレーションの大前提があるのに注意が必要かなと思いました。本文103ページにありますけどね。

『上記の前提条件のほかは、いずれのシミュレーションにおいても、他の要素による影響を排除するため、下記の前提で試算した。』

・特別負担金の支払は考慮しない
・社債発行や借入による新規資金調達は考慮しない
・借入金は、緊急融資を除く平成23 年3 月31 日以前に実施された借入金債務については10 年間残高維持がなされると仮定し、3 月11 日以降に実施された緊急融資合計額1 兆9,650 億円については約定通りの返済が実施される
・料金値上げ後の値下げについては考慮しない
・退職給付に係る制度変更については、2.4.4.4 に示す3 案のうち、暫定的に乙案により試算している。

という辺り微妙に留保条件があるのには注意したいですな、うんうん。結論は報道されていた通りでして、本文105ページ(PDFファイル114ページ)の最後にこのように。

『この結果、原子力発電所稼働ケースでは、@料金改定(値上げ)なし、A5%値上げ、B10%値上げ、のいずれのパターンにおいても、実態純資産調整項目考慮前の段階で資産超過が維持できると試算されたが、原子力発電所の稼動時期が遅れるとともに、徐々に純資産が減少するリスクが拡大する試算結果となった。』

『他方、資金面では原子力発電所稼働ケース、1 年後原子力発電所稼働ケースともに、料金値上げの状況に応じて約7,900 億円から約4 兆3,000 億円の不足資金が発生することから、資金調達策の検討が必要な状況となっている。さらに、原子力発電所非稼働ケースにおいては、上記の料金値上げのパターンに応じて、約4 兆2,000 億円から約8 兆6,000 億円の資金調達が必要との結果が出ており、著しい料金値上げを実施しない限り、当該前提で事業計画の策定を行うことは極めて困難な状況にあるものと思料される。』

だそうな。



でですね、本文109ページ(PDFで118ページ)に『5 関係者への協力要請と経営責任』というのがありますが、そこの章立てを見ると『5.1.1 金融機関に対する協力要請』『5.1.2 株主に対する協力要請』というのがありますが、社債の社の字も出てきませんな。まあ一般担保付いてるし公募して流通しているものなんですから当たり前っちゃあ当たり前ですが、そんな章があったらそれだけで縛り首ものだろと思いますので無いのは金融屋的に当然ではあるが大変に結構なお話。

『5.1.1 金融機関に対する協力要請』

『金融機関に対する協力要請としては、一般論として、債権放棄、債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)、金利減免、残高維持又はリスケジュール、追加貸付等の方法が考えられる。

3.3 に記載のとおり、平成23 年3 月末の実態連結純資産が1 兆2,922 億円と試算され、東電が資産超過の状態にあることからすると、金融機関に債権放棄又は債務の株式化を要請することは困難な状況にある。なお、東電が平成23 年6 月に全金融機関に対して送付した支援要請文書には、「貴社との取引において金利減免や債権放棄といった類の支援を、当社から要請することはないと申し添えます」との文言が記載されている。』

・・・・・・・東電がそういう話をしているのに大臣が・・・・いやもういいです。

『この点、東電では、4.2.3 に記載のとおり、金融機関に対して、緊急融資を除く3 月31 日以前に発生した借入金債務を対象に、10 年間という長期に亘る残高維持等を要請する予定とのことである。』

まあ要請するのは良いのですが、金融機関も株主や預金者がいる訳でして、その方々に対して違背するような行為は出来ませんので、その辺をちゃんと落とし前をつけてくれ無いと困ります罠。

『当該要請が金融機関に対する協力要請として十分な要請であるか否かについては、特別事業計画の策定の過程において、今後、支援機構において検討されるべきである。』

まあこの委員会は何を決めるという場所じゃないですから当然ですが、結局のところ特別事業計画の策定でどうなるという話になるんでしょうな。

『また、その際、上記実態連結純資産の試算は、支援機構が資金交付により損害賠償債務の支払原資を供給することが前提になっているため、このような前提を置いて実態連結純資産の試算を行うべきかどうかについては議論がありうるところであり、その結論を踏まえた検討も必要である』

ふーん(棒読み)。

次のページに『5.1.3 まとめ』って章があります。

『関係者に対する協力の要請が十分であるか否かについては、東電に対し必要となる資金援助の総額や、過小資本の解消の必要性等に基づいて、支援についての支援機構と関係者(金融機関、株主等)との負担のバランス等を踏まえた総合的な検討の上で、支援機構が判断すべき事項であると考えられる。』

ということで、結論は事業計画策定にある程度の形が出来るんでしょうな、とは一応思うのですけれども、グダグダと時間が掛かるのだけは勘弁して欲しいものです。




○相場と全然関係ないがこれは幾らなんでも酷い

http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20111003-OYT1T00722.htm
橋下氏の維新の会、大阪市職員の選別作業始める

『ある市幹部は「公務員は首長の政策を実現するための存在。平松市長が都構想に反対する以上、敵対的と映ろうが、市長選前からとやかく言われる筋合いはない」と反論。別の幹部も「知事は公務員のことを分かってない。頭ごなしに命令しても面従腹背の職員が増えるだけだ」と話した。』(上記URLより)

・・・・・・俺様は選挙で当選する筈だから今の首長の指示通りに仕事をする公務員は俺様が当選したら左遷だって国民社会主義ドイツ労働者党だってそんな事してなかったぞと思うのですが、どうしてこんな事になるんだか。これってどんな「指導者原理」だと思うのですけど相変わらずメディア受けが良い(らしい)のが訳判らん。

今の政権がやばそうだから首長の指示に従わない公務員がいたらそっちの方がよっぽど問題だろ常識的に考えてと思うのですが、この人たちはどういう脳味噌の構造をしているのかサパーリ理解致しかねますな。

つーかさ、選挙結果の度に政権与党が公務員人事を壟断して色々と問題が起きた結果、政党政治への不満が高まって・・・・・って展開って昔の日本でもあったような気がするんですがねえ。大阪ってどうなっちゃうんでしょうと思うのですが、

まあしかし何ですな、どこかの元官房長官現経済産業大臣といい、法曹出身でポピュリストプレイをするのが好きな政治家って何で法の枠を平気で乗り越えようとするんでしょうかねえ。「法の支配」をベースに仕事をしてた筈なのにねえ。







2011/10/04

○委員長は一応普通の話をしているみたいですが

昨日のQUICKで報道されてたみたいですが。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381949EE2E1E2969A8DE2E1E3E2E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
東電の債権放棄「第三者委は政治論を展開しない」 下河辺委員長
2011/10/3 18:13

以下上記URLの記事から。あまりにも素敵なので全部引用してどうもすいません。

『東京電力(9501)に関する経営・財務調査委員会の下河辺和彦委員長は3日夕、野田佳彦首相に報告書を提出後記者会見し、金融機関に対する債権放棄を求めなかった点を「東電が形のうえで債務超過になっていないと認識せざるを得なかった現状において、委員会は政治論を展開する役割ではないので、債権放棄を強く求めるべきだ、というようなことは到底書ける話ではない」と説明した。』

ほほう。

『そのうえで「政府などが『道義的責任を果たせ』などと言ってみても、言われた金融機関にも株主がいる。法律的に最低限の理屈が通らない話は、銀行の経営としてはにわかに応じることはできない」とも語った。』

道義的責任云々の部分に関しては全くもってその通りでございます。道義的責任とかアホか馬鹿かという話を思いっきりしておられる所は大変に素晴らしいと思うのですけれども、何気にここで下河辺さんは「今の政治主導は『法律的に最低限の理屈が通らない話』を押し付けている」という事を仰せになっておられる訳でして実にこう楽しい事でもございます。

『報告書は東電が資産超過の状態にあるため、債権放棄を求めるのは困難との見解を示している。金融機関に甘い姿勢との批判に下河辺委員長は「委員長の立場で(金融機関などに対する姿勢が)甘いとかきついとか厳しいとかいうことをお答えする限りではない」とかわした。〔日経QUICKニュース〕』

どうせ会見で「金融機関に甘い」とか「何で債権放棄を要求しないんだ」とかいうような無理筋質問(いや別にまあ破綻処理したけりゃしてもそれ単体では筋は通りますが、それで国全体としての損失最小化(事故は事故なのだからどう頑張っても損失は出るがな)に繋がるかを考えれば破綻処理は無理筋でしょと思うのだが)がバンバン出たので途中でいい感じでぶち切れたか何かじゃネーノと思うのですけれども(^^)、委員長はまあ普通の発言してるじゃないのとは思うのでございました。

まあ今回の報告書ですが、ああでもないこうでもないと報道は出ますが、どうせ報道ベースだけ見ているとセンセーショナルな部分だけクローズアップされてしまうので、あまりヘッドラインに一々反応しないのが吉かと思います。まあ暇なら報告書熟読すべきなのですが期初月初進行で中々アレでございますので本職の方の分析が出たら読むという事で(手抜き)。

ただまあ電気料金の問題に関しては他の電力会社の価格設定にも影響が及ぶ話になりそうだなあと思うのと、報道ベースだけ見ているとこの「値上げ」の話が燃料費の調整の値上げの話と、災害復旧や事故賠償に伴う値上げの話との区別が判りにくい所がまたアレでございまして、燃料費の調整による値上げの部分まで手を入れられそう(野田首相とかが「料金体系の見直し」って言ってるし)なのと、そもそも燃料費調整の値上げすら今後しんどくなるのじゃないかと懸念する所ではございます。






2011/10/03

○ということで今日は東電報告書(と短観)

短観は正直どうでも良い、という訳ではないですが、日本の金融政策がどうのこうのと言われましても足元ではFRB次第で、そのFRBって結局欧州の債務危機問題次第で、その欧州債務危機問題は政治というどう転ぶかわからん状態ということで、まあ短観自体は事前予想から大きくぶれない限りはそんなにネタにならなさそうな悪寒。

東電に関してはもう事前ダダ漏れに関しては呆れ果てて何も申し上げられませんので、そちらは兎も角として。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111003/k10015991451000.html
東電調査委“徹底した合理化を”10月3日 4時41分

『東京電力の経営や財務状況を調査する国の委員会は、3日、厳しい資金繰りに対応するため東京電力に一層の合理化を求めるとともに、電気料金の値上げを検討するには、高コスト体質の原因となっている現在の料金制度を見直すべきだとする報告書を政府に提出します。』

『この委員会は、福島第一原子力発電所の事故に伴う損害賠償を進めるため、東京電力の経営状況を詳しく調べてきたもので、3日、その結果をまとめた報告書を野田総理大臣に提出します。この中では、厳しい資金繰りが続くことが見込まれる東京電力に対して、総額7000億円の資産の売却をはじめとする、徹底した合理化を求めます。一方で、厳しい資金繰りが続き、経営を維持するために来年度以降、電気料金の値上げが検討される場合には、東京電力の高コスト体質を抜本的に改め、その温床となってきた料金制度の仕組みや運用を見直す必要性を打ち出します。』(上記URLより)

・・・・・・・・まあ合理化努力という話は中々ツッコミのしにくい所なのですが、しらっと電力料金制度の仕組みや運用の見直しという話が出てくるのって東電だけではなく他の電力会社にも影響がありそうな話で、実際にどういう書きっぷりになるのかは存じませんが、電力料金がどうのこうのという話になってきますと何だかねという感じです。それこそ具体的に増税の話が出ると反対が急に増えるという世論とやらを相手にする事を考えた場合に、大向こう受けを狙うとなった場合には「電力料金」の部分が禁句になるんだろうなあとゆーことで、実際問題として脱原発に伴うコスト増の所まで突っ込まれる事にはならないと思うのですけれども、何せ現政権与党様の場合は「目先の受けを取るためには中長期的な問題など知った事か」スイッチが直ぐに入るのが仕様なのがテラオソロシスではございます。

んでもって枝野様は今さらこのように仰せで。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111002-OYT1T00520.htm
東電、生かしながらやるしかない…枝野経産相

『枝野経済産業相は2日、国の「原子力損害賠償支援機構」が東京電力の賠償金支払いを支援することについて、「(担保権を持っている)銀行より優先して被害者に賠償金を払わせるには、東電を破綻処理するのではなく、生かしながらやるしかない」と述べ、国民負担の最小化には機構による支援が必要との考えを強調した。』(上記URLより、以下同様)

・・・・・・・・えーっと、その話って最初からそういう事でスキーム作りをしていた筈なのにそのスキームを発表する時にあんさんが「債権放棄しろや」的な発言をして前提ひっくり返す話をしたから大変な事になったんですけど。

『枝野氏は「担保権は損害賠償請求の権利よりも優先されるというのが民法の基本ルール」と説明。その上で、「銀行が担保権を行使すれば東電の財産は持って行かれる。ほとんど損害賠償の資金は残らない」とした。』

・・・・・・・・相変わらず「銀行は悪」というアンチビジネスな発想をされているようで誠に恐縮でございますが、担保権の多くを行使するのは悪の巣窟の銀行ちゃんじゃなくて、東電社債を購入している年金などの機関投資家とか、同じく一般担保の付く政策投資銀行さんだったりするのですけれども(銀行がどういう条件で融資しているのか詳しくは存じませんが、東京電力様相手に「物上担保寄越せやゴルァ」などという不遜な事は中々言えないと思うのですが)、これではまるで「銀行が悪い」と言わんばかりの発言に見えますが、報道に際して読売フィルターが入ってまして実際にどう言ったのか判らないですからまあ悪態はスルー(銀行が正当な担保権を行使しないと、預金者の皆様の資金が毀損する事になるんですけどそれでも良いのですかねえ)である。

結局ちゃんと法に則って粛々と処理するのであれば(というかそうじゃないと困るのですが)、変な無法発言をしてその度に金融市場や株式市場に動揺を与えるような事をしないで頂きたいですわな。ガス抜きのつもりなのかもしれないですけれども金融屋からすると危険な火遊びにしか思えません。

#ユーロ圏諸国の金融市場も欧州諸国の火遊びで火がボーボーですけど





2011/09/30

○もうやだこの調査委員会(悪態は続くよどこまでも)

昨日は朝の公共放送ニュースに反応していたあたくしだがその後も反応するのである。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110928-OYT1T01422.htm
東電支援へ金利減免や返済猶予…第三者委最終案(2011年9月29日03時04分 読売新聞)

『国の資金支援の前提となる取引金融機関の協力については、「東電の資金繰り状況によっては、さらに一層の協力を求める可能性がある」と明記した。具体的な手法として、「一般論としては金利の減免や返済猶予などがある」ことも掲げた。』

『報告書の原案で、金融機関に対して、融資残高を10年間維持することを求めるとしていた点は、そのまま了承された。』(上記URLより)

・・・・・・・・いやまあね、こういう報道って断片を少しずつ出してくるから出来上がった報道内容見ると支離滅裂な話をしているように見えるという場合が多々あって(だからこそ報道する方はもっと頭使えよおまいら頭いいんだろとか思うのだが)、実際はどういう話をしているのか知らんですけど、これだけ見たら「もしかしたら借りた金をちゃんと返せないかもしれないけれども10年間は借り換えに協力して下さいね」というどこの調所笑左衛門だよという話にしか読めないのでありまして、この委員会の人たちは何考えてるんですかという所ですな。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110929/biz11092901170001-n1.htm
東京電力の公的管理促す 経営責任も明記 第三者委員会最終報告書案(2011.9.29 01:15)

『産経新聞が入手した報告書案は、4兆円規模とみられる損害賠償の支払いについて、東電が機構からの公的援助を前提にしている点を指摘。同社の純資産が約1兆円であることから実質的な債務超過に陥るとして、資本増強が避けられないと判断した。』(上記URLより)

>産経新聞が入手した報告書案は
>産経新聞が入手した報告書案は
>産経新聞が入手した報告書案は

・・・・・・・・あのーすいません、プレスにリリースされているものだったら別に良いと思うのですけれども、そうじゃないものを勝手に入手して勝手に報道するというのは上場企業に対する重要事実の取得云々とかという問題になるんじゃないでしょうかねえ、そらまあこれが重要事実なのかどうかという解釈問題はあるけど現実にこの手の報道が出るたびに株価がジャカジャカ動いているんだし。

ちなみに、金融商品取引業者が上場企業の未公表の重要事実を入手した場合って、当該情報を極めて厳格に管理して内部者取引のような法令違反事案が発生しないように留意しないと大変な話になるというレベルの問題なんですけど、この第三者委員会ってのは何なんですかコンプライアンスとかどうなってるんですかとゆー所であります。

でまあ一事が万事と申しますか、本来既存の法令から考えた場合に普通に採られるべき債務の扱いとかに関して、こーゆー訳の分からん事案がホイホイと出てくると、大体からしてまあ世間的に嫌われ者であります所の金融屋としては、訳の分からない国民感情だの政治判断だので元々の金融契約を後付でひっくり返されるんじゃネーノとかゆー話になってくる訳でして・・・・・・って結局枝野官房長官発言の時と同じ悪態ついてるじゃネーノと存じます次第で、どうしてこうなったと残念な思いでございます。

ですからさっきもありましたけど。

『東電は金融機関からすでに総額約4兆円を借り入れており、一部融資残高の10年間維持も打診している。公的管理で東電の信用力が高まれば、金融機関から債務の借り換えがしやすくなったり、追加融資が得やすくなったりする、との思惑が働いた格好だ。』(上記URLから)

いやあの後付で急に債権の優先劣後関係ひっくり返すような事を平気で言い出すような人たちが仕切る「公的管理」とかされても信用力高まりませんから。そらまあ東電の態度もどうかと思うというのは判るけど、その感情的な問題と契約を履行する話ってのは別次元の話でしょ。

まあ最終的には(既存の法律や契約を履行するという意味での)まともな結論に落ち着いてくれるとは思います(つーか落ち着かなかったら日本では契約とかの概念が通用しない国って扱いになるわ)し、その際には長い目で見た全体の損失が最小化されるような施策に落ち着くとは思うのですけど、そこまで行く紆余曲折が多過ぎで勘弁して頂きたいですわまったくもうという感じでございます。






2011/09/29

○この人たちには情報管理という概念はないのでしょうか(東電関連悪態)

昨日は昨日で調査委員会様からはこんなニュースがありましたな。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110928-OYT1T00086.htm
東電7400人削減…第三者委報告書原案(2011年9月28日03時04分 読売新聞)

『2014年3月末までにグループの社員約5万3000人の約14%にあたる7400人を削減する。取引金融機関が融資した資金については東電の財務状況によっては、一部が返済できない可能性があると指摘している。』(上記URLより)

・・・・・・・まあ人員削減の方は兎も角として、融資の返済がどうのこうのという話ってクレジットイベントに関わる問題だから安易に言及されると非常に宜しくないのでございますけどこの委員会って金融市場とか株式市場とかに対してどういう理解をしているのか全くもって意味が分からんですな。

で、昨日「これってサイダー問題じゃねえの」と悪態をついたのが聞こえたのか(んなこたあ無い^^)どうか知りませんが、委員長様がこのようなご発言を。

http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381949EE0EAE2939C8DE0EAE2EBE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
東電調査委委員長、報告書「来週の早い時期に公表」
2011/9/28 16:36

『下河辺氏は会合後、記者団に対し、「まとまったが、言葉では言わないということになっている」と述べたうえで報告書について「来週の早い時期に提出して公表する」と語った。』(上記URLより)


しかしその舌の根も乾かぬうちに今朝の公共放送ニュースはこのような報道を。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110929/k10015918551000.html
“東電 年度内値上げ必要なし”9月29日 4時27分

『東京電力の経営や財務状況を調査する国の委員会は、来月、野田総理大臣に提出する報告書の中で、事実上、年度内の電気料金の値上げは必要ないと指摘する内容を盛り込む方向で調整していることが明らかになりました。』(上記URLより、以下同様)

ほほう。

『(途中割愛)関係者によりますと、報告書には、東京電力が今年度末までに支払う賠償金の総額をおよそ3兆6000億円と見積もったうえで、事故の収束が1年遅れるごとに8000億円余りが加算される想定だということです。一方、報告書をまとめる議論では東京電力の電気料金の値上げの必要性が焦点になり、議論の前提として、新潟県にある原子力発電所が、定期検査の終了後に再稼働するか、しないかなど、9つの場合を想定した試算、試みの計算を行いました。』

>関係者によりますと
>関係者によりますと
>関係者によりますと
>関係者によりますと
>関係者によりますと
>関係者によりますと

『その結果、東京電力にとって最も厳しい経営を強いられることになる原発の再稼働がない場合は、電気料金を値上げしなければ、来年度末、平成24年度末には債務超過に陥ると試算されました。しかし、関係者によりますと、今年度は、原発が再稼働するかどうかに関わらず電気料金は値上げしなくても東京電力は債務超過にはならず、経営が行き詰まることはないことを報告書で指摘する見通しだということです。』

>関係者によりますと
>関係者によりますと
>関係者によりますと
>関係者によりますと
>関係者によりますと
>関係者によりますと

・・・・・・・・・おいこらこの「関係者」出てこいとしか申し上げようがございませんが、こんな情報管理体制で証券市場で上場が維持されている企業の査定委員会とかふざけるなてめえ関係者サイダーやり放題じゃねえか冗談じゃねえぞ全員牢屋送りだろ常識的に考えてとしか思えませんがねえ。

金融政策に関する話がホイホイと事前に報道されるのも激しく如何なものかと思うのですが、これは昨日も申し上げたように事が上場している個別企業の問題でありまして、あからさまにサイダー問題じゃないかと思うので、東京証券取引所および証券取引等監視委員会に置かれましては適切な処置を行われることを激しく希望して止まないものでございます。



○その他どうでもいい雑談(ここまでもどうでもいい雑談とか言わないでちょ^^)

・東電といえばみんなの党(ナンジャソラ)

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=au_nTyJSIh9Q
みんなの党・渡辺代表:東電は「ゾンビ企業」になる前に破綻処理を

・・・・・・いやあ渡辺先生におかれましては自分の政党の現状を非常に正しく認識しておられると思ったら東電でしたかこれは失礼いたしました。

で、破綻処理をすると賠償原資が何故か大量に捻出できるそうですが、そらまあ法律的に同順位の債権の片方だけ削減するという無法措置取れば原資は出てくると思いますけど、法的破綻処理というのは法の下で実施しないと法的破綻処理になり得ませんので、どこからどう見ても無理筋とか計算以前の問題(元々の計算も変だと思うが)の話をしているのが立法府の人間としてのハイブロー振りを示しておられますなあと思うのでありました。

みんなの党ネタではwhat_a_dudeさん(毎度勝手にネタにしまして恐縮です)の最新エントリーのツッコミが面白かったので勝手にURLを置いときますね。

http://d.hatena.ne.jp/what_a_dude/20110927
2011-09-27
法律の書ける経済学者様がブレーンの某政党の人々の発言は流石に趣があるなー(棒)と言う感じのリスト






2011/09/28

○何気に電力関連雑感

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aMCjlpvCqWXk
東電株が3カ月ぶり安値、公的管理下に置く意向との報道

『午前終値は6.2%安の243円で、東証1部下落率5位・原子力損害賠償支援機構の杉山武彦理事長が26日の会見で、廃炉費用などが巨額になった場合、東電に出資する意向を示した、と27日付の読売新聞朝刊が報じた・また、政府の調査委が賠償総額を4兆円台と試算していると、27日付の東京新聞朝刊が報道』(上記URLより)

ここの所連日のように政府の調査委員会に関する調査結果の事前リークみたいな記事が出て、それも月曜は「電力料金10%上げても資金不足」だの、昨日は上記URLにあるように「公的管理」だの「賠償総額がなんぼになる」だのという極めてクリティカルというか何というかな問題でもありまして、そらまあ記事が出る側から株価がアレになってしまいますので誠に遺憾の極みでございまする。

社債ちゃんに関してはまあよーしらんですけれども、逆に公的管理してくれるのであればまたぞろクレジットイベントになるのかならないのかでややこしいことになりそうですけれども、キャッシュボンドとしては一般担保条項がお助けになるような気もしますし、まあよーワカランチ会長。と申しますか、そもそも国内の普通の社債って投資家の所に多くが嵌っていて、この手のフワフワしたニュース報道状態でホイホイ売ったり買ったりできるような人はとっくの昔に売るなり買うなりしているでしょうから、半期末直前という事もあって特に動意のしようも無しとゆーことですか、よー知らんけどな(外モノとかCDSとかの話は敢えてスルー)。

まあ枝野さんが主管大臣になってしまったのでこういう感じになりますわなあと諦め感が漂う(しかしここまで酷いとは正直思わなかった、海江田さんカムバックプリーズ)のですけれども、とにかくひたすら東電悪いという事で、原子力政策って政府がやってた話じゃないんですかというようなツッコミをするタイミングを与えない見事なポピュリストプレイを継続的に打ち込むのを怠らない枝野大臣はある意味さすがだと思いますが、その度に株価が下がるので大概に勘弁していただきたいと存じます。

つーかイジメも度が過ぎると自棄を起こして刃物持って暴れたりすると思う次第でありまして、金貸しの手先をやってた時にも「債務者が開き直ってしまうとどうしようも無いので、ヤケクソになるかどうかは注意しますようね(はあと)」という心得があったような気がするのですが、どうも弁護士ってのはそういう手加減というのを知らんのかいなとか思うのですけどにゃあ、と話が逸れましたすいませんすいません。

で、更に話は逸れるのですけれども、政府の資産調査委員会の結論っていうのは東京電力の株価に重要な影響を与える事だと思うのですが、こういう話が事前にホイホイとリーク報道されている件ってどうなのよと思うのですけどねえ。ちなみにどうでも良いですが金融政策に関するもんだと所謂サイダー関連とは関係ないのでございますけど、今回の場合ってモロに特定の上場している銘柄に関連する話だと思う次第で、報道する方も報道する方だが、ホイホイと情報漏れをするというのはどういう管理をやっているんだかと思うのですけどねえ。


そういや中部電力株も浜岡原発の停止決議がどうのこうのというのがありまして、昨日テレビ見てたら牧之原市の市長が「100%安全じゃないと永久停止じゃ」と仰せになっているのを拝見して、それならお前さんの所の市には工場も置けませんし、農薬使う農業も出来ませんし、そもそも交通事故で年間にたくさんの人が死傷しているのですから車もつかえませんなあとか思いましたが、まあそこの記事を拝見していると背景に大人の事情もあるみたいですし、お気持ちが分からん訳でもありませんなあと思ったのですけど・・・・・・
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/surprise/20110927-OYT8T00387.htm
【浜岡】永久停止決議、牧之原市議会に市長も同調


その後に出た川勝知事の発言に盛大に噴いたんですよね。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20110927-OYT8T01316.htm
「永久停止で思考停止なら知的鎖国」

『「永久停止宣言で思考停止になったら知的な鎖国。そうならないように、科学的に評価し、県民の意見も踏まえて判断する」と述べた。』(上記URLより)


・・・・・えーっとあんさんこの前こんな事言ってましたよね。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/surprise/20110712-OYT8T00715.htm
【浜岡】静岡知事「120%大丈夫なら」

『運転再開の条件としては、「120%大丈夫となった時に、それを拒否する理由はない」と述べた。』

『120%安全の意味に関連し、川勝知事は「私が中部電力の立場から見て、安心して原発を動かせる論理が立てられなければ、反論ができないくらい十分な立論が運転再開についてなされなければ、運転再開はできない」と、学者出身らしく表現し、安全性について一切の疑問が生じない対策が必要だとした。』(上記URLより)

・・・・・・・まあ何ですな、読売新聞って報道のトーンが反原発じゃない方なので、ここの「学者出身らしく」というのは何かの嫌味で入れたのでしょうなあというのは判りますが、そもそもあんさんが120%大丈夫とかそもそも100%だって有り得ないのに120%とか訳わからん事言って「思考停止で知的鎖国」を煽っているという認識が無いとかオソロシスとしか申し上げようがございませんな。

#いかん、ただの悪態になってしまった





2011/09/14

○まったく反省していない・・・・・・・

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110913-OYT1T00501.htm
東電債権者の負担「当然」…枝野経産相

『枝野経済産業相は13日の閣議後の記者会見で、東京電力による福島第一原子力発電所の損害賠償を政府が支援する枠組みについて、「税金の支援がない場合に生じたはずの負担を(金融機関などの)債権者に当然負ってもらう」と述べた。』

『東電は政府の支援を受け法的整理を回避しながら賠償を進めるが、東電の特別事業計画には、金融機関による債権の一部放棄や返済猶予などが含まれるべきだとの考えを示したものだ。』

『枝野氏は官房長官時代の今年5月にも金融機関による債権放棄が必要だとの考えを表明したが、東電の特別事業計画を認可する経産相としての発言は、今後の計画立案にも大きな影響を与える可能性がある。』(2011年9月13日12時56分 読売新聞)

ということで、おもわず全部引用してしまいまして読売新聞さんすいませんすいませんという所ですが、相変わらず何の反省も無い枝野大臣なのであったというのが判明して誠に遺憾の極み。

事後法で優先劣後の順番をひっくり返す話とかのアホラシさに関しては既にこのアホウが官房長官時代に行なった無法発言に関してああだこうだと悪態を申し上げた通りでございまして、まあ何と申しますか全く経済というか金融というかを理解しておらず、あれだけ散々市場を引っ掻き回した件に関してもどうもこの人的には悪いのは東電だと思っているんでしょうなあマッタクモウ。

優先劣後の件をさておきましても、まあそら国家権力は最終兵器みたいなもんでございますから東電の特別事業計画認可しないで賠償機構を作らないというようなワケワカラン大技を繰り出すと脅せば枝野大臣ご所望の展開になるかもしれませんけれども、当然ながらそんな事をやったら債権放棄させられた東京電力向けも当然の事ながら、一発事故が起きたら大変な事になる原子力発電所のオペレーター(原発は停止している時だって事故が起きるリスクあるわけですし・・・・・)、即ち沖縄電力以外の全ての電力会社に対する融資も引き上げないと危なくてやってられませんがな、という話に普通になっちゃいますし、そうなった場合に日本の産業および国民生活の基盤を担う電力会社の資金繰りとかはどうなるの、というような事に対する想像力に致命的な欠陥があるとしか思えない枝野経済産業大臣なのでありました。

まあ何と申しますか、この超目先の事にしか想像できず、先行きの損得に関する件を全く考えていないというこの枝野経済産業大臣ってえのは、「朝三暮四」の故事成語に登場する狙公の飼ってるエテ公にも劣る(エテ公はトータルの数字が一緒で朝三なのか朝四なのかで文句言ったわけですからねえ・・・・・)ようでございまして、猿にも劣るような目先の利益に飛びつく存在ということですから欲豚なんでしょうなきっと。

確かウォール街の相場格言とかいうのだったと思いますが、「ブル(=強気)は時々儲ける。ベア(=弱気)も時々儲ける。しかしホッグ(=欲張り)は決して儲けない。」ってのがあったと思いますが、目先の賠償金負担を減らすために無理筋の話を持ってきて、その結果将来に大きなコストを払わせる事になるというのに全く気がつかない(その上以前その発言をして大混乱を起こしたことへの反省も無く同じ発言を繰り返しているから救いようが無い・・・・・)この欲豚さんはどうにかならんのですかねえ・・・・・・

まあ、目先「金のあるところから無理矢理御用金を召し上げる」ということだけ考えて、叩くと世間的に受けそうな金融機関を無法措置で痛めつければ良いというようなアンチビジネス的な発想を持つ人間を経済産業大臣という重要な経済閣僚ポストに就けるとか野田首相のセンスがそもそも全く意味不明で、民主党っつーのはまともなのは居ないのかと頭がクラクラするんですけどね。





2011/08/04

・原子力賠償機構法案成立

いやあ長かったですなあ。色々と関連で香ばしい言説も見られるのですが、そのツッコミは供する積りだったのですが時間の都合でパスと言うことで(^^)。





2011/08/03

・何でもかんでも賠償させようとかするんじゃねえよ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110802-00000343-yom-soci
安愚楽牧場、賠償の可能性ある…細野原発相
読売新聞 8月2日(火)11時39分配信

・・・・・あのさあ、こういうのって経営が震災以前から悪化してたとか、震災以前から既にチャリンコ状態になっていたとかいうケースの可能性だってある訳で、そういうのをちゃんと精査する為にナントカ委員会とか作っているのに、前後の事情を正確に把握しているわけでも無い大臣がこういう事をしゃしゃり出て言うとかふざけるなと。

便乗して偽装倒産とかが続出したらどうする気なのかとか考える頭が全く無く、どうせ「賠償」とか言ってれば打ち出の小槌の如く金が出てくるから人気取りにどんどん賠償とやらをしようってえ事くらいしか頭の中にないと思われますが、本来関係ないものにまで賠償が出てしまうと、それは最終的には税金として国民負担になるのか、東京電力の費用拡大要因となって東京電力の利用者の電力料金に跳ねるかは兎も角、結局一般ピープルに大盤振る舞いのツケが回ってくるのですから、本来救済すべき人たちには迅速かつ十分な救済が必要ですが、そうでは無いものに関して大ザルの大盤振る舞いとかされましてもツケ回される方が困るんですけどねえ。

そらまああんさんの選挙区は東電管轄じゃないから(東電が払うなら)選挙民の皆様にも関係ないかもしれませんけど、全く持ってそういう後先のこと考えずに軽々しく発言するとか勘弁して頂きたい訳でございまして、おまえは夜の裏道にでもすっこんで三流芸能人と路チューでもしてりゃ良いんで表に出てくんなと申し上げたい所ではございます。





2011/07/29

・東電関連法案衆議院通過ですな

毎日新聞ニュースから
http://mainichi.jp/select/today/news/20110729k0000m010046000c.html
衆院本会議:原子力損害賠償支援機構法案など可決
2011年7月28日 19時58分 更新:7月28日 20時7分

でまあそれはそれでやっと形になってきましたね良かったですね何とか太郎みたいな後先考えない馬鹿過激原理主義者が排除できて良かったですねという感じなのですが、この法案に関してはまあ運用段階でまた色々と外野が騒ぐ可能性はあるんだろうなあというのは、原発問題に関連して見事に真逆の主張をしている産経新聞と東京新聞の本件に関する社説を見ると想像がつくというものでありまする(−−;


東京新聞27日社説
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011072702000046.html
【社説】東電賠償案 株主責任はどうする

『新設する賠償機構に国が交付国債を発行して東電が必要に応じて現金化し、後で長期返済する仕組みだったが、修正案は加えて「機構に国が資金を交付できる」と改めた。つまり税金である。これで東電は今後、どんなに資金難に陥ったとしても、交付国債の現金化だけでなく税金の直接投入で生き延びることが可能になった。絶対安心の生命維持装置を確保したも同然だ。自民党内には「今回の措置は一時的なもので、将来は東電を破綻処理できる二段階方式」と評価する声もある。法律の施行状況を後で検討する付則が盛り込まれたためだが、こちらも形だけにすぎない。』(上記URLより)

しらっと河野某議員の解釈が大甘ですよダメですなあとか言っているのがチャーミングではございますが、法案に対してこんな感じで批判的解釈ですわな。

一方産経新聞29日社説ですが
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110729/plc11072903080002-n1.htm
【主張】原子力賠償法案 「国の責任」はっきり示せ

『法案の解釈があいまいになり、かえって被害者の救済に支障が出ることも懸念される。修正案に東電が債務超過に陥る事態を想定した文言はないが、付則で「法律の施行後早期に、国や東電、株主などで負担のあり方を検討し、必要な措置を講じる」としており、東電を法的整理する可能性を残したとも受け取れる。参院での審議ではこうした不透明な部分を含め、理解しやすい中身にする努力を重ねるべきだ。』(上記URLより)

ということで、思いっきり真逆の解釈から批判的な解釈をしているのでありますが、まあ法案通すためにはこうでもしないととゆー所ではあるのでしょうけれども、新聞各社の中で電力関連の最近のトピックスに関して物の見事に両極端の主張をしている東京新聞と産経新聞がどちらも自分達の主張に基づいて本法案に対して批判的な主張を繰り広げているという中々お洒落な光景でございましたのでクリップしておきます(^^)。


ちなみに雑談なのだが、さっきの東京新聞の社説なんですけどね。

『こんな法案になったのは、既得権益を守りたい霞が関と東電、関係金融機関が菅直人政権の足元を見透かしていたためだ。市場経済の根幹を踏みにじるような妥協でお茶を濁した自民党と公明党の責任も重い。』(上記東京新聞社説より)

いやあのそうは仰せですが、元々国策で実施していた原子力行政ですし、そもそも電力事業自体が所謂レッセフェールの反対みたいな建付けを前提にしていまして、その電力事業に対して融資したり社債購入したりという人たちは、その建付けを前提にしていたのですから、いきなり「市場経済」とか言われても困りますし、電気事業法における一般担保の規定を捕まえて既得権益といわんばかりの主張をされましても頭おかしいんちゃいますかという感じでございますがねえというツッコミだけはしておくわwwww





2011/07/12

・どうも計算が出来ない人が居るようで

正直どうでも良いのだが例の人のブログを見たら東電に関してこんな足し算をしているようで。

http://www.taro.org/2011/07/post-1041.php(直リン自主規制中^^)
東電救済で国民負担10兆円をおしつけるな
2011年07月01日 14:39

『政府案だと、東電の株主は保護されてしまう。他方、破綻処理をすれば株主資本は100%減資され、再生した東京電力が売却されれば、その分は国民負担から差し引かれる。事故前日の東電の時価総額は3兆4599億円なので、ここで政府案と比べ、3兆円以上の国民負担減になる。』(上記URLより)

・・・・・・・えーっとすいません、確か先生は東電の地域独占はケシカランので更に電力自由化しろとか、東電の内部留保はドンドン出せとか仰せだと思うのですけれども、先生の主張されているような電力政策のあり方が実行された暁には新生東京電力の企業価値はどこからどう考えても「事故前日の数値」になるとは到底思えないのですけれども、何がどうなると再上場時に「地域独占して高い電力料金をふんだくって内部留保を溜め込んだケシカラン状態」になるのか愚昧なるあたくしには1ミリも理解致しかねますが。

まあこの先生の場合、計算が出来ないのも困るのですが、こういうのはもっと困りますがな。

http://www.taro.org/2011/07/post-1045.php(直リン自主規制中^^)
「東電は後から破綻処理させます」
2011年07月07日 13:26

『当初は、財務省プランでスタートするが、折を見て、東電を破綻処理させますという経産省プランを持って、経産官僚が議員会館を回り始めた。』(上記URLより)

・・・・・・・いやね、先生が政治家として東電をとっとと破綻処理しろとか言うのはああそうですねって感じですけれども、こういうソースがあるんだか無いんだか判らない問題に関して、上場企業の破綻処理がどうのこうのというようなネタを書くのっていわゆる一つの風雪のルル(仮称)って奴じゃないのとか思うのでございますけれどもねえ。神奈川15区は責任とって頂きたいもんだと存じます次第ではありますな。つーかまあ政治の胸先三寸でどうなるか判らんという状態の企業をそのまま上場維持させてる東証も東証だと思いますが。

ま、この前のブログ記事は市場が反応しましたが、今回華麗にスルーになっているのは前回の話では「自民党の影の内閣が一般担保の建付けを破壊しようとしました」という趣旨の話をしてたのに対して、今回の話は如何にもアレな書きっぷりだったからというのが要因でしょうなあと苦笑を禁じ得ない物でございます、つーか前回の「一般担保の建付け破壊問題」に関してもアレってこの先生の脳内お花畑勝手解釈によるフカシだったんじゃネーノという疑問が思いっきりあるんすが(本当だったら影の内閣が完全無視されている事になるんですからそれはそれでおかしい話)。






2011/06/22

・これはまた見苦しい言い訳

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aKoBX5nXtBF8
東証社長「東電の処理について発言していない」、午前延長は11月(1)

『6月21日(ブルームバーグ):東京証券取引所の斉藤惇社長は21日の定例記者会見で、同社長が東京電力の法的整理が望ましいと発言したと今月上旬に一部報道で伝えられたことに関し、「東電の処理について発言したわけではない」と述べた。』

とりあえず今すぐ三途の川で行水しろという感じですが、これから原発停止して電力需要がどうのこうのとか言ってるのにまだ午前延長とか言ってるのかよという感じでありまして困ったもんよ。ピーク電力削減に協力の意味で言えば後場の取引無しにして前場12時までで終了してそれじゃ足りないなら4時過ぎから締め後取引でもすりゃエエジャンとか思うのですけどにゃあ。





2011/06/21

○東電格下げですかそうですか

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aC0Y7d3zn09E
ムーディーズ:東電を4段階引き下げ「B1」に−支援案不透明(1)

『6月20日(ブルームバーグ):米格付け会社のムーディーズ・ジャパンは20日、東京電力の長期発行体格付けを「Baa3」から投機的水準である「B1」へと4段階引き下げたと発表した。引き続き、格下げ方向での見直しを継続する。

 同日会見したムーディーズの岡本賢治ヴァイス・プレジデントは、東電の支援に向けた原子力損害賠償支援機構法の国会での成立見通しについて現在の政治状況から判断すると「不透明でリスクが高まっている」と説明。また「福島第一原発の状況が安定化していないこともコスト増の懸念を招いている」と付け加えた。』(上記URLより)

で、シニア担保付債権はBa2と相成りましたが、国会会期末で会期延長がどうのこうのというタイミングで下げてくるとか中々お洒落でありますが、それはそれとして原発の事故処理問題も順調には程遠い状況ですし、まあ事故処理でも金が湯水の如く出るんでしょうからねえ。情け容赦ねえなあとは思いますが、リリース(はMoody'sのサイトに行くとありますが会員登録しないと読めません)読みますとまあ仰っている事はそらそうですかなあという所。

まあBBB格から落ちるでござるの巻という話は既にS&Pが打ち込んでいるので2社目という事になりますが、まー1社も2社も似たようなもんだったりしまして、直ちにアレな事では無いかと存じますけどまた来やがりましたかしかもどういうタイミングなんですかねという感じではござんすな。

と思ったら国会はこうなるんすか。

今朝の公共放送ニュースから
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110621/t10013654631000.html
退陣時期・条件巡り駆け引き続く 6月21日 4時25分

『政府・民主党は、今の国会の会期について、10月半ばまで4か月程度延長する方向で、21日、野党側とも調整したうえで国会で議決したいとしています。一方、野党側が菅総理大臣の早期退陣を求め、政権幹部からも退陣の条件の明確化を求める声が出るなか、菅総理大臣は、公債特例法案などに加え、自然エネルギーによる電力を買い取るための法案についても成立に強い意欲を示しており、退陣の条件や時期を巡る駆け引きが続いています。』(上記URLより)

昨日の朝日新聞ニュースから
http://www.asahi.com/politics/update/0620/TKY201106200474.html
首相、辞任条件に再生エネルギー法成立も 計3条件に 2011年6月20日21時32分

『民主党の岡田克也幹事長は20日、与野党幹事長・書記局長会談で、22日までの通常国会の会期を10月中旬まで約4カ月延長することを提案した。第2次補正予算と特例公債法、さらには本格復興の第3次補正予算の成立を図るためだと説明した。これに関連し、菅直人首相は辞任時期について、2次補正、特例公債法、再生可能なエネルギー普及のための全量固定価格買い取り制度(FIT)の関連法成立を条件とする意向を示していたことがわかった。』(上記URLより)

・・・・・・・あのーもしもし???東電の賠償支払スキームの法案の前に何でまたどこぞの禿の金儲けのネタになりそうな法案が優先課題になるんですかこのすっから菅さんはどういう頭の構造になっているのかというか何も考えてなくて脱原発でウケを取れそうな事をするって発想しかねえだろふざけんなという所でございますなあ。

つーかさ、只でなくさえ原発の運転止めろって話が盛り上がりまくっていて火力とかの発電を増やさないといけなくて、電力作るための燃料価格が上昇して電力料金が上昇しやすいですよって状況なのに、そこに更に太陽光だの風力だのの電気買取義務化とか電力会社の負担を増やす法案を優先しましょうという発想が優先順位のつけ方として誠に素敵としか申し上げようがございませんなあと思うのですが、結局この人にとっては賠償支払がどうのこうのというような話とか、電力の供給制約で日本経済がどうのこうのというよりも自然エネルギー推進で名を残そうという発想しか無いんでしょうなあというのだけはよく把握した、今すぐ(激しく自主規制)。


しかしまあ何ですな。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=amtuJopXHCYQ
枝野氏:東電債務超過なら賠償遅れ、間接出資で一部国有化も(1)

『6月20日(ブルームバーグ):枝野幸男官房長官は20日午後、参院東日本大震災復興特別委員会で、東京電力が債務超過に陥れば東電福島第一原子力発電所事故の被災者への賠償が遅れるとの認識を示した。原子力損害賠償支援機構法案で規定された東電支援スキームは国が機構を通じて東電に出資するという意味で一部、一時国有化するということだとも説明した。松田公太氏(みんな)への答弁。』(上記URLより)

何かまあ微妙な答弁が続く人だなあという感じですが、企業って債務超過になったから即座に飛ぶのではなくて、資金繰りが回らなくなったら飛ぶのですからして「東電の資金繰りの支援は政府がしますが、将来的に東電に賠償金は払わせます」という説明をした方がすっきりすると思うのですけど、ど〜もこの人金融のことになると無茶苦茶疎いというか余計な発言のし過ぎにも程があるのでして、これが次期総理候補で人気がどうのこうのとか言われますとJGBのソブリン格付け大丈夫かとか思ってしまいますがな、マッタクモウ。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aHYs8SnnNTQI
経財相:東電の資金繰りは政府が支援、電力制約につながらず(2)

まあこう言ったほうがスッキリすると思いますので与謝野さんにレク受けた方が吉ではないかと存じますが。


更に雑談ですが、昨日はこんな謎意見が出ていたようで。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110620/dst11062019350035-n1.htm
【放射能漏れ】原発事故損賠、日弁連が意見書「送配電網の国有化を」2011.6.20 19:34

『東京電力福島第1原子力発電所事故で、日弁連(宇都宮健児会長)は20日、東電の被災者に対する損害賠償の枠組みについての意見書を政府に提出した。国が債務引き受けの対価として管内の送配電網を譲り受けて一時国有化し、将来的には一部を民間に売却し資金を回収することなどを柱とした内容。「賠償は現有資産の売却が大原則で、安易に電力料金に転嫁してはならない」としている。』(上記URLより)

・・・・・・・・????

あのー、まず送配電網を国有化する金はどこからでるんでしょうか?んでもって国有化した後誰が運営するんでしょうか??国有化しても送配電網からキャッシュを生むには結局のところ電力料金に乗せないと無理じゃないでしょうか???大体からしてその送配電網の査定が厳しかったら賠償原資が出ませんし、査定が甘かったらその分回収するために電力料金に転嫁するか国民負担でロスを出すかのどっちかになるんじゃないですかねえ?????これだから法曹はなどと言っては良くないですが、どうも何だかなあ感ありありの話で。

何かね、東電法的に潰すのはそらまあ気分良いかもしれませんけど、「破産免責」とゆーのもあるように法的に潰しちゃうとその時点で終了になって将来的にこれから発生するであろう損害の問題とか諸々の負担とかって問題は全部免責状態になる訳でして、将来的に奴隷船の漕ぎ手としてこき使うスキームの方がトータルで見ればしんどい話だと思うんすけどねえ、金融屋的発想からすると。




2011/06/15

○さて東電賠償スキーム法案と

http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/taiou_honbu/index.html
『平成23年6月14日閣議において原子力損害賠償支援機構法案が閣議決定されましたので公表します。』

ということで法案が閣議決定されたようですが、早速枝野センセイが謎の発言を連発。

午前中はこのようなお話。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=awaM4wOSSiUs
枝野氏:電力料金に転嫁することなく賠償進めてほしい−東電

『6月14日(ブルームバーグ):枝野幸男官房長官は14日午前の閣議後会見で、同日閣議決定された原子力損害賠償支援機構法案をめぐり、東京電力は電力料金に転嫁することなく賠償を進めてほしいと述べた。』(上記URLより)

・・・・・・えーっと、枝野先生におかれましては金は天から降ってくるとでも思っておられるのでしょうか????いずれにせよ何らかの形で誰かの所に負担が回ってくる話で、東京電力の単年度における通常の収益力及び事業用以外の余剰資産の範囲内で原発事故処理と賠償の費用が賄えないのが自明な以上、どこかにそのケツは回ってくるのですけれども、電力料金引き上げをしなかったら東電の賠償支払い完了まで何百年掛かるんでしょうかねえ。


更に午後はこのようなお話。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a9bMesdP.8kQ
枝野官房長官:東電と金融機関の協議見守る、債権放棄問題−会見(1)

『6月14日(ブルームバーグ):枝野幸男官房長官は14日午後の会見で、福島第一原子力発電所事故を受けて閣議決定した原子力損害賠償支援機構法案に基づく資金援助を東京電力に行うにあたっては、債権放棄などの協力状況について同社と金融機関などステークホルダーとの協議を見守った上で判断する考えを示した。』

『同法案は「東電が金融機関等から得られる協力の状況については政府に報告してもらうスキームになっているし、東電に支援を行うにあたってはさまざまなことを考慮して最終的には主務大臣の認定を得るとなっている」と指摘。その上で、「今後の東電と関係ステークホルダーとの協議を見守りたい」と強調した。』(上記URLより)

・・・・・・えーっと、法案通ってもスキーム発動しないつもりみたいな発言とか全く意味ワカンネ。もうふざけんなとしか申し上げようが無いんですけどねえ。

ま、単に意地になって妄言を吐いているだけだと存じますが、枝野官房長官様におかれましては可及的速やかにお遍路に旅立って頂きたいものであるとの感を禁じざるを得ません次第であります。


で、みんなの党が相変わらず「東電救済だから反対」とか言っててイミワカンネ(東電を今法的にコカしたら後の賠償は国庫負担になるから東電却って楽になるんですけどねえという意味)とか思いますが、ブルームバーグニュースのURLが見当たらなかったので華麗にスルー。



これはただの余談ですがちょっと前に結構呆れたのがありましてね・・・・・

東京大学の岩本先生(経済学)のブログ(先週木曜なので法案出る話が出てこないときの話です、為念)
http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/35690629.html
福島原発事故損害賠償支払いスキーム設計における法学者の役割

『原発事故の損害賠償が巨額になることで東電が債務超過となって,債務再編がこの順番に処理されると,社債保有者が保護され、被害者の求償権がカットされることになる。 多くの人が,このことには釈然としない思いを抱いている。原子力損害賠償法(原賠法)は原子力事業者(今回の事故では東電)に無限責任を課すという異例の措置をとっているのだが,このような形で賠償支払い能力に制約がかかっていることを何とかしたい,というのが様々なスキームの提案が腐心しているところである。』(上記URLより)

いやあの釈然としないも何もそういう決まりで資金調達とかしてるんですから。

『一方で,今回の事故処理について事後的にルールを決めることによって,社債保有者と事故被害者の優先劣後関係を逆転させてしまうことに対する批判がある。資本市場の予見可能性を著しく損なうというのは事実である。』

と思ったら一応理解されておられるという事ですかそうですか、と思ったらその次に凄まじい理屈が展開されるのである。

『したがって,社債保有者の債権がカットされ,それが損害賠償の支払い原資となるスキームが成立するとすれば,それは事後的な対応ではなく,原賠法の成文の不備を補って,立法の趣旨に沿うものであるという理論構成が必要である。制度設計を考えることは経済学者の仕事に含まれるが,現在の成文法から立法趣旨の解釈を導くことには経済学者の出番はなく,法学者の仕事となるだろう。』

・・・・・・・・あのですな、事後法作って頂いた方がまだ責任の所在というのがはっきりする(それによる日本からの資本逃避とかの責任は事後法を制定した立法府の責任ですからねえ)のですが、「法律の解釈論で優先順位をひっくり返すべき」とか更に無茶苦茶な話で、そんなのが横行したら日本の法律の文言すら信頼に値しないという話になって、先生がドヤ顔(かどうか知らんが)で仰せの「資本市場の予見可能性」とやらは事後法制定以上に低下すると思いますけれども、それが「法学者の仕事」とか意味わかんないですぅ。

とまあ思ったので晒し上げしてみただけのおまけコーナーでありました。




2011/06/10

○東電関連ニュースのクリップなど

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110610/t10013435111000.html
東電支援法案 来週国会提出へ
6月10日 4時32分

・・・・・・だからこの法案「東電支援」じゃなくて「賠償支払枠組み」法案なんだってという話でありまして、東電支援とかいう話が出るからあちこちから感情論が噴出して収拾付かなくなるんだから馬鹿メディア共はもう少し物事を考えて報道しやがれなどと思いますが、まあ何はともあれ法案来週出るんですかそうですか。

何かもうちょっと与野党対立が収まった所で出したほうが審議で余計なヘッドラインが出てこない分安心感があるような気もするんですが、まー足元では昨日の市場なんぞでも取引中盤ではこんな事象があったから政府サイドも急がないとマズイと思ったのかもしれませんね。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aSX61Qb6yG3s
午後の日本株再び下げ基調、東電株150円割れなど電力の下げきつい
更新日時: 2011/06/09 12:56 JST (これはザラ場の状況ですので念の為)

東電の株価は一時エライ勢いで下落してアチャーという感じでしたが、引けに掛けては戻ってきまして人心地つきましたなあちゅー所でございますが、まあ先週末のアンディー発言以来もう一発の下落モードとなって、市場が暴れだした事によって危機バネが働いてくれるのであれば不幸中の幸いと言えないこともないのかなあなどと。

結局ですな、例の2兆円融資パワーで当面資金繰り回るからという意識から「じゃあ本件はまだ余裕がある」などと考えるのが間違いの元でありまして、市場ちゃんというモノはそんなに余裕ぶっかましてくれない人たちの集団だったりするので、このように催促しまくるという所でしょうな。こーゆー危機対応にはスピード感が必要でありますけれども、まあこれ法案審議でまたぞろ河野某のような「無能な働き者」が暴れだしてヘッドラインリスクにならないようにして欲しいものでございます。


電力さんといえば関電さんの起債が延期とな。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=ahzgH1ujlLh0
関西電:6月の起債見送り、金利帯で折り合わず−根深い原発リスク(1)

『6月9日(ブルームバーグ):東日本大震災後初となる電力債発行を検討していた関西電力は、6月中の起債を見送ることを決めた。時期も未定としている。野村証券が9日、電子メールで情報を開示した。東京電力の原発事故による市場環境の激変を受け、高い利回りを求める投資家との間で折り合いがつかなかったようだ。』(上記URLより)

そらまあ法的整理がどうのこうのというような取引所のお調子者社長がいて、更には野党第一党の「影の内閣」の馬鹿閣僚が電力債の一般担保の前提を平気で覆すような話を堂々とするというような事例が生じたら他の電力会社さんの電力債発行に影響が出ますわなという事でありまして、まあ早速このように他の電力会社さんにも悪影響が波及しておりまして、その結果として東電以外の電力会社さんまで資金調達コストが上昇するという事は即ち電力のコストが上昇する事になる訳で、日本全体が得をしないという大変にワンダホーな展開になりつつある、という事ですなこりゃ。

つまり斉藤某と河野某は可及的速やかに腹を(以下自主規制)という事に他ならない訳であって、不用意かつ軽率な言動によって国民の厚生を阻害するバカチンは速やかに首を(以下自主規制)であるという思いを禁じ得ないものでございます。





2011/06/09

○優先順位は引っくり返らないようで何より、つーか当たり前じゃヴォケ

直リン自粛ですが例の人のブログ。
http://www.taro.org/2011/06/post-1023.php
一部修正 平成23年原子力事故による被害に係わる緊急措置に関する法律案
2011年06月07日 14:34

えーっと、一昨日悪態をつきましたが、よくよく調べてみたら河野センセイの「優先順位をひっくり返す」ネタは思った以上に金融市場で話題というか恐怖の対象になっていまして、勿論「そんなアホな話あるかよ(法の支配という観点的にありえないでしょという話で)」という反響なのですが、自民党も大丈夫かよという認識が金融市場(といってもネタが社債の優先順位云々ですから金利方面限定でしょうが)方面に拡大中なのは自民党さんも把握すべきでは無いかと存じます。

ということで、一部修正とやらが入ったのですが、そちらにはこのような記述が。

『6月4日付のブログに載せた、自民党の農水部会と経産部会が議員立法で提案しようとしている「平成23年原子力事故による被害に係わる緊急措置に関する法律案」の条文を衆議院法制局と確認したところ、一般担保よりもこの法案による国の求償権を優先する規定は盛り込まれなかった。

シャドウキャビネットの議論では、国がこの法案に基づいて行った仮払いによる東電に対する求償権は、電力債よりも優先的に弁済されることになるとのことだったが、そうするためには特例の条項が必要となる。その条文が現段階では法案に盛り込まれていないので、このままのかたちで提出されれば、国の求償権より電力債の方が優先される。』(上記URL先より)

河野太郎ざまあと言った所ではございますが、その車道キャビネットとやらの議論が何で部会の方に反映されないのか意味が判りませんなあと申しますか、ああつまり河野先生は言うだけ番長さんなんですねえと申しますか、その件が盛り込まれないことに関して何で政治家として自分の主張が通るべく努力しないでひとごとのように「規定は盛り込まれなかった」とか書くだけなのですかねえと甚だ不思議に思うのでありました。

つーかそれ以前の問題として、ここにある「シャドウキャビネットの議論」とやらの方がオソロシスでございまして、河野太郎センセイ以外のシャドウキャビネットのメンバーがこの事後法により物権の優先劣後をひっくり返すとゆー無茶苦茶な事後法炸裂スキームを了承してるんですかと思いますと自民党も相当頭のネジが外れているんじゃネーノという懸念が高まるものでございまする。いやまあどうせ「議論」って言ったって河野センセイが一人でその話してただけだと思う(もしシャドウキャビネットが全員でそれを了承しているのだったら部会でそれが引っくり返った事になるんですがそれってどうよという感じですわな)のですけれども、何だかなあという感を深くする昨日のひとときでございました。

そもそもですな、一昨日も悪態を申し上げましたが、事前に法的に定められている物権の優先劣後順位を国家権力が事後的にひっくり返すという行為を普通だと思うような感覚を持った人間を国政の場に置いて良いのか、という議論になる訳でありまして、近代法治国家における立法府の人間としての適格性を問われるべき(つーか議員に不適格)問題でありますわな。これは氏の主義主張の問題以前であって、このような手合いに国家権力握らせたら法治もへったくれも無い無茶苦茶な事が起きてそれこそ皆様の生活もいつ国家によって収奪されるかも判りませんというようなキチガイ国家になるのではという懸念(当然ながらそんなキチガイ国家に投資やら融資やらする人は居なくなりますよねえ)まで起こるのはあたくしが心配性だからでしょうかねえ・・・・・・・




2011/06/08

昨日の悪態の補足をさらっと。

○やはり東証の社長がそもそもコメントをすべきではないという論点について

昨日東証の社長のインタビューに関してああだこうだと申し上げましたけれども、お仲間の人たちとその後も話をしていましたら「そもそも東証という取引所運営機関の人間が個別企業に関するコメントをすること自体が不適切にも程がある」という論点を皆さんから頂戴しました。

確かにその通りでありまして、今回のような「法的整理」という問題となりますとそれは上場廃止などにも繋がる問題(というか斉藤社長はその手の処理策に関しても言及しているようですし)であって、個別企業の上場廃止云々に関わる問題っていわゆる「重要事実」並に扱いが重要なモノであり、かつ取引所そのものの中の人がそのような問題に関して見通しなどを発言するっていうのはコンプライアンス上どうなのよという論点がそもそも論としてありましたなあという所でございます。

つーかさ、今回は社長コメントだったけど、東証の審査部門とか売買管理部門の担当者が外部に向けて個別企業の問題についてホイホイと勝手に発言したらマズイんじゃないかと思うわけなのですが、東証はそーゆー件に関して内部的にちゃんと規制してるんでしょ、何で社長が率先してあんな話するかなあという所で、まあこの社長ただの目立ちたがり屋の軽率なお調子者だったのですかねえとガッカリ感が否めない次第でございまする。

というかさ、取引所の立場ある人が上場している個別企業の問題について規定に則った以外の対応やコメントをするというのは、月曜の株式市場で実例を示したように株価に重大な影響を与える場合がある訳でございまして、全くもって不適切極まりない行動(=発言の内容云々以前に個別企業の経営見通しに関して取引所の社長という立場の人間が発言するという行為)によって株価を下げた斉藤社長の行為は罪万死に値するというかとっとと社長辞めろやヴォケという感じでしょうかねえ。

ご参考までに野村證券の証券用語集のリンクを張りますが、意味が何かあるわけではございませんので念の為申し添えます(^^)。
http://www.nomura.co.jp/terms/japan/i/innsaida.html





2011/06/07

お題「今日も悪態シリーズになってしまいますたorz」

東電関連はどうしてこう悪態ネタばかりが出てくるのでしょうか・・・・ということで、やはり6月6日は6月6日でしたという悪態雑談で今日は勘弁。

○東証社長のインタビュー記事で大変なことに

http://www.asahi.com/business/update/0604/TKY201106030609.html
東証社長、東電の法的整理を主張 「日航と同様に」
2011年6月4日10時26分

良く見ますとネットの記事は土曜の午前中に出ていたようで(一応日曜にはそんなのあるなあとは思ったがここまで大事になるとは思わなかったし、そもそも火消し出るだろと思ってたですorz)、新聞だと朝日新聞の日曜の朝刊の経済面に出ていたとか何とかだと思いましたが、新聞に関してはそのものズバリを確認していないので良く判らん。

んでもって記事より。

『東京証券取引所グループの斉藤惇社長は、原発事故で経営危機にある東京電力について、法的整理による再建が望ましいという見解を明らかにした。朝日新聞のウェブマガジン「法と経済のジャーナル Asahi Judiciary」のインタビューに答えた。』

『1990年代の金融システム危機を参考にした処理案も提示。特別法をつくり、東電の資産内容を厳しく調査。債務超過ならば一時国有化し、銀行には債権放棄を求める。その場合、東電は上場廃止になるが、数年後に発電会社として再上場する案を示した。送電設備の売却や原発の国有化の可能性も指摘した。』(上記URLより)

ということで、オリジナルのインタビュー記事内容は上記のWebマガジン(有料です)を見ないと判らないのですが、途中まではこちらで読む事ができるようでございます。

http://astand.asahi.com/magazine/judiciary/articles/2011053100009.html
「東電は法的処理が望ましい」「政治のリーダーシップが必要」
東電賠償問題で斉藤惇東証社長が提言
2011年06月03日(約10400字)

『東京電力の福島第一原子力発電所放射能漏れ事故の損害賠償を支援する政府の枠組みをめぐり、東京証券取引所グループの斉藤惇社長が「できることなら東電は日本航空(JAL)と同様の法的処理が望ましい」「政治のリーダーシップがあれば可能だ」「その結果、東電が上場廃止になっても受容せざるを得ない」などと語った。政府が東電に融資している金融機関に「債権放棄」を求めたことに斉藤社長が「異義」を唱えた真意を尋ねるインタビューの中での発言。破綻した原発中心の電力ビジネスの在り方についても聞いた。』


・・・・・・で、その結果ですが市場はこういう反応を。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aEQvzj82iVqU
東電株がストップ安で安値、東証社長の法的整理望ましい発言報道(3)

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aTKJpPBBreB4
東電CDS、東証社長発言で社債保証コストが1000bp台に拡大


そらまあそういう事になりますわなという感じですが、どうもインタビュー記事が途中までになっているので斉藤社長の説明が良く判らん(質問と答えの流れが微妙に何だかなあという感じなので)のですが、どうも読んでいると何だこの人不見識じゃんという感じも漂ってくる気がするのでありますが、まあこういうのは最初から最後まで見ないと判らんですし、そもそも書いているのが朝日新聞なので本件に関しては朝日新聞フィルターが入っている可能性があって即断は避けておこうかと思います。

とは言え一言。上記インタビューの中で斉藤アンディーさんが「銀行の貸し手責任がある」とか言ってますけど、貸し手責任というのは「返済の可能性が低いのが明らかなのに貸出あるいは追い貸しをしているケース」を言うのであって、国策としてのインフラ企業であり、かつ当時の日本航空と違って累積赤字の山でも何でもない企業である電力供給会社に対しての融資を捕まえて「貸し手責任」と言うとは頭おかしいんじゃねえのとしか申し上げようが無いのですけど。真っ赤っ赤なのに表面化恐れて延命していた住専融資とかと話を一緒くたにするとか意味わかんねえ。

インタビューでアンディーさん「銀行は債権者で一部株主だからガバナンス働かせろ」というような事も言っているようですが、屁みたいな持分で東電様みたいな取引先に何か言える訳ねえだろという感じですし、潰れそうな企業に貸してるんじゃないんですから銀行がそんなに取引先企業に対してガバナンスとやらを効かせる事なんて出来ないんですけど。大体からして原発は国策で推進していて、それに関しては経済産業省やら原子力ナントカ保安院やら何やらと色々な政府関与のある世界で、取引先銀行如きが口だせるかってえの。

#大体からして「ガバナンスを効かせる」とか言って銀行が取引先の事業展開に口を出して融資引き上げたら「貸し渋り」とか「貸し剥がし」とか朝日新聞あたりが先頭切って銀行叩きするでしょうが・・・・・


○発言そのものがそもそも不適切な上に事後処理も糞な東証は腹を切って(自粛)

話がちと脱線しましたが、まーそれは兎も角として、5月13日の枝野官房長官会見において枝野さんの「債権放棄恫喝発言」を引き出した質問をしたのが朝日新聞の記者さんでして、翌日の社説でも枝野発言を絶賛しておられたのもこれまた朝日新聞でありますので、こちらのインタビューに掛かれば「東京電力は法的整理が望ましい」という発言部分がクローズアップされるのは火を見るより明らかでありまして、記事になった時にどういうインパクトを与えるかというのって普通に斉藤社長および東証サイドで想像がつくはず。

でね、そういうヘッドラインが出るというのは、まあ例えとしてどうかと思うけど、八百屋が店頭で売ってる商品を捕まえて「この商品は本来廃棄すべきだがそのまま陳列しています」というようなもん(多分もっと質が悪いが)であって、そもそも証券取引所という立場の人間、しかもトップの位置にある人間が、自分の所で上場しているだの企業に対して「法的整理すべき」とか発言するとか全く持って意味が判らない訳でして、そういう問題に対しては取引所はルールに則って中立に対処しないと取引所としての機能が果たせないと思いますがねえ。

まあ記事を読むと別に今すぐ法的整理しろといっている訳ではないのですけれども、少なくともそのように取られる発言をするのがトンチキにも程がありますし、しかも相手が朝日新聞であって、従来の論調からしたら「東電解体」的な発言にビビットに反応するの見え見えなのでありまして、何ドヤ顔でインタビュー受けてるんだという感じですし、大体からしてインタビュー記事見たらやれ原発の国有化だの電力事業の送電分離とか、お前は取引所の社長という立場でそこに上場している企業の有り方とかに何か言う資格あるのかヴォケというような感じでありますが、まあ「取引所のトップ」という立場からしたら脇が甘いですなあと思いますがどうでしょうかねえ。


でね、まあその発言についてはそんな感じでありますが、更にトンチキなのは小見出しにあるように東証の対応が糞にも程があること。

まあ朝日新聞サイドでも一応武士の情けというか、気を使ったんでしょうなあと思うのは、このネタを新聞記事ベースにしたのはネットに出たのが4日の土曜で紙の記事になったのが5日の日曜(らしい、土曜かもしれないけど兎に角記事になったのは月曜朝刊よりも前)でして(そもそものWebマガジンはマイナーなので話題にならんかったでしょ^^)、東証サイドでは当該記事に関しての何らかの火消しを月曜の立会い時間開始前に行う事が十分に可能であった筈。

然るに、東証の対応はこんな感じ。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=av1ShxIlwYWE
東証:現時点で東電が上場廃止基準に抵触すべき事実ない−報道受け

『6月6日(ブルームバーグ):東京証券取引所は6日、東京電力の上場廃止などに関する一部報道について、「現時点で東電が上場廃止基準に抵触すべき事実はないと認識している」とのコメントを発表した。』(上記URLより)

これは昼休み時間帯に出たコメントで、ああこれだけなのね肝心の斉藤社長の「法的整理」発言へのフォローは無いのねと思っていたら、ようやく引け後も引け後、夕方の6時になってやっとこんなのが。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=adN1D5p78bv0
東証:一般的に債権放棄が求められる場合について答えた−東電報道

『6月6日(ブルームバーグ):東京証券取引所の斉藤惇社長が東京電力について法的整理による再建が望ましいという見解を明らかにしたとの一部報道を受け、東証は6日、「一般的に債権放棄などが求められる場合には会社更生法やそれに代わる特別法などの法律に基づき明確なルールのもとで対応が行われるべきであるという考えをお答えしたもの」とするコメントを発表した。』(上記URLより)

・・・・・あのさ、一日取引終わってから3時間もしてからノコノコと今更何をコメント出してるのアホじゃないの東証ってとしか申し上げようが無いのでありまして、その間に株価はクソ下がりするわCDSは絶賛拡大するわで散々動いておりまして、まさにアフターフェスティバルにも程があるとはこの事であろうかと。折角朝日新聞が武士の情けで(かどうか知らんが)火消しをする時間を与えてくれているというのに東証および斉藤社長の牛の涎のようなダラダラとした対応によりまして時既にお寿司になってしまっているという事で、これはまあ朝日新聞のセンセーショナルな見出しの出し方もどうかと思いますけど、それよりも東証の対応があまりにも糞過ぎて泣けてくるというものであります。

つーかそもそもアンディーの発言が糞なのであればアンディーは腹を切って(自粛)なだけではなく、唯一ネ申又吉イエスの手によって地獄の火の中に投げ込まれるべきであるものであろうかと存じますが。どうもあのインタビュー記事見てると「一般的に債権放棄などが求められる場合」という話にはあまり見えない気がせんでもない(ただし朝日新聞フィルター入り)ですしねえ。


と言うわけで、読者様のお役に全く立たず、更に誰も得しない悪態をつい延々と書いてしまいまして誠に申し訳ございません申し訳ございませんm(__)m


○折角ですので他にも東電関連ネタ

・枝野官房長官会見より

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a1xtDz4vrjLI
枝野長官:東電の法的整理は大変な問題生じる、避けねばならぬ(1)

『6月6日(ブルームバーグ):枝野幸男官房長官は6日午後の会見で、東京証券取引所グループの斉藤惇社長が、東京電力は法的整理による再建が望ましいとの見解を示した、と一部報道で伝えられたことについて、法的整理されると「大変な問題を生じる」ため政府としては回避したいとの考えを示した。』

ほう。

『枝野氏は東電への対応について「賠償債権がしっかりと確保される、事故処理に関係している多くの事業者、特に中小企業等が有する債権がしっかりと確保されなければ原発の収束に影響を与えることになる」と指摘。その上で、東電の法的整理について「この2つの債権には優先権がないので大変な問題が生じるということを政府としては一貫して危惧をして、このことは避けなければいけないと考えている」と訴えた』(以上上記URLより)

ああやっと気がついたのね・・・・・・っておせーよお前それでも法曹出身かよという感じですが、そもそも関連の枠組み作るときにちゃんとした人からちゃんとしたレクを受けていれば最初の時点で理解している筈であって、政権に入りこんで訳の判らん入れ知恵をしている魑魅魍魎(どこぞの禿みたいなのが著名ですが有象無象は沢山いるようで)の話ばっかり聞いてるからそういうことになるのよね。

同じ会見記事でロイターから。
http://jp.reuters.com/article/politicsNews/idJPJAPAN-21546420110606
東電の法的整理は避ける、債権放棄発言していない=官房長官

>債権放棄発言していない
>債権放棄発言していない
>債権放棄発言していない

・・・・・・・・・・「トラストミー」発言で著名な鳩ポッポ先生が「人間はウソをついてはいけない」と先日仰せでございましたがさて・・・・・・・


・しかし枝野官房長官の恫喝よりも凄いのが自民党にもいたりする

と書けば判るようにお馴染みのポピュリズム全開の河野太郎先生ネタ。

昨日の朝こんなニュースが。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110606/t10013330771000.html
自民 原発賠償金仮払いへ法案
6月6日 4時14分

ほほうと思ってみていたのですが、当該法案に関して河野太郎先生がブログでご宣伝。(直リン自主規制中)

http://www.taro.org/2011/06/post-1021.php
平成23年原子力事故による被害に係わる緊急措置に関する法律案
2011年06月04日 21:03

『東電の発行する電力債は、一般担保付き社債として、他の債務よりも優先して弁済されることになっている。つまり、東電が法的整理をされた時に、電力債は、賠償金や金融機関からの借り入れよりも優先的に弁済され、残った資産で賠償金と金融機関からの借り入れが同じように弁済されることになる。』

お分かりのようで。

『電力債の弁済が行われ、資産が残らなければ、賠償は国民負担になる。しかし、国がこの仕組みで仮払いをして東電に対する求償権を持つことにより、賠償が電力債よりも優先的に弁済されることになる。』(以上上記URLより)

・・・・・・・えーっとですな、あたくし破産法を専門に勉強していた訳ではないから良く判らないのですけれども、国として先取特権としての優先順位があるのは「国税債権」でありまして、賠償金の立替払いをしたものの求償権って国税債権扱いにならないような気がするんですけどどうなんでしょ。

という技術的な問題も去ることながら、河野先生のこの発想と言うのは危険極まりないわけでありまして、即ちこの発想のそもそもの問題として、「物権の優先劣後関係を国家権力が事後法によってひっくり返そう」という意図があるのは明白でありまして、それってそもそもの近代法治国家としての根幹を揺るがす発想に他ならないと思いますけど如何でしょうか。

つまりですな、枝野官房長官の債権放棄恫喝発言(本人は「言っていない」との事ですが、笑)は無法発言なのですが、河野議員のこの発想は近代法治国家の根幹を揺るがす発想であり、最早無法を通り越して暗黒中世国家への逆戻りを容認する発想としか申し上げようがございません訳で、こんなの横行したら日本で安心して商取引できませんがなという話になりますがなと思う訳で、こんな手合いを「影の内閣 行政刷新・公務員制度改革担当大臣」にしている自民党も何考えてるんだという感じですな。

ま、自民党はそんなアホな意図でこの法案作った訳では無いとおもいますけどね。