相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2008年10月〜2009年03月)

(本当は債券市場の話をすべきなのですが、多分短期が中心になります)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

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過去の相場後講釈はこちらです。

2008年上期
2007年下期
2007年上期
2006年下期
2006年上期
2005年下期
2005年上期
2004年下期
2004年上期
2003年下期(工事中)
2003年上期(工事未着工^^)
2002年下期(工事メド立たず)

2008年下期の相場後講釈見出し

2009/03/31「補完供給が6営業日連続で実施」
2009/03/25「GCレートが何気に上昇」
2009/03/17「CP市場阿片窟状態に」
2009/03/11「短期国債のレートは案外下がらず」
2009/03/10「CPレート益々低下の巻」
2009/03/09「短期国債も利回り低下」
2009/03/06「短期金利全般にレート低下が波及」
2009/03/05「社債買入オペも札割れ/CPレートの官民逆転モード」
2009/03/04「CPレート低下/日銀の保有国債話/受け入れ担保の話」
2009/03/03「CP買入がとうとう札割れした話など」
2009/02/18「ユーロ円金先とユーロ円TIBOR金利/オペがやればできる子に」
2009/02/17「CP関連雑談」
2009/02/13「最近のオペが市場フレンドリーな件について」
2009/02/04「国庫短期証券第1回入札です」
2009/02/03「短期国債3か月連続増発へ/CP買い切りの結果」
2009/01/30「またヘッドラインに釣られているわけだが/FBが重めに推移してレポ上昇」
2009/01/29「FB入札がロンバート接近」
2009/01/22「超越的意味不明な両建てオペ実施」
2009/01/21「現先増やしたけどレート上昇/企業金融オペ/CPレート落ち着く」
2009/01/20「スポネ現先減らしたらまたレート上昇とな」
2009/01/15「積み最終日に向けて」
2009/01/14「GCレートまたまた上昇」
2009/01/09「企業金融オペ実施/CPレートが落ち着いている件について」
2009/01/07「即日吸収オペ実施/その他」
2009/01/06「年度末越えオペ実施その他」
2008/12/29「年末越えは無事に通過のようですね」
2008/12/25「引き続きオペに悪態」
2008/12/24「オペが妙にけち臭い話」
2008/12/18「盛り上がってまいりました!」
2008/12/16「CPレート若干低下」
2008/12/15「市場メモ」
2008/12/10「今日もオペがドタバタ」
2008/12/09「日本円TIBOR貫禄の0.9%乗せ/連日のオペ劇場」
2008/12/08「TIBORまだ上昇」
2008/12/05「2日連続で年末越えのオペ無しとな」
2008/12/04「何故か年末越えのオペが出てきませんが、さて・・・」
2008/12/03「1日のオペが9本ですか」
2008/12/02「スポネ買い現先4兆円」
2008/12/01「引き続きレート強含み」
2008/11/28「GCが0.52%になったりFBが軒並み0.50%になってみたり」
2008/11/27「GCレートまたまた0.50%に」
2008/11/26「レポレートやTIBORレート上昇」
2008/11/21「さて決定会合/コール市場も格差拡大」
2008/11/20「CPは二極化というか三極化と言うか」
2008/11/19「オペレーション多忙ですなあ(棒読み)」
2008/11/18「付利初日はツイストオペ大会」
2008/11/14「17日スタートで突如ツイストオペ実施」
2008/11/12「引き続きオープン市場の地合いが悪化しています/その他少々」
2008/11/11「ますます雰囲気悪化するオープン市場」
2008/11/10「オープン金利高止まり/日銀の保有国債」
2008/11/07「GCレートやオペ金利がロンバートに張り付くの巻」
2008/11/06「オープン金利高止まり」
2008/11/05「資金供給が不足気味ですが」
2008/10/30「利下げ報道を受けて思いっきり中短期金利低下」
2008/10/27「超足元の金利が下がりません」
2008/10/24「なおもオープン金利が上昇しています」
2008/10/23「オープン金利上昇」
2008/10/22「オペのレートがじり高」
2008/10/21「CPなどのレートが下がりませんなあ」
2008/10/17「16日の株式暴落は10日ほどの恐怖感なし」
2008/10/16「短期市場は落ち着きを取戻す(ただしTB/FBとコールですが)」
2008/10/15「週初は落ち着いた動きになってきましたが」
2008/10/14「金曜は相場が壊れかけました」
2008/10/10「もっと供給しないとメルトダウンしちゃうよ!」
2008/10/09「3か月FB入札が崩壊」
2008/10/08「物価連動国債入札中止!」
2008/10/07「短期のターム金利がじり高」
2008/10/03「日銀保有国債に変なものが/市場メモ」
2008/10/02「オペの金利が下がるどころか上昇」
2008/10/01「欧州のドルファンディングが起点なのですよ」

2009/03/31

○6営業日連続で補完供給が出ている件など

昨日も補完供給オペが実施されました。いやまあ補完供給自体は別にどうのこうのという話ではないのですけど、同じ銘柄で延々と補完供給オペが連続するのが何とも味わいがあります。

今回の補完供給オペですが、対象が10年249と267なんですけど、23日からスタートして段々落札額が増えてきて、金曜は510億円になりやがりましてオイオイとか思っていたら昨日は375億円になってちょっとだけホッとしましたねという感じでありますが、さて今日の14時の補完供給タイムはどうなるのやらとワクワクテカテカ(^^)。

えーっとですね、連日同じ銘柄で補完供給ってのは先物と当限の受渡最割安銘柄が変な挙動があったときに2日だか3日ほどあった気がする(気がするだけで確認してないのですいません)のですが、こんなに延々と引っ張るのは珍しい。いやまあ引っ張るのは制度上引っ張れるので別にそれが良いとか悪いとか言う話ではないのですが、期末前のSCレポでオフザランの銘柄なんて瞬間的にレポが締まるのって普通だと思うのですけれども、今回の補完供給が23日からスタートで25日からロットが増えましたとか、もう露骨に「レポ信託からの期末越え不可の委託玉のロールの手当てしてませんでしたでござるの巻」というのも珍しいですねという所でして。

まー制度あるから利用するのは別に良いのですけど、こうも見事な利用を見せられますと、お年寄りのあたくしと致しましては「いやあの普通こういうの期末越え事前に確保しないのかなあ」とかつい思ってしまうのですけれども、その発想って変じゃないですよねえ。


この現象ってまあ局地的な話なので、この事象を拡大するのは拡大にも程があるのですけれども、何かこーゆー露骨な「だって補完供給あるから良いじゃん」的な動きを見せられますと、前々からの日銀様的懸案でありますところの「フェイル慣行の定着」って話に対しましても投資家的には二の足を踏みたくなっちゃうんじゃねえのという所で。特にペナルティーとかが無くて、おまけにフェイル食らって資金が残ったって出し先がろくすっぽないし金利は低いしでは、フェイルになった時の各種処理の事務コストの方が掛かりますし、うっかり決算越え(大体の銀行や年金だと3月末ですわな)でもしようものならもっと面倒な話になるので勘弁って所になるでしょうな。

まあね、上記現象でそこまで話を膨らますのは話の飛躍なんですけれども、まあ今日は変なバッドフェイルとか出ないで下さいねと思うのですよ。そんなのあるとまたフェイル慣行の定着とか絵に描いた餅になっちゃう訳でして、特に決済に係る部分っていうのは「制度上大丈夫だから良いじゃん」で開き直る参加者が何人も出てくると円滑に回らなくなるものだと思いますので・・・・・

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2009/03/25

○ところでGCレートやらオペ金利がしらっと上昇してるのですが

今月は23日に国債大量償還に伴う資金需給のデコボコがありまして、そのあたりでGCレートが上昇しやすくなるおそれがありました。で、そういうときには前日(=19日)の所から厚めに資金をだしておかないといかんのですが、GC資金出し手の大手銀行が不足地合いの中なのに特にオペを厚めに打つ気配もなく、おまけに当座預金残高がつみあがっているからなのか23日のオファーからスポネの現先削ってみたり(その前に23日スタートでは増やしたのですが)、手前スタート末越えの共通担保の打ち込みが足りなかったりとしていたせいで、GCレートは上昇の巻。

で、その結果昨日の共通担保1週間(正確には9日物)オペは平均0.200%に上昇しちゃいまして、何か折角ここまで厚めの資金供給でGCレートを0.1%台前半に押さえ込んでいたのに残念無念としか言い様がございません。

超過準備付利をバックに潤沢に資金供給をするから心配ないぜって感じでややショートファンディングが溜まりやすく、また23以降(特に25以降)はGCの売り(資金調達)もテクニカルに増えやすい中なのに、ここで上昇させちゃうというのは市場的には「ああやっぱりまたこれですか」と成ってしまう訳でして、「やっぱりオペが潤沢に行われないから足元は安定しないのか」と期待形成が元に戻ってしまいますとタームのリスクプレミアムが上昇する事になり、ターム物金利が上昇しやすくなるので、そういう点で残念なオペなのですよ。うーむ。

当座預金残高がたくさんありましても、GCレートという点ではあまり数が多くないGC資金の大量ロット放出者の所の資金が不足地合いであればレートは上昇しやすくなるのでまあオペレーションも難しいとは思いますけど、応札落札状況を見ればたぶんどこが足りないとか判ると思われますので、そのあたりをよりきめ細かく把握したオペレーションをお願いしたいと思う所です。いやまあレート上昇してもシャーナイナイというのなら良いのですが、そういう話になってないと思いますので・・・・・

あと、資金需給のデコボコがあるときにオペの足をそこにそろえるのは調節上仕方ない面はあるのですが、オペの足が揃いますと当然ながらその先の所で資金需要が高まりやすくなるので、ある程度コンスタントなタームのオペがあると資金繰りが安定しやすくなり、レートの変な跳ね上がり(まあ上がったと言ってもGCで0.2ちょっと切る位ですけれども)が起きにくくなると思います。

#と、超マニアな話で誠に恐縮でした

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2009/03/17

○CP市場が阿片窟状態です

昨日は2か月TBの入札がありました。

・・・・えー、ちょうど先週末の国債市場懇(PD懇ね)で4月以降3か月TBを増発しますああそれからそんだけだと足りないからまだ短国を増発しますという財務省の話がありましたことがどの位影響してるのか知りませんが、2か月イラネ状態になって前場の引けが0.280/0.285に対して落札水準は0.2864/0.2921と足きり水準が貫禄の0.29%乗せ。

まあ今日の3か月はちったあマシでしょうけれども、先週の頭には0.23%くらいまで低下してこれは・・・と思わせてくれましたが、結局またまた0.2%台後半という頭の重めな展開ではございますわなという感じで、GCが低いところで張り付いているからこれで済んでますけど、今後の増発大丈夫かよという気はするのでした。

さて、そんな市場環境ではありますが、新発CPの環境と言えば企業収益の悪化だの短期国債の増発によるリスクフリーレートのサガランチ会長状態などのような外界の環境とはまるで関係なく、もう色んなものが短国よりもレート低いという一大官民逆転現象ですが、これは官民逆転というよりは単にCPレートが勝手にトリップしているだけという感じ。しかもどうも日銀のオペ適格と思われるものばっかりレート低下ということで、もうオペ効きすぎで阿片窟状態になっておりますわな。外界と関係なくトリップ状態になっている所なんかもまさに阿片窟。

企業金融オペの新設をCP買入方針の公表によって12月会合以降CPレートは派手派手に低下したものの、1月後半の格下げラッシュの時にCPレートって一旦上昇しやがったのですが、このときは業績が急速に悪化して格付けに下方圧力が強そうな銘柄のレートが上昇したのですけれども、このときにも何か「格付けが下げられそうだ」という形式的な判断で動いてますなあ観(苦笑)はあったのですが、オペ適格かどうかで適格モノのレートがどんどん潰れていくとか何と言うオペ効果という感じではあります。

いやまあ政策目的が達成されていると言えばその通りなんですけどね。

・・・・ま、今から出口の話をしてもしょうがないというか気が早すぎですけれども、ここまでやらかしてしまいますと、出口の時に物凄い逆回転が起きる懸念がありまして(というか既に短国よりも低いCPとか投資家が離散傾向なのですけれども)、大丈夫かいなと気にするのは気が早すぎですかそうですか。

まさに大門先生大勝利という事ですな(違)。

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2009/03/11

希望的な話に飛びついて急騰ですかそうですか>海外株式

#米国10年また3%乗せですか・・・・

○あんまり市場メモでも無いのですが

昨日は3か月TBの入札がござんしたが、あたくしが0.23%台とか申し上げたら全然そんな水準じゃなくて、平均落札で0.2492%の足きり0.2528%と先週末の勢いはどこへやらという結果で、まあ普通の落札結果(何をもって普通と言うのかと突っ込まれると困りますが)になりましてどうもすいませんでした。

資金供給は相変わらず潤沢(国債買い現先オペとか微妙に減っててやや絞り気味感もありますが)で足元のGCレートとかも0.11とか12とかで安定しておりますのですが、その割には短期国債の利回りって下がりそうで下がりませんねという感が致しまして、あたくし的には不思議ちゃんな展開ではありますです、はい。まあやはり1回に5.1兆円の発行は重たいという事なのかもしれませんな。入札一発で捌けるロットではないので入札の度にレート調整して、その入札が何せ毎週あるので威勢よくレート低下しにくいって事なのかなあと単なる需給要因だけに落とし込んで考えるの巻。入札に関しては年末年始や大型連休がらみでたまに端境期があるとその間にモノ不足になってレート低下(年初なんかそうでした)するというのもあるので、まあ単純な需給要因という面もあるかいなと。

一方で(しつこいですが)CPレートは相変わらずの展開みたいで、電力会社さん位ならまだ判るのですけれども、大手メーカーさんなんかでも相変わらず官民逆転レートという展開になってまして、企業金融支援オペ効果おそロシアという所です。まあそれはそれで良い(のかどうか知らんが)のですけど、日本政策金融公庫が次にCP発行する場合でも普通に考えると短期国債に2bpとか3bpとか乗った利回りで発行されるものと思われます(+3bpが前回の足きり水準)ので、日本政策投資銀行のCP買入が何と逆鞘銘柄続出という楽しい展開になりかねませんなあというのが味わいの深い所でございます。

ま、予算達成と違うのですから、別に買入の額が増えなくても良かろうにとは思うのですが、どうせ買入額が少ないと「何やってるんだ」と政治やらメディアやらが五月蝿く文句垂れさんになるでしょうから、そーゆー点では政策投資銀行さんも中々大変な所ではないかと存じますです。日銀の社債買入に関する各種報道を見ても思うのですけれども、札割れ(=政策投資銀行のCP買入に引き直せば買入額が伸びないって所で)する=効果が出ていないというような理屈によりまして、買入実績を上げる為にレートを下げるか、格付けを下げるかとか言われだしそうで、まあ碌なもんじゃねえなという風景が目に浮かんで参ります。ナムナム。

ま、CP買入+企業金融支援オペのコンボに関しては大門実紀史先生(早く会議録見たいのですが、まだアップされてないみたい)のご指摘どおりの展開になっているあたりは実に香ばしいですな。市場機能論はあまり表に出さない方が良いのではないですかねえ(^^)>白川総裁

#なお、既にご存知だとは思いますが、大門先生の指摘というのは本石町日記さんのhttp://hongokucho.exblog.jp/10448907/です(^^)

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2009/03/10

○市場メモですが

昨日もまたまたCPレート低下。流れは先日来お話している状態なのですが、恒常的に平準的な発行を行っているその他金融系な発行体さんの3か月モノの発行レートが0.4%割れとかいう素敵な低下を。先週の月曜が0.6%とかで、その前の週の月曜が0.8%割れ水準だったので、この2週間でレートが半値になるという華麗な展開。

・・・・・いやもう何と言うか。

一方本日は3か月TBの入札があるのですが、こちらもレートはやや低下チックな感じ。昨日は売り出て0.23%とかやってましたけど、まあ入札前の調整でしょという感じで。今月は国債の償還もありますし、その分のキャッシュを何かで潰すとなった場合に短期国債はそこそこニーズ出るんじゃないですかねというところで。

CPレートの低下というかコモディティー化したクレジットスプレッド潰し状態はご愛嬌ですけれども、それをスルーした場合、まあ現状の足元の安定は本来「誘導目標=付利金利」となった時点でこういう資金供給になって然るべきでしたから、こんなもんちゃあこんなもんなんでしょうね。ここの金利状況が2年から中期とかに中々波及しないのが微妙に不思議なんですけどね。

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2009/03/09

○金利低下が絶賛波及(ただし超短い所のみ)

金曜の短い所ですけどね、CPのレートとかも相変わらず「レートがついているものを潰しに行く」という動きになっているのですけれども、それはそれとして格付け的に考えるとそのレートは無いでしょというようなレートのつき方をしている新発モノとかが散見されます次第でして、何と申しますか「オペ対象になるかどうか」とか「買入(日銀とか政策投資銀行とか)対象になるかどうか」という観点でコモディティー化したような状態になっているモノと、普通に短期国債などと信用リスクを勘案した価格形成になっているモノとに分かれて来てるようでして、何と言うか以前の動きと全く様変わりでござるの巻にはその豹変振りに少々呆然。

とは言え、オペ自体は前からあった訳でして、ここへ来て急に勢い付いた買い買い祭りになっているのは、オペの進捗でモノが減って来たという事だけではなく、期末に向けた資金需要の関係もあって、「期末マジやべえっす」という認識の下にCP発行体さんなどが資金を予備的な部分も含めて確保に入り、一方で金融機関の方も資金の放出を抑制しという動きだったのですが、その資金調達も一巡して予備的に確保した資金が余って来た上に日銀の資金供給も潤沢になったので、金融機関の方も資金が余るという図になったという需給面がここへ来て一気に変化(イメージ的には今月の頭から)したという所かと。

まーそーゆーことで気が付けば短期市場に資金調達サイドが居なくなった位の勢いでして、昨日は短期国債の金利も低下して3か月もののカレントの引けが0.225%とかに低下(水曜の入札時点から4bp位低下)しとるのですが、0.225%も思いっきりビットサイドみたいでして、これはまたレートが低下しましたという感じです。TIBORもようやく低下気味みたいでして、とりあえず期末の資金需要大変だ大変だモードはとりあえず短期市場的にはどう見ても終了です本当にありがとうございました。

クレジット面に関しては次の決算発表祭り位にはちと冷静になってコモディティー状態な部分はちったあ是正されて然るべきかとは思うのですけれども(それこそ市場機能がうんたらかんたらでしょ^^)、まあ期末モードに関しては早くも終戦という所でそれはそれで結構なお話でもあるかと存じます。

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2009/03/06

○色々と金利低下が波及とな(短い所に限る)

昨日もまたまたCP金利低下。と言ってもまあさすがに短期国債よりも低くなっているのはこれ以上低下するのも余地があまり無いですけど、レートがそれなりについているものを潰しに行く格好が続いているの巻。ただし銘柄によっては全然潰れに行かないものもある所が泣けるのですがね(汗)。

まあCPレート低下の背景はCP買入に現先に企業特オペという3発攻撃が効いているという所でしょうが、これらの施策を打ち込んだ当初には無かった動きとしてはCP回りの資金の出が良くなったというところで、これはオペ効果がやっと効いて来たという所に、大手銀行の資本増強策が効いて資本制約が軽くなったとかいうのもあるのかしら(後者は勝手な妄想)とか思ってますです、はい。

また、最近の「安定的な」厚めの資金供給オペも効果出てる感じでして、GCレポ市場への資金の出し手の大手銀行さんがここもと恒常的に資金絶賛出し方向となっていましてGCレポレートがこれまた安定的に低下して0.10とか11とか12とか素敵なレートで推移しているようで、これまたレート低下というか低位安定要因で、オペの金利は低めだわ、末初の共通担保(何でまたこんな早い時期に全店共担??という感じですが)オペの金利は0.260%(平均、足きりは0.25%)とこれまたちゃっかり低めの水準だわと、まあこちらも1月後半から実施している「やればできる子な厚め資金供給」姿勢が安定的だという認識が漸く共有された効果が出ているというもんでしょう。

ま、そんなこんなで、各種(というか企業金融関連)資金供給策と、潤沢な資金供給がここへ来て効果を発揮という事でよろしいのではないかと思います。

・・・・一方で短期国債が何か置いてけぼりっぽい感じで、一昨日は3か月TBが0.27%近くと官民逆転レートという寂しい状況でありまして、昨日は昨日で6か月TBも入札時点では平均0.27%の足きり0.274%という感じでしたが、さすがにオペ金利の低下とか見て反応してきたのか短い所からレートが低下してきた感じでして、昨日は前日の新発3か月TBが0.25%に低下(1.5毛強い)となっておりまして、この動きが継続して短国利回りが低下するのかはよーわからんざますが・・・何せ発行多いですから。

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2009/03/05

中川昭一先生に続いて小沢一郎先生が身を捨ててドル円を二人で10円ほど持って行かれました。1銭も使わずにこのパワーはまさに壮烈な殉国の義挙(大嘘^^)。

○社債買入オペが札割れした件について

昨日は社債買入オペが実施されました。1500億円の買入予定に対しまして応札が449億円に留まりまして、平均落札利回り較差は0.760%でしたが、札割れだけに較差0.000%まで落札となりまして、0.000の札入れた人ウハウハの巻(なのかな??)という感じですか。

そもそも論として、買入対象になる&買入レートの下限以上の流通利回りとなっている銘柄で業者の在庫を全部総ざらえしても1500億円とかあるとは到底思えませんので、初回入札で事務面の対応どうするのかとか考えると投資家からの持込もそんなに無かっただろうなあとか勘案すると札割れするんでしょうねという予想でしたので、結果出たときには「ああやっぱり」という感じだったようですな。

今回の結果から逆算すると、「月に1回1500億円」というよりは「500億円を月3回」とか「750億円を月2回」とかにした方が良い(入れるほうにしても頻度が大目の方が多分やりやすいと思うのだが)ような気もしてきましたが、何せ初回で手探りの所もありますので、はてさてどうしたもんかという所でしょうか。

あと、投資家の札入れさせたければ(ただし投資家が札入れて玉外しても同じものを買いに行くとは到底思えんですが・・・・)オファーから受渡までの日数をもうちょっと長くする(T+5とかT+6とか)という日銀様の考える決済期間短縮に逆行する方法も手かも知れませんな。

ま、このオペ自体はCP買入と同様にセーフティーネットなモノでありますので、札割れをしたのが悪いとか言うのは話の筋がおかしく、本来これが使われなくても社債市場がちゃんとワークしているのが望ましいというのであります。「札割れするから社債買入の対象を拡大しろ」とかいうのは政策の意義を考えていない本末転倒議論というかただのクレクレ発言でありまして、もう何と申しますか浅ましい話で。

ええまあそりゃ自分の所にのみ国家様から利益便益が供与されるのはウハウハなお話ですけれども、そーゆーのを臆面も無く言って(個人的な場で個人的に発言をするなら兎も角、会社の名前で堂々リサーチレポートとか出てくると・・・・)全然浅ましいとか思わないという根性は残念ながらあたくし持ち合わせておりませんのが実に残念な所であります(苦笑)。

ま、実施面での工夫の余地はあるんじゃねえのという所ですが。


○CPレートが相変わらず官民逆転モード

昨日は3か月TB(従来のTBがまだ残っているのでTDBとか言うらしいのですが、口に出して言いにくいし、そもそもTDBって言えば帝国データバンクさんですし、まあTBで通します)の入札が実施されました。

・・・えーっと、結果は平均落札でほぼ0.27%(ちょっと割れていました。ちなみに引けは0.265%)ということで、先週の入札とほぼ同水準でしたが、その一方で昨日発行されたCPレートも低下傾向継続という感じで、ついこの前まで0.80%レベル(期越え3か月物)で推移していた大手その他金融系さんのレートが堂々0.5%台とか連日の低下なのですが、長期でAA格レベルの大手メーカーさんの発行する銘柄の3か月ものが0.25%そこそこのレベルとかになってまして、短期国債並びだったり短期国債よりレートが低かったりという有様もまた継続。

というか、何かここ数日の動きは「勢いづいた買い」という感じでありまして、そりゃまあ企業特オペでファンディングコストが違うというのはあります(昨日申し上げた通り)からそのファンディングの差異だけ見ればレートがそうなっても良いのかもしれませんが、ファンディングコストが同じ人(つまり普通に運用資産として買う人)からすれば、絶対水準の比較で信用コストや流動性リスクを勘案して比較する話になりますので、こりゃまあCPよりはTBの方が良いですわということになるんでしょうな、と思います。

何かね、企業の信用リスク状況が先の量的緩和時代じゃないのですからそこまでやらかすのもちょっとねえというか、その前に全然買って無かったのはナンナノヨ(資本制約が軽くなったとかいう要因があるんじゃないかってのは何となく判るけどねえ・・・・)という感じでもあります。まあ金利が低下してるのは低下してるのですから、この低下というのが短期金利全般に波及すると良いですね(棒読み)という感じではありますが・・・・・・・

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2009/03/04

○CPレートが低下してる件に関して

昨日もまたまたCPレート低下したみたいでございますな。で、そのレート低下なんですが、さすがに0.2%だのなんだのというようなモノは低下の限界みたいなところに接近してますが、それよりも従来やや高止まりしていて、まあ恐らく日銀のCP買入の限度まで買入が来ているような銘柄さんのところでの低下という感じ。あたくしがおサボリする前に0.8%とかの水準だったネームの所で月曜には0.6%台前半とかだったのですが、昨日は堂々0.6%割れというような感じになっているようで、まあいい感じで低下しています。

・・・・まあ高格付け銘柄群のレートが低下してそれが全体に波及しているっていうのは判るのですが、一方で先週来の金利低下では、それまで「やや長めになって次の決算開示を跨ぎそうな期間になるとレートが微妙に上昇する」というような実に微妙な(苦笑)レート形成がされつつあった絶賛業績悪化中の高格付け銘柄群のレート形成から、その信用プレミアムのタームストラクチャーが潰れている感も無きにしも有らずのような気が(もうちょっとマジメに見ないといけないのですが、おサボリ後のお仕事フォローで全部の相場チェックまで手が回らないという本末転倒にも程がある今日この頃なもんで、汗)するのれす。

CPに関しては買入に加えて企業金融特別オペで年末までは0.10%のファンディングの催行確約(って旅行じゃないって)されておりますので、そこに目をつけてしまえばまあ確かにタームストラクチャーなんぞ知らんがなという意見も有りっちゃあ有りなのですけれども、一方で現実問題として企業の信用リスクそれ自体は業績がこの有様で経済状況がこの有様なので悪化傾向である事は否めないと思うんですよね。その点を考えると信用コストのタームストラクチャーまで潰しに行くような動きが出てくるのは企業金融特別オペの効果とは言え、ちと効果出過ぎで白川総裁お得意の「市場機能」的に言えば「市場の価格発見機能を阻害」っていう方向に出ている可能性も無きにしも非ずという仮説をちょっと置いて市場動向を見ようかなと思いましたです、はい。

とは言いましても、現在の外部環境および市場状況で何の支えも無く市場の価格発見機能をフルに発揮されますと発見せんでもええモノを発見しまして録でも無いことになりますので(^^)、これはこれでそーゆーもんなのかもしれませんね。ま、結論は企業金融特別オペレーションおそロシアという所でしょうか(^^)。

なお、念の為申し上げますが、おサボリしてひょいと戻ってきてこの2日の動きを見て脊髄反応で申し上げている面がございますので、全然この辺りの認識勘違いしてるかもしれませんからその辺はお含み置き願いたく存じます。まあ市場の現象の背景事情を理解するための思考実験の一つの仮置き説のスタートとして考えて頂ければ幸いでございます。



○日銀保有国債に関して

毎度お馴染みのこれ
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei0902.htm

例によってあたくしの手元でエクセルとか使ってちょこちょこ集計したベースなので違ってたらごみんなさいごみんなさいなのですが、一応結果に関して・・・・と申しましてもゾーニング効果で1年以内が4607億円増えてるとか変動利付が1001億円増えてるとか当たり前の結果が出ておりまして、それはまあどうでも良いのですけど、今回は残存1年以上2年以内の債券に関して見ますと・・・・・

あたくしの集計ベースですと1年〜2年のところで前月比の残高が5922億円増加となってまして、輪番ゾーニングしたのでちったあマシになったとは言え、やはり10年ゾーンあたりまでの部分では相対的に短い所が打ち込まれる傾向はカワランチ会長というのはシャーナイナイな所なのでしょう。

それでもまあ1年以内がバカスカ打ち込まれる状態と比較すれば随分マシになったという所で、今後日銀の保有国債が買っても買っても全然増えないというお洒落な状況が徐々に緩和されるものと思われます。


○日銀受入担保残高に関してメモ

今回はこれもちょっと見るのである。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/col/col0902.pdf

細かい項目が沢山あるのですが、政策目的という点で言えばやはり企業向けの証書貸付債権あたりを見るのが吉かと存じましてその数値を1月の数値と比較してみた。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/col/col0901.pdf

・・・・・ほほう。額面ベースでこの1か月で1兆5千億円(残存残高ベースでは1兆3千億円弱)増えているとな。企業金融支援特別オペレーションがワークしているちゅう事なのでしょうか。というかここだけで額面ベースで3兆3千億円集まるとは当初想像以上であって誠に結構なお話。最初の時点で見込み強気過ぎじゃないのとか悪態ついてどうもすいませんでした。

短期社債(電子CP)も増えてます(残高の額面で2月末で2兆1千億円)し、企業支援特別オペレーション改めておそロシア。

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2009/03/03

米国市場がようやく盛り上がって参りました!!

#未集金(勝手に変換された^^)元FRB理事がお友達さんを支援でもしたいのか吼えているようですが、「とりあえずお前が言うな」以外の感想はございま千円。

モーサテ(というか日本メディア)って何でこう米国の話ばかりなのよと思いますが、欧州の方がいい感じで引火してる筈なのだが・・・


○市場雑談から

昨日はCP買入ついに札割れでござるの巻。しかも昨日は応札が967億円ということで買入予定の3000億円に全然届かないですという華麗な結果となりましたので、1か月もので0.30%で1か月越えもので0.40%での買入と相成りました。いやはや素敵な状況。

そもそもあたくしがおサボリしている前回の買入時点でまあ見事な展開になっておりまして、先週木曜のCP買入で3925億円の応札だわ落札最低較差が0.001%までぶち流れるわという結果になっておりましたわな。現象面としてはCPレート低下の方が先なのでしょうが、まあ相乗効果で先週一気にCPのレートが楽しく低下して、特に高い格付けの銘柄は軒並み日銀の買入レート以下の水準に下がってしまい、電力会社さんあたりの発行するCPは短国利回りを下回るという華麗な展開になって「官民逆転」などといわれる始末。

まあそりゃ最悪でも日銀の買入に打ち込めば投げられる(ただし一杯になった銘柄は入れられませんが)というは安心はあるわ、企業特別オペで0.10%でファンディングがつくという保証はあるわという事で官民逆転しても別におかしくは無いのですが、それにしても一気に低下したもんで。厚めの資金供給とかも効いているんじゃないのかなあとか色々と思うのですが、まだおサボリ時期の動きがイマイチ良く判っていないのでその辺はオミット。

まーそんな次第でCP買入が札割れとなったのですが、これはこれで市場の金利に低下効果(どう見ても買入限度を超えたと思われる銘柄であってもレートの方は他に引っ張られて華麗に低下しています)はあるわ、下支え効果はあるわというのが出て、市場が回復した(というか回復しすぎのような気もしますが・・・・・^^)という結果でありますので、政策効果が出て大変に結構だったと思います。

そのうち入れていた銘柄の期日が来ればまた買入余地の出る銘柄も出てくるので、期末越えで継続になった分に関してはまた札も入って来るでしょうし、今度は初回の出来上がり1%などというようなレートよりは下がるんじゃねえのとも思えます(実は違ったらそれはそれで笑えますが)ので、その点でもまあ効果継続ちゅうところでしょう。

これで「札割れになったことでもあるのでもっと買入範囲を拡大しろ」とかいうのは話としては短絡的というか筋の悪い話で、予算達成じゃないのですから、こーゆーセーフティーネットは使われないのに政策効果が発揮される(今回だったらCP市場の活性化)のが一番良い話なのでありまして、「札割れで誠に結構」という話だと思います。

まあ話は脱線しますが、「日銀はBBB以下も買え」とか「何でもかんでも買え」とかやたらクレクレ発言というかポジショントークをする市場関係者も多いのですが、そーゆー人たちは当然ながら「利益誘導政治反対」とか「無駄な道路は作るな」みたいな事は恥ずかしくて言わないですよね♪


ところで、昨日は無担保コール翌日物の加重平均が0.10%割っていたのですけれども、よくよく見たらスポットベースで月末月初の所を抜けてから急にスポットベースの国債買現先を増額するという訳の判らんプレーをやっているんですね。最近のデジタルというか機械的にしか資金の出し入れをしてこない市場の大口参加者動向を鑑みれば、月末の末初をレートが上昇しても延々と出し渋った挙句に、スポ末越えたらレートが下がっても急に資金が出てくるのとか簡単に予想つくと思うので、そんなに下げたいのならもっと前に買現先増額してスポ末抜けたら元に戻すんじゃねえのと思うのですが・・・・なんかワケワカラン。

#最後のはわかる人にわかってもらえればの独り言です

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2009/02/18

○ユーロ円TIBORとユーロ円金先の雑談

まあそもそも論としてユーロ円金先というのはキャッシュのヘッジになっているかというと、なんちゃってヘッジというかオマジナイ程度にしかならないのでキャッシュ命のあたくしにはあまり興味が無いのですけれどもタマにはネタにして見ますが、ずれている話かもしれません(最初から言うなって感じですが、汗)のは勘弁。

えーっと、ユーロ円金先の当限ですが昨日の清算値が0.655%となっておりますが、一方で昨日のTIBORユーロ円フィクシングの値は0.71308%となっておりまして5.8bpの乖離。このユーロ円金先って当限の納会ではユーロ円TIBOR(多分フィクシングレートを丸めた数字だと思いましたが)でSQ決済になりますので、最終的にはユーロ円TIBORに収斂される筈なのですが、残り1か月切ってまだこれだけの乖離とは。

ちなみに、過去2回の当限ですけど、12月限が11月18日時点で0.785%に対してTIBORが0.81846%、9月限が8月18日時点で0.835%に対してTIBORが0.84358%でありまして、現在ほど乖離しておりません(11月時点というのはTIBORがじり高状態になっていた所でしたね)ので、まあこの数字を見ますと一応「これはTIBOR低下期待込みの価格形成」という理屈が成り立つのであります。本当かウソかは知らんが。

でもまあ正直申し上げまして、TIBORって名目は市場金利(トーキョーインターバンクオファード(だったかオファーだったか自信ねえが)レートですからね)なのですけれども、実体としては大手銀行様を中心とする銀行の皆様の貸出基準金利だったりしますので、それを誘導とか言いましてもこれは難しい問題。まあ企業のローン需要が低下すれば需給問題からレートが下がるかもとか、銀行の資本制約が緩くなれば同様にレートが下がるかもという話になるので、これはまあ金融政策で直接的な影響を与えるのは難しかろうという所で。

というのは短期市場方面におけるキャッシュ担当の皆様は先刻ご承知の助の話だと思うのですけれども、金先というのはこれまた参加者が微妙にキャッシュじゃない人で構成されているらしい(キャッシュのヘッジとしての物の役にあまり立たないから仕方ないけど)ので、どの位の意識を持ってこの乖離が生じているのかは金先プレーヤーさんに聞いてくださいませ(^^)。

一応無理無理理屈をくっつけると「ターム物金利誘導期待があるから」という話かも知れませんが、次に申し上げる「やればできる子金融調節」によりましてターム物というか短国の利回りが既にピークから6bpくらい低下して落ち着いた推移となっておりまして、今更ここから下がるのですかねえという感じだったりしますんで、この5.5bpの乖離ってここから納会に向けてどう動くのかちょっとだけ気にしてみたいと思いますです、はい。


○やればできる子な金融調節(何と言う上から目線^^)

先日も「最近のオペが好評な件」というようなお話をしたかと思いますが、カレンダーベースでも新しい積み期間に入った今週になっても資金供給のオペレーションがやや厚めに打たれておりまして誠に結構至極でございます。

昨日は共通担保オペのだいたい3か月もののレートが0.228/0.22と12日に実施された同じくだいたい3か月(ちょっとこっちの方が短いが)もので0.235/0.23だったのでこりゃ落ち着いたレートですねという感じ。短国の3か月ゾーンのレートはこの間に引け値ベースでは別に低下していない中ですがオペレートがちゃっかり低下しているというのは落ち着いているという意味では中々結構な展開ですね。

背景には兼ねてから申し上げておりますように、オペが比較的厚めに打たれているというのがありまして、前月の同時期と比較しますと、1月16日の当座預金残高が112800億円で2月16日の当座預金残高が1426000億円。所要準備預金は特に大きな変化は無く、超過準備が1月の17000億円に対して2月が12400億円。また1月19日の当座預金残高が107600億円に対して昨日(2月17日)の当座預金残高が139500億円。超過準備が1月の23200億円に対して2月が24700億円となっていますので、1月よりは厚めに資金供給されているなという所です。

で、このやや厚めな供給およびターム物への安定的な供給という動きがここもと比較的安定しておりまして、従来だと直ぐに何か別のものを調整しようとして資金の出しを止めてみたり妙な吸収をしてみたりとかやって、GCレートを跳ねさせてしまいましたの巻になっておりましたが、今月になってからはその手のやたら細かい微調整が無く、スタンスが一貫してきましたなという感じになっておりますので、GCレートが0.15前後(からちょっと下程度)で安定して推移し、GCレートのボラが下がって目線も安定してきた事から短国の利回りも安定推移となって参りましたという所です。

ということで、金融調節やればできる子じゃんというお話で、まあターム物誘導がどうのこうのというのは実は足元のレートを安定させればそれなりに誘導できるんじゃないですかという素敵なオチが待っているのでありました(^^)。

そもそもですね、展望レポートの中間レビューで物価見通しが再来年までコアCPIマイナスとかやらかしているのですから、常識的に考えて軽く向こう1年は政策金利が引き上げ方向になる訳はないと展望レポート中間レビューは申し上げているのですよね。ということですので、本当は現状っていうのは明示的じゃないけど政策金利引き上げませんよの時間軸が設定されているのに等しいですよね。

#まあ一々明示してくれないとワカランチ会長なのが市場クオリティではありますが

となりますと、「誘導目標金利=預金ファシリティ金利」となっており、「潤沢な資金供給を行うために誘導目標金利=預金ファシリティ金利とした」と言っていたのですから、それを実行することによって本来はターム物金利は落ち着いていて然るべきであったという話で、まあやればできる子調節は良いのですが、最初からこれをやって欲しかったですなあという感じではあります。

#こうなると超過準備付利も延長になるのですかね。水野さんはまた反対するのかな?

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2009/02/17

○CP買入とか企業支援特別オペとかに関して

CP買入と企業支援特別オペが順調に推移しておりまして誠に結構なお話でございます。企業支援特別オペに関しては先週火曜日に行われたのが13834億円となりまして、これで3回合計で38965億円のオペ実施。当初3兆円とか大丈夫かと思ったのですが、全然楽勝で3兆円オーバーとなりましたね。当初悪態をつきましたことをお詫び致しますが(^^)、証書貸付で残高これだけ伸びるもんなのかちょっと微妙な気もしますにゃ。いやまあCPとかで残高伸びてるのかもしれないのですが、残高の順調な増えっぷりにどういう内訳なのか見てみたい気はしますです。はい。

一方CP買入は昨日実施分が利回り較差で0.394/0.300という結果ですので、1か月もの入れたら0.694/0.600だし3か月もの入れたら0.794/0.700ということなので、まあ普通にCP発行している中でもややレートがお高めの発行体さん銘柄が普通に入れられる水準まで低下の巻と、レート的には落ち着いたというか良い感じになってまいりました。最初のレートはだいぶお高いレートの発行体さん銘柄しか入れにくい水準でしたので、落札結果後に入れようと思った銘柄が滑って募入取り下げ続出という素敵な事態もありましたが(2月2日の駄文ご参照)、ここもとは落札がほぼ買入予定額どおりになっていて普通の入札になって参りました。

そのCP買入ですけれども、13日の資金需給を見てたらこんなのが。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd090213.htm

そこの「CP買入」って所を見ますと資金需給上▲100となっております。この資金需給っていうのは日銀の対民間資金の受払いを集計しているのですけれども、買入を行ったCPが償還になった場合はCP発行体が日銀に償還金をお支払いすることになりますので、これは民間資金の揚げ要因になりますということで、資金需給に載って来るのねと見ててほほうと思いました(保有国債償還の場合は対民間での資金受け払いが発生しないので計数がここでは判らない)。ちなみに、ほふりに行きますと電子CPのISINが全部載っていますので、おひまな人は全部探してピックアップしたらもしかしてどの銘柄なのか予想つくかもしれません(えーっとそれは物理的にかなり無理ですのでほぼ冗談です)ね。

冗談はともかくとして、16日にも資金需給上▲100となってまして、これはまあ2つとも日銀のCP買入銘柄がめでたく償還になったという事なのでしょう(^^)。

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2009/02/13

○オペレーションが最近好評な件について

先月末から今月頭に掛けましてはTBの増発懸念とかでレートが上昇しましたという話をしておりましたが、ここの所大変に平和な展開での推移となっております。先週の入札では0.30%乗せとかだったのですが、今週に入ってレートは低下して火曜の3か月TBの入札は大体0.255%平均の落札となって、昨日の日本相互証券の引け利回りは0.24%(確か0.235%の出合いもあったと思うが)で貫禄の0.25%割れとなり、需給悪化懸念とか言ってレートが一気に上昇しだす直前の水準まで戻って来ました。

この間のレート上昇って需給悪化懸念というネタだったので、買い手のうちややアクティブに動こうという人の手がすっこんでいたのですけれども、先週の水野審議委員の講演にあった「短期国債市場への目配りも必要」という辺りやら、ターム物金利誘導に関する期待やらで「買い安心感」ってえ奴が出て買い方の背中を押してまあ本来この辺でしょというレートまで低下したというところでしょう。

また、ここもとの資金供給オペレーションが比較的安定的にタームの資金を供給しており、変な吸収とか出し渋りとかが無いのも好感されているというのが小見出しの件になります。この為、レギュラー受渡ベースで16日の新しい積み期間に入ってからもGCレートは落ち着いて推移していまして0.15%近辺での推移。当座預金残高が積み最終を控えても11兆近辺(先週は12兆)で安定推移しておりまして、資金需給的に不足地合いだと供給オペが打ちやすい上に変な吸収も無くという流れなのが安定推移の背景かと。まあこういうオペですと割と落ち着いて推移するようで、概ねオペも好評という所で誠に結構。

ちなみに、1月のこの時期は年末越え対策で準備預金が進捗し過ぎたことから積み最終に向けて当座預金残高を急速に圧縮(ちょっと謎の吸収オペがありましたが、概ね供給オペのロールを落とす事によって対応)しまして、レギュラー渡しが積み最終になる1月9日の所で当座預金残高が9兆円近辺(前日から9兆円近辺)まで圧縮されたことが影響してGCレートがいきなり跳ねて0.16%辺りから最後は0.26%レベルまで上昇しちゃったという展開になって1月後半はGC高い展開に。と言ってもまあ0.2台前半ですけれども、前半が0.1%台前半での推移だったので上がった感が強くなりました。

ま、今月は積み最終に向けても当座預金残高を圧縮して来るような雰囲気が今のところ無く、ターム物オペをある程度安定的かつそこそこ厚めに打ってきているという印象でありまして、市場的にも「これはやっとタームのオペを厚めに打ちだしたのかな」という感覚になってきたのではないかと思われます。とは言え、昨年10月以降毎度毎度「急に金を引いたので」攻撃とか「急に金を出さなくなったので」攻撃によりまして何度も梯子を外されてその度にGCレートが跳ねるという素敵な展開が続いてましたので、さて今回は大丈夫かっていうのはまだ微妙に気にしているものと(あたくしの周囲をヒアリングしたベースでは^^)思われます。タームを厚く打てば当座預金残高積み上がって来ますが、余剰地合いになった所で供給をいきなりストップしたり資金引いたりしたら元の木阿弥ですからねえ。

結局のところですな、身も蓋も無い言い方をしてしまいますと、あまり細かい所を気にして妙に微調整しようとすると、その微調整は調節担当的には微調整すべき自明の事柄であっても、市場(特にインターじゃなくてオープン市場)では「何かよく分からん調整をするオペですなあ」となりまして「???」となって梯子外されたような気になるのでありまして(汗)、まあ細けぇ事はいいんだよ!(やる大矢のAA略)というような調節をして頂きたく存じます次第。

ていうか、当座預金(正しくは超過準備)付利0.10%で誘導目標0.10%っていう政策の枠組みって「金利付きの量的緩和(それを量的緩和とは言うのは変ですがそれは兎も角^^)が可能」と普通に考えると市場は解釈するのでありまして、そーゆー枠組みになっているのですからあまり細かい微調整せんでもええじゃろという風に思いますし、逆に言えば付利金利=誘導目標になっているのにやたら丁寧に微調整するのは市場の期待を思いっきり外すの巻という所なのではないかと思うのですがどうでしょ。

まあ月後半からは徐々に期末モードが盛り上がって参りますので、細かい微調整するよりはざっくり目にやや厚め(極端にバカスカ出さなくても安定的に出ていれば市場は安心するのでそう馬鹿みたいにレートは跳ねない筈)に使いやすいターム物中心に資金供給をしてレポ市場やら現先市場のレートを安定的に推移させて(再三申し上げていますが、レートが乱高下するのが一番困る)頂くように運営していただきますと有りがたく存じます。

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2009/02/04

○FB(今月からTB)のレートとかGCのレートとか

さて今日は記念すべき(かどーか知らんが)第1回国庫短期証券(T-Bill(TDBだそうです)というそうですけれども、あっと言う間にTBと言われるようになるに旧1兆ジンバブエドル)の入札であります。今回は償還対比の発行予定額が6000億円増額という大変に素敵な入札でありまして、昨日はGCレート下がっているのにFBが華麗にレート上昇して0.29とか0.295とかそんな感じっぽく推移。

事前に警戒が強いと入札が流れてもその後何とかなるの法則があるんですけれども、今回はどうなるのやら。入札が下手に流れないでその後全然売れないのが一番いただけないパターンではありますが、さすがに今回はちょっと調整するでしょう。というか調整しないと相場を止めるような買い手が出てこないかと思われ。

#と、あたくしが警戒すると北禿先生状態になる事も多々ありますので念のため

一方でGCレートは金曜の夕方になっていきなりT+1とかT+2の資金が出てきた所から雰囲気変わりまして、月曜はオペレートだけ妙に高かったですがレート低下して、昨日はなお低下してスポネの現先オペレートもドカンと低下。T+1とかは0.1台前半まで低下の巻。

また例によって例の如く月末の資金繰りの所を通過した途端に資金の出し手が市場に資金を放出してきたのですけど、その前が全然資金出さないでいた訳で、その前後のレートが10bp以上平気で違ってくるんですよね。まあそんなレート差が出るくらいですから、出し手さんの行動が皆さん横並びになっているのも容易に想像がつくところかと存じます。何と言うデジタルな動き。

いやあのですね、月末前と月末抜け後にレートが2bpとか3bpとかしか違わないのであれば別にそこで裁定するのも面倒だからってのも判るのですが、横並び的に動いたビックプレーヤーさんのお蔭で10bp以上平気で違うようなパターンが連続しているのに裁定取引に出ないで引き続き機械的に動くのって何だかねえと思うのですけれども。高いお給金で人を張って、これまた値の張る立派なお道具を設置しているだろうに何と言う機械的デジタル行動なのでしょうと外野的には思うのですが、まあきっと中の人は中の人で色々と外野の判らない深遠な事情があるんでしょうね(棒読み)。

で、どうせ積み最終が近くなるとレート上昇して、最終抜けると下がって、月末が近くなるとレート上昇するんですよね。何だかなあ。

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2009/02/03

○3か月TB発行が3か月連続で増発されそうな件について

昨日財務省から2月と3月のTB発行予定額が公表されていましたが、その中で短期関係者が目を丸くしたと思われるのは「3月の3か月ものTB発行額は1回辺り5.1兆円〜5.4兆円」という点。

今月入札分から発行額が5.1兆円になったばかりで、その5.1兆円の消化大丈夫かねとかいう話をしているうちに先週の3か月もの(14週でしたけど)FB入札が華麗に0.3%近くまで流れた(債券先物がビックリして15銭ほど下がったのはご愛嬌)のですけれども、期末月にまた増発でこれで3か月連続増発の香り。対応する償還FBは1回辺り大体4.5兆円の発行でしたので、毎週9000億円の増発になる次第でありまして、どう見ても消化不安です本当にありがとうございました。

この予定通りに増発になりますと、単純に言って3か月ものだけでも12月対比で短期国債(名称は色々あるけど)で月に4兆円位の市中資金吸い上げ要因になりまして、「クラウディングアウト」という用語が頭の中をヒラヒラと舞い踊る次第であります(昨年対比で1回の発行額が最終的に9000億円増えるとなると昨年対比ベースではその13倍がトータルで発行増になるのかしら)。その上「財源は埋蔵金」という素敵な施策が次々に出る中で消化大丈夫っすかねえという所で。

いやあ埋蔵金活用って理屈の上では良い話なんですが、実務に落とし込むと中々素敵な問題が生じます(そもそも外為特会の剰余金なんぞはまさしく「数字上は利益だけど円のキャッシュフロー上は1円も剰余していない」ものですもんねえ)ねえって感じで。何か「理念的には仰せの通りですけど、実務にそれを落とし込むとマズーなんですけど」っていう話が色んな所で最近やたら目に着きますなあ、(保安上の見地から自粛)法とかまさにそうですけどね。

と、一部余計な悪態が入りましたが、国庫(特別会計含む)の資金繰りに関しては良く判らんところが多いのですけど、何でこう短国増発が多いのでしょうかねえと不思議なあたくし(と勉強不足を堂々言うのも何だが^^)。


○そういえばCP買入

すいません昨日コメントしないといけませんでした(汗)。

昨日のCP買入ですが、大まかな手順としてはこんな感じらしいっす。

1.前日に入札予定銘柄の事前審査を出す
2.当日9時半に入札オファー
3.日銀ネットから応札レートと応札額を入力
4.10時半にとりあえずどのレートで幾ら落札になったかの連絡
5.各々のレートに対応する銘柄を連絡
6.高いレートから順に募入銘柄を入れていった時に、買入限度を超えた銘柄に関してはレートの低いものを弾いて、その分に関して銘柄の差替または落札辞退のどちらかを選択するように連絡
7.その銘柄に関して6と同じ事が起きた場合繰り返す
8.全部の落札札の明細が確定(=募入が確定)した所で落札結果発表

で、その結果が17時になって出たのはお疲れ様でしたとしか申し上げようがございませんです。5番目から先の手順が人力作業大会だと思われますので、これはもう大変ですよね。

で、落札結果のレートの方は平均較差0.716%で足きり較差が0.511%になっておりますので、普通に考えて期越え3か月以内ものを打ち込んだと考えますと、平均売却レートが1.116%で足きり売却レートが0.911%ですね。平均の1.116%ってのはイメージちょっと高い気がしますが、足きりの0.911%に関してはまあそんなもんかなと。0.8だと低くて1.0だと高いなあと勝手なイメージしてたので違和感はそんなにないです。

#較差0.510%だと按分に掛かると思って0.511%に入れたら同じことを考えている人が複数いて按分になったというのはご愛嬌

で、落札額なんですけど、買入予定額3000億円に対して落札額が2185億円となりました。つまり800億円ほど滑った部分があるのですけれども、この800億円は何なんでしょと考察しますと、まあ普通に考えますと「応札しようとした銘柄が入れに行ったら買入限度オーバーで、他にそんなレートでわざわざ叩き込む差替え銘柄が無かった」という事でしょう。あとは按分の関係で端数が入らないというのもあるかもしれませんが、按分に掛かった人がそんなにいる訳でもないでしょうから些少な額でしょう。

ということで、初回で埋まった銘柄が少なくとも1つ以上はあるという事ですかそうですかという感じでありますな。あ、ちなみに「買入限度額オーバー」じゃなくて「前日の時点で信用判定がオッケーだった銘柄で当日になって信用判定アウトになった」という可能性もあるかなあと(普通はそうそう一夜で大変化せんと思いますが、今回は4半期決算発表の集中時期に被ってますので)は思いますです、はい。

だからどうしたと言われると困りますが、まあそんな入札でしたという所で。今回は決定から初回買入までの期間が短く、CP買現先オペで飛ばしている銘柄も多かったと思いますので、戻ってきた分で入れようという動きも次回以降続くでしょうね。

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2009/01/30

○またヘッドラインに釣られているわけだが

昨日は西村副総裁の講演(金融経済懇談会の挨拶)があって、講演後の記者会見があったのですけど、その会見のヘッドラインで例によって瞬間的に相場が反応してたように見えました。

日本語版ロイターのヘッドラインが早い順に3つ並べるとこんな感じでしてね。

14:04 29Jan09 RTRS-長めの金利に影響を与えていくためにオペの工夫を考えていく=西村日銀副総裁
14:05 29Jan09 RTRS-翌日物金利下げられない時は長めの金利に影響強めていくことが望ましい=西村日銀副総裁
14:06 29Jan09 RTRS-長めの資金供給で長めの金利低下に効果あることは量的緩和時代にも明らか=西村日銀副総裁

「ターム物金利に働きかける方策」云々という話は白川総裁もしてますが、実際にやってるオペレーションは全然そうじゃないですよねえってのは特に短期市場の皆様先刻ご承知の助ですので、ヘッドライン見ても「またやるやる詐○か」ってなもんですが、こりゃまた脊髄反応しそうなヘッドラインの打ち方ですなあと思ってましたら、一方でブルームバーグ(プロフェッショナル)日本語版のヘッドラインはこの通り。

JBN 14:05 *西村日銀副総裁:長め金利に働き掛けるためオペの工夫考えるの有効
JBN 14:05 *西村日銀副総裁:ターム物金利ターゲットは簡単に結論出る問題ではない
JBN 14:06 *西村日銀副総裁:危機対応でオペ全体の中で考える−国債買い入れ増額
JBN 14:07 *西村日銀副総裁:量的緩和時代は長めのオペで金利に下方圧力掛かった
JBN 14:08 *西村日銀副総裁:状況によっては長めの資金供給が有効になり得る

・・・・・印象違いますよね!

んでまあ会見要旨は結局の所今日の公表文を見れば判る話なのですけれども、従来の白川総裁の発言から話のトーンは変わっていないでしょと思われる所でありまして、まあ上がった先物はまた押し戻された(その間に新発2年がセカンダリー好調という動きがあったのでカーブとかは変わっていましたけど)でござるの巻となっていたようですので、まあヘッドラインに釣られてプギャーという感じですかな。

まあ緩和で次にやるのはターム物金利を誘導するのか、質的緩和を更に進めるのか、それとも量的緩和にするのかという話で、どれがどういう風に効くのかとかを勘案しつつやりますよねというのはその通りですから、ここからも緩和の話は続くのでしょうが、それに一々反応するのも何だかなあと。だってここから更に何かの緩和措置が出るでしょというのはある程度織り込んでるんじゃないですかねえと。

何かね、「キャッチーなヘッドラインを打ってマーケットにインパクトを与えれば良し」みたいな発想でニュース配信を致しますのは、瞬間の日計り的な売買にとってはそりゃまあ結構な餌ではございますが、そんな事よりもより正確な報道をして頂きたいと思います。大体からして従来からの白川総裁の発言や日銀の公表文をチェックしていれば、西村副総裁の発言もその延長線上で、唐突に出てきたものではないという事は把握できると思うんですよね。

で、従来よりこの手の粘着的チェックをしてますけど、近年はクイック、時事メイン、ブルームバーグは発言の一部を切り取って大げさなヘッドラインを打ち込むというのは(少なくとも日本の金融政策関連では)ほぼ見られなくなったのですけれども、ロイターだけは大昔のディーリング全盛相場時代から頭の中が変化していないようで、マーケットにインパクトを与えるヘッドラインを打つのが仕事と勘違いしっぱなし(ディーリング全盛相場ではそういうニーズがありましたもんね)なのではないかと、誠に遺憾に存じます次第であります。


○FBが重いですねという話

昨日申し上げましたように、水曜は3か月FB入札が0.30%に接近しやがってちとあれれ状態だったんですが、昨日は短国買入オペが実施されて平均落札利回りが前日比3毛1糸甘なんぞになりやがっておりまして、それって水曜の新発とかその近辺入れに行くと0.31%で叩き込み(だからそのゾーンが入ったんじゃないと思うが)とかに相当するレートで、中々こう悲しいものを感じさせる次第でございます。

FBが重いせいなのか、月末のところの着地を見てからじゃないと資金の出が悪いのか、それともどこかで予備的需要が増えているのか良く判りませんけど、その関係からかGCレートもサガランチ会長でして、資金供給オペに対する応札は多いわレートはじり高だわという素敵な状態が継続。スポットは月末抜けているというのにスポネの買現先は0.231/0.22と前日から1つ上昇している(余談ですが、一昨日の末初買現先0.221/0.21でして、昨日の末初GCが0.27近辺とかワケワカランのですが・・・・27売るならオペ必殺入れとけよ・・・)わ、それより香ばしいのはスポットウィークの買現先が0.226/0.22で、月末抜けてるのにレート上昇とは何たることぞという感じ。午後の共通担保は末スタートだったので0.231/0.23とこれまた素敵に1bp上昇と何か金が無いですねえという感じ。

ま、当座預金残高自体はある(増えてる)ので、これってまあ実際に金が無いのではなく、市場に出てこない予備需要的な「死に金」が増えているという現象なのでしょうが、GCは0.20台半ば近辺で推移するわ、カレント3か月FBは引け全力オファー状態だわと、これで来週の3か月TB入札どうなのよという感じであります。まあ月末抜けてどうなるのかは知らんけど、今の雰囲気は(月曜か火曜辺りから変でしたが)宜しくなく、この調子では中々これは寒いものを感じますなあという所でありまする。

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2009/01/29

○3か月FB入札が流れて債券先物がビックリした(???)件に関して

昨日は3か月FB(政府短期証券の最終回)入札がありました。

1月から3か月FBの発行額が従来の週4.5兆円から週4.8兆円に増えてちょっと荷もたれ感がある所に来て、来週からは週5.1兆円に増額ということで、兆円の数字が増えてしまうというのも何かこう重さを感じる次第で、入札前からせっせと調整して前場の引けでは既に0.275/0.28で入札を迎えました。

で、その結果が0.2887/0.2992と思いっきりロンバートに接近というレートになり、まあ流れたけどとりあえず30で止まったねという感じでしたが、その結果出た直後に債券先物がいきなりストンと下がったのはこの結果にビックリしたんでしょうか、よー知らんけど。その後暫くは平均オファーだったみたいですけど引けに掛けて持ち直しで0.28%の引けになってましたので、一応止まりどころで今回は止まりましたねという感じでしょうか。

このFB、今月の最初の入札では0.1789/0.1825だったので、3週間の間に華麗に上昇した格好なのですけど、まあそもそも今月最初の入札時点が年末年始の発行端境期+年末年始対応の資金供給が余った時期に当たっていたというのがあるので、まあそれは下げすぎだったのかもしれませんけど、一方でGCレートとかオペのレートとかも0.20%台で高止まりしているので、そっちも足を引っ張る格好。

GCに対して自然体なのか押し下げようとしてるのかが微妙に良く判らん調節というのもありまして(マーケットちゃんとしましては、時々やたら配慮したような細かいオペあり、かと思えば自然体の放置プレーオペありと、どうもどっちだか判らんというのが印象だと思います)、何だかちょっと右往左往みたいな面もありますけど、FB(来月から短期国庫債券なのでTBですか)が絶賛増発されているというのが徐々に効いているという感じなんでしょう。来月からは3か月TBの償還対比の増発額が6000億になるので、もうちょっと逼迫感が出てくるのかもしれませんね。まあ所詮は国債ですからレートを調整すれば解決する話で、アベイラビリティがどうのこうのとか信用スプレッドがどうのこうのというヤヤコシイ話ではないですけどね。

来週の入札時には積み期間も後半になるし、月末とか税揚げとか資金繰り読みにくいからGCの資金そんなに先日付でホイホイだせないよと言ってる人の状況が変わっているとは思いますが、増発されて5兆円の大台乗せになった3か月TBちゃんと捌けるのかは気にしておきたいと思います。

・・・・ところで、余談の類になるんですけどね、こっから円売り介入をするとかいう話になりますと益々TB(今はFB)が増発されるのですけれども、現状でこの有様なのにどうなのよという論点とか、昨今の埋蔵金ブームで「財源は埋蔵金」っての大流行なんですけど、TBの発行が着実に増えているということは、そりゃまあ会計上の利益(というか剰余金ですか)はあるのでしょうけれども、キャッシュフローとしてそこに金があるのは別問題という雰囲気が大変に香ばしく漂って参りますけれども、埋蔵金財源で真水を出されたらまたTB増発ですかそうですかという感じなんでしょうかねえ、いやはや。

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2009/01/22

○またもオペネタでさすがに食傷ですよね(−−)

昨日の日銀金融調節は以下の通り、オファー順にならんでます。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of090121.htm

えーっと、朝9時半の現先タイムでスポネの買現先を同額ロール(訂正:5000億円増額して4兆円でした)してタームの30日エンドを打ってきましたが、昨日はGCレポレートが上昇地合いでして、オペの落札レートもあまり下がらずという感じで推移しとりました。

昨日申し上げておりましたFB入札に向けて地合い宜しくない中で、FB入札は平均0.2412%で足きり0.2488%と0.25%に大接近しましたでござるの巻。2週間前のFBの落札水準が0.18%あたりだったのですが、まあ見事にヘロヘロになっております。こちらはその後も0.24%オファーとかで推移してたみたいですわな。まあ関係者的には想定範囲内ではありますが、想定どおりにダメダメでしたねという感じでございました。

ということで途中を端折りましたが、昨日短期方面の関係者が結構げげっと思ったのではないかというのが上記オペの3本目の売出手形でございます。1兆円の国債買現先と同じ期間で売出手形を6000億円実施してさっき出した金を引くという謎の両建てオペですよ先生。

でですな、これがGCレートがクソ下がりしているような地合いで打って来るのなら話はまだ判るのですが、GCレートが上昇地合いになっていて、レポ市場的には資金が不足気味になっており、コールも別に下げっているわけでもなく0.11−0.12くらいで、おまけにFBの入札も流れましたという地合い(FB落札結果発表の後に売出手形オペがオファーされます)の中で敢えて先日付の資金を引くという素敵なプレーが炸裂してビックリという感じ。レポレート上げたいオペですかあって感じで、レギュラーの所のレポレートは上昇(というか金の出が悪くなる)地合いになりました。そりゃあーた売出手形のウィーク物で0.21%(平均は0.198%)で運用できるのだったらレポ市場で0.22%の金を出すよりそっちを選ぶわなと。レポレート上昇とFB入札低調(これは相互作用している面もあるけど)によって既発のFBレートも軒並み上昇しちゃいました。いやはや何とも。

今回の謎のオペに関しては何を意図してるのかよーわからんのですが、まあ普通に考えると単純に当座預金残高を調整(10兆円台ですかね)しているのかねという所なのですが、実は先日付の資金をスクイーズしてショートファンディングを推奨してるのではとか、企業金融特別オペの札を増やしたいからわざと資金引いているのではとか、やはりコールレートの本当の誘導目標は0.10より上なのねとか、まあ色々と穿った見方をしたくなる(というか上記の見方は人様の受け売りなんですが^^)今日この頃なのでございます(−−)。

まあいずれにせよ、超過準備付利レートと誘導目標金利が一緒になったところでオペネタは終了でしょと思っていたあたくしとしては、未だにこんなに細けぇ事でネタ振りをするとは想像しておりませんでしたという所であります(そしてしつこくオペネタに粘着するのも脅威の粘着質だと我ながら思うのでありますが、大汗)。

どうにもこうにもオペ読みにく過ぎです。いやまあ別に全部市場の予想通りにオペ打てとか言う話ではありませんけど、日々の金融調節オペレーションで余りにも色々な点について微調整しようとして、結果として市場の方では「何がどうなるとどういう調節が来るのか」が訳判らんという状態になってレポレートが迷走するのかねという所かと思います。で、レポレートが迷走しだすと只でなくさえ発行が多くて消化がしんどくなっているFB3か月の金利に悪影響・・・・って話は毎度しております通り。

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2009/01/21

○オペとかGCとかFBとか

えー、毎日オペレーションの話ばかりして恐縮なのでございますが、他にネタも無いのでまたオペレーションの話から(^^)。

昨日はスポネの買現先オペが5000億円増額になって3兆5千億円実施と相成りました。月曜にスポネの買現先を1兆円減額して3兆円にしたのですが、途端にGCレートが上昇しましたなあという話は昨日申し上げましたけど、それに対応したのかどうかよー知らんが減らしたと思ったら今度はまた増額とはオイソガシヤですな。

で、オペ結果は応札相変わらず5兆7千億円(月曜は6兆2千億円)といつもの多さですが、応札するほうの目線が上がったみたいで落札レートは0.188/0.18(前日は0.180/0.17)と1bp上昇しました。GCレートちゃんの方はと言いますと、こちらもまた前日から1つくらい上昇したというところで、またまた0.20%台にきっちり乗ってきた感じのようでこれは中々の市場機能ですなあ(棒読み)という所で。うーむ。

まあ細けぇ事はいいんだよ!(やる大矢のAA略)とは思うのですけれども、スポネで当座預金残高なのかGCレートなのか良く判りませんけど、ファインチューニングしようとした結果却ってGCレートが微妙に安定しない(某ベンダーで「ダッチロール」とか書いてましたが、記事書いた人の歳がバレるのではないかと思料)というのは、超短い所の国債のレートにリスクプレミアムが乗っかってくる(=ファンディングコストが安定しないから)ことに繋がりまして、徐々に国債のレート形成に影響を与える結果になりますかねと何度か申し上げている通り。

でですな、この前の利下げ以降その辺のレートが落ち着いていたのって、年末に向けて準備預金の積み進捗がとっても素敵に進捗していたのと、スケジュールの関係でFBの入札が年末年始の2週間実施されなかった(年内最終の入札が12月18日ですので利下げの前、年始の入札は7日)ことによって、FBの在庫負担が軽かった(最後の入札の翌日に利下げでしたから)ことも寄与してたようですな。んでもってここもとGCが微妙に不安定なのはオペの影響とか積み始まったばかりでT+3でGCを積極的に買う向きもすくないとかありますけど、年初から3か月FB入札が復活して徐々に在庫が重くなってきたのも効いてる(ついでに言うと今月から増発になっているし)のかなあと思われますです、はい。

ということで、まあ今日のFB3か月ものの入札は短い所の人は当然ですけれども、ちょっと注意して見ておいた方が宜しいかと。カレントの引けは0.215%とかなのですけど、さて徐々に重めになってきている3か月FB入札今回はどうなるのよという所で。先々週は0.2%割れでやたら強く、先週はちょっと流れてその後はまあ無事に推移という流れですが、今日はどうなんでしょ。まあそう下をバンバン叩かないといけない地合いでもないと思うからそう無茶な話にはならないと思いますし、2年とかがやたら堅調ですからうっかりすると3か月カレントだけピンポイントで甘いという需給要因丸出しモードになる(イールドが寝てるのは足元から1年くらいまでですので念のため)のかも知れませんけど、ちと注意かなあ。


○企業金融特別オペ2発目実施

昨日は23日スタート4月8日エンドで実施されましたが、応札が1兆2883億円となりまして、前回のオペが1兆2248億円だったので合計で2兆5000億円に到達ということで、白川総裁が導入当初に『民間企業債務を担保とする資金供給のオペレーションについては、数字を積み上げますと、3兆円程度の資金供給を見込めると思っています。』(12月2日の総裁記者会見)と言っていた数字は残りオペ回数を考えるとまあ達成したも同然と言う所でございますな。

いやはやお見それしました。「変な数字を出すと一人歩きするから止めときゃ良いのに」とか申し上げました(あたしゃ3兆も集まるのかという疑問があったので)が、これはこれはきっちり行きそうでありまして悪態ついてどうも失礼致しましたm(__)m


○CP現先オペ効果ですな

その企業金融特別オペは期越え物ですけれども、CP買現先オペの方は週に2本のペースで主に期内ものが淡々と実施されてます。足きりレートは0.10%か0.11%かという共通担保やら現先オペなどよりも低いレートとなっていまして、その辺の効果が出ているのか、期内物のCPで最上位格付けの電力会社さんのレートがFBフラットというか引け値ベース見てるとFBよりレート低いじゃねえかというようなレートにまで絶賛低下となっております。オペ効果恐るべし。

まあ10月以降のCP発行市場の問題は、GCなどのオープン金利の上昇とか、最終投資家の過度なクレジットリスク回避とか、株価下落による銀行のリスク許容度低下とか、まあその手の外部要因がかなり効いているとは思うのですが、そうは言いましてもこの動きを見てますと、「年末に向けた流動性対策」というのをもうちょっと早く打っていれば年末に向けてあそこまで大騒ぎになる事は回避できていたのではないかという気がするのです。その結果今になってアレ買えコレ買えとか言われていると思いますと、どうも何だかね〜感が。

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2009/01/20

○市場雑談

というかまたもオペ雑談。

昨日はスポネの買現先を1兆円減額しましたところ落札レートがちと上昇。ここもとのスポネ買現先の足きりレートは木曜に0.23%で金曜が0.15%で昨日が0.17%と毎日ぶれておりますな。木曜金曜が4兆円で昨日が3兆円となっておりました。

で、GCレートちゃんの方ですが、先週は為替の円転マネーが出てきたりしてT+0とかT+1のGCの買いがあってレートは金曜にだいぶ下がったのですけれども、昨日はオペ減らしたのと、よー知らんが為替絡みの分が減ったのか、今度は手前の金が出にくくなってきたみたいでレートは上昇傾向と。

常々申し上げておりますように、レポだの現先だののレートは足元および先日付の需給の両方で振らされますので、正直言って今のように微調整しようとしてスポネの現先を4兆円とか打つのは労力が大変な割に報われないと思われますです。何だかかんだといいましてもレポ市場の機能自体は低下している訳でして、日銀オペの存在が重要となっている中で、スポネの資金供給額がデカイという事は、市場全体の調達運用が足元に思いっきり傾斜することに繋がりますわな。資金繰りが足元に思いっきりシフトした状態でオペ打つ方がファインチューニングしようとすると、参加者の方はオペが読みにくくなってその分リスクプレミアム乗っちゃうとか、目線がいつまで経っても安定しないとか、まあ色々と不具合が生じやすいのではないかと。

つまりですな。その日の資金供給全体におけるスポネ買現先のシェアをもうちょっと下げて、資金繰り的に使いやすい1週間とか2週間程度の資金供給オペにもうちょっと振った方が足元安定しやすくなりませんかねえというお話でありまして、今のスポネが増えたり減ったりする資金調節はわざわざ苦労しに行っているような気がするであります、はい。

で、資金繰り部分はそーゆー感じで1wから2wくらい主体で、期末越えは期末越えでそれは需要があるでしょうから淡々とオペを実行という感じで、オペであまり忙しくならなくても宜しいのではないかと思います。まあ中の人はあたくしのような凡下が考えるようなラベルの話ではない次元で考えているとは思いますけど、なにせ市場は凡下の集まりなもんでね(^^)。

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2009/01/15

○市場メモ

今日は積み最終日。

で、昨日ですけれども、前日に華麗にGCレートが上昇したことを受けましてスポネの買現先が1兆円増えて4兆円になったんですが、昨日のスポットって16日でありまして、まあそうやってレポレートを叩くならば普通に言えばT+3に需給が締まる日(今回だと締まるのが15日ですから9日ですわな)には需給締まる日越えで供給打たんとねえと思う訳でして、まあオペがあったり為替円転の金で少しT+0とかT+1で資金出たりしたこともありまして、GCは20台前半レベルの気配になったようですな。

まーそーゆーGCの地合いがありましたので3か月FB入札は前場引けの0.21/0.215から流れて平均0.2171%の足きり0.2247%となりまして、先週の平均0.18%割れの3か月FBの立場はどこへという感じでございます。ハーコリャコリャ。

需給が一方通行になりやすい面があるので仕方ないところではあるのですが、オペ次第でGCが振れやすくなりますが、オペがどういう指向をしてるのかが微妙にワケワカンネという事になるとGCが振れますので、FBのレートも影響するでしょうと思いますし、それ以前の問題として、毎週4兆8千億円の発行というのはさすがにってのもあると思います。増額されたばっかですので、暫くの間はロールの度に3000億円増発になるというのも効いて来るんでしょうかね。

あと、どーでも良い話ですが、トムスタートの共通担保オペ2本が1本は積み最終の年金定時払い、もう1本が期初直ぐの落ちってまた使いにくいもん打ってきますなと思ったのですけど。いやそれだけですけど。

#一方でCPレートは平和ですな。

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2009/01/14

○GCレートが華麗に上昇

実は先週木曜あたりからGCレートなどがかなり怪しい状態で、金曜には既に上昇しておったのですが、昨日はオペの金利が華麗に上昇してGCレートが華麗に上昇しておりましたですのでメモメモ。

えーっと、木曜時点で足元のGCをやたら売る(資金を取る)人がいて10台前半だったレートが10台後半に上昇した(背景には新発FB3か月があんまり売れてなかった事と、準備預金の進捗が進みすぎたので資金供給オペが絞られた事があるかと)のですが、金曜の時点で積み最終の着地がどうのこうのと言い出して15日の資金の出が悪くなりGCレートが20台に上昇し、トムやらスポットはオファー(資金の取りサイド)ばっかでござるの巻。

そんな状況で昨日はスポネの買現先を1兆円増額して3兆円(金曜も5000億円増額したのですが)にしたのですが、応札6兆7170億円と素敵な応札となり落札レートは0.223/0.21と金曜の0.132/0.13から8bpの華麗な上昇となりやがりました。当然ながらGCレートも上昇して20台後半となりまして、一部では30の出合いもあったとか。

えーっとですな、レポって基本的に先日付の取引で動くもんですから、特に積み最終みたいに資金繰りをきっちり固めたい日に向けてはあまり先日付でホイホイと資金をディーリング的に動かす人が減ると思うのですよ。そもそも資金の出し手のうち金利によって弾力的に出したり出さなかったりというのは銀行(もう一つの出し手の投信は余程のことが無い限り基本的に自動的に資金が出てくる人)だと思いますし、積み最終前に資金の余剰が無いとなると、需給バランスが崩れるとレートが跳ねやすくなるという事なのでしょう。

まあそれはそれで良いのですが、ここもとの振れ方が過激になっている(下がる時も急速に下がるし上がる時も急速に上がる)のが気になる所でありまして、市場の質的な意味での厚み(というと訳判らんですが、参加者の多様性とかそんなニュアンスかなあ)が無い上に、日銀のオペレーションが後追い的になっているので、供給にしろ吸収にしろ、最初足りなくて後から追加で打ち込みをするから最後にはやり過ぎになってしまい、レートの上昇および低下が過激になってるのではないかと思われます、はい。

即ち、T+0スタートの無担保コール翌日物は要するに当日の資金需給に影響されるから上がった所で叩いたり下がった所で引いたりして間に合うのですが、レポはT+1からT+3で動くものなので、手前の需給が先の動きに影響与えるとか、先の需給が手前にも影響与えるとか(たぶん前者の方が多いと思いますが)ありまして、レートが動き出してから手を打つと初動が遅れて最終的にやり過ぎになるというまさにビハインド・ザ・カーブになっちゃうのではないかと。

ということで、まあしつこく申し上げますと、あまり細かい調節を一生懸命やろうとしない方が吉で、ざっくり多めにタームで供給して需給を安定化させた方が良いのではないかと存じますがどうでしょうかねえ。

なお蛇足というか悪態の追加になりますが、ここに白川総裁の「市場機能」論があるからややこしい次第で、たぶんオペレーション的にはGCレポ金利を注目していると思うのですが、市場的に見ると資金の出し過ぎと引き過ぎを繰り返している為に「レポ金利の上昇を放置したいのか牽制したいのかがさっぱり読めない」という話になるのだと思います。端からレポ金利などが上昇するのは勝手にせいやという話ならそれはそれで市場のレート目線がそうなりますので、多分高い水準で安定するのですけれども、一方で総裁などもオープン金利などの上昇で金融緩和効果が減殺される事に関しては宜しくないという趣旨の発言をしていると思いますし、そういう認識なのでしょうから、まあ市場としては何をどうしたいのか訳判らんという感じになるのでありますな。

ということでまた悪態になってしまいましてどうもすいませんm(__)m

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2009/01/09

○企業金融支援特別オペ1兆2千億円実施

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba090108.htm

この3番目にありますように、12248億円の実施となりました。まあこの市場的評価なんすけど、色々と聞いて回った結果を総合すると「まあ多目で良かったですね」という結論のようで。今週実施した共通担保オペの年度末越えが平均0.19から20くらいで足きりが0.18なので、共通担保オペで使っている証書貸付などがこっちに回ってきたという感じなのでしょうか。0.10%で取れるのでその分こっちに回りますよね。

で、このオペですけれども
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/mos0812b.htm
の下の方にありますように、あと5回実施されるのですが、期間が一番長いのは今回ですので、まあ従来共通担保オペに突っ込んでいた分を回すなら今回か次回くらいになるんでしょうね。

さて、このオペ導入を決定した12月2日の決定会合後の記者会見で白川総裁は『民間企業債務を担保とする資金供給のオペレーションについては、数字を積み上げますと、3兆円程度の資金供給を見込めると思っています。』などと余計な数字を言ってまして(12月3日と4日の過去ログご参照下さい)、一人歩きしかねない数字を自分からホイホイ出すのは如何なものかと思った次第なのですが、今回1兆2千億円の札が入ったので2兆円台は確保できそう(なのですよね)で、まあ格好ついて良かったですねという所かと存じます。


○CPレートが落ち着いている件について

政策投資銀行のCP買入とか、今般の措置とか、まだ具体化していないですけれども日銀のCP買入とか、CP現先オペ打ち込みまくりの政策効果が出たような感じで、CP発行環境が随分改善されてきています。

一昨日昨日あたりからCP発行が年末年始モードから通常モードに戻ってきたと思うのですが、昨日あたりも期末越え3か月の発行が出てきて、まあレートはまちまちみたいですが、いつぞやのようにロクでもないレートでほんの小額しか発行できませんというようなアホウな事態は解消の方向で誠に結構。発行体さんのネームも一頃は「いつも同じ人たちの発行だけ」状態だったのですが、最近はレート上昇でCP発行を見送っていたと思われる発行体さんも復帰しつつある観がございまして、これまた誠に結構なお話です。

また、期内ものだと、最上位格の電力会社様でFBスレスレのレートとかに低下してるようで、CP現先オペ効果か足元の資金供給の効果なのか知りませんが、まあ結構なレート低下となっておりますな。まー足元のレート低下に政策当局のCP買入という動きで安心感が出たことリスクマネーが戻ってきましたってお話なんでしょ、よー知らんが。

ま、アレですよ。日銀のCP買入まだですけど、こーゆーのは「セーフティーネットがある」というのが安心を呼ぶのでありまして、結果見せ金になったとしても効果があればめでたしめでたし(かつての預金保険機構だか何だかの50兆円枠(でしたっけ?)みたいなもんで)というお話になるんではないかと(まあ今回は見せ金で済むほど楽勝な金融環境ではないとおもいますけどね)存じます。


・・・・・で、まあこういう流れを見せられますと、10月以降の日銀の政策推移ってどう見ても優先順位が逆でしたなあと思うのですよ。今更の後知恵みたいで恐縮ですけれども、レポ市場が変調になって、CP発行市場が変な動きになってきた所で企業金融対策をさっさと実施しておけば「利下げしてるのに金融環境が悪化する」という訳の判らんアホウな事態は発生せずに済んだとしか申し上げようが無く、実はここまで非難轟々に追い込まれまくらずに済んだんじゃないですかねえという気が思いっきりするのでありました。

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2009/01/07

○即日吸収無い無いと書いたら即日吸収打たれたでござるの巻

小見出しが長いですかそうですか(^^)。

えーっと、昨日のオペレーションですけど、朝方の買現先はスポネの方が5000億円減額でスポット1wの方は期落ち分の同額ロールでございました。まあ足元資金余剰感強く、GCレポでもビット(資金の出しサイド)が結構いますので、まあスポネが減ってもシャーナイナイという感じでここまでは順当。CP買現先も親の敵のように実施されていますが、年末年始の発行減に当たってますから札割れもするわなとは思いますが、そもそも札が割れても割れなくてもレート的には同じようなもんですからこれまた順当。

で、世の中が驚倒した(オーバー)のは12時50分にオファーされたオペでありまして、売出手形即日6000億円期間翌日物という奴。何せあたくしなんぞ昨日こちらで「即日吸収は無い無い」と堂々と書き、その理由まで延々と書いたばっかりでしたのでもう何と言うかどこの北禿先生ボログあるいはメ○レーレポートかとあたくし涙目。


・・・・で、昨日あれだけ即日吸収しない意味について書いた手前、今度は即日吸収をする意味を考えたのですが、やはりどうも意味が判らんですな。色々な人とお話をしたのですが、まあ普通に解釈すると、(1)無担保コール翌日物が0.1%割れ水準で延々と出合うのが気に食わない、(2)当座預金残高をそんなに増やしたくないから引いた、のどっちか位しか思い浮かばないのですが、どちらにしても「超過準備付利を行うことによって潤沢な資金供給を行いやすくする」と言って超過準備付利を導入したことや、先般の利下げで誘導目標金利と付利金利水準を同じにしたことから市場が普通に解釈するであろう行動と整合性が全然取れていないお話。

もしかして(2)の亜種になりますが、当座預金残高を増やして付利が増えると日銀の収入が減って国庫納付金の予算達成に問題が起きるとか下らねえ事でも気にしてるのではないかという意地悪な読み筋まで出てくるのでありますが、何かこう世の中平常時じゃないのですから、あまり平常モードな理屈でオペレーションをするのはどうなのでしょうかという感じで、いや邪推だとは思いますけどね。


でね、それはそれとして即日吸収する意味が「市場機能」論からしてもよく判らん訳よ。つまり即日吸収実施というのは無担保コールまたはT+0のGCレポや現先と競合する(オペに入れられない人は別ですけれども)「運用商品」のご登場なのでありまして、そっちが出てくると市場が認識しちゃったらコール出さないでオペ行きます分が発生し、それだけ市場運用が減りますわな。市場を活性化させたいとかいうのであれば、日銀当座預金(超過準備)以外の運用先を与えないで市場運用を促す方向に持っていく方が宜しいのではないでしょうかと思うのですけど、考え方間違ってますかねえ。

折角「誘導目標=付利金利」によって即日吸収は行わないんですねという認識になってですな、4日のオペで即日吸収はやらないけれども翌日以降スタートのショートタームの吸収はやるのね(その吸収の意味も正直よく判らん部分がありますが)というイメージができつつある状態だったのに、ここで即日吸収とかやりやがりますとオペで何やりだすのかが、また訳判らんモードになる訳でして、もうちょっと勘弁していただきたく存じますのですが。


○何をしたいのかが市場にうまく伝わっていないと思いますが

てな訳で本日もまたオペ話、というか悪態書いているのでありますけれども、類は友を呼ぶ点を割り引いて考えましても「日銀の最近のオペレーションは何をやりたくてこういうオペをやっているのか訳判らん」という意見をよー聞く訳ですな。

一本一本のオペに関しての意味は何となく判る(スポネを増やしてGCの上昇を抑えるとか)のですが、やってるオペを全部足して、それに金融政策決定会合などでの声明文や会見での総裁発言なんかを引っ張り出してみると、右の手と左の手で別のことをやっているという感じでして、一体全体何をやりたいのかがさっぱり意味不明というのが(昨日もそんなこと書いたと思いますが)昨今のオペ事情。

たぶん調節担当部門様におかれましては、市場の人たちが見ているものとは違うものも見ないといけないので、そのあたりを調整しようとして市場から見て訳の判らんオペレーションになるんでしょうし、短期市場のいろいろな所を微調整しようとしているのでオペレーションが首尾一貫してないようにも見えるのでしょう、と一応擁護的な書き方をしてみますけれども(^^)、やっぱりよー判らんです。

「誘導目標=付利金利」なのですから、てきとーにタームで資金を出しておいて余ったら準備預金にブタ積み(付利があるからブタではないけど)させておけばそう細かいオペやらんでもええじゃんと市場の一般的な人々は思うんじゃねえのと存じます(企業金融関連はCPオペと新オペがあるのでそっちで対応)が、どうも細かく微調整しようとして却って市場がワケワカメになっているのではないかという悪寒がするのです。

もうちょっとざっくりとやった方が良いのではないですか???と思いますけれどもねえ。



○その他相場等の雑談でございますが

・FB入札とか

今日は3か月FBの入札なのですが、昨日の日本相互証券の引けを見ると何か期末越えの所でプレミアムらしきものが発生しているような値付けになっておりまして(正確に言えば期内モノが低下してプレミアムが発生したように見える)これホントなのかウソなのか良く判りませんけど、まー今回から堂々の4兆8千億円入札なので、バンバン威勢よくという事もないでしょうけれども、地合い自体は宜しいので別にどうという事も無さそうでオモロクナイ感じですな。

CPはさすがに期末越えも発行されだして、レートも落ち着いて(というか低下して)いますので、まあオペ効果とか資金の余剰とかあるのでしょうけれども、やっぱり買取やって(まだやってないけど)良かったですよねと思うのでした。何ぼなんでもちょっとスプレッドやりすぎでしたよね。

#オペが効きすぎて電力がFB並みになっているのもどうかと思うが


・米国長期金利上昇ですかそうですか

というか米国に引っ張られた感じで日本でも年末金利低下して年始金利上昇しているのですけど(苦笑)。

いやまあバーナンキ先生の長期国債購入発言で勢いついて金利低下しました(理由はそれだけではなくて経済指標とかBIG3問題とかありましたけど)けれども、財政問題がネタになって実際に10年債の発行が市場予想より多くなるという話をネタにして(本当の原因は良く判りませんけど)長期金利上昇というかスティープニングとはお洒落な展開。

まあ変に長期金利を直接下げようみたいな話をしない方が吉という事なのではないかと思うのですけれども、これ現実に「長期金利下がるまで長期国債買う」とかヤンチャなこと言って(財政絶賛拡張路線とセットで)実行したらどうなるのか恐ろしいけど見てみたい気はせんでもないです。これをイタリアあたりが実施したらユーロから離脱というような思惑に発展してとてもセクスィーな展開になる(ちなみにジンバブエが実行するとジンバブエになります^^)と思うのですが、米国様が実行するとどうなるのでしょうねえ。

ま、米国の今後の展開を見たいと思いますけど、本当にヤケクソで上記のようなことをやりださない口先介入レベルなら別にどうということもないんでしょうかね。よー判らんが。

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2009/01/06

○これは珍しくやる気を

昨日日銀のオペに関してちょろっとだけ話をしましたが、その時に「さて年度末越えのオペ」とか書いたのですが途中で書き直した次第(本当^^)だったら、何と昨日は年度末越えのオペをオファー。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of090105.htm

スポットスタート4月2日エンドの共通担保オペを8000億円オファーなのですが、いつもだと市場から散々催促されて(=当該金利が目に見えて上昇して)から打ち込みに行くのがオペレーションの仕様なのですが、新年になってご機嫌でも宜しくなったのか珍しくも市場が催促する前に年度末越えのオペ実施。ついでにトムスタート1月14日エンドで売手吸収してまして(これ売手じゃなくて短国の売現先の方が使いやすいんじゃないのかという気がするんですが)、まあ3か月と1週間でツイストオペ実施という感じで誠に結構な事でございます。ちなみに結果はこんな感じ。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba090105.htm

期越え3か月のFBが0.185%とか言ってるので、FBと比べるとレート的にはちと高いような気がするのですが、東京レポレートの3か月が0.214%ですのでこんなもん(レポレートの3か月とFBがいつの間にか乖離してるのね)ですかね。まあ初回だし8000億円ですから。

ということで、このオペを見ますと普通は「これは期末越えの資金供給を早めのうちから淡々と実施して逼迫感は出ないようにオペレーションをしてくるでしょう」という発想が成り立つのでありまして、まあ別に親の敵のようにバカスカオペを打たいでもヨロシなので、ある程度淡々と年度末越えの共通担保を打っていただければ、市場の方も安心するので取引もまあ回るんじゃないでしょうかと愚考するのであります。

ちょっとだけ嫌な予感がするのは、こうやって一発打ってハイおしまいという「とりあえず一回やったから良いでしょ」みたいなアリバイオペの懸念も正直言って拭えないというのがございましてですな、まあ今回折角市場予想よりも早く年度末越えオペ打ったのですから、その効果を生かすような運営を希望いたしたく存じます。


○即日吸収は無い無い

年末の足元大供給攻撃によりまして準備預金の積み進捗が華麗に進行致しまして、残り所要が普通に日割りした時の半分くらいまで減ってしまうという素敵な状況になっていますが、昨日情報ベンダー見てたら「今日は吸収オペレーションが無いことも好感され」みたいなコメントが。

えーっと、そもそも超過準備付利レートと誘導目標を同値にしたのは、吸収オペをしないでもコールレートを必要以上に低下しないという効果を考えてという話ですし、超過準備付利をするということはブタ積み容認という事でありますから、結論として即日吸収のオペは常識的には実施されないという話になる筈なんですが、ど〜してそ〜ゆ〜コメントになるのやら。

コメントをしている人が単に訳判ってないだけならまあ良い(良くないが^^)のですけれども、もしかして市場的には「今までの日銀の動きからして、準備預金の積み進捗が進みすぎてコールが0.1%切りそうになったら即日吸収して牽制してくるのではないか」と警戒していたのかなとも思えます。

もしそうなのであれば、オペレーションに関して市場が考えているものが「出すと言って出さない」「実は0.1%に張り付かせないオペをやってくる」というような認識が強いという話になりますわな。まー今までそんなオペをやっていて「決定会合の声明文やら総裁会見で潤沢な供給をするという話をしているのに、実際は(既に機能が大きく低下している)市場機能を生かすとか言って必要な所に資金回さない」という認識が強うございましたので、ある程度シャーナイナイな感じですが、あまり良い傾向ではございませんですな。

ということで、まあ従来はオペの打ち方が市場の期待する動きじゃない(年末越えの潤沢な資金供給をすると決定会合で声明しておきながら前年と同じペースでしか供給しなかったとかね)のが仕様でしたけれども、今年はもうちょっとその辺りが齟齬がないようになってくると良いですねと思いますです、はい。まーその別に市場の期待通りにオペ打たなくてもよいのですが、散々悪態ついているように、一体全体何をやりたいのかがコロコロ変わっているように見えるようなオペとか、担保範囲緩和したら緩和の適用日スタートまで急に年末越えオペ打つの止めて、適用日スタートになったらいきなり年末越えオペ復活みたいな「いかにも」オペを打つのは勘弁していただけると誠にありがたく存じます。


○とりあえずCPの状況とかFBとか注目してみようかと

昨日はCPの新規発行は(ダイレクトは知らんが)無しみたいでしたが、年末年始にCPオペ効果やら政策投資銀行購入効果やら、足元の資金余剰が強まったことやらで気配は下がった感じで誠に結構な話ですが、そもそもレートが下がる話よりも発行が円滑に進んで企業金融の逼迫感が軽減されるのが政策の目的だと理解しておりますので、二極化というより三極化(レートが死ぬほど低い発行体と高い発行体と全然発行出来ない発行体)していたCP発行市場が年末抜けてどうなるのか注目。ただまあ発行する方もこんな年初早々に大きな資金ニーズ抱えたまま越年してはいないと思いますので週後半か来週くらいからになるのかなあ、よー知らんが。

あと、年末年始に同様に足元資金余剰でGCも0.1%台前半に低下して、2年から手前の金利が軒並み絶賛低下中で、3か月FBも0.2%割れとなっておりますが、暫くやってなかった新規発行がとりあえず明日の入札からスタートになりますので、こっちの方もちと注目なんでしょう。雰囲気からして今週の入札とか楽勝だと思いますけど。

ま、FBに関しては発行が増えることはあっても減ることはないという魔法の債券状態になっていますので、今は良いのですが景気が立ち上がって来た時に結構しんどい話になると思いますけどね。このエグジットについても何か構想はあるんでしょうけれども考えておかないとねえって感じですかな。


#ということで雑談大会で恐縮でした。そういや株券DVPは円滑にスタートしたんですね。良かったよかった。
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc09/set0901a.htm

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2008/12/29

以下市場雑談

○末初はレート下がりましたが・・・・・・

金曜は前日の後場の流れを引き継ぎまして資金はしっかり出て参りまして、末初のレートは低下するわ、CPレートは発行がだいぶ少なかった事もあって運用圧力が高まって低下するわと中々結構な展開。資金をここまで抱えていた主体が放出に回ったのでしょうなあと思われる急展開で末初のメドもついたところでどどーんと出てきたという事でしょう。

ということで、まあ年末はもうさすがに波乱は無いのでしょうけれども、別にまあ海外のビック3さんに関しても先送りな訳ですし、そもそも年末は所詮国内的にはただの月末(一応四半期末)なので、まあ問題は年度末なのでありますが、何せ長い資金供給オペをろくすっぽやってくれないというとても素敵なオペが続いておりますので、さて来年になった時にどうなるのよという感じはしますわな。この調子だと延々とショートファンディング状態になって中々年度末越えが出合いにくい(オペ効果でCPはとりあえずの所大丈夫だと思いますが)ような悪寒も。

#今日のオペはCP買現先のロールくらいっすか?

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2008/12/25

○何のための付利据え置きなのよという話

昨日の駄文で「今日(=水曜日)のオペ注目」という話をしましたけれども、その中でうっかりスルーしてしまった話がございます。それは何かと申しますと「利下げ翌日の月曜にロンバート貸出が11500億円も出ちゃいました」というお話。

これってどういう話かと言いますと、月曜のT+0の資金需給のバランスが悪くなっており、資金供給オペも無かった上にGCレポ市場での資金の出しが絶対的に足りなかったという事を意味してるとしか思えませんのですな。しかも月曜は(昨日書きましたように)利下げ期待で準備預金の積みを遅らせ出した時にしらっと減額したスポネの国債買現先をそのまま同額ロールしたのと、訳判らん末初の共通担保しか実施(CP買現先はありますが)しなかったので不足感拡大と。

だから月曜の国債買現先でも3兆円のオファーに対して応札が6兆3千とかあった訳で、このオペ応札額とロンバート実行沢山という状況を受けて水曜はオペを工夫してくるかと思ったら、昨日のオペもまるで同じような内容。スポネの買現先3兆円と末初の共通担保をまた実施。

結果どうなったかといいますと、スポネの3兆円に対して応札は6兆6千億円になって、落札利回りは月曜の0.208/0.19から0.254/0.24へと急上昇するわ、ロンバートは減るどころか2600億円追加実行されてしまいまして、何か罰ゲームでもしてるのでしょうかというオペレーション。

えーっとですな、従来より年末越えなども含めて「資金を潤沢に供給する」という触れ込みの筈でありますし、当座預金付利を行うことによって潤沢な資金供給がより円滑に実施できるって触れ込みの筈でしたよね。しかも今般の利下げで付利金利と誘導目標金利を一緒にしたので、ジャンジャン資金供給をしてもディレクティブ違反になる事もなくなって、これで安心して資金供給を出来るから、当然ながら資金供給オペをとりあえずジャンジャン打って来るもんだと先般の会合結果を見て短期市場の人たちは常識的に考える筈なのですよ。

然るに、利下げ後の年末越えの供給オペは(CP現先を除いては)共通担保の末初物という次第でして、そりゃまあ末初でも「年末越え資金を出しました」という事なのでしょうけれども、ファンディングという観点からしますと、必要なのは安定的な少し長めの資金と、足元の短い資金をバランス良く取る事でありまして、末初ピンポイントとか出されましても参加者の資金繰りが安定化しないどころか、ファンディングの足が短くなるので不安定化要素が高まるのですな。その上現在市場の頼りになっている資金供給オペレーションの打ち方が不安定と来れば尚更のことです。

暫く前に打ってた2か月だの3か月だののオペはどこに行ったのかという感じ。そういう安定しないオペをやって市場の考えることを外してくれるから市場が益々梯子外された格好になって安定しないのよね。どこ見てオペ打ってるんでしょうかねえ。マッタクモウ。


まあそれが市場機能だというのでしたらそれはそれで結構なのですけれども、状況としては市場でまたまた金の回りが悪くなっている(悪くなってなかったらロンバートが1兆も出ない)ということでありまして、10月にオペ金利が0.75%を超えてみたり、11月の終わりにオペ金利やレポレートが0.50%を超えてみたりとなって、GC市場が一時的に壊滅状態になってしまった件に対する反省が全く感じられないというか、別にどうでも良いとか思ってるんですねえという所であります。

ということで、何のために付利金利と誘導目標金利を一緒にしたのか全く意味が判りませんというような利下げ後2日間のオペレーションなのでございました。

たぶんCPオペと新型オペの効果があるからCPレートとかは低下してるからそんなに外野から文句は出ないのでしょうけれども、このオペの打ち方は市場が期待というより普通に考えるオペレーションのほぼ真逆になっておりまして、もう何だかなあとしか申し上げようがございませんですなあ、というかこういう体系になってるのにオペネタ(正しくは悪態)がドラめもんのネタになるとは思いませんでした。普通にタームの供給を沢山打っておけば済むだけの話だと誰もが思うんじゃねえのかと。

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2008/12/24

○市場メモですけど

えーっと月曜ですけれども、CPの発行レートはさすがに低下。最上位もの2〜3か月で0.30%あたりまで低下してるので、スプレッドも縮小の巻。というか新しい企業金融オペだのを勘案したら下手したらもっと縮小するのかねという感じです。まあレートがやたら高かった一部業種でもレートは低下してますわな。誠に結構。

一方、GCレートが0.2%より上に行きやがりまして、0.23だの25だのというようなのですけれども、何せスポネの国債買現先3兆円のオファーに対して6兆円の応札があるような状況なのに、月曜は何故かトムやスポットスタートの現先も共通担保も打たれずというケチ臭いオペ。わけのわからん末初オペが実施されましたが。

そもそもですな、GC(やコール)が先週思いっきり低下したのは、資金が大量に余っているからというよりは、積み進捗を遅らせようという動きがあって(利下げ後に積んだ方がオイシイから)資金の取り意欲が落ちた要因もある訳でして、利下げになったのですから遅らせていた積み進捗を戻す動きも出るとニーズって増えるでしょと思うのですけれども、何でまたオペを出し渋るのやら。まったく意味判らん。どうせ付利0.1%なのですから、ケチなこといわずにバンバン供給するべきではないでしょうか。

・・・まさか「年末対策だから末初オペを実施しました」とかいう理屈なんでしょうか。あのその末初のオーバーナイトなんぞ1週間以上前にオペ打たれてもそんな準備してないですって。わざわざ要らないオペ打つ理由がよく判らん。また変なアリバイオペとかだと、ちょっと勘弁して欲しいもんです。

ま、今日のオペは何気に注目しておきます。今日も年末越え出し渋りとかしてたら、10月以降の繰り返しになりかねませんけどねえ・・・・・・

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2008/12/18

○で、市場メモですが

一言で言えば「さあ盛り上がって参りました!」でありますが(^^)。

昨日はFB3か月物の入札があったのですが、結果は0.4046%/0.4115%となりやがりまして、えー強いですなーとか思ってたら(事前予想はもうちょっと甘い)その後なお爆発して0.35%出合いなどとやらかしてくれました。当然ながら既発のTB/FBも素敵な展開になりまして軒並み前日比0.1%とかの金利低下になってだいたい0.35%近傍の引けが並ぶというビューテホーな相場に。落札結果出た時点で不明玉が2兆円もありましたので、こりゃまあ投資家主体の景気の良い入札になりましたな。

CPはそんなに発行多くなかった(そりゃ様子見になるわな)のですが、何か高格付けのネームの良さそうな銘柄で発行が多めになっていた物が集中的に選好されたみたいで、そーゆーもんばっかりレート低下。これまた投資家様が急に絶賛大登場なされましたなあという感じですな。

てな訳でですね、短い所ってど〜せこれどっかの大投資家様がいきなりの派手派手買いになっているとしか思えないのですけれども、何でまあ毎度毎度そう極端に一挙に動くかねという感じではございます。別にそうデジタルに動かんでも良いでしょうにという所で。

2年は0.45%近辺(引けは0.455%)ですし、1年TBは0.37%の引け(利付債だと0.425%の引けになってる)ということで、利下げの織込みはまだ別に全部織り込んでいる訳でも何でもないのですが、とりあえず3か月0.35%近傍というのは、潤沢な資金供給によってGCレポレートなどが昔のように低位安定するでしょうというのを全部織り込んだ状態ですかな。

何故なら、コール0.50%でGCが0.52−53%くらいで安定している時のFB3か月が0.55−58%くらいだったので、そこから20bpレートを下げるとヨロシの巻なのですな。うんうん。

ちなみに債券の方も10年までブルフラットとかもう思いっきり現物主導チックな相場展開でして、戻り売りこなしながら強いってこれまた盛り上がって参りました状態でございまする。誠にビューテホーでありますが、またまた市場がいい感じで日銀に催促をする展開になって参りまして、益々明日の結果は決め打ち不能になって参りましたね!

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2008/12/16

・現先オペの1週間ものが全部年末越えにシフト

で、昨日は国債買現先と共通担保オペの年末越えが打ち込まれていましたけど、この落札レート(利下げへの期待が全く無い訳では無い筈なのに殆どロンバート)見てますと年末越えオペの打ち込み量が足りないんじゃないですかねえ。

と言って、年末越え増やすと同時にスポネの4兆を減額されるとこれまたレート上昇しちゃいますので勘弁なんですけど。あと昨日はスポネ4兆円の応札限度額が3500から4000に増えたのは中々のヒットでしたね。ウィークの現先を切った上に年末越えの金利が高止まりしている中だと、ファンディングが足元に寄って来るのでスポネが減ると結構大問題になりますわなという所で。


・CPレートが微妙に下がっているものもある気がする件

昨日は発行がそもそも多くないのでよーわからんけど、格付け的に高めのものに関してCP発行レートが何かさがっていたような感じがせんでもない。基本的には横ばいなのですが、政投銀のうんちゃらかんちゃらのアナウンスメント効果だったら良い話でございます。

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2008/12/15

○市場雑談

金曜はあのBIG3法案問題で見事に振り回されましたが、そんな中でTIBORは引き続き嫌がらせのように上昇してまして何の事やらという感じ。実は資金供給そのものは(まだ足りない感はありますが)スポネで4兆円をロールしているのが効いて足元で裁定する動きもあったりとちったあマシに。ただ年末越えのオペはまだまだ足りないですし、足元もちょっと供給の手を緩めると簡単に上昇しそうですので、足元の供給を維持しながら年末越えをもっとジャンジャン出して頂きたく存じますという所でしょう。

そういや金曜のオペはそんなに目立ったの無かったですが、今日は16日スタートの共通担保で少し景気良く出してくれませんかと期待をしておきましょう。

CPに関してはまあ横ばいのイメージですか。政策投資銀行云々は具体的にいつどのように実施するのかとか全然わからないので反応しようが無いと言ったところでしょう。残念ながら。

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2008/12/10

○昨日のオペ劇場

でございますが、スポネの買現先がスポット不足日でもないと思うのにいきなり5000億円増額して税揚げ日対応時と同じ4兆円に増額打ち込みの巻。前日にGCレートが全般的に上昇して0.42%近辺になったのに対応してスポネを増額したのかなあとか位しか突如オペ増額の理由が掴めませんですがなという感じです。もともと昨日はややGCの資金が出し優勢(GCの引き合い方法で言えばビット優勢)でしたが、午後辺りからレートが低下してGCのO/NからT/NやS/Nにも波及するの巻で、GCレートはレギュラーの所で0.35位まで低下したみたいですな。昨日のところからいきなり低下したのですが、まあこのGCレート低下を企図してオペ増額したのでしたらオペ大勝利。

・・・・なのですけれども、基本的にGCやら現先などの資金はコールみたいにT+0主体じゃなくてもうちょっと先(T+2とかT+3とか)のスタートで動く割合が多いので、足元のスポネでレポレートをコントロールしようとしても効果が出てくるのにタイムラグがありまして、結果として資金の出し過ぎと引き過ぎの繰り返しになってしまうと思われます。現状のオペだとショートファンディングが益々溜まる一方な訳でして、足元が安定しなくなりますので、出し過ぎと引き過ぎの間を行ったり来たり状態に陥りやすくなりますので、もうちょっと長いオペ(1月の2週目以降のエンド)を打って足元への傾斜を軽くしないとイカンでしょとは思います。兼ねてから申し上げておりますように、スポネとかウィーク物をせっせと打ち込んでおりますとショートファンディングが溜まってレートが安定しないんでレートの制御は大変になります、本当にカムサハムニダ。


昨日は珍しくちゃんと共通担保を(あたくしの計算間違ってなければ)期落ちに対して増額ロール(8000億→1兆円)して1月8日エンドで実施してましたが、その前に意味不明な年末越えオペ出し渋りの効果が遺憾なく発揮されまして平均落札レートが0.503%とこれまた貫禄のロンバート越えで足きりも0.50%(按分85.4%)という結果に。去年の同時期よりも多く出してるというのは一応そうなんですけれども、そもそも去年と今年では市場環境が大違いなのでありますから、去年よりも多いので潤沢な年末越え資金供給とか言われましても大変困るのでありますがね。

本石町日記さんの最新エントリーでも話題になっておりました(http://hongokucho.exblog.jp/10009316/です。言及いただきまして恐縮であります)が、どうも市場の片隅現場労務者的に考えますと、オペでやろうとしている事がイマイチ掴みかねると言った所ではないかと。いやまあ年末越えや期末越えは市場の自助努力で何とかして下さいっていうのなら今のオペレーションでも無問題なのですが、状況はそうじゃないでしょと思うのですよね。どうも市場の考えている(あるいは期待している)こととオペレーションの間に齟齬があるんですよねえ。で、今となっては最初のボタンの掛け違いが拡大してお笑い劇場状態になってしまっていると。

ま、いずれにせよ11月の超過準備付利開始と12月の適格担保緩和開始に露骨にぶつけてきたオペレーションってのは如何にも(悪態の為自粛)感が市場現場労務者的には感じられるのですけれどもねえと。


○ところで地味に2か月FB入札とかその他の雑談

昨日は5年国債の入札があった訳ですが、そっちは華麗にスルー致しまして2か月FB入札の結果は平均0.4998%で足きり0.5084%でしたが、まあロールでもない2か月物で年末越えオペが0.50%とかやってる中でこのレートだったら健闘した方でしょう、と思ったら引けは0.495%みたいで。まあそんなもんですかねえ。

さすがにFBに関してはバランスシート食わない資産ですし、担保にも使えるしということで、ニーズがございますわなという所だったのでしょうと思いますが、今日は3か月FBの入札があり、来週は年末進行日程の都合上3か月FBが2日連続という中々素敵な状態になりますので今日の動向にも注目したいところです。


TIBORとCPは・・・・ええまあ昨日も昨日でレートが上昇気配という感じでして、ユーロ円TIBORも0.90%乗せまであと一歩となっておりますな。日本円TIBORは0.90583%と連日の上昇。CPもレートが上昇しとりますが、さすがに時期的に年末越え資金の調達が進んでいく中でレートがやや上昇という感じですので、金がちゃんと出てくればそれはそれで良い傾向なんですが、実態面としてそこがちゃんとワークしてるのかは昨日も申し上げましたようにビミョー。


長いところに関しては、カレンダースプレッドがまた3の倍数月恒例の「世界のJGB」状態になっておりますし、物価連動国債の気配がここへ来てまた落涙を禁じ得ない状態になっているのが気になるのでありますが、一体全体何がどうなっているのかさっぱり判らないので書いてみただけということで。

#と、市場クリップばかりで考察の無い話で申し訳ありませんm(__)m

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2008/12/09

○日本円TIBOR3か月貫禄の0.9%など

ひねりのない小見出しになってしまいましたが、このまんまでございます。昨日の全銀協公表のTIBORレートですけれども、日本円TIBORがとうとう0.90333%に上昇。ちなみにユーロ円TIBORは0.89615%に上昇しております。

いやまあ実勢がそーゆーことですからシャーナイナイなのですけれども、0.2%利下げしたのに利下げ前の水準よりレートが上昇という所が実に残念でございまして、10月31日の金融政策決定会合で行うのは利下げよりも流動性対策というかバランスシート対策の方でしたねということで、あの時点でCP買取オペの導入を、まあ年度末越えまでの時限措置で十分だったと思いますけれども行っていれば貫禄の上昇とかしなかったとは存じます。今更遅いですけどね。

ということでCPレートも上昇してまして、暫く上昇が収まっていたのですけれども。ここへ来て比較的格上と見られていた銘柄がやや上昇。動きとしてはこのあたりの発行体さんが多めに発行するとレートが上昇→買い手の目線が上がる→次の多めの発行でまたレートが上昇という感じに。まあ次の積み期間から年末対応とか考えてそうなどこぞの中央銀行様とは違いまして、インターバンク市場などに直接アクセス出来ない一般企業の皆様的な感覚からすれば年末越えの着地をそうそう寝転んでいる訳にも行かないと思いますのでこれまたシャーナイナイなのでしょう。レートが上昇することによってCP市場に資金が流入すれば、その分間接金融シフトが軽減されますから、回りまわって中小企業の資金繰りにも好影響・・・となると良いのですが、金利が上昇したからアベイラビリティが復活するのかは微妙ですな。まあ決算期末じゃなくて年末といえどもただの4半期末ですからレート上昇で何とかならないですかねえとは思います。

バランスシート制約が一層厳しくなる3月決算期末に向けて、バランスシート制約が現在のままだとするとやはり問題がありそうに思えるので、バランスシート制約対策は可及的速やかに打ち込まれる事を希望します。


○昨日のオペ劇場

連日のオペレーションですけれども、まあこれに一々トサカを立てて湯気ポッポーとなるから悪態も出るのでありまして、日頃からご愛顧頂いております短期市場関係者に向けてのオペ劇場だと思えば良いのでありますな、うんうん。

昨日の出し物は3本立てでして、
1、朝一即日吸収1兆5千打ち込んだら堂々の札割れ
2、9日の適格担保緩和措置スタートにぶつけて満を持して年末越えオペの実施
3、おっかなびっくり午後に5千即日吸収したら今度は応札2倍

という感じでございました。1番目の出し物と2番目の出し物の間に「10日が不足日なのでまたスポネが増額でショートファンディングの勧め」というのもあったので4本立てかもしれませんが、出し物として秀逸だったのは上記の3本。まあ1番目は兎も角として、午後の共通担保オペタイムに実施された年末越えのオペがもう露骨に9日の適格担保緩和措置スタートにぶつけている(オペのスタート日が9日)のには何だかねえ感を禁じ得ませんでした。

毎度申し上げておりますように、別に担保が緩和されないと入れるものが無いわけでは無いですし、年末越えのターム物資金のニーズが当然のように有るのですから、何も9日スタートのオペまで年末越えを引っ張る必要はどこにもないですわな。その間に年末越えのCP金利とか絶賛上昇しているのでして、いやまあ別にそれならそれで結構なのですが、では臨時政策決定会合まで開催して「年末越えや年度末越えの流動性対策をします」とか言ってたのは何だったのですかというお話ですが、これまた一々湯気ポッポーとやっていると体が持ちませんので、市場の末端労務者としては「言ってる事とやってる事に齟齬がある」という前提に立って動かないとなりませんなという話になるだけです。

しかしまあコールは即日吸収しても上昇しにくくなって昨日も0.275%の加重平均なのですが、そりゃまあオペが毎度毎度イベントデー直前まで自然体で打ってイベントデーにぶつけて一気に動くから、イベント通過後にバランスが取りにくくなるんですよね。超テクニカルな話になるから多分???な話になると思いますが以下続けますと・・・・

インターバンクやオープンが流動性高くて直前対応でも全然大丈夫っていう市場状態なら大不足日とか大余剰日がスポット渡しになる位まで放置してても何とかなるでしょうが、それはまあ流動性リスク管理という面からみてどうよというのがあって、普通の神経をしてたらその前から徐々に資金ポジションの調整を行うもんだと思うのですよ。特に今のように市場の流動性が落ちてる時とか、インターバンクへのアクセスが従来よりも狭くなっている(証券とか外資系とか)状態になっているときなどは特にそうでしょう。従いまして、スポットが大税揚げになってから大供給というのは証文の出し遅れでありまして、もうちょっと前から徐々に税揚げ跨ぎの資金供給を行っていかないとイカンと思うのですよね。それを直前に大供給するもんだから引く間合いが難しくなって、足元インターバンクだけ余りまくると。

まあ連日オペ何本も打ち込んでご苦労な事だとは思いますが・・・・・(と一応最後にフォロー^^)


○気が付けばまた短期債コレクション

日本銀行が保有する国債の銘柄別残高
(2008年11月28日現在)
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei0811.htm

先月のデータと比較してみました(あたくしの手控えエクセルファイルベースですので間違ってたらゴメンナサイ。一応合ってる積りです)ら、短いものばかりがバカスカ入るの巻になっておりました(−−)。

特に目立ったのは12月15日に償還が来る2年251回債が貫禄の4855億円打ち込みとなっていたことで、えーっと輪番オペ1.6回分くらいこの銘柄でございますかという事で、毎度お馴染みの実質短国買入状態(^^)。

ちなみに、来年9月までに償還の来る銘柄が11月でいくら増えたかと計算してみますと、10739億円と輪番4回で12000億円の筈なのですが殆どが1年未満の国債が打ち込まれるの巻です。最近は元利金取扱手数料の大幅引き下げによって10毛甘だの15毛甘だのという派手派手な落札結果にならないので目立たなかったのですが、やはり傾向は変わらないようで誠に残念無念ですな。

・・・・ということで、実は輪番を増額しても償還銘柄の吸収装置になるだけだったりするのですが、財政拡張路線のタイミングで輪番増額ってのは下手したら長期金利上昇(財政の維持可能性に関してマジでネタにしてくる懸念ですね、為念)のネタにしてきてもおかしくないのが間の悪い所でございますなあという感じです。

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2008/12/08

○市場雑談メモですが

金曜もまたまたTIBORレート上昇。日本円3か月で0.89917%となりまして、利下げ前の高値は火曜日に抜いているのですが、その後も上昇となりまして、この調子だと今週には0.9%に乗りそうな勢いとなっております。20bp利下げしたのにこの有様というのは金融環境上如何なものかというのは毎度申し上げている通りでございます(−−)。

引き続き年末越え資金に関する警戒モードちゅうことなのですけれども、一方でオペレーションの方はと言いますと、金曜も資金供給の足は短いままでして、買現先はいつもどおりスポネと1週間だわ、共通担保本店オペは15日エンドと余剰日に足をぶつけるという平常時モードの運営だわということで、これまた期末越えどころか年末も越えないオペばっかとなっております。何せ今月は15日と22日が資金余剰日になりますので、年末でもなくて市場が平常モードだとするとここに足の来る供給オペを教科書的には打ちたくなるのは判るのですが、今月は年末月ですし市場は全然平常モードではないですし、政策決定会合では・・・いやもういいです。

てな訳で、ショートファンディングの勧め状態になっておりますので、超足元の金利は低い中であってもレート上昇。大体からして世の中無担保コールやらGCレポのT+0だのT+1だのという所に普通にアクセスしてファンディングつけられる人ばかりでは無いので、そういう人たちにとっては超足元だけ下げられてもショートファンディングに傾斜する訳にも行きませんわな。ということで金曜はCPのレートなんかも大型発行もの中心にちょっと上昇したみたいですな。

いい加減悪態つくのは疲れましたというか徒労感爆発ですから、まあ勝手に通常運転してればという感じですが、市場が「日銀はやると言った事(=潤沢な資金供給)をちゃんと実行しない」という認識を前提に行動しだしているのがアリアリという状況は問題じゃないかなあと思いますけどね。極端に言えば将来的には日銀が政策面でアナウンスしても信用しないとなったら金融政策もへったくれもあったもんじゃないと思いますがどうでしょうかねえ。


話は全然違いますが、金曜は輪番関連の麻生首相の国会答弁で先物とかが反応してたという話になっていましたが、発言内容を読み返してみますと一般的な話ですね。市場の第一反応は「何もしようとしないから政治からのご要望キター」って感じでしたが、拍子抜けという所でしょうか(苦笑)。まあ輪番増やしても短期ゾーンのゲロ袋状態なのには変わらないので増やしても大したことにはならないのですけど、減らす時にやたら大騒ぎになるから増やしにくいというのは判ります。名目が成長通貨の供給だから時限切って増額というのも理屈として変だし・・・・・

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2008/12/05

○昨日も年末越え資金供給無しとな

何かもう一々悪態つくのがアホラシヤになって来ておりますが(-_-メ)。

昨日もご苦労なことにオペ7本。国債買現先のスポネをまた5000億円減額したらレートそのものは低いのですが、その後GCがやや強含みになった(と言っても0.35%くらいになったというレベルですが)ので、応札限度額以上にスポネ現先オペ(などの日銀オペ)頼みの大ショートファンディングをしている勇者が数人いるのですなあというのが良く判ります。

で、積極活用というだけに期落ちは無かったけど12月8日スタートのCP買現先が6000億円実行。新規スタートな上に足が18日とかいうどうにも使いにくいオペ(年内償還物を入れるなら兎も角、年末越えの物をここに入れるのはちょっとねえという感じ)でしたので、平均落札利回りが貫禄の0.186%(足きり0.13%)となりました。

とりあえず今週2本目ということで積極活用は積極活用なんですが、期間的に年末越えとかのフォローになっていない(年末越えの担保を持っているのなら、足元が低いうちにタームで飛ばすタイミングを狙いたいからこんなオペには普通の神経だと入れるのを躊躇します。だからレートがアホほど低かったのですけれども)ところが実に素敵なオペでございますが、もう一つのインプリケーションとして「CP現先オペをバカスカ打ったら新オペよりもレートがお得じゃないですか!」というのをご丁寧に白日の下に晒してしまうという素敵な結果が(^^)。勿論今回のオペはそもそも使いにくいエンドなのでレートが下がったという面はありまして、年末越えやら期末越えでこんなレートにはならないのですけれども、理屈の上では無限に打ちまくればレートは局地的にここのオペだけ下がっていきますからね。

それは良いのですけれども、昨日も供給オペえは共通担保本店の5日スタート17日エンドということで、先般の臨時政策決定会合以降、年末越えの資金供給が打たれないのって何でなのよという感じでございます。


・・・・えーっと、まさかとは思いますが、先日の臨時決定会合で決定された適格担保要件の緩和が12月9日実施だからそこまで年末越えのオペ実施を待ってるとか言う事はないですよね。そんな余裕かましている場合じゃないんですけど(年末越えCPレート上昇してますよ!)ねえ。あ、念のため12月2日の公表文書を引用しておきましょう(^^)。

『(1)民間企業債務の適格担保範囲の拡大

民間企業債務の適格担保としての取扱いについて、社債と企業向け証書貸付債権の適格要件のうち、格付に係る要件を、従来の「A格相当以上」から「BBB格相当以上」に緩和する。これに伴い、新たに適格とする「BBB格相当」の社債と企業向け証書貸付債権に適用する担保掛け目(別紙1)を設定する。本措置は、12 月9 日から実施する。』(12月2日の決定会合公表文書から)

足元下がっているうちに年末越えを徐々に(いきなりアホほど増やして市場のボラをこれ以上拡大させるのは勘弁して下さい)増やしながら足元のスポネ3兆ロール大会とかは減らしていくのが宜しいかと存じますけれども、てか普通そうすると思うのだがこれでは市場のショートファンディングが溜まるので、レートが下がっても市場は安定しないざますが。。。。。

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2008/12/04

以下市場雑談。まずは昨日のオペレーションに関してですが、これがまた楽しいインプリケーションが幾つかございます。昨日オファーされたオペはこちらの通り。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of081203.htm


○素敵なやるやる詐欺

さっき紹介した総裁会見ではこんな発言もありました。

『日本銀行としては、年末・年度末に向け、今回新たに決定した措置も活用しつつ、適切な金融調節の実施を通じて金融市場の安定確保に努めていく方針です。』

決定会合のリリース文書でもこんなのがありました。

『3.日本銀行としては、年末および年度末に向けて、従来からの施策に加えて、今回新たに決定した措置も活用しながら、適切な金融調節の実施を通じて、金融市場の安定確保に努めていく方針である。』

で、改めてさっきのオファーを見ていただくと判るのですが、昨日のオペに年度末どころか年末越えの資金供給皆無。ついでに言えば、準備預金の積み期間が変わる16日以降に足が来る供給も共通担保本店の12月22日エンド1兆円だけでして、国債買現先で5兆円以上出しているのは全部ショートの資金となっております。

そりゃあーた足元は下がるけどタームは下がらんわなという所で、足元のGCが0.3台前半まで下がっても年末越えのGCが下がる(というか出合う)訳もなくという感じでして、下がらないのは要は年末越えの資金供給オペがろくすっぽ出て来ないので安心感が出ない(というか不信感が高まる)状態ってことでしょう。

市場的にはこの「潤沢な資金供給を実施」リリースのやるやる詐欺には大概慣れてきちゃった感じでして、もはや呆れ状態ではないかと存じますが。


○4回引いてコール加重平均0.25%とは笑った

でまあさっきのオファーにありますように、昨日は売出手形即日を4本実施して資金をせっせと引いたにも関わらずコールの加重平均は0.257%に低下。そりゃ足元スポネばっかり資金バカスカ出して、資金需給的に余り出しても打つんですからこうなりますわなという感じ。

さっき申し上げましたように、このあたりの影響でGCレートが今度は急低下しておりまして、正直こんなに足元GCレートが振れますとファンディングが安定しないのもありますが、SCで玉を放出する投資家的にもSC放出を躊躇するようになる(GCとのスプレッド握りなら別ですが、単純に出した場合に出したは良いが金イラネになったらどうするんのリスクが相対的に上昇する)のでこれもまた困ったもん。

まあね、今足元を下げているのが意図的にやっているというのなら判るのですよ。足元を下げておかないとタームのレートも当然下がりにくくなりますから、ここもとの供給で足元下げてからタームのオペをバンバン実行してレートを下げつつマーケットのショートファンディングを軽くするとか言うのであれば中々なもんですけれども、昨日のやるやる詐欺オペを見ていると単に足元のコールと積みの進捗に振り回されているだけのような悪寒が。

オペがオープン市場のボラ上昇させてどうするんだか・・・・・


○TIBORレートとかCPレートとか利下げ観測とか

んでまあ昨日はCPの発行はそこそこ大きいのとかも出てましたが、レートは結局のところ上昇基調という残念な結果。そりゃまあ新オペが年末をフォローしないってもんですから仕方ないですが、年始直ぐにエンドの来るようなCPはオペ関係なし確定ということもあって特にレートが上昇した感じで、一部では華麗に大上昇という向きもあったみたいですね。ちーん。

唯一の救いは年度末越えの発行がそこそこ出てきたことですが、残念ながら優良銘柄に限るという所。まあこの部分は新オペのアナウンス効果として評価できるとおもいます、別にレートは下がらなかったけど(^^)。


で、2日に利下げ直前の高値を抜いてしまったTIBOR3か月ものですが、昨日も嫌がらせのようにレート上昇。新オペが年末越えに間に合わないというあたりにリファレンス銀行様がご機嫌を悪くされた結果レートが上昇したということで
すね、わかります(^^)。

#このあたりだけ見ると(金先も下がってましたが)アナウンスメント効果は1週間どころか1日持たなかったですねとか言われても不思議ではありません

それから結構笑えたのは利下げ観測を本気で言う人が増えている感じがすることですかね(^^)。その理由が今般の張子の対策にあるわけでして、「CP買わない、株買わない、利下げしない、とか言ってこの程度の措置るなら、早いうちに逆に何かしないといけないように追い込まれるでしょ」というものでありまして(^^)、その時に何をするかを考えると、CP購入でこれだけ抵抗してるのに株を買うわけなく(まあ今金融機関から強制お買い上げされても金融機関もありがた迷惑)、そうなったら利下げでしょとなるのでありました。あっはっは。


#なお、最近読者様から「何か最近の論調が手厳しいですなあ」と良くご指摘を受けるのですが、あたくし身に全く覚えはございません(大嘘)。

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2008/12/03

○ついでに市場メモ

昨日はとうとう1日のオペ本数9本とか素敵な状態になっておりましたが、ちょっと意外感があったのはスポネの買現先をそのまま4兆円でロールしてきたこと。税揚げ抜けたら減らすかと思ったのですが減らさずで、税揚げで足元資金が余ってきたこともあってGCレポレートはいきなり低下。レギュラーの所で39-40から始まって最後は37辺りになったみたいですな。

いやまあGC下がるのは結構なのですが、下がる時も上がる時も極端というのはオペが後追いになっているという面もまたありますので微妙に何だかな感はございますが、また例によって例の如く「決定会合結果にレート低下をぶつけてきた」の巻だと笑えるのですけれども。

CPレートは昨日時点では決定会合結果を織り込んでいない(担保緩和は織り込んでいたでしょうが)こともあったのかレート的には相変わらず下がらない感じでしたけれども、さて今日はどうなるのかという所で。一応レート低下すると思いたいのですけれども、何か年末越えに今回の施策が関係なかったりするので、どうなんでしょうかねという所で。

まずは何か知らんが今年はやたら入札日程が前倒しになっているFB入札第一弾に注目でございまする。あとTIBORレートもね。

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2008/12/02

○スポネ買現4兆円ってあーた・・・・

昨日は毎度お馴染みの国債買現先2本立て攻撃がスポネ増額になってましてスポネ(3日スタート4日エンドね)また1兆増えて4兆円のオペ。10日エンドは1兆円でしたけれども、月曜に2兆を3兆に増やしたばかりで昨日は4兆円に増額とな。

さすがに足きりレートは0.15%まで下がったのですが、平均0.458%ということは応札限度額3000億円だと足りない人が必殺で入れてきているんですねえという感じで足りないところは足りないのねという所ですがそれは兎も角。

えーっとですね、資金繰りを安定化させるという点を重視した場合の行動というのは「調達の足を延ばす」というのが基本中の基本でございまして、この逆をやって市場の流動性が低下した時にお陀仏さんになるのは古くは昭和金融恐慌の台湾銀行やら最近ですとサブプライム関連SPVとか例はなんぼでもあると存じます。

然るに、スポネの買現先(=資金供給)をバカスカ増額するとか市場のショートファンディングを奨励するようなオペレーションを実行している日銀のオペって何か変な意図でもあるのかと疑ってしまいたくなるようなもんでして、見た目のオペ実行額を増やせばよいというもんじゃない程度の事は理解してオペを打ってると思うのですが、短い資金ばかり大量供給すると市場の不安定な状況は解決せんのよね。市場の中の人たちが感じている問題意識(危機感と言ってもよいですけど)に対してオペレーションが全然呼応してないのがオソロシス。

ちなみに、あたくしちゃんと計算してませんので報道ベースですけど、年末越えの共通担保オペが前年の同時期対比減ってるそうで、CPオペ分を足してちょうどツーペーくらいみたいですけれども、そのどこがどう「年末越え資金の積極供給」なのかと小一時間。

ということで、何かこっちもずれてるんですよね。まさか「当座預金付利開始に合わせてスタートしたツイストオペ」と一緒で、今日の決定会合が終わってから急に年末越えのオペをアホのように打ち込んでくるとかいうのは勘弁して欲しいもんです。当初からやろうと思えば出来る事ですし、潤沢な資金供給というのは10月14日の時点で表明されていた訳ですから、「金利下げたくないから先に発射台作りに金利上昇をわざと放置したんですね」と言われても仕方ないと思いますけどねえ。

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2008/12/01

○市場雑談

さすがに金曜はGCレポ0.52%とかいうような無茶な展開にはならなかったみたいですが、今度はFBの方が益々アレな状態になっているようでして、引け値バースで見ると3か月カレントゾーンの引けが軒並み0.495%とかやらかしております。12月償還物は堂々0.50%越えになってるし、多分真面目に売りに行くと年末越えでも0.5%台じゃないと売れないんでしょうなあという有様。

ということで、こっちまでロンバートに並ぶの巻ですが、何せ共通担保オペの落札利回りが1日スタートの12日エンドで足きりが貫禄のロンバートレート0.50%(しかも按分按分ちょっと)だわ、2日スタートの2月13日エンドが平均で0.504%だわという有様(しかもどっちも応札が堂々の3兆円越え)で、ロンバートって何でしたっけ状態に。なお、地味に短国買入なんかも良い感じの叩き込みレートとなっておりますわな。どう見てもオペの供給が不足しております本当にありがとうございましたという所でございましょう。

ちなみに、金曜はスポネの買現先を2兆円から3兆円に増額ロールしたのですけれども、平均落札は0.495%ですな。足きりが0.47%なのですから、必殺の札が多く入ってると思うのですが、必要な人の額が確保できていないってえ事は応札限度額も足りないんじゃないですかねえ。


さて、FBの売りとかに関して言えば、共通担保オペなどに放り込めば0.50%で借り入れ可能は可能なので、じゃあビットは0.55%とか言われて売るのかと言うとそれはお家の事情(日銀取引が直接に出来る人とそうじゃない人いますので)によるのでしょうが、これ以上レート上昇するとオペや最後はロンバートに行けば良しという事になりますので、レートが貸出ファシリティに張り付くと市場取引が益々回らなくなる(対日銀ばっかになる)という事ですわな。

つまり、どこぞのトゥーリトル・トゥーレートが得意技の中銀総裁様がお好きな「市場機能」という面で申し上げますと、市場取引ロンバート制度が上限制約になっておりまして(苦笑)、もしロンバートが無ければ市場金利はもっと上昇している筈ですけれども、逆に金利が上昇する事によって新しい運用者が出てくるので市場が回りますねというお話になるのかも知れませんな。と段々言ってることが無茶になってきました(^^)。

市場金融対策がどうのこうの言う前に、オペが小出しの後追い(レートが上昇してからロットを増やす)なのをどうにかせんとイカンと思いますけど。まず最初に年末越え(今の地合いだったら3月末越えもアリでしょ、と思ったら7時の某ニュースで期末越えのオペを打つ話をしてますな^^)の長いオペをドカンドカンとレートが下がるまで打ち込んで市場の目線を下げて安心させれば、逆に普段の供給をそんなにジャンジャン打たなくても安心感でレートはそうアホほど上昇しない筈なんですよね。しかしやってる事がその真逆になっているので、市場の目線が上がるわ疑心暗鬼で予備的需要が増大するわなのでちょっとやそっとの供給増加では追いつかないという流れに。

まあ毎日このネタで皆様食傷気味だとは存じます。性格が粘着なもんでどうもすいません。

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2008/11/28

○税揚げ前の月末とは言え・・・・

昨日もまたまたレートが上昇しておりまして、ここまで来ると投資家(大手銀行)による催促相場状態になって来てますなあという感じがヒシヒシと。備忘の為にクリップ。

オペの金利ですけれども、スポット(1日)スタートの国債買現先1週間物は0.486/0.48で前日の0.463/0.45からまたまた上昇(火曜は0.434/0.43ね)となってしまいました。税揚げ後もレート高止まりするんですねという認識もあるでしょうが、ここもとTBFBなどの短い所で売りが嵩んでいるようなので(12月償還の銘柄では引けが0.50%を越えたものが・・・・)、在庫ファイナンスも大変ですねという感じでしょうか。

で、その後にゲゲンピョだったのはトム(月末の28日)スタートの共通担保本店供給オペでして、月末スタートの12月15日エンドの共通担保オペの落札レートは平均落札レートが何とロンバート越えとなって(そりゃまあ12月償還のFBが0.52とか言い出してるんだから当たり前なのですが)しまい、レートは0.501/0.49で按分は11.5%でございました。ロンバートレートより上ってナンジャソリャという状況であります。

月末は3月決算企業の予定納税対応の資金ニーズがあるのですが、ここもとCPの発行が滞っていた所でしたので、こりゃまあ銀行借り入れ(大手企業だからコミットメントラインのご利用でしょうなあ)が絶賛大殺到して、ファンディングの圧力が高まったという所なのではないかと勝手に想像致しますが、それにしてもロンバート越えとは素敵にも程があります。

そんな感じですから、GCのレギュラースタートで0.52%だとか訳判らん動きになっちゃいましたが、ロンバートに行けば0.50%だというのにそこまで特攻するというのも何ともという感じ。TIBORフィクシングレートも絶賛上昇していまして、こいつは市場でマークするもんじゃなくてリファレンス銀行が鉛筆なめてつけるレートでありますので、こいつはまあ大手銀行さんついに政策催促、というか督促状態になって来たかと、おらワクワクしてきたぞって感じです。


ということで、オペレートの話をしながら書きましたけど、TIBOR3か月ものは日本円3か月で0.86833%と前日から1bpちょい上昇の巻となり、利下げ直前の31日(フィクシングは11時ですので^^)の高値0.88917%に益々接近の巻。毎日良い感じでリファレンスバンク様がレートを上昇させておられるようで、実に素敵な展開になっております。今日高値(というか最高レート)を抜いたらもう笑ってしまうしかありません。

CPはスポットが1日なのですが、納税やら年末資金対応などもあるのか昨日はやたら沢山発行が。久々のメーカーネームとかもありましたが、電力などの公益系最高位格付け銘柄群を除けば微妙にレート上昇。まあ大型発行が多かったので仕方ない面はありますけど、やはりレート上昇かってな感じです。二極化のもう片側さんはこの状況だと益々大変かと。ご同情申し上げます・・・

FBは先ほど申し上げたとおりの惨状ですが、来月は休みの関係もあって発行が前倒しで行われるわ、3か月物の発行額が4兆8千億円に増えるわという状態で大丈夫かいなという所ですな。もうちょっと長いところだと1年半とかのゾーンがメタメタみたいな感じですね。新発2年国債はまあ無難ではあったのですが、カーブ上で1年から1年半くらいまでが一番甘い(もっと甘いのは1か月以内ですけれども^^)とかどういう事やという感じです。あまり想像したくない「換金売り」という言葉が頭にチラチラと・・・・



○ということでこれが市場機能の結果でございます

とまあ素敵な市場の展開ではございますが、昨日ご紹介したオペ懇でのご発言によりますと、市場機能を生かすというのが白川総裁様のスタンスであられるそうでございますので、総裁様のお考えの通りに市場にお任せしたらこんな状態になっちゃいましたという事です(-_-メ)。

即ち、後ほどご紹介しますが、利下げ決定会合において反対意見を出した水野審議委員の指摘していた『C P ・社債市場の機能低下等を踏まえると、利下げの効果が実体経済に波及するメカニズムがはっきりしない』というのが具現化している訳ですな。市場の目詰まりを放置して利下げをしても効果が出ないというのは、かつての金融システム不安の時にも経験がございましたが、今般の場合は金融システム不安のような状態になっていないのにこの有様というのがタチ悪いという感じですね。

ま、それは兎も角として、何か火曜のオペ懇以降益々市場が大反乱状態になってきております(ように見える)のは、昨日ご紹介した白川総裁のスピーチの「市場機能」連呼に対してオペ先の皆様がカチンと来たからとか妄想するのは妄想にも程がありますかそうですか(^^)。

とにかく、潤沢な流動性を供給とか言ってる割にはやってる事が後手後手に回っているのが問題を悪化させているのでして、例えばCP現先オペに関して言えば、10月14日に積極活用とか言い出したのに、その後の実施は月末までに2回しかないという状態で、それじゃあ積極活用じゃないでしょという認識になる訳ですわな。10月14日の会合後から普通に毎週オペ実行してたらもう少しCPディーラーも安心して引受が出来、今のように間接金融への大々的なシフトが起きて銀行金無し状態にならずに済んだのではないかと(まあ実際どうだったかは再現できませんから判りませんが)思うと、全く持って危機感の欠如にも程があるという所でございます。


と、連日の悪態恐縮至極。

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2008/11/27

○またまた短い市場雑談に悪態成分が入っております(^^)

昨日もまたまたGCレート上昇して0.50%近辺みたいですね。

税揚げ要因ちゅうのはあるのですけれども、単にそれだけではなくて、そもそも市場がその手の金利上昇ネタにナーバスになっている状況において、金利上昇しやすいネタの税揚げに対して供給オペがほぼ自然体だったのも「あらやっぱりそうですね」という感じでレート上昇要因になったようで。

まあ準備預金の積み進捗が進み気味なのであまりバカスカ供給できないというのもあるのでしょうが、それって要するに「通常モード運営」の状態ですわなという事でして、何かこう年末越えに関してちと神経質になっている状況においてはちとどうなのかなあとは思うのですが、ディレクティブどおりに運営するとなればこうなっちゃうのよね。残念。

という事で、資金足りません感が強い中でオペの金利はターム物がしっかり上昇しまして共通担保本店の27日スタート4日エンドという税揚げ越えは0.488/0.48と前日の1週間ものが0.453/0.45だった所から華麗に上昇してロンバート金利にまたまた接近。そりゃGCが0.50に上昇するわ3か月新発FBの入札がコケるわなという所でありまして、FB新発の落札利回りは足きりベースで0.49%に乗せてしまいまして(さすがに引けは0.475−48みたいですが)これまたロンバート接近でござるの巻となってしまいました。

どうも12月償還とか1月償還のFBも売りが出ているようで(単に入れ替えなのか換金なのか知りませんが、換金だったら嫌ですねえ)このあたりの引け値は軒並み0.48だの0.49だのとこれまたロンバート接近レートになっております。

ということで、まあ市場の中の人たちが何となく不安に思っていたように、1週間掛けて下がったレートは元に戻るの巻になりました。


・・・・・17日に当座預金(超過準備)付利を行うと潤沢な資金供給ができるようになるというお話はどこに行ったのでありましょうか、それと10月14日の公表文の中にはこんなのもありましたが、年末越えのオペレーションも別に普通の自然体でしか打ってないように見えますけれども、あれは何だったんでしょうかねえ・・・・

『3.年末越え資金の積極的な供給

年末越えのターム物オペを早期に開始することにより、年末越え資金を積極的に供給する。』(10月14日の公表文から)

結局の所ですね、最初から別にジャンジャン威勢よく供給する意思がなくて、単に(絶賛シュリンクしてる)無担保コールのレートと準備預金の積み進捗を見ながら自然体で運営してろという状態なのであれば、最初から「付利で潤沢な供給」とか「年末越え資金供給の積極化」とか余計な事は言わなければ良いのでして、変にそんな事を言うから市場が期待して「潤沢な供給はいつですか」となってしまい、結局失望ということになっちゃうのではないかと思います。今の状況って(無担保コール市場は知らんが)主にオープン市場が日銀の調節姿勢に対して懐疑的になってるのではないかという懸念がありまして、日銀の為に惜しむ者でございまする。

・・・・うーむ、今日も毒出し毒出し♪

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2008/11/26

○市場雑談ですが

昨日のレギュラーGCは月末月初になるのですが、レギュラーの翌日物GCは上昇しやがって0.48%とかの水準。国債買現先の27日スタート12月4日エンドの落札レートがしらっと1つ上昇したですなとか思ってたら午後の共通担保本店26日スタート12月5日エンドが1兆円のオファーに対して応札5兆とかになりやがりまして、落札レートは2つ上昇の巻と地合い悪化してるのでまあそんなもんちゃあそんなもんなのでしょうが。

まあ何ですな、足元もきっちり売手即日で引いているので全般的に金やっぱ足りないじゃないですかという所で、月初の税揚げ抜けるまでは地合いが回復しないのかねとか思うのですが、とりあえず昨日の現象面を見ますと、「折角1週間掛けて低下したGCレートが1日で戻りましたね」という感じでしょうか。もうちょっと正確に申し上げますと、金曜の時点でレギュラーのGCが0.42−43%あたりの水準に反転上昇となっていましたので、同ペースで供給してたらレートが上昇するんでしょうねという感じでしたから1日で戻ったというよりは金曜の助走によって月曜見事にジャンプという所でしょうか。さて今日はどういう調節をしてくるのやら(ニヤニヤ)。

それはそれとして、CPレートの見事な二極化とかどっかの情報ベンダーでもネタになってましたが、TIBORも中々香ばしい展開に。TIBORの日本円3か月ですけれども、利下げ直前の10月31日に全銀協発表のレートが0.88917%と最近では最高水準だったのですけれども、まあ当然ながら同日の利下げを受けて11月4日には0.79083%と10bp弱(利下げ幅が20bpなのに10bp弱という時点でアレなのですけれどもそれはさておいて)低下したのですが、ここもと徐々に上昇でござるの巻になってまして、昨日はとうとう0.84750%となってしまいました。何と利下げ20bpに対して低下幅4bpの巻と。いやはやコマッタモンデス。

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2008/11/21

○さて決定会合

決定会合にぶつけるように素敵な株安円高進行でございますが、まあ目先のそれはそれとして、ダメダメGDPも出たことですし、金融経済月報に関しては下方修正は必至かと存じます。で、あたくし的に勝手に注目しているのは金融環境に関する認識がどうなるのよという話。

即ち、前回の決定会合およびその前における日銀の公式見解は、0.5%の政策金利水準の下でも金融環境は緩和的という認識で、利下げは緩和的な金融環境を更に緩和させるという文脈で実施していたのですよね。でまあその後も良くない経済指標が出てきて経済状況の悪化が確認されている中で金融環境の「緩和的」な度合いは相対的に低下している筈ですよね。この辺に関しては毎度毎度「緩和的な金融環境」ということになっているのですが、本当に緩和的なのだったら「緩和的な金融環境」をもう何年もやっているのに景気がこの有様とはどういうことよという気がせんでもない次第で。

と、書いてるうちに話が微妙に壮大になっちゃいましたが(汗)、まあ何はともあれですな、10月末に利下げをした中で各種要因が複合してという所なのでしょうが、長期金利は下がらない(ここ2日でやっと1.5%の呪縛から離れてきましたが)わ、CPレートはピカピカ優良銘柄(電力ガスなど)以外は下がらない上に却って上昇してる所はあるわ、昨日のブルームバーグニュースでも指摘されてましたが、TIBOR3か月もののレートは一旦低下したけど足元で上昇基調になっているわ(これはさすがに利下げ前よりも低いですけどね)となってまして、一方で景気も資産価格もこの有様ですから金融環境は悪化しているとしか思えないのですけれども、まだ本当に緩和的な金融環境なのでしょうか(そりゃまあ正式文書で中々それを引っ込めるのも(ホイホイ変更して褒められるよりも叩かれる傾向にありますし)少々ムツカシヤとというのはわからんでもないですが・・・・)という検討は当然ながら決定会合でも行われていると存じますけど、そのあたりの見解をお伺いしたいものだと思います。というか誰か会見で質問してちょ。


という金融環境な訳でして、実は前回の決定会合でも当座預金付利がどうのこうのという前に流動性強化策を打っていただきますと良かったのですけれども、まあ今回はその辺りでどのような話が出るのかも注目したいです。ただまあこれは施策一つ一つ検討していくのも手間掛かりそうな話(担保掛け目変えるとか昔やったABCP買取復活くらいなら大した事はないと思いますが)で、前回会合でその手の話が全然出てない(もしかしたら議事の席上では話が出ていたのかもしれませんが、総裁会見などではそんな雰囲気は見られませんでしたよね)ので、昨日今日(というか実質今日)の会合でどの位の物がでるのか注目したいです。勝手な妄想は一昨日書きましたのでまあそんな感じで。


○市場雑感

10年が1.5%に吸い寄せられるように云々と昨日書いたら超長期国債入札順調に株式市場絶賛下落で10年1.4%台前半に入るとかどんなヘタクソだよとか思うのですけれども(大汗)、何気にGCレポのロンバート張り付き状態とかいうアホウな状況が改善されたのも効いているのではないかと思うあたくし。ただまあ日銀オペによって支えられているという状況には変わりない上に、株価がなおも下落しそうで「リスク許容度」って奴が低下しやがりそうな悪寒もするので、これでまた今日株安で債券伸びないとかやられると気持ち悪いことこの上なしであります。

まあ毎度毎度申し上げてるCPも二極化というか三極化という感じで、レートの絶賛低下するピカピカ銘柄様に対して、レートが下がらない企業様に発行そのものが何かもうエライコッチャな企業様とかいう感じになっているのはちょっとねえという所です。その結果ローンが伸びて需要が上がるのでTIBOR上昇ってお話でして、昨日読んだブルームバーグの記事はまあ現象を端的に良く纏まっていると思うので一読推奨。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aMEYu9jxwpSg

まーこっちも局地的な話ですけれども、無担保コール取引の最高取引レートが今週になってしらっと上昇しております。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_m.htm

上記URLの日付のところをポチポチ押していただきますと判るのですが、今週になって取引最高レートが60台から70台に上昇。積み期間が変わって調達意欲が高まるとかいう面が無いわけでは無いとおもいますけれども、どっちかといえば環境の悪化とか、別に60台の無担ださなくても売出手形に入れたほうがいいじゃんとかいう動きなような気がするのでありまして、CPオペ(そういや昨日は札割れしませんでしたね)の実施で益々格差拡大社会のCP市場と似たような文脈なのかもしれませんね。

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2008/11/20

○引き続き相場雑感

長い所に関しては10年1.5%に吸い寄せられるようになっている今日この頃でございまして、正直何でこんなに長期金利が下がらない(上がりもしないが)のか訳判らんのですが、その点は先般ご紹介したPD懇とか今日のネタにするの忘れましたが投資家懇談会あたりでも議論になってましたわな。理由はいくつかでっち上げられるのですが、何が決定打なのか良く判りませんえんです。何となく体感的には債券お取扱業者の短期のファンディング部分が安定していない所なのではないかとは思うのですが。

でまあその短い所ですが、さすがに連日のオペ攻撃が効いているんだろうなあという感じでGCレートが手前で低下してますが、19日(昨日)の当日スタート翌日エンドのT+0のO/NのGCに関してはドルオペ担保の前残確保ニーズ部分があって資金運用じゃない部分もあると思われるのですが、まあそれはそれとしても、足元に近い所についてはだいぶ低下して良かったですねという感じ。

とは申しましても、別にレギュラーなどの渡しの所でリアルマネーのGCバイヤーが増えているという話でもなさそうなので、目線は下がったけれども市場が活発になってどうのこうのというのでは無いイメージですか。今やってるツイスト供給お疲れ様としか言いようが無いですが、このツイストオペの手をちょっと抜くと「1週間掛けて低下したレートが1日で上昇」の図になるのは必定という感じでございます(リアルマネーの出し手が戻っている訳ではないから)ので、まあ精々ツイスト&シャウトという所で頑張っていただきたいものであります(と完全にひとごとモード^^)。

気になるのはCPなんですけどね、GCとか下がってるしCP買現先が札割れする勢いで打ち込まれているのですが、その恩恵が来ているのは今の所は惜しくも電力会社様などに代表されますピカピカの高格付け銘柄に限定ちゅう感じでありまして、嫌われ系の銘柄に関しては逆の感じ。まあ月曜にあったように、高格付けでも沢山取りに行こうとするとレートを引き上げないといけないという感じなのですけれどもね。金融環境という観点からしますと、ど〜もこの辺りは気になる次第。と申しますか、やっと11月下旬になったばかりでこの状況だと年末どうすんのよという感はするのですけどもねえ。ピカピカ系の銘柄に関してはSB発行も復帰してきたのは明るい話ですけどね。

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2008/11/19

○オペなどの雑感

昨日も引き続きスポットスタートの国債買現先を2本立てでロールオーバ。スポネが2兆円の同額で1週間ものが1兆6000億円でこれまた増額。落札レートに関してはスポネが0.415/0.40と前日とほぼ同水準(足きりの按分が下がっているのは20日スタートだからでしょう)で1週間ものが0.436/0.43と足きりは変わらずで平均レートが低下してますので、まあレート的には落ち着いているんでしょう。

で、午後は午後でお約束の売手即日2本立てに共通担保オペがトムスタートの本店オペ1週間ものにスポットスタートの2月エンドという供給が行われまして、ドル供給オペ(1ヶ月もののロール)も含めますと昨日は都合オペ7本実施。スポットが17日になった所から1日のオペ本数を見ますと、13日木曜から7本、6本、5本、7本となっている訳ですが、その前ってどうでしたっけと11月頭から並べますと、11月4日から6本、6本、5本、3本、4本、2本、2本となっておりまして、まーこれは何だかんだと申しましても「17日の超過準備付利に合わせてオペを沢山打つようになってきましたね」という感じになっておりますわな。いやはや何ともという感じですが。

まあ元々ツイストやったらオペ本数増えるのは当然なのですけれども、やろうと思えばもっと早くから出来たツイストをここまで引っ張ったメリットが良く判らん所だというのは昨日ご紹介したPD懇における「レポ市場の金利高止まりと流動性低下が債券市場に悪影響を与えている」という指摘にあった通りかと存じます、といつもの悪態。



しかし何ですな、昨日あちこちのコメントとか見てたのですけれども、債券市場の解説の中で「17日からの付利で日銀が無担保コール金利の低下を容認するのではという期待が空振りに」というような話が多うございましたのは中々オモロイものを感じましたですよ。金融政策のロジックからすれば、ディレクティブの変更無しで低下容認というのは有り得ないのでして、そんな観測が出る自体がアホウなのですけれども、こと金融政策話になりますと、某海外著名レポートのような無茶苦茶な言説に乗って動いてしまうのが債券市場クオリティなのは従来から観測されておりましたが、主にそのネタに騙されて右往左往するのは日本事情に詳しくない毛唐の皆さんだと思ってたのですが、今回はどう見ても純ドメでこの思惑盛り上がりをやっていたのが理解に苦しむ所です。

政策決定会合でディレクティブの変更があるという思惑なら兎も角、月曜火曜のオペレーションで低下容認が無かったから失望とかアホちゃいますかと存じますけれども、相変わらず金融政策に関する認識ってのは日銀直下の隣あたりにあります国内債券市場ですらこんなもんなのねという所でしょう。

・・・・と申しますかですな、そもそも論として問題なのは、超過準備に対する付利への説明がペテンである所にある訳でして、そのペテンな部分に関しましては11月6日にご紹介した総裁講演への突っ込みの中で当座預金付利に関する説明部分で書いておりますのでそれをご参照ありたしでございます。

まあ要するに「大量供給を可能にするために付利を行った」という説明な訳ですが、もともと売出手形という万能吸収手段があることから、別に大量供給そのものはとっくの昔に可能だった次第でして、付利によって大量供給可能みたいなペテン説明をする上に、実際のオペレーションが17日スタートで露骨に新規実行とかするから、説明とオペレーションが相乗効果を生みましてそーゆー変な思惑が浮上したでござるの巻になってしまったとしか申し上げようがございません。

ということで、まあ金融政策の説明、即ち市場との対話にどう見ても失敗しています本当にカムサハムニダという所では無かったかと存じますが如何でしょうか。

付利するならもっと金利が高い水準で行うなら「積み最終などで金利が0まで低下するのを防ぐ」という意味はあると思いますが、0.30%の0.10%とかいうレベルで意味あるのかよという感じですわな。だから先日の決定会合前に「利下げするなら付利は金利正常化方向になってからでいいじゃん」とか申し上げたと思うのですが・・・・・・

「FRBはどうなの」とツッコミが来るかもしれませんが、あれは「コントロール不能状態になっている」というのが正しい表現で、本来は金融政策の枠組みが既に金利政策ではない状態になっている次第で、そこの説明をスルーしているFEDもインチキにも程がございます。


それから、オペとは関係ないですが、昨日はスポット20日でCP発行が高格付け物中心に大型発行が目立ち、そこそこレートが上昇したものが散見される次第。GCレポ取引のレートが若干落ち着いたとは言え、中々こっちまで回ってきませんわな、というかそもそもGC取引自体日銀オペじゃない資金の出し手(即ちリアルマネー)が乏しいままという状況は相変わらずでござるの巻なんですかねえという感じです。

今日の3か月FBは運用資産としてはリスクアセットじゃないですし、担保だ何だと使い勝手も良いですので、まー入札そのものはそんなに変な事にはならんでしょうと思いますが、CPの目線が昨日の結果で上がってしまうと月末に掛けてのCPレートがちと気になりますなという所です。

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2008/11/18

○17日のオペレーション関連

実施したオペは以下の通り。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of081117.htm

でもって結果は以下の通り。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba081117.htm

積み初日(正確には日曜が初日ですけど)でコールの取りも確りだったのでコールでうりゃうりゃと下をやって調節姿勢を確かめるというような形にならなかったみたいで少々つまらない展開でしたが、売出手形即日を連発で実行し、しかも1発目は午後の定例オペの前に打ち込んでいますので「意図的に低下放置はしませんですよ」というのは把握できました。

・・・・のですが、情報ベンダーなど見てたら「当座預金付利によって大量の資金供給云々」という講釈をする人がいたり、ヘッドラインがモロにそうなっていたりするのには何だかなあ感が致しますわな。しつこく悪態を申し上げておりますように、「こういう形式の資金供給は別に当座預金付利の有無とは関係なく、やろうと思えば出来たこと」でありまして、当座預金付利と絡めて説明するのは原因と結果を取り違えておりますわな。

実際問題としては、「従来はオープン市場金利の上昇を放置していたのですが、漸くそれに対応したオペレーションを実施するようになったので金利が低下した」となるのでして、そもそも論として昨日の時点でみてリーマン前の状態からしたらGCって10bp(昨日の時点でT+3のオーバーナイトGCレポは45bpくらいのようです)程度しか下がっとらんのでして(以下悪態自粛^^)。

まるで当座預金付利によって金利が低下したかのような解釈が残ってしまうのは、明らかに因果関係がおかしい次第でして、こういう変な誤解の積み重ねって結局のところ金融政策とか短期市場に関する誤解(無理解)を育てるだけであって、最終的には金融政策の効果とかにも良い話ではないと思うので、今回の当座預金付利と利下げがセットになった時のペテンの香りが大変にするような説明(および如何にもそれに沿ったオペレーション)というのは自分で自分の首を絞めると思うのですけどねえ>日銀

まあ今まで上昇放置してたのを抑制(って言っても精々GC0.4台前半くらいが御の字だと思いますが)するオペをしたのはしないよりはマシなんですけどね。

#なお、ちゃんと判っている人は当座預金付利が原因という講釈はしていないで、「日銀が先日付オペを積極化したから」という説明になってますので、そーゆー意味では良いリトマス試験紙(^^)

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2008/11/14

お題「17日スタートのオペ」

先にオペの話を、と思ったらそっちの話が長くなって中村審議委員の講演まで手が回りませんでした。ごみんなさいごみんなさい。

○国債買現先スポネ2兆円ねえ

昨日はスポットが超過準備付利となる新しい積み期間になる17日でしたが、9時半からオペ3丁。17日にエンドの来るCP買現先のロールが6000億円とまた札割れしそうな額かつ微妙に半端なエンドで打たれたのですが、それはそれとして国債買現先が2発でして、1週間ものが1兆6000億円にオーバーナイトが2兆円の打ち込み。

オーバーナイトの2兆円というのが新規実行で「ほほ〜」という感じでしたが、1週間ものはそもそも落ち分の同額ロールなのでして、「過去最大の現先オペ」とかヘッドラインを打つ情報ベンダーは見事に日銀に釣られていますので、期落ちのロールと新規実行の区別を良く考えましょうね。

と申しますのはですな、昨日のオペ結果から考えて、どう見ても今日も国債買現先はオーバーナイト分の2兆円もロールしないといけませんから、1週間ものの期落ち分も含めると今日は3兆打ってやっとチャラとなります(多分3兆円だと足りないのでは)ので、3兆円の国債買現先実行がオファーされて「連日の大量供給」とかいうのはミスリードにも程があるという話ですな。

などと話が逸れましたが、この合計3兆6千億円に対して応札が合計で約4兆9000億円あって、スポネ(スポットスタートの翌日物)はテール流れて0.43%まで入ったものの、平均はスポネで0.477でウィークが0.474(ウィークの足きりは0.46%)と、まあ結局足りないところは足りないので、応札限度のかなりの部分まで必殺の札で行ってるのですなあという感じ。T+2の金がやっぱきつくなってました(今週に入ってGCがオファーだらけになってましたし)ねえという感じ。

午後も共通担保オペ実行されてましたが、じゃあGCレートが下がったかと言いますと、T+0とかの辺りは最後余った人が0.3台出したりしてたみたいですが、まあ結局46−47位みたいでして、長期ゾーンを中心にやってる債券市場の中の人たち的には妙な期待がある(後述)節があったりなかったりするらしいですが、短い所&特にオープン市場の皆様におかれましては、もう散々出す出す(自粛^^)の煮え湯を飲まされて居ますので、まあ今日以降来週一杯くらいまでオペ状況を見ないと安心して(?)GCレート下がるっちゅう訳にも行かんでしょうねえという感じじゃないっすかねえ。ということで次の小見出しに続く。


○こういうツイスト別に付利と関係なく出来るのですが・・・・・

んでまあ昨日は例によってほぼ15時に売手即日6000億円で足元の余剰分を引いておりました。実際問題として運用をしないといけない立場で当日余剰資金を抱えている人はそんな時間のオペまで待ってられませんので先程申し上げたようにT+0のGCが0.3台とかになるのですけれども、まあ来週もそんな感じで足元に余剰感が出た場合には即日オペで資金を引くという動きは普通に考えれば継続するものと思料されます。

・・・・えーっとですな、かねてから先の資金というかオープンの資金がタイトでGCレートやらCPレートなどが上昇してますよという話は別に場末のあたくしの駄文を持ち出すまでもなく、短期市場のそこら中で指摘されてまして、とにかく資金が動かんのでツイストオペ打って「オープン足りない、インター(の邦銀)余ってる」状況を緩和して下さいなという指摘はあったと思うのですが、10月になってから9月末対策で多めに出てた資金がさっさと引かれてオープン金利上昇してもシャーナイナイ!って感じのオペだったのですが、付利開始の17日にぶつけてツイストオペですかねという感はあたくし物凄い勢いであるのですけれどもね。

と申しますのは、売出手形(と売現先)という資金吸収手段がある日銀は当座預金付利問題と関係なく「まず先に供給オペをバシバシ打っておいて足元資金を引く」というのは可能で、これは付利金利の有無とは関係ないお話。今までもやろうと思えば出来た筈なのですが、当座預金付利という「新しい日銀の施策」にぶつける形で急にツイストオペらしきものを開始というのは(以下勢いで書いた部分読み直して激しく自主規制^^)。

ま、ツイストやらないよりはやる方が良いのですけどね。


○ということで短期の人はともかくとして長いところでは変な思惑が

ここもと言われているらしいのですけれども、「当座預金(超過準備)付利開始によって資金供給が強化(されてレートの低下云々)」ってのが特に債券方面で流布されていまして、短期ゾーンをやっている担当の現場労務者の席には「そうなんですか」という照会多数というのが各社の光景のようで誠に心が温まるものがございます(-_-メ)。

・・・・・・残念ながらそれは制度とかの面を考えれば有り得ません。まあ昨日みたいなツイストは当面打ち続けられると思いますが、売出手形で吸収してオーバーナイト金利をコントロールする事が可能な日銀のケースでレート低下放置を意図的にやる(積み最終とか期末年末みたいに完全に調節できない場合は仕方ないですので念のため)というのは、金利ターゲットで金融政策を実施しているという建付になっている現状では調節担当部署の越権行為になっちゃいますよね。政策委員会で決定された事項を調節担当部署の判断で勝手に逸脱しちゃうんですから。

従いまして、「当座預金付利で供給が強化されてコールレート低下」とかいうのは理屈として無いのですが、どうも変な期待をしている向きがある中でまさしく17日スタートでツイストオペ開始したもんだから期待がちょっと高まってしまった気がするんですけれども。なんちゅうかこれも10月末利下げに当座預金(超過準備)付利をつけて、おまけに市場機能がどうのこうのとか訳判らん話(金利のフロア設定、潤沢な資金供給、市場機能の重視、って3つのお題は同時に満たせないと思いますけど・・・・)をするもんだから、変に債券市場が期待しちゃいまして、もうこれはコミュニケーションギャップとしか申し上げようが無いというのはちと辛口すぎですかそうですか。


もしね、現状のディレクティブのままで資金供給ガンガン出してフロア金利をガンガンつけるのを容認っていうのだったら、そもそも論として最初から0.10%まで利下げしとけよという話だし、その方がサプライズでアナウンスメント効果あったでしょという話になる訳で、「なお書き」が入っていない状態で大量供給によりコールレート低下期待とかそれはどうなのかと。

ちなみに、ツイスト強化すればGCレートとかには低下の期待がありますが、そもそもこのGCレートがロンバート近辺で張り付きの巻だったのですから、低下もクソも元のレートが高杉晋作であって、まあそりゃ今よりは下がりますけれども、もうちょっと前にコールが50でGCが55あたり、3か月FBが0.60割ってた時から考えると何だかねって感じです。


○なお書き修正雑考

まあディレクティブの中に「年末に向けた資金需要を鑑み潤沢な資金供給を行う場合、目標水準を一時的に下回る事も有り得る」というような「なお書き」修正が行われるというのは年末対策で有り得る話。

ちなみに、12月の通常決定会合が19日でして、19日に決定されても翌日は22日でして、22日のスポットは25日ですしT+3は26日ですので、既に年末越えの資金繰りという観点からは遅いですがなという事になりますので、まあ通常会合でやるなら来週末の方がよろしかろうと思いますが、付利開始直後でオペレーション打ってどういう市場反応するのかが見えてこない内になお書き修正ってのもバタバタ感がしますわなという感じ。というかそれなら10月31日になお書き入れとけよという所で、年末向けの流動性強化策を臨時決定会合で行い、ついでになお書き修正ちゅうのも有るのかもですね。

そういやFRBの場合はこれが見事にFF金利誘導できてない状態になっているのですけれども、本来はこういうときは「金利目標には拘らずに流動性を大強化する」と宣言すべきだと思うんですけどね、余談ですけど。

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2008/11/12

○何か連日同じネタですが

昨日もまたまたオペ金利上昇。共通担保オペのレートが平均0.485%の足きり0.48%となりましてま〜そうですか今日も48ですかとか思ったのですが、良く見ればこのオペは2か月ロングで1月29日の足という期間の長いもの。似たような期間の全店オペは先週木曜に実施されたのですけれども、このオペは平均0.477%の足きり0.46%なんで、イメージ1つ半位上昇したでござるの巻。というかロンバートに益々接近しているのですけれども・・・・・

ということで、GCも殆どロンバートみたいですし、10月14日にわざわざ臨時会合開いて積極的な流動性供給をするとか言ってたのは何だったのでしょうかと小一時間な訳ですが、まあこの状況とっくに理解した上でのこのオペレーションなのですから、まあこれは所与として考えないといけませんなあという感じですわな。ショートファンディングは溜まるわオペ残減少でオープン市場では逼迫感強いわで、この調子が続くと年末越えのCPレートはどうもうまく無さそうという感じですかね、金融環境という観点からすると困ったもんです。

んな訳で本日は3か月FBの入札が。3か月だと一応先行きの利下げ期待も加味されるでしょうし、年末越えのドルオペ担保とかのニーズもあるでしょうからまだそれなりに何とかなるのかとは思いますが、既に昨日の引けが3か月既発債0.445%とか素敵な状態に。おまけに年内償還だと0.47だの0.48だのとかもっと素敵な状態になっておりますので、0.45%で止まってくれる感じがしませんが大丈夫でしょうか。いやまあ0.50%でとりあえず止まるのは鉄板も鉄板なのでまあ良いんですけど。


ところで、16日から例の超過準備付利が開始になるので、17日スタートのところからは「超過準備付利」→「資金供給オペの強化」→「レート低下してウマー」という観測もあるようですが、資金供給オペの強化をやるならとっくの昔にやっている筈でございますので、一応期待はするけどあまり当てにはしてませんって感じじゃねえのかなあと思うのですけれども。

これが付利金利が25bpとかでフロアにガンガンぶつかってもディレクティブで示されている誘導目標から大して乖離しませんよというのであれば急にジャンジャン供給オペが増えるのもアリだと思いますが、付利金利とディレクティブの間に20bpありますので、フロアガンガンという訳にはいかんでしょ。何せ先日の利下げ幅が20pで25bpか20bpかで議論してた位なのですから、5bpなら兎も角、20bpで「細けぇ事はいいんだよ!」と言うわけにはいかないという理屈になりますわな。

#いやこれでいきなりガンガン供給してコールが0.10%まで低下するのに吸収オペ実施しないとかだったら笑うしかないのですが

ま、17日スタートのところからいきなりツイストオペ強化とかしたらそれはそれで「今までやらないで超過準備付利から急に始めるとは何でちゅかねえ」としか申し上げようがございませんが。



○FEDの誘導目標が実際のFFレートと乖離しまくっている件

本石町日記さんの所から、というか市場の中の人だと東短リサーチの加藤さんのレポート読んでると思うのでそっちを参考にすればと思うのですけれども。
http://hongokucho.exblog.jp/9848959/

こちらのエントリーはあまりにもマニアックすぎてコメントがついてない(今朝の時点で)のですが、このエントリーは重要な論点を含んでいるお話かと存じまして。エントリーの最後の所に本石町さんが、『まあ、FEDとしては無理に誘導目標維持するよりも、流動性供給を優先するのに精一杯なのだろうと思われる。』と指摘していますが、現実問題として連銀当座預金に付利する前にもFFレートがガンガン下がって誘導目標どころの騒ぎじゃなかったのですが、付利水準をFF誘導目標に上げても結局同じ状況。

・・・・ってなりますと、じゃあFOMCで「FF誘導金利目標はなんぼ」とか決定しているのはありゃ何なんですかというお話でして、金利ターゲットを実質的に放棄しているのに金利ターゲットをしてる振りして、実際にやっているのは流動性大供給の緩和という状態。それならちゃんと「金利ターゲットは当面放棄」とか「流動性拡大で目標を設定」とかアナウンスした方が政策の整合性が取れると思うのですけれども、その辺を見事にスルーしてなし崩しで政策の枠組み変更ってのは中央銀行としてどうなんでしょ(目先はそれでもいいけど将来の金利誘導で困らんかという話ね)と存じますが。いやまあ米国様では火がボーボー燃えているからそれどころの騒ぎじゃないってのも判りますけれども・・・・・

などと思うのですが、それだけ火事場状態なんですねえという事で。


○超昔のネタで申し訳ありませんが

埋蔵金は国債償還どころかきっちり費消する話になってしまったのでこのネタ自体が昔々の話になっちゃいましたが(超大汗)、9月14日と17日に書いたお話の補足をば、って2か月も経過(しかも17日には「続きは明日」と申し上げておりまして・・・・)してしまいまして、リーマン破綻以降のドサクサですっかり流してしまい田中先生には大変失礼致しておりました。

いわゆる埋蔵金を国債償還に充てる場合に、市中国債の買入を行うのと日銀や政府部門が保有する国債を買入消却するのと、市中から買入する場合って、(前提条件として政府部門から買入を行った場合に発生した余力で国債発行が減るかこれらの部門の国債保有がその分増えるかのどちらかになるというのがありますが)ざっくり考えると同じ話なので、いわゆる高橋埋蔵金案で殊更に市中国債の買入に拘るのはどうですかねという風に申し上げた次第であります。

では全く意味が無いかというとそんなことは無く、埋蔵金吐き出しによって出てくるフローというのは基本的に短期国債とか日銀売現先のような短期資産でありまして、その短期資産に対して買入消却が行われる国債は中長期国債になる筈ですので(例えば先日ご紹介した日銀の保有銘柄増減を見ると、先月は5年50回債(2010年12月償還)と5年56回債(2011年3月償還)が減っているので恐らくこれが買入消却されたのでしょう)、相対的に低金利の短期資産と高金利の長期負債を落とすことになるので、その点では意味がある話だと思います。政府部門での資産負債構成の改善というお話になっちゃいますが。

それをより広げると、日銀や政府部門が保有する国債の買入消却よりは、市中からの買入を行って、かつそれをできるだけ長期のゾーンからの買入を行う方が効果はある(短い期間の国債を買入償却するのだったらそれこそただの両建て落としですから)という話になると思いますので、そう考えますと高橋先生の「政府部門よりは市中国債の買入」というのは同意でありますが、それを堂々「景気対策」と言われるとそれはちょっと言いすぎ(キャッチーさを重視して内容が大げさになるのが高橋先生の仕様みたいですけれども)なのでは無いかなというのを前面に出しすぎたかなあと思ってます。

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2008/11/11

○市場メモ

もう何か毎日同じ話になりますが、昨日は国債買現先オペの足きりレートが貫禄の上昇でついに0.48%に。毎回1wkをロールしてる感じなのですが、金曜には0.477/0.47だったのが昨日は0.480/0.48と48一本値でレートじり高。まあ要するに円資金の供給オペが不足している訳でして、ドル資金供給の国際的枠組みも大事なのですが、足元の庭もちゃんとお掃除していただきとう存じます。GCはロンバート近くに張り付いてますし、昨日はCP発行レートが上昇している所もあったり、年内償還物のFBも売り物気味だったり、ついでに2年カレントは堂々の0.60%接近とか、20bp利下げしておいてGCだの2年国債だのは15bpしか下がらんのかよという残念な状態。

てか何か(5年国債入札の影響で中短期が甘い可能性はあるのですが)月曜になって雰囲気が悪化している感があるのがちょっと何だかねという感じです。

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2008/11/10

○市場メモ雑談

まあ長いところは先週木曜金曜と先物が妙に暴れておりましたが、先物の暴れは最早その暴れてる本人しか訳判らんでしょという状況かと存じますので何がなにやらという感じです。

で、短い所なんですけれども、相変わらずGCレートや現先レートが高止まりしているようでして、昨日も0.4%台後半ちゅうか0.5%に接近するでござるの巻の模様。というか昨日実施された1週間ものの国債買現先なんですが、落札レートの方は平均0.475%の足きり0.47%となりました。ちなみに国債買現先なのですが、日経新聞の例の利下げ記事が出た所(29日)で実施された10/31スタート11/10エンドの国債買現先が0.499/0.41でありまして、何の事はない利下げ前の方が足きり低かったというテイタラク。さすがに平均は下がってますけどね(^^)。

まあそんなこんなで微妙に足元のオープンの金利が高止まりしているのですけれども、無担保コールは逆に上がりにくい状況継続という有様ですので、そりゃまあ調節も大変と言う感じで、金曜もコールが30−28位の所でしっかり売出手形即日で引いていたりという感じで、インターの金利は下がり気味なのでしょうかねというイメージであります。

まあTIBORがあまり下がらなかったりとかもそうですけれども、オープンの金利が利下げ幅ほど下がらないので、利下げ期待で素敵に盛り上がっていた3か月FBから中短期ゾーンあたりまでのレートのボトムがまさにその31日当日という所が実に残念な所でございまする。


○日銀の保有国債関連

10月末現在。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei0810.htm

利付国債の元利金取扱手数料が素敵に引き下げとなった影響で、引値の数値が普通になったことから、例の期近債が派手に打ち込まれるというアホウな事態は緩和されたように思えますが、そもそも10月末なので償還がそんなにこないという問題もあって、実際は今月末の数字も合わせて確認しないとうまくありません。

とは申しましても、長期国債買入の筈なのですけれども相変わらずの短期国債買入状態になっているのは変わらんという感じ。残存1年以内(2009年9月償還まで)の銘柄残高の前月比増分がざっと計算したら6000億円ちょっととなっていまして、輪番オペの実行額が大体12000億円ですのでその半分は1年以内の債券が打ち込まれていますの図。

輪番オペに関しては運営方法を少し見直した方が良さげな感じなのですけれども、やたらこの額自体に意味があるような話になってしまっているので、見直しをした場合に実態問題とは別に勘違いした変な思惑を呼ぶ可能性が高いので実に難しいですよね。冷静に考えると中長期国債の買入って他の主要国ではただの資金供給オペレーションの一環で行われていて、日銀みたいに政策的インプリケーションがある(ような雰囲気を醸し出している)という所ってあんまり無いと思うのですが。

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2008/11/07

○市場メモ(ただし超足元市場)

・CP現先オペ実施

・・・・なのは良いのですが、いきなり6000億とかなんちゅう増額。こりゃ札集まるのかいな(月末発行分のABCPとか先月末にやったオペでそれなりに吸収してるでしょ)と思ったらお約束の札われ。

えーっと、オペの積極活用ってのはある程度予測可能な安定感をもって実施(輪番みたいに)されるのが積極活用なのでありまして、今回札割れしたからやっぱりニーズ無いでしょそれ見たことかとか言われても困るのであります。大体このくらいの頻度でCPオペがあるからCP引受をしても現先でファンディングできるなという感じで市場の引受余力が高まるのでありまして、いつあるのか判らないオペをあてにしてポジショニングする訳にも参りませんのですよね。

・共通担保とか国債買現先とかFBとか

いやはや、相変わらずショートタームのレートが高くて、共通担保のショートタームは足きり貫禄の0.49%継続で、国債買現先も足きり上昇して0.47%の足きりになっちゃいましたね。

先月末の辺りではかなり資金が全体的にタイトでして、現在はそこまでのタイト感は無くてやや緩和されているみたいなのですが、そうは言ってもタイトはタイトでして、その間にショートタームで打ってるオペをしらっと減額ロールしてオペ残高も減っているのでありまして、何かもしかしてインターバンク金利が下がりやすいのでオープン市場をタイトにしてバランスでも取りに行ってるのではないかと言いたくなるような状況で誠に困ったもんです。

結果として、GCが0.50%に接近した状態で下がらないので、それよりも低いレートのネガティブキャリー銘柄でありますところのFBレートは昨日もやや上昇気味で、水曜に入札が行われたFB3か月ものは昨日の引けで0.44%と誰も得しない展開に。残念無念。


・CP新発

さすがに利下げしたのに全然下がらないじゃあ変という事で買いも来てまして、昨日は10日スタートなので発行もそこそこでしたが、レートの方は高格付け中心に低下。いわゆるその他金融でも少しは下がっている所もありますので、こちらはまずまず。レートが落ち着いて発行が増えて来て・・・という循環で市場の厚みがもとに戻ってくれると良いのですけれども、株価が下がるとまたよろしくないのよねえ。

と、市場メモで恐縮でした。

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2008/11/06

○オペ金利高止まりとか

昨日の資金供給オペなんですけどね、共通担保本店供給が2本立てで実施されたのですが、5日ものが0.492/0.49で14日ものが0.494/0.49という結果で華麗にロンバートに接近、というかロンバートで札入れている人もいますねというお話でして、利下げの話が出る前の共通担保供給のショートタームって0.65%近辺のレベルだったので、早速利下げ効果が減殺されてるでござるの巻。

そんな訳で、利下げ当日は0.37%なんぞまで盛り上がっていた(それはたぶん盛り上がりすぎでしたが)FB3か月は昨日の新発0.435%の引けとなったり、短いFBとかも0.4%台に上昇してみたりと言う感じで、まあこれはこんなもんちゃあこんなもんですけれども、なんだかねという所で。

CPレートに関してはさすがに高格付け物から順にレートが低下しているようですけれども、イマイチ選好されにくいネームさんの所に回ってくるのはもうちょっとだけ時間が必要かもですね。さすがに足元対比での差が大きいと見て買いも戻ってきたようですので、それは一安心なんですけど・・・・・

という状態でして、インターバンクは下がり気味なのに対してオープンの金利がこのテイタラクというのもなんでしょうかねえとしか申し上げようがないですなあ。

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2008/11/05

○流動性強化策を打ってないのですけれども・・・・・(市場メモ)

総裁会見の冒頭ではこんな一節がございました。

『以上の情勢判断を踏まえ、政策金利を引き下げるとともに、金融調節面での対応力を強化することを通じて、緩和的な金融環境の確保を図ることが必要と判断しました。』

上のほうでも何回か出てましたけれども、市場機能の確保がど〜のこ〜のという話が出ている割にはじゃあ実際のレート形成ってどうよという論点が現場労務者的には出てくるのですな。

昨日はGCレポの金利が堂々0.48%近辺の展開となっていまして、そんなレートでもあった事からロンバート貸出も増加(0.50%で取れるんだから当然ですわな)となっております。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx081104.htm

「貸出」の欄を拝見しますと、9600億円ほど落ちる積りだったら新規実行の方が多くて、貸出が前日比10800億円増えましたとう貫禄の信用機構局大忙しの展開。ロンバート残高2兆円ですかそうですか。

まあ利下げ観測出る前にもGCレポ取引が0.65%を超えて0.6%台後半で推移していましたから、フルスライドで下がったらこんなもんちゃあこんなもんなのですが、コリドアが狭くなったのでロンバートに早速ぶち当たったでござるの巻となっております所に落涙を禁じ得ません。本来もうちょっとコールとの差が無い方が普通だと思うのですが、カウンターパーティーリスクへの意識が高まって水準が変わる中でもオペレーションは特に強化されるでも無くという状態ですからまあこんな感じになってしまう訳ですな。

いやまあこれが別に「オペは特に強化しませんけどね〜えっへっへ」というのであればそれはそれで良いのですが、欧米に合わせて臨時政策委員会実施して「流動性供給を強化する」と言ったのにこれっていうのは「やるやる詐欺」なんじゃないですかねえと思うんですが。CPレートだって昨日は公益系の最も格上とされる銘柄あたりは低下してましたけれども、同じa-1格でもややネーム的にはレートにハンデ付き易い銘柄群ですと、レートがろくすっぽ下がらないという悲しい展開でして、これ一体全体何の利下げだったのよと言いたくなる人もいるでしょうな。

まあ一応FBとかのレートで言えば20bpの利下げフルスライドで下がっている(というか金曜はそれ以上に威勢よく下がっていましたが^^)のですけれども、そもそもの発射台の時点で「これじゃ実質利上げになってるよ〜><」って状態になっているので、イマイチ感が拭えないのであります。その上、今般の措置によって(まあ当たり前ですが)資金の回りが体感的には悪化しているというイメージ(イメージだけの話ですので念のため)でして、流動性供給の強化を年末越えまでに何か打った方がよっぽど緩和効果あると思うのですけどね。

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2008/10/30

○しかし債券市場って織り込んで無かったの????

株式市場の反応は兎も角として、正直唖然としたのは債券市場の反応。

あたくし確かこちらでも「別に利下げが展望レポートと同時に来ても驚きはしません」とか申し上げていたような気がするのですが、市場の中の人的には特に短期に近い人ほど「展望レポートのロジックを大幅変更して利下げ」(=今週末)、「ど〜せ碌な結果のでないGDP1次速報を見て利下げ」(=11月利下げ)、「GDP2次速報と日銀短観の結果を見て年末越え対策も含めて利下げ」(=12月利下げ)、といった図は普通にアリエールな話と認識してたんじゃないかなあと思ってたのですが。

ただまあ足元のGCレートだのの問題があるので、そうホイホイとポジションをどど〜んと取る訳にもいかないですから無理もしないでしょという所で金利が形成されてたのかなあと特に超足元に関しては思ってたのですけれどもね。

と申しますのは、昨日の超短い所の相場展開をみててほほうと思ったからであります。まずFBですけれども、3か月FBの入札段階ではレート低下が10bp程度で、その後買いが入ったみたいで引けでは堂々0.48%とそれは12月利下げだと負け確定ですが大丈夫ですかというレートまで低下しておったのですが、入札段階ではそこまで突っ込むまでには慎重と。で、CPの方が何とも残念な展開でして、スポ末発行かつ全体発行額減り減り状態で例のニュースという条件にも関わらず、レート低下が(物によってまちまちでしたけれども)だいたい5bpからまあそれに毛が生えた程度という残念にも程がある結果に。つまり、ホイホイとポジション取りにくい物ほど利下げ観測の影響が低いという事態でして、まあ当たり前っちゃあ当たり前ですが、これがいずれ追いつくものなら良いのですけれども、今までの環境見てるとどうもそうじゃ無さそうな悪寒も。


・・・・と、話が逸れましたが(苦笑)、昨日の債券市場では例によって後場になって勢いついちゃいまして、2年カレント10毛強の0.600%、5年カレント11毛強の0.920%などと、まあ威勢の良い上昇っぷりに正直呆れてしまいました。そもそも論からして実体経済のデータがこれだけクソミソ状態なのに利下げ全然警戒しないとか有りえないと思うのですけどねえ・・・・・これもやっぱりファンディング部分とかの影響があったのかなあ。よーわからん。

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2008/10/27

○地味に超足元の金利が下がらない訳だが

金曜はご案内の通りの円高株安で大変に素敵な展開になったのですが(ユーロ/円の値段を見ててドル円かと)、超足元の金利がこれまた金曜も下がらんの巻。GCレートは相変わらず0.65%というのも何ですが、いい加減利下げ観測が反映されても良い筈のFB3か月カレントは0.645%で、1月償還は全般的に0.65%に近くなっているという有様で、場中には2年カレント国債が0.7%割れに突撃するような場面があるっちゅう中で何ともまあという感じです。

で、FBもそうなんですけれども、CPの方がどうもぱっとせん訳でございまして、足元で絶賛強含みという感じになっていますわな。これはまあCPディーラー(=大手銀行)がここもとの株価急落でリスク管理上の警戒レベルが上昇してリスクアセット圧縮とか、GCレートなどの高止まりでファンディングコストが高止まりだとかいうような背景があるので、レートが下がらず。また、レートが下がる時っていうのは普段の最終投資家(投信とか)以外に地銀さんなんぞも登場する傾向にありますが、銀行業態さんは同じ理屈でそうホイホイとリスクアセット積む訳にも行かないという所でしょう。これだけ市場が不安定になると資金繰りも読みにくくなりますし。

てな次第でございまして、GCも0.65%ちょっとの所で安定しちゃって推移し、CPレートが上位格付の大手企業とかでも3か月で1%だのとかで推移するという状態になっていると金曜日にも申し上げたと思いますが、これって「金融環境」的には実質的に利上げになっているようなもんだと存じますけど、その辺りどう考えてるのですかねと小一時間ではございまする。

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2008/10/24

○利下げ期待っぽくなってるのですが・・・・

昨日の債券市場では株が見事に下がり円高になる中で2年カレントの利回りが0.7%割れまで出合いまして(高値0.695%)、これはもう利下げ期待が入ってきたような感じの展開になりました。ってまあそうなるのは当然ちゃあ当然なのですが。

ところが一方で超短い所の金利はまたまた上昇してまして、資金供給オペの金利は上昇してまして、トムスタートの月中物オペで水曜は8000億円のオペに対して0.650/0.65の落札結果だったのですけれども、昨日は12000億円とロットが増えたにも関わらずレートの方は0.666/0.65と平均レート貫禄の上昇。足きり0.65%の按分も78.8%から17.2%に低下しておりまして、レート上昇観の強い結果に。

GCレポのレートはレギュラースタートの翌日物でこれまた0.66%あたりでサガランチ会長ですし、CPの発行レートはこれまた下がらない、というか超微妙なニュアンスですが上昇っぽい気もせんでもない(横ばいは横ばいなんですけどね)という感じ。水曜に入札が行われた新発FB3か月ものは0.645%となってまして、既発に関しても短い所は微妙にレートが上昇っぽい銘柄もありという感じで、ちと重い感じで誠に遺憾でございます。

今週の頭にはFBレートとか落ち着いてきて結構ですねとか書いた覚えがあるのですけれども、何のことは無いこのテイタラクでありまして、どうもオープン市場のレートが上昇しているのをそんなに牽制するようなオペじゃないという印象を与えているあたりで、GCなどのレートがじり高になりやすくなるという結果に結びついてるんじゃネーノって所でしょうか。

3連休明けの所では「これでGCなども落ち着くでしょう」という見方から0.60%までストンとレポレートとか下がったのですが、その後レートが上昇したというのは、結局のところその期待が「オープンの金利が上がってもオペがそんなに打たれないのね」というような空振りの結果になった所があるのかななんて。

多分ですね、昨日申し上げた「オペのロットを増やす」って奴で「そんなに高いレートで応札しなくても落札できそうだ」って期待を形成させてレートを下げるというのが一つの作戦かなとか思うのですけれども、そもそも論としてインターバンクとオープンというか、T+3やT+2のあたりとT+1やT+0のあたり(これT+2と1の間で切れるのか1と0の間で切れるのかは良く判りませんが)で資金の需給が違っているというのがあると思いますので、そーゆー意味からしますとT+3とかT+2スタートのオペで資金を供給してT+0あたりでは売手で資金を引くという形で、日銀が資金の偏在を均すように能動的にかき混ぜるようにするのも吉かと。

「市場機能はどうした」とツッコミが飛びそうですが、市場機能というのはそもそも裁定が効く世界で機能するものでありまして、その裁定自体が市場参加者のリスク許容度低下あるいはレバレッジの縮小によって効かなくなっている訳でありますので、まあ中央銀行とかが出て行くのもシャーナイナイという所なのでしょうかね。

と、今日もごく一部のマニア向けの雑談で恐縮至極。

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2008/10/23

○誘導目標は確かに無担保コールですが・・・・

どうもGCレポのレートが下がらないし、現先レートも上がるしということで、CPの発行レートは下がらないという昨今なのですけれども、昨日のオペ見ててちょっと思ったこと。

昨日は国債買現先1兆円がスポットスタートの月末エンド、共通担保本店供給8000億円がトムスタートの28日エンドで打ち込まれたのですけれども、打ち込み額がしょぼかったこともあって貫禄のレート上昇。火曜日の共通担保全店オペで30日エンドが0.636/0.63だったのですが、昨日は0.650/0.65となりまして、まあどうせどっかの大手銀行さんがバサッと札を入れたんでしょうけれども、この期に及んでレート上昇とか如何なものかという感じ。

火曜日は共通担保オペ3発とか実施してたのですが、ちょっと供給を減らし目にするとすぐこの有様という所でして、この辺のレートが上昇するとGCレポの金利とか現先の金利とかにも跳ねてきて、特にCP現先の金利が上昇してくると今度はCPディーラーの在庫保有の余裕が下がってきますので、CPレートが上昇しやすくなっちゃいますわな。ま、CPレートの場合は10日の週に上昇したのがちょっと下がったものの、引き続き年末越え3か月もので大体1%近辺での推移とか高止まりしていますので、上昇というよりは下がらないという方が動きとしては適切なのですが、まあそんな感じ。

昨日入札が行われました3か月FBに関しても、落札レートそのものは前回比で低下してますけれども、セカンダリーでの動きは先週と比較して悪く、先週は落札後に0.62%レベルまで低下したのに対して昨日は0.64%の引けということで、平均落札レベル(0.6353%)からの伸びは無いという状態なのも、足元のGCレートなどが下がらないどころか上昇気味なのを反映しているように見えないことも無い。


ということで、白川総裁の良く使う「金融環境」という文脈を持ち出しますと、短期の超足元な所では、確かにコールの加重平均レートはこんなもんでも落ち着いているといえる(どうせ二極化してるのだからあまり意味がある議論とも思えないが)ので「誘導目標の達成」はいつものようにできているのですが、「金融環境」という点で言えば、GCとか現先とかの金利が下がらないでじり高って状態になってて、FBだのCPだののレートが妙に下がらないということで、金融環境が宜しくありませんなあという話になると思うのですけれども。

ターム物とかオープンの金利をもうちょっと落ち着かせる気があるのでしたら、1兆円3本とかいうような打ち方じゃなくて、2兆円2本とか1本のロットを大きくして(大きくしないと昨日の8000億円のように1社で半分打ち込みとかされてしまってすぐにレートが上昇する)応札レートが下がるような打ち方の方が良いのではと存じます。


ま、GCが妙に下がらないのは、例によって与信(GCは国債担保ですけど、相手が飛んだ場合に担保処分すると相場次第でいかれる場合ありなので与信は与信)ラインを絞っている状態になっていて資金を出す投資家があまり戻ってきてない事とか、そんな状態なのにロンバートが最後にあるからと堂々寝転んでいる人が相変わらずいるのでショートファンディングが残りっぱなし(それで最後にロンバートに行ってるのだから何やってるんだコイツハと思うけど)となっているとか、まあオペ以外の要因もあるのですけれども、その辺加味した上でもうちょっとオペの方をGCレポなどの金利推移を気にして打って頂くと、金融環境の改善に繋がるかと存じますがどうでしょう。

#と、殆どの人が「???」な話を延々としてどうもすいません

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2008/10/22

・オペの金利が上昇してたりGCレートが下がらない件について

今日の3か月FB入札が微妙に気になるのですけれども、もしかすると3か月FBに関してはドル資金供給オペレーションの担保玉としてのニーズがあって、一方で短いFBは担保用途としてはあまり便利じゃないという事になって、下手したら年末越えの所で変な価格形成になるのではないかという悪寒が。

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2008/10/21

○雑談少々

・CPレートとか下がりませんなあ

何かね、先週火曜にいきなりGCが0.60%レベルまでドカンと下がったと思ったら今度は微妙にじり高になってみたり、CPの発行レートがもっと下がるのかと思ったら全然下がらないとか、TB/FBの利回り自体は安定している感じなのですが、どうにもこうにも妙ではございます。何かまだ「国債しか買わねえよ」って感じなんでしょうか。リスク資産ったってそのカテゴリーには色々な種類のリスク程度があるのですから、リスクが比較的小さいと思われるものもレートが妙に高いというのはどうなんでしょうかねえ。リスク許容度の機械的低下状態ってのがまだ続いているのでしょうか。

・債券も動きますが

昨日は先物というよりは10年カレントが暴れてた感じで、まあ相変わらずの状態なのですが、先々週(対策出る前)と違いまして短期の部分がだいぶ安定してきた(上に書いたようにCPのレートとか高いままなので必ずしも視界良好な訳ではないですが)ので、まあそーゆー意味ではイールドカーブのアンカーでありますところの短期ゾーンが安定してきたということで、相場見てても「これは一体全体どうなっちゃうの」というようなおそロシア感は軽くなっていますわなと思います。

ということで、先週までは相場見てて何かもうハイになってしまって、週末はヘロヘロになるの巻という感じでしたが、とりあえず今週に入ってちょっと憑き物が落ちた感じのあたくしなのでございます。

ま、クレジット物とか超長期とか、まだまだ大変な大騒ぎになっている所は一杯あるのですが、とりあえずアンカーの所は少し落ち着いてきたという理解で宜しいのではないでしょうか。期末越えプレミアムもそう極端についていない(というか期内レートが高いのですが)ですし。

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2008/10/17

○こっちでは無茶な換金売りは無いので

別に今朝NYが戻ったから言うわけでは無いのですが、昨日って下落率でスターリン暴落を越えて云々というのはその通りなんですけれども、あたくしとしては先週金曜の前場から昼に掛けての下げの方が断然恐怖感がございまして、昨日は「ああ下がってますねえ」というのが正直なところ。

何でそうなのかと申しますと、昨日の下げって下げの率は巨大ですけれども、先週金曜にこの辺のレベルまでやらかしているので値段に対する見覚えがある事もそうなんですけれども、債券市場的にはこの株安に債券、特に中短期の債券売りが伴わなかったことがあるんですな。即ち、金曜の市場では取引終盤になって中短期ゾーンなど押し目買いが戻ってきたのですけれども、特に前場から昼に掛けては中短期の現物債に成行売りみたいな売り方をする動きがあって、それに対抗する買いが無くてビットを入れたら叩かれるような状態になっておりまして、フライト・トィー・クオリティどころかフライト・トゥー・キャッシュという感じで資本市場から金が出て行くのではないかというまあ痺れる展開だったんですよね。

一方で昨日に関して言えば、株下げの過程で債券は中短期の国債やらTB/FBなど堅調推移しておりまして、5年国債入札も堅調ですし、まあこのあたり確りだと「全てが終了」って感じはしないので正直申し上げて痺れ感があまり無かったのれす。

・・・・え、おまいが株下げに慣れてパンチドランカーになっただけだろうって?いやまあそれもあるんですけどね(汗)。


○しかしリスクアセットに対する資金の戻りはイマイチな訳で

まあ長いところもそうですけど、良く見てる短い所に関して申し上げますと、TB/FBの金利は年内0.60%の年末越え0.62%って感じで安定しちゃった感じでして、オペの金利とか足元の金利とかも落ち着いてきたのは良いのですけれども、その一方で新発CPの金利は相変わらず高止まりしているようで、TB/FBの金利との乖離が目に付きます。

債券市場でも一般債のスプレッドは開いた状態からあまり戻る感じも見受けられない(どころか益々開いているものもあり)という所でありまして、極端なキャッシュ化の動きは止まったとは言うものの、リスクアセットの積み上げに対しては慎重なスタンスが継続しているという所なのでしょう。何かその辺は正直パッとしません。

特に超短い所では資金そのものは余っている筈でして、先週のような予備的な資金需要が剥落した分もあって確実に資金は余っていますが、GCに関しても例のカウンターパーティーリスク云々ということで(リーマン破綻処理に際する扱いの不手際が相変わらず尾を引いてますなあ)レギュラースタートとかは資金の出がイマイチでこっちのレートは微妙に下がらずとなっているように、リスク資産(本来GCレポはリスク資産じゃなかった筈ですけれども・・・・)にまで資金を回してこないという現象が目につく感じだと思われる次第。

リスクアセット積み増しに資金が戻ってくれますかという論点ですけれども、バンクALMっぽく考えますと、株式市場やらのボラが低下して、かつ株価水準自体ももうちょっと戻ってくれないと、リスクアセット積んで良しという感じに中々ならないのかも知れませんですね。ちょっと勿体無い気もしますけどねえ。

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2008/10/16

○落ち着いて参りました(市場メモ)

昨日は3か月FBの入札が行われました。前日引けの時点では「まあこの感じだと大丈夫っぽいけど4兆5千億ねえ」という一抹の不安が無きにしも非ずだったのですが、そんな心配は杞憂でして、足元の運用ニーズ絶賛大復活(ただし国債やレポなど)という状況が進みまして入札の前場引けで新発547回のWI取引が0.645%/0.65%となって、落札結果も0.6443%/0.6473%となりました。

久々にテールの短い入札結果というのも「安定した」という印象を与えるもんでして、まあ結果良好ということで落札結果発表後も堅調推移して引けは0.62%と相成りました。年内償還物も堅調に推移して、引け値ベースで言えば年内物が0.60%で年末越えが0.62%と言ったところでレートがそろいまして、先週末の涙目状態から晴れるのが早過ぎ感はございますが、落ち着いた状況になっています。

GCはレギュラーの所は20日要因ありまして若干上昇で、CP発行レートに関してはCPディーラーさんのリスク許容度がまだ復活してくれないのか依然高いのですけれども、こちらは高格付けで良いネームとみなされる銘柄に関してはレートが低下傾向となっているようです。恐らくFBのレート低下によって最終投資家(投信などのリアルマネー)のFBと比較した買いが電力などの高格付けCPに回って、それが全体に波及していくという経路でレートが低下するんでしょうというイメージ。その速度がどうなるのかは正直良く判らん。

と言う訳でですな、このあたりの動きを見てますと、昨日も申し上げましたが、先週の短期ゾーンビックリレート上昇の要因ってRTGSハイブリッド対応の予備的資金需要部分が実は寄与度大だったのかなという気が益々してくる次第で、何か狐につつまれたような感じではございますです、はい。たまたまそのタイミングに株暴落によってリスク管理上の警戒モード引き上げによる予備的資金需要増加とか、大和生命破綻で益々心理的に予備的資金需要増加とか、まあそういうのがあったんですかねえと。


○市場雑感続きでオペに関して

昨日は積み最終日でコールレートは朝から低い状況でしたんで、売出手形即日を3発打ち込んでましたが、平均落札レートベースで1発目から0.396%、0.430%、0.546%と順調に(?)上昇して最後のは札割れ寸前と相成りました。まあ積み最終の調節だからそんなもんなのですが、2発目のオペで1兆2000億円のオファーに対して応札が1兆6140億円だったのにも関わらず3発目のオペのオファーが6000億円と豪華なオファーされるのを見ますと、あのその豪華な打ち込みリレーは先週後半の供給オペの方で実施して欲しかったんですけどと思うのでありました。


それから公約(?)通りに昨日は年末越えの全店資金供給も実行されまして、こちらはオファー額1兆5000億円とロットもちゃんと打ってくれました(これが3000とか5000とかしょぼい額だとレートが上昇しやすくなって却って地合いが悪化するのですよね)ので、1月22日エンドで平均0.655%の足きり0.620%となりました。オファーされた時刻がいつもの時間で、新発FBの落札結果も出て上記のように良好な結果だった事から安心感のある中で実施されたオペでしたので、落札結果もFB利回り並みと順調な結果になりました(応札は4兆7655億円とまあこんなもんかも知れないけど多いでしたけどね)。こちらも短い所に関しての安心感を与えたのではないでしょうかと思うのですがどうでしょ。

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2008/10/15

○市場メモでございますが

・GCレート低下など

昨日は先ほども申し上げたようにGCレポ取引金利が軒並み0.60%まで低下。先週金曜まで出ていた換金売りチックな動きも止まりまして、それまでどこかに逝ってしまっていた短期市場の資金が急に出てきた感じです。まあ急に出てきたというよりはそれまでの予備的需要要因が剥落したということでしょうけれども。

で、何でそんなに予備的需要が剥落したかを愚考してみたのですが、まずそもそものお話として今回の積み最終を待たずして準備預金の積みが終了している先が多いと思いますので、その分の運用ニーズが高まっているという事。それから、14日のRTGSハイブリッド導入ということで、システム変更といえば予備的需要と脊髄反応が起きるのが市場の仕様でありますので、それが無事に機能していることから資金が出た事、また株式市場が一気に戻って銀行株なども戻った事から、てめえらのALM的なリスク許容度が改善して予備的需要が剥落した、などなどでございましょうかね。

まあそう考えますと、ちょうど間の悪いものが重なってGCレートがアホほど上昇してしまったという事でしょうか。欧州で銀行間取引が政府保証(時限的ですが)された事も心理的には効いているとは思いますが、だからと言って日本でそうなっている訳ではないですから、実際にはそこまで取引が戻っているという事でもないでしょうけれどもね。

一方でCPレートは昨日も高止まりというか上昇傾向でしたが、こちらは大体遅行して反応する傾向がありますので、まあこんなもんかも知れません。FBに関しては昨日は6毛強だの9毛強だのということで、GCレート低下と同じようにレートが絶賛低下したのですけれども、今日は3か月FBが4兆5千億円打ち込まれるの巻(新発の入札)でして、ちゃんと消化してくれるかどうか次第という所でしょう。ま、あの流れだとそんなに懸念するには及ばないと思うのですが、飴公が株安債券安とかいうふざけた相場で返してきたのがちと遺憾。


・これは凄いツイストオペですね(^^)

昨日のオペでちょっと微苦笑。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of081014.htm

昼過ぎのオペで共通担保供給本店即日の1日物と、手形売出即日の1日物が打ちこまれまして、まあ時限は微妙に違う(供給は即時で吸収は5時同時)のですけれども、見事に期間マッチングのツイストオペ実施。

結果はこちら。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba081014.htm

日銀相変わらず利食いになっていますが、そのスプレッドはだいぶ縮小してきたなあという感じです。これが利食いになるというのは、そこにリスクプレミアムがあるということに他ならず、市場におけるカウンターパーティーリスクがまだ意識されているのでこのようなスプレッドが生じているという事でしょう。暫く前は売手即日のレートがやたら低かったことを勘案しますと、まあ状況はよくなっているという事でしょう。

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2008/10/14

○金曜の動きはさすがに参りました

NY株安で始まったのですが、短いゾーンは朝から引き続き売りが出るの巻となりまして、また間の悪いことに大和生命の破綻が(正直言ってこの破綻は特殊事例と言ったほうが良いので別に金曜に破綻する事も無かったのですが)気分的に換金売りを呼び込む格好に。

特に短いゾーンの状況は大変なもんで、オープン市場の金はどこに行ったのよ(予備的需要が高まったのでしょうとは思いますけれども)という感じで、やたら資金が逼迫した状態になり、前場はとにかく換金売りを吸収するのが大変といった状況になっていたようです。

とにかくある程度以上の売りに対してビットすりゃあ成り行きで打ち込まれるという感じになっていまして、2年や5年などの中期ゾーンのレートは上昇するわ、CP発行レートは(大して発行も無かったのですが)更に上昇して、年末越えで上位格付けの比較的良いネームと言われている所でも1%を軽く越えてしまい、年内物でも同様に良いネームとされているところでも1%に接近してみたり1%乗せしてみたりと、CPディーラーって基本的に大手銀行さんなのですけどCP買う資金はどこに行ったのざんしょという動きに。

ということで特に前場はまさしく市場が壊れていますという感じになっていたのですが、そんな状況に対して資金供給オペを日銀が連発で打ち込みまして、金曜は即日全店オペが朝一のほかに珍しく11時前(確か10時50分とか)という時間に打ち込まれたあとに午後にも打ち込まれるという3連発状態。それが効いたのかどうかは知りませんが、一大換金売りスペクタクルも取引終盤になって一息ついたようで、だいぶ持ち直しとなりました。

何せ日本相互証券の出来値ベースで見て、2年は0.875%(8毛甘)まで売られるわ(引けは5毛甘の0.845%)、5年は1.150%(13毛甘!)まで売られるわ(引けは8毛甘の1.100%)と、「株安なのに債券暴落」という一番精神衛生上宜しくない展開をやらかしてくれましたので、さすがに久々にヒヤヒヤする相場ではございました。

取引終盤になって中短期の国債とか戻ってきた感じでして、上記の引けになったのですが、引け後に日経平均先物とかなお下がりやがったので非常に遺憾な気分で一日が終了したのでありました。

株安も少々の下げですと債券買いという話になるのですが、金曜のような展開になりますと「とりあえず利の残っている物を売る」とか「換金」という形から債券も一緒に売られる感じになります(というかそもそも株下げが換金みたいな売り方ですから)が、あまり見たくは無い光景ではございまして、あたくしも金曜は結構疲弊しましたです。


○で、資金供給なんですけど

換金売りみたいな売り方が出ている上に、リーマン破綻によってGCレポを含む取引を悉くこかした以降、GCレポ取引への資金供給が細ってしまってGCレポ取引金利がやたら高止まりしているというのはご案内の通りだと思います。で、そこに一般債などを含めて流動性確保の為の売りが出てくるという流れで証券ディーラーの在庫ファイナンスがより一層忙しくなるの巻となっていますねという所でして、金曜も「一心不乱の大供給を!!」とか書いた覚えがございますが、まあ市場金利の無駄な上昇というか市場崩壊っぽい上昇に一定の歯止めを打つには(1)換金売りを止めさせる、(2)業者の在庫ファイナンスをより一層円滑に回るようにする、という所かと。

で、金曜の全店即日オペ3連発(最後は全店じゃなくて本店オペでした)はどっちかと言うと(1)を意識しているのかなあとは思いますが、業者の場合は即日オペのタイミングまで在庫ファイナンスを引っ張るという訳には参りませんので、金曜も申し上げましたが、先日付のオペをもっと打ち込んでいただきとう存じます。

・・・・と思ったら、金曜に複数の読者様からご指摘頂きましたが、全店オペってT+2までしか打たないのですね(ご指摘ありがとうございました。お返事送れて遅れてスイマセン)。これは残念なので、とっととそんな枠は取っ払って頂きまして、T+3スタートでもうちょっと足の長いオペ(翌日ものとかコールには意味あるけどオープン市場にとっては無意味に近い)を実施して下さいませ。正直申し上げて、札割れになるまで打ち込んでやる大矢のマシンガン継投もビックリというくらい(やる大矢の継投だと炎上しますので困りますが)でお願いしますm(__)m

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2008/10/10

○大供給を!一心不乱の大供給を!!

昨日は朝9時20分の定例即日タイムの供給が前日に引き続き共通担保全店即日オペとなりました。ロットが1兆円2発で14日エンドと15日エンドというイマイチなエンドでしたが、レートの方は相変わらず足きり0.74と0.75と毎度のレートに。

14日要因も意識されているのか、オペがその金利ちゅうことでレギュラースタートのGCとか資金の出は相変わらず悪い(レートは貫禄のロンバート越えみたいで)わ、まあ金融機関としてはこういう地合いになると予備的な資金ニーズが上がってきますので、中短期ゾーンの国債とか高格付けの一般債のような売りやすい所は売り物出易くなるみたいで、残存1年ゾーンの2年既発国債は0.7%に接近する(引けは0.7%乗せ)わというあのそのレートはインフレ懸念とか言ってた今年6月頭のレートなんですけどという状況に。

2か月FB入札も足元の極悪地合いを反映して入札は何と平均0.7710%の足きり0.7941%と、これだけ見ると政策金利でも上がるんですかという数値。さすがに引けは0.75%レベルまで戻ったみたいですけど、それでもコール誘導目標+25bpですわよおくさまおーっほっほっほ(涙)。CP発行レートも上昇してTIBORの上昇が追いついてませんので(苦笑)、発行体さんも益々ローンに向かっていることでしょう。いやはや何とも。

全店オペ即日攻撃が少しは効いたのか、T+0まで引っ張ればもうちょっと安く取れるのかもしれませんけど、こんな地合いでファンディングT+0まで引っ張るのは無担保コールでのアベイラビリティでも無いと勇者というよりただの(伏字)でしょということでありまして、共通担保全店オペのT+2の14日スタート2か月物のレート(エンドは12月15日)が平均0.771%の足きり0.76%だわ、1兆円のオファーに対して応札5.6兆円も入るわということで、2か月FB入札の結果にビックリした部分はあるにせよ、またも貫禄のロンバート越え。

・・・・と駆け足で結果のメモだけしたわけですが、共通担保全店オペをじゃんじゃん打つようになったのは前進なのですが、もっともっとオペが必要だと思われる次第でありまして、即日は即日で必要ですし、T+2とかT+3とかの全店オペも景気良く打ち込んで頂き(追記:全店オペはこれを書いた時点では制度上T+2までしか打てないのでした、ご指摘ありがとうございます)、エンドも色々とバリエーション増やしてジャンジャン打ち込まないとレートは下がらんと思います。

無担保コール翌日物で2極化というのも問題ですけど、今の中短期国債やCP金利形成上問題になっているのは、オープンの方の金利ですんで、即日は即日でこれもきっちりやるとして、先日付の資金供給をもっと充実させるべきだと思います。結果としてコールが下がるというような細けぇ事はいいんだよ!と思うんですけど。

・・・・・ということで、どうせならディレクティブの「なお書き修正」をして、「短期金融市場にストレスが掛かっている状況に置いては、従来上に潤沢な資金供給を行い、結果として一時的に目標金利を下回る事もあり得る」というような感じにすれば、もっとジャンジャン大供給できると思いますけどどうですかね。

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2008/10/09

○それはそれとしてFB入札とか

昨日は3か月FB入札。まあ昨日一行コメントしましたように、ちょっとこの地合いでは消化しんどいかなあとか漠然と思っていたのですけれども、朝イチに行われた共通担保全店即日オペ期間12日間ってのが落札レート何と平均0.739%の足きり0.71%と0.7%台に上昇しやがりまして、地合いの悪化が益々明確に。

ということで新発WI取引は前場引け前に0.7%オファー0.75%ビットなんぞになりやがりまして、入札メドがロンバート金利とかいう状態になってしまうというおそロシアな状況に。えーっとあのその利下げ期待とかどこに逝ってしまったのでしょうかというお話ではあるのですが、明日の100より今日の10。ファンディングコストが上昇していることと、新発の発行日が14日ということで、RTGSのハイブリッド第一弾稼働日という事もあって念の為的な予備的資金需要が高まる事も意識されてしまいました。

で、結果は足切りがロンバート越えですが、どうも直前の極悪地合いからするとこれでもまあ止まってよかったねという感じみたいでして、先週水曜に行われた3か月FB入札の足きりが0.6296%だった所から一気に12bpちょっとの上昇という落涙を禁じえない展開になっております。

昼の共通担保本店即日オペのオーバーナイト物も平均0.744%の足きり0.74%とレート高いわ、10日スタートの12月9日エンドの全店オペにいたっては平均0.760%の足きり0.75%とロンバート越える上に1兆円のオファーに対して応札が8兆も打ちこまれるわと、FB入札結果にビックリしたようなレートが横行して何かロクでもない雰囲気に。

GCレートはレギュラーのところが先ほど申し上げた14日ということで、金の出が宜しくなく、0.7台後半とか貫禄のロンバート越えになってたみたいですし、CPのレートも年末越えを中心に上昇(年内物も上昇)しているようですし、もう何だかねって感じでございます。そもそもCPに関してはあまりのレート上昇っぷりに発行体が発行を手控えているのですが、レートの方はきっちり上昇してますな。まあこりゃ銀行のローンが増えるでしょう。

カレンダーベースで14日を越えればRTGS絡みの予備需要は一段落すると思うのですが、現状ではそれ以前の問題で、インターバンクの資金需要が高まっているものと思われまして、要因として適当に思いつくのは上記したローンの増加とか、引き続きのカウンターパーティーリスクへの意識から取引が縮小しているので、いざという時の危機管理という事で予備的資金需要が増加するとか、まあそんなところでしょうか。

恐らく資金供給オペをもっと増やした方が良いのですが、量だけではなくオペの種類も全店オペをもっと増やすとか期間を色々工夫するとか、ジャンジャンツイスト打つとか、バリエーションを豊富にした方が良さそうな気がします。

まあ本日の2か月FBは年内物ですのでちったあマシになる・・・かどうかは知らん。

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2008/10/08

○物国が仏国土

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/yotei/2010b.htm

昨日の夕方6時半過ぎに情報ベンダーのヘッドラインが最初に出たのですけれども、入札前日の引け後に公表ってあのそのWI取引とか1週間前からやってたりするんで(物が物だけに出合いがどの位あったか知りませんが)そういうのはもうちょっとお早めにご決定頂きますとありがたく存じましたが。

ていうかね、物国入札に向けて10年カレントをヘッジ売りしている業者とかいるんですから、せめて入札前日の寄り前に発表していただきますと業者無駄なヘッジ売りしないで済むんですけど。まあ今日はNYダウ下がって帰って来てますが米債売られているからヘッジ買戻しはお助け展開かもしれませんが(苦笑)。

・・・えー、ところで本件なんですが、情報ベンダーに出る時間とプライマリーディーラーへの連絡が来た時間ってどっちが先なのでしょうか、ニヤニヤ。

さて、まあ背景は債券市場の中の人にはご存知のように物国がBEI▲100だとかいうような(というか最早ありえない)とても素敵な水準になっている所にあるのですが、もう完全に単なる需給要因で動いているだけですねというのは先般ご紹介したPD懇やら投資家懇の議事要旨にある通り(超端的に要約すると、今の国内投資家のニーズより現在の発行残高が過大になっているから)なのですが、この状況を捕まえて市場の外の人が「マーケットは飛んでもないデフレを予想している」とか言われますと債券市場の中の人的には激しく脱力しちゃいますのでご注意ありたしと念の為申し添えます(^^)。

昔々その昔、国債引受シンジケート団と大蔵省が折り合わずに10年長期利付国債が休債になった事があったと聞いたことがあるのですが(その時は現場に居なかったから知らん)、事前予定を組むようになってから入札中止っていうのは初めて見たと思います(昔は事前予定なんぞ公表されてなかった、大体慣例および発行計画でいつごろ何があるというのは予想されてましたけど)。

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2008/10/07

○例によって市場雑感

・売出手形オペ金利大下げ

資金の偏在を如実に示す結果という感じでしょうか。昨日実施された売出手形即日オペ3000億円の落札金利は平均レート0.349%の足きり0.47%で無担保コール翌日物の加重平均金利の0.484%を切る貫禄の低金利。平均0.3%台前半ってそりゃ何よという感じなんですけれども、まー要するに金は余ってるが無担保コール市場に出す金は無えよという事なのでしょう。一方で共通担保即日オペは11日物なのであまり参考になりませんけど、こっちは平均0.655%の足きり0.62%とまあちと下がったけど相変わらずのレートです。何とオペで日銀鞘抜けているというオソロシスな状態。

まあそれだけカウンターパーティーリスクが意識されて市場にストレスが掛かっているので、結果としてそのリスクを取る格好になってしまっている日銀のオペレーションが鞘抜き状態になっちょるという事でありますな。ちなみに金曜もそんな感じで、金曜は共通担保即日オペが月曜エンドの翌日物でして、こちらが平均0.644%の足きり0.60%で、同日の売出手形即日オペが平均0.469%の足きり0.50%なんで、この日なんてモロに日銀鞘抜きの巻(もっと正確に言えば、スタート時刻が違うので時点による資金需要が違っているからレートに差が出るという要因はあるのですが、まあ積み最終でも無いのにこの展開というのは時点要因よりも上記の要因が大きいと思われます)となってました。キングオソロシス。

・GCとかCPとかFBとか

GCレートは高止まりみたいで、レギュラーの所は相変わらず0.7台に乗ってるみたいですね。T+0とかになるとさすがに足元の資金供給が効いて下がり傾向みたいですけれども、こういう状況でファンディングがきつめな人が寝転んでショートファンディングとかするのは流動性リスクがでかいにも程があるので、こっちの金利が中々下がらんようで困ったもんです。というか相手が見えないの困るからブローカースルーを避けるとか、リーマン日本法人の破綻処理のやり方が不手際にも程があるという影響が出てるんじゃなかろうか。

てなわけで業者のファンディングコスト上昇の影響もあって、昨日のFB6か月は入札ヘロヘロ。周囲の既発債券が0.56%だの0.57%だのとかいうレート(まあそれもインチキ臭いが)の前日引けに対して落札結果は平均0.6518%の足きり0.6902%とヘロヘロ。その結果出たときに2年新発の業者間出来値が0.68%とかになってたと思いますので、最低落札価格対比だと瞬間6か月と2年がインバートするという素敵な展開に。さすがに引けは0.65%−0.66%だったようですけれども(BB引けは0.655%)。まあこれは来年4月償還ってことで、年末と期末を抜けるのでイラネと言ったところでしょう。でも年末越えない12月償還銘柄あたりもちょっとレート上昇した出合いとかあったみたいで、さすがにファンディングコストの高止まりが悪影響という感じでしょう。

#ファンディングコストの高止まりで悪影響といえば物価連動国債というのがありますけれどもその話はまたいずれ

CPディーラーってのは基本的に国内銀行さんで、ファンディング自体は楽勝どころか金イラネ状態になっている筈なんですけれども、まあその辺の金利上昇とか、そもそも株価下落とかでクレジット物全般的に雰囲気悪いとか、最終投資家のクレジット物への投資意欲低下気味という状況などもあって、通常金利が激下がりする10月入りして、当初は割とあっさり金利が下がったのですけれども、ここへ来てちょっとじり高の巻。まあLIBORとかも下がらんですしねえ。

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2008/10/03

○今回の注目材料はちと別でして(日銀保有国債残高)

月初(正確には月初2営業日目)お馴染みのこれ。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei0809.htm

先月は途中で相場がグチャグチャになりまして、輪番オペが打ち込まれたタイミングで先物独歩安というような素敵な相場な時もあったので先物回りでありますところの10年275回とかがドカンと打ち込まれ、期近債のオンパレードじゃなくて良かったねという話はございますが・・・・・

先月の残高ってこうなのですが。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei0808.htm

・・・・えーっと、物価連動国債と30年国債が何故か新規に残高に入っておりますけれども、これってどういう風の吹き回しなのでしょうかというのと、妙に色々な銘柄で1億だけ増加というのがあるのですけれども、これまたどういう風の吹き回し?

勝手な妄想をするとリーマンが入れた国債買現先オペのエンドがフェイルになったのでそのまま日銀逝きになったとか、共通担保オペの担保権が行使されたとかになるんですけど、本当はどうなのでしょうか。

まあどうでもいいちゃあどうでもいいのですが興味本位。



○市場メモを少々

・昨日も即日タームオペ実施

昨日書いた中で思いっきり抜けがあったのですが、1日に打ち込まれた即日オペちゃんですけど、朝9時20分の即日定例タイムに打ち込まれたのが「本店オペ」でして、昼に打ち込まれた即日オペは「全店オペ」でしたね。基本的に本店オペよりも入札参加者が多い関係上、全店オペの方が本店オペよりもレートが上昇しやすい傾向にありますので、まあ全店のレートが本店と同じだったというのは仕方なかったのでしょう。しかし午後に全店即日オペとはこれまた事務負担が大変だったのではないでしょうか。

それはそれとして、昨日もまた共通担保本店即日オペが実施されまして、ロットも1兆円と前日より増加。期間は前日と同様に1週間もので実施となりましたが、レートは低下して平均0.619%(1日は0.753%)で足きり0.60%(1日は0.75%)ととりあえず低下してよかったですねという感じ。

T+0のGCレートとかも低下したみたいなのですが、残念なことにレギュラーのGCレートとかは相変わらず高止まりしているみたいでして、まだまだ予断は許さないという感じではないかと思います。ただまあ1日から始まった「即日オペでターム物を出して、足元を売出手形の即日物で引いて積みあがりすぎた準備預金を引く」というパターンは、連日のオーバーナイト物資金供給を行うよりは資金繰り安定化効果が高いと思われますので、誠に結構なことだと存じます。


・昨日もコールは0.05%〜0.75%

昨日の速報ベースでも無担保コール翌日物の利回りは最低0.05%の最高0.75%となってまして、昨日の平均は0.470%でした。相変わらず二極化にも程があるという感じですが(^^)、まあ基本的にはその0.05%というのはコールの最後の最後の時間(全銀為替決済時限とか)のタイミングでの「何でもいいからゼロよりマシ」レートでございまして、まあ二極化の低い金利の方は0.4%近傍とかみたいですけど、それにしてもコール市場はまあレート差が出ているようですね。


・1年ゾーンとかFB3か月とか

GCレポ取引のレートやら資金供給オペのレートやらが高止まりしている影響が出ているのか、ここもとの展開見てますと2年債とかが猛烈に買われた日でも1年ゾーンから手前はヘロヘロだったりしまして、こりゃまあレポやオペの金利から見てネガティブキャリーになっている部分でのポジション圧縮へのインセンティブが働いているんですねという感じです。

水曜に入札が行われた1月償還の3か月FBは相変わらず引け0.62%となっていまして、どうもパッとしませんし、CPレートに関しても年内物に関しては兎も角、年末越えの所はレートがじり高っぽくなってるみたいですし、足元のレート上昇(はターム物オペ連発でそのうち落ち着くとは思いますが)と年末越えへの懸念(正直言って日本円単体に関しては問題ないのですが、欧州中心のドル資金ニーズが波及してくる懸念が大有りな訳で)というのがCPレートという企業金融にも少々影響与えてますねという結論なのでありました。

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2008/10/02

○短期市場雑感

以下うだうだと。

・即日スタートのタームオペ実施でしたが・・・・

昨日は定例時間にオファーされた共通担保資金供給オペが久々のターム物。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of081001.htm

10月1日スタート8日エンドの1週間ものを実施しましたけど、まあジジイの昔話となりますが、かつて(旧法時代とか)は即日のタームって普通に打ち込まれていたのですよね。で、その結果ですが・・・・
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba081001.htm

この一番上ですけど、応札は38510億円平均落札0.753%で足きり0.75%と何とロンバートレート足きりというちょっと衝撃の結果に。午後にもう一発即日スタートのタームオペが打ち込まれまして、こちらは0.75%が全取じゃなくて按分になっちゃいまして(さすがに応札は減ってますが)、期末は終わってカレンダーベースでも期初になった筈なのにこの有様とは如何なものかという感じです。

GCレポレートも高止まりの巻になっているようですし、このあたり有担保取引の筈なのにこのレート形成は如何なものかという話なのですが、リーマン破綻に伴いレポのエンドやら売買などの取引までフェイル(昨日も書きましたけれども、渡し方が玉を引き渡せないのではなく、受け方が金を引き渡せないのはフェイルじゃなくてデフォルトのような気がするのですが、今回のケースでは保全命令が出ていて動かせないという状態なので訳判らんの巻。レポに関して言えば民事再生法申請は一括清算条項に該当するようですが)されてしまったという事で、取引のカウンターパーティーリスクへの警戒度が高まっているという反映としか思えません。

無担保コールだったら丸々与信の話ですけれども、GCといえども途中で相手が飛んで資金繰りぶれるだの一括清算した場合のマーケットリスクがあるだの、まーカウンターパーティーリスクを思いっきり警戒しだすとこうなるという話。決済ちゃんと回してくれるという信用があれば無担保コールはともかく、レポとかは本来もっと回って然るべきな筈(ちょっとこのあたりは事務的問題とかも絡んでいるので、今書いているようにスッパリと切り分けることはできないのですけれども、そこはあえて措く)なんですけどね。

てなわけで、期末を通過したのにレートが低下するどころか上昇するの巻となっているのは、いきなり法的処理をして決済を混乱させたツケが回っている面もあると思われます。まあこの0.75%ってどう見てもGCレポとかの代替で取ってる動きとかでしょう。落涙を禁じえないとはこの事であります。

#この話は論点をもうちょっと整理してまだまだ続く


・新発FBも0.62%

その衝撃のオペ結果出たあとに新発3か月FBの入札があった訳ですが、こちらは1月13日償還、と書くと1月中旬みたいですが、実は月初6営業日目の償還でして、償還再投資のロールのことを考えるとイマイチ使いにくい銘柄ですなあとか思ってたんですが。

前日の時点では既発の周辺銘柄が0.56%オファーとかやってたので、年末越えに敬意を表して0.6%に接近ですかとか漫然と思ってたのですが、30日のECBのドルオペ金利11%とか、昨日の即日タームオペロンバートとかいろんな衝撃のレートが出やがったせいか、入札前の前場引けで0.62%ヒットしてその後0.615%で入札を迎えるの巻。結果は0.6159/0.6296と、先週の29日スタートよりはマシだったのですが、その後の伸びが全然なく、引けは0.62%と平均よりも宜しくない結果に。先週の入札では落札結果発表後にあっさり買いが入ってショートカバー気味に0.60%の引けになったのですが(0.595%の出合いも)、今回はどうもパッとしない結果。

まあ上記のオペ結果とも連動している観もございますが、足元の金利が上昇というか一部で絶賛大上昇していることと、年末越えの警戒(円じゃなくて欧州中心のドルだという感じですけど)モードが高まっているというのが反映されているのだとちょっと嫌〜な感じですわな。


・コールも二極化?

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/mp081001.htm
<平均> 0.468 %
<最高> 0.750 %
<最低> 0.050 %

・・・・積み最終日とか期末で資金大量供給とか(まあ大量供給はしてますが)でもないのにこの最高と最低のスプレッドは何だかなあとしか。というかこの平均って最早意味が有るのか無いのか、よくこんなあたりに着地しましたねとしか申し上げようがないですぅ。

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2008/10/01

○やはり欧州か・・・・

日銀および各国中銀のドル資金供給オペ実施というアナウンスメントが最初に行われた時は欧州市場のオープン時間位でした(月曜のは東京23時ですが)が、まあ米国もさることながら欧州のドルファンディングが超越的ストレスが掛かっているという状態になっとる訳ですな。ということで欧州市場中心にドルのファンディングが大変という話は月曜夜の白川総裁会見にもございましたように『米ドル資金市場の流動性はほぼ枯渇したという状況』となっていますと。

で、実際に数字に出てくるとアレな訳でして、LIBORフィクシングがロンドンの11時に出たのですけど、USDの翌日物取引金利が6.875%ですわよ奥様(ちなみにJPYのS/Nの翌日物金利は1.03125%ですわよ)って所で、いやあもう短期市場機能不全にも程がありますが、ECBのドル資金供給オペ結果にも腰を抜かすの巻。

http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/TAF08028_all.en.html

Tender Operation-Allotment
USD Overnight

Tender Date: 30/09/2008
Start Date: 30/09/2008
Maturity Date: 01/10/2008

ほほう当日スタート翌日物と。

Auction Type: VARIABLE_RATE
Allotment Method: SINGLE_RATE Intended Volume: 30000 mn
Currency: USD
Max Bid Limit: 3000 mn

300億ドルですかそうですか、で、結果は・・・・

Marg. Rate: 11.00 %
% of All. at Marg. Rate: 75.6522
Tot Amount Allotted: 30000 mn
Tot Bid Amount: 77339 mn

・・・・・・・(;∀;)イイハナシダナー

イールドダッチの入札で、とりあえず10%越えの札を叩き込んで必要な量は押さえておこうという人が続出したら必殺の札だけで300億ドルが埋まってしまったんですね、わかります。


さすがにこれはまずいということで、500億ドルのオペを追加して見事に札割れになりました。『Marg. Rate: 0.50 %』でめでたしめでたし。とは言っても307.42億ドルも追加が打ち込まれたのですけどね。

http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/TAF08029_all.en.html
(結果引用割愛)


まあ短期金融市場に強いストレスが掛かっているので、銀行間などの取引が全然成立せずの巻になっており、もはや対中銀でしか取引できませんですがな状態って事でしょう。合掌。

本当はこーなりますと翌日物を毎日ドカドカ打つよりは、タームでドカンと資金を出して売手など(ユーロエリアでは預金ファシリティがあるのでそれが日本でいう売手になりますわな)で引く方が金融機関の資金繰りの安定化効果は高いのですけれども、その辺の運営はどうなっているのかいなとは思うんですけど。

とりあえず余りと言えば余りの展開なのでクリップということで。

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