相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2010年04月〜2010年09月)

(本当は債券市場の話をすべきなのですが、多分短期が中心になります)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

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過去の相場後講釈はこちらです。

2009年下期
2009年上期
2008年下期
2008年上期
2007年下期
2007年上期
2006年下期
2006年上期
2005年下期
2005年上期
2004年下期
2004年上期
2003年下期(工事中)
2003年上期(工事未着工^^)
2002年下期(工事メド立たず)

2010/09/30「いつの間にやら10年309回がこの前の高値を回復」
2010/09/21「超長期がスティープしたりGCレートが低下した件」
2010/09/17「介入でブルフラットの翌日はツイストスティープニング」
2010/09/16「円売り介入で何故かフラットニング(どうも非不胎化介入に関する誤解みたいです)」
2010/09/14「民主党代表選挙と超長期入札の関係について雑感」
2010/09/13「5年入札は予想外のヘニャヘニャ入札に」
2010/09/09「相変わらず決算絡みの売買で微妙に不可思議な相場が続く」
2010/09/07「週明けは中期債の売りで崩れる」
2010/09/06「金曜は流動性供給入札を切っ掛けに超長期売られると」
2010/09/03「超長期更に売られる」
2010/09/02「またまた超長期売られる/6か月オペ早速実施/TIBOR金利低下」
2010/08/31「何と10年1.1%、20年1.8%越え迄金利上昇してその後金利は低下」
2010/08/30「超長期金利更に上昇で小沢先生恐るべし・・・・なのかは謎ですが」
2010/08/27「民主党小沢前幹事長の代表選立候補効果・・・かどうか知らんが超長期金利上昇」
2010/08/26「円高進行で短期市場はまた織込み度合いを高める」
2010/08/25「野田財務大臣の自爆会見で円高進行」
2010/08/24「市場メモ、と言うよりは市場のよー判らんネタに関して」
2010/08/23「金曜の最後はややクールダウンした短期市場」
2010/08/20「臨時会合のデマが流れたりともうバタバタにも程がある相場でした」
2010/08/19「輪番オペやらTB入札やらで短期ゾーンは注目集まる/月曜の会談大丈夫かね」
2010/08/18「TIBORが低下/短期ゾーンの金利がどんどんフラットニングしてきました」
2010/08/17「GDPがゲロゲロで債券市場盛り上がるの巻」
2010/08/13「為替市場でドタバタ/結局今回の積み期間は厚め供給が続きました」
2010/07/27「当座預金残高が妙に高水準キープ/欧州ストレステスト」
2010/07/22「超久しぶりに供給オペが無しの1日でした」
2010/07/21「当座預金残高が妙に高水準です」
2010/07/20「国債買現先オペをスキップ」
2010/07/13「選挙結果を受けて何と相場はブルフラット」
2010/07/09「しつこくTIBORが横ばい」
2010/07/08「TIBORは今日も横ばい」
2010/07/07外山局長の圧力に耐えてTIBORレートは横ばい」
2010/07/05「超長期が強かったりする話/輪番オペの購入銘柄は短めでした」
2010/07/02「期初の売りがピラニアに食いつくされたの巻/TIBOR金利更に低下」
2010/07/01「TIBOR金利低下/短国発行またも減額/ECBの3か月LTRO」
2010/06/30「米国長期金利が勢いをつけて低下中/国債決済期間短縮関連雑談」
2010/06/29「末初GCレート上昇/フェイルチャージ導入に関して」
2010/06/25「債券市場高値更新中!」
2010/06/22「GCレートが相変わらず下がらない状況で推移など」
2010/06/18「財政払超でオペ残減るのでGC下がらん/一般債レートとCPレートの動きがチグハグ」
2010/06/17「ドルオペはECBもBOJも低調な状態が続く」
2010/06/15「固定金利オペ残高20兆円に」
2010/06/09「コールに悪態付いたらコールレート上昇など/証券決済の期間短縮に関して」
2010/06/08「コールの推移を見ると覆面利下げ状態なのですが・・・・」
2010/06/07「日銀オペが減額になったがGCレートは低位安定」
2010/06/04「菅総理有力の見方から何故か円安株高債券(概ね)高とは」
2010/06/03「ECBの1週間オペは応札無し/5月の国債買入は短い所が多い」
2010/06/02「短国発行額が今月も減少」
2010/06/01「GCレートは税揚げ後一気に低下」
2010/05/31「一旦は落ち着いたようですな」
2010/05/28「とりあえず欧州のパニック的動きは一旦落ち着く」
2010/05/27「ECB今週の1週間物ドルオペには応札が」
2010/05/26「スペインの小さい地域金融機関ネタで欧州が大揺れとは」
2010/05/25「ユーロが日替わり相場ですな」
2010/05/21「決定会合の前に市場が日銀に追加緩和でもさせようかという勢いにw」
2010/05/20「ドイツの謎の空売り規制(で相場は逆に暴落)/短国入札は強い」
2010/05/19「ECBの不胎化オペ明細/日銀のドルオペは札が僅少でした」
2010/05/18「ECBが国債買入分の不胎化吸収オペをアナウンス/短い短国が強いです!」
2010/05/17「積み最終日のコールが0.10%に乗りました/その他メモ」
2010/05/14「今回の積み期間の無担保コールが思いっきり0.09%な件について」
2010/05/13「3か月TBは0.11%台前半/ドルオペ実施へ」
2010/05/12「短国入札に注目」
2010/05/10「ギリシャ危機を受けて即日オペ実施/日銀の買入長期国債」
2010/04/28「オペ雑談」
2010/04/27「CPオペの残高ゼロに/決済期間短縮とかフェイルチャージとか」
2010/04/21「オペの長短バランスがやや悪化しているのか」
2010/04/20「当座預金残高17兆円台ペースに」
2010/04/15「CPオペ削減中/供給オペ30兆円割れ」
2010/04/14「日経がGC上昇の記事を書いたら上昇終了とな」
2010/04/07「オペ残が30兆円そこそこまで減っています」
2010/04/05「輪番の打ちこみは安定推移」


2010/09/30

○ほんのちょっとだけ市場メモ

・いつの間にやら10年309回債がこの前の高値水準を回復している件について

まあその間に1か月ちょい時間が経過しているので、本当はロールダウン分を考慮しないといけないので単純比較するのも何なのですが、昨日も昨日で10年とか強くて309回はちゃっかり0.9%割れております。20年120回債というお洒落な銘柄もございますが、こちらはまだ入札時のレベル(平均落札価格は1.548%でしたな)を回復しておりませんで、売られて戻る間に10年は戻るが(というか先物はもっと戻ってますが^^)20年とかはまだ捕まった人がいるんでしょうなあと中々味わいのある展開。まあ20年でオリャオリャという人でも上手く逃げてれば兎も角、普通にソイヤソイヤやっていると120回債が捕まりの介になっているでしょうから、とりあえず10年なんですかね(^^)。


・金融緩和観測報道が出ているのに3MTBの落札結果は0.11%乗せな件について

昨日の3か月もの国庫短期証券の落札結果。

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul220929.htm

(3)募入最低価格 99円96銭9厘5毛
(募入最高利回り)
(0.1113%)

(4)募入最低価格に 43.9065%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円96銭9厘6毛
(募入平均利回り )
(0.1109%)

足きりが0.1113%なのもさることながら、足きりの按分が4割も入っているとは割と入りましたなあという感じの入札でして、来週追加緩和がどうのこうのとか言って外野が盛り上がる中で、最も影響を受けてもおかしくない短期のキャッシュマーケットではこの結果というのも味わいがあるというものです。年末越えだから忌避するというという事でもないと思うのですがどうなんでしょ。

ま、既発の短国は買いが旺盛で、特に短い所はニーズありあり状態なのですけれども、まー外野の盛り上がりに対して肝心の短期方面は「まあそうは言いましても別に実際の金利が下がるかどうかは別ですからねえ」みたいな所なのでしょうかねえ、よー知らんけど。

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2010/09/21

○超長期がスティープしたりGCが下がったりした件

金曜の長いところは連日のスティープニング。木曜は場中に為替が85円後半から前半に突っかけてみたり、株価が寄り天で微妙に弱そうな感じだったりして、おまけに中期債が妙に強かったりしたのでツイストスティープだったのですが、金曜は普通にベアスティープと相成りました。んでまあ火曜日の引けから比較すると、相場の位置そのものは先物が火曜の引けから74銭高(水曜に74銭上昇して木曜に14銭上昇して金曜に14銭下落)ということでまあ高いのですけれども、よくよく見ると水曜にフラットニングした分を2日でお返しして、火曜の引け対比で言うと超長期に向けてブルスティープしたでござるの巻と相成りました。いやまあそれで普通の反応ですわなという事で。

いやまあだから何なのと言われると困るのですが、水曜の超長期ブルフラットって何だったのよという所ですわな。まー何となくてきとーに考えてみると、非不胎化がどうのこうのとかゆー話で超長期がショート気味(物理的にショートなのと、U/Wという意味でのショートがいると思いますが)だった人が慌てて買い戻してしまい、ショートが駆逐されてしまったら今更1.8%割れの20年を買う人もいなくてフラットニングあっさり終了という所なのでしょうかねえ、よー知らんが。


で、超短い所ですけれども、水曜木曜はGCちゃんが高めで0.125%だの0.13%だのとやらかしていまして、短国のレートも久々に3か月2か月ともに新発の入札が0.11%台に乗ったりしていたのでして、金曜はあたくし「いつもの期末だと普通に当座預金残高を積んでくると思うのだが、今回は非不胎化がどうのこうのとか変に注目する人がいるからあんまり威勢良く当座預金残高積まないのではないか」(金曜はまだ非不胎化ネタが煩かったのでそういうはっきりした書き方はしなかったのですが、金曜になったらすっかり非不胎化のネタが減ってきたので今日は露骨に書く^^)って思ったりもしたのですが、あっさり味で21日スタートの共通担保オペを8000億円打ち込んで来まして当座預金残高を20兆円近く(夕方の需給見込みを見たら元々の予想から若干下振れしていて見込みは19.4兆円になっていましたが、17日対比2.3兆円の当座預金残高拡大)に持っていくオペレーションをしてきました。

つーことでオペでのファンディングも回り、ついでに為替介入での円資金がGCの買いに回りという事で、為替介入分と国債大量償還分に関する資金の読みにくさがあっさり解消しましてGCレートは0.11%レベルに低下したようでまあ予想外してどうもすいませんと言うところで。


しかしまあ何ですな、金曜のオペをあれだけ注目して非不胎化がどうのこうのとか言っていた皆様に置かれましては、本日は何と非不胎化した金曜対比で当座預金残高を2兆3000億円も引き上げて来たのですけれども、為替市場におかれましてはその点に対して1ミリも反応している気配が無かったのでございまして、誠に不思議きわまる話でございますなあ(ニヤニヤ)。

#また悪態になってしまった

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2010/09/17

○きょうもしじょうおれさまにっき

昨日の債券市場はイールドカーブがツイストスティープしました。

いやまあ何ですな、一昨日の訳わからんブルフラットがどう見ても変態相場だった訳で、まあ結局のところはショートカバー的な超長期の買いだったんでしょうかねえというしか後講釈のしようが無いのですが、市場のマニアの一部では「日本の債券市場は為替介入の効果が無いと評価しているからブルフラットしているんだ!!!!!」という(もちろんギャグというかネタで)話題をしていたりいなかったりという所で(^^)。

んな訳で、まあ昨日の超長期売られ〜の中短期ド堅調(途中から先物とか上昇しちゃったから緩和されちゃいましたが、前日比安いところでは中期以下が下がらない下がらない)というのがポリシーミックスを解釈したら普通の反応になると思われる次第で、為替介入しつつどうせこの先財政も出すでしょうし、(介入だけじゃつまらんでしょ)一方で追加緩和はやるかどうかは兎も角として(打つなら米国が追加緩和打ち止めっぽくなって来る所で打ち込むと効きが良さそうに思えるんですが)まあ思惑は出るでしょうし、日銀も非不胎化の演技はするでしょうから(演技であっても皆が緩和と思えばとりあえず鰯の頭も信心からの巻で効くでしょ)と並べると、普通にスティープするっしょという所ですわな。

まあ水曜のフラットニング(まあブルもどうかと思うけど追加緩和の発想が先に来たらブルも有り)が変態だったということで(^^)。


あとですな、そのどさくさに紛れてGC方面に関しては21日の所からは国債償還要因で資金繰りが読みにくくなるのと資金の回りが悪くなるのとがあって、GCレートちゃん上昇気味。0.125とか0.13とかの水準っぽいのでございますけれども、まあ今回の期末に関しては上のほうで色々と書いたネタがありますので、逆の意味で目先当座預金残高の推移を慎重に扱わないとアホタレ報道機関がアホタレな報道をして全く無意味に注目されてしまいかねませんので、そーゆー意味からちょっとオペレーションやりにくいのではないかと懸念される所ではございますわな。

3Mや2Mの短国も久々の0.11%台に乗ってまして、期末要因も含めちょっと動くかなあという所ですかね。オペと当座預金がどうのこうのを暫くネタにしようとするお馬鹿さんがいるうちはねえ・・・・

ということで繰り返しだが早い所不毛な議論が終了して欲しいのですがね。

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2010/09/16

○市場俺様メモ

まあご案内の通り昨日は為替介入があったのですが、俺様メモということで時系列で整理しておきますと、10時半頃「中尾国際金融局長がユーロマネーのフォーラムでの講演を急遽取りやめ」とかいうヘッドラインが出て(ブルームバーグだと10時28分とかだったようで)その前後あたりからドル円が一気にドル高になって株は上昇して債券は急速に朝からの上昇を下げました。

で、後場の寄り直後に先物に成行の売りとかあって下がったのですけれども、その後は何か知らんけど相場切り返し。ドル円は85円近辺になるわ平均株価は9500円近辺になるわという素敵な相場の中で債券市場だけは介入に全く敬意を表しないというか財務省様の努力を嘲笑するかのようなブルフラットで終了の巻。

でね、まあ介入後の動きもそうなんですが、あたくし的に昨日情け無いというか悲しい思いをしたのは介入が入る前の寄り直後の動きでありまして、菅政権継続を受けて債券買いになるのはまあ良いんですけれども、超長期がアホのようにブルフラットして、前日に入札が行われた20年債が平均落札1.955%の足切り1.969%でやっておったのですが、その超長期新発は寄りから強くて1.8%割れ水準とか堂々の出合いになる次第でしたんですが・・・・・

えーっとね、お縄懸念は判らんでも無いのですが、絶対水準から言って1.9%台後半ってレベルから仮にお縄内閣が発足して超長期が幾ら売られるのよという風に思うのですよ。20年債のクーポン推移見りゃ判るように、やはり財政リスクがどうのこうのとか言いながら10年金利が1.4%だの1.5%だのとかやっているときでも20年って精々2.2%とかだった訳ですし、1.9%台後半の超長期がお縄内閣になって売られて何ぼなのよと。これがまあ火曜の入札が1.8%台とかでやっているんだったらお縄ネタで2%位まで売られても仕方ないから様子見ってえのは判るんですが、菅内閣継続になったからというネタで前日比10毛以上強い所を買ってくる意味が判らんというか何と言うか。買わなきゃいけない額の全部とは言わないですけれども、菅内閣発足受けて10毛上を慌てて買う位なら、1.95%よりも安くなってしまった(正直火曜の朝の段階で新発の止まり所は1.95%とか思ってたので入札前にせっせと調整しているのがビックリだったんですが)入札でちったあ必要分の半分でも入れて置かないのかねえと。

いやまあ何か昨日に関しましては、結局誰が買っているのか謎(10毛も強くするような威勢の良い買い主体っているのかよという意味で)らしいのでありますが、これが「恐怖のサラリーマン相場」のなす動きだったりしたらもうおじさんは情けないとしか申し上げようが無いんですけど、何つーかこう昨日の前場(の介入前)はブルフラット振りを見ておりまして大変に悲しい(別に自分の損益がどうのこうのではなく^^)思いをする朝のひとときでございました。

ま、介入後の後場の買いもさっぱりワカランチンでございますけれども、為替介入+金融緩和とかいう連想だったらイールドカーブってどっちかと言うとブルスティープとかツイストスティープするもんだと思うのですが、債券市場は華麗にブルフラット。

株式市場も為替市場(は介入されているのだから当たり前だが)も為替介入に敬意を表してちゃんと株高ドル高で推移しているというのに債券市場ってもう何と言うかチャーミングというか当局の努力をあざ笑って動くと言うか何ともこう誠に申し訳ございません(誰に??)という動きでございまして、落涙を禁じえないというものです。

いやあさすがにブルフラットはちょっと喧嘩売り過ぎじゃないのと思うのですけれどもねえ・・・・・・

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2010/09/14

○ということで民主党代表選ですが(といいつつ相場雑談系)

報道では菅さん優勢って話になっていますが、市場的にはあまりどっちとか決め打ちしている感じは見受けられないなあと思います。で、結果が出るのが午後4時とかになるので今日の日中取引には間に合わないので今日はにゃんともとゆー中で超長期入札。

でもまあ何か足元では超長期1.9%近辺水準ですから何とかなるんじゃないですかと変なフラグを立ててみる訳ですが(笑)、何でそんなことを勝手に妄想するかと言いますと・・・・

昨日はともかく先週になってからってどちらかと言うと中期がヘロヘロになっている方が市場ネタとしては注目ちゅう感じになっておりまして、まあ決算がらみのお家の事情系の動きがウェイト高かったのではないかと思われますけれども、中期が売られるとど〜もこう相場的には気分が宜しくない訳でございますが、一方で超長期ってどうよとなりますと、まあ足元でそんなに過激な売り買いがぶつかってどうのこうのというのは一旦落ち着いた感じがするんですよね。単なる気のせいかも知れませんし、中期の決算がらみの売買が目立つから超長期が目立たないだけかもしれません(昨日はやっぱり弱かったりしてますし)だけなので、正直判らんっすけどね。

ということで、事前に警戒しているときはそこまで無茶な結果にはならないの法則(前日まで磐石と思ってた5年国債入札の方がコケル訳でして^^)が発動してくれるとは思うのですが、この前の30年とか流動性供給入札みたいに事前に煽る変な人が出なければ特に問題無さそうな希ガス。


という超長期入札の妄想話(内容が頓珍漢であっても無責任でありますので念の為^^)は兎も角としまして、民主党代表選挙の結果に関する金融政策への影響はどうよという話を考えてみると、ざっくりこんな感じかなあというのをちょろっと書いてみる。

小沢さんの場合:小沢さんの場合は今いろいろと話をしている件がどうも実現性という点でどうなのよという所が多々あるのが微妙なのですけれども、基本的には「財政は出します」「為替介入しちゃうよ」という感じになりますので、そうなった場合に日銀方面に掛かるプレッシャーは「輪番を拡大しやがれ」という方向性になるものではないかと思料。

菅さんの場合:一応「菅さんなら財政再建路線」的なお話もあるのですけれども、そもそも菅さんがそんなに信念持って財政再建がどうのこうのという話をしている訳ではなく、足元の円高を見ながらのドタバタを見れば判りますように、菅さんは本質的には「目の前の材料で右往左往して対症療法をするだけ」というお人であると読めますので(鳩山内閣の時に「何の対策も用意せずにデフレ宣言」という斜め上の技を繰り出した人ですし、先般消費税がどうのこうのという話をしてたのって、欧州のソブリン危機見てビックリしたのと、選挙に向けて政権担当能力をアピールしたかったんでしょと思うのですが・・・)、先般の選挙を財政再建ネタで負けたという意識が菅さんにありそうな中で本当に財政再建路線をやってくれるかはかなーり怪しいと思いますけど。で、日銀には「何だかよく判らないけれども何かやりやがれ」系のプレッシャーになりそうな悪寒。


ということで、金融政策への影響というよりは「日銀に掛かるプレッシャーの方向性を妄想」というオチになってしまいましたが(^^)、まあ小沢さんなら輪番拡大でしょというのは予想がつきますが、菅さんの場合はどうでしょうね。足元の円高を気にしていると言う事は、「日米金利差の縮小を阻止しろ」という話になるので、利下げ方向の話になるんですかね。まあ足元で政策金利下げても別に長期金利がどうなるかは知らんけどね。

まあこの政権は何を言い出すかさっぱり予想がつかない人たちでもありますので、その辺りは決め打ちが難しいっすから出たとこ勝負な所が多くて困りますな。

#ところでお縄先生によりますと「首相になったらポッポちゃんも要職に」とのことですが、ここでまさかのポッポ外務大臣とかになったらテラオソロシス

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2010/09/13

○なおも期末がらみの動きは続く・・・のかねえ(市場メモ)

金曜は5年国債入札が行われました。

で、まあ前日時点では皆さん「まあ下がったら買いが来るでしょ」というような楽勝イメージの入札だったと思うのですが、あにはからんや入札がテール5銭も流れやがって一旦戻しかけたものの、引けに掛けて中短期から先物が全般的に弱含みという素敵な展開。結構なんだかなあと思ったのは、短期ゾーンでして、2年とか3年とかがヘロヘロで、またまた2年カレントが0.145%(引けは0.14でしたが)とかに弱含むの巻というのはねえ。

いやまあこの前まで地獄の一丁目みたいな話をしていた米国様が、今度は急に「やはり回復」みたいな話になり(というような雨公の極端さ加減には大概呆れてしまいますが)ふと見れば米国の金利が金曜の東京朝の時点で10年2.75%だのとかまで上昇してましたので、「米国の追加緩和観測後退」→「日本の追加緩和観測後退」とか、「米国の追加緩和観測後退」→「ドル高」とかいうような流れになったというのもあって、何となく手が止まってしまったちゅうところで5年国債入札が低調になるというのは判るのですが、それにしても2年とかまで売られるというのがさっぱりワカランチ会長な次第でございまする。

それから、金曜はスクイーズ状態になりかかっていた5年90回が益々モノが出てきて91回債への入替でもあったのか(まあ89と90にやたら買いが来て強くなっているところにヘロヘロ入札で安いのが供給されたからというのはあると思いますが)89とのスプレッドが急速に解消モードになっているのも味わいがある話で、まあ期末特有の投資家行動やら、期末で業者がやや引き気味とか(これ9月だから業者サイドは大した事無くて投資家の動きが目立ちますけれども、12月は外資ちゃんの決算が集中するので業者の方が目立ったりする)いうのが色々と影響しているのかなあという感じもしますし、只の気のせいかもしれません(^^)。

まあ今回は何せ明日民主党代表選挙があるので、いい感じで「様子見」をする言い訳もあったりするのがまた話を面白くしているのかも知れませんな(^^)。

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2010/09/09

○市場メモ

というかもうややこしくてメモを書くのも難儀なのだが、昨日の相場も何かよー判らんけれども決算前特有のお家の事情的な売買みたいなもんとその余波によって変なノイズが入るので訳判らん。

超長期ゾーンに関して言えば、寄り前から30年3毛強(だったかな)テイクンとかワケワカランチ会長な動きから前場途中に売りでも出たのか弱くなり、入札はまあ弱かったけれども30年2%アンダーだったからさすがに戻る、でも14時くらいから徐々に怪しさ満載の雰囲気になり、14時半以降には急に超長期がコケたのでという格好になって、30年とかも結局新発の最低落札レベル近辺での引け値(引け後は引け甘だったので実力はもっと甘いっしょ)となり、前場引け(は先物14銭高)に対して大引け(は先物23銭高)の超長期ゾーンのバランスは大いに悪化という残念無念な動きに。結局なんでそういう動きになるのかさっぱり判らんですし、そもそも昨日の後場に超長期売る理由が良く判らん(やれやれ売りなのでしょうか???)のですが、いやホントさっぱり判らん動きでしたっすよ。

一方の中期ちゃんですが、5年90回を買占めみたいな事をしているような動きが相変わらずあるのはまあスクイーズとか下品な事する人は国債流通市場における円滑な流通を阻害する国賊行為であり天罰が下って地獄に落ちるべきであると思いますけれどもそれは兎も角として、火曜の前場途中までうんこ状態だった中短期ゾーンがその後素晴らしい勢いで復活してて、結局90回買えないもんだから89回も堅調になるというビューテホーな展開。昨日も超長期とかが売られたりする中でもやたら強くて、まあこれまた決算絡みの動きの余波が入ってるんじゃネーノという感じですな。

いやまあ美しい言い方をすれば、「日銀の追加緩和示唆と民主党代表選候補者の円高対応姿勢を評価すると中短期の金利は下がりやすいし、超長期の金利は上がりやすい」とかこじつける事は可能なのですが、どっからどう見てもそんな事考えて動いているとは思えない(強いて言えば2年とかの金利が下がってきたのは「追加緩和示唆(のようなもの)で冷静になった参加者が2年を0.15%近辺まで売り込む必要がないという事に気がついたので戻った」とはこじつけられそうですけれども・・・)ので、まあ何なんでしょうねこの相場ちゅう所で。

しかし債券とは違いますが、野田財務大臣が出てきて「断固たる措置を取る」という発言をする度にドル円が円高に振れるのは、様式美の世界になって参りまして、このまま日本の伝統芸能として認識されるのではないかというような勢いになっておりますな。余計な事言わなきゃいいのに・・・・・

あ、短期ですか??いやまあ3か月TBはいつものレートでしたけど、GCが10に下がるわけでもないのに0.11%割れを延々と続けるというのもどうなんすかね。まあバンクと海外の買いが続くのなら延々と続くんでしょうけれども。

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2010/09/07

○何か知らんが中期がコケるとな(市場メモというか俺様備忘録)

昨日の債券市場ちゃんですが、雇用統計が予想より悪くなかった(と言っても内容は悪いと思うのですが)事を受けた米債安の影響だか何だか知らんですが、まあ先物が30銭くらい弱く寄りついておったんですが、何と朝から中期が弱いという素敵な展開。

中期が弱いとゆーのはよーするに投資家の売りが出ておる訳でして、しかもドカンと売りが出ると言えばもう業態的にはあの辺のお方とゆーところでございますので、何をお考えなのかは売った人じゃないとよー判りませんけれども、エクスポージャーを落としに逝っているとか、益出しするのにこのゾーンしか無いとか、まあその手のお家の事情的な残念感溢れる展開でございまして、実に香ばしい動きに。

でもって超長期とかは割と確りしてました(結局取引終盤にはだいぶコケて言うほど強くはならなかったが)ので、そらまあ1.8%台後半になってきたし買いが来るざんしょというのと、さすがに売りの人も売るものが無くなって来た(なお、下がりすぎてしまって「売ると売却損が出るので売れない」という状態なだけの可能性はありますが^^)のでしょうなあとは思う所でして、昨日の下げは中期ゾーンと先物が引っ張っていたようで何だかなという感じで。

5年カレントが0.3%台後半になってきて2年カレントが0.15%に接近してきましたというところなのですが、それって6月の終わり頃とか7月の頭辺りの水準で、追加緩和とかいうような話はさっぱり無いけれども時間軸は効いているというような状況だと思いますので、何かそう考えますと随分時間が戻った感じですが、そこまで急に金融政策だの外部環境に変化があったのかよと思いますと微妙な気はするんですけどね。いやまあそこまでの上げがやり過ぎと言われればそれまでなんですけれども、別に親の敵のように売らなくてもという感は。

あとですな、期末というのもあるのでしょうが、同償還の5年89回と5年90回の価格形成が益々無茶になっていまして、クーポンが高い方の89回が90回対比で引値ベースで1.5毛甘く(先週末の引けは1毛スプレッド)なっていまして(実際はもっと差があると思う)、89回債は益出しだか決算調整だか何だか知りませんが売りが出る一方で90回債はアホのように買う人がいて、またスクイーズとかやっとるんかいなと実に見苦しい動きに。全くもう何だかなというところですが、下がっている相場で期末前とかになると益出ししながら新発の買いとかゆーのが目立つという毎度の動きになって誠に遺憾でございます。

まあ何ですな、話はそれますけれども、フェイル慣行の定着に向けて(なのかどうか忘れたが)チャージが導入とかされる訳ですが、こーゆーどう見ても意図的に買占めやっているとしか思えない行為(いやまあ特定の誰かが買占めしていると断言していませんので念の為^^)に関しても何とかならんのかねえと思いますけどねえ。国債市場特別参加者って流通市場に対する義務もあったと思うんですけどねえ・・・・

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2010/09/06

○流動性供給入札があった訳ですが

金曜は流動性供給入札と輪番があったのですが、超長期に買いでもあったのかどうか知りませんが前場から超長期が妙に堅調。まあ水準が下がって下げ渋るとかいうのなら金利水準が上昇したからとゆーことで判らんでも無いのですが、金曜の場合は何故か超長期が前日比強い所が買われてしまうという素敵な展開に。前場引けてみたら先物1銭安に対して20年ゾーンが2毛強/1毛5糸強とか大変に素敵な状況に。まあ強いところまで買うのはそらまあ投資家さんの買いでもあったんでしょうねという事なんでしょうけれども、流動性供給入札で3000億円の供給があるのにそんなに強くするもんなんですかいなと????と思っていたわけですよ(本当)。

で、結果はこの通り。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/nyusatu/2010/resul037.htm

平均6糸甘の足切り7毛3糸甘ってどんだけ流れてるのよという所で、前場強かった超長期は華麗に大失速するわ、結果出た瞬間の債券先物は豪快に下がるわという大変にお洒落な結果になりました。

えーっとですな、確かにここ暫くの間って超長期ゾーンでそれなりのロットをマーケットインパクトを低く投資家が買おうとすると国債入札か流動性供給入札でしか無かったという状況が続いてましたので、入札が強い→投資家のニーズが強いですね→更に強含みというような感じで、「入札で投資家の強いニーズを確認して更に強くなる」という流れがあって、入札のたびに煽って行く様な動きがあったんですよね。

しかしですな、金曜の場合ってその前週からの超長期売りによって超長期の需給が悪くなっている所でありまして、そらまあ売った投資家もそのうちまた買うのかもしれませんけれども、たぶん昨日の今日でいきなり気合入った買いもあるわけ無く、まあ水準がやっと戻ってきたから押し目買いという人が買いを入れてくる状況であって、これまでの状況と背景が違うんでネーノと思っておったので、あたくし的には????だったという所なんでござんすけど、一つ覚えで煽ったこたあさすがに無いとは思いますけど何とも言い難い金曜の市場ちゃんでございました。

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2010/09/03

○市場メモ

昨日の債券市場ですが、朝から何かまたまた超長期が弱くてあっさリ1.8%レベルになった(なんだかもう超長期があまりにも派手に動くので段々場中の居所が良く判らなくなって来ましたが)と思ったらその後謎の買いで戻りまして、ナンジャソリャと思っていたら今度は輪番オペが無かったという所でまた売られるでござるの巻。

何か昨日は前場にやたら債券先物の出合いがあったんで、それなりに売買があったんだろうなあと想像されましたが、その間に超長期の気配が結構飛んでいたような気がします。後場になると一転して静かな展開になったみたいですが、引け際また長い所がヘニャヘニャになって先物30銭安の142円21銭に対して10年新発は5毛甘の1.110%(この前までの既発債ベースだと4毛違うので1.070%になります)で20年カレントは7毛5糸甘の1.825%とこれまた香ばしい展開に。

何せ先週火曜日に入札やった時には平均落札価格100円78銭だった新発超長期120回債(1.6クーポンね)が1週間ちょっとで1.825%ということで、価格にして4円の下落ですよ4円(^^)。ちなみに水曜の引けが1.515%だったので、高値からは4円以上の下げなのですけれども、木曜以降に変わったのはお縄先生と考えますとお縄効果恐るべしと言うことになってしまいかねないのがオソロシス。まあ昨日も何となく申し上げましたが、お縄先生で超長期売りみたいなテーマで一丁やってみますか的な動きなのか、それともそもそもの負債デュレーションを勘案した場合に買う必要も無いのに、「超長期の方が値上がり幅は大きい上に、元の利回りが高いから期間収益も確保できる素晴らしい債券」とか調子に乗って買っていた人たちが相場を降り出したのが「俺も俺も」状態になっているだけなのかは存じませんが、まあ因果関係はともかくとしてお縄効果とか言われてもシャーナイですな(^^)。


ところで、短い所なんですが、GCはまあ落ち着いてきて0.105%レベルになっていますけれども、今回の流れで「ほほー」と思っているのは、この間短国のレートがろくすっぽ上昇しないことです。まあ利下げ期待(というかヘッジというか)で0.103%だのというようなレベルに金利が下がったのは良いとして、やっぱり目先利下げは無さそうですね、という状況になっても足元GCレベルでは間尺に合わない水準できっちり買いが入っていまして、GCレベルとの差で持ちにくいという人以外の買いがそこそこ増えてきているんですかねえという感じでございます。長い所から退避資金が来ている、というだけではちょっと説明できなさそうな気が。まあ良く判らんですけど、短期のところは資金余剰感が益々強まっているのではないでしょうかねえ。

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2010/09/02

○これってお縄先生効果なのですか??

昨日の債券市場も何かまあ威勢良く動いておりまして、暫く前の何だか今日もじり高みたいな困った市場とは別の意味で困った市場になっておりまして実にアレでございます。

で昨日ですけれども、寄りから何か弱めだったのは前日が月末でインデックス長期化向けの買いにぶつける為に最後に無理無理持ち上げた節があるのでその分剥落したのかなあとか思ったのですが、まあ10年国債入札に向けて下げてましたわな。何か超長期が重そうなのがよー判らんけどあらまあって感じでしたが。

で、10年国債入札の札入れ終了して後場寄りからいきなりドカンと先物が下落。いやまあ入札が思ったよりもニーズが無くて入札がうんこになるんじゃないですかという事のようですが、ちょうど昼休みに小沢さんの政見に関する報道がありましてですな。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=auWnT05co3Jw
小沢氏:円高対策で市場介入に言及、子ども手当満額支給も(Update2)

昼休み時間に出ていたのは「子供手当て満額支給」「為替介入」とか「日米は対等の関係でどうのこうの」とかいうようなヘッドライン(ブルームバーグによります)でしたが、まあそれを受けたのかどうか知りませんが、後場に入って暫くはドル円が何となくドル高に振れて平均株価もちょっと上昇してたのでこじつけるとお縄先生効果ともいえたりします(えー)。

というかですね、昨日書き忘れましたけど、一昨日の債券市場でも小沢さんが「菅首相と(手打ちに向けて)会う予定は無い」と発言したというヘッドラインが出た瞬間先物が6銭だか7銭だか売られまして、デイチャート見るとそこだけいきなり垂直下げ(というほどの値幅ではないが)していまして、何ちゅうかここへ来て「お縄先生効果」というネタで相場を手掛けようとしている人がどこかにいるなあという感がひしひしとする今日この頃。

でまあ入札はあまり強くなかったのですが、それほど悲惨なものでも無く、1.05%レベル(償還が3か月長くなって発行日の関係もあって既発から4毛甘くなっているので10年金利の水準がずれたように見えるのは要注意^^)という所で買いも入ったようですが、引けに掛けて何かよー判りませんがまた超長期とか弱くなって終了とな。まあ何だかよー知らんけど前日のブルフラット(何か途中からブルフラットして最後に更に強くしてたのでインチキっぽい感じはあったけど)はナンダッタンダという感じっすな。

ま、本当にそうなのかはヒジョーに怪しい(昨日あたくしが悪態ついた財務副大臣じゃないですけれども、自分が矢面に立って責任もって動く気も無いのに威勢の良い事を言う(介入も選択肢とか言う暇があったら理解を求めに渡米しろとよって感じでが、ど〜せそれは事務をやるカンリョーの仕事だと思ってるんでしょうなあ)のは民主党の皆様の得意技なので、お縄先生といえどもその例外では無いと思われるのですが・・・)のですが、足元では一種のギャグだと思ってた「お縄先生でバラマキ財政復活どころかバラマキの凶悪化」というのが真面目に絵として認識されてきとるんかいなという夏の終わりに何の怪談だよというところでございますが、まあそんな感じで。


○えーっと「証券化して財源」って誰がそんな下らん知恵つけてるのよ

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=axmqYvlEe19Q
小沢氏:国の資産のうち200兆円くらいは証券化できる考え方もある

『9月1日(ブルームバーグ):民主党の小沢一郎前幹事長は1日午後、代表選立候補に伴う菅直人首相との共同会見を行い、政策実行の財源について「600兆円の国の資産のうち200兆円くらいは証券化できる考えもある」と指摘した。』(上記URLより)

えーっとすいません、それって国有資産売却と同じなのですが、国有資産を売却した分で国債の償却(やら発行減額)をしなかったら、ネットで言えば赤字国債を発行して財源にするのと同じなんですけれども、この先生は200兆円も新規赤字国債発行する気なんでしょうか???

まあ恐らくは「国有資産だって言ったって例えば国会議事堂の土地建物とか売れないでしょ」という意味で「証券化する」という話だと思うのですが、それって足元で証券化することによって資金が出るかもしれませんが、例えばそれを不動産証券化商品にした場合って、その証券化商品には利息をつけてやらないと誰も買わないのでありまして、国会議事堂の賃料の支払いが永久に発生する訳ですから結局の所「将来の賃料払いをする事によって足元でキャッシュを入れる」という事で、赤字国債発行よりも下手したらタチが悪いと思うのですが。

だったらまだストレートに売却し(て折角ですから国会議事堂と議員宿舎を竹島にでも移転させたら如何でしょうかwww)た方がまだ筋の良い話で、証券化なんかしたら仲介する業者(投資銀行か不動産金融屋なのか知りませんが)に口銭が無駄に落ちるし、その後も管理だ何だと言って口銭が落ちる話なので、まあギョーカイ人としてはウハウハな話ですが、いち国民として考えた場合にはどうもねえという感じで、入れ知恵してるのどこの誰だと申し上げたくなりますな。


しかしまあ他にも何かこうアレなヘッドラインがございまして。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a1invHOI1Ewk
小沢氏:政治家が自らの責任で予算決定できる体制つくる−共同会見

えーっとすいません、予算って国会で審議して承認されないと実際に決定しないのでして、現行法の下では「政治家が自らの責任で予算を決定している」のですけれども、これはどういう意味で仰っているのでしょうか???もしかして従来は予算審議に対して責任感も何も持っておられずに党利党略の為のみに自民党政権の予算審議の妨害をしたりしておられた。という事なのでしょうか????しかも政治主導とか言って「陳情は幹事長の所で一本化します」とか今年度予算の策定の時に話をしてましたと記憶しておりますが?????

「自らの責任で予算決定」という文言に「俺様の言う事を聞く人間に(以下自主規制)」というのを感じてしまうのはうわなにをするくぁwせdrftg

#悪態もほどほどに>自分


○6か月オペが実行されましたが

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of100901.htm

落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba100901.htm

6か月ものオペの按分比率は26.2%ですが、月曜に実施された3か月の固定金利オペの按分比率は22.2%とゆーことで3か月ものオペより6か月ものオペの方がニーズが少ないとはこれいかなる事ぞということですな(^^)。

まあ1秒で言えば「利下げの可能性も残っているからより長い期間のオペだと利下げに当たってマズーの確率が上がるから」という事なのですけれども、「より長い期間の低金利の資金供給」ということで実施した固定金利オペの皮肉っちゃあ皮肉な所。

つまりですな。

http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc09/mok0912a.pdf

の別紙『「共通担保資金供給オペレーション基本要領」中一部改正』(PDFの2ページ目)の中にありますように、固定金利オペに関しては・・・・

『ロ.固定金利方式

貸付日における誘導目標金利(本行が金融市場調節方針において誘導目標として定める無担保コールレート(オーバーナイト物)の水準をいう。)を貸付利率とする方式。』

という事で、これって貸付日の金利で固定なのですけれども、まあこういう風にしておかないと、先行きに金利上昇が見込まれるような時に「ターム物金利の抑制効果」が発揮できないという事を勘案して決定したという事なのではないかと思われます。つまり、固定金利だけど途中で政策金利にスライドするというのだとそもそもそれって固定金利かよというツッコミもさることながら、利上げが予想されたときにメリットの無いオペになってしまうので、つまりは近い将来の利上げ観測が起きた時に、このオペに応札するメリットが無いという事になるでしょうから。

しかし、現在のように先行きの政策金利低下の可能性がある、と市場が認識する(今は目先急に下がらないでしょと思いますが)ようになった場合、貸付日のレートで固定という形になってしまいますと、利下げを本気で100%織込みに行った場合に応札が堂々の札割れになるというのが確実でありまして、これはこれで中々面白いというものです。この際折角ですから固定金利オペを1か月ものから6か月ものまで作って「市場の織り込む利下げ確率」について按分具合から逆算してみたらどうでしょうか(冗談ですので念の為^^)。

あと、更に余談になりますが、このオペの要綱があるうちはオーバーナイト金利の誘導目標水準をバンドにするのって無理ですな。固定金利オペのレートをどこに置くのかが決まらないですから(^^)。

で、そういや固定金利と言えば企業金融支援特別オペというのもありましたが、あの時には何でそういうこと考えなかったのかなあと思ったら・・・・・

http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/mok0812c.pdf

の別紙1『企業金融支援特別オペレーション基本要領』の『6.貸付利率および利息の徴収』(PDFの3ページ目)の中にありますように、

『(1)貸付利率は、本行が金融市場調節方針において誘導目標として定める無担保コールレート(オーバーナイト物)の水準の貸付期間中における平均値とする。』

と、こちらは平均値になっているのですな。いやまあオペとしての建て付けが違います(このオペは「CP市場などの金利低下」を企図したものだがら)ので違う作りになるのは当然ちゃあ当然なのですが、ふーんと思ってしまいました。


○そういやTIBORが低下してますな、とか

何か知らんがTIBORが低下。まあ「ターム物金利の低下を促す」ってったって既に債券系の金利はこれ以上低下できない所まで低下しているのでありまして(相変わらず昨日の3か月TB入札も落札結果発表後は0.105%で取引されていたみたいですしねえ)、下がる余地のある「ターム物金利」といえばTIBORさんでありまする。で、2日のTIBORちゃんですが・・・・

日本円TIBOR:0.36154%(前日0.36846%)
ユーロ円TIBOR:0.35538%(前日0.36308%)

という事で良い感じで下がっているのですが、よくよく見ますと1日とか2日とかに大手のリファレンス銀行さんが続々と0.38%→0.36%みたいな感じで威勢良く呈示レートを下げているのですが、まあやっと空気を読んだかという所でしょうか。

#まあ蒸し返すようだが、外山局長のTIBOR発言報道が無かったら正直言って逆にもっと早くTIBOR下がっていたんじゃねえのと思うのだが・・・・・

どの辺まで呈示レート下げる積りなのかは存じませんけれども、まーこの辺の動きを見てるのか見てないのか知らんですが、ユーロ円金先も堅調でございますわな、うんうん。

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2010/08/31

○10年1.1%に20年1.8%を瞬間上回るとはオソロシス

以下単なる自分用の備忘メモで、相場付きに関してはベンダー(ってまあ先物の数字とプライスアクション程度で一部カレントの値付きが瞬間わかる程度ですけどね)みたり戦場の第一線で狙撃兵としてご活躍のお友達に聞いたりしつつという感じで書いておりますので、本人の脳内ではそれなりにちゃんと書いている積りですが、正確性に関しては一切保証致しかねます(というか正確じゃないと思う・・・)のでその辺をご留意の上ご覧頂きたいと存じます(とヘッジクローズ^^)。

昨日の債券市場ちゃんですが、米債が何が何だか良く判らんですが豪快にベアスティープして戻ってきた事から、寄りから債券先物が15銭安とかのスタートに。と思ったらその後も先物がスコスコと下落して、寄りから5分くらいの所(だと思った)で先物が142円20銭(35銭ちょい安)割る所で超長期が何と10.5甘(1.800%)出合いとかになって、何と今日もやるのかよという事で更に相場が下がるでござるの巻。

何か結局いくらが安値なのかという感じでしたが、10年も前日比10毛甘の1.1%を抜けちゃうわ、20年も1.8%を楽勝で抜けちゃうわで、先物は9時9分に安値141円60銭と、何と95銭安(つまり寄りから9分で80銭低下ね^^)まで売られてしまいましたが、さすがに10年1.1%だの20年1.8%などとゆー水準ですので、今まで買わないで必死に耐えてきた人たちにとっては干天の慈雨というか地獄に仏というかちゅうことで買いが入り持ち直してとりあえずデルタを消す為に売られたと思われる先物にも買い戻しが入ったようですわな。

・・・・と言いましても、先物はきゅいーんと142円台回復したものの、その後も暫く10年はウダウダと7毛甘(=1.070%)だの8毛甘だのというような水準(だいたいその辺だと思う、あまり正確では無い)で推移しておりまして、また一旦142円われをやらかしていましたが、その後は徐々に復活モード。

でですな、決定会合結果はご案内の通りでござんしたが、それでどうのこうのという事も無く、後場に入ると長期、超長期ゾーンの買いが確りしまして(それから2年とかが妙に強くなったのも謎ですが・・・)後場取引の中盤以降は前場の強烈なスティープニングも緩和されて、引けは先物142円45銭(10銭安)に対して10年2毛甘(1.020%)の20年3.5毛甘(1.730%)となりまして、前場引けが先物142円22銭(33銭安)に対して大体の居場所が(何せ動いているので良く判らん)10年6毛甘近辺、20年10毛甘近辺だったようなので、まあ後場に掛けて10年、20年にはそこそこ買いが入ったんでしょうなあという感じでござりまする。


まーよく売られましたなとゆー感じですが、20年の1.8%と言えば相場がソイヤソイヤと上昇しだしたのが7月頭とかだと思いますけど、その前に結構ウダウダとやっていたレベルではございますので、そらまあ後付けで考えれば止まりどころという話になるのかも知れませんけれども、はてさてこれで落ち着くのかやっぱり落ち着かないのかはどうなんでしょうかね。

あとですね、お縄効果というのは(まあ正直それは単なるギャグネタとしての効果であって、本気で「財政拡張懸念が急に現実的になった」というのは流石に・・・・^^;単純にここまでその手の話をスルーし過ぎたので奇襲効果があったのはあったのでしょうが)これまた後付けで無理矢理こじつけると、昨日の後場途中(確か午後2時手前位でしたっけ、忘れたけど)に「菅さんと小沢さんの会談が」みたいな手打ちへの道が出て参りまして、これはお縄リスクが軽減の悪寒という事で買い戻しに拍車が掛かったとか講釈するとギャグとしては面白いですけれども(^^)、たぶんそれはあくまでもギャグの世界でしょうな、あっはっは。


以上、何の役にも立たない俺様備忘メモでしたm(__)m

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2010/08/30

○いやあ超長期売られましたねえ

金曜の駄文で超長期が売られた(ネタとして絶妙に面白いので「お縄先生力あるわ」とか書いたけど^^)話を書いて、「さて米債が強かったのですが今日はどうなるでしょう」という風に書いたのですが・・・・・

えーっと、寄りは米債フォローで先物17銭高とかで始まっていたのですが、超長期ちゃんは朝から5糸甘とかゆーよーな中々お洒落な展開。その後も超長期の気配はドンドン甘くなり、超長期が重いことから先物も徐々に下落し、前場引け近くの10時50分ごろには先物11銭高に対して10年308回が1毛甘出合いだとなって超長期が4毛甘出合いとかになりました。ちったあ買いもあったみたいなのですが、前場引け後も業者間のビットを叩くとか中々素敵な雰囲気に。で、後場に入って益々雰囲気が悪化し、午後1時20分過ぎになると10年、20年が更に崩れて先物も一気に下落しやがりました。先物27銭安の142円55銭で10年309回が6毛5糸甘の1.00%に上昇したようですが、さすがに10年1%レベルでは買いが入り、一旦持ち直すました。でも20年ゾーンがボコボコになっていまして、引け前10分だか15分高のところでもう一発売りが出たみたいですが、今度は10年とか5年などに出たようで、引けに掛けて再度相場は下落しましたが、そこで買いが入ってまた戻るとかややこしい展開。

で、引け値ベースで言えば、先物142円55銭(27銭安)に対して10年1.000%(6毛5糸甘)、20年1.695%(13毛甘)という実にお洒落な展開。

でまあ何ですな、木曜金曜の市場って特に何か材料があったわけでも無く、おまけに金曜に至っては米債が思いっきりフォローだったのですからして、昨日書いたように「民主党代表選挙結果次第で財政再建路線の頓挫が懸念されて」という風にしちゃうと一番説明はしやすい訳ですし、まあそもそもユーロ圏の財政問題ネタ以降で金利低下のネタに使われたものの中に「菅政権の財政再建路線」というのが一応あったので、それがひっくり返るリスク(今年の最初3か月とか粛々と超長期が打たれてましたからねえ)というのを意識してどうのこうのとゆーのもあるのかも知れませんけれども、そもそも木曜の最初の売りなんて良くある「計画に則って寄りからドカンと売却」的な売り方だったと思われますし、ま〜どっちかと言えば「超長期市場が勝手に真空地帯を駆け上がって来た分を勝手に自己崩壊した」という感じジャマイカと。たまたま月末受渡のタイミングで小沢さんの代表選出馬表明が出たちゅうこってしょうな。うんうん。

もともと買ってるほうもソイヤソイヤとキャピタル狙いもあってお祭りをやっていたちゅう所もありまして、さてどこでどうケツを入れるかという事は皆さん考えていたと思いますので、そこで売りが一発出て相場が下向きになった場合に、普段だと循環取引でもやっているかのようにどっかで押し目買いが入るのですけれども、まあ先週の20年国債入札にありましたように、ちょっとその押し目買いの人の頭数が減ってきてた感がありました(一部の大口落札だけで多くの業者が珍しくドン引き状態だった)ので、買いの手が引っ込む中での売りで、「じゃあ俺も決算益固め」とか何とか言って売りが出て、俺も俺も状態になったというような自己崩壊(この程度で自己崩壊というのも大げさですが)したとゆー事ジャマイカと、よー知らんがの。

ま、何はともあれ本日は追加緩和でございますので、さて長いところはどういう反応をするんだか(ニヤニヤ)。

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2010/08/27

○お縄先生効果で超長期金利上昇・・・・かどうかは知らんがスティープしただよ

朝の時点のニュースで「小沢前幹事長が民主党代表選出馬へ」というのは出ていましたが、寄り前に日経と時事が「どっひゃー」なニュースを配信。

で、日経電子版がそのニュースを8時半過ぎに配信したのですが、何か良く判らんがURLがクソ長い上のでしょうがないので時事通信のちょっと後の記事で勘弁。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date2&k=2010082600209
鳩山氏の発言要旨=民主代表選

民主党の鳩山由紀夫前首相が26日午前、記者団に語った内容の要旨は次の通り。

−小沢一郎前幹事長が、鳩山氏の支援を受けるので代表選に出馬すると発言した。

 その通りだ。きのうの菅直人首相との会談の模様を尋ねられたので、概要を申し上げた。その結果、(小沢氏が)「民主党、旧自由党の合併の時からの同志としての協力が得られるなら出馬をしたい」という意向を述べた。(上記URLより、以下割愛)

・・・・と言うことで、まあ良く考えたら勝ち目が薄い戦いにノコノコ出てくるような小沢先生ではございませんので、こういう展開もあるのかなあとは冷静に考えたら思えるのですが、何せこちらのポッポ先生は前日だか前々日に菅さんを支えるみたいな発言をしておられた訳でして、さすが鳩ぽっぽ先生のぶれっぷりは半端無いですわとゆーところですわな。つーかこの人「総理大臣を辞めた人が影響力を残すのは良くない」とかシンキロー先生を批判してませんでしたっけと思うのですが、常人には到底理解できない方なのであまり驚かないです。

まあそれはそれとして、小沢グループと鳩山グループを単純に合計すると国会議員票だけみたらシロート目には小沢大先生大勝利のような気がする(何かその後セルサイド各社の人たちの出してるレポート見たら「菅さん優勢」とゆーのが多くて「へ〜」と思いながら見るのですが、党友はともかくとして、地方組織なんてお縄先生に楯突かないんじゃなかろうかって気がするんだが)次第でして、どちらかというと直近の火曜水曜辺りには鳩山さんの動きから「やっぱり菅さんになるのかな〜」というイメージだったのでこれはこれで不意打ちっぽかったですわな。

で、債券市場ちゃんですが、先物13銭安とかで始まったのですが、超長期ゾーンとかが妙に重くて先物下がる中で20年の4毛甘とかが叩かれたようで、いやまあ米国市場で株高債券安をやってはいましたけれども、その動きはまあ別にそんなに凄いものでもなかったので、ナンジャソリャとゆー所ではございますけれども、まあ他に材料も無いので「お縄先生さすが力あるわ(笑)」という事になるのでありました(^^)。

その後押し目買いも入って4毛甘から2.5毛甘位まで戻ったのですが、後場になってからまた長いところ売りが出たみたいで(たぶん1時半過ぎと大引け前)終わって見れば先物24銭安(142.82円)に対して10年309回が3.5毛甘(0.935%)の20年120回が5毛甘(1.565%)と華麗にベアスティープと相成りました。お縄先生恐るべし。

いやまあオモシロ連想をしようと思えば色々とオモシロ連想ができるのでありまして、小沢先生民主党代表就任→亀井先生や福島先生堂々の連立内閣再復帰で財政打ち込み路線復活、とか菅さんやら前原さんやらが怒りの離党→小沢先生の人脈を駆使してまさかの公明党連立参加で財政拡張路線、とか楽しい連想で売りが!!などとゆーと大変にネタ的にはオモローなのですけれども、ま〜話はそこまで深刻なものでは無いっしょ。そもそも小沢さんが勝つのかも判らんですしねえ。

とゆーよりは、ここまで強くなっている超長期でオリャオリャと買っているとーしかのお方もおいでのようですし、まあその辺りの方は「さてどこかで一旦少しポジション軽くしないとねえ」とタイミングを考えていた方もいるでしょうし、そろそろ中間決算に向けた着地を意識する時期でもありますので、朝イチで売った人でしたらそれこそ単純に「月内最終渡しなので計画通りに売却しましたよ♪」ってなことなのかも知れませんし、本当に小沢先生ネタでロングの外しをしたのかも知れませんし、そんなのは売った人に聞かないと判らんですわなということで(^^)。

ただまあその後売ってる人もいましたので、(同一人物なのか別人なのかも判りませんが)もし別人だったら「ああ先行き不透明ネタが出たし、ここまで散々フラットしてウハウハだし、他にも売ってる人いるみたいだし、こっちもちょっとポジション軽くしておくか」位の人がいても不思議じゃないので、まあここまで散々超長期強いのだからまあそんな事もありますわなという感じで。

つまり何を申し上げたいかと言いますと、たぶん昨日の貫禄のベアスティープって別に売りで勝負している訳じゃなくて、単にロングの人がポジションをちょっと軽くしたというのが出ましたなあって所で、前場押したところでは早速買いが入っていたような値動きをしてたみたいなので、まあ買う人もいますわなとゆー所なんじゃないっすかねえ。

ただまあキャピタルゲイン狙いでワッショイワッショイと買うようなとーしかのパターンだと「上がっているときは元気ハツラツだが下がりだすと急にムズムズしだす」という極めて人間的な(^^)動きをするのが仕様となっていると見られますので、米国株安債券高で戻ってきた本日さてどうなるんでしょとゆーのをニヤニヤしながらヲチしたいと存じますです、はい。

#と柄にも無く長いほうの相場メモを延々と書いてしまった


あとですな、短いほうでは何かGC妙に高くて、ショートファンディングはそらまあ溜まっているというのもあるのでしょうが、昨日の場合はレギュラーが末渡しという要因もあると思いますけど、何か資金の回りが良くないんじゃネーノという感じがします。オペ残やら当座預金残高はそこそこあるのですが、オペ実行の実額があまり多くなくて、一方で追加緩和騒動以来短期を含めてキャッシュのマーケットちゃんがそこそこ動いているので、債券業者の資金・債券ポジションのブレが大きくなっていて、その辺りが資金の回りの悪さに繋がっているのかなあなどと言ってみるテスト。あとは銀行さんの資金ポジションもそれなりに動いていてGCへの資金放出が悪いのかなあなどと。よー知らんがの。

#ま、2年国債入札は入札前に調整したから堅調でしたけどにゃ

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2010/08/26

お縄先生立候補キターーーーーーーーーー(・∀・)

#などどお縄お縄と言ってたら天罰でも来たのか、ちょっと朝からネット接続絡みでドタバタしてて書き物を書く時間が無くなってしまったので市場メモだけでご勘弁してつかーせ。

○市場メモ少々

昨日は3か月TBの入札があってだな。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul220825.htm

(3)募入最低価格 99円97銭3厘5毛 (募入最高利回り)(0.1063%)

(4)募入最低価格における案分比率 17.4361%

(5)募入平均価格 99円97銭3厘9毛 (募入平均利回り)(0.1047%)

昨日の3か月TB入札はご覧の通りで貫禄の0.105%割れの平均落札というのもあらあらという感じですが、0.1063%水準の足切りでの按分が17%しか入らないというのも何ですかちゅう所でありまして、えーっとファンディングして買う人的には保有しているだけでしんどい状態になりますなあという感じです。まあそうは言っても足元で追加緩和ネタで盛り上がるという状態で、昨日は朝からユーロ円金先とか堅調に推移していましたので、まー入札強くなるんでしょうなあとは思っていたのですけれども、何も0.105%割らんでもという気は(^^)。

しかもですな、巷間予想されている追加緩和策の本命って新型オペの期間延長か増額かという所になると思うのですけれども、期間延長だとしたら基本的にはオペ額は増えないのでそんなに足元のGC取引における需給に変化が起きるとも思えないですし、増額する場合もその分当座預金残高がまともに増えるわけでもないでしょうから(固定オペ30兆円打ち込んだ場合、現状のオペ残推移から考えた場合資金余剰月の当座預金残高は結構積み上がってしまう可能性は高いが)、その分が足元で急にGCを押し下げるという事には繋がらんと思うのですよ。

とは言いましても、別にまあ足元でGCレートが上がるような方向には動くわけが無く、もしかして利下げがあったら(利下げは最終兵器なのでいきなり切る訳にも行かんと思うのだが)ベースレート下がった分大勝利とゆーよーなオプション(というか宝くじ)感覚だったら買えるのかも知れませんし、ファンディングじゃなくて単純に運用資金を足元に傾けて置きたくない人とか、間違って利下げになった場合に即死するのを避ける為に買うだの、もっと単純にキャッシュを潰したいだけとか、まー色々とあるんでしょうなあとは思いますが、しかし堅調堅調。

また、これは昨日のネタですけれども、新型オペちゃんの入札における按分率も上昇しててですな。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba100824.htm

こちらの「固定金利方式」って奴ですけれども、こいつの按分比率が21.2%になっていますが、20日は20.8%、17日は19.2%、13日は18.2%という事で、追加緩和ネタが盛り上がりだす頃から徐々にこの按分比率が上昇しているのですよ。固定金利方式で0.10%の3か月を取るのは良いけれども、その間に間違って利下げがあったら困るかなあとかいう事(えーっとこのオペって途中で政策金利水準が変わった場合も最後まで固定金利という理解で良かったでしたっけ、汗)を反映しているちゅう理解で宜しいのかな、と思います。

政策金利水準が仮に変わらないとしても、「金利付の事実上の量的緩和」(たぶん従来のロジックを踏襲すると「当座預金残高目標」のような事はやらないと思われますが、新型オペを増額した結果として超過準備がよりつみあがりやすくなって当座預金残高の引き上げになるという変化は大いにアリエールな話です)となった場合、足元のコールレートなどがダダ下がりする可能性はありますから、その場合に0.10%のオペが魅力的なのかとゆー論点もあるんじゃないかなあとは思いますです、はい。


とまあ3か月入札だの足元のオペの話をしていますが、一方で2年とか3年とかのゾーンは織込み祭りに少々お疲れ感が出たのか(^^)、一昨日および昨日はちょっと売られていて、2年0.12%水準になっているようで、今日の2年国債に向けての単なる外しなのかもしれませんけど、まあこっちはちょっとクールダウン。

つーことでですな、どうもこう足元の動きって超短期のキャッシュ部分とか金先やOISなどのオフバランスの部分とか、債券市場における2年だの3年だののゾーンのそれぞれの動きが微妙にバランスが悪いのが不思議とゆーか訳判らんとゆーか。キャッシュとオフバランスの間がリンクしないというのはまあ判らんでもない(参加者がまるっきり違うから)のですけれども、キャッシュ現物での動きが片や臨戦態勢満々で片やクールダウンちゅうのもムツカシヤという所です。

恐らくは単純に大手の投資家が動いた結果として需給がどどーんと動くとか、今日の2年国債入札のように入札スケジュールに向けて(入札そのものは要するに財務省様による国債大売出しなのですから)需給がどどーんと動くとかゆーよーな所で動いているから微妙にチグハグなのかなあとも思う所でございまする、単なる妄想ですが。



ところで、白川さん今日から出張なのですがこれでまだ今日も「臨時政策決定会合のデマ」は流れるのでしょうか(苦笑)。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aTFGoKALsqUE
日銀:白川総裁が26日から30日まで米国に出張−連銀主催の会議に出席

なんかね、今朝のモーサテでは「この会議にはバーナンキ議長も出席しますので、白川総裁とバーナンキ議長の間でどのような協議がされるか注目されます」とか日経必死だなwwwwとしか申し上げようが無い報道をしていましたが、何で日経さんってそこまで必死になって日銀を追い込みに掛かっているのでしょうかと考えるとさっぱり意味判らん。報道機関だし経済報道を売りしているのに、何でそこまでバイアス掛けて報道したがるんだろう・・・・・・

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2010/08/25

○政治主導なのか何だかしらんが脇が甘すぎです(財務大臣会見悪態編)

昨日は夕方5時から野田財務大臣が会見をしたのですが・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aFo8YXmqYA_k
野田財務相:足元の為替の動き、明らかに一方向に偏っている(Update2)

この辺りの関連するブルームバーグのヘッドラインを並べるとこんな感じです。

JBN 16:43 野田財務相が午後5時ごろ記者会見−財務省発表
JBN 16:57 野田財務相:マーケット動向には重大な関心
JBN 16:59 野田財務相:為替相場の過度な変動は経済や金融の安定に悪影響
JBN 16:59 野田財務相:為替介入についてはコメントしない
JBN 16:59 野田財務相:日銀とは緊密な連携をとる
JBN 17:00 円は対ドルで一段と上昇、一時84円台前半
JBN 17:00 野田財務相:機動的、適切に対応していくこと大事−政府・日銀
JBN 17:01 野田財務相:今の為替の変動は明らかに一方向に偏った動き

しらっと野田財務相発言以外のものが入っていますが(^^)、まあ要するに野田財務大臣の会見を切っ掛けに円高ドル安アタックが打ち込まれたかのような格好になっておりまして実に香ばしい展開であり、誠に遺憾に存じますとしか申し上げようが無い所でございます。

えーっとですね、前回の緊急会見とやらもそうなのですが、何かやるというのであれば会見をやってもヨロシカロ(介入とかだったら本来は黙っていきなり突っ込むものだと思いますけどねえ)と思いますけれども、別にたいした話をする訳でもないのにホイホイと会見を実施するとか脇が甘すぎとしか申し上げようがございません。

しかもですよ、これが東京市場の午前中とかに出るのでしたら、まだ(見守る発言に対する耐性が最近出来ているので・・・)反応は「また見守るか」で5銭や10銭位の動きで済んでくれたかもしれないのですが、時間的にロンドンが思いっきりやっている時間で、何かネタを見つけてアタックしてやろうと手ぐすね引いて待っているガイジンどもに格好の燃料投下(しかも東京は夕方なので東京の取引は日中よりは多くないんでしょ)して円高ドル安攻撃ヒャッハー状態にするという辺り、マーケットの事わかっとるんかいなと甚だ情けないものを感じるのでありまする。

何も無いのならとりあえず黙っている方が良いのでありまして、わざわざ出張って特に何もありません発言するとかもうアホかと馬鹿かと申しますか、お前はわざわざ円高にする為に会見したのかと小一時間問い詰めたい所でございます。

ま、あたくし的にはこのグダグダ振りはアマチュアの皆さんが「政治主導」とやらで専門家であります所の官僚まる無視で無秩序無統制に動くもんだから、まあ平常時ならそれでも何とか回るものの、ちょっと情勢がややこしくなった場合に各人が無秩序無統制に動いた結果として結果的に木偶の坊状態になっておられると勝手に見立てておりますけど実際の所どうなんでしょというのは霞ヶ関の中の人に聞かないとわかりませんけどにゃ。


・・・いやね、これで例えば今日も明日も対策打たないで無為無策の振りをして、円高攻撃ヒャッハー状態にして投機筋の円ロングを散々ためさせて(その間に瞬間79円とか面白いことになって)おいてから怒涛の絶賛大介入に金融緩和をセットで打ち込んで投機筋大殲滅作戦とかをやるという大作戦の前振りであって、今はアホの振りをしているだけでしたとゆーのであればもう恐れ入りましたという所であたくしがお遍路に出掛けないといけませんが(^^)、どうも素でやっているのではないかと思われるのが如何なものかと・・・・・

つーかさ、こういう政府を持ってる国の通貨が何で安全資産への逃避で買われるという話になるのか(単にドルとユーロが暗黙の自国通貨安政策取っているのに乗っているだけだと思うのですが)という気は致しますなあ。よー判らん。

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2010/08/24

○一応市場雑感メモメモ

まあ雑感と言うほどの動きも無かったのですが、昨日のメモとしては・・・・

・10年309回債を親の敵のように売っている人がいるようなのですけれども(前場だけで業者間で1000億以上出合っていたみたい)何がど〜なっているのでしょ

・今日の20年国債入札はまあ何とかなるのでしょうが、明後日の2年国債入札って0.11%って水準でマジでやるんですか入札分捌けるんですかと思うのですが

・短い所で言えばキャッシュの方は先週木曜とか金曜の前場辺りをピークにしてちょっとクールダウンしているのですが、OISとか金先とかが妙に元気で、金先の中心限月よりも先の方の取引が活発になってきたりしているのは何とした事ぞという気が

という所で、あまり考察は無いので箇条書きメモでお茶を濁すのでありました。つーかあたくしの疑問について教えてエロイ人!!

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2010/08/23

○金曜の最後は少しだけクールダウン(市場メモ)

金曜の市場ちゃんも朝から威勢良く5年70回台〜80回台が5糸強ビットとか思ってたらその内1毛強ビットになって銘柄によっては1毛5糸強テイクンとかしやがるし、2年は堂々の0.11%ビットとかになり、5年カレントは1毛5糸強テイクンで90回債は貫禄の0.25%割れなどとゆー事で、短期ゾーンの暗黒相場状態が続いていたのですな。何か金曜も金曜で臨時決定会合のデマを性懲りも無く為替方面から流れていたりしてたみたいですし、何だかねという所でございました。

ところが、引けに掛けてはやや相場が冷静になったのか、それとも内閣府からの報告が出た後の経済関係閣僚会議後だかに仙石さんが「首相と総裁の会談がいつかわからない」というような発言をしておりまして・・・・・

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aZKdyrqjzrqA
仙谷氏:首相と日銀総裁、いつ会うか知らない、意思は疎通(Update2)

臨戦態勢大会もいつまでもやってる訳にもいかんのか、引けに掛けては3か月が0.11%がヒットしたり(ビット残りですが)1年が0.105%ヒットしてみたり、2年は0.11%ビットだったのがオファーサイドになってみたりと多少冷静というかお祭りモードが緩和されましたなという所のようでござんすな。

と思ったらこんなニュースも金曜の深夜に出ていたのですな。これはこれは。

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_date4&k=2010082000921
菅首相と白川総裁、会談先送りの方向=電話協議案浮上、日銀の独立性考慮

まあ今日も今日とて為替市場ちゃんあたりは盛り上がるのでしょうが、そもそも経済対策の中身がある程度固まらないのに日銀が先走って緩和カード出してもしょーがないでしょという話は昨日書いたとおりですが、モーサテではさすがは日経クオリティと言うところで、「前回も会談前に緩和したから今回も」とか臆面も無く報道する短絡振りに呆れるとしか申し上げようが無いですなあ。

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2010/08/20

お題「追加緩和ネタで昨日もバタバタでしたなあ」

読み物ネタは溜まっているものの、こーゆー面白相場はやはり備忘メモを残しておくべきものと存じまして(^^)、そもそもが俺様備忘メモであります所の当駄文は毎日相場後追い話ばかりになるのでありました。どうもサーセン。

○臨時会合のデマが流れたそうで

昨日は朝刊で産経新聞が微妙なテイストの記事を出していた訳ですが。
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100819/fnc1008190131000-n1.htm
日銀、資金供給拡大へ 10兆円増視野 円安誘導図る
2010.8.19 01:30

『円高・株安に対応するため政府が20日の経済関係閣僚会議から検討に入る追加経済対策と並行して、日銀も追加の金融緩和策の検討に着手することが18日、分かった。企業の資金調達を後押しし、景気下支え効果が期待される「新型オペレーション」(新型オペ)の拡充が有力視されている。来週に予定される菅直人首相と白川方明日銀総裁との会談前に「臨時の金融政策決定会合で決めるのではないか」との声も出ている。』(上記URLより)

でまあこの記事に関しては「何かリークのような記事っぽく書いているけどただの観測記事じゃろ」と華麗にスルー(お友達から来た「産経にこんなのあるけどどうよ」という質問に対しては「産経は願望記事が多いからねえ」と回答していたのはここだけの話^^)しておりましたが、市場ちゃんの方は前場引けに掛けて債券先物が急伸(と言うほどでもないか)して堂々の143円台乗せとなりました。

これはどうした事ぞと思ったら何と為替市場方面から「本日14時から臨時金融政策決定会合が実施される」というデマが流れていたようで、それを受けて債券先物とかユーロ円金先とかも反応したのですが、当然ながら昼休みタイムになっても臨時会合実施のアナウンスは無く、後場寄り付きの債券先物は前場引けから10銭近く落ちてスタートしたのがチャーミング。

とは言ってもユーロ円金先や短期ゾーンの現物債は強いままだったのですが、この辺のインプリケーション(またの名を後付講釈)は後ほど。


○前回は会談前に臨時会合があったから今回あるとか発想が安易過ぎ

とはいえ債券市場ちゃん的には「前回10年国債入札日の前場引け後に臨時会合アナウンスをして苦情出まくりだったので、そもそも流動性供給入札のある木曜に臨時会合はねえだろ」という意見は多かったので、「為替方面から金融政策ネタのルーマーが出るときはガセ率高し」の法則が炸裂しましたねえとあまり大騒ぎにはならなかったみたいですな。

でですね、あたくしの視点から致しますと、先日来申し上げておりますように、今回日銀が何かするとなれば「政府の経済対策とのタイアップでの金融緩和(目くらましも含む)」という形での実行になる筈(そもそもその方が効果が大きい訳で、少ないカードを有効に切る為には政府とのタイアップが不可欠でしょ)であります。然るに政府のスケジュールはと申しますと、本日に内閣府が菅首相に現状分析の説明をする(ので関係閣僚会議とかやるんですよね)という段取りであって、いやまあ今日の時点でそれなりの経済対策の内容がきっちりと固まるというのであれば、そらまあ首相と日銀総裁の会談前に臨時会合実施してという話もあるとは思いますが、政府の方がそこまでの準備が出来ているとは思えない状況で日銀だけ先行してカードを切っても、政府のほうがああでもないこうでもないと言って結局何もやらなかったら玉の無駄打ちにも程がある状態になりますよね。

という事を勘案すると、普通に考えると昨日どころか今日の臨時会合というのも無いでしょという発想になるのが順当だと思う(などと書いているのを真に受けて投資判断するのは自己判断でお願いします、といきなりヘッジクローズ^^)訳で、まあ今日どの位その辺りの話が固まるか次第でしょと思われます。

それとですね、前回の場合は一応「ドバイショック」(良く考えるとあの時は大騒ぎだったのだが今にしてみたら何だったんでしょうねえ)というものがございまして、市場が急速にアヒャヒャヒャヒャ状態になったので、何はともあれ先にやりますか(そもそもその前の「決定会合終了日にいきなり何の対策も用意せずデフレ宣言」という前代未聞のアホウプレイを実施した菅さんが段取りも何も考えていない動きなのだが)という事になったちゅう面もありますが、今回そこまで緊急に動く必要があるんかいなという状況でもあろうかと思う訳でして(モーサテの報道見てると政府の経済対策は来月上旬メド、公共放送は今月中をメドとしてますね)、まあ為替市場が何か妙に期待しているのですが、もうちょっとその「スケジュール感」とかを考えて頂きたいものだと思うのであります。つーか金融政策に絡むネタになると為替市場の人達ってどうして毎度毎度短絡的というか不勉強にも程がある発想と期待をして、それが外れたからと言って日銀が悪いだのFRBが悪いだの逆切れするのでしょうかといつも疑問に思うのでありますが・・・・・


○まあそれはそれとして短期ゾーンは前日よりも織込度合いが超高まりました

で、市場メモになりますけれども、昨日も短期方面はしっかり金利が低下しやがりまして、一応引値はもうちょっと穏当にしているようですが、出合いベースだと3か月TBが0.10%だの1年が0.10%だの2年が0.11%だの3年が0.12%だのお洒落にも程がある展開。いやまあさすがに0.10%はオファーサイドなんですけど、全くもって盛り上がるにも程がある状態。

また、超足元でありますGCレートは上昇し、一方で前日は9月1日までの資金供給オペの足切りが0.11%だったのに対して、昨日は9月6日までの資金供給オペが平均0.102%まで低下するという事で、ショートファンディングに傾けて臨戦態勢になっていますなあという流れになっております。

ま、今日明日に何か無かったとしても、政府の経済対策に合わせて日銀が何か緩和(目くらましを含む)を実施するというのがコンセンサス化しているとゆー所かとは思いますが、多くの人が予想していると思われる新型オペの拡充となった場合に、GCや短国のレートなどが0.10%ギリギリに張り付く(ただし0.10%だったら日銀当座預金に放り込んだ方が手間隙掛からない分有利なのでそこまでは普通は下がらない)という形になるんでしょうなあとゆーところで。これで米国のGSEみたいな人がいるとレートがより低下する可能性はありますが、日本の場合は日銀当座預金取引先じゃない人の資金だけで現在発行されている短期国債やGCの資金ニーズを全部吸収することは出来ないので、まあそこまでの低下はよーせんじゃろと思うので、まあ3か月とかが10/105とかになるのはまあ順当ちゃあ順当ですが、オペ拡大を先取りした感はありますわな。

また、ユーロ円金先も昨日は結構反応してまして、中心限月とかも低下していましたが、昨日は朝から当限(9月限)が前日比2毛分上昇してたりとこちらも織込み度合いが上がりましたなあという感じですので、まあ債券市場は上がった後下がったりしてましたけれども、その一方で短期市場ちゃんの方は織込みというか臨戦態勢になってますなあという所かと存じます。

まあ今回に関しては臨戦態勢解除してもそんなに反動はなさそう(次の会合に向けての期待は残るし、まあ今回利下げをすれば話は別ですが、利下げしなかったら打ち止め感は出ないのですからね)ですので、そらまあ臨戦態勢を組むわなという所かと存じますです、はい。



○しかしまあ今回は(も)何だかなあ感の強い展開でありまして

えーっとですな、前回の「対策も打たないでデフレ宣言をしてケツ拭きを日銀にやらせる」というお洒落にも程がある展開にも相当呆然とした訳ですが、今回の動きにしたって、わざわざ無意味に財務大臣の緊急会見やったり、日銀総裁に総裁談話を出させてみたり、首相と日銀総裁の会談をセットしてみたりと、当局の方がドタバタして勝手に市場の期待を煽るという珍しい展開になっているようにしか見えません。

市場というまあ自分勝手に自己実現する代物を相手にする場合っていうのは、こっちがドタバタすればするほど市場の方がそれに反応してドタバタとやり、ドンドン勝手に期待を膨らませて自己実現状態になってしまい、相手を追い込んで逝くという事になる訳ですな。事前に鉦や太鼓でああでもないこうでもないと打ち鳴らすとその音に対して皆が踊ってしまい、時間が経つと皆さん踊り疲れてしまいますので、まあこういう時には黙ってスパッと手を打つのが正しい姿であって、それこそ会談だってこっそり実施したって別に問題ないと思うのですよね。全く何だかなあという感じです。

まだ慣れていないから仕方ないではないかとか言う言い訳が許されるのは義務教育まででありまして、いい加減に民主党政権の皆様に置かれましてはプロとして当然行うべき事を行っていただきたいものだと存じます。

ま、日銀も追加緩和(目くらましを含む)をするのは良いのですが、そこまで散々っぱら白川総裁が景気に対して強め(まあそんなに強い訳ではないが、市場の見方や株価動向などを勘案すると市場平均よりも強めの印象は与えるわな)の話を連発している中で(GDPという要因が出たので言い訳はまあ出来るとは思いますが)急に緩和が来たのでという動きになるっちゅうのも毎度の様式美の世界ではありますが、もうちょっと総裁様におかれましては見せ方を工夫していただきたいものだと存じます次第。今回だって「総裁が原則論を唱える」→「政治から差し込まれる」→「あっさり陥落」という様式美の印象を与えかねない(まあ今回はそこまでの差し込まれ感は無いけど、ある意味市場に差し込まれたようなもんですからねえ)訳でして、こういう不透明な状況が続くのですからもうちょっと狸成分を入れたほうが宜しいのではないかと愚考するところでございまする。


○その他政治日程に関する雑談等

まあスケジュール感とか読み筋とかは何となく想定するものはありますが、細かい読み筋の話は華麗にスルー致しましての雑談ですが。

えーっとですな、10月は決定会合が2回ある関係上、9月の決定会合って9月の前半に実施されるのですよね。6日〜7日に実施される訳ですけれども、民主党の代表選挙が9月14日に実施と言うことで、折角日銀が政府とタイアップして何か決定をしたとしても14日になるとカウンターパートがお遍路先生からお縄先生に替わっているというリスクがあるのがオソロシス。

まーなんちゅうか間が悪いとしか申し上げようが無いのですが(−−)、政府の経済対策を早いところ出して、菅さんが飛んでも次の内閣にちゃんと申し送りしてもらわないと困りますなあという感じが致しますが、微妙なこの間の悪さに様式美というものを感じるところです。


あとですね、ふと思ったのですが、お縄先生がミンス党代表選挙に出られるというお話になっているようでございますが、そもそもミンス党の支持率が下がったのって小鳩体制のせいだったと思う訳で、お遍路先生のトンチキ発言の影響もあったとは思いますが、基本的にはケツ拭き担当であの負けで済んだと評価されても良いような気がするんですが・・・・

しかし、何かお縄先生がマジで代表になると、いきなり発足時の最低支持率更新とかしそうでそれはそれで面白そうですし、何か昔に戻って超越財政支出とかばら撒きとか再開しそうですし、そうなったら(長い目で見たら碌でもない話で大変にマズーではありますが)目先だけに関してはそれこそ長期金利上昇、円安になって株も戻るんじゃネーノという気が最近するようになっておりまして、最早ヤケクソの世界になっているような気がしますが(^^)、いっその事お縄先生の内閣総理大臣姿というのも見てみたくなってきました。

その上リアルお縄先生にでもなったら日本売りとなりまして円安進行でめでたしめでたし(多分ものすごく間違っていると思う^^)。

#最後のほうで一部暴言らしきものがあったことを深く陳謝致しますが賠償は致しません(^^)

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2010/08/19

イブニングで10年309回が0.900%という債券市場だけ祭りですから。

○短期ゾーンが注目されておりましたな

昨日の債券市場ですが、まあ朝から短いゾーン強くて2年ゾーンの一部の銘柄が5糸強(0.120%水準)が出合ってみたりしていたのですけれども、輪番オペの残存1年未満の結果が平均1毛強の足切り3毛9糸強という結果(なので普通に0.10%割れの出来上がりで日銀様お買い上げの図)になりましてあららの結果。

いやまあ前場は6年が強いですなあとか20年が昨日と打って変わって弱めですなあというような話もあったのですが、輪番結果ですっかり短いところが話題でございますわよ奥様というような状態になって参りまして(というのはだいぶオーバーですので念の為^^)、その後日本円TIBOR3か月物は3行(中央三井信託、りそな、商工中金)が提示レートを0.38→0.37に下げたのでレートは低下するわ、3か月TB入札は0.1103%/0.1123%の結果だったのですが、足切りの按分比率が0.0823%という超ウルトラ極薄按分でこれまた堅調。

てな訳で、まあその雰囲気が続き2年辺りから前の現物債はオファーが出てこなくなって何だか知らんが急に利下げを見に行くような雰囲気を醸し出して参りまして「さあ盛り上がって参りました!」というような状況で、2年ゾーンの一部銘柄では0.115%とか最早訳判らんレートが出合い(えーっとちなみに昨日のGCは0.115%レベルでしたので、瞬間的な話だがGCとレート水準が変わらんのよ)となる始末で、もう何か素晴らしい盛り上がりっぷりでございましたな。


まあプライスアクションを見れば「追加緩和に対する思惑が盛り上がり」という話になってしまいますので、金融政策ネタの大好きなガイジンさんがイブニングセッションで債券をえっさえっさと買い上げたようでございまして(^^)、イブニングセッションの終値(東京18時)は143円03銭と東証引けから15銭上昇して、10年309回もBB引けの0.915%から1毛5糸買われたのですかな、いやはやなんとも。


○でも金先は上がらないのですよね〜

とまあその辺のプライスアクションだけ見ると利下げまで織り込みに逝くような楽しい相場展開なのですが、じゃあ本当に短期市場が利下げを先取りしに逝っているのかと申しますとこれがまた微妙。

つまりですな、ユーロ円金先ちゃんですけど、MAR11は日中では99.710と99.715の辺りにいた(記憶ベース)と思うのですが、これって別にここもとの水準から大きく上昇している訳でもなく、まあ確かにレベル的には0.30%割れていますから全く織り込んでいるわけでも無いですが、利下げ先取りワッショイなのであれば金先がもっと盛り上がる筈で、売買そこそこ伴いながらも金先がろくすっぽ上昇しないのは「まあそうは言っても利下げ先取りまではねえ」とゆー感じじゃないかと。ターム物の資金供給オペの落札レートだって0.11%でしたしね。

#大手銀行が利下げ先取りで盛り上がったらもっと楽しいことになりますから

じゃあ何で短い所ってこんなに強いのよという事に関してはまあ正直あたくしも知らんがなという所ですが、元々物理的にショートは振りにくい(このゾーンの現物はカレント近辺以外売買規模に対して流通玉が少ないと思われます)というのもありますけど、それよりもリスクリターンの関係で、例えば1年の0.115%って下手したらGC並とかの水準ですけれども、これを叩いて何ぼ儲かりますかという事を考えると、どう見たって1年以内に利上げなんて無いとしか思えないのですから金利上がって0.13%〜0.14%程度なのに対し、間違って5bpとか利下げされたらモロに持ち上げられてしまいますのでよー売れませんなという所でしょうか。

いやまあロングが叩きに行けばいいじゃんという意見もあるとは思いますが、短い所だけで見ればほかに買うものも無いですし、まあもっと下らぬサラリーマン的な事を言えば、間違って利下げでもあった日には「利下げ観測があるのに何でその前に売ったんじゃボケ」と後付で好き放題言われた場合にまあマズーだったりする訳でして(^^)、中々こう思い切って売るのもねえという残念な事情もあるかなあというところでしょうか、よー知らんが(^^)。

とまあそういう訳で、本気で金利が下がるような追加緩和があるというのまで織り込みは実はしてないでしょというのが冷静な話になると思いますし、この次に書きますけれども、月曜の菅さんと白川さんの会談に何か「お土産」があるのかという所を考えた場合に、政府の対応がどうもそこまで行ってなさそうな状況で日銀だけノコノコお土産を出しても無駄に消費されるだけの話ではございますからして、まあ来週の会談にぶつけて何かっていうのはどうなんでしょうかねえと思うのであります、というのが何となく平均的な見方になっているからこそ金先とかの辺りが別に大盛り上がりしない(金先は夜間取引ではMAR11で99.720位だったかなあ)という所なのではないでしょうか。



○ところで月曜って何をするんだろう・・・・・

火曜日に「会談実施」のニュースが出たので昨日はあたくし「常識的に考えれば手ぶらで何もなしってえ事はないでしょうけれども、何せ民主党は普通じゃないですから」などと書いたと思いますが、何か月曜の会談がマジでお洒落なことになるのではないかという楽しい悪寒が。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=ayfhPuiTEgVk
荒井戦略相:内閣府による現状分析を20日に首相に報告へ(Update1)

・・・・えーっと、現状分析を20日に報告して23日までに本格的な対策が出るとは1ミリも思えないのですけれども。

と思ったら菅さんもこういう話になっているのね。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=a20blrvexjgg
菅首相、円高対応で追加経済対策に前向きな考え示す−共同通信

前向きな考え示すですかそうですか。うーむ・・・・・

とまあそういう事で、政府が来週の会談に向けて何かスケジュール感を持ってここぞという対策をぶつけてくる訳でもなさそうですし、まあそもそもうっかりすると9月に飛ぶ可能性もある内閣がそんなに根性の入った対策打てる訳でもないでしょうとかゆー話になりますと、やはり民主党クオリティ恐るべしという所に落ち着く悪寒も漂ってくる次第。

#なのでこの際円高対策に暗黒舞踊ということで(^^)

まあ足元為替がぶっ飛んでいる訳でもないですし、株価も何気に平均株価9000円手前で持ちこたえてますし、そんなに底抜け脱線ゲームっぽい感じも無い(とか書いて変な死亡フラグを立てるのは望ましくありませんが^^)所であわてて何か出さなくてもという所なのかもしれませんが、それならそもそも無駄に会談セットしたり財務大臣が緊急会見してみたり総裁談話を出してみたりとかして雰囲気だけ盛り上げてどうするんじゃいなという所でもありまして、何かこうチグハグ感が。


ま、米国が追加緩和しちゃうと先にこっちが金利系で何かやっても吹っ飛ばされてしまいますから、米国の追加緩和の打ち止め感が出るか、それこそまた出口戦略モードになってくれないと(何せ米国金利の低下がドル円相場のネタなもんで)弾の無駄打ちになってしまうというのもありますから、政府が余程腰をすえて根性の入った施策を打ち込まない限りは日銀も中々カードを切りにくい(現実問題として切るカードが少ないですからねえ)ですわなという所でしょう。

#ただまあ追加緩和がなくても観測は残るでしょう

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2010/08/18

市場雑談クリップクリップ。

○そう言えばTIBORが低下している件

意図的ではなくうっかり昨日書き忘れたのですが、TIBORちゃんが今週に入ってから久々に低下をしておりまして、一部の好事家の間でネタになっております(^^)。

日本円TIBORの方でお話をしますと3か月の金利がご覧の通りで(http://www.zenginkyo.or.jp/tibor/rate/entryitems/JAPANESEYENTIBOR.pdf)、今週になってから0.38%割れとなって金利低下。リファレンス銀行の提示レートを見ますと、月曜にみずほCBがそれまでの0.38%から0.37%に提示レートを下げて、昨日は三井住友銀行が同様に0.38%から0.37%に提示レートを下げましたとな。

まあだからどうしたと言われると困りますが(^^)、足元の外部環境などから「まあ下げましょか」という事になったのでしょうかねえという程度ですが、まあよく考えたら毎月月初にちょっとずつTIBORって低下してたので、その定例イベント(?)が2週間遅れて来ただけのような気もせんでもないですな。ま、提示レートの世界なので結局はレートを出している人たちの所に行って聞かないとよー判りませんがね(^^)。

TIBORが何となく低下ということもありますし、まあ日銀総裁と首相の会談がどうのこうのという話が出たり、経済対策がどうのこうのという話が出ていますので、まあ普通に何らかの追加緩和に対する期待が出てくるのが普通でして、その辺の合わせ技でユーロ円金先はちょっと堅調なのですが、よー上がりきらんというのも不完全燃焼っぽいですな。

ところで話はワープしますが、全銀協のサイトのTIBORのページって・・・
http://www.zenginkyo.or.jp/tibor/

『全国銀行協会では、日本の短期金融市場の整備・活性化に資するため、無担保コール市場の実勢を反映した「日本円TIBOR」と本邦オフショア市場の実勢を反映した「ユーロ円TIBOR」を毎営業日公表しています。』(上記URLより)

へー、TIBORって無担保コールのターム物市場の実勢なんですか(棒読み)。



○短い所の金利が益々低下というかフラットしている件

昨日は1年TBの入札が実施されました。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul220817.htm

(3)募入最低価格 99円88銭0厘
(募入最高利回り) (0.1194%)

(5)募入平均価格 99円88銭1厘
(募入平均利回り )(0.1184%)

・・・・・・orz

ということで、めでたく1年のTBまで0.12%割れとなってしまいまして、結果発表後も平均落札レベルは貫禄のビットサイド(なので日本相互証券の引けの0.120%というのは実力より甘いと思われる)で0.115%も出合う(さすがにオファーサイドのようですが)という大変に素敵な展開に。まあ実力ベースで1年の0.12%ってビットサイドじゃないのってえ感じの展開が足元の追加緩和ネタ祭り以来続いていましたが、入札でこうあからさまに出てきますと中々素敵な状態でございまする。

何せ足元GCが0.105-0.11%とかで時々0.11-0.115%とかになるという状態な訳でして、それに対して1年TBが0.115%〜0.120%という水準にあるというのは、資金運用という面で言えば「1年間を固めるリスク」というのが殆ど乗っていないという状況ですが、そらまあ足元で追加緩和で金利が下がるリスクが無い訳ではないけど、足元が上がる雰囲気も皆無(オペは比較的多目ですし)なのですから、気分はヘッジの買いって所でしょうかねえ。

そんなこんなで短い一般債市場でもモノがだいぶ買われているようですし、2年国債は堂々の0.125%ということで(2年0.125%ちゅうのも冷静に考えるとおそロシアな水準ではありますが)、まーこの辺の水準はかつての量的緩和でベースレートが0.001%の時の数字を10bpシフトして考えるともう相当の水準になったですなあという所ですが、ターム物金利をフラットさせようとした場合ってベースの金利水準がある方が(下げ余地があるからなんですけど)フラットさせやすいですなあとふと思うあたくしなのでありました。

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2010/08/17

お題「市場雑感その他」

まあ米国2年債0.5%割れですかそうですか。もうちょっとで時間軸ほぼ織り込み状態ですなあ。

#米国の指標が悪くてドル売られましたという事ですが、日本の指標が悪くて円が売られないとは何ででちゅかね〜

○GDPがうんこで債券強いっす

ということでたまには市場備忘メモ。

えーっとですな、昨日はそもそも週末の米債が強かったので強くなりますわなあという感じでしたが、寄り前に発表になった2QのGDPの数値がうんこ(前期比実質年率0.4%(予想2.3%)で前期比名目年率▲0.9%(予想▲0.3%)(予想数値はブルームバーグから)という大変にお洒落な内容)だったことから今日も今日とて(金曜の取引終盤からそうだったのですが)10年が強くて相場が上昇でござるの巻となりまして、先物から10年がお強い相場のようでオソロシス。

結局引けは309回債で0.945%と単利では0.9%台前半ですし、20年119回債は1.590%と単利では1.60%割れるし、5年90回債は0.270%(89回債は0.285%)ともう何が何だかという素敵な水準になっておりまして、しばらく10年1%近辺でうだうだやっておったのですが、いきなり昨日は居場所を変えてしまったでござるの巻。まあここまでの動きって円高株安はあるけど、実体経済はそこまで悪かったでしたっけ?という中でのものだったのに対して、日本のGDP数値がうんこというあっちゃーな物を見せてくれてしまったので動くのはシャーナイナイとゆー所ではあります(が、世の中には地合いという物があって、「いやそうは言っても7−9は強くなるでしょ」などと適宜いちゃもんを付けてあんまり反応しないという変化もアリエールなのですが、今回はそーゆー地合いではなかったので素直に反応したのだ)。

まあ超短いところは今更動くと言いましても(先日も申し上げたように)2年が0.13%だわ1年が0.12%(本当はもうちょっと強そう)だわということで、まあ概ねGCが0.105%〜0.110%で安定推移(最近はあまりにもレートが低いのでGCの資金出し手が減ってきて存外GCが下がりきらないようですけどね)となっている中でもう期間プレミアムが殆ど乗らないという素晴らしいレート形成になっておりまして、スプレッド物のスプレッドも潰れっぱなしという状態が継続しているのでコメントのしようが無し。

なのですが、最近思うに資金供給をホイホイ実施している(昨日のオペ残39兆円とかだったと思うのだが)のにも係わらずコールレートが比較的下がらず、GCレートも0.105-0.11水準から下がりきらずという結果になっておりまして、単に金利が低くて金の出し手が出さなくなっており、大手銀行あたりが積極的に動かないからなのかなあとは思うのですが、この調子ですともうちょっとオペ残増やして当座預金残高を積み上げてもよさそうな気がするのは気のせいですかそうですか(^^)。

てな訳で単なる俺様備忘メモのコーナーでした。


○しかし閣内の反応がチグハグとか勘弁して欲しいのだが

昨日のGDPの結果を受けての発言を見て昨日はずっこけたわけですが。

ブルームバーグのヘッドラインより。

JBN 9:09 津村政務官:既に踊り場入りしているといえるかもしれない−GDP

というのは「うんうん」と頷いて見ておったのですが、その後に出たヘッドラインで見事に腰が砕けてしまいました。

JBN 9:23 荒井戦略相:景気が着実に持ち直していることを示した−GDP
JBN 9:25 荒井戦略相:設備投資の増加、景気の自律性の高まりかを検証へ
JBN 9:28 荒井戦略相:円高が自律的回復の障害になるかもう少し見る必要
JBN 9:30 荒井戦略相:踊り場の表現当たらない、そこまでは考えてない
JBN 9:31 荒井戦略相:日銀との連携作業が必要−円高で
JBN 9:33 荒井戦略相:早急にということにはならない−新たな経済対策
JBN 9:35 荒井戦略相:円高対策については日銀と議論している
JBN 9:37 荒井戦略相:近々とは聞いていない−日銀総裁と首相の会談

・・・・・orz

当然のことですが、この一連のヘッドラインの後ドル円が円高方向に振れたことは申し上げるまでもございませんが、なんちゅうかスカポンタンな印象を与えるヘッドラインでありまして、この国家戦略大臣は何をしに会見をしたのかと小一時間問い詰めたいわけですが、まあさすが事務所経費で(以下割愛)。

そういや話は大幅にワープしますが、民主党のデフレなんちゃら議連の松原仁さんが先日ああだこうだとまた提言しているみたいですが、おまえは武藤さんと伊藤さんの総裁および副総裁就任に対して反対票を投じておいて今更何をいうのだ(金子洋一さんは当時議員じゃないので無問題ですが^^)と小一時間問い詰めたい(というか、この議連って臆面もなくというか人間として何か欠落しているとしか思えないというか、勉強会に武藤さんを呼んだんですよね〜)のであって、議連はその件に関する総括をまず最初にしろと思うのですけどね。あと介入しろというならお前が米国に行って説明してこいやという感じですがね(ニヤニヤ)。

まあいずれにせよ困ったもんですわなあ。


○それはそれとして経済対策が出るようですが

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100816-00000108-jij-bus_all
政府、追加経済対策検討へ=円高、消費、雇用重点―財源1.7兆円、国債増発は慎重
8月16日21時0分配信 時事通信

あらそうですのオッホッホという感じで、荒井大臣の慧眼ぶりに目から何か水のようなものが出てくる今日この頃でございますが(−−)財源1.7兆円とはこれまたしょぼいというかこの地合いなんですからぜひ国債増発して頂きたいと思うのはレート低下で困っている市場の中の人的なポジショントークですけど(^^)まあそれは兎も角。

経済対策の規模にもよりますけれども、まあ何かこう気合の入った対策を打ってくれれば日銀が何か金融緩和(今更何を金融緩和するのかという論点はあるが、まあ効果はともあれ「緩和しましたよ」というなんちゃって緩和で宜しいのではないかと思料)するのも格好が付くというものでありまして、ここもとの日銀の金融緩和って基本的には麻生さんの頃から政府の景気対策とセットで実施というのが多かった(最近は政府があんまりろくな事しない中での実施というテイストが漂いますが)ので、そーゆー意味でもあんまり目先の付け焼刃的な対策ではないきちんとした経済対策の実施が求められますわな。

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2010/08/13

お題「今日は市場雑談で勘弁」

金融経済月報ネタは来週で勘弁してつかあせ。

○久々に為替市場でドタバタ

昨日は昼過ぎから為替に関するヘッドラインが色々と出て参りまして、そのヘッドラインで為替市場が動くもんだから債券市場ちゃんもそれを見ながらホイホイと動くとゆー展開になりまして、まあ久しぶりに介入だの何だのってな話で動いたでござるの巻でございましたわな。

ということで昨日のメモと雑感をば。

最初に出たのは多分このネタ。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aq2Kr.tb0KRI
玉木財務官:内外の金融情勢めぐり中曽日銀理事と会談

で、13時過ぎ位だったかな、まあドル円が妙にドル高方向に振れたので「これってレートチェックでも入ったんじゃネーノ」と言うような雑談をお友達としていた(本当)のですが、その後こんなニュースが。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=ayOt84scjPS8
日銀がドル・円相場のレートチェックをこの日行った−ロイター

おお、怒りのレートチェックキターーーーって感じで、まあ90年代後半の為替市場に散々振り回された年寄りのあたくし(と申しましてもプラザ合意とかは存じませんので所詮小僧ですかそうですか^^)としては懐かしい言葉ですなあとワクワクしておりましたら次はこんなものが。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aitPXQeSrkyg
野田財務相が今夕緊急会見、市場対応で−予定変更し登庁(Update1)

さあ盛り上がって参りました!と思ったら日銀からもこんなのが。

http://www.boj.or.jp/type/press/danwa/dan1008a.htm
総裁談話

『最近の金融資本市場の動きをみると、米国経済の先行き不透明感の高まりなどを背景に、為替市場や株式市場では、大きな変動がみられている。
 日本銀行としては、こうした動きやその国内経済に与える影響について、注意深くみていく。』

ちなみにこの総裁談話って一応「これは」という時にでるもんでして、過去の談話のインデックスを見ますとこの通りで、金融危機やら総会屋事件やらの時にやたら出てましたが、まあそんなに出るものでもないです。
http://www.boj.or.jp/type/press/danwa/index.htm

まあ為替に関しては(金融政策打てば別ですが)日銀は財務省のパシリとして動く実働部隊に過ぎないのでそんなに気合の入った事はいえないのかもしれませんが、もうちょっと気合入れても良かったのに〜とは思っておりましたが、まあ市場ちゃんは野田財務大臣の緊急会見待ちに。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aa4ZUruF0..Q
財務相:為替動向に重大な関心持ち見守る−介入は言及せず(Update1)

・・・・ヘッドラインが出た途端に86円ちょっと割れ水準だったドル円がいきなり85円台20銭近辺まで失速しやがりまして、なんちゅうかわざわざ緊急会見やって何も無いのかよおおおおおおおおおおお!!!!!というがっくり感満載の動きに全俺様が泣いたという所でございます。「断固たる措置を取る」とか言わないところが何だかなあというか、普通こういう会見とかやるんだったら何か介入だか何だかセットにならないと意味が無いと申しますか、単なる無策の露呈になるのでやらない方がマシというのが昔の常識だったと思うのですけれども。

#いやまあそうやって無策の振りをしてからいきなりぶつけるという高等戦術なのかも知れませんので最終的には判りませんけどね(^^)

総裁談話に関して中曾理事の会見もあったのですが。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aEW1U6nxLBwA
中曽日銀理事:政策判断変えてない−為替の総裁談話(Update1)

・・・・うーむ、微妙な内容で何かやる気があるのか無いのか良く判らん次第で、結局のところ何か政府日銀とも中途半端な感じがしますわな。


という流れだったのですが、まあ昨日の動きで一番衝撃というかどちらかと言えば爆笑の発作が起きたのは野田財務大臣の緊急会見を受けた為替市場の動きでございましたわな、という所で。



○しかし日銀の円高対応って言ってもねえ

たとえば代表的なのはこんなニュース。
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-16758120100812
日銀の危機管理能力に疑問の声、「量」拡大政策が選択肢に

金利市場やってるあたくし的には「今更円高対応で何かするとかいうよりもとっとと介入したら良いじゃん」と思いますし、まあ「日銀が今更円高対応で何かやるって言ったって碌なタマが無いのでは」というのが金利市場的な一般的な解釈ではないかと思うのですが、どうも金利市場以外の人たちは「日銀が追加緩和したらどうのこうの」という話をする傾向にありまして、まあ話をしてても温度差を感じるところでありまする。で、どう見ても世間的には金利市場の人たちの声のほうが少数派であることは間違いないので(涙)、少数派にいるのが好きなひねくれ者のあたくしが何となくその理由を説明してみる。

えーっとつまりですな、昨今の為替市場って毎度毎度某モーサテでの為替コメンテーターが抜かすように「2年債の金利差」だの「5年債の金利差」だの「LIBORの金利差」だのという話をネタにして動いている訳でして、日本のイールドカーブが米国対比で素敵に潰れている状態であって、米国が金利上昇しない限り死んでも日米金利差は開かないとゆー状況の中で日銀に何をせえちゅうねんという所ではないかと思うのですよね。それなのに「日銀何かやれ」と言われましても実際に金利が米国の金利下げペースに追いつくような下げをするのが無理(したら金利が物凄くマイナスになりますが^^)だと思うのですが、その辺を斟酌した話をしとるんかいなという気はする訳ですな。

とは言いましても、まあ米国があれだけ福井俊ちゃんスキームを発動して緩和しているような演技をしつつ追加緩和の可能性を見せると言う技を繰り出している中で、日銀におかれましては白川総裁が相変わらずサービス精神の無い雰囲気を出しているというのはちょっとねえという所でもありまして、結局相場なんて(最終的にはファンダメンタルズに収斂されるのでしょうけれども)雰囲気の世界で動くものでありますから、その雰囲気作りの為に芝居をするというのもこれまた大事じゃないかと思うのでありまして、ちょっと今の状況ではどうなのかなあというのはございますわな。

ただまあ福井の俊ちゃんスキームっていうのはありゃ中央銀行と政府のタイアップというか信頼感がちゃんと出来ていないと難しい物があると思うのですよね。つまり何か急に日銀が俊ちゃんスキームを発動している中で政府(というか民主党政権)が急に日和って梯子外しちゃったら屋上に持ち上げられて日銀置いてかれ状態になるというのがオソロシスになる訳でして、俊ちゃんスキームとか言って俊ちゃんがエライかのような言い方してますけど、あれは小泉首相さんなどの自民党政権とのきちんとしたタイアップが出来ていたからスキームがワークした訳でして、昨日のテイタラクの民主党政権相手に俊ちゃんスキームができるのかという問題もあると思いますので、まあ可及的速やかにまともな政権担当能力のある政権が出来ていただきたいというあたくしの毎度の主張になるのでございました(^^)。


まあ何かやるならあまり金利下げにならないけれども(というのは既にターム物金利が2年で0.13%(引けは135だけど出合いは13)という大変にお洒落な金利になっているので下がりようが無い)、ターム物金利を押し下げる効果がある(事になっている)固定金利オペの期間を6か月じゃセコイから思い切って1年に延長するとかでもしたらちったあ影響するんじゃないですかねえという所ですかな。



○ところで今回の積み期間では何気に資金供給量が多かった件について

さっきURL付けたロイター記事で「量の拡大がどうのこうの」とかまた何を言ってるんだこの通信社はという話をしていましたが、今回の積み期間に入って日銀の資金供給が厚めに推移してるんですよね。

積み最終が今日(本当は15日だけど営業日ベースで言えば実質的には今日が最終)になるのですが、いつものパターンだと足元ここまで準備預金残高の進捗も宜しいので、積み最終に向けて当座預金残高をそんなに積んでこないというのが流れで、今回に関しては13日に財政の大幅余剰(年金の定時払)があるので、そこで普通に資金供給オペが落ちるというのが想定されていた訳ですが、意外や意外にも13日スタートでのオペをきっちりと打ってきまして、今日は積み最終日の週末なのですが当座預金残高見込みは今の所18兆400億円と前日までの16兆円台からきっちりと積み上げて来ます。

また、オペの残高は(この積み期間は特に余剰地合いじゃないからというのもありますけれども)概ね34兆円近辺(途中で落ちた時も32兆円)で推移した後足元では36兆円近辺になっていまして、まあGCレートも0.105%〜0.11%というか殆ど0.105%で安定した状態で推移しています。

と言うことで、まあ調節に関してはGCレートを跳ねさせないような配慮をしたオペレーションになっているなあと思われるところでして、GCが跳ねたりすると短国の金利が下がりにくくなるとゆー事を勘案しますと、足元の調節に関しては短国の金利を上げにくくする→ターム物金利の上昇をしにくくする、という点に配慮しているんじゃないのかなあという気がします。まあ考え過ぎなのかも知れませんけど、金利差で為替がどうしたこうしたとか言われる昨今の為替市場にも気を使っているんじゃネーノという風に思えるのですが考えすぎでしょうかね(^^)。

#まあそのせいで3か月TBは0.11%カツカツだわ6か月TBは0.115%だわとなっておりまして短期市場やること無し子ちゃんになっているのですがorz

とまあそんな雑談でございましたとさ。

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2010/07/27

○市場雑感とかストレステスト雑感とか

・当座預金残高が妙に高水準を維持している件について

足元当座預金残高が18兆円水準で推移してますなあという話をこの前もしたと思うのですが、先週水曜にオペ見送りとかあって木曜から当座預金残高が17兆円台に減ったのですよ。ところが先週金曜から共通担保本店オペの実施がホイホイと入ってまして、今週になってからまた当座預金残高が18兆円台になっています。

ところが不思議ちゃんなのは、当座預金残高が18兆円台とかで足元推移する中でコールの加重平均が0.09%台から下がらない事でして、いつものパターンですと積み前半とは言え、このペースで当座預金残高が推移しているとコールの加重平均が0.08%台になってもおかしくはないのですが、足元では先週水曜はコールが下がって0.090%の加重平均まで落ちたのですが、その後上昇気味という流れに。

一方でGCはオペ残が34兆円近辺で推移している事もあって、業者のニーズがオペでカバーできている事から業者でも足元がビットサイド(資金の出しね)になる向きもあり(つま資金繰りの安定性確保の観点からオペでタームの調達を行って足元を調整する中で、足元の資金が余るという形ですな)、こちらは0.105%近辺での推移ということで、一頃と比べてGCとコールのスプレッドが縮小している感じですわな。

つーことで、何を言いたいかと突っ込まれますと困るのですけれども(汗)、足元でコールレートが妙に確りしている感じがするのでして(と言っても0.09%台ですけれども)、オペ残および当座預金残高が多く、GCは落ち着く中でコールが妙に下がらないというのは今までの流れと違う(従来だと先にコールがだだ下がりになるのが仕様)のですよね。

恐らく、足元でコールレートがあまり下がらないから当座預金残高やオペ残を高めに維持できているという所なのでしょうけれども、あたくし的にはコールが足元の供給に対してサガランチ会長になっている所が気になる所でして、インターバンクでの資金偏在状況に変化が生じていてコールが下がり難くなっているのではないかという想像(または妄想)をしだしている所なのですよね。と、判ったような判らんような妙に婉曲的な書き方をしていますが、まあ判る人に判ってもらえればという事で(判らなかったら身近にいる短期市場関係者に聞いて味噌^^)。


・ストレステスト雑感

ほほう欧州市場も株高とな。

何か欧州市場での取引序盤では何となく株高で何となく債券がちょっと売られ程度のようでしたが、米国様の株高(それは米国要因)に対して反応してなお株高になったようでめでたしめでたし。

こーゆーのは昨日書けと言われそうですが(汗)、ちょっと週末はストレステストの事をどうこうやってる余裕が無かったのと、ついでに正直良く判らなくて人様のレポートでも沢山読んでやるかという安直攻撃になりましたので後付け雑感で(苦笑)。

えーっとですな、ストレステストに関してはまあどうせ予定調和の茶番劇になるというのはもうお約束みたいなもんで、米国のストレステストの時だって前提となる失業率の数字を見て(8.9%ですよ)爆笑の発作を禁じえなかった(ストレステストの結果を出した翌日の米国雇用統計で失業率がいきなり8.9%になった時には腹筋が崩壊しそうに^^)のですが、「とりあえず資本不足(でシステミックリスクになるような)先には資本突っ込むし、資金繰りの面倒も見るんじゃ」と当局がやる気満々の姿勢を出して、追加公的資本投入の姿勢を打ち出したのが好感されましたというお話ですわな、何回か書いてますけど。

ですからまあユーロ圏の場合は、このストレステスト結果を踏まえまして米国様のように「当局様の張ったセーフティーネットに文句あるかゴルア」という風になるかどうか、というのをこれから市場がウリウリと突いた場合に足並みが乱れないかというのが焦点でしょ、というごく当たり前の結論になる訳です。

でもって、まあ今回の結果を見ますと(そもそもスペインの不動産価格の下落を厳し目に見ているせいでもあると思うのですが)スペインの貯蓄金融機関をクローズアップしていまして、まあスペイン当局頑張れやという感じになっていますわな。で、そのスペイン当局は貯蓄銀行の経営問題に関して以前から問題視している(以前ちょっと紹介しましたが、スペイン中銀が出している「金融システムレポート」みたいなものでも貯蓄金融機関の問題をああだこうだと書いてありました)ので、そーゆー意味では既に着手済みの話でして、まあ流れとしては美しくも解決に向かった流れも出来てますねという所ですわな。

んな訳で目先は当局の姿勢を試すったってどう試しに行くのかもよく判らんですけれども、基本的に今回の流れを見ると、欧州当局の意識と してはスペインがマジノ線みたいなもんで、スペインさえコケなければあとは塹壕戦に持ち込めるという感じ(例えが無茶ですいません)で見てるのかなあって思います。まあマジノ線を守って安心してたらアルデンヌの森を突破されて後ろに回られたという事にならないようにお願いしたいものでありまする(益々不謹慎ですかそうですか)。

たぶん現状の「スペイン防衛」は問題にならなさそうですけれども、思わぬところでまた変な火の手が上がった場合に、当局が火消しする気が満々でもまた政治的に「何で救済をせにゃならんのよ」的な話が出てきて立ち往生という前と同じパターンになるのがリスク、というところでしょうか。

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2010/07/22

○当座預金残高が多いと思ったらオペ無しとな(市場メモ)

国債買現先をスキップして共通担保オペへのシフトをしていますなあという話をしておりましたが(本来的に言えば共通担保オペに資金供給を1本化するのが平常の金融調節としては一番美しい姿だと思うので、この流れに関しては禿げあがるほど同意です)、当座預金残高18兆円ペースとなっている影響がやっとコールに出てきて昨日はコールの加重平均は0.090%になるわ、コール取引の最低金利が6bpに下がるわ(ここの所7.5bp近辺というのが多かった)とじゃぶじゃぶ感が出てきたというのが背景だと思いますが、昨日は資金供給オペが全くないという久々の動きに。

まー何か先週あたりから妙に資金供給が多目で、何か意図でもあるんじゃないかってゆーよーな思惑というか想像もしたくなるような感じでしたが、基本的に金融調節でシグナリングというのはやらないという事になっていますし、そもそも当座預金残高をこっそり(でもないけど)積み上げて何となくじゃぶじゃぶ感を出すのに意図がもしあるのであれば、もっと判り易いオペの打ち方をする(例えば即日オペをこれ見よがしに打ち込むとかするでしょ)と思うので、単純にテクニカルな話だとは思うのですけれども、まあ細かく考えると国債買現先停止で何か変な事言われても困るから、そのタイミングでGCレートが上がったりして短国レートが上昇するのを抑制しようとか思ったんですかねえ、よー知らんが。

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2010/07/21

○市場メモ

・当座預金残高が妙に高水準な件について

金曜に国債買現先オペがスキップされて月曜にも国債買現先は予定通りにスキップとなりましたが、別にまあ市場のリズムに変化が起きた訳でもなく(良く考えたら定例行事とは言え4000億円ぽっちですもんね^^)普通に市場様は推移していた訳ですが、ここもと足元の当座預金残高が18兆円ペースで推移していて妙に高水準。

まあコールは9bp水準で暫く前の8bpレベルよりは高かったりするのでこれまた不思議ちゃんなのですが(もしかして少しコール方面の需給構造(というかポジション構成というか)に変化が起きているのかもしれないなあという気もするのですけれども、まあオペがやや多目に推移していることからGCレートは低下傾向で0.105%とか低水準モードに。

てな訳で、今回の積み期間に入って妙に供給が多い気がするのですけれども、別に何か政策的な意図とかは無いとは思いますが、若干パターンが違うのは何でじゃろうなあという所です。

#まあ今月から来月前半は不足地合いだからオペは打ちやすいのですけれども、積み前半で豪快に準備預金進捗させて後半はどうするんじゃろ


・金先が妙に強い件について

正直金先はあたくしよく知らんのですが、何か昨日はユーロ円金先の11年3月限が朝から0.30%を堂々割って0.29%(呼び値は99.710)とかになっていましたな。その後為替が戻ったりしたのを見たのかどうか知りませんが99.705とかになっていましたけれども、0.30%割れ水準とか中々お洒落な展開。

まー金先ちゃんが妙に強いのは昨日に始まった話では無くて、ちょうど先週のFOMC議事要旨が出たあたりから強くなっているので、米国の金利低下から為替がドル安に振れて、そのドル安をネタに金先を買っているのですかねえという感じですけれども(そういや2年とか1年とかの現物国債も足元強いのですが)、正直良く判らないので誰か教えてエロい人とゆー所です。


と、市場といいつつ短い所の話しかしていません(CPの話を最近すっかりしてないように見えるのは、暗黒阿片窟状態なので避けているからです^^)が気にしないように。

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2010/07/20

○その前に市場メモ

・国債買現先がスキップされた件について

金曜日は国債買現先オペがスキップ。1週間物が4000億円(なので合計5本で計2兆円)回っていたのですが、金曜にスキップしたということは今日以降もスキップと言う事になるのでしょう。先週後半から積み最終に向けて妙に共通担保オペの量が多くて、足元当座預金残高を削ってこないなあとは思っていたのですが、国債買現先を減らす分共通担保オペに振る前提だったのかと考えると極めて納得。

で、それに何か意図があるかと言うと多分政策的な意図はなくて、テクニカルな問題だと思います。つまり、固定金利オペ20兆円攻撃によって、足元の資金需給に対応したより短い期間のオペの打ち余地が少なくなっているというのは何回か書いたと思いますけれども、例えば今月はオペ残(買入系を除く)のボトムが27兆円程度となっていまして、固定金利を除いたオペ残高が7兆円とかまで低下する場面があった訳ですな。

その7兆円のうちの2兆円を1回4000億円の1週間の国債買現先というので硬直的に潰してしまうと残りが5兆円しかなくて、オペがかなり窮屈になるので、とりあえずその2兆円を削って(1回4000億円のオペだとそもそも大手業者が1日に調達するGCの量から考えて少ない、小額のオペよりはややロットの大きいオペを打った方が一度に取れる資金が増えるので資金繰り上はやりやすい)共通担保で資金のエンドを柔軟に設定しながら供給しようってえ事なのでしょうな。

まあレポレート自体がそんなに跳ね無くなったので国債買現先をウィーク物で5本転がしておく必要が無いという事ですが、まあこの国債買現先スキップの影響としては、朝いちのタイミングで入るオペが無くなる事によって(これが無いと買入系以外の資金供給オペは午後1時のオファーになる)前場のリズムがずれて後場にちょっとバタバタになる(朝のオペ結果を見てGCのレートをどうしましょというのが無くなるから)のかなあとか勝手に妄想したのですが、さて実際はどうだったんでしょうかね(^^)。

#他に市場メモネタがあったような気がするが忘れたので華麗にスルー

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2010/07/13

○しかしブルフラットとは恐れ入りました(市場雑感)

で、昨日の相場ですが、早速何か反応するかと思ったら斜め上の結果となった事を受けたせいなのかどうか知りませんが株も債券も小動きのスタートで超拍子抜けというか、朝にああでもないこうでもないと書いたあたくしとしては間抜け感漂う悲しい展開。政治は関係ないんですかそうですかといじけておりましたが・・・・・

前場は途中から円安になったから株高に振れたみたいでしたが、そんな中で何となく超長期とかが確りしながら何となくフラットニングしつつ小確り。輪番オペで超長期対象があったけれども、結果はそんなに強くはなく(弱くもないですが)まあ普通程度のぱっとしない物。

とか何とか思ってたら後場途中から超長期がやたらめったら強くなって終わってみれば見事にブルフラットという展開。何でそんなに強くなるんじゃという動きでビックリですが、まあそれを言い出すと先週の30年入札前後のスティープも大概に動きが派手でしたので、その戻しっちゃあ戻しなのかもしれませんけれども・・・・・

それにしても先週の場合は30年国債の新規発行というネタがあった訳でして、超長期の需給に変化が起きたという材料があるのですが、昨日の場合は一応選挙結果と言うものはあったにせよ、何もブルフラットする材料かいな(日銀に緩和圧力が掛かるとかはあるけど、財政再建路線の後退とか政治決定プロセスが弱体化とかだとスティープに反応しても良さそうなもんだが・・・・)という中での見事なブルフラットニングに恐れ入りましたとしか申し上げようがございません。

まあ何ですな、普通に考えるとスティープかなどと正直安易に考えていたのでありますが、それが下手の浅知恵というもので、相場様というのは普通に考えた通りに動かないというのと同時に、皆が困る方向に動くんですなあという毎度毎度反省する事を今回もまた(進歩無く・・・)反省しながらブルフラットに目を丸くした昨日のマーケット様ではございました。テラオソロシス。

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2010/07/09

○市場雑感

・しつこくTIBOR

昨日のTIBOR3か月物金利。

日本円:0.38000%(前日0.38000%)
ユーロ円:0.37462%(前日0.37462%)

ということで昨日も変わらず。まあこんなもんじゃろ。


・30年国債入札

注目と書いたので一応何がどうなったのかを良く判らんけど(こら)状況証拠から類推しますと、米国市場様を受けて目出度く入札前の調整が入って前場引け。

で、まあちょっと流れるでしょうとか言ってたらそれよりもやや流れ気味の結果となったのですが、落札が流れた所で買ってやろうという人が手ぐすね引いて待っていたようで、結果発表で相場が下がった所で買い入るの巻・・・・なのですが、出来ベースと引値見てるとどう見ても買いが入ったのは新発30年ではなくて10年とかその手前とかというのがチャーミングな所。

その後あんまり伸びないなあと思ってたらまた10年とかに買いが来て、超長期ちゃんも買いが来たのか持ち直したものの、終わってみると10年とかそのちょっと手前あたりが一番堅調という中々オモローな相場になっておりました。

ということで、まあ入札自体は流れましたし、終わってみれば後ろのカーブはスティープなので別に強くもなんともない入札でしたが、じゃあゲロゲロのうんこ入札なのかというと下がった所で買いもあった(ただし10年なのがアレですが)ことですし、そう言い切るのも微妙という何とも微妙な話。

以上俺様備忘メモでして、あたくしが勝手に妄想している事を書いているだけでありますので、皆様におかれましてはちゃんと板に張り付いて目を皿のようにしてトレードしている人をとっ捕まえて実際の所どうよというのを質問されるのが吉ではないかと存じます次第。

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2010/07/08

○TIBORは横ばいとな(^^)

昨日の3か月TIBORレートは横ばいでした。

日本円:0.38000%(前日0.38000%)
ユーロ円:0.37642%(前日0.37642%)

(昨日0.37615%と書いてましたが、下の部分を転記ミスしてました、超小幅低下は超小幅低下に変わりないのですけれども、謹んでお詫びいたしますが賠償は致しません)

ということでTIBORレートの低下は(今月は^^)一服となりやがりまして、外山局長発言報道で思惑も出たTIBOR様騒動も一段落(何が?)という所でしょうか。何か折角7月になって匍匐前進が始まったのに騒動になって却って下げが止まってしまったような気がせんでもないのが実に味わいの深い詫び寂びの世界を感じる物であります。

まあ何と申しますか、市場と言いましても同じ形の商品としての取引が集中的に行われるメジャーカレンシーのスポット取引とか同じく取引所取引に多くの取引が集中する上場株式の大型株みたいなものと、相対取引の世界というのはまた違うものがあり、その上その相対取引度合い(って意味判らんと言われそうですが、まあ言いたい事は相対取引の世界の皆様なら判りますよね^^)が強まれば強まるほど詫び寂びのテイストが強くなってくるのでありまして、詫び寂びの現場についてあまりご理解の無い頭のよろしい方がうっかり土足で踏み込むと色々とアレな事になるわけですよ。

まあ何ですな、「どうぞあがっておくれやす」みたいなもんなんじゃないでしょうか、と京都人じゃないあたくしが書くのが既に詫び寂びの世界を理解していませんかそうですか(−−)。


しかしまあ何ですな、「実勢価格」とは「時価」とは何ぞやとか、リファレンスレートを指標金利にして良いのでしょうかとか、色々と楽しいネタが沢山転がるTIBORネタでございまして、まあ無防備に散歩すると地雷爆発のリスクがありますので要注意とは言え、そういうネタほど散歩するのはオモシロスという所でもございましたわな。

で、来週の総裁定例記者会見でロイター以外の方が質問するんですよね(ニヤニヤ)。


○さて30年国債入札

先週は超長期ゾーンが妙に堅調で、月曜にそんな事を駄文で書いた訳ですけれども、どうも北ハマー先生並みの髪様振りを発揮しているかの如く今週になってからは超長期ゾーンが妙にヘロヘロ。今週に入ってから昨日までの時点で債券先物が8銭(なので7年金利に直すと1毛弱)売られる中で、20年や30年は単利比較で8.5毛売られるという中々素敵な展開になっております。正直ワケワカラン。

まあ昨日の調整で30年カレントが複利で2%にだいぶ近くなったと思いますので、入札ちゃんの方はだいぶマシになりそうではございますけれども、先週の上げでショートがお掃除された所に入札に向けた調整が入ったのか実弾の売りが入ったのか知らんですけれども(そんなに気合入れて売ってるとも思えないけれども・・・・)何かよくもまあ暴れますなと言う感じです。

昨日は引けでは30年カレントが1.910%になってましたけれども、引け後はちょっと戻ってたみたいですが、海外が華麗に株高(これまた何でそんなに株高なのよという感じですけれども)になり米債は金利がやや上昇してたので、まあ入札前に調整するんでしょうかねえ。事前の買いとか入っちゃうといきなり話が変わるのが30年国債入札クオリティなのでさっぱり判らんですけどねえ・・・・・

ということで一応目先の方向性に影響しそうなので注目しつつ傍観ということで(傍観かよ!!とか突っ込まないようにお願いします^^)。

あとそれから6月末通過に伴い一部の入札参加者におかれましてはリセットモードとなったようで、早速期初の開店絶賛大商売期間になっておられ、10年長期国債に短国入札とせっせと落札されておられるような雰囲気が窺われますが、30年国債でも突っ込まれるのでしょうかというのもこれまたニヤニヤしながら傍観と言う事で。

以上市場雑談でした。

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2010/07/07

圧力に耐えて良く頑張った!

昨日は11時50分にはメシも終えて物凄い勢いで席に戻ってTIBORをチェックするあたくし(^^)。で、その3か月物金利でございますが・・・・・

日本円:0.38000%(前日0.38000%)
ユーロ円:0.37615%0.37642%(前日0.37692%)
(追記:転記ミスで最後の2ケタの数字を間違えていました。小幅低下は小幅低下ですが数字の違いは訂正します。どうもすいませんでした)

・・・・・圧力に耐えて良く頑張った!!感動した!!!!

という訳でも無いとは思いますが(^^)、日本円が下がらないでユーロ円がちょっと下がってますなあとか、リファレンス行の呈示レートを見ますと中々味わいが深い物を感じるのですが、まあ感想を書くと色々と微妙にアレでございますのでその辺りはブルース・リー(歳がバレますかそうですか)ばりに「考えるな、感じろ」と言う事で一つ宜しくお願いします(謎)。

しかしこの結果を受けて後場の寄り付きにユーロ円金先が叩かれたのが中々チャーミングではございましたが、まあ下がったと言ってもあたくしが最後に見た時点(昨日の夕方)で12月限とか3月限のレートが0.320%とか0.310%とかですから、例によって例の如くユーロ円金利先物は足元よりもレート的には低い(呼び値ベースでは高い)んですけどね。

まあ現状で貸出は伸びない(どころか減ってねえか)ですし、まあ何の要因と言われると困りますが債券市場は良い感じで金利低下モードですし、別に長期金利低下に義理を立てる必要はございませんけどTIBORちゃんが別に上昇する要素も無いですから、流れはまあ低下は低下なんでしょうけれども、7月に入って匍匐前進ながらも微妙に低下していた金利低下が外山局長発言報道一発で足踏みというのが実にチャーミングにも程がある展開でありまして、もう何と申しますか「いいもん見せて貰いましたわ」とか言うと微妙にアレですが(^^)、まあそういうことで(どういうことだ)。

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2010/07/05

○市場メモ

・TIBORがまたまた低下している件について

金曜もまた一部のリファレンス銀行が3か月の呈示レートを0.39%→0.38%に引き下げ。何か「最初に下げるのは癪だけれども、最後まで残っているのも見栄え悪い」というリファレンス銀行の仕様が見えるような気がするのは気のせいですからね!!

2日の3か月TIBOR金利

日本円:0.38308%(前日0.38615%)
ユーロ円:0.37692%(前日0.37923%)

まあ足元でTIBORの金利が下がっている事も影響しているのかどうか知らんですけど、ここもとユーロ円金先も堅調推移しております。単にTIBORだけの問題というよりは円高株安進行でこりゃまた日銀に圧力掛かるわというようなネタだとは思いますけどね。


・超長期がやたら堅調な件について

いやまあその件に関しては皆様先刻ご承知の話だとは存じますが、これは俺様備忘録でもありますので、何年後かに読みなおす事を想定して書いておくだけの事ですが(汗)。

金曜はどっからどう見ても7年〜10年が重いという相場(先物28銭安で10年3.5毛甘)だったのですが、その一方で超長期の引けは引け変わらずというお洒落な展開。7月2日までの1週間の推移ですけれども、20年118回債が1.875%→1.760%(前週末のBB引け利回り単利ベースの比較でござる)、30年32回債が1.935%→1.825%、40年3回債が2.005%→1.875%ということで軒並み0.1%以上の低下(この間先物は54銭上昇)といい感じで超長期ゾーン堅調の巻。

金曜なんかですと、場中途中でちょっと売りみたいなのが出ていきなり気配が甘くなったと思ったら、その後で買いみたいなのが来て気配が急に堅調になるとかいう展開で、こりゃ業者はリスクを取らないようにして投資家の売買がちょっと出るといきなりそっち方向に動いてしまうんだろうなあと思わせる中々香ばしさを漂わせる展開になって参りましたな。

いやまあだからどうしたと言われましても困るのですが。


・日銀の長期国債買入明細に関してのメモ

http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei1006.htm

まあ今回は6月分なので償還とかがあってややこしいので数字だけですが、前月比の増加が額面ベースで18000億円になりますが、うち残存2年以内が10000億円の増加。6月償還銘柄が月末になって年限が短くなる部分がありますが、今回は比較的短い期間が入っている感じで、まあ相場が基本的に上げ相場だったので短い所が入ったということなのかなとも思いつつ、毎度お馴染みの5年カレントゾーン(正確にはカレントは対象外ですけれども)の打ち込みもあるというチャーミングな結果(何か知らんが5年カレントゾーンが毎月1000億円程度の打ち込みがあります)ではございました。

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2010/07/02

○期初の売りがピラニアに食い尽くされたでござるの巻

昨日は四半期頭だったのですが、NY堂々の株安にも関わらず短観の現状判断DIが大企業製造業で+1という事で、というのは後講釈でして、こういう時って恐らくは「期初の益固め」なので短観が強くても弱くても無関係に売って来るというのが正しい解釈かと思われますが、まあどう見ても10年に売りが出ましたと言わんばかりの気配に。一方で5年とか中短期無茶苦茶確りしてたので益固めして短期化したのか短期買ったのは別人さんなのかは知らんですけれども、まあそんなこんなで2毛甘位まで売られた訳ですな。

と思ったらその後はピラニア満載の川に餌を投げ込んだというか、観光釣堀園で釣り糸を垂れた状態と言いますか、オバハンの群れの中にヨン様を投げ込んだ状態と言いますか(^^)、まあそんな感じで押し目買い軍団(前日比安けりゃ押し目かよ!という意見はありますけれども^^)絶賛登場となり、期初の売りが綺麗に踏み潰されて相場様はまたまたブルフラットとか何かもう凄いですな。

先物で言えば141円台がこんなにあっさり駆け上がるとはという感じでございますが、まあそれよりもこんなに買い需要があったんですねえという所でございまして、ただただすげええええというメモなのでございました。しかし20年が1.760%とかいやもう何ですかそりゃという所ですわな。


○TIBORが昨日も何気に低下している件について

鉛筆なめなめレートを捕まえてあまり注目注目というのも何ですが、まあ仕方ないと言う事で今日もTIBORネタで恐縮至極。

昨日のTIBOR3か月リファレンスレート

日本円:0.38615%(前日0.38846%)
ユーロ円:0.37923%(前日0.38077%)

またリファレンス銀行さんの中で下げた所がございましたようで(ってまあ全銀協が公表してるからベンダー見りゃ内訳は判りますので念の為^^)レートが下がった訳ですが、ニワトリが先か卵が先か判りませんけれども、今週頭くらいまで足踏み状態(月末前に妙に下がったりした)だったユーロ円金先が昨日も続伸してみたり、2年カレントが地味に強くなって気がつけば0.140%になっていたり(えーっとちなみに3か月が0.115%なんですけど・・・・)5年カレントは益々華麗に強くなって0.325%に低下と中短期の現物国債も強くなっておりますわな。

まあ何か中短期も今更ここから何ぼ買うんじゃいという所なのですれども、こちらもまた強いでござるの巻ということでこれまた中々おそロシアでございますが、まあどうなる事やら。

あと、TIBORとは関係ないですけれども、GCレートちゃんは案の定6月末を通過したら無事に低下して0.11/0.115レベル(0.11の方に近いと思う)となりました。ここから先は資金不足地合い(さっそく今日は財政揚げ超2兆6000億円です)になりますので、普通に資金供給オペが増えると思われますのでGCレートもそんなに跳ねるこたあねえでしょという所かと存じますがどうでしょうかね。

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2010/07/01

お題「まあ今日も今日とて市場メモ等」

低所得者に消費税還付とか実務的に無理としか申し上げようが無いと思うのですがねえ、それなら単純に低所得者に何か給付すれば良いだけの事だと思うのですが・・・・・

ところで短観ですが、最近の足元は需給要因と海外要因で動いてやがるので、よっぱど変てこな数字が出ないと反応しないんでしょうなあ、と言ってみる。

○TIBOR低下ですかそうですか

昨日のTIBOR3か月物金利ですけど。

日本円:0.38846%(前日0.39000%)
ユーロ円:0.38077%(前日0.38385%)

・・・・ということで、期末越えで上がるどころか下がって参りましたが、別に5年の金利が下がってきたからレート下げなくてもヨロシカロとは思うのですが(違うか^^)、こ〜やってまた鉛筆なめなめのTIBORちゃんが低下してくると足元の株安と円高をネタに「追加緩和への思惑がどうしたこうした」という報道が出て来るに1万ドラクマ。

まあ何だか知らんが今週前半妙に頭が重かったユーロ円金先も確りしてきましたし、選挙が終わっても株安だの円高だのという話になるとまたまた「困った時の日銀叩き」というお馴染みの芸風が炸裂しそうな昨今でもあるなどと考えますと、まー追加緩和がどうのこうのとか市場がネタにしてもおかしくは無いのですが、一応今日の短観が余程予想より下振れしない限りは現状は「景気回復が政策効果剥落して一旦踊り場入り」というメインシナリオの中にいますよってえ理解に(少なくとも白川総裁は)なっているのではないかと思われますので、そう簡単にカードが出てくるとも思えませんけどね。


○短国の発行が減額になっている訳だが

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillauct/auct220630.htm
国庫短期証券(第120回)の発行予定額等

4. 発行予定額
額面金額で4.8兆円程度

足元で税収が上振れした事が影響しているのかどうか知りませんが、ここもと3か月TBの発行がいい感じで減額になっております。来週入札の行われる120回債ですけれども、この発行に対応する償還額は5.7兆円ございまして、何と9000億円の減額折り返しになります。

ちなみに、3か月TBの発行額ですけれども、4月23日入札の104回債までが5.7兆円の発行額になってまして、104回債の償還日が8月2日でございますので、今月は3か月TB発行が(払い込みベースで)5日は6000億円、12日〜8月2日までの週初は9000億円(今後の発行が4.8兆円とした場合)減額となるという計算に。ちなみに、従来の5.7兆円から5月以降毎月3000億円ずつ減額になっておりまする。

ということで、これって短期国債の需給要因的には発行減額によってレートが更に上がり難くなりますなあという話(とは言えGCレートが一頃の平均0.11%レベルから目線的にはもうちょっと上がっていると思われるので、そっちの方が効く分はあると思いますけどね)になるのですけれども、資金需給的には毎週月曜日に「3か月の資金がネットで9000億円供給超になる」という事でもありまして、そ〜考えますと益々足元の供給オペが減る(7月はこの分を差っ引いても財政要因で資金不足になるので実際問題としては6月と違ってオペそのものは増える)という事になりますにゃ。

だからどうしたと言われても困りますが、まあ流れ的に「ターム物の資金供給をしますよ」と丁度平仄が合っているのが何となくチャーミングですなあという事で。別にそんな事考えている訳ではないでしょうけれどもね。


○ECBの資金供給

http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/index.en.html

昨日の3か月物LTRO(Longer Term Refinancing Operation)は固定金利1%のフルアロットメント方式で実施された訳ですが。

http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/20100053_all.en.html

Fixed Rate: 1 %
% of All. at Fixed Rate: 100
Tot Amount Allotted: 131933.19 mn
Tot Bid Amount: 131933.19 mn
Tot Number of Bidders: 171

と言う事ですが、解説記事があったので付けておく。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16082220100630?sp=true
ECB3カ月物オペ供給額、予想下回る
2010年 07月 1日 01:22 JST

ということで、まあ額は少なくて良かったですねという話のようですな。

ただまあいちゃもんをつけるとすれば、ユーロの短期金融市場の足元での問題ってドルのファンディングと無担保のファンディング(CP発行とか)であって、特に問題になりそうなのは無担保の方(CP発行がロールしてくれなくなって徐々に首が絞まるとか)なんじゃネーノという気はするのでありんす。つまり、カウンターパーティーリスクで味噌も糞も出さないという状況なのではなく、もうちょっと問題が1年前とは違っているのではないかと言う気もする訳でして、確かにまあ応札殺到するよりは話としては良い話ですが、だから安心かというとそれは別問題だと思う。

国債買入プログラムが突っ込まれた事もありますし、ユーロ圏でのユーロのファンディングに関しては、担保さえあればどうとでもなる状態になっているのではないかとは思うのですが、日本の経験からすると(って全部日本の経験を当てはめるのもどうかと思いますが)一度銀行間の無担保取引が干上がってしまうと中々復活しなくなり、その間に短期市場での資金供給オペが至れり尽くせりだったりすると益々中央銀行のオペレーションに依存する構造ができてしまうのでありまして、その辺りが今後どうなって行くのか次第じゃないかとは思います。ただまあECBの場合はかなーりぶっきらぼうな資金供給オペしかしないので、そーゆー意味で市場で調整せざるを得ないという面もあるのかも知れませんな。

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2010/06/30

お題「今日もまたまた市場雑談中心に雑談」

米国10年2.95%に2年0.6%ですかそうですか。

○市場雑談とか

・何だか良く判らんが米債が妙に走っている件について

いやまあ月曜の夜も別に大した事も無い(コアPCEデフレーターが落ち着いているとかいう後講釈を報道ベースではしてたけど、コアPCEデフレーター前年比+1.9%ってFRBの言う適正水準が+1.5〜+2.0だった筈だから落ち着いてはいるけれども債券を買うようなネタでも無い筈なんですけどね、タイミング的にそこで買われたみたいだけれども)のにいきなり米債が10年で3.02%まで低下しやがるから何がどうしたのよと思ったのですが、昨日は東京の午後から米債が走りやがりまして東京の後場に10年3%割れとかになるでござるの巻。

いやまあ後場に何で動くのかよー知らんですが(海外からの売買だとしたらおまいら朝早過ぎ^^)、東京昼休み時間の上海株の急落と円高進行から何かもう時空が歪んでいるのかというような感じで相場があちこちで走るのがオソロシスでして、まあ明確なこれと言う材料が無い中で米債がいい感じで走ったのが正直ワケワカランのですが、要するに相場がそっちに行きたがっていたという所なんでしょ。

#いやまあ足元の世界景気の回復が中国様次第というのはあるけど

で、まーこーゆー動きは後講釈をするのは別に適当にでっち上げる事はできるのですが、何かの材料というよりはこれは「米債が買われたがっている」という非科学的な状況なんでしょうかねえという気がする次第でありまして、それが単なる四半期末要因なのか、それとも今年に入ってからの上振れ気味の景気拡大で米国市場で景気楽観的な見方がワタクシたちが想像する以上に広がっていた反動が来ているのか、もうちょっと長い見方をした場合は一連の金融規制によって(特に預金受入機関の)商業銀行がリスク資産の購入に慎重になっている(貸出は相変わらず削減モードのようですし)から国債に恒常的に買いが来るのか、とかまー色々と考えられるのですが、こーゆー時は資金循環じゃないけれどもマネーのフローとかを見ないといかんのでしょうな。

と書いておきながらその結論はどうせどっかで本職の人がレポート書いていますからそれでも見てちょという恐ろしく手抜きな結論。


しかしまあ何ですな、米国経済って財政支援が切れたら踊り場入りなのは前から判っている話だと思ったのですが、何でこうまで反応するのかというと、何か季節性の要因とかが妙に加速しているのではないかという気がせんでもないが、よくわからんちんでございまする。


・期末越えになっているのにTIBORが動かない件について(笑)

インターネット経由のソースを探すのが面倒なのでソースは付けませんけれども昨日の全銀協TIBORリファレンスレート公表には微苦笑。

つまりですな、TIBORって2営業日スタートの各種期間のターム物金利を呈示する(オファーレートね)訳ですが、昨日の2営業日後と言えば7月1日になりますので、即ち3か月物TIBORが昨日から期末越えになる訳ですな。で、その昨日の3か月TIBORですが・・・・

日本円:0.39000%(前日0.39000%)
ユーロ円:0.38385%(前日0.38385%)

・・・・どう見ても同レートです本当にありがとうございましたorz

まあCPレートとかTBレート見ても(昨日は期末越えの3か月TB入札が0.12%乗せの足切りになったけど、それは恐らく別の要因によるものです)期末越えのプレミアムって何でしたっけ状態になっておりましたので、まあ動かないでしょうなあとは思っていたのですが、改めてこの結果を見せられると何だかなあ感が激しい勢いでやってきていい感じで脱力する所ではございまする。


・GCレートは無事低下

昨日は何か知らんがトモネ(つまり末初)の国債買現先なんぞを実施しましてちとビックリだったのですが、オペ攻撃が効いたのか元々資金が見えてきていた(月曜にT+1の所のGCは下がっていたので)のかは知らんですけど、いきなりレートがワープして前日の0.145%レベルからさっくり0.115%レベルに低下。

いやどちらかと言いますとトムスタートの共通担保を打つのかなあとか思っていたのですが、末初は下げたいけれども資金不足になる前にタームを打ち過ぎて当座預金残高が積み上がるのを避けたのか(2日以降に財政の揚げ超がポツポツ入るのですが、その前に打つと積み上がりっぱなしになってしまう)スポネを打って翌日にトモネとは面白い展開。まあ要するに必要以上にジャブジャブにはしたくないというのと、そうは言ってもあんまり四半期末でレートが跳ねるのもマズーという所なんでしょうかねえというバランスを取ったという所なのでしょう。


○金融庁から国債決済関連の話が

こんな行程表が出ている訳だが。
http://www.fsa.go.jp/news/21/sonota/20100629-1.html
国債取引の決済リスク削減に関する工程表について

まあこの件に関しては日銀と金融庁が妙に熱心のようですが、書いてある話には微妙にツッコミどころというか何と言うか。

まず決済期間の短縮化ですけれども、アウトライトT+2にするのはまあ何とかなるでしょうけれども、T+1にするとなりますと、レポが実質T+0になるというのもありますし、同じ理由で資金管理もT+0になるわけで、そらまあ業者さんはそれでも対処できると思うのですが、そもそもベースがファンディングになっていない投資家サイドはそんな資金管理をするような業務フローにもなっていないしシステム手当もできていない訳でして、そうホイホイと参加できるものでもなし(つーか時差の関係上アウトライトT+1というのは海外から見たら実質T+0になると思うのですが、受渡とか大丈夫ですかね)。

決済リスク削減は判るのですが、資金管理とかの問題が今度は生じるのでありまして、その辺のバランスをよーく考えて推進して頂かないと部分最適が全体最適にならないというような制度デザインになり兼ねないので、ご当局の関連部署様におかれましては、決済リスク削減の1点でゴリゴリ特攻されるのではなく(いやまあそうじゃないとは思うのですが・・・・)バランスを考えて頂きたしという所でしょうか。

つーか、証券決済を短縮するという話になると、リテールの株式売買とか、投資信託の設定解約とかにも影響してくる話で、結構重い話になると思いますからね。


それからJGBCCの態勢強化に関してですが、確かにまあJGBCCに決済を集中するとネッティングとかの効率は良いと思うのですけれども、システムの頑健性という観点からすると何でもかんでも国債決済をJGBCCに集中させるよりは、カストディーの信託銀行などでも決済を行っているという状況になっていた方が、JGBCCに何か事故があった場合に全取引がいきなり止まるというようなトンデモナイ事態を起こさなくて済むのではないか(まあ日銀が止まったらしょうがないですけれども、日銀の場合はJGBCCなんぞと比較にならない位に強固に作ってありますから)と何となく思うのですけれども、違ってたらすいません。

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2010/06/29

○末初のGCレートが高い件についてなど

昨日は久々にスポネ(つまり末初)の国債買現先が1兆円オファーされまして、結果は平均0.141%で足切り0.14%の按分74.2%となりましたが、0.14%ですかそうですかという状況でありまして、昨日も末初のGCレートは0.14以上の水準で推移してたようですな。

今の所ですけれども、月末の当座預金残高が19兆円弱となると思われます(今日オペを実施すると更に増える)し、そもそも今日の当座預金残高も19兆円弱ということで、おカネそのものはマクロ的に見て沢山ある筈なのですけれども、どうも例によって例の如く国債償還要因での余剰地合いの時の仕様になっておりますが、またまた四半期末お馴染みの資金偏在が生じているのですかねえという感じで、GCの金の回りが悪いでござるの巻となっています。

でまあそれに対してさすがに先週の資金余剰の所から当座預金残高はやや多目にしていますが、朝8時発表の準備預金残高予想数値を見ると週前半は12兆円台前半で推移で、後半になって12兆円台後半になって昨日は13兆円乗せということで、まあ一応供給は必要な分は行っている感じですが、そうは言っても別にまあ無理くりジャブジャブにする程でもありませんなあという感じ(さすがに昨日辺りからは多目になったようですけど)ではございます。ま〜「タームは抑えるけれども足元の需給は市場での調整に任せる」という日銀の現在のスタンスがそのまま市場に出たと言ってしまえばそれまでなのですけれども、5月は欧州金融問題に対応(またはお付き合い)してやたらジャブジャブにしてきたのとはちと違いますなあという所でしょうか。とりあえず5月は危機対応(のお付き合い)モードだったのであれは特殊事案とゆーことで、何も無ければ現状のような「足元だけは自然体でタームが跳ねなければそれでよし」という調節が続くと考えるのが妥当なのではないかと存じます。


で、ターム物金利の方ですけれども、3か月TBが暫く延々と0.115%割れという素敵な状況が続いて入札が毎度毎度そんな水準でしたが、先週の入札が0.115%を久々に上回る利回りになったという所ですが、そうは言ってもど〜せ上がって0.12%という所ではございますので、こちらは全体的に潰さないといけないキャッシュがうじゃうじゃあるという状態になっているのと整合的ですわなという感じです。

で、今後の見通しもへったくれも無いのですが、今月のオペ状況を見ておりますと、まあ普通に資金余剰月になると短いオペが減って、資金が偏在しやすくなる(特に国債償還要因の場合)ため、GCレートがやや上昇する場合もありますよってな事が見えてきたと思われますので、そうなりますと平均のGCレートは資金不足月なら0.11%台前半とかで見ても良いのかもしれませんけれども、余剰月だとその水準で見るのはちと無理がありそうですので、短国のレートに関しても若干は強含みになって(と言っても上がって0.12%だと思いますけど)も良いのかなあとは思う今日この頃。

#などと書くといきなりGCが下がったり短国が下がるのがドラめもんクオリティという事はキニシナイ!!

それから足元で3か月短国は発行が減額になってまして、ピークの1回5.7兆円から足元では1回5.1兆円と何気に減っておりまして、この分というのって実質的には資金供給になっているのと同じですから、ここもオペ残高を減らす方向に寄与しているんでしょうなあとも思われる部分でございます。減額分のロールオーバーが始まると少し需給バランスも変わってくるのかもしれませんけれども、いずれにせよ20兆円の固定金利オペで食われてしまった短期オペの打ち余地は少ないままなのが続くんでしょうなあという所で。



○フェイルチャージがどうのこうのの話

http://www.boj.or.jp/type/ronbun/rev/data/rev10j09.pdf
わが国フェイル慣行の更なる定着に向けた見直しについて
― 日証協WG最終報告を踏まえた市場慣行見直しの動き ―

内容は先般ご紹介した日証協のWGの最終報告(そういやパブコメ出そうかと思ったけど諸事多忙で出せませんでしたなorz)の内容紹介なので、まあツッコミどころってあんまり変わらないのですけれども。

で、微妙に勘違いされていそうな部分なのですが、この制度導入の目的って「国債の決済処理を円滑に行う」のが目的であって、別にチャージ制度があるからどんどんフェイルしますよという話では無い筈で(まあ3%のチャージを払ってホイホイとフェイルするアホウもいないと思うが)、ど〜もその辺が毎度この件の話になると妙に論点になるのもどうなのかと思われる所ではございます。

正直言って自己勘定の方はこの手の話って割と何とでもなると思われますし、フェイルになった場合に取引を回復する為の自己調達が可能な人にとってみればちゃんとチャージが取れる話というのは話が明確化して良いと思うのですけれども、他人勘定系統の人の場合、フェイルチャージをどの時点での受益者につけるのかとか、自己調達での取引再構築が事実上できないような状態(フェイルは基本モノが入らない(金が入らないのはデフォルトなので話が別レベル)という状態なので敢えて取引再構築をしなくても良いのですけれども、そのまま放置していると売るに売れないのでポジションの自由度が下がるという問題が、いやまあこっちが売り方でフェイルすれば良いのかもしれませんが・・・)でフェイル食らった時に本当に事務的に問題無いのか(たぶん決済事務的な問題は無い筈だが、計理上の処理とかが特に短期公社債投信の場合きちんと決めないとややこしい事が起きそうな予感)とか、まあその辺は気になる所ではありますけれども、それは他人勘定系の業界団体などの方で何とかしましょうねという所です。

従って、日銀様におかれましては「とにかく完成系がこれだから、それに沿ってやっていきやがれ」と銀行証券などのケツを叩くだけではなく、実際問題として制度をいじる場合に「日銀当座預金先以外の所も含めて」「実務に落とし込んだ場合に」どういうフリクションがあって、どういう所のボトルネックを解消しないといけないか、というのを前広に意見聴取を行うべきではなかろうかとは思うのですけれども、どうも証券決済系に関しては当座預金先だけ集めて出来上がりの完成系のべき論を進めようとするのにちと急なんじゃねえのという懸念はせんでもない。

いやまあケツ叩かないと動かないというのもその通りなので、一々全部聞いてられっかというのもありますけれども、去年いきなり証券決済の翌日化のニュースが出て腰を抜かした(さすがにT+2で再来年実施という落ち着きどころになったので良かったっすけど)ように、どうも何か知らんが妙にやる気満々モードなのが微妙に気になる所でございます。

ということで、決済関連につきましては超地味な話ではあるのですが、いざ走り出してみると色々な所に影響(うっかりすると価格形成にも影響)する話でもありますので、フロントの皆様におかれましては良く判らん別世界の話とか思わずにご興味を持たれる事を推奨致したく存じます。

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2010/06/25

○さて気がつけば絶賛高値更新中な訳ですが

いやまあ気が付くも付かないも無いのですけどね(汗)。

まあ元々「4−6月は金利上昇」という謎のジンクス(?)があって、その上3月短観は白川総裁が歓喜の景気認識上方修正モードになる強さだわ、出てくる経済指標は悪くは無いわということで、どうにもこうにも買うのもちょっとねえという感じになっていたというのは認めざるを得ませんで、それに対して欧州の金融問題がどうしたこうしたでちょっと金利が下がった訳ですが、足元では菅内閣になって財政再建路線とか、米国がいきなり2番底懸念とかいう話になってこの有様という所で、まあ金利が何となく下がるのはシャーナイナイとは思いますが、ふと気がつけば水準的にどうよという所になっておりますわな。

しかも火曜の後場あたりからは「金利があるものほど金利低下」という中々こう香ばしい状況になっておりまして、何ですかこれは踏みですかエイヤーのロング大勝負ですかという動きになっているのが落涙を禁じ得ませんが、まあ延々とじりじりとしか動かない変態相場だったので、ヒャッハー状態っぽくなってきたのは相場らしくて結構ではないでしょうか、と無責任発言。


という感想はどうでも良いのですが、足元何でこんなにヒャッハーになっているかというのを勝手に(あたしゃ人の懐具合は想像するしかないですからね)妄想しますと、要因としては(1)そもそも最初に書いたような感じで、ファンダメンタルズを見るとあまり積極的に買う気が起きなかったによって、時間の経過とともに投資家のロングが足りなくなってきた(ので買うパワーが増えた)、(2)欧州が危機対応でアホウにも程がある動きを繰り返しておりこいつら大丈夫かというのが足を引っ張っている、(3)米国が突如2番底懸念とか訳判らんことを言い出した、というような感じで、まあ何気に内部の需給要因がある(ちょうどこの時期は国債の四半期大量償還がありますし)中に外部要因が火をつけてヒャッハーとなってしまったという所でしょうなあ、で、更にこの外部要因に関して愚考してみるでござるの巻

#正直言って今こそ発行年限をドカン(平均で1年ちょっとかなあ^^よー知らんがもっと伸ばせるもんなの??)と伸ばして頂けますと将来の為になるんじゃねえのかと思いますが(^^)

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2010/06/22

○例によって市場雑感

・人民元相場がどうしたこうした

えーっと、日曜の朝無駄に早起きしたら朝6時のニュースでトップだか2番目の扱いだったという人民元の価格変動容認ネタですが、ニュースを聞いた時に前回のイメージから「ドル安になって円が人民元につられて強くなってマズー(債券は金利が下がるからウマーではあるのだが、実は債券市場というのは金利が下がる(=価格が上がる)からと言っても参加者がウマーな訳では無いというのが債券市場以外の人から見て訳判らん所かと存じます^^)ってな事を考えて市場に臨んだ訳ですが。

・・・・おやま、株高じゃないですかという所ですが、冷静に考えたら前回人民元切り上げしたけど別に中国経済がコケるどころか益々建長寺な訳ですし、足元では中国のバブル懸念とかあったのですから「これは良い火消し」という事なのか、まあそれ以前の問題として近いうちに人民元の切り上げって話は織り込んでいたのでサプライズでも何でも無かったのか、正直何がどうなってあーゆーリアクションになったのか存じませんが(じゃあダラダラ書くなというツッコミは却下)、とりあえずは激震にならんで誠に結構という所です。

とりあえずこの調子でゆるゆるとやっていくという感じでしたら、為替市場経由で何か大騒ぎになるということも無さそうです(昨日ご紹介した決定会合議事要旨にあるように、日本の金融政策に対して影響が出るとすれば円高が進行して株安になって、昨年の新型オペ導入前後の数値を抜いた場合ですから)し、結局は本件によって中国経済がどうなるかって言うまあのんびりした話になると思いますので目先急にどうのこうのということにもならないのでしょうかなあという所で。


・財政払い超攻撃によって足元GCレート上昇

まあ何度も書いておりますので、「インターバンクの資金需給が財政要因(銀行券要因は財政要因ほど大きく振れない)で余剰になるとGCレポ市場の需給がタイトになって金利が下がり難くなる」というシステムについてはご理解頂いているとは存じますが、足元で見事にGCがサガランチ会長になっているので備忘メモメモ。

えーっとですな、6月は四半期の国債償還の山と、偶数月払いの年金定時払いによって月後半以降が財政絶賛大余剰地合いになる訳ですけれども、特に今回は新型オペ(固定3か月)の残高積み上がりによって足元の資金供給オペが打ちにくくなっているのが特徴的かと。

つまりですな、昨日の時点で(買入系を除く)資金供給オペの残高(ただしあたくしの手元集計ベースで、オペ落札の額面ベースです)が29.8兆円とかでして、今日が即日オペ無しの前提で29.0兆円になる訳ですが、その内訳を見ますとまず20兆円を固定金利オペが食っていますので、残り9兆円という事になりますが、1週間物でロールしている国債買現先が4000億円×5本で2兆円ですから、のこり7兆円しか無い訳ですな。

従来は固定3か月オペが無かったので、まあ足元の需給に対応する短いオペを適宜組み合わせながら足元でのGC金利が安定するようにオペが打てるわけですが、固定部分が20兆円とかございますと、まあこういう地合いになった場合に中々月末越えのオペが打ちにくいという状態になりまして、足元でも打ってるオペが殆ど月中で落ちるものだらけという素敵な状態になっております。

これまた従来ですと、足元GCが上昇する前にある程度月末越えとかのオペが打たれるので、その辺で取る人は取って来ますし、逆に足元GCが上昇しちゃいますと今度はオペ金利も連れて上昇しやすくなってしまいますので、その時には我慢してショートファンディングで繋いでいれば、そのうち長目のオペ金利が落ち着いて来るという流れがあったのですけれども、今回の場合、肝心のオペが打ちにくい状態になっている上に、GCレートの方は15日の手前の所から下がり難くなってしまったので、ショートファンディングも溜まってしまいますわなという所かとは存じます。

とは言いましても、(これまた毎度申し上げておりますように)3か月固定の金とかは出ているという事ですので、市場として金が無いわけでは無く、そっちに対応すると思われる3か月TBの金利は相変わらず0.115%辺りから一向に上昇しません。足元のGCレポレートはここ10日間程0.12%レベルで推移しているので見事な足元との逆鞘傾向なのですけれども、そっちはそっちで買いが入りますから、それこそ日銀の意図通りの市場推移ということだとは存じます。

という状況のメモメモであまり参考にならない話でどうもすいません。

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2010/06/18

○市場雑談

・オペ残とGCレートに関する雑考

今週に入って積み期間が変わったものの、GCレートちゃんは0.12%近辺をウロウロするという展開。まあ足元のGCが上昇しても先日も申し上げたようにタームの金利が上がるかと言えばこれがまた上がらないのでありまして、3か月のTBレートは0.115%程度で安定していますし、CPレートは低位安定してますしという状況ですから、まあ金融調節としては問題視するようなことでもないですわな。先日ご紹介した金融調節に関するレポートでも「タームの資金供給を潤沢に行いながらも、足元の資金に関しては市場の調整に任せる」と書いてありますので、まさしくその状況という事ですな。

で、当座預金残高水準は足元で15兆円半ばの水準で推移していますが、16日以降のGCレート(ってまだ新積み期間に入って2日ですけど)は存外下がりませんなあとなっております。今日の当座預金残高が日銀公表ベースの数字を積み上げて計算すると15.5兆円程度ですが、月曜の当座預金残高は今の所(東京短資さんの資金需給予想をベースにして計算すると)17兆円に乗るということで、21日の国債償還日には当座預金残高が積み上がる予定、という格好になります。

でもGCレートちゃんが下がらんという格好になっておりまして、そらナンデジャロという話ですが(以下の話は短期の人が読んでも「何をおめー当たり前の説明してるんじゃ」というレベルの話なので読み飛ばし推奨、たまには簡単な説明用の書き物をしたいので^^)、これはオペ残高の方が問題になるという話でございまする。

つまりですな、今月は15日と21日に資金余剰の山があって、そこの辺りで資金供給オペの残高が落ちるという構図になっていまして、14日に34.5兆円(あたくしの手元集計ベースで、日銀のオペ落札の額面ベースになりますので正確なつもりだが内容無保証^^)となっていたオペ残高が15日に32.3兆円に落ち(この間に当座預金残高は2兆円増えてます)、昨日(17日)のオペ残は31.2兆円。21日のオペ残は今の所28.6兆円ということで、資金余剰時期に合わせてオペ残高が急速に減少する訳でございますな(ちなみに財政揚げの6月2日のオペ残高は38.3兆円)。

でまあそれだけ資金供給オペの残高が落ちますとGC市場での要調達額が増えてくるという構図になりますので、ど〜してもGCレートが下がり難くなるという話。特に今月の場合は月末を越えるオペが(新型オペを除いて)ろくすっぽ打たれていないという状況になっているので、調達がショートファンディングになる傾向が強いでしょうから下がり難いでしょうなあと思われる所です。ただし、それがターム物の上昇に繋がらないのは、そもそも市場で運用しないといけない/潰さないといけない短期資金があほのようにあって、運用する金そのものはある(ので最終的に金が回らなくてレートが上昇ということは考え難い)というのと、7月以降財政資金が揚げ傾向になってくればまたオペが増えてくるので、とりあえず足元のオペ残高減少を暫く凌げば良いということなんじゃねえのとは思いますけどね。

#つまり、財政の大きな出入りがある時は当座預金残高だけ見てても良く判らんですよ、という短期市場では当たり前の話を延々としただけでございまして誠にあいすみません。たまには頭の中を整理しておきたかったもんで(汗)

で、まあ当面は無さそうですが、新型オペの増額をするという事になりますと、売出手形あるいは国債売現先等で資金を引かない限り、足元の資金需給調整がややこしくなりますなあというのも毎度お話している通りですなという所になろうかと思います。


・CPレートがやたらと低い件について

ここもと微妙にアレなのがCP市場ちゃんでして、運用資金が余っているせいなのは判るのですが、5月辺りには特別オペの残高が減って来たことも影響していたのか、若干銘柄間の差が出てみたり、短国とのレート逆転現象が解消されてみたりという感じだったのですが、5月末辺りからまたまたCPのレートが低下気味。

その他金融さんの3か月ものレートが下がってきましたなあとか思っているうちに、今度は中間期末越えのプレミアムが段々無くなってきまして、足元では銘柄間の較差も無くなってきたでござるの巻。具体的なレート水準については金融ファクシミリ新聞でも見てくんなまし(ただし金ファクさんの数値も市場推計ベースですので念の為)という所ですが、4月以降ちったあ普通に近づいて来たかなあと思ったのですが、またまた阿片窟状態っぽいテイストを醸し出しています。

特に足元での動きで何だかなあと思うのは、ここもとのCPレート下げ&銘柄間スプレッド潰しの状況に対して、一般債の短い所では金利が別に下がる訳でもなく、うっかりすると同期間のCPが政府保証債よりもレートが低いとか普通に起きているというのが微妙な所でございます。まあ足元での一般債の状況って4半期末での在庫圧縮モードとか、こっちはこっちでスプレッド及び金利水準からの外しが出るとか、そもそもCPと債券では買う人が違うし流動性も微妙に違うとか、一般債ではCPと違って一発でそんなにロットが捌けないとか、まあ色々な要因があるのは判るのですけれども、ど〜も足元でイマイチ整合性の取れない動きが起きているというのは違和感が。

まあ今申し上げたような各種要因でCPだけ低いという状態になっているのかとは思いますが、一般債市場との間での裁定が機能してませんなあというのは、やはりこれはマーケット阿片窟状態が続いたことによる短期金融市場の機能低下の一環ではないかと(こじつけ成分がございますが)思われる次第なのでございまする。

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2010/06/17

○ドルオペ雑談

ECB様のドルオペ
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/index.en.html

下の方のNon-EURO operationsに傾注。

USD10007 OT 17/06/2010 24/06/2010 7 1.17 % 0 bn

・・・・また坊主ですかそうですか。

日銀のドルオペ(一昨日ですが)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba100615.htm

米ドル資金供給(固定金利方式) 3 3
(注1) オペの種類が、米ドル資金供給の場合、単位は100万米ドル。

ちょwwwww3百万ドルって3億円ですかそうですか。誰かが事務の練習の為に入れただけということですな。

まあドルLIBORが上がっただの何だのとか言っても別にECBで1週間1.17%を取るとか、日本で約2か月を1.23%を取るとかいう話ではない(ちなみにこの金利はOIS+100bpだったと思いますが)ということだと思うのですが、この手のオペを見ると逼迫しているようには見えませんが、まあ欧州ではファンディングがどうのこうのというか資金抱え込みモードになっているのでしょうな。

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2010/06/15

○固定金利オペ残高が20兆円になりますな

昨日は共通担保固定金利オペがオファーされましてこれでめでたく(かどうか知らんが)固定オペが20兆円になる(のはスタート日になる明日ですけど)ということで3月の会合で決定した通りに残高が20兆円になりました。その一方で(固定オペのスタートを特オペの落ちにぶつけているのでそうなるのですが)同じく明日に特オペの残高が目出度くゼロになりますので、これで企業金融支援関連という名目で一昨年の12月から色々と実施した各種措置が一通り終了した格好になります。

とは言っても企業金融の臨時措置を解除した傍から固定金利オペを実施したり(そして更に拡充)、今日の決定会合では出るのであろう成長基盤強化の臨時貸出制度というのが実施されていまして、何かよくよく見れば問題はよりおおごとモードになっているような気がせんでも無い訳ですが(^^)。

でですな、ここからオペで何をやるのかという話ですが、固定金利オペを含めたオペ残がここの所35兆円程度で推移している(財政の不足のピークになった2日のオペ残が39兆円弱)のですけれども、固定金利オペをこれ以上増やすと足元の微調整ができなくなるので、(今は固定金利オペが20兆だけどこれを30兆円にするとベースで固まる部分が多くなり過ぎ)足元で吸収を打ちながら調整という事になるのでしょう。ただまあそれをやるとすぐに「引き締めするとはケシカラン」という実務上のテクニカルな調節技術の話と金融政策の話の区別がつかない人達(そこに日経あたりが含まれそうな所が誠に遺憾なのですが)が大騒ぎするでござるの巻となるんでしょうなあというのはこの前も書いた通り。

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2010/06/09

○市場雑談

・そう言えば間もなく企業金融特別オペが残高無くなります

いやまあ別にどうでも良い話ではありますが、特オペちゃんの残高が今日の時点で8700億円になるのですが、これが残った最後の分でございまして、来週水曜日(16日)に目出度く残高ゼロになります。

で、固定金利の新オペちゃんの方はと言えばこちらはめでたく19.2兆円まで残高が増えてきました(24本分です)ので、まあとりあえず一連の企業金融関連の臨時措置はめでたくフェードアウトと言う事で誠に慶賀の念に堪えませんが、結局の所固定金利オペちゃんを実施したり、挙句の果てには成長基盤強化の謎貸出まで始まりますので、何が何だったんでしょうという気は思いっきりしないでも無いのですが、日銀様の理屈的には「あれはCP市場や社債市場の機能不全対策の臨時措置で今度のはターム物金利への働きかけと、成長戦略の一貫の臨時措置だから話は全然別」という事になるのですから、まあそういう事として理解して置けばよろしいのかと存じます(棒読み)。

まあいつの間にやら残高が目出度く無くなって良かったですねという所ですが、とりあえず特オペ無くなってCPレートとTBレートの恒常的な逆転現象が無くなったのは一応「市場機能回復」という所ではございます。ただしCPの発行そのものが減り気味(特に投資家が買いたくなるような高格付けのメーカーさんとか公益系さんとか)なのと運用資金のような物が余っている状態なので、別にスプレッドが拡大するまでもなく、相変わらず銘柄間スプレッドもあんまり無いという素敵な状態にあるのは変わらないですけどね。


・コールに悪態付いたら何か急に加重平均が10bpに乗った件について

昨日のコールレート速報
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/mp100608.htm

足元でGCが上がった訳でも無いのですが、はて何でこれは急に0.10%に乗ったんざましょ???教えてエロい人!(追記@6月13日:これは大手国内証券会社が数千億ストレステストと称してコールを0.12%〜0.13%で取ったからだそうです)


・珍しく対内対外証券投資統計でも

http://www.mof.go.jp/shoutou/montha1005.htm

非居住者の短期債投資がネットで4.3兆円増えてますな。今年の1月にネットで1.5兆円、去年の2月にネットで2.1兆円増えているというのが割と大きい増加なのですが、昨年の5月は特に動いていないので別に5月要因というのは無さそう(ただし今年の3月は3.4兆円の減少になっているので何かの季節要因があるかもしれません)ですが、5月といえばギリシャが地雷を豪快に踏んで春のユーロ祭りが開催された訳ですが(今も絶賛開催中ですけど)、この間に日本の短期国債が買われましたというのは何かそれだけ見ると「ユーロからの退避資金が来ましたでござるの巻」に見えますなあという所です。

じゃあ本当はどうなのかというのは微妙で、何か単に3月に落ちた分の復元が来た為に底上げされているだけなのかも知れませんが、こればっかりはまあ判りませんわな、と全然結論になっていない結論でした。

では今日の3か月TB入札はどうなのよという話ですが、ここもとの短国相場ちゃんではその手の「短期国債というモノを買います」的な動きはさすがに一服という感じですが、その一方で足元潰すべきキャッシュはアホ程あるので、その潰すべきキャッシュの買い出動レベルと思われる水準までは中々上昇せず(できれば0.12%以上キボンヌだと思うのだが、それを言ってると一生買えないので0.115%って事になるんですかね。6か月だと0.12%ですけど)ということで、今日も今日とて横ばいになるんでしょ、よー知らんがの。


・ところで30年国債入札の前場買ったのは何だったんですか??

昨日は30年国債入札。前場の引けとか見ないで単純に前日の引けと当日の引けを見るだけですと「ちょっと強めだけどまあこんなもんですかなあ」という落札結果に見えないことも無いのですが、実際は前場に謎の買いで超長期ゾーンを強くして、落札はやや流れて引けになったらベアスティープとなり、前場引けと大引けの間で超長期ゾーンのバランスが3毛も悪化しやがるというケシカラン入札になっておりました。得したのは財務省だけというしょうもない結果に。

で、この前場の買いが先回り買いなのか煽り攻撃なのか嫌がらせなのかさっぱり判らないのですが、実にはた迷惑な動きではございまして、まあ相場的には何となくインチキ成分が増えてきたというような所なのでしょうか。量的緩和時代にも時々こういうしょうもない前場の嫌がらせ買いみたいなのがありましたが、久々にやらかしましたなあという感じで、まあそのまま強い所を入札で全部買うという根性あるなら別に良いのですが、全然そうじゃないというのなら他の参加者に迷惑にも程があるので、可及的速やかに切腹して地獄の火の中に投げ込まれるべきものであると思う次第であります。というのをメモに残しておきますです、はい。

○証券決済改革関連メモ

日経の記事が有料会員向けになってやがるので又引用状態。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aYWcYoi5SLLM
国債決済2日に短縮、2012年めど金融業界・日銀・金融庁−日経

日銀様と金融庁様が御熱心なのは結構なのですし、まあT+2にするのは大きな弊害は無いかとは思いますし、決済リスク削減そのものは正論なのですけれども、こんな低金利で決済関連の投資をする収益が捻出できない時にシステム投資の負荷がかかりそうな事をやるんですかいなと思う次第。まあその辺を勘案して2012年前半という事になっているのでしょうけれども(2012年になってもまだ今の金利水準だったら悲しいがありそうですなあ)。

で、これ国債決済だけ短縮するのか、他の証券決済も短縮するのかが記事だけだと良く判らん(まあWGがあると思うからそこに聞けば良いのだが)のですけれども、機関投資家間の方は何とかなると思うのですが、証券決済の期間短縮という話になった場合にリテール部門とか投信とかの決済が短くなるという話になりますと、そっちの方が実は負荷が大きいんじゃないかなあという気がしますが、どうせまた例によって例の如く日銀ネット参加者という言ってみれば証券決済関連のおエリート部門様を集めて話をしているのでしょうから(付いていけない雑魚はカストディーサービスを使えというのは一つの考え方として大いにある話なので別にそれを全否定する気は無いが)、まあ精々リテール方面の方も気にしてあげて下さいねという所でしょうか。

一時いきなりT+1決済という話が報道されて物凄い勢いでビックリしましたが、さすがにそれは無理(T+0のレポ取引ってGCは資金の出し手限定でSCでT+0対応ができる人が一部の大手と専業信託という状態ですからねえ)ということで現実的な話になったのはまあ歓迎という事にしておきます(棒読み)。

ま、出来ましたらご当局の皆様におかれましては、理念先行のべき論で無理無理突っ走る事のないように願いたいものでございます。

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2010/06/08

○見た目覆面利下げでも話題にならないですな

昨日は当座預金残高が連日の15兆円割れという調節になっているのですが、コールレートの方は0.086%となりました。先週は月曜の0.089%から延々と0.08%台後半で推移して、4日は0.091%になりましたけれども、昨日もまた0.09%割れ。まーそれ以前の問題として5月に入ってからのコールレートって恒常的に「下を四捨五入すると0.09%状態」が続いている(そうじゃ無かったのは14日の0.102%の時だけ)のですが、0.09%割れが定着という感じになって参りましたので、こらまあディレクティブがちがちに運用していた時期から考えれば覆面利下げみたいなもん・・・・の筈なのですが、あたくしがこうやって場末でうだうだ申し上げておりますだけで、世の中であまり話題にもなっている節が無い(一部あたくしの仲間内では話題にしてますが、笑)のが残念な所。

えーっと、どう残念なのかと申しますと、よーするに無担保コールの金利水準が覆面利下げだろうとど〜でも良いというのが現状の金融市場の有様という所だという話ですわな。別にどうでもいいちゃあどうでもいい話ですがね(汗)。

元々無担保コール市場で都銀が取ると(平均が0.10%乗せてた時でも)0.10%を普通に割っているような時が多々あったので、そーゆー意味で実質的にどの位レートが下がったのかって良く判らん節がありまして(まあ都銀の人は知っているでしょうけれども)、もしかしたらその辺があまり変化無いから話題にならないのかも知れませんし、それ以前の問題として無担保コール市場の金利よりも短国などの全体的な金利水準という意味ではGCレポレートの水準と安定性の方が重要なのでコールの実効レートはそんなに問題じゃないという事なのかもしれませんし、まあ正直良く判らないのですが、一昨年のいつぞやにコールで0.08%のビットとかに成った時に売出手形で資金をさっくり引いたようなオペレーションをやってた時から比較すると随分と変わった観がありますな。

で、まあこの調子でコールの実効レートが0.09%割れが続くという状態になっているのを特にディレクティブ的に問題無いという話なのでありますと、それは実質的には金利付きの量的緩和状態というか、FRB状態で預金ファシリティのフロア機能が今一歩効いていない(本当に効かなくなると米国のようなカオス状態になるがそこまでの話にはならないですね、短期国債は0.10%から下には下がらないですし)状態というか、まあそういう状況になるのですが、その辺政策委員会ではキニシナイ!ということなんでしょうかねえ。まあ細かい話でどうでもいいと言われればそれまでですが(大汗)。

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2010/06/07

○ところで日銀のオペ減額

昨日は1週間物の国債買現先オペと短国買入を減額。まあ足元ではGCも落ち着いていますし、コールは兎に角先週は9bp割れが連発とかで、ディレクティブの遵守が怪しくなる今日この頃なのであります(いやまあ8bpが『無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.1%前後で推移するよう促す。』の「0.1%前後」だと言い張れば良いのですけれども、従来はそういう調節じゃ無かったですよね)ので、まーそりゃオペ減らしますわなという所なので、単なる備忘メモでした。

それよりも今月の注目は年金の払いと国債の四半期償還がぶつかる四半期末ということで、月後半のGCやらSCやらの動きがどうなるかという事ですので、まあそっち次第ですな。イマイチ使えるオペ(固定オペは期間が長すぎなのと一回で入る額が相変わらず少ないので使えない)が少なく、足が短い供給が多いのがちょっとどうかなあとは思いますが。

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2010/06/04

○菅総理で円安株高債券(だいたい)高とな

昨日の市場ですが、為替は何だか円安に振れ、株価はNY株が上昇してたり円安だったりで強く、債券市場ちゃんはと言えば先物とか10年はちょっと安かったですけど、長い所と中短期が強くて、何気に5年がまた0.4%に近くなっているのもそうですし、2年とかも強くなっているのが恐るべし。

為替→菅さんが就任時に円安の話をしたから
株価→海外株高&円安と財政再建路線(??)
債券→財政再建路線および金融緩和政策長期化

という風に後付け理屈では言える(実際の所は知らんが)んでしょうかなあとは思うのですが、何気に「円安株高債券高」って日本的には超理想的な展開になっておりまして(^^)、菅さんってそんなに金融市場の評価高かったっけ????とゆー感じはしますけれども、これはテラオモシロスという所でございますわな。

ま、増税して景気回復というのは何ぼ何でもさすがに如何なものかと思うのだが、政府の再配分機能ってゆーのもやり過ぎちゃうと全体の生産性を下げるという事も勘案しますと(何も無しのレッセフェールは有り得ないが)、まあその辺りをどう整理していくかという話は今後重要になるでしょうという話だとは思います。

#だから本当は事業仕分けみたいなのがあっても然るべきだが、ただの天下り糾弾会&素人による無茶苦茶なぶった切りの政治ショーになっているだけなのであれは無駄にも程がある

それはともかくとして、何か知らんが菅さんの登場(しないかもしれないけど)で金融市場が実にこういい方向に進んでいるのが何のギャグかという所ですが不思議ちゃんな相場展開ではございます。国家戦略担当相の時とか、財務大臣就任時のインパクトが印象となって残っているから、何となく各市場が都合のよいように解釈しているだけなのではないかという気はせんでもないが。

対抗馬の人はさっぱり判らんが、旧日本新党に松下政経塾という時点であたくし的にはいきなりネガティブなんですがね。この色々と難問山積の状態なのに最初の政策が衆議院定数削減とかいうどうでもいい話という時点でこの人は「脳内お花畑政策メーカー」の香りがプンプン漂うのですが勘違いだったらゴメンナサイ。

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2010/06/03

○ECBのドル供給オペ

ECBのオペレーションに関するページはこちらですが。
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/index.en.html

昨日の1週間のドル供給オペ結果はこちら。
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/USD10005_all.en.html

Currency: USD
Fixed Rate: 1.21 %

で、その後に本来はTot Amount Allottedなどの項目が出てくるはずなのですけれども、その下が華麗に空欄というのは要するに応札無しということでござんして、めでたく今回もろくすっぽ札が入らない(というか初回と同様に坊主なのだが)入札と相成りました。

元々OIS+100bpというのが高いんジャマイカとゆーのもありますし、ヘアカットだの何だのと言われたら普通にドルユーロの直先スワップで調達しちゃるわいという所だと思われますが、つまりこれは1週間程度の期間に関しての欧州市場でのドル調達はまあ回っている(普通に回っているのかどうかは知らんが)という事の表れだと勝手に解釈致したく存じますので、まあ良かったですなという話っす。

とりあえず足元で急速に金が詰まるというような事は無いのでしょうけれども、そうは言っても無担保のラインを削減とか、リスク圧縮とかの流れが変わるとも思えませんので、問題は長引くとは思うのですけど、まあ時間があればそれなりに対処の方法もあるので、リーマンショックみたいな急性症状にはならないで済む・・・のかなあという感じです。


○5月の日銀購入国債

http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei1005.htm

手元のエクセルでヘコヘコ集計しているので正確さは担保致しかねますが(といきなりヘッジクローズ^^)、5月の買入では残存2年以内の買入額が8934億円ということでちょっと多目ですねという感じです。

そらまあ5月相場って基本的に金利低下方向でしたから国債買入オペの性格上短いのが入り易くなるので普通っちゃあ普通の結果ですが、まあとりあえず買入半分弱が残存2年以内というのは引き続きという所です。

で、先月の今頃は「購入国債の平均残存期間ベースで分析すべきですな」と書いた覚えがあるのですが、例によって例の如くそういう分析をしないまま翌月が来てしまったのがドラめもんクオリティでございます。ど〜もすいませんm(__)m

#本職の人がたぶん分析してると思いますので

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2010/06/02

○短国発行がまた減額とな

先週出てたのですがうっかり入札前になって気がつくあたくし(汗)。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillauct/auct220526.htm

今日入札が行われる3か月TBですけど発行予定額が5.1兆円ということで、2か月連続での減額となりました。ということで、償還が5.7兆円あってロールの発行が5.1兆円ですから6000億円の減額ロールとなります。まあ税収が見込みより上に振れる見込みですという話に対応してますねという事でしょうな。

ここの所(ここ1年ほどは増えてません、念の為)ずーっと増額増額で来てたので、足元で減額になるというのは世の中的に言えばイイハナシダナーという事になるのでしょうけれども、どちらかと言いますと足元キャッシュが余って運用難なんすけどという流れですので、微妙に有難迷惑とか言うと図々しいですかそうですか(^^)。

でまあ何ですな、とりあえず短国の発行が減って来ている(3か月以外は特に変わらないと思うのだが)という中でございますので、このドサクサに紛れて日銀におかれましては短国買入を減らす(頻度を減らすアルヨロシ)事によって共通担保オペ(固定物じゃ無い方)の打ち込み余地を増やして頂きますと割とみんなハッピーだと思う(ただしポジショントーク成分入りですので念の為)のですがどうでしょうか??

短期国債買入に関しては、まあ他の資金供給オペが打てる状態で、かつ短国そのものの需給が悪くなければ別にそんなに無理くり打ち込む必要って無いんじゃないかなあと思う次第でして、それよりも足元の共通担保オペを切れ目なく打った方がGCレートが安定するので、短国が増額する流れとか、(リーマンショックの時みたいに)足元のレポ金利が別の要因で上昇した時でも無ければそんなに打たなくてもと思いますです、はい。

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2010/06/01

○GCレートが上がった後下がった件

えーっと、すっかり書かないでいるうちに上がって下がってしまって誠に遺憾なのでございますが、5月末と今日明日の財政不足に関する部分でGCレートが上昇したでござるの巻だったので、今更ですがメモとして(俺様備忘録ですから^^)残して置くのだ。

まずは5月末の受け渡しの所でGCレポ市場への資金の出が悪くなってきて、レギュラーが末となる26日の所でT+3が0.13%水準に上昇して、27日には久々にスポネの買現先が1兆円実施されまして概ね0.13%の落札(足切り0.12%の按分は極薄)とゆーことで、足元のGCが上昇したのでレギュラーの所も上昇という感じになって0.135%レベルと。

で、その末のお金ちゃんの方は28日の午後になってやっと出て来たようで、金曜の午後からレートの方は落ちついた訳でして、昨日はレギュラーで0.115%水準という感じ(手前はもうちょっと低い)ということでまあ低下しましたねという所です。この間、当座預金残高水準は31日に向けてオペ増やしたりした事から31日で18.1兆円となりましたが、実際にGCの出し手の金繰りが見えてきた時点にならないと金が出てこないという問題もありますし、そもそも18.1兆円の当座預金残高というのは全体的にあるにしても、その金が偏在した結果、GCの資金放出する人達の所に無いという事になるとやっぱりGCレートは上がっちゃいますねという流れということですわな。

一方で(すっかりネタに成らなくなっていますが^^)コールレートの方はもう延々と0.1%割れが定着(先月の積み最終日の最後の最後に謎の取り上がりがあったのはナンダッタンデショウカ)しているのでありますが、まあ足元のオペの打ち方とか見ていますと、基本的にGCレートがあまり跳ね上がるってそれが定常化するのは避ける(そうなるとターム物の金利が上昇してしまうので、金融政策の中にある「ターム物金利の抑制」が達成できなくなるから)という流れ(ただし無理に金利を押し付ける訳では無いので瞬間的要因での少々の上昇はアリ)となっているようですが、この場合って実は当座預金残高よりもオペ残高の方がGC市場の需給に効いてくるんじゃねえのかという感じがせんでもないですし、債券業者の在庫および資金繰りの状況は単純に当座預金残高だけで測れる物でもなさそうなので、まあオペレーションも難しいですなあと思うのでありました。

と、判ったような判らんような雑感メモを延々と書いているのですが、今月は15日と21日に財政払いの山(年金と国債償還)がありますので、そこに向けてオペ残が減ってくるのが普通のオペレーションになるのですけれども、オペ残が減るとその分GC市場での要調達額が世の中トータルで増えるので、本当はオペ残減らさないで淡々とロールして頂きたいのですが、そうなると今度は当預が余り過ぎになってしまうので中々難しいでしょうな。

ただ、他の要因もあるのでしょうが、ここもと当座預金残高が16兆円や17兆円とかで推移していてもGCレートがそんなにだだ下がりしなくなっていますので、もしかして固定オペが他のオペを圧迫する関係およびフルアロットメントの企業金融オペが無くなった要因で当座預金残高をやや増やしてもGCレートが下がらなくなったのかなあなどとも思いつつ足元の計数を眺めている今日この頃でもあります。

#と、最初から最後までマニアネタで何の話だか判ってくれる人が極めて少ないのではないかと存じます(すいません)

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2010/05/31

○とりあえずパニック的な動きは落ち着いたような

足元では欧州市場というか欧州のドルファンディング市場にひたすら振らされる相場が続いておりましたが、先週の火曜あたりをピークにして取り敢えず急性症状は収まった感じのようで何よりではございます。まあ以前より周知状態だった筈のスペインでの小規模な地域金融機関の再編問題で大騒ぎとかパニックにも程があるという所でしたが、ちったあ冷静になってくれたようですわな(ただしスペイン格下げの件はまだ影響がこれから)。

まー取り敢えず急性ショック症状の方は一旦収まったという事ではござますが、じゃあ問題は解決したのかというと話は残念ながらそういう訳にはいかないですし、米国にしろ欧州にしろ規制の流れとかそもそも金融機関の行動の流れとかが、レバレッジの解消方向に進んでいるというのは変わらないのでありまして、そーなりますと急性症状は起きないかも知れませんけれどもダラダラとリスク解消方向のポジション閉じという流れになるんじゃないですかね。

ユーロとか足元落ち着いているように見えますけど、これってよーするにユーロのショートポジションがアホのように積み上がっていたのがポジション閉じの方向になったからという気が凄くするのでございまして(気のせいかも知れないけど)、まあそんなこんなを考えると長期戦になるんでしょ。で、その長期戦中に欧州では徐々に無担保のファンディングがしんどくなる(先日はBBVAがCPのロールがどうしたこうしたとかいう記事が出てましたが、別に大した額でも無いのにネタにし過ぎ)でしょうし、ショートファンディングは溜まって来て益々ECBのオペ頼みになってくるでしょうから、何かがあった時にECBの機敏かつ適切な対応が無いとエライコッチャになるリスクもまた拡大という所かと。

ということでまあ今月の相場は何だかんだと言って欧州に振り回されたような気がするのですが、良く良く考えると実は欧州もそうですけど、実は超長期入札前後の動きでいきなり相場の位置が変わったというのもあったりしますな。まあその時に株も動いているので何がどうなって反応したのかは難しいですけどね。

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2010/05/28

○要するに目先の注目点は欧州ということで

昨日ちょっと書いたECBのドルオペの件ですが。

http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/USD10004_all.en.html

昨日はとりあえずメモ状態でしたが、その後まあ聞いてみたりしたところ、上記URLにある詳細のように、応札してた参加者が『Tot Number of Bidders: 3 』ということで3社だったという事もございまして、まあそんなにややこしい話にはなっていないというのが判るかと存じます。

で、今度は「ドルオペがあるから安心安心」という話が逆に蔓延しだしているような気がするのですが、それは「ロンバート貸出があるから大丈夫」と言ってるのと同じレベルの話でございまして、冷静に考えたらロンバート貸出があっても無担保のファンディングが回らなくなった時に飛ぶというケースもありますので、そこまで安心しまくるのもどうかという感じはせんでもない。

つまり、長目のドルファンディングがしんどくなってくれば、当たり前ですけれども市場のファンディングが徐々にショートファンディングに傾いて来るのでありまして、長目のファンディングのロールが来る傍からそのショートファンディングが溜まってくるという構造になる訳ですから、金詰まりが起きた時のストレスが拡大するのでありまして、まあ長期戦になるんじゃねえのと思いつつ、とりあえず目先急にどうのこうのという話は一旦(何で後退したのか判らんが)後退という事で宜しいのかな??

まあ何ですな、後は欧州の問題が欧州金融機関のリスク資産圧縮というルートから始まって金融が実体経済に悪影響を与えます流れになるかどうかが問題になる訳ですし、その流れが欧州から全体に波及するかどうかという話を考えましょという事でしょうか。いやまあ欧州域内だけヒーヒー言って不景気ですなあという状態で勝手に虫の息になって頂くのであれば世界的には関係ねえという事になるんでしょうけれども、さてそうなってくれますかなと言った所で。

しかしECBのドルオペって市場混乱モード時にはこれ使いたければ使えばっていうような設定(金利にしても担保のヘアカットにしても)になっているので、応札が増えるとそれはそれで「ああドルファンディング市場が北斗の拳状態になっているのですなあ」というシグナルになってしまうのも逆に言えばどうなのかという気もするのでして、個別機関のstigma問題とは違いますが、何かこう微妙なテイストを感じないわけでもない。でもまあ市場がピーピー言うと直ぐに餌が出てくるという風にすると、毎度毎度市場が催促するというそれはそれで一種のモラルハザードの温床に成りかねませんし、匙加減は難しいですわな。

まあいずれにせよ、まだ取り敢えずは余裕があるようなので一息とゆー所なのでしょうかね、ただまあ別にそれで財政問題が解決するわけでは無いのですが、市場の催促によって欧州各国の財政赤字縮小に向けた動きが加速してきた観があるのでそれはそれで結構なお話でございます。

なお、さっきも書いたように、この調子だとたぶん欧州のショートファンディングが拡大していく傾向は変わらないと思いますので、時間の経過とともに何かのショックに弱い状態が拡大はする点には注意が必要なんジャマイカと思いまする。

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2010/05/27

○ところで昨日のECB

ECBが実施したオペはこちらにあります。

http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/index.en.html

下の方にある『Non-EURO operations』ってのに傾注。

USD10002 OT 20/05/2010 12/08/2010 84 1.24 % 1.032 bn
USD10003 OT 20/05/2010 27/05/2010 7 1.22 % 0 bn
USD10004 OT 27/05/2010 03/06/2010 7 1.23 % 5.4 bn

最初の84日オペはまあ良いとしまして、7日オペは一発目の先週実施分では応札が無く坊主オペとなったのですが、昨日実施した7日オペ(先週実施分のロールオーバー扱いだが、元々が坊主なのでロールというべきかどうかは知らん)には応札が登場でござるの巻。

あたくし不勉強にも程があるので、この応札額が多いのか少ないのかという土地勘が働かないので申し訳ないのですが、あんまりサービスレートでは無い(と思われる)オペですが応札が来ましたなあという事で、まあドルスワップやっておいて良かったですなあという感じです。これがドンドン増えてきたらヒャッハー状態なんでしょうし、減るようだったらまあ市場が徐々に落ち着いて来ましたなという所なのでしょうから、ここの推移もぼーっと観察したいなあとは思いますです、はい。

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2010/05/26

○スペインがどうしたこうした関連の俺様備忘録

まあ俺様備忘録なので特に考察は無い。正直スマンカッタ。

今般お飛びになられたCajaSurをWikipediaで検索したら英語版だとスペインアンダルシアのツーリングチームが出てくるのだが(^^)、さすがにスペイン語だとちゃんと出てくる(^^;

http://es.wikipedia.org/wiki/CajaSur

冒頭にあるこの銀行の沿革の説明にこんなのがあるが。(追記:下の文章ってスペイン語表記なので本来は色々な記号があるのですが、ホームページビルダーおよびテキストファイルの都合上、単純にアルファベット表記だけになっている点はご容赦ありたし)

『Surge en 1995 de la fusion del Monte de Piedad y Caja de Ahorros de Cordoba, vinculada a la Iglesia Catolica, y la Caja Provincial de Ahorros de Cordoba, vinculada a la Diputacion Provincial.』

まあ何だ、スペイン語は判らんのだが、Iglesia Catolicaってカトリック教会って意味の筈だから(そのくらいなら判らんでもない^^)、要するに物凄い地域金融機関で何かもう地元のしがらみの佃煮のような金融機関ではございますな。で、まあ元々この手の金融機関が不良債権のデパートのようになっているという話はあったようで、スペイン中銀の金融システムレポートのようなものが今年の3月に出ていてですな。

http://www.bde.es/informes/be/estfin/completo/estfin18e.pdf(1MBあるので注意)

これは英語なのでまあ何とかという感じですが、ここのPDFだと19ページ(本文も19ページ)から『Deposit institutions and other financial market participants』のコーナーになっていて、貯蓄金融機関の経営状態の香ばしい話が書いてあるようでありんす。

んでもって21ページの頭にBOX 2.1ってのがあって『BANCO DE ESPANA ACTION IN CAJASUR』というお題で、そもそも経営に問題があるので、同じアンダルシア州の貯蓄金融機関のUnicajaとの経営統合がどうのこうのという話が書いてある訳で、まあ昨日ニュース見て想像した通り、そもそも本件って昔から判ってた話(今回はCajaSurが経営統合を拒否して中銀送りを選んだ)であって、何でそれが急に売り材料になるのかさっぱり判らんというのはまあ昨日の朝の想像通りでしたわなという所です。

なお、28ページの所に貯蓄金融機関の不動産建設業向け融資の状況について書いてあるように読めるのですが、潜在的な不良債権が同業向けの貸出の25%とかいう落涙を禁じ得ない数字が載っておりますな、まあオソロシスですが日本の時ってどうでしたっけな。

んでもって、これまた昨日書いたことの繰り返しばっかで恐縮ですが、まあここって別に金融システムに影響を及ぼす訳でもないです(全体としてスペインの金融機関の不良債権問題がどうのこうのというのはありますが)し、そもそも上場とかいうレベルと隔絶しているような小さい金融機関なので、これをネタに欧州市場が動揺っていうのは話としてはアリエネーという所なのですが、それでも動揺する所に欧州市場がうんこ状態でどうにもこうにもという事になっているというのが判るというものですな、ナムナム。

で、昨晩もこの有様ですよ。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aZE8j2PdNZpU
Libor for Dollars Rises for 11th Day on Debt Concern (Update2)

『May 25 (Bloomberg) -- The rate banks say they pay for three-month loans in dollars climbed for an 11th day as concern mounted that Europe’s debt crisis will prompt financial institutions to question one another’s creditworthiness.』

はあそうですかという感じですが、まあ欧州市場の(ユーロじゃなくて)ドルファンディングが問題になるちゅうのはコマッタモンデスなという所でございます。いやまあスワップ協定は入りましたのでオペは出そうと思えば出せるのでしょうけれども、ECBってどうもケツが重くて、いざ動くといきなり強烈に動くというのがここまでの仕様だと思う(急に超大量オペやら無制限オペを打ってみたり、急に1年固定オペを打ってみたり、買わないと言ってた国債を急に買ってみたりとか)ので、どうなるかはよー判らんとしか申し上げようが無いですが、このまま週末まで放置すると催促相場状態が続いて遺憾としか申し上げようが無いですな。

いやまあただの催促相場状態でファンディングそのものは回っているという状況なら別にまあ最終的には何とかなるのですが、これが欧州系金融機関の資産圧縮という流れになりますと、ファンディングがどうのこうのという問題では済まなくなるので宜しくありませんわなと思うのでありまして。

という大した考察も無い俺様備忘録でどうもすいません。

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2010/05/25

○日替わりユーロ相場のようで

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=ardB44XDsXWA
NY外為:ユーロ下落、スペインの銀行救済で域内の損失懸念高まる

ということで、スペインの貯蓄銀行が中銀傘下に入ったとかいうニュースはたぶんこの辺(ただしスペイン語)。

http://www.elpais.com/articulo/economia/Banco/Espana/expedientara/administradores/Cajasur/elpepueco/20100524elpepieco_2/Tes

どの位の規模とか正直知らんのですが、米国のように年がら年中地域金融機関が預金保険公社入りしている国では別に今更話題にならないのに、スペインで起きた場合にはいきなり大きな話題になるというのは、まあそもそもが新ネタであるという事もそうですけれども、よーするにユーロ圏の市場センチメントが極悪な状態だから、たぶんそんなに規模がでかい訳でも無いと思う(事実誤認でしたらすいません)所の公的管理入りという話でも騒ぎになるということでしょうなあと。

#スペインの貯蓄金融機関と言えばバルセロナに行った事のある人なら必ず見た事がある筈のロゴが印象的なLa Caixaが有名かつ巨大ですな

とまあそんな次第ですので、どうも欧州の金融市場に関してはまだまだ落ち着かないというか、暫くはああでもないこうでもないとやらかすのでしょうなあ、と思った朝のひとときなのでございました。

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2010/05/21

○決定会合の直前に逆風とな

http://jp.reuters.com/article/jpmarket/idJPnJT866106220100520
欧州株式市場=続落し2週間ぶり安値で引け、規制強化懸念で金融株売られる

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aW_.OpTfhlDA
米国債:上昇、10年債利回り年初来の低水準−欧州危機の悪化を懸念

ということで、本日はど〜せ株安に円高とかになると思われますが、日経1万円割れとかドル円90円割れとかになりますと、暫く静かだった政治方面からああでもないこうでもないという話が出てくるに1万ドラクマな訳でございまして、そのタイミングがまさにこの金融政策決定会合というのが様式美の世界。

ここの所は割とその流れが無かったのですが、昨年末くらいからは政策決定会合前になると急に為替やら株価がアンフェーバーな方向に動いて日銀にああでもないこうでもないという人達大騒ぎの展開でござるというのが毎度毎度の決定会合で示されていた訳でして、今日はまた久々にこの動きをやってくださっているのが中々香ばしい所ではございます。

・・・じゃあ今日の会合で何かあるかというとそれは昨日の今日とかなので何か出るという訳にも行かないのでしょうけれども、何かこういう感じで足元できな臭い状態になっている時に「成長戦略の為の資金供給がどうのこうの」という長期的なネタを出すのは何と言うかタイミングとしてとーーーーーってもアレというのが何だかなあって感じが致しますが、微妙に間が悪い事が多いのが白川日銀の仕様でもあるので致し方無しということで。

ま、ユーロの問題ってとりあえず足元の政府債務の支払いという点での流動性に関しては何とかなりますよという状況にはなっているとは思うのですが、じゃあ財政再建がサステイナブルなのかというような、ソルベンシー問題に関しては1ミリも解決されていない(そらまあ1日や2日で解決される問題ではないが)のが問題という話になって来ると、まあ足元の動きに対して外野の中央銀行ができる事って特に無いのですから、そーゆー点で言えば日銀が何かやりますって言う話は無いのですけれども。

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2010/05/20

○ドイツがどうしたこうしたのクリップ

URLが長いよ・・・

http://www.bafin.de/cln_161/nn_720788/SharedDocs/Mitteilungen/EN/2010/pm__100518__cds__leerverkauf__allgemeinverfuegungen__en.html

どうもこの辺りに例の空売り規制に関するリリースが出ているようで、何かこのリリースって昨日の(日本時間の)昼間には出てなかったような気がするんだが、大体からして欧州時間帯の取引終了後にこの話が出て、地球を一周してから下げスタートで始まるとかドイツの当局者何考えているのかサッパリ判らんですな(話が出た時は「結局の所詳細が判らんのでとりあえずポジションを閉じとくか」状態だったんじゃないかと)。

ついでに申し上げますと、空売り禁止がどうのこうのというのはまあ良いとして(良くないが)、銘柄を限定列挙するとか更に意味判らん。こーゆーの列挙したらマーケット感覚的には「この銘柄から逃げて〜」といってるようなもんなんですけど、何を考えているんだか。

でですな、あまりにも斜め上なドイツ当局の対応にも程があるので、もしかしたらドイツは斜め上の対応を取る事によってユーロ安誘導を行って、財政問題を通貨安で解決しつつ、自国の輸出産業はウハウハになるのでドイツ大勝利とか考えているのかと妄想を入れたくなってしまうのですが(^^)、昨晩はユーロ防衛介入的な思惑が出ていたらしいのでそれはさすがに考え過ぎで、単に何かヤケクソになって斜め上の話をおっぱじめたという事なんでしょうかねえ。まあよー判らんですな。

たぶん一般的と思われるマーケット感覚として、何か唐突に妙な施策が出ると、その背景に何かとんでもない事が起きているのではないか!と思うのが仕様だと思われますので、まあ正直ゲルマンさんの国がどうのこうのとかさっぱり判らんのですが、ひじょーに気になる所ではございます。


○一方日本では短国利回りが相変わらず低い訳だが

昨日の3か月TB入札結果。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul220519.htm

平均0.1119%の足切り0.1123%となりやがりました。

先週水曜の3か月TBの入札が平均0.1139%で足切り0.1143%だったのですが、それよりも堅調という事でございます。その後の業者間では0.11%の出合いとかだったらしいので、まあ5兆4千億円の打ちこみがあっても堅調堅調。さすがに0.105%だの0.10%だのという事になると、そこまで行くと日銀の預金ファシリティに置いても同じでしょという事になりますので、預金ファシリティと関係ない人(非居住者とか)が「円建て安全資産としてのTB」という「モノ」としてのニーズだけで発行量全部充足という訳にも行かないでしょうと思うので、ここから先の金利低下は逆に行ったら行ったで結構腰を抜かす事態のような気がするざますわよ。

ま、それはそれとして、昨日の入札結果を見ましても、ま〜市場のベースの部分で円の安全資産へのニーズがやや増えているんジャマイカと思わせるような感じっすねえというメモでありました。なお、今日は2か月TBの入札があるのですが、どっからどう見てもニーズが強いという話になるんでしょ。よー知らんが。

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2010/05/19

○ECBの吸収オペレーション

まず最初に訂正しますと、ECBの吸収オペレーションの概要に関してはECBのウェブサイトに思いっきり掲載されていましたです。とは言いましても、トップページに載せないでオペレーションに関する所に載せているのが何だか不親切感を受けるのですけれども。

こちらのページ(トップページの「金利が幾らです」の下にある『Open market operations』をクリックすると出る画面だよ)の真ん中あたりにあるタブの『Ad-hoc communications』というのをクリックすべし。
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/index.en.html

『17/05/2010 Fine-tuning operation

As decided by the Governing Council on 10 May 2010, the ECB will conduct specific operations in order to re-absorb the liquidity injected through the Securities Markets Programme. In this regard, the ECB will carry out a quick tender on 18 May at 11.30 in order to collect one-week fixed-term deposits with settlement day on 19 May. A variable rate tender with a maximum bid rate of 1.00% will be applied and the ECB intends to absorb an amount of EUR 16.5 billion.』

ということでこのアナウンスに伴い昨日吸収オペが実施されただよ。

『The latter corresponds to the size of the Securities Market Programme, taking into account transactions with settlement at or before Friday 14 May. The benchmark allotment amount in MROs takes into account the liquidity effect of non standard measures, assuming an unchanged size of the Securities Markets Programme and full sterilisation of this amount via the above mentioned liquidity-absorbing operation. Fixed term deposits held with the Eurosystem are eligible as collateral for the Eurosystem´s credit operations. The ECB intends to carry out another liquidity-absorbing operation next week.』

1%(=通常の1週間オペおよびまたフルアロットメント方式になった3か月オペの資金供給金利)を上限として吸収を行うのですが、その吸収した預金は資金供給オペの担保として使えるという中々良く判らんシステムではございます。まあ通常のオペに使うと逆鞘になりそうな気がするからもし使うのだったらドルオペの担保にでも使うのかいな??何かユーロシステムのオペレーション関連はあたくしの不勉強のせいで良く判らんので誠に申し訳ないのですが。

ちなみに、この下の方にも『Fine-tuning operation』というのが載っていますが、その説明を見ていると、Fine-tuning operationというのは準備預金の積み最終日に大きな積み上が残りそうな資金需給になった場合に、調節の為の吸収オペレーションを実施する(実施しないとオーバーナイト金利が預金ファシリティ金利(現在は0.25%)まで低下してしまうから)というオペレーションのようで、今回の吸収オペも名前が同じという所からしますと政策的な位置づけは同じようなもの、ということになるんすかね。

で、そのオペの結果は、さっきの画面の『Tender operations 』タブをクリックすると出てきます。オペ番号20100037番のOTって奴ですな。

オペ実施明細
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/20100037_ann.en.html

落札結果
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/20100037_all.en.html

7日間のオペレーションで、平均落札利回りは0.28%で足切り利回りは0.29%だそうですな。高いのか低いのかは良く判らんが、まるっきり同じ期間のMROが実施されているのですよね。何がどうなっているのか教えてエライ人!!!!

#と最後はただの自分のアホぶりを晒しているのが悲しい所です



○日銀のドル供給オペレーション

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of100518.htm

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba100518.htm

2億1000万ドルですかそうですか。ということは200億円くらいのオペという事になるのかと存じますので、まあ坊主じゃなかったけど実質的には坊主みたいなもんという感じ。これはこれで予想通りの展開(東京市場でのドルファンディングに大きな支障をきたしているという人はいないでしょうと思われるので)ではございました。

まあこの結果を受けて、次回のオペはのんびりと実施するとかいう話になるのでしょうなあとは思いますが、こーゆー物はとりあえず置いておく事に意味がある(ただし、コーンFRB副議長が指摘する(あとで引用します)ように、それを常設化するのは、「最終的にオペ頼り」という流動性リスク管理を生みだすリスクもあるので、必ずしも常設化が正しいとは言い難いというのもその通り)ので、とりあえずドルスワップ協定の延長有無があるかどうかにもよりますけど、協定が生きている内は実施をいつでも可能という状態にしておくという感じっすかね。

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2010/05/18

・ECBが吸収オペをアナウンス

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15351220100517
ECB不胎化計画、ターム物預金で165億ユーロ吸収へ

『ECBは、ロイターの情報ページで明らかにした文書で「ECBは5月10日の理事会での決定に従い、証券市場プログラムを通して供給した流動性を吸収するために特定のオペを実施する」とした。』

は良いのだが、その肝心のアナウンスはECBのホームページだと見当たらないという情報開示姿勢として如何なものかというのが欧州クオリティなのは今に始まった事では無いのですが。

で、目の前のテレビ番組では「国債買入の不胎化オペレーションを行うからユーロが上昇」というニュースになっていますが、そもそもユーロ安はユーロシステムへの不安によって発生しているのであって、別に流動性がどうしたとか利下げがどうしたという話じゃなく、国債買入を不胎化したらユーロが買われるとか嘘でしょ(そもそも国債買入のアナウンスでギリシャ危機後退期待でユーロは買われただろうと小一時間問い詰めたいのだが)と思うのだが、ブルームバーグはマジでそういう後講釈してるのか、幾ら後付けでも従来の流れと全然違うんじゃねえのかと思うのだが。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aqFonw6DMgAA

なお、ロイターは全然別の理由を説明してます(^^)
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPnJT865446220100517

まあこの措置は「うちはジョンブル野郎とは違うんですよ、フフン」という以外の意味があるのかは謎でございます。



・短国が相変わらず強いけれども短い所限定な件について

昨日の1年TB入札は概ね0.13%をちょっと切る水準で落着。まあこちらの方は概ね0.13%辺りで安定して推移しているのですけれども、その一方で3か月以内の短期国債は強いわ強いわということで、多分BBさんの引けは3か月カレントで0.115%とかになっているような気がするのですが、実力はどう見ても0.11%という水準(つーか絶対金利の水準がここまで低い状況なのに引けと実勢が違うのは勘弁してくれと思うのだが、その悪態はまた後日^^)ですし、より短い所もまあそんな感じなのかもうちょっと強いのかという感じです。

まあ何ですな、短国のうち期間が3か月以内程度(たぶんニーズが伸びて半年程度かなあ)という状況っていうのは、「運用商品」というよりも「キャッシュの置き場所としての安全資産」というような意味合いの買いが強い時のお話(これが利下げ期待とかだと更に長い期間まで低下しやすくなりますよね)でございまして、まあそれこそユーロ懸念でユーロから金引っこ抜いてきて他通貨に振るって事になった場合、そらまあ最近の地合いだとカナダだのオージーだのにも人気が出るでしょうけれども、それなりにロットを捌くとなるとどうしても円だのドルだのという所を使わない訳にはいかないでしょという流れなんですかねえ、と妄想。

今週は明日3か月TB、明後日2か月TBの入札がありまして、この水準がどの程度まで行くかという話ですが、短国の短い所が強くなった影響で運用商品的な面も考えている投資家が足元の強さで弾き出されている面があり、その金がGCに流れていたり、一部ではCPに流れていたりという雰囲気は感じる(感じるだけで本当の事は知らんので念の為)のですが、そうは言っても何週間も買わないという選択肢は基本的に無い(何せ長期債投資と違って短期はターンオーバーが物凄い勢いでやってくるので待つという時間もそれほど取れない)筈ですので、そのあたりの人達の動きがどうなるのか次第ですかね、よー知らんが。

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2010/05/17

○市場雑感メモ

・何故か積み最終日のコールが0.10%に乗せた件

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/mp100514.htm

何と金曜日の無担保コール翌日物の加重平均金利が0.10%台になったでござるの巻。何かそんなに日中高い出合いあったっけと?????感が強いのですが、まあ何かコールを取りに行った人がいるのでしょうかねえ、よー知らんが。

まあ先週は月曜から木曜まで0.08%台が続いていたので、金曜もその流れで0.08%とかだと「実質的な低め誘導状態」とか言われそうなところでしたから下がらなくて良かったですねえ(棒読み)という所でございますな。


・一方で短期国債は相変わらず堅調のようで

ブルームバーグの記事から。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920015&sid=a9N6jlwyAzRk
TB3カ月物利回り低下、国内外の需要旺盛−安全資産に資金シフト

何か水曜に入札があった短国が早速0.11%とかお強いようでして、しかもロット物の売買が強そうな感じですから、まーそれなりのロットでのニーズがあるちゅうことでしょうな。うむうむ。


・で、ユーロですが

これまた手抜きでブルームバーグの記事から。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=abVdx7FbORao
NY外為(14日):ユーロ、リーマン破たん以来の安値(Update1)

何か益々盛り上がっているようですが、国債買入砲を打ちこんでおいて今更ああでもないこうでもないとか言ってる時点で金融危機に対処する動きじゃないという気がするんだが。で、ブルームバーグの記事にあるエルパイスの記事だが多分これのような気がする(けどスペイン語はよー知らんので良く判らん)。
http://www.elpais.com/articulo/primer/plano/Europa/reinventa/noche/elpepueco/20100516elpneglse_2/Tes

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2010/05/14

お題「相場が海外次第にも程があるので無担保コールに関する雑談で」

何か昨日は東京の夕方6時ごろにいきなりユーロが下がったのでナンジャラホイとか思っていたのですがorz

○無担保コールに関して雑談

今回の積み期間(4月16日から今日(正確には明日)まで)の無担保コール翌日物金利ちゃんでございますが、預金ファシリティレートであります所の0.10%を恒常的に割った状態で推移しているのはまあここもとの仕様なのですが、四捨五入して0.09%という状態が延々と続いていまして、加重平均金利が0.095%以上になったのが4月16日(0.095%)と20日(0.096%)と30日(0.096%)の3営業日だけ(ただし16日は週末で30日は5連休前なので日数に引き直すとちょっと多目にはなる)という状況。おまけに今週に入ってからはギリシャ問題の火消しの為に即日オペをどどーんと実施して準備預金の進捗をおさえなかったことでもありますので、加重平均金利は0.08%台に低下して推移という誠にお洒落な展開になっております。

ということで、まあ普通に0.09%が定着というのがここもとの無担保コールでございまして、預金ファシリティの金利を下回るという楽しい状態になっているのですが、今回の積み期間に関してはちょうど都合良く「ギリシャ問題に対応して大量供給したからねえ」という言い訳もできるのですが(実際はその前から0.09%定着だったのですけどね^^)、こ〜延々と0.09%となってしまうと参加者の目線が変わってしまうのではないかと思う次第でして、次の積み期間も貫禄の0.09%とかになるんジャマイカと思料。


この背景ってどうなのというと、まあ人様の懐具合は良く存じませんので勝手な想像モードになりますけれども、やはり新型オペの額が大きくなっているのが効いているんじゃないかなあと思います。即ち、以前から粘着質状態になって申し上げておりますように、3か月オペの額が増えてきた分だけ足元のオペの打ち余地が減り、「ターム物金利を抑制する」という政策方針がある(そもそも新型オペの導入はそういうお題目)関係上GCレートの上昇を放置する訳にも行かない(GCレートがホイホイ上昇すると債券ディーラーが低い金利の短期国債を保有するのがしんどくなるので、結果として短期国債のレートが上昇しやすくなる)ですから、供給の方はきっちりやる事になり、コールの方が金余ると。

まあ何ですな、大昔(90年代)のようにターム物金利と言えばCD3か月とかターム物のコール取引みたいに、銀行のファンディング中心の無担保市場だった時代であれば、無担保コール市場とターム物市場が密接にリンクしていた訳ですが、現在は短期国債(政府短期証券)の市中公募もそうですが、そもそもの短期国債の発行量がアホのように増えて、ターム物取引での運用として3か月TBの方が安心安全な上に一発でロットも捌けるという超便利な商品になってしまいましたので、ターム物金利と言えば3か月短期国債金利ですな、という事になった訳ですよ(ターム物はTIBORではないかとか銀行さんから言われそうですが異論は認めようか審議中^^)。電子化になってより使い勝手が良くなったCPのレートも投資家の目線って短国対比でどうのこうのというのが普通だと思いますしね。

つまりですな、金融政策の波及効果とゆー意味では当然ながらターム物の金利が重要になるのですけど、そのターム物金利が銀行中心の無担保取引市場の金利じゃなくて、債券市場の金利の方がベンチマーク状態になっている訳でして、そ〜なりますと無担保コール市場でそんなに資金を取る訳にもいかない債券ディーラー(証券会社は商業銀行と違って預金を受け入れてないから無担保市場での資金取引のクレジットラインが銀行よりも少ない)の資金繰りレートであるGCレポ市場のレートがポイントになるという事で、銀行のファンディング主体の無担保コール市場の金利と必ずしも1対1で対応する訳ではないというのがムツカシヤという事でござんすな。

まあコール市場とレポ市場で市場間裁定するから対応はするのですけれども、かならずしもその裁定が効く訳ではないですし、資金需給のブレも国債発行要因でのブレと財政資金の受け払い要因でのブレでは証券と銀行のどっちに影響するのかとかも違ってくる訳でして、まあほったらかしておくと短期金融市場全体での資金需給は余剰状態になっているけれども、個別業態(あるいは個別参加者)ごとの資金偏在があってGC市場では資金がタイトというような事は起きえる訳ですな。

で、そういう時は本来はツイストオペを実施して、資金余剰の参加者から資金を吸い上げる一方で資金不足の参加者には資金を供給するというようなオペレーションを実施すれば、同じ資金需給の状態でも資金偏在を均す事によってコール市場とレポ市場間の価格形成の関連性を強めることができるのですけれども、うっかり吸収オペを実施するとまたぞろ「金融引き締め」とか言うアホウが多い(いやさすがに国内の金利市場系の人間でそう言うのはリアルのアホウだと思いますが、為替市場様などや経済新聞様などがギャーギャー言うのは間違いないに1万ドラクマ)ので、吸収オペがやり難いというのが困りものという所だと思われます。

特に、ここもと期間の長いオペ(新型オペ)の資金供給に対するシェアが上がって来ている事もありまして、足元の短い資金出入りに対応するオペが減ってしまい、GC市場の金利を跳ねさせないようにする為にはそれなりに短いオペも実施して当預残を多目にしておかないと(ツイストを実施できないので)、となりますと、無担保コール翌日物金利とGCレポ金利のスプレッドが微妙に開いてくるんでしょうな。で、ターム物金利を上げる訳にも行かないので無担保コールが下がっちゃうと。


とまあそうなってきますと、無担保コール金利を精密誘導していた過去の流れと微妙に話が違ってきますなあという事になる訳でして、うっかり新型オペをこれ以上拡大ということになりますと、更に無担保コール金利とGCレポ金利のスプレッドが開きやすくなり、結果としてコールのディレクティブ0.10%が維持しにくくなりますなあと思うのですよ。いやまあもちろん金融政策の波及効果を考えたら、ターム物金利を跳ねさせる訳にいかないですから、その結果としてコールだけ見ると低め誘導ちっくになってくるという事なのですが、従来の精密誘導状態からすると黙ってそういう流れになるのはちと微妙な気がするんですけどどうでしょう。

米国みたいにFF金利アンコントローラブル上等モードでやっている国ですと(ついにヤケクソで0%〜0.25%というような誘導目標になってしまいましたが^^)元々市場がそれを前提に価格形成をしているのでそれはそれで市場のお作法としてアリなのですが、日本の場合は精密誘導が仕様でしたから話がヤヤコシヤではないかと存じます次第でありまする。

まあこのまま今月末くらいまでこの調子で推移するとどこぞの経済新聞あたりが「コール金利の低下を容認」とか書きだすと思うので先にネタにしてみたでござるの巻でございましたとさ。うだうだと話がウシの涎のような書き方でどうもすいませんでした。

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2010/05/13

○3か月TB入札は0.11%前半

ということで昨日は3か月TBの入札があったのですが、入札前に0.114%を近辺の水準で業者間をやっていたようなのですが、落札結果は平均0.1139%で足切りが0.1143%と言うことで、こちとらまあ0.11%台前半だったら覚悟の上だったのでこんなもんかなあとは思いましたが、やはりまあ冷静に考えると強めの入札のようで。

昨年12月の固定金利オペの導入が決定された以降の3か月TB入札はまあ大体0.12%近辺となっていましたが、0.11%台前半というのは今年の1月半ば辺りにもありました。この時は年末越えのオペがドバドバと出た余波で足元のGCファンディングがやたら軽くなって、GCレートが0.105%(まあ下限のようなもの)で安定するわCPレートはAA格の発行体さんで3か月が0.11%を割るわという物凄い素敵な状態になっていました。

ちなみに1月27日の3か月TBの落札結果が平均0.1112%の足切り0.1125%というオソロシスな強さだったですので、昨日の入札はそれ以来の強さという感じですが、今回の場合はそもそもの足元GC水準が当時のようなベタベタの0.105%水準という訳でもないので、印象としてはやはり強いなあという感じですな。

ま、海外の状況が落ち着いてくればオペをそうドバドバ出す必要も無いので、固定金利オペの長いのが多い関係上、ショートタームのオペの入れ余地が減るということもありますから、GCレートがそうベタベタと0.105%とかに張り付くことも無い(今回の積み期間は低かろうと思ってたのだが昨日は0.11%水準っすかね)とゆー所でござんすので、まあそんなこんなを勘案すると昨日の入札は中々強いですが、これが0.11%を切って更に強いという話になって来ますと「短国のモノ化」という奴ですのでその背景を良く考える必要がございますねという所っすな。


○とりあえず一発実施ですかそうですか

早速ドル資金供給オペの実施日程が。
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc10/mok1005b.pdf

とりあえず一本実施してその応札状況を見ながら2回目以降をどの程度の頻度でやるかを決めるという感じでしょうか。まあ根本的には東京市場でドル資金の流動性が枯渇している訳でもなく、欧州市場でのドル資金ファンディングの為にわざわざ東京市場でドル資金を取らないと行けないというようなことも無い(取りたきゃECBで取ればよい)でしょうからそんなに札が集まるとは想像しておりませんけど。

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2010/05/12

○今日の3か月TB入札にちょっと注目(メモ)

昨日は6か月TBの入札があったのですが、堂々の0.12%割れとなりました。連休前は3か月TBが0.12%辺りにいたので、まあ足元で強くなっていますなあという所なのですが、何でも昨日は残存1か月程度のTBでは業者間で0.10%の出合いもあったようで、ここに来て短国が妙に強くなっています。

もともと業者の在庫が軽めの所に来て、何か知らんが買い意欲が高まってという所ではあるのですが、日銀当座預金に放り込んでおけば0.10%で回るのですから、まあそういうのと関係ない買いが無いと中々0.10%までレートは下がらないと思うのでございまして、3か月TB入札のレートがどの辺で収まるのかはちょっと気になる所でございます。まあ残存1か月とかですと業者の在庫がスカスカの時は見事に無かったりするので0.10%とかがいきなり出合うというのはアリエールなのですが、5兆4千億(今月の入札分から何と減額ロール)の入札がどどーんと出てくる中でレート形成がどうなるのか、既発並みに強いのならほほーという感じでございます。

と、判ったような判らんような書き方で誠に恐縮至極でございます(汗)。

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2010/05/10

○即日資金供給実施とな

金曜のオペですが、即日オペ定例時間じゃなくてわざわざ9時5分に即日オペをオファー。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of100507.htm

資金需給的に金曜は財政の揚げがちょっと多目で何も無いと当座預金残高が15兆を切る勢いだったのですが、まあギリシャだのNY瞬間株価急落だのが無ければ積み進捗も進んでいるので従来の平常ペースだと少々当座預金残高を削ってくるのかなあという感じでしたので、今回の即日供給はまあ市場向けに「落ち着いてくんなまし」と言った所でしょう。GCが急に跳ねられても困るという所なんでしょうかね。

で、1兆5000億程度の募入となったので札割れは札割れなのですけれども、T+0で割と実需があったという事は、丁度連休絡みでショートファンディングをT+1とかT+0とかまで引っ張って(先日付が若干下げ渋っていたので手前で資金が余るまで頑張るメリットはあったのですな)いた向きもそれなりにあったというところでしょうか。

9時20分の定例時間ではなくわざわざ9時5分にやって「緊急オペ」とする所がチャーミングでして(^^)、2008年の時にはGCレートなどが上昇してロンバートに張り付いて現先レートは上昇するわCPレートは上昇するわって状態なのに妙に普通のオペばっかりしていたというのに、今回はまた逆の意味で妙に気の効くオペですな(^^)。

で、金曜のオペの更に気が効いているのは上記URLの一番下にある13時にオファーされたトムスタートの1兆2000億円のオペでございまして、これは即日オペのロールオーバーも兼ねているのですけれども、2週間物に乗り換えてショートファンディングを少し軽くさせるというのと、即日オペで多目に出した分をちゃんと維持しますよというのが伝わってくるので、これを見ると「今回の積み期間は最後に調整で当座預金を絞ってくる訳では無さそうですな」という連想になってGCも下がるというものであります。まあ実際には市場が変な動揺をしなくなったらそれなりに絞っては来ると思いますが、自然体でレートが上昇してもこういう時には変な憶測を生みかねないので、余程あほみたいにレートが下がらない限りは16兆円程度でこのまま行くのかなあとは思いますが。

まー根本の問題はユーロ圏で、ど〜せややこしい事になるのはユーロ圏のドルファンディングでしょうから、別にまあ日本でどうしたこうしたという話には直接はならないのですけれども、そうは言ってもこーゆー時ですので「緊急で2兆円供給」というのは良いアピールだったですな。ちょうど財政が下ブレして打ちやすかったのもラッキーちゃあラッキーでしたね(^^)。


○買入長期国債に関して雑談

もう段々ただのメモ状態になっていますが。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei1004.htm

手元のエクセルでへこへこ集計したところ(という俺様集計なので正確性は保証致しかねます)残存2年以内の打ちこみ額が6500億円程度となりまして、今回は2月と同じパターンになっています。というかここもと相場が普通に推移していると打ちこまれる国債の足って比較的長目になっているような気がしますが、ものぐさ太郎のあたくしは「じゃあ平均残存期間はいくらでしょう」という計算をするのはその時だけは思うのですが、後になると忘れるのが仕様でございまして(おいおい)、まあどこかで本職の人がちゃんと計算していると思いますから、それでも見たいなという所で(^^)。

#いやまあ各銘柄の償還日を手元の集計表に入力すれば良いだけの話なのですけれどもね。忘れなければ来月までにはメンテしてみたいですにゃ。

あと、4月の輪番オペで「???」だったのは残存1年以内のオペが妙に安い打ちこみが入っていたことで、4月5日のオペでは平均7糸甘の足切り6糸甘でまあ少々甘め程度だったのですが、21日のオペでは平均2毛2糸甘で足切りが9糸甘と訳の判らん大打ちこみが入っていまして、これはナンジャラホイと思っていたのですが、6月に償還が来る5年47回と48回がそれぞれ1457億円、1550億円と残高が増えているので、まあ要するにこの辺りが打ちこまれたのでしょうなあというのは把握しました。まあ何となく期末対策で買った物の外しがお家の事情的にあったんだなあという風に妄想するのですが、実際はどうだったんでしょうかね。

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2010/04/28

・オペなどの雑感その1:コールレートの件

この前もちょっと話をしましたが、今回の積み期間のコールレートって何気に0.09%台で推移しているのは良いのですが、最近はすっかり0.09%台前半で推移するようになっています。16日以降で0.09%台後半になったのは16日の0.095%と20日の0.096%だけでして、それ以外は0.09%台前半での推移となっていますので、この調子で今回の積み期間のコールレート平均を取ると0.10%よりも0.09%に近くなるような勢いですわな。

要因としては新型オペなどの固定金利オペの比重が高まってしまったことでして、オペ増額の影響はもちろんあるのですが、おまけに3月の財政払い(予算執行関連)と4月の財政払い(年金定時払い)の余剰が効いているので資金供給オペの総額が減っている(ここもと32兆円近辺、ピークで49兆円近辺あったんですよね)為に、GCレートが中々下がらないという要因があって、ターム物金利を低位安定させると言ってる手前レポレートの上昇も抑えないといけないというのがあって、結果としてコールが0.09%定着モードになっているという話ですわな。

まあ0.10%でも0.09%でも究極的には大差ないと言ってしまえばそれまでなのですけれども、コールを精密誘導するのが仕様となっております日銀様としては、このまま1回の積み期間で平均が(臨時ファシリティ扱いですけど)預金ファシリティのレートを切るというのは、今までの日銀らしからぬ(いやまあ物理的に仕方ないのは判ってますけどね〜^^)プレイですなあという感じです。


・オペなどの雑感その2:新型オペの按分が地味に上昇している件

例の新型オペちゃんですが、まあ大体導入以降の按分比率って12%〜14%位で推移していた(よって1社当たりの応札限度額から計算すると240〜280億程度の落札になる)のですけれども、今週に入ってこのオペの按分率が地味に上昇傾向にございます。つまり23日のオペでは按分13.0%だったのですが、月曜のオペでは16.4%、昨日のオペでは17.0%と300億以上が入る勢いになって参りました。

・・・・まあだから何なのと言われると困るのですが、単に3打席連続オペの為に入れる人が減っただけの話かもしれませんし、そうではなくオペが累積してきた結果、冷やかしで入れてた人達の担保玉が減って来て参戦者そのものが減ってきた可能性もあって(っていうような参加者の懐事情は調節課の方がヒアリングしているから知っているでしょうけれども)、もし後者のような状況だとすると、新型オペの按分率上昇が恒常化して、大手の債券お取り扱い業者の皆様に回る0.10%の金がより増えてくるので、短国あたりの金利は段々上がり難く(いやまあ今でも大概に上がり難いのですけど)なるかもですなあとか妄想モードに入るあたくしなのでありました。

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2010/04/27

○CPオペの残高が落ちる件についてなど

CP買現先オペなんですけれども、過去に実施した分がドンドン期落ちになりまして、残り2本で5000億円ちょっととなっています。で、そのエンドが2本同時に明日来るのですが、それをロールするのであれば昨日実施(スポットスタートだから)するものなのですが、昨日も堂々のCP買現先見送りでござるの巻。

ということで、CP買現先オペはめでたく(かどうか知らんが)残高ゼロと相成りましたので、今後は一応道具として必要な時に発動できるように期末前に1回単発的にオペを実施するという避難訓練モードという平時の運用に戻るということになりそうでございます。まあ既にこの辺りは織り込み済みですし、運用する資金はあって発行企業のCP発行需要は伸びないと来ていますので、特にまあ問題は無いでしょう。

そういや以前「10月のCP買現先オペ増額がCP金利を引き下げる効果があった」というどう見ても結論先にありきの市場感覚まる無視レポートが日銀から出ていて悪態を軽く書かせて頂きましたが、将来何らかのストレスが発生した時にこのオペを増額すれば金利が下がるかというとそれは時と場合によるでしょうけれども、ストレスが掛かっている時っていうのは大体バランスシート制約の問題がありますので、「現先」単体ではあまり意味がない(問題が単にファンディングだけなら現先だけでも意味があるけど、普通そういう環境にはならないと思う)ので、その辺に関してはくれぐれもお間違えの無いように願いたいと存じますです、はい。


○証券決済期間短縮とかフェイル慣行定着は正論なのですが・・・・

不覚にも金融ファクシミリ新聞で気がついたのだが。

http://www.jsda.or.jp/html/houkokusyo/failwg_final.html
債券のフェイル慣行の見直しに関するワーキング・グループ最終報告書について

この件と証券決済期間短縮の件に関してが日証協やら短取研関連での最近の大ネタのようでございますけれども、まあ証券決済期間の短縮に関しても内国債の売買(レポとか現先も含めて)でフェイル慣行を定着させて短縮化した決済を円滑に回すというような話に関しても、それは正論は正論なのですが、じゃあべき論で突っ走れば良いのかというとそれは別問題ジャマイカと思うのですが。

まあ細かい話は置いといて、結論にワープしますとこれって受渡実務の部分とかを詰めればそれでハイ実行という単純な話では無く、計理規定とかの「実際の会計処理をどうするのか」みたいな話の細かい部分が実際にやる場合には重要なのれす。で、まああ日証協はちゃんとその辺は詰めるのが仕様なので問題無いと思いますけれども、これは業者だけで話が済む話でも無くて、投資家サイドの方での計理処理とか運用に関する規定とか(自己勘定は最終的にどうでにもなるようだがやはりややこしいのは他人勘定とその受託)をきっちり詰めないでエイヤーで発車しちゃうと肝心のフェイル慣行が相変わらず定着しないままでフェイルのチャージだけ始まって業者の負担が一方的に増えるだけとかいう結果になりかねない悪寒が。

#導入が米国と同じスケジュール感というのにも違和感があるし

それから、(ここには無いですが)証券決済期間短縮もT+2にするのならまだそれほどややこしいことにはならないとは思いますが、ただまあ業者や銀行のトレジャリー部分などでは資金繰り管理がまさに本業の一部であるので1日期間短縮で支障は生じないでしょうけれども、投資家サイドでは資金繰り管理が運用とは別のレベルの話になっているケースも多々ありまして、それはそれで何か対応が必要になって来ると言う話でしょうな(大体からしてリアルタイムの資金やポジション管理をするようなパッケージシステムが銀行や証券じゃない投資家向けにあったっけという気がするのだ)と思います。T+1にされたら死亡確定なのですけどね(−−;

別に証券決済期間短縮するなとは申しませんが、あまりにもべき論の究極まで持って行きますとシステム対応の投資が死ぬほど必要になると思われるのでございして、短期金利が鼻糞のような水準ですと只でなくさえ受託業務とか短期資金取引とかでの収益が上がらない状態ですので、T+1だのという話はデフレを脱却して頂きまして政策金利が堂々2%(せめて1%)位になった所で実施して頂きますと助かりますなあと思うのでした(苦笑)。

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2010/04/21

○オペのバランスに関する雑感

という程の話でも無くて単なるマニア雑談なのですが(汗)。

えーっと、昨日当座預金残高が17兆円だという話をしておりましたが、ここもとというか今回の積み期間に入ってから当座預金残高が17兆円台で推移するようなオペレーションになっております。でもGCレートちゃんは0.12近辺で推移しているようで、昨日も資金供給オペの足切りが全部0.12となっていた(新型オペは別ですが)ですわな。

何でGC下がらんかなあとか思うのですが、良く良く見ると朝8時前に日銀が公表する当日需給見込みで出てくるベースの準備預金残高が相変わらず12兆弱で推移しているので、一部に資金が妙に偏在しているという状況がありますのと、もともと資金不足時期に沢山あったオペ残が資金余剰の為減って来ている上に、最近では固定金利の期間が長目のオペが増えている事から短いオペに皺寄せがきている面があるのかなあなどとつらつら思うのでありました。

つまりですな、資金不足期のピークで49兆とかあった供給オペ残高ですが、直近では32兆レベル(先日は30兆割ってました)となっているので、そもそも債券ディーラーの在庫ファンディングとしてオペで調達している分がマーケットに出てくるようになり、一方で財政の入り払いの関係で資金は余剰と言っても基本的に債券ディーラーにその金が回ってくる訳でもない(市中で余剰になっている部分ってまずは預金受け入れ金融機関に入るから)ので、その分だけ足元での市場調達が増えるのでGCレートが下がりにくくなるという話。

その上、固定金利で3か月というオペが徐々に増えてきている訳でして、これが直近で12.8兆円まで増えた(明日は13.6兆円)ので、これが短いオペの実施余地を食っている格好になって、出来上がりとして当座預金残高は積み上がっていても短いオペはそんなに増えずとなってGCレートは下がり難くなる(ので財政要因での揚げが出てくるとオペは自然に増えてGCも下がるのですが)一方で資金そのものは当座預金残高17兆円というように全体としてはあるので、コールレートはしらっと下がっているって格好になっているのですな。


で、まーそんな感じの推移なのですが、ここもとコールの加重平均が0.1%を割るのが平常の風景になって参りまして、そりゃまあディレクティブでは0.10%近辺ということですからまあ別によろしゅおすのですが、従来やたらめったら精密誘導していたのが、固定オペが増えたり、ターム物金利がどうのこうのということでGCレートを気にしたり(っていうか短国の金利に影響してより長い所にも効いてくるのだから気にするのは当たり前なのですけれども)という事をやっていく中で、吸収オペによるツイストを併用しないとなると、徐々に精密誘導がしんどくなってくるんじゃないですか、という感じがするのであります。それを決定会合的にどうするのでしょ、ってツッコミは今の所そんなに出てないと思うのですが(まあ月中平均でそんなに大きくはずれていないから)、なんちゃって緩和を強化するという事になると益々調節担当課の方はやりにくくなるでしょうな、と思います。

あと、それはそれとしてもう一つ思ったのは6月末問題でございまして、6月って年金の払い月な上に国債の4半期大量償還がある(けど法人税やその他の税揚げもあるから3月と比較してどっちがより余剰地合いなのか良く判らんが)ので、またまたオペが打ちにくくなる中でやってくる4半期末というのもど〜なんでしょうね、というのを忘れないうちに申しあげておきたく存じます(^^)。

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2010/04/20

○当座預金残高が17兆円ペースな件について(メモ)

昨日は共通担保12000億円実施。なんか金曜の資金供給もちょっと多目の感じがしましたし、昨日も昨日でどちらかと言えばスポットで新型オペを打って8000億円かなとか思ってたら1兆2000億のトム共通担保。まあ月曜火曜の資金需給がちょっと短資各社の事前予想よりも若干下ぶれしたのはあるのですが、新しい積みに入った所なので最初からそんなに当座預金残高を上振れさせてこないかなあとか思っていたので、オペ実施によって今日も当座預金残高が17兆円に乗ったのはあたくし的には「ほー」という感じです。

今年は連休が5連休になるので、大型連休前にあまり進捗を進めてしまうと連休明け後にバランスとるのが大変なような気もするのですが、足元のGCレートが先週強めだったから配慮しているのでしょうかねえ。

というメモでした。

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2010/04/15

○大したネタは無いのですが市場メモ

・CP現先オペが着々と削減中な件について

まーこれは3月24日にオペの足をそろえて、30日にロールが無かったという時点で「こりゃCP現先オペ減るわ」という認識は共有されていたと思いますが、この前出た3月の決定会合議事要旨でも新型オペ増額のテクニカルな話で減らされるという話になっていたので、まあ驚く話でも無いのですけど昨日もまたまたCP買現先のロールはありませんでした。

4月に入ってからエンドの来たCP買現先オペは全部そのまま終了という事になっていますので、この調子ですと通常時モードに戻って半期に1回思いだしたように期末越えが1本打たれるというような「いざという時の為に半期に1回避難訓練ですよ」状態になるのかも知れませんな。

だからどうなると言いますと、まあCPがTBよりも利回りが低いとか担保適格CPだと何でもかんでも同じようなレートになってしまうというような阿片窟状態からリハビリが徐々に始まるかとは存じますが、何せ肝心の発行体様の資金需要がCP方面に回って来ないですが、足元の資金運用(というか潰しというか)ニーズは相変わらず旺盛という事でございますので、そう簡単にレートは上がらないでしょうなあ。

一応足元何となくレートは強含みなのですけど、強含みってったって相変わらず銘柄間の差も殆ど無いですし、電力さんあたりでの短国マイナスの利回りがフラット位に戻るかな程度の話なので正直どうでも良い状態なのですけどね。


・一応オペ残のメモ

今日は偶数月の15日ですので恒例の年金定時払いで財政払い超となりますが、積み最終も重なるので当座預金残高は18.5兆円と積み上げ攻撃になります。で、今日のオペ残高は30.2兆円程度となっておりますが、明日は(今日トムスタートのオペがなければ)オペ残高が28.7兆円程度となりますな。当座預金残高は16.6兆円位ですからそれでもそこそこ当座預金残高は積み上がっているのですが。

ということで、財政払い超があって資金余剰地合いになるとオペ残高が30兆円以下でも十分な当座預金残高があるという状態になるというのが把握された次第(ちなみにあたくしの予想では今日は国債買現先6000億円のロールだけで、月曜のオペ残高は27.9兆円程度になって当座預金残高は16.1兆円程度になると思うので、もうちょっとオペ残は減るのですよね)でして、その点から考えても次に新型オペをいじるのであれば期間を6か月にするという話になりますな。

でですな、その場合にちょっとだけオモシロイのは、現在足元で走っている新型オペの残高が(今週のオファー分を含めて)12.8兆円なのでありまして、期間を延長するとなりますとその分オファー頻度が減るので、折角の0.10%での資金供給が行きわたるまでの時間が掛かってしまうのよというオソロシスな落ちが待っておりますと事ですな(^^)。現在新型オペの按分比率がだいたい12%から14%程度の間で推移していまして、1社辺りの応札限度額が2000億円ですので、1回に入る0.10%の資金って250億円程度な訳ですな。これが累積していくとオペが24本とか25本とか実施されると思いますので、最終的には1社当たり6000億円の0.10%供給が行われますから、まあ溜まればそれなりに良いお話なのですが、そこまでの道のりのまだ6割位なのですな。これが6月までにコンプリートするというのが今回の流れなのですが、オペ残高が累積する前に期間6か月に延長されると、積み上げのスピード調整をしないといけなくなるので20兆円になるのに時間が掛かるんじゃないかという気がしますがどうでしょ。

いやまあ足の置き方を工夫して(つまり最初から全部6か月で打つのではなく、短いのと6か月を併用する)いけばそれは回避できると思いますし、実際はそうやりそうな気もしますが、それにしてもオペやる方は中々ややこしい手間がかかりそうですな(^^)。


以上マニア雑談でした。

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2010/04/14

・某新聞がネタにしたら終了でござるの巻

昨日は某新聞のマーケット欄でGCレートが上昇している事をネタにして「市場機能重視でレート上昇を容認するオペレーションをしている」というような記事がありましたが、準備預金の積み着地が見えてきたのが要因なのかどうか知りませんが、その肝心のGCレートちゃんは昨日のトモネから下がりまして、レギュラーの16日のGCも低下。

昨日のオペ実施後ベースで明日(積み最終)の当座預金残高が18.7兆円になり、多分今日は新型オペ新規と国債買現先のロールがあるので、16日の当座預金残高は17兆円近辺になると思われるので、週末3日でいきなり積みが進捗しちゃうでしょとなり、GCで運用しとかないとマズーな人も出てくると思われ、そらまあレートは落ち着いてくるわなという感じですわな。

つまり、まあ積み最終手前になると積みの着地を見るまで資金を出さないという人がいるので、その時点で資金余剰地合になっている場合は供給オペが多く無く、その分でGCが上昇する場合もありますなというお話でして、この間に3MTBのレートが殆ど上昇しなかった(さすがに0.12%割れだったのが0.12%レベルに上昇というような動きはあったけど、まあそれは動いたという程の物でも無い)辺りにその辺の事情を参加者も判ってますがなってえのが反映していると存じます。

ということで、どこぞの新聞がネタにしたら相場終了でござるの様式美を昨日も見る事が出来ました。つーか折角相場動いて楽しめるというのに記事書いて相場止めるなと(笑)。

ま、それ以前の問題としてのそもそも論で、ターム物金利が無駄に上昇しているというような事態になっていない上に、誘導目標のコールレートは0.09%に近い水準の日が多いという中なのに「上昇放置」みたいな書き方をするのは意味が判りませんなあと存じますがね。

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2010/04/07

○新型オペを増額するのはテクニカルにややこしいと言うオペ雑談

3月の大幅財政払超の影響で、準備預金は絶賛進捗して当座預金残高も期末前に随分積み上がった訳ですが、今週には当座預金残高を15兆円台に戻したのですが、その時点で資金供給オペ(除く買入系のオペ)残高が30兆そこそこになって参りました。

日銀のオペ落札公表数値ベース(なので額面ベース)の数値を手元でヘコヘコ集計したあたくし謹製の数値によりますと(ということなので間違ってたら教えてちょ)今週に入ってのオペ残高は、5日が31.5兆円、6日が30.5兆円、今日が30.5兆円となっています(即日オペは無いと思います)。で、明日はこのままトムスタートのオペが実施されなければの話ですが29.8兆円となる予定(トムスタートはあるかもです)。

ということは、新型オペを30兆円に増額しますと、完璧に他のオペが打てなくなるような場面が財政要因次第では生じてしまうという話になる訳でございまして、まあその場合どういう事になりますか申しますと、債券ディーラーの足元の資金繰りのブレを日銀のオペを利用して調整をしにくくなりますので、その分が市場に出てくるという事になり、その結果として足元のGCレートが振れやすくなるという話になる訳ですな。

#ここまでの説明で判らなかった場合は近所にいる短期デスクの人間に聞いて下さいませです(^^)

足元のGCレートが振れやすくなるとその分ターム金利に要求されるリスクプレミアムが上昇するので、ターム物の金利も微妙に影響を受けるというのが奥の深い所でございまして、即ち(この前からしつこく申し上げているように)ターム物金利の押し下げという名目での新型オペなのですが、打ち過ぎると却って逆効果になるという大変に味わいのある事が起きる訳ですな。

いやまあ勿論足元で吸収オペ打ちながらツイストを行って、足元でのファインチューニングをする余地を作ればその問題は解消されるのですけれども、吸収オペを打つとそれがテクニカルであっても「日銀が引締を行ってケシカランですムキー!」とファビョった報道をする人や勘違いする他市場の皆様がおいでになりますので、まあ現在の地合いでそのような事は出来ないと言うのが惜しい所です(−−;)

#まあそんなのもあってか、昨日もCP買現先オペのロールは行われずに、CP買現先は撤収の方向のようですね。

ということで、新型オペに関してはここから先は残高を積むよりは期間を伸ばす方が話としては本線になると思うのですが、まあ敢えて新型オペ30兆円攻撃にして足元の市場調達を促進するという荒業も無い訳ではなく(^^)、その場合は市場機能とやらも動くという(ただしレポ市場のみ)何か判ったような判らんような不思議展開になるのですかね(謎)。

#足元の短期オペが苦しくなってくるとすると短国買入を減らすともう少し足元の供給オペが楽になるという気もするが(長国買入は減らせないですからね^^)今思いついただけの話なのでよーわからん


でですな、これって丁度今回新型オペという実例が出たから判り易くなりましたが、長期国債買入と短期オペとの関係も同じようなフレームで理解出来るかと存じます次第。

つまり、長期国債買入をジャンジャン増やした場合、その分って当然ながら資金供給要因になっていますので、短期オペでの資金供給余地をその分食う形になってしまいますわな。で、短期オペでのファインチューニングが難しくなってくると、足元金利がその分不安定になり、特に銀行券にしろ財政にしろ出入りが巨大で足元の資金需給がぶれやすい日本の短期金融市場においてはその弊害が大きくなりますよという話。まさに身をもって説明という感じになっておりますが、身をもって説明状態でもその点について「うんうんなるほどそうですね」と共感してくれるのが短期市場でキャッシュをいじっている人しかおいでにならないというのが実に残念な話ですので、こうやってマニア話を延々と書くのでありました。

#だから国会で白川総裁が「長期国債の買入をやり過ぎると、どこかで売却をしないと行けない場面が生じる」と説明するのですが、まあそんなテクニカルな話をしても世間様には普通に理解してくれないと思います。今後FRBが保有有価証券の売却をおっぱじめてくれると中々お洒落な展開が生じて「あれが実例です」と説明もしやすくなるとは思いますが(^^)。

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2010/04/05

○ここの所短い所の打ちこみが安定してますなあ

http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei1003.htm

例によって例の如く手元のエクセルでへこへこ集計したら、3月の買入総額が17629億円で、うち2年以内が7895億円(1年以内も含め)増加しています。

総額がいつもとあんまり変わらなかったのは、当月償還銘柄の打ちこみがそんなに派手じゃ無かった事に起因すると思われますが、2年以内で見た場合の打ちこみ額がここの所見ていると大体6000億円から8000億円のあいだ位で推移(12月は償還の関係で良く判らん)していまして、そこだけ見てますと割と安定した感じになっています。

で、その前の昨年秋くらいまではこの額が1兆円ほどで推移していた事を勘案致しますと、安易に結論を付けるのも何ですが、やはりまあ長目の所の需給が昨年の秋以降は若干悪化したということで、その要因として無理矢理理屈をつければ増発とか景気回復とか民主党政権のリスクプレミアムとか色々とこじつける事は可能ですけれども、まあそこはこじつけずにもうちょっと真面目にデュレーションとかの推移も見たい(どっかで本職の人が分析してるでしょ)という所でございましょうか。

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