相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2011年10月〜2012年03月)

(本当は債券市場の話をすべきなのですが、多分短期が中心になります)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

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過去の相場後講釈はこちらです。

2011年上期
2010年下期
2010年上期
2009年下期
2009年上期
2008年下期
2008年上期
2007年下期
2007年上期
2006年下期
2006年上期
2005年下期
2005年上期
2004年下期
2004年上期
2003年下期(工事中)
2003年上期(工事未着工^^)
2002年下期(工事メド立たず)


今期の見出し

2012/03/29「Gレートなど急速に低下」
2012/03/27「固定金利オペ増額分とりあえずコンプリート」
2012/03/22「短国入札は堅調/金利入札オペ残高急減中」
2012/03/16「米債マーライオン一息(か?)/債券相場引けの謎の長長期売り」
2012/03/15「米債ミニマーライオンキタコレ/円債も1%乗せ/一方で短期国債は買いが」
2012/03/12「決定会合直前の3か月基金オペは札割れ回避/武者&北浜のお告げ」
2012/03/07「基金オペが早速調節技術上の限界に到達か」
2012/03/06「3か月オペが札割れ寸前に」
2012/03/01「3年LTRO結果メモ/初の期末越えオペが札割れで期内物は応札旺盛というオモシロ現象」
2012/02/29「基金オペ雑談補足/2年国債入札は低調」
2012/02/28「オペ雑談/エルピーダメモリーついにお父さんとな」
2012/02/23「3か月TB最高落札利回り0.104%に上昇/6か月交付税借入は金利低下」
2012/02/22「6か月基金オペはロール分も札割れ」
2012/02/17「5年国債入札は超順調/基金共通担保新規の6か月物が札割れ」」
2012/02/16「追加緩和翌日に基金国債買入5000億円オファーキタコレ/北浜先生が株式上昇に懐疑的キタコレ」
2012/02/13「武者先生があっさり株式市場にドテンとな」
2012/02/09「市場雑談ですが武者先生のお告げが爆裂しているとな」
2012/01/23「基金短国オペ札割れ/2MTBは0.10%割れ」
2012/01/19「3MTB入札は応札倍率が高まる」
2012/01/18「1年TB入札は投資家大量落札で0.1%割れまでショートカバーに」
2012/01/17「業態別当座預金残高で信託銀行の残高が何故か拡大」
2012/01/12「フィッチが妄言を/短国入札レビュー」
2012/01/11「個人向け復興国債消化が順調/年初の短国入札レビュー/期末越えドルオペの応札は増加」
2011/12/30「いつもの年末玉枯れですが今年の短国市場の枯れっぷりはスサマジス」
2011/12/27「26日の取引高が壊滅的に少ないのである」
2011/12/22「ECBの3年オペに4890億ユーロの応札/R&I日本ソブリン格下げにも貫録の無反応」
2011/12/16「オペ関連の比較的どうでも良い雑談である」
2011/12/15「短国入札とか交付税特会入札とか/取引先選定基準の件補足」
2011/12/14「ドルオペ応札キタコレ/日銀の取引先選定基準がちょっとマイナーチェンジ」
2011/12/12「社債買入オペ2回連続の札割れ」
2011/12/08「3MTB入札はレート低下/ECBのドルオペも応札増加」
2011/12/07「ドルオペ金利引き下げで応札増加も1週間物は25百万ドルに留まる」
2011/12/05「基金短国買入がついに下限金利に」
2011/12/01「短国入札は堅調&資金は足元に相当あるようで」
2011/11/30「今日は増発の3MTB入札ですが堅調になりそうですね」
2011/11/28「S&Pもノルウェー輸出金融公社を格下げしてBBB+に/微妙に不思議な処分事案」
2011/11/25「ノルウェー輸出金融公社続報」
2011/11/24「3MTBいきなり6000億円増発/ノルウェー輸出金融公社いきなり7ノッチの格下げbyMDY」
2011/11/22「基金短国買入が0.103%まで低下/先物初日の雑感」
2011/11/21「東証が先物売買システムを無駄に変更」
2011/11/17「業態別当座預金をみると都銀の超過準備が増えていますな」
2011/11/16「欧州更に飛び火中/TB入札とか交付税特別会計入札」
2011/11/11「オペレーション関連/欧州蜃気楼」
2011/11/10「オペ関連雑談とか欧州ネタとか」
2011/11/08「欧州債務問題はイタリアに飛び火」
2011/11/04「非不胎化ネタに乗るような供給オペというのも何だかなあ/ドルオペに応札とな」
2011/10/19「TBがやや重くなり0.10%乗せ/一方で長い方は動かざること山の如し相場」
2011/10/06「TB3か月入札はあっさり0.10%割れに戻るのであった」

2012/03/29

○時間が無いのでメモだけ

・GCレートなど絶賛低下

火曜日が国債売買のレギュラー売買期内最終受渡日でしたが、火曜水曜と期内渡しの投資家の買いが来るわ現先でのキャッシュ潰し+保有国債残高の帳尻プレイが来るわとお約束の華麗な展開となってGCレートも華麗に低下。

スポネとかもそうですがトムとかT+0とか金余りんぐになっていて、しかも末初の所は当然ながらその手の「会計的理由による成行買い(または買現先)」攻撃の爆裂で現先玉とか見事な枯渇を示しておられるようでGCとかもだいぶ低下したようでござるの巻。あまりに下がり過ぎて資金の出し手が引いてしまってその後やや上昇したのはご愛嬌ですけれども。

つーことでこの調子では期初に入っても暫く金余りで現先レートとか低い状態が続くんだろうなあとか思いますが、まあ年末年始とかと違って期初の場合は普通に月の頭から入札大会になりますので、来週後半になるとちったあ是正されるかもとは思います。

ただまあ今年は何か知らんが期末のCP発行が妙に少ない気もする(ちゃんと集計してないのでアレですが多分今年はかなり少ない、つーか去年は震災の影響で予備的資金需要強かったので去年と比較するのもアレですが)わけで、潰さないといけないキャッシュが短期市場に絶賛滞留状態になっておられるのではないかと存じます次第でございまする。

おまけにFOMC以降の金利上昇の影響でカレント中心に投資家の買いが来てしまったのでレポがタイトになっているようで、まあ色々と今年の期末もてーへんでしたなという所でございまする。

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2012/03/27

○固定金利オペ拡大終了と(メモ)

メモだけ。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120326.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年3月28日 2012年10月1日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120326.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(3月28日スタート分) 17,936 8,003 44.6

10月1日エンドとはこれまた珍妙な足(ロールの時のオファーが中間期末跨ぎになるとは・・・・)のオペでしたが、足元で金利入札落とし中なので無事(?)に札が集まって、これで大体固定金利オペ35兆円達成(一部札割れがあってちょっと欠けていますけどそれはまあ誤差の範囲内という感じでしょう)という事で。

だからどうしたと言われても困りますが、まあ今年度末までに拡大終了できて良かったですねという所でありまする。

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2012/03/22

○短国雑談

小見出しの部分でいきなり話が局地的であることを表明するあたくし(--)。

国庫短期証券(第268回)の入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240321.htm

(3)募入最低価格 99円97銭4厘5毛
(募入最高利回り) (0.1023%)

(4)募入最低価格に 13.4380%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭4厘6毛
(募入平均利回り ) (0.1019%)

ということで、ここの所3か月TB入札は7日が0.1027/0.1043、14日が0.1023/0.1023と来てて、今回は0.1019/0.1023となりましたのでまあ金利低下という所でありまする。

21日に国債の絶賛大償還がありまして、そこで資金需給的には日銀当座預金残高が拡大するので、まー当然ながらその分に対応するキャッシュ潰しのニーズが出てくるということで、先週から21日渡しでの短国の買いニーズとか多かったので今回の入札が前回よりも強くなったのはまあ当然ちゃあ当然ではございます。まあ今週は期末の関係で短国の入札が明日もありますので、見た目入札ラッシュなのですけれども、資金需給の関係もありますし、今週入札が嵩む分来週の短国入札がありませんので、まあ特段短国の需給に問題が起きるとは思えない、つーかこれから需給がタイトになる方向でしょという感じですからこんなもんかと。

ただまあ以前のように為替スワップ絡みの海外ニーズが多い訳では無いので、0.100%を割ってまで買う人の量がそんなに多い訳では無く、金利はまたまた0.100%に張り付きという感じになるんでしょうなあとゆー所で。

#うむ、当たり前の話になってしまった


○オペ雑談

昨日は3か月基金オペのロール(3Mはロールものだけですが)がありました(ドルオペ部分は割愛しまふ)。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120321.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年3月23日 2012年6月18日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120321.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(3月23日スタート分) 33,697 8,013 23.8

・・・・・・・・これわwwwwという応札倍率になっていまして、21日の財政払い超8兆6000億円はどこぞにとかゆー話ですが、まあこれはこれでそういうもんですという雑談を(^^)。

えーっとですな、昨日の財政払い超によって日銀当座預金残高は238000億円→311900億円とどどーんと増えておりますが、財政要因による資金余剰要因に対応して金利入札オペによる資金供給を絞っていて、オペの期落ちをロールしない攻撃を日銀が行っておりまして、今週は金利入札オペの期落ちペースが大変なことに。

あたくしの手(というかエクセル)集計ベースなので間違ってたらゴミンナサイなのですけれども、先週の15日に91760億円あった金利入札オペなのですが、16日に83753億円、21日に61745億円、22日に51735億円、23日に33729億円と、今週1週間で都合5兆円ほど金利入札オペが減るというプレイが炸裂しておりまして、来週月曜には15718億円、28日には7710億円になってこの調子でオペのロールをしない4月3日に金利入札オペがゼロになってしまうという事で半月で9兆円金利入札オペが落ちるという誠にアレな流れになる次第。

まあロールするかしないかは金融市場局の調節課の味噌汁なのでその辺は市井のあたくしの知った事ではございませんけれども、足元では金利入札オペが全然ロールされないので、そらまあ仕方ないから3か月固定オペに札を入れないといかんですわなという話になる次第。財政払い超の金って国債の償還金でして、その金は債券ディーラーには普通入ってこない(別にポートじゃないから償還持ち切りとか資金とポジションの無駄遣いはしない)のでありますので、国債ディーラーの資金ポジション的には金利入札オペが落ちた分悪化しますわなという事でありまする(ただしさっき申し上げたように21日の財政払い超に向けた投資家の短国買いがあって短国の在庫ポジションが軽くなっているのでその分は好転している)。


でまあそれはそれとして、金利入札オペをこのまま全部期落ちさせてしまう攻撃をするのかどうかってのはちょっとあたくし的には注目しておりまして、まあ基金オペに資金供給を寄せてしまえば基金オペのニーズは高まると思いますのでまあ基金オペ残高を積むという変な目標を作ってしまった手前、日銀の運用的にはウハウハという感じもしますし、もしかしたら基金オペの増発も可能かもしれない(まあ目の子で5兆円)ですけれども、これはこれで金融調節という意味では大袈裟に言えばパラダイムシフトというかレジームチェンジというか。

つまりですな、基本的に日本の短期金融市場では(主に財政要因による)資金需給の繁閑が激しいので、その分に対応するためにきめ細かい金融調節を行い、短期市場金利の振れを抑えるというのが日銀の金融調節という感じ(旧法時代はシグナルオペみたいなのはありましたが、現在は一応そういうのは無い事になっている)でありまして、そのような細かい調節をやらない欧米の短期市場と比べて短期市場金利の誘導目標水準に対するブレが少ない、というのが基本中の基本にあった訳ですわな。

ところが、まあ基金の拡大をやり過ぎたという原因なので意図せざる結果なのではあるのでしょうが、これから基金の買入の方も増えていくという事になりますと、まあ自動的に金利入札オペがゼロになるというのは時間の問題ではあったのですけれども、結構早めに金利入札オペがゼロになりますと、上記の「きめ細かい調節」という枠組みから市場のお作法が変わってくるかもねとか思うのであります。

従来はきめ細かい調節による短期金利のスムージングとか、準備預金の積みでもそれなりに調整しながら準備預金を積んで行くとか、まあその手の「細かい」動きが短期金融市場のお作法っぽいのがある訳ですれども、そもそも金利入札オペ形式での資金需給の繁閑に合わせたきめ細かい資金需給調整オペをやらないとなってくると、その辺の需給調整は市場にやらせますという話になる訳ですな。そらまあこれから想定されるジャブジャブ状態の内はどうでも良いでしょうが、(いつになるのか知りませんが)金利正常化に向けた動きという時になった時にはその辺りのノウハウが短期金融市場から失われている可能性もあり、まーある意味外的ショックに弱い金利形成になりそうな気もするなあとか勝手に思うあたくしなのでありました。

#超マニアックな話で何が何やらというネタでどうもすいません


○更にどうでも良いのですが時間軸雑談

2月の決定で時間軸がどうのこうのというのがございましたけれども、

『(2)当面、消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していく。』(2月14日の決定会合声明文より)

という事で、ご丁寧に「金融資産の買入れ等の措置」とか書いてあるのですが、米国の時間軸って、

『In particular, the Committee decided today to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and currently anticipates that economic conditions--including low rates of resource utilization and a subdued outlook for inflation over the medium run--are likely to warrant exceptionally low levels for the federal funds rate at least through
late 2014.』(こちらは3月のFOMCステートメント)

ということで、時間軸はあくまでも「異例に低いFF金利」という事だけの話をしているのでして、先般ネタにした2月14日の決定会合議事要旨でFOMCの後出しじゃんけんをしましたですお!とか思いっきり表明していて、まあコミュニケーションポリシーとしてはグダグダだけども市場操作としては結果オーライとか思ったのですが、まあよくよく考えたら後出しジャンケンの宿命として、前の人よりもインパクト出さないといけないからという事で「資産買入」というのをご丁寧に加えてFRBよりも自分の手を(ある意味)縛っていますわなあと思うのでありまする。(米国はあくまでも「低金利」なので資産買入は別におかわりどころか残高維持をしなくても約束違反にならないが、日銀はこう書いた手前資産買入の残高を減らす訳にはいかないでしょ)

一方で米国様におかれましては足元の経済指標を受けて時間軸に対してのイメージに変化という話になっておりまして、まあ昨日ネタにしたシカゴ連銀エバンス総裁の指摘する「経済条件を示さないで時間だけで示す時間軸の弊害」みたいな話が出ている訳ですが、一部でネタになっているようなガイダンス文言の短期化みたいなのはちょっと出来ないなあと思うので、中々苦しいんじゃないかなあと思います。

いやまあガイダンス文言を手前に戻すというのもやってやれない事は無いでしょうけれども、それをやると同じ手が2度と使えなくなるという弊害がありまして、まあ2度と使わないという確信をもって突撃する覚悟なら良いでしょうが、将来の政策オプションを失わせるのはまあマズーでしょうし、大体からしてそれって従来の政策の否定になるのですが、逆さ絵のおじさんにおかれましては学者の癖にその辺無頓着な所があって、資産買入などに関してもその効果とかトランスミッションメカニズムとかの説明が割とコロコロと変わる(しかもその辺の政策ロジックがハチャメチャな点について何故か雨人は突っ込まない(あたくしが気が付いていないだけの可能性はありますが・・・・)というのがメリケンクオリティ)ので、平然とやってくる可能性も無いとは言えませんが、一旦伸ばした期日を短縮するとかよーやらんと思いますけどねえ。

で、この続きに日銀が次に緩和拡大するとして何がフィージブルかの雑談を書くつもりだったのですが、いざ書こうとしたら頭が整理されていない事に気が付くあたくしorzorz

#ということで今日はしょうもない雑談恐縮至極

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2012/03/16

○何となく雑談

・米債マーライオン動向とかの雑感

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M0XXJM6S972A01.html
米国債:下げ止まる−10年債は4カ月ぶり高利回りから反転
更新日時: 2012/03/16 04:40 JST

『3月15日(ブルームバーグ):米国債相場は下げを消す展開。10年債利回りは約4カ月ぶり高水準から低下した。テクニカル指標で、国債が短期間に下げ過ぎていた可能性が示唆されたことが手掛かり。』(上記URLより)

・・・・・・・・・・・・??????というような理由になっておりまして、本当はどうなんですかねえという気もしますが、まあ経済指標は強いわ株価は上昇するわという中で引けでは前日比あまり変わらず近辺となったのはふーんという感じではございます。

でまあそれはそれで良いのですが、どう見ても最近の米国ミニマーライオン相場って「市場期待のコントロールの難しさ」を示しているのだと思います。

特に昨日の日本時間での米債の売られっぷり見てますと、2年が0.40%に乗ってみたり5年が1.10%に乗ってみたりと、どうも円債を見慣れているあたくしから致しますと金が落ちてるようにしか見えない水準に見えてしまうのですが(^^)、フォワードガイダンス文言の「2014年遅くまで低金利政策を継続」というのと全然整合しない(特に2年の)金利水準とか素敵なミスコミュニケーションという感じでございますわな。

まあ2年に関しては「長期債購入+資金吸収」というセットが行われた場合にGCや実効FFレートが上昇する事も織り込むとこうなるのかもしれませんけれども、いずれにせよ「長期金利をマニピュレート可能である」という理屈に基づいたFRBのコミュニケーションポリシーに無理が生じてきている、ということだと思われます。

結局ね、時間軸政策とかのようなもので市場金利をコントロールすると言っても、コントロールできるのは所詮は「政策金利の先行きが読める範囲内+少々」という期間の金利であって、期間内の政策金利の定積分みたいなイメージでブレークイーブンは何ぼですねんというような発想で金利の計算ができそうな所まで、という事なのでしょう。

長期金利のコントロールが出来る、というのはやはり幻想であって、FRBも一時長期金利コントロールしていたようには見えますが、それは逆に緩和政策やってもまだまだ景気回復しませんよねというような認識が続いている時だったからこその長期金利コントロールだったのではないかという風に思うのであります。

つーことで、まあ今後米国経済が調子よく回復するのであれば、益々コミュニケーションポリシーが難しくなって特に長期金利とかが本格的マーライオン相場とかもやってくれそうな風情ではございますが、まー現実的にはただの偽りの夜明け第3弾のような気もしますので、この程度の金利上昇でドヤ顔でコミュニケーション云々言うのもちょっと先走りではないかと存じますが(^^)、今のうちに言っておかないと(相場が戻って)言いそびれると困るので書いてみますた(−−)。


・引け際(引け後?)謎の超長期売り???

昨日の債券市場はまあ先物が親の敵のように売られておりましたが、その一方で超長期とか入札もあったのにその入札までもが堅調という、絵に描いたようなベアフラット相場になりやがる状態。

で、昨日中短期が強いですなあとか言ったのが何かの呪いになったのかどうか存じませんが、上がったり下がったりしているうちに5年の気配の方が10年の気配よりも弱くなるとかこちらも何かアレでございましたが、結局どこに実弾の売りが出ているとか今一歩ワカランチ会長(先物が売られているのだけは間違い無いですが^^)でしたがまあよー売ってましたな。

でですね、昨日の債券市場ちゃんの謎というかアレだったのは最後の最後にあった超長期の挙動でして、引け前15分辺りでは先物が前日比70銭とか下がっている中で10年が+3.5/+4.0とかの水準で20年が+1.5/+2.0の水準とか(しかも新発は1.80ビット)というようにやたら底堅くて栄耀栄華を誇っていたのでありますが、引け直前なのか直後なのかよー知りませんが最後の最後に急に20年とかの気配がゲロゲロになってしまい、終わってみれば引値ベースで10年カレントと20年どっちも5毛5糸甘(先物は85銭安)とかになりやがりました。引け前後の一瞬で2毛5糸気配が変わるとか、どう見ても売りが出ているのですが、誰の売りか存じませんが嫌がらせというか品の無い売り方してるなあと思いながら見るのでありました。

いやね、超長期入札が強くてその後売りが出てゲロゲロマーライオンというと超長期62回の入札(2003年のお話^^)を思い出すあたくしなのですが、まあ昨日に関しては「入札強かったけど誰も買わなくて相場崩壊」という話でもなさそうではございます(と言ってるけど本当にそうだったらオソロシス)けど、一瞬ちょっとびっくらこきました。まああの時は何せ絶対水準が0.8クーポンのオーバーパーでして、今回は別に最終投資家が全員ドン引きするような絶対水準ではありませんからだいぶ違いますけどね!

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2012/03/15

さあ米債マーライオン相場盛り上がってまいりました!!!!
http://www.bloomberg.co.jp/markets/index_americas.html

米国10年国債 2.270 0.144 97.609
米国30年国債 3.407 0.141 94.719
(東京朝6時近辺の数字です)

○市場雑談

・米債(ミニ)マーライオンキタコレ

ということでFOMCの経済見通し引き上げを受けてなのかどうかは知らんのですけれども米債マーライオン相場キタコレなのですが、昨日のFOMC声明文に関しても、よくよく考えると「景気の現状認識」の引き上げは結構あちこちにありますけれども、先行きの回復に関してはそんなにバリバリの強気になっている訳でも無い(速度が若干変わっているが)ですし、フォワードガイダンスの文言は変わらず、という状態で、そこまで売るか????という気もするので何かそれ以外の要因があるんじゃないかとゆーイメージがございますがどうなんでしょうかねえ。

物価に関して燃料関連の上昇に言及しているのもありますけれども、でもまあその燃料価格上昇って実質購買力の悪化に繋がるという話をしていた筈だからそんなに債券売りの話になるとも思えないのですし、どちらかというと所謂「政治的配慮」っぽい香りもするんですけどねえ。

などと思いつつもまあ米債が軽めにマーライオンとなっておられる訳ですが、こりゃまたバーナンキ先生としては困ったちゃんになってきたなあとは思うのでございまする。何だかんだ言っても米国市場は長期金利が上がられると困るというスタンスでやっている筈ですので、ここで先走って金利が上昇されるとどうするんでしょうねえ、謎の不胎化QEとかどうするんですかねえという感じですが、QE3期待剥落だけでこれだけ売るのかというのも????ですので、米債マーライオン相場の進展について生暖かく見守りたいと存じます。


・久々の1%越えですなあ

ということで円債ちゃんも昨日は金利上昇。ここもとは米債売られても貫録のサガランチ会長でナンジャソラな日本債券市場ちゃんでしたが、朝から先物売られて下がって0.990%〜0.995%辺りで10年カレントの投資家買い絶賛到来となりましたが、後場になるともう一発売られて14時10分過ぎとかに1%台乗せて一旦抵抗したものの引け際もう一発下がって終了。

と、10年を基準に書きましたが、まあそれより売られていたの先物ちゃんでございまして、引値ベースだと10年カレント3.5毛甘VSチーペスト5.5毛甘とかでございまして、まあやや大きめに下がる時のお約束のようなもんですが、先物がホイホイ下がっていまして、まあ今年に入って50銭とかの値幅つけて下がるの初めて(20銭程度なら何回か)なので比較対象が難しいのですが、ただまあ20銭程度下がった日などと比べると先物(または先物回りの現物なのかも知りませんがよー判らん)の相対的売られ感が強かったような気がしますけどどうなんでしょ>詳しい人

まあ一方で中短期は(強力時間軸に追加緩和の目もあるのですから当たり前ですけれども)貫録の安定感で5年カレントの引けが2毛甘でしたので5年7年が3毛5糸スティープニングですかそうですかという風情。

まあだから何なのと言われると困るのですがとりあえずメモメモ。


・短期国債春の大感謝安売り祭り終了のお知らせ

国庫短期証券(第265回)の入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240314.htm

(3)募入最低価格 99円97銭4厘5毛
(募入最高利回り)(0.1023%)

(4)募入最低価格に 25.7502%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭4厘5毛
(募入平均利回り )(0.1023%)

・・・・・・ということですが、こちらの債券の発行日は来週月曜であります19日なのですが、その翌営業日の21日には国債の絶賛大償還祭りがございます(上田八木短資さんの資金需給日足予想だと21日の財政は89000億円の払い超(←この予想には発行分でのマイナスが含まれますので念のため)となっています)ので、まあその資金の入ったお方は直ぐに運用するかどうかは兎も角として、運用のニーズが高まるでござるの巻。

つーことで、この先にニーズが見え見えであるというのも勘案しますと在庫取っておいた方が吉という判断が普通に働くので、最低落札が流れる事もなく、というか0.1023%の按分が薄くなるという平常運転クオリティーに戻って来るような落札結果に。

まあ当然ながらセカンダリーの販売も順調なようで、たぶん居場所は0.100%とかいう所で、まあすっかりキャッシュ潰しのお金が来ましたよモードとなってしまいまして、そらまあ資金需給考えたら想定通りにも程があるのであまり驚かないのですけれども、どちらかというと約定ベースで21日になった所でどどーんと買いが来るようなイメージもありましたもんで、ちょっと早目かなあとか思うのですけれども、まー時間の問題ではございましたのでシャーナイナイという事ですな。

てなわけで、短期国債大安売り(と言っても0.105%では買えないと思いますのでそれを大安売りというのかと言われるとかなり大袈裟なのですが^^)祭りは終了の巻となった訳ですが、さてそうなってきますとまた基金短国買入とか基金固定オペとかの札の入り方にも影響してくるんでしょうなあとニヤニヤするあたくしなのでございました。

つーてもまあ足元では0.10%割れを突っ込んで買う人のニーズという訳では無いので、そんなに過激な話にはならないと思いますけれども、期末なので期末特有のニーズとかどうなってくるんでしょうね。

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2012/03/12

○3か月固定オペ札割れせずとな

木曜と金曜に基金資金供給オペ3か月物が実施されたのですがね。

3月8日の結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120308.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(3月12日スタート分) 10,680 8,006 75.0

3月9日の結果(該当部分のみ)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120309.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(3月13日スタート分) 12,990 8,009 61.7

ということで、先週は前半に3か月基金オペが全取となるという大変にお洒落な事になって、1か月経たずして基金65兆円の積み上げが技術的な限界を露呈しましたねという話をしたのですが、8日と9日のオペに関しては無事に札が入ったでござるの巻。まあ先日の札割れ寸前から全取という流れを受けまして、かどうかは存じませんが(^^)、オペの1社当たりの応札限度額が拡大されたり、金利入札オペのロールを行わなかったりとまあそういう動きもありまして無事に札が入って良かったですね(棒読み)という所でございまする。

ただまあ6か月オペは札割れ連発ですし、基金オペに関してはご丁寧な事に各オペ毎に幾ら実施しますという話をしている手前、この6か月オペどうしますねんという気はするのですが、まあこの際6か月TBでも増発したらどうでしょうか(^^)、って多分増発しても札が入るかどうか分からないけど。

まあ何ですな、国債買入の方はまだ何とかなるにしても、6か月の基金オペという今となっては一番中途半端でニーズの無い年限ものをどうするのかはムツカシヤという所で、それを国債買入に振ったら振ったで、今度は2年ゾーンまでのモノが段々怪しくなってくるような気もしますし(6か月→2年を追加緩和と強弁するのは可能でしょうけれども)、大体からして今のペースをもっと上げるとかさすがにどうよという感じもしますわな。

ま、何はともあれ決定会合直前の3か月基金オペが札割れとかにならなくてよかったですねという事で。



・どうでもいい話だが武者先生とか北浜先生とか

まあシカゴの先物(6月限は配当落ち分があるんですよね)を見ると今日はまたまたインデックスは1万円乗せスタートっぽいのでちょっと安心していますが・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE82805920120309
株価こうみる:壮大な上昇相場、年末1万3000円回復=武者氏
2012年 03月 9日 17:42 JST

まあこれは17:42ですが、金曜はQUICKでも大先生は同じコメントをしておられまして、そっちが出たのは14時過ぎという大変に絶妙なタイミングで、引けに掛けて以下省略。

ここへ来てついこの前まで慎重だった北ハマー先生も楽観しておられるようですので、大変にガクガクブルブルなのですが、

http://blog.livedoor.jp/orion3/archives/51893230.html
『しかし先週末の東証1部出来高は34億株に達し、目先買いのエルギーを大分吐き出しているため、用心するに越したことはなく、新規買いには慎重な上にも慎重でありたいものです。』(上記ボログURLより)

との事でもあります。つーか最近北ハマー先生はボログと顔本で微妙に両建てするようになっていて非常にお告げが解読しにくいというか、両建てするなら北ハマー先生の存在意義がアレなのですけれどもねえ・・・・・・・・・

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2012/03/07

お題「資産等買入基金オペの調節技術的な件に関する各種雑談」

昨日予告したネタがあるわ、西村副総裁の講演はあるわで、盛りだくさんの予定だったのですが、基金オペに関する雑談をああでもないこうでもないと書いていたらダラダラと分量は増えるわ時間は無くなるわとなりまして誠に申し訳ございません。

つーか以下マニア向け雑談ですので、その辺お含み置き下さい。マニアすぎて内容が????の場合は近くの席にいる短期デスクの人間に聞いてちょ。


○基金3か月固定金利オペにも早くも限界ががががが(と関連雑談)

昨日駄文で申し上げましたが、基金オペの3か月物の方が札割れ寸前ですなあとか言ってたら早速にも昨日の基金3か月オペがこの有様。

昨日のオペオファー(のうち基金オペ部分だけ引用)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120306.htm

共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年3月8日 2012年6月8日

んでもってその結果(のうち基金オペ部分だけ)。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120306.htm

共通担保資金供給(資産買入等基金)(3月8日スタート分) 8,200 8,200

・・・・・・・全取はいいとして8000億円のオファーに対して8200億円も落札させるとかこらまたどうしたんですか(別に按分でも良いじゃんとか思う訳よ)とか思って、残高稼ぎに涙ぐましい努力でもしているのかなあでも3か月後にロールになるから今頑張ってもシャーナイナイなんだけどなあとか思って「?????」感溢れていた昨日のあたくし。

ところがですな、これはまた不覚にもあたくしその存在をすっかり見事に失念しておりまして、人から教えて貰った(教えてくれたネタ元様の許諾済^^)のですが、オペの按分だの全取だのに関する基準が1998年の6月に出ていたのですな。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_1998/mok9806a.htm/
マーケット・オペレーションにかかる透明性の向上について
1998年 6月12日
日本銀行

この時ってその直前のレポオペ導入の際に、従来の日銀のオペ対応実績とかからすると何か微妙ですなという先が多く採用されて一部で物議を醸した(レポ取引に関する取組を重視したので、当時の資金構造からレポ必要なかったのであまりやって無かったという所が外されたというのが実態なのですが、従来のオペ先分布からするとちょっと顔ぶれが違っていたとかまあそんな感じでしたな)件を引っ張っていたとか、まあ透明性向上というか裁量行政的な物を減らしましょう的な流れが当時あって、その中でこういうのが出たと記憶しているが、何せ14年も前の話なので記憶違いだったらスイマセン。

まあそんな背景は兎も角として、こちらの(別添1)にあります『オペレーション結果の開示について』に今回の謎の8200億円全取の理由が書いてありまして、単に通常のルール通りに実行しただけという話でした。正直マニア以外にとってはどうでも良い話ですが(ってお前の話はいつもそうだというツッコミはしないように^^)、マニアのみ向けにオモロイので引用。

『2.落札総額の決定方法の公表

○ 各オペの落札総額は、原則として以下の方法により決定します。

(1) 特定の応札レートにおける応札累計額がオファー額の上下200億円以内に含まれる場合は、当該レートにおける応札累計額の全額を落札(全取り)します。但し、a)オファー額の上下200億円以内に複数の応札レートが存在する場合は、オファー額に対してより近接した応札レートにおける応札累計額の全額を落札(全取り)するほか、b)オファー額の上下200億円以内においてオファー額を挟んだ等距離に2つの応札レートが存在する場合は、オペの応札者が不利を被ることがないよう、オファー額よりも大きい応札累計額の全額を落札(全取り)します。

(2) 特定の応札レートにおける応札累計額がオファー額に対して200億円超となる場合は、当該レートにおける応札額を按分して落札総額を決定します。  

― 但し、CPオペについては、券面構成の制約が存在するため、通常の方法で按分額を算出した後、その範囲内で、入札時に連絡を受けた券面で構成可能な10億円単位の最大額を当該レートでの落札額とします(この場合、公表する按分比率は券面構成を勘案する前の比率とします)。

(3) 応札総額がオファー額に対して200億円を上回る未達を来した場合は、原則として応札総額総てを落札(全取り)します。

○ なお、このようにして決定された全取りレートまたは按分レートが、その他の応札レートや市場実勢レートから著しく乖離している場合、日本銀行は上記(1)〜(3)の原則に対する極く例外的な対応として、これを排除すべく落札総額を調整することがあります。但し、その場合、日本銀行は排除した応札レートを併せて公表します。』

いやあこんなの有りましたっけ位の話で、見つけてきたマニアの方におかれましては、そのマニア振りに頭が下がりますが、なるほどこちらにある通りの扱いですわなあという所です。

つまり、今回の8200億円全取攻撃というのは、上記の(1)の事例に該当しまして、かつこのオペはそもそもレートが指値なので、応札レートという概念が存在しませんから、そのまま「当該レートにおける応札累計額の全額を落札します」という事になったという訳で、別に足元で固定金利オペの6カ月物が連続札割れ劇場となり、固定金利のオペ残高を維持しようと涙ぐましい努力をしている訳ではありませんでした、というオチでした(^^)。


しかしまあ何ですな、ルール通りに淡々とやっただけなのですが、今回の200億円ルール(とでも言うのか??)にぴったり嵌る事案が発生するタイミングがちょうど春のオペ札割れ祭りが始まろうかという所であって、結果を最初に見た市場(のごく一部の)関係者の皆様におきましては「残高維持に必死だなwwwww」とか第一感で印象を受けてしまうような結果になる、というまあ普通にやっているだけなのになぜか芸のようになってしまうという毎度おなじみの「間の悪さ」って所に日銀の非常に残念というかオモシロというか皮肉というか、まあそういう芸風が表れておりまして実に香ばしいものを感じます(^^)。

なお、どうでも良いのですが、上記説明文の中で(1)の後半部分がどういうシチュエーションを想定していたのかが今となっては良くワカランチ会長ですが、当時を知っている人(いやまああたくしも知っているのですが、汗)誰か覚えていたら後学の為に教えて下さいお願いしますお願いしますm(__)m


○調節技術上のネックがこんなに早く来るとは・・・・・・・

まあそんなマニアネタは兎も角として、問題となるのは小見出しの方でございます。

まあ先日来の流れからしてまあ3か月固定オペの札割れも近くなっていますかねというようなイメージはあった訳ですが、正直申し上げてこんなに早い時期に固定金利オペの札割れ(まだ3か月は割れてませんが)モードになってくるとは思ってませんでして、21日の国債償還の後、しばらくしてから(というのは、国債償還で金が入ってくるのは債券ディーラーではなくて投資家なので、そこの金がレポ市場や短国市場や債券市場に回ってくるまでに一定のタイムラグがあって、その間は「当座預金残高は高水準だけどレポ市場での資金繰りはタイト」という状態になるから)徐々に固定オペのニーズが落ちてきて、まあ4月か5月にアチャー状態になるんでしょとか思っていたのであります。

しかし足元で当座預金残高水準がそれほど高くない時期なのに6か月は兎も角として、3か月物の固定オペまで札割れしそうな勢いになるというのはかなーり早いなという印象でして、基金オペの今の枠組み上で65兆円を積み上げるという事に関して、調節技術上の問題に早くもぶち当たる(そもそもどこかで問題が出るだろうなという認識は短期市場の人なら普通は持っているのですがその時期が異常に前倒しになっているなあという事ですな)の図と(何せ1か月経っていない)なっておりまして、はてさて今の枠組みではオペ残高を宣言通りに積み上げるのが難しいという中、65兆円の公約達成に向けてどうするんでしょうねという所で、誠にムツカシヤな状態になっているかと思われます。

固定金利オペの場合、大体按分がこのくらいになるでしょうというような予想の元でオペに応札するという関係上、按分率が高まる(応札が減る)となってくると、「期せずして余計に落札するのを避ける」という行動をオペ参加者が全員で行う事になりますので、ある時点を閾値として急速に応札が減ってくるという傾向になります。で、全取札割れ恒常化となると当然ながら必要最低限しか応札してこないので恒常化が長引く(その間に資金需給が変化すれば変わるけど、どう見ても買入を拡大する中で資金需給は緩むことはあってもタイトにはならない)という結果に。

大体からしてですな、3か月固定だけで24本だか25本だかの8000億円のオペが回っている訳でして、たとえば業者がファンディングのベース部分で3か月の固定を使うとしても、ベースで要る金が例えば5000億円としても1回に200億も入れれば十分という話(期日を分散しておかないと担保繰りで死ぬから期日分散は必須)ですし、まあ大手さんでもそのベース部分精々1兆あるかないかでしょとか考えると、じゃあ他に銀行さんがどのくらいニーズあるんですかと言うと、3か月なり6か月から先のイールドカーブがモロ潰れしている中で運用サイド的な発想でこの「固定金利0.10%でのファンディング」に経済的なメリットがあまりある訳でもないっつー所ですな。

これつまり昨日もちょっと書きましたが、資金供給オペ(買入含む)の長短のバランスがおかしくなってしまっているという事の表れなのですが、とはいえ包括緩和や基金買入の政策目的からすると、この長短のバランスを直して短いオペを増やして固定オペを廃止するという訳にも行きません(長めの金利に働きかけるという政策目的の逆だから)ですし、まあ現状がそもそも政策目的をある程度達成した結果として生じている歪みのようなもんですから、まあシャーナイナイな所でもございます。

今は固定金利オペの札割れで済んでいますが、この調子で進んで行くとそのうち国債やら短国の玉の吸い上げによって基金買入オペも札割れするんじゃネーノという大変にアレな事になってくる恐れありとか思うのでございます。つーかまあ前からその話はありましたが、足元の(追記:編集時に消し漏れた部分です)


つーことで、65兆円というのがフィージブルでは無かったですねという風に言ってしまえばそれでおしマイケルという訳にも参りませんので、65兆円をぶち上げた手前どうにかしないととあたくしも無い知恵を絞って人と雑談(知恵を絞ってとか申してますが、まあ雑談という所に外野の無責任ぶりが出ていて誠に恐縮ではございますが^^)すると色々とネタが。

まず最初に思いつくのは「資産買入のレートのフロア撤廃」ですが、まあ0.09%で買入を実施してその金を日銀当座預金で0.10%で付利というのも何ですな(ただし付利は超過準備部分につき、法定準備部分にはつかない)という話ですが、じゃあと言って当座預金付利金利を下げると、単にレート水準がパラレルシフトして同じ事が起きるだけな上に、ここまで積み上げてきた固定金利オペで供給を受けていた分が大損になってしまうのでこれはこれでどうかという感じ。

で、「固定金利オペの短縮化」が本当は一番フィージブルな気がするのですが、それは先ほど申し上げた理由からやりにくく、もしやるならLTRO方式にして「6か月物でフルアロットメント実施、途中1か月ごとに期限前返済を容認」とかして、期間は6か月だけど実際は1か月物としても使えるというような事をするとお互いウマーかなあとか思ったのですが、この問題点は固定金利オペの残高積み上げに対して不確実性が生じるので、残高目標を設定しているのに能動的なコントロールが出来ないというのはちと困る。つーかそもそも札が集まるのかどうかも怪しいけど。

となってきますと、やっぱり買入銘柄の対象拡大で、現在は1〜2年としているものの拡大となりますと、そらまあ短い方に拡大するのは先ほどと同様に変なので長い方向になりますわなあというような想像が起きやすいですねえという所ではございますが、はてさてどうなる事やら・・・・・・・・・・・

まあ他に何かやり方ないかなとか考えるのもマニア向けの思考実験としてはオモシロスではあります(ただし思考実験の中で必ずフィージビリティーを考慮に入れるのがマニアの矜持(?)です^^)ので、まあ妄想してみますがな。


#などとマニア雑談をしてたら量と時間がががががが。しょうもない雑談にお付き合い頂きまして誠にありがとうございましたm(__)m

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2012/03/06

○オペ雑談である

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120305.htm

落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120305.htm

で、そのうち3か月固定の基金オペの結果はこの通り。

共通担保資金供給(資産買入等基金)(3月7日スタート分) 8,910 8,004 89.8

応札8910億円キターという事で、これはまた応札が低調にも程がある状態。

えーっとですね、先般来6カ月の固定金利オペの方も新規分だけでなく既存のロールオーバー分も札割れ連発となっておりましたが、ついに3か月固定オペについても(今の3か月物は全てロールオーバー)札割れ寸前まで追い込まれるという大変に素敵な状態になって参りました。

で、これは以前より指摘しておりますが、基金固定金利オペに関しても残高には目標というかコミットメントをしているのが資産買入等基金の建付けとなっておりまして、この辺のオペが未達が続くとなりますとこれはテラヤバスな話。

何せ今回の資産買入等基金に関してはこの基金の額を今年の末までに幾らにします(キリッ)って宣言しておっぱじめた手前、オペ札割れが連発して固定金利オペの残高維持ができなくなるというのはコミットメント違反になります罠。

まあ「金利を下げるという目的は達成できているので無問題」というような屁理屈を繰り出してくる可能性はあるのですが、たぶんあれだけ「買入量」の宣伝をしてしまってますし、大体からして金融緩和の「積極性」をアピールした結果として(今のところは)各市場がやっと望ましい反応を示している訳であって、ここで「やっぱりこの前言った残高は無理でした(テヘッ)」とか言ってしまうとその前に折角麿が珍しくも吹っ切れてやる気元気井脇になった成果が一朝にして台無しになるという大変に素敵な事になってしまい兼ねませんわなあと思うので、さすがに残高必達に向けて何らかの努力をしないといけませんねえという事になろうかと思います。

つーか、その辺って日銀のご近所さんである短期金融市場では「金利を下げるという目的は達成できているので無問題」という理屈は通るかもしれませんけれども、おそらく為替市場や株式市場からは激怒激怒大激怒な反応を示すと思われますので、折角始めた積極的な緩和姿勢とやらは継続して頂かないといけませんわなという話でありまする。

しかしまあ何ですな、これはこの前ちょっと書きましたが、先週水曜日に初の期末越えオペを実施した時に・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120229.htm
共通担保資金供給(本店)<金利入札方式> 10,000 2012年3月2日 2012年3月23日
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式> 10,000 2012年3月2日 2012年4月4日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120229.htm
共通担保資金供給(本店)<金利入札方式>(3月2日スタート分) 22,610 10,006 0.100 0.100 44.3
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(3月2日スタート分) 7,710 7,710 0.100 0.100

期末越えの資金供給の初回だというのに期末越えの資金供給は札割れとなり、期内の資金供給は応札2倍という珍現象にも程がある状態でして、まあ単純に言ってしまえば「各種長期オペのやり過ぎで短期市場における資金供給オペのバランスが狂った」という話ではございまして、現在も足元のGCは0.105近辺から中々緩まない(さすがに月末近辺に短いオペが連発で打たれたのでGCはちったあ軽くなったみたいですが)中で3か月のオペは札割れとなるとか、明らかに資金供給(買入も含む)のバランスが長い資金に寄り過ぎてバランスを崩しているという感じ。

つまりまあフィージビリティーの問題にぶち当たり中という事でして、まあ実務的に言えば固定金利オペを全部1か月物に引き直すとかすればだいぶ楽になると思うのですけれども、残念ながらそれは「金融緩和を推進」的な方向の逆になる(期間を短い方に寄せるのは「より長めの金利の引き下げを促す」という触れ込みに逆行しますよねという意味)ので、よーできませんなあ、さてどうするんでしょ???

そういや輪番がどさくさに紛れて(どうも2月17日オファー分からみたいだが)出来上がり0.10%未満の応札を切るようになっているようで、基金国債買入オペ未達対策に必死だなという感じではございますが、国債増発してくれるか、FEDがまさかの金融正常化前倒しでもしてくんないとフィージビリティー的にアレという感じではございます。

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2012/03/01

3年LTROですけれども、欧州時間では応札が多かった事をネタにしてユーロが売られましたとかいう講釈をされていたような気がするのですが、朝になってみたらモーサテ様はLTROの結果を好感してという話になっていてマジでさっぱりワカランチ会長です><;

○ということで一応LTROのメモ

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M05H8S6K50Y901.html
ECBの3年物オペ2回目、5295億ユーロ応札−過去最大の供給に

つーことでECBのサイトの方をメモしておきませう。落札結果ですけど。

http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/20120034_all.en.html

Longer Term Refinancing Op.-Allotment

Reference Number: 20120034
Transaction Type: REVERSE_TRANSACTION
Operation Type: LIQUIDITY_PROVIDING
Procedure: STANDARD_TENDER
Tender Date: 29/02/2012 11:15:00
Start Date: 01/03/2012
Maturity Date: 26/02/2015
Duration (days): 1092
Auction Type: FIXED_RATE

Tot Amount Allotted: 529530.81 mn
Tot Bid Amount: 529530.81 mn
Tot Number of Bidders: 800


ちなみに前回の3年LTROはこちら。

http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/20110149_all.en.html

Reference Number: 20110149
Transaction Type: REVERSE_TRANSACTION
Operation Type: LIQUIDITY_PROVIDING
Procedure: STANDARD_TENDER
Tender Date: 21/12/2011 11:15:00
Start Date: 22/12/2011
Maturity Date: 29/01/2015
Duration (days): 1134
Auction Type: FIXED_RATE

Tot Amount Allotted: 489190.75 mn
Tot Bid Amount: 489190.75 mn
Tot Number of Bidders: 523

まあ前半はオペのオファーの方で結果は『Tot Amount Allotted:』以降になりますけれども、前回よりも応札増えてるわ応札者数は増えてるわという事で、これをどう評価するのか正直よー判らんですけれども、とりあえず適格担保拡大して中小金融機関のアクセスを拡大しました(キリッ)という施策の目的は達成できたものかと思われます。まあこれが「何だまだまだ金が要るんじゃネーノ」という解釈になるのか、「3年間のファンディングを付けて流動性リスクを下げちゃいましたよ凄いですねえ」という解釈になるのか(まあ両方ともその通りなのかもしれませんが)良く判らんでございまする。

ちなみに、3年間の低利資金供給ではあるのですが、レート自体は「期中のMROの平均金利」でございますので、途中で利上げをしたらそのまんまスライドでこの借入金利上昇しちゃいますから、これでリスクフリー方面の金利が下がるのかというとそれはそれで別問題であるというのだけは念の為注意しておきませう。


○3か月TB入札とか資金供給オペとか

昨日の落札結果。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240229.htm

(3)募入最低価格 99円97銭4厘0毛
(募入最高利回り)(0.1043%)

(4)募入最低価格に 8.3368%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭4厘1毛
(募入平均利回り )(0.1039%)


・・・・・・ということで昨日は「按分厚めになるかも」などと申し上げたら大外れになってしまいましてどこの北禿先生だよという風情でございますが、ええまあ今回は前回よりも平均が0.01銭下がっていますのでそういう意味では一応あたっていなくもないという事でニュアンスを把握して頂ければとか言い訳してますが(汗)、まーよーするに99.9745にちょっとだけ入れて99.9740にドカーンと応札した人が多かった為にこんな感じになったという事で、さすがにこの下(0.106%レベル)に金利上昇とか無理無理無理という所だったっつー事ですな。

とりあえず21日の大量償還以降は金が余って来る筈なので、まあ短国のレートがこんな感じになっているのも今のうちだとは思いますけどにゃ。


でもって昨日の資金供給オペ

オファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120229.htm

共通担保資金供給(本店)<金利入札方式> 10,000 2012年3月2日 2012年3月23日
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式> 10,000 2012年3月2日 2012年4月4日

落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120229.htm

共通担保資金供給(本店)<金利入札方式>(3月2日スタート分) 22,610 10,006 0.100 0.100 44.3
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(3月2日スタート分) 7,710 7,710 0.100 0.100

つーことで昨日は金利入札オペ2本実施されたのですが、3月23日足の本店は2倍の応札が入り期末越えの4月4日足の全店は札割れという結果になりました。まあふーんという感じですが、3月21日に国債償還による財政要因から金が余ってくるでしょうから、別に期末越えを意識して気にする必要がなく、まあとりあえずGCがややタイト目になっている所だけ取っておけば良いかという話になるんでしょうかねえ、良く判らんけど。

ま、ちょっと対照的な結果だったのでメモ。何かあたくしが見落としている要因がありそうな気もするので詳しい人教えてジェネラル。

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2012/02/29

○基金オペがああたらこうたら雑談

月曜の基金オペに関連して昨日ああだこうだと書きましたが、他に補足すべき事もあったっぽいので更に雑談メモである。

・対象銘柄の拡大に関連して

月曜の基金国債買入の対象銘柄は以下の通りでした。

2年302〜313回
5年70〜80回
10年247〜257回
20年22、23回

つーことで、今回は残存1年超2年以内の全銘柄が対象になるという結果になりました。そらまあ前回(2月15日)の基金国債買入の応札が(対象銘柄を増やしたのに)1兆円程度しか無くてあちゃーな感じでしたから、それなら普通に1年超2年以内に拡大しましょうという話になるのは当然ちゃあ当然ですわな。

つーかこれまで何で輪番みたいに1年超2年以内の全銘柄対象とかになってなかったのかという方がアレっちゃあアレなのですが、基金国債買入(というか基金による資産買入等のオペレーション)は「買入を実施する」というフローの話ではなくストックの残高を積み上げるのが目的という建付けになっております。もちろん残高積むためには買入のフローを行わないといけませんがけど・・・・

FRBやBOEの資産買入のロジックによりますと、「買入を実施するフローの効果」よりは「買入の残高のストックの効果」を重視するという風になっていまして、買入の残高そのものに意味がありますよ的な話をしていますが、まあ日銀はその辺の話については微妙にスルーしている節がありまして(輪番に関しては実際問題としては「期間の長い資金供給オペ」的な性格の方が強そうな気もするのですが、結局の所この辺をギリギリ詰めてもロジックの思考実験としては面白いけれどもじゃあ市場の実際の価格形成に何のファクターが効いてるのよという話って正直どうでも良いという気がするのであまり突っ込む人もいないんでしょうな)一応例の銀行券見合いの輪番オペの話と、資産買入基金に関してはまあそれはそれ的なお話になっています。

と、話がずれましたが、まあそういう事で従来(今般の買入拡大前)は基金買入の対象銘柄を残存2年近辺の直近2銘柄だか何だか忘れましたがまあ要するに2年近辺の銘柄を購入するようにしていたのですが、その心は「あまり短いのを買ってしまうと償還が来たらその分を残高維持の為に買わないといけなくなるからメンドクセ」(単にメンドクセなだけではなくて、打ち込まれた銘柄の状況によって買入のオファーのペースがずれてくるので市場に妙な不確実性要因を与えるのも嫌だというのもある)という話かと存じます。

然るに、今回買入の拡大を行って、ペース的にこれから10日毎に5000億円とかいうような豪快なペースの買入を実施しないと行けなくなってしまい、実際に最初に5000億円の買入オファーをしたらいきなり応札が1兆しか無くてテラヤバスとなったのでまあ今回は1年超2年以内(まあ正確には2年未満ですかね)全部の銘柄を対象にしましたよという実に単純な話ではあるかと思います。

あとですな、従来「暗黙の30%ルール(でしたっけ?)」とかいう話で基金買入の際に日銀保有残高が発行額の30%になると対象から外す(市場の流動性を日銀が枯渇させることによって市場をアヒャヒャヒャヒャにしないようにという配慮っちゃあ配慮)ような運用をしていたようですが、それに関しても今回華麗にスルー(ただまあ輪番でそうなっていますが、発行額の50%を日銀が購入するととりあえず対象から外れるんでしょうな、超長期21回が対象になっていない所からすると)となったのですが、まあこれも単純に「オペレーションの技術的問題」であろうかと思います。


まあ何ですな、これって普通に「基金オペの残高を積み上げて行こうという姿勢の表れ」であって、札割れ上等みたいはスタンスではないですよって事だと普通に理解したので昨日は特にその辺何も書かなかったのですけれども、どうも色々なレポート類やらコメントやらを拝読しておりますと、対象が増えた件について微妙に変な解釈をしている向きもあるみたいなので、ナンジャソラと思ったついでに雑談ネタにした次第。

まあどうでもいい話ですが、(武士の情けで名前は伏せますが)どこぞのレポート見たら「日銀は買入対象銘柄を拡大することによって札割れを回避し、札割れによって起こる「買入銘柄の年限を伸ばせ」的な圧力を回避しようとしていて消極的だ」みたいな見解があって椅子から落ちそうになりましたがな。あんさん買入オペの札割れを回避するように努力するののどこが消極的な姿勢という結果になるのかと小一時間問い詰めたい訳で、そこまで悪意で日銀の行動を解釈できる位なら大嫌いな日銀の発行している券なんかお持ちにならない方が良いと思いますので全部私に下さいなというところで(^^)。

あとですな、1年以内を対象にしなかったのは基金短国買入とゾーンがバッティングする結果短国ゾーンの現物需給を無駄にタイトにして短国買入の方に影響与える可能性があるというのと、そもそも長めの金利(と言っても長期金利ではないので念の為)を下げるという政策目的なので短いのを買うのも何か行為に矛盾が生じますよねという事になろうかと思います。勿論短いのを買うとすぐ償還するというのもありますにゃ。


○2年国債入札がどうしたこうした

昨日の2年国債入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2011/resul077.htm

(3)募入最低価格 99円97銭5厘
(募入最高利回り)(0.112%)

(4)募入最低価格における案分比率 51.8739%

(5)募入平均価格 99円97銭7厘
(募入平均利回り)(0.111%)

とゆーことで、昨日の駄文で「2年の0.11%なんて何ぼでも買いが来るでしょ」とか言ったあたくし涙目の展開。

第U非価格はボウズでした
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2011/resul077a.htm

本日の2年利付国債(第314回)の第U非価格競争入札に対する応募はありませんでした。

第U非価格が貫録のボウズということはつまりセカンダリーもろくなもんではなかったという事でございまして、実際問題として市場推計の落札分布見ても不明が7000億円程度とそんなに多くなく、しかも落札した先を見てもどこかがドカンと落札したという事では無くて2000億円台の落札業者が多めに分布という事で、これはつまり誰かの所で強いニーズがあったというような入札ではありませんでしたねという話ではございますわな。

まー何ですな、足元ではGCレポがやや重いのもあって(金利入札オペがここもと何本か入ったので少し軽くなったようですが、そもそもの当座預金残高水準が21日の償還による財政大幅払い超を前に抑制気味なのでタイト目なのはタイト目)0.11%とは言えども2年債イラネという事なのかも知れませんが、買入が進んで行きますと普通に2年以下の現物債需給は締まってくると思いますし、当座預金残高に関しても金利入札オペを全く入れない状態でも大きく上振れしていくのは時間の問題ですから、別に2年買って持ってりゃいいじゃんとか思うのですけれども、まあその2年買うならもっと利回りの良い後ろを買った方が良くてこんなのバランスシートの無駄遣いというような考えもあろうかと思いますし、まあ現状はそんな所なのかもしれませんね。

前日の基金国債買入で出来上がり0.107%に確信犯で突っ込んでいた人がいて、市場的に地合いが妙に悪くなってしまったのですが、当然この人は2年で突っ込みに行くのかと思っていた人も多く(つーかあたくしも当然そうだと思っていますたorz)ちょっと意表の展開かつ落札分布&セカンダリー低調でございました。

やはり足元のGCがやや重めで推移し続けているのが影響しているのかというところでございますが、今日の3か月TB入札では前回同様に0.104%レベルの足切りになるのでしょうけれども、按分率がどうなるのか(常識的に考えると按分がやや厚めになる可能性が高まったという話だと思いますけど)とかは超マニアで正直皆様的にはどうでもヨロシかと存じますがそういう事で。

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2012/02/28

○いきなりどうでもいい雑談でお告げコンボキタコレ

昨日はそろそろ出るかと思っておりました大先生のお告げキター
http://www.musha.co.jp/3624
ストラテジーブレティン (64号) 日銀の「変節」は円高デフレを終焉させる
〜年末13,000円、90円/ドルが視野に〜

何かドル円の数値と日経平均の数値に整合性がなさそうな気がしますけれども(大体からして「円高デフレを終焉」というのに何でここから10か月で10円ぽっちしか動かないのよと思うのですが)まあお告げキタコレという所ですが、武者先生のドテンは1月26日号「何故日本はダメなのか」の次に「この米株ラリーは本物」ってのも出していましたし、まあ政策の差がどうのこうのとか話していたので一応話の流れとしてはそんなにドテンでも無いような気もせんでもない(^^)。

しかしもう一つの強力なお告げが兜町の撃墜王から。

27日の北ハンマー大先生のボログ
http://blog.livedoor.jp/orion3/archives/51890691.html

『以上から今日も騰勢変わらずであり、東京市場に春風が吹き続ける。こういえます。』(上記北ハンマー大先生のお告げより)

ちなみに23日の北ハンマー大先生はこのように
http://blog.livedoor.jp/orion3/archives/51889939.html

『しかし私の現状に対する見方は、やはり信号は赤に近いオレンジ色なのです。だからガンガンいきましょう、などとはいえず、押しを待ちましょう。こう言っているのですが、「押し目待ちに押し目なしってことばもあるんじゃないですか。ほんとに押し目があるんですか」こう突っ込まれると、うーん・・・とならざるを得ません。』(上記北ハンマー大先生のお告げより)

まあ細かく見ておりますと北ハンマー先生の曲げパワーが憑依する可能性がありますのでお勧め致しませんが(^^)、23日にはちょっとあれ?という感じになっていて、24日には警戒でも買いでも無いような感じになっておられましたと思ったら昨日はこれ。

ということでお告げダブル効果で後場から平均株価が失速したのは言うまでもありませんが、引け後にエルピーダメモリーあぼんぬのニュースがががががが。


○市場雑談メモ

・エルピーダェ・・・・・

ご案内の通りですが・・・・・・・

帝国データバンクさんのページから。
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/3574.html
倒産・動向記事

2012/02/27(月) 東証1部上場のDRAM専業の半導体メーカー
製造業で過去最大の倒産
エルピーダメモリ株式会社
会社更生法の適用を申請
負債4480億3300万円

TDB企業コード:987907697
「東京」 エルピーダメモリ(株)(資本金2361億4313万1742円、中央区八重洲2-2-1、代表坂本幸雄氏、従業員3190名)は、2月27日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。 (以上上記URLより)

3月22日償還の社債があったのでお持ちの方に置かれましてはあと一息で力尽きてしまわれて誠に遺憾ではございますが、まあ近年は株券印刷大会もしておられたり、あちこちに支援要請がどうのこうのとかしていまして、おそらく金融的に言えば広く浅くあちこちに負担を掛けましたねえ(つまりこれでいきなり致命傷という人は金融屋には居ないと思われるという意味)という感じですな。

まあ社債投資家的には風前の灯的なイメージは前々からあったと思われますので、それなりに償却もしているでしょうからいきなり大騒ぎというよりは、「さて更生手続きで幾ら戻ってくるのでしょう」という話になるでしょうから、そーゆー意味では会社がお亡くなりになった後の回収率がどうのこうのというのをより精緻に分析して的な話(大丈夫か飛ぶかの2択ではなく)を生きているうちから考えながらの投資というような流れになってくるのかもしれませんね、よー知らんけど。


・基金国債買入2回目は応札が増えたでござるの巻

昨日のオペレーション

オファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120227.htm

国債買入(資産買入等基金) 5,000 2012年3月1日
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式> 10,000 2012年2月29日 2012年3月26日

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120227.htm

国債買入(資産買入等基金) 26,456 5,006 0.007 0.007 87.6
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(2月29日スタート分) 21,270 10,008 0.100 0.100 47.1

つーことで、金利入札オペが(資金需給の関係上入るのはほぼ予想の範囲内ですが)昨日も打たれて、按分がだいぶ増えてきましたねという話は別にあるのですけれどもまあその件は本日はスルー致しまして(汗)、基金国債買入なのですが・・・・・

前回の基金国債買入はご案内のように2月15日という事で基金増額のアナウンスをした直後でございました。

オファーはスルーして落札結果を。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120215.htm

国債買入(資産買入等基金) 10,677 5,003 0.002 0.005 57.7

ということで、決定会合翌日に行われた国債買入よりも応札が倍以上に増えるという中々オサレな状態になっておりまして、当然ながら購入レートの方も上昇しまして、最初は出来上がりベースで0.105/0.102だったのが今回は0.107/0.107で一本値とゆーことはまあこれは入れる気満々で突っ込みましたねという感じです。

まあ何ですな、だからどうと言われると中々困る所ではありますが、毎度のパターンで決定会合直後は0.105%ビットサイドとかになった2年以内の国債ではございますが、その後足元のGCが重かったりする状況で当初の勢いがやや失速(つーても2年で0.11%になったらアホほど買いが来るでしょうが・・・・GCだってビットサイドの0.105%からよー上がらんですし)したのか、0.107%の出来上がりレートで突っ込む向きがあったとの由。

ど〜せ時間の経過とともに買入効果が効いてきて物がスッカラカンになっていくのですけれども、5月中旬まで待てないのか、それともまあこんな金利水準で持っている意味をあんまり感じないのか存じませんが、投資家の打ち込みでもあったんでしょうかねえ(業者がここまで売りに行くイメージが無かったのですが、まあ業者の外しだったらあたくしの妄想間違えですのですいませんすいません)とか思ったりもしたのですが、実際の所は存じ上げ兼ねますのでにゃんとも。

ただまあちょっとGCが重いのが影響したというパターンって包括緩和実施した時のアレの再来的なイメージを起こさせる(現実問題としては買入&固定オペのコンボがあって金自体はどう見ても余りますので、そーゆー意味では包括緩和実施後のマーライオン再来とかどう見ても有り得んのですけど)とかあるのかなあとかふと感じた昨日のひとときでございました。

#とここまで書いてあまりにもマニアな話だったことに気が付くあたくしorz

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2012/02/23

○その前に市場雑談

・3か月TB入札の足切り利回り上昇

昨日の3MTB入札。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240222.htm

(3)募入最低価格 99円97銭4厘0毛
(募入最高利回り) (0.1043%)

(4)募入最低価格に 9.2099%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭4厘2毛
(募入平均利回り ) (0.1035%)

ということで、久々に3MTB入札の足切りが0.1043%レベルに上昇しまして、まあこれは足元の金利入札オペが不足気味の為に(でも6か月オペは札割れなのですけれども^^)在庫ファンディングが重く、海外の買いもそんなに多くないという状況でしたので、足切りが0.1043%レベルに届いたという事ですが、按分率9.2%というのは事前予想よりも強めの結果だったようで、もうちょっと流れたらセカンダリーで買いがわさわさとなったかもしれませんが、まあそれほど盛り上がらんとな。

まあ何ですな、足元は短国の在庫がやや重めかもしれませんが、どうせ基金買入が積みあがる中で当座預金残高が積みあがってくればそのうち資金潰しで短国も買われていくでしょうから、そー考えますとこの位の期間の物は買うのはいいけど再投資リスクはある罠(=もっと長い方が良い)ということなのですが、再投資を考えた場合にウマーかもしれない2年とかの年限に関してはロクなレートが出ませんので(2年カレントって引けは0.105ですけど1000億とか買いに行ったら0.100になるんでしょどうせ)まあ長いのを買おうにもねえという感じですな。


・交付税特会借入入札は金利低下とな

昨日の交付税特別会計入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result120222.htm

(3)募入最高利率 0.111%
(4)募入最高利率における案分比率 51.5170%
(5)募入平均利率 0.108%

先週の交付税特別会計入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result120215.htm

(3)募入最高利率 0.117%
(4)募入最高利率における案分比率 22.5000%
(5)募入平均利率 0.111%

ということでこちらの金利は順調に低下。まあ交付税特別会計入札は短国入札と違ってディーラーの在庫状況云々関係ない(転売目的で買う物ではないから)のと、そもそも6か月固定金利オペが絶賛大札割れになりますように、6か月の固定金利の調達がイラネという状況であればその裏で6か月の運用に関してはニーズがありますがなという事でしょうな。しかしアベレージで0.11割るとは中々オサレな展開。

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2012/02/22

○ロールの6か月基金共通担保オペも札割れ

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120221.htm

共通担保資金供給(全店)<金利入札方式> 10,000 2012年2月23日 2012年3月22日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年2月23日 2012年8月29日

落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120221.htm

共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(2月23日スタート分) 35,810 10,010 0.100 0.100 28.0
共通担保資金供給(資産買入等基金)(2月23日スタート分) 6,255 6,255

・・・・・・ということで今回の6か月基金共担オペも札割れなのですが、今回のオペはロール分でして、つまりそもそも23日に8000億円の固定金利オペ6か月物の期落ちがある筈なのですが、そのロール分のニーズすら未達という大変に素晴らしい状態となっている訳でして、前回新規で実行した時はまあ新規だからニーズ無いものは無いわなという話でしたが、当然の如くロールのニーズも低下というお洒落な状態(しかも前回よりも札割れ規模が大きくなっている)となっておりまして、これはもう6か月物固定金利オペの残高が目標達成への積み上げどころか残高維持にも黄信号となっておられる訳で誠に遺憾に存じます。

一方で同日に実施された金利入札方式の1か月物の共通担保全店オペは1兆円のオファーに対して3.5兆円の応札があったという事で、こちらはニーズがあるという状態ですので、つまり6か月のオペに札が入らないのは金が要らない訳では無くて、「6か月という期間の資金供給というものにニーズが無いだけです」という事でありまして、まあ長いオペのやり過ぎでバランスがおかしくなっているという事ですな。

んでまあ現状ではこんな感じで短い金利入札オペに札が入っていますが、今後更に買入等の残高が拡大すると当座預金残高自体も(国債大増発でもしない限り)拡大していくようですので(詳しくは2月17日に東短リサーチの飯田上席研究員がレポートにしておられますのでお問い合わせは東短リサーチまで^^)、そうなりますと「期間的にニーズ無し」に加えて「そもそも金イラネ」状態になるという事になりますので固定金利オペの残高コミットどうするんでしょうかねえとしか申し上げようがありません。

ということで益々テクニカルな限界に近づきつつある包括緩和の基金オペはこれからどうするんでしょうかねえというテクニカルな雑談でございました。

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2012/02/17

○5年国債入札キタコレ

昨日も昨日とて相場ネタがあってここまですっかりウゴカンチ会長になっていた市場の中の人たちとしては色々と動きがあって何より(なのか??)でありまふ。

えーっとですな、一昨日の日銀基金国債買入さっそく5000億円打ち込み攻撃によりまして中短期ゾーンの気配がまあ強くなっておった訳でございますが、昨日は5年国債入札を前に海外市場の債券高もあって前場からきっちり堅調推移したでござるというアヒャヒャヒャヒャの展開。

で、前場引けで142円82銭(+17銭)で5年カレント(新発はリオープン)は2毛強/1毛5糸強の0.300/0.305の板で、絶対水準的にどうよという説もあるものの、やはりニーズありありという事で落札結果は100.02/100.01で按分88%となりやがりまして、100円届かずですかそうですかという結果。

市場推計だと不明札少なくて業者主体の落札っぽかったですけれども、別にその後売られるでもなく堅調推移しやがりまして、その後何か知らんが引けにかけてカーブの後ろの方が強くなった影響もあったのか、やや先物が持って行かれる感じで引けは0.295%でしたが先物が6銭持っていかれてましたので前場引けのバランスからは同じですが入札レベル的には微妙に先物上に持っていかれという感じですが、落札結果発表後は0.295/0.300の気配のまんま推移という感じじゃなかったかなと思われます(が子細に見ている訳では無いので間違ってたら教えてくんなまし)。

ちょうどですな、この次に申し上げます「固定金利基金共通担保オペレーション札割れ事件」というのが14時10分に発生しやがりまして、これを見て中短期ゾーンの現物がさらに強くなり、2年以内のJGBの気配が揃いも揃って0.105%ビットとか大変に素敵な事にもなってしまいまして、3年とかのゾーンとかも当然のように強いでございますわよとなりまして、日本相互証券さんの引けベースで残存3年ゾーンの5年88回(2015年3月償還)とかで前日比1毛5糸強の0.165%とか大変に素敵なレートになっておられまして、そこから見ると5年の0.30%が普通に見えてしまうというおそロシアな状態になります罠という事ですな。

まあ何ですな、そらまあ銀行業態さんがALMマッチングとか言って2年だの3年だのとかを買うと言いましても、このレートではコスト賄えないですわなという話になって、まあつまり金利難民の皆様が大量にイールドカーブの後ろの方になだれ込んでいる訳で、避難民の皆様が只今絶賛到来中という風情なのでしょうなあ。


○基金オペの6か月資金供給絶賛札割れキタコレ

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120216.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年2月20日 2012年8月22日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120216.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(2月20日スタート分) 7,010 7,010

はーい、6か月固定金利資金供給オペ札割れ来ましたね〜♪アヒャヒャヒャヒャ♪

・・・・・・・えーっと、今回のオペは新規で行った分(つまり基金オペの6か月オペ分の積み残し分の消化)なのでそもそも札が入りにくいものだったのですが、ついに札割れしやがりましたかという所で、何がマズーかと言いますと基金オペって基本的に残高にコミットしている所にある訳で、札割れするとなると目標未達という事になるのでどう落とし前つけるんでしょうねえ(ニヤニヤ)という事になるのでございますな、うんうん。

でね、まずオペの札が割れる要因を考察するとこれがまた色々と面白いというかマニア的には興味の尽きない話ですが、正直言って短期の一部市場の技術的な問題がかなーり多くなるのでまあ興味のあるかただけ読んでちょ。

暫く前からあたくし「6か月オペイラネ」と申していましたが、そら何ですねんと申しますと、これはもう資金供給全体のバランスと、現在の短期市場というかレポ市場における資金の調達運用構造によっての話ですよね、という事になります。

つまりですな、レポ市場で資金の調達サイドに回るのって基本的に債券ディーラー(銀行がオーバーローンの時代じゃないから)になるのですが、債券ディーラーの資金ポジションというのは当然ながら債券の売買で動くものですし、更に現在のように短期国債がアホのように発行されていると、その資金ポジションのぶれも相当のものになる(新発の落札とか見れば判るように兆円単位でぶれるディーラーだっている訳ですから)のでして、その在庫ファンディングを全部オーバーナイトで実施すると流動性リスクがあるのである程度の長期ファンディングも必要になりますけれども、物には限度というものがありまして、逆に長期ファンディングをやり過ぎちゃうと在庫状況によっては資金調達過多になってしまい、今度は自分がいりもしない資金調達の担保不足になってGCレポの買い手(資金供給)に回らないといけなくなるリスクが生じます罠。

で、まあ往々にしてそうなのですが、ディーラーが資金調達過多状態になっている時というのは普通は「マーケットに玉が無い」という状態ですので、そういう時にGCを買いに行くととんでもない低い金利水準で資金出さないと行けなくなるというのが一般的で、そんなアホウな事態を避けるために普通の神経している債券ディーラーというかレポ担当は長めの調達と短めの調達のバランスを取る訳ですよ。

つーことで、資金取引的にはクソ長い期間であります所の6か月なんぞ要るかヴォケという事になる訳でございまして、債券ディーラーの札は入らん罠という事になる次第。まあ新規でこれから打ってもニーズが無いものにはニーズがありませんですし、これってGCのスポネが0.105%だから6か月の0.10%を取るというようなトレードオフにはそう簡単にはならない(資金調達のマッチングの問題だから。そらまあスポネが0.20だったら話は違うかもしれないけどそんな事したら今度はコールが上昇するから誘導目標のディレクティブ違反になりますし、そもそも緩和政策やってる意味がないわな^^)のでありまして、大変にアレな話でございます。


で、調達サイドの観点じゃなくて運用先にありきの観点から考えた場合、6か月の固定金利オペに応札するメリットとしては、「それよりも後ろのカーブが立っている事によって長短スプレッドを享受する」というのがありますよね。例えば1年金利が0.13%で6か月固定が0.10%で取れるのであれば、1年の0.13%を買って半年分は固定の0.10%でコストを確定させれば後半の調達が0.16%でブレークイーブンって奴であります。

しかしですな、まあ足元で基金買入の短期国債を増やし、もう増やせなくなったから今度は2年までの国債の買入も増やすという形で、2年までの金利が0.10%カツカツまでカーブ潰してしまっているので、6か月などという中途半端な期間の調達に対するメリットが運用サイドの観点からしても無くなっている訳でありまして、そらまあニーズが無くなる罠と思うのでありまして、この前6か月固定の拡大を行った時にレポ市場関係の皆様からは「これは余計」という指摘が多かったたに記憶しておりますが、まあその通りの展開になっておりますにゃ。


つまりですね、導入した時点では6か月の固定資金供給にはそれなりにメリットがあったのですが、より長い期間の資金供給(国債買入も一種の資金供給ですわな)が拡大して運用サイドから見ると短すぎてメリット無しとなり、一方で3か月、6か月の資金供給が多くなりすぎてショートファンディングとのバランスが崩れたという要因によって、調達サイドから見ると長すぎてメリット無しとなったという事です。


で、調達サイドからするとショートタームの資金供給は欲しいのに基金オペ優先になるからオペが打たれずとなると、ショートファンディングはGC1日物でというような話になりますから、GCは0.105%になってしまい2年カレントとどう見てもインバートです本当にありがとうございました状態になってしまう訳ですが、これって「長期債の買入をやり過ぎた場合のオペレーション上の技術的な問題」を具現化しているような感じでもありまして、米国様が正常化局面になった場合にはもっと素敵な短期のインバートが起こるのかなあとか考えると胸が熱くなってまいります。


・・・・つーことはつまりこれ打開策は正直言ってないと思うのでありまして、技術的にオペの限界に達しているという話ですが、じゃあどうしたら良いのよと考えますと、明らかに6か月のオペが要らなくて、一方で短いオペはニーズがあるのですから、固定の6か月のオペを少なくとも5兆は落としてショートタームのオペに振る(本当は10兆落とした方が良いと思う)とオペレーションがやりやすくなると思いますが、それだけだと基金残高が減ってしまいますので、これはもうヤケを起こして「長めの短期市場金利の低下という目的は現状でも達成できているので、より長い期間の金利に働きかけるべき」とか何とか言って6か月固定オペを減らした分を全部国債買入拡大に回すという話ですが、先般申し上げたように既に2年までの買入では今の残高が限界ですので・・・・・・・ニヤニヤ。

ということで、まあ何と申しますか、基金の拡大と期間長期化で日銀としてはオペレーション技術上の問題に引っ掛かって自分の首を絞めてどんどんやる事をエスカレートさせないと回らなくなる、という何ともかんとも香ばしい事態になっておられまして、オペレーション部隊および企画部隊の皆様におかれましては誠に同情の念にたえないと存じます次第であります(棒読み^^)。

まあ残高維持だけで良かったら基金共通担保固定オペの期間を例えば2週間物と1か月物というような調達サイドのニーズにマッチしたような形にすればまだニーズ集まるんじゃないですかねえと思いますが、そもそも固定オペが大杉勝男なのが行かんですからねえ。

ということで、ひたすら技術的なネタで大変恐縮至極。

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2012/02/16

○基金国債買入オペ5000億円オファーキタコレ

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120215.htm

国債買入(資産買入等基金) 5,000 2012年2月20日

キタ-------------(・∀・)------------------!

ということで、昨日はきっちりとやる気元気井脇な基金国債買入が5000億円打ち込まれまして、このオペ見て2年ゾーンとかは(元々堅調でしたが)0.105%出合いキタコレなどとやっておりまして、まあ昨日はこのオペを見て「何だ日銀やればできる子じゃないの」という感じでしたな、うんうん。

ちなみに今回から買入対象銘柄が拡大して、従来は残存1年9か月位の所から2年の所が対象だったのが、1年6か月位の所から2年の所まで拡大(本当はあまり短い所を買うとちゃっちゃと償還が来てしまうので基金国債買入によって残高を積むというのにやや都合が悪いのですが、そんな事言ってると札が集まらない可能性がありますから)したでござるの巻。

落札結果はこの通り。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120215.htm

国債買入(資産買入等基金) 10,677 5,003 0.002 0.005 57.7

とりあえず応札が倍入って良かったですねという感じですが、出来上がりの買入レートは平均が0.105%ですけど0.102%まで入っているという結果になりまして、いやまあこの調子で買っていくと2年カレントが新しく入った時は兎も角として、徐々に玉が薄くなってくると0.100に近い所まで入るような流れになるんでしょうなあとか思うのでありまして、やはり流れとしては2年カレントが1年短国並みになるというイメージになるんでしょうなあという感じです。

まあいずれにせよ、(後の総裁会見にあるように)今回の追加緩和については従来の「下振れリスク対応」だけではない「押し上げ介入」的なニュアンスがある(物価目標がどうのこうのよりも市場的にはそっちの方が重要なポイントでしょ常識的に考えて)のですが、昨日早速基金国債買入を実施(するでしょうとは恐らく全員が予想していたとは思いますが)したのは「姿勢を見せる」という意味では期待通りの動きでしたね、という所かと存じます。

しかし昨日は3MTBの入札が0.1028%の按分率上昇してまして、やはり海外勢の買いが止まる(ネタにしてませんでしたが今週の1週間物ドルオペは久々の応札ゼロでした)と毎週6兆円はさすがに重いようで、この調子で行くとうっかりすると2年と3MTBが瞬間インバートとか楽しい事になってくれるかもしれませんな。

#まあ2年の金利潰して銀行業態憤死ですから3Mに妙味が出ればそっちに買いがわんさかやってくるでしょうからそう極端な話にはならないでしょうが


○その他雑談

・まさかのお告げ

兜町のユリ・ゲラーとして名高い某北ハンマー先生が日銀の追加緩和にまさかの評価をされておられましたので大先生のボログより。

http://blog.livedoor.jp/orion3/archives/51888374.html
2012年02月14日
日銀の物価上昇率のメドとは何か

『市場はそれを歓迎日経平均株価は52・89円高したのですが、私にいわせると疑問ありです。』(上記北浜大先生のお告げURLより)

・・・・・ほほう。

で、昨日もこのように仰せ。

http://blog.livedoor.jp/orion3/archives/51888474.html
2012年02月15日
東京株式市場、今日は次のようになりそうだ[2月15日朝刊 ]

『昨日の日銀発表を受けて、日経平均は続伸が見込めるものの、水準が9100円に乗るようなことがあれば、当然戻り売りが出やすくなります。上げても高値掴みになりやすく、警戒する投資家も増える。こう見ています。このところ自動車、海運などが強く、今日もそんな流れに変化はないでしょうが、やはり目先上げ過ぎは気になるところです。』(上記北浜大先生のお告げURLより)

・・・・・ほうほう。

http://blog.livedoor.jp/orion3/archives/51888511.html
2012年02月15日
焦りは禁物

『今日のように急騰すると、買い遅れた感じがして焦ってしまうことも。これはもちろん危ないので、焦りは禁物ですよ。株だけじゃありませんけどね(笑)』(上記北浜大先生のお告げURLより)

・・・・・・・ほっほー。

えーっと、ただ単にあたくしは「このような見解があります」とご紹介しただけですからね!!

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2012/02/13

・武者先生キタコレ

節分天井とはよく言ったものですorzorz

http://www.musha.co.jp/3560(←どうも今朝からページリニューアルのようで、下のURLの方がよさそうです)
http://www.musha.co.jp/report/bulletin_j_20120209.pdf
2012年2月9日ストラテジーブレティン (63号)
この米株ラリーは本物、6%の株式利回り(配当+バイバック)は無視できない

>この米株ラリーは本物
>この米株ラリーは本物
>この米株ラリーは本物
>この米株ラリーは本物
>この米株ラリーは本物

・・・・・・誠に残念ですが米国株式市場終了のようです。で、小見出しを拝読いたしますと。

・株式市場ルールが変わった、リスクオン・オフから長期価値投資へ
・説得力失う超金融緩和批判
・好業績=株式投資に思い至らぬグロス氏
・株高を正当化するシュワブ氏の楽観経済観測
・日本の失われた20年とは全く異なる

と、ビルグロス先生を盛大にdisるという事で、これは太平洋を隔てた竜虎対決という風情を示しておられて誠に風雲急を告げる訳ですが、米国株式市場をこれだけ盛大に怪推奨キタコレという事で、米国市場逃げて〜という所ですな、うんうん。

・・・・・・と思ったら最後の小見出しがこれ

・悲観から急改善する日本投資環境

・・・・・・・????????

えーっと、『2012年01月26日 (62号) 何故日本はダメなのか 〜 株価格差の背後にある政策格差 〜』というのがストラテジーブレティンの前回号のお題だったのですけれども、いくらブレティンだからってブレ過ぎなんですけど。

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2012/02/09

○何となく雑談

・短国入札

火曜の6M
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240207.htm

(3)募入最低価格 99円94銭9厘
(募入最高利回り) (0.1023%)

(4)募入最低価格に 6.1939%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円95銭0厘
(募入平均利回り ) (0.1003%)


水曜の3M
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240208.htm

(3)募入最低価格 99円97銭4厘5毛
(募入最高利回り) (0.1023%)

(4)募入最低価格に 5.2609%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭4厘7毛
(募入平均利回り ) (0.1015%)

ということで、0.10%乗せなのは0.10%乗せなのですが、セカンダリーになると結局0.10%オファーとかまで強くなるという毎度のパターンになるのですが、最近は足元のGCが0.10%をちょっと超えた所で微妙に推移しているので、アベレージ辺りで保有しているとGCでファイナンスつけてると微妙に逆ザヤになったりしそうな勢いではございます。まあGC自体がじゃあ0.11%とかに上昇するかと言われるとどう見ても上昇しないので良いっちゃあ良いのでしょう、というか最近はどうもGCレートがどうせ上がっても大したことないというのも効いているのかどうか知らんが、普通にGC対比逆ザヤ状態であっても短国レートはケンチャナヨ状態になっているなあとか思うのでありました。


・ロイターの謎ニュース

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE81700920120208
日銀が次回決定会合で追加緩和検討へ、ギリシャ情勢緊迫で
2012年 02月 8日 22:18 JST

『[東京 8日 ロイター] 日銀は13、14日に開く金融政策決定会合で、追加緩和を検討する。国内景気には底堅さがみられるものの、ギリシャ情勢の緊迫化など世界経済の先行きに不透明感が広がっていることに加え、米連邦準備理事会(FRB)が1月末に打ち出した金融政策運営に関する情報発信強化を受けて円高圧力の再燃懸念も高まりつつある。』(上記URLより)

・・・・・・・???????

何か超足元の市場の動きと上記の説明が微妙に違うのですが、他のメディアがスルーしている(ように見えるが違ってたらごめん)のでただの飛ばし記事か誰かの書かせ記事のような気もしますが、どっちかというと直近の相場ってリスクオンっぽい気がするんですが何でこうなる??????????


・武者先生ェ・・・・・・・・

まあ何ですな、足元の国内株価堅調の背景に関してはどう見てもこの要因が大きいかと存じます次第でありまする、って嘘ですよ嘘。

http://www.musha.co.jp/3526
2012年1月26日ストラテジーブレティン (62号) 何故日本はダメなのか
〜 株価格差の背後にある政策格差 〜

>2012年1月26日 何故日本はダメなのか
>2012年1月26日 何故日本はダメなのか
>2012年1月26日 何故日本はダメなのか

・・・・・・・いやもうさすがとしか言いようがないですな、って前からこのレポート見てちょっとwktkしてたのですがFOMCネタとかで多忙で今さら書いてどうもすいませんすいません。

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2012/01/23

○基金短国買入が盛大に札割れ

金曜日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120120.htm

で、その中の
国庫短期証券買入(資産買入等基金) 2,000 2012年1月25日

がアレでございましたのよね。その結果はこちら
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120120.htm

国庫短期証券買入(資産買入等基金) 323 323 0.000 0.000

・・・・・・2000億円の買入予定に対して応札が323億円しか入らず貫録の札割れとなっている訳ですが、そもそも火曜日に実施された1年TB入札が投資家と思われる応札がドカンと入って業者が玉不足になってショートカバーの買いで火曜日に0.085%だの何だのというレートまで買われる事態になったというのはこの辺にも書いた話でして、水曜の3MTB入札だってテールは0.10%乗りましたけれども按分6%とかでして(その時のメモはこちら)、短国が悉く普通に市場で0.10%割れで売れるという状況になっている状況であったんですよね。

で、基金買入はご案内のように0.10%という利回りからの利回り較差入札(ただしマイナス応札は不可)という仕切りになっておりますので、そうなりますと「市場で普通に0.10%割れで売れるものを何で売りますねん」となって札が323億円しか入りませんでした、つーかまあ入っただけアリガタヤという感じでございますが、そもそも市場実勢から考えたら応札入らなくて派手に札割れするのって入札オファーするまでも無く見え見えだったので、正直あたくしそもそも金曜日に基金短国買入があるとは思ってなかった位でありまして、市場的にも打たなくても別に誰も驚かなかったと思うのですよね。

・・・・・とまあそういう事で、わざわざ盛大に札割れするのが見え見えのタイミングで基金短国買入を打ち込んで来た理由というのを一々妄想したくなるのがドラめもんクオリティなのでありまして、まあいくつか考えてみる訳なのよ(^^)。

(1)札割れタイミングに堂々打ち込んで札割れさせることによって「これだけ買入を行っても市場が要らないって言うんですよ基金拡大も限界ですねえ」とアピールしたい

(2)本当は札割れするのも困るのだが、基金短国買入をそもそもオファーしないのもスケジュール的に問題なのでダメ元でオファーしてみたらやっぱり割れた

(3)特にその辺気にせずにいつも通りに1年TB入札の後にオファーをした

・・・・・つまり「わざと割った」「割れると思ったけれどもオファーした」「素でやっちまった」の3択のような気がしますが(^^)、まあまさか素でやっちまったという事は日銀のヒアリング能力的に有り得ないですから、わざとかどうかは兎も角として玉砕オファーをしたんでしょうなあとは思いますが、しかしまあ週明けに金融政策決定会合がある所で短国とは言え基金の買入オペの国債モノで盛大に札割れ発生とかタイミング的にお洒落にも程がありますわな。


さて、そもそも基金買入ってどういう仕切りになっていましたっけという話でございますが、直近では10月27日に買入の拡大を行っていまして、その時のリリースの別紙(下記URLの3ページ目)にありますように、
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/k111027a.pdf

国庫短期証券は4.5兆円の買入で『2012 年末を目途に増額を完了する。』となっています。

つまりですな、基本的には(輪番オペと違って)この買入自体は別に定例で買入を行わなければいけないとかゆー話では無くて、今年の年末時点で国庫短期証券の買入残高を4.5兆円に持っていくのが目標という事になっています。

ただですな、現状でこの残高どーなってますかと申しますと、これは営業毎旬報告を見ると残高は判る(銘柄後毎なら月次)わけでして、

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2012/ac120110.htm/
営業毎旬報告(平成24年1月10日現在)

の別紙2の所を見ると『「資産買入等の基金」の内訳』っつーのがありますな。

(単位:千円)
長期国債 2,909,238,406
国庫短期証券 2,682,462,304
コマーシャル・ペーパー等 1,817,434,794
社債 1,529,821,137
指数連動型上場投資信託 829,099,465
不動産投資信託 66,013,825
共通担保資金供給オペレーション 32,024,900,000
合計 41,858,969,933

ということですので、短国の買入残高って2.68兆円しか無いのですよね。そしてそもそも短国は償還まで1年以内なのですからして、実を言えば1月10日時点での短国の残高って全て1年以内に償還になる物でして(この時点で一番長いのが12月償還物だから)、これからせっせと4.5兆円買っていかないとならない(しかもその間に年内償還物が打ち込まれたら再度買わないといけない)という中々素敵な状況になっている訳ですよね。

そして初の2013年償還物が打ち込まれる基金短国買入が貫録の大札割れとなるという事で、基金オペの目標未達への暗雲がモクモクと入道雲状態となっているというのが金曜のオペ結果でしたなあという事で、それを何も年初一発目の決定会合直前にやらんでもと思う訳で、札が入りそうもないのはほぼ自明というタイミングでわざわざオファーをする必要があったのかね(さっき申し上げたように別にオペを定例的にオファーしないといけないというコミットをしている訳では無くて、コミットしているのは今年の年末の買入残高だから)と思うのでありました。


つーことでですな、基金短国買入残高積み上げ大丈夫かねとかなっちゃいますと、ではどうすれば残高積みあがるんでしょという話になるのですが、ご案内の通り直近では3か月TBを毎週9000億円絶賛大増発しているのにこの有様ということですから、財務省にお願いして(??)もっと絶賛増発して貰うとか、1年TB(普通にやっていると基金短国買入の対象銘柄は1年TBになる)をもっと増発して貰うとかしないと話が始まらんですなあ(ニヤニヤ)という感じですわな。

まあ短国買入の積み上げの為にレギュラーの資金供給オペを絞るとか本末転倒ですし(つーかそもそも基金オペの固定金利打っているだけで結構積みあがってしまう)、短国で積みあがらないとなると(基金残高が目標数値になっているだけに)じゃあ長期国債買った方が良いんじゃないか(さすがに2年国債ならばまだ積み上げ可能でしょう、10日時点で2.9兆円ですけど)とかいう話が飛んできても何らおかしくは無いですがなという話になりかねません罠。ちなみに基金短国買入のシーリングを0.10%から下げると買入は増やせるでしょうが、その分だけ短国の市場金利が低下するでしょうからまあ利下げみたいな話になりますし、補完当座預金よりも低い金利で短国買いますよとなると補完当座預金制度が収益プレゼント制度みたいになってしまいますがどうですかね(だからと言って補完当座預金の金利を下げると最初に戻るになってしまって基金買入の残高が積みあがらない・・・・・)という結果。

まあ何だ、雉も鳴かずば撃たれまいと申しますか、今回盛大に基金短国買入が札割れとなって頂いたので、趣味で金融政策ストーじゃなかったヲチャー状態になっておりまするこのあたくしがああでもないこうでもないと雑談を書く事が出来まして誠に結構でございますな(ニヤニヤ)。

いやね、これがさっきの(1)で実は調節担当が(あるいは金融市場局と企画局が手を組んで^^)わざと札割れをぶつけてきましたとかだと超オモシロスではあるのですがね(^^)。


○2か月TB入札でしたが

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240120.htm

(3)募入最低価格 99円98銭4厘5毛
(募入最高利回り) (0.0975%)

(4)募入最低価格に 19.7373%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円98銭4厘8毛
(募入平均利回り ) (0.0956%)


・・・・足切りレートも0.10%割れキタコレではありますが、まあそもそも金曜の入札は入札の段階から0.10%割れ致し方なしという風情でありまして、期内償還物の短国の在庫が払拭した状態で、そらまあ端物なら兎も角、ちゃんとしたロットで買おうとなるとそもそも玉がありません状態となっていましたので、ロットで玉を確保できる今期最後の機会ですから0.10%割れになるでしょうなあという認識ではございましたので入札結果自体はああ予想通り強かったですねえという感じです。

ただまあ今回は市場推計による不明玉が発行2.5兆円に対して4600億円程度とそんなに多い訳でも無かったのは、端から0.10%割れが見え見えだったのでプライマリーでの投資家ニーズが様子見モードになってしまったという所でしょうか。落札分布的には推計される落札上位に偏っていますので、最終的にはそちらさんに買いに行かないとまともなロットの玉が出てきませんので買いたければ上を買うしかないと思うのですが、後は業者のGCレポのネガティブキャリーとの絡みという感じっすかね。

あと、0.10%割って買う人という意味では海外要因があると思いますが、海外のファンディング市場の緊張緩和が効いているのかどうかは存じませんけれども、スワップ絡みでバンバン安い金が出ているという感じでもなさそうではありますな。

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2012/01/19

○3MTB入札とか

昨日の3MTB入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240118.htm

5.価格競争入札について

(1)応募額 56兆7,425億円
(2)募入決定額 5兆5,574億3,000万円
(3)募入最低価格 99円97銭5厘0毛
(募入最高利回り)(0.1002%)
(4)募入最低価格における案分比率 6.4457%
(5)募入平均価格 99円97銭5厘2毛
(募入平均利回り )(0.0994%)

ということで今回は応募額まで引用する訳ですが、5.55兆円の価格競争入札(第T非価格競争入札があるので6兆ではない)に対して応札56兆円とか大変に素敵な応札でございました。

まあ何ですな、火曜の1年TB入札がアレでございましたので、0.10%乗った所ではニーズがわんさかあるでしょうからそこの按分が薄くなるでしょうし、まあ平均落札レベルでの販売という事も考えると足切りの所に全部応札という訳にもいかないでしょうから上にもちょっとは入れないといけないでしょうし、かと言ってコストをあまり上げたくないとなると足切りにドカンと札入れないと・・・・・という事でこのような応札になったのでしょうな。

かつてのゼロ金利量的緩和時代の短国入札を思い出してしまいますが、まあ現在はそもそもの発行量が多い上に、0.10%の超過準備付利はあるとは言え、それ以外の人の買いで0.10%割れという水準でも売れますから、ゼロ金利制約の中での入札のような徒労感というか絶望感は無いのがよろしゅうございますなという所でありまする。

まあいずれにせよ短期国債市場におかれましてはすっかり固定金利状態になってしまって誠に残念極まる状態でありまして、短期市場で収益言われましても困りますがなとなりますと短期市場を生業とする人が出稼ぎに行ったまま帰ってこなくなるという事態が続くでしょうなあorzorz

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2012/01/18

○1年短国入札ェ・・・・・・・

昨日の1年TB入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240117.htm

(3)募入最低価格 99円89銭5厘
(募入最高利回り) (0.1045%)

(4)募入最低価格に 26.8656%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円89銭6厘
(募入平均利回り ) (0.1035%)

前場引けの時点で最終出合いが0.1045%とかだったと思いますが、平均が0.1035%となっている所からしてテールよりも強い札が結構入ったのねとか思っていたらその後あれよあれよと言う間に買われるのでした。

で、市場推計の落札分布ですが所謂不明札が2兆円ちょっと切る(19600億円)という結果となっていまして、何せ発行総額2兆5000億円の中で不明だらけですから業者の皆さんが空振りになってしまった(投資家の方が強めの所にどどーんと札を差して突っ込んで来たと想像される)という結果ですわな。

短国をショートしてもレポコストがタマランチ会長ですからそらまあ空振りした分はショートカバーをさっさとした方が良いという事もありまして、その後の業者間取引では0.085%だのというような水準が出合った(もう少し強かったかも)とか言う大変に遺憾なショートカバーが入っておりましたようで、ナンジャソラという感じではございますけれども、不明札が想像通りにどこかの投資家さん(いやまあどこかの業者さんがドカンと落として黙っている可能性だってありますが順当に想像した場合の話です)が2兆近く1年TBを落札しているという事は、単なる短期資金の運用でドカンなのか、それとももうちょっと長い所の債券買う待機資金なのかとか色々と妄想が膨らむというものです(^^)。

しかしまあ何ですな、今日は今日とて3MTBの入札がありまして、さすがに先週に入札3連発があって3か月TBが0.09%だとかいうのも緩和されたのではございますけれども、0.10%を超えた所にはニーズがあるというおそロシアな流れであるというのが判明したのでどうせ0.10%カツカツ入札とかにされるんでしょうな。しかしですよ、3MTBって足元では償還に対しての発行額が毎週9000億円増発されるという大変に素敵な流れになっている(3月12日償還の241回から発行額が5.7兆円になるのですが、そこまでは5.1兆円の償還なので、当面償還額に対して発行が9000億円増えるというのが続くのですよ)というのにこのニーズとかさすが貫録の金余りであるという所でございます。

まあ入札段階で0.09台になるといきなりニーズが無くなるの法則は生きているとは思いますけれどもまた強くなったらアレですなあという所でorz

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2012/01/17

○ちょっと気になった件(業態別当座預金残高)

毎月の準備預金の積みが終わると翌営業日に出てくるこの資料ですけれども。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/jcabs.pdf
業態別の日銀当座預金残高

直近のは12月積み期間分なのですが、そこの月中平残(どうでも良いが平残末残とかいうのは金貸しやっていると普通に使うので「ゲッペイ」と言った場合に最初に脳内変換されるのは餅ではなくて月中平残である^^)を見ますと、「その他準備預金制度適用先」と「信託銀行」の超過準備がどどーんと増えていますな。

でまあ「その他預金制度適用先」さんに関しては四半期の国債償還と重なる期間で超過準備が増えるのは仕様なのでまあ毎度の年中行事なのですけれども(それにしても超過準備の末残多いですなあ)、今回????なのは「信託銀行」さんのところで妙に超過準備が増えていることで、この市場的あるいは構造的インプリケーションが良く判らんのですが何なんでしょ?????

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2012/01/12

ECBが国債買入を拡大したら「財政マネタイズ」とか言って今度はEFSFとかを格下げするんですねわかります。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE80A00V20120111
ECB、ユーロ崩壊回避へ国債買い入れ拡大すべき=フィッチ
2012年 01月 12日 00:46 JST

『ユーロ崩壊はフィッチの基本シナリオではないものの、イタリアが債務問題への解決法を見い出せない場合、起こり得る可能性があると警告。』

『同氏は、ECBがイタリアなど債務問題に陥ったユーロ圏諸国の国債買い入れ拡大に消極的であることや、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)によるECB資金の利用に抵抗を示していることについて、このような姿勢を改めるべきと主張。「ECBの積極的な関与なしにどうやってユーロを救済するのか。率直に言って救済できるとは思わない」と述べ、ECBにはバランスシートを拡大する大きな余地があると指摘した。』(上記URLより)

ECBの財政ファイナンスはそもそも債務問題の赤字縮小に役立つものではなく、それどころかECBの財政ファイナンスが入ったら解決が遠くなるだけで、対処療法で買入拡大しても「イタリアが債務問題の解決法を見いだせない」なら逆にECBが買入したらユーロ崩壊回避よりも共倒れリスクが高まるだろうと思うのですけどねえ。つーかECBのバランスってLTRO連発でドンドン拡大してるんだが。いやまあ所詮フィ(以下罵倒文言の為自主規制)。

#まあECBの最近の動きに関しては微妙に色々とネタが無い訳でもないのですが色々と確認しないといけない事もあるのでアイデアどまりである

で、本日は白川総裁講演ネタがオモロイのでエバンス講演ネタ(と予定していたダドリー講演ネタ)を後回しにして総裁講演ネタに変更である(汗)。


○その前に市場メモ

昨日の3か月TB入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240111.htm

(3)募入最低価格 99円97銭5厘0毛
(募入最高利回り) (0.1002%)

(4)募入最低価格に 21.7679%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭5厘0毛
(募入平均利回り ) (0.1002%)

0.1002%一本値キタコレという感じですが、0.10%に乗るとニーズが出るの法則に準拠しておりまして、市場推計の落札分布を見ても先週金曜の0.10%割れ入札では不明札が6000億円チョイだったのに対して昨日の入札では2兆円ちょっととなっていたとの由で、なんちゅうお約束の展開という所ですが、10に乗って入札をするとセカンダリーも堅調であったりするという大変に素敵な流れで最終的には10割れが居所だったようでございますが、では入札が10割れるかというと、10割れると初動での買いの量が減ってしまうので業者の在庫になってしまうの法則になるので入札で10はよー割りません(まあひっさつ分は入るかもしれませんが)という流れになるんでしょうな。

つまり真面目に買いに行くと10割れだし真面目に売りに行くと10という事で、どう見ても固定相場です本当にありがとうございましたという事でしょうな、うんうん。

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2012/01/11

○個人向け復興国債とな

http://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/houdouhappyou/p240110.htm
個人向け復興国債の応募額(平成23年12月)

『平成23年12月5日から30日まで募集を行った個人向け復興国債の応募額は、前回、3銘柄を募集した9月の応募額の約二倍(1.9倍)の7,454億円となりました。なお、個人向け復興国債の種類別の応募額は、下記のとおりとなります。また、発行日については、平成24年1月16日を予定しています。

個人向け利付国庫債券(変動10年:第37回)  4,051億円
個人向け利付国庫債券(固定 5年:第25回)  2,369億円
個人向け利付国庫債券(固定 3年:第19回)  1,034億円』

コクサイ先生もお喜びのようです。
http://twitter.com/#!/kokusai_sensei/status/156697885969362945

・・・・・・でまあこれはこれで結構なのですが、一方で12月の株式市場の売買代金が泣きそうな状態とかいうのを拝見しますと個人の資金が国債にしかマワランチ会長となっておるとは甚だ遺憾な展開で国債買うなら株買ってくれよおおおとか思うのはただのポジショントークですかそうですか。


○そういえば短国入札3連発

すっかりネタにしていませんでしたが金曜日から3打席連続短国入札。

金曜の3か月TB
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240106.htm

(3)募入最低価格 99円97銭6厘0毛
(募入最高利回り) (0.0995%)

(4)募入最低価格に 1.5395%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭6厘7毛
(募入平均利回り ) (0.0966%)

昨日の6か月TB
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240110.htm

(3)募入最低価格 99円95銭0厘
(募入最高利回り) (0.1020%)

(4)募入最低価格に 15.3925%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円95銭0厘
(募入平均利回り ) (0.1020%)

先週は何せその前に短国の入札があったのが12月19日でございまして、しかも年末の所で当座預金残高が積みあがっていましたので、年末年始にかけては見事なまでに玉不足になって12月の最後に入札のあった3か月短国が平気で0.09%だの0.085%だのというようなレートが出合ったりしてたみたいで、6兆円に増発された3か月TB貫録の0.10%割れという入札になったのですが、例によって例のごとく0.10%割れのニーズは海外と日銀当座預金の外側の人と期末でのバランスシート調整以外に無いというパターンで0.10%割れの売れ行きはイマイチさんだったようですな。

でもって昨日の入札は0.10%に乗った訳ですが、乗ったら乗ったで今度は日銀の超過準備付利よりもレートが高いなら買いますの人たちが金余っているのでニーズがありありになって、平均落札レベルは瞬間蒸発という大変に素敵な展開。

どう見ても固定相場です本当にありがとうございましたという風情ではございますが、まあこんな感じで今日の入札もやるんでしょという所で、市場機能もへったくれもあったもんじゃないですが、まあ金利があるだけマシということでorz


○ところでドルオペ

昨日のオペ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120110.htm

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120110.htm

米ドル資金供給(固定金利方式)(1月20日エンド分) 2,961 2,961
米ドル資金供給(固定金利方式)(4月5日エンド分) 12,556 12,556

3か月ドルオペ125億ドルキタコレという所でありますが、前回に実施された3か月物ドルオペが47億ドルの応札でしたので応札がどどーんと増えましたなという所ではあります。まあ9日のドルLIBOR3か月が0.58ちょいとかで、オペのレートが0.59%ですからレートそのものも良いですし、3月期末を越えるのでニーズもあったんでしょうかねえ、という事にしておきます。よー知らんけど。

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2011/12/30

○短期国債モノ無し金はありありとな

昨日の当座預金残高
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx111229.htm

ご覧の通り37兆円とかになっているのは年末進行なのでシャーナイナイではあるのですが、いつもの話のように短国の入札が年末1週間ちょっとの間実施されない事もありまして、短国の在庫がスッカラカンになっておりまして、今週に入ってからレートの低下というか物無しモードが更に拡大してしまい、とうとう短国の現先玉も無いですがな状態になっておられるようで、資金を抱えて越年する人涙目の展開。

まあ何ですな、月曜の金利入札オペが順調に札割れして、火曜のレギュラーが末渡しで末越えGCが金余りモードになっていて、水曜になったら今度はスポ末スタートの新発CPのレートが前日からいきなり1bp近く急低下(0.11だの0.10だのという世界でやっているので1bp近くも動くのはそらもうエライコッチャでございますがな)するという流れでしたから、金があまってやがるなあというのは判りましたが、現先に回す玉すら短国市場に無いとかどんな金余りだよと。

年末に短国市場で玉が無くなるのはいつものクオリティーなのですが、昨年ってどうだったかねとか思ってみてみたら、そもそもベースで出ている当座預金残高が全然違っていて、昨年の場合は12月29日で21.4兆円で、30日で22.6兆円(今年は29日が37兆円で30日は36.5兆円の見込み)となっていますからそらまあ潰すキャッシュが多いからシャーナイナイですわなという感じです。

しかも去年の場合は12月上旬までの供給が絞り気味で推移して2年とかの金利が豪快に上昇(その前の包括緩和導入で0.13とかまで低下したのに11月下旬からゲロゲロマーライオン相場になって12月13日には2年カレントが0.235%まで付いた(引けは0.230%)という大変に素敵な展開)してあたくしが悪態を散々ついていた訳で、まああの時からしますと日銀の資金供給の出しっぷりが大変に豪勢と申しますかヤケクソで開き直っておられると申しますか、まあいい感じで金余り祭りになっておりますので年末年始がこんな感じに。

で、次の短国入札はと申しますと・・・・・
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct231228.htm

1. 入札予定日 平成24年1月6日
2. 発行予定日 平成24年1月12日

物が出てくるのは受け渡しベースで再来週の木曜までお待ちください。

4. 発行予定額 額面金額で6.0兆円程度

しかし足元では増発しても盤石の需給というか逼迫してるという貫録の金余り。まあ日銀がこれだけホイホイ供給してりゃ短国入札が1週間スキップされると一挙に物無しになる罠という所でございますので、包括緩和実施中で日銀がヤケクソで資金供給をしている限りにおいては29日発行とかの短国を発行しても大丈夫かもしれませんな。まあ年末近辺に敢えて発行せんでも良いとは思いますし、事務方涙目の展開になるのでそんな事はしませんですかそうですか。

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2011/12/27

○その他雑談

・先生!市場ちゃんが息を(ry

昨日の売買高:

債券先物の日中売買高=6977億円
東証1部の売買代金=5008.44億円

いやまあ何ですな、最近の債券市場も海外でそれなりにああでもないこうでもないと動くというのにまあ貫録のウゴカンチ会長なんですが、東証1部の売買代金って今月入って1兆円こえたのが1日の12625億円、7日の10503億円に9日の17909億円しかございませんで、そのうち9日はメジャーSQ要因ですから実質的に2日だけかよという所でございまして、これは証券会社涙目の展開。

もうね、経費勿体ないから官庁御用納めで大納会で良いんじゃないですか??

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2011/12/22

○ECBの3年オペ

昨日はブルームバーグに悪態つきましたが、FTとかも同じような報道していて、まあ初回の3年オペしかも大注目ということですから、コケないようにECBおよび各国中銀が「ご指導」したのかもしれませんな(^^)。

オペのページ
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/index.en.html

3年オペの結果はこちら
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/20110149_all.en.html

Longer Term Refinancing Op.-Allotment Reference Number: 20110149
Transaction Type: REVERSE_TRANSACTION Operation Type: LIQUIDITY_PROVIDING
Procedure: STANDARD_TENDER

Tender Date: 21/12/2011 11:15:00
Start Date: 22/12/2011
Maturity Date: 29/01/2015
Duration (days): 1134
Auction Type: FIXED_RATE

Tot Amount Allotted: 489190.75 mn
Tot Bid Amount: 489190.75 mn
Tot Number of Bidders: 523

523の金融機関が応札して落札は4891億ユーロということで、まあ沢山札が入って良かったですね(棒読み)という感じですが、何か今日は「これで金が入っても問題国の国債購入に回るかどうかは不透明」とか昨日の市場と違う話になっているのがはいはいワロスワロスという感じでございます。

いやね、まあ確かに資金供給を3年物でフルアロットメントで打ち込むというのは資金繰り支援という意味では非常に強力でして、何せリファンディングの心配しなくてよい(つーても別にMROだってフルアロットメントでやっているのですからMROをロールしても同じちゃあ同じですけど、ロールをしないで済むほうが資金繰り安定化という意味ではオイチイですわな。1年ごとに中途返済可能ですし)のでこれは素敵。

・・・・・ではございますが、じゃあこれを持って得た金がすかさず問題国の国債購入に回りますかってえ話になりますとそれは別問題。まあこの辺はジャパンの皆様(ただし一定以上の経験値のある方)は記憶に新しいと存じますが、そもそもこういう状況になっている時というのはバランスシート制約があってリスクを取れないという時なのですからして、ファンディングの面倒を見てくれるから問題国の国債を買いますよって話になるかというとそれはねえってなる訳ですよね。そらまあECBにリスクが移転するなら買うでしょうけれども、ECBは問題国国債のクレジットリスクまで取ってくれる訳では無く、リスクは金融機関のバランスシートに残る訳で、今申し上げたようにそもそも域内の金融機関がこれ以上のリスク取れない状態になっているからこの有様ですよね、と考えると、そらまあキャリートレードみたいな動きが全く起きないとは申しませんが、そう簡単に劇的な変化にはならんでしょと。

つまりは、域内の金融機関のバランスシート制約を緩和するような政策を実施しないと一足飛びに問題国国債の購入という話にはならないで、足元では超過準備が積みあがる形になる部分が多くなるでしょ、という所ですわな。



○R&Iが日本格下げキタコレ・・・・・・なのですが

R&I社のリリースはこちら
http://www.r-i.co.jp/jpn/body/cfp/news_release_A/2011/12/news_release_2011-A-1283_01.pdf

・・・・・・まあ仰ることはまあさいですなという所ですが、債券先物様におかれましてはリリース出てから大引けまでに別に動揺もなく、BBの板も貫録の無反応。更にイブニングセッションでも貫録の無反応で、6時前に先物の値段見た時は大引け対比変わらずで推移とかどんだけ貫録の無反応なのかと感心するやら呆れるやら。

#どうでも良いですがリリース出た直後に見た時にGDPの所「国民総生産」って書いてあった筈なのですがいつのまにかしらっと「国内総生産」に直っていますな(^^)

まあ記念に冒頭の所だけ謹んで引用。

『R&Iは日本ソブリンの格付について11月30日に格下げ方向のレーティング・モニターに指定し、消費増税や社会保障改革をめぐる論議を見守ってきた。野田政権の消費増税への強い決意は評価できるが、社会保障改革は負担増が先送りされるなど踏み込み不足だ。経済活性化への展望も開けていない。こうした情勢を踏まえると、消費増税が実現しても、今後も相当の間、政府債務残高の増大は避けられず、既に先進国中最悪の水準にある同残高の対国内総生産(GDP)比率を安定化させていくメドが立たない。』

『財政状態を自ら調整していく能力は、もはや最上位の格付に求められる水準にあるとは認めにくく、外貨建・自国通貨建ともにAA+に格下げした。もっとも、多様で競争力のある産業群に支えられた経済ファンダメンタルズの強さは揺らいでいない。家計や企業の資金余剰が大きく、恒常的に経常収支が黒字という資金循環構造の下、大量の国債を低利で発行できる市場環境も維持されている。租税などの国民負担率も低く、R&Iは政策次第で財政再建は十分可能と判断しており、格付の方向性は安定的とした。』(上記URL先のR&I社のリリースより)

・・・・・・さて、亀井静香先生の動向が注目されますが(違)、亀井先生以外でも「消費税増税させるための財務省の陰謀ガー」と言い出す人が出てくるに100ポルトガルエスクード(^^)。

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2011/12/16

○どうでも良い雑談ですが気になったので書いておく

昨日書き忘れたのですが。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd111214.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (12月14日<水>分)

水曜の増減要因見てたら基金の社債買入の所にこんなのが。

社債等買入(基金) 1,600 1,700 1,700

左から順に予想額、速報額、確報額になるのですが、何で実績で上振れするのかよく判らなかった。単に集計の関係とかなのかも知れませんが、基金買入ですから受渡ベースでの金額ってオペの結果確定した時点で確定しててぶれるというのは無いように思えるので、ここの数値が上に振れるというのがちょっと???でございましたです、はい。



○発行根拠法を見ながら味わいを感じるという雑談

これまたどうでも良い雑談ですが。

火曜の5年国債入札結果。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2011/resul060.htm

2. 発行根拠法律及びその条項

平成23年度における公債の発行の特例に関する法律(平成23年法律第106号)第2条第1項及び東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律第117号)第69条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第62条第1項


昨日の1年TB入札結果。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231215.htm

2. 発行根拠法律及びその条項

東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律第117号)第69条第1項及び特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第46条第1項

・・・・・・・ふむふむ、復興国債あるいは復興短国ですかそうですかとか、5年入札に関しては補正の増発分も加味してますかそうですかとか見ながら味わいを(^^)。


ちなみに3か月TBの場合ですが、水曜に入札が行われた3MTBの発行根拠法はこの通り。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231214.htm

2. 発行根拠法律及びその条項

財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項


・・・・・まあ何ですな、短国の発行根拠法見てると多分国庫やら特会やらの資金繰りの状況とかがある程度反映されるのかなあとか思いながらも、この辺りにつきましてはあたくし勉強しないといけませんのでそのうちその成果が出るかもしれませんし出ないかもしれません(笑)。ともうしますかこの辺の発行根拠法ネタは中々極めると面白いのですけれども^^;

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2011/12/15

○短国入札とか特会入札とか

昨日の3MTB入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231214.htm

(3)募入最低価格 99円97銭3厘0毛
(募入最高利回り) (0.1005%)

(4)募入最低価格に 11.4233%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭3厘2毛
(募入平均利回り ) (0.0998%)


月曜日の2MTB入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231212.htm

(3)募入最低価格 99円98銭6厘5毛
(募入最高利回り) (0.1005%)

(4)募入最低価格に 0.7487%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円98銭7厘0毛
(募入平均利回り ) (0.0968%)


ちなみに先週の3MTBは同じ経過日数の銘柄で(発行と償還が1週間ずれてる)99.9731/99.9730となっておりまして、まあ増発してるのに引き続き堅調という素敵な状態。しかも2MTBに関しては発行が2.5兆円と少ない事もあって落札結果は上記のようにまあ強い結果となっていますな。

でまあ2MTB結果に見られますように、特に短いタームですと為替直先スワップの絡みからの買いもあるようで、ニーズありありという状況になっておられる状況となっています(3Mだとちと長い)ので0.10%を下回った推移という所のようでございますが、20日になりますと国債償還要因で財政払い超が10兆円以上となるというスーパー資金余剰が待っておりまして、まあどうせそうなりますと国債償還金の入った人がとりあえず短国買いに来るでしょうから年末に向けて短国は堅調でしょという話にならざるを得ませんな。しかも年末は年末年始跨ぎでの国債入札発行が避けられますから年末週とか玉が枯渇しそうな悪寒。

・・・・・ということで、短国増発した筈ですがまるで関係ないというか、そんなのよりも外部要因の方が効いてますなという大変に素敵というか当たり前というかな結果になっているのでありました。


ところで先日ネタにしておりました交付税特会入札なんですが・・・・・
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result111214.htm

5. 借入利率競争入札について  
(1)応募額 3兆2,630億円
(2)募入決定額 1兆500億円
(3)募入最高利率 0.115%
(4)募入最高利率における案分比率 95.5359%
(5)募入平均利率 0.114%

・・・・・・ちなみにこの入札は6か月物でして、先週は0.121%/0.122%、先々週は0.124%/0.128%、11月30日は0.129%/0.130%でしたので、順調にレートが低下して何か普通につまんないレートになってしまいましたな。まあ世の中的に金余り状態というのはあると思いますが、先月上昇したのは一部の応札者が何かの事情で札入れなかったんでしょうかという気もする訳でして、その辺に関しては良くワカランチ会長ではありますな、うんうん。


○昨日の日銀取引先の改定の件について補足

まあ補足って程の話でもないですが。

昨日URLをうじゃうじゃつけたネタですけれども、まあ要点としては、

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/rel111213b.htm/
「日本銀行の当座預金取引または貸出取引の相手方に関する選定基準」等の一部改正について

の別紙1
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/data/rel111213b1.pdf

に基本的な考え方があって、他の資料に関してはそれを実務に落としこんだらこうなりますという話を並べているので、ここの新旧対照表を見ればよろしある。

で、銀行等の既存取引先に対して追加された条項部分を読みますと、

『(2)申出者の親会社が銀行持株会社である場合には、(1)に加え、銀行持株会社の連結自己資本比率が、直前の決算期末において、第一基準が適用される先については8%以上、第二基準が適用される先については4%以上であること。』

というのがあるのと、確認する直近決算が「中間期末を含む」となった点、それから、

『(3)(1)または(2)の要件を充足している場合であっても、その水準が一時的なものであると認められるとき、当該直前の決算期末以降の状況変化により信用力に問題が生じているとき、または流動性リスク管理が適切でないとみられる等その他信用力に問題があると認められる特段の事情があるときは、要件を満たすものとして取扱わない。』

のところに「または流動性リスク管理が適切でないとみられる等」というのが新たに書かれています。これは証券会社など他の業態に関しても同じ変更が行われていまして、ポイントに関しては昨日の繰り返しになりますが、「グループ連結(あるいは子会社連結)の自己資本比率を要件として追加」したことと、「流動性リスク管理状況を審査の対象にすることを明示」したという所になりますわな。

まあこの話自体は突然降ってわいたというよりは、昨今の流れとして金融機関の経営に関するモニタリングをグループ企業全体を対象にして行うとか、バーゼルの方でテーマになっている金融機関の流動性リスク管理(とかシャドウバンキングのモニタリングとかありますが、今回は日銀の取引先選定の話なのでシャドウバンキングは関係ない)のモニタリング強化とかいうのがあって、その辺りを今回反映させましたね、という所ではないかと思いまする。


でですな、まあそれはそれではあそうですかってなもんなのですが、前半の方は兎も角として、流動性リスク管理の強化という話に関しては、まあマーケット的にもボディーブローのように影響は出てくる話かもねとは思う訳で、流動性リスク管理強化の流れを受けると金融機関が従来以上に流動性の確保を行うようになる、となりますと、超過準備が今以上に積みあがりやすくなって、流動性リスク管理上持ってて損のなさそうな短期金融資産というか短国あたりのニーズが更に高まったりするのかねとか漠然と思うのであります。まあ金融機関が流動性積み上げるニーズが高まると勝手に資金供給額が増えてくれて今の日銀的にはウハウハかもしれませんなという所ですが、流動性の積み上げが増えすぎるとそれはそれで市場の金の回りが逆に悪くなるかもしれませんし、影響がどう出るのかというのは決め打ちしにくいところではございます。

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2011/12/14

○その他雑談(日銀関連)

・ドルオペキタコレ

昨日のオペオファー(ただし共通担保オペの方はめんどいので割愛)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of111213.htm

米ドル資金供給(固定金利方式) 2011年12月15日 2011年12月22日 0.600
米ドル資金供給(固定金利方式) 2011年12月15日 2012年3月8日 0.610

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111213.htm

米ドル資金供給(固定金利方式)(12月22日エンド分) 13 13
米ドル資金供給(固定金利方式)(3月8日エンド分) 4,756 4,756

3か月オペ47億56百万ドル応札キタコレ。まあちゃんと資金取りたいのでしたらこのレート差だったら普通に3M取る罠ということで、今回は応札がきっちりと入ったですなあというところで。


・何かたくさん書いてあるので全部読めていないのだが

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/rel111213b.htm/
「日本銀行の当座預金取引または貸出取引の相手方に関する選定基準」等の一部改正について

『日本銀行は、本日開催した政策委員会において、「日本銀行の当座預金取引または貸出取引の相手方に関する選定基準」等の一部改正に関して、次のとおり決定しましたので、お知らせします。当座預金取引または貸出取引の相手方に関する選定等を適切に行う観点から、「日本銀行の当座預金取引または貸出取引の相手方に関する選定基準」(平成10年6月23日決定)を別紙1 [PDF 166KB] のとおり、「国債振替決済制度の参加者口座および顧客口座の開設基準ならびに間接参加者および外国間接参加者の承認基準」(平成15年1月7日決定)を別紙2 [PDF 189KB] のとおり、また、「代理店の設置等に関する基本要領」(平成12年6月30日決定)を別紙3 [PDF 174KB] のとおり一部改正し、本日より実施すること。』


http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/rel111213d.htm/
オペレーションの対象先等の選定等にかかる信用力の基準等の一部見直しについて

『日本銀行は、「日本銀行の当座預金取引または貸出取引の相手方に関する選定基準」(平成10年6月23日決定)の一部改正(注1)に伴い、オペレーションの対象先等(補完貸付先を含む。以下同じです。)の選定等にかかる信用力の基準および補完貸付先の承認取消しにかかる予告措置を一部見直し(注2)、(注3)、本日より実施することとしましたので、お知らせします。見直し後の基準は、本日以降、日本銀行が新たにオペレーションの対象先等を選定する場合に適用するほか、現在、既にオペレーションの対象先等に選定されている先が継続して満たすべき要件となります。』


・・・・・・最初の方の別紙1を斜め読みしただけなのですが、信用力の基準に関して従来「直近決算」は本決算のみを対象にしていたのを中間決算も対象にするようになったのと、銀行の親会社が持株会社の時には銀行本体だけではなくて持株会社の決算も信用力判定に使う事になったのと、決算に関する形式要件を満たしていても却下する場合があるという中に「流動性リスク管理が適切でないとみられる等」という文言を新たに加え、バーゼルだか何だかの「金融機関の流動性リスク規制」に対応するようになった(「日銀が適切と認めない」場合は却下なのですが、わざわざ明言しているのは、流動性リスク規制導入を意識した形なんでしょ)という所でございましょうか。

よー判らんからちょっと教えてジェネラルである。>これ読んだ人m(__)m

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2011/12/12

○貫録の社債買入連続札割れ

木曜日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of111208.htm
社債等買入(資産買入等基金) 2,000 2011年12月14日

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111208.htm
社債等買入(資産買入等基金) 1,634 1,634 0.000 0.003

ということで前回の11月9日オファーに引き続き盛大に札割れとなったのですが、今回はオファーが2000億円に増えていまして(前回は1500億円)、オファー額自体は前回の1441億円から200億円ほど増えてはいましたが、札割れは札割れ。

まあ何ですな、一応基金オペって「資産買入の額」が数字として挙げられているというのが微妙にアレな所でござんして、市場機能正常化の為のバックストップとして実施した前回の社債、CP買入でしたらば「市場が正常化したので利用が無くなりました良かったですねえ」と片付けるのですが、今回は買入そのものが数値目途みたいな感じですのでさてどうする。

と言いましても、まあそもそもリスク性資産の買入の場合は「リスクプレミアムを縮小させる」というのが目的である、というのが今回の包括緩和における建付けと割り切ってしまえば、と申しますかそもそも包括緩和というのは「量的緩和」+「信用緩和」でありまして、国債や短国の買入に関しては量的緩和ですのでこの買入量とか買入残高を目標数値として買入しないと話がおかしくなりますけれども、信用緩和の部分になるリスク性資産の買入に関しては「リスクプレミアムの縮小が達成された」という事でまあ良しとするという理屈は無くはないとは思います。

ただまあ何ですな、本来は社債買入でリスクプレミアム縮小→社債発行の活発化→企業金融環境の緩和というパスがこの社債買入の目的である筈ですが、肝心の社債発行が電力債ストップ特需によるスプレッド低下なのか買入効果なのかが良く判らん所ではあります。つーかもうちょっと3年とか2年とかの社債が新規に出てくると「ほら効果があったでしょ」とドヤ顔が出来る所なのですが、今の状況でそんなに資金需要が強い訳でも無いし、大体からして2年とか3年出す位なら長期出すかCPで繋ぐかでしょうからその辺の「目に見える」効果を見せにくい所が微妙な所ではございます。

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2011/12/08

○ちょっとだけ市場メモ

・3MTB入札ェ・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231207.htm

(3)募入最低価格 99円97銭3厘0毛
(募入最高利回り) (0.1005%)

(4)募入最低価格に 29.6731%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭3厘1毛
(募入平均利回り ) (0.1002%)

・・・・・・・・前回入札までは99.9726/99.9725(0.1020%/0.1024%)だったのですが、今回入札は0.10%カツカツレートに低下とな。


・ECBのドルオペキタコレ

http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/index.en.html

Non-EURO operations

20110139 USD 08/12/2011 01/03/2012 84 0.59 % 50.685 bn

http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/20110139_all.en.html
Fixed Rate: 0.59 %
% of All. at Fixed Rate: 100
Tot Amount Allotted: 50685 mn
Tot Bid Amount: 50685 mn
Tot Number of Bidders: 34

今回は84日物のオペの金利が0.59%に低下したのですが、落札がこらまた随分増えましたな。

多分前回の84日もののオペってこれだと思うのですが。

USD11047 USD 10/11/2011 02/02/2012 84 1.09 % 0.395 bn

http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/USD11047_all.en.html
Currency: USD
Fixed Rate: 1.09 %
% of All. at Fixed Rate: 100
Tot Amount Allotted: 395 mn
Tot Bid Amount: 395 mn
Tot Number of Bidders: 4

まあ何だ、金利下げて効果でましたなあというか、要するに今回の6中銀対応はどう見ても欧州お助け作戦です本当にありがとうございましたという事ですな、というメモでした。

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2011/12/07

・ドルオペのレート引き下げで応札も増えましたか

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of111206.htm
米ドル資金供給(固定金利方式) 2011年12月8日 2011年12月15日 0.600

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111206.htm
米ドル資金供給(固定金利方式)(12月8日スタート分) 25 25

前回の1週間物はレートが1.08%で応札1百万米ドルでしたので、今回はどどーんと25倍の応札、と言っても25百万米ドルですから額としてはそんなに大した話ではないですが、レートが下がったので試し取りをしたとかゆー人も増えたのかなと。

それよりもタームの長い方でどの位の札が入るのかが楽しみっちゃあ楽しみですな。

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2011/12/05

○そういや木曜の話ですが(メモ)

木曜のオペ結果。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111201.htm

国庫短期証券買入(資産買入等基金) 2,771 2,008 0.000 0.000 72.5

・・・・・・・・ちょwwwww3MTB入札翌日にして基金短国買入レートが0.100%

という大変に素敵な結果になっていましたなあというメモでありました。

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2011/12/01

○市場雑談

・3MTB入札は増発にも関わらず貫録の順調消化

昨日の3か月TB入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231130.htm

(1)応募額 37兆7,247億円

(2)募入決定額 5兆3,371億3,000万円

(3)募入最低価格 99円97銭2厘5毛
(募入最高利回り) (0.1024%)

(4)募入最低価格に 16.2239%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭2厘6毛
(募入平均利回り ) (0.1020%)


んでもって先週の3か月TB入札結果はこの通りでした
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231122.htm

(1)応募額 32兆7,653億円

(2)募入決定額 4兆6,989億1,000万円

(3)募入最低価格 99円97銭2厘5毛
(募入最高利回り) (0.1024%)

(4)募入最低価格に 21.1772%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭2厘6毛
(募入平均利回り ) (0.1020%)

・・・・・・・・うむむ、6000億円増発したけど応札が5兆増えてる上に、落札レートは全然変わらず、しかも足切りでの按分比率が低下とな。

つーことで、増発全く無問題で順調消化しやがった訳でございますが、まあ昨日も申し上げましたように短い所に金が寄っている感じですのでTBへのニーズが高まっていて前回よりも若干強めの落札結果(さすがに平均と足切りは同じ水準で留まってくれましたが)となりました。まあ増発が円滑に消化されるのはそれはそれで良い話なのですが、ただまあ政治方面からの財政に関するユルフン言説がやたら目立つ昨今という状況を考えると少し波乱になって見るのも有りだったんじゃないかなあとか思うのでありますが、まあ世の中そう都合良くは行かないものでございまする。


・税揚げスタートの資金供給オペは応札意欲弱いとな&交付税特別会計入札

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of111130.htm

オペ落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111130.htm

国債買入(資産買入等基金) 6,352 2,503 0.026 0.028 77.3
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(12月15日エンド分) 2,610 2,610 0.100 0.100
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(1月11日エンド分) 5,580 5,580 0.100 0.100
共通担保資金供給(資産買入等基金)(12月2日スタート分) 14,970 8,004 53.5

共通担保オペ3本が2日スタートでしたが、金利入札の2本はどちらも12000億円のオファーに対して応札が少ないですし、3M基金オペに関しては今回も応札が減っていて按分比率が上昇しているようで、2日の税揚げの所での資金繰りも見えてきて結局金余るからイラネという話になってきたようで、まあ足元に金が寄っている事の反映でもあるのかな、と思ったのでメモだけしておく。

交付税特会入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result111130.htm

(3)募入最高利率 0.130%
(4)募入最高利率における案分比率 94.7924%
(5)募入平均利率 0.129%

先週の交付税特会入札が0.131/0.136で先々週が0.135/0.140でしたので、一時金利が妙に上がって????という事でネタにしましたが、また何か適正っぽい水準にと低下している感じでございますわな、というこれまたメモだけでありました。

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2011/11/30

○今日は3MTB入札であるという雑談

さて今日は6000億円増発(償還額から見ると9000億円増発)となる3か月TBの入札でございます。まあ正直言って今回の増発はある程度予想されていた話とはいえ、いきなり6000億円増発とは為替介入(しかもどう見ても無駄打ちのバシー海峡状態)の影響テラデカスという感じでありますし、ちょうど足元では財政問題が日本にも影響したかのような長期金利上昇(まあ実際は財政懸念とかで売られている訳では無くて単に諸々の要因で売られている中でちょうど「買わない理由」に使われているだけに過ぎないと思いますけど)という大変に素敵な状況になっておりますので、この際ちょっと金利上がって世の中少しはヒヤッとしろやとか思うのでございますが・・・・・・・

まあこれが世の中というのは皮肉に出来ているもんで、足元で債券が何となくやや売りというか売りに対して買いがイマイチさんという状態になっている結果なのか、それとも海外要因なのかはよーワカランチ会長ですけれども、まあともかく超足元の所には金が大量流入状態になっておりまして、GCレートは下がるわ(たぶん0.10%割れ)短国、特に年内償還とかの短い短国は絶賛売れ売れでこれまた0.10割り込む水準まで買い進まれる(つーか玉が無い)わと大変に素敵な状態になっておりまして、今日の3MTB入札は増発しても無問題モードと思われる、つーか下手したら前週の入札よりレート下がるかも知れませんなあというような雰囲気も醸し出すという状況。

いやまあ何ですな、別にまあどっちでも良いと言われてしまえばそれまでなんですけど、昨今の財政問題をめぐる政治家の皆様の能天気モードを見ている金利系の市場関係者の端くれと致しましては、もうちょっと日経あたりがネタにする位の金利上昇(そんなに派手に上がる必要も無いですけどね)でちったあ警鐘ならして欲しいっすけど世の中なかなか上手くいきませんなあ(笑)。

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2011/11/28

○ノルウェー輸出金融公社をS&Pは5ノッチ引き下げとな

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aTmRAva3G9Kg
S&P:ノルウェー輸出金融公社を格下げ、EMTNデフォルトか検討

『11月25日(ブルームバーグ):米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は25日、ノルウェー輸出金融公社(エクスポート・ファイナンス)を投資適格級の下から3番目となる「BBB+」に格下げし、一段の引き下げ方向で見直しを続けると表明した。事業縮小の決定と政府の支援引き揚げがユーロ市場ミッドタームノート(EMTN)プログラムの条件に対してデフォルト(債務不履行)に相当しないかを検討するという。』(上記URLより)

・・・・・・・あららららという感じですが、ノルウェー政府がマジでとぼけたら日本政府はマジで外交問題にすべきで北海油田とノルウェーの漁業権を差し押さえる位の勢いで頑張って貰わんとと思うのでありますが、まあそれ以前の問題としてノルウェー政府が輸出金融公社の問題について何か煮え切らないと判断されていることが格下げの背景にある訳でして、これって従来の「政府関係機関」に対しての信用判断に対しても影響が起こる話になってくると思うのでして、只でなくさえ欧州債務問題でソブリンに対する信用ってどうなのよというのが(ギリシャみたいなアレな国は兎も角として)それなりに中核国と言われるような国に延焼の雰囲気を醸し出している中で、じゃあお前「(クレジット的な意味での)安全資産」って何よという話にも発展する問題ではないかとか懸念する次第でありまして、いやまあ杞憂だと良いのですけどねえという所でございます。


○何か良く判らん事案ですな

http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2011/2011/20111125-1.htm
セントラル短資証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

『セントラル短資証券株式会社(以下「当社」という。)の使用人は、当社が当社の顧客であるA社から平成22年6月15日に買い付けたB社発行の社債(以下「B社債」という。額面600百万円)に関する、職務上知ったA社の注文の動向を含む取引情報に基づき、自己の職務上の地位を利用して、C証券会社に開設していた当該使用人の配偶者名義の口座を利用して、同日、当該使用人は自己の計算によりB社債(額面600百万円)を買い付けた。』(上記URLより)

・・・・・・・・・何かここの説明を見ただけで「????」なんですけど、業者間売買でのブローキングにおいて買い側が「顧客口座を利用して購入」とか、そもそもA社って何で売ったのよとか(金曜の夜にブルームバーグニュースで本件の流れをもうちょっと細かく伝えてましたけど)何か意味判らん点の多い事案ですなあ、と思ったのでクリップしたまででありますが何とも不可思議。

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2011/11/25

○ノルウェー輸出金融公社関連

火曜日にMDYが豪快に格下げした表題の機関でございますが、同公社のウェブサイトを見ますと最初にいきなり18日のリリース(昨日引用した奴です)がでるようになりましたな。うんうん。

http://www.eksportfinans.no/

The Norwegian government is assuming responsibility for the export finance scheme previously managed by Eksportfinans

『According to the press release from the Office of the Prime Minister on November 18, 2011, a public entity will assume responsibility for the government-supported export credit scheme that until now has been managed by Eksportfinans. Eksportfinans has been asked to manage the scheme temporarily until a permanent public sector solution is in place, by 1st July 2012 at the latest. Click here to read the full press release from Eksportfinans. www.eksportfinans.no/News/Nyhetsartikler/Staten overtar.aspx』

『The Company’s website has not been fully updated after this event, and all information must be seen in light of this.』

で、何か投資家向け説明会を近く実施するようですが、まあそれは兎も角としてブルームバーグはこのような報道を。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920014&sid=awiyOjYitn2w
ノルウェー輸出金融公社:新たな資金調達は不要−債務返済で

『11月23日(ブルームバーグ):ノルウェー輸出金融公社(エクスポート・ファイナンス)は23日、事業縮小を進める間、既存債務の返済を目的とする新たな資金調達は必要ないと発表した。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは22日、同公社の格付けを7段階引き下げ、ジャンク級(投機的格付け)とした。オスロに本社を置く同公社は、「流動性の状況は良好だと考えている。全債務を確実に返済する意向だ。ローン債権の売却が必要になるとは見込んでいない」と述べた。ムーディーズは、同公社の発行体・優先債格付けを「Aa3」から「Ba1」に引き下げた。』(上記URLより)

ということで、まあさすがに手元流動性が潤沢で急にあばばばばーという事も無いですよという話は出ているようです。まあそもそも昨日も申し上げましたが、これまで政府関係機関扱いで資本市場でファンディングした(この前出た5年物サムライ債とかも普通にノルウェー政府関係機関扱いレートでの発行でしたし)機関の業務を政府が取り上げて(その間に色々あったにせよ)後は知らんがなというのはノルウェー政府の信用問題になるでしょという事だと思いますがどうなんでしょうね。

・・・・・・と思ったら厭債害債さんの所でこれまでの経緯に関する概要が説明されてますのでまあおまいら嫁と。

http://ensaigaisai.at.webry.info/201111/article_8.html
ノルウェー輸出金融公社(Eksportfinans)

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2011/11/24

○3か月短国いきなり6000憶円増発とな

火曜日しらっと出た発表。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct231122.htm
国庫短期証券(第241回)の発行予定額等

4. 発行予定額 額面金額で5.7兆円程度

ちなみに今週の3か月短国ですが・・・・・
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/offer231122.htm

5.発行予定額 額面金額で5兆600億円程度

ということで、発行額は大体5.1兆円だったのですが、12月発行から5.1兆円から5.7兆円にジャンプアップでございます。ちなみに10月発行から従来の4.7兆円(4.8兆円です)から5.1兆円に増えたばっかりでございまして、目先はロールの度に1兆円(9000億円です)増発という中々素敵な事に。

短期国債ですので、基本的には国庫資金繰りとか外為特会の資金繰りの関係とかでこういう事になると思いますが、そらまああれだけ無駄玉の介入を連発していたら国庫資金繰り余裕なくなる罠というのと、ここもとの補正予算編成とかの間に余裕金を使った結果でしょうなと思われる次第でございまして、まあ買うもの無くてウゴカンチ会長になっている短期市場的には良い供給のような気もしますが、ど〜せ増発した分は日銀が資金供給しちゃいますので最終的には資金供給オペが増えることによってチャラになるのですが、まあ入札時に発行額が償還よりも多い内はちったあ需給が意識されるかもしれません。

#ちなみに火曜の3か月TB入札もまた毎度おなじみの結果でございましたとさ


○ノルウェー輸出金融公社ネタ

火曜の昼に出たニュース。

http://www.reuters.com/article/2011/11/22/markets-ratings-eksportfinans-idUSWNA411520111122
BRIEF-Moody's downgrades Eksportfinans to Ba1 from Aa3; on review for further downgrade

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)・・・・7ノッチ・・・カクサゲダト??

ということで、何でノルウェーの何とか公社が問題かと言いますと、この公社この前5年のサムライ債出していたのもあるのですが(ちなみにその時のMDYの格付けはAa1)、まあそれよりもいわゆる日経リンクとかEBとかの売出債の箱として債券をせっせと発行してましたので(詳しい仕組みの話は面倒なので詳しい人に聞いてください)、日本国内でこちらさまの発行する債券という形になっているものがそれなりにありますよねって話で、そーゆー発行体の格付けがAA格からいきなり投資不適格ってナンジャソラという所で。

MDYの格下げに関するリリース
http://www.moodys.com/research/Moodys-downgrades-Eksportfinans-to-Ba1-from-Aa3-on-review-for--PR_231419

を読んでも、あたしゃそもそもの背景をイマイチ理解していないから発行体のページなどを見て回るのでありまして・・・・・・

ノルウェー輸出金融公社のサイト

http://www.eksportfinans.no/

よくよく見ますとノルウェー国旗と英国国旗があるのに加えて何故か日本国旗があるというのが中々シュールなのですが、それはまあ先ほどの背景があるから日本向けのページもちゃんと作っておきましょってな所でしょう。で、MDYが格下げを実施した背景説明で書いてある事情について同公社からのリリースが18日にこんな感じで出ていたようである。

http://www.eksportfinans.no/News/Nyhetsartikler/Staten%20overtar.aspx
The Norwegian government is assuming responsibility for the export finance scheme previously managed by Eksportfinans

『According to the press release from the Office of the Prime Minister published this morning, a public entity will assume responsibility for the scheme offering subsidized fixed rate loans (CIRR loans), the so called 108 scheme. This scheme is today managed by Eksportfinans. The option to choose market rates for CIRR qualifying loans instead of fixed rates will also be continued under the new scheme.』

で、そこに「この発表に関するノルウェー首相府のお知らせはこちら」というのがあるのでそれもURLつけとくわ。

http://www.regjeringen.no/en/dep/smk/pressesenter/pressemeldinger/2011/staten-sikrer-finansiering-til-norsk-eks.html?id=663610
Government ensures credit financing for Norwegian exporters

あたしゃそもそもの成り立ちとか何となくしか理解してませんのであんまり信用されても困るのですが、どうも今まで政府機関扱いでバランスシート使ったビジネス(売出債の箱になるとかもその一環でしょ。これって単に発行体的には調達した資金をスワップとか掛けて鞘抜きしているだけだと思われますので・・・・)やってたのが、EUの資本規制とかの絡みでこれ以上ビジネス拡大するのがテラ問題という話になって「おまいら30年やってた輸出金融業務を政府直轄で実施するから後は今の業務を整理しなさい」という話になったという風に読んだのですが、リリースを読んで頭の中で日本語訳しただけなので正確性は無担保無保証投資不適格でありますので念のため申し添えます。

で、まあそういう経緯ですから18日の同公社のリリース(さっきのURL)では今後の流れおよびCEOのコメントとしてこんなのが。

『Eksportfinans has been asked to manage the scheme temporarily until a permanent public sector solution is in place, by 1st July 2012 at the latest. This means that new loans under the publicly subsidized export finance scheme will be handled by the government after the transition period. Eksportfinans’ portfolio of existing loans will be managed by the company in the years to come. The company will immediately commence preparations for a controlled run-off, which will most likely take several years. 』

『”The company is well positioned for a controlled run-off that will protect the value of the company’s assets. Eksportfinans is solvent and liquid, and will be run down over a period of several years. We now ask for your understanding that the company will need some time to process the news before firm plans can be put in place”, states Chairman of the Board of Directors, Geir Bergvoll.』

輸出金融業務としての公社は継続しませんので将来的には閉鎖の方向ですが、従来行っていた業務に関しては今後数年を掛けて閉店(新規業務を行わないで既存の貸出などが返済になる流れで閉店ということかと思われます)しますが、詳しい今後の計画に関しては現在策定中ですからちょっと待ってちょ。当公社は支払い能力も流動性も十分ですよ。と言っているように読めます。

つーかさ、良く判んないからあんまり無責任に言うのも何ですけど、従来政府関係機関扱い(政府と大手銀行出資の株式会社ですけど)でバランスシート使った業務やってた所に対して独占的に行わせていた業務をいきなり政府が取り上げたっていう話でいきなりそこの債権がコケるとかになったらそらノルウェー政府が国家ぐるみで詐欺やるようなもんじゃないかと思う訳で、普通に考えたら既存の業務閉鎖に伴っていきなり政府が知らんぷりとか起きないと思いますし、大体からして今後の計画今作っているって中でいきなり格下げとか何ぼ何でも先走り過ぎじゃないかと。


何か22日と23日にもリリース出ているのでURLだけ貼っておく。

http://www.eksportfinans.no/News/Nyhetsartikler/Owner_statement_Ba1.aspx
Statement from Eksportfinans' largest owners

http://www.eksportfinans.no/News/Nyhetsartikler/Investor%20informasjon.aspx
Information to investors in relation to the Norwegian Government taking over the export financing scheme from Eksportfinans

こっちの下の方に『Assets and liabilities』というのがあって、同公社の現在の財務状況とかの公表がございますな。まあ詳しく読んでないのでノーコメント。


ちなみにS&Pは今のところAAクラスを維持している筈だったと思います(火曜の段階ではレーティングアクションしてなかった)し、まあ普通に考えてこれノルウェー政府の信用問題にならないように何らかの措置が行われるでしょと常識的に考えると想像できると思うのですが、先日もMDYはフランスの国債利回り上昇を受けて、急に格付けに警告を出す(債務負担の増大を懸念って時間軸おかしいだろとかあたくしが悪態をついた件ですな)とか、何か妙に先走り過ぎなアクションが多くて、まあおまいらイベントドリブンのヘッジファンド辺りからか(以下激しく自粛)という悪態でも付きたくなるようなアクションが続くのが気になります罠。

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2011/11/22

・短国市場雑談

昨日の基金買入オペ結果はこの通り。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111121.htm

国庫短期証券買入(資産買入等基金) 7,450 2,001 0.002 0.003 35.0

・・・・・つまりですな、1年までのTBに関して昨日は日銀様が一番お高い価格(低い利回り)で0.102%をお買い上げ毎度あり〜♪となっていた訳でございまして、短期市場のイールドカーブの潰れっぷりもここまで来やがったかという感じでございまする。まあ只でなくさえ短い所ってキャッシュ潰しの金が余っている上に日銀がジャンジャン買うのだからシャーナイナイですが。

国庫短期証券(第239回)の入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231121.htm

(3)募入最低価格 99円98銭3厘0毛
(募入最高利回り) (0.1017%)

(4)募入最低価格に 8.4964%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円98銭3厘2毛
(募入平均利回り ) (0.1005%)

ということで、2か月TBの入札は0.10%乗せという事で、こちらはこちらでまあ0.10%割れの短国を買い進むような海外資金様がそこまで金がジャブジャブある訳では無い(スワップなどから計算すると十分ワークする状況は続いているのですが、そもそも無限にその取引をすることができる訳では無いですから)という事で、そうなってみますと0.10%割れを買い進む人ってそんなにいない(超過準備付利の外側にいる人の金だけでは現在の発行量をカバーできませんからね)ので、まー金利はこうなります罠という感じ。

あと先日申し上げましたが、業態別当座預金残高を見てると都市銀行もブタ積み(付利されているからブタではないが)上等という感じになってきているように見えます。つまり短期市場最大級の最大の金持ち(もっとも金持ちなのは日銀ですけど^^)の都市銀行さんが0.10%割れのTBを(担保繰りや商品在庫繰りなどの都合以外の理由で)積み上げるインセンティブも最早薄いという事でしょうな(あとは決算絡みでのお家の事情位でしょ)。

それから、昨日はあまり動いてなかった(というか日中は戻ってて引け近くにまた押し込んでましたが)金先がTIBORの水準よりも微妙に安い(金利が高い)状況になっていた(売られたのは先週の木曜金曜とかだが)のですが、まあこれはLIBOR上昇→スワップの短いゾーン売られる→金先が売られるという流れでしたが、まあほほうという感じでしたな。

#一方でCPレートとか感極まった低金利なのはまあ良いとして、何がアレと言いまして発行体ごとのスプレッド差がろくすっぽ無い(ごく一部を除く)のが如何なものかという感じですけどね


・先物システム変更初日雑談

まあ何ですな、出来高は日中で合計13150枚になりましたので一応格好はついたと思いますが、前場とか明らかに警戒モードで売買手控え状態。まあ月曜だからシャーナイナイというのはございますが、大体からして最近の債券先物ってザラ場だと1分くらい値段がつかない(板が動かない)という素敵な事が多々ある取引の中で高速回転売買向けの取引対応とか意味あるのかという所でございますなあという感じです。

皆さん警戒モードで対処したせいか、前場の引けと後場の引けの板寄せタイムではどちらも直前の出来値と同じ価格で引け(前場引けは142円97銭、大引けは143円01銭でしたが、引け板寄せでの売買高は前場引け288枚で大引け364枚(ただしあたくしが板見てメモ取りながら手計算したベースですので正確性は担保致し兼ねます)とかで、そもそも引けでの取引枚数的に残念な売買高なのですけれどもね。

まあ初日は何となく普通で良かったですね(棒読み)という事ですか。

・・・・・・しかしまあ何ですな、そらまあ債券先物で高速回転売買とかやたらめったら注文を分割して(1枚×200件とかみたいな)発注している人もいるんですけれども、そもそも債券先物というのは「現物国債売買のヘッジ」の為に存在している訳でありまして、その現物国債の売買というのは基本的に店頭売買市場であって、投資家と業者(あるいは業者同士)の間で人間様が介在して人力売買をしているというのが通常の姿であり、そういう人たち的には別に高速回転売買取引などをする必要性は乏しいのであります。然るに、東証様におかれましては世界標準の美名の下に高速回転売買に便利な取引システムに変更するとか、おまいら債券先物取引の本来の存在意義を見失ってねえかと思うのですけどねえ。

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2011/11/21

○東証って何で問題なく稼働しているものを変えるんですかねえ

http://www.tse.or.jp/news/38/111119_a.html
次期Tdex+システム及び第3次ToSTNeTシステムの稼動について

ということで今日から先物とかのシステムが変わって立会時間も変わるのですけれども、債券先物的には何か値付けとかが変わるという誰得(というか東証の自己満足にも程がある)変更が炸裂するのでありました。

債券以外も色々と変わるのですが、デリバティブ関連はこちらのページにああだこうだと説明があります。

http://www.tse.or.jp/rules/tdex_plus/index.html
Tdex+ −新しい先物・オプション取引市場

『1.Tdex+システム (先物・オプション取引システム)
Tdex+システムは、NYSE liffeが開発したLIFFE.CONNECTをベースとした世界最高水準の処理性能を誇る取引システムです。世界最高水準の処理性能を存分に生かしたTdex+システムの導入により、より円滑に先物・オプション取引を行うことが可能となります』

『4.世界標準の取引制度への統一
金融デリバティブ取引のグローバル化の流れは確実に進んでおり、国内の投資家の方々も海外取引所の上場商品を取引する一方、海外の投資家の方々による当取引所上場商品の取引も増えてきております。当取引所は、グローバルに活躍する国内外の投資者の方々の幅広いニーズを満たすことができるよう、次のとおり、取引制度の世界標準化を図っています。』

とか何とか思いっきり東証のドヤ顔が目に浮かびますが、確か東証って1998年に債券先物のシステム変更して値付けルールとかを「世界標準」とやらに変更したらそれまで使い勝手が良かった債券先物がいきなり役立たずになってしまって、大変にケシカラン事になったのですげ、よくよく見ると今回も色々と余計な事をしているようで誠に遺憾の極みでございますな。

http://www.tse.or.jp/rules/tdex_plus/Future_rule_changes_J.pdf
先物取引のTdex+移行に伴う制度上の変更点

こちらにああでもないこうでもないと書いてありまして、まあ詳しくは詳しい人に聞いていただきたく存じます次第ではございますが、ちょっとだけこら面倒ですなというのはこの辺ですかねえ。

『引けの板寄せを行うためのセッション(クロージング・オークション)を導入します。※先物取引のみ』

11時から11時2分まで(11時1分59秒になるんですか?良く判りませんが)が板寄せ時間になるという事ですが、これ引け直前と引けの間にタイムラグが発生する関係上引け直前と引けの間での値段が不連続になりやすくなるリスクがある(まあ実際はやってみないと判らないけど、その間に何か材料が出るかもしれんし)ので、引けの先物の値段が影響するような取引に先物売買が絡む場合(変な表現をしていて申し訳ございませんが判る人にはわかって頂けるものと思います)、取引がやりにくくなるなあとか思いますけどどうなんでしょ。

つまりですね、引けの板寄せって時に寄らない事があって、まあ大体の場合それに嵌るとロクな事にならないので、基本的に投資家の場合引けの成行ってやらないようにしている所も多いと思うのですけれども、こうなると引けないリスク覚悟で引けの板寄せタイムに成行入れに行く事になるんでしょうかね。

『成行注文に関する留意点
・ 反対側に注文がない場合、もしくは呼値可能値幅の上限(下限)まで買い上がり(売り下がり)した場合には、未執行注文は自動的に取り消されます。・ 寄付き前及び引け前に成行注文を発注することはできません。』

これまた何だかなという感じでして、債券先物の場合成行で売り買いして直近出来値から20銭上か下までやったら残数の注文が勝手に自動取り消しになるので、つまりは板がスカスカになっているときに数百枚とかの売買を成行で入れて途中で自動取り消しになった場合ってどこまで何枚出来たかとか確認しないとポジションも把握できないという事ですので、先物委託出す人は注意しないとおそロシアな事になる訳ですな。まあ注文を分割すれば良いのですけれども、それをするのにはシステム発注が必要という事ですので、またまた大手参加者優遇な話ですが、何せ世界標準というのは小口零細市場参加者の保護という意識は一ミリも持ち合わせていないのですから致し方ありません。これで参加者の拡大とかアホか馬鹿かと思いますけどね。ええまあディーラー時代に先物の端末を手で叩いて発注していた零細参加者の僻みですけどね。

んでもって成行ですけれども、寄り前は入れられないという事ですから、クロス振る時どうすんねんと思います(たぶん寄り前に呼び値可能値幅の上限の買いと下限の売りを入れることになるような気がしますが良く判りません)し、更によくよく考えたら寄りの成行が入れられないとなると、債券先物の当限最終日にヘマ打って期せずして現受現渡をするトンマが発生するに1000イタリアリラ。

で、大引成行は板寄せタイムにしか注文入れられませんから、制限時間1分少々の間で発注ミスしないように注意しないといけない訳で、これまたアチャーな参加者が発生するに1万ドラクマという感じですか。

・・・・・・まあ他にもツッコミどころがありそうな変更(というか大有りなのですが詳しい話は詳しい人に聞いてくださいな、あたしゃそんなに詳しくなかですたい)ですが、そもそも変更の内容がリリースされて(どころか今日から開始ですが)から悪態つくのも証文の出し遅れと申しますか後出しじゃんけんにも程があるので、まああんまり偉そうに文句を垂れる筋合いでも無いのですけれども、従来普通に何の問題も無く取引されている物を何を好き好んで変更するのかという事で、しかもその点では1998年に思いっきり味噌をつけているのに何の反省も無くまたやるかという点に関しては東京証券取引所に対して呆れて物も言えません(散々言ってるが)という所でございますな。

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2011/11/17

・業態別当座預金残高(メモ)

計数が出たのでフォロー。

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/jcabs.pdf

今月の超過準備はどこで増えたかと思ってみてましたが、平残ベースを見ると外銀が前月比1兆円増えているのですが、都銀も1.5兆円増えているのねという点がふーんという感じでございました。

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2011/11/16

○市場雑感

・欧州ェ・・・・・

ほほう。
http://www.bloomberg.co.jp/markets/index_europe.html

フランス10年国債 3.661 0.259 96.535
イタリア10年国債 7.052 0.376 84.620
ドイツ10年国債 1.777 -0.000 104.190

ここにはスペイン国債の数字が出てませんが、スペイン国債も売られていましたが、何かこの辺の記事見ると欧州は燃えているか状態になっているような気がするんだが(ただし記事はスペイン語なので字面で何となく把握しただけだが)。

#なお、URLがクソ長くてブラウザのレイアウト壊す可能性がありますのでニュースのリンクはこちらということで

なお、スペインは日曜に総選挙です。野党PP大勝利の見通しですが。

まあスペインは兎も角として、ECBがどうしますかというのは中々微妙でして、従来のロジックを相変わらず繰り返しているのですが、これって最早「金融市場の混乱対応」という形での国債買入を拡大しても問題ないんじゃないかなと思うのですけれども、どうも政策当局者から出てくるのは「ECBにクレクレ言うのは甘え」という厳しい話が多いのはちょっと大丈夫かよと思うのであります。

こういう時は打つ手が遅れるとあっという間に金融市場の機能不全が起きて急速にエライコッチャになるものでありまして、リーマンショック後の金融市場状態になる訳でして、日本だって利下げしてるのにレポレートがロンバート金利に張り付きCPレートが上昇というような素敵な事が起きたような市場の流動性の蒸発みたいなのが起きるのでもうちょっと政策当局も配慮した方が良いと思うのですけどねえ。


・3か月TBとか交付税特別会計借入金入札とか

国庫短期証券(第238回)の入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231115.htm

(3)募入最低価格 99円97銭2厘5毛
(募入最高利回り) (0.1024%)

(4)募入最低価格に 30.7047%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭2厘6毛
(募入平均利回り ) (0.1020%)

ということで、しばらく前に3週連続で同じレートだった入札と同じ結果に戻るでござるの巻。先週は為替介入資金がどどーんと出た関係なのか海外のドル調達圧力の関係なのかよーしらんですけれども、オフショアのGCとかが思いっきり低下した煽りを受けて3か月TBの入札が0.10%割れの水準になりました。で、日銀当座預金残高の方は相変わらずの高水準で推移しているのですが、その後短期市場に金が死ぬほどあるのかというとこれがまた当座預金としての残高はあるのに、資金が回っている感が無く、GCレートも0.10%挟みに上昇するわ、先週の3M短国も0.10%割れを買い進むほどの買いも無く、となりまして落ち着きどころ(?)に落ち着いてくるのでありました。

まあ何ですな、当座預金残高に示されるように金はどこかにある筈ですが、その金がマワランチ会長という状態になっているのは、まあ金を出し過ぎると却って金の周りが悪くなるでござるの巻、というパターンになってきたかなあという感じでございますな。まあ余った金がそのまま固定されてしまっている状態ではあるのですが、じゃあどういう風になっているのかは確か今日出るはずの業態別当座預金残高の状況を見たいと思います。


交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result111115.htm

(3)募入最高利率 0.140%
(4)募入最高利率における案分比率 43.0340%
(5)募入平均利率 0.135%

こちらはまた0.140%かよとか思ったのですが、事前の予想ではもうちょっと流れるかもという話だったようですので、ちょっと突っ込んだ人がいたのかなという感じのようざます。まあレート的にはこの辺りからちょっと色が付いたような水準の方が買いたい(正確には貸したい)人が増えてくるようなのでまあこれはこんなものなのかもしれませんが、先週ネタにしましたので一応フォローということで。

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2011/11/11

○昨日の訂正とか雑談とか

・社債買入関連

えーっとですな、昨日は社債オペが札割れしやがりましたねという話を致しましたが、金融ファクシミリ新聞の報道などによりますと(ということですのでURLなどはお示しできませんので悪しからず)社債買入についてはオペ買入適格の銘柄の中で限度額いっぱいになるものが段々増えてきていて、そろそろ札割れするんじゃネーノという観測もあったそうですな。

でまあ札割れするのは良いのですが、前回実施した社債買入の場合は、そもそも買入レートが「市場が落ち着いたら応札が非常に少なくなるくらいの水準」というのに設定してまして、それはつまり「市場でのスプレッド拡大を鎮静化させる」という目的なので、いずれ応札が減ってきても問題ありません、ということで、後半は札割れ大会状態になっていても無問題(というか政策目的が達成されたという事なのでめでたしめでたしである)だったのですが、今回の場合は「社債市場のリスクプレミアムを潰す」という目的で買入の数量目標があるという中なので、そもそも買うものが無くて札入らないってのも何だかなあという感じがしますな。どうするんでしょ??


・欧州蜃気楼

と書いて元ネタ(PC98時代のシミュレーションゲームですが^^)が分かる人は年寄りです、という話は兎も角として(^^)。

昨日もまあ夕方は欧州債券市場ちゃんの数字を見るともなく見ておったのでございますが、イタリア10年国債の日中の動きとか見てると20銭(銭という単位じゃないですが・・・・・^^)とか50銭とか平気でホイホイと動くような感じでの値段の飛び方になっておりまして、こりゃまあ流動性無いです罠という大変に素敵な市場。

でですな、イタ公はそういう感じで推移していたのですが、その間に更にワンダホーな動きをしていたのはフランス国債ちゃん。いやまあここの所そういう動きで、水曜もそんな感じでしたけれども、昨日はまた欧州時間の寄り付きからフランス国債いい感じで売られて、10年国債で一時2円(だから円というのは単位が変なのですがつい書いてしまう)安とかやってたと記憶しておりまして、「次はフランスじゃああああ」というような風情になっているのがオソロシス。

で、欧州債券市場直近概況。
http://www.bloomberg.co.jp/markets/index_europe.html
左から、利回り、前日比利回り変化、価格

フランス10年国債 3.446 0.267 98.290
イタリア10年国債 6.860 -0.346 85.768
ドイツ10年国債 1.774 0.057 104.227

イタリア1年国債入札が何かとりあえず通過した事もあってイタリア国債の利回りは結局低下した(まあその前にも一回ダダ売られした後に謎の急速切り返しをしていましたが)のですが、今日も今日とておフランス様とドイツの利回り変化幅が妙な数字でございますわなorz

てかね、何かこの動きってあたくしの勝手な妄想成分が多分に入っていますけれども・・・・・・

「ヘッジでどうするとか言ってる場合じゃないから現物売ってエクスポージャー落とすお!」

「でもイタリア国債は流動性がスカスカで業者がレートロクに出さないお!!」

「だからイタリアの代わりにフランスを売るお!!!!」

というような動きになってるんじゃないか(いやまあ当然ですがそれが全部のわけはございませんとは思ってますので念のため)とか妄想をたくましくする今日この頃でありますが、こういう時には厭債害債さんの所できっとエントリーが上がっているだろうと思ったら期待に違わず示唆の深いエントリーがございましたので読みましょう、と最後は人のふんどしでありました。

http://ensaigaisai.at.webry.info/201111/article_4.html
イタリア国債

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2011/11/10

○オペとか短国入札とか交付税特別会計入札とか

・社債買入オペ札割れとな

昨日のオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111109.htm

社債等買入(資産買入等基金) 1,441 1,441 0.000 0.018

足切りが0.000(出来上がり0.100%)で???と思ったら何のことはありません札割れしてやがりますが、日銀の基金系のオペで札割れって今回が初だったような気がする(ちゃんと確認していないのですが)次第でございますが、基金系のオペでの札割れってのもなかなか味わいがあるものでございまして、まあ社債買入の場合は残存2年切ってくる銘柄がまた対象に入ってきますし、12月償還の社債銘柄って多いと思うので、今後も延々と札割れ続くってえ程ではないと存じます。

でもまあ日銀としては基金オペに関しては「数値目標」があるので、オペ札割れというのはこれは目標未達への道という大変に素敵な事態への布石になり得ますので、はてさてどうすんでしょという所ですな、うんうん。

まあこのレート見て「じゃあ俺も社債買入に参加じゃああ」というのが増えてくるでしょうから次回も札割れって事にはならないとは思うのですけれども、まあ社債にしろCPにしろ日銀買入やり過ぎでありまして、だからリスク性資産の購入するならETFじゃろといういつものあたくしの話に我田引水となるのでした。


・交付税特別会計入札が連発で金利上昇とな

昨日も交付税特会の借入金入札があったのですが、ここ3回の推移がこうなっているのでありますが。

10月26日入札分
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result111026.htm
平均0.113%/足切り0.120%

11月2日入札分
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result111102.htm
平均0.118%/足切り0.123%

11月9日入札分
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result111109.htm
平均0.126%/足切り0.140%

ご案内の通り、為替介入後に日銀が謎の資金供給オペ乱れ打ちの実施をして当座預金残高をやたら高水準にした事もあって(次に書きますが)短国入札はまたまた0.10%割れとかになっちゃいました(まあ入札はやっちまった感もあるようですが)とかやっている中でここのレートだけじり高というのは如何にも妙。つーか6か月物の国向けの貸出なのに2年国債レートのような足切りとか流れすぎだろという感じです。

・・・・・でまあ何でそうなったのかは札をたくさん入れている人たちに聞かないとワカランチ会長ではございますが、実は当座預金残高の水準は高いけどそんなに金が無いのか、単に事務手間めんどいから(短国買う方が事務手間は圧倒的に楽でしょうからね)とか、転売できないからアセット圧縮しようとしても直ぐに圧縮できないのを嫌っているのかとか、まー色々と妄想は膨らむのですけれども、これまた「足切り0.140%」というのを見て普段あまり応札しない人がここぞとばかりに応札してきて無難な結果になるに1000イタリアリラ。

ただまあ次回も甘かったら何か???ではございまする。


・3M短国入札

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231109.htm

(3)募入最低価格 99円97銭3厘5毛
(募入最高利回り)(0.0987%)

(4)募入最低価格に 95.5025%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭3厘6毛
(募入平均利回り)(0.0983%)

へえへえそうだっかという結果ではございますが、ただまあ0.10%を割る短国を買うニーズって国内だと投信(短期公社債投信)くらいしかないと思うご時世の中、海外の買いだけで0.10%割れ恒常的にってのもどうなのかという気はしますし、当座預金残高は確かにつみあがっていますけれども、資金供給オペの残高が積みあがってきた結果のもんではなくて為替介入によるものですから、直接債券ディーラーの所に金がどどーんと入ってきたわけではない(まあ最終的には介入で出た分の円資金が短国とかGCとかの買いに回ってくるから業者にも回りますけど)ので今後10割れを延々と維持できるのかはどうなんでしょうね。上記のように(ただの特殊要因かも知れませんけど)交付税特会借入のレートが変に上昇したりしてるように、何か微妙にアレなのもありますし、そんなにガシガシ突っ込む雰囲気でも無いような気が。

ただまあまた為替絡みとかドル調達絡みでの要因も欧州要因でおかわりが出るなら話は別なんでしょうけどね。


○イタリアキタコレですが保身的な動きが問題を加速させるという話

まあ昨日の(日本時間の)夕方以降はイタ公の国債があれよあれよという間に素敵な暴落状態だったわけですが。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aV2Kf4yqiO0I
欧州債:イタリア5年債利回り7.5%超−首相辞意表明やLCH変更

・・・・・・ちょwwwwおまwwwww昨日はこういう相場後講釈してたやんけ。


http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=ajlHpftGayW8
NY外為:ユーロ上昇、伊首相の辞意表明で債務問題解決を期待 (1)

『11月8日(ブルームバーグ):ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで上昇した。イタリアのナポリターノ大統領は、ベルルスコーニ首相が財政緊縮法案の可決後に辞任することで同意したと発表。これに反応した。』(上記URLより)

ということでワロスワロスという感じですが、まあそもそも前日の海外市場でベル様が辞任したのを好感するのもどうかという感じでしたがそれはそれで、最初に引用した記事でも実際にイタリア国債の急落のトリガー引いたのはこっちだという説明がありましたな(つまり日本語記事のヘッドライン書いている人がトンチキなのでは疑惑が)。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aiiYdUeZPBRU
LCH:イタリア債の取引コスト引き上げ、価格に重し(1)

『11月9日(ブルームバーグ):決済機関LCHクリアネットは、顧客がイタリア国債や証券を取引する際のコストを引き上げた。LCHのフランス部門がウェブサイトに掲載した8日付の文書によると、年限7−10年のイタリア債の取引で顧客に求める預金の比率(デポジットファクター)は11.65%と、10月7日に発表された6.65%から引き上げられた。新比率は9日の取引終了時のポジションに適用される。』(上記URLより)

・・・・・・ということで、決済機関としては自分の所の庭先掃除の観点からすると当然の行動ではあるのですが、どう見てもその行動が危機を拡大しているというありがちなパターンで、もうアホかと馬鹿かとと言った風情の行動。まあ民間のサンピン市場参加者がそういうのやるのはシャーナイナイと思いますが、仮にも決済機関という公的な所が危機を煽るようなプロシクリカルな動きをしてどうすんだ阿呆と思う次第でございます。

つーことで、こういうのが始まるとプロシクリカルというかバンドワゴンというか、まあそんな感じで一気に祭りになってしまいがちなので、関係当局におかれましてはもうちょっと後先を考えた対応を願いたいものであります、と偉そうに申しておりますが、後先考えない対応が得意なのは民主党政権も同じなので、日本に金融問題とかソブリン問題とかが延焼しないように心から願うものでございます。延焼したら馬鹿閣僚が馬鹿発言してプロシクリカルに危機を急拡大させるに1万イタリアリラ。


そういや昨日はMoody'sが物凄い勢いで金融機関とか新興国とかの格付けを下げていましたな。いやまあ過去格下げが遅れてという反省もあるのでしょうが、こうやって金融市場で火がボーボーの時に物凄い勢いで格下げとか「保身格下げ」にしか見えない訳で、こういうのもまたプロシクリカリティーの拡大に繋がるんじゃないかと思いますですよ。関連ヘッドラインでも引用しようと思ったけどあまりに多いのでパスしますが、ブルームバーグかロイターで「ムーディーズ」関連のニュース検索したら昨日は威勢よく格下げしてまっせ。

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2011/11/08

○欧州雑談関連

いやあギリシャでお笑い劇場をやっているうちにイラチの市場ちゃんがイタリアに本格的に放火してきたでござるの巻という風情ですかそうですか。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aGbusp1cOYEY
欧州債:イタリア債下落、利回り過去最高−債務問題と景気減速を懸念

昨日の日本時間の夕方に6.6%とかになっておられたイタ公の国債様でございますが、まあ政治がらみで解決に時間が掛かるので市場様がイライラして延焼祭りを開始しましたという事でございますが、まあECBも国債の買入に関しては昨日ネタにしたドラギ総裁の会見のように「まあそれは正論だが火がボーボーとなりかけの時にどうなのよ」というようなスタンスを堅持しているように見えますから、炎上しやすい罠という事で。

昨日(あまりにながくなるので)つい引用をスルーしましたがイタリア国債に関する質疑もあったんですよね、先週のドラギ総裁の会見には、ということでそれを引用。

http://www.ecb.int/press/pressconf/2011/html/is111103.en.html

『Question: Mr Draghi, a question about Italy, which is at the forefront of the current situation. Despite the ECB’s intervention, yields on ten-year Italian bonds are substantially higher than 6%, with an inversion of the yield curve. Is this of concern to the ECB? Did you analyse this particular situation in your meetings today and yesterday?』

ということでイタリア国債市場についてどう思いますか理事会で検討しましたかと。

『Draghi: No, we have not really been focusing on this and similar situations in our discussions today and yesterday. However, it is clear that - as I have said many times - the responsibility for maintaining financial stability and orderly financial conditions lies first and foremost with national economic policies. It is really pointless to think that sovereign bond rates could be stably brought down for a protracted period of time by external interventions. The main pillar of this is the national economic policy response, which is made up of two components: first, put your public finance in order and, second, undertake structural reforms. In doing so, competitiveness is enhanced, thereby fostering growth and job creation.』

特に理事会でイタリア国債にフォーカスしてお話したわけではございませんがなという話ですが、その次にありますように「何度も申し上げていますが、各国の金融の安定や、秩序ある金融環境を維持する責務は各国の経済政策にある事は明白です」という話を思いっきりしておりまして、いやまあそれは正論なのですが、そもそも各国が財政制約に置かれる中で今のような状況になっている時に中央銀行が放置プレイとも取られそうなスタンスを見せるっちゅうのも火に油を注ぎやすいわなとは思います。その後もまあ同じような話をしてて「ソブリン債の金利を買い支えで低下させる事ができる考えてはいけません」とか続き、結局の所は各国の財政当局と政治の努力が必要ですとまあそれはそれで正論なのですがねえという話が続くのがECBクオリティ。

つまりですな、昨日引用したQ&Aの最初の所にありますように、まあ要するにECBは「流動性の供給に関してはジャンジャンやるし必要ならば利下げもしますが、ソルベンシーの問題に関しては中央銀行がどうにかする話じゃありませんので各国頑張りなさい」という話をしている訳で、まあ正論は正論という所ではございますが以下同文という事ですな。

昨日引用した債券買入プログラムの3原則に沿って考えた場合、まあイタ国債の金利が勝手に上昇という中では「金融政策のトランスミッションメカニズムが効きにくくなる」という状況でもありますので、そういう文脈から考えるとまあイタリア国債の買入はしませんがなという話でもないとは思うのですが、一方で「買入は無限ではない」という大原則もあるので、どっちに軸足を置くのかによってまあ見え方も違ってくるんでしょうけど。

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2011/11/04

○ネタ消化の前にオペレーション雑談

水曜のオペですが「吸収を行わず」とか「非不胎化」とかもうアホかというヘッドラインが相変わらず並ぶのもアレなのですが、最近毎度毎度見ていて腹が立つのは共同通信のヘッドラインでして、まあ水曜も「吸収行わず非不胎化」とか書いていて、共同通信の報道をあちこちが転電するという事を考えると全くもって遺憾の極み(今回じゃないけど決定会合では「現状維持」としないで「追加緩和見送り」とか報道するし)でして、勝手に変なバイアス入れて報道するんじゃねえという悪態はまあ割愛すると致しまして。

水曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of111102.htm

国債買入(資産買入等基金) 2,500 2011年11月8日
米ドル資金供給(固定金利方式) 2011年11月4日 2011年11月10日 1.100
米ドル資金供給(固定金利方式) 2011年11月4日 2012年1月26日 1.100
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式> 8,000 2011年11月7日 2011年11月24日
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式> 8,000 2011年11月7日 2011年12月6日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2011年11月7日 2012年5月10日

ドルオペは兎も角として共通担保3連発(うち1本は基金オペ固定金利6か月)とかこらまた何でまたそんなに威勢よくオペオファーしますねんという所でございまして、元々介入要因で財政が大幅払い超になって当座預金残高が持ち上がるというのにオペの資金供給を威勢よくやる必要って本当は無い筈なのですが、外野が非不胎化だの何だのやかましいもんだからその辺を慮って景気よくオペオファーですかそうですか。

・・・・・・まあ別にそれはそれでも良いんですけれども、調節実務と金融緩和を混同した非不胎化論に乗っかるようなオペをあまりこれ見よがしに実施すると、将来金利誘導政策に復帰した時に為替介入が行われた場合に、絶対にロクな事にならないですから(金利誘導政策を実施する中では「テクニカルに資金需給の調整を行うための吸収」が必要になるので)あまり市場(というか短期金融市場や債券市場の中で普通の知能を持っている人は理解しているのですがそれ以外の市場の人ですな)の誤解に乗っかるようなオペレーションをこれ見よがしに実施するのはちょっとどうなのかという気がするんですけどね。もうちょっとナチュラルで良いんじゃないですかねえ。

そして水曜のオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111102.htm

米ドル資金供給(固定金利方式)(11月10日エンド分) 2 2
米ドル資金供給(固定金利方式)(1月26日エンド分) 100 100
国債買入(資産買入等基金) 9,391 2,501 0.034 0.035 79.8
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(11月24日エンド分) 4,250 4,250 0.100 0.100
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(12月6日エンド分) 9,450 8,006 0.100 0.100 84.7
共通担保資金供給(資産買入等基金)(11月7日スタート分) 10,190 8,005 78.6

・・・・・・・米ドル供給オペに応札だ・・・・と???

ただまあロットがロットですので、物は試しに取ってみたという事なのでしょうけれども延々とこのオペ応札ゼロが続いていましたので、ちょっと不穏っちゃあ不穏ではございますなあという所で。

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2011/10/19

○市場雑談

・3か月TB入札ですな

さて本日もまた毎度おなじみの3か月TB入札。最近はどうも0.10%割れの買いニーズの人たちの勢いがイマイチさんなのか、足元で短国は0.10%が大体オファーサイドっぽい感じになっているようで、まあ冷静に考えたらそうなるのが補完当座預金制度の趣旨から申し上げても妥当な線ではございまするのでありますが(と我田引水トーク)、入札もさすがに0.10%台乗せ水準で決着するんでしょ。

とは言いましても、0.10%に乗った所からはご案内のように需要がデジタルに変化する訳ですからして、今日の入札だと(あたくしの計算が間違っていなければ)99.9730円で0.10059%、99.9725円で0.10245%、99.9720円で0.10431%(一応10/24-1-30で計算していますが)となりますので、まさか9730では切れないでしょうし、9720だとニーズが盛大にありそうですので、その間となるのかなあとか思うのですが、この0.10245%というのもまた微妙なレベルで、0.10%割れまで突っ込まないという風に考えた場合には在庫として持っていられるレベルかどうかとか微妙な気もせんでもないですなあと思います。

なので9720足切りキボンヌなのですけれども、そんな事を言っている間に海外様からのニーズがいきなり絶賛ご到来とかの変化もあるので予想して変にフラグ立てるのは自主規制します。まあ短国レート0.10%割れ恒常化状態よりは正常な感じがしますけどね。


・先生!債券市場ちゃんが息をしていないの!!(AA略)

昨日は5年国債入札だった訳ですが、前場引けの0.375/0.380に対して平均落札100.11円の最低落札100.11円の一本値で利回り0.377%となった訳ですが、その前にどこぞのベンダーに出ていた足切り予想サーベイが100.10円だったのでその1銭上で切れるのかねえとかは思いましたが、綺麗に一本値で前場引けのオファービットの中に収まるとか大変に順当な入札だったようで。

でですな、まあ入札は良いのですけれども、落札結果発表後も先物とかあんまりウゴカンチ会長でございまして、まあ恐らく投資家のフローとかちょっとはあるからだとは思うのですけれどもカーブは微妙に動くものの、相場の全体的な位置はまあ動かない動かない。

ということでですな、入札という盛大な玉供給タイミングだというのに最近はまあすっかりウゴカンチ会長になるというのが仕様になっているようでございまして、海外要因とかでオーバーナイトで動く事はあっても内部要因でドドーンと動くような勢いがないですなあとか思うのでありまして、今月に入ってからも中長期国債の入札後に動いた日ってありましたっけ???という感じでありまする。まあそもそも海外、というか米国の金利派手派手に動いてもロクすっぽ反応しませんしねえ。

いつもですとこのくらい膠着感が強まると「そろそろどっちかに放れるのではないか」という期待感とかワクワク感が起きてもよさそうなもんなのですけれども、最近の膠着モードにおいては何と申しますかあまりこうそのような緊張感が無いような気がする訳でして、どちらかと言えば「先生!債券市場ちゃんが息をしていないの!!(AA略)」という感じがしますなあとか思った昨日の入札(というか昨日だけの話ではないですが)なのでございました。

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2011/10/06

○TB3か月入札ェ・・・・・・

昨日は期初一発目の3か月TB入札(火曜に6か月入札やってますので念のため)。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231005.htm
国庫短期証券(第228回)の入札結果

(3)募入最低価格 99円97銭4厘0毛
(募入最高利回り) (0.0978%)

(4)募入最低価格に 87.8207%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭4厘4毛
(募入平均利回り ) (0.0963%)

・・・・・・先週の入札で6月15日以来の平均0.10%乗せキタコレとか申し上げた訳ですが、期が変わった途端にこれでございますわよ嫌ですねえ奥様とか思っておりましたら入札前のアオリイカ攻撃に煽られた動きもあったようでその後ヘロヘロになって0.099レベルとかだったみたいですけれども、まあ期末にあれだけやる気無さそうな入札だったのは何だったんですねんという所ではございます。

昨日はスルーしましたけど、火曜の6か月TB入札が前回(9月の頭)並みの結果になっていまして、まあ別にあたくしは普通じゃないのとか思ったのですけれども、どうも強い入札だったとかいう評価もあったみたいですな。あたくし思いますに0.10%という補完当座預金金利の所を境に投資家のニーズがデジタルに違ってくる筈なのですから、0.10%を割った所での入札をアホのように突っ込む必要も無く、0.10%乗った所での入札をドン引きする必要も無いとゆーただ単にそれだけの事じゃネーノという感じですけど。

いずれにせよ、量的緩和状態になっていてGCレートがどうなっても間違って上昇して0.105%程度という状態が続いている中でそう簡単に短国のレートは上昇しませんし、その一方で0.10%割れを恒常的に買う人のニーズだけで現在の発行額が常に捌ける訳ではないので、利下げの思惑でも出ない限りは短国のレートがそう極端にも突っ込まないでしょ、という感じではないでしょうか。まあ当たり前の話ですけど。

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