相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2014年7月〜2014年9月)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

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2014/09/30「末初は国債担保物の玉がスッカラカンとなり現先レポともマイナス金利」
2014/09/29「スポ末も短国買入実施となりふり構わぬMB積み上げ」
2014/09/26「3M入札は流れても1bp割れですがスポ末です」
2014/09/25「期末と年末をまたぐ3M入札がやってきましたよ」
2014/09/22「19日の短国買入オファーは17500億円とかワロタ」
2014/09/19「3M短国も入札プラスでマイナスの後ゼロになる」
2014/09/18「1年新発短国もセカンダリーでマイナスに突入」
2014/09/17「短国金利の低下は利付国債に波及/都銀の超過準備の増加が止まっているのが気になります」
2014/09/16「玉も無いのに短国買入実施して落札大流れ/貸出支援はまあ出た方ちゃあ出た方」
2014/09/12「短国のマイナス金利は新発3Mにも延焼して為替市場などにも延焼していますな」
2014/09/11「直近の6Mと3M新発の引けと売参がマイナスの中で迎える3M入札とな」
2014/09/10「短国買入遂にマイナス金利が来たようですので雑感でも」
2014/09/09「6か月TB入札も非常に強い結果で玉無し状態続き短国買入も限界のように見えます」
2014/09/08「短国買入を見送ったにもかかわらず新発3Mはマイナス出合で引値も売買参考統計値もマイナス」
2014/09/05「短国3Mはゼロ金利に低下」
2014/09/04「3M短国入札は大口落札入りショートカバーで0.1bpの出合いキタコレ/その他計数関連メモ」
2014/09/03「計数を考えると短国買入は今月減る筈だが先週金曜の謎買入が微妙」
2014/09/02「短国買入で1兆7500億円という謎の刻みでのオファーが行われる」
2014/08/29「3M入札は平均3bp台で足切りも3bp台後半/固定金利オペ残高また10兆円割れに」
2014/08/22「3M入札の足切りは久々に3bp台/値幅4銭の後2日で30銭以上の下落とな/固定オペはまた増額」
2014/08/19「都銀とその他準備預金適用先以外超過準備減少/1YTBは強い入札です/10年0.5割れだよ」
2014/08/18「短国買入は2兆に減額も応札は少な目」
2014/08/15「3M入札は今回もやや流れる/機械受注が悪くて債券堅調」
2014/08/14「中途半端に悪いGDPとな/2M入札は割とまともでした」
2014/08/13「国債買入の状況確認/短国カラカラでTKRR急低下」
2014/08/12「短国買入は2.5兆円に減額も玉がスッカラカン」
2014/08/08「3か月短国は2bp台に乗ってやや流れる/GPIFネタで債券市場がやや売られるとな」
2014/08/07「6か月短国入札が平均足切り共に2bp割れの馬鹿入札に」
2014/08/06「来年は国債残高50兆円拡大で月の買入が概ね6.6兆円程度になりますな」
2014/08/05「国債買入残高を見ると年内の見直しは無さそう/短国は概ね今の残高を維持ですかね」
2014/08/04「短国買入は3週連続で3兆円のオファー」
2014/08/01「3MTB入札も平均は3bp割れ/固定金利オペは残高が何故か増加」
2014/07/28「短国買入は3兆円でオファー」
2014/07/25「3か月TB入札はやや弱めも平均は3bp割れ/固定オペはまたも減額ロール」
2014/07/24「長国買入のペースは無難に推移&短期はややGCが高いがオペ狙いでレートはキープ」
2014/07/22「シグナルオペのロールは減額」
2014/07/18「3MTB入札は若干マシも足切りは低下/固定金利オペのロールがやや落ち気味」
2014/07/17「1年TB入札はやはり強くて1.5bpの一本値とな/各種係数」
2014/07/15「各種日銀計数が出ているのでその辺からオペの見通しを考える雑談(おまけで決定会合プレビュー)」
2014/07/14「短国買入は3兆円でオファー」
2014/07/11「3M入札は入札前にマイナス取引の後結果は盛大に流れるが結局2.5bpで終了」
2014/07/10「3Mと6Mのカレントゾーンが1bp台で新発3Mの入札を迎えます」
2014/07/09「6か月新発TBが入札強くなりセカンダリーのカバーでまたまたゼロ%/超長期先物売買高ゼロキタコレ」
2014/07/07「3か月カレントTBがショートカバーでゼロ%」
2014/07/04「四半期所からの短国売りは単に入札で買いたい人の売りで空振り業者が入札後踏んで元の木阿弥に」
2014/07/03「市場の動きは今日もワケワカランチン/6月下旬の長国買入で10年はカレントほぼ1銘柄の購入とな」
2014/07/02「四半期期初の債券および短期市場は謎の動き」
2014/07/01「ユーロ円LIBOR6か月物先物取引停止とか金先取引が低調とか」

2014/09/30

○毎度の市場メモ雑談な

・TKRRェ・・・・・・・・

と言ってもまあ昨日のTKRR出される前から先刻ご承知の助ではありますが。
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート

でまあこちらの過去データなんぞを見れば判りますが(エクセルになるのでリンク等はしませんけど)昨日のT+1の翌日物レポレート(つまり末初レート)がマイナス0.1bpになりやがりまして、今年の3月末のマイナス1.1bpに続くマイナスレートになった訳でございますが、その前からの短国マイナス金利とかを勘案すると3末よりも今回の方が短期市場が全般的に息をしていないの状態になっているようにも思えるのでTKRRの水準だけでもないでしょうなあという話ではあります。

つーことで別に昨日この数字が出ましても知ってましたがなという所ではあるのですが、何せ今回は期末のレポレートはこの数字になっていますが、そもそも論として玉が無いとかそういうレベルの話になっているのが厳しい上に、日銀の短国買入が「市場に玉があればマイナス金利でも買う」という状態で、名目ゼロ金利制約のある市場参加者(投資家)を日銀が率先してクラウディングアウトするという民業圧迫オペをしているので状況が改善どころか時間の経過と共に悪化しているのが救いようのない所ではありますな、うんうん。


・ちったあ期末要因も剥落モードのようですが

ということで本日が半期末なので翌日物などが期末モードになりますが、それはそれと致しまして受渡ベースでは昨日から期初になっている事も影響しているのかどうか知らんですけれども、利付国債の引値ちゃんが軒並み超短い所で甘くなっておりまして、期末要因剥落で残高調整発生の巻という感じではありますし、大体からして日銀がせっせと購入しているのは短国であって1年以下の利付国債に関しては月の買入2000億円ちょっとな訳でございまして、短国から難民が流入して凄まじい金利水準になっていたのがちったあ修正という所ですな。

とは言いましても、日銀のMB拡大攻撃がこの調子だと市場の歪みを拡大しようと何だろうと知らんがな状態で継続しますので、一旦剥落しても以前のような普通の(何をもって普通と言うのかという感じですけど・・・・・・・・・・)状況にはならんでしょと存じます。

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2014/09/29

○短国買入ェ・・・・・・・・・・

明日が半期末ではあるのですが、スポ末でしたが短国買入キタコレ。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140926.htm
国庫短期証券買入 10,000 2014年9月30日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,000 2014年9月30日
国債買入(残存期間25年超) 300 2014年9月30日
国債買入(物価連動債) 200 2014年9月30日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注3) 2,000 2014年9月26日 2014年9月29日

ということで短国買入1兆円オファーとか実施しまして、なんちゅうかまあ「1兆打つということは1兆以上は札があるんでしょwww」という反応になるのが最近の市場の仕様なのでそれ自体はふーんなのですけどね。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140926.htm
国庫短期証券買入 16,802 10,001 -0.006 -0.002 84.6
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,235 1,004 -0.009 -0.007 19.0
国債買入(残存期間25年超) 1,609 302 -0.022 -0.017 15.7
国債買入(物価連動債) 886 201 -0.260 -0.347 7.3
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 71 71 -0.400 -0.400

でまあ応札は1.7兆円しかないのもさいですかという所なのですが、まあ「応札が来そうな分だけオファーしました」っていうのが見え見えだからという事もあるのか落札利回りは相変わらず強い所で決まっていまして6糸強按分とか新発3Mでもマイナス金利というレベルになっていましてこれまたはあそうですかという結果。

・・・・・・・・・・でですね、まあそれはそれで来るかもねとは思っていたのですが、案の定という感じでスポ末で期末特殊ニーズとかで現先とかレポとかの需要が強い中で足元スーパー玉無状態になっているという市場でございましたので、当然のごとく1兆円の短国吸い上げによって更に玉無状態に拍車が掛かってリアル「玉がありません」状態になってしまって「短期金融市場における資金運用」という状態ではなくなってしまいましたというあばばばばーな展開になっておりまして、当然のようにこの前の3月末の期末よりも状況は酷い事に。

ということでですな、期末の玉無状態とか丸無視しててめえの残高の都合だけで名目ゼロ金利制約を突きぬけて買ってくるとか、それは「公開市場操作」という短期市場オペレーションの趣旨とは全く関係ないですよねとか、そもそも論としてヒアリングしてから「札がある分だけ買入オファー」をするとか、それはもはやオペでも何でも無いので市場を通さずに相対でやってくれと思いますし、金融政策当局としてやってて恥ずかしくないのかねというか「政策委員会がやれと言うからやりますけど市場への弊害は知りませんよやれと言われたんだから」で済むもんなんですかねえとは思うのですが、まあどう見ても9月のオペの打ち方が明らかにそういうヤケクソな打ち方なので、そういうオペレーションが前提という事で考えるしかありませんので、12月のMB末残確保の目処が立つまでは民間をクラウドアウトするような買い方をせっせとやってくるんでしょうなという事で。

つーことで10月に入りますと更にせっせと買入が入るのですが、末残調整で保有になっている年内償還の短国分は用無しになるのでその分の打ち込みが短国買入で入る事を勘案すると、短国の日銀買入残高ベースとしての額は足元の額よりも増えてくる(12月末に落ちるもののロール分についてのんびりギリギリまで調整をしてくるとは思えないから)ことになって、市場の玉無状態は結構長引く可能性があるかもしれませんし、そうなると益々短期市場ががががとなる可能性も。

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2014/09/26

○毎度の市場雑談メモだが今日はスポ末ですな

・3M入札はまあこんなもんですか

最近前場のWI取引が全然参考にならんのですが前場引けはお約束のゼロビットでございましたけど、まあそうは言ってもプライマリー段階でマイナスでも買う需要もそんなにある訳ではなく・・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140925.htm

(3)募入最低価格 99円99銭7厘5毛(募入最高利回り)(0.0090%)
(4)募入最低価格における案分比率 96.3964%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘3毛(募入平均利回り)(0.0025%)

平均と足切りの間に2厘ほど差があるのを見てついうっかりテールが流れたとか思ってしまいますが、良く良く考えると足切り利回りでも1bp割っておりまして、ゼロが多くて何が何だかという所でありますが(−−)、まあ利回りプラスはプラスで良かったですねえ(棒読み)という感じですな。

でまあ今回はいわゆる不明玉も今月入ってからのアチャーな多さからやや通常モードに近いスケール(2兆半ば)になってきたこともありますし、末残調整自体はある程度の所までは進捗しているでしょうというのもあって、マイナスをどこまでも突っ込んで残高を調整をしないといけないという程の事も無かったようで、結局プラス水準で終了の巻でBB引値および売買参考統計値はともにプラス0.3bpと久々に入札日即マイナス(とかゼロ)というような水準では無かったのですが、そうは言いましても1bp割れ水準で殆どゼロなので状況が相変わらずであることは継続中なんですけどね。


・ということで本日は短国買入を入れるのかが注目というか何というか

てな訳で昨日の短国は年末跨ぎ3Mの一発目で、利回り水準自体は相変わらずの1bp割れというそれを利回りというのかという状態ではあるものの、マイナス突っ込んでヒャッハーヒャッハーという程の焼け野原振りも示さずという状態ではあったのですが、ここで注目されるというか何と言うかなのは金曜お馴染みの短国買入オファー。

昨日の3M短国入札がまたまたマイナス利回りヒャッハーとかやって玉が無くて悲惨な状態で札も無いわという状態になっていると買入の打ちようも無かった訳ですが、昨日の入札後の引けとかの状況から勘案するに昨日の短国は一応オペ先の持ちになっている部分があると見られますので、そういう意味では「札はある」状態。

その一方で日銀としてはとにかく年末のMB目標達成の為には年末時点での短国買入残高を40兆円台前半まで積み上げないといけないのですが、10月以降どうなるか判らんですけど9月はこの有様の需給関係で、しかも日銀買入で金利水準がマイナスとかハチャメチャな水準になってしまったので、金利がちょっと上昇したら9月の金利水準で買えなかった人たちの買いが待っているでしょうし、12月末にどうせ同じ現象が起こると思うと末残調整の動きも前倒しになるでしょうしとか考えますと、まあ需給が急に緩むというのも考えにくい訳ですから、まあ10月以降以前のように2.5兆だの3兆だのというような買入でポンポン残高積めるのかも微妙でございますから、「玉がある時に買入をせっせとオファーする」という動きになるんでしょう。

とまあ考えますと、期末で国債の絶対量が不足していてアチャーという状態になっているのではありますが、オペ先に短国があると聞くと思いっきり日銀が短国買入を打ち込んでくるという図になりそうで、スポ末で常識的にそういう事はしないだろと言いたくなるのですが、市場機能だの知った事かという状態でとにかくMB目標積み上げだけしか念頭にないですよと今月の短国買入の入れ方で宣言している訳ですからなりふり構わずの露骨プレイが今日も炸裂するでしょうなあと実に残念な思いと共に眺めるのでありました。

でまあ今日そんな感じでオペ打ち込みが入ると末初の現先玉とか大丈夫かよという感じではあるのですが、そんな事を言っているうちに民間投資家に買われてしまったら日銀の買入残高積み上げに支障をきたすから頑張って買うんでしょうね(迫真)ということでしょう。まあ本来的に言えば末初だけの現先ニーズとかあるから短国買入入れるにしても受渡ベースで期明けになる月曜か火曜(できれば末残固まっている火曜)にやった方が今の玉無し状態になっているマネーの市場には随分と優しい(短国アウトライトの人は別)のですけど、あまりそういうのは期待せずに今日の10時10分を待つのでありました。

まあいずれにせよ、どうせそんな感じのスタンスで10月入っても必死こいて日銀が新発3Mを買ってきますから、そう考えますと需給が仮に緩んだとしても緩んだ分日銀がバキュームオペを実施すると考えると、まあ業者サイドも安心感がありますので、そう簡単に投げも入らずでしょうからやっぱり水準訂正とかしないでしょうなあと思うのでありました。

しかしそうやって日銀が必死こいて短国買いを入れてしまって民間の投資家の購入機会を盛大に奪ってしまうという一種のクラウディングアウトみたいな状態を発生させるとか、本来の意味での資産買入政策の趣旨を考えるとそれで良いのかとおもいますし、「12月末のMB目標達成の為にオペ先に買える短国があったら買う」ってもはやそれは何の為にオペレーションを実施しているのかという事を考えた場合に、金融政策として意味があるのかねとも思いますし、「とりあえずやる事にしたのでやりますけど副作用とか弊害とか点検しませんし市場に指摘されても全然知りません」とは中央銀行として如何なものかという所ではありますけどねえ。

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2014/09/25

○さて期末年末越えの短国入札ですよ!!!!(備忘メモ)

ということで今日の短国入札様ですが。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20140918.htm

3. 償還予定日 平成27年1月8日

ということで、四半期末を2回通過する新発3Mでありまして、従いまして年末のMB残高確保という意味では日銀が涎を垂らして狙っている銘柄でもありますという状態。

でですね、まあ9月末でこの有様だったのですから12月末も同じ事になるでしょうし、もしかしてこの前に出ていたある意味衝撃の8月積み期間に都銀が超過準備拡大していなかった事象を見ると、12月末までの間に国債買入で膨れる予定の超過準備は誰が持って、国債残高の帳尻はどうなるのとか考えると碌な未来が想像できません、と考えますと年末越えの残高積みもある程度計画的にやった方が良いとか考える人は出るでしょとか、まあニーズがあるストーリーしか思い浮かばんという残念な状況。

まあさすがにこの市場状況で末残調整を今日の短国入札で勝負しようというのは相当の胆力があるのか変態仮面なのかという所だと思いますので、いつもほど末残確保でヒャッハーとかにはならないんじゃネーノとは思いますし、とは言いましても30日渡しの所では最後の最後での末残調整ニーズ(現先とか)が盛大にある筈なので残高の確保は必要でしょうし、それよりもオソロシスなのは日銀の成行買い攻撃でありますな。

つまりですね、先週の短国買入に関してみますと「1年短国の札が入りそうな額を逆算してオファーを打ち込んで来ました」というのが思いっきり見え見えというなりふりカマワンチ会長状態になっておりまして、もはやそれをオペと言うのかオペやってて恥ずかしくないのかとか小一時間問い詰めたいレベルに達している以上、今日の3M短国の最終投資家ニーズがイマイチになったとしてもどうせ「いやー日銀はん年末の短国残高これだけ稼げまっせどうですか」となれば大喜びして札があるだけ短国買入を入れてくるだろうという浅ましい状態に日銀がなっているので(ただし必要残高を確保したら終了になるのは要注意)入札での札が無くても日銀がケツ拭きをしてくれるという素敵な状態になっているとしか申し上げようがない日銀の「札のある分だけオペを打ってくるプレイ」でありますので、まあ流れても最終的に日銀に打ち込むだけのことでしょうなあと。

でまあ常識的に考えると、いつもの金曜日短国買入オファーというのは今回は期末渡しになってしまいますので、先ほど申し上げた期末1日だけニーズとかの対応があるから普通は末渡しに短国買入を打っても札が入らないから回避すると思うのですけれども、入札がコケた場合は末渡しの短国買入が来る可能性もあるなあとか思いますし、10月になると実は9末残高確保で買った短国の大処分市で日銀に短国打ち込まれて涙目という可能性もあったりして色々と悲喜こもごもの光景が発生しそうでございますな。

#などと一部の超マニアしか興味の無い雑談メモ誠に恐縮至極

ま、常識的に考えると10月になっても短国カレント全銘柄マイナス金利とかいう話にはならないとは思うのですけれども、相変わらずのモノ無し芳一攻撃で短国の引値は強いですし、気が付けば2年以下の利付とかもドンドン気配が強くなっていますし、日銀は日銀で目先はMB末残確保を前倒しで行ってきそうなオペの打ち方してきますしと考えますと何だかなあという所ではあります。

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2014/09/22

○毎度の短期関連雑談メモ

・短国買入に味わいが

短国買入が2500だの5000だの申し上げていましたが1年短国のオペ打ち込み玉がそこそこあったのでオペ打ち込みですかそうですか。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140919.htm
国庫短期証券買入 17,500 2014年9月24日
国債買入(残存期間1年以下) 1,100 2014年9月24日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,000 2014年9月24日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,000 2014年9月24日

でまあ17500億円のオファーでほーという所ではあるのですが、まあ金曜の場合はオペが幾らでオファーされても「まあそれだけ札があるんでしょうな」という所で、最早入る札から逆算して短国買入が実施されるとか、それを金融調節というのかとしか申し上げようがない状態ですな。なおベンダーとかに出てこないからネタにしにくいネタとしては各種オペに関しては一社当たりの応札限度額というのがあって(当たり前だがオペ先には通知されているので市場(のオペ先とマニア)には(概ね)周知されています)、こいつは基本的に一定のオペもあるのですが、特に短期系についてはその時の状況によって必ずしも一定していなくて、この推移にも味わいがありますな。

なお結果。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140919.htm
国庫短期証券買入 24,609 17,501 0.002 0.003 97.8
国債買入(残存期間1年以下) 3,854 1,103 0.002 0.002 97.0
国債買入(残存期間1年超3年以下) 9,295 3,005 -0.002 -0.001 35.1
国債買入(残存期間3年超5年以下) 6,260 2,003 0.002 0.002 30.3

前週は2500億円の買入に対して5447億円の応札でしたが、先週は一転して24609億円の応札とか中々味わいがありますが、どんだけ新発1年を日銀に打ち込む気満々で入札してるのよという所でございまして、何ちゅうか日銀がセカンダリーで市場にあるものをマイナス金利だろうと買う攻撃に対して思いっきりぶつけに逝っているの図とか、まあ今に始まった訳ではないですが露骨な展開という所で、資産買入でMB拡大で実質金利引き下げという政策の趣旨に対して鑑みると味わいが深すぎますなという所ですが、結局単に日銀の買入が意味の無いボラを与えているだけのような気が。


・政府預金(国内指定預金)の金利とな

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel140919c.htm/
「対政府取引に関する基本要領」等の一部改正に関する件

『日本銀行は、政策委員会において、最近の金融市場の動向を踏まえ、対政府取引の適切な運営を確保する観点から、下記1.および2.の諸規程の一部を別紙1および2のとおり改正することを決定しましたので、お知らせします。』

ということで。

http://www.boj.or.jp/note_tfjgs/trans/yoryo12.htm/
対政府取引に関する基本要領

今回の変更部分は
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/data/rel140919c.pdf

にありますけれども、政府当座預金勘定がゼロ金利なので国内指定預金の適用金利をマイナスにすると制度の意味がなくなるので下限金利を設定したという事ですが、下限をゼロにしているのはまあ当然ちゃあ当然ですがプラスじゃないのねという所で。でもって何らかの都合によってFBの引受を行う場合ですけど・・・・・・・・・

『3.政府短期証券の引受けおよび償還』

『(1) 政府短期証券の公募入札において募集残額等が生じた場合および国庫に予期せざる資金需要が生じた場合には、例外的に、所要の政府短期証券の引受けを行うものとする。この場合の引受け利回りは、引受け対象とする政府短期証券の引受け日が公募入札方式による当該政府短期証券の発行日である場合には、当該公募入札における募入平均利回りとし、その他の場合には、銘柄ごとの流通市場における実勢相場等を勘案した利回りとする。』

『6.政府短期証券の引受け利回りの下限等』から。

『(1) 3.(1)の規定による引受け利回りが0%を下回る場合には、引受け利回りは0%とし、3.(2)の規定により繰上償還を行う場合において、3.(4)に定める償還価格が額面を超えるときは、償還価格は額面とする。

(2) 5.(1)ハ、の規定により買入れを行う場合において、5.(2)に定める売買価格が額面を超えるときは、売買価格は額面とする。』

ということでして、預金に対しても引受に対しても下限金利をゼロに設定していて、まあそれはそれで話としてはそうだろうなあとは思うのですけれども、翻って考えますと、ECBのマイナス金利のように最初から預金ファシリティにマイナスチャージをするという明確な意図を持ってマイナス金利を実施している訳ではなく、単に資産買入政策の実施をしているうちにマイナス金利になってしまいましたよテペヘロという状態になっているという事を示しているとも言える今回の措置でございまして、結局の所日銀のマイナス金利買入によって日銀のオペレーションや当座預金制度の外側の部分で名目ゼロ金利制約によるコストが発生しているという事態になっているという形ですな。まあ日銀が政策的な意味で明確にマイナス金利にするという意図を持ってマイナス金利の資産買入をしている訳ではない、という事でしょうが、政策的な意図がないだけにタチが悪いというものですな、うんうん。

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2014/09/19

○短期は相変わらずの展開でありますが

・3M入札

落札結果である。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140918.htm

(3)募入最低価格 99円99銭9厘0毛 (募入最高利回り)(0.0040%)
(4)募入最低価格における案分比率 50.5824%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘6毛 (募入平均利回り)(0.0016%)

・・・・・・・・・・よし!金利があるな!!!(錯乱)

という事で一瞬平均1.6bpに空目しますが0.16bpが平均落札利回りという大変に残念な結果でございますが、落札結果発表後すかさずマイナス金利水準まで価格が進むというお洒落な展開になっておりましたな。引けに掛けてはゼロ水準に戻ったので、今日の短国買入の基準となる売買参考統計値の平均単利利回りはこの銘柄は0.000%になっていて珍しくゼロの利回りになっていますな、とか先週火曜日の短国買入以来すっかり目線がおかしくなっておりますが(白目)。

しかしまあ何ですな、ここの所短国の入札って落札結果が出てあっという間にマイナス利回りに突っ込むというオモシロ展開になっております(昨日の新発は最終的にゼロ水準に押し戻されてましたので少しマシな展開)けれども、これを勝手に解釈致しますと・・・・・・・

まあ何だかんだと言いましても短国は債券であって金利商品でありますので、マイナス金利を平然と買う事が出来るのって誰ですねんと考えますと、投資という意味ではやはりマイナス金利というのはどういう事よという話になる訳ですよね。勿論為替スワップ絡みとかで調達金利がマイナスの人ならマイナス金利で運用しても調達運用のスプレッドが確保できていますが、金融市場の外側であります所の実体経済には名目ゼロ金利制約というのがある訳で、調達金利は基本ゼロ金利制約に引っ掛かってマイナスにするのが色々と難しいと来ていますので、そーゆー意味で投資の観点からしてキャッシュフロー確定証券のマイナス金利を堂々と買うというのは難しいですなあという話で、マイナス調達ではない限りキャピタル狙いという形じゃないとマイナス金利って買えませんよねという話で、そう考えますと入札段階では名目ゼロ金利の所で投資家需要が大幅に変わってしまうという事になりますので、強い強いと言っても中々ゼロを割って入札をというのも難しいですなあとなります。

一方でセカンダリー市場になりますと、今や短国の市中消化額の3分の1程度を購入するという超ドミナントプレーヤーの日銀様が調達コストとかそういう概念が無い方々で別の目的で成行買いをしてマイナスでも何でも買ってくるので、セカンダリー市場になるといきなりゼロとかマイナスとかに進んでしまう、という事になっているというのが今の市場でありまして、そう考えると日銀の短国買入の残高効果が市場の価格形成をどんだけ歪めていますねんという話なんですなあとか、中々見られない異次元政策を実施しているせいで、中央銀行の市場介入による市場への影響がどうなるのかというのを実感として見られて大変に有意義ではございます(白目)。


・固定金利オペは若干の残高増加

めんどいから固定金利の所だけ引用しますね
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140918.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 8,000 2014年9月22日 2014年12月22日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140918.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(9月22日スタート分) 2,527 2,527

この辺の人様の担保繰りは良く判らんのですが、今回のオペは落ち分が1590億円の所なので930億円ほどの残高増加なのですが、元々の落ちも少なかったのであまり影響なし。ただ、この足元の状況でも増額ロールになるんですなというのはどうもこれは実際にやっている中の人がどういう事情で動かしているのかがイマイチ判らんので良く判らんっすな(汗)。


・そして今日は短国買入ですなあとか

でまあ本日は金曜ですので毎度おなじみの短国買入ですが、市場動向ヒアリングとかしてオファー額が決まるでしょうからまあ2500だか5000だか知らんですけれども、水曜に入札のあった1年短国を出来るだけ買いたいでしょうから打てるだけ打ってきて、買入レートの方も大変に素敵な事になるんでしょう(ちなみに1年新発の売買参考統計値はマイナス0.4bp)という所でして、そーゆー意味では足元から少なくとも来週の3M入札までは需給がスッカラカン状態が続くという事でもう何だかねという所ではございまする。

でもってあたくし不覚にも勘違いしていたのですが、来週の新発3Mは年末越えでございまして・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20140918.htm
1. 入札予定日 平成26年9月25日
2. 発行予定日 平成26年9月29日
3. 償還予定日 平成27年1月8日

これは四半期2回跨ぎでニーズが集まる!!とも思うのですが、そもそも目先の期末の方をどうするのかという方が重要な話でして、末残調整ニーズってまあ最後までぶれるものですけれども、そうは言いましてもコアの部分はこの市況だとギリギリまで引っ張る訳にも逝かんでしょうから、そんなこんなも考えますと昨日の入札の方が需要は強いんじゃネーノとも思う所でどう転ぶのか難しい。とは言っても別に流れるような事は無い(流れるようなら四半期2回跨ぎのニーズが鬼のように到来するので)でしょとは思います。

実は来週の新発3Mが年末跨がないのなら26日に末渡しで短国買入をオファーする意味が全くないので今日の短国買入で期内の短国買入は着地だと思ったのですが、来週の3Mが年末越えとなりますと来週の金曜に短国買入を打つという無謀プレイが出る可能性もあるなあとか思うのでありました。なお、30日受渡に関しては末残調整ニーズの最後の最後の帳尻ニーズがどこから飛んでくるか判らない(短国の場合最後の最後は現先で残高調整をするという荒業があるのでレギュラー受渡を過ぎてからも動きますからねえ、特に末残ニーズの場合は)ので、普通短国買入をオファーしても玉が余って死んでいる時でも無ければ誰も応札しない筈なので、常識的に考えると30日渡しの短国買入をこの市場状況で打ち込んでくるのはピラニア養殖池に丸裸で特攻するようなもんなのでまあ無いとは思いますけど、新発が年末越えならば新発を買いに期末渡しを外してその後に買入を打ち込んできそうですな、うんうん。

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2014/09/18

○マイナス金利ェ・・・・・・・・・・・・(メモだけ)

ええい時間が無い

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140917.htm

(3)募入最低価格 99円99銭4厘 (募入最高利回り) (0.0059%)
(4)募入最低価格における案分比率 73.1838%
(5)募入平均価格 99円99銭8厘 (募入平均利回り)(0.0019%)

あばばばばーという所ですが、その後セカンダリーで結局マイナスになってBB引値も堂々のマイナスとなってこれで直近カレント4銘柄(3M2本と6Mと1Y)がマイナス引けですかそうですか今日の3M入札どうするんでしょうねえというお話で日銀何市場壊してますねんという所です。

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2014/09/17

○短期市場関連メモメモ

・短い所の引値キタコレ

ここもと長い所に関しては円安(というかドル高というか)とか米国金利がどうのこうのとかで売られたりする展開なのですが、そんな中短期方面が延々と金利低下ヒャッハーとやっているので同じ金利の世界にいるのに思いっきり別天地感の強い今日この頃でありまする(−−;

でまあ昨日は短国買入も入札もございませんで、ついでに短国はお察し状態になっているので市場で(売る方はともかく)買いに行こうにも碌にモノが出てこない訳でございますから取引が低調にならざるを得ずという展開なのでさすがに昨日は短国の引値は大体前週末並みという結果(売買が碌すっぽ無いのだから前日比変わらずになるわな)になりました。

・・・・・・と思ったら今度は利付国債の残存の短いのの引値が強くなっておりまして、そらまあ短国買えないなら利付の短いのでもという話になるんでしょうなあとは思う次第で、ただ利付国債の場合は発行総額が短国ほど多くないですし、流通玉も少ないと来ていますので、短国みたいなロットでの買いは出来ませんですし、日銀の買入も短国のような盛大な買入額では無くて月に2200億円となっていますので、短国のヒャッハーに対してやや遅れて推移していたんですな。

という流れではあったのですが、先週金曜の短国買入で止めを刺してしまったようで、昨日は残存1年以内の利付国債の引けが軒並み1毛とか強くなってしまいまして、短国金利の低下というよりは短国市場の玉スッカラカンでマイナス金利という異常状態が波及して参りましたよという流れでして、中間期末を控えてこの状況とかもうねという所ではございます。

これが例えば利下げ観測とかで発生している事態ならば別にシャーナイナイなのですけれども、日銀がひたすら短国を買い続けている結果として起きているというのがねえ・・・・・・


・業態別当座預金残高の都銀残高は一時的現象なのかそれとも・・・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

毎度おなじみのこれですが、8月積み期間は超過準備預金残高が全体として若干程度の減少になっておりまして、当座預金残高で見ると証券の残高が若干拡大しているのでトータルで若干の拡大となっていますな(なお平残数値の方で話をしています)。

でまあそれはそれで良いのですけれども、今回見ていてほえーと思ったのは従来趨勢的に拡大傾向にあった「都市銀行」の超過準備が2兆円近く減少している所であります。まあ上記のURL先からZIPで落として来てご鑑賞いただきたいのですが、この1年着実に超過準備残高を拡大させていたので、減少するとはこらまたほほうというのと、まあ減少した分って短国の買入に化けている部分があるだろうなあとか思いますと、そら短国需給が逼迫するわという風にも思う訳で味わいがあります。

んでもってこちらの動きなのですが、一時的現象というのであればまあそういう事もありますねという話で良いのですけれども、これが超過準備の拡大も無限にやる訳にも行きませんですしねえという話が背景にあったりすると、そもそも論としてのMB拡大が物理的に可能なのか(MB拡大には日銀の資産買入が必要だが資産買入の裏側には日銀当座預金の拡大を伴うので、日銀当座預金をこれ以上拡大できないという参加者だらけになると資産買入が札割れになるのか無限に高い所まで買入を行わないといけなくなる)という話になるので9月積み期間の動向に注目しようかと思いましたがそもそも9月は国債償還要因などで資金が余剰になるのであまり比較参考できないのでした(汗)。

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2014/09/16

○相変わらず短期関連はネタが続くのでありました

もう短期のマイナス金利ヒャッハーだの師匠講演と会見が相変わらずのアレだのと先々週のECB以来ヒャッハーモードが続いて、書き物でコピペがおかしくなったり冒頭でうんこを連発したりとすっかりアレでしたが、短期市場のヒャッハーはまだ続くのでありまして・・・・・・・・・


・短国買入2500億円実施とな

金曜は直近カレント3銘柄が全部マイナスという状況の中でさて短国買入どうするのよという感じだった訳でして、まあ9月の中間ラップとかマジでどうでも良くて本命は10月からの3か月物を如何に円滑に購入するか、と考えたら先行き考えたら、どうせ期末ニーズが入ってくる9月だし、ここで期末ニーズに競合する形で日銀が買入をして短国市場をおかしくする必要もなかろう、とは思ったのですが・・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140912.htm
国庫短期証券買入 2,500 2014年9月17日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,000 2014年9月22日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,000 2014年9月22日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,000 2014年9月22日
国債買入(残存期間25年超) 300 2014年9月22日

ということで輪番オペに加えまして短国買入をオファーしてくるの巻でして、しかも買入オファー額が2500億円とかナンジャソラというロットで入って来まして、しかも売買参考統計値がマイナスの直近3銘柄も買入対象となりまして、火曜日だと新聞報道的にマイナス購入(でまあ多分マイナスが入ったとは思いますが)でしたが、まあ金曜はどこからどう考えてもマイナス金利の買入をする気満々という打ち方となりました。

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140912.htm
国庫短期証券買入 5,447 2,502 -0.009 0.000 88.8
国債買入(残存期間1年超3年以下) 8,208 3,005 0.003 0.003 68.4
国債買入(残存期間3年超5年以下) 7,924 2,000 0.005 0.005
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,116 1,004 0.007 0.009 3.9
国債買入(残存期間25年超) 1,334 301 -0.005 -0.003 88.0

・・・・・・・えーっと2500億円ぽっちの買入で平均引けは兎も角として足切りが9糸強と大流れとなるとはもうどんだけ市場に玉が無いのかという所で、確かに投資家は期末ニーズで持っている訳だからそう簡単に日銀に売却しないでしょうし、大体からして今日銀にロットで売却したは良いけどでは購入できますのというと買えないという状態なのですから誰も売らないでしょうし、業者は恐らく碌に在庫が無くて、入札で落札上位の人が持っているかも知れません程度の状況なんでしょうなあという状態でして、2500億円とかの超少額(短国市場にしては)の買入をしたら市場の悲惨な状態が更に分かりやすくなるというアチャーな結果となりました。

#つーか応札5447億円って何よ

でまあ2500億円とか殆ど残高積み上げ的に見た場合に誤差の範囲内にしかならないのに、わざわざマイナス金利を購入するという断固たる決意をお見せになるわ、お見せした結果として短国市場が盛大に壊れた状態であることを白日の下にさらすと共に、マイナス金利購入だけではなく短国市場が壊れた状態であってもMB積み上げの方が重要なので壊れた市場をさらに壊してでも短国買入を継続するという決意までお見せになられてしまいますともうねという所です。

#そら引値も更に全般下がる罠

ま、中央銀行が市場を壊すのを全く気にしない(というか積極的に壊そうとしている位の勢い)という形で買入をしますとそらまあ市場機能もへったくれもありませんからマイナス金利は期末要因抜けたらマイナスそのものは収まるかもしれませんけれども、兎に角市場機能など知らんという動きが控えている以上短国の金利は上がらないでしょうし、他にも色々と影響しそうですなあとゆー所ではございます。

しかし「壊れた市場を修復する為に資産買入政策を実施する中央銀行」というのは信用緩和政策として実施されましたけれども、「定量的に何の効果があるのか不明なマネタリーベース積み上げの為に市場機能を積極的に壊す中央銀行」というのは前代未聞にも程がありますが異次元緩和で中の人たちもすっかり異次元緩和されてしまったようで誠に遺憾の極みでございます。


・貸出増加支援が意外に出ている件

9月の貸出増加支援結果がでました。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel140912b.pdf

『新規貸付の概要
貸付期間 4 年
貸付予定額 25,865 億円
貸付先数 32 先』

という事で、今回は1兆円そこそこ位しか出ないのかという予想もあったのですが、2.6兆円近くの新規実行となりまして、これはMB積み上げに朗報という所でございます。つーか貸出増加支援がこの程度出るのであれば何で無理繰り短国買入を実施するのかねと思う次第(借入予定額のヒアリングとかしてなかったら仕方ないけど)でして何だかなあという気も。

でまあ話をちょっと戻して2500億円の短国買入ですけれども、貸出増加支援が意外に出ているのはそれはそれとしても、足元で短国金利マイナスの中で短国買入をスキップしてしまうと「日銀のマネタリーベース積み上げに技術的困難が発生している」という風に解釈されて、12月の末残目標もあるし、2年で2%の物価安定目標達成もあるしという事を考えた場合、目標期間の手前で「異次元緩和政策の技術的な限界」という話が出てくるのがアナウンスメント効果的にマイナスとなるという考えもありまして、まあその結果として買入は継続してオファーするという事になったのでしょうなあとも想定されるところです。

とは言いましても現実問題としてオペが限界に達しているのは金利に出てしまっていますし、昨年の12月のようにMBの中間メドの数字を出していた所での着地が見えた時には短国買入をスキップしたりというのもありましたので、何か先週火曜日に短国買入を実施したのが以降に起きたことの全てを覚悟して行ったことなのか本当に大丈夫かよという風には思うのでした。

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2014/09/12

○短国市場のマイナス金利は3M新発にも延焼しておりますな:さらにしつこくマイナス金利談義

ということで昨日の注目ネタ(かどうか知らんが)の3M短国入札。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140911.htm

(3)募入最低価格 99円99銭8厘5毛(募入最高利回り)(0.0060%)
(4)募入最低価格における案分比率 89.2441%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘3毛(募入平均利回り)(0.0028%)

前場から何か3M既発銘柄でホイホイマイナスの出合いが業者間で散見されてあちゃーという感じで推移しておりまして、何かもう前場引け時点でこりゃ1bpまで足切りが届くのかというような感じ(ただし盛大に流れる可能性もあってその場合は2から3が止まり所ってイメージ)だったと思われますが、平均が0.28bpで足切りが0.06bpという結果に。

んでもって落札結果発表後も全然コケる気配もなく、とか思ってたら市場推計の不明玉が4兆円とか見たことが無い数字になっておりまして(まあ推計値ですので本当は誰かが持っているのかも知れませんけど)、結局新発3Mは最終的にはマイナスの出合いになるわ、何か知らんけど月曜の6Mが更にレート進んでいましてマイナス深くなるわというあばばばばーの有様になっておりまして、日本相互証券の引値が新発479回がマイナス0.7bpだわ先週の3Mの477回がマイナス0.1bpだわ6M新発の478回に至ってはマイナス1.2bpだわという残念にも程があるレートになっておりまして、直近発行3銘柄が全部マイナス金利というアチャーな事案となりまして、いやあ日銀の火曜の短国買入が見事な燃料投下というかガソリン持って燃える火の中に突っ込んで行ったという感じで、盛大に短国市場が焼け野原になってしまいまして、関連市場(現先とか)にも延焼とかもう完全に偉大なる日本銀行様による無慈悲な砲撃によって火の海にされてしまったの巻。

ちょうどまあ足元では期末要因があって為替絡みで円転コストが爆安状態とかの要因も相俟っておりまして、そのタイミングで6M新発短国の買入で年末残高を稼ぐ買入をオファーしたらもう大々的に丸焼けになってしまった次第ですので、期末要因と海外要因が一巡すると少しはマシになるかなとは思います(というか思いたい)が、これ月末まで継続されるだけでも色々と弊害が滲み出てくるだろうなあと考えられます次第です。


でまあ何ですな、水曜の日経1面に思いっきりでていましたから皆様ご案内の通りでございますが・・・・・・・・・・・

http://www.nikkei.com/article/DGKDASGC09H0O_Z00C14A9MM8000/
日銀、損失覚悟で資金供給 短期国債オペ 初のマイナス金利 償還額より高く購入
2014/9/10付 情報元 日本経済新聞 朝刊

というような話ってえのはまあ火曜日の買入結果が出て「これだとマイナス買入してるのではないか」という話題になった辺りから為替が明らかに円安に振れていましたから、今回のマイナス金利での短国買入というのは相当なインパクトを市場に与える結果となりましたが、まあ当然ながらマイナス金利で買う気が無いのであればヒアリング段階であの程度(買入オファー5000億円に対して応札8000億円程度)の札しか入らないのがある程度想定できる段階で買入のオファーを行わないでしょうし、行うにしても引値でその当時だと1銘柄だけ突出して金利が低くてマイナス利回りになっている3M新発の477回債を買入対象から除外するという選択肢もあった訳で、それらの選択肢を排除して買入を実施したということですから、まあ「日銀の決意を示す為に損失覚悟で買入実施」という話になるし、「日銀も遂にマイナス金利政策を実施」と特に海外辺りがヒャッハーとなるのも当たり前ですな。

そんでもって翌日の師匠の高座では会見でマイナス金利に関しての弊害とか副作用に対する考慮はないのかという質問に対して全く無頓着な回答(後でネタにします)をしてますし、黒田総裁も円安は問題なしという話をしている訳ですので、まあ今回わざわざ短国市場の需給が超逼迫する中で敢えて出来上がりマイナス金利での買入となる短国買入を実施した、というのはマイナス金利の導入による円安誘導という日銀の強い意志を行動で示したもの、とまあそういう解釈を市場全体からされるのもまあ当然の結果であります。


その一方で(これまた後でネタにしますが)金沢金懇でも岩田副総裁は懇談会出席者(つまり地元企業の経営者など)から為替市場の安定が望ましいと言われたり、それよりも以前の支店長会議の時に梅森名古屋支店長が記者会見でこれ以上の円安は企業にデメリットという声も多いという話をされたりしておりまして、遂に足元では経済同友会からも・・・・・・・・・

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140910/k10014481211000.html
長谷川代表幹事 さらなる円安歓迎しない
9月10日 5時07分

『経済同友会の長谷川代表幹事は、訪問先の中国で記者団に対し、外国為替市場で円相場が1ドル=106円台の円安ドル高水準になったことについて、「さらに円安が進むことは多くの人が歓迎しない」と述べました。』(上記URL先より)

ということで円安に振っても誰得であるという話が産業界から続々出ているという状況なのが実にこう日銀の毎度の間の悪さクオリティを遺憾なく発揮しておられる次第でして、産業界からこのような声が出ている中ではあっても円安誘導を強行しているということで、「2年で物価2%がマンデートなので、実質購買力の低下も産業界の要望も知った事か物価が上がれば良いんだよ」というような「やれと言われたからやったんだもんボク悪くないもん」的なヤケクソプレイに打って出られましたかそうですかという図に完全に嵌っているのが実に見事なお話ではありますし、当然ながら短国買入実施する前にヒアリングとかしていて「やったら日銀がマイナス金利政策みたいな捉えられ方をしますよ」という指摘も市場からされていたと思いますので、このような諸々の動きに対する覚悟を持って火曜日の短国買入を実施されたのかと存じます次第。

しかしまあ何ですな、マイナス金利付けにいったタイミングの間が何ともという所でして、お蔭で為替市場のボラが高まった上に、為替の円安進行を受けて債券市場では久々にボラが出ながら金利上昇という形になっておりまして、日銀の短国買入でマイナス金利買入(と思われる)事象を作りに逝った結果としてマーケットに盛大にボラティリティを提供したという事で久々に破壊力のある日銀オペだったという感じですな。


・・・・・・・・・などとつらつらと申し上げてみましたが、まさかとは思いますが今回の買入は単に6Mの新発短国の買入残高を確保して年末のMB目標を進捗させようというだけの意識で実施したらマイナス金利(を買ったと言われても仕方のない結果)になっちゃいましたよテペヘロというような話だと致しますと、その無造作さと乱暴さに呆れて物も言えない(散々言ってるけど^^)わけでございますし、まさかとは思いますが金融市場でマイナス金利が恒常的に付いた場合に実体経済における名目ゼロ金利制約との間で起きる可能性のあるフリクションという副作用について何も考えずにいるなどいう状態で無邪気にお花畑を飛びまわっていたら地雷を踏んでさっきまで綺麗なお花畑だったのが一転して焼け野原という事案になった等という事は賢明な日銀諸氏におかれましては当然のごとくあり得ないと存じますが、アタクシの杞憂であることを切に願いたい物であります(-_-メ)。

一応本日は金曜日ですので短国買入デーではあるのですが、どう見ても今日買入入れても6Mが入る感じでも無いですし、キャピタル狙いで買入をして日銀打ち込みヒャッハーで強くなっているとしても、その場合って結局の所6Mをさらに深いマイナス金利で買う事になって焼け野原状態は更に地獄絵図へと発展していく訳でございますが、それだけの覚悟を示したいというのであれば別にまあ今日買入を入れるのも可能性としてはありますが、市場機能はかなり再起不能なダメージを受けるので正常化する際に物凄いコストが掛かる話ではあります。

でまあ需給面というのを考えたらカレント3銘柄がマイナス引けという事態だとこれ普通に考えたら短国買入入れているどころの騒ぎじゃないとなりますので、そうなりますと火曜日の5000億円の買入によってその先のオペレーションを非常に窮屈にしたという話になるので、お前の落とした斧は金の斧か銀の斧か状態ワロスワロスという話になるんですが、まあいずれにせよマイナス金利買入(と思われても仕方のない結果)の実施に対してこれだけのリアクションが起きる事になった訳ですが、どういう覚悟で買入を強行したのかが実に興味深い所ではありますので、是非次回のMPM後の定例会見ではその辺のご覚悟についてもお伺いしたいものであります。


なお、これまたしつこく申し上げていますが、日銀の「資産買入でマイナス金利」というのはECBの「預金ファシリティのマイナス金利適用でマイナス金利」というのと表面上の現象としてのマイナス金利は全く性質の異なるものなので(という話は恐らく短期市場で実務やっている人以外だと相当のマニアじゃないと直ぐにピンと来てくれないと思いますが・・・・・・)、量をターゲットにした金融政策では無く、金利政策として意図的にペナルティ金利を導入して派生して起きる量の縮小はスルー(今回ターゲットを絞った資産買入(要するに信用緩和的な物)を入れましたが)している現在のECBと違いまして、MB拡大を円滑に実施する(というと格好が良いが要するに札割れ対策)ためにプラスの預金ファシリティ金利以下の利回りでの債券購入をしていたらついにプラス金利で札が足りなくなってマイナス金利に突っ込んでしまった(かどうかはまだ確定していないが)という日銀とは、そもそも意図的か否かという部分からして違う訳で(いやまあ今回意図的にマイナスを付けに行ってるのだったら意図的かも知らんがMPMでスタンス表明していないという意味での意図的という話ね)、単に資産買入によるMB拡大政策の枠組みが実務的にフィージビリティーの限界に達しつつある為に起きた事象だとは思うのですが、まあ当然ながらそのような背景よりも現象としての「中央銀行がマイナス金利での資産買入」の方が注目されますからね。

なお、ちょうどその辺の質疑も師匠の会見であって、まあ師匠の答え自体はああそうですかという感じなのですけれども、その答えが出てくる背景というのを考えるとちょっとうーむという感じがする、というのはこの次にご紹介いたします。


#自分でも論点を整理しながら頭の体操をしているので、毎度話がくどくて誠に申し訳ございません

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2014/09/11

ドル高ェ・・・・・・・・・

○さて本日は3M短国入札ですが

えーっと昨日は日銀のマイナス金利買入雑感を書いてみたものの、中々こう上手く論点が整理できていないわ、書いたり消したりしながら書いていたら消し忘れとか接続詞がまあ落ち着け状態になったりと誠にアレでございましたな。

・・・・・・ということで本日は3M入札なのですが、昨日の短国市場ではベンダーも6M新発の価格が着くとニュースヘッドラインが出るとか中々の注目状態になっていたようで、それによりますと新発6Mはマイナス0.5bp→プラス0.1bp→マイナス0.9bpというような動きになっていたみたいで、引値も見事に強くされてBB引けはマイナス0.4bpだわ売買参考統計値平均単利はマイナス0.3bpだわと、前週の新発3Mと共に直近入札のあった2銘柄が共にマイナス金利(ちなみに477回の売参はマイナス0.1bpに金利上昇しています)という大変にスットコドッコイな状態になっておりましてもうねという状態。

という異常事態なんだかこれから恒常化するのか知らんあばばばばーな状態の中で本日の3M入札を迎える訳でございますが、まあ普通に考えるとゼロとかマイナスとかの金利で「資金運用商品」としての短国ニーズがバカスカあるとは思えない(為替絡みとか信用リスク絡みとかでマイナス調達が出来れば別だが)訳ですし、マイナス金利でも買いますよウヘヘヘヘと言っている日本銀行様はプライマリーでは買いに来ない訳ですし(というかプライマリーで買う位なら最初から相対で対政府取引してくれ)、まあ常識的には入札からいきなりゼロだのマイナスだのとはならんでしょとは思いつつも、兎に角日銀が短国市場の需給逼迫を無視して、というか需給逼迫に更に拍車をかけて市場を壊す買い方をしているだけに、在庫確保ニーズとか残高維持ニーズとかも相当エネルギー強いでしょうし、はてさてどうなるのやらという話で、もはや予想するだけ精神衛生上良くないので結果に注目しましょうねとだけ申し上げておきます。

しかしまあ何ですな、実体経済には名目ゼロ金利制約がある訳ですからマイナス金利というのが金融市場で恒常的に付くというのは金融政策を何のために実施しているのかと考えた場合に弊害の方が大きいんじゃないの、というのは引き続きの見解として置きますけれども、このマイナス状態も間違って恒常化(まあ普通に考えると期末要因含めているので恒常化しないと読むものなのですが)するとやはりマズーだと思うのです。


・・・・・でまあ昨日は日銀のマイナス金利買入の可能性がありました案件でさすがに何とかストのレポートとかベンダーの記事とかありましたが、あれで「追加緩和の可能性が高まる」とか言っている人はとりあえずお前らその席空けて俺様に用意しろやと申し上げたくなる次第でありまして、短期国債買入の買入残高累増に伴い市場のキャパを超えてしまったという状況がこのマイナス金利かもしれない買入や、実際についているマイナス金利として顕在化してきたという話ですから、「来年以降のMB拡大が同ペースで実施することができません」という政策実行におけるフィージビリティー問題に到達したという話ですし、「超過準備付利下げ」とかゆうとる方も居ましたが、買入でマイナス金利が付くという状態というのはつまり「バランスシート拡大政策をそれだけ無理をしないと実施できない」という事を意味しますので、同じ理屈で考えると超過準備付利についてはバランスシート拡大政策を更に実施する為には引き下げをするのは逆効果でもし追加でやるなら引き上げをしないといけないという話になるのですが判りますかね何とかストの皆様♪

まあさしあたってのオペ円滑実施でMB拡大円滑実施というのであれば、海外中銀のデポに対しても準備預金非対象先の当座預金残高と同様に付利対象にすれば海外分の短国自動購入ニーズがその分ドロップするから少しはオペ運営が楽になるんじゃないでしょうかねえと思いますが、それって一面ではシニョリッジの海外流出とも言える話で、えーっとシニョリッジを海外流出させて積み上げるMB残高の政策効果に対して払っているコストの方が物凄い勢いで大きいんじゃないですかねえ(まあシニョリッジ漏出云々マイナス金利の国債購入にも言えますが)と思う次第で、もっと真面目にQQEのプロコン比較というのを行っていただきたいですなあ次回のMPMでは、と思うのでありました。

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2014/09/10

○日銀短国買入でマイナスを購入しやがった可能性がありそうな件について

昨日短国買入をオファーしやがるとはねえ・・・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140909.htm
国庫短期証券買入 5,000 2014年9月11日
米ドル資金供給 2014年9月11日 2014年9月18日 0.590

ドルオペの方は兎も角として、昨日は上記のように短国買入が5000億円打ち込みとなったのですが、まあ打ち込みの時点で対象銘柄に売買参考統計値がマイナスな477回債が入っている(日銀のサイトだと詳しいのは出てこないのですがベンダー情報による)時点でおいおいマイナス金利大丈夫かと思っておりましたが、まあ6M入札の翌日ですから要するに6Mをそんなに買いたいんですかねえとは思われる次第。

でも6M新発って入札の平均落札よりも売参が若干甘いのでそもそも6Mが主に入るにしても落札結果が甘になるとも思えないのだが大丈夫かよとか、そらまあ477回もショートカバーなどのマイナスの出合いあるけど、そもそも短国の場合は長国と違って業者が揃ってショート振ってレポして投資家ロングの業者全員ショートというような現象は起きない(償還までの期間が短いので大した売買益が期待できないのにコスト払ってショートポジションをキャリーする意味が無いし投資家層が限定だから)のであって、普通にロングになっている人もいますので、まあ477回を引けで入れてもマイナス0.4bpだよなあとか思う訳で・・・・・・・・

で、結果。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140909.htm
国庫短期証券買入 8,387 5,000 -0.011 -0.006 39.5
米ドル資金供給(9月11日スタート分) 0 0

結果は6糸強の1毛1糸強で、全部が6M新発だと辛うじてプラス金利での買入ですが、3か月ゾーンですと477回は勿論のことその手前の銘柄でも売参が1bpだったので足切りで入っていると出来上がりマイナス0.1bpでの買入となりやがりまして、まあこれはやっちまいましたなという結果。

と申しますか、今回の応札8387億円という方にえーと思った次第。まあ在庫状況から考えて札がそんなにあるのかいなとは思いましたが、ヒアリングとかしているだろうに8387億円しか札の無い状況で5000億円の買入をオファーするとか、高々5000億円ぽっちの買入の為にマイナスまで突っ込みに行くとはねえというところで、まあ何考えてるんだという感じではあります。

先日来申し上げておりますように、本来年末の残高目標という観点からしますと10月以降の3Mを着実に購入していって残高稼ぎをすれば良い話でして、そのためには只でなくさえ需給が逼迫している今月の短国市場における需給を更に逼迫させて(さらに言えばマイナス金利での購入によって不安定化もするリスクもありそうですがねえ)しまったら10月以降の短国購入を円滑に進められるのかいなという話になる訳で、MB積み上げの最後の最後の所とかなら兎も角、まだまだMB積み上げをしないといけない上に、年末以降をどうするのかという問題もある中で、目先の5000億円積み上げの為にマイナス金利の買入をするとか来年の種籾を全部食ってしまう貧すりゃ鈍すの典型のように見えてしまいますが大丈夫ですかねえとか思うのであります。

でまあこの結果を受けて6M新発も引け後だか引け近辺だかにはマイナスでの出合になっておりましたが、日本相互証券の引けはショートカバー銘柄の477回が相変わらずマイナスの他は6M新発がゼロで、あとは前日比強くなっていますが一応プラスの金利になっておりまして自重自重という所ですかそうですか。売買参考統計値は平均単利マイナスなのは477回だけで6M新発の478回も6bpなのでこれもまあ自重という感じですが、ただまあ市場で買いに行こうとすると素敵なレートを掴みに行くことになるでしょうなあという所で。

実際問題としては短国の買入銘柄明細は月イチでしか公表されないので、今回の買入で実際に出来上がりマイナス(オーバーパー)の買入があったかどうかについては売り付けた当事者と日銀しか判らない(来月477が入っているのが判れば間違いなしという所です)のですが、まあ以下はマイナス金利の買入があったというのを前提に申し上げますと(というかマイナス金利買入をする気が無いならそもそも論として477回を買入対象銘柄から外しているので普通にマイナス買っているでしょと思います)、マイナス金利で買入を今回行ったということで、只でなくさえ市場機能的にメタメタになっている短期国債市場の機能が更におかしくなるのは必定というのがまずやりやがったなあのその1という所ですか。

つまりですな、今や短国市場のドミナントプレーヤーになってしまった日銀はマイナス金利での買入をドカンと行うけれどもそれは週に1回程度で入札の日は外している訳で、それ以外の通常日と入札の日はマイナスで購入する投資家って非常に少ない(と思われる)訳で、時点による需給の差が極端にぶれる格好になりますので、当然ながらオファービットも開きますでしょと思われる次第。しかも日本の短期市場においては最大かつまともにロットの捌ける市場が短国市場しか無いので、その市場が機能不全になってくると短期市場全体の価格形成にも影響してくるリスクが有ります罠と。

まあ前回のマイナスキタコレの時は一時的かという印象もありましたが、こう何回も続くというのと、日銀がマイナス金利での買入を行うという事でドミナントプレーヤー(ただし買うだけ)の日銀の動きが入ったという事ですから、まあこりゃさすがに一時的現象という訳にも逝かんでしょうなあと思われるところで、これから年末の目標達成に向けて短期市場あばばばばーという感じでしょうなあと思うのでありました。

ちなみに、今回のマイナス買入ですけれども、まあ普通に考えると年末に向けて10月から本格的に買入の積み上げをしないといけないという前にわざわざ自分からガソリン背負って火の中に飛び込むとかスットコドッコイとしか思えないのですが、もしかしたらこれは12月のMB目標達成に関しても調節技術的に大変だし、今の買入パターンを来年も継続する事は物理的に不可能であるという事を早めにアピールすることによって調節部署から政策委員会だの執行部(というか企画)だのに対して「お前らのフィージビリティー無視のディレクティブは回らねえんだよヴォケ」というアピールをしているのではないかなどと格好の良い事も妄想してみたくなりますが、まあ単に残高積みたくて来年の種もみ種イモを全部食ってしまっているだけのプレイのような気もしますな、うんうん。


○まあ思考訓練の一環ですが「マイナス金利をドンドン買えば良いじゃないですか」という素朴な質問に対して

でまあこれ昔からずーっと言われるのですが、こうやってマイナス金利買入ケシカラン的な話をしておりますと、割と「別に高い値段で中央銀行が買っていって、札が入らなければ更に高い値段を買えば問題ないじゃないですか」というツッコミが飛んでくることが多いのですよね、というか実は市場の人の方がそういう傾向が強かったりもします。

でまあそう正面切って突っ込まれると意外に説明が難しいのですが、直観的に市場のマイナス金利が恒常化するというのは弊害あるだろというのはある訳で、その辺のギャップについて思考訓練の一環(?)としてつらつら考えてみたのでちょっと記してみます。まあ異論は色々とあると思いますけど。

・たぶん市場単体あるいは中銀と市場の関係でみれば「ただの価格の問題」となるのかも知れません

まあそういう事でして、要は国債金利がマイナスとかプラスとか言うのはあるにせよ「価格の問題」と考えてしまえばまあこれは単なる価格形成の問題で、マイナス金利で購入してもよりマイナスの深い金利で売却すれば間尺にあう話ですし、運用調達という面で見た場合でも市場金利が低下すれば運用も調達も金利が低下するでしょと考えると、はてさて何か困るのかねとツッコまれると確かに答えが難しいのですよね。

ひとつ言えそうなのはさっき申し上げたようにオファービットが更に拡大して流動性が更に低下するとなりますと、日銀がこの政策の出口に立った時に市場機能が落ちていることから市場による価格調整でのソフトランディングが難しくなり、激烈な調整を強いられるリスクが高まる、すなわち出口政策の潜在的コストが大幅に上昇するという話かなとは思いますが良く判らん。


・恐らく問題になるのは「市場と実体経済の間のゼロ金利制約」なのではないでしょうか

ということで考えてみますと、市場内部で話が完結している分にはマイナスだろうが何だろうがそれは価格の問題という事になると思うのですけれども、これを市場の外側との関係、つまりインターバンク市場やら中銀当座預金制度へのアクセスのできない世界との関係で考えた場合に色々と問題が生じると思うのですよね。

つまり、これは長期金利の世界になりますから今のケースとは違いますが、例えばの話市場金利が全部マイナスになりましたのでお預かりしております保険商品は自動的に元本割れになりますのでよろしくお願いしますという話になる訳で、そうなりますとマイナス金利の負担が実体経済の方に転嫁されるという現象が生じる話になります(後に述べるようにちょっと状況は違うのですがユーロ圏のマイナス金利だとカストディ預け金とかでマイナスチャージとか発生してるみたいですがそういうのも転嫁の一例でしょ)し、まあそもそそんな話はマーケットの中では通用しても世間様には通用しないというのが「名目ゼロ金利制約」という奴でございまして、マイナス金利の損失転嫁を嫌って閉店ガラガラという話になりますとそれこそ市場機能という意味でもそうですが、それ以上に「市場と実体経済の間のリンクが切れる」という話になるんじゃないですかねえと思うのですよね。

ユーロ圏だってマイナス金利になって資金の巡りが良くなったかと言えばまあ普通に悪くなっているようですが、まあ今回のマイナスが一時的現象で済めば良いのですが、オペの規模やら今後のMB拡大を「目標達成まで継続する」とか言っている状態な訳ですからして、マイナス金利問題というのはまあMB馬鹿拡大政策を修正しない限りは時間の経過と共に拡大していくリスクがあると思われまして、そうなった場合に「市場単体」で見た場合はマイナスだから直接的に何か凄まじい問題になるのかというとそうでも無さそうな感じではありますが、実体経済における名目ゼロ金利制約というのがある以上、市場でマイナス金利ヒャッハーとやる中で市場と実体経済のリンクがおかしくなってくるという問題が発生する(とりあえず短期の部分ではありますが)拡大するんじゃないのかなあとか何となくですけど思うのですよ。

で、そもそも金融政策というのは別に金融市場をどうこうしたいから金融政策を実施している訳ではなくて、あくまでも金融政策を通じて実体経済に対して望ましいと思われる影響を与えたいというのが最終目的でありますからして、金融市場と実体経済のリンクが一部とは言え切れてしまう中でディレクティブがこうなのだからこうやって行きますというのは金融政策の本来の趣旨からして何やってるんですかという話になってくると思うのですよね。

まあ今の(特に師匠の)理屈ですとMBを拡大すると実体経済にインフレ期待の上昇という形から実質金利の低下→投資や消費の拡大、という謎理論が構築されているから、マイナス金利も辞さずに資産買入政策を継続してMBを拡大すれば実体経済に好影響という話になっているのでしょうが、既に1年半実施してMBを幾ら拡大したら定量的にインフレ期待がこれだけ動くという話はどこに行っておられるのでしょうという状況ですし、実質金利が低下して設備投資って景気のドライバーになるような伸び方してましたっけという状況でもありまして、そもそもの前提となる戦略についてももうちょっと考えて頂かないと、金融市場と実体経済のリンクが一部でおかしくなる、すなわち金融政策のトランスミッションメカニズムの機能を落としてまで拡大するMB残高のメリットはどこにあるのか、というプロコンへの考察が必要な時期が思ったよりも早く来たのではないかという風に今の所考えている次第なのですがどうでしょうかねえ。

あと、実体経済と金融市場のリンクがおかしくなるというのは、


・ECBのマイナス預金金利は一種のペナルティ金利だし大規模量的緩和している訳ではないですが・・・・・・・

あとはあまり経済的な話ではないのですが、ECBのマイナス金利のケースと日銀のマイナス金利買入(買入をしている事を前提にしているけれども本当にそうなのかは確認不能ですのであくまでも仮定の話ですのでしつこいですけど念の為)の違いって、ECBの場合は「預り金に対するマイナスチャージ」なのに対して、日銀の場合は「金融機関(オペ先)の保有する債券をマイナス利回りで購入する」というのがだいぶ違う所。

つまりですな、ECBの場合はマイナス金利を適用しているのはあくまでもチャージであり一種のペナルティーであるのに対して、日銀の場合は明白な形で金融機関(オペ先)への利益提供になっているわけでございまして、一方で日銀は超過準備等に対して10bpの金利の支払いも実施しているという形になっている訳で、上記のようなマイナス金利チャージの問題が実体経済の方に波及するような話になってくると、これ前も申し上げましたが「日銀は金融機関に利益供与を行っている」という批判が飛びやすくなりますし、金融機関も金融機関で色々といちゃもん飛んでくるでしょと思う次第なので、そもそも政治的に持つのかよという疑問が。

まあ要するにマイナス金利での資産購入をしないとバランスシート拡大政策が実施できないという状況になるまでのバランスシートを無理矢理拡大しているからこういう結果になっているって事ですから、そもそも論として現在の政策運営に対するフィージビリティーに無理があって、この点で言えばバランスシート拡大政策そのものが実施するシステムとして破綻しているんじゃネーノ的にも思うのですけど。


・などとつらつら書いてみたがまだ思考実験の世界だしマイナス定着しないかもしれませんし

ということで本日は本当はドラギ総裁の楽しい会見ネタとか決定会合議事要旨ネタとか、SF連銀の割と味わいのあるペーパー(中身はまあ普通なのですけど別の意味で味わいがある)とかがあったのですけれども、思考実験のマイナス金利雑考みたいなしょうもない話ですいませんすいませんというところであります。

まあ直観的にはマイナス金利の恒常化って駄目だろうと思うのですが、では何故ダメなのかと考えるのは意外に頭の整理が難しくて、何となく整理した積りになっているものの、まだまだ全然整頓できていない話でありまして、今後も折に触れて雑考したいと思いますので皆様におかれましても何か論点ありましたらご教示いただけますと誠に幸いなのでありまするm(__)m

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2014/09/09

なんかよくわかんないけどドル円ヒャッハー!
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NBKQ8J6KLVR901.html
NY外為:ドルが上昇、利上げめぐる観測などで−円は下落
更新日時: 2014/09/09 04:49 JST

『9月8日(ブルームバーグ):ニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。ドル指数は14カ月ぶり高水準を付けた。金融市場が米利上げペースを過小評価しているとの観測が広がった。またスコットランド独立の是非を問う住民投票を18日に控え、逃避需要からもドルは買われた。』(上記URLより)

・・・・・・・・・逃避需要で円が買われないのかというのと、どうせ円安に振れても輸出自体は伸びないで輸入物価は上がるのでしょうが日銀的には物価が上昇すれば後は知らんがなだからまさに神風ですね(白目)。

てかまあ歴史的経緯は判るが今さらスコットランド独立って何だかなあで、独立して経済回るかという話だったらカタランが独立する方がまだ現実的な話じゃネーノとは思うのだが・・・・・・・

○6M入札でさて短国買入どうするの

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140908.htm

(3)募入最低価格 99円99銭0厘 (募入最高利回り) (0.0201%)
(4)募入最低価格における案分比率 72.2617%
(5)募入平均価格 99円99銭4厘 (募入平均利回り) (0.0121%)

ということで昨日の6MTB入札ですが、前場はまあ当然のごとく0%だのというような気配をやっておりましたが、さすがにうっかりするとゼロを掴まされそうという状況の中でプライマリーから突っ込んで行く普通の投資家(短国をモノとしてではなくて短期の資金運用として購入する人)もあまり現れず、というかこれ業者としてもプライマリーの所で投資家の札受けられないだろと思われるところで、まあ実需が盛大に引っ込むと入札も盛大に流れるという事で・・・・・・・・・

と思ったのですが、入札流れて、というかそもそもプライマリー段階で泡吹き状態で状況を見ていた皆様が落札結果見たら利回り付いているしじゃあとりあえず買えますおとなって買いがキタコレというのと、市場推計のいわゆる不明玉が発行額3.5兆円に対して2.5兆円ほどということで、結局流通玉薄いじゃんという事でその後はコケはせずにちゃっかり1bp台前半の水準で堅調となるの巻だったようですな。

つーかですな、まあ玉無しショートカバーニーズとかそういう要因があるのですけれども、先週の新発3Mの477回債は昨日もマイナス0.5bp出合いとかやってて、日本相互証券の引けはマイナス0.5bpと前週末から3糸強くなるわ、とうとう売買参考統計値ベースでも平均マイナス0.4bp、中央値マイナス0.5bp、最高値(最低利回り)マイナス0.5bpで最低値が0.0bpとか何か凄まじい事になっております。

ただまあ他の銘柄に関しては3Mカレントに近いゾーンで1.0bpで後ろは1.4bp水準で、新発6Mも日本相互証券の引けと売参平均値は1.4bpになっておりまして、まあ477回だけ別物という所ではあるのですけれども、昨日の入札後の動きを見ますと「潜在的には買い需要が盛大にあるけれども、買いに行っても玉が無いので仕方ないから出てくるのを待っている」という状況が激しく強いというのは把握した訳ですな。


・・・・・・・・ということで短国買入どうするのという話になる訳ですが、まあヒアリングとかしているから買入にどの位応札来ますかというようなのは勘案するとは思いますが、それはそれとしましても477回を応札されると出来上がりマイナス利回りでの購入待ったなしという事になるのでどうしますねん(現実問題としてはマイナスを受けるのか477回を買入対象から外すかという話で、まあ1銘柄だけ突出してマイナス利回りになっているという形になっているから異常値銘柄扱いして外すという手はあるでしょう今回に関しては)という話になりますし、大体からして落札後の動きからも判るようにそもそも流通玉が枯渇状態になっているので、そもそも論としてここで買入をして入札で少し出た玉を吸い上げてどうするんだという風には思われる所。

年末のMB目標達成という観点からしますと、昨日の6Mを買うのも残高稼ぎにはなるのですけれども、それよりも本命は10月入り以降の3Mが年末越えになるので、ここからの短国買入をどの程度スムーズに実施していくかという話の筈でして、そーゆー観点からしますと今月需給が超逼迫しているのが明らかな中で無理矢理に屁のような残高を積み上げて短国市場の需給を更に締め上げてしまうよりは、10月入り時点での発射台を作っておいた方がどう見ても作戦的に妥当だと思われますので、今月は無理に残高稼ぎに逝かない方が良さそうには思えますけどねえという所で(買うなら期末ニーズ一巡が確認できてからで)。


しかしまあ何ですな、8月末の日銀の短国買入残高が42兆2160億円な訳ですが、この状況において期末ニーズとか来た所で短国需給が逼迫して市場が大変な状態になっていると考えますと、どこからどう見ても今の金融政策運営の「年間MB70兆円拡大、長期国債買入残高50兆円拡大、その他で20兆円拡大」という枠組みを継続するのが困難であるのが確実というのが見えた訳でございまして、少なくとも来年1月以降にどういうセッティングをするのかというのを決めて頂かないと市場がぶち壊れるなんてもんじゃない状態になってしまうのでございますが、どうも実務経験やら実務的観点が無くて金融政策ガーとか仰せの方々はそういう実務的な限界な話に対して超無頓着で、だったらマイナスでも何でも買えばいいじゃないかと机上の話をおっぱじめだすので困ったもんでございます。

つーかですな、良く良く考えてみますと「短期が変えないなら超長期でも買えば良いじゃない」という話もあるんですけど、年間70兆円拡大を殆ど長期国債買入で賄うとかになりますと、(まあ50兆円でも大概ですが)買入残高の累増によって短国市場のような状況が長期国債市場でも発生してしまう訳で、そんな事をした日にはこの異次元緩和政策をどう足抜けするのでしょうかという時に非常に困難な事になる訳ですが、ちゃんとその辺考えているのかよと小一時間問い詰めたい所ではあります。

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2014/09/08

○短国買入見送ったけど新発短国マイナス金利ヒャッハー

ヒャッハー!!
http://jp.reuters.com/article/idJPL3N0R62E720140905
〔金利マーケットアイ〕翌日物0.06%後半中心、3カ月物国庫証券マイナス0.010%
2014年 09月 5日 15:14 JST

木曜はゼロレートが付いたりした新発3M短国でございますが、金曜は日銀の短国買入が見送られたにも関わらずマイナス0.1bp→マイナス0.2bpと順調に(?)金利が低下して結局最後はマイナス1bpをマーク。

でまあBBの引値がマイナス0.2bpになってマイナス利回りヒャッハーとか思いながら売買参考統計値の公表を正座して待っておりましたが、短国477回の売買参考統計値は平均値の利回りで0.000%ときっちりとゼロ金利になりました。最高値(最低利回り)がマイナス0.2bpで最低値がプラス0.3bpで中央値は堂々のマイナス0.2bpなのでお察しという所ですけれどもまあヒャッハー状態ですな。

でこれ何がオソロシスと申しましても金曜は短国買入が見送りになっていることでして、まあ一応ECBの利下げがどうのこうのという影響の話に後講釈的になっているのですけれども、利下げが入って急にフローが炸裂してどうのこうのという訳では無さそうで(影響皆無とは言わないが)、それ以前の問題で水曜の入札で期末ニーズらしきものが炸裂してヒャッハーの流れがそのまま続いているのと、更にそれ以前の問題として日銀の短国買入残高が資金需給の関係上8月にもちゃっかり伸びてしまっているのでフローではなくストック効果の方が効いていて、ちょっとニーズが高まるとあっという間にあばばばばばーとなるという流れでして、そういう意味では根が深い話。

いやまあ期末要因だから期末通過したらという意見もありますでしょうが、そもそも短期の主力商品が3か月(正確には13週間物)の短国であって、期末月1か月間ヒャッハーとかやりやがりますとその3か月の3分の1の期間な訳で、大概な長期間でもうねという所ですし、10月以降は資金不足になる上に年末のMBその他部分の積み上げを前倒しで来るでしょう(今までの行動パターンからするとギリギリに帳尻とはいかないでその前に前倒ししてくる)からかなりの大旱魃状態が続きそうでナムナム。


まあ何ですな、金曜に関しては事前にヒアリングしてどう見ても札が全然ないという事で短国買入を見送ったというのと、どこからどう見ても金曜に短国買入を実施しても入るのは(金曜も申し上げたように)年内物しか入らないので期末のMBその他要因には跳ねないわ、明らかにマイナス金利まで突っ込みに逝かないと買えないわという状態になるので、オペを実施してもメリットが無いから実施見送りという話になった訳で、本日は6MTBの入札がありまして、この入札が何ぼになるのかというのもオソロシスな話ですが、まあ買うなら年末越えのこの銘柄でしょうから、短国買入を明日にでも打ち込んだ方がマシという事で。

しかしですな、ここでオモシロ状態なのは金曜の(本日付)売買参考統計値の新発477回がゼロ利回りヒャッハーという事ですので、この銘柄を引けで入れてゼロ利回り、前日比強で入れたらマイナス利回りという買入が発生するのが明白な所でして、「マイナス利回りでの短期国債買入」となるとそれはそれでインパクトのある話で、それをやる覚悟の程がどうなんでしょうという所っす。

つまりですね、「マイナス利回りでの買入」ってえのは意外にこれ誰も得しない話で、まあアウトライトで目先儲かるとかそういう得する話はありますけれども、(超過準備に10bp付利しているから実態ベースでは何を今さらではありますが)マイナス金利で民間が保有する資産を購入するというのはもう明白なまでのシニョリッジの漏出になりますから、そらまあ瞬間芸でそういう事がある位なら兎も角、それが恒常化するってえ話になりますと「日銀の民間への利益供与」という批判がいつ飛んできてもおかしくない訳ですし、マイナス金利で売りつけてヒャッハーとか民間サイドも単純に喜べる話でも無く、またぞろ(信用創造のメカニズムからしたら全くの的外れな批判ですが)「銀行は日銀に国債をマイナス金利で売却して利益を上げながら貸出を増やさないのはケシカラン」というような批判も飛んでくるリスクのある話で、実はこれ誰も得しないんですよね・・・・・・・・・

#ECBのマイナス金利はECBの預け金にチャージという話だからシニョリッジの漏出とか民間への利益供与という話にはならないので「資産買入でマイナス金利」とは実は逆の話になるのですな

でまあその誰も得しないマイナス金利での民間保有国債買入ですけれども、まあ当然意味があるなら実施する必要がある訳ですけれども、マネタリーベース直線一気の置物師匠理論によるマネタリーベース拡大したらインフレ目標達成という定量的な関係が今や日銀ですら物価上昇のメカニズムにMBの定量的効果の話をしていないという状態な訳で、もはや何のためにマイナス金利まで短国を買いに行くんだかという話ってもうちょっと真面目に考えた方が宜しいのではないかと思うのですけどねえ。

とは言いましても、まあMB2倍2ばーいを提唱してしまった手前というのもありますし、買入政策で実質金利に低下圧力という話をしているのですから、まあ短期マイナスまで買う位ならば長期とか超長期とかの国債買った方がええんでねえのという風に思う次第で、10年は既に日銀の買入が短国程ではないけど市場のキャパオーバーとかになっていて、カレントの殆どが日銀保有(この辺の銘柄がチーペストになったら先物の価格形成がどうなってしまうんでしょうねえ)となっていますので、もう中短期と超長期買い増すしか無いじゃんと思うのですけど(今の年間MB70兆円をまだ続ける場合なので、見直しするなら知らんけど)。

ちなみに、マイナス金利買入を避ける究極の手段としては(オペを打たないという選択肢は目先は使えてもMB目標の手前長期化できないですから)オペ対象銘柄から477回短国を外すというのがありますが、それをしますと今度は「マイナス金利での買入をしないとなるとマネタリーベースの積み上げが困難になる時点がやってくるし、既に今この状態となると来年入り以降の異次元緩和継続が困難になるのが明白」という話になってきて、それはそれでまた問題が生じるという事で、中々見事な究極の選択になっておりましてオペ担当部隊の中の人たちにおかれましては結局どうするんでしょうかねえナムナムという所ではあります。

てなわけで、まあ今日は6Mの入札結果がまたオモシロ結果になる(結果もそうだが売買参考統計値が幾らで出るかも注目)でしょうねという話に加え、明日は短国買入を実施するのでしょうかというのもこれまた注目されるところではございます。

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2014/09/05

○市場メモ雑談

・短国市場が更にヒャッハー

ヒャッハー!!
http://jp.reuters.com/article/idJPL3N0R528X20140904
新発3カ月物国庫証券利回り、ゼロ%付ける
2014年 09月 4日 15:18 JST

・・・・・・・ということで昨日の短国市場ちゃんですが、在庫すっからかんなのでシャーナイナイではあるのですが、前日0.1bpとかで出合いやがった新発3MTBが昨日は貫録のゼロ出合いとなりまして、またやってくれましたなという所です。日本相互証券の引けは0.3bpになるわ、日本証券業協会の売買参考統計値の平均単利は0.4bpになるわと誠に香ばしい展開になっておりまして、本日は週に1度の短国買入フライデーでございまして、短国買入の足切りが4糸強となりますと出来上がりゼロ%、5糸強よりも強くなりますと、何と日本銀行様による債券のアウトライト買入オペで出来上がりマイナス(短国だからまさかのオーバーパー)での買入という大変に素敵な事案が発生する訳です。

という訳でまあこの際ECBも利下げした事ですしヤケクソで買入をどどーんと入れてマイナス金利で買入行って対抗でもしたら如何でしょうかただし短国市場が壊れますけどねえ(既に壊れているけどマイナスやったら止めも止めでインドで引導という感じですわ)と存じます次第。

なお、本日短国買入を入れてもそもそも札があるのかいなという気もします(水曜の新発を強い所で買った投資家さんは「短国というモノ」が必要で買っているので、よほどとんでもないマイナス金利にでもならない限りは持ってるのを日銀には入れないでしょ)し、仮に短国買入行ったとしても、ほぼ年内償還物が打ち込まれて年末のMB稼ぎに使えないと思われますので、思い切って今週はスキップして、もうどうせなら月曜に6か月があるんだから火曜日に短国買入を2兆でも2.5兆でも入れてみたらとか思ってしまう(したがって翌週は当然ながら17日の1年TBの翌日に短国買入ということで^^)次第です。


・固定金利オペの足の置き方

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140904.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 8,000 2014年9月8日 2014年12月8日

・・・・・・まあ何の変哲もない3か月もの固定金利オペのロールオーバーなのですが、その前日に行った固定金利オペの足が12月12日でして、これで12月は固定金利オペの足が来る日が1、8、9、12日となり、オペのオファータイミングで言えば12月の第1週から第2週に3発のオファーという事になります。あと今月は22日足の固定金利があります。

でですね、最初見た時に何で12月に足を持ってくるかねと思ったのですが、これはつまり年末のMB積み上げ目標のある中で、残高維持に不確実性のある固定金利オペについては基本的に月の早い時期に年内分のロールを基本的に終了させておこうという計画なのねと思って勝手に納得しました(なおこれはアタクシが勝手に納得しているだけで事実は別の所にあるかも知れませんので念の為)。

となりますと、やはり日銀MB目標達成に向けた「その他」項目の帳尻という面を考えますと、10月11月に3か月物を含めてせっせと買入を進捗させ、その後に固定金利オペの不確実性のあるロールがやはり不確実で落ちてしまったとなった時に再度帳尻の短国買入オペ実施となる、という流れになるんでしょうなあとか思いますと10月11月の短国買入は相当ラッシュになりそうですね。

#なお落札の方は1430億円の落ちに対して1650億円の落札と220億円の差異(今回は増加)でした

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2014/09/04

○短国入札がヒャッハーとかその関連の計数とか

・3M入札後にまたまた0.1bp出合いヒャッハー

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140903.htm

(3)募入最低価格 99円99銭4厘5毛 (募入最高利回り)(0.0220%)
(4)募入最低価格における案分比率 66.8168%
(5)募入平均価格 99円99銭4厘9毛 (募入平均利回り)(0.0204%)

ということで昨日は(今日MPM結果発表目なので)水曜日ですが3M新発の入札があったのですけれども、入札が強めの上にいわゆる不明玉が3.7兆円ほど(発行額は5.7兆円な)となり、ショートカバーを強いられた方もいたのかセカンダリーで0.5bp出合いかよアイヤーというところでしたが・・・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/idJPL3N0R42EG20140903
〔金利マーケットアイ〕TB落札利回りは8年7カ月ぶり低水準、業者間で0.001%に低下
2014年 09月 3日 15:31 JST

『新発3カ月物利回りは入札結果発表後の業者間取引で、一時0.001%まで低下。入札で在庫を確保しきれなかった業者からショートカバーの動きが強まった。市場では期末に向けて銀行勢の需要が強まれば、利回りが一時的にマイナスの水準に低下する可能性も否定できない」(国内金融機関)との見方が出ている。』(上記URLより)

なお日本相互証券の引けは0.7bpとか大変にワンダホーな事になっているようでorzorzorz

・・・・一方でGCレートとかそんなに下がっている訳では無くて、相変わらず短国一人旅状態になっているのがオソロシスなのですが、まあ日銀が先月せっせと購入した効果もありますけれども、9月ですので期末モードでして、中間期末を控えて債券残高の帳尻に動く人がいて、当然ながら債券残高の帳尻なのですから利回りとか知らんがなで「モノ」としての短国が必要ですからそらまあレートどこでも買いますがな。でまあ日銀様の輪番積み上げとなる中でオペに協力してせっせと保有国債日銀に放り込んで残高を落とすのですが、決算的な意味では保有国債の残高の帳尻取らないといけないし、短国で埋めておけば保有国債のデュレーションも短くなるので決算上も美しいのでちょうどヨロシという事ですかよくわからんけど。

でまあこの動きが続きますかという話になると日銀の短国買入がどのようなペースになるかがもう一つのポイントになりますでしょうなあと思われますが、昨日申し上げましたように先週の短国買入がどう見ても1.5兆円で足りそうな所にわざわざ刻みを入れて1.75兆円買って市場の玉を盛大に吸い上げてしまっているのが不穏でして、まあその辺不穏だから念の為早めに押さえておこうというのもあったんでしょうかねえ、よー知らんけど。


・短国保有残高関連

毎度おなじみのこれ
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額(8月末)

日銀買入残高(営業毎旬の保有残高は長国の償還乗換分が加わるので毎旬の数値と異なる)は8月末で42兆2160億円でして、短国の市中消化額が大体130兆円なのでどんだけ買ってますねんという話で、そら金利も歪みますわな。何せ7月に残高約7兆円増えて8月は2兆3635億円増えてという盛大な増加なので短国一人旅になるのは仕方ない、って先月も同じ話をした気がします(−−;

なお、年末越え残高ですけれども、末時点での残高が14兆2690億円となっているのですが、7月末が11兆2972億円(先月計算して駄文に書いた数字計算違いでしたすいませんすいません訂正しておきます)なので、3兆円位増えているのですが、うち1年新発(474回)が11223億円で6か月新発(470回)が8909億円で、前の月の1年新発(466回)が8481億円という感じになっていますな。

まあせっせと年末越えの積み上げは進んでいるのですが、先のスケジュールを考えると今月ってまあ6Mとか1Yとかの買入を積むのは引き続きオイシイのですけれども、3M新発が普通に入ると12月に償還が来る(昨日の新発は12月8日償還な)銘柄を購入することになって、ここの残高を無用に積み上げるとロールの時に残高目標直前の時点となってしまうのでマズーになるとか考えると、まあ年末という時点を切られて目標額が張られている以上、今月は6か月と1年の新発が出る週(つまり来週と再来週)の時の短国買入は気合を入れてくるにしても、今週とかどうせ入れる玉も無いのですし(なお出来上がりマイナス金利というドリームチャンスではあるのですが^^)そんなに無慈悲オファーとかしてこないと思う(というか思いたい^^)のですけどねえ。


・固定金利オペである

昨日のオペ結果。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140903.htm
米ドル資金供給(9月5日スタート分) 2 2
国債買入(残存期間1年超3年以下) 10,942 3,001 0.008 0.008 56.7
国債買入(残存期間3年超5年以下) 9,659 2,000 0.005 0.006
国債買入(残存期間5年超10年以下) 13,108 4,008 0.008 0.010 1.6
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(9月5日スタート分) 2,590 2,590
CP等買入 11,491 5,128 0.092 0.094 17.7

ドルオペ2百万ドルだけ入ってるやん!とかそういう話はさて置きまして、固定金利オペは2590億円の応札となりまして、折り返し前が5420億円なので2000億円程減額ロールとなりまして、ありゃまあという所ですけれども、昨日申し上げましたように今月はそもそも固定オペの落ちが少ないのであまり固定金利オペ要因でのその他部分の影響はないでしょうなあと思われます。

でまあ当然ながら今月の固定金利オペのエンドが少ないという事は12月の固定金利オペのエンドも少なくなる予定で、22日エンドのオペが年末越えでロールされるかどうかで若干ずれますが、12月に落ちが来るのはこの調子だと5本でして、残高も1兆前半位になる(そらまあこの先のオペが全部8000億とかになったら話は全然別ですが)と思われまして、まあ当然ながらこの辺の足の入れ方とかはオペ担当部署の中の人が先々まで考えて綿密に練っている世界(の筈)ですので、同じ理屈で今月って普通に考えると12月のロールの事を考えるとあまり無茶買いはしてこないとなる筈なんですけどねえ。


あと、CP買入のレートが相変わらず9bp台になっていまして、短国が1bpだの0.1bpだのとヒャッハーヒャッハーしている中でこの水準という所に日銀短国買入のストック効果の恐ろしさを感じるのでありました。

しかしまあ何ですな、資産買入に関してストック効果とフロー効果とどっちが効くのかという話がありまして、だいたい中央銀行の理屈からすると「ストックが効果を出します」という話をして来ることが多くて、一方で市場ちゃんにおいては基本的にフローがどうなるで一々大騒ぎになる、というのが(ジャパンで)良くある図式なのですが、この辺りって市場の片隅でおこぼれを頂戴して棲息すること十ウン年(だったっけ)の不肖このアタクシが思いまするに、おそらくストックが効果を出すというレベルってえのは市場に対する買入シェア的な閾値みたいなのがあって、その閾値に来るまでは基本的にストックってあまり効かなくて、一方でフローは実際の売買行動に思いっきりぶつかるのでこうかはばつぐんだという話になるんじゃないかと。

でまあストックがどこかの閾値を超えてくるとストック効果が急速に出てきて、フローも効くのですが市場の玉を吸い上げまくってしまうと少々フローを落としてもストックの効果が強く出てあまり金利の水準が変わらんとかそんな事になるようにも思えます。その閾値が幾らなのかよく判らんですけど、一つには市場の流通玉がゼロになるのか近づくのかとなる辺りなのかなあと体感的には思うけど分析不能なのでパス。


○その他計数関連

・長期国債保有残高関連

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高

ということでこれまた毎度おなじみの奴ですが、先月の買入銘柄の平均残存年限はあたくしが計算したベースですと6.9年くらい(6.96年とかになったのだが)なので、まあ見事に7年の所に収まっているという素晴らしい実績で、先日のオペ2500億円刻みもそうですが、こういう数字を帳尻もとい見事に着地させる日銀オペレーション実行部隊の能力の高さには感心する次第であります。

まあそもそもその7年というのって腰だめの数字にしか見えないし、7年という数値に何の定量的な意味があるのやら(それまでの平均3.5年程度のニバーイニバーイという意味はありましたがそれって定量的効果を狙っているんじゃなくて定性的効果でしょと小一時間)とか考えますと、何か必死こいて7年に着地させるために貴重な才能と能力を摩耗させているのではないか等とツッコミを入れたら実行部隊の皆様の立つ瀬がないのでツッコミを入れるのは謹んで自粛させて頂きたく存じます。

でまあ先月の買入上位銘柄を出したら相変わらずカレント大会で、10年334回債は16487億円とかまたカレントかという所ですが、2年338回債が6391億円で5年107回債が4839億円とか中長期はカレントかカレント近辺か、市場価格が付利金利をちょっと下回った水準の所かというのがいつも通りのクオリティ過ぎて中々泣けますな。

なお、将来の償還スケジュールの方ですけれども、暦年ベースの2015年に償還が来るのはあたくしが計算したところによりますと28兆9163億円ありまして、7月末時点で28兆0448億円だったので、来年の償還額がしらっと8700億円程増えているのがチャーミング。

ということで、先月計算した時には置きとして1年以内の輪番部分だけが残高に跳ねるという超雑な計算をしていましたが、1年超3年以内輪番でも残存1年近くの所が案の定打ち込まれておりましたので、残高50兆拡大ペースを継続とした場合でももうちょっと増える(先月計算した時は月間6.6兆円という数字になった)のかもしれませんねという所です。まあ多分なのですが1年以内輪番って今の感じだと短い所の打ち込みの方が多くなりそうなのでそんなにここからぶれるとも思えませんが。

で、2016年まで今のMB拡大継続とかどう見てもサステイナブルでは無いので計算してもしょうがないのですけれども、2016年の国債償還額は今の所19兆4009億円になっていますが、ここから中期輪番で2年カレントがバカスカ入ってくるので更に残高は増えるのでしょうなあと思うのでした。

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2014/09/03

○市場雑談メモ

・今月の短国買入は普通に考えるとだいぶ減るのですが・・・・・・・・

マネタリーベース
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/base1408.pdf

ということで計数が出た訳ですが、まずマネタリーベースについては末残数値で243.5兆円になっていまして、今年末の目標が270兆円で、目標数値ベースで行けば昨年末が200兆円(実数値で言えば201.8兆円)でしたので、そのまま目標に向けてリニアに拡大という計算で行きますと今月末は252.5兆円に達していると綺麗に進捗しているという走りになります。

ということで今月は前月末対比で9兆円のMB積み上げが最低でも必要ということになりますが・・・・・・・・・・

日銀当座預金増減要因(2014年9月見込み)
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1409.htm/

こちらの数字にありますように、9月は国債大量償還要因がありますので、日銀保有国債の期落ちまで含めた資金需給見込みが3.36兆円の不足となっていまして、このため9月は国債と短国の買入をフローベースで9.4兆円ほど積んでおく必要があるという話になりますな。

で、今月の輪番は奇数月なので6.29兆円になるのですが、例によって例のごとく月末跨ぎの買入部分の足ずれ要因(最近は中間期末でも期末跨ぎの輪番がありますので)による出入りがあるのと、おそらく「1年以内輪番」が9月20日償還銘柄が打ち込まれると想定されるのでその分を調整しないといけないのですな。

前月からの跨ぎが6400億円あって月末の輪番がどうなるのか良く判らんですけど、まあめんどいのでツーペーにして(一番多いケースで中期+長期で9000億円なのでその場合は2600億円減らさないといけません)、1年以内輪番が2200億円なので、まあ今月の長期国債買入でのMB積み上げ分は6兆円で置いてみますと、残り3.4兆円を「その他」で積まないといけませんな。

その他要因のうち固定金利オペは今月の足は残り3本しかなくて、8500億円くらいですし、固定金利オペの残高自体が足元で10兆割れ(9.9兆円台後半なので殆ど10兆ですが)となっていますのでそんなに残高は落ちないという風に読んで置きまして、もう一つの注目の貸出増加支援オペですがこれがどの位出るのかは入れる人に聞かないとワカランチ会長ですけどそんなにロットは出なさそうなのでめんどうなのでゼロで置いて全部短国という事にしますと、既に先週1.75兆円の短国買入を実施しているので、今月の短国買入って残り2兆円も実施すれば充分ですがなという計算になりますぞなという事ですな。

・・・・・・・・・とまあ普通に考えるとこうなるのですが、謎なのは先週金曜の短国買入が短国需給を見たいっぱいいっぱいと思われる1.75兆円という初めて出てきた2500億円区切りでオファーしてきたところでして、9月の資金需給から考えたら、わざわざ刻みを謎にいじってまで買って短国需給をひっ迫させんでもよかろう(おかげで短国現先のレートとかに影響している訳だが)と思う中であえて1.75兆円で短国買入を入れてきているので、これはもしかして9月末残時点でMBの積み上げペースを少し上げておこうという意識があるのかも知れませんな、という想像が出来る訳ですよ。

順当に逝くと今月の短国買入は月内受け渡しが来る分であと4本オファーできる(のだが半期末になる9月30日渡しの短国買入はオファーしても札が全然入らないリスクがあるので避けて10月1日オファーとかにした方が良いんじゃネーノと思う)ので、毎回1.5兆円でオファーしたとしても6兆積めて進捗が超順調という話になる次第で、そんな感じで積み上げてくるのかも知れないなあと思いつつ今週末の短国買入オファーの額を正座して待機したいと思います。

まあ何ですな、6月末や3月末に見られました期末残高帳尻ニーズに関しては足元の相場推移を見るとどうみても残高積めていない方々が多うございますでしょうから今月も末に向けて凶悪化することが想定されますし、大体からして国債大量償還に伴う短期資金潰しニーズも下旬からは絶賛発生します上に、足元ではECBの追加緩和ヒャッハーというのが出たりするとまたまた短国ニーズが海の向こうからもやってきそうですし、それら諸々を勘案すると短国買入が減ってくれた方が短国マイナス金利ヒャッハーとかその手のこまったちゃん現象が起きなくて良いのですけど、さてどうなるんでしょうかねえというメモでした。

#なお国債残高関連計数ネタは後日で勘弁(汗)

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2014/09/02

○短国買入の刻みががががが

ということで先週末のオペだが。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140829.htm
国庫短期証券買入 17,500 2014年9月2日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,000 2014年9月2日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,000 2014年9月2日
国債買入(変動利付債) 1,400 2014年9月2日

輪番は順当としまして暫くの間5000億円の刻みでオファーされていた短国買入が今回謎の2500億円刻みでのオファー(というか昔は1000億円刻みだったと思うので500億円という刻みは初めてだと思う)という謎にも程がある実施。

なお結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140829.htm
国庫短期証券買入 23,628 17,501 -0.005 -0.001 11.0
国債買入(残存期間1年超3年以下) 10,987 3,001 0.005 0.005 89.2
国債買入(残存期間3年超5年以下) 8,781 2,002 0.007 0.007 33.4
国債買入(変動利付債) 5,261 1,406 -0.150 -0.188 50.4

落札結果が平均1糸強で足切り5糸強とか業者の短国在庫状況から類推される中ではまあ順当に強い結果になっておりまして、相変わらず短国買入で短国の価格形成がアレというのは続くのですが、何も2500億円の刻みとか入れなくてもよかろうにと思う次第で、この応札の入り方から勝手に憶測を逞しくするとヒアリングした結果2兆でオペ入れると札が怪しいのだが、出来るだけ買入を積み上げたいのでより刻んで見ましたという事で、とにかく買入出来るなら買入したいというオペ担当の心意気だけは伝わるのですが、トン調節を行ってる時代ならともかく本来的には雑な枠組みの中でアホのように超過準備拡大しているんですから、こういう所で2500億円とか刻むのって無駄な細かさというか能力の無駄遣いというかな感じがしますがねえ。

とは申しましても、元々のQQE導入時の作り込みがざっくりの割に妙な所で細かいから運営するオペの方も苦労が絶えませんなあ(棒読み)というのが金曜のオペオファーでございましたとさ。

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2014/08/29

○市場雑談というかメモ

市場雑談と言えば10年の金利がじりじり下がったりしている件なのでしょうけれども、どうもこう戻り高値更新に対してヒャッハー感が無いのでネタらしいネタが無かったりするのですよね〜(−−;

・3M入札は久々に平均も3bp台

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140828.htm

(3)募入最低価格 99円99銭0厘5毛 (募入最高利回り)(0.0381%)
(4)募入最低価格における案分比率 16.1517%
(5)募入平均価格 99円99銭1厘4毛 (募入平均利回り)(0.0344%)

ということで久々の3bp台になって参りましたが、ここもと(そんなに短国の在庫が重いとも思えないのですが)GCレートが妙にサガランチ会長になっている上に、9月は国債償還要因があるからそんなに短国買入が盛大に入らないのでは(ただしこれは日銀がどの位MBの進捗を四半期末の帳尻で行おうとするのかによって全然違ってくるので注意)とか、欧州追加緩和ネタはあるけどまあ超短い所に関しては実際に金利アクションが起きる前にそう思惑で馬鹿下げという訳にもいかない(3か月で償還来るから実際に利下げが起きる前に償還したら間抜けにも程があるぞな)でしょうし、買入オペ狙いトレードするのも3か月じゃリターンの割に在庫抱えた時のリスクが大きい(GCが高いから)という辺りですかねえ良く判らんですけど。

とは言いましてもすっかりここもと3bp割れの新発を見慣れておりますので、3台半ばとかになってしまいますと安く見えてしまう(全然安くないのだが^^)のでまあ捌けるという所ではないかと思われます。いずれにせよ日銀の無慈悲短国買入次第で需給が振れるという状態になっていて、完全に短期国債市場については日銀の買い過ぎで市場が壊れた形になっていま
わなというのは毎度の指摘の通りですけどね。


・固定金利オペ

27日オファー分の結果(固定オペの結果のみ)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140827.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(8月29日スタート分) 6,085 6,085

28日オファー分の結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140828.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(9月1日スタート分) 1,470 1,470

29日スタート分は過去の1年シグナルオペの慣れの果て分だったので12095億円の折り返しが6085億円に減りやがりましたなという所で、1日スタート分は通常の3か月で1440億円の折り返しになっていまして、ロールが終わった所で固定金利オペ残高がまたまた10兆をちょっと割るという数値になるのですが、9月は固定金利オペの落ちが少ない(1日落ち分も含めて1兆円ほど)のでMB積み上げの「その他」部分的にはここで大きなブレ要因にはならないでしょうな。でまあ9月は貸出増加支援オペの(新方式後の)2回目が炸裂なのですが、まあこちらでそんなに残高出ないでしょうから来月の「その他」部分に関してはMB拡大の着地(というか帳尻)をどこに置くかで大体決まるという感じになるんでしょうね。

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2014/08/22

○市場関連雑談

・値幅4銭の後に2日で33銭下げなので忘れないようにメモだけ置いておく

という事で長い所ですが、お盆ウィーク明けの月曜が先物値幅4銭で出来高1万枚割れとか中々落涙を禁じ得ない相場だと思ったら水曜と木曜の2日で絶賛先物33銭下げとか何なんでしょうねこの相場という所ですが、「おお!0.5%割れか!円債は今期も目標達成できて良かったなあ!!」のノリがさてどうなるのやらという所ではありますが(^^)、過去のどっひゃーな相場の場合って往々にこのままスココーンなのですが、なにせ日銀の無慈悲な国債買入があって売る物ってありましたっけ状態になっているのがニャンとも難しい所ではあります。

とか何とか尤もらしい事を申し上げていますが、どうせ為替が抜けて米債が動いたから反応して居るんでしょ(てきとう)という事にしておきますか。まあしかしカーブの動きとかも結局目先の輪番スケジュール的に需給がどうよとか、発行日程と輪番での買入バランスとか、その辺りの読みが一番重要という状況は相変わらずでして、まあ市場の価格形成がどうなっていますねんと考えた場合には、特にイールドカーブの形状とか思いっ切り日銀の国債馬鹿買入が影響しているという状態になってしまっておりますので、緩和政策の弊害なんてもんじゃねえぞと思うのですが、そういうのって中の人的には困ったもんじゃという風になっても外から見たら毎日取引はあってイールドカーブは形成されているので中々こう外野から見ても伝わらず、恐らく誰が見てもこれおかしくねえかという状況になった場合(短期で言えば短国が年柄年中マイナス金利とか)には時既にお寿司になっているという事でしょとは思います。


・3MTB入札とか固定金利オペとか

うむ。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140821.htm

(3)募入最低価格 99円99銭2厘0毛 (募入最高利回り)(0.0317%)
(4)募入最低価格における案分比率 77.0528%
(5)募入平均価格 99円99銭2厘7毛 (募入平均利回り)(0.0289%)

ということで足切りが久々に3bp台に上昇しておおまともな金利とかついうっかり勘違いしてしまいますが、そもそも論としてコール金利と比較してどうなのよとかそういう観点からすると相変わらずの日銀無慈悲買入攻撃という事ですが、まあ良く良く考えたら昔々その昔に短国が3か月と6か月が月に1本ずつしか出ていなかった時代(割引短期国債の時代)は常に需要超過で公定歩合が0.5%の時に0.3%とかで売買されていましたなあとか(なお20世紀の話ですが何か?)くだらない事を思い出してしまうのでありました。まあその位のインパクトは日銀買入にあるという事で。


なお固定金利オペ。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140821.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(8月25日スタート分) 4,032 4,032

昨日オファーのあった固定金利オペですが折り返しのオペが3430億円ですのでしらっと増額ロールとなっていまして、固定金利オペの残高が10.5兆円少々という水準になっておりまして、固定オペの残高もうちょっと落ちていくのかと思っていたのですが10兆円の所で粘っている感じになっておりまして、こんな所で底溜まりになるんかいなというのも若干意外感あるのですが、まあ現象としてはここで今の所キープされているという状況。

MB目標(実質的には銀行券の部分ってそんなにぶれないから結局の所事実上当座預金残高目標みたいなもんだが)達成のためのコンポーネントの中で短期オペ部分は「その他」になっておりまして、固定金利オペとか成長基盤オペとか貸出増加支援オペとかは日銀が押し貸しが出来るものではないので、これらの残高については受動的となって、短国買入の所で最後の帳尻が来るという形ですので、固定金利オペが落ちなくなってくるとその分短国買入を増やす必要がなくなってくれるのでオペ的には楽になるという所ではあります。

とは言いましてもどうせ今日の短国買入って新発1年買う為にロットを増やしてくるんでしょ。

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2014/08/19

○市場関連メモ雑談

・業態別当座預金残高

もはや最近は多すぎでアレですが。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

先月積み期間の平残ですが、都銀の超過準備が増えていて(+5.2兆円)他の超過準備が軒並み減っている(トータルの超過準備は+2.3兆円、トータルの当座預金残高+0.4兆円、差分は概ね証券会社要因で証券は当座預金残高が2.2兆円減っている)はというのがやや味わいのある所。

他の超過準備が減っているのは6月積み期間に四半期お馴染みの国債償還要因があるから(もう一つは6月積み最終の所で年金定時払いがあるので7月積み期間に預金が増えるというのがあるかな?)という話ですが、当然ながら自然体の場合は都銀も同様に減るという所になるのですが、結論として他の業態が自然体で国債償還要因で減る中で都銀が日銀のMB増額の為にヘコヘコ実施している買入オペにせっせと参加(またの名を協力とも言うが)した結果を反映していますなという解釈で宜しいでしょうかねえ(・∀・)。

そらまあ他の業態が日銀オペに対して売る物が無いという状態だったら玉無し芳一だし流動性は無いし金利はアガランチ会長になる罠とorzorzorz。


・1年TB入札など

1年TB入札がありましたが、最早この商品日銀オペ打ち込み銘柄なので普通に金利商品だと思って購入するサイドからしたら利回り形成が変態仮面なので手を出せんわ。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140818.htm

(3)募入最低価格 99円98銭0厘 (募入最高利回り) (0.0200%)
(4)募入最低価格における案分比率 80.9033%
(5)募入平均価格 99円98銭2厘 (募入平均利回り) (0.0180%)

ということで、まあ1年物の利付国債に関してもそらまあ玉無芳一ですからレートはだいぶ水準訂正されてきましたけど、そうは言いましても同じ期間の利付よりも利回り半分以下とか誠にこうお洒落なアレになっておりまして実にケシカラン。

でまあケシカランのは兎も角として、今回の入札に関しては前月に行われた1年物TBよりはまあだいぶマシでして、何せ先月の場合は1.5bpの一本値で落札されるわ2.5兆円の発行に対していわゆる不明玉が2.3兆円だわというオペ狙いだか何だか知らんけどハチャメチャな入札になっておりましたが、今回は一応テールは存在するし、いわゆる不明玉も1.3兆円となっておりまして、さすがに先週金曜の短国買入絞った(というか結果および金曜のGCレートや短国現先レートから見ると絞らないとあじゃぱーになっていたと思うが)のがちったあ効いたのかどうかは知らんけどまあ前回よりはマシという話ですかそうですか。


ところでCP買入オペですが。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140818.htm
CP等買入 10,349 4,431 0.092 0.094 52.7

前回のCP買入(8/5実施)が今回と同じ4500億円の買入予定で12,475/4,268で平均が9.3bpで足切りが9.2bpということでほぼ前回並みの買入になっております。でまあこのCPちゃんですけれども短国の金利が下がって利付の金利も若干下がっているのですが、一方であまり金利がサガランチ会長になっているのがほほーという所というのは毎度悪態を申し上げておりますように日銀の介入度合いが少ないぶんだけこっちの方が価格発見機能がまだワークしているという事ではございますが、このCP市場ちゃんに関しては別のオモシロ現象も。

というのはですな、これまた日銀短国買入の影響でもあるのですけれども、短国買入のペースから考えると9月になりますと期末要因も含めまして(先ほどの業態別当座預金残高を見ますと日銀当座預金取引先にはもう売る国債が無いんでしょうなあという推測が出来る訳でなおの事)短国の需給が逼迫するでしょう(四半期国債償還要因でキャッシュも余りますし)という想定はまあ普通に考えると誰でも出来る話でして、そうなりますと特に期末近辺、まあその前の国債償還のある20日(今回は22日)渡しの辺りからかもしれませんが、玉無芳一ヒャッハーという事になるのが想定されまして、下手すると本当に玉が無くて死ぬという可能性も気にしないといかんぞなという事になる訳です。そ〜なりますと9月末に足が来るCP(決算タイミングにバランスシート政策上CPの償還を持ってきてCP残を落とす発行体さんは普通にいますので当然そういうCPは存在する)は償還時に再運用するのが中々マズーな事になりますので、(そこで運用終了なら問題ないですけど)再投資前提で考えた場合には再投資リスクを意識すると買えませんがな銘柄になる訳ですよ。でまあそんな事を皆さん考えた結果なのか、9月後半から月末に足が来るCPが嫌われてやや金利が上昇の香りという風情になっておりまして中々味わいがありますです、はい。


・10年0.495%引けキタコレでヒャッハーと書こうと思ったのですが

昨日の債券市場は週末に欧米でリスクオフ(という割に株が下がっていないので本当にリスクオフなのかいな単なる流動性相場ヒャッハーじゃねえのという疑惑もあるのだがががが)で金利が下がって戻ってきたからという事で寄りから先物は146.20越え(21銭寄付き)だわ10年は0.495%だわということで、金曜もまあ0.495%マークしていましたけど金曜の場合はとりあえず記念に付けてみたという感じでして、昨日の場合は明確に0.495%がビットサイドだったのでキタコレ!な所。

とは言いましても、昨日の場合は輪番は無いわ入札は無いわですし、お盆ウィーク明けの月曜だったので月曜相場様炸裂で先物の高安は4銭だわ売買は1万枚を盛大に下回るわという閑散相場にも程がある状況でして、何ちゅうか戻り高値キタコレとかやっているというのに盛り上がらない事この上ない相場展開なのがまあ実に残念。

まあ何ですな、昨日の場合はまだお盆ウィーク明けでしたので、そこで偉い人が登場して「おお0.5%割れか〜円債儲かって良かったなあ」とそれまでの発言が無かったことになる攻撃が炸裂するので今日の20年国債入札結果を受けた辺りから段々こうマズーな雰囲気(なお売る程ロングの方におかれましてはマズーでもなんでもありませんので念の為申し添えます^^)になってくるということでしょうか判りません。ちなみにどうでも良いですが、ここで「何で買っていないんだ」と言う偉い人はまだ修業が足りなくて、達人はそのような指示めいた事は言わずに「金利が下がっているんだから債券部門は儲かっていて良かったな」という風に言うのがコツであると・・・・おやこんな時間に何で宅配便が来るんでしょうか??

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2014/08/18

・短国買入2兆円も応札は少ないですな

金曜のオペ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140815.htm
国庫短期証券買入 20,000 2014年8月19日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,000 2014年8月19日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,000 2014年8月19日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年8月19日

ということで短国買入は2兆円のオファーになりまして、まあ固定オペのロールも進捗しているので今月は馬鹿買いしなくても良いというか、その前に買入をやり過ぎてしまったので市場に玉が無いのでちったあ考慮しましたかねという所で。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140815.htm
国庫短期証券買入 36,082 20,003 -0.001 0.001 76.1
国債買入(残存期間1年超3年以下) 14,271 3,005 0.003 0.004 14.8
国債買入(残存期間3年超5年以下) 9,885 2,002 0.006 0.006 100.0
国債買入(残存期間5年超10年以下) 11,321 4,008 -0.003 -0.002 41.9

結果は応札3.6兆円で平均は1糸甘ですけど足切りは1糸強になっていて、2兆円の買入とやや絞り気味にしては強めの落札結果という事ですから玉が無いんですなという所です。

まあ今日1年TBの入札があって、本命(?)はそっちの買入になりますので、今週の方が重要でその前に変に玉をスッカラカンにしたくないという所で、どうせ放置していても1年TB入札が強くなるので玉をカラにして激強入札にしたくなかったんですかそうですか。

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2014/08/15

○短国入札とかの雑談

・3MTB入札

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140814.htm

(3)募入最低価格 99円99銭3厘5毛(募入最高利回り)(0.0260%)
(4)募入最低価格における案分比率 39.3546%
(5)募入平均価格 99円99銭4厘3毛(募入平均利回り)(0.0228%)

ということで昨日は3MTB入札(5年入札があったではないかというツッコミはしないように)がございましたが盛り上がるでも盛り下がるでもなく淡々と入札して日本相互証券の引けは0.025%という結果。玉が少な目になっている上にこちらの新発は前日の2Mと違って短国買入オペ日銀お買い上げゾーンになっておりますのでちょっと流れたかなという感じですかね良く判らんけど。

でまあ今日は短国買入でまたまた玉がお吸い上げという事になるのですねわかりますorz


・機械受注ェ・・・・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/idJPL4N0QK03Y20140814
UPDATE 2-機械受注6月戻り鈍く、7─9月緩やかな回復も設備投資に警戒感
2014年 08月 14日 11:24 JST

まあ一々予想よりも上がった下がったと一喜一憂する指標では無い(ぶれるから)という話はありますが、しかしまあGDPと言い機械受注と言いハードデータでろくでもないのが出てくる昨今でありまして、2年で2%大丈夫なんですかねえというのは益々アレになっておりますな。

ということで追加緩和ガーという話も出てくる訳ですが、そもそも論として「MB増やせば期待インフレが上がって実質金利が下がって消費や投資が喚起されるわフィリップスカーブがシフトアップするわウハウハですよ」という前提で当座預金残高を70兆から80兆円程度に拡大すれば直線理論によって期待インフレ率2%ですという岩田規久男大先生の置物理論が正しいんですかという考察が必要じゃないのかねという話ではないかと思うのですけどね。

いやまあ緩和的な金融政策はそれはそれで必要だと思いますけど、馬鹿みたいに国債買ってMBを積み上げるという処方箋の方に問題があって、まあ例えとして適切かどうか知らんけどインフルエンザになっているのに胃薬飲んで治そうとしているような努力をしていませんですかねという点を考えて頂きたいという所ですなと。

今の調子だと「MB270兆円で効かないなら340兆円にすれば良いじゃないか」という方向になるのが自明な訳ですけれども、インフルエンザなのに胃薬飲んで「効かないからもっと飲めば効くに違いない」とか言ってバンバン飲んだら最初は副作用でなくてもそのうちどこかでウェーッヘッヘッヘみたいな状態になってしまうリスクがあるんじゃネーノと思う訳でして、別にMB出すのが効かんとは言わないけど、方向性としてMBの量を出せば定量的に期待インフレがどうこうなるという話なのかという点はもうちょっと考えて頂きたい訳で、国債馬鹿買入が大して効かないけどまあ毒にはならないといかいうレベルなら別に良いのですけれども、どこかで閾値を超えて毒になるとその時って時既にお寿司の不可逆変化になるリスクがあるので、なんか考えて頂きたい物だと思いますが、リフレ派置物理論だとそもそも理論は世界標準の金融理論なので処方が間違っているなどという事はあり得ず、MBの積み上げが足りないからだと言い続けるという最強理論になっているので困りものという所です罠。

つーかですな、そもそも「物価安定目標」って現在の日銀の中心的な(というのはフォーキャストターゲット的な説明をしている野党審議委員の方々もいますので全員がそういう説明をしている訳ではない、という意味です)説明を概念的に言えば需給ギャップがゼロの時にCPIが2%レベルになるというフィリップスカーブになっているという話の筈で、需給ギャップがこれからプラスになるので目標達成に向けて物価が上昇しますよとか言いましてもそれだけではまだ目標達成になっていないような気がする訳で、2年で2%達成って大丈夫かねとしか申し上げようがないのですが、この辺の収拾も含め、恐らく10月展望レポートでは突っ張り続けるでしょうからその後の年末に向けてがオモシロ展開になるんでしょうなあという所です。

#何時の間にか全然違う話になっておりました

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2014/08/14

○GDPとか短国入札とかの雑メモ

・何という中途半端に悪いGDP

http://jp.reuters.com/article/idJPL4N0QJ0A220140813
再送-UPDATE 1-景気認識は不変、再増税へ必要なら政策対応=GDPで甘利再生相
2014年 08月 13日 11:06 JST

まあ在庫は増えるわ輸出は減るわ消費は弱いわと中々お洒落ではあるようですが、まあ詳しい話は本職の方が色々と解説していますように、7−9はプラスになるようですし、上記のあまりんの話でも別にまあ参ったという感じにはなっていないという程度の悪い数字というのが、弱い野球チームの得意とする「追いつかない程度の反撃」みたいな感じで味わいがあるというものです。

どうせ悪いなら降参する位悪いと政策の転換が起きるので、それはそれで灰汁抜けするのですけれども、この程度の状態だとどう見ても往生際悪く粘れる(いやまあ7−9に思いっ切り戻ってくれるのかも知れませんが)という話で、マズーな時はマズーな流れになるもんで、止めを刺されないで妙に粘って結局時既にお寿司になる頃に政策対応という図がこう浮かぶわけで。

なお、あまりんや安倍ちゃんも「1−6均してみればその前の四半期よりもプラス」という理屈を展開しておられましたが、そらまあ消費税増税の反動減の影響が4−6で終わってくれるのであればその計算で問題無いと思いますので7−9は反動減の影響が無いといいですねえ(棒読み)という所でございます。

まあ消費税の話ばかりクローズアップされてますが、消費税抜きベースでも物価上昇による影響(石田審議委員の受け売りになりますけど帰属家賃除く総合CPIで消費税抜きでも足元は2%で推移しているんですから)も消費に効きだしていて、賃金上昇がおいついていない影響がキタコレのような気がするんですけどねえ。

統計上は定例給与と賞与をひっくるめて総合的な数字(もちろんコンポーネントも出るけど)での話で実質賃金という話になると思うのですが、月給取りの家計管理的に考えたら月々の収支尻が悪化するというのは大きい訳で、賞与なんていつ減るか判らんものが増えて収支尻が合うから月々の収支尻悪化してもヘーキヘーキというのは瞬間的には兎も角永続的にそう思うのは中々こう根性が要りそうな話ではないかと思うのですけどどうなんでしょうかねえ。

ま、それはともかくとして、この程度の数字だと政策対応も出る訳もなく、まあ今月来月の経済指標が出てくる時期に状況を見ていくという話になって、政策インプリケーション云々については先送りという感じなんでしょうね。


・2M入札はまあ穏当な水準(か?)

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140813.htm

(3)募入最低価格 99円99銭6厘5毛 (募入最高利回り)(0.0266%)
(4)募入最低価格における案分比率 86.1119%
(5)募入平均価格 99円99銭6厘7毛 (募入平均利回り)(0.0250%)

ということで短国買入と関係ない銘柄ということもありまして(かどうか知らんが)まあ水準としては穏当な所に落ち着いたという感じですが、良く良く考えたら3bp割れ水準で金利低いぞなもしという所ですけど、GCレートが低くて業者の在庫がスッカラカンという状況の中でしたのでまあこの水準で仕方ないんでしょうな。特段ショートカバーも投げもなく落札水準近辺での推移だったみたいなので穏当穏当。

というか先週の6か月入札の0.015%というハイパー逆イールドは何なんですかというと日銀買入(以下いつもの悪態なので割愛)。


・輪番1年以下は償還銘柄打ち込みですかそうですか

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140813.htm
国債買入(残存期間1年以下) 4,852 1,100 0.012 0.015 58.0
国債買入(残存期間10年超25年以下) 4,579 1,007 0.006 0.007 7.1
国債買入(残存期間25年超) 1,221 303 0.003 0.003 89.0

ということで(この前もそうですが)輪番の1年以下は見た目甘い結果になっていますが、これは9月20日償還銘柄(業者的には償還銘柄持っていてもバランスシートの無駄遣いだし償還直前になると振替決済停止期間に入るから担保にもGCレポにも使えなくなって資金の無駄遣いになる)の打ち込みとかの要因でしょうかねえ良く判らんけどという所でメモだけ。

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2014/08/13

○市場メモといっても短い所の方で

30年国債入札があって何か昨日の引けってナンジャラホイとかゆー気もするのですが、そういう話はスルーしまして(−−;

・日銀保有国債銘柄別残高

毎度おなじみのこれですけれども、私家版てきとう集計の結果だけメモメモ。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/

まずは購入銘柄の平均残存年数ですが7.97年と長めですが超長期輪番が3回あったので長いのは別に無問題かと思われます。で、銘柄数なんですけど今回は52銘柄の買入になっていて、細々とオフザランも入っているという感じですが、上位銘柄を見ますと毎度毎度の如くですが10年334回債が6771億円で2年333回が2369億円、2年334回が2362億円とかカレント銘柄となっていまして、その次が5年107回、5年119回と毎度同じの銘柄が入ってくる(前者は残存3年ゾーンの絶対水準で0.10%を割った所で後者はカレント)とかお約束の展開になっております。

まあいずれにせよ7年中心にしようとして、長期の所が主に10年カレントが打ち込まれるというバランスだと超長期の後ろの買入は今のバランスで無いと中々帳尻が合わないという所で、年内は今の方式での買入が継続するという理解でよろしいんじゃないですかね。超長期の後ろは日銀様の買入が少ないので需給がイマイチなのが続くという所ですが、それって市場が日銀買入を前提にしているという話で、そらまあMPMの2日目になると「今日は入札も輪番も無いから材料がありませんなあそういえば明日の輪番の予想はどうですかねえ」という流れでして、足元では材料として輪番>>>MPMとなっているって良く考えたら変なキノコでもキメてるんじゃないかというような債券市場でして、変なキノコをキメ過ぎて更生が不能になる前に何とかした方が良いんじゃないかと思いますよウヘヘヘヘヘ(白目)。


・TKRRェ・・・・・・・・・・・・

これまた毎度おなじみの東京レポレート。
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html

月曜の短国買入の結果があの有様で、短国の在庫が空っぽとなるとレポレートにも影響するでしょうなあと思ったら案の定結果で、トモネの翌日物GCの東京レポレートが昨日は前日の0.086%から一気の低下で0.046%と利回りほぼ半分というボラティリティーの高さ(え?)でありまして、超短期ゾーンはイールドボラティリティーだけ見ると凄まじいまでのブレっぷりなのですが、いかんせんこれ元の絶対値が低いだけで金利収入実額ベースで見ると雀の涙が一滴と二滴の差みたいなもんなのが惜しい所です。

つーことで本日は2か月ものTBの入札が行われまして、足が10月2日という微妙に使い勝手が良いのか悪いのか判らん(半期末越えとしては使えるが期初早々に落ちるので再投資という点で少々使いにくい)ですが、これは通常日銀の短国買入に入らないものなので日銀短国買入狙いでの買いが入らないのが特徴。

とは言いましても、足元がTKRRに見られるように玉がスッカラカン状態で、おまけに2か月ものの発行は2.5兆円しかありませんのでまあ普通にニーズがあるんでしょという事で、とにかくオペ狙い状態になっていてハチャメチャな値付けになっているゾーンとは違って実需ベースでこの発行量だとどういう落札になるのかというのはちょっとだけ楽しみだが強い結果になって更に玉無しニーズあり状態なのが明らかになるのではないかという悪寒しかしない所が・・・・・・・・・

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2014/08/12

○その前に市場メモというか短国買入メモ

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140811.htm
社債等買入 1,000 2014年8月15日
国庫短期証券買入 25,000 2014年8月13日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,000 2014年8月13日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,000 2014年8月13日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年8月13日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注3) 4,000 2014年8月11日 2014年8月12日

ということで短国買入ですが3兆では無く2.5兆円でのオファーでしたが・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140811.htm
国庫短期証券買入 33,482 25,001 -0.005 -0.001 61.5
国債買入(残存期間1年超3年以下) 11,220 3,002 0.002 0.003 8.0
国債買入(残存期間3年超5年以下) 13,125 2,002 0.006 0.006 87.0
国債買入(残存期間5年超10年以下) 12,202 4,006 0.005 0.005 82.4
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 119 119 -0.400 -0.400
社債等買入 1,893 1,001 0.111 0.119 61.2

つーことで結果はというと2.5兆円の買入に対して3.3兆円の応札しか入らなくて足切りも5糸強まで流れていまして、先週の馬鹿強い入札だった新発6MTB(470回)ですと11日付の売買参考統計値が1.2bpなので一番強い所で0.7bpの出来上がり利回りで日銀様お買い上げという結果になっておりまして、入札馬鹿強い所に入れて強くして大勝利でしたね(棒読み)という所ですが、まあ応札がこのテイタラクという状態ですので先月後半に3兆連発買入を行った効果が出て参りましたなという所で、またも市場流通玉がカラカラ帝という残酷な状態になっておられますな。まーオペ担当部署もヒアリングとかで玉がねえというのは把握して今回3兆では無くて2.5兆円のオファーにしたのでしょうが、それでもこの有様となってしまって世の中玉が無いのがあからさまに判るの図になっちゃいましたな。

ということで、まあ要するに短国買入に関しては既に現状の残高(年末にかけては7月末の残高が維持できていれば概ね問題は無いと思う)を維持しているだけで何かの拍子に短国の需給が結構逼迫する事になってしまいますね、という事が判った訳でして、来年のMB拡大の「その他」で短国買入を増やすのはどう見ても無茶(その他部分で貸出支援オペを例えば今の2倍から4倍までオッケーみたいな荒業を使って枠を増やすにしたって貸出支援オペは共通担保貸出になるのでその分だけ担保玉のニーズが高まるから結局の所短国の需給に皺寄せが来る)ですなあさて来年のオペ運営どうするんでしょうかねえという所ですが、暫く前の総裁会見での発言っぷりを見るにどうも短国市場が残忍なカラカラ帝状態になっても知らんがなと思っているのではないかという節がある所がオソロシスではあります。

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2014/08/08

○市場雑談関連

・3か月短国入札ェ・・・・・・・・・・・

ということで最初にも書きましたように今日は無慈悲短国3兆円買入(と勝手に見込む)の日ではなくてそれは月曜のお話でしたすいませんすいません。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140807.htm

(3)募入最低価格 99円99銭3厘0毛 (募入最高利回り)(0.0280%)
(4)募入最低価格における案分比率 16.4550%
(5)募入平均価格 99円99銭4厘1毛 (募入平均利回り)(0.0236%)

ということでこの結果ですが、前回と比較すると平均利回りが若干低くて足切り利回りが高いと来ておりまして、要するにここもとのあじゃぱー入札の影響で「プライマリー段階でニーズが確定している分とかプライマリーディーラーの落札義務額分とかについては下手に普通の札入れて空振りするとカバーさせられに行って死ぬのでその分は目をつぶって高い所に入れる」けど「何ぼ何でも2bpカツカツとかだと実需ニーズが無いしGCレートが別に極端に低い訳でも無いので在庫もこの水準でそう沢山持てませんわなあ」という動きになったので足切り水準は甘めになったけどアベレージは強めになったとまあそんな所でしょうな。

つーか前場引けの段階ですとビットサイド2bp台前半だった筈なので落札結果自体は前場の引けの気配から見ると結構甘い所になりやがりまして、前日の6M入札のようなアオリイカ入札とは違う風情になっている所が実にこう味わいのある所です。というか味わいも蜂の頭も日銀オペ狙いの札がどの位入るのかとか、現実問題として除く日銀オペでの実需のニーズがどこにありますねんというのを勘案するとまあこうなるんでしょうというお話で、連日のように盛大に悪態を申し上げておりますが、日銀の短国買入が市場の価格形成に大変に素敵な悪影響を与えているという事を毎度毎度の短国入札が如実に示しているという所でありますといういつもの悪態で締めるのでした。


・固定金利オペのロールはまずまず

めんどいのでオペ結果だけ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140807.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(8月11日スタート分) 4,040 4,040

今回のオペですが、折り返し元になっているのが2本あってそれぞれが2580、2370億円で合計4910億円となっておりまして、今回はオペのおまとめサービス(違)となっておりますので、結果としてはロールが900億円程度の減額となっておりまして、ここもとのオペが基本的にそんな感じですけれども案外固定オペの残高が落ちませんなあという所です。

でまあ背景は知らんという所ですが、一応固定金利オペに関してはレポとか有担保コール市場調達で使いにくい適格担保部分のファンディングをつけるという意味では使い勝手があるので、可能性としてはその手のニーズ分の底溜まりがというのもあるのですが、残高的にはもうちょっと下の方じゃないのかねと思うのでどうなんでしょうかねとは思います。


・債券市場ネタメモ

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N9VND56TTDS001.html
債券は続落、GPIF関連報道受けた株上昇で−流動性供給入札は強め
更新日時: 2014/08/07 15:40 JST

ということで関連報道とはこちら。
http://jp.reuters.com/article/idJPL4N0QD0H420140807
再送-GPIF改革、日本株は20%超へ調整=政府・与党筋
2014年 08月 7日 14:33 JST

ネット版だと最初に出たのが14:10だと記憶しておりますが、まあこんなのが出たと思ったら債券がヘロヘロになった(という程別に暴落した訳ではなくて世が世なら誤差の範囲内の世界だが最近はウゴカンチ会長なので10銭も動くと暴騰暴落の世界^^)という風情だったようで。

『ただ、与党内にも「(株式運用を増やすことが)単なる株価維持策であってはならない」との指摘があるほか、想定より年金給付への備えが必要になるとの判断に傾けば、株の比率そのものは一気に引き上げず、上下双方向に認められている「かい離許容幅」を柔軟に使った運用を検討する見通しだ。』(上記URLより)

>「(株式運用を増やすことが)単なる株価維持策であってはならない」
>「(株式運用を増やすことが)単なる株価維持策であってはならない」
>「(株式運用を増やすことが)単なる株価維持策であってはならない」

全くおっしゃる通りですが何せ日本経済はこれから力強く成長して健全なインフレ時代になりますので長期的に見て株式が有利(つーか債券だって経済が健全に成長するような状況だと金利って別に急騰する訳じゃないから徐々に運用利回りが健全に改善していくような気がするのですが・・・・・・・・)ということですからね!!!!なお昨日の場中は途中まで日経平均ベースで15100近辺で(内務省検閲)。

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2014/08/07

○毎度の短国

もう何だかね。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140806.htm

(3)募入最低価格 99円99銭0厘 (募入最高利回り)(0.0199%)
(4)募入最低価格における案分比率 19.0877%
(5)募入平均価格 99円99銭2厘 (募入平均利回り)(0.0159%)

いやまあ確かに前場引けで2bpビットとかだったので強いですかねとかいう感じではあったのですが、そのまんま足切りは2bpだわ平均は更にその2つ上(ということはもっと上の札もあったという事でしょうからオソロシス)ということで、しかも市場推計の落札分布では発行3.5兆円のうちいわゆる不明玉が3兆円に上るという状態。

というころで毎度の事になりますが、この6か月新発も流通玉がスッカラカンとなるというのが確定という状態になっておりまして、このまま明日の短国買入で多くの部分が日銀に打ち込まれる(ちなみに前回の6Mは3.5兆円の発行のうち2.1兆円が日銀に吸い上げられるの巻となっています)の図となるということで、完全に日銀買入を前提にした別世界のレート形成になっておりますので、市場通すと迷惑にも程があるので日銀相手に直接発行して下さいと言いたくなりますと言うのは昨日も申し上げた通りですな。

でまあ本日は3Mの入札があるのですが、こちらの3Mはまだ年末越えではありませんので日銀の短国買入的にはイラネ(しかも今3Mカレントを買うと11月の日銀短国残高縮小要因になってその分帳尻の買いを入れないといけなくなる)という所かも知れませんので、まあ短国直接引き受けという訳にも行かないのでしたらば、年末越えの短国レートだけ完全に別世界に分断して頂くという意味で短国買入の買入対象銘柄を2015年償還物だけに限定したら如何でしょうか(ゲス顔)勝手にそこだけでゼロでもマイナスでもやってろという感じでございますけど。

・・・・・・・・・・てな話は兎も角として、こうやって無理繰りマネタリーベースを積み上げる事に定量的な意味があってその結果一時的にこの変態相場を我慢すれば金融政策の正常化が早くにやってくるというのであればそらまあ市場の中の皆様も我慢すると思うのですが、最近はMBを何ぼ増やしたら予想インフレ率が上昇して正常化が近づくというような置物師匠の理論はすっかりどこかに逝っておられますし、そらまあ短国の金利下げて短期金利を全般的に下げるという話はあるとは思いますが、中長期の金利と違ってそもそものスタート時点が0.1%なのでそこから下げてどうしますねんという話ですしと考えると、一体全体何のためにこの短国馬鹿買入をやっているのかという点についてもうちょっと考えて頂きたい(ちなみに考えるのは政策委員会の仕事でオペ部隊はやれと言われれば無謀だろうがなんだろうが突撃するように訓練されているので致し方なし)と思うのであります。

とまあ尤もらしい事をゆうておりますが、まあ要するになんですな、今でも既にどう見ても短期市場アップアップになっているのにMB70兆円拡大をそのままオープンエンドで継続したら短期市場そのものが金利もさることながら市場そのものがシュリンクしてしまう(日銀が投資対象になる玉を吸い上げてしまうのだから市場規模が減ってしまう、というくらい有意な買いを行っている訳ですな)訳で、市場がシュリンクするとこちとらメシのタネが無くなってしまいますので勘弁してくらはいという話っすよ。

なお、短期市場に関しては先般も申し上げましたように短期国債の市中消化額が130兆円になっていて日銀の買入残高が40兆円状態で、もしQQEをオープンエンドでやるとなるとうっかりすると来年末の短国買入残高は60兆円になってしまう訳ですから、市場規模がほぼ半分になってしまうという訳で無茶買いであるというのがわかりますが、冷静に考えますと長期国債だって今の調子で残高拡大していくと益々市場規模が縮小してくる訳で、債券市場だって最近の取引のアレっぷりは大変な物になっている状態で、オープンエンドで買入継続とか無茶にも程があるんで枠組みに関してもうちょっと考えて頂きたい(別に今それを公表しなくても良いけど)と思うのであります。

つーことでそもそもMB年間70兆円というのを来年も続けるのは無謀にも程があるという愚痴でありました。

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2014/08/06

○市場雑談というか計数関連雑談

・今月の資金需給見通し

これも一昨日に出ていたんですけどね(大汗)。

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1408.htm/
日銀当座預金増減要因(2014年8月見込み)

でまあこちらの見込み数値からしますと15兆6800億円の不足になっておりまして、今月の輪番は変国の回になりますので通常のペースですと6.41兆円の買入になります。で、受渡しベースの入り繰りがありまして、先月に実施した8/1渡の分が6300億円あって、一方で日程を逆算すると恐らく今月も月末跨ぎの輪番オファーがあると思いますので、あるので、その組み合わせがどう来るのかが謎な部分がありまして、そこの入り繰りが読めない(というか前月の末残対比のMB気にするんだったら何で先月の輪番の最終回が30日になったのよという風に思うのだが)というのが惜しい所ですが、まあ面倒なので長期国債買入を6.4兆円で置くとします。

でまあ15.68兆円の不足を埋める資金供給という事で実施されるのが輪番の6.4兆円と残りが短国買入となる訳ですので、概ね9兆円強の買入が必要になるという話になりまして、これを4週間で割るとMBの帳尻という意味では先週の3兆円オファーって多くねえかという気もするのですが、固定金利オペのロールがどの程度落ちてくるのかが例によって不確実ですし、まあ財政要因もあくまでも予想ベースですので余裕を持つのも必要でしょうし、MBが2か月連続で伸びなかったりすると何か色々と言われそうですから残高は今月に関しては伸ばして置きたいでしょうしなどと考えると、年末越えの短国入札がある今週と来週は少なくとも無慈悲3兆円オファーでその後調整が入るかもしれませんなとかそういう感じっすかねえ、良く判らんけど。


・物は試しに来年以降の長期国債の償還スケジュールを計算してみた

昨日ネタにした日銀保有の長期国債残高云々ですけれども、まあ目先の話はさておきまして、鬼に笑われながらも来年の計算をしてましたので第1回私家版集計という事で(^^)。

まあ計算もへったくれも単に償還日毎に額面残高を足し合わせていくという単純なお話になるのですが・・・・・・・・・・・・(数値はアタクシの計算ベースなのでご利用は自己責任で)

今年年末までの償還額:11兆3557億円
来年1年間の償還額:28兆448億円

でまあちなみに何ですけど、営業毎旬報告を見ますと7月末時点での長期国債の残高が172兆5182億円でして、今年の輪番の残りは買入額が月に6.3〜6.4兆円(奇数月と偶数月で物国変国の違いがあるので出入りあり)の現在のペースが続くとして5か月で31.8兆円になりまして、先月末の輪番分の受渡の入り繰り要因が6300億円ありますので結局32.4兆円の積み上げになりますな。

となりますと年末の日銀買入国債残高は保有分償還を差っ引きますとここから21兆円程度の増加となりまして、輪番で年内償還銘柄が打ち込まれるケースも特に四半期償還月にはあるので20兆円強で見ておくとして、年末の国債買入残高が193兆円程度になることが想定されますので、QQE実施時に示していた2014年末のメド数値190兆円を3兆円程度オーバーして達成という事になります。

まあそれはそれで良いとしまして、では来年はどうなりますねんという話ですが、上記の通りで来年の償還予定額が28兆円ありまして、これに1年以内の輪番オペで増える分が全部来年の償還になると見て(さっきと違う置きとか言わないで)、めんどうなので1年超の輪番は基本2年カレントが入るという事にして来年の償還に跳ねないとした場合、来年の輪番償還残高はここから2200億円の5か月分が乗ってくるので29.1兆円が来年の長期国債償還額になります。

という事はですよ、来年1月以降もこのままMB拡大政策を実施するという事になった場合、短期オペ部分がご案内の通りでもうどこからどう見ても限界に達しているのですが、そこをさて置きまして長期国債残高増加を年間50兆円ペースで考えると、来年のフローベースの必要買入額が79.1兆円になりますので12で割ると6.6兆円程度という計算になりますが、MB70兆円拡大を継続するとして短期オペが無理なので輪番での拡大メインで70兆円とかやりますと99.1兆円という話になるので月の買入が8.2兆円程度とか、これは国債増発でもしてくれないと無理ゲーという結果になってしまいましたぞなという事で、いずれにせよ12月以降のMB拡大については何とか考えないと「今の政策オープンエンド」というのは物理的に無理という話でしょうな。結局の所MB70兆円のうち「残り20兆円」部分の帳尻がどう見ても合わないということで。

以上計算本人は合っている積りでやっていますが、自分で検算しただけなので内容については皆様のご確認をお願いします(違ってたら伏してお詫びして訂正するから教えてジェネラル)。


・CP買入などなど

昨日のオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140805.htm
米ドル資金供給(8月7日スタート分) 0 0
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 1 1 -0.400 -0.400
CP等買入 12,475 4,268 0.092 0.093 54.5

ということでCP買入のレートが平均9.3bpで足切り9.2bpになっているのですが、前回のCP買入(7/25)が9.1/8.8でその前(7/16)が9.2/9.0なので相変わらずのレート推移という感じになっておりますな。

昨日も申し上げた通りで短国の方は日銀の無慈悲買入攻撃でレートがすっかり3bpビットとかやらかしやがっているのですが、一方のCPは引き続きこのようなレート推移となっておりまして、ひじょーに価格形成が変な事になっているのが実に味わいのある話ではありますな、うんうん。

なお本日は6MTBの入札が実施される訳ですが、どうせ日銀が必死こいて買入をしようとしますのでそれを見越して強い入札になってセカンダリーも玉無し芳一になって金曜の短国買入で日銀に吸い上げられて終了だと思うので、入札とかもう面倒だし市場が荒れるだけなので日銀が直接引き受けたら宜しいんじゃないでしょうかと思いますが(ヤケクソ)。

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2014/08/05

○計数関連を少々

・長期国債銘柄別残高

毎度おなじみのこれ。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

7月を通して見ますと買入銘柄の平均残存はアタクシがてきとうに計算すると6.59年になる(ちなみにアタクシの場合は償還日と7月末の日数差分を単純に365で割って額面加重平均している(閏年補正とかしませんぞな)上に物国変国も単純に償還日で計算しております)ので、やっと今のやり方で平均7年程度に収まりましたねえという所でめでたしめでたしという所です。

まあそのせいで昨日の輪番でも25年超が滑っておられたりしているんですけど、そういう事は気にしないので無問題という事ですねわかります。

ちなみにこの残高集計をしていて爆笑の発作を禁じ得なかったのは10年カレントの相変わらずの集中ぶりで、10年334回債の7月買入額面合計はアタクシの計算が間違っていなければ14070億円とか銘柄別でダントツ(2位は5年106回の3259億円)で新発債速攻日銀お買い上げ状態という大変に素敵な財政ファイナン(自主規制)。

あと、7/20-7/31で見た場合は10年334回債が8597億円でこれまたダントツとか、買入銘柄の平均残存は7.59年(アタクシのてきとう計算ベース)ですかそうですかとかいうのがありますが、銘柄数に関しては7/20-7/31で多分71銘柄とかで1か月だと136銘柄とかになっていまして、5-10年の所とかだとカレントしか入らないのですが、超長期を25年の所で切った上に超長期カレント自体が入札強かったりした影響とか、中短期の所だと5年カレント以外も入るとかそんなのもあってちったあ分散していますな(と言っても上位銘柄への集中は相変わらずだが)という所で。

まあこの単月の結果からしますと、年内に関しては今の感じでの買入が継続するという事になるんでしょうが、来年に入った場合にどうなるかというのはさっぱりワカラン所ではありますのでそれは追々計算してみることとします。


・短期国債買入残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

こちらは毎月公表なのですが、7月は3兆円攻撃によりまして年末越えの銘柄の買入残高が13兆4396億円となりまして(アタクシの手計算ベースです)、6月末が9兆1378億円だったので4兆3018億円の残高増加かくにん!よかった!という所ですかそうですか(棒)。

でまあ短国の買入残高自体は40兆9525億円になっていまして、短国の市中消化がだいたい130兆円になりますので、日銀の買入残高が3分の1に迫る勢いになっておりますが、6月末の買入残高が33兆9800億円でして、そら残高ベースで7兆円も増えれば短国の需給が強くなって短国一人旅になりますわなという所です。

まあ最近は短国だけではなくて利付の短い所も残存1年で引値が4だの5だのという事になっておりまして、短国の需給逼迫に利付国債も連行されてきている感がありますが、CPとかは今の所ついていって無いので、やはり日銀の無慈悲短国買入が短期市場の価格形成をゆがめているということですかそうですか。


・マネタリーベースと営業旬報

MB残高
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/base1407.pdf

平残ベースだと7月も拡大しているのですが、末残ベースだと6月が243兆4,305億円で7月が243兆1,864億円なのであれだけ必死こいて短国買入3兆円攻撃をかましながらも末残ベースで前月対比で減ったですかそうですかという所ですな、うんうん。


営業旬報
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2014/ac140731.htm/

つーことで営業旬報の別表を見ますと長期国債の買入残高が172兆5182億円となっていまして、年末の残高目標が190兆円ですので、長期国債の積み上げがここから18.5兆円拡大(単純に逆算しているだけですので念の為)されますな。

資産合計は268兆9676億円でして、目標が290兆円なので残りが21.1兆円という事になっておりまして、差分が2兆円ほどありますが、7月は長期国債発行償還の足ずれの要因がありまして、恐らく12月末現在の残高という話になった場合には7月の状態から財政が払い超になっていると思いますし、この前(7/18)に計算した時もそうですが、短国に関しては恐らく7月末の残高ベースをそのまま維持して年末を迎えれば(ただし固定金利オペが減ったらその分を埋める必要あり)MB目標は達成しそうという事で良いのかなと思います。


以上計数関連雑談でした。

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2014/08/04

○オペメモ(メモだけ)

オペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140801.htm
国庫短期証券買入 30,000 2014年8月5日
国債買入(残存期間1年以下) 1,100 2014年8月5日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年8月5日

えー短国買入3兆かよと思ったのですが、これで3週連続の短国買入3兆で、この2週間は3Mしか新発の無い中で3兆円攻撃連発なので需給がーという所ですが、今週は6Mの入札があるので今週金曜も3兆円買入ですね(白目)。

落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140801.htm
国庫短期証券買入 42,912 30,004 0.000 0.002 53.4
国債買入(残存期間1年以下) 5,756 1,100 0.016 0.017 84.0
国債買入(残存期間5年超10年以下) 16,817 4,005 -0.003 -0.003 46.7

応札が4.3兆円しかないとなという感じですが、まあ7月からこれだけ無慈悲な買入を行ったのですからさぞかし6Mと1Yが入っている事でしょうと銘柄別残高を見るのが楽しみです(棒読み)。

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2014/08/01

○市場メモメモ

・3MTB入札

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140731.htm

(3)募入最低価格 99円99銭1厘5毛 (募入最高利回り)(0.0337%)
(4)募入最低価格における案分比率 15.0161%
(5)募入平均価格 99円99銭2厘7毛 (募入平均利回り)(0.0289%)

ほう流れましたかという感じですが、日本相互証券の引けは0.028%ということでまあ3bpのレベルに皆さんすっかり目が慣れてしまってますが、ただまあ2bp台でのニーズというのも中々盛り上がらんという絶対水準のイメージがやっと落ち着いてきたようにも見えるのですが、今日の短国買入が何ぼで打たれるかでまた状況が変わるんですかねまあ良く判らんですが。

しかしまあ何ですな、BB引けでも売参でも良いのですが、短国の引値を並べてみますと6か月とか1年とかの所がやたら気配強くて、まあオペに入らないクソ短い所は良いとしましても、オペ対象の3Mカレントよりも金利が低いという逆イールド状態になっていまして、一方で誰がどう考えても利下げ期待とかは無い(利下げしたら超過準備の積み上げに困難度が高まるからあり得ない)のにこの逆イールドェ・・・・・・となっていまして、これはどう見ても日銀の短国買入オペ狙いで日銀が買いたい年末越え銘柄の気配が強くなっているという話でして、日銀の短国買入が需給を歪めているという事でありますな、うんうん。いやまあ先行きの短国需給逼迫で一段の金利低下の可能性でというのは勿論あるのですが、それも元はと言えば日銀の短国買入のせいなので(^^)。

そういや昔々その昔の短国市場(6Mと3Mを月に1回入札していて割引短期国債という名前の債券だったころ)って潜在的な需要に対して発行が少なくて基本的に政策金利よりも低い利回りで売買されていて、短国現先オペのレートとか中々素敵な水準(当時は買入は無かった)でしたが、発行量が相対的に多くて流動性が相対的にあって投資家のニーズが高かったのが6か月だったから6か月の方が平気で金利低かったりしたことがありますが、現物債の需要が超過した市場では何が何だか判らない価格形成(いやまあ中でやっている人たちは判るのですが)が置きますなあという所ではございます。


・固定金利オペ関連

水曜のシグナルオペ結果(固定金利の所のみ引用)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140730.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(8月1日スタート分) 12,880 12,880

昨日の固定金利オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140731.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(8月4日スタート分) 2,850 2,850

昨日もちょっと申し上げましたが、足元で固定金利オペのロールが謎の増額となっておりまして、水曜のシグナルオペロール分(の成れの果て分)が10430→12880と増額、昨日の固定金利オペも2310→2850と増額になっておりまして、何で増額になりますねんと????な状況ではあるのですけれども、一時的な問題なのか、それとも固定金利オペの底溜まりのニーズ分に到達したのかは良く判らん(イメージ的には残高10兆円レベルで底溜まりになるとは思えなくて、まだ兆円単位で減るもんだと思っているのだがただの確度ゼロの勘なのですいません)のでこれは今後の入り具合を見ていくしかないかなとは思います。

まああとあるのは、先月も1回あったのですけど今月も11日エンドとか18日エンドとかで微妙に足を揃えているオペがあって、この時にオペのオファーが一本化されることが想定されるので、オペの全体としてのオファー本数が減るという話になるので、一本のオペに対してこれだけ入れる的な平準化の調整でちょっと増えているのかも知れませんな、うんうん。

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2014/07/28

○例によってオペ関連雑談メモ

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140725.htm
CP等買入 4,000 2014年7月30日
国庫短期証券買入 30,000 2014年7月29日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 2,000 2014年7月25日 2014年7月28日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 10,000 2014年7月29日 2014年11月7日

ということで短国買入は想定通りの3兆円のオファーですな。

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140725.htm
国庫短期証券買入 71,504 30,001 0.004 0.005 80.1
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 49 49 -0.400 -0.400
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(7月29日スタート分) 10,060 10,060
CP等買入 8,205 3,876 0.088 0.091 75.4

まず短国買入ですが、これが結構滑って5糸甘平均4糸甘足切りとなっているので、前日の新発3Mとかその前の3Mとか前週の1Yとか入れると悉く投げレートになるという水準になっておりまして、あららという感じ。応札7兆とかありましたのでここ2回ほど3か月の短国入札が若干滑っている中で在庫が少し重くなってますかねえという所で、まー金利水準的な意味でのニーズという点では有担保コール取引と比較してどうよ的な水準ではありますので、後は実質成行買いニーズでどこまで支えますかという話になりますが、まあとりあえず海外のニーズが止まると期末でも無いので日銀の盛大な買いだけで支えるのが厳しいかという所かなとは思います。

つーかですな、6月末の展開はGCレポとか現先とかのレートも下がってCPのレートも下がるというように全般のレートが下がって推移していましたが、今月はその辺の需給は別に短国だけ日銀の買い狙いで値持ちさせていた感じでしたので、金曜とその前の週の短国買入だけで捌けなかったという感じですな。ちなみに6月については期末の買いがあったのはまあ想定通りですけれども、海外絡みでの買いがややあったのがやや想定買いで、それに加えて更に想定外だったのが日銀の短国買入ペースで、6月は資金需給的に短国買入が減る筈だと思っていた人が多い(つーかワタクシもその予想)中で短国を盛大に購入してきた(良く良く見ると6月末時点で短国買入残高が年末のMB目標にあと一息位の所まで持ってきているという想定外なプレイ)ので想定外プレイで金利を下に持って逝かれてアチャーという動きに拍車が掛かったという感じだと思います。一方今月ですが、月初一瞬需給緩みましたがその後海外の買いらしき動きで需給が締まって暫くヒャッハー状態になっておりましたが、日銀の買入に関しては無慈悲な3兆円攻撃が基本的に想定されていたので、海外らしきフローが止まるとその他の動きが想定内なのでとりあえず落ち着いたという感じですかねえ、良く判らんけど。

つーことで、まあ何にせよ想定外攻撃が来ると思わぬ変動が起きる訳でして、海外とかはシャーナイナイにしましても日銀が想定外攻撃をすると市場に無駄な動きを与えて怪我人を増やしますので、オペに関しては予見可能性の高いスキームでお願いしたい物です(年内は今更変更できないでしょうけれども)。


あと、固定金利オペの方が少々アレでして、今回はシグナルオペのロールなのですが、折り返し元のオペ残高が7893億円なのに、10060億円でのロールになりまして何と2100億円程の増額ロールとなっています。0.10%の3か月程度の固定金利に今更何でそんなにニーズがあるのかが経済合理的にイマイチ意味が判らん(GCレポなどで見合いの調達がしにくい資産などの紐付けファンディングとしての意味は分かるが)という所でして、何でここで残高増えるの??という不思議ちゃんな所ではあります。まあ固定オペの残高が増えると短国買入に掛かる負担が減るので、オペレーショナル的に日銀が楽ですし、短国買入の帳尻フロー部分は短国市場の瞬間的な需給には影響するので(中期的に見た場合には共通担保の担保繰りの影響が短国の需給に影響してくる)そっちからの市場への影響もという所ですな。

なおCP買入に関しては足元CP金利が微妙に高めで推移(GCとかが高いから)してて、あとは日銀買入枠の問題とかその辺になってくるので何とも。

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2014/07/25

○しつこく短国とかオペのメモ

#殆ど俺様メモ化していますが

・3か月短国入札

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140724.htm

(3)募入最低価格 99円99銭2厘5毛(募入最高利回り) (0.0300%)
(4)募入最低価格における案分比率 44.5123%
(5)募入平均価格 99円99銭3厘4毛 (募入平均利回り)(0.0264%)

てな結果ですが、前場の引けの気配よりは甘めの所で決まっているのですが、そもそも論としてGCはまあ置くとしても短国現先よりも盛大に低いところでの水準という絶対水準の方がどうなのよという感じで、3bp割れのまんまですなあとか思っていたら引けでは2.9bpとか3bpとかになっていて、今日の短国買入の基準利回りになる売買参考統計値の単利平均は2.9bpになっておりますので引け甘で入れると普通に投げになりそうで、相対的に1年新発が入りやすくなって日銀ニッコリと思いましたが1年新発の売参も1.5bpだったりするのでそんなに変わらないですけど、まあアベレージからの距離で言えば3M新発の方が不利ですかねえ(とか雑な事を言っているが実際は1年新発をホールドしているとこの間の在庫ファイナンスでのネガティブキャリーでコストが悪化しているので本当はそことの対比が必要ですので念の為申し添えます)。まあいずれにせよ昨日の入札およびその後のセカンダリーがパッとしていませんので、短国買入を普通に3兆オファーしてきてもヒャッハーとかならないので安心してオペを打ち込めますね(棒読み)。


・固定金利オペはまた微妙に減るのです

昨日のオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140724.htm

国債買入(残存期間5年超10年以下) 13,000 4,012 -0.009 -0.008 58.9
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,658 1,001 -0.010 -0.008 30.2
国債買入(残存期間25年超) 1,312 300 -0.019 -0.013 20.0
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 42 42 -0.400 -0.400
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(7月28日スタート分) 4,000 4,000

輪番が強くて債券市場がウヒョーとなっていたような気がしますがその辺は華麗にスルーするのがドラめもんクオリティでして、相変わらず注目する人が少ない短期オペの方に目が行くわけですけれども、昨日のオペは4000億円の落札になって、折り返し元が6010億円なので2010億円の減額となりまして、まあなんとなくそんなもんかなと思う結果で、一応この位の減りだと2.5兆円の短国買入でも帳尻は合うと思いますけれども、余裕をもつなら3兆円ですかねえとか。

いやまあ別にこれはオペやっている所が良いとか悪いとかいう話じゃないのですが、先般来申し上げておりますように今のディレクティブの建付けってMBが「年間この位増えるようなペース」で増やせと言われ、かつ国債50兆円で〜とか細々と書いてあって最後の帳尻が短期オペになっているという作りになっているのですが、財政要因での資金需給の振れが大きい(昔よりは純粋な財政要因の振れが減っているのですが国債発行額が増えていますからねえ)ので帳尻合わせるのが大変になりますので、本当は半年とか1年で見て帳尻合わせれば良いじゃんとは思うのですが・・・・・・・・

良く良く考えてみますと、あくまでも現在の金融政策でのディレクティブは「次回決定会合までの金融政策運営方針」として「MB年間70兆円のペース」となっているので、そうなるとある程度のブレは仕方ないにしても、やはり次回決定会合までの間にMBを減らすというのはディレクテブ的にどうなのよという話になるんでしょうなあと思う訳です。でまあ先般も申し上げているようにトン調節しているならオペが帳尻モードになるのは当然なのですが、単にMB残高がどうのこうので帳尻オペ状態になるのってどうよという気がする訳ですよ。だってMB残高がどうのこうのってそらまあ当初は木久扇師匠の直線置物理論が作動していたかも知れませんが、基本的に「購入している資産の残高が効果を発揮して名目金利を抑えることによって予想インフレ上昇によって実質金利を下げる」という話を今はしている訳でして、そうなるとMBが幾らというよりも普通に「資産買入」(ここでフローにするのかストックにするのかは微妙だが)をディレクティブにして、その結果MBが増えていくというような運営にした方が、「資産買入とインフレ予想の引き上げで実質金利の引き下げ」という政策の効果(が本当に効いてるのかどうかは知らんが)というロジックにも合致しますし、変な帳尻フローによって短期市場の需給(具体的には短国の需給)が無茶苦茶に振らされる(今や1年以内のゾーンとかGCとかの方がイールドボラティリティだけでみたらドタバタと動いていますぞな)のが軽減されますし、帳尻オペ実施する方だって大変なのですからオペレーショナルにも楽だと思うのですよね。

ということで、まあ年末までは残高目途を出してしまっているので致し方ないにせよ、来年になったところではMBの目標ではなくて月々の資産買入残高またはフロー(まあ残高効果というのは理屈としては判るのですが、市場的に言えば目先のフロー効果の方が金利形成に影響大きいのと、残高でやると四半期の国債償還が大きいので残高での帳尻を合わせるとフローのデコボコが起きるのでフローベースの資産買入について出した方がやりやすいと思うのだが)を示す方が良いんじゃないですかねえ進捗がどうのこうのとか言われないし、とは思うのですけどね。

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2014/07/24

○市場関連雑談というか計数関連雑談というか

・レポレートは高めとな

東京レポレート
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html

こちらの『東京レポ・レート(一覧)』をDLしてトモネのGCレートの推移を見ますと、先週木曜(17日)の所から8bpレベルに上昇してまして、これはまあ木曜に3Mの入札があるから需給が緩むせいなのですが、従来の動きだと短国買入の結果を確認した後の週明けの所から木曜に上がったTKRRが下がってまた木曜に上昇というのが基本的な姿なのですが、今週は週明けになってもTKRRがサガランチ会長になっておりまして、10bpをちょっと切る位の数字で推移しているという状況。

いつもですとGCレートと短国セカンダリーレートの差がデカイと業者の在庫ファイナンス的にネガティブキャリーになるので、そうそう長期間在庫にしている訳にも行かずに基本的には短国のレートの方がGCレートの方にさや寄せされて調整する筈なのですが、超足元では短国のレートが上がる感じでも無いというのが中々チャーミングな現象。普通は今申し上げたように最終投資家のニーズのあるレベルまで金利が上昇するものなのですが、何せ足元では日銀という盛大な投資家様が鎮座致しまして、この人が基本的に成行で買って下さいますので中々短国のレートが調整されない(足元のGCレートが高止まりしているから新発CPのレートとかは普通にやや上昇気味なんですけどねえ)という有様で、これは先般黒田総裁様が会見の質疑応答で仰っていた「買入政策の効果によって金利が低下しているので無問題」という話ではなくて、明らかに「買入政策の効果によって市場価格の形成に大きな歪みが生じており、価格発見機能が著しく低下している」という状況を示すものだと思うのですけどねえ。


でまあそんな毎度の悪態はさておき今日は3Mの入札があるのですが、上記のようにオペによって需給が妙な事になっている上に、以下書きますけど多分今週金曜も3兆の短国買入が実施されると思われますので、結局の所そこで在庫捌けるでしょとなるから入札時点でそんなに調整はしないんでしょうなあと適当な事を書いてみる(内容無担保無保証^^)。



・シグナルオペロールとな

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140723.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 2,000 2014年7月23日 2014年7月24日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2014年7月25日 2014年11月5日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140723.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 52 52 -0.400 -0.404
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(7月25日スタート分) 10,140 10,140

てな訳でシグナルオペのロールのロールが行われたのですが折り返し元の残高が11820億円ありましたので、1700億円程の減額ロールでまあ微減という所です。微減だと今週末の短国買入が幾らで来るのか微妙かなあと思って物は試しに計算する訳ですが・・・・・・・・

固定金利オペ(シグナルだけではなく普通の固定も含め)の残高なのですが、6月末現在で11兆8759億円となっていまして、今回のオペロールで落ちた分を加味して計算すると現在の固定金利オペ残高が10兆4441億円になると思うので今月の固定金利オペの落ちがここまでで1兆4318億円。

今月の資金需給については(本当はここまでの走りと残りの日程から考えるともうちょっと精緻に計算できると思うのですが手抜きバージョンで)月初に出ていた日銀の資金需給見込みを参考にすると、16兆5500億円の資金不足ですので、固定金利オペの落ちをこれに加えた額がマネタリーベースを維持するために必要になるので、積み上げないといけない買入が17兆9818億円になりますな。

このうち輪番オペでの買入が奇数月なのでオファーベースだと6兆2900億円なのですが、前月の輪番で月末跨ぎの分が6300億円あって、今月の輪番で月末跨ぎをどれだけやるのかという入り繰りの問題があってこれがまた微妙になるのですけど、物凄く雑に考えて月末跨ぎ部分をツーペーとして長期国債で6.3兆円積んだと考えると残りが11兆6818億円(今月月末跨ぎをしないと11兆円まで減るわな)で、ここまでの短国買入が9.5兆円(だんだん面倒になって端数を無視する^^)ですな。

とまあ足し算(つーか引き算)していくと一応今週の短国買入は2.5兆円でも行けそうにはみえるのですけれども、今月は4月に短期の需給がやや緩んでいた時期に行われた固定金利オペのロールがあと2回ありまして、これが6000億円とか7900億円とかのオペになっているので、足元までのロールの状況を見ると2回分で3000〜4000億円位ロールで落ちてくる可能性がありますから、まあ3兆円買った方がMB積み上げ的に安心なのと、先週の短国買入の落札レートからすると新発1年TBがそんなに買えて居なかったような可能性もあるので、それも考えるとやはり金曜は3兆円の買入という事でしょうな。


・例によって国債銘柄別残高(メモ)

毎度おなじみのこちらですが
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高

こちらから毎度の如く残高を落としてきて買入銘柄の前回比の差分を取ってへこへこと計算すると(本人はちゃんと計算した積りですが間違ってたらすいません)、平均残存が6.65年とかになって、今期間の購入銘柄数は45銘柄になっていると思います。まあ例によって例の如く10年334が3400億円位買われていたりして、毎度のクオリティですな、うんうん。

まあ超長期のゾーン分けが効いてまして平均残存はやっと7年程度とか6〜8年とか言ってたレンジの中心に収まるようになってきて、これでまあ暫くは買入の内訳とか変にいじらなくても済むのかなあとは思われる次第で。

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2014/07/22

○オペ関連メモ:シグナルは減額で短国買入は少々甘いとな

金曜のオペオファー自体は順当
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140718.htm
国庫短期証券買入 30,000 2014年7月23日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2014年7月23日 2014年10月31日

落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140718.htm
国庫短期証券買入 74,710 30,003 0.002 0.003 40.7
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(7月23日スタート分) 9,730 9,730

ということでオペですが、まず短国買入については3兆円のオファーですが普通にこれは予想通りのオペオファーなので順当。落札結果の方ですが上記のように今回は引け対比甘の結果になっておりまして、引値から勘案するとこの結果だと3Mの既発で手持ちの分と、前日の新発のうちコストがまあ良い分があればそちらが主に打ち込まれたように見えます(1年新発入れると引けが0.016%なので甘で入れると入札レベルから見るとやられ、3M新発入れると引けが0.019%だが入札は平均が0.0206%で足切りが0.0263%なので2糸甘とかならまあ何とか)ので1年新発どの位入ったか知らんですが日銀涙目の展開のような気がしますがどうでしょうかねえ(ニヤニヤ)。

・・・・・・と考えますと、どうしても1年物を買いたい日銀様におかれましては(次に申し上げるシグナルオペロールの件もありますので)今週の短国買入も3兆円でオファーしてきて何の不思議もない(たぶん市場の予想は2.5兆か3兆だと思う)次第ですなあと思うのですが、年末越えの短国を買いたいので年末越えの新発短国入札週の短国買入を増額する位ならもう面倒だから6Mと1Yの出た翌日に短国買入すれば3M新発の影響が無いから思ったように年末越えの残高稼げるんじゃないですか(ゲス顔)という所ではございます。つーかね、年末越えの短国を買いたいからという理由で年末越えの短国入札週の買入を増やすと、結局その週の3か月短国の方にも影響が来てしまうので、全く持って誰得な展開だと思うのですけど。

しかしまあ何ですな、これ年末越えの残高稼ぎという意味では10月発行分からは3Mも年末越えになるのですが、年末越えの数字を早めに作りに行って最後になると数字が出来たから短国買入イラネとかやりますと昨年末の二の舞になります上に、その時点で今のMB目標政策の枠組みが終了していれば良いのですが、まあ普通に考えるとそういう訳にも行かずでしょうし、相変わらず月々のMB残高について維持しようとゆーよーな運営が続きますと、変な買入ラッシュで償還の山を作るとその後の帳尻の所でまーた短国買入に変な皺が寄るので、この帳尻感溢れる短国買入(オペ運営の枠組み上短国買入が帳尻になるので仕方がないのだが)はどうなんでしょうねえと思うのでした。


シグナルオペの方ですが、9730億円でのロールになりましたが、この折り返し元になるオペは12680億円ですので3000億円ほど落ちていまして、まあ歩留まり的にはこんなもんちゃあこんな所ですけれども、順当に残高が落ちて(ロール分がこれから落ちるのを勘案すると11兆円割れが確定)おりまして、この分も短国買入の帳尻3兆円攻撃来ますなあという感じがする所です。

以上メモでした。

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2014/07/18

○毎度の市場ネタ

・3M入札は先週のアレをもう少しマイルド(?)に

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140717.htm

(3)募入最低価格 99円99銭3厘5毛 (募入最高利回り) (0.0263%)
(4)募入最低価格における案分比率 98.5333%
(5)募入平均価格 99円99銭4厘9毛 (募入平均利回り) (0.0206%)

ということで今回の短国入札も流れましたが先週の盛大な流れ方よりはマイルドという結果でしたが、入札前の動きも先週よりはマイルドとなっていまして(^^)、前場はまたまた気配を強くしていって2bpビット位から最終的には1bp前半のオファービットという気配で前場を終了させるという展開。さすがにゼロは入札前につかなくてホッと一息という所。

でまあ落札結果は上記のとおりでアベレージで2bp乗せとなっていて足切りは2.6bpとなっていまして前場の気配からまた流れるの巻となりまして2週連続で同じ(今回の方がマイルドですが)動きになるとかワロタという結果ではあるのですが、先週の3M新発は入札前がアレでしたが落札結果自体は平均は兎も角足切りが3bpに届いておりましたので、足切り的に言えば先週の入札より強い(というか先週の入札の後に結局2bp台に押し戻されたので目線が定まったというのが正しいのでしょうが)結果になっておりまして、着実に無慈悲な日銀の買入が効いているという事ですなorzorz

でまあこうやって2回連続で入札前の気配強い→入札が流れてまあそこそこ普通の所まで行く、というのが発生すると次回かその次あたりになると楽勝気分で普通の気配から普通の入札をやろうという流れになるのが市場ちゃんの仕様なのですが、その時が一番危ない訳でございまして、また闇討ち攻撃で入札を上で切るパワープレイが炸裂する恐れがあるので注意注意という所でございます(^^)。


・固定金利オペは微妙に残高を落としています

昨日のオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140717.htm
国債買入(残存期間5年超10年以下) 12,203 4,010 -0.004 -0.003 48.6
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,990 1,009 -0.003 -0.002 97.0
国債買入(残存期間25年超) 1,515 302 -0.015 -0.012 5.2
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(7月22日スタート分) 3,991 3,991

今回の固定金利オペの折り返し元は実は2本の足があって、その2本を合わせて6151億円となっていまして、良く良く考えたら前回のオファー額を継承するならオファー1.6兆円という手も無くは無いのですが、まあ落ちが6151億円しか無いのに1.6兆もオファーしてもシャーナイナイだから普通に8000億円でオファー打って来たんでしょうかね。

んでもって今回は2000億円ちょいロールで残高落ちておりまして、まあこの金利の状況ですし、貸出増加支援オペもありますしという事で固定金利オペのニーズが伸びるという事も無いでしょうからこちらの残高落ちる→短国買入に負担という流れは続くのでしょうが、固定金利オペの歩留まりが短国買入必要残高にモロに効いてきますから段々気になってくるところではありまする。


・一方で東京レポレートはと言いますと・・・・・・・・

東京レポレートである。
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html

こちらを見ますと昨日のT/N取引のGCレートは前日、前々日の4bp台からいきなりジャンプして8.4bpと華麗に上昇しておりますが、17日のT/Nとなりますと取り組み日が22日の翌日物でありまして、1年TBと3MTBの新発発行日となる訳ですが、そこの部分での在庫はそこそこあるからレートは上昇する、とまあそういう話ですな。

・・・・・・・でまあそれはそれで短国発行日にGCレポレートが上昇するのは普通のプレイではあるのですけれども、良く良く考えてみますと一方で短国の入札の落札金利は1年短国が華麗に1bp台だわ3M短国も落ち着いたとは言え足切りが3bp割れだわという展開になっている訳ですよね。

短国の投資家の引き合いが物凄く多くてプライマリー段階で売れ売れで瞬間蒸発!というような市場の地合いの場合って基本的に入札も強くなりますが、発行日時点で売れ売れなので短国の在庫も軽くなっていてGCレポとか現先レートとかは上がりにくくなるとかそういう展開になる訳でございまして、一方で足元でこの現象とは何ぞやと考えますと、市場の需給に対する超巨大要因がオペになってしまっている(オペの場合は金曜にオファーが入るので発行日当日の受渡しにはならんので発行日は受渡しベースで在庫のまま)という事を示す訳でございまして、ここが年度末要因などによる買いで強くなっていた時と話が違う所だと思うのよね(6月末は現先やレポの金利も盛大に低下した)。

まあつまり日銀無慈悲な買入で短期市場が火の海といういつものフレーズを言いたいだけですが(−−)。


・そういえば短国買入の残高ですけれども・・・・・・・・・・

先日は日銀の旬報の方から数字を拾って話をしておりまして、まあそれはそれで日銀のバランスシート残高という意味では合っているのですが、短国買入という意味になりますと若干違ってくるというのを華麗にスルーした書き方になっていたので再度。

6月30日の営業毎旬報告
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2014/ac140630.htm/

別表1にある短国残高は
『国庫短期証券 45,281,968,924』
ですな。

6月30日現在の日銀短国買入銘柄別残高
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

ここから銘柄別の額面残高をDLしてきて額面(短国なのでまあ額面と時価はそんなに変わらん)残高を合計すると33兆9800億円となっておりまして、11兆円少々の差が生じております。

ではその11兆円とは何ぞやという話ですが・・・・・・・・・
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/rel131224a.htm/

『平成26年度中に償還期限の到来する本行保有国債(以下「償還期限到来国債」という。)の借換えのための引受け(以下「借換引受け」という。)にかかる取扱いについて、「対政府取引に関する基本要領」(平成11年3月26日決定)2.の規定に基づき、償還期限到来国債のうち、利付国債額面総額11兆1,000億円について、割引短期国債をもって、借換引受けを行うこと。』

ということで、これは償還乗換分が乗っかっておりまして、つまり日銀のバランスシート的な計算だと多分短国の買入は50兆円程度まで持って行くことになるのでしょうが、うち11兆円程度は償還乗換の部分になるので実際は年末までの買入必要残高は40兆円弱になるのでした(大汗)。

でまあその40兆円って何ぞやと言いますと短国の市中発行額が大体130兆円(5.7兆×13+3.5兆×6+2.5兆×12+2.5兆×2)になりますので、そのうち3分の1近くを日銀が盛大にご購入遊ばされるという事ですのでそらまあ需給が逼迫する罠というのは同じなのですが、

なお、昨年度の償還乗換と比較しますと
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/rel130129c.htm/

昨年度の償還乗換が11.7兆円でして、今年度は6000億円落ちますが、落ちた分というのは日銀のバランスと政府預金が相殺される形になるので、MB的に言えば中立になるのですが、政府預金の残高がそこで純減になるのか、その分の穴埋めに国債等が充当されるのかで話が違ってきて、償還乗換分の償還が財政揚げ要因に化けると市中の資金需給的には資金不足要因になるので、MB積み上げ上は短国買入をせっせと実施しないといけないという計算になりますが、まあ6000億円ですし、さっきの引用した部分からすると差分が11兆3000億円となっていて、ここから償還乗換要因でバランスシートから落ちるのは2000億円になりますからまあ誤差範囲内なのでネグってもよさそうですな、うんうん。


○短期オペ関連雑考の思考メモという雑談ですが

ということでまあ今月に入りまして短国レートがホイホイ暴れるようになっておりますが、まあ良く良く考えますとMB積み上げにおいて当座預金残高の推移を見ると大体分かりますように、前月末対比での当座預金残高をあまり落とさないようにして、できれば積むようにしながらという運営をしているように見えますよね。

でまあそれ自体はディレクティブの方で『マネタリーベースが、年間約60〜70兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う。』と書いてあるので、あまり前月対比で減らすのは宜しくないとか、そもそもMBの数値自体が毎月(というか毎日ですが)公表されていますので、その額が減ると「緩和の後退」だの「日銀版テーパリング」だの言いだしそうな人たちが沢山いるのでMBを前月比で明確に落とすのはマズーという事なんだと思います。

という事情は事情で分かるのですが、一方で日本の場合は財政要因の振れがタダでなくさえ大きくなっていて、四半期とか半期で見た場合の入り繰り(中長期国債の発行が毎月なのに償還が四半期とか、年金の定時払いが偶数月のみとか)が大きいので、その入り繰り部分を短国買入で調節するという謎プレイが結果的に炸裂せざるを得なくなっておりまして、短国流通市場の需給を必要以上にぶらせる結果となってしまっていますな。

#通常のトン調節をしている分には別に問題ないし、大体からしてその辺の短期的な需給を均すのは買切ではなくて通常の共担オペのような方式になるから、そちらはレギュラーな話

まあ年内までのディレクティブについては今更動かす訳にも行かないから当面はこの調子になってしまうのは致し方ないにしましても、12月以降の調節運営に関しましては(2%付いていたら話は全然別なのですがそれはさておき^^)やはりオペレーション運営上の事を考えますと、マネタリーベースでの運営を行うにしても、ストックベースの残高での運営するなら「月ごと」の数値ではなくて四半期とか半期ベースでの数値を気にするようにするとか、そもそもストックの話はしないでフローの長期国債買入額をベースにするのが良いんじゃないかと愚考する次第。

例えば「長期国債買入を月間7兆円のペースで実施で他の残高は維持(短国については40兆円の
買入残高をベースで維持されても厳しいので減らした方が本当は良いのですが)」とやって、特に先の数値目処とかを出さない方がオペレーション上はだいぶ運営が楽になりますし、一々償還から逆算して買入額を計算してとかややこしい事を考えなくて良いですし・・・・と思う次第で、QQEの時はまあエイヤーで実施したから仕方ない部分はあるにせよ、オペレーションのフィージビリティーを碌すっぽ検討しないでヤケクソで打ち込んだQQE政策のオペレーショナルな問題が噴出してきたという所ではないかと思いまする。

なお、短国金利がマイナスに突っ込んでも良いじゃないか市場だもの、という意見もあろうかとは存じますが、それこそ先週の短国入札でも示されましたように、名目ゼロ金利の所には色々な観点からの「越えられない壁」というものがありまして、そこの壁をぶち破りますとその瞬間から制度的な問題とかその辺りに波及してくる可能性が(直ぐに問題が起きるとは言ってないので念の為)ありまして、その手の影響って意外に問題になる可能性もありますので、まあもうちょっと短期オペへの負担についてはフィージブルな対応をして運営して頂きたい物ではあると思うのであります。

今決まっている部分について変更するのは難しい、というか変に変更すると間違ったメッセージを与える可能性があるので現状のまま突っ走るしかないのですが、年末以降もどうせ何らかの形でそれなりの規模の資産買入が維持される(目標行きませんゴメンナサイだと継続どころか更に拡大かも知れず・・・・・)訳ですし、その際に今のパターンのオープンエンドは如何にも無茶というか長短オペのバランスがおかしいので、別に今直ぐにどうこうという訳ではありませんが、年末まで放置プレイという事の無いように願いたいものであります。


#金融経済月報ネタがスルーになってしまいましたすいませんすいません

#しかもネタが完全にマニア向け雑談になってしまって普通の長期債主戦場の方にもポカーンですよねすいませんすいません

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2014/07/17

○毎度の市場雑談メモ

・1年TB入札ェ・・・・・・・・・・

昨日の1年TB入札ですが、朝イチの時点でゼロ%オファーの3bpビットとかもはや何が何だかワカランチ会長の状況下でありましたがその結果。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140716.htm

(3)募入最低価格 99円98銭5厘 (募入最高利回り)(0.0150%)
(4)募入最低価格における案分比率 89.6209%
(5)募入平均価格 99円98銭5厘 (募入平均利回り)(0.0150%)

・・・・・・・・・おーのーという所ですが、今回もまたまた強いところで切れてしまった入札で、落札結果出た後にまたまたショートカバーでゼロ%の出合いとかやっておりまして、更におーのーという展開。市場推計の落札分布によりますといわゆる不明玉が発行額2.5兆のうち2.3兆とかになっていまして、そらショートカバーしないといけない人が出るわなという展開。なお本日の当銘柄の引けは1.6bpとなっておりましたようで。

しかしまあ何ですな、これって前週の6Mと同じような展開で、派手に強い所で落札をしたとしても足元では日銀が短国買入を更に派手派手に実施していますし、しかも日銀の短国買入の打ち方が露骨に年末越え残高を稼ごうという動きになって居ます(だから先週は無慈悲に3兆円オファーとかしてる訳で)ので、少々強い所で落札してもその週の短国買入の額がでかくなることが期待されるので日銀に打ち込み出来るでしょというオペディール状態になっているのが誠に遺憾の極みという所ですな。

でまあそのオペ関連の動き(年末越え銘柄の入札が上で切れるのも含め)でその度に一々市場が荒れてイールドがその度にすっ飛ぶとか実に迷惑この上ないので、この際ヤケクソで年末までの1年と6M入札は全額日銀引受してくれよと言いたくなってしまいます(ちなみに1年が2.5兆で6Mが3.5兆なので例えば6か月間それをやると年末に短国残高を50兆円程度になると考えた場合その予算(?)を7割ほど充当できるのですが^^)にゃあ・・・・・ってもちろん本気で言ってるのではなくギャグですので念の為お間違えの無いように(^^)。

なお次のネタに重なりますが、固定金利オペの残高も微妙にではありますが落ちていまして、昨日はその共通担保オペ結果を見てとりあえず明日の短国買入3兆は確定で、へたしたら来週の短国買入も超無慈悲に3兆の惧れがアリエールという懸念も浮上という所だと思うのですがどうですかね。

そして本日は3Mの入札があるのですがもう何だか知らんわ(ヤケクソ)。


・シグナルオペのロール来ました

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140716.htm
CP等買入 4,000 2014年7月22日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 20,000 2014年7月18日 2014年10月28日

ということで2兆円とかでオファーが入るのは昔のシグナルオペのロールがこの前3カ月物で打ち込まれておりまして、その足が来たのでロールが来ましたという展開です。


オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140716.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(7月18日スタート分) 11,711 11,711
CP等買入 9,563 3,335 0.090 0.092 53.5

18日に足が来るオペの折り返し前の額は15180億円でして、今回は3500億円程残高が落ちている格好になっており、その分は日銀のバランスシートが落ち、当座預金残高が落ちる要因になりますので、その分を埋めに行こうとすると必然的に短国買入で埋め合わせをしないといけないという事になります。

一方で短国市場がご案内の通りのあばばばばーな状況になっておりまして、更に短国市場にストレス掛けてどうするねんという所なのですが、もうちょっと先でネタにしますが一昨日の総裁会見で短国市場の質問も出ていましたが「一時的な現象(キリッ)」「金利低下は政策効果の現れ(キリッ)」と市場機能論とか副作用論とか知らんがなという大変に素敵な説明になっておりますので、短国市場への皺寄せは今日も逝くという所ですなナムナム。

まあこの位は落ちるだろうという感じだったと思いますのでサプライズという事でも無いのですけれども一応メモメモ。今月はあと2回シグナルオペの足があって、あと8月1日にも足があるので、オファーベースではシグナルのロールが3本となる筈です。


・業態別当座預金残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

こちらからDLしますと数値が拾えますが、6月はどどーんと当座預金残高の積み上げが進んでおりまして、大体殆どの業態で当座預金残高が盛大に積み上がっておりますが、証券に関しては積み上がっていませんなあ、と申しましても証券の場合はそもそもが商品有価証券を持ってその在庫ファイナンスをするという業態の性格上バランスシートを積み上げるという訳にはいかないからそらそうよという所で、他の人たちほぼ皆さん積み上がっていますかね。

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2014/07/15

○日銀計数関連メモ

・国債買入残高の旬報

日本銀行が保有する国債の銘柄別残高
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/

でまあ例によってこちらから銘柄一覧をDLして6月30日の残高と比較しますと、今回は銘柄数では88銘柄も入っていて一瞬おーと思ったのですが、そもそも今回の期間の輪番って中期ゾーンが2回あって短期ゾーンが1回入っているのですから銘柄がばらけるんでした残念無念。

でまあ買入残高上位銘柄は5年118回(2110億円)、10年334回(2078億円)、10年304回(2000億円)、5年106回(1707億円)、2年341回(1541億円)という所で、毎度のカレント物と残存3年ちょいの5年106回債があるのですが、残存5年ちょいになる304回が入っているのねという所で。7/1の輪番とか10年新発入れにくい回だったからこの時には少し銘柄が分散されたように思えますがどうでしょうかね。なお平均残存は5.7年だと思いますが月ベースで見ないとあまり意味が無い(今回の対象期間に超長期輪番が無かったので)のでまあそういう数字ですという話です。

以上の計算はあたくしが人力でヘコヘコ計算したものですので内容については皆様ご確認を、というかやってる人沢山いると思いますが。


・営業毎旬報告

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2014/ac140710.htm/

たまには数字を見ましょうということで年末の目標値と比較してみる訳ですが。

年末の目標値はこちらの4ページ目にございますな。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130404a.pdf(昨年3月の異次元緩和声明文)

資産サイド

長期国債:目標190兆円、現在169.4兆円
CP:目標2.2兆円、現在2.3兆円
社債:目標3.2兆円、現在3.2兆円
ETF:目標3.5兆円、現在3.0兆円
貸出支援基金:目標18兆円、現在17.9兆円

資産合計:目標290兆円、現在262.9兆円

負債サイド

銀行券:目標90兆円、現在86.3兆円
当座預金:目標175兆円、現在152.9兆円

ということで、ストックベースで見た場合には長期国債がここから20兆円増えるので、当座預金残高も単純計算すると173兆円近辺まで増えるという話になって、MB目標はめでたく行くんじゃないですかという結論にはなってくれるのですけれども、超過準備が増えていく間に短期市場的には資金が更に余って行く訳でして、超過準備を素直に皆様が積んでくれるのか(バランスシート制約が起きないのか)とか、現在11.5兆円の残高がある固定金利オペの残高がこのまま無事に推移してくれるのか(貸出支援基金に振り替わるだけならオペ間の振替になるのでチャラだがここの部分がネットで減ると短国買入に負担が掛かる)とか、まあその辺が気になる所。

でまあ何ですな、ストックベースで言えば短国買入残高はここからそう爆発的には増えない筈という事にはなるのですが、市場の目先の価格形成的にはフローベースの方が恐らく効く(ここの部分は正直評価が難しくて主成分分析とかしても市場の体感的な価格形成とはイメージが違う結論になりそうだが、水準はストックが効いているかも知れんが、目先の価格の上下にはフローが効くという事なのではないかというのがざっくりとしたイメージ)ので、買入残高が累積的に増えてくると(買っているのが主に3か月カレントなので)償還ロールの額も増えてくるというのが実にこう残念な所ではあるなあと思いつつ、そろそろ真面目に年末までの買入フローに置きを適当においてシミュレーションできそうな感じになってきた(今買う3か月カレントは10月償還とかになるので次のロールは年末越え)かなあと思うので気が向いたら真面目に計算するかもしれません。

しかしストックベースという意味で考えますと、ストックが現水準の状態で四半期末要因だの海外要因だので買いがちょっと入るとゼロ近辺に金利が突っかけに行きますし、カレントの3M短国の金利は2〜3bpとかでやっていますしという所でして、超過準備増える中で固定金利オペの需要が更に減るのは見え見えとなりますと、貸出支援が相当伸びてくれないと短国買入のストックを更に増やさないと行けなくなるとかもう勘弁状態になる恐れもあるとゆー中々オソロシスな話ですので、まあ今月来月の固定オペのロール状況も重要ですし、更に波乱材料になりそうなのは超過準備が更に積み上がった後に来る次回の固定オペロール(3M中心にやっているので次のオペエンドの山は10月から11月に来る筈)ですなあという所で。


○決定会合プレビュー雑談

まあ何ですな、今回の決定会合は特段何か出るという事もないでしょうし、展望レポートでは目先の成長見通しを下げてくるけど物価見通しは不変で先行きの見通しは成長も物価も不変という話をしてくるでしょう(ゲタ部分の補正はあるかも知れんが)という事で、それは即ちただのスタグフレーションではないかというツッコミをしたくなりますが、マンデートは物価ですから物価が上がれば成長がダメダメでも良いんですよね(白目)!!!!

・・・・・・・という悪態は兎も角として、展望レポート中間レビューということで最近は何とかストの皆様におかれましては成長とか物価とか雇用とかの先行きに関連するレポートが色々と出ているようでございますが、まあ経済見通しという意味ではなるほどと思いつつも、先行きの金融政策インプリケーションという意味では別の視点もあるんじゃネーカと。

つまりですね、まあ経済物価見通しに関しては色々と見解が分かれる部分で、その辺りはエコノミスト的な見地から色々な見解があると思うのですが、QQEの今後という文脈で考えますと、そもそもQQEの導入自体がまあぶっちゃけ極めて政治的な背景があった訳でして、QQEで示した「2年で2%」の手形(空手形?)の期日が来た所で、まあ明白にダメダメだとアレなのですが、基本的には「失敗でした」とは言いにくいのではないかと思うのですよね。何せ今回はアベノミクス第一の矢とか言われている訳で金融政策コケたらアベノミクスもコケるというリスクがある訳で、従来(というか速水さんの時や麿の時)のように「日銀ケシカラン」で済ませる訳にはいかないという点は留意せんといかんのではと思うのですよね。

つまり、浜田内閣参与の説明じゃないですけれども、「デフレ脱却しているし景気も好調だからいいじゃないかにんげんだもの」(違)攻撃という極めてポリティカルな落とし所が炸裂するという可能性だってある訳で、純粋に経済見通し的な観点での先行き予測ってコアCPIの部分に妙に注目というか力が入り過ぎていて、そこだけフォーカスされている感があるのですが、そもそも物価だってコアCPIのアクチュアルな数字だけ見ていれば良い物でも無い(ただしこれはコアCPIにやたら注目をさせるようなプレゼンをする日銀執行部のせいでもあるが)訳で、何ちゅうかその辺の視点も考える必要があるんじゃネーノとは思うのですよね。

ということで全然プレビュー雑談になっていない雑談でしたとさ(汗)。

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2014/07/14

○無慈悲短国3兆円買入キタコレ

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140711.htm
国庫短期証券買入 30,000 2014年7月15日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,000 2014年7月15日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,000 2014年7月15日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,000 2014年7月15日
国債買入(残存期間25年超) 300 2014年7月15日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 1,395 2014年7月11日 2014年7月14日

ということで、金曜の短国買入は貫録の3兆円(市場予想の中心は多分2.5兆円だかリスクシナリオは3兆円)となりましたが、これはつまりどういう事かと勝手に妄想を加えますと、前日の3か月TB入札がご案内の通りで滑りましたので、日銀の短国買入に入ってくる銘柄として新発3か月も入りやすくなるのですね。

一方で月次でMBを落としたくないというのに加えて年末のMB目標もありますので、日銀としては恐らく年末越えの短国の残高を積み上げたいというインセンティブがありまして(市場的にも年末越えの残高を日銀が早期に積んでくれればフローベースの買いの負担が減るのでシメシメではある)、そうなりますと不明玉が大量にある火曜日の6M新発を確実に買いたい、というのがあるでしょうという事で、まあ市場の需給がどうのこうのとか考えている場合でも無く無慈悲3兆円買入オファーとなったのでしょう、と勝手に想像しますがまあ市場もそう想像しているでしょう。

でまあ無慈悲3兆円オファーの結果は以下の通り。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140711.htm
国庫短期証券買入 55,041 30,003 -0.002 0.001 51.2
国債買入(残存期間1年超3年以下) 8,023 3,004 0.002 0.002 31.9
国債買入(残存期間3年超5年以下) 8,390 2,001 0.004 0.004 75.7
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,758 1,008 -0.002 0.001 11.4
国債買入(残存期間25年超) 1,636 303 0.008 0.008 93.4
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 2 2 -0.400 -0.400

ちなみに一番売買参考統計値が強いのが当然ながら火曜の6か月新発でして、こいつの売参が1.5bpでしたので1毛5糸強まで入ると出来上がりゼロ%の買入となったのですが(^^)、惜しくも(?)そんなオッペケペーな結果にはならずに引け近辺の平均になりました。

・・・・・・・とは申しましても、そもそも論として例えば6M新発(464回)でしたら入札が2.1bpでやっていましたので引け甘で入れても(いやまあ6糸甘入れたら負けですが)勝ちでして、別にまあ欲張る必要もないちゃあ無いので夢のマイナス利回りとかそういう話には成らず、と申しますかそれ以前の話として既発の3か月近辺も全て引値が引っ張られて2bp近辺になっています(その前の週と月末の新発3Mは2bp割れですし)ので、この辺の銘柄も放り込めば利食いモードとなります(持っていればの話ですが)という事で、まあ今回は札が入りやすかったという事でしょう。

でもってその札の入りやすい短国買入であっても足切りは1糸強まで来ていまして、3兆円の買入オファー攻撃の効果オソロシスという所ではないかと思われます。そらまあ3兆あればそこそこの所入れても入るんじゃネーノとなるので皆さん札を別に安い所に入れにくくなるからこういう結果になりますがな。

しかしまあ何ですな、そんなに年末越えを買いたいのでしたら新発3Mが出てからじゃなくてその前の6Mと1Yの入札の翌日に短国買入やれば良いんじゃないですか新発ばっかり入ってきますよ(なお買入レートはどうなるか知らん)とか、もうこの際ヤケクソで年末越えの短国が出たらその日の13時に短国買入オファーしたらヨロシんじゃないですかその銘柄の買入基準利回りは当然ながら平均落札利回りにするとして(短国の売参WIは基本的に甘い)。

まーそうは言いましても先週は6Mが3.5兆円に3Mが5.7兆円でているのですから不明でどこかに嵌ってしまったのはあっても買入に突っ込む玉はあったでしょうとゆー所ですが、今週は1年なので1兆トータルの発行が少なく、おまけにその後2週間は3Mしか入札がありませんので無慈悲買入を続けておりますと結局来週か再来週にはまたあじゃぱーな展開になってくる恐れがありますし、今月は固定金利オペの落ちの問題もありますので、短国買入はそこそこ無慈悲に実施されると思いますので色々と大変な展開はまだ続くという所でしょうな、うんうん。

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2014/07/11

○短国入札が色々とアレでしたのでメモ

昨日は短国と30年の入札があったのですが、まさかの短国入札大注目になってしまって30年入札も霞む勢いとなったのはオソロシスでありましたが・・・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPL4N0PL0T020140710
〔金利マーケットアイ〕3カ月物国庫証券入札、入札前取引で‐0.002%
2014年 07月 10日 11:29 JST

『[東京 10日 ロイター] 〔金利マーケットアイ〕
<11:24> 3カ月物国庫証券入札、入札前取引で‐0.002%
財務省は3カ月物国庫短期証券(465回)入札を実施している。足元の入札前取引(WI)でマイナス0.002%を付けた。落札利回りについて市場では「現状では予想がつかないが、マイナス利回りでの落札もあり得る。入札後に新発債利回りがマイナスを付ける可能性もありそうだ」(短資会社)との見方が出ていた。3日入札の前回の最高落札利回りは0.0461%だった。』(上記URLより)

ということで新発のWI取引は前場引けに向けてやや煽り気味にレートが低下していきまして、11時前についにマイナス0.2bpが出合ってしまいましてヒャッハーとなってベンダーのヘッドラインは出るわで短国3M入札が超大注目状態に。

でまあ前場の引けも結局0%ビットとかになりやがりまして、入札マイナスになるのかどうかという勢いになりつつ市場大注目の12時35分(結果発表時間)に。

落札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140710.htm

(3)募入最低価格 99円99銭2厘0毛 (募入最高利回り)(0.0317%)
(4)募入最低価格における案分比率 18.4767%
(5)募入平均価格 99円99銭5厘4毛 (募入平均利回り)(0.0182%)

ということで、入札結果は3厘4毛と盛大にテールが流れるというお洒落なものになりまして、夢のマイナス金利はお預けになりましたという所で、まあ昨日の新発入札前マイナス金利というのがインパクトあるのでニュースにはなっていますけど、落札結果がこれですので、まだ追い風参考記録的の範囲内という事になるんでしょうな。


ちなみにその後の状況。
http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPL4N0PL1MA20140710
〔金利マーケットアイ〕新発3カ月物国庫証券、入札後0.025%で取引
2014年 07月 10日 14:01 JST

『[東京 10日 ロイター]〔金利マーケットアイ〕
<13:58> 新発3カ月物国庫証券、入札後0.025%で取引
新発3カ月物国庫短期証券(465回)は入札後に0.025%で取引されている。午前の入札前取引(WI)でマイナス0.002%を付けるなど、「一時はマイナス利回りでの落札も想定されたが、さすがに低過ぎるレートには需要が付いてこず、足元では0.02%台で落ち着き始めている」(国内金融機関)との指摘がみられた。』(上記URLより)

ということで引値は2.6bpとかになっているようですが、まあ何はともあれマイナス入札とか100円入札とかやらかすのかと盛大に肝が冷えまして精神衛生上誠に宜しくない入札ではありましたですな。

まあ何ですな、そもそも短国マイナスで購入するというのは基本的に経済合理的には意味が無い訳で、ある場合というのは(通常は為替が絡んで)マイナス金利での調達が可能になった時に、その調達分の見合いの運用として円の預金などではなくクレジットリスクフリーの日本国債を買いますというケースだと調達金利よりも運用金利が有利ならワークするのでゼロとかマイナスとかでも間尺に合いますが、それ以外での買いって基本的には経済合理性だけではない場合になるというのは今更の話ですが念の為整理しておきますと・・・・・・・

でまあそんな短国購入ニーズと言えば基本的にはバランスシート要因によるものという事になりまして、良くあるのは期末のバランスシート調整で国債残高の帳尻の為に購入という事で、四半期末になる度に最近は一々短国市場がヒャッハーになるのはその状態。あとは担保要因という奴で、まあ冷静に考えると日銀の超過準備に置いておけば流動性確保は出来ているのですが、担保繰りの関係で担保がショートになってしまって確保しないといけないとか、まあモノとしてのニーズ(空売りのカバーも同様)となる筈で、足元は四半期末を通過したばかりで基本的にその手の「モノとして短期国債をマイナスも辞さずで買うニーズ」はまあ普通に無いと思われる次第。

ただまあ運用だのキャッシュ潰しだのという話になりますと、超過準備付利の外側の人とか、そもそも超過準備残高をバランスシートにそんなに積み上げて良いのかとか、流動性カバレッジ規制などの絡み(広く言えばこの辺の話はバラスシート要因でもありますが)での短国ニーズというのもありますし、まあそんなこんなでニーズがあるから短国金利も付利より下の水準で推移する訳ですが、そうは言いましてもゼロだのマイナスだのという金利になった場合にこの手のニーズは超激減する筈ですので、結局の所海外のニーズ(と業者の在庫確保ニーズ)だけで5.7兆円の札は集まらなかったのでめでたくプラス金利になったというのと、入札が流れたのは前場引け前にマイナス金利が付いてしまったので通常はプライマリーでニーズのある人たちが揃って札を引いてしまったからという事だったんでしょうかねえと。

ではそもそもどうしてこうなったという話になりますと、今延々と申し上げた市場ニーズの他に「日本銀行」という大変にオッペケペーな成行買いの人がいまして、この人がそもそも置物直線定量2倍2倍理論でMB拡大ヒャッハーとか言って市場のキャパを無視して(というかその辺についてはエイヤーで2倍にしているからキャパの検討もへったくれも無かったんでしょうなあと思いますが)盛大な買入を行っているからでして、日銀の短国成行買い攻撃で短国市場を物無芳一状態にした所でベーシススワップとかがワークして海外の買いとかが入ったり、期末要因の成行買いとかが入ったりするとあっという間にヒャッハーとなってしまうという事ですので、まあ今回の入札は事前の煽りでビビらせてくれましたが追い風参考記録というので済みましたけれども、今後も何かの拍子でこういうヒャッハー現象が起きると思うと毛の抜ける思いではございますな。

とまあ落ち着いたような物の言い方をしておりますが、この入札結果を受けて今日の短国買入は普通に2.5兆円で無慈悲にオファーが入ってくると思いますので(100円入札をやらかして短国買入をどうするのか見たかったという気もせんでもないがやはりそれは色々とヤバイ事になるでしょうなあ)、この落札結果がまた激強プンプン丸とかになるとアッという間にヒャッハー再来とかになるので油断も隙もありません。しかも今月は共通担保の期落ちが沢山ありますので、このロールの歩留まりが悪いと帳尻の為に更に無慈悲な短国買入が行われる懸念がオオアリクイ。

まあ何ですな、恐らく短国マイナス金利の件は来週のMPMの後の総裁会見でも質問が出るのでしょうが、今日以降どうなるのかは今申し上げたように判らんですけれども、まあ今の状態で質問されても想定問答的には「一時的な需給要因でゼロ金利やマイナス金利になったようですが、基本的には市場の流動性に問題はなく日本銀行のオペレーションによって市場機能が毀損されているという事は無いものと認識しております(キリッ)」という答えになるのが見え見えでして、そういう意味では質疑応答は期待できないのですけれども、それはそれとしてこの市場動向はどう見ても調節技術上の限界という話であり、もし2%目標行かないという話になると2015年になっても年間70兆円のMB拡大でうち20兆円を短期関連オペなどで充足するという話になるのですが、これどこからどう考えても20兆円のおかわりとか無理無理無理なのでありまして、ヤケクソで2倍2倍攻撃をした大風呂敷のツケが段々回りだしてきたという所ですな。


でまあそんな事を考えますと、そらまあ年末時点で「もくひょう達成!やったね!」とか言えてるなら話は全然別なのですが、そうじゃない場合にそもそも論として今の政策の建付けであります所の「達成するまで今の政策を継続」という「継続」そのものが出来ませんがどうするんでしょうか(短国市場が崩壊して短期市場が機能不全になってシステミックな問題が発生しても知らんがなというのであれば別だが)という話になる訳で、まあ年間70兆円に拘るならば短国が買えないなら長国を買えば良いじゃないか理論しか無いと思いますけど、何らかの修正が必要になると思うのですけどどうするんでしょうかねえ。

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2014/07/10

○毎度の市場メモメモ

・さて今日は3M短国入札ですががががが

と、30年入札という債券市場のイベントを華麗にスルーして短国の話をするのがアタクシのクオリティ(^^)。

えーっとですね、昨日の短国市場様におかれましては短国の物無芳一状態が継続しておりましてショート状態になっている銘柄だと1bp割れなどの出合いなどという相変わらずの状態ですが、こういう時は従来だとどこからともなく売り物が出てきてカウンターパンチというのが短国市場の仕様なのですが、今回の場合は最早売り物が無い(つーか月初に出てしまった)ようで日銀オペ対象ゾーンの銘柄は概ね貫録の1bp台とかの居場所のようで、売買参考統計値を見ても先週と先々週の新発3Mと火曜の6Mの平均利回りが2bp割れと大変にお洒落な状態に。

ということで今日の3Mどうなるのかという話ですが、さすがに6M(発行3.5兆)と違って3M(発行5.7兆)だよねと思った訳ですが、良く良く見たら今回の折り返しになる444回(7/14償還物の3M)って日銀の短国買入が8255億円しか無いという残念な状態で、これが兆円規模単位で日銀に入っていると「償還分のロールニーズ」がその分減少して誠に慶祝の至り(なんのこっちゃ)なのですが、こんんだけしか日銀にしか入っていないという事になりますと既に償還分のロールニーズが結構あるという話になりやがりますが、さて1bpだの2bpだのという状況の3Mにどれだけロールが入って来るのか(白目)という話になろうかと存じます。

つまりまあ蓋を開けてみないと知らんがなという誰でも答えられそうな結論ではあるのですけれども、皆様ご案内のように今回の短国金利低下は長期金利の形成にも影響を与えているっぽい節があり、中短期ゾーンとかまでヒャッハー状態になりつつあるのを見ますと、残高維持のニーズがありそうに見えてしまうのがおそロシアという所ですな。

ただまあこれ短国金利はヒャッハーなのですがCP金利とかGCレポ金利とか別に爆下げしている訳でもなく(というかCP新発金利とか下がっていないと思われ)というのが少々アレなのですが、今日の3M入札と明日の短国買入(市場予想は2兆か2.5兆かという所ですが2兆でも大概に無慈悲な買入)結果でヒャッハーが継続して短国金利の居場所が完全に変わってしまうと今度はコール金利に波及してくる(有担経由)事になってそこからまたその他のオープン金利に波及してくるとかいうような遺憾な話になるリスクが盛大にありまして、只でなくさえ虫の息の市場機能はどうなるのでしょうと思うのですが、MB積み上げをすると物価目標達成に近づくという定量的な置物理論に基づいて金融政策を実施しているので副作用など考えてはいけませんよね!!


・何か知らんが中短期など中心に債券もヒャッハー

市場には経絡秘孔みたいなポイントがあって、BBの画面で「そのオファーを買うとショートカバー祭り」とか「そのビットを叩くと崩れる」というような物が有ったりしまして、定量的な話だけでは割り切れない味わいというものがあるのですが、直近では中短期がヒャッハー状態になっていて4年の引けは軒並み0.1%まで来てしまっているわ5年は0.145%だわという事で10年カレントまで引っ張られたのかどうか知らんが0.540%に低下とか世紀末救世主伝説状態に。

まあ何ですな、元々潜在的にそういう素地があって短国金利の低下はただのきっかけだったのか、それとも短期の物無芳一状態が中期に波及して、中期の金利低下が長期に波及したというのか(または合わせ技)判らんちんではありますが、まあ現象としては今回の2打席連続新発TBセカンダリーでゼロ%攻撃というのが見事に市場の経絡秘孔を突いたようでございまして、ヒャッハー状態になっているのが誠に味わいの深い物を感じる所でございます。

ええまあ日銀様におかれましては市場の価格発見機能が崩壊して役立たずになったとしましても名目金利が低下するという事は期待インフレ率が着実に上昇している中では実質金利が低下するので置物先生の生霊が降臨遊ばされました中曽副総裁の講演にありますように、実質金利低下で消費や設備投資が拡大するから政策意図に沿っており、副作用(以下同文)。

中期に引っ張られた感のある長期の方は兎も角として、中短期に関しては金利上昇に備えてポジションを落としていた人の戻しというよりはやはり物無芳一状態の方が効いているように思えるところがオソロシスな所でして、こちらもここから暫くの間の動きに注目が必要でございますなと存じます。

なお30年国債入札があるようですが日銀の買入を減らされたゾーンなので以下お察し。

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2014/07/09

○6MTB入札があじゃぱー

昨日の6MTB入札。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140708.htm

(3)募入最低価格 99円98銭9厘 (募入最高利回り)(0.0213%)
(4)募入最低価格における案分比率 80.7449%
(5)募入平均価格 99円98銭9厘 (募入平均利回り)(0.0213%)

まあ確かに前日の時点で足切り3bp割るでしょうなという感じではあったのですが、2.1bpってやたら強い所で切れてしまいまして、落札結果出た後に入札空振りの方によるショートカバー攻撃でまたまたゼロ%がそこそこ出合うとゆー誠に遺憾な事に。

今回の入札は3.5兆円の発行予定に対していわゆる不明玉が2.5兆円ほどあるという結果でして、それで強い所で切れたらまたショートカバーだわなという事ですが、金曜日の3MTBゼロ%出合いに続きましてのショートカバーでゼロ%攻撃となりまして、またもゼロ%ということでニュースヘッドラインも出るの巻となっておりましたですな、うんうん。

でまあ先週木曜の3Mに続いて連発という事になりますとあちこち波及するようで(というかそういう状況だから入札が連発してアレになるのだが)既発の短国に関しても全般的にレートは低くなるわ、6Mの新発も結局2bp割れ水準で推移となるわという誠にあじゃぱーな状態になっておりまして、まあちょっと海外要因とかで買いが入ると流通玉が少ないためにこのような有様になるという状況。

でもって昨日は2年とかの金利も下がっておりまして2年新発の引けは1毛強の0.060%という水準になりやがりまして、2年で2%を達成したらどうなるかという話は何処へやらというような状態になっております。まあ実際問題としては短国の需給がアホのように強くて金利がご覧の有様なので担保玉とか国債残高確保(バランスシート上のお家の事情的な話ですな)とかキャッシュ潰し(これまた本当は超過準備でも良い筈だがバランスシート上の問題とか)とかのニーズとか色々とあるんでしょうねと存じますが、何せこの金利低下は別に誰も利下げとかそういう物を織り込んでいない(というかこうなってくると超過準備積み上げの為には超過準備付利金利を下げる訳には逝かなくなっているので今の枠組みだと下げられません)で発生しているのがおそロシアな所(例えば昨年の3月の場合大規模緩和が出る時にうっかりすると付利が下がる可能性とか意識されていましたので金利が下がった訳ですな)であります。

ついでに更におそロシアなのはこの金利低下が四半期末要因を抜けた後に起きていることでして、まあ足元では四半期末要因での短国ニーズが海外絡み(ベーシススワップとか)のニーズに置き換わったからというのもあるのでそちらの状況が変われば変わるのかも知れませんけれども、まあいずれにせよ日銀の短国買入によるマネタリーベースの積み上げが調節技術的に困難な状態に達してきているという話ですので、まあ枠組みどうするんでしょうねえという所ではあります。

まあ何ですな、どうせ年末の目標に向けて昨日の6Mは短国買入で吸い上げたいのでしょうから、この際短国買入金曜日じゃなくて今日2.5兆円で実施したら6Mカレントが沢山入るんじゃないですかねえ(てきとう)という所で、ついでに3Mカレント以降に買入銘柄限定したら6Mばかり入るかもしれませんねえ(棒読み)というところですが、その代わり出来上がりレートが幾らになるかは知らんぞなですけどね。

まあそれは冗談(にしては笑えない)としましても、6月下旬の輪番では長期ゾーンの輪番で新発334回債ばかりが打ち込まれるとか、今回の短国買入で連発のゼロ%攻撃とか、ど〜見てもマネタリーベースの積み上げをするのに無茶しやがって状態になっておりまして、この調子で年末まで買入するのかよと思うと頭がクラクラする次第ですし、短期の方に関して言えばこの調子で短国の金利が無茶苦茶下がった状態が長期化すると市場機能にもかなりの悪影響(まあゼロ金利政策の時点で悪影響は悪影響なのですが)が起きますので、この調子が続くのであれば短期のオペ部分でのマネタリーベース積み上げを長期債に振り替えるという「短期が買えないなら長期を買えば良いじゃない」というマリーアントワネット状態とならないと不味いんじゃないですかねえという感じががががが。

でまあその長期の方も輪番で入るのが新発だけというかなりおかしな状態になっているので、単純に短期での積み上げが困難だから長期を買えば良いじゃないという話でも無いかも知れないのがおそロシアでもあるのですが、展望レポート中間レビューとかマジでどうでも良い(どうせオントラックです以上でしょ)のでオペレーションが技術的問題に到達しつつある件について討議して頂きたいものでありますな、うんうん。そらまあ勿論なんでもマイナス金利まで買うのを辞さずでしたら何ぼでも買えますけれども、その時に市場機能は破滅的な事になっていると思いますのでねえ・・・・・・・・


○超長期先物ェ・・・・・・・・・・・

大証のページにこんなんあります
http://www.ose.or.jp/market/trading_data/today_overview
当日取引高等

でまあ毎度おなじみの『JPXデリバティブ取引市況(日通し)(2014/07/08)』をDLしますと売買高とかその他のデータを見れるのですが、そこの超長期国債先物売買高をみますと・・・・・・

夜間:0(0)
前場:0(0)
後場:0(0)
合計:0(0)

ということで立会内も立会外(は括弧内)も売買高ゼロ枚という大変に素敵な状態になっておりまして(ちなみに7日は前場2枚で後場2枚の合計4枚でした)、超長期国債先物取引再開したのが4月7日でしたので、3か月経った所でめでたく(違)売買がゼロ枚とはお洒落というか何というかでございまして、確か一応値付け業者とかもいたと思うのですが、値付けすら出来んわというような低調っぷりに落涙を禁じ得ない所ではありますな。

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2014/07/07

○3か月カレントTBがゼロパーセントヒャッハー(ただし追い風参考記録)

金曜に申し上げましたように木曜の3M短国入札は入札前に弱くしたのに対して入札が上で切れてショートカバーヒャッハーとなって元の木阿弥になってしまうというかなりの鬼畜入札だったのですが、その余波(というか海外からのオーダーでもあったんですかねえ)で金曜は朝からショートカバーで業者間で0%での出合いとかやらかしやがりまして、さすがに短期市場ネタはおもんないので基本的にそんなに詳しくネタにしない情報ベンダー様におかれましても一斉にヘッドラインになって短期だけじゃなくて債券の人もおーという感じ。

まあショートカバーなんで仕方ないという奴だと思いますので、そういう意味ではさすがに今回のは追い風参考記録だとは思うのですが、そんな中でも無慈悲に短国買入を実施するのが日銀クオリティ(MB目標の関係上仕方ないのだが)。

#なお当該銘柄の引値は2.4bpとかになっていた筈

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140704.htm
CP等買入 4,000 2014年7月9日
国庫短期証券買入 20,000 2014年7月8日
国債買入(残存期間1年以下) 1,100 2014年7月8日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年7月8日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 2,000 2014年7月4日 2014年7月7日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140704.htm
国庫短期証券買入 31,837 20,004 -0.010 -0.007 88.3
国債買入(残存期間1年以下) 6,456 1,102 0.003 0.007 3.0
国債買入(残存期間5年超10年以下) 15,264 4,004 -0.003 0.001 33.5
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 198 198 -0.400 -0.400
CP等買入 10,111 3,989 0.085 0.087 10.5

てな訳で、短国買入は無慈悲に2兆円なのですが、まあそうは言いましても金曜に逆算しました通りに固定金利オペが全部同額ロールされるという超楽観的な見通しを置いたとしても短国を10兆買わないといけない訳でして、まあ普通に考えると固定金利オペが全部同額ロールされるとも思えませんのでそのバッファ考えたら更にフローで買入を入れないといけないという残念な状態ですので、セカンダリーで0%が出合おうとも知らんがなという事で2兆円で来るでしょうなあというのが市場コンセンサスだったので別にまあ驚きも無しと。

でまあ落札は案の定この金利水準なのに平均7糸強だの足切り1毛強だのとなっていますが、これですと新発を入れても出来上がりが0%になっていないので根性が足りん根性が(違)という所ですが、まあ今回の場合は新発ショートカバー要因もありまして、他の日銀オペに入りそうな銘柄まで全部ゼロ近辺になるというようなスットコドッコイ状態になった場合にはどうするんでしょうかねえ(3月末はだいぶヤバかった)とは思うのであります。

でまあこの短国市場を受けてGCレートとか現先レートとか(特に現先)当然の如く低下でござるの巻という事になっておりまして、四半期末要因が終了して短国の需給が緩和したと思わせてくれたのは1週間と持たなかったという誠に残念な展開で、暗黒展開にも程があるという所ですな。


あとその他オペ雑談をしますと、CP買入に関しては今回は8台になっていますが、これはまあ恐らく何ですが、6月末の所で発行が多い一部の大手メーカーさんがCPの残高を大きく落としたことによって日銀オペの買入的にも枠が空いている状態になったので、いつものオペよりも今回は応札可能玉が増えているのが要因じゃネーノとは思いますがどうなんでしょうかね。

それから補完供給で10年323回が対象になっていますが、10年カレント近辺は新発が出たと思ったら10日で発行額の45%が日銀保有になるというアチャーな状態になっておりますが、まあ同じような理屈で最近のカレント銘柄は基本的に日銀様お吸い上げ状態になっていまして、最近はカレント銘柄が補完供給対象になっても驚かなくなっている(最初10年カレントそのものの補完供給を見た時には目を丸くしましたが)のがオソロシスという所ですな、うんうん。

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2014/07/04

○市場雑談というか短国入札ェというか

昨日の短国入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140703.htm

(3)募入最低価格 99円98銭8厘5毛 (募入最高利回り) (0.0461%)
(4)募入最低価格における案分比率 74.1672%
(5)募入平均価格 99円98銭8厘6毛 (募入平均利回り) (0.0457%)

ということで先週の短国入札から利回りが盛大に上昇したように見えるのですが、そもそも入札前は5bp届くかもしれませんなあというような感じだったので落札結果自体が強い所で切れており、不明玉もまあ多目のほうでショートカバーモードになってしまってセカンダリーの業者間では2.6bpとかになって、他の銘柄も当然ながら値を戻すの巻という結果になってしまいまして、一応は期末要因で洋梨になった短国の売りで需給が緩和されたけど絶対水準的に5bpに接近した所でやはりニーズがあるという事で買いが炸裂しましたという講釈になるのでしょうけれども、買いたい人が需給緩和と利回り改善の一石二鳥だヒャッハーと言って便乗叩きがあったんじゃネーノとでも言いたくなる市場の値動きでして、2倍とまでは言いませんが利回りが2bp台半ば→5bp近く→2bp台半ばとか異次元パワープレイ相場にも程があります。

まあそもそもは日銀が短国買入とか言って問答無用で需給を超タイトにするのが悪いのですけれども、マネタリーベース目標達成の為なので知らんがなという所ですので、需給に振り回される短国市場はまだ続くということですかねえ。まあ需給が常にタイトになってゼロ利回りヒャッハーとか言われても困りますけど(−−;

でまあ今日は短国買入がありまして、今月は資金需給的には16.5兆円の資金不足になっています。

ちなみに資金需給7月見込みはこちら
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1407.htm/

この資金不足分ですが7兆円弱は長期国債買入で埋まるのですが、残り10兆円弱に関しては固定金利オペのロールが全部進んだとしても残りは短国を購入しないと間尺に合わず、今月の受渡しになる短国買入は5回分あって初回は先週ので1.5兆円でしたので、残りの4回はどう考えても毎回2兆円の打ち込みを行わないと全然間に合わないという状態で、一瞬四半期初の売りで需給が緩和かと思わせてくれましたがヒャッハー入札という事であじゃぱーという感じでございまする。

でまあたぶん市場の一般的な予想としては、日銀様が年末のMB目標の為に短国の買入残高積みたいというのは見え見えだから、6か月と1年の入札のあった後の買入は増額で来るでしょということで、11日は2.5兆円に増額してきて18日も状況次第だけど2.5兆円で打ってくるとかそういう見方だと思う(というか自然に予想するとそうなる)のですが、この入札後の状況で2兆円ェ・・・・・・・とは思いますが、まあそんな資金需給ですからシャーナイナイということで。

ま、ここでヤケクソになって今日は1.5兆円にして需給緩和しておいて来週3兆円で買入打ち込んで来たら腹筋の崩壊を禁じ得ないのですが、そこまで来ると日銀によるマニュピレーションの世界になってしまいますのでまあ普通に実施してくるんでしょう。落札レート幾らになるのか知らんけど。

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2014/07/03

○市場関連雑談と各種係数関連

・日銀の国債保有残高ェ・・・・・・・・・

毎度のこれですが。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高

ということで月末版が出て参りましたが、皆様ヘコヘコと計算されたかと思いますので既にご案内とは存じますが、今回の白眉は前回(6/20残高)対比で見た時の10年新発の清々しいまでの増加っぷりでして、5〜10年の輪番はこの間に3回実施されて落札額が合計で12018億円だったのですが、前回対比での10年334回債の増加額は11199億円となりまして、どう見ても「新発買って輪番に持ち込む」というだけの図になっています。

しかも日銀保有残高は新発334回債の発行日が先月20日だというのに既に12229億円(差分の1030億円は6/16に実施されて20日渡だった輪番で打ち込まれた分)日銀様が保有しておられるのですが、そもそも新発334回債は発行額が27564億円(価格競争入札と非価格競争入札を全部足すとそうなる筈です)なので、既に発行額の45%程を日本銀行様が保有しておいでになっているという状態。

そらまあ市中残高が1.5兆円しか無かったら10年新発のレポがスクイーズするわなと思う訳ですが、新発が出て1か月もしないうちに発行額の45%を日銀がご購入とかもしもしそれはどこの財政ファイナンスですかという風情ですけれども、その他の銘柄に関しても残高増加額とか見ても殆どカレント銘柄になっていて、特にこの20日以降で見た場合にはもうナンジャそらという所なのですが、10年はご案内の通りカレントしか入っていませんが、20年も殆ど149回債(ただし20年カレントがまともに入れられるようになったのは23日オファー以降の区分変更からです)だし、超長期の後ろだと30年も40年もカレント銘柄の43回債&7回債しか入ってないとかもう何だかねという感じでして、「新発を入札で購入して速攻で日銀に売り付ける」という状況が長期、超長期では鮮明になっているという図ではあります。

でまあ財政ファイナンスじゃねえか業者は何しよんねんという話になるかも知れませんが、それはそれとしてこれはつまり日銀の国債買入が既に市場のキャパオーバーになっているために、最終投資家の保有でポートに沈んでいる分だけしかオフザランの銘柄の市中残高が無いという状態になっており、その結果として輪番に入れるものが新発しかなくなっている、とまあそういう状況であることを示しているんでしょう長期超長期では。

でまあ長期超長期と申し上げましたが、中期では2年と5年のカレントが当然多いのですが、こちらは5年債の既発ゾーン(現在だと100回債近辺)も打ち込みが入っていまして、新発購入して暫くキャリー取って日銀に外す投資家(というか銀行さんでしょ)がまだいるという事ですかそうですかという所。

まあいずれにせよ直近の輪番の銘柄の入り方が極端にカレントに傾斜してきまして、まあつまりは先ほども申し上げましたように日銀の馬鹿買いによって市場の流動性を全部吸い上げてしまったので流動性が供給されるのが新発しか無くなってしまったという事を意味しているという事で、何の為に国債買入やってるんだという感はヒジョーにしますなというのと、これ出口の時にどうするんだよという所ではありまする。


あと、先月の買入平均残存ですが、あたくしが計算(あたくしの計算方法は単純に前月末との差分を取って償還日と月末日の日数を365で割って平均残存の積数計算してそれを額面で割るというかなりの雑な方法)した所、物国変国を含めて7.43年、含めず7.49年とかになったのですが、どうもこれは微妙に計算する方法によってズレが生じるのですが、まあこの近辺となっていまして、今回は23日オファー分から超長期の買入を短期化しているので、その影響が全部出てくるのは今月ですが、恐らくこの感じですと暫くは買入平均年限7年近辺で推移する事になるんじゃないですかねえ、よーわからんけど。


・短国入札とかその他

1日の相場もわけワカランチ会長でしたが、昨日は昨日でこれまた微妙に謎な相場でした。

短国の金利はまたまた上昇していまして何か3か月近辺5bp近くまで上昇とかベンダーに書いてあった気がしますが、先週木曜の新発3M入札は何だったねんという所になる次第。まあ先週木曜の新発は発行日が30日という絶好の日で、末残稼ぎたい人にとっては大チャンスでございますし、一方で末残稼ぎ隊の皆様の影響によって短国市場の玉がスッカラカンになってしまって現先玉もねえよという状態になってしまった実需の皆様にもニーズがあったのであのレートになってしまったのですが、四半期末通過した途端にこれとはまた露骨な。

しかしまあ何ですな、四半期末如きでこの状態(つーか四半期末如きでこれだけ期末ニーズがあると思わなかったわ)という事になりますと9月末とかどういう事になるんじゃとかいうことはあまり考えないことにしますがいやはやという感じです。

あと訳分からなかったのが2年債でして、一昨日何か知らんが0.065%出合いとかやって金利が低下するというプレイがあったのですが、昨日は今度は売りでも出たのか0.070%出合いとか意味が判らんとしか申し上げようがありませんで、まあ一昨日の金利低下の方がワケワカランかったのではありますが、いずれにせよ何か知らんが変な動きしやがるなあと気になる今日この頃なのでありました。

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2014/07/02

○市場メモ雑談

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N7YYJQ6K50Y201.html
債券は反発、新四半期で投資家需要との見方−長期金利1年ぶり低水準
更新日時: 2014/07/01 15:57 JST

ということで昨日の債券市場は値幅は毎度の値幅なのですが値動き的には味わいがあったのでメモを置いておく。

まず短期の所ですが、短国が何か知らんけど売りでも出たみたいで3M近辺から手前の気配が全体的に甘くなって、BBの引けベースだと3Mカレントの引けが6糸とか7糸とか甘くなって3bp台後半になっていますが多分カレント近辺の実力は4bp近辺だと思われますので、先週木曜に新発の入札を2.5bp割れでやったのにもう4bpですかそうですかという謎展開。

四半期末の残高調整ニーズがあった分が洋梨なのでイランという事で売りでも出たのかねとは思いますが、それにしても値動きするほどのニーズがあったのかというのが実にこうワケワカランチ会長な所ですけど、もしかして債券残高落としてるからその分期末(四半期末)の帳尻ニーズがあるのですかねえ良くわかりませんいう所ではあります。つーても結局5bp割れ水準なので絶対水準は低いのですけどね。

それから昨日ほほーと思ったのは短い所の利付の気配が全般的に強くなったことで、2年カレントの引けは5糸強の6.5bpになっていまして、出合いもその水準とかだったりしたと思いますのでこちらは堅調となっていますが、これまた謎で、短国との水準を調整しに来ているもかもしれませんが絶対水準的にどうよという所なのでナンジャソラという所ではありまする。BB引けベースだと償還銘柄からだいたい2年ちょいの所位までが軒並み5糸強という結果になっていまして、ここで短期ゾーン強くするとなという所ではありました。いやまあ短国の需給が強いから引っ張られるという可能性は判らんでも無いのですが、それにしても水準というものがあってだなあとか思うのではあります。短期はMB拡大のケツが来ているので短国の需給が自然と強くなるのだが、現実問題としてMBの増やし方に変化が起きたらあっという間に水準が変わってもおかしくはない(今直ぐの話は無いけどさ)のですけどねえ。

中長期に関しては10年入札の前日だというのに5−10対象の輪番を打ってくるという日銀の嫌がらせプレイが発生したのも影響したのかも知れませんが入札前なのに10年が強くなるという攻撃があって10年カレントの引けが0.550%(1毛強)になったのと、20年が弱めで30年がやたら堅調という謎な動き(単に誰かの売買フローがあっただけなのかも知れませんが・・・・・・・)でして、これまた値幅的には1毛かそこらの値幅なのですけれども、なんか妙に活発に動いたなあという感じですのでメモメモという所です。四半期の頭でポジション構築でもした人が何人かいて、全く別々の動きが組み合わさってこういう訳ワカランチな動きになったということですかねえとは思いますがメモという事で。

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2014/07/01

○東京金先ェ・・・・・・・・・

というか最近は東京金融取引所という名前なのですが。

http://www.tfx.co.jp/newsfile/14/140627_01info.html
金融取からのお知らせ【平成26年6月27日】
ユーロ円LIBOR6ヵ月金利先物の取引停止について

『本取引所は、昨今の市場環境を踏まえ、ユーロ円LIBOR6ヵ月金利先物の取引を平成26年6月30日の日中取引時間帯終了時以降、当面の間、停止いたします。市場環境が変化し、取引ニーズが見られ始めた場合には、速やかに取引再開を検討いたします。』

まあそもそも先月の11日にこんなのが出ていたのも取引停止のニュースを見て知ったという誠に残念な状態ですけど(汗)。

http://www.tfx.co.jp/newsfile/14/140611_01info.html
パブリックコメント(ユーロ円LIBOR6ヵ月金利先物の取引停止について) の募集について

まあそもそも何でLIBORの6か月ものなのというのは出た時から???だった訳で、6か月ものやるならTIBORでも良かったんじゃネーノとか、LIBORとTIBORを別建てで先物上場するなら同じ3か月にしておけばLTのスプレッドで取引みたいなのが出来た(取引が行われるとは言ってない)のではないかと思うのですが、誠に痛惜の念を禁じ得ませんという所ですな。

とは言いましてもそもそもLIBOR6か月というアンダーライングの選択に問題があっただけが問題なのではなく、そもそもユーロ円金先がこのような状態になっているんですよねえ・・・・・・

http://www.tfx.co.jp/mkinfo/sikyo.shtml
マーケット情報:取引データ(前日)>ユーロ円3ヵ月金利先物

これ売買高にストラテジー取引(たぶん限月間のロングショートみたいな売買を立会外で実施する奴)が入っているのですがそれでこの数字でして、場中に立会で出来ている枚数を見ると大変に遺憾の意を表させて頂きたくなる状況でございますので、そもそも金利先物モノがこのような有様という所ですな。

なお超長期先物(以下略)。

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