相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2014年10月〜2014年12月)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

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2014/12/30「オペ狙いの動き極まり5年が3bpとなりあちこちに弊害も」
2014/12/29「26日は10年0.300%までマークして戻る」
2014/12/26「25日の債券市場で遂に10年0.310%と昨年の瞬間最大風速高値を更新」
2014/12/22「債券市場が本格的に壊れて10年0.35%だわ2年カレントはマイナス0.04%だわ」
2014/12/19「短国入札は5週連続でマイナス金利&中期中心に債券市場更に壊れています/その他オペ雑談メモ」
2014/12/17「5年国債入札で中短期ゾーン更に金利低下のあばばばばー/ETFおかわりとかその他オペ関連雑談」
2014/12/16「選挙翌日にETF買入を行うとか毎度の株価と政権支援のインチキオペだがこれで数値は達成ですな」
2014/12/15「貸出支援オペは下馬評通りの3兆円少々/短国買入謎の5000億円実施/補完供給乱れ打ちに見る債券市場の壊れ振り」
2014/12/12「3M短国入札も超激強/長期債市場の流動性が極端に低下してきている件」
2014/12/11「2M短国入札が激強に/オペの打ち方が微妙に変というか何というか」
2014/12/10「30年入札でヒャッハー」
2014/12/08「超長期輪番を連発とな/短国買入は引き続きマイナス継続」
2014/12/05「短国買入減額の思惑有れども3M入札は100円極薄按分」
2014/12/04「3年までの金利がマイナス/短国買入はそろそろ終了か」
2014/12/03「2年は全銘柄マイナス引けだわ5年は10bp割れてズブズブ沈んで行くわ」
2014/12/01「短国買入は大幅減額の一方で2年はマイナス金利に」
2014/11/28「3M入札は100円按分もセカンダリーは強い/T+1決済やってる場合じゃないと思うが」
2014/11/25「短国買入は無慈悲に2.5兆円/超長期輪番は同額で実施」
2014/11/21「3M短国入札は平均が何とマイナス1bp台に突入」
2014/11/20「前日の1年入札の続きで水曜は3Mの煽りに加えて2年金利がゼロまで低下!!!」
2014/11/19「20年入札は前週の騙し討ち輪番増額で無用にボラ拡大&1年短国入札は貫録のマイナス」
2014/11/18「輪番オペ超長期海底2回目で早くも増額/短国買入前週欲張って買入難しくなる/超過準備積む人は?」
2014/11/08「短国買入増額でまたまた短国金利マイナスへ」
2014/11/07「3M短国もプラス入札/本日は短国買入」
2014/11/06「6M短国はプラス入札/市場との対話強化が出ているがお為ごかしにならないように願います」
2014/11/05「物価再加速の政策を投下しているのに超長期ブルフラットとな」
2014/10/31「3M入札は足切りもマイナスとなるが引けは100円/オペの予見可能性に関する雑談」
2014/10/30「さあ3M入札/固定金利オペの歩留まりが悪化しています」
2014/10/29「長国の年内残り買入増加余地は2兆円弱ですな」
2014/10/28「月曜の輪番で超長期を若干増額して平均残存年限を調整」
2014/10/27「注目の買入は短国を若干減額して中期輪番まさかの増額」
2014/10/24「3M短国入札の平均が100円超となったので論点整理と悪態」
2014/10/23「さあ3M入札ですよ」
2014/10/22「短国市場は引き続き動かず木曜からの決戦待ち」
2014/10/21「短国市場は見事に死亡中ですな」
2014/10/20「短国買入札割れ発生して短国と2年の相場が大爆発」
2014/10/17「3M短国入札は遂に100円未満の一番強い札が按分になる」
2014/10/16「1年TB入札も激強の中で財務省の在り方懇で市場の流動性に思いっきり不快感を示した施策キタコレ」
2014/10/15「短国買入は案の定3.5兆円連続攻撃」
2014/10/14「2M短国入札も案の定堅調」
2014/10/10「3M短国入札も1bp割れの激強入札が続き2Mも強そうな悪寒」
2014/10/09「6M短国入札は平均0.2bp足切り0.4bpの激つよ入札&すかさずマイナス金利入り」
2014/10/08「6M短国入札プレビューメモ」
2014/10/07「短国買入残高を確認したが前月末は40兆円割れであの需給だったのか・・・・・」
2014/10/06「まさかの3兆5000億円という過去最大の短国買入で期初から市場から玉がスッカラカン」
2014/10/03「短国入札は入札前に無理矢理調整したらショートになった馬鹿が居ていきなり期初からマイナス/その他」
2014/10/02「期初から短期ゾーンは処分売り処分売りよりも買いが優勢で3M入札を迎えるとな」
2014/10/01「末初の短期市場レビューメモ」

2014/12/30

○市場雑談である

・5年3bpェ・・・・・・・・・

金利が下がるネタは毎度のお話ですし、まあ金曜の場中に10年0.3%までマークしたのですけれども10年の方は昨日はそこまで盛り上がっておりませんのですけど、昨日の引値では中長期が引けで強くされて5年カレントの引けが3bpとかもうねという水準。

引値のマイナスの方も相変わらずで2018年償還の所までマイナス金利になっていますし、利付国債に関しては明確に輪番での買入効果で金利がおかしい水準になっているのと、ここまで来ると投資家の方も持っているモノを売れない状態(だからこそ無抵抗で金利が溶鉱炉に沈んで行くのだが)となっていますな。つまり売ったは良いけどそこで先の期間収益を全部売買益で取ってしまい、先の期間収益を放棄する形になる(買い直すにも4年までマイナスなのですからそのゾーン買えないし)となりますと来期以降どうしますねんとかなる訳でそら売れない罠という所。

となりますと、新発買って日銀に放り込むオペ狙い攻撃の方で輪番に対応となりますけれども、兎に角中期に関してはマイナス金利という普通の投資家の普通の運用を排除する金利水準まで下がっていますし、プラスの金利ったって5年カレント買って預金保険料払ったら大赤字というような水準まで金利を下げられていてどうやって期間収益を捻出しますねんという状況なので、投資家がまともに参加しないというか出来ない状態に急速になってきたこの債券市場では、入札→投資家買えないけど日銀オペでのキャピタル狙いだったら行ける人が行く→日銀のオペに打ち込む、という図が展開されて輪番の残高が拡大しながら金利は親指を立てながら溶鉱炉に沈んで行くという形になるのでした。

んでもって板がスカスカで売り向かう玉が無い(当たり前だがこの状況下でショート降ってもワークしないしレポがまともに続く保証もないから自分からショート振りに逝って勝負してもだいたい間尺に合わないでしょ)2年以内の利付ゾーンの引けってマイナス4bpとか凶悪な水準になっているのですが、まあ日銀以外の買いなんぞは超マージナルな部分しかないので(国債というモノとしてのニーズのみ)金利を下げるにしてもさすがに限界はあるという話でしょうから、そうなると今度は主戦場が徐々に残存の長い所になって行くとなりまして5年の金利が盛大に潰される状態ですな。

でまあオペ狙い系の動きというのはとにかく金利をゼロにまで下げに行くと言う感じですが、当然そうやって金利が低下すると投資家が水準として買えませんがなとなる訳で、イールドカーブの短い所から投資家が追い立てられてとなると、リスク許容度的に買入対象銘柄の年限を伸ばせるだけ伸ばしに行くとなるのでイールドカーブをごこまで潰しに行けるかという動きになって、ここもと急速に金利水準があばばばばーになっていますよね、という所なんですけど、来年も日銀の馬鹿買入は続くので市場の短い所から順に死後硬直のような状態になって逝くという中の人的には夢も希望もない年の瀬なのでありました。


・でまあ弊害キタコレなんですけどねえ

先週のニュースですけどね
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGC26H18_W4A221C1MM8000/
日生、一時払い終身保険など販売停止も 低金利で運用難
2014/12/27 2:01 情報元 日本経済新聞 電子版

『生保最大手の日本生命保険は26日、長期金利の低下が止まらない場合、一時払い終身保険を含む貯蓄性商品の新規販売を一時停止する検討に入ると明らかにした。日生の筒井義信社長が「金利環境は非常に厳しい。保険商品の引き受け停止も視野に入れておかなければいけない」と語った。保険料を国債で運用しても十分な利回りを確保するのが難しくなるためだ。』(上記URLより)

まあこちらの日生さんのケースは中短期のマイナスというよりは長期超長期の方になりますけれども、そらまあそういう話が出ても不思議ではない訳で、以前アタクシが実体経済における名目ゼロ金利制約があるからマイナス利回りを政策効果というのはおかしくて、市場金利のマイナスと名目ゼロ金利制約との差分を金融仲介業務の中だけで吸収できなくなった場合に金融機関の利用者に対して負担をお願いする動きが出てくるでしょと申し上げたようなのが、「新規の金利商品をお受けできません(まだ確定している訳では無くて検討段階のようだが)」というような形(これは直接的にはマイナス金利だから受けられないというのとは違うが低金利の弊害という意味では似たようなもん)で問題が発生している訳ですな。


昨日はロイターでこんな観測記事もありましたよね
http://jp.reuters.com/article/vcJPboj/idJPKBN0K703H20141229
金融庁が低金利下の地銀経営への影響試算に着手、収益減を警戒
2014年 12月 29日 11:45 JST

『[東京 29日 ロイター] - 複数の関係筋によると、金融庁は超低金利の長期化が地域金融機関に与える経営上の影響を推計するための試算に着手した。足元で長期金利が0.3%と過去最低水準を更新する中、今後も現在の低金利環境が続いた場合の利ザヤの縮小による収益減を警戒しているとみられる。今後、試算結果をもとに地銀経営者らと経営への影響について議論していく方針だ。』(上記URLより)

まあ金融庁様におかれましては地銀経営者の方々と議論するよりも日本橋本石町にカチコミに逝って金利を必要以上に低下させることの弊害について小一時間説教してきた方が問題の本質的な解決に繋がると思いますので、是非とも本石町への全力カチコミをお願い致したい所ではありますが、そらまあそういう懸念が起きる罠という所でもありますが、これまあ試算しましょとなりますと銀行の中の人たちを始めとする関係各位が色々と資料揃えたり計算したりとしないといけなくて、それだけでも手間暇かかりますぞなとか直接的な問題もあったりして、そもそも日銀が馬鹿買入を実施しなければ関係各位がこのような問題で頭を抱える必要が無かったのですよねと思いますと誠に遺憾の極みとしか申し上げようがありませんな。


・つーことで来年も買入は続きますが・・・・・・・・・・・・・

でまあ今年は本日で大納会な訳でMB目標とかその辺の着地はする訳ですけれども、2%物価目標が全然いかないという状況の中で日銀の馬鹿買入は継続しますし、しかもマイナス金利を馬鹿のように購入すればMB拡大も可能だわ金利も下がるので実質金利は下がるぜヒャッハーとしか思っていないとゆー政策運営&オペ運営は続く訳ですし(来月の買入は今日でますな)、達観すると金利は日銀買入でイールドカーブがブルトーザーのように潰されるの巻という話でしょうなあとか誠にショボーンな展開しか予想できませんぞなもし。

でまあそれはそれで起きるであろう話ですからシャーナイナイとしましても、そもそも論としてそうやって無理繰り金利を下げてMBを拡大する事の意味はどうなっているのかというレビューを来年はきちんと行って頂きたい訳で、普通に考えてこれだけMB拡大して2%達成が全然見えないというような動きですし、実質金利下がって設備投資が爆発的に出たという話も聞きませんし、まあこういう場合は「そもそもの現状認識が間違っていた為に出した処方箋が間違っており、そのためドンドン追加しても全然効いてこない」という風にPDCAを回して反省すべきだと思うのですが、ここまで馬鹿政策を拡大してしまった為に引くに引けない状態になっており、反省をしたらまあ何人のクビを飛ばしますかという話だからPDCA回さずにひたすら拡大をするのみという事ですな。

まあどう見ても昭和陸軍です本当にありがとうございましたという状態ですが、先般のMPMで見通し上方修正したらお洒落な経済指標がホイホイ出てくるとか、戦局の悪化に対して現状認識を自分たちの説明および面子に都合の良いように作るとかまさに戦争末期っぽくて、最初の奇襲(=去年のQQE導入)がうまく行き過ぎたのが却って仇になって今年の3月4月辺りに大勝利宣言(=カザフスタンでの総裁スピーチとか)したのがやっちまった感が強いですな。

でまあ戦局が悪化しているのに「2%への招待状」とか招待する会場が無いのに何が招待状だヴォケというような講演が打ち込まれる訳ですが、これも戦局悪化してアーアー聞こえない状態になっていると思えば当然の動きでありますし、一方の戦場部隊からは戦局をきちんと把握しようというのではなく、どう見ても参謀本部や司令部向けのアリバイ作りに余念がない動きが出るとか実にこう末期症状っぽくて落涙を禁じ得ませんな。

先週のですけどね。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel141222c.pdf
2014 年12 月22 日 日本銀行金融市場局
「短期金融市場取引活性化研究会との実務者レベル会合」の開催について

『日本銀行金融市場局では、本年11 月5 日公表の「市場参加者との対話の強化に向けた取り組みについて」において、市場機能の維持・向上に向けた取り組みの一環として「東京短期金融市場サーベイ」を活用した市場参加者との対話を一段と強化していく考えを示しました。』

はあそうですか。

『その具体的な取り組みの一環として、短期金融市場取引を行う各業態の代表者で構成される短期金融市場取引活性化研究会(以下、短取研)との間で、実務者レベルの会合を以下の要領で新たに開催します。本会合は、今後も年1回程度の頻度で開催していく予定です。』

・・・・・・・えーっとすいません年一回の会合やって「市場参加者との対話の強化に向けた取り組み」って本気でそれ対話の強化に資すると思っていますかと思う訳で、短取研に関しては全銀協のページの方にちょっとだけ説明あるけど確か月イチくらいで会合やってる筈だからそこにオブザーバー参加すればいいじゃねえかと思うのですが、年一回シャンシャン会合をやって「市場機能の維持向上に向けた取り組み」とかこれはまた見事な取り組み過ぎて野々村某並みの号泣不可避という所ですな。


まあ何ですな、追加緩和打ち込み以降この辺りの日銀の動きがちょっと号泣不可避という感じになっているのが実にこうアレなのですけれども、この調子で来年になった時に、チーペストの金利がマイナスになるのと輪番が札割れするのとどっちが早いんでしょうかねえとか(どっちも暗い話だが)そんな事を思いつつズブズブと沈んで行くイールドカーブを呆然と眺めるのでありましたとさ。


#うむ、市場雑談の積りが只の悪態に

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2014/12/29

そういや金曜も10年0.300%まで一旦やって戻りましたが、アレは「今日はこの位にしといたるわ(ドヤッ)」って奴ですかそうですか。
http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPL3N0UA1OZ20141226
〔金利マーケットアイ〕翌日物0.068─0.069%中心、レポGC T+1 0.091%
2014年 12月 26日 15:27 JST

『<15:13> 国債先物は反落、長期金利0.325%に上昇

長期国債先物は反落。前場には、日銀の国債買い入れオペへの期待から需給の引き締まりを想定した短期筋の買いが優勢となり、一時は147円95銭と過去最高値を更新した。後場は一転、148円を前にした高値警戒感による益出しとみられる売り圧力が強まった。現物債は終盤、長期ゾーンを中心に利益確定を含めたポジション調整の動きが強まった。午前の取引で長期金利が一時過去最低になる0.300%付けるなど、市場は強含みで推移したが、同水準でいったんは達成感が出たとの指摘が出ていた。20年債も軟化した。中期ゾーンは高安まちまち。日銀オペは市場実勢に収まり、相場への影響は限られた。』(上記URLより)

まあ0.300%如きで達成感もへったくれも無いでしょうし、こんな高揚感が1ミリも無い状態で達成感というものは残念ながら出ないんですけどね。それより底なし溶鉱炉の方がどこまでズブズブやるのかとゆー所で。

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2014/12/26

○見てないけど市場メモ(俺様用備忘録)

http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPL3N0U91KZ20141225
〔金利マーケットアイ〕国債先物は続伸、長期金利0.310%と過去最低更新
2014年 12月 25日 15:18 JST

『<15:12> 国債先物は続伸、長期金利0.310%と過去最低更新

長期国債先物は続伸。前場は高値警戒感がくすぶり、短期筋からの利益確定売りが先行。後場に入ると、2年債入札後、年末へ向けての需給の引き締まりが意識されこれまでの高値147円77銭をあっさり上回り、中心限月ベースで過去最高値を更新した。現物債は超長期/長期ゾーンがしっかり。長期金利が過去最低利回りを更新したほか、超長期ゾーンの利回りも2013年4月以来の低水準で推移した。年金勢や一部銀行勢などのニーズが観測されていた。新発2年利付国債の入札結果は、平均落札利回りがマイナス0.0030%と中長期債で初めてマイナス水準を記録した。入札そのものは無難との評価だった。既発債の2年債利回りは、新発債にサヤ寄せする展開で金利のマイナス幅を若干縮小させた。もっとも、クリスマスで主要な海外市場が休場となるため、動きにくい市場参加者が多くなり、出来高には厚みを欠いた。黒田東彦日銀総裁の日本経団連審議員会での講演内容は材料視されなかった。

長期国債先物中心限月3月限の大引けは、前営業日比10銭高の147円83銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は同2bp低下の0.310%。』(上記URLより)

相場リアルタイムで見れてなかったので長々と引用してしましましたが、2年国債入札は案の定のマイナス入札で、足切りが一応100円20銭だったのが唯一の救い(??)で足切りまでマイナスだったらどうするんだという所でしたが、短国どころか利付の2年までもマイナスとか短期ゾーンの死にっぷりがもうねという所ですな。

で、10年の方ですが、昨年0.315%マークしたのは異次元緩和の翌日の前場というヒャッハー状態の中でございまして、まあ瞬間最大風速ではあったのですが、今回の高値更新は全くと言っていいほど高揚感とかそういうのが無くて、徐々に生体反応が無くなりながら金利水準だけ切り下がって行くという感じでして、ヒーローが親指を立てながら溶鉱炉に沈んで行くというようなラストシーンというよりは、ただひたすら老衰状態になっているだけのような感じですな。

いやこの調子で続きますと債券市場全体的にちょっと勘弁という感じなのですけどねえ・・・・・・

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2014/12/22

○2年カレントがマイナス4bpだと?????

ということで市場雑談だが。

http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPL3N0U32AJ20141219
〔金利マーケットアイ〕翌日物の加重0.06%台半ばか、3カ月TBは0.000%に上昇
2014年 12月 19日 15:34 JST

『<15:05> 国債先物は反落で引け、長期金利0.350%に上昇

国債先物中心限月3月限は前日比12銭安の147円54銭と反落して引けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた前日の米債相場が下落したことを受けて売りが先行。日経平均株価が大幅続伸となったことも重しになった。もっとも、好需給環境に変化はなく、下値は限定的。日銀は金融政策決定会合で現行の金融政策維持を決定したが、相場への影響は限られた。

現物市場は総じて閑散。飛び石連休の谷間で、積極的な取引が手控えられた。ただ、売り物が少ない中、中短期ゾーンに小口の買いを観測。2年利付国債利回りは前日比2.5bp低いマイナス0.040%と前日の過去最低(マイナス0.020%)を更新した。既発5年115回債(償還2018年9月20日)は前日比0.005%低いマイナス0.010%で出合いを付けており、マイナス金利は残存年限で4年近くまで波及している。10年最長期国債利回り(長期金利)は同0.5bp高い0.350%に上昇。』(上記URLより)

飛び石連休の谷間は今日のような気がしますがまあそれは兎も角として、2年カレントですけれども金曜はまたまた午後からアオリイカ状態になってマイナス2.5bp→3bp→3.5bp→4bpと思いっ切り金利低下を煽るような動きとなっていまして、まあ確かにこの状況で売り向かうにも恐らく碌にショートも出来ないので向かう動きも無いでしょうが、普通は投資家のニーズがろくすっぽ無い所まで買い上げても相場というのはいずれ自然崩壊するものなのですが、何せご案内のように日銀がマイナス10bpだろうが100bpだろうが(かどうかは知らんが)実勢だということで応札が入るとそこの金利で買う、というのが仕様となっているので、特に利付債のように当該年限の新規玉供給(つまり新発債発行)が月に1発しか無いとなりますとアオリイカの動きが本格化してショートもし難いような状況になるとこんな流れになってもおかしくは無いとゆー所ですな(一方短国の場合は供給は毎週あるので日銀の買入と投資家ニーズのバランス次第だがこちらもショートは出来ないので煽られる時は煽られる)、うんうん。

ちょっと何ちゅうかさすがに目に余るような気もするんですけど、これで今週木曜日に2年新発の入札があって、どこの水準で入札するのよという話で、短国買入が年内多分終了になるはず(今日短国買入やるのは日程的に可能だが実施したらもはやテロ攻撃のレベル)なので、年内は中期の輪番がまだ残っているので中期は煽られやすいという話にしても何ぼ何でもとゆーところですな。

しかしまあ何ですな、日銀が買入実施しているから財務省の発行コストが盛大に下がってウマーという意見もあるのですが、短期ゾーンまでくると短国は確かにマイナス金利で発行できていますが、それってオペを通じて日銀がより深いマイナス金利で購入しているので統合政府で見た場合にどうなのよという感じですし、大体からして海外勢が短国マイナス買えると言いましてもそれってそもそもがドル円市場絡みなのですから、その裏には国内勢がドル調達するのに円をマイナス金利で運用する事を余儀なくされているという事ですから、マイナス金利の負担が普通に国内勢にも掛かっていて、結局金利をマイナスまで極端に下げて何の意味があるんでしょうかねえと思うのでした。

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2014/12/19

○色々と市場がヒャッハーな件について

・結局短国入札が5週連続で平均マイナス金利になってしまいました

昨日はFOMCネタでスルーしていましたが水曜は1年短国、昨日は3M短国が投下された訳ですけれどもね・・・・・・・・・

1年TB入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141217.htm
(1)応募額 18兆4,295億円
(2)募入決定額 2兆3,208億6,000万円
(3)募入最低価格 100円00銭4厘 (募入最高利回り) (-0.0040%)
(4)募入最低価格における案分比率 15.9789%
(5)募入平均価格 100円00銭5厘 (募入平均利回り) (-0.0050%)

足切りも盛大にマイナス利回りになりましたぞなとか思ったらセカンダリーでどうもショートカバーが入ってしまったようで引けではマイナス6bpとかいうような実にアレな入札となってしまいまして、えーっとすいません多分短国買入無いんですけど何でまたこんなに強くなるのよという所でしたが、まあその前の5年入札も強くなってその後もヒャッハー感溢れる展開になっておりましたので、何ちゅうか全般的にアレな感じでしたけれども・・・・・・・

3MTB入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141218.htm
(1)応募額 39兆9,880億円
(2)募入決定額 5兆3,080億4,000万円
(3)募入最低価格 100円00銭0厘5毛 (募入最高利回り)(-0.0018%)
(4)募入最低価格における案分比率 5.7817%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘7毛 (募入平均利回り)(-0.0063%)

ということで、年内最後の3M短国入札ですが、まあ前日の1年入札のセカンダリーの状況からしてプラス利回りは無理でしょうなあとは思っていましたが見事に足切りまでマイナス金利というアチャーな結果になりまして、結局11月3週目からまたまたマイナスになった短国ですが、100円足切りの回もありましたが平均は結局の所延々とマイナスですし、最後の最後に来て更にマイナスとか何ですねんという所で、まあ色々と要因が複雑っぽいので簡単に割り切れないのですけど・・・・・・・・・・

どうもですね、追加緩和以降輪番中期の買入が拡大したのが短国の方にも効いた格好になっているようで、確か10月の追加緩和の時には短国市場への買入圧力を緩和する為にMB拡大のその他部分を調整したという触れ込みになっていた筈なのですが、バキュームオペを継続して11月3週からまたマイナスに持って行ってしまった結果、短国市場の逼迫状態が利付の短期ゾーンに波及→中期ゾーンにも波及という図になり、しかもそこに中期輪番の拡大が入った結果として中短期の金利が低下となり、今度は中短期ゾーンの国債金利が大幅に低下した為に短国へのニーズが高まる、という需給逼迫の循環みたいな流れになっているように見える訳でございますよ。

でまあ先ほども申し上げたように本来10月末の追加緩和の時には短国金利のマイナス化に一定の配慮を示して資産買入の構成を調整していた筈なのですが、その後にどこぞの置物じゃない方の副総裁が「短国のマイナス金利は政策効果(キリッ)」とか言いやがったのを受けたのかどうか知らんですけれども、市場破壊バキュームオペが政策効果という建付けになってしまったとしか思えないオペの打ち方が続いて市場がこの有様という事になっておる次第で、置物理論に関してはどうしようもないので仕方ないのは仕様と思っていましたが、QQEは市場にストレス掛ける政策であって、そのストレスの掛け方によっては副作用が出ますよね的な話に関しては置物じゃない方の副総裁様がちゃんと注視して頂くという期待がそれなりにあった筈なのですが、そういう期待を打ち砕く講演だったという事で出た時にはあまり注目されなかったというかアタクシも出遅れでネタにした話ですが、結果としてこのような債券市場の死亡状態とオペの関係を見るに、置物の直線一気理論よりも実は市場に与えたダメージが大きかったのではないかと思うのでしたorzorzorz


・債券市場もあばばばばー

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL3N0U22J020141218
〔金利マーケットアイ〕国債先物が続伸で引け、長期金利は0.350%に低下
2014年 12月 18日 15:51 JST

『<15:30> 国債先物が続伸で引け、長期金利は0.350%に低下

国債先物中心限月3月限は前日比6銭高の147円66銭と続伸して引けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明とイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長会見では、利上げへの道筋に大きな変化がないことを示した。FOMCを受けて前日の米債相場が下落した流れを引き継いで、朝方は売りが先行したが、好需給が相場を下支えした。20年債入札が堅調な結果になると上値を試す展開となり、先物3月限は一時147円76銭と日中取引の高値を更新した。

現物市場はしっかり。入札をきっかけにした買い戻しで、20年超長期国債利回りは同2.5bp低い1.080%と2013年4月5日以来、約1年8カ月ぶりの水準に低下した。また、中期ゾーンにも国内勢の買いを観測。2年債利回りは一時前日比2bp低いマイナス0.020%、5年債利回りは同1bp低い0.035%といずれも過去最低を更新した。また、残存4年弱の5年115回債利回りがマイナス0.005%まで低下するなどマイナス金利が長めの年限まで波及した。』(上記URLより)

前半はさて置きまして、後半に記載されている債券の中短期市場が昨日はヒャッハー状態になってしまいまして、後場途中からホイホイと金利が低下する動きが凶悪化しまして、2年カレントは後場に入ってマイナス0.5bp→マイナス1bpとか金利の低下が加速して、最後にはマイナスが1.5→2.0という風に勢いが付いてしまい、5年は5年で最後には3.5bp(最早0.035%というような債券利回り的な書き方では無くて短期市場的なbp表示の方が実感が出るでしょ?)というナンジャソラとしか申し上げようがないアホタレさんな水準へと金利が低下しておりまして、債券市場が親指を立てながら溶鉱炉に沈んで行くラストシーンは涙なしには見れなかったとしか申し上げようがないこの展開は何ですかという所で。

もうどこからどう考えても経済合理性無いだろという水準ではあるのですが、短期ゾーンで国債がマイナス金利じゃないと買えない状態になって、それが波及するという話になりますと、玉突き的に需給逼迫が拡大する(ちなみに昨日の引けだと2018年9月償還まで引けがマイナスな)訳ですし、そもそもこんな水準になるという事は「投資家の所に売る物が無い」という状態な上に、日銀の輪番馬鹿買入は今月まだ残っているので、ここまで水準持ち上げられても成行買いをする日銀が玉を吸収するので、売る人の居ない中で日銀馬鹿買入によって金利水準がハチャメチャな所まで低下するの図という事になっている次第で、債券市場の壊れ方がドンドン加速することにさすがに寒いというか恐ろしいものを感じる次第であります。


○マイナス金利や必要以上の低金利の長期化は金融システムにストレスを与えるでしょうという論点について

とまあそんな訳で12月20日の国債償還を控えて債券市場の金利はちょっと目を疑うような展開になっておりますが、昨日実施された超長期入札の方でも落札結果発表後に20年が走って、中短期のあばばばばーもあるのですが超長期方面もブルフラットとかになってもう何だかねという状況。

でですな、つらつら思いますにこのマイナス金利状態というのは一時的な現象としては兎も角として、長期化するというのはどう見ても色々と弊害があるでしょというのがここもとマイナス金利が続く中で見えてきましたよねという風に思う訳ですよ。

つまりですな、資金をお預かりして運用して利回りをお支払いする金融商品という点で考えますと、中期4年近くまでマイナス金利とかになったら運用商品提供どうするのという話になりますし、預金だって普通預金が0.25bpとかかも知らんが預金保険料支払ったらコストってもっと上の所にある訳で、一方で国債金利が4年近くまでマイナスだったら預金を受けるとドンドンマイナスになりますがな状態になっていくでしょという話で、そらまあ一時的現象でマイナスだの超低水準だのという話ならば、そらまあ金融機関としても事業の公益性とか継続的なサービス提供とかの観点があるからマイナス金利即閉店とは成らないでしょうが、この状況を1年も2年も続けたらどうなるのですかという話です罠。

長期金利だってそうで、これだけ金利が低下してくると長期商品になるような保険商品とかだってリスクフリーの運用利回りがこの有様で商品作るって大変ですよという話になりますし、従来の商品をそのまま提供していたらマイナスになるってのがこれまた長期化したらどうなるんですかという話ですし、円金利がこのリターンしか無いのだったらアセットアロケーションの際に円債の部分ってリスク勘案したら実は単に円キャッシュのままで良いのじゃないか位の話になるとか考えただけでも恐ろしい事まで思いついてしまいますぞなというお話。

まあそんなこんなでマイナス金利(や過剰な低金利)が長期化するとなりますと、金融機関の収益というよりはそもそも論としての金融商品の提供とかそういうレベルの問題になってくるのではないかとゆーのが見えてきたように思いますし、それってつまり金融システムに負荷を掛けているという話になる訳で、短期的な現象なら兎も角、1年も2年も3年も続いたらその分のコストが何らかの形で転嫁されていくような話だって想像できる訳で、そうなってくると今度は置物理論によれば実質金利が下がるとポートフォリオリバランスが起きる(キリッ)という話ですけど、そもそもリバランスするポートフォリオが無い人にとってみたらマイナス金利のコスト転嫁だけ被る事になりかねないという話で、一体全体何のために名目金利を下げているのかという話になりゃあしませんかという所です。


でまあ実際にこういう金利状況になってみたら色々とそういう弊害の片鱗が出てきたように思える、というのが現場労働者としての見解ではあるのですが(なお市場調達市場運用だけしていると名目ゼロ金利制約は関係ないからそういう人にはピンと来ないと思う)、このような弊害が出てきており、政策が長期化すると深刻な話になってくるんじゃないですかという点について、肝心の日銀が何を考えているのか執行部出てきて考察を述べろやと小一時間ですわ。

大体からして「短国マイナス金利は資産買入の効果(キリッ)」とか「国債買入で金利に低下圧力を掛けて効果を出す(キリッ)」とかの触れ込みで短期だけではなくて債券市場にも盛大に日銀買入による市場破壊活動が進展して、確かに短国のマイナス金利は定着するわ国債市場の金利も既に中短期がご覧のとおりという展開になっているのですが、そもそもQQEが目的としているのは物価安定目標の達成なのであって、馬鹿買入して市場にストレス与えるのをつづけた上に更に凶悪化した結果として、物価安定目標達成の当初触れ込みの2年達成というのはどうなりましたかとか、そもそも実質金利を下げると設備投資が出るわ個人消費が伸びるわという話でしたが、その辺はどうなりましたかとか、そういうのが出てこその「資産買入の効果」なのであって、金利を馬鹿下げして「それも買入の効果」とか寝言は寝て言えとしか申し上げようがない訳で、いいからお前ら早く政策効果の定量的なレビューを政策委員会として出せやゴルァとしか申し上げようがありませんな。

・・・・・ついカッとなって悪態をついてしまった、全然反省はしていない。


○そういえばオペメモだけ置いておく

・昨日の固定金利オペ結果

昨日のオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141218.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(12月22日スタート分) 1,031 1,031

こちらは2527億円の落ちに対して1031億円と半分以下の減額ロールという残念な状況になっていますが、元々の額が少なかったので参考記録という感じですな。22日スタートなので国債償還キタコレでニーズが減っている可能性はあるのですがその影響がどの程度なのかとかはよく判らん。


・一昨日のドルオペとかCP買入とか

火曜と言えばドルオペですが。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141216.htm
米ドル資金供給(12月18日スタート分) 30 30
CP等買入 13,366 4,476 0.087 0.108 43.2

ドルオペですが1週間物で珍しく3000万ドルの応札がありましたなというのをメモだけしておくという所です。まあ1週間物だから年内物ですし、額もごく少額ではあるので何か意味があるかというと多分あまり深い意味は無い気がしますけど。

あとCP買入の平均が妙に高いのですが、銘柄の関係とかあるのかもしれませんけど、市場動向からしたら逆行にも程があるので多分この平均が高いのも意味は無いでしょう。

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2014/12/17

○5年入札ェ・・・・・・・・・・・・・・・

ご案内の通りですががががが。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul067.htm
(1)応募額 10兆5,366億円
(2)募入決定額 2兆4,872億円
(3)募入最低価格 100円08銭 (募入最高利回り) (0.083%)
(4)募入最低価格における案分比率 99.8817%
(5)募入平均価格 100円08銭 (募入平均利回り) (0.083%)

てな訳ですが、昨日の場合は後場の寄りから先物上昇とかしていてこれは入札が強いのでしょうかとか思っていたら落札結果は事前予想を上回って一本値落札になるという結果。おまけに市場推計の落札分布を見ると一部大手業者さんといわゆる不明玉が1兆円スケールであって、残りの皆様の落札少ないざますなあという所でございました。

などと思ってるうちに為替の方で117円前半に為替が突っかけたり株がヘロヘロとなったりとかもサポートになったとは思うのですが、それよりも5年ヒャッハーの勢いという感じだと思うのですが、先物が147円50銭(+12銭)とかやってる時に5年120回債が5bp(2毛強)ヒャッハーとかなっていまして(なおその辺りで10年カレントは1毛強なので見事なブルスティープ)まさにヒャッハー状態。

でまあ引けの時には5年120回が4.5bpだわ新発が5bpだわとかナンジャソラという水準になってしまいまして、引け後には新発は4.5bpヒャッハーだし2年とかも強くなって長期も堅調(超長期は出おくれ)となるという展開。

・・・・・・・・・とまあそういう事で、今週に入って5年ゾーンって120回債で見て先週金曜の7.5bpから昨日の引けが4.5bpで2日で3毛強くなっている訳ですが、そもそも論として付利金利よりも遥かに低い水準まで5年の金利が低下とか何がどうなっておりますのやらという話でありまして、7月位の3M入札が5bp割れとか言ってた筈なのにワシらは何かよく判らん世界に迷い込んでいるのではないかというような状況。向こう5年間今の短期金利状況が続かないと明らかに間尺に合わないというか、5年間超過準備に放り込んでおいた方が利回り2倍なんですけどという異次元とかそういうものを超越した状況。

でですな、その付利金利とか政策継続の時間帯とかそういう話をさておきましても、預金金融機関的に言ったら預金に対して預金保険料を払っているので、預金保険料込みでの原価から言って5年の期間リスクを取っても全くの逆鞘という状況になっている訳で、ここまで来ると預金金融機関としては預金が来る方がリスクにも程があるというような状態になってしまいますがなという話で、既存の保有債券部分はそらまあ利が乗っていますけれども、新規に資金が流入する分どうしますねんという状況。

中期だけではなくて長期だって0.4%割れですし、超長期も金利水準はドンドン低下している訳で、つい3か月前には短国の金利がマイナスになって短期方面の資金運用というロットはでかいけれども金利市場参加者のボリューム的には辺境地域の住民がおはぎゃーと言っていた訳ですが、追加緩和と、その後の短期ゾーンのマイナス金利積極放置状態継続によって、外部環境も後押しして金利市場全体がドイヒーな事になってきましたなという所で、これそもそも論として国内円金利関連での商品が顧客に提供できるのかとか維持できるのかとかそういう話に大袈裟ではなく発展しちゃいますがなこの状況が長期化したらという所です。


・・・・・・・・えーっと、確か岩田規久男副総裁様のマネタリーベース直線一気理論によりますと実質金利が低下すると自動的に投資や消費が拡大して経済が前向きに循環する、という理論でございますが、このように金利市場を広範に焼き払うというプレイまで行って得られました金利低下で投資や消費が物凄い勢いで拡大してくれませんと、焼き払われた金利市場としては只の焼かれ損になりますし、大体からして市場を破壊しちゃいますとその市場を通じた金融政策のトランスミッションメカニズムがワークしなくなるのですけれども、それだけの副作用というコストを掛けて得られる効果についての具体的な定量的説明というものが1年半以上政策を継続しているのに一切政策委員会から示されないというのはどういう事かと小一時間。

で、散々焼け野原にしておいて「やっぱり2年で2%できませんでしたので辞任します」とか言われましても(辞任とかしないでしょうが)その焼け野原の始末はどうするんだと思う訳で、もう何やってるんだかという所です。


まあ日銀政策委員会の多数意見によりますと早期に物価目標が達成できるのでこのような市場破壊モードも短期間で終わるらしいのでそれを期待するしかありませんなあ(棒読み)という所ではございますが、またぞろ原油価格低下の影響で足元のCPIが下がるとインフレ期待の低下に対応して追加緩和するとか何をどう追加緩和するのやら・・・・・・・・・



○その他市場関連メモ

・ETF買入おかわりとな

http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_etf.htm
例によってこの先はエクセルのZIPファイルなのでリンクはここまでにしておきますが、昨日はETFの買入が374億円でJ-REITの買入が13億円登場と相成りまして、ETFの買入は総額3.8兆円に乗ったのですが更におかわりキタコレとなっていましたが、まあ月曜火曜と日銀が374億円買ってもご覧のとおり(つーか買入の絶対額はこんなもんですからそら瞬間的な意味での市場インパクトって所詮はその時の大きな動きには勝てないでしょうけどね)という結果。

ただまあ今日は少しこの日銀ETF買入攻撃をネタにしてくれるのでしょうかねえ、よー知らんけど。


・11月積み期間の業態別当座預金残高

これまたZIPでエクセルファイルなのでリンクへのページだけ置いておきます。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

でまあここから数字を拾いますと、11月積み期間の平残は全体としては大きな動きが無くて、業態別でみた時には都市銀行が2.7兆円程度拡大、地方銀行が1兆円程度拡大しているのですが、一方でその他準備預金制度適用先が4.6兆円程度落としているのがほえーというところで。

まあ11月に都市銀行と地方銀行が超過準備を拡大しているのを見てとりあえずホッとはしましたという所ではあるのですが(10月は全体の当座預金残高が拡大する中で銀行業態の寄与が相対的に少なかったのでちょっと先行きの超過準備積み上げ的に大丈夫なのかという懸念がごじゃりまして)、今後はその他準備預金制度先が減るとかいうのも気になる所です。

つーかまあ要は「この先資産買入積み上げは良いのだが誰が超過準備を持つのだよ」という話になった時に疑問がががががという所なのですよ。


・なお今日明日は1Yと3Mの入札

・・・・・なのですが、多分短国買入打ち止めだと思うので需給が緩むかと申しますと、これがまた5年がヒャッハーとか連れて2年もヒャッハーとかやっているので1Yとかどこからどう見てもプラス入札無理でしょうなあと思う次第。まあ年末年始まで在庫でキャリーして短国買入に入れるというのはさすがにちょっと先が長すぎる話なのでその手の札がバカスカという訳には行かないと思いますが、20日の償還再投資分で5年金利がこの有様だとそっちのニーズも出る訳で、いやまあさすがにそれでマイナス買う人はいないと思うのですが、100円レベルの所に岩盤のようなビットがあって、岩窟王状態になっているのを崩すのは中々アレかと。

3Mは今日の結果見ないと良く判らんぞなという所ですけど、本来的にはそろそろ緩めよとは思うのですけど・・・・・・・


○ルーブルとかその辺とかで雑談というか何というか

まあご案内の通りでございますが備忘でメモを置いておく。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NGNZU46K50YU01.html
ルーブル一時1ドル=80ルーブル台-通貨統制懸念当局打ち消す
更新日時: 2014/12/17 03:46 JST

まあ昨日の日本時間の夕方とかもヒャッハーヒャッハーやっててドル円も116円台とか特攻するし、そもそも昨日はロシア通貨防衛の盛大利上げをするしとか、中々こう味わいの深い展開になっておりますぞなとゆー所で。

http://jp.reuters.com/article/jpmarket/idJPL3N0U04WY20141216
欧州株式市場=反発、ルーブルと原油に持ち直しの兆し
2014年 12月 17日 03:39 JST

でまあNYもこれで株戻ってたみたいですけれども結局NY株マイナスですかそうですか。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NGO7CG6K50XS01.html
NY外為:円が対ドルで一時115円台、世界的な景気腰折れ不安
更新日時: 2014/12/17 06:08 JST

まあ通貨防衛で利上げとかだいぶ最後の手段っぽい動きになっていてロシアがこんなに派手にコケるとはとゆー所でございます。


・・・・・・でまあそれはそれとしまして、この辺の動きを見てFOMCや日銀がどうなりますかという事をつらつら考えてみますと、FOMCに関して言えばそもそも論として原油価格が下がるのは米国経済的に言えばどこからどう見てもネットでプラスで、それこそガソリン価格が下がると文字通りのヤンキーな皆さんがヒャッハーと燃費の悪い大型車を絶賛購入するという楽しい流れになる訳で、まあ別にこの動きで日和見モードになるとか無いでしょと思われます。

毎度申し上げておりますように、そもそも論として既に出口政策に関しては「データディペンデント」という建付けになっているというのはFOMCメンバー全員が一致していると見られまして、今更時間軸を持ち出す必要はないし、時間軸的なものは「データディペンデント」アプローチにおいてコミュニケーションの阻害要因になりますから、まあ普通に今回バッサリとガイダンス文言を変更して、時間軸では無くてただの現時点での見通しであり先行きはデータ次第、というのを示す一方で会見でハト的な話をイエレンさんがしてバランス取って終了となるでしょう。

大体からしてFEDって自分の庭辺りがボーボーと大炎上して延焼のリスクがある位の状況じゃ無い限り、自分の所しか見ないで政策を打ってくるというのが仕様になっていますので、ロシア辺りが大炎上しても知らんがなというスタンスで全然ぶれてこないと思います。


なお日銀ですけれども、足元の物価低下懸念をネタに追加緩和をやる、という金融政策のロジック的にダメの典型みたいなのを実施(一応「日本ではまだインフレ期待がアンカーされていないので足元の物価に対応する必要があるから通常とは違うんです」という屁理屈は用意されていますので念の為)していた訳ですので、これ原油価格が一段安でヒャッハー状態となりましてCPIも目先は1%を大きく割るでしょうという風になった場合に追加緩和オラオラオラと詰められるでしょうなあと思われます。まあさすがに4月までは粘ると思うけど、消費増税先送りした関係上そこまでの超大型財政が打てないとなりますと、すっかり政治従属しておられます所の黒田日銀様に対しまして「金融政策で何とかせえ」という話にもなってくるかと存じますし、何せ前回のヤケクソ追加緩和で株は上がるわ円安には振れるわでしたので、夢よもう一度と追加緩和圧力が高まるだろうなあとも思われます。

つーことで、まああたくし的べき論で言えばそもそも「2%目標は下げないにしても2年で無理繰り実施するというのを下げて、国債馬鹿買入もバランスシート維持から縮小方向にして、低金利時間軸政策に戻せよ」という所なのですが、「2年で2%」ドクトリンを放棄するためには政治的なコンセンサスが形成されないと今更引っ込みがつかない状態になっている(2年を勝手に引っ込めたら最低でも総裁副総裁の首は飛ばすしかないでしょ)ので、ドクトリン放棄したっていいじゃないかデフレ脱却だものというタオルが飛んでこない限りは、足元の状況は追加緩和を更に強く催促されるという動きになっているとしか見えません(繰り返しますがさすがに今回追加は無いと思うし恥ずかしいにも程がある)。

しかしまあ何ですな、更にそもそも論を言い出すと、もしかしたら10月31日のヤケクソ追加緩和によってドル円とかぶっ飛んで市場に盛大にボラティリティを提供し、他の中央銀行(だいたいECB)とかもQEだの何だの言い出す始末になるしとかで、実はヤケクソ追加緩和がグローバルにボラの拡大の起爆剤になって色々な所の無慈悲な動きが加速したのではないかなどという仮説を立ててみたくなるのですが、そんな事を言うと日銀がワールドワイドに大迷惑という話になるので考えるのを途中で止めることにしておきますね(^^)。

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2014/12/16

○ETF買入投下とな

http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_etf.htm
最終更新日:2014年12月15日

・・・・・とありますように昨日は日銀のREITかETFの買入がありましたという事ですが、上記URL先にある「014年4月以降の買入結果」からZIPで落としますと昨日はETFをいつも通りに374億円の購入投下となっていたようで、ETF買入砲撃あってもあの相場ですかというのは兎も角としまして(つーか1部売買代金から見たら屁だろと思うんじゃが)、これで買入のオファーベースだと3.8兆円の年末残高目標達成となりまして、今週のMPMを前にめでたしめでたしという結果。

まあ何ですな、これですともしかしてMPMで「次回決定会合まで」の資産買入ペース継続が決定されますと、次回決定会合までの買入ペースがオーソライズされたという事になるので現状の数字から拡大も可能という解釈もアリエールではございます。

とは言いましても、「年末残高」という余計な物を出している関係上、年末残高を逸脱するというのも何だかねえという話ではあると思うので、実際問題としてMPMの後に買入が続くのかというのはこれまた微妙な気がするのですが、誰か記者会見で質問する人が出てもおかしくなさそうですね。

しかしまあ何ですな、輪番に関しては買入予定額を月次で(ただし月の頭の分は明示するけど月次の額に関してはかなりファジーなレンジのままで出して来るけど)出して来る訳でして、一方でMPMでの決定が「次回決定会合まで」となっていて、しかも今後はよりオープンエンド型になっているとゆー事を勘案しますと、「翌月末までの買入ペースは以下の通り」というような決定方法にした方が変な思惑が出なくて良いような気がするのですがどうでしょうかねえ。

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2014/12/15

○オペ関連雑談である

・貸出支援オペは下馬評通り

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel141212a.pdf
貸出増加を支援するための資金供給の実施結果
(2014 年12 月実施分)

新規貸付の概要
貸付期間 4 年
貸付予定額 31,336 億円
貸付先数 48 先

新規3兆円という数字に関してはまあ下馬評通りでして、これでまあ普通に考えて年末のMBは達成(財政で揚げ超方向での不測のブレというのは常識的に無いから大丈夫)という事になりそうですな。

でまあ今回はこういう結果になったのですけれども、今の市場環境ですと4年の1%固定金利って市場調達だと思ったら超高利貸出状態という事で、次回以降ちゃんと札が集まってくれるのかねという所で、今の状況だと先行き金利先高観どころか追加緩和の方が待ったなしとかいう観測になってくるのが次回(3月)の状況ではないかと思ってしまう訳で、このオペ自体は札が集まる為には市場金利もさることながら金利先高観が出ないといかん訳ですし、一方で輪番で保有国債が減っている中ですので、実は4年固定の負債なんぞ要らんのではないかという気もする訳で、やはり「その他」部分でのMB積み上げは難しいと見る方が妥当なのではないでしょうかねえと思うのでした。


・短国買入は5000億円で実施

金曜日のオペオファー

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141212.htm
国庫短期証券買入 5,000 2014年12月16日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 4,500 2014年12月16日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,500 2014年12月16日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年12月16日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 2,000 2014年12月12日 2014年12月15日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 7,687 2014年12月12日 2014年12月15日

短国買入は5000億円でオファーとなりまして、これで1兆とかオファーしたらここから20日の償還でのキャッシュ潰しニーズもあるのに買入して市場を逼迫させてどうするんだクソボケと悪態をつく予定でしたが一応市場での下馬評の下限。

で結果はこの通り。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141212.htm
国庫短期証券買入 26,454 5,000 0.013 0.013 100.0
国債買入(残存期間1年超3年以下) 11,613 4,504 0.006 0.007 22.2
国債買入(残存期間3年超5年以下) 12,331 4,506 0.003 0.005 51.8
国債買入(残存期間5年超10年以下) 10,238 4,002 -0.006 -0.004 26.4
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 23 23 -0.400 -0.400
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注5) 71 71 -0.400 -0.400

ということで短国買入は応札2.6兆円になっていまして、平均と足切りが同じ1.6毛甘となっていて按分が100%なので5000億円一発で入れに行った方が居たんでしょうねという所です。

ここもと強い入札が続いていた訳ですが、金曜日付け(木曜の引け後発表)の売買参考統計値からしますと新発3Mの500回がマイナス2bpで1.6甘で入れてもマイナスだし入札レベルからみたら平均がマイナス0.4bpで足切りがマイナス0.18bpだったので特段の投げにもならないですから(他のカレント銘柄だと出来上がりがプラスになる)この銘柄が入ったんでしょうなとゆー所ですにゃ。

で、上記のように(下馬評通りですが)貸出支援オペが3兆円でていますので、MB達成の方は全く問題なしという流れになっておりますので、普通に考えて(というか市場もそういう予想だと思うのだが)短国買入は先週金曜ので年内終了(今週は金曜がMPM2日目なので慣例からすると短国買入実施するなら22日の週になるのですが、さすがに年末越えと四半期末のダブルパンチで買入やって既に逼迫している短期市場の玉を極度に逼迫させるような馬鹿プレイはしないと思いますので)となると思われますので、今週の3M入札はプラス金利ワンチャンスあっても良いと思いますけどね。

というかですな、今週の3M新発って償還が3月30日となっておりまして、それはつまり何を意味するかと申しますと償還の時にどこからどう見ても償還再投資が出来なさそうな銘柄であるという事を意味します(まあこの時にロールが普通に出来るのならば大丈夫ですが)ので、資金運用計画的に中々使いにくい(期末の担保にもならないし)のでプラスになってもあまり嬉しく無かったりする訳で、もっと前にプラスになれやゴルァ!という所っすな、うんうん。

#それ以前の問題としてプラスにならないかも知らんが


・補完供給ェ・・・・・・・・・・・・

さっきのこれですが。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141212.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 2,000 2014年12月12日 2014年12月15日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 7,687 2014年12月12日 2014年12月15日

(注3) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却対象銘柄は、10年利付国債321回です。
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)の売却対象銘柄は、5年利付国債121回、
10年利付国債321回、20年利付国債150回、30年利付国債44回です。

ということで、金曜日に話題になったのはこの国債補完供給の乱れ打ち。

まー多分誰かがやらかしたという話だとは思いますが、それにしてもこの乱打はワロタとしか申し上げようが無くて、現物債市場の流動性が低下していて、追加緩和以降更にこの状況が凶悪化していて、オファービットがホイホイ飛んでしまうという現在の市場状況を象徴するかのようなオペでしたなあという所です。

なお一方でどこぞの置物では無い方の副総裁は先物を捕まえて「債券市場の流動性は問題ない(キリッ)」とか言ってしまう訳で、というか後付で思いますとあの講演で「短国マイナス金利は政策効果」とか「債券市場の流動性は無問題」とか言い出したせいで短国の方ではマイナス金利の定着状態が是認されるような流れになってしまいましたし、現物債市場での流動性の低下に関しては全く無視というのが見えたというのが債券市場の流動性低下に加速を掛けたような気がするので、まああの講演は近来稀に見るダメ講演でしたなあと思うのでした。

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2014/12/12

○国内債券市場が更にあばばばばーになっている関連の雑談

・3M入札ががががが

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141211.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘5毛 (募入最高利回り) (-0.0018%)
(4)募入最低価格における案分比率 35.5446%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘1毛 (募入平均利回り)(-0.0040%)

おいこら何で3Mまで足切り100円超になっとるねんという所でして、今週は3回入札があって最初のは足切り100円(ただし薄按分)だったのにその後がマイナスになるとかどういう事ですねんという感じです。

ただまあGCレポレートとか上昇しているのでセカンダリーバカ売れという事なのかは謎としか申し上げようがないのですが、新発のBB引けはやはりマイナスという事になっておりまして、利付のマイナス引けも(若干ゼロゾーンが復活しましたが)相変わらず1年半くらいまでマイナスとなっていますので、いわゆる短期ゾーンで国債系の金利物に対して普通に資金運用目的で投資しようとすると購入時点でマイナス金利状態ってそれは投資と言えるのか状態なのが続くのでありました。

いやまあ今週は入札3発あるから何ぼ何でも足切りはゼロでもしかしたらプラスワンタッチもあるかもという淡い期待はあったのですが、後ろの入札になってから足切りがマイナスになるとか凶悪にも程がある展開で、まさかの三球三振で外角スライダーに盛大な空振りをする図という風情に落涙を禁じ得ません。

でまあ本日は短国買入デーなのですが、 MB目標からしたらもう買わなくても回る筈だと思われるのですが、とりあえず今日のオペがどうなるのかが注目と申しますか、ここでまたバキュームオペとかやった日には「日銀は短期の国債市場から国内の一般的な資金運用目的の投資家を排除して一部の海外投資家などしか参加できない市場を自分から作りに行っている」という評価が更に(さらに、というのはもともとそういう状態という意味ですわ)確立される訳で、良く良く考えたら金利関連市場の中で一番重要な国債市場において国内の一般的な投資家を排除する中央銀行って何なんでしょというか、こくぞ(以下の部分は内務省検閲により削除されました^^)。


・しかし長い所も更に流動性低下して大丈夫かという雑メモ

でまあ短い所は延々とマイナス入札が続いてすっかりぶっ壊れとなっていますが、ご案内の通りで長い所も最近ますますドイヒーな状態で、入札と輪番以外では(12月でバランスシートを縮小する人がいるのも効いていると思いますが)ちょっとした投資家の売買でイールドカーブの位置が変わるという日中の板がスカスカでオファービットが飛ぶという状態になっていますし、入札と輪番に関しても入札後の動きが派手派手になる場合がありますし、輪番に関しては朝三暮四のエテ公もビックリ(どこぞの株と違って債券の場合は入札での供給と償還での吸収があるから、一応輪番のタイミングを気にするのは瞬間的な需給関係的に意味は分からんでも無い、ETFは何でそんなに反応するのか判らん)という感じで日程を気にしますし、おまけに結果が飛ぶと市場がその後飛ぶという有様でもう何だかね状態。

でですな、この調子で推移すると何となく運用部ショックの前にあった債券現物債市場の流動性スカスカ状態(この時のそもそもの原因は債券先物売買システムの仕様変更で当時皆がヘッジにやたら使っていた債券先物の値が無茶苦茶に飛ぶような仕様に変わったから)というのを思い出してしまうのがジジイの仕様なのですが、今回の場合はだから即金利上昇リスクという訳でも無さそうですが、この調子で現物債市場の流動性をドンドン殺すと、そもそも出口政策が出来るのかという話でして、「出口ので〜♪」(なお何のパロディーか判る人はあまりいないですね)と一声かかると一声ごとに100bpとか大変に悲惨な世界になるのではと危惧する所ではあります(今直ぐにそうだとは言ってませんがこの調子で長期化すると一声100bpとかが洒落にならない状態になる、という話ですので念の為申し添えます)。

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2014/12/11

年の瀬に金利市場関係者のマインドが低下するようなニュースがががが。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NGCMRK6K50YE01.html
RBS:日本国債プライマリーディーラーから撤退、大幅削減へ
更新日時: 2014/12/11 00:01 JST

いやまあ異次元緩和だけじゃないですけれども、市場機能が大幅に落ちれば収益チャンスも減りますし、金利が低いとそもそもベースの収益が出にくくなりますからねえ・・・・・・・・・・・・

#なお、日銀にかかると別に異次元緩和の弊害という話には死んでもならない模様と妄想

○市場ネタおよびその他雑談ネタである

・2M入札がアイヤー

昨日の2M短国入札結果はご覧のとおり。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141210.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘5毛(募入最高利回り)(-0.0035%)
(4)募入最低価格における案分比率 26.2879%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘9毛(募入平均利回り)(-0.0064%)

日銀オペに入らない2Mなのですが月曜の6Mは足切り100円だったのにこちらは足切り貫録のオーバーパーでアイヤーにも程がある結果。

まあ何ですな、この入札は発行が2.5兆円なので需要が盛大にぶれますと落札が急に激強になったり大流れしたりする事はある(ただし市場が生きている時)という傾向があるのですが、今回は日銀の締め上げプレイが続いているうちにドル円ベーシスなどの影響が出てきて海外需要は増えるわ、四半期末近くなってきて決算需要も意識されるわ、締め上げ続くから担保繰りとしての国債ニーズは高まるわ、利付国債の方もマイナスになるわと需要が強くなってしまいましてマイナスという事で。

でまあ市場推計の落札分布見ると2兆1000億が不明玉とかナンジャソラという所ではございますが、BB引けはマイナス0.2bpなのでマイナス金利でも買うニーズだけで2.5兆円のどこまでが捌けたのかねとは思いますけど、一番プラスになるチャンスかと思った(なお今週末に短国買入をスキップすると来週の入札でもチャンスはある)のですがマイナスが却って深くなる結果というのは中々しょんぼりしちゃいますなという所ではあります。

そして本日は3Mの入札がありまして、今週の3Mと来週の3Mというのは足が3月のケツの方にやって来るというのが微妙な物件でありまして、どこからどう見ても来年の3月末とか阿鼻叫喚の世界になっている訳で(もしかしたら皆居なくなって西方浄土の冥界になっているかも知れませんが)、それはつまりこの辺の銘柄の償還再投資リスクがかなり厳しいと言う事を意味しますのであまり馬鹿買いすると3か月後に自分の首を絞めるの巻というリスクがありますが、何せ足元の状況は既にプラス金利が無くて餓鬼道の世界と化しておりますので3か月後の話なんぞ知らんですかそうですか、と書いているうちに目から汗がががが。


・輪番とか固定オペとか

オペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141210.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 4,500 2014年12月12日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,500 2014年12月12日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2014年12月12日
国債買入(残存期間25年超) 1,600 2014年12月12日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 2,000 2014年12月10日 2014年12月11日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 10,000 2014年12月12日 2015年3月24日


オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141210.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 12,748 4,509 0.007 0.007 62.5
国債買入(残存期間3年超5年以下) 12,639 4,504 0.003 0.004 2.1
国債買入(残存期間10年超25年以下) 5,976 2,406 -0.013 -0.009 29.7
国債買入(残存期間25年超) 3,977 1,602 -0.039 -0.029 77.1
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 27 27 -0.400 -0.400
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(12月12日スタート分) 3,810 3,810


輪番は中期と超長期と来ましたが、超長期の輪番が流れて、って前日の入札が落札結果発表後にワッショイ相場になっていたので更にこれでヒャッハーとなっていてもうねという展開ですが、まあ最近は外部環境の後押しもあるにせよ市場の動きが急速に壊れているなあという感じを受ける次第というのは連日申し上げている通りです。


固定金利オペですが、オファー額見て気が付く辺りが我ながら間抜けなのですが、元々の額が少なかったからうっかりしていましたが、こいつはシグナルオペのなれの果てだったのでオファーが1兆円あったのですが、今回は3810億円でのロールとなりまして、折り返し元が2590億円だったのでまさかの増額ロールとなっていまして、この期に及んでどうしてニーズがあるのか謎ではありますけれどもまあ札があったのですからニーズがあったのでしょうなあという結論にもならない結論。


・ETF買入とか

http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_etf.htm
指数連動型上場投資信託受益権(ETF)および不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果

昨日は株式市場が盛大に下げたのにETFの買入が入らなかったというのが話題になっておりまして、一方で月曜には株式相場が上昇しているのにETFの買いが入っていてナンジャソラ状態になっているようですが、まあETF買入に関しては基本的に他のオペと違って別に日銀が市場を見ながら調節の所から指示飛ばすような形ではない建付けなので知らんがなという所かとは思いますけど、ここで妙なパターンでこられると中々痺れますなとゆー所で。

でですな、短国買入の打ち方とかを見ておりますと、短期国債がマイナスになろうとも財務省からプライマリーディーラーの応札制限設けるとかいう形でのマイナス金利牽制が入ろうとも委細構わず着地に向けて前倒しで買入を実施する(しかも中曽副総裁講演で「マイナスは政策効果」と言われたのがすっかりお墨付きになったようで金利を下げる方がマンデートで市場機能なんぞ知らんがな状態の虐殺オペを実施していますよね〜)というプレイをしている訳で、これって12月末の数値であります所の買入3.8兆円という数字に着地させることしか考えていないようなオペを実施している悪寒がする次第。

つまりですな、年末残高は数字として思いっきり張られているので、この数字は役人的に必達なので必達させるという事で、その数字は前倒しでも作っていくけれども、一応このオペ自体は目的として市場の押し上げ介入をするような建付けになっていないので数字の目処がついたらペースを落とすだけという機械的プレイになっている可能性があるようにも思えますな。

なお、では年内打ち止めになるのかというとこれまたそこも良くワカランチ会長な所があって、現在の政策の建付けですと「次回会合までのバランスシート拡大ペースを年率換算すると大体あの程度にする」という(ただしMB的な意味では財政の出入りがあって、MBのペースを合わせに行くと短期オペが無茶苦茶な事になるのでそこの運用がどうなるのかが微妙なのだが)形になっていて、ただし年末のバランスの数字を思いっきり示しているので、本当は次回のMPMで現状政策の維持が決定されますと、1月決定会合までの間の買入ペースが従来通りですよ、というのが決定されるという建付けになりますので、1月MPM時点までの事を考えると年末近辺で先に次回MPMまでの分を稼ぎに来てもおかしくはないようにも思えるという中々訳のわからん事になりますな。

#本当はMPMの所で買入ペースを区切っていくのが建付けとしては正しいように思えます

とは言いましてもそんなことやると運営がややこしい事になるので、輪番とかは月次での話をしていますし、年末の数字を出すような形になっているというのですが、来年になると明確な形でオープンエンド型になる(今までも一応オープンエンド形式でしたが2014年末の数字があったし目標達成期間が2年というのがあったのでそこは微妙にファジーだった)ので運営が良く考えたらややこしい事になりますなあと思うのでありました。

しかしまあ何ですな、1日のETF買入自体は東証1部の売買代金からしたら屁のような話だと思うのですが、やはり買ったら絶対売らない人の成行買いというのはインパクトあるんでしょうなあと思いつつ、ETF買いが結構な話題になるのを見て株式市場も日銀オペで徐々にアレ化しつつあるのでしょうかねえなどと思うのでありました。

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2014/12/10

ヒャッハー!!!
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NGB5SE6KLVR501.html
世界的に株価下落、中国が金融規制強化で大幅安−円は上昇
更新日時: 2014/12/10 03:52 JST

まあそう来る罠。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141210-00000001-reut-bus_all
フィッチ、日本の発行体デフォルト格付けをウォッチネガティブに
ロイター 12月10日(水)1時25分配信

で、この報道が出た時に円買いが加速したとの話を受信したがワロタとしか申し上げようがない。

#どうでも良いがモーサテの本日の株式市場解説をしている人が「日銀の投資戦略を参考にするとJPX400が云々」とか言っているのだが、日銀は投資目的でETFを買っていたのかよそれで何とかストが務まるとはめでてえなあと小一時間問い詰めたい


○市場雑談メモ

・30年国債入札メモ

うむ。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul065.htm
(1)応募額 2兆58億円
(2)募入決定額 6,431億円
(3)募入最低価格 100円75銭(募入最高利回り)(1.464%)
(4)募入最低価格における案分比率 72.4839%
(5)募入平均価格 100円91銭(募入平均利回り)(1.456%)
 
てな訳で30年入札ですが、先週金曜にまさかの超長期輪番連発があったので、見込んでいた超長期輪番が前に倒された→新発を捌く機会が1回減る→マズーなどという事で警戒モードでもあったのですが、入札自体は前場引けの気配近辺での順当な結果。

と思ったらその後ヒャッハーと超長期強くなりまして、市場推計の落札上位が大手の業者だった事が効いたのか、上海株が下がって日本株が下がって円高になったのが効いたのか知らんですが絶賛ブルフラットヒャッハーという展開になるとか中々派手な展開をやらかしておられまして、債券先物も高値引けの巻とかもう何だかねという動きでございますな。


・さて今日は2MTBの入札ですが・・・・・・・・・

本日は2MTBの入札。

そういや昨日はネタにしませんでしたが月曜の6MTB入札は案の定マイナス利回りの平均で足切り100円となっていまして、ここもと延々と短国が入札段階でオーバーパーとなっているという流れですな。

で、そのような展開が続きますと償還再投資が出来ないという流れになるので、その影響が利付の方にも波及して最近は2年カレントまで引値がマイナスというこれまたドイヒーな状態が続いているのもご案内の通り。

・・・・・・ということで、本来ですと今日の2Mって日銀短国買入対象外銘柄になる(筈)だから投資家が普通に買えないゼロだのマイナスだのという決着にはならんというのが順当な見方になる筈でしたが、こう何発も短国入札がマイナスというのをやってしまいますと、短期資金運用的な買いだけではなく、担保繰りだの四半期末国債残高調整等の決算需要だのというようなマージナルなはずの部分の買い圧力もありーのな上に、為替絡みのマイナス金利円調達の部分は12月要因もあって存在しますという話ですので、中々アレな入札になりそうな悪寒ががががが。

しかしまあ何ですな、年内の短国入札って今日を含めてあと4回(3M2回と1Yと2M)になるのですが、足元の利付国債も含めた玉スッカラカン状態および20日(22日)の国債償還再投資ニーズ(のうち残るキャッシュの潰しニーズ)を考えると、今週来週は短国買入をスキップして市場に短国を流通させないと既に大概ぶっ壊れている市場なのですが、もはや市場の体を成さなくなると思われますし、本来今回の追加緩和では短国市場の機能低下に対応して短国買入の負担を下げたという触れ込みだったのは何だったのだという話ではありますな。

ま、そもそも市場機能については先般の中曽さんの講演が思いっきりドイヒーな内容で、市場機能を叩き壊しているのに市場機能はあるだの短国マイナス金利は政策効果だの言ってしまいまして、まあそれによって市場の中の人たちが絶望したのが主因なのか単にオペが短国ではバキュームするわ輪番では急に超長期増額の騙し討ちするわというような中の人たち的には「柔軟な対応」の積りなのでしょうが、市場の方から見たら意図的に市場を叩き壊しに行ってるようなオペを打ったので崩壊が加速したのか知りませんが、例の中曽講演のちょっと後くらいから急速に市場が壊れた感がありまして、まあ一番困るのはそういうのって中の人たち的にアネクドートなエピソードとしての悪態はつけるのですが、現場を見たことの無いおエリート様に理解頂くのがかなり困難なので、あのような講演が出るというような話になっている訳で、現地の戦況が伝わらない中で大本営が作戦を立てているという光景が頭に浮かんできて落涙を禁じ得ないものであります。

・・・・・・・いかん、いつの間にか話が逸れてしまったorzorz

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2014/12/08

○オペ関連雑談

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141205.htm
国庫短期証券買入 7,500 2014年12月9日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年12月9日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2014年12月9日
国債買入(残存期間25年超) 1,600 2014年12月9日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 2,000 2014年12月5日 2014年12月8日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141205.htm
国庫短期証券買入 16,946 7,502 0.001 0.011 26.6
国債買入(残存期間5年超10年以下) 11,220 4,008 -0.007 -0.006 79.0
国債買入(残存期間10年超25年以下) 5,554 2,403 -0.019 -0.012 35.2
国債買入(残存期間25年超) 6,052 1,605 -0.020 -0.016 52.0
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 43 43 -0.400 -0.400
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(12月9日スタート分) 5,655 5,655

ということでつらつらと。

・短国買入減額だが7500億円とな

短国買入は7500億円という相変わらず微妙な額でのオファーでして、1兆とか5000億円とかで刻めばと思うのですが、相変わらず「減らすけど思いっ切り減らすのもどうかなあ」的なこの中途半端さが調節クオリティとしか申し上げようがない。

でまあこの応札が1.7兆円ほどありましたが、足切りは1糸甘程度なので結局の所マイナス水準での買入は続いている訳でして、短国の引値についてはさすがにマイナスが深い銘柄中心にレート上昇しましたけれども依然としてマイナス金利ですし、まあモノは無いですなあちゅう感じで。

今週は短国入札が6M、2M、3Mと3発ございまして、まあ6Mは引き続きオペ狙いが入ると難しいでしょうかねえというのと、6Mだと四半期末を2回越える事ができるのがオイチイので投資家の方でもこの3発の中では一番ニーズが高い(何ちゅうか理由がアレだが)と思われますが、金曜の状況からするとお察しという気がだいぶする。まあ先週オペを思い切ってスキップでもしてきたら3打席連続プラス入札で水準訂正の可能性も微粒子レベルで存在したのですが、「減らすけど実は減らしたくないもんねオペ」が実施された位ですのでまあ今週末も短国買入7500とか実施して来週は無しとかそういう事になるんでしょうかね。

今年は年末に向けての休みの入り方の関係もあってこの後の入札が来週の1Yと3Mを行った所で終わってしまって、18日の3Mで終了してしまうのですが、22日に国債償還があってこの分の再投資ニーズのうち一部が短国に流れる事が想定される中で入札が無いという状態な上に、年末四半期末ということで末残調整のニーズが残るので、短国買入を入れて需給を締めてしまうと色々と問題が起きる(年末のGCレポとか現先とか有担保コールとか)のですが、まあこればっかりはその時にならないと判らんどうなる事やらという所で。


・輪番が長期超長期連発とな

金曜の輪番は長期と超長期の輪番だったのですが、3日も長期超長期輪番でして、2回連続で全部同じオファーをしてくるのは珍しい(初かな)パターン。

でまあ何考えてそういうパターンで来たのか知りませんけど、もしかして中期債市場がヒャッハーになっているのを見て一旦スキップしてみたという事だったらちょっとそれはどうよという所でもありまして、それってオペの予見可能性を無駄に下げるので、無駄なボラを与えるだけの話になりますし、大体からして今の相場ってオペと入札だけで動いていて、入札はご案内のように事前告知しているので、結果的には「日銀が主体的に市場をマニュピレートする」という状態になっているのですから、オペの予見可能性を下げて来ますと益々「どういうオペを打つのか」の話だけになってくるので、「柔軟な対応」と言えば聞こえが良いのですが、「日銀による恣意的なオペレーション」みたいな受け止められ方になってくると日銀にとってもあまり良い話でも無いと思うのですよね・・・・・・・・

なお結果は全般強めで債券先物ヒャッハーとかやっておりましたし、超長期予想外の打ち込みもあったので超長期復活していましたが、引けに掛けては30年が失速の巻となっていたような。


・固定金利オペ

固定金利オペですけれども、こちらは6085億円に対して5655億円のロールということで、今回も9割以上の歩留まりになっておりまして、シグナルオペ以外の固定金利オペに関してはそれほど派手派手には落ちないのね(シグナルオペはたぶん別で期落ちでホイホイ落ちると思う)という感じでして、これだと益々短国買入をせっせと積まなくても良いのにとは思うのですよね。

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2014/12/05

○3M入札とか固定オペとか

うむ。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141204.htm
(3)募入最低価格 100円00銭0厘0毛 (募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 2.2765%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘2毛 (募入平均利回り)(-0.0044%)

案の定というか順当というかの100円極薄按分と相成りまして、平均が1厘2毛なので100円の3つ上か4つ上の所から札が流されているという中々お洒落な入札となっておりまして、短国買入が減る可能性があるからプラスまで流れるかもという話は何だったのかという所ですが、テールが1厘2毛もありますから「入れないといけない札」と「100円の止めビット」に札が2分されているんだろうなあというのだけは把握しましたけれども、止め札が100円に入ってしまうような状況だと需給が相当緩んでこないと暫く厳しいかもしれませんな。

一方で固定金利オペなんですけどね。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141204.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(12月8日スタート分) 1,350 1,350
CP等買入 10,879 4,480 0.082 0.085 56.2

これ1350億円なのですが、元が1650億円のオペでしたので、折り返しで8割近くの歩留まりキタコレとなっていまして、5年も堂々の0.1%割れとかやっている中でこれだけ歩留まりするというのも何ちゅうかちと判らんという所ではありますが、この回は額が少ないのでマージナルなニーズの部分で埋まっているのかも知れませんなあとは思いますけど、いずれにせよ中短期がトンデモ無い金利形成になっている中で固定金利0.10%調達に適格担保を使うのって、担保繰り的には担保の無駄遣いに見えるのですけどね。

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2014/12/04

ヒャッハー!
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141204/t10013705511000.html
NY市場 1ドル119円台後半に
12月4日 5時25分

○市場関連ネタである

・債券市場が本格的に壊れてきている件について

アイヤー!
http://jp.reuters.com/article/idJPL3N0TN29220141203
〔金利マーケットアイ〕国債先物は最高値更新、長期金利は0.430%に低下
2014年 12月 3日 15:28 JST

『<15:25> 国債先物は最高値更新、長期金利は0.430%に低下

国債先物中心限月12月限は前日比22銭高の147円17銭と続伸して引けた。円安・株高を受けて利益確定売りが先行する場面があったが、日銀買い入れによる需給引き締まりが意識されて上昇に転じた。午後に入ると、11日に取引最終日を控えて限月交代に絡む買い戻しが入り、最高値を更新して、一時147円19銭まで買われた。現物市場は中長期ゾーンを中心にしっかり。中期ゾーンに銀行勢や海外勢の買いを観測。5年利付国債利回りは同2bp低い0.065%と過去最低を連日で更新。2年利付国債利回りも同0.5bp低いマイナス0.005%と過去最低に並んだ。』(上記URLより)

とまあそういう事で昨日も中短期が引っ張って先物が上昇という展開になりましたが、先物よりもオソロシスなのは中短期でして、ついこの前まで0.10%接近ナンジャソラとか言ってた5年カレントは6.5bpまで低下して、昨日は遂にBB引値で残存3年辺りまで全部マイナス利回りの引けになるという状況でもう何が何やらという状況。

つーかですよ、5年が付利金利割れとかおまいらいいから超過準備に置いとけやと思うのですが、そうも言ってられないというような各種事情が色々な形で皆様の所にあるのでこの有様という話ではありますが、そもそも論として短国の金利をマイナスのままで放置していたのが盛大に波及(為替とか格下げとかの影響もありますけど)しているという所ですが、ここへきて中期の金利低下に勢いが付いているのでして、まあこれはどこからどう見ても本格的に債券市場が壊れだしましたなあという感じで実にこう気持ちが悪い状況ではございます。

まあ今年の流行語大賞的に申し上げればどこぞの副総裁が「市場機能はありまぁす!(キリッ)」と講演している側から債券市場の方では 「ンァッ! ハッハッハッハー! この債券市場ンフンフンッハアアアアアアアアアアァン! 」と号泣しているという図式という誠にシュールな展開になっている(大賞じゃねえだろというツッコミはスルー)次第で誠に遺憾に存じますが、ここまで市場が壊れてしまうとそう簡単に治らなくなりますのでもう何だかねという所でございます。


・・・・・・・・てな中で本日は3M短国の入札を迎える訳ですが、次に申し上げますように年末のMB積み上げという意味では短国買入年内終了でも良い位の状態になっているので、短国需給単体で見れば無慈悲バキュームオペが打ち込まれない可能性があるという事でマイナス落札が回避される、という考え方も無いでは無いのですが、3年まで引値がマイナスという盛大な市場の壊れっぷりからして、3M短国がプラス金利とかになった日には中期の方で利回りにあぶれた方々が殺到して蜘蛛の糸に群がる餓鬼道の地獄絵図という芥川龍之介もビックリの図が容易に想定されますのでまあ難しいんじゃないですかねえという所で。

ついこの前までのように利付国債は曲がりなりにもゼロとかプラスとかで推移していれば短国買入ペースが落ちた所で短国単体の需給でプラス利回り復活という形だったのかも知れませんが、債券市場がこの有様になってしまうとそう簡単にモドランチ会長という事で、短国マイナス放置プレイと輪番拡大がこうもあっという間に債券市場をぶっ壊してワシらがンフンフンッハアアアアアアアアアアァン! と号泣しないといけなくなる(号泣しているのはお前だけだとかツッコまないように^^)とはちと想定を超える速さであります。

つーかですな、超過準備付利金利よりも低い5年カレントが盛大に買われるという状態になっているということは、5年の10bp割れ>>超過準備という人がドンドン増えているって事も意味するかもしれませんわとか考えますと、この調子だとそのうち中短期の輪番が夢(悪夢だが)の札割れというようなおそロシアな事態も近いとか碌でも無い想像しか出てこないのですががががが。


・でまあその短国買入とかに関連して

だいたい計数を確認したのでメモを置いとく。

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2014/ac141130.htm/
営業毎旬報告(平成26年11月30日現在)

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1412.htm/
日銀当座預金増減要因(2014年12月見込み)

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel141128c.pdf
当面の長期国債買入れの運営について

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/k141031a.pdf
10月31日のMPM声明文

営業毎旬報告とMPM声明文で示された目標数字から見ますと、当座預金残高の目標が177兆円なのであと7兆円。銀行券の方は受動的な話なのですが12月に5兆円強増えると丁度良いのですがこれは当座預金増減見込みを見ると5.6兆円増発見込みになっているので(当たり前だが)見込み通りの推移予定。

でもって今月は先月末に出た買入の運営予定を見ますと輪番での買入での拡大額が10.3兆円程度(1年以内の輪番は償還銘柄が打ち込まれると見て拡大額に入れない)あって、先月オファー分の今月渡しの分を加味すると10.7兆円となって、固定金利オペのロールが今月は1.3兆円程度あって、この歩留まりを幾らで見るかによりますが半分として0.7兆落ちとしておきましょう。

となりますと、今月の過不足が当座預金増減要因から見ると(ここの数字は輪番と短国買入の償還分が反映されている)7.3兆円程度の資金不足になっているので、当座預金残高の着地を177兆円で見れば要積み上げ額が14兆円程度となって、これに輪番と固定の落ちで10兆積みあがりまして、これまた月跨ぎの短国買入が1兆円あったので既に11兆円程度は積み上がるという感じなので残り3兆円。

貸出支援オペがどれだけ出るか次第なのですが、3兆円程度出ると見ると実は短国買入をもう実施しなくても良いという感じになりますが、まあそれもギリギリになりますから短国買入がそれなりには入るでしょうが、10月以降のようなバキュームオペにはならないでしょうなという話になるんでしょう、うんうん。


しかしまあ何ですな、この短国残高を見たのですけれども、11月末の買入残高が44.7兆円になっていて、10月末よりも拡大しているのが凶悪でありまして、そもそも10月末の追加緩和で短国市場のプレッシャーを軽減すると言っていたのは何だったのかと小一時間問い詰めたい次第ですな。ちなみに今月は買入した短国の落ちが8.6兆円あるので、年末の時点では短国買入残高が(残りあと2兆円程度買入が入るものとして)40兆円程度になって、来年はその残高がキープという形になるとしますと、実は1月の買入短国の償還が8.0兆円、2月の償還が10.1兆円(3月はこれからまだ積み上がる)となっているのでその分を買うとなると厳しい状態は続く罠と思われますな、うんうん。

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2014/12/03

○市場雑談ネタ

・イールドカーブが親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいくシーンは涙無しには・・・・・・

というようなコピペネタがございますが(ググってくらはい)、昨日はとうとう2年債のBB引けが全銘柄ゼロ金利(一部マイナス金利の出合いもあったようでございますが引けはまとめてゼロ金利とな)という有様で、まさに涙無しでは見られないような感動(はしないが)のラストシーンと言いたい所ですが、市場様は今日も続くのでありまして感動のラストシーンでも何でも無いのが実にアレ(−−;

短国の金利がマイナスに沈んでいる期間が長期化している結果として短期ゾーンの利付国債の買い→後ろに波及という流れになっている訳で、国債しか基本的に買えないけれども、マイナス金利は買いにくい、でも期間のリスクは取れるという人でしたらそらまあ徐々に後ろの金利が溶鉱炉に沈んで行くわなとは思いましたが、追加緩和で国債の買入フローが更に拡大したのが思いっきり効いた格好になって思っていたよりも随分早くに金利が沈みだしました。

いやまあ国債買入拡大で後ろが沈む(まあ沈んでいますが)というのは想定されましたけれども、そもそも今回の国債買入拡大とセットで短期ゾーンの買入の勢いをやや緩和して短期市場に掛けるプレッシャーを軽くするというのが施策の中にあって、それと中短期の買入強化がセットになっていたのですが、短国買入の打ち方がご案内の通りで11月の頭に折角金利水準訂正しかかったのにバキュームオペを打ち込むもんだからまたまたマイナスに沈んでしまって、結局短国市場へのプレッシャーは継続するわどこぞの副総裁は講演で短国市場マイナス無問題とか頭を丸めて出直して頂きたいレベルの話をするわ(まあ立場上市場機能に問題とは追加緩和打った直後に言えないのはわかるが、だったらその辺の話は黙っていればと思う訳で、何も「市場機能はありまあす(キリッ)」とか言わんでもよかろうにとゆー事や)という事で、追加緩和で短期の金利が調整されて中期の金利が跳ねるのを警戒して中短期の輪番を増やした(と思われる)のが中短期の金利低下を加速させる形になってしまいましたが、。

なお念のため申し上げますと、以前QQEを打ち込んだ時にその前に短期の金利が大きく低下していた(QQE前にうっかりすると付利下げなどの可能性を懸念していた部分もあって)のですが、QQEで買入の主力がとりあえず中長期国債になったという事で短国の金利が跳ねた結果、短国に引っ張られていた2年とかの金利も上昇して、まあ他の要因も色々ありましたがその辺りも債券市場不安定化の原因になった、というのがあったので、その学習効果で上記のような施策を打ち込んで来た訳ですが、まあ市場環境が全然違いましたし、大体からして金利がマイナスに沈んでも知らんがなとか副総裁が言明するんだからシャーナイわなとは思います。

つーことで5年カレントも(10年入札前だったのもあって朝方は前日比金利が上昇していたのですが)途中から金利がホイホイ下がりだして(そらまあ2年がゼロ金利になってしまったら2年の代わりにもうちょっと後ろ買う動きも出る罠)引けは0.085%(1毛強)とまたまた高値更新の巻になっております。

で、この5年0.085%って何だよそれというか、おまいらQQE何年続くと思ってるんだというか、普通に考えますとこれ日銀が最高に馬鹿にされているとしか思えないのですが、「これは買入による効果です(キリッ)」ということですので致し方ないですし、より手前の金利と比較してキャリーロールダウンとか言い出すとこの水準でも(手前が溶鉱炉に沈んで行ってるから)爆安お買い得に見えてしまうというだまし絵のような状態になっているのがオソロシスという所ですな、ナムナム。


・10年国債入札メモ

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul063.htm
(1)応募額 6兆6,093億円
(2)募入決定額 2兆1,974億円
(3)募入最低価格 100円15銭 (募入最高利回り)(0.484%)
(4)募入最低価格における案分比率 88.9323%
(5)募入平均価格 100円25銭 (募入平均利回り)(0.473%)

前場は弱めで始まって落札結果も予想よりは弱かったのですが、下がった所ですかさず買いが入ってヒャッハーだわ中短期が上記のようにヒャッハーと金利が沈んで行くわで結局その後相場は戻って行くの巻という展開で、まあ格下げの影響は前場まででしたかそうですかというお話。

しかしまあ押したら買いの動きがあまりと言えばあまりですが、最近は兎に角翌日に輪番が想定される時には想定されるゾーンが引けに掛けて強くなったり、輪番通過すると結果次第ではあるものの、普通の結果程度だと一旦押し込むとか完全に輪番見ながらの展開になっている状況で、日中のボラだけは超長期とか結構あるのですが、結局はその背景が輪番(と入札)という事でただの需給(しかも官製需給)ですからまあ市場ではないぞなという形。まー元々その傾向はあったのですが追加緩和によって決定的にダメ押しをした格好になっておりまして、市場の流動性も価格発見機能も有ったモノではない状態。

いやまあQQEによって短期間で物価安定目標が達成できて、その結果としてQQE政策はあくまでも短期の時限的な政策に留まるのならば別に良いのですけれども、長期化すると出口政策が非常に困難になるので宜しくないんですけどねえ・・・・・・・・・・


・長期国債残高とか

月初だし12月なので(謎)微妙に忙しくて計数をざっとは出したけど精査ができていませんのでメモだけ。

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額

短国の方はさておきまして長期国債の11月買入平均年限は7年を割るという実に惜しい結果になったのですが、まあ月末の時点では当然この結果を踏まえた上で例の紙を出したと思いますので、何ぼ何でも今月は買入額をいじって来ないとは思われます(いじったらヘソが茶を沸かします)。

しかしこれ面白いのは買入年限を伸ばそうとして超長期の買入を増やしても、超長期買入拡大と来るとイールドカーブがブルフラットしやすくなって、イールドカーブがブルフラットすると輪番の前日比利回り較差買入という性格上、買入年限レンジの手前の方が日銀に打ち込まれやすくなるので思ったより長い所が買えないというスパイラルになる事。いやまあ理念的には従来からでもそういう事だったのですけれども、短国マイナス金利の長期化と中短期の金利が沈んで浮いて来ないという動きになってくると、日中のボラは兎も角として段々イールドカーブちゃんが息をしなくなってくるでしょうなあという事でレンジの短い所が入る傾向になっている(最近の傾向)というお話で。

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2014/12/01

○オペ関連雑談など

・短国買入1兆円とな

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141128.htm
国庫短期証券買入 10,000 2014年12月2日

こらまたオファー減らしてきましたなというか、ここでこんなに減らすならその前に減らせよという風に思う訳で、短国買入は調整玉ではあるのですが、それにしても振り過ぎじゃこのスットコドッコイ。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141128.htm
国庫短期証券買入 24,131 10,000 0.012 0.012

札が2.4兆円あって1兆円のオファーとはいつものバキュームではないですね!!!!

・・・・・・まあMB積み上げの進捗とかから考えると買入ペースがそろそろ落ちる時期ではあったのですが、そもそも論として市場の買いニーズを邪魔する勢いでのバキュームオペを実施して12月末の着地が見えると急に減らしてくるとか市場の需給を日銀オペが盛大に歪めるという流れになっている訳でして、まあ困ったもんです。来年からはもうちょっと平準的に買って頂きたいものです。

なお結果は1.2甘一本値なので甘いっちゃあ甘いのですが、こちらは前日の3M新発の売買参考統計値単利がマイナス5bpとかいう素敵にも程がある水準になっていましたので、1.2甘で打ち込んでも出来上がり金利がマイナス3.8bpなので入札水準(平均マイナス0.11bp足切り100円)から見たら大利食いなので無問題という事ですな、うんうん。

でまあオペ結果自体は安目になっているけど、GCとか現先とかの金利はやはり弱かったりするしますし、結局引けでは短国は相変わらずマイナス5bpだの何だのという出合を付けていまして、市場の玉無し感というか、どうせ海外が買ってくるので待っていれば売れるわ的な状況で短国マイナス金利はなおも続くのでありましたorzorz


・2年マイナス金利ェ・・・・・・・・・・

前場にマイナス0.5bpの出合いとかやってヒャッハー状態でございましたが、入札結果自体はプラス金利で決着。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul062.htm
(1)応募額 14兆6,966億円
(2)募入決定額 2兆5,092億円
(3)募入最低価格 100円18銭0厘 (募入最高利回り)(0.009%)
(4)募入最低価格における案分比率 81.2487%
(5)募入平均価格 100円18銭9厘 (募入平均利回り)(0.005%)

ということで平均0.5bpですかそうですかという所ですが、落札分布的には比較的ばらけた感じ(とは言え不明は相変わらずですが)で、第U非価格もマルなのでセカンダリーで大盛り上がりとかそういう話ではない模様。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul062a.htm
本日の2年利付国債(第347回)の第U非価格競争入札に対する応募はありませんでした。

BB引けも1bpなのでとりあえずマイナス金利は前場調子に乗って付けてみましたという感じで良かったのかとは思います(短国買入が強くならなかったのも影響しているかもですが)が、そうは言いましても短国ちゃんの金利が相変わらずですし、2年新発って受渡が近くなってくると妙に玉が締まっているという流れになるのが得意技なのでどうせ今月になってから徐々に強くなるんでしょうなあ(てきとう)。


・今月のオペの式次第公表キタコレ

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel141128c.pdf
当面の長期国債買入れの運営について

『日本銀行は、長期国債買入れについて、当面、以下のとおり運営することとしました(2014年12月1日より適用)。── 次回公表は12月30日17時を予定。』

・・・・・・納会の5時過ぎになってから公表とか中々アレですがそもそも半ドンじゃないから良いのか。

でまあ『<当面の月間買入予定>』の方ですけど、表の方は同じでして・・・・・・・・

『(注4)2014年12月1日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下1,100億円、残存期間1年超3年以下4,500億円、残存期間3年超5年以下4,500億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,600億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です。』(今回)

『(注4)2014年11月4日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下1,100億円、残存期間1年超3年以下5,500億円、残存期間3年超5年以下5,500億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,200億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です。』(前回)

ということで、中期の買入を1回辺り2000億円減額して超長期はこの前ダマテンで増やした25年超の部分を継続という結果になりまして、12月の着地と平均残存があまり短くならないようにというのをにらんだ結果になっているようですな。

しかしまあ先般の超長期買入ダマテンでの拡大攻撃によって「結局この紙を出したからと言って1か月同じペースでの買入になる訳ではない」という事になっている訳で、今月くらいは買入を変えないで頂きたいものです。

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2014/11/28

○市場関連ネタ

・3M入札は100円足切りでしたが・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141127.htm

(1)応募額 41兆7,359億7,000万円
(2)募入決定額 5兆2,164億9,000万円
(3)募入最低価格 100円00銭0厘0毛 (募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 16.9844%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘3毛 (募入平均利回り)(-0.0011%)

今週に入って円安無双状態が一服して為替絡みのニーズが減ってマイナス金利の買い圧力がやや軽減されたのと、そもそもMB積み上げの目標から逆算するとそろそろ短国買入のペースが落ちてもおかしくない(ただし固定金利の落ちや貸出支援オペの伸び悩みを考えると少し下駄を履きに来る可能性もある)という見込みもあってとゆーことで、朝一の時点ではもしかしてプラス利回りかも的な話も飛んでいましたが、前場引けは順当(?)にマイナス利回りがビットサイドに置かれていましたので、まー100円足切りですかねという感じで入札を迎えるの巻。

で、落札結果は上記の通りで100円足切りという事ですが、そらまあゼロ以下の利回りを買えない人が先週からろくすっぽ買えていない(入札はあの有様)わけですから、アンダーパーになったらブラックホールの如く買いニーズが発生するでしょうから残念ながら順当という所ですかね。

・・・・・・・でまあそこまでは良いのですが、その後結局セカンダリーはマイナスビットになって引け近くになりますと結局6Mカレントがマイナス4.5bpだの3Mの前回債がマイナス3bpだのとかの出合いになって新発もマイナス5.5bpとかまたまたアオリイカ状態になって終了ということで、もう何だかねという所であります。

まあ何ですな、プラス金利で入札をすると今の状況だとプラス金利だと買うという人のニーズがワサワサとやって来ますので入札後のセカンダリーでバカ売れになってしまい、今日の短国買入の前に業者の在庫がすっかり軽くなるので短国買入で思いっきり強いレートになってしまうという展開が想定されましたし、先週並みのやや深めのマイナス金利の入札だと業者の持ちになるので今日の短国買入がちょっと減ると調整モードの可能性とか、まー色々と妄想はしていたのですけれども、いずれにせよ今日の短国買入が幾らで入ってくるのか次第で次の展開が見えてくると申しますか、今日は2年入札があるのでその前に短国買入でどうなるのかというのがまた何とも難しいですな。

つーことで結局の所日銀買入に振り回される市場なのですが、いずれにせよ本日の短国買入が超注目という良く良く考えたら不毛にも程がある話ではありますな、うんうん。


・T+1化ってQQEやってる時は無理じゃないですかねえ

更新キタコレ
http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/kessai/jgb_kentou/index.html
国債の決済期間の短縮化に関する検討状況について

http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/kessai/jgb_kentou/files/20141126_grand-designgaiyou.pdf(概要)
http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/kessai/jgb_kentou/files/20141126_grand-design.pdf(本文、重いので注意)

このネタ出る度に毎度申し上げるのですが、特に足元ではQQEによって国債市場の流動性とか市場機能が壊滅的な状況になりつつあるとか、まあそういう状況になっている訳でして、この国債決済期間の短縮化ですけど、アウトライトT+2とT+1の間には事務的なハードルが高い訳でして、それは即ち施策を導入した場合に国債流通市場に対して(未決済残高の縮減というメリットはありますが)決済事務面でストレスを掛けることになりますのでありまして、ただでなくさえQQEによって国債流通市場に強烈なストレスが掛かっている中なのに、そこに更にストレス掛けてどうしますねんとしか申し上げようがないので、QQEが終わってある程度日銀買入による国債流通市場に対するストレスが掛からなくなって来た所で導入時期を考えれば良いんじゃないですかねえとしか申し上げようがないですな。

つーかそもそも足元の短期国債市場などにありますように、もはや市場の状況はT+1決済に対応するシステム投資をする収益が出るとかいうようなレベルを超越したマイナス金利という状態な訳でして、元々対応に費用が掛かる案件をこの時期にどうのこうのってのは無理無理無理という話だと思いますけどね。T+2をT+1にするメリットと比較して掛かる費用が(今の市場状況だと)高いというのと、決済事務面に与えるストレスの弊害を考えた方が吉じゃないですかねえ(T+3をT+2にするのだったら大きな費用やストレスが掛かる話では無かったがT+1にするのはメリットデメリットのバランスがだいぶ違ってくると思う)。

#大体からしてカウンターパーティーのリスクって市場参加者が個別に管理すべき問題だし

まあいつもの話で恐縮ですがメモ置いときますという事で。

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2014/11/25

○市場雑談というかオペ雑談

金曜のオペですけどね。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141121.htm
国庫短期証券買入 25,000 2014年11月26日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年11月26日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2014年11月26日
国債買入(残存期間25年超) 1,600 2014年11月26日

ということで、短国買入はやや多めの気もする2.5兆円オファー&超長期輪番は前回ダマテンで増額したのをそのまま継続となりました。

で結果。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141121.htm
国庫短期証券買入 34,860 25,001 -0.030 -0.008 88.0
国債買入(残存期間5年超10年以下) 13,413 4,003 -0.011 -0.009 1.5
国債買入(残存期間10年超25年以下) 4,383 2,406 -0.009 -0.003 13.2
国債買入(残存期間25年超) 4,900 1,604 -0.004 0.003 17.0

短国に関しては応札がまたカツカツだったら何考えとるねんという感じですし、応札が多いのならああそうですか在庫あるんですねという感じでしたが、応札が3.5兆をちょっと切る位という第一感的に微妙な額ではあったのですが、落札の方が平均8糸強の足切り3毛強ということで、盛大に強い結果になっておりまして、益々のアチャー感からマイナス1.4bp平均とかいうハチャメチャな入札になったものBB引けはマイナス0.1bpで売参がゼロだったカレント3MもBB引けは貫録のマイナス2.4bpですし、その近辺の3Mカレントも1つ前のがマイナス7.7bp(これは前日比甘)だのもうひとつ前がマイナス3.5bpだのともう実に残念な展開。

直近ではドル円のベーシススワップが思いっきりワークしているので海外からの短国買いも多めでして、その需給に日銀が更に拍車をかけているという動きになっているのですが、MB積み上げの目標から考えたらそろそろ短国買入のペースが落ちても良いと思うのですが一向にペースが落ちないで市場にある玉を盛大に買い続けるような動きなのは何ですねんという所。

まーいずれにせよ10月の追加金融緩和で確か「短国市場の市場機能に配慮」という触れ込みだったのに短国買入が全然配慮もへったくれも無くて、それよりも「俺が買う買う」攻撃をしているのですから世話は無い訳で、誠に遺憾というか史上最大級のへっぽこオペレーションに落涙を禁じ得ません。

ところで超長期ですけれども、まあ他に売買要因もあったとは思うのですが、金曜の債券市場では朝から超長期の気配が激強となって30年3毛強とかやってたと思ったら輪番の額が変わらずで盛大に失速して、その後超長期25年超の輪番がイマイチの結果になったと思ったら後場は大甘になって30年3甘とか40年5.5甘とかもう何だかねという展開でして、超長期のカーブが日中に上下で5毛以上フラットスティープするとか日中のボラが凄まじい展開になっております。

でまあボラは大きいものの実際に店頭の売買が動いているかと言えば、まあ皆無では無いとは思いますが板は薄い状態でして、日銀の輪番が増えるか増えないかの方で思惑があって、ちょっとした売買の動きがその思惑を加速するという形になっているのが誠に残念な状態になっております。

つまりですね、前も申し上げたかも知れませんが、今般「柔軟に運用」ということで輪番の運営を市場動向見ながら柔軟に対応しましょうという話になった訳ですが、既に1年半も馬鹿買入を実施している結果として、日銀の買入が市場内での超大きな存在となっておりまして、その為に日銀の買入に対する思惑だけで金曜のような日中値動きが発生したりしちゃうという話で、大規模買入を実施した直後の市場ボラ対応の柔軟な運用と同じように考える訳にはいかないですねという話。

でまあ何でこんな思惑みたいな話になるかと言えばそれはこれまた毎度申し上げておりますように先々週金曜にいきなり超長期25年超の輪番を増額したのが間違いの元でありまして、「1か月ごとに見直します」と言っておきながら実質1週間ほどで見直しをするという動きをやった結果、参加者の皆様が超長期でポジション取りにくくなってしまい、その流れで20年入札は滑るわ、超長期輪番が予想されて実際にオペがあった日には日中の超長期のカーブが盛大にフラットスティープするわという動きになっている訳で、「毎月見直す」って言ってるんだから1か月は最初に言った数字で運営してくれないと、今や市場の圧倒的なプレーヤーになっている日銀の動きに対する思惑だけで振り回されて死ぬがなという話ではあります。

そういえば先般「市場との対話強化」らしき施策を出していましたが、そんなのを出す側から市場をシッチャカメッチャカにするオペ運営を実施している時点で「市場との対話とか市場機能とかどうでも良いと思っている」あるいは「市場との対話をしようとしているのだがホームラン級の無能な為にやる事が思いっきり逆に出る」としか見えない訳でして、それならもう市場との対話とか市場機能とかそういう話をしないで、「現状は物価安定目標達成の為に市場機能を犠牲にしていますが、物価安定目標は早期に達成しますのでその後はまた市場機能にも配慮します」という風に開き直ってくれた方がまだマシというか、このままだと日銀はマーケットに関して無能(しかも財務省の方が国債発行計画で色々と市場機能を考えた施策を出して来るのでその比較からなおさら)であるという評価が定着しかねませんですし、そうなると出口政策がきちんと運営できるのかという点での懸念も益々高まってしまって日銀が全然得をしない展開になりますので、そろそろ「市場機能なんぞ知らんがな物価目標達成するまで我慢しやがれ」とアナウンスして頂いた方がよろしいのではないでしょうかねえ(吐血)。

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2014/11/21

○市場雑談メモ

・短国入札ェ・・・・・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141120.htm

(1)応募額 46兆2,106億円
(2)募入決定額 5兆2,718億6,000万円
(3)募入最低価格 100円00銭1厘0毛 (募入最高利回り)(-0.0037%)
(4)募入最低価格における案分比率 80.6526%
(5)募入平均価格 100円00銭3厘8毛 (募入平均利回り)(-0.0142%)

・・・・・・・・・・orzorzorz

まあ今週はカレント3Mの利回りがドンドン下がってマイナス5だ6だ7だ(ちなみにbp)とやっておりましたので、入札が100円超になるのもシャーナイかなとか思ってましたが、平均がマイナス1bpを超えたマイナスになったのは今回が初物となりまして、日銀の底引き網漁によってマイナス滞在期間が長期化する結果として、短期資金運用以外の国債ニーズがどんどんあぶり出しの刑を食らってマイナス購入しないといけなくなるとか、ここもとの為替市場でのベーシススワップの影響でドル投円転絡みでのマイナス金利調達分のカバーでマイナスでも無問題な買いとかも強まり傾向という事で、まあこんな有様になっている次第なんでしょうな、よー知らんけど。

でまあ2年とかの中期もあばばばばーな事になっていて2年カレント昨日はマイナススタートとかしてた筈(引けではゼロだのプラスだのでしたが)ですし、大体からして5年近くの所まで付利金利よりも低い利回りの引値とかもう吐き気を催す展開で誠に遺憾の極みではございます。

ただまあMBの「その他」部分の年末目処が付けば短国底引き網漁はいったん終了する筈なんですけど、というか前倒しで達成とか変な事するから需給が無茶苦茶にぶれるのでもう勘弁して頂きたいものでして、必要額を日割りして毎日(入札とかMPMとか無視して)坦々と買ってくれた方が市場にストレス掛けんわと思いますがねえ。


・固定金利オペとか輪番とか

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141120.htm
国債買入(残存期間1年以下) 1,100 2014年11月25日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 5,500 2014年11月25日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 5,500 2014年11月25日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 8,000 2014年11月25日 2015年2月23日

しかしまあ日程的に厳しいから仕方ない面はあるのですが、昨日は2年がゼロとかマークして話題になっている日の翌日だというのに堂々とその中短期対象の輪番を打ち込みに行くとか日銀は債券市場に喧嘩を売りに行っているとしか思えん次第ですが・・・・・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141120.htm
国債買入(残存期間1年以下) 2,377 1,100 0.018 0.022 99.5
国債買入(残存期間1年超3年以下) 14,565 5,503 0.004 0.005 96.9
国債買入(残存期間3年超5年以下) 16,292 5,505 0.001 0.002 42.4
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(11月25日スタート分) 2,650 2,650

1年以下は12月償還物の打ち込みなのでこういう数字になるのは良いとしまして、中短期輪番でレートがかっ飛んだらどうしようとか思っていましたが穏当にオファービットの範囲内での結果になっていてホッと一息(^^)。

なお固定オペの方は4032億円の足に対するロールで2650億円に減りまして、このロール後のオペ残高が8兆円をかすかに切るという状況になりますな。でもって12月に足が来るのは5本あって全部で1.4兆円ほどになるのですが、まあ足元のこの金利環境やら担保繰り環境からすると歩留まりはあまり良くないでしょうなあとは思います。

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2014/11/20

○2年がゼロ金利でウギャーの巻

アイヤー!!!!!

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0T92GX20141119
〔金利マーケットアイ〕国債先物が反発、長期金利0.470%に低下 2年債は初のゼロ%
2014年 11月 19日 15:27 JST

『<14:30> 2年債利回りが初のゼロ%、短国もマイナス金利

2年利付国債(第346回債)利回りは前日比1bp低いゼロ%と、10月17日に付けた0.005%を下回り、過去最低を付けた。市場筋によると、ゼロ%での取引額は少額とみられている。レポ(現金担保付債券貸借取引)市場では、第346回債の品薄感が強まっていることが影響しているとみられている。

きょうの市場では、国庫短期証券(TB)が新発3カ月物がマイナス0.075%、新発1年物がマイナス0.035%とマイナス金利を記録。「2年債はTBに引っ張られる形で低下圧力がかかりやすい地合い」(国内証券)という。』(上記URLより)

来年度国債発行計画への思惑(来年度はどう見ても超長期増発中短期減額なので)もあるとかいう講釈もありますが、短国の金利が上記にありますように盛大にカレント近辺がマイナスになっていて、BB引値とか見ますと短国はほぼ全ゾーンマイナス利回りだわ利付もゼロ利回りだわというような凄まじい展開になっておりまして、中短期の利付に関しては輪番効果、短国に関しては底引き網短国買入効果が炸裂して悲惨な状態になっております。

つーかどちらかというと中短期の輪番が増額されたので2年と3Mがいずれインバートする日が来るのかと思ったのですが、まさかの日銀短国ヘタクソ買入攻撃で短国金利のマイナスを盛大に深くして2年の金利が下がってしまうとは想定の斜め上を行く展開でもう何だかねという所です。

という状況の中で本日は3M短国の入札がありまして、1年の2.5兆円のうちどこからどこまでが投資家の買いと日銀の買い(つまり底引き網オペ狙い攻撃)なのか知らんですが、まあ本当は金曜のオペで少しは日銀が自制すれば3Mの新発分と合わせて需給緩むと思うのですが、どうせ底引き網オペをして再び在庫を全部吸い上げてマイナス金利を促進して更に市場を締め上げるという死亡スパイラルに自ら特攻するというプレイが炸裂しますので、金曜は今日の3Mと火曜の1年のオペ狙い在庫を全部お買い上げという連続大開放オペになるでしょ、とまあそういう予想が普通に立ちますから今日の3M入札もマイナスになるというストーリーになっておりますな。

・・・・・・・確か短国買入の部分を追加緩和のどさくさで調整したのはこういう動きを緩和しようということだったような気がするのですが、何なんでしょうかねえマッタクモウ。

つーか、この調子ですと中期の輪番そのうち札割れとか凄まじいマイナス金利とかになるんじゃないですかねえ・・・・・・・・・・

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2014/11/19

○20年入札&1年TB入札ェ・・・・・・・・・・・・・・

20年国債入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul059.htm

(1)応募額 3兆1,583億円
(2)募入決定額 1兆976億円
(3)募入最低価格 101円55銭(募入最高利回り)(1.301%)
(4)募入最低価格における案分比率 72.9850%
(5)募入平均価格 101円96銭(募入平均利回り)(1.276%)

テール41銭キタコレということで債券先物は30銭位落ちるわ超長期ゾーンは4毛位甘くなるわと久々にお洒落な入札になりましたが、今回の20年国債入札に関しては元々追加緩和で金利がヒャッハーとなった後からここぞとばかりに戻り売り食らっていたゾーンな上に、先週金曜に超長期輪番のうち25年超だけ増額するという日銀による闇討ちプレイ(市場的には闇討ち、日銀的には別に書いてある範囲内でやっているので何で闇討ち呼ばわりされなきゃいかんのよ買入銘柄だって10日時点の数字出してるじゃんというところですけど)が炸裂しまして、30年の方が馬鹿強になって20−30とかあばばばばーになってしまうわ、まてよこの状況だとまた平均年限調整の為に超長期の輪番がいじられる可能性がある罠という話になるわで、思いっ切り日銀のオペによって不確実性が上昇してしまい、その結果入札が大コケになるとか中々味わいが深いというものです。

ま、そのうち買入パワーの力でボラが無くなっていくと今度は先生!金利市場ちゃんが息をしていないの!!となってしまうでしょうからボラがあるうちが華かもしれませんけどね!!!!!!!


1年短国入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141118.htm

(1)応募額 18兆5,492億円
(2)募入決定額 2兆3,123億7,000万円
(3)募入最低価格 100円00銭1厘 (募入最高利回り)(-0.0009%)
(4)募入最低価格における案分比率 77.6752%
(5)募入平均価格 100円00銭3厘 (募入平均利回り)(-0.0029%)

またまたマイナス入札になってしまいまして、しかも足切りもマイナスということですが、何せ発行が2兆5000億円しかないですし、日銀は市場の在庫が有れば買います買いますという息せき切った買い方をするのが見え見えになっていますからそらまあ日銀の足元見て入札強い所になるわなと思われますし、マイナス金利は買えないという人も国内だと結構多い(というか投資家的には買わないという方が平常運転)ですけど海外とか、国内でも担保繰りとか決算残高調整的な部分ではマイナスでも買う可能性がある訳で、そらまあマイナス金利が続けばそういう人も暫くは我慢してもそんなに長く我慢できないでしょうしという事で、日銀の買入によってクラウディングアウトされて結局マイナスを買って買えない事が無い人は買わざるを得なくなるという民業圧迫オペの面目躍如という所であります。いやまあ一時的に民業圧迫してもその結果物価目標が速攻で達成できて政策終了してくれれば良いのですけど以下同文。

ということで、先々週悪態を軽く申し上げましたように、そもそも先々週金曜のオペで底引き網漁かと言うような在庫ゴッソリ購入するような買い方をするからこういう流れになっている訳でして、こちらもまた日銀オペによって入札がオモシロ事態になるの図ということで、もう何だかねという所でしたのでメモを置いておきます。

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2014/11/18

○金曜のオペ雑談(レビュー)とか少々

金曜のオペが色々とアレでございましたなという話で皆様的に今更の話で恐縮ですが。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141114.htm
国庫短期証券買入 12,500 2014年11月18日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 5,500 2014年11月18日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 5,500 2014年11月18日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2014年11月18日
国債買入(残存期間25年超) 1,600 2014年11月18日


・短国買入がヘタクソすぎて泣ける件について

ということで先週金曜の短国買入は1.25兆円と思いっきり前回の2.75兆円から減額されてオファーされた訳ですが、先々週の金曜のオペのせいでまたまたマイナス金利とかになったじゃねーかと言って土曜日にこっそり更新して悪態を書いていましたが、先週の場合は「1.25兆円しかオファーが無い」→「そんなにマーケットに玉が無いのか!!」となってヒャッハー状態となって(後で引用しておきますが)オペ結果は平均2毛6糸強の足切り5毛1糸強とか盛大にマイナス買入ヒャッハーとなるわ、金曜も昨日もカレント3Mはマイナス5bpだの6bpだのというような水準で出合うわ(ベンダーもヘッドライン打ってますな)という状況に。

ちなみに今日は1年TBの入札がありますが、これぞ日銀お買い上げ向け銘柄となりますので、まあ投資家不在入札をやって投資家不在のまま日銀にお吸い上げになっていくような動きになるんでしょうなあとしか思えませんので予想をする気がそもそも起きませんわマッタクモウ。

でまあこのオペクオリティは何なんだという感じでして、そもそも前々回の短国買入で欲張って5000億円買入を増やすという動きをしなければ恐らく玉がそこそこ残ったでしょうし、そもそも短国の水準がそこまで突っ込むこともなく、1bp〜2bp辺りの目線が継続していた筈でして、目先の5000億円の残高積み上げを急いだ結果として短国市場の需給を思いっきり締めてしまって市場の流通玉は無くなるわオペトレードヒャッハーが復活できる(してるかどうか知らんが)ような相場付きにするわで、その結果翌週の買入を極端に減らさないと行けなくなったとか、お前は9月頭にやらかして10月頭にやらかした事をまたやるのかという事で、同じチョンボを3回もするとかお前の頭はキャベツか何かかと小一時間問い詰めたい訳でございます。


・超長期輪番がいきなり増額された件について

でまあ金曜は超長期輪番がいきなり増額されまして、超長期輪番の25年超が1200億円→1600億円にダマテンで拡大されまして30年ヒャッハーとなりやがりまして、あたくしがおサボリしている間に相場の位置って金曜→金曜で他の年限は結果としてそんなに動いていないのに30年の所だけはカレントで8毛5糸フラットニングしてやがりましてナンジャソラという結果(1日で20-30がカレントの単利比較で4毛フラットニングしてやがった)に。

この前こんなの出てましたよね。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel141031e.pdf
当面の長期国債買入れの運営について

『日本銀行は、長期国債買入れについて、当面、以下のとおり運営することとしました(2014年11月4日より適用)。なお、来月以降は原則として、毎月、最終営業日に公表することとします(次回は11月28日に公表する予定)。』

『(注4)2014年11月4日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下1,100億円、残存期間1年超3年以下5,500億円、残存期間3年超5年以下5,500億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,200億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です。』

・・・・・・・・えーっとですね、まあ確かに増額そのものは運営で示しているレンジの範囲内ですから、別にまあ日銀からしたら不意打ちしている積りでもないでしょうし、その前の超長期輪番で手前の銘柄がバカスカ入った(相場付きの関係で致し方なし)結果として買入平均年限がいきなり7年を切りそうになったから超長期の後ろの輪番を拡大して帳尻をするというのは日銀のオペ部隊的には別に「ディレクティブの通りに実施しようとしたらこうなります」という話なのかも知れませんが、市場からしますと「毎月最終営業日に公表」として、脚注の4番にあるような具体的な数字を出されますと、普通に考えて「予定よりも年限とかがずれた場合には翌月の買入で帳尻を合わせる為に買入の割り振りが変わるでしょう」という風に考えますがなという所。

これまでは別に「毎月公表」とかしていなくて適宜変更みたいな感じだったのですが、わざわさ「月末に毎回公表します」と銘打っておきながら月の途中で変更とかされますと(途中で札割れでもするような異常事態が発生しているなら途中の変更も分かりますけど)どう見ても不意打ち以外の何物でも無い訳で、日銀による市場マニュピレーションと言われ兼ねない話ですがな。

つーかですね、こちらに関しても前回輪番の買入割り振りの見直しを行ったと思ったら3週間でまた見直しを実施とかしている前科がある訳でして、まーた同じチョンボをしているのかという話でございまして、もうアホかとしか申し上げようがないですが、日銀買入で散々需給を振らされている上にマイナス金利まで突っ込まれて投資ができない状況が頻発しております短期市場の気持ちが長期の皆様にもご理解頂けたかと存じます(−−;


まあ何ですな、恐らく短国の方に関しては「年末の目標に向けて出来るだけ早く数字を積み上げたい」というのがあって、長期の方に関しては「とりあえず7-10年とは言われたけれども出来ればあまり買入年限を長期化したくないので7年少々の所で止めておきたい」というのがあるんだなあというのがアタクシのような部外者からも見え見えの動きになっているのが泣ける訳でございます。

何ちゅうかオペによって起きる市場のフリクションとかをある程度軽減した方が実は買入がスムーズに行くし、市場に無駄なボラを与えない方が金利が安定しやすいので目先ビックリさせたり需給を締めたりして金利を下げるよりもより金利が安定して低下するというのが市場現場職人の考えなのですけれども、ど〜も日銀のオペ部隊の方、というよりはより上の方も含めてそういう認識無いんじゃネーノと思われる節がありまして、それならそれで結構なのですが、そうでしたら「市場機能」だの「市場との対話」だのというような綺麗事は言わない方が良いと思いますし、出口政策のオペレーションをスムーズに実施するとかいうような幻想も持たないでシッチャカメッチャカになることをご覚悟頂ければと思います。

これでもしギャグでは無く市場との対話とか考えているのでしたら、旧法時代から(ずっと短期にいる訳ではないですが)オペを色々眺めておりましたアタクシ的に申し上げますと、そらまあ今のオペが難易度一番高いのは高いですし、まああまりそういう事言いたくはないのですが、学習効果が全然ないオペの打ち方をしてくるとか(さすがに自粛しておく)としか申し上げようがないオペレーションの打ち方を何とかした方が良いんじゃないのとしか言いようがありませんわ。


○業態別当座預金残高

毎度のこれ
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

10月の月平を見ますと目立つのは「その他準備預金制度適用先」と「その他の当座預金取引先」が割といい感じで増えているなあという所ですが、他の業態も大体平常運転で増えている感じではありますが、まあここの所ずっとそうなのですが、「都市銀行」があまり伸びてくれないのは今後更に異次元緩和するのに超過準備本当に積み上がるのかいなという気はせんでもない。


というところで雑談ネタばかりですいません。

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2014/11/08

○短国金利がまたマイナスになりやがったのでメモを置いておく

・短国買入の結果またまたカレント短国がマイナス金利に逆戻り

水曜の6Mに続き木曜の3Mもプラス金利とはなりましたが、そうは言っても木曜は入札後に結局強含みになって平均落札よりは堅調となるの巻となっていた辺り、投資家の買い意欲は強いですなあという短国市場だったのですが金曜の短国買入が・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141107.htm
国庫短期証券買入 27,500 2014年11月11日
(短国買入分のみ)

・・・・・・・ということで、何でまた前回並み(2.25兆円)にしないで増やすのしかも刻んで来るのかねとは思ったものの、オペ部隊の方はヒアリングちゃんとやっている筈なのでまあ札はあるんでしょうかねえとか思っていたら前場中に妙に強めの出合いとかがあってただまあそれは買入強く入れたいんでしょうかねえとか思っていた訳ですよ・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141107.htm
国庫短期証券買入 33,055 27,502 -0.008 -0.005 87.8
(短国買入分のみ)

・・・・・・・・・・・・orzorzorz

8糸強まで入りやがるかというのもさることながら、市場の腰が砕けたのは「応札3.3兆円」の方でして、これって10月の頭と全く同じ事をやっている訳で、学習効果というものは存在しないのかともう小一時間問い詰めたい訳ですよマッタクモウ。

でまあ日経とかにまで書かれていましたがロイターでもこういう風に報道されておりましてね。

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0SX40120141107
〔金利マーケットアイ〕翌日物0.05%後半が中心、レポGCレートは低下
2014年 11月 7日 15:34 JST

『日銀が実施した国庫短期証券の買い入れは、強めになった。この結果を受けて、国庫短期証券は業者間取引で強含みで推移した。新発3カ月物は再びマイナス金利となった。』(上記URLより)



・まるで学習していない・・・・・・・・・

10月の頭というのは9月にオペ要因に加えて期末要因で短国特需絶賛大発生となって、玉が盛大に枯渇したあとでちょっと需給が緩み出すんじゃないですかねえとやっている所に、過去最大の3.5兆円の短国買入をオファーしておい何だよそんなに玉があるのかと思ったら応札が3.9兆円しか無くて9糸強まで流れた短国買入でしたが、この結果日銀が市場の金利がマイナスになろうとも知らんがなという勢いで短国買入を進めることを宣言したと受け止められ(まあ実際にその後のオペの打ち方がそうでしたからねえ)、その2週間後には短国入札の平均落札金利がマイナスになってしまい、どうみてもオペ狙いのトレードです本当にありがとうございましたというような国債市場の価格形成を日銀が自ら破壊しに行くという前代未聞の動きが起きるという事案が発生したのはご案内の通り。

でまあ他の理由もあって先般の追加緩和実施のついでに資産買入の短期と長期の割り振りをいじって短期オペに無用な負担を掛けないようにという配慮も入った資産買入方式の見直しが行われた訳でございますが、それを受けまして日銀オペ狙いマイナスヒャッハーというのもさすがに見直しという感じになって5日、6日と短国の入札金利が徐々に上昇してまあ1bp台後半ですから相変わらず低いには低いのですが、それでも0bp台前半とかいうような状態ではなくなるという感じで推移し始めた所に、またまた市場の流動玉を全部買いに行くようなオペの入れ方をするとか、10月の頭に行ったオペのやり方がトンチキだった結果市場が盛大に壊れたという流れを全く認識していないとしか思えない次第で、もう何ちゅうか学習効果が無いんだか市場の機微というか何というかを全く分かっていないというか分かろうとしないというかな話で、その直前に出ていた「市場との対話を重視する為にサーベイを実施」とかいうアナウンスが悪い冗談にしか見えなくなるんですけどねえという所です。


・舌きり雀のゴウツクバーサンかと小一時間

えーっとですね、特殊要因(9月なら期末、10月ならオペ狙いヒャッハートレードとそれを何も考えずに買ってしまう日銀のプレイ)が剥落してちょっと需給が緩んできたら、そこはしばらく我慢して「市場の目線を変える」のがポイントでして、一旦ゼロだマイナスだという目線が定着した場合にはその目線が変わる為には色々なポジションがこなれる必要があると思うのですが、ちょっと需給が緩んだ所で「よーし需給が緩んだから早速多く買っちゃうぞー」とやってしまうと折角変わりかけた市場の目線がまたゼロだマイナスだという話になってしまい、そうなるとまたまた日銀の買入が市場を壊して価格形成ガーという話になる訳でして、金曜日だって5000億円余計に買おうとした結果またまた市場の目線が変わってしまったという話な訳ですよ。

つまり、目先ちょっと多く買おうとして市場の目線をまたまたゼロだマイナスだに戻している訳ですが、こうなるとまたぞろ短国買入をやりにくくなる(いやまあ市場を完全にぶっ壊す積りで買うのなら何ぼでも買えますが、そもそも今回の買入割り振りの変更の中には短国市場へのストレスへの配慮というのもあった筈なのでその趣旨からしたら変な話ですよね)という話で、舌きり雀に出てくる欲張りばーさんが大きなつづらを持って帰ってあばばばばーみたいな風情を醸し出しているのが実にこう侘び寂びの世界というものであります。

いやね、大きなつづらを持って帰って中から毒蛇だのがゾロゾロでてくるのを一種のプレイとしてお楽しみになりたいというようなご趣味でもあれば欲張りメソッドが絶賛発動するのも有りなのかもしれませんけど、わざわざ目先の買入5000億円ぽっちを欲張って将来の買入を打ちにくくするとか自分で自分の首を締めに行くこたあねえと思うのですけどねえマッタクモウ。

まあそれでも10月の時点では延々と短国買入残高をこれからも積まないといけない(年末以降も継続したら更に積まないといけないという無理ゲー状態でしたから)というプレッシャーがあったので同情の余地も無い訳で無かったのだが、今回の買入はさすがに同情の余地が・・・・という所ではございますが、もっとマズイのは実はこういう形で短国またまたマイナスとかになった件について特段問題視していないような気がするのがもっとオソロシスな所です。


とは言いましても、現実問題として先般の追加緩和で短国買入に掛かるプレッシャーは軽減されている筈でして、そうバタバタ買いに行かなくてもという所で、この調子で買入継続していくと12月の早い時期に短国買入の予定分が終わる筈(詳しい計数と長期の方なども含めた計数シリーズはお休みモード終了後に投下する所存)なので、今度はそうなるとフローの買入がいきなりドロップするのでそこで需給の段差が生じるという感じ(ただし一方で長期国債の買入ペースがやたら早くなって中期ゾーンの吸収が進むので四半期末とは言え国債残高調整や担保ニーズが出てきそう)でして、もう何だかねとしか申し上げようがございません。

というメモだけこっそり置いておきます。もうちょっと計数の話とか書こうかと思ったが検算とか精査してからにしますので後日ね。

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2014/11/07

なるほど。
http://jp.reuters.com/article/idJPKBN0IQ0QQ20141106
荒れ始めた日本株市場、日銀ETF買いめぐり思惑交錯
2014年 11月 6日 18:00 JST

ETFのフィージビリティとか今十歩ほど判りませんけど、そらまあ日銀購入対象の指数型ETFを新たに編成すれば良いでしょう(従来から日銀はそう説明していますし)という事なのかも知れんが、これはこれで市場に新たにインデックス型の大量買い投資家(しかも売らない)が投下される話なので、ベータ値が高い銘柄が相対的に有利になりやすく、個別銘柄のアルファで勝負という形のアクティブ受難の時代になって(そらまあマクロ系で突っ込んでくるファンドとかはヒャッハーだけど)これまた市場の多様性という意味では微妙な気がせんでもないのですがどうなんですかねえ。

#よく判らんのでツッコミ待ち(汗)

ま、それはそれとして為替は何か知らんが日中に1円飛んだり株も上がったり下がったりしますし、株も上がったり下がったりしますし、債券は超長期輪番増えてヒャッハーとか言ってた筈が調子にのって強くし過ぎてカウンター食らったのか水曜からは一転してベアスティープとかどういう判じ物なのかと小一時間。


○市場雑談メモ(ただしいつものように短期で超長期は知らん^^)

・3M短国入札も1bp台とな&本日は短国買入とな

うむ。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141106.htm
(1)応募額 27兆4,229億円
(2)募入決定額 5兆2,947億円
(3)募入最低価格 99円99銭4厘5毛 (募入最高利回り) (0.0204%)
(4)募入最低価格における案分比率 74.1769%
(5)募入平均価格 99円99銭5厘6毛 (募入平均利回り) (0.0163%)

平均1.63bpで足切りが2bpにのってますが、まあそこまでくると需要も当然ある。つーかついこの前の2年カレントのレベルになりますのでまあ捌けるでしょという所で日本相互証券さんの引値は1bp近辺となっていてやっとまあ普通の入札になったという感じですが、冷静に考えるとこの絶対水準で普通の入札ってコール金利とかGCレポ金利との整合性はどうなってますねんという気が全力で起こるのですけれども、何せ日銀が盛大に国債買うので致し方なしというのは毎度の悪態(−−;

でまあ本日は短国買入なのですけれども、まー前回並み程度の買入が入ることが想定されていると思うのですが、6Mと3Mのカレントの引値が強くなってマイナス銘柄とかオペ対象外銘柄とかの引けが甘くなっているので、日銀買入が調子にのってホイホイ入って来るとまた需給締まっちゃったりするかもしれませんし、結局の所買入フローの入り方という話になってしまうのよね。

でですな、まあ余談になるのですが、年内は目標数値が書いてあるから良いとして来年は「MB拡大目標=国債残高拡大目標」になっているのですが、実際問題としては財政要因でMBの方は季節的な振れが大きくて、ここまでの日銀オペ運営を見るとMBを出来るだけ目標に向けてリニアに拡大しようという努力の跡が見られていたのですが、短国買入残高がここまで拡大して残高効果が出ている上に、そもそも超過準備がアホほどある状態なので財政要因による資金需給が資金繰りに特段の影響を与えない中なので、財政の出入りに合わせて短国買入を増減させると無駄なストレスを与えることになるので、運営どうするのかある程度明確化すると変な思惑は出てこないとは思います。まあこう書いてる位ですからあたしゃ基本的には「他の短期オペに変化が無ければ短国買入残高を維持する方向&ETF買入増えた分だけ買入残高を微減」という残高ベースの形にした方が良い(償還スケジュールは事前に分かっているのだから市場が読みやすい)と思うのですけどね。

これまあ同様の話が長期の買入にもあって、月次の償還のデコボコに対して長期国債の買入をどのように調整するのかという部分についてもどうなのかねというのは気になりますが、短期にしろ長期にしろ、ここまでくると「そもそも買入が出来るのか」という方が気になるという状態でして、つい先日までは「予定は判ったがそれをやると短期市場が爆発するのだが」という状況の中の買入であったことも考えますと、まー確かにフィージビリティを買入進めながら確認しつつ運営していくしかないのかなあとも思えます。と考えますと実際は12月まで買入をやってからまた考えるということかもしれませんし、その後もまあ実際にやってみないとわからん状態でしょうかね。いずれにせよその辺のテクニカルな部分をどう解釈するのかという不透明感は残るんでしょうけど。

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2014/11/06

○市場雑談ですが計数関連は今日はパスですすいません

・6M入札はプラス金利とな

追加緩和後最初の短国入札でしたが・・・・・・・・・
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141105.htm

(1)応募額 20兆6,700億円
(2)募入決定額 3兆2,396億5,000万円
(3)募入最低価格 99円99銭1厘(募入最高利回り)(0.0177%)
(4)募入最低価格における案分比率 26.1585%
(5)募入平均価格 99円99銭4厘(募入平均利回り)(0.0118%)

プラス金利かくにん!よかった!!

というのは良いのですが、そうは言いましても平均1.18bpで足切り1.77bpですから相変わらず絶対水準は低い状態ではありまして、そらまあここ2回連続で3Mの入札がマイナス金利で決着していますからその2回分の空振りがありました(まあ490の引けが月曜からプラス金利になっていますからこの間に少しは空振り分の修復は進んでいると思われますが)し、この銘柄6か月物だから当たり前ですが年末も3月期末も通過できる物件なのでそらまあニーズあるでしょうなあとは思いますので、さて今日の3Mはどの程度になるんですかねえというのがこれまた注目されるところです。


・固定金利オペのロールが一転順調となるとな

めんどいのでオペ結果だけ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141105.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(11月7日スタート分) 12,710 12,710

今回のオペは11月7日にエンドが来る分のロールで、昔のシグナルオペのなれの果てなのですけれども、オペの期落ちが10060億円だったので12710億円でのロールとなって何と増額ロールとなるでござるの巻。まあ実際にはどのような要因があって増えたのかは知らんですけれども(入れる人の懐具合による要素が大きいと思われるので)、足元で短国金利がマイナスから脱却したのは効いたんじゃないですかねえとは思いますがどうでしょうかね。

まあそんな訳で、短国金利をプラスにキープして置けば固定金利オペもそれなりに進捗するということで、金利をマイナス圏に持って逝ってしまうと量的な拡大という面では逆効果になり得る、というのが示されたという事なのかもしれませんなあと思いますが、今回単なる特殊要因かもしれないのであまり強調はしません。ただ、市場現場労働者的な体感的に申し上げますと、やはりマイナス金利にしてしまうと市場参加者が一気に減ってしまい、市場の流動性がこれまた一気におかしくなるので、オペレーションも却ってやり難くなるんじゃネーノと思う訳で、「量的拡大を推進する」という文脈で考えた場合はマイナス金利というのは排除しておくに越したことはなさそうに思えます。

とは言いましても、その辺の微妙なニュアンスって「なぜそうなる」と言われるとアネクドータルな話を並べる事はできるのですが、こちとら市場現場叩き上げで別に高級な理屈の訓練も受けておりませんので頭のよろしい方々向けに頭のよろしい説明を理論立って出来る訳も無く(吐血)、「マイナス金利は緩和効果(キリッ)」と言われてしまう頭のよろしい方々に対しては「事件は会議室じゃなくて現場で起きてるんだよ」としか言えないのが残念なので誰か説明してくらはい。


・短国の方は判るがサーベイは微妙ですなあ

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel141105b.pdf
市場参加者との対話の強化に向けた取り組みについて

『日本銀行は2013年4月に導入した「量的・質的金融緩和」のもと、国債や各種のリスク性資産など、広範な金融資産を買い進めてきている。さらに、本年10月31日には、「量的・質的金融緩和」を拡大し、国債などの買入れペースを引き上げている。 こうしたもとで、日本銀行金融市場局では、新たに以下のようなイニシアチブを通じて、金融市場の動向や機能度、日本銀行の各種資産買入れなどのオペレーションが市場に及ぼす影響などについて注意深く点検するとともに、市場参加者との対話を一段と強化していく考えである。』

ほうほうそれでそれで?

『1.「債券市場サーベイ」の導入』

ほほう。

『日本銀行金融市場局では新たに、四半期毎の「債券市場サーベイ」を導入する。このサーベイを通じて、市場参加者からみた債券市場の機能度や先行きの金利見通しなどを継続的に把握するとともに、サーベイから得られた情報を有益に活用し、市場参加者との対話を一段と強化していきたいと考えている。 本サーベイは、2015年入り後、準備が整い次第速やかに開始する予定である。』

で、どのようなものをやるのでしょうかというとその先のBOXが。

『(参考)「債券市場サーベイ」の概要
【調査対象先】国債売買オペ先のうち、サーベイにご協力頂ける先
【調査項目】債券市場の機能度や金利見通しなど
【調査頻度】四半期毎(2月、5月、8月、11月に調査実施)
【公表時期】原則として調査月翌月の金融政策決定会合初日の5営業日前
【公表方法】日本銀行ホームページに掲載』

うーんこの。オペ先相手にサーベイって別にオペ先だったら通常のヒアリングとかあるんだから時間のかかるサーベイやってどうすんだかという感じで、もしやるならオペ先以外にヒアリングを掛けて、アネクドータルなデータを拾っていった方が効率的じゃネーノと思うのだが。

まあ何ですな、正面切ってサーベイでございと言って集めてしまうとアリバイサーベイになってしまう恐れがあってどうもねという感は拭えませんが、これは読むほうが表面の結果を見るのではなく、この手のサーベイで何らかの苦言が表明されている場合は実際はその1000倍くらい不満があると考えて読んで頂ければまあ良いと思うのですけど、この前堂々と短期市場サーベイ出して「市場機能に特段の問題が生じている訳ではない(キリッ)」と基準日が違うとはいえ出してしまうっつーのを見ておりますと単なるアリバイサーベイになりそうな悪寒がプンプンしますな。


『2.国庫短期証券の銘柄別買入額の公表頻度の引き上げ』

ほうほうこれは。

『国庫短期証券について、市場参加者が個別銘柄毎の市中流通額の把握・分析を行う際の利便性向上に資する観点から、「日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額」の公表頻度を、下記のとおり引き上げることとした(本年11月10日時点の残高にかかる公表<11月12日公表予定>から開始)。』

ということで短国も残高を旬報で出すことになりまして、これ下手すると「前回のオペで入った銘柄はこれです」というのがバレバレになる(11月10日〜20日の間には短国買入が1回しか実施されない筈^^)という中々素敵な話ですが、今回は正面切って『個別銘柄毎の市中流通額の把握・分析を行う際の利便性向上に資する観点』と書いている点はほほうと思いました。

と申しますのは、長期国債の残高公表に関しては国債補完供給を利用する際に残高が分かっていた方が良いので公表頻度を上げるという建付けだったので、今回は「個別銘柄の流通額の把握」とより市場の需給動向に配慮したような表現になっている辺りは(まあ短国の補完供給というのは物理的には可能な筈ですがそもそもそんな状態にならないので利用する人がいないから補完供給の円滑化と言いにくいというのもあったとは思いますが)ちょっと変わりましたかねとは思うのでございました。

『3.「東京短期金融市場サーベイ」の公表早期化と一段の活用』

『日本銀行金融市場局が2008年以降実施している「東京短期金融市場サーベイ」については、従来、サーベイ実施時点(8月)から結果公表(同年12月〜翌年2月)までかなりの期間を要していたが、今般、市場参加者からの要望などを踏まえ、可能な限りの公表早期化を図ることとした。すなわち、調査の基準時点は従来同様7月末時点とし、時系列的な比較可能性を確保する一方、結果の公表は従来比2〜4か月以上前倒しし、本年については10月10日に公表した。』

7月末時点と10月10日であんなに市場の状況が変化しているとは!!という意味ではまあ間が悪くて可哀想というのはあるのですが、市場の状況なんぞ2か月もあったら全く変わってしまうのでサーベイの公表早期化はこれ以上早くするのも無理だと思いますけど、その部分はちゃんと留保をつけて公表するとかしないと、先日のように短国市場がピャーと言ってる中で「市場機能に大きな問題は生じていない(キリッ)」とか出して盛大に市場の人がズッコケる結果になりましたが。

『 日本銀行金融市場局としては、前述の「債券市場サ−ベイ」ともあわせ、これらのサーベイから得られる情報を極力速やかに関係者と共有するとともに、市場参加者との対話や、市場機能の維持・向上に向けた取り組みにおいて、これらのサーベイを一段と活用していきたいと考えている。』

まあ調節年報を半期化するとかしてそこにぶつけるとか、そんな感じにするのも一法かも知れませんが、そもそも非伝統的金融政策において資産買入を実施するというのは金融市場機能への介入を行う事を意味する訳で、それを超大規模に行っておりますという政策を実施しております以上、「市場機能の維持向上」とかあまりお為ごかしな事を言わなくても良いんじゃないですかねえとか言われてもそれは政策委員会に文句言ってくれですねわかります。

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2014/11/05

○昨日の市場関連メモである(俺様備忘メモ)

・オペ関連メモを置いときますね

オペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141104.htm
国庫短期証券買入 22,500 2014年11月6日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 5,500 2014年11月6日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 5,500 2014年11月6日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2014年11月6日
国債買入(残存期間25年超) 1,200 2014年11月6日
米ドル資金供給 2014年11月6日 2014年11月20日 0.580

落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141104.htm
国庫短期証券買入 43,042 22,500 0.022 0.023
米ドル資金供給(11月6日スタート分) 0 0
国債買入(残存期間1年超3年以下) 17,782 5,500 -0.010 -0.010 94.5
国債買入(残存期間3年超5年以下) 16,943 5,503 -0.017 -0.015 79.8
国債買入(残存期間10年超25年以下) 6,073 2,400 -0.059 -0.053
国債買入(残存期間25年超) 4,766 1,201 -0.174 -0.161 52.7

まずは短国買入ですが、前の週と同じく2.25兆円のオファーとなりまして、応札限度の方で味わいがあったような気もしますがそれはさておきまして落札結果は思いっきり甘くなりましたが、これは先週の足切りもマイナス金利入札になった490回債ではなくて、売参がやたら強かったその前の2銘柄の488(-4.3bp)489(-4.2bp)辺りが打ち込まれたという形になったんでしょう。これだと2毛3糸投げてもマイナス2bp近辺で外せますから、当初の見込みからは外れているかもしれませんが(ニヤニヤ)そこまで痛くもないかなとか思ったりして。

ただまあ何ですな、これですと入札の足切りをマイナスでやってプライマリー段階では全然投資家に嵌らなかった(と想像される)490回をよーしパパオペ狙いで特攻しちゃうぞーなどとやった方は居なかったとは存じますが、間違ってそのような方がおいでの場合はプギャーとしか申し上げようがない展開で誠に香ばしい展開ではございますな。

なお恐らく短国買入は売参マイナスの深い銘柄が入ったんでしょうなあと想像されるのは、短国買入がクソ甘かったのですが引値見ると調整しているのはマイナスの深い所で、ゼロ近辺の物がそんなに甘くなったわけではない(ちなみに売買参考統計値でも同様で488と489のマイナスは-1.2bp、-1.5bpとそれぞれだいぶ緩和されたものの490は0.0bpから0.2bpに上昇しただけでした)ので、ここもとマイナス金利状態で買えていない投資家サイドのニーズはまだあるでしょうから投資家の買わないレベルであるマイナス金利部分は調整するけれどもプラス金利方面がドンドン甘くなる訳でも無いでしょという所で、需給の問題もあるでしょうし、そもそも9月のマイナス金利での買入以来の動きで目線がすっかり変わってしまったというのもあると思いますので、そもそも短国買入をもうちょっと丁寧に実施すればもうちょっと違ったような気もしますが、これが無かったら今回の追加緩和で短期部分の調整も無かったかも知れないのでよく判らん。

でまあ短期に関しては今日明日で6Mと3Mの入札があって、金曜がまたまた短国買入な訳ですが、TKRRの推移を見ますとS/NのGCレートは高めの所で推移していますので、別にまあ在庫がスッカラカンという訳ではないでしょうから何ぼ何でもマイナス金利に突撃するという展開にはならないでしょと思いますけど、プラス金利になると投資家需要はきっちりありますから別に金利が上がるとも思えませんがどうなんでしょうかねえ。


でもって輪番の方ですが、昨日は増額となる中期+超長期の輪番となりまして、とりあえず金曜に出ていた紙の通りのオファーで(当たり前だが)打ち込みとなりまして、まずはこのバランスで行くのでしょうが、中期の買入額が「残存期間1年超3年以下5,500億円、残存期間3年超5年以下5,500億円」の6倍という数字になりますので、2年にしても5年にしても新発債の発行額を上回る買入を実施することになりまして、まあこの年限は過去の10年債とか20年債とかのなれの果てもあるとは言え、普通に新規供給よりも多い買入を実施し続けたらいずれ中期の買入が行き詰まる事になりそうで、それも1年とかそういうタームじゃないでしょと思われます次第で、ここが買えないとなると次はさてどこを買うんでしょうという流れになりまして、イナゴの群れが大農地を襲うの巻という状態になって参りますなってな話になるんでしょう、ナムナム。


・超長期フラットニングに味わいを感じますな

まあ政策アナウンスからその流れではありますが、昨日も超長期は朝から盛大にフラットしていまして、そらまあ全体の買入が市場を叩き殺す方向になっている訳ですから相場は強くなるでしょうし、中期と超長期の買入が増える訳ですからそらまあろくすっぽ低下余地が物理的に無い中期(何ぼ何でも今すぐマイナスにはならんでしょ、将来は知らんが)からしたら超長期の方がここもとスティープしていた反動もありましてそらまあ金利下がります罠ということで、特にヘロヘロだった30年とかもうエライコッチャな展開。

・・・・・・・ということでまあ需給で説明しても良いのですが、これだけ盛大に超長期がフラットニングしているというのは「日銀の追加緩和で別に2%行くとは思えませんなあ」と債券市場の皆様が盛大に認識しているという事もまた意味される訳で、本来この追加緩和によって2%目標達成が早まる、というのであれば、明確にオープンエンドにしているだけに極端に言えば目標達成したら来年頭だろうと実は買入終了してもおかしくないという建付けではあるのですが、このように盛大にブルフラットしているというのは「追加緩和のアフガン介入(ソ連的な意味で)化が確実になりましたなあ」となっている訳で、実にこう味わいの深い物を感じます。

ただ一方で、物価が中々再加速しない上に消費増税の話が怪しくなっていた昨今は物価連動国債のBEIが弱含みという感じだったのが今回の追加緩和でちゃっかり強含みとなっておりましたので、次回の執行部の誰かまたは与党審議委員の皆様の講演では債券市場の超長期ブルフラットに関しては「金利低下を促す本行の施策が効果を発揮している」という説明になり、物国BEIの戻りに関しては「追加緩和によって市場の期待インフレ率が再び加速の方向になっている」というお手盛り評価をするに100木久扇と言った所ですな。

前回は追加緩和投下後に利食いとかも出ましたし、その後株や為替も動いてボラが上がって相場が甘くなってきたところで黒田さんの梯子外し発言もあって、何となく自己実現的に相場売られて「もしかしてこれは2年で2%行ける可能性もあるのでは」的な動きになりましたけれども、今回はまあここまで1年半の実績を踏まえて「2%達成どころかいずれ追加緩和に追い込まれるでしょウヘヘヘヘ」ってなもんですからそこの動きは異なって来るんじゃないですかねえ(白目)。

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2014/10/31

お題「短国入札とかオペ予見可能性とかマイナス金利に関する諸々の雑談ですいませんすいません」

今日は展望レポートですよまあどうせ中身は結果から逆算(以下悪態^^)。

○短国入札とかオペの予見可能性とかに関する雑談

・短国入札足切りもマイナスとかもうね

ということで皆様ご案内の3M入札でしたけどね。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141030.htm
5.価格競争入札について
(1)応募額 47兆6,750億円
(2)募入決定額 5兆3,142億1,000万円
(3)募入最低価格 100円00銭0厘5毛 (募入最高利回り)(-0.0018%)
(4)募入最低価格における案分比率 85.8336%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘1毛 (募入平均利回り)(-0.0041%)

・・・・・・・・・・・orzorzorz

100円足切りどころか100円の一つ上が足切り(さすがに按分は厚いが)とか何考えてますねんという所で、どう見てもまたまた普通の国内投資家が排除された入札キタコレとなった次第でありますが、レポGCとか現先とかの状況を見ておりますと(あくまでも極私的感想ですが)実は投資家にマイナス金利で飛ぶように売れていて本当に物無し芳一なのですよ、という風には思えない状況がここもと継続している(だからこそ入札の前でもプラス利回りあるんじゃネーノ的な話もあった訳ですが)のに足切りマイナスってどうも????ではあるのですが、まあ「ヘイヘイ!日銀足元見られてるよ見られてるよ!!」という事ですねわかります(−−;

何せ日銀様がマイナス金利で買入を行う上に、10月の頭の短国買入で3.9兆円しか札が無いのに3.5兆円の買入を実施した事からヘイヘイ日銀焦ってる焦ってる!となって足元見られる攻撃になったのがまあスタートという所でしょうが、固定金利オペのロール歩留まりが足元悪化気味だし、先般買入が札割れしたりその次も買入額減らさざるを得なかったりとなっておりますので、そらまあヘイヘイ日銀焦ってる焦ってるという足元見ますよ攻撃になればどうせ日銀が買うのでマイナスに特攻しても安心感があるということですかそうですかという話。

なお昨日の入札の市場推計落札分布では兆円の桁の落札が無くて所謂不明玉が3.9兆円とかいうオモシロ結果になっておりますが、その後のGCレポや現先市場の推移を見るとその不明玉と言うのは(以下自主規制)。

ただまあ今回の入札がちと前回までの動きと違うのは日本相互証券さんの引けも売買参考統計値の平均単利も0.000%となっている事で、平均-0.41bpで入札しておいて引けが100円だと1厘1毛ぽっちですけど負けとるんですがナンヤソラという風情。ここまでの入札の流れはマイナス入札になる前ですと入札は辛うじてプラスで辛うじて国内投資家に販売→入札後はマイナス金利ヒャッハー→日銀様堂々のマイナス金利お買い上げという流れで、マイナス入札の先週はその最初のステップが無いものの入札後マイナス金利ヒャッハーが更に進むという動きでしたので、まあもしかしたらどこかでマイナス金利で買うニーズが盛大にある(日銀じゃなくて)というような話があったのが蓋を開けてみたら梯子外されたみたいな話があったのかも知れませんが、まーいずれにせよ国内の投資家からするとマイナス金利でのアウトライトの購入って中々ハードル高いと思いますので、入札段階からマイナスをやっていると普通の国内投資家不在状態になる筈なので、投資家不在相場をどこまで続けられますかという話なのかも知れずという所ですがよー知らん。


・固定金利オペの歩留まりも悪いですな

昨日の固定オペ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141030.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(11月4日スタート分) 1,550 1,550

ちなみにこちらは11月4日にエンドの来る2850億円のオペのロール分になるのですが1550億円のロールとなりまして前回に引き続き歩留まりがあまり宜しくない。

まーこれに関しては応札する人の懐事情聞かないと背景はワカランチ会長ではあるのですが、ただまあ言えるのは足元で短国が入札段階でマイナス金利になっているとなりますと、担保などのニーズで確保していた短国の償還ロールが難しくなっている(担保が本当になくなったらマイナス金利でも買うのかも知れないが余力が落ちた程度でマイナスを買うのは難しいんじゃないですかねえ)ので、その分担保の余力が落ちている可能性があり、そうなりますと3カ月物0.10%固定金利しかも無担保ではなく適格担保までお出ししないといけないというような今となっては悪徳高利貸し条件(というのは大げさ)のオペに担保余力を回しますかという話になるから歩留まり悪化という話です罠こりゃ。

てなわけで日銀短国買入をあまり深く影響を考えずにホイホイマイナス金利買って行った弊害がこんな所にも表れているというのが実に味わいの深い侘び寂びを感じるものでありまする(−−;



・これは火曜日の日銀短国買入が注目されるところで

という事でまあ2週連続短国入札がマイナス金利になり、しかも2回目に至っては入札の足切りレベルまでマイナス金利というどこからどう見ても異常事態になっている中で短国買入をどうするんでしょうかねえというお話になる訳です。一方で固定金利オペの歩留まりは今申し上げましたように若干悪化しているのですよね〜。

まあ投資家不在の相場が何で2週間も形成されているのか(念の為申し上げますが9月の場合は期末絡みのニーズがあってその買いが入った所に日銀の買入が追い打ちを掛けていたし、期末の残高確保ニーズで最後の方は現先玉とかGCレポとかも玉が全然ない状態だったので今の状況と全く話が別)と言えば、それは話は簡単で日銀という名前の太い成行買いバキューム投資家(のようなもの)が存在しているからであって、しかもこのバキューム先生は買入の目標額らしきものがあってその数値に向けて年末までに絶対に買わないと死んじゃう位の勢いで前倒しで買いに来るというお方というのが人口に膾炙している訳で、だからこそ投資家不在相場を継続してもヘーキヘーキという市場の認識という事になっているんでしょとしか思えん流れな訳ですよ。

とまあそういう状態なのでヘイヘイ日銀足元見られてるよ見られてるよ!!というヤジが飛んでくる訳ですけれども(飛ばしてるのはお前だけだろというツッコミは華麗に却下)、昨日の入札がプラスに戻って投資家が買って行ったからその後やっぱりゼロ金利(とかマイナス)とかになりましたね、となりますとまあ割と自然体で買入をオファーできたかも知れませんが、2週連続マイナス金利しかも足切りまでマイナス金利とか足元見られてる攻撃を食らってしまったので、ここは日銀の胆力というか根性というかセンスが問われる展開になったのが実に味わいが深いというものです。

つまりですな、GCレポとか現先とかの状況から類推するに日銀短国買入に入れられそうな札はそこそこあると思われるので、よーしパパ沢山買入してマネタリーベースを進捗させちゃうぞーと言って盛大に買入をオファーするのは思いっきり可能と思われる次第(なおアタクシの類推ベースなので実際は知らん)でして、市場機能とか第二の柱とか金融システム機能とか知らんがなMB積み上げがマンデートなんだもんという話になれば火曜日に思いっきり買入を入れてくるという事になるのですが、当然ながらそういうプレイをしますとマイナス金利の恒常化という投資家不在相場を日銀バキューム買入が全力でサポート(まあサポートも糞も日銀が作っているマイナス金利相場なのだが)するという大変に素敵な結果になりますので、お前は何をやっているんだという話にもなるという所ですな、うんうん。

とは言いましても何せ10月頭の3.5兆円攻撃を見れば判りますように、上からこれだけ買えって言われてるんだから兎に角買うんだもんね状態になっているのが透けて見える状態の中で買入の進捗が予定よりも遅れるというのもこらまたあばばばばーな話で、結局どうなりますねんというのが先週の短国買入だとイマイチ判らんかった(2.25兆円という中途半端なオファー刻みがまた何ともでございましたし)ので、火曜日にどういう買入を打ち込んでくるのか(まあ打ち込まないでマイナス金利を是正した方が買入狙いとしか思えない謎の仮需を減少または排除できるので却って買入がスムーズに進むようにも思えますが外野で気楽に言うのと実際に買えと言われている立場では全然違うというのだけは一応理解する)というのがこらまた注目ですなあと。



・関連してオペの予見可能性に関する雑談

まあ何ですな、この前もちょっとだけ申し上げましたがもうちょっと頭を整理してみるとこんな感じなのではないかと。

確かにQQE実施直後に異次元国債買入によって需給状況の前提となる話が盛大に変化するようになってしまい、「日銀の輪番オペの予見可能性が全然ないから市場のボラが更に拡大して、その結果リスクプレミアムが拡大して長期金利が上昇したじゃないかこのスットコドッコイ」という話になった訳で、その結果としてオペの予見可能性がどうのこうの的な事になった訳で、そういや最初に2回ほど実施して以来すっかり話を聞かなくなった謎のオペ説明会みたいなのとかも実施されたりしてましたよねとかそんなお話。

一方で足元の短国買入に関して言えばオペの予見可能性(ヘイヘイ日銀ビビってるよビビってるよ!)が短国マイナス金利の形成に絶大に寄与して市場の流動性を破壊しているだの日銀が作る投資家不在相場だのと市井の一部のスットコドッコイ(アタクシの事ですが)が悪態を付くという素敵な展開になっている訳でして、オペの予見可能性に関して盛大に悪態つかれるとかこれまた何ですねんという話ではあります。

でね、この差をつらつらと考えてみたのですけれども、ポイントとなり得るのは「市場の参加状況が偏在しているのか否か」という事なのじゃないんですかねえというように思えるのですがどうでしょうという皆様のツッコミ待ちの雑談なのですよ。

つまりですね、昨年の輪番騒動の時っていうのは債券市場はまあ普通に投資家も業者も参加していて、別に極端な在庫の偏在とか玉の偏在とかが発生していた訳では無かったので、そこに堂々登場した日銀の買入が予見可能性がろくすっぽ無いとなると、そらまあ市場参加者としては需給状況の先行き不透明感を思いっきり高める事になるので、リスクプレミアムが拡大するわボラティリティが拡大するわという話になるんだと思うのですよ。

その一方で足元の短国市場というのは日銀の買入ストックがアホのように拡大した結果として、既に市場の需給偏在が発生していた事に加え、一番大きなファクターとして名目ゼロ金利制約の部分をそう簡単に突破できない主に国内投資家に対して、日銀がその名目ゼロ金利制約を軽々と突破することによって普通の投資家を排除するレベルというのを形成してしまい(短国買入が札割れとかする前から入札の瞬間以外マイナス金利というのは継続していましたからねえ)、限られた参加者の中での価格形成となっている中で日銀のオペが予見可能という事になってしまえば、そらまあ限られた参加者×日銀という話になりますから益々普通の投資家が排除されますがなという事になりますぞなってな事になるのかなと思います。


・まあマイナス金利というのはお話の上では魅力があるのですが・・・・・・・・

とまあそんなこんなで雑談ばっかりですいません(なお展望レポートに関してはどうせ見通し下げるのは今年度の所だけで、先についてはするにしても微調整だし肝心の物価見通しの中央値は死んでも下げてこないでしょと思いますし政策変更は無いでしょという事で)が、一連の流れを見て思うのは「マイナス金利というのはお話の上では有っても実際の運用は難しい」ということなのではないかと。

まあECBと日銀の場合はケースがだいぶ違いますので一緒くたにするのがそもそも乱暴ではありますので日銀の話をしますが、「マイナス金利まで購入すれば資産買入はドンドン積み上げられますぜヒャッハー」という話については以前からそういう論点はありまして、何か違う気がするんだよなあと当時から申し上げていたようにも思えるのですが、実際にマイナス金利での資産買入というのが行われて見ると想像以上にマーケットが壊れてしまいましたなあと。具体的には見事なまでに投資家が排除されていることではありますが。

名目ゼロ金利制約というのは金融市場だけで見れば大したことないのかもしれませんが、やはり実体経済(この場合は預金者とかそういう人ですね)とのリンクを考えた場合に名目ゼロ金利以下での資産購入というのはプルーデントな投資家という観点的にどうなのかとなりますと、そこには大きな壁があって、市場が思いの他壊れましたという結果になった訳で、やはりマイナス金利というのはお話の上では魅力的な概念であっても、実際にマージナルな部分ではなく大々的に行うという事になった場合は実務上の問題があり、その問題がどこかに歪を生み出しますし、市場のマイナス金利と実体経済の名目ゼロ金利制約の間に発生するコストの部分を誰が負担するのかという問題が生じるので、実務で大々的に行うのはやはり難しい、という結論を一旦付けてもよいのではないでしょうか。


ちなみに既にご案内の事とは存じますが、ECBのサイトのトップにこんなページのリンクがありましてね。
http://www.ecb.europa.eu/home/html/faqinterestrates.en.html
Why has the ECB introduced a negative interest rate?
Last updated: 12 June 2014

FAQ最初の質問がこれ。

『Do I now have to pay my bank to keep my savings for me? What is the effect of this negative deposit rate on my savings?』

この答えの最初の部分がどう見ても銀行に負担押しつけです本当にありがとうございました(なおこのやり取りはマイナス金利導入時の会見で記者から当然のごとくツッコまれていた論点でもありまして、ドラギさん確かにこういう論旨で説明してました)という風情。

『There will be no direct impact on your savings. Only banks that deposit money in certain accounts at the ECB have to pay. Commercial banks may of course choose to lower interest rates for savers. At the same time, though, consumers and businesses can borrow more cheaply and this helps stimulate economic recovery.』

ワシらは銀行からの預り金に対するチャージを行ったけれども銀行が皆様にチャージするかどうかは銀行の経営判断ですから知らんがなとか何という責任マルナゲータという所ですが、まあ斯様に名目ゼロ金利制約というのものは実体経済の方には思いっきりあるぞなという所でしょう。


#ということでしょうもない雑談大会でどうもすいませんでした

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2014/10/30

○市場雑談メモおよびその他少々

・さあ3M入札ですよ!!!

ということで本日は先週ご案内の通り平均マイナス利回り足切りゼロ金利しかも極薄按分とゆー大変にワンダホーな3M短国の入札から最初に行われます所の3M短国入札。

でまあ今回は100円で切れてまたまたマイナス利回り入札となるのではという見方といやさすがに100円割れるだろという見方と結構分かれている感じではありまして、こちとら下手に予想みたいな雑談してフラグ建築士になるのアレなのでま〜出たとこ勝負(何を?)という所で。

なお、今週の短国買入につきましては金曜日がMPMの結果発表日になりますので慣例的には週明けに実施となる筈で、しかも来週は水曜木曜が短国の6M3Mの入札になりますので、火曜日一発しか入れ場所が無いという所。入札の平均がアンダーパーになってしまえば普通に進行となるのですが、注目されるのは入札がまたまたマイナス金利になってしまった場合で、2週連続マイナス入札とかになりますと更に亜空間殺法状態になって参りますので、そんな中で能天気に日銀が平常運転の無慈悲短国買入を実施するのかどうかというのがテラ注目と言った所ですな。

まー普通に考えると2週連続マイナス入札とか期末でも無いのに異常にも程がありますし、先日来申し上げておりますように第二の柱という観点からしても市場機能の低下とか、金融システムのインフラ機能不全状態とかの論点からも「日銀の買入が引き起こしている」マイナス金利の常態化というのは牽制すると思うのですが、何せまあ毎度悪態を申し上げているクオリティな上に、昨日は固定金利オペが貫録の結構な減額ロールになってしまったのがありまして、ヘイヘイ調節担当ビビってるビビってるよ!!という状況になっておられるのではないかと心配される所ではございます(白目)。


・固定金利オペのシグナル成れの果て分の歩留まりががががが

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141029.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,500 2014年10月31日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,000 2014年10月31日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年10月31日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2014年10月31日 2015年2月10日

ちなみに輪番については前回増額したのと同様で、中期+1500億円、長期はカワランチ会長となっておりますがそれは兎も角として注目されたのは午後の固定オペ状況。

結果ですけどね
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141029.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 11,156 3,502 0.006 0.007 40.3
国債買入(残存期間3年超5年以下) 16,253 3,003 0.004 0.006 31.3
国債買入(残存期間5年超10年以下) 17,236 4,006 0.002 0.003 18.2
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(10月31日スタート分) 4,701 4,701

おう・・・・・・・・・・

えーっとですね、今回の固定金利オペですが、31日にエンドの来る過去のシグナルオペのなれの果てだったのですが、期落ちが9730億円あったものでしたので、4701億円への減額ロールとなると要は5000億円落ちているという話で誠に遺憾の極みという所です。

皆様ご案内の通り、「その他」でのMB積み上げとなりますと固定金利オペ残高がドロップすると、その分短期国債買入オペに負担が掛かる、という構造になっておりますので、今回5000億円オペが落ちて固定金利オペの残高が9兆円割れとなりますし、来月は5、7、11日に1兆円規模の固定金利オペの期落ちがあったり、中々こう「その他」でのMB積み上げとか上手く行かないので短国買入も引き続き頑張らないといけないという状況ですな、とまあそんな解釈になるんでしょうな。

となりますと益々今日の短国入札がつよつよになった場合にどうするんでしょうねというのがあって、マイナス入札になるとまたまた投資家の参加が減るので実は流動しないけど流動玉が増えるので短国買入的にはオファーしやすいのだが、そこでよーしパパ沢山短国買入オファーしちゃうぞーとなると日銀によってマイナス金利の定着化が促進されるとか何考えてるんでしょうか第二の柱はどうなったんでしょうかというカチコミが飛んできますし、大体からして固定金利オペのロールが減った背景に短国マイナス金利による市場金利の一段の低下および銀行さんなんかの担保玉の減少があると思われますので、自分で自分の首を絞めるという素敵な流れになるのはテラオモシロスという所ですな、うんうん。


・てな訳で益々MB拡大大変ですねという話になる筈ですが・・・・・・・・・

まーそんなわけで固定金利オペのロールの歩留まりも悪化してMB拡大という意味では外堀も内堀も埋められて大坂夏の陣の如き状態になっております昨今ではありますが、そんな中で追加緩和でMB更に拡大とかいうような電波が時々放流されてくるのは何なんでしょうねと存じます次第。

確か昨日だったと思いますが、どこからともなくMB拡大ペースを30兆円おかわりという電波が放流されてきたのを感知したのですが、その電波ビラには具体的に何をどうして30兆円更に拡大するのかの説明が1行も無いという大変に素敵な話で、それってエネルギー効率100%の自然エネルギー発電施設を作れば電力問題全て解決と言いながら具体的にどういう施設をつくるかの話は1ミリも無いという位の駄法螺でして、お前の寝言はチラシの裏にでも書いておけと申しますか、便所紙にもならない資源の無駄な話で、そこらのオッサンがブログやツイッターで放流する話ならまあ別にシャーナイナイだと思いますが、そんなレベルのレポートをプロが出すなよと小一時間問い詰めたくなるような目を覆う物が出ておりましたのでメモだけ置いておきましょう。

しかしまあどう見ても短期の部分が市場のキャパオーバーになっているのでじゃあ長期を買えば良いじゃないという話になるにしても、長期の方に同じように皺寄せ掛けてきた場合には同様にストックがどこかの時点で強烈に効いてきて今の短期市場で起きているような投資家不在のハチャメチャ相場になってしまう訳で、やはり今のMB拡大ペースというのは3年も4年も続けるものではない(つーか1年半でこの有様なのですが)という話ですが、聞く耳を持ってなさそうな黒田日銀の明日はどっちなのでしょうかねえ????

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2014/10/29

○念の為計算してみたので一応出して置くが皆様のツッコミ待ち

さてさて、金月で輪番の微妙な調整がありましたが、これによって長国買入が何ぼになってディレクティブ的に買い余力何ぼですねんという話があると思いますので一応計算してみた次第(短国はこの前計算したけど週末暇だったらもう一回精査する)。

一応計算根拠を出してみるから皆様もお暇なら検算してちょ。

9月末の長国残高
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2014/ac140930.htm/
長期国債 179,833,485,276
国庫短期証券 49,478,072,770

昨年末の長国残高
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2013/ac131231.htm/
長期国債 141,600,789,368
国庫短期証券 39,795,059,180

ということですから、年末対比で9月末の長国残高は38.2兆円増えております。

今後の増減ですけれども、増加の方は・・・・・・・・

10月:(1年以下)2200(中期)5000*4+6500*2(長期)4000*6(超長期)1300*4+1350(変国)1400なので67250億円
11月は2200+6500*6+4000*6+1450*5+200で72650億円
12月は2200+6500*6+4000*6+1450*5+1400で73850億円

に加えまして9月の最後にやった輪番が10月1日渡しで、これが中短期と長期だったので9000(9022)億円となり、この分が年末までの増加分。

減少分ですが、
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/index.htm/
から9月末の残高を落としてきて、年内償還銘柄を全部足すと65420億円の償還。

あと、まあ微妙なのですが1年以内の輪番に関しては年内償還ばかりが打ち込まれると勝手に仮定しますと(年末越え銘柄は投資家のニーズがあってもってりゃマイナス金利じゃない限り嵌るでしょとは思うが今だと1年近辺を打ち込みに行ってウマー狙いかもしれないので微妙)1年以内の輪番分が2200*3=6600なのでそれを落としておく。

・・・・・・となりますと、昨年末対比の年末着地残高は前年末対比で53.3兆円になりますので、先日はざっくりと余力2兆円とか申し上げましたが、そこまでの余力は無いようで(1年以内輪番で年末越えが打ち込まれるとその分余力は減る)こりゃまた失礼しましたという所です。

なお、この場合長期国債の末残は194.9兆円(簿価ベースと額面ベースだと差分が出てくるので誤差が出そう)になるので、当初に出していた例の紙
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130404a.pdf
では190兆円になっているのからするとちょっと足が出るのですがまあそこは誤差ですませるでしょうし、そもそも昨年末時点でのMBが末残で目標200兆円に対して1.8兆円上振れしているので、
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/base1312.pdf
長期国債残高の増加に関しては前年末対比でやるけどMBは着地270兆円の方で行くとか、まあその辺りは微妙に鉛筆舐めればとりあえず年末目標達成に関しては何とか回るでしょうという感じはしないでもない。

ただまあ年末までのやりくりという意味ではこんな感じですが、来年の事を考えるとパーフェクトに回らない(特に短期)のでどうするんでしょうというのは一番遅くても1月会合(12月までに本当は何とかすべきだが1月くらいだったら従来のディレクティブ継続とか言ってトボける事は出来そうな出来なさそうな)には出さないと市場が止めをさされる(いやまーお前は既に死んでいる状態のような気もするけど)という物なので何とかして頂きたい物です。

ということで、話が微妙に逸れましたが要するに長国買入の調整余地は2兆円は無いですなというお話なのでした。

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2014/10/28

○超長期輪番で調整キタコレ

月曜はまあ順当に輪番がありまして、超長期と変動利付国債の輪番だったんですけどね。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141027.htm
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,100 2014年10月29日
国債買入(残存期間25年超) 350 2014年10月29日
国債買入(変動利付債) 1,400 2014年10月29日

・・・・・・・というオファーなのですが、まあ芸が細かい事に超長期輪番を超長期前半で100億円、超長期後半で50億円と合計150億円の増額というのを実施しまして、市場としても数字が出た瞬間は「超長期増額キター」で先物が上がったりしたものの、額があまりにもしょぼいのでどう反応して良いのか困ったという所ではないでしょうか。

でまあ輪番の結果は増額幅にインパクトが無かったのもあったでしょうし、ついでに言えば(後で申し上げますが)これで目先出尽くしというイメージもあったでしょうし、まあそれ以前の問題として超長期が増発だの絶対金利水準の低下だの他の年限が日銀買入も含めて需給がアホほど良いのに対して相対的に需給が悪いだのとかで超長期があまりパッとしないというのもありまして、結局輪番オペの結果は輪番増額の影響は特段ありませんでしたねという内容となりまして、後場は押し戻されてカーブはスティープ(という程のスティープではないが)の巻となりました。


でもってこの超長期輪番の微修正ですが、ここまで露骨に「微修正でござる」というのも中々珍しいちゅうかこの正直者というかな調整でして、昨日ちょっと申し上げましたように輪番で中短期の買入を月間辺り9000億円拡大する事になったので、買入銘柄の平均残存期間の6-8年の縛りに対して平均残存を調整したいですよという話。

んでもってこの買入年限の調整ですけれども、元々「紙」で示している1回の買入予定額を下に逸脱している(約だの程度だのついているしそもそも目安なので逸脱しているからどうのこうのというのは無いです)長期ゾーンの拡大で帳尻という手も思いっきりある筈なのですが、元々長期に関しては輪番によってカレント銘柄の需給がアホのように締まっているからもう勘弁という話が昔からあったので、長期の輪番を増やしにくいというのがありますな、という説明は一応可能は可能。

ただまあそれよりも普通誰もが思うでしょうが、今回超長期の小幅増額を行ったのは、要するに「買入平均残存年限の調整はします」が「額については先週金曜にやった分で目先打ち止め」というのを思いっきり示しているというのが今回の超長期輪番増額でして、これなら月に6回の買入ですから来月からの買入額自体は超長期分では900億円しか増えないので、残高ベースで言えば誤差の範囲内みたいな話になります。

まあ何ですな、別にこの変更自体に特段の政策的インプリケーションは無い筈(そもそもあるなら短国買入による市場破壊行為も政策的に意図して実施しているという事になるのでそれはそれでそこら中からカチコミが飛んでくるでしょ^^)ですが、一応読み取れるのは「できればこれ以上長期国債の残高拡大ペースを上げたくない」という話で、一つには短国買入や固定金利オペなどのその他部分が想定通りに行くかについての不確実性があるのでバッファは取っておきたいというのがあって、もう一つとしては出来るだけ当初の形での着地をしたいというのがあるでしょうから、毎度おなじみの小出し作戦になったという所でしょうし、あとおまけするとなれば、そもそも日銀の旧来のDNAが出てきて長期買入をロット的にあまり増やしたくないというのもあるでしょうなあ、とまあそんな感じで。

つまりですな、足元で短国買入が行かなくなるヘッジで中期を今後2兆円ほど増やしてくるという話になるのですが、それ以上にホイホイ増やすというのは行いませんよってえのが見え見えとなるプレイが今回早くも出たという所で、もうちょっと買入状況を確認してからどうするのか考えるのかと思ったのですが、この出し方を見ると最初からこの積りだったという話で、まあそれはそれで良いちゃあ良いのですが、もうちょっとこう柔軟性というか様子見ながらどうこうって事にならんのかねえと。オペ自体が市場に相当ストレス掛けるような内容になっているのは政策委員会が無茶な政策を実施しているからなのですが、それに対してもうちょっと運用の所で緩和できないのかねと思うのですが、真っ正直に突っ込んでいった挙句に収拾に追われているという風情を出してしまうのもちょっとねえとは思います。


なお、勝手な想像をしますと短国買入の進捗が思ったよりも順調だったら中期の買入を下げるのではないかという可能性は無いではないとは思いますけれども、少なくとも短国買入に関しては9月末の40兆円弱残高の時点であの価格形成であった事を考えますと、買入残高が43兆だの44兆だのになったら(一応中期を2兆積み増したからその程度あれば大丈夫でしょうかねえ)やはり短国市場の需給的にはストック効果が結構効いている状態だと思いますので、金利が上がるにしてもプラスに戻ってああよかったですねえ程度の話にしかならんと思われ、それよりもマイナス金利でホイホイと買い進めることに対してもさすがに不味かろうという話になった結果が今回の調整であると理解しておりますので(そうじゃなかったら笑うしかないが)、まあ短国買入は当初想定よりも若干減る(ただし9月末対比では兆円単位で増えるので需給は別に緩和されない)という事になるんじゃないですかね(よって年内はこのペースで継続)。


○しかし来年どうするんでしょうかねえ

ということで年内は当面今回微調整したペース(しかし超長期150億円というのは気持ちは判るけど先週金曜の2兆2500億円という刻みも含めましてビンボ臭さとか小役人臭を市場に与えると思うのでもうちょっと考えた方が良いと思う)で行くという所だと思いますし、年内はまあ何とかこれで回るんでしょうなあとは思います。

で問題は小見出しの通りで来年どうするのよという話でございまして、短国の残高積み上げがどう見ても無理だし、その他で年間20兆円として3か月で6兆円位積まないといけないという話になりますが、3月末と言えば決算期末だというのにその時点で日銀の短国買入残高が50兆円とかどう見ても無理(そらまあマイナス100%でも200%でも買えば回りますけれども、そうなりますと短国の入札がマイナスで買入レートが超マイナスとかいう最早何のためにオペを実施しているのかさっぱり判らない状態になるのは明らか)ですので、いずれにせよ来年のオペを今のディレクティブ通りに実施するのは困難と思われます。

#ここでタチが悪いのはシャチョーさんが別に買えば良いじゃない位の話しかしていない所ですがその話はさておきます

でまあそうなりますと12月会合の時点ではディレクティブの表現について何らかの手直しを行う必要があって、建付けとしてマネタリーベースが効果を出してインフレ期待が高まって実質金利が下がると消費や投資が促進されて回りまわって物価が上昇しますという置物直線一気理論によりますと物価目標が行くまでマネタリーベース拡大することに意味があるのでオープンエンドで実施、という話になりますので、その建付け上MBの拡大ペースはそのまま60〜70兆円で行くとなりますと、長期国債買入ペースを若干拡大するのか、それとも「約50兆円」を継続しながら50兆円の範囲内で54兆円ペースにして、その他の部分では出来上がりを60兆円にして6兆円で何とか凌ぐとかまあそんな話でとりあえず誤魔化すかという話をするんでしょうかねえ。

それにしても短期もそうですが、今の調子で長期債の買入残高を拡大する方も恐らく無理があって、既に5年以下のゾーンとかの金利は向こう5年くらいゼロインフレなのかよというような金利水準になっていて、日銀の買入効果がでまくっている(短期が潰れているのも影響しているが)次第ですが、これ以上ストック増えて行った時に短国市場で起きているような事がいつ起きるのやらという感じもする訳で、そもそもこのMB拡大政策自体がフィージビリティ的に3年も4年も継続する訳にはいかないペースだと思われますので、実際問題として来年もこのペースでMB拡大とかしたら短期市場だけではなくもっと災厄が増えそうには思えますのでどうなんでしょうかねえとは思います。


○とは言いましてもまあ引っ込みつかないでしょうなあという残念な雑感

とまあ現実的な話をすると、そもそも論としてマネタリーベース馬鹿拡大政策自体が3年も4年も続けられるものではない、でも2年なら何とかなるでしょ、とか思っていたら2年を待たずしてフィージビリティーの限界に到達したでござるの巻となっている訳ですが、何せマネタリーベース拡大2倍2倍の直線一気理論で始めた政策でありまして、しかも白川さんの時のドクトリンを盛大に否定して過激に開始してしまった以上引っ込みがつかなくなっているというのが足元で見られる現象ではないかと思います。

でまあその感を極めて強くしたのが先日来申し上げていますが先般のさくらレポートでございまして、アベノミクスの恩恵が地方まで行きわたっていない!とか地方創生!とか言っている最中だと言うのにさくらレポートでの景気判断は前回対比ヨコとは言え内容的には強い物(仙台支店を除く)となっている辺りが主上の宸襟を煩わせる訳にはいきません状態になっていると申しますか、台湾沖航空戦大戦果報告と申しますかな状態を思わせる所でありまして、まさに先の大戦末期での状況もかくあらんという所であります。

となりますとこれがまあジャパン的組織のアレな部分で、「何らかの強力な力で方向性が出来てしまうと反省も何も無くそのまま突き進んでしまう」というクオリティが見事に炸裂しているのが今の状態ではないかと思われるところでして、今この時点で退却だの戦線縮小だのというのがジャパン的組織の日銀に出来る訳も無いですし、大体からして政府と共同戦線張っている中で勝手に単独講和とか日銀に出来る訳でも無くという事になりますと、恐らくは「本土決戦して水際で一撃を与えれば」とか言う状態になってもまだ引っ込みがつかないでしょと思う次第。


でまあその手の理屈として暫く前から特に置物方面あたりと見られますが議事要旨とかこの前の置物会見でもあったと思いますがある話としては、「物価に関しては個別要因でああだこうだというのではなく、重要なのはマクロの需給ギャップ動向と期待インフレ率の動向を観察する事(キリッ)」というのがあります。

つまりですな、足元での物価上昇再加速が遅れているのは、あくまでも個別の一時的要因や、為替の部分などの需給ギャップや期待インフレというようなマクロ的な部分では無い点が影響しているのであって、重要なのはマクロの要因でありますよああそれで需給ギャップなんですけどご案内の通り労働市場の需給がタイトになっているようにギャップは改善からプラスの方向に着実に向かっていますし、インフレ期待は全体として上昇していますので何の問題もありませんがなという説明が出てくると思います。

そうなりますと、足元で原油価格が下がっていて物価が1%割れとかいう話が出てきて何かが出てくるみたいな話というのは日銀の今の一億一心火の玉で撃ちてし止まんの中では聞く耳をそもそも持たないというのが結論になりますので、追加緩和とかお前は何を言ってるんだという話になると思いますけどどうなんでしょうかね。


いやね、べき論的に言えば結局壮大な実験やったけれどもマネタリーベース直線一気理論は理屈の上ではアリエールであっても、現実としての政策に置いた場合には空理空論であったということがこれだけ散々やって明らかになっただろうという所ですので、黒田さんと師匠のクビ(黒田さんは場合によっては勘弁しても良いが)を土産に退却モードに入って頂きたいと存じますけれども、そのような単独講和モードは不可能という状態ですので予想しろと言われますと「とりあえず12月までは今のまま意地汚く粘る」「来年のMBの数値目標みたいなのは出さないで有耶無耶のうちに継続」「2015年度に達成と言っているのでいずれにせよ来年の夏場から秋口には手形の期日がやってくるし、そもそもそれ以前の2年の所でも揉めるでしょ」という予想しかできませんなああっはっはという所で。


○ブルームバーグがまた飛ばしてますなと思ったら日経も朝刊で触れているようですが

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NE3FA46TTDS301.html
日銀「年度後半の物価上昇」撤回検討、15年度2%達成は維持
更新日時: 2014/10/28 00:01 JST

『10月28日(ブルームバーグ):日本銀行は31日に公表する経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、消費増税の影響を除いたベースでみた消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)の前年比が「今年度後半から再び上昇傾向をたどる」という見通しを取り下げることを検討する』(上記URLより)

ということで見出しはインパクトあるのですが、冷静に考えますと声明文(および金融経済月報)での物価見通しが相変わらず「暫くの間、1%台前半」という風になっておりまして、暫くの間が意味するのが半年程度という事になっていますので、そもそも事実上「年度後半の物価上昇撤回」は行われている訳で、あとは展望レポートの文章にどう反映させるかというだけの話で、何かの新たな判断が入るという話ではありません。

でもってこれによって何か政策的に変更があるかと言いますと、まあ白川さん的なグラデュアリズムですと技術的な調整みたいな話での小出しな短期減らして長期増やす的な話をする可能性はありますけれども、黒田さんの退かぬ!媚びぬ!のスタンスだとまあ普通に考えて何もないんじゃネーノとい
ところかと存じますがどうでしょうかねえ。

結局の所先ほど申し上げたような「そもそも需給ギャップ動向と期待インフレ率の動向が重要なので目先の区々たる個別物価の話をしてもシャーナイナイ」という一般物価という意味では確かにそらそうですなという理屈を繰り出してくる(つまり個別物価で何かの価格が下がったとしたらその分全体としての需要拡大に繋がるのだから一般物価的にはツーペーでしょという話ですかね)ので、個別の財価格がどうのこうのの話をしても想定問答的に全然噛み合わないという話になると思いますので、まあ今回の展望レポートでメカニズムが崩れているという話でもしない限り(なおそれは敵前逃亡の単独講和になって政府(というかアベノミクス)の梯子を盛大に外す事になるので日銀が絶対に出来ない)今回は意地汚く現状の見通しを維持するでしょ「全体的なメカニズムは変わっていない」とか言いながら。

なお相変わらず聞く相手間違えていると思われるメンバーが多数混入している(誰がとは言わないが)ブルームバーグサーベイ関連記事はこちら。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NE3BRH6SETC201.html
高まる追加緩和期待と日銀への不信感、強気姿勢は賞味期限切れの声も
更新日時: 2014/10/27 15:38 JST

まあこのサーベイ自体どうでも良いのですけれども、そもそも昨年4月の時点でマネタリーベース馬鹿拡大の政策に対して置物直線理論とかマッカラムルールとか言って盛大に評価していた方々が追加緩和とか言い出すのを見ると実に見苦しいと申しますか、昭和20年8月15日を境に手のひら返しをしたあんな組織やそんな人などのようで実に遺憾にも程があるので置物直線理論崩壊と共に崩壊して頂きたいものだと強く祈念いたします。

しかしまあ何ですな、結局今回もすべてが消費増税のせいになりそうな勢いなのですが、そもそも昨年度の景気拡大には消費増税がビルトインされた形での財政拡大や駆け込み需要がありましたし、今年度のベア復活にも当然ながら消費増税やそれとセットの法人関連税制措置が影響していた訳で、良くなった方は消費税関係なくてコケた方だけ消費税ガーとかこいつら馬鹿じゃねえかとしか思えん(いやまあアタクシも馬鹿ですけれども馬鹿なりに考えますと今回の消費増税前後の施策って再分配の部分でも中間層直撃な動きだったし、その上物価押し上げ政策やっているのですから、そら中間層直撃になっているのだから消費が失速する罠と思うのですがよく判らん)のですけど、まあその辺のレビューなども含めてこれから色々ときちんと検証して欲しい物です。

なお「期待に働きかける政策」を実施しているのですから、皆様におかれましては神州不滅を信じていればもしかしたら神風が吹いて2年で2%も達成するかもしれないですよ!!!!!!!(白目)

#なお今年の4月頭の時点では確かに今頃には物価が再度上昇傾向強まるとアタクシも思っていたのでまあそんなに威張れる話でも無いと言ってしまえばその通りですけどねorzorzorz

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2014/10/27

○短期が買えないなら長期を買えばいいじゃない早速キタコレ!!!

・中期輪番増額キタコレ!!!

さてさて、木曜に驚愕の短国入札マイナス(しかもギリギリのマイナスではなく明らかによーしパパ日銀買入狙いで特攻しちゃうぞーって人がいそうに見える(いるとは言ってないので念のため申し添えます^^)水準のマイナス金利)を受けて日銀買入どうなりますねんという所でしたが、短期だけではなく長期債の人も注目する10時10分がやって参りまして・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141024.htm
国庫短期証券買入 22,500 2014年10月28日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,500 2014年10月28日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,000 2014年10月28日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年10月28日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2014年10月28日 2015年2月6日

なお固定金利オペは実際は午後のオファーですがその話は後ほど。

・・・・・・・・・・ということで短国買入が2.25兆円というまたまた謎の刻み投下という感じで、何じゃこの刻みはという所ですが、輪番の方でオファー額の変更キタコレで債券市場がウヒョーの巻となった訳ですな。

つまり中期債輪番の所で、買入予定額が前回までの「1-3年3000億円、3-5年2000億円」から上記のように1-3年を500億円、3-5年を1000億円ということで、合計で1500億円の積み増しを行って参りましたので、そらまあ債券市場はヒャッハーですよ先生という所で、10年カレントは0.460%(1.5強)つけるわ2年カレントはまたまた0.010%(1.5強)をつけるわという動きでございまして、まあ引けではだいたいパラレルですけれども現実に日銀買入の拡大という需給材料が入った中短期の方が強いという感じになっていましたな、うんうん。

ということで「短期が買えないなら長期を買えばいいじゃないかbyマリーアントワネット」攻撃キタコレという話なのでそらまあ債券市場確りになりますなというお話ですが、今回は長期の買入は増やしていませんで、超長期の輪番については今月分の残り1回があるのでどうなるか判らんのですが、こちらも注目されるでしょうなあという所です。


・短国買入の方は意図的に調整したのか単に札が無いのかが良く判らん

でまあ短国買入の2.25兆円ですが、まあそもそも論としてどうせヒアリングしてその結果で打ってくるでしょう特に今回2回連続で短国買入札割れでもしたらそらもうエライコッチャになりますがなという所ではありましたので、オファーが入った途端にまあ札割れはしないんでしょうなあと思いながらも何ちゅうかこう微妙な感じのする数値としか申し上げようが無かったですな。

でまあ結果の方ですけれども・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141024.htm
国庫短期証券買入 33,727 22,501 -0.008 -0.002 1.3
(短国買入だけ引用しています)

ということで、札が3.3兆円ある中で2.25兆円のオファーで、足切りは8糸強まで入っているのでまあこれはこれで応札がこの程度だったら流れるかねという所ですが、札が3.3兆円の所で2.25兆円のオファーというのが、例によって例のごとくで「買入はできるだけしたい」けれども、「さすがに今回は絶対札割れできない」という相克の元で出てきた買入予定額が2.25兆円という刻みに現れているという所ですな。

・・・・・・・・・・というのは判るのですが、この「というのが判る」というのもまあ時と場合によりますよねえという所ではありまして、確かに昨年の4月とか5月に従来の動きを大きく上回る輪番オペをおっぱじめた時にオペの予見可能性が全然無くて債券市場が暴れて困りますがなというような事案もあったので、そういう過去の論点から考えるとまあ今の短国買入の入れ方は10月頭の札がギリギリなのに3.5兆円買入攻撃以来(というかその前から)ヒジョーに判りやすい動きをしていて、結局今回の動きもそれに沿っているなあという所なのですよ。

でまあオペの予見可能性というのはそらまあ全く分からないとそれはそれで市場が文句言い出しそうな話ですが、今の短国市場のように市場のキャパシティ限界一杯に近い所(あるいはキャパオーバーな所)までの買入があって、既にストック効果が出まくっているという状況になりますと、オペの予見可能性の高さは「買入オペの足元を見た市場の動き」という(金曜の日経朝刊本紙では「投機的な売買」とか中々の指摘がありましたなあ)ものを誘発するリスクがありますし、しかもそれが極端な所に逝ってしまうと先週の短国入札マイナスのように普通の投資家が市場から排除される(普通そういう事にならないが日銀の買入ストックが大きいのでそうなる)ような極端な価格形成となるリスクもあるという所なのでしょうな。

つーことで、何ちゅうかその2500億円って何とかならなかったのかよという風には思う所で、いやそれなら別に2兆でも2.5兆でも良いから5000億円刻みでやっておいてよとゆー話でして、大変にいじましいというかビンボ臭いものを感じるので2兆とかの買入の時に2500億円で刻むのやめえと存じますがね。

まあそれは兎も角として、まあ今回は札割れ回避でちょっと調整してきましたが、この2500億円という刻みを見るに「隙あらば買入積み上げ」というのは見え見えという所でもあろうかと思うので、中期を増やした辺り工夫の跡はみられますが、工夫というよりは運営厳しくなっている結果でもあるのかなあとか思うのでした。

なお、実を言うと前回の短国買入が札割れしていて、札割れ分が3800億円程度なので今回刻んだとかいうような話での刻みであった、という斜め上の可能性も無い訳では無い。


・ところで短国買入の残高とか長期の残高とかの件

さてまあ短国買入についてですが、9月末の短国買入残高のうち年末越えの残高が19.8兆円となっておりまして、年末の時点での残高としてバッファも見た場合に必要になりそうな要積み上げ額は出来上がり45兆円弱で置いて残り25兆円弱という数字になります。

でもって今月の短国買入はここまでが3.5+3.5+2.62+2.25なので12兆円弱の買入になるのですが、惜しい事にこの期間の短国買入は12月償還銘柄も買入対象になっていて、ど〜せ9月末の残高調整玉として買われていた年内償還物が打ち込まれていると思われまして、残念ながら12兆円まで進捗していないと思われます。

#というかこれだけ露骨な事やっているんだから買入対象銘柄で12月償還とか最初から外しておけば無駄な買入フローをしないで済んだし日銀買入が無い銘柄で期末ニーズ剥落分の玉が出てくれば需給もうちょっと緩和されたんじゃないでしょうかねえ

で毎度の話ですが進捗状況は月初になって出てくる短国買入銘柄別残高をみないといけないのですが、ざっくり考えて最初の方の買入(2回目とか応札多かったし)では結構年内物も入っていたと思われますので進捗9兆円位で仮に置きますと、11月12月で残りの買入必要額が16兆円とか結構厳しい数値が出てきますな、うんうん。

でまあそうなりますと長期の買入をもうちょっと増やしてヘッジしておきましょうねという話になります(CP買入とかも期近物が打ち込まれるので意外に残高維持が難しい。ただしさすがに兆円単位でぶれる話では無いが)ということで長期の買入が増えましたねという話ですな。


でまあその長期ですが、今回中期の買入が1500億円拡大となったのですが、中期の買入は6回あるので月に9000億円予定を上振れる計算になりますが、残りが2か月ですから全部足して(今月はあと1回中期の買入がある筈)2.1兆円の買入上振れとなりまして、まあこれが入ると着地に向けて結構楽になるかなという所です。

ではその長期の買入ですが、一応年間の買入拡大は50兆円という事になっているのですが、この50兆円に関しては(声明文のディレクティブを参照してちょという所ですが)「約50兆円」という事になっていますので、一応四捨五入して50兆円になる数値だったら現場の裁量で調整可能という建付け(の筈)でして、従いまして今回のマリーアントワネット攻撃は特段の声明文変更なども必要ない部分になります。

あともう一つ、長期国債買入に関しては「平均残存年限を7年程度」と記述していますが、これは6年〜8年の範囲内という建付けになっていまして、さて中期の買入を拡大した時にこのレンジを下にぶれないでしょうかねえというのはありますが、まあ今回相対的に札がありそうな(2年新発があるから)1-3年ではなくて、3-5年の買入額の方が増えているのは、平均残存年限の逸脱について気にした結果なのでしょうなという所です。

でまあ年限が逸脱するかどうかは入った札を見ながら日銀の方で考えると思うのですけれども、中期の買入で2.1兆円の上振れとなりますと、残りのバッファが2兆円程度になりますので、短国の残高積み上げが厳しいとなるともうちょっと買入の拡大という話にはなるでしょうけれども、平均残存年限の方もどうするのかとか悩ましそうですな。

量を伴うという話なら長期を増やす話でしょうし、量は伴わないけれども平均残存を微修正するという話でしたら超長期の可能性も無くはないかなと思いますけどどうでしょうかね。


・固定金利オペである

金曜の固定金利オペ結果である

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141024.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(10月28日スタート分) 10,031 10,031
(固定金利オペのみ引用)

今回のオペは数字を見ればわかりますように昨年のシグナルオペのなれの果てのロール分になりますけれども、足元の短国市場ヒャッハーなので札入るかヒヤヒヤしましたが、折り返し元が11711億円で今回が10031億円なので1700億円程の減少で、また減りやがったなという所ではあるのですが1兆円台に乗っていると見た目だけは安心しますな(^^)。

なお、木曜に実施された固定オペのロール分ですが、こちらは4000億円の落ちに対して4071億円なのでほぼ同じ水準という事になったのですが、まあ落ちるには落ちていますので、こちらの残高推移というのも気になる所ではありますし、短国マイナスで買えない状態(物はあるのだがマイナス金利というのはそもそもの運用資金がどこかから調達(預金なり投資信託なり年金なり)している投資家からしますと確定利回りマイナスというのは運用者としての忠実義務的に極めて微妙なのでマイナスはどうもねえという話だからオファーがマイナスなのは無いのと同じ)なので担保繰りの問題が起きてくると固定オペロール大丈夫かというのは気になります。

まあそんなのもあるから長期国債買入の方でとりあえず2兆円、いざとなったらもう2兆円程度は調整余地があるので調整してきたという所でしょうが、固定オペについても注目ですよ。なお水曜日に月末エンドのシグナルのなれの果て9730億円のロールがあります。

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2014/10/24

お題「短国入札平均落札利回り初のマイナスで論点を整理(といいつつ悪態ですが)しておきましょう」

短国入札マイナスの結果が出る前に出た宮沢センセイのアレは殺伐とした短期金融市場に一陣の笑い(または嘲笑)を引き起こしたとしか申し上げようがありませんですが、あたくしも宮沢先生を見習って老骨に鞭打って頑張らないといけませんね!!

・・・ってだいぶ間違っていますかそうですか(なおその手の趣味はございませんので誤解無きように)

などというギャグでも頭に挟まないと血圧に悪いのが短国入札ネタ。

○平均が100円の2つ上だと?????

でまあ注目の昨日の3M短国入札ですが、朝からWI取引でマイナス0.5bpとかのビットが入っているからまたこれは碌でも無いアオリイカとか思いつつも不穏な流れでありましたが、前場引けの時点ではベンダーとかのフラッシュでも100円足切りかもみたいなのが出ていてうーむという感じでしたが蓋を開けたらこの有様ですよ。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141023.htm

(1)応募額 52兆1,052億円
(2)募入決定額 5兆2,576億8,000万円
(3)募入最低価格 100円00銭0厘0毛 (募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 4.2781%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘0毛 (募入平均利回り)(-0.0037%)

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)(;゚д゚)(;゚д゚)(;゚д゚)(;゚д゚)

えーっとですね、最初これ見た時に平均100.0001だと思って、ああそうか100円の落札が4兆円あって100.0005(3M短国入札では応札の刻みが0厘5毛)の札が1兆円入ってしまったのかしょーがねーなーと思ったのですが、それこそ(つд⊂)ゴシゴシしてみたら何と平均落札価格が1厘まで来ているってそれだとオーバーパーの札でしかも1つだけ上(按分読めなくて仕方ないので商品在庫確保を優先というのはアリエール)の札が入って平均がオーバーパーになってしまいましたテペヘロというような可愛い(可愛くも無いが)話では無くて、100円超の3つ目とかの所に思いっきり確信犯(という使い方は日本語表現的に誤用なんでしたっけ)で入れてきている札があってその結果がこの有様というのがナンジャソラという所。

いやまあ100円応札で切れるというのはまあ昨日の地合いだと仕方ないのかなあと思いますが、100円超で刻みが2つ3つ上の所で落札するというのはこらまた露骨に日銀オペ狙い過ぎな上に、毎度申し上げておりますように期末でも無く担保玉がそこまで逼迫している訳でも無く為替ベーシス絡みが大してワークしている訳でも無いという状態の中ですから、マージナルな部分での買いはあっても普通の投資家の買いがあるとは思えない状況。

ついでに申し上げれば昨日のTKRRは上昇していましたので、そもそも昨日の短国入札を実施する前の時点でもGCレポによるファンディングニーズはある訳で、9月末のように投資家の様々なニーズがあって在庫が払拭しているという状況ではないと思われるという市場動向(まあ偏在していたのは先週の札割れを見れば判りますが)でして、そんな盛大にマイナスの所まで応札を突っ込んで行く必要があるのかよというか、そのレートで落札とか投資家と売買する気あるのかゴルァ!という所でございますが、何せ日本銀行様におかれましては普通の投資家と違いまして、確定マイナス利回りという素敵な水準でも国債をご購入される訳でして、しかもその方が物凄い勢いでご購入されると来ましたら、そんな太い上客がいるならそっちに売るわグヘヘヘヘってなもんでしょう(白目)。

まあ何ですな、投資家のロジックとしては普通に考えますとお客様からお預かりした資金を運用するのに確定マイナス利回りのモノを購入するというのはお預かりした資金の利回りがマイナス利回りでも無い限りよーできませんなと思いますが、何せ日本銀行様の場合はお預かりした資金を運用とかいうような概念ではありませんので、そらもうマイナス100%でも200%でも良いんでしょうねえその原資って統合政府なんだから最終的には国民負担じゃないのと思いますけどねえ(迫真)。


○しかしここまでのマイナスというのはどう見てもオペのせいですがそれで良いのかという悪態

・・・・・・・とまあそんな訳で、昨日はついに入札段階でもマイナス利回りという素敵な事態になってしまい、宮沢大臣のオモシロ政治資金で広がった一陣の嘲笑を打ち消す殺伐とした流れとなった訳ですが(まあそれよりも「あ〜あ〜あ〜」という感じでしたけど)、マイナス金利が確かに継続しておりましたけれども、今回の入札は従来のマイナス金利状態とはまたステージの違う話で、やはりちょっと問題が深い話だと思うのよ。

つまりですね、ここまでの短国入札って「入札段階では一応プラス金利でスタート」となっていた訳で(先週の3M入札は100円未満の札で一番高い所になる99円99銭9厘5毛で半分の按分という掛かり方をしたのでマズー感はありましたがそれでも一応アンダーパー)、入札のプライマリー段階では投資家が入ることも出来たのですが、今回の場合は入札プライマリーの時点で足切り100円(しかも超極薄按分で満額札入れて3000億円位しか落札できないという状態)で平均がマイナス利回りになっているので、そもそも(マージナルな部分でのニーズ以外の)普通の投資家を入札の段階から排除した状態になっているというのが一段(どころか数段)ステージがおかしくなっている訳ですよ。

いやまあ業者も商売やってるんだからそらまあより太い上客がいて、その日銀という名前の上客がホイホイ高値を買ってくれるというのなら他の投資家なんぞは知らんがなというのも目先の商売という意味ではそらまあそうかも知れませんけれども、ここで国債市場特別参加者制度の趣旨を確認してみたいと思います。

http://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/pd/index.html
国債市場特別参加者制度

『国債の大量発行が今後も続くと見込まれる中、我が国では平成16年10月以降、「国債市場特別参加者制度」を導入しています。これは、欧米主要国において、国債の安定消化促進、国債市場の流動性維持・向上などを図る仕組みとして導入されている、いわゆる「プライマリー・ディーラー制度」を参考としています。』

ふむふむ。

『この制度は、国債入札への積極的な参加など、国債管理政策上重要な責任を果たす一定の入札参加者に対し、国債発行当局が「国債市場特別参加者」として特別な資格を付与することにより、国債の安定的な消化の促進、国債市場の流動性の維持・向上等を図ることを目的としています。制度の概要は以下のとおりです。』

>国債の安定的な消化の促進、国債市場の流動性の維持・向上等を図る
>国債の安定的な消化の促進、国債市場の流動性の維持・向上等を図る
>国債の安定的な消化の促進、国債市場の流動性の維持・向上等を図る

・・・・・・・・・・・・(;∀;)イイハナシダナー

でまあ当然ながらその概要にありますが、『特別参加者の責任』という所にこのような記述があります。

『・流通市場における責任: 国債流通市場に十分な流動性を提供すること。』

・・・・・・・・・・・・(;∀;)イイハナシダナー
・・・・・・・・・・・・(;∀;)イイハナシダナー
・・・・・・・・・・・・(;∀;)イイハナシダナー

ええまあマイナス利回りでも国債流通市場で盛大にニーズがあって飛ぶように投資家に販売が促進されていて、その結果としてGC市場や現先市場でも玉がスッカラカンになっていますよもう大変ですよ、という状況であるのでしたらまあマイナス利回り入札も仕方ないですねという話ではあるのですが、昨日の入札後のスポットスタートのGCとか現先市場の状況(と言っても別にアタクシが全部把握している訳でも無いのであくまでも個人的な印象に基づきますが)とかも参考にすると、マイナス利回りで入札された新発短期国債が流通市場で盛大に流通しているとは思えませんがどうなんでしょうかねえ。

でまあ仮にですよ、仮に一部の方が確信犯(誤用)で日銀オペ狙い応札をした結果、投資家が完全に排除された形の入札&流通市場になってしまっている、というのであれば、上記の「国債の安定的な消化の促進」という文脈で考えれば明らかに国債の安定的な消化の促進に背馳する話でありますので、まあ仮にそのような動きをまさかとは思いますが国債市場特別参加者が行っておられるとなりますと、国債市場特別参加者としての責務を積極的に放棄しに来ておられるという話でもありますので、参加者資格取り上げた方が良いんじゃないですかねえなどと思う次第ですが、もちろん国債市場特別参加者の皆様が目先の銭だけの為に国債の安定的な消化や市場の育成といった本来の役割を忘れるなどという事があるとは全く思っておりませんのであくまでも仮あんど仮あんど仮のお伽噺として申し上げただけでございますので念の為申し添えます(白目)。

しかしまあ何ですな、先日の在り方懇で事務局(つまり財務省理財局)から国債流通市場の流動性維持向上に向けた施策というのが示されていたと思うのですが、財務省が国債流通市場の現状について色々と苦心惨憺されている中でいい根性してますなあとしか思えませんが、一番いい根性してるのは日本銀行金融市場局金融調節課なんですけどね!!!!!!


○なおどうせ「借りる方が利息を貰える」とか微妙なミスリードしてるんだろうなあと思いますが・・・・・・・・

モーサテで日経新聞の記事紹介とかを見ただけの話で申し上げるのも何ですが、どうせマイナス利回りの入札になったから「発行体が利息をもらえる」という文脈で解説してやがると思うのですが、今回の場合はそもそもマイナス金利入札になったのが日銀の馬鹿短国買入が極めて大きな原因(というか日銀がマイナス買わなかったらこんな事になっていない筈)でありますので、実際問題として考えた場合には「国はマイナス金利で短期国債発行」をしているものの、ご丁寧な事に「そこで発行された5.7兆円のうちのうっかりしたら半分以上は日銀がもっとマイナスの金利でご購入」している訳でして、それって統合政府で考えた場合に本当に「国が利息を貰っている状態」と言えるのかという話ではございますし、何ちゅうかまあ(内務省検閲により削除されました)みたいな論点も出てきませんか大丈夫ですかという話。

つまりですな、一口に「マイナス金利」と申しましても色々な背景がある訳で、単純な利子部分の移動で誰が金をもらえる云々という話をするのは、まあ金融にあまりご興味の無い方ならば他の部分は見えにくいと思うのですが、一応経済新聞みたいな所でしたらこの背景部分をもっと整理して頂きたいと思うのですが、実際の記事では説明してるんでしょうかねえ。まあ本チャンの記事見てないからとりあえずはその程度の指摘だけしておきますが。

例えばECBのマイナス金利というのは「超過準備および各種中銀やら決済システムやらの預け金に対してペナルティ金利を課すことによって金利を引き下げよう」という話で、その裏側として「超過準備等にペナルティが掛かるから超過準備積み上げのインセンティブが無くなる(というかペナルティになる)ので、中央銀行の資産拡大政策をするのが技術的に難しくなる(特にリスクフリーに近い資産の購入について)」という話であり、日銀の馬鹿買入によって起きているマイナス金利というのは「中央銀行の資産買入政策の拡大をし過ぎた結果、名目ゼロ金利を突き抜けた高値まで資産買入をしないと政策が維持できなくなっている」という状態ですから、同じマイナスでも違いますよ位の話は天下の日経新聞様ですからご説明しておられるものと存じますがオラシラネ。

つー訳ですから、同じマイナス状態でも時によって背景が違いますので、単純な講釈されても困るんですけどねえとは思いますという雑談でありました。


○しかし副作用とか何も考えないとかそれでも政策当局者かと小一時間

まあそもそも論として日銀様におかれます馬鹿短国買入が元凶の多くを占めている昨今の短期国債市場(というか市場の体を更に成していない)ではございますが、そらまあマネタリーベースを盛大に積み上げることによって2%の物価安定目標を早期に達成するという政策の建付けだから、マネタリーベースの積み上げが大事です、というのは判るんですよ。判るんですけどお前ら政策当局の担当部門なんだからちったあ物事考えろよいつから日銀は只の事務屋になったのかと小一時間問い詰めたいところではあります。

つまりですな、散々申し上げておりますように今回は日銀の買入を過激に進めた結果として遂に短期国債市場において「投資家が排除された状態」になっている(いやまあマイナス金利で盛大に投資家に嵌っているのにアタクシだけ気が付いていないというのでしたら百万回土下座しますけど)訳でして、その状況というのは少なく申し上げても「国債市場の安定化」に反する状態になっている訳で、それは「金融の不均衡」というような「第二の柱」の観点からみて如何なものかという状況に立ち至っているのではないかと思うのですよね。

然るに現在の状況は日銀の機械的な短国買入によって完全に足元を見られてしまった状態になって、その結果短国がプライマリーからマイナスに突っ込むということになった訳で、明らかにこれ第二の柱的な観点も考えたら短国買入のやり方を工夫するなり他の買入に振り替えるなりして金融不均衡の拡大を抑止するように運営面で何とかするのかディレクティブをどうにかするのか知らんけど、このまま放置しておくと金融市場の安定化という文脈でドンドンおかしなことになってくるリスクが高まって来ると思うのですよね。

でまあ執行部隊の金融市場局だって、金融市場で起きている事態について調査してその結果どうなっているかという事を考えたらもう少しオペの工夫をするとか、MB積み上げの具体的な内訳について執行部に何らかの進言をするとか、そういう話になるだろと思うのですが、お前らそこらのコーヒーチェーンのアルバイト店員だってもっと色々と工夫して動いているぞとゆー話で、政策のバランスとか市場への目配りとかそういう物が全く感じられないで、上から降りてきたディレクティブを何の疑いも無く推進するだけの機関なのかよだからお前らは御(以下の部分は内務省検閲によって削除されました)。



○いやあ本日の10時10分が楽しみになって参りましたなあ(棒読み)

とまあそういう訳で、本日は定例の短国買入デーでございますが、まー本日に関しては昨日の新発3Mのうち確信犯(誤用)で投資家無視の突撃をしている人がおいでだったりしますでしょうし、この利回り水準でまともに投資家に売れているとも思えないので(アンダーパーでご売却される奇特な方でもおいでになっていれば別ですが)、まあ入札にいれる玉自体はあるでしょう(偏在しているかどうかは知らん)という所で。

でまあ偏在しているとちょっとたくさんオファーする訳にはいかないでしょうけれども、(投資家に売れていないという事を前提にした場合)まあ玉が全然ないということもないでしょう(先週までの新発は先ほど申し上げたようにプライマリー段階で投資家のポートに沈んでいるのが多いから買入の応札可能玉が偏在した格好になったと思料)とは思いますので、どうせ何も考えていない日銀ですので、普通に3兆とかオファーするんですかよく分かりませんけどねえという所なんでしょうかねえ。

なお、先週の短国買入がご案内の通りで札割れとなっていますので、そういう意味では予定量の買入が出来ていない、という事も勘案すると「先週の分を取り戻す!」とか言って更にオファーしてくるとか普通この入札結果を見てそんなアホウな事はあり得ないと思うのですが、何せ今の短国買入スタンスって普通じゃない(今の日銀ロジック的には普通なのでその乖離が問題なのだ)ので何をしでかすか判らん。

まあ短期国債市場が異常な状況になっている事を鑑みて買入を一旦止めて様子見をしましょうなどと言い出すと前項あたりで(いやまあその前から申し上げてますが)ついた悪態は取り消して平伏するところではありますが、そんなことして12月末の短国買入残高が積めなくなったら大変だ!という方が頭にあるでしょうし、まあ可哀想だからちょっと擁護すると、足元で買入残高をある程度積んでおかないと12月末までの期間が短くなった時に買入金額が増えてより酷いマイナスを買わないといけなくなってもっと足元見られる相場になって四半期末と相俟って大変な事になるリスクとか、下手したらMBを積めなくなる方がより大きな問題、ということでしょうから(本来は60-70兆円というアローワンスがあるのですし、そもそも相手があるのだから「いやあ札割れでしたねえああそれからあまり理不尽なレートでは私ら買わないですからそこんとこヨロシク」で済ませることは可能だと思うのですがそうはいかないのが今の黒田日銀クオリティ)、あまり期待しないで10時10分を待ちたいと思います。

なお、オファー額と応札限度額の関係がどうなるのかというのもこれまた見物かなと思いますが、いずれにせよこちとら玉状況がどうなっているかワカランチ会長ではありますので、その辺は短国買入のオファー内容から落札結果までをじっくり眺めながら推測したいと思います。


ということで、今朝は短国入札札割れネタが続きましたが、何となく一部の悪態が強かったような気がしないでも無い点、ご不快に思われた諸兄にはあくまでも市場の片隅でひっそり棲息する無力参加者の戯言につきこのような仕様だということでご寛恕頂きたく伏してお願い申し上げますm(__)m


まあ結局の所、為替介入のノリで国債等の買入を考えていて、市場機能とかマクロプルーデンスとか全然そういう発想が無い(としか思えない)シャチョーがいるのが大本部分にあるんですけどね!!!!!!!

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2014/10/23

○さて本日は注目の3M入札

ということでしつこくメモだけ置いておくのですが、今日入札の新発WI取引は昨日の時点でゼロ%ビットとかやっていたような気もしますし、日本相互証券さんの短国の引けは連日の前日比金利低下(ただし年末越え銘柄のみ)ということで、もはや流通市場の体を成しておりませんが、その一方で現先とかGCの金利はやや上昇気味とか、要するに連日悪態ついておりますように普通の投資家はマイナス金利購入しないから流通市場が回っていないけれども、どうせ金曜になると日銀がマイナスだろうと何だろうと買ってくるしかも大ロットでしょという期待(というかまあ日銀の足元見た動きというか)で値持ちをしている状態ということで、投資家不在で日銀だけが市場の中で暴れているというオモシロ事態が絶賛生じている訳ですな、うんうん。

ま、今日の入札はこの足元アオリイカ状態の中でプラスの利回りで着地してくれるのかという話が注目されるのですが、期末でもなくモノとしての国債の需要が盛り上がっている訳でも無い足元の状況ですので、日銀以外の投資家という意味では100円になるかならんかで大きく需要が変わってくるので、普通は需要のある所で落ち着くとは思うのですが、入札参加する人が日銀という名前のバキューム投資家様とは売買するけど他の投資家知らんがなという風に盛り上がってくると100円で切れる可能性も微粒子レベルで存在という所ですかねえ、まあそうなったらそうなったで日銀何やってるんだヴォケという話が市場の片隅でくだを巻くレベルからもっと広がってくるので日銀も困ると思いますけどね。

なお、今日はロール額小さいですけれども、明日以降も続く固定金利オペの動向にも注目。

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2014/10/22

○短国ェ・・・・・・ですが注目は明日からですな

まあ昨日も悪態申し上げましたように短国市場自体が市場の体を成していない状態になっておりますので、気配だけ吊り上がるの巻でカレント3Mはマイナス10bpとかやりやがっていますなとかもう何だかねという状態で、日本相互証券さんの引値も徐々にマイナスが深くなってくるという状態で、日銀買入対象ゾーンの銘柄は軒並みマイナス(新発WIだけプラスだが当然1bp割れ)モードで概ねマイナス1bpよりも金利低いという状態になっておりましてこらアカンという状態。

でまあそんな中で明日の3M新発入札があって、明日以降は固定金利オペのロールもありまして、金曜は無慈悲(というか慈悲もへったくれも機械的に実施しているのですから世話は無い)短国買入が予定されておりますという事で、まあこの辺りの動きを見れば年内の状況も読めるでしょという所で。

新発入札に関してはそうは言いましてもマイナスでドカドカ購入するのは日銀だけであって、他の人たちは今の所(期末要因のような利回り関係ねえよ要因が出ると話は別)マイナスで短国をバカスカ買う訳でも無いので、普通に考えるとプライマリーではほぼゼロでしょうけれどもプラスの利回りに収まるとは思うのですが、前回の短国買入が札割れ→日銀が更に慌ててあるだけ買いに走るに違いない→マイナス入札しても札がありまっせ旦那さんと言えば日銀が渾身の買入を打ち込んでくるでしょう→そうなったらマイナス10でも20でも日銀が買ってくれるぜヒャッハーなどと不埒な事を考える方が続出するとガクガクブルブル。

でですな、来週から固定金利オペの足がバカスカやってくるというのがこれまたオソロシスな話でありまして、27日に4000億円、28日に11711億円、31日に9730億円(後の2つはシグナルオペのなれの果て)と落ちが来まして、11月に入っても5日と7日にシグナルの慣れの果ての落ちがこれまた1兆円規模で入って来まして、昨今の状況でオペのロールがちゃんと進むのかというのが懸念されるところです。つまり、そもそも市場金利水準から言って0.10%の3Mというファンディングに意味があるのか言う問題もあり、更に足元の短国市場がこの有様となると投資家の保有する短国が減少している可能性があり、そうなりますと適格担保がそもそも不足気味になるので、そんな中でわざわざ0.10%などという高利の3Mオペを入れる必要があるのかよ(なお適格担保の中にはGCレポなどのファンディングに不向きなものがあるので一定量のニーズは残るとは思います)という話になる恐れもありますなという話。

そして固定金利オペ(現在の残高が9.5兆円)が落ちるとなりますと、その分MB積み上げの「その他」部分が減るので、短国買入残高の要積み上げ額が更に高まって、短国金利は更に下がるわ市場金利が下がって固定金利オペの残高が減るわという素敵なスパイラルになったりすると素敵なあばばばばーという所でございますな。

ということでまあ明日からの動向に注目なのだが、そもそも短国買入もうちょっと工夫できただろと思うのだがここまで市場が壊れると時既にお寿司に見えるし、最大の問題点はこの惨状を全然惨状と思っていなくて政策効果の浸透としか思っていないという日銀のスタンスで、市場機能とかマクロプルーデンスとかそういう話がすっかり吹き飛んでしまっている現状では麿様も草葉のじゃなかった泣いておられるのではなかろうかと存じます次第です。

まあこの惨状は2年で2%達成してQQE政策が終了する直前の一時的現象だと思いますのできっと少しだけ市場の皆さんが我慢すれば良いだけのことなんでしょうけれどもね(超棒読み)!!!

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2014/10/21

○短期市場メモというか何というか

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL3N0SF37L20141020
〔金利マーケットアイ〕金先中心限月が9年1カ月ぶり高値、短国の流動性低下や政治懸念を意識
2014年 10月 20日 17:07 JST

まあ金先の話は正直どうでも良い(とうの昔から取引そのものが建玉残高とか出来高を見たら短国の流動性低下とかいう前から取引が閑散過ぎる)のですが、たぶん金先高値の方はリファレンス金利の影響じゃネーノとは思いますがそれはさておきまして。

『<15:20> 翌日物の加重は前週末並みか、短国はマイナス金利継続無担保コール翌日物の加重平均レートは0.05%後半から0.06%付近と前週末(0.059%)並みの水準が見込まれている。日銀当座預金残高が高水準に保たれているため、金融機関の資金調達圧力は限定的。地銀・信託・証券などが0.056─0.057%、大手行が0.055─0.056%を中心に調達した。ユーロ円3カ月金利先物は東京銀行間取引金利(TIBOR)の低下を受けてしっかり。前週末の日銀買い入れで札割れした国庫短期証券(TB)はマイナス金利継続。新発3カ月物が一時前営業日比0.051%低下のマイナス0.090%、新発6カ月物が一時同0.015%低いマイナス0.050%を付けた。売り注文が少ない中で、少額の出合いを付けた。』(上記URLより)

とまあそういうことで、昨日はカレントの3Mがマイナス9bpだわ6Mがマイナス5bpだわという所ですけれども、金曜の短国買入札割れを受けましてとにかく売る人がいないという状況になっている(まあ元々あまりいませんでしたけど)訳で、現実問題として最終投資家は一部の限界的な部分で「モノ」としての短国が必要な場合(具体的には担保ニーズと、バランスシート要請で国債以外の物をポートに入れられない場合ですかね)除けばマイナス金利で短国を買う人はいないので、そらまあ価格水準がマイナスだったら取引が全然動かないわなという話になりますので、短国市場は入札の瞬間だけしか動かない、というか単に入札で投資家の所に入る分だけ入って後は商品有価証券の在庫として必要(アウトライトでも必要だけど銀行や証券の商品勘定だと債券現先(リテール向けも含む)のニーズがある筈)な分がこれまた沈んでしまい、後はオペ狙いのアレだけが残るという図で、全部が瞬間的に嵌ってしまうので市場とは言い難い状況で、国債流通市場の流動性向上を目指している財務省理財局激おこプンプン丸の図という事ですねわかります。

まーそんな感じで今週は木曜になるまで手も足も出ないのですが(だいたい売る程持っている人もいないでしょう、というかいたらこんな惨状にならん)、良く良く考えてみると日銀が何でマイナス金利で短国買う必要があったのかが良く判らん所で、期末の時間帯に掛かる時期とかでも無ければ実は日銀の短国買入でマイナスを買わなければ日銀オペ狙いでマイナス金利まで持って逝く攻撃も起きなくて単にゼロ近辺に張り付くだけのような気がしますし、大体からしてゼロが買入金利の上限だったら強い所に入れてヒャッハーしようにもそもそもゼロ金利近辺になったら日銀への打ち込みでの収益が限界的なのでそこまでヒャッハーしに逝かなくなるんじゃネーノという気もするんですが、マイナスを買いに行かない方が良かったんじゃないですかねえという気もするが時既にお寿司(まあ別に買入利回り自体は気に食わなければ募入除外することは可能なので運用で除外は出来るけど、一旦始めるとマシンのように継続するのが日銀クオリティなので柔軟対応とか期待するだけ無駄)という感じではありますな、うんうん。

たぶん前回の当座預金30兆円の時に短国買入まで札割れカツカツになったというのがあって、だからこそ買入下限金利を撤廃したと思うのですけれども、当時と比較した場合に超過準備付利金利はありますし、短国の発行量が違うので日銀買入がマイナス買わなければそこまで煽られなかったような気もするのですが、まあ市場がこうなってしまうと最早検証不能なのでよく判らんですな。


なお、金曜に0.5bp出合いヒャッハーとか何かよく判らんプレイになっていた2年カレントですが、2bp出合いとなっておりましてそら0.5bpはやり過ぎだろうよとは思いますが、そもそも2bpという水準もついこの前の短国の水準だし有担保コール取引の金利水準かよといレベルでして、冷静に今のQQE政策の継続期間を考えた場合に足元金利の足し算的にその水準というのは如何なものかという風にも思うのですが、需給なのでいかんともし難く、日銀様によります市場破壊活動は益々順調というのが市場の片隅でおこぼれを頂戴しているいち凡下の感想ではあるのですが、大所高所から物事を考えております日銀様によりますとこれは「金融緩和政策によって一段と実質金利が低下して政策効果が更に高まります(キリッ)」という事になりますので全く問題ないんですね(白目)!!!という所です。

#まあ昨日ネタにした宮尾さんの講演でもありますように、デメリットの話は無視して効果の話をするのが最近の日銀クオリティであって、もはや政策担当当局としての責務を放棄してますからねえ

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2014/10/20

○短国買入やや予想外に札割れで短期市場や債券市場が酷い事になったの巻

しかしまあ金曜は上記のちょっと人間としての神経を疑う人のインタビュー記事があるかと思えば何と言ってもこれですよこれ。

えーっとですね、金曜の朝に駄文で申し上げましたが、木曜の3M短国ってまあ入札は激強でついに100円未満での応札する札の一番高いお値段で按分5割という入札になってしまい、市場推計の不明玉が3兆からあったのですけれども、それはそれとしてもGCレートとかは上昇していたし、そもそも1年と3Mで合計8.2兆円のオペ対象新発が出ているからまあ普通にオペは3.5兆円継続ですかねえとか思っていた訳ですな。

そうしたら短国買入が3兆円でオファー。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141017.htm
国庫短期証券買入 30,000 2014年10月21日
(国債補完供給は引用割愛)

まあ何ですな、水曜に財務省から在り方懇に向けて国債市場の流動性対策ということでプライマリーディーラー対象に国債応札制限の強化(要はPDは市場流動性を供給する責務があるから買い占めとかするんじゃねえヴォケという話)なども含めて色々なネタが打ち込まれましたので、ほうほうそうですか日銀もちったあ気を使って減額してきましたかそうですかなどと思っていたら(実際に若干引け甘の出合が業者間ではあったようだが引け甘と言ってもマイナス利回り)結果が何とビックリの内容。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141017.htm
国庫短期証券買入 26,220 26,220 -0.097 -0.005

・・・・・(;゚д゚)
・・・・・(;゚д゚)
・・・・・(;゚д゚)

先週の短国買入5兆から札があったのに何で今回2.6兆円しかないのやらという話ではあるのですけれども、どうも昨今の入札で盛大に不明玉があって、マイナス金利買えない人たちがプギャーとなる中で日銀短国買入攻撃に向けた在庫が一部の所に非常に偏在しまくっていて、玉はあれども超偏在しているのでGCレートとかは在庫ファイナンスの都合上上昇するのだが、偏在の影響で玉が出てこない(そもそもマイナスの利回りだと普通の最終投資家は買えない)状態になっているが、最終的に日銀がバキューム市場破壊オペをするので値持ちだけはしてしまう、という事になった結果としまして、玉が超偏在しているので、ロットで応札した人がうっかりしたら1名しかいませんでした(なおその時によって1社当たりの応札限度額は異なるのですが、基本的に買入系のオペで1社全部応札可能という形にはしないのが仕様)という事で、結果として札割れになるわ、全取レートが前日比マイナス9.7bpってありますが、これは要するに売買参考統計値単利(が基準利回り)がマイナス0.3bpの銘柄について(応札の呼び値は出来上がりレートなので)入れるような札が碌に無い人がギャグでマイナス0.1%とかで応札したら見事に全取に掛かって入ってしまったという結果になったのでしょうな、としか申し上げようがない状態。

しかしまあこの結果が出たのが5年入札の応札締切前(いつもだと11時40分のオファーバックだけど若干遅れていたような希ガス)でナンジャソラ状態になって、債券市場は後場から上昇の巻となるのでありました。

でまあこれはつまり短国市場において日銀買入に応じるほどの在庫を持っている人が殆どいないというかこの時点で1名しかいないという状態になっていた、という事が示されましたので、持っている人以外誰も売りが無くて結局金利がホイホイと下がって、短国はすかさずマイナス3bpがビットとかになったとか思ったらその後カレントがマイナス5bpだのマイナス7bpだのとなって多分最後はベンダーによるとマイナス9bpとかになっていたと思われます。

というかロイターさんのこちらの記事なんぞをご参照ください。
http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPL3N0SC2IP20141017
〔金利マーケットアイ〕翌日物0.056─0.057%中心、国庫証券利回り大幅低下
2014年 10月 17日 15:29 JST

『<15:25> 翌日物0.056─0.057%中心、国庫証券利回り大幅低下

無担保コール翌日物は0.056─0.057%中心での取引。主な取り手は地銀、信託、証券で、大手行は0.055─0.056で一部調達した。取引金利は前日と大きな変化はないが、週末要因が意識されてたことから調達意欲は若干強めとなった。レポ(現金担保付債券貸借取引)GCT+1レート(平均)は発行要因で上昇。日銀が17日実施した国庫短期証券の買い入れで、応札額が買い入れ予定額に届かず、札割れが生じた。同オペの札割れは、資産買入等基金を通じて買い入れを行っていた2012年5月以来、2年5カ月ぶり。新発3カ月・6カ月国庫短期証券が業者間取引で過去最低利回りとなった。3カ月物(488回)がマイナス0.090%、6カ月物(484回)がマイナス0.050%となった。需給が極端にひっ迫していることを反映したレート推移になった。ユーロ円3カ月金利先物は小動き。』

『<15:15> 国債先物は大幅反発、2年債利回り0.005%と過去最低水準

長期国債先物は大幅反発。前日の海外市場でリスク回避ムードがいったん和らいだが、東京市場では日経平均株価が大幅に軟化したため、日中取引の最高値を更新した。現物債は中期ゾーンの利回り低下が目立った。需給がひっ迫する国庫短期証券の利回りが恒常的にマイナス金利となる中、金利比較から少しでも利回りが乗っている中期ゾーンに銀行勢などの余剰資金が流れ込んだ。2年債利回りは0.005%と過去最低水準に低下した。きょう実施された5年利付国債入札が強く、中期ゾーンの利回り低下に影響した。長いゾーンもしっかり。長期国債先物中心限月12月限の大引けは、前営業日比21銭高の146円45銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は同1.5bp低下の0.470%。』(以上上記URLより)


・・・・・・・ということで、3M新発はマイナス9bpというのも酷い話なのですが、2年新発が0.5bp(桁間違いではない)となっている方もたいがいに酷い話で、短国買入に引っ張られて煽りが入った分はあるにせよ、何ですかその利回りはという所で、短期から2年位までのゾーンの国債市場が無茶苦茶な事になってしまいましたということで。


そういや先月は最初のマイナス金利短国買入があったのではないか(実際は微妙だったが翌日の日経などではマイナス金利と来ましたな)となって、その後期末要因もあって玉が逼迫する中でカレント3銘柄の引けがマイナスの中で玉が極端に無くて、どう見ても玉が偏在していてまともに応札できる人がうっかりすると1名しか居ないのではないかという状況となっていたのが9月12日でしたが、この時に意地になって(かどうか知らんが)無理繰り2500億円の短国買入でマイナス金利の買入をする気満々という入札をしたというのがありました。

まあこの時も足切りは流れて9糸強とかになって、このオペの結果「日銀はマイナス金利でも何でもとにかく買入をします宣言」という風に解釈され(まあそう解釈するわな)すっかり短国のマイナス金利状態が続いた訳ですが、この時は一応期末要因というのもあったからねえとか思っていた訳ですが、ご案内の通り期末要因が残っている中で「応札が3.9兆円しかないのに短国買入のオファーを過去最大の3.5兆円実施する」という市場機能丸無視買入を今月の頭から実施して短国金利のマイナスが全然解消しないままで推移する中で遂に札割れという間抜けプレイに相成った次第で、日銀の短国および国債市場破壊行為ここに極まれりという所でございまして、水曜に国債市場の流動性維持の施策を提案していた財務省理財局も血圧を盛大に上昇させているでしょうと思うのでありまする。


まあしかし何と申しますか、オペ打つ方もヒアリングとかしてる筈で、市場の玉が偏在しているのは把握している筈だと思うのですが、その結果札割れオペを打つとかアホというか間抜けというか無能というかなのですが、大体日銀というのはチョンボがあっても言い逃れが可能な場合はチョンボと言わないで却ってそれを取り繕いに来るというのがヲチャーから見ますと仕様になっております(金融政策決定においても同様、というかそちらの方が著名ですかそうですか)ので、「相手が市場だから札割れもあり得る」とか「マイナス金利での買入をして市場金利が低下するのは金融政策効果の浸透である」とか、まあそんな話が出てきて更に燃料を投下するのが得意技という所かと存じますので益々複雑骨折振りが拡大するんでしょうなあと存じます次第。

いやね、そこまで市場をシッチャカメッチャカにしたとしても、この政策の最終盤の思いっきり最後の所なのでこういう事もあるけれども、政策効果が覿面に出てきてその結果として政策は終了するので、このシッチャカメッチャカは最後の最後の花火みたいなもんだというのであれば、そらまあ一時的にそういう事になったとしても生みの苦しみみたいなもんで我慢しましょという話になると思うのですが、そもそも来年の政策をどう継続するのかというのが話題になるような状況であり、そもそも論として最初に適当に勢いだけで提唱した「2倍」理論が正当であったのかという点が全くもって疑問としか申し上げようが無いという中で、その「2倍」達成の為という極めて合理的根拠のない目標の為にのみ行われている資産馬鹿買入政策しかも出口見えずという状態だというのが金利市場参加者的に絶望した!!となる話でありますが、どこからどう考えてもこの辺の市場機能云々という観点が今の執行部に皆無と思われる所が更に絶望を呼ぶわけですよね。


まあしかし何ですな、9月の時点で「マイナス金利でも何でも買う」し「市場の流動玉が無くても兎に角札が有ればそれは買う」というのを見せてしまって、マイナスで買う日銀短国買入があるから別に最終投資家の買うレベルの金利を叩き売らなくても良いじゃんという認識を広めた上に、「年末の目標積み上げの為に前倒しでどんどん積む」という姿勢を10月の頭から見せるというようなオペの打ち方がもう何ちゅうかよく言えば真正直なのだが対市場という意味では足元を見られるだけな訳で、もっと運営を工夫しないと目標残高積むのにとんでもないマイナス金利を掴まされる結果になるでしょうし、逆に目標行ったらそこで買入フローが落ちるのでしょうから逆の現象が発生して市場に無駄なボラを発生させる(というか既に2年の金利とかにとんでもないボラを発生させているが)事になるということで、何か昨年のQQE導入直後の国債買入を巡るボラ拡大(背景にあるストック効果などが違うから単純に合わせ絵には出来ないけれども)を思い出してしまうような動きではあります。

つーかまあこれで「MB拡大70兆円を国債50兆円その他20兆円」という「その他」の方がどう見てもこれ以上サステイナブルではない(年末は何とかなるとは思うのだが)のが明らかで、そもそも「その他短期オペ」ったって貸出支援にしろ共通担保オペにしろ担保が必要なのですから、短国買入も増やせないでしょうが、担保余力の問題からも短期のオペ残積み上げって物理的に無理が来ていると思われますが、一体全体どうする積りなんでしょうか日銀は・・・・・・と思うのですが、何せこの辺の問題って審議委員の中でも分かっていそうなのが石田さん(銀行の資金証券にいたから恐らく一番理解している筈)と佐藤さん、木内さんくらい(中曽さんは分かっているとは思うのだが執行部なので・・・・・・)でして、ここは一丁石田審議委員の大暴れに期待したいと思いますというかお願いします暴れて下さい(平伏)。

もしMB年間60〜70兆円に意味がある、というのであれば「長期国債60〜70兆円」とかにするしかないのですが、そもそも論としてそのMBに意味があるのかという事も考えて頂きたい所なのですが置物のクビを飛ばさないと置物理論を捨てられないから「MB拡大すると期待インフレ率が上昇して実質金利が低下するから全てハッピー」というハッピーなのは提唱している人の頭の中なのではないかという理論が継続して国債の買入が増えるというオソロシスな話になってしまうんでしょうなあナムナムナム。

#最近の円債サガランチ会長中短期ド堅調にはその思惑成分があるものと想像しますがどうでしょうかねえ

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2014/10/17

○例によって短期関連メモである

・3M入札があばばばばー

あばばばばー
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141016.htm

(3)募入最低価格 99円99銭9厘5毛 (募入最高利回り)(0.0018%)
(4)募入最低価格における案分比率 50.7603%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘6毛 (募入平均利回り)(0.0014%)

ということで足切りが99.9995ということで100円未満の中で一番強い札が足切りの巻となりやがりまして、按分5割ということですから100円未満で一番強い札入れても入れたのの半分しか入らんとか残念な結果になっているのがあばばばばーにも程がある結果で(平均が9厘6毛だから100円の札も入っている訳で)もう何だかねという所ですな。

ちなみに市場推計のいわゆる不明玉が3.4兆円で、前日に財務省理財局怒りの鉄拳が出ていた筈で、応札限度額の導入を検討しようとしているという事が何を意味するのかと考えますと理財局に盛大に喧嘩を売る(ただしいわゆる不明玉が小口分散しているかもしれないので実際の所は当事者しか判らんので念の為)とは良い根性してますなあ(棒読み)と存じますが、まあそもそもの話をすれば日銀(以下毎度の悪態なので割愛されました)。

なおこれまた毎度の如くで新発3Mの引けはマイナス(マイナス0.8bp)ですしオペ対象ゾーンの引けは全般的に強いしという状態になっている一方でGCレポレートや現先レートの方は上昇気味というそらまあ在庫あるんだから当然なのですが、何せ本日またまたどうせ何も考えずに3.5兆円の買入を実施してくると思いますのでそこで在庫が利食いで捌けるぜヒャッハーってなもんですから仕方ないですね!!!orzorz

しかしまあ何ですな、日銀の買入がこの調子ですと常識的に考えれば12月に入った辺りで年末のMB積み上げが完了してしまって以降の短国買入フローがいきなり落ちるという展開は想定される(去年もそんなことしてた)のですが、だからと言ってそこでの需給緩和を狙って一発勝負という訳にも逝かない(他の要因で積み上げが遅れる可能性もあるし)ですから、結局日銀の買入に皆さん煽られざるを得ないの巻という状況はまだ続くということですかそうですかorzorz


・業態別当座預金残高である

毎度のこれ
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/
業態別の日銀当座預金残高(9月)

例によって例のごとく残高を確認しましたが、今回の積み期間は国債償還要因などもあって全体の超過準備は9兆円拡大しておりますな。

でまあその中で一番気になっていた都市銀行の超過準備ですけれども2.5兆円拡大していたので前月減少していて結構ビビった(拡大を明確にしないという事になったのだと超過準備積み上げがマズーなので)訳ですが、つーても7月の平残とあまり変わらない水準で8月落ちた分が戻っただけというのは少々気になる所で、まあ日銀の買入に積極的に参加して国債残高落として超過準備積み上げましょうという感じでは無いんだろうなあという感じはするのでした。

では残りは何処で積み上がっているかと言うと外国銀行が2.8兆円と珍しく盛大に増えているのと、信託銀行が1.3兆円増えていてこちらは割と順調に増えていて、あとはその他当座預金適用先が2兆円拡大となっていまして、まあ結局の所超過準備積み上げに対して都市銀行がこれ以上積極的に対応するという訳でも無いんでしょうなあというのは把握できましたので、益々超過準備積み上げ(=資産買入拡大&MB拡大)をするのには無理(=買入をする国債や短国の利回りの調整)が必要ですなという話になるという残念な事が確認できましたな。

つーことでこれでどうやって来年以降MB拡大を同ペースで実施するのかの手段について具体的な案というのを小一時間問い詰めたいのですが、そういやMBの量からしてどう見ても2%行く筈という直線理論の皆様におかれましても最近はMB拡大ペースをもっと増やせとかいう電波を放流しているようですが、具体的手段について何も言及が無くてMB拡大ペースをもっと増やせとか言ってる向きは世界が憲法9条を守れば戦争が起きません(キリッ)とか1ミリの具体策も無く言ってるのと同レベルのお伽噺にしか聞こえないのですが、まあそもそもそのMBを拡大した定量的な効果についての考察もザルなのが憲法9条も裸足で逃げ出すレベルではあるのですけどね!!!!!!

つーかさ、直線理論の上からしたら元々QQE導入時に中原伸之さんが指摘していたように「このMB拡大は多すぎじゃないか」という位の数値だったのに、実際にやってみたらイマイチ2%に届きそうもない、という時に「足りないならもっと増やせば良いじゃないか」という結論になるのが意味不明でして、その場合は元々の直線理論が間違っているという可能性を考えて、そもそもの処方薬が間違っているのではないか(病状に合わない処方薬じゃ気休め程度にしかならないのに、効きが悪いからと言って更に量を増やしたらそのうち副作用でるじゃん)という反省をしないのかねと不思議で不思議で仕方ないのですけれどもねえ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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2014/10/16

○1年短国入札が相変わらずである件

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141015.htm

(3)募入最低価格 99円99銭8厘 (募入最高利回り)(0.0020%)
(4)募入最低価格における案分比率 22.7237%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘 (募入平均利回り)(0.0010%)

えーっとですね、昨日の1年短国では前場引け辺りにどこぞのベンダーが足切り0.5bp位になりそうですねという観測記事を出していましたが、まあ前場引けに掛けて0.5bpよりはちょっと甘い水準、と言っても1bp割れの水準の気配だった訳ですが、入札の結果は上記のとおりで水準は100円カツカツのレベルになって、思いっきり強い所に札が入って上で切られましたなあという結果になりまして、早速マイナス金利突入して引けはマイナス0.6bpという毎度おなじみの結果となっておりまして、ああそうですね日銀オペですかそうですかという所であります。でまあ上で切られてしまった影響ではないかと思われますけれども、市場推計の落札分布はかなーり偏った結果になっているっぽい(市場推計なので実際は判らんけど)状況で、これは日銀短国買入打ち込み待ったなしで市場に流動玉が出ないわという格好になった訳ですが・・・・・・・・・・・


○財務省理財局怒りの鉄拳(かどうか知らんが)キタコレ!!!!!

でまあそんな入札結果が出て毎度のクオリティにどよーんとする中でこんなヘッドラインが。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS15H0B_V11C14A0MM0000/
国債の大量買い防止 財務省検討、発行の半分までに
2014/10/15 13:12 情報元 日本経済新聞  

『財務省は国債入札に上限制を設ける検討に入った。1回の入札で証券会社や銀行が応募できる金額を発行予定額の2分の1に制限する案が有力で、2015年度にも実施する。一部の金融機関に落札が集中するのを防ぐ。市場での売買を活発にし、価格の透明性を高める狙いもある。』(上記URLより)

・・・・・・・・いやあなるほどこの手があったかと思いっ切り「おー」と思ってしまう攻撃でありまして、財務省理財局マジ有能としか申し上げようがありません。まあ2015年度と言わずに今日の入札から実施して頂きたい所ではありますが(^^)、日銀オペ狙いで市場で流通しないレート水準まで強くなってしまって結果市場がハカイダー状態になっているという事案が期末要因だけならまだしも期末要因剥落しているのに絶賛継続中の短期国債市場に対して財務省理財局怒りの鉄拳キタコレという所で、まあ実に良い注意喚起ということですかよく判りません(^^)。

短国入札もそうですが、流動性供給入札みたいに1回の発行額が小さい時に前場引けよりも思いっ切り上の方で切るプレイとかも時々出ていたりしますし、その辺も勘案しているのではという気もしますが、目先的な一番のメッセージは短国金利のマイナス定着状態であるかと存じますので今日の3M入札に影響するかというとまあそれはしないと思いますけど(^^)。

つーかですね、これって日銀の短国買入の実施方法があまりにも無造作かつ乱暴で、市場機能の維持という面に関しての思慮が足りないですよという理財局のメッセージでもあると思うのは読み過ぎかも知れませんけれども、そもそも論として言えば、発行サイドからしてみたら応札制限なんぞ設けるとそれだけ札が分散するので入札価格が安くなる可能性が出てくるのですが、それよりも大量買いプレイによって市場機能が低下した場合、それが長期化してくると市場参加者の減少などのような弊害が発生し、中長期的に見た場合の国債安定消化に対して弊害であるという認識を持っているから、こういう「応札制限」みたいな話になってくる訳でありまして、目先のMB積み上げと残高をリニアに拡大していくという庭先も庭先で超庭先な事を視野狭窄で考えてアホウのように短国買入をオファー実施しつづける日銀金融市場局との格の違いというのが良く判るというものでありますが、市場局様の所感をお伺いしたい物ではありますなという所でございます。

#なお念の為繰り返しますが直上の段落部分に関してはあたくしの想像ベースの代物ですのででよろしくお願いします

ま、将来的にはまた応札制限戻すというのも有りかもしれませんし、まあそんなに予算年度に拘って実施時期をいじる必要も無いようにも思えます(ただしいきなり黙って変えられると困るので事前告知は必要でしょうが)ので、ある程度機動的に対処した方が良いのかもしれません。極端に言えば日銀がバランスシート縮小とか始めた時には応札限度額を外した方が良さそうに思えますし・・・・・・・・・・


○ということで在り方懇

でまあその在り方懇の資料はこちら。

http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/gov_debt_management/proceedings/index.html

でまあ直近のはこの辺にありますけどね。

http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/gov_debt_management/proceedings/material/d20141015-3-2.pdf
今後の主な検討課題(案)

・国債市場流動性確保の為に応札制限という文句のつけようがない正論キタコレ

『主な検討課題』が色々とありますが、上記の件については

『○ 国債市場の流動性の維持・向上
・流動性供給入札の増額
・10 年債リオープン範囲の拡大
・1 社あたりの応札額の上限設定及び応札義務率引上げ』

という所になっていまして、『報告書等での指摘内容』としては

『○ 日本銀行が市中で大量の国債を買い入れている現状の下、流動性を含めた国債市場の状況の把握・分析を一層強化し、状況の変化に対し柔軟に対応していく必要がある。(報告書)

○ 今後とも、流動性の維持・向上の観点から、海外主要国と比べて銘柄数が多いという日本の国債市場の現状を踏まえ、中長期的にリオープン方式の適用範囲の拡大に取り組む必要がある。(報告書)

○ アメリカは1 社当たりの応札額に制限を設けているが、このような措置も流動性に寄与する。(委員発言)』

となっています。確かに現在の日銀大量買入れ攻撃のせいで色々とエライコッチャになっているのですけれども、暫く前に導入されていたリオープン制度の変更が無かったら中長期国債市場での流動性は更に悲惨な事になっていたに違いないですよねとか思いますと、やはり理財局マジ有能と言う所なのですが、流動性維持の観点からの応札制限という理屈はまあ仰せのとおりで、そもそもいわゆるプライマリーディーラー(国債市場特別参加者)というのは制度の建付けからして「国債流通市場への流動性供給」という責務を課されている訳でありまして、国債入札大量購入して日銀国債(や短国)買入にスルーで打ち込みだぜヒャッハーというのは、まあ節度を持ってやって頂きたく存じます次第で、ヒャッハーのおイタが過ぎて市場流動性皆無となるのであれば何のためのプライマリーディーラー制度ですかという、制度設計の趣旨というそもそも論に帰着する訳ですから、こういう話が出てくるというのは実にぐうの音もでない筋論でもあったりするのですな、うんうん。


・発行年限長期化の件

でまあ債券市場的に気になるのはその上段にある話。

『○ 国債の平均償還年限の長期化

・超長期債(30 年債、40 年債)の増額、中短期債(5年債、2年債、割引短期国債)の減額等による平均償還年限の長期化』

まあ発行年限長期化自体はいつもの話ですし、方向性がそうなのは本来のべき論的にもそうですし、市場もその方向性は理解していると思うのですが、今回は超長期という所に思いっきり「30年40年」と来まして、20年という文言が入っていないのがチャーミング。

『○ (償還年限の)決定に当たっては、国債市場特別参加者会合や国債投資家懇談会の場における市場との対話を通じ、透明性・予見可能性を確保しつつ、市場のニーズを踏まえて行うべきである。したがって、市場参加者の意見を踏まえた柔軟な決定を行う中で、単年度の国債発行計画における年限構成の長期化には必ずしもとらわれず、ストック・ベースでの償還年限の長期化を行っていくことが重要である。(報告書)

○ 今後、償還年限の長期化を行うに当たっては、超長期ゾーンの増発のほか、リーマン・ショック後に増発してきた短期ゾーンの発行の減額又は中・長期ゾーンへの振替など、様々な組合せを工夫しながら進めていく必要がある。(報告書)』

ストックベースの長期化という事を考えると実は中途半端な中期の発行は減らして短期と超長期を増やすと(それをすると短期の借り換えの問題があるのでそれが良いのかはわからんけど)短期が償還した時に機動的に対応できるような気もしますが、この辺に関しては色々と発行当局が考えているんでしょうなとは思いますが、いずれにしても「30年40年」の増発待ったなしというのだけは把握しました。20年の発行も増えているので20増発するよりも30と40だろとはある程度織り込まれていたとは思いますがどうなんでしょうかね。いずれにせよ目先の発行額は同じですけど。


・資料4に味わいがある

http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/gov_debt_management/proceedings/material/d20141015-4.pdf
国債管理政策の当面の課題

今回の在り方懇資料の中では上記URLにある資料4の『国債管理政策の当面の課題』というプレゼン資料に味わいがあります。

でまあプレゼン資料なので一々貼りつけとか出来ませんのでページだけご紹介しますけど・・・・・・・

本文9ページ(PDFファイルの10ページ、以下同様に本文ページと1ページずれています9

・日本国債の平均償還年限
→まあご案内の数値ではありますが、こうやってビジュアルで出されると方向性が良く判るというものです

本文14ページ

・国債及び国庫短期証券(T-Bill)の所有者別内訳の変化(25年3月末→26年3月末)

○国債発行残高は増加+28.7兆円
○日本銀行の保有額は増加+73.2兆円
○銀行等の保有額は減少▲48.4兆円※生損保等の保有額はほぼ横ばい+2.1兆円

→3月末でこれですからねえ・・・・・・・・・・・

本文16ページ

・長期金利の推移(平成25年4月〜)

→途中に日銀の動きを入れているのが実に味わいがあるというものです(^^)


しかしまあ何ですな、統合政府という枠組みで見た場合、発行サイドがせっせと発行年限を長期化している訳ですが、その一方で日銀が国債買入によって長期化して出てきたベースの国債を盛大に短期化している訳でして、実際には(フローはともかく)ストックベースの国債発行平均年限については日銀保有分を控除したものがどうなっているのか(まあ自分でも計算できそうですが)というのも見たい気はしますなという所で(財務省は当然計算しているでしょうけど)。

日銀が買入をしている場合でもリファイナンスの観点では長期化している意味がありますが、統合政府の金利リスクコントロールという意味ではまた別の話になってしまいますので、ここをそもそもどういう観点で考えているのかという辺りも(双方の意味合いがあるし、金融政策で必要な措置についてはそれは日銀があんじょうようやってくれるでしょうから発行サイドだけの都合の話をする訳ではない、という模範解答が帰ってくるんでしょうが)お伺いしたいものだという所です。

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2014/10/15

○短国買入は札が無くなるまで3.5兆円ペースで入りそうですなあ

昨日の短国買入オファー(結果も含めて他のオペは引用割愛します)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141014.htm
国庫短期証券買入 35,000 2014年10月16日

そらまあ6Mと3Mの新発が都合9.2兆円出ているんですから札はあるでしょうとは思いましたが、札はそこそこあったようで。

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141014.htm
国庫短期証券買入 53,258 35,003 -0.005 0.000 1.1

ちなみに短国買入の対象銘柄もベンダーでヘッドライン打たれていたのですが、対象になっているのは年内物が3Mの2銘柄あって残りは年末越えの3M〜1Yとなっていましたので、この前の中間期末対策で入った買いの分の外し玉があるのならありそうで、あとは主に直近入札2銘柄という所ですか(除く2M)そうですかという結果だと思うが勝手な推測なので念のため申し添えます。

しかしまあ何ですな、応札5.3兆円あるのに足切り5糸強まで入るとか、相変わらずおまいら日銀の足元見てるだろという感じではありますし、そもそも5.3兆円もオペに放り込むだけの玉があるんだったら何でオペゾーンの引けがマイナスのまま維持されてますねんと小一時間問い詰めたい所ではあるのですが、何せ明後日になるとまた短国買入がどうせ3.5兆円入る訳でして、超イイカゲンな計算(?)をすれば先週オペゾーンの新発が9.2兆円出て短国買入の札が5.3兆円あったのですから、ざっくり新発のうち4割はポートに沈んで(または商品勘定での債券現先等の必要在庫となって)出てこないと考えますと(なお金利水準が変わると最終投資家の需要が変わるのでいつもそうとは全く限らない)今週の入札は今日の1年2.5兆円と明日の3M5.7兆円があるので、3.5兆円のオファーでも札はあるでしょうかねという所ですかよく判らんけど。

でまあそう考えると少しは在庫負担で水準訂正しないのかねとは思うのですが、カレントゾーンの引けは(2Mも含めて)昨日は結局前日比強くなっているという中々おそロシアな状況になっておりまして、しかも1年短国は発行が相対的に少ないので強い時にはそのまま入札から強くなるというのが仕様でありまして、まあ普通に強くて、問題は明日の3Mがどうなるのよというのと、来週の短国買入も同じペースでやってくるのかねという所ですな。

とりあえず5兆札があるから4兆買入オファーとかハチャメチャな事はやってこなかっただけマシというものですが、先週軽く計算しましたように、9末の短国買入残高(除く償還乗換)が19.8兆円で、若干幅はあるのですが、恐らく短国買入残高が43兆円少々は積んでおく必要がある(余裕を見るならもう少し)訳で、残り23兆円少々は積まないといけないとなりますので、今月から週に3.5兆円の買入を継続すると8週間で26兆円の買入オファーになり、今月前半は年内物が打ち込まれることを勘案すると受渡ベースで11月末までに短国買入でのMB積み上げを概ね終わらせて12月渡しは最終調整という形になるんでしょうかねえ良く判らんけど。

とは言いましても、途中で応札が集まらなくなると短国買入のオファーを減らさないといけなくなるのですが(まあ札割れモードになったら思い切ってマイナス100%とかで応札したら5000億円買入されたら5000億円儲かりまっせ、システム的にそんなレートが応札できるのか知らんけど^^)、3.5兆円ペースで買入継続すれば受渡ベースで11月末まで8週間(約定ベースだと9週間)金曜がありますので、何ぼ何でもここから買入額を更に増やすとはならない・・・・・・と思いたいのだがどうなりますことやら。

なお、超どうでも良いのですが、カレントが出て4割がポートに沈むと計算すると3Mは5.7兆円出ているので、2.2兆円がポートに沈む計算になって、残りの3.5兆円が日銀お買い上げという計算になってしまいますので、そらまあ通常要因以外の買い(為替絡みと期末絡み)が入れば短国金利が何ぼでもマイナスになる罠という話(なお他の年限の話とかあるのであくまでも雑なお話として話半分に読んでちょ)ですし、2.2兆円はマイナス金利をよー買わないにしても残りの3.5兆円はマイナスだろうと平気で購入するんですからそらまあカレントがいつまで経ってもマイナスでしかセカンダリーで出合わんでしょうし、いつまで経っても流通在庫が増えないわなという話ではございますし、どこからどう考えても短国買入の残高を12月末以降同じペース(年間20兆円とかの規模)で積み上げるのは無理以外の何物でもないというのも明白なのですけれども来年のMB拡大どうするんでしょうかねえ・・・・・・・・・・・・(今のオープンエンドという建付け前提にした場合)

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2014/10/14

○2M短国入札も堅調とな

あちゃー
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141010.htm

(3)募入最低価格 99円99銭8厘5毛 (募入最高利回り) (0.0111%)
(4)募入最低価格における案分比率 89.7414%
(5)募入平均価格 99円99銭8厘9毛 (募入平均利回り) (0.0081%)

とまあそういう結果でして、金曜日に申し上げましたように2M短国って慣例的には日銀短国買入の対象銘柄にならない足の長さでして、従いまして短国買入狙いで保有してやるぜヒャッハーという動きは起きないのですが、そうは言いましても先々週の3兆5000億円短国買入攻撃の影響がモロに出ておりまして、短国自体が全然無い状態になっているのが思いっきり影響して足切りが1bpで平均が1bp割れという残念な状態。

この銘柄は12月3日の税揚げ日に足が来る銘柄ですので、償還の時にロールの新発は出ませんですし、年末の運用難とかの問題を考えると償還再投資リスクもあるので(そこに資金ニーズがマッチしていれば無問題だが)本来はかなーりいらない子なのですけれども、短国市場の現状は四の五の言っている場合ではないという誠に遺憾な状況にある訳ですが、とにかく本日もまた短国買入がオファーされて、6Mと3Mの流通在庫が全部持って逝かれてしまい、出てこない最終投資家の所に入った物だけが市中残高になるという日銀の短国買入という名前の市場破壊活動はまだまだ続くのでありましたorz

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2014/10/10

○3M短国ェ・・・・・・・・・・・・・・・

最早何も申すまい。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141009.htm

(3)募入最低価格 99円99銭8厘5毛 (募入最高利回り) (0.0056%)
(4)募入最低価格における案分比率 29.2981%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘2毛 (募入平均利回り)(0.0030%)

3ベーシスじゃなくて0.3ベーシスですからね!!3カ月物のこの商品1億円を平均価格買って入ってくる償還差益が800円ですからね!!!!!

でまあお約束のようにセカンダリーではマイナス利回りに突入してBB引けはマイナス0.5bpとかになっておりまして、前週の3M新発の483回はマイナスがドンドン深くなるとか、もうアホか馬鹿かという相場になっておりまして、期初早々3.9兆円しか札が無いのに史上最高の3.5兆円の短国買入を実施するという「薙ぎ払え!」状態のオペを打ち込んだ結果期初からこの有様という事で、まあ何ちゅうかもう少しやりようは無いのかとも思いますし、短国金利が恒常的にマイナスに突っ込んで来た場合の弊害という点では「実体経済における名目ゼロ金利制約とのコンフリクト」という話については金融市場やインターバンク市場だけ見ていても中々実感できない話ではあるので、実はその辺の弊害について軽く見ているのではないかという可能性がやや存在するのがオソロシスではありまする。

まあ以前もリーマンショック後にGCレートが高止まりしてその結果オープン金利が上がってCPの金利が爆騰して社債のスプレッドが爆騰するという事態があった時は(過去ログ見て頂ければ分かりますけど)オープン金利の上昇を放置しておくと碌な事にならないって散々悪態を申し上げたのですけれども、結局弊害がとんでもなくなって企業の資金調達部門のコスト上昇が看過できない所に来るまで日銀ってまともな対策を実施しなかった(CP現先オペの強化が効いた事になっているペーパーを後日出していたがあれは全然効いていない)という事案があったので、要は金融市場というかインターバンク市場辺りで閉じている部分で起きる事象については良く判っているものの、実体経済と繋がる部分についての理解がどうも不足していて、大問題になるまで気が付かないという日銀の仕様が治っていないんだろうなあとは思うのであります。

#結局今日も悪態ですかそうですか

なお本日の2M新発は日銀買入対象外になる筈なのでマイナス金利に突っ込んで買い上げをしても期末残高積み要因も無い中でマイナス金利をバカスカ買う投資家はいません(筈です)ので、その点からマイナスヒャッハーとはならないとは思いますが、そうは言いましても発行が2.5兆円しかないですし、相変わらずの金利水準で買うに買えない人もいるでしょうしと考えるとまあ普通に強いんでしょとしか申し上げようがない所が残念無念ですし、火曜日(昨日は月曜とか書いてしまいましたが月曜は休みでしたな)の短国買入で市場の流通玉が無くなるので日銀買入以外の担保だの現先だのその他諸々のニーズは高いでしょうなあ(12/3償還だから本来はあまりいらない子なのだが)。

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2014/10/09

○6M短国入札ェ・・・・・・・・・・

やはりこうなったか・・・・・・・
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141008.htm

(3)募入最低価格 99円99銭8厘 (募入最高利回り)(0.0040%)
(4)募入最低価格における案分比率 6.5583%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘 (募入平均利回り)(0.0020%)

0.2bpの平均とかもうねという所でございますが、その後お約束のようにBB引けはマイナス0.1bpですが売参の平均単利は0.0bpとなっていますな、うんうん。

それとまあ毎日ベンダーのヘッドラインになっていますが、先週入札があった後に3.5兆円買入攻撃が入った先週の新発3Mの483回はマイナス2bpの引けになっていて(途中の出合いだともうちょっと低い金利もあったようなヘッドラインでしたな)売参の平均単利はマイナス1.9bpとかもうヒャッハーにも程がある状態。

ということで、今日と明日も短国入札ありますけどという話よりも、そもそも玉が無い所に来てどうせ在庫は全部日銀が月曜に買うので強い状態で無問題という日銀オペの作り上げる官製マイナス金利民業圧迫相場が継続という誠にアレな状態。まあ9月の時点ではまあそうは言っても期初になったら期末要因分が剥落するから若干なりとも常識的な金利になるでしょうという認識だったのですが、日銀が期末要因剥落分を全部取り戻しに来るような買入をしてますので、何か短期市場の破壊状態が深刻な感じになって来るという事になるのですが、日銀が自ら庭先を盛大に火の海にするという無慈悲砲撃をしているので処置なしという所ですな、ナムナム。

なお市場推計の不明玉が2.9兆円くらいということで発行予定額が3.5兆円なのでお察しという話ですが、いやだからそうやって積み上げるMBに意味があってこの状況が一時的に終わって直ぐに出口になるなら暫く火達磨になっても耐えるのでしょうが、そういう展望が無いどころかこのまま放置すると来年にもっと短国買入が増えて3月の本決算に突入するとかアホジャネーカというか何か弊害が発生した時には日銀の責任だから精々首を洗って待っていればという所ではございます。

でまあ今日は3Mの入札があって、6Mよりも発行額がだいぶ多いのですが、まあどういう事になるのかは頭を抱えながら拝見という所でございます。

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2014/10/08

○なお本日は6MTB入札

・・・・・・・・・どういう入札になるんでしょうかねえというか、その後のセカンダリーとかどうなるんでしょうかねえって見るまでも無い気がしますがね。売り向かう人とかいないでしょ。1bp割れとかの水準でどれだけ投資家の需要が積み上がるのかも知らんけど、本邦最大の実需筋の日銀様がおいででございますからねえ。

ただまあ唯一の可能性があるとすれば、今週は今日からはじまり6、3、2か月と短国入札が3連発となっていて、短国入札にさすがに短国買入はぶつけてこないと思われるので、今日の6か月とか買うと受渡日が10日で、次に入る短国買入が週明けの14日オファーで16日渡しになりますから、買った後に6日間キャリーしないといけなくて、その間に3と2の新発が投下されますからGCや現先が玉無芳一マイナス推移で続く訳にも逝かないでしょと思われ、その間のファンディングコスト勘案してどこまで行けるのかとかそういう冷静な話になる・・・・・かどうかは知らん。

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2014/10/07

○ところで短国買入残高と今後の買入に関して

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

例によって例のごとくこちらからエクセルに落としてきますと、9月末時点での短国買入残高が39.5兆円あるのですが、うち償還スケジュール的には今月の償還が8.4兆円、来月が7.1兆円、12月が4.2兆円となっていて、年末越えの残高が19.8兆円となっています。

でまあ残高維持だけという意味では今月は8.4兆円の買入をすれば良いので、先週の3.5兆円買入オファーって何ですねんという話になる(しかもどう見ても年内物の買いが入っている訳ですから)のですけれども、末残稼ぎも含めていきなり期初からエンジン掛けていましたねという話になります。

しかしまあ何ですな、8月末の買入残高って42.2兆円ありまして、実は9月って8月対比でストックベースの買入残高が2.7兆円程度減少しているのですが、期末要因が入っていると短国のレートがマイナス攻撃となる訳で、ストックベースという意味で言えば(先週木曜の入札以降の動きを見ればお察しの通りですが)実は期末要因含めで考えると40兆円の買入残高であっても既に市場のキャパオーバーとなってしまってますねという事だったんでしょうな。

でもって年末の買入残高が幾らくらいになるのという点については他の要因もあるので幅がでるという話ではあるのですが、今回は2013年末からの増分という観点で比較するとこんな感じですかねえというのでも。

MB拡大は70兆円で、国債がうち50兆円という前提で計算しまして、それ以外の買入については幾分か増分しますけれどもめんどいので誤差扱いして20兆円の増加としますと、それに対して9月20日の営業毎旬報告ベースで見た場合には2013年末対比での数値が以下のようになります。

固定金利オペ:▲8.5兆円
貸出支援オペ:+11.8兆円

でまあ固定金利オペはどうも現状の残高である10兆円ちょっと切ったレベルで底溜まりの需要に到達したっぽいような感じ(とは言っても今月のロール状況次第ですけど)ですので、あとは12月に実施される予定の貸出支援オペがどの位伸びるのかという所に掛ってるのですが、今のままだと短国の買入残高を2013年末対比17兆円程度増やさないといけませんなという結果になります。

でもって短国買入残高ですけれども、こちらが24.2兆円(なお営業毎旬の数字は償還乗換による短国引受分が乗っているのでご注意)なので、年末時点での残高は24.2兆円に17兆円を足すと41.2兆円となりますが、当然ながらこれは銀行券と財政が全部ツーペーで計算しています(なお償還乗換は年度ベースでは昨年度が11.7兆円で今年度が11.1兆円なので大体ツーペーなのですが期ずれの問題があるのでよく判らん)ので、その辺のブレ部分がありますし、固定金利オペが落ちた場合にはその分の買入も必要になりますので、まあ余裕を見て考えた場合にはやはり43〜44兆円程度の買入残高は持っておくという事になるんでしょうな、うんうん。

・・・・・・・とまあそんな感じで考えますと、9月末の買入残高から見た場合には12月末までに25兆円近くの短国買入を積み上げる必要がある訳でして、どこからどう見ても今の買い方だと2か月そこそこで末残を固めに来そうですので、2.5で割ったとしても月に10兆円の買入を積み上げると考えると、それを4週間で割ると2.5兆円になりますので、そらまあ盛大に買いを入れたくなります罠という話になる次第。

まあそれもあるのですが、MB積み上げで短国買入の残高が12月末に43兆円程度になると考えますと、ストックベースで見た場合には9月末の40兆円割れの時点で短国マイナスヒャッハーで現先レポの玉は全くありません運用できませんぞなもしという状態になっている訳でして、これが43兆だの44兆だのになったらどうなるのかという事は想像すると精神衛生上大変に宜しくないので想像しないことにします。

つーかまあ12月末は本決算じゃないからまだマシの香りもするのですが、来年3月末にMBの拡大ペースがそのままヨコで継続された日には短期市場壊滅というかどこかで何か盛大に弊害が発生しそうなのでやはり今の政策フレームに関しては何とかして頂かないと、単なるMB帳尻の部分で弊害発生とか本末転倒(いやまあ長期国債の方でも弊害は起きていますけれども短期ほど深刻ではないですし、大体からして長期国債の方は最初からその積りで実施している訳なのでその点は覚悟の上でしょうが、何で帳尻の所でこういう話になるんだかという所ですよ)だと思うのですけど、まあ「金利低下は政策効果」とか平然と言い出しそうで恐ろしいものを感じますなあという話でした。

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2014/10/06

○短国買入3兆5000億円とかもうね

ということで金曜のオペですけどね。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141003.htm
国庫短期証券買入 35,000 2014年10月7日
(他のオペもあったけど短国買入だけ引用しますよ)

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

ということで前日の3M短国入札が引けでマイナス0.7bp(というのはBB引けで途中の出合いベースだともう少し突っ込んだ場面もあった筈)というレートがついているのに何と過去最大額の買入オファーを投下の巻。

でまあこんな買入打ち込むもんだからスポネのGCや現先はまたまた物無状態になってしまって多分マイナスとかに突入するわ、どっかのベンダーで出ていたと思うのだが新発3Mはマイナスレートが更に突っ込んでしまうの巻となって、期初から何ちゅうことをしてくれはるんや日銀はん状態。

でまあ落札結果を見たら更に腰が砕ける訳でして・・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141003.htm
国庫短期証券買入 39,389 35,002 -0.009 -0.003 3.9
(他のオペ結果は割愛)

・・・・・(;゚д゚)

と再度呆れ果ててしまう結果でして、えーっと3兆9000億円しか札が無いのに買入を過去最大の3兆5000億円で打つとなりますと、それはもうオペでも何でも無く、単に「オペ先にある玉を全部購入します宣言」以外の何物でも無いと思うのですけれども大丈夫ですかそんなことしててという世界。

当然ながら短い所の気配は全部強くなる(というか板が無くなるというか)訳でございまして、新発3MのBB引けはマイナス1.2bpとか異次元にも程がある状態になってしまいましたし、他もまあ軒並み金利が低下するわ、期末要因剥落だかで一瞬利回りが上昇しかけた短い所の利付も盛大に気配を強くしてこれはどこの期末ですかというような引けが強くなるとか、期末要因剥落ネタは金曜前場の2時間で終了しましたという風情に落涙を禁じ得ません。

まあ何ですな、今回の短国買入ですけれども、買入の桁が1つ違っているん(当然少ない方ですよ)だったら「ああ札の無い中兎に角買入オペはしたいんだなあ」というので苦笑と共にお迎えという感じなのですが、過去最大額になる買入オファーをするのに実際の応札がそのオファー額ほぼカツカツとなっているとか、市場との対話とか市場機能とかのお題目が聞いて呆れる話でありますが、そもそも論を言えばMB積み上げのフィージビリティー的に回らないオペをやれと言われる中でなりふり構わず下品なオペ(というか需給動向を確認してその需給いっぱいまで買入を入れるってそれはもうオペでも何でも無いが)を実施せざるを得なくなっているのは、そもそもの政策決定会合におけるディレクティブの設定がおかしいという話ではあるのですが、それにしても何というかもう少しやりようは無いのかねとは思う次第。

つまりですね、期初からこの打ち方をしていると、もう「年末のMB目標達成の目処が付くまでは全力で買入を行って、その後はその後のディレクティブ次第ですが残高行った所で梯子を外します」と宣言している状態な訳で、そうなりますとオペに札を入れる側としては「余っている分は全部日銀がお買い上げして下さるしかもマイナス金利でも何でも(ただし目標達成するまで)」という話になりますので、そらあ安心して入札ゴリゴリ突っ込んでも大丈夫だわなとなる訳で、こういう状態を一般的に「足元を見られる」と申すものだと思います。

でまあ更にそもそも論を致しますと、確かに紙の方で270兆円というMBの数字が出ているのですけれども、実際にディレクティブで決まっているのは「年間60兆〜70兆円のペースでMBを積み上げる」というのと「国債、CP、社債、ETF、J−REITの残高増加額」でありまして、「その他」の部分に関しては「年間60兆円から70兆円に相当するMBの積み上げ」の調整項目なのですから、オペレーション上弊害があるのであれば別に年間70兆円である必要は無くて65兆円でも60兆円でも良い筈なのですが、もう明らかに年末の270兆円の紙に合わせて無理してでも買うというようなのを露骨に見せてしまって、マイナス金利をドンドン購入するわある玉全部買うわという態度だと、今申し上げているように「足元を見られる」状態になって市場の価格形成もへったくれもない状態になりますぞなという話で、「いや別に70兆必達じゃないですよ60兆円から70兆円の間ならディクティブ通りですよねえ」というような感じで市場に緊張感与えておいた方が却って足元見られるような価格形成にならなくて、結果買入がスムーズに行くかも知れないのにねえ(まあ残高効果がデカイからどこまで効くかは知らんが)とは思うのであります。

つーかそもそも輪番にしろそうでしたが、MB目標のコンポーネントの数字に関してはそれなりに幅を持って見ましょうみたいな話をQQEの当初はしていたと記憶していましたが、もう完全にMB目標の数値をリジットに着地させることだけが念頭にあるかのような視野狭窄オペレーション状態になるとかどうしてこうなったんでしょうという所ではございますな、うんうん。

しかしまあ何ですな、金曜の買入3.5兆ですけれども、新発3Mの入札時の状況から勝手に妄想をすると、前の月に全然買えなくて悶絶していた最終投資家の買いもそこそこあった筈で、その玉はポートに沈んで償還まで基本出てこない類の物なので、この買入の中には期末の残高調整で買いが入っていた年内物の3M既発とかも入っているような気がする(全部新発なら恐れ入りましたという感じですが)次第で、それって何も頑張って買わなくても良いんじゃネーノという風に思う次第で、どうせ「MB目標達成のためある物全部買います攻撃」をこれだけ露骨にやっているんだったら、露骨ついでに年末のMB目標に跳ねない分は買入対象から外せばちったあ短国需給も改善するし、ファンディングコストが変われば短国買入狙いでヒャッハーの動きも緩和されませんかねえとか思ったりもしますが、そうすると今度は短国のイールドカーブが凄まじく歪になりそうですね。

・・・・・・・・・まあ結論としては戦術での工夫の余地はありそうなのだが、そもそも論として政策委員会が決めたディレクティブにフィージビリティの考慮が無いというか、細々色々な物を決め過ぎているので柔軟性に欠ける状態になっていてフィージブルじゃない部分の皺寄せが思いっきり出ているという話になっていると思うのですよね。

でまあそんな質問を総裁会見でしても暖簾に腕押し糠に釘だからまあ質問しないというお気持ちも判らんでは無いですけれども、やはりそういう質問に対して「こう言った」というのが記録に残るということも重要ではありますので、そういう観点からも明日の定例会見でのツッコミをお願い申し上げたい所ではあります。というか最近のECBの会見とか(FEDもそうですが)見ておりますと彼我の質疑応答のレベルの差が見ていて情けなくなる場面というのが散見される訳でございまして、もうちょっと何とかならんのかという所ではありまする。

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2014/10/03

○短国入札でオッペケペーなどの短期メモ

・短国入札がオッペケペー

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20141002.htm

(3)募入最低価格 99円99銭4厘5毛 (募入最高利回り)(0.0202%)
(4)募入最低価格における案分比率 78.8623%
(5)募入平均価格 99円99銭5厘5毛 (募入平均利回り)(0.0165%)

という結果だけ見るとはあそうですかという所なのですが、前場から何か知らんけど妙に気配が甘くなっていて、ベンダーとかにも出ていたりしてました(最近は短国ネタもベンダーフラッシュが出るようになって実に微笑ましいことです)のですが、前場途中には何故か2bp台半ば近辺の気配までやりやがっていたのですが、そんなに甘くしたら実需の最終投資家がワラワラと買いに来る訳で入札締めの前場引けに掛けてWIがバカスカ出合いながら気配が戻るの巻。

で結果は上記のとおりでやや強め(前場引け対比)となった上に例によって市場推計的に空振りになった方とドカンと落札した一部の方という落札分布になりまして、空振り筋のショートカバーなのかドカンと落札した人が更にヒャッハーと頑張ったのかは知りませんけれども、その後あっと言う間にマイナスに突っ込んでしまい、日本相互証券の引値はマイナス0.7bpとかもう何だかねという水準になってしまいまして、期初の需給緩和はわずか2時間で終了してまたまた金利マイナスの世界になってしましました、ナムナムナム。

・・・・・・・・・つーかですな、これそもそも前場の時点で調子に乗って調整し過ぎでして、そもそも先月はマイナス金利ついてからの短国入札が悉く短国を資金運用として購入する人たち的に見てよー買えませんわなという水準が続いていた訳ですから、その向きからしたらほぼ1か月まともに買わせてくれない状態になっていまして、短国の主力部分って3か月ものなのですから、3か月物を1か月まともに買えない状態になっていたら潜在的な買い圧力がそら相当のモノになる訳で、前回の期初(4月)に需給が緩んだから今回も同じ水準まで緩むとか思って調子に乗って叩くとか、前回の期初の場合は最後の方だけのマイナスヒャッハーだったのと今回の状況を比較すれば、潜在需要がどの位違うかとか気が付くだろ常識的に考えてと思うので、まあバカスカ叩いてショートカバーとかまさかそのような少々おつむが足りないのではないかというような動きは無いとは思うのですが、結局相場が無駄に荒れるだけの結果となりましたという所ですな。

この短国ヒャッハーの動きが影響してちょっと甘くなりかけた短国の気配や、利付国債の超短い所などの気配が軒並み強くなってしまい、期初からこれかよという実に残念な展開になってしまいましたなあという所でございます。

でまあ本日は短国買入の日でして、短国市場が上記のような状態になっておりますので、ここで盛大に毎度おなじみの「オペ先が持っているだけ買う」攻撃をかましますと、期初からマイナス金利状態を盛大に日銀が後押しするという市場破壊活動の推進になるのですが、どこからどう考えても最早日銀は市場が壊れてもMB積み上げ命状態というセントラルバンキング放棄してMB積み上げの事務屋と化しておりますので、本日もせっせと買入を実施して次の供給が行われる来週の入札まで大旱魃モードでここはどこのアラル海ですかという状態が続くものと思料されます。まあ後はオペに入らないような短い所とかで外す人がいるかどうかとかその程度しか需給が変化する要素がなさそうですなあ。


・固定金利オペは増額ロールとな

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of141002.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 8,000 2014年10月6日 2015年1月5日

年末越えオファーヒャッハー!

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba141002.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(10月6日スタート分) 3,300 3,300

今回の折り返し元は2670億円の固定オペでしたので、今回は増額ロールとなりまして、とりあえず固定金利オペって10兆円ちょっと切る位の所が根っこの需要がある部分なのかなという感じもしますが、今月は何せ3.5兆円位(これも含めて)足があるので、どの程度ロールされるのかは注目したいと思います。特に28日、31日の足が昔のシグナルのなれの果てで、両方で約2.1兆円ありますので、勝負は月末という所ですね!!!!


・今月の資金需給

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1410.htm/
日銀当座預金増減要因(2014年10月見込み)

上記URL先にありますように今月は12.1兆円の資金不足見込み。うち6.41兆円分は長期国債買入で(月末跨ぎ買入の足ずれ分はツーペーで計算)賄うので残りが5.7兆円程度の短期オペでの資金供給が必要になります。

でもって今申し上げましたように固定金利オペが3.5兆円の足があって、このロールがどう入るかが月末週にならないとワカランというのが微妙なのですが、これをツーペーとして計算すると短国買入を最低でも月に1.5兆円は打たないと間尺に合わないという話ではございます。

でもって年末のMB積み上げを早めに目処付けたいという意識は当然ながらあると思いますので、そうなりますともっと早めに積んでくると想定される次第なので、まあ普通に今月は週に2兆円とかオファーしてきそうですし、早速マイナス金利ヒャッハーとかやっているので日銀的には「俺も買う俺も買う」状態で買入可能玉がある時に買入を実施したいという話になるでしょうから今日は普通にどどーんと買入打ってくるんでしょうなあというのはまあそういう計数的な問題も背景にある訳よ。


・短国買入残高

長期国債買入残高も出ているのですがその前に短国ネタである。

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

例によってここからZIPでエクセルに落とすのですが、9月の買入銘柄はまあ当たり前のように9月のマイナス金利状態の買入がヒャッハーヒャッハーと打ち込まれておりまして、見ていると落涙を禁じ得ませんが、年末越えの買入残高をあと幾ら積むのでしょうとか計算すると味わいがあるのですが、一応計算したのだが計算したのを検算したらちょっと自分的に整合性の取れないイメージが出来上がったので、再計算してからまたネタにします。

なお、買入残高の増分はまあ概ねお察しの通りという結果です。

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2014/10/02

○さて3M短国入札

本日は期初一発目の3M短国入札(10年国債入札と言わない所があたくしのクオリティ)でございますが、結局期初になっても短期市場の国債のモノが足りない状態が絶賛継続中のようでありまして、TKRRは前日比低下するわ、短い所の利付国債の引値は軒並み強くなるわ、現先やGCレポは絶賛玉無芳一だわとなっておりまして、期初になって期末の調整玉分の売りで需給が緩むどころか、どマイナス金利で買うに買えずに卒倒していた人たちが金利がちょっとだけ付いた所で目を覚まして買いに回って需給が全然緩まんという実にこうあばばばばーな展開。

とは言いましても、期末需要分だけは確実に落ちている(短期オンリーの投資家なら兎も角、そうじゃない人の場合期末需要分はあくまでも最終調整玉なので今から手当てをする事は無いでしょ)ので、まあさすがにゼロだのマイナスだのという話にはならんでしょという程度の話。

何せ今申し上げたようにレポレートの方がアガランチ会長(どころか下がっている)という状況になっております関係上、強い所で短国ホールドしてもファンディングコスト的に何とかなるという状況ですし、需給が仮に緩むようなものなら日銀クラウディングアウト部隊が高性能掃除機の如く民業圧迫買入で需給を締めてしまいますので、今日の入札と明日の短国買入がどう出るのかというのが注目されるにはされますな。つーて結局需給が締まって金利が低いという状況は変わらないでしょうけれどもね(吐血)。

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2014/10/01

○末初メモとか

うむ。
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート

一応T+0の翌日物で0.8bp、T+1の翌日物で1.8bpという数字になっているのですが、そうは言いましても相変わらず現先とかレポとか物無芳一状態が継続しているようですので、カレンダーベースで期末要因が剥落する本日以降の動きも見たい所ではあるのですが、まあ月曜の時点で短い所の気配は甘くなったようですがレポとか現先のレートを見るとそんなに派手派手に玉が出た訳ではなさそうですな、うんうん。

ただまあ何ですな、期末要因剥落で残高調整の為にニーズのあった短期国債については基本的に年内償還物(の筈)でして、その辺の銘柄って今回の期末モノ無し騒動で買えなかった最終投資家的にはアウトライト的にそんなにニーズが無い筈で、次の12月末残高とかその次の3月決算時期での状況を懸念とかそういう話になると思われますので、そっちにはニーズがあるけれども残存1か月とかその辺の銘柄に関してはレートが相応に調整しないとニーズ無いでしょうなあとか考えますと、3M以降はニーズが強くて手前のニーズ少ないとかの構造から短期逆イールドの巻(うっかりしたらレポGCが一番高いとか)が当面定着しそうですなと勝手に妄想。

まあこれこそが日銀買入の「ストック効果」だと思うのですけれども、資産買入の効果に関してはFEDなんかでもフロー効果とストック効果の話を自由自在にその場で都合の良いテキトーな話をしている節がありますが、おそらく有意にストック効果が出ていると思われる日本の債券とか短国の市場をネタにして分析レポート誰か出しませんか(お前が出せというツッコミは却下)と思います。


ちなみに短期方面ではコールとかその辺まで含めて余資が全部潰せるのかというような問題もこれまたあばばばばー(マイナス金利では潰せない人がいるので)ではありまして、これに関しても日銀の資産買入が拡大して超過準備が拡大した場合に、バランスシート制約が発生してコールの調達ニーズが皆無になるというのが懸念される話になる次第で、昔の量的緩和の時と違って付利金利がある分だけ状況はマシ(というか無かったらこんなに買入できない)なのですが、物理的なバランスシート制約に引っかかるとかになった場合にこのままで3月末大丈夫かという話はありますので、まー結局の所無茶なMB拡大を何とか着地してくれないと弊害の方がでかいわという話ではありますけどね。

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