相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2015年07月〜2015年09月)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

2015/09/30「末初レポレートは低いには低いがまあ無難な線で」
2015/09/28「やらなくても良いのに短国買入6000億円に対して不自然な13000億円ぴったりの応札とか」
2015/09/25「3M短国入札更に金利低下して平均▲3.48bp」
2015/09/24「短国買入は応札制限をオファーの半額にして1兆買入/新日銀ネット来月から稼働」
2015/09/18「3M短国入札金利が急低下して平均▲2bp足切も▲1bp」
2015/09/17「業態別当座預金残高/貸出支援関連はあまり伸びず」
2015/09/16「結局政策は現状維持で中期がボコボコになるとか追加緩和意識してたんかい」
2015/09/15「短国買入残高を見ると前々回の短国買入は珍しく札が分散していたようで/PD懇議事要旨から物価連動国債に関して」
2015/09/14「短国買入1.5兆円も入れて折角の短国100円が水の泡/中短期中心に追加緩和期待で一段強い」
2015/09/11「3M入札は100円足切も売参も100円/5年入札が激強でヒャッハー」
2015/09/10「3M入札は100円厚くなりませんかね/イマイチ意味がわからん債券市場サーベイの結果」
2015/09/09「6M短国はまたまたマイナス足切」
2015/09/07「短国買入は中途半端な減額」
2015/09/04「計算したら9月短国買入ゼロでも回るんですな(汗)/3M短国入札の足切が100円に戻る」
2015/09/03「短国買入が完全に1年新発だけの買入になっている/9月短国買入は4兆円程度の見込み(翌日訂正しました)」
2015/09/02「10年入札で切り返し/企業関連統計強いけど中国株のせいで株下げとな」
2015/09/01「中期輪番1-3増額3-5減額/SLFを短国に拡大だが内容が中途半端な気がする」
2015/08/31「短国買入は2500刻みではなく謎の8000億円オファー」
2015/08/28「月末のGC市場混乱は今月の発生は無し/3Mはまたマイナス(もう飽きた)」
2015/08/27「海外リスクオフも円債は小幅金利上昇とな」
2015/08/26「米中当局の対応が泡吹きで株式市場が一大乱高下」
2015/08/25「6M新発短国が発行3.5兆中3.2兆円を2回の短国買入で日銀が購入とかもう馬鹿かと」
2015/08/24「米国株式市場は連日のおはぎゃー/短国買入は超露骨な日銀トレード」
2015/08/21「3M短国またまたマイナス足切(6週連続)」
2015/08/19「1年短国は毎度の別世界で国債も強い/そんな時に国債市場の流動性指標の公表がでる日銀の間の悪さ」
2015/08/18「7月積み期間の当座預金残高にはあまり特徴ないが都銀残高減少」
2015/08/17「短国買入は6Mや1Y(の前月債)が入っているのか」
2015/08/14「3M入札はまたまたマイナス足切」
2015/08/13「7/31の短国買入は殆どが6Mカレントといういつもの攻撃」
2015/08/12「月曜の短国買入は微妙に刻んで1.75兆円オファー」
2015/08/07「またまた3M入札はマイナス足切で売買参考統計値も日銀トレードモード」
2015/08/06「6M入札も別世界でひたすら短国はマイナス街道」
2015/08/05「10年新発入札で10年0.4%割れ/短国残高とか8月資金需給とか」
2015/08/03「輪番スケジュールに変化なし/短国買入1.5兆円」
2015/07/31「3M短国はまたまたマイナス足切/末初レポレートも大幅金利低下も騒ぎになってモノ少し出た模様」
2015/07/30「四半期末でもないのに月末のGCレポが突如モノ無し(運用できない)状態に」
2015/07/27「イカサマ売買参考統計値が入っても短国買入は2兆円と日銀トレードウハウハのオファー」
2015/07/24「短国買入前にまたイカサマ売買参考統計値ですなあ/3M入札はまたまたマイナス足切」
2015/07/23「7月10日の短国買入は激強入札短国544回1銘柄でした/超長期入札は引け際に強くする日銀トレード」
2015/07/21「短国買入2.5兆円とは多いんじゃないですかねえ」
2015/07/16「前週の短国が激強の中で3M入札です」
2015/07/15「1年短国は相変わらずの別世界入札」
2015/07/13「7月入って短国入札マイナス推移でアチャーで短国買入は配慮の?減額」
2015/07/03「3M入札が期初から早速盛大にマイナス」
2015/07/02「6月末のMBは目標対比9兆円の上ブレ」
2015/07/01「中期の輪番増額しているが大丈夫か/末初T+0GCはマイナス10bp」

2015/09/30

○市場メモとかその他雑談メモ

・末初のレポレートは低いには低いがまあ順当

http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート

昨日のT+1スタート翌日物取引が末初レートになるのですが、6月末はT+1が末初の時にマイナス8.5bpでT+0が末初の時にマイナス10.9と中々のあばばばばーレートになっておりましたが、今回は昨日のT+1翌日物がマイナス6.8bpとレート水準そのものは低いのですが、期末の前になって短国市場が日銀の無慈悲買入継続攻撃に加えて格下げも影響したと思われるベーシススワップ金利低下攻撃によってマイナス水準を拡大するというプレイが出ていた割にはまあ落ち着いた感じという所でしょうか。

まーレポに関しては7月末の騒動もありましたように、月末になるとGCレポでの運用が出来なくなってしまう攻撃というのが仕様化しつつある(8月は大体無事でしたが10月は分からん訳ですが四半期末はもうどうしようもありません)中ですし、6月末の場合はそうは言っても四半期でしょとか、7月の場合はそもそもノーケアーだったとか、そういう点で参加者の意識としてちょっと予想を超えた展開という感じだったと思いますが、さすがに今月は期末なので皆さん超警戒していた上に短国市場が9月3週からモノ無しあばばばばーとなっていましたので、そーゆー意味では警戒してただけに逆に大波乱にならなかったという事でしょうな。

でまあ10月とかは良く分からんですが、12月になりますと今度は日本的には四半期末ですがグローバル的には年末なのでどうせまた凶暴化するでしょうなあとか思いますし、そういや明日は短国3Mの入札があったりしますけれども、これがまた年末越えの1発目になるのでどうせニーズを集めるのでしょうなあとか思いますと短国市場のあばばばばーはどこまで続くのやらと頭がクラクラしますな。

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2015/09/28

○短国買入ェ・・・・・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150925.htm
国庫短期証券買入 6,000 2015年9月29日

この6000億円というのをやる意味がMB的にあるのかと小一時間。

結果はこちら
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150925.htm
国庫短期証券買入13,000 6,000 0.000 0.002 96.2

今回の応札限度がどうなっているのかとか知らんですけれども、エライ綺麗な数字の応札ですなという感じではあるのですが、期末でモノが無い所にわざわざ吸い上げを実施するとか市場の流動性とかそういうのはキニシナイというのは良く分かるのですが、その一方で市場との対話みたいなのをやっているのを宣伝しているのがアリバイ工作っぽくて実に見苦しいのでどっちかにして欲しいものだと思うのでありました。

でまあ今日はスポ末なのですがどこからどう見ても短国は(レポ現先を含めて)普通の金利ではモノが出てこないでしょうなあというのだけは把握した。

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2015/09/25

○短国ェ・・・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150924.htm

(3)募入最低価格 100円00銭4厘0毛(募入最高利回り)(-0.0160%)
(4)募入最低価格における案分比率 59.9767%
(5)募入平均価格 100円00銭8厘7毛(募入平均利回り)(-0.0348%)

アイヤーという感じですが、ベーシススワップとか格下げ云々の時からマイナス深くなっていたのですが、ちょっとラグを持って今週(お休み中)とかに短国の買いの方は来てたようでまあ期末に来て2連発で入札がマイナスに突っ込んでその幅が拡大とかもうねという所ですな。

まあ海外の方はファンディングコストマイナス何10bpとかの世界だから国内で普通に太刀打ちできない訳ですが、期末に来てこの強さかよとゆーのもありますが、そもそも論として先々週にサプライズ1.5兆円買入を入れなければ先週木曜の入札がもうちょっとマイルドな結果になっていた筈なのでして、期末で2発連続ドマイナス入札というのはもう何だかなとしか申し上げようがありません。

まあこの状況で短国買入とか入れるとも思えませんが(入れたら市場大破壊攻撃)、無くても別に需給が緩和する気も起きませんでアチャーという所ですな。ただまあ今回に関しては2年とかは普通に1bp(いやまあ1bpが普通なのかと言われるとそれもアレだがマイナスよりは普通)なので国債全部モノ無しというよりは短国需給だけいきなりキタコレになっているという事なのでしょうか。金先が昨日妙に動意付いていたのが謎なのですが・・・・・・・・・

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2015/09/24

・短国買入とか3M入札とか

金曜の短国買入。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150918.htm
国庫短期証券買入 10,000 2015年9月25日

直前の3M入札があの有様でも1兆円買入オファーですかそうですかと思ったらこういう結果。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150918.htm
国庫短期証券買入 13,490 10,002 0.000 0.002 95.9

ということで、3Mと1Yがそこそこ残っているはずなのに応札1.3兆円って少ないですなあとかそれにしては足切りが引けとか穏当だなとか色々と微妙なのですが、どうも金曜のQUICKニュースによりますとそもそも先々週の短国買入から応札可能額が満額じゃなくてオファー額の半額に減額されているそうで(ちなみに16時30分のNQN記事です)、そら応札が少ないわとゆー所で。

でまあ連休の関係で今日もまた3Mの入札が実施されるのですが、何せ先週が金利思いっきり低下してしまいましたのでどうなるかが読めないのですが、まあ金曜に1兆円買入をしたので、今週金曜の短国買入はスキップしてくるでしょとは思いますけど、先週木曜がアレでしたのでニーズはどうせあるでしょうから弱くはならないんですかねえと。


・新日銀ネット第2段階分の稼働に関して

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150918c.pdf
新日銀ネット第2段階開発分の稼動開始日の決定について

『日本銀行は、本日、新日銀ネット第2段階開発分(注1)の稼動開始日を2015年10月13日(火)とすることを正式に決定しました。以下、詳細についてご説明します。』

ということで来月の頭の連休明けに稼働となりますな(一応以前からこの日という話ではありましたけど)というこれまたメモメモ。

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2015/09/18

○市場雑談メモである、というか3M入札ェ・・・・・・・・・・・・

・3M入札があばばばばー

昨日の3M入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150917.htm

(3)募入最低価格 100円00銭2厘5毛(募入最高利回り)(-0.0103%)
(4)募入最低価格における案分比率 40.2646%
(5)募入平均価格 100円00銭5厘2毛(募入平均利回り)(-0.0215%)

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

えーっとですな、S&P格下げでドル円ベーシススワップのレートがそこそこ動いて、ドルファンディングが厳しい→ドル持っていて放出すると円をマイナス金利で調達できる→短国買ってウマー、というのは確かにあるとは思うのですが、そうは言いましてもここまでマイナスを盛大に突っ込む状況なのかというのが良くワカランチ会長なのですが、まあ今回は期末直前でもありますし、規制絡みの面も含めてドルファンディングが従来よりもタイトというようなお話もありますし、ということで短国のニーズ自体は高まるのではという想定が出るんでしょうなあと。

そんな中での入札ではあるのですが、何せ先週に日銀が短国買入で意味不明にも1.5兆円の買入を打ち込んでしまったお蔭をもちまして市場の流通玉がいきなり消滅モードになってしまいましたので、まさに昨日の入札はカラカラの所に水を入れるというかカラカラの草原に火をつけるというか、まあそんな入札という風情でしたので、何かマイナスでも仕方ないからニーズがある人がドリャーと特攻したのか、単に需要がタイトな所だから乗るしかないこのビックウェーブにということで積極的に上で札を切ってきたのかとかその辺は分かりませんが、いずれにせよ先週の短国買入1.5兆円が超余計なオペレーションで、あのトンチキオペのせいで期末の所がやたらタイトになる、という人災モードとなっているのが甚だ遺憾の極みでございます。

まあ何ですな、今日は1年短国の入札後の短国買入デーというタイミングなのですが、この期末接近の中で3M短国入札がぶっ飛ぶという中で「1年国債買いたいもんね、市場の短国玉枯渇?知らんがな」というようなオペレーションを実施するかどうかが注目される次第でございます。

まあそういうタイミングで
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150917a.pdf
「市場調節に関する懇談会」の開催について


というのが出ているのが何ともまあいつもの華麗なタイミングという所ですな。

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2015/09/17

○市場雑談メモ

・業態別当座預金残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

毎度のこれなのですが、超過準備の平残増加をみていると8月積み期間では「その他準備預金制度適用先」の伸びが大きいですなあというのがありますが、普段スルー気味にしております末残数値を見ると「都市銀行」の月末残高って最近(5月末残以降)きっちりと同じような水準になっていて、平残の方は増加傾向なのに末残一定とは味わいがあるなあと。

・3M入札ですが

先週の1兆5000億円短国買入という意味不明プレイの炸裂ですっかり玉無し芳一モードになっていますが、そうは言いましても昨日の1年入札は先月ほどの水準にはならずというのもありまして、さてどうなるんでしょうねとは思いますし、何せ営業日ベースの明後日が来週木曜でまたまた3M入札があるというのがどう影響するのかという所ですな。


・貸出増加支援結果(15日の話ですが)

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150915a.pdf

新規貸付の概要
貸付期間 4 年
貸付予定額 7,286 億円
貸付先数 21 先

(参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み
         貸付残高  貸付先数
大手行     163,101億円  7 先
地域金融機関等 73,017億円  117 先
合計      236,118 億円 124 先

ということで、6月時点の数値が、

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150617a.pdf

(参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み
          貸付残高   貸付先数
大手行      162,003億円   7 先
地域金融機関等  69,083億円   117 先
合計       231,086 億円  124 先

となっていまして、6月実行時点から見るとネットで5000億円程度の増加となっていて、まあやや少な目だったという感じではあるのですが、それにしても先週金曜の短国買入がいきなり1.5兆円必要になるような額だったのかというのは少々????ではありますな。

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2015/09/16

・中期ゾーンとかの金利の動きは何だったのかと小一時間

http://jp.reuters.com/article/2015/09/15/idJPL4N11L2CA20150915
2015年 09月 15日 15:22 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が続落で引け、長期金利は一時0.380%に上昇

『<12:40> 国債先物は下落幅を拡大、追加緩和なく失望売り

国債先物中心限月12月限は後場に入って下落幅を拡大している。足元の12月限は前営業日比13銭安の147円90銭近辺で推移。市場では「一部に期待があった追加緩和がなかったことで、失望売りが出ている」(国内金融機関)という。』(上記URL先より)

昨日の債券市場ですが、MPMの結果が出た後場に先物がギャップダウンして始まったと思ったらその後中期と長期(と先物)がヘロヘロになって、5年カレントとか一時8.5bp水準まで上昇(引けは8.0bp)となっておりまして、それは先週金曜の引けが5.5bpだった(ちなみに月曜の引けは6.5bp)のですが何ですかそれはという展開。ちなみに先物安値は147.78(25銭安)ね。

しかも相場の動きをみておりまして何とも残念だなあと思ったのは(会見期待があったというのは有ると思いますが)株と為替に関してはMPM何もなしの初期反応ではガックリの動きをしていたもののその後やや戻すという中で、債券市場は後場粛々と中長期の叩き料理状態になっていたなあという辺りでして、しかも前週木曜の5年入札がヒャッハー入札になってから金曜に更に盛り上がってまいりました状態になった後の反応なだけに何だかなあという感じではありました。

まあ何と申しますか、今回は追加緩和で付利下げネタが煽られて、ちょうどそこに5年入札という格好のネタが入って相場が自己実現的に付利下げを織り込むようなヒャッハー相場になって、勝手にそれが剥落するという展開ではあったのですが、いつもは株式市場や為替市場の追加緩和期待をクレクレだの何だのと言って悪態をついております所の債券市場無力参加者であります所のアタクシなどから致しますと、昨日の後場の「債券だけひたすら失望売りが続く」というのを見ておりますと穴があったら入りたいという言葉がこれほどピッタリ来る展開もありませんなあという相場展開ではございましたので、忘れないようにメモをしておく次第ではございまする。

まあどうせ展望レポート前にまた追加緩和ヒャッハーとかやるんでしょとか思うのですが、今回ってFOMC前のこの時期にやる訳ねえだろというのがコンセンサスだった筈なのにこの展開ってもう何が何やらワカランチ会長ではありましたな、あー情けない。

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2015/09/15

・例によって短国買入残高

毎度おなじみのこれ
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

今回は8/28と9/4の買入(8000+6000)分なのですが、前回との差分を取ってみますとチョー珍しい事に銘柄が分散していまして(って本来のオペの趣旨からしたら分散するべきものなのだが)、3Mのカレント2銘柄で合計1兆円ほど入っているのですが、まだ1年短国が入っているのかというのもへーという感じです。

でまあ11日に1.5兆円の買入とかやりやがったせいで期末前&四半期定例償還前だというのに市場機能を能動的に抹殺しに来るオペレーションのせいで短国市場の流通玉が枯渇するという市場がああばばばーな状態(GCレポはあるけど短国は無い)になっておりますが、まさかとは思いますが前2回の短国買入で3Mばっかり入ったから6Mを買うために突如アホのように買入を増やしたとかいう疑念が少々なのではございます。

ちなみにここから先の償還ですけれども、アタクシの集計ベースだと10月は7.0兆円、11月は5.0兆円なのですけれども、12月の償還が3.2兆円しか無くて(11日の買入で3Mも入っているのではと思うのでここから増えているとは思いますが)、MB目標との整合性から考えると12月に向けて買入フローがだいぶ減る計算になる筈なのですが、先週の急な買入増額とかどうも訳分からん動きもあるのでイマイチ良く分からんです罠。

まあさすがに11日にあれだけ買っているのですから今月の短国買入は今週金曜にやった後は月末まで無いと思いますけど・・・・・・・・・・・・

・PD懇議事要旨である

http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbsp/proceedings/outline/150911.html
国債市場特別参加者会合(第62回)議事要旨

物価連動国債と流動性供給入札と買入消却の話なので簡単に引用だけ。

物価連動国債関連ですが。

『・ 発行額については5,000億円を維持すべきと考える。これまで、当局はマーケットの育成及び流動性の維持・向上を打ち出していたところ、発行額を減額した場合には、かつて発行を停止した経緯があることもあり、投機的な動きが出ることや、発行停止が意識されるリスクも考えられることから、発行額は現状の5,000億円を維持するべき。また、物価連動債は他の利付債に比べて担保や決済面での利便性が低い。このことが海外をはじめとする投資家のファンディングコストに与える影響は大きいため、日本銀行において物価連動債の適格担保の掛け目を見直すことや、清算機関において今後の取り扱いについて検討することを希望する。』

後半の方は言いたい趣旨は分かるのだが普通の固定利付国債じゃないのですから中々そうはいかなさそう。まああんまりホイホイと増額したり減額したりというのもアレで、それこそフローターの時に民間の口車にホイホイと乗って(かどうが知らんが)絶賛大発行したらその後あばばばばーで市場そのものがおじゃんになるという残念な事案もあったので、まあ目先の話で一々反応しないというのも大事かもしれませんな。

『・当局の提案のとおりで問題ない。投資家のニーズが減少している印象はあるものの、世界的に期待インフレ率が低下している中では自然な流れだろう。入札の都度発行額を増減額する方が当局のコミットメントが揺らいだとの印象を与えかねない。もっとも、固定利付債の発行額の大半が日本銀行に買い入れられている状況下、名目金利との差により期待インフレ率を測れば、物価連動債と他の固定利付債では、発行額対比の買入量に差があることから月日の経過とともに期待インフレ率は徐々に低下するほか、古い銘柄と新しい銘柄のBEIの差も広がっていく。発行額は現状維持でもよいと思うものの、日銀買入の平準化や日本銀行が物価連動債に対して設定する適格担保の掛け目を引き上げるなどの対応により市場参加者が物価連動債を購入しやすいようにすることが適切ではないか。』

前半は賛成の方々の共通見解ですが、後半の日銀買入ファクターに関してはなるほど確かにとは思うものの、そもそも論として「定利付債の発行額の大半が日本銀行に買い入れられている状況」という方がおかしいのであって、「日銀買入の平準化」というのはまあ言いたい趣旨は理解しますけどちょっともにょる。


『・4,000億円に減額するべきと考えている。一定額を毎回発行することよりも、ニーズに見合った額を発行することの方がマーケットの育成に資するものと思う。通常の固定利付債とは異なり、物価連動債は発行する度にマーケットに供給されるリスク量が増加することとなるため、入札から次の入札までの間に発行額分の新規ニーズを掘り起こさなければならない。5,000億円の新規ニーズを掘り起こすのは難しいと感じているところ、価格が暴落して投資家が物価連動債から手を引いてしまうリスクを考えると、発行額を減額するべきである。いずれにせよ、マーケットの状況に応じた発行額とするためには、入札日の直前に発行額を決定する方がよいのではないか。』

『・11月については、その次の入札が平成28年1月に控えていることも踏まえると、1,000億円程度減額してもよいと考える。当社も物価連動債については力を入れてマーケット・メイクを行ってはいるが、最近は損失を確定させてでも売却したいという声が多くなっている。原油価格やBEIの下落は世界的な動きではあるものの、特定の投資家に依存しているのが実情であり、今後反発した場合でも逆に相応の売却ニーズが見込まれるようなマーケット環境下では、減額した方がよいのではないか。』

まー環境的に今苦しいので減らせという見解も分かるのですが、さっきの指摘にありますように、そもそも論として日銀の固定利付債の買入で名目金利を無駄に低下させているというのが問題になっている可能性もあり、もし追加緩和じゃなくてAPP規模の縮小という話になるとまただいぶ話が変わってくるかも知れませんなあとか思いつつも、そもそも日銀が2年で2%とか大口叩いて全然達成しないのが悪いという話ではあるので、そう考えると日銀ケツ持ちしろというのも理屈として成立しますかそうですか(^^)。


なお、順序逆になりましたが当局の説明の中で、

『・当局としては、物価連動債の市場を育成していくことは国債管理政策上の重要な課題と考えており、そうした観点も踏まえ、11月の発行額について、国債市場特別参加者の皆様の御意見を伺いたい。』

とありますので、そういう点から考えるとちょっとニーズが増えた減ったでホイホイと発行額が変更になるというよりは将来的にはマーケットをそれなりの規模にしていきたいというのがベースにある中で、市場に無理のない範囲内で発行をしていきますよという話ではないかと存じますです、はい。

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2015/09/14

○市場メモ雑談

・短国買入が意外にも程がありまして・・・・・・・・・・・・・・

金曜の短国買入オファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150911.htm
国庫短期証券買入15,000 2015年9月15日
(他のオペは割愛)

・・・・・・・・・(;゚д゚)

えーっとですね、資金需給から考えたら短国買入って今月ろくすっぽ打たなくてもMBの中間目標回る筈で、そうは言っても10月の短国落ちと財政要因があるから9月にある程度買入をして入れておいた方が後が楽になるので、期末要因で需給が逼迫するのに対して邪魔にならない程度の買入が行われるのでしょうな、という見通しになっていた訳ですよ。でもって日銀の短国買入も9月渡しになる一発目の8月28日の買入オファーが8000億円で9月4日の買入オファーを6000億円に減らして来た、という動きであると思われるような動きをしておった訳ですよね。

でまあそこに対して確かに新発の6Mがマイナス入札になったもののその後は伸びず、3Mも100円がオファーサイドというような動きになるなど、応札の札があるのは明確な状態ではありましたが、そこで突如買入額を1.5兆円に増やすのは何なんですかとしか申し上げようがなく、こういう訳のわからん打ち方をするならそもそも前週に買入を減額した意味が分からないですわな。

一応背景として考えられるのは、今月実施する貸出支援オペに関して、この数字自体はある程度の所まで日銀の方では掴んでいる(ヒアリングしているでしょうから)ので、この数字が伸びないどころかうっかりすると途中返済入って減るとか言うような形でMB達成的にやや厳しいかも、というのがあって、ちょうど6Mと3Mの新発債に荷もたれ感がある状態だからこの際買入を増やそうという位しか合理的な理由が考えられませんなマッタクモウ。

しかしまあ何ですな、それって別に貸出支援オペの結果を見てから短国買入を調整すれば良いだけの話で、そうであれば市場の方だって貸出支援の結果が出た所で短国買入の増額を見込む訳ですからある程度の予想がつくというものであって、それなら特段のサプライズにはならないのですけれども、これはどう見ても闇討ちサプライズ状態。

勝手に妄想しますと、金曜の地合いでそのまま短国買入が6000億だの8000億円で入って来ると、6Mと3Mの新発の市中流通在庫がそこそこ残る格好になって、プラスの金利になる可能性が出てくる訳ですよ。でもそうなりますとプラスの金利じゃないと買わないという人が世の中にはいるので、(担保だのショートカバーだのという話はさておき、マイナスファンディングじゃないのに持ちきりでマイナス利回りを購入するのは理屈がねえ)、その人たちが冬籠り明けの熊の如くむしゃむしゃと購入してくる訳で、民間の需要で短国の業者の在庫が消化されてしまうと日銀の短国買入の量が稼げなくなるからマズーとか考えて在庫が重そうなうちに増額したんですかねえとは思うのですが、それって民間の短国需要の前に先回りして日銀が買占めに行くという民業圧迫プレイにも程があるんですけれども何考えているんでしょうね。

さらにもっと意地悪な妄想をしますと、短国金利が入札段階でプラス圏にいますと投資家が普通に新発短国を買ってくる訳でして、日銀としては短国買入を普通に実施するためには投資家に新発段階であまり買われない方が短国買入の札が確保しやすいのでして、それはつまり「短国市場の民間投資家を意図的に締め出してしまう」方が短国買入が推進しやすいという事でもある訳ですよね。でまあそれって普通に日銀による意図的な民業圧迫で、短期資金運用を強制排除しているだけの話なのですが、この強制排除が市場機能の破壊という文脈ではなく、金利の低下による政策効果とか、短期の資金運用が出来なくなったらその分がポートフォリオリバランス効果がでます(キリッ)という理屈を持ち出して露骨な市場からの投資家排除を正当化しようとしているんですかねえ、などとも思ってしまう次第でありまする。

ということで落札結果は、
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150911.htm
国庫短期証券買入 22,938 15,002 -0.004 -0.001 59.1
(他のオペ割愛)

応札は2.3兆円ですからそらまあ1.5兆円物理的にはオファー可能なのですが、不意打ちオファーにも程があったのでその後はですな。

http://jp.reuters.com/article/2015/09/11/idJPL4N11H2D220150911
2015年 09月 11日 15:26 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸、長期金利一時0.345%に低下

『レポ(現金担保付債券貸借取引)GCT+1レートは0.052%と低下。国庫短期証券(TB)買い入れは、新発の6カ月物、3カ月物中心に落札されたとみられている。業者間取引で新発証券はしっかり。ユーロ円3カ月金利先物は強含み。』(上記URL先より)

ということでT+1のレートが低下したと出ていますが、1.5兆円の買入が入ってしまいましたので、T+2のGCレートはそら低下するでしょうなあという所でありまして、いきなり短国買入攻撃で需給を想定外に締めてくると今週の1年は当然としても3Mの入札も堅調に推移しちゃいますなあとは思いますが、これで先ほど申し上げたような貸出支援の実施実績が落ち込むというようなのが起きなかった場合、更に何のために短国買入を実施しているのかが訳分からなくなる次第でして、「業者の在庫が重くなってきたらたくさん買い入れる」などというような連想が起きてしまうとそれこそモラルハザード相場を日銀が自作自演しているっつー誹りを免れないと思いますが、まあさすがにそのような話ではないでしょう。

なお、今月の買入分を先週で全部片付けてしまい残りは期末の需要に向けて買入を殆ど入れない、という意味で買入を増額した可能性は多分無いと思いますが一応微粒子レベルでは存在すると思いますが、そういうのは後にならないと分からない話で、後にならないと分からないという事はその前に逆方向に余計な思惑を増やすだけの効果(というかデメリット)しかないのでオペレーション運営としてはいかがなものかと思われますな。うんうん。


#と短国買入だけでグダグダと悪態を並べる粘着クオリティ


・中期ゾーンェ・・・・・・・・・・・・・・

さっきの再掲。
http://jp.reuters.com/article/2015/09/11/idJPL4N11H2D220150911
2015年 09月 11日 15:26 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸、長期金利一時0.345%に低下

『<15:19> 国債先物は続伸、長期金利一時0.345%に低下

長期国債先物は続伸。前場は高値警戒感が浮上する中、調整地合いとなったが、後場は短期筋が好需給を反映して、上値追いとなる場面があった。一部で日銀の追加緩和への思惑が出ていることも影響した。もっとも、来週に日銀金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)など日米金融政策イベントを控えていることから模様眺めとなる市場参加者もみられたため、出来高に厚みを欠いた。

現物債は中長期債がしっかり。国内銀行勢の需要とみられており、中間決算を意識した国債残高の積み増しや、国債大量償還に絡んだ再投資が入ったとの見方が出ていた。また、5年債に関しては、きょう実施された日銀オペで残存3年超5年以下の結果が強めになったことが反映されているとの指摘があった。一方、超長期ゾーンは調整地合いとなり、利回り低下が一服した。』(上記URL先より)

長期の話が書いてありますが、それよりもウギャーなのは中期でして、木曜の5年入札はやたら強い結果になりましたし、その後も金利がえっさほいさと低下して金曜の引けは5.5bpという有様でございまして、一方で2年は多分別の要因による需給だと思うのですが1.0bp水準の引けにされていたりしまして、中期ゾーンが妙な盛り上がりとなっております。

まあ何ですな、何に触発されたのか知らんですが急に官邸に近い方面のリフレ派先生がたが追加緩和がどうのこうのとか言い出していますし、そのちょっと前からせっせと追加緩和予想をする何とかストの方々もありという事で、雰囲気的には今年の1月ほどではないのですが、それでも追加緩和観測盛り上がるの巻となっておりまして中期がやたらめったら堅調という展開。

いやまあ別に相場ですからそういうもんですかそうですか、ってなお話ではあるのですが、追加やるにしたって付利下げるというのはMB目標という建付けの中で買入を物理的限界に手前に寄せるだけの効果しかないので、MB目標そのものの建付けを変更しないと難しいですし、大体からして「MB目標」と「実質金利の低下をイールドカーブ全体に促す」という施策をやっているのですから、それがそのまま追加されるのであれば「国債買入の拡大」と「買入平均年限の長期化」が来るのであって、付利下げリスクを見に行くような価格形成するというのも何だかなあという感じではあります。

ただまあ何ですな、追加緩和を食らったとして、買入拡大とか長期化だと直ぐに極端な影響がでるのかというとこれまた微妙ではありますが、一方で付利下げというのは、実際問題として短い所はゼロ近辺の利回りなので付利が下がっても知らんがなではありますが、より長い所になると付利金利がめどとなっている部分に変化が生じるという事になりますので、

ちなみに更にどうでも良いのですが、付利金利が下がるという事になりますと、今月実施する貸出支援の固定金利0.10%が思いっきりやられになってしまいますので、よー札入れんわという事になってしまいますので、そんな所からもMB積み上げを難しくする(ロールの時に期日前返済が入るかどうかは知らん、4年の固定負債というのにALM的な意味があるから)とか、まあ追加緩和ネタは皆さん不幸になるネタですなあということで。

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2015/09/11

○毎度の市場メモ雑談

・3M短国はマイナス入札も売参は100円とな

うむ。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150910.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘0毛(募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 8.8270%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘8毛(募入平均利回り)(-0.0032%)

平均、最低が前週の3Mと同じ、足切の案分が前回よりも厚くなりまして(というか前回が0.8453%とかの極薄案分)、本日付(昨日の引け)の売買参考統計値平均値単利は0.000%となっておりますな。

http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php

ベンダーによりますと100円がオファーサイドらしいのですが、そらまあプラス金利にはビットが並ぶでしょうというところで、今日の短国買入でどの程度のオファーが入るのか、その後の落札状況がどうなるのか、という辺りを見ながらの展開になるんでしょうな、よー知らんけど。

次に申し上げますが追加緩和観測ガーみたいな話とはこの3M入札は全く関係なく推移していますなあという所ですが、まあそもそもがゼロだマイナスだという金利になっているので別世界にも程がありまして、単に日銀買入の影響だけで動いているのは日銀買入の量がフローベースでも残高ベースでも超ドミナントになっているからというお話ではございますな。

ちなみに短国と長国だとそもそものターンオーバーが全然違う(短国の場合基本的には3か月すると主な銘柄の3MTBが1回転してしまうので、その間に投資家のポートに沈んでいる玉が全部償還されてしまうことになりますが、中長期国債だと投資家のポートに沈んでいるものが償還で一掃されるまで時間が掛かる)ので、輪番を推し進めていった場合に、現時点では市場の注目って買入のフローに集中しているのですが、これが残高がどうのこうの的な(銘柄別の残高はさておき)話になるのかどうかっていうのは良く分からんのですけれども、短国買入が進んでいく中の経験からすると、どこかの時点でストック効果が無茶苦茶出てきて、その途端に買入による金利押し下げが一気に進むという事になるのですが、実際問題としては今申し上げたターンオーバーの問題があって短国とだいぶ状況が違うので何処でオペの限界的な話になるのかが今一歩見当がつきませんな。


・5年国債入札でヒャッハー

アイヤー
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20150910.htm

6.価格競争入札について
(1)応募額 7兆9,245億円
(2)募入決定額 2兆2,734億円
(3)募入最低価格 100円15銭(募入最高利回り)(0.069%)
(4)募入最低価格における案分比率  63.1297%
(5)募入平均価格 100円16銭(募入平均利回り)(0.067%)

足切0.07%割れは前場引けのオファーサイドよりも強くて事前の市場観測よりも盛大に強い結果になっておりまして、結果出た途端に更に5年とかその近辺の金利が低下して、余計なことにどこぞの無責任おじさんの何様追加緩和発言が登場して更に強いとかもうねという感じでございます。第U非価格がこの有様。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20150910a.htm
6.募入決定額 3,321億円

ぐぬぬという所ではありますが、中期が走って後ろが置いて行かれる格好になったので相場自己実現的に追加緩和ガー的になっているのが実にこうアレで何だかなあという感じではありますがメモメモという所で。

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2015/09/10

○市場雑談系

・本日は3M入札ですな

今週は6Mと3Mの入札でございまして、6Mは毎度のオーバーパー入札になっていましたがその後特にショートカバーでヒャッハーみたいなのも無くて若干のマイナス水準で推移しているっぽいのですが、そんな中で3M入札の実施ということで、先週の3Mは100円足切に辛うじて掛かった感じですが、今日の3Mはもうちょっと確りとした100円(ナンジャソラ)にならんもんかねとは思うのでした。

基本的にはマイナス金利での需要って日銀要因を除けば海外次第の所はあるのですが、各種金融規制が進展してくると、今やっている国際規制って基本的な方向が「ポジション取るな系」になっているので、規制要因からみた場合には期末のドル調達とかって今後タイトになる方向になっていきますから、そういう面でも短国のニーズって確りとはするんでしょうなあとは思うのですけど、その一方で発行年限の長期化方向なのと前倒しが進んでいるので短国の発行は減る傾向となっていて(まあ前倒しは単に今年の要因ですけど)、そんなこんなを考えると足元の金利云々は兎も角として、短国に対する需給の基調部分は強くなる方向なんでしょうなあとは思います。ま、その基調部分を盛大にぶち抜けた日銀短国買入があるので訳が分からなくなっていますけどね!!!


・債券市場サーベイ

そういや月曜にこんなのが出ていました(すいません)。

http://www.boj.or.jp/paym/bond/bond1508.pdf
回答期間:2015年8月7日〜8月14日
調査対象先数:39先(「調査対象先数」は、国債売買オペ対象先のうち、調査協力を得られた先)


まあ何ちゅうかはあそうですかという結果なのですが、『(1)貴行(庫・社)からみた債券市場の機能度(注)』  というのに対する回答が前月比で横ばい、3か月前比で改善、と出ているのですが、その注記にある『(注)債券市場の機能度は、(2)@〜Fの質問項目への回答内容等を総合的に勘案して、ご回答下さい。』というふうにある『(2)債券市場の機能度・流動性に関する各論』を見ますと・・・・・・・・・・・・・

『@貴行(庫・社)からみたビッド・アスク・スプレッドについてご回答下さい。』
→「1か月前から比べた場合」は前回比13ポイント悪化、「3か月前から比べた場合」は前回比2ポイント悪化

って「前回」というのは3か月前の調査です。以下同様。

『A貴行(庫・社)からみた市場参加者の注文量について、板の厚み(注)等を念頭においてご回答下さい。』
→「1か月前から比べた場合」は前回比14ポイント悪化、「3か月前から比べた場合」は前回比5ポイント悪化

『B貴行(庫・社)の取引頻度の変化についてご回答下さい。』
→「3か月前から比べた場合」に前回比15ポイント改善

『C貴行(庫・社)の実際に取引した相手の数の変化についてご回答下さい。』
→「3か月前から比べた場合」に前回比13ポイント改善

『D貴行(庫・社)の取引ロット(1回あたりの取引金額)の変化についてご回答下さい』
→「3か月前から比べた場合」に前回比2ポイント改善

『E貴行(庫・社)の概ね意図した価格で取引ができているかご回答下さい。』
→「3か月前から比べた場合」に前回比11ポイント悪化

『F貴行(庫・社)の概ね意図した取引ロット(1回当たりの取引金額)で取引ができているかご回答下さい』
→「3か月前から比べた場合」に前回比15ポイント悪化


・・・・・・・・ということでですね、市場の板の厚みやオファービットのスプレッドが悪化して、いざ取引をしようとした時に企図した価格で企図したロットが捌きにくくなっている、という評価になっているのに、何でおまいら総合判断が改善しているのかと小一時間問い詰めたい結果になっていて非常に訳分からんのですが、どうも自分の所の取引自体が活発になったので流動性が高まったという答えになっているだけのように見えまして、ナンジャソラではあります。

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2015/09/09

○市場メモとか指標関連とか

・6M短国はまたまたマイナスとな

うむ。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150908.htm

(3)募入最低価格 100円00銭1厘(募入最高利回り)(-0.0020%)
(4)募入最低価格における案分比率 38.8938%
(5)募入平均価格 100円00銭4厘(募入平均利回り)(-0.0080%)

今週以降も短国買入自体はフロー低水準で推移する筈なのでマイナス金利で大量お買い上げの日銀様は出てこない筈なのですが、そうは言いましても為替絡みとかを含めた海外のニーズはあるようですのでとりあえずマイナス金利で決着しているという相変わらずの別世界モード。

まあ3か月短国は普通にマイナス金利回避になりそうですから期末残高ニーズとか担保ニーズとかであれば3M買っておけばよかろうという話でしょうし、そもそも論としてここからの6Mって基本的に日銀に吸い上げられている銘柄が続くので、投資家が償還折り返しニーズがあまりないのでどういうニーズになるのかが良く分からんですぞな。

とは言いましても、例によって6Mと1Yを買入で仕入れて(?)おきたい日銀様におかれましては今週の短国買入はオファーを拡大してくる可能性もありますから金曜の短国買入までは引っ張られるんじゃネーノというお話なんでしょうかね(ちなみに日本相互証券の引値はマイナス0.3bpだった筈なので他銘柄対比そんなに突出して低い訳でもない)とは思いますが。

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2015/09/07

・短国買入減額とな

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150904.htm
国庫短期証券買入 6,000 2015年9月8日

ということで8000億円のままだと多いかなという感じでしたので、減額は妥当な線ですかねという所ですな。なお結果。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150904.htm
国庫短期証券買入10,805 6,001 0.000 0.002 91.1

応札が妙に少ない気がするんですが、前日の3M新発に関しては100円足切になったのでそこそこ捌けたからとかそういう事なのかどうか良く分からんではございますな。最初からバカスカ入れてこないという事もあるかも知れずで、よー分からん。レポとか現先の金利は一頃の高かった所よりは下がって推移となっているとかそんな感じだと思われるので、応札額ほど玉がカラカラな訳ではないれすが、とは言って玉が盛大に余っている感じでもないですな。

つーことで今週は火曜に6Mで木曜に3Mとなりますが、6Mがオペ狙いヒャッハーになれるのかどうかでも注目しておこうかと思いますが、さすがに3Mはオペヒャッハーとやるのは無理があるのではないかということで平均100円足切100円位久し振りに見せてほしいものですな。

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2015/09/04

○まずは昨日の訂正(すいません)

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1509.htm/
日銀当座預金増減要因(2015年9月見込み)

こちらから今月の短国買入の数字を予想していたのですが、計算が思いっきり勘違いしておりましたのですいませんすいませんということで訂正。

というのはですね、昨日は今月の財政資金需給を-4.6兆円で計算していたのですが、-4.6兆円なのは昨年でして(超大汗)、今年の財政資金需給は-0.4兆円になっておりやした。

となりますと昨日計算していた短国買入の額が4.2兆円減るという結果になりますので、今月は月末のMBを年末対比で60兆円の積み上げで着地させようとしますと輪番の買入分だけで十分(どころかその他要因が増えたら余る)という結果になりますな。

ただ、10月11月は財政が不足傾向になる(ただし前倒しなどの関係で短国発行が減る可能性があり、その場合はその分だけ財政要因が資金余剰に振れる)のと、10月は日銀保有短国の償還が7兆円と多めにあることから、10月の短国買入のフローを平準化するという観点から数兆円ほど余計に積んでおいてバッファーを確保するということは大いに想定されますので、そう考えるとやはりトータルで2兆少々の買入実施かなとは思われます。

今月は連休の関係上9/17、9/24と営業日ベースで中1日で3Mの入札が連発するので、9/18と9/25に短国買入を入れると入札→短国買入→入札→短国買入という営業日ベースで4日間連発での動きになってしまいますので、どちらかをスキップする(または25日のを後ろに倒して30日辺りにオファーするとか)かもしれませんので、8000億円×4だと32000億円となりますがこれでもちょっと多い希ガス。


○そんなわけで短国市場雑談で3Mがやっと100円に届いたよというメモ

・3M入札の足切が9週間ぶりに100円に届く

ハラショー!!!
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150903.htm

(3)募入最低価格100円00銭0厘0毛(募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率0.8453%
(5)募入平均価格100円00銭0厘8毛(募入平均利回り)(-0.0032%)

ということで案分0.845%とか超極薄案分ではございましたが、7月の頭についた100円足切以来の100円足切となりましたが、まあ背景は先程申し上げたように短国買入のフローが減少する見込みとなってきて、買入オペヒャッハーの日銀トレードをする余地が減ってきた分で金利が上昇の巻ということになっているようで。

まあ何ですな、基本的に持ちきり前提でマイナス金利というのはなかなか買えない人が多い(調達がマイナスとなる海外の為替かませたケースは別)のですが、何せ日銀様におかれましては公社債売買参考統計値の平均単利利回りを基準に別にどの金利でも買いますという状態になっておりますので、そらまあその人の買入フローが減ればマイナスにいつまでも突っ込んでいる理由も無い訳でして、見込み通りに推移するなら徐々にプラス圏になっていくんじゃないですかねえ。


・今日は短国買入

でまあ今日は短国買入なのですが、前回の買入が8000億円で入ってきていましたので、今月は8000億円を基本にして買入を打ってくるという感じだと思うのですが、先ほど申し上げたようにこの調子で3.2兆とか4兆とか買うと結構な買い過ぎになるように見えますので、例によって例の如く6Mと1Yの入札後に頑張って買入を実施するけれども、それ以外は減らすみたいな動きになるかもしれませんし、まー今日の短国買入がどう出るのかはちょっと注目しておりますです、はい。

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2015/09/03

○毎度の市場メモ雑談

・短国買入が完全に特定銘柄対象になっている件について

毎度おなじみのこれ
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額

なのですが、今回のと前回(8/20残)の比較をしますと増えた銘柄が何という事でしょう!新発1年の553回債が17500億円増えているだけではないですか!!!!

・・・・・・・とまあそうでしょうなあというのは21日の短国買入の結果が平均1毛甘で足切9糸甘となっていましたので、売買参考統計値から逆算するとその銘柄しか入らんでしょうなあ(6Mカレントは日銀に打ち込まれ過ぎで買入対象から外れている)という状況だったのでお察しではあったのですが、ここまで来てしまうとそもそもセカンダリー市場から買入のオペを行う意味というものがあるのかという世界ではあります。

なお、そういう時にこういう発言が出てくるのが中曽副総裁の間の悪さ炸裂という所で実に味わいがある。

http://jp.reuters.com/article/2015/09/02/idJPT9N0Y205J20150902
2015年 09月 2日 12:48 JST
日銀の国債買い入れ、債券市場の機能阻害していない=中曽副総裁

『[2日 ロイター] - 日銀の中曽宏副総裁は2日、日銀の国債買いれは、国債市場の機能を阻害したり、将来の国債買い入れ能力を損ねたりはしていないとの見解を示した。ジャカルタでの国際通貨基金(IMF)関連の会議で発言した。日本の国債市場の流動性を注意深く監視しているとも述べた。』(上記URLより)

・・・・・・・・・・・・orz

ちなみに上記の発言に関しては日銀のサイトに出ていないのが残念ですけれども、短国買入が上記のような惨状になっている中で「国債市場の機能を阻害していない(キリッ)」とかもうゲラゲラゲラとしか申し上げようがない訳でして、まあ質問されたから答えているのでしょうけれども、注意深く監視した結果として機能を阻害していない(キリッ)とかおまいらの目は節穴かと小一時間問い詰めたくなるので余計なことは言わない事をお勧めしたいと存じます。


・今月の資金需給見込みからすると・・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1509.htm/
日銀当座預金増減要因(2015年9月見込み)

どう計算するかによって若干の差がでるのですが、資金需給見込みが出たので今月の短国買入を適当に置きを入れて計算してみる。

マネタリーベース
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd150831.htm
3,274,500

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd141230.htm
2,758,800

12月末残が276兆円として9月末残は60兆円の増加(年間80兆円の3/4)で行けば宜しいので、9月末残336兆円をゴールにすると327.5兆に対して要積み上げが8.5兆円になりますな。

でもってさっきの当座預金増減要因を見ますと財政要因(日銀保有国債と短国の償還要因も含む)で5兆円のマイナスになっているので、実際には13.5兆円の資金供給オペが必要になります。

ここで今月は貸出増加支援があるのと、ETF買入やJ−REIT買入による積み上げがある一方で固定金利オペの落ち(だいたい限界的なところまで落ちていると思われるが)があるという要因があるのですが、固めに見てそこでの増加をゼロにして考えます(資産の置きにもよるが実際は資金供給方向にぶれる筈)。

そうなりますと輪番と短国買入で13.5兆円の積み上げという事になりますが、そのうち輪番での積み上げが今月は奇数月なので9.2兆円の買入になるのですが、月末跨ぎの受け渡しによるズレがあって、今月に関しては月末跨ぎの輪番が2回分ありまして、先月末に実施した輪番が中期超長期で11800億円分、28日に実施した輪番が長期と変国で5407億円分と、いつもよりも大目に今月にズレています。でもって今月は29日に2年国債の入札がある関係上月末跨ぎの輪番が1本しか実施されませんが、こいつが一応中期超長期(翌日が10年国債の入札だから長期は無いと思料)という事にしておきますと5000億円少々増えるので輪番要因を9.8兆円でみておきます。。


そうなりますと残りの3.7兆円を短国買入実施するという計算になりますので、結論としては相当固く見ても今月の短国買入は4兆円ですし、たぶん先ほどのその他でそこそこ数字が出てくると思われますのでもうちょっと少なくてもMB積み上げ無問題となります。今月は全部実施すれば月内渡しになる短国買入が5回分ある(1回実施済み)のですが、前回が8000億円となっていますので、そのまま8000億円で毎週実施してもMB目標対比の走りは楽勝という結果になりますな。


・ということで本日は3Mの入札ですが

てな計算になりますと、さすがに今月の短国需給はそこそこ緩んでくるでしょと思われるのですけれども、何せ8週連続マイナス金利というナムナムな展開になっておりますので、プラス圏内に入りますとそらもうニーズがワラワラという所でしょうからして、まー精々100円足切とかそういう事になるんでしょうなあよー知らんけど。

また、半期の期末月なので期末残高嵩上げニーズがあるでしょうからそちらの需要もありますし、そんなこんなでそう簡単に短国の金利が上がってこないとは思うのですが、昨年の追加緩和でMB積み上げを長期国債で実施します攻撃にして短国市場へのストレスを軽減するとか言っておきながら無慈悲買入が続いていた訳ですが、上記のようにやっと短国買入残高を漸減させてもMB目標が回る感じになってきた(というかそもそも論として財務省が先行して短国発行を減らしているのだから買入残高もバランス的に減らないとおかしかったのだが、MB目標の走りを調整していたので買入残高の落ちが来るのにラグが発生したのがこの8週連続マイナス金利の背景)ということで。

とはいえこれで先程申し上げた短国買入のターゲットディール状態が解消されるのかと言うとこれはまた微妙な感じで、3Mがバカスカ短国買入に入るようになると償還が早くなるのでフローとしての買入が増えるという結果になり、フローとしての買入が多いと日銀オペトレードがワークしやすくなるの巻となってしまうのが何ともという所ですな。まあしかし昨年9月から始まった短国マイナス金利という馬鹿馬鹿しいにも程がある流れはとりあえず一服の方向じゃないですかねえ、あーつかれた。

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2015/09/02

○市場メモメモ

まあ俺様備忘録なので屁のようなメモが入って毎度すいませんな。

・10年国債入札で切り返し

昨日の債券市場は株が弱めでしたが債券の方も弱めでスタートして、中長期国債は利息起算日四半期末月の20日(除く2年)となる関係上四半期末月の入札は発行日が先渡の20日になる→直ぐに輪番オペの対象にならない→業者の在庫負担がある→マズーという話もあって前場の途中までヘロヘロ押して既発カレントで0.40%までタッチ。でもってそうしたら入札前から押し目買いも来てやや水準戻して入札を迎えると。

ところが後場の寄りから債券先物切り返しになり、落札結果を見たら足切が事前予想の99円74銭辺りから盛大に強くて99円78銭で切れるわ、市場推計の落札分布で大手の業者さんが1兆円以上の落札をしたとの観測が出るわで相場は強くなって結局金利は低下して終了の巻となりました。

でまあ10年国債入札って大昔はシ団引受制度の関係上だか何だか知りませんが、応札の制限があったので「10年国債入札満額落札」というのって大昔はたまに見ていたもんで(歳がばれますが^^)ふーん満額ねえとか思ったのですが、やはり1兆円というのは古老に聞きましても初ケースのようでおお凄いじゃんという結果なのですが、なんか知らんけど需要が弱そうという所で押し込んだ入札で思いっきり上で切る攻撃とかやるじゃんとは思う物の、0.3%台でどんだけ需要あるんですかねえとかまあワカランチ会長ですな。

とは言いましても何か知らんが株式市場がまたまたおはぎゃーの香りを示しておりまして、こちらの方からの影響でまた需要変わって来るのかもしれませんけど、先般の株式下げモードからこの方の債券市場の動きは「株下げで安全資産の債券買いの連想」という動きではなくて、「リスクを落としに来るから債券もリスク量を減らさないと」という感じの動きの方が感じられる風情でありまして、株が下がったから単純に債券買いになるのかというのは他の国は兎も角円債に関しては微妙な気がします。大体からして円債の場合は日銀の買入によって水準が底上げ(というか金利的に言えば底下げというのか)されている分があるので水準がねえという所で。



・中国株ガーという話にさせられているようなのだが・・・・・・・・・・・

ふむ
http://jp.reuters.com/article/2015/09/01/crossmarketeye-idJPKCN0R13CY20150901
2015年 09月 1日 19:03 JST
日本株が再び大幅安、「震源地」中国株の代替化観測

ということで中国ガーという後講釈になっているようで、まあアタクシも別に株式を本業にしている訳ではないのではあそうですかというしかないのですが、いやそれだけかなあとは思うのざますが。

http://jp.reuters.com/article/2015/09/01/idJPL4N1170WT20150901
2015年 09月 1日 11:44 JST
UPDATE 1-法人企業4─6月期に過去最高益、設備投資は前期比減で2次QE下押し

『[東京 1日 ロイター] - 財務省が1日発表した2015年4─6月期の法人企業統計(金融業・保険業を除く)によると、経常利益は円安と原燃料コスト低下を主因に過去最高益となった。一方で、設備投資は前期比2.7%減少し、4期ぶりに落ち込んだ。4─6月期の国内総生産(GDP)の設備投資が、下方修正される見通しが高まった。

4─6月期の売上高は前年比1.1%増と1─3月期の減収からは脱したが、昨年同期が消費税引き上げ直後だったにもかかわらず、伸び率は低い。前期比では2期連続で減収となった。

全産業経常利益は20.3兆円で過去最高額となった。前年比では23.8%増と2桁増加した。前期比でも14.8%増。前年と比べ、期中平均でドル/円で20円近い円安、1バレル45ドルの原油安、5400円程度の株高といった外部環境の好転に恵まれた。このため、製造業では原材料安や円安を主因に化学や情報通信機械、輸送用機械などを中心に増益が相次いだ。非製造業でも、建設や電機、卸売などが増益となった。


他方で、全産業の設備投資の伸びは前年比5.6%増と9期連続で増加したものの、伸び率は1─3月期より低下。季節調整済前期比では2.7%減となった。』(上記URLより)

とまあそういうことで、企業の収益は絶好調なのですが、設備に関しては市場事前予想よりも弱めとなっていますし、賃金に関してはそもそもお察しの状態になっているので、結果として労働分配率の水準が大変に下がっておられるとかいう状況になっておりまして、アベノミスクでトリクルダウンという話はどこに逝ってしまわれたのかと小一時間問い詰めたい状況になっている辺りが実にこう味わいがあるとしか申し上げようがないですな。

今週末は毎月勤労統計ちゃんが出る訳ですが、先に出ている消費があの調子の中でどういう数字が出るのかが大変に楽しみ(皮肉な意味で)という所でして、これでパッとしない数字が出てくると「前向きの循環メカニズム」が全然ワークしてませんがなという話になりますし、まあ本来的には結果としての数字ではある筈の労働分配率の低下もネタにされそうですなあとか思いますと、日銀ちゃんとしては物価目標達成時期が原油価格推移どうのこうのというような問題ではなく、そもそも論としてのメカニズムが全然ワークしてません的な話になってくるので大変に説明が苦しくなるでしょうなあという所ですし、まあ株下がっているのにその辺の経済の基調に関する懸念もあるんじゃネーノとか思ったりもするのです
けれどもどうでしょうかねえ。

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2015/09/01

○輪番微調整とかSLFとかその他雑談

・輪番買入の微調整来ました

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150831c.pdf

『(注4)2015 年 9 月 1 日以降の最初のオファー金額は、残存期間 1 年以下 700 億円、残存期間 1 年超 3 年以下 4,000 億円、残存期間 3 年超 5 年以下 4,000 億円、残存期間 5年超 10 年以下 4,000 億円、残存期間 10 年超 25 年以下 2,400 億円、残存期間 25 年超 1,400 億円、変動利付債 1,400 億円、物価連動債 200 億円とする予定です。』

前月はこちら。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150731e.pdf

『(注4)2015 年 8 月 3 日以降の最初のオファー金額は、残存期間 1 年以下 700 億円、残存期間 1年超 3 年以下 3,750 億円、残存期間 3 年超 5 年以下 4,250 億円、残存期間 5 年超 10 年以下 4,000 億円、残存期間 10 年超 25 年以下 2,400 億円、残存期間 25 年超 1,400 億円、変動利付債 1,400 億円、物価連動債 200 億円とする予定です。』

今回の変更点は買入明細の中での中期輪番の内訳部分だけが変更になっていて、1回当たりの買入を1-3で+250億円、3-5で▲250億円となっておりまして、トータルではツーペー。他の年限には変更がなくて、全体の買入概要で示している数値やレンジに関しても変更なしとなっています。

・・・・・・・でまあこれで月間に直すと1500億円の割り振り変更になるのですが、中期に関してはまあ辛うじて買入の余地はあるのかも知れませんが、2年とか相変わらずゼロ金利近辺で中々プラスの金利が出ないという時期も結構あるという状態だと思うのですけれども、この辺は投資家のポートに沈んでいたものが出てくることもあるので、3-5よりは買入しやすい可能性もあるとかそういう事でも考えているんですかねえ、よー知らんけど。

あと、ここに来て5年カレントの金利が10bpをそこそこ割った水準で推移していてちょっと強いなあというのもあって、そっちの事も勘案したのかねとか。


・SLFを短国に拡大のようだがワークはするのかね&関連雑談

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150831d.pdf
国債補完供給の実務運用の変更について

『日本銀行は、国債の市場取引や決済に係るストレス要因を緩和することにより、金融調節の一層の円滑化を図るとともに、国債決済の円滑確保にも資する観点から、以下の通り、新たに国庫短期証券を国債補完供給の対象に加えることとしました。』

まあ散々無慈悲買入をして市場にストレス掛けまくっている主体からこのように言われますとマッチポンプという言葉が喉まで出かかってしまいますが(^^)、まあやらないよりはやる方が良いのでそこは歓迎して内容を確認しましょう。

『1.売却対象銘柄
日本銀行が保有する国庫短期証券のうち、日本銀行が適当と認める銘柄とします。』

そらそうだ。

『2.銘柄別の売却上限額、連続利用日数および最低品貸料

国庫短期証券の銘柄別の売却上限額および同一銘柄を連続して売却(注1)できる日数等については、想定される利用形態等を踏まえ、以下の取扱いとします。』

とあるのですが、上限が

『日本銀行が保有する残高(オペ等で売却が決定している金額を除く)の 100%または 1,000 億円のいずれか小さい額』

となっておりまして、えーっとすいません1000億円ですかそうですかあの隣に書いてある長期国債の方が4000億円になっているのですが市場での通常売買ロットから考えたら短国の方が上限額高くする方がバランスとれませんかねえという所ではあります。

まあそもそも論として中長期国債と違って短国は日銀買入の話がこうなる前から基本的にショートセールというのはホイホイと実施出来ないという仕様になっていて(持ちきりの投資家が多いから新発近辺以外でモノが出にくい)ショートセールそのもののが一般的に行われない上に日銀の無慈悲買入が進んでいる訳でして、そらまあ余程のケースじゃないとショートはせんのでニーズがあるのかこれ???とは思う次第。

などと書きながら思ったのですが、期末の債券現先ニーズに対してSLFから物を借りてきてニーズのあるところに売現先かませばニーズはあるかいなとか思ったのですが、そもそもマイナスレートでの買現先取引にどの程度のニーズがあるのかが良くわからんし、手間暇かかる割にワークしない(前日からSLFで借りて置く位にしないと決済がバタバタになりそう)ようにも思えますがどうなんでしょ良く分かりません。


つーことで、この「1000億円」という謎の中途半端な上限金額といい、連続適用可能日が中長期国債の15営業日に対して5営業日とか、作ったのは良いけれども利用者が(BCPのお試し以外で)発生するのかいなという気はするのですれども、まあ無いよりはマシとかそんなイメージなのですけれども、これをローンチしたことに関してまたドヤ顔で「このような施策を行い短国市場の流動性を高めました(キリッ)」とか言われましてもちともにょる所ではありまする。


でまあ話はワープするんですけど、短国市場の流動性とか市場に掛かるストレスというのであれば、より画期的な方法をちょっと提案して置こうかと思うのですよね。

現状の短国買入って6Mと1Yがバカスカ打ち込まれていくようになってきたので、償還ロールの額が相対的に減ってきて今月の短国市場はだいぶ流動性が改善されるのではと期待されている訳でございますけれども、この際QQEでMB目標を置いている時限定で短国に関しては1Yと6Mについては全額日銀引受で発行(発行価額は直近の3M短国入札と2年国債入札の利回りからカーブを引っ張って決めればヨロシ)して貰いますと、日銀の所に1年短国が30兆円、6M短国が21兆円入りまして、合計51兆円の買入が勝手にできます。

で、このままですとMB積み上げ過ぎという事になりますので、資金需給動向を見ながら適宜売りオペ、というと聞こえが悪いので「TAP方式での国債発行」とか「短期国債流動性供給オペ」とか何とか売りという言葉を入れないでMB積み上げで余る分だけ売りに出す、という作戦で調節して頂きますと日銀トレードとかそういうしょうもない取引も駆逐されましてより市場の価格形成が普通になるのではないかねとか思う次第。何せ今の短国市場は6Mと1Yを見ればお察しの通りで「日銀の短国買入を前提にした価格形成」が普通になっていまして、いやまあそれが単にリスクプレミアムを下げるとかいうのであれば文句も無いのですが、「普通の投資家を投資機会を奪うような価格形成を行う」のが本当に日銀のやることなのかよというのはだいぶあると思いますがねえと。

でまあポートフォリオリバランスとかいう話になるのかもしれませんが、そもそもポートフォリオリバランスするにしても純粋な自分の手金なら兎も角、基本お預かりしている金をどうしますかとやっている金利系の市場の皆様におかれましては、運用における制約だってあるし、制度における制約だってある(本当に短期国債市場の資金を全部外に出したければ流動性規制無くせとか、決済担保を取るなというような極端な話をしないといけませんがな)訳でして、短国金利のマイナス定着ってポートフォリオリバランスにおける収益性云々によるリバランスのインセンティブを発生させるとかいうレベルを超越した状態になっているので、もうちょっとそういう問題認識を政策委員会に上げてほしいものだと思いますけど、MPMの議事要旨を見ると毎度毎度どなたかの委員様が「副作用は理論的にも実際にも発生していない」とか堂々と発言するという時点で血圧が急上昇してしまう次第ではございますという事で。

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2015/08/31

・短国買入は8000億円とな

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150828.htm
国庫短期証券買入 8,000 2015年9月1日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150828.htm
国庫短期証券買入 15,827 8,001 0.004 0.005 93.9

ということで、短国買入は2500刻みではなくて8000億円のオファーとなりました。この調子で来月は8000億円ペースでの買入をすると途中増やさないとして4兆円の買入とかになるのかも知れんですけど4兆円だと資金需給的に多いような気もする。

まあ来月は変則連休があってカレンダー的には毎週金曜で9月渡しの短国買入を5本打てるのですけれども、18日のT+2が25日という事になりますので調整入れるのかねとかまあ微妙に良くわからんところはあるが、いずれにせよ買入のフローは落ちる筈です。

応札が少ない気がしますが、末残ニーズがまだ出てくる(別にT+1での買いが出来ない訳ではないので)為に残したとか、そもそも1YTBが入るだろうから札を無駄に入れて地合いを目に見えて悪くするのもシャクとか、その手の配慮はあったのかねとは思いますけど、末渡しで死ぬほど売れているのであればそれはそれで恐れ入りましたという所ではあります。


ちなみに、面倒なので引用しませんでしたが、金曜日には輪番も実施されまして、一般的には長期超長期の予想だった(大きい月末インデックス長期化(特に2.5.8.11は長期化幅が大きい)の時に超長期の輪番をぶつけると投資家イジメになるので避けるという観測だった)のですが、長期変国できやがりましてじゃあ何か市場に影響したかと言いますと、「金曜に無いのなら月曜にあるだけですがな」という事でそれに関しては超長期に影響せずという図になりましたが、地合いが悪い時って「このゾーンが輪番で入らずに失望」とか言って相場が動いたりして朝三暮四のエテ公もビックリな動きをするのですが、金曜の相場コメントを色々な方から聞いたら輪番の反応が皆上記の感じだったのでちょっとワロタです。

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2015/08/28

○スポ末短期市場雑談メモ

・月末のレポの大騒ぎは回避の模様で

昨日はスポ末ということで一番の注目は前月のレポ突如蒸発アゲインがあるでしょうかという話ではありましたが、まあ特段の騒ぎにはならなかったようで(GCレポ金利の水準そのものは低下したみたいですけど)、先月の大騒ぎは何の拍子で発生したんでございましょうかとは思いますが、今月は一応前月の経験から事前に構えていたのもありますが、先月ほどの大規模なシュリンクが起きなかった(とは言っても金利が下がっているのですからまあ取引縮小の動きは幾分かはあったんでしょと思いますが)とゆー話で、超過準備拡大の困難さでQQEの技術的限界とかの騒ぎにならなくて日銀もニッコリという所ですかそうですか。

まあしかし月末の度にGCレポ金利が下がるという事象が発生するとかいうマーケットというのも何なんでしょうかそれとは思ってしまう訳で、取引高だけ見て「新たな市場ガー」とドヤっておられる方も当局方面に多いのですけれども、まあ市場としての参加者の厚みとか多様性に欠けるものを後生大事にリファレンス市場みたいにしようとすると碌なことにならんとは思われますがね。


・3M短国はまたまたマイナスで最早忘れたが多分8週連続くらいのマイナスだわさ

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150827.htm

(3)募入最低価格100円00銭0厘5毛(募入最高利回り)(-0.0020%)
(4)募入最低価格における案分比率17.2349%
(5)募入平均価格100円00銭1厘4毛(募入平均利回り)(-0.0056%)

前週は足切が価格が低下(マイナスの拡大)してナンジャソラと思ったのですが、今回は順当(?)に足切価格が100円の一つ上になりましたが、そうは言ってもそこの案分は相変わらず薄めという状況でございまして、いやあの来月は短国買入が何処からどう見てもそんなにフロー入らない筈なのだが3Mをまだマイナスでやるかねとは思うのであります。

とは申しましても、6Mカレントは9割が日銀に入ってしまいまして、1年が先週の買入でどれだけ入ったのか(どうせ1.75兆円買入の殆どだと思うけど)分からんですが、これも早晩全部捌けるとなりますと3Mの順番が回ってこない訳でもないとかそういう事なんでしょうかねえとか若干は思いますが、それよりは9月が近くなってきましたので例によって例の如くで期末残高ニーズとしての「モノ」としての短国ニーズも出てくるだろうというはあるかも知れませんね。ただまあ直近では6Mと1Yのターゲットディール状態の短国買入になってしまっている状態で3Mの買入が前四半期や昨年の金利マイナス特攻局面などと比べて落ちてきているので、そこまで玉が逼迫するのかね(去年の9月みたいに)というのはちょっと違う気も。


まあそんなことで今日は短国買入で額がどのくらいで入るのか(そんなに買わなくて良いはずだが)というお話ではあるのですが、短国買入の基準利回りとなる売買参考統計値の6Mカレント(549回)のこの3日位の利回り推移の変化を他の銘柄の動向と比較して確認するなよ!絶対するなよ!!!

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2015/08/27

○折角なので市場俺様備忘メモ

・昨日の株式市場は上海が微妙に怪しかったですけど

日本株は上昇でしたが途中まで値動きの飛び方はかなりのアレでしたな。
http://jp.reuters.com/article/2015/08/26/idJPL4N1111XV20150826
2015年 08月 26日 15:28 JST
東京株式市場・大引け=7日ぶり反発、日経平均は今年最大の上げ幅

香港は上昇も上海指数は上げたり下げたりやたらドタバタしてた感がありましたが結局マイナス引け。
http://jp.reuters.com/article/2015/08/26/idJPL4N1112S320150826
2015年 08月 26日 16:59 JST
中国・香港株式市場・大引け=中国は5日続落、追加緩和で下げ幅は限定的

でまあ欧州下げて始まっていましたが、結局米国は戻っておりましたな。
http://jp.reuters.com/article/2015/08/26/idJPL4N1115BG20150826
2015年 08月 27日 05:18 JST
米国株式市場=急反発、9月米利上げ観測後退で安値拾いの買い

・国内債券はまあこんなもんですか

http://jp.reuters.com/article/2015/08/26/idJPL4N1112FB20150826
2015年 08月 26日 15:20 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は小反発、長期金利0.375%に上昇

『長期国債先物は小反発。25日の米債安を受けて安寄りしたが、リスクオフへの警戒感が根強いことに加えて、日銀買い入れによる需給引き締まりが意識されて持ち直した。後場は日経平均株価が大幅に反発する場面でも底堅く推移した。現物債も小動き。相場の方向性が出にくかった。国内銀行勢からの益出しで中長期ゾーンが軟化。超長期ゾーンは横ばい圏で推移した。日銀オペの結果は残存25年超がしっかりだった。長期国債先物中心限月9月限の大引けは、前営業日比3銭高の147円97銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は同0.5bp上昇の0.375%。』(上記URLより)

月曜は先物売買高が1.9兆円しか無くてぐぬぬと思いましたが、火曜水曜の先物出来高は3.1兆円に2.5兆円なのでさすがに売買がありますな状態にはなっているものの、日本相互証券の引けを見ますと殆ど引け変わらず(先物も3銭ですけど)とか方向性出ませんなあという所ではあります。

まあ今回に関してはスタートとなる水準が国内債券の場合はもとより金利が低い所にあったというのがあって、0.3%台のスタート地点から今更リスクオフヒャッハーで債券買い進めるというような絶対水準でもない(その前から消費とかも怪しいし海外も怪しいし大丈夫かね的なサムシングがあって金利低下というのもあったと思うので)というのがあったので、株が下がってもまあ反応しませんでしたね、という事にしておくと国内債券市場って先見性があって素晴らしい!ということになりますのでそういう後講釈にしておきませんかね債券の皆さん(^^)。

#実際問題としてはリスクオフにしてもちょっとペースが速すぎだったので債券買うよりもまずはポジションの圧縮が先に来るから債券買うとかそういう話にならなかったんでしょうけどね


・さて本日は2Yと3Mの入札とスポ末なのですが

2Yに関しては毎度毎度「今度はゼロ金利とかになるのか」と思わせながらも結局カツカツのプラス金利が足切になるという感じで推移しますけれども、まー今回もそんなもんじゃないですかねえ(てきとう)。

でもって3Mなのですが、先般出ておりましたように日銀の短国買入で打ち込まれているのって殆どが1Yと6Mのカレント(というか直近の銘柄とかどう見ても日銀買占め状態になっているのだが)となっていましたので3Mについては流通玉が持ちになっている筈。その上来月は資金需給的に短国買入のフローを減らせる筈となっていますので、それほどオペ狙いヒャッハーとやる訳には行かないと思うのですが、何せ先週の3M短国で落札金利のマイナスを深くしたというトンデモナイ事案が発生しておりましたので、今回の入札が100円まで届くような緩み方は難しいかもですよね。

おまけに申し上げますと、先月市場がビックリモードになったスポット月末が本日なのでございますが、今月に関しては先月の再来に関して参加者の皆様におかれましてもそれなりに警戒して準備はしているとは思いますので、まあそうなってもそこまで皆でウヒョー状態にはならないとは存じますが、何せGCレポ市場に急に玉が出てこなくなるリスクのある(しかも末初だけ)月末を控えるという事で、新発3M短国に関しては「国債というモノ」に対するニーズも通常運転よりは若干強めに意識されるのではないかと思われますので、まー新発3Mのニーズは強いでしょうなあ(ただしマイナス金利ではない所で)と存じます。


でもってどうなるのかは結局GC市場での存在感の大きい(GCでドカンと資金調達取引をしている)人たちが月末の所をどうするか次第でして、それはたぶんお家の事情的なアレがありますので、お家でも何でもないアタクシとしては「まあその人たち次第じゃないですかねえ」としか申し上げようがないのが残念な所ですが、市場も覚悟しているからどっちに転んでもまあそうだよねという話になるでしょう。

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2015/08/26

○市場関連メモと関連雑談だが「米中当局のコミュニケーションの下手さ」がテーマではないかと

・国内株式市場ェ・・・・・・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/2015/08/25/idJPL4N1102QX20150825
2015年 08月 25日 15:49 JST
〔マーケットアイ〕株式:日経平均・日足は「中陰線」、騰落レシオが67.21%に低下

『<14:03>  日経平均は不安定な値動き、短期筋による先物売買で
<12:45>  日経平均は上げ幅縮小、上値では戻り売りも
<11:40>  前場の日経平均は6日ぶり反発、日中値幅1000円超す乱高下
<11:27>  日経平均は上げ幅200円超、買い戻しが加速
<10:57>  日経平均はプラスに転じる、ドル/円上昇で買い戻し
<10:05>  日経平均は下げ幅縮小、メガバンクに押し目買いの動き
<09:20>  寄り付きの日経平均は大幅続落、2月17日以来の1万8000円割れ』

上記URL先の小見出しを並べただけでもあばばばばーなのですが、何せご案内の通りで日経平均ベースで780円位下がって始まって1000円位上昇して後場途中から大失速して結局盛大な逝ってこい(その間も先物の値段が動く動く)というお洒落な相場になっておりまして最早何が何だか。しかも先物は現物引け後に17700円水準とかに下がりやがるしもうねというあばばばばー状態。

しかもイブニングセッションになって今度は欧州株がやたら強いのにつれて(一応ドイツのIfoが強かった気がするが)盛大に先物が戻って来て、ついでに後述のように中国人民銀行様の泡吹き追加緩和が投下されて上昇ヒャッハーとなったまでは知っているのだが朝起きたら何でNY株下がっているのかと小一時間問い詰めたい。

まーしかし何ですな、押し目買いだか何だか知らんですが、昨日は下で寄った後に盛大に持ち上げた上に叩き落としですから上下共に怪我人が続出したのではないかと思いますと誠に遺憾の念を禁じ得ない訳でして、相場が底打ちしてくれたとしてもしょうもないしこりポジションが発生してややこしそうですな、ナムナム。


・なお債券市場は金利上昇したのだが

http://jp.reuters.com/article/2015/08/25/idJPL4N1102IH20150825
2015年 08月 25日 15:12 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反落、長期金利0.370%に上昇

『<15:08> 国債先物は反落、長期金利0.370%に上昇

長期国債先物は反落。24日の米国市場が大幅な株安となり、リスク回避から債券が買われる展開となったが、円債市場では高値警戒感から朝方から売りが先行した。40年債入札を控えていたことも影響したとみられている。後場は日経平均株価が自律反発する場面では戻り売りから一時は147円82銭と8月18日以来の低水準を付けたが、終盤は再び日経平均株価がマイナス圏に沈むと、短期筋からの買い戻しがみられた。

現物市場では総じて金利に上昇圧力がかかった。長期ゾーンは国債先物に連動する格好で、一時は0.380%と1週間ぶりの高水準を付けた。国内銀行勢の益出しを含めた売りが観測されていた。超長期ゾーンは年金勢などの売りで軟化。中期ゾーンもさえない。40年債入札結果は、想定の範囲内に収まった。最終投資家の一定のニーズを集めたとみられている。

長期国債先物中心限月9月限の大引けは、前営業日比15銭安の147円94銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は同2.5bp上昇の0.370%。』(上記URLより)

まあ何ですな、高値警戒感とか書いていますが、それよりもあまりにも他市場が動くもんだから安全資産への逃避みたいなテーマで債券買うよりも、リスク量そのものの管理をどうする的な話になるでしょと思う訳でして、おまけに日本の債券市場様におかれましては日銀の馬鹿買入によって金利にマイナスのリスクプレミアム(というか日銀買占めストック効果)が働いている訳ですからして、ここから債券買ってリスク回避になるのかよというお話じゃないですかねえなどと思うのでした。まあそれ以前の問題として「リスク回避の動きで債券買い」などというのもストーリーだから皆で乗っている話で今日の今日いきなりアロケーションの大規模シフトとか余程の状況じゃない限り難しいがなとは思いますが。

まーここまで他市場にボラがある中で金利が一段低下するというのであれば、それは金融システムがアレとかいうような話で大規模なアロケーションのシフトという話でしょうが、べつにまあ今の所そこまでの話でも無いし、日本の場合は馬鹿買入で長期金利潰しているだけに、馬鹿買入の持続可能性みたいな話になると逆の話になる辺りがヤヤコシイですな。安定しているときの方が金利下がりやすい希ガス。

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2015/08/25

○市場メモですが短国買入の明細を見たらアレ

市場ネタと言えば昨日は株式市場では東1部売買代金4兆円の大商いの中、債券市場では先物の売買高が2万枚に届かないという大変にウゴカンチ会長な辺りに貫禄の安定というよりは不動の市場という風情で、ダイナミクスの無い事おびただしいですな。


それはそれとして毎度のこれ
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額

今回は8/20の残高で比較対象が8/10の残高になりますので、8/10と8/14に行われた短国買入1.75兆円&1.5兆円が対象になります。

前回対比の増加銘柄一覧

549回債(2016/2/10):31822億円
550回債(2015/11/6):673億円

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

ということで、2回の短国買入ですがほぼ全部が6か月新発の549回債になっていることもさることながら、

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150805.htm

価格競争入札:3兆2,243億6,000万円
第T非価格競争入札 :2,756億円

という発行になっておりまして、要は発行額3.5兆円のうち3.2兆円を日銀が購入しているというナンジャソラな事態になっている(しかも入札から1週間ちょっとで)訳でして、こんなんだったらそもそも論として市場買入をする方がよっぽど市場を荒らすだけだから6Mと1Yの短国を日銀が全額引き受けてMBの残高調整に必要な場合に入札方式市中売却した方がまともに市場が機能するわヴォケとしか申し上げようがありませんな。

なお、先週金曜の引け(昨日付の)の売参でこの銘柄の引けはマイナス6.8bpとなっていましたが、昨日の引け(今日付けの)売参でこの銘柄の引けはマイナス4.2bpとマイナス金利幅が周囲の銘柄の動きと全然関係なく縮小しているのですが、発行量の9割くらいが日銀に買い占められた状態だと需給がさぞかし良い銘柄になるはずなのですが面白いですねえ(棒読み)といった風情ではあります。

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2015/08/24

連日のおはぎゃあございます。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NTFSVWSYF01V01.html
米国株:大幅安、ダウ平均調整局面入り−世界株安の流れ
2015/08/22 07:01 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NTG8FNSYF01W01.html
NY外為:ドル下落、世界市場の波乱で米利上げ見通し不透明
2015/08/22 07:04 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NTG9DRSYF01W01.html
NY原油:一時40ドル割れ、約6年ぶり−需給悪化見通しで
2015/08/22 05:44 JST

まあ何ですな、FOMC議事要旨そのものを単体でみた場合にそこまでハトに傾いている訳でもない(タカではないのは確かだが)のですが、足元での海外要因がある中でアレを出されてしまったら思いっきり市場がハトに傾いたという感じですな。

○短国買入雑談

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150821.htm
国庫短期証券買入17,500 2015年8月25日
(めんどいので短国だけ)

ということで、1.75兆円という1年短国と6M短国の入札があった週だけ増額という毎度のプレイが出ましたが。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150821.htm
国庫短期証券買入26,045 17,500 0.009 0.010 69.1
(めんどいので短国だけ)

ということで足切9糸甘で平均1毛甘になっていますので、3M短国に関しては木曜に入札のあった553回が入札が強かっただけに売買参考統計値がマイナス1.5bpになっていまして、他の3M銘柄は軒並みマイナス1bpよりはゼロに近いマイナスとなっていますので、通常の3Mを入れても投げレートだし新発553回を入れても入札の足切がマイナス0.59bpなので9糸甘で入れても投げ。

つーことになりますと、今回はどこからどう見ても1年新発と先月の1年新発(それぞれ売参がマイナス8.5bpとマイナス5.2bp)に6M新発と先月の6M新発(マイナス6.8bpとマイナス3.3bp)とかになるんでしょうし、カレント3Mって普通にモノは有る筈なのですが端から諦めて応札しない事によって地合いを維持しようということですかそうですか等と言い出すのはアタクシの心が濁っていますね。

なお、3Mゾーンで短国買入に入る可能性があるのは7月の2週に実施された馬鹿入札銘柄の544回債だったりしまして、こいつに関しては売参がマイナス3.4bpとなっていますが、この銘柄は確か新発で出た直後には売参がマイナス7.7bpとかいう素敵な金利になっていて、その日に堂々の短国買入実施があって謎の3毛1糸甘一本値落札になっておりましたなあとか思う訳ですが、この銘柄は直近見れる数字ですと27045億円でして発行が5.1兆円(5.09兆円)となっておりますのでまあそれだけの吸い上げが入って需給が大変に改善している筈なのですが何で入札直後よりも利回りが高く(マイナスが少なく)なっているんでちゅかねえ(棒読み)。

まーそれはそれとしまして、来月は資金需給的に短国買入のフローは相当落ちる筈ですし、大体からして発行量が減っているのに短国買入残高を先月の頭まで何で40兆円近辺を維持しとるねんという所もこれまたある訳で、もうちょっとフローが収まるはずなんですけどねえ。

更に話がワープしますが、短国と言えば来週になりますが今月末のGC市場はどうなるんでしょという所で、まー先月末の鵯越もビックリの不意打ち奇襲攻撃とは違いまして今回はあるかも知れないという意識はあるからそこまで大騒ぎにはならんとは思いますが、しかしまあ月末の度にレポ市場の流動性が低下する、となりますとそもそも論としてマーケットメークやってられるかよとかそういう話になって、規制の強化で市場の流動性が低下という話になるのだが、市場の流動性が低下する弊害というのは中々こう見えにくい(というか見えた際には時既にお寿司になっている)話で、一方で金融機関の資本が分厚くなって金融システムの健全性が高まったゾーというのは財務指標を見れば誰でもわかる話なので、そらまあパウエル理事じゃないですが「これはコストなのです(キリッ)」とか言うだろうなあと思うのでした。

なお、市場の流動性が低下するというのは思いっきり金融安定化に対する阻害要因であるものの、今申し上げたように具現化するときには大体起きた瞬間にとんでもないことになっているという一大テールリスクではあるのですが、これは指標とかその手のを見ても何ともな所が政策運営としてのお話として説得力が乏しいので恐らくは起きてみて初めて騒ぎになるし、その時に過去の金融規制の強化にバランスを欠いたのではないか的な話って出てこないと思うに1万ドラクマという所です。

まあそんなところで。

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2015/08/21

○市場雑談その他雑談

・3Mまたまたマイナス入札

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150820.htm

(3)募入最低価格100円00銭1厘5毛(募入最高利回り)(-0.0059%)
(4)募入最低価格における案分比率72.9308%
(5)募入平均価格100円00銭2厘2毛(募入平均利回り)(-0.0087%)

お、おぅ・・・・・・・・・・

いやーもう何なんでしょうねえという感じで、足元の東京レポレートの推移とか見ておりましてもレートは普通からちょっと高い程度の水準で動いていまして、短国買入にもカレント3Mはあまり入っていない筈なのですから、モノ自体は業者の持ちになっているとしか思えない状態ではあるのですけど、何と今回の入札では足切が前回前々回の3Mよりも強い結果になるという有様。

売買参考統計値
http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php

を確認しますと、新発3Mの553回債はマイナス1.5bpになっていまして、ベンダーとかによりますと引け時点での業者間取引がだいたいそんなもんという格好なのですが、そうは言いましても一方で1年TBは新発552回債がマイナス8.5bpとかいう目を疑うようなレートになっていて(その1回前の545回債はマイナス5.2bpで、6Mカレントの549回債はマイナス6.8bpとなっていまして、売買参考統計値でイールドカーブを引くと中々面白いカーブが引けますのでお試しあれ)、まあ今日は短国買入を1.75兆円とか実施するのでしょうけれども、新発3Mまでは入らないようにも思えるのよね。

でもって来月になりますと四半期国債大量償還要因がありますので、普通に考えると輪番での買入で積み上げるMBがあるから短国買入のフローが相当落ちる筈なのですけれども、そういう状況の下で新発3M近辺の銘柄って短国買入にどのくらい入れられるのよというのが疑問ではありまして、今回の短国入札が前回よりも強い結果になるという理由が良くわからんぞなもしという所です(ちなみに市場推計によると大口落札した人がいたようですが)。

まあ何ですな、そもそも論としてJGBが足りないというか、中短期(というか短期)のゾーンの金利もゼロに張り付いていますし、そういう意味では短期資金運用以外の買いニーズがいつもよりも多いっつーのもありそうですし、更に気になるのは10月末の不意打ちGC市場大シュリンク攻撃というのがありまして、まーその本当の背景というのは良くわからんままではありますが、GCレポ市場というのも足元のように超過準備ブタブタ攻撃をやっていると、そもそも資金調達しないといけない人が減ってくるところにきて、何らかの事情によって資金調達を抑える動きが出たりすると、GC市場での資金調達ニーズがいきなり消滅しますから、そうなると短国にニーズ出るでしょ、とかそういうサムシングもあるのかもしれませんな。

ちなみに10月末の不意打ち攻撃のGC市場大シュリンクについては結局何が何やらという感じではありましたが、まー先月の無慈悲市場シュリンクを一発見せられましたので、普通の感覚を持っている短期市場の中の人は「月末要因でキターとなるなら今月も食らっても何ら不思議ではない」と思うでしょうから、そーゆー意味では月末にレポ調達が突如止まってその分の短期資金運用ニーズが盛大に宙に浮くという可能性は皆様予想済みだと思いますので、短国の入札にも影響を与えたのかも知れませんね、と無理矢理こじつけようとしましたが、末初1日分の為に3Mをそこまで強くするというのもなんだかねえとは思うのでした。

いやまあ日銀トレードだの何だのと日経辺りにも指摘されるというMB積み上げを一体全体何の為にやってるんだよおいおいという状況の中でオペの運営(買入額をどうのこうのもそうですけどそれよりも買入のやり方の手法とか手段的な問題)このままで良いんでしょうかねえとか考えると一発買入減額なりスキップなりでもする気合・・・・・などまあ無いでしょうな(−−;

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2015/08/19

○毎度の市場関連の雑談ネタ

・1年短国入札ェ・・・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150818.htm

(3)募入最低価格100円02銭5厘(募入最高利回り)(-0.0247%)
(4)募入最低価格における案分比率55.9296%
(5)募入平均価格100円02銭6厘(募入平均利回り)(-0.0257%)

お、おぅ・・・・・・・・・・・・・

足切が100円2銭って確か初だったと思うのだが、2銭どころか2銭5厘とかもう何だかねという所でして、3M短国の金利は若干程度のマイナス水準で推移している筈だし、利付国債の残存1年ってまあ流通玉が全然ないから居場所難しいけど一応引けは0%とかにしているというのにこの銘柄だけ突出してマイナス金利で入札するわ売買参考統計値はマイナス6.2bpで早速4bp近く強くなっているわという毎度のプレイ。

http://jp.reuters.com/article/2015/08/18/idJPL3N10T2BP20150818
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅反発、長期金利0.370%に低下

『新発1年物国庫短期証券(TB)の入札結果で、最高落札利回りはマイナス0.0247%、平均落札利回りはマイナス0.0257%と1年物として過去最低となった。入札は日銀オペにらみの需要で強い結果となった。ユーロ円3カ月金利先物は小動き。』(上記URLより)

とまあそんな感じで、確かに短国の需給自体は確りしているから3Mも微かにマイナスというような展開になっていますが、レポGCや現先は毎度の状況ですし、若干のマイナスでは買いがあると思われますが1年でマイナス2bpとかどこに需要があるのかよと言えばもうそれは上記URL先記事の指摘通り。

なお、ネット版の方には掲載されていない(と思う、ブルームバーグのネット版は記事検索機能が異様に弱いので出ていても気が付かないニュースが多々ある)のですが、昨日の14:44分に配信された記事で『長めの短期国債は「日銀オペ銘柄」化が鮮明』という題名の記事がございまして、中々良い指摘をしておられたりしますので一読推奨。

つーことで短国買入で1年を買った方が後の運営楽だから1年短国の後には短国買入を増額するとか(6Mの時もそうだが)やっているのは、それはそれでMB目標達成の積み上げという意味では最適化された動きではあるのでしょうが、どこからどう見てもいわゆる日銀トレードを促進させているようにしか見えない動きになっておりまして、まー日銀も舐められたもんですなあというのが昨日の1年短国入札の結果でありますな。

まーもとはと言えば日銀のMB目標に無理があって、その無理が短国買入の拡大に繋がり、特に1年短国と6M短国に関してはいわゆる日銀トレードの目に余る横行によって、もはや市場買入した方が却って市場の価格形成をおかしくしてしまうという状態になっている訳で、市場の価格発見機能が大崩壊するならセカンダリー市場で買入やる必要ねえじゃんと思いますし、そういう状況になっても「上官の命令ですから」ってなノリで買入を行うだけの状態で市場との対話とか何なんでしょうねと思うのでした。


そういやまあ昨日は20年国債入札も妙に強くて明日(今日のことね)は超長期輪番だぜヒャッハーというような声なき声が板から漂っていたような気もしますが、きっと1年短国入札結果を見てトサカにきているアタクシが聴いた幻聴だと思うのでまあいいです。1年短国の結果と言いなんかまた日銀愚弄モードになってきている感はあるので、ここらで一発超長期輪番本日スキップ位の芸をかましてくれると面白い(けど輪番の場合は所詮朝三暮四モードなので同じですかね)のですが、まあ何の為に買入してるんだかさっぱりよく分からない日銀の買入は今日も続くということでよろしいんじゃないでしょうか。


・そんなタイミングでこれが出るというのが吉本新喜劇

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150818a.htm/
国債市場の流動性に関連する各種指標の掲載開始について
2015年8月18日
日本銀行金融市場局

『日本銀行金融市場局は、国債市場の流動性に関する各種の指標を、今後、概ね四半期に一度程度の頻度で定期的に更新し、本ホームページに掲載することとしました。

掲載場所は、下記の通りです。

ホーム > 決済・市場 > 債券市場 > 国債市場の流動性指標 >

なお、各指標の定義等については、日本銀行ワーキングペーパーシリーズ2015年「国債市場の流動性:取引データによる検証」を参照下さい。』


さきほど申し上げた日銀舐められてますなあな結果が出た1年短国入札よりも多分後に出ていたように思えるのですが、短国市場の流動性どうなってますねんとか、20年入札が出た辺りのタイミングでこの指標掲載開始とは中々楽しいタイミングで打ち出してくるのですが、どうも日銀の「市場機能はありまぁす」メッセージというのはそれを出してくるタイミングが計ったかのように市場に対しては「このタイミングで出すとは喧嘩売っとるのかゴルァ!」というタイミングな所が涙なしには見れない所であります。輪番も入札もやらなかった月曜日に出せばまだしも何で1年短国入札とかオッペケペーな結果になるのが分かっている日に「国債市場の流動性(キリッ)」というキーワードを投下するのよと。

そういや大昔(というほどの大昔でもないが)には10年(だったと思う)国債入札の前場引け1分後だかに「臨時金融政策決定会合の実施」というアナウンスをぶち込み、前場引けの時点で12時締め切りの入札に向けてヘッジをしている業者への虐殺プレイ(その時の臨時会合はやるなら緩和だからヘッジだけ踏まれる)を炸裂させたという事案がありましたが、どうもこう市場との対話というのが本人たち大真面目にやっているんでしょうがセンスにだいぶ問題があるんですよねえ・・・・・・・・・


なお出ているものはこちら。
http://www.boj.or.jp/paym/bond/ryudo.pdf

項目はこちら

<長期国債先物市場>
図表1:出来高と取引サイズ (volume)
図表2:ビッド・アスク・スプレッド(tightness)
図表3:板の厚み(depth)
図表4:価格インパクト(resiliency)
<現物国債市場>
図表5:ディーラー間取引高(volume)
図表6:投資家等の売買動向(volume)
図表7:対顧客取引のビッド・アスク・スプレッド(tightness)
図表8:対顧客取引の提示レート間スプレッド(depth)
図表9:残存年限別の提示レート間スプレッド(depth)
<SCレポ市場>
図表10:GC−SCスプレッド
図表11:SCレポレート


ということですが、まあ無いよりはマシですけど先物の流動性じゃなくて足元問題なのは現物の流動性ではあるんですけどねえとは思うのでした。

しかし満を持して(かどうか知らんが)出すタイミングがオッペケペー入札の1年短国の日という所にもうちょっとその日程調整は何とかならなかったのかと小一時間問い詰めたい。

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2015/08/18

○市場雑談メモ

・業態別当座預金残高

うむ。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

7月の平残を見た場合にほほーと思うのは信託銀行が増えている所くらいですが、今回に関しては7月末残の方が気になるのでそちらを拝見。

末算ベースでの日銀当座預金残高全体は6月末対比ほぼ横ばい微増の230.1兆円となっています。ちなみに6月末残が3月末残対比で28.3兆円積みあがっていて四半期20兆円を大きく上振れているのは先日来申し上げている通りですけどね。

でもって全体ではツーペーなのですが、内訳をみると銀行業態が残高を落としていて外国銀行、信託銀行が残高を増やしているのがほほーという所です。地方銀行さんの落ちに関してはその前の6月末残高が四半期の国債償還要因で上に振れた分の調整だと思われます(その他さんもそうかなと思われ)が、あとちょっと気になるのはこれまで順調に当座預金残高を拡大していた都市銀行さんが5月以降末残を増やしていない事でして、単に偶然の産物ならばはあそうですかという所なのですが、地方銀行さんの場合は国債発行償還でぶれているので、そういう中で残高が一定している感があるのは少々アレということでメモを置いておきます。


・1年短国入札ですが・・・・・・

いやまあ1年短国と6M短国は最早別の世界になっていて、そもそもこれを市中公募して日銀がせっせと買入をするという作業そのものに何の意味があるのかと小一時間問い詰めたいところではあるのですが、どうせマイナス利回り突っ込んだところで入札してその後もセカンダリーでずっとマイナスの深いところをキープして今週金曜にまたまた短国買入1.75兆円とか実施して1.75兆円が全部1年新発になるんでしょ、という所までは読めた(も蜂の頭も誰でもそう思う)。

まあ問題は3Mの方でして、カレント近辺の3Mは日銀に全然入っていないと思われますし、だいたいからして来月は輪番要因を加味すると資金余剰月間になる筈で、短国買入ってそんなに頑張って入れなくても良いはずなのですが、3Mそのままいつまで持ちになっているのかなあとは疑問に思う所で、今週の3M新発はさすがに足切100円くらいにならんかねと思うのですがはてさてどうなるのやら。

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2015/08/17

○各種雑談メモである

・短国買入である

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150814.htm
国庫短期証券買入 15,000 2015年8月18日
国債買入(残存期間1年超3年以下)3,750 2015年8月18日
国債買入(残存期間3年超5年以下)4,250 2015年8月18日
国債買入(残存期間5年超10年以下)4,000 2015年8月18日

ということで短国買入は1.5兆円ということで順当に減りまして、結果は以下の通り。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150814.htm
国庫短期証券買入41,473 15,001 0.006 0.012 4.5
国債買入(残存期間1年超3年以下)18,220 3,753 0.003 0.004 52.9
国債買入(残存期間3年超5年以下)12,864 4,254 0.001 0.002 56.5
国債買入(残存期間5年超10年以下)14,728 4,002 0.002 0.004 34.1

てな訳で応札4.1兆円ほどとなっていまして、先週月曜の短国買入が1.75兆円の応札で42117億円の応札だったので新発3Mが5.1兆円出てきた中で1.6兆円ほどが応札に回ったというのが単純計算になる(単純すぎで雑にも程があるが)のですかそうですかという所ですな。

でもって7/31の短国買入ではその直前に入札やった3Mの548回が引けマイナス1.3bpに対して6糸甘一本値で入っていまして(先週書いた短国買入残高の話は慌てて書いていて内容が変でしたすいません)それは入札を平均マイナス0.44bp足切マイナス0.40bpで入れてマイナス0.7bpで落札して何が楽しいんだか分かりませんけれども、まあそんな短国買入をやっておりましたので、今回の短国買入でももしかすると3Mを入れた人もいるのかな、というのはちょっと注目しておきましょう(とか書いてますが20日の残高に跳ねてくるので今週金曜までちゃんと覚えていられるのか、笑)。

まあ足切6糸甘なので、3M新発551回の引けはマイナス0.3bpなのでプラスで日銀に売るはずもない(日銀にプラス利回りで売らなくても普通に国内投資家にプラスで売ればよいので)ですが、その前の3Mだと550回がマイナス0.6bp、548回がマイナス0.7bpでして、ゼロだのマイナス0.1bpとかで3Mの新発を日銀に売る動きってあるのかね(なお入札レベルから見たら投げになる)とか20日の残高を鑑賞したいのですが、10日の買入分も入っているので混じってしまって見難いかなとも思います。まあ1年とか6Mのカレントの引けがマイナス5.5bpだのマイナス8.1bpだのやっていますので基本的にそこらが入っていると思うのですけれども(その前の1年はマイナス1.5bpだけど6Mはマイナス3.3bp)。


でまあ短国に関しては今の所発行減額と6月に前倒しでMB積んだのがダブルで効いている形で入札が延々とマイナスになるという需給の良さを示しているものの、そうは言いましても現先とかレポ市場の方は(短国現先は時々モノが減るが)特にレポの金利って7月末のような妙な事案の時以外はそんなに下がらないですし、まーここからは年末に向けてMB目標に対して短国買入を落としても回る筈ですので需給の方は徐々に緩和するのかねえとは思うのですが、何せ中期の利付に関しても相変わらずの展開になっていて、以前は短国モノ無し→中短期の利付に買いが殺到というループでしたが、最近は中短期の特に短い所がどうにもならんとか、短い所を輪番および輪番に向けたオペ先のビットなどに向けて打ち込んでしまって残高無いとか、まあそういう流れから短国の金利が上がらない上がらないという状態になっておりまして、結局日銀の吸い上げが効くのは同じだったりするのでしたorzorz

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2015/08/14

○市場メモというか短国ェ・・・・・・・・・・・・・・

きのうの3M
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150806.htm

(3)募入最低価格100円00銭1厘0毛(募入最高利回り)(-0.0040%)
(4)募入最低価格における案分比率43.4472%
(5)募入平均価格100円00銭1厘3毛(募入平均利回り)(-0.0052%)

・・・・・・・・orzorz

ということで昨日の短国も足切が100円の2つ上の札の所となっておりまして、いやあのここの所日銀の短国買入で3Mカレントって7/9入札の銘柄以外は入っていないですし、短国買入の残高自体も足元で償還の影響でやや減ったのですけれども何でこんなに堅調なのよという所で、そらまあ需給が良いということなのでしょうが、その一方で現先とかレポとかの金利は相変わらず高めに推移しているという何が何やらのマーケットになっております。

ということでそんな状態なのに日銀の短国買入はどうせ今日も実施されるのですが、どの程度の応札が来て足切水準がどの程度になるのか、というのにも注目するのですが、そもそも何ぼオファーしてくるのやらという所で、今週は新発が3Mしか無くて1Yは来週の入札なので、来週の買入は多くなるけれども今週は減らすという感じになるんでしょうかねえ、よー知らんけど。

しかしここもとずーっとこんな感じでして、一時日銀買入と海外の買い(と期末の買い)が盛大にぶつかった時って本当の本当に玉無しでレポとかのレートも超下がったのですが、最近はこの前の月末のような怪奇現象は兎も角として、通常ベースでは流通市場がマイナス金利なのにレポ現先玉はあるみたいな流れなのがちょっと違いますな、うんうん。

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2015/08/13

○本日は短国入札なのでメモだけおいておく

日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

今回は7/31の短国買入分が反映されていますが、差分をとると購入銘柄は6Mカレントの548回債が11709億円、その前の月に出ている6M短国の543回債(なんでこれいつもあるのよ)が2503億円で、あとは1000億円以下となりますが、入っているのが1年カレントの545回債と、7月の9日に物凄い強い入札で値段が飛んだ544回債となっております。

ということで、直近546〜550に関しては今週月曜でどうなったのかはさておきまして、週初の朝の時点では日銀の保有がゼロとなっていて、日銀保有残高そのものも(買入日程のズレ分もあるにせよ)8/10時点では4.1兆円減っている(そこに買入で1.75兆円増えていますが)訳なのですが、なんか知らんがここの所の短国入札は3Mでもカジュアルにマイナス金利の足切が連発していてどうなっとるんじゃこれという所ではありますが、本日はどうなるやらさっぱり見当つかんですたいという所でメモだけ。

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2015/08/12

○市場雑談メモメモ

・月曜の短国買入

のオペ結果(輪番等の結果は割愛)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150810.htm
国庫短期証券買入 42,117 17,500 0.011 0.015 93.7

ということで月曜の短国買入ですが、前回が1.5兆円で来て先週は6M新発があったので2兆で来るのかと思ったら1.75兆円という毎度の細かい刻みキタコレなオファーをしてきましたの巻。札が4.2兆円あったのはカレントの3Mが直近たぶん短国買入で吸収されていない筈なのでそこそこ余っている筈なことと、6Mがあった事を考えると順当ちゃあ順当ですが、足切は1.1毛甘までしか入っていないので、直近の3M銘柄を入れに行くと10日の売参から見ると出来上がりがプラス利回りになってしまいますな(なお先週入札のあった3Mカレントはマイナス利回なのはいつもの事として市場推計の不明がやたら多いのは気になったのですが)ということで、例によって例の如くで6Mカレントの売参がマイナス7.1bpとかいうオモシロ引値になっておりましたので、概ねこの銘柄が入って、後は他のマイナス深い参考値の銘柄がポコポコという所でございましょうか。よー知らんけど(前回の短国買入残高とか見ると1か月前の6Mだの1Yだのも札が入ったりするんだなとは思うので)。

ただまあ札が4兆円とかあって、3Mの直近発行銘柄が普通に浮いているはずの中でも2兆入れてこないということで、さすがに短国市場の市場推移が日銀買入狙いモードが露骨で品性の欠片も無い辺りとか、同日に出ていた日経マーケット面での「日銀トレード活発化」(なおそれは輪番オペの話)みたいな記事とかでちょっと考えたのだったらまあそういう事ですかねえとか思いますが、良く良く考えたら前月も7月の6Mの入札が無駄に過熱化した後の短国買入が1.75兆円になって「おおこれは市場配慮」とか思ったら翌週に結局買入が増えているという無慈悲買入に逆戻りとかあったので、なんとも評価しにくいですなこりゃ。

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2015/08/07

○市場雑談というか3M入札ェ・・・・・・・・・・・

昨日の3M入札である
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150806.htm

(3)募入最低価格 100円00銭1厘0毛(募入最高利回り)(-0.0040%)
(4)募入最低価格における案分比率 43.4472%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘3毛(募入平均利回り)(-0.0052%)

・・・・・・・・まーた100円の2つ上で切れているのかという結果でございます。先週の短国3Mは足切100.0011/100.0010という結果でしたので、今週は平均価格が堂々の上昇となっておりまして、更に強くなるの図で需給が強いのが続いてますなあという所ではあります。

でですな、まあ先週の場合は水曜の時点で末初GCレポでの資金調達ニーズが突如消滅して、そのあおりからSCレートが急低下するわSC出し渋り状態になるわとなって、これはどこの4半期末ですかという状況になっておりましたので、まあその余波が影響して木曜の3M入札が強い、となるのは想像がつくのですけれども、今週に入ってからはGCレートも上昇(特に週半ばから高止まり)していて現先取引でも普通にモノがあると思われるのですが、そういうマーケットメーカーはそこそこ玉があるだろうにという状況下で一段の金利低下とか中々鬼展開。

市場推計の落札分布をみると3兆円ほどの不明が入っていて、一方で毎度お馴染みの短国と言えばどこどこ、というような業者さんの落札が少ないように見えまして、まあいつもの入札ではあるのですが、若干パターンが通常と違う気がするので、何か妙だなという所です。


でまあ売買参考統計値を見るのだが。
http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php

今回の新発550回債の引けはマイナス0.4bpと足切水準になっていましてまあそうですかとゆー所ですが、相変わらず味わいが深いのはオペに入りそうな銘柄の引け推移でして、水曜に入札があった新発6Mの549回債を見ますと、引けは一段と低下してマイナス7bpの水準に金利が低下しているという謎展開になっておりますな。

新発入札の日に落札結果を受けて強くなるというのは分かるのですが、その翌日になって別の新発が出ていて、しかもそっちの新発は落札水準と同じところでの引けになっているという相場展開のなかで、6M新発だけが2毛ほど強くなるとはまたお洒落としか申し上げようがございませんな(棒読み)。なお昨日も申しあげましたが、日銀買入で盛大に吸い上げされた筈の既発1年や既発6か月、あるいは恐怖の踏み入札になった3Mの544回債などの引けは徐々に甘くなっているのも実に味わいが深いとしか申し上げようがなくて、日銀大量お買い上げで需給は当然タイトになるはずなのにタイトになった所から徐々に金利が上昇するとか超常現象っぽくてお洒落ですね(棒読み)。

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2015/08/06

○市場雑談というか6M短国入札ェ・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150805.htm

(3)募入最低価格 100円00銭8厘(募入最高利回り)(-0.0158%)
(4)募入最低価格における案分比率 47.0610%
(5)募入平均価格 100円01銭1厘(募入平均利回り)(-0.0218%)

もうねという所ですが、先月の6Mが-1.95bp/-1.56bpでどっひゃーという入札だったのですけれども、足切価格が同じで平均価格が1厘上がっておりまして、イールドに直すと堂々のマイナス2bpでもうねという結果。

売買参考統計値
http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php

新発の549回債はマイナス5.0bpなのはああそうですかという数値なのですが、良く良く見ますと短国買入で盛大に打ち込まれて需給が更に締まっている筈の1年カレント545回とか先月の6Mカレント543回とか先月9日にオモシロ入札になった3Mの544回の引けってしらっとマイナスが縮小しているのはどうちてでちゅかねえ。

なおロイターの市況概況から。
http://jp.reuters.com/article/2015/08/05/idJPL3N10G2H820150805
Markets | 2015年 08月 5日 15:26 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が反落で引け、長期金利は0.395%に上昇

『[東京 5日 ロイター] -

<15:23> 国債先物が反落で引け、長期金利は0.395%に上昇

(途中割愛)新発6カ月物国庫短期証券(TB)入札結果で、最高落札利回りはマイナス0.0158%、平均落札利回りはマイナス0.0218%と、いずれも前回(最高:マイナス0.0156%、平均:マイナス0.0195%)を下回り、6カ月物の入札として過去最低を更新。日銀の買い入れ期待が利回り低下を促した。新発債は、入札結果発表後の業者間取引で、一時0.052%まで水準を切り下げて出合った。』(上記URLより、原文ママ)

『<12:50> 6カ月TB落札利回りが過去最低、業者間取引で-0.035%に低下

(途中割愛)市場筋によると、新発債は入札結果発表後の業者間で、マイナス0.030%で数百億円の出合いを付けた後、マイナス0.033%、マイナス0.035%と水準を切り下げて取引が成立したもよう。市場では、「日銀買い入れは最短で10日に入るとみられるが、8月は月間資金需給が大幅な不足となるため、1回2兆円規模のペースで日銀買い入れが通告される可能性がある。日銀買い入れへの期待が利回りを押し下げたようだ」(国内金融機関)との見方が出ている。』(上記URLより)

てな具合でして、多分この0.052%というのはマイナス0.052%の事だと思いますが、まあ入札後に利回りがえっさほいさと下がっているようでございますが、いやあそんなに強いところまでいきなり買いあがるようなセカンダリーのニーズって凄いですねえどこの投資家さんのニーズなんでしょうかねえ(棒読み)という風情ではございますが、何と申しますかこんな市場の価格形成ってどうなんでしょうかねえ。


という中で本日は3Mの入札なのですが、先週の買入がどうなったのかはまだ数字が出ていないので分からんですけれども、日銀買入では直近の3Mは殆ど吸収されていないように見える中ではあるのですが、別に流通市場で玉が出るわけでもなく、その一方でGCレートはやや上昇気味に推移ということで、何が何だかよくわかりませんが、まあ流れても100円でしか切れないんでしょ(多分その上で切れるのではないかと)と思いますが、6Mの相変わらずの強さとか、一方で3Mは日銀に入らない割には入札堅調とか、まー需要そのものは相変わらずの強さちゅー事なんでしょうかね、よー知らんけど。

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2015/08/05

○市場雑談メモ

・短国買入残高ェ・・・・・・・・・・・

毎度おなじみのこれ
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額

前回との差分を採りますと、前回以降(7/17と7/24の買入)で入った銘柄が543回18755億円、545回債16301億円、544回債9545億円、537回債400億円、541回債2億円と出てまいりました。

つーことで思いっきり想定通りにも程があるのですが、短国買入の前日に急に引値が周りの銘柄と関係なく4毛強くなりやがった謎の1年カレント(545回)が入っていますが、やはり6か月カレント(543回)もバカスカ入っているのの巻。入札がクソ入札となって引値がマイナス7.7bpとかやってた7/9入札の3Mがまだ応札する玉が1兆近くもあったのかよとそっちもちと驚き桃の木。

ということでカレント3Mが全然入っていないのですが、その割には短国市場は相変わらずの流通玉カラカラ帝浴場な訳でしてどういう事やこれはとゆー感じではありまする。GCレポのレートは高いのですけどね。

なお、今後の償還ですが8月が8.1兆円、9月が4.9兆円なので、8月の短国買入が基本週に1.5兆円で来て、6Mと1Yの週に2兆円で合計7兆だと短国買入の残高も38兆円レベルに落ちて、短国発行が減ってタダで無くさえ需給バランスが締まるので、ストックの方を減らす方向で(というかMB目標の内訳の作り方からして追加緩和時に本来は短国買入にこれ以上のストレスを掛けない、という触れ込みだったのに却ってストレスを拡大するような無慈悲買入をしたのが話をややこしくする要因)お願いいたします。


・8月資金需給見込み

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1508.htm/
日銀当座預金増減要因(2015年8月見込み)

今月の財政要因による日銀当座預金増減見込みは国債買入要因前で13.9兆円のマイナス見込みとなっていますが、ここから輪番オペが偶数月なので9.38兆円のプラス(実際は月末跨ぎで受渡がズレるのがあるので、入り繰りがあるがそこはネグる)なので、4.5兆円程度の不足となります。

でまあ先ほどの短国買入残高から見ますとたぶん7兆円の買入とかになるのですが、そうすると今月は2.5兆円ほどMB積みあがるという計算(ただし固定オペの落ちとかETF買入とかの辺りは全部ネグっている)になりまして、まあそれはそれで良いのですけれども9月の着地ってどうなるんでしょというのがアホなのでイマイチ良くわからん。

なお真面目に計算しようとしたら、たぶん国債の償還額と日銀の保有額を計算して、銀行券と財政は前年並みで計算しておくとかで置きを入れて計算するのだが、アタクシもそこまで手が回らんので勘弁。


・10年0.4割れとな

http://jp.reuters.com/article/2015/08/04/idJPL3N10F2MY20150804
Markets | 2015年 08月 4日 15:25 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が反発、長期金利は2カ月ぶり0.390%に低下
[東京 4日 ロイター] -

『<15:23> 国債先物が反発、長期金利は2カ月ぶり0.390%に低下

国債先物中心限月9月限は前日比25銭高の147円79銭と反発して引けた。前日の海外市場で、商品価格の下落やさえない米指標を受けて、米債が買われた流れを引き継いだ。事前に警戒感があった10年債入札を無難に通過すると、買い安心感が広がり、一時147円80銭と4月30日以来約3カ月ぶりの水準に上昇した。』(上記URL先より)


ということで、10年入札警戒とか言ってたのは何だったのかと小一時間問い詰めたい(なお新発の引けは0.385%)のですが、なんかこう夏になって投資家が登場しにくくなる中で割とこう閑散な中で強くするとかぐぬぬという所ではありますというメモだけ。まあそういうときに限って経済指標が微妙なモノが出る、というかそういう状況だからスルスルと強くなるんですけどね!!!!!

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2015/08/03

○市場雑談

・輪番スケジュールは同じと来ました

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150731e.pdf
当面の長期国債買入れの運営について

『日本銀行は、長期国債買入れについて、当面、以下のとおり運営することとしました(2015年8月3日より適用)。── 次回公表は8月31日17時を予定。』

ということで毎度の奴ですけれども今回は・・・・・・・・・・

『(注4)2015年8月3日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下700億円、残存期間1年超3年以下3,750億円、残存期間3年超5年以下 4,250億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,400億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です。』

ということで、買入オファー金額に関して変更はなく、ついでに言えば本表のほうにある1か月の買入回数と買入額の呈示レンジ(やたら広いですけど)に関しても変更はなく推移しておりまして、まあこれはこうするしかないかな的な所なのでしょうかね。中期も何気にしんどいから超長期にもう少し振っても良い気もするのですがやはりあまり超長期を増やしたくはないんでしょうかね。

ただまあ先週突如勃発した末初レポの蒸発(GC調達が盛大に落ちてSCの玉出しがいきなりどこの期末ですかという勢いで落ちた)というのを見せられますと、金曜にも申し上げましたが、「国債の買入」そのものはこれからも回せるのかも知れませんが、国債の買入の裏側で発生する超過準備について「わざわざ超過準備を積む人は誰なのか」という問題が発生(すると結果的に誰も国債の買入に応じないので一頃のドイツ金利状態になるリスクが存在)というのはまー政策運営的に宜しい話で無くて、どこまでこの政策を継続するのやらという話ではあります。

まー常識的に考えて「オペが回らなくなって目標の達成前に物理的に政策が立ち往生」というのが政策実施している方としては一番悲惨な話になりますが、そらまあ経済物価情勢が日銀のもくろみ通りにずっぽり嵌ってくれればコアコア物価が1%とかになってくると市場がだんだん泡を吹いてくるから輪番もホイホイ札が集まると思うのですがそうじゃない時って政策を変えるわけにもいかないのだけれども物理的に政策が立ち往生というのは出来ないですからどうするんでしょうねえというこの夏の後の姿なのでありました(と思う)。



・短国買入は1.5兆円

うむ。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150731.htm
国庫短期証券買入 30,911 15,002 0.006 0.006 81.2

(めんどいので短国買入だけ)

えーっと、6糸甘の一本値となりますと金曜日付の売参から考えて3M短国は直前の新発債なら入札レベルからの負けはない(と言ってもこれそんなに差は無いですぞな)ですが、その前の銘柄ですと出来上がりプラス利回りですから、カレント3Mか持ちが残っているのなら1年短国か6か月短国という事になるんでしょうな、うんうん。

でまあ応札が相変わらず多くないのが微妙に????感があって、既発の手前の3Mのモノが全く無いというのでしたらこんなもんなのかも知れませんが、短国買入で吸収された様子もない中で玉が無いとも思えないのですが、単に売参から見てそもそも入れるだけ無駄という認識で入れてないのか、リアルでモノ無し芳一なのかが良くわからんです、はい。


・当座預金残高と金融調節内訳

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqx/juqx.htm/
日銀当座預金増減要因と金融調節(7月実績速報)
2015年7月31日
日本銀行

『本日、以下の統計データを公表しました。
日銀当座預金増減要因と金融調節(7月実績速報) [ZIP 11KB]』

というようなのがございまして末算数値の速報が見れるのですが、7月末は当座預金残高が前月末比で2300億円のプラスになっていて、銀行券発行残高が4600億円の増発になっているので、マネタリーベースは単純にここだけ計算すると7000億円ほどの浮きというお話ですかそうですか。

でまあここの数値見ててほほーと思いましたが、末算数値で当座預金は2300億円プラスになっているのに準備預金残高は9400億円位のマイナスになっていまして、所要準備預金額がそうホイホイとぶれるわけはないので、これは超過準備がそんだけ減っているのに当座預金残高が増えているという話になるので、日銀の資金供給を受けて増えた金がありーの、一方で超過準備を四半期末ベースよりも削った人たちがありーのの中で非準備先の所に資金ドバー(と言っても1兆ちょっとだが)という図になったということで中々味わいがありますな。まあ業態別末算数値は15日の積み期間終わったところで月末値が公表されますのでその辺りで忘れていなければ確認確認ということで。

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2015/07/31

○市場雑談メモメモ

・TKRRは案の定マイナス

http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート

でまあこちらの「翌日物T+1スタート」を見ますと・・・・・・・・・・

2015/7/29:0.047%
2015/7/30:-0.011%

ということでいきなり6bp低下でヒャッハーヒャッハーという結果でございまして、つまりは今日スタートの月末月初のGCレートがマイナスに突撃ということで、昔は期末でバランスシート縮小する人たちがいて、かつ国債残高調整ニーズで債券現先などのニーズが強まるというのがあって金利低下(なお超大昔の資金不足時代は期末のバランスシート縮小の動きでコールの出し手が減るので末初レートは上昇するのが仕様)というのがあって、いつの間にやらそれが四半期になったと思ったら今月いきなり大爆発モードとかもうねというのは昨日申し上げた通り。

何か一応後付でベンダー解説記事とかもちょっとは出ていたのですが、なんだかなあという説明になっていて(晒し上げをするのは自粛しておく)今般の末初GC急速シュリンクは何ちゅうかこうぐぬぬな感じの流れではありますな。なお月初入り後の受渡のGCのレートは(月曜が短国発行日要因もあるので)普通のレートに戻っているっぽい(詳しくは今日のTKRRをご参照くらはい)ので、まー月末要因的なサムシングを感じはしますけれども、いずれにせよGCレポ市場そのものがこうホイホイとシュリンクするというのは市場構造的に残高とかターンオーバーがでかい市場であっても、参加者のバラエティが乏しく、厚みの無い市場であるが故の極端な振れというお話であって、まだまだ資金取引市場としては脆弱(というのが術語として適切なのかという議論はあるが)な面が大きい市場なのではないか、とまあそんなことを思ったりした次第であります。

その他の論点もいろいろとあって、図らずも面白いネタになった(ただしマニア向け)のですがその辺の話はおいおいするかも知れませんししないかも知れません。


・3M入札はまたまたマイナスですかそうですかとか

お、おう・・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150730.htm

(3)募入最低価格 100円00銭1厘0毛(募入最高利回り)(-0.0040%)
(4)募入最低価格における案分比率 89.3386%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘1毛(募入平均利回り)(-0.0044%)

先週よりも強くなっているのですがナンデスカコレはという所ですが、そらまあ前日に末初のGCがマイナスに突っ込むとか見せられますと、この短国そのものは月初の発行日なので末初関係ないとはいえ、短国のニーズがより強くなるかもしれませんよね的なイメージも湧くのかも知らんが、そもそも論としてマイナス金利で短国買うならマイナス金利のGC出しても話は変わらん(正確には微妙に違うがその話はミクロすぎるので割愛)と思うのでマイナスを深くして入札するもんかよとは思いますががががが。

http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php
売買参考統計値/格付マトリクス ダウンロード

なお売買参考統計値的には昨日(発表公表日付は今日ですが実際に出てくるのは昨日ですので昨日と書いています)の3Mの平均値単利はマイナス1.3bpとなっておりますので、暫く前のような入札直後にマイナス7.7bpとかそういう凶悪な状態でもないようでございます。ちなみに前週の短国3Mの売参は昨日は前日と変わらずにマイナス0.2bpで、その前の週の短国3Mの売参も変わらずのマイナス0.1bpですかそうですか。

まあ本日は短国買入の実施が予想されている訳ですが、どういう事になるのやらオファー額から応札、落札水準など注目しておきます。

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2015/07/30

○市場メモ雑談

・四半期期末でもないのに月末のレポ市場がががが

えーっとですね、たぶん今日の東京レポレートのGCレポT/N取引のレート辺りで出てくるんじゃネーノと思うのですが、四半期末にバランスシート要請上レポ取引がシュリンクするとか現先やらGCのレートが低下(というか最近はマイナスに突っ込むとか)というのは最近(昔は半期だったのが今や四半期)すっかり仕様になっておりますが、なんか昨日のスポ末の所でレポが妙にシュリンクしたようで、四半期末でもないのにそういう事になるのかと。

でまあ背景は制度会計的なサムシングでしょとしか申し上げようがないですが、その辺に関しては勉強が追いついていなかったりするので(すいません)どこのどういう制度がヒットしてただの月末なのに四半期末チックな話になったんでしょうかねえというのは何となく幾つかの想像は出来るけど不勉強なのでこれから要研究ですな(人はそれを泥縄という・・・・・・・・・・)。

しかしまあ何ですな、金融機関のバランスシート制約が強くなってくる、というのはバーゼルだのボルカーだのその手の規制攻撃によって方向性としては今後も強まる話ではあるのですが、そういう状況ってえのは「量的金融緩和」を実施している中央銀行にとっては中々痛い話でございまして、国債買って中銀がバランスシートを膨らませて政策効果を出しましょうとしますと、必然的に中銀のカウンターパーティーたる民間金融機関のバランスシートも拡大してしまう訳で、その中でバランスシート制約が厳しくなってくる、と言う話になりますと、そもそも論として中銀がバランスシートを拡大する為のカウンターパーティーis何処?という事になって、それはつまり量的馬鹿拡大が技術的限界を迎えるという事になるんですがそれは。

とかなんとか考えますと、バランスシートを拡大しつづける政策というのも金融機関のバランスシート制約を強化する金融規制というのは本質的に相性が悪く(なおリスク資産の買入というクレジットイージング政策を実施するのだったら親和性があります、念のため)て、そちらからもQQEを今のままで継続するのって難しくなりますけど、物価がアガランチ会長という中でどうこの政策落とし前つけてくるんでしょうねえ。


・本日は3M入札ですが・・・・・・・・・・・・・・

ここもと短国は入札がぶっ飛んだり短国買入の前の日に突然特定銘柄がぶっ飛んだりとか相変わらずの貫禄の板スカスカぶりを発揮しておりますが、今回の短国買入もどうせ流れて100円とかそういう話になるんでしょうなあともうてきとうなコメントしか申し上げようがありませんですが、とりあえずこの銘柄自体は発行日が月末を跨ぐものの、月末の現先とかレポがシュリンクしたという位ですから在庫が重いとは到底思えずで、まー普通に強いんでしょうね。入札よりも短国買入のオファーとその結果の方が読みにくいので(苦笑)、金曜の方が注目だったりするような気もします(−−;

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2015/07/27

さてまあ金曜は相場のネタと言えば輪番が無い(流動性供給だから)ので短国買入となるのですが・・・・・・・・

○市場雑談というか短国買入ェ・・・・・・・・

・短国買入2兆円オファーとな

金曜の駄文で1年カレント短国の売参がどうのこうのと申し上げておりましたが、まあ何でダラダラと申し上げていたかと言えば金曜は日銀の短国買入が予定されていた訳ですよね。

ということで短国買入のオファーを正座してまっていたのですがオファーはこちら。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150724.htm
国庫短期証券買入 20,000 2015年7月28日

・・・・・・うーんこのという感じですが、金曜日付の売買参考統計値は金曜に申し上げたように1年カレントの545回が前日比謎の4毛強の-6.5bpで6Mのカレント543回が-3.7bp(前日比3糸甘)で、3Mカレント547回が-0.2bp(これは前日比はあまり意味がないが7糸強)でその前の週の3Mカレント546回が-0.1bp(変わらず)となっていた訳ですが、さて落札結果はと言いますとこうなっていました。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150724.htm
国庫短期証券買入 36,729 20,002 0.005 0.009 49.5

あちゃーというか何と言うかで、3.6兆円しか札が無いのになぜ2兆もオファーするかねというか何と言うかで、これですと3Mに関しては9日に馬鹿入札になって10日の短国買入1.75兆円が全額この銘柄だったという544回(の売参は-7.7bpで前日比変わらず)だとこのレートでも入札レベルより強いのですが、直近2銘柄ですと出来上がり金利がプラスになるので今回は1年カレントか6Mカレントが入ったんでしょうなあという所ではありまして、平均で入ったとして1Yカレントが-6.0bp、6Mカレントが-3.2bpでの日銀様お買い上げの図となったと思われます。もし3Mの544回が残っているなら-7.2bpですな。

で、落札銘柄の分布を見ながらネタにしようかなとも思っていたのですが、この買入を反映した保有短国の残高一覧は31日付分になって、17日と24日の買入が両方跳ねてくるので、いまいち何が入ったのか分からんというのと、31日付の残高が出るのが8月4日とかになって随分後になるので、まあ今回は短国買入ェ・・・・・・・・の印象が残っているうちに以下悪態なのである。


・そもそも短国買入の残高が多くないですかねえ&MBの進捗が進み過ぎでディレクティブ的にどうなのかと

短国買入残高
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/index.htm/

ここから3月末と直近(7/17)の残高を拾ってきますと、3月末が400,072億円、7月17日が399,946で残高がキープされていまして、ここから今月分の償還が5.10兆円に対して短国買入が2回の短国買入で4.5兆円なので残高を思いっきり維持した状態。

一方で営業旬報を見ますと
7/20
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2015/ac150720.htm/

3/31
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2015/ac150331.htm/

で、この間ETFの買入が1.1兆円程度積みあがっていて、貸付金が0.6兆円程度積みあがっていまして、その一方で短国の発行額って減ってきているので、短国買入残高を何で維持してますねんという所でして、別に2兆円買わなくても良かろうにという気はだいぶする。


12月末のMB
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd141230.htm
マネタリーベース 2,758,800

3月末のMB
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd150331.htm
マネタリーベース 2,958,600

6月末のMB
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd150630.htm
マネタリーベース 3,250,500

ということで、12月末はその前からの流れで目途の数値みたいなのがありまして、3月の所では金融政策決定会合の議決通りに「年間80兆円MB拡大」に合わせてきっちり20兆円のMBを積んできたわけですが、6月の所でご覧のとおりで3月末対比で10兆円余計に積んでいまして、

7月23日のMB
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd150723.htm
マネタリーベース 3,221,700

となっていて、ここから短国が若干のマイナスになりますが、長期国債が輪番マイナス超長期発行と流動性供給入札でプラスになって、更に今月は月末に財政の払い超があるので、この調子だと7月もMBって残高を普通に維持することになるのですが、そもそも6月に10兆円上ブレさせているのに何で残高をシャカリキになって維持しないといけないのかがワカランチ会長(9月にはまた国債償還要因があるのに)。


とまあそんなこんな感じでありまして、何でまた金曜は2兆円も短国買入せにゃならんのよとも思うのですが、6月に余計に積んでいるのでなければまあ分かるのですけれども、上記のように6月に従来通り四半期リニアで積んでいくなら20兆円で良い所を30兆円MB積んで(そもそもその時点でディクティブ的に如何なものかと思うのだが誰も突っ込まないし、マネタリーベースガーと言っていた人たちが何も言わないのはもっと謎)いるのに買入せんでエエノニというのは今ウダウダと申し上げた訳ですけど・・・・・・・・・


・これで市場機能がどうのこうので問題ないとか言い出すのはヘソが茶を沸かすレベル

それよりも何よりも、金曜にグダグダと申し上げて何で訳の分からんことを書いているのというご指摘も頂いた訳ですが、翌日に短国買入を控えて短国1年カレントの1銘柄だけいきなり4毛強とかいう売買参考統計値(いやまあこれが他の中短期の利付国債やら周辺の銘柄が全般的に金利低下しているとか、この銘柄だけそれまでの売買参考統計値が甘かったとかいうならともかく)攻撃が出るってえのは、まあ翌日の短国買入が予定されている中でちょっと日銀舐められてませんかそれはというお話だったのですが、露骨に言うのもどうかなと思って訳の分からん書き方をして日銀のお手並み拝見しようと思ったら、まあお手並みの方がご覧の結果という事になりましたとさという事ですな。

まあ何ですな、短国買入の実施前日に特定銘柄だけ他のイールド形成とかと全く関係なくいきなりレートを下げられる攻撃という「市場に足元見られまくり攻撃」が起きた翌日の短国買入なので、ちょっとどうなるかを楽しみにはしていたのですが、2兆円とか買入オファーして来るというのは要するに「相場がどうなっても知らんがとにかくMB積むので短国を買う」という姿勢だという事になりますし、まあ足元見た方の思惑にずっぽり嵌っている辺りが何とも残念な所ではありますが、まあ前日の1年カレントだけ4毛強攻撃からの一連の動きに市場機能とは何ぞやという脱力モードになっておりまして悪態シリーズという事になる訳ですな。


まあそんな市場ですが、どうも日銀執行部様などによりますと相変わらず市場機能に問題はないとでも言いたいんでしょうが、今度どこぞの副総裁が「市場機能に大きな問題はない(キリッ)」とか言い出したら毛を抜いて詫びるべきだという状況にしか見えませんけど、誰だか知らんけど決定会合で2回連続で「現状、金融面での不均衡や金融緩和の副作用を示す理論や事実に基づく具体的な根拠はない(キリッ)」とか言い出す審議委員は脳味噌を取り換えた方が良いのではとか思うのでありました。



・このMB拡大が定量的に効いてすぐにでも物価目標達成するなら短期的には我慢なんですけどね

とまあそういう状況でして、最近の短国市場ではマイナス入札で発行された短国を更に日銀が飛んで
ないマイナス金利(1年短国で言えば入札の平均利回りが-1.9bpで2.5兆円出ていますが、先週金曜の短国買入で日銀の購入した利回りは平均で-6.0bpになりますな、2兆円のうちどこまでが新発1年だか分からんけど)で買うとか何の意味あるんだよと小一時間問い詰めたい次第でございまして、市場を通すことによってその間に買入利回りが思いっきり下がるとか、単に流動性の無い市場を更に流動性無くしているだけの効果しか無い訳で、そんなにMB積みたいなら償還分は1年短国で乗換(必要なければ現金償還でより必要なら市中購入)してくれた方が、発行自体が減ってしまいますけれども日銀買入という巨大な需給要因が無くなって却って価格形成が普通になるわとか悪態の一つもつきたくなる次第。


まあこうやって市場積み上げるMBに何か定量的な意味があって、こうやって積み上げをするとリニアだか対数だか知らんですけど、マネタリーベース直線一気理論で物価目標が達成できるからというのでしたら別に良いのですけれども、「2年で達成するために必要な措置は実施した(キリッ)」とか置物理論だかマッカラムルールだか2倍2倍理論だか知らんけど打ち込んだ挙句に途中で追加拡大をしてしかも2年で達成しないというテイタラクな中で何のために市場ぶち壊してまで買入をしなきゃいけないんですかねえとか思いますし、今日は短い方の話があまりと言えばあまりだったので悪態シリーズでしたけれども、こんなの早晩輪番でも似たような話になって、そうなってくると債券短期の国債市場両方ともになるのですが、マーケットメーカーの流動性バッファ機能とか全然無くなってしまい、金融政策正常化をする際にも日銀が流動性バッファー提供する破目になるとか、どこの統制市場だという状況になりそうな悪寒。

そもそも市場からの買入を実施しているのって財政ファイナンスに対して市場からの牽制機能が働くようにするためとか言う話があった筈なのですが、買入のやり過ぎで市場機能がこの有様になってしまう中で、今度は出口の時どうするの(出口しないつもりなら別に問題ないのですが)と思いますし、どうせQQEなんて超異例政策を実施しているんだったら、QQE実施中の期間限定で買入分の償還乗換に関して全部または一部実施した方が良いんじゃないですかねえと。いやまあストックビューで言えばその分市中消化が減るからツーペーではあるのですが、フローの買入が減るとフローが価格形成に与える影響が軽減しねえかと思うのですけどねえ。


とまあ一部のマニア向け悪態で誠に恐縮至極というものです。

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2015/07/24

○またまた市場メモ雑談

・3M入札はまたまたマイナス足切とな

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150723.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘5毛(募入最高利回り)(-0.0020%)
(4)募入最低価格における案分比率 59.1778%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘8毛(募入平均利回り)(-0.0032%)

精々流れても100円でしょとか申し上げていたらそもそもそこまでも流れないの図となっておりまして、そんなにマイナスで買いがあるのかよと言うとそらまあ日銀様がお買い上げになりますからというのはあるのですが、6月にMBを「年間80兆円」を上回るペースで積んでしまっている分の調整がどこで入るのやらとか思っていたら3Mマイナスが深くなった先々週に短国買入を増額しなくてほほーという状況に対して先週何のことはない2.5兆円とか買入をドドーンと増やしてしまい、「オペ先のポジションが重くなると日銀がお助けしてくれる」という事でオペ狙いの人たちをエンカレッジしてしまった感があるのでその分だけ札が上で切れたという所ですかにゃあ。

まあ先々週みたいに突如上で切れてその後レートが進んで翌日の短国買入が1.75兆円の落札中全部が3M新発となるとかいうような現象ではなくて普通に落札レベル近辺での推移だったみたいなのでまあそうですかねえという所ですが。


・売参ェ・・・・・・・・・・・

売買参考統計値はこちら
http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php

でまあいわゆる「昨日の引け」にあたるのは今日の日付で出されている(「平成 27年7月24日 (金) 発表」という名前になる)ものとなりますので、ここで今日付の売買参考統計値と昨日付の売買参考統計値を見ますと、って物凄い銘柄量がありますけどこの文章の流れでございますので当然ながら短国の利回りとかになりますけどね。

で、ここの「国庫短期証券」のカテゴリー(償還の早いものから順に並んでいる)を見ていきますと、「国庫短期証券 545」という銘柄にぶち当たるのですが、こちらの「平均値」の「単利」を見ますと、本日付(昨日の引け)の単利利回りが「-0.065%」となっていますが、この銘柄昨日付(前日の引け)の単利利回りが「-0.025%」となって4毛強という華麗な金利低下を示しておりますな、うんうん。

なお、前日比で平均値単利が低下した銘柄としては昨日の3M新発もあるのですが(売買参考統計値の短国はWI取引が始まる日の引け分(=翌日発表という形の奴)から数値が出てくるので入札前の時点から利回り等を見れます)、こちらは本日付が「-0.002%」で昨日付が「0.005%」となっていて、この銘柄も金利は下がっているのですが、その幅は0.7毛となっておりますな。まあ元のプラスというのがWI時点ということでそもそも今の状況だと取引皆無状態ですし、入札が流れるのの期待込みみたいな感じの数字だと思われまして、入札が普通に流れずにマイナスで落着した水準となって、その数字自体もマイナス0.2bpって上にあるように入札の足切利回りなのでまあこれはこんなもんかなあと。

まあそんなことで1年短国カレントの545回債が前日比4毛強と華麗に金利低下しているのでございますが、良く見るとその周りの銘柄別に強くなっていないし、2年債の売参(短国の次にある「中期国債 331(2)」以下の銘柄)を見ると前日と同じ利回りだったり、短国では6Mカレントの543回債の利回りが-0.037%で前日の-0.040%からこちらは金利が上昇していたりしまして、ほうほうそうですかそうですかと不肖このアタクシは茶を啜りながら売買参考統計値を眺めて備忘メモとして事実関係を並べて置いてみましたが、置いてみたというだけで他意はありませんからね!!!!!!!!!!!

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2015/07/23

○市場メモ雑談

・短国保有残高ェ・・・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/index.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額

毎度のこれですが、今回は7/17の残高が出ていましたので、前回の7/10と比較して差分を取るとあら不思議(でもなんでもないが)。前回対比で増えているのが1銘柄という事態が。

でまあこいつなのですが、7/10に実施された短国買入の分がきっちりと反映されているのですけれども、7/10の短国買入と言えばその前日に3M短国入札が妙に上で切れてショートカバーでマイナス7bpレベルまで進んで、そのまま売買参考統計値がついてしまっていた曰くつきの入札の翌日の短国買入でして、まあ案の定入った1銘柄というのはその短国544回債17500億円一発という状態。

・・・・・・・いやまあそういう建付けだから仕方ないのは仕方ないのですが、入札を上で切ってショートカバーで周りの他の銘柄対比でそれはちょっとという利回り乖離がついたのがそのままベースになって日銀打ち込みになってしまうってのはなんだかねえという感じでございますな。

MB残高達成というのと、直接引受は(償還乗換のケースを除いて)しません的な原則を踏まえると今の買入方法になるのですけれども、市場に対して買入のフローにしろストックにしろ最大プレーヤー状態になってしまっている現状ですと、日銀の買入オペのタイミングとかによって市場の価格形成に思いっきり影響がでてしまい、しかも日銀は別に割高割安とか調達コスト対比での価格とか運用利回りとかを考えないで市場に入ってくる(当たり前だが)となりますと、そらもうどう考えても市場の価格形成の中でコストだの割高割安だのというのがどこかに飛んでしまう罠というお話。

引受をしないのは市場メカニズムを通すことによって財政ファイナンス化というか財政規律がガバガバになる誘因を排除する、ということの筈ですが、買入の規模がフロー的にもストック的にも市場の通常の価格形成機能を壊す(その代わりにオペタイミングを見据えた価格形成が行われる訳ですが)という状態になっている中で市場からの買入というのに固執する必要があるのかよと小一時間だなあと思うのでした。

なお、来月の短国償還額は8.1兆円になりまして、財政(国債以外)は昨年並みだとすると若干の払い超(2兆円程度)になりますが、そもそもMBの積みが早い分はどう調節するのでしょうかねえとは思いつつ。9月の短国償還額は4.9兆円しか無い所に来て国債償還要因がありますので、足元の買入ペースだと9月のペースは本来がたっと落ちる筈なんですけど。

でまあややこしい事に10月はすでに償還が(上記の544回1.75兆円攻撃が効いて)6.1兆円に乗っていますので、10月になると短国買入のペースがまた上がるとか、MB目標の帳尻だから仕方ない面はあるのですが、フローのデコボコが定期的になりますと「短国を買える時期と買えない時期が画然と分かれる」というオモシロ事態になってしまって、運用商品として何だかな〜という感じになったりもするのでした。


#なお本日は3M入札ですがどうせまた安くなってもゼロ近辺でしょ(なげやり)


・20年国債入札ェ・・・・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20150722.htm

6. 価格競争入札について
(1)応募額 3兆3,684億円
(2)募入決定額 1兆892億円
(3)募入最低価格 101円80銭 (募入最高利回り)(1.188%)
(4)募入最低価格における案分比率 50.3938%
(5)募入平均価格 101円85銭 (募入平均利回り)(1.185%)

ここ数日相場が強含む中での入札だからニーズが厳しいとは何だったのかというような強い結果になって、超長期中心に落札結果発表後強含みになったのですが・・・・・・・・

毎度のロイター記事
http://jp.reuters.com/article/2015/07/22/idJPL3N1022DN20150722
2015年 07月 22日 15:26 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸、長期金利一時0.410%に低下

『長期国債先物は続伸。前場は前日の米債高を受けて高寄りした後、20年債入札を前にした調整で上値が重くなった。後場は順調な入札を確認すると強含みで推移した。現物債は、午前の取引で先物安につれて長期ゾーンを中心に利回りに上昇圧力がかかったが、入札を順調にこなすと、長いゾーンの利回りに低下圧力がかかり、イールドカーブはブル・フラット化の形状となった。20年債利回りは7月9日以来の1.160%に低下した。長期国債先物中心限月9月限の大引けは、前営業日比12銭高の147円51銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は同変わらずの0.415%。一時は7月8日以来となる0.410%を付けた。』(上記URL先より)

ということで、入札後ブルフラットするのですが、別に新発がショートカバー祭りになるとかそういうのではなくて、先物とかは落札結果後に高値をつけにいったもののその後は高値圏ながらも上が重そうな感じで推移して行く中で、引けに掛けて超長期は一段高する一方で10年カレントは0.40%の手前で寸止めするもんだから10年と20年30年のカーブが引値ベースで2.5毛とか3毛とかフラットニングするというお洒落な展開。

なお本日は超長期の輪番が実施される事が市場的には想定されていますのでお察し。

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2015/07/21

○市場メモ

・業態別当座預金残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/
業態別の日銀当座預金残高(6月)

先週木曜に出ていたんですけどね(汗)。

6月積み期間は四半期の国債償還が掛かるので超過準備の平残は増えるのが仕様になっていまして、今回に関しては当座預金で16兆円、超過準備で14兆円ほど平残が増えてまして、さすがに各業態ともに残高が増えているのですが、今回大きかったのは「その他準備預金制度適用先」かなあという感じで、四半期末で3兆とか4兆とか増えるのは仕様なのですが、今回6兆も増えていまして、超過準備への置きがいつもより多いように見えるのは意図的なのか自然体で償還が多かったのは人の懐だから知らんがなという所ですけれどもちょっと目につきました。


・短国買入ェ・・・・・・・・・・・・・

金曜の短国買入
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150717.htm
国庫短期証券買入 25,000 2015年7月22日
(以下のオペ割愛)

えーっとすいません。MB年間80兆円ペースから6月末の時点で上振れして推移しているのですが何で買入ペースを上げるのよという所で、2兆ならともかく2.5兆円ってそんなに買入前倒しする必要があるのかねと小一時間。

落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150717.htm
国庫短期証券買入 55,610 25,001 0.005 0.010 70.7

いやまあ先週の短国買入の前日に3Mが無駄に強くなって3Mばかり打ち込まれてしまい、6Mが宙に浮いた状態になっているから、出来るだけ足の長いのを買いたい上に1Y新発も出たところだから増額しましょうどうせ世の中に玉も余っているみたいだし、ということだというのは結果を見ればわかる(というか見なくても分かるが)のですが、こういう買い方をしちゃうと「6Mと1Yは玉が余って困っていても日銀が買いたくて仕方ないので、そうなった場合は短国買入を増額してくる」という期待をオペ先に与えてしまいまして、いわゆる一つの日銀トレードに安心感を盛大に与える事になってしまいますので価格形成が相変わらずのアレになってしまうというリスクががががと思いますし、3Mを強くして打ち込むと6Mと1Y買うために買入が増えるという話になれば3Mを強くしておけば買入がドンドン高水準になるとかいうような思惑が出てきても不思議では無かったりする(さすがにMB目標との整合性とか市場の状況は見ると思うのだが)ので何だかなあ感が漂うオファーではありましたな。落札結果はまあ弱めだけど。

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2015/07/16

○今日は3M短国入札ですな

ところで今日は3M短国入札なのですが、何せ前回の3M短国入札がやたら強い所で足切になって、当日の売買参考統計値が謎のマイナス7.7bpとかいうファンタジーレートになってしまい、翌日の日銀短国買入が利回較差3.1bp甘というこれまたナンジャソラなレートになるの図とか無茶苦茶なプレイが演じられた翌週の入札。

ただまあ先週金曜の短国買入では応札に対して落札で持って行かれた残りが2.5兆円ほどありますし、そこから(相変わらずの別世界入札とはいえ)1年短国が2.5兆円発行されている(ただし受渡日は来週初なので在庫ファイナンスの心配をするのは今日から)訳ですからして、在庫それなりに残る中で入札するのですがどうなんでしょうかねえという所ではあります。

しかしまあ何ですな、(リアルタイムで見てないからイマイチ良くわからんけど)ショートカバーだか何だか知らんけどマイナス7.7bpとかの引けになってしまうというのもナンジャソラな所がありまして、いやまあそこでバカスカ取引があって世の中のニーズがあるからそれが正しいのですという話ならそれはそれで分かるのですが、スクイーズ食らってショートカバーで付いた値段ってそれどうなのよ的なサムシングもある訳で、これが実際問題として実需の背景が無いのであれば早晩修正されるものなのですが、背景に変な制度要因がある場合(これまでであれば代表例は債券先物の受渡決済に絡むスクイーズだったり、もっと昔だと東証上場銘柄と非上場銘柄の会計処理の違いとかありましてですなあ)に妙な状態が継続する、というのがある訳ですな。

でもってまあ後はお察しな話でありまして、日銀による国債等の買入によっても市場の取引には特段大きな問題が起きている訳ではない(キリッ)という日銀のアセスメントになっている(まあそうじゃないと成ると買入の見直しになって政策運営上の大人の問題が生じるというのは推察出来ますけど・・・・・・・・)訳ですが、市場取引の量がどうのこうのとかオファービットがどうのこうのというだけではなくて価格形成に関する影響とかの観点はどうなのかねえとか思うには思うのですけれども、残念ながらこの辺りの話になると定量化して説明するのが難しいという問題点があって、札割れのように分かりやすい物理的現象が発生する方じゃないと理解はされないんでしょうなあと思ったりもするのでした。

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2015/07/15

○1年短国は別世界ですなあ

昨日の1年短国
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150714.htm

(3)募入最低価格 100円01銭1厘(募入最高利回り)(-0.0109%)
(4)募入最低価格における案分比率 53.0555%
(5)募入平均価格 100円01銭9厘(募入平均利回り)(-0.0189%)

はいはい別世界別世界という所で、マイナス1.89bpですかそうですかという結果なのですが、毎度おなじみのいわゆる不明玉が1兆円弱と微妙に中途半端なのですけれども、そうは言いましてもこんな利回りで1年FIXできるニーズがあるのかなとは????ではありまして、(モノとして必要なら3Mで十分じゃろ)何だかなあという感じではあるのですが、1年短国に関しては海外などのマイナスファンディングの世界の投資家さん以外の普通の投資家にとっては日銀とプライマリーディーラーに完全にシャットアウトされているような状態になっておりまして、それを債券流通市場と呼んで良いのかという気が昔からするのですが、何せ日銀としてはMB直線一気理論による馬鹿買入という設定があるので致し方なしという事ですな。

でまあMB直線一気理論が直線一気にワークしているのなら良いのですが、このMB馬鹿拡大によって国債流通市場がこの有様になっているという惨状にするだけの物価上昇をしているのかと小一時間問い詰めたい状態になっているのは今に始まった訳ではない次第でして、「長期の実質金利を下げて金融緩和効果」というのであればそもそも論としてもっと市場を殺さないで金利を下げる方法が無いのかもうちょっと考えろやヴォケとしか相変わらず申し上げようがないという所ではありますな。

まあ先週は6Mの短国入札があった週なのに短国買入が前週と同じという変化球が飛んで来まして、売参の都合から10日の短国買入では6Mが入らないで浮いていると思われる中で1年を強い所で入札するとなりますと、さすがに次の3Mは前回みたいな入札をすると短国買入で捌ききれないような気がしますので、1年短国は別世界として3Mが更に突っ込むようなイメージも無いんですけど良くわからん。

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2015/07/13

○とりあえず短国入札と短国買入の結果だけおいておく

先週金曜の短国買入(めんどいから短国買入の結果だけ)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150703.htm
国庫短期証券買入 24,224 17,501 -0.014 -0.004 69.3

休み前の金曜日に改めてこちらの駄文で計算したら財政の所が思いのほか不足が少ないので1.5兆円×4本で打っても(ただし固定金利が順調に同額でロールされる前提なのだが)足りるのかと思ったら1.75兆円という刻み方をしてきて、嫌な予感がすると思ったらまたまた市場のキャパから逆算して買えるだけ買ってくるという無慈悲プレイが登場した結果足切が流れてあばばばばーだった訳ですが・・・・・・・・・・


水曜の6M入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150708.htm

(3)募入最低価格 100円00銭8厘 (募入最高利回り)(-0.0156%)
(4)募入最低価格における案分比率 21.8516%
(5)募入平均価格 100円01銭0厘(募入平均利回り )(-0.0195%)

・・・・・(;゚д゚)

そもそも100円1銭という数字は今年1月の1年短国入札では見た数字(というかさすがに過去の記録を辿って確認してみたつもり)なのですが、あれは1年短国なのでBPVが2倍くらい違う訳で、イールドで見たら今回の方が低い(1月の1年短国は平均が1銭7厘だけどイールドではマイナス1.69bpなので今回のマイナス1.95bpの方が低い、足切は1銭2厘でマイナス1.19bpだからこっちも記録更新ですかねえ)という風に見えますが何ですかこれは・・・・・・・・・


木曜の3M入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150709.htm

(3)募入最低価格 100円00銭1厘5毛(募入最高利回り)(-0.0059%)
(4)募入最低価格における案分比率 72.0373%
(5)募入平均価格 100円00銭2厘2毛(募入平均利回り)(-0.0087%)

これまた足切が100円の3つ上の札で切れるとかどういう強さなんですかという所ですが、どうせ今月は短国買入が多いでしょうという毎度お馴染みのアレですかそうですかという事で、これで6Mのある週だから短国買入増額とかしたらもっとあばばばばーになるだろと思ったら金曜の短国買入は・・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150710.htm
国庫短期証券買入 43,368 17,500 0.031 0.031

(めんどいので短国買入の結果だけ)

オファー同額にしたのはさすがに2連発の入札結果を受けてなのかも知れんが、だったら最初の時点で1.5兆円→2兆円で打っておけよと思う次第でございますが、詳しく見ていないからその辺のニュアンスというか肌感覚は無いので良くわからん。まあ3毛1糸甘とかになっていますが、10日の売参が544回でマイナス7.7bpとか言う宇宙のファンタジーなレートになっているので、この銘柄を打ち込みに逝ったんですかそうですかという(543回はマイナス4.8bpなので3.1甘で入れたらマイナス1.7bpだから平均から見たらワークせんじゃろ)所ですな。でまあそういうのを見たら木曜の3Mは上で切りに逝ったんだろうなあというのだけは把握した(そうで無いなら6Mの方が引けが強くなる筈)のですが、これは何ともかんともなアレ結果ではありますなあと後付でデータ並べて見ただけの感想なので勘違いしていたらどうもすいません。

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2015/07/03

○短国3Mが四半期期初からアチャーとかその手の雑談

・3M入札ェ・・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150702.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘0毛(募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 18.0320%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘6毛(募入平均利回り)(-0.0024%)

ということで、まあ期末の所で無慈悲買入なんぞやって需給を締めてしまいましたのでどうせ100円足切だろと思ったのですが、今回は平均が100円の1つ上よりも高くなっているし、足切100円の案分も18%と薄め(前回は平均が0厘3毛で100円案分が62.7%)だったので、これはメインの札が100円の一つ上(0厘5毛)だけどその一つ上(1厘0毛)にもそこそこ入っているわということで、前回ですと100円が売り気配だったのが今回は貫禄の買い気配という推移になっておりまして、今日の短国買入の結果待ちという感じでございますな。

まあこの銘柄は9月末越え初回の3Mですからそもそも論としてニーズがある(最近は四半期末の度にああだこうだとなるのでそら早めに買えるなら買いたいでしょ)所に来て、日銀の短国買入の残高も高水準で来ていて需給が強いという事で、ある程度ニーズが来るのは想定されましたが平均がそこそこ上に来まして、四半期初一発目からこれとは先行きが思いやられる短国市場なのでございました。


・7月資金需給見通しと短国買入

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1507.htm/

7月は銀行券はほぼトン、財政は日銀保有の国債および短国償還分8.8兆円分を含めて15.7兆円程度と出てきましたな。

昨日申し上げた通りで、6月はマネタリーベースを目標をリニアに実施したペースとの対比で9兆円程度上振れさせて推移させているので、7−9で11兆円程度のMB拡大ペースで十分という流れになる訳でございます。

で、輪番で9.2〜9.3兆円程度の積み上げ(オファーベースと受渡ベースの期ズレ問題があるのでやや前後する)が行われるので、仮に7月のMB積み上げをトンで行う(トンにしたとしてもすでに9兆円上振れしているので進捗的には良好な筈)とすると、固定金利オペ(ちなみに1日の固定金利オペは謎の増額ロールでした)の入り繰りがどうなるかとうのはありますが、そこをトンでみれば残り積み上げって6兆円程度で回るんですね。昨日は短国買入9兆円程度とか申し上げていましたが、財政上げ要因のうち「その他(国債以外の一般財政要因)」要因が昨年よりも小さいという見込みが出て来ましたので資金需給的にMBからの逆算での要買入額が減りましたな。

なお、短国の買入残高を維持するのであれば今月の償還が8.2兆円程度あるのですが、そもそも短国に関してはMB積み上げの調整部分であり、別にこの残高を維持する意味はない上に足元では短国の発行額が減少している(3Mが5.7兆円から段階的に5.1兆円に減っているので1回転すると0.6兆円の13倍減るのと、2Mが6月に続き8月も発行取りやめになって2M短国が出てこなくなった)ので、同じ残高を維持するだけで市場需給に対しては強烈な締め要因になっていたりしますし、大体からして短国発行残高減ったらそれは財政上げ要因の減少なのですがそれはという所で。

つーことからしますと、今日は短国買入が予想されるのですが、2兆円かと思って頭を抱えていたのですけれども、これ1.5兆円×4本でも全然問題ないんじゃネーノという感じではありますし、短国買入の銘柄別残高見ると6月末時点で39.6兆円も残高があってそもそも多いんですがそれはという所なので、短国残高維持してこない方が順当にも思えるのですがさてどうなるのでしょうか。



・その短国買入ですがこれはまた味わいのあるプレイですな

だいたい短国市場が平穏に推移しているときにはネタにしないのですが、碌でもないモードになって来ると嬉々としてネタにする短国買入残高の話ですな、などと言う事に気がついてはいけません(^^)。

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/index.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額

こちらの公表データを見ますと昨年の11月以降は毎旬ベースで残高推移を見れるのですが、今回は6月末のデータと20日報を比較してみましょう。上記URL先から表計算ソフトにDLしてヘコヘコ差分を取りますと、6/19-6/30の間に日銀が買入を行った銘柄とその額は・・・・・・・・

539回債:18284億円
541回債:1590億円
537回債:107億円
533回債:20億円
538回債:4億円

合計:20005億円

という結果になっておりますが、この短国539回債というのは17日に入札が行われた1年短国でございまして、19日と26日の買入が各1兆円のオファーでしたので、ほとんどがこの銘柄の打ち込みで、26日の買入で25日に入札が行われた3M短国の541回債が辛うじて1590億円別途打ち込まれているけれども、ほとんど新発1年の買入というこの状態。

ということで、2.5兆円(正確には2.5兆円に3000万円足りませんが)の発行になっている1年短国カレント銘柄ですが、発行後10日にして既に1.83兆円が日銀の懐に入っているとかもうねという所ですし、そもそもこの2回の買入は新発1年買うためのターゲットディールかよとか言いたくなるこのプレイに何だかなあという以外の感想が湧いてこない訳ですよ。

いやまあ買入の銘柄別残高を見ますと1年短国って毎回この調子で、例えば今月償還の来る466回1年短国なんぞは21592億円も日銀がお買い上げになっていたりするのですが、3Mとか6Mとかの買入が混じっていると目立たないのですが、今回というかこの2回に関してはフローベースでターゲットディール状態になってしまっているのが何ともかんともという所ではありますな。

まあ1年短国(6Mもだいぶそうですけど)に関しては日銀様が見事なまでに市場の投資家を締め出して買入をするというまさしくクラウディングアウト銘柄になっていまして、もうクラウドアウトするならクラウドアウトするで勝手にやって頂きたいのですが、その間に今回のように期末受渡の短国買入とか市場通して買入をする方が迷惑千万という状態ですので、前もそんな悪態申し上げたと思いますが、1年短国は日銀専用銘柄にして財務省から直接引き受けすれば2.5兆円×12回で30兆円の短国残高が積みあがりますから、残りの足りない分だけ市場から購入することにしていただければもうちょっと市場機能が復活するような気がするんだがいやマジで。

しかしまあ短国市場のこの惨状というか最早市場の価格発見機能とか全然なくて単なる需給だけの世界という状態(まあ元々政策金利に時間軸効いていれば需給だけと言ってしまえばそれまでかも知れんが)でしかもその需給がガチガチに日銀が抑えているという状態ですが、短国はご覧のとおりでフローにしてもストックにしても日銀が超圧倒プレーヤーとなってこの有様となっているのですが、これまあ輪番にしても徐々にそういう事になってくる(ストックが積みあがるから)訳ですし、最近はストック面から輪番での国債残高積み上げについての維持可能性についても指摘する人が増えてきたようですが、まあそういう事ですよねという話がだいぶ脱線しましたがまあ短国買入の残高を見ながらそんなことを思うのでありました。

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2015/07/02

○6月のマネタリーベース末残は9兆円の大幅上振れだが今月の資金需給上前倒ししたのかね

6月30日
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd150630.htm
マネタリーベース
3,250,500

5月31日
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd150331.htm
マネタリーベース
2,958,600


これまでは四半期の所でMBの進捗をきっちりと目標対比でリニアに進めていくという動きをしていたのですけれども、今回は「年間80兆円」に対して四半期ですと20兆円を積めば良い所を29.2兆円の積み上げをしてきまして、何と9.2兆円も積み上げを拡大しているのに、昨日はこの数字を見て「隠れ追加緩和」とか「隠れて緩和ペース加速」というようなヘッドラインが無いたあどういうことですか(棒読み)。

まあこの背景として資金需給の季節性要因によるデコボコに対して積み上げペースをリニアにすると不具合があるというのがあって、財政要因で言えば7−9は税上げが大きいのと、年金定時払いがこの間に1回しかない(偶数月なので)ので、7−9は4−6対比で財政上げ要因が大きく出るという事があって、その分を勘案すると7−9に20兆MBを積むのがしんどいから7−9は11兆円程度の積み上げで済まそうという事なんでしょうな。

でもって日銀の出す今月の資金需給見通し今日出るので細かい話はまたその時にしますが、MBを前月から維持で行くとすると概ね9〜10兆円程度の短国買入が入るという計算になる筈でして、今月は金曜日が5回ありますが最後の金曜は月末なので月内渡になるのは4回となりますと、まあ金曜の短国買入は2兆(6Mと1Yの後だけ2.5兆円)になるのかねとか思うのですが、しかしだったら何で30日渡しで短国買入打ったのよというのが未だに分からん

6月MBが8兆上振れの所をわざわざ9兆円上振れにする位だったら、29日か30日に月跨ぎで短国買入を打って7月はMBキープという事にしておくと1兆円分の帳尻を8月以降に持って行くことが出来たと思うのですけれども、何でまた需給がひっ迫するのが明らかな末渡しで打つかねえと謎ではありますな。

なお、その時の短国買入は2.5兆円の応札があったので、単純計算で1.5兆円はどこかに札があるとなりますので、今日の3M短国はそこまでマイナスに突っ込んで日銀トレードヒャッハーとは逝かないとは思う(カレントも先週と違ってゼロ近辺のようですし)のですがはてさてどうなるやら。

まー日銀としては「ゼロから若干のマイナス」になっている方が市場の流通玉が多くなる(マイナスを買えない投資家がいるから)のでオペはやりやすくなるでしょうなあというのはある(プラスになると投資家に短国が嵌ってしまって出てこないのでオペがやり難くなる)のですが、いやあの投資家を排除して積み上げるそのマネタリーベースに何の意味があるのかというメリットと、市場から投資家を締め出すデメリットの比較衡量というのものを宜しくご検討ありたいとか思っても何せ「QQEの副作用は理論的に無い(キリッ)」というような怪電波を発する人が政策委員会に堂々と鎮座するというこの絶望な中ですからどうにもこうにもとゆー悪態なのでございましたとさ。

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2015/07/01

○来月の輪番とかその辺のメモメモ

・中期また増額しているのだが輪番大丈夫か

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150630e.pdf
当面の長期国債買入れの運営について

レンジについては前回と同じですが、買入額に関しては変化が起きています。

『(注4)2015年7月1日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下700億円、残存期間1年超3年以下3,750億円、残存期間3年超5年以下 4,250億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,400億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です。』(今回)

『(注4)2015年6月1日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下700億円、残存期間1年超3年以下3,750億円、残存期間3年超5年以下4,000億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,400億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です。』(前回)

買入の進捗的に微妙なので増やしたということなのでしょうが、中期輪番また増額かよとゆーところで、中期って投資家から益出し売りとかが入ってきやすいので輪番のニーズがある時はあるのですが、益出しする側から入れ替えも入るのでこんなに買入をして輪番回るのかよ(たぶん目先回らないという事にはならないと思うけど)とゆーところで。

まあしかし何ですな、追加緩和の時に平均残存年限について7〜10とレンジを広げた訳なのですが、ここ暫くの配分見直しを見ておりますと超長期ゾーンに関しては買入を増やさないようにしている感があって、まあここを増やしてもロットが稼げないという現実的な問題があるのでしょうけれども、超長期の買入を無駄に拡大してイールドカーブに無駄にフラット圧力をかけても実は誰得金融緩和になってしまうという事を勘案しているとかだと中々味わいがありますし、どうせ今のペースでの買入ってそう何年も持つ話ではなくて、いずれ何らかの見直し(基本的にはバランスシート拡大ペースの圧縮から拡大停止)を余儀なくされる訳で、そうなった後に金利を安定化させるのであれば短いところの金利を抑えて時間軸を効かせるのがどう見ても王道なので、もうちょっと将来を見据えた場合に超長期とかを馬鹿買いするのも如何なものかまで考えているのだと更に味わいがありますな。ただの妄想ですが。


・末初レートェ・・・・・・・・・・・・

http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート

東京レポ・レート(2015年6月30日) エクセルファイル (Excel:27KB)

をDLして確認すると(なおレートは各種ベンダーにも提供されています)昨日のT+0スタートの翌日物レポという正に6/30-7/1のレートは−0.109%という無慈悲なレートでこんな数字あったっけ状態になっております。

でまあ無担保コール翌日物も・・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/mp150630.htm
平均 0.011%
最高 0.125%
最低 0.001%

となっていまして、前日が平均7.2bpでしたのでまあレポや短国現先(なお短国現先のレートはとんでもない暗黒空間のかなたに飛び去ったレートになっていた模様だがよー知らん)がこの有様で皺寄せが来ましたとゆーのと、四半期末だから調達サイドもバランス圧縮をしてくるからという毎度のパターンですが、どう見ても月末渡しで実施する必然性の無かった短国買入1兆円が需給を無駄に締めて市場の需給を無駄にぶらしている感があって甚だ遺憾の極みという所でございまして、短国って基本的に国内短期運用の皆さんは持ちきり前提で投資している人が多いと思うので、金利が下がったから儲かるのかと言われましてもそれはあまりいい話ではない(とは言え大暴落されてもそれはそれで困るが)ので、何と言う誰得金利低下だと思いながら金利水準を見ながら落涙を禁じ得ないという所です。


・ということで明日が3Mの入札ですが

明日の3Mから発行額が5.1兆円に減額になるという無慈悲発行減額プレイが出るのですが、入札の所までにこの末初あばばばばーの余波がどこまで続いているのかというのが気になります。あとまあこれ3か月ごとに同じ現象が生じているのですが、期初に発行される短国3Mというのは3M短国の中で最初に出てくる「次の四半期末越え銘柄」となりますので、次の四半期末の残高確保というのをまずは始めましょう的な動きが入りやすくて、期末抜けて需給が緩んでも入札の所で(特に緩んだ場合は買い易くなるので更に)ニーズがやってきて国内実需買いがワサワサという図になりやすかったりします。

でまあここの所では3打席連続でそんな感じで推移しているぞな(昨年10月の場合は直後の無慈悲短国買入の方が効きすぎでしたがまあ初回入札はそんな感で推移しましたよ)という所でしたが、ではゼロだのマイナスだのという状況の時に同じような形でニーズが入るかは知らんが、まあそういう事ですからプラスになるにしても毎度の如くほぼゼロ水準というしょうもないレートになるんでしょうな、よー知らんけどな。

なお、4月から5月に掛けて5週連続マイナス推移となった時期に発行された短国の折り返し分が7月3週の入札以降5回分になるのですが、この時期に発行された銘柄ってマイナスで入札されてセカンダリーがマイナスで推移して日銀にボンボン打ち込まれているので、マイナス金利買えない人たちは償還再投資のニーズが極端に減っている筈なのでその辺がどういう作用をするのかというのも興味がありますな。

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