相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2015年10月〜2015年12月)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

2015/12/30「当座預金残高の帳尻がどうも芸術的になりそうですな/現物株式もT+2に短縮するんですか」
2015/12/29「事前の警戒強くスポ末は比較的平和でした/中期超長期輪番を年末越えでオファー」
2015/12/28「年内渡しの中短期輪番無しと思ったら年内渡しの短国買入を入れるとはアカン」
2015/12/25「中短期輪番の市場予想を外して中短期輪番見送り/3M入札は割と穏当」
2015/12/24「年末に向けて短期の需給は益々あばばばばばー」
2015/12/22「短国買入見送りも短国需給はタイトなままで推移/国債決済T+1関連」
2015/12/18「米国がゼロ金利解除しても円債と短期は着々と金利低下」
2015/12/16「CP買入は年内償還が入って5bp近辺で収まるが既に市場は年内と年末越えで強烈な逆イールド」
2015/12/15「米国サードアベニューファンドが破綻とな/CP金利低下とか/貸出増加支援オペ残高4兆円に」
2015/12/14「短国買入は順当な結果」
2015/12/11「短国3M入札の金利が若干上昇して年末に期待が持てるかも」
2015/12/10「市場機能度アンケート案の定絶賛機能度低下/さて3M入札」
2015/12/09「6Mは案の定前回よりも金利低下&CP買入金額も案の定増やしやがったのか」
2015/12/08「6M短国入札も強いでしょうなあという愚痴メモ」
2015/12/07「短国買入は新発レート低下でも増額&CP買入金利も低下」
2015/12/04「3M短国の平均は上昇したが足切り金利が低下とな」
2015/12/03「GCレポレートが順調に低下する中で3M入札・・・・・」
2015/12/01「1-3の輪番をこの期に及んで増額とな/2年国債入札マイナス」
2015/11/30「2500億円の短国買入ならスキップして欲しいのだが」
2015/11/27「3M入札は平均▲8bp台でセカンダリーは▲10bp乗せ」
2015/11/26「11月の短国入札は全部マイナス2回はドマイナスになりそうですね」
2015/11/25「1-3年輪番減額」
2015/11/24「短国買入2500億まで減額したが何か中途半端」
2015/11/20「3M▲11.2bp、1Y▲13.8bp、6M▲14.4bpという異世界で2年金利も低下」
2015/11/19「3M短国入札も▲4bp近い平均落札に金利低下と拍車が掛かる」
2015/11/18「1年短国や中短期ゾーンの国債堅調というか強い」
2015/11/16「1.5兆の短国買入に2.5兆円しかオファー無くて買入金利流れるとかもうね」
2015/11/13「3M短国平均落札▲3bpまで金利低下」
2015/11/10「6M短国レートが飛んでいるのに短国買入は多めの17500億円・・・・」
2015/11/09「6M短国は▲4bp近くまで金利が低下してショートカバーで▲15bp近くまで進む」
2015/11/06「3M短国入札落札金利のマイナス拡大とな」
2015/11/05「短国買入が思いっきり寡占状態になっているようで」
2015/10/30「物価見通しは後ずれさせながら追加緩和無しですかね/短国の100円は遠い」
2015/10/29「10年30bp割れだの5年4bpだので追加緩和警戒というか煽りというか」
2015/10/26「札があるからと言って短国買入を増やすと日銀トレードにお墨付きを与えるだけなんだが」
2015/10/23「オペには入らんけど3M入札は100円に届かない」
2015/10/22「社債取引情報公表へ」
2015/10/20「短国買入は順当に1年新発で3Mは入らずでしょうな」
2015/10/19「1年短国マイナス金利更新/国債決済T+1に向けた進捗とな」
2015/10/16「3M短国入札金利上昇もマイナス金利は変わらず」
2015/10/15「米国利上げ観測後退と日銀追加緩和期待で金利は低下/日銀保有国債&短国」
2015/10/13「新日銀ネット第2段階本日より稼働/3M入札は存外に無難で短国買入も穏当」
2015/10/08「SLFで短国が出るとな」
2015/10/07「6M短国入札はマイナス拡大」
2015/10/06「5年4bpまで金利低下して追加緩和催促モード?」
2015/10/02「期初になっても短国はマイナス1.88bp平均で足切もマイナス1bp」
2015/10/01「9月の財政需給が資金不足に振れたので短国買入が多かったようで」

2015/12/30

○MBをきっちり合わせる芸術技キタコレ!

相変わらず神業としか申し上げようがない。

28日の資金需給確報
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd151228.htm
マネタリーベース 3,559,000

29日の資金需給速報
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx151229.htm

30日の資金需給見込み
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jp151230.htm

日銀券要因での当座預金減少はMBには中立なので財政要因とオペ要因を計算すれば良いのですが、29日が財政で4600億円の揚げ超、オペ要因で4300億円の資金供給となっていて、30日が財政で8200億円の揚げ超、オペ要因で1兆2100億円の資金供給となっているので、30日のMBは見込みベースで355.9兆円+(-4600+4300-8200+12100)億円となって着地見込みが356兆2600億円になりますな。

ここで昨年末のMBを確認してみましょう。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd141230.htm
マネタリーベース 2,758,800

昨年末のMB末残が275兆8800億円で今年末のMB着地が356兆2600億円になりますので、何という事でしょうその差分は80兆3800億円とまた今年もきっちりと数字を合わせているではございませんか!!!!!!

・・・・・・・・・・しかも昔のようなオペで数字の帳尻を合わせているのではなくて、基本がアセットパーチェスで数字を合わせているというのに今年も今年で5000億円以内での着地にしてくるとか毎年同じことを言っているような気がしますが何をどうするとそういう芸術的な着地の数字が作れるのかとこの時だけは毎度感銘を覚えるとともに、結局ここの着地の帳尻オペが最後の方で色々と入ったから訳分からんオペになったんでしょうなあとは思うのですが、例によって例の如く年末過ぎるといつものように無慈悲買入とか悪態をつくようになるのもアタクシの仕様ではございますので念のため申し添えておきます(^^)。

つーかですな、こんなに芸術的な帳尻力があるのでしたらその卓越した能力(別にイヤミで言ってるのではない)のほんの一部で良いのでマーケットの流動性とかイールドのハチャメチャ状態とかをどないかする方策について配慮いただきたいと思いますがマンデートがMBとAPP残高の帳尻だから知らんがなですかそうですかorzorz

まあ来年に関しては基調的な物価が持ちこたえてくれるのかとか、オペが持ちこたえてくれるのかとか、そもそも2年で達成と言っているのに3年経過するのですがそろそろ落とし前つけてくれませんかねえとか、色々な「期限」を見ながらの展開になりますが、オペの方は無慈悲に淡々と実施という所なんでしょう。中短期輪番が燃えてきて買入年限の長期化調整をいつするのかというのは楽しみ(楽しくないが)ではあります。

なお、これらの「期限」を更に先延ばしする為には「原油価格ガー」という言い訳ができる事が必要となります(なおオペの限界はこれとは関係ないと思うけど)ので、実を言えば最早ここに至っては原油価格が一段と下がった方が日銀は助かる(ただの先送りだが)のではないかと思ってしまう今日この頃なのでありました。




○株式決済のT+2

http://www.jsda.or.jp/shiraberu/minasama/20150313173226.html
株式等の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ

『我が国金融・資本市場の競争力強化には証券決済システムの一層の利便性の向上及びリスク管理の強化等が必要であり、海外の主要国では、株式等の決済期間短縮(T+2化)が既に実施され又は実施に向けた検討が進められております。』

『平成27年7月、こうした状況を踏まえ、我が国においても株式等の決済期間短縮化の実施に向けた課題の整理・検討を行うため、「証券受渡・決済制度改革懇談会」の下に、「株式等の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ」(事務局:東京証券取引所、日本証券クリアリング機構、本協会)を設置いたしました。ここでは、ワーキング・グループの検討状況や報告書などを公開しております。 』

『平成27年12月、これまでのWGにおける検討結果及びT+2化の実施目標時期等を「株式等の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ 中間報告書」として取りまとめております。』

ということで上記URL先に報告書のリンクがありますがリンク先は以下の通り。

中間報告書(PDF60ページにつきご注意)
http://www.jsda.or.jp/shiraberu/minasama/1229_t2_tyuukannhoukokusho.pdf

中間報告書概要
http://www.jsda.or.jp/shiraberu/minasama/151229_t2_tyuukann_gaiyou.pdf

でまあ概要の方の3枚目(2ページ目)に『U.各課題への対応方針』ってのがあって、そこに真っ先に『(1) 非居住者との取引』とありますように日本の場合は時差的に早く始まるので、トレードの後処理がタイトですよねえとか、債券と違って基本的に受渡日はほぼ一律運用になる(概要の8枚目を見るとJSCCが債務引受対象にするのはT+2取引だけみたいですし)ようですし、国債の場合T+3→T+2はそこまでハードル高くなかったと思うのですが(なおT+1になるとハードルが格段に上がるのはいつも申し上げている通り)、株式の場合はそこそこ時間が掛かるようで目標時期が2019年になっていますな。まあ一応メモということで置いておく。

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2015/12/29

○市場雑談メモ

・スポ末はパターンがいつもと違い平穏というか何というか

http://jp.reuters.com/article/idJPL3N14H1OM20151228
News | 2015年 12月 28日 15:10 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が続伸で引け、長期金利0.270%に低下

『短期金融市場で無担保コール翌日物の加重平均レートは前週末(0.073%)並みの水準になる見通し。地銀、信託、証券を主な取り手に、朝方は0.075%付近で出合いが観測されたが、その後はじわりと調達レートを切り下げて調達。日中は0.073─0.074%中心に取引された。大手行は0.072─0.070%付近で調達した。 ユーロ円3カ月金利先物は小幅高。』(上記URL先より)

ということでレポ市場のネタが無いのですが(笑)、末初なので昨日は若干早めから動いていた感じでして、最初はプラス金利でスタートしたのですが、まさかのプラス金利になったのでじゃあ俺も俺もという展開になったっぽいのでブルームバーグとかの報じるところによると(ネット版では多分記事がないので引用できませんです)その後レート下がっただの何だのとなっていましたが、まあいずれにせよ年末と言えばマイナス金利になって「資金運用とは関係なく四半期末の残高を確保したいお家の事情の人」による国債残高確保で充足してしまうという毎度のパターンが今回はやや崩れましたな。

まーご案内のようにその前に短国が3Mで瞬間風速マイナス2ケタベーシスとかになったりした訳でして、そんな中ですから皆さん前倒しで残高固めないと最後の最後に取り損なうリスクがあると思ったら最後に需要の方が片付いてしまったの巻というところですが、金利がプラスだのとなったら追加の需要も出るでしょうし、まーこんなもんちゃあこんなもんですかね。

でもってこれを見て次の四半期末も何とかなるだろうとかタカを括る人がたくさん出て来ると今度は期末ギリギリに締めあがってしまうという形になるのですが(笑)、いずれにせよ日銀買入次第の面もありますのでどうなるのやら。

結局ですね、日銀買入というのが曲者でして、他の買入って海外の買いと言ってもマイナスファンディングのコストと合わないなら買わない(まあ問題はそのコストがとんでもなく低い事ですが)ですし、残高調整の買いとかでもそこまで盛大にロットがある訳でも無いですし、リアルマネーの人たちの場合はロットはあっても水準感というのがありますし、本来日銀が謎の成り行き買いを入れなければここまでの水準で値持ちすることは無いのですけれども、何せこの人たちが一定ロットを成行買いするのがアレでして、売り買い同額であっても(というか同額じゃないと売買が成立しないけど)片方が指値でもう片方が成行で、買い方が成行なのを売り方が知っていたらそらもう売り方は水準上がるまで見ます罠という状況。しかも短期の場合は投資家の残高が直ぐなくなるというのは前にもお話した通りですな。ナムナム。

まー日銀買入が進捗すると本来なら短国の買いが減ってくるという勘定になるのですが、海外ファンディング要因(というかそれに対する市場の見方)によって中々崩れなくなっている間に、3か月ものは3か月で1回転しちゃうので益々待機組が出てくるとなりますよって、そう簡単に相場がコケる気がしないのがアレ。

と申しますか・・・・・・・
http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php
売買参考統計値/格付マトリクス ダウンロード

おうこっちからDLしてくると直近の新発3M579回債(4/7償還)の売買参考統計値は▲4.4bpで3月償還銘柄と段差ついているじゃねえか(3月足だと▲2〜▲1bp)という感じになっておりまして、早速3月期末越えを意識した価格形成になっていて、カレンダーベースで年初になったら期内物と期末越えで段差がつくだろうなあとか言う前に既にこの有様。なおCPちゃんは例によって詳しくは金融ファクシミリ新聞さんをご参照して頂きたい(金ファクの回し者ではないので念の為)のですが、こちらも年末越えモードは終了の模様ですな。


・輪番は中期超長期でしたな

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151228.htm

国債買入(残存期間1年超3年以下)3,500 2015年12月30日
国債買入(残存期間3年超5年以下)3,500 2015年12月30日
国債買入(残存期間10年超25年以下)2,400 2015年12月30日
国債買入(残存期間25年超)1,400 2015年12月30日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3)8,000 2015年12月28日 2015年12月29日

ということで中期超長期でこれで年内渡しは終了。次の輪番って今日か明日なのですがほぼ朝三暮四状態なのでどちらでもという感じっすけど中期輪番が入るので2営業日連続で同じ輪番というのを外すのだったら今日は無しで明日輪番ということになりますかね。よー知らんけど。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba151228.htm

国債買入(残存期間1年超3年以下)10,991 3,502 0.010 0.012 1.9
国債買入(残存期間3年超5年以下)11,174 3,505 0.002 0.003 15.6
国債買入(残存期間10年超25年以下) 6,484 2,407 -0.007 -0.003 2.1
国債買入(残存期間25年超) 5,263 1,406 0.002 0.003 27.0
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4)46 46 -0.400 -0.400

中短期の輪番は基本引け甘で1-3とか大体1毛とか甘いのですが、そもそもこの辺の銘柄は引けが今や3M短国よりも低い(なお1年短国の方が▲10bpという売買参考統計値になっているのでそれから見れば順イールドである)というオモシロ展開になっておりますのでまあこういう感じでしょうな。と申しますか、今回はMPMで来月の買入明細を前倒しで発表してしまい、量が増えるのは織り込み済みで、内容に関しても若干市場予想よりも後ろが多め程度で大方の予想から大きくは外してはいなかったものの、やはり買入内容が公表されている、というのが安心感を与える訳で、「よーしパパ来年の輪番増額で売りをぶつけて四半期の頭からホームランだ!」と準備する人がワサワサと出てきた結果、皆がここぞとばかりに待ち構えているのでそこまで強くならないの巻という状況ではありますな。

とは申しましても、現実に買入が増えるのが来月で、実際に日銀が吸収しだすと「よーしパパ輪番でウハウハだよ」の見込み在庫が徐々に捌けていくでしょうから、そうなった後どうなるかというのが今から想像がつきにくいのですが、そこから先が焦点になるんでしょうね。

まあ何ですな、確かにマイナス金利をせっせと掘っていくと投資家が買わなくなるので金利低下にも限界という理屈はそうだと思うのですが、日銀が輪番で成行買いをする以上、日銀の成行買いにぶつける期間まで在庫ファイナンスが回って、その在庫ファイナンスレートが日銀成行買いに打ち込むのに対して間尺に合えば何ぼでも水準は強くなっていく、という考えもありまして、その在庫ファイナンスに関してはビルの金利がどマイナスを維持していればビルから押し出されたリアルマネーがやってくるので無問題、とか考えますと意外に強固な構造のような気もしますが、何かこの考えにも落とし穴があるようにも思える。いずれにせよ年初1週間の動きは注目したいです。

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2015/12/28

○短国買入と輪番を入替とな

金曜のオペオファー。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151225.htm
国庫短期証券買入 5,000 2015年12月29日
CP等買入 5,500 2015年12月30日

ということで金曜は中短期と何の輪番実施で短国買入は年末跨ぎで実施してくるものだと思ったらまさかの短国買入実施&輪番なっしー。

通常ですと年末のこの時期の渡しで短国買入とか普通は世の中に玉が無いので札が入らんこと必至だから四半期末を跨いでくるのですが、今回は元々短国買入のペースが落ちている所に加え、足元では直近3Mの新発がマイナス決着の後あまり強い展開となっていまして、まー短国やや重いかなあというのと、年初から輪番の買入額が増える事から「年初から買入増えたところで輪番に入れたら強い所で売れるからウマー」という見通しの元、来年の輪番プレイ狙いでのポジションも中長期債でやや入っている模様で、GCのレートが四半期末接近だというのに上昇傾向となっております。

という状況なので短国の需給も若干緩んでいますなあ買入が想定通りに来週送りになったら新発安くならないかなあ〜などと取らぬ狸の皮算用をしていたのですが、ちょっと需給が緩んだと思ったらすかさず短国買入ですよ奥様困りますわね〜というこのオペで、短国の気配も当然のように持ち直すの巻と相成るのでした。

ちなみに短国の需給に関してですが、今週は年末年始でオペも入札も無いのですけれども、年初1発目の3M入札が来年は1月7日木曜日にならないと実施されない(8日に6M入札)のですが、この間に日本は年末年始ですけれども海外は通常営業になりますので、実質的に2週間近く新発の供給が無いという計算になるので、年明けて世の中の在庫状況次第な面はあるのですけれども、年末特需一巡後の短国在庫が若干あるうちに行われる来週の3M入札がどの程度の水準で決着するのかというのは年初一発目の最大関心事項という所です。

だいたい四半期1発目って期末越え残高確保分でドカンと誰かが札を入れて不明玉が多い、というパターンで3ヶ月後にもそのロールみたいな形になるのが年中行事になっていたりしますけれども、まー年初1発目と2発目の3M(どうせ6Mは日銀プレイで持って行かれるので知らん)が薄いマイナスからゼロ金利近辺になる当面のワンチャンスでしょと思うのでポイントは年初ですね。


あと末初なんですけれども、今年の年末に関しては今申し上げたように年初一発目からの輪番増額狙いで在庫が多めになっているものと推察され(だから年初最初のうちは輪番狙いの札が入ってそんなに目を剥くほど強くならなくて、その辺が普通のレートで推移してなーんだとなった辺りが怪しい)まして、一方でこの年末はその前に短国が爆発してみたりCP市場で金利が盛大に低下しているものが発生してみたり(詳しくはファクシミリ新聞ご参照)というように、海外ドル円ベーシス絡みと日銀無慈悲買入のダブルパンチでの金利低下がカオス状態になった為に、年末年始の玉確保の動きは通常比10倍くらいの勢い(あくまでもイメージ)で進行しました。そんでもってMPMで来月の輪番予定が出るというイレギュラーな事をしているので来月の輪番狙いの中短期国債の在庫が積みあげられるという形になっていますので、これは下手したらGCとか末初普通に出てくるんじゃネーノ位の勢いになっているのが味わいのある展開です。まあ本日がスポ末ですので、本日締めてみれば大体どんな感じになるのかは判ると思います。


でもってオペ結果。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba151225.htm
国庫短期証券買入14,851 5,000 0.011 0.034 13.5
CP等買入  10,935 5,490 0.048 0.054 42.0

短国買入は前回が11日金曜のオファーで15920億円のオファーでしたが、今回は14851億円のオファーと在庫多くなっていると思われるけれども減少。まあ年末年始に向けて売る分とか考えたらオペ狙い在庫以外で持っているスケベ札みたいなのは入りにくいんだろうなあと思いますので、落札結果に関しても今回足が流れて1毛1糸甘まで流れていますな。応札限度額の問題があるのでオペ狙いの在庫を多くの人が持っていないとなるとこういうケースでは札の揃いが悪くなるのかねと思いつつやや強めの所まではいったなこりゃという結果で、そらまあ短国の気配が確りするわなという結果。


でもってもう一つ注目していたのがCP買入でして、こちらについてはとにかく年末前に短国市場での運用難民とみられる買いが入ってドヒャーという展開になって、CPディーラーに日銀買入に打ち込む玉があるのかよ(CP現先のニーズも当然あるので)という風情でしたけれども、年末跨ぎ特需はギリギリの所で一段落した模様で、その結果もあってか応札の札も無事にありまして、レートの方も極端な金利にはならずに前回の5.6bp/4.7bpから今回は5.4bp/4.8bpと穏当な水準で落着してくれて、日銀としては無事に買えてホッと一息というところですかねえ。


・・・・・・・・とまあ年末年始の短期の方は(今日のスポ末を見ないと最終的には分からんのだが)11月途中の短国3Mマイナスぶっ飛び以来の大騒動モードがスポ末ちょっと前の所でようやく沈静化したという風情ではあるのですが(なお次の戦いは3末越えであってこっちの方が年末の比じゃないハードコアなのは確実)、短国買入と輪番を差し替えてきたと思われる風情の輪番の方がこれまた大変にアレ。

と申しますのは、年内営業日残り3日の中で2回輪番を打つ筈なのですが、残っているのが中短期2発に長期1発に超長期1発でして、特に足元では2年近辺の中短期ゾーンの金利がマイナス5bpだの6bpだのという大変に素敵なレートになっている中、輪番2連発という今から結果が楽しみな状態。先週の頭から元々ぶっ飛んでいる中短期2年ゾーンが更にぶっ飛んで推移し、火曜の2年入札のあと既発債の方が盛大に飛んでしまいました事もあって、木曜金曜と中短期の輪番をスキップしておりまして、こういうのを見ますと「盛大なマイナス金利で買いたくないんだな」という風に読めてしまう次第で、ヘイヘイ日銀ビビってるビビってるよ!とベンチからヤジが飛んでくるような感覚になってしまうのですが、実際の所その辺を懸念しているのか懸念していないのかは良く分からんですな。

先日も申しあげましたように、短国買入にせよ輪番にせよ、市場に配慮しているのかと思えば全然配慮しないで無慈悲買入を入れてみたりとか、パターンが意味不明過ぎて、今回の輪番中短期謎のスキップ攻撃にしても「年末に輪番中短期が間違ってぶっ飛んでも年末年始だから大きなニュースにならないので来週に送ってしまえ」と考えているんでしょうなあなどという妄想が沸き起こってくるような動きでして、そうなると「黒田総裁は強気発言しているけれども実際は輪番オペの限界を相当意識しているんじゃネーノ」とか「マイナスドンドン買って行くのはさすがに抵抗あるんじゃネーノ」とか市場に思われてしまう惧れがありまして、先般の謎の「補完措置」も合わせまして市場が輪番の限界をより意識するようになると、それが自己実現で輪番の限界を速める可能性があるんじゃないですかねえと思うのでした。

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2015/12/25

○中短期輪番スキップとか3M入札とか

・輪番中短期スキップとな

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151224.htm
国債買入(残存期間5年超10年以下)4,000 2015年12月28日
国債買入(変動利付債)1,200 2015年12月28日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3)12,000 2015年12月24日 2015年12月25日

ということで輪番は長期変国という形で実施されたのですが、昨日は中短期があるものだという予想が多かった筈で、中短期をスキップしたのは2年入札後に2年のオフザランを中心に煽り気味に金利が低下して2年のカレント2個前の銘柄が▲6bpとか碌でもないレートになっていたので、市場の過度な金利低下をけん制する為にスキップしましたかねえとのもっぱらのお話。

・・・・・・・・・まあそれはそれで良いのですけれども、短国買入にしてもそうなのですが、市場の過度な動きに配慮しているかと思えば11月の短国買入で予想外の1.5兆円を打ってから短国市場の壊れが加速しちゃいましたテペヘロみたいなのが一方にある訳で、市場に配慮してるんだかしてないんだか分からんという感じでオペが行われるというのが一番市場としては対応に困る訳ですな。つまり、市場に配慮するったって例えばの話昨日の中短期見送りって出来上がりのドマイナス金利を避けたんですかという解釈を市場サイドだったらすると思うのですが、一方で短国の場合はしばらく前は金利がバカスカマイナス進行する中で無慈悲に買入をしていたり、金利がプラスに戻りそうな所でいきなりオペを増額していたり、とかやっている上に、そもそも論として総裁副総裁とかが「金利低下は政策効果(キリッ)」と言い出す次第ですので、結局「何をどうしたいのか」が個別のオペレーションを全部足し合わせて考えた時にさっぱり分からんというのが市場の値動きを微妙にややこしくしている要因じゃないかと思うのですよね。

あと、市場の過度な値動きに配慮したいという意思があったのかどうかはさておいて、一般論として申し上げますと、これだけバカスカオペを実施している中において、市場への配慮をするのだったら過度な値動きの牽制をしようとしてもそれは大体時既にお寿司なのでありまして、市場がおかしくなる前に手を打って行かないといけないですし、その方がオペレーションなどのコストが安くて済むのですよ。


でまあジジイの昔話になりますが、リーマンショック後のオープン市場(GCとか現先とかCPとか)のレートが急上昇しているときにもこちらの駄文でしつこく申し上げていたのですが、結局放置プレイになった(CP現先というのを申し訳のように打ったが焼け石に水程度の効果しかなかったのに後日「CP現先は効いた(キリッ)」という日銀レビューが出てきて血圧急上昇)挙句にGCレートがロンバード金利まで張り付いてCPレートはそこから25位上になってしまうというような盛大な惨状を呈した、という事案があったのですが、そうなってから沈静化させるためには何が必要かとなると、結局社債とCPの買入という異例の政策を実施した訳ですな。

別にレッセフェールで勝手にやってろというのならそれはそれで結構なのですが、何らかの市場安定化とか市場との対話とかいう話をしているのであれば、市場の変化に対する配慮をしたければおかしくなってから牽制しても遅いのであってプリエンティブに対応するしかないですし、配慮にしても時々配慮したりしなかったり、というのが一番対処に困るので、「こうやって淡々と実施するからよろしゅうに」となっていればそれはそれで予見可能になるのでオペそのものが市場かく乱要因になりにくくなるのでして、まー匙加減は難しいと言えば難しいのですが、日銀の(対インターバンク向け以外の)オペレーションは伝統芸能として「ビハインド・ザ・カーブになって火消しで無駄にコストを使う」というのがあるのが残念無念な所ではございます。


・3M短国は足切強くなるが全般的には穏当な入札

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151224.htm

(3)募入最低価格 100円00銭4厘0毛(募入最高利回り)(-0.0144%)
(4)募入最低価格における案分比率 61.1745%
(5)募入平均価格 100円00銭5厘8毛(募入平均利回り)(-0.0209%)

最初足切を見てああ前回よりも1厘も強いよダメじゃんと落涙を禁じ得なかったのですが、平均が前回よりも7毛弱くて札が収斂してるじゃんこれはもしかしたらと思ったら、市場推計の所謂不明玉も1.6兆円程度と平常運転のロットですし、そもそも前場引け時点ではアオリイカのビットが入っていたのにそれよりも甘めの水準での決着、ということで、3月末越え一発目の入札にしてはそんなに強くなった感じではないですな。

でまあ途中は全般的に重そうに推移していたようなのですが、引けに掛けて毎度のように6mとか1yとかが盛大に▲10bpとかワッショイワッショイとやっていてカレント6Mと1Yだけ1毛強の引けになっていたりしたので新発の引けも強い所になるという毎度のクオリティでしたけれども、GCレポや現先の推移見ていると普通にこれ短国(だけではなくて長期国債輪番向けヒャッハー在庫もある方が効いているのかもしれませんが)とか残っているだろという風情を醸し出しております。なお、金利がマイナス圏にいるときはリアルマネーが買いに来ない(マイナス買うのはマイナスファンディングの人とお家の事情の人)のでそのままGCや現先市場に滞留してレートに反映されるという展開になるのでありました。

今週月曜に短国買入スキップしたということは、恐らく年末のMB数値の着地は計算できていると思いますので年内渡の短国買入は実施せず、29日に1月4日渡しの短国買入を打ち込んでくる、というのが予想としては順当な線になります(市場予想もそこの筈)。後は末初のGCや現先がどうなるのかという次第かとは思うのですが、今回の期末に関して言えば11月から極端になったドル円ベーシス絡みのヒャッハー相場による煽りを受けて、皆さん相当の前倒し対応をした(結果短国金利がいつまでたっても上がらなくなったのですが)と思われますので、こういうケースって最後の最後に余って出てくるというケースもアリエールかなとは思いますが、まー予断は許さんものの、事前手当の進捗が今回ばかりはさすがに良いでしょうから大波乱的なアレにはならないかもしれませんね。

でまあ今回そうなると3月末の所で「どうせ最後は何とかなる」とか思う人が出てきて碌でもないことになる、というのが短期市場の期末地合いのサイコロバクチあるいはジャンケンみたいな現象で見物する分には楽しいが当事者になると毎度神経が磨り減るという代物であります。まあのこり4営業日で年末年始がどう転ぶのか・・・・・・・・・・・・

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2015/12/24

○2年短国入札とか3M短国入札とか

・2年入札のマイナス拡大だが市場予想より弱くて・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20151222.htm

(1)応募額 10兆9,682億円
(2)募入決定額 2兆3,256億円
(3)募入最低価格 100円22銭0厘(募入最高利回り)(-0.009%)
(4)募入最低価格における案分比率 71.3256%
(5)募入平均価格 100円22銭8厘(募入平均利回り)(-0.013%)

ということでしたが、前日から無駄に強めのビットを入れていたりしたので事前の予想よりは弱めという結果。いわゆる不明札も5500億円程度とそんなに多くは無かったのですが、これを受けて2年所の需給が緩むのかと言いますとそうではなくて、2年カレントの2つ手前とかを初めとして日銀の買入でガッチリ日銀に沈んでいる銘柄を中心に強いビットをバカスカ入れてまーた煽ってますがなという展開になってしまい、BB引けを見ますと2年新発は(マイナスって今まで書いていたけどマイナスが恒常化して一々カタカナで表記すると見難くなるかなと思いまして表記変更)▲1.5bpなのですが、手前の銘柄が▲5.5bpだの▲6.0bpだのという異次元レートになっておりまして、最早マイナスファンディングがワークする人と日銀以外の誰が買うのか良く分からないレートがドンドン拡大しています(ちなみに第U非価格がボウズなので少なくとも第U非価格応札時限の辺りでは新発の実力はアベレージ未満なのですけれどもねえ・・・・・・・・・)。

ちなみに利付国債の1年所に関してもBB引けを見ますと1年で▲5.0bpとかですし、来年の3月や4月の足の2年債も▲4.5bpの気配(なおこの辺についてはそもそも流通銘柄がスッカラカンで投資家から何かの事情(インデックス落ちとか資金繰りとか)が無いと出てこないので居場所はよくわからん)となっていて、短国よりも気配が強いという状態になっていて、この辺りの利付国債を投資対象にするような運用をじゃあマイナス金利買うのかよ的な問題も地味に広がっておりまして、輪番そのものはマイナスバンバン買って行けば当面継続できるにしても、深いマイナス金利が継続していくという中で蹴散らされたリアルマネーがどうなるのよという問題はどうなるんでしょうねえ来年になったら1-3の輪番拡大で2年発行減額だよどうするんだよとか思ってしまうのでありました。


・3M短国入札にクリスマスは来る・・・・・・といいなあと思うもののまず期待薄とかの件

ということで本日は今年最後の短国(国債も終わってますが)入札なのですが、先般申し上げたようにこちらの新発は4月償還ということで、何と四半期を2度越えるというお家の事情的な人たちにとって夢のような商品でして、そらもうニーズが大変なもんですから入札で間違ってプラスの利回りにでもなったら瞬間蒸発待ったなしという事で、ジングルベルを鳴らすのは帰ってくる3か月短国です(元ネタ知らない若人は年寄りに聞いてください)ということになるのですが、どこからどう見てもそのようなニーズのあるのが分かっているのでまあ無理でしょうなあ(涙)。

月曜の謎の短国買入スキップがどう効くのか良く分からん所ではあるのですが、マイナス金利そのものに関しては海外がお休みモードで日銀買入が(輪番はせっせと来ますが)短国は今月そんなに出ていない(しかし月の頭に買入が急に増えてみたり、月曜は市場に配慮したような感じで急に買入見送りになったりと、短国買入はムラが多すぎて良く分からんし、市場が振り回されてかなわんです)ので、GCレートとかは年末越えないものに関しては若干高めで推移していて、短国はカレント中心にやや在庫が残っていて、長い所に関しても年初から輪番が増額になることも期待されて輪番トレードヒャッハーという事で在庫があってという状態を反映しているものと思われます。

年初からまた短国買入のペースが上がるとは思いますが、短国については1年カレントがまだまる残り状態の筈ですし、12月末を抜ければ次の焦点は3月末をどうやって乗り切るかという話になりますので、そんなこんなで年末を抜ければ3月償還までの短国の需給が若干緩むチャンスはあるけれども、4月償還以降の短国の需給は一段とタイトになるとか、まあそんな感じでしょうなあ、ということで3Mの結論はどう見てもマイナス決着です本当にありがとうございましたという事ですが。


・・・・・・でですね、月曜の金融ファクシミリ新聞さんのトップのネタになっていましたけれども、CP市場の方が相変わらずアレな展開になっているとのことで、特にこの四半期は3Mカレント短国がゼロから微かなプラス辺りで推移したのって10月後半の数週間だけという悲惨な展開になっておりまして、どうせ今日の短国もマイナス推移で終わってしまいますと、昨年9月以降に短国マイナス金利になってからの動きを四半期ベースで切って見た中で一番悲惨なパターンになっているので、かのマリー・アントワネットも短国が買えないならCPを(ウソ)と言ったような現象となっている様で何ちゅうかねえという展開で、こちらの方がまあアレというのは短国ニーズが充足できなくて困っている事を反映していると考えますと、本日の短国入札結果はお察しという話で宜しいと思うのでした。

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2015/12/22

○市場世間話

・短国買入見送りも短国市場緩む気配なしとな&今日は2年新発

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151221.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下)3,500 2015年12月24日
国債買入(残存期間3年超5年以下)3,500 2015年12月24日
国債買入(残存期間10年超25年以下)2,400 2015年12月24日
国債買入(残存期間25年超)1,400 2015年12月24日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3)19,404 2015年12月21日 2015年12月22日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4)4,000 2015年12月21日 2015年12月22日

FLS連発とか年末っぽくてお洒落ですけれども、それはそれとして昨日は想定されていた短国買入がなっしーとなっていまして、先週1年新発あったのですから短国買入は普通にやるだろというのと、資金需給的に少しやらないと帳尻合わないのではという気もするのですが、恐らく帳尻の方は財政要因とかの動きもあると思いますので、そちらは日銀のオペ通りで回ると思うのですが、それにしても1年短国入札後の買入をスキップするとはちと意外でした。

何せ先週申し上げたように白装束に身を包んでオペタイムを待っておりましたので、よーしパパこれで短国需給が緩和だー!などともあまり思っていなかったのですが、案の定これで短国の需給が緩むような気配もなく、特段板が増える動きもなくて、終わってみれば引値はほぼ全銘柄引け変わらずという事でアクティビティなっしーなのでありました。

ちなみに2年に関しては先週金曜日にマイナス5bpとかいう鬼のような引けになっていましたけれども、この短国買入見送りが効いたのか単に上記の輪番でここぞとばかりに投資家の打ち込みらしきものがあったからなのか存じませんが若干売られておりまして(前場途中からちょっと弱めになっていたから短国も少しは影響したのかな?)引けはマイナス4bpとかになっておりました。

ということで本日は2年国債入札で木曜が3M短国入札になりまして、年内の発行はめでたく終了の巻となるのですが、いつもだとその前に来る超長期辺りで「ああ年内も終わりですなあ」モードになるのですが、何せ昨今は中短期ゾーンの爆発振りがオペの持続性問題も含めて注目となっておりますので、端からマイナス金利入札になるのは明らかなのですが、どの辺で決着するのかはそれなりの注目ネタとなるでしょうな。

ま、昨日の輪番が金曜の大フラットニング(と2年債謎の金利急低下)の翌日の所でどうなるかと思ったら甘めの所で決着しているように、何かの拍子に急騰すると玉が出てくるという状態は維持されている事が確認されましたが、そうは言っても恐らく投資家的にはこのひたすらじりじり金利が下がってくる相場の中でコアのお宝部分を外すとその次どうするのという事もあるでしょうからそう簡単に降りる訳にも行かず、一部残高復元的に買った部分を上がるとシメシメと外してまた買い戻す的な動きでもという話になるんでしょうかねえ良く分からんですが。

でもって2年は完全にマイナス金利入札になるので、持ちきり前提の建付けになっていると買う訳にも行かないのですが、どうせ来月から拡大する輪番で捌けてしまいますし、12月末越えのところで散々な目にあっております人たちが来年になったら3月期末越えを意識しない訳が無いので、どうせ堅調推移なんでしょ、と投げやりな予想。

木曜の3Mも合わせまして、この辺りのマイナスが延々と継続するという状況になりますと、当初は「ああ金利が下がりましたなあ困りますなあ」程度の話になるのですが、短いゾーンだけに投資家サイドのポートが償還によって自動的に回転してしまうウェイトが大きく、長い所よりも投資家のポートに対する直撃度合いが高いのですよね。まあどうなるのやら。


○レポ市場とか国債市場の懇談会とかフォーラムとか

・債券市場参加者会合ですが

http://www.boj.or.jp/paym/bond/mbond1512.pdf
「債券市場参加者会合」第2回議事要旨

『各グループにおいて、本行より、@債券市場サーベイの結果、A国債市場の流動性、B最近の金融市場の動向および市場調節運営、について説明し、意見交換を実施。会合参加者から聞かれた意見は以下のとおり。』

とのことですが・・・・・・・・・・

『昨年の金融緩和拡大後、市場環境は大きく変わっておらず、概ね意図した価格やロットで取引はできている。債券市場の機能度が急速に悪化したわけではない。』

というご意見があるようでそんな素敵なご認識をお持ちならちょっと貴殿にマーケットメイクお願いしたいんですけれども(特に投資家の)皆さん心の底からお願いしたいんじゃないですかねえ。

てな話もあったりして「忌憚の無いご意見を頂きたい(ただし発言して良いとは言っていない)」的な味わいを感じるのですが、

『投資家の中には、流通量の減少を背景に、意図したロットで国債を購入できていない先が存在するのではないか。』

という話ではないかと思いますし、

『担保繰りやレポ取引など国債の取引を執行する機会は引き続き存在しており、取引実務のノウハウや事務体制などのインフラ面は維持されている。


という事で大丈夫ですよ!という意見に見えますけれども、良く良く考えたら執行機会や事務体制が維持されて無かったら今頃市場が無くなっていますので、こういう指摘が「意見」に出てくるという事自体がそもそも債券市場の機能があばばばばーとなっている証左ではありますな。

流動性の所ではこんな話が。

『金融規制等を背景に主要なプレーヤーである証券会社等のリスク許容度が低下しており、市場の潜在的な脆弱性を高めているのではないか。』

『先行きの懸念材料は、市場に何らかのショックが加わった場合に、市場機能が維持されるのか、といった点である。』

リスク許容度の低下も含めて市場参加者の多様性が損なわれる中で、流通量が減ってきてロットが捌けないという状況になって来ると、まあ何だかんだ言っても今は流動性が無い訳ではないのですけれども、急に参加者が一方方向に動き出した時に値がぶっ飛びながら全然取引量が無いという動きになり、全員がポジションほぐせないまま状況だけ悪化するという事もあるかも知れませんな。とはいっても足元のように物価が全然目標行きそうもない中ですとその手のショックは起きないのですが、一つには出口、二つ目は出口じゃないけど政策枠組みの変更でスムージングに失敗した時が、何かやらかしが出るかも知れませんねという事でしょうか。


金融市場の動向の所では、

『債券運用を巡る議論では、専ら日本銀行の国債買入れオペの話題が中心となっている。


というのは誠に仰せの通りという状態で、輪番の話と需給の話だけで一日が終わってしまうというのは如何なものかと思いますが、そら日銀が市場における超ドミナントプレーヤーなのですから致し方なし。

なお、謎に資料が多いのですが基本パス。


・レポ市場フォーラム

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/data/rel151221c.pdf
「レポ市場フォーラム(第2回)」の議論の概要

まあこちらに関しては国債決済T+1を本当に2018年上期にやるのかよそれ出口政策とモロにぶつからないかというツッコミは相変わらずあるのですが、約定未決済残高の削減のメリットに対して掛かるコストもさることながら、SCレポに対するストレスを強めてただで無くさえ無い国債市場の流動性に更にストレス掛けるというのもタイミングとしてどうなのよという気はだいぶします。実質2年後ですからねえ・・・・・・・・・・・・・

これ出るたびに毎度申し上げていますが、レポ市場のうち特に翌日物市場に関しては日銀的には無担保コールに代わる新しい短期市場の中心的な金利になって欲しいというお話は(先般佐藤審議委員もそんな講演していましたけれども)お気持ち的には良く分かるのですが、あとは銘柄後決め方式のトライパーティーGCレポがどのくらい使い勝手が良く成るのかという所がとにかく大きくて、うっかりここを見切り発車して「システム対応できる参加者だけ参加すれば良い」となってしまうと市場参加者の多様性が中々進んでいかない(他の短期資金取引と有意に金利差が出るか、システム的な敷居が低くならないと後から参加者が出てくるのにはハードルがある)ので、業者と大手銀行と海外投資家だけの市場状態で見切り発車となるのではなくて、国内のより多くの参加者が参加しやすい市場の形を作って頂きたいものだと願います。そうしないとそもそもリファレンスの金利にするとかにも問題生じるでしょうし。

なお、銘柄後決めトライパーティーレポの対抗商品は短資会社が超便利なインフラを整備しているコール取引(最近だと有担保ですかねえ)なので結構難易度は高めだったりしますけどね。

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2015/12/18

○市場世間話

・債券は何があっても堅調とな

手抜きでロイターさんの記事を貼っておく。

http://jp.reuters.com/article/idJPL3N1462K220151217
News | 2015年 12月 17日 15:15 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が反発で引け、長期金利は横ばい0.295%

『<15:08> 国債先物が反発で引け、長期金利は横ばい0.295%

国債先物中心限月3月限は前日比5銭高の148円87銭と反発して引けた。日銀の大規模買い入れで需給が引き締まる中、国債大量償還による再投資ニーズなど良好な需給環境が意識されて買いが先行。午後の取引開始直後には、20年債入札が順調な結果になるとの見方から、一時148円93銭と15日の最高値(148円91銭)を更新する場面もあった。20年債入札結果はテールがやや流れて、事前の期待ほど強くなかったが、流通市場で下値でしっかりと国内勢の買いを観測されるなど、国債先物が高値圏での推移が続いた。』

『現物市場は超長期ゾーンがしっかり。20年超長期国債利回りは一時同1bp低い1.005%と2月3日以来、30年超長期国債利回りは一時同1bp低い1.340%と10月29日以来の水準に低下した。10年最長期国債利回り(長期金利)は同変わらずの0.295%。』(以上上記URL先より)


ということで米国様が利上げしても超長期入札がちょっと流れても結局の所買いが登場という図でして、まー今回の場合は「FOMCガーなので結果出るまで様子見」という方がイベント終了したので買いますか的な買いが目出度く登場の巻とかいう感じなのかも知れませんが、いずれにせよ外部環境に全然振らされない中でただひたすら需給だけでじりじりと動くというこの相場orzorzという所で。いやまあ今に始まった訳ではないのですが。


しかしまあ何ですな、オペがどこまで持つのかという話は視点によって色々と見解が割れる所でして、総じていえばオペ先の方が割と持つのではという見解で、非オペ先(つまりバイサイド)の方が何ぼ何でもヤバいのではないかという見解になっているという感じではないかと思われます(あくまでも私家版感想なので違っていたらゴメンチャイ)。まあバイサイドの場合は「最早売るもの無し」モードになる中で来年になると新規発行以上の買入フローが待っていて、その一方で放置していると保有する債券はドンドン償還に向かってくるので買わないといけないというのがあって、この市場で何を買いますねんとなった場合に「日銀オペで需給がこんな状態になっているのが更に悪化したらどこかで綻び出るだろ」というのをより強く持っているのでしょうなあとかまあテキトーな感想をのべてみる。よー知らんけどな。


・3M短国の金利は上がったものの結局マイナス1bp台ですかそうですか

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151217.htm

(3)募入最低価格 100円00銭3厘0毛(募入最高利回り)(-0.0111%)
(4)募入最低価格における案分比率 15.1760%
(5)募入平均価格 100円00銭6厘5毛(募入平均利回り)(-0.0242%)

今回の入札は年内ラスト2回のうちの1回という入札でしたが、その前の1年入札はまあ強めでやったあと引値でマイナス9.0bpとか相変わらずのオペ向き価格推移をしていたけど、3Mに関しては目先暫く日銀買入には打ち込めそうも無いということで、それほど盛り上がることも無く足切はマイナス1bp台まで金利上昇。

とは言いましてもそもそもマイナス1レベルって今年の11月に金利が馬鹿低下する前は金利下がってもアベレージがこの辺で足切は1bp割れの水準というのが仕様だったので、1bp台で切れたのを見て金利が上がった上がったとか言っている時点で既に目線が変わってしまっているというのがお分かりかと存じます(涙)。

ここもと入札対比で短国買入は少ないので、直近3Mの各銘柄はそこそこ流通在庫はあると思われるのですが、東京レポレートの推移などでもお分かりのように年末越えの短国ニーズは相変わらずで、今仮に末初現先で飛ばすとお洒落なレートで出せると見られる(ただし今後余ったままの場合にどうなるかは知らん)ので、この程度の浅いマイナスだと多分ファンディングでそう食らわずに来年入ってからの短国買入でウマーとか行けそうですね、というような想定は置けると思いますので、中々金利もアガランチ会長でございますな。しかも21日になると国債償還金が着金してくるからまた金が出てくるし。

今日は短国買入が無いので、月曜の買入で幾ら入れてくるか、という辺りが気になるのですけれども、後で軽く申し上げるCP市場がウヒョーとなっているらしい中で月末のCP買入札割れでもしないか位の雰囲気でございますので、やっぱりバッファー取ってくるんでしょうかねえとは思います。いずれにせよ6Mと1Yのカレントしか入らないと思うので、3Mはそこそこ残るとは思うのですよね。

で、来週の短国入札が年内受け渡し最後の入札ですよワンチャンスですよ、と言いたいところなのですが・・・・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20151217.htm

1. 入札予定日 平成27年12月24日
2. 発行予定日 平成27年12月28日
3. 償還予定日 平成28年4月7日
4. 発行予定額 額面金額で4.8兆円程度

この銘柄は幸か不幸か「3月決算跨ぎ」という素敵な銘柄でして、今回12月は海外要因が大きかったにせよ短期の現物市場(短国とかCPとか)がこのような惨状を呈してしまったという事実がある訳で、海外要因の方は若干軽減されるかもしれませんけれども基本的にはドルファンディング問題なので無くなるという訳にも行かないですし、その一方でジャパンの方はモノホンの決算期末になりますからそらもう決算の帳尻お家の事情ニーズが高まるでしょうと思われます、というのが来年の3月末。なお、FOMCもあるのでまたまた「3月利上げの可能性があるから不透明感もあってドル円べーシスガー」とFOMCを言い訳に使われるに1万イエレン。

でもって次の3月末越えな上に年末越えでもある3M短国とかニーズが炸裂にも程があると思われますので、この新発は強い入札になっちゃうんでしょうなあという事で、こうなると11月から始まっているのですが、入札からセカンダリーも含めてカレント3Mの玉がマイナス以外の金利で出てこない時期がまるまる2か月継続というオソロシスな事態になってしまうのでございまして、これはアカンヤツやろというお話。

なお、3月末越え銘柄が出てくるということは、もしかするとこの銘柄を年度末越えお家の事情で買った場合には、お家の事情の無い年度末越えない銘柄については処分玉が出てくるという期待も無い訳ではないのですが、そうは言っても年末越えのお家の事情玉のニーズが残っていると玉が出てこないということになりますのでどうなることやら(従って年内出てこなくても新春一発目はこの新発をお家の事情で買った見合いの残高調整外しが出てきて然るべき)という事で。

#超一部の人向けのネタでしたすいません

なお、CP市場に関しては四半期末を控える月の下旬に突入しようという中で、直前2か月近く短国がドマイナスで推移するというのは初のケース(これまでは大体四半期末の月の中盤辺りには資金需給の関係上短国買入のペースが落ちて、そのタイミングで短国金利がゼロ近辺まで浮上していた)でして、短国市場がそのようになっている中で詳しくは金融ファクシミリ新聞さんがCP市場のお話をしてくれます(というか毎度申し上げているように他のベンダーは興味ないようで金ファクさんだけせっせとネタにしてくれるのだ)と思います(なお別に回し者でもなんでもないので書いてくれているかどうかは知らん)のでまあそちらをご参照あれと申し上げておくのでした。年末受渡でオファーされるCP買入がどのような結果になるのかが今から楽しみで、夢のマイナス金利落札か夢の札割れかというのを白装束に身を固めて今から待っております。

まあCP買入札割れだのマイナスだのになったらさすがにCP買入を実施する意義is何という話になったり、市場へのプレッシャー拡大によって市場に歪みが発生とかいう話になりませんかねえとは思うのですけど・・・・・・・・・・・・・・・


・業態別当座預金残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

銀行業態が大体残高を増やしているのですが、最近は信託の残高が増えているなあと思ったりしながら眺めております。11月積み期間および11月末残でみるとその他当座預金(含む証券)と外国銀行が10月末残では増えていたのが落ちているというのがちょっとした動きっちゃあ動きですか。

一時こちらに関しては銀行業態(特に都市銀行)が妙に末残を合わせに行くような動きがあって、超過準備を都市銀行が積まないようになったら誰が超過準備をここから積み上げますねんという懸念があったのですが、とりあえず最近は自然体で超過準備が積みあがっているようなので、今のところは無事に推移中。

・・・・・・・・とは言いましても、この政策来年も続けたら当座預金残高がここから80兆円オンされることになる訳でして、その80兆円の超過準備(超過準備じゃない積みあがり方もありますが)は誰が積むのか、という事を考えるとやはり日銀負債サイドから見てもオペの継続大丈夫かと思うのですけどね。日銀当座預金と言えどもバカスカバランスシートを拡大すると総資本ベースでの各種経営指標が悪化する訳ですし。

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2015/12/16

○CPオペェ・・・・・・・・・・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151215.htm
CP等買入 5,500 2015年12月18日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba151215.htm
CP等買入 10,888 5,480 0.047 0.056 91.0

前回が0.6bp平均/0.5bp足切でして、今回はもっとレートが下がるかと思いましたがまあこんなもの。

・・・・・・・とは言いましても、足元のCP市場は年末越えの銘柄(特に高格付け銘柄)と年内償還物の銘柄の間に素敵な逆イールド状態(年末年始はGCレポや現先が強烈にタイトになってマイナス金利の彼方にワープするから代替物が必要な上にそもそも短国がドンドン償還になるので買うモノが減っている)となっていますので、良く良く考えたら年内物を盛大に打ち込まれたに違いないという感じです。

となりますと、このCPオペ、最後の帳尻に30日スタートのオペが28日にオファーされる予定なのですが、多分このオペ結果受けてCP買入拡大すると思うのですけれども、問題は今の市場状況で年末スタートのCP買入をやったら凄まじい結果が起きるのではないかと懸念される点でして、つまりはとんでもないマイナス金利の買入まで流れるのか、あるいは華麗に札割れとなるかというような辺りを懸念している次第であります。

そもそもこのCPオペの金利も桁間違いしてないかというような金利水準になっているのですけれども、背景には昨今のCP金利推移というのがあるのですが、例によって例の如くベンダーニュースであまり相手にしてくれないので金融ファクシミリ新聞さん辺りで時々詳報がでるのでそちらのニュースを見て目を丸くしていただければと存じますが、まあ短国のドマイナス金利をまるまる1か月半継続してしまい、そもそも市場の方では当初12月になれば買入減るから需給が緩和とか思っていたら海外要因も登場するし日銀の買いのペースも割と早いしという事でマイナスを盛大に突っ込んで壊れてしまった短国市場の問題が徐々に他の市場やほかのゾーンに波及して崩壊の連鎖が始まってきているというイメージをあたしゃもっている(なおこれはアタクシの感想であり、参加している人の立ち位置によって見え方は違うと思うので念のため)のですよね。


さっきの追加緩和ネタとの絡みで言いますと、短期のゾーンが延々と正常化せず、リスクフリーの投資対象がプラス金利で存在しなくなるというのはそれは当然ながら別の価格形成に歪みをもたらす結果になる訳で、そういうのっていわゆる金融不均衡の拡大というお題になるんじゃネーノとか思うのですけれども、日銀はどういう考察をしているんだろうとお問い合わせしたいくらいであります。しかも日銀の場合は補完当座預金制度という名前の超過準備付利をしている訳で、市場の短期国債をマイナス金利に追いやるような買入をしている一方で当座預金先に対しては10bpの預金ファシリティーを提供している訳で、そら市場金利が10bp水準とかにあるなら別ですが、ここまで金利が大きく下がってしまいますと、当預先と非当預先の市場アクセスに対して著しい機会不均衡が発生していることになり、こういうのも更に金融不均衡を拡大しませんですかねえとか申し上げたくなる所です。(ちなみにECBのマイナス金利は預金ファシリティにペナルティレートを適用するものなので機会不均衡とかではなくて皆さん揃ってマイナス金利ですからね)

などなど、何か全然取り留めのない雑談になってすいませんが、短期の所のドマイナス継続から市場のあちこちが綻んできているように見えまして、この政策このままで良いのかと思ったままに書いたもんでどうもまとまっていなくてすいません。

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2015/12/15

○市場世間話

・海外であばばばばー

というのは今に始まった話ではないのですが、厭債害債さんのエントリーがあったので人のフンドシで
相撲を取るの巻。

http://ensaigaisai.at.webry.info/201512/article_5.html
Third Avenue Managementのファンド清算

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NZ5XQH6K50Y101.html
サード・アベニューがクレジットファンド清算へ−顧客の換金を停止
2015/12/11 08:30 JST

これ自体はうっかり伝染すると色々とややこしい話にはなる可能性を持つネタではあるのですが、こういうのがあったからFEDが利上げを見送るのか、という話になりますとそれはまた別ではないかなと思うのですよ。

つまりですね、これが一足飛びに金融不安とかになるのだと確かに利上げ所の話ではないのですが、今回の場合は(厭債害債さんもご指摘のように)投信の形になっていて内容そのものは分かるようなものになっていまして、問題なのは利回り追求によって流動性と満期転換をやり過ぎた点で、元の商品のプライシングがおかしいという話ではないと思われるお話ですから、そういう文脈から考えるとFRBの中でもBISビューというか金融不均衡の問題を気にする人から見ると「低金利の過剰な長期化期待による過度な利回り追求の動きが是正される中の事象」という風に見るんじゃないかと思うのですがどうでしょうかねえ。

ただまあこれが既に盛大に積みあがっていてしかもその金を出している人がリスク耐性弱くて売りが売りを呼んで全体的にシステムがあばばばばーとなる、ということになるとダメじゃんと申しますか、それ以前の問題として既にクレジットバブルをやり過ぎましたねということになりますので、確かに判断は難しい所なのですが、基本的には超緩和政策を若干修正して正常化モードになっていく中ではこの手の過剰な満期変換と過小な流動性というセットものはやり過ぎると正に金融不均衡になるのだから適当にガス抜きが掛かる方が当局的にはウマーではないかと。

つーかIOSCOとかFSBとかの問題意識ってこの手の流動性に問題が生じるとか、過剰な満期転換を行うとか、その手の事に対してガシガシと規制を掛けようという方向性で色々とああだこうだとやっている事もありますので、たぶん変な伝染しださない限りは当局的には放置じゃないですかねと思うのでした。よー知らんけど。


・CPェ・・・・・・・・・・・・・

と申しましてもCPレートの話とか金融ファクシミリ新聞さんくらいしかネタにしていませんのであまりこちらでどうのこうの申し上げるのも何ですけれども。

月曜の金ファクさんでも指摘されていたのですが、短国市場がご案内の状態となって11月に入って延々とマイナス金利(しかも途中で凶悪なマイナス金利化)しているせいで、短期市場での余資の置き場が無くなってきてCPレートに波及するの巻となっているようですな。まあ金利水準に関してはファクシミリ新聞さんにでも取材して頂きたいのですが、年末は特に(毎度の話ですが)GCレポとか短国現先とか盛大なマイナス金利になってしまいます(東京レポレートの1か月とか年末跨ぎの金利を見れはお察し)し、無担保コール取引もレートが盛大に低下する(最近の半期末は良く低下する)という資金運用難民がプラス金利のターム物運用のCP市場に行列の巻という図になっているようで。

まあ何ですな、短国の金利がプラスに戻ってくると国債とのスプレッドガーという話になって来るのですけれども、そもそも論としてマイナス金利を運用で買うというのもナンジャソラという話ではございますので(これがシステム的に必要な担保ニーズだのショートカバーだのそもそも調達がマイナス金利だのというのなら分かる)、ベースレートとのスプレッドと言われましてもそもそものベースレートが比較不能物件になってしまっているのでどうしようも無いですな。

まあ「金利が下がるのは金融緩和効果(キリッ)」という話なので日銀的には知らんがなという事なのかもしれませんけど。

#なお何で同じ話を今日もしているのかは市場推移とだけ申しておきます


・貸出増加支援オペは純増ベースでは1兆円弱とな

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel151214a.pdf

新規貸付の概要
貸付期間 4 年
貸付予定額 19,976 億円
貸付先数 30 先

ということで新規は2兆円ほど出ているのですが・・・・・・・・・・・・

(参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み
大手行 166,385 億円 7 先
地域金融機関等 78,723 億円 119 先
合計 245,108 億円 126 先

となっていまして、9月の数値はと言いますと・・・・・・・
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150915a.pdf

(参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み
大手行 163,101 億円 7 先
地域金融機関等 73,017 億円 117 先
合計 236,118 億円 124 先

となっておりまして、残高の増加という意味では前回対比で見ますと23.6兆円→24.5兆円になっておりますので、純増ベースでは1兆円弱の増加となっていて、まあ0.1%というのが国債金利から見たらウルトラ高金利になってしまっていますが、そうは言っても4年の固定なので一応は出るには出るということで良かったですねと。

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2015/12/14

○市場雑談ネタ

・短国買入は順当あんど順当

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151211.htm
国庫短期証券買入 5,000 2015年12月15日
国債買入(残存期間1年以下) 700 2015年12月15日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,500 2015年12月15日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,500 2015年12月15日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2015年12月15日 2016年3月25日

札はありそうかなとも思ったのですが前週と同じ5000億円のオファーで来まして、6M/12Mの入札直後に買入増額するでござるの巻というパターンではないという流れでほほうという感じ。

恐らく貸出増加支援の方は着地が見えていると思いますので、残りオペ系でそれなりにぶれる可能性があるのが固定金利オペの15日エンドと18日エンドの8210億円に9160億円となっています(21と23にもエンドがあるけれども1300億円と230億円なので影響は小さい)ので、ある程度固定金利の着地をにらみながら数字を合わせにきているという感じなのでしょう。その数字合わせるという意味は分かるのですが、それが実体経済にどういう差が出るんですかというような話はさておきまして。

落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba151211.htm
国庫短期証券買入 15,920 5,000 0.041 0.041
国債買入(残存期間1年以下) 1,966 700 0.030 0.048 52.7
国債買入(残存期間1年超3年以下) 8,622 3,503 0.011 0.014 66.4
国債買入(残存期間3年超5年以下) 11,079 3,503 0.012 0.012 72.7
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(12月15日スタート分) 8,150 8,150

短国買入は応札15920億円なので前週の18429億円よりも少なくて、4糸甘とかなので、新発3Mを入れてもただの投げになりますのでおそらく新発3Mは入っていなくて、(そもそも平均よりも引けが甘いので今回の買入で利食いで入る可能性はほぼゼロ)新発3Mを入れるだけ無駄なので入れないという可能性はあるのですが、まあそもそも3Mは端から入るものという認識は無かったと思われますので、このオペのオファーがあって結果が出ても特段短国に外しの動きが出るわけでも無しという流れではありました。

でもって今週は1Yがあって3Mがあるのですが、あとMB目標着地の所でのブレ要因として残っているのが18日エンドの固定金利(上記の結果にありますが15日エンドの共通担保については8210億円の落ちに対して8150億円のロールなので殆ど落ちず)でして、18日エンドのオペに関しては16日に結果が分かっているので、次回の短国買入の時点では着地に向けた調整という感じになるんでしょうかね、24日に3Mあるから25日に買入入れてくるかもしれませんけれども、まあいきなりとんでもない事にはならないでしょうね、とは思います。

ここで一部の好事家のみの注目材料が「さて3Mはゼロ金利水準まで戻るのでしょうか」というお話でありまして、なにせ11月は見事にマイナス金利で推移しまくっておりまして、12月もここまでマイナス。やっと木曜の入札後にマイナス1.6bpに金利上がったのですけれども、金曜の短国買入がイマイチ応札が少なかった(6Mの入札分だけ札が多いはずなのに前週比少なかった)ことも影響したのかどうかは知りませんが、引けはマイナス1.7bpに進めやがっていますので、まー今週の3Mがどうなるのかは一部好事家のみにとっては超注目材料ではあります。何せ今週の入札が終わってしまいますと四半期末越えは24日の3M入札以外にまとまった玉が出てくるタイミングが無いと来ておりますし、今週の3M発行日は21日なので利付国債大量償還とぶつかると来ていますので、償還再投資ニーズ分がどの程度末算調整に回ってくるかで違ってくるんでしょうな、と好事家のみの話題を展開するアタクシ。

まー買入のペースがこれなので何ぼ何でも年内どこかでゼロ近辺まで浮上するとか、あとは年初になってから末算調整分の外しが出てきてゼロ近辺に浮上するような変化は想定しても別におかしくは無いのですけれども、とにかく短国マイナスが続くと中短期の債券の需給もひたすらタイトになりやすいので、このマイナス金利は政策を持たせることを考えるとなんとか是正の方向に持って行った方がお得だと思うのですけど、政策効果です(キリッ)なので致し方なし。

ちなみにロイターさんによりますと、
http://jp.reuters.com/article/idJPL3N14024820151211
2015年 12月 11日 15:14 JST 〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続落、長期金利0.310%に上昇

『<15:10> 国債先物は続落、長期金利0.310%に上昇

(前半割愛)短期市場では、無担保コール翌日物は0.075─0.076%を中心に取引された。主な取り手は、地銀、信託、証券などで、大手行は0.075%で一部調達した。週末を迎えたが、落ち着いた取引となった。レポ(現金担保付債券貸借取引)GCT+1レートは0.047%に低下。国庫短期証券買い入れ結果は、利回り格差の水準から判断して、6カ月物を中心に処分されたとみられている。共通担保資金供給オペは札割れ。ユーロ円3カ月金利先物は小動き。』(上記URL先より)

とありまして、GCレートはちゃかり低下しているので3Mカレントがオペに空振りするのは最初から織り込んだ上でオペ分だけ需給が改善したという認識になっているとみられまして、そらそうよとは思いますが、遠すぎるゼロ水準の短国という風情ではあります。


あとですね、月末に向けてのオペネタとしてはCP買入がありまして、CP買入に関しては最後に末算調整の買入が30日渡しという無慈悲な日程になっていて(と言っても30日渡しでやらないと月末エンドのCPを盛大に打ち込まれて肝心の末残が作れないので致し方ない)、恐らく今月もう一回ある方の買入でも30日エンドを盛大に打ち込まれる結果として30日のCP買入オファーが増額の刑とかになるんでしょうなあという所までは読めます。

でもってCPに関しては詳しくは金融ファクシミリ新聞さんあたりで見てちょという所ではありますが、短国金利がどマイナス状態なのが続いている影響で金利が低下傾向となっていますので、月末の所で日銀買入に打ち込む所では大変に素敵な金利での落札結果が出るのではないかという気がする訳で、仮にそうなった場合には金利が下がって企業の資金調達環境を緩和するので政策効果です(キリッ)という理屈になるんでしょうけれども、どうなのかねえというようなことになるでしょうな。

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2015/12/11

○お楽しみ(?)は短国買入

例によって例の如く3M短国である。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151210.htm

(3)募入最低価格 100円00銭6厘0毛(募入最高利回り)(-0.0221%)
(4)募入最低価格における案分比率 78.2417%
(5)募入平均価格 100円00銭9厘6毛(募入平均利回り)(-0.0353%)

前週の入札が足切マイナス5bpとなっていたのに対して今回は足切マイナス2.2bpまで戻り、しかもセカンダリーでは足切水準よりも甘くなったようで引値はマイナス1.6bpと珍しくも入札水準より甘い引値となって(最近の短国は引値が入札よりも強くなるのが仕様でした)、年内残り2回の3M短国に短国市場正常化への光明が見えないこともないという状態になってまいりました。

現状マイナス金利でもホイホイ買うのってそもそもファンディングがマイナスになるドル円ベーシス系の海外さんと、日銀短国買入と、お家の事情で国債残高の末残調整をしないといけない人、というのは毎度申し上げている通りですが、海外の買いが一段落して日銀の買入フローが低水準のままで推移してくれれば残りは末残調整の買いとなりますので運が良ければ金利の浮上あるでとなりますので、こうなると本日の短国買入がどうなるのかというのが注目されるの次第。

でまあここで日銀が短国買入見送りでもやって頂きますと短国市場正常化上等の人としては益々慶祝の念に堪えないのですが、入札結果とその後の動きから勘案すると本日は短国買入に応札可能な玉が結構どっちゃりとある筈ですので、応札可能な玉がたくさんあると需要調査をした結果としてよーしパパ玉があるうちに全力で買っちゃうぞーとか言い出して短国買入を増額オファー(前回は5000億円)して来ると思われるのが日銀クオリティでございますので、まずは何ぼオファーが来るのかを見て、その後は応札状況を見てということになると思います。

短国市場が正常化(プラスになれば正常と言うのか、という議論はさておいて)ということになりますと、中短期のマイナスゾーンがこんなに広範に拡大せんでも良いとは思うのですが、どうもこちらはこちらで短国需給とは別の要因も含めて中々金利が上がりにくくなっているようで、2年カレントマイナス3.5bpとか相変わらずでして、まー短国がほぼゼロ金利に近いマイナス位で推移している分にはここまでエクストリームな展開には成っていなかったのですが、短国をとんでもないどマイナスにしてしまい、それを1か月程度引っ張ればこうなるよねというお話で、市場一回壊しちゃうと戻るまでは時間が相応に掛かるでしょうなとは思います。


なお、短国市場に関してはとりあえず目出度く来週以降にほぼゼロ金利とか間違ってプラス金利とかになったとしても、年明けになると3Mが3月期末越えになる(当たり前だが)のですが、この12月に向けた動きに参ったという人は多いと思いますので、1月になると早速期末越えを意識してという話が発生して結局需要は尽きないように思えますし、大体からしてドルファンディングの話ってファンディングする人が市場ファンディングをしないで済むようになるためには金融市場外(米国現地でドル預金とか)での調達をするか、ファンディングによって購入している資産を外すかしないとニーズの量自体は同じになりますので、今回ほど極端にはならない(2回目なので同じことは繰り返さないで適当に需要は期間分散されることを期待しているのですが)とは思うものの、碌な事にはならんでしょうなあとは思うのでした。

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2015/12/10

○各種雑談ネタ

・さあ今日は3M入札ですよ(白目)

ということで本日は月内残り3回となった3M短国(あと1Yが1回ある)の入札な訳ですが、先日の6M入札が結局マイナス6bpの引けとかやっている次第(ただしGCや現先の金利的に考えるとさすがに需給的には少し緩和しているように見えるのだが)なのは兎も角として、ここに来て2年とかの辺りが一段と強くなっている(年末ポジションクローズ要因も入っていそうではあるのですが)という鬼のような展開になっておりまして、昨日の2年カレントの引けはマイナス3.5bpなどとなって、このゾーンがこの調子になっていると短国の方も日銀の買いが無くてもそう簡単にゼロとかプラスにならないのではないかと思ってしまう所です。

そんな訳ですので本日の入札は入札水準は兎も角として(火曜の6M並みの足切になるとちょっと需給緩和のイメージになり来週以降の残り2回の入札に光明は出てくるが期待薄)、落札結果の分布状況(どのくらい「お家の事情でマイナス金利突撃」組がいるのか)、テールの具合(日銀買入以外の需要が見えているのか見えていないのか)に注目しながら正座して待機したいと存じます。


・債券市場の機能度絶賛低下

そらそうよ。
http://www.boj.or.jp/paym/bond/bond1511.pdf
債券市場サーベイ<2015年11月調査>


回答期間:2015年11月19日〜11月27日
調査対象先数:39先

(「調査対象先数」は、国債売買オペ対象先のうち、調査協力を得られた先)


毎度思うのですが、このアンケートの選択肢って例えば2番目の『債券市場の機能度』からすべての項目に関して『1. 高い、2. さほど高くない、3. 低い』とか『1. 改善した、2. さほど改善していない、3. 低下した』というような3択方式になっていまして、これが5択方式になっているとどういう回答分布になるのかというのを見たいのですよね。

つまり、この手のアンケートって一番上と一番下に入れるのにはそこそこ思い入れというか信念みたいなのが無いと中々入れてこないという心理的なものがあると思われますので、このサーベイのような3択方式だと「低い」とか入れるのもちょっと喧嘩を売っているようでちょっとねえというような方々が真ん中にどのくらい入っているのかを見たいのですが、どうせフォームを1回決めたので変えないでしょうし、そもそも論として5択方式にしなかったのは4番目にドバドバ票が入るの困るからでしょなどという事を良い子の皆様は指摘してはいけません。

というような事情も踏まえても、今回は前回対比で機能が低下した(取引量だけは増えている)という結果になっていまして、そらまあ市場があのプライスアクションですし、短い所に関しては逆にベーシススワップ絡みとか何とかで盛り上がったりしていましたので、まあイメージに違和感がないですし、この割と穏健な結果がでるような作りになっているサーベイですら機能度低下って言ってるんですから来年になって輪番フローが拡大することになる中で大丈夫かという所ですね。

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2015/12/09

○一応市場雑談

・相変わらず短国ェ・・・・・・・・・・・・

昨日は念仏唱えながら6M入札。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151208.htm

(3)募入最低価格 100円01銭9厘(募入最高利回り)(-0.0378%)
(4)募入最低価格における案分比率 32.9333%
(5)募入平均価格 100円02銭3厘(募入平均利回り)(-0.0458%)

でまあ実はこの結果6Mでは前回よりも金利が低下しているので過去最低利回りを更新しているのですけれども、既に3Mでエクストリームな結果を散々みておりますので何か普通に見えてしまうのはエッシャーのだまし絵みたいなもんですな(違)。でまあいわゆる不明玉は1.1兆円程度なのでそこまで多くは無いのですが、セカンダリーでは入札水準より利回りが低下しているという時点でお察しの展開で、引けはマイナス6bpになっておりまして、入札水準よりも強い引けになっているという事で需要は相変わらず堅調というお話。

何気に2年とかその辺の引けも強くなっておりまして、2年カレントマイナス3bpとか1年から2年の当たりの引けがマイナス3.5bpとかすっかり異世界レートが定着しておりまして誠にあばばばばーの極みという展開になっております。そらまあ短国が延々とどマイナスになっていて、その一方で国債の残高は一定量必要という人たちがいる訳ですし、大体からして貸出増えていると言ってもそれ以上に預金が増えているので、そもそも論として積まないといけない分が増えるというのもありますから、そら短期の需給がここまでタイトになっていたら波及するのも致し方なしという所ですな。まあ日銀がMB目標からAPP目標に切り替えて短国の買入残高落とせば済むことなんですが、肝心のリフレ派の皆さんがすっかりMB直線一気理論を無かった状態にしているのに一度決めたもんだから日銀がこのMB理論を続けているというのが何とも。


・ちなみにCP買入オファーやっぱり増額

やるかと思っていたらやっぱりやってアチャー
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel151208a.pdf
CP 等買入のオファー金額の変更について

『○ 日本銀行では、CP 等買入の 12 月 15 日オファー分のオファー金額について、5,000億円から5,500 億円に変更しましたので、お知らせします。なお、その他の内容については、変更はありません。』

ということで年末分も5500億円なのですが、12/15オファー分のCP買入も5500億円ということになっております。でまあご案内の通りで短期市場では短国の金利が延々とどマイナスとなっている訳でして、短期の資金運用(除く海外)という意味ではマイナスレートだとキャピタルゲイン狙いじゃないと買えないんですがそれはという状況になっている訳(国債残高が必要という意味でのお家の事情の買いはここでは別の話です)なのですが、そんな中でプラス金利のCPをここぞとばかりに日銀が絶賛吸い上げしかも増額ですかそうですかという所で。

もう数字を合わせに行くことが至上命題で市場との対話というのはアリバイでやっているだけというのは理解しましたが、しかしまあ日銀がこの調子で市場をスチームローラーの如く潰して逝ってしまいますと戻すの大変になるので、正常化するときに色々と不具合生じると思うのですがまあ後の事は知らんという事ですねわかります(−−;

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2015/12/08

・今日は6M入札

えーっと本日は6M短国の入札があるのですが、何せ先週金曜日の短国買入が1年とか6Mの入札週でもないのに増額という攻撃をかましてきまして、前週まで短国買入を絞って市場のマイナス金利拡大に配慮したのかと思ったら3M短国入札が実質的には前週よりも堅調(アベレージが強くなったりセカンダリーで跳ねたりという現象は無かったから強くなっていないという言い方もあるが、普通に考えてマイナス5bpから強めのレートが定着してしまっている、というのが妥当でしょ)となっているのに買入を増やすという、マイナス5bpからのマイナス金利に関して日銀がお墨付きを与えたようなプレイが出てしまいましたので、まあどうせ碌な入札にならないでしょうし、そもそも先週の短国買入が増えた時点でこりゃ今週もオペ狙いヒャッハー行けるやん!という話になるのでしょうな。

ちなみに注目というほどの事も無いですが、ここもと延々と3Mとか2Yとかの入札で所謂不明玉が多めに推移している感じでして、さてその手の買いと思われる買いはどこまでやるんでしょうかねえという辺りでして、何せこの四半期入って最初のうちだけは3Mが若干程度のマイナス金利でしたが11月2週からはマイナス3からジャンジャン金利が低下の巻なのであっという間に手持ちがスッカラカンになるというオソロシスな展開ですからねえ。

と、もはや水準どうこうあまり気にもならないのでした。

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2015/12/07

○その前に短国買入とCP買入ェ・・・・・・・・・

金曜のオペオファー(短国とCP買入のみ)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151204.htm
国庫短期証券買入 5,000 2015年12月8日
CP等買入 5,000 2015年12月9日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba151204.htm
国庫短期証券買入18,492 5,000 0.037 0.038
CP等買入 8,611 4,995 0.050 0.060 14.3

というころで、短国買入に関してはここの所2500億円でのオファーだったのですが、今回は5000億円に増額となりまして、日銀の「隙あれば短国買入増額」というスタンスがまた出ましたなという所ではありますな。応札は1.8兆円あったので応札自体は多めですなという所ではありますが、5000億円が現実に日銀に吸い上げられていくというのはやはり需給を確りさせますなあという所で、もとよりあまり気配がないので何ともなのですが、需給はまたタイトな感じではあります。

というのと、こうやってちょっと入札後で物が増えた所を見てすかさず短国買入が増える、というのを見ますと、その前の日に3M入札の足切水準がマイナス5bp水準(しかも極薄案分)と前週よりも実質的には強い入札だった翌日にこういうのを打ち込んでくる、というのは先月末も2年入札激強だったのに何故か翌月の輪番で1-3/3-5の輪番を3000/4000から3500/3500にするというプレイを行ったりと、市場に配慮してるんだか配慮してないんだか良く分からん謎の微調整が一々入るのが不思議調節ではあります。

まー短い所に関しては短国買入の影響か輪番結果の影響があったのかは謎ですけれども、2年ゾーンまで引値軒並みマイナス3bp(2年カレントだけマイナス2.5)になっておりまして、一方で5年は1毛甘の4bpになっていましたから3500/3500にした効果はちったああったのでしょうか、と言いたいですが、単にECBのドラギショックにつられて金利が上昇する中で短期だけは強いというだけの話かもしれませんけどね。


でもってCP買入結果の方も地味にお洒落でして、出来上がりの金利が足切5bpで平均6bpとなっておりまして、前回(10/27)が4000億円の買入オファーに対して足切6.5bpで平均7.3bpとなっておりましたので、順調に金利が低下中となっております。

CPは国債残高確保という点では短国の代替にはならない(当たり前)のですが、資金運用という意味では短国がマイナスもマイナスという状態の中でまともにプラスの金利が出てくるのはCPという事になりますので、1か月以上カレント3Mが盛大なマイナス金利(オペに入らなくて四半期末の残高に跳ねない短いものならプラス金利になる場合も無い訳ではない、為念)ということになりますとそらまあ堅調になりますわなあという感じでございます。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel151130a.pdf
CP・社債等買入のオファー日程について

ということで今月はあと2回短国買入(最後は年末渡なのだが何せ末渡スタートにしておかないと、折角買入をしても全部月末落ちの物になってしまうとかありますからね)があって、5000億円に最後は5500億円とかになっていてこちらでも日銀買入パワー登場という風情になるんでしょうなあとゆーお話ではあります。

しかしまあ何ですな、CP買入って当初はリーマンショックの時にオープン市場がカウンターパーティーリスクの意識からGCレポ取引などが蒸発してしまい、レポとか現先の金利がロンバード水準まで上昇し、現先レート上昇のあおりを食ってCPのレートまで上昇、というような流れになって市場沈静化の為に投下したのが当初のCP買入だったのですけれども、今となっては短国金利はマイナスだわ短い国債も軒並みマイナスだわという状況で、日銀がわざわざCP買入をする意味がどこにあるのかという状態になっているように思えるのですが、この辺りについてどこかで見直しをしないんですかねえとは思うのでした。

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2015/12/04

○短国ェ・・・・・・・・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151203.htm

(3)募入最低価格 100円01銭3厘5毛(募入最高利回り)(-0.0502%)
(4)募入最低価格における案分比率 3.9952%
(5)募入平均価格 100円01銭7厘3毛(募入平均利回り)(-0.0644%)

アイヤーという感じでして、平均落札は前回のマイナス8bpレベルからマイナス縮小したのですけれども、足切がマイナス5bp台に上昇しておりまして(前回はマイナス3bp台)、テールが短くなっているという結果になっております。

ということはつまり「この水準で皆さんの目線が定まってきました」という事でございまして、需給が緩んでゼロ近くの金利に戻ってくるどころか金利水準がマイナス5bpまたはそれよりもマイナスの大きい所、という感じで認定されたようなものでして、おうこれはどういう事やという大変にあばばばばーな状況になっております。しかもいわゆる不明玉が2兆円以上ありまして、何か海外需要とお家の事情需要がかなりしっかりしているというのを示した格好になりました。

#セカンダリーはマイナス7レベルなのでまあ強いんでしょ

ということですので、本日の短国買入タイムも絶賛念仏タイムとなることになるんでしょう、

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2015/12/03

○市場雑談メモ

・今日は3M短国入札ですが・・・・・・・・・・・・・

ええまあ今日は3M短国入札なのですが、
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html

こちらのTKRR見てますとT+1翌日物GCレートは順調に低下していて世の中に国債の在庫が軽くなっている事が示されていますし、それよりもスポット1MのGCレートがスポ末年末越えになって以降-0.020→-0.030→-0.040→-0.050と日々順調に低下しているという実にこうあばばばばーな状況が続いております。

・・・・・・・・・という状況の中で3M短国の入札が前回から甘くなって落札金利のマイナスが浅くなってくるというような流れになると大変に素敵なのですが、どう見てもそういう流れになりそうもありません本当にありがとうございました。

てな訳で本日も落札結果を念仏を唱えて待ちたいと思います、ちーん。


・日銀買入短国残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

今回は先々週金曜の2500億円に減額された短国買入分が前回との差分として反映されますが、物の見事に1年新発短国1銘柄2500億円で入っていまして、まあそうでしょうなあという結果。

ちなみに1月償還と2月償還の短国ですけれども、1月足が40744億円、2月足が48690億円になっておりまして、もしかしたら2月足はもうちょっと入るかもしれませんけれども、基本的にここから先は3Mが入っても3月足以降になると思いますので、1月2月の日銀保有短国の償還はまあ上記の額になるんでしょうなあと。

となりますと、日銀保有短国の残高維持位のペースでの買入だとすると1月は何気に週1兆円の買入ですかそうですかうーむという風情ではありまして、まあ1月どうなるのかとか考える前に今月の3M入札が4回有る訳ですが、この間に海外とか担保需要とか保有国債残高帳尻ニーズとかで短国買入が低水準で推移する(はずなのですが)のとのバランスがどうなるのかというお話の方が先ですが、年末越えに関してはTKRRの1Mを見ているとニーズが飽和するどころか更に厳しくなっているように見えるので中々のあばばばばーな感じで頭がクラクラしますな。

#年初になって年末跨ぎの帳尻需要分のバランスが崩れるタイミングはあるのかも知れませんが

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2015/12/01

○市場関連メモ

・おう何で1-3の輪番増やすんだよどういう事や

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel151130c.pdf
当面の長期国債買入れの運営について

『注4)2015年12月1日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下700億円、残存期間1年超3年以下3,500億円、残存期間3年超5年以下3,500 億円、残存期間5年超10年以下 4,000 億円、残存期間10年超25年以下2,400 億円、残存期間25年超1,400 億円、変動利付債1,200 億円、物価連動債 200 億円とする予定です。』

ということで今月の輪番なのですが、先週から1-3の輪番を4000→3000に削減して短期ゾーンの枯渇に対して配慮したのかと思ったのですが今月は1-3増額して3-5を減額するという謎のプレイによって中期輪番の買入年限間のバランスを合わせに行き、かつ1回7000億円という数字は同じという結果になっておりまして何か知らんが謎の攻撃。

まあ短国買入も謎に2500億円で刻んで毎回実施していて、やっと3Mカレントの引けが昨日の所ではマイナス5bp水準まで戻っているという状況なのですけれども、結構なマイナス金利であってゼロ金利水準は遥か彼方という状態である事には変わらず、そういう状況は知らんがなとばかりに数字の方をそろえに行くという攻撃に出ました、というのが今回の500億円調整に来たメッセージですなあと受止めることが出来る訳でして実にこう脱力系ですなあと。

いや別にそこの500億円を何故調整して1-3と3-5を合わせる必要があるのかと思いますし、大体からして(そういやメモ忘れてましたが)金曜の2年入札が堂々のマイナス利回り足切となったという結果が出た直後に減らした1-3の輪番をまた増やすとか中々お洒落な訳で、これ単体でみると「2年国債の入札が初のマイナスマイナス金利」→「1-3年の輪番拡大」となるのでマイナス金利もっとやれとお墨付きを与えているんですねとか言われたらどういう説明をするんでしょうなあと思う訳ですよ。

つーことで、ただの帳尻モードで回っているような感じではありますが、だったら市場との対話とかただのアリバイ茶番にも程があるので、最初からそういうのは知らんがなと開き直って頂かないと振り回される方としては無駄に疲弊するだけで体力の無駄遣いにも程があるんですけどねえ、とたかだか500億円の手直しで一々悪態をつくお前の方がやかましいわですかそうですか。


しかしまあ何ですな、この買入の運営とか言って物凄く幅の広い数字が出ているのですけれども、結局12月末に向けて80兆円増額に対して物凄い勢いでギリギリの所に着地させに行こうというこの帳尻運営ということで、上記の運営についての最初の項番の所に『ただし、政策効果の浸透を促すため、市場動向を踏まえて弾力的に運用する。』ってなっていますがどう見ても帳尻硬直運営です本当にありがとうございましたというのが何ともでして、この調子で出口だの政策転換だのの時に大丈夫かよと今から心配ですがどうせ2%は達成しないから心配する必要はないんですね!!!!!!!!!



・一応記念に残しておかねば

金曜の2年入札結果を記念に残すのを忘れていたのでメモメモ

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20151127.htm
6.価格競争入札について
(1)応募額 11兆8,107億円
(2)募入決定額 2兆2,791億円
(3)募入最低価格 100円20銭5厘(募入最高利回り)(-0.002%)
(4)募入最低価格における案分比率 57.7344%
(5)募入平均価格 100円20銭9厘(募入平均利回り)(-0.004%)

ということでこの金利ェ・・・・・・・という所ですが、いわゆる不明札もそこそこありまして、木曜の3Mも不明札が多かった訳でして、まあ12月末に向けてお察しという所ですなあとしか申し上げようがない展開。

でもってどうせ今週木曜の3Mまでは動きがでそうもない短いゾーンではあるのですけれども、今週木曜の3M入札がどの程度の水準までマイナス幅を縮小することができるのか(もはやゼロとかそういう事は言わない)というのと、その後セカンダリーでうっかりまた金利低下が進んでしまわないかというのがポイントで、何せ今月は3M入札は4回しかない(6Mと1Yは端から碌な事にならないと予想)のですが、前回の入札があの状況で今でもマイナス5bpとか言っている訳ですから、今週の入札である程度以上は調整してくれないとどうにもならんという感じではありますな。

まー買入に関しては今後もペースが遅くなるという事は見込まれるのですが、現実問題として供給が入札の形でどどーんと出てきてからじゃないと動かないのが短国市場クオリティでございますのでまさに出たとこ勝負。しかも毎週2500億円の買入だけは突っ込まれているので、隙あらば拡大しよう(ただし帳尻の範囲内)と考えているのではという気はしますし、ここで帳尻モードをやっていると実は1月になってまたまた買入がポンポン入るのではないかとか色々と頭が痛いものがありますな。

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2015/11/30

○短国買入2500億円実施ですかそうですか

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151127.htm
国庫短期証券買入 2,500 2015年12月1日

どうせそういう打ち方になるんだろうなあとは思っていたのでたぶん市場的には違和感がないのですけれども、何ちゅうかその2500億円ってのが何ともな感じで、別に札自体は(1年カレントが残っている筈だし新発の3Mも発行日渡しとか金曜の約定とかだと米国が感謝祭だから玉そのものは残って居るだろという感じなので)別に2500のオファーじゃなくてもあるんだし、やらないならやらないでゼロにしておいた方がいつまでもあると思うなそのゴミ箱という事でオペトレードヒャッハー的な動きにも水をぶっかけられるとは思うのですが、何というかこの微妙な額でのオペが続きますのうという感じで。

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba151127.htm
国庫短期証券買入 11,849 2,500 0.031 0.034 38.0

3毛4糸平均の3毛1糸足切なので、3Mカレントを入れると負け、1つ前の3Mだと入札よりは金利低くて、6Mカレント(が残っているかどうか知らんが)だと毎度の大勝利で1Yカレントだと入札平均からみてそんなにワークしない(レート的には平均より2糸程度強いアベです)という結果ですが、何せ木曜の2年入札でもいわゆる不明玉がそこそこ多めにあるという時点でお家の事情的な買いが見えている格好だし、3Mに関してはドル調達の反対側の人たちがちょっとやそっとのマイナス金利では屁でもない状態なので、別にこの結果を受けて短国が軟化する訳でもないというのが世紀末感を漂わせる状態で、今週の3M入札の所でどこまで流れてくれるのかというのが課題となりますので、つまり木曜まではどもならんという事で一つよろしくという感じなんでしょうねえ。

まー今回に関しては各種規制の初回ケースの上に米国の利上げタイミングとぶつかったというのがあって、従来と情勢が大幅に変わった為に四半期末のドル調達が爆発した感はあるのですが、では次回以降はどうなのよと言いますと、背景にある制度の面というのはあまり変化が起きないのですから、そうなると本質的には日本勢の海外投資のうち、短期市場調達(や足の速い預金での調達)で積んでいる資産が減らないと調達そのものが減らないのでそこは簡単な話ではないでしょうと思うのですよね。

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2015/11/27

○短国3Mェ・・・・・・・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151126.htm

(3)募入最低価格 100円00銭9厘5毛 (募入最高利回り)(-0.0353%)
(4)募入最低価格における案分比率 10.1132%
(5)募入平均価格 100円02銭3厘2毛(募入平均利回り)(-0.0863%)

前場の引けに掛けてビットが湧いてきて前場引けではマイナス10bpでの出合いとかになってビットになってという気配でしたので、そこから考えると流れたという評価も出来るのですが、前回の入札と比較すると足切水準が同じ(価格ベースで)となっていますが、平均落札はマイナス8.6bpと異世界レートになっておりまして、先週の短国買入減額も焼け石にウォーター的な効果でしたかそうですかという感じで実に焦げ臭い展開になっております。

結局のところ円からのドル調達の反対側にいる人海外の人たちってマイナス10だろうが20だろうがワークするのでこの人たちは値段関係なく(マイナス100とか言われたら話は別でしょうが)買いに来るのですが、あとその辺の水準で買うのは日銀のオペと国債残高調整のお家の事情でマイナスでも仕方ないから買うみたいな人(なお関係ないかもしれませんが、市場推計のいわゆる不明札が2兆円弱ありました)という事になって、海外の需要は多めにあるとは言え、それだけで全部捌けるのかが微妙だと思えば、絶対入れるマンの札は前場引けのレベル位(かそれよりも強く)でも入れてくるでしょうし、いずれ売れるとは言えその間のキャリーコストも考えるととかなると全部そこで突撃する訳にも逝かず、ということで札が分かれたんでしょうなあとは思われます。


ということで本日の短国買入がどう入るかというのもこれまた注目されますが、まあ札自体は先週買入減額しているから1年は浮いているでしょうし、昨日の3Mはまだ海外が感謝祭やっているから買いに来てないでしょうから残りはあるでしょうし、もうこの際兆円レベルで買入オファーして買入金利水準の出来上がりをマイナス30とかマイナス50とかお洒落なレートにして、翌日の日経新聞辺りに「大幅なマイナス金利での買入はシニョリッジのオペ先への漏出を意味するのではないか」位の書かれ方をして頂いた方が焼け野原に更にガソリンブチ込んで紅蓮の炎という風情になるのですけどねえとかもうヤケクソ状態。

てな訳で11月の短国は全銘柄マイナスだわ2週目からドマイナスだわで、11月頭の3M短国の金利が低いわとか言ってたのが遠い昔のようでございますけれども、全銘柄マイナスで推移されますと普通に運用で短国を買うというのは見事に出て行け状態になっているのですけれどもそれってもっと先の話(物価目標達成したら金融正常化をしないといけないんでは無かったでしたっけ)を考えた場合に大丈夫ですかというのは毎度申し上げている通りでございます。


ということで本日も10時10分と11時半に注目ということで。

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2015/11/26

○ちなみに今日は3M入札

昨日の20年入札は相変わらず堅調でどうせ今日の輪番で吸い上げられるんでしょ的なアレでございましたが、さて本日は3M短国の入札。

先週金曜に短国買入大幅減額というプレイが出たものの、その瞬間はちょっと調整した(と言ってもマイナス10bpの世界なので異世界なのですけど)訳ですが、結局のところセカンダリー市場の流動性は皆無だったりしまして、さて本日の入札はどの辺でやるんでしょというのはさっぱり分からんですな、うんうん。

何せ今の水準って海外と日銀と短国というモノに対するお家の事情な買い以外の買いが入る水準じゃないのですが、その海外と日銀の買いの方がドミナント、というか国内の短期運用での買いの残高が落ちてしまっている(資金循環辺りだとそう読める)という状況ですから、そらまあジャパンの時間にセカンダリーの流動性無いわという状況な訳ですから致し方なし。つーて玉が本当にスッカラカンなのかというとレポGCとか現先とかの状況から勘案すると本当に無い訳ではなくて、日銀によって市場の水準が持ち上げられてしまって国内の普通の投資家が参加できる状態になっていないだけという所ですな。

じゃあその水準まで調整するのかというと、海外と日銀がどうするのか次第なので、明日の短国買入次第だったりしますが、1-3輪番が減額されているのでMB達成的な観点からすると8000億円分の調整が必要になるのが微妙ですな。

いずれにせよ今日もまたまたマイナス水準(しかも100円から遠い)でしょうとなりますと、11月中の短国入札が全部マイナスでしかも2回目以降はドマイナスで毎回マイナスを更新するというハチャメチャな展開になりますので、まーこの年末越えのどうのこうのな時期に何をしますねんと思いますが、まー今年の場合は米ドル調達絡みで皆さんが前倒し(規制その他の関連適用が初回だから)で動いて来たからセットで悲惨な事になったというのはあると思いますが、今日の入札よりも明日のオペとか海外絡みの動きがどうなるかという方が注目なので入札はもうどうでも良いです(ヤケクソ)。

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2015/11/25

○1−3輪番減額とな

昨日の債券相場ではこんなのがありましたな。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151124.htm

国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,000 2015年11月26日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,000 2015年11月26日
国債買入(残存期間5年超10年以下)4,000 2015年11月26日
(輪番以外は割愛)

中期の輪番は1-3、3-5ともに4000億円でやっていたのですが、昨日は突如1-3の輪番を減額と来まして、金曜の短国買入の2500億円への減額が来ましたという直後に今度は1-3の輪番減額ということで、シャチョーが会見でオペレーションの限界について問題ない(キリッ)と大見得を切った手前、その直後に短国買入や1-3の輪番という今一番金利がド低下してマズーとなっている所のオペで極端な結果が出ないようにという配慮キタコレというのが何とも。

ちなみにここ減らして年内の国債残高80兆円目標大丈夫かという点ですが、

営業毎旬報告

昨年12末
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2014/ac141231.htm/

資産項目中の「国債」の内訳
(単位:千円)
長期国債 201,767,624,480

ということですので、今年の末に80兆円オンする為には281.77兆円の残高にすればヨロシアルね。

でもって10月末の残高
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2015/ac151031.htm/

長期国債 270,994,824,175

でして、270.99兆円まで残高が積みあがっているので残り10.78兆円購入すれば良いのですが、10月の輪番の月跨ぎ分が10/28の中長期輪番の1.2兆円、11月の輪番は中期輪番が8000億円が4回で今回を含めて残り2回が7000億円になるので買入額が90600億円、12月の輪番をそのまま中期7000億円で継続した場合には輪番での買入額が87600億円になりまして、年末跨ぎの輪番を入れるか入れないか(日程を逆算すると全部年内輪番に押し込むことは可能の筈)というので差が出るのですが、これを全部足した上で、

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/index.htm/
10月末ので計算すると年内償還が71421億円、11月10日ので計算すると72122億円となっておりまして、この差分(701億円)って償還銘柄が打ち込まれる1年以内の輪番になりますので、1年以内輪番が全部12月償還銘柄を打ち込まれるという計算を置きまして10月末の所から計算した上にさっきの買入の方を調整しますと、

残り必要額10.78兆円
10月末以降の買入分18.74兆円(さっきの足し算から2400億円を引く)
償還額7.14兆円(2年2銘柄と5年2銘柄と10年3銘柄と変国物国各1銘柄)

となりますので11.6兆円ので1兆円以内の差というギリギリにも程がある状態ですが足りている勘定になりますし、実際は額面ベースと買入価格ベースの差があって、今は変国と40年カレントともうちょっと売られれば30年カレント以外がオーバーパーなので基本この額面よりも上ぶれる(数%ですが)筈なのでまあ着地をそこまで合わせるかねとは思いますけれどもそういう計算。

なお全部手計算(表計算ソフトは使っていますが)なので計算漏れあったらスイマセンですけれども、他の人も計算していましてほぼ皆さん「これで行けるやんギリギリだけど」という結論になっているのでそういう事で。


・・・・・・・・・という訳でここで減額して最後の着地を無駄に綺麗に調整しに逝った、という考え方は勿論成り立つのですが、何せその前に短国買入を意味不明に拡大しているという前科のある中でのここでの買入減額なのでどう見ても短期ゾーンの金利低下に配慮というか、極端な結果が出てくるのを懸念という感じですな。というかそもそも減額できるのであったらもとより1-3の金利って年末ガーの話がクソ盛り上がりする前から低位で張り付いていたのですから、11月の頭から1回500億円減額しても良かったんじゃネーノとは思う次第で、まータマとして残しておいたのでしょうけれども、打つタイミングがアレすぎて実に味わいがあるというものですな。

でまあ市場に配慮(?)の成果として(かどうか知らんが)昨日の中短期ゾーンの金利は2年が一時3毛甘のゼロ%まで金利上昇するというチャーミングな展開となりましたが、結局マイナス0.5bpに戻して終了して、2.5毛甘は2.5毛甘ですけれども所詮はマイナス金利ですかそうですかという結果になっておりました。

でもってこちらの配慮に短国市場が反応したかと言いますと、最早短国市場ちゃんは入札の日と短国買入の日以外は流動性が皆無で、どこかの投資家が売りに来るとその銘柄だけ流動性が発生する位の勢いになっているので居場所がよくワカランチ会長ですけれどもまあ概ね引けは変わらずとなっていまして、せっかくの火消しプレイなのでまあいちゃもんつけるのも何だなとは思うものの、日銀の対オープン市場(インターバンクではないという意味なので債券市場も含めて)に対するオペレーションの昔からの仕様であって伝統芸能状態なので仕方ない面はありますが、「散々燃えて焼け野原になった後に火消人登場」という時既にお寿司感の漂う展開になる、というのは直近で言えばリーマンショック後のGC市場やCP市場を見ても(全然直近じゃないけど)良く分かるというものでありまして、また日銀の伝統芸能が登場かと残念感をぬぐえません。

まーしかも火消しと言っても買入残高を拡大することには変わりないのが残念な所(ディレクティブ上仕方ないけど)でして、2013年の債券急落みたいに日銀が買入を続けて逆方向のオペレーションをしているのであればいずれ火消が効いてくるのですが、所詮は買入のペースをちょっと緩めてみましたというだけの話ですし、大体からして来年は買入を拡大しないといけません(ちなみに償還は額面ベースで38.2兆円あるので118.2兆円の買入な)ので結局買入は拡大するわ国債の市中消化は減るわで単にちょっと延命しただけの話になるんですけれども、まあこの時点でいきなり極端に輪番が飛んでオペの限界と言われるのがどう見てもマズーだという認識なのは把握しました。

でもって昨日もしつこく申し上げましたが、短国の恒常的なマイナスというのを何とかすると中短期の需給も相当緩みますので輪番の維持可能性がやや長くなる(金利が無いものを買うから無茶なのであるものを買う分には何とかなる)とは思いますが、まあ今の建付け上できないのが残念無念なところで、恒常的に短国がドマイナスという状態が続いたらどう見ても持たないですなあと思うのでした。

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2015/11/24

○短国買入ェ・・・・・・・・・・・・・

ということでまずは市場メモである。

金曜は長い方は流動性供給があったので注目は短国買入になったのですが・・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151120.htm
国庫短期証券買入 2,500 2015年11月25日

うーんこのという買入で、さすがに市場が爆発しているから買入を減らしたのか、それとも単に札が無いのか訳分からんオファー額でして、少なくとも1年新発はオペ用で持ちになっていると思われた(3Mはベーシススワップ絡みでの買いがリアルに入っているのだが1Yだとスワップ絡みとはあまりならない筈なので)のでこの額を見てどうにもこうにもという感じで、3M辺りはこのオペオファー出た後に強くなっていたりしてもうワロタとしか申し上げようがない展開。

たぶん1Yカレントの札はそこそこあった筈だし、前日に年末越えの短国引けが軒並みマイナス3bpとかに強くなっていたので入れることのできそうなものも増えているとは思ったのですが、2500億円というオファー額が何とも中途半端でこれは札が無いのかと思ってしまう人が出てもおかしくは無い展開(さすがに札あるだろとは思ったものの)。


でもって落札結果。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba151120.htm
国庫短期証券買入12,070 2,500 0.030 0.048 54.3

ということで1.2兆円の札かよ少ねえなと一瞬思ったのですが、最近オペを一人で封鎖させないようにという考えなのかどうかは知らんのですが、応札限度額がオファー額の半分というケースが多くて、今回もそのパターンという中での1.2兆円だとまあ札は結構ありましたなという結果で、足切平均からしてカレント銘柄が入りましたなという結果ですが、何せ6Mと1Yカレントがオペ用状態になっているだけに特に新発1Yが浮いてきたようで、その後は3Mよりも1Yの方が金利が浮く(というかマイナスが縮小する)格好になって引けベースでは1Yカレント571回がマイナス10.6bp(前日比3.2毛甘)で3Mカレント572回がマイナス10.4bp(前日比0.8毛甘)となっていましたが、既にオペに持って行かれている6Mカレントはマイナス14.3bp(前日比0.1毛甘)とあまり気配が変わらずの巻となりましたな。

でまあベンダーとかの後付講釈見ていると市場に配慮したというよりも単にMBの進捗的に短国買入をそんなに打たなくて良いからという解説もあるのですが、仮にそうならばそもそもその前の短国買入で(6Mや1Yの入札週でもないのに)1.5兆円の買入を打つ必要はない訳でして、市場の需給が逼迫する前に短国買入を積み上げておきたいという背景が無ければ1.5兆円もわざわざオファーしていないのであって、金曜の2500億円に関しても着地をにらんで減らした、というよりは市場があの有様でさすがにヤバいと思いながらも、でも買入残高はまだ積まないといけない(何でそういう計算になるのかは良く分からんのだが民間が把握していない財政のブレとかがあるんでねえの)という状況なので買入はやっぱりしたいんですけどというようなイジマシイというかショボイというかな小市民的なサムシングの方を感じるんですけどね。そこで2500億円ぽっちの為にオペ打つのかよという感じでございまして。

しかしまあ何ですな、どうせ市場に配慮するなら買入見送りにすればと思いますし、1.2兆円札が湧いて出てくるんだったらそもそも応札限度満額にして打ったらもっと札あったんじゃネーノ(つーか5000億円で応札限度満額でも札もっと入っていたんチャウの)とか、色々と中途半端なオペ打ちやがるなあと思う訳で、まあすべてはその前の短国買入1.5兆円が需給の逼迫感に拍車を掛けて市場が調子に乗ってしまう事になった訳で、前の週の短国買入1兆円にしておけばもうちょっと違ったと言いますか、金曜の買入をここまで減額しなくても済んだと思うのですけどねえ。


ということで、まあ戻ったと言いましても所詮はマイナス10bp(6Mはマイナス14bp)の世界ですし、何気に2年の引けとか更に進んでいて2年カレントの引けがマイナス3bpとかになっている訳でございまして、何ちゅうかもうオペ減額したものの市場の方が壊れてしまっているようで、こりゃまあ戻ることがあってもプラスの水準に戻って推移するような普通の市場になるのかどうかという点に関してはかなり怪しい感じで、破断界超えてしまったかもねという時既にお寿司状態なのではないかと思いながら乾いた笑いを浮かべて板を見るのでありましたとさ(白目)。

いやまあどうせなら金曜の短国買入は何も考えずに1.5兆円の入札を行っていただいて出来上がりの落札金利がマイナス20bpだのマイナス50bpだのという凄まじい金利になってくれて翌日の日経新聞の1面か経済面を堂々と飾るような展開になって頂きますと問題が世間様にも知れ渡ってオペレーションの限界みたいな話が出易くなりますので、その結果として短国馬鹿買入も見直されてくるとかなると実は災い転じて福となすではあったりするのですが、そらまあオペレーションの限界という話が出るのはマズーでしょうからね。

#札割れ(もどき)対策という意味では短期の需給を無駄に締めないようにすればイールドカーブの手前が極端なマイナスに突っ込まなくなるので、オペレーションが持ちやすくなるので短国買入は極端に言えばゼロまで減らした方が(オペを持たせるという意味だけで言えば)お得だとは思いますけどまあやらんわな

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2015/11/20

○短国がさらに大変なことになって2年カレントも更に金利低下

もはやMPMよりもこっちの方がネタとして大きいだろうという感じですが、債券市場ちゃんは先物見ると何か前日比変わらずというのを3日ほど見ているような気がするのですが、短期の方が連日碌でもないことになっておりまして、

http://jp.reuters.com/article/2015/11/19/idJPL3N13E25O20151119
News | 2015年 11月 19日 15:10 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が前日比変わらず、長期金利は横ばいの0.295%

『無担保コール翌日物の加重平均レートは、0.07%台後半になる見通し。朝方は地銀、信託、証券などを主な取り手に0.076─0.078%を中心に取引された。大手行は0.07%付近で調達。ユーロ円金利先物は小動き。新発3カ月物国庫短期証券は一時前日比0.043%低いマイナス0.120%で取引が成立した。20日にも予想される日銀買い入れへの期待が利回り水準を押し下げた。』(上記URL先より)

ということで朝からまた調子に乗って短国が強くなっていましたが、結局引けでは3Mカレントが3.5毛強のマイナス11.2bp、1Yカレントが4毛強のマイナス13.8bp、6Mカレントは変わらずでマイナス14.4bpという異世界に旅立ってしまわれまして(それは良いのだが来週の新発WIの引け何とかならんのか)、年末越えがアレという事を反映して年末越えの所と12月足の所で利回りに段差(勿論逆イールド)が発生するという正解でもう魔界入り状態になっております。

でまあ当然ながら中短期ゾーンは強いという事で2年カレントの引けはまたまた5糸強くしておりましてマイナス2.5bpとかになっておりまして、もう首がキューと絞まる首絞め相場と化しておりましております。


でですね、会見テキスト見てからまた悪態つくと思うのですが、短国のマイナスに関して昨日の総裁定例記者会見でツッコミが全然足りないダメ質問の典型みたいなのがあって、それに対して大本営発表の回答が返ってきたみたいなのですが(あまりちゃんと聞いていなかったので)オペの維持可能性云々という話はこの次にしますけれども、それはそれといたしましてうーむと思うのは、このまま飛んでもないマイナス金利状態を続けてしまうと、普通の投資家が完全に排除されてしまって、その結果として市場が日銀とブローカーと海外だけになってしまう、という市場参加者の偏りが酷くなってしまい、金融安定化の観点で言えば市場のショック耐性が非常に脆弱になってしまうのではないかと危惧されるのですよね。

つまりですね、市場というのは多様な取引動機や多様な性格というか性質というかの資金が参加することによって、その間のニーズが調整される事によって市場として機能する訳であって、ごく一部の性質の同じな参加者だけが入っている市場というのは平常時はそれでも別に機能するでしょうが、何らかの大きな環境変化が生じるような場合に突如極端から極端に振れるような市場になってしまうんじゃないですかねえという話なのですよね。

でまあ日銀と海外しかいない(ブローカーは値動き有れば参加しますが別に投資家では無いので安定保有する訳ではない)ような市場を日銀がせっせと作りだしてしまうような事が起きかねないというのが今の状況な訳でして、まー確かに今回は海外要因でニーズが高まったという貰い事故な部分はあるにせよ、その状況変化にも関わらず短国買入をせっせと継続して行くってのはMB目標達成的には正しくても「金融政策運営の第二の柱」的にどうなんでしょうかねえと思ったのですが、良く考えてみたら当分出口が無くて出口の時には黒田総裁も退任しているからその時に大変な事が起きるとか考える必要が無くて後は野となれ山となれってスタンスで臨んでいるんですね!!!!!!!!!!!(憤怒)


でもって短国はご覧のとおりという状況を見ますに、昨日も申しあげましたがこの調子で中短期ゾーンがおかしくなってくる(つーか先物近辺のプライスアクションとか見るに長期に掛けても今に始まったわけではない市場のアクティビティ低下が更に凶悪化しているように見えるのだが)という状況が続いた場合、そんなに遠くないどこかで発生するであろう交通事故みたいな輪番札割れが起きた時に今の短国みたいなぶっ飛び相場にいきなり移行してしまうリスクもあるんじゃネーノと別に根拠はないけど体感的に思うのでありますよ。

えーっとですな、輪番って昔も交通事故チックな札割れあるいは札割れ寸前で大流れというケースは時々あったのですが、その時はまあそうは言っても市場は今ほど死んでいる訳でもないですし、そもそも日銀の買入が市場に対してドミナントだったというほどのことは無かったので、それこそたまたま輪番入れる人たちがメンドクセーとか今日は出したくないんだよなーとか言いながらちょろっとしか札入れなかったら流れちゃいました的な状態だったのですが、市場が散々圧殺された後に発生する輪番札割れっていうのは今までのケースと違うようにも思えるのですよね。今までのケースと同様だったら出合い頭の輪番札割れとか起きてもその後札がワサワサやってくるのでその後しばらくはヘーキヘーキとなるのですけれども、中長期の国債に関しても輪番拡大でドンドン投資家の持っている国債が減ってくる中で段々市場の厚みが怪しくなる中でございますので、逝った途端に煉獄編状態になる、となりますとそれこそ政策の限界とか副作用とかいう話になってしまい、QQE爆発で日銀は武蔵坊弁慶状態の立ち往生とかになったらどうするんでしょうかねえ。ああ黒田さんは別に落下傘で来ているのだからどうなっても良いんでしたっけこりゃ失礼いたしました。

とまあそういう中で本日は短国買入デーでございますが、巨神兵によって燃やされ状態になっております短国市場ですので精々落札結果見ながら出来上がり金利でも計算して卒倒でもしてようかと今から念仏を唱えておりますが、海外要因剥落するまでとか言ってもここまで水準がおかしくなってしまった後なので、ここから先についてもどう動くか想像しにくい(したくない)という感じで、短期の方で煉獄モードが続くと当然中短期国債の方も影響を受けまして、そうなりますと日銀の国債買入の限界も手前に引き寄せられるという事になると思うのですがどうするんですかねえ。海外中銀のデポに付利するとか短国の需給を緩和する方法は無い訳ではないとは思うのですけどねえ。

#ちなみにMBは「約」80兆円なのですから約の範囲内で調整してもエエンヤデ(吐血)

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2015/11/19

○そんな事より短国がウギャー

昨日の3M入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151118.htm

(3)募入最低価格 100円00銭9厘5毛(募入最高利回り)(-0.0357%)
(4)募入最低価格における案分比率 38.4183%
(5)募入平均価格 100円01銭0厘4毛(募入平均利回り)(-0.0391%)

・・・・・(;゚д゚)

おう先週よりもマイナスが拡大してるじゃねえかよという感じですが、ゼロからマイナス1bpの間くらいでウダウダしているうちは割とその辺で粘っていましたが、一旦突き抜けるともういきなり異世界に飛んでしまうというのは相場様に良くある仕様ではあるのですが、12月末越え5週間前(発行日ベースで)のタイミングでこのマイナス拡大(しかもここに向けて連続して金利が低下更新していく)というのはちょっともうねという所ではあります。

でもって昨日の市場推計落札分布によりますと所謂不明玉が3兆円以上(発行は4.8兆円で価格競争入札は4.4兆円)あるというのがこれまたアチャーという感じでして、この銘柄に関しては引値を10毛以上入札から強くでもすれば別ですが、基本的にオペトレードに使える銘柄にはならない(ここから先もバンバン短国買入が入れば別だがMB目標との絡みでそこまでする意味は全くない)ので、オペ狙いで最低落札金利更新銘柄をオリャーと突っ込んで買っていくインセンティブは無いでしょと思われるので中々こう謎な3兆円不明攻撃ですなあという所ですが、まあ12月末残調整登場の巻なのかそこまで海外ニーズがあるのかは想像がつきませんですけど、こういうのが爆発相場の誘爆パターンではありますな。オソロシス。


でもって昨日の引値は先々週の6Mカレントが変わらずのマイナス14.4bp、火曜の1年カレントが1.4毛強くなってマイナス9.8bp、昨日の3Mカレントがマイナス7.7bpとなりまして、入札レベルを更に超越する利回り水準に低下していましたし、夕方の海外タイムでは引値よりも金利の低い所でも出合っていたようでもうあばばばばーという有様ですし、短国爆発で利付の短いゾーンも誘爆して2年カレントの引値はマイナス2bpだわ残存3年1か月まで引値がマイナス金利だわとゲロゲロマーライオンというよりはマーライオン吐血状態という風情の相場になっておりましてもう大変。

まあ需給逼迫感がある中の年末とか期末とかの跨ぎって事前警戒しますから早い時期に前倒し需要が発生しやすく、そこに来て日銀が短国買入を謎の増額をするもんだから爆発に勢いを付けてしまうというのがアレでして、まあ日銀としても12月の需給逼迫を考えて12月に買入を減らそうと思って前倒しで買入をしようとしたのでしょうが、こういう従来と違うパターンの時って先行きが読みにくいから予備的需要が発生しやすくなるので、従来のパターンで考えて12月逼迫するからその前に前倒しというのは民間需要を日銀が思いっきりクラウドアウトして市場の逼迫に拍車を掛ける結果になるということで、まあ悪意を持って1.5兆円買っているならそれはそれで意図なので納得いかんがそうですかと思うのですけれども、そうではなくて前倒しとか考えて突っ込んだのであれば実に間の悪いというか間の抜けた話ですが、この間の悪さこそが日銀クオリティとしか申し上げようが無いのが遺憾にも程がある所です。

でまあ明日が短国買入の日なのですが、さて更に大爆発炎上中の短国市場を受けて明日はどういうオペレーションになるのかというのは昨日は死んだ魚の目と申し上げましたが、どうもアタクシの目が昨日の爆発相場によってガラス玉にリプレースされてしまったようなので、ガラス玉のようになった目で明日のオペタイムを待とうかと思います(って待つのは明日になってからだけどな!)。


しかしここまで短国レートが突き抜けてしまいますと、日銀買入ペースが落ちたとしても市場の方がどういう形で収まるのか良く分からなくなってしまいましたが、これで来週の3Mもこの調子で推移されちゃうと11月の短国入札は最初の3Mだけは1bp以内のマイナスでしたがその後は全部盛大なマイナスになってしまいましたなという展開でして、毎度申し上げておりますように主な短国というのは3Mでして、3Mというだけに普通に平準買いをしていたら3か月で保有が全部入れ替わってしまうという中で、1か月まるまるマイナス突き抜けとかもうガラス玉とならざるを得ませんがなもうちょっと何とか工夫できんのかよ短国買入と思うのですけれども全体を見て判断するんじゃなくて自分の庭先を言われたとおりにお掃除するのがお仕事だから仕方ないですよね!!!!!!!(吐血)

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2015/11/18

○1年短国と中短期ゾーンェ・・・・・・・・・・・・・・・

昨日の入札は中短期2発。

5年新発
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20151117.htm

6.価格競争入札について
(1)応募額 9兆4,100億円
(2)募入決定額 2兆2,907億円
(3)募入最低価格 100円29銭(募入最高利回り)(0.039%)
(4)募入最低価格における案分比率 5.7486%
(5)募入平均価格 100円30銭(募入平均利回り)(0.037%)

こちらは前場引けの気配よりは強いのですが、ここもと中短期は短期に引っ張られてというかドル円ベーシスとかの影響でやたらめったら強くなっているので、前場引けのオファーサイドよりは上になるでしょうという観測でしたが、応札倍率とか案分の薄さとかから見ますとやっぱり強いですねという結果。

でまあこれが強かったのもありますが、それよりもこの入札結果が出る10分前に結果が出ていた1年短国ェ・・・・・・・が大変にアチャーな事になっていまして、こちらの入札が強かったというよりも1年短国の結果&その後のアオリイカが効いて昨日の債券は中短期が一段と強くなるの巻となっておりましたぞなという事で。

ということで1年短国
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151117.htm

(3)募入最低価格 100円05銭8厘(募入最高利回り)(-0.0576%)
(4)募入最低価格における案分比率 24.3238%
(5)募入平均価格 100円06銭6厘(募入平均利回り)(-0.0655%)

ということで入札レベルとしては先月の1年からまたまた強くなって一段の金利低下となりましたが、前場引けの時点でマイナス5bpとかやっていましたのですがそこよりも足切は強いは平均はマイナス6.5bpだわと飛んでもない入札になった挙句にセカンダリーでは更に進んで結局引けはマイナス8.4bpなんぞになるという6Mに続いてのハチャメチャな展開になっております。

ここもとの中短期ってベーシスがどうのとかそもそも輪番吸い上げ効果が効いてきていて物無し芳一だとかもありますが、短国が無暗矢鱈と強いのも雰囲気を無駄に盛り上げている感がありまして、2年カレントの引けはまたまたマイナス1.5bpとかになるわ引値ベースでは2年半までマイナス金利となるわともうねという感じです。


でまあこの流れなんですけれども、先週の6M入札のアチャー振りとかその後の3Mの最低金利更新(3Mとしての)入札を見ればお分かりのように、先週の時点で十分以上にマズーという話ですし、短国市場の需給のタイトさが意識されていた訳なのですが、月曜に申し上げたようにMB的に何の必要があって増額したのか全く意味不明な短国買入1.5兆円攻撃というのが金曜にありまして、この結果が流れた(強いところまで落札された)のが更に需給の逼迫感をあおる形になって1年入札のこの流れになってしまったということで、この年末前1か月ちょっとという所で短国市場が盛大におかしくなってしまう(もとよりおかしいのですが)のに金曜の短国買入がダメ押しをしてしまっているというのがもう何だかねというところですな。

MB目標達成の為に短国買入をという話は分かるのですが、資金需給から考えたら足元で急速に需給タイト化への意識が高まる中で何も買入前倒ししなくても12月になったら資金余剰になるんだから12月に後ろ倒しすれば良いはずなのですが、日銀まで一緒になって需給のタイトな所で買入増やして突っ込んでくるとかどういう了見なのか理解致しかねます(ヒント:庭先論)が、その結果が見事に昨日の債券市場に出ておりまして(まあ月曜の中短期も強かったですけど)短国だけではなく債券市場全体にもドンドン影響が拡大という事になっております。

でまあ先週の金曜と言えばこんな告知も出ていましたけどね。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel151113a.pdf
「債券市場参加者会合」(第 2 回)の開催について

いやあの今週の流れを作ってしまっている短国買入謎の増額の日にアナウンスというのが何とも絶妙な間で落涙を禁じ得ない次第。


・・・・・・・・えーっとですな、まあそもそも論として言えば国債保有残高年間80兆円拡大というディレクティブを設定している現在のQQE政策の建付けそのものが継続すればするほど債券市場に無茶苦茶プレッシャーを掛けて債券市場を殺してしまう政策なのですから、そういう点で言えばオペレーションが進んでいけばいくほど市場機能がドンドンと死んでしまう訳ですな。

でまあ最近はさてその限界大丈夫なのというお話も出ているさなかでこの中短期市場の状況ということでして、この調子だと中短期の輪番とかも大丈夫かよという話になって、何かオペの限界を手前に引き寄せているような気がせんでもない。ドル調達の所と短国買入が一巡したら少しは緩和されるとは思うのですが、ここまで盛大に中短期が壊れてしまうと戻るにしてもどうなるんだよ(というか制度面の問題でドル調達がーという話だとドルファンディングそのものが圧縮されないと本質的に解決にならんでしょ)と頭痛いですな。


つーことでして、「金利の市場機能を圧殺しながら低金利を作ることによって実質金利を下げて物価目標を達成します」と言って「目標を2年で達成する為に必要ですのでその間一時的に市場には死んで頂きますが、目標達成後は通常の金利が復活する世界に戻りますので一時的にご勘弁」という話ならば(というか議事要旨見ても木内提案に反対する中で「物価目標達成の方が大事なのだから市場機能とかに懸念して手を緩めるとかありえん」という見解もあるように、まあ置物リフレ理論からしたらそっちの方が基本でしょ)ああそうですか仕方ないですねえという話になるのですが、上記のように市場との対話を強化とか言っているのが何ともな話ですな。いやまあ市場との対話を強化した結果として年間80兆円の継続をするといずれかの時点で立ちいかなくなるし、コアCPI2%到達前にそうなったらどうすんのと市場が合唱したら買入ペースを緩めるという話でもないので聞く気が無いのに対話ですかそうですかというお話ではありますな。

まあそれ以前の問題として2年で達成すると言っていた物価目標なのに2%到達時期が延長に延長を重ねて実質1年半以上の延長になっている(2015年4月の筈が2016年度後半なんですからね)時点で市場に死んでもらう政策の時限約束の違反なので市場も死ぬ代わりに執行部と与党審議委員の皆さんも潔く切腹して頂きたいのですけどね!!!!!!!!!!!!


などとブーブー言いつつ本日は3Mの入札(明日がMPM2日目なので)になるのですが、まあ茲許の流れからして需給が緩むという事は無いでしょうなあと思いますので、それよりも金曜の短国買入また何も考えすに1年入札の直後だからとか言いながら打ち込んでくるのかどうかを死んだ魚のような目で眺めたいと思います。

という悪態だけではなんですのでロイターさんのページから市場概況を貼っておきます。

http://jp.reuters.com/article/2015/11/17/idJPL3N13C29T20151117

『<15:05> 国債先物が続伸で引け、長期金利は横ばいの0.300%

国債先物中心限月12月限は前日比5銭高の148円54銭と続伸して引けた。朝方は上値を重くする場面があったが、良好な需給環境が意識されて底堅く推移。5年利付国債入札結果が順調な内容になると買い戻しが入り、上げ幅を広げる場面もあった。現物市場は中長期ゾーンを中心に底堅く推移。10年最長期国債利回り(長期金利)は同変わらずの0.300%で推移。』

『<12:38> 1年物TB入札は堅調、落札利回り過去最低を更新

財務省が午後0時35分に発表した新発1年物国庫短期証券(TB)の入札結果で、最高落札利回りはマイナス0.0576%と前回(マイナス0.0358%)からマイナス幅を拡大した。平均落札利回りはマイナス0.0655%だった。落札利回りは1年物として過去最低を更新した。市場では「品薄感が強まる中、堅調な入札結果だ。日銀買い入れオペをにらんだニーズが一段と強まった印象を受ける」(国内金融機関)とみている。』(以上上記URL先より)

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2015/11/16

○短国買入ェ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と関連雑談

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151113.htm
国庫短期証券買入 15,000 2015年11月17日
(短国買入以外割愛)

前日の3M短国入札が史上最低金利を更新した直後なのに短国買入を1兆じゃなくて1.5兆円入れるというのはナンジャソラと思ったのですが、まあ一応札の状況はヒアリング入れながらやっているからそれなりに札があるのかと思って落札結果見たら・・・・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba151113.htm
国庫短期証券買入25,666 15,001 -0.005 0.005 28.7
(短国買入以外割愛)

・・・・・・・・・・・・orzorzorz

応札最低でも3兆はあるのかと思ったら2.5兆しか応札無くて、しかも平均5糸甘で足切が5糸強という典型的な「強い方に流れる」買入となってしまいまして、短国市場が全般的に煽りモードになって2年までマイナス金利の引けになっているという状況で札が流れるオペを実施するとかナンジャラホイと。

でまあこの結果日本相互証券の引けでは3Mカレントの引けが前日比5糸強のマイナス3.5bpになっていますし、2年カレントの引けも前日比5糸強のマイナス1bpとかになっておりまして、12月のドル調達要因の流れで国債の短いゾーンの価格形成がおかしくなっているのに何でそう必要なのかどうか微妙な額の買入をするんだよと小一時間問い詰めたい。つーか日銀は自分の所では金利関係なくドンドン値段の高いところまで買えるもんだから、他の民間需要を押しのけて買入を先にやって年末の残高を確保したいという「庭先掃除の為にはクラウディングアウトで市場の混乱に拍車を掛けても問題なし」という素敵なスタンスであるという解釈をされたらどう申し開きをするのかというオペが登場して誠に頭の痛い所ではあります。


ドルの短期調達に関しては、いつもの年末年始決算要因だけではなくて、特に今回は制度変更要因と利上げ要因があって、利上げの方はレートを払えば済む話ですが、制度要因によるものの場合にはそもそものアベイラビリティに関するお話になる訳ですな。

例えばギリシャショックがどうのこうのとか、もっと昔のジャパンプレミアム、という話になりますと、これは基本的に「資金の取り手の問題」だったので、クレジット的に行けない人はアレですが、いける人に関してはレートとかをなんとかすれば資金の出し手の方は居ない訳では無いという話ですが、今回は制度要因があって、その制度要因の影響が初回だから読みにくいというのがありまして、原因が資金の取り手のクレジットのような取り手要因じゃないのがタチの悪い所ではあります。

ちなみにこれ日銀にしてもECBにしても米国とのスワップがあってドル資金供給オペみたいなのは実施できますけれども、この制度作った趣旨としては市場で取れないというリクイディティーが無いモードだけれどもソルベンシーはある(とその国の中央銀行が認定している)先に対しての駆け込みドルファンディングのファシリティとなっておりまして、つまりは市場の上限金利を画す常設ファシリティなのではなく、金融危機などのようなときに発動するディスカウントウィンドウ的な危機対応ファシリティであり、これを利用してお助けレートでドル資金を日欧の中央銀行が出すというのは制度の趣旨的に無理でしょうなあと思います。つーかそれやったら「自国の銀行の海外進出に対して補助金を出している」という扱いにされてしまうので不公平競争の促進と言われると思います。

話がそれましたがまあそんなところで。

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2015/11/13

○短国ェ・・・・・・・・・・・・・・・・

昨日の3M短国入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151112.htm

(3)募入最低価格 100円00銭5厘0毛(募入最高利回り)(-0.0186%)
(4)募入最低価格における案分比率 6.7151%
(5)募入平均価格 100円00銭8厘1毛(募入平均利回り )(-0.0301%)

平均マイナス3bpとはこらまたエライコッチャでございまして、ここもとの海外のドル調達問題からのベーシスがどうのこうのでアレというのがモロに影響しているのでしょうと思いますが、日銀の短国買入に関しても12月の資金需給を類推するにここまで11月に頑張って買わなくても良いと思うのに月5兆円ペース(たぶんイメージは6M1Yが無い時に1.5兆円でそれ以外が1兆円だったのでしょうが最初が7500億円でリズムが変になっております)で買入をしていまして、元々玉が薄めの所に年末問題登場となったので入札がこの有様というお話。

こういう年末越えのアベイラビリティがどうのこうの的なネタってマズーと思いだすと思った人から順繰りに前倒しでアベイラビリティ確保するという流れになるので、いきなり訳の分からん前のタイミングでもドヒャーという動きになり得るのですが、今回の場合はそこに来て日銀の短国買入が12月の着地を睨んで早めに残高を積みに行きたい(としか思えない)動きも打っているというのが勢いを加速させる一因になっているのが何とも残念なものがあります。

まあ日銀もMB残高目標を置かれている以上、年末着地を非常に強く意識して先に着地を見に行けるものなら見に行きたい、というお気持ちはマリアナ海溝よりも深く察する所なのですが、さてこの状況を受けて本日の短国買入はどういうオファーになるんでしょうかねえというのを正座して待機したいと存じます。

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2015/11/10

○短国買入ェ・・・・・・・・・・・

昨日のオペオファー(短国買入のみ)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151109.htm
国庫短期証券買入 17,500 2015年11月11日

・・・・・・・・・・orz

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba151109.htm
国庫短期証券買入 32,546 17,502 0.005 0.006 91.0

いやまあ札があったんだろうなあというのは想像が付くのですけれども、今月って資金需給から考えて4兆そこそこの買入でも大丈夫だと思ったのですが、これで2週間で2.5兆円の買入になってしまうんですけれども、資金需給かオペの方で何か下振れでもするのでしょうかと不思議な買入。12月末越えの短期ドル調達の所がボルカーその他制度要因やら利上げ見通しやらもあって微妙な中で短国をそんなにせっせと吸い上げんでも良かろうとはおもうのですけどねえ。

というかですな、3Mの入札が前週より強くなったのはともかくとしても、その翌日に6Mの入札後にショートカバーとは言えマイナス14.5bpなどという引値になっているのに買入を前週からドドーンと増やすというのは、短国市場で少々妙な値動き(6M新発以外の引値はマイナス10台とかにはなっていませんがな)が盛大に発生しているのを容認ちゅう意思表示ですかねと嫌味の一つや百個も申しあげたくなる次第。

ま、MB積み上げがマンデートで、12月末前に需給が更に逼迫して買入が出来なくなってMB積み上げが未達になったら困るから札のある時に買いましょうという事なのかも知れません(6M新発もありますし)が、一応同じ金融市場局では市場との対話ミーティングみたいなのもやっている訳でして、そっちでは市場との対話という話をしながらこっちでは短国市場金利のマイナスを維持したいかのような買入を継続というのも右手と左手でやってる事がズレてねえかと小一時間ではありますな。

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2015/11/09

○短国6Mェ・・・・・・・・・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151106.htm

(3)募入最低価格 100円01銭6厘 (募入最高利回り)(-0.0315%)
(4)募入最低価格における案分比率 47.6753%
(5)募入平均価格 100円02銭0厘 (募入平均利回り)(-0.0394%)

アイヤー!!!!!

と思ってたら何か客注空振りの業者が泣きながらショートカバーでもしたのか知らんですけれども、その後バカスカ金利が下がるという図になりまして、しかもそこそこ出来高はあったようなのですが、終わってみれば日本相互証券さんの引けも日本証券業協会の売買参考統計値(平均値単利利回り)もマイナス14.5bpという中々こうアナザーワールドな価格になってしましまして、昨日の債券市場の中でダントツで利回りが前日比大きく動いた(何せ14毛5糸強ですよ奥様)銘柄と相成りました。


でまあ今日は楽しい日銀短国買入ではございますが、引値の関係からこの6M新発しか入らないという素敵な銘柄になっているようですが、「スクイーズのような異常な取引が行われている可能性があるので、市場の価格形成の円滑化という観点から当該銘柄は買入対象外とする(キリッ)」とかやって頂きますと物凄くカオスになって素敵なのですが、まあそんなことをする訳もないのでショートカバーで付いたトンデモナイ水準の利回りを是としてマイナス15bpもあるような短国を買う(多分少々甘にはなるでしょうが)という事になるんでしょうなあorzorz。


http://jp.reuters.com/article/2015/11/06/idJPL3N1312NF20151106
2015年 11月 6日 15:23 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は下落、2年債が6月25日以来のマイナス金利

『現物債は底堅さを見せる局面もあったが、先物が軟化すると、長いゾーンを中心に益出しを含めた売りが優勢になった。中期ゾーンではきょう入札の国庫短期証券で落札利回りが過去最低を更新したことで、海外勢を巻き込んだ需要が強まる場面がみられた。一時スワップ金利が低下基調を強めたことも影響した。2年国債利回りは6月25日以来のマイナス水準になった。』(上記URL先より)

ということで、金曜は2年とか3年とかの辺りが強くて(つーか金曜よりもちょっと前からそんな感じだった筈)短国6Mが上記のようにスパークという事になりまして、追加緩和観測とは関係ない所でいきなり短い所がヒャッハーとなっているのがオソロシスというか、いいから短い所増発しやがれお願いします玉が無いですという風情ではありますな。

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2015/11/06

○3M短国ェ・・・・・・・・・・・・・

昨日の3M
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151105.htm

(3)募入最低価格 100円00銭1厘0毛(募入最高利回り)(-0.0037%)
(4)募入最低価格における案分比率 40.5564%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘5毛(募入平均利回り)(-0.0055%)

前回の入札が足切100.0005円まで安くなったのですが、今回はいきなり足切が一つ上になってしまいまして(案分4割ほどあったのが救いっちゃあ救いですが)平均、足切ともに0厘5毛価格上昇の巻と相成りました。

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1511.htm/
日銀当座預金増減要因(2015年11月見込み)

こちらを見るとオペ要因除く前で今月の財政要因の資金不足が13.4兆円になっているので、基本的には12月が国債償還超(と年金払い超)なのを踏まえるとざっくり4兆程度の短国買入で十分回る(というか今月バカスカ買うと来月の買入がほぼゼロとかになってしまう気がするんですけど)とアタクシが勘違いしていなければ思うのですが、そうなると今月のフロー的に3M短国はほぼ日銀買入に入れられない、という事になるように見えます。

ただまあここもとGCレポレートなどが低めに推移したりしていて、やはり短国の需給が良いというのがあるのと、そもそも6Mと1Yは日銀買入専用機なのでそれはそれで在庫が残るのですけれども、買入が進むと専用機の方が日銀に入ってしまい、残った3Mの方は自然体で恒常的にニーズがあるという状態ですから、6Mと1Yが日銀に打ち込まれてしまうと短国ディーラーの在庫が軽くなってGCレートが下がるとかになるんでしょうかね、よー知らんけど。

まあ現状では年末越えとそうじゃないものの間にニーズの段差が思いっきり生じていると思われますので、12月償還は要らないけど年末越えならニーズありますぜウヘヘヘヘヘって感じでしょうからその要因もあるのかなあとか思いつつも、ここで金利下がるかよおいおいという入札でした。

なお本日は6Mがありますが別世界なので何がどうなるかは知らんがなという事で(ヤケクソ)。

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2015/11/05

○市場計数関連メモ雑談

・日銀短国買入&本日は3M入札

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/

今回は10/30残高でして、10/19の買入15002億円と10/23の15001億円の買入分が前回公表の差分に反映されているのですが、10月新発の6か月短国の562回が15000億円の残高増加というのが中々味わいがありますな。

・・・・・・・・と申しますのは、最近(変わっていなければ)短国買入は買入予定額の半分が応札限度になりますので、7500億円×2=15000億円という事になりますので、2回の短国買入でどちらも7500億円を入れた方が1名いるのか、短国買入の時に7500億円を入れた方が2名いるのか、としか思えないようなビューテホーな数字になっておりまして、短国買入は必要分だけ1年新発を日銀が直接引受して、その分1年短国(足りなければ6か月短国)の市中発行額を減らした方が早いんじゃないですかねえ位のお話で、日銀が成行買いをするから買っているのの殆どが6か月と1年だったとしても、それに引っ張られて3か月のマイナスが延々と続くという事になっている訳でして、わざわざ日銀が吊り上げ行為してまでMB積んで短国をマイナスにする経済効果is何と申し上げたい所ですが、何せ「金利の低下は政策効果(キリッ)」という話ですからまあこんな調子なんでしょうけど。

ちなみに買入残高を見ますと35.8兆円とかありまして、足元では3Mが4.8兆円で6Mが3.5兆円、1Yが2.5兆円が1回の発行額で、3Mが13本、6Mが6本、1Yが12本走っていますので、入札での市中消化が113.4兆円になりまして、買入のフローが減っている割にいつまでたっても3M短国の金利がマイナスのままで推移しているのってこのストックが効いているのかなあとか思いつつも本日は3Mの入札なのでした。

でまあその3M入札なのですが、先週の入札で3Mの足切がやっと100円の一つ上まで値が落ちてきたのですが、そうは言っても案分15%とかでして、中々の需給の良さですなあという所なのですが、特に今年の場合は年末の所って米国の金融規制絡みでドルファンディングがどうよ的なことは気になる所ですから、裏側としての担保需要が強いだろうなあとかいう連想が働いて年末越えの所の短国のニーズは読みにくいというかニーズが上振れするかもとなりますし、普通に考えるとそうなるということは、その分だけ値持ちするというお話でしょうな。

あとちと良く分からんのは足元でGCレートが弱いのでそっちの影響あるのかねえとかも思うのですが、どうせ今日明日で短国入札があって日銀買入は月曜になるので受渡ベースの月曜の所からはまたGC余ると思うのですけど良く分からん。

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2015/10/30

http://jp.reuters.com/article/2015/10/29/boj-qqe-idJPKCN0SN0CU20151029
Business | 2015年 10月 29日 14:56 JST
焦点:日銀、QQE維持の公算 物価目標達成時期の先送り検討へ

『[東京 29日 ロイター] - 日銀は30日に開く金融政策決定会合で、現行の量的、質的金融緩和(QQE)政策の維持を決める公算が大きい。ただ、原油価格の下落や新興国を中心とする海外経済の減速で、2%の物価目標は2016年度前半から遅れ、達成時期の先送りが議論される可能性が高い。』(上記URLより)


ということで直前の報道を拝見しますと「展望レポートで手前の物価や成長の見通し、2%到達時期の見通しが下がる」「追加緩和の可能性はあるけどあんまりなさそう」というような感じになっているかと思われます。でまあ今回の追加緩和以外の話で言いますと、何とかストの皆様の所ではこの先の政策について「追加緩和無し」と「追加緩和有り」の見方を変更している人がここに来て現れていたりとかで、見方というか考え方が微妙に揺らいでいるようですな。

まー何でこんだけ色々な見解が出るかと考えますと、第一にそもそも日銀の行動反応関数が何が何だか分からなくなっていることで、前回の追加緩和がそれまでの説明を覆して打ち込まれた上に、その時に理由になった「原油価格の低下によるインフレ期待や物価の基調への悪影響」が更に懸念されそうな今年の頭辺りでは動かずを決め、その後2%達成時期は延びるのに「基調」を持ち出して動かず。しかもその「基調」を説明するのに持ち出してくる指標がコロコロ変わる、とまあそういう状態になっていて予想しろと言われましても、どこに力点を置くのかで論建てが全然変わってくるぞなというお話。


でもって第二にはオペの限界という話で、FSRでは(まだネタにしていないけど)市場の流動性は保たれています(キリッ)という話なのですが、市場そのものが息をしていない状態で碌に売買する人居ないし、輪番と入札しかネタが無いというか、そもそも入札で流れてもどうせ明日輪番だからとその後コケないし、入札が無駄に強くてもどうせ明日輪番だからとそのまま値持ちするしとか、もう何だかねという状態になっている訳ですが、来年は今の枠組みのままでも月間10兆円ほどのフローでの買入を実施しないといけないという状態なのにこれ以上追加できるんですかと考えますとフローの買入が来年のどこかで爆発するリスクも真剣に考えた方が宜しいですし、大体からしてバーゼルVのレバレッジ規制が今年からお試し期間開始している中で、ここからMBを80兆円拡大するためには超過準備が80兆円増えないといけないのですが、そんな量の超過準備誰が持つんでしょと考えるとそっちで爆発する方が現実的かも知れませんが、いずれにせよこの先1年は続けられても2年は持たない枠組みになっているのではないでしょうか。


ここに外野の事情なども加わるのですが、「オペレーションが向こう1年から2年位のタームで完全に限界を迎える」という中で、2%物価到達までの時間が従来以上に掛かる可能性というのを意識した場合には、「コアCPIが2%を見に行く前にオペレーション的に政策が回らなくなる」という最悪の状況が発生するリスクを念頭に置かないといけないでしょと思うのですよね。

つまりですな、今回の展望レポートで衆目が一致するのが「2%到達時期見通しがまた後ろに倒れる」という事だと思いますが、2%到達時期見通しが後ろに倒れるという事なのであれば、今申し上げた「物価がいかないのにオペ大爆発」という一億玉砕ポツダム宣言シナリオという最悪シナリオの可能性が更に高まるという事になるのですから、尚更の事追加金融緩和とかもっての外という話になる(今の政策建付けだとMB拡大ペースを引き上げることが追加金融緩和なので)訳で、政策の維持可能性という観点から考えると追加緩和は無いでしょとなる筈です。


ちなみに余談ちっくになりますが、そもそも前回の追加緩和の時は2%物価到達時期見通しっていうのは変化していなくて、「追加緩和効果によって2%物価到達へ力を加えることになるので物価2%到達時期は変更しませんが何か」という話になっていましたし、大体からして追加緩和を実施するのに2%物価到達の見通し時期が後ろにずれるのであればお前は何の為に追加緩和をしているのかと小一時間な訳で、金融緩和効果で物価を行かせますというのを主眼にしている以上、追加緩和するなら物価見通しは不変(=従来シナリオのオンラインとする為に追加緩和をするのだから)であるべきで、「追加緩和しますが物価達成時期は遅れます」じゃあ最初から敗北宣言をしているようなもんなので、間違って追加緩和した場合は当然2016年度前半に2%というのは変えないのが今の政策の建付け上妥当な態度だと思いますがどうでしょうかね。


てな話はさておきまして、アタクシはご案内の通りで、どう計算しても2年は続けられない(運が良ければ1年位は続くかもしれないけど)この政策の建付けの性格上、2%達成で目標達成に視野的な話ができないのであれば、政府との共同文書の基本的な骨子に立ち戻って黒田日銀になって勝手に置物理論に拠って加えられた「2年で達成」という縛りと、その縛りによって突っ込んだマネタリーベース置物一気理論を棄却して、より長い期間粘り強く緩和政策が可能な枠組みに転換しないと無理でしょと申し上げている訳ですな、うんうん。

なので追加緩和があるとすれば(これも先日申し上げましたが)政府方面がすっかり2年どころか2%達成の方まで興味が無くなっている(ような情報発信が続く)という梯子外し状況にトサカに来てヤケクソになって無理心中追加緩和を打ち込んでくるという可能性と、来年の早い時期(下手したら年末)に政府のデフレ脱却宣言的な威勢の良い勝利宣言が出るときにしらっと長期的な政策枠組みに政策を転換するので最後に景気づけに追加緩和をしてもオペが爆発する前に撤退ができるという所まで見据えた追加緩和、という位しか思い浮かばないのですけどねえ、という所ではあります。

最近の債券市場の惨状振りを見ていると来年4月ごろ追加緩和とかのんびりした話の前にオペの弊害の方がもっと顕在化する(とまだ良いのですが市場がそのまま死んでしまうのが一番恐ろしい)んじゃネーノ位の事も気になるというものでございまする。


○市場雑談メモ

・タカ派チックなFOMCでも先物プラスとな!!!

昨日の債券市場はFOMC様を受けて金利上昇した上に鉱工業生産が予想よりも強いという日銀ニッコリの指標まで出たのでて長い所とか弱くて超長期2甘だの何だのやっていたはずなのですが、輪番が普通に入って普通の結果で結局サガランチ会長になったと思ったら引け前になってナンジャソラという感じで相場がホイホイと強くなって債券先物は何と前日比プラスの引け。

結局FOMCの12月利上げ示唆とは何だったのかというプライスアクションになってBB引けは30年近辺以外全ゾーン引け変わらずで、5年は相変わらず3.5bpだわ2年は相変わらず0.0bpだわ10年は29bpだわとなっておりまして、追加緩和期待にしても何じゃそら状態でありますな。

なんかこうなってくると追加緩和無しになっても追加緩和無し→債券下落→追加緩和無しで売られたところを買おうとしていた人が千客万来→まさかのドテン上昇とかになって、後付講釈として追加緩和無しで株や為替が動いたのを受けて債券買いとかいう解説になるんじゃないか位のオソロシスなものを感じるのでありました。


・3M短国だが100円足切が遠いですなあ・・・・・・・・・・

うむ
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151029.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘5毛(募入最高利回り)(-0.0018%)
(4)募入最低価格における案分比率 15.9838%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘0毛(募入平均利回り)(-0.0037%)

今回は足切が前回よりも5毛安くなりましたが相変わらずのマイナス金利入札での決着となっておりまして、どんだけマイナス街道続きますねんという感じですが、6Mと1Yがオペ専用機になっていて3Mがあまり入らない筈なのですが、そうは言いましても中々ゼロ金利に近づいてこないというのは、まあこれだけマイナス続いている中ですから皆さんすっかりスッカラカンになってしまってニーズが常にあるとか、規制絡みのドルファンディングの影響による担保ニーズとかがやはり根強いということなのでしょうかねえ、良く分からんけど。

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2015/10/29

・10年30bp割るわ5年4bpだわで本日は3M入札

http://jp.reuters.com/article/2015/10/28/idJPL3N12S2BK20151028

『<15:14> 国債先物は続伸、5年債1月29日以来の低水準


長期国債先物は続伸。27日の米債高を材料視した買いが先行。FRBの早期利上げ観測が後退していることに加え、日銀の追加緩和観測がくすぶる状況で、海外勢を巻き込んだ短期筋のニーズが強まった。現物債は堅調。長期ゾーンは先物に連動性を強めたほか、超長期ゾーンは日銀オペで同ゾーンの結果がしっかりだったことが材料視された。中期ゾーンも国内銀行勢の需要が観測されており、5年債利回りは1月29日以来の低水準となる0.040%を付けた。』(上記URLより、以下同様)

なんちゅうかこの売り向かう動きも無く無抵抗で金利が下がっている感じがするこの盛り上がりに欠ける中での金利低下更新、というのはお祭り感もヒャッハー感も昂揚感もなく、どちらかと言いますと絶望とか書こうと思ったが目から水が出てきた。

『長期国債先物中心限月12月限の大引けは、前営業日比8銭高の148円61銭。一時は148円63銭と1月20日以来の高水準を付けた。10年最長期国債利回り(長期金利)は同0.5bp低い0.295%と4月28日以来半年ぶりに0.3%を割り込んだ。』

ということで誠にアレな展開で2年カレントも0bp出合いとかみたいで、スポ末のレポ市場とかはレートは下がったものの7月みたいな大荒れという訳ではなくて、まあコストの所で解決するレベルのお話だったようですが、バランスシート調整とか、それに絡む為替ファンディングの辺りとかは毎度の仕様でございますので、特に12月末を迎えていく中では怪しげな展開が待っているのでしょうなあと思うのでした。

でまあそんな中で本日は3M入札ですが、当然ながら年末を越えられる短国なのでニーズあるでしょと思いますが、そうは言いましてもオペに入っているのは多分6Mが多くて次に1Yとかだと思われますので、3Mの在庫自体はあるように見えるのですが、でもちょっとマイナス辺りで妙に安定してしまっているのはナンナンデショという所ではあります。

一応付利下げ警戒とかあるのかも知れんですけど、それは枠組みの変更を伴う話だから直ぐに打ち込める政策じゃないと思うのですよね〜。

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2015/10/26

○市場関連メモ

・短国買入また1.5兆円かよ

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151023.htm
国庫短期証券買入 15,000 2015年10月27日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba151023.htm
国庫短期証券買入 28,570 15,001 0.003 0.009 71.9

札は2.8兆円あるということで余っているので1.5兆円の打ち込みという事なのかも知れませんけれども、札が余っているようだとすかさず買入が多めになるとそれは所謂日銀トレードにお墨付きを与えるという効果にもなるんですけどねえ。

あと可能性としては
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/index.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額

の直近の数値を見ますと(なお先々週の短国買入は翌月曜に実施されているので20日の残高には跳ねていない)9日の短国買入で6M新発の562回債が8,438しか購入できていない(月曜の方は良く分からん)ので、月曜の分だけでは6Mと1Yがまだ残っているのでもっと買いたいという事なのかも知れませんが、そこまでするならもうカレント3Mは発行後2週間くらいで買入から外せば(暴論)とでも申し上げたくなるわけですが。

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2015/10/23

・3M入札

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151022.htm

(3)募入最低価格 100円00銭1厘0毛(募入最高利回り)(-0.0037%)
(4)募入最低価格における案分比率 58.6469%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘2毛 (募入平均利回り)(-0.0044%)

前回は平均が1厘5毛なので平均は下がったのですが、足切の1厘ちょうどは同じなのですけれども前回の9割案分から6割案分に案分比率が下がっていまして、一瞬前回比少し弱くなったかとも思ったのですが、どちらかと言えば目線が揃ってきた感があって、しかもその揃った目線が100円に近付かないたあどういう事やという感じではあります。

まあ本日の短国買入はどうせ1兆円となって、カレント3Mはそのまま浮く状態になると思われる(6Mと1Yで札は十分あるでしょ)次第ですが、GCレートはそこそこの水準で推移する割に短国の目線が全然サガランチ会長なのは、マイナス入札が続きすぎて粘着してきやがったなあということでしょうかねえ、よー知らんけど。

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2015/10/22

○社債取引情報が出るとな

http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/torihiki/index.html
社債の取引情報

『本協会では、社債の店頭取引における実際の取引価格を公表する「社債の取引情報の報告・発表制度」を設け、以下に発表しています。』

社債市場活性化のなんちゃらで進んでいた話の一環でして。

http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/torihiki/seido/index.html
社債の取引情報の報告・発表制度について
平成27年10月20日

詳細版はこちら
http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/torihiki/torihiki/seido_syousai.pdf
社債の取引情報の報告・発表制度について(詳細版)
平成27年10月20日


詳細版の方から引用しておきます。

『<本制度の趣旨>

これまで、日本では、社債の店頭取引における実際の取引価格を公表する制度はなく、取引当事者以外の第三者が取引価格を把握することは困難でした。

社債の店頭取引の価格情報としては、日本証券業協会(以下「本協会」といいます。)が発表する売買参考統計値のほか、情報ベンダー又はその他の機関が発表している価格等がありますが、これらは気配等に基づき算出又は評価した価格であり、実際の取引価格ではありません。このため、本協会では、平成 24 年7月 30 日に公表された「社債市場の活性化に関する懇談会」の報告書「社債市場の活性化に向けた取組み」において、社債の流通市場の活性化のため、本協会が社債の取引情報の発表を行うことが提言されたことを受け、「社債の価格情報インフラの整備等に関するワーキング・グループ」において検討を行い、日本で初めての取組みとして、社債の取引情報を発表する制度を設け、平成 27 年 11 月2日より開始することとしました。 』

とまあそういうことですが、

『(1) 発表対象の社債の取引

次の@及びAの両方の要件(以下「発表基準」といいます。)を満たした社債の取引のうち、1取引の取引数量が額面1億円以上の取引です。なお、次の@及びAの「銘柄格付」及び「発行体格付」とは、いずれも信用格付業者(金商法第2条第 36 項に定義する信用格付業者)から取得した格付(非依頼格付を除く)をいいます。

@ 当該社債の銘柄格付がAA格相当以上であること
A 当該社債の銘柄格付を二以上取得していること、又は、当該社債の発行体格付を二以上取得していること 』

とありまして、さっきのこちらのページ
http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/torihiki/index.html
社債の取引情報

の中に、

発表対象銘柄一覧/発表停止銘柄/発表中止銘柄等
次月分(xls,170kb)

というのがありまして、銘柄一覧見ますと上記の発表対象の社債の取引の条件にあるAA格相当以上というのは最高格付けがAA−以上で2社以上からの格付けを取得している発行体の銘柄という事のようですし、発表においては、

『(5) 発表停止の取扱い

更新判定日において発表基準「AA格相当以上」を満たしている社債であっても、その後のクレジットイベント等の発生により当該社債の利回りが急上昇し、マーケットにおいて実質的には明らかにAA格相当と取り扱われていない社債については、社債の取引情報の発表を停止することが適当であり、外形的には発表基準を満たす社債であっても、次の@「発表停止基準」に該当する場合、又は、A「申請に基づく発表停止」により発表停止の決定を行った場合には、発表停止基準に該当した日又は申請に基づく発表停止の決定を行った日の翌営業日から当該社債の取引情報の発表を停止します。』

『新たに発表対象銘柄となる社債(更新判定日において新たに発表基準を満たした社債)については、予定していた発表月の第一営業日からの取引情報の発表を停止します。なお、発表停止となった社債については、本協会ウェブサイトにおいて発表することとしています。』

とありますので、まあこの公表によってクレジットイベント発生時の妙な売り煽りを助長する的な事が起きないような工夫がしてあるのはWGが色々と考えて作りましたなあという所ではございます。

実際に公表が始まってまた微妙に影響が出るとは思うので11月以降については注目ですな。

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2015/10/20

○なお短国買入メモ

短国買入のみ引用
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151019.htm
国庫短期証券買入 15,000 2015年10月21日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba151019.htm
国庫短期証券買入34,466 15,002 0.008 0.013 89.5

ということでごく順当に1.5兆円の買入が入り、平均1.3bp甘で足切0.8bp甘なので3Mカレントものは基本的に入れても儲からんという水準ですが、応札が3.4兆円ということですのでマイナスで突っ込んでいる3Mがそこそこ残っているのではないかと思うのですが、では今週の3Mは100円になるかというとこれがまた謎ではありますな。

トップにも剃る


2015/10/19

○市場メモ雑談

・1年入札はマイナス更新ですかそうですか

はあそうですか。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151016.htm

(3)募入最低価格 100円03銭6厘(募入最高利回り)(-0.0358%)
(4)募入最低価格における案分比率 27.6323%
(5)募入平均価格 100円04銭2厘(募入平均利回り)(-0.0418%)

ということで足切は遂にマイナス3.5bp水準まで金利低下しておりまして、これが1年短国の入札での最低金利(というかマイナスの深い金利)更新になるのですが、それ以前の問題として1年短国とか6M短国とかって入札のあとアホのように強くなってマイナス8bpとかそういう訳のわからん引値になるのが仕様なので、入札の水準のこの程度があまり気にならないという状況に。

でもって売買参考統計値を鑑賞。

http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php

こちらから本日付の売買参考統計値を見ますと、6Mカレントの引け(平均値単利)が堂々のマイナス10.5bp(1.5の間違いではない)でこちらの新発の引けがマイナス5.7bpとなっていまして、その一方で直近の3Mカレントは新発564回がマイナス1.0bpで563回がマイナス0.4bpで563回がマイナス1.2bpとなっておりまして、まあ本日の短国買入は6Mと1Yを入れる気満々(特に6Mだがそもそも入れる玉がどのくらいあるのか)ということですかそうですか。

でまあ毎度申し上げておりますように、こういう風にして維持しているマネタリーベースに一体全体何の意味があるのかと小一時間問い詰めたいとしか申し上げようが無いのですが、政策委員会ではこういう点についての問題意識は無いのでしょうかねえ。


・業態別当座預金残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

9月の当座預金残高は平残ベースは全体で8兆円拡大、9月末残ベースでは全体で11兆円拡大していますが、今回見ていてほほーと思ったのは「都市銀行」が9月に末残を久々に積み上げになっていることですな。

末残の方を見ますと都市銀行って5月に89.5兆円に積み上がっていたのですが、そのあと6月からは90兆円手前の所で末残は増えない(なお平残は増えている)ような動きになっていたのですが、9月末の所では前月比5兆円の末算拡大になっていまして、久々に増えてるじゃんとゆー所ですが、しかしまあ良く良く考えると日銀買入とか海外要因とかもあると思うのですが、短国需給が結構逼迫する中で誰かが殊更にバランス圧縮に来たわけでもなかったという事ですかオソロシスと申しますか、まあそもそも国債償還要因あるにせよ前月比11兆円も末残で当座預金が増えればそら現物債の需給が締まるわなあとも思うのでした。


○まあ未だにT+1をやろうというのが分からんですけど進捗状況が出ていますな

http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/kessai/jgb_kentou/jgb_kentou/kokusaik-giji.html
国債の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ 議事要旨・資料

議事要旨
http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/kessai/jgb_kentou/jgb_kentou/dai42kai_gijiyoushi.pdf

資料
http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/kessai/jgb_kentou/jgb_kentou/dai42kai_shiryou.pdf

個別銘柄方式のGC取引やっていると事務回らないので銘柄後決め方式のGCに移行するという話は特にこの銘柄の多さにおける在庫ファイナンスの立場からはその通りなのですが、この超低金利状態の中でわざわざコスト払ってトライパーティーレポで運用しないといけないという必然性に乏しいというのが資金運用側としてはあるので銘柄後決めになることのメリットが双方(というか運用側)に見える必要があるとは思います(T+0の市場が出来ますキリッというのはそもそもコール市場があるので)。ちなみに金利がまともに付くと国債等担保のコールローンレートってGCレポレートとだいぶ差が付いていたので黙っていても多分メリットが出てくるのでしょうが。

という話はまあ置きまして、議事要旨の方ではこういう記述がありますけどね。

『国債の決済期間T+1化(以下「T+1化」という。)の実施目標時期が 2018年度上期で合意され、2017 年秋口からは、T+1化移行時に円滑に事務を行えるようするための総合運転試験(以下「RT」という。)の実施が想定されている。』(上記議事要旨より)

2%水準への物価上昇見込時期が元々の「QQE導入から2年間(キリッ)」から「2015年度中」に有耶無耶になったと思ったら「2016年度前半」と先送りをされている訳ですが、これが今回の展望レポートで更に先送りされそうな勢いになっているという今日この頃な訳ですが、そもそも論として今の政策が続かないにしても、何らかの形で超スーパー緩和政策は継続しているのでして、正常化路線で利上げを行うにせよ、バランスシートの縮小とかその辺の話って米国の例から見ても物価目標達成とか言い出した時期よりも更に後になる、という事になると思いますので、そうなりますと2018年度上期って日銀の出口政策に絡んで国債市場にストレスが掛かっている時期になりゃあしませんかねえというかなりそうな悪寒。

まあそうなったら後寄せするというのも検討されるとは思うのですが、いずれにせよ毎度申し上げていますが、超異例の政策からの出口をしないといけない前に決済にストレスをわざわざ自分から掛けに行く必然性って何なのと小一時間という所ではありますし、マネタリーポリシーの方とこの手のプルーデンス絡みの制度設計の方がお互いに自分の庭先掃除だけしていると変な所にゴミが残って甚だ遺憾なことになりゃあしませんかと思うのですよねえ。

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2015/10/16

○市場メモというか短国入札メモ

うむ。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151015.htm

(3)募入最低価格 100円00銭1厘0毛(募入最高利回り)(-0.0037%)
(4)募入最低価格における案分比率 92.3488%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘5毛 (募入平均利回り)(-0.0055%)

前回の3Mが平均2厘8毛で足切が1厘5毛だったので100円に向けて匍匐前進という結果ですが、まあ今週に関しては今日1年の入札があって、月曜の短国買入がどこからどう見ても1年短国がせっせと打ち込まれるデーになりますので、年末の残高ガーとか年末のドル円ベーシスガーという話が暫く前ほど大騒ぎになっていないとなると、そらまあリアル資金というかマイナスファンディングじゃない資金の見合いで買える水準の所までは向かっていくでしょという所ですな。

まーこんな感じになって行ってもどうせ今日の1年は強い所で入札して終値まで強くなりましてという毎度のパターンになる(流れそうとかいう話になってちゃっかり上で切られる悶絶モードとかになる悪寒がしていますが)のでそちらは別世界でありますが、短国買入で捌けないとなるとマイナスで買うのはマイナスファンディングの人と、どうしてもモノとしての短国が必要な人という事になるので、日銀がスケベ心を出して短国もっと買おうとかやらかしてこない限りは期末のあばばばばーモードは一服という感じになるんでしょうかねえ、とか言ってると油断も隙もないのが短国クオリティではありますが。

しかしこの辺はやや落ち着いてきましたが5年とかまた強かったりして(昨日はちょっと弱かったみたいですが)中期は相変わらずですのう。

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2015/10/15

米国10年2%割れですかそうですか
http://jp.reuters.com/article/2015/10/14/us-sept-ppi-biggest-fall-in-eight-months-idJPKCN0S81SE20151014
Business | 2015年 10月 14日 23:24 JST
米9月卸売物価指数、8カ月ぶりの大きな低下 年内利上げに疑問符


しかしまあ何ですな、「日銀の緩和は全通貨ベースの実効レートでそんなに円安効果が無い」と解説しているのに、その前には「為替市場の動きを受けて追加緩和期待が高まる」という説明をしている訳ですが、そもそも効かないのであれば何で緩和をするのかと小一時間問い詰めたいのですが>モーサテ


○市場メモ雑談と計数関連雑談

・またまた金利低下しておりますが

http://jp.reuters.com/article/2015/10/14/idJPL3N12E2DU20151014
News | 2015年 10月 14日 15:14 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸、長期金利0.305%に低下

『<15:10> 国債先物は続伸、長期金利0.305%に低下

長期国債先物は続伸。5年債入札を前にしたヘッジで上値を重くする場面もあったが、日経平均株価が下げ幅を広げると、短期筋の買いが優勢になった。中心限月12月限は一時148円44銭と10月5日以来の高水準に上昇した。現物債は中長期ゾーンの利回りに低下圧力がかかった。5年債入札が無難な結果に収まったことで、国内銀行勢などからの需要が強まったとの観測がみられた。前日の相場で利回りに強い低下圧力がかかっていた超長期ゾーンはさえない。

長期国債先物中心限月12月限の大引けは、前営業日比8銭高の148円40銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は同1bp低下の0.305%と4月28日以来の低水準を付けた。』(上記URL先より)

とまあそういうことですが、株価が下がったからどうのこうのというよりはここに来て益々FEDの利上げ観測後退チックな展開になっている方が効いているんじゃネーノという感じではあるのですが、しらっと5年がまたまた5.5bp水準まで強くなっている辺りなどもチャーミングだったりしますな。

付利下げに関しては全力で総裁会見で否定されましたし、アタクシ思いまするに何かやるならそれなりに「大きな政策パッケージ」として見せに来る黒田日銀が付利を5bp如き下げて追加緩和です(キリッ)というような細かいことをやるとも思えない訳で(まあ超過準備を思いっきり(マイナス50bpとか)チャージでもする位の派手な事でもやるなら別ですが実現性皆無)、中期の金利また5bp接近とか何ですねんとは思いますが、何せ昨年騙し討ち緩和をしただけに総裁が全力で否定しても騙し討ちがあるのではないかと思われますから致し方なしという所でしょうかねえ。

総裁の発言が額面通りに受け止められない、というのは普通にコミュニケーション政策の失敗でありますし、要はサプライズ狙いの政策というのは規模とかでサプライズするならワークするにしても、タイミングでサプライズを狙うというのはその結果が騙し討ちになってしまうと一度は効くけどそれ以降のコミュニケーションに問題が生じる訳ですが、逆に考えますと追加緩和に消極発言をしても勝手に市場が期待して緩和効果が出るのであればとりあえず出口方向じゃないときであればタダで緩和効果が出せますな(違うか)。

まあ5年入札とかそんなにビックリするような強い入札じゃなかったと思うのですけれども、地合いが強めになると「まあどうせ明日輪番で吸い上げられるから買っておいて日銀に打ち込んでヒャッハー」という発想になって相場が妙に値持ちしてしまうという傾向がますます高まっているようには見えまして、日銀買入による市場の流動性低下とかは価格形成行動の方に随分と出ているような気がするんですけどねえ・・・・・・・・・・・・


・本日は3M入札でござる

さっきの
http://jp.reuters.com/article/2015/10/14/idJPL3N12E2DU20151014
からですが。

『短期市場では、無担保コール翌日物は0.075─0.077%を中心に取引された。主な取り手は地銀、信託、証券などで、大手行は0.075%付近で調達した。レポ(現金担保付債券貸借取引)GCT+1レートは0.082%に上昇。3カ月物の国庫短期証券は弱含み。ユーロ円3カ月金利先物は閑散小動き。6日物の米ドル資金供給オペに応札はみられなかった。』(上記URL先より)

期末期初の所では短国落札金利が最低を更新するという中々あじゃぱーな展開になっておった訳でございますが、GCレポレートの方は持ち直して来ておりまして、先週の3M入札も微妙に流れた感もあったのでさてどうなりますやらという所ですな。今週は明日1Yの入札がある関係上短国買入が月曜に回るのですが、1Y入札後なのでどうせ1.5兆円の買入で来ると思いますが、どこからどう見ても明日の1Yが短国買入専用機としてワークするのでこちらの3Mは浮いてくると思うのですが、如何せんマイナス街道の期間が長いので結局100円超の水準で決着でしょうなあとは思います(ヤケクソ)。


ちなみに短国買入残高ですけれども。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額

今回公表分は10月2日の短国買入(1兆円)分が反映されていますが、買入銘柄に関しては10/1に最低落札金利更新をした3Mカレントの561回が3444億円で、毎度の1Yカレントの558回が4527億円で、残りが9月最終週に入札のあった3M560回の1186億円となっていて(あと12/10償還の6Mの成れの果てという謎銘柄が845億円あります)、だいたい入札激強銘柄が叩き込まれるというのは毎度のお話。

月次の償還額を見ると今月は5.95兆円(13日償還済みを含む)で9日に1.5兆円買入をして今月あと1.5兆円と1兆円の買入となるんでしょうなあとは思いますが、来月の償還が5.18兆円で、12月の償還が4.22兆円となっていて、12月償還はもう少し増えるかもしれませんが、12月の償還ペースが少ないので基本的にはここから年末に向けて短国買入ペースは伸びない筈なので、短国の需給は改善してくれる筈なのですが、一方でそもそも9月末に短国需給が逼迫する背景にドルファンディング絡みのベーシススワップ金利絶賛低下モードとかあったりしてましたので、海外が期末になる12月跨ぎの所は金融規制絡みもあって益々ドルファンディングがアレという懸念があるのでまあどうなることやらという所ではありますなと妄想中です。


・たまには長期国債保有残高を確認

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高

こいつなのですが、買入銘柄の平均年限がどうのこうの方は華麗にスルーしまして、来年の償還額なんぼですねんと計算(単に償還日をヘコヘコ入れて表計算ソフトでソートするだけのお仕事ですけれども)すると来年の償還額が額面で38.12兆円という数値が出てまいりますな。

・・・・・・・・・となりますと、日銀の「年間80兆円ペースの国債買入残高拡大」というのをやるのに来年は年間で120兆円近くの購入が必要で、それはつまり月間10兆円近くの購入をしないといかん(なおここからまだ輪番で来年の償還銘柄が増える可能性もありますがそこはざっくりで)という話になるように思えるのですが、ただでなくさえ今や「どうせ明日輪番で吸い上げられるから入札が流れて掴まされてもヘーキヘーキ」となっている長期国債市場がどうなるのかとか考えると大変にオソロシスなものを感じるのですが、漫然と今の政策をあとまる1年以上とか継続できるのでしょうかとしか思えません。

ちなみに「どうせ明日輪番で吸い上げられるから入札が流れて掴まされてもヘーキヘーキ」という動きの発展形が現在の短期国債市場でございまして、ヘーキヘーキと言いながら買い進めて逝ってしまった挙句に投資家の買いが限界的なレベルまで金利が低下してしまい、入札が流れて業者が掴まされた場合に日銀と一部の限界的な買い以外に買い手が見当たらないというお洒落な展開になってしまい、セカンダリー市場皆無状態という事になる訳ですなナムナムナム。

てな事を考えますと、マネタリーベースを今から倍にすると2%達成とかいうレポートをどこかで見た気がするのですが、それは具体的な実現可能性を無視しまくった机上の空論というか白昼夢というかなお話としか思えませんなあという所で。

なお、再来年の償還額は今の所24.52兆円なのですが、当たり前ですが1−3輪番でここからまだ残高が増えますのでまあその後も運営できませんわなあという所ではあります。


・市場メモではないがこれは・・・・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi1509.pdf
企業物価指数(2015年9月速報)

まあ何ちゅうかアチャーな指標でしたが、そう言えば企業物価指数はCPIに対して先行性があって、このトレンドがどうのこうのなのでみたいな話を日銀がしていたような気がしたのだがサルベージ出来ていないし気のせいかも知れません(汗)。

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2015/10/13

新日銀ネット第2段階分の稼働は予定通り本日から実施です。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel151011a.pdf
2015年10月11日 日本銀行 新日銀ネット第2段階開発分の稼動開始について


http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel151011b.pdf
新日銀ネットの全面稼動開始

○市場メモ雑談

・3M入札は割と穏当になって買入も順当

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151008.htm

(3)募入最低価格 100円00銭1厘5毛(募入最高利回り)(-0.0056%)
(4)募入最低価格における案分比率 24.5617%
(5)募入平均価格 100円00銭2厘8毛(募入平均利回り)(-0.0105%)

前週はマイナス1.88bp平均足切マイナス1.10bpとなりまして、bpで書くとイマイチ比較がしにくいのですが、お値段的には足切が3厘0毛で平均が5厘1毛なのですから前週から見ますとだいぶ穏当な入札になっております。

この間のTKRRですけど
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html

2015/9/28 0.074
2015/9/29 -0.068
2015/9/30 0.049
2015/10/1 0.070
2015/10/2 0.092
2015/10/5 0.072
2015/10/6 0.059
2015/10/7 0.063
2015/10/8 0.049
2015/10/9 0.101

ということでT/Nの数字をダラダラと並べてみましたが、ドマイナスの数字になっているのは末初取引分ですが、末初取引の後の余波が一巡したかなと思いきや月曜からのGCは徐々に弱くなってきて、6M入札もご案内のように期初から最低金利更新とかやっておったのですが、3Mと6M発行日スタートとなる所では0.101%に金利が上昇の巻となりまして、そこに来るまでにGCレートが上がりそうで上がらないという感じになっていた(8日のT/Nに関してはもしかしたら新日銀ネット絡みで13日の足を避けたのかも知れませんが)のであの金利水準でそんなにポコポコ売れるもんなのかいなと少々????ではあったのですが、火曜の6Mはつよつよでしたけれども3Mはマイナス幅縮小という事で穏当穏当。

金曜の短国買入(短国買入のみ)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151009.htm
国庫短期証券買入 15,000 2015年10月14日

どうせなら1兆円でオファーしてくれればもう少し金利が浮くのにと思いつつも順当に1.5兆円でのオファーとなりました。

結果(短国買入のみ)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba151009.htm
国庫短期証券買入 29,231 15,002 0.006 0.013 43.7

平均が1.3糸甘で足切が6糸甘とは微妙な流れ方という感じですが、金曜日付の売参を見ますとカレント3Mは563回がマイナス0.5bpなのでこれは箸にも棒にもかからず、前週の3M561回はマイナス2.5bpでして、平均落札コストがマイナス1.88bpですので1.3糸甘だとワークしないけれども6糸甘だったら落札コスト前後という数字になりますな。

でもって6Mと1Yはと言いますと、先週入札のあった6M新発は平均マイナス2.82bpでしたが、売参はマイナス8.7bpですので普通に大利食い。前月の1Y新発は558回で月末時点では発行の半分が打ち込まれているのですが、こちらは平均落札がマイナス2.52bpで売参はマイナス5.2bpなのでこれまた利食いになっている(正確には発行日以降のファンディングコストを計算しないといけないが)という事で、主に6Mと1Yで入ったとは思うのですが、微妙な流れ方をして前週(10/1)の3Mまで掛かっているのかどうかは興味があります。

ちなみに超どうでも良いのですが、9日付の売買参考統計値を見ますと6Mカレントの562回債の平均値単利はマイナス8.7bpと相変わらずの低さを誇っているのですが、その両隣の既発銘柄の引けは519回(3/22償還の1年物)でマイナス0.1bp、526回(4/20償還の1年物)でマイナス0.2bpと中々お洒落なイールドカーブになっているような気がするのは気のせいです。


ちなみに金曜の固定金利オペはほぼ落ち分のロールになっていました。

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2015/10/08

○市場メモ雑談

・SLFで短国とな

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151007.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3)964 2015年10月7日 2015年10月8日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2015年10月9日 2016年1月19日

(注3) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却対象銘柄は、国庫短期証券554回です。

短国554???ということですが、これは11月30日償還の暫く前に出ている3M短国の成れの果てでして、こんな銘柄流通玉あるのかよと思って日銀の買入明細見たら日銀保有分が964億円しか無い(まあそもそもSLFオファーされるときのオファー可能額が日銀保有額全部なので明細見なくても良いのですが、笑)次第で、そういやこの時期の短国買入は6Mと1Yのカレントしか入っていないわなとか思うのでした。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba151007.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4)480 480 -0.400 -0.400
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(10月9日スタート分)3,393 3,393

ということで480億円落札ということですが、こんなオフザランどうなるのやら(まあ日銀が全部持っている訳ではないのでどこかの投資家に行けば出てくるでしょうが)と思ったです。


あとついでに固定金利オペは増額ロールでしたな。


・さて3M

本日は3Mの入札な訳ですが、期末前の短国逼迫の流れがそのまま続いていて、期末要因剥落どころか期初からいきなり短国入札の最低金利が続々更新とかどういう事やとしか申し上げようがないトホホな展開になっております。

短国買入のバランスから考えてどこかで短国が余って出てきて金利が浮上してくる筈とか思いながらもこの有様ということでして、まあ今週の入札やってマイナス金利で買う人が買って残りがどのくらい出てきますかという風になって在庫が徐々に重くなってくるのかなあというイメージですが、どーしてこうマイナス街道突っ走るのかねえと存じます。まあ今回も強いんでしょ(なげやり)。

あと、今回の新発の発行日の13日は新日銀ネットバージョンなんちゃらの稼働日に当たりますが、まあこの手の決済物って警戒する動きって必ず入るのですが、基本的に通常の取引を通常に打ち込む分には問題ない筈なのですけどね。


・基本は自動運転の話なのですが

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel151007a.pdf
「適格担保取扱基本要領」の一部改正等について

これ自体は半期ごとの定例見直しで、ほぼ機械的にやる話だと理解しておりますが、今回ちょっと気になったのは、『18.企業を債務者とする電子記録債権』以降の所でして、電子債権とか証書貸付債権とかの掛け目がそこそこ下がっているのってなんか政策的な意味合いとかあるんでしょうかというお話なのですがご存知の方教えてジェネラルなのです。

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2015/10/07

○6M入札とかその辺のメモ

・6M入札はまたまた利回り水準のマイナスが深くなるの巻

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151006.htm

(3)募入最低価格 100円00銭9厘(募入最高利回り)(-0.0181%)
(4)募入最低価格における案分比率 3.8245%
(5)募入平均価格 100円01銭4厘(募入平均利回り)(-0.0282%)

日銀短国買入専用機となっている6Mとか1Yの新発入札がマイナス入札になるのはいつもの事なので最早どうでも良いのですが、あちゃーと思ってしまうのはその水準がここに来て3Mとかもそうなのですが価格水準が切りあがっている(マイナスが深くなっている)事ですぞな。

期末前の9月2週目の短国買入の所で(資金需給的に打ってきたというのは後付では分かるのですけれども当時としては)意外なことに短国買入が予想されているよりも5000億円ほど多く打ち込まれてしまって急に玉が無くなった所に来て、期末要因でニーズがあるところにS&Pの格下げが打ち込まれてドル円ベーシスが一段の強含みとなってしまって短国が更に逼迫、という流れがそのまま持ちこされている格好になっていて、足元でのこの状況という事になっているかと存じます。

だいたいこれまでは期末月になるとその前までに短国買入が進捗していて期末になると買入フローを落としてくるのでそこで短国の需給が緩和されて期末要因分を相殺するという形になっていたので、3月中盤から4月の頭、6月中盤から7月の頭、という時期に3Mの短国入札がゼロから場合によっては若干のプラス水準まで金利が浮上してきて、それがちょうど償還ロール部分とマッチするような形になっていた訳ですが、今回は上記のように9月の1週と2週の3M入札で足切100円まで戻ったものの、その後にマイナス金利状態になって更にそのマイナス水準が深くなるという形になっているのが中々タチの悪いパターンで、3Mサイクルで回っていたシーズナリティーが崩れるというのも困ったもんだという感じではありますな。

まー普通に計算するとここから12月に掛けて短国買入の残高は漸減方向になる筈ではあるのですが、何せ7月の第2週以降マイナス街道をひた走り状態となっていて、9月の1週2週に瞬間ゼロ金利まで浮上したもののその後またマイナスでマイナス拡大と来ますと、それは3MTBが1回転してしまうのですけどという状況ではございますので、まーその短国買入の残高減る前に3M入札が1回転してしまっているというのがアレ。


短国そのものは元々がマイナス水準とかゼロ金利とかの物件になっておりますので、そもそも論としてこの水準が追加緩和を織り込む織り込まないという議論をするのも無駄というお話ですので、ここもとの動きというのは単に需給を反映したものであるとしか思えず、別に本日のMPMで何も無かったとしても明日の3Mがそれを受けてどうにかなるかと言うとまあ何も変わらんでしょうなあと思うのでした。


なお、昨日はまた利付の短い所の引けが進んで、BB引けベースで1年辺りの引けがマイナスになるわ、2年とかはその前(先月末)から進んでいたので昨日進んだわけではないのですが、引けがゼロ金利水準まで低下しておりまして、まあこの辺は短国の需給が恒常的に逼迫している関係もあるでしょうが、一応追加緩和リスクのヘッジらしきものも入っているのかねえとか、5年が5bp割れとかやっているので5年から手前に入替が入ってるのかなあとかまあ色々と妄想はするのですが、この辺も強くされますとMPMに向けてさあ盛り上がって参りました感が出てしまいますなという事で一応メモを置いておきます。

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2015/10/06

○市場雑談メモ関連

昨日スルーしてしまったので(汗)。

・5年5bp割れェ・・・・・・・・・・・・

まあ金曜から5年5bp割れで金曜の5年カレントの引けが4.5bpだったりするのですけれども、昨日は昨日で5年カレント4bpとかやっておりまして、ここだけ見ますと追加緩和をしないと許さん状態になっている中期債ェという所ではあります。

まーあんだけ「付利下げ無し」と黒田総裁以下日銀サイドから出ていても追加緩和のネタから付利の話が出てきてしまうプライスアクションになってしまうのは、そもそも昨年10月の追加緩和が騙し討ちだったので「また騙し討ちがあるかも知れない」と思ってしまうという事でして、まーこの調子だと黒田日銀の間に物価目標が達成できなさそうなので良い(なお次のプレビュー雑談で申し上げておりますが、黒田日銀のうちにQQE政策の見直しをしないと政策そのものが自爆してしまうので、その収拾のための政策枠組み変更はしないとマズイと思います)のでしょうが、既に市場との対話が崩壊というか放棄状態になっている中で、金融政策の正常化って絶対無理無理無理と思いますのでもう知らんがなとしか申し上げようがないですな。


・短国残高とかその他

毎度のこれ
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

9末時点での短国買入残高は37.3兆円なのですが、3M短国の発行量が減ってきているので(今月から更に減る)市場の玉については逼迫感相変わらずですし、3M新発短国が年末を越える訳でして、年末越えのドルファンディングってどうよという点からも短国買入残高におかれましては減少して頂きたいものであります。

でもって今月は日銀保有分の償還が7.05兆円ありますが、

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1510.htm/
日銀当座預金増減要因(2015年10月見込み)

財政要因の所を見ますと長期国債要因は輪番での購入を入れるとほぼツーペーになって、残りの部分の帳尻を短国買入で調整という話になるのですが、前月に予想ベースから下振れしていた「その他」の所で今月は4.5兆円ほどの余剰になるので、短国買入をそこまでバカスカやらなくても良いとかそういう話になるんでしょうな、うんうん。


金曜日は
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of151002.htm
国庫短期証券買入 10,000 2015年10月6日

というオペでしたので、今月は受け渡しベースで4回(30日のは月末跨ぎ)の買入が想定される中で1兆円の買入2回に6Mと1Yの入札週に1.5兆円の買入を行って受渡ベースで5兆円の買入が実施される、という計算でまあ宜しいのではないかと思いますが、短国買入の残高が2兆円減っても3Mの入札が既に1回3000億円減額になっているので4週間で1.2兆円の発行減になっていて短国買入残高の減少があっても需給がそこまで緩む感じがしないのがあばばばばーな所ですな。


なお本日は6Mの入札がありますが、先ほど引用した短国買入残高を見ますと9月19日〜9月30日までの買入(というのは18日の1兆円と25日の6000億円の買入分です)で増えている銘柄というのは、

588回(1Y新発)13544億円
556回(6M新発)2400億円

で残りはちょぼちょぼ(100億円以下のオーダー)という事で、相変わらず日銀短国買入は1Yと6M短国の専用機状態(3Mが馬鹿入札になった場合にその銘柄が打ち込まれる)という状態ですので本日の入札もお察しという所ではないかと存じます次第。

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2015/10/02

○短国ェ・・・・・・・・・・・・・

またこの水準かということで。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20151001.htm

(3)募入最低価格 100円00銭3厘0毛(募入最高利回り)(-0.0110%)
(4)募入最低価格における案分比率 28.8191%
(5)募入平均価格 100円00銭5厘1毛(募入平均利回り)(-0.0188%)

3M短国の入札ですがまたまた落札金利水準が低下する攻撃が炸裂しておりまして、いやまあ良いんですけど何でこんなに強くするのやら。まあ年末ファンディング絡みの裏で年末越えの短国にニーズがあるんでしょうなあというのは分かりますが、それで発行額全部がいきなり捌けるようなニーズまでがあるのかよと考えるとそれもまた????な所ではあるのですよね。

実際問題として期末期初の所ではGCとか現先とか当然のようにモノ無し(マイナス金利で運用するならGCなら出来ると思いますが)モードとなっておりましたが、期末要因一巡するとレポ市場とかは普通モードに戻ってきている訳でして、瞬間蒸発する訳でもないのにマイナスで持ってキャリーコスト的にどうなのかとも思いますが、マイナス何十ベーシスの世界相手なら少々のネガティブキャリーなんぞは屁ということですかそうですか。

なお本日は短国買入デーなのですが、今月の資金需給見込み日銀版が出るのが今日なのでイマイチよくわからんのですが、まあ応札状況(応札限度額が変わると見た目が変わってくるので注意が必要ですが)とか落札利回りとかを確認ということで。

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2015/10/01

○市場メモ少々

・末初GC

http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html

東京レポレートの昨日のT+0翌日物は末初取引になりますが水準はゼロレートになっておりまして、前日のT+1翌日物レートよりも低下という結果になっております。

6月に加えて7月末のGC市場玉無し芳一事件とかがあった上に短国市場が期末で急速に干上がったというのもありましたので、末残調整については早めに手当てをしないとどんだけ悲惨な目に遭うか分からんという認識は皆様の中に共有されていたと思われる次第で、参加者全員が厳戒態勢に入っている場合はまあそこまで悲惨な事にはならないの典型的な結果となりました。

まーでも年末の所はかなりややこしい事になりそうなので毎回毎回こんな感じになるんでしょうなあと。

なお3M入札が今日ありますがどうせまだ期末の余波で堅調なんでしょと思います。


・資金需給ですが

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqx/juqx.htm/
日銀当座預金増減要因と金融調節(9月実績速報)

これを見ますと除く国債短国の財政要因で3.2兆円の不足に振れていまして、月初の見込みでは・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1509.htm/
日銀当座預金増減要因(2015年9月見込み)

にありますように、除く国債短国の財政で0.6兆円程度の不足見込みでしたので、財政要因が2.6兆円ほど当初見込みより下振れしていたという事になりますな。

・・・・・・・・ということで無慈悲買入だの何だの申し上げましたが、単に財政要因が下振れしたのが判明したから月後半に謎の買入拡大とかが入ったという事だったのかなあとは思うのですが、昔のようにトン調節を前提に回している時ですと資金需給のブレに関してもその場その場で微調整という事になるので良いのですけれども、今のMB目標の建付けですとその調整機能が短国買入の所に集約されてしまっているので、兆円単位で財政要因のブレがあるという話ですと短国買入の買入見通しを読むのにさすがに影響が出てくる話になりますから、資金需給見通しに関しても半月位の所でリバイスして頂きたいものであると思うのでした。

とは言いましても、そもそも短国買入でMB帳尻をやっているわ買入規模が過大だわという現状だからこういうブレが後から見せられると「あらま」となるのですが、別に今みたいな政策じゃなければ財政要因のブレに関しても通常の資金供給の出し入れの中で微調整が出来るので別に将来的に必要な話でも無いから要らんと言えば要らんのですがね。


でまあ財政要因がズレたということはこの先の資金需給的にたぶん帳尻が入ることになるので、その点からすると10月以降の財政要因が資金余剰方向に振れて短国買入のフローとかも減るのではないかという気はせんでもない。

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