金融政策概観(2013年度上期後半分(2013年07月〜09月))

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2013年度上期後半の見出し

2013/09/30「短国オペスキップ/2年新発国債入札は0.10%割れ」
2013/09/27「3M新発は何と0.02%台前半に」
2013/09/25「まさかの短国買入1兆5000億円実施でTB金利は一段の低下」
2013/09/24「2MTB入札は更に強くなり0.04%台&2年カレント0.10%ビットへ!/オペの技術的限界ではないかと」
2013/09/20「新発3か月T入札が何と0.05%台となる!!!」
2013/09/19「FOMCまさかのTapering見送り」
2013/09/18「短期市場が益々怪しい件/山本幸三先生の正論と本田悦朗先生の正論に対して浜田先生意味不明」
2013/09/17「サマーズ辞退とな/金曜の短国買入が何と0.06%出来上がりまで金利低下キタコレ」
2013/09/13「短国入札も強くて短期市場全般壊れ気味」
2013/09/12「GCレート連日の低下で市場が壊れ気味のようです」
2013/09/11「債券謎の堅調相場/消費税関連で山本幸三先生がさすがの真正マネタリスト発言で増税賛成」
2013/09/10「景気ウォッチャー今月も低下/債券市場何と上昇とな/消費税関連発言クリップ」
2013/09/06「米国10年3%/当座預金90兆円へ/決定会合レビュー:景気認識が結構強くなっている」
2013/09/05「決定会合プレビュー雑談/消費税関連会議の内容がお笑い系な件」
2013/09/03「国債の利子課税の徴収者が変わる件/市場雑談/決定会合プレビュー雑談」
2013/08/30「概算要求にぶつけて債務管理レポートとな/2年入札結果発表がまたトラブルで遅延」
2013/08/29「今は景気に悪影響があるから増税は良くないが1年後に延期した場合は景気に関係なく増税を断行するべきという珍理論を展開する浜田内閣参与は(自粛)なのではなかろうかという気がするのだが」
2013/08/28「消費税諮問会合で某シンクタンクのアホウがアホウ資料を披露している件について」
2013/08/27「消費税判断は10月頭まで引っ張るのか・・・・・」
2013/08/20「米債2.9%とな/当座預金残高の増え方が今回違っている件について」
2013/08/16「R&Iが日本格下げの可能性を示唆キタコレ/法人減税全力否定発言で日経新聞くやしいのう」
2013/08/14「法人減税報道でも債券市場貫録の無反応とな」
2013/08/13「微妙なGDPと日経新聞の「安倍首相、消費増税に法人減税の検討を指示」報道」
2013/08/09「今回の決定会合は「フィリップスカーブの上方シフト」が白眉」
2013/08/08「金融緩和期待・・・・はないでしょ」
2013/08/06「内閣支持率低下/久々にゲンダイ電波浴」
2013/07/31「甘利さんが消費税増税発言も子細に見ると色々と微妙な気がするのだが」
2013/07/29「消費税関連の発言は安倍さんと菅さんが明らかに先送りしたがる発言を連発とな」
2013/07/26「物価連動国債入札は10月8日に・・・・なのだが消費税関連発言が徐々に怪しくなってきている」
2013/07/24「選挙後の共同通信での内閣支持率急落:理由が経済政策になっているのが気になりますな」
2013/07/22「選挙は順当だが民主党負け過ぎ&消費税増税問題は気になりますなあ」
2013/07/16「浜田先生消費税増税延期ネタをこのタイミングで打ち込むとな」
2013/07/12「足もとの判断を引き上げ、展望レポート中間レビューと先行き見通しはそのまま」
2013/07/11「内閣府がデフレ脱却判断にコアコアを使うとかそういう関連の雑談」
2013/07/10「決定会合プレビュー雑談/相場雑談ネタが枯れるのは市場が妙にウゴカンチ会長だからなのですが」
2013/07/04「微妙に打ち方がアレな輪番/海外ニュース雑談」
2013/07/03「決定会合プレビュー雑談」

2013/09/30

○オペとか短期雑談

・あら短国買入スキップ

http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_o.htm
オペレーション(日次公表分)

9月27日という選択肢が無いのは、27日に短期オペの実施がありませんでしたという話になりますのでまあオペ無しの巻。

ここもとのパターンとしては木曜の3M短国入札の翌営業日にあたる金曜に短国買入が実施される(ただし短国入札とぶつかった場合は週明け)という形でしたので、金曜は普通に短国買入が実施されるでしょうと期待(というか諦観というか^^)されていた訳ですが、何故か短国買入スキップの巻。

金曜に短国買入を実施すると受渡日が10月1日になるので、期末跨ぎを避けたという可能性があるのと、ご案内の通り足元期末要因で短国市場が世紀末ヒャッハー状態になっているのに配慮したとか、その絡みになりますが2年国債入札を前に短国買入を実施して買入レートが低下しまくって2年国債入札が大フィーバーするのを避けようとしたとか、まあ色々と可能性は考えられるのですが、期末跨ぎを避けたのなら今日も短国買入無い筈ですし、2年国債入札にぶつけるのを避けるのであれば今日短国買入の実施ですし、市場のヒャッハー状態への配慮だったら何を今さらという感じではありますな。

まあその辺に関しては中の人しか背景については判らんので何とも言えませんけれども、本来的に言えば先週木曜の3MTBは初の3カ月物TB年末越えになりますので、12月末のMB中間目標がある中で喉から手が出るほど欲しい物件であり、やる気満々モードで買入ヒャッハーとなる筈なんですけど、ここへ来て市場の金利低下が著しいので何ぼ何でもちょっと待てということになった(とはこのアタクシは思っていないが)のであれば、何ちゅうか折角の買いたい銘柄が登場したのにその前に買入攻撃で市場を壊してしまって肝心な時に買入打てないとかプギャーという感じではございますな(ちなみにどこからどこまでが期末要因で、そうじゃなくて単に日銀の買入累積攻撃で需給が締まっているのかは正直良く判らん)。

ちなみに今週は10月1発目のMPMがございますので、MPM2日目になる金曜には短国買入を普通は打ちまずで、木曜日は3M入札がありますので、期末跨ぎを避けるのであれば短国買入をまさか2日連続で打ち込むわけにも行かないでしょうから短国買入が後寄せになる(ので2年国債入札要因でスキップしているなら今日短国買入実施が妥当)ことになりますね。

まあいずれにせよ足元の状況だとちょっと沢山打ち込むと今度こそ夢の出来上がりゼロ落札とかマイナス落札とかの風景も見られるかもしれませんなあ(白目)。


・2年国債入札

お、おう・・・・・・・・
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2013/resul044.htm

6. 価格競争入札について
(1)応募額 14兆7,368億円
(2)募入決定額 2兆6,801億円
(3)募入最低価格 100円00銭5厘 (募入最高利回り)(0.097%)
(4)募入最低価格における案分比率 81.8030%
(5)募入平均価格 100円01銭2厘 (募入平均利回り)(0.093%)

ということで2年国債入札貫録の平均も足切りも付利金利割れとなりまして、ご案内の通り付利金利の引き下げに関する思惑が1ミリも発生しえない状態、というよりもこの状況で付利金利を下げたら更に買入オペの運営が困難になるので、付利金利引き下げの可能性が益々なくなってきたという状態(MB目標から金利目標への再転換をしたら話は別だがまあ有り得ん)ですので、つまり利回り云々で考えた場合にはこの水準はちょっとという水準。

でまあ何ぼ何でも今の所は超過準備付利対象外の人たちのニーズだけで2年が付利金利割れまでやるほどの状況では無いと思われますので、担保玉不足とかその辺を見越したり、商品在庫持っておかないと苦しいかもですねとか、まーその手の要因はあったんでしょうなという所ですが、その後新発は0.10%で出合っていたりしたようですので、さすがに短国と2年の間にはまだ差があるという事ですかそうですか。

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2013/09/27

○短期メモ

・3MTB入札

落札結果である。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20130926.htm

(3)募入最低価格 99円99銭1厘5毛 (募入最高利回り) (0.0307%)
(4)募入最低価格における案分比率 29.5726%
(5)募入平均価格 99円99銭3厘6毛 (募入平均利回り) (0.0231%)

まあ前場引けで3bpだの3bp割れだのWI取引で出合ってあちゃーという感じでしたので、空振りリスクを考えたら必札は上の方に入れないといけないけれども何ぼ何でも0.03%割れ水準でどこまでニーズがあるのかワカランチ会長とか考えると最低限在庫部分は上に入れて後はとりあえず下の方に入れておきますか、となってテールが7糸というこの金利水準にしてはデカめの結果になりましたという所で。

でまあセカンダリーは最終的に3bpとかに落ち着いてたみたいですが、これでちったあタイトにも程がある需給が緩和されてマシになるかというとそこにまた本日は日銀短国買入攻撃が堂々のご登場となって流通玉を吸収するんですね判ります(ヤケクソ)。

需給の引き締まりのどの辺までが期末要因なのかよく分かりませんが(期末要因じゃなくて日銀の買入攻撃+超過準備付利の外側の人たちの自動購入攻撃だけでここまで来ているとするともうお手上げ)、期初入りしてから需給に変化があるかどうか確認という所でしょうかね、あまり変化し無さそうな気はするのですが・・・・・・・・・・・


・当座預金残高101兆円キタコレ

昨日も申し上げたので別にどうでも良いが記念に残して置く。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx130926.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (9月26日<木>分)

当座預金残高 1,012,400
当座預金残高 1,012,400
当座預金残高 1,012,400

副総裁のコメントマダ〜?(・∀・)っ/凵


・固定金利オペも順調に札割れ

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba130926.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(9月30日スタート分) 1,441 1,441

昨日は8000億円のオファーに対して1441億円ですが、ここの所固定オペの期落ちが続いていまして、概ね8000億円近く入っていたオペがロールで絶賛減額ロールとなってこの3日のロールの結果で1.2兆円位減額ロールになるという素敵な勢いですが、このオペが減ってくるとMB達成のために他のオペにしわ寄せが来るので短国ェ・・・・・・・・・・

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2013/09/25

○短国買入1兆5000億でオッペケペー

#川上音二郎状態とか書いてみて念の為検索したら春の波涛って昭和60年の大河ドラマとな。ホンノチョットマエダトオモッテタヨ

オペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of130924.htm
国庫短期証券買入 15,000 2013年9月26日
国債買入(残存期間1年以下) 1,100 2013年9月26日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2013年9月26日
米ドル資金供給(固定金利方式) 2013年9月26日 2013年10月3日 0.570
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 8,000 2013年9月26日 2014年1月20日

>国庫短期証券買入 15,000
>国庫短期証券買入 15,000
>国庫短期証券買入 15,000

ということで、短国市場が玉無し芳一状態な所でしたが、2か月新発を対象から除外して堂々の1.5兆円のオペオファーということで、つまりMB積み上げのためには短国市場がぐちゃぐちゃになっても知らんがなという意思表示が鮮明になったという解釈をさせて頂きたく存じますオペレーションの打ち方で、何が市場との対話だと小一時間問い詰めたい所ですが、打ってる方はMB積み上げを何とかせにゃならんという所でそんなことまで気に掛けている余裕はないわって話でしょうし、つまりはそもそも「MB2倍」とか言うのが元々の買入規模がそこそこあった中では無茶振りにも程があったという話に帰着するのでしょうがね。

でまあ1.5兆円オファーとか札割れるとか出来上がりマイナスかとか中々びびらせてくれましたが、「いや1.5兆円とかどう見ても無茶振りオファーをするということはそれなりに札が読めているに違いない」という裏読み的希望もありまして結果はさてどうなったかと申しますと・・・・・・・・・

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba130924.htm
国庫短期証券買入 33,150 15,003 -0.040 -0.025 11.4
米ドル資金供給(固定金利方式)(9月26日スタート分) 0 0
国債買入(残存期間1年以下) 4,490 1,100 -0.014 -0.009 82.0
国債買入(残存期間5年超10年以下) 14,843 4,003 -0.019 -0.016 30.2
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(9月26日スタート分) 4,749 4,749

>国庫短期証券買入 33,150 15,003 -0.040 -0.025 11.4

札が3兆もあったのですが、まあとりあえずシャレで前日比利回り較差マイナス10bpとか入れてみる人がどの位いたのか存じませんが、3兆あっても当然ながら足切りは流れて前日比利回り較差マイナス4bpまで買われるという結果ですが、24日付の売買参考統計値が6bpか6.5bpでしたので、つまりは出来上がりで2bp辺り(例えば先週の1年カレントは売参が6bpだったので出来上がり2bpで、新発入札レベルから4毛8糸の金利低下だわ)というウヒャーなレベルまで金利水準が低下の巻。

でまあそのウヒョーなレベルとなった短国を受けまして2年の金利も進んでしまいまして、というかオファーが無くなってしまいましてというのが正しいと思うのですが、昨日は2年新発が0.09%の出合いというオソロシスな結果となりまして、債券市場的には後ろも強かったのですが、中短期ゾーンも強くて何ですかこれはという展開。

でまあ再三再四申し上げておりますように、今回の短い所の金利低下のタチの悪いのは政策金利の引き下げ観測とは全く関係なく金利低下が進行していることでして、以前短い所の金利が低下した時には異次元緩和前で、大規模緩和実施は見えていたけれどもそこの行きがけの駄賃で利下げみたいな事を間違ってされたら大変なことになるからヘッジで買っておかないとという仮需が発生していた面があった(から異次元緩和ローンチ後に例えば1年所の金利は0.04〜0.05レベルから0.09〜0.10レベルに戻った訳ですな)のですが、今回は誰も付利下げとか考えていない状態でこの有様というのが(市場機能論的に申し上げた場合の)問題の深刻さを示しておりますな。

つーかですな、こんな状態で付利下げたら更にオペ運営が困難になる訳でして、何でもいいからMB積み上げするなら(ただの本末転倒だが)付利上げた方が良いんじゃネーノという位の話でありまして、MB大量積み上げというオペレーション目標がある中で付利下げがどうのこうのみたいな話をしている方々がおいでだったような気もするのですがちょっとおまいらこの現状を見て物を考えろやと小一時間問い詰めたい所ではございます。


さて当座預金残高ですが、日銀謹製の見込みですと今日の予想数値までしか出てきませんので、本日は上田八木短資さんの所をご紹介。

http://www.ueda-net.co.jp/uedayagi/02-market/02_1.html
デイリー・シグナル

輪番と短国買入が26日渡しで打ち込まれましたので、26日の当座預金残高はこのままで行きますと100兆円突破ですよ100兆円突破!!!!

いやあ木久扇師匠の精緻な理論に基づきますとどう見ても緩和のやりすぎにしか見えませんが、師匠はこの当座預金残高をご覧になってどのようなご感想を持っておられるのか是非ともお伺いしたいものでございますなあ(棒読み)。


しかしまあ何ですな、12月末まで残り3か月になってきましたので、国債と短国の償還に加えてその他短期オペの推移に置きを入れて(多分この調子だと0.10%の固定金利オペとかドンドン残高減るでしょ)資金需給を推測(去年並みと置きたいが財政要因が去年と今年ではだいぶ入り繰りがありそうなのでそこが計算に困る)して逆算すると短期オペの残高が出てくるとかそういうことになるとおもうので(かなりてきとう)ヒマなら計算したいのだが、それ以外のネタも大量投下されている昨今中々追いつかないですなorzorzorz

で、その結果どうみても短国がこのままあばばばばーとなりますと、それこそいつぞやの米国のように財務省からお助けビルの発行とかしてくれないと敵わんわという所ですし、大体からして短国の金利がこれ以上低下された日には短期オペが困難⇒短期が買えないなら長期を買えばいいじゃない、というマリーアントワネット状態になってしまうとか、いやもうこの際円債買うと市場が壊れるから米債買えばバンバン買えるじゃないかとか、オモシロ思惑の世界になってくるので誠に遺憾でございますな、うんうん。

ちなみに、超過準備付利引き上げ以上に本末転倒ですが、秘策として法定準備率の絶賛引上げというのもありまして(ギャグですので念の為)、今の所要準備預金水準を一気に引き上げれば(銃声)。

しかしまあニャンですな、当座預金残高積み上げる為には誰かが超過準備を持たないといけないという事になるのですが、超過準備をどうやって持ってもらうのかという問題が当座預金残高100兆円レベルで大問題になるのにどうやってあと70兆来年積むんでしょうかねえというのと、あともう一つ重要な問題は「そもそも2年で2%の目標を達成する(キリッ)」と言っているのですからして、来年無茶振りして70兆円のMBを追加で積んでしまって短期市場から債券市場から全力で叩き潰してしまった後に、当然ながら出口政策の問題が出てくる筈(そうしないと物価が止まらなくなるでしょ)でして、その際に市場がぶっ壊れ状態になっていて出口政策が円滑に遂行できるのかよと思う訳で、市場が壊れるのも困るが出口の方がもっと巨大なリスクになるだろというのが超オソロシスなんですけど。

#ということでFEDネタに日銀ネタがあるというのにまさかの短期ネタで今日も時間ががががとなるアタクシ

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2013/09/24

○2MTB入札でウヒョー&2年が0.10%とな

金曜は2MTBの入札でして、前場途中までは一応WIで0.05%台後半での気配だったのですが、前場引けの時点で0.05%が出合うとか入札前から不穏な雰囲気で落札結果もはいこの通り。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20130920.htm

(3)募入最低価格 99円99銭2厘0毛 (募入最高利回り)(0.0478%)
(4)募入最低価格における案分比率 39.2128%
(5)募入平均価格 99円99銭2厘4毛 (募入平均利回り)(0.0454%)

・・・・・・・・・0.05%割れですかそうですかこれはヒドスと思ったら後場になって短期のアホのような強さに引っ張られて2年カレントまで0.10%が出合うわ引けは0.10%がビットサイドになるわ(BB引けは0.10%)とウヒョーとしか申し上げようがない誠に遺憾な展開。

ご案内の通り、先週は実働4日中3日でTBの入札があるという入札連発ウィークだったのですが、最初の1Yから順に平均落札利回りが0.0686%→0.0573%→0.0454%ということでして、回を追うごとに需給が悪化するかと思えばその逆でホップステップ大爆発という爆発オチで締めるという素敵な結果になってしまいましたです。

まあ元はと言えばその前の週の金曜に短国買入を1兆5000億円も打ち込んで落札が2毛も流れて一気に目線が変わったのと需給が良いのがあからさまになったのが点火材料(もっと言えばそのまた前の週に短国買入2兆円打ち込みをして雰囲気が明らかにおかしくなったのはその直後から)だったりしますが、本日はまたまたその短国買入の実施が想定されておりますのがオソロシスな所です。

短期市場のオッペケペー状態を勘案すると見送りでも良いんじゃネーノとは思うのですけれども、何せ短国買入オペは帳尻オペとしてMB積むためにせっせと実施するというのが仕様になっているとしか思えない最近のオペの打ち方(そらまあMBを出すのがディレクティブですから、MB達成に向けて途中の残高積みもしておきたいという事になったら市場との対話も糞も無いというのは分かりますけど)ですので、今日想定される短国買入を何ぼ打ってくるのやらと大変にアレ。

まー何ですな、金曜の新発2Mって通常のパターンですと短国買入の対象銘柄にならないのですが、木曜の新発3Mなんて既に物はスッカラカンだと思われますので、今日は下手な打ち方をすると夢の出来上がりマイナス金利とか夢の札割れとかするんじゃネーノと今からガクブルもんでして、いずれにせよこれはオペレーションの限界キタコレという事では無いでしょうかと思うのでありました。


○どう見てもオペレーションの限界です本当にありがとうございました・・・・・なのかね??

ちなみに、日銀当座預金残高ちゃんのほうですけれどもね。

日銀当座預金増減要因と金融調節 (9月20日<金>分)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx130920.htm
当座預金残高 987,600


年末のMB目標はこちらの4ページ目
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130404a.pdf
マネタリーベース 200
当座預金 107

ちなみに日銀のトップページの右側の下の方に(ネタにするタイミングを逸したのでネタにしませんでしたが)確か7月位からMBの数値だの日銀当座預金残高の数字だのが出るようになっておりまして、これは19日ベースのですけれども
http://www.boj.or.jp/
マネタリーベース1,811,800億円(2013年9月19日)
日銀当座預金残高934,700億円(2013年9月19日)

つーことで、20日はここに5兆円オンしているのですが、MB200兆円を達成するのに当座預金残高がそのままで計算すると、当座預金残高が112兆円になるのですが、年末は銀行券が増発されるのでもうちょっと少なくて済みまして(昨年末の銀行券残高が86.7兆円で直近の銀行券残高が83.1兆円だから4兆から5兆円程度の糊代がある)さっき引用したように107〜108兆円程度の当座預金残高とかまあそんな話になるんでしょう。

つーことはどう考えてもここから当座預金残高を9兆から10兆円積まないといけないのですけれども、貸出支援基金が伸びず、固定金利オペはロールの度に減っていく(足元での問題は政策金利の変更期待による金利低下ではなく、需給が極端に締まって短期金融市場での「モノ不足」が生じている状態で、まあどう考えてもその状況が解消しそうもない(さらに短国の買入を積みそうな勢いだから)のですから、先行き数か月間(最近の固定金利オペは4か月で実施)の担保繰りが固定化させるわ、GC金利とか下がっているし資金も余剰状態だわという状況の中で固定金利オペの残高は減る一方だわな)ので、さらに短国買入にしわ寄せが来て、短国の物不足が拡大すると益々固定オペの残高が減る(市場でのファンディングがつきにくい一般債などの分もあるのでゼロにはならない)という悪循環になりますので、はてさてこれはどうしたもんかという所っすな。

つーかね、これで短国買入札割れだの出来上がり金利がとんでもなく下がる(まあマイナスは極端にしても)となりますと、「短期オペの限界があってMB目標達成に短期部分が足りない」→「長期国債の買入をもっと拡大しないと目標達成が出来ない」という話になって、ただでなくさえ日銀買入攻撃の結果需給がアチャーになって価格形成があばばばばーになってセカンダリーの売買がスカスカとなっている中長期債券市場の方も誠にアレという話になってくると益々困ったちゃんになるんですけどねえ。

つーかまあ年末のMB200兆円は兎も角として(というか兎も角にならない可能性もあるのですが)来年末のMB270兆円ってどこをどう考えても無理無理無理という話になると思う訳ですが、これはもうMB増やすために何か別の事考えた方が良いんじゃないかというレベルのような気がするんですけれども、ということで与太話のネタになるのですが与太話コーナーはそのうちまたということで(与太にしても一応まとめが必要ですから^^)。

#ということで分かったような判らんような雑談コーナーでした

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2013/09/20

○だいたい市場関連メモ

・3M入札ェ・・・・・・・・・・・

昨日は3MTBの入札。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20130919.htm

(3)募入最低価格 99円98銭5厘5毛(募入最高利回り)(0.0581%)
(4)募入最低価格における案分比率 32.7511%
(5)募入平均価格 99円98銭5厘7毛(募入平均利回り)(0.0573%)

・・・・・・・・・・・・orz

えーっと、先日の短国買入で衝撃の2毛強足切りになってそこから3Mの目線が0.06%(短国買入足切りの出来上がりレート)になった訳ですが、足元の玉無し芳一状態を鑑みますと0.06%目線で札入れて空振りの刑を食らう方がリスクだから上にも札を入れておきますかという展開になったら貫録の0.06%割れですかそうですかという流れ。

まあ本日は2M入札があるのですが、発行額が2.5兆円ぽっちしかない物件ですので、突っ込むときは突っ込むという大変に素敵な仕様となっておりますのでいやもうどうなるんでしょうかねえ・・・・・・・・


・5−10年の輪番

昨日の輪番
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of130919.htm
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2013年9月24日
国債買入(残存期間10年超) 2,000 2013年9月24日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 8,000 2013年9月24日 2014年1月8日

ということで、5−10年の輪番ですが、10年カレントが銘柄交代して最初に入れることが可能になった輪番なので従来のお約束水準の4500億円に戻すのかなという見方もあったのですけれども、結局しらっと4000億円継続ということですので、4000億円に減らした時に「カレントの特定銘柄ばかりバカスカ入るから配慮した」説もあったのですが、恐らくそんな配慮はしていないでしょうねえというのは把握したという所ですな。

まあ買入銘柄の平均残存の問題だと思うのですが、この辺の計数に関しては今度じっくり計算してみます(って先週も言ってたような気がしますが)のでまた後日。


・結局ブルフラット

昨日の債券市場はまあお約束のように上昇したのですが、先物主導というよりも現物が強くて、しかも時間の経過と共に超長期が相対的に強くなる(引けにかけて手前が売られて押し込む中で超長期の強さが目立つ格好に)という流れになりました。

まあ何ですな、消費税問題の動向を見極めてからとか、Tapering開始の影響を見極めてからとか、まあそんな感じの毎度お馴染み様子見地蔵先生の言い訳につきまして、どう見ても増税予定通り方向な上に逆さ絵先生まさかのヒヨルド状態になってしまいましたので、買わない言い訳がががががで葉っぱ踏み踏みということですねわかりますという所ですかそうですか。

しかも期末で現物債の需給がーというのもありますし、まあシャーナイナイでした罠。と後で何が起きたか忘れないためにメモだけ置いておきました。

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2013/09/19

今日のFOMCでおおビックリという所で。

つーかまあ良く考えたらこの前雇用統計出た時にあたくしも9月Tapering開始の自信がだいぶ減ったとかゆうとったのですが、市場が普通に織り込んでいたのでやっぱり実施ですかそうですかまあFEDは市場が織り込むのに従いますもんねえと思っていたのでいやまあ日和りやがるとはねえという所ですな。

今日はワクワクし過ぎて夜中の2時に目覚めてしまい(ただのジジイじゃねえかとか言わない)、何だまだ2時じゃねえかと寝たら結局いつもの時間になるとか残念なのですが、何せ朝5時の公共放送ニュースがトップの全力でFOMCネタを報道(ちな6時のトップもFOMCで、7時に至ってはトップニュースの上に延々と解説がついて7時7分までこのネタをやっていたわ)していて今朝は瞬間で覚醒しましたわwwww

で、いきなり覚醒して読んだのですが何気に声明文見ているとだいぶアレ感が漂うので声明文等(今回結構書き換わっている)を絶賛鑑賞という所です。

#どうでもいいが「セルインメイは9月に戻って来いというのが入ります(キリッ)」とドヤ顔で説明するのはいいんですけれども既に9月半分過ぎて株価が戻ってるんですがそういうのは後出しと言うんじゃないでしょうか・・・・・・・>モーサテの株解説の人


○あたくし的小まとめ

まず声明文なのですが、まあ前回分と比較して一読した感想は「盛大に日和やがったなおいおい」という所でして、後で申し上げますが、「市場金利の上昇ガー」とかオープンエンド買入を行って緩和を毎月拡大しているものを止めようという話をしたらそら金利は上昇するだろお前は何を言ってるんだというような辺りに盛大な日和っぷりを感じますな。

つーかですな、正直言って今月緩和縮小出来なかったら年内出来るのかよという所で、この前までQE3の拡大の限界的なプロコンがどうのこうのとか言ってたのはどこに逝きやがったのかと思う訳で、ああこりゃマクロプルーデンス的にやらかしの悪寒がするわとゆー気もしますけどまあ今後また話がコロッと変わるかも知れないのでいずれにせよ不安定になるんでしょうな。

んでもってSEPの方も注目していたのですが、こちらは表紙(おもてがみ)を一見すると微妙に整合性が取れて無いんじゃネーノという所なのですが、子細に全体の数値を(ファンチャートなども含めて)確認すると、たぶん全体的な見方として「米国経済の潜在成長率(のような概念のもの)が低下している」というのがあるなあと思いましたですよ。

つまりですね、SEPの中であたくし的に注目しているのって実はロンガーランの数値に変化が起きるかという所なのですけれども、今回見ますとロンガーランのGDP数値が若干下がっていまして、ついでにロンガーランのFF誘導金利(つまり中立金利のような概念のもの)が若干下がっている(ほぼ4%に収斂されているのですが、4%超を出してきた人が降りてきている)というのが目に付きまして、FOMC参加者の皆様の意見をアグリゲートして平均を無理矢理出すとそうなるのね(実際は一部の人が見方を下げた、ということだと思いますが)という話かねと思いましたです。

ただし、今回のSEPは総勢17名になっていて、前回が19名だったので人数単純数値比較をすると全体の数値が必ず減になるのでご注意を^^;

あと、声明文の分量が前回対比長くなっておりまして、まあこういうものはあまりにも短いのもどうかとは思いますが、基本的にA4紙1枚で収まるようにするのが美しい訳でして、文章が長くなってああだこうだとなっているというのは悪文の典型ですな・・・・・・って今そこのあなた!「お前が言うな」と思いましたね!!!!


○ということで声明文である

http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20130918a.htm(今回)
http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20130731a.htm(前回)

・第1パラグラフ:何気に色々と下げてやがる件について

『Information received since the Federal Open Market Committee met in July suggests that economic activity has been expanding at a moderate pace.』(今回)
『Information received since the Federal Open Market Committee met in June suggests that economic activity expanded at a modest pace during the first half of the year.』(前回)

のっけから違うのですが、前回謎の「比較期間を変えて急にmodestに下げる」という訳のわからん
攻撃をしたのですが、今回は普通の比較期間(前回会合から、というのに戻す)にして「moderate」
に表現を戻すというプレイに。

『Some indicators of labor market conditions have shown further improvement in recent months, but the unemployment rate remains elevated.』(今回)
『Labor market conditions have shown further improvement in recent months, on balance, but the unemployment rate remains elevated.』(前回)

何かこの辺にも謎の文学的香りがするのですが、労働市場の改善がどうのこうのという部分に関しては前回が「on balance」になっていて今回は「some indicators」になっているので、たぶんこれは前回よりもやや弱い言い方になっている(改善(キリッ)というのに日和成分が高まるという意味です)感じですかね。

『Household spending and business fixed investment advanced, and the housing sector has been strengthening, but mortgage rates have risen further and fiscal policy is restraining economic growth.』(今回)
『Household spending and business fixed investment advanced, and the housing sector has been strengthening, but mortgage rates have risen somewhat and fiscal policy is restraining economic growth.』(前回)

消費支出と住宅セクターの解説および前回から入ったモーゲージ金利の上昇ガーというのは今回も継続ということでここは同文。

『Apart from fluctuations due to changes in energy prices, inflation has been running below the Committee's longer-run objective, but longer-term inflation expectations have remained stable.』(今回)
『Partly reflecting transitory influences, inflation has been running below the Committee's longer-run objective, but longer-term inflation expectations have remained stable.』(前回)

この物価の所が何気にげげげのげという所なのですが、前回までは足元の物価低下について「一部は一時的な要因による影響で」物価がややマンデート水準から低下というような言い方だったのですが、今回は「エネルギー価格の変動要因は別と致しまして」物価がややマンデート水準から低下となっていますので、物価に対する表現が弱まる、というか物価の上昇率が弱くなっていますねという点をより明確に示したというのがおーという所です。

ただし次のパラグラフにあるのでそこでご紹介しますが、物価の先行き見通しは下げていませんので念の為。


・第2パラグラフ:盛大な日和キタコレ!と思ったのだがどうでしょうかね

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(今回)
『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(前回)

まあこれはお約束の表現。

『The Committee expects that, with appropriate policy accommodation, economic growth will pick up from its recent pace and the unemployment rate will gradually decline toward levels the Committee judges consistent with its dual mandate. 』(今回)

『The Committee expects that, with appropriate policy accommodation, economic growth will pick up from its recent pace and the unemployment rate will gradually decline toward levels the Committee judges consistent with its dual mandate.』(前回)

適切な緩和政策によって失業率が物価の安定を伴いながら徐々に低下していくでしょう云々も同じですが問題はこの先。

『The Committee sees the downside risks to the outlook for the economy and the labor market as having diminished, on net, since last fall, but the tightening of financial conditions observed in recent months, if sustained, could slow the pace of improvement in the economy and labor market.』(今回)

『The Committee sees the downside risks to the outlook for the economy and the labor market as having diminished since the fall.』(前回)

後半に新たな付いたものがアレですが、その前に前半の所で従来無かった「on net」というのが入っているのがチャーミングでして、下方リスクは消えました(キリッ)と言ってたのにヘッジクローズが入っているというのがお洒落ですよね。

でまあそれよりもアチャーなのは今回のbut以下の文言でして、「ここ数か月間に観測された金融市場の引締め傾向が、もし継続するのであれば、経済や労働市場の改善ペースを遅らせる可能性がある」という部分であって、お前は何を言っているんだという位の日和っぷり表現を感じる次第ですわな。

もうね、これは見事なマッチポンプとしか申し上げようがない訳で、正常化着手しようとしたら金利が上がったのでやっぱりそれはリスクですよとかビビリが入りましたと宣言しているようなもんで、これはFOMC足元見透かされますわという所で正直これは今回の声明文の中での最大の見ものというかズッコケポイントというかと思うのですがどうっすかね。


『The Committee recognizes that inflation persistently below its 2 percent objective could pose risks to economic performance, but it anticipates that inflation will move back toward its objective over the medium term.』(今回)

『The Committee recognizes that inflation persistently below its 2 percent objective could pose risks to economic performance, but it anticipates that inflation will move back toward its objective over the medium term.』(前回)

見通し部分の物価に関する表現は前回と同様で、2%を持続的に下回る状態はリスク云々というブラード総裁もニッコリの表現も継続しています。


・第3パラグラフ:QE3の効果の話をするとかこの辺も日和成分がががが

このパラグラフは基本的にQEの話なのですが、前回対比で思いっきり文章量が長くなっているのがここで、ああでもないこうでもないみたいな書き方が増えるのは基本的に悪文化している典型(とまた自分にブーメラン^^)。

『Taking into account the extent of federal fiscal retrenchment, the Committee sees the improvement in economic activity and labor market conditions since it began its asset purchase program a year ago as consistent with growing underlying strength in the broader economy. However, the Committee decided to await more evidence that progress will be sustained before adjusting the pace of its purchases.』(今回)

ここの部分は概ね新規導入文言でして、まず最初に「財政削減の影響を考慮にいれますとQE3は(その分をオフセットして)基調的な経済全体の成長に伴う経済活動や労働市場の改善に効果がありました」とか言い訳のような話と財政削減云々の話をしているのは何だかなあという感じです。

で、今回はアセットパーチェスの調整(ここでは増やすとも減らすとも言っていないのもチャーミングですけれども次のパラグラフで減らすという話をしています)を行うのには更にエビデンスが必要ですという日和んぐになりましたとの事。

『Accordingly, the Committee decided to continue purchasing additional agency mortgage-backed securities at a pace of $40 billion per month and longer-term Treasury securities at a pace of $45 billion per month. The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction.』(今回)

『To support a stronger economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at the rate most consistent with its dual mandate, the Committee decided to continue purchasing additional agency mortgage-backed securities at a pace of $40 billion per month and longer-term Treasury securities at a pace of $45 billion per month. The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction.』(前回)

何を行いますか云々の話はまあ現状維持なのですから表現は同様。

『Taken together, these actions should maintain downward pressure on longer-term interest rates, support mortgage markets, and help to make broader financial conditions more accommodative, which in turn should promote a stronger economic recovery and help to ensure that inflation, over time, is at the rate most consistent with the Committee's dual mandate.』(今回)

『Taken together, these actions should maintain downward pressure on longer-term interest rates, support mortgage markets, and help to make broader financial conditions more accommodative. 』(前回)

今回は後半に余計なものがついていますが、直前で引用したように前回は文章冒頭に「To support a stronger economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at the rate most consistent with its dual mandate,」とありまして、それが文章構成上後ろに来たという形です。


・第4パラグラフ:一応減らすという話をしていますが

『The Committee will closely monitor incoming information on economic and financial developments in coming months and will continue its purchases of Treasury and agency mortgage-backed securities, and employ its other policy tools as appropriate, until the outlook for the labor market has improved substantially in a context of price stability. 』(今回)

『The Committee will closely monitor incoming information on economic and financial developments in coming months. The Committee will continue its purchases of Treasury and agency mortgage-backed securities, and employ its other policy tools as appropriate, until the outlook for the labor market has improved substantially in a context of price stability. 』(前回)

物価安定の元で労働市場の顕著な改善するまで資産買入を継続します云々については何故か今回従来2文に分かれていたのがandで一文になった以外は同じです。

『In judging when to moderate the pace of asset purchases, the Committee will, at its coming meetings, assess whether incoming information continues to support the Committee's expectation of ongoing improvement in labor market conditions and inflation moving back toward its longer-run objective. Asset purchases are not on a preset course, and the Committee's decisions about their pace will remain contingent on the Committee's economic outlook as well as its assessment of the likely efficacy and costs of such purchases.』(今回)

『The Committee is prepared to increase or reduce the pace of its purchases to maintain appropriate policy accommodation as the outlook for the labor market or inflation changes. In determining the size, pace, and composition of its asset purchases, the Committee will continue to take appropriate account of the likely efficacy and costs of such purchases as well as the extent of progress toward its economic objectives.』(前回)

今後の調整がどうのこうのという部分ですが、こちらについては前回までは「適切だと認識したら増やしたり減らしたりするのは準備できています(キリッ)」となっていたのが、今回は「In judging when to moderate the pace of asset purchases」となっていますので、「減額」を前面にだした形でして、まあこれ自体は減額に向けた話になってはいるのですが、そこまでの各種表現が腰砕けモードになっているからこの辺で少し腰を立て直さないと急にハト派に転換したのでという風になるからというのはあるんでしょうかねとか勝手に思ったりするあたくしですが、まあ何かあまり統一された意志が無いのかもしれませんね、良く判らん。

でもって今回はその「減額」というのを入れておきながらその直後に「でもそれは事前に決めたコースを取って行う訳では無くて経済状況次第」というのも入れておりまして、まあ全体的にはやはり日和というか腰砕けモードという感じですなあという所です。


・第5パラグラフ:金利に関しては前回と全文一致

フォワードガイダンスなどの表現部分はあたくしが読み間違えていなければ全文一致の筈です。今回分だけ引用します。てきとうにぶつ切りはしておきますが。

『To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee today reaffirmed its view that a highly accommodative stance of monetary policy will remain appropriate for a considerable time after the asset purchase program ends and the economic recovery strengthens.』(今回)

『In particular, the Committee decided to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and currently anticipates that this exceptionally low range for the federal funds rate will be appropriate at least as long as the unemployment rate remains above 6-1/2 percent, inflation between one and two years ahead is projected to be no more than a half percentage point above the Committee's 2 percent longer-run goal, and longer-term inflation expectations continue to be well anchored.』(今回)

『In determining how long to maintain a highly accommodative stance of monetary policy, the Committee will also consider other information, including additional measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial developments. When the Committee decides to begin to remove policy accommodation, it will take a balanced approach consistent with its longer-run goals of maximum employment and inflation of 2 percent.』(今回)


・第6パラグラフ:反対はジョージさんだけとな(理由は同じ)

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; James Bullard; Charles L. Evans; Jerome H. Powell; Eric S. Rosengren; Jeremy C. Stein; Daniel K. Tarullo; and Janet L. Yellen.』(今回)

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; James Bullard; Elizabeth A. Duke; Charles L. Evans; Jerome H. Powell; Sarah Bloom Raskin; Eric S. Rosengren; Jeremy C. Stein; Daniel K. Tarullo; and Janet L. Yellen.』(前回)

デューク理事が退任してますがラスキン理事は今回欠席だったのですかね。つーことでSEPは19名から17名にかわっています。

『Voting against the action was Esther L. George, who was concerned that the continued high level of monetary accommodation increased the risks of future economic and financial imbalances and, over time, could cause an increase in long-term inflation expectations.』(今回)

『Voting against the action was Esther L. George, who was concerned that the continued high level of monetary accommodation increased the risks of future economic and financial imbalances and, over time, could cause an increase in long-term inflation expectations. 』(前回)

ということで毎度お馴染みジョージ総裁怒りの反対でした。



○SEP

ヤバイ時間ががががなので駆け足で。

http://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20130918.pdf(今回)
http://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20130619.pdf(前回)

・中心的見通し

ということでこちらの表紙の中心的な見通しを見ると、

GDP:13年上げ、14年下げ、15年上げ
失業率:13年下げ、14年下げ、15年上げ
インフレ:13年上げ、14年下げ、15年横

という感じですが、そんなに極端な変化はありませんな。

でもって16年の見通しですが、

GDP:ロンガーランの成長率を上回る水準
失業率:5.4-5.9なのでロンガーランの5.2-5.8と概ね同じ
インフレ:1.7-2.0でまあ適正

ということで、16年には正常化していますという感じになっています。


・ロンガーランの数値

んでもってあたくしが気にしているロンガーランの数値なのですが、こちらのGDPの数値が中心的な見通し、全体の数値でみた双方で低下している(中心的なのが2.3-2.5→2.2-2.5、全員の数字が2.0-3.0→2.1-2.5)のがほほうというのは先ほども申し上げた通り。

失業率のロンガーランは中心的な見通しが低下してる(5.2-6.0→5.2-5.8)のですが、全員の数値は上がっている(5.0-6.0→5.2-6.0)なので実はそんなに変わっていないのかもです。ファンチャート見てもそんな感じですし。

物価は変わらないのはお約束。


・FF金利に関して

これは母集団が2減っているので単純比較しにくいのですが、ざっと見た感じですと・・・・・・・

利上げの時期に関して、および2015年末のFF誘導金利水準に関する見方はやや金利低下&利上げ遅れる方向になっております。まあそういう計算の仕方も乱暴なのですが、2015年末の所の全員のプロットを算術平均しますと、前回が1.342%だったのですが、今回は1.250%になっておりまして、まあアグリゲートするとちょっと低下したという感じではないでしょうか。

注目の2016年末のFF誘導金利予想ですが、こちらは1.75-2.00%の所に最初のかたまりがあって、2.5-2.75%の所に次のかたまりがあるという感じ(上の方にはタカ派の先生がおいでですが)です。これまた算術平均するとあたくしの計算が間違えていなければ2.265%になります。

ロンガーランについては2名抜けている分も勘案した方が良いのかもしれませんが、それはそれとして、従来4.5%で見ていた3人が降りてしまったのが目立つ所で、4%にほぼ収斂しているのですが、4%超で見ていた人が従来の6名から3名に減っていまして、FOMCメンバーの中立金利に対する見方はタカ派の人たちが降りてきた感じが致します。


ということで時間配分がというか今回は声明文読書に時間を食ってしまったので後半の方が盛大に駆け足になってしまいまして誠に恐縮至極(いつもなら引用するのですが引用しているヒマが無かった)でありまする。

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2013/09/18

○さて本日は20日渡しのレギュラーとな

http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html

GCトモネ(T+1スタートの翌日物)レートの直近推移は以下の通り。

2013/9/9 0.085
2013/9/10 0.057
2013/9/11 0.040
2013/9/12 0.073
2013/9/13 0.094
2013/9/17 0.069

リファレンスレートのトモネちゃんが先週頭から上がったり下がったり忙しいのですが、まあ基調は金が余って潰さないといけなくてエライコッチャという状況で有る事には変わりがありませんですよねと申しますか、今日はT+2のレギュラーが恐怖の9月20日となっておりまして、はてさて20日渡しの所はどうなりますねんというお話。

つーかですな、当座預金残高90兆円少々のこの時点で短期市場が金余りでエライコッチャで玉無し芳一とかになってしまっておりますと、本当の本当にマネタリーベース2倍ニバーイとか出来るのかよという悪寒も致しますし、大体からして追加緩和するにしたって技術的に困難になるんじゃネーノという話(まあ追加以前に今の枠組みもそうだが)ではなかろうかという気もするんですが、良く考えたら短期に皺寄せしないで長期債もっと買えば技術的には行けるのかなとか鬼のような事を考えてはおりますが考えは纏まりません(^^)。

まーその長期にしたって日銀の買い攻撃でセカンダリーの売買がががががとなっているので、そうホイホイ増やして市場は耐えられるのかという問題もありますからねえ・・・・・・・・

というただのメモでした。


○消費税はようやく予定通りの決着のように見えますけど・・・・・・・

こんなニュースがあったのか。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130914-OYT1T00283.htm
浜田氏「自然な流れ」、本田氏は懸念…消費増税
(2013年9月14日10時03分 読売新聞)

『安倍首相の経済ブレーンの浜田宏一・内閣官房参与(米エール大名誉教授)は13日、首相が来年4月から消費税率を5%から8%へ引き上げ、5兆円規模の経済対策をまとめるとの意向を固めたことについて「適当な方向だ」と一定の理解を示した。』(上記URLより、以下同様)

えーっと先生消費税増税してその分財政打つのは愚の骨頂という話をしていた筈なのに何でまたここで急に転びますねん。

『「政治の自然な流れなのだろう」とも述べた。首相官邸で記者団に語った。』

・・・・・・・・・んーっと、専門家としての知見から考えたらおかしいけれども、政治の流れだから適当であるとかそういう物分かりの良い話をされますと、経済政策の専門家としてわざわざ内閣参与として起用されている意味ががががと思いますし、だったら消費税先送りについてこれだけの大騒ぎにせんでも良かったんじゃないですかと存じますが、まあ浜田先生が土壇場で急にコロッと転ばれてしまいましたので、こらまあ普通に消費税増税は予定通りに実施という事で安倍ちゃんも腹を括ったんでしょうなあというのだけは把握しました(^^)。

ちなみに上記記事の続きには(表題にあるように)本田先生の発言もありまして、

『一方、同じく首相の経済ブレーンの本田悦朗・内閣官房参与(静岡県立大教授)は同日、記者団に「日本の置かれた状況は複雑で深刻だ」として、首相の消費増税に対する懸念を表明した。「15年間のデフレが、半年の実質国内総生産(GDP)で判断できるのか」とも強調した。』

うむ、まあ本田先生の方が話の筋は通している(結論には賛成しないが)なあという所ですね。


なお、本石町日記さんが紹介していたので私も山本幸三先生の主張を張っておきますね。

http://www.yamamotokozo.com/2013/09/130912report/
混乱している有識者会議の議論 2013.9.12 衆議院議員 山本幸三

まあ中身は見て下さいという所ですが、従来の「デフレは貨幣的現象なのでデフレ脱却には金融政策で対応」という主張が爽快なまでに一貫しておりまして、

『増税慎重派の主張のポイントは「消費税増税によって個人消費が落ち込み、需給ギャップが拡大して、デフレ脱却が遠のいてしまう。」という点にあるが、本当にそうだろうか。こうした主張を、これまで日銀に積極的な金融緩和政策を求めてきたリフレ派と呼ばれる経済学者達までが唱え始めていることに私は違和感を覚えるのである。私の結論は、「デフレ脱却と消費税増税は全く関係ない。」ということである。その理由は、「デフレは貨幣現象であるので、金融政策がしっかりしてさえいれば、必ず脱却できる。」という点にある。リフレ派の主張は、正にそこにあったのではないか。それが突然金融政策のことを忘れた議論を始めるのは首尾一貫性に欠けるというものだ。』(上記URLより)

リフレ派の本来の主張を一貫しておられましてさすがとしか申し上げようがございません。まーアタクシ個人としては内容自体にはちょっと賛成致しかねる部分がございますが、主張として一貫しているというのは実に結構なお話でして、山本幸三先生の主張されている理論的背景が実際の経済にマッチするのであれば、こうやって一貫した理論的バックボーンで政策を実施すれば上手くいく、とまあそういう話になると思うのですよね。

然るに一部の方面では「一つ一つの主張自体は見解として有り得る主張」なんですけれども、「前の主張と首尾一貫していない」ということで「その場その場で別の理論的背景を持ってくる」という方々がおいでになるのがアレというものでありまして、結局の所それは政策としての効果が本当に出るのかよという話になる訳ですよねと思うんですけどどうなんでしょうかね。

大体からしてマンデルフレミングだから財政効かないよ金融政策が重要だよと言ってた人たちが何で消費税増税に反対する時になると急に増税で景気が腰折れしてデフレ脱却が遠のくという話になるんだよとゆー所で、って山本先生も上にありますように仰せですが、その場その場で何か自分の主張に合いそうな理屈を繰り出して来るのは結構なのですが、その理屈が首尾一貫していないとアクセルとブレーキを同時に全力で踏むような支離滅裂政策になる訳でして、そういう支離滅裂政策にならないために学識者のバックボーンが必要だという話だと思うのですけどにゃあ。

ま、それは兎も角として結論としては消費税増税は予定通りの実施でファイナルアンサーっぽくなったということでめでたしめでたし・・・・・なのかな????

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2013/09/17

諸般の事情で出稼ぎなどもしている隙に短期市場から久々に黒煙がプスプスというか香ばしい香りがプンプンというか、まあそんな感じでして・・・・・・・・

その前に訂正。金曜の駄文で残高目標の期日を「年度末」とかうっかり書いてしまいましたが、本当の目標期日は「暦年末」であります(ログは訂正しました)。

何かその期日と「2年で2%」の目標期日の時期が異なる(異次元緩和をローンチしたのは4月だから)ように見えまして、そういう所の作り込みも正直言って今回の異次元緩和って出来的にどうなのかと思いますけどまああれはヤケクソのドタバタでエイヤーでやったからその辺の足ズレとか調整している暇がなかったんですねわかります。


○されにその前にこりはびっくりのサマーズ辞退

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MT7IFG6TTDS801.html
サマーズ氏が米FRB議長候補辞退、民主党上院議員ら強く反対
更新日時: 2013/09/17 03:51 JST

『9月16日(ブルームバーグ):ローレンス・サマーズ氏は米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長の候補を辞退すると表明した。債務上限問題やシリア問題で議会を相手に難しいかじ取りを迫られるオバマ政権を、民主党内の対立回避という形で支援した格好だ。元米財務長官でオバマ政権の国家経済会議(NEC)委員長も務めたサマーズ氏の辞退を受けて、大統領とアドバイザーらは対応を検討している。同氏のFRB議長指名について、何人かの民主党上院議員が反対のキャンペーンを繰り広げていた。』(上記URLより、以下同様)

どんだけ人望が無いんですか先生!という感じですが。

『ジェフ・マークリー(オレゴン州)、シェロッド・ブラウン(オハイオ州)両議員を含む民主党上院議員数名は、金融市場の規制に関するサマーズ氏の姿勢が緩過ぎるとして、指名反対を同党議員らに呼び掛けていた。』

ってのが理由だとすると金融緩和継続ヒャッハーと必ずしも喜んで良いのかというとこれがまた微妙で、金融市場規制でシバキアゲの刑が待っているのであれば量的緩和は続いても規制の方であちゃーになるので喜んで株を買っていて良いのかねえという気もするのでした。

ちなみに金曜はご案内のようにこういう記事が出て市場もやや反応していたのですが・・・・・

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1301K_T10C13A9MM0000/
FRB議長、サマーズ氏指名へ最終調整
副議長にブレイナード氏 2013/9/13 14:00 情報元 日本経済新聞 電子版

『【ワシントン=矢沢俊樹】オバマ米大統領は12日、来年1月に任期切れとなるバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の後任に、ローレンス・サマーズ元米財務長官(58)を指名する方向で最終調整に入った。副議長には女性のラエル・ブレイナード財務次官(国際担当)を起用する意向。』(上記URLより)

ということで、こちらの日経電子版の記事ですが、毎度の日経クオリティと違うのは今回署名記事で出ていた所で、まあ今回はそれなりに日経新聞渾身の報道だったと思われるので、逆に具体化する中であまりと言えばあまりの反対に下手したらこれでオバマ大統領の求心力が落ちるんじゃネーノ(シリアでも振り上げた拳を降ろしてますし)ということで辞退したという事なのかも知れませんね。

まーしかし重要かも知れないので再度繰り返しますと、別にサマーズがタカ派だから反対された訳では無い、という点をうっかりするとマズーなのではないかと存じます(単に「あのヤローは人間的にダメ」というのであれば政策インプリケーションは無いのだが^^)がね、うんうん。



○金曜の短国買入でウヒョーということで簡単に確認してみた話

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of130913.htm
CP等買入 4,000 2013年9月19日
国庫短期証券買入 15,000 2013年9月18日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,500 2013年9月20日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,500 2013年9月20日
国債買入(残存期間10年超) 2,000 2013年9月20日
国債補完供給(国債売現先)・即日(注3) 4,000 2013年9月13日 2013年9月20日

つーことで短国買入が1.5兆円でオファーされた訳ですが、そもそも前日の3M入札が強い結果になった上に札が大手の一部の業者さん所に偏在した結果、ショートカバーで0.075%がBBで2500億円(でしたっけ)一発テイクンとかやっているという素敵な結果になったというのにまだ短国買入1.5兆円も打ちやがりますかとゆうとったらこの結果。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba130913.htm
国庫短期証券買入 16,919 15,000 -0.020 -0.012 75.9
国債買入(残存期間1年超3年以下) 11,047 2,506 0.000 0.001 19.6
国債買入(残存期間3年超5年以下) 16,240 3,502 0.007 0.008 29.0
国債買入(残存期間10年超) 7,244 2,004 0.004 0.005 60.2
国債補完供給(国債売現先)・即日(注4) 47 47 -0.400 -0.400
CP等買入 6,360 3,610 0.084 0.090 61.1

短国買入は前日比2毛強の足切りとなりまして、どう見ても入れられる札がそれしかないだろという3か月新発の引けが0.080%だったのでつまり3MカレントTBで出来上がり0.06%の札まで入るという有様。

先々週まではまあ需給ひっ迫気味とは言えここまでウヒョーな相場展開ではなかったのですが、先週に入ってレポ金利が華麗に低下してこの週末挟みの所のO/N(翌日物だが3連休なので4日ものになる)のレポや現先のレートがドカドカ低下(直近では東京レポレートのT/Nは水曜の0.040%から0.073%→0.094%と上昇しましたが)して何か素敵なレートになってしまっていたり、市場の玉不足が既に酷い状態になっていますが、20日に利付中長期国債の大量償還があって、当たり前ですけれどもその大量償還分の全部が全部そのまま中長期国債に回る訳ではなく、一部は待機資金となりますので、この待機資金が短国を買うだのGCレポやら現先を買うだのと言い出した日には更にオソロシスな事になりますぞなもしという所。


でですね、いやあの短国買入なんですけれども、今月はそもそも資金需給的には余剰になるのでそんなに親の仇みたいに買わなくても良いと思いますし、大体からして今短国買入をしても基本的に持ち込まれるのは新発3か月カレントが殆どになるので、年末の残高目標には関係ない数値でございますがなという状況でありまする。でまあこれが別に市場を壊さない買いであれば別にどうでも良いのですが、なにせ明らかに市場を壊しにいくような日銀の買いでして、ここでの大量買い継続って単に市場を壊すだけで日銀の政策的にメリットありましたっけ??という気もするので更に確認。


9月の資金需給
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1309.htm/

こちらを見ると短国部分でショートになっているけれども、これは日銀保有の短国の償還分が国債償還要因から資金需給上除外されている(日銀の保有する国債が現金償還されてもそれ単体では民間の資金需給には中立だから)為でして、上記URLにあるように今月の短国償還はカレンダーベースで41500億円ありますな。

なお、正確な数値はこちら
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額(8月末)

からデータを取れば良いのですが、何故ZIPだけでしか提供しないのと思う訳で、HTMLテキストとかPDFとかエクセルとかでもデータくらはいと思うのですががががが。

でまあ正確な数値を拾うのは今回パスしまして、資金需給の方の41500億円を信用しまして今月の短国買入状況を勘案しますと、約定ベースだと今月の買入は35000億円なのですが、月末跨ぎの分が20000億円なので、それも加えると550000億円になるのだが、そもそも9月の資金需給計算の中でこの2兆分が入っているのかいないのかまで計算していないので(汗)そこが微妙なのだが、まあいずれにせよ今月末までに短国買入を一発入れれば楽勝で今月もネット資金供給の巻となっておりますな、うんうん。

んでもって異次元緩和ローンチ時の声明文でありますところのこいつ↓
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130404a.pdf
の4ページにございますように、当座預金残高をベースに考えますと昨年末47兆円で今年末が107兆円の数値が目途になっていまして、それを何も考えずに月ごとに進捗させようとすると(107-47)÷12=5兆円となるので、つまりはその辺無視して当座預金残高を進捗させようとすると直近で9月の半ばですので、8.5か月程度の経過となってるので当座預金残高の目安が90兆円弱(89.5兆円とか)になりますが、直近の当座預金残高が91.7兆円ですので進ちょくは順調。

つーかこれ更に真面目に計算しようとすると今後の資金需給動向とかを確認しないといけないのですが、恐らく9月の資金余剰月に当座預金残高の進ちょくをある程度稼いでおきたい(10月11月が不足月になると思うので)というのがあって、まあそんなこんなで短期オペに負担が掛かっているという状況だとは思うのですけれども、それで市場を叩き潰してどうしますねんというのは正直????ではありまする。

あと、この前も申し上げましたが貸出支援関連オペの進ちょくが(まあ予定通り)悪いというのもあって、こちらがリニアに増加するなら今頃10兆円位になっていないといけないのですが、ご案内の通り先般のオペ実施でやっと8兆円(貸出支援基金等にカテゴライズされているものを含む)なのでこの分の帳尻もしないといけないというのもあって短国オペを実施しているというのはあると思いますが・・・・・・・


えーっとですな、「担保玉無し」状態に短期市場を追いこんでしまうと、それってそもそも市場がワークできなくなるという話でありまして、大体からして先月に出ていた業態別当座預金残高を見てて非準備先が増えているのがひじょーにいやーな予感はしていたのですが、つまり現状では非準備先でも金が余っているという状態なので、確かにTKRR見れば判るように足元でレポの金利自体は振れているので活気があるようにも見えますが、これって単に大昔のFF市場の金利が乱高下しやすかったようなもんで、市場そのものがマージナルになってきているので金利がぶれているだけという状態な訳ですよね。

つーことで、GCレポ(や現先)市場まで叩き潰すような買い方で市場を叩き壊してしまいますと、正常化プロセスをやる(2年で2%達成したら正常化プロセスですよねえ棒読み)にしてもGCレポ市場まで壊れた状態でどうしますねんという話ですし、大体からして日本の場合は米国の正常化よりも更に困難な点として国債発行残高が莫大に存在するというのがあって、米国のTapering如きであのプライスアクションをするというのに、受け皿の市場が壊れた状態でジャパンが正常化プロセスに着手しようとしたら膨大な国債発行が耐えられるんですかという所も気になるんですけどね。


まあ何ですな、そもそも論になるのですけれども、今回の短国買入の打ち込み方もそうなのですが、先日から輪番の5-10年について謎の減額を行ったり、何かオペレーションの打ち方が微妙に市場の予想を外す方向外す方向に打たれていまして、まあこうやって細々と計数を確認するとなるほどそういう事ですかねえ(ちなみに輪番の謎の4000億円攻撃の検証も今度やりますけど、多分買入分の平均残存年限の関係だと思います、ざっくり見た感じだとそうなので真面目に計数確認してみますけど)というのは分かるのですが、ど〜もその何と申しますか、計数だけ見て機械的にやってるんじゃないですか市場との対話ってのはどうしましたっけという感が漂ってくるというのはどうなんですかと思うのでありまして、ちょっとここもとの調節とそれに対する市場のリアクションを見ておりますと少々アレなものを感じるのでございました。

ちなみに金曜の買入だって新発3か月を持ちにしている業者がほとんどいない(一部の大手さんの所に偏在している)状態なのに札が集まらねえだろというロットでオファーしたらそらまあ札は流れるわなという所でして、いやまあ札流れても無問題というのであればそれで良いのですけれども、札が流れてしまうと市場の目線が変わってしまってその後さらに運営が厳しくなる訳でして、もうちょっと工夫の余地はありませんかねと思うのでありますが、そもそものディレクティブが無理ゲーであるというのが根本にあるので厳しいっすかねえ・・・・・・・


ということでイマイチ纏まりに欠ける上に一部のマニアの人しかワカランチ会長のような話を延々と展開致しまして誠に恐縮至極でございまする(汗)。

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2013/09/13

○短国入札とか

・短国入札ェ・・・・・・・

昨日の3M入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20130912.htm

(3)募入最低価格 99円98銭0厘5毛
(募入最高利回り)(0.0790%)
(4)募入最低価格における案分比率 30.3254%
(5)募入平均価格 99円98銭0厘8毛
(募入平均利回り)(0.0778%)

ということで貫録の0.08%割れとなりやがった挙句にセカンダリーでは複数の大手業者さんがドカドカ落札した影響のショートカバーだとは思われますが0.075%でガッツリ出合いとかもう何と申しますかの結果と相成りまして、TKRRの方は昨日は上昇してましたけれども、まー短国もこの有様とか需給ががががという状況ですの、というメモでした。いやはや。


・貸出支援第2回目とな

ふむ。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/rel130912b.pdf
貸出増加を支援するための資金供給の実施結果
(2013 年9 月実施分)

貸付日における貸付予定総額8,812 億円

・・・・・・・前回が堂々の3.1兆円だったのですが今回は9000億円弱ですかそうですかという所でして、重点施策なのに札がこの程度とはケシカラン話ですなあ(棒読み)。

ちなみにこれとその他諸々の何ちゃら支援オペ関連で3月末(昨年末)対比で年度末(年末)には10兆円積むという計算になっていて、足りない場合は短期オペで帳尻攻撃が待っておりますので念の為申し添えます。

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2013/09/12

○レポ金利ェ・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0H64C220130911
〔金利マーケットアイ〕夜間取引で国債先物は強含み、海外勢が買い戻し
2013年 09月 11日 18:35 JST

『<15:12> 翌日物0.06─0.07%付近、レポGCレート一段と低下

無担保コール翌日物金利は0.06─0.07%付近での取引。主な取り手は地銀、信託、証券など。日銀が先日付で実施した国債や国庫短期証券買入などの金融調節で、当座預金残高が6日の過去最高(90兆5800億円)を更新する方向となる中、資金余剰感が強まり、資金ニーズは限られた。前日のような試し取りもみられなかった。レポ(現金担保付債券貸借取引)GCレートが一段と低下。T+1の平均レートは、10日が0.057%だったが、11日はさらに下がり、0.040%を付けた。T+1の平均レートの0.04%台は5月30日の0.048%以来。9日にオファーされた日銀オペが効いており、マーケットに現物、いわゆるモノが出てこない状況で、レポGCの運用サイドが強くなっている。』(上記URLより)

ということで昨日もTKRRは低下するわ現先レート下がるわですけれども、昨日も申し上げておりますように政策金利とかの思惑とかと関係なく需給オンリーで低下しているというのが質が悪い訳で、まあつまり市場機能低下コースですよねという話なのですが、真面目な話、短期市場での担保不足でレポ現先市場が完全に殲滅(瞬間的に悲惨な事になっている分にはまあ何とかなると思いますがそれが恒常化して市場そのものが消滅しちゃうと、という意味である)されてしまうと色々と悪影響が出てくると思うのですけど。

前回の量的緩和の時は何だかんだ言って関係者が市場機能維持のために無理して頑張っていたように見えますが、今回はたぶんそういう無理無理攻撃は出ないと思う(オペのやり方とかに違いがあるので)ので、本当の本当に不味い事になるリスクはあると思うんですけどねえ。

ちなみに当座預金残高は昨日は華麗に91兆円でありまする。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx130911.htm
当座預金残高 913,900

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2013/09/11

あいやー
http://www.musha.co.jp/4958

・・・・・・でも「近づける」というのなら昨日も一昨日も「近づけ」てはいるな(−−)。

○市場メモ雑談

・何故か判らんが急に買いが来たので

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MSUHMC6TTDS701.html
債券は続伸、需給良好で投資家の現物買い−30年債入札は波乱なく通過
更新日時: 2013/09/10 16:03 JST

つーことで昨日の債券市場も雨株が上昇しようが日株が上昇しようが知らんがなという貫録の展開を示しまして上昇。しかも昨日はカーブがブルフラット(引けベースでまあ先物から10年がパラで後ろが5糸フラットしているという形だが)ということで、10年カレントで0.7台前半という位置でブルフラットとなという大変に素敵な展開。

いやーしかし何でまたこのタイミングで買いですねんという所で、雇用統計を受けて一旦米債は戻りましたけれども、FEDのTaperingに関しては結局9月実施の市場コンセンサスは動かず(エバンスとウィリアムスが結局Taperingを年内のどこかにやるでしょという見解を示したのもデカイと思う)という事なので、雇用統計で買いが来た訳でもないと思いますが、はてさて何がこの買いのドライバーなのよと。

まー何ですな、大体からして消費税の問題とかTaperingの問題とか、足元においては債券の購入を「様子見」するネタがうじゃうじゃしていましたし、その辺がいつまで経っても不透明だったので、その「様子見」期間が長くなればなるほど皆さん徐々にショートになっていくとゆーことで(ただしこの場合運用対象資産が増減していないのが前提にありますけど)、どこかで買わないと〜という人たちが居て、買いがいったん入ると「俺も俺も」状態になってうひょーとなるの図みたいな所っすかねえ良く判らんけどというお話なんでしょうかね。

でまあ確かにTaperingについては雇用統計見た時にはビビりましたけど(^^)、どうも来週のFOMCで実施の絵が出るという話で落ち着きそうなのと、消費税に関してもGDP2次速報が強い(予想通りだが)し、神風のように東京五輪ネタが投下されたので、まあ大丈夫でしょ(ちなみにアタクシは逆に安倍ちゃんが五輪はワシが育てた状態の高揚感で消費税延期を決めるリスクもあるかなとは思いますけどまあ順当に考えれば延期する理由を作る方が難しいわな)という所で、その辺の不透明感後退で買いの言い訳が出来たという事なのかも知れませんが、その辺の背景については買っている人に聞くしかごじゃりませんな。


・TKRRェ・・・・・・・・・

東京レポレート
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html

んーっとですね、日証協さんにお願いなのですが、データはエクセル形式だけではなくてHTMLテキストでもPDFでも良いので、環境に依存しない形式でも見れるようにして欲しいのですけれどもそれは兎も角として。

東京レポレートのT/N取引のリファレンスレートが昨日は0.057%とあちゃーな金利低下となっておりまして、これがどの位あちゃーかと言いますと、今年の3月末に盛大な資金余剰と短国のアウトライト買いニーズの高まり(翌週の追加緩和に対する思惑、というよりは正確には「間違ってベースレートをいじられたらエライコッチャヘッジ」だと思うが)によってレポ市場の玉が盛大に不足した時に、3/22:0.096%→3/25:0.074%→3/26:0.030%という金利の低下をやってくれたのがあったのですが、今回はその再来みたいな金利低下の巻。

20日の国債償還に向けてちったあ短国買入をセーブするのかと思いきやあまりセーブしていなかったりして、只でなくさえ資金余剰なのに買入してどうすんじゃとゆー所ではあるのですけれども、先行きの政策金利見通しとかとはあまり関係が無く低下(前回の場合は先程も申し上げたように「間違って利下げされたら困るのでヘッジ」もあってそもそも短国利回りの方も低かったので政策金利見通しのファクターが無い訳では無かった)しているGCとゆーのは要するに「国債の玉不足状態」という事でもありますし、大体からしてGCレートがこれだけホイホイ下がられると業者のSC取引もやりにくくなるでしょうし、正直言って誰得の展開にしか思えないのですけどねえ・・・・・・・・・


○消費税関連ニュース雑談

・山本幸三先生さすがです

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MSV7TQ6K50Y501.html
自民・山本幸三氏:消費増税先送りならアベノミクス吹き飛ぶ (1)
更新日時: 2013/09/10 17:52 JST

『9月10日(ブルームバーグ):自民党の山本幸三元経済産業副大臣(党税制調査会幹事)は「デフレ脱却と消費税率引き上げは関係ない」と述べ、安倍晋三首相は予定通り2014年4月からの税率8%への引き上げを早期に決断するよう求めた。先送りすれば外人投資家が日本株や日本国債の売りに走り、株安・債券安・円高を招いてアベノミクスが市場に与えた効果が「吹き飛んでしまう」
と警鐘を鳴らした。』(上記URLより、以下同様)

ということで山本幸三先生登場ですが、まさかの真正マネタリスト炸裂の巻ですよ!

『9日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。山本氏はデフレ脱却のために日銀が通貨供給量を増やすよう長年主張してきたリフレ派の代表的論客で、安倍首相とは野党時代に金融政策の勉強会を重ねてきた。首相のブレーンである浜田宏一内閣官房参与らはデフレ脱却途上での8%への増税に慎重な発言を繰り返しているが、山本氏がこれに異論を唱えた形だ。』

山本さんがこういう話をするというのは安倍ちゃんに影響あるんじゃネーノとか思うのですけれども、この辺の人たちの力関係(?)がさっぱりワカラン(そもそも興味無いのでとか言ってしまうと身も蓋もないですかそうですか)のですけどね。

『山本氏は「デフレは貨幣現象であり、貨幣を増やせば自動的に脱却する。日銀が一生懸命にやっているのでそれを進めればいい」と増税慎重論をけん制。』

実に首尾一貫したスタンスで、どこかの誰かさんたちの場合のように、一つ一つの理屈はそらまあその通りなのですが、説明とか主張についてあんさんこの前の話と違うじゃねえのというような風情が非常に色濃く漂う人たちとは大違いで、こういう所山本幸三先生の主張って(貨幣的現象だけで済みゃ苦労しねえだろという意味で全く賛成はしないけど)好感持てますなあ。

『その上で、「何かショックが出てきそうだったら日銀の追加緩和、それが基本だ。日銀が十分にお金を出しさえすれば経済が悪くなっていくことはない」とも述べた。同氏は8日、首相に電子メールを送り、早期の増税決断を求めたという。』

>同氏は8日、首相に電子メールを送り、早期の増税決断を求めたという
>同氏は8日、首相に電子メールを送り、早期の増税決断を求めたという
>同氏は8日、首相に電子メールを送り、早期の増税決断を求めたという

増税反対派の皆様のご感想を是非ともお願いいたしたい訳ですが(^^)。

『浜田氏は8月27日に開かれた「今後の経済財政動向等についての集中点検会合」に提出した資料で「消費増税は障害のきっかけになり得る」と指摘し、増税の1年延期か、引き上げ幅を縮小するよう提案。本田悦郎内閣官房参与も31日、引き上げ幅縮小を求めていた。』

わざわざおまけをつけて面白がってるなブルームバーグニュース^^;


・安倍ちゃんの指示・・・・・・はただの普通の指示だったようで

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MSWCS86TTDSN01.html
安倍首相、今月末めどに経済対策取りまとめを指示−消費増税判断控え
更新日時: 2013/09/10 16:51 JST

『9月10日(ブルームバーグ):安倍晋三首相は10日午後開いた閣議後の閣僚懇談会で、今月末をめどに成長戦略を含めた「経済政策パッケージ」を取りまとめるよう指示した。麻生太郎財務相と甘利明経済再生担当相が閣議後会見で明らかにした。財政規模や内容などは今後、各省からの要望を基に両相を中心に検討する。』(上記URLより)

このニュース共同が速報した時には「消費税増税を前提に」みたいなヘッドラインが思いっきり出ていまして、いやまあ確かに記事にあるように増税した場合の対策も考えてちょというのはあるのですけれども、相変わらず増税が先にありきっぽい報道バイアスが掛かっているのが中々チャーミングでございましたぞな、はい。

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2013/09/10

○コストプッシュの影響が出ているようにも見えるのですが

http://www5.cao.go.jp/keizai3/2013/0909watcher/bassui.html
平成25年8月調査結果(抜粋):景気ウォッチャー調査

『8月の現状判断DIは、前月比1.1ポイント低下の 51.2となり、依然高水準ながら5か月連続で低下した。』

『家計動向関連DIは、高額品や新型車の販売が好調だったものの、猛暑や豪雨でコンビニエンスストアやサービス関連で客足が減少したこと等から低下した。』

『企業動向関連DIは、夏休みの影響もあって、一部の企業で受注や生産の増加に一服感がみられたこと等から低下した。雇用関連DIは、建設業等で求人が増加したこと等から上昇した。』

『8月の先行き判断DIは、前月比2.4ポイント低下の51.2となり、依然高水準ながら2か月ぶりに低下した。』

『先行き判断DIについては、政策効果に加え、消費税引上げ前の駆込み需要等への期待感がみられるものの、電気料金等の上昇や、消費税引上げによるマインド低下への懸念等から、家計動向部門、企業動向部門及び雇用部門で低下した。以上のことから、今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、緩やかに持ち直している」とまとめられる。』

ということで水準は引き続き50越えなのですが、昨年末から一気にマインド改善して今年の3月にピークを迎えてそこからじり安状態になっているというのは何ちゅうか円安株高にデフレ脱却ネタでウヒョーとなってはみたものの、実際問題としてはコストプッシュでの物価上昇が徐々にディマンドに影響を与えてきているとかそういう絵にも見えるだけに微妙にこうアレでございますな。

ちなみに3月調査の抜粋はこんな感じでして、年末からウヒョーとなっていたのは良く判りますな、うんうん。

http://www5.cao.go.jp/keizai3/2013/0408watcher/bassui.html
平成25年3月調査結果(抜粋):景気ウォッチャー調査


○来週にTapering実施という方がコンセンサスに近いのですかね

http://jp.reuters.com/article/idJPTJE98802820130909
ロイター調査:今月米QE縮小との見方多数、縮小幅は100億ドル
2013年 09月 10日 03:02 JST

ということで雇用統計を受けても今月Taperingという方が多いみたいですな。


でまあこういうのはベンダーのヘッドライン詐欺の場合があるから本当は講演本文を読まないと何とも言えないのですが、誠に遺憾ながらそこまでの時間が無いので。

エバンスさん
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MSP84T6JTSEH01.html
シカゴ連銀総裁:緩和の縮小は物価目標達成へ強い自信が必要
更新日時: 2013/09/07 03:12 JST

というヘッドラインになっているけれども見通しとしては「景気見通しが今後も改善するので今年中にTapering開始するでしょう」という話みたいで。


ウィリアムスさん
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MSV7206TTDT501.html
サンフランシスコ連銀総裁、金融政策は資産バブル促す可能性
更新日時: 2013/09/10 02:25 JST

アセットバブルとなという所ですが、まあ方向性として雇用が悪化している訳では無く、さらにQEの規模が拡大していく事によって出口政策の困難性が高まったりするような、まあよーするに「これ以上のQE拡大の効果と副作用を考えた場合に副作用が効果を上回るのではないか」ってな話になっているのであればTapering開始というのは分かりやすいという事になります。

ただまあ昨日も申し上げておりますように、とりあえず「労働市場の顕著な改善」というのをQE政策の拡大停止の判断材料にしているので話がヤヤコシヤとなっている訳で、もし9月にTapering実施するなら「労働市場の改善は継続している」に加えて「これ以上のQE拡大の効果と副作用を考えた場合」というのを入れた方が本当はスッキリするのですが、ただまあこの場合の問題点として「次に何かあった時にもう効かないと言ってしまったのでQEが使えなくなる」という禿しく残念な事になるので、まあ難しいのかもしれませんね。


○こりはびっくり

昨日の債券市場
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MSOXGE6JTSEP01.html
債券は上昇、米金利低下や日銀国債買いオペで−先物は中心限月交代
更新日時: 2013/09/09 16:08 JST

どう見ても東京五輪効果で株が盛大に上昇するでしょうという中(まあ指数的に見ると寄りで飛んだけどその後はだらっとしてましたが)でも債券様は貫録の大してサガランチ会長でスタートしてその後何か知らんがじりじりと上昇して後場も上昇の巻となっていました。

まあ確かに為替が100円台乗ったと思ったら結局ドル伸びなくて99円台に戻ったり、株価指数も寄りが天井みたいなプライスアクションだったからというのはあると思いますが、何気に昨日は先物近辺が一番強いものの超長期とかもそこそこ付いて来ていたりするので、まあ引値表的には先物主導ですけれども、先物だけが引っ張った相場というよりはキャッシュも効果あったんでしょよー判らんけど。

まあいずれにせよびっくらの金利低下でありました事よということですが、GDP改定値が予想通りの数値で出てきて消費税も無事に行くでしょうというのもあったのかも知れません(ほとんどコジツケ)けれどもね。


○消費税関連ニュースクリップ

ということで消費税関連ですが。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130910/k10014416161000.html
「法律通りに消費増税」広がる
9月10日 4時21分

『9日発表されたことし4月から6月までのGDPの改定値は、年率に換算した伸び率でプラス3.8%となり、先月の速報段階のプラス2.6%から上方修正されました。これは、法律に従って来年4月に消費税率を8%に引き上げるかどうかの判断材料として注目されていた経済指標で、政府内では、「税率の引き上げに向けた好材料が追加された」という指摘や、「引き上げない理由を探すほうが難しい」などという意見が出ています。』(上記URLより)

今朝の公共放送ニュースではまあこういう感じで、一応流れとしては予定通り消費税引き上げでGoという感じなんですかね。


本田内閣参与が早速インタビューに答えています
http://jp.reuters.com/article/idJPTYE98802P20130909
インタビュー:GDP上方修正はアベノミクス効果=本田内閣官房参与
2013年 09月 9日 11:51 JST

『来年4月に消費税を予定通り3%引き上げればアベノミクスのレジームチェンジ(体制転換)に対する疑念が生じ、白川方明前日銀総裁時代のデフレに戻る可能性がある、との懸念を表明し、持論である毎年1%ずつの小刻み増税を主張した。本田参与は、GDPの上方修正は「アベノミクスの政策効果が効いている証拠」と指摘。「デフレ脱却プロセスにあるが、脱却はしておらず、経済の自律的回復過程にも入ってはいない」とし、「来年4月の3%増税は『金の卵』を壊すようなもの」と強く警戒した。』(上記URLより)

いやあのレジームチェンジするので消費税引き上げ見送りというのであれば最初からその話をして選挙とかやってよなどと思うのですけれども、まあよーするに足元の景気は回復の初期段階なのでまだダメという話で、黒田総裁とは認識全く異なりますねという話っすな、うんうん。

しかしこの方々もアベノミクス大勝利でそれ見たことかと言ってみたり、回復は初期段階だから消費税上げなんぞ持っての他と言ってみたり、その場その場の話はロジカルに完結しているのですが、話を全部繋ぎ合わせると結局どっちですねんと申し上げたくなる所ではございまする。


なお、消費税増税に付随する話ですが・・・・・・・

甘利さん
http://jp.reuters.com/article/idJPTYE98805B20130909
消費増税対策は2兆円超える、反動減と成長への対応必要=甘利経済再生相
2013年 09月 9日 16:20 JST

なお、皆様もご案内の通り最終的には短観見て判断となりそうですが、東京五輪でヒャッハーという気分の中での短観だったらまあ良い内容出るんじゃないですかね、よー知らんけど(^^)。

そして真打の登場キタコレ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130909/k10014393851000.html
自民・二階氏 消費増税には経済対策必要
9月9日 13時53分

『自民党の二階総務会長代行は、沖縄県で記者団に対し、消費税率の引き上げについて、景気を悪化させてかえって税収が落ち込むことにならないよう、十分な経済対策を講じる必要があるという認識を示しました。』(上記URLより)

・・・・・・・・・うむ、二階先生が仰ると実にこうキターという感じがしますな、うんうん(^^)。

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2013/09/06

米国10年国債ェ・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/markets/index_americas.html
時間によって数値がずれますが(当たり前)3.000とか表示されていた時間もありましたぞなもし。


○今日は当座預金残高が90兆円ですよ!!!!!!

9月5日の当座預金残高速報
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx130905.htm
当座預金残高 891,800

本日の資金需給予定
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jp130906.htm
当座預金増減 +14,500

89兆1800億円+1兆4500億円ですので遂に当座預金残高が90兆円キタコレという事になりますが、グレートザ岩田大副総裁様の高尚な理論によりますとそろそろ2%達成が目前になっておられる筈なのですがどうなっているのでしょうかねえ。

そういえば昨日ちょっとネタにしました先般の消費税関連の諮問会議の議事要旨ですが、第2回会合で伊藤隆敏先生がこのような発言をしておられましたの。
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/tenken/02/gijiyoushi.pdf

『それから浜田先生、すみません、非常に尊敬する浜田先生に反論するのは気が引けるのだが、やはり数字を出して議論していただいて、では、その所得効果はどれぐらいだとか、インフレ率は日銀が言っているほど上がらないのだというのであれば、その根拠を示していただいたほうが議論としてはかみ合うかなということが第1点。』(上記URL先の
本文23ページにある伊藤隆敏先生の発言より)

ちなみに浜田先生のお答えが中々正直でチャーミング(上記URL先見てちょ)なのですがそれは兎も角として、鶴光師匠岩田副総裁におかれましては具体的に数字をお出しになられたように実施した結果として、足元では岩田先生お得意の物価連動国債BEIって下がって来てるんですけどこれはどういう事なのかについてご説明を賜りたいものであると存じますけどねえ。


○決定会合レビューである

金融市場調節方針に関する公表文 2013年
http://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2013/index.htm/

2013年 9月 5日 当面の金融政策運営について(11時42分公表) [PDF 169KB]
2013年 8月 8日 当面の金融政策運営について(11時59分公表) [PDF 170KB]
2013年 7月11日 当面の金融政策運営について(11時47分公表) [PDF 217KB]
2013年 6月11日 当面の金融政策運営について(11時48分公表) [PDF 173KB]
2013年 5月22日 当面の金融政策運営について(12時07分公表) [PDF 174KB]
2013年 4月26日 当面の金融政策運営について(13時35分公表) [PDF 100KB]
2013年 4月 4日 「量的・質的金融緩和」の導入について(13時40分公表) [PDF 282KB]

・・・・・・ということで、ついに今回はリリース時間が11時42分と最短を更に更新するという無風にも程がある結果となった訳ですが、声明文の方では進軍ラッパが吹きまくっているのがまあそうじゃろうなあとゆー所でございまする。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130905a.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130808a.pdf(前回)

・現状判断が盛大に上方修正キタコレ!!

『わが国の景気は、緩やかに回復している。』(今回)
『わが国の景気は、緩やかに回復しつつある。』(前回)

ということで「つつある」から遂に「回復している」と言い切り系になりましたよ!!!!


んでもって個別需要項目ですが・・・・・・・

『海外経済は、一部に緩慢な動きもみられているが、全体としては徐々に持ち直しに向かっている。』(今回)
『海外経済は、一部に緩慢な動きもみられているが、全体としては徐々に持ち直しに向かっている。』(前回)

『そうしたもとで、輸出は持ち直し傾向にある。』(今回)
『そうしたもとで、輸出は持ち直している。』(前回)

海外経済の認識は変わっていませんが、輸出に関しては持ち直しに「傾向」というヘッジクローズが入ってここだけ若干の下方修正でありますな。

『設備投資は、企業収益が改善するなかで、持ち直しつつある。』(今回)
『設備投資は、企業収益が改善するなかで下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられている。』(前回)

『公共投資は増加を続けており、住宅投資も持ち直しが明確になっている。』(今回)
『公共投資は増加を続けており、住宅投資も持ち直しが明確になっている。』(前回)

つーことで投資に関しては公共投資と住宅投資は同じですが、設備投資に関して下げ止まりから持ち直しに向かう動き→持ち直しつつある、ということですからこちらは盛大に上方修正とな。

んでもって今回の白眉は冒頭の「言い切り系への変化」もそうなのですが、実はこれではないかと思うのですよ。

『個人消費は、雇用・所得環境に改善の動きがみられるなかで、引き続き底堅く推移している。』(今回、強調は引用者による)
『個人消費は、消費者マインドが改善するもとで、引き続き底堅く推移している。』(前回)

従来は消費に関して「マインドの改善」を背景にしていたのですが、何と「雇用・所得環境の改善」が背景になるというどう見ても「前向きの循環メカニズム」攻撃となっておられまして、こりゃまたエライ強気度が上がりましたなあという所です。

引用の際にブチブチ切っているからアレですが、この辺までを通して読めば「企業収益が改善」と「雇用・所得環境の改善」がコンボになっている訳ですからして、これはどこからどう見ても前向きの循環メカニズムだったりダム論だったりする訳で、本格的にサステイナブルな景気回復局面に向かっていますよという進軍ラッパが鳴り響くの巻でございますとゆー事で、ここの部分を見ておーと思ったあたくしなのでありました。

#俺様の雇用所得環境はなどいうツッコミは毛頭入れておりませんので念の為申し添えます(迫真)

『以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は緩やかに増加している。』(今回)
『以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は緩やかに増加している。』(前回)

生産の見方は前回と同じです。

『この間、わが国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%台後半となっている。』(今回)
『この間、わが国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、プラスに転じている。』(前回)

ファイナンシャルコンディションに関してはまあ毎度同じですし、物価に関しての部分はまあ基本的に事実の記載なのですが、ここで「0%台後半」と書いてありまして「1%近く」と書かないところはまあ謙虚ですなという所ですけど、まー別にその辺でフカシ表現を入れなくても1%近くにここから上昇するでしょというのも見え見えみたいですから別にここの表現で盛らなくてもヨロシという余裕っぷりを感じるのでありました。


で、吹いたのはこちら。

『予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる。』(今回)
『予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる。』(前回)

・・・・・・・・んーっとですね、物国のBEIはここのところ絶賛低下中だったりするのですが、この「全体として」上昇というのはどこのどの辺にあるのでちゅかねえ(白目)。



・先行き見通しも表現がすっきりとなっているのは自信度の上昇でしょうね

でもって先行き見通し部分ですけどね。

『先行きのわが国経済については、緩やかな回復を続けていくとみられる。消費者物価の前年比は、プラス幅を次第に拡大していくとみられる。』(今回)
『先行きのわが国経済については、国内需要の底堅さと海外経済の持ち直しを背景に、緩やかに回復していくと考えられる。消費者物価の前年比は、プラス幅を次第に拡大していくとみられる。』(前回)

ということでまあ物価の方は同じなのですが、経済見通しに関しては現状認識の方が引き上げになった関係で表現が「回復していく」→「回復を続けていく」となっていますが、それよりもほほーと思ったのは従来入っていた「国内需要の底堅さと海外経済の持ち直しを背景に」という文言が割愛されていることで、輸出の見通しは若干下がったものの、海外経済の全体としての見通しは(ここの文言で見る限りは)変わっておらず、加えて国内需要に関する表現はどこからどう見ても強くなっている訳で、本来この文言は削除しなくても良い訳ですよ。

しかしながら今回ここの文言が削除されたというのは、「表現がすっきりしている時ほど見通しの確信度が高い」という日銀文学(つーかまあこれは日銀文学だけじゃなくて一般的にこの手の表現では共通だと思いますが)の仕様から致しますと、つまりは「先行きの回復についての自信度が高まっている」ということを示すと解釈するのが妥当であろうとゆー事かと存じますです、はい。


・リスク認識等の文言は前回と全文一致です

一応引用だけはしておきますね。

『リスク要因をみると、欧州債務問題の今後の展開、新興国・資源国経済の動向、米国経済の回復ペースなど、日本経済を巡る不確実性は引き続き大きい。』(今回)

『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う(注)。』(今回)

『このような金融政策運営は、実体経済や金融市場における前向きな動きを後押しするとともに、予想物価上昇率を上昇させ、日本経済を、15 年近く続いたデフレからの脱却に導くものと考えている。』(今回)

で、(注)にあるのは木内さんの毎度おなじみの提案ですがこれまた引用しておきます。

『(注)木内委員より、2%の「物価安定の目標」の実現は中長期的に目指すとしたうえで、「量的・質的金融緩和」を2年間程度の集中対応措置と位置付けるとの議案が提出され、反対多数で否決された(賛成:木内委員、反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員、佐藤委員)。』(今回)

ここまで全文一致である(^^)。



○会見ヘッドラインは消費税の話がほとんどだったのですが・・・・・・・・・・

会見テキストが出るのは今日になりますので、そちらを見ないと何ともかんともなのですが、会見では消費税関連の質問がこれでもかと出ていてそんなの日銀の知ったこっちゃねえわヴォケという気もするのですが、それに対する黒田総裁の答えとして報じられている発言が結構頑張った内容になっていて、安倍ちゃんがムッとするんじゃネーノというようなレベル感のヘッドラインおよび発言要旨になっていましたが、実際はどうだったんでしょうかね。

しかしまあ何ですな、消費税に関しては財務省の強力援軍(まあ本人が財務省事務方ナンバー2だった訳ですから当然ちゃあ当然なのですが、元はそんなに財務省財務省してないってのが売りだったような気がする訳で・・・・・)となっている黒田さんという図になっていますね。

あと、例の謎理論「金融政策で潜在成長率を引き上げる」という話についてのヘッドラインもあったので、どなたかが質問して頂いたという事で誠に恐縮至極に存じます(って別にアタクシがお願いしたから質問したわけではなくて普通にヲチャーしてたら質問したくなるので恐縮至極とか自意識過剰にも程がありますかそうですか)が、それに対する答えのヘッドラインがQUICKと共同で違っていて、クイックだとそんなに上がらんみたいなヘッドラインで、共同だとそれなりに効果があるようなヘッドラインだったので、これは質疑応答テキストを読みたいと思います。

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2013/09/05

お題「決定会合プレビュー雑談/消費税点検会議が鑑賞物として(お笑い系で)興味深い件についての雑談」

中国経済の指標が妙に堅調な背景にまたあの人のお告げがががが。
http://www.musha.co.jp/4871
http://www.musha.co.jp/4889

【朗報】そして再びお告げは中国経済の堅調さを示すようです!
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPTYE98301B20130904
コラム:中国経済復調という誤ったシグナル=武者陵司氏
2013年 09月 4日 17:38 JST

○つーことで決定会合だが朝日新聞の謎報道&決定会合プレビュー

http://www.asahi.com/business/update/0904/TKY201309030602.html
日銀、消費増税なら追加の金融緩和検討 金利低下促す
2013年9月4日5時51分

『日本銀行は、来年4月に予定通り消費増税されれば、それに合わせて追加の「金融緩和」を検討する方針であることが3日、わかった。増税で景気が落ち込むのを防ぐためで、補正予算や企業減税を検討する安倍政権と足並みをそろえ、追加緩和で金利低下を促して経済を下支えする。』(上記URLより)

つーことですが詳しい話は朝日の本紙じゃないと読めないようで、当然ながらそんなもんを読んでいる訳もないこのアタクシが内容を把握できませんが、まあ聞いた話だと国債の買入拡大かETF買入の拡大をするとかそういう記事のようでやんすな。

・・・・・・・・・んーっとですね、「消費増税の影響が当初見通していたよりも大きそうなことが分かったので、経済物価見通しを変更します」というのであれば追加緩和の実施というのもアリエールなのですが、そうでなくて「予定通りの消費税増税実施」に対してアプリオリに追加金融緩和政策を実施するというのであれば、それはどう見てもロジックの破綻でありますので、常識的に考えて有り得ないだろという事で、朝日新聞の経済関連部署におかれましては論理的推察力において以下自主規制。


一方で共同通信(引用したのは中日新聞ですが)などはこのような報道を。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013090401001723.html
【経済】 日銀、景気判断引き上げ検討 政策決定会合始まる
2013年9月4日 16時42分(共同)

『日銀は4日、2日間の日程で金融政策決定会合を始め、企業の設備投資や賃金をめぐる動向を点検した。改善していると判断すれば、5日の2日目の会合で、国内景気の現状判断を「緩やかに回復している」などと上方修正するか検討する。デフレ脱却を目指し4月に導入した大規模な金融緩和は継続を決める。』(上記URLより)

まあこっちの方は違和感の無い報道でして、景気の現状判断については今回上方修正されるかもしれませんな。まー先行きの方は色々とアレな気もしますが、とりあえず足元の経済指標は堅調に推移していますから、ここら辺りで景気付けに景気現状判断の引き上げをして、「経済物価情勢は展望レポートで示した(超楽観的)見通し通りに推移しています(キリッ)」ってゆー話にして、一方で先行き見通しに関しては(そもそもが超楽観的なので)そのまま今回も維持するという事になるんでしょうな、うんうん。

でですね、そういう訳でそもそも景気(現状)判断について引き下げ方向にあるような状況ではない現時点においてそもそも追加緩和の話が出る事自体有り得ない(そらもちろん一般的に何らかの経済に対する予期せぬ下方ショックが有ったり、下方リスク要因が予想を超えて顕在化したら話は別ですけど)ですし、しかも「来年3月の増税に合わせて半年以上前の今から緩和の話を検討」とかいうお前はノストラダムスの大予言かというような話をおっぱじめる人は普通居ないと思うのだが、朝日新聞はどこをどう思考した結果そういう記事(と言っても全文読んでいる訳では無いのであまり悪態をついてもいかんのだが)を書いているのかと小一時間問い詰めたい所ではございます。


なお、先日来書いておりますように、本来今回の決定会合後の会見でツッコんで頂きたいのは、「2%物価上昇のメカニズム」の方でして、従来はフィリップスカーブを大きく上方シフトさせるようなレジームチェンジを行う事によって2%を達成するという話をしていたのに、直近の(木久扇師匠のはどうでも良いとして)黒田総裁の講演@ジャクソンホールと森本審議委員の講演@岩手での金懇を拝見しますと、「潜在成長力の引き上げを行う」という話にすり替わっておりまして、まあ常識的に考えますと潜在成長力の引き上げなどというのは時間の掛かる話であって、「2年で2%」というのには直接的に貢献しにくい話です罠という所。

つまりですな、「2年で2%」という目標の達成見通しに加え、その「2%」の定義に関して、足元のCPIが(コストプッシュとは言え)上昇してとりあえず年末辺りには1%の水準も見えそうという状況になってくる中で、何か微妙に定義(アクチュアルターゲットなのかフォーキャストターゲットなのかという辺りがメインである)をいじってくる(元々定義自体が微妙に曖昧だったりしてますけど)んですかねえという辺りのツッコミをこう見たいのですけれども、どうせ想定問答は出来ているだろうなあとか思うのですがね(^^)。

#その想定問答の答えの方を見たいのでツッコミをして欲しいわとも思いますが^^;


○消費税引き上げ云々ネタですが・・・・・・・・・・

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/tenken/index.html
今後の経済財政動向等についての集中点検会合

何か知らんが大量の人を雁首揃えて行った集中点検会合ですけれども、気が付けば全員の(出して無い人もいますが)出した資料だけではなくて会議の議事要旨まで出ておりまして、この議事要旨が中々鑑賞用としてはオモシロス。

まあ経済全体への影響とか市場への影響みたいなのを話していた第2回の議事要旨を真っ先に鑑賞する訳ですけれども、これがまあ色々と香ばしい箇所が散見されて誠にオモシロスなので、ちょっとだけネタの積りで引用。


・マンデルフレミング突っ込みキタコレ。

22ページの伊藤元重先生の発言から。

『(伊藤(元)議員) 浜田先生と伊藤隆敏さんにお聞きしたいが、消費税の引上げの効果がどれだけあるか。浜田先生とはこのところ何回かいろいろなシンポジウムで一緒になり、そこで私が伺ったメッセージは、やはりデフレのときに金融政策は非常に重要であり、財政政策は効かない。あるいはひょっとしたらマンデル・フレミングということもおっしゃったかもしれないが、そうであるとすると、例えばデフレのときに財政拡張政策が効かないとすると、常識的に考えれば、逆の方向の財政引き締めになるような消費税増加というのも相対的に金融政策に比べて効果が弱いのではないかというふうにも思われる。(以下割愛)』

麿総裁時代に金融政策に対する非難として、「財政やってもマンデルフレミング効果でろくすっぽ効かない。もっと金融政策を実施汁!」というのがよーくあった訳ですが、そういってた方々の多くが足元では消費税増税反対を連呼しているのが実にこう不思議ですなあとか市井の片隅でアタクシのような無力へっぽこゴロツキが申し上げてもトーローの斧な訳ですが、こういう所でこんなツッコミが来たのにはワロタというかキタコレというか(^^)。


ちなみに浜田先生の説明ですが、その前にニャンコ先生の方の伊藤隆敏先生が発言してて、その発言を受けた部分があるので該当部分だけを引用しますが、23ページ以降になりますので全文はそちらから。

『(浜田氏)(冒頭割愛)ただ、理論的に言うと、僕は元重さんの言われたマンデル・フレミングを忠実に考えると、財政支出あるいは財政が上げ調になることの景気に与える影響は、普通の場合よりもかなり弱いという理論的可能性があると思っている。でも、これはやはり実証研究で調べて、ちゃんと確かめてからやらければならない。マンデル・フレミングがあるからそのまま安心だとは言えないのだろう。ただ、日本ではやはりケインズ経済学の影響が強いと思うのは、こういう議論をしたときに、ほとんどある年齢以上の方々は乗ってこなくて、有効需要不足が大変なことだというふうにみんな考える。そういう意味で、理論家として話をするときには、伊藤(元)先生の意見に賛成である。(以下割愛)』

んーっとですね、浜田先生がそうだったかというのは最近の著書とかあたしゃ読んでないので良くワカランのですが、「財政支出より金融緩和」という論者が良くマンデルフレミングを持ち出していたというのは実際にそうであった訳でして、何というかその辺の落とし前が付いてねえなあという気がしますけどまあいいです。


・最後の応酬もなかなか

24ページ目以降ですけど、最初は大和総研の熊谷亮丸さんです。

『(熊谷氏) 私から質問と意見を3点ほど簡潔に申し上げたいと思う。』

これが簡潔&ぐうの音も出ないツッコミなのでご覧あれ。

『1点目としては、消費税の議論をしていると、例えば97年のとき増税で景気が悪くなったかどうか、それから、増税を行った結果税収が落ちたかどうか、イギリスで影響があったかどうか、このあたりの事実関係のところで大きな意見の食い違いがある。私どもは図表やデータを示してそうではないと申し上げたわけであるが、私はこれに対する説得力を有する反論を聞いたことがない。ぜひこの場で言っていただいてもいいし、またどこかの機会で、ぜひこの事実関係のところだけはしっかりと議論をしたい。これは前提条件であるので、そこはぜひ共通の認識を持ちたいと考えている。これが1点目。』

(;∀;)イイハナシダナー

『2つ目は、私は増税の先送りというのは論理的に矛盾しているのではないかと思う。まず、1つ目のファクトとしては、昨年の12月の総選挙の前に、安倍氏は政権をとって消費税をしっかり上げていきたいということをおっしゃっていた。第2のファクトは、政権をとってから経済がどうであったかと言えば、浜田先生がおっしゃったように、想定どおりもしくは想定より上振れているというのが、安倍政権の見解だ。この2つの事実があるときに、増税を先送りするのは非常に矛盾しているのではないだろうか。だから、もし先送りするのであれば、これは相当国民に対して、理由を説明する必要があるのではないか。これが2点目。』

ぐう正論。

『3つ目は、増税先送り派の論拠として、マーケットで今、金利が低いから大丈夫だという議論があるが、どこの国も国債が崩れる直前までマーケットは平静であった。そして、マーケットというのは、非常に移り気でボラタイルなものである。例えば98年末に運用部ショックというのがあった。当時0.8%程度だった長期金利が、翌年の2月には2.4%まで一気に上昇したのだ。加えて将来的に見れば、今まで金余りで経常黒字だったものが、将来的にはISバランスが変わって、経常収支が赤字化する可能性がある。そういうもとで、私はやはり財政の規律をしっかり守ることが極めて重要なポイントなのではないか、こういう考え方をしている。』

でまあその中で1点目に関して国際大学・筑波大学名誉教授の宍戸駿太郎先生が謎の反論をしているのですが、正直謎すぎて引用できない(どうも「お前らの回している経済モデルがおかしい」という趣旨のようなのだが読み取りにくい)のですが、かの電波浴御用達の大先生のお名前を出して『産経新聞の田村さんに言わせると、政府は狂った羅針盤を使って、中期財政計画を立てておるということで激しく言って批判をされていることがあり、私、その点、今日ちょっとお伺いしようと思ったものであるから、その点は、いかがか。』(25ページ目の宍戸先生の発言から)と仰せになっている辺りを拝読してはあそうですかと思った次第。

ちなみに3点目に関してはそういや先日提出資料が出た時に軽くネタにしましたお方は残念ながら反論されておりませんで誠に残念無念としか申し上げようがございませんです事よ。



・ちなみにどうでも良いのですが・・・・・・・・

そういや(誰とは言いませんが)提出資料の中で「長期金利急騰リスクが本当にあるなら投資家は自分の収益源泉の手の内を明かしませんよね」という謎理論で長期金利は急騰しない(キリッ)という説明をしている面白い人が居ますなあという話を先日しましたが、どうもこの謎理論聞いた事あるなあと思ったらこんなのがありましてですな。

ちょっと前の記事ですが。
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE97D02B20130814?sp=true
コラム:消費増税先送りは本当に禁じ手か=嶋津洋樹氏
2013年 08月 14日 16:37 JST

『国内では、国際公約とされる消費増税の延期は金融市場を混乱させるとの見方が多い。筆者も、海外勢のなかにそうしたチャンスを狙っている投機家がいるとは聞いている。しかし、本当のことは良く分からないのが実情だ。そもそも、そうした投機家が日本の政治家やマスコミ、金融関係者などに、収益の源泉である「手の内」をつまびらかにしているとは考えにくい。』(上記URLより)

『ただし、日本と同様に名目国内総生産(GDP)を上回る累積財政赤字を抱えるイタリア政府は6月下旬、付加価値税の引き上げを3カ月延期すると発表。その際、金融市場に目立った混乱はなかった。消費増税の延期が金融市場を混乱させるリスクは否定しないが、それによって日本や世界の経済が壊滅的な打撃を受けるというのは大げさに思える。』(同じく上記URLより)

・・・・・・・・・・・うーむ、この部分で全体を語る謎理論(だいたいイタリアのケースと今回のケースじゃ国内景気の状況が全然違うだろうよ)は著名なのか何だか知らんですが、提出資料ちゃんの方でもこういう説明があった罠と存じます次第で、熊谷さんのツッコミに対してこの辺りの皆様がどうお答えになるのか拝見したい物だと思うのでありました。


○その他少々雑談

・浜田先生消費税引き上げ1年延期を熱心に主張と

http://www.asahi.com/business/update/0904/TKY201309040024.html
消費増税「1年遅らせる方が安全」 首相ブレーン浜田氏
2013年9月4日8時19分

http://mainichi.jp/select/news/20130904k0000m020142000c.html
消費増税:浜田内閣参与、4月8%なら「税収減も」
毎日新聞 2013年09月04日 07時20分

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MSLD3U6JTSEG01.html
浜田内閣官房参与:消費税引き上げで「アベノミクス止まる危険も」
更新日時: 2013/09/04 18:05 JST

3日に朝日と毎日のインタビューを受けて、4日にはブルームバーグで講演ということで、引き続き浜田先生が消費税引上げ延期を熱心に主張されていることと、どうも安倍ちゃんの説明が消費税増税をやらないで済むものならやりたくない的な雰囲気をムンムンと醸し出している訳で、こらマジで日銀短観まで結論出ないんじゃネーノという感じですな。つーか悪い指標出てきたら「それ見たことか」と増税延期する悪寒が相変わらず続くのでありますた。


・榊原大先生の黒田緩和謎評価・・・・・・をネタにしようと思ったが検索できなかった件

榊原元財務官が3日にブルームバーグニュースのインタビューで消費増税に関しては予定通り実施すべき云々というお話をしていたというのが昨日記事になっていたのですが、あたくしの探し方が下手なせいか(つーか正直言うとネット版ブルームバーグニュースのニュース検索機能の出来が悪いと思う)見つからなかったので盛大にツッコミ損なったのですがジャストインフォメーションで。

んっとですね、榊原大先生は「黒田緩和は非常に成功」という評価をしているのですが、その一方で「物価目標の達成は難しい、無理矢理2%に押し上げる必要はない」との評価をしておりまして、それのどこがどう「非常に成功」なのかさっぱり判らないので小一時間突っ込もうと思ったのですが、惜しくもインタビューそのものが見つからなかったので断念ということで(^^)。

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2013/09/03

○源泉徴収の徴収義務者が日銀から変更になるとな

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/rel130902c.pdf
債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

2016年1月から債券税制の見直しが行われますよということでこれに対応した変更なのですけれども、振替決済制度の口座とかも変更になるので、まあ源泉徴収適用免除の投資家にはあまり影響ないけど業者とかには影響しますぞなもしという事で。

PDFの4ページ目から概要の説明がありますが、5ページ以降から引用をば。

『1.源泉徴収義務者の変更』

『【現行】発行体である国の代理人として元利金を支払う「日本銀行」が国債の源泉徴収義務者となっています。このため、源泉徴収が適用されるすべての国債の元利金について、日本銀行が源泉徴収税額を控除して参加者に支払います。』

『【税制改正後】「国債権者の直近上位機関」(外国間接参加者を除く)が国債の源泉徴収義務者となります。このため、源泉徴収が適用される国債のうち、参加者が保有する国債の元利金についてのみ、日本銀行が源泉徴収税額を控除して参加者に支払うこととなり、顧客が保有する国債の元利金については、当該顧客の直近上位機関が源泉徴収税額を控除して当該顧客に支払います。』

ほほうという所ですが、基本的に銀行とか証券会社の場合は預金利子や投信収益分配金などの源泉徴収業務をしているから新たに業務が発生と言ってもまあそんなでも無いのかどうかはわかりませんので詳しい人教えてくらはい。


でまあPDF6ページ目がほほうと。

『2.指定金融機関等の通期非課税化』

キタコレ!

『【現行】非課税主体(注)(指定金融機関等、公共法人、非居住者・外国法人等)については、源泉徴収が免除されていますが、非課税主体の所有期間相当分しか免除されません。(注)本資料では、国債の利子について、所得税の源泉徴収が適用される場合には課税主体、そうでない場合には非課税主体といいます(以下同じ)。』

『【税制改正後】利払日の所有者の課税属性で源泉徴収の要否が判断されます。このため、利払日に非課税主体が所有している場合には、その所有期間にかかわらず、源泉徴収が免除(通期非課税化)されます。』

『(注)国債の譲渡所得(国債の売却時に受け取る経過利子を含む)は、税制改正後は申告分離課税により課税されます。』

ということですので、つまり国債売買の場合で課税主体が売買した場合でも経過利子は申告分離課税扱いっちゅうことだとみなし源泉徴収ってどうなるのこれ(直観的に考えると「経過利子が課税扱い」というのが無くなるような気がするのだが良く判らん)。


んでもってこれもジジイには感慨があるのがPDF7ページ目でござる。

『3.償還時源泉徴収の導入』

つまり発行時源泉徴収が無くなるという事ですな。

『【現行】期間1年超の割引国債(現在、発行なし)の償還差益については、発行時に源泉徴収が適用されます。期間1年以下の割引国債(国庫短期証券<T-Bill>)および分離国債の償還差益については、源泉徴収の適用はありません。』

『【税制改正後】個人(特定口座で保有する場合を除く)、一般社団法人、一般財団法人、人格のない社団等が割引国債または分離国債を償還時に保有している場合には、償還差益にかかる源泉徴収が適用されます。――上記の発行時源泉徴収は廃止されます。』

発行時源泉徴収廃止とはこれまた年寄りには感慨がある訳ですが、割引短期国庫債券(昔のTB)に発行時源泉徴収があって償還時に非課税団体(源泉徴収不適用団体ではない)が保有している場合に当該源泉徴収相当額が還付される云々とかで売買計算が色々とヤヤコシヤであったとかご存知の方は殆ど居ませんかそうですか(−−;

と言いつつ何か分離国債の償還差益が源泉徴収になるという扱いだと、償還差益課税部分が総合課税から分離課税になるのか良く判らんというか税制改正の方を真面目に読めですかそうですか(大汗)。

んでまあややこしいのがこれ。

『(注)源泉徴収義務者が国債権者の取得価額を管理していない場合には、償還金額に「みなし割引率」(期間1年以下の割引国債は0.2%、期間1年超の割引国債および分離国債は25%)を乗じて算出した「みなし償還差益」に税率を乗じる方法により源泉徴収税額を計算します。』

うむ、この見なし償還差益だが1年超で全部25%ってこらまた随分とざっくりしてますな。

でまあどうでも良いのですが、こういう制度になるという事はつまり税制改正までの間中期割引国債は事実上発行できないという事になりますな。

最後の『4.担保国債の取扱いの明確化』はあまりにもマニアすぎるのでパス(^^)。


で、国債振替決済制度の中で何が変わるのかという話ですが、『U.国債振替決済制度の主な変更点』という所に、

『1.口座体系の見直し
2.振替制限の廃止
3.課税口自動振替の廃止』

とありますが、そのうちの1番に関して今回は色々と変更点が多いようですが、詳しくはPDFの13枚目と16枚目にありますように、通期課税口と非居住者口が廃止になるんですな。

で、3番の課税口自動振替に関しては以下の通りでして、

『3.課税口自動振替の廃止』

『【現行】非課税主体が利子計算期間の途中で課税主体から国債を取得した後、継続して保有する場合、次の利払日には源泉徴収が適用されますが、その次の利払日以降は源泉徴収は適用されません。このため、非課税主体である参加者の課税口(自己口V)に記録されている国債は、日銀ネットにより、利払日に課税口(自己口V)から非課税口(自己口T)へ自動的に振替えています(「課税口自動振替」)。』

『【税制改正後】非課税主体が課税主体から取得した国債は、その時点で非課税口(自己口T)に記録することとなります。このため、利払日に課税口(自己口V)から非課税口(自己口T)へ自動的に振替える必要はなくなることから、「課税口自動振替」を廃止します。』

ということになりますので、たぶんさっき気にしていた経過利子の源泉徴収相当額のみなし処理というのは国債の場合は無くなる(課税玉の人が売りの場合も買いの場合も)ような気がするのですが、しかしこれ経過利子分が申告分離課税になるとそれはそれで経過利子分に関しての管理をしておかないといかんという事になるんですかな。

つーことで、大本の税制改正の方をちゃんと勉強していないのでアレなのですが(超大汗)、一応出ていたのでメモメモという事で。


○市場雑談メモ

・輪番

まあどうでもいいっちゃあどうでもいいのですが。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of130902.htm
国債買入(残存期間1年以下) 1,100 2013年9月4日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,500 2013年9月4日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,500 2013年9月4日

何故か短期と中期という組み合わせの買入で、これはインデックス長期化対応で短い物が世の中に出てくるからということを鑑みてそれに対して気を使ったような気もするのですが、市場予想では短いのばっかというのには微妙に意外感もあったのかねという感じだったりしたようですな。まあ30日に長期の輪番入れているから2営業日連続長期ちゅう訳にも行かないでしょうけど。

微妙にここの所市場の予想を外すようなプレイが出ているのですが、パターンにちょっと変化があるのかなという辺りとか、この前長期の買入を4000億円という事前アナウンスのレンジの下限を割った件についてどういう意味があったのか、というような話に関しては、もしかしたら日銀保有国債残高の月末分の数値が出るのでその辺を見ると何かヒントがあるのかも知れませんな。


・10年入札である

昨日は何か知らんが10年入札前に10年弱めということで推移しておられましたが、何せ今月は償還が伸びるので見た目のカレント利回りが上昇する(ので何となく絶対水準の利回りが上昇したように見える)というマジックがございますし、新銘柄確定なのでレポががががとか勘案致しますとここの償還カーブ対比でカレントプレミアムなんぼつけるんでしょうなあという所でございます。

日銀買入効果によってカレントにプレミアム付いて手前とのカーブ上割高になっても現在の日銀の輪番の「前日引け対比利回り較差入札」方式の場合は、割高である引値であってもその引値を前提にして買入をして下さるという素敵な仕様になっている以上、カーブ上の細かい所での割高割安が修正されない(ここの引けが割高だから買わない、というプレーをしない人という設定になるので)どころか下手すると更に進むという実に困った話ですので、どうせ10年カレントのカレントプレミアムって付いたら付きっぱなしになるから、カレント近辺のカーブって妙ちくりんな事になるんでしょうなあと思うのでありました。

まあカレントが吸い上げられてレポガーとか言いましてもそもそも輪番に皆で突っ込んでいるのが原因ですからある意味自業自得モードではあるのですけどね。


○決定会合プレビュー雑談とか

決定会合に関してはまあどう見ても無風という事なのですが、今回俄かに注目材料として一部の好事家の間で浮上しているのは「政策ロジックの混乱??」という部分ですにゃ。

つまりですね、昨日ネタにしました森本審議委員の講演の所で申し上げましたが、先般の黒田総裁のジャクソンホール講演と同様に急に日銀が「貸出支援基金」の重要性について話をおっぱじめ、さらには「潜在成長の引き上げ」という話にこの貸出支援基金をかますという話。

QQE突っ込んだ時にはこういう公表文でしてね。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130404a.pdf

まあQQEの説明の中では貸出支援基金に関する話って無くて、新設した物ではないから説明が無いというのもありますけれども、もし貸出支援基金が重要な位置づけであればQQEと共に貸出支援基金が効果を上げます(キリッ)みたいな話があって然るべきで、そういう話が華麗にスルーされ、かつ最後の表(4枚目)にあるように貸出支援基金関連の数値がどう見ても帳尻扱いだったという状況から見たら物凄い勢いで復権(??)していますねという事です。

つーことで、まあ声明文でその辺の取り組みみたいなのが出てきたらかなりのお笑いではあるのですけれども、さすがにそれは無いにせよ、今回の記者会見ではどこかの記者様がこの部分についてツッコんで下さると思われますので、そのツッコミに対してどう説明するのかを楽しく拝見したいと思うのでありまする。

つーかですな、まあQQE突っ込んだ時は「2年で2%」ですから貸出支援基金がどうのこうのとか言いましても成長基盤云々が速攻で効果を出す訳では無くて、より中長期的な施策ですよねという話(まあ元々麿総裁時代は「中長期的に成長力強化をしましょう」という話でしたし)なので、そらまあQQEの話と違う罠というのもあったのでああいう扱いになっていた訳でして、それが急にクローズアップされて来たという事は・・・・・・・・・・・(^^)

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2013/08/30

○債務管理レポートが出ましたよ(と言ってもただのメモ)

http://www.mof.go.jp/jgbs/publication/debt_management_report/index2013.html
債務管理レポート2013 −国の債務管理と公的債務の現状−

一括ダウンロードすると物凄い量になりますので、部分部分をちょこちょこ読んで行くのが吉。今年は例年よりも微妙に出るのが遅かったような気がするわと思ったら今朝のニュースを見て何となくそういうことかと思ったのは陰謀脳ですかそうですか。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130830/t10014147731000.html
来年度予算案 概算要求は99兆円台に
8月30日 4時23分

・・・・・・・・まあ何ですな、出る方がこの有様なのに「消費税増税がー」とか言って有識者会議とやらを大々的にやっているバヤイでは無いという気がしますがねえと思うのですが、さてはこの概算要求期限に債務管理レポートをぶつけて来たなとかそういう事を考えるのは楽しいのですが、あまりやっていると何でも陰謀で処理する陰謀脳になるので注意しましょう(^^)。

まあ折角出たのでメモメモということですな、うんうん。


○2年国債入札結果発表遅延とな

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2013/resul037.htm
入札結果発表時刻の遅延について

『本日の2年利付国債(第332回債)入札については、入札事務トラブルの発生により、入札結果の発表が当初予定している12時45分から遅延します。発表時刻は、改めて連絡します。』

でまあ実際は30分遅延したのですけれども、同日に実施された短国の入札結果発表は普通に進行していまして、何か以前2年の入札結果が遅延した時も短国の方は無事に行われていて、同じプラットフォームを使っているような気がする(違うのかも知れんが札入れサイド的には同じに見えるのだが)のになぜこうなるしと思いつつ、来月は祝日2発ある上に3/9月利払い銘柄の振替停止期間が入るので輪番と国債入札が物凄く忙しくなると存じますので事務は無事に回って頂きたい物だと存じます。

でまあその2年入札は市場推計によりますとどこぞの業者さんがドカンと落札しておられたとの由ですが、まー足元では短期の所に銭が唸っておられますので2年とかキャッシュ潰しのニーズあるでしょうなあと思いますし、9月20日の大量償還分が来た時にとりあえず2年とか潰しの金が入ってきそうですし、まあニーズあるんじゃろうなあという感じではございますの。よー知らんけどな。

#なお、全然関係ありませんが、今週の頭に「どうもこう盛り上がらなくていかん相場ですなあ」などと雑感を申し上げたら直近で10年が久々に高値面合わせから上昇となったのは何の北ハマー先生状態なのかとorzorzなこのあたくし

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2013/08/29

・浜田先生ェ・・・・・・・・・・・・・・

昨日は木久扇師匠マダー(・∀・)っ/凵⌒☆っと思いつつニュースヘッドラインなどを眺めておりましたが、その前に顎が盛大に外れそうになったニュースが出ておりましてですなあ・・・・・・・・・

http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013082801000996.html
浜田氏「1年延期後は増税決行」 景気にかかわらず
2013/08/28 10:47 【共同通信】

『消費税増税の1年延期を主張している内閣官房参与の浜田・米エール大名誉教授は28日のテレビ番組で、1年後の対応について「(その時点で)景気が上向いていなくても、断固として決行する」と述べ、1年延期後は景気動向にかかわらず増税に踏み切るべきだとの考えを示した。』(上記URLより、以下同様)

これ共同が報じていたので地方紙があっと言う間にリファーしてネットで見ると地方紙のサイトの殆どで報じられていましたな。

『浜田氏は「優柔不断さが日本経済に多少のもやもやを及ぼし、債券市場にも影響している」との認識を示し、増税の際は、法人税率も含む税制見直しなど「消費税の悪影響を中和するような政策が必要だ」と強調。「税制の構造改革で、消費増税でも日本経済がものともしないような体質に変わっていくことに期待したい」と語った。』

・・・・・・・・・・そもそも消費税増税の延期論というのは「折角回復しだしている景気に悪影響を与える」から打ち出された話だと理解していたのですが、1年先送りしてその後は「景気が上向いて無くても断固として決行する」って従来の増税慎重ロジックとの整合性があたくしのような浅学菲才で下賤の者には全くもって理解致しかねる訳で、それこそが「優柔不断」というものではないのか等とあたしゃ思ってしまうのですが、どういうロジックでそういう話になるのか難しすぎですぞな。なお、今回先送りが決まって何か悪影響が出た時にそもそもの言いだしっぺとして糾弾されるリスクに気が付いたので急に日和ったなんてそんな事は全く無いと存じますので念のため申し添えます(棒)。

ちなみに、技術的に見て難しいというのと、小刻みの場合増税部分の価格転嫁をするのに対して流通における中間業者や製造における下請企業などのような弱い立場の人たちが価格転嫁しにくくて結果的に増税分を幾分(下手したら全部)被る破目になりかねないという問題があるので現実論としては難しいのですが、まあ1%ずつ小刻み増税というのも継続的な(ただの名目であって実質の話では無いにせよ)物価上昇を政策的に演出できるかもしれないという意味ではお話としての可能性はありますし、増税した側から大規模財政打ったらそもそも何のために増税しているのか意味ないだろという浜田参与の指摘(火曜日の経済財政諮問会議分室での提出資料でも指摘されておられます)もご尤もではあるのですけれどもという話でも雑談の続きでしようかと思った矢先にこの奥の深すぎる発言にシビレ節になってしまいますたという事で。

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2013/08/28

○消費税関連の資料が鑑賞物としては面白そうな件について

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/tenken/index.html
今後の経済財政動向等についての集中点検会合

つーことで今週に入って会合が行われておりまして、議事内容とかどういう扱いにするのかと思っておりましたら、有識者の皆さんが用意した提出資料が事務局の方からホイホイとアップされておりますようで、既に昨日の分も昨日アップされるとゆー中々の手際の良さとなっております。

んでまあここに出ております資料を拝読すると中々香ばしい物件も散見されますので、本当はここで物件の鑑賞とツッコミと悪態でも書きたい所なのですが、各資料に関してそもそも引用可なのか不可なのかがワカランチ会長であります(基本的にこの手のって作成主体が内閣府となっていればホイホイ引用しても問題無いというのが建付けなのですけれども、見れば判るように各有識者の提出資料に所属団体のクレジットが入っていたりしますので、こういうのは一般的に引用不可と見た方が無難)ので惜しくもネタにする訳には参りませんな、残念無念。

人によってペラ1(どころか資料無の人もいますが)だったり40ページ組の人がいたりと中々オモロスだったり香ばしかったりするのですけれども、見てて盛大に爆笑の発作を禁じ得なかったのは、某どこぞの誰かさんが「消費税先送りで金利が上昇するのが正しければ投資家が先に収益機会の手の内を明らかにするとは考えにくい」(ので市場が言ってる金利急騰リスクというのは違いますよと言いたいんでしょう。なお端折ってますので念の為)みたいな話を資料に書いているのを拝読した所ですかねえ。

いやね、収益機会の手の内は出さないってじゃあ何とかストの皆さんとか市場の中の人の話はというのはありゃ常に本当の手の内を話していないんですよみたいな物言いで何とかストに随分こりゃ失礼なお話ですなあと小一時間問い詰めようかと思ったらその指摘をしている資料に何とかストの館みたいなところのお名前が入っていた所に何とも味わいの深いものを感じましたとだけ申し上げておきましょう。

まあ「人の行く道の裏に宝の山がある」というのが相場様ではあるのですが、一方で相場様におかれましてはアホウも集団になると大変な力になりますし、世間様の逆を張った場合にそのポジションの耐久可能損益とか耐久可能時間とかそういうポジション耐久力の問題もあるのですから1から100まで「正しければ勝つ」という話でもないですし、だいたい相場で「正しい」とか「間違い」とかも良く判らん話ですし、手の内を明かす明かさないとかいうような単純な話だけでは無いのですけどねえ・・・・・・


つーかですな、「相場見通しはこうです」というのと「ではどういうポジション運営をしてどういう風にして収益(または対BM超過リターン)を上げるのか」というのは全く関係ない訳では無いですけれども、そもそも戦略(というかそれ以前の話のような気もするが)と戦術の問題というのはまた別の話で、別にポジションシート大公開している訳でも無いのに手の内を明らかにするもへったくれも無いのですがねえ。

正直どうでも良いのだがこの2日分の資料の中でもオモシロ成分の高さでかなりのレベルに達している部分だったので一応あたくしの個人的愚感想を申し上げてみましたけど、まあ有識者様であらせられますお方の見解というのは不肖あたくしのような低レベルでは到達できない高みがあるのでしょうから恐らく何かもっと高度な視点からの見解ではあると存じますので失礼の段重々ご容赦をという所ではありますけど(棒読み)。


#まあしかし何ですな、ついこの前までアベノミクス大勝利とか言ってた人たちが消費税増税反対とか仰せになっておられたりして、アベノミクスが絶賛大勝利しているんだったら増税くらい屁でも無いじゃろと思うのですが大勝利というのは何だったのかいやまあいいです

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2013/08/27

○消費税関連ニュース雑談

・消費税判断はAPEC直前とな

日曜のニュース(今さらでスイマセン)。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130825-00000027-jij-pol
日銀短観、最後の材料に=消費増税、判断はAPEC前―甘利経財相
時事通信 8月25日(日)11時14分配信

『甘利明経済財政担当相は25日、東京都内で記者団の取材に応じ、10月1日に公表される日銀の9月の企業短期経済観測調査(短観)について、安倍晋三首相が今秋に消費増税の実施の是非を最終判断する際の「最後の材料になってきそうだ」との見方を示した。判断の時期に関しては「(アジア太平洋経済協力会議=APEC=首脳会議までしか)スケジュール上の余地がないという意識を主要閣僚で共有しつつある」と語り、10月7日からインドネシア・バリ島で開かれるAPEC首脳会議の前になると指摘した。』(上記URLより)

いやこらまた随分引っ張りますなあという所ですが、辛うじて物価連動国債入札前には最終判断になるようで誠に結構。つーかこれ最終判断出なかったら物国の入札日程ずらさざるを得なくなる話っすからねえ。

で、安倍ちゃんの外遊先での発言。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013082600848
安倍首相の発言要旨(2013/08/26-23:08)

『【クウェート時事】安倍晋三首相が26日、同行記者団に語った内容の要旨は次の通り。』(上記URLより、以下同様)

ということで消費税のパートなんですけどね。

『〔消費増税〕誰かが判断をしなければならないから、最終的に私の責任で決めていく。帰国した後、甘利明経済財政担当相から(集中点検会合の)報告を受ける予定だ。さまざまな指標を踏まえて秋に適切に判断したい。』

えーっと、本件というのは昨年の3党合意で決定していて法案措置まで出来ているのですから、本来的に言えば既定路線を既定どおりに粛々と実行していくだけの話になる筈なのでございまして、「最終的に判断」も蜂の頭も無い話ではある筈なのですが、すっかり安倍ちゃん「決められた路線には乗らないで俺が決定する」(キリッ)モードの気合が伝わりますなあという所で、まあこの調子では時間切れギリギリまで引っ張られるでしょうなあというのは把握した。


どうでも良いがこの共同と日経のヘッドラインは本当にそういう発言をしたのかヘッドライン詐欺なのかがワカランチ会長なのだが、法人税減税ネタがまた来ましたぞなという所なのですけれども、「法人税減税」とは明言していなくて選択肢の一つみたいな気がするし、それ以前の問題として時事の報道する発言要旨見ると少なくとも安倍ちゃんが現時点で消費税増税を前提としてどうしましょうという話を前面に出すとは思えないのですが・・・・・・・・

http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013082601002458.html
安倍首相、法人税減税も検討 「景気回復が観点」
2013/08/26 22:22 【共同通信】

『【クウェート市共同】安倍晋三首相は26日、訪問先のクウェートで同行記者団に対し、消費税率引き上げに伴い、法人税減税も検討する考えを示した。「景気回復、デフレ脱却という大きな目標がある。何をなすべきかという観点も十分に踏まえながら議論してもらいたい」と述べた。』(上記URLより)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2602J_W3A820C1MM8000/?dg=1
首相、法人減税「幅広く議論」 消費増税判断と並行

『【クウェート=坂口幸裕】中東・アフリカ歴訪中の安倍晋三首相は26日、クウェート市のホテルで同行記者団と懇談し、法人税の実効税率の引き下げについて「我々は景気回復、デフレ脱却という大きな目標がある。そのために何をなすべきかという観点も十分に踏まえながら幅広く議論をしていただきたい」と述べた。来年4月からの消費増税の判断と並行し、検討する考えを示した。』(上記URLより)



・岩田一政さんも段階的に1%とな

当時の与野党が協議して国会で決めた話について専門家とは言え別に選挙で選ばれた訳でも何でも無いのを50人だか60人だか雁首揃えてああだこうだ言わせて判断材料とゆーのも何だかなあとは思いますがそれは兎も角として経済財政諮問会議の分室みたいな感じで開催されます会合の初回が昨日行われて、何故か岩田一政さんの提出資料とかが報道されたようで。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130826-00000078-reut-bus_all
デフレ脱却には小刻み増税ふさわしいが課題も=岩田元日銀副総裁
ロイター 8月26日(月)19時46分配信

『[東京 26日 ロイター] - 岩田一政・日本経済研究センター理事長(元日銀副総裁)は26日、消費税率を法律に従って来年4月に3%引き上げるべきかどうかをめぐって開かれた有識者会合後、記者団に対し、消費の下振れを抑えるには毎年1%ずつの増税がふさわしいが、消費増税の3党合意などを踏まえると、課題があると指摘した。法律通り2段階で引き上げる際は法人税や所得税の減税などを検討するべきだと指摘した。また、小刻み増税に変更することで海外投資家が増税延期などととらえる可能性は少ないとの認識を示した。』(上記URLより)

増税の影響を平準化するという意味では小刻み増税というのは話としては分かるのですけれども、現実問題として毎年消費税率が変わるとなると対応する民間の事業者に掛かるコストとか、徴税に掛かるコストとかの事を勘案したら残念ながら机上のお伽噺ではないかと思うのですが、マジでそういう話になったら何だかなあという気はしますけど、内閣官房参与コンビに続いて岩田一政さんも言い出すとはという所ではございます。

ついでに言うと「1%だったらお前ちょっと我慢しろやゴルァ」というような圧力が中間業者に掛かったりするんじゃネーノ的な懸念もあったりするのですが、現実に落とし込むのは大変じゃないのかねえと思います。

でまあ法律どおりの2段階引き上げの場合は減税検討ということですが、税上げの影響を緩和させようとして大盤振る舞いしたらその場は良いですが単に「増税の崖」を後年度に先送りしているだけの話で、「翌年度の落ち込みを防ぐために今年も財政措置」とかなったら何もカワランチ会長のように思えますけれどもねえ・・・・・・・

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2013/08/20

○市場ニュース雑談というかクリップ用メモ

・米債ェ・・・・・・・・・

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRSJY66S972901.html
米国債:続落、2年ぶり高利回り−FOMC議事録に注目
更新日時: 2013/08/20 03:59 JST

瞬間風速で2.9%マークですかそうですか・・・・・・・・・・

だから議事録は5年後に出るTranscriptであって今週出るのはあくまでも議事要旨ですぞなもしという悪態は1万回位は申し上げたと思いますのでスルー致しまして(粘着^^)、ミニッツ待ちとかそういう問題ではなく、ようはTaperingはどうせ年内のどこかで始まるんでしょうけれども、その影響って始まってみないとワカランチ会長だよね〜とか言ってる内に皆さん様子見地蔵になって積極的に買う人が居なくなってしまいましたとかそういう話ですよねと思うのですがどうっすかね。

とまあそんな事を考えますと、Taperingやるならやるでとっとと開始時期を決めるなりやっぱやらねえよヴァーカと宣言するなりして、とにかく方向性を見せろやゴルァと思う次第でして、個人的には9月FOMCでまずは「オープンエンド買入はやりすぎなので買入拡大を毎月削減(USTとMBSの月の拡大額をそれぞれ1m$ずつ減らすとか)して来年のどこか(多分前半)で拡大停止するからもうオープンエンドじゃないよ〜。あそうそう必要があったらまたQE4やるからね〜」とでもアナウンスして、とにかく一回灰汁抜けさせないとアカンと思われますけどね。

ただまあ昨日ネタにしたようにFRBの「資産買入政策と金利政策は完全に分離」というのは虫のよすぎる理屈であって、ブラード総裁も指摘しているように、Taperingトークといやいや拡大だってあるぜよみたいなのが続くと先行きの政策金利パスがどうしても影響される訳でして、だったら「フォワードガイダンスでの金利政策を中心にしております」というのをより前面に出してLSAPについては別に規模縮小しなくても良いけど拡大はすっぱり止めた方が一々市場が振り回されなくても済むような気もしますが良く判らん。

#従ってオープンエンドとかトンマ政策だったにも程があるというのは連日申し上げておりますが、それはそれとしてほんの1年前に「米国のように日本もオープンエンドをすべき」とか主張していた連中ちょっとツラだせやコノヤローと思うのですが、そういう人たちは既に何事も無かったようにしているのが非常にトサカに来るので過去の人様のレポート調べて糾弾会をしたい気分である

しかしまあ何ですな、米債売られると米株が一緒になって売られておりますのを見ますと、まあ足元だけの瞬間芸だとは思うものの、米債が米株のヘッジになっておりませんという状態ですので、つまり米債を持っていても株式ポートフォリオのヘッジどころか一緒になってズブズブと沈没してしまうという状況になっているとは何ということでしょう状態で、日本株ポートと米債ポートが一緒にズブズブとかになるとマズーな人もいそうな気がするが気のせいかもしれませんな(-Д-)。


○当座預金残高である

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/jcabs.pdf

平残ベースで見ると(というか普通は平残を見る)当座預金残高自体は6月積み期間よりも4500億円ほど増えているのですが、良く良く見ると『その他の当座預金取引先』の残高が2兆円弱増えていて、都市銀行の超過準備が1.1兆円、外銀が0.7兆円増えているので地方銀行、信託銀行、その他準備預金制度適用先の残高は落ちているのですなうんうん。

だからどうしたと言われても困りますが、今回ほほーと思ったのは最初に申し上げた「その他の当座預金取引先」が(元の数字がそれほど大きくないので)率的に結構な増え方をしていることでして、これって多分短資会社と証券会社になると思われる(違ったらスイマセン指摘キボンヌ)ので、はてさてこれはどういうことなんですかにゃあという所ですが、足元GC市場ちゃんでの業者の売りが多く無かったりするのと関係あるんすかねえというような寝惚けた事を申し上げてツッコミを待ちたいと思うのだ。

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2013/08/16

○引き続き消費税関連ニュースクリップ&市場雑談

・R&Iキタコレですが

http://www.r-i.co.jp/jpn/body/cfp/news_release_A/2013/08/news_release_2013-A-0756_01.pdf
安倍政権の財政運営に懸念−規律維持できねば方向性ネガティブも

『安倍政権は、経済を成長軌道に乗せデフレから脱却することを最優先の課題であるとしているが、巨額の政府債務を抱えている現状からみて、財政再建も待ったなしだ。経済成長がもたらす税収増を待っている余裕はなく、増税による税収の確保や歳出の抑制にも早期に取り組む必要があるとR&Iは判断している。そうした観点から、R&Iは安倍政権の財政運営に懸念を抱きつつある。』(上記URLより)

ということで、昨日の10時半過ぎにR&Iからこういうのが出ましたというヘッドラインが出ておりまして、こちらのリリースを見ると中々こう熱く語っている感じがしまして、通常の格付けに関する淡々としたリリースとは雰囲気が違う気がするんですがどうでしょうかね。

まあR&Iさんが仰ることは今までの説明からの整合性という意味では一々その通りでございますなとしか申し上げようがございませんけれども、これリリース文を真面目に読むと鑑賞用としても中々オモシロスなのでヘッドラインだけ見ていた方には一読推奨(R&Iの引用に関するポリシーがイマイチ判ってないのでうだうだ引用するのは控える)。

しかし何もお盆のど真ん中にこんなリリース打たんでも・・・・・・・・・


・消費税、というか法人税発言でアチャー

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRJLUF0D9L3501.html
日本株は3日ぶり反落、米政策や国内税制不透明−幅広く売り
更新日時: 2013/08/15 15:39 JST

『米国株安の流れを受け、きょうの日本株は反落して取引を開始。午前半ばにかけ下げ渋る場面もあったが、菅官房長官や麻生財務相が法人実効税率下げについて、安倍首相が指示した事実はないと閣議後の会見で発言したことが市場に伝わると、再度下げ足を速めた。実効税率引き下げを検討するよう、安倍首相が関係府省に指示したことが分かったと13日付の日本経済新聞朝刊が報じたことを材料に、日本株は前日まで連騰。その反動もあり、政策の不透明感から午後には一段安となった。』(上記URLより、以下同様)

ですなあ。

『為替市場ではリスクオフの流れでドル売り・円買いが先行し、法人税減税に関する官房長官発言が伝わると、再度円買いの動きが強まった。午後にはドル・円は一時1ドル=97円59銭と、きのうの東京株式市場の終値時点98円37銭に比べ円高方向に振れた。』

特に為替方面はR&Iの格付け見直しリリースを遥かに上回る法人税聞いてねえよ発言パワーという感じのプライスアクションだった希ガス。

『「財政赤字の大きさや税対応による企業活動への影響を考えて、マーケットは予定通り消費税を引き上げる方向となれば円安・株高で反応していた」と、三井住友アセットの生永氏。それが不透明になれば、今度は円高・株安の反応が起きやすいとし、「消費増税に対する不確定要因は早めに解消した方が良い」としている。TOPIXと日経平均はこの日、国内税制期待から上げた過去2日間の上げ幅の約半分を失った。』

まーここもと毎度毎度このネタになっておりますが、しかし「法人税下げの話なんぞ聞いてねえよ」攻撃は他にネタの無い市場に格好のネタになりましたなあという風情である。


実際は閣議後(安倍ちゃん夏休みという話だった気がしたのだが結局休み無しで忙しいのう)会見は麻生さんの方が先に出てきてその後菅さんでしたが、為替とかは菅さんの後の方が反応大きかったような気もするが良く判らん。まあ麻生さんの所から反応しとるが。


http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRK0KD6JTSEG01.html
法人実効税率下げ:「首相指示ない」と官房長官、「効果少ない」と財務相
更新日時: 2013/08/15 13:12 JST

『菅官房長官は午前の繰り上げ閣議後の会見で「報道は承知している」としながら、内容については否定した。日本経済新聞は13日付朝刊で、首相が法人実効税率の下げを検討するよう関係府省に指示、来年4月の消費増税を決めた場合に引き下げ方針を合わせて打ち出す狙いがあると報じていた。』(上記URLより、以下同様)

『法人実効税率については麻生財務相も閣議後会見で「引き下げの効果は少ない」と述べた。法人税を払っている企業は30%程度しかないとと強調、消費増税に伴う景気の腰折れを回避する対応策の1つとして「投資減税は十分に考えられる」としながらも、法人実効税率引き下げについては「全然くみしていない」と述べた。』

あいやーと申しますか日経新聞くやしいのうくやしいのうと申しますかという所ですが、やはり最初に感じた違和感(消費税引き上げをしたくなさそうな気持ちが思いっきり出ている安倍ちゃんが消費税上げ前提の指示だすのかね??という違和感)の方が正しかったのかねというか、消費税増税ネタがすっかり情報合戦状態になっている時点でもうなんだかねという所でございます。

しかしこの日経(NQNニュースなんでクイックですか)記事は内容が有料会員向けなので読めませんが、ヘッドラインを見るともう日経新聞くやしいのうくやしいのうwww

http://www.nikkei.com/markets/features/26.aspx?g=DGXNASFL150PK_15082013000000
NQNスペシャル
株安招いた麻生発言 法人税率巡り期待に冷水
「閣内不一致」はポーズか 見極めに時間も
公開日時(1/2ページ) 2013/8/15 15:12


・3MTB入札である

落札結果である
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20130815.htm

(3)募入最低価格 99円97銭7厘5毛
(募入最高利回り)(0.0902%)
(4)募入最低価格における案分比率 30.2908%
(5)募入平均価格 99円97銭7厘6毛
(募入平均利回り) (0.0898%)

落札分布を見ますとまあいわゆる不明玉はそんなに多い訳でも無く(1兆円台前半なら通常運転)足切りがこの水準だったらまあこんなもんですかね。平均8台かよとは思いますが、これで不明玉2兆5000億円とか言われたら悶絶モノでしたので(^^)。

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2013/08/14

○法人減税報道で株と為替が反応も債券市場は貫録の金利低下とな(兼自分用ネタクリップ)

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRFWK10YHQ0X01.html
日本株は急反発、自動車など全業種高い−円安と法人減税期待
更新日時: 2013/08/13 15:32 JST

『また、安倍晋三首相は法人税の実効税率の引き下げを検討するよう関係府省に指示したことが分かった、と13日付の日本経済新聞朝刊が報道。来年4月から消費増税を決めた場合、法人税の引き下げ方針を併せて打ち出し、景気の腰折れ懸念を払しょくする狙いという。「安倍首相が法人税減税の調査を求めていることはポジティブな『発言介入』」と、パリー・インターナショナル・トレーディングのマネジング・ディレクター、ギャビン・パリー氏(香港在勤)は指摘する。SMBC日興証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは同報道について、法人税減税がすんなりと決まるかどうは不透明とした上で、首相が検討を指示したこと自体は、@来年度の景気に強く配慮する姿勢を読み取ることができる、A安倍政権が産業界や株式市場の期待を強く意識し、それにポジティブになるよう働き掛ける姿勢を有している、B現状では来年度からの消費税引き上げが議論の前提になっている、という点でポジティブと評価した。』(上記URLより)

法人減税ニュースで随分反応しやがったなという所ですが、まあ要するに「第三の矢」に期待する所大であるということなんでしょうねえとは思いますが、それにしても株が為替に反応したのか為替が株に反応したのか両方で手に手を取って株高円安に逝く中で債券市場先生は前場途中まで貫録の先物値幅実質3銭状態で債券先物ちゃんが息をしていないの!状態ではありましたが、前場引けに掛けて急にカーブの後ろ中心に確りしてきて5年入札を迎えて落札結果もまあ堅調なんじゃネーノという通りに堅調な結果となり、その後は更にじりじり堅調モードで10年カレントの引けは0.730%(1.5強)だわ5年カレントの引けは0.270%(1.5強)だわと株価とか為替とか関係なく金利様は堅調に推移致しやした。

まー株式市場様や為替市場様は朝から強かったので債券市場は単に他市場のネタも華麗にスルーして需給とかで確りということですが、まあ消費税ネタとか入札がありますなとか、その手の買い様子見をしたくなるネタが弱まると何となく債券が堅調になるというのがここもと続いているようにも見えまして、何かこの調子だと消費税先送り話になっても債券買いになるんじゃネーノ位の勢いですな(^^)。


消費税先送り云々とかゆー話になって財政発散懸念ガーというのはまあそれはそれであるかも知れませんが、その前の反応として一番最初に起きそうなのって「アベノミクス期待ポジションの巻き戻し」だと考えますと、株と為替は巻き戻しが起きると株は下がるわ為替は円高になるわですし、債券市場様におかれましては既にアベノミクス第一の矢ポジションとしての債券ロングポジションは盛大に振り落されている訳ですからして、そっちの方は全体的にポジション軽いでしょとか考えると、これがまたオソロシスというかワロスというかで、株と為替見て債券買いになっても全く不思議では無いというのが国内で多くが回っているジャパンの債券市場の恐ろしいというかオモロイ所ではありますな、実際に何が起きるかよー知らんけど。

まあ実際問題としては消費税先送りにしたってどういう絵の描き方になるのかで印象違ってくるでしょうし、そうは言っても海外格付け会社は消費税先送りとなると格下げする気満々という状態ですので、まあ海外がどの位気合入れてくるか次第ですな債券市場は、と思いますが正直言ってワカランチ会長。


ところで話は少しそれますが、昨日の消費税増税と法人減税セット報道ですけれども、最初に見た時には日経新聞のポジショントーク落語かと思いましたが(最近金融政策にしてもそうだが、日経新聞の朝刊1面トップで出てくる観測記事の精度が下がっている気がするんだが・・・・・・・・)、もしかすると法人減税を持ち出して「消費税増税して法人減税したって企業は給与を増やさないではないか実にケシカラン」という話が出ることによって消費税増税への雰囲気を盛り下げようという高度な(?)戦略に基づく作戦なんジャマイカとか思うアタクシは陰謀脳ですかそうですか。

まあ何ですな、昨日の法人減税検討報道ですけど、日経の落語じゃなくて安倍ちゃん方面からの話でしたら、財務省の引いたレール(というのがあるのかどうか知らんけど)にそのまま乗るかよヴァーカという声が聞こえてくるような気がしたんですけどねえ・・・・・・


#まあ消費税ネタは当分続きそうですがとりあえず物価連動国債入札までには片を付けてくれ

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2013/08/13

○一応GDP関連メモ

日経とかの記事を見ると消費税引き上げ方向の誘導する気満々なのでまだそうでも無いブルームバーグの記事から雑談。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MR3KCK6JTSE901.html
4−6月は3期連続のプラス成長、予想は下回る−消費がけん引 (2)

『8月12日(ブルームバーグ):今年4−6月期の実質国内総生産 (GDP)速報値は、前期比年率で2.6%増と、3四半期期連続でプラス成長となった。政府の経済政策「アベノミクス」に伴う景況感の上向きや株高などの資産効果で消費者の購買意欲が高まり、円安で企業の輸出環境も改善している。』(上記URLより)

設備投資が引き続き若干のマイナスというのが残念ですが、名実逆転解消というのが目出度い話だったりしますけれども、まあ個人消費が強いのですがはてさてこの強い個人消費っていつまでサステイナブルなのよとか考えますと中々アレではございますな。

んでもって昨日の反応としてはGDPが出た瞬間債券先物が5銭少々(^^)下落したものの、まあそれで反応はおしマイケルという風情でありまして誠に遺憾の極みに存じます。まー良く判らんけど、GDPが予想より弱い→消費税増税先送りの可能性高まるかも→債券売りって反応したんですかよくわかりません><;まあ5銭ですからどうでも良いのですが。

でもって債券の方の前場引け後に夏休みなのに安倍ちゃんが11時半くらいから官邸で会見をするとかいうニュースが出たのが本当にネタになったのかどうかは知らんですけど、その辺りのタイミングで為替がやや円安に振れて株価指数が上昇していたのですが、まあ会見の方は消費税に関する話はスルーで経済政策が順調とかそういう話をして終了で、そらまあ消費税に関する話は引っ張るんでしょうなあという結果でありました。まあそのあと反動があったのか無かったのかワカランチ会長(株価指数は後場失速したけど為替は割と値持ちしていた)ですけれども、どうも最近は消費税増税先送り→第三の矢に対する失望→海外中心に株売ってくるんじゃネーノという反応になっているようで誠に結構なお話ではございますな。

しかしまあ何ですな、この微妙に中途半端なGDP速報数値ですと、消費税増税予定通り実施にしても先送りにしてもどっちからもいちゃもんをつけられそうな絶妙な数字なので、まだまだこの話題引っ張るんでしょうな。本田内閣参与も早速コメントしてますし。

http://jp.reuters.com/article/idJPTYE97B01Y20130812
内閣官房参与「消費増税環境整ったと言えず」、GDP減速受け
2013年 08月 12日 11:00 JST

『「消費増税により景気が腰折れする懸念ばかりが焦点となっているが、『デフレ期待からインフレ期待への転換』が腰折れすることの方が重要」と強調。「参院選で国民は、デフレ脱却と経済成長を両立する政権を選んだ」と指摘し、政府として「デフレ脱却が失敗するリスクを最小限にする必要がある」と述べた。』(上記URLより)

・・・・・・・・・・・おじちゃん頭が悪いからさっぱり判らないのですが、間接税をホイホイ上げると名目の物価にモロに跳ねるのでインフレ期待という意味ではプラスじゃネーノ、いやもちろん実質ベースでの所得が下がるから景気が腰折れする懸念があるっちゅうのは判るのだが、懸念する方を間違えているようにしか思えんのでこの理屈を教えてジェネラル!



などと思ったらあたくしの購読していない(こら)日経新聞朝刊にはこんな記事があるようで。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1203O_S3A810C1MM8000/
首相、法人税率引き下げ検討指示 消費増税と一体
2013/8/13 2:00 情報元 日本経済新聞 電子版

『安倍晋三首相が法人税の実効税率の引き下げを検討するよう関係府省に指示したことが12日、わかった。日本は企業の実際の負担率である実効税率が主要国より高いため、来年4月から消費増税を決めた場合、引き下げ方針をあわせて打ち出し、景気の腰折れ懸念を払拭する狙いだ。成長戦略として海外投資を呼び込む起爆剤にもなるとみており、財政再建と経済成長の両立をめざす。』(上記URLより)

何か「また日経か!」という悪寒がだいぶするのですが、ホンマカイナというか何というか。投資減税とかするならまだ判るのですが、消費税増税に法人税率引き下げを「一体」って政治的に死ぬほど受けの悪そうな話でそれはねえと思うのですけどねえ。それで景気が回復してトリクルダウンでみんなハッピーにでもなればまあ問題無いでしょうが、普通に考えて物価上昇させましょうという政策をやりながら消費増税と法人税率引き下げの一体実施って露骨に消費者から企業への所得移転でございみたいなのを実施したら、そのトリクルダウンが来る前のタイムラグに耐えられない人たちというのを踏まえてそれこそ格差拡大ガーとか庶民の生活ガーとかいう話になって安倍ちゃんの歴史的使命(とか言ってたと公共放送ニュースが申しておりましたが)の憲法改正どころの話じゃなくなると思うのだが。

企業減税するにしても、「国内に設備投資をした企業に減税」とか「雇用を増やした企業に減税」とかそういう話にしないとウケないだろと思うのですが、何か日経のポジショントークの香りがするのは気のせいですかそうですか。

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2013/08/09

つーことで決定会合レビューである

○3打席連続で正午前の公表で「戦力の逐次投入無し」というビューテホーな展開

http://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2013/index.htm/
金融市場調節方針に関する公表文 2013年

2013年 8月 8日 当面の金融政策運営について(11時59分公表)

ということでこれで3打席連続で正午前の決定アナウンスという実にこう無風にも程がある決定会合でありまして、まさしく「戦力の逐次投入はしない」というのを実践に移しているということで政策運営的に言えば実に美しい形になっております。

暫く前の「2年オペ導入騒ぎ」とは何だったんだという話ではありますが、まあ足元では経済指標もここまでは好調ですし、一方で債券市場は貫録のサガランチ会長(日経平均とかいうのが毎日ランコルゲしているというのに)というか何というかでありまして、まあ為替とか株価見ておりますと先行きに盛大な暗雲がどよよーんと垂れこめている気もしないでもないですがそういうのは気にしませんですかそうですかという所で、この調子で美しい金融政策が継続するんでしょうなあというのは把握しました。


つーことで声明文比較。

○今回の白眉は「フィリップスカーブの上方シフトが始まっているかも」部分ですな

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130808a.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130711a.pdf(前回)

決定内容はどうでもヨロシなので景気認識の部分から。

『わが国の景気は、緩やかに回復しつつある。』(今回)
『わが国の景気は、緩やかに回復しつつある。』(前回)

ということで総括判断に変化なし。

『海外経済は、一部に緩慢な動きもみられているが、全体としては徐々に持ち直しに向かっている。そうしたもとで、輸出は持ち直している。』(今回)
『海外経済は、引き続き製造業部門に緩慢な動きもみられているが、全体としては徐々に持ち直しに向かっている。そうしたもとで、輸出は持ち直している。』(前回)

海外経済ですけれども、これ金融経済月報を見た方が分かりやすいと思うのですが、「製造業部門」と書いてある部分が「一部に」とぼやっとした表現になっていまして、こういう場合は文学(どこの?)的に言えば表現が弱まった形になっておりますので、何気に海外経済の強さについての判断が若干ですが引き上げになっているという結果になると思います。

『設備投資は、企業収益が改善するなかで下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられている。公共投資は増加を続けており、住宅投資も持ち直しが明確になっている。個人消費は、消費者マインドが改善するもとで、引き続き底堅く推移している。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は緩やかに増加している。』(今回)

『設備投資は、企業収益が改善するなかで下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられている。公共投資は増加を続けており、住宅投資も持ち直しが明確になっている。個人消費は、消費者マインドが改善するもとで、引き続き底堅く推移している。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は緩やかに増加している。企業の業況感は改善している。』(前回)

国内部分は短観結果に関する言及部分(これは当たり前ですが3か月に1回しか言及部分がありませんので今回のと比較する意味は無いです)以外はどう見ても全文一致です本当にありがとうございました。

『この間、わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(今回)
『この間、わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(前回)

金融環境はまあ毎度これです罠。で、今回の声明文の白眉は物価ですにゃ。

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、プラスに転じている。予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる。』(今回)
『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、足もとではゼロ%となっている。予想物価上昇率については、上昇を示唆する指標がみられる。』(前回)

>予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる
>予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる
>予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる
>予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる
>予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる

キタコレ(・∀・)!!!!!

まあ物価がプラスになった件については事実関係の話なのでこれはまあ良いとしまして、何と来ました「予想物価上昇率は全体として上昇」!!!という所でありまして、ここまで書いたのだから今日出る金融経済月報はまさかこの一言だけであとはグラフを見ろで済ませるなんてえ事は無いものと存じますが(とプレッシャー^^)、どのへんの予想物価上昇率がどのように上昇しているかという辺りについて、目盛も細かく打っていないような例のグラフだけではない詳しいご解説があるものと朝からワクワクテカテカしながらお待ち申し上げております(棒読み)。

てな事はまあ良いのですが(^^)、この「予想物価上昇率は全体として上昇」というのはつまり現在の日銀様による2%2年で達成という強引な屁理屈もとい理論のベースになっております「フィリップスカーブの上方シフト」の可能性があるという認識を示しましたと言うことであります。

ということはつまり、今回の声明文は景気判断についての変化は海外をちょっとだけ微調整の上げをしただけ(先行きはこの後比較引用しますが基本同じです)という内容ではあるのですが、2年で2%目標達成という文脈から重要な物価および予想物価上昇率に関してもうドヤ顔感満載の内容となっておりますので、そーゆー意味では結果そのものは無風なのですが、内容的には追手に帆かけてシュラシュシュシュ♪って光景を絵に描いたような感じですな。


でもって先行きですけど。

『先行きのわが国経済については、国内需要の底堅さと海外経済の持ち直しを背景に、緩やかに回復していくと考えられる。消費者物価の前年比は、プラス幅を次第に拡大していくとみられる。』(今回)
『先行きのわが国経済については、国内需要の底堅さと海外経済の持ち直しを背景に、緩やかに回復していくと考えられる。消費者物価の前年比は、プラスに転じていくとみられる。』(前回)

先行きに関しては物価を「プラス幅を次第拡大」と表現を変えていますが、これはそもそもの物価水準のベースが変わっているので表現が変わっている物ではありますけれども、先ほどのドヤ顔部分と合わせて読みますと「ほら予想通りにプラスを拡大していくんだよ(ドヤッ)」という風情も醸し出しておりますな(^^)。まあそこまでの他意は無いと思いますが。


リスク認識も同じ(展望レポート中間レビュー部分は今回対象外なので比較しません)。

『リスク要因をみると、欧州債務問題の今後の展開、新興国・資源国経済の動向、米国経済の回復ペースなど、日本経済を巡る不確実性は引き続き大きい。』(今回)
『リスク要因をみると、欧州債務問題の今後の展開、新興国・資源国経済の動向、米国経済の回復ペースなど、日本経済を巡る不確実性は引き続き大きい。』(前回)

決意表明みたいな部分の最終パラグラフも全文一致である。

『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う(注)。このような金融政策運営は、実体経済や金融市場における前向きな動きを後押しするとともに、予想物価上昇率を上昇させ、日本経済を、15 年近く続いたデフレからの脱却に導くものと考えている。』(今回)

『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う(注)。このような金融政策運営は、実体経済や金融市場における前向きな動きを後押しするとともに、予想物価上昇率を上昇させ、日本経済を、15 年近く続いたデフレからの脱却に導くものと考えている。』(前回)

でもって(注)の部分である所の木内審議委員の提案も同じとな。

『木内委員より、2%の「物価安定の目標」の実現は中長期的に目指すとしたうえで、「量的・質的金融緩和」を2年間程度の集中対応措置と位置付けるとの議案が提出され、反対多数で否決された(賛成:木内委員、反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員、佐藤委員)。』(今回)

『木内委員より、2%の「物価安定の目標」の実現は中長期的に目指すとしたうえで、「量的・質的金融緩和」を2年間程度の集中対応措置と位置付けるとの議案が提出され、反対多数で否決された(賛成:木内委員、反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員、佐藤委員)。』(前回)


○木内さんの提案に雑感というか雑考というか

木内さんの提案なんですが、この「中長期的に目指す」というのは判るのですが、そこに今の政策で2年先の実施までコミットしている形になっている事との整合性を取ろうとしているのか「2年間程度の集中対応措置」というのが入っているのが政策論として分かりにくくなっていると思うのですよね。

じゃあ「中長期的に目指す」だけ入れれば良いような気もするのですが、実際問題としては声明文から「2年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早期に」という文言って「量的・質的金融緩和政策の導入」の際に最初の「導入しますよ」って所に文言として入った後には声明文ベースでは2年程度云々の文言が記載されていないのがこれまたややこしい所。

まあ常識的に言えば現在行っている政策を「量的・質的金融緩和政策」と言っている以上は訂正を入れない限り最初の文言が生きるので、あくまでも4月導入時点から起算して2年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早期に目標達成という風になってはいるのですけれども、じゃあやっぱり短期的に引き上げるのが得策かという議論をして「中長期的という見方もあるよね」となってもコミュニケーションの作戦上暫くトボけるという手を使うには現在のように足元の声明文ではスルーしてその辺の論議は後になって考えましょうというのが得策という考え方もありますな。

つーことで、個人的には既に今如きの物価上昇でもニュース報道が物価上昇で庶民の生活ガーとなってきている状況において、そんなに無理繰り2%目指して変に経済に無理掛けて政治的にも苦労する結果を招く位だったら目先1%程度でも景気が良ければいいんじゃネーノとか思うので、「中長期的」という看板を出すのは賛同したい所ではあるのですが、それはそれというものでありまして、これを出してしまうと4月4日の声明文の第一パラグラフをひっくり返す話になりますので、意外にこの提案ってハードルが高いんですよねと思います。

#ちなみに4月4日の会合でも木内さんは「2年」の文言に反対しているからその点では主張が一貫しております、為念

まーいずれにせよ足元で(コストプッシュだろうがなんだろうが現実問題として)物価がプラス圏に浮上しましたし、何かよく判らないですけど予想物価上昇率も上昇しているということでありますので、目先その「中長期的」という話にはなってこないと思いますけど。

ついでに木内さんの提案とは別の論点になりますが、「2年で2%」の定義としてその数値がアクチュアルなものなのかフォーキャストベースのものなのかという論点を講演(先日の講演は選挙翌日という凄いタイミングでしたが)で指摘している佐藤審議委員の論点というのも、2年で2%のケツが短くなってくる間に実際にアクチュアルの物価がそこまで浮上しないという状況が見えてくると論点に浮上という事になるんでしょうなと思います。

でもって、先日のBOEのフォワードガイダンスに見られますように、割とピュアな形でのインフレ目標枠組みだった英国が、よりファジーな枠組みに移行している、というような主要国の金融政策の枠組み変化が起きている中でその「2年で2%」というのを普通に(短期的変動要因を除外して考えたベースの)アクチュアルな物価上昇率で捉えて良いのでしょうかねえという論点もある訳ですな。

とは言いましても、まあその辺の話が出てくる条件は「2年でアクチュアルの物価上昇率2%がどう見てもマズーです本当にありがとうございました」となってくる段階であり、それは残り時間が短くなってくるか、コストプッシュ効果が減衰するかという段階じゃないとそういう話にならんと思われますし、何かコストプッシュ攻撃が秋も電力料金などあったりして、意外に持ちこたえそうな見通しも増えてきている中では暫くの間ドヤ顔モードでシュラシュシュシュって流れが続くのかなあと思います。


○会見も鑑賞物としては期待

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE97700220130808
アングル:黒田総裁、消費増税の修正論議にクギ
2013年 08月 8日 21:07 JST

ロイターの消費税ネタと言えばまた某記者の記事かと思ったらこれは別でした。

『[東京 8日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は8日の政策決定会合後の記者会見で、来春に予定されている消費増税について、政府内外で取りざたされている計画修正の動きにくぎを刺した。「脱デフレと消費増税は両立する」。総裁の踏み込んだ発言は、増税案が変更された場合、政府の財政再建の機運が後退し、日銀による大規模な国債買い入れが「財政ファイナンス(穴埋め)」と市場に受けとられることを警戒したためとみられる。』(上記URLより)

まあ実質とか気にしなければ消費増税すると名目の物価は間接税上げた分が跳ねますからそら名目上は両立するわと思いますが、それは兎も角としてまあ日銀総裁としては政府との共同文書で書かれていた大胆な金融政策やってるんだから玉はそっちじゃヴォケという発言をする罠と思う所でありますが、実際にどのような文脈で話をしているのかは今日の会見録を鑑賞ですにゃ。

#ということで無風会合の為だいぶ雑談モードで恐縮至極

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2013/08/08

○最初マクラの積りだったが長くなったのでニュース雑談マクラである

・為替関連悪態

ところで今日のモーサテで為替について喋ってた人の「年間緩和量÷M1で緩和の大小比較」というのが何の意味があるのかさっぱり判らないのだが、だいたいお前本当に異次元投下の時から少ないって言ってたかよと小一時間問い詰めいたいのだがメリケン国まで逝って問い詰めている暇は無いですな。

でまあそれはそれとしてこの後講釈は幾らなんでも・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MR5H6K6KLVRU01.html
NY外為午前:円上昇、一時96円77銭−ポンド反発、中銀発表後
更新日時: 2013/08/07 20:44 JST

『8月7日(ブルームバーグ):ニューヨーク時間7日朝の外国為替市場では円がほぼ全面高。日本銀行が8日の政策決定発表で緩和拡大を見送るとの見方を背景に、ドルに対して約7週間ぶり高値を付けた。』

>8日の政策決定発表で緩和拡大を見送るとの見方を背景に
>8日の政策決定発表で緩和拡大を見送るとの見方を背景に
>8日の政策決定発表で緩和拡大を見送るとの見方を背景に

????????????


・ピアナルト総裁もTaparingトークとなというメモ

サンドラ姐さんもTaperingトークのようだが。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MR6DY86S972F01.html
クリーブランド連銀総裁:労働市場改善続けば債券購入縮小も
更新日時: 2013/08/08 04:52 JST

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0G84C020130807
UPDATE 1-米FRB、労働市場の改善継続なら近く緩和縮小に着手の可能性=クリーブランド連銀総裁
2013年 08月 8日 05:23 JST

まあTaperingトーク関連についてはここへ来てまたうじゃうじゃ出ているので読めるものは週末に読みたいのだが今日のネタのBOEがこれまたドキュメント絶賛大量投下しているのよね・・・・・・・・

以上マクラの積りが長くなったがただのマクラである。

マクラ追記:モーサテでウィリアム総裁のインタビューやっているのだが「米国経済は順調で追加刺激は必要ない」と言っているのに何で「量的緩和の縮小に慎重」という最初の見出しになるんだよと思ったらその後のインタビューの展開もLSAPと金利は別というベースの話をしていて慎重なのはQE拡大の縮小ではなく利上げの方にしか見えないぞ最初だけ見た奴ミスリードされるぜよと思いましたので追記しておく。

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2013/08/06

○ニュースおよび市場雑談等

・内閣支持率キタコレ

JNNの調査である。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5402289.html
安倍内閣支持率64.6%、発足直後を下回る (06日00:54)

『安倍内閣の支持率が先月の調査より6.9ポイント減少し、64.6%になったことが、JNNの世論調査で分かりました。調査は今月3日から5日にかけて行いました。安倍内閣を「支持できる」とした人は、先月より6.9ポイント減り、64.6%と、初めて発足直後の支持率を下回りました。「支持できない」とした人は、6.1ポイント増え、33.7%でした。先月行われた参議院選挙で与党が大勝し、衆議院と参議院の多数派が異なる「ねじれ」状態が解消されたことについては、「歓迎する」と答えた人が57%で、「歓迎しない」と答えた31%を上回りました。』(上記URLより)

ということですが、この辺にもうちょっと詳しい項目別の結果があるようで。
http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/yoron/backnumber/20130803/q1-1.html

でまあ暫く前に出ていたANN系列の調査であった「政策に期待できない」的な不支持理由が高まっているのかと思って「不支持理由」を見てみたら・・・・・・・・・
http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/yoron/backnumber/20130803/q1-1-2.html

・・・・・・・「政策に期待できない」が減っているのかと思ったら「自民党中心だから」が増えてるとかおまいらねじれ解消を歓迎する人が過半数なのに何でこうなるのかと小一時間問い詰めたい内容でして、これで政策に対する不満が増えているのだと足元の物価動向に対する世論ガーの例かなとも思ったのですが単なる選挙結果の反動みたいでありますな。よーわからん。


・6か月TB入札とかその辺の雑談

昨日の6MTB入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20130806.htm

(3)募入最低価格 99円95銭5厘 (募入最高利回り)(0.0888%)
(4)募入最低価格における案分比率 26.1925%
(5)募入平均価格 99円95銭6厘 (募入平均利回り)(0.0868%)

ということで6か月TB入札は貫録の9bp割れとなっております。6Mは発行量が3.5兆円なのでやや強めのニーズが入ると入札が強くなるのですが、今回のいわゆる不明玉は1.6兆円程度で一応大手証券さんでも4ケタ億落札とかしているのですが、9割れで切れて按分も3割弱とはまあ入札は強くなってしまいましたなあ。

東京レポレート
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html
(数値の方はエクセルリンクになるのでリンク割愛)

こちらの翌日物T+1スタートのレート推移を見ますと最近の金利市場の中で一番イールドが日々飛ぶのが東京レポレートですかそうですかという位に上がったり下がったりしますが、こちらが昨日は6.3bpとかやってまして、ここの所ドカンと下がる時が散見されるようになりまして、まあ超過準備付利がある皆様におかれましては落ち着いて超過準備に積んでちょと思うのですけれども、必ずしもそうでない事案などもあるということで、レポレートは下がるわ短国レートは下がるわという流れのようで。

最近金融ファクシミリ新聞さんが指摘していますが、CPレートとかも超低位安定は兎も角、10bp割れ突っ込むケースがあったり、10bp乗っている場合でもいわゆる銘柄間格差がまるっきり無かったりとか、ど〜も超短い所はそういう感じで推移ということで、夏枯れで枯れているのはカネの方では無くて運用対象物という状況のようですな。

つーことで本日は3Mの入札ですが、はてさてどうなるのやら。



○久々に電波浴シリーズでも

電波浴なのでリンクを貼ってアクセス向上に寄与するのも遺憾ではありますが、まあネタにして引用する手前リンクを貼らないと仁義に反すると思うのでリンクリンク。

ドクターZは知っている
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36559
バーナンキ発言の読み解き方
2013年08月04日(日)

ドクターZ先生(追記:これゼットと窃盗を掛けてるとしか思えんのだが)ですが、ちなみに『数学の天才とも言われた気鋭のエコノミスト。その正体は……』(上記URL先の『著者』というのをクリックするとそういう紹介がでます)だそうでどこのどなたか存じませんが数学の天才な上に気鋭のエコノミストって凄いですねえ(棒)。

でまあのっけからこのような説明が。

『初めに確認しておきたいのは、金融政策は金融市場のみならず実体経済にも影響を及ぼす。つまり、強力な威力を持つということ。』(上記URLより、以下同様)

ほほう。

『2年後のインフレ率、賃金上昇率、失業率、名目GDP成長率までを9割方決めてしまうのが金融政策である。そんな馬鹿なと思うかもしれないが、過去のデータから見ればこれは厳然たる事実である。』

数学とか言われましてもハクション大魔王並みの数学力を誇る無知蒙昧であります所の不肖アタクシには数学の甜菜様の仰せになっておられる「9割」という積算根拠がさっぱりワカランチ会長で誠に残念なのですが、それはそれとして「2年後の実体経済を9割方決めてしまう」のが金融政策であるということでしたら、足元の日本経済の改善傾向は「アベノミクスの効果」ではなくて「2年前に行った白川日銀体制における金融政策の効果」という事になろうかと存じますが、確かドクターZ先生におかれましては白川日銀体制の政策やら白川前総裁やらを口を極めて罵じゃなかった厳しく批判しておられたと存じますが、その辺との話の整合性はどうなるのでございましょうか??????

『ただ、われわれにとって重要なのは、「中央銀行ウォッチャー」などと称する金融市場関係者の意見はまともに聞かないほうが得策だということだ。理屈は簡単で、金融市場関係者が「当局はこう言っている」と話す内容は、自己ポジションに有利なようなマーケット・トークばかりだからだ。』

まあアタクシなんぞはウォッチャーの端くれにもならないヲチャー程度でございますのでどうでも良いのですが、まあ解釈にはそら幅がありますからそんな事もあるでしょうねえ。全員が全員そうとは思いませんけどね、つーかそういうのって自然と淘汰されて気が付いたら以下自主規制だったりしますけど。

『良い悪いの話ではない。金融市場関係者は儲けるプロなのだからマーケット・トークをするのは当然だろう。中央銀行も金融市場関係者が何を言おうと、反論をしない。むしろ、「何も言えない」というのが正しい。それをいいことに、金融市場関係者は言いたい放題になる構図だ。』

>それをいいことに、金融市場関係者は言いたい放題になる構図だ

つ鏡

『金融市場関係者は中央銀行当局の話を曲解してでも、マーケット・トークを広げようとする。それは彼らの仕事の一つ≠ナあるともいえる。金融市場関係者とはそんなものだと理解しておいたほうがいい。』

>金融市場関係者は中央銀行当局の話を曲解してでも、マーケット・トークを広げようとする

つ鏡

とまあそんな辺りはどうでも良いのですが・・・・・・・

『実際、ここ最近はバーナンキ議長の金融緩和に対するスタンスが変節≠オているなどという発言をよく聞くが、実態はどうか。FRBの目標はインフレ率2%、失業率6・5%。一方で5月のインフレ率はコアで1・7%、同失業率は7・6%だから、当分は金融緩和をするのが当たり前といえる。』

うむ、目標のうちのインフレ率はその通りなのですが、失業率の6.5%は「金利政策におけるフォワードガイダンスのスレッショルド」であって目標値というのは現実には無くて、近い数字としてSEPで示されているロンガーランの失業率なので直近だと「中央値で5.2%〜6.0%のレンジ」になるんですけどねえ。「金融市場関係者は中央銀行当局の話を曲解」ですかそうですか(^^)。

『FRBのホームページに掲載されているバランスシート(BS)の図を見ると、BSの規模は2011年6月頃から昨年11月頃までは2兆8500億ドル程度であったが、その後に急増してこの7月には3兆4900億ドル程度となっている。つまり、バーナンキはどこも変節≠オていない。』

ワロタ。

えーっとですな、そもそも変節しているかというと別に変節している訳では無い。というか変節しているとか言ってるのって金融市場関係者でそんなの居るかよと思いますし、仮に言ってるのいてもそらシロウトだろと思いますけどまあそれはそれとして、最近のFEDの金融政策トークは「従来継続していたオープンエンドQEをこれから買入ペースを下げましょうか」という話をしている訳でありまして、それはあくまでも「将来の金融政策運営」に関する説明部分でありまして、現時点での政策行動は以前決定した「資産買入を継続してバランスシート規模を毎月拡大する」というのを継続しているのだからそんなの金融政策トークがあっても無くても同じですがな。

『FRBの動きと、巷で流布される「発言内容」がいかに乖離しているかがわかるだろう。』

いやはやという所でございますが、こういうの平然と掲載するのもどうかと思うのですけれども、まあここのサイトの執筆陣見てると中々いい感じで電波浴が出来そうな物件なのですが、たまにアタクシがまともと思う人が寄稿しているのがアレでして、まともな人は出稿する媒体をもうちょっと考えて頂かないととは思うのですけどね。いやまあどうでも良いですけど。

#そういや「微妙に中途半端な数字を出す」というのは「尤もらしく見せる」以下自主規制

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2013/07/31

北ハマー先生から消費税増税問題に関するお告げキタコレ!
http://blog.livedoor.jp/orion3/archives/51974923.html

○昨日の各種メモ(俺様備忘メモ)

・さあ盛り上がって参りました(違)

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013073001000
消費税上げぬ選択肢ない=甘利経財相
(2013/07/30-20:42)

『甘利明経済財政担当相は30日、経済財政諮問会議後の記者会見で、消費税率について「よほど外的に大きなショックでもない限り、全く上げないという選択肢はない」と述べた。社会保障の財源に充てることが既定路線になっていることを踏まえ、リーマン・ショック並みの経済の激変がない限り、中期的には消費増税は不可避との見解を示したもの。ただ、安倍晋三首相が今秋に消費増税の是非を最終判断するとしているため「私が判断することではない」とも強調。消費増税の前提となるデフレ脱却に向けて「最大限の環境整備」を行うとした上で「私が予断を与えることはいかがなものかと思っている」と締めくくった。』

ヘッドラインを見たらもう思いっ切り引上げ論で甘利+麻生VS安倍+菅キタコレでさあ盛り上がって参りましたのかと思ったら良く良く読むと「全く上げない」という選択肢は無い、と言っているだけでありますので、何かヘッドライン詐欺の香りもするのですが・・・・・・・

まあしかし昨日発表の失業率も4%割れましたし、足元の指標はどう見ても好調でそらまあQQEの効果とか言って黒田総裁がドヤ顔(かどうか知らんが)で講演するわなという状況な訳ですが、これで上げないとかいう選択肢になるんだったら一体全体どうなったら増税できるんでしょうかね毎年政府債務残高が2ケタ兆円のオーダーで増殖しているんですけどねえとは思いますが、まあこうやって盛り上がって頂きました方が単に相場が動くかも知れませんという意味の無い観点からすると面白いからもっと盛り上がれという所ですな(ヤケクソ)、いやはやもうね。

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2013/07/29

○ニュース雑談というか消費税関連

またまた消費税関連で安倍ちゃん発言。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130727-OYT1T00796.htm
中期財政計画、消費税率上げ前提とせず…首相
(2013年7月27日21時14分 読売新聞)

『【マニラ=大木聖馬】安倍首相は27日、マニラ市内のホテルで記者会見し、2014年4月に予定されている消費税率の8%への引き上げに関し、「今年の秋に経済情勢をしっかり見極めながら判断していく必要がある」と述べた。そのうえで、財政再建の道筋を示す中期財政計画について、税率引き上げを前提とせずにまとめる考えを表明した。』(上記URLより)

官房長官もこの調子。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE96R00A20130728
消費税は臨時国会開催までに判断、漸次的増税も選択肢=官房長官
2013年 07月 28日 09:52 JST

『[東京 28日 ロイター] - 菅義偉官房長官は28日朝のテレビ番組に出演し、消費増税の判断に関して、4─6月の国内総生産(GDP)2次速報値が公表される9月9日以降、臨時国会開催までの間に、安倍晋三首相が判断することになると語った。税率を毎年上げる手法も選択肢の1つとして想定していることも示唆した。』(上記URLより)

時事通信見るともっと威勢の良い(?)事を仰せだったんですかね。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201307/2013072800047&g=pol
消費増税、秋の臨時国会前判断=橋本政権の教訓参考−菅長官
(2013/07/28-12:22)

『菅長官は税率引き上げの判断に関し、「デフレ脱却は安倍政権にとって一大事業だ。安易に決めるのではなく、ありとあらゆる(経済)指標、可能性を国民に示した方がいい」と指摘。「官僚は既成事実をつくり(引き上げを)判断せざるを得ない仕組みをつくる。それを今、私はぶち壊している」と述べた。1997年の橋本政権時の消費税率引き上げ後、税収が減少したことにも触れ、その原因や、必要となる対応策を検討していることも明らかにした。』(上記URLより、強調部分は引用者によります)

えーっと、既成事実をつくりとか言われましても97年の消費税増税はその前に減税措置してそれとネットでは増税でも何でも無かった訳で、減税先食いを捕まえて「既成事実を作り増税さざるを得ない仕組みを作る」のを「ぶち壊す」ってナンジャソラという所ですが、第二の矢で財政支出を沢山打ったのを後になって「増税せざるを得ない既成事実の仕組み」とは恐れ入ったロジックで、財務省涙目という所ですけれども、まー日銀に対するあの動きを見ていたら消費税増税に関してもこんなロジックになり、もともとの「先の財政支出は近い将来の財政健全化方策とのバーター」などという話が通じないという事ですな、うんうん。

#まあそういう意味では従来の自民党とは一味違うわという所ですけど>安倍内閣

大体からして97年の税収減って97年秋からの金融恐慌の影響の方が大きいだろと思う訳で、どこからどう見ても消費税上げが金融恐慌の引き金になったとは全く思えないので、何か話が違ってないかという気もするんですけどねえ。


ちなみに1%ずつ増税、という現場が涙目になりそうな案(間接税効果で毎年物価が見た目上がるからインフレ期待醸成には良いかもしれませんが)は本田内閣参与も検討課題としておりまして、(ちょっと前だけど→http://www.jiji.com/jc/zc?k=201307/2013071900955&g=eco)半年前にいきなり話が変わるというまさかのオモシロ展開でどうなるのやら。まあ債券市場って結局海外が気合入れて売って来ないと中々簡単に暴落しなさそうな気もするけどこればかりは蓋を開けてみないとワカランチ会長ではありまして、秋に向けて(どうせしばらく決定しないでしょうから目先は関係ないでしょうな)この先生大変なの!うちの円債ちゃんが息をしていないの!状態に影響でもありますかねえなどとのんびりと申し上げておきましょう。後に向けて一応メモ書きという所ですが。

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2013/07/26

○物価連動国債入札日キタコレ!!!!なのですが微妙な発言ヘッドラインががががが

毎度お馴染み財務省のサイト。
http://www.mof.go.jp/

入札カレンダー:平成25年10月
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/1310.htm

>10月8日(火) 10年物価連動国債
>10月8日(火) 10年物価連動国債
>10月8日(火) 10年物価連動国債

ということで10年物価連動国債入札キター!という所ではございますが、まあなんぼなんでも10月には消費税の話とか決まっているでしょとは思うのですが、良く良く考えたら手前の引き上げは兎も角として10%への引き上げにはどうなんでしょうかね、物価連動国債としては重要事項みたいなもんですからどうなのかねえとか思うのですが・・・・・・・・

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL250QH_V20C13A7000000/
官房長官、中期財政計画「8月に策定予定」
2013/7/25 17:06

『菅義偉官房長官は25日午後の記者会見で、中期財政計画に関して「6月に(経済財政運営の基本方針)『骨太の方針』で決めた通り、今年夏に策定する」と述べ、8月中に取りまとめる方針を改めて明らかにした。消費税率引き上げを巡る判断との関係については「中期財政計画は消費増税を決め打ちするようなものにはしない」と述べ、中期財政計画を消費増税から切り離して検討する考えを重ねて示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕』(上記URLより)

>中期財政計画は消費増税を決め打ちするようなものにはしない
>中期財政計画は消費増税を決め打ちするようなものにはしない
>中期財政計画は消費増税を決め打ちするようなものにはしない

しかしあーた決め打ちしないでどういう計画が立てれるのかと小一時間なのですけど、そういえばこの前ネタにした共同通信の内閣支持率急落の内容を(東京新聞で)見た(ネット上に記事は無いようなのでソースはお出しできないが)のですが、ANNの調査と同様に「経済政策に期待が持てない」という票がどどーんと増えている(ちなみに一方で安倍さんの人柄みたいな不支持理由は減っているのも興味深い^^)という状況で、確かにここで消費増税という話になるとアベノミクスで庶民生活ガーみたいな流れになりかねんという懸念も判らんでは無いなあと。


http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/kouhyou/kouhyou_top.html
公表予定 四半期別GDP速報

>4-6月期(2次速報) 2013(平成25)年9月9日(月) 公表予定 8時50分

ふむ、確かにこの四半期速報の公表予定から逆算すると中期財政計画の策定が9月にずれ込むと消費税の話を入れざるを得なくなるので、8月中に中期財政計画を出さない訳には逝かないとゆーことになるんですな、うんうん。


なお、一方で昨日は財務省のサイトからは消費税増税を前提としたパブコメ募集ですが別に狙って出した訳では無いとは思いますが物国入札日程発表と同日とかタイミングが美しすぎる(^^)。

http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/250725tenka.htm
消費税転嫁対策特別措置法のガイドラインに関するパブリックコメント手続を開始します

参考で付いている事業者の皆様におかれましては先刻ご承知の話ではありますが、一般消費者としてはほほうと思う話がございますな。

http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/250725tenka1.pdf
消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(概要)

http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/250725tenka2.pdf
総額表示義務に関する特例の適用を受けるために必要となる誤認防止措置に関する考え方(案)

特に下の方につきましてはなるほどそういう表示になるのかと思った訳ですが自分が表示するような事業者じゃないとついこういうの勉強不足になりますねすいません。

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2013/07/24

○内閣支持率

モーサテ(というか日経+テレ東)ではこうだったのですけど・・・・・・・・・・

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS23040_T20C13A7MM8000/?dg=1
内閣支持率、微減の63% ねじれ解消「評価」6割
本社世論調査 2013/7/23 23:00 情報元 日本経済新聞 電子版
(詳細ニュースは会員向けです)

昨日出てたニュースでほほうと思ったのはこっち。
http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013072301001870.html
安倍内閣支持56%に急落 野党再編「必要」68%
2013/07/23 16:43 【共同通信】

『共同通信社が参院選直後の22、23両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は56・2%で、前回6月調査の68・0%から11・8ポイント急落した。不支持率は31・7%で、前回(16・3%)からほぼ倍増した。』(上記URLより)

詳しい内容がイマイチ無いので何ですが、先週のニュースではANNの調査でも内閣支持率が結構大きく下げていまして、その背景ってどうなのよとゆーのは気になるんですよね。ANNの調査では景気回復の実感が無いだのという話がありましたが・・・・・・・・

んでもって、これが「生活物価が上昇傾向にあるのに中々自分の懐が温かくならないし、この先にもその期待があまりないとなると景気良くなってウハウハという話って本当に本当だったの?」というような話だったりすると、消費税増税議論に対する影響もありそう(真面目な話「生活物価が上昇するのに収入ガー」の声が大きくなってくると消費税増税先送りが支持率アップに寄与するという話になるでしょうし、大体からして安倍ちゃんの政治的信条である所の戦後レジームガーとかをやるには高支持率が無いと厳しいでしょという事もありますし)ですし、それよりもまたまたデフレ脱却に対する阻害要因になっちゃいますよねとゆーのも気になりますよねという話。

まあ昨日ネタにした佐藤審議委員の講演テキストの「私の見解じゃなくて日銀の見解だもんね」という物価上昇期待の形成部分の説明にありましたが、現在の黒田日銀でのロジックだと、コストプッシュで物価が上がっても物価上昇期待の高まりからポジティブフィードバックが起きるというような触れ込みになっておりますが(ただし佐藤審議委員は多分同意していないと思うので「日本銀行はそう期待する」という説明をしていると思われる^^)、コアCPI前年同月比0%如きで物価上昇への拒否反応が高まってしまうとポジティブフィードバックどころか逆になってしまうようにしか思えない訳で、コストプッシュ起点はあくまでもワンタイムエフェクトであると考えた方が良いんじゃネーノとか思うのでありました。

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2013/07/22

与党安定多数は良いとして民主党負け過ぎだろ・・・・・・・

○選挙雑談とか市場雑談

・東京地方区

http://senkyo.mainichi.jp/2013san/kaihyo_area_ichigyo.html?aid=B13000
何なんでしょうねこの4位はという所ですが、これ民主党分裂選挙になってなかったら恐ろしい事に武見さんが落ちていた可能性がったわけで結構なビックラな結果なんですけど(普通に1位〜3位で自公だと思ってました)。つーか野党トップが共産党かよ。

なお、唯一ネ申ってこの前もブービーじゃなかったでしたっけ(記憶が無い)。

・岩手選挙区

http://senkyo.mainichi.jp/2013san/kaihyo_area_ichigyo.html?aid=B03000

平野さんつええええええ。まあお縄先生ナムナムということで。

・京都選挙区と三重選挙区

京都
http://senkyo.mainichi.jp/2013san/kaihyo_area_ichigyo.html?aid=B26000

三重
http://senkyo.mainichi.jp/2013san/kaihyo_area_ichigyo.html?aid=B24000

現代表のおひざ元もそうですが、元代表のおひざ元でも取りこぼしとか民主党駄目過ぎだろう・・・・・・・・・・代表じゃないけど埼玉とかも落としてやがるし。

・比例

http://senkyo.mainichi.jp/2013san/

野党多党化にも程がある訳で、票数だけ単純に計算(目の子ですが)したら与野党は割と接近するのですが、小選挙区なのと多党化した分で与党が圧勝したというのもあるように見えますけどね、つーか比例でワタミとか藤巻とか当選するんですかそうですかorzorz

・ということで市場雑談というか何というか

金曜の株式市場では突如日経平均ベースで500円位下がってましてナンジャソラという所なのですが、選挙前でも徐々に株式上昇モードだった中で急にインデックス中心に威勢よく下落という流れでございまして、まー選挙前にこれだけ戻ったのですから売りたくなる人もいるだろうな〜とか話をしていた途端に落ちたから何の呪いだと思ってしまいましたが(^^)。

でまあ選挙の結果は織り込み済みとは言えどうせ株式市場がヒャッハーとなって反応するんでしょうけれども、これからTPPだの消費税増税だの色々とお洒落なネタが待っております一方で憲法改正ガーとか外交ガーとかゆーネタもありまして、まあ本当はここからがスタートラインなんでしょうな。

で、最大の懸念はやはりこの件でしょうな、うんうん。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130718-00000001-fsi-bus_all
浜田宏一内閣官房参与 消費税率引き上げ、先送りが適当
SankeiBiz 7月19日(金)8時15分配信

『安倍晋三首相の経済運営のブレーンである浜田宏一内閣官房参与(米エール大名誉教授)は18日までにフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の効果が順調に表れているとの認識を示す一方、政府が10月にも判断する消費税率引き上げの是非については「極めて慎重に判断すべきだ」と述べ、引き上げ時期の先送りが適当との姿勢を明らかにした。』(上記URLより)

・・・・・・・・・・・従来から安倍ちゃんの発言の傾向を見ておりますと、まあ何だかんだと言いましても浜田参与の発言に近いニュアンスが感じられる訳でして、今回の選挙後の各社ニュース番組でのインタビューでの発言を見ておりますとど〜も消費税増税しないで済ませたい的なニュアンスを感じるのですけれどもねえ。

とまあ色々とございますが、今後の展開次第ですよね〜。

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2013/07/16

○消費税増税に関する浜田参与発言とな

こんなん出てましたが。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE96C02220130713
5%の消費増税、日本経済へのショック大きい=浜田内閣官房参与
2013年 07月 14日 08:15 JST

『[東京 13日 ロイター] - 安倍晋三首相のブレーンで内閣官房参与を務める浜田宏一・米エール大名誉教授は13日、2015年度までに現行5%の消費税率が10%まで段階的に引き上げられる計画になっていることについて、5%の消費増税による日本経済へのショックはかなり大きいと語った。都内で開かれたセミナーで述べた。』(上記URLより、以下同様)

確か木曜に名古屋で同じような講演をしていたと思いますが、消費税引き上げに浜田先生が慎重となという事で、まあ従来からそういう話をしていたのでそう来るなあとは思いましたが。

『政府は現在の5%の消費税率を来年4月に8%、2015年10月に10%に段階的に引き上げることを計画している。これに対して浜田氏は「政府の公式見解ではない」と前置きしたうえで、2年後に消費税率が5%上昇することの日本経済へのショックは「かなり大きい」と指摘。』

ふむふむ。だったら円安ドライブのコストプッシュでインフレを2%いやまあどうでも良いです。

『そうしたショックを軽減するための補正予算編成など財政措置は「変動相場制の下では財政は効かないので期待すべきでない」とし、「法人税制で刺激するのがいい」との見解を示した。』

あたくし頭が禿しく悪いのでさっぱりワカランチ会長なのですが、「変動相場制の下では財政は効かない」のに「消費税増税のショックがかなり大きい」という理屈はどうなるとそうなるのでしょうか。「財政措置が効かない」んだったら「マイナスの財政」の増税も効かないと思うのですが何でそうなるんでしょうマジで判らん。消費増税が消費性向の高い所に悪影響とかいう話だったら再配分の問題ではないかと思うのですが・・・・・・・・・・

ま、いずれにせよ判断するのもうちょっと先の話らしいですけどね>消費税増税

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2013/07/12

で、今回のMPMですが、展望レポートの中間レビュー付きだというのに無暗矢鱈と早い時間で終了しておりましたが、どうせ無風だからはあそうですかとか思ってたらMPM出た後に為替がドル安なのか円高なのか判らんが振れていたのは何なんですかね。
http://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2013/index.htm/

ちなみに去年の場合どの位の時間に終了していましたかね、というのはこの辺を(^^)。
http://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2012/index.htm/


○声明文:現状判断をやたらめったら上げているのだが先行きの解釈がややムツカシヤ

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130711a.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130611a.pdf(前回)

会見の報道の解禁時間後に「総裁が景気回復宣言」とか共同のヘッドラインに出ていてワロタですが、まあご案内の通り現状判断部分が物凄い勢いで威勢がよろしゅおすな。

・現状判断:総括判断は「回復」へ

ご案内の通りですが。

『3.わが国の景気は、緩やかに回復しつつある。』(今回)
『3.わが国の景気は、持ち直している。』(前回)

持ち直しから回復に上がっているのは当然ながら景気の現状に対して自信を深めたからなのですけれども、「緩やかに」とか「しつつある」とか微妙にヘッジクローズを入れているのがチャーミングで、まー亀さんかカタツムリさん辺りがソロソロと首を出して来ましたぞなもしという所で。

・現状判断:需要項目はやたらめったらあちこち上方修正

総括判断よりも目に付くのはこちらの方で、進軍ラッパが鳴り響いているように見えるわけなのよね。

『海外経済は、引き続き製造業部門に緩慢な動きもみられているが、全体としては徐々に持ち直しに向かっている。そうしたもとで、輸出は持ち直している。』(今回)
『海外経済は、引き続き製造業部門に緩慢な動きもみられているが、全体としては徐々に持ち直しに向かっている。そうしたもとで、輸出は持ち直しつつある。』(前回)

海外経済全体はヨコなのですが輸出は「持ち直しつつある」から「持ち直している」と言い切り型に変更になって上方修正のように見えますぞな。

『設備投資は、企業収益が改善するなかで下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられている。公共投資は増加を続けており、住宅投資も持ち直しが明確になっている。』(今回)
『設備投資は、非製造業が引き続き底堅く推移するなか、全体としても下げ止まりつつある。公共投資は増加を続けており、住宅投資も持ち直し傾向にある。』(前回)

設備投資の部分が「下げ止まりつつある」から「下げ止まっており」とこれまた言い切り型になりまして、ダウントレンドからの脱却という判断をしめしております。しかもその中で前回は非製造業は底堅いけど製造業はまだまだという話になっていたのが改善されていますし、背景となる部分に「企業収益が改善」となっていてこれまた随分な進軍ラッパですなあという所です。

公共投資はヨコですけれども住宅投資も「持ち直しが明確」とかこちらも自信度アップなのですけれども、住宅投資の「持ち直し」ってそれ消費税の駆け込みとか金利上昇の影響じゃネーノという気もだいぶするので、現状判断をここで威勢よくする必要があるのかという気がすると言いますか、何か尻馬乗り系の香りがするのは気のせいですかそうですか。

『個人消費は、消費者マインドが改善するもとで、引き続き底堅く推移している。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は緩やかに増加している。企業の業況感は改善している。』(今回)
『個人消費は、消費者マインドが改善するもとで、引き続き底堅く推移している。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は持ち直している。』(前回)

個人消費は強めの判断維持、生産は「持ち直し」から「増加」に上がっていますな。ちなみに業況感云々は短観の出た影響なので前回と比較できませんにゃ。


『この間、わが国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、足もとではゼロ%となっている。予想物価上昇率については、上昇を示唆する指標がみられる。』(今回)
『この間、わが国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、前年のエネルギー関連や耐久消費財の動きの反動から、マイナスとなっている。予想物価上昇率については、上昇を示唆する指標がみられる。』(前回)

まあここはこんなもんでしょ。


・先行き見通し:解釈が難解ホークスにも程があるわ

今回見てて????だったのは第4パラグラフの経済見通しの方でしてね。

『4.先行きのわが国経済については、国内需要の底堅さと海外経済の持ち直しを背景に、緩やかに回復していくと考えられる。』(今回)
『4.先行きのわが国経済については、金融緩和や各種経済対策の効果もあって国内需要が底堅さを増し、海外経済の成長率が緩やかながらも次第に高まっていくことなどを背景に、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。』(前回)

表現がすっきりするのは基本的に「その方向性に対して自信度が上がった場合」という法則があるので上方修正しているように見えますし、結論の部分も「回復経路に復していく」というややこしい表現がすっきりと「回復していく」となっているので上方修正にも見えるのですが、国内需要の底堅さの所が「増し」というのが抜けているのは何ですねんとか、更にワカランチ会長なのは海外経済の所で、「成長率が緩やかながら次第に高まって行く」というのと「持ち直し」だとどっちの見通しが強いのかが最早禅問答というか蒟蒻問答状態。

判らない時は英文(念の為ですが、ステートメントなどの英文バージョンは「ご参考」の物でして、MPMで文言を決定しているものではありません、つーかそこを議論しだしたらこだわりの人たちが喧々諤々状態になってMPMがあと1日余計に必要になると思います^^)を見るという必殺技がございます、つーかまあ判る時も読むのがオモシロスですけどね。

http://www.boj.or.jp/en/announcements/release_2013/k130711a.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/en/announcements/release_2013/k130611a.pdf(前回)

『4. With regard to the outlook, Japan's economy is expected to recover moderately on the back of the resilience in domestic demand and the pick-up in overseas economies.』(今回)

『4. With regard to the outlook, Japan's economy is expected to return to a moderate recovery path, mainly against the background that domestic demand increases its resilience due to the effects of monetary easing as well as various economic measures, and that growth rates of overseas economies gradually pick up, albeit moderately.』(前回)

・・・・・・・・・・ううう、これ読んでも上方修正なのか下方修正なのか横ばいなのか判らない訳でして、単独で見てるとさっぱりワカランチ会長とかちょっとご勘弁頂きたいのですが、まあ今回に関しては展望レポートの中間レビューがあるからそっちの数字と次のパラグラフの表現見てると基本的に「オントラック」状態と判るので、そこから逆算すると今回の先行き見通しは前回対比横ばいという事になるんでしょうが、これは今日出る金融経済月報における項目別の説明部分を読む必要があるぞなもしという話っす。

『消費者物価の前年比は、プラスに転じていくとみられる。』(今回)
『消費者物価の前年比は、次第にプラスに転じていくとみられる。』(前回)

まあこれは上方修正というか展望レポートのシナリオに沿った推移でございますよという話ですな。


・展望レポート中間レビュー:オントラックですかそうですか

これは今回のみ入りますので前回対比とかありません。

『5.4月の「展望レポート」で示した見通しと比べると、成長率、消費者物価ともに、概ね見通しに沿って推移すると見込まれる。』(今回)


・リスク認識:海外経済の「成長力」という表現が抜けていますのう

『6.リスク要因をみると、欧州債務問題の今後の展開、新興国・資源国経済の動向、米国経済の回復ペースなど、日本経済を巡る不確実性は引き続き大きい。』(今回)

『5.リスク要因をみると、欧州債務問題の今後の展開、米国経済や新興国・資源国経済の成長力など、日本経済を巡る不確実性は引き続き大きい。』(前回)

英文版はこちら。

『6. Regarding risks, there remains a high degree of uncertainty concerning Japan's economy, including the prospects for the European debt problem, developments in the emerging and commodity-exporting economies, and the pace of recovery in the U.S. economy.』(今回)

『5. Regarding risks, there remains a high degree of uncertainty concerning Japan's economy, including the prospects for the European debt problem and the growth momentum of the U.S. economy as well as the emerging and commodity-exporting economies.』(前回)

まあ何ですな、これを見ると米国は「成長」が「回復」に格下げになっているのですが、新興国資源国に関しては「動向」となっておりまして、まあメインのシナリオではそんなにいじっていない(と思われるのだが月報みないとワカランチ会長なのは先ほど申し上げた通り)のですが、リスク認識としての海外経済への警戒は高まっているように見えますにゃ。


・最後の部分は同じ

全文一致なので今回分だけ引用。

『7.日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う(注)。このような金融政策運営は、実体経済や金融市場における前向きな動きを後押しするとともに、予想物価上昇率を上昇させ、日本経済を、15 年近く続いたデフレからの脱却に導くものと考えている。』(今回)

(注)というのは木内さんの提案で、木内さんの提案も全文一致(^^)。


○展望レポート中間レビューの数値とかファンチャートとか

別紙はPDFの3ページ目から。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130711a.pdf

4月展望レポート(の基本的見解)図表その他はPDFの7ページ目から。
http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1304a.pdf

PDFベースで表組みされているとちょっと使いにくいので、FEDのSEPみたいにHTMLで数字を並べている「アクセスしやすいバージョン」というのを作って頂きたい(翌日でもいいですから)のですがロジ的にしんどいですかねえ。ご検討をお願いしますが良く考えたらそれを使うのはアタクシだけですかそうですか(^^)。

実質GDP

2013 年度
今回:+2.5〜+3.0<+2.8>
前回:+2.4〜+3.0<+2.9>

2014 年度
今回:+0.8〜+1.5<+1.3>
前回:+1.0〜+1.5<+1.4>

2015 年度
今回:+1.3〜+1.9<+1.5>
前回:+1.4〜+1.9<+1.6>

2014年度の見通しの数字を下げてきた人がいるのねという所でして、ここの数字だけ見るとちょっと下がっているんじゃないのという感じではあるのですが、磔のスキルがございませんので図表は元の方をご覧ありたい訳ですけど、ファンチャートの方を見るとそんなに下がった感じはしないような見え方ではございます。細かい票読みはまだしておりません(ただの手抜き)ので月報&会見ネタの時にでも。

コアCPI(消費税影響除く)

2013 年度
今回:+0.5〜+0.8<+0.6>
前回:+0.4〜+0.8<+0.7>

2014 年度
今回:+0.7〜+1.6<+1.3>
前回:+0.7〜+1.6<+1.4>

2015 年度
今回:+0.9〜+2.2<+1.9>
前回:+0.9〜+2.2<+1.9>

つーことで、数字の表の方だけみておりますと前提としての実質GDP見通しが若干下がった一方でコアCPIの見通しがあまり変わっていないの?となりそうですが、これまたファンチャートを比較しながら見るとそんなに違和感は無くて、まあ要するにオントラックですよという話なんでしょ。


まあ元々の景気先行き見通しが盛大に強気というか楽観的というか願望レポートというかでございますので、足元の判断が盛大に強くなってもそれはあくまでもオントラックという話だったりするので先行き見通しの方があまりカワランチ会長、とまあそういう事なんでしょうな、うんうん。


○その他少々雑談で

・会見ヘッドラインは例によってヘッドラインバイアスに注意ですが

会見テキストは今日出るのでそちらを見て色々と確認するのが吉なのですけれども、昨日の会見ヘッドラインでウケを取ったり脱力したりというのはこの辺っすかねえ。

JBN 16:40 *日銀総裁:長期金利は極めて安定している
JBN 16:40 *日銀総裁:長期金利のボラティリティも低下している
JBN 16:41 *日銀総裁:米金融政策が新興国市場に与える影響を注視
(以上ブルームバーグニュース昨日のニュースヘッドライン(のほんの一部)から)

最初の2つは「まーたそれか」という奴で、いやあの単に先生!大変なの!!セカンダリーマーケットちゃんが息をしていないの!!!状態でございまして、売買がそこそこ伴って結果として相場の方向性がまあございませんなあという状況ならそれはそれで良いのですが、「極めて安定」というよりは「極めてウゴカンチ会長である」という所だと思うのですがヘッドラインだけ見ていると良く判らん。

とりあえずベンダーのヘッドラインバイアスとしては債券市場に興味の無い黒田総裁みたいなフレームアップをするような感じにヘッドラインが打たれる方向にあるので、その度に一々市場が(#^ω^)ピキピキとなるのはエネルギーの無駄使いのような気はしますが、そうは言いましても引き続きその手のバイアスがあるので総裁発言が燃料投下系になるリスクを念頭に置きながらうまい事発言して頂きたいのですが、これがまた実際に興味が無くて「チッ、うっせーな」と思っているのでしたらあばばばばーではございます。本当はどっちなんでしょうかねえ・・・・・・・・・

で、3番目の部分はワロタというかお前が言うなというかでございまして、誠に味わいのあるヘッドラインでございますが、はてさてこれもまた前後の文脈を読むのが楽しみですなあというものでございまする。

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2013/07/11

○コアコアで判断・・・・・・・・・・・で本当に良いのかというのもあるんだが

昨日話題になってましたなこのロイターの記事。

http://jp.reuters.com/article/idJPTJE96800420130709
〔焦点〕政府のデフレ脱却判断、「コアコアCPI」採用へ
2013年 07月 9日 21:23 JST

『[東京 9日 ロイター] - 5月全国消費者物価指数(除く生鮮、コア)が前年比0.0%とマイナスを脱し、デフレ脱却の局面が近づいているとの声が一部のエコノミストから出ているが、政府はエネルギー関連を除いた「コアコア指数」で判断する方針を明らかにしている。コア指数の上昇には、単純に需要の強まりと判断できない「訳ありケース」が含まれているからだ。デフレ脱却判断のハードルが高くなり、結果として消費増税判断に影響する可能性もある。』(上記URLより)

つーことですが、もともとコアコアがどうのこうのって話は前からしてたよな〜でも「採用へ」ってそーゆー感じで思いっ切り表明とかしてましたっけ?とか思いつつ月例経済報告を確認。

6月月例経済報告はこちら
http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2013/0613getsurei/main.pdf

こちらの本文5ページ(ファイルの7ページ)に物価に関する記述がありますな。

『消費者物価の基調を「生鮮食品、石油製品及びその他特殊要因を除く総合」(いわゆる「コアコア」)でみると、このところ下落テンポが緩やかになっている。4月の季節調整済前月比は、連鎖基準、固定基準ともに0.1%上昇した。「生鮮食品を除く総合」(いわゆる「コア」)は、緩やかに上昇している。4月の季節調整済前月比は、連鎖基準で0.2%上昇し、固定基準で0.1%上昇した。』

『先行きについては、消費者物価(コアコア)は、次第に下げ止まりに向かうことが期待される。こうした動向を総合してみると、我が国経済はなお緩やかなデフレ状況にあるものの、このところ一部に変化の兆しもみられる。』

・・・・・・・・ということで「採用へ」もへったくれも無くて元々月例経済報告ベースでの物価の基調を見るのにはコアコアのCPIを使っているので、ロイターの「採用へ」というヘッドラインは単なる釣り記事であることが判明しました、一瞬ワシも釣られそうになったが(−−;



でまあその事実関係の確認は良いとしまして、コアコアの動向をトレンドとして見るのに使うのはまあ良いとしまして、じゃあその数値を見てデフレ脱却がどうのこうので判断を慎重に、というのも何だか如何なものかという気はするんですよね。

つまりですな、従来はどちらかと言えば「コアコア」を持ち出すことによって日銀に嫌がらせをするじゃなかったより慎重に物価判断をするという事で、(大体からしてコアコア持ち出したのって俊ちゃんの量的緩和解除とかそういう時代からだったようですし)まあその趣旨は趣旨で判るのですけれども、一方で金融政策がレジームシフトを行って「インフレ期待の抜本的な転換をしよう」という流れとなっている中で何も低い方のコアコアの数字を持ち出してデフレ脱却宣言を渋る、というのは逆にインフレ期待の転換の足を引っ張るんじゃネーノという考え方もできる訳ですな。

それに加えまして、常にコアコアが良いのか、と言いますとそれも必ずしもそーではなくて、それこそグローバルな資源への需要拡大とか、エネルギー政策の変更に伴うコスト構造の変化とかのように、必ずしも「一時的要因」で棄却して良いものでは無い場合だってある訳ですし、そもそもコアだのコアコアだのを使うのは「基調的傾向を見るのに足元要因での振れを棄却するため」なのであって、本来は「総合物価指数の基調的傾向がどうであるのか」というのが金融政策の目的として重要なので有る訳ですから、そんなにコアコアに拘らんでもと思うのですけど、まあその部分は拘っているような書き方をしているロイターの釣り記事に釣られている可能性の方が高いですかそうですか(^^)。


以前も何回かネタにしておりますけど、セントルイス連銀のブラード総裁と言えばインフレターゲッティング政策の本流というか最右翼というかなお方なのですが、実はまあこの方が暫く前に「(米国式の)コアの過度な重視はイクナイ」という話をしているのですな。

http://research.stlouisfed.org/econ/bullard/index.html
セントルイス連銀のブラード総裁のお部屋(ちょっと違う^^)

こちらの頭に「Key Policy Papers」というのがありまして、そこの中にこんなのが。

http://research.stlouisfed.org/publications/review/11/07/bullard.pdf
"Measuring Inflation: The Core is Rotten"

2年前のペーパーで、以前ネタにしたような気がしないでもないのですが、インフレを測るのにどういうものが適切なのですかという話をしていて、そこで題名が堂々の「The Core is Rotten」と「コアは腐ってやがる」というものでありまして、これすなわち日本で言うコアコアの話になる話ですし、本人のお部屋の「Key Policy Papers」の6本のうち1本になっているという力の入れようで内閣府残念無念という所ではありまする。

内容に関してはまあ長いのだが、上記PDFファイルの9ページ目(本文の最後の部分)にあります所の『WHAT SHOULD WE DO?』という所を読めばヨロシ。

『The theme of my remarks has been that U.S. monetary policy needs to de-emphasize core inflation. Core inflation is not the ultimate goal of monetary policy. I have considered four classes of arguments for a focus on core inflation and found all of them wanting. For this reason, I think the best the FOMC can do is to use headline inflation when looking at the price side of the dual mandate.』

内閣府涙目ですが以下その展開が続きます。まあ折角なので引用だけしておく。

『Core versus headline inflation has been a long-standing issue for the FOMC. The focus on core inflation in the United States seems to be more entrenched than in many other countries. I have argued that the older ideas justifying this focus have rotted over time-indeed, they probably made little sense from the start.』

『The FOMC needs to get a better playbook on this question so that the Committee can reconnect with American households, who see price changes daily in many of the items the Committee seems to exclude from consideration in making monetary policy.』

(・∀・)

『The headline measures of inflation were designed to be the best measures of inflation available. It is difficult to get around this fact with simple transformations of the price indexes. The Fed should respect the construction of the price indexes as they are and accept the policy problem it poses. To do otherwise may create the appearance of avoiding responsibility for inflation. There is widespread agreement that headline inflation is the goal variable of monetary policy with respect to prices.

Normally one would want to operate directly in terms of the goal variable whenever possible. The concept of core inflation suggests that somehow an intermediate target strategy with respect to price inflation is optimal for U.S. monetary policy. As I have outlined in this article, I do not think this has ever been convincingly demonstrated. In addition, the U.S. focus on core inflation tends to damage Fed credibility.』

とは言いましても、こちらにありますようにコアを使うなという話でも無いので念の為。

『As I noted in the introduction, many other central banks have solidified their position on this question by adopting explicit, numerical inflation targets in terms of headline inflation, thus keeping faith with their citizens that they will work to keep headline inflation low and stable. The Fed should do the same.』

まあ国民厚生という事を考えたらそら総合インフレですよねえという事で。ちなみに基調的インフレを何で見ますかという論点については日銀から何度かペーパーが出ている(何回かネタにしたが)のでご参考にしてちょという所ですな。

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2013/07/10

○そういえばすっかり相場雑談がございませんなあという雑談

あたくしの駄文なんですか自分が後で見る用という俺様理由によっててきとーに整理分類しているのですけれども(分類はてきとうで作業は人力)、分類していて思ったのですがここ数年は(諸般の事情?により)相場後講釈コーナーってそんなに多くは無かったのですけれども、今年の4-6はあまりにもそれが多くて普通半期でページを分けるのですが量が多くなるので四半期で分けたんですよね。

・・・・・・・・で、四半期で分けるほどの感じで推移していました債券市場様でございますが、良く良くてめえの駄文を見ておりますとああだこうだと書いていたのは概ね5月末位までで、6月って確かに相場は動いていたのですが、結局の所延々と10年0.8%台での推移が続くという流れでして、海外要因があった時は窓を開けてスタート→輪番のオファーで動く→輪番結果で動く、その他の時間は入札に向けたコンセッションと入札の日はその結果で動く、という展開ではあったものの、「大暴れするけどレンジワーク」という流れが次第に「何か投資家がろくすっぽ動かないのでどうにもこうにも」という風になっている、というのはまあそれこそあたくしなんぞよりもお詳しい方々が大量においでであると存じますので、実際体感的にどうよとゆー辺り親切な方教えてくらはいお願いしますお願いします。

でですな、公社債店頭売買動向とか見てても思うのですが、セカンダリーの売買が別に伴っている訳でも無く、輪番の順列組合せとかでヒョコヒョコと動く相場とかゆーよーに輪番依存状態になっている相場が達観するとウゴカンチ会長(雇用統計で債券おはぎゃー米国10年国債25bp売られた後の月曜の円債10年カレントは2毛5糸甘の0.880%で翌日謎の反発(あの戻りは何だったの?)して10毛戻った火曜の円債10年カレントは1毛5糸強の0.865%とかドンドン反応が弱くなって来ていて先生大変なの円債ちゃんが息を(ryという風情になる所が実にこう残念無念な所。

まーどこからどー見ても「日銀の買入効果で売りたい人の売りの吸収が進みましたけーのー」という状態ではあるので、輪番効果で最終的にボラティリティを低下させましたよとか言われるとはあそうですかという話になってしまう次第で、そのうち日銀からその手の分析ペーパーが出てきやがるのではないかという所なのですが、どうも何か違うんだよな〜というかそうじゃないんだよな〜感は拭えません。

つまりですね、足元では単に「売りたい人の売りを日銀が時間を掛けて吸収した事によって下を叩いて売る投資家がいなくなった」というだけの状態なのであって、その間に買入効果もあって流動性を低下させてしまって、マーケットメーカーの玉吸収力をすっかり落としてしまっているので、今度「どうしても売らないといけない人」が出てきた時に、その規模が大きかった場合に市場がそれを吸収できるのでしょうかというのは正直????であったりします。まあ足元ではそういう「どうしても売らないとマズー」みたいな人が居るとも思えず(つーか居たらもっとボラが高いわ)、一方で今の水準だともうちょっと金利上がったら押し目買いをしようとゆー人は人でいる(でも上を追っかけて買う訳では無いみたい)のでまあ達観するとサガランチ会長モードでもありアガランチ会長モードでもある、という状況のようですな。

とにかく「売買を伴っているものの市場のボラは低下」という訳では無く、単に流動性を殺しに行った結果として誰もいなくなってしまったのでボラが低下しているだけですので、いずれにせよ何かおっぱじまったらまたアチャーな事になって、前回(4月〜5月)対比でマーケットメーカーの流動性吸収(というか供給というか)能力が更に落ちていそうなので色々とアレな気はしますが、じゃあそうなる時は何が原因かっていうと「どうしても買わないと」または「どうしても売らないと」というような人がマーケットメーカーの許容範囲を超えた場合ですので、まあそんなケースってどういう時に起きますかねというのでもつらつらと考えながら頭の体操をする今日この頃でありまする、ってな雑談でありまして、だからどうだと言われると困るのですが・・・・・・・・・


んでもって短い方なのですが、最近はすっかり当座預金残高80兆円越え状態が板について参りまして、マネーストックの数字も誠に結構な数字になっているのですが、こちらはこちらでまた当座預金残高が増えているから市場金利が急低下でもするかというとそういう訳はまるでございませんで、カネの巡り自体はまあそんなに変わりませんし、CPのレートは(日銀買入対象外になる当座預金取引先が発行する銘柄は別として)まあ見事に0.10%〜0.11%のクソ狭いレンジに収斂しているし、おまけに発行体の格付けとかによる差も(格付けが思いっきり低いケースを除いて)ろくすっぽ無いという市場の価格発見機能ってなんでしたっけ状態になっている状況。レポの金利も動きませんし短国の金利はまあ動くには動きますけれども、最近は何だかんだ言って0.09〜0.095位でうだうだしているということで、まあこっちもこっちでウゴカンチ(一時ドルのベーシススワップ関連で金先が叩かれたりしたことはありますが結局一時的要因に終わったようで)会長という風情でありまして、もう何だかねという所。

まー短期に関しては現実問題として当座預金残高80兆円というものがどどーんと鎮座ましますので、0.10%から上に金利が上がったら超過準備の永久凍土が急に溶けて動きだしますからボラが上がるとかいう話にはならないので、債券市場よりも貫録のウゴカンチ会長でありまして、まあこちらはそういうもんでしょうな。うんうん。


ということでダラダラと雑談を書き連ねたのですが、結論は正直無い。短期が動かないのはまあ良いとして、長期に関してはこれ単に市場の流動性が禿しく落ちているだけで、これをもって総裁様がドヤ顔で「債券市場は落ち着きを取り戻している」とか言い出すと債券市場の皆様が「まーた始まった」と脱力するのであまりコメントをしない方が良いと思いますけどね。


○決定会合プレビュー系

盛大にツッコミたいヘッドラインがあったのでプレビュー雑談である(^^)。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MPLPR46JIJVL01.html
日銀は現状維持へ、10月の追加緩和観測はやや後退−景気改善と株高で
更新日時: 2013/07/10 00:00 JST

『7月10日(ブルームバーグ):日本銀行は10、11の両日開く金融政策決定会合で、政策運営を現状維持とする見込みだ。足元で景気が改善を続けていることに加え、金融市場で円安・株高基調が続き、長期金利も落ち着きを取り戻していることもあり、日銀が10月ころに追加緩和に踏み切るとの一時強まった見方はやや後退している。』(上記URLより)

・・・・・・・・・・orz

えーっと、現在の金融政策の最大の看板は「2%の物価上昇目標を2年で達成する」でありますので、円安株高基調が続き長期金利が落ち着きを取り戻しているから追加緩和をしない、という見方はそもそも政策ロジックという観点からすると盛大に斜め上の理由だと思うのですけれども何なんでしょうね、と詳しい中のコメントを読まずに(というのは大げさで一応斜め読みはしているよん)小一時間問い詰めたい所です。

どちらかと言いますと足元では物価の方に関して、とりあえず円安で輸入コストがどうのこうのだのの影響でプラスの0%台半ばくらいまでは行くのだろうけれども、その先に関してはどうも伸びそうもないんだけど大丈夫かみたいな話の方が増えてきているとあたしゃ理解しているのですけれども、まあ間違いだったらゴメンナサイなのであまり小一時間とか偉そうなことを言うのも何ですけれども、「物価目標2%の2年間での達成」の先行きが怪しくなってくる可能性が高まってくれば普通に展望レポートの改定となる10月に「何らかのアクションを取らないと都合が悪くなる」というリスクが高まって来るので、それは追加緩和観測が高まる方向になると思うのですけれども。

いやね、物価上昇のペースが思ったよりも強くなっていて、インフレ期待が目に見えて上昇しているんですよというのであれば、だからこそ10月の追加緩和なんかございませんですよウェーハッハッハというのであれば話は分かるのですが、景気改善はともかくとして株高と長期金利が落ち着いているから追加緩和の可能性が後退というのはそもそも変だろと思いますけれどもちょっとヒアリング対象見直した方がエエンデネエノという気はしましたぞ。


という悪態は兎も角として、まあ金融緩和の方法という意味では日本以外に関しては明確に「低金利政策の長期化というフォワードガイダンス」という時間軸政策を強弱の違い(というかECBの場合はただのやるやる詐欺にしか見えないが)はあるにせよ中心に据えて、「中短期金利を確りアンカーさせることによって長期市場金利をすくなくとも上昇させない(BOEとECBは現状から下げようとしている)」というステージになっているのですが、その一方で日本は「量で勝負」の世界におりますな。

んでもってその時間軸勝負ですけれども、ちょうど直近でBOEとECBがまるで協調したかのように時間軸勝負に打って出たので、そうなると日銀も何かするのでしょうかねえという思惑が出ても不思議では無い(というか海外とかそういう発想をする人多いと思うの)のですけれども、まあ日本の場合はこの前も申し上げましたように、金融政策のステージが「物価目標というマンデートに全然行っていない」という状態なので他と状況が違うのでこれはこう成らざるを得ないですし、うっかり変な時間軸を設定しようとすると「2年、というかもう残り1年9か月ですけれども、2%の目標達成させる為に大量の量で勝負をしてたのに何で長期化という話になるんですかやる気あるんですか」という話になってしまうので、惜しくも理屈からして他の中央銀行と同様の時間軸勝負というのは出来ないような仕様になっております。

となった場合に、また海外が何か言うのかなあとか思ったのですが、良く良く考えたら海外の皆様におかれましてはTaperingの方が注目材料ですからBOJなんぞノーケアーなんですかね(^^)。


まあいずれにせよ、どうせ上方修正するんでしょうというのは読めますし、先行き見通しもオントラックで維持するんでしょうというのも読めるのですが、リスクは総裁会見で黒田さんが調子に乗ってまた要らん事を言い出す事でしょうな、うんうん。

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2013/07/04

うむ。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE96205C20130703
信認疑われるような金利上昇、政府日銀がしっかり対応する必要=首相
2013年 07月 3日 15:16 JST

信認が疑われるような金利上昇に「対応」するのではなくて「中長期的な財政の維持に向けた取り組みでそのような事が起きないようにする」のが表現として適切だと思いますお。そんなこと起きたら「しっかり対応」もへったくれも無い状態になると思いますお。

○市場雑談メモというか何というか

・輪番ェ・・・・・・・・・・

昨日の輪番オファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of130703.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 1,000 2013年7月5日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,000 2013年7月5日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,500 2013年7月5日
国債補完供給(国債売現先)・即日(注3) 2,000 2013年7月3日 2013年7月4日

後場にありました補完供給で10年329回ですかそうですかというのもありますが、それはそれとして昨日の輪番オファーで「ほえ?」という反応がややあったのはこの中の5年超10年以下の所でして、オファー額が4500億円になったこと。

5月末に出された国債買入の予定の2ページ目に月間買入予定が示されていますが。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/rel130530b.pdf

残存期間:5年超10年以下
月当たりのオファー回数:6回程度
一回当たりのオファー金額:4,500〜6,000 程度
月当たりの購入額:27,000〜36,000程度

とまあこういう事になっておりまして、4500億円というのは事前アナウンスの下限額なのですけれども、6月中は5〜10年ゾーンは1回5000億円の買入でしたので、何でここで減額するしという事でちょっと相場がビックリしたのかどうか知らんけど、相場がちょっと下がってしまいました。

あと、昨日の輪番ですけれども超長期がスキップされたので入札前に超長期の輪番にぶつけようとしていた人がガックリで売りという話もあって、どんだけ輪番依存ですねんという所ですが、まあそういう相場に日銀がしたのですから如何ともし難いっすな。

ちなみに輪番の結果は、
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba130703.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 4,180 1,005 0.000 0.000 77.0
国債買入(残存期間3年超5年以下) 13,619 4,006 -0.004 0.001 27.2
国債買入(残存期間5年超10年以下) 12,419 4,505 -0.003 0.001 72.6
国債補完供給(国債売現先)・即日(注4) 75 75 -0.400 -0.400

ということで、1−3年ゾーンは別としまして、中期と長期に関しては前場引けの先物1銭安だいたい現物債引け近辺という板からすると足切りが引け強まで入っておりまして、あら結果良かったのねという話になって後場は相場は(ちょっとですけど)上昇してたので、特段どうのこうのというのは無かったのですけれども・・・・・・・・・

今回何でまた減額しましたねんという話なのですが、当然ながら調節やってる中の人しかその本当の理由は判らんので勝手に妄想する訳なのですが、まあ妄想およびお友達との雑談の結果幾つか考えてみたんですけどね。

まず最初に思ったのは6月の買入で比較的平均残存が長めに買えた(月末オファーで月跨ぎの買入があったのでその分が公表されていないので正確なのは判らんのだが8年程度)ので、じゃあ長期ゾーンの買入をちょっと減らしても良いんじゃネーノと調節に出たのかなあとゆー所。もちろん超長期を調整するとか、他の部分を調整するという手はあるのですけれども、10年減らしたのは日銀買入効果によって10年ゾーンの需給がアホほどタイトになっている事を意識してちょっと減額してみましたとか。

買入の年限がそこそこ行ってる(まあ10年というよりは超長期の長い所(40年6回とか^^)が効果を出しているようにも見えますが)というよりは10年カレントの需給を意識した方が大きいような気もせんでもないのですが、いずれにせよテクニカルな調整なのでしょうが、先週水曜のオペスキップ⇒月跨ぎの買入実施という変化技もそうなのですが、何かここもと「市場の予想を微妙に外してくる」オペの打ち方になっている点は若干気になる所でございます。

でまあこの「市場の予想通りにやれば良いのか」という話になりますと、オペレーションの予見可能性の問題や、買入オペ実施における技術的なテクニカルな問題など、話が色々と拡散してしまって、整理整頓しないと無限にダラダラと話をする事になるのでその辺はもっと自分で整理した上に市場の中の人(まあワシも中の人だが)の色々な見解を聞かないと「ワシはこう思うが実は総意は別」みたいな話を延々と続けることになるので、どういうのが良いのかってえ話はまあ教えてジェネラルという所でもあります(とクレクレ^^)。ま、最近すっかりセカンダリーの売買が不活発と言いますか、先生!大変なの!!円債セカンダリー市場ちゃんが息をしていないの!!!(AA略)状態と申しますか、まあそんな事になっている中で輪番その他のオペちゃんにおかれましてはあまり変わった事やらないで普通に予想すると普通に実施されるでしょうなあというようになった方が良さげな気はします。

ま、市場のの方がオペ日程大予想とかしておりますけれども、オペの打ち方を見て行くうちに「どういう理屈でオペの日程が決まっていくか」という予想パターンがこなれてくるのかもしれませんのですが、大体同じようなパターンでオペの日程を決めて頂けるとそのうち市場の方も慣れてくるのかも知れませんなあとか思いますけど、その辺のパターンがコロコロ変わられると無駄なボラが出るので何でも良いのですがある程度一定のロジックでやっていただけるとアリガタヤ、というのが多分市場の中の人としての一般的な見解のような気がするのですがどうっすかね。

いやまあ完全ランダムでサイコロでも振って決めるというのも別の考え方としてアリだとは思いますけれども、多分買入額がこれだけでかくなって、すっかりセカンダリーが低調になってしまった状態だとサイコロオペをやられると厳しいかなとも思います。

なお、20世紀の終わりごろ(^^)はオペ日程予想の髪様(神様ではない)であったアタクシ(つーかあの時代にオペ予想というのは即日オペの予想(しかもそれをするのは債券の人間では無い)で、輪番とか運用部買切とかの日程や現先オペのエンド日の予想をしている人なんぞ居なかっただけなのだが^^)でございますが、さすがにパターンがどうなっているのかとかを資金需給とオペの打ち方見ながら想像するのはある程度気合とヒマが必要になります(ちなみに20世紀の頃は最終的にはトン調節をしておりましたので実を言えば昔の方が予想は遥かに簡単だったと思う)ので、まあヒマと気合があったら過去のデータとパターンを見ながら色々と考えてみたいと思います。


・今日は3M入札な訳だが

今日は3MTB入札ですが、当座預金残高は昨日現在で絶賛83兆円と、やったねきくちゃん2%物価上昇達成だよ明日はホームランだ!という所なのですが、そうやって銭がいらっしゃるという状況なのに何か知らんが金の動きが悪くて、GCレポレーとは0.10%に乗った状態のままだわ短国レートは0.09%台後半での推移だわと、当座預金はあれども何かその金がすっかりマワランチ会長となっているのですな。

28日に短国買入を2兆円打ち込んでいまして、こちらが引けまで入っていましたので需給的にはここで少しマシになった感がある(前日の27日の入札は入札が前週並みだったのですが意味不明にセカンダリーでコケて足きりよりも安くなりやがるという謎展開でした)のですが、今週に入ってもまだ0.09%台後半の展開で、短国の買いは一定量常にある筈なのでそれなりに需給が良くなっても然るべき(まあさすがに昨日とかやや需給好転した感じみたいですけど)なのですがイマイチ低調。

つーことで今日は3か月TBの入札なのですが、最近の落札分布とか見ても普通に皆さん購入しているように見えますし、当座預金残高の水準は素敵な水準になり、超過準備はうじゃうじゃある筈なのですが、その割には水準が進みませんなあという所ではございます。とは言いましても間違って0.10%に乗ったら(乗らないのだが)超過準備からの振り替わりでアホほど買いが入ると思われるのでここから金利の上昇余地も無いので、落札水準がどうのこうのよりも、投資家の札がどのような感じで入っているのかというのを想像する方が注目なのですけどね。

なお、超どうでも良いのですが、新発3か月TBは毎回償還ロールで発行される訳ですが、今回発行の見合いになる来週月曜償還の3か月TBが0.04%レベルの暗黒時代の最後のレガシーTBでございますので再投資利回り上昇(^^)も今回までですなあっはっは。


○ニュースメモ

・ポルトガルとな

http://www.bbc.co.uk/news/business-23160037
Portugal borrowing costs rise amid looming crisis
3 July 2013 Last updated at 16:51 GMT

『Portugal's borrowing costs have risen sharply amid fears of a growing political crisis in the country.』

ということで、昨日の夕方にはポルトガル10年国債利回りが7%突破とか言ってたらいきなり8%に上昇していまして、100円乗せたドル円も99円台になるわ、主要国の債券は買われるわという展開になっておりましたが、財務相と外相が辞任してややこしい事になっているという話なんですが、何かそこまでやるのか????というのは正直良く判らん。つーかそもそもポルトガル国債がコケたとしてそれが直撃弾になる海外(ポルトガルから見た場合の)投資家ってどれだけいるのかよとか思いますと、エジプトの状態とかその辺も含めて何か雰囲気悪いし米国明日休みだしとりあえず売っておくかというような話のような気もするが良く判らん。


・エジプトェ・・・・・・・・

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130704/t10015789411000.html
エジプト憲法一時停止し大統領の退陣求める
7月4日 4時25分

http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-23173794
Army ousts Egypt's President Morsi
3 July 2013 Last updated at 20:10 GMT

こちらは原油価格の上昇とかで反応しているのですが、どうにもこうにも色々とアレな中で本当に来週のMPMで日銀は景気判断上方修正するんかいなと思うのですけれどもねえ、という事でお願いだから景気判断上方修正とかいう死亡フラグを立てるのはもうちょっとだけ待って頂きたく存じます次第。つーか自信あるんだったら別に今上方修正しなくても良いじゃん・・・・・・・・・

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2013/07/03

○決定会合プレビュー雑談、というほどのものでもないが

昨日はまた引け際にこのニュースのヘッドラインが出て先物がちょっと下がっていたのですが、前も同じようなことをやっていたことからすると、明らかにニュースを出すタイミングが「狙って」いるようにしか見えず、ニュースのヘッドラインは兎も角「引け近くの場中に出すというタイミング設定」が正直言って如何なのもかと思います。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MP921N6K50XT01.html
日銀が「緩やかに回復」に上方修正を検討、2年半ぶり−来週会合 (1)
更新日時: 2013/07/02 17:27 JST

実際にヘッドラインが出たのはこの前と同様に引けちょっと前でしたが、今回についてはまあ上方修正みたいな話が出ること自体がそれほどサプライズではない(短観が良かったし、短観受けて上方修正かもねというような観測記事もあったような希ガス)ものでしたが、こちらの記事に関してはヘッドラインで出た時に「関係者によると」みたいな言い方だったのでとりあえず反応したんですかね良く判らんけど(単に10年入札の引けなのでじゃあデルタ調整しますかという動きが出ただけかも知れんが)。

つーことで来週は金融政策決定会合なのですが、今回は展望レポートの中間レビューになりますが、まー直近ではCPIも(ただの輸入インフレですけど)マイナスから浮上ということで物価も(ただのコストプッシュとは言え)方向感としては見通し達成に向けて進んでいる訳ですし、短観も改善したという展開となりますと、まー追加緩和がどうのこうのという話は無いわなあとゆー所までは想定できるのですが、ここで景気判断上方修正来るのかよというのはちょっとある。

足元で中国の金融がどうのこうのとか、エジプトがどうのこうのとか、米国はQE3縮小トークでその影響がどうでるのかとかあって、まあベイルアウトの合意とか進展はしているもののユーロ圏の景気って相変わらずアレですよねとか、そういう不透明な話が更に不透明になっているようにしか見えないこのタイミングで景気判断上方修正とか言われましても、先般の日経新聞「大機小機」欄におけるカトー氏の大勝利宣言クラスの死亡フラグにしか思えないので、展望レポートの中間レビューという時期だし短観も出たから上方修正したくなるお気持ちは判らんでもないのですけれども、嫌な予感しかしないので上方修正はもうちょっと待って頂きたいものです。


でまあ関係者というのがどういう関係者なのか分かりませんし、実際問題として本当に上方修正するのかどうかが検討課題なのかも本当の所は判らんですけれども、こういう報道が出るという事はまあ周辺の雰囲気としては「おっしゃー」というような状態になっているっつー想像が出来る訳でして、そうなりますと(足元では市場の方でクレクレ言わなくなっているようには思えますが)追加で何かがどうのこうのみたいな話はまあ普通に考えるととてもとても実施する雰囲気では無く、それよりも「オントラックだぜヒャッハー」という感じで気分は上々という所なんですねわかります。

従いまして、来週のMPMは別に普通に何も無しで、展望レポート中間評価も「(元々楽観的にも程がある)基本的なシナリオに対して経済は見込み通りに推移している」という実にこう死亡フラグな物が出てくるという所ですが、あとは「リスク認識」をどう書いてくるかという所でしょうかね、多分リスク認識の所で特段下方リスク意識を高めるとかゆー事にはならないと思いますけどね。

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