朝のドラめもん
2025/10/08
お題「散々調整して30年国債無事通過(備忘メモ)/ドル円ェ・・・・・/支店長の報告は「利上げ出来なくもないがパスが吉」的なまとまり方ですね〜」
トラスではなくメローニの方に向かってくれるかもしれないですね
https://www.47news.jp/13261436.html
【独自】高市氏、靖国参拝見送りへ 中韓との外交問題化回避
2025年10月07日 21時27分共同通信
『自民党の高市早苗総裁が今月17〜19日に東京・九段北の靖国神社で執り行われる秋季例大祭中の参拝を見送る方向で調整に入った。複数の関係者が7日、明らかにした。高市氏はこれまで、閣僚在任中も終戦の日や春秋の例大祭には靖国神社を参拝してきた。』(上記URL先より)
とは言えそっち方面で高市カラーが出せないとなって財政金融面でバリバリ全開の高圧経済をぶっこんでくるという懸念はあるんだよな〜、知らんけど。
〇30年国債無難な結果と言ってもまあ前日から散々調整しましたからねー
https://jp.reuters.com/markets/japan/7TH7BCI7H5IZ3OOWO2ZXTMZUAU-2025-10-07/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続落、長期金利1.675% 入札無難で超長期も金利上昇一服
By ロイター編集
2025年10月7日午後 3:29 GMT+9
『東京 7日 ロイター] - <15:15> 国債先物は続落、長期金利1.675% 入札無難で超長期も金利上昇一服
国債先物中心限月12月限は、前営業日比3銭安の135円87銭と小幅続落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同0.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.675%。序盤に一時1.695%と17年ぶりの高水準をつける場面もあった。警戒された30年債入札が無難に通過し、午後は長期・超長期の金利上昇が一服した。』(上記URL先より、以下同様)
ということなのですが、
『後場に入ると、財務省が実施した30年利付国債入札が事前に警戒感があった中で無難な結果となったことが好感され、先物相場は下げ幅を縮小。終盤には一時、小幅プラス圏に浮上した時間帯もあった。』
ってお話ではあるのですが、ゆうて30年国債って前回号の87回債のBBさんの引けが月曜は13毛5糸甘の3.285%で昨日の引けは87回債で3.280%と5糸強で、新発88回の引けが3.170%でしたが、88回の入札って前場引けにやっていますけど前場は散々調整して平均3.248%の足切り3.259%でやっているので、引けで比較したら前週末比で30年って昨日の引けは13甘とかですけれども、入札自体はそこから8毛近く甘い所でやっているんですから、高市総裁爆誕で30年20毛甘くしてやっと捌けたってだけの話ではあるのですが、前週末から20毛甘くなったとかいうのは華麗にスルーして入札のテールがそんなに長くなかったとか応札倍率が平均並みにあったとか、(散々甘くしたから)最終投資家のニーズがあったとかそっちが評価されますという毎度おなじみの展開ではありましたな。
まあアレです、とりあえず調整したけど入札ダメでした、とかいうような地獄のような話にはならなかったので当面はメデタシメデタシという話ではあるのですが、散々調整してやっと入札が通過できた、というだけの話ではあるので、めでたさも半分くらいって感じだと思うんですけどね、まあ個人の感想ですけれども。
『現物市場で10年物以外の新発国債利回りは概ね上昇。イールドカーブはフラット化した。2年債は前営業日比1.0bp上昇の0.905%、5年債は同2.0bp上昇の1.210%。20年債は同0.5bp上昇の2.695%。一時は26年ぶり高水準の2.740%をつけた。30年債は同0.5bp上昇の3.290%。入札を控えた午前には過去最高となる3.345%に上昇する場面もあった。40年債はまだ売買が成立していない。』
ということで前日のツイストスティープを少しだけお返しした(お返ししたうちに入らん気もするけれども前場引けよりはだいぶ戻ったし)形で、
『TRADEWEB
OFFER BID 前日比 時間
2年 0.899 0.911 0.009 15:20
5年 1.2 1.21 0.014 15:19
10年 1.671 1.677 0.002 15:20
20年 2.682 2.697 0 15:20
30年 3.28 3.297 0.005 15:20
40年 3.489 3.513 -0.019 15:20』
ということでまあとりあえず30年入札イベントは終了したものの、なんか次にありますように円が飛ぶ飛ぶとなっておりまして、はてさてどうするんじゃこれという話ではあるのですが、何せ次の首班指名決まって閣僚が決まるまでは実質的に皇帝のいない8月状態なので介入もできんしチキン日銀が何かする訳も無いし、来週水曜臨時国会とかのんびりとしている場合なのかよとは思ってしまいますな、南無三。
〇あらあらドル円ちゃんが151円になっちゃったの〜〜(煽り口調)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-07/T3RHNMGOT0JR00
円が対ドルで1%下落、一時151円90銭台−キャリー取引が復活
Vassilis Karamanis、Michael G Wilson
2025年10月7日 22:00 JST 更新日時 2025年10月8日 3:47 JST
『7日のニューヨーク外国為替市場では、円が今年初の4営業日続落。円を調達通貨とするキャリー取引が復活し、レバレッジをかけた新たな円売りの圧力が強まっている。
円はドルに対し、一時1%安の151円93銭まで下落。2月下旬以来の安値を付けた。景気刺激策に前向きな高市早苗氏を首班とする内閣が発足する見通しとなり、日本銀行の早期利上げ可能性が後退したとの見方が広がった。』(上記URL先より)
・・・・ってそれ土曜日の時点で分かってるじゃんという話なので何じゃこの後講釈はという感じではありますが、ユーロがフランスの政局云々で(向こうの時間の)月曜からヘロってきたから相対的に対ドルでの弱さが加速したって面はあると思うのですが、しかし本田悦朗大先生の口先牽制(???)もまるで空しく円は飛んでいくの巻となっておられる次第で誠に香ばしい展開。
まあ為替市場ちゃんムツカシネーなので別にこのままホイホイと円安が進むかどうかもワシにはわからん(分かってたら商売変えてるわwww)ので何ですが、これ日銀の利上げって本田大先生のいう12月利上げって意外に理由付け(屁理屈のこじつけ)が難しいのでどうなんでしょうね〜とは思う所でありまする。
すなわち、経済物価見通しやらリスクバランスに関しての大きな点検ってのは四半期定例の展望レポートで行う訳ですし、皆様ご案内の通りで月曜火曜にネタにしました植田総裁の大阪講演(HTMLバージョンが出ています)を見ましても、
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/ko251003a.htm
最近の金融経済情勢と金融政策運営
大阪経済4団体共催懇談会における挨拶
日本銀行総裁 植田 和男
2025年10月3日
「当面、わが国の経済・物価情勢を点検するうえで重要と考えられる3つのポイント」の中にあったポイントってえのが、
第1に、海外経済の動向です。
第2のポイントは、関税政策が、わが国企業の収益や賃金・価格設定行動にどのような影響を及ぼすか、という点です。
第3の点検ポイントは、食料品価格の動向です。
となっていた訳でして、これが10月末では見極めがつきません不確実性が高いです、方式で展望レポートを出してきて、そういう理由で政策金利の調整を見送りました、とやっておいて、12月中旬の金融政策決定会合でそれを覆すだけの「不確実性の低下」っていうのなかなか面倒で、一応12月短観は(いつものスケジュールなら)決定会合の前に出ますけれども、目の前に春闘が待ち構えているのに見切り発車で賃金設定行動は大丈夫っていうの相当に豪快なお話(そもそもそれを見極めたいと言って去年の12月はハトハトチキンモードの利上げ見送りで皆をズッコケさせたという前科がある)になるんで、まあゆうて「12月に利上げできるくらいなら10月にもできるじゃろ」という感じに今だとなっているように見えるんですよね。
まあいざとなれば従来通りで三百代言モードとなって屁理屈捏ねて来るんでしょうけれども、この調子で10月決定会合前にホイホイと円安が進んだ場合にはどうなっちゃうんでしょうというかって話ですが、昨年7月同様に「物価上振れリスク」で利上げという理屈は全然問題ないというか既に前回会合で田村さんがその理由で利上げ提案しているんだからそれにモロ乗りしてしまえばヨロシアルねではあるんですが、組閣も終わる前からこの調子なのは中々困る所ではありますな。
・・・・・とは言いましても、まあ日銀ちゃんとしては何か高市大先生が「政府が責任を持って」とか言って日銀をただのオペレーション担当にでもするかのような物言いをしておりますので、ケツ叩かれない限りはシランガナと寝転がるのが組織的には正しい(国民厚生的に正しいのかどうかは知らんけどサナエが責任取るって言ってますからね〜)という話になってしまいますので、まあ難しくなってまいりましたという感じではありますな、うんうん。
〇なんかすっかり高市政権爆誕(予定)で今回はパスモードになってしまいましたがさくらレポート関連
さくらレポート
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rer251006.htm(各地域の現状判断文言だけページ)
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/data/rer251006.pdf(本チャン)
でまあこちらの1枚ダイジェストの方からとりあえず引用します
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rera251006.htm
各地域からみた景気の現状(2025年10月支店長会議における報告)
・景気判断は「横ばい」で来ているので政策金利調整を妨げるものではないんですな
『今回の支店長会議における報告を総括すると、一部に弱めの動きもみられるが、すべての地域で、景気は「緩やかに回復」、「持ち直し」、「緩やかに持ち直し」としている。前回の支店長会議開催時点(2025年7月)と比較すると、全9地域中1地域で総括判断を引き下げている(参考参照)。』
ということで北海道下がっていますが、他は横ばいでして、今の展望レポートで示している見通しと、決定会合で政策調整見送りとしている理由では「インラインで推移すれば政策調整(利上げ)」「ただしトラ公のせいで経済の下振れリスクが大きい」なので、判断が概ね横ばいで来ているのは(見通し上向きだとインラインあるいは多少の上振れということになるので)政策調整を急いでしなければいけないわけではないけれども、(下振れリスクが顕在化している訳でもないので)政策調整を排除するものでもない、という至極穏当(忖度とかそんなことは言いませんよ!)な結果になっております。
『主な需要項目等別にみると(注)、輸出・生産については、米国の関税引き上げに伴う駆け込みとその反動減に加え、資本財の受注についても下振れの動きがみられるとの報告があった一方、AI関連の受注の堅調さを指摘する報告も多数あった。』
関税の影響があるものの大きな下押しになっていない、という形なのでこれまた政策調整を急ぐ必要はないが別に排除するものではない、という論調。
『この間、一部の地域のサプライヤーからは、関税の影響により収益が下押しされている国内納入先において、取引価格の交渉スタンスが厳格化しているとの声が聞かれたものの、現時点では、人件費の価格転嫁の流れを阻害するまでには至っていないとの報告が多かった。』
この後にも賃金設定と価格設定という重要項目扱いしている部分の評価がありますが、この部分の時点で既になのですが、「賃金価格設定行動に関しては、懸念が無いわけでもないけれども全体として行動が下方屈曲するような動きにはなっていない」という留保付きインラインという結論になっていて、美しいまでにこれは政策調整を急ぐ必要はないが別に排除するものでもない、になっていて、しかもこれだとまさに「今後の見極めが必要」となるとかいう判断になっておられますな。
『設備投資については、IT関連需要の拡大期待に基づく能力増強投資や、人手不足対応や生産性向上を目的とした省力化・デジタル化投資などで積極的な投資スタンスが維持されているとの報告が多かった。ただし、各国の通商政策の影響を巡る不確実性の高さを背景に、投資の先送りや見直しを検討・実施する動きがみられるとの報告があったほか、建設コスト上昇により投資の先送り・縮小等を検討する動きもみられるとの報告があった。』
ということですが短観の設備投資計画ってトラ公要因があるとは思えないような平常運転になっていたようにお見受けします。まあここも作文としては政策調整を急(以下同文)。
・注目のおちんぎんですが
次が注目のおちんぎん。
『賃金設定面では、先行きの賃金設定について、各国の通商政策の影響や海外経済の減速等により企業収益が大きく下振れた場合には、賃上げを抑制せざるを得ないとの声があった一方、人手不足感の強さや最低賃金の引き上げ、最近の食料品を中心とする物価上昇等を受けて、引き続き高めの賃上げが必要とする声も報告された。』
うーーーーんこの見事な作文、という感じでして、賃金と価格が相互に参照しながらどうのこうの、の話も維持されているという話だし、一方でトラ公の影響でここから企業収益がスクイーズされてくる、あるいは米国経済が減速してきてそもそも輸出自体がアイヤーとなる場合におちんぎん大丈夫か問題は依然としてありますので、というのも入っていまして、この説明を見ますとまあおちんぎんの動向に関してはまだ判断ができません、という絵になっていますし、こんなのもありましたわな。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-06/T3JCWMGOT0JK00
日銀支店長会議、引き続き高めの賃上げが必要との報告−米関税警戒も
伊藤純夫
2025年10月6日 14:18 JST 更新日時 2025年10月6日 17:21 JST
『記者会見した正木一博理事・大阪支店長は、人手不足の中で企業経営者は引き続き賃上げが必要と認識していると語った。一方で、賃上げ率に関しては、米関税政策の影響が企業の売り上げや収益にこれから具体的に出てくるとし、「来年の賃上げの程度を申し上げるには、情報が十分ではない」との認識を示した。』(この部分だけ直上URL先10/6ブルームバーグニュース記事より)
ということで前企画担当理事の正木さんもこのように仰せでして、少なくとも賃金方面は「確認のお時間を頂きたい」という説明になっている訳ですな。
・価格設定行動は一応堅調なのだが・・・・・
でもって本編に戻って次が価格設定行動。
『価格設定面では、仕入コストや人件費、物流費等の上昇を転嫁する動きが続いているとの報告が多かった。ただし、米などの食料品価格の上昇等を背景に消費者の節約志向がやや強まるもとで、値上げの抑制や低価格商品の品揃え強化等の動きもみられるとの報告があった。』
そらこれだけ食料品価格ホイホイあがったらそうなるわなとは思いますが、価格設定行動に関しても別に政策調整を急ぐ必要以下同文というストーリーになっていますな。
『こうしたもと、個人消費(インバウンド需要を含む)については、イベント関連等でのハレの日消費の堅調さを指摘する報告があった一方、日常消費では、消費者の根強い節約志向を背景に、スーパー等において、購入点数の減少が続いているとの報告があったほか、値上げを行った外食等からは、客数の伸びがこのところやや鈍化しているとの報告があった。』
なんちゅうかこの現象っていつかみた光景なので(とっさに出てこないけど昔もこの手の「ハレの日消費」とか「メリハリ消費」とか言ってた時期があってそれこそさくらレポートでもその話があったと思うのですが期末期初進行なので下調べとかしてる元気が無くてすいませんすいません)まあ微妙感は正直ある。ただその時と違うのはおちんぎんが上がっているらしいことで、まあそれがどう出るかということになろうかと思いますけども・・・・・・・・(お前のおちんぎんはと質問するのは禁則事項wwww)
『この間、都市部の百貨店等からは、高額品を中心に免税売上には弱さがみられる一方、最近の株価上昇もあって国内富裕層の需要は堅調さを維持しているとの報告が多数あった。また、観光・宿泊需要も、インバウンド需要の増勢鈍化の影響を受けつつも、底堅く推移しているとの報告があった。』
どう見ても格差拡大です本当にありがとうございましたorzorz
・まあ経済は様子見必要というストーリーだが利上げ提案は物価で来ていますので
ということで支店長会議報告の全体部分だけで言えば「今回は様子見しましょうそうしましょう」ってトーンの方が強く示されている感じはしますが(個人の感想です)、ゆうて高田さんも田村さんも「物価目標概ね達成(高田さん)」あるいは「物価上振れリスクの高まり(田村さん)」での利上げ提案を行っているので、このさくらレポートがでたからとてその部分って変わらんと思いますので(とアタクシが思っているだけで高田さんと田村さんの思考を見ている訳ではないので断言はできないが)、まあその点からしたら別にこの展望レポートで利上げ提案取り下げるとも思えないですし、何なら高圧経済するなら物価上昇リスク高くなるし、実質金利が黙っているとさらに下がってしまうから田村さん的にはより強力に利上げ提案しないと筋が通らんことになる、という訳で、まあその辺りで利上げ逓減路線が頓挫することは無いという話だと思いますけどどうでしょうかね〜。
と言ったところで今朝は勘弁。
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