朝のドラめもん

2018/01/22

お題「市場メモ雑談/金曜の続きでメスター講演から(その2)」

なんだよ結局政府閉鎖かよ。
https://jp.reuters.com/article/usa-congress-shutdown-idJPKBN1F90E8
2018年1月20日 / 19:31 /
米つなぎ予算が失効、政府機関が一部閉鎖 上院で合意に至らず

しかしその直前には政府閉鎖ヒャッハーと言ってネタにしていたはずの市場ェ・・・・・
https://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPL3N1PE48F
2018年1月19日 / 23:40
米国株式市場・序盤=上昇、企業決算への期待で政府機関閉鎖懸念かすむ

最近は1日だけ市場のネタになるようですな、ナンジャソラ。

・・・・・・しかしまあ何ですな、こうやって連邦予算がどうのこうのと毎回問題になるのでしたらターナー大先生様の中央銀行が国債を買えば国債がチャラになるジンバブエ理論をトランプ大先生にお勧めすればよろしいのではないでしょうか、ってトランプが真に受けたらマズいですかそうですか。

#まあターナー大先生が米国にこの理論を勧めないという時点でこの大先生は日本と日本人に対して心の中では実験動物だと思っているんでしょうと言いたい訳で

あと全然話が違いますが、
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25960110R20C18A1MM8000/
日本の賃金、世界に見劣り 国際競争力を左右(賃金再考)
働き方改革 賃上げ交渉 経済 2018/1/22 1:31日本経済新聞 電子版

『多くの人が賃上げの実感に乏しく、このままではデフレ脱却の足取りも弱くなる。年功序列や終身雇用など「日本株式会社」の慣行にとらわれない賃金のあり方が求められている。』(上記URLより)

って年功序列や終身雇用を叩き潰したら賃金が上がらなくなって(というよりは将来賃金に対する不安感が高まって消費しにくくなっている)るんだろいい加減にしろだし、「日本的雇用で国際競争力が劣るから変えろ」とかキャンペーンしまくっていたのはどこの誰だと小一時間ですな。


・・・・・・・・などとのっけから悪態ですなすいませんすいません。


〇円債はなかなか試されない大地ですなあ(市場メモメモ)

金曜の円債ちゃんを毎度おなじみロイターさんから(毎度サーセン)。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL3N1PE282
2018年1月19日 / 15:19 /
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は小幅続伸、超長期債利回りが軒並み低下

『<15:10> 国債先物は小幅続伸、超長期債利回りが軒並み低下

長期国債先物は小幅続伸で引けた。前日の米債安を受けて前場は売りが優勢だったが、日銀オペが需給の引き締まりを意識させる結果になり、終盤にかけて買い戻された。現物債も同様で、午前の取引で金利に上昇圧力がかかっていた超長期ゾーンに押し目買いが入ったことで、金利は軒並み低下した。中長期ゾーンも底堅い。

長期国債先物中心限月3月限の大引けは、前営業日比1銭高の150円38銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比変わらずの0.075%。

短期金融市場では、無担保コール翌日物はマイナス0.035─マイナス0.060%を中心に取引された。週末を迎えたが、準備預金の積み期前半で資金調達意欲が高まらず、ほぼ前日と同水準で取引された。レポ(現金担保付債券貸借取引)GCT+1レートはマイナス0.076%とマイナス幅を縮小。TIBOR(東京銀行間取引金利)3カ月物は0.066%で横ばい。日銀の国庫短期証券(TB)買い入れオペは、1年物中心に札が入ったとみられ良好な結果。業者間取引で3カ月物TB(734回)は強含み。ユーロ円3カ月金利先物は小動きだった。』(上記URL先より)

てな訳でして、金曜はアサイチで10年カレントが8bpから始まったと思えば20年カレントが0.6%100円が出合ってそらもうベンダーもネタにしますわという所からおっぱじまりまして、おーこれは円債試される大地来ましたぞな!!!でも叩いても買いが来るだけのような気がするんだけどなーとか思っていたら20年はそのあとやっぱり0.595%になるわ輪番は上記のように堅調な結果になるわ、ということでアサイチ20年0.60%叩いていた筈だったのに午後には0.590%まで戻るわ、5年カレントとかも▲7.5bpくらいから始まっていた筈なのに最後は▲9.0bpくらいになるわと、アサイチの謎の弱そうな地合いとは何だったのかという1日の取引になるのでした。

ちなみに輪番等は、
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of180119.htm
国庫短期証券買入 12,500 2018年1月23日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,100 2018年1月23日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,900 2018年1月23日
国債買入(残存期間25年超) 800 2018年1月23日

となっていて短国買入は1年入札あったからというのもあるでしょうが確りと入れて来まして長期と超長期の輪番は前回と同じでしたがどこぞの為替市場は特に見向きもしないのが中々味わいがありまして、この前日銀の緩和縮小だの言ってたのは何だったのかと問い詰めたい訳でございますが、ECBの方に話題が行ってしまったらすっかりオペとかスルー(多分MPMは一応反応すると思うけど)の巻とかワロタという感じです。

結果が
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba180119.htm
国庫短期証券買入 21,967 12,501 -0.003 0.001 61.2
国債買入(残存期間5年超10年以下) 14,148 4,109 0.006 0.007 52.6
国債買入(残存期間10年超25年以下) 4,681 1,906 0.002 0.003 55.7
国債買入(残存期間25年超) 2,335 806 0.005 0.006 36.7

でして短国買入2.2兆しか札無いやんとか超長期輪番強いじゃんということで全般的に堅調となった訳ですが、まあ要するにやれテーパリングだ何だと鉦や太鼓を鳴らしてネタにすると叩く動きも出るものの、現実問題として日銀の国債買いパワーが強いので、特に最終投資家が買えるもの(短期の場合は国内じゃなくて海外の方が多いと思うけどあれはあれでドル円ベーシスとか外準とかの見合いなのでマイナスで行ける系になる)に関しては日銀買いパワーで押し出された人たちがいて、ちょっと金利が上がると寒風吹きすさぶ公園で炊き出しが登場したかの如く買えなくてこの寒空の下凍えている投資家の皆様がワラワラと登場の巻という事ですな。

もちろん物価がどうせ上がらんとか、なんだかんだ言って日銀って政策変えないよねとか、そういうのがあって売り圧力が来ないというのはあるのですが、まーしかし何もないでいると今の買入でも放っておけば金利が下がりやすいということなんでしょうかねえ、と思う金曜の
相場付きなのでした。


〇金曜の続きをする前にちょっとだけメモ(SF連銀ウィリアムス総裁)

https://jp.reuters.com/article/sf-fed-rate-idJPKBN1F82RN
2018年1月20日 / 07:37
米FRB、今年も緩やかな利上げ継続する必要=サンフランシスコ連銀総裁

『[サンフランシスコ 19日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は19日、減税措置などが米経済成長の追い風になるとし、連邦準備理事会(FRB)は2018年も緩やかなペースで利上げを継続する必要があるとの考えを示した。同総裁は講演後に記者団に対し、今年は3回の利上げが実施されるとの見通しは「格好の開始点」になると指摘。ただ、3回という回数は決定されたものではないと述べた。』(上記URL先より)

でもって講演の方はまだ読んでないのだが(大汗)、まあ3回だけど、減税とか色々とアップサイドが出てきているからこの調子だと上ブレあるでというから4回もアリエールとかそういう話なんじゃろうなと予想は付きますが、

『ウィリアムズ総裁を巡っては、米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙と英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が今週、ホワイトハウスがFRB副議長候補に検討していると報道。ウィリアムズ総裁はこうした報道について、決定は大統領が行うもので「今後の展開について憶測することはしない」と述べるにとどめた。』(上記URL先より)

という件についてはブルームバーグテレビ(ただしアジアパシフィック版)でもやっていたような気がしますが、イエレン議長も以前はSF連銀の総裁やっていまして、そもそもウィリアムスさんはイエレンさんの後任だったりしますので、FRB副議長候補とかほほーという感じですな。今の所は師匠(かどうか知らんが)のイエレンさんよりもタカっぽかったりしますけど基本は体制順応系。


〇メスター総裁の金融政策枠組み論だがバーナンキが提案する方式を推しているみたいですけど・・・・・・・・

ということで金曜の続き。

https://www.clevelandfed.org/newsroom%20and%20events/speeches/sp%2020180105%20monetary%20policy%20frameworks
https://www.clevelandfed.org/~/media/content/newsroom%20and%20events/speeches/sp%2020180105/sp%2020180105%20pdf.pdf?la=en
Monetary Policy Frameworks
01.05.18 Loretta J. Mester
Panel Remarks for the National Association for Business Economics and American Economic Association Session, "Coordinating Conventional and Unconventional Monetary Policies for Macroeconomic Stability", Allied Social Science Associations Annual Meeting, Philadelphia, PA

・名目GDP水準目標(と物価水準目標)

『Nominal GDP Targeting』というのは金曜の最後の所でちょっと説明しましたが、メスターさん的には「名目値の前年比じゃない絶対数値の目標に関して」は同じようなフレームワーク(確かにコミットメントの意味ではそうだ)としてみているようですな。

『This framework is similar to price-level targeting in that it targets the level of nominal GDP rather than the growth rate.』

物価水準目標と似ていると。

『Of course, nominal GDP comprises real GDP and inflation, so this framework explicitly incorporates both parts of the Fed’s mandate. For example, targeting the level of nominal GDP to be on a path rising by 4 percent per year would be consistent with 2 percent inflation and 2 percent potential growth.』

名目GDP=実質成長率+物価上昇率だから4%GDP目標は2%成長+2%インフレと同じだと。

『This strategy, like price-level targeting, makes up for past deviations. But it may perform better than price-level targeting when there are supply shocks to which the policymaker would not want to respond because such supply shocks tend to push prices and real output in opposite directions, leaving nominal income stable.』

外的ショックで物価が上がった時に物価目標に固執して変な対応をしなくて済む分こっちの方が良いらしいですが・・・・・・

『While both price-level and nominal GDP targeting have the benefit of building in some forward commitment, which is useful at the zero lower bound, there would be some challenges in implementing either framework.』

フォワードコミットメント(将来の水準までコミットしているから)なのは良いのだが・・・・・・・・・

『First, there is little international experience with such frameworks to assess how they would work in practice.7 Second, for frameworks targeting levels instead of growth rates, the starting point matters, and these frameworks are complicated by other measurement issues as well. For example, Figure 1 shows the price-level path using four different starting points: the first quarters of 1990, 1995, 2001, and 2007. As you can see on the left-hand side of the chart, if the starting point is 1990Q1, the price level is essentially on its path, and if the starting point is 2001Q1, it is near its path. The other two starting points, on the right-hand side of the chart, show a larger gap.』

そもそも他に経験が無い枠組みな上に、スタート時点を変えると全然違う数字になってしまうのが難点。

『Moreover, because the level-targeting frameworks do not let bygones-be-bygones, data revisions pose a more serious issue than they do with inflation targeting (see Figure 2), and are perhaps greater for nominal GDP targeting than price-level targeting because revisions to nominal GDP tend to be larger than revisions to prices. Also, the path of the nominal GDP target depends on estimates of potential real output growth. If the nominal income target incorporates an unrealistically high estimate of potential growth, then inflation will need to be higher in order to hit the target.』

年率だと行かなかった年はまあいっかで済む(場合もある)のだが水準となるとずれだすと追いつくの大変だし、そもそもGDPは遡及改定がでかいという問題点がある。

『A third complication, and perhaps the largest, for frameworks targeting nominal levels is that the benefits depend on the public’s not only understanding the framework but believing that future Committees will follow through. Explaining this unfamiliar framework to the public could be difficult. One also has to ask whether it is a credible commitment on the part of policymakers to keep interest rates low to make up for past shortfalls even when demand is growing strongly or to act to bring inflation down in the face of a supply shock by tightening policy even in the face of weak demand. If it is not credible that policymakers will do so, then the benefits of nominal level targeting will not be realized.』

そして最大の問題点は、このフレームワークは未来永劫にわたって後の政策を縛るので、そのためには後の人たちもこれを行う、という風にみなされないとそもそもがワークしないのよ、ということで水準目標には割と否定的。


・逆さ絵先生らしいハイブリッド政策とは

という訳で颯爽と登場するのが『Temporary Price-Level Targeting』。

『Under the temporary price-level-targeting framework, monetary policymakers would target inflation in normal times, but when the policy rate fell to the zero lower bound, they would begin targeting the price level from that starting point. Under this framework, consistent with optimal monetary policy, policymakers would have a more powerful commitment at the zero lower bound than would be the case under inflation targeting. Switching to price-level targeting at the zero lower bound means that policy would be kept at zero at least until the cumulative inflation rate from the time the zero lower bound had been reached had risen back to target. Once policymakers were satisfied that this goal had been met, the policy rate could begin to rise and policymakers would revert to targeting inflation.』

ハイブリッド型インフレ目標というインチキ臭いものですが、こちらは「通常は普通に前年比2%なりのインフレ目標を行うのだが、金融緩和していってゼロ金利制約に引っ掛かって来た(または来そうだ)という所になったら、将来まで含めた「2%ずつ上昇の物価水準目標」に切り替えていって、金利政策での非負制約がなくなってきたと判断したらまた元のインフレ目標に戻す」というもの。

『This framework has benefits similar to those of price-level targeting in that when monetary policy is not able to provide more stimulus because it is constrained by the zero lower bound, the framework builds in a forward commitment of easier monetary policy in the future.』

政策金利の非負制約化におけるコミットメントの強化みたいなもんですなというのはまあ理屈は分かる。

『But this hybrid framework could be easier to communicate because it could be discussed solely in terms of the inflation goal (see Figure 3). It would also mean that some of the commitment problems of nominal level targeting, including having to make up for supply shocks that would temporarily raise inflation even if aggregate demand were low, could be avoided when away from the zero lower bound because policymakers would be targeting inflation and not the price level there.』

『However, a drawback of the hybrid approach is that determining and communicating the timing of when to switch back to the inflation-targeting regime could be complex. Policymakers would not want to switch back prematurely, so they would need to be sure that inflation had sustainably made up for the cumulative shortfall. This would seem to involve a considerable amount of discretion, which would undermine some of the benefits of the framework.』

ということで、この政策の問題は「切り替えをどこで判断するの」という話で、早すぎてもいけないし遅すぎてもいけない、という話でまとめているのだが、それよりも「そもそも乖離がどんどんでかくなっていったとき」の方がよっぽど問題だと思いますが、そこは米国ではまだ「インフレは中央銀行によっていじれますがな」というのが自信ニキという建付けになっているのでそれはそれという感じです。

まーしかしバーナンキ先生の考えそうな「一見うまそうなスキーム」ではありますな・・・・・・・・

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