朝のドラめもん

2017/11/20

お題「1-3輪番減額で来年の国債残高拡大ペースは40兆円割れに/金曜頭出ししたFED高官発言のフォロー」

ほほー
https://jp.reuters.com/article/government-bonds-low-interest-idJPKBN1DH0XK
2017年11月17日 / 17:54
超長期債の発行減額に反対、低金利下でも需要はある=生保協会長

https://jp.reuters.com/article/japanpostbk-interview-idJPKBN1DH07F
2017年11月17日 / 11:13
インタビュー:クレジット投資、パッシブ比率高めている=ゆうちょ銀副社長

まあ何だ、おとなのじじょうというのも無いことも無さそうなのでツッコミはしないでおく(^^)。


○輪番減額で来年の長期国債買入拡大は明確に40兆割れ(当方試算)とな

昨日の輪番と短国買入オファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of171117.htm
国庫短期証券買入 5,000 2017年11月21日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,500 2017年11月21日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,000 2017年11月21日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,000 2017年11月21日
国債買入(残存期間25年超) 1,000 2017年11月21日

ということで昨日は短国買入の方は需給が相変わらずタイトだと思うのだがしらっと5000億も実施(なお応札は14321億円ですが6糸強平均の8糸強足切とかにしていて、そんなに買入をする必要があるのかという気はだいぶする)していつのですが、その一方で1-3の輪番を2800→2500に減額。

結果(輪番と短国買入)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba171117.htm
国庫短期証券買入 14,321 5,002 -0.008 -0.006 78.3
国債買入(残存期間1年超3年以下) 8,802 2,501 -0.002 0.000 76.1
国債買入(残存期間3年超5年以下) 11,414 3,004 0.000 0.001 72.7
国債買入(残存期間10年超25年以下) 5,011 2,003 0.001 0.003 80.2
国債買入(残存期間25年超) 2,863 1,006 0.003 0.005 64.4

短国も強いのですが2年とかもここもと強めに推移して(一旦強くなって緩んできたかなと思ったら先週後半にまた強くなってくるの巻)いたので減額されても屁でもない(短国買入が5000になっているのがどの程度影響しているのかは良く分からんが)ということのようで短い所は引き続き確り。

念のためロイターさんの相場後講釈ですが、
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL3N1NN2AD
2017年11月17日 / 15:15
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸、長期金利0.035%に低下

『<15:11> 国債先物は続伸、長期金利0.035%に低下

長期国債先物は続伸して引けた。前日の米債安を手掛かりに、朝方は売りが先行したが、良好な需給環境を背景に売り一巡後は切り返して、プラス圏に浮上した。激しい値動きとなっている日経平均株価の推移も材料視された。

現物債は底堅い。長期ゾーンは先物に連動して強含み。中期ゾーンも横ばい圏にとどまったが、マイナス幅は深い状況が続いている。日銀は「残存1年超3年以下」のオペでオファーを減額したが影響は限られた。超長期ゾーンは高安まちまち。

長期国債先物中心限月12月限の大引けは、前営業日比15銭高の150円95銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比0.5bp低下の0.035%。』(上記URL先より)

ってどこの仕手株だと言いたくなるような勢いの値動きだった日経平均先物とかにそんなに影響されていたかな??という感じもせんでもないですが、まあ短い所の輪番減額しても特に影響もなく推移していました。まあここもとすっかり短い所強いですな。


・・・・・・・・てな訳で中期の輪番を300億円減額した訳ですが、この調子で長期国債の買入を続けますと、何せ中期の300億円って月額で1800億円になって年間になると2兆1600億円になる、ということで結構な額になりますので、アタクシの試算が合っていればの話になりますが、2018年暦年での長期国債買入って、1年以内をノーカウントで計算した場合、買入の額面が88兆3200億円となるのですが、2018年暦年での償還額ってのが今のところですが51兆3140億円になると思われます(10月末時点での国債買入残高を償還日ベースで計算したものなので、たぶん本人的には計算合っていると思うのだが、何せ償還日を売買参考統計値のエクセルから引っ張ってきているだけなので参照とか間違えているリスクはあるのでそこは各自ご確認を)ので、2018年暦年の長期国債残高拡大は37兆と60億円という計算になります。この前まではそれに2兆1600億円乗っかっていたので概ね40兆円という感じでしたので、今回の減額で明確に40兆円割れということになっておりまして、木内さんの提案に反対し続けた金融政策決定会合とは何だったのかというか、もはや木内さんの提案をも上回るペース削減となっているのが味わいがあります。

というか80兆円が大事でどうのこうの言っている人たちとか他市場とかお前ら何で放置プレイなのかよとも言いたくなりますが、まーしかしYCC入れた時に「長期国債買入残高年間80兆円をめどに拡大」とか入れていたのをすっかり時間の経過とともに誤魔化してしまう、というこれって今までの日銀のインチキの中でも究極のインチキでございまして、いやこういうのって結果オーライちゃあ結果オーライってことになるんでしょうけれども、本当にそれで良いのかというのはあって、「コミットメントとは何なのか」という話にもなると思うのですよね。

でまあそういう国債買入残高を有耶無耶の中でドンドン誤魔化していくという技を使っている中で先般のチューリッヒでの黒田総裁の講演ではやたらと「フォワードガイダンスの有効性」というのをお話している訳でして、分かってて言っているのか分かってないで言っているのか知りませんが、YCCに変わったその瞬間には「量」も重視するような説明をしておいて1年ちょっと経過したらこんな事になっている、というような政策運営をする人のガイダンス文言って本当にあてになるんかいなとゆーツッコミには黒田総裁ってどうこたえるのでしょうかねえ。

いやまあ長期国債の馬鹿買入なんぞとっとと止めて(とは言えオーバーシュートコミットメントとかいう下らんものがあるので年間5兆円位は残高増やさないと全体としての帳尻問題が発生するのでゼロって訳にも行かないけど)頂きたいので、あまり事を荒立てるのもどうなのか、というのは勿論思うのですが、それにしてもここまでインチキを堂々とやられてしまいますと、将来において日銀が「こういう政策をやります」という話をした時に、総裁会見などでの説明を額面通りに受け止めたらあとで有耶無耶のうちに話が変わっていた、ということになってしまいますと、そもそもの政策説明を信用して良いのでしょうか、ってな話に繋がってしまいます。

いやまあFRBも大概にイカサマな説明で押し通している面は多々ありますし、そういうのを真正直に受け止める方がどうなのよと言われてしまうとそれもそうなのですけれども、とは言いましても日銀の場合は何せ前の体制を石持て追い出してやってきた方々が大言壮語通りの結果を全然出せないでいるという現実がある訳で、そこで断絶を行った以上はきちんとした総括(総括的検証以外の意味での「総括」という気もせんでもない^^)をして頂かないと困りますが、もしかすると今度は「リバーサルレート」とか言い出してマイナス金利撤回を何故か金融緩和(金融仲介機能の強化)と言い出しそうな勢いなのでついまた輪番と関係ない悪態が続くのでありました。


○念のため先週末の続きでカプランさんとメスターさんの金融政策スタンス確認

カプランさん
https://www.dallasfed.org/news/speeches/kaplan/2017/rsk171017.aspx
Essay by President Robert S. Kaplan
Impact of Hurricane Harvey and a Discussion of Key Structural Drivers Affecting U.S. Monetary Policy
October 17, 2017

最後の所に『The Current Stance of Monetary Policy』というのがある。

『I believe that we are making good progress in reaching our full-employment objective. The U.S. consumer is healthy, and business activity continues to strengthen. Global growth has been stronger than expected in 2017. While our estimate of 2.4 percent U.S. GDP growth in 2017 is sluggish by historical standards, it should be sufficient to continue to remove slack from the labor market.』

セキュラートレンド的にどうのこうのみたいな話をする割にはカプラン総裁は目先の経済に関しては強気の話をするのが仕様です。

『Normally, at this stage in the recovery and with a tightening labor market, we would expect to see increasing evidence of inflation pressures. I believe that cyclical inflationary pressures are building as we remove slack from the labor market and approach full employment.』

よって循環的には物価上昇のプレッシャーが高まっているとのお告げ。

『However, I also believe that these cyclical forces are being at least partially offset by secular forces (described earlier in this essay), particularly an intensifying rate of technology-enabled disruption and, to a lesser extent, globalization. These secular forces are likely limiting the pricing power of businesses and muting inflationary pressures.』

でもって(めんどいから引用してませんが)構造的な要因としての物価上昇圧力の弱さというのがあって(ここにもありますように技術進歩の話ですが、技術進歩によって製造業でもサービス業でも労働力の余剰が起きやすくなってスラックが出やすくなっている。という指摘になっています)、それによって物価はそんなにホイホイ上がらんと。

『From a risk-management point of view, I am mindful that if we wait too long to see signs of greater inflation, we may get “behind the curve” and have to play catch up by increasing rates more rapidly. Historically, this has increased the likelihood of recession.』

リスクマネジメントの観点からあまりビハインドするのはイクナイのですが、と来まして・・・・・・・

『However, I believe that structural forces, particularly slowing workforce growth due to an aging population, will continue to pose challenges for future economic growth. As a result, my view is that the neutral rate, the interest rate at which we are neither accommodative nor restrictive, is likely to be much lower than we are historically accustomed. Therefore, I have argued that future removals of accommodation should be done in a gradual and patient manner.』

セキュラーな要因があるんだったら政策が多少ビハインドしても問題なかろうという話になるという説明なので、まあこの流れ自体は順当なのですが、ただまあわざわざさっきの「ビハインドの場合の問題」を入れて来る辺りはカプラン総裁はハトに振りきれるほどにもなっていないという事を示していると思うの。

『Based on these considerations, I intend to keep an open mind about removing accommodation in upcoming FOMC meetings. In the months ahead, I will continue to assess the economy’s progress in removing labor slack, and I will be looking for evidence that building cyclical forces have the prospect of offsetting structural headwinds, such that we can expect to make progress toward meeting our 2 percent inflation objective in the medium term.』

次回はオープンマインド、とは言っていますが・・・・・・・・

『Given the strength of the U.S. economy, I think it is likely we will see greater evidence of this progress and, as a consequence, it will be appropriate to continue the process of gradually removing monetary accommodation.』

って言ってるんですからまあ普通に12月利上げ派でしょ。


でもってメスター総裁
https://www.clevelandfed.org/newsroom%20and%20events/speeches/sp%2020171116%20demographics%20and%20their%20implications%20for%20the%20economy%20and%20policy
Demographics and Their Implications for the Economy and Policy
11.16.17 Loretta J. Mester
Cato Institute's 35th Annual Monetary Conference: The Future of Monetary Policy, Washington, DC

『Demographic Implications for Fiscal and Other Government Policies』というのもあるのですが、そこは華麗にパスして『Summary』をば。

『In summary, demographic change will result in a slower-growing and older population. This transition will likely put downward pressure on the growth rate of potential output, the natural rate of unemployment, and the long-term equilibrium interest rate. The magnitude of these effects and the timing are uncertain because they depend on complicated dynamics and the behavior of consumers and businesses. Demographic change may also affect the business cycle and the monetary policy transmission mechanism.』

この辺までは人口高齢化の影響の話ですが、要は経済のダイナミズムが落ちますねという話。

『Monetary policymakers will need to continually evaluate these structural and cyclical effects in determining appropriate policy.』

ほうほうそれでそれで?

『Demographic trends present challenges for fiscal policymakers as well. Rising fiscal imbalances are projected to lead to higher government debt-to-GDP levels, potentially putting upward pressure on interest rates, and crowding out productive investment.』

財政政策の話になっておりますが、財政が拡張的になるのでクラウディングアウトとか金利上昇圧力とかそういう話をしておりますがジャパンの場合そうならないという例もあるのでうーむこのという感じもする。

『But steps can be taken to offset some of the negative consequences of demographic change for the economy. These include policies that focus on increasing productivity and labor force growth and that address growing fiscal imbalances.』

てなわけで(その前の部分でもそうなのですが)人口高齢化で経済のダイナミズムが落ちて自然利子率が下がるというような話はあるのですが、特に今回目先の金融政策に関しての話は無い、というのが一応のオチなのでした(オチが無くてすいません)。

一応頭出ししたので念のためという所ですが、多分両名ともに基本的なスタンスに変更は無いと思います。


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