朝のドラめもん

2019/12/06

お題「満を持してジンバブエ先生の大分金懇挨拶である」

一昨年のジンクスも発動することなく無事にPCが動いているようなので、本日は実用的には全く価値のない見世物見物ということで始まり始まり。

〇これはジンバブエ先生の臭大成ですわwwwwwwwwww

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2019/data/ko191205a1.pdf
わが国の経済・物価情勢と金融政策
── 大分県金融経済懇談会における挨拶要旨 ──

先日の櫻井さんの場合はHTML版がほぼ同時位に出ていましたが、ジンバブエ先生の場合はPDF版のみが先行してリリースされます。しかしいつぞやの金懇では変なテキストエディタ使っていたみたいでコピペで死にそうになりましたが、今回はMS標準の文書作成ツールっぽくて無事に引用出来て何よりです。

でもって今回のジンバブエ先生の金懇は、先般の石川金懇の神だのなんだのという狐憑き的な物ではなかったので、迫力という面ではパッとしませんが、内容に関しては臭大成としか申し上げようが無い感じで、石川金懇が狐憑きモードとすれば、今回のは・・・・・・・・・・というのを見て行こうではありませんか。

なお皆さまもお分かりと思いますが相場のポジション運営に対しては1オングストロームたりとも役に立たない内容なのに分量は平常運転の2倍以上(なので昨日の夜から書き出していつもの倍以上の時間を掛けておりますよ当然ながら)ですので、全部読んでから時間の無駄とか言わないでくださいよろしくお願いします(平伏)。



・因果関係の説明を1ミリもしないで相関関係だけで効果を宣伝するジンバブエ音頭から始まります

最初の挨拶は飛ばしまして、というか「厚くお礼申し上げます」ってお礼を申し上げた後にこんなの聞かされて良く皆さん席を蹴立てて変えるとか机をバンバン叩くとかしないですなあと感心してしまいます。

『日本銀行は2%のインフレ目標達成を目指して 2013 年4月から量的・質的金融緩和政策(QQE)を行い、さらにマイナス金利、イールドカーブ・コントロール政策、金融緩和継続のための枠組み強化、フォワードガイダンスの明確化、など様々な政策を導入しています。』

と来まして毎度のごとく、

『その結果、経済は好転しています。2014 年度の消費税の5%から8%への引上げ、2019 年 10 月の8%から 10%への引上げ、2015年半ばから 2016 年初や 2018 年後半から 2019 年にかけての世界経済の減速、生産年齢人口の趨勢的な減少もあって、この間、景気が力強く拡大した訳ではありませんが、現在までのところ、景気拡大がなんとか続いています。』

と来ます。そしてその次に、

『本日は、日本銀行が行っている金融政策について説明し、それがどのような成果を上げているのかについてお話しします。まず、成果は明らかです。失業率は約 30 年ぶりの水準に低下し、生産性も向上しています。問題は物価が上昇していないことです。』

と、いつものパターンで続くのでこちらもいつものパターンでツッコミを入れますと、そもそも金融政策がどのようなルートで効いた結果としてこのような成果となったか、という因果関係の説明が1ミリも無く、相関関係だけで説明をしている訳でして、相関関係だけで良いんだったら「あまちゃん」放送開始が効果を発揮したとか置き換えても同じなんですがそれは、というのもお約束のツッコミになりますな。つまりのんさんがまた能年玲奈さんに戻ってもっともっと大活躍してくれたら物価は上昇するんですよきっと(半分真顔)。

つーかですね、そもそも論としてそれ以前の問題として、「問題は物価が上昇していないことです」って説明をしておりますように、元々QQE導入というのは2%物価目標を2年程度を念頭に出来るだけ早期に達成するために導入した政策でありますからして、その政策によって「物価が上昇していない」というのは、それはつまりこの政策が所期の目的を達成していない、すなわち政策導入によって想定した効果が発現して居ない、ということに他ならないので、普通はそういうのを「失敗」と言いますし、控えめに申し上げても「成功していない」のは「問題は物価が上昇していないこと」なのだから明らかな訳ですよね。

でもって、所期の効果を発揮できずに、控えめに言っても「成功していない」政策な訳ですから、そのような場合、普通は「相関関係としてはそうなっているが、因果関係は別の所にあるのではないか?」と考えて検証するのが学者というか学生実験だってその位の姿勢で臨むわと思う訳でして、相変わらず因果関係の説明もしないまま相関関係だけで効果とか言い出す人間に博士号を授与したのはどこのアホウだと小一時間問い詰めたい(なお調べればすぐわかりますがお察しの人が教授をしていた時のお察し習院とかいう所です)。


・まーた複式簿記も銀行経理も理解していない話なのですがそれ以前に・・・・・・・・・

でもってこれがまた凄いのですが、さっきの直後にこういう文章が繋がっていて、突然話が飛んで何が何やらだし、内容は毎度の「預金が集まり過ぎる」ネタなのですな。

『それによって金利が上昇せず、低金利が、銀行経営を圧迫しているという議論が強まっています。しかし、銀行経営の困難は、貸出需要以上に預金が集まってしまうという構造問題に依るものです。銀行は、この問題に対処する必要があります。』

この部分、再度続けて引用するとこうなるんですよ。

『本日は、日本銀行が行っている金融政策について説明し、それがどのような成果を上げているのかについてお話しします。まず、成果は明らかです。失業率は約 30 年ぶりの水準に低下し、生産性も向上しています。問題は物価が上昇していないことです。それによって金利が上昇せず、低金利が、銀行経営を圧迫しているという議論が強まっています。しかし、銀行経営の困難は、貸出需要以上に預金が集まってしまうという構造問題に依るものです。銀行は、この問題に対処する必要があります。』(先ほどの引用部分の再掲)

この段落、もうちょっと話が続くのですが、最初に「金融政策について説明し、それがどのような成果を上げているのかについてお話します。」で始まっているのに、金融政策の話もなく、成果については何の因果関係の説明もなく失業率と生産性の話を行い、物価が上がらないのが問題という話をしながら、銀行経営がどうしたこうしたという話に飛ぶというこの話の飛びっぷりにも呆れますが、呆れている間に見落としていけない話の構成もあります。

・・・・・・というのはですね、「問題は物価が上がっていない」という認識を示したうえで、その物価が上がっていないことが原因で「それによって金利が上昇せず、低金利が。銀行経営を圧迫しているという議論が強まっています」って話をしているんだから、QQEが所期の効果を上げずに、未だに金融政策の目標を達成していないせいで問題が起きている、という指摘があるのに、そこは完全に話をスルーしているというのがもうねという感じです。さらにこの続きが・・・・・・・・・


・また例の藁人形論法である

『また、金利を引き上げれば、貸出需要の低下、物価の下落、円の上昇、景気後退、企業倒産の増加(銀行にとっての信用コストの増加)などが起きるでしょう。金利の引上げは、問題の解決になりません。』

さっきは金利が上昇しないのは物価が上がらないからという話をしているのですから、政策の効果が上がれば物価は上昇して金利が上昇する筈ですし、金融政策やっているのに物価目標達成しないのですから、それに対してやり方を何とかしろと言っている訳で、どこの世界に金融引き締めをやれとか言い出す奴が居るのかと貫禄の藁人形論法キタコレだし、リバーサルレートの議論って「閾値を超えて金利を下げたら却って引き締め的になってしまう」という話でもある訳ですが、そういう点の考察はあるのか、ってジンバブエ先生の認知の歪みでは無理なのは分かりますが、まあ何にをおっしゃるやらという感じですな。

『現在の低金利の要因の一部が、後述するように、過去のデフレ的な金融政策によるものであることを考えれば、現在の緩和的な金融政策を継続し、景気の持続的拡大を目指し、物価と金利の上昇を待つことが唯一の道だと思います。』

とのことですが、QQEおっぱじめて7年も経過しているのに、何が過去のデフレ的な金融政策かという話で、今の金融政策が物価上昇に効いてないからこの有様なんじゃないかという考察が無いのは仕様とは言え情けない。



・実質金利が大きく低下しましただそうですが・・・・・・・・

さて、その次の小見出しが『1.金融緩和の手段 』でありまして、まあどうでもいいのですがその中でこんな説明がありました。

『このような政策を行った結果、名目金利の低下と予想物価上昇率の上昇によって実質金利(名目金利−予想物価上昇率)が大きく低下しました。』

予想物価上昇率がろくすっぽ上がらないから物価目標達成できてないはずなんですがどこのパラレルワールドにお住まいでいらっしゃるのでしょうか???????????????

『実質金利が低下したことで、投資が刺激され、株価が上がり、為替が減価しました。』

普通金利引き下げによる政策効果波及メカニズムというのは、借入コストの低下によって限界的な投資の余地を拡大して、将来の需要を手前に引き寄せる形で需要を喚起するとかそういう話をすると思うのですが、ジンバブエ大先生の場合は何故か金融市場ルートしか考えていないようです。

『株価の上昇は、さらに投資を引き上げ、豊かになった家計は消費支出を拡大します。これらのチャネルを通じて実体経済が好転しました。』

金融市場ルートしか考えていないようですが、金融市場ドリブンで行けるのは最初だけで、そのあとは実体経済にバトンタッチしないと持続的なポジティブフィードバックループにならんと思うのですが、株価が更に上がると投資が更に上がるとか、ジンバブエ先生1980年代からやってきたんですかと小一時間問い詰めたい。


でもって話は続きまして、更にその次の小見出しが『2.大胆な金融緩和政策の成果 』となっていて、まあ先ほどから申し上げているツッコミ部分満艦飾という感じなのですが、一々突っ込んでいると時間が無限に浪費されますし、何よりもその先の方に行くとジンバブエ祭りが絶賛大開催されますので、ここは涙を呑んで(気が向いたらまたやる)次の小見出しに参りましょう。

・・・・・・と思いましたが、この中に前半の中では一番アタクシの頭を混乱させるかいしんのいちげきが登場するのでそっちを鑑賞しないといけないんだった。


・論理とかそういう以前に日本語になっていないという恐ろしい文章があるのだが

『2.大胆な金融緩和政策の成果 』の中で『財政状況の改善 』というのがありまして、

『大胆な金融緩和は、景気を刺激し、税収を拡大し、財 政状況を改善させています。図2は、一般政府の財政収支、政府総債務残高、政府純債務残高の対 GDP 比を見たものです。一般政府の財政赤字の対 GDP 比は、2012 年度の 8.3%から 2017 年度には 2.7%へと 5.6%ポイント低下し6、急速に上昇していた政府純債務の対 GDP比は、2012 年度の 121%からはほぼ横ばいとなっています。』

因果関係が無くて単に見せかけの相関かも知れないとかそういうツッコミはさておきまして、この次の段落が兎に角凄いとしか言いようがないしこれはモノホンのアレなのでまずはこの段落通しで引用します。

『ここで、政府純債務が重要だということを説明しておきたいと思います7。政府純債務は、政府総債務から政府の金融資産を差し引いたものです。日本は、政府総債務は大きいが純債務はそれほど大きくないので問題ないという議論がありましたが、現在、純債務でも大きなものとなっています。しかし、政府債務の破綻可能性を考える時には、純債務が重要です。債務が大きいので、金利が少しでも上昇すると大変だと言う議論がありますが、この時には、純債務で考える必要があります。なぜなら、金利が上昇するときには、政府の金融資産の受取金利も上昇しますので、この分は相殺できるからです。 』

・・・・・・・これは小泉進次郎も裸足で逃げ出す日本語だしこれを話の中でなく原稿で書けるのは進次郎を遥かに上回っていると思われます。この段落、一文ずつ区分けして再読しましょう。

「ここで、政府純債務が重要だということを説明しておきたいと思います。」

なるほど説明してくれるんですね。

「政府純債務は、政府総債務から政府の金融資産を差し引いたものです。」

これは用語の定義ですか(まあこの政府の金融資産って概念も微妙なのだがそこは今回はパスしておく)。

「日本は、政府総債務は大きいが純債務はそれほど大きくないので問題ないという議論がありましたが、現在、純債務でも大きなものとなっています。」

ほうほうそうですか純債務も大きくなっているのですか(なお図表を見ても近年は大きくなっていないように見えるのだがどこを起点に話をしているんだ、というのもある)。

「しかし、政府債務の破綻可能性を考える時には、純債務が重要です。」

えーっとすいません、政府純債務が重要だという説明をする、と言っておいて「(政府)純債務が重要です」とか言われましても説明になっていないのですが・・・・・・・・・・・・

「債務が大きいので、金利が少しでも上昇すると大変だと言う議論がありますが、この時には、純債務で考える必要があります。」

政府純債務が重要という説明は何処へ??そしてさっき「純債務も大きなものとなっている」と言ってたのですから、純債務で考えたら大変だという話になるような気がしますが。

「なぜなら、金利が上昇するときには、政府の金融資産の受取金利も上昇しますので、この分は相殺できるからです。」

でも純債務増えてるんでしょ????

・・・・・・・で何が凄いと言いまして、この『財政状況の改善 』というお話はここで終わっていて、この先は次の小見出しに進んでしまうのです。論理的思考以前に日本語として成立していない文章としか思えないのですがジンバブエ先生大丈夫でしょうか?????

#ああそれから債務と資産の金利更改ミスマッチがあったら「この分は相殺できる」とかのんびりした事言ってられないかも知れませんよね、その辺はまずもって分かって無さそうなジンバブエ先生ェ・・・・・・・・


てなわけでこちらの次は小見出しが変わって『3.なぜ金利は低いのか 』という小見出しなんですけどこの調子が延々と続くのだ。

『QQE 開始以来、雇用は改善、生産性も上昇、財政状況も改善しています。では何が問題なのでしょうか。物価が上がっていないことです。日本銀行は、QQE 開始前に、消費者物価の対前年比で2%の上昇を目指すと決めましたが、2019 年 10 月の消費者物価上昇率(除く生鮮)は 0.4%で目標に遠く及びません8。』

と、またさっきの話ですがこの次からがもうね。

『これに対して、別に物価が上がらなくても良いではないか、というご意見もあるかと思います。物価が上がらず、雇用が良く、生産性も上がり、財政状況も改善しているなら、なお良いではないかというご意見です。』

えーっとすいません、長くなりすぎるから引用飛ばしたけど、その話を今の今まで政策の効果が出たと言って自画自賛してたの貴方様なんですけど突然どうした????

『しかし、物価が上がらないと金利も上がらない、金利が上がらないと金融機関が困るという問題があります 9。 』

えーっと、さっきは金融機関が困るのは金利が上がらないからではなくて、預金が集まり過ぎるような構造があるからだという話をしていたんですけどさっき言ったこと忘れちゃったのかなあ???

次の段落も誠にアレ。

『「日本の金利はなぜ低いのか」と言えば、「それは日銀がそうしているからだ」と言われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。』

ほうほうそれそれで?

『なぜなら、金利を低くしていれば景気が過熱して物価が上がり、2%を大幅に上回るインフレになったりします。』

なっていませんが。

『それを避けるためには、金利を上げなければならなくなります。あるいは、自然と金利が上昇します。』

なっていないのでそうなりませんね。

『要するに、低金利政策の長期的帰結は、物価と金利(名目金利)の上昇です。』

まさかとは思いますが低金利政策を何年やっているのかご存知ではないのでは??

『逆に言えば、過去の景気悪化に対して、十分に金利を引き下げなかったのでデフレに陥り、金利も低くなってしまったのです 10。また、金利低下は、日本だけのことではなく、世界的です。』

えーっとすいません、QQE始めてもう6年半なんですけれども今更何を仰せなんでしょうか。


・金利が世界的に上がっていない話を延々としているのだが何を言いたいのかさっぱり分からない件について

何で金利が上がらないのかというコーナーの続きはこういう話になります。

『図3は、主要国の 10 年物国債金利を示したものです。見やすくなるように、5年ごとの平均金利を取っています。』

エライ雑だな。

『世界的に金利が低下し、図では分かりませんが、10 年物国債利回りは、2019 年半ば以降、日本、ドイツ、フランスでマイナスとなっています。 』

ということですが、

『なぜ金利が低いかと言えば、実質経済成長率が低く、インフレ率も低いからです。実質経済成長率とインフレ率のそれぞれを見ても良いのですが、ここでは両方を合わせた名目 GDP 成長率を見てみましょう。図4で主要国の名目 GDP 成長率を見ると、総じて低下しています。 』

で?

『 確かに名目成長率は低下していますが、これだけでは金利の低下を説明できません。』

いやあの今しがた「なぜ金利が低いかと言えば、実質経済成長率が低く、インフレ率も低いからです。」って言って、実質経済成長率とインフレ率を総合して名目GDP成長率って話をしていたのに、何でここで急に「これだけでは金利の低下を説明できません」になるんだよ最初の定義づけがおかしいんだろうよ。

『図5は、縦軸に名目長期金利を取り、横軸に名目 GDP の成長率を取っています。図の各点は 1990 年から現在までの各国の5年ごとの平均値を示しています。2000 年代まで、金利は名目成長率と同じように動き、かつ、名目成長率よりも2%ポイント程度高い状況にありました。』

『ところが、2010 年代後半に入ると、金利は名目成長率よりも2%ポイントも低く、かつ、成長率が多少伸びても金利はなかなか上がらないという傾向が現われています。』

とくるので何かの考察が来るかと思えばその次が凄い。

『しかし、金利が名目成長率よりも低いという状況は、2010 年以降のことですから、名目成長率が上がれば金利も速やかに上がっていくのかもしれません。ここ5年か 10 年の話が、永久に続くと考えなくても良いのかもしれません。』

ナンヤソラwwwww椅子から転げ落ちそうになったわwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

『なぜ、名目 GDP の低下以上に、金利が低下したのでしょうか。金利の低下は、物価上昇率の低下、実質成長率の低下に加えて、貯蓄投資バランスの変化などで説明できるとされています 11。』

だったら最初からISバランス出して説明しろやこのスットコドッコイ。

『その要因として、人口構成の変化、格差の拡大、新興国の予備的貯蓄の余剰、投資財価格の下落、巨大 IT 企業の利益率の高さと余資の大きさ、公共投資の低下、安全資産の不足 12、財政状況の改善などの理由が指摘されています。』

凄いハチャメチャな説明だなおい。

『また、現在の金利の低下は、景気循環的なものだという議論もあります。』

ちょwwwwwお前さん今しがた「なぜ、名目 GDP の低下以上に、金利が低下したのでしょうか。」って問題提起してるのに何で景気循環の話に戻るんだよwwwwwwww

『貯蓄投資バランスの変化とは、投資が減少し、貯蓄が増加したから金利が低下したのではないかということです。 』

もう話が飛びすぎですが、この次の説明もまた凄くてですね。段落が次の段落になるんですけれども、

『これらの理由のうち、日本について、財政状況の改善の影響のみについて考えてみます。』

その要因だけで考える理由が全く示されずにいきなりこれですよ。

『まず、日本の金利は日本の貯蓄と投資の関係から決定されると考えます。』

ちょっと待て、最初の所でお前「なぜ金利が低いかと言えば、実質経済成長率が低く、インフレ率も低いからです。」って話しとったのに何でここでは「日本の金利は日本の貯蓄と投資の関係から決定されると考えます。」になるんだよ大丈夫かおい。

『そして、財政状況の変化は、民間の貯蓄と投資の決定になんら影響を及ぼさないと仮定します。』

なんでそうなる????

『 2012 年度において、日本の長期金利は 0.8%、総貯蓄=総投資(国内投資+海外投資)は 115 兆円です。2012 年度から 2017 年度にかけて、一般政府の赤字は 26 兆円縮小しました。』

ちょっと待て何だその数字。

『財政赤字の減少で、総貯蓄はこの分増加したはずです。』

????????????????????????????????

『図6は、金利と総貯蓄=総投資の関係を示したものです。貯蓄の利子弾力性は小さいとされていますので、貯蓄供給曲線はほぼ垂直に書いています。投資の利子弾力性を1と仮定して、そのような傾きを持つ投資需要曲線を書いています。結果として、一般政府の赤字が 26 兆円縮小したことによって金利は 0.18%ポイント低下したことになります 13。』

何か無茶苦茶過ぎてどこをどう突っ込んで良いのかというレベルなんですけれども。ちなみにここで不幸にもリファーされている(その前にも実はリファーされていた)スタッフペーパーも斜め読みしたんだが、何か物凄く変な読み方をしているとしか思えん。

でもってこの話の結論が、

『これを大きいと解釈するか小さいと解釈するかは難しいところですが、財政赤字が金利を上げるなら有益な投資を減少させて将来の日本を貧しくするので大問題ですが、財政赤字が金利を上げないのなら有益な投資を減少させることもないので大した問題ではないことになります。 』

ということだが、無茶苦茶好き勝手に仮定を置きまくって謎の一次関数を出して「財政赤字が金利を(大して)上げない」という結論を出してそれを基に結論を持って来るとか、そういう講演は大分県経済を支える要人の方々の前で行うのではなく、別府の方に行く途中に高崎山ってのがあるからそちらで講演でもされたら如何でしょうか??????


・低金利が問題であるという議論に

次の小見出しが『低金利を問題とする議論』である。

『以上、ご紹介した低金利を巡る議論の他に、低金利政策によって非効率的企業が滞留し、生産性が低下し、自然利子率を低下させたという議論があります。これは低金利によるゾンビ企業滞留論と呼べると思います 14。』

『また、現在の低金利は、過去の低金利が、需要を先食いさせ、それゆえに金利を低下させたからだという議論もあります 15。』

需要を先食いさせ”それゆえに”金利を低下させたとかどう見たってそんな批判ないでしょ。低金利で先食いできる需要が長期化した結果先食いしまくったから低金利政策の効果が逓減して政策が効かなくなっているとかそういう議論をまた例によって藁人形殺法を使っているんでしょう。何せこの型の場合リファレンスが書いてあるからと言っても鵜呑みには出来なくて、書いてあるものを思いっきり曲解してリファーしている可能性が思いっきりあるので油断はならない(後にその例が出てくるので乞うご期待)。

さてゾンビ云々の話だが。

『まず、第1の低金利政策によって非効率的企業が滞留し、生産性を低下させたという議論ですが、QQE によって生産性が上昇しているのですから、あり得ない話です。』

?????????????

『また、非効率な企業を高金利で市場から追放すれば、雇用問題を起こします。』

別に高金利で追放しなくったって雇用問題起きるんですが。というかこの先の方で本人としては大真面目に金融機関経営に対して提言しているつもりなんでしょうが話が無茶苦茶、という作りの金融機関経営珍理論が盛大に展開されるのですが、そっちのほうでは「儲からない事業はやめてダウンサイジングしろ」と連呼しているというのが物凄い勢いで前後矛盾していて、ジンバブエ先生の首から上についている物体はカボチャか何かなのかと小一時間問い詰めたい。

『ところが現在、金融緩和によって人手不足が起きています。非効率企業を追放するなら、人手不足と賃金上昇で起こすのが良いでしょう。』

そもそも金融緩和で人手不足が起きるなら昔から起きてるわ人口動態知らんのかお前は、という感じですが、まあ勿論その話はめんどいから割愛した前半の方にあります。

『第2の、金利の引下げは将来の需要の先取りに すぎないと言う議論ですが、現在生産が増加し、人々は豊かになっています。』

お前は俺を何回椅子から転げ落ちさせれば気が済むのか。

『豊かになった人は、将来もより豊かな生活を求めるのではないでしょうか。』

金利の引き下げは限界的な借入コストを引き下げることによって有効需要を喚起する、という話しから遥かにぶっ飛んだ何かおとぎの国の世界のような話になっているのだが大丈夫か。

『QQE によって為替が安定し、より多くの外国人観光客が日本を訪れるようになっています。』

それは以前と比較して海外対比で日本が相対的にコスト安になったからより多くの観光客が来るようになっているということに他ならないのですが、何でそれで「人々は豊かになっています」という話になるんでしょうかねえ。

『これらの人々は将来来るはずの人を現在呼び込んでいるだけで、将来はこの人たちが来なくなって日本はさらに貧しくなると考えるのは、あまりにも奇妙な考えだと私は思います。』

そんな奇妙な藁人形出さないで下さい。



・ジンバブエ先生はどうも人の話を理解どころか曲解するのでリファレンスもあてにならない件

という不思議話の続きで話はまた飛ぶのだが、ジンバブエ先生のリファレンスがあてにならないといいうことをここで示しましょう。

『QQE を開始した時、それほど時間をかけることなく2%物価上昇率の達成は可能だと考えていました。物価上昇率が2%に近づけば、金利を上げなければならず、金利がこれほど長い期間ゼロ、またはマイナスになるとは考えていませんでした。多くのエコノミストもそう考えていたと思います 16。』

QQEやってそうなるのか懐疑的な方はたくさんいたはずですが、ここでリファーしているのが早川さんでまあいいとばっちりなのですが、ここの引用が物凄いことになっていまして・・・・・・・

『16 例えば、早川(2012)は、「今、銀行は、国債を山ほど持っている。量的には圧倒的に大手行が持っているが、大手行の債権のデュレーションの長さは2年ちょっと。それと比べて地銀などは4年ぐらいと長くなる。…地銀などは、貸出の資金需要もない。ここ(国債)しかないというので、デュレーション延ばしになってしまう。国債の価格が下がった時、誰が損するかというと、メガバンクよりも、地域金融機関ということになる」と述べています (早川英男「わが国金融業の課題」『新国策』公益財団法人国策研究会、2012 年 11 月号)。これは、金融緩和が最終的に金利を上 げることを前提とした議論である。また、4年の国債にリスクがあるというのは、4年程度で物価が 上がり、金利が上がることを前提としていることになる。』

ってなっているのですよ。まずは通しで引用してみましたが、これを逐次読んでいくとジンバブエ先生の物凄さが分かるのですけれどもね。

「 例えば、早川(2012)は、」って来てリファーしてるのは「(早川英男「わが国金融業の課題」『新国策』公益財団法人国策研究会、2012 年 11 月号)」な訳です。然るにジンバブエ先生、QQEを開始した時云々という話をして、「多くのエコノミストもそう考えていたと思います」という話のリファレンスにこの早川さんの話を使っているのですが、言うまでもありませんが2012年11月号掲載の文章というのはどこからどう見てもQQEの前なのですが、何でこれがリファレンスになるのでしょうか貴殿の首の上に乗っているのはピーマンか何かでしょうかと小一時間問い詰めたい。

てなわけで当然ながら2012年11月の執筆なので、QQEで物価2%になるとかそういう想定でこの文章を書いている訳でもないはずなのに、この文章を堂々と「多くのエコノミストもそう考えていたと思います 16」の例にするというジンバブエ先生のしぐさを見ますと、まあ一事が万事でして、この人他人のペーパーとか講演とかをリファーしているけれども実は本人言ってないことを勝手に書いているのではないかと思わざるを得ないわけですよ。

さらに、この早川さんの説明部分を再掲すると、「銀行は、国債を山ほど持っている。量的には圧倒的に大手行が持っているが、大手行の債権のデュレーションの長さは2年ちょっと。それと比べて地銀などは4年ぐらいと長くなる。」(債券じゃないのかと思いますがそこは気にせず)っていう話から「国債の価格が下がった時、誰が損するかというと、メガバンクよりも、地域金融機関ということになる」っていう話をしているのは、要するに「日本の金融機関は金利上昇時にリスクがあり、それは特に地域金融機関の方がリスクなのだが、保有国債のリスク量を勘案しないで国債保有金額だけ見るとそうは見えないので注意が必要」という話をしているだけでしょと思うのですよね(実際どうだったのかは早川さんにお伺いしたい所ではありますが)。

それを何をどう読むとそういう結論になるのか、ジンバブエ先生は「これは、金融緩和が最終的に金利を上げることを前提とした議論である。また、4年の国債にリスクがあるというのは、4年程度で物価が上がり、金利が上がることを前提としていることになる。」とか、前半はまだしも「4年の国債にリスクがある」とか何をどう読むとそういう理解が出来るのか全く分からないのですが、とりあえず小学生の国語からやり直した方がよろしいのではないかと御助言申し上げたいですな。



・話の前提がおかしいので何をいってもおかしい

更にこのコーナーのワケワカラン話は続く。

『金利低下の要因に話を戻します。金利は名目成長率よりも2%ポイントも低くなりましたので、前述の財政赤字の減少だけではその理由を説明できません。』

そもそも論としてさっきは飛ばしたけど金利の説明するのに単年度のフローの財政赤字が増えた減ったというのが説明変数になるのかよとしか申し上げようがない(プライマリーバランスがずっと赤字なんだからストックベースの赤字は増え続けている筈なのでさっきの話もそもそも妙ですわな)。

『正直に言えば、なぜ金利がこれほど下がっているのか十分には解明できていません。しかし、2%程度の物価上昇率の維持に成功していたイギリスとアメリカの金利は日本よりも高いのですから、日本の場合、過去のデフレ的金融政策が金利を引き下げたのは確かです。』

物価上昇率が低いから金利が低いのではないでしょうか?????

『また、金利が名目成長率よりも2%ポイントも低くなったのはここ5年、10 年のことにすぎません。それが永久に続くと考える必要もないかも しれません。』

でたさっきの謎説明!なのですが、何が凄いと言いましてもこの話がここで終わっていることでして、もう何を言いたいのかが全く分からない次第。昨年の7月に思いっきり話題になった金沢金懇では神だのバベルの塔だの歌舞伎の雷神不動北山だのが登場して鬼気迫るものがありましたが、中身は無茶苦茶ながらもとりあえず謎の勢いだけはあったのですが、今回の場合は直前に言ったことと反対の事を言い出したり、突如話がワープしたり、政府純債務が重要なのは政府純債務が需要だからですみたいな話を何度もしてみたりとか、今回のはどうもこうはいはいおじいちゃん満州の話はさっきもしたでしょう的なサムシングを感じて止みません。


・池井戸潤さんの小説をリファーしながら金融機関経営論を語る中央銀行政策委員wwwwwwwww

さてさて、この次の見出しが、『4.低金利と銀行経営 』ということでお話が始まるのですが、その前にちょっと先の方の脚注を見て盛大に脱力をしたのですけどね。脚注19という奴なんですが、

『19 フィクションだが、池井戸潤氏の銀行小説『オレたちバブル入行組』( 2004 年)、『シャイロックの子供たち』(2006 年)、『ロスジェネの逆襲』(2012 年)(年数は単行本の出版年。いずれも文春文庫にあり) でも、同じことが 活写されている。話は誇張されているが、私が個人的、断片的に得ている情 報と類似している。』

ちょwwwwwwおまwwwwwww

ちなみにその後にも、

『22 金融庁「『顧客本位の業務運営』の取組成果の公表状況」2.共通 KPI−(1) 運用損益別顧客比率@(2019 年 11 月 6 日)。前述の『シャイロックの子供た ち』16 頁、にも、投信販売で顧客が損失を被っていることが 描かれている。』

『25 前述の池井戸潤氏の小説でも、銀行の縮小という解決策は全く考慮されて いない。フィクションでも難しいことを現実に行うことはなおさら難しいということは理解できる。』

って「銀行の銀行」の最高意思決定機関にいるのに銀行業務を池井戸潤さんの小説で勉強してんのかよお前はwwwwwww

というあきれ果てて物も言えない(言ってるけど)モードなのですが、そういう方が銀行経営に対して本人は大真面目で提言しているつもりなのでしょうが、まあ控えめに申し上げて抱腹絶倒の珍理論が展開されるので心して読まないと行けません。


・ジンバブエ先生金融機関経営論を語るのだがどうみてもはいはいおじいちゃんモード

ということでやっとのことで『4.低金利と銀行経営』という章までたどり着きました。ちなみにここで本文23ページ中15ページ(ただし最後の3ページは大分県の話とかなので実質は20ページ)ですよ。

『理由は完全には解明できていませんが、金利は世界的に低下し、日本のみならず、欧州の多くの国でマイナスになっています。』

もうこの表現だけでお腹がいっぱいですがそんなことを言っていると先に進めないので自分に鞭打って前進前進。

『それに対して銀行は不満を募らせています。低金利は雇用を改善し、生産性も高めていますが、これが銀行経営の困難を引き起こしているという議論が度々聞かれるようになっています 17。』

金利が低下している理由は解明できていないのに低金利が雇用を改善したり生産性を高めているというのは疑似相関なのかも確認せずに解明されたことになっているとか宗教ですな宗教、というのがマクラにあって金融機関経営論を騙るんですからもうね。では参りましょう。


・担保や保証人を取れば債務者の返済可能性を無視して良いという街金金融論キタコレ

『銀行の機能とは何か』という小見出しが最初に登場しますのでご高説を拝聴。

『 低金利と銀行経営の関係を考える前に、そもそも銀行の機能とは何かを考えてみたいと思います。銀行はなぜ利益を得ることができるのでしょうか。金融論の教科書によると、銀行の機能は1)情報生産、2)資産転換があり 18、この2つの機能によって銀行は利益を得ることができると説明されています。』

「銀行の銀行」にいるのに金融機関の機能を教科書と池井戸潤さんの小説から勉強しているのかよwwww

『 1)の情報生産機能とは、預金者に代わって、借り手の投資の将来収益やその資産内容を審査し、貸出実行以後も、計画通りの結果が出ているかを審査し、借り手が正しい会計情報を提供しているかをチェックすることです。』

ほうほう。

『銀行は同時に、担保や経営者個人の保証を求めます。十分な担保と個人保証があれば、銀行は会計情報のモニタリング負担が軽減されるので、これで情報生産コストが低下します。』

あのーすいません、十分な担保と個人保証があっても当然モニタリングしますけど。てか債務者の返済能力丸無視して担保と個人保証だけで貸すとか街金もビックリの金融論で、通俗小説の読みすぎを心配したくなります。大体からして債務が焦げ付いた時の回収には当然手間暇もストレスも掛かるのであって、担保や保証人とっていて最終的にフルカバーされても面倒なんですけどねえ。

『担保と個人保証は預金者には取れませんから、これは銀行が情報生産機能を果たしていることになります。』

何か妙なのだが、担保や個人保証は信用補完の為の物であって、担保があるからどう見ても失敗する投資だしこの債務者の返済能力超えるけど金貸してやるわとかナニワ金融道の読み過ぎなのではないでしょうか。

『企業が会計情報を整備・拡充すれば、規模拡大に伴って、資本市場から資金を調達でき、銀行から借り入れる必要はなくなります。日本の多くの大企業が借入をしているのは、銀行が安く貸してくれるからです。銀行にとっては利幅の薄い貸出になります。』

何か色々変だが次の段落に進む。なお、ここで一言付け加えさせていただきますが、先ほど「金融論の教科書によると」という記述があり、脚注18というのがありましたが、その脚注18を見るとこれがまた、

『18 例えば、岩田規久男『金融』第4章、東洋経済新報社、2000 年』

とか一々細かい所まで笑いを取れるのがジンバブエクオリティ。


・さらに謎の金融論が展開されるのだがこれ聞かされた経済界の皆様に同情を禁じ得ない

次の段落に来るとさらにパワーアップ。

『そもそも将来の収益など分からないものです。』

そんなこと言い出したら何もできませんけどまあそこを諒として次の文章に行くといきなりのけぞる。

『一方、銀行以外でも、企業の将来の収益をより正しく予測しうる企業は様々に 存在します。』

おじいちゃんつい今しがた「将来の収益など分からない」って言ってませんでしたっけ大丈夫でちゅか???

『親会社は下請け企業の売り上げをある程度知っています。自分が発注しているのだから当然です。経営に関与している商社などもそうです。銀行は情報優位にある彼等とも競争していることになります。』

どうもこの方は「企業間信用」というものをご存知無いようです。売掛とか買掛とかご存知ですか????

『仮に貸出先企業が大成功したとしても、銀行にとって得られるものは、わずかな利鞘にすぎません。』

何で話がそこに飛ぶ????

『銀行は預金者のお金を投資できないのですから、ベンチャー企業に投資して何十倍にもなるということは起こりえません。』

ってこの段落、話が全然つながっていないし、この理屈言い出したら融資そのものが否定されるんですが何を言ってるんでしょうかねえ、と思いつつ気を取り直して次の段落に進む。


『企業の将来の収益の予測という、正しいかどうか分からないことを評価しようとすれば、評価者の裁量が拡大し、評価者が権力者になってしまいます。』

さっきは企業の将来の収益を予測しうるという話をしながらまた将来の収益は分からないという話をおっぱじめるし、「評価者の裁量が拡大し、評価者が権力者になってしまいます」って個人営業している金貸しかよお前という所で、会社組織でまともに融資をしている所で担当者の一存で融資出せるようなシステムねえだろ会社勤めしたことあるのかお前と小一時間だし、社会人としての常識が欠如した人間の教育を怠ったD総研は製造物責任をマリアナ海溝よりも深く感じて頂きたい。

『組織の運営方法を誤ると、融資をチェックしている審査部門は機能せず、人々を評価している人事部門は組織内の権力闘争に向かうという小説の世界になってしまいます19。』

えーっとすいません、「企業の将来の収益の予測という正しいかどうかわからないことを評価」する機能は融資審査部門になるので、「評価者の裁量が拡大し、評価者が権力者になる」んだったら融資審査部門が権力者になると思うのですが何で急に人事部門がここで出てくるのでしょうか全く意味が分かりません。

とは言いましても、文章および脚注を見ればわかりますように、ここのリファレンスが池井戸潤さんの小説なんですけど(と何度も池井戸潤さんの名前が出てこれは池井戸さん飛んだとばっちり)。さっきも引用しましたが脚注19は、

『19 フィクションだが、池井戸潤氏の銀行小説『オレたちバブル入行組』( 2004 年)、『シャイロックの子供たち』(2006 年)、『ロスジェネの逆襲』(2012 年)(年数は単行本の出版年。いずれも文春文庫にあり) でも、同じことが 活写されている。話は誇張されているが、私が個人的、断片的に得ている情報と類似している。』

しかもさっきは飛ばしましたけど、この「私が個人的、断片的に得ている情報」ってのがアホかと馬鹿かとって話で、あんたら正面玄関から金融機関に行って金融機関の状況について考査できる権限あるのに、何で「個人的に、断片的に得ている情報」で金融機関経営を騙っているんでしょうかよくこれ聞いてる金融機関の偉い人たち怒りださないわと思いますが、ほぼ間違いない想像としては、終了後に大分支店長が皆様に土下座行脚をして回っていたんでしょうなあ(もちろん事前にも土下座をしているとして)と思いますと、モノホンのアレのケツ拭きをする部下の皆様大変だし、しかもこのモノホンって別に日銀が主体的に選んだわけでもないというのが災難としか申し上げようがありませんな。


・そしてジンバブエ先生究極の金融機関経営論が登場する

まあさっきも似たような話をしていましたが、この段落の最後を飾るジンバブエ先生の金融機関経営論が物凄い。

『むしろ、担保など外形的に分かることだけで融資をすれば、審査部門や人事部門を大幅に縮小し、コストダウンできるでしょう。』

・・・・・・・・・ちょっといいから今すぐ高崎山に隠棲してこいとしか申し上げようがありませんが、日本銀行政策委員会政策委員が金融機関に対してこのようなご見解を披露されていることにつきまして、金融庁さんのご見解を賜りたいのですが誰か聞いていただけませんでしょうか?????

『銀行が企業の将来の収益を考えるのは例外的な事例にとどめ、外から分かることで貸せばよいということです 20。外形的審査だけでも、預金者にできないことを銀行はしていることになります。』

凄いですよね、これを大分県経済を代表する企業経営者(金融機関含む)の前で発言できるというのがどういう思考を基にしているのかと思いますし、こんな珍理論で何度もリファーされてしまった池井戸潤さんいい迷惑にも程がある次第で、あたしゃ池井戸さんの小説読んだことない(ついでにテレビドラマも見たことない)から実際にジンバブエ先生のような妄想を誘発する効果があるアジビラ小説なのかどうかというのは分からんのだが、これだけ見ていると池井戸さんの小説を読むと銀行に対するすさまじい偏見を誘発する有害図書なのかと勘違い(だと思うのだが)をしてしまいますなオソロシス。


・資産転換機能の話がわけわからんのだが金融論の教科書ではそういう説明なのかいな

てな訳で先ほどの部分までは余りの凄まじさにこっちの息も上がってしまう金融機関経営珍理論(しかも多分これギャグでも何でもなく本人大真面目にガチで信じて話していると思うのがまた凄いのだ)でしたが、次の段落に入ります。

『2)の資産転換機能には、2つの機能があります。まず、@短期の預金を集めて、それを長期の貸出に転換することです。借りる側は機械を買ったり建物を建てたりする訳ですから、急に返せと言われても困ります。銀行は、多数の預金者のお金を預かることによって、長期に貸し出すことが可能になります。』

読んでるアタクシもう息も絶え絶えになりそうでしたがやっと普通の事が書いてあるわと思うがそれは一般的に満期変換機能と言わんかと思うがまあ良しとして次。

『次に、A債務不履行の可能性のある貸出資産を、リスクのない預金に転換することです。』

??????????????????

『これによって、預金者は安心して銀行に資産を預けることができます。』

??????????????????

『これは1)の情報生産機能によってリスクのある資産を全体としても安全な資産に転換することです。 』

後段はマジでだから何としか申し上げようがない。ジンバブエ先生も最後の一文で書いていると思うだが、それはただの(1)情報生産機能、の同義反復ではないでしょうか??????


・ジンバブエワールド全開だわさっき言ってたことと全然違う話が始まるわ

てな訳で一瞬(かなり微妙とは言え)現実に戻りかけたと思うと直ぐにジンバブエワールドに戻るのが直後の次の段落というのがもうね。

『これらの機能によって銀行はどれだけの貸出を維持することができるでしょうか。』

????

『土地があっても預金は少ないという人もいますが、事業に成功すれば預金は増えていきます。人々が豊かになっていきますと、長期に資金を寝かしておくことのできる人も増えていきます。すると、長期金利と短期金利の差も縮小してしまいます。』

お前は何を言ってるんだ。

『世の中には、高い金利でもお金を借りる人もいますので、そういう人に高い金利でお金を貸すことはできるでしょう。しかし、そういう人は少数派です。』

投資期待リターンと借入金利の関係によって借入需要が喚起されるから金利を下げると需要が出るという事になっている、というような話は何処に行ったのでしょうか、というかこの段落支離滅裂過ぎて何を言いたいのかがジンバブエ研究の第一人者を自称する(大嘘)アタクシでも理解できない。

理解できない時は次の段落で伏線回収があるかもしれないので頑張って読んでみる。

『不完全な担保でも貸出はできます。自分のお店を出したい人がある程度の金額の頭金を作ればその人の勤勉さや堅実さを評価できます。』

えーっとおじいちゃんさっき担保とかでフルカバーされたらジャンジャン貸せるから審査不要って話をしてたし、将来の収益は分からないと言いながら分かると言いながら分からないって話をしてませんでしたっけ??????

『銀行にとって担保不足でも、失敗すれば数年間の努力を無駄にするのですから、真剣さは確かです。』

真剣にやれば事業が必ず成功するとは何て素敵なジンバブエワールドなのでしょう!!!!!

『住宅ローンも、頭金10%〜20%では担保として不十分でしょうが、借り手は、なんとしてでも自宅を守りたいと思うものですので、それで問題ないようです。』

どうも小説の読み過ぎで現実とジンバブエワールドの区別がつかなくなったようですが、そういう人を題材にした古典名作がありましたな。その人ドン・キホーテ・ラ・マンチャって言うんですけど。


・やっと計数の話が出たと思ったら・・・・・・・・・・・

次の段落に進みましょう。

『銀行の資産を見ると、2019 年9月末時点で、貸出 509 兆円のうち、法人向けが 324 兆円(うち中小企業向けが 206 兆円)、個人向けが 144 兆円です(日本銀行「預金・現金・貸出金」)。個人向けについては、2019 年9月末時点で、住宅資金が 131 兆円、消費財・サービス購入資金が 10 兆円となっています(同「個人向け貸出金」)。』

ほう。

『利幅が確保できそうな貸出は、中小企業向けと個人向けを合わせて 350 兆円ぐらいではないでしょうか。』

ではないでしょうか、って中央銀行の政策委員なのに把握してねえのかよwwwwww

『集計ベースは異なりますが、2019 年8月末時点で、5%以上の金利での貸出は貸出総額 485 兆円のうち、5.9 兆円しかありません(同「利率別貸出金」)。 』

ちょwwwww5%以上の貸出金出してきてどうするんだよ。しかもこれで計数の話おしまい。


・相変わらず資金循環を理解していない模様

次の小見出しである。『貸出以上に預金が集まる日本の銀行』だが、ここは資金循環を理解していないいつもの話です。

『さらに、貸出以上に預金が集まってしまうという問題があります。図7は日、米、英、独、仏の銀行の預貸率(貸出÷預金)を示したものです。日本では、1990 年代の末まで、ほぼ 100%程度であった預貸率は、急速に低下し、今や 60%程度となっています。一方、日本以外の国では、預貸率は低下していますが、アメリカを除いては 100%程度です。貸すだけの預金しか集めていないと言えます。それでも、欧州の銀行も経営が苦しい状況にあります。まして、預金が集まりすぎている日本の銀行はさらに苦しくなってしまうでしょう。』

それは政府部門の資金不足が恒常的に拡大している結果なんですけどねえ、というのを何度指摘されても理解できないんでしょうなあこの先生。次の段落に進みます。

『QQE 導入以来、それまで減少傾向にあった銀行(国内銀行)の貸出は、2019 年9月までで 79 兆円増えていますが、預金は 161 兆円も増えています(日本銀行「民間金融機関の資産・負債」)。』

だから資金循環。

『これに関連して、金融機関に人材が集まらない、中途退職するという報道があります 21。報道では、これが悪いことであるかのように書かれていましたが、結果的に必要以上の預金集めにつながっている人員や店舗の削減が可能になります。これは、銀行業、ひいては、日本経済全体の生産性を上げることにもなります。』

まるで分っていない・・・・・・・・・

『また、日本の銀行は、貸出が伸びず、預金が集まりすぎることに対して、預金を減らすより、リスクの高い貸出、リスクの高い運用手段に傾斜し、かつ、顧客にも預金よりも投信を推奨するようになっているのではないかと懸念されます。』

えーっと、貯蓄から投資へというのを国を挙げて推奨していますし、低金利政策によるポートフォリオリバランス効果って話はどちらへ???ああそれから預金が伸びるのは政府部門の資金不足が以下同文。

『金融庁は、投資信託を保有している顧客の運用損益(手数料控除後)を算出していますが、この資料によれば、2019 年3月末で、運用損益率がマイナスの顧客が 34%を占めているということです 22。保有期間は3年程度と思われますが、この間、わが国を含む主要国の株価が上がっていますので(日経平均は2割5分ほど上昇)、本来ならほとんどの投信がプラスになるはずですが、手数料の高さでこのようなことが起きるのだと思います。』

どういう理解をするとこういう結論になるんでしょうかねえ。まああの金融庁の資料も期間の切り方とか恣意的だろという感じで、株式投信に特化している運用商品だけ扱っている金融機関の成績が良くなるような切り方しているからなんだよそれというのはあるが。

『金融庁は、一部の投信販売会社が、手数料収入を上げるために、投信間の乗り換えを勧めていることに警鐘を鳴らしています 23。また、前掲資料に掲載されたグラフで、投資信託のコストとリターンを業態別に見ると、相対的に、銀行や対面の証券会社は高コストでリターンの低い投資信託を販売している一方、直販を行っている投信会社やネット系の証券会社は、低コストでリターンの高い投資信託を販売しているように見受けられます 24。』

株式型投信の成績が良いような期間の切り方の問題がある訳で、これ例えば昨年9月起点で昨年末あたりで切ったら全然別の結果になるんでちゅけどねー。


・という訳でジンバブエ先生の金融機関経営珍理論のまとめになります

次の段落がこの章の最終段落になります。

『やはり低金利状況にある欧州の金融機関には、長引く収益低迷を受けて大規模な経営効率化を進めているところがあります。欧州では、労働慣行もあって、大胆な雇用調整は容易ではないようです。そこで、欧州の金融機関は、日本を含む世界各国で組織体制の見直しを進めています。』

はあそうですか。

『一方、日本は大胆な金融緩和によって人手不足になっていますので、こうした見直しは欧州よりも容易なはずです。』

ジンバブエ先生どうもおとぎの国にいらっしゃるようですね。

『銀行が数でも資金量でもうまくダウンサイジングできれば、利益を得られるようになります。』

最初の方で「しかし、銀行経営の困難は、貸出需要以上に預金が集まってしまうという構造問題に依るものです。」って言ってたと思うのですが、銀行の数減らしてもそこの構造変わらないし、資金量でダウンサイジングするためには資金循環の理屈から言いまして政府部門の資金不足を大幅に是正しないと資金量のダウンサイズはできないんですけどまあ分かっていないのでもうどうしようもない。

『資本主義と市場経済においては、儲からない仕事を止めて、儲かる仕事に転換することが必要です。』

最初の方で「また、非効率な企業を高金利で市場から追放すれば、雇用問題を起こします。」とか言っていてこれですし、儲かる仕事に転換するって銀行がいきなりタピオカコーヒー売るとかそういうの業法で出来ないし、それやりだしたら銀行の機関銀行化が起きて金融の不安定化に繋がるんですけどね。

『その過程で、銀行が人と資本を放出すれば、日本経済全体ではプラスになるはずです。』

わけわかんない。

『日本において仕事を止めることの難しさは分かりますが 25、銀行という、資本主義と市場経済の根幹をなすべき機関に、このことを理解していただければ、日本の生産性はより顕著に改善すると思います。』

って言ったって資金余剰の問題は政府部門の絶賛大赤字を何とかしないといけないんだし、借入需要が乏しいのは経済の潜在成長力が弱すぎる上に成長期待がないんだから、その辺何もせずに(なおジンバブエ先生によれば金融緩和で何とかなるらしい、7年近く何とかなっていないのに何でなるんだろう)金融機関は死ねと言わんばかりの話で金融機関経営珍理論を締めるとかよくもまあこんな話が出来るもんだと呆れてしまいまして、まあ集大成ならぬ臭大成だわと思うのでありました。

あとこの次の『おわりに』ってのの最初が寝言なのですが、おじいちゃんの寝言におつきあいするのはキリの良い所でここで勘弁という事でよろしくお願いいたします。

まあジンバブエ先生におかれましては任期が終了しましたら別府温泉地獄めぐりに入水するなり高崎山に隠棲なさるなり、といったスキームをご推奨しますとか言いたくなってしまう訳です、というかそのまま帰ってこなくてエエンですが大分県が迷惑ですかそうですか。




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