朝のドラめもん

2018/10/16

お題「黒田総裁の外遊発言にツッコミ少々/短国買入どうするの/今更FOMC会見ネタ(しかもその1)」

https://jp.reuters.com/article/saudi-politics-dissident-report-idJPKCN1MP2F2
2018年10月16日 / 04:56
サウジ、失踪記者の死亡認める報告書を準備=CNN

『[ワシントン 15日 ロイター] - サウジアラビアの反政府記者ジャマル・カショギ氏がトルコで行方不明になった問題で、サウジ当局は、同氏に取り調べを行ったところ誤って死亡させたとする報告書を準備しているという。米CNNが15日、匿名の関係筋2人の話として伝えた。』(上記URL先より)

「取り調べを行ったところ誤って死亡させた」というのは言い訳になるのか?????


でもって米国市場ですが、

https://jp.reuters.com/article/idJPL3N1WV4RQ?il=0
2018年10月16日 / 05:06 /
米金融・債券市場=利回り上昇、乱高下一服との見方

https://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPL3N1WV53E?il=0
2018年10月16日 / 05:31
米国株式市場=下落、ハイテク株に売り 金利上昇・企業業績巡る懸念で

株式市場が落ち着いたとみて金利が上がるとそれを見て株式市場が下落というお洒落なサイクルに入っていますな。


〇海外で口が緩む黒田総裁ですがバリ島ではどうだったでしょうか

・ブルームバーグインタビュー

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-14/PGLY4I6TTDS001
出口の兆候、国債利回り注視を−日銀の黒田総裁
竹生悠子、Kathleen Hays
2018年10月15日 6:24 JST 更新日時 2018年10月15日 11:44 JST

昨日は朝来たらこんなヘッドラインが出ていて(って朝のうちに気が付けよというツッコミはしないで頂きたい)、なんじゃこの謎のヘッドラインと思ったら・・・・・・・・・

『日本銀行の黒田東彦総裁は、長年に及ぶ金融緩和からの出口戦略開始の準備が整ったと示唆する最初の兆候は資産購入ではなく、国債利回りに表れるだろうと述べた。』(上記URL先より、以下同様)

何か一読して何を言いたいのかよく分からんのだが以下記事を読み進めてみるとこれは単に「国債買入のペース縮小は出口政策と関係ない」と言っているだけだと気が付く。

『黒田総裁はインドネシア・バリ島でブルームバーグ・テレビジョンのインタビューに英語で答えた。日銀が出口に向かうことを知らせる方法について問われ、「2%物価上昇率が達成されたり、達成が近づいたりした場合は当然、金利目標を変更することがありうる」と説明。「現時点では、物価上昇率は1%にすぎず、現行の長短金利水準で金利操作を継続する」とも述べた。』

そらそうだ。

『金利変更が出口戦略の開始の明確な合図になるとする黒田総裁の意図を確認する追加質問に対しては、「その通りだ」と話した。』

そらそうだ。でもって途中を飛ばして

『黒田総裁は出口を示唆する可能性がある兆候を探すなら国債購入額ではなく、イールドカーブコントロールに焦点を絞るべきだと指摘し、「イールドカーブコントロールだけだ」と発言。「国債購入額はもはや金融オペレーションのターゲットではない」と述べた。』

ということで、まあこれをそのまま文字通り解釈すると、「国債買入はバンバン減っても出口でも何でもありませんあくまでも金利ターゲットを達成するための道具ですから」というお話になって、まあ何とかスト方面からは、金利目標の引き上げ=出口政策示唆という事が明確に示されたので、出口の可能性が無ければ金利目標は上がらないというハードルの高さを示した、という講釈がいくつか出ていて、そらまあ今時点で言えば2%いつ行くのかワカランチ会長な状態な訳ですから、別に物価が行くことを理由にして出口政策の方向で金利が上がるとか考える必要はサラサラないのでそれはそうとも言えますが、だったら何で7月に「柔軟化」を行って金利ターゲットは変えていないけれども市場金利の方は実際には10年が恒常的に0.1%に乗った水準で推移させているのを放置プレイにしているのか、と考えますと、「金利が変わると出口戦略の明確な合図(=だから出口戦略になるまで金利を変えない)」という説明をしているけど実際の運用上金利上昇容認してるのはあれ何なんでしょという話になる(ちなみに日銀に聞くと「目標は変わっていません、あまりにも金利を固定化しすぎないように問題ない程度での振れを容認しているだけです」という答えが返ってくる見込み)のですけどね、

つーわけで、これは「金利をそう簡単に変えませんよ」というのはそらまあ現時点で当たり前の話であって、むしろこれって「国債買入バンバン減らすぜヒャッハー」という意味を取りに行った方が良いのではないかと思いますが、国債買入が減るから金利が上がるかというとこれがまたややこしい話で、追加緩和がどうのこうのとかいう置物一派の残滓が3体ほど転がっておりますところの日本銀行政策委員会としては(櫻井さんは置物一派かと思っていたらすっかり執行部の忠実な鉄砲玉になっている)「オペ減らして金利が上がりました」となると残滓どもが五月蠅いので、「海外経済などが好調で市場の金利が上がりました」とか「日本の物価先行きの期待から市場の金利が上がりました」ということにしたいでしょうということで、オペ減額ヒャッハーといって売り込むというのも早計ですし、まあ減額が見えているだけに余程の材料なら別でしょうけれども、多少のネタでは金利をバンバン買い進むというわけにもいかず、となりますとそらもうウゴカンチ会長相場になりますわなという所ですな、ナムナム。


・消費増税の影響が小さいんだったらフォワードガイダンスの文言は何なのかと小一時間問い詰めたい

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20181014-OYT1T50071.html
日銀総裁、消費増税「景気に大きな悪影響ない」
2018年10月14日 18時10分

『【ヌサドゥア(インドネシア・バリ島)=山本貴徳】日本銀行の黒田東彦総裁は14日、消費税率10%への引き上げについて、「景気に大きな悪影響があるとは思わない」と述べた。飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率の導入などにより、家計の負担が抑制されるためだ。インドネシアで開かれた金融セミナーで述べた。黒田氏は、軽減税率のほか、増える税収の半分が教育無償化に使われることを挙げ、「悪影響は(5%から8%に引き上げた)前回増税時の4分の1になる」との試算を示した。』(上記URL先より)

>景気に大きな悪影響があるとは思わない
>景気に大きな悪影響があるとは思わない
>景気に大きな悪影響があるとは思わない

さてここで声明文のフォワードガイダンスを確認してみましょう。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2018/k180919a.pdf

項番5の一部になりますな。

『政策金利については、2019年 10 月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している(注3)。』(8月決定会合声明文より)

となっている訳ですが、景気に大きな影響があるとは思わないのに何で「消費税率引き上げの影響」という文言を含めたのかというのがもうグダグダにもほどがあるわというお話ではございますな。まあどうせ日銀に小一時間質問しても「消費税率引き上げというのは不確実性の具体的に分かりやすい例として出したもので、実際には様々な不確実性が消費税率引き上げ以外にもあって、不確実性が高いと見込まれる状態で軽々しく利上げをすることはない、というのを示した文言です」とか「消費税率引き上げの影響は前回ほど大きいとは考えていないので大きな悪影響があるとは思わないというのは事実。ただし前回は予想外に影響が大きかったように、今回も何らかの要因が重なって大きな影響になるかも知れないのでその点を不確実性として考えている」とか何とか想定問答の理屈が瞬間的にホイホイと浮かんでくるので小一時間問い詰めても何も出てこないのですけれども。

でまあ日銀の理屈(屁理屈)は理屈としましても、フォワードガイダンスの中で消費増税の影響というのを殊更に日銀は示している以上、こういう話をしらっとされてしまうとナンジャソラという話になりますので、そこはせめて「計算上は前回よりも影響が小さいとみられるが、消費者心理などへの影響が大きい可能性もあるので慎重に動向を見ていきたい」とか言っておけよと思うのですけれども、まあ黒田さんがそうは言わないキャラクターなので仕方ありませんな。


〇ところで今日は短国買入やるんかいの

昨日は輪番無し入札無しデーでして、前週および前々週同様に「3M入札の翌営業日(3Mの翌営業日に6Mをやったので前々週は6Mの翌営業日ですが)ではなくその次の営業日に短国買入」を踏襲して月曜の短国買入も行われませんでしたな。

でもって本日なのですが、昨日も申し上げましたように先週の3M短国ちゃんは益々強い結果になっておりまして、更に短国買入する意味あるのかという感じになっているのですが、また1000億円やるのか今回こそパスするのかというのはちょっとだけ気にしています。もしかしたら先週の場合は6Mがあったから買入をしたけれども、今回は3Mしかないから買入をパスして、1Y3Mと続く翌々営業日の23日の時に短国買入を実施するとか、そういうスケジュールでも考えているんですかねえ。

まーいずれにせよ短国買入自体MBの帳尻という意味も薄れているのですからバンバン削減して行っても何ら問題は無いので残高0を目標にしていただきたい(ディレクティブに短国買入の話は無いのだから0にしてもディレクティブ違反ではない)と思う次第。なおマイナス金利政策のせいで短期市場での純粋なキャッシュ運用という種族は滅亡してしまいまして、辛うじて制度上必要なこともあり生かされているのがMRFという状態になっておりまして、覆水盆に返らずとはよく言ったものであります。

あとオペといえば点数表が公開されましたな。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2018/data/rel181012b.pdf
金融市場調節取引におけるオファー停止、対象先除外等の措置について




〇いまさらジローなネタですがのんびりとFOMC後の会見でも鑑賞していこうかと(たぶんその1)

実はこの前(10/3)のパウエル講演で結構論点が出てしまっているような気がだいぶ漂っておりまして、なんか今更9月25日の会見ネタってどうなのという気は全力でするのですが、読んだものをお蔵入りさせるのも何なので俺様メモも兼ねて少々。

https://www.federalreserve.gov/mediacenter/files/FOMCpresconf20180926.pdf
Transcript of Chairman Powell’s Press Conference
September 26, 2018


・言語明瞭意味は明瞭な時と不明瞭な時があるという感じですかね

パウエル議長の会見、だいたいパウエルおじさんのパターンが確立されてきた感がありますが、質問に対して割とノリが良く言語明瞭に返すし、なんかその場で色々と考えてます感が思いっきり漂うのですが、意味に関しては明快に答えている時と明快だけど中身がない時に2分されるという感じに思ったのですがどうなんでしょ。

ということで最初の質問ですけど。

『NICK TIMIRAOS. Thank you. Nick Timiraos, the Wall Street Journal. Chair Powell, given the lags of monetary policy, I want to know how you think about ending the tightening cycle? How will you know when to stop? And do you need to keep going until something in the economy breaks? 』

婉曲に中立金利水準の質問をしたとも読めますがその答えは、

『CHAIRMAN POWELL. So the tightening cycle, as you know, is a reflection of the strength of the economy. And it’s almost three years now that we’ve been gradually raising rates. And I think the fact that we have moved quite gradually, in a way, allows us to carefully watch incoming data in the real economy and in the financial markets to see how the economy is processing higher interest rates. And the fact that we’re moving so gradually-I think it-I think it limits the long and variable lags problem because, you know, we’re being able to raise rates and then wait and see how the economy absorbs these rate increases. And so far, the economy has performed very well and very much in keeping with our expectations. 』

ということで、経済の強さを見ながらやっているが今の所はまだ緩和的という説明にとどめていて、ああでもないこうでもないと説明しているのですが、肝心の「どこで緩和をストップするのか」「政策が引き締めに転じたというのをどう判断するのか」という質問に対してはナマコのような答え(経済を見て判断)しか返って来ませんな。


・さほど政治圧力への質問は無かったのですが政治向きネタにはきっちり返す

その次。

『JIM PUZZANGHERA. Hi, Jim Puzzanghera from the L.A. Times. President Trump has stated publicly he’s not thrilled with the interest rate hikes. His comments didn’t appear to have any impact on you or your colleagues. Were his comments discussed at your meeting? And do you have any concerns about the effect of these types of comments on the perception of the Fed’s independence and your monetary policy?』

もし今日あたりに会見が設定されていたらもっとバシバシ質問されていたかもしれませんね。

『CHAIRMAN POWELL. So we’ve been given a really important job to do on behalf of the American people by Congress, and we’ve been given the tools to do it, and my colleagues and I are focused exclusively on carrying out that mission.』

こういう所は当たり前だがナマコ返答はしない。

『We consider the best thinking, the best theory, and the best evidence. We have disparate points of view, which we debate extensively and come to a perspective and try to set monetary policy to achieve maximum employment in a context of price stability. That’s what we do. We don’t consider political factors or things like that. And so that’s who we are, that’s what we do, and that’s just the way it’s always going to be for us. 』

当然ちゃあ当然の答えですけれども、こちらの職分でベストを尽くしています、という答え。まあこの会見と関係はありませんが、置物一派の皆様におかれましては「We consider the best thinking, the best theory, and the best evidence.」というのを額に飾って10万回くらい復唱して頂きまして、胸に手を当ててよく考えて頂きたいものだと思います。


・金融環境、社債スプレッドや株価に関して&利上げの最終レートに関して

その次の質問です。

『STEVE LIESMAN. Steve Liesman, CNBC. Thank you, Mr. Chairman. Can you explain how-the stock market being at a near all-time high, corporate spreads being very tight-how does the level of the market factor into your decisions to raise interest rates? 』

利上げの際に金融市場の状況をどの位気にしていますかという良い質問だが、オ・スンファンの石直球という所でして、もう少し手加減をした方が良いのでは。

『Is there a concern on your part? And then, as sort of a second and related part, can you tell us whathappens in 2020 and 2021 that-I know you can’t tell us when you’re shaking your head [laughter]-that prompts-that prompts you-the Fed to think that the rates need to still be above neutral in that time period? Thank you. 』

後半がSEPのドットに関してですな。

『CHAIRMAN POWELL. Sure. So in terms of financial markets and monetary policy, we-as we say in our statement every cycle, we do take financial conditions into consideration because financial-broader financial conditions do affect the broader economy, and they’re one of the many things that we take into account. The part of it that we control, though, is what we do with the federal funds rate and that has-that has effects out through, you know, out through the full interest rate curve and into financial asset prices generally. So the answer is, we take everything into account, but, you know, broader financial conditions are just one of the things that we take into account. 』

前半は一般的な答えでスルーしやがりましたな。説明自体は(画像をちゃんとみてないけど)相手の質問を尊重して答えているような言い方をしながらも一般的な説明で逃げるという割とうまいっつーかズルいっつーかな感じっすね。

『In terms of ’20 and ’21, why-your question was why the funds rate needs to be above neutral? So you’re right.』

こんな感じで相手の質問を確認するのが前の人たちよりもかなり目立つのがパウエル流。

『Some of-some of the participants have mostly very modest overshoots of their personal estimates of neutral a couple-three years out. You know, it’s far out into the future. I think it’s hard to be confident that that’s-that that’s the way things are going to be. What we’re going to be doing as we-as we go through time is asking at every meeting whether monetary policy is set to achieve our goals. And I think that that’s an assessment of where policy will need to be some years down the road, and I’ll leave it at that.』

ということで、中立よりもやや高い所まで金利引き上げをするとみているのはその通りです、という話をしているのですが、それに続いて「まあゆうても先の話はよー分からんから今から決め打ち致しかねるので今後変わっていくかもよ」という説明をしていまして、これはSEPにおけるドットチャートの在り方については、特に政策が中立に近くなってきた時には再考の余地があることを示しているようにも読み取れますな。

#全部やっていたら延々と終わらないのですが、まあこの調子で円債のネタも乏しいのでやっていきますこの人はこの人で会見に味があるな、と今の所は思っています(そんなに歴代詳しくないけどイエレンが一番真摯な感じがします)









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