分類不能の雑文(2004年上期)

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いずれ整理する所存ですが・・・・(-_-メ)

2004年上期


2004/09/27「旅行雑記」
2004/09/14「分類に困る雑談ですので」
2004/09/09「あたくしの超不幸かつ不幸中の幸いの一日」
2004/09/08「素晴らしきご都合主義報道」
2004/09/01「質問主意書問題」
2004/08/30「読書室:2冊紹介」
2004/08/27「小ネタ」
2004/08/25「三井住友の嫌がらせ」
2004/08/24「理想と現実のギャップ」
2004/08/23「言行不一致の世の中」
2004/08/04「民主党岡田代表のオマエモナー/小泉くんは聞く耳持たず」
2004/07/30「木村剛のBLOG続き/自民党も無責任組織」
2004/07/29「財務副大臣谷口氏の国会での質問」
2004/07/28「非正規雇用の拡大は家計に好影響??」
2004/07/22「木村剛のBLOG」
2004/07/14「読書室:理屈で攻める、男の料理学」
2004/07/12「参議院選挙与太話」
2004/07/09「学歴至上主義的エリート雑考」
2004/07/08「読書室:2冊ご紹介」
2004/06/25「高級品の売れ行き」
2004/06/24「民主党の政権公約」
2004/06/09「何だかな〜」
2004/05/18「読書室:革命商人(深田祐介)」
2004/05/07「便利な情報機器」
2004/04/27「大東亜会議の真実に補足」
2004/04/26「週初の雑談/お勧めの本:大東亜会議の真実」
2004/04/09「説明責任というもの」
2004/04/08「何でそう言われるのか判らない」
2004/04/05「役人の発想なのか/お勧めの本:日本はなぜ敗れるのか」



2004/09/27

お題「旅行のみやげ話(^^)」

3営業日お休みしておりましたが、18日〜26日の日程で海外旅行なんぞに行っておりました訳ですな。今回はロンドン経由でスペインの主に南部地方に行って来ましたのですが、まぁ与太話を。

○豊かな暮らしとは何ぞや

まぁいつも海外にフラフラとお出かけしていて思うのですが、今回はあたくしの昔の親分がロンドンでお仕事をしているので、お宅にお邪魔させていただきまして、普通の観光客が行かないような住宅地に行くことが出来ました(^^)。

で、到着した日の翌朝なんぞは晴天の中近所の公園にお散歩なんぞをしておったのですが、まぁ公園といったインフラは整備されているわけでして、緑豊かな丘をのんびりと散策とご多忙海外旅行にあるまじきのんびりとした時間を送っていた訳です。

まぁ何というか日本からやってくるとのんびりしているな〜と思う訳でして、地下鉄が止まっても別に皆さん直ぐに怒り狂う訳でもなかったり、延々と並ぶ(いろんなところで)のは苦にならないようだったりと、時間の使い方が余裕ありという印象でした。

確かに、生活の便利さと言う意味では日本のほうが断然上だとおもうのですが、仕事だけでなく生活全般が慌しい毎日からやってきますと豊かさとは何ぞやという偉そうなテーマを考えてしまう訳ですな。ちなみに旅先で知り合ったケンブリッジ在住の熟年夫妻に言わせれば「ロンドンというのは忙しい街だ」だそうですな。

スペインの南の方まで行きますと環境があまりにも違いすぎるのでそこまで深く感じませんでしたが、何というかアレな訳でして。


○この商品はいかがなものか

ロンドンからスペインに行き返りするのに現地の格安系航空会社を使ったのですが、帰りの便が機体トラブルで何と11時間強延着。機体トラブルがどうしようもなくなり、ロンドンで機体をやりくりした挙句に飛行機をロンドンからスペインまで飛ばしたというのがオチでして、翌日昼には帰国便に乗らないといけないあたくしはもう真っ青になっておりました。親切な英国人の熟年夫妻に随分と助けていただき「何とかしろ」と色々と交渉を手伝って貰いましたのがまさに地獄で仏でありました。

で、色々とやった挙句に「まぁこの便を待つしかないですな」という話になったときに「ところで保険には入っているのか」と聞かれて「そういえば入っているな」と答えた後に空港で入った保険を見たら飛行機延着保障を付保していなかったという間抜けなオチ。

しょんぼりしながら暇なので保険約款を見ていたら、実はこの飛行機延着保障ってたったの2万円しかカバーしていないというのに気がつきまして、「これなら入っても無駄じゃん」と呆然としてしまった次第。別に格安航空会社でなくても、「乗り継ぎ便」と指定して通しで航空券を手配した場合以外では延着で乗り継ぎ損なった分の保障って航空会社がやってくれる訳ではないと思うのですが、2万円では屁のたしにもならないではないかと思う次第でございます。正規運賃で2万円では日本から一歩も外に出れないと思うのですが。

まぁ無駄な保障をつけて(自粛)な訳なのでしょうが、ちとどうかと思った次第であります。

で、上記飛行機延着というのが「現地時間金曜日午後4時50分の便」が「土曜日早朝午前4時10分」となってしまい、空港に半日以上いたという事態だったので、ロンドンについたら直ぐにヒースロー空港まで(郊外の空港に行く便だったので)2時間近く掛けて移動してその足で帰国便に乗る破目に。

日本に着いたのが日曜の朝9時だったのですが、その時間をスペイン時間に直しますと、土曜の深夜2時となる訳で、金曜の朝7時に起きてから徹夜(飛行機やら空港やらでちょこちょこ眠りましたが、正直日本行きの便に乗るまではまともに寝るような状態ではなかったですし)状態が2日弱でしたよ先生って感じであります。

相変わらず「乗り物でトラブルが起きるが最後は何とかなっている」という運は継続しているようであります。


旅行記はそのうち別途、とか言って今まで真面目に纏めた事無いのですけど。

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2004/09/14

お題「徒然なる雑談」

昨日は前場丸々病院なんぞに行っておりまして、後場から登場したのですが、出てきたら先物から10年は前日比値を上げているのに中期債や超長期債ボロボロですよ先生って相場。先週後半に鉱工業生産にGDPと相場をぶち上げてしまったので、いったん様子見モードになったのか知りませんが、相場は(先物の出来高とか見ている限りは)閑散の癖によくもまぁイールドカーブが動いてくださるという感じ。

まぁいずれ中期債あたりに先週末にでも売りが出ていたという事なんでしょうが、それにしては先物は全然下がらないというのも不思議極まりない相場でございます。そんな訳で良く判らない時は思いつくままに材料にでもなりそうな話をつらつらと書き並べるのであります。

○景気の定点観測といいますか

8月以降に出てきた経済指標は景気減速のオンパレードでございます。まぁ既にここまで来た相場ですんで織り込んだという話もありそうですが、どうもあたくし的には先日発表されてあまり話題にならない景気ウォッチャー調査が気にかかる所ではあります。

確か堺屋経済企画庁長官時代にほとんど堺屋さんの趣味で始まった経済調査と聞いたことがあるのですが(又聞きなので間違っていたらゴメンナサイ)、「何じゃそりゃ」などと言われながらも景気の先行指標としては結構当たっていることが多いそうですな。まぁあたくしも時々駄文の中で「景気の定点観測」と称して交通量だとか新聞広告(マイナー紙を購読しているので、新聞広告の量が減るともろに折込チラシが減少するので結構判りやすい。後は大型スーパーなどのチラシに金が掛かっているかどうかとか^^)なんぞについてはチェックを入れておりますが、バイアスをかけて見なければ結構後から思い出すと景気の先行指標に使えないこともありませんな。

ただ、あたくしどものような景気動向をモロに商売にしている人がこの手の定点観測をすると、どこかで自分の相場観やポジションが反映されて見てしまうので、上記した「バイアスを掛けて見る」って事になりやすいので注意が必要なのですが。


○ところが日銀は強気継続なわけでして

先日の金融政策決定会合で発表された金融経済月報に関しては金曜日のドラめもんでご紹介致しましたように、8月に発表されたものとまるっきり同じという内容。今回の金融経済月報には機械受注とGDP2次速報値に関しては反映されていませんが、そこまでの経済指標を反映した結果が「8月とまるっきり同じ」というものですので、日銀としては「景気は回復を続けている」という判断は全く後退させておりませんな。

おまけに日銀総裁は記者会見で最前列に陣取った(らしい)某テレビ局のアナウンサーのおねいさんに機嫌がよろしくなったのかどーか知りませんが、昨日のドラめもんでご紹介したように、プロ野球の質問には懇切丁寧にお答えするわ、いつもよりも妙に多く「心情の吐露」的な「サービスフレーズ」を連発しておりました。で、その内容をよくよく見れば、やれ「量的緩和政策から早く脱却したいという気持ち」だとか、「なるべく早く(量的緩和政策から)卒業したいという気持ちはあるが、それはうんと抑えて我慢する」だとか大変に香ばしい心情の吐露であります。

自分でCPI時間軸を設定しておきながらそういう「心情」を出すのは如何なものかと思うわけです。おかげでちょっと経済指標が良くなると「量的緩和を我慢して行っているということは解除の条件が整った時は結構な引き締めを行うのではないか」という思惑が出てきて、アフォのように相場が大荒れする原因になっているという認識はどうも総裁には無いようですな。

あたくしは量的緩和終了後のイメージは足元金利0.1%くらいなのですが、どうも物価やら株価が上がっていくと直ぐに中短期金利が過激に上昇していく傾向を見ておりますと、もっと高い足元金利を相場は想定しているようでして、これも総裁効果名のではないかと思うわけです。その反動として「量的緩和の終了後にはゼロ金利政策を行う」という政策の論理的整合性を無視した「2段階解除論」なんぞが本職の債券ストラテジストの方々から堂々と論議される(国債市場懇談会でも発言していた人がいたようですが)といった現象も起きている訳ですな。

政策論議も迷走させる総裁のサービス精神には頭が下がる思いでありますが、外傷性頚部症候群というありがたい診断を頂いたあたくしとしましてはあまり頭を下げている姿勢は好ましくないそうなので勘弁していただきたいと思うわけですな(謎)。


○細川財務次官

これもテキストは出ていないので本日あたりにアップされるであろう財務省のWebを待ちたいと思うのですが、昨日の記者会見では長期金利に関する質問があったらしいです。情報ベンダーの中で日本語版ロイターが打ったフラッシュが「長期金利の急激な変動は望ましくない」というものでして、「金利低下牽制をする必要は無い筈なのに何じゃそりゃ???」と思って見ていたのですが、どうも「景気回復を反映した金利上昇局面において急激な長期金利の上昇はよろしくない」ということを言ったのが、お得意の「面白そうな所だけ切り取る攻撃」で報道されたようです。

ロイター通信如何なものかと思うわけですが、そもそも長期金利がどっちかというと下がっている時に長期金利上昇に対してのコメントをするというのは細川さんちょっと不用意ではないかと思う訳でして、まぁ次官になりたてだから仕方なのかもしれませんが、もうちょっと相場水準を考えて発言していただきたいものであります。特に相場に関わるコメントっつーのは前提条件が常に「現在の状況」であるので、同じ話であっても相場の位置によって発言の取られ方が全然変わってくるという事を理解して頂きたい訳ですな。

どこぞの中央銀行総裁のように、突如「一般論」の話をしだして相場に余計な思惑を与える(最近の例では「金利と量を一体化して考える」という発言をして「量的緩和解除後には短期金利が大幅に上昇する」ってな思惑を呼んだわけですが)という大変に香ばしいお方の真似をする必要は無いわけです。ここの所平和な相場なので問題は無かったかもしれませんが、「不用意な一般論」を発言するのは止めた方が吉なのではないかと申し上げたいところではあります。

あたくしがここで申し上げても仕方ないですが(^^)。


というわけで、何をテーマにした話なのかイマイチ良く判らない雑談でございました。やはり外傷性頚部・・・・(-_-メ)。

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2004/09/09

お題「番外編―あたくしの超不幸かつ不幸中の幸いの一日」

本日は番外編。何と申しますか身を切ったネタ状態です。

○交通事故編

昨日のあたくし、まぁタクシーなんぞに乗っておった訳なのですが、大通りに並行して走る小さな通りを(大通りに入る信号が赤だったので抜ける為に)走っておった所、信号の無い交差点って奴で「左前方に車!」と思った瞬間に「ガシャーン」となりました。でもって後部座席にいたあたくしは前のシートのどこぞかにぶつかった訳であります。まさに出会い頭とはこの事なんですが、左から入ってきた車(これまたタクシー)が一時停止しないで突っ込んできたらしいですな。

あたくしの乗った車は豪快にも交差点(小さい交差点ですが)右前方にある事務所に突っ込んでサッシとガラスをぶち破りまして、もう見物人様大集合。そのときあたくしは、とりあえず顔面が甚だしく痛いのですが、車から何となくガスのような香りがしたので「とりあえず脱出しなければ」と思い外へでたら、野次馬先生から「額が割れとるぞ」とのお告げ。後から後部座席の下をみたら右のレンズの所から見事に真っ二つになったメガネの片割れが発掘されたのでありました。

で、まぁ救急車なんぞも呼ばれまして某病院に行ってレントゲンだの取った訳ですが、額の擦過傷は派手ながら縫う必要なしとのお告げ(確かに後で見たらそうでした)で、骨には異常なしとの事で一安心と言いたいのですが、顔面から鼻にかけて腫れておる訳で、もうこれは先生如何な物かと思われますって感じです(なんて今だから書いてますが、その時はもうとりあえず痛いのと骨折が心配で余裕皆無でございました)。

まぁ救急車には乗るわ、病院では戸板じゃなくて何と言うのかしりませんが、寝たまま運搬器に乗せられて首は固定されるわもうエライコッチャでありました。その後警視庁某警察署で事情聴取を受けましたが、何を隠そう事情聴取はこれで2度目。前回もタクシー事故がらみでして、前回は「おーい」と止めたタクシーの右側にバイクが突っ込んで大転倒というこれまた洒落にならない事故でござんしたが。

とりあえず「信号の無い交差点で出会い頭に衝突して道路わきの事務所(たぶん兼住宅)に特攻して玄関ガラス大破(多分タクシーも部類は大破でしょうな)という豪快な事故ながら死人なしであったのは不幸中の幸い。

・・・・っていうか1秒タイミングが狂ってたらこっちの車の脇腹にぶつけられてお陀仏さんだったかと思うと中々であります。


・メガネの良し悪し

あたしゃー常にメガネ掛け人間ですし、乱視も入っているので、ガラスのレンズはちとしんどく、プラスチックレンズにしておりまして、お蔭で割れても粉々になるという事態にならなかったのかと思う訳です。ついでに申し上げると、前方に激突した時にメガネがぶっ壊れるのに必要な分のショックが吸収された訳でもありますから、(外傷は痛いは顔面は腫れるわと悲惨ですが)まぁ顔面直接大強打をしなかった(と思われる)のもメガネの効用でもあったりする訳です。ガラスのレンズだと派手派手に壊れて眼にどうしたこうしたという事もありますので、お値段張ってもプラスチックレンズを推奨したいところであります。


・車載カメラのあるタクシー

どうも加害側らしいタクシー会社の事故担当者が夕方に来社(後始末終わった所で出社したので)して丁重にお話するには・・・・

某タクシー会社(武士の情けで名は伏せる)では運行測定の一環として車載カメラを用意してあるそうで、当然ながら運行中に取る映像は何度も上書きして使うそうですな。で、いくらか忘れましたが、ある一定以上の加速度が車にかかるとその前後10数秒だか20秒だか忘れましたが、その記録は自動的に保存する事になっているとの事でして、このお蔭で事故の原因も判りやすくなったようです。当然ながら前方道路優先のところを見事に時速50キロで突っ込んだことなんぞ一発で判るようであります。


・病院は高い!

まぁ病院は当然のように自費立替なのですが、レントゲン取って顔面の傷を見て「こりゃ縫う必要はないね」と言って傷口を消毒して派手にガーゼで止めただけなのに26840円ですよ先生。後で返ってくるとは言え、この調子で通院していたらお財布様がエライコッチャになってしまうのですが、某病院救急部恐るべし。お品書きによりますと消毒液つけてテープ貼ったのが9700円で、レントゲンが17140円でした。

しかもこの某病院は「保険会社に後から請求してくれ」という技が使えないという所でして、行くたびに精算では洒落にならんという気が思いっきりする訳ですな。困ったもんです。


・タクシー事故は多いそうで

都心ではタクシーの台数は増えるわ人口が増えて自転車の通行は増えるわという状態でして、東京都中央区における交通事故の半分はタクシーがらみだと事情聴取を受けたもののカツ丼は出なかった(^^)警視庁某警察署の担当のお方が仰っておりました。皆様もお仕事でタクシーご利用の際はシートベルトしろとは申しませんが、窓枠の手すりとか前の手すりとかに手を掛けておくのも吉なのかもしれません。


ま、顔面の方はメガネ大激突のお蔭で額に派手に傷ができるわ(深くないので見た目ほどではないが)、鼻のあたりが内出血していて額と共に腫れているわという有様ですが、顔面強打でお陀仏さんになるよりは無限大倍はマシですので、ほっと一息と言う感じであります。あと右脛打撲と、その時は気が付かなかったのですが、左の膝も強打していたようです。他の痛みが納まってきたら気が付いたざます、とほほのほ。

事故に出くわすのは全く不幸なのですが、時速50キロで横からきた車にぶつけられて(とりあえず今の所)まぁ寝込むような怪我になっていないというのは悪運が強かったと申し上げるしかないのかな〜と思う訳です。結構こういうパターン多いんですよね>自分


○PC編

まぁそんな訳でとりあえず朝のドラめもんは夜のうちに書いておくかと考えてPCを起動したらとうとう謎の画面が現出。もう人が交通事故にあったというのにこれかいなと激しくしょんぼりしてながらやっていたら、プログラムやらドライバやらがいくつか飛んでおりましたが、珠玉のデータ(嘘です。只の過去の駄文)は無事でありました。ホット一息。

しかし、肝心のウィルスバスター大先生が飛んでおりまして、おまけにあたくしのPCに大昔プリインストールされていたマカフィー先生の残骸が復活したようで、ウィルスバスターの再インストールができないという悲しい事実。各種設定も何故か4年前の状態に戻っておりまして、仕方が無いので早寝したいのに泣きながら設定をしなおして再起動したら同じ現象が発生(号泣)。

ええ、頭に来たあたくしはもう一度設定しなおした後はPCの電源入れっぱなしですよ。もう恐ろしくて電源切れません。仕方がないから週末にとうとう新PC導入の所存であります。

で、まぁ頭に気ながらPCいじっていたのですが、いきなり「もしかしてこれはご主人様の命を守る為に災厄をPCが引受けて下さったのか」と自分に都合のよい解釈が閃きましたので、そういうことにしてPCは仕方の無いことと割り切る事にしました。まぁ基本的なデータが飛んでいなかったので被害僅少ですが。

ということで、ウィルスメールは間違っても送ってこないで下さい(^^)。


という訳で昨日は散々な日でありました。とりあえず命あって翌日を迎えることが出来たのは悪運強しと言った所なのでしょう>自分


#皆様も安全運転に心掛けてください。

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2004/09/08


○素晴らしいご都合主義報道

プロ野球再編問題で世の中大変楽しい状態になっていますが、どうも話題を煽るためにノイジーマイノリティー(と敢えて言い切りますが)の動きばかり報道し過ぎなのではないかと思う訳で。Jリーグのチームが合併する時ここまで騒ぎましたっけ?と記憶を辿りつつ朝の某経済新聞社系列放送局の放送番組を視聴しておりましたら、実に素晴らしい報道を拝見して朝から笑ってしまったのですな。

某放送局の解説委員っつーんですから結構偉い人だとおもうのですが、この偉い人が現在の球団合併の動きに関する問題点として3点挙げまして曰く(記憶を元に書いているので概ねの話は間違っていないのですが、言い回しとかが違っているかも知れません、念のため)、

1.理念無き合併―何の為に合併するのか。結局1リーグ制導入先にありきではないか。
2.株主利益の軽視―オリックス球団との合併とライブドア社への球団売却のどちらが株主に対して有利かという検討はなされているのか。
3.説明責任―球団合併に伴うリストラなどの痛みを説明しているのか、企業合併ならば経営が当然痛みについて労組に説明している。

・・・・・理念無き銀行合併を散々煽りまくる報道をして、銀行に勤務する人の待遇切り下げを所与のものとして報道していたお前等が何を今更言うのかと、朝からドラめもん先生大変に血圧上昇(-_-メ)。まー昔の銀行合併の話は置いておくとしましても、つい先日のUFJHDとMTFGの経営統合報道では、住友信託銀行の立場は思いっきり無視し、何が何でもMTFGとの経営統合が確定しているような報道をしておられた報道機関の仰る事とは到底思えない「球団合併に関する問題点」の指摘っぷり。その面の皮の厚さに大変に頭の下がる思いであります。

この解説委員の先生は、この話をする前振りで「今回の球団合併問題を球団経営の観点から考えるとこのように言えるかと思います。」と始めたので、当然ながらプロ野球のパイが碌に拡大しないのに選手の年俸だけ高騰している現状とか、読売の自社コンテンツの価値最大化作戦によって巨人戦以外のコンテンツの価値が暴落し、挙句の果てにプロ野球全体の地盤沈下を招いた合成の誤謬問題とかの話でもするのかと期待したのですが、まぁやはりそういう世間受けしない(とは思いませんが)コメントよりも自分たちで煽り立てた「世論なるもの」への迎合ですかとちょっとくらーい気分になる朝のひとときでございました。

この国の報道は一体どうなっているのでしょうか?

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2004/09/01

お題「質問主意書を眺めてみる訳だが」

○質問主意書とは?

質問主意書っていう制度がありまして、民主党がこの制度の利用を党として奨励しているらしく、しょうもない質問主意書の乱発によって行政に負担が掛かってしまい、政府から「いい加減勘弁してくれ」というお話がでているというニュースが先月の頭にちょっとでていました。ネタバレをしますと、あたくしが巡回しているWebの一つで著名なWeb(というか「はてなダイアリー」なんですが)「霞ヶ関官僚日記」にその辺の話が出ていて初めてこの制度の事を知ったのですが。

結局、あまりにも無駄な質問主意書の提出は自粛しましょうって話になったと言うところで話は落着したのかなぁと思いながら別のネタを見る為に東京新聞朝刊を読んでいたら、「質問主意書封殺がどうのこうの」という記事が特報(28〜29面)に出ております。多分東京新聞Webでも記事を見る事ができると思いますのでそちらもご参考に(^^)。何とタイムリーな企画>自画自賛


あまりにも下らない質問主意書を出すアフォがいる為に、8月6日からは主意書の提出前に議院運営委員会で事前に議連の理事がチェックするという事で話がまとまっていたようです。一応国政調査権の一環の制度なので無くなるのも如何な物かと思いますが、実際にどういう質問主意書がでているのかと思って眺めてみると「こりゃ制度の濫用でしょう」って思う訳ですわな。東京新聞は質問主意書の制限問題を一生懸命叩いてますが、どんな質問主意書が出ているのかを読んでから記事を書いていただきたいものです。


○で、今国会で出された主意書を見る訳ですが

という訳で前振りがやたら長くなりましたが、直近の国会であります第160回国会で提出された質問主意書とそれに関する政府回答を衆議院Webで眺めてみると、やはり「こりゃ駄目だ」という思いを強くする訳であります。

http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_shitsumon.htm
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/kaiji160_l.htm

上記URLの下の方が160回国会での質問主意書リストって感じであります。まぁ随分と色々な質問が出ていまして、隅から隅までは読めていないのですが、まぁ何となく題名を見て「こりゃ変だろう」ってのをピックアップしてから質問内容を眺めてみたのですが、見事に色々なものが釣れるという観光釣堀状態であります(-_-メ)。

○質問主意書といえば長妻昭議員らしいです

事前知識として「長妻昭」という議員センセイが碌でもない質問を出すというのはあった(ちなみにこの先生は160回国会での衆議院財務金融委員会で社会保険庁の経費の使い方がどうのこうのという質問をしているのですが、別の委員会で質問したらどうですかね〜と思うのでありました。)ので、この先生の質問を見たらもういきなり腰が砕ける訳です。

この辺の質問は題名を見ただけで笑えるわけですが。

質問番号 27
質問件名 国会議員よりも高額給与をもらう国家公務員等に関する質問主意書
提出者名 長妻 昭君
会派名 民主党・無所属クラブ

質問番号 28
質問件名 政府のリストラに関する質問主意書
提出者名 長妻 昭君
会派名 民主党・無所属クラブ

で、どんな質問をしているかといえば、
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a160027.htm
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a160028.htm
という感じです。お忙しい方の為に質問番号27をご紹介するとこんな感じなのですな。

国会議員よりも高額給与をもらう国家公務員等に関する質問主意書

一 現在減額されている国会議員の年俸よりも、高額な年俸を受け取る特殊法人・独立行政法人・認可法人・公益法人等の役職員に関して以下を明らかにした上で、その金額が適正か否かに関して内閣の見解を問う。部署名、役職、年俸額、高額年俸の理由。
 プライバシーの保護で法人名を出せない場合は、それぞれの種類ごとに該当する法人数とそれぞれの年俸額を明らかにした上で、内閣の見解を問う。

二 国会法では、国会議員は、一般職の国家公務員の給与よりも少なくない歳費を受けるという規定がある。
 現在の国会議員よりも多くの歳費をもらう一般職の国家公務員は存在するのか。存在するとすれば、その部署・役職名と年俸額を明らかにした上で、国会法に抵触するか否か、内閣の見解を問う。


 右質問する。


「質問する」って言いますが、何の為にこの質問をしているのか全く意味不明。官僚に対しても実力主義を導入(まぁその事に関してあたくしは?を付けたい気分なのですが、世の中の流れは実力主義導入って感じですわな)するっていう話がトレンドになる中で、何で上記のような悪平等的な質問をするんでしょうな。

国会法に規定があるのをいいことに質問をしてるんでしょうが、「実力主義」という観点を持ち込んで話をするならば、国会に当選してから「これから勉強したい」などとスカタンなことを抜かす人やら、比例代表に立候補した会見で「党の主張と合わない場合は離党も有り得る」などという選挙制度も判っていない発言をする人やらが議員になっている現状との整合性について長妻君の見解を問うって感じでありますな(官僚の実力主義と代議士の土俵は違うから、今の理屈にはちょっと無理があることは承知しております^^)。

ちなみに、こんな質問にも真面目に答えないといけないので、資料付きの回答が出ております。上記Webのリンク先から辿ると政府回答が読めますよ。

ちなみに質問番号28はもっと無茶苦茶で、「政府のリストラに関する質問主意書」と称して質問している項目がこんな感じですよ先生。

一 過去五年間で、削減した政府の部署(課名、係名ごと)を削減時期、削減理由、また、過去五年間で、増設された部署を増設時期、理由とともに明らかにした上で、その妥当性について内閣の見解を問う。
二 過去五年間で、無くなった予算の経費項目、時期、理由、また、過去五年間で、新設された予算の経費項目、時期、理由を明らかにした上で、その妥当性について内閣の見解を問う。
三 過去五年間で、閉鎖した公益法人名と(以下引用省略^^)


まぁ答えようが無い訳でして、つーかこれって只の嫌がらせ質問としか思えないのですが、政府回答はこうなります。

一について
 課及び係の廃止及び新設については、地方支分部局等も含め広範囲の調査が必要であり、その整理にも膨大な作業を必要とすることから、網羅的にお示しすることは困難であるが、行政需要に応じて適切に行っているところである。
二について
 お尋ねの「予算の経費項目」が何を指すのか必ずしも明らかではないところ、例えば、歳出予算における項についてみても、過去五年間で廃止及び新設された件数が膨大であり、廃止及び新設の理由の整理にも膨大な作業を必要とすることから、お答えすることは困難であるが、予算編成を的確に行う観点から、項の廃止及び新設を適切に行っているところである。
(三以下の引用省略)

まぁこうとしか答えよう有りませんわな。何なんでしょう、この長妻って人は。


○こんなのもありますが

http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a160060.htm
質問番号 60
質問件名 国家公務員の有給休暇に関する質問主意書
提出者名 若井 康彦君
会派名 民主党・無所属クラブ

わが国における勤労者の有給休暇は、諸先進国と比べ必ずしも十分ではないと認識している。特に、中小零細企業の勤労者は厳しい労働環境に置かれている。こうしたわが国の労働環境を向上させるためには、まず法律等に則った国家公務員の有給休暇が確保されることが重要と考える。
 そこで、以下質問する。

一 国家公務員の有給休暇、とくに育児休暇と、配偶者が出産した場合の育児休暇の消化率と、同都道府県毎の消化率を示されたうえで、政府としての国家公務員の有給休暇、育児休暇等に対する考え方を示されたい。
 右質問する。


一番笑えるのは「諸先進国と比べ必ずしも十分ではないと認識している。」という部分。真面目に質問する気が有るなら、先進各国の労働統計くらい調べてから質問しそうなものなのですが、質問する方は「俺様はこう思っている」というだけの状況で一々政府に質問するんですか?

まぁ政府回答は皆様ご覧下さい(^^)。



○今国会での極めつけの豪快な主意書はこれかな?

国会の場で係争中の案件について質問をしている不思議な人が居ます。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a160068.htm
質問番号 68
質問件名 UFJ銀行の不正融資に関する質問主意書
提出者名 岩國 哲人君
会派名 民主党・無所属クラブ

題名を見たときは真面目な質問なのかと思いきや、この内容たるやまぁお読み頂くと宜しいかと思いますがこんな感じです。

 世界でも有数の金融機関であるモルガン・スタンレー・インターナショナルの代表者であった杉山哲氏が一九八七年三月五日に脳梗塞で倒れ、意思能力等に著しい障害が残ったことが利用され、その後一年余りの間にUFJ銀行(三和銀行)より合計二十五億円もの金銭が杉山氏の知らないところで貸し付けられることとなった。その有効性を争った裁判において、UFJ銀行側が以下の行為を行っていることが判明した。 このことに関して、二〇〇四年三月一日の予算委員会第一分科会において、質問を行ったところであるが、わが国の金融機関に対する不信を取り除くためにも、より厳格な監督行政が必要であると考え、次の事項について改めて質問する。
(以下延々と係争中の事件の説明なので省略)


何なんでしょうこの人は???と思って岩國氏のWebを見たら、このセンセイはかつてモルガンスタンレー投資銀行に77年から84年まで勤務していたようですな。という事はこのセンセイは国会の質問主意書という場、すなわち国政調査権を利用して知人の係争中の案件に関して圧力を掛けているのではないかっていう穿った見方をしたくなる訳ですよ。あたくしのような性格が斜めになった人間に言わせますと。

ちなみに、話は横に逸れますが、この係争案件は別にモルガンスタンレーと関係ない話なのにわざわざ「世界でも有数の金融機関である」云々と持ち出す質問者の脳内はどういう構造になっているのか実に不思議です。まぁ自分のWebの自己紹介で臆面もなく「銀座支店長栄転の辞令を返上し」とか「世界最大の投資銀行、メリル・リンチ社へ」などと書く精神構造だから仕方無いのかも知れませんが。

で、この質問主意書に関する政府回答は当然ながらこうなる訳です。

一から六までについて
 個別の金融機関による個別の取引に関する検査の有無や結果等を明らかにすることは、将来の検査一般において、正確な事実の把握を困難にするなど検査の実効性を損ねるおそれがあること等から、答弁を差し控えたい。いずれにせよ、金融機関に対する検査においては、業務の健全かつ適切な運営を確保するとの観点から、その業務又は財産の状況について的確な実態把握に努めているところである。
 なお、一般に、銀行と債務者との間で生じる個別の紛争は、私法上の契約に係る問題であり、基本的に司法の場を含め当事者間で解決されるべき事柄であると考える。


○立派な制度も運用次第って事ですな

元々この質問主意書制度がどのようにして出来たかは不勉強で存じておりませんが、国会の委員会などだけでは質問の機会が少ないので、この制度自体を上手に利用すれば少数政党にいる議員でも有効に質問などが出来るはずなのですが、アフォな利用をする人のせいで碌でもない事になっている模様。まぁ株主総会という制度を乱用する事によって発生した総会屋みたいなものと言うとちょっと言い過ぎですが、まぁ放置しておくと同じようなことになりそうです。

民主党も真面目に政権を取る気が有るのであれば、もうちょっと真面目に質問主意書を厳選していただきたいと思う次第です。他にも「何じゃこりゃ」というものがある質問がありますので、まぁご覧いただければと思います。

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2004/08/30

○相変わらずネタが乏しいのでここぞとばかりに読書室

だいたいこのドラめもんにも傾向というのがありまして、てめぇの本業の調子が今一歩だと書き物のパワーも今一歩(たまに逆切れモードの場合もありますが)となりまして、その上金融政策が夏休みモードと来てはもう先生困りますな〜って感じな訳です。そういう時は日々読み散らしている本のご紹介でも。

・アーロン収容所(会田雄次著、中公文庫)

そもそもの初版が1962年10月ということで42年前の出版。だいぶ前に買っておいて(従ってお値段が違うかもしれません)積ん読状態だったのですが、先日ご紹介した山本七平氏の「日本はなぜ敗れるのか―敗因21カ条」も読んだ事だし読んでみますかって事で読んでみました。

山本氏の著書のベースになっている小松真一氏の「虜囚日記」よりはまぁ読みやすい(内容を敢えて暗くしなかった事は著者もあとがきで認めている)のですが、日本人の特色を捕虜収容所の生活の描写を通じて鋭く斬ってますな。ご本人は当時の英国というか欧州崇拝(米国へのアンチテーゼとしての)に一石を投じるという意図もあったようですが。

ISBN4-12-200046-7 C1120 \560


・ツキの法則(谷岡一郎著、PHP新書)

あたくしの趣味に属する本です。「賭け」に関する科学、といえば確率と統計なのですが、その辺に関する素養が無くても読めると思います。いわゆる「ギャンブラーの迷信」に始まる色々な数学的なお話をわかりやすく書いて有りまして、あたくしも「おお!言われてみればそうじゃん」と目から鱗状態のお話もあったりしました。「確実に負ける賭け方とは」と言う部分が本書のウリでしょうな。まぁ仕事に役立つかどうかは別ですが。

「ツキ」の正体は統計学上の必然的な偏りに過ぎないってのが本書で述べることでありますので、期待してお読みにならないよう申し添えます(^^)。

ISBN4-569=55763-5 C0233 \657

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2004/08/27

○ネタも無いので雑談(^^)

小ネタをば。

・原油価格と債券相場

原油価格がどうしたこうしたというので株式市場や債券市場が妙に乱高下するというパターンはだいぶ崩れてきたようですが、まぁ基本的に「原油価格上昇」→「株式相場下落」→「債券相場上昇」という動きだったと思う訳です。

で、あたくしつらつらと考えるに矢印の最初はまぁ良いのかもしれませんが、その次の矢印ってどうよって感じな訳ですよ。原油価格上昇はインフレ要因なのではないかと(^^)、まぁ原材料価格上昇が一般物価の上昇に直結しないで企業部門で吸収されるから企業業績が悪化して株価下落という話なのでしょうが、結構不思議な理屈ですな〜などと思う訳です。

・米の作況と債券相場

時事メインとか日経とかに出ていたお話の受け売りですが、昨年の米凶作から一転して米が豊作と言うことで、コアCPI(米は「生鮮」食料品ではないそうで)にマイナスの影響を与えるそうですが、大和証券SMBCの白石氏の試算によりますと、最大で0.4%のマイナス効果があるそうですな。

普段でしたら「ああそうですな」で終了する話なのですが、何せ金融政策がコアCPIに一点張りをしているという量的緩和政策のコミットメントがありますので、これがまた量的緩和の出口が遠のくとかいう話になってくると色々と楽しそうな思惑が出てきそうでございますな。既に早場米は店頭に出回っておりますし、それ以前の問題として個人的な体感としては5月くらいから米の小売価格って下がってきている印象ですので、劇的な変化って事にはならないような気もしますが、本格的に新米が店頭に出てくる9月後半だか10月だかの後のコアCPIの変化は(ネタとして)注目されるかもしれませんな。

・スーパーマーケット売上と折り込み広告

あたくしの棲息している地域の近所に某大手スーパーがある訳ですが、ここが寄越す新聞折り込み広告が5月の連休明けくらいから妙にしょぼくなってきているのですな。具体的には見開きだった広告がペラ1になってみたり、衣料品広告に出てくるモデルのおにいさんおねいさんの人数が激しく減ってみたり、週に3回出ていた広告が2.5回に減ってみたりとか。ちなみに広告に気合が入っていたのは昨年の春先くらいから冬くらいまででしたが。

まぁ統計でもスーパーマーケットの売上がどうも伸びていないとでておりまして、ほうほうなるほどと思いつつ週末の広告はどうなるのでしょうな〜と思う訳であります。週末の広告といえば定番は不動産の広告なのですが、余り真面目に見たことが無いので今度真面目に見ることとしますか(謎)。

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2004/08/25

○ニュース雑談

三井住友の提案は中々笑えました。まるでどこぞの債券ディーラーのような提案だと健やかな笑いを提供させていただきましたな。で、「どこぞの債券ディーラー」っつーのはどーゆー事かと申しますと・・・・・・

ご存知のように債券の売買は店頭での相対売買な訳ですが、即時性を求められるような売買は大体電話での発注になるのでして、まぁそれなりの規模の投資家様の場合は数社に同時に引き合いを出す訳です。で、まぁ売買が成立するのですが、業者の色々なお家の事情だったりディーラーが間抜けだったりした場合に「お前それはおかしいだろう」というレートが他社から出て残念な思いをすることもある訳です。

特に、需給関係でレポが異常にタイトになっている銘柄なんかでミスレートがあった場合に、業者間スクリーンに「てめぇ今のレートは何なんだ」という対抗注文が出る場合がある訳ですな。例えばレポがきついから業者が安くオファーしないというか出来ない銘柄を安くオファーされて、取引を他社に持っていかれたような場合に、「そのレートはビットサイドだろう」と堂々のビットを入れるといった具合に。

こ〜ゆ〜場合にはレポが鬼のようにタイトになっていて誰も敢えて強いビットを叩かないという状況になっている銘柄にビットが入るので、余程無茶苦茶なビットなら叩かれますが、少々強い程度のビットは叩かれません。と言ってもそれなりに引け値ベースで言えば強いビットになりますので、叩かれるとタイトだけど割高な銘柄のロングポジションが発生するという諸刃の剣。素人にはお勧めできません(^^)。

まぁここまで書いたら何を言いたいかはお分りかと存じますが(^^)、今回のSMBCの提案も「叩かれないことを見透かした嫌がらせビット」なのではないか、などと書くと関係者から怒られそうですが、まぁ性格のひねくれたあたくしはそう思うのでありました。


しかし、ニュースを見ていると「?????」な話が一つ。今回の合併の株式交換比率提案に対して、どこの報道でも「UFJ株式の現在の価格水準からすると30%のプレミアムを乗せている」と言っているのですが、現在の株価が大体SMBC=1でUFJHD=0.7だったら、UJFのプレミアムは0.3÷0.7だから40%にならないのでしょうか???こういう計算の話は素人なのでよー判らんのですが。。。。

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2004/08/24

お題「理想は結構なのですが」

相場も今一歩パンチに欠けますし、金融政策に絡む動きは思いっきり夏休みモードのまんまですので、本日もまたあたくしの勝手なごたくを並べるのでありました。

○蛸壺的専門家は宜しくない訳で

世に言われる「専門家」っつーのは発想がつい固定化しがちだとはよく言われることであります。実際に古今東西の戦記なんぞを見ますと、戦争における戦術の進歩には「素人の新しい戦術によって専門家の遵守していた戦術が敗退する」という事が結構あったりする訳でございます。

まぁ専門家って言っても、多くの専門家の内実はその分野に関する知識が門外漢よりもちょっと豊富なだけだったりする訳でして、知識が豊富なだけに発想が蛸壺に入ってしまい、実は単にマニュアルを適当に組み合わせて運用しているだけという状況になり勝ちなのでしょう。本来はその分野に関する豊富な知識を活用して新たな工夫ってのをするのが専門家の専門家たる所以なのでしょうが。

と、まぁそんな訳で発想が硬直化した専門家が、素人の創意工夫に敗退するという事態が発生する訳ですので、専門家を自称するものは、従来の発想で物事を進めるだけではなく、常に創意工夫を心掛けましょうって事になるのですが、正直書きながら自分の耳に痛いわけであります(汗)。


○日本振興銀行の理想と現実

昨日のドラめもんでも申し上げた日本振興銀行。昨日ご紹介した「シンクタンクのメッ」さんのWebでのコラムと話はかぶるのですが、従来の銀行が陥っている「専門家の蛸壺」を打破しようという当初の動きは「何じゃそのパフォーマンスは」と思いながらも、実際に機能したらそれはそれで面白い壮挙だとあたくしも思っていた訳ですよ。

しかし、蓋を開けてみれば当初は社長になって預金の個人保証をする(現実問題として意味があるのかは別としてもやる気だけは評価したいですな)という話であった落合さんはいつの間にやら取締役でも執行役員でもなくなってしまいました。まぁ現実の壁ってのにぶつかるのは良くある話ですから、それはそれで仕方が無い面はあるのでしょうが、その後の姿勢がいただけない訳でございます。

日本振興銀行設立に際して「金融維新」などというご立派な本をおだしになって色々と主張というか言い訳をしていた人が最近新たなマーケッティングの場として絶賛活用中のBlog(直接リンクにならないように最初の「h」を省略してますのでよろしく)にこんなのがありまして、下の方(=古い記事)をご覧になるとまぁ色々と楽しい事が書いてあります。
ttp://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/07_/index.html

一番下にある2月19日付けの「落合氏が代表から降りたことの経緯説明」もやたらガバナンスがどうのこうのとか書いているのですが、結局「何でそうなったのか」という説明はありませんし、代表者個人による預金への保証に関しても『おそらく決定的な要因(補足:落合さんが代表から降りて取締役や執行役員にもならない事の要因)となったものとしては、「預金すべてに対して連帯して無制限の個人保証を行う」ということのプレッシャーにかなり悩まされていたということがあったに違いない。』などとしれっと書いている訳ですな。

現実の壁に当るのは仕方無いとは申しましても、銀行が開業する前というか預金を集める前からそれは無いでしょ〜よって突っ込みを入れたくなる訳ですが、もっと香しいものを感じたのは、そのちょいと上にあります4月21日付けの振興銀行開業にあたっての記事でして、「預金に対して個人保証を行なう」と大見得を切っていた筈の銀行の非常勤取締役様がこんな事を言い出しているのですよ先生。

『本日、東京青年会議所の有志が呼び掛けた日本振興銀行が開業いたします。預金は100万円以上1000万円以下なんですが、開業キャンペーン中は、5年定期1.00%、3年定期0.80%、1年定期0.65%となっています。本店一店主義を貫きローコストで運営する分、高めの預金金利でお客さまにお返しをするという経営方針です。』

ここまではまぁよろしい。この次の言葉で腰が抜けるのですな。

『いずれにしても1000万円までですから、元本と利息がすべて預金保険でカバーされるというところがミソです。』

・・・・・・(-_-メ)。

もう何をか言わんやという訳でして、「融資に対して個人保証を求めるのに預金に対しては何もしていない銀行の姿勢はケシカランので姿勢を示す為に預金に連帯保証する」というような話をしていたのは貴様のその口か、貴様のその著書かと小一時間問い詰めたくなる訳であります。

昨日ご紹介した「融資先へのアドバイス(アドバイスって言ったって、客として居酒屋に行った時に出された焼きおにぎりの出し方を直しましょうって物でして、それを「融資先へのアドバイス」と言うのかと思う訳なのですが)をする振興銀行の行員の図」ってテレビ番組でのパフォーマンス姿も「何か必死ですな」という感じです。

融資に対する保証人の徴求に関しても、「シンクタンクのメッ」氏が指摘しているように、法人なら代表者の個人保証、個人なら別の保証人を立てる必要があるようでして、著書「金融維新」なんかで「代表者の個人保証は再起の機会を奪うものだ」などと言っていたのはどこへやら。


○現実の壁に当るのは仕方ないのですが

てな訳で、この銀行さまに置かれましては、打ち出した「経営理念」が「現実の壁」にぶち当たる速度があまりにも速すぎる訳でして、理念を打ち出すのは壮としたいのですが、幾ら何でもあまりといえばあまりですし、その後理想と現実のギャップに関して素直に反省してくれれば良いのですが、何か尤もらしい理屈をこねたり、報道パフォーマンスをやったりして「自分たちの思ったとおりに物事が進んでいる」と認識しだすのが恐ろしい訳です。

一般企業や一般個人ならばまぁ破綻でも破産でも勝手にすればって感じなのですが、コトが銀行であれば預金保険機構を通じて国民にあまねく被害が回ってきますし、行政がそんな事を始めると手の付け様の無い暴れ馬状態になる訳でして、暴れ馬に蹴られて怪我人続出となる訳ですな。しまいには現実と脳内現実のギャップがでかくなりすぎてもう無茶苦茶になる訳でして、そんな出来事は大東亜戦争中に山のように事例がある訳です。最後は国家が焦土になる訳ですが。

戦争の常識を変える革命的新戦術は「現実の壁」から蛸壺専門家ではない人間の創意工夫によって出てきたのであって、脳内現実からでてくるのでは無いのですが、どうも昨今は脳内現実から出てきた「美しい理念」が好まれるようでして、例えば上記した「法人融資における代表者の個人保証」問題に関しても、現実は日本振興銀行にあるようなモノだというのに、民主党のアフォな代議士辺りが「融資に対する保証人制度は廃止すべきだ」などと言い出す始末でありまして、誠に困ったものであります。


○金融検査マニュアルへの疑問(ここは未完なのでまた後日)

で、話の流れに無理がある+時間の都合上ちょっと書けなくなってしまいましたが、木村氏も策定に参画しているらしい金融庁の「金融検査マニュアル」に関しましても、書いてあることはそれほどおかしくないのですが、どうも作成している皆様の認識している脳内現実が現実と違うのではないかと思う節があるんですな。

捨印慣行の不適切な運用がどうのこうのという件がありまして、捨印を無闇に押させるのは確かに如何なものかとおもうのですが、例によって木村氏のBlogを拝読致しますと、「捨印を押す事によって契約内容の訂正が出来るので(ここまでは正しい)極端に言えば借入金額を一桁多くする事だって可能だ」などという楽しい話をしている訳でして、その楽しい話のどこがどうおかしいかというのは皆様でお考え頂くと致しまして(書く時間が無いだけです、ゴメンナサイ)、現状認識がそんな状態で政策の立案をされても正直言って現場に無用かつ無駄な負担が掛かるだけなのではないかと思う訳ですよ。

・・・・・・って旧軍の参謀本部と前線の関係と同じじゃん。とほほのほ。

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2004/08/23

お題「言行不一致(-_-メ)」

まぁ相場と関係ない話ですけどね・・・・・

○公共事業は減ったそうですが

オリンピックのドサクサに紛れて国土交通省から実に妙な施策が提案されております。何でも「交通渋滞解消の促進に資する為に高速道路の一部区間の値下げを行なう。財源は特定道路財源ですな。あ、そうそう値下げの対象はETC利用者だけですよ。」とかいうお話。さすがにこの施策は何とも香ばしいのでオリンピック報道の間にきっちり取り上げられております。

料金収受の効率化によって渋滞緩和と経費削減に役立てるってぇのがETC導入の本旨だったと思うのですが、いつの間にやら「ETC普及の為に国費導入」という本末転倒な議論が絶賛大進行中。ETC導入で経費削減が進んだのでその分が利用者に還元されるって話ならまぁ判らん話でもないですが、それはあなた話が思いっきり逆なのではないかと。

で、その背景にはETCが当初思ったほど普及していないってのがあるのでしょうと容易に想像できるのですが、ETCの普及が遅々として進まない理由をもうちょっと真剣に考えて障害となっている部分をどうするのかって事ではなく、極めて安直に「税金を突っ込んで利用料金の引き下げ」という作戦にでてくる国土交通省の姿勢には頭が下がる思いであります。


結局ですな、公共事業の削減とか言って土木工事を減らしているのかもしれませんけど、こういった形で別の分野に公共事業が突っ込まれている訳でして、特に最近(というかここ数年)はアイテー事業の巨大受注先は政府部門というお話が続いているらしいのですな。特にETCのような制度が絡んだ問題になりますと、色々と以下自主規制なお話があったりするようですな。これじゃあ結果土木工事がアイテー事業に置き換わっただけの事であって、お手盛り的ばら撒き構造の本質は何も変わっていないのではないかと思ってしまう訳です。


○裁量行政を超越しているのではないかと

で、まぁ金融行政に話は飛ぶ訳ですが、何時の間にかスルーされてしまっておりますが、りそな銀行に関する税金突っ込み攻撃は未だにあたくし釈然としておりません。突っ込んだ後に厳格な貸出債権引当を行なったら、突っ込んだ税金額と同じ位新たに要引当債権が発生したってぇのは何ぼ何でも人を馬鹿にした話であります。

で、全部が全部りそな方式になるというのであれば、行政として話の筋は通っているのですが、りそな銀行は無事に巨大なる国費(しかもこれが特別会計から突っ込んでいるので、一般会計に出てこない為に分りやすく表沙汰になる訳ではないのがミソ)をぶち込んだのに、より突っ込むべき国費が少ないと思われる足利銀行は問答無用で国有化コース。

そういうことをされますと、大阪選出の国会議員と言えばあんな人がいたなぁとか、そんな政党の強力な地盤だったなぁなどと思い、栃木選出の国会議員といえば内閣の政策に批判的かつ政策通として評価が高い人がいたようですなぁなどと、これがまた自主規制な想像を逞しくしたくなる訳でございます。

最近大手金融機関に入るどこぞの官庁の検査とやらに関しましても、別に直接当事者としてやっている訳ではなく知人からの又聞きベースなので思いっきり不正確なお話である事をお断りしつつ申し上げますと、どう考えても嫌がらせとしか思えないような動きも目に付くそうですな。勿論意図的な検査忌避というのも宜しくはありませんが、貸出債権の査定方法なんて特にDCFなんぞを使ってやるのであれば、将来のCFをどう見積もるかである程度まではなんとでも操作可能なお話なのですから、やはり如何なものかと思う訳ですな。

あるときは国費大投入で組織は残し、あるときは国有化、そして別の時には生殺し状態にして締め上げと、一体全体どういう基準でやっているのかという根拠に関して質問主意書を提出して明確なものを説明されたいって感じですな。


○日本振興銀行のその後

丁度今朝のモーサテで日本振興銀行のヨイショ報道が行なわれております。で、このヨイショ報道で初めて知ったのですが、毎週月曜に出てきて愚にもつかないコメントしかしない某経済アナリスト(何じゃその肩書きは)はこの銀行のアドバイザリーボードに加わっているようで、対メディア対策だけはせっせとやっていますなぁという印象を益々深くするものであります。

そのヨイショ報道によりますと、フランチャイズローンを実行するにあたって融資担当者が当該企業の店舗(小奇麗な居酒屋チェーンのようでしたが)に言って色々なアドバイスをする図などという物がありましたが、従業員の頭数とカバーする営業エリアから逆算すれば、そんな細かい対応を全ての融資先に出来る訳無いと思うわけでして、もう宣伝用のお話なのが見え見えも良い所。

おまけに融資の証書を書いている図に見せようとしている映像で、3千万円という数字をまともに3にゼロ7つの算用数字を書いておりましたが、後日の変造が容易になる算用数字で金銭消費貸借契約書(借金の証文ね)の借入金額を書かないのは金融法務の常識中の常識(読者の皆様も住宅ローンで証書に漢数字で金額書きませんでしたか?)であります。余談ですが、手形や小切手に金額を入れる時には、専用の機械(「チェックライター」でしたっけ?)を使って思いっきり刻印状態にします。手書きの場合は漢数字を使用しないと不備手形扱いです。従いまして、当該映像は「融資が順調に伸びている事を強調する為にただの融資申込みの光景を融資実行の光景に見せようとするミスリード促進映像」なのか「金融法務の常識も欠如した状態での運営をしている映像」なのかのどちらかと言うことですな。如何な物かと。

などとあたくし悪態をつくのですが、もっと冷静に分析している人が世の中にはいる訳でして、個人サイトなんで直接リンクするのは自粛しますが、普段から中小企業金融に関して現場の目から明解に政策提言や政策批判をしているお方が「ミディアムリスク専業銀行はやはり幻影か」というお題で日本振興銀行の現状が当初多いに宣伝していた事から変質してきている点を指摘しております(別にこのお題だけではなく、色々と中小企業融資への施策に対して重要な指摘がありますので、ご一読をお勧めしたいページです)。「シンクタンクのメッ」というお題で検索をかけるとヒットすると思いますし、ヒットしない場合はあたくしに個別にお問合せを。


○まとめにならないまとめ

結局何ですな、近年の風潮として「言ってる事とやってる事がまるで一致していない」というのがある訳でして、大臣に就任した時に「アイテーで450万人(だか何人だか忘れましたが)の新規雇用創出」などという不思議な事を言い出した人もいましたが、この先生もその後何か施策をやった気配はなし。待てよ、土木公共事業がアイテー公共事業になっているのであながち嘘ではないな(汗)。一般会計を削減する側から特別会計は大膨張(外為にしろ預金保険にしろ)とか金融行政の透明化などを標榜して導入した筈の金融検査マニュアルは上記のように運用面で恣意的なのではないかと疑問を呈したくなるような状況があったりする訳ですな。

で、言っている事とやっている事が整合性が取れていないという状況に関してはやや後ろめたい意識でもあるのか、上記の某銀行の如くに宣伝だけは怠りないのがまた困り物としか言い様がありません。で、そういう状況を世の片隅から眺めていると誠に遺憾に思う訳でして、相場とまるっきり関係のないこのような愚痴的な駄文を月曜の朝から書き散らす訳でありました。お付き合いいただきまして恐縮です。

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2004/08/04

○身を切ったギャグが好きな日本の民主党

国会開会中だというのに岡田代表は先日米国に行ってきて、日米同盟問題に絡んで憲法改正容認発言をぶち上げてきて、党内の左派からは当然叩かれ、現実派の小沢氏あたりからも「政権政党として現実にどう対応するかが問題で、改正は直ちにはできない」と叩かれるという大変に香ばしい状況。

何と言うか民主党を生温かく見守っているのですが、この政党は自分から転ぶのが大好きだとしか思えないですな。米国へ行ってある意味既定路線の多国籍軍(つーかただの米英軍だろ)に参加するけど指揮権は別とかいう無茶苦茶な理屈を捏ねてイラク駐留の継続を表明した小泉くんを散々に叩いてた岡田くんですが、てめぇも米国に行って党内での議論も碌に進んでいない憲法と軍隊の問題に関して勝手に意見表明してくるというのでは正に「オマエモナー」状態で大変に頭の下がる思いであります(-_-メ)。

参議院選挙の比例代表で古色蒼然としたメンバーを当選させておいて代表は憲法9条改正容認発言というのはまぁ笑えるので、ここは憲法9条を守り抜くと選挙で表明していた参議院比例代表選出の喜納昌吉センセイに「ギター侍」ならぬ「三線侍」となって「岡田斬り〜」とかやっていただきたいものですな。

民主党がこの程度だから政局に緊張感がなく、政権が経年劣化して行く訳ですな。困ったものです。


○ほうほう、聞く耳は持ちたくないと

昨日の東京新聞によりますと、小泉くん「華氏911」に関して「ブッシュ批判、小泉批判、批判ばかりしていても意味がないんじゃないの。批判より建設的な議論。」と仰せになったようで。まぁお気持ちはよーわかりますし、わざわざ自分を政治的に批判するスタンスの映画を見に行く人間も中々居ないでしょうから、質問するほうも悪趣味ですな〜と思う訳ですが。

まぁこのコメントを読んで、先日ご紹介した木村剛さんのブログでの逆切れモードを思い出すわけですな。木村さんは「悩める母親党をブログで立ち上げよう!」と提言したのですが、子育てという微妙な問題に対しての扱いに慎重さを欠いていたために、いつものように取り巻きがマンセーマンセーという展開にならずに、「それは如何なものか」という意見が読者から相次いで、とうとう「ポジティブコミュニケーションでないと物事は前に進まない」と逆切れしてしまったのですが(詳しくは氏のブログご参照。どうも逆切れに対しても批判が相次いだ為に、話を過去ログの中に流そうとせっせと新たなネタをエントリーしてまうので探しにくいかも)、小泉くんの上記発言と合い通じる物があって実に香しい訳ですな。

まぁ物事の運営ってのは開発独裁的な手法が一番効率がよいのですが、開発独裁をする人がリークァンユーなのかマルコスなのかによって結果が大変に違ってくるという諸刃の剣な訳でして、まぁ日本的ではない罠って思いますが、どうも開発独裁的な空気をひしひしと感じる訳でしてあたくしのような人間は(以下自粛)となるんでしょうな。

何だかダイエーも産業再生機構送りになるとか報道されてるし・・・・

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2004/07/30

○何だかな〜

以下相場に関係ない雑談です。

先日のドラめもんでご紹介した「週刊!木村剛」での「悩める母親党をブログ上で旗揚げしよう!」という「何じゃこりゃ?」という木村氏の能天気な意見に対して続々寄せられた反響のその後の顛末。

あたくし先週のドラめもんで、「まぁ予想される展開としては、「あえて突っ込みを受けるような意見を書いたのですよおっほっほ」という風に逃げを打ちつつ自分の非は認めないという流れになると思うのですが、これって正に竹中ヘイゾー先生にも似た流れでして、実に香ばしいと共に、如何なものかと思う訳でありますな。」などと申し上げましたが、27日付の木村氏のエントリーはまさにその通りの展開、というか私の想像を上回る展開になっております。

まぁ例によってこの人の文章を批判的に引用すると、どこからどういうリアクションが起こるか判らないので引用は避けますが、もう木村先生いきなり開き直り状態。激しく香しいものなのでまぁご覧いただきますとかなり笑える(ただし読者から寄せられた意見もあわせて読んでいると人によっては不快指数が急上昇しますので要注意)状態でして、あたくしも不快指数が上昇しつつも興味深く拝読しました。

よーするに論議が自分の思う方向に行かないで、自分が叩かれる流れになったので、いきなり論点を変えて「皆さん、批判をしていても物事は前進しません」と開き直る訳です。「本当に世の中を改善したいならば正しい意見を表明するだけではなく、現実的に進めていきましょう」というような話をした挙句に、「皆様から頂いた反響はほぼ予想通りでしたが、前向きな議論が少なく、政策論としての議論が少なかったのが残念です」と美しい逆切れ。

まぁ最初に「悩める母親党」なんて提言した時に一定の批判が来るのはキムタケさん予想してあえて脇の甘い書き方をして議論を喚起するというネット用語での「釣り」をやってみたのでしょう。しかし扱ったテーマが育児という当事者にとって激しく重いものであったので予想外に叩かれまくって、「正論を述べているだけでは世の中動かない」などと言い出したために、真面目に批判意見をフィードバック(ブログの用語ではトラックバック)した一般ピープル(真面目に意見していたのは概ね子育て現在進行形の方々)が激しく落ち込むという展開で、生温かくウォッチしていたあたくしも心痛むものであります。

木村氏の糞長いエントリーの最後の一段落が見事な「捨て台詞状態」でございまして、某匿名掲示板的にいうと「もう来ねぇよ、ウァァァン!」って感じのかなり笑えるというか不快指数急上昇というものですので、まぁ流し読みしながら最初と最後、そして読者の反響がその後にリンクされていますのでまぁ暇つぶしがてらお読み下され。念の為申し上げますと@Niftyの「ココログ」というブログサービスの中に件の「週間!木村剛」がございます。


○自民党の組織硬直化もここまで来たか

まぁあちこちで言われているでしょうが、今般自民党参議院の青木幹夫幹事長が議員会長に就任、つーか昇格。選挙に負けて昇格人事っていうのはさすがに(だいたい)50年の歴史を誇る自民党でも聞いた事のない豪快な人事であります。

もともと自民党は衆議院の中選挙区制の元で各派閥が同一選挙区で競り合い、派閥同士が党内で競い合うという事によって組織の活力を保って来た面があるわけです。主流派のやっている事が時代からずれてきたら反主流派が取って代わるという党内での「政権交代」を実施していたわけでして、選挙で負ける(=主流派の政策が不信任される)と反主流派の発言力が強くなり、場合によっては総裁辞任って動きになる訳です。

で、今回のこのテイタラク。これでは正直言ってもうどうしようもない無反省状態の(悪い例えでの)官僚組織状態。例えてみるならば旧軍の人事運営みたいな状態。ノモンハン事件でソ連軍に大敗した(と言われる)のにその後いつのまにか栄転してその後も対米開戦の推進役になった服部卓四郎氏と辻政信氏のコンビを彷彿とさせる訳であります。(さすがにノモンハン事件の後は辻氏は暫く不遇をかこっていたようですが)

どちらかと言うと現在の「問題ある大企業」の状態と言ったほうがいいかも知れませんが、まぁこれは小選挙区制と政党助成金によって党の執行部の力が強くなってきた弊害ってやつなんでしょう。党組織の官僚的硬直化が進行してしまったのでしょうね〜。


と、本日は全然関係ない雑談だらけでした。スイマセン。

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2004/07/29

お題「誤ったな現状認識は無知より有害なのでは」

まぁ自戒を激しく込めて申し上げますと、物事の現実に関して中途半端な理解と申しますか、過てる認識をもっている場合というのは、間違いを元にしてその後の行動が積み上げられる訳ですから、努力すればするほど進む方向が間違ってしまうという悲劇の結果になる訳です。歴史を見ればそのような事例には事欠かない訳でして、だいぶ昔に書いたあたくしの拙文でご紹介した新田次郎氏の名著「八甲田山死の彷徨」もそうですし、大東亜戦争末期の台湾沖航空戦もまた然り。

「山口大隊長は佐藤特務曹長が田代への道を知っていると話したのを軽率に信用し、この雪中行軍の指揮官たる神成大尉に相談せず、『然らば案内せよ』と命じて暗夜田代へ向け行軍したが、進路を誤り、駒込川本流に迷いこみ一歩も進むことができなくなった。雪中行軍のあの悲惨事は実に山口大隊長が軽率にも、行軍計画者であり、指揮官である神成大尉に相談せず命令を発したのがそもそもの原因である」(新田次郎著、八甲田山死の彷徨(新潮文庫)より引用)

鹿屋の海軍飛行場に着いたのが午後一時過ぎ。飛行場脇の大型ピストの前は十数人の下士官や兵士が慌しく行き来して、大きな黒板の前に坐った司令官らしい将官を中心に、数人の幕僚たちに戦禍を報告していた。
「○○機、空母アリゾナ型撃沈!」「よーし、ご苦労だった!」(途中割愛)黒板の戦果は次々と膨らんでいく。「わっ」という歓声が、そのたびごとにピストの内外に湧き上がる。
堀の頭の中には、幾つかの疑問が残った。敵軍戦法研究中から脳裡を離れなかった「航空戦が怪しい」と考えたあれであった。その”あれ”が今、堀の目の前にある。
―いったい誰がどこで、どのようにして戦果を確認していたのだろうか?
―この姿こそあのギルバート、ブーゲンビル島沖航空戦の偽戦果と同じではないか?今村大将のタロキナ上陸の米軍撃退作戦の失敗の原因となった、あれでは?(堀栄三著、大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇(文春文庫)より引用、適宜改行)


さて、前振りが長くなりましたが、何でこんなお話をおっぱじめたかと申しますと、徒然なるままに久々に国会の会議録を見ていたら愕然とする質疑を発見してしまったのがそもそもの始まりなんでございまする。ちと古い話になるのですが6月9日の衆議院財務金融委員会。日銀が定例の「通過及び金融の調節に関する報告書」の報告を行なった日でして、法案質疑ではなくてまぁ日銀総裁へのご質問大会でして、公明党の谷口隆義委員と民主党の五十嵐文彦委員、共産党の佐々木憲昭委員と質問者少ないので一人あたりの時間が長い委員会でした。

で、そこで公明党の谷口委員が色々と質問をしているのですが、決済システムインフラに関する質疑でこんな質問をおっぱじめて入るのですよ先生。(長いから適宜改行します)

『それで次に、バックアップといいますか、大正のときに起こった関東大震災のときに、日本経済が大変混乱をして、麻痺をして、当時の日銀も大混乱をして、震災手形と言われるようなものが出てまいりまして、日銀が割り引く、再割引をするといったようなことになって、それが大恐慌の一つのきっかけになったと言われております。』

『日本銀行の日銀ネットというのは非常に重要でございます。これが安定的に、混乱をしない状況をつくっていかなければなりません。最近は即時決済システムというようなことも入れられてやられておるわけでございますが、また仮に関東大震災と言われるようなものが起こりますと大混乱になりかねない。』

『そのことも含めまして、今、システムのバックアップで、日本銀行にお伺いいたしますと、大阪にもう一つのシステムを置いていらっしゃる、バックアップ体制をつくっていらっしゃるというようなことでございます。』

どうも前後の話の流れを総合すると「政策決定会合をたまには大阪でやりなさい」とかいう話になっております。大阪地区選出の議員が我田引水ならぬ我田引日銀でもしようという話の展開の豪快さにも香しいものを感じるのですが、それより問題なのは「震災手形」のお話。

震災手形っつーのはそもそも関東大震災での被害(当時の国家一般財政規模が20億円余りで、物的被害額は日銀の推算では45億円)によって流通困難になった手形(政府推計で21億円、うち特に決済困難なものは5億円)を流動化するために震災手形割引損失補償令を公布して日銀特融を行なったものであって、そもそも決済インフラの問題とまるで関係ないお話。震災手形は昭和大恐慌の一つのきっかけと言えばまぁそうなんでしょうが、それよりも、第1次世界大戦時に過剰に膨張した信用の収縮の後処理をその場凌ぎの辻褄合わせ的弥縫策で問題を先送りしたら、世界恐慌にぶちあたって先送りが崩壊したと言う方が正しかろう。

という事で、この話の持っていき方は激しくトンチンカンで、恐らく福井総裁以下政府参考人サイドは全員苦笑を禁じえなかったのではないかと思う訳です。で、まぁこれだけならば「ああ、しょうもない議員に質問させているな〜」と例によって笑っていればいいのですが、この議員先生、実を言いますと財務副大臣をやっていて、政府からの出席者と言うことで金融政策決定会合にも出席したりしているお方なのですな、これがまた。

まぁ議員先生は他にも色々やる事があるから、別に何でも知っている必要があるとは申しませんし、そんなの無理な話なのですが、このように「中途半端な間違い」状態で財務副大臣という政策部門の枢要(なのか盲腸なのかは知りませんが)なる役職に就かれてしまうのは激しくいかがなものかと思う訳です。誤った基本認識で雪中行軍隊を悪意なく死地へと連れて行った特務曹長になられるのではないかと懸念する訳です。

ちなみにこの先生のWebをちょっと拝見しましたが、本人の「売り」は「公認会計士出身の初の衆議院議員」だったようなので、恐らく党ではバリバリの「経済通」となっているのでしょう(でなければ財務担当副大臣なんぞやってませんし)ね。ご本人公認会計士をやっておられたのですから、法令規則がコロコロ変わる財務会計の実務で「生半可な知識」が一番恐ろしいということはご存知だと思いますが。

財務副大臣の昭和金融恐慌に対する認識が何かずれている(ように見える)というのは何とも不安になっちゃう訳ですな。


ま、生半可に知識を仕入れていっぱしの通の積りになっている時は誰かに指摘されないとその誤りに気がつかない訳でして、最近あたくしはできるだけ信用できるソースを参考にしたりテキストにしたりするように心掛けている積りですが、やはり同じよ〜な「間の抜けた半端な知識」は多々あるんだろうな〜と拙文を書きながら思うのでありました。読者の皆様におかれましては是非ともあたくしの認識違いを発見したらご指摘賜りますと誠に幸いでございます。

では〜(^^)

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2004/07/28

お題「非正規雇用の拡大は家計に好影響?」

昨日の債券市場は他市場の動きとあまり関係なく市場の内部要因で下がったような雰囲気(米国の長期金利は上昇していますが)でして、なんとも不気味なのですがとりあえずよー判らんので書き様が無いと言うのがホンネです。

で、まぁ書き様がない話について書いても仕方が無い訳ですので、ちょこちょこと色々な調べ物をしてみようと思いたちまして探していると「何だかな〜」って思いを深くするような物件が色々と出てくるわけですな、こりゃ。

http://www/boj.or.jp/ronbun/04/rev04j03.htm

日銀レビュー・シリーズってのがあります。どちらかというと学術的にどうのこうのというよりはシロートにも判りやすく簡潔に金融経済の最近の話題についてお話をするって趣旨で毎月いろんなネタで出てくる物。日銀の正式見解を必ずしも示すものではないのですが、まぁ「こういう風に解説できますな〜」って事でしょう。

今回のお題は「雇用形態の多様化とその影響〜パート・派遣・請負の拡大をどう考えるか」というお話でして、上記Webには要旨が載っておりまして、全文は上記Webにリンクがございます。大した長さでもありませんのでお暇なときに。

で、そこの要旨にも書いてあるのですが、話の流れが何ともアレな内容。確かにそういう考え方もあるのですけど、それを日銀が出すのもどうなのかって印象。

「非正規雇用(パート、派遣、請負)が拡大している」ことの影響に関して雇用期間の短期化、一人あたり賃金の抑制効果、企業活力の回復を通じる家計への好影響、というのを挙げていて、よーするに結論としていわゆる非正規雇用が拡大しているのは企業部門の活性化→家計に好影響という理屈になっています。企業の人件費を全体として抑制することによって企業活力が活性化すると、景気が回復して雇用が回復するので家計に好影響って話なのですが、その理屈は何か単に労働者間での分配が変わっただけなのでは無いかと言う気も。

まぁよく言えば「ワークシェアリング」ですし、適正な労働分配が実施されるというお話になるのかも知れませんが、当論文でも「定型業務のウェイトが高い・平均賃金が低い」と指摘している非正規雇用が拡大して労働分配の適正化が達成されるという論理展開はどうよって感じですな。「非正規雇用の拡大に伴って雇用や賃金の調整が、企業内部ではなく労働市場を通じて行なわれる度合いが高まり、それだけ労働市場の役割が増している」(要旨より)という理屈になると、ちょっと待ってくれよって感じなのですが。


正規雇用の流動化という形で労働市場が拡大するというお話なら判るのですが、非正規雇用の労働市場って何のこっちゃっていうイメージも。もちろん「労働市場の現状を見ると、ミスマッチが根強く存在しており、人材の育成や再教育を含めた広い意味での労働市場に、高いマッチング機能が備わるように更なる環境整備を図る事が重要」という風に締めておりますので、ちゃんと問題点への指摘もされております。

もっと惜しいのは「若年層の失業率の高止まりの要因として、正規雇用の若年層の仕事が非正規雇用で代替されている面は無視できない」と指摘しているのですが、そういう部分は「要旨」には書いていないので、一見した時の印象として「非正規雇用の拡大は結構な事です」という趣旨がクローズアップする訳ですな。


ま、言っている事は理屈として間違った話ではないのですが、「非正規雇用の拡大は企業活力の回復などを通じて、新たな雇用の創出につながっている面もあると考えられる」ということを「日本銀行」に言われるとなんとなく「ちょっとそれはどうよ」って感情のどこかが言うのはあたくしだけでしょうか。

福井総裁は副総裁退任後に富士通総合研究所(なのでまぁ結構浮世離れしている事には変わりないですが)という外部に転出し、経済同友会での活動なども含めまして外部から日銀を見る機会を持った事もあって「結局政策を成功させるためには外部からの理解が必要」ってことでちょっと気を使いすぎな程に色々と気を使っている(ただのエエカッコシイという説もありますが)のですが、一方で平然と(論理展開がちと違和感があるが、別に無茶苦茶な話をしている訳ではないと言う意味で)「正論だけどもそりゃちょっと当事者に面と向って言ったときにどうよ」っていう論文(というかレポート)が絶賛大公開される訳ですな。

まぁ冷静に分析するのは大事ですから、それはそれでやって頂くとしても、やはりアンビバレントな感情と申しますか何と申しますか、何かわざわざ日銀の名前で出す事はないんじゃないのって感じな訳です。労働経済学者にでも言って頂ければ済むお話であって、理屈は正しいけど政治的というか感情的にどうよっていうのが結論ですな。

頭で何となく理解はできるのだが、何となく違和感がある議論ってのはどこかに何かがある筈なのですが、あたくしの知能程度が低いのか、あたくしについている感情が問題なのか、その違和感がスッキリしないままダラダラと歯切れの悪い文章をお書き致しました事を陳謝致します。正直、歯切れが悪すぎてこのネタを持ち出したのはちょっと失敗だったと後悔しつつも、歯切れの悪いまま拙文が終了するのでありました、とほほのほ。

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2004/07/22

○全然別の世間話

最近ウェブログ、というか「Blog」の方が一般名称ですが、まぁそのブログが大いに流行っておりまして、大手プロバイダーや楽天なんかのコミュニティサイトなどが競ってサービスを提供しており、客寄せの為に有名人にブログを開設してもらったりしている動きもありますな。

で、まぁあたくしがマターリとウォッチしている木村剛さんのブログというのがあるのですが、このお方のブログ見ていると現在の社会状況というか小泉内閣のありかたというか、まぁそんなものの象徴みたいで中々香ばしいものを感じる訳であります。なお、このお方のブログを見ていただくと判ると思いますが、リンクを貼ると文句が来そうなのでブログの場所はNifty提供のココログで「週刊!木村剛」という名前ですとだけ申し上げておきます。

・商売がやたらお上手

ブログ開設から半年も経たないうちに、ブログで書いた事とそれに対する読者からの意見のフィードバックを纏めて早速本を出してしまうという手際のよい有様(月刊!木村剛って本が出ています。立ち読みはしたが)。

・反対意見の巧みな封殺

普通のブログには意見を受け付けるコーナー(コメント欄)があるのですが、この先生のブログはコメントを受け付けず、他にブログを開設している人からのリンク(トラックバック)しか受け付けない。おまけに「トラックバックしたものは出版物に引用する場合があります」と言っており、おちおち下手な反対意見をトラックバックしようものならどうなるかと思うとまともな一般人は反対意見をぶち込みにくいでしょうな〜。

・時流に乗るのはいいのですけど・・・・・

この先生、ついこの前は金融庁でりそな問題がどうのこうのとやっていた筈なのですが、その後日本振興銀行の設立に関った(しかもそれをネタに本だしてるし)と思えば今年に入って経済評論家の三原淳雄さんとFPによる証券仲介業の認証機関を作ると言い出し、最近は年金問題がどうのこうのとおっぱじめるという状態。

問題提起するのが悪いとは言いませんが、これじゃあ「言うだけ番長」って奴ではないかと。上手く回れば自分の手柄になって、話がややこしくなると(りそな銀行のその後のように)人にケツを拭かせてトンズラっていう香りが濃厚に漂ってくる訳で、まぁ周囲の人間はケツ拭き仕事で大変ですわな。あたくしも経験が無い訳ではないので、氏の周囲の皆様には誠にご同情申し上げたいところではあります。


・言い訳が見ものなのですが

まぁここまではいつもの話ですんで別に「ふーん」程度の話なんですが、木村センセイ、年金問題は実務をやってくれるケツ拭き部隊が確保できたのに気を良くしたか、今度は少子化問題というか子育て問題に手を出そうとしまして「ブログ上で『悩める母親党』を立ち上げよう」という意見をエントリーした訳ですな。子育てと無縁なあたくしですら「何ちゅう能天気なエントリーだ」と思ってセンセイの意見を読んでいたのですが、案の定トラックバックを見たら見事に批判されておりまして、しかも木村様マンセーみたいな常連らしき方から反論食らっていたり、意見を引用されていた人からは「引用の仕方がおかしくて趣旨が伝わっていない」と書かれる始末。木村様ピーンチって感じで実に香ばしい、

まぁ予想される展開としては、「あえて突っ込みを受けるような意見を書いたのですよおっほっほ」という風に逃げを打ちつつ自分の非は認めないという流れになると思うのですが、これって正に竹中ヘイゾー先生にも似た流れでして、実に香ばしいと共に、如何なものかと思う訳でありますな。


まぁ中々面白いのでお暇なときにご覧下さい。何かちょっとページが重いのが難点なんですけれども。。。。

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2004/07/14

債券相場に全く関係のない本のご紹介^^

理屈で攻める、男の料理術(ラス・パースンズ著、忠平美幸訳、草思社)

本屋で30秒立ち読みして購入を決断(^^)。

この本の原題は「How to Read a French Fry」となっておりまして、本の内容としては副題の「食材と調理法の基本をきわめる」という方が正しい。

調理における科学というか化学というか、「揚げる」と「焼く」はどう違うのかとか、食材によって、調理法によって味付けはどうするものなのかといった事を科学的にお話をしております。料理における「おばあちゃんの知恵」を科学的に説明しているといった方が判りやすいかな?

一応あたくし理学部化学科出身の理学士でございますので、もともと料理の科学的なことに興味がありまして、この書は極めて楽しく読む事ができましたが、化学と聞くと脱兎の如く駆け出すお方も騙されたと思って軽ーい気持ちでご一読をお勧めしたい訳です(料理にご興味のない方は読んでも糞面白くありませんが)。既に化学の道を外れているあたくしが申すのも何ですが、できれば高校の化学の教科書なんぞを引っ張り出してきて用語の意味を確認しながら読んで頂きますと幸甚。

なお、この本を読んで理屈捏ね太郎になった挙句、パートナーから煙たがられる結果になっても当方は一切関知いたしませんので念のため(^^)。

ISBN4-7942-1319-0 \1600

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2004/07/12

お題「選挙与太話」

何もかも非常に微妙な結果で、中々アレな内容ですな。

○比較第1党が民主党(改選分だけですが)

改選議席数で比較第1党が民主党になってしまいました。まぁ1週間前の新聞辞令からするとこんな物なんですが、いざ結果を見せられると「比較第1党」というのはやはり驚きの結果ですな。得票率まで真面目に計算してませんが、選挙区でも比例でも民主党の得票が自民を大きく上回っているのではないかと。これが衆議院選挙だったら「憲政の常道」って奴で、比較第1党の地位を失って下野って話になるようなエライコッチャな結果。まぁ自民党全然駄目じゃんって感じですな。こんなに勝つとはあたくし的には激しく驚きです。

ただし、市場はと申しますと、大体この程度の負けは織り込んでいる事になっておりますが、現実問題として比較第1党を確保したのは今回が初めて。そのインパクトがどの程度あるのか、新聞辞令ベースの結果がいざ現実になるとさてどうなることやら。

○与党対野党では61対60

無所属の5議席のうち自民系になりそうなのが宮崎県(微妙みたいですが)で、後は野党系のようですので、連立与党と野党という観点でみると、一応1議席与党系として(帰趨が微妙な人がいますが)まぁ与党かろうじて勝利といった所でありますな。そう考えるとこの結果の評価もまた難しい。

○自民党弱体化もいいところ

共産、社民党が退潮する中での民主党躍進と、公明党が例によって健闘して選挙協力も思いっきり行なう中での自民党の結果というのは自民党弱体化を思わせますな。公明党が裏切ったら自民党終了の図って感じになっている所が実に情けない状況であります。

そんなに「風」が吹いた訳でもないのに、まぁ自民党の弱さが目立つ状態。報道でも話題になってますが、一人区で今まで圧敗していたところでも民主党が随分善戦している訳でして、自公並みに選挙協力を野党が組めば(共産党の体質から言ってそれは不可能なのだが)強烈な結果になりますな。んな事は起き得ませんが。

で、自民党がより弱体化しているな〜と思うのは、責任問題が出てこないということですな。自民党の各派閥が総裁候補を持って党内で争う(良い意味でも悪い意味でも)という図が自民党の混乱も呼びますが活力の源になっていた面もあった訳です。今回のように事前に「勝敗ライン」と言っていた議席数を下回ったらお約束のように幹事長の責任論が浮上して一騒動になる所なのですが、全然その雰囲気なし(実はあるのかもしれませんが)とは如何なものかと。活力の低下振りが懸念される所であります。

○比例代表を見るとまた違った景色も(^^)

比例代表の票はどうも全部開いていないのかニュースを見ていると票が増えて来ておりますが、とりあえずあたくしの書いている時点でお話をば。

竹中大臣は70万票以上の確保って事ですから、これを見ると改革路線というのは支持されているように見える訳であります。まぁ竹中大臣の票が少ないとそれはそれで内閣がエライコッチャになりますので、それなりにてこ入れもしているのではないかと思われる節はありますが、それにしても取りあえず格好の付く数字であります。

前回50万票だか何だか忘れましたが、結構な票を稼いだ某プロレスラーの2匹目のどじょうを狙って擁立された候補もいましたが、スキーの萩原さん19万票。女子プロレス界における男の中の男と評判の高い(^^)神取さん12万票弱で惜しくも次点。前回は初の試みだったせいで目玉候補だしまくりで却って客寄せ候補のいない自由党に票が行ったのではないかという感じでしたが、今回は随分と穏当になったというものであります。実に微笑ましい。

で、民主党のほうの顔ぶれを見ると、恐ろしくこちらも古色蒼然とするものでありまして、労働組合だのサヨク活動家だのの出身がうじゃうじゃいる訳でして、これもまた何なんでしょうという感じ。いざ政権を取ったらまぁ党運営困難になりそうですな。この状態では。

○出口調査って止めたらぁ??

午後8時に各放送局が予想獲得議席を発表するのでとりあえずチェックしておくわけですが、やたらと広いレンジで予想するNHKは別にして各局の予想が自民党46(テレ朝)〜48(TBSとフジ)で、民主党は52か53という感じで例によって例の如く各局ともきっちりと外しておられます。ちなみに、8時から選挙特番をやっていた民放は日テレとフジなのですが、その一声目が日テレは「民主勝利」で、フジは「連立与党過半数確保」というのが両放送局のスタンスを現しているのかな〜と思った訳です(^^)。

まぁ例によって例の如く外す出口調査なのですが、いい加減無駄だから止めたらと思う訳ですな。



○で、相場の方なのですが

相場は織り込み済みは織り込み済み。自民党大敗リスクまで一応見に行った動きなのではないかと勝手に思っています(外国為替市場の動向なんかを見ておりますと)ので、債券は一旦反発する場面があってもいいかなとは思いますが、本日から金融政策決定会合がありまして、物価に対する見方がどのように出されるのかも気になるところであります。

とりあえず相場的には最悪の結果にはならなかったようでありますな。


#本日はお約束の与太話でした。

という訳で、本日はお約束の与太話で失礼しました。

追加コメント、というか本文書き漏れ。


「共産党がドロップした分民主党が増えた」という分析をする人が出てくるかも知れませんが、それは微妙に間違い。

今回は共産党が減った分は基本的に自民党が奪還した議席にあたりまして、その分増える筈の自民党の分を民主党が食っている形です。従って、本文に書き忘れましたが、前回の衆議院選挙と同じではないと思われる訳です。というか自民党にとっては深刻でしょう。

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2004/07/09

お題「成績至上主義というものなんでしょうか」

相場は選挙結果待ちで一気に様子見モードになりましたので、ドラめもんは雑談モードという事で(^^)。

○保阪正康氏の指摘する日本型エリート

昨日のドラめもんの最後でご紹介した保阪正康さんの著書「瀬島龍三」において保阪さんは「日本型エリート」の典型として瀬島氏を位置付けて色々と考察を加えている訳であります。

瀬島氏は陸軍幼年学校から陸士、陸大と当時の典型的なエリートコースを歩んできた訳でして、この陸大教育に関しては、良識派と言われる今村均陸軍大将や遠藤三郎中将の戦後の著書からこのような点を問題点として指摘しています。

「直接成績に関係のある戦術は懸命に学ぶが、考課に関係のない科目は手を抜く、戦術も教官の考えに一致させようとその顔色をうかがう風潮もあった」「陸大の軍刀組(優秀成績者)は、教官に気に入られるように答案を書くのに長けていたから、それだけの成績をあげたと思われるし、時には教官がこのような回答がほしいと思っているのを予期して、それに近い回答をだし、文章力でまた教官を泣かせる才をもっていたといえる。」「今村や遠藤の著書からは、どんな負け戦も勝ち戦にかえてしまうような文章力に秀でた者が評価されたという自省が感じられるのもうなずける。当時は逆に、それが日本陸軍の組織原理を忠実に守るという意味で首脳部に信頼されていたのだ。」

で、まぁこの著書の随所で瀬島氏を日本型エリートの典型(確かに絵に描いたようなエリートなのですが)として定義しつつ、色々な取材を通じて氏の特徴を指摘しています。で、そのコメントはこんな感じ。

「私が話していてわかるのは、あの人はどういう社会をつくるかについては考えていない。起こってくる問題にどう対応するかを考えているんです。(加藤寛氏)」「あの方は、これまで責任というものをいちどもとられていません。大本営参謀であったのに、その責任をまったくとっていないじゃないですか。伊藤忠までは許せます。戦後は実業人として静かに生きていこうというなら、個人の自由ですから。とやかくいうことはありません。それが臨調委員だ、臨教審委員だとなって、国がどうの、教育がどうの、という神経はもう許せません。私たち学徒出陣の世代だって、次代の人たちに負い目を持っているのに、瀬島さんは一体何を考えているのかまったくわかりません。(取材を断ったある財界人)」

まぁ戦後20ウン年経って生まれたあたくしとしては中々難しいお話でもあるのですが、当時の日本っつーのが他の枢軸国と違うのは「国家としての意思を特定の人間が引っ張っていった(ナチスドイツのように)のではなく、目先の処理をしているうちに気が付いたら抜きさしならぬ状況になっていた」という事だと思われる訳ですな。で、結局責任らしきものを取った(というか取らされた)のは一部であって、それこそ自衛隊に旧軍の人間が後から続々と入っていったように、気が付けば現場のエリートたちは元に戻っている部分も大きかったりすると。

どうも現代の状況ともまた相通じる物があるように思えます。と、ここまで書くのにやはり話題が重いためか中々筆が進みませんな。どうにもこうにも難しい話ですが、まぁこの話は皆様の思考材料のネタということで(と自己弁護)。


○で、日銀総裁の講演に何故か話が飛ぶ訳ですが

この部分は一昨日の時事メインコラム「金融観測」を思いっきり参考にしております。というか金融観測の題材に上記の話をつけ加えているだけという説もありますが(大汗)。

先日題材にした日銀総裁のスピーチ。実は冒頭には何か訳の判らない話がありまして、「????」と思いながら読んでいた為にドラめもんでご紹介し損なったのですが、その部分に関してコラムで指摘があって「ああなるほど」と思った次第。

あたくしが訳の判らなかったお話は「持続的な経済成長の主要な源泉」という所でして、こんな話をしていました。

『1980年代中頃の経済成長論の復興以降、われわれの経済成長に関する理解は大きく進展しました。過去20年間ほどの間、経済成長は経済分析の中でももっとも人気の高い研究分野の一つとなってきました。新しい「内生的」成長理論は、アイディアの創造・蓄積・普及といったかたちで、技術革新に関する系統的な説明を模索してきました。』

この部分は前振りですな。

『標準的な経済成長理論によると、労働投入を調整し一人あたりでみた経済成長は主として資本深化と全要素生産性(TFP: total factor productivity)向上の二つの源泉から生じます。資本深化は、生産関数に沿って産出量を増大させます。TFP向上は、生産関数を上方にシフトさせることを通じて産出量を増大させます。前者は、資本の蓄積が進むにつれて限界生産性逓減に直面しますので、持続的な成長を達成する上では、長期的には後者が次第により重要となってきます。』

この時点であたくしは理解するのを放棄したのですが、要するに「成熟段階に達したの経済における経済成長のためには、労働生産性を向上させることが重要」という話だそうで。そんならそう言えって感じですが(-_-メ)。

で、ここまでは前振りみたいな物でして、最後の結論が素晴らしい。

『新しい内生的成長理論が示唆しますように、TFP向上は、人的資本や研究開発といった無形資本の蓄積と密接な関係にあります。実際、こうした無形資本への投資がここ数十年間、拡大傾向を続けている証左は多数みられます。特に、高学歴をもった労働者や研究開発に従事する労働者は、いずれも主要先進国で増加してきています。』

研究開発はまぁいいとして、高学歴を持った労働者が生産性の高い業務に従事しているのかというとこれがまた如何なものかと思う訳ですな。トレーディングの現場(そもそもトレーディングは生産性も糞もない業務という話もありますが・・・・)にいますと、別に高学歴だとかMBA持ちだからど〜のこ〜のという事は全然ないわけですしね〜。

どうもこの件を見ると、旧軍における「軍刀組即エリート」「ハンモック番号人事(説明は長くなるので省略)」という硬直した思想に似た「MBA至上」「ロケットサイエンティスト至上」というような物を感じてしまう訳です。

そういえば金融機関経営に関してもやたらと「精緻なリスク管理」を求め、みょうに色々な理論的なお話ばかりを押し付けて来る(日銀だけではなく金融庁も)訳でして、既にその弊害が昨年「VARヒットで集団自殺相場」という形で現れましたが、将来のことを思うとそこはかとない不安を抱く訳であります。


#結局纏まりのないままの文章になってしまいました。とほほ。

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2004/07/08

○本のご紹介

ま〜選挙結果待ちですから実を言うとあまりネタが無かったりするので以下純然たる雑談になりますが。

新円切替(藤井厳喜著、光文社ペーパーバック)

まぁこの手の本はいくつも出ているのですが、この本では筆者が前書きで述べているように身も蓋もない話をしている所が中々な所かと。前書きでいきなり結論としてこんな事を書いておりまして、そこが気に入ったので珍しくも購入してしまいました。

『あなた(もちろん筆者も含む)がすくわれるには、少なくとも数億円、いたそれ以上の資産が無ければ駄目だ。日本がやがて迎えるであろう国家破産の惨状から逃れるためには、少なくとも数億円ほどの資産は絶対に欠かせないのである。』

この手の本に良くある「海外投資やら実物資産への投資への投資の勧め」は『数千万円から1億円ぐらいの資産家では、やってもムダなのだ』といきなり切って捨てておりまして、書いてある事は身も蓋も無いお話が続いております。別に債券市場を生業にしている人にとっては目新しい事を書いている訳ではないのですが、まぁ一般向け啓蒙書(にしては夢も希望も無い悲観論一色ですが)です。

文章中妙に日本語の後に英単語を入れるのはこの出版社のお約束なんでしょうか???もしかしてこの出版社の出している「ヤクザ・リセッション」をはじめとするシリーズが売れているから同じようにしたのかとも思ってしまいますが、この英単語入れ(例えば『これらの方法は有効effectiveではある。』とか意味も無く英単語が挿入されるのですが)攻撃が激しく鼻について読んでいて萎えますな。筆者は日本人って事になっているのに英単語入れるなヴォケというのが正直な印象。

ISBN4-334-93336-X \952


瀬島龍三 参謀の昭和史(保阪正康著、文春文庫)

第二臨調を実質的に切り盛りした瀬島龍三氏の陸軍時代、伊藤忠商事時代からの軌跡を検証して、所謂「日本型エリート」のありかたや行動様式について考える著書です。著者が文藝春秋昭和62年5月号に寄稿した「瀬島龍三の研究」を発展させた内容となっています。

で、この本をネタにすると現在のエリート論の与太話もできるのですが、そうすると話が長くなるのでまた後日(^^)。大東亜戦争やら連合軍の戦後処理やらというあたりに基礎知識が無い状態で読むのはかなりしんどいと思います。何となく流しながら読めないことも無いでしょうが。

ISBN4-16-749403-5 \457

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2004/06/25

○高級品の需要増大というお話

最近日銀が出している金融経済月報やら各種講演を拝読しておりますと、今後の景気に関して個人消費が重要なポイントにあるというお話が多い訳です。で、そのお話を見ていると、割と見通しは強気だったりする訳であります。景気が回復している割には懐が相変わらず温まらないデフレ人生絶賛驀進中のあたくしとしては「本当かぇ?」って感じなのですが・・・・・・


昨日の日経新聞に、同社が名古屋で先日実施した景気討論会の様子が記事になっていました。その中で中国景気についてアイシン精機の社長さまが「中国の自動車販売が好調だというが、実際に売れているのは高級車ばかり。これは異常な状態だ。」という趣旨のご発言をされていました。非常に的を付いたご指摘だと感動、というか金融市場で経済統計見ながら売った買ったとやっているとつい忘れてしまう現象面のお話ですな。

そのお話に関連して「そういえばこんな話があったな〜」と引用物を探していたら、丁度目の前の朝のテレビ番組(日本テレビ)のニュース番組の「新聞ナナメ読み」のコーナーでの本日のお題が「高級品が売れています」というお話。ちなみにどんな話だったかといいますと、日経新聞に「夕張メロンの卸売価格が前年比6%上昇、贈答品需要の増大が背景」という記事がでており、東京新聞には「ソニー(だかどこだか忘れちゃいました、スイマセン)が最高級モデルのヘッドホンを発売、販売価格は26万円(くらい)」という記事が出てるなんてお話。

そういえば絶好調という話になっている不動産市況も、新築マンション絶賛建設ラッシュのあたくしの(賃貸だが)家の回りでも億円単位の物件は瞬間蒸発のようですが、中途半端な価格帯の物件は「最終期完売御礼」とか言っていた筈なのに後から「追加募集」やってみたり、完成後も何故か売れ残り住居があったりと中々心温まる事態が起きていたりするのですよ、これがまた。


まぁ少々別の種類の話なので、この話を一般化して括るのもいかがな物かと思いますが、まぁ雑談と言うことで話の展開に無理があるのを承知の上で強引に括ってしまいますとこんな話になる訳です。引用する題材は清朝末期の太平天国の乱を題材にした陳舜臣先生の歴史小説「太平天国」であります。

(講談社文庫「太平天国」第四巻より引用、適宜改行を省略)

南京が太平天国の手におちた直後、商品流通のうごきはぴたりととまり、それによる不景気が、上海における小刀会決起の一つの原因にもなっていた。ところが、まもなく、ある種の商品のうごきが目立って活溌になってきたのである。おもにうごいたのは生糸と絹であった。おなじ繊維製品でも綿布のほうはいまひとつ振るわない。
―――よくないきざしだな。・・・・・
市況の報告をきいたとき、連維材はそう言った。
―――なぜですか?
と、理文は父に訊いた。
―――ぜいたく品だけがうごいている。心配な事ではないか。
と、連維材は答えた。
―――さようでございますね。
(引用終了)


まぁ最近の現象をどう取るのかってのは難しいところですが、日本は兎も角として、「中国で高級車ばかりが売れている」という状況は、どこかで猛烈な搾取が行われており一部の特権階級が甘い汁ってのを吸っているのか、はたまた局地的にバブルが大発生しているのか。どっちにしてもアイシン精機社長さんのお言葉の意味するところは結構深いのではないかと思うわけですな。

日銀的「ダム論」によるとそういう状態でもいずれは全体に効果が波及するってお話なんですが、本当にそうなのかな〜とふと思いかえる景気討論会の記事でありました。まぁとりあえずあたくしの懐もちったぁ温まって欲しいものでありますが(^^)。

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2004/06/24

「出さない方が良いと思う『政権公約』」

以下相場と関係ない雑談。本日参議院選挙が公示されるわけですが、どこぞの政党は前回選挙後にいきなり反古にしてくれたマニフェストとやらをまたお出しになっているそうで、先日債券関連超有名老舗Webの「債券ディーリングルーム」でマニフェストのお話がありました。で、同Webの久保田氏によりますと「量的緩和解除」が何故か某政党(って一つしかないが)のマニフェストにある事を指摘して「量的緩和解除ができるような経済運営を行うというのなら判るが、日銀の専決事項である金融政策を政権公約に掲げるのはいかがなものか」と誠にその通りというご指摘をされています。

「ほうほう」と思いそこの政党のWebを見たら政権公約なのか政策なのか良く判らなかったのですが、まぁ色々な政策をうじゃうじゃ並べてあるのですが、ざっと見ただけでも「政府系金融機関における貸出の個人保証徴求を撤廃する(日本の中小企業の現状から言って非現実的にも程がある)」とか「中小企業融資の推進の為の銀行を設立する(今でもあるでしょ。何で作るの)」とか現実離れした「机上の空論」の香りが非常に激しく漂って来る訳ですな。どうもいかがなものかと。

ま〜前回出して選挙後に反古にした政権公約でも「日銀を大阪に移転させる」とかいう何を考えているのか全く理解に苦しむものが出ていたと記憶していますが、正直、真面目に読むとあまりにも馬鹿馬鹿しい公約やら政策でして、ま〜出せば出すほど割とちゃんと政策を見て投票するようなコアな有権者が呆れると思うんですけど、この政党の本分は身を切って行う自爆系のギャグなのかもね。

選挙期間が明日から始まるのでこんなところで以下自粛(^^)。

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2004/06/09

「何だかな〜」

全然関係ない話。時々銀行話をしますが、昨日読者様と色々お話をしている内に「なるほど、そうだったのか」と思うことがありまして・・・・・・

りそな銀行の「窓口の行員を立たせてどうのこうの」とか「窓口サービスの為に航空会社のCAのおねいさんを講師にして研修させる」などという新企画に対してどうも違和感をもっておったのですな、あたくしは。で、あたくしは職員としても(インチキ企業の経営者の端くれとして)客としても銀行との接点があったので、まぁどっちの立場も気分的には判らんでもないんですが、この自称斬新なる新企画を好意的に報道するメディアの論調に激しく違和感を持つものの中々上手く説明できなかった訳です。

で、昨日の半分世間話で仕事の話していて目から鱗が落ちた気がした指摘はと申しますと、

「窓口の行員を立たせて経営状況が改善するのか、CAみたいな応対をしたから経営状況が改善するのか。経営悪化の原因は支店の窓口じゃないだろう。」

というご指摘でございました。

そもそも、りそなに限らず銀行の不良債権問題がここまでこじれたのは、マクロでいえば信用創造が銀行ばかりに集中しているという金融構造の問題であり、資産インフレを放置して無用に信用創造を拡大させたバブル期の金融経済政策の無作為のツケが回っているのでしょうし、個別銀行の問題で言えば窓口の一般行員がどうのこうのではなくて、融資業務における問題であり、融資の問題を引っ張ったのは経営というか企画というか、要するに本社経営部門の問題であって、現場は本社の言うなりに動く駒に過ぎないわけですな(だからと言って全員駒が免責になるわけではないのですが、念のため)。

内部ではちゃんとやっていると期待したいのですが、所詮駒、しかも不良債権問題とは関係ない現場支店の窓口一般行員に対して「意識改革がどうのこうの」とせっせと締め付けをする事に何の意味があるかといえば、結局はカムフラージュに過ぎない単なるパフォーマンス。これで、締め付けられるのが現場だけで、幹部は安全な場所で相変わらず督戦だけって状況になっているなら状況は悪化しているという事になる訳でして、どうもやりきれないものを感じます。

参謀本部が誤った脳内現実に基づく現状認識で立てた数々の作戦で、起きなくても良かった筈の犠牲を蒙るのは、訳も判らずに動員された一般兵卒やら現場の下士官という構造が重なるわけでして、まぁ以下自粛という所ですか。


そういえばどこぞの金融グループは過去の役員退職金を遡及して出すらしいという話がありまして、散々に叩かれておりましたが、退職金が遡及するなら経営責任は遡及しないんでしょうかね。どういうセンスしているのか知りませんが、仮にそんな話が俎上になっていたのであれば、関係者一同切腹ものではないかと思いますが。現場に散々締め付けやっておきながらどういう発想なんだ。


銀行を擁護しているように書きながら終わってみれば銀行経営批判の巻でありました(^^)。前と脈絡が無くてスイマセン。

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○読書室(2004/05/18)

革命商人(深田祐介著、文春文庫)

先日深田祐介氏の著書をご紹介したときに「この本はお勧め」と教えて頂きまして読んだ本であります。実は書店に在庫がないところだらけで八重洲ブックセンターの5階というマイナーな所で発見したのですが。

1970年代のチリで民主的な選挙によってマルクス・レーニン主義を奉じる人民連合のアジェンデが政権につきました。世界をあっと驚かせたこの政権は3年足らずのうちに軍事クーデターで崩壊したのですが、このアジェンデ政権前後のチリにおける日本の二つの商社を中心とした人々の物語です。

とにかく面白かったというか圧倒されるお話で、まいった!って感じです。

文庫本は上下2巻ですが、一気に読めてしまいます。

ISBN4-16-721923-9 \600
ISBN4-16-721924-7 \600

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「便利な情報機器(^^)」(2004/05/07)

先日株式公開をしてから3週間で宅建免許の取消処分を食らった不動産業者しかも売上の97%が宅建免許を必要とする業務っていう素晴らしい公開詐欺と言われても文句が言えないような事案がありました。しかも宅建免許取消処分を正式に食らった前日に株式分割を決議して発表するという念の入れようで、かかる企業を株式公開させた公開主幹事および上場承認した取引所は百万回くらい切腹していただきたいと思う訳でございます。あたくしは傍観者としてウォッチするだけなのですが。

何でこのニュース大きな話題にならないままなのか不思議になるのですが、まぁ本日もまた某テレビ東京番組なんかでも「今日の注目は引き続き個人の投資資金が流入している新興市場です」などと煽っている所を見ると、そういう市場に都合の悪い話はスルーだって言う事なんでしょうな。恐るべし情報○○。


まぁこの手の話がでると、過去この会社どういう発表をしていたかとかどういうニュースがでていたのかというのを見たくなるのは人情なのですが、最近はネット上で「新聞記事を検証する」というような各新聞社にとって激しく都合の悪い有名サイトが増えてきているせいか、どの新聞社も過去記事は有料データベースにしかのっておりません。

で、こういうときに重宝しているのが某B社(って言ってもこれもただでは無いんですけど)の端末でありまして、株価コードから企業ニュースを検索できる(しかもカナーリ過去まで辿れる)ので大変結構でございます。一々書いていると長くなるのですが、この会社どう考えても宅建免許取消処分を受ける可能性があることを判っていて処分が明るみにされる前に悪あがきをしていたとしか思えない状況証拠が時系列で取れるわけです。

また、この情報ベンダー様は企業経営者へのインタビューなんかも色々と行っておりまして、いまや塀の向こう側にいる某マザーズ上場第1号企業経営者インタビューだのといった今見ると爆笑の発作が起きそうなアーカイブも見る事が出来て大変に結構なものです。個人で導入するのはコスト的にどう考えても不可能なのが最大の難点ですが。

R社やN社のほうが伝統ある報道機関の筈なんですが、ニュースのアーカイブが全然充実してないのよね。猛省されたし。

なお、あたくしはこの情報ベンダーの回し者ではありませんので念の為(^^)。

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「大東亜会議の真実」に補足(2004/04/27)

昨日ご紹介した「大東亜会議の真実」ですが、時間の都合上昨日書けなかったことを追加で。

同書の中で大東亜会議に出席したアジア諸国の代表たちの人となりやら日本に対するコメントなんかが色々と出てくるのですが、その中で印象に残ったのが2つ。

汪兆銘氏:日本政府に対して言いたいことは山ほどある。それを要約すると三つの"不"に到達する。"上下不貫徹、前後不接連、左右不連携"。上役がよろしいと受けても下が聞かん。前任者が言ったことを後任者はそんなことは俺は全然知らんと問題にしない。左右の連携もまったく欠けている。外務省がいいこと言ってくれたと当てにしていると、一つも陸軍は聞いてくれない。外務省が言ったことなど俺が知るかという態度だと。これが海軍、陸軍、外務省全部に通じる。これが日本の悪い所。自分は重慶から引っ張り出され表舞台に立たされて、やろうと思っても何もできません。恥ずかしくてできません。なぜならこの三つの"不"のためです。(第4章:裏切りつづけられた一中国人の悲劇より引用)

チャンドラ・ボース氏:日本という国が偉い事は認める。良い兵隊がいるし、いい技術者もいて、万事結構である。ただし日本には良き政治家がいない。これは致命的かも知れぬ。(There are good soldiers, good engineers, everything is good, but there is no good statesman. Perhaps, it may be fatal.)(第7章:大東亜共同宣言より引用)

ま、反省っつーか学習効果がないんでしょうな。

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「各種雑談/読書室」(2004/04/26)

○衆議院補欠選挙

与党全勝。まぁ鹿児島と広島は元々の議員が山中貞則氏に池田行彦氏なのでやる前から負け確定なのですが、埼玉も見事に敗北。といっても元々埼玉も自民党の議席でしたので、全敗というのは一番可能性の高い結末でありまして、ある程度仕方が無いところだとおもいますが、例によって連立与党は大喜びの図です。

ただ、この結果は連立与党が勝利したと言うよりは、自爆系のギャグを繰り返しているとしか思えない民主党の菅代表が勝手に転んだという図に見えますな。マニュフストなどという横文字をブームにしておきながら、選挙で負けた瞬間にマニュフェストを反古にしたり、今更そりゃね〜だろって感じの「榊原英資財務大臣」という閣僚名簿も瞬間反古。

最近の自爆ギャグで目立った事件と言えば、江角マキコさんを国会に呼ぶという本来追及すべき対象を根本から間違えている発言がございましたが、先日ご紹介した「日銀出身の金融政策通」が衆議院財務金融委員会で福井総裁翼賛質疑を行う(しかも肝心のポイントは外しているし)の図などといった事にも示されるように、野党というか反対党としての能力はともかく、政権担当政党としての能力に欠けるってのが浸透してきたのが、民主党敗北の原因でしょうな。

相変わらず小泉悪運が強いなと思うのは、先日のイラクでの人質事件でありまして、よく考えたら海外で日本人が誘拐されるというありがちな事件だったのに、犯人グループが突如「自衛隊云々」という要求をした上に被害者家族のうち約2名のご家族が何を勘違いしたのか、北朝鮮拉致被害者の家族会の猿真似をして大騒ぎというか居丈高な動きを示した為に、綺麗に政府サイドのキャンペーンによって返り討ちになってしまいましたのには、小泉首相の悪運の強さに感動すら覚えてしまいました。

本日で就任3年目。ひたすら政府部門に問題を押し付けて先送りを繰り返してますが、どうもその点については見てみぬ振りをするのがお約束らしいんで、当分政局らしい事も無いでしょうな。


○法令違反ノススメ?

日曜日は朝からぷらぷらとお出かけして、ある種の広告欄を見る為に140円も払って日経新聞を買って喫茶店なんぞでマターリと読んでおったのですが、その中で腰の砕ける記事があったのですな。

15面の投資のお勧め的な煽り記事に「新規公開投資のイロハ」というのがございまして(しかし日経で記事になると・・・・の法則から逝くとそろそろIPO何でも上昇相場も・・・・・ですかね)、その中で「どういう方法でIPO株を確実に手に入れやすくするか」という話をしております。

で、その方法ってのが中見出しにもデカデカと書いてありまして、「ブックビルディングは複数の証券会社に申し込む」って奴です。

えー、さすがに手元に日本証券業協会公正慣習規則が無いので正確な文章までは出せないのですが、ブックビルディングにおいて「割当を受けるために行われる過大な需要申告」というのは公正慣習規則の多分1号のどこかに抵触する行為でありますな。証券業協会の自主規制と言う事ですから直接的に投資家が法令違反になるというお話ではございませんが、証券会社は顧客が複数の証券会社にブックビルディングの申込をしていると知りながらブックビルディングの申込を受け付けると公慣規に抵触でございます。つーか証券会社は「ブックビルディングは一人一件(株数は兎も角)しか申込できませんので宜しく」って(形式的に言っているだけでしょうが)ヘッジ入れてませんかね〜。

まぁ実態が色々とあるというか、そもそも今のブックビルディングの需要調査のやり方が現実的な需要の反映をするのに適していないのではないかというお話はあるのは事実(というかブックじゃなくて入札に戻せよなって感じなんですけど)ではありますが、一応ある規則は規則なのですから、堂々と規則違反をご推奨する記事を掲載するとは注意不足もいいところでしょう。

猛省されたし>日経新聞

#なんて言ってたら規則があたくしの知らぬ間に変わっていたりして。


○別の囲み記事

同じ日経新聞ネタ。確か5面くらいに産業再生機構に関する囲み記事というかコラムがあったのですが、日経新聞らしく「民間に産業再生をやらせておくと銀行主導で先送りになるのはケシカラン。もっと産業再生機構が頑張らないといけない」という結論になっておりました。

最初は記事の中見出しの「先送りはケシカラン」といった趣旨の(ネタ新聞だと言うのに持って帰らなかったので実物が手元にないと言う実にいい加減なあたくし)文言を見て、「おお!産業再生機構が先送り装置になってはいけないという記事なんだな」と思って読んだあたくしは「はぁ??」って読後感に囚われてしまいました。

いや、メインバンク主体で先送りをしているのも事実ですが、産業再生機構のやっている事も単に政府部門に先送りしているだけではないのかと小一時間問い詰めたいところなのですが、どうも産業再生機構送りになることは不良債権の抜本処理だという事は疑う余地の無い真実だという事のようですな。何考えてるんだか。

しかしまぁ日経新聞っつーのは普段読まないせいか偶に見ると突込み所満載で楽しいですな。真に受けて読まなければ楽しめますが、問題はこの新聞が「日本を代表する経済のクオリティーペーパー」として扱われている事なんですが。


○読書室

大学病院の外来ってぇのは待ち時間が長いので、読書には最適であります。んな訳でまた本を一冊読んでしまいました。

「大東亜会議の真実」(深田祐介著、PHP新書)

底本は同氏の「黎明の世紀−大東亜会議とその主役たち」(文藝春秋1991年9月)でして、大幅に加筆修正を加えてPHP新書として上梓されました。

昭和18年11月に東京で開催された大東亜会議は「アジアの傀儡を集めた茶番劇」と東京裁判史観では散々に評されるのですが、それだけの会議ではなかったという点を明らかにしようとする作品であります。

と言っても、単純な反東京裁判史観に見られるような「日本の戦争は全てが白人支配からの解放戦争であった」というようなこれまたバランスの取れない論点ではなく、「もともとが欧米帝国主義を模倣して権益を追求する戦争であり、自存自衛の戦争という位置付けであった戦争が、大東亜会議と大東亜宣言で戦争の目的が大きく変化したのではないか」という観点から、歴史的評価が低く貶められている大東亜会議の意義を見直そうというお話です。

当時の関係者の発言が色々出てきますが、フィリピン派遣軍軍属で大東亜会議の通訳を務めた浜本正勝氏の「大東亜会議の理念は正しかったが、現地の軍が全て駄目にしてしまった」という件なんかは「なるほど」と思わせるものがございます。

また、会議出席者の人物像や、当時の欧米(というか英国とオランダ)の圧政といえるアジア植民地支配に関してもコンパクトに纏めてあって読みやすいです。最後の福田和也との対談は福田和也に反東京裁判史観が入りすぎの感があって、却って余計なような気がしますが。

ISBN4-569-63495-8 \800

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「説明責任というもの」(2004/04/09)

○イラクでの事件

イラクで3邦人拘束という事だそうですが、いざ拘束されてからいきなり「日本以外の各国でも拘束事件が起きていました」と報道するとは何やってんだって感じであります。他国の民間人が拘束される事件が頻発しているなんて話聞いてませんよ〜。

まぁそれ以前に戦争状況下の状況で、戦争当事者の一方に加担している国の人間がボランティアだか反戦活動だか取材だか知りませんが、戦争当事国に出掛けるなどというのはあんたら焼死マニアですか??という感を強くします(ジャーナリストはまぁいつも危険と隣り合わせだから仕事といえば仕事の一環ですか)が、まぁそれは兎も角。


自衛隊の撤退要求を拒否したのは当然だと思いますが、その中で相変わらず「そもそも日本はイラク人のために人道支援を行っている訳であって云々」(福田官房長官)というお話をしているのが気になる所であります。

こっちが「相手の為になる」という論理展開でやっていても相手にそういう意図が伝わらなければただの間抜けあるいは大迷惑なわけでして、その辺の微妙な所を「自衛隊は軍事活動をしに来た訳ではありません」という国際的な常識レベルであっても「何じゃそりゃ」状態のままで突撃してしまった事がそもそもの問題でございましょう。

#もっと問題なのはブッシュ君ですが。

で、国内的には自衛隊派兵の理屈が「戦闘地域ではない所に平和活動をするために」な訳でして、これもまたそもそもの論理が無茶苦茶な前提に基づく状態であったが故にこのような事態(スペインでの列車テロ事件を考えると想定範囲内の事態だと思いますが)が起きて大騒ぎというお話になる訳ですな。

つーか必要以上に騒いでいるのは日本の報道機関だという気もするんですけど。今目の前でやっているテレビ東京の番組のコメンテーターなんて「民間人の拘束とは虚を突かれた」とか言ってますが、激しく理解に苦しむコメントでありますな。それでお前ら専門家かよ。


○またも靖国

先日の「勝訴しているけど敗訴」という摩訶不思議な判決によって話のネタになりまくっていた靖国神社問題ですけれども、テレビで放送された小泉首相のコメントに「他国の方が何で参拝を批判するのかわからない」と言う趣旨のお話がありまして思わず目と耳を疑った訳であります。

その論理は国内的には通じる話であっても、「当事国以外の第三者が見た場合にどっちの言い分を妥当と見るか」という観点で説得力のある論理展開を行うという意味においては、明らかにその努力を放棄した発言であります。紛争が起きた場合に第三者を味方につけるような策を放棄するとは外交的には最も稚拙なやり方であり、外交的敗北宣言を行っているに等しいお話であります。

ネット上の論客の意見も色々見たのですが、「これは日本の伝統行事ですから」と自国の特殊性に話を持っていく論理が多いのは残念なところです。普遍性のある論理を持ち出して頂きたいものです。まぁそうなると中々勝てないんで「日本の特殊性」に話を帰着させている訳ですわな。勝者から「戦争犯罪人」とされた当時の指導者を敗戦国が神として祀って参拝する行為(これは合祀問題だから先日の判決とは話が別問題ですが・・・・・・)は客観的には「臥薪嘗胆を誓うの図」と取られても仕方ないんじゃないでしょうかね。

この問題はつつき出すと色々と考えなければいけないお話で、あたくしもまだきちんと考えが整理できていないので以下継続審議という事で。


○結局は・・・・・

まぁ一事が万事と申しますか、現内閣のやっている事っつーのにはこの手の「俺様が正しいって言ってるんだから正しいんじゃ」的なやり方が多すぎでありまして、そ〜ゆ〜手法は国内では通じるかも知れませんが、世界にその論理を押し付ける為には押し付ける為の圧倒的な力(武力)でもないとお話にならんでしょうな。


結局のところ内向きに通用する論理で突っ走っても、元々の論理に無理があるときにはどこかで破綻を来たすということなのでしょう。やはり「説明責任」に耐えられるようなバックグラウンドあってこその政策であり外交であると思う今日この頃なのでありました。

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「何でそう言われるのか判らない」(2004/04/08)

てな事を昨日の靖国神社参拝の政教分離問題の裁判に関して小泉首相は発言していたようであります。判決の妥当性とかの問題は置いておく(すべての戦没軍人を本人の宗教に関係なく勝手に神道形式で祀るのは、宗教的バックグラウンドが希薄な日本人らしい無神経な話だとは思いますが)としまして、判決を受けて「何で批判されるのかわからない」とは相変わらず恐れ入ったコメントでございます。理論的に反論するならまだ救いがあるのですが。

このぶら下がりインタビューの映像を見ながら思ったのは「今の日銀も同じですな〜」なんて感想であります。一昨日ご紹介した国会での総裁答弁にもありましたが、最近あまりにも支離滅裂というか論理的整合性の片鱗も感じさせない「機動的な」金融政策を実施する日銀からは、やたらと「市場との対話」「期待形成の安定化」というお話が出てまいります。

かなり天然で言っていると思われるどこぞの首相とは違いまして、恐らく自分たちの論理崩壊振りを自覚しているとは思うのですが、何か日銀執行部、というか日銀総裁の発言が「期待形成の安定化」ではなく「債券市場のモメンタムを加速する方向」に向っている昨今の動きに関しては「何で相場が俺様の意図しない方向に進むのか判らない」と言いたいのではないかと勝手に推測しながらニュース映像を見るあたくしでありました。

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「これがお役所的発想なのでしょうか/本の紹介」(2004/04/05)

ちと古いお話ですが今年度の税制改正。もう成立したのかどうか不覚にも存じませんが、ど〜せ原案のまま可決成立の予定なんでしょう。で、その中にあります「土地、建物の譲渡損失の通算廃止」という件に関する東京新聞の記事(3月26日の記事ですけど)があったのですが・・・・・・

「不動産の譲渡損失の通算」というのをざっくりと申し上げますと、「一定の要件を満たした不動産を個人が売却した際に損失が発生した場合、所得控除が可能である」という制度でして、不動産を高値で掴んでしまった人にとってはまさに地獄に仏のような制度となっております。損切りしてやられた分が所得控除になれば幾らかは助かる話ですので、買い換え需要の後押しにもなっている(筈)わけなのですが、恐らくあまりにも利用が多いのでしょう。不動産売却益の税率引き下げとのセットという訳のわからない組み合わせで本年1月1日に遡って譲渡損失の通算が廃止になります。

で、新聞で報道されている財務省の「言い分」というのが実に素晴らしい。『損得を計算した上で節税目的の不動産売却が横行すると、地価の急速な下落を招きかねない』という事らしいです。この理屈、昔々その昔にも聞いた事がありますな。国鉄清算事業団の土地売却問題で、かつてバブルが絶賛華やかなりし頃、清算事業団の都心に保有する土地の売却を行う際に「今土地の売却をすると投機を煽る」という不思議な理屈で売却を散々遅らせておりました。

この報道における財務省の「言い分」とやらが事実だとすればという話になりますが、財務省(というかお役所全般に言えるのでしょうが)の発想はまるで「経済統制」ですな。都心部に大量に保有するまとまった遊休地を放出すれば、普通に考えれば需給が緩和する筈なんですけれども、「人気化して高値になるだろうから売却しない」という訳のわからん理屈が今でも生きていたとは驚きというか呆れてしまうわけであります。

こんな理屈で政策運営されるのはどうもねぇ・・・・・・


○かなりお奨め本の紹介

暫く前に本を数冊買っていたのですが、そのうちの一冊を土曜日に病院に行くので大量待ち時間向けに読んだ訳ですよ。で、あまりに痛烈な本だったのでついつい読みふけってしまいまして、あっさり読了してしまいました。

「日本はなぜ敗れるのか−敗因21カ条」(山本七平、角川書店)

初出は雑誌(でしたよね)「野性時代」1975年4月号から1976年4月号に連載されたものということですから実に30年前の文書な訳であります。

小松真一氏の手記「虜人日記」にある「敗因21カ条」をベースに氏の手記を引用しつつ山本氏の体験も踏まえて日本の敗因はどこにあったのかを記述しております。

この「虜人日記」を書いた小松真一氏は陸軍専任嘱託として徴用されて、ブタノール(ガソリン代用品)を粗糖から製造する技術者として昭和19年1月にフィリピンに派遣を命ざれて辛酸を舐めた方です。分析も表現も的確かつかなり冷静なのは兵隊ではなく軍属という立場もあったのでしょうか。

実はあたくし山本七平氏の著作を読むのは初めてでして、他の本もこんな感じなのかも知れませんが、とにかく心に染み入る痛烈さがございますな。思わず現在の日本あるいは自分自身の状況に敷衍して読んでいると背筋が寒くなります。

はっきり言ってこの本はお奨めなのですが、角川書店が何を考えているのかさっぱり判らないとしか言い様が無いのはカバーの作り。敗因21カ条に一言も入っていない「反日感情に鈍感である」などという言葉をカバーにつけてみたり、帯には「失敗を繰り返す日本人への究極の処方箋」などと(本書は処方箋ではない)書いた上に「マネー、外交、政治・・・・このままでは日本は再び敗れる」などと内容と全然関係ないというか、読もうとする人をミスリードするデザインになっております。

角川書店いかがなものかと思われますが、それは兎も角お奨めでございます。30年前に書かれている事と今と、本質的に何も変わっていない、結局は敗戦の頃と何も変わっていないのが日本および日本人ってことなんでしょうか。

という訳で本日は雑談恐縮。

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