分類不能の雑文

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とりあえずここにぶち込んでおきますが、いずれ整理する所存・・・と言い続けて早や2年以上整理していません。

過去の雑談

2007年下期
2007年上期
2006年下期
2006年上期
2005年下期
2005年上期
2004年下期
2004年上期
2003年下期(以前の整理はまだできていない)


今期の雑談

2008/09/30「あらま金融法案否決」
2008/09/22「ロイターの飛ばしヘッドライン/その他雑談」
2008/09/12「埋蔵金話またまた」
2008/09/09「金融庁検査とか金融工学とか雑談」
2008/09/02「床屋政談その他」
2008/08/15「アーバンコーポレーション続き、どう見ても焼畑農業です」
2008/08/14「アーバンコーポレイション倒産で後出しされた謎のスワップ契約」
2008/08/12「本店オペの出入りに関して/上げ潮派は財政タカ派なのですか」
2008/08/08「プライマリーバランス議論の雑感その2」
2008/08/06「プライマリーバランス黒字化目標に関する論議に関して雑感」
2008/08/04「内閣改造雑感」
2008/07/23「東証システム障害/金融大臣一人で火付けと火消し/分限免職??」
2008/07/11「国会答弁を見るとやっぱ金融士やる気なのね」
2008/07/07「SWF構想に関する厭債害債さんの秀逸な論点整理」
2008/07/04「とうとう提言しやがったSWF/年金運用昨年度赤字の報道比較/金融庁のキ○○イ理屈」
2008/06/25「政府部門はつらいよ」
2008/06/20「雑談少々、新銀行東京サブプラ損失とは」
2008/06/17「オルタナ投資も程ほどに」
2008/06/13「結局池尾審議委員承認は先送りですか」
2008/06/05「東証マザーズはアホですか/参議院での半期報告質疑が中々良いという話」
2008/06/04「CDSの決済機関設立は難しいのではないか」
2008/06/03「財政投融資貸付の証券化に関する質疑/任天堂がシャリア適格??」
2008/05/28「審議委員候補事前報道事件/株取引は悪ですかそうですか」
2008/05/21「証券アナリスト協会の珍決算/民主党のガサ入れに雑考」
2008/05/20「ネタも無いので金融庁と国会ネタ」
2008/05/19「証券アナリスト協会のやる気が無い総会運営」
2008/05/15「何で地震予知速報の人がこんな毒電波を出すのでしょ」
2008/04/24「金融庁のルー大柴化/まだSWF推進してるのか」
2008/04/23「暫定税率を上げられないと金融政策に影響という珍説発見」
2008/04/17「日銀批判してもこの陰謀論じゃあねえ」
2008/04/16「これは見事なお前が言うなな評論」
2008/04/09「民主党逝って良し」
2008/04/08「日銀総裁人事なお漂流/SWF構想に渡辺さんすげえまともな話を(驚)」
2008/04/07「民主党の反対の理屈が分かりません」

2008/09/30

○ということで金融安定化法案否決とか

日本の住専国会を髣髴させるような展開に落涙を禁じ得ませんけれども、結局のところてめえの足元に火がボーボーとならない限りそう簡単に世論というものは税金投入にオッケーする訳ないわなというお話でございましょうなと既に達観状態なあたくし。

大体からして日本の銀行も散々高給取りだのその割にサービス悪いだの(諸外国の銀行と比較してそのインフラ整備度合いは異常に水準高いと思うのだが)言われてた訳ですから、まあそういう事なんでしょ。

それどころか景気後退(というか恐慌)懸念で原油価格がまた下落してるのを見て「原油価格下がってめでたい」とかどっかで聞いた話が出てきたりしたらもう笑うしかないのでございますが(既にヤケクソ)。

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2008/09/22

○ロイター日本語版また飛ばしヘッドラインですかそうですか

金曜は白川総裁が参議院財政金融委員会に出席ということで、このクソ忙しい中で総裁呼び出すんじゃねえよ議員どもとか思うのですけれども、その中で大久保委員の質問に対して行った答弁について、ロイター日本語版が毎度お馴染みの飛ばしヘッドラインを打ち込みまして債券先物がエライコッチャになりました。で、そのヘッドラインなんですけどね。

14:16 19Sep08 RTRS-緊急利下げも含め、金融政策はすべてのオプションを常に考えて判断=白川日銀総裁

赤字で打ち込まれたヘッドラインはこれなんですけれども、このヘッドラインが出たところでそれまで137円ちょうどあたりをウロウロしていたのですが、50銭台まで上昇し、その後ちょっともみ合いになって30銭台に押し込んだのですが、再度上昇の巻になりまして137円90銭の高値まで上昇となりました。

ちなみに、クイックでは利下げの利の字もヘッドラインに出なかったので、日本語版ロイター見てない人からすると「何で上昇してるの」という話でありまして、恐らく最初の上昇は日本語版ロイターのヘッドラインを直接見た人の反応で、2番目の上昇は「何で上昇してるの」「白川総裁が緊急利下げについて発言したみたいだよ」みたいな流れで反応したのではないかと勝手に想像。

その流れで2年は0.745%(ちなみに金曜の安値は0.825%)まで買われるとか金先大上昇するとか(高値メモするの忘れました)やってしまいましたが、しかしまあ先物90銭くらい上昇とはおそるべしでございます。

でも実際は例によって一般論の話をしていた事が明らかになりますと、先物も金先も大失速の巻になりまして、結局金曜の引けは先物137円02銭と白川総裁の発言が報道される前のレベルまで行ってこいなのであります。2年の引けは0.785%ということで、ロイターのインチキヘッドラインに乗せられた人涙目の展開でございました。

ちなみに、この発言に関する部分のロイター日本語版の記事内容は以下のとおりになります。

[東京 19日 ロイター] 白川方明日銀総裁は19日の参院財政金融委員会で、米国を中心とした金融市場の混乱に関して日銀が緊急利下げを行う可能性について質問され、「緊急利下げという話が出たが、金融政策においては常にすべてのオプションを考える。どの中央銀行でも同じだ」と述べた。総裁は「常に予断をもつことなく経済金融情勢を点検していく。あらかじめ結論をもって政策決定に臨むことはない」とした。民主党の大久保勉委員の質問に答えた。(以下割愛)


・・・どう見ても一般論です。本当にありがとうございました。


ということで、またまたロイター日本語版の飛ばしヘッドラインなのでありますが、ロイターが国会答弁などを報道するときに一般論を勝手に如何にも金融政策変更に結びつけるような印象のあるヘッドラインを打ち込むという仕様になっていまして、記者およびデスクの知能に問題があるのか、会社の方針として飛ばしでもセンセーショナルなヘッドラインを打ち込んで相場変動に影響したという実績を出したいのか知りませんが、こういうの極端に言えばしょっ引くべきではないかとまで思いたくなるんですけど。最近はロイターの飛ばしが酷すぎます、というかロイターしか飛ばしヘッドラインを打ってこないという感じです。

○これは・・・・・

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080919-00000965-san-pol
自民・中川秀直元幹事長「金融危機で上げ潮派の正しさ証明」

・・・・どこをどう突っ込んで良いのか判らんが、上げ潮とこの資金供給は全然別の話ですし、竹中の清算政策を途中で転換したから日本はクラッシュせずに済んだんですけどねえ。

「リーマン破綻は麻生にフォロー」とかネオリベ批判の流れで報道されてちょっと焦っているのねというのは判りますが、これはさすがに如何なものかと。




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2008/09/12

○埋蔵金レボリューションズ

このネタは毎度ながら良く判らん。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20080910-00000003-voice-pol
埋蔵金6兆円で好景気に(3)/高橋洋一(東洋大学教授)

埋蔵金6兆円を市中国債の買入消却に回すと金融緩和効果がありますよというお話なのですが、どうもバランスシートの話とキャッシュフローの話がごちゃごちゃになっていて良く判らんというのは以前申し上げたのとあんまり変わりません。こちらのURLの最後の辺りを見ると6兆円のキャッシュフローがあるかの如き話になっているのですが実際どうなのでしょうか。

以前の埋蔵金云々であたくしが書いた駄文は
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/zatsudan07-02.html#za071207
のあたり(12月7日分)とか
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/seisakugeneral08-01.html#seisakugeneral
の5月8日から5月12日のあたりとかになりますので、まあそのあたりもご参考にという感じなのですが。

この話、単に「財政融資特別会計を圧縮すればその分一般会計の国債発行も圧縮できますよ」というグロス両建て解消の話でしかないと思うのですが、高橋先生の話って具体的にキャッシュフローがどうなるのかの話が無い(あえてスルーしているんじゃないのかという気もするのですが)のでどうにもこうにも良く判らん。

微妙にわけわからん所があるのですが・・・・

(1)6兆円相当のキャッシュはどこにあるのでしょう。もし政府預金にあるとしたら、本来それは政府資金繰りで絶賛発行増加中のFB(来年2月から国庫短期証券としてTBとFBは一本化されます)の発行減額に回すもののような気がするんですが。会計上の益とキャッシュフローの話が意識的なのか無意識なのか判りませんが、微妙にゴッチャになっているので、そのあたりが良く判りません。

政府(または日銀)での両建てを落としますという話だとキャッシュの問題ってあんまり生じないのですが、6兆円の国債を市中買入消却するとしてその分のキャッシュをFB発行して捻出とかしたら単に長期債と短期債の振替を行っているだけの話(その分の利払い負担という効果はありますけれども)になるのですけれども。高橋先生の説明では何となくキャッシュがありそうな書きっぷりを最後の方でしているのですが、その辺が良く判らんです。


(2)もうちょっとそもそも論なのですけれども、市中の国債買入を行って長期金利が下がるので金融緩和効果で景気対策という話に関して。

もともと高橋先生はリフレーション政策を提唱してると理解しております。で、そのリフレ政策って今の日本で実施すると基本的には期待インフレ率の上昇(というかそもそも2%程度のインフレにって話ですよね)によって長期金利上昇要因になる(少なくとも2%のインフレに持っていくのであれば長期金利が1.5%に留まる訳はございませんえん)話でありまして、長期金利低下で云々というのは従来提言している政策のロジックと全く違う話を持ち出しているご都合主義の香りがプンプン漂ってくるのですけれども。


(3)政府部門での両建て解消は意味が無くて市中から買うと意味があるというロジックですが、結局最終的には同じじゃないのかなという気が物凄くするのですが。例えば日銀保有の国債を買入消却したらその分日銀の国債買入余力が増える話になるんじゃないのかなあ。いやまあ何かあたくしも書いてて頭がウニになってきた。


高橋先生のお話って仰っていることは一つ一つご尤もなのですが、全体を通して読むと何か「???」感が漂ってしまうのは読んでいるあたくしの頭が悪いせいなのだとは思うのですけれども、具体論に落として考えた時に微妙にわけわからんのですよね。うーむ。

ということで不勉強なのにこのネタをまた出してしまった。まあ政府部門にある変な両建てとかは解消してグロスの債務を小さくした方が良いと思いますけれども。

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2008/09/09

○更に人のふんどし

・金融庁検査に関して

http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20080830/p1

bewaadさんが先日数本のエントリーを更新したのですが、日付が前になっていた関係で微妙に目立たない所にございまして気が付くのが遅れるというアホの子なあたくしでございますm(__)m

・・・・・全く同感でございまして、実態の改善が望まれると思いますです、はい。


・金融工学に関して

http://ensaigaisai.at.webry.info/200809/article_4.html

またまた厭債害債さんからで恐縮至極にも程があるのですが(汗)。

>「それは我々の世界で言う工学とは違う。いわゆるWishful Thinking(希望的観測)の積み重ねに近いですね」

朝から盛大に爆笑してしまったのは言うまでもありません(^^)。ちなみにあたくし一応理系の学部を出ておりますので、エントリーの中におられる大先生から見れば塵芥のようなもんですが、やはり同様に「金融工学」というその用語の使い方に関して「何だかな〜」感を常に持っていたのですが、「希望的観測の積み重ね」ってそうですねって感じです。

コメント欄での厭債害債さんの『「ブラックショールズ式の陥穽」をブラック博士ご自身が語るというとってもブラックなセミナー』ってのも笑ってしまいましたです。多分ごく単純プレーンなオプションは株でも債券でもブラックショールズ使ってると思うのですが、呼び値の関係とか売買単位の関係とかで適宜補正したりしないとどつぼに嵌る可能性もなきにしも非ず。まあトレーディングの現場だと別に機械的にプライシングして機械的にダイナミックヘッジしてる訳でもないからあまり問題にはならないのですけれども、と思います。

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2008/09/02

○ヒマネタですが

http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/trp0808b.htm
2008年度の東京レポ・レートのレファレンス先について
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/data/trp0808b.pdf

去年(=初回)のレファレンス先はこの通り
http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji07/trp01.pdf

・・・・えーっと、UBSが落ちて23社から22社になりましたかそうですか。



○床屋政談雑談

えーっと、何なんですか福田首相辞任表明って。臨時国会12日から実施とか先月1日に内閣改造とかやってたのに何と言う無責任プレイなのでしょうか。いやーこれは姫井由美子議員もビックリの展開でありますが、きっとこれはここもとの連日連夜の雷雨で頭の中に変な電流でも走ってしまったのではないかと(嘘)。

正直、この際誰がやっても選挙管理内閣だし、自民党負けるの見え見えなのですから、福田さんの後釜なんぞただの罰ゲームにしか思えませんということで、これはローゼン閣下に対する福田さんの嫌がらせにしか思えませんとかいうのは考えすぎですかそうですか。

#どうせ選挙管理なんだったら杉村タイゾーでいいじゃん(嘘)

まーこの際ローゼン閣下におかれましては、一時的な定額減税などというケチくさい事を言わずに恒久減税かつ定率減税くらい打ち込んで頂きますと株は上がるわイールドカーブはスティープするわ実にこう楽しい展開になるのですが、不景気の株高キターになることキボンヌ。

ま、これで首相退陣を好感して株価が上昇したらお笑い展開なのでございますが、どうなるのかはよーわからんですな。債券市場への影響は・・・・株次第じゃネーノ???それより米国の金融政策に影響される方が大きそうですけどね。

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2008/08/15

○アーバンコーポレイションの件続き

昨日ロイターニュース記事に脊髄反射した書き物を致しましたが、色々と参考資料とか頂きまして誠にありがとうございます。本当はメールにご返信しないといけないのですが、ちと時間の都合上メールは改めてお送りいたしたくm(__)m

で、まあ色々と読んでみたのですが、同社の開示資料がここ↓
http://www.urban.co.jp/news.html
の13日公表文書にありまして、お題は『(訂正)「2010 年満期転換社債型新株予約権付社債の発行(第三者割当)のお知らせ」の一部訂正及び営業外損失の発生について』って奴なんですけどね。

えーっと、これは酷い!としか申し上げようが無いですわな。

契約内容の条件が何か随分アコギに見えますが、これはまあ追い込まれた時のMSCBとかだってロクでもない条件で出てくるので世の中そんなもんなのかもしれませんが、開示のやり方が物凄くグレー(とだけ申し上げておきますが)でございますわなあとしか言いようがないっすね。

実質的に一体となっている取引を、スワップ取引の形式を取ることによって取引の一部のみ開示。しかも開示するのはCB発行会社に都合の良い部分ってのは何ぼなんでも如何なものかと思われますが。発行会社の姿勢も問題ですが、こんなややこしいスキーム発行会社が考え付くとは常識的に考えて思えないのですけどねえ。いやもう(以下諸般の事情により自主規制^^)。

これね、MSCBみたいにその条件が全部開示されてるならともかく、一部だけ公表して300億円調達しましたって公表するのは同社の資金繰り面に対する一般投資家の判断を誤認させる惧れがあるんじゃないっすかとしか申し上げよう無しですわな。まあ相手が相手ですからどうせBNPパリバが損しないような仕掛けがあるんでしょという風には思う人多いでしょうが、それは別次元の話でありますからね。

実質的に一体条件となっている取引を開示義務の無い(厳密にいうと微妙な気がするが表面上は無さそう)デリバティブ取引に分割して自社に都合の良い部分だけ開示っていうのは、まあ開示に関する法令諸規則の精神に悖るとしか申し上げようがないと思うんですから、伝家の宝刀金融商品取引法51条でも何でも振って頂きたく存じますけれども。

しかしこーゆー事をやられると、同業で資本調達スキームをやってる他社に対しても疑心暗鬼で見られるというような信認問題に発展する話ですから、アーバン社およびBNPパリバだけの問題に留まらない、業界全体の信頼性とか私募形式の資本調達に対する信頼性とかの問題になりかねませんので、焼畑農業でもやってる積りなら兎も角、ちゃんとした投資銀行だと言うのならちょっと勘弁して頂きたいんですけどねえ。

ま、微妙に歯切れが良くない書き方をしているのは一応ネット上に載せる文書としてあまり断定調でこの手の微妙な話を書くのも宜しくないですねということでございますので(^^)。

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2008/08/14

○何か釈然としない話

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPnTK017169220080813
アーバンコーポ<8868.T>破たんは今年最大規模、債権者となる金融機関は100社弱

ということでアーバンコーポレイションあぼんぬ。スルガの時はまあ特殊要因がありましたが、その後に来てるのは特殊要因じゃないのが実にナムナムな所でございます。

しかし記事見てて何じゃそりゃと思ったのはこのくだり。

『また、フランスの金融大手BNPパリバ(BNPP.PA: 株価, 企業情報, レポート)を引き受け先として7月に実施した総額300億円の転換社債型新株予約権付社債(CB)発行に関連して、同社とスワップ契約を結んでいたことを初めて公表。同契約では、300億円の調達資金を一度パリバに支払い、その後、パリバが転換後の株式を売却して得た資金の一部を株価に応じてアーバンに支払うスキームになっていた。しかし、株価が同社の想定以上に下落したため、パリバから支払われた金額は90億円にとどまったという。民再法の申請でスワップ契約は終了し、58億円の営業外損失が発生した。』

・・・・この記事だけではよく判りませんが、これじゃあ単に「自社株を新規発行して売却するのをBNPパリバに代理でやらせてる」だけにしか見えません。足し算が合わないのが不思議なのですが、スワップ契約が終了したので金は入ってこないわ、CBの未転換部分あるは転換して株になった部分の売りそこない部分(が多分300−(90+50)になると思うのですけど・・・・)はアーバン社に戻ってくるわって話しになるんでしょうかねえ。何だかよく判らないですけど。

というか、このスワップ契約の内容って法令上は開示義務があるのか無いのか良く判りませんけれども、発行企業の状況を判断する材料として思いっきり重要な契約内容に見えますけどねえ。CB発行だけだったら300億円のつなぎファイナンスをしたと認識されそうですけれけども、実際は300億円なんて入ってませんよって話ですから全然状況が違うって話になるんですが、この契約内容のどの辺まで当初開示されてたんでしょうか。

なお、あたくし本件に別に詳しいわけではなく、上記のロイターニュースを見て反応してますんで、誤解等ございましたら可及的速やかに追加訂正したいと存じます。まあ脊髄反射だと思ってね。

ま、金融庁様におかれましてはこういうのに関してちゃんと頑張ってつついて頂きたい訳でして。金融士構想とか東京金融街構想とかそういうのはどうでも良いので・・・・

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2008/08/12

○超ヒマネタですが

http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/mos0808a.pdf
共通担保オペ(本店貸付)の平成20年度対象先公募の結果について

去年と一昨年のメンバーはこの通り
http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji07/mos0708a.pdf
http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji_new/mos0608a.pdf

何でこのURL年度ごとに違うですかという話はさておきまして(^^)、オペ対象先には微妙に毎年出入りあるんですけど、今年は銀行さんで本店オペ対象外になったところが多めですねという感じです。去年本店オペ対象から外れた静岡銀行さんと労働金庫連合会さんが返り咲き(?)してますけれども、それ以外ですと銀行業態が何気に外れてまして、農林中金さんまで本店オペ対象外とはちょっと「へ〜」なのでした。

まあ皆さまの資金ポジションや債券ポートの都合があるでしょうから何がどうなのかってのは良く判りませんし、あたくしは本店オペの対象選定の基準にも詳しくはございませんけど、ふーんという感じで。

ちなみに、19年度に本店オペ対象外になって今年度復活したのは静銀、労金連さんの他にはクレディスイス証券、ドレスナークラインオート証券、日本証券金融の各社でございました。どうもおめでとうございます(何がめでたいのか良く判らんが^^)。



○財政タカ派と上げ潮の区別が判らなくなりました><

またまた蒸し返しネタで恐縮ですが中川秀直センセイ。
http://www3.nhk.or.jp/news/t10013455711000.html

『自民党の中川元幹事長は東京都内で開かれた会合であいさつし、「財政再建の目標を先送りするとか、借金で景気対策を行うことには断固反対する」と述べ、景気対策を優先して、国債の発行を機動的に行うことは認められないという考えを強調しました。』

小泉さんだって新規国債発行には・・・という話はこの前の繰り返しなので割愛。

『この中で中川元幹事長は、麻生幹事長らが、西暦2011年度に基礎的財政収支の黒字化を実現する目標にこだわらず、景気対策を行うべきだとしていることについて、「子ども名義の借金でぜいたくをしようという発想は日本の伝統にはなく、子どもたちの世代にツケを残すべきではない」と述べ、目標を堅持すべきだという考えを重ねて示しました。』

今の景気対策云々っていうのは景気が悪化しているからそれを止めるために景気対策をするという話をしているのであって別に贅沢しようという話じゃないと思うんですけど、『子ども名義の借金でぜいたく』って発想がシバキアゲの香りが強烈に漂ってくるんですがねえ。

まともに財政超タカ派じゃないですかという所で。何だかねえ。

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2008/08/08

○小泉さんも柔軟対応してたと思うんですけどねえ

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080806/stt0808061953004-n1.htm
麻生氏の「PB先送り論」に秀直氏「路線転換は政局だ!」

・・・・まあ言わんとすることは判らんでもないのですが、小泉首相の時だって公約で「新規国債発行30兆円」と言ってたけど経済状況の悪化に対応してあっさり30兆円反故にしました訳でして、プライマリーバランス黒字化達成に向かうという舵取りそのものを変更させると麻生さんが言ってるわけでは無い中で路線転換とか言うのも何だかなって感じです。それじゃあ景気悪化しても財政再建路線堅持というのとどこがどう違うのかとツッコミ受けちゃうんじゃないのかなあ。

いやまあ政治的にあんな事情やそんな事情があるというのもあるからこの手の話を一々大きくしようとするのもあるんでしょうけれども、別にあたくし的好き嫌いを差っ引いても、麻生さんの発言そんなに無茶だとは思わないのですけれども。。。。。

いやまあそれだけの雑感ですけどね。

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2008/08/06

○ローゼン閣下キタコレ

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003008&sid=aBDDFWk_YqB0&refer=jp_politics

『8月5日(ブルームバーグ):自民党の麻生太郎幹事長は5日午後、党本部で報道各社のインタビューに応じ、日本経済の現状について「景気は後退に入っている」と述べ、後退局面に突入したとの認識を明らかにした。その上で、政府の経済財政運営に関して「財政再建のための増税はなかなかやりにくい」と指摘、「景気対策が優先されてしかるべきだ」として、財政再建のための増税論議は当面封印すべきだとの立場を示した。』

ということで、財政再建よりも景気対策が優先という当然のお話で、景気の現状に関しても厳しい見方ということですので、まあ変な逆噴射は起きなさそうで誠に結構。

『麻生氏は、2011年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するとの政府目標について、「今の経済状況では前より難しくなっている」とし、黒字化の時期を11年度から2、3年先送りすることも「選択肢としてあり得る」と語った。』

まーそれが現実的じゃないですかっていうか、景気が良くならないと黒字化もへったくれも無いですからね。

まっちーとしては立場上そこまではまだ言えない所でしょうが・・・・
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003008&sid=a8Rn0Ocb_PZA&refer=jp_politics

『8月5日(ブルームバーグ):町村信孝官房長官は5日午前、閣議後の記者会見で、政府が掲げてきた2011年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するとの財政健全化目標を先送りする考えはないことを示した。』

この黒字化目標先送りに関しては、扱いによってはすっかり忘れてた懐かしのネタでありますところの財政リスクプレミアムネタでひと勝負を掛ける(実際問題として財政リスクプレミアムって意味あるのかという気はしても、相場のテーマとして使い易いネタでございますので・・・・)動きが出てもおかしくはないので念頭の片隅くらいには入れとかないといかんかな、どうでしょうかね。

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2008/08/04

○内閣改造、自民党役員人事雑感

与謝野経済財政、伊吹財務ということですのでこれは債券を買っておけば良いということですね、わかります。

そんな次第ですので、まあ小泉チルドレン外しの香りが大変に漂う今回の布陣って世間的にはチョー受けが悪そうな感じがするのですが、ここまで開き直られると却って清々しいものでありまする。不人気覚悟のヤケクソ内閣というか何と言うか。

とりあえず金融担当大臣が茂木さんに代わったので、例の「金融士構想」は消滅という理解で宜しいかと思いまするが、茂木さん自体どういう人なのか良く分からんのでお手並み拝見。山本、渡辺と2代続いてどっかの外資コンサルにでも吹き込まれたかのようなロクでも無い構想(ほぼ妄想というか暴走)をぶち上げる大臣が続いたので、今回こそは普通の大臣であることを希望。

ま、あたくし的には(以前のログを読んで頂ければ分かると思いますが)郵政民営化構想の根本部分で賛成致しかねる所があるんですよね。あたしゃ現状の業態または国営状態で、郵便事業を継続し、金融事業は段階的縮小(廃止まで行くかは微妙ですけど)で、あくまでもミニマムアクセスの供給をする存在として規模を縮小すべしと思うんですが。「民間活力の活用」ってんだったら巨大企業を打ち込むんじゃなくて民間企業の活躍の場所と広げる方が筋なんじゃないの。

それは兎も角として、財政引き締め方向になると益々金融政策はやりようが無くなりますな。緩和しないといけない状況になるのは勘弁ですけど。

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2008/07/23

○またシステム障害か

昨日は東証がシステム障害。呼び値の変更をした株式が無事で先物オプション関連がシステム障害ってのも訳ワカメでしたが、何でも聞いた話ではそもそも板情報の配信が一部で障害が起きてるのに前場の取引を始めてしまい、その後結局板情報の配信障害を理由に取引止めたらしいですな。

・・・・・何っつーかね、債券先物のシステム変更もそうなんですけれども、最近の東証って勝手な「ユーザーニーズ」を脳内で作っているのか、それとも一部の人の話をホイホイ聞いてるのか知りませんけど、ちょっとやってることどうなのよという感じです。まさか上場企業になるから公共性より収益ですよって意識改革が(ry


○これは見事な火消しですね(棒読み)

15日の渡辺大臣様の会見
http://www.fsa.go.jp/common/conference/minister/2008b/20080715.html

『日本の金融機関もGSE(政府支援機関)債を大量に持っております。また、GSE債はアジア勢、なかんずく日中の官民で持っている部分がかなりあるわけです。したがって、この問題は対岸の火事というわけにはまいりません。我々としても、警戒水準を高くしてこの問題は注視をしてまいりたいと考えております。』(赤字強調は引用者による^^)

『ディスクロージャー(開示)が非常に求められることであろうかと思います。我々もきちんと警戒水準を高くしてウォッチをしてまいります。』(赤字強調は引用者による^^)

『私のところの(金融市場)戦略チームで調べましたところ、これはアメリカの財務省の方の資料でしょうか、GSE債といっても別にファニーメイ、ジニーメイ(連邦政府抵当金庫)だけではありませんが、GSE債のアジアの保有額が大体8,000億ドル位でしょうか、(具体的数値部分引用割愛)したがって、日中で非常に多くのGSE債を抱えているという現実があるわけでありますから、これはもう他人事ではないということであります。』(赤字強調は引用者による^^)

とまあそんな質疑応答(の答え部分の一部を引用してますが)があったのですが、昨日の会見では(まだ金融庁のサイトにはアップされていないのでロイターのニュースから)・・・・・・

昨日の記者会見記事(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/foreignExchNews/idJPnTK013799520080722

『渡辺喜美金融担当相は22日、閣議後の会見で、米国の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)など政府系住宅金融機関(GSE)の発行する債券を日本の金融機関が大量に保有していることに関連し、「GSE債を売るのはある意味で、自分で自分の首を絞める行動になる」との見方を示した。』

いやあこれは随分と迅速な火消しですなあ(棒読み)。

『GSE債は米国当局が支援策を打ち出したことから「債券そのものはきちんと保護されるというのが、この(市場の)世界の一般的な評価なので、その点は安心をしていいだろう」とした。ただ「金融当局として、民間金融機関に(GSE債を)売れとか売るなというつもりはない」と語った。』

15日は「対岸の火事」などとまるで対岸である所の米国様が火事であるかの様なコメントをしていた人がいたようですが(−−)。

『金融庁は、日本の金融機関のGSE債の保有状況を調査しているが、渡辺金融担当相は「エージェンシー債とモーゲージ債の保有の全体像がより明確になることが必要だ」との観点で調査していると強調し「こうした債券を保有することがまずいということではない」と指摘した。』

保有の全体像が明確になることが必要でも、売却するなとはこれまた蒟蒻問答もビックリの禅問答でございますな。

ちなみに、全然違いますが、債券先物が止まってるのおおごとなのに大臣様『デリバティブの売買システムに障害が発生したと聞いている。現物取引、立会外取引は可能なので、一番大きなところの障害は生じていない』ってどう見ても東証の舌先三寸釈明に担がれてますよ〜っと。


○このあたりの理屈が良く判らないのですが(超雑談ネタ)

http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/080722/wlf0807222349004-n1.htm
年金機構、処分者は不採用 厚労省、自民案丸のみ

年金問題に関しては社会保険庁ナンジャソリャという話も多いのですが、この部分に関しては何か釈然としない感がするんですが。

『機構に移行できず、再就職先も見つからない職員は、民間企業の解雇にあたる「分限免職」となる。』

この再就職先っていうのは無関係の民間企業という意味じゃなくて厚生労働省の関連部門での再就職という事のようですので、一種の配置転換にあたると思われるのですがまあそれは兎も角。

えーっとですね、処分は処分で一回行っている訳でして、その時点で片をつけているという理屈になると思うんですよね。で、まあその後の昇進やら配置やらに差が付くのはある程度仕方ないのと思うのですけれども、過去に処分があったことを理由に解雇処分をするのって2重の処分というか後からまた処分みたいな感じがするんですよね。昇進が遅れるとか配転を食らうとかいうのと解雇では中身が全然違う話だと思うんですけど、こういうのってアリなんですか(民間企業じゃないからそもそも微妙ですよね)、教えてエロイ人。(7月27日追記:過去の処分が妥当かという話はあるにせよ、これを民間企業がやったら普通に不当労働行為ですよねということで、分限免職は避けられるみたいですね、まあ当たり前か)

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2008/07/11

○やっぱりやる気満々なのかなあ・・・・・とほほのほ

東京金融街構想というのが出た辺りから「こいつら大丈夫か」と思わせる構想を打ち出す人が横行する金融関連の政治からのご提言の連発ではございまして、SWFとか勘弁してくれと思うのですが、より勘弁して欲しい金融士の話。

4月の末に打ち込まれて業界の大爆笑を買った「金融士」構想でございますが、業界の大爆笑を買ったことを意識してか渡辺大臣は5月9日の会見(5月20日の駄文でネタにしました)ではややトーンダウンしてこんな話をしてました。

『答) 資格を作ることを決め打ちしているわけでは全くございません。金融専門人材を養成するにはどうしたらいいだろうか、という問題提起をしているところです。懇談会においては、民間資格も含めて議論をしていただいたわけです。このような金融専門人材、なかんずくコンプライアンス関係に詳しい人たちがいろいろな分野に散らばって配置されていれば、コンプライアンス感覚の共有が相当できるようになると思います。発行会社にも証券会社にも自主規制機関にも、また監督当局にもそのような人材が散らばっていることによって、いわば生態系の秩序が維持されるようになると思います。そうすると行政のコストは肥大化せずに済むようになるわけです。』

この生態系の秩序って何じゃらほいとしか言いようが無いのですけれども、どうせ誰かの入れ知恵あわわわわ。

で、他の事調べてて国会会議録みてたんですが、5月29日の参議院財政金融委員会(直リンのアドレスが良く判らなかったのでリンク割愛します、すいません)で金融士ネタの質疑応答をしておったのですな。なお、発言番号25〜28部分になりますのでご覧になるかたはそのあたりを見てね。

『○大久保勉君(前半割愛)続きまして、いわゆる金融庁の職員の資質の向上ということがベター・レギュレーションでうたわれております。これに関連して質問をしたいと思いますが、金融庁や証券監視等委員会の検査官の質の向上は私は非常に重要だと思います。金商法ができて、実際にそれをいわゆるつかさどっていく現場といいますのは、検査官の質だと思っております。そこで、十分な金融知識を持った金融庁の職員、さらには銀行員、証券マン、さらには企業財務関係者の育成が日本の金融界の課題だと思っております。そこで、金融庁は、現在、金融士の資格制度を早急に創設すべきだということを考えていると聞いております。この金融士というのはどのような要件で選ばれるのか、また金融士はどういう仕事をするのか、この点に関して金融庁に質問をしたいと思います。』

釣り質問じゃないのでしたら大変に頭痛がするのですけれども・・・・と思いながらどこかでこんな話聞いたことあるなと思ったら、本石町日記さんのところでネタになってた「大機小機」の論調じゃんと思うあたくしなのでした。「さらには企業財務関係者の育成」ってあたりを見て思っただけなんですけどね(^^)。
http://hongokucho.exblog.jp/8719781/

『○国務大臣(渡辺喜美君) 日本に残念ながら金融専門人材が至る所に配置されているという状況にはまだなっていないと考えております。こういった金融専門人材が、共通のセンス、コンプライアンス感覚を持って、監督当局にも発行会社にも証券会社にも自主規制機関にも散らばって配置されていますと、世の中の生態系の秩序というものは非常に良好に保たれていくのではないでしょうか。そうした観点から、金融専門人材に関する研究会を設けまして、仮称でございますが、金融士といった資格の創設を含む基本的なコンセプト案をまとめたところでございます。(ということで以下例の金融士構想の話と同じなので大体割愛)仮称、金融士といった資格は、金融専門知識の習得の目標あるいは一定の能力水準のシグナルとして機能することが考えられます。公的セクターと民間セクター双方に幅広く人材が育成、確保されることで我が国金融の競争力の強化に資するものと考えております。』

とまあさっき引用した会見にもある「世の中の生態系の秩序」が出て参りました。どうも渡辺先生に置かれましてはこの表現がお気に入りなのでしょうが、正直何を言いたいのかが全く判らない表現でございまして、頼むから日本語はわかりやすくお願いしたく存じますと思うのであります。しかし「一定の能力水準のシグナル」って言われましても証券アナリストだってシグナリングの役に(自主規制)。

で、この提案はマジなのかギャグなのか判らないのですが。

『○大久保勉君 一つ、これは提案なんですが、金融大臣に質問したいんですが、金融士の資格を持った検査官にはいわゆる専門職として適切な俸給表を適用するとか、また、国税職員が退職後税理士の資格を持って活躍できるように、金融士の資格を持ったらそれなりに社会で活躍できるような仕事をつくったらどうかと思います。このことで検査官の質が向上し、また金融界の質も向上していくと思います。こういった提案ですが、どうお考えでありますか。』

本気で言ってるならこの先生証券会社に勤めてた時のことすっかり忘却してるようで、記憶方面に何らかの不具合があるのではないかと大変に心配でございます。

『○国務大臣(渡辺喜美君) そういう御議論は大いにあり得ると思いますので、今後検討してまいりたいと考えます。』

どう見てもやる気満々です。本当にありがとうございました。

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2008/07/07

○これは必見

またも人のふんどしなんですけど、SWFの件に関して厭債害債さんが論点の一つ一つを丁寧に撃破したエントリーをアップされています。全くおっしゃるとおりでございますし、コメント欄の中の人が指摘するように、最近の日経の論調がどうみてもSWF推進になっている(金曜にご紹介したように、朝日と読売はまだ懐疑的な部分があるようですけれども毎日は容認寄りですわな)のがどうもオソロシスですよね。

こんな馬鹿構想普通に考えて自民党がまともだったら途中でストップがかかるはずだと思うのですが、この構想推進してるのが何せ前金融担当大臣って所が頭痛のする所であります(この人現職にあったときにも「東京金融街構想」というどっかの不動産会社や外資金融に吹き込まれたとしか思えない馬鹿構想をぶち上げて市場の失笑を買っていましたが・・・)。現職大臣の「金融士構想」もそうですけど、金融担当大臣ってイロモノポストじゃないんですけど勘弁して下さい。

ということで、例の構想のどこがどうおかしいのかという厭債害債さんのエントリーは良く読むべしなのでありまする。ま、金融関係者じゃない人に読んでいただきたいと思うのでありますけどね。
http://ensaigaisai.at.webry.info/200807/article_3.html

全部同意なのですが、特にこのくだりは全く仰るとおりです。

『10兆円というのは半端な金額じゃないですよ。ここまでやろうとしているのだったら「だめだったら解散」はないでしょう。5年後はどうせ議員じゃないとか考えてませんか?無責任ですよ。』

『だめだったら今提案しているPTの人間が私財をなげうって弁償するんでしょう?少なくとも議員年金は返上でしょう?なんだか金持ちの坊ちゃんが外資系の運用会社の口車に乗せられて調子に乗っているだけと感じるのはワタクシだけ?』

あたくしは「商家のボンクラ跡取りが出入りの悪徳商人に騙されて身上潰す」という図を想像しました(^^)。で、別に身上潰すのがてめえの身上なら勝手に潰してろなのですが、潰す身上が人様(というか国民)の虎の子であるという所がもうフザケルナでありますが、運用で穴が開いたら推進されている議員様の私財全部と議員様の生命保険あたりで補填していただくという気合でもあるのでしたら是非推進していただきとう存じます。というかそのくらい大事なもんだと思うのに「10兆円くらいなら大した額でもない」と言わんばかりの話の進み方はあまりにも浅薄かつ無責任ですわな。

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2008/07/04

お題「SWFネタからその関連ネタでも」

北禿先生がボログで雇用統計の予想以上の悪化懸念とか言ったもんだから雇用統計が下振れせずに済みました。次は落ち短でも投げが良策でもお願いします。

で、雇用統計とかECB理事会とかネタにしようと思ったら思いっきり普通の結果にも程がある内容だったもんで書く程のことなし。とりあえずトリシェ日和ったですなあっはっはというところですか。

○わざわざ別組織にする必要があるのですか

http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPJAPAN-32563020080703
日本版SWFの設立を提言、公的年金を10兆円規模で=自民検討チーム

『提言によると、公的年金を運用する日本版SWFは100%政府出資で設立。ポートフォリオは、国内債券67%で、残る33%を無制限。これはGPIFとほぼ同じ運用比率。目標利回りはGPIFと同等の3.2%近辺とした。投資期間5年間で、実績が出なければ解散する。』

ということのようですが、それなら別にGPIFの中で別部隊を作ってそこの部分だけ法手当てでもして運用の縛りを緩くするようにしたって同じ事じゃねえのかと思うのですが、わざわざ手間隙掛けて別の組織体を作る理由がさっぱりわからん。というか別部隊作らんでもどっかに委託すりゃ良いだけじゃねえの。

『自民党の検討チームは、人材の専門性などでGPIFの運用に問題があると指摘。大部分がパッシブ運用しかできない制約があるほか、世界の主要な年金基金はプロに運用を任せているとして、日本の公的年金についてもより高い運用実績を確保するため、プロに運用させる日本SWFの設立を提言した。』

そもそもこの部分の認識が無茶苦茶(詳しくは厭債害債さんのところに暫く前にございましたので^^)であって、またどうせ年金運用の委託をゲットしてウマーとか狙ってるどこぞのバカチン共の入れ知恵にそのまま乗ってるだけでしょと思いますが、そーゆー話がノンストップで進行しちゃう(誰か止めないのかよ)ところが困ったもんだというか政治の劣化というか。小選挙区比例代表ってのもう止めたらと思いますよ。

しかしロイターの記事見ててこりゃ何じゃと思ったのはこの部分。

『公的年金の利回り向上策をめぐっては、経済財政諮問会議のグローバル化改革専門調査会(会長:伊藤隆敏・東大大学院教授、経済財政諮問会議民間議員)が5月23日に報告書を発表した。GPIFに専門家を採用して、運用の効率化と収益の最大化を図るべきとする報告をまとめている。』

『諸外国の公的年金基金の過去5年間の平均収益率をみると、ノルウェー(積立金額36.2兆円)が6.9%、スウェーデン(同14.6兆円)が7.5%、カナダ(同12.9兆円)が10.4%。これに対して、約150兆円の積立金を運用する日本は3.5%にとどまっている。』

この5年間の金利水準も株価水準も全てスルーしたこの書きっぷりは思いっきり無意味だというのは金融関係者なら普通に判る話でありますが、何とこの記述は専門家向けの情報ベンダーで配信されている記事にも同じように書かれてましたんですよ。どう見ても無茶苦茶なお話を記事で堂々記載するという神経は如何なものかとしか申し上げようが無いのでして、こんなの業務中に(ちなみに情報ベンダーで配信されたのは昼頃)見せられたら強烈に脱力するんで勘弁して下さい。というかそういう記事を流すから契約(以下悪態が禿しくなるので自主規制^^)。あ、何とか調査会の報告書に書いてあったのをそのまま報道したという言い訳は言い訳になりませんよロイターさん。


○年金運用が赤字ですねえというニュースの報道っぷり

今朝の一般紙では昨年度の年金運用は食らっちゃいましたねというお話が各紙にあったようです。で、新聞じゃなくてネット版で見るのが誠に恐縮ですが、各紙の比較をしてみましょう(ただし一部の全国紙のみです)。

・YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080703-OYT1T00915.htm?from=top
年金運用が5兆円の赤字、サブプライム直撃で…07年度

『積立金の運用主体は「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」。厚生労働相から委託を受け、厚生年金と国民年金を合わせた積立金約150兆円のうち、現在約90兆円を市場で運用している。運用方法は、約6割が国内債券、約3割が国内・外国株式だ。』

『07年度は、第1四半期(4〜6月)こそ2兆3752億円の黒字だったが、サブプライムローン問題が表面化して以降、第2、第3四半期でそれぞれ1兆6328億円、1兆5348億円の赤字となり、第4四半期でさらに赤字幅が拡大した。

『運用益の一部は年金給付に回るが、06年度末の累積黒字から今回の赤字を引いても7兆円程度の黒字があるため、GPIF関係者は「今のところ、年金財政全体に大きな影響は与えない」としている。GPIFはこの実績を4日に公表する。』

『積立金の運用をめぐってはこれまで、年金給付に回す額を増やそうと、より高い利回りと運用益確保を目指す声が相次いでいた。株式での運用割合の引き上げや、GPIFの組織体制見直しによる運用能力の強化などが代表的な意見だ。』

『しかし今回、株式市場の低迷を受けた巨額の赤字が明らかになったことで、リスクの高い株式の比重を増やすことへの慎重論と、組織強化を求める積極論の双方が強まることが予想される。』

ということで(最初のほうの引用割愛してますが)、まあ過去の累積収益の話もしてますし、どういう運用してるかという話をしてるのでこんなもんかなという感じです。で、SWFどうのこうのに関する話については上記の通りでありまして、『しかし今回、株式市場の低迷を受けた巨額の赤字が明らかになったことで、リスクの高い株式の比重を増やすことへの慎重論と、組織強化を求める積極論の双方が強まることが予想される。』というのはそうですねえという所です。


・asahi.com(朝日新聞)
http://www.asahi.com/business/update/0703/TKY200807030497.html

SWF関連のところはこんな記述に。

『公的年金の運用を巡っては、経済財政諮問会議の民間議員や自民党のプロジェクトチームが、民間の投資専門家を登用してより高い収益を目指すことを提案している。だが、運用成績の悪化を受け「より安全度の高い運用を」という慎重論も出てきそうだ。 』

ふむふむなるほど。で、運用状況に関する説明は中々結構。

『積立金は01年度から本格的な市場運用が始まり、07年度は積立金約150兆円のうち91.3兆円を運用した。リスクを下げるために分散投資しており、内訳は国内債券56.9兆円、国内株式13.8兆円、外国債券9.7兆円、外国株式10.9兆円。株式市場でも市場平均並みの収益を目指す堅実な運用を基本とする。』

『07年度の市場の動きを示す基準指標(ベンチマーク)は、日本の株式市場は約3割のマイナスで、外国株式も円高の影響もあってマイナス17%だった。国内債券は3.4%のプラスだったが、同法人は「02年度のITバブル崩壊時に匹敵する国内・外国株式の大幅なマイナスを補いきれなかった」としている。マイナス6.4%の運用利回りは、02年度のマイナス8.46%に次ぐ低さだ。』

ちゃんとベンチマークの騰落について説明している(何となくGPIFの説明をそのまま口伝しているような香りもしますが^^)のは報道としてのバランスが取れていると思います。

『同法人によれば、運用資産に占める株式の比率が公的年金よりも高い民間の企業年金の07年度運用実績はマイナス9.7%、大手生保各社の団体年金も13〜16%のマイナスとなっている。一方で、積立金運用の累積収益は7.4兆円とプラスを維持。年金財政に大きな影響を与える運用利回りと賃金上昇率の差(実質運用利回り)も、01年度以降の平均では2.66%と目標の1.1%を上回っており、同法人は「当面の年金財政への影響は限定的」としている。だが、運用環境の悪化が長期間続けば、将来の年金の給付水準低下につながる可能性もある。』

何か益々GPIFの説明の口伝っぽいですけど(笑)、まあ徒に不安を煽るような記事になっていないのは結構じゃないでしょうか。


・毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/today/news/20080704k0000m010148000c.html

この説明は酷い。

『年金積立金の運用は厚生労働省の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が手がけているが、自民党内には政府系ファンドを創設し、年金資金10兆円を高利回りで運用させる提言もある。GPIFの赤字運用が続けばそうした構想が具体化する可能性もある。』

読売、朝日の説明と思いっきり真逆なのですが、そもそもこの記事書いてる記者さん「高利回りで運用させる提言」っていう「高利回り」の意味が判ってないでしょと思うんですが。

で、どのような市場環境のもとで運用の結果どのように赤字になったのかという説明はろくすっぽなくて、辛うじてましなのは最後に『これまでの単年度の市場運用損は、02年度の2兆6000億円が最大。ただ、06年度末時点の累積収支は約13兆円のプラスとなっており、07年度末の累積収支は7兆円台の黒字を維持している。』となっている部分くらいですかねえと言う感じ。

・NIKKEI NET(日経新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/

・・・・どうもネット記事の更新が遅いようで、朝6時の時点では載ってませんでした。


ということで、日経はおいとくとして(本当はSWF推進の片棒を担いでいる香りが非常に漂う日経の記事も見たいのですが)他の3紙を見ますと、記事内容的には朝日>読売>>>>>毎日と言ったあたくし的な評価になりますけどどうでしょうか。



○人のふんどしコーナー:専門家は転職するなということですね!

いつものように厭債害債さんのところから。
http://ensaigaisai.at.webry.info/200807/article_2.html

『処分理由のひとつにあげられている「採用後間もない職員に対する情報の中枢部門への配属」という点が問題となるのであれば、専門家の中途採用などありえない、ということになる。本当にそれでいいのか?たとえばクレジットの専門家を中途採用しても即座に審査部門やM&Aに配属してはいけないということか?では誰がそういう案件を担当するのか?』

えええええ!そりゃ困りますなあとか思ってエントリーの中にある処分内容のリンクを見たんですが。
http://www.fsa.go.jp/news/20/syouken/20080703-4.html
えーっと・・・・

@社内の情報管理態勢に全く問題がなかったとは言えないこと

・職員の職業倫理に関する研修の実効性等の問題
・コードネームの使用の不徹底、ホワイトボードの記載方法の不統一
・採用後間もない職員に対する情報の中枢部門への配属

(機種依存文字を使用してますが原文ママなので勘弁してね)

ということですので、害債さんご指摘のように、そんな部門に外部採用の人をいきなり登用したら駄目だって事ですね!トレーディングのフロント業務とか運用のファンドマネージャーとか持っての他ですよね!

というか部長だの執行役員だのって情報の中枢部門になると思うのですが、そういう所にも採用後間もなく配属しちゃいけないということですね!

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2008/06/25

○政府部門はつらいよ、ですかねぇ

日銀のページの新着情報を見たら『財務省の政策評価結果(日本銀行に関する部分) (PDF, 54KB)』などというものがあるではございませんか。

http://www.boj.or.jp/type/etc/zhyoka19.pdf

・・・・・政策評価って業務運営の適切性に関する評価ですね。冷静に考えたら当たり前ですな(^^)。で、その4ページ目を見ますと政府部門って大変ですねと思った部分が。『(3)組織運営に係る状況』ってところなんですけどね。

『平成19 年において、米国におけるサブプライムローン問題が表面化し、国際金融資本市場が不安定化したこと等を踏まえると、日本銀行にとって、従来以上に広範囲な市場や多様な市場参加者の動向を的確に調査・分析し、情勢判断に磨きをかけていくことがますます重要な課題となってきています。』

で、途中を割愛して。

『また、日本銀行は、「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」(以下、「行政改革推進法」といいます。)等の趣旨を踏まえ、人員の純減に努め、平成19 年度において、対18 年度比で59 人の減少(減少率1.2%<役員の欠員2名を除く>)となりました。』

前半で求められる仕事が広く深くなってますって話なのに、後半では人を減らしてますって話をしてるので、中の人の負担がダブルで大変になりますねってことですかいな。「政府は人減らせ」のポピュリズム大合唱にもお答えしないといけない訳でして、いやもう政府部門の第一線で奮闘している皆さん大変ですなあと思ってしまいましたよ。

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2008/06/20

○その他雑談

上に書いてるのも雑談でしょうと言われるとぐうの音も出ませんが(^^)。

・毎度おなじみ人のふんどしコーナー

厭債害債さんまたも勉強にさせていただいております。
http://ensaigaisai.at.webry.info/200806/article_10.html

何か公的年金運用とかへの批判って「日本はダメだ」っていうステレオタイプというか自虐がデフォルトで存在して、それを基本にして「だから海外(だいたい米国)様の素晴らしいものを取り入れるべきだ」っていう話になるんですよね。あたくし的にはこの手の言説読むと何だかなあって思うところが丁寧に指摘されててスッキリ致しましたです。はい。

bewaadさんの今回の更新も面白かったです。色々な意味で(^^)。
http://d.hatena.ne.jp/bewaad/


以下新聞ねたから恐縮ですが。

・民主党ウォッチ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080620-00000155-mai-pol
<日銀人事>池尾氏起用に「不同意」示唆…鳩山幹事長

何という無定見な。というか国民新党にこんな力があったとは(驚)。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080620-00000992-san-pol
山岡・民主国対委員長「歴史的国会で満点以上」 連戦連勝と自賛

えーっと、過ぎたるは及ばざるが如しですね、判ります。


・新銀行東京

http://www.asahi.com/politics/update/0620/TKY200806190301.html
新銀行東京、外国証券で21億円の含み損

『05年9月と07年1月に3種類の外国証券を計115億円で取得したが、08年3月期の価値は93億7600万円に落ち込んでいたという。』

『都は「サブプライム問題から派生した市場の混乱が原因。損失は新銀行だけ突出しているわけではない」としている。』

どう見ても開き直りです本当にありがとうございました。と思ったらさすがに議会からもこんな指摘が。

『しかし、都議会からは「中小企業支援の本業から離れた所でも多額の損失を出し、銀行の存在意義が問われる」と批判の声も上がった。』

そりゃそうですな。新銀行アホスとしか言いようが・・・・

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2008/06/17

○オルタナ投資も程ほどに

例によって厭債害債さんの所から。
http://ensaigaisai.at.webry.info/200806/article_6.html

いやあもう後半部分の商品市場に突っ込む年金基金に関する話とか「合理的経済人」の問題とか市場の失敗の問題とか、一々仰る通りでございますというか、あたくしこんなにきちんと考察できないので大変に勉強になりましたです。

排出権取引に関してもその胡散臭さ爆発振りに関しては全く同感。

で、エントリーのこの部分ですが、いやあ確かにそうですねって感じなのですけれども、収益上げに行って結局自分や受益者の首絞めるとはなんという皮肉な展開って感じですよね。

>さらにいえば、マーケットサイズを考えもしないで投資を行った結果、
>必要以上にインフレを高騰させ、株や債券を暴落させてしまったら
>全体としてのパフォーマンスにはマイナスになります。これは受益者
>に対するフィデューシャリー(善管注意義務)を果たしたことになるの
>でしょうか?年金受給者にとってインフレは敵ですが、彼らにとって
>は利益相反行為にならないでしょうか?

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2008/06/13

○もっとそういえば池尾先生

衆議院では池尾先生の日銀審議委員選任に関して承認が得られたようなのですが、参議院は放置プレイ。民主党は当初承認すると報道されていたのですが、国民新党が反対するので反対とかもうアホかと馬鹿かと。そりゃ福田首相だって「誰と話をしていいか判らん」と言いたくなります罠。

しかもその理由が郵政民営化推進だからってあのそれは金融政策と全然関係ないのですけど勘弁して下さい。昨日銀イオンの消臭だか脱臭効果が科学的関連なく、根拠なしという事で公取がどこぞの企業に排除命令だしてましたけど、公取様におかれましては「金融政策と郵政民営化の関連性に科学的根拠は無い」ということで国民新党に排除命令出しといてくださいませ。

ちなみに、郵便事業じゃないほうに関しましては国営を維持しながら規模を縮小すべきで、巨大なままで民営化は民業圧迫にも程があるし、規模でかすぎでマーケットインパクトが巨大なので民営化論者が言うような「民営化したら効率化」というのはこと金融事業の部分に関していえば?が百個くらい付くんですけど(財政融資資金の金利ミスマッチを殆ど無くすことが出来るっていう主張に対する???と同じ理屈です)ねえと思いますけど、それと審議委員就任云々に関しては別問題にも程がありますわな。

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2008/06/05

○これは素晴らしい芸風ですね

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080603/biz0806032038014-n1.htm
東証上場の中国企業社長、私的に預金流用

>ア社は昨年4月、東証のアジア企業誘致に対応して上場した初の中国企業
>ア社は昨年4月、東証のアジア企業誘致に対応して上場した初の中国企業
>ア社は昨年4月、東証のアジア企業誘致に対応して上場した初の中国企業

ま た 初 物 か 

・・・・ていうかですね、そりゃまあ新興企業だから玉石混交なのは仕方ないんですけれども、マザーズ上場第1号銘柄が2つございましたがそのうちの一つの社名が当時はリキッドオーディオジャパンでしたけど、毎度毎度の如く「新企画」をやるとその第1号案件で大コケするというのは最早伝統芸能の域に達しておられまして大変にファンタスティックな状況でございます。

本質的に何か問題があるんじゃないですかね。PDCAとかちゃんとやってますか東証さん??


○これは良い国会論議ですね

日銀の半期報告ですが、報告やっただけで質疑が後日送りになっておりまして、質疑が行われましたのが5月27日でした。その会議録が(たぶん)昨日アップされたのでざっと読んで見ましたですよ。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0105/169/16905270060012a.html

量的にはやたらめったら長いので紹介するのも大変なのですけれども、この質疑応答は全般的に「白川先生のゼミ」みたいな感じで質問するほうも好意的だしあまり無茶苦茶ないいがかりみたいな質問も(無い訳でもないのですが)ない割と前向きな論議で読んでて結構でございました。

ということで、まあ読むとオモロイのですが、多くの部分が白川総裁への質疑(途中に預金保険機構理事長への質疑などがございます)となっておりまして、まともに読むと30分じゃ効かなく時間を食うと思いますのでその辺は適当に。でもまあ良いのではないでしょうか。

などと褒めてばかりでは面白くないので、変な視点でおもしれえと思ったところを少々ご紹介。

・政務調査費あるんだから買えよ

1番バッターの民主党の尾立源幸委員の質問(どうでもいいのですが、民主党・新緑風会って名乗ってないのはあたくしが知らぬ間に院内会派に変更あったのかな・・・と思ったら川崎稔委員の名乗りが「民主党・新緑風会・国民新・日本」って言ってるから変更はないみたいですが)の一部から引用。

『ちょうどタイムリーに、総裁、教授時代にこの本でき上がったということで、三月の十七日の出版でございます。「現代の金融政策」というタイトル、川崎議員はもうお買いになったということで、私は図書館から借りてきたんですが、六千円ぐらいでちょっと高いと言っておりましたけれども、この中で非常に独立性についてすばらしい議論がされておりますので、この点をちょっと深掘りをさせていただきたいと思います。今お配りをさせていただいておりますのが、そのコピーをさせていただいておりまして恐縮でございますが、BOXという囲みで中央銀行の独立性指数というすばらしい研究成果でございます。』(尾立源幸委員)

とりあえず図書館から借りてきたものコピーするのは立法府のお方として何とも微妙ですなあと思われるのでありますが、とだけ書くと不公平なのでもう1人買っていない人がおいでなようですのでご紹介すると自民党の田村耕太郎委員でした。

『私も民主党の先生方に負けないようにこの本を借りてきまして、』(田村耕太郎委員)

ま、コピー配って回らないからだいぶマシですけど、6000円の本くらい買えよおまいらと思ったら、最後に質問した共産党の大門実紀史委員の発言にワロタです。

『御本も買わせていただきました。六千円という少々高い本ですけれども、その価値はあるなと。もうこんなに附せんを付けて、私が一番熱心に読んだんじゃないかと。図書館から借りている場合ではないと申し上げておきたいと思います。』(大門実紀史委員)

・・・・・(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)


・これはまた財務省に理解のあるお話

2番バッターの民主党の大久保勉委員が、日銀の国際的な貢献とかのお話をして、その中で国際的な機関でもっと活躍する人材を養成すべきであるというお話をしているのですが、財務省の丹呉さんに財務省から国際機関に派遣している職員について質問した流れでこのようなお話を。

『この数字が明らかですが、財務省はやはり歴史的な意味で非常に強い、若しくは人材もいっぱいいるということです。ですから、日銀も是非努力して、六十名とは言いませんが二、三十名国際機関に出向できるようになり、そのうち二割か三割は管理職として、いわゆる将来の議長として職務を全うするだけのいろんな能力を高めていったらいいと思います。』(大久保勉委員)

で、その続きが何とも。

『こういった財務省の人材を見ましたら、こういった人材も日銀の総裁、副総裁等に活用できるのか、あるいは理事として活用できるのか、こういったことも是非考えるべきだと思うんですね。』(大久保勉委員)

・・・・・あれ、この前までそちらの政党様は財務省出身者を欠格事由であるかの如き話をしてましたがどういう風の吹き回しでしょうか???


・で、まあ白川さん個人には好意的と

質疑の内容は色々とございまして、景気認識やら金融政策の話とか、先ほど申し上げた国際貢献の話やら総裁の公用車が高級過ぎだという話とかございますが、ちょうど著書が出たタイミングというのも良かったのか、白川さん個人に対してはまずは好意的なスタートのようで良かったんじゃないでしょうか。皆さん総じてそんな感じですけれども適当に引用するとして大久保さんの質問から。

『私の感想ですが、これまで白川総裁とやり取りしまして、前の福井前総裁とは大分違いまして、非常に安定的、そして言っていることが明快で、事務方としては非常に安心できるのかなと思います。まあちゃめっ気とか若しくはサプライズが少なくて、この辺り、新聞記者と話をしましたところ、過去の記者会見で居眠りをしている方がいらっしゃるということも聞いておりまして、非常に活性化した議論も必要かなと思います。』(大久保勉委員)

大門さんの質問から。

『私なりの感想を述べさせていただきますと、とにかく分かりやすいですね。非常に分かりやすい本でございますし、もっと広く読まれていいと思いますし、非常に基礎から分かる金融政策みたいなことと、何といいますかね、ちょっと実録的な日銀論みたいなものもありますし、大変もっと普及すべき、この委員会の指定文献ぐらいにしてもいいじゃないかと思うぐらい本当に思うんでございます。問題意識も、私がずっと速水さんから福井さんにわたって質問してきたところと重なる部分もありますし、もちろん違うところもありますけれども、本当に白川さんらしい本だなというふうに思っております。』(大門実紀史委員)


・じゃあまあ引用のまとめ代わりに

大門さんの質疑では輪番オペにかんする部分もあって、そこの説明もちゃんとしていたのですがまあそこは割愛しちゃいまして、さっき引用した質問の続きの部分を引用してまとめっぽく。

『この白川総裁の本の前書きにもありますけど、やはりこの数年間は何だったのかということを私も同じように問題意識を持っておりますんで、今日は、個々の金融政策、これから何度もお聞きする機会があろうと思いますので、若干、この数年間何だったのかという総括的なことも含めて、基本的なこれからの総裁のお考えを聞いていきたいというふうに思うわけでございます。』

『私は、白川さん、理事のときから御存じだと思いますが、基本的に日銀にずっと質問してきたのは、速水さんのときからそうですけど、日銀の独立性にこだわっていつも質問してまいりました。もちろん中央銀行と政府が協調するのは当然のことでございますけど、この数年間、かなりそれを超えたことがあったんではないかなと思って、心配も含めて質問してきたわけです。』

『いろんな議論がありましたけど、要するに、財政支出はもうできないと、景気対策としても財政支出はできないから金融政策でやれと、日銀がやれと、少々無理なこともやれというふうな時代が続いて、一時は、言うこと聞かなければ総裁首だと言わんばかりの与党の一部の方の大変ヒステリックな質問がこの委員会の場でもされたのを強く記憶しております。その後、私が質問して、そんなこと、言うこと聞かなくていいという反論の質問を何回かした覚えがあるのがこの委員会での流れでございました。』

『白川さんもこの本の前書きの中に、そういう時代とはおっしゃっていませんけど、とにかく今は冷静に議論ができるときになったとおっしゃっておりますけど、どうなんでしょう、振り返って、あのときはやっぱり冷静な議論がされなかったというふうにとらえていらっしゃるんでしょうか。』(以上、大門実紀史委員)


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2008/06/04

○まあどうでもいいのですが

NIKKEI NETで見かけた記事なんですが。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080603AT2M3101303062008.html
信用リスク取引CDS、欧米金融が決済機関

ということでCDSの決済機関作るとかゆうとる訳ですが、CDSってトリガー引くといきなりどっちかが元本を実質的にお支払いの世界になるので、普通の金利スワップや先物とは話のレベルがちと違うような気がするんだが。この決済機関の信用力維持の為に幾ら資本が必要になるんだか。

こんな共同ケツ拭き機関の設立に際して何故か日本勢に奉加帳が回ってくるに100ドン・・・・というより上述の理由によって必要なキャピタルが莫大になるので決済機関なんぞ無理あるでしょ。仮に出来ても今回のような騒ぎになってどこかの大口業者が飛んだら取引所とやらが耐えられないっしょ。

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2008/06/03

○ネタがないときには国会会議録

と思って日銀の人が登場する国会会議録でも見ようと思ったのですが、最近の会議録が全然更新されていないのでネタがねえ。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0116/169/16905160015007a.html

と思ってたら参議院決算委員会で日銀関連じゃなくて財政投融資貸付の証券化に関する社民党の又市征治委員の質問を査収したもんで。

あ、ちなみに財政投融資貸付の証券化に関してですが、財政投融資特別会計を証券化によってディスクロに晒し、透明化の推進を図るというような意味では結構でしょと思いますが、純経済的にはコスト掛けるメリットがイマイチ良く判らんというのがあたくしの感想なのですが、不勉強にも程があるのでツッコミ希望です。

で、又市センセイに置かれましてはその論点だけ話せば良いものを、最初に思いっきり訳の判らん話を持ち出しているので、どうみてもアホアホ質問にしか見えないという大変に残念というか素敵な質問になっております。質疑は上記URLのほぼ最後です。

『○又市征治君 私は、昨年四月のこの委員会でも当時の尾身財務大臣に、本来国民の税金で形成された財政融資資金という資産を危険なマネー市場に投ずることや、一口が一億円という大口の売買であり、一般国民には全く縁がない、証券業界を利するだけだからということで反対だということを警告を申し上げました。しかし、残念なことに、今お話がありましたように、財務省は一千億円を売り出してしまったわけでありますけれども。』

なるほど、では国債の消化も一口が一億円どころではない大口の売買で一般国民に全く縁が無い危険なマネー市場で行われていますから罷りならんと。国債は個人向け直接販売以外に発行しちゃいけないんですね!

『そこで大臣にお伺いしますが、米国のサブプライムローン問題はまさに証券化が生んだ問題で、今米国政府は後始末の追加融資に追われている、こういう状況ですね。証券化の共通点というのは、個別の債権をいったんばらばらにした上でミックスして売り出すということでありますから、この結果、その証券は債権者がだれか特定ができない、転売され、だれがばばをつかまされたのかも分からない、こういう仕組みですね。サブプライム問題は、こういう証券化メカニズムの本質、マネーゲーム性が露呈をして信用不安が連鎖的に金融界全体に拡大したと思うわけですが、この点については、大臣、どのように御認識なさっていますか。』

なるほど、財政投融資資金の貸付はサブプライムローン並みに信用力の無い貸付を行っていたんですね!でもそれを証券化して販売したら国のリスクを民間に押し付けられると思うんですけれどもそれでもダメなんですかそうですか(笑)。

で、まあ当たり前ですが額賀大臣の答弁はこうなります。

『○国務大臣(額賀福志郎君) 財務省といたしましては、今回の財政融資資金貸付金の証券化について、裏付け資産が十二の政府関係機関向けの貸付金でありまして、極めて高い信用力を持っているということで、委員がおっしゃるサブプライムローンを裏付け資産とした商品とは、その裏付け資産の質等の差から全く違うものであると市場の皆さん方は受け取ってくれていると思っております。いずれにしても、財務省としては、今後とも市場の状況をよく見守りながら証券化を実施してまいりたいというふうに思っております。』

そして又市先生なおも爆走(笑)。

『○又市征治君 サブプライムローンと全く関係ない、性格が違うというふうにおっしゃったんですが、実際に財融の借り手である、例えば夕張市のような自治体や政府関係機関、例えば旧公営企業金融公庫や国民金融公庫だって、今の新自由主義政策の下では政府保証から切り離されて破綻の危機にさらされることがあるわけです。証券保有者はそういう不安を言い立てて政府にリスクの肩代わりを求めてくるということは当然あるわけでありまして、そういう意味で私はサブプライムと余り大差ない、このように思います。』

百万歩譲って財政融資資金の貸付先が支払い不能になった(ならないというのが基本ですが、為念)としまして、証券化しなかった場合は財政融資資金にそのケツが回ってくる訳ですから、証券化したものを買った投資家が発行体にケツ持ちを依頼する(それって何の証券化ですかという話はここではスルー^^)のであれば同じ事ですが、他に何か深い意味があるのでございましょうか。というかお前新自由主義政策って言いたかっただけちゃうんかと。

『そこで、このことは答弁求めませんが、私が述べたこのリスク面というのは、殊更、何も野党だから我々は言っているんじゃなくて、財政審の小委員長も務められた富田教授を始め専門家の意見でもあるわけですね、これは。』

多分野党だからじゃなくて馬(以下自主規制)。反対する理由は全然別の筈なのにこんなところで名前を出されて富田先生カワイソス。


・・・・で、まあここで切ってしまうとただのアレな人になるので、一応又市先生の名誉の為にこの先を引用しますと、ここから先の話では基本線としてコストを掛けるメリットがどこにあるのかをもっと明確に説明しやがれという話になっております。それだけ質問しとけばよいのに・・・・

『また、財務省の内部でも反対論があった、こんなふうにお聞きをいたします。財務省の答弁、これまでの答弁でいえば、ひたすら金融変動リスクの軽減、この一点張り、こういうことでの答弁ですね。しかし、私、このことについて幾つか具体的にお聞きをした。』

『例えば、財融は原資が国債なんだから、金利は両建てであり、相殺されるんじゃないですか、こういうふうに反論したら、おおむねこれは肯定をなさる。あるいは、割引して売り出さねばならないから、財融特別会計にコストが発生するんじゃないですかという点についても、これは肯定をなさる。さらに、大量の売出しによって、住宅ローンなど他の証券とバッティングして値崩れするんではないのか、こういう民間の観測についても、財務省としては一定程度これについても肯定をされてきたんじゃないのか。』

『としますと、もうほとんど無理にこれを証券化する理由というのはないんじゃないのか。どうしてもやらなきゃならぬ理由というのがそんなにあるのかということなんですが、この点どのようにお考えですか。』

で、この質疑暫く続くのですが、質問の端々に「証券会社は悪」「市場はマネーゲームをするケシカラン所」というような大変素敵なイデオロギー丸出しの部分がありますので、読んでいると実にこう何ともアレな物を感じる次第でございます。何だかな〜って感じですわ。

しかしどう見ても社会党の末裔である筈の社民党の質問が共産党の質問と比較するのも(共産党に)失礼なほどレベルが低いのはどうなのよと思うのですけれども。


○ちょっとした疑問なのですが

引用するのは大和投信のページですが、ツッコミの対象は大和投信じゃなくてFTSEですので念のため申し添えます(^^)。

http://www.daiwa-am.co.jp/doc/news/news_20080527_2.pdf

話題になってましたからご存知の方も多いかもしれませんが、イスラムの教えに抵触しない商品・サービスを扱う企業群を指数化した「FTSEシャリアジャパン100」というのに投資する商品がシンガポールで上場されたってお話が先日ございましたわな。上記URLは日本語版のリリースです。

で、そのシャリア指数なんすけど、上位10銘柄に関して上記リリースの3ページ目に出ていまして、シェア第3位でベンチマークウェイトが4.5%ある銘柄を見てあたくし物凄く不思議に思ったのでございますけれども。

http://www.nintendo.co.jp/n09/index.html

念のため外務省の海外安全ホームページで確認したんですが。
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info4_S.asp?id=046

・・・・まあこれってイランの例だから必ずしもという所なんでしょうけれども、トランプとか花札とか麻雀牌を製造する会社ってシャリア適格なんですか?あたしゃ正直良く判らんのですけれども誰か教えてくださいませプリーズ。

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2008/05/28

○また不同意ですかそうですか

池尾先生が残り任期の少ない方の日銀審議委員をお受けになられるというのにアホウな事前報道でまた台無し。いやもう呆れて何も申し上げる気力も沸きませんが、読売新聞報道の一連の流れをネット記事で見るとある意味バロス。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080527-OYT1T00275.htm

『ところが、日銀政策委員会審議委員の1人に池尾和人慶大教授(55)、預金保険機構理事長に現職の永田俊一氏(64)を再任する2ポストの人事案が27日付の読売新聞朝刊などに掲載されたことに、野党側が強く反発。西岡武夫参院議運委員長(民主)が提示を受け付けない考えを示したため、政府はいったんは27日の提示の先送りを決めた。』

『西岡氏は先の臨時国会でも、朝日新聞が国会同意人事案件を事前報道したことに反発、人選を変更しない限り、参院本会議の議題としない考えを示し、政府は一部人事案を変更した経緯がある。笹川、西岡両氏はこの際、人事案が事前報道された場合は、原則として提示を受け付けないことを文書で確認している。』

・・・・いやあのそういうのが有るの知ってるんだったらお前ら報道自粛しろよと思うんですけれども。ミンスの反発に最初アホかと思いましたが、こういう取り決めしているんだったらそりゃ差し替えになるわな。で、今朝の社説。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080527-OYT1T00709.htm
同意人事騒動 「事前報道」規制は削除せよ(5月28日付・読売社説)

まあ言わんとすることも判らんでもないが、そんなら最初の報道の時点で「このような事前報道規制のような確認事項があるが、本件は国の政策に重大な影響を及ぼすものなので報道しました」って言えよなと。

でもさ、国会に提示する前に新聞辞令をだすほど急いで報道しないといけないネタなんですか、この人事関連のお話って・・・・・


○株取引は悪ですかそうですか

一部のNHK職員によるインサイダー取引は論外ですが、この調査結果の報道のされ方には何か引っかかるんですよねえ。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080527-OYT1T00588.htm
NHK職員81人が勤務時間中に株取引…第三者委報告

『過去3年間にさかのぼり、株式の保有や取引状況について、すべての役職員と報道用端末の閲覧権限を持つ契約スタッフら計1万3221人に質問した。これに対し、75人が出社から退社までの間に株取引をしたと認めた。』

・・・・えーっとですな、最近はホームトレードという便利なものも大いに普及してますから深夜や早朝にも株式売買の発注をすることは可能ですけれども、証券会社に株式売買やら投資信託の発注をしようと思ったら普通は「出社から退社までの間」にやる(昼休みだって勤務時間中でしょ)ことになると思うんですけれども物理的に考えて。

そりゃ勿論延々とデイトレとかやらかすとか、毎日株式売買に血道上げているというのは論外ですけれども、個人の資産形成の為に株式をたまに売買する注文出すのも悪のような報道のされっぷりに相変わらず株式売買に対する偏見を感じて落涙を禁じ得ないものであります。それがダメです処分対象ですというのであれば、昼休みに銀行行って金降ろしたり振込みをするのだって、職場に保険の外交員のおばちゃんがやって来て保険契約するのだって処分の対象じゃんよと思うのは株屋の僻みですかそうですか。

いやまあこの調査機関様がどういう文脈で調査してるのかは公式発表の方を見ないと行けないんですけれども、何かこの報道のされっぷりを見ると如何にも「株式取引はケシカラン」的なものが底流にあるようで、何かこう何だかなあって感じになりまるのは株屋(以下同文)。

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2008/05/21

○人のふんどしシリーズその1:証券アナリスト協会の決算

月曜にあたくしがしょうもない悪態をついた証券アナリスト協会様でございますが、厭債害債さんが物凄くちゃんとしたツッコミを入れていました。あたくしのチンピラゴロツキなツッコミクオリティとは大違いでもうアセアセでございますがな(^^)。

証券アナリスト協会の決算について噛み付いてみる
http://ensaigaisai.at.webry.info/200805/article_6.html

『毎年の予算における収入が15億円程度でBS上の資産規模(特定資産を除く)が30億円程度しかない団体における3億円の評価損はちょっと大きいかな、と。投資信託での損が大きいからヘッジファンドとかやってたのかも?』

証券アナリストの元締めですから高度な最新の理論に基づいて投資先を選定した結果、理論の限界を身をもって示そうとしたんですね、わかります。

『ワタクシがちょっと解せないのは、この規模の評価損にも係わらず、投信とか株とかいう資産区分ごとの損失額以外には事業報告書に一切詳細が開示されていないことです。』

ま、1万人じゃ効かなく会員がいる社団法人なのに総会の会場が「当協会会議室」という時点でまあそういう所なんでしょうな。

で、反対票送るよりも(過半数の反対が集まらない限り^^)総会不成立にしたほうが破壊力が(以下自主規制)。まあこれが某巨大掲示板だったら「全員で総会に出席するOFF」でもやって総会に1000人くらい出席して(以下自主規制)。


○人のふんどしシリーズその2:杞憂ですよね

先般ニュースで見ていて非常に不愉快だったどこぞの政党の勝手ガサ入れパフォーマンスですが、branchさんのところでも言及が。
http://www.seri.sakura.ne.jp/~branch/diary.shtml
(5月18日のあたりです)

確かにニュース画像にあった音ではbranchさんが書いたような発言(というか怒鳴り声)が聞こえておりまして、そもそも満員電車に乗って帰れるような時間になるように質問通告とかしてるのかねミンス様はとか思うのですけれども。で、最後の部分に(だけじゃなくて全体的にもそうですが)激しく同意です。

『民主党のセンセイ方のご認識では、国会議員は国政調査権の行使主体であるからそれを行使して国の行政機関を検査する権限がある、ということのようで。まあなんというか、政権交代を視野に入れた参院第一党でいらっしゃるのだから憲法の規定(しかも一番身近なはずの国会関係)くらいはしっかりとお勉強しておいていただきたいなぁ…、というのはぜいたくな願望なんですかねぇ。('A`) 』

で、このガサ入れ画像みてて物凄く変な想像しちゃったんですけど、もしかしてこの政党が政権取ったらてめえらの政策に反対する人間は抵抗勢力の非国民だから令状なしで捜査しても良いとか言い出して勝手に党員の突撃隊みたいなのがガサ入れとか来るんじゃねえのとか考え出しちゃいましたよ。

いやまあ勿論民主党大嫌いなあたくしのバイアスが死にそうな程入った杞憂ではございますが、やってることが何せ法令の俺様解釈(例のパフォーマンスって「道路特定財源で使われたタクシーの領収書などを探すため、菅代表代行らは職員の制止を振り切って、館内を歩いて回った」っていう位ですから普通に建造物侵入でしょ)という政党様でありますので、そういう政党が政権を取ったら罪刑法定主義もへったくれもなく愛国無罪モードになるんじゃないかとか真面目に恐ろしくなってくるんですけど。

メディアもそういう暴走を止めないと行けないと思いますが、それを煽るのがメディアですからねえ(吐息)。

ちなみにどうでもいいですが、「後ろめたくないなら見せなさい」などと言われても挙証責任は先方にありますので、任意で応じる必要はございませんし、応じると碌なことになりませんわな。これ豆知識。

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2008/05/20

お題「ネタも無いのでひねもすネタ探し」

ということで、困ったときには国会か金融庁といういつものパターンで参ります(^^)。国会ネタなので引用が多くてやたら長いのは勘弁してください。

えーっと実は日銀からレバレッジを効かせた投資(というか要するにヘッジファンドみたいなもん)に関するペーパーが出てまして、これが金融市場局じゃなくて信用機構局から出ているというのにちょっくら興味がある(出している部署が、という意味ですよん)のですけれども、中身を読んで「ほほう」と思ったのインプリケーションは現在検討中ですので、そのお話はまたいずれ。内容そのものはコンパクトでよくまとまっていたと思います。

ではまあ金融庁様から。

○金融士構想続き

5月9日渡辺担当大臣様の記者会見から。
http://www.fsa.go.jp/common/conference/minister/2008a/20080509.html

『問) 先週、金融庁、金融専門人材に関する研究会が出しました(金融専門人材についての)基本コンセプトについてなのですが、大臣は過去、著書の中でご自身も「金融サービス士」という資格制度について言及されているのですけれども、これから広く意見を募るということでまだ形がどうなっていくのかというのは見えないのですが、民間の方では趣旨をめぐって不安に思っている方もいらっしゃるようです。改めて資格制度についてお考えをお聞きしたいと思うのですが。』

いやあの趣旨をめぐって不安なんじゃなくて民間総出でブーイングなのですがまあ質問するだけエライか(笑)。

『答) 資格を作ることを決め打ちしているわけでは全くございません。金融専門人材を養成するにはどうしたらいいだろうか、という問題提起をしているところです。懇談会においては、民間資格も含めて議論をしていただいたわけです。このような金融専門人材、なかんずくコンプライアンス関係に詳しい人たちがいろいろな分野に散らばって配置されていれば、コンプライアンス感覚の共有が相当できるようになると思います。発行会社にも証券会社にも自主規制機関にも、また監督当局にもそのような人材が散らばっていることによって、いわば生態系の秩序が維持されるようになると思います。そうすると行政のコストは肥大化せずに済むようになるわけです。』

コンプライアンスの話が強調されているようですので、要するに今の金融業界の中にいる連中は法令遵守の意識が極めて低くお話にならないというわけですね、わかります。

『我々は金融自由化の流れの中で、護送船団方式を止め、つまり事前の統制方式を止めたわけです。事前の統制というのはある意味では行政のコストが非常に小さくてすむわけです。箸の上げ下ろしまで統制していくわけですから、そんなに大きなコストは必要ないのです。しかし、事後チェック方式に大転換するということは、民間にはどうぞご自由にやってください、一方ルール違反は徹底して取締りを強化します、という一般的な流れなのです。そうすると、逆に行政のコストが非常に高くなってしまうということがあり得るわけです。』

一般論としてはそりゃその通りですが、事前の統制方式を止めたとかあの金商法関連の(以下物凄い勢いで自主規制)。

『したがって、我々は行政のコストを肥大化させずにルールとプリンシプルに基づいて民間がより自由な経済活動ができるようにするにはどうしたらよいか、ということを考えた結果、やはり金融の専門人材が圧倒的に不足しているのではないか、と考えてこのような提案をしたところでございます。是非、いろいろなご意見をお待ちしております。』

ただのコンプライアンスオフィサー養成の為にわざわざ新しい制度を導入するのですか、意味判りません。というか別に資格をなんぼ作ったってそれとこれとは別問題ですし、既に証券外務員やら内部管理責任者やら証券アナリストやらで行動規範がどうのこうのとかやっておりますけれども。既存の内容を充実させれば(既に十分充実してると思いますが)宜しいのではないでしょうか。


あと、話は違いますが、昨日夕方に『「ベター・レギュレーションの進捗状況について」の公表について』というのが出てたのかな。
http://www.fsa.go.jp/policy/br-pillar4/20080519.html

肝心のレポート中身(上記URL先にリンクがあります)は読んでませんが、本文を読んでいて中身を読むのがある意味楽しみになってきた部分が。

『本レポートをまとめるにあたっては、金融庁の監督対象者に対しアンケート調査を実施致しました。』

いろんな意味でご苦労様でございます。




さて、本日もう一つの査収ネタ(見つけると出し惜しみしないのがドラめもんクオリティなのでいつもネタが切れる訳だが^^)は参議院のオモシロ質問の見学であります。

4月22日の参議院財務金融委員会から。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0105/169/16904220060008a.html


○埋蔵金が好き勝手使えるお金になっている件(民主党富岡委員)

先般は高橋洋一先生(以外の人も参考人で出ていましたけど)が埋蔵金がどうのこうのという件で参議院で参考人答弁をしていた話を5月8日とか9日に致しましたが、その中で9日に民主党の富岡委員がどう見ても埋蔵金をどこぞのヘソクリと勘違いした発言をしていて、大変に懸念しておりましたが、案の定話が無茶苦茶になっておりまして実にファンタスティックとしか申し上げようがございません。

前半3分の1くらい(その前に横峯委員の質問というのがあるのですが^^)のところから件の富岡委員の質問なのですが。

『○富岡由紀夫君(前半割愛)まず当面の問題として、今議論になっている二・六兆円の税収不足について、先週、財政金融委員会で、この委員会で参考人質疑をしまして、先ほどお話ありましたけれども、高橋洋一参考人から、いわゆる財政融資特別会計の埋蔵金、これはもう明らかになっているので、それでもう露天掘りだというふうに表現を改めておりましたけれども、この問題は、幾らでも使えるんだということを結論付けていただきました。』

『要するに、貸出しと調達のコントロールが利く中においては金利リスクなんというのは限りなくゼロに近づけることができると、そういったことを御説明いただきました。そして、二十兆円、金利変動準備金があるんですけれども、そのうち九・八兆円は二十年度に国債の圧縮に使うわけなんですけれども、それすら国債の圧縮に使わないで、必要であれば政治判断で財源不足の、税収不足のところにそれを充当できると、そういったお話もいただきました。』

『この点について財務大臣はどのようにお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。』

ほらやっぱり。どうせそうなると思ったって感じでして、引き合いに出された高橋先生もいい迷惑って所でしょうけれども、そもそも論としてこういう手合いは自分の結論先にありきで、それに対する理屈を「専門家」な方面から欲しいだけでして、専門的な知見を政治に生かそうなどとは思ってないんですから、そういう連中の為に国会に出るこたあねえのにという感は思いっきりございます次第で。


ちなみに、9日に引用した4月18日の参議院財務金融委員会での高橋先生の答弁はこのようになっています。

『○参考人(高橋洋一君) 政策論ですからいろんなやり方があるのかもしれませんけれども、多分一番簡単なのは、ただ単に国債を三兆円出せば全く経済効果は全く同じですね。ですから、国債を三兆円更に出して、それを一般会計に入れて、それで九・八兆円償還すればいい。ですから、まあやり方は多分たくさんあります。しょせんお金の話なんで、お金に色は付いていないと言っちゃいけませんけれども、補正を組むもいいし、いろいろとやり方はある。もうテクニカルにたくさんあって、頭に浮かびませんけれども、多分一番簡単なのはただ単に三兆円国債を出せばそれで終わると思います。』

これは要するに埋蔵金を債務圧縮(と書くと誤解されるわけで、これは本来「両建て圧縮」と書くべきですね)以外に使うのであれば、それは財政の手当てが別途必要になりますよという話ですわな。ストックで両建てになっているものなのですから当たり前ですが。ちなみにこれも再掲になりますが、このときに富岡委員はこのように発言しています。

『○富岡由紀夫君 本当にすっきりいたしました。ありがとうございます。そういうことでやろうと思えば幾らでもできるというふうに理解いたしました。(以下割愛)』

あたくしこれを見てどう見ても理解していません本当にありがとうございましたとか書いたのでありますが、まさに予想通りだった所に落涙を禁じえないものであります。


○話がさっきと全然違う件(同じく民主党富岡委員)

後ろのほうでは何か金利が上がると大変なことになるという話をこの人延々としているのでありますが。

『○富岡由紀夫君 国の抱えた借金の残高、そしてこの金利が上昇したときのリスク、もう金利の爆弾とも言うべき非常に大きな荷物を抱えているわけなんですけれども、私は財務省はこれを隠しに隠し続けている姿勢が非常に私は許し難いものがあると思うんですね。』

隠そうと思ったら財政融資特別会計で準備金なんぞ積みませんが何か?

『要するに、金利が上がったら大変なことになっちゃうと。国家予算なんか一気にもう組めなくなっちゃうという状況にあるにもかかわらず、そのことをなかなか触れたがらない。そして、金利をできるだけコントロールしようということで、日銀の総裁人事にもあれだけ執拗なまでにこだわっていたのかなというふうに勘ぐらざるを得ないと私は思っているんです。』

えーっと、財政融資特別会計の調達の足を長くすると長期金利は基本的に上昇方向になるんですけど、まあその話は高橋洋一先生もスルーしてるからいいけど、財政融資特別会計の金利リスクのコントロールはほぼ完全に出来るという理屈を出しながらこっちではその話ですかそうですか。

『要するに、日本の金利をコントロールできないような状況になってしまうと、この財政赤字の問題がそれこそ現実のものとして爆発してしまう、金利の爆弾が爆発してしまうと。そういうことを防ぐために、私は執拗なまでに日銀の総裁人事に財務省の方がこだわっていたのかなというふうに見ております。笑い事じゃなくて本当だと私は思っていますよ。これが、コントロールできなくて、金利がどんどんどんどん総裁が上げるような政策取ってきたら一気に国家財政は破綻してしまうわけですから、これは本当に財務省にとっては死活問題。責任を問われることを避けるために隠しに隠してやってきていると、そういうふうに私は認識しております。』

国家財政が一気に破綻するような金融政策(んなもんがあるのかという疑問はさておいて・・・・)を取るような日銀総裁を選任されても困るのですけれども。というか「利下げはケシカラン」って言ってませんでしたっけ民主党さん。利上げしたら国家財政が一気に破綻するのに利下げはケシカラン利上げしろという事はもしかして(以下自粛)。



○質問通告をしない質問をしたら逆に秒殺された件(民主党大久保委員)

『○大久保勉君 民主党の大久保勉です。まず最初に、道路特別会計等の無駄遣いに関して平井国土交通副大臣に質問したいと思います。(以下割愛)』

冒頭部分で道路特別会計で収入印紙が支出されている件について民主党の大久保委員が追求しているのですが、最初からいきなり「無駄遣い」と決め付けて質問とはさすが結論先にありきですなあという感じですが、質疑の内容もどう見てもトンマとしか言いようがございません。短いので読んで笑うも良し。

『○大久保勉君 この収入印紙は何に使ったものなんでしょうか。まず収入印紙に関しましては、お話を聞きましたら土地の売買に関して使うということなんですが、財務省に質問しますが、印紙税法第五条の二、国が土地売買に関して収入印紙はどういうふうになるか、質問したいと思います。』

で、説明も引用すると長いのですが、要するに売買契約を2通作って双方が保存しますが、国が作る分には税金かからん(当たり前)が、私人の相手方が作る分には税金がかかるという話です。ちなみに国が保存する分は相手が作成したことになるので印紙が貼付されるそうな。で、その印紙を何で国が負担するのかという件について大久保委員が質問してその答え。

『○政府参考人(宮崎正義君) お答えいたします。おっしゃりますとおり、公共用地を取得する場合につきまして、私ども標準補償契約書ということを定めておりまして、それに基づく契約をしておるところでございます。これは官房長通知で出しております。この規定によりまして、共同で契約書を作成する際の私人等が作成する分につきましては収入印紙が必要となりますので、これにつきましては国が印紙代を負担すると。その趣旨は、地権者側の意思によらない公共用地の買収に伴う負担であると、そういったことでございますので、原因者負担の考え方から用地買収をする国土交通省の方で負担するという考え方に立っているところでございます。以上でございます。』

どう見ても完璧な答弁です。本当にありがとうございました(^^)。

『○大久保勉君 私は、決めたのが昭和四十二年、建設大臣官房長、いわゆる役所が勝手に決めているんですよね、建設省が。これに対して、恐らく、四十年間ですから、二十、三十億近くの印紙が使われております。こういったことを国会に報告せず、予算化もせず使っていく実態がおかしいと思います。』

政令や省令の細かい文言や、各省庁でのボールペン代1本の経費まで全部審議するので24時間365日国会で働きますといういうことですね、わかります。

『じゃ、これは相手のために印紙税を負担しておりますが、これはその分相手の方は所得という形できっちり報告しているかどうか。恐らくはしていないでしょう。ですから、国が脱税幇助をしているんじゃないですか。これは財務省、もし、印紙税は本当だったら相手方が何十万か負担しないといけないですよね。これは売買代金でまずもらって、それで印紙を負担しておりますが、この点に関しては何かコメントがありますか。これは質問通告しておりませんから、もしあればということで。』

国相手の売買(というか本件は収用ですが)で所得申告しないんですか?いやあの普通そんな奴はおらんやろ〜って感じですが。おまえ腕上げたな〜。で、税務の観点からは明らか過ぎる質問なのですが、答弁で見事に秒殺されておりまして感動した。

『○政府参考人(加藤治彦君) 通常、売買等で所得を計算する場合に、その譲渡によって要する費用というものを控除できるわけでございます。したがいまして、その費用として、契約の際に掛かった費用の一部として印紙も当然その対象になるわけですが、今先生御指摘のように、実際に印紙税を負担していない場合はその分がそのいわゆる譲渡する者の経費にならない、その分経費にならないという意味でございますので、収入の方に変わりはないと私は認識をしております。』

こういうのを真面目な顔して真面目に答弁する官僚(加藤さんは主税局長)さんって人間出来てるというか何というかもう尊敬ですよ。あたくしなんぞ「お前は馬鹿か」というか露骨に態度に出すかのどっちかですわ(^^)。

『○大久保勉君 ちょっと認識は違うと思いますので、ここは、もう時間がありませんのでここでは議論しませんが、ここでもう一つは、この収入印紙、本当に適切に管理されているかどうか、これは金券ですから、この辺りをまた別途資料を請求したいと思います。(以下割愛)』

認識が違うですか、はいはいワロスワロス。


てな訳で、最近は国会会議録(特に参議院が酷い)ウォッチがただの珍獣観察になっているのが情けないのでございますわな。とほほのほ。

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2008/05/19

○毎年お約束の悪態

毎回悪態をついておりますが見事に変化の無いお話の季節がやってまいりました(^^)。

社団法人日本証券アナリスト協会という所から定時総会のご案内が「法人会員各位 個人会員各位」宛に送られてまいりました。で、今回の定時総会もまた事業報告や決算の承認を求める会でありますが、実施日時が「6月18日水曜日午前10時」からということで、検定会員が何人いるのか知りませんが、普通の検定会員がどう見ても出席できないような時間に今年も設定。で、会場はと言えば法人会員と個人会員合わせて1万人以上はいる筈の協会の総会だというのに「東京証券取引所ビル6F、当協会会議室」という端から個人会員の出席を想定していない会場設定なのも例年と全く同じであります。

せめて東証の講堂(ホール)使うくらいのやる気をだせとか思うのですが、どう見ても総会を形式的に済ませようという意思がアリアリの総会運営でございまして、こんな協会がIR大賞の授与とか悪い冗談にしか思えませんってこれも毎年言ってますな(爆)。まあここ数年定足数が中々集まらない(=委任状を送る個人会員が少ない)ようですが、少なくとも「会員がどう見ても出席できないような総会」という運営をやってる限り「ナメトンノカ」という事で委任状送らないあたくしのような検定会員が続出しても不思議ではないと思いますが。

以上ただの悪態でした。

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2008/05/15

○地震対策が必要なのは判りますが

昨日ブルームバーグニュースを見ていて全く理解できなかったニュース。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003008&sid=aaAEai2fHEQs&refer=jp_politics

『5月14日(ブルームバーグ):東京大学生産技術研究所の都市基盤安全工学国際研究センター(ICUS)長を務める目黒公郎教授は14日午前、日本国内で首都圏地震が発生した場合の金融市場への影響について、「今、首都圏地震がくると、政府の中央防災会議のシナリオでは112兆円の被害が出る」と指摘。その上で「その被害から立ち上がらなければならないときに、外国資本は自分の痛手を小さくするために投じている資本をすべて引き上げる。そうなると日本から金がなくなる。この影響は地震の実際の影響よりもはるかに大きくなる可能性がある」と語った。』

いやまあ首都圏地震が発生したら大被害というのはそりゃそうですねと思うのですが、外国資本が引き揚げ(「上げ」なのか?)るどうのこうのって言いましても、地震が起きてインフラが壊れている状況になったら引き揚げようにも引き揚げられませんし、「日本から金がなくなる」って言いましてもあのその国内資本の企業様は別に国内だけに金を置いているわけではなくて、海外にも金を置いてますので、復興費用の為に海外から金を引き揚げて来ますがなとか思ったら、どうも緊急地震速報に関するお話をしているみたいですね。

で、上記URL先の記事に目黒教授の発言があるのですが、これまた何といいますか論評に困る怪論理。


『例えば東海地震がきたら、トヨタ自動車の株を買って、そのあたりで強い建設業者などの株を買って、ある時点で売りさばけば確実にもうかる。経済学者たちは『これはまっとうな経済行為だ』と言うが、対外国に対して同じことが言えるのだろうか』

たぶんその場合トヨタ自動車様におかれましては、物的にも人的にも大きな被害を受けますので株は下がると思いますが。それにその行為が真っ当か否かってのは一般的な経済学マターじゃないのではと思うのですけれども。というか昔から「復興需要狙いで建設株上昇」みたいなことは普通に起きますので、別に何ら問題はないと思いますが。


『緊急地震速報の精度が高まるほど、それだけで株価が動き出す。株価は動くためのきっかけはどんなことでもよい。だからわたしは『株価が動くことなどへのきちんとした対策を行ってから、それを導入するべきだ』と言ってきたが、うまく対策がとられないで現在を迎えている。これが本当に心配だ』

えーっと、きちんとした形で同時に多くの人に伝わるようにすれば情報の公平不公平は起きませんので別にマーケット的には何ら問題は無いと思うんですけれども。やるなら情報管理をどうするかという話でしょと思う次第です。

そもそも論として商品相場なんか特にそうですが、気象予報やら気象現象によって相場が動きますけれども、その理屈からすると緊急地震速報なんぞイラネということでしょうか、わかりません><

もしかして関係者だけで緊急地震速報の情報を先に押さえてウマーなどという構想うわなにをするやめくぁwせdrftgyふじこl

#東海地震が来るという予報でトヨタ自動車の株を買うってセンスの方だけが売買するなら勝手にどうぞですが、ゲラゲラゲラ。


『(保険契約では)『東海地震の危険性が高まった。警戒宣言が出る』となると、地震保険の売り買いができなくなる。だから(証券取引でも)そういう制度と同じように位置付ける対応が必要だ』

えーっと、仮に大地震が起きる前に市場をクローズしても、大地震が起きたら最終的に売られてしまうと思うんですけれども。「この国は地震が起きそうになると警戒宣言の段階で資本取引が出来なくなる」と認識された方がよっぽど海外資本が逃避すると思うのが普通の連想力だと思うのですが、あたくしの連想間違ってますか???


ということで、まあこれが別にどうでも良い人の毒電波ならスルーなのでありますが、何か東大の先生様みたいですし、その上自民党が設立した「地震対策議員連盟」とやら(最近この手の議連が乱立しているように見えまして、どう見ても話題作りです本当にありがとうございましたという感じなのですが)でご高説を垂れておられますので、自称「何とか政策通」議員様がありがたいご高説に乗っかって訳の判らん事を言い出すに500万ジンバブエドル(とほほ)。

できることならば、ブルームバーグの担当記者が東大の先生様の発言の真意を取り違えて変な表現をして報道しただけであったというオチで、この部分が謝罪とともに全文取り消し線が入る事を心の底から期待したいのであります。

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2008/04/24

・日本語でおk

http://www.fsa.go.jp/news/19/20080418-2.html

お前はルー大柴かと小一時間問い詰めたい。


・まだSWF推進してるのか・・・・

例によって厭債害債さんのところから(いつもお世話になっております)。
http://ensaigaisai.at.webry.info/200804/article_12.html

たぶんね、このSWF推進ネタで頭に血が上っている人(たち)って中々市井の懸念とか聞く耳持たないと思うんですよ。ということであたくし的には埋蔵金発掘の先生とかにこの人たちの説得をして欲しいと思うんですよ。埋蔵金発掘している反対側でSWFらしきものを作ってカモにされた挙句、大事なお金をぶっ飛ばしてたら埋蔵金もへったくれもないでしょうと思うんですよ。

害債さんのエントリーのご意見、思いっきり同意でありまして、特に

>なんとなくお役人と外資に丸め込まれて天下り先をいっぱい
>作りながら国家の富を外にばら撒くような印象を受けたのは、
>私の被害妄想でしょうか。

ってのと

>本当に国力増強をいいたければ、まずは憲法改正と圧倒的な
>軍事力の整備でしょ、とか思うのは危険ですかそうですか。

>それが現実的ではないのなら、政府は地道なバランスシート
>マネジメントをやってほしいと思っています。政治家がマーケット
>のことをごちゃごちゃ考えなくても、任せてさえくれれば国民の
>お金の運用は民間がちゃんとやりますから。

という所に深く頷くものであります。

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2008/04/23

○いやそのりくつはおかしい(と思う)

某ベンダーで拾ってきたのですが、どこぞの証券会社の何とかストのお方が「日銀の金融政策さえ左右しかねない暫定税率の行方」というお題のレポートをお出しになっていたようで。

お題見れば内容想像付くと思いますが、租特法の再可決が政治的に難しくなった場合にガソリン関係の暫定税率部分の値下げ効果でコアCPIが0.4〜0.5%程度下がりまして、「暫定税率の行方は日銀の金融政策さえ左右しかねない」ってお話でございました。

・・・・・えーっと、それって一昨年の秋にどこぞの禿が率いる携帯キャリアが新料金プランを発表したときに、これが全部CPI算定に跳ねるとコアCPIが0.5%とか下がる(=携帯電話の場合通話料のウェイトが機種本体より高かったので、差し引きツーペーの料金プランでもCPIは下がるという孔明の罠)という話になって、「日銀の金融政策に大きな影響が」とか言ってたのと同じことだと思うんですけど。

というか、暫定税率が元に戻らないでそのまま減税になったら景気に対しては刺激的になるので別に悪い話じゃないと思う(いやまあガソリン税下げるくらいなら所得税下げた方が良いと思うんだが)ので、「暫定税率が元に戻らないとコアCPIが上がらないので日銀が一層利上げしにくくなる」という理屈はおかしいと思うんだが。

それにこの問題って直接には(回りまわって影響するとは思うけど)コアコアCPIには関係なかろうと思うのでありますが(^^)。

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2008/04/17

○いやまあどうでもいいんですけどね

ネタに困ったときに見ると便利(=突っ込みどころ満載)なコラムばかりを集めているのかよと言いたくなる日経BPの「SAFTY JAPAN」のコーナー。まあ「SAFTY」をうたって中身のコラムがどうなのよというコーナーという所に日経BPの身を切った芸風を感じるわけですが。

森永卓郎さんのコラムから。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/128/index3.html

『こうした民主党の金融政策は、常に過度の金融引き締めをしたがる日銀の政策と完全に一致している。そこで、似たもの同士の民主党と日銀とが、事実上、手を組んだわけである。』

『日銀のプリンスである白川氏を総裁に据え、しかも財務省を排除したのだから、日銀にとっては笑いが止まらない結果になった。』

bewaadさんの所と本石町日記さんの所を百回読め(日銀の中では武藤さんに期待が高かったですし、白川さんは福井さんのようなプリンス育ちではありません)と申し上げたいですけど、まあそういう先入観があればこういう結論を出す人も出るでしょうなあという所ですわな。

こーゆー影響力の高い(んですよね)人が思いっきり陰謀論振りまくような流れを作りやがった民主党は日銀にとって迷惑以外の何物でもないというのがいつもの結論になるんですが。武藤さん、伊藤さん、白川さんのセットになれば、今までに無く独立した日銀になれると思ったのですが、と同じ話になってしまうのであります。

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2008/04/16

○これはいい感じの他人事モードですね

いやまあどうでも良い事に突っ込むあたくしなのですが・・・・

昨日の東京新聞にございました「東京新聞フォーラム」から。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/forum/list/CK2008041502003736.html

最後の人はサブプライムローン問題を引き合いにして見極める目を持つことが大事ですってお話を。話のマクラに講演者が米国に家族旅行した3年ほど前にどう見ても観光客だというのに銀行員から住宅ローン勧められた話なんかを例に出しております。で、まとめの部分では『自分にとって身近でリスクが分かるような商品を選ぶことです。投資も食品も有事の時はラベルを頼らず、自分の目利き能力を高めていかれたらよいと思います。』とのお言葉。

・・・・ええまあ仰っている事はその通りなんですけれども、確かあのエグゼクティブディレクターであります所のあなた様がお勤めになってらっしゃる金融グループ様が今のところの公表ベースでサブプライム関連損失世界一だったと思うのですが、その見事な他人事モードはどういう風の吹き回しなのでしょうか(苦笑)。

『実際には、ラベルについている格付けよりもリスクは高かったんですね。ここが食品偽装と似ていますが、安心して買った物から損失が出た。しかも世界中の金融機関に影響を及ぼした。さらには皆さんの個人資産に影響が出ているのです。』

じゃなくって、「いやあうちもトンマで損出して株価が下がる原因の一つになっちゃいましたよ、ドーモスイマセン。プロでもこんな有様だからこれを教訓に皆さんも良く注意して下さいね。」って話をするもんじゃないんしょうかね。いやまあこちらの方がサブプラ関連投資の部門にいた訳じゃないからそう言われても知らんがなというのは判るけどさ・・・・・

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2008/04/09

お題「民主党逝って良し」

中身は読まなくても判りますかそうですか(笑)。

○一連の騒動は日銀にマイナスとしか思えませんが

日銀ケシカランという人たちの手にかかるとどうも一連の騒動も日銀ウハウハみたいな読み方をされるみたいでございますが、bewaadさんが『日銀陰謀論は止めましょうよ。』というエントリーをあげておられました。

http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20080408/p1

マリアナ海溝よりも深く同意するものであります。

別にあたくしや本石町日記さんだけじゃなくて、概ね金融市場にいる人たち的に多く言われているのは当初案の「武藤総裁、白川、伊藤副総裁」の組み合わせだと近来まれに見るほど日銀の対外的な説明力(というか説得力というか)がアップして、「独立性」(という言葉の定義が微妙なのでカッコ書きで、まあニュアンスとしての独立って感じかなあ)を持った日銀になれたという評価だったと思うのでありますよ(昨日本石町日記さんのところにちょっとコメントしましたけど)。

そして、伊藤隆敏先生がボードに加わることで、実務との折り合いをつけながらよりロジカルな金融政策の枠組みの構築ができれば尚のこと素晴らしいと思いまして、日銀ウォッチも楽しくなった(いや今のメンバーだと詰まらんという意味ではないですよ^^)と思うのでありますが。

というわけで、日銀陰謀論は無いでしょというか、一連の騒動で日銀は思いっきりケチがついてしまった訳でありまして、民主党の諸兄は日銀通りで全員切腹して詫びるべきものとしか思えないのでありますが。日銀ウハウハというのはあり得ないでしょ。独立性がどうのこうのと言ってる連中が日銀に傷をつけまくりってもう悪い冗談としか思えません。


○どう見ても党内内部抗争です本当に(ry

議院運営委員会でのヒアリングでは終わってから拍手も出た(と仙石さんが終了後にコメントしてたと報道されていました)そうで、何となくこれは大丈夫かと思わせる展開でしたが、20時過ぎになってふと情報ベンダーを見ると「渡辺副総裁に不同意」という記事が。ポカーンとしながら見ておりましたが、結局のところ小沢VS反小沢で今回は小沢さんが意地を張って反対しましたと。

そんなに天下りがケシカランのであれば、まずはお前の政党にいる官僚出身者を全員パージしてからにしやがれと思いますし、かつてお前さんのところでは「選挙に勝った時の財務大臣」に榊原英資さんを据えていた事がありましたが、あれは天下りではないと仰る。ふーん。

大体からして渡辺さん駄目って事になったら他にタマがいるんですかね。民主党おまえら対案だせやコラとしか申し上げようがないのですが、この案件は実施するかしないかという類のものじゃないのですから、ちゃんと対案出せやと思うのでありますが。

こうなったら参議院での採決で造反が出ることを期待するしかございません。テレビニュースの一部の報道を聞いておりますと一部に造反の動きがどうのこうのとか言われてますので、それにでも期待するしかないですな。カナシス。


○新副総裁就任の所信表明みたいな機会なのに

両副総裁就任が決定してお二人が最初に国会に出席したのが3月25日の衆議院財務金融委員会でございまして、その時の会議録を読むといい感じで民主党に脱力することができます。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009516920080325011.htm

質問のトップバッターが佐藤ゆかり委員で、よく見ると財務金融委員会の理事に野田聖子議員がいるというのが中々チャーミングなのですがそれはそれとしまして(笑)。

まあ当然ながら皆様の質問は金融政策に関する見解を問うとか、いわゆる財金分離問題に関しての所感を問うとか、景気見通しや物価見通しに関する見解を問ういう話になっておりまして、それ以外ですと、長期国債の買入に関する質問(佐藤ゆかり委員)とか、引き続き正常化路線を継続するのか(公明党の石井啓一委員)とかが質問のお題になっているんですよね。あと面白かったのはこの会議録でも最後のほうになりますが、共産党の佐々木憲昭委員が今までの日銀の政策をどう評価するのかという質問をしてて、まあ質問の論理展開的にはどうかというのもありますが、これはこれで面白い質問。

ところがですね、2名も質問者を出した民主党なんですけれども、最初に出てきた池田元久委員はのっけから「副総裁は2名いらないのではないか」という話をしてみたり、日銀総裁の給与が高いだのまずそれはお前の歳費を返上してから言えと申し上げたくなる質問をしてみたり、松江支店の情報流出問題に対する質問とか、そんな話は他の機会でやれという話を延々と展開。

で、最後のほうにこれが来ました。

『○池田委員 時間が余りありませんが、低金利の家計への影響について若干取り上げたいと思います。』

もう以下読むのも汚らわしいくだらねえ話が続きますが、こんな質問に対する資料なんか日銀も作ってあげなきゃいいのにと思うんですけど。(無理ですが)

『お手元に資料が行っていると思います。きのう日銀に頼んでまとめてもらったものであります。最新のデータですが、家計の利子の年間受取額は、「受取」の一番左の欄でございますが、九一年の三十八・九兆円から年々減り続け、〇六年には四・六兆円と、九分の一まで減ってしまいました。そして、資料の受け取り欄の右側、「九三年との対比」という欄をちょっと見ていただきたいんですが、九三年の利子受取額がその後も継続したと仮定した場合、その累計は、一番下、二百二十兆九千億円となり、この間家計から二百二十兆九千億円もの利子が失われたことになると思います。もっと金利の高かった九一年との対比では、累計で三百六十四兆四千億円の利子が失われた計算になります。こうした計算でいいと思うんですが、確認をしていただければと思います。』

前提が意味ねえええええええ!!!!
ちなみにこの後も支離滅裂な質問が続くのでありますが汚らわしいので引用割愛。

で、もう一人の下条みつ委員の質問は延々と新銀行東京に関する質問で、途中から渡辺担当大臣に対する質問になっておりました。何のために就任直後の日銀執行部を呼んで会を開いているのか意味を良く考えていただきたいものです。

・・・・てな訳で、自民、公明、共産各党の質疑応答と比較するともう愕然とするくらい内容にレベルの差がございますとしか申し上げようがありません。


その他の質疑もまあオモロイ部分とかあるのですが、それはネタの切れた時にでも(笑)。

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2008/04/08

○日銀総裁人事

いやもう正直申し上げまして、こんなに政治のおもちゃにされるとは思いませんでしたので、今となっては諦観とともにまったりと動向を眺める程度なのですが。

で、渡辺前財務官の副総裁案ですけど、情報ベンダーのヘッドラインを見てますと、以前渡辺総裁案も良しという趣旨の発言をしていた鳩山幹事長が容認論なのにはさすがにホッとしましたが、仙石政審会長(でしたっけ?)が「財務省出身者だからと言って機械的に排除する訳ではない」という発言を国会内でしてたというのには中々楽しめました。

いや何と申しますか、そもそも小沢さんって武藤総裁案も容認だったと巷では言われてましたが、今度は小沢さんが渡辺さん反対論をテレビで言ってしまった後に党内からは容認論続出ってお笑い以外の何物でもありませんな。何という支離滅裂(ある意味民主的ですが、笑)な政党。

・・・というか、これってどう見ても民主党の党内抗争です本当にありがとうございましたという所でしょ。このせいで福田さん叩かれるちゅうのもちょっとカワイソスに思えますわな。まあこんな事なら2月の半ばにでも人事案出して置けば良かったですよねという気はしますが。


で、まあドタバタ茶番劇モードになってしまってすっかり脱力状態になっておりますので、この際もっとこうインパクトのある人事案は無いかと与太話をしていたのですが、運が強くて勘が良くて説得力のある人がベストの日銀総裁という結論になって出たのは「小泉純一郎日銀総裁」でどうでしょう(ヤケクソ)。現職議員だがら駄目でしょうが(笑)。



○これはまた中の人が入れ替わったような話

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-31187820080407

『[東京 7日 ロイター] 渡辺喜美金融担当相は7日、都内で講演し、自民党内で日本版SWF(ソブリン・ウェルス・ファンド)創設について議論されていることに関連し、外貨準備の運用について「ドルのままで、より上手な運用をいかにやっていくかは考える必要がある」との見解を示した。』

えええええ、中の人が入れ替わったかのような渡辺担当相のお話でございます。暫くこのネタが止まっていました(そりゃ原資が外準の益という話だったのに円高に振れたら盛り下がるわな)けど、その間に何のお勉強をしたのか、渡辺さんのお話がこれまた恐ろしく保守的になっております。誰が教えたのか存じませんけれどもGJですな。

『(途中割愛)渡辺担当相は「3カ月もののFBを0.5%で調達しており、(運用資産との)デュレーションギャップがかい離するとやっかいな問題が生じてくる」との懸念を示した。』

デュレーションギャップが生じると問題って話になりますと株だの土地だのというデュレーションどころではないカテゴリーのものへの投資はどう考えても出来ませんな。まあこのあたりは勉強が今一歩足りないようで残念です。そもそも外準で持ってる米国債って別に短期国債だけじゃなくてもうちょっと長いもの(中期のTノートとかだと思う)も持ってまして、デュレーションギャップはそこそこ持っていると思いますよ。仮に今FB調達して米国の3か月TBを買うと金利差が100bpくらいしか無かったと思うので、為替で1円しかバッファーが無いですな。それはそれでどうかと思うが。

しかし生勉強状態(と思われる)とは言え、急にまた今まで言ってた話の真逆のような保守的な話を始めるとはある意味オソロシス。というかSWF推進を囃していた連中涙目でざまあ味噌汁。


『そのうえで渡辺担当相は、外貨準備の多くはドル建ての資産だが「日本に持ち帰ることが極めて困難な資産なので、いかにドルのままでより上手な運用をやっていくかは考えるが必要ある」との見解を示した。』

これはさっきと同じですが、いやあ勢い込んで議連作って得々と日本版SWF設立構想についてテレビで講釈していた田村耕太郎議員涙目ですな。なにせ「当面の投資先は国内限定」とか言ってましたんでねえ(笑)。

ちなみに、日本版SWF設立構想に関する悪態は
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/zatsudan07-02.html
の3月6日とか3月3日とか12月11日とか12月6日のあたりにつらつら並べておりますので、お暇な方はどうぞ(^^)。

#しかし民主党の悪口と日本版SWF設立構想の悪口しか書いてねえな

『また、外貨準備については「どういう運用がされているか発表されていないのが事実だ」とも指摘した。(以下割愛)』

うーん、これは難しい話なんですが、運用状況を公表するとポジションが巨大だけに狙い撃ちされるリスクもあると思います。特に積極運用みたいなことを始めようとするってえ話なら、公表するのも良し悪しかな、微妙なところでございますわな。


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2008/04/07

○言ってることがコロコロ変わって判りません(><)

すっかり忘れていた(訳では無いですが^^)日銀総裁人事ですが、週末の新聞報道などを見ますと白川副総裁が総裁というお話のようで。いきなりG7に出ろという話になったら何も知らない人が総裁就任って訳にも参りませんので候補者が思いっきり絞られるので、いやまあ左様でございますかという感じ。

でね、それは良いのですが、副総裁に渡辺財務官って人事に対して民主党様からいちゃもんがついているのでありますが、当初は財務官出身者の黒田さんや渡辺さんなら財金分離には反しないとか言ってた筈なのですが、いつの間にか論理構成が「天下り反対」になっているのはもう無茶苦茶ですな。内部の統制が効かなくなって途中からどんどん内部の強行路線に引っ張られて引っ込みがつかなくなっていくってのは確かにこりゃ昭和の軍部だわ民主党。

とはいえ、究極の後を考えない人気取りガソリン税金問題で税金元に戻すなというこれまた後先考えない意見に賛成する人が甚だ多い(開いた穴を埋めるのに何か税金取られると思うんですけどねえ)という世論調査の結果を見ますと、この国民にしてこの政党ありという事でございます。何でも文句つけて混乱させて政局にしたいのは判ったからお前らが良いと思う案を出しやがれこの馬鹿野郎という感じであります。

#しかし今急に思ったのですが、「天下り反対」ということは民主党としては日銀を財務省の下として見ているって事ですよね。民主党が政権とったら金融政策に干渉しまくるんでしょうなあその発想からすると・・・・・