分類不能の雑文

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とりあえずここにぶち込んでおきますが、いずれ整理する所存・・・と言い続けて早や4年以上整理していません。

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今期の雑談

2009/03/18「産経新聞のトンデモ日曜経済教室・・・というか大丈夫か産経??」
2009/03/13「国会会議録続き、与謝野さんの皮肉が通じなかった人/その他少々」
2009/03/12「国会会議録より、大門実紀史さん(日本共産党)の正論」
2009/02/18「微妙に不思議な中川酒大臣辞任雑感」
2009/02/17「これはどこの新銀行東京ですか?」
2009/01/08「国会で本石町日記がネタにされた件」
2008/11/20「駒澤大学がデリバティブで大損こいた関連」
2008/11/13「久々に国会会議録ですが、今日は民主党の中でもまともな質疑を」
2008/11/10「日銀批判も斜め上はダメよ/日銀のサイトマイナーリニューアル」
2008/10/28「1兆円増資とかアホかと/アイスランド/武者先生のお告げ?」
2008/10/24「アイスランド/また民主党」
2008/10/23「財務省のサイトに金融大臣向け目安箱/民主党の得意技ですなあ」
2008/10/14「各種雑談」
2008/10/10「アイスランドは噴火しているか/REITが破綻ですと???」
2008/10/07「玉の整理はちゃんとしましょうと思うのですが」

2009/03/18

○これはツッコミ所が多い「日曜経済講座」ですね

どうもツッコミ所が多いと思ったら産経新聞のあの人でした。
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090315/fnc0903151021001-n1.htm

このURLって実は1から3まであるのですけど、何か物凄いツッコミ所満載で頭がクラクラします。産経新聞大丈夫か???

『現代の日本人は消費よりも貯蓄に励む。これでは国全体の内需が振るわない。1990年代のバブル崩壊不況時、政府は赤字国債を大量発行して貯蓄を吸い上げ、巨額の公共投資に踏み切ったが、無駄な道路工事ばかりが目についた。民間事業を興す波及効果は乏しい半面で、国の借金はにっちもさっちもいかないほど積み上がった。』

えーっと、どこをどう突っ込んで良いのか悩むくらいの話ですが、国債発行して貯蓄を吸い上げたのではなくて、国債の大量発行によって民間が資金余剰になったというのが因果関係としては正しいのではないかと。しかも公共投資が「無駄な道路工事」の一言で片付けるとか何か乱暴な・・・と思いますがまあ良いとしてその次がまた。

『不況脱出の答えはおカネの発行だった。日銀が「量的緩和」政策をとって円を大量発行すると、円安という神風が吹き、輸出主導で景気が回復した。』

・・・・・・(゜д゜)

えーっと為替市場への介入を行い、その時に量的緩和政策を取っていて当座預金残高目標の積み上げを同時に行っていたから介入分が不胎化されずにベースマネーが数字上増えたという因果関係なのですが。というか「円を大量発行」って別に輪転機回して日銀券撒いてる訳じゃないのですが・・・・・

で、その先にある2番目以降の説明も無茶というか豪快というかなのですが。

『米国の民間金融機関が創出したこの信用マネーは、住宅価格が全米各地で下がり始めた途端に、蜃気楼(しんきろう)のごとく一挙に消滅した。これが「100年に1度の危機」の実相である。モノや飲食などのサービスに支出する財源がなくなったのだから需要も消滅、米国の新車販売台数は前年比で40%以上も減った。』

『危機は信用の消滅により引き起こされたのだから、景気の回復のためには、とにかくマネーを大量に新規供給するしかない。米国はオバマ政権も米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長もそれを知っている。』

何かマネタリーベースの話とレバレッジの話がゴッチャになっているようですが大丈夫でしょうか。あとそれから現在の各国の対応では、信用危機問題は単純にマネタリーベースを増やせば解決するような単純な話ではなく、個別の金融市場に手を突っ込む信用緩和を行うというのが世界的な対応なんですけど。

『オバマ政権は赤字国債を発行して財源をつくり、金融機関や自動車メーカーを救済する一方で、FRBがドルを大量発行して市場に供給している。』

いやあのそういう単純な話じゃないのですけど・・・・というか、さっき日本のかつての財政政策に対して「財政赤字がつみあがっただけで効果が無かった」って話をしてるのに、オバマの赤字国債はよい赤字国債って何と言うダブスタな説明。

で、3番目(一々URLを書きませんが)を見るとまた何だかな状態。

『財務省など各省はこの機に乗じて天下り先の政府系金融機関による融資拡大に奔走し、「焼け太り」を狙う。』

何と言う「何でもかんでもコミンテルンの陰謀」的な発想。というか米国の政府が民間救済するのは良いのに日本が政府系金融機関の融資拡大をするのが何故問題なの????

『日銀は政府系の日本政策投資銀行の後を追いながら小出しに企業の短期債務証書「コマーシャルペーパー(CP)」を買い、銀行保有株の買い上げに踏み切ったが、肝心の市場の評価を得られない。』

CP買入および企業金融特別オペの政策効果が出過ぎて官民逆転までレート低下してますが何か????市場動向見てますかあ?????

『米国と足並みをそろえて、政府・日銀が一体となってふんだんにマネーを民間に供給する。この簡明な政策をなぜ決断し、実行できないのか。危機はマネーにより引き起こされたという認識に乏しいからだろう。』

政府系金融機関が融資を拡大するのはダメなのに政府は民間にマネーを供給しろとはどんな判じ物なのでしょうか???


・・・・と、テキトーに突っ込んでみましたが、何かもうこれがそこらの読者投稿とかならまだしも、「日曜経済講座」って名前で堂々講義をしておられる所が産経新聞大丈夫かというところでございますな。

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2009/03/13

お題「引き続き国会ネタで」

13日の金曜日ですが、スイス中銀為替介入とはこれ如何に。

で、昨日は本石町日記さんとネタもろかぶりで誠に恐縮至極。
http://hongokucho.exblog.jp/10489480/

で、今日もまあその続きでも(^^)、ということで3月3日の参議院財政金融委員会会議録から。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0105/171/17103030060005a.html


○どうも皮肉が通じなかったようで(苦笑)

冒頭は民主党の尾立源幸委員による質疑なんですが、財政投融資特別会計の準備金繰り入れに関する法案に関する部分から引用。

最初はいわゆる埋蔵金に関しての論点整理をしていていい感じで話が進んでいるのですけれども、何故か話が微妙に変な方向に進み徐々に怪しげな質疑になっております。

『○尾立源幸君 改めて、なぜ必要になったかというのは、財源としてどうしても使いたいと思ったからということなんですか。そのなぜというところをもう一回。』

『○国務大臣(与謝野馨君) そもそも二次補正を作るときに、赤字国債は出したくないと、こういう前提をつくって二次補正を作ろうと。そこの最初の出発点のときにその原則を決めてしまったためにそういうことになったわけでございます。』

『○尾立源幸君 じゃ、赤字国債のそのたがをはめなければこういう措置も必要なかったかもしれないということですよね。それで、ここで明らかになったことは、特別会計の資金の中には一時的であれ使える資金があったと、これが今まで御主張されていた与謝野大臣とは違うことが明らかになったということだと私は思っております。それはそういう理解でよろしいでしょうか。』

『○国務大臣(与謝野馨君) 党内からは、与謝野は使うお金がないと言ったけれどもあったじゃないかといって御指摘を受けておりますが、私としては、使えるお金は元々あって、それにはストックからストックへという原則が存在していたんだというふうに御説明しています。』

まあこの辺までは普通の質疑応答だったのですが、最後の方に来て段々様子が怪しくなって参ります(笑)。

『○尾立源幸君 それでもう一点、そういうことで使えるお金があったということなんですけれども、その次、金利変動準備金が二〇〇八年、政府によって一〇%から五%に引き下げられておる、これは御承知のとおりかと思います。シミュレーションを行っていらっしゃるそうで、モンテカルロ・シミュレーションという難しいのをやっていらっしゃるそうなんですけれども、この一〇%を五%に引き下げるために、五%であればそんなにリスク変動はないと、金利変動のリスクはないということだったということでございますが、さらに、与謝野大臣は二月の二十四日の衆議院財務委員会で、そんな高いレベル、準備率でなくても、将来のリスクには十分対応できると述べていらっしゃいます。パーセンテージについては明言をされてないようなんですけど、これはどのような根拠で五%でなくてもいいとおっしゃっているのか、教えていただきたいと思います。』

ということで政府参考人が説明しようとすると・・・・

『○政府参考人(佐々木豊成君) 金利変動準備金の千分の五十に引き下げましたときの考え方につきまして、まず……』

『○尾立源幸君 それは要らないです。』

『○政府参考人(佐々木豊成君) 要らないんですか。』

『○尾立源幸君 それは要らないです。そんなことは聞いていない。』

政府参考人が(゚Д゚;) となっている姿が彷彿とします。んでまあその後1000分の35にした話を佐々木政府参考人がしてますので政府参考人として出席して良かったですねという所ですが(笑)、益々話の方はエスカレートしてきます。

『○尾立源幸君 この議論はずっと、大臣、やってきておりまして、既にもう大久保委員なんかからも指摘がありますように、ALMしっかりやっておるので、ほとんど金利変動リスクというのはないということが分かっておるわけなんです。しかしながら、あのような答弁をなされ、しかも自分たちが作ったルールを破ったらああいう言い方をされる。もうこの際いっそほとんどゼロにして、何か起こったときは、一時的に一般会計に貸しているわけですから、何かあったときは一般会計で面倒を見ると、こういう選択も考えられるんじゃないですか。この埋蔵金論争じゃなくて金利変動準備金論争みたいなのがまた起こっておりまして、その時々によって都合のいいようにルールを変える、これが官僚のやり方でございます。大臣、どう思われます。』

で、与謝野さんの返しにワロタ。

『○国務大臣(与謝野馨君) 仮に財投が赤字になりますと、一般会計から補てんしなきゃいけないという事態が発生します。ですから、そのときに皆様方が財投の赤字垂れ流しという批判をされないということがはっきり分かるのであれば、ゼロのところまで使い切って私はいいと思っております。ただし、それはしっかりしたお約束をいただいて、そのときには批判しないよということを言っていただかないと、なかなかそこまでは申し上げられないと。』

しかし皮肉が通じないのがミンスクオリティ。

『○尾立源幸君 是非この場で合意をして、私たちの手に財布をいただいたときにそれを実行させていただきたいと思っております。(以下別の話題なので割愛)』

・・・・・・・何と言う次代へのツケ回し宣言(-_-メ)必要以上に準備金取り崩したらそれは赤字国債発行とまともに同じじゃろうがと思うのだが。

なお、尾立さんはこの質疑の中で「百年に一度の事態だからどんどん使え」みたいな話をしておりまして、昨日ご紹介した大門さんの「百年に一度という言葉で思考停止するのは如何なものか」という指摘が見事にぶち差さっております(^^)。


○日本振興銀行ネタ

またまや大門先生で恐縮ですが(^^)、日本振興銀行に関するツッコミをしておりまして、午前の質疑でもっとややこしい話をしているのでその辺も興味深く読んだのですが、午後の質疑(昨日引用した部分のちょっと前)にこんなのがあってニヤニヤ。

『○大門実紀史君 (前半割愛)もう一つは、ある企業の役員をやっている国会議員がその企業のビジネスモデル、あるいはその企業がやっているマーケットですね、それをそのために国会で質問をするというのは、考えてみれば、オリックスの宮内さんが規制改革会議でいろいろ発言をされてあのかんぽの宿の問題で大問題になりましたけれども、ましてや国会議員が会社の役員をやっていて、自分の企業あるいはその産業といいますかマーケットのために質問を繰り返すというのは、ある意味じゃ、もう私は大変危ないことじゃないかなと、献金をもらって質問する以上に、ストレートに問題があることじゃないかなというふうに思いますが、一般論で結構なんですが、政治家としての与謝野さんのお考えを聞きたいと思います。』

『○国務大臣(与謝野馨君) 国会議員が閣僚等のポストに就いていないときに企業の役員をやっているということは、これは許されることだと思いますが、立場を利用して国会で質問をすると、しかも自分の企業のために質問をするということがあるとすれば、それはやっぱり企業の規定に関して責任を問われかねないことであると思いますし、それ以前に、やはり政治家としての廉潔性を保持するためにも、自分の企業にかかわるようなことについて質問をするということは厳に差し控えるべきだと私は思っております。』

『○大門実紀史君 ありがとうございます。実は、取り上げてきました日本振興銀行ですね、この社外取締役議長、その日本振興銀行設立にも、木村剛さんと一緒にかかわられた自民党の衆議院議員がおられます。平将明さんという方ですけれども、まだ若い方なので、一年生議員なので、これ指導してほしいという立場で、余り名前は言いたくなかったんですけれども、申し上げますけれども、国会質問を度々なさっております。(以下平さんの質問内容部分割愛)私は非常に危ないところで質問を繰り返されているなというふうに思います。本当に、まだ四十一歳で若い方でございますし、国会議員になったばかりかな、だから余り国会議員の節度というか、まだよくお分かりになっていないのかも分かりません。そういう点で、自民党の中でよく指導もされた方がいいと思いますが、いかがでしょうか。』

○国務大臣(与謝野馨君) 日本振興銀行、個別の銀行のビジネスモデルについて、その是非を私がここで表明するわけにはまいりませんけれども、いろいろな誤解を生ずるような発言というのは国会議員は慎まなければならないというのは先生の御指摘のとおりだと私は思っております。』

(;∀;)イイハナシダナー


○余談ですがこれは酷い

昨日は国会に白川総裁が出席しましてこんな話を。

http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPnTK025662420090312
財政ファイナンス目的の長期国債買い入れは長期金利に悪影響=白川日銀総裁

2009年 03月 12日 17:09 JST
[東京 12日 ロイター] 白川方明日銀総裁は12日の参院予算委員会で、景気悪化や株価下落傾向のもとで日銀は長期国債の買入オペ増額により財政政策に貢献すべきではないかとの考え方について「長期国債の買い入れオペの考え方は銀行券の発行残高に見合った長期安定的な資金を円滑に供給するという金融調節の必要に基いて実施するもの。そうした必要性や先行きの日本銀行の資産や負債の状況を踏まえて実施している」との基本方針を示した。その上で「金融調節の必要性から離れて、財政ファイナンスを目的として長期国債を買い入れると、それ自体が日本の長期金利に悪影響を与える」と述べ、財政政策支援のための長期国債買い入れに否定的な考えを示した。(上記URLより、以下割愛)


そりゃまあ中央銀行が財政赤字ファイナンスを真正面から謳って国債買い入れをおっぱじめたら財政破綻と悪性インフレへの懸念で長期金利が上昇しますわなというごく普通の話をしている筈なのですが、その話をこういう記事に仕立て上げる新聞社の頭の中身を激しく疑わざるを得ません。

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090312/biz0903121606009-n1.htm
国債買い入れは金利に悪影響 日銀総裁

2009.3.12 16:04
日銀の白川方明総裁は12日の参院予算委員会で、長期国債買い入れについて「金融調節の必要性から離れて、財政ファイナンス(資金供給)を目的として長期国債を買い入れると長期金利に悪影響を与える」と指摘した。(上記URLより、以下割愛)

「財政ファイナンス目的」という肝心の部分は抜けてる(追記:記事の見出しの事です)わ、財政ファイナンスを「資金供給」と書くわ。そりゃまあ行為は資金供給かもしれないけど、基本的に「赤字補填」という話であり、資金供給と書くと通常のオペレーションによる資金供給を話がごっちゃになるでしょうがなと。

ま、産経は中々いい感じで論点がズレてるというかトンデモ成分の入った論説をする変な編集委員さんがいるみたいですから、日銀陰謀論で悪意のある書き方になるのかもしれませんけどね。

長期国債買入増額はマネタリーベースの拡大目的でやる(最近のFRBだと長期金利を下げるという目的を打ち出したものの買入はまだやってませんわな)というのが原則でしょという所で、大久保さんの質問も何だかなという感じですが。

ではでは♪

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2009/03/12

お題「日本共産党に資本主義を説教されたでござるの巻」

一方、自民党ではこんな動きをしている訳ですが、
http://www.asahi.com/politics/update/0311/TKY200903110247.html

・・・・この「無利子国債が景気刺激策になる」という理屈が全然判らないのですけど。そもそも世の中で相続税を多額に払う人って物凄く少ないので、勘違いして買う人はいると思うけど、恩恵そのものは超極一部だし、相続財産で捕捉されないようにしてるタンス預金の類がこっちに流れるとか安易な気が。それよりも他の金融資産からこっちに流れたら「官から民へ」の小泉改革(苦笑)に逆行しませんかねえ。

マジで無利子国債の件は景気刺激になる理由が判らないので教えてエロイ人という所ですけど、それ以前の問題として、この議連会長さんって1年前とかには誰に吹き込まれたのか知りませんけど、「政府系ファンドの設立を!」とか言いまくっておりました(しかも原資は外為特会やら公的年金!)が、ご提言どおりに実行していたら今頃どうなっていたかの検証とか反省とかした方が宜しいのではないかと。まあ政治家センセイの感覚はよーわかりませんけど、一般ピープルのあたくしとしては恥ずかしさの余り肥溜に頭から飛び込んで3日3晩反省する位のレベルだと思うんですけどねえ・・・・・

と、マクラの悪態が長くなりましたが、市場経済や資本主義を説教する共産党議員というシュールというか徳田球一委員長時代だったら除名モン(かどうか知らんが)じゃないかというような光景が展開された3月3日の参議院財政金融委員会から。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0105/171/17103030060005a.html

この日はお題が幾つかあって午前と午後に質疑が行われたようでして、日本共産党の大門実紀史委員の質疑タイムは珍しくも3回もあったのですけれども、例の質疑は2回目の質疑となりまして、上記URLの真ん中から気持ち下くらいの所から始まります。では引用を(^^)。


○小手先の株価対策よりも重要なものがあるでしょうと

2回目質疑の前半は別の話(実はそれもオモロイ)でして、後半が株価対策などの例のお話になるのです。

『○大門実紀史君 それでは、次のテーマの株価対策について質問いたします。

二十四日にTOPIXが一時バブル後最安値と。今日も大変な安値になっていますけれども。とにかく日経平均、二十六年ぶりぐらいの安値でずっと今うろついているというところでございます。それもあってでしょうか、与謝野大臣は、今回、株買取りの法案が審議されておりますけれども、さらに、公的資金で市場から株等々を買い上げる案などを与党に、自民党に検討してほしいという要請をされたということが、新聞報道ですけれども、されております。その辺、そういう要請されているんでしょうか。』

で、この次に出てくる与謝野大臣の答弁も秀逸だと思います。

『○国務大臣(与謝野馨君) 株価対策というのは言葉で言うのは実に簡単なんでございますけれども、株価というのはやはり経済や企業業績を反映したものであって、それに人工的に手を加えていいかという基本的な問題があります。それからもう一方では、やはり株価が急落することによって起きるいろいろな経済的な現象、こういうものを未然に防ぐ社会的な価値があるかどうかという判断がもう一方であると私は思っております。』

『株価が急落をいたしますと、金融機関及び生保等の経営に重大な影響を与えますし、一般の大中小すべての企業に対する経営を何らかの形で圧迫をする、またそのことによって雇用が不安定になるという全体がつながっている問題でございます。したがいまして、株価をどう支えるかというのは、一般的な経済の原則のほかに、日本の経済が一体今どういう状況にあるかということに対する深い情勢判断、洞察の下で行うべきことであると思います。』

『ただし、これもふだんからきちんと緊急時にはどう対応することが可能かという、そのことはやはり検討をしておかなければならないと思っておりまして、先般、柳澤議員にお目にかかって、政府の方ではなかなかできないので与党の方でそういうことも図上演習として御検討いただきたいということをお願いしたところでございます。』

そして大門先生の質問というか意見がまた宜しいのであります(^^)。

『○大門実紀史君 大臣が前段に言われたことは非常に私は重要だと思うんですけれども。確かに株が下落するといろんな影響が出て、いろんな事態が起きていますよね、雇用にまで影響するというのはそのとおりでございまして、私は何もやらなくていいとかという意味で言っているんじゃないんですが、株を公的資金で支えるとかこういうことは、本当に気を付けないとちょっと飛びはねた議論がすぐ出るんですけれども、よくよく考えなきゃならないんじゃないかなと思っております。』

「本当に気を付けないとちょっと飛びはねた議論がすぐ出るんですけれども」って言い得て妙ですよね。

『小手先でいろいろやっても、結局元に戻ってしまうと。それは、やっぱり株というのは実体経済の反映、鏡でございますから、何かやらなきゃといって焦っちゃって、もう一喜一憂して、今日下がった、何かやらなきゃと、もう右往左往してしまうのは気持ちとしては分からなくありませんが、政治こそどんと構えて、本来の対策を打たないといつまでたっても逆に政治が翻弄されるということにもなりかねないんじゃないかなというふうに思っています。』

何と言う正論(^^)。

『特に、この間株価の、私もこの間ずっと見ているんですけれども、動きをですね。ついこの間までは、大体海外投資家が引いているわけですね。これ大体、日本株というのはまだ利益が出ていましたから、日本株を売って利益を確定するために、日本株で稼ぐために売っていたと。ところが、この前のGDPの発表以来、今度は日本経済がもうひどいと、ストレートに日本株売りがやられていると。』

ちゃんと見てますよね。

『こういうふうに見ますと、結局やっぱり一番大事なのは、一番今回落ちているのは、昨日はアメリカのAIGの影響ありますけれども、全体で株価が下落しているのは、どうしても実体経済、日本のGDP、これが落ちたせいだと思うわけですね。そうすると、まずそれを引き上げると、あるいはそれが引き上がるであろうと人々が思ってくれる政策を打ち出すことが一番大事で、余り右往左往して小手先の何やったらいいかということではないんではないかと思いますけれども、もう一言、いかがでしょうか。』

で、与謝野大臣の答弁。

『○国務大臣(与謝野馨君) 人間も耐えかねる激痛に対して、一時的な鎮痛ということは必要な場合はあるわけです。しかし、薬物による鎮痛に依存するというのは、決して健康を取り戻すゆえんではないと。経済ももちろん同じことでして、耐え難い激痛に対しては政策的な配慮は必要だとしても、やはり本来の健全な経済を取り戻す、このことを忘れていろいろな対策を講ずるというのは、私は正しくないと思っております。』

これが共産党と政府の質疑応答というのがシュールなのですが(^^)、さてちょっと飛ばして例のそもそも論に入るのであります。


○大門先生の市場機能論の秀逸さにしびれる憧れるううううっと(^^)

で、柳澤伯夫衆議院議員との質疑(自民党はどう考えているのかという質問があったので)があったのですがそこは割愛しまして、その流れで大門先生のそもそも論が実にしびれるので段落分けしながら引用致したく。

『○大門実紀史君 私、もうこの場では余り細かい議論入りたくないんですけれども、ちょっとそもそも論としてお聞きしたいんですけど、公的セクターが株式市場、CPでも社債でもいいんですけれども、そこに介入するということそのものが、市場経済の中においてはそのものが自己矛盾を起こすわけですよね。』

いやもう仰るとおり。

『もう今日の日経新聞一面読んでいても、何を愚かなことを言っているのかなと思ったんですけどね。まあさっきもありましたけど、何か社債、CP、借換えでいくと二十兆円ぐらいの穴埋めをしなきゃいけないと、だから政府が今言っている規模だと金額が少ないと、こんなことを言っているわけですね。』

・・・・「何を愚かなこと」にしびれる憧れるう!

『じゃ、まあ何でもいいんです、株でもCPでも社債でもいいんですけれども、仮に十兆円つぎ込んで効果なかった、二十兆円つぎ込んだら効果が出た、支えられた、引き上げられたと。この瞬間に市場経済のメカニズムといいますか、機能を公的セクターが崩しちゃったわけですよね。ということですね。仮にしばらく行ってまた下がったときにどう思うかというと、また公的セクターがやってくれるだろうと。こんなことを思うのは市場経済とは言えないわけですよね。』

政府日銀にクレクレ言うのが当然とか思っている市場関係者は恥じ入るべきかと、ってあたくしも当然とまでは言わないけどクレクレな意見は言いますからちょっとアセアセではございまする(^^)。

『だから、この間、アメリカも対策打って、織り込み済みで株が一時上がってまた下がると、こんなことばっかり繰り返しているわけですよ。日本だってそうなわけですよね。』

『今、大臣が言われたように、いざというときのために用意しておくんだと、これではマーケットが納得しないと日経新聞は言っているわけですね。実際に幾ら入れたかだと。こんなことにどんどん巻き込まれていったら市場経済じゃなくなるし、資本主義じゃなくなってしまうと。まあ私が言うのも変ですけど、何かおかしな話になってくるんじゃないかなと思うわけでございますよね。』

ここ読んでて「まあ私が言うのも変ですけど」で盛大に吹いたのはここだけの話(^^)。

『だから、もうそのそもそもの、この日経新聞も言っているんですよ。こういう言い方はよくあるんですよね、市場の機能を壊さない程度に、機能を壊さない程度に介入すべきだと。こういう議論があるんですけど、効果が出たときは機能を壊しちゃっているわけですよね、市場の機能を、メカニズムを。これは非常に大事な議論を私していると思うんですけれども。これが基本にあるから、私は慌ててばたばたと手を打つようなことをしないで、もっと実体経済そのものをどうしたら、人々が、上がっていくなと、良くなっていくなと思うような対策を重視すべきだというふうに思うわけでございます。(最後の柳澤議員への質問部分割愛)』

ということで、日本共産党に資本主義や市場経済を説かれ、日経新聞がたしなめられたでござるの巻という大変に心の洗われるひとコマでありました。つまり市場経済に関する見識は赤旗>日経ということですな(それは違う^^)。


○これも良い指摘かと

ということで、大門委員の2回目の質疑は大体終了なのですが、3回目の質疑は麻生総理大臣が出席の下で実施されまして、その質疑の後で法案の委員会採決が行われました。ということで3回目の大門委員の質疑は上記URLの最後の最後の方になります。目の子で勘定してスクロールバーの最後8分の1くらいあたりから始まりますが、その質疑の一部を引用。麻生総理大臣に対する質問です。

『○大門実紀史君 (定額給付金の件に関する部分割愛)株価対策の質問をしたいと思いますが、大変民主党さんには申し訳ないんですけど、民主党さんの方はもっとやれということで、私の方はやるなという、そういうやり取りで申し訳ないんですけれども、申し訳ないというか、答弁もいろいろ変えなきゃいけないというのがあると思うんですが。』

ワロタ。

『私は、先ほど柳澤元金融大臣と与謝野大臣にお聞きしたんですけれども、本来余り、何といいますか、市場経済、特に株価、株のマーケットに公的セクター、公的資金とかで介入するべきではないと。これは守るべきものであって、守るべき原則であって、百年に一度だから何でもありと、この何でもありというのはちょっと危ないなと思います。』

なるほど。で、その次の指摘も良い点ではないかと思いましたです。

『それと、ついでに言えば、百年に一度という言葉が何か検証もなく飛び交っておりますね。日本って何でいつもこうなるんだろうと。七、八年前でいきますと構造改革という言葉が独り歩きをして、もうみんなが賛成と、やらなきゃいけないと。規制緩和もそうでしたね。国会では我が党は私なんか竹中さんと最初から議論いたしましたけど、みんなが一つの言葉にのまれてしまうと。この百年に一度という話もちょっと危ないなと思っているんです。だから何でもありと。まあ一々言葉じりをとらえちゃいけませんが、と思いますが、固定観念払って何でもやれと。』

『私は、そうじゃなくて、こういうときこそ守るべきしっかりしたルールを守りながら、しかし大変な事態ですからやるべきことを思い切ってやると、やるべきところは思い切ってやると。しかし、株の問題とか個別企業のCPとか社債とか、こういうものについては本当によく考えて対応すべきだと思うんですけれども、ちょっと総理、その辺の基本的なお考え、いかがでしょうか。』

「みんなが一つの言葉にのまれてしまう」というのと「こういうときこそ守るべきしっかりしたルールを守りながら、しかし大変な事態ですからやるべきことを思い切ってやる」って所にとても感心しちゃいましたのでクリップしましたです。

まあアレですな、民主党はてめえのところのしょうもねえ質疑時間を大門先生と佐々木先生(は衆議院の財務金融委員会のベテランです)に大量に譲渡すべきではないかと思われます(苦笑)。

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2009/02/18

○もっと雑談

中川酒大臣が辞任していましたが、庶民のあたくし的感覚だとああいうラリラリ状態だったら周囲のスタッフが「中川大臣は頭痛が酷くなりましたので会見は帰国後に行います」とか何とか言って白川総裁だけの会見にするとか何とかしねえかと思うのですが、何でああなっちゃうのでしょうかねえ。

#まあ酔っ払ってラリラリ会見をして良いのはエリツィンだけだよねーって所ですか

で、後任与謝野さんってどんな兼任だよとか思うのですが、与謝野さんって10月利下げの裏話みたいな日経新聞の記事によれば日銀を利下げに追い込んだ勲一等な人みたいに書かれていましたし、最近でもしらっと「日銀は社債を買え」とか言ってたりしまして、日銀的には味方のように見えて結構バッサリと後ろから斬ってくる人なのでおそロシアなんじゃないですかねえ、と思います。

#もうこの際支持率気にせず森首相とか森財務大臣とかでも良いんですけど(ヤケクソ)

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2009/02/17

・ちょっと前のニュースですが

http://www.asahi.com/politics/update/0205/TKY200902050338.html
ゆうちょ銀の企業向け融資「解禁を」 自民・園田氏
2009年2月5日21時50分

『自民党の園田博之政調会長代理は5日、京都市で財界主催のセミナーで、「郵便貯金銀行(ゆうちょ銀行)には資金がたくさんある。臨時的に貸出資金として活用する方法はないか考えるべきだ」と述べた。』

何と言う安易な発想。新銀行東京の香りがプンプンするZE!!!

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2009/01/08

○輪番といえば12月16日の参議院財政金融委員会

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0105/170/17012160060007a.html
先頭バッターの大久保委員(民主党)の質疑から。会議録の上4分の1からちょっと行った辺り。

『○大久保勉君 次に、もう少し細かい金融調整に関して質問したいんですが、私は、質問する前、若しくは定期的にあるブログを読んでいます。「本石町日記」というブログなんですが、いわゆるBOJウオッチャーの間では非常に評判のブログなんです。白川総裁は「本石町日記」というのは読まれたことはありますか。』

『○参考人(白川方明君) 余り私の立場で特定の人のブログとかについて読んだ読まないということを言うのは、マーケットに対する悪影響もあると思いますんで、差し控えさせていただきたいというふうに思います。』

『○大久保勉君 分かりました。読んでいると推測しますが、こっちの中に、最近のコメントとしましては、ここのところ日銀オペの誘導目標が下に外れぎみで、誘導目標の精度が落ちてきているという指摘がございます。このような日銀調整が難しくなっている理由というのはどうしてか。彼は、買い切りオペを増やした方がいいんじゃないかという指摘がございます。お願いします。』

・・・・・ワロタ。

で、山本理事の説明の後にこういうツッコミが(^^)。

『○大久保勉君 まあ分かったような分からなかったような。僕の質問は、誘導目標〇・三%を大幅に下がっているということは、じゃ低め誘導されているんですか。』

『○参考人(山本謙三君) 私どもの今の金融調節方針は、無担保コール・オーバーナイト物レートが〇・三%前後で推移するよう促すというものでございます。低め誘導ということではございません。』

『○大久保勉君 でも、目標の〇・三%を大幅に下回っているんじゃないですか。ですから、低め誘導していないんだったら、ちゃんと〇・三%に持っていかないと、持っていくようなオペレーションをすべきじゃないですか。いわゆる、このことに関しては、日銀のオペのやり方がへたくそなのか、こういう指摘もありました。若しくは、もう技術的な限界があるから別な方法でやらないといけないのか。一番か二番か、どっちですか。』

0.25%か0.30%かで票が割れたという禍根がこんな所にも出ていますな、合掌。ちなみに、この後大久保委員の提言は何故か長期国債買入増額の他にCP買入とか社債買いオペとか不動産証券化商品の買入オペが必要ではないかとか斜め上の話が展開される(調節上の技術的問題と政策面が明らかに混同されております)のが如何なものかと思われますが。

山口副総裁の説明もなんか苦笑を禁じ得ませんが。

『○参考人(山口廣秀君) お答えいたします。先ほどの御質問でありますが、日本銀行は〇・三%の誘導目標に対してそれを達成できていないんではないかという御質問がありましたので、まずそれについてちょっと若干補足させていただきます。十一月という月を振り返ってみますと、十一月の後半につきましては、実は誘導目標の中心であります〇・三%をやや上回っておりました。それが、その足下につきましては〇・三%をやや下回る水準で推移しているということでございます。私どもの誘導目標の実現というのは、ある期間を通してならして実現するということがターゲットでございます。したがって、ある時々を見てみると〇・三%を下回ることもありますし、ある時を見ると〇・三%を上回っていることもあると、こういうことが起き得る、そういう調節であるということについて御理解をいただきたいと思います。』

・・・・・・・いやはや何とも。

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2008/11/20

○これはさすがに適合性の原則・・・・

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081119-OYT1T00366.htm?from=navr
駒大、デリバティブ取引で154億円損失

まあ皆様ご案内の通りのニュースですけれども、報道の書き出しがどこでも『世界的な金融不安の影響により』(上記URLより)となっています。本件に関しては朝日新聞の報道の方をみますと、直接の原因は確かに金融危機に端を発した相場変動ですけれども、どうみても運用のやり方がおかしいというか度し難い愚かな行為の結果という感じが伝わって参ります。朝日新聞の記事から。

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200811180350.html
駒大、資産運用損失154億円 キャンパス担保で穴埋め

『大学の説明によると、問題のデリバティブ取引は、主に金利などを交換する「金利スワップ」と「通貨スワップ」の2種で、昨年度、外資系金融機関2社と契約したという。契約額は、日本円で約100億円だった。』

・・・・・・(゜д゜)

えーっと元本以上飛ばしているのですが、何をどうするとそのような器用なプレイができるのかって要するにレバレッジを派手に掛けていたんでしょうけれども。

『少子化で学費などの収入減が見込まれるため、「実のある資産運用をするべきだ」と始めたという。経理担当者が窓口となり、大学理事会も了承した。 』

「アメリカではハーバード大学がどうのこうの」などと経済メディアを中心に鐘や太鼓で宣伝した結果、どシロートが乗せられてご登場の図という見事な鴨生成装置にも程がありまして、落涙を禁じえないのですけれども、まあ本件の論点は「適合性の原則」ちゅう話でしょうな。ということであたくしなりの雑感を。

まずですね、資産運用でリスクものに突っ込むというのはど〜ゆ〜事かと申しますと、個人にしても法人にしてもそこは同じなのですが、てめえの人生あるいは事業に関連するリスクを軽減させる為に行うというのが基本でしょと思う次第。即ち、個人だとしたら稼いだ金を現預金にしておくだけでなく、株買ってみたり家買ってみたりというのは物価や資産の長期的な上昇に対するヘッジでもあったりする訳ですし、輸出企業が為替予約するのは販売代金を円建てで確定させる事によって為替差損食らうリスクをヘッジするというお話でしょ。

となりますと、この大学の場合何がリスクかというのは上記記事にもあるように、「少子化で学費などの収入減が見込まれる」という話ですから、基本的にそれをヘッジするためにどういう運用をすべきかっていうのが議論のスタートになる筈。そうなると金利スワップや通貨スワップしかもレバレッジ付きなどというのはどう見ても本業のヘッジにならないですからやる意味はただの博打(しかもレバレッジ効いてるってあーた・・・・)しかございませんので、「実のある資産運用」とかもうアホかと馬鹿かと。

じゃあどうすれば良かったかといわれますと難しいのですが、「少子高齢化」のヘッジをするのですから、「経済が少子高齢化した場合に益の出るポジション」を組むという話になるのですから(そうじゃない時は本業がウハウハなので投資でちょっと食らってもウハウハの本業がカバーするでしょ^^)普通に長期国債でも超長期国債でも良いですけど、その手の成熟経済対応物件を単純に運用しておけば良いんでねえのと思うのですけれども。

なお、「それだと利益が少なくて意味が無い」というのはそもそも論として本業が儲かっていない(学校法人だから儲かるとかいう表現はあまり穏当じゃないですが、苦笑)という問題が発生しているのですから、運用で頭を悩ます前に本業のスクラップアンドビルトを行うのが先決であろうかと思いまする。


でもまあこの手の商品って持ってこられるスキームって基本的にそーゆー事情を斟酌して持ってくるなんちゅう例が中々無い次第でして、「2年VS20年の金利スワップ何倍版」(イールドカーブがスティープすると儲かるが逆に行くと死亡)とか単に目先の出来栄えが良い商品を売って回るアホウに買うアホウがいて何だかなあとか思った(超昔にそんなこと書いたこともあった気がしますが)などという事例は枚挙にいとまなしという所でございまする。

で、今般の事例ですけれども、こりゃどっからどう見ても売る側は相手がやってる運用が根本的に勘違いしている上に、過大なリスク背負わせて背水の陣の鉄砲バクチ打たせてるの気が付くでしょ普通に顧客の財産状況とか把握してたらと思う次第でして、こりゃ売った側は顧客に対する商品販売上の「適合性の原則」を遵守していると主張するの無理があるんじゃないですかねえと思う次第。てか監督官庁様におかれましては、こういう事案をよく精査して悪質営業員および悪質販売業者がその過程で見つかれば厳罰でじゃんじゃんしょっ引くべきであろうかと思いますけれどもどうでしょうかねえ。これさすがに野放しはどうかと思いますよ。

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2008/11/13

最近の国会出席ネタで会議録が出ているのは衆議院財務金融委員会と山口副総裁の所信表明聴取した参議院財政金融委員会なのですが、まずは民主党で、というか与野党揃ってみてもツッコミの正確さと筋の通り方がちゃんとしている民主党小沢鋭仁委員の登場する10月24日の衆議院財務金融委員会から参ります。

衆議院財務金融委員会10月24日実施分。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009517020081024001.htm

○小沢鋭仁さんのツッコミは見てて大変結構という話

後半4分の3くらいのところで小沢さん登場。

『○小沢(鋭)委員 民主党の小沢鋭仁でございます。幾つか中川大臣並びに日銀総裁に御質問したいと思います。まず、景気及び物価の見通しについて、中川大臣及び総裁からお答えをいただきたいと思いますが、お答えいただく前に、簡単に私の認識をまず申し上げておきたいと思います。(その部分まで引用すると長くなるので割愛)』

で、中川大臣と白川総裁の答弁の後に筋良く突っ込んで来るのでした。

『○小沢(鋭)委員 総裁、一点確認をしたいんですが、今、総裁の説明の中で、昨年末から減速を始め、こういう話がありましたが、ことしの二月に私は福井総裁ともこの場で議論をして申し上げてあるんですけれども、そのときは日銀は、依然として緩やかな回復基調にある、メーンシナリオはそうだと。それはおかしいと私は申し上げましたけれども、そのときはそういう答弁だったんですが、変わったんですか、認識は。』

『○白川参考人 景気につきましても物価についても、見通し、これは我々最大限いろいろな情報を集めまして予測を行っておりますけれども、しかし、経済の先行きを一〇〇%正確に予測することは残念ながらできません。したがいまして、我々がいつも心がけていますことは、まず相対的に蓋然性の高い見通しがどういうものであるか、それから、その見通しに対して上振れ方向、下振れ方向、どういうリスクがあるかということを常に認識する、その上で、その都度その都度入ってくる情報に照らして点検をしていく、その段階でもし変更をすべきであれば、そこはちゅうちょなく変更していくというふうにしております。』

『今、我々の標準的な見通しですけれども、これは、この春以降、逐次見通しを下方修正して、景気については下方修正を行っております。一方、物価については、これは上方修正を行っております。私としては、経済、物価の変化に合わせて常に予断を持つことなく見通しを変えていく、しかし、その時点その時点では最大限努力をしていくという姿勢が非常に大事であるというふうに思っています。』

『○小沢(鋭)委員 総裁、蓋然的な見通しと、それから下振れ、上振れのリスクを云々という話ですが、変わったんですよ、一言で言うと。そこはきちっとお認めにならないと、あれだけ私は二月の時点で日銀に警告を発したんですから、幾らここで議論したって何にも役に立たないじゃないですか、こんなことばかり言っていたら。ということをまず申し上げておきたいと思います。』

『中川大臣がいなくなっちゃったので、そうしますと、では、まず日銀の方の話で申し上げたいと思いますけれども、要するに、危機の認識というのが余りにも希薄であったので、ですから政策がおくれてきているわけですよ。お手元に配らせていただいた表の中で、「景気と金融政策」という表を皆さんにもお配りさせてもらいました。これは亀井委員が先ほどお配りしたものとほとんど同じなんですが、私の方は先行指数が若干入っている、二本になっている、こういう話だけなんですけれども、これを見れば、明らかなことは、金融引き締めからいわゆる先行指数は一気に落ちて、そして一致指数も落ち始めている、こういう話なんですよ。』

『だから、私が冒頭申し上げたように、ここはもう金融政策の失敗だということだと私はこれで思っているんですけれども、これに対しては、この表の意味する私の申し上げていることに対しては、日銀はどのような意見をお持ちですか。』

・・・・まあこういう感じで突っ込まれると白川総裁も答えるのタジタジという形でございました。以下引用してるとキリが無いので割愛しますが、景気見通しが外れましたねという方向で突っ込んで、回復見通しが外れたのだから利下げをすべきという突っ込みをすると切り返しにくいと思われます。質疑応答が中々厳しいので一読推奨。


ただね、さすがにこの席で白川総裁はそういう話をしないですけれども、日銀の利上げだけじゃなくて、その間に「景気が回復したので」と言って定率減税を撤廃したことを初めとして財政政策が結構な引き締め方向に動いた点に関してのツッコミもあって然るべきだと思うのですよね。財政引き締め路線をそのままにして金融緩和したって緩和効果減殺にも程があるでしょと思う次第で。



○こういう突っ込みをするとこういう返しをされるという見本を少々(^^)

・マンデルフレミングのモデルを出してきた場合

まあ良いツッコミをする小沢さんですが、最後の方にマンデルフレミング効果を出して突っ込むのは切り返しの余地を与えるので残念な所です。

『○白川参考人 お答えいたします。今先生の御質問の中にございましたマンデル・フレミングのモデル、理論でございますけれども、これは多くの仮定に基づく単純なモデルではありますけれども、金融財政政策の効果について有益な示唆を与える理論の一つであるというふうに思っております。私も学生時代に、このマンデルの理論は勉強いたしました。ただ、その有効性につきましてはさまざまな状況に応じて変わり得るという点についても同時に留意が必要であるというふうに思っております。』

『変動相場制のもとでは、これは多少教科書的な話で恐縮でございますけれども、金融政策の効果は大きいというその考え方は、例えば、金利引き下げを行いますと、為替レートが円安になり輸出が増加する、したがって景気がよくなるという理論でございます。しかし、実際の為替レートの動きを見ますと、もちろん金利差は一つの要因ではございますけれども、いろいろな要因によって動いております。足元は、確かに今、国際金融市場の混乱を受けまして円相場は円高方向に振れておりますけれども、しかし、大きな流れで見てみますと、量的緩和中と量的緩和をやめた後を比べますと、むしろやめた後の方が円安傾向が強まっているということであります。』

『そういう意味で、私は、このマンデル・フレミングの理論、もちろん有用な理論の一つだというふうには思っておりますけれども、我々政策当局者は、特定の理論なりあるいはモデルに依拠せず、しかし、もちろん、金融政策はさまざまなルートを通じて経済、物価に幅広く影響を及ぼす極めて重要な政策であるというふうに認識し、自覚しております。(以下割愛)』


・協調利下げしなかったから円高になった(これは亀井善太郎委員の質問)

自民党の亀井善太郎委員が先頭バッターで質問しているのですが、その中から。

『○亀井(善)委員(前半割愛)そういう中で、まさに足元の金融政策について申し上げれば、十月の八日、欧米の中央銀行六行で協調利下げというものがございました。この協調利下げ、日銀は参加をされませんでした。この後どうなったかといえば、円高、株安であります。我が国はやはり輸出産業が日本全体を引っ張っていく、機関車論とまでは言いませんけれども、そういう国であります。本当は内需を拡大していかなければという、ここはまた別の議論でありますけれども、そういう中で円高というものがこの国にとって当面マイナスの大きな作用になってしまう、これはもう白川総裁に私が改めて申し上げるまでもないことであります。ただ、実態としては、ここの協調利下げに加わらなかったことで円高、株安が起きている。』

『これからの経済政策は、世界恐慌との闘いであります。世界恐慌との闘いにおいて、私はやはり国際協調というものがこれからのキーワードだと思っています。これは財政政策においてもそうですし、特に金融政策においては絶対に国際協調はしていかなければいけない。そういう中で、金利差が生まれれば、当然そこはマーケットが見て、これは円を買っていいんだ、円高だ、こういう形になるわけでございます。(以下割愛)』

亀井さんは他にも色々と突っ込んでおりまして、そっちでは筋の良い方向からの突っ込みもあるんですけど、こういう短期的な話をからめると切り返しの余地が発生するので残念な所(^^)。

『○白川参考人 お答えいたします。金融政策の運営に当たりましては、その政策効果の波及のタイムラグを考えながら、各国の経済、物価情勢に照らして、それぞれが有効と判断する政策を実行していくことが適当であるというのが各国中央銀行に共通した理解であるというふうにまず考えております。今月八日に欧米中央銀行は同時に政策金利の引き下げを行いましたが、これは今述べました理解に立ったものだというふうに私は考えております。』

と、こういわれますわな。ちなみにその後を少々。

『(途中割愛)日本銀行でございますけれども、今先生御指摘のとおり、このように非常に世界の金融市場が混乱しているときには国際的な協調が大事だ、私はその点について全く同じ認識に立っております。各国の中央銀行は密接に意思疎通、意見交換を行っておりまして、私自身も、電話会議も含めて頻繁にそうした意思疎通を図っております。日本銀行も、実は、この協調利下げというものには参加しませんでしたけれども、しかし、あの共同声明自体については、これは私はぜひ参加すべきであるというふうに判断して、現に参加をしております。』

『今みたいな状況のもとで何が一番大事であるかといいますと、金融市場の安定を確保すること、これが最も大事なことでございます。その意味で日本銀行は何ができるのかということを常に考えておりまして、これはやや専門的な話になりますけれども、国債のレポ市場の流動性改善のための措置、企業金融円滑化のためのCP現先オペの積極化、それからドル資金供給オペの拡充など、早期に対応可能な対応策をとってきております。これは、今の日本の経済情勢あるいは金融市場の動向を踏まえますと、流動性の供給を通じまして金融市場の安定を確保することが中央銀行にとって最も重要な責務であるというふうに判断したものでございます。』

『先行きの金融政策の運営でございますけれども、私は就任以来、予断を持つことなく虚心坦懐に経済、物価情勢を見て、その上で中長期的な経済の安定を図る観点から何が正しいのかということを常に真摯に考えていきたいというふうに思っております。そういう意味で、経済、物価の見通しとその蓋然性、上下両方向のリスク要因を丹念に点検しながら、それらに応じまして機動的に金融政策運営を行っていく方針でございます。それから、何よりも国際金融資本市場がこういうふうに今混乱をしておりますので、この安定確保に万全を期していきたいというふうに考えております。』

ということで、まあ10月24日の時点では翌週末(31日ね)の決定会合での利下げはメインのネタではなくて、この時点では当座預金付利を始めとする流動性対策を打って展望レポート見通しを下げるという流れがメインのネタだったんでしょうなと思わせてくれるところでありまする。


○しかし民主党ちゅうのもオモロイところで

10月29日の衆議院財務金融委員会で民主党の古本伸一郎委員がこんな話を。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009517020081029002.htm

会議録の真ん中あたりになります。古本さん質疑応答の最後の方。

『○古本委員(前半割愛)お配りしている資料の二十をごらんいただきたいと思うんですが、実はこれは、かねてから日銀がおっしゃっておられる利子所得の推移なんです。結局、一九九一年、これからずっと低金利の時代に入ってきましたので、九一年をゼロと置いた場合の、いわゆる得べかりしといいますか、逸失金利、これは、高齢者世帯を初め預金のある皆様に約三百六十兆円の金利を銀行は払わなくて済んだ、いわゆるお年寄りの皆様の預金金利はスズメの涙しかつかなかった、こういう話をよく与野党を超えていろいろな先生方がおっしゃっています。』

それかねてから日銀が言ってるんじゃなくて、かねてから民主党が質問するから作った資料だと思うのですが(苦笑)。で、ここで終わればいつもの民主党クオリティですが、実はこの先がメインの話(^^)。

『一方で、日銀がつくってくださって、けさやっと間に合ったのでちょっとお配りはできなかったんですが、企業部門を見ますと、今度は逆に低金利のおかげで設備投資ができ、そして物をつくり、そしてそれをまたそこの従業員、家族に労働分配できる、こういうメカニズムでいいますと、実は支払い利息は逆に助かっているんです。当然です。さらに、住宅ローンを抱えておられるいわゆる働き盛りのサラリーマン家庭あるいは家を建てた方によれば、これは低金利のおかげで随分助かっているんです。』

『そこを差し引きますと、実はネットで見ますと、九一年をゼロと置いた場合、ちょっと僕が読み上げますけれども、二百七十三兆円の金利を国民の財布に金融機関が払わなかったという議論がある一方で、企業部門では二百九十六兆円金利が助かった、こういう話があるんです。』

おお!これは!

『これに加えて、大臣、公債費ということでいけば、国としてはどのぐらい助かったんですか。では、一言で言ってください。何兆円助かったんですか。』

この質問に関しては財務省主計局次長の真砂靖さんが答弁しています。

『○真砂政府参考人 国債費のお尋ねでございますが、その時々の金融政策が国債の金利にどのような影響を与えるかということは、なかなか推計が困難でございますので正確な推計はできませんけれども、先生の御指摘の九一年とそれから二〇〇六年を比べるということで、既発債を含めた各年度における表面利率の加重平均が、先生がおっしゃった一九九一年度で六・一%、それから二〇〇六年度で一・四%ということで低下しておりますので、仮に、相当大胆な仮定ではございますけれども、平成三年、つまり一九九一年の金利がずっと続いたということにいたしますと、十八年度の利払い費は三十二兆になります。実際の決算は七兆円でございますので、その差は二十五兆円上回るということでございまして、これを一九九一年からの累積でいきますと、百七十兆円というような計算にはなります。』

でもって古本委員はこの答弁を受けてこのように発言。

『○古本委員 つまり、大臣は金利については口出しできないとおっしゃいましたけれども、百七十兆円から助かっているじゃないですか。そういうことなんですよ。つまり、今、本当に手を打つならば、これはもうはっきり言って、量的緩和、さらには金利の引き下げ、ゼロ、マイナスも含めてお金を供給するしかないと思うんです。だからきょうは聞かせていただきました。(以下別の話なので割愛)』

・・・・・・低金利政策を長期化させたからケシカランとか言って武藤副総裁の総裁就任を拒否した政党の中の人の発言とは到底思えませんが(^^)、まあ利上げで利子所得増やして家計にプラスとかいう無茶苦茶理論を言う人がいると思えば、こういう話が出てきたりもするというのがオモロイちゃあオモロイですね。

#ま、それ言い出したら自民党の中でも利上げで利子所得とかいう話をする人がいた記憶があるのでどっちもどっちなんですけれどもね(苦笑)。


ということで、国会会議録のコピペ大会(またの名をネタ切れの手抜き)で大増量して甚だ恐縮至極でございました。

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2008/11/10

○的を外した批判はどうかと思うのですが

暫く前に話題になってたみたいなのですけどね。
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/779827/

0.3%への利下げってのが何とも訳判らん結果でしたので、今回の結果にセコさがあるのは同意なのですが、批判する流れが無茶苦茶だと逆に突っ込まれてしまう良い(悪い)例でございますな。

まあ前半で書いている何のソースも裏づけ内容もない『「幻の緊急声明」事件』っていうのも批判する筋として如何な物かと思われますが、その後の説明がもうグダグダで何のこっちゃと。上記URLより引用しますが。

『今回の0.2%利下げは何を意図するのか。もとより、金利水準は「超低金利」である。わずかに下がっても、実体経済への刺激効果に乏しい。信用収縮とデフ レ懸念でいつ一部金融機関が破綻してもおかしくない今、日銀に求められるのは、緊急措置としての「量的緩和」のはずである。ところが、日銀の意図はあいまいだ。』

既にこの時点で怪しげな香りを発しております。

『日銀は日銀券を刷って市場に流し込む。この上限を大幅に引き上げるのが量的緩和なのだが、そうするとコール市場では資金があまり、短期金利は下落を続け、究極的には金利ゼロになる。日銀はそうなると短期金融市場を操作できなくなるので嫌う。』

「日銀券を刷って市場に流し込む」っていう説明がもうどこをどう突っ込んで良いのかという感じですが(日銀券は金融機関からの引き出しが無いと出ませんし、「刷って流し込む」って何も無いところにいきなり撒くわけでもありませんし・・・・)、それが量的緩和とか言われましても困るのですが、「そうなると短期金融市場を操作できなくなるので嫌う」のではなくて金利を誘導目標にしているのだから操作出来なかったら金融政策の枠組み自体が回らないでしょという話だと思うんだが。

別にマネーサプライみたいなものを誘導目標にしてコントロールすることだって実際問題として米国でボルカーだかの時に実行されたと思うので、操作変数は必ずしも金利である必要は無いのですが、ボルカー時代は市場金利がアホほど乱高下した弊害の方が大きかったので、それ以降は金利操作が中心になった(日本で当座預金残高目標という量的緩和をやりましたけどね)筈なんですけれども・・・・・・

『従来の0.25%の利下げ幅を拒否したのは、もう一度利下げすればゼロになるからだ。ご丁寧なことに、銀行の日銀への当座預金に金利を付け、短期市場金利がそれ以下にならないようにした。日銀は量的緩和に歯止めをかけゼロ金利を避ける、というのが今回の利下げの真相なのである。とすれば、日銀は自身の利害を優先して危機対策という大局を見ない、狡(こす)いやり方ではないか。』

あれ?ちょっと前の方で「金利を下げても効果に乏しい」って話をしてたのに、何で「ゼロ金利にしないのがケシカラン」になっているのでしょうか。それに、当座預金付利を行うことによって「金利付き量的緩和」(それ自体はインチキだとあたくしは思いますがそれは兎も角)が実施できるというのが今回の措置のキモなのですから、こちらの執筆子の仰せになる「金利引き下げよりも量的緩和」に一番適うのが「当座預金付利」なんですけれどもねえ。

ということで、今回の利下げに関して何だかなあというのは同じ思いはございますけれども、批判の筋があまりにも宜しくないのは如何なものかと思いますけれども、(何か前にも紹介したかもしれませんが)このお方はどうも調べ物をあんまりしないで煽り批判装置が作動するのが仕様のようですな。
参考文献→http://obiekt.seesaa.net/article/49298967.html


○ところで日銀のサイトがリニューアルされてましたが

http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/maint0811a.htm
日本銀行ホームページの改善について

前回大々的にリニューアルした時にはリンク切れが多発してごく一部の利用者が文句を垂れまくっておりましたが、今回はちゃんとこんな説明があるのはちょっとだけ好感。

(注)同修正に伴い、以下のとおりURLが変更されます。
  <新設> 「統計」一覧表:http://www.boj.or.jp/theme/stat/index.htm
  <削除> 一覧表に集約された統計の見出しページ
 http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/index.htm
 http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/boj/index.htm
 http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/money/index.htm
 http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/dl/index.htm
 http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/market/index.htm
 http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/set/index.htm
 http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/pi/index.htm
 http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/zaisei/index.htm
 http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/bop/index.htm
 http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/bis/index.htm

なのですけれども、どうせなら削除したページには「こちらに行ってください」というご案内を入れて欲しいのではございますけれども。ちなみにあたくしのブックマークする中にも上記リストにあるこんなのがありますが、残念な結果が出てくるのであります。使い勝手はまた使ってから感想を。
http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/boj/index.htm

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2008/10/28

○1兆円増資とか何と言うKY

月曜の株式市場はどこぞのアホウ銀行がこの安値水準で1兆円増資するとかいうニュースで金融株中心の下げが酷く、前場日経平均しっかりしている中でも見事にTOPIXがゲロゲロという状態になっておりました。で、後場日経平均も一緒にボコボコになったのはご案内の通り。

えーっとですな、金融危機の時のメガバンク増資は、国内要因による不良債権(今にして思えば無駄な時価評価のせいもあるが)のロスカットの後処理として必要だったので、この時の増資に関しては仕方ないですねって話だと思うのですが、今回に関して言えば、先日どこぞの外資系金融機関に8000億円突っ込んだばっかりなのでありまして、「株価下落が原因で」とかもうアホか馬鹿かと。

増資しなきゃ明日にも潰れるとか、そもそも増資しないといけない状況になったのが国内に融資突っ込んで毀損したからとか言うのであれば兎も角、海外に景気良く投資した挙句に株が下がって資本不足、しかも株価下落した所で大希薄化とか既存株主をコケにするにも程がある上に株式市場全体にもダメージということで、これはもうどこの国賊ですかと思ってしまう訳で、経営陣は恥というものを知っているのであれば切腹して既存株主に謝罪すべきではないかと思うのですけれどもねえ。

ちなみに、時事メインで見たニュースですけれども、東海東京証券(8616)は昨日自社株買い300万株、20億円上限で実施すると公表しておりました。本来そうあるべきもんでしょと思う次第でありまして、この状況になって自社株買いするどころか増資するとかもう何と申しますか(以下同文)。


・・・・と悪態をつく訳ですが、与太話成分を更に拡大させますと(笑)、やはりこうなりますとサンリオの社長様であらせられる辻信太郎先生が実は時代を先取りしていた訳ですよ(嘘)。

もうだいぶ前の話になりますが、投資家向けIRだかの席上で辻社長が保有株式の下落について質問された時に「売らなければ損ではない」という上場企業の会計基準から思いっきり斜め上に逝く発言をして出席者の腰を抜かさせたという事例がありましたが、「そもそも本業が儲かっているので問題なく、株の評価で一時的にやられることで大騒ぎするのはケシカラン」というのは現在の「時価会計見直し」や「満期保有勘定の運用弾力化」に通じる議論でありまして(嘘)、まさにこう時代を先取りしていた訳ですな(しつこいですがネタですので真に受けないように)。しかも原資は体重リンゴ3個分のネコさんが世界中で稼いだ金ですから正に愛国者(^^)。

ま、サンリオ云々はギャグですけれども、この期に及んで自社株買いどころか大型増資とか何考えてるんだというか、却って不安煽らんかいなとか思うのですけれども。何というかセンスがねえとしか・・・・



○なお与太話

・アイスランドまたまた

サムライのカウプシング銀行1回債(発行額500億円、2009年10月20日償還)の利払いが7日間遅延してデフォルトとなりました。ご冥福をお祈り致しますが、報道によりますとこの国の首相は「経済立て直しの為にあと40億ドル必要」とか寝言としか言いようが無い発言をしておられているようでありますな。

・・・・・えーっと、この国そのものを国際的に競売にでも掛けた方が良いのではないかと思いますが。


・これは良い兆し

昨日のロイターニュースでインタビュー記事が。

14:57 金融混乱:株式市場は今が最悪、財政政策などが必要=ドイツ証券 武者氏

[東京 27日 ロイター] ドイツ証券・副会長兼チーフ・インベストメント・アドバイザーの武者陵司氏は、ロイターの緊急株式インタビュー「金融混乱」の中で、株式などマーケットは今が最悪であり底打ちも近いが、財政政策など適切な政策が打ち出されず株価の水準が現時点から変わらなければ、破局的な経済悪化もありうるとの見方を示した。(インタビュー内容部分割愛)

・・・・・・・・・・(゜∀゜)

>破局的な経済悪化もありうる
>破局的な経済悪化もありうる
>破局的な経済悪化もありうる

さあ、あと一息ですよ!!

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2008/10/24

○またまたアイスランド

このあたりのお話はだいぶ世の中の話題になっていたと思うのでご存知であろうかと思いますが。
http://www.reuters.com/article/rbssBanks/idUST33159320081021
Iceland's Kaupthing misses coupon payment on Samurai

20日に利払いが来るアイスランド最大の銀行のカウプシング銀行1回債(償還は来年の10月20日)の利払いが堂々遅延中で、これ7日遅延するとイベントオブデフォルトだと思うのですが、まあそんな状態。

で、同じロイターでこんなニュースを。
20:46 22Oct08 -Iceland sets up New Kaupthing bank
惜しくも同じロイターのネット版ではこのニュースまだ拾えないのですけれども、関連するページを探したらこんなのが。

http://www.kaupthing.com/pages/164?path=K/133944/PR/200810/1262007.xml
New Kaupthing Bank Takes Over Domestic Operations of Kaupthing banki hf.
(多分カウプシング銀行のサイトです)

で、そこにあるアイスランドのFinancial Supervisory Authorityの公表文はこちら。
http://www.fme.is/lisalib/getfile.aspx?itemid=5725

・・・・・えーっとですね、ロイターのニュースとかあわせて斜め読みしたのですけれども、どうもアイスランドでは海外から預金だの債券だので散々金集めて色々と投資して穴開いた件に関しては「Newなんちゃら銀行」を作ってそっちに国内業務を移管して国内の預金は保護しますけど無担保債で集めた海外の金は知らんがなと仰せのように見えますが。

どう見ても取り込み(自主規制)です。本当にありがとうございました。



○裏を返して考えるとどうにもという理屈

東京新聞のサイトより。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008102301000392.html
民主、金融強化法案に反対も 対策チームで異論相次ぐ(2008年10月23日 13時19分)

ということで反対の理由なんですが、これまた上記サイトによりますと・・・・・

『公的資金の投入先に農林中央金庫を含めたことについて、23日午前の民主党金融対策チームの会合で異論が相次いだ。』

ほほう。で、その理由なんですけどね。最初の『農林中金の(1)財務内容が不透明』っていうのは理屈として判るのですけれども、2番目の理由が何とも。

『(2)傘下の農協窓口に自民党のポスターが張ってあり、自民党側に多額の政治献金をしているのではないか』

・・・・・・・(゜д゜)

一応『大塚耕平参院議員は会合で「国民の税金をもとにした公的資金の注入先は、政治的な中立性が必要だ」と指摘。』と尤もらしいことを言ってますけれども、この理屈ってまた例によってどうなのよと思う訳ですよ。

その理屈を推し進めると(共産党さんを例に出して恐縮ですが)「この商店は共産党支持者なので公的助成を行えません」とか「この人は共産党支持者なので生活保護は受けられません」っていうような話になっちゃう訳でして、政治的中立性がどうのこうのとか言ってますけど、民主党政権になったら政府による所得配分機能において党派性を持った不公平な扱いをしますよって言ってるようなもんでしょうと。

民主党が言っていた日銀に対する「政治干渉はイカン」だの「財金分離」だのの理屈が結局日銀総裁人事を政争の具にして金融市場関係者の腰を何度も抜かさせてくれましたが、今度は金融危機を政争のネタですかそうですかというのも何だかねという感じであります。

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2008/10/23

○ほほうこれはこれは

毎度お馴染み財務省のサイト。
http://www.mof.go.jp/

トップページの真ん中あたりに「ピックアップ」ってコーナーがあるのですけれども、そこのトップが「金融円滑化大臣目安箱」でございまする。財務省が何で?と思ったら、そこにあるリンクは金融庁でして、16日に設置されたようですな。
http://www.fsa.go.jp/meyasu/index.html

えーっとこれは財務省と金融庁の再統合へ向けた布石でしょうか(笑)。

・・・というのは兎も角としまして、ちょっと金融環境が悪化すると「貸し渋り」だの「貸し剥がし」だの言われる訳ですが、そもそも経済状況が悪化して企業業績が悪化したら信用力が下がるのでありますから、その分クレジットラインが減るのでありまして、十把一絡げで「貸し渋り」とか言われましても銀行だって慈善事業やってるんじゃ無いんですから、その日本語使うの勘弁して欲しいと思うのはあたくしが昔金貸しの手先をしていたからですかそうですか。

そーゆー部分は政策対応による補完によって銀行が貸出をしやすくするようにして頂きたく存じます、っていうかまあその辺は麻生内閣になってだいぶ対応をちゃんとしてくれるようになる期待がありますけれどもね。貸し渋りはいかんと言いながら不良債権増えるとまた叩かれるというのでは、どないせえちゅうねんという感じではございます。

一方でついこの前までこんな話があったりする訳で、ちょっと前のbewaadさんのブログをご参照ありたく存じます次第。
http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20080830/p1



○なおも人のふんどし(なおも雑談)

国会同意人事でこんな話が。

労務屋さんのブログから。
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20081017#p1
「行政経験者も必要では?」

で、結局はこのような結論になったそうです。hamachanさんのブログから。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-3eb6.html
「総論ありて各論なし」

無事に収まって何よりなのですが、日銀総裁人事で伊藤隆敏先生が不同意になった理由も金融政策に対する考え方とかじゃなくて「経済財政諮問会議の委員だったから」というのだから困ったもんであります。

hamachanさんの指摘されている『まずもってそもそも各論がなんにもわかっておらず』っていうところは日銀総裁人事の際にも遺憾なく発揮されていましたけれども(反対理由がもっと違うのなら兎も角、天下りはダメとか意味判らんですし)、各論に落とし込む事が出来ない中で総論だけで走られるとどうなるのでしょうかという点では、既にこのような香ばしい事例があると思うのですけれどもねえ。

http://www.asahi.com/business/update/1022/TKY200810220249.html
新銀行東京、引当金不足は数十億円規模 金融庁指摘

>経営再建中の新銀行東京に対して、金融庁が数十億円規模の貸し倒れ引当金の不足を指摘したことが22日、分かった。同行関係者は「指摘を受け、貸し倒れ引当金を積み増す」としている。同行は再建計画で09年3月期の当期赤字を126億円と予想しているが、赤字額がさらに増える可能性も出てきた。(上記記事より、以下引用割愛)

と、人のふんどしで恐縮至極でございます。ちなみに、このお二方のブログは良く拝見させて頂いておりますです。はい。

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2008/10/14

・次世代RTGS

ちゃんと稼動するみたいですね。しかしこのタイミングでこんな株安になるとは誰が想像できたでしょう。何とも間が悪かったですね。

http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/set0810c.htm

・アイスランド

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=aUvdiU2cluLE&refer=jp_home

>アイスランドの銀行業界の負債は同国政府が返済できる規模ではない。
>ハーデ首相は8日に、「民間部門の債務をアイスランド国民が背負うことはあり得ない」と述べていた。

・・・・えーっとあのその海外で外貨建て債券アホほど発行してた銀行さんとかどうなるのでしょうか・・・・・・


・大和生命破綻

タイミングが嫌がらせとしか思えないのですけれども・・・・・

・インターバンク取引の保護

保護ではなく反故にしたのがリーマン破綻処理。もとGSだというのに法的処理したらやばいことくらいポールソンは気が付かないもんかね・・・・と思いますけれども、まあ確かに決済業務がキモだという話は投資銀行の雲の上にいると判らないのかも知れませんね。というかその辺まで気にするあたくしや本石町日記さん(といきなり引き合いに出してスイマセン)はただのマニアですかそうですか。

・コール市場の資金取引ネットワーク

とかいう名前のレポートが出ていますが、読む気力と体力が無かったのでこれまた後日送りということで勘弁して下さい。

・金融機能強化法復活

うーん、まあそれはそれで良いのですけれども、日本の場合は金融システム問題じゃなくて今そこにある換金売りと、リーマン破綻に伴う法的処理の不手際によるオープン市場の取引収縮が問題なんですけどねえ・・・・・








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2008/10/10

○その他少々

・アイスランドは噴火しているか

対ユーロの為替ペッグ一晩ちょっとにして陥落したみたいで、まあご冥福をお祈り致しますとしか申し上げようがないですねとか思ってたら、同国最大のカウプシング銀行が微妙な公的管理に。ヘッドラインとか見てると国内預金は保護するみたいですけれども、この銀行ってアホほど外貨建て債券発行してまして(円建てのサムライもあります)、こっちについてどういう動きに出るのか良く判らん。しかもこの国ってEUとかの枠組みに入っているわけでもないのでどうもねえという感じが。


・REITが民事再生申請ですと

REITってこういう時に文句を最終的に持っていくケツ持ち相手がいない(一般企業だと取締役というのがいるのですが)というのが困り物、というのはREIT上場の目論見書を暇つぶしに隅から隅まで読んだ時から思っていました。とだいぶ前に書いた覚えがあったりなかったり。

しかし基本的にREITはスポンサー企業の信用力から倒産隔離されているという話の前提で作りこみされていた筈だったのにコカすとかちゃぶ台をひっくり返すような話で、ちょっと無茶にも程がある民事再生申請ですし、あのヘラヘラ笑いながらの記者会見は何ですかね。「和議は詐欺」って昔はよく言われてたみたいですけど(以下悪態にも程があるので自主規制)。REIT民事再生申請って掟破りにも程があるでしょ・・・・・

法律的には隔離されているらしいので無関係という話になるのでしょう。従いまして、あんまりこういう感情的なことを申し上げたくはございませんが、心情的かつ感情的に申し上げますと(以下思いっきり悪態を書いたんですけどやっぱり自主規制しますわ、あっはっは)。

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2008/10/07

○ただの雑感ですが

リーマン破綻で決済がフェイルになって最終的に取り消しだの何だのという混乱が生じまして、国内債券市場ではその余波で取引相手の縮小だの流動性の益々の低下だの余計な事象が発生しやがったのですが、そんな中であたしゃー昔読んだ経済小説(とカテゴライズするのが適切かどうか存じませんが)の白眉でありますところの、獅子文六「大番」の一節を思い出してしまいました。ちなみに「大番」は昭和31年から昭和33年にかけて週刊朝日に連載されて爆発的な人気を博した(らしい、産まれてないから存じません)小説で、兜町の小僧から成り上がって相場師として名を馳せた佐藤和三郎氏の一代をモデルにしています。あたくしはゼネックス社が復刻した時(初版1997年12月)に購入しましたのでそちらの上巻217pより。場面は鐘紡株の思惑で主人公の赤羽丑之助が大損して夜逃げしようという所に友人の新どんが訪れる所。ここに出てくる「木谷さん」というのは丑之助の恩人であり応援者の山一証券(小説では富士証券)の公社債部長の大田収氏(のち山一社長)がモデルです。

(以下引用)

「実は木谷さんの伝言も聞いてきているんだ。あの人は、一言も金のことなんかいわなかったぜ。そしてギュー公も、今度の損でどうやら一人前の相場師になれるだろう――と、いってたぜ。それからね、木谷さんは君が結局夜逃げをするようになるだろうが、玉の整理だけはつけておけと堅くいってたぜ」

「え、木谷さんは、わしのそんな気持ちまで見抜いとったのかいね」
(途中割愛)
「玉の整理をつけてから逃げろと、木谷さんはいいなはったのやな・・・・・・・・」

丑之助は独り言のようにそういって首を肯かせた。実は、彼は何もかも打っちゃり放して遁走しようかと考えていたのであるが、なるほどそれはカブト町の掟に、背くようである。

玉の整理――つまり清算ということは、結局債務を確認することで、それをしないと、店は立替金を背負いこんだ上に、玉を処分することもできず、一層迷惑をかける。
「あいつは玉もしまわないで逃げやがった・・・・」
ということになれば、その男は相場師の風上にも置けぬ奴といわれ、後日の活動に影響する。今金は払えなくても、成功払いの証文を入れると同様な、玉の整理をすることで、その男の将来も一脈の望みがあることになる。

丑之助は、数件の店から鐘紡株を買っていたから、無責任な夜逃げをすれば、悪評は各所から上がって、再起がおぼつかなくなることを木谷さんも心配したのであろう。

「おれも木谷さんのいうことは賛成だよ。お前も、つらいだろうが、迷惑かけた店に行って、詫びを入れろよ。何なら、おれも一緒について行ってもいいぜ」

新どんは親切にそういってくれた。

「済まん。なるほど、そのとおりや、面倒やけん、わしァ黙って逃げようと思うとったが、そんなことしたらあかんな」

丑之助はシオれて、弱々しく答えた。

(引用終わり)
獅子文六「大番」
あたくしの手元にあるのはゼネックス社発行
ISBN4-7952-6119-9(上巻)
ISBN4-7952-6120-2(下巻)
です。

何と申しますか、いやまあ別にリーマンがうっちゃってるとかいう訳じゃないんですけど、ちょっとああ堂々フェイルされると何だかねえという感じがする次第でして。法的整理になっちゃったから仕方ないんですけれども、本来は一旦は自主廃業みたいな形で少なくとも証券決済だけは予定通りに回して欲しかったですよねとしか申し上げようがございません。

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