分類不能の雑文

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とりあえずここにぶち込んでおきますが、いずれ整理する所存・・・と言い続けて早や4年以上整理していません。

過去の雑談

2008年下期
2008年上期
2007年下期
2007年上期
2006年下期
2006年上期
2005年下期
2005年上期
2004年下期
2004年上期
2003年下期(以前の整理はまだできていない)


今期の雑談

2009/09/17「新内閣閣僚発言が早速面白発言モードに」
2009/09/14「またまた読書室」
2009/09/01「更に選挙雑感:小選挙区で落選して党代表選挙に立候補とか寝言を言う人」
2009/08/31「選挙結果雑談」
2009/08/11「財政ファイナンスに協力とかいう発言のセンスは如何なものかと」
2009/08/10「その場で適当に調子の良い話をするのが市場との対話じゃないのですが」
2009/08/06「ブラジルのセラードについて(5日の訂正です)/久々に政策新人類発生」
2009/08/05「ブラジル可耕地面積がどうしたという話」
2009/08/04「ネクスト財務大臣の面白発言を火消しに」
2009/07/28「政治雑談を珍しく」
2009/07/15「ベターレギュレーション雑感/武者先生ドイツ証券を引退」
2009/07/14「さあ総選挙/中川ネクスト財務大臣発言」
2009/07/13「都議選雑感/久々に読書室」
2009/06/24「ヒマネタ国会ネタ/民主党政権って金融政策的にどうなんでしょ」
2009/06/15「国会ネタの続き」
2009/06/12「国会ネタを少々」
2009/06/05「ラトビアが炎上しているようで」
2009/05/21「戦後最悪の落ち込みじゃないと思うのですが(ネタ)」
2009/05/14「民主党ネクスト財務大臣のアホウ発言」
2009/04/24「一方で民主党の意見は質問者ごとに真逆とな」
2009/04/23「大門実紀史さんの毎度お馴染みの正論」
2009/04/22「米国金融決算雑談」
2009/04/15「地方自治法記念硬貨/こりゃさすがに財務副大臣辞任だわな」
2009/04/07「小沢鋭仁(民主党)議員の正攻法ツッコミ」

2009/09/17

さあ早速盛り上がってまいりました!

○2大巨頭の面白発言が楽しみ・・・・じゃないのですが

昨日は引けに掛けて株が失速しやがるもんだから何事かと思っておりましたら為替が円高に。もしやと思っていたらやっぱりあの人でした。

http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091601000643.html
藤井氏「為替介入に反対」 異例の発言、円相場が急上昇

いやまあ基本的に主要国といわれる国は通常時に為替介入なんぞするもんじゃないっしょというのはその通りなのですが(SNBのヤケクソ介入の評判の悪いこと悪い事)、相場水準が微妙で、ちょうどまあアタック掛けたくなるような所でこういう面白発言をする必要は無いのでありまして、誠に遺憾としか申し上げようがございません。どうも藤井さん発言の脇が甘そうな感じがしますなあ。ということで面白発言で相場が無駄に翻弄されそうな悪寒が早速。

ま、それより面白発言なのはやはり亀先生。

http://money.jp.msn.com/newsarticle.aspx?ac=JAPAN-115358&cc=03&nt=00
借入モラトリアムの法制化を検討、10月の臨時国会に提出したい=亀井郵政・金融担当相

まずね、「モラトリアム」って言葉を金融担当のエライ人が軽々に使うもんじゃないと思うのですよ。金融市場でモラトリアムって言ったら世の中がとんでもない大混乱に陥っている時に緊急避難措置で行う「全ての支払い停止」であって、例えば日本で実施されたモラトリアムって確か大正12年の関東大震災時と、昭和2年の金融恐慌時の2回であって、預金封鎖新円切替の時だってモラトリアムの実施はしてなかった(まあモラトリアムもビックリの豪快な措置ですけど)話でして、用語として刺激が強すぎでそもそもホイホイ使うようなテクニカルタームではありますまい。

まーしかしそれはそれとして、返済猶予措置っていうのですからまあリスケジュールという話になるのでしょうが、そーゆー事をしますと既存貸出が固定化されてしまいますので、新規貸出に回る資源(まあ要するに貸出に対応するリスクキャピタルみたいなもんですな)がその分減ってしまい、部分的に良かれと思って実施したことが全体のバランスを崩して却って弊害が発生するという楽しい話になるのが火を見るより明らか。

何と申しますか、早速この2大巨頭の発言から目が話せなくなっておりますし、こういう面白発言が出るとなればメディアの方も大喜びして色々な誘導質問を振って来ますから、益々もって面白発言を拾ってくるという話になるのでしょうな。

#つまり金融市場的に言えばニュース情報ベンダー機器を提供する会社(=クイックとロイターとブルームバーグ)が歓喜ということですね(本当か?)

しかしマジでそんな法案出してどうする積りなのやらという所ですが、この調子だと、投資不適格の社債買入とか言い出しかねないですし、まあオラもうワクワクして来ただ!って感じですな。はーナムナム。

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2009/09/14

○お休みしている間に読んだ本ですが

・「新しい労働社会−雇用システムの再構築へ(濱口桂一郎著:岩波新書)」

えーっと、労働問題に関してはあたくし社労士試験を2度受けて2度玉砕してもー来ねえよプンプン状態になった程度の知見しか無いので、色々と勉強になりました。で感想などを。

こちらの著者のブログは良く読んでおりまして、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/
そのせいか本文がですます調になっている事に関しては著者のブログを見ているような感じですんなり読めたのですが、人によっては読みにくいかもしれませんね。

基本的に金融屋のあたくしとしては、本書の第2章の非正規労働者問題に関する土地勘が無く(事務系の派遣さんしか見ないから)、金融屋的には第2章を読むのに少々苦労しました。ということで、この本ですが読む人に土地勘が無い分野(例えば日系の大手企業の勤務経験がないと第1章とか第4章とか土地勘無いと思います)を読むときは苦労するかもしれません。ということで、金融屋さん(ただし外資しか経験の無い人を除く)なら1章読んだ後3章、4章に飛んでから2章を改めて読んで、その後全部読むとじゃが良いと思います。(誤字発見したので訂正しました)

それから、著者が元々労働省の官僚さんだったこともあってか、提言される解決策とかが極めて現実的な処方箋(出来もしない理想論ではない)で、大変に好感をもてました。筆者著者のブログにありますように、EU労働法政策に関する分野が筆者著者の専門みたいですので、米国の話が殆ど出てこないのですが、そこまで入れると話が散漫になりそうですし、「現実的な処方箋」を重視する著者としては、あまりにも制度的に違う(んですよね?)米国の話を持ち出す必要は無いという事なのかなと勝手に想像してますが、「コーゾーカイカク」教の方々が多い昨今ですので、米国の話もあるとまたオモロイのかなと思うのですが、それはまた別の場所で期待するべきなんでしょうな。(誤字発見したので訂正しました)

将来経営コースに進まれる方(特にドメ日系の方)は読んでおくべき本なのではないかと思います。

ISBN978-4-00-431194-2 C0236 \700

追記:さっそく(!)濱口先生のブログで書評を紹介頂きました。しかも『金融の鉄火場を生きるネット界でも有名な』とはまた恐縮至極でございます(大汗)。で、そちらのエントリーにありますように、この本は第2章がキモになっていまして、3章4章を読んで2章に戻ってから再度全部を読むと話がストンと落ちてくる感じがします。ちなみにあたくしは第2章の三者間労務供給関係の整理の部分で(いわゆる事務系の派遣さんしか実際に見た事がないので)一旦止まって、とりあえず第3章以降に進み、その後改めて2章を読んだら話が見えてきました(超大汗)。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-ce1b.html

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2009/09/01

民主党政権に早速ヨイショコメントを並べる評論家様やら何とかスト様とかを見ておりますと(従来より民主党万歳の人は別に問題なく首尾一貫してますが)実にこう香ばしいものを感じるのでありますけれどもね。あっはっは。

○さらに選挙雑感

シロウトの床屋政談その他ということで(^^)。

えーっと、結局特別国会召集がきっちり2週間後という感じのようでございますので、この調子では中間期末までの相場は様子見地蔵の悪寒がするのですが、そうは申しましても今月はヘンテコ連休があって日程が押すので、中間期末に向けた調整とかもあって地蔵とだけ言ってる訳にもいかない人もありと。うーむ、8月パターンで様子見している人が多い中で誰かのお家の事情が相場を引っ張るでござるの巻になるのかねという感じですにゃ。よー知らんが。

ところで、人のふんどしで誠に恐縮ですが、権丈善一先生の『勿凝学問』のファンでありますあたくし(ポピュリズム云々に関しては権丈先生の仰る事に海よりも深く同意、というかお前受け売りだろと言われましても全然否定しません^^)ですが、ここの所益々切れ味が凄くなっておりますが、直近の勿凝学問249が何か絶望宣言みたいになっていますな、うーみゅ。
http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare_index.htm
ちなみにどこを読んでも勉強になるのですが、まあとりあえず最近の勿凝学問247とか248とか辺りからどうでしょう。

ところで市場の反応ったって債券市場は正直反応のしようが無く、単に株式市場や為替市場を見ながら月末のインデックス関連の売買がヘコヘコ行われていたという感じで、短期市場はいつものように「先生!うちの短期市場ちゃんが(略)」なのですが、株式市場では瞬間ご祝儀買いをしてまして平均株価200円位上昇したものの、円高を受けてさっくり反落してしまい、中国株の下落が追い討ちを掛けるでござるの巻でありました。円高になったのはどう見てもネクスト財務大臣(結局はネクストのまま終了しそうでございますが、笑)様のお力です本当にカムサハムニダ。

#同じ中川でも一方は身を張って円安にしたというのに(笑)

そういや中川繋がりでこんなニュースがありましたが。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090830-592896/news/20090831-OYT1T00889.htm
中川秀直氏、自民総裁選へ出馬意欲

・・・・・小選挙区で落ちた人が党総裁とか何を寝言を言っているのでしょうかこの先生。そもそも麻生降ろしとかやって支持率絶賛低下に大きな貢献したのどこの誰でしたっけ?と思ったらこの記事の下の方にある「関連記事一覧」で秀直先生の武勇伝ニュースヘッドラインがいい感じで並んでて微苦笑しましたが。

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2009/08/31

http://www2.asahi.com/senkyo2009/kaihyo/A13001.html
唯一ネ申によって地獄の火の中に投げ込まれる事になる東京1区の718名以外の皆様が心配でございます。

で、幸福実現党とは一体なんだったのか・・・・・・

○選挙雑感

朝起きてみたら開票速報での各社予想よりも民主が少なくて単独3分の2にならなくて正直ホッとしました。しかしまあ小泉劇場のワンフレーズ選挙での学習効果とかが1ミリも無いのが泣けてくる次第です。まあ個人的にはもう51対49でアホのように差がつく小選挙区は勘弁して欲しいので、完全中選挙区とか、大選挙区制限連記制にするとかに直して欲しいものであります。それから相変わらず「比例復活」というのは意味不明にも程がありやして、何のための小選挙区投票なのかと思うのですけどね。

でまあ相変わらず悪態をつく訳ですが、当選したミンスの皆様が口々に「官僚に独占されていた利権がどうのこうの」とか言うのを聞いておりますと、あたくしとしては「俺たちに利権を寄越さない今の行政はケシカラン」と言っているようにしか聞こえない訳でありまして、壮絶な利益誘導政治をやらかすんじゃねえかと思う次第。つまり昭和初期の腐れ政党政治みたいな有様になるのが懸念されますが杞憂だといいですね(棒読み)。

何せミンス様におかれましては、日銀の金融政策に関連して「与党が利上げ反対で圧力を掛けるのはケシカラン」と言いながら、いざ総裁人事になった時に武藤さんの就任に対して「低金利政策を長期化させてケシカラン」とか言い出す(他にも大蔵省だからケシカランという最早説明になってない説明をしてたけど)次第で、「日銀に政治干渉する自民党はケシカラン」というのは「お前らじゃなくて俺たちに政治干渉させろ」って意味だったんですわな。

「国策捜査はケシカラン」と言ってたのが同じ意味で全くもってシャレにならないのですけどねえ・・・・「政治主導」で何をしだすのかガクガクブルブル。

つーことですから、日銀の審議委員人事(現在1名欠員で水野さんが12月に任期到来)に関しても訳の判らんことを言い出すのでは無いかと大変に心寒いものを感じますです、はい。

政権交代したからと言って急に褒め称えるとかいう事はしないあたくしですけれども、どうもあたくし根がひねくれ者なせいか「皆が良いと口をそろえて言うものは碌なもんじゃない」という素敵な根性があるようで、郵政民営化も政権交代もナンジャソリャとネガっていましたので、今回もまた世に背を向けてせいぜいネガる事としとう存じます。

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2009/08/11

○良く考えたらこの人は何を言ってるんだ

昨日引用した民主党の市場向けマニフェスト説明会ネタで悪態つき忘れたのがありましたので悪態の追加(^^)。

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009080700398

『大塚氏は、日銀の国債買い入れに関連し、「保有状況を見ると、若干の余力があるかもしれない」と指摘。「財政ファイナンスに協力していただく余地はある」と語った。』(上記時事通信記事より)

しらっと読み流しましたが、「中央銀行が財政ファイナンスに協力」っていうネタで米国の長期金利が素敵に上昇して問題になり、FRBも長期国債買入に関して「これ以上の拡大の効果は不確か」という議論になったりして財政マネタイゼーションから連想される悪性インフレ期待(というか懸念)に対する火消しをしましょうという話になっているというのに、この人は財政ファイナンスとかいう微妙な表現をさっくり言い出す次第(時事が書いているだけなので、間違ってたらスイマセン)で、センスが全くもってございませんなあ本当にこの人日銀出身ですかねと思ってしまうのでありました。まあどうでもいいけど。

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2009/08/10

○調子の良い事を言うのが「市場との対話」ではありません

民主党が「市場関係者向け説明会」とやらを実施したそうですが当然の如くあたくしが見に逝く訳も無く、報道ベースで悪態つくなと言われそうですけどね。

まずはブルームバーグから。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aoGSdloL3zig
民主大塚氏:来年度予算で国債依存度下げたい−公約説明会(Update2)

・・・・えーっとですね、財源が怪しげな中で色々な景気対策をやるって話をしているのに何をどうすると国債依存度が下がるのでしょうか。いやまあ市場どころかメディアから「この政党のマニフェストは財源が怪しいから悪い金利上昇になって長期金利大丈夫か」と言われる(実際問題としては、日本の資金構造が変わらず、悪性インフレを伴わない限りは需給懸念で長期金利が上昇しても高が知れてるし、金利上昇で景気悪化するんでしょうけどね^^)ので、急に財政再建路線堅持みたいな話をするんでしょうが。

『「景気浮揚と市場の安定を念頭に置いたマクロ経済運営は当然のこと。市場が混乱をきたすのは厳に慎むべきだ」と述べた。』(上記ブルームバーグ記事より)

それが簡単に出来ないから苦労してるんでしょうがと。


で、時事通信から。

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009080700398
年内にも財政再建目標=日銀と政策協定も−民主・政調副会長

ということで、こちらでも「悪い金利上昇懸念への火消し」をしようというのが良く伝わるのでありますが、そもそも君たちの政策が(以下同文)。

何かね、市場向け説明会だからとりあえず市場が安心するような話を前後の脈絡なくその場しのぎで話しておけば良いでしょっていうのが見え見えな訳でして、「その場で耳障りの良い適当な話をして支持を取ってしまえばこっちのもの」ってポピュリズムにも程がある政党の浅すぎる底は何とかならんのかと思うのですが、小泉劇場以来の系譜なんでしょうな(吐息)。

#そういう意味では小泉政治の踏襲者は民主党なのですが


で、なお吹いたのはこのくだり。

『大塚氏は、日銀の国債買い入れに関連し、「保有状況を見ると、若干の余力があるかもしれない」と指摘。「財政ファイナンスに協力していただく余地はある」と語った。』(上記時事通信記事より)

えーっと、武藤前副総裁を総裁に任命する人事に反対した時ミンス様はこのように仰っていましたのですが・・・・・・

http://www.47news.jp/CN/200803/CN2008030801000690.html
国債買い入れも問題視 「財政規律緩めた」

『武藤氏の昇格に当初から異論を唱えた仙谷由人元政調会長は「中央銀行の役割は通貨価値の安定。そのためには(景気対策などで)政府から財政政策との一体化を強いられても、適切な金融政策を貫くことが重要だ」と強調する。』

いやまあ仙谷さんは政策決定に関与してませんから関係ないですって言うのでしょうけれども、大塚さんの説明として時事の記事には「日銀と政策協定も」とまで書いてありまして、もうお前ら何なんだと。

即ち、大塚大先生様が仰せになる話と、かつて武藤副総裁の総裁就任に反対したミンス様の理屈を総合いたしますと、「日銀が自公連立政権と協力するのは悪い協力で、我が党政権と協力するのは良い協力」という事だと理解できる訳ですが、そういうのが「中央銀行の政治からの独立」に悖る理屈だとしか申し上げようがございませんが、もう馬鹿かと阿呆かと。

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2009/08/06

まずは読者様からご教授いただきましたお話から。

○ブラジルの可耕地がどうしたこうしたという話の続編

昨日ブラジルの可耕地面積ってそんなにあるのかいな?という与太話を書いたのですが、詳しい読者様からこんな事を教えて頂きました。感謝感謝でございます。

『確かにブラジルには熱帯雨林がたくさんありますが、それを切り開かなくても耕作できる土地がたくさんブラジルにはあります。セラードと呼ばれているところです。』

ということで、例えばご参考でこちらのページに説明がある(というのも教えていただいたのですけど、汗)のでご参考までに。
http://www.knaes.affrc.go.jp/jnews/64/64p06.html

んでもって上記URLの中にもございますが、セラードを開発したことでブラジルでは大豆の生産量が増えたようでして、その多くが中国へ輸出されているようですな。一つ利口になりました。やっぱネットって良いですね、うんうん。

あと、川島博之氏の『「食糧危機」をあおってはいけない』(文芸春秋)という本もご推奨頂きましたので申し添えますです。

ということで、昨日の悪態は謹んで取り下げる事と致したく。どうもすいませんですm(__)m


○これは久々に「政策新人類」の香りが・・・・・・

一昨日のブルームバーグニュースなんですけどね。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=a5pEasNxoR18
経済危機後の「出口戦略」議論へ−経財相が有識者懇談会を設置

『8月4日(ブルームバーグ):林芳正経済財政相は4日午前の閣議後会見で、経済危機克服後の出口戦略などを議論するため、「国家と市場の関係の再構築」に関する有識者懇談会を設置することを明らかにした。来週中をめどに論点整理を行い、来年度の予算要求などにも反映させたい考えだ。』(上記URLより)

とりあえず最先端っぽいことをやりたいというのは良く判ったが、この数か月間米国の市場展開などに引っ張られて日本でも「出口政策がどうのこうの」とメディアが言い出して、日銀が必死こいて出口云々の変な思惑拡大を抑えたという動きがあり、折角出口云々の思惑が沈静化したというのに、この人は一体全体何を考えてこのタイミングでこんなお題で話をおっぱじめるのやら。

こと金融ネタになりますと、「東京金融街構想」とか「政府系SWF構想」とか「金融士構想」とか出入り商人の口車に乗せられてるとしか思えない構想が飛び出す「政策新人類」(笑)の議員が目立ち、誠に遺憾極まりない次第でありましたが、与謝野さんが財務金融経済財政大臣になってからやっとその手の話が立ち消えになって良かった良かったと思っておりましたが、どうもこの大臣からはまたぞろ「政策新人類(笑)」の香りがプンプンと漂ってくる次第で誠に遺憾に存じます。

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2009/08/05

○耕作可能地が多いから買いという凄い理屈(与太話)

まあモーサテで米国市場のピットから後付け講釈している人たちの話に突っ込むというのは「ネタにマジレス」の世界なのでどうでもよい雑談なのですが。

いやね、さっきモーサテ見てたら「ブラジルは投資対象として魅力的」という話をしてたのですが、その理屈が「耕作可能面積が広くて食糧供給国としての魅力が非常に高い」というのだったので飲んでる紅茶を吹き出しそうになって「んがぐっぐ」状態になってしまったんですけど。

えーっとですね、ブラジルの「今は耕作地になっていないけれども耕作が可能な広大な面積」ってそれアマゾン流域とかの事ですよね、あれだけ巨大な面積を示されたところを見る(テレビ見てない人はすいません。合衆国と中国とブラジルの「可耕地面積と現在の農地面積」の比較グラフみたいなのがあったんです)と、普通にそれは「熱帯雨林を切り開けば農地がバンバン造成できますよ」って話だと思うのですが、それって森林切り開いたらCO2排出どうなるのよとか思いますし、それ以前の問題として、熱帯雨林を物凄い勢いで切り開いたら気候のバランス大丈夫かよ(古代レバノンとかみたいに)思うのですが・・・・・・

飴公の考えることはよー判らんですわ・・・・・ってネタにマジレスかっこ悪いですかそうですか(^^)

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2009/08/04

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=au2kLXcv5EB4
民主・直嶋氏:ドル中心の外貨準備の運用続ける−単独会見

ということでまたまたブルームバーグニュースがインタビューをして、ネクスト財務大臣の面白発言のインパクトを減らそうと努力しているようで誠にご苦労様としか申し上げようがございませんです。

ところで、記事にコメントしてる人がいて、『日本の外貨準備について「少しずつ減らすことが基本。』って言ってるのですが、その意味が判らんのですけど、何で外準を減らすのが基本なのでしょうか????

いや現状の水準が多いか少ないかという議論の中でそういうコメントしたのだと思うんですけど、何かまたぞろ変な世論様が外準減らせ米債売れとか言い出すと小泉劇場以来ポピュリズム政治爆裂の昨今、何が暴走しだすか判らんのでオソロシスと思うのですけど、もしかして世の中の一般ピープル的に「外貨準備は財産だからどんどん使え」というような流れになっているのではないかとちょっと気になってしまったあたくしでした。杞憂だと思うけど。

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2009/07/28

○岡田幹事長のインタビュー記事

昨日はブルームバーグニュースで岡田幹事長がインタビューを受けていたようでこんなニュースが。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aGeWzKgb83EY
民主・岡田氏:外貨準備多様化など改革案、党方針ではない

『岡田氏は、日本の外貨準備の在り方に関する自身の考え方については「一言、一言が市場に影響を及ぼすから、コメントするのは適当ではない」と強調。円の望ましい水準についても「政権交代が行われるかもしれないので、そういうことについてあまり発言しない方がいいと思う」と述べるにとどめた。』

と思うのでしたら、政権準備政党とやらを昔から標榜しておられたと存じますけど、「ネクスト財務大臣」というご大層な肩書きをお持ちの方の発言を野放し状態にしてテキトーな「個人的見解」をペラペラ喋らせ無い方が宜しいかと考えるのですが、その辺がカオスなのはどうなんでしょうかねえ。

大体からして個人的見解がどうのこうので済むのでしたら、麻生首相の「郵政民営化に当初は反対でした」発言が物凄い勢いで叩かれて大騒ぎになる理由が1ミリも存在しない訳でありまして、麻生首相の個人的見解は悪い個人的見解でネクスト財務大臣(笑)の個人的見解は良い個人的見解とか意味判らんですわな。

という悪態は兎も角として、まあさすがに外準を何かの打ち出の小槌と勘違いして訳判らんプレーに出るというのは、少なくとも為替をいじって来るような無茶プレーをしなさそうな気がして来たのに関してはちょっとホッとしました。というか当たり前なんですけどね!

と申しましても、ど〜せ「財源は埋蔵金」とか言い出して外貨準備の帳簿上の利益を使うという話は出てくるのでしょうと思うのですけど、外貨準備で数字上計上している利益って当然ながら外貨建てで出てきますので、為替市場での円転を伴わない限り(って伴ったら大変な話になるのですが)、その利益金を使うという話は資金繰り上は国債(か国庫短期証券)を発行しないと行けませんので、(益金なのですから)赤字国債ではないですけれども資金繰りとしての国債発行は増えますがなというお話になるんじゃないですかね。赤字国債じゃないですし、2兆とか3兆とかなら3か月TBの発行を2000億円とか増やす位の話ですから目立たないとは思いますけど・・・・・

ついでに、上記記事より。

『現在の麻生太郎政権がまとめた2009年度補正予算については「必要のないものはやめる。財源がそこにあるわけだから、財源対策としても考える」と一部事業の執行停止を明言。具体的な見直し対象としては「公共事業や基金」を挙げた。』

おじちゃん頭悪いから良く判らないのですが、執行始まったものをいきなり止めたりしたら事業を受けてる人って大変な事にならないのでしょうか。よー知らんけどさ、「必要のないものはやめる」って簡単に云うけど、現実問題としてそういうのって直ぐにホイホイと出来るものなんですかね。

まあ段々現実的に修正を始めているのは結構な事ですが、どうも相変わらず頭の中で考えたけど実務上の実現可能性について検討した雰囲気の無い話が出てくるのは誠に遺憾としか申し上げようがございませんけどね。


○ある意味自民党にブーメランなのですという考察

で、民主党様政権公約発表ということですが・・・・
http://www2.asahi.com/senkyo2009/news/TKY200907270365.html
民主党がマニフェスト発表 主要政策に初年度7.1兆円

んで財源の話ですが、上記記事によりますと・・・・・

『一方、消費税増税については、鳩山氏は27日の記者会見で、かつて「議論の必要もない」と語ったことを「訂正したい」として議論の必要性は認めたが、「4年間は増税の必要はない」と改めて強調。直嶋正行政調会長は財源として「赤字国債発行はありうる」と明言しており、財源を確保できるかどうかについて、不透明な部分が残る。』(上記URLより)

ほほうこれはまた何と言う現実的なお話。まあ補正予算やら本予算の時に散々文句言ってたのはナンダッタンデショウという気はしますが、政権取ってもお花畑な政策を打つよりはマシですわな。

で、現実的と言えば数日前に出てたこの話ですか。
http://www2.asahi.com/senkyo2009/news/TKY200907230147.html
民主、「インド洋撤収」を政策集から削除 現実路線へ

そりゃまあ北海道新聞の社説みたいな話とか、
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/179093.html

与党の方からはこんな批判も出るわけですが・・・・・
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090724ddm005010019000c.html

『公明党の北側一雄幹事長も同日の会見で、民主党が海上自衛隊によるインド洋での給油活動継続を当面容認する方針を示したことに「現実路線に転換というなら、今まで非現実的な国会対応をしてきたことになるのではないか」と批判した。』(上記毎日jpの記事より)

いやまあこれは北側幹事長の仰せの通りと思ってしまうのですけど・・・・・


でもね、政治目標を達成するためにペテンでも何でも良いから世論を味方につけて選挙に勝っちゃえば勝ちっていうポピュリズム的手法を派手に実施したのはそもそも郵政解散における自民党の手法でありまして、その手法で大当たりしたのを民主党が政権批判を絡めながら同じように使っている(という割に微妙に統制が取れてない部分がある気もしますが)のであって、自民党にブーメランが飛んできてるだけという風な気がするんですよ。ブーメラン投げたのが小泉さんで突き刺さっているのが麻生さんなのがローゼンカワイソスとは思いますけど。

ということで久々にこんなのを見て楽しみましょう。
http://www.jimin.jp/jimin/jimin/2005_seisaku/hayawakari/contents/01.html

今現在実際にどういう事が起きているのかという事を後付けで知った上でここにある宣伝文を読みますと、何かこうおじちゃんが昔少年漫画雑誌の最終ページで良く見たインチキ広告の宣伝文句みたいなノリ、即ち「郵政民営化のお蔭で背が5センチ伸びるわ美人の彼女は出来るわもうウハウハです!」みたいなものを感じるのですが(^^)。

#なお、以前はもっと素晴らしくも香ばしい図表みたいなのがあったのですが、さすがに削除されていたのか見つかりませんでした。

しかし最後にこういう事書いている筈なのですが・・・・

『(3) 3年毎に 「経営形態のあり方を含む全ての事象」 につき民営化委員会で見直しを行うこととしており、国民に不便を生じさせる場合には、適切に対応。』

ということだから「適切に対応」しようとしたら郵政民営化教団の皆様が大騒ぎして支持率は下がるわ地方選挙に負けるわもう涙目ですって話になったのが昨今の動きだったんですなあ(ニヤニヤ)。


と、柄にもなく床屋政談与太話でした(汗)。極論なのは認める。

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2009/07/15

○ベターレギュレーションがどうのこうの

久々に金融庁のサイトから

http://www.fsa.go.jp/policy/br-pillar4/20090713.html
「ベター・レギュレーションの進捗状況について」(第3回)の公表について

ってことで、いつの間にやら第3回になってまして、まあつらつらと公表文書を斜め読みしただけなんですけどね。

http://www.fsa.go.jp/policy/br-pillar4/20090713/01.pdf
ベター・レギュレーションの進捗状況について(第3回)−平成20年5月〜平成21年6月−

http://www.fsa.go.jp/policy/br-pillar4/20090713/02.pdf
(参考1)ベター・レギュレーションの進捗状況に係るアンケートについて

本当は参考2というのもあるのだがまだ見てもいません。どうもすいませんです。

・・・・ということで、マジで超斜め読みしかしてないのですけどちょっとだけ。

冒頭の所に良いことが書いてありますわな。『ベター・レギュレーションの今日的意義』ってところなんですけどね。

『金融規制については、今般の金融危機の顕在化が認識されるまで欧米を中心に、規制をできるだけ緩和することが金融イノベーションを促進させ、それが金融・資本市場の発展につながるとする考え方が広く存在していた。』

さいですな。

『他方で、今般の金融危機に直面し、以下のような事例が認識された。

○ 情報の非対称性を利用し利益を上げるため、複雑な金融商品を組成・販売したり、相対取引のような分断された市場での取引が拡大するなど、金融イノベーションは必ずしも市場メカニズムの発揮の向上につながらない。

○ 短期的な利益の追求を誘引する報酬体系や高レバレッジ化による高収益性の追求が、資産価格の振幅幅の増大や経済の不安定化を助長した。

○ 証券化の一連のプロセスにおけるインセンティブの歪みが、組成・転売型(originate-to-distribute)ビジネスモデルにおける関係者のモラル・ハザードを招来した。』

まあ最先端の金融工学(笑)を駆使して訳判らんブラックボックスを作ってどうのこうのというのは確かにさよでありますし、短期的利益云々に関してはその通りとは思うのですけれども、「情報の非対称性を利用して利益を上げる」って言われましても、金融って商売は本質的にそういう側面があるのでして(つーか商業全部そうでしょ)、情報の非対称性云々というのは耳障りは良い言葉なのですし、まあ顧客をだまくらかすのは論外なのはその通りなんですけど、何か言葉が一人歩きすると変に抑圧的な方向になるのではないかという悪寒も。

『金融市場をより良く機能させ、国民経済の安定や国民厚生の向上を図るためには、全く規制のない状況が最適とはいえず、公的関与の必要性についての認識が高まっていると考えられる。』

そらそうよ。

『他方、質の低い公的関与・規制は、レギュラトリー・アービトラージを招くなどにより市場の歪みを拡大させるといった問題を生じさせるため、質の高い規制を実現するための努力が必要と考えられる。規制の質を高めていくこと(ベター・レギュレーション)の重要性が再確認されるところである。』

変(以下激しく自主規制^^)。

まー中身はまた(たぶん)後日。ちなみに、アンケートの方なんですが、時々オモロイ回答があって(基本的にマンセー回答は面白くも何とも無いので読まないのが吉)、今回はちょっと考えさせられるモノが。



○で、そのアンケートでちょっと思ったのですけど(金融監督とは関係ない話)

アンケートの3ページ目から。

『法令案公開の時点で実務上の懸念事項が見受けられることが時々あるが、こうした場合、パブリック・コメントへの回答においてかなり実務に配慮したコメントをもらえるものの、実務の運用面では困難な部分がなお残ってしまうことがある。この数年はこうした不具合が増加しており、今後は法令案がほぼ固まった時点で、業界の実務担当者を交えた意見聴取の場を設け、無理のない範囲でその意見を取り入れ、スムーズに実務へ移行できるような手続が考えられないか(銀行)』

まあ金融庁とは関係ない話に飛ぶんですけど、ここの所色々な規制とか施策に関連していざ施行段階になって実務上ややこしいことが起きるっていうニュースを良く見るような気がするんですよ。先日だと銃刀法改正に伴って牡蠣の殻剥くナイフが届出が必要なモノになってエライコッチャなんていうニュースネタがありましたけど、裁判員制度導入に伴い性犯罪関連での情報管理をどうするかとか、ちょっと前だと改正建築基準法だかの施行に伴い建築確認の為の検査だか何だか忘れましたが、それが止まってエライコッチャになったというような大ネタもありましたが、まあその手のネタに事欠かないですよね。

官民の意見交換の場が減っちゃったというのが背景にあるんじゃないかなあとは何となく思う次第なのですけれども、ちょっとこの意見を見て「そうですなあ」とか思ってしまったのでちょっと引用してみましたです。はい。

何でもかんでも交流禁止というのは、当初はまあそれでも過去の蓄積があるから大きな弊害にならなかったのでしょうが、これが何年も継続した結果、こういう指摘やら事象が増えて来ていると考えますと、これはこれで官民共に不幸な話でありまして、どうにかならんものなのかいなと思いますが、相変わらず公務員制度改革とか言って公務員は悪みたいな言説がのさばる状況では難しいのでございましょうかねえ(吐息)。


○超どうでもいいネタ

昨日ブルームバーグ見てたら何か日本株に超強気のコメントをしている大先生がいて涙で画面が見えなくなったんですけど、よくよく関連ニュースをブルームバーグのネット版で見てたらこんな記事があったんですね!

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=azEmc7PR1V4U

「死ぬまでレポート書く」とかどこの北浜先生ですかという感じですが、記事の日付を拝読致しますと、平均株価が1万円に行きかけたのにあっさり反落したのは・・・・

#昨日の大先生のお告げはネット版では見当たらないのですが、17時27分に配信されてました。ただしJBNの株式とかでは見当たらないので別方法でサーチしてちょ

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2009/07/14

○総選挙キタキタ

衆議院選挙投票日は8月30日になるとのニュースが出たらその後平均株価がズルズルと下落しておりましたが、まあ政治空白を嫌気して株式市場が売られるのは様式美の世界みたいなもんですから良いとしまして、それを見ても債券市場が1ミリも反応せずというか、朝っぱらから中期ゾーンが微妙に弱かったりした位ですので、まー債券市場的には毎度お馴染みの「○○が不透明であり、今後の推移を注視する」という何となく尤もらしい様子見地蔵になる理由が出来たという所でございましょうか(^^)。

ま、それは兎も角としまして、選挙モードで投票日まで1か月半となりますと、その間延々と政治空白になりますので、政策対応に関しては動きにくくなるという事で様子見観が強くなるんでしょうな。


ところで、話は全然違う床屋政談与太話なんですけど、東京都議会選挙と奈良市長選挙があんな結果になりまして、そりゃまあ自民党に対する不信任というのもあるでしょうけれども、東京に関しては新銀行東京とか築地市場移転問題とかも結構なファクターだったと思いますし、奈良市長選挙の一方の候補者って1回市長選挙落ちて衆院選でも小選挙区で負けたけど郵政選挙パワーで比例復活した人だった筈で、そーゆー地域的事情もあったとは思いますがど〜なんでしょ???

#投票日と24時間テレビがぶつかった日本テレビ涙目ですな



○またまた中川正春先生登場

ネクスト財務大臣様がブルームバーグでインタビューを受けたようで。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=a4ItIQEa62jU
民主・中川氏:外貨準備の運用多様化を−IMF債も選択肢 (Update1)

ということで、まあ色々とお話しているのですけれども、少し記事が長くなっておりまして、まあ言いたいことが判らないでも無い部分もある事だけは把握できましたが、引き続きこれで大丈夫かというお話が。

『中川氏は「ドルの信認が揺らいで日本経済が直撃を受けたり、外貨準備に為替差損が出たりするようなリスクは中長期的に回避すべきだ。そのためにも円の国際化を進めるべきだ」と語った。』

まあ何ですな、円が国際決済通貨として使われまくるようになって、貿易に関して為替でああでもないこうでもないという事にならなくなるのは誠に結構という主張に関しては気分としてはまあ判らんでもなく、円の国際化推進と言いたくなるのはまあ把握した。

ただ、「ドルの信認が揺らいで外貨準備に為替差損が出たりするようなリスクは中長期的に回避すべきだ」というのは微妙な話でして、そんなにドルの信認が揺らぐのが心配だったら、「国に円建て外債の発行を要請する」とか「外為特会の通貨を分散する」とか言わない方が宜しい訳でありますわな。言ったらそれで信認が下がるんですから・・・・・

何つーかね。日本とか中国の外貨準備って池の中の鯨みたいな状態になっている訳でして、そーゆー人たちは自分がマーケットのファンダメンタルズの一部になっており、その人たちが動く時のマーケットインパクトというものがある訳でして、そこらの一般投資家みたいにホイホイとアロケーション変更しようとしたら自分で自分の首絞めるだけという事くらい中川先生に置かれましてはご理解頂いているかと存じますが、どうにもこうにもセンスねえなあという感じです。

・・・というか、歴代元金融大臣とかにも言えるのですけど、金融関連の話をする議員連中って、与野党を問わずなんですけど、どっかで聞きかじって来た(あるいは変な取り巻きに吹き込まれた)話を頭でっかち状態で打ち込んで来るので、それこそ「東京金融街構想」とか「外貨準備を元手に政府版SWF」とかあの当時実施してたらお笑いどころか洒落にならなかった構想が続々出てくる印象がありまして、頭がクラクラして参りますわな。

それは兎も角として、相変わらず訳判らん構想ですなあとか思うのですけれども、外貨準備で円建て債券購入というのはそもそも外貨準備としての意味がねえよ!!と思うのですが。それから、通貨分散と言いますけど、ドル以上に外貨準備として信用がある通貨があるのですかねえと思うのですけど(一応まあユーロというのはありますが、続々と東欧中欧貧乏国家が加盟する通貨が本当に信用できるのかよという気がするのはあたくしの偏見ですかそうですか)。

まー本当に分散させたいのだったら、「こいつの償還(または利払い)は相当額の金地金でお願いします」とかでもしたらどうでしょうか??ま、その時も金保有額が減ったのが話題になると通貨の信認に響くような気がしますけどね!!

それから円の国際化という話ですけど、あたくし頭が悪いので良くわからないんですが、基本的に貿易収支が黒だと周辺から通貨を吸い上げる格好になるので、仮に円建てで貿易しても円が世界にばら撒かれるという事にならないんジャマイカという気がするだす。ま、資本収支的には絶賛サムライ債発行とかで円撒いてる気がしますので書いてみただけですが(^^)。

で、同じく記事より。

『中川氏はサムライ債発行について「金利も高く、日本国債より魅力的な商品になる。やり過ぎると日本が危なくなることも念頭に置かなければならない」と指摘。IMF債についても「急激にやりだせばドルが揺らぐ。中長期的な流れをつくっていくことが重要だ」との見方を示した。一方で、政府開発援助(ODA)などを行う際に「円決済を条件とすれば円の需要が高まる」とも述べ、政府として戦略的な為替政策を打ち出す必要性を訴えた。』

うーんとですね、多分米国が円建てで国債を発行した場合、円ベースの金利は日本国債の金利水準と対して変わらない水準にしかならないと思いますよ。日本国内市場で発行するというケースを考えてみたら流動性プレミアムもそんなに乗らないと思いますし、格付け的には(インチキ臭いですが)日本国債よりも高いと来てますし。何で金利が高くなるという話になるのかなあ・・・・

それから、事前にアナウンスしちゃったら中長期的にやっても急激にやっても結局のところ同じですし、「中長期的にドル離れ」なんて宣言しちゃったらそれこそ「中長期的にドルの信認が・・・」って話になりますがなと思いますけどね。通貨分散したけりゃこっそりやれと(先進国かつ民主主義国家の政府部門がこっそり実施というのは物理的に無理がありますな、非民主主義国家で秘密主義上等なら別ですが)。

ま、いずれにせよ、通貨問題っていうのは極めてデリケートな話でして、重大なインパクトのありそうな事をあんまり軽々と話すべきではないと思われます。日本国内では「また民主党か!」で済むかも知れませんけれども、海外での受け止め方はまた違ったものになる可能性があるということを十分理解すべきではないかと思われますがどうでしょ。

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2009/07/13

○床屋政談雑談

東京都議会議員選挙で投票率上がって自民公明で過半数割れ。おまけに千代田区と中央区で自民党負け(中央区は新住民が増えているから負けがあってもおかしくないけど、地元ガチガチの千代田区で負けるとは)とはこりゃ恐れ入りました。

普通に考えると任期満了までに流れがひっくり返るのは難しそうですので、まー民主党という前提で考えた場合に、頭でっかちで実際の実現性に乏しい政策が出てきたり、あるのか無いのか判らない埋蔵金バラマキとかをやるんでしょうな。よー知らんが。

で、民主党政権になって(既にその心持になっておりますが何か?)金融市場はどうなるのという話になるのですけれども、まあ正直言って何がどうなるのかさっぱり判らんですけど、金融政策に関しては日銀総裁人事に訳の判らん口出ししてくる位ですから、まー色々とややこしいこと言い出す議員が自民党よりも圧倒的に多く、それに対する党の統制がちゃんと利くのかという所かとは思うので、まあその辺りを担当(?)されると思われる山口副総裁におかれましては心労が多くなるのかと。ナムナム。

さすがに金利上げろとかは言い出さないと思いますが、長期国債買入とか、企業金融支援とかで何か言い出すリスクもあり、そう考えると文句言われる前に糊代作り(笑)で各種施策を強化するのも手かもしれませんな(半分以上冗談ですので念のため^^)。

ま、あたくし的には新銀行東京に対してこれ以上公的支援するのは勘弁頂きたいとしか言いようが無い(どさくさに紛れて東京都出身の経営陣が逃げてるし)のと、都知事の帝王趣味にも程があるオリンピック誘致とかアホかとしか思ってませんので、与党敗北ざまあなのですけどね(オリンピックは民主党も確か賛成なので民主が勝っても変化ないんですけど)。

しかし公明党全員当選で1議席増とはさすがとしか言いようが無い。


○久々に読書室

2年近くサボっておりますが、全く本を読んでいなかったわけでは無いっす。ここ暫くは感想書く気も起きなかったもんで・・・・・

で、出てくるのが金融と全然関係ない本なのは仕様です(^^)。

・「第一阿房列車(内田百闥、新潮文庫)」
・「第二阿房列車(内田百闥、新潮文庫)」
・「第三阿房列車(内田百闥、新潮文庫)」

注:機種によっては読めないかもしれません。「うちだひゃっけん」さんで、最後の文字は門がまえに月です。

この辺とかこの辺にございますように、あたくしは若干の鉄分入りなのですが、内田百閧ウんの阿房列車(あほうれっしゃ)シリーズは鉄道とか旅行とかが好きな人にも勿論内田百閧ウんの世界が好きな人にも楽しい本のようですが、こういうの合わない人もいるかもとは思いますので、読む人を選ぶかもです。

シリーズ第一作の「特別阿房列車」(東京から大阪まで行って1泊してとんぼ返りするという旅)の有名な書き出しを引用させて頂きたく存じます。

『阿房と云うのは、人の思わくに調子を合わせてそう云うだけの話で、自分で勿論阿房だなどと考えてはいない。用事がなければどこへも行ってはいけないと云うわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪に行ってみようと思う。』

本来は旧字旧仮名遣いが百關謳カの文章だそうなのですが、文庫版に関しては新仮名遣いで表記してますので、そのうち旧仮名遣いでも読んでみたいですね。

ISBN978-4-10-135633-4 C1095 \476E
ISBN978-4-10-135634-1 C1095 \400E
ISBN978-4-10-135635-8 C1095 \476E

ちなみに、あたくしは日本で散々営業して収益上げているのに日本に法人税を納税しないような国賊企業では書籍等の購入を行わず、常に書店を回って本を買うあるいは注文する人ですので、相変わらずリンクなどはつけませんが、一応ISBNの番号は付けておきますです。

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2009/06/24

○ヒマネタ国会ネタ

6月10日の衆議院決算行政委員会に白川総裁が出席。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/005817120090610005.htm

で、5分の3ほど行った所(後半ですな)で、民主党・無所属クラブの津村啓介委員の質問に対する白川総裁の答弁でして、最初の部分はちょっと端折って(まあ面白い話はしているのですが)その中盤から。

『○津村委員 (最初割愛)それからもう一点は、今、金融と実体経済の相互作用という意味でプロシクリカリティーのお話をされたんだと思いますが、少し話を財政のことと絡めていきたいんですけれども、財政の方は、逆に実体経済と、いわゆるスタビライズ機能といいますか、実体経済が大きく振れることに対して、今総裁は金融がそれを増幅することがあってはならないというお話をされましたけれども、財政にはそれを逆にスタビライズする役割があると思うんですね。』

ふむふむ。

『しかしながら、最近の、小泉政権以来の、新自由主義という言い方がいいのかわかりませんが、さまざまな政策や、あるいは、そもそも財政規律が低下して財政力が低下している中で所得の再分配機能が大きく低下をしている、そういう中で財政の実体経済との相互作用の機能が低下しているのではないか、そういうふうにも見えるんですけれども、総裁、どう思われますか。財政と実体経済の相互作用の力が落ちているのではないか、そういう質問です。』

質問したいことの意味は何となく判ったような判らんような感じですけど、結局津村さんとしては「財政がスタビライザーになるべき」という話をしたいのですかねえ。

で、白川総裁の答え。

『○白川参考人 (前半割愛)それから、財政と実体経済の関係でございますけれども、この十数年の大きな流れの中で考えますと、経済の安定化、景気の安定化という面で財政政策を裁量的に使っていこうという思想は後退してきたというふうに思います。基本的には、経済の安定、物価の安定ということは金融政策の仕事であるというふうになってきていると思います。』

ほっほー。

『ただ、現在のように金利が世界的にゼロ金利に接近してきて、かつ金融システムの機能が大きく低下してきているという状況のもとでは、これは一定の範囲で財政政策を活用することに意味があるというふうに今なってきております。ただ、これは、一般的に、財政政策を景気安定のために使っていこうということではないというふうに思います。』

『そういう意味で、今の御質問については、一般的に、財政と実体経済の相乗作用というふうに考えるよりか、現在のこの局面で財政政策をどのように適切に使っていくのかということが問題意識になっているように思いました。』

という話でして、景気安定は金融政策って話をしてて、割と直球ストレートな答弁をしているのが「へ〜」って感じがしました。「金融政策単独で出来る事は限界もある」みたいな答弁をするのかと思ったもんで。

あたくし的雑感としては、金融政策ってベースの部分を作る話で、その上に規制とか制度設計とか財政政策とかが乗っかって来て効果出るのかなあとか漠然と思っている(レッセフェールにすると上にも下にも年がら年中暴走するので、遅効性の金融政策対応では追いつかなく、緩和し過ぎと引き締め過ぎの連続になるんじゃないか何て思うのですが)んすけどね、まあずれた感想のような気もしますが(汗)。

で、この話もうちょっと突っ込んで欲しかったのですが(・・・いつも思うのですが、この手の会議で質問する委員さんって質問時間で色々なネタを盛り込みすぎで、結局のところ個別の質疑応答が一発限りになってしまって、論議にならないってのが多いんですよね。一部ちゃんとした委員さんもいるんですけどね)、話題は次の話になるのでした。

『○津村委員 少し質問を急いでしまうんですが、報道によれば、日本銀行の景気判断の上方修正ということが最近盛んに言われておりまして、総裁御自身は、前回の金融政策決定会合後の記者会見では「定義による」という言い方をされているんですけれども、少し報道との間でコミュニケーションのとり方があるのかなということと、もう一つは、私も政治家なので感じるのかもしれませんが、選挙の前だからか、政府の景気判断が妙にこのところ調子がいいというか、基調判断がどんどん上方修正をしていくんですね。その割に、一方では、景気対策が必要だ、あるいは金融政策も緩和を続けろということで、調子だけはいいなという感じがするんですが、当然のことですけれども、日本銀行の景気判断がそれに引きずられてはいけないと思うんですね。』

これは良いご指摘。確かに政府って「調子だけはいいな」でありますわな。

『そういう中で、端的に伺いたいんですけれども、前回、悪化を続けているという判断をされている。そして、先行きの見通しとしては、悪化のテンポが徐々に和らぎ、次第に下げどまっていくというシナリオをたしか触れられているんですけれども、このシナリオどおりになることは上方修正ではない、シナリオどおりなんだという言い方もされていたかもしれませんが、しかし、文言が変わっていくのは絶対値で見れば上方修正なので、今回、そのあたり、まだブラックアウト前だと思いますので、景気判断としてどういう御判断を考えていらっしゃるのかということが一点。 そして、先ほど私は意地悪な、政治的な配慮のことを申し上げましたが、そうした政府に引きずられているという印象を払拭する意味でも、上方修正をされるのであれば判断の根拠をより明確に御説明いただきたいというふうに思います。』

ということで説明をしているのですが、まあ答弁自体はそう変な話ではないようで。

『○白川参考人 お答えいたします。日本銀行は、来週、金融政策の決定会合を開きまして、そこで前回の会合以降のさまざまなデータを点検して、景気判断を行っていきたいというふうに思っております。(で、判断の部分はいつもどおりなので途中割愛)これは、結局、日本の経済自体の動きもそうですけれども、世界経済全体の影響が内需の方に出てくるわけでございますから、そこは丹念に毎回毎回判断していくことしかやはりないんだろうというふうに思っております。来週の決定会合でそうしたことをすべてあわせて、今八名の委員で議論しておりますけれども、入念に点検した上で情勢判断を対外的に説明していこうと思っています。』

『議員が御懸念のようなことは全くございません。日本銀行は、日本銀行法に定められた目的に従って、経済、金融の情勢をしっかり判断し、それを説明し、それから金融政策を運営していくという点においては、これは全く揺るぎがございません。』

ふ〜んそうですかってな感じですが、この辺りの距離感って難しいですねという点もあるのですが、民主党政権になったら益々色々と注文が飛んできそうな気がしますわなという感じです。

で、津村さんは総裁の現時点での判断について答弁して欲しかったようで、その後のやり取りの中でこんな質問してるんですけどね。

『○津村委員 総裁もルールにのっとってお答えになっているということだと思いますが、私もルールにのっとって御質問差し上げていまして、いわゆるブラックアウト期間があした以降ですから、合議体のリーダーとして御配慮なされる期間ということだと思うんですけれども、きょうは国会で、しかも総裁の御見解を伺っているわけですから、私は、きちんとお答えをいただいてもよろしいのではないかと思います。』

いやまあ津村さんの言いたいことも判らんではないのですが、市場の中の人的には、不規則的に日銀総裁を国会に引っ張り出して発言をさせるっていうのはやはり勘弁して欲しい訳でして、「何日の何時から日銀総裁が景気に関する議会証言をします」っていうのを事前告知した上で実施してくれませんと、ちょっと困るなあと。あまり不規則発言で相場が動くってえのをやらかしますと、やはり市場の安定化という点ではよろしくないかなあと思うのですけどね。ま、動いた方がオモロイからそれはそれで良いって考えもありますけど・・・・・

ということで、津村さんの質問は確かに国会のルールには則っているのですけれども、まあマーケット的な常識からはちょっと違うんじゃねえのと思う次第。いやまあ国会での半期報告みたいに、最初から予定が決まってて経済情勢に対する質疑応答をするってのが判っているものだったら良いんですけどね・・・・・・

ちなみに、この回の委員会ですけれども、最後の質疑応答で足利事件問題に関して鈴木宗男委員が法務大臣にゴリゴリ突っ込んでいるのが迫力ありました。金融と全然関係ないけど。


○金融政策的には民主党政権ってどうなるんでしょ

全然纏まっていない雑感段階なのですけど。

今回の質問をしている津村さんはどうも質問っぷりからすると財政のスタビライザー機能みたいな点については評価しているような感じですけれども、一方で党では「減税しますが財源は埋蔵金や無駄の排除で」みたいな話をしてますし、暫く前にご紹介したように、同じ委員会の中で最初の質問者と次の質問者が聞くこと真逆とか、まあある意味自由な発言してますねって事なんでしょうけれども、党として何をやりたいのかさっぱりワカランチ会長。

「外貨準備で持っている米国債を円建てにする」というような意味不明な発言をするネクスト財務大臣(まあ利払いの部分を円建てに切り替えてちょって話なんでしょうけれども、それって外貨準備の意味あるのかねという気がします)とか、中々の面白不規則発言が見られそうで、相場張る方としては「おらあワクワクしてきただ!」って感じになるのですが、国民経済的には・・・・・・・

一頃は「まー選挙やってもまた自公政権でしょ」って感じもあったのですが、友達の友達がアルカイダのおじさんの効果抜群で政権交代も現実味を帯びる中では、経済政策とか何を打ち込んでくるのかひじょーに気になります。まーあたくしが思うのは「実務的なフィージビリティーをまるで無視した変な書生論で政策打ってきて現場大混乱でござるの巻」なんですけどね、あっはっは。

#まあ全然纏まっていない話でこれから考えるのですけど

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2009/06/15

○金曜の訂正

金曜の国会ネタのときに「景気回復を背景に金利が上昇したら歳入が増えて利払い増と相殺される(たぶん歳入増の方がでかいでしょと思うが)ので問題にならんでしょ」って申し上げたのですが、普通に間違えでございましたので謹んでお詫びして訂正しますが賠償はしません。

えーっとですね、現在の一般会計の税収が約50兆円でして、景気回復で成長率が1%上昇して金利も1%上昇しましたって仮置きしますと、税収の弾性値が1ちょっとですから増収は1兆に遠く届かずという事になります。

一方で毎年の国債発行は借換債含めて100兆円以上ですので、利払いは軽く1兆円負担増になるという素敵なお話になるのでありまして、どう見ても税収増が追いつきません本当にありがとうございましたという話でした。

勢いで書きますと碌なこと書きませんな。どうもすいませんでした。

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2009/06/12

お題「ネタが無い時の国会ネタ」

株価が期待先行とか割高とかどうみても買いたい弱気の集団です本当にカムサハムニダ。

で、ネタが無い(訳でもないが)ので6月4日の参議院財政金融委員会。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0105/171/17106040060018a.html

○財政規律がどうしたこうした(白川総裁)

この回には白川総裁が出席して答弁したのですが、財政問題に関する発言がヘッドラインでも目立ったなあという感じだったのですけれども、改めて会議録見ると「ほほー」という感じです。

民主党の富岡由紀夫委員の質問に対しての答弁から。

『(長期金利の上昇に関する説明部分割愛)問題は、今まさに議員御指摘のとおり、将来の財政に対する運営あるいは金融政策に対する運営について、これが疑念が生じてくる、つまり長期的な安定にコミットする政策ではなくて、短期的な動向で財政なり金融が運営されることになりますと、そうすると今度は、そこにプレミアムというものが上乗せされることになります。この分は、これは経済活動に対して悪影響を及ぼしていくというふうになります。

そういう意味で、長期の国債市場の金利が安定的に形成されていくというためには、長期的にしっかり財政のバランスを維持していくという姿勢が大事だと思いますし、それから金融政策も本来の目的である物価の安定を通じて持続的な成長に貢献していくということでしっかり運営されていくということが大事だと思っております。

また、後から御質問あるかもしれませんけれども、私どもの長期国債のオペにつきましては、これはあくまでも金融調節を円滑に進めていくために必要な範囲で行っているということでございます。決して財政のファイナンスを側面から支援していくということで行っているものではございません。万が一にもそうした目的で運営されているというふうに認識されますと、これはまさに先生がおっしゃったようなプレミアムの発生を通じて経済に対して逆に悪い影響が出てくるというふうに思っております。』

で、その後富岡委員がマーストリヒト条約をネタに財政規律に関する白川総裁の答弁を求めたところ、このような答えになっております。

『マーストリヒト条約がなぜ生まれたかという背景を考えてみますと、域内の各国がそれぞれの通貨の主権を放棄して金融政策は一本で行う、経済の安定化政策というものについて金融政策を放棄する、そのときに財政政策についても各国が規律を持っていませんと、先ほど来の先生のお話でございますけれども、結局通貨のコントロールもうまくいかないということで、各国が共通の枠組みを設けて、それが財政の規律、今おっしゃった基準だというふうに思います。

欧州の場合はそういう形で具体的なルールを設計したわけでありますけれども、各国、例えばイギリスも、それからアメリカも、それから日本もそうでございますけれども、各国のそれぞれの法の枠組みの中で財政規律をしっかり保つためのいろんな工夫をしているというふうに思います。そういう意味で、日本の中でマーストリヒト条約と全く同じやり方がいいかどうかについては私は発言差し控えますけれども、ただ、大事なことは、まさに先生がおっしゃっているように、財政の規律を長期的にしっかり守っていく、それから金融政策についても本来の目的に沿って運営していくということについて政策当局がしっかりコミットをし、それから、それを国会あるいは国民がしっかりサポートしていくということが大事だというふうに思います。』

ということで、まあ振られたネタではありますが、日銀総裁が財政規律に関して言及って所は先日ご紹介したバーナンキ議長の議会証言にも通じる流れにも見える訳でして、まあこのテーマが徐々に議論になってくるでしょうという感じです。



○金利上昇に関する論点が残念ながら混乱するでござるの巻(民主党富岡由紀夫委員)

で、上の白川総裁答弁ですが、最初の答弁に対応する質問はこうなってます。

『景気回復、確かに必要かもしれませんけれども、今言ったように、国の信認を、ベースをどこに置くかといったところだと思います。やっぱり財政再建のところがしっかりしておかないと、それこそ日本の信用、幾ら経済成長、景気対策、いろんなことを言っても、そこがぐらついてしまったら日本はもうもたないと、一遍に吹っ飛んでしまうというふうに思っております。今何とかやり繰りできているのは、金利が非常に低い水準で推移しているからこれで済んでいるんですね。今年度予算も九・五兆円ですか、利払い費、計上しておりますけれども、これはもう非常に過去に類を見ないような低い金利水準で推移しているから何とかやっていけるというふうに思っております。

金利というのは、これはそれこそいろんな経済要因、様々な要因が関係しますけれども、いつまでも低い水準でいることはできないというふうに思っております。必ず景気の循環、金利のいろんな循環があって上がってくることがあります。一%上がると、これはもうそれこそ八百十六兆円、純債務八百十六兆の一%でも八兆円ですか、それこそ社会保障費なんかはもうほとんど、ほとんどというか、二十八兆のうち八兆また削らなきゃいけなくなったり、どこで削るかは別として、予算が全く組めなくなるというふうに思っております。金利が上がってくると、削ることはもちろんなかなかできないでしょうから、そうするとまた追加的に赤字国債を発行しないといけない。赤字国債を発行するということはまた国債の供給が増えるわけですから、金利の上昇要因になってくるということで、金利上昇の完全なスパイラルに入る懸念が非常に高くなってくるわけですね。そうすると、経済活動もなかなか、金利が上がってくれば低迷していきますから税収の方も少なくなってくる、そうするとまた赤字国債を増やさなきゃいけないということで、二重、三重に、一度金利が上がり始めるともう歯止めが効かなくなってしまうリスクが非常に私はあると思っています。』

何と申しますかツッコミ所が多い雑な所が残念なのですが、まあ突っ込むと致しましたら・・・・・・・

(1)金利が1%上昇した所でいきなり調達コストが全部1%上昇する訳では無いですがな。借り換えの部分で利払い負担が増えるとは思うけど全部がいきなり借り換えになる訳では無い。(2)景気回復を背景に金利が上昇したら歳入が増えて利払い増と相殺される(たぶん歳入増の方がでかいでしょと思うが)ので問題にならんでしょ、(3)最初に「景気循環で金利が上昇した場合」という話をしているのであれば、金利上昇して景気が冷えたら金利下がるでしょ。というような話になるのでして、何と言うか微妙に残念な話です。

なお、富岡委員の名誉の為に申し上げますと、この質問の続きの部分で「財政の維持可能性に関する懸念で金利が上がったらどうなるの」というのが富岡さんの質問趣旨だと思われます。

『そうじゃなくても今回、世界中がこういう景気対策ということで国債、債券を発行しておりますので、債券市場は供給過剰になってくるということが容易に想像できます。実際、日本の長期金利なんかも上がってきておりますし、アメリカなんかもその心配を今しているところですけれども、金利が上がったらどうなるのかと。私は、もう一遍に日本の財政状況は、予算なんか全く組めなくなってしまって、それこそ国家破綻にあっという間につながってしまうんじゃないかというふうに思っておりますけれども、(この後全然読点がないので途中強制省略^^)この金利上昇リスクについて、そうなった場合どうなるのかということを含めて、お考えがあればお示しいただきたいというふうに思っております。』

であれば、前半の部分にある「景気循環がどうのこうの」という話は論点が混乱するだけなので余計なんですよね。まあ白川総裁が答弁でフォローする格好になっているのがチャーミングなのですけど(^^)。

ま、外貨準備を円建てにシフトというような意味不明発言をするセンセイもいるミンスさんの中ではちったあ普通の話に近いかなという感じですが。


・・・・ところで話は全然違いますけど、この「金利上昇したら利払い負担増大」という論点は忘れると困る話でして、長期国債の発行減らして短期にシフトして長期金利を押し下げて景気対策って事をしますと、いざ景気回復した段になって金利が素敵に上昇した時に、景気回復による歳入増加よりも借り換え負担が一気に来る(短期にシフトすれば当然借換債の発行が増えるから)方がでかくなったら本末転倒にも程がある状態になるのでありまして、国債発行額が少なくて、市場も規制でガチガチだった時代の施策が上手く行ったから今でも機能するかというとそれはまた全然別問題でしょと思うのであります。ってFRBに対する悪態ではございませんので念のため(^^)。


○あんまり相場と関係ないですけど大門先生

例によって最後の質疑が大門先生なのですが。

『○大門実紀史君 大門でございます。

今日は四十五分もいただきました。ただ、質問は時間より中身でございますので、前向きないい答弁をいただければ若干早く終わってもいいのかなと思っておりますんで、お含みおきのほどお願いしたいと思いますが。』

『質問は時間より中身』にワロタ。

『今日は、金融商品取引法のお客さん保護といいますか、利用者保護の趣旨を全く分かっていない銀行について取り上げたいというふうに思いますが、大体全部の銀行がそうなんですけれども、話を具体的にするためにあおぞら銀行と住友信託銀行の具体例で質問していきたいというふうに思います。』

ということで、相場とはあんまり(というかほぼ)関係ない話なのですが、金融商品の販売専担職員みたいな人たちの雇用体系に関する問題提起と、金融商品の過剰な乗換販売が行われているのではないかという問題提起をしておりまして、これはうーむというような指摘になっております。まあこういうのは使用者側の見解も聞かないと判断に苦しむ部分がありますので何とも論評し難い話ではありますが。

しかし『大体全部の銀行がそうなんですけれども』とか言葉の端々に毒成分が入る大門さんのキャラってどーゆー感じなんでしょうかね(^^)。ちなみに最後の部分になるのですが、今回は質疑応答というよりは大門さんが問題点と思われるものの指摘および提起をするの巻となっているので、政府側の答弁が論争形式になっておりませんで、殆ど大門さんのオンパレード状態になっているのが微妙にオシャレな展開になっています。



○勘違いだと良いのですけど・・・・・・

ということでネタが無い(正しくはまとまって色々考えるヒマがない+考えがまとまらない)時の国会ネタという事で書いたんですけどね、実は会議録見ようと思って国会出席状況を見たんですよ。

http://www.boj.or.jp/type/press/kokkai09.htm

まー基本的にネタ拾いに行く時はここを見て(印象にある質疑応答しているときは「後日見る」とチェック入れて衆議院/参議院ホームページをちょくちょくチェックしますけど)国会会議録情報を見に行くのですけれども、今回見ようとしたら・・・・・

・ 6月 5日 衆議院外務委員会 雨宮企画局長出席

外務委員会なんて無茶苦茶珍しい!これはどんな話をしているのか見なきゃ!!・・・・と思ったらどう見ても答弁がありません本当にありがとうございました。


・ 5月25日 参議院予算委員会 西村副総裁出席

えーっと、西村で検索しても引っ掛かってこない(追記:出席はしています、答弁なしということです)のですが。


・・・ってえのがあったりですね、


・ 5月22日 衆議院財務金融委員会 山本理事出席

での山本理事の答弁っていうのが・・・・・

『○山本参考人 お答えいたします。まず、日本銀行は、二月二十三日に金融機関からの株式買い入れを再開いたしました。その後、五月二十日までに私どもが買い入れた株式の累計額は約六十億三千万円でございます。日本銀行の株式買い入れは、銀行の株式保有リスク削減の努力を支援するため、有価証券の保有実態や日本銀行の財務の健全性確保の観点を踏まえまして、一定の信用力を有する株式を対象に行っております。現時点で、この枠組みを変えることは考えておりません。私どもとしましては、こうした株式の買い入れ、また、今月末に初回の入札実施を予定しております劣後ローンの供与、これらが金融機関にとって一種の安全弁として機能し、円滑な金融仲介機能の維持と、これを通じた金融システムの安定確保に貢献していくものと考えております。』

というだけの物だったりするのですが、日銀の副総裁だ理事だ局長だって人を参考人で呼んでおいて質疑応答無しとか(そりゃまあ質疑の流れでそうなる事はあるんでしょうけれども)、別に理事が出張って答えないといけないような話でもない一言(一言よりは長いけど)答弁をさせる為に呼び出すとか、ちょっとどうなのよという気が致しましたですよ。

ちょうど直近の数回が連続してこうなっていたから目についたんですけどね。

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2009/06/05

○東方は赤く燃えているか

http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/wbusiness/JAPAN-383938.html
★ラトビアの5000万ラト(1億0080万ドル)規模の短期証券(TB)入札、応札がなく失敗に終わり、通貨切り下げの圧力が一段と高まる。

札割れで債券相場大騒ぎなんて話がチャチに聞こえてしまう豪快にも程がある「応札ゼロ」という楽しい短期国債入札がラトビアで実施されたようで。

で、こちらはヘッドラインだけなのでアレですが、元記事を読みますとここの通貨ラトってえのはユーロとペッグしてて上下1%変動すると中銀が介入するという仕様になっているそうなのですが、ペッグ維持に対する懸念でラトが下がるので「ユーロ売り/ラト買い」の介入をやりまくった結果、短期金融市場でラトが吸い上げられまくって短期国債誰も買えなくなったという話みたいですな。何せ応札ゼロ入札当日の翌日物銀行間金利が16.40%になって、翌日物預金金利は24.0%になったそうで。

何か欧州通貨危機を思い出すようなオシャレな話でございますが、暫く前も東欧で金融システム不安がどうのこうのとかあってオーストリアとかがえらい騒ぎになっておりましたし、まあ何気に欧州は今後も微妙に火を吹くでござるの巻という感じじゃないでしょうか。

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2009/05/21

○「戦後最悪」を宣伝するのは戦前戦中世代に失礼では(ただの与太話ですので^^)

昨日はGDPの発表がありまして、落ち込みの率が第1次石油ショックの時の下げを上回ったということで「戦後最悪」というヘッドラインがニュースでもレポートでも飛び回っております。

・・・・・・えーっと学童疎開経験者の親を持つあたくしと致しましては、「戦後最悪の落ち込み」というのは当然ながら全国各地に空襲を食らった上に朝鮮や台湾などを放棄した昭和20年とかの方が落ち込みでかい(昭和21年だと復興での拡大と領土縮小での落ちのどっちが効くのでしょうか)のではないか!とか思い内閣府のページを見に逝った訳ですよ。

・・・・・あ、国民所得計算って昭和30年以降しかないんですね。

データが無いのであれば比較もへったくれも無いですから仕方ないですわなあと思ったのですが、「戦後最大(最悪)のナンチャラ」というのであれば、復金インフレとか預金封鎖とかドッジラインデフレとか朝鮮戦争特需による成長とかも考慮に入れるべきではないかと存じます次第で(^^)。あーた東証平均株価なんか「スターリン重態で株式重態」とかもフォローしている訳でして、「戦後の株価指数下落率比較」とかやると堂々とその上位にスターリン暴落が出てくるのでありまして、株屋恐るべしということでございます(どこが)。

昭和30年以降しか無い統計で「戦後最悪」とか言われましても、あたくしのようなメタボおじさんとしてはまだ小さい頃にはそこらに普通に戦前戦中のオトナがいたもんで、一瞬「????」と思ってしまうのは頭の仕様がちょっとずれていますかそうですか(汗)。

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2009/05/14

○ドルは信用ならんが米国債は買えるという謎理論

最初はBBCじゃなくてブルームバーグのヘッドラインで見たのれすが。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/8046599.stm

お題とヘッドラインがこんなんでして・・・・

Japan 'would avoid dollar bonds'

Japan's opposition party says it would refuse to buy American government bonds denominated in US dollars, if elected.

・・・いやはやというニュースでございますけれども、この民主党中川正春氏による「ドルはダメだが米国債はおっけー」という理屈は正直よー判らん。しかしさすがにこの書かれっぷりではちとマズイと思ったのかどうか知りませんけれども、中川さんは13日のブルームバーグでのインタビューでは若干火消し気味。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aNXfWoVcSzeI

そりゃ個人的提案じゃなかったら(=民主党の正式な政策だったら)エライコッチャでございますので当たり前ですがなという感じですが、政権取る気があるんでしたら、財務大臣を予定されているような人の発言にはそれなりに意味があると見做される訳でして、日本国内相手だったら少々やんちゃな発言しても「また民主党の書生論か」でスルーされるかもしれないけど、国際的にはもうちょっとお考えになられた方がよろしいかと。まさしく「猿にマシンガン」状態ですなあ。

でね、ブルームバーグの方にあるのですが、中川さんドルについて「中長期的に見て価値が今以上に上がっていくということは考えられない」というコメントもしてるのですけど、基本的に「その国の通貨が買えない」って言い出すのならその国の政府の相対的な信用度合いも良くないって話になるんですから、政府の債権である国債も買えないって理屈になると思うのですが、「ドルは買えないが米国債は円建てなら買える」ちゅーのは何だかなと。いやこれがGEみたいな企業で「ドル建て社債だと買えないけど円建て社債なら買える」っていう話なら大いにアリなんですが・・・・・

というかね、それ以前の問題として、日本が持ってる米国債って一応名目は外貨準備なんで、円建てで外貨準備保有ってその時点で自己矛盾にも程があるのですけれども、民主党様におかれましては外貨準備に関して何か物凄く変な理解をしておられませんでしょうかと。


で、この発言に対する市場の反応ですが、正直よー判らんけどドル安の流れが続く中での報道だったからサポートにはなったのかもしれないしスルーだったのかもしれない。ただ、米国債があまり動かなかったですけど債券先物が何故か先物だけ妙に叩かれていた時間とブルームバーグで本件が話題になったタイミングが重なるので、誰か反応したのかもしれませんね(^^)。ただの偶然かもしれないけど。

それはそれとして昨日はこんなニュースもあって、そっちの方が朝はネタになっていたと思います。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090513-00000729-reu-bus_all
米国の「トリプルA」格付けにリスク─元米会計検査院長=FT

『[東京 12日 ロイター] 米会計検査院(GAO)院長を務め、現在はピーター・G・ピーターソン財団の最高経営責任者(CEO)であるデビッド・ウォーカー氏は、英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙に寄稿し、米国の「トリプルA」格付けがリスクにさらされていると指摘した。』

よく見ると12日のニュースみたいですけど(汗)、これ最初にヘッドラインだか報道だかを見たか聞いた時にあたしゃー「FTは米国債の格下げを心配する前に自分の国の心配をすべきである」と思ったのですが、米国人が寄稿した話なのね(^^)。まー米国債を格下げしたらついでに世界中のソブリンをフルスライドで格下げしそうな気がしますが、って予想する判断根拠は(自主規制^^)。


まーしかし何ですな、結局の所よーするに「米国がストレステストで金融安定化進展とか言ってるけどあの茶番ストレステストで大丈夫かよ」ってえのが根底にあるような気が思いっきりするのですけれども、それこそモーサテコメントとか聞いていると、その点に関しては見事に回避したコメントが米国市場方面から聞こえて来るように思える次第でございまして、何か日本の不良債権処理が毎年毎年「不良債権処理は峠を越えた」って言ってるのに翌年もまた峠が続くという奥羽山脈状態(以下自粛)。

あんまり書いてると洒落にならない気がしてきたのでまーこんな感じで(^^)。

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2009/04/24

○国会ヒマネタ

昨日の続きでまたも4月9日の参議院財政金融委員会で、民主党の楽しい質問っぷりを鑑賞。輪番オペ絡みで大久保委員が質問しているのですが、要するに大久保さんはこういう事を主張したかったようでございます。

『○大久保勉君 より具体的な質問をしたいと思いますが、先ほどの補正予算絡み、さらには税収の減ということに関しまして、恐らくは追加国債発行が補正予算絡みで十兆円、さらには税収減で五兆から十兆円と計算しますと、十五兆円から二十兆円の国債の発行が予想されます。市場では、なかなか消化できなかった場合は金利が上がります。長期金利上昇要因になりますが、その結果、景気を更に悪化させる、冷え込ませるということになることが考えられます。この点に関して、景気を更に悪化させないためにも、長期国債を購入して長期金利を下げる、こういった政策が必要じゃないかと思いますが、総裁の御所見を聞きたいと思います。』

「長期金利を下げるために国債を買う」というのはFRBが実施してますけど、ご案内の通りでアナウンスする直前の時点で10年国債金利は3%とか3.1%とかの辺りにおりましたが、アナウンスした時に2.5%まで低下した同金利は買入をせっせと実施しているにも関らず2.8%とか2.9%の辺りにいる訳でございまして、そう簡単に出来るもんじゃないと思うのですよね。

で、白川総裁が過去の事例について「釈迦に説法でございますが」と言いつつ説明してますが、きっと腹の中では「釈迦」というのが別の言葉に変換されているに100ペソ(^^)。

『○参考人(白川方明君) (冒頭割愛)一般論としてお答え申し上げたいと思いますけれども、長期金利がどうやって決まるのかということについて、もうこれ釈迦に説法ではございますけれども、これは基本的には先行きの経済や物価に関する市場の見方を反映して決まりまして、それに債券を保有することに伴う様々なリスク、それが上乗せされてくるということでございます。

 したがって、財政規律の面で将来この財政規律が失われるのではないかとか、あるいは金融政策の運営が物価の安定を通じて経済の持続的な成長を図るという目的から離れて金融政策が運営されるのではないかといったふうな不確実性、懸念が生まれない限り、基本的には長期金利は市場参加者の経済、物価の見通しから大きく離れた形で形成されることはないというふうに考えています。

 多少具体例で申し上げますと、一九九〇年代以降、御承知のとおり我が国の国債残高が急増したわけでございますけれども、そうした中にあっても、景気の低迷が長引いたことを反映して日本の長期金利はこの間低下傾向をたどってまいりました。その後、例えば二〇〇三年以降を見てみますと、国債の増発額が抑制される中で日本の景気が回復に向かう、それを反映して長期金利は上昇を行いました。

 こうした経験から見ましても、経済対策の効果に対する市場の期待と整合的な金利形成であれば、これが景気を冷え込ませるということにはならないというふうに考えています。

 ただ、繰り返しになりますけれども、長期金利が経済・物価情勢と整合的な形で安定的に推移するために最も大事なことは、これは、政府においては財政規律をしっかり守るということでありますし、中央銀行においては物価の安定を通じて経済の健全な発展を図るという金融政策を適切に運営することであるというふうに思っております。』

まーそうとしか言いようが無いのですけど、大久保さんはこんな質問を。

『○大久保勉君 私は、こういった非常時にはもっと踏み込むべきじゃないかと思います。じゃ、質問しますが、米国のFRB、三十兆円相当の米国国債を買うと、金利を下げるためにも買うということを言っていますよね。ということは、白川総裁の理論から考えたら無駄なことをやっているんですか、FRBは。』

ちなみに先ほどあたくし申し上げましたように、あたくし的には無駄というよりは「ロジックとして危ない」という所ではないかと思いますけど、白川総裁はこのように答えています。

『○参考人(白川方明君) 他国の中央銀行の金融政策について、私の立場で具体的にコメントをするということは差し控えたいというふうに思います。ただ、言えますことは、どの中央銀行も今非常に経済、金融厳しい中で、自国の金融市場、自国の金融制度、さらにはそれぞれの国の中央銀行法の枠組みの中で最適な方法を模索しているということであります。例えば、海外の中央銀行はやっていないけれども日本銀行だけがやっているという政策もございますけれども、これは別に、日本銀行だけしかやってないということでこれはおかしな政策ということではなくて、日本のこの状況の中でふさわしい政策を追求しているということでございます。そういう意味で、FRBの政策について直接コメントすることは差し控えたいというふうに思います。』

しかししつこい大久保さん。

『○大久保勉君 いや、都合が悪いからコメントしないように私には聞こえます。むしろ、こういった状況でしたら、銀行券シーリングを撤廃するということを表明しまして、さらには長期金利も下げるために買い切りオペの金額を増やす、この結果、景気をてこ入れする、そういった大きな判断が必要なときじゃないんでしょうか。そういった思いで質問したんです。もう一度質問したいと思います。』

マネタリーベース拡大の為に長期国債買入増やせというのならまだわかるのですけれども、長期金利下げるために長期国債買入増やすってやって実際問題として長期金利が思いっきり下がるのかというのは既にFRBがやってる事で一定の結果が出ているように思えますけどね。つまり「低下させる」というのは無茶で、今の所はとりあえず上昇させないようにする程度には効いているかも知れないですかね程度じゃねえのかと。


一方、大塚委員はまるで逆のお話が冒頭から。

『○大塚耕平君 (冒頭割愛) 今、大久保さんの最後の方のやり取りを聞いておりまして、ちょっと通告している問題のこれは二番から入らせていただかないといけないなというふうに思いまして順番を変えさせていただきますが、今委員の先生方にもまたちょっと配付資料を配らせていただいておりますが、グラフと、もう片面が私の作ったポンチ絵になっておりますけれども。

 大久保委員が先ほど、この局面、もっと日銀は言わば金融緩和的あるいは平時ではない対応に踏み込むべきではないかという御意見があったわけであります。これはなかなか、多分与党の中でも我々民主党の中でも、さあ、この局面、金融、これからさらにどうするべきなのか、あるいは財政との関係どうするべきなのかというのはいろいろ意見があります。私自身は、大久保さんとはもう日ごろから本当にいろんな意見交換をさせていただきながらいろんなサジェスチョンをいただいておるんですけれども、そろそろ金融政策の方も限界を意識しながらやっていただかないといけない局面なのではないかなと個人的には思っております。

 委員の皆様方、もしよろしければお手元の資料を御覧いただきたいんですが、これは以前にもこの委員会で一度配らせていただいたんですが。

 伝統的金融政策とか非伝統的金融政策とか、関係者の間ではそういう言葉をよく使うんですが、つまり今の大久保委員の御意見は、左側の伝統的な、つまり平時の政策からどんどんどんどん今右の方に行っている中で更にもう一歩踏み込むべきではないかという御意見で、それは一つ御意見として理解できる部分もありますし、それが可能ならやったらどうかなと思う面もあります。さりながら、日本には大変な財政的な制約があって、これは世界の中でもう最悪の財政状況だということを考えると、果たしてこれどこまで右の方に行っていいものなのかな、あるいは逆に最悪だからこそ右の方にどんどん行かなくてはいけないのかなというのが、これは日銀だけに任せられるあるいは責任を押し付ける問題ではなくて、財政を預かる国会として真剣に考えていかなくてはいけない問題だと思っております。(以下続くのですが割愛します)』

・・・・・・・・・・・(゜д゜)

いやまあ別に委員会質疑だから個人ごとに意見違っちゃいけないという話じゃないのですし、日銀の実施することを政府から強制するものでもない(という事になっております^^)から見解が違っても別に良いのですけれども、仮にも政権交代とか言ってる政党の経済金融政策に関るのでしょうと思われる財政金融委員会の常連さんの意見がこうまで真逆というのはどうなんでしょと思いますけどねえ。

勿論自民党の中でも意見が全然ちがったりする訳ですが、それでも政策担当のラインでは意見の分裂みたいなのは無いので、政権取る積りならどっちが出てくるのかさっぱり判らんという状況になるのは避けたほうが宜しいのではないかと思っちゃいますです、はい。

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2009/04/23

○ところでヒマネタ国会ネタ

4月9日の参議院財政金融委員会から
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0105/171/17104090060015a.html

この日は日銀の半期報告がお題なので、最初から最後まで日銀に対する質疑応答が続きましてまあオモロイです。一番アレだったのは、民主党の大久保委員と大塚委員が日銀の国債買入などに関して真逆の主張を開陳して質問をしている所でして、こりゃ答えるほうも大変だわという感じです。民主党大丈夫かね・・・・・

で、今日引用するのは一部で人気沸騰中の日本共産党大門実紀史委員の質問。既に本石町日記さんの所で紹介されてますのでご存知かとは思いますけど(汗)。最後の質問者でして、最後9分の1くらい(スクロールバーを目の子で読んだだけなのですが)の所から大門さんの質問が始まります。

『○大門実紀史君 大門でございます。白川さん、一周年ということで、おめでとうございます。大久保さんの資料、また今日の毎日新聞の社説もそうですけれども、白川総裁の評価というのはどんどん上がっているようでございますけれども、世間の評価が上がれば上がるほど私の評価は下がるという関係にございます。』

いきなりワロタ。

『一年前とは大違いだなというふうに思うんですけれども、まあ大変な一年だったというふうには、その点は同情はしているんですけれども、私は日銀に一貫して申し上げてきたのは、こういうときですから何もおやりになるべきではないとは決して申し上げているわけではございませんけれども、中央銀行ともあろうものが個別経営、個別企業、個別銀行の中身に入るようなことはおやめになるべきだということを再三申し上げてきたわけでございます。それは、幾ら金融システムの安定とか美辞麗句並べても、結局は市場経済のメカニズムを壊してしまうものになりますよということを申し上げてきたわけでございまして、もう多くを述べる必要はないんですけれども、そういう点でいくと、今回の劣後ローンの問題とかもまたまた踏み出されたなというふうに思っております。』

『バブルのときはみんなが踊るというのがありますけれども、こういうパニックのときはみんなが右往左往して、打つ手でいえばもう何でもありと、行け行けどんどんと。行け行けどんどんという点ではバブルのときと似ているわけですね。バブルとパニックというのは、どうしてこうやってみんな同じことをやるのかといいますか、人間というのは浅はかだなというふうに思うわけですけれども。しょせん日銀のこの間の対応も、私は思うんですけれども、しょせん人間のやることだなと。まじめな顔をして議論されているかも分かりませんけれども、大した話じゃないんじゃないかなというふうに私は見ているところでございます。』

『CP、社債、国債の買い増し、銀行保有株の買取り、劣後ローンの引受けと、異例の措置だというのは自覚されているようでございますけれども、何といいますか、一回一線を越えてしまったといいますか、人間というのは一度一線を越えるともう行き着くところまで行ってしまいますから、何かもうどんどんどんどん行っちゃっているんではないかという心配を私はしているんですけれども。』

(;∀;)イイハナシダナー

『例えば、日銀が今までCP、社債、国債買い増しいろいろやって、これまた買い増しやられますけれども、それに対して市場といいますかマーケットといいますか、反応が良くないとかそれじゃ足りないとか株も上がらなかったとかいろいろあると、更に何かやらなきゃと、何かやらなきゃいけないというふうな、そういう深みにどんどんはまっていくというふうな状況に少しなっているんじゃないかなと思いますけれども、白川総裁、率直な心理状態といいますか、どういうふうにお考えになっているか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。』

白川総裁の答弁は当然ながら抽象的な答えで何とか切り抜けましたという感じ(引用割愛^^)。で大門さんの質問更に。

『○大門実紀史君 先ほど大塚さんの資料面白いなと思って、伝統的、非伝統的の話ですけれども。本当にどんどんどんどん非伝統的な方向に、これ、ずっと右へ行けば行くほど社会主義に近づいちゃうんですよね。これ、自己矛盾なんですよ、括弧付きですけれどもね。括弧付きですけれども、社会主義的な、こうなるんですよね。だから、どうなっているのかなというふうに思っているところでございます。』

マルクス大勝利ですかそうですか(^^)。

『要するに、せっかくですから大塚さんのこの表を使わせてもらって言いますと、要するに日本の場合は、この金利政策が手の打ち方がもう余り手数が残っていないと。しかし、何かやらなきゃいけないと。それで、この非伝統的な、やったことないところですね、何かやらなきゃいけないというプレッシャー多分すごいと思うんですよね。(以下引用省略)』

なおワロタ。大門先生絶好調ですな。この質疑応答が殆ど時間が無くて、大門さんの主張開陳で時間一杯になってしまうのは残念無念としか言いようがありませんで、民主党はクソ下らない質問をする時間があったら大門先生に質問時間を渡すべきであるとマジメに思うのであります。

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2009/04/22

○ちょっとだけ雑談

いやまあシティの決算で楽観しバンカメ決算で疑心暗鬼になってガイトナー発言で楽観とかご丁寧なこったと思いますけど・・・・・・

ストレステストがどうのこうのってやってますけど、これって結局の所は個別行に関する詳しい内容が出るとも思えず、そうなりますと日本の例からすると、必ずどっかの行儀の悪い所が銀行決算の分析レポートみたいなのを出して、「どこぞの決算はインチキ臭くて安心できませんなあ。あ、うちは大丈夫ですよエッヘッヘ」と言ってうんこを投げてくるアホウが出てきて泥レス状態になるに100バーツ。

・・・・などと思っておりますあたくしなので、米国の金融機関決算の動きを見てても何だかなあって感じがしております。それからシティでしたっけ、てめえの発行した社債を時価評価して発行時よりも値下がり(クレジットスプレッドが拡大しているから流通市場で金利上昇している)してるのを収益認識してる所があったと思いますけれども、お前は投資家に喧嘩を売っているのかと小一時間問い詰めたいのですけれども・・・・・・

まあ正直言ってAIGのボーナスがらみの不手際を見ますと、またぞろKYな動きが出てきてどっかでまた火を噴くんじゃねえかという懸念が。噴いた火で米国が火達磨になるのは別に他人事なのでどうでも良いのですが、米国の場合火達磨になりますと世界を巻き込んで延焼しやがるので、米国金融機関様におかれましては、その超モンロー主義みたいな行動を慎んで頂きたく存じますけど無理でしょうな奴らは・・・・

#単なる悪態雑談でどうもすいません

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2009/04/15

○ヒマネタその1:地方自治法施行60周年記念貨幣

昨日つらつら財務省ページの新着情報を見てたら表題の件でのアナウンスがあったので、関連情報を見ていたらちょっと面白かったのでご紹介。

http://www.mof.go.jp/singikai/kokko/top.htm

ここの議事要旨等という所なんですけど、第2回と第3回の少会合の議事要旨が中々面白くて、何か相当エライ人が揃ってマジメに色々とディスカッションしているのかあと思うと(別に嫌味とかではなく)面白そうだなと(^^)。

直近2回の議事要旨。
http://www.mof.go.jp/singikai/kokko/giji/210204giji.htm(今年2月)
http://www.mof.go.jp/singikai/kokko/giji/200903giji.htm(昨年9月)

各県の記念貨幣のどこを先に出すかという話を大真面目にしているのがちょっと面白かったですが適当にピックアップするとこんな議論が。

『佐賀県の「大隈重信侯の肖像」については、地元にとっては非常に大事なことなんでしょうが、ちょっと弱いかなという印象を持つ。』(昨年9月)
『佐賀県の「大隈重信侯とその功績」については、裏づけ理由が弱く補強材料がなく選びにくい。』(今年2月)

・・・・大隈重信キングカワイソス

『富山県の「立山」という素材は良いと思うが、裏づけ理由が弱い。』(今年2月)

・・・・立山カワイソス

『岐阜県の「長良川の鵜飼」については、鵜匠が宮内庁所属とされてから120周年という節目にあたること、また、絵にもなるし地元に根ざしているので、他より優位ではないか。』(今年2月)

・・・・一方、長良川の鵜飼をはじめ、優位なものもありまして、どうして優位なのかという話をしているのが中々味わい深いです。まあお暇なら読んで味噌。


『貨幣のデザインには、今の時代の一過性のマスコットは避け、国の貨幣として適切なものを採用すべき。(複数意見)』(昨年9月)

・・・・何という正論(^^)


○ヒマネタその2:さすがにこれはちょっと・・・・・

3月26日の参議院財政金融委員会。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0105/171/17103260060011a.html

えーっとですね、これ引用してると超長くなるので割愛なのですが、平田財務副大臣(当時)の株式売買問題に関する質疑応答部分(大久保委員と大門委員がそれぞれ突っ込みを入れています)における平田さんの発言が何ぼなんでもいかがな物かという感じですので、これもまたお暇なときに読んで味噌です。

チヨダウーテの株式を市場外の相対で売った(というか自分の名義から自分の関連する法人名義に移した)のですけど、価格が何故か市場価格(JASDAQ銘柄です)の倍近い価格で売っている件に関して大門さんが批判してます。

ちょっとだけ引用。面倒なので『』を割愛してベタ引用しますね。

(引用開始)

○副大臣(平田耕一君) 百十二万株の価格の問題でありますけれども、それは私は適正な価格であるなと今でも思っておりますけれども、それ以上、今個別銘柄の価格申し上げてもしようがないんですけれども、私はそう思っておりますけれども。

○大門実紀史君 それは平田さんにとっては適正な価格なんですよ、もうかりますから。ほかに持っている人はどうするんですか。ほかに株持っている人はどうするんですか。その人たちにとって適正なんですか。あなたがそんな倍近い値で売っちゃったってこれ適正なんですか。ほかの人売れないじゃないですか。二百七十円の持っている人はどうするんですか。二百九十円ですか。売れないんですよ、そういう人たちは五百五十円で。五百円以上で。そういう人のこと考えないんですか。自分にとって適正なことしか言っていないじゃないですか。大変なことですよ、そんなの、副大臣ともあろう人がそんなことやったら。

 全然認識ないんですか、市場関係者に、そういう株を持っている人たちに、チヨダの株を持っている人たちにね。自分だけ得してほかの人たち売るに売れないんですよ、五百幾らなんて。そういうこと考えないんですか。あなただってチヨダにかかわっているわけでしょう、チヨダの経営に。どういう認識なんですか、それ。

○副大臣(平田耕一君) 今はチヨダの経営にはかかわっておりませんけれども。そうですね、価格の点は普通こういう取引、百十万株であれば、私ども売る立場としましてはやっぱり純資産価格というものと、それも自分は参考にいたしましたし、それと、それはまあどこであれ、私はそれは、この取引においては適正価格だと思っておりますけれども。

○大門実紀史君 聞いたことに答えてください。ほかの株主にとってどうなんですか。同じことは言わないよ。ほかの株主にとってどうなんですかと。あなただけ五百幾らで売り抜けたということはどうなんですかということを聞いているんです、五百五十円で。二百九十円で持っている人たちにとって何を言うんですかと、何か言うことないんですかと申し上げたんですよ。

○副大臣(平田耕一君) 御指摘でございますけれども、やはりこれはこれの取引でございますので、私はそれを実行したというだけでございますけれども。

○大門実紀史君 合法的かどうかさえこれ疑われますよ、後々。インサイダー含めて、背任含めてね。形で何も、別に相対でやったんだと。何が悪いんだと。 しかし、これ道義的責任だけじゃなくて、これ本当に合法的かどうかも後で調べられますよ。仮に今、別に相対でやったんだから、やっちゃいけないことをやっていないんだからということとしても、少なくとも財務省のこういうものを統括する財務省の副大臣が、副大臣がこういうことをやっちゃうというのは、道義的というか政治的というか、こんなもの人に言われなくたって、まずかったなと思って即刻やめられるのが普通当たり前だと私は思うんですけれども。そんな感覚何にもないんですか、あなたは、本当に。

(引用終了)

市場価格から極端に逸脱した価格を「この価格が適正」と言い切るのはすげえです。ちなみに、その価格にした理由の一つが「純資産価格から勘案」なのですけれども、もうひとつの理由がまた見苦しい。これは大久保委員からの突っ込みに対する答弁からですけど。

『最初のお言葉ですが、百万株を三百円辺りで買うのは不可能でありまして、それは是非ひとつ御理解をいただきたいと、無理であります、市場に出ませんから、そんなに。無理であります。もし買おうと思えば、一万円以上すると思います、になるんだろうというふうに想像はできますけれども、とても無理であり、数百円では無理であります。』

・・・・・えーっと、公開市場買い付けってご存知ですか平田先生???

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2009/04/07

○小沢鋭仁(民主党)議員の正攻法ツッコミ(国会会議録より)

3月25日の衆議院財務金融委員会より。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009517120090325013.htm

小沢委員の質疑は2番手ですので、スクロールバーで上から5分の1くらいの所から始まるマクロの質問は中々良い突っ込み方です。で、途中から日銀への突っ込みに。

(なお、適当に段落分けや改行をいじっておりますので念の為)

『○小沢(鋭)委員 (前半割愛)次に行きます。日銀の白川総裁に御質問をします。先ほどお聞きしましたように、CPIあるいは地価の公示価格ともに下落であります。デフレの局面に入った、こういう認識でよろしいんでしょうか。』

『○白川参考人 この席でもたびたび申し上げていることで恐縮でございますけれども、デフレという言葉がいろいろな意味で使われております。そういう意味で、私どもは、先ほどの答弁でも御説明しましたとおり、経済の先行き、成長率という面について大変厳しいというふうに見ております。それから、消費者物価でございますけれども、これについても、足元は今、前年比ゼロでございますけれども、これからマイナスの領域に入っていくというふうに見ております。』

で、この続きが苦しい説明になっておりますなあ)。

『その上で、デフレということで申し上げますと、過去の内外の経済を見ましても、物価の下落それ自体が起こるということは少なからず起きております。問題は、この物価の下落がいわゆるデフレスパイラルになっていって、つまり、物価の下落が経済のさらなる後退をもたらし、それがまた物価の下落をもたらす、これがデフレスパイラル、そうした事態は決して起こしてはいけないと強く私どもも思っております。現状、そうした意味でのデフレスパイラルに今直面しているということではございません。いずれにせよ、物価の動向それから経済の動向はしっかり見ていきたいというふうに見ております。』

どう見ても苦しい説明です。本当にありがとうございました。

『○小沢(鋭)委員 デフレという言葉を使うと日銀は過剰反応するように思うんですが、私が言っているデフレというのは単純な話で、いわゆる価格の下落です。消費者物価にしても地価にしても、価格の下落を単純に私はそう思っております。そうすると、デフレスパイラルの危険がなければ、物価の下落、地価の下落、これはそのままでいいんですか。』

何と言う正攻法な突っ込み(^^)。

『○白川参考人 今、地価の下落とそれから物価の下落、両方の下落について言及がございましたけれども、もちろん、これは両方とも経済の動向に大きな影響を与える計数でございますから、注意深く見ております。過去の経験を見てみますと、例えばこの数年間のアメリカがそうでございますけれども、物価自体はマイナスではなかった、しかし、資産価格が大きく下落する、住宅価格が下落する、そういう中で、過去の膨張した信用のおもしが大きく経済に悪影響を与えたわけでございます。要するに、これは資産デフレの悪影響ということでございました。一方、アメリカは、今、これから先の物価の下落がデフレスパイラルになっていくかどうか、これを非常に注意深く見ております。私どもの方も、そういう意味で、物価の下落あるいは資産の下落、こうしたものは注意深く見ております。ただ、一つの指数だけではなかなか判断できないということでございますので、決して、物価の下落なり資産の下落は見ていないということではございません。』

ということで、一時的な下落とデフレスパイラルを分けて話をするという毎度のパターンになっております。で、以下量的緩和政策についての質疑があるのですけど、そこは割愛しまして、小沢さんがまとめに発言した所はご尤もな説明。

『○小沢(鋭)委員 当座預金の話をされましたけれども、それだけが本当に量的緩和なのかどうか、国債の買い入れもしていただいたわけでありますから、含めて、ここは本当に、日銀、いつも申し上げていることで恐縮でありますが、私は、まさに物価の安定が日銀の政策目標なんですから、日銀の存在意義なんですから、それをちゃんとやってくださいよということを申し上げておきたいと思うんですね。』

『ですから、私の思いは、政府はGDPギャップを財政資金で全部埋めてくれ、物価の下落は日銀が全部埋めてくれ、これをまずやってもらいたい。まず、これが基本的なスタートラインだと私は思っておりまして、それを申し上げておきたいと思います。(以下割愛というか別件)』

その前に(引用すると長くなるので引用しませんでしたが)与謝野さんに対してGDPギャップをどう埋めるのかという話をしておりまして、こちらの方も中々正攻法でよかったなあと思います。

ただ、実に残念なのはその次のCP買入に関する質問がいきなりオッペケペーというかルンバというかのズッコケになっている所。まあ小沢さんにおかれましてはマクロの方での突っ込みに専念したほうがよいのではないかと思います。

『(さっきの続き)ついでに、もう一つ申し上げておきます。CPの買い入れみたいな話が出ておりますが、このCPというのをいろいろ調べたんですけれども、アメリカと日本で、同じCPといってもかなり受けとめ方が違いますね。アメリカのCPというのはある意味では約束手形、日本の場合は、金融機関が仲介をするような形でないとCPという形では認めない、こういうような話があって、ただ、約束手形という話になりますと、大臣、日常的に企業が、特に中小企業が出しているのは約束手形ですよ。その買い入れをアメリカは考えているし、やってくる、こういう話ですよ。』

えーっと、「日本の場合は、金融機関が仲介をするような形でないとCPという形では認めない」って意味が全然判らないのですけど。それ言い出したら約束手形だって金融機関の当座預金を介しているのですから「金融機関が仲介をするような形」になるんですけど(ちなみにCPの場合発行企業と投資家が相対取引をするケースもありますので念の為申し添えます)・・・・それから、日本のCP買入プログラムの方が企業への与信をモロにしている筈ですけどね。

『日本もぐずぐず言わないでやったらどうですか。中小企業の約束手形を日銀が買い取ります、そのリスクは政府が保証しますと言ったら、相当中小企業は楽になりますよ。いかがですか。』

どう見ても震災手形です。本当にカムサハムニダ・・・・と思ったら与謝野さんがモロに震災手形の話をしておりますが答弁割愛して(^^)、小沢さんもさすがに極端な話をしているのは認めている点をちゃんと引用しておきますね。

『○小沢(鋭)委員 もちろん、かなり過激な提案をしたつもりではいるわけですけれども、さっきの大震災の話ではありませんが、日本のGDPの落ち率はあれ以来の落ち率ですよ。ですから、政府が百年に一度の危機という話で言うのであれば、それくらいのことも含めて検討をしていただきたい、こういうふうに申し上げておきたいなと思います。(以下別の話なので引用割愛)』

また百年に一度ですかそうですかという感じですけど、まあ小沢さんの場合、細かい話になるとグタグタになってしまうのは玉に瑕という程度の話だと思いますので、今後もマクロの話で大いに突っ込んで頂きたいものだと思います。

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