分類不能の雑文

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とりあえずここにぶち込んでおきますが、いずれ整理する所存・・・と言い続けて早や・・・もうサイト作ってから6年以上になるのか・・・・整理していません。

過去の雑談

2011年下期
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2003年下期(以前の整理はまだできていない)

2012/09/28「安倍さんとりあえず高支持率のようで/維新の会に竹中平蔵ねえ」
2012/09/27「自民党総裁選挙は安倍晋三氏が総裁に返り咲き」
2012/09/11「あちこちの政党が馬鹿振りを発揮している件について悪態」
2012/09/05「大阪維新の会が益々ゴミ化してかつての金融維新並み/日銀の外債購入をマニフェストとかアホかと」
2012/09/04「政治雑談とかブログ紹介とか」
2012/08/29「原発に関する中日新聞(東京新聞)の馬鹿報道振りは何とかならんのか」
2012/08/21「電力の一般担保を廃止検討という事ですが相変わらず経済合理性を無視した馬鹿提案ですな」
2012/07/20「総裁定例会見で意味不明な質問をする電波記者がおります!!!」
2012/07/18「LIBOR関連で無能な働き者キタコレ(民主党財金)」
2012/07/11「電波浴シリーズ:公明党の謎財源論議/馬淵議員の藁人形論法/共同通信の事実捻じ曲げ報道/高橋陽一先生の穴だらけ論法」
2012/07/05「高橋洋一先生で電波浴/第一生命経済研究所の永浜主席エコノミストのペーパーの結論が見るに堪えない出来の件に関して」
2012/07/04「ドクター窃盗Zさんの先般の与太ネタフォローアップ」
2012/06/22「先週に引き続き洋一方面からの電波を感知しました」
2012/06/15「高橋洋一先生はここまで電波になってしまったのですか」
2012/06/01「民主党のアホ議連の日銀法改正法案は兎も角、自民党の政権公約第2弾が頭おかしい件」
2012/05/31「関西酋長連合とやらは頭が相当いかれていると思います」
2012/04/27「自民党財金が相変わらず暴走する件/大飯原発再稼働に対する橋下市長の見事な責任転嫁」
2012/04/24「古川元久経済財政大臣の不見識政治干渉発言キタコレ」
2012/04/23「竹中平蔵先生、10年前のインフレターゲットと今のインフレターゲットは違いますが」
2012/04/18「ドイツ証券安達誠司さんは審議委員でも狙って無茶レポートを書いているのでしょうかねえ」
2012/04/11「馬鹿ベンダーと馬鹿デフレ脱却議連の馬鹿振りに悪態」
2012/04/10「自民党マニフェストの荒唐無稽さが悲惨すぎる件/hamachan先生のブログから」
2012/04/09「審議委員人事雑感というか河野さんが怒りのレポート^^」
2012/04/05「自民党の馬鹿振りが止まらないようです/当座預金残高で為替は動きません」
2012/04/04「自民党に最早政権担当能力なしとしか言いようがない審議委員反対の一件」
2012/04/02「自民党も河野龍太郎さんの日銀審議委員就任に反対の方向」

2012/09/28

○ニュース雑談というか悪態というか

・安倍さん高支持率とな

http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_27717/
緊急世論調査 自民党 支持率上昇

内閣支持率が上昇しながら自民党の支持率も上昇しているという中々不思議ちゃんな結果で、これは何ぞねという感じですが、とりあえず支持率上昇して良かったですねという所で、まあお手並み拝見。前回に関しては衆議院での圧倒的な議席を持ち、景気も良かったというのに何かやりましたっけ感が非常に強かったのですが(後任の2名は色々と仕事をしていた気がするんですが)まあどうなる事やら。あたくし的には相変わらずの「美しいスローガン」に「ポッポ右バージョン」の悪寒がするのですが杞憂に終わる事を期待。


・これはワロタというか何というか

何とかホイホイとして評価の高い維新の会でございますが。

http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/news/20120927-OYT1T00627.htm
維新の候補者選定委、竹中平蔵氏が委員長に

・・・・・・・・・・・・いやもう何と申しますか。

これで平蔵先生が現職議員も含めて「お前ら全員選良としてふさわしくないから辞めろや」とか宣告すると格好良いのですが、まあどう見ても何とかホイホイに集まる何とかの(以下全力の悪態に付き全力で自主規制)。

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2012/09/27

○自民党総裁選挙雑談メモ

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120926-OYT1T00783.htm
自民新総裁に安倍氏…石破氏を重要ポストで処遇

第一回投票
     党員票   議員票  合計
石破   165   34   199
安倍    87   54   141
石原    38   58    96
町村     7   27    34
林      3   24    27

第2回投票

安倍  108
石破   89

ということで、最初に(今回見た時に改めて議員投票の前に党員投票の結果が出るのか不思議だなとか思いましたが、そもそも党員投票やった多分第1回の大角連合での福田逆転時からそうだったですわな)党員票の結果が出てゲル過半数と出た時点では何となく債券先物が毛ほど買われましたがまあ様子見。

その後決選投票で安倍さん逆転で瞬間先物が5銭少々売られましたが、その後はまあ良く考えたら今すぐ何か変わる訳でもないですよねそれより今日は国債の9月内最終受渡しですぞなもしという事もあって結局債券堅調という所で、まあ市場はあんまり反応しないどころか、安倍さんの演説が報道されているタイミングのイブニングセッションでは債券先物続伸してました。まあそれは恐らく欧州懸念とかの方で買われていただけだと思いますが。


でまあ安倍さんの場合はいわゆる「上げ潮派」という事になっていますが、消費税増税の前にデフレ脱却云々はまあそらそうなのですが、財政問題に関しては現実的に考えた場合にデフレ脱却したら問題が解決するのかというと、何をどう考えても歳入云々よりも歳出の方を何とかしないと景気が少々良くなったとしても財政が真っ赤っ赤なのは変わらないと思う(それに物価が上昇したら黙っていても歳出が増えますし)ので、上げ潮で全て解決みたいな感じの言われ方をしているのがいかがなものかという感じがします。

つーかね、安倍さんの場合って、昨日テレビ番組で喋っていたのを見るとそう極端に無茶な話をしている訳でも無いのですが、どうも取り巻きおよび自称取り巻きの応援団に碌でも無いのがウジャウジャ居るイメージが強くて、その取り巻きおよび自称取り巻きが極論やら何やらを振りまくのでどうも何だかねえというのがあたくし的にございますがなというのがまず一点。

ご参考としてはもと切込隊長氏のこんなエントリーとか、つーか先日の野球ネタ投下前に何本もシリアスモードでのエントリー投下の方がビビりましたぞな(^^)。
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2012/09/post-e1f0.html

あとですな、まあこれは相変わらず思うのですが、「美しい国」みたいな何だかよく判らないけど具体的な中身が見えないけれども格好はいいスローガンというのが出てくるのが安倍さんの仕様で、今回の総裁就任でも何かそういうお話をしていたように思えるのですが、そーゆーのって現実を見ないで突っ走ってあじゃぱーという結果になり兼ねない、と申しますか既に鳩ぽっぽで散々痛い目にあっておりますので、まあそうならない事を期待したいのですけれども、前回の総理在任期間中の記憶を戻すとどうもその懸念ががががが。

決選投票になったのが40年位ぶりで、2位が逆転したのが50年以上ぶりでという報道があったのですが、そもそも40年前の時って党員投票無かったのですからあまり関係ないぞなもしという感じがする(三角大福時代で、田中、福田、大平、三木の順番だった筈)し、2位が決戦で逆転した時って2位3位連合を組んでいて、当時は3位の石井支持の池田とか大野とかが岸を嫌って2位の石橋に突っ込んで行ったとか、まあ何かややこしい派閥論理があった訳ですが、今回は特段の2、3位連合があった訳でも無いですし、大体からして国会議員票だけ見たらゲルって3位なのでそういう意味では逆転でも何でも無いとも言えますぞなもしという感じで、まあ昭和時代とはだいぶ違いますなあとか思うのでありました。

しかしまあ何ですな、国会議員票で第1回の20票差が殆ど縮まらなかったゲル様の議員内における人望というのも誠にアレではないかと思われる次第ですが、国会議員票だけでやっていたら1回目が石原、安倍で2回目では恐らく2、3位連合が出来ていたので安倍にひっくり返ったという形になったでしょうから、そう考えると形は全然別ですが逆転は逆転という所なのでしょうか。

いずれにせよ、党員票でろくすっぽ票が取れなかった石原様におかれましては、この際親子共々政界からぜひ引退して風月でも楽しんで頂きたく存じます。つーか尖閣騒動を大騒動にするきっかけを作った親父出てきてちょっと説明してみろゴルァと思うのだが。


でまあ安倍さんですかそうですかという所なのですが、自民党的には安倍さんなのかねとは思うものの、世間的に見て安倍さんってやはりあの施政方針演説やった翌日にいきなり辞任という意味不明にも程がある攻撃のイメージが強くて、何で今さらという感じじゃないかと思いますし、経済政策だってまあデフレ脱却は良いとしてもインフレ3%とかこのインフレフォビアの国でその話どうなのよとか、改憲だって(まあゲルも改憲だからそこは似たようなもんですが)歯切れは良いけどそれはコアな支持者は掴めても国民政党としての支持を集めるという意味ではどうなのよとか、まあ何っつーかどっしり構えていれば普通に選挙に勝てそうな所なのに、わざわざこういうやや政治的主張が立ち過ぎている人を総裁に選ぶというのはどうなのよという感じがします。

まあ谷垣さん続投で何がまずかったのか良くワカランチ会長でございますし、別に普通に無難にやっておけば良かったような気もするんですが、週末に自民党と民主党の支持率がどう推移するのか楽しみに眺めたいと思います。


日銀法改正だの3%のインフレ目標だの威勢の良い話をしていますが、債券市場的にはまあ政権付いたら結局ヘタるだろうなあと高を括っている節があるような気がしますけどね。つーか威勢の良いことを言えば世の中がその通りになるならだれも苦労せんぞなもし。

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2012/09/11

○政治関連ニュース悪態雑談を少々

まあどうでも良いですけどね。

・谷垣さん残念とか自民党方面

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120911-00000007-mai-pol
<自民党総裁選>谷垣氏、長老の壁に屈し出馬断念
毎日新聞 9月11日(火)2時32分配信

・・・・・・・谷垣さん自体は政策遂行という点では非常に良いと思ってたのですけれども、まあ残念な所ですが、これはある意味石原の倅に対する嫌がらせで最後っ屁かと思ったのですがどうですかね。

しかし石原の倅ってろくすっぽ閣僚経験が無い筈(確か道路公団がどうのこうのの時に1年ちょっと国土交通大臣やったのと、何とか改革関連の実務と関係ない所の担当やっただけだと思う)で、それで首相目指すとかお腹ポンポンの安倍先生の二の舞になるだけという嫌な予感しかしないのですが。


かと言いましてもゲルはゲルで安全保障関係がアレだし、大体からして政権公約で憲法改正謳って選挙に出たら一定の支持は集まるかも知れんが逆に広範な支持を得るのが難しくなるだろとか思いますし、それに協力するのがお前はどの面下げて立候補するのやらという安倍さんという時点でこれまた悪い予感しかしない次第。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120910/plc12091014310004-n1.htm
「国防軍」へ改編公約 石破氏、安保の責任強調
2012.9.10 14:30


・どうしてこう出来もしない事を公約にするのやらと民主党方面

まあ民主党は野田再選のようで、他よりはマシと思ったのですが・・・・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE88901C20120910
民主党代表選に4人が立候補、首相は1年以内のデフレ脱却を公約
2012年 09月 10日 12:24 JST

えーっと、1年以内のデフレ脱却ってあーたそもそも日銀の物価安定の目途の中長期的1%達成すらまだいつになるかワカランチ会長という見通しになっているのに、何をどうやって1年以内にデフレ脱却を「公約」できるのかと小一時間。

だいたいてめーこの前国家公務員の俸給カットとか盛大なデフレ政策実施したばっかりじゃねえか何考えてるんだヴォケとしか申し上げようがない訳で、もしかしたら野田首相におかれましては電力料金の大幅値上げとか公共料金の大幅値上げでもおっぱじめるとか、はたまた総務省に圧力掛けてヘドニックの価格調整の掛け方を変えさせるとか、そんな事でもお考えなのでしょうかね、つーかそうでもしないと「1年以内のデフレ脱却」って無理だろそれ。

#まさかちょっとだけCPIプラスになったら「デフレ脱却」とか言う気なのか??

まあ何ですな、デフレ脱却に向けて取り組むのは結構なのですが、前任のアホウが「何の対策も無しにデフレ宣言」とかした例に続いて、今度は「どこをどう頑張っても出来もしないデフレ脱却公約」とかお前らがそういうアホウな事ばかりやっとるからデフレ脱却に対するマインドが盛り上がらないんじゃボケアホカスと存じます次第でございまして、甚だ遺憾にも程があります罠。

だいたいからして「出来もしない事を宣言」とか連発していると「宣言に対する実行への信認が落ちる」という事になる訳で、期待に働きかける政策という意味では最もやってはいけないと思うのですが、まあ小選挙区制度になってからすっかりこの詐欺フェスト手法が定着しておりまして、そらまあ政治家の言う事への信認が落ちて変な新政党が毎度ブームになるでしょうなあと思う訳です。


・みんなの党3名離脱とな

まあ既に報じられている話ではありますが。

http://www.47news.jp/CN/201209/CN2012090901001611.html
維新の会、公開討論 7議員が新党参加へ

設立当初は比較的金融関連の皆様からは評判が宜しい中で、あたくしが全力で悪態をついておりましたみんなの党が分裂含みとなりまして、まあ何と申しますか当初の悪態モードの通りの流れになりましてドラめもんドヤ顔と言った所ですが、だってもともと渡辺代表が金融担当大臣だった時の「金融士構想」とか、ここの代表は「一見すると良い事を言ってるようだが結局机上の空論だよねそれって」というのを弄ぶ傾向があったのでその当時から悪態対象だった次第で、まあ所詮新党ブームに乗って議席を取りたかった人が寄ってきたのが去っても致し方ないという所でヨッシー残念でしたね(棒読み)という所で。

まあそのような猟官しか頭にない輩の更に質が落ちたのが維新の会とやらに集結とか、ろくなもんじゃねえなとか思いますし、大体昭和維新だの金融維新だの言い出すのは大体においてアレですし、そういえば維新の志士気取りで船中八朔とか何とか仰せでございますが、この前高速バスで大惨事起こしていた会社の手配主だか何だかも「陸援隊」とか明治維新由来のネーミングしていましたわなあとか思ったり思わなかったり。

・・・・・などとどうでも良い悪態でございますが、最近の政治ニュースを見ておりますと世を儚みたくなるのですが、残念な事にあたくしは人間の出来が悪い俗物でございますので、首陽山に蕨取りにお出掛けしたり泪羅江に石を抱えてお出掛けしたくなるような心境には1ミリも達する事も無く今後とも悪態を申し上げさせて頂きたく存じます次第でございます。

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2012/09/05

益々ゴミ集団と化してまいりましたな。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120905-00000504-san-pol
「橋下氏は衆院選出馬、市長後継は中田氏」東国原氏が私案
産経新聞 9月5日(水)1時44分配信

まあ大体「維新」とか言う連中ってこんなもんでしょ。
http://www.amazon.co.jp/dp/4776201194

○ニュース悪態

民主党が円高対策で日銀の外債購入の話を。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0402V_U2A900C1PP8000/
日銀に外債購入要請 民主公約素案の要旨
2012/9/5 2:10 情報元 日本経済新聞 電子版

まあその前に自民党も言ってるんですけどね。

http://jp.reuters.com/article/JPpolitics/idJPTYE87U06120120831
物価目標2%で政府・日銀が協定=自民党の日本経済再生プラン
2012年 08月 31日 19:48 JST

『実質3%、名目4%の成長を巡航速度とするため、今後5年間で集中改革を行うとし、円高・デフレから脱却するために政府・日銀で2%程度の物価目標を協定として締結。日銀による外債購入など、日銀法改正を視野に大胆な金融緩和措置を講じることなどを盛り込んでいる』(上記URLより)


・・・・・・・・えーっとですな、おまいら日銀の外債購入言うけど、そもそも為替対策で中央銀行に介入させるって話をするのに一番の難関は米国財務省をどう納得させるかという話で、そんなもん出来るのか出来ないのか考えてから出せやアフォと思うのでございますけれども。

まさかとは思うが、「そういう交渉は日銀がやるもの」とか思ってねえだろうなあという所でございまして、まあ物事よく判っていない民主党が絵空事言い出すのは仕様なので仕方ありませんが、自民党まで何を言い出すのやらという所ですな。

つーか自民党も「大胆な金融緩和政策の為に日銀法改正」とか言うけど、それやっていざ出口政策の時に必要な事が出来なかったら碌でも無い事が起きるんだがちゃんとそういうの担保できるんだろうなと思う訳で、財金のあの暴走振りとか総裁選のドタバタぶりとか見ていると自民党の方が余程危ないわこりゃという感じになって来ている今日この頃。

しかしあたくし頭が悪いのでよく判らないのですが、物価目標が2%で実質成長が3%なのに何で名目成長が4%になるの???と思いますが、そもそも人口減っている国で実質3%成長とか何をどうすると達成できるのか小一時間問い詰めたい訳で、明らかに後からケツが割れたどこぞの政党の「埋蔵金があるから財源があります(キリッ)」という詐欺よりも質が悪い詐欺にしか見えませんな全く。

大体からしてな、消費税増税の便乗値上げのモニターガーとか消費者庁がさっそく言い出すとか、インフレフォビアにも程がある国でCPIが前年比+2%になる頃には「庶民の生活ガー」とか与野党メディア総出で言いだして結局物価上昇率のアコードが骨抜きにされて、却って将来のデフレ均衡を助長するに100万ドラクマなんすけど。

などと今朝も悪態からスタート(-_-メ)。

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2012/09/04

あっそう。
http://www.asahi.com/politics/update/0903/TKY201209030125.html
古賀氏「私は若い人を支持」 谷垣氏に不支持伝える
2012年9月3日13時24分

ゲルは安倍ちゃんと組むとか言い出すし、まあ自民党若いのにして今よりマシになるとも思えず、以前の民主党の更に劣化バージョンになるだけだと思うのですけどねえ。

#つーか小選挙区で落選の分際で総裁選出ようとしている町村さんとか随分とまあ図々しいにも程がありますねという感じなのですけど

などと書いていたら目の前のテレビで「改革」となると小泉郵政改革を想像してどうのこうので「変化」に対して株式市場はポジティブとかモーサテに出ている馬鹿がほざいているのだが、ド素人に政権持たせて散々悲惨な目にあった(と思ったら元の政権与党が急速にゴミ状態になって政権交代しても危ない雰囲気だというのに)ばかりなのに、さらにどうしようなく統治能力が1ミリもあるとも思えない維新が「改革」に加わるのでマンセーとかこの解説者2名は脳味噌がおがくずで出来とるのか今すぐ西方浄土に逝ってろ、ということで不愉快なので音を消したからその後の「マーケットは公共投資に注目?」というお題は聞いていませんwwwww

#維新にすり寄る浅ましい面々を見ておりますとあたしには何とかホイホイというのがぴったりと来るのですけどね

・・・・・などと湯気ポッポ―となっていたのですが、モーサテの次のコーナー冒頭で狩野ちゃんのアップが出たのですっかりご機嫌が戻るあたくしでした(^^)(^^)(^^)


○雑談とか人のふんどしとか

・人のふんどしシリーズ

what_a_dudeさんがすっかり通常運転に戻られたようで誠に慶賀の至り(^^)。

what_a_dudeの日記
http://d.hatena.ne.jp/what_a_dude/20120831/p1
2012-08-31特例公債法騒動再び


マシナリさんのこのエントリーは重い。

machineryの日々
http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-530.html
「絶対最強の公務員」なんているはずがない(追記あり) 2012年08月31日 (金)

『前回エントリでも繰り返したことですが、拙ブログでは所属する組織や職業、さらに人格を標的とした批判は慎まなければならないと考えております。これは、ブログというネット空間だけのことではなく、現実の問題としても、そうした批判は「批判のための批判」にしかならず、ときには深刻な問題につながる可能性もある危険なものと考えるからです。』(上記URLより)

まあご覧あれ。

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2012/08/29

○まあしょうも無いニュース雑談ですが

即刻原発ゼロを熱心に主張する反原発の中日新聞(東京新聞)様におかれましては先日こんな社説をだしてましたが。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012082402000119.html
原発ゼロ 熟慮の民意が表れた
2012年8月24日

『二〇三〇年の原発比率をめぐる「国民的議論」の結果が出た。負担増を受け入れても安全を優先させたい「原発ゼロ」の民意が読み取れる。国民の覚悟の選択を、政府はただちに尊重すべきだ。』(上記URLより)

だそうですが、ついこの前東電などの値上げ申請に対して「延命」などと酷評していた新聞が何をおっしゃるやらという感じでございますの。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2012051202000140.html
国民に破綻経営のツケ回し〜東電、関電の傍若無人
2012年5月12日

大体からして民意ガーとか言うけどこの手の内容で意見募集して意見出すのってアクティブな連中だから極端な結果が出るのが当たり前だし、7万人って多いように見えるかも知らんけど全人口の0.07%じゃないですか。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082790135709.html
原発「ゼロ」7万6800件 意見公募 集計結果
2012年8月27日 13時57分

・・・・・・・などと思うのでございますが、まあどうなんでしょうかねえ。ちなみにあたしゃ「そらまあ原発がゼロにできれば良いとは思いますが、実際にゼロにする為に掛かるコストやデメリット考えた場合に、原発の安全性をより高めるという方策も検討課題ではないかね」とは思う次第で、即刻原発ゼロは何ぼなんでもワークしないでしょと存じますがね。

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2012/08/21

○電力債の一般担保がどうのこうの

日曜の日経新聞でこんなネタがあって、既に本職の皆さんがコメントしておられるので、特段あたくしがどうのこうのという話でも無いのですがちょっと雑談。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS18007_Y2A810C1MM8000/
政府、電力債の担保廃止検討 原発賠償の円滑化狙い
起債条件、新電力と公平に (1/2ページ) 2012/8/19 2:05 情報元 日本経済新聞 電子版

『政府は電力会社が発行する債券(電力債)に認めている特殊な担保を廃止する方針だ。担保があると、債券の保有者が優先的に資金を回収でき、原子力発電所事故が起きた場合などに被害者への賠償の妨げになると判断した。担保を持たない新電力(特定規模電気事業者)との競争条件を公平にする狙いもある。発送電分離など経営改革を進める場合には例外も検討する。』(上記URLより)

以下の部分は上記URL先にもありますように、有料会員のみ閲覧可能という事ですので引用割愛(というか引用不能)でございますが、このニュースに関してはもう「いやそのりくつはおかしい」というような話で、これ日曜の日経1面トップ記事だったみたいなのですが、こんな奇天烈な理屈がそのまま経済クオリティーペーパーに掲載されるのが誠に残念ですなという所です。

まあどの辺の理屈が「いやそのりくつはおかしい」かと申しますと、無料閲覧可能な上記掲載部分だけで普通に2か所。

>担保があると、債券の保有者が優先的に資金を回収でき、原子力発電所事故が起きた場合などに被害者への賠償の妨げになると判断した。

・・・・・・・・・・・いやあのすいません、事業破綻する事を前提にした理由を元に「担保付の発行はしません(キリッ)」とか言いながら無担保社債で資金を調達しましょうとかお前はどこの取り込み詐欺集団かよと小一時間問い詰めたい訳でして、そういう潰れる気満々の話をしながら「無担保で貸せ」とかいう理屈を持ち出す発想がそもそもビジネスセンスの欠片も見当たらないと存じます次第でございます。どうも無料記事の最後の部分にある「電力システム改革専門委員会」とかいう所について直近の配布資料みたらメンバーが学者(しかも電力関係あるのかいなというのが)ばっかりじゃねえかという事に気が付きました、いやはや何とも。
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/sougou/denryoku_system_kaikaku/pdf/008_02_00.pdf


更にこれもワロタ。

>担保を持たない新電力(特定規模電気事業者)との競争条件を公平にする狙いもある。

意味判らん。東京電力に関して言えば公的資金突っ込んでいるのであって、そういう会社が保有資産を活用してコストを下げるのって物凄く重要な話であって、ちまちましたリストラした分を調達金利の上昇で全部すっ飛ばす位の勢いのレベルになるんですけれども、調達コストを上げるような話をして収益力を下げてどうすんねんという話なんですけどねえ。

大体からして担保持ってないから競争条件がどうのこうのという話をするのであれば、新電力に対して政策金融対応すればよい話で、電力会社の調達コストを引き上げる事によって競争条件を公平にするとかどんなシバキアゲの理屈あるいは引き下げデモクラシーなんだよという話で、そのアンチビジネス的な発想力に落涙を禁じ得ない所でございます。

いやね、一般担保を廃止してその分で他の資金調達手段(銀行借り入れとか)をとかいう話とか、資産のより一層の活用をするとかいう話ならまあ理屈としては判らんでも無いのですけれども、どこの世界に潰れる事や他社の為に貧乏になる事を前提にした理屈でこういう話が出てくるのかとゆー事で、まあ正直って頭おかしいんじゃネーノというアンチビジネスなのでございますが、こういうのが平然と出てくるのもそうですし、それをそのまま垂れ流した上に1面トップ記事にしてしまう日経新聞のセンスもどうなっているんだという所でございますな。という悪態でございました。

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2012/07/20

○総裁定例記者会見でアレな質問をしている人がいる件について

まあ電波浴の類ではある。

7月定例会見より
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2012/kk1207a.pdf

『(問) 昨日で、震災から1年4か月が経ちました。前回の記者会見で、マネタリーベースの伸び率に関しては、昨年は震災があったから上がり、今年は下げているという説明がありました。まず、震災復興に関して、今後、日銀が中央銀行としてできることは、何があるのでしょうか。次に、マネタリーベースの平均残高が、昨年12月に115.5兆円、今年6月に119.9兆円と、4.5兆円しか上がっていないので、それ程金融緩和を強力にしているとはみられないのですが、どう解釈したら良いのでしょうか。』

ということですが、ここにありますように「前回の記者会見で」ってのがありますが、前回はどのような質問をしていたのかというと、これがまた6月会見に質問があるのでございますよ。まあネタにするほどのものでも無いと思ったら性懲りもなく第2波がやってきたという所である。

てなわけで多分同じ人によるものと思われる質問を6月会見より引用。
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2012/kk1206a.pdf

『(問) 日本銀行は強力な金融緩和を行っているとのことですが、例えば、3.11以降のマネタリーベースのグラフをみると、3〜2%くらい前年に比べて下がっています。これはどう解釈すればよいのでしょうか。』

・・・・・・まあ何ですな、確かに本職の何とかストでもこの手のレポート書いてドヤ顔してるのがいて、誠に如何な物かと思う次第で、しかもこの手の何とかストレポートを拝読しますと、「海外の為替市場関係者が注目しているから」とか言い出していたりするんですが、おまいらの仕事はそういう為替市場関係者に向けて「マネタリーベースの動きで危機対応などの流動性対策で増えたり減ったりする部分を捕まえて緩和拡大とか縮小とかいうのは間違いにも程があるわヴォケ」とレポートを出す事であって、間違いを前提にポジション作っている馬鹿の為に金融政策動かせとかいうのじゃねえわそんなアホウ何とかストはさっさとマリアナ海溝ドラム缶クルーズツアーにでも逝って来やがれと思う次第ではございますけれども、そういうお方に影響されて質問するのは質問をするなとは申しませんけど、ちゃんと説明受けてるのに2か月連続で同じ質問してんじゃねえよとか思うのであります。

ちなみに6月会見の時のお答えは見るまでもないでしょうが引用。

『(答) ご質問の数値は、前年比の数字だと思いますが、今おっしゃったように、前年3月は、東日本大震災の後、非常に市場が不安定になる惧れがあった時に、日本銀行が大量に資金を供給した時期です。その前年同期との比較でみて、マネタリーベースの伸び率が下がったということですが、マネタリーベースの水準自体は非常に高い状態にあります。また、月々のマネタリーベースは、様々な要因で変動します。私どもは、内部的にマネタリーベースの予測をしていますが、その中の当座預金は、この先また増えていく局面に入ってくるという予測になっています。そういう意味で、マネタリーベースの水準は、趨勢として高まっていくと考えています。』


さらにどうでも良いのですが、さっきの最初の質問に対する答えがまた懇切丁寧で麿も(というか日銀も)こんなの丁寧に対応しなきゃいいのにとか思いますけどね。

『(答) まず、日本銀行が震災復興に対してどういう形で貢献できるかということです。昨年4月、震災復興支援のための資金供給オペレーション(被災地金融機関を支援するための資金供給オペ)を始めました。これは、現在も行っています。現在、被災地の金融機関に、様々な資金が流入し、資金繰りは非常に好転していますが、日本銀行として資金面で金融機関の不安を取り除く趣旨から、このオペレーションを行っています。それから、日本銀行からの資金調達をし易いようにとの狙いで、被災地金融機関に関して担保要件も緩和しています。』

まあここまでの話は良いとして。

『マネタリーベースは、銀行券と、日本銀行に預けられている当座預金ですが、両方とも、季節性が高いものです。例えば、銀行券については、年間で12月が一番多く発行される月です。先程おっしゃったのは、12月と6月の水準比較ですが、マネタリーベースの伸びをみる上では、一般的には、季節性を均す意味で「前年対比」が使われます。あるいは「名目GDP対比」でみると思います。マネタリーベースの伸びは、この3月、4月は前年の震災時の資金供給の裏で、一旦、低下しましたが、先般発表した6月のマネタリーベースの前年比は、+6%弱(+5.9%)であったと思います。名目GDPとの比較でみたマネタリーベースは――いつもこの席で申し上げていますが――、先進国の中央銀行の中では最も高い水準です。』

いやーしかしこうやって前月の質問と一緒に並べると面白いのですが、前月の質問の時には「震災対応で拡大した前年同月比対比」で少ないとかいちゃもんをつけ、今月の質問の時には「年末要因で拡大した半年前対比」で伸びが少ないとかいちゃもんを付けるとか、仮に同じ人が質問していたらという前提ですけれども、人間として恥ずかしくないのかね批判の根拠をコロコロ変えてとか思うのですけれども、まあその手の話って電波浴シリーズでお馴染みのどこぞのウォッチマン先生とかがお得意とする手法でもあったりするのですよね〜。いやはや。

『それから何よりも、金融緩和の度合いは、最終的にどういう金利で資金調達ができるのかということで測られるわけです。この面でみると、短期の金利にしても、あるいは長期の貸出金利にしても、日本は非常に低く、例えば、米国の住宅ローン、モーゲージ・ローンの借入金利と、日本の同じような借入金利を比べても、日本の方がインフレ率の格差を調整してもなお低いという形で、現に、非常に緩和的な状況を実現していると思います。その上で、日本銀行としては、今般の措置を含め、金融緩和をさらに着実に進めていく方針です。』

まあ最後の話はいやそれだけじゃなくてマネーの量も大事だろとかいう論点もあると思います(動かないマネーに意味あるのかねとかその辺の話ももちろんあるが)のではあそうですかとだけ申し上げておきますね。


さて、折角電波浴ネタを出したので、これまた古いのですが前回の総裁定例会見でもっと電波成分の高い質問をしているのが実は存在していたのですよ。ということで、政策決定会合関連ネタの時にはスルーしておりましたが電波浴ネタで晒しあげ。

『(問) 少し古い話になりますが、98年から日本の自殺者数というのは3万人を超えております。その98年から、例えば、日銀の金融引締めが始まっていたり、消費税が3%から・・・』

『(答) 「98年から金融引締め」とは・・・』

『(問) 引締めというか、前年比でも比率が下がりつつある。下がり続けているのですが、例えば日銀の金融引締めが、日本の自殺者数に何か影響があると関連付けられる可能性はあるのでしょうか。』

・・・・・・・・・・・強力な電波を感知致しました!!!!!!!!!!

えーっとですな、1998年と申しますと三洋、北拓、山一の破綻で大騒ぎとなった1997年の翌年でございますが、この間の日銀の金融政策はと申しますと・・・・・・

http://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_1998/index.htm/
9月に政策金利の引き下げを行ったのですがそれ以外は政策据え置きですな。

その間の市場金利がどこにあるかと探したら微妙な所で見つけましたけど・・・・・・
http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_filp/proceedings/material/zaitoa171207/zaitoa171207b.pdf
こちらのファイルの9ページ目に『(参考) 我が国の長期金利の推移(1976年〜2005年)』というのがあると思いますが、長期金利は概ね低下傾向だったとしか読めませんなあ。

特に98年9月の政策金利引き下げ以降の98年は、いわゆるクレジットスプレッドも全体的には縮小方向だったという記憶があるのですが、これはデータとかが手元にある訳では無いので自信は無い。

(この部分、当初引用していたネタがあったが、よく見たら97年の話をしているもの(まあ97年は金融危機だったからある意味引締めっぽくなったのは判らんでも無い)だったので当該部分全部削除しました)


なお、先ほどの怪電波質問に対する白川総裁のお答えは以下の通りです。

『(答) 私自身は、自殺ということについて、十分な社会学的な分析をしているわけではありません。私も、今ご指摘の点を含めて、色々な論評は読んでいます。もちろん、広い意味で経済の状況が関係しているとは思いますが、お尋ねの金融政策との関係では、金融政策として経済の安定をしっかり維持していくことが、国民生活全体の安定につながっていくと認識しています。分析の話については、コメントを差し控えますが、そのように思っています。』

・・・・・・・この「色々な論評は読んでいます」というのが麿の場合本当に読んでいてしかもその質および量が半端ないと思われるのがお洒落なのですが(^^)。



なお、話は100メートルほど飛びますが、電波浴と言えば昨日(だったか一昨日だったか忘れたが)はどこぞの証券会社の何とかストの方が「LIBOR騒動で無担保コール金利の信頼性が低下してどうのこうの」とかいう意味不明の怪電波レポートを出しておられまして、欧米の銀行間取引が金融危機前まで無担保主体だったとかアレな(実際はレポ主体で無担保取引は資金繰りの限界的な部分だけ。無担保で大きいのはCP発行とかによるオープン市場であってLIBOR的なイメージの銀行間取引では無い)話をしていたりして、電波浴晒しあげネタとしてはかなりの逸品だったのですが、まあネットとかで公開されているものでも無いので惜しくもネタにするのは断念させていただきましたとさ。興味のある方は探して間違いさがしの勉強でもすると短期市場の勉強になるんじゃないかと(^^)。

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2012/07/18

○LIBORがどうのこうの

でまあ議会証言の質疑応答でLIBORの話が出ていたようですが、その件に関しては公共放送ニュースもネタにしておりましたぞなもし。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120718/k10013659461000.html
LIBOR問題 FRB議長“構造的欠陥”
7月18日 5時28分

『LIBOR(ライボー)と呼ばれる短期金利の国際的な指標が銀行の不正な報告でゆがめられていた問題で、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会のバーナンキ議長は、「構造的な欠陥がある」と述べ、改善が必要だという認識を示しました。バーナンキ議長は、17日、アメリカ議会上院で証言し、住宅ローンの金利などにも反映されるLIBORが銀行の不正な報告でゆがめられていた問題について、「重要な指標の信頼性が銀行によって損なわれた。報告の仕組みに構造的な欠陥がある」と述べ、抜本的な改善が必要という認識を示しました。』(上記URLより)

そらまあ雨人的に言えばドルの短期指標金利がジョンブル野郎の所で決まっている時点でどう見ても構造的欠陥だろうとか直ぐに意地悪な事を考えてしまうのがあたくしの仕様でございますが(^^)、まあこの関連につきましては既に色々と向こうでああだこうだとやっているようですのでもうちょっと勉強してみます。まあ中々フォローする時間も無かったりするのですが(大汗)。

ところで日本でもアレな働き者な方がここぞとばかりにこんな事を。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7AMSR6KLVRF01.html
民主:TIBORの現状把握で全銀協から19日にヒアリング−大久保氏

『7月17日(ブルームバーグ):民主党がTIBOR(東京銀行間取引金利)の実態について全国銀行協会の担当者を19日の財務金融部門会議に呼んで聴取する。同党の大久保勉政調副会長が17日、ブルームバーグ・ニュースの取材に明らかにした。』(上記URLより、以下同様)

また民主党財金かorz

『国際金利の指標であるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作が発覚したことを受け、日本のTIBORの現状について把握するのが目的。大久保氏は「TIBORに関してまず理解しようという話だ。具体的に何か問題があるからヒアリングをするのではなくて、TIBORマーケットにおける公正性を確認するためだ」と指摘した。』

・・・・・・・・・・「まず理解しよう」だったら一々メディアに宣伝してヒアリングせんでも良かろうにと思う訳でございまして、何ぼ暇なのか存じませんが、要は金融通ですって世間にアピールしたいからわざわざこういう事をメディアに宣伝して行うって事でしょと思う次第。

いやね、民主党財金と言えば先日もこんなのをやってて、そんなことは監督機関に任せて置く事で政治家は復興支援とか税と社会保障の一体改革とかエネルギー問題とか、そういう課題に力を注いで欲しいんですけどと心の底から思った次第で、まあ「金融関連でメディアの話題になりそうな事に首を突っ込んでアピールしましょう」というアピール的な香りがプンプンするのが甚だ遺憾極まりない(別にそんなのメディアを呼んで宣伝せんでもよろしかろという意味でもあります)のでありますがね。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M6O3AD6JIJV001.html
インサイダー問題で全日空など16銘柄の新たな調査求める

『7月5日(ブルームバーグ):民主党は企業の公募増資に絡んだインサイダー情報漏えい問題で、これまでに摘発された4銘柄に加え、全日本空輸をはじめ16銘柄の取引を新たに調査するべきだとの考えを示した。同党の大久保勉政調副会長がブルームバーグ・ニュースの取材に答えた。』(上記URLより)

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2012/07/11

○電波浴というよりは悪態シリーズでございますが

いやまあ色々と悪態ネタがございますが思いっきり順不同で片付けましょう^^;

・これは斬新すぎる・・・・・・

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120710/stt12071016190009-n1.htm
公明党 10年で100兆円投入「防災・減災ニューディール」
2012.7.10 16:19

暫く前に自民党が10年で200兆突っ込んで防災対策です財源は日銀に赤字国債引受させますという無茶振り(国土のインフラ整備に金を掛けるなとかいう話では無くて財源論議が無茶振りという意味です、為念)をしてたのに悪態をついた訳でございますが、公明党さんの10年で100兆円投入に関してどのような財源の話が出るのかと思ったらこれがまたあまりにも斬新orz

『財源は建設国債や地方債・復興債でまかない、償還財源として防災・減災対策に使途を限定した「ニューディール債」(仮称)の新設を検討。』(上記URLより)

#公明党さんのサイトを見に行って探してみたのですが、5月21日に県代表懇談会の席上でこの防災・減災で日本再建という話を山口代表がしているというのは見つかったのですが、具体的な内容とかは(アタクシが見た時点では)同党のサイトには無かったのでまあ産経新聞の報道が正しいとしましょう

・・・・・・・・・えーっとですな、財源が要するに公債で借金ですよねというのはまあ把握したのですが、その償還財源が「ニューディール債」(仮称)と仰せですが、借金返済の財源が借金というのはそらあーたカードローンの返済に別のカードローンで借りた金を充てるのとどこがどう違うのかと小一時間。つーかそもそも「防災・減災対策に使途を限定した」債券を建設国債等の償還という既存債券の借換に使ったら目的外流用じゃないですか日本語として文章が破綻してますがなと存じますがこれはどうした事でしょう。

いやね、これが「ニューディール税」(仮称)ならまあ話は分かるので、何ぼなんでもこれは産経新聞の記者が税というべき所を債券と勘違いでもされて記事をお書きになったのではないかと妄想したい所ではあるのですが、もし大真面目に「この借金の償還財源は別に借金をしてくるからちゃんと財源の宛てがあるんです(キリッ)」とか言ってるんでしたらあのその公明党様までどうしちゃったんですかという話でございますし、産経が間違っているのであれば「借金の償還財源が別の借金」という話として破綻している事をチェックできてないという話です(これ記事載せるときに「借金の償還財源が別の借金ってちょっと待て」とならなかったのでしょうか・・・・・)のでこれまたアレですなあと。

まあいずれにせよ、詐欺フェストでも何でも選挙に勝てば良しみたいな無茶振りが横行するとか大仰に言えば代表制民主政治の危機のような気がするんですけどねえ(だからあたくし何度も申し上げてますが、小泉首相の郵政解散に関して当時から延々と批判的でございましたがまあ珍獣扱いされてましたな、たぶん今でもそうでしょ)。



・共同通信の報道っぷりに脱力

これは東京新聞の記事ですが元ネタは共同通信でして、ベンダーに配信されていた共同の記事もこんな感じでした。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012071001001987.html
日銀に追加緩和、為替介入も デフレ脱却へ閣僚会議報告
2012年7月10日 19時06分

『政府は10日、デフレ脱却に向けた経済活性化策を検討する関係閣僚会議を開き、2012、13の両年度に規制改革や予算、税制などの政策を総動員するとした報告書をまとめた。日銀にデフレ脱却が確実となるまで強力な金融緩和を継続するよう期待するとし、追加緩和を要請した。補正予算の編成や円高を阻止する為替介入も示唆した。欧州債務危機に伴う海外経済の下振れなどが景気のリスク要因だとして、経済動向を踏まえ「柔軟かつ機動的な政策対応を図ることが重要」と指摘。為替介入を念頭に「緊張感を持って市場の動向を注視し、必要なときは断固たる措置を取る」と強調した。(共同)』(以上上記URL記事より)

・・・・・・で、実際の所どういうのが出ているのでしょうと思って内閣府のページを見に行ったら早速報告がリリースされていました。

http://www5.cao.go.jp/keizai1/deflation/index.html
デフレ脱却に向けて(デフレ脱却等経済状況検討会議)

で、このページの中に「第一次報告(平成24年7月10日)(PDF形式:295KB)」ってのがございまして、第一次報告へのリンクがございます。

http://www5.cao.go.jp/keizai1/deflation/2012/0710_1st_report.pdf
デフレ脱却等経済状況検討会議第一次報告

13ページのファイルですが、うち本文は9ページあります。でまあ細かい話をするとクソ長くなりますからアレですが、最初の『第1節 デフレ脱却と経済活性化に向けた政策の基本方向と重視すべき政策分野』という所にはこんな話が。

『政府と日本銀行は、デフレ脱却が極めて重要な課題であるとの認識で一致している。デフレからの脱却を早期に実現するためには、適切なマクロ経済政策運営に加え、デフレを生みやすい経済構造を変革することが不可欠である。』

『政府としては、特に今後2年間(平成24年度、25年度)を念頭に、経済の局面変化等を踏まえつつ、2.に掲げるようなデフレ脱却と経済活性化のために重視すべき分野に、規制・制度改革、予算・財政投融資、税制など最適な政策手段を動員し、平成25年度予算編成プロセス等において具体化する。特に、規制・制度改革は、市場における競争を促し、我が国の経済構造を変革し、経済活性化につながる必要不可欠な取組であることから、より一層強力に推進する。「モノ」、「人」、「お金」をダイナミックに動かすための政策を強力に推進することにより、生産、分配、支出にわたる経済の好循環、所得の増加を伴う成長を実現し、早期のデフレ脱却につなげていく。民間部門においても、デフレに結びつきやすい構造を見直し、付加価値を高めていく取組が期待される。』

『日本銀行は、当面、消費者物価上昇率1%を目指して、強力に金融緩和を推進することとしている。政府は、日本銀行に対して、デフレ脱却が確実となるまで強力な金融緩和を継続するよう期待する。』

ということで、この先は政府の取り組みとして、上記部分にある「モノ」「人」「お金」を動かすにはどうしたらいいかという話が続いている訳ですよ。でまあ9ページ程度なのでサラサラと読める話なのですが、この話ってどう見てもいわゆる「成長戦略が重要」というような話でありまして、最初に引用した東京新聞ですが事実上共同通信の見出しであります所の「デフレ脱却の為に追加金融緩和と為替介入」というのがメインとは到底見えない話(為替の話は本文中にありますけれども、まあ内容読めば判ると思いますが、話の中ではメインは為替操作とかではないのは明白だと思いますよ)。

正直、記事の題名を見た時には政府が何もしないで日銀に対してクレクレ言ってるのかと思ったのですが、内閣府のサイトに行って内容を見たら、どちらかと言えば日銀の言ってる成長基盤強化と同じような話をしておりますし、大体からして政府が日銀に対して言ってるのは「デフレ脱却が確実となるまで強力な金融緩和を継続するよう期待する」であって追加緩和の要求なんぞして無いですがなという所ではございますな。

ちなみにこのニュースですが、情報ベンダーに共同が流した最初の速報テロップでは「追加緩和」とは書いてなくて、元々の内閣府の報告にあるのと同じく「金融緩和の継続を求めた」という風になっておりまして、その後文章入りの記事になった時に「追加緩和を要求」と出てきたので「これはちょっと変じゃないか」と思って内閣府の報告書が上がるのを待って確認したらこういう事でしたという次第。


・・・・・・・・・えーっとですな、まあ共同通信さんは以前から市場が追加緩和を織り込みに行っていない時にも「追加緩和見送り」というようなテロップを打つという事であたくしが悪態を何回か書きましたように、どうも会社の意見だかデスクの意見だか知りませんが、追加緩和クレクレの方向で記事を出す傾向にあるというのは存じておりましたが、てめえがそうあって欲しいという願望を元に針小棒大記事どころか実際には存在しない「追加緩和を要請」とか書きだすとか報道機関として何を考えておられるのか甚だ疑問に思う次第でございます。


つーかさ、このニュースって今日のテレビ報道を見るとどこでも「成長戦略」の話をしておりまして、「日銀に追加緩和を要請」というような話は普通しておりませんでして、如何に共同通信様が偏向されておられるかという所だと思うのですけれども、通信社様が偏向とかマジで勘弁して欲しいのですけれどもここの金融経済ニュース部門の中はどういう事になっているのでしょうかねえと不思議に思うのでありました。


・素敵な藁人形論法

藁人形論法というのがあるそうで。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3
ストローマン

『ストローマン(英語:straw man)は、議論において対抗する者の意見を正しく引用しなかったり、歪められた内容に基づいて反論するという誤った論法、あるいはその歪められた架空の意見そのものを指す。藁人形論法ともいう。語源は仕立て上げられた架空の存在を藁人形に見立てたことからである。』(上記URLより)

で、またゲンダイか!という感じでリンク貼ってアクセス向上に寄与するのも忌々しいですけれども、現代ビジネスWebちゃんから電波浴のネタ拾いをしに逝ったら藁人形論法をサルベージと。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32907
デフレ脱却こそ景気回復の大前提。量的緩和による金利上昇リスクばかりを強調する日銀に異議あり
2012年07月02日(月) 馬淵澄夫レポート

記事内容は一応電波浴とは言え読んだ次第でございますが、そもそもこの先生の場合題名を見た時点でどう見ても藁人形論法です本当にありがとうございましたという話で、記事を引用するまでもございませんが、日銀は別に「量的緩和による金利上昇リスクを強調する」とかしておりませんし、そもそも現在行っている包括緩和は金利を下げようとして実施しているとか日銀の公式文書ちょっと日銀のページに逝ってみれば判るじゃねえのかと思いますし、大体からして国会で日銀が説明しているのは「財政の維持可能性に対する懸念が生じてしまって長期金利が非連続的に上昇する場合のリスク」でございますがなこのオッサンは人の話を聞く能力が欠如してるんじゃねえのかという感じですな。

ということで、馬淵センセイは上記URLの中でデフレ脱却して景気が良くなって金利上昇しても銀行経営困らないでしょと延々と説明して日銀を論破したつもりになっておられるようですが、デフレ脱却して景気が良くなって長期金利が自然に上昇する事に対して日銀は別に懸念なんぞしておりませんし、むしろそうなって欲しいという話でございまして、藁人形相手の論立て誠にお疲れ様でございます(棒読み)という所でしょうか。


しかしまあ何ですな、こちらの現代ビジネスWebちゃんのページですが、「ニュースの深層 」とか「企業・経済」とかテーマの並んでいる辺りにカーソルを持って行きますと、豪華絢爛な執筆陣のメンバーが並んでいるのでございますが、これがまた見事なまでにアレな方を取り揃えてございまして、記事を読む前から電波が感知できそうな素敵なのをよくもまあここまで集めたもんだと感心してしまうのです。



・なんかもうちょっと下調べしてから書いた方が良いのではと思うのですが・・・・・・

とか書くと自分にブーメランの悪寒もしますが(^^)、毎度おなじみ洋一先生より。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120708/plt1207080715000-n1.htm
国債利回りが預金金利より高いのは変!
2012.07.08

『個人向け国債の場合には、中途換金で額面割れや額面以上が出ないようにしている。いってみれば、個人向け国債の購入者に中途換金での価格変動リスクを負わせないが、その対価として金利が0・03%低くなるという考えだ。他方、中途換金の相手方(最終的には国)は価格変動リスクを負う代わりに、その対価として0・03%低い金利を享受できる。』(上記URLより、以下同様)

『このような個人向け国債の商品設計自体の問題もあるが、金融機関の預金金利にも問題がある。最近は、ネット銀行などで国債金利を上回る預金金利を持つ定期預金が出てきたが、依然として大手銀行などでは預金金利が低い。例えば、大手都市銀行の3年物定期預金金利は0・04%だ。』

『ただし、よく考えてみれば、信用力で国より劣る銀行預金の金利が国債金利より低いのはおかしい話だ。』

などとご説明。まあ一部正しいのですが一部間違っているなあという感じでして、確かに個人向け国債については中途換金をした場合にも元本割れにならないよう工夫はされております。

財務省HPより
http://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/main/qa/more/answer_qd.html#qa-29
Q29.個人向け国債は、満期まで中途換金できないのですか

『全ての個人向け国債(「変動10年」、「固定5年」、「固定3年」及び「復興応援国債」)は第2期利子支払日(発行から1年経過)以降、原則としていつでも、口座を開設している取扱機関で、一部又は全部を中途換金することができます。また、原則中途換金ができない期間中であっても、中途換金の特例として例外的に中途換金が可能な場合もあります。』

ということで洋一先生仰せの3年物ですと、実は発行から1年間は中途換金が出来ない(相続や大きな自然災害の場合は出来る)のでして、その時点で銀行の定期預金と商品性が異なるのでした、残念!

ついでに申し上げると、
http://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/main/qa/more/answer_qd.html#qa-35
Q35.中途換金するときの換金金額はどのように計算されるのですか。

という所にありますように、中途換金の際は直近1年分の利息に関してペナルティが掛かりますので、その事も勘案してレートを比較しないと意味が無いのですな(まあ銀行の定期預金でもペナルティーは掛かりますのでそれはある意味おあいこですが)、残念!!

まあ銀行の定期預金はいざとなったら預金担保で借入出来る(総合口座の定期とかにしておけば借越できますよね)とか、商品性違いますがなというのも他にございますが、それは兎も角として、銀行定期預金に対して個人向け国債の商品性が優れているというのであれば、それは国が国債の個人向け消化に対して積極的なので銀行預金よりも魅力度を高めておかないといけない、という政策意図に基づいたものであって、別に銀行がボッタクリとかいう話じゃないでしょとか思うのですけれどもねえ。比喩として適切かどうか分からんけど、町の電器屋さんの店頭に逝って「お前の店で付けている値段は大型量販店の値段より高いのでボッタクリだ」と言ってるような雰囲気を醸し出すのであります。


まあそこだけで終わらないのが高橋先生の記事を読む際の読みどころでして、他にもツッコミどころが多彩というのが素敵な所です。引き続き先ほどのURL先の高橋先生の記事より。

『中途換金するかしないかは購入者に依存するわけで、中途換金する場合、価格変動リスクを負ってもいい人や中途換金しようと思わない人には0・1%、中途換金する場合、価格変動リスクを負いたくない人には0・07%という個人向け国債を二本立てにする商品設計も可能だ。そのほうが購入者を一律に扱う現行の方法よりまともだろう。』

またまた財務省HPより
http://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/
個人向け国債 トップページ

こちらにございますように、実は個人向け国債は2本立てになっておりまして、「個人向け国債」と「新窓販国債」というのがございます。詳しくはまあ上記URL先をじっくりとお読みいただければと思いますが、「新窓販国債」の商品性はこちらをご覧いただくのが吉。
http://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/shinmadohan/outline/

という事で既に2本立てなんですよねえ(個人向け国債の方で出ている固定3年は新窓販国債では扱いが無いという事で、そこだけ見れば2本立てじゃないとも言えるけどさ)という事で、何ぼ原稿を沢山書かなければならぬと言いましても、下調べを明らかにしてないだろうというのは如何なものかと存じますけどにゃあ。

ついでにですな、

『例えば、大手都市銀行の3年物定期預金金利は0・04%だ。となると銀行としては、個人向け国債を販売するインセンティブは出てこない。3年物の国債であれば、0・1%の運用ができるので、0・06%の利ざやになるからだ。リスクの少ない国債に投資して利益が出るのだから銀行としておいしい。』(再び最初の高橋先生の記事URLより)

・・・・・・・・えーっと先生、元財務官僚様なんですから預金保険料って制度ご存知ですよね。
http://www.dic.go.jp/shikumi/hoken/suii.html

現在の定期性預金の預金保険料率が0.082%ですので0.04%で調達した3年定期預金の預金保険料込みのコストは0.122%となりまして、残念ながら単体で赤字(実際はこれに各種事務コストが載りますぞなもし)でございますがなという所ですなあっはっは。

ということで悪態シリーズが長くなってしまいましたな。もうちょっとあると言えばあるのですけれどもまあこの程度にしておきましょう。

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2012/07/05

○電波浴雑談

ということで引用大会で長い中でここまでお付き合いいただきましたお礼に(違)簡単な電波浴を。

・毎度の洋一先生

毎度の産経(というか夕刊フジ)電波浴である。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120704/plt1207040740002-n1.htm
日銀の説明たれ流す報道はアテにならず
2012.07.04

ほほう。

『日銀に関する経済記事は各紙とも似通っている。というのは、金融の話は経済部記者にとっても難解なので、日銀からのレクチャーに依存しているからだ。レクを受けるのは当然であるが、問題はうのみにしていることだ。外部の有識者から話を聞くとしても、その有識者が日銀の“御用”であるので、まったくチェックの働かない「日銀の広報」のような記事ばかりになっている。』(上記URLより、以下同様)

ほほう。

『そのいい例が、日銀当座預金(銀行が日銀に預けるお金)の残高が6月26日、43兆4900億円(速報値)に達し、過去最高を更新したことに関する報道だ。各紙はあまり大きな扱いではないが、「日銀が金融緩和で供給した資金の多くが、金融機関の手元に残っている」「金融緩和の効果が十分に波及していない実態が浮き彫りとなった」といったトーンだ。』

いやあのそれよりもあんさんがた当座預金残高ガーとか言って文句言ってたのはどこに行ったんでしょうか?????

『まず、会計学の立場からみて、日銀当座預金残高だけが重要な数字ではない。日銀券(紙幣)残高を加えたマネタリーベース、さらに、売り現先(将来買い戻すことを条件に債券を売って資金調達する取引)など、日銀から金融機関への資金ルートもあるので、日銀のバランスシート(貸借対照表)全体の残高も重要だ。』

ほほう。

『6月20日現在で東日本大震災前との比較でいえば、当座預金はたしかに24・2兆円増えている。しかし、日銀券は1・5兆円増加にすぎず、売り現先は18・3兆円減少しているので、バランスシート全体では8兆円の増加にとどまっている。』

は???

『このように、当座預金の数字の数字だけをみても、金融の緩和度はわからない。当座預金というと金融機関内でおカネが滞留しているイメージを持つが、売り現先に伴う口座振替で、かなりの部分は説明できる。』

>売り現先に伴う口座振替
>売り現先に伴う口座振替
>売り現先に伴う口座振替

・・・・・・・・・・・は??????????

まあ何ですな、日銀のバランスシートの中身は営業毎旬報告を見ればすぐに判りますので数字の比較は簡単ですが、つまり売現先の残高が減ったので金融緩和度合が減っているというお話だと仰せのようでこれは中々斬新。

えーっとですな、現在(震災直後の時もそうですが)の日銀の売現先勘定に計上されているのは「対政府売現先取引」の数値でして、それって政府が持っている余剰資金を政府が現先取引によって一時的に短期運用している事を反映した数字なのですが、その額が増えると金融緩和度合いが高まるという事は、つまり政府が民間から鬼のように資金を吸い上げてクラウンディングアウトした挙句にその資金を抱え込んで日銀相手に短期資金運用をすると金融緩和の度合いが高まるというこらまた画期的な理論。

まあ対政府じゃない場合の売現先となると金融調節としての売現先取引の残高としての現先勘定が計上されるという話になりますが、この場合って資金吸収オペとして実施している取引になりますので、資金吸収オペをバンバン打てば金融緩和の度合いが高まるとはこれまた恐れ入る電波浴を朝から堪能という所ですな。

『一方、マネタリーベースやバランスシート規模が拡大すると、比較的早くインフレ予想が高まる。その結果、実質金利(名目金利−インフレ予想率)が低くなって、為替は円安に振れ、設備投資が徐々に高まってくる。つまり、金融緩和の効果はインフレ予想値の高まりで見なければいけないのに、銀行貸し出しという遅効指標(遅れて出てくる数字)でみるという間違いをマスコミは犯している。』

何かこの後半部分の話が時間軸的な意味で論理が怪しげな気がしますが、まあそれはそれとしてバランスシート規模が拡大すると比較的早くインフレ予想が高まるとのことですので、バンバン両建てオペを打って資金供給と資金吸収を行えばインフレ予想が高まるそうですよ。基金拡大で苦労しなくても簡単に物価安定の目途が達成できますね!(棒読み)

『会計学も経済学も不勉強なマスコミの報道は、日銀の説明の垂れ流しでまったくあてにならない。』

それはそれは大変に恐れ入りました(棒読み)。


・エンゲル係数が高まってきているので食料品価格を目標から外せという珍理論

えーっとですな、まあ先日ちょっと調べものするのに過去のブルームバーグ記事をせっせとサルベージしていたのですが、6月14日の朝8:17配信のヘッドラインに『インフレ目標の見直し必要、エンゲル係数上昇』というのがあってほほうと思ったのよ。

でまあそこの趣旨が記事にこんな感じであったんですけどね。

『エンゲル係数が2000年代後半から上昇、新興国台頭による食料品価格上昇と所得減少、家計の節約しのぐ食料品価格上昇が背景』(6月14日8時17分配信ブルームバーグ記事より)

でまあタイプするのが面倒なので端折りますと、要は食料、エネルギー価格が家計に与える影響が高まっており、今後も食料エネ価格は新興国要因で上昇すると思われるが、それは「悪い物価上昇」だからこれで物価が1%になったからといって喜んでもいかんでしょ。とまあそこまでの趣旨は誠に結構。

そして結論が極めて意味不明。

『輸入食料品価格の上昇で消費者物価の前年比1%プラスでも。「良い物価上昇」の好循環は描けず。米国のように「食料・エネルギー除く総合(コアコアCPI)のインフレ率を目標にするべき』(6月14日8時17分配信ブルームバーグ記事より)

・・・・・・・・・・ちょwwwwwwおまwwwwwwwwwwww

えーっとですな、まあお前はまずセントルイス連銀のブラード総裁の講演でも読めという感じですが、そんなもんを読まなくても「家計の中で食料品価格のウェイトが高まっている」って趣旨だったら当然ながら国民厚生という観点から言ったら物価を見るときに食料品を含めた総合物価にも注目すべきって話になるのが論理的に導かれる結論としか思えないのですが、お前は最後のコアコアにしろという結論とその前の論理の整合性を考えているのかと小一時間問い詰めたい訳ですな。

でまあ記事だけでいちゃもんつけるのも何なんで実は当該レポートも探し出して読んでみたのですが、やはり結論は『米国のように「食料・エネルギー除く総合(コアコアCPI)のインフレ率を目標にするべき』という話でありました。

でまあその論理の整合性が変というのもありますが、それ以前の問題としてFOMCの公表文書にあるSEPを見れば判りますように、FOMCがロンガーランの望ましい水準として示している2%という数値はコアではなく総合のPCEインフレーションでございます(めんどいので一々URLつけないよ)ので、そもそも「米国のように」とか言っている時点で事実誤認にも程がある所が実に素敵でして、これで何とかストが務まるとは随分と結構なお話ですなあとは思いますが武士の情けでどこの誰かは申しませんので興味のある方は探してくんなまし(^^)。

(追記:これ書いた時には敢えて名指ししませんでしたが、実はこのレポートはhttp://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/naga/pdf/n_1206a.pdfということで、第一生命経済研究所の永濱主席エコノミストのレポートネタでした。明らかに結論先にありきで書いていますなあというのが良く判る内容でございます)

ということでおまけの電波浴のつもりが長くなってしまいましたすいませんすいません。

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2012/07/04

・急に思い出したのですが

先日ネタにしたドクター窃ttじゃなかったドクターZさんの電波浴フォローアップ。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2012/resul021.htm
2年利付国債(第318回)の入札結果

6. 価格競争入札について
(1)応募額 20兆4,709億円
(2)募入決定額 2兆4,912億円
(3)募入最低価格 100円00銭0厘
(募入最高利回り) (0.100%)
(4)募入最低価格における案分比率 28.7253%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘
(募入平均利回り) (0.100%)

先月ドクターZ様はこのように仰せでした。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32787
2012年06月17日(日)ドクターZは知っている
事務ミスでわかった日銀のウソ

『今回の再入札では募入最低価格と募入平均価格がぴたり厘の桁まで100円00銭0厘で一致、つまり、民間金融機関はみんな同じ札を入れたのだ。たしかに今安全資産を求めて国債の人気はすごい。わずか0.1%でも2年国債は飛ぶように売れている。しかし、数十社の民間金融機関が談合でもしない限り同じ価格で入札するはずがない。』(上記URLより)

前回電波浴の時にうっかりしましたが、そもそも前回の入札では応募額が24兆2,699億円で募入決定額が2兆4,780億円で、募入最低価格における案分比率は52.4544%なので、そもそも「みんな同じ札を入れた」というのが間違い(みんなが100円丁度に札を入れてたら按分率は10%位になりますよね)だったのですが(爆笑)、まあ『数十社の民間金融機関が談合でもしない限り同じ価格で入札するはずがない』と全力で断言した翌月の2年国債入札でも同じ結果になった件について週刊現代で是非ご説明していただきたいものであると存じます次第。

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2012/06/22

○週末電波浴シリーズ

先週高橋洋一先生のツイッターから発生していた電波についてネタにした訳ですが、まあ夕刊フジなので電波発生装置になるのは致し方ないのかもしれませんが、まさかタブロイドとは言え活字メディアに例の怪電波が掲載されるとは。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120620/plt1206200732004-n1.htm
“3年財政破綻説”のインチキぶり喝破!
2012.06.20

まあ怪電波の話も相変わらずなのですが、一番ワロタのはツイッターの方では国会の公聴会(つーかツイッターで言ってた「公聴会」って衆議院だったとこの記事見て気が付いた次第で、国会でそんな話してたのかよと呆然とする次第だが)「CDSで1000兆円のプロテクション買ったら財政再建」という「背理法」をドヤ顔で話をしていたということになっていたのに、その超越非現実な話を削除していまして、まああちこちでその超越非現実与太話部分が全力で突っ込まれていたから話をスルーするってのが何ともまあこの先生らしいアレな所でがございますな。

『この背理法発言は“3年財政破綻説”を妄信していたマスコミや御用学者にとって衝撃的だったようだ。ツイッターではCDSのデータを紹介した筆者への人格攻撃も多かったが、お門違いで、批判するなら「マーケットが間違っている」と言うべきだ。』(上記URLより)

いやあの人格攻撃とか何でそういう話になるんだか。単に「日本国債市場や、日本ソブリンを対象にするCDS市場などで示される価格は、”現在の所は”市場は3年で日本財政が破綻するというような前提の価格形成になっていない」というのが現実であって、それ以上のものでもそれ以下のものでも無い話を何でまた背理法がどうのこうのとか財政は危機的では無いとかいう話になるのかとゆーことで、論理の飛躍にも程があるわ。

だいたいからして市場で「現在」その値段がついている事は、「現在の市場参加者の見方を反映したもの」ではあっても、それが「将来の事象について確定的に言える」という話でも何でも無い訳であって、そんな事言いだしたら現在株価が大変に高い企業は未来永劫高成長企業になるとか、まあそんな感じの電波プロパガンダをどんどん捻りだす事が可能でございますがなという話は先日も申し上げた通り。つーかそもそもこの説明背理法でも何でもないと思うのですけれどもねえ。

#話は全然関係ないが「背理法」と聞くと丸大ハンバーグを思い出すとかいうネタってオッサン御用達なのかな



更に覆面の方(まあ大体誰が書いているかは想像できるのですが)のネタで先日読者様からタレコミを頂いた強力電波浴コラム。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32787
2012年06月17日(日)ドクターZは知っている
事務ミスでわかった日銀のウソ

最初の10行くらいはまあ普通の話というか事実関係の話なのですが、その後から強力な電波が感知されています。

『今回の再入札では募入最低価格と募入平均価格がぴたり厘の桁まで100円00銭0厘で一致、つまり、民間金融機関はみんな同じ札を入れたのだ。たしかに今安全資産を求めて国債の人気はすごい。わずか0.1%でも2年国債は飛ぶように売れている。しかし、数十社の民間金融機関が談合でもしない限り同じ価格で入札するはずがない。』(上記URLより、以下同様)

・・・・・・・・とりあえず財務省ホームページに過去の国債の入札結果があるのでそれを見てから話をされた方が宜しいかと存じます。入札カレンダーというのでもダウンロードでも良いですから。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/index.htm

『再入札という緊急事態で、当局が談合を要請したこともありえるが、背景には同じ29日に行われた日銀による、金融機関の保有する国債買い入れ入札7100億円の影響があると思われる。』

『同じ日に、財務省が2兆4000億円の売り出しを行い、日銀が7100億円の買い入れを行ったのだ。再入札は時間外だったので、日銀の買い入れ価格をそのまま国債入札価格としたわけだ。』


・・・・・・・・さて問題です、事実関係の間違いが幾つあるでしょう????

という位の凄さなのですが、まあ談合を要請とかそのような(明らかにそのような事は有り得ませんけれども)妄想は兎も角として、凄いのは事実関係が間違えまくっていることでございますわな。

>同じ29日に行われた日銀による、金融機関の保有する国債買い入れ入札7100億円の影響があると思われる

とりあえず
http://www3.boj.or.jp/market/jp/menuold_o.htm
を見ると判りますように、2012年5月29日にはそもそも日銀のオペレーションはございません。まあ7100億円云々というのは25日にオファーされた基金国債買入7000億円の事かと存じますが、入札は29日に行われていません罠。

従いまして・・・・・・

>同じ日に、財務省が2兆4000億円の売り出しを行い、日銀が7100億円の買い入れを行ったのだ

オファー日ベースで見ても違いますし、そもそもこの2年国債の発行日は6月15日なのでキャッシュフローベースで見ても違いますな。


>再入札は時間外だったので

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2012/re02.htm
『本日の2年債入札については、再入札を実施します。オファー時刻は14時00分、申込締切時刻は14時30分、結果発表時刻は15時15分とします。』

残念、入札は債券先物の日中取引立会時間中に行われています。

・・・・・・・・・でまあ最後の結論がまた無茶苦茶で、通常の資金供給オペと財政マネタイズ目的の国債引受を強引に一緒の扱いにしている所が相変わらずのこの覆面子クオリティなのですけれども、まあそれ以前に事実関係が誤認だらけで、金融商品取引業者の勧誘資料だったら誤認勧誘扱いで楽勝で外務員資格停止を食らうレベルとなっておりまして、『「週刊現代」2012年6月23日号より』との事でございますが、しょうもない週刊誌ではございますが、編集部門はせめてコラムに書かれている内容の事実関係の確認くらいはした方が良いのではないでしょうか。つーか財務省と日銀は抗議文だしたらどうでしょうかね(まあ相手にするだけ時間の無駄とか馬鹿馬鹿しいという話なのかもしれませんが、こういうのにコロッと引っ掛かる善男善女も一定量いると思いますので)。


#本当はもう一本電波とまでは言わないけれどもアレなネタもあったのですが時間が無いので割愛


まあ今回の電波浴は夕刊フジだの週刊現代だのだからそういう資質を求めなくてもという事はあるかも知れんけど、金取って発行しているメディアの存在意義ってゴミ情報のフィルタリングをするってえ所にあるんじゃネーノと思うのですよね。いやまあエンタメで面白おかしくというのがあってもそれはそれで良いのですけれども、特に週刊現代のこのWebとか見てると一応真面目に経済だの政治だのの話をしようって感じになっていると思うのですが、そのような志があるなら、もうちょっと編集部門がフィルタリングの機能をしてくれよとか思うのでございます。

だってこれだけネットで情報が氾濫するようになったらゴミ情報の垂れ流しならインターネットに接続すればホイホイと無料取得できるのであって、その中で金取って活字媒体で流すというのであれば、やはり編集によって質の確保をして頂きたいと左様思うのでございました。

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2012/06/15

○これはまた久々の電波浴

人様の所で話題になっていたのでつい見たらあまりの電波浴にポカーン。

http://twitter.com/YoichiTakahashi/status/212902549282504706
http://twitter.com/YoichiTakahashi/status/213201310240096256

(IEのバージョンなどの関係で見れない場合は携帯バージョンだといけると思う)
http://mobile.twitter.com/YoichiTakahashi/status/212902549282504706
http://mobile.twitter.com/YoichiTakahashi/status/213201310240096256

『高橋洋一(嘉悦大)
@YoichiTakahashi 6月13日
今日の公聴会で話した背理法。もし3年以内に財政破綻するとする。今のCDSは1%なので日本の財務残高1000兆円で、破綻保険料は年間10兆円。3年払っても30兆円。これで破綻するなら、今30兆円はらって債務がなくなり財政再建完了。これはおかしい。ということは3年以内の破綻が誤り。終』(以上上の方のURLから)

・・・・・・・・・・・・・・・・ちなみに下の方のURLで何か謎の33倍投資とか仰せなのですが、最早何を言っているのかさっぱり分からずあまり朝から強烈な電波を浴びるのもどうかと思われますので引用は割愛。

まあ何ですな、こういうのってまあある意味丁度良い小僧向けの間違い探しテストでもあるのですが、それにしてもツイッターの140字だか何だかでここまでツッコミどころが発生するというのも甜菜ちゃあ甜菜なのかも知れませんね!!!


つーことで思いつくツッコミを並べてみると、節子、それ財政再建やのうてただのデフォルトや!というのが最初に出てくるかと。最初から破綻する積りでプロテクション買うとか発想がどこの計画倒産取り込み詐欺だよという所でありまして、それは一回仮に大成功して大勝利しても信用がゼロになるので二度と金融市場で相手にされず、ゴーイングコンサーンという前提で行動する筈の国家がそんな略奪作戦みたいなことしてどうすんだと小一時間でして、そんなご発想の方が特別顧問をやっておられるという大阪市って・・・・・いやまあいいです。

まあね、大体からしてCDSの信用力参照体が自分のCDS取引するとかそれ誰が受けるんだよという話(カウンターパーティーの立場からしたら当該プロテクションを買っても相手が参照体そのものだったらクレジットイベントが起きた時に発生する収益が回収不能だし、プロテクション売ったらこのオッサンのように作為的にクレジットイベント起こされるリスクがある、つーかそういうのって今申し上げたような理由で否認対象じゃねえのかという気もするがあまり詳しくないのでスルー)ですがなという所で、定義としてそれは財政再建じゃない上に大体からして取引自体が成立しないだろという時点で説明の前提が終わっていますわな。

んでまあそれはそれとしまして、想定元本1000兆円分のプロテクション買いなんぞ市場で行ったらCDSスプレッドがどこまで拡大するんだよという話ですし、まあ上記のツイッターでもツッコミのRTが入っていますように、市場の現在の価格が示しているのは「当該市場参加者の需給を反映した現在の均衡価格」であり、そらまあ日本の現在のCDSでも国債金利でも良いですけど、それ自体からは市場参加者のうち3年以内に日本財政が破綻すると真剣に思って身銭切って大勝負するような人がまずいません罠という事は示されますが、それと3年以内に破綻しない、というのはまた別問題で、その3年以内に一夜にして政権が変わって突如国債5000兆円発行して全額日銀に引き受けさせてその5000兆円を先着5000名様に1兆円づつ配りますおとか言い出したら財政は楽勝で破綻する訳で、「市場価格で示されていること」と「将来現実として起こること」は別問題だろとか思う次第。

まあこの手の市場データを持ち出して将来について断定的な話をするというのは、往々にして自分の都合の良い結論を引き出すために都合の良いデータを引っ張り出して来るという手段が使われるので、金融関係というか市場関係のお仕事をしている人と致しましては、この手の物を見てツッコミの練習をするというのは頭の訓練にはなりますなという所でございます。

#昔はこんなじゃなかったと思うのですが高橋先生どうしてこうなった????

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2012/06/01

○ニュースクリップである

時間がねえええのでURLだけ張っておく

・日銀法改正ネタがまた来ましたのう

http://mainichi.jp/select/news/20120601k0000m020046000c.html
日銀法:民主党有志議員が改正私案 政治関与強める内容
毎日新聞 2012年05月31日 20時15分(最終更新 05月31日 20時46分)

いやもうね、財政問題で欧州問題がアレとか言ってる中でこういう「中銀に対する政治の影響力を強める法案」を「プライマリーバランスが真っ赤っ赤」の国の「政権与党議員」が出して、しかも「財政マネタイズ」を主張しているとか、何とも素晴らしいセンスで頭がくらくらしますが。

http://www.asahi.com/politics/update/0531/TKY201205310171.html
自民「尖閣の国有化」「日銀法改正」 衆院選公約第2弾

・・・・・・・・自民党っていつからネタ政党になったんですか????????

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2012/05/31

大飯原発運転再開の方向とな。ということでニュース悪態。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120530/k10015494361000.html
大飯原発再開 地元の判断得て決定
5月30日 21時35分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120531/t10015498131000.html
大飯原発再開 地元の同意に全力
5月31日 4時20分

・・・・・・はあそうですかという感じですが、相変わらず無責任な事を言っている関西酋長連合とやらの皆様が結局言ったもん勝ちみたいになるのもどうなのかと思うのですけれどもねえ。この酋長とか今さら何を言ってるんだという感じだが。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120529/k10015453781000.html
滋賀知事“大停電 責任は電力事業者”
5月29日 15時35分

しかしまあ「地元の判断得て」って結局福井県に決断させるような言い方で、それはそれで政府も無責任な話だすなあとか思いますが。

#しかし公共放送ニュース見たら大阪の酋長が「期間限定」とか言ってるのですが、原子力発電所って点けたり止めたりする方が運用としての安全性に問題が起きると思ってたんですがねえ。「暫定的」に拘って却って危険性を高めるとかイミワカンネ


話は違いますが(ネタがスポーツ新聞だからアレですが)このニュースは昨日のお前が言うな大賞でしたな、うんうん。

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/05/29/kiji/K20120529003353250.html
橋下市長が指摘「偏狭なナショナリズムが高まっている」

『橋下徹大阪市長は29日、大阪府市統合本部会議で、子どもに近現代史を学ばせる施設を造る構想に関連し「僕と同世代、下の世代で偏狭なナショナリズムが高まっていて非常に危険だ。特に隣国との歴史を多面的に捉えなければならない」と指摘した。市長は、中国が領有権を主張する尖閣諸島の問題などを念頭に「表層的な部分だけを捉えて、騒ぎだすようなところも出始めている」と国内の現状を分析。』(上記URLより)

・・・・・・・まああんさん今まで何やってましたっけとか思うのですが、自分の行動を省みてお前何を言ってるんだという人って判っていて前の話を無かったことにする作戦的行動の人もいますけれども、どこぞの鳩ぽっぽみたいに自分の脳内に幸せ回路が設定されていて悪意無く発言というのもありますが、さて橋下さんはどっちなんでしょうかねえ。

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2012/04/27

○これバーターにならないと思うのだが

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M30N8F1A1I4H01.html
自民・西村財金部会長:日銀法改正、消費増税と併せ今国会で議論を

まあ個人的には自民党の財金部会は債券市場的観点からすると暴走し過ぎにも程があるので誰かもうちょっと抑えろよと思うのですが、まあひところの河野太郎とかもそうですけど、声が大きくて過激な話をするというのが議論をリードするようになると、そらまあ素人ウケするかもしれないですけれども、リアルビジネスや金融市場などからの評判がどんどん悪化して政権担当能力大丈夫か的な話になるので自民党の事務局もっと頑張れやと思うのですがそれは兎も角。

えーっと、まあなんとなくこの手の話は聞こえていない訳でも無かったのですけれども、消費増税と日銀法改正バーターとかイミワカンネ。つーかどうせ消費増税法案は骨抜きになりそうなのだが、消費増税で増収になってもその一方で日銀法改正してデフレ何とか議連の皆様の仰るような大規模財政マネタイズみたいな事になったら国債管理政策の方が大崩壊してしまうので財務省的にどう見てもマイナスだと思いますけどねえという所でございます。

つーか1年でコロコロ変わる政府と物価変動率に関わるアコードをその度に締結するとか、金融政策の波及に関するタイムラグとか、そもそも中長期的な物価の安定と足元の物価をトラックさせるのは別の部分もあるとか、そういう観点はどうなってますねんという感じではあります。

大体からしてインフレターゲットの本家(?)の英国の場合は、政権が基本的に4年間は続くような制度設計になっていますし、そもそも英国の場合は現実問題として足元の物価数値をターゲットに近づけるようにホイホイと金融政策をいじっている訳では無いですよね(もし厳格なインフレ目標なんだったら総裁の首は何回飛んでいるのかと)という話なんですが、どういう法案になるのか知らんですけど、英国とかで色々とやった挙句にフレキシブルインフレーションターゲットの枠組みに収斂され、まあ日本でもそっちの方になってきましたよねって状況で何でまた時間の針を逆に戻すような話をするのやらという所でございます。

ただまあ毎度のように申し上げたいのは日銀に2%やれやれ言っている皆さんはいざ物価が上昇した時に選挙民の皆さんに「これが正しい姿なのでお前ら文句言うなヴォケ」ときちんとお話しなかったら人間として如何なものかという所ですわな。たぶん今の計測方法のCPIで2%インフレとかになったらメディアが先頭にたってインフレフォビア煽りまくり大会になると思うのですけどね。


○読売新聞なのでバイアスに注意して読む必要はありますが

昨日と今朝のヘッドラインにワロタ

原発再稼働問題に関しては読売新聞は再稼働支持のスタンスな上に、橋下大阪市長に対する報道ヘッドラインの打ち方が基本的に批判スタンスっぽいので、その分は割り引いて読む必要があるというのは注意しましょう。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866922/news/20120426-OYT1T00545.htm
節電に住民支持ない場合は再稼働容認…橋下市長
(2012年4月26日12時35分 読売新聞)

『関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に反対している大阪市の橋下市長は26日、市役所で報道陣に、「原発を再稼働させなくても(今夏の電力需要を)乗り切れるかどうかは関西府県民の努力次第。相当厳しいライフスタイルの変更をお願いすることになる。その負担が受け入れられないなら、再稼働は仕方がない」と述べ、節電策に住民の支持が得られない場合、再稼働を容認する意向を示した。』(上記URLより)

大阪市長の分際で何で「関西府県民」の生活についてああだこうだと言うのか良く判りませんが、良く言えば現実を見据えた発言とも言えますし、悪く言えばお得意の切所で人に責任おっかぶせて逃げる攻撃とも言えますが、ナンジャソラという所でございます。つーか何とか顧問とかの優秀なブレーン(笑)を集めて何の入れ知恵を受けているのやらと。

と思ったらこのニュースクリップしようとして開けたヨミウリオンラインみて更に吹いた。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120427-OYT1T00015.htm
橋下市長「大飯原発の再稼働認なければ増税も」
(2012年4月27日07時13分 読売新聞)

『大阪市の橋下徹市長は26日、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働が認められない場合、代替エネルギー促進などにかかる行政コストの確保のため、「増税も検討しなければいけない」と述べた。橋下氏は関西広域連合の7府県2政令市の首長による委員会で発言し、「もし再稼働を認めなければ(府県民に)応分の負担がある」とし、新たに発生する住民負担分を明示することを提案した。』(上記URLより)

んなもん最初から分かっているから「安全性の確認をしながら再稼働しないと経済が持たないでしょ」という話が出ていたと思うのですが、ギリギリになってこういう話になるというのが橋下クオリティ、というか最近の日本政治というかテレビ政治のクオリティなのではないかとorzになる朝のひとときでございましたとさ。

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2012/04/24

・そういや月曜に悪態書かなかったので一応メモ

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M2R3NP6KLVR401.html
古川元久経済財政相:日銀は資産購入計画を見直すべきだ−WSJ紙

『4月20日(ブルームバーグ):古川元久経済財政相は日銀が資産購入プログラムを見直すべきだとの見解を明らかにした。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで語った。同相は日銀がデフレとの闘いをより効果的にすべきだと指摘した。WSJによると、同相は日銀がより償還期間の長い国債を購入することが可能だと主張。同相は日銀がその手法や規模を含めて、資産購入プログラムをさまざまな方向で検討すべきだと語った。』(上記URLより)

・・・・・・・・いやあの閣僚が具体的手段について要望するとか何なんでしょうね。で、より長いのを買えは良いんですけど、どうもこの辺の議論でスルーされているのは「出口政策で国債売れるの?」という話なんですよね。まあ米国がそのうち身を切って実行してくれると思うのですけれども、出口政策で長期国債をバカスカ売りますよという話って日本の場合は特に「運用部ショック」というトラウマがあったりしまして、そもそも欧米の百万倍くらい気を遣いながら丁寧にやっている国債発行計画のお蔭もあって順調に国債消化できているんですけど、出口政策で国債売る話になった時にかつてのボルカーショックもビックリとかになった場合、特に日本の場合国債発行計画とか大丈夫かいな的な面がある。とゆー論点がやはり債券市場の人的は気になるんですけどどうなんでしょ。

つーかまあ現役閣僚が具体的手段についてああだこうだ言うとか何だかねえという感じで、夏に向けて電力需給逼迫の問題も出てきて電力会社叩きをしている訳にも行かなくなって来たので次は日銀叩きですかそうですかとか言ってはいけません。

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2012/04/23

○日銀ネタの前にツッコミどころの多そうなインタビュー記事から

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M2QACL0D9L3501.html
日銀は変化球やめ国債購入の直球投げよ−竹中氏

『4月20日(ブルームバーグ):慶應義塾大学の竹中平蔵教授は、日本銀行はデフレ脱却のため、成長基盤強化の資金供給のようなその場しのぎの「変化球」ではなく、マネー供給の手段である国債の購入という「直球」に徹するべきだとの認識を示した。また、金融の専門家が少ないことなど、政策委員の資質にも問題があると指摘した。19日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。』(上記URLより、以下同様)

とのニュースではあそうですかという感じですが、読んでてツッコミどころが幾つかあったのでまあ突っ込んでみる。成長基盤強化は一応日銀の理屈としては長期的な話なんですが、それがその場しのぎの変化球という批判はまあ考え方の話だからそれはそれでアリだとは思うのですが・・・・・・

まずね、これなんだけど・・・・・・

『2月の決定の2週間前、2003年7−12月の決定会合の議事録が公表された。竹中氏は当時、経済財政政策担当相として会合に出席した。「私はインフレ目標を真剣に考えてほしいと主張したが、支持したのは中原伸之審議委員(当時)だけで、非常に強く反対された。10年前に拒否したものを今やることにどういう正当性があるのか、きちんと説明してもらいたい。それが説明責任だ」と語る。』

えーっと、そもそも10年前にお話をしていたインフレ目標と今世界の中央銀行が標準的に実施している「フレキシブルインフレーションターゲット」は看板こそ「インフレ目標」ですけれどもその政策運営の枠組みって全然違うのですが、それを丸無視してドヤ顔で「インフレ目標を10年前に〜」とか言うのって竹中先生ほどの方ならば判っていない訳が無いと思いますので、どう見ても自分の宣伝でのミスリードです本当にありがとうございましたという感じですがな。

大体からして英国を見れば判るように(ちなみに今日はネタにしている暇が無いと思うのですが、BOEの前回MPCの議事要旨を見ると景気に関してはともかく、インフレに関してはかなり先行きが怪しげになってきているという感じで、BOEの悩みが深くなっているなあという感じなんですけどね)10年前に議論になっていたような厳格な意味でのインフレ目標の設定って意味あるんですかという話ですよね。当時だとインフレ目標をエアコンの自動温度設定みたいな例えで説明するのが良く見られた話(たとえば本石町日記さんの昔のエントリーでこの辺のコメント欄とか→http://hongokucho.exblog.jp/7198751/)でしたが、そう単純なものでは無いというのは今になったら見えてきたと思うのですけどね。

まあそれはそれとしてこの話はどう見てもトートロジーです本当にありがとうございましたというのがありまして・・・・・・

『国債の大量購入、その結果として、日銀のバランスシート拡大がもたらすデメリットについて、竹中氏は「唯一考えられるのは、どこかでデフレからインフレに変わり、ハイパーインフレが起こらないかという、漠然とした不安だ」と指摘。「実はそのために、インフレ目標がある。インフレ目標には上限があるので、インフレが高くなりすぎたら抑えればよい」という。』

この理屈は百万回くらい拝読しているのですが、通常の景気拡大におけるディマンドプルで起きるようなインフレだったらそれはそれで正しいのですが、市場の片隅におります所のワタクシのような者が思いまするに、問題なのは「財政マネタイズ+財政発散による財政インフレ懸念」の方でありますがなと思うのです。特に最近のように財政健全化の取り組みの方はと言えばどこぞに飛んでいきそうな勢いの話が飛び交う(さすがに政府サイドの閣僚レベルでその話が飛び出して居ないのが救いなのですが)中で日銀への緩和圧力は露骨に掛かる(審議委員人事に対して「追加緩和に消極的だからケシカラン」と言って反対するとかそれを金融政策に対する政治圧力と言わずして何を政治圧力というのでしょうかねえ)という状況の中ではその不安が起きる訳ですよ。

でですな、財政マネタイズ+財政発散というような状態で財政インフレ発生という事になった時っていうのは、そもそもが財政や中央銀行に対するコンフィデンスが失われるという事態になっている訳でして、そういう時に「インフレ目標がある(キリッ)」とか言われましても意味の無い話ではないかと思うのですよ。だってそもそもインフレ目標が信用されない事態になった時に何やったら効くんですかという話で、インフレ目標があるからどんどん国債買っても大丈夫とか随分とそらまたトートロジーな話だわと思うのでございますけどね。

『その上で「察するに、日銀は政府を全く信用していないということだ。政府が何をするか分からないので、自分たちのバランスシートを守ろうとしている」と言明。「もし日銀の政策委員が政府を信用できないというのであれば、要請された段階で、私はあなたを信用できないからやらないと、そこで拒否すべきだ」としている。』

まあ何ですな、全く信用していないかどうかは兎も角、中央銀行の独立性云々っていうのは政府が選挙ウケする為に無制限財政マネタイズみたいなのをさせたくなるような事態を排除する為に設定している話なので、この理屈も大概にどうかと思いますけれどもねえ。ただまあ現状の政府自体はそこまで無茶な話をしている訳では無くて、まあ懸念されるのは自民党が政権取ったりした時の話っすけどね。

というような雑談でありましたとさ。まあ審議委員人事に関して言えば、学者先生だけにしてしまうと現在のような非伝統的政策を行うに当たってはオペレーション技術に関する問題というのが色々と重要な論点になりますので、逆に執行部ペースになってしまうのではないかと思いますし、議論の多様性という意味では実業界の人がいた方が執行部ペースにならないのではないか、という風に思うのですけれどもねえ。米国の各地区連銀総裁だって先日ネタにしたNY連銀ダドリー総裁の地域行脚の様子とか見れば判りますようにメインストリートの状況把握とかをする為に時間と手間を掛けているのですからして、別に実業界出身でも良いと思うのですけどねえ。

まあそもそも逆さ絵オヤジが学者出身とは思えない政策ロジックの一貫性無視状態のどこの福井の俊ちゃんだよという状態になっているのですが^^;

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2012/04/18

○本職がこれはマズイだろと思うインフレ目標解説

こんなのがありましてですな。

http://mainichi.jp/feature/news/20120413org00m020018000c.html
エコ・ピックアップ:日銀と円安 似て非なる「インフレ目標政策」
2012年04月16日

『◇金融政策の力を信じるFRBと及び腰で被害者意識強い日銀
 ◇安達誠司(あだち・せいじ=ドイツ証券シニアエコノミスト)』
(以下上記URLおよび4ページ組になっているのでその先の記事から引用となります)

・まあ単純化し過ぎのレッテル貼りというのはスルーしますが

日銀はFRBやECBと違って株式ETFは買うわREITは買うわ社債は買うわCPは買うわとゆーよーに信用緩和という面で言えば随分と積極的な面もあるので、「及び腰」というのは必ずしも当てはまらないとは思いますけれども、まあこれは日銀の「見せ方」というか麿が海外に出掛けちゃあ一々台無し講演をしてみたり「一般的に申し上げれば」攻撃で台無し発言をしたりするというのがあるから、まあ及び腰と批判されても半分以上は文句言えない面があるでしょうなと思います。本当はその辺に関しての解説をするのが本職の何とかストのお仕事とは思いますけどね。

んでもって金融政策の力を云々というのは、日銀の説明的に言えば「日本の場合は成長期待がすっかり弱まっている為、緩和的な金融環境を作っても中々実体経済に向かってくれない(だから成長基盤強化策を同時に行っている)」という話であって、別に金融政策が全く効かないと言っている訳ではなく、金融緩和によって作り出す緩和的な金融環境が実体経済に波及する経路が弱いのが問題(米国はまだそんなことにはなっていない)というお話で、その辺をもっと丁寧に解説するのがおまいらの仕事(なお一応付け加えるとその説明は3ページの部分でしているのだが、「日銀の被害者意識」という話になっています)で、単純にレッテル貼りするならアジビラというか産経電波浴レベルだろうとこれまた思うのですけれども、まあ日銀的説明も言い訳に聞こえると言ってしまえばそうでしょうなあと言う事でこの辺りはスルーである(してないけど^^)。


・FRBが目標達成の時間的経路を明示化とな????

『◇「目途」が持つ意味

 FRBと日銀が採用するインフレ目標政策(インフレターゲティング)はその運営、政策哲学という観点からみて「似て非なるもの」であると考える。そもそも、インフレ目標政策とは、中央銀行が誘導すべき最適なインフレ率の水準を、「目標値(objective)」として明示するだけではなく、その目標値の実現に「コミット(約束)」する必要がある。』

まあ最近のフレキシブルターゲットの流れではコミットメントという話は無いですけどねえと思うのですがさて・・・・・・

次のページになりますが(一応URL付けとくわ)・・・・・・
http://mainichi.jp/feature/news/20120413org00m020018000c2.html

『FRBのバーナンキ議長はインフレ目標政策の発表に際し、インフレ率2%という数字がFRBが金融政策の遂行によって特定することが可能な「長期的な目標値」であることを明確にアナウンスし、その目標に到達するまでの時間的な経路をも明示化した。』

えーっと、確かに物価に関しては長期的に決められますという話をしていましたが、時間的な経路の明示化ってしてましたっけ?????

『「異常な低金利局面が14年終盤まで正当化される可能性が高い」「資産売却(という出口戦略)は15年からになりそうだ」などの発言がそれだ。』

????????????

・・・・・えーっと、それは「目標に達するまでの時間的経路」じゃなくて単に異例の(「異常な」とは言ってないと思いますが・・・・・・)低金利政策という超緩和的金融政策を継続する期間に対するガイダンス文言であって、別にデュアルマンデートの達成時期について明示しているものではございませんが。というかバーナンキ議長に「late 2014になったらマンデートは達成できるというコミットメントですか?」と質問したらどういう答えになるんでしょうかねえ。

大体からしてその文言だってその前は「mid 2013」って言ってたのが先般「late 2014」に変わったのですけど、そうやってホイホイ変更して良いもののどこがどう「目標に到達するまでの時間的な経路をも明示化」となるのかと小一時間問い詰めたいのですけどねえ。

更にツッコミますと、このガイダンス文言は「金融政策を継続するコミットメントではなく、現状の経済状況および先行き見通しを踏まえたガイダンス(だからご案内みたいなもん)文言であって、経済状況が変われば金融政策継続の時期も変わる」という説明をFRBは何度もしてますがな。バーナンキの会見でもそうですしFOMCの議事要旨でも何回も出ていますけれども、それを「政策目標達成のコミットメント」と言うのは嘘八百にも程がありますがな。

大体からしてFOMCが示すSEPではデュアルマンデートに関わる数値の先行き見通しが示されていますが、前回のSEPで失業率に関して「longer-run」で示された望ましい数値は見通し期間中には到達しないという先行き見通しを示していますがな。

つーかね、そもそもFRBが実際問題として目指しているのは単純に足元の数字なのでは無くて「中長期的な数値」なので見通し期間中に「中長期的に見た場合の失業率がデュアルマンデートに則した範囲内になるという見込みとなる」という達成が出来るかもしれないという面があるので、まあ見通し期間中に中長期的な目標が達成できているのかどうかというのは現時点での見通しだけでは判らんというのもあるんですけどね。

まあいずれにしてもFRBがデュアルマンデートの「目標達成に向けた期間と経路を明らかにした」というのは虚偽表示にも程がある訳で、FRBと日銀を比較して日銀を批判したいというのは判りますし、まあそれはそれで一つの手法ではありますが、自分の論拠に使う事実関係を自分の説明に都合の良いように誇張するとか、これが産経新聞の某みたいな電波だったら電波浴扱いしておけば(どうせ産経ですし)良いのですけれども、本職がそれをやるのはダメなんじゃないかと思いますけどねえ。つーか投資勧誘資料でそういう事やったら誤認勧誘で金商法違反と言われても文句が言えない話なんですけれども、本職のアナリストがそういう姿勢でいる(まさか無知でこういう説明しているとは思えないのでわざとでしょ)のは職業倫理を疑うレベルですがな、と思いますが如何でしょうかねえ。


・日銀の目途がどうのこうのですかそうですか

『一方、日銀の白川方明総裁は、あくまでも追求すべき「目標(objectiveもしくはtarget)」ではなく、「(中央銀行の総意としての)目途」であるとして、達成義務のある「目標」であることに否定的な見解を示した。つまり、今回の「物価安定の目途」は、政策審議委員各自が「物価が安定している」と考えるインフレ率の単なる集計値である従来の「物価安定の理解」から、中央銀行の「総意」になると定義を変えただけで、政策的な達成義務はないと言明したのである。』

だそうです。まあ政策的な達成義務はないと言明とか随分とこちらは悪意で解釈してますなあ(達成に向けて努力するという話をしていて、単にその達成時期に関して明言できないという説明だとしか思えないのですが、まあ極端に悪意で解釈すれば時期を明言しない努力目標に意味があるのかという言い方は出来ると思うので、そこはツッコマないが)という感じですな。

つーかね、これは書いている人のテクニックの問題ですけれども、FRBの示した『principles regarding its longer-run goals and monetary policy strategy』にはobjectiveとかtargetという言葉は使っていなくて、日銀の英文版(ただし正本は日本語版なので英文版はあくまでもご参考ではありますが)でもgoalという単語を使っているのですが、この書き方だと(この部分は先ほどのFRBガーの所の続きね)如何にもFRBが示しているのはobjectiveとかtargetであるかのような印象を与えるような操作をしている所とか(FRBがobjectiveとかtargetとかいう言い方をしている、とは一言も言っていないので別にその点で嘘八百を書いている訳では無いが)、最早アジビラのテクニックといった風格を漂わせるホンモノの香りを感じます。

ご参考→http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20120125c.htm

んでもって、フォワードガイダンスに相当する文言だって日銀は出している訳で、それが「中長期的な物価安定の理解」であり、金融政策決定会合での声明文で出たりもする話ですが、「当面は中長期的にCPI前年比+1%を目途として強力に金融緩和を推進する」という説明をしていまして、展望レポートでの経済見通しとセットになると金融緩和って続きますよね、という話をしている訳ですから、FRBのフォワードガイダンスと実際問題としてそんなに変わった話をしている訳では無いっつー話になる筈なんですけれども、日銀に関する説明が随分とこらまた過小評価ですなあ。

ご参考→http://www.boj.or.jp/mopo/outline/sgp.htm/

そもそも本職なんだからその辺を解説するのが仕事だと思うのですけれども、その辺の説明を日銀批判につなげるような形で公平性を失する比較を行ってひたすらFRBのやっている事を賛美して日銀のやっている事を貶めるとか、アナリストとしての職業倫理はどうなっているのかと小一時間問い詰めたい所でございます。

当面の目途の1%数値に関しての話とか続いて、まあツッコミどころがない訳では無いが、そこは色々な意見があるところだと思うのでスルー。


・以下雑談になるわけだが(雑談その1)

まあね、日銀の「見せ方」が金融市場、というか短期金融市場などのような普段から日銀の動きを見ているので日銀文学的な説明が通じる人には判るけれども、そうじゃない人にとって判りにくい、というか折角やっている事を一々しょぼく見せてしまう一方で、俊ちゃんの生霊が乗り移っているかのような逆さ絵おじさんの説明(はっきり言ってここまでやっている事に関しての逆さ絵おじさんの説明って論理的整合性もへったくれも無いし、長期債これだけ買って出口政策の時に長期債売れるのかよとか思いますけど・・・・・)との比較、という意味からしますと、日銀の説明には工夫の余地が相当あるとは思います。

大体からして日銀だって「金融政策によって金融市場の緩和的環境は作れるがその先の波及経路が成長期待の低下で弱まっている」という話をしながら非伝統的な金融政策を実施しているのですからして、本来的には「金融市場(というか金利市場)」だけを相手にする説明ではなくて、もうちょっとその外側に対して説明をするにはどうしたら良いのかという所を意識して(いやまあ意識していない訳では無いのでしょうが・・・・・)説明するという事が必要ではないかとは思います。

ただまあそれをやり過ぎると今度は「自分の尾を追う犬」になってみたり、政策が大きくビハインドしてしまう結果としてまたぞろ資産バブル発生させるという同じチョンボを繰り返す(どう見ても米国はそうだろ)という事になるので匙加減が難しいのですけれども、ただまあ非伝統的政策を実施するという事は、説明に関しても非伝統的な部分がないといけないのかなあなどと思うのでありました。


・雑談その2はまた悪態

とまあそういう事でどこぞのエコノミスト様(って署名入り解説記事の名前まで引用しておいてどこぞのもクソも無いですが^^)の針小棒大解説をネタにしてみた訳ですが、まあこちらの先生におかれましても、当然ながらFRBと日銀の公表文書とか読んでいる訳ですから分かっていて書いているのだと思います(無知だったら救いようが無いが)。

日銀の姿勢が消極的に見えるので良くないとか、まあそういう文脈で日銀を批判するというのであれば別にまあそういう批判はありだと思うのですけれども、先ほど来盛大に突っ込んでみましたように、こちらの先生の説明は事実関係について自分の意見に都合の良いように捻じ曲げて説明している訳でございまして、(これで3度目になりますが重要なのでまた申し上げますと)本職のアナリストとしての職業倫理を疑わざるを得ない解説を一般紙で行うとか、ちょっといくらなんでも酷過ぎ。

陰謀論みたいになるから書きたくはないですけれども、お前はそこまでして日銀審議委員の空席でも狙っているのかとか小一時間問い詰めたい次第でございまして、何つーか戦前の昭和日本で相手党の政権を攻撃するに際して統帥権干犯問題とか持ち出した結果、政党政治を終わらせてしまう原因を作った上に国まで焦土にしてしまう流れを作った政党政治家の姿みたいなのが被ってしまう・・・・・というのは大袈裟ですかそうですか。

まあ何だ、とりあえずこの先生はこれでも百回読んどけと思いますけどね。
http://www.saa.or.jp/ethics/standard.html

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2012/04/11

○ということで何か違う気がするのだが

先週末の米国雇用統計の流れに加えて欧州債務問題ガーとか言ってNYダウ様が今朝も絶賛下落という事で、NYではドル円が80円台で戻った訳ですが。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M298Z56JTSE801.html
NY外為:円が5日続伸−FRB議長の景気認識受け−80円台

ちなみに9日の講演で示されたFRB議長の景気認識受けとか言ってますが、バーナンキ講演のテキストは昨日の東京時間の昼間には出ていましたので、それは単に後付の言い訳に過ぎないと思います(ちなみにバーナンキ講演を読んだらいきなり出落ちのようなお前が言うながあって吹いたのだがそのネタは今日は間に合いそうもないので割愛、内容的には金融監督に関わる話で、Financial Stability関連のもので、金融政策に関する話はスルーでした)けれども、まあ日銀会合と総裁会見の前後の動きを見たらこういう話になると思うのですが・・・・・


共同通信から。
http://www.47news.jp/CN/201204/CN2012041001002626.html
NY円、80円台へ上伸 1カ月ぶり高値
2012/04/11 01:07 【共同通信】

『【ニューヨーク共同】10日のニューヨーク外国為替市場は日銀の追加緩和見送りを受けて円買いドル売りが先行し、円は一時、1ドル=80円85銭をつけて3月上旬以来、約1カ月ぶりの円高水準となった。円は対ユーロでも一時、105円台をつけ、約1カ月ぶりの高値となった』(上記URLより)

ロイターから。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE83906U20120410
円上昇、日銀追加緩和見送りなどで=NY市場
2012年 04月 11日 06:22 JST

ということで、何かロイターと共同はこういう話をしているのですが、さすがのモーサテも今日は追加緩和見送りガーとかいう話してません(そもそも先ほどの総裁会見にあるように次回会合での追加緩和のようなものについて、それなりにサービス発言が出ている訳でございますし・・・・・・)次第で、たぶん決定会合前後および総裁会見前後の動きを見ますとそれ以外の要因で動いたんじゃネーノと思うのですけどねえ。

どうもロイターと共同は追加緩和煽り報道をする傾向にあるようで、まあ正直ロイターはベンダー代が高いのでブルームバーグとの2択を迫られたら当然のようにカットするから普段見ない(ので精神衛生には良いが悪態ネタに困る^^)のですけれども、共同はブルームバーグとかからヘッドラインが流れてくるので(-_-メ)。

http://www.47news.jp/CN/201204/CN2012041001002264.html
日銀総裁、過度の緩和期待けん制 「物価情勢は確実に改善」
2012/04/10 19:02 【共同通信】

というか会見では「市場の細かい動きに一々対応するのは如何なものか」という事で、かつてアラン・ブラインダーFRB副議長が指摘していた「市場との対話は大切だが、市場との対話を重視しすぎると『自分の尾を追う犬』となってしまうリスクがある」(だいぶ意訳)というような話をしているのですが、このニュース最初共同がベンダーに流していたヘッドラインには「過度の」が抜けていまして、「日銀総裁、緩和期待をけん制」とかどう見てもお前それは違うだろうというヘッドラインを流していて盛大に画面に向かって突っ込んでしまったのはあたくしでございます。

あのですな、その追加緩和煽りと日銀は追加緩和に消極的という方向にバイアス掛ける報道って何考えてやっているのか知らんですけれども(というかだいたいわかるが)、アジビラ作成業じゃないんだからもっと淡々と報道して頂きたいと思うのですよね。

その反動であの筋の悪い日銀審議委員反対騒動とか日銀法改正のネタとかが飛び出してくるという環境つくりにも手を貸しているという点で言えば共同通信様におかれましては(以下猛烈に悪口雑言になるので自主規制)。


○これは予想通りのクオリティですが相変わらずヒドス

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M291QD0UQVI901.html
民主・デフレ脱却議連の宮崎氏:日銀の追加緩和見送りは「遺憾」

『4月10日(ブルームバーグ):民主党の宮崎岳志衆院議員は10日、日本銀行が同日の金融政策決定会合で追加の金融緩和を見送ったことについて「誤った判断だ」との認識を示した。見送りが満場一致だったことに関しても「政策委員会の構成が不適切であることが裏付けられた」と指摘した。』(上記URLより、以下同様)

『追加緩和見送りについて  「大変、遺憾だ。誤った判断だと思っている。2月に行った緩和効果がはげ落ちようとしているわけだから、インフレのめどを設定した以上は、それを達成するためにここは緩和すべき場面だ。市場の期待を裏切るし、マーケットとの対話に完全に失敗している」』

・・・・・・まあ予想通りの反応なのでこんなもんでしょうとは思いますが、2月に行った緩和効果がはげ落ちようとしているとか、金融緩和の効果を株式市場と為替市場の短期的な値動きだけで判断されても困るのですけどねえ。大体からして株にしたって為替にしたって一義的に金融政策で動く訳では無くて、他にも色々なファクターで動くもので、足元では欧州債務問題のスペインへの再点火とか、年初来あまりにも調子が良すぎた米国経済指標の反動とかがあると思うのですが、それを捕まえて「金融緩和効果がはげおちようとしている」とか何なんでしょうかね。


そらまああたくしらは市場で飯食ってますから市場の動きで一々ああだこうだ言いますけれども、本来金融政策の効果というのは資産市場とかじゃなくて実体経済に対して波及させるものであって、しかもその効果っていうのは半年とか1年とか良く判らないけど時間的ラグをもって波及するもので、株価の動きを見て「緩和効果がはげおちる」とかムキーッとなるとかどんだけ近視眼なんだよというかどこの株屋の回し者だよと思う次第。大体からして最近出た経済指標だとCPIも上がったし景気ウォッチャー調査も上がっているんですけどその辺はスルーで株価と為替だけ見て効果ガーですかそうですか。

つーか、「市場の期待を裏切るし、マーケットとの対話に完全に失敗している」とか昨日の市場の反応のどこをどう見るとそういう結論になるのかさっぱり判らんのですけれども、勝手に市場を持ち出さないでくれよとか思いますわ。

為替が1円動いたとかで一々大騒ぎして追加金融緩和しろとか決定会合の度に言ってたらキリが無いにも程があるだろアホウとか思うのでございまして、まあ結局の所その辺のクレクレというよりは最早その筋の方のベンツに車ぶつけたかのような反応をするゆすりたかり的なのに一々対応してたらゆすりたかりが更にエスカレートするがなと思いますので、まあ淡々と次回に追加緩和のような物をするというので宜しいんじゃないですかねえと存じます次第でございます。

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2012/04/10

○その他ニュース等雑談

・ああ自民党

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120406/stt12040601150000-n1.htm
生活保護削減、防災に200兆円集中投資 自民次期衆院選マニフェスト概要判明
2012.4.6 01:14

えーっと、防災に200兆円集中投資って財源はどこにあるんでしょうか?????
もしかして日銀引き受けでプリンティングマネーでもするってんでしょうか?????

あのね、プリンティングマネーなんて一回やったら歯止め効かなくなるでしょという話で、プリンティングマネーを止めるなんて不人気な施策を民主主義国家で選挙に負けたくない政治家がやりたがるわけがないから、仮に法律で縛ったって次の政権党がひっくり返したらそれまでの話でしょと思うのですけれども、どうやってプリンティングマネーの歯止めをかけるつもりなんでちゅかねえ????????

いやね、民主党のウソツキ財源マニフェストも大概に酷かったですけれども、あれは一応無駄削減だの何だの言ってるだけ脳味噌の内容としては疑いがあるけれども、財政を考えるという意味での意識はありましたわなあ(現状認識は無茶苦茶でしたけれども)という事で、河野さんの日銀審議委員反対の時と同様に野党民主党がやっていた事の劣化コピー、というのも民主党に悪い位に筋が極端に悪化している自民党って何なんでしょと思う訳よ。

しかし何だか良く判りませんが、公共放送では自民党のマニフェストに関してこの200兆円の話が出ていないのが(テレビでも同様)何なんでしょという感じです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120409/k10014319831000.html
自民 政権公約の骨子を発表
4月9日 17時43分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120410/n64281210000.html
自民 消費税率10%政権公約
4月10日 6時7分

まあいずれにせよ、ちょっと自民党の財金関連の議員様たちが暴走し過ぎじゃないですかねえと思う次第で、日銀審議委員人事の一件で金融(というかまあ基本は金利系になるとは思いますが)市場関係者の支持を相当暴落させたと思われますが、更にこの200兆円云々は何ぼなんでもちょっとねえと思いますが大丈夫か自由民主党。



・人のふんどしシリーズ

hamachan先生の所から

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-5697.html
各論なき総論哲学者の末路

で、まあ確かにと思いながら読んだのですが一部引用しますと。

『いうまでもなく、圧倒的に多くのことについては横町のご隠居程度の見識しかない大衆食堂の皆さんにも、程度の差はあれ、これはという専門分野はある。』

『ほかのことについては軽薄なマスコミの掻き立てることにコロリと逝っちゃう一般大衆でも、この問題については新聞のいうことは間違ってるぞ、とひとしきり人に説教できるような分野がある。』

『きょろきょろするなよ、大学のセンセたち、そういう専門を持ってる大衆って、あんたらのことでもあるんだよ。そしてまた、世間で実務やってる人々のことでもあるし、趣味の世界の場合もある。要はみんな、なにがしか(というより相当程度に)大衆なんだが、なにがしか(どんなに少なくとも)専門家であり、その面においてはポピュリズムに逝かれる(周りの)大衆たちを哀れみのまなざしで見る局面てものもあるのだ。』

『誰にもこだわりの「各論」てのがある。「総論」に巻き取られると不愉快になる「各論」が。』

『大事なのは、そういう「おおむね大衆ときどき専門家」な人々の「民意」をどこでもってつかまえるべきなのか、ってこと。』

『レベルの低い「民意」をすくい取られた大衆が、しかし自分の専門分野について「とはいえ、こいつはおかしいんじゃないか」と感じるその違和感をきちんと言語化するのが、言葉を商売道具にして生計を立てている連中の最低限の義務だろうに。』

『ポピュリズムの反対はエリート主義ではない。大衆の中の「各論」を語れる専門家的部分をうまく組織して、俗情溢れる低劣な「総論」を抑えるようにすることこそが、今日の高度大衆社会に唯一可能な道筋のはずだ。』


・・・・・まあ全文読んでちょという感じですが、あたくしも「各論無き総論哲学者」(まあ学者という知能が無いのでその時点でアレですが^^)にならないようにしたいと思いますですが、こと金融に関してもまあ本当にテキトーな言説が横行したりする次第で、あたくしもそのテキトーな言説の一人にならないように自戒したいと(別にこれ商売でやってる訳では無いですし、趣味のコーナーではありますが、そうは言ってもネット上に載せるというのは世間に向けて公言する事ですから)思いますです、はい。

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2012/04/09

○決定会合プレビューとか審議委員人事雑談の続き

金曜に書いたので大体まあそんな感じなのですが、今回の決定会合で何らかの追加緩和みたいなのをするとさすがにアホウ政治家の皆様が「日銀に政治的圧力掛けたら大勝利」と更に調子に乗るのが明らかにも程がありますので、まあ普通に考えて今回は何もなしというか下手に追加緩和すると信認問題になりますので現状維持。まあドル特則の内容決定だけでしょう。

で、これまた金曜にも申し上げましたが、4月27日の展望レポートで緩和のおかわりのような感じで基金国債買入残高目標を10兆円増やしつつ買入の期間を半年延長するのかねとか思ったのですけれども、あのアホウ政治家の大騒ぎで逆に日銀やりにくくなってしまったという感じはする(同じ理屈で政治家が調子に乗るから)のでして、それでしたら10月の展望レポートで見通し期間が1年延びる所で・・・・・という話ですが、まあそこまで待つのもねえという感じです。

まー雇用統計がこれまた測ったようにうんこな結果が出て追加緩和期待がまた米国に出てきそうという流れでございますので、その辺の空気読みながら4月27日に「展望レポートで点検した結果物価安定の理解実現の為には時間がやや掛かるようなので買入期間を半年延長し、その結果として残高は来年の6月末には国債10兆増えますよ」とかまあそんな話で。

でまあ審議委員人事に関してはかんべえさんがこんな話を。
http://tameike.net/comments.htm(<4月4日>(水)の所をご覧ください)

勝手に引用させて頂きまして恐縮ですが、以下引用致します。

○河野さんは非常にまともなエコノミストで、業界内の評判もいい。私から見れば、リフレ論に対しても充分に理解がある人だと思う。ところが自民党がダメ出しをしてしまった。これでは2008年の民主党のやり方と変わらない。というか、政策の中身に口を出している分だけ劣化コピーといえる。日銀の審議委員というのは、本質的に楽しい仕事ではないのだから、こんなことを続けていると、まともな人は誰も引き受けなくなってしまうのではないか。既に少なからぬ経済学者が、「こんなことに巻き込まれるのは御免被る」というモードである。

○で、もう一人の伊藤忠相談役、渡辺康平氏がさらにお気の毒なのである。3月23日に、日経がこの人事を「抜いた」(ちなみにネット上では、この記事はもう消されている)。で、2008年にゴタゴタがあった際に、「事前に漏れた人事はダメ」という合意が与野党間にできたのだそうだ。つまり「日経に抜かれたからつぶされた」人事なのである。そんな記事、載せるなよ。とりあえず、しばらく日経さんは伊藤忠商事にはお出入り禁止でしょう。こんな話、日経にはきっと出ないと思うぞ。

(『かんべえの不規則発言』2012年4月4日より一部引用)

あたくしが連日湯気ポッポ―で悪態書いて金曜の更新忘れで血圧上昇で倒れたのではないかと言う勢いでもあったりするのと違いまして、冷静かつきっちりとポイントを押さえるかんべえさんさすがです。参りました。

ちなみに、これは多分ネットとかで不特定多数向けアップされるような物では無いリサーチレポートなので引用はしませんが、河野龍太郎さんご自身が審議委員否決を受けましてレポートを書いておられます(金曜の午後に配信されていると思います)ので必読。しかし河野さんも書いておられますが(文章の意味が取りにくいと思うので追記しました。でそこをフォントを小さくしています)河野さんて別に「インフレ目標に反対」している訳では無くて、あくまでもリジッドなインフレ目標に反対であり、フレキシブルインフレターゲットは大賛成しているのでして、その河野さんの主張を思いっきり曲解して「インフレ目標に反対」だから審議委員に不適切とか言い出した山本幸三先生って、「前提となる根拠がおかしい状態で問題追及をした人」という意味では永田偽メール事件とやってることが大差ない、というよりも人事一本潰しているだけに永田偽メールよりも酷いわと存じます次第で山本先生におかれましては(以下罵詈雑言と受け止められる可能性がある表現を含むかもしれませんので謹んで割愛)。


どうもね、血圧下げるためには悪態が無いといかんですわorz

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2012/04/05

○いまどきリジッドなインフレ目標に中銀総裁の解任権セットとかorz

昨日の10時半にブルームバーグニュース(ネット版ではなくてプロ向けの方ね)でこの件のヘッドラインが出たのとほぼ同時に株価指数先物が一気に1万円割れとなったのは何ぼなんでもただの偶然だと思いますけど、為替も債券も何もなかった中で株価指数先物(と株価指数)だけがスココーンと下げたのは何だったのか(・・?)

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M1XM2F6TTDS001.html
自民党:政府が物価変動率目標定め日銀に指示−日銀法改正案原案
更新日時: 2012/04/04 10:42 JST

『4月4日(ブルームバーグ):自民党は4日午前の財務金融部会で、日銀法改正案原案を公表した。原案は、政府が物価変動率目標を定めて、日銀に指示し、物価変動が目標と著しく異なった場合には内閣に対し正副総裁の解任権を与えることなどを盛り込んだ。部会は報道陣に公開された。』(上記URLより)

・・・・・・・orz

まあ報道ベースの話だけで悪態つくのも何ですが、まあ大体この辺の人たちの従来からの発言から内容は想像出来る次第なのですが、この「物価変動が目標と著しく異なった場合は」という辺りにリジッドなインフレ目標の香りを感じる訳でして(だいたいこの人たちは「裁量的な金融政策はケシカラン」という話が多いので想像はつく)、それでしかも「正副総裁解任権」とかこらまた随分とリジッドなインフレ目標ですねという所で。

でまあ皆様ご案内のように、BOEは2年以上に渡ってインフレ目標を逸脱した状態が続き、FRBだってデュアルマンデートの片方の失業率はこれまた2年どころではなく高止まりしており、FRBの失業率見通しも2014年とかその先というようなタイムホライズンでやっとマンデートに近い水準が見通せるかどうか、というような物を出しておられる、というような世界の状況の中でありまして、世界的にインフレ目標政策と言われるものが、「物価を目標に向けて短期的に合わせに行く」というよりは「金融政策運営の説明として使い、実際問題としては経済の諸条件を勘案して政策を運営する」というような流れになっている中で、ガチガチのインフレ目標を設定するわ正副総裁の解任権を与えるわで、しかもそのインフレ目標がその時々の政権の都合でホイホイ変わる可能性があるとか、こらまた随分斜め上というか時代錯誤というか何だかなという話ですなあ。

ま、その政府がどのような手続きで物価変動率目標を定めるのかとか、その逸脱をどう認定するのかとか、どういう場合に解任権が発動されるのかとか、この記事だけだと良く判らんですけれども、まあ世界的に主要先進国の金融政策の枠組みが「中長期的にインフレを目標値に合わせるようにするという政策運営という形での金融政策の説明」という流れになる中で、今さら時計の針を戻すようなリジッドなインフレ目標設定な上に、どこのハンガリーだよというような解任権セットとか、LDPが金融政策に対してそういう認識ですよとか海外に報道されたりして益々政権取る気が無いのでしょうか(あるいは政権取ったら日本はG7じゃなくなってアジアのエマージング国家になりますよ宣言というか)っつー所ですな。

#ご参考→http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/news/2012/120307d.html

LDPが政権取ったらいつマネープリンティング始めるか判らんですよ宣言を海外にも行うというよな流れになって良いのかねと存じますけどオラシラネ。


そういえばモーサテ見てたら自民党の茂木政調会長も河野さんに対して「日銀の審議委員として全般的な資質に問題がある」というコメントをしているという画像を拝見いたしましたが、つまりLDP様におかれましては債券市場で高評価を受けている債券エコノミストの方は「政策運営の一環を担うことに全般的な資質として問題がある」とお話になられた、という風に理解する次第でございまして、そんなに債券市場がケシカランならケシカランでもそらまあそういうお考えという事のようでございますが、あんたらが政策実行するのに必要な国債消化するのに債券市場が必要なんじゃないですかと思うんですけど、自民党様におかれましては政権の座に就かれるにおきましては国債消化なんぞ気にしないで政策を実行して頂けると斯様仰せな訳ですね、まあ頑張って下さいな。それとも国債全部中央銀行に引き受けさせて爆発的なプリンティングマネーを実施して財政大インフレを起こして国家債務問題をチャラにしようという深慮遠謀ですかさすが自民党の皆様は考えることが深いですなあ(棒読み)という所でしょうかねえ。

ま、メディアは面白がって政治圧力がどうのこうのといういつもの報道しかしていないようですが、ここもとの一連の流れって前回の民主党による馬鹿騒動からレベルが1枚も2枚も斜め上の問題を孕んでいると少なくとも金利市場の人間としては認識するのが多分一般的な感覚じゃないかと思う次第でございまして、こらまあ金利関係の人たちによる自民党の支持率は大暴落でござるの巻だと存じますけどね、つーかこの状態の自民党だと金融財政問題に関して危険過ぎ(失敗したら取り返しのつかない事になるというリスクが高いという意味です)だわなと存じますけどねえ、金利市場従事者的な感覚からすると。

・・・・・などと悪態を並べておりますが、上記URL先だとあっさり味の記事になっていますが、ブルームバーグのプロ向けの記事の方だと同じ自民党でも甘利さんが「正副総裁解任権はやり過ぎじゃないか」みたいな話をしているというようなことが伝わって来ておりまして、まあ自民党自体がこれで一枚岩という話でも無いのでしょうが、そもそもこの財政金融部会長の西村さんがネクスト財務大臣とやらになっておられますし、政調会長もさっきのような有様という状態で、政権から離れて期間が長くなって地位が人を作るじゃないですけれども、河野太郎先生のようなアレとか、まあ声の大きいアレな方が目立つようになってすっかり野党が板についてこられましたな。もうこのまま万年野党になってろと。


○あら日経もこの記事っすか

http://www.nikkei.com/access/article/g=96959996889DE6E2E3E7E0E4E0E2E2E6E2E6E0E2E3E09797E0E2E2E2
追加緩和後にマネー急減 「不十分?」外国人が注目 日銀「震災後の反動」
2012/4/4付 情報元 日本経済新聞 朝刊

『マネーの量は市中に出回るお金(紙幣と硬貨)と金融機関が日銀に預ける当座預金残高の合計であるマネタリーベースで見る。3月中の平均残高は前年同月比0.2%減った。これは量的緩和解除の影響で最後にマイナスを記録した2008年8月以来(以下は有料会員記事なので割愛)』(上記URLより)

マネタリーベースは確かにこうなっておりますが・・・・・
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/base1203.pdf

そもそも昨年の3月は東日本大震災とその後の停電だのどこぞのメガバンクのシステム障害だのというような色々な件の合わせ技によって予備的資金需要が物凄い勢いで拡大し、それに対応するために日銀もバンバン資金供給オペを打ち込んだので、その前の震災発生までは当座預金残高が18兆円前後で推移していたものが、14日に25.6兆円、17日に31.4兆円、22日には国債償還要因もあって41.6兆円と拡大した訳でして、それが減ったから引き締めとか何じゃそらアホかという感じですし、じゃあその間に円安が爆発的に進行したんですかとご質問申し上げたい次第。

現在は予備的資金需要も無くて金融市場の緊張も国内には無いという中で今日の見込みで当座預金残高が35兆円に到達するという事で、短期金融市場の資金余剰感は全然違う(昨日の3か月TB入札は平均で預金ファシリティを下回る0.10%割れですけれども、昨年の同時期の3か月TBは0.105%レベルです。2年国債の金利は昨年同時期の0.205%レベルに対して足元では0.115%ですがな)のですけれども、おまいら日米2年金利差がどうのこうのとかついこの前まで言って置きながら急に3月になって前年比の当座預金残高がどうのこうのとかお前は何を言ってるだ(アスキーアート割愛^^)という所でございます。

つーかマイナスになったら円高になるならその前延々とプラスの時に円高傾向になって居なかったのかよオラオラオラという感じでございまして、まあ上記URL先だとコメントしている何とかストの方のお名前とか出てこないのですが、記事全文を読むとまあお名前出てくるんですが、そういうその場その場で適当に面白そうな事を整合性無くレポートするからお前は日経ヴェリタスのアナリストランキング(ちなみに債券エコノミスト部門)が前年対比で急落するんだよボケナスなどというような事は大人のあたくしは申し上げたりは致しませんが、全く何なんでしょうね。

ちなみに今月は当座預金残高かなり増えるのですが、昨年4月は何せ月の頭が40兆円で、前半の積み期間は震災対応供給の余波があって30兆円台後半で推移していたので、今月は前年対比でちょっとプラス程度になるんでしょうが、それでまた日銀の資金供給姿勢がどうのこうのとか、何というかその昔のトン調節の時代と全然違うのに何を昔の基準で話をしているのやらと存じますがねえ。

#いかんどうも悪態が止まらないですな

しかし今良い事に気が付いたのですが、上記記事でボケナスエコノミストが仰せになっておられるように、本当の本当に海外投資家が日銀の当座預金残高推移を見て為替のポジションを動かして相場が動く、というのであれば、メガバンクの皆様におかれましてはブタ積みの積み上げをいじれば当座預金残高の総量も動かせますから為替が思いの通りに動いてポジション大儲けですよ!!!!!!!

・・・・・なお、ブタ積み(0.10%付利だからブタではないが)をいじっても為替が思い通りに動かなかった場合はあたくしではなくボケナスエコノミスト様の方に文句を言って下さい(^^)。

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2012/04/04

○自民党もすっかり「昔の民主党」状態になってしまいましたねえ(吐息)

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M1W6SY6K50XS01.html
BNPパリバ・河野氏の日銀委員人事案、自民も反対−同意は困難に
更新日時: 2012/04/03 18:17 JST

『4月3日(ブルームバーグ):野田佳彦政権が国会に提示した、日本銀行の審議委員にBNPパリバ証券のチーフエコノミスト河野龍太郎氏を充てる人事案は、野党が多数派を占める参院で同意を得るのが厳しい情勢となっている。すでに不同意を表明している公明、みんな両党に続いて最大野党の自民党も3日開いた「国会同意人事に関するプロジェクトチーム」の会合で反対する方針を決定した。』(上記URLより、以下同様)

ということで、本当に河野龍太郎さんの審議委員人事がお流れになるような感じになって参りましたが・・・・・・

『自民党の岸田文雄国会対策委員長は記者会見で、河野氏について「不同意という方針で自民党は臨みたい」と明言。その理由に関しては「本人の考え方、政策的な問題、さまざまな見地を総合的に勘案して、と聞いている」と指摘した。』

との事でございますが、こちらの記事中にもございますように、つい先日日経ヴェリタスが発表致しました「債券アナリスト・エコノミストランキング」でエコノミストの第1位(昨年は第2位)に選出されたんですよね、ちなみにこのランキング集計したのってだいぶ前(2月中)ですので、次期審議委員人事とか全然関係なく(そもそもマーケットから誰かが選ばれるとは誰も想定していなかったと思う)選出されましたねというのと、今回のランキング見てまして個人的には違和感もそんなに無いランキングで、妥当な感じだと覆ったんですけどまあそれはそれとして。

『河野氏はエコノミストとしてキャリアを重ね、1日付「日経ヴェリタス」が報じた「債券アナリスト・エコノミスト人気調査」では、エコノミスト部門で昨年の2位から首位になった。』

つーことで、まあ債券市場という金利のマーケット参加者であります所の機関投資家(これは機関投資家の会社単位で答える)のランキングな訳でして、まあ一部何だかそれ会社のネームでランキング入りしてるんじゃないかなあというような人も居ない訳でも無い(まあ近年は割と違和感ないランキングになってきたけど)とゆー気もするけど(-_-メ)、当然ながらランキング入りする方というのはそれなりに市場で飯を食っている人たちが「認める」存在であると思うのですよ。そらまあ1から10まで全部が全部を信奉しているというような人はいないでしょうけれども、まあ主張があまりにも無茶苦茶だとランキングの上位には入れませんわなと思う次第。


つまりですな、まあ自民党様におかれましては『「本人の考え方、政策的な問題、さまざまな見地を総合的に勘案して、と聞いている」』とまあ随分とアレな理由でして、アグレマンに対するペルソナ・ノン・グラータじゃねえんだから、もうちょっと説明しろやボケナスとか思いますけれども、まあそれは兎も角として、自由民主党様は「債券市場の機関投資家が高く評価するエコノミストは日本銀行の政策委員として不適切である」とまあ斯様仰せとの事のようでございまして、誠に恐れ入った事でありまする。少なくとも金融市場を知っている人から見たらこの言いぐさってただのインネン付けにしか聞こえないんですけどねえ。

まあ自民党様がそのように債券市場をご認識であらされる、という事は今回の行動によってよーく分かった訳でございまして、その調子で政権なんぞ取られますと、いずれ債券市場などというような物はケシカランとか言い出すとかまあそういう事でございますかそうですかいやあ困ったもんですなあ債券市場の片隅で飯を辛うじて食わせて貰っている身と致しましてはと、誠に遺憾の意に堪えない所でございます。


更にですな、

『反対の急先ぽうである自民党の山本幸三衆院議員は「インフレ目標政策に反対しており、日銀寄りの発言しかしていない」と指摘。みんなの党の渡辺喜美代表も、河野氏について国会内で一部記者団に「あまりにも役所寄りのスタンスが激しいので反対する」と語っている。』

とのことでございまして、まあみんなの党は所詮は(伏字)なのでどうでも良いのですが、自民党の山本幸三先生におかれましては「日銀寄りの発言しかしていないのでダメ」との事でございますので、これはつまり日銀ケシカラン死んで良しと仰っておられるという事でありますが、まあ山本先生が以前よりそのような話をしているのは別にまあ一つの見解としてそれはそれで別に全否定するような話でも無いですし(ただし最近の山本先生は以前と違って批判してくる筋が無理筋というか言いがかりレベルになっているのが気になります。たとえば輪番の償還乗換と新規発行国債の財政マネタイズを意図的に混同して「日銀は直接引き受け(償還乗換の事)やっているのだから復興債も引き受けろ」みたいな事を言い出すとかね)、批判が全くないのも不健全な話ではございます。

しかしですよ、その山本先生の見解に自民党が機関決定して乗りました、ってえ事はすなわち、自民党が政権与党になったら政治サイドから金融政策に干渉しまくりますよ日銀とは対決しますよと高らかに宣言したようなもんですわな。それが長い目で見てどういう弊害があるのかは歴史が示す通りじゃないかと思いますけどねえ。

#インフレ目標政策に反対云々がゴロツキの言いがかりレベルだろという話は先日書いたので割愛

いやね、日銀法改正でも何でもやりたきゃやればとは思いますけれども、どうせあんさんら日銀にあれやれこれやれとクレクレは言っても、結局その結果責任を取る気はサラサラなくて、上手くいかなかったら「日銀が下手くそだから悪い」とか言うんでしょとしか思えないですけどねえ。


つーことでまあ何ですな、前回の民主党による正副総裁人事でのゴタゴタも大概に酷くて、武藤さんは「財金分離」とか言い出して反対するわ、伊藤先生に至っては「郵政民営化に賛成だからどうのこうの」とかどこの与太者のインネンだよという感じではありましたけれども、政策スタンスがどうのこうのというような反対では無かったですけれども、今回の自民党、公明党の反対って「日銀寄りなのでケシカラン」とかいう話で、しかもその対象が「債券市場では高く評価されているエコノミスト」を捕まえて「政策スタンスに問題がある」だの「日銀寄り」だの言っているとゆーのが前回よりもある意味深刻なお話。

つまりまあ自民党や公明党は市場がどうのこうのとかどうでも良いし、政権取ったら中央銀行にバリバリ政治介入しますよ大喧嘩しますよという話をしているという点で問題がより深刻、っつーかお前ら政権取る気あるのかよ今からそんな宣言してと思うのですけどねえ。

いやね、これがまだ「証券業界などのような利害関係の強い所の出身者は不適切」とかなら理屈として判らんでもない(もちろん世界的にみたら「んなアホな」ですけれども)のですけれども、反対の理由があまりにも豪快過ぎてちょっと何だかな状態ではございます。

確かにそもそもはこの前の正副総裁人事でお縄一派が訳の分からない理屈にもならない理屈で人事に反対して政局にしようとしたという政局優先の態度を取った事が原因で、今回はその仕返しを受けているという図でもあるのですが、この事を別の角度から考察致しますと、選挙に勝つためには屁理屈で日銀総裁人事に反対してみたりというような目的の為にどんな筋悪の事でも行う、という行為に出て、更にはウソツキマニフェストで選挙に臨み、最終的に全てが破綻して政権担当能力の著しい欠如を垣間見せると共に国益を著しく損なうという誠に残念な政党と同レベルになってしまわれた、という事でもございます。まあ野党生活が長くなった結果として文字通り「貧すりゃ鈍す」を地で行く存在になられたという事でもありまして、こらまあ次の選挙で自民党に投票したらかつての民主党政権交代時の二の舞になるのが見え見えではございますなあ、と申し上げたくなる次第という事です。

正直、自民党には期待していたので、こんな所で政権取る気ありません宣言を見ることが出来るとは思いませんでしたよ本当にがっかりだわ。

#とまあそういう悪態ではございましたとさ。

しかしこの調子で産業界からの審議委員就任とか誰も受けないわなとか思うのでありまして、東電会長人事並みの罰ゲーム化とかオソロシス。まあ素人がなるのがケシカラン的な意見もありますが、逆に産業界の声を直接反映させるという発想があっても別にそれはそれで有りだと思うのですけどね。むしろ金融業界出身で、オペレーションとか短期市場とか債券市場とかの実務っつーかまあ実情の理解が中途半端に生半可の状態だと日銀ペースに乗せられてしまう恐れもありますが、産業界出身という一本の柱を確り持っていると、それはそれで日銀ペースと違う柱になって良いのかなとも思います。

まあこの調子だと2名欠員がしばらく続きそうですわな。大体からして「債券市場の評価が大変に高いエコノミストはダメ」とかなった日にはこら暫く市場からの審議委員ノミネートとか無理だろ(逆に次にまた市場関連の人をノミネートしたら、どういう反応をするのかね)と思いますし、実業界から出るとも思えませんとかなる訳で、さてどうなるんでしょうねえ。つーか審議委員決まらないと7名中3名が執行部になってしまいますから、ボードがより「日銀寄り」になっちゃうんですけどねえ(ニヤニヤ)。

#ああ悪態ばかりでこんなに書いてしまったorzorz

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2012/04/02

○何でこうなるのやらという感じですが(審議委員人事)

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M1OAFF6S972A01.html

『3月30日(ブルームバーグ):野田佳彦政権が国会に提示した、日本銀行の審議委員にBNPパリバ証券のチーフエコノミスト河野龍太郎氏を充てる人事案に黄色信号がともっている。公明、みんな両党が反対を表明、最大野党の自民党も反対の方向で調整している。』(上記URLより)

ということで、まあみんなの党はどうでも良いのですが、公明とか自民が反対するというのがワケワカラン。


で、公明党ですが・・・・・・

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M1OH696KLVR401.html
公明:河野氏起用反対を正式決定、考え方に異論−日銀審議委人事

『3月30日(ブルームバーグ):公明党は29日、政府が国会に提示したBNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎氏を日本銀行審議委員に充てるとする国会同意人事への反対を正式に決めた。河野氏の金融政策の考え方に党内に異論あるため。遠藤乙彦衆院議員が30日、国会内でブルームバーグ・ニュースに明らかにした。』(上記URLより)

・・・・・・・・「考え方に異論」って何じゃそらというか、ペルソナノングラータじゃねえんだからもうちょっと理由を説明してくれやという所ではございますが、いずれにせよ「金融政策にタカ派だから反対」みたいな話だとすればそれもまた不見識っつーか何つーかな話で、つまりハト的な金融政策を行って仮に副作用が出た場合は公明党さんは政治責任取ってくれるんですかと借問致したい訳でございます。

つーかさ、そもそも公明党さんの最大支持母体さんって今の計測方法でのCPIが+1%とか実際になった日には「物価上昇で庶民の暮らしが大変」というような話を真っ先にしそうなイメージがあるのですけれども、そういう意味ではいい度胸してんじゃんという気もするんですけど、まあ何にせよ他の党なら兎も角公明党がハト派じゃないから反対みたいな話をするとは意外、つーかその辺のコンフリクト判って話してるんでしょうねえとか思うのでございますけどにゃあ。つーかそもそも河野さんってタカとかハトとかあまり色が無い人なんですけどねえ(緩和的政策を野放図に長期化するのは弊害がって話を捕まえてタカ派とか言うのは言いがかりレベルだと思うのだが・・・・・・)。

あとですね、そもそも合議制でやっている委員会の人選なのですから、タカ派もハト派も居て多様な意見を揃えた方がよりチェック機能が働くと思う次第でして、「考え方が違う」と言って反対するという事は、それ即ち「日銀政策委員は全員同じ考えであるべき」という主張をしているようなもんで、どこの民主集中制あるいはファッショだよと思ってしまいます。つーか普通政府の委員とか諮問会議とかでも色々な意見の人を集めると思うのですけどねえ。まあそこまで言うなら公明党は金融政策に政治責取れるんかいというさっきの話に成る訳ですけど。

財政のサステイナビリティ確保への努力とか何もしないで垂れ流しを続けて金融緩和も続けろという話を延々として財政インフレとかになったらあんさんらが議員辞職してお詫びとか切腹してお詫びとかでは済まない位の大変なことになるんですけどねえ。


で、自民党に関してはさっきの最初の方の記事に戻りますが。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M1OAFF6S972A01.html
BNPパリバ河野氏の日銀人事案、同意に黄信号−自民も反対で調整へ

『河野氏起用に反対している自民党の山本幸三衆院議員は河野氏について「インフレ目標政策に反対しており、日銀寄りの発言しかしていない」と指摘。同党内では「否決すべきだと思って働きかけを強力にやっており、成功すると思う」と反対での意見集約に自信を見せた。すでに政務調査会や国会対策委員会幹部にも働きかけているという。』(上記URLより)

えーっと、そもそも「インフレ目標政策に反対しており」とは何のことだか意味が判らないのですけれども。河野さんのレポートとか全部を熟読して覚えている訳ではないですけれども、特段インフレ目標政策に明確に反対とかしていないと思いますし、大体からしていわゆる「フレキシブルインフレーションターゲット」っていう金融政策の枠組みってえのは主要国の金融政策の常識というか、政策の枠組みがそこに収斂されて来ているという状態であって、今さら「インフレ目標政策に反対」とかいう人居ないと思いますが。

そらまあ暫く前まで良く言われていた「裁量を排した金融政策運営」という意味でのインフレ目標だったら反対する人が多い、というか既にそんな運営で上手くいかないというのは英国を見れば一目瞭然(英国はもう2年くらいインフレ目標上回って物価が推移しているけれども、「見通しとしては今後低下する」というのを建前にして、実際には財政再建やら金融市場の安定化をサポートする為にも必要という認識でやっているのでしょうが、まあ金融緩和を継続しているけれども、これが裁量を排して運営しているとは普通思えませんわなあ)で、そんな政策を信奉していないとダメとかいうのであればそれはお前の方がおかしいわと存じますが、まさか山本先生は未だにそのようなカビの生えた政策フレームワークを信奉していないから反対とか仰っているのではないですよね。

大体からして、「インフレ目標政策に反対」だと、今の日銀の金融政策の枠組みが「インフレターゲットと呼んで頂いてもそんなに変わりはない(ただしフレキシブルインフレーションターゲットという話だよ、というころざんすわな)」という事なのですから、「日銀寄り」にならないと思うのですけどねえ、あっはっは。

つーことで、山本先生の反対運動の理由がどう見ても言いがかりというか、河野さんの主張のどこをどう理解すると「インフレ目標に反対」になるのかさっぱり分からない次第で、ゴロツキの言いがかりかよっつーレベルにしか思えない訳でございまして、まあ何というか「非理法権天」とかいう言葉がございますが、非は理に勝てず、理は法に勝てず、法は権に勝てず、権は天に勝てずと言いまして、まあ無理矢理の話であっても権によってああだこうだと出来るでしょうが、天道恐るべしとか思うのですけれどもねえ。

いやあのですな、公明党の場合は政策への考えがどうのこうのとかいう話ですが、山本先生の場合はどう見ても言いがかり(あるいは曲解)というのが凄いとしか思えない次第で、そんなんで良いのか自由民主党。

まあ何ですな、そこまで言うなら山本先生におかれましては是非とも日銀の審議委員になって頂きたく存じます次第。いやマジでそういう方が1名入ればそれはそれで(ちゃんと議論が成立すればの話ですけれども)面白い議論が見れて宜しいんじゃないでしょうか。

・・・・・・・しかしまあそもそもの話を考えると日銀正副総裁人事においてお縄一派がかつて政局にしようとして、財金分離とか難癖つけたのが事の発端(しかも自分たちがあれだけ財金分離とか言ってた癖にいざ与党になったらお縄一派の皆さんが金融政策にクレクレ言いまくるという見苦しさよ)で、その仕返しを受けているとも言えるのですけれども、野党生活が長くなって公明党や自民党までが同じような話を始めるようになるとは誠に残念至極でございまして、次の選挙で投票する先が益々無くなって参りましたとしか言いようがない(共産党は狂信的反原発なのでアンチビジネスにも程があるのでアタクシ的にはオミット)次第でございますなあという事でorzorz

まあしかしこの騒ぎで財界人とか審議委員の引き受け手が益々無くなりそうですなあ。

#ああ期初から悪態になってしまいました

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