金融政策概観(2010年度下期後半分(2011年01月〜03月))

なお、今期より海外中銀ネタは「海外金融政策概観」というコーナーに収録しますのでそちらをご覧下さい。

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2010年度下期前半はこちら

下期後半の見出し

2011/03/31「東電関連は波乱が続くが煽る馬鹿政治家は自粛して欲しい」
2011/03/30「末初国債買現先オペは大きく札割れ/東電国有化の話とか困ったもんで/産経電波浴」
2011/03/29「復興財源で増税とか国債引受とかが何で出てくるのやら」
2011/03/25「CP市場など落ち着いてきたようで」
2011/03/24「3MTB入札は順調で資金も回ったようです」
2011/03/23「計画停電の拡大/CP現先オペの実施/即日オペの縮小」
2011/03/22「協調介入実施/必要なのはきめ細かい供給/復興国債報道」
2011/03/18「為替市場で急速な円高が瞬間進む」
2011/03/17「20年入札と短国入札は何とかスルーしましたが朝起きたら円高進行とな」
2011/03/16「福島原発問題の深刻化というニュースから市場にストレスが掛かる」
2011/03/15「東北関東大地震を受けて追加金融緩和、意味合いは信用緩和ですね」
2011/03/09「須田審議委員の後任に白井早百合さん(元IMF)を指名」
2011/02/22「オペレーションに意図があるように見えるのはそもそものディレクティブが曖昧だからではないか」
2011/02/16「2月決定会合は超無難な結果に/英国インフレ率4%に上昇」
2011/02/09「名古屋選挙雑感/市場がマーライオンチックになっている件/オペが久々に札割れず」
2011/02/01「日銀がサイトリニューアル/オペは札割れするものの当座預金残高が減少しています」
2011/01/28「S&Pがソブリンを格下げしたので関連雑談を」
2011/01/17「引き続き厚め供給をアピールも微妙に不思議な短国買入スキップとか」
2011/01/14「とりあえず厚め供給の姿勢を見せましたが、前場の地合いはまだ疑心暗鬼モードでした」
2011/01/13「次の積み期間に掛かるオペレーションに注目」
2011/01/11「やっと包括緩和らしい動きになってきましたな」
2011/01/07「資金供給の効果で3か月TB平均落札貫禄の0.11%割れ」
2011/01/06「引き続き日銀の積極的供給が続く」
2011/01/05「年初早々資金供給オペ札割れ」

2011/03/31

○これまたただのメモ(東電関連雑談)

昨日何気に話題になっていたのは引け際の東電株の動き。引け際までS安絶賛特別売り気配4000万株売り超過になっていたのが何か気配分さっくり買いが入ったでござるの巻だったとか。何か凄いニュースでもあったのかよと思ったのですが、特に引け後新たなネタも出ていませんでしたな。強いて言えばこの辺りのニュースでございましょうかね。

http://www.47news.jp/news/2011/03/post_20110330184601.html
東電に1兆9千億円融資 大手金融機関が緊急支援

みずほコーポレート銀行が早速昨日5000億円融資したとの事ですけれども、まあ2兆円規模の融資を期内に実行という話は先週から出ていた話ではございましたが、その後政治方面で余計な雑音を出す人たちがいたので確かにまあ普通に無担保融資がすんなり出るもんかいなという懸念もあったかもしれませんな。メガ4行3行(追記:みずほはCBだけの参加ですのでメガは3行の間違いでした)に信託、信金中金と揃い踏みでご登場という事でありまして、政府が何かすっかり浮き足立っている中で民間銀行の方が基幹インフラを支えましょうという動きをしているという時点で今の政治のテイタラクがよく示されているというものですなあという感じであります。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aQ8C1wqSdh.Q
自民:東電の事業継続で政府系金融活用に言及−災害対策提言(1)

まあさよですな。つーか普通に今回政策金融公庫の危機対応勘定発動スキームだと思うのですけれども、いつになったら出てくるのやらという感じで。

昨日東京新聞の特報面(ネットには出ないので引用不能)で東電の賠償がどうなるという話がありましたが、そこでみんなの党の渡辺代表が思いっきりドヤ顔で「フットワークのある政治家ならまず最初に東電の国有化を考える」とか、原発事故の収拾に全力を挙げるステージで何をお前は清算主義の話をしているんだというご発言をして頭がクラクラして参りました。

いやね、そういう話は当面の危機が収まってからすれば良いのでありまして、そらまあ株式市場はその辺りを意識して動くのは仕方ないですし、別にそれに対して変な気休めを言わなくても良いとは思いますが、何もそこに燃料を投下するような発言をドヤ顔でせんでも良いと思うのでありまして、何かこの人本当に金融担当大臣やっていたのかよとゆーか、金融担当大臣やってて何の勉強をしたのだと呆れる次第でございました。てかサブプライム問題が発生した以降に何故か日本の金融市場が妙に貰い事故状態になっていましたが、金融担当大臣この人だったよなあとか思うのでありまして、もうアホか馬鹿かと。

ということで当時の参考URLでも(^^)。
http://hongokucho.exblog.jp/9081324/
http://ensaigaisai.at.webry.info/200807/article_9.html


そういえばあたくしの書き物で引用するのブルームバーグにしていますけど、やはりこいつら毛唐資本だけに日本の危機は他人事的な発想があるんじゃねえのというようなニュースの書きっぷりが時折見られる(英文ニュースで先週酷いヘッドラインのニュースがあったが引用するのも業腹なので引用しない)のですが、昨日のこの記事なんかもそうですなあ。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=alK65DGd4fSE
東電株は3日連続ストップ安、原発や国有化懸念−賠償10兆円とも(1)

ここでネタにされているBOAメリルのレポートはあたくしも読んだのですけれども(ちゃんとしたリサーチレポートなので引用はしません)、当該レポートの趣旨ってここの記事にあるような危機煽り系では全く無くて、趣旨としては「解決に数年かかるような最悪シナリオだと賠償が増える可能性も」というような話で、極めて冷静な分析をしているレポートだったのですけれども、「最悪の場合」って所だけ切り取って報道するとかどう見てもブルームバーグのニュース報道姿勢ってこの状況を面白がって書いてるだろと思ってしまいますなあとゆー所ではありますな。URL紹介でブルームバーグ使うの止めようかなと思う今日この頃。

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2011/03/30

○末初現先オペ盛大に札割れとな

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110329.htm

国債買現先 20,000 2011年3月31日 2011年4月1日

その結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110329.htm

国債買現先(3月31日スタート分) 604 604 0.100 0.100

2兆円のオファーに対して貫禄の600億円のオペ応札となりまして、末初の資金ニーズとかいう話ではありませんわなという素敵な状況に(^^)。

でまあ当座預金残高40兆円攻撃は引き続き継続しておりますのでコールレートの方もこの辺りの最近の実績をポチポチ叩くと判ると思うのですけれども、先週の水曜からコール加重平均は0.07%台に低下しております。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_m.htm

ただまあ現状ではディレクティブが0-0.10%となっておりますのでコールが0.07%になっても無問題というファンタスティックな状態になっておりますので別に下がって宜しいのですけれども、結果的には基金買入が拡大して量的緩和状態になるというのが一足先に来ましたよね、という状態になっておりますがな。

で、その量的緩和状態になってしまいますと、そもそも市場取引がシュリンクしやすくなる上に、今回の量的緩和状態においては預金ファシリティーという金利付きの量的緩和となっていますので、超過準備の保有コストが低くなっているっつーか市場取引するよりも預金ファシリティーに置いていた方がお得というお洒落な状態ですから、資金余っている人が預金ファシリティーの外側にいる人以外の場合は市場に資金を放出する必要がなくなります罠という傾向が更に強まりますな。

そーなりますと例えばGCで資金出しまひょかとなっても、預金ファシリティーを使うことが出来る人は純粋に資金運用の観点に立った場合は9bpだの9.5bpだのという資金を放出する意味が無い(オペ用担保のショートカバー以外でニーズが無くなる)ので市場取引そのものがヘロヘロになります。


・・・・・・・・となりますと市場機能がどうのこうのという論点からしますと現状ではまさに量的緩和の弊害状態ではあるのですけれども、まあ今回は震災非常時モードということでの対応でありますので、さすがに市場機能論がど〜のこ〜のという話が日銀から飛んでくるとは思えないのですけれども、ま〜現実問題として資金は対日銀でキャッチボール中になっていて、回っているという感じではないというのはその通り。

とは申しましても、じゃあ当座預金残高をホイホイ引いて通常運転に戻す事が出来るのかというとこれまた難しい面がありそうですし、何かこう足元の債券市場では特に長期から先の債券が日々頭重くてスティープっぽい動きをしているので、こーゆー時に下手に短期の所を引いて中短期金利を上昇させちゃうと債券市場全体の地合いを悪くしやすく、そうなって来ると日銀何やってるんだとか言われそうな悪寒が大変に強くするのでありまして、まー期初になってからの短国入札とかの動向やオペの札割れ具合とかを見ながら慎重に対処されることをあたくし的には願って止みません。つーかやはり震災前のように市場でバンバン回るということになるのは当分無理なんじゃないのと思ってますけどね。



○何でこう先の話が手前で出てくるのかね

昨日は読売新聞様がこのような報道を。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/business/20110329-567-OYT1T00042.html
東京電力の一時国有化案、政府内に浮上
2011年3月29日(火)03:03

そもそもは金曜の枝野官房長官の会見での賠償免責がどうのこうのという発言がきっかけなのですが、いやまあこの件はこの件で検討課題ではあると思うのですが、現状の東電周りの問題は福島原発をどうするかという話と、夏に向けての電力供給能力をどうするかという話、それから避難対象者の生活支援をどうするという話、そして補償をどうするとかいう話の具体的な内容が出るという辺りだと思うのですけれども、その具体的な話が出る前の時点で補償費用の負担問題だの国有化だのという話が出てくるというのは先走りにも程があると思うのですけど。何か「東電ケシカラン」という世間受け(いやまあケシカランのはケシカランですけどそういう話はまず喫緊の課題を片付けてからでしょという意味でありますので誤解なきように)方面に走ってしまうとは素敵な政治主導ですわと思ってしまいます。

何かね、先日来悪態ついている復興財源の話もそうなのですけれども(復興の話をする前に復旧の話が先じゃネーノとも思いますけど)、復興に対してやるべき事が何かという検討の前にいきなり財源論にワープするとか意味わかんないですし、政治方面が(統一地方選挙とかあって皆さんアピールしたいというのがあるのかもしれませんけど)妙に浮き足立って先の話が手前に出てくる状態になっているような気がするんですけどねえ。

という愚痴というか雑感でありました。


○久々に産経電波浴

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110317/fnc11031721570029-n1.htm
復興国債100兆円も可能 日本再生のチャンスに変えよ 編集委員 田村秀男

100兆円も可能とは大きく出ましたな。では以下『』内は上記URLから。

『日銀引き受けによる「復興国債」の発行は、場合によっては数十兆円規模でも十分可能だ。勤勉な日本国民が営々と築き上げてきた膨大な貯蓄が新規に創出される日銀資金を裏付けるので、円価値の信認を保てる。ちまちました規模でもたつくひまはない。』

『被災の規模や原子力発電依存のエネルギー・インフラの再構築を勘案すると、阪神・淡路大震災の復興対策をはるかに上回る財政資金需要が見込まれる。数兆円程度の規模に限定するなら日銀引き受けという非常手段をとる必要はない』

財政資金「需要」ってのが微妙に用語として違和感ありますが、まあ一応論者様も日銀引受は「非常手段」とはご認識のようで何よりです(^^)。

『例えば、戦後欧州復興のための「マーシャルプラン」の場合、米国が欧州の経済規模の2.2%を援助した。復興国債を10兆円発行しても日本の国内総生産(GDP)比でも2%強にとどまる。』

・・・・・・えーっと、第2次大戦で「本土が無傷だった」米国が欧州の復興、というのもありますけれども、米国の工業製品や農産物の巨大市場となる予定であり、軍事的な同盟国候補でもある欧州を国家戦略として支援しますというプランと比較する意味がよく判らない上に、「米国が欧州の経済規模の2.2%を援助」というのと復興国債のGDP比が2%強というのにどういう関連があって比較しておられるのかが低脳のあたくしには全く持って理解致しかねます。

『確かに、復興のためとはいえ、日銀がお札を発行して政府の財政資金を供給する政策はいかにも法外な非常手段だが、政府は国債の暴落懸念を引き起こさずに、100兆円を上限に国債の形で日銀から長期借り入れできるだけのゆとりがある。』

電波浴常連の皆様ですとお分かりと存じますが、この先生「お札を発行して」という表現が殊の外大好きのようでありますが、日銀が財政マネタイズするという事や、ただの市場への資金供給オペまで「お札を発行して」と表現するのは何なんでしょうかねえと不思議ではございますが、まあ何はともあれ100兆円の国債引受をしても国債が暴落しないという画期的な方法について先生のご高説を拝読したいものでございます。

『というのは、政府はこれまで国民の預貯金を100兆円借り上げて米国債を保有している。政府は必要なら、日銀に米国債を担保として差し出せばよい。米政府の了解は必要だが、米国債を売却する必要は全くないので、米金融市場の動揺を引き起こす恐れはない。米国の了解も取り付けられるはずだ。』(強調部分引用者)

・・・・・・??????????????

えーっとですな、「国民の預貯金を100兆円借り上げて米国債を保有している」とはどのような意味なのか不肖あたくし愚昧にして全く理解致しかねるのであります。まあ一億歩譲りますと、国民の預貯金を受け入れた銀行が国債を保有しており、その国債を原資として外国為替特別会計で米国債を保有している、という事なのではないかと無理無理解釈させていただきましょう。

ということで、そこの部分はまあ話が目出度く繋がったのでございますが、つまり政府が保有している米国債というのは、そもそも「借金した金で買ったもの」であるという事ではないかと思います。そうなりますと、田村秀男大先生様のやり方でファイナンスをするというのは「担保余力一杯一杯の全力住宅ローンで購入した住宅を担保に借金をしましょう」と言うのと同じ話で、その行為のどこがどうすると債務者の信用力の低下(=国債の暴落懸念)を起こさないのかが無知蒙昧のあたくしにとっては全く理解いたしかねるものであります。

つーかね、借金を例にするから例え話が穏当になるけどさ、この大先生の理論って「債権(または商品)を二重譲渡すれば金が倍額手に入りますよ」って言ってるのと意味は変わらないようにしか思えないという意味で何か物凄い行為の提案をしているようにしか読めないのですけれども、あたくしの理解ってどこか間違っておりますでしょうか??????


いやね、日銀の国債引受が未来永劫絶対ダメですよという話かというとあたくしも別にそうではないとは思っているのですが、「復興国債日銀引受」論を唱えている人たちの理屈が上記のようにあまりにも杜撰にも程がある上に、どっからどう見てもこの一発で済むとは思えないテイストを醸し出しており、歯止めが全然効きそうも無いという意味で全くもって信頼感が無い、というのがございますし、更に申し上げれば、やはり野放図な赤字国債乱発の歯止めとして市場消化というゲートウェイを一本かます(まあ財務省のこれまでの精緻な国債管理政策の成果もありまして、債券市場も何だかんだと言って消化能力がこれまた結構ありますけどね)というのは必要なんじゃないかな(財政インフレが起きて国民福祉的に誰も得しないでしょ)と思ってしまった今回の電波浴でございました。

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2011/03/29

○復興財源で今いきなり増税しちゃうの???

ブルームバーグニュースより。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=aWSeFCOs1DqY
復興財源確保へ与野党内に増税論強まる−臨時に消費税引き上げ論も

『「一年だけの時限立法、復興だけに使う目的税として消費税を2%程度上げてはどうか。約5兆円の増収になる」−。大震災から2日後の13日、民主党税制改正プロジェクトチーム(PT)の中塚一宏副座長は自らのブログで震災復興税の創設を提唱した。』(上記URLより)

ついにニュースのソースが議員の個人ブログになるのかと思うと胸の熱い展開でもございますが、いやあの「1年だけ消費税引き上げ」とかやると事務対応で社会的に掛かるコストが面倒な事になるような気がするんで全くお勧めできないような気が直感的にするのですけれどもどうなんでしょうかねえ。

ただでなくさえ経済に下押し圧力が掛かって企業収益に下押し圧力が掛かりやすい状態なのに租税負担の上に事務負担によるコスト増まで押し付けるとか意味がさっぱり判らんでございますが、まあ記事の中身を読みますと実際には消費税じゃなくて他の税で実施するという話になると思うのですけれども、いずれにせよ今の時点で増税っつーのも何だかなあな感じはするのであります。

いやまあいずれ税収の引き上げで何とかするしか無い話ではあると思いますけれども、今いきなり増税という話になると景気への悪影響懸念とかでただでなくさえ原発関連で株価がアガランチ会長な地合いなのですから、株価がアガランチでマインドも悪化とかしそうな悪寒が。まあ正直言ってこういう時は株価が戻ってくれるとかなーり雰囲気が良くなると思う(世間様は兎も角少なくとも金融市場的には)のですけど、何かどうも暗い雰囲気になるのは控えた方が宜しいのではないかってえ気がしますけどねえ。


○だからと言って日銀引受をする必要があるとは思えないのだが・・・・

先週金曜ですがブルームバーグニュースから。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=ahye07G6Aevs
与野党:復興財源で日銀に圧力、是清流の国債直接引き受け論浮上(1)

えーっと金曜は日銀引受論で月曜は増税論ってどっちなんですかと申し上げたい所ではございますけれども・・・・・・

『 「財源は日銀による20兆円の国債引き受けしかない。デフレの時に増税なんてできるわけがない」−。自民党の山本幸三衆院議員(元経済産業副大臣)は21日、ブルームバーグ・ニュースの電話インタビューで日銀引き受けの必要性を訴えた。』(上記URLより)

えーっと、復興財源を増税で賄うのが反対というのには同意なのですけれども、そもそも20兆円も財源必要なのか???というのが不思議でございますが、まあ20兆なら20兆でも良いですけど、通常の国債市中消化額から考えたらまあ20兆の増発が市場で受けられない訳じゃない(さすがに20兆だと需給にはそこそこ影響あるかもですけど)ですし、日銀引受をするとなると「市場が消化できないから日銀が引き受ける」という認識になって却って状況が悪化しますがねえ。

『こうした考え方に対し、山本氏は21日のインタビューで「日銀引き受けすれば円高対策にもなる。引き受けでインフレが懸念されるなら、それこそインフレターゲットと組み合わせて抑えればいい」と主張。』(上記URLより)

・・・・・えーっと、あからさまな財政マネタイズという強力な信認を落とす政策を実施している中で「私たちはインフレターゲットを実施するからそれを信じなさい」と言ってそれが信用されると考える方がおめでたいと思うのですけれども、何を考えているんでしょうかねえ。そんな器用なこと出来る訳無いじゃないと思うのですけれども、インフレターゲットで制御しろって結局日銀に丸投げにも程がある話で、政策論議として無責任にも程があると思いますがねえ。

でもって更に不思議なのはこの辺りの国会議員先生が国会に白川総裁を呼んで国債引受に関して説明を求めること。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aatwo3EPGHnk
日銀総裁:財政ファイナンスと取られると通貨の信認失う−国債購入

『3月25日(ブルームバーグ):日本銀行の白川方明総裁は25日午後、衆院財務金融委員会で、「どの中央銀行も、国債の買い入れが財政ファイナンスと受け取られると、通貨の信認が損なわれる」と述べた。』(上記URLより)

つーかさ、財政法で禁じられている事に関して日銀総裁を呼んで問い詰めたところで、逆に「日銀としてが国債引受が必要と考えている」とか総裁が発言したらそれこそ越権行為というか法の矩を越えた発言にも程がある訳で、そんな発言させようとするのが意味判らないんですけど。愛国無罪じゃないんだからさあ。

てかね、国債の日銀引受をどうするかという話って立法府マターであって、そんなに日銀引受やらせたいんでしたら議員立法でも何でも宜しいからちゃちゃっと国会で議決したら日銀は国会の議決どおりに引受を実施するだけの話だと思うのですが、どうも「引受でインフレが懸念されるならインフレターゲットをやればいい」などと仰せになっている所からしますと、この人たち責任を自分たちで取る気はサラサラ無くて、引受及びその後の展開に関して日銀に全部責任をおっかぶせる気がマンマンとしか思えませんな。

別にね、震災復興という明確な目的があって、かつ今後その発行が野放図に拡大する事が無い、という明確なビジョンが示されているのでしたらば、今の債券市場で単発10兆円(20兆円でも本質的な大問題が起きるとは思えないが少々インパクトあるかもしれませんな)程度の国債増発してもそれで長期金利が急上昇してエライコッチャとかなるとは到底思えない訳でして(逆に言えば復興名目で歯止め無く赤字国債の乱発が続くというような状態になったらオラシラネという事でもあります)、何で「増税か日銀引受か」という二項対立になるのかおじちゃんサパーリワカランチ会長でございまする。

あたくし的には子ども手当てだの高校無償化だのというのを削って予算組み替えを行った後、足りない分を国債増発で賄うすか無いんじゃないですか、と思うのですけれどもねえ。

・・・・・つーかね、不思議で仕方ないのですが、復興事業内容の話が出てくる前に何で財源話でこんなに盛り上がらないといけないのか(そもそも必要な事業がどの位あってその総額が幾らあるのか、という話から始まって財源との見合いで事業規模をどう調整するか、という話になるんじゃないの?????)と思う次第でありまして、まあそもそも復興国債日銀引受何ちゃらで話が妙にそっち方面で盛り上がったからだと思うのですが、何か不毛な二項対立ですなあと思う今日この頃でございまする。

で、先々週の産経電波浴でもやろうと思ったのですが、時間が無くなったのでまた明日(^^)。

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2011/03/25

○CP市場など落ち着くでござるの巻のようで

昨日の市場ちゃんですが、2年国債入札もまあ順調(ちょっと前場は押してみましたが、結局平均は前場引けのオファーサイドで決まってその後セカンダリーも順調)でしたし、1年ゾーンとかも日本相互証券さんの引けベースでも軒並み1毛強という状況となっておりまして(実力はもうちょっと強いと思うが)、震災明けの月曜にはFTQ的な買いで強くしたものをその後FTQじゃなくてキャッシュ選好の間違いではないでしょうか的な短期ゾーンズタボロモードにして一気に雰囲気を悪くした流れがやっと反転した感じを漂わせて世のため人のためには誠に結構な展開。

・・・・とは言いましても原発とか停電とか余震とかでコロッと変わるリスクは常にあるのですけど、まあそれはそれと致しまして。

んでもって前の日も書きましたけど、足元で資金動向が見えてきた感じの人たちが取りあえず短期部分の余資を単純に抱え込んで日銀当座預金に放り込むだけではない動き的なものも少々は出ているような気もせんでもないというテイストでありまして、昨日はスポットが28日スタートになりますのでそこそこCPの発行もあって、そのレートも前日に続いて低下傾向。一番雰囲気が悪かったのが概ね先週の水曜〜金曜あたり(CP入札は基本的に前場に行われるので、昼以降の相場変動は翌日以降に影響してくる)だったかなあと思いますが、その辺りから比較すると5bp以上は状況が改善しているイメージでござんして、まあ世のため人のためには大変に宜しい事ではないかという感じではございます。

ということで、超短期の所はややマシになってきているような感じ(まあそうは言いましてもリスクアペタイトが完全復活している訳ではないのでCPなどのクレジット物は震災前水準に戻っている訳ではない)ですし、短国に至っては業者のショートカバーでの出合いとは言え新発3か月で0.10%割れとか出合ったりする有様(いやまあそれは限界的な話で実際に投資家がそこまで買うのは特殊な事情が無いと進みませんけど)となっております罠。

ただまあ一方で例によって例の如く債券先物の売買高は低調ですし、中長期債の方は相変わらず流動性が低い的な相場展開を示しているようで、その辺り両方見ていると、温度差を思いっきり感じると同時に、さてこの温度差どっちに収斂されるのでしょ、というのも気になるところではございます。

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2011/03/24

○短期周りの市場雑感

昨日は即日オペ無しとなりました。まあ前日の朝一恒例の即日オペが応札1300億円しか無くて、更に一日終わってみたらコールの加重平均が0.084%と順調に低下していましたし、22日の国債大量償還によって資金は益々潤沢になったし、という所で朝からコールの気配7bp近辺とかでしたから即日スルーの巻。

でですな、その後のスポネ国債買現先オペもいい感じで札が少なくて、前日はしっかり入っていた応札(前日は2兆円のオファーに対して20598億円の応札)だったのですが、今日はあっさり味で9417億円の応札(なので札割れ)となりまして、こちらも資金が充足してきた感じを示すのでありました。

・・・・という事で、前日の2か月TB入札は0.12%乗せの水準でやっていた短国ちゃんなのですが、3か月TBの入札結果はご覧の通り。

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul230323.htm

(3)募入最低価格 99円97銭0厘5毛
(募入最高利回り) (0.1183%)

(5)募入平均価格 99円97銭1厘6毛
(募入平均利回り ) (0.1139%)

・・・・・うーむ、これだと震災前の水準と変わらないのだが(^^)、などと思っていたら、やはり人によっては予想以上に強かった(まあ2社程どどーんと落札されて居たようですのでその人たちに取っては予想通りですが^^)という結果だったようで、セカンダリーではショートカバーも入って0.085%をマークしたとかいう報道がございましたわな、オソロシス。

昨日は前週までの資金動向読みにくい状況から、原発関連ニュースもやや落ち着きを取り戻した(と言いつつ昨日の午後に東京の水がどうしたこうしたという話が出てきましたが・・・)事や、22日の国債大量償還(およびオペ残高の拡大)によって目先の資金が見えてきて、今度は資金が余ってきましたなモードになった事などから、やっと資金運用というか資金潰しの動きが顕在化してきた、という所なのでしょうかね、よー知らんが。

それから、TBに関しては期末期初の関係上昨日の入札(発行日は来週月曜)が年度内最後の入札でして、短めの短国で期内の資金を潰すということになりますと、ロットで確保するタイミングが昨日の新発が最後という事になりますので、まあ資金使えますねという人の動きが出てきて、そもそも資金が無い訳でなく、リスク回避(株価だの為替だの原発問題だのに起因する)で固まっていたというのもありますので、凍っていた土がいきなり溶けて泥濘状態になってしまいましたなという後付講釈になるのでありました、って後付の話をしても意味は無いですかそうですか。

CP発行レートちゃんも同じような感じで低下したみたいで、情報ベンダーのニュースによると4bp低下とかいう話ですが、体感的には3bp前後下がったという感じではないかと思いますが、まあこの辺は色々とよーわからんすが、とにもかくにも買いが入ってレートが下がりました(と言いましてもこっちは震災前の水準から見たらまだまだレートは高い状態ではあります)という事で。


てな訳で、とりあえず昨日の市場状況(ただし短期周りの一部)を見ますと、震災後起きていた「皆さん揃ってまずは資金を抱え込み(「資金の買い溜め」と言った方が適切かな^^)」という動きが一巡し、とりあえず落ち着いて来たので出せるものは出しますか的な感じになってきているような気もしますが、さりとてGCが市場でバンバン出合っているとかいう訳でもない(今はそもそもGCで取らなくてもオペで取れているというのもありますけれども)ですし、まあこれは短期とは違いますけど、債券市場でも先物の出来高とかまだ少なめではございますので、平常運転からはまだ距離のある話だとは思いますが、とりあえず目先のストレスはやや緩和されたのではないでしょうか、と勝手に思っていますけれども実際どうなんでしょうかね。

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2011/03/23

○計画停電夏は拡大ですかそうですか

http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011032300002
計画停電、夏も不可避=より大規模の可能性−東電

まあ真冬じゃないのにこの状況ですから夏の計画停電拡大になっちゃうんでしょうなあとは漠然と思っておりましたが、これはまたorzな。あたくし数年前の猛暑(盆の辺りに連日昼35℃夜30℃とかだった時でしゅ)の年に家の冷房が故障したのですが、修理さぼっているうちに猛暑が到来しまして、まあ軽い気持ちで物は試しだと冷房なし生活をしたのですが以下省略。

#その後翌春に修理をお願いしたのは言うまでもありま千円

でまあこうなって来ますと復興需要でどうのこうのという話はあるにせよ、その復興に対して電力供給がボトルネックになってしまいますよねということになってきそうな悪寒がする訳でございます。まあ関東東北における電力供給制約という供給制約型の経済状況の変化が現状で起きていると考えた場合、阪神淡路大震災の時と同様に考えるというのもちと違うんじゃネーノという感じもしますので、シナリオをどう考えるかとかムツカシヤかなと存じます、はい。

○CP買現先オペ久々の実施とか

昨日の日銀オペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110322.htm

CP買現先 3,000 2011年3月24日 2011年4月6日

・・・・・ということでCP買現先オペ久々の登場でござるの巻であります。どの位久々かと申しますと、直近でCP買現先の残高があったのが昨年の4月28日のエンド物でありまして、スタート日で一番直近なのが昨年の3月29日スタート(なので3月25日オファー)という事で見事に1年振りのオファーと相成りました。

えーっとですな、まあ短期周りの方はご案内の通りだとは存じますが、何せ足元の状況は(今週になってやや改善傾向になっていますが)日銀がオペで資金供給してもその金が中々オペ先から外に染み出してこないという大変に遺憾な展開が続いておりまして、その結果としてあたくしの駄文でも日々同じような話が続くという壊れたレコード状態になっていた今日この頃なのでございまして、その状況を緩和すべく日銀のオペレーションで1年ぶりのCP買現先を実行したという話と推察しますが如何でしょうか?

で、その結果はこの通り。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110322.htm

CP買現先 4,590 2,860 0.140 0.164
左から順に、応札額、落札額、足切り利回り、平均利回り、となっておりますけれども、一応CP現先オペだって日銀担保適格銘柄を対象にしての資金供給オペの筈ですから、担保掛目の事を考えても平均0.164%はどうなのよという感じでございますなあという結果。

ま、CPの場合は在庫持っているのが基本的に銀行さんか短資さん(証券さんも持っているが基本あまり持たない)だと思う、というか圧倒的に銀行さんとこで持っていると思うのですが、まあその行内仕切りレートの問題とか、オペで入れた場合の資金は誰のものとか、いろいろと大人の事情があるのではという所ではあろうかと存じますが、それにしてもここまでレートが高い(共通担保オペに入れに行けば0.10%でファンディングが付くのですから)というのはナンデデスネンという事を推察するに、まあCPの在庫がちょっと多めになっているのでしょうなあという所が推測される所であります。

#というかそういう状況だからCP買現先を実施したのですが

でね、このCP買現先ですが、基本的に現先一本打った位でCP市場のファンディングが軽くなって業者(銀行ですが)がCP在庫を増やしたくなる、などというような甘い代物ではございません(筈なのに以前「CP買現先オペはCPレートを引き下げる効果があった」とかドヤ顔で日銀レビューが出たときにはさすがに如何なものかと思ったわけですがまあいっか)のでありますが、日銀が「CP市場の動向も注意していますよ」とアナウンスするという意味は無かったような有った様なという所でござんしょうかねえ。

つまりですね、先週月曜の追加緩和では「リスク性資産の買い入れを拡大」したように、今回の東北関東大地震後の市場においてまず喫緊に必要な「緩和」は「量的緩和」ではなくて「信用緩和」である、というのはあたくしここ数日しつこく申し上げている通りでございますが、日銀も今回の追加緩和においては「信用緩和」的な色彩の濃い動きをする事によって、市場の沈静化を図ろうとしている、という意味が昨日のCP買現先オペには含まれていると思われます。

ただまあ現先やっても本質的な意味でのリスクエクスポージャーが落ちる訳でもないというのが残念なところでありますので、ここは一発基金オペで追加したCP買入をバシバシと打って頂いて、期末に向けた過剰な金利の跳ね上がりを防止するとなおお洒落ではないか(昨日も書いたが、こういう時に「市場機能がどうのこうの」とか言っている場合ではないので買うならホイホイ買ってしまえばヨロシアルね)と思うのでありまする。

しかしまあ何ですな、この「包括緩和」ってのもコウモリというか鵺みたいな概念でありまして、基金買入における購入等となる対象資産によって、買入拡大の「追加金融緩和政策」が「量的緩和」なのか「信用緩和」なのかを使い分ける事ができるのねと思う次第でございまして、まあ何つーか都合よく出来ている概念ですわなあとか思いながらも、「基金の配分をいじることによって量的緩和にも信用緩和にもなる」というのはこら短期周りの人間とか趣味の日銀かんさつにっきでも書いている人ならば概念として理解できますが、一般ピープル(というか債券市場の人でも)には中々伝えにくい概念ですわなあと思うのでありました。


○更に短期ネタだが今日は即日オペがだいぶ減りましたな

さっきのオファーの所とか落札の所とか見ていただきたいのでありますが、昨日の日銀オペでは共通担保全店オペの即日スタート物が2兆円のオファーに対して応札額は1300億円ぽっちとなりまして(当然全額0.10%で落札)、その後もコールレートなどが落ち着いていた事もあってか、先週のような即日オペ乱打もなくそのままスルーしていきましたがコール平均は0.084%に低下。

特に今日は四半期20日お約束の国債大量償還日に当りまして、そのため国庫からの国債償還金要因によって財政は速報ベースで9兆1000億円の払い超となっておりましたが、まあこの国債償還金も入ってきましたので、短期金融市場に回せる金も出てきてもおかしくはない(ただし相も変わらず銀行セクターからはあんまり資金が出てこないようですが)というのと、元々この日にあったオペのエンドとかもジャンジャンロールしてしまったので業者のファンディングにもやや余裕が出てきたというような要因もあったと思いますけれども、そんなこんなでツンドラの永久凍土を思わせる資金の動きの悪さが徐々に改善に向かっているという所かと存じます。

それにしても昨日は速報ベースで日銀当座預金残高が何と41兆6200億円と空前の残高になってしまった訳ですが(実は今日の方が予想段階では当座預金残高が拡大する)、その結果準備預金の積みは絶賛大進捗して明日以降の残り積み所要積数を1日辺りの数字に直すと18300億円(ちなみに今積み期の所要は1日辺り52500億円)まで来ておりまして、今回の積み期間で絶賛大ブタ積み発生が確実視されておりますわな。

まあこの非常時にトン調節とかやっている場合ではありませんので別にこれはこれで当然の流れではあるのですけれども、逆にここまでジャブジャブにしてしまうと、引くのがまた難しいかと思われます。と申しますのは、何せこの市場にストレス掛かり状態というのはまだ続いている訳でして、そういう状況下において「市場機能重視」みたいな事を始めますとストレスがそのまま価格形成に反映し、その結果更に市場のストレスが自己実現的に拡大するというリスクがあるっつー状況でもある訳で、変に慌てて調節を引きだしますと、その暴れん坊将軍の市場に点火するリスクがあり、まあそんな事をこの非常時にやらかしたら打ち首獄門扱いになってしまいますから難しいですなあという事でありまする。

でありますので、どっかのベンダーで「日銀の資金供給が市場に安心感を」みたいなコメントを見たような気がするのですが、そらまあ日銀のオペ先の範囲内は適格担保の範囲内で資金が回ります罠という風情ではございまして、昨日は財政要因で資金がどどーんと出てきているからそらまあ即日オペのニーズが減りましたけど、肝心のオペ先の外側に資金が回らないと政策効果が発揮できませんので、そーゆー観点からすると市場のストレスが解消されるまでは頑張って供給をお願いしたいという所でございますわな。

じゃあ市場のストレスがどういう数字見てたら解消されたとか判るのかと言われますとこれまた難しい所でありますが、まあいずれにせよ当面はオペジャブジャブ攻撃を継続し、GC市場あたりで資金がもうちょっと動くようになる(銀行さんがGCの資金を出すようになる)と緊張感も緩和してくると見れば良いのかなあ、などとちょっと思ったのでありまする。

ちなみに、まあどうでも良いのですが、あたくしが手元で集計している(単にエクセルで計算させているだけ)オペ残高ですが、昨日は共通担保全店オペ297000億円、基金オペ(固定金利資金供給)228000億円、国債買現先オペ20000億円と、全部足すと60.5兆円という膨大な額に。これに成長基盤強化が入って各種の資産買入もあるのですから、まあ凄い額になってしまいましたですなあという所でしょうか。

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2011/03/22

○協調介入キタコレ

http://www.boj.or.jp/announcements/press/danwa/dan1103a.htm/
総裁談話

『日本銀行は、為替市場におけるG7各国との協調行動が、為替相場の安定的な形成に寄与することを強く期待している。

日本銀行としては、強力な金融緩和を推進するとともに、金融市場の安定を確保するため、今後とも、潤沢な資金供給を行っていく方針である。』

でもって野田財務大臣と白川総裁の会見は以下の通り。

http://www.mof.go.jp/kaiken/my20110318-1.htm

で、会見から。

『(問)  対象はドル・円ということでよろしいでしょうか。
(白川総裁)  そうです。
(問)  日本国債の購入などについて、他のG7の国から対応するというような。
(野田大臣)  そういう議論は今日はしておりません。今日はあくまで為替市場に対する対応です。』

ほうほうという感じでして、朝の9時から一気にドル円は79円台から81円台後半に上昇しまして、まあその後は海外時間でもBOEおよび欧州各国の中銀(ECBじゃなくてブンデスとかフランス中銀とかが個別に介入したのがちょっと驚きでしたが)の市場介入がありましたが、まあ欧州的にはリビアの方が金曜には大騒ぎだったかも知れません(金曜の日本時間に国連安保理で飛行禁止区域の決議をしてましたな)。

ここの会見(の一部)にありますように、介入の対象がドル円みたいなのですが、BOE辺りはどっちかと言えばインフレ抑制でポンド買い介入を堂々と出来ればオイシかったのではないかと思うのですが、介入は全部ドル円だったのかそれともユーロやポンド建もあったのかはよくワカランチ会長のようで。

http://www.mof.go.jp/kaiken/my20110318-2.htm
こちらは閣議後の野田財務大臣の会見。

『(問)  その介入の対象の通貨ですが、先程ドル円というお話でしたが、これは欧州とかカナダも同様にドル円を対象にやっていただくという。

(答)  基本的にはドル円でありますが、場合によってはECBはユーロもやるかもしれません。これはあまり私が確定的に申し上げることではございません。』

だそうなので、英国とか欧州はポンドなりユーロでやったのかも知れませんな。



○金曜の相場備忘録、あるいは今求められる資金供給は「潤沢」よりも「きめ細かい」供給という話

金曜はと申しますと、朝の段階では木曜午後の海江田経産相のフルーツバスケット攻撃によって何かこう慌しい日になった翌日という事で前日までに戻ってきた人とかの流れが再び落ち込んできたのもありますし、何となく落ち着かない朝でしたが、G7で為替協調介入発動という事で、単独じゃなくて協調介入というのはさすがにインパクトありましたし、福島原発問題に関しても水曜辺りまでの「もう何か良く判らないけど大変みたいだよ」状態の話から、徐々に電源工事だの放水活動だのが進んでいる(関係者の皆様のご苦労に感謝であります)という話が増えてきた事もあって何となくその辺りも落ち着きを与えたのか株価の方が上昇傾向に。

ということで、まあ為替の無茶振りと株の底抜けが一旦落ち着いたという事によりまして、債券市場の方も金曜はあまり無茶振り相場にはならずという感じだったようですけれども、まーそうは言いましても先物売買高14377枚とか取引自体が多い訳でも無く、ちょっとした売買で値が飛ぶような感じのようで、まあ引き続きまだまだ通常モードに戻るには時間が掛かるという所では無いかと存じます次第。

現状では災害の様々な影響(被災地での銀行券需要という直接的な部分に加えて、計画停電や交通機関の減便などによって、直接的な被災地以外でも予備的な銀行券需要が高まる可能性があるとか)によってどのような感じで資金が出て行くのかとかというような事が読みにくい事もありますし、今後の災害復旧に向けた動向も読みにくいし、被災地以外でも停電等の影響によってあまり余計な取引をしないようにという意識がどうしても起きてしまう(鉄道の減便によって事務方の人員が不足してたり、早く帰宅させるように動いていたり、さらには木曜のように急に早く帰るようにというような事も起こりえるし)、更にまた間の悪い事に多くの日本企業の決算期末に当っている事もあって、取引そのものが普通にしていても低調になりやすい所ですので、どうしても取引が薄くなってしまいがちですわなという事で。

で、現状では日銀が絶賛資金供給オペレーションによってその辺りを補強しているのではございますが、結局のところ日銀が取引の間に入ってどうのこうのが出来るのはオペ先であり、オペの適格担保の範囲内の話でありますので、これは先週末も申し上げたように、日銀におかれましてはオペ先の所だけはなく、オペ対象の外側の市場動向とか、適格担保の外側(つまり無担保市場)の動向とかも注意して頂きたいと重ね重ね申し上げる次第でございますです、はい。

つまりね、さっきの小見出しの所で書いたんですけれども、「潤沢な資金供給」はそらまあ重要でありますけれども、何せ現状はそのオペ先から外に出る資金というのが依然としてあまり多くない状態になっている訳でして、それは別に個別金融機関がケチだからとか言うのではなく、色々な意味で不確実性が高まっている上に、余計なことに決算期末要因がぶつかって資金が市場でいい感じでグルグル回るという風になりにくくなっている訳ですよ。従って、短期市場への目配りという点で言えば、単に量を出せば良いという話でもなくて、やはり信用緩和的な政策、つまり今般実施を決定した社債やCPの買入追加を前倒しで実施して行くというような動きとかのような「きめ細かい」資金供給、というか信用緩和政策的な動きが必要となっていると思います。

まあこういう時に「市場機能論」とか言い出す馬鹿は居ないと思いますが、市場機能重視でとか寝ぼけた事を言っていますと、こういう時には市場が無駄に暴走するリスクがあり、そのリスクを増幅させるだけの悪影響しかないという物であることは、リーマンショック後の国内市場の動きを思い出せばお分かりの通りでありますし、そういう時には変な原則論が無意味である、というのは米国の実施した前提に無理のあるストレステストに関して皆がそのストレステストのインチキな前提条件(失業率とかの前提無茶だったですよね)を敢えてスルーする事によって当面の危機をスルーした事によっても示されていることではないかと存じます。

何か最後の方は判ったようなわからんような話でどうもすいません。


○復興国債報道に関して

金曜の朝のニュースで産経新聞が独自に産経クオリティを発揮したニュースがこちら。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110318/plc11031801100004-n1.htm
10兆円規模「復興国債」発行へ 全額日銀が引き受け
2011.3.18 01:10 (1/2ページ)

で、この記事は産経だけが書いていまして、その後主要閣僚から思いっきりダメ出しされていましたので、まあどう見ても飛ばしです本当にありがとうございましたという風情です罠。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aqKKBb1oNU04
与謝野氏:「あり得ない」、日銀の国債直接引き受け報道−震災復興(2)

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=an5rOqbCTkBw
野田財務相:日銀の直接引き受けには慎重な検討必要−震災国債報道で

ちなみに野田財務相の発言は閣議後記者会見のものでして、こちらでも内容を確認する事ができます(質疑応答の最後の方にあります)。

http://www.mof.go.jp/kaiken/my20110318-2.htm

・・・・・・えーっと、そもそも単発10兆円増発でしたら10年までの各年限1000億円増発して残りを短国で出せば普通に捌けると思うのですけれども、それをわざわざ日銀引受にしないといけない理由が良く判らんですわな。しかも如何にも「どさくさに紛れて実施します」的な感じの記事内容でありまして、しかも産経だけが報道とか何でじゃろと思ったら、この記事が出た時間のちょっと前にいつもの編集委員がこんな主張をしているのでありました。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110317/fnc11031721570029-n1.htm
復興国債100兆円も可能 日本再生のチャンスに変えよ 編集委員 田村秀男
2011.3.17 21:56 (1/2ページ)

・・・・・また内容がツッコミ所多数で爆笑を禁じ得ないのですがそこはスルーしまして、産経新聞さまにおかれましては、自分のところの編集委員が「こうあるべき」と考えた事をあたかも既成事実のように報道することによって「報道による既成事実化を図った」という事はなかろうかと思いっきり想像したくなるのでありますが、まさかそのような報道機関としてあるまじき事をなさっておられるとは到底信じ難い所ではございますけれども、ちゃんと裏づけ調査して報道されているのであれば、他紙の追随とかもあるでしょうし、主要閣僚が全面否定するとかも無いような気が致しますがどうでございましょうか。

このような非常時において、報道機関としての確固たる立場を持っておられる機関が裏づけの乏しい情報で報道を行うというのは、流言蜚語によるパニックを煽るような事にも繋がりかねない(大正時代における関東大震災のように)訳であり、特にこのような時こそ報道の内容について真剣な精査が必要であると思われるのですが、然るに、自分たちの主張を既成事実のように飛ばし報道をする事によって自分たちの主張の実現を図ろうなどというのは、報道機関として、というより人間としてもはやあってはならない事でございますので、まさか産経新聞社様がそのような新聞社であるなどとは思いたくはございませんです、はい。

ちなみに、田村編集委員様の提言の方ですが、ツッコミ所が鬼のようにあって頭がかなりクラクラするのですが、今度ヒマなときにツッコミ力の勉強がてらツッコンでみようかと思います。

まあ普通に国債増発は不可避でしょうけれども、そこは緩和的な金融政策を続けることによって対応すれば、少々の「単発的な」国債増発は市場で消化できますし、今回の震災の影響が日本(だけではなく多分国外の製造業にも影響すると思われるのだが)の供給ショックに繋がっていく話でありますので、あまり詰めない形で「国債の中央銀行引受」という派手なことを行って供給ショックによる物価上昇に加えて長期金利上昇などを引き起こす事も無いと思いますがどうでしょうかねえ。

それから、もし「復興国債」というのを別名目で出すのであれば、それこそ個人向け国債でちょっと利率高くして途中換金の制限を厳しくするというような形(だけでなく商品性は色々と考えられますけど)で発行をすれば義援金は出さないけれども復興国債なら買うってえ人が出てくるんじゃないですかねえ、と思いますけどにゃあ。

まあ結論からしますと「こういう時に大して裏も取らない報道するのは場合によってはテロ行為に等しいのであって、スクープ狙いとかお馬鹿な事は止めて欲しいし、更にもし『記事を書くことによって自分たちの主張を既成事実化しよう』としているのであれば、最早報道機関というよりは人間としてあり得ない行為ですなあ」というのが金曜の記事およびその後の反応見たときの印象でありました。

まあこの記事に関しては記事内容がそもそも柔らか過ぎる上に、書いたのが産経一社だけで他社の追随無しという事で、どうせ飛ばしでしょとばかりに債券市場がすっかりスルー状態で全然反応していなかったのが産経新聞社涙目の展開とも言えましたけどね。

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2011/03/18

○ということで昨日の市場メモ

朝起きたら為替が79円台とかになっていて「福島原発問題の深刻化を受けて安全資産の円への買いが高まった」とオモシロ解説をする某経済クオリティ番組などがいましたなあとか昨日は書いたと思いますが、その後朝7時過ぎ位になってみるとドル円が77円とかイミフの展開になりまして、結局76円前半(ベンダーによって25銭という所と36銭という所がある位のカオスっぷり)まで行った後で反発して朝の8時40分ごろには79円台まで戻すという豪快なカオス状態。

えーっとですね、こんなのがリパトリのフローによるものの訳は無く、そもそも時間がシドニーだかウェリントンだかの板のスッカスカな中での話でありまして、どうせオプション引っ掛けて強制ロスカットさせようとかいうような動きが打ち込まれたという事なんでしょと思うのですが、あたしゃ為替の事はよー知らんけえ詳しい人に聞いてつかーせとゆー所でありまする。

#もちろん、材料が「日本の原発での放射能漏出」なので円を安全資産だと思って買っている訳ではございません

#ちなみに、この為替水準を見てどうせ介入するなら米国債なんて屁の役にも立たないものじゃなくて救援物資や燃料を兆円単位のドル建で買ったら凄いことになるのではないかなどと訳の判らん妄想をしていたあたくしは連日の相場とニュースで頭が沸いていますかそうですかorz

まあそんなこんなで株は下落スタートだわ債券はまたまた上昇スタートだわということになったのでありますが、140円35銭(+63銭)で寄り付いた後は基本的には売りに押される展開。イールドカーブ的には超長期債の大逆襲が今日も続くでござるの巻というような展開になったようで、先物が押し込む中で超長期ゾーンのビット確りの展開。

で、昨日については原発関連のニュースでは寄り前に米国のなんちゃらとかいう所が日本在留中の米国人向けに福島原発の半径50キロ圏内から退避を検討するようにとアナウンスしたとかしないとかいうのがマインドを冷やしやがるニュースでございましたが、場中のニュースではここ数日のように「何か片付いたと思ったらまた更に悪質っぽいネタが出てくる」みたいな負のスパイラルのようなニュースもあまり見当たらず(すいません、正直言って原発関連のニュースヘッドライン見るのがストレスなんでそんなにきちんとフォローはしてないですが、多分市場がどどーんと反応するようなネタは無かったと思います)とゆー感じでありまして、株価指数がグイグイ戻ってきた事やら、9501東京電力株式がようやく寄って大商いモードになっていたりして、何となく株価がまたまた底打ちチックな動きを示したりした事が影響したのか債券先物は上値妙に重い展開に。

まあ何ですな、足元での先物と他の現物の動きがグチャグチャなのは地震および原発問題を受けた動きで、こらまあリスクオフはリスクオフですけれども、それよりもポジションクローズの動きと言った方が適切なような気がします。一方で昨日も今日もフラットニングの展開となっている債券市場の長いところちゃんの動きなのですが、まあ大地震前に形成していたカーブに対してその後に先物がスーパー独歩高となった動きの反動というのもあると思います。

でですね、更にもうちょっと長いタームの話となりますと、日本の原発問題を機に海外でも原発のあり方が見直されるというようなモードになっているやに報道などでは見受けられる訳でありまして、世界各地で原発見直しという事になりますと、電力供給能力の低下によって生産や消費にブレーキを掛け、経済成長にもブレーキを掛けますよね、という話に発展する可能性があるでしょうから、そーゆー文脈から世界経済が停滞モードになって来るってな感じの絵を描いた場合に、今回の大地震の前にあった世界経済が緩和的な金融政策を背景に回復基調を高め、その中で物価も上昇傾向にというような従来の絵とは違った光景が見られる訳でして、そーゆーところを勘案するとああ長いところが買われるのね、というのもあるかも知れませんなあという所です。

#原発の代替エネルギーの開発が急務という事ですと救世主にイベルドローラ(http://www.iberdrola.es/←スペイン語のサイトだが英語ページもあるでよ。ちなみに本社所在地はスペインのバスク自治州ビスカヤ県ビルバオ市である^^)急浮上ということですね、わかります(かどうかは知らんがの)

もちろん、他のシナリオもあると思いますから、あくまでも一つの考え方、ということになるのかなあとは思っていますけどね。



さてさて、それはそれとして短い所なんですが、ご案内の通り日銀による絶賛資金供給に伴いまして、足元のGCレートは落ち着いて・・・・と申しますか、取引のカウンターパーティーが日銀になってしまっている状態となっておりますので、そもそも市場レートがどうのという話ではないですけれども、まあとりあえずオペ先は日銀にオペ玉を持って行けば0.10%でファンディングできますよね、という状態になっています。

それを反映したのか、はたまた毎度お馴染みの為替がらみなのかは存じませんが、水曜日に0.1436/0.1501というレベルの入札になっていた新発TB3か月物は買いが入って更に強くなって0.105%レベル近辺まで金利が低下。まあ0.105%という水準ですとオペ見合いで買うようなレートというのは少々無理があるので、何らかのキャッシュ潰しニーズかコストの安い円資金があったのかなあとかいう感じも致しますが、まあ短国も堅調でござるの巻。

ただまあ昨日も同じような事を書きましたが、引き続き少々微妙なテイストを醸し出しているのが2年以下とかのゾーンでありまして、昨日の2年カレントも上値重いですね状態だったと思われる次第。BBの引けは0.220%で前日より強くしていますけれども、場中は普通に引けオファーとかいう時間が結構長かったかと思われる所であります。

更に、CPとか社債とかの短い所のレートも、これはまあ足元で震災関連でキャッシュの需要(「資金需要」ではなくて物理的な銀行券需要とか、流動性確保のための解約等のニーズ)に対応した部分がどの位の規模になるのかというような所が中々読みにくい所でもある訳でして(現に資金需給予測のプロ中のプロにも程がある職人様がおいでと仄聞している日銀の金融市場局が日々公表している資金需給見込みの銀行券要因が今週に入って昨日までの間で常に予想以上に銀行券増発方向にぶれているのですよ)、そんなこんなで短期金融市場の中でも対日銀取引で最終のケツは回せてしまう人たち以外の部分においては、今般の大地震以降の影響が若干来ていますなという感じなのではないかと思われます。

で、今回金融市場に(少々、かな??)掛かっているストレスは、別にまあどこかが放漫経営したからとか皆がバブルに踊りまくった反動だとかいうのではなく、純粋に地震と言う自然災害によって起こされた(それ以降の原発問題の方が海外投資家などにはインパクトあったのかもしれませんが)ものでありますので、日銀におかれましては、これらインターバンクおよびレポ市場の外側にも十分な目配りをして、これまでのように「火が点くまで火消しをしないから火が広がって収拾に大変な苦労を要した」というようなトンチキな事が起こらないように万全を期し、更に必要な追加施策があるようでしたらちゃっちゃと実行(企業支援オペの復活とか1年以内の社債買入復活とか)したり、今般導入を決定した基金買入の増額分に関してより積極的に前倒しでの実行をして行くとかも念頭によーーーーーーーく注目して頂きたいものと存じますです、はい。

以上、微妙に表現を持って回ったり婉曲的にしている部分があるような気がしないでもないのですが、判る人にご理解頂ければ有り難い所ではあります。

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2011/03/17

商売柄仕方ないのですが、原発関係のニュースヘッドラインをこれでもかと出されるとストレスが掛かりますので、せめて家ではテレビでしたり顔して色々と解説する煽り報道番組だけは見るの止めないとしんどい今日この頃ですが、被災者の皆様や被災地での救援やインフラ維持、原発の事故被害拡大防止の為に日々尽力されていらっしゃる方々などなどの皆さまの事を思えば屁のような事で悩むというのも我ながら何ともorzであります。

・・・・・ちょっと待てモーサテ、「福島第一原発問題の解決が難航しているから『安全資産』としての円買いが入った」ってその後付解説は何ぼなんでも話が違うんじゃないのかよおおおおおおおお。ポジションのアンワインドの動きとかじゃねえのかああああああ????

ちなみに公共放送は「福島第一原発のトラブルを嫌気した米国株価の下落によるドル売り円買いの動きと、日本企業が海外に保有する資産を手元に戻して円に換える動きが強まるとの見方から」円高が進行した、と比較的丁寧な説明をしていました。

#下に書きましたけど、昨日の市場は株高で何となくほっとした感じもあったのですが、海外株安の円高進行とはまた今日もorzな展開ですか・・・

○20年入札と3か月TB入札

諸般の事情であまり詳しくは見ていないのですが、昨日の債券市場は前場は短国と20年のダブル入札を前に弱いスタート。と言いましても株式市場が戻り歩調になっている事から雰囲気も何となく良くなってきまして、といいましても超長期ゾーンは入札を前に寄付き直後はアホのように弱かったのですが、前場途中からやや20年の気配が復活気味。2.2クーポンで発行されたのも好材料という感じになりまして、まあこれは2.2%100円が止まり所になるでしょう、というのを意識してクーポンを設定したということなのでしょうなあという所でしたけれども、前場引けは先物68銭安に対して新発20年国債は2.125/2.130(20年ゾーンの気配としては4.5甘オファーとかのレベルかと)と先物対比では確り気味になりました。というか前日の先物周りだけ高いというカーブの修正が入ったとも言えますが。

後場の寄りは前場引けから若干強くなって始まりまして、落札結果の方はといえば平均100.97円=2.130%で足切り100.75円=2.146%と、前場引けの板と比べてみると強くは無いですが、前日までの地合いと足元の流動性の低下を勘案した場合に、20年ゾーンの1.1兆円の打ち込み(つーか発行ですけれども)でどの位まで流れちゃうのよという懸念もあったのでして、堅調な結果という評価で宜しかったかと存じます(つーかまた買占めかという感じもするんですけど)。

でまあ現物の気配も特に長い所の復活が顕著という形になりまして、引けてみますと先物56銭安に対して20年ゾーンが5糸強〜1毛強の引けという事になりまして、前日比でもそうですし、前場引け対比でも復活でござるの巻となっております(と言っても地震前のバランスから考えたらまだ思いっきりスティープしてますがまあそれはそれ)。

3か月TBちゃんの方はと言いますと、0.1436/0.1501と足切り水準が0.15%に乗ってしまいましたでござるの巻にはなりましたが、セカンダリーでは強くなりまして最後はたぶん0.135%近辺とかの水準ではないか(日本相互証券の引けは0.140%です)という感じになったようで、こちらもまあ踏みとどまりましたなあという感じです。

まあそんな感じで懸念されていたダブル入札は堅調な結果になりました事と、それはそれとしてやはり株価が上昇したのは相場の雰囲気を良くするかとゆー感じでありまして、イールドカーブ的には昨日の過激なオモシロカーブをややお返しするような感じになったのはチャーミングでございました。

ま、あたくし的にビミョーなのは2年とかの動きではございますが・・・・


○まあ無力参加者のたわごとなんですけどね

2年辺りの水準が地震前の水準、即ち追加緩和実施前の水準でもありますが、そこら辺まで戻ってしまっている所(つーか正確には微妙に甘い)とか、まあさっき書いた3か月TBに関しても入札堅調とか言いましても、よくよく考えてみればここもとでは金利が上がっても0.120%届くか届かないかという状況だった事を考えるとまだ甘いというのが何とも微妙なテイストを感じる所であります。

まあ背景に株価が急落しちゃったから決算益出しするとか、昨日の昼のあの放送見たら何か売りたくなっちゃうとゆーのもまあ判らんでも無いですけれども、そもそも日銀のオペ直接参加者の場合は資金繰りに関しては日銀の超越資金供給で賄えばよいですし、今回の地震での罹災地域でオペだのやっている人的余裕無しというような方々がキャッシュポジションを厚めにする為に売却するとかいうのは勿論当然の動きなのですが、あまりそういう災害の直接的影響が相対的に大きくない人が「決算対策!」とか言い出して中短期債市場にストレス掛けるっていうのはどうなんでしょとはちと思ってしまう所ではありますけどね。

つまりさ、日銀が超越的大量に資金供給してるのって、オペ先をお助けする為だけにある訳じゃなくて、そのオペ先が銀行なら個人や企業などへの資金供給を円滑に行う事が役割期待としてあるでしょうし、証券業者などならば金融市場の流動性を維持する事によって資金の円滑な流通に寄与する事が役割期待としてあるってえ事だと思うのよね。そらまあ非常時でストレスが掛かっているから市場のスプレッドとか貸出のスプレッドが開くとかいうのは止むを得ない話ではありますが、まあ市場安定化の役割期待がある中で市場安定化の逆になるような動きをわざわざやるような人がいたらそれはちょっと違うんじゃないのと思う所ではございます。

・・・・・って昨日は「原発問題があると市場にストレス掛かっても仕方ないですかな」とかいう話をお前はしてたじゃネーノと言われそうですが、まあちょっとそんな事を昨日の昼間は考えていたのですよ、という事で昨日の今日で微妙に話のニュアンス違いますなあってのも我ながら如何なものかと思いますし、所詮は無力参加者のたわごとですので、まあ別にどうでも良いっちゃあどうでも良いのではありますけどね。

#なお、この部分はabz2010さんの直近の2本前のエントリー『今は「市場メカニズム」の出番ではない』に触発されて纏まりも無く書いてみたのですが、その他の直近エントリーも中々興味深いのでトップページのリンクをつけさせて頂きます
http://d.hatena.ne.jp/abz2010/

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2011/03/16

○この市場ストレスの解消は結局福島原発が落ち着かないと・・・・・

昨日の市場はまあ報道の通りでご存知かという感じですがメモメモ。

元々のベースとして福島原発の問題が継続しているというニュース(2号機の格納機が破損したとか何とか)が朝からあったのでまあ寄りから株下げ債券上げでスタートしたのですが、10時過ぎに原発関連のニュース(4号機で爆発音が起こったとか何とかだったっけ、もう何が何だか覚えてないけど)がまた流れた辺りから株が下がるわ債券が上がるわという流れになって参りました。

で、11時過ぎの菅総理の会見および枝野官房長官の会見で避難範囲は拡大するわ、漏洩した放射線が人体に直ちに影響のある大きな量だというような話が伝わり、公共放送の解説なんぞを聞いていると、その400ミリシーベルトという数値が巨大な数字であってもう本当に大変だというような状況という印象をどう見ても与える流れになっておりまして日経平均先物は現物の昼休み時間中に大暴落。会見前には第4号機の火災というような話が出てまして、その時点(11時10分ごろ)で8700円とかに下がっていたのですが、会見が終わって公共放送の解説を聞いてもう一度先物を見たら11時50分過ぎ位には8000円割れのレベルまで下落。

その後4号機の火災が鎮火したというニュースが入って12時15分頃には日経平均先物は8300円レベルに戻っていました。そのあと後場にも原発関連ニュース(もはや何が何だか覚えていない)とかで売りがもう一発来て先物は7800円安値(は12時45分過ぎでしたっけ)とかまで下がったりしてましてもうエライコッチャになりましたが、その後徐々に株式市場は戻りましたが、下落率でスターリン暴落を上回り、リーマンショックに次ぐ下落率になった(日経平均および旧ダウベース)のはご案内の通りですな。


・・・・・と、株の話をするのがメインではなくてですな、この間に債券市場ってどうなっていたのよという話をしますとですね、債券市場ってまあ前場は高寄りした後前場引けに掛けて株下げに呼応して債券上昇していた訳ですけれども、時間の経過と共に前日および当日の朝イチは堅調だった中短期が徐々に失速、というか2年は前日比レート気配が上昇とかになって来たのですな。

そして例の会見をやっている中で1年TBの入札時限を迎えた訳ですが、その落札結果は0.1853%/0.1953%という結果になりまして、前日の残存1年ゾーンの2年国債の引けが0.135%(それはそれでちょっと過大評価だと思うのだが)に対してまあ流れましたわという結果ですが、そもそもあの会見やっている中で札がちゃんと2倍以上入っている方がエライのかもしれませんな。

で、まあその落札結果ちゃんが出る前の後場寄り付きでは債券先物は前場の引けからギャップアップしてスタートして更に141円17銭の高値をマークとかしていたのですが、そうやって2年とか重いわ、1年TBの入札は流れるわと1年だの2年だの3年だのというゾーンの債券が換金売りっぽい感じにもなり、そもそも戻り売りが多い5年も売られて来ましたとか思っていたら10年も前日比レート上昇というような展開になり先物は前日比プラスではあったのですが、現物は殆どのゾーンで金利が上昇。しかもイブニングでは先物も下落していましたな。

今日入札実施予定の20年国債とかこの2日で債券先物が108銭上昇する中で6毛甘くなっていまして、まあ実弾がどうのこうのという訳でもなく甘くなっていると思われる節があるのがおそロシアな展開でございますが、この調子で今日の入札どうなっちゃうんでしょ。


まあ特に短い所に関しては昨日の動きは「マーケットにストレスが掛かっている」というテイストが出てきている次第でありまして、そのストレスを軽減するために日銀は昨日も渾身の資金供給は行っているのですが、何せ今回のストレスの根本にあるのは原発における放射能漏れとかの話ですから日銀一手でどうにか出来るかというとこれまたムツカシヤな所ではございます。何せ足元の動きに関して言えば、単に株が下がって急遽益出しをしているとかいう話ならまだ良いのですけれども、これが「質への逃避」から「資金化の動き」という展開を示しているように見える部分もありまして、マジでそういう動きだったらちとマズーではあるかなとは存じます。

月曜相場での「計画停電の影響で経済に悪影響」という時点では株は下がるけど債券は中短期なども買われていましたので、「景気に悪影響」的な認識になっていましたが、昨日の相場、特に原発の相次ぐ火災だの放射能だのというニュースヘッドラインがジャンジャン飛んでくる状態になった以降の相場のステージとはまあ違ってきたっていう感じを受けてしまったりする訳で、まだそれが本格的な訳では無いと思うのですけれども、中々こう日銀だけでどうしようもない世界の話ではございますなあとも思う次第であります。

まあこのストレスちゃんは、昨晩は東北地方で地震が起きたと思ったらその直後に静岡県東部で大きな地震があったりとか、今朝も余震があったりとか、余震の方も続いていますし(まあ昨日はそもそも朝5時台にも強めの地震がありましたけれども・・・・)、原発に関しては一々途中経過の説明を延々と報道してくれるのですが、結局どうなのかがワカランチ会長で、「もしかしたらこうなるかも」みたいな話がその間に解説されるというような流れでは市場が落ち着けというのが無理ですがなと思われる次第でして、厳しいもんがあるかと存じます次第です、とほほのほ。

これで円安に振れないのがある意味不思議ちゃんではございますが、まあ足元での動きっていうのは色々なところでポジションをクローズに向かっている所という事もまた言えるかと思いまして、為替という面で言えば外への投資が結構あったということに繋がるのではないかと存じます。

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2011/03/15

○リスク資産買入を主にサポートした今回の追加緩和

今回の決定内容
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/k110314a.pdf

『(2)資産買入等の基金

企業マインドの悪化や金融市場におけるリスク回避姿勢の高まりが実体経済に悪影響を与えることを未然に防止する観点から、リスク性資産を中心に資産買入等の基金を5兆円程度増額し、40 兆円程度とする(注3)。』

『増額分の買入対象資産ごとの内訳は、以下のとおりとし、2012 年6月末を目途に増額を完了する。ただし、指数連動型上場投資信託、不動産投資信託については、日銀法上の認可取得を条件とする。

長期国債 :0.5 兆円程度
国庫短期証券:1.0 兆円程度
CP等 :1.5 兆円程度
社債等 :1.5 兆円程度
指数連動型上場投資信託:0.45 兆円程度(認可取得を条件とする)
不動産投資信託:0.05 兆円程度(同上)』

で、前回対比でそうなっているのか、と考えますと・・・・・

長期国債 :1.5兆円→2.0兆円
国庫短期証券:2.0兆円→3.0兆円
CP等 :0.5兆円→2.0兆円
社債等 :0.5兆円→2.0兆円
ETF:4500億円→9000億円
J−REIT:500億円→1000億円

ということで、非国債にウェイトが思いっきり掛かっている訳ですな。

これって即ち(会見でのヘッドラインにもそんなのがありましたが)日銀がリスク性資産の買入強化を行ってリスクプレミアムを下げていく、という意思を示したということですが、先ほどの小見出しの最後の方であたくしが申し上げましたように、短期金融市場のオペレーション実施でとりあえず「ソルベントだけど流動性が落ちている」日銀取引先の流動性確保を担保している訳ですが、その外側にいる人たちに対しても日銀が流動性供給を行う事によって、流動性低下によるリスクプレミアムの拡大を抑えたい、という意思を示したという事もいえるかと思います。

そーゆー意味では時宜を得た施策だとは思いますが、まーそこまでやるのがどうかという議論はあるかもしれませんが、今後の流れの中で保険業態さんのところでのファンディング需要が高まるケースを鑑み、何らかの流動性補完みたいなものが(超時限的な措置で良いので)出来ればなあとかも思う(まあ昨日の今日で案ができる訳ないですけど)所ではあったり無かったり。ま、こういう日の為に保険業界さん高収益叩き出しておられるのですけれども、債券市場の流動性が落ちた状態が続いた場合には(そうならないとは思うが)何らかの流動性補完みたいなものが臨時措置で出来ると良いのではないかなあとか思ってもみました。まーあっしの勝手な妄想ですが。

ちなみに須田さんが「拡大するのはリスク性資産だけで良い」という主張をして反対していますが、これが仮に「国債市場の流動性補完の為に臨時的に国債の買入を追加実施」とかだったらどういう意見になったのかはお聞きしたい所ではございますわな。



○声明文比較をすると物価の見通しが微妙に上昇していますな

今回声明文
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/k110314a.pdf(再掲)

前回声明文
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/k110215a.pdf

今回の声明文を主に引用しますね。

『1.東北地方太平洋沖地震の発生後、日本銀行は、金融市場および金融機関の業務遂行への影響を把握するとともに、金融機能の維持および資金決済の円滑を確保するために、万全の措置を講じてきている。また、適切な金融市場調節の実施を通じて弾力的な資金供給を行っている。』(今回)

『2.わが国の景気は、改善テンポの鈍化した状態から脱しつつある。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、下落幅が縮小を続けている。先行きの中心的な見通しとしては、わが国経済は、緩やかな回復経路に復していくという判断を維持した。消費者物価の前年比は、当面、小幅のプラスに転じていくと考えられる(注1)。もっとも、今回の地震によって、わが国は、地理的にも広範囲な被害を受けており、当面、生産活動の低下が見込まれるほか、企業や家計のマインドの悪化も懸念される。』(今回)

(注1)本年8月の基準改定に伴い、消費者物価指数の前年比は、下方改定される可能性が高い。


前回声明文ではこんな感じ。

『2.わが国の景気は、改善テンポの鈍化した状態から徐々に脱しつつある。すなわち、世界経済の成長率は、新興国・資源国に牽引される形で再び高まってきており、その下で、輸出や生産は、増加基調に復する動きがみられる。設備投資は持ち直しつつある。雇用・所得環境は引き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでいる。個人消費は一部の財に駆け込み需要の反動がみられるが、住宅投資は持ち直しつつある。この間、金融環境をみると、引き続き、緩和の動きが強まっている。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、基調的にみると下落幅が縮小を続けている。

3.先行きの中心的な見通しとしては、わが国経済は、景気改善テンポの鈍化した状況から脱し、緩やかな回復経路に復していくとみられる。物価面では、引き続き、消費者物価の前年比下落幅は縮小していくと考えられる。』(前回)

という事で、細かい説明はいいんだよ!というのが今回の声明文でありますが、一応物価見通しは前回の見通しから上がっています、というかこれもまあ展望レポートの見通しにトラックした上方修正という事でしょう。


では、その上方修正があったから金融政策に出口政策方面のインプリケーションがあるかといいますと、あたくしがこの声明文を読む限り、どう見てもそんなのは全く無く、それよりも状況次第では追加緩和のおかわりを打ち込むという表明をしておりまして、まあそれをやるのかどうかは兎も角、少なくとも状況悪化に対しては機動的に対応するから安心しなさいというのを見せてはいるかと思われるところでございます。

つまりですな、

『もっとも、今回の地震によって、わが国は、地理的にも広範囲な被害を受けており、当面、生産活動の低下が見込まれるほか、企業や家計のマインドの悪化も懸念される。』(今回、再掲)

というのがある上に、最後の所に、

『日本銀行は、引き続き、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、必要と判断される場合には、適切な措置を講じていく方針である。』(今回)

とありますけど、これは前回の表現は・・・・

『今後とも、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、適切に政策対応を行っていく方針である。』(前回)

となっていて、「措置を講じる」という追加策を行うニュアンスっぽい言い方にしているのはそれなりに見せ方に工夫をしているのかな、とは思います。ちなみにこの部分英文だとこうなっています、

『The Bank will continue to carefully examine the outlook for economic activity and prices, and, if judged necessary, take policy actions in an appropriate manner.』(今回)

『The Bank will continue to carefully examine the outlook for economic activity and prices, and take policy actions in an appropriate manner.』(前回)

まあif judged necessaryなら適切な措置を講じるってある意味当たり前なのですけれども、この文言が声明文にあったのって昨年の9月7日の声明文まで遡る訳ですが、その次の決定会合(10月頭)で包括緩和を実施してまして、まあそういう前例から考えると、今後も必要があれば追加緩和を実施する事になるという話で、そのトリガーとしてはやはり地震の影響が幅広く実体経済に下押し圧力をかけることが確認される、ということですから各種指標なのか、電力問題の長期化なのか、はたまた株価あたりなのかというのはよー知らんですが、まあ必要ならば突っ込む覚悟は十分です、という所なのではないでしょうか。

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2011/03/09

○まあお手並み拝見としか申し上げようがございませんが

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aGSuKc63vbYc
政府:日銀審議委員に白井慶大教授の起用を提示−須田委員の後任

瞬間誰だか判らなかった(世間に疎くてすいません)のですが検索かけたら「ああモーサテに良く出てくるあの方ですかそうですか」と判ったでござるの巻である。

http://www.paw.hi-ho.ne.jp/~sshirai/
白井先生のホームページ

・・・・・で、著書とか拝読した訳ではございませんので何とも申し上げようが無い所ではありますが、キャリア的に金融実務には全く触れていないお方と見えますし、ご専門も金融政策関連ではなさそうな感じが見受けられます。また、あたくしのかなりイイカゲンな記憶ベースですけれども、モーサテでお話しているのを聞いた範囲では欧州問題の話とかお詳しいようですがECBの対応がどうのこうのという話になると概略的な話になっているなあと思われますがどうなんでしょ。

てな事を勘案しますと、グローバルインバランスがどうのこうのというような議論においては白井先生の大活躍が期待される所なのですけれども、金融政策に関しての話になった場合に関してはこれからの成長に期待という話になってしまいますなあと思われる次第。

んでもって、それってど〜ゆ〜事かと申しますと、政策委員会での金融政策の議論が更に執行部ペースになってしまうのではないかというのが正直言って懸念される所な訳なのよあたしゃ。

特にですね、足元って主要国の中央銀行が非伝統的金融政策を導入している状況なんですけど、金利の上げ下げの世界とまた違った金融政策を導入という中では、そもそもが伝統的な金融政策のトランスミッションメカニズムが効くかどうか怪しく、非伝統的政策に関してはそもそもそのメカニズムがどういう形になっているのかが不確実で(何だか判らんけど効いているとか効いていないとかそういう世界ですわな、各国中銀の中での議論や中銀の人の講演読んでてもそうなっていますよね。で、そういう状況においては、金融政策をどうするのかという話って言うのは金融調節の世界まで話を下ろして検討をする必要があると思うのですよね。

つまりですな、例を挙げますとFRBが突っ込んだ新型の貸出プログラムがありましたが、教科書的に言えば貸出ファシリティ(FEDの場合はディスカウントウィンドウ)が有れば「支払能力はあるけれども流動性が無い」という金融機関の資金繰りに問題は生じないという話でしたけれども、実際に市場参加者として風評問題だのの影響があって使えませんでした、という事で貸出プログラムを作った訳ですが、そーゆー非常に細かい話が非伝統的政策を実施するにあたって重要だと思うのですよ。

あとですね、まあ一旦リーマンショック以降の危機モード終了とは申しましても、別に今後その手の問題が発生しない訳でもないのでして、そーゆー時にはやはり金融調節実務的な技術論が重要になってくる所があると思うのですよ。現にこれまで公開されている金融システム不安のある中での金融政策決定会合議事録においては、各審議委員の皆様が調節の細かいところまで突っ込んで詳しい議論をしているのが読めると思うのですよね。

然るに、その辺りの動きが全部執行部ペースになってしまうとですな、どうも足元までの金融調節のパフォーマンスが少々如何なものかと思う部分がある訳でございますよね。つまり(まあ詳しくは当時の悪態を読んでいただきたいですが)リーマンショック後の短期金融市場、というかレポ市場における金利上昇の影響を軽く見たのか毎度お馴染みの市場機能論だったのか知りませんが、GCレポレートがコール誘導目標から乖離して上昇するのを放置した結果CPレートなどが絶賛上昇してしまい、結局12月会合でより強力な施策として企業支援特別オペを実施してCPや社債の買入を実施する流れになってしまいましたよねとか、包括緩和実施後にこれまたGCレートが徐々に上昇するのを自然体でスルーした結果1年とか2年とかの金利が上昇して、その後12月になった所でオペ乱発をして冷やさないといけなくなりましたよねとか、まあどうも危機対応(包括緩和は危機対応ではないが)モードになった時に市場の暴れを事前に抑えるのではなくて暴れてから火消しするから火消しコストが高くつくという傾向にあるように見えるのがあたくしの懸念。(←文が長すぎ)


今後は危機対応というよりは出口モードの話が数年のスパンでは出てくると思う(というか出るような経済状況になって下さいお願いします)のですが、これまた非伝統的政策からの出口がどうのこうのという話になってくると金融調節の技術論に掛かる部分も大事になりますし、更に言えば市場との対話も重要になってくると思うのですが、マクロ経済で大所高所からの話もそらまあ大事なのですが、市場のロジックを全然把握しないで市場との対話に突っ込まれましてもミスコミュニケーションの元となるだけでありますので、その辺りに関しては(別に出口がそんな早くに無いでしょうから勉強する時間はあると思いますので)今後の成長に期待するところ大でございます、というかそうなってくれないと困るのですが。

そして、どうも市場との対話という面において執行部ペースだけで回すとどうも先走った地ならしみたいなのをおっぱじめそうですよねというのは昨今出ている日銀レビューシリーズなどで思うのであります。俊ちゃんの時はそうは言っても俊ちゃんが大狸でしたので、実際に地ならし可能という状況になるまでは思いっきり猫かぶっていて、その後一気に突っ込んだ訳ですが、白川さんはそういう狸芸が出来ない人のようで、すぐに「この正直者!」というような発言をするので(最近少しおとなしいですが、ちょっと目を離すと直ぐに麿節が出るのが麿クオリティーですから)、市場との対話という観点からも政策委員会での議論をしていただけるような存在が必要だと思うのですよね。

まあ前任は10年やっていますから比較するのは酷ですが、前任の(というかまだやってますが)須田さんはご案内の通り(上記URLの記事の中でも言及されていますが)執行部ペースの流れに対して(内容の是非は兎も角)色々と論議を巻き起こしていたと思われます。それに今回は関係ないですけれども、6月に任期の切れる野田審議委員も先日の講演および会見に見られますように、執行部ペースでの流れに対して色々と注文を付けているなあと思われる所でありますので、須田さんと野田さんが退任してそ〜ゆ〜議論が無くなって来ると色々と齟齬が生じてきそうな悪寒がするので、そういう意味でも白井先生におかれましては大所高所の話だけではなく、細かい市場の話に興味を持って頂きたく存じます次第です。

#なお、議論が面白くなくなると日銀ヲチがつまらなくなるというのもあります(^^)

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2011/02/22

お題「1月決定会合議事要旨を見て不思議に思った事から少々雑談」

モーサテが「ブラジル経済が景気がいいですよウエーッハッハッハ」という話をわざわざJETROの駐在員を呼ぶという素敵な新企画を行って絶賛報道しているのはどう見てもフラグです本当にガクガクブルブル。

さて上記のネタでありますが、正直マニア向けの話と思われますのでオペレーションがどうのこうのとか興味ない方にはどうもすいませんとしか申し上げようが無いです、と先にヘッジクローズ。

ところで、このお題と関係ないのですが、G20絡みでフランス中銀がグローバルインバランスに関するフォーラムみたいのをやったようで、講演とかを白川さんとバーナンキ議長がしてたりしましたが、バーナンキ議長の講演の方を斜め読み(本当に斜め読み)したんですけどね。

http://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/bernanke20110218a.htm(HTML版)
http://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/bernanke20110218a.pdf(PDF版)

この講演を50字以内で要約すると「グローバルインバランスも新興国のキャピタルインフローも私たちのせいじゃないですよ(キリッ)」で宜しいのかとは思いますが、国債買入プログラムに関するFOMCの見解も固め切れないバーナンキ議長などの執行部が何でもいいから無理繰り理屈を展開しているの図と読みますとこれはこれで味わいがありますなあ。

つーかさ、昨日軽く流しましたけど1月FOMC議事要旨の中でイールドカーブのスティープ化(即ち長期金利の上昇)に対して「景気回復期に見られる状況」とか言い出してあたかも国債買入プログラムの効果のような開き直り状態を示すとか何と言う厚顔メリケンクオリティーと思うのでありますけどね。

という別件の前振りは兎も角日本の方の1月決定会合議事要旨から、と申しましても今日は景気認識とかの話はスルーでトピック的なネタです。

http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2011/g110125.pdf

○不思議に思った箇所とはオペレーションに関する部分

『V.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要』のケツの方に『委員は、包括的な金融緩和政策の効果について、議論を行った。』ということで包括緩和の効果に関する議論の部分がありまして、ああでもないこうでもないという話をしてるんですけど、最後の最後に微妙にアレな一節が。

『この間、複数の委員は、今後とも、市場の状況に応じて、機動的なオペレーションを実施していくことは重要であるが、日本銀行の金融市場調節方針は、金融政策決定会合において決定されるものであり、日々のオペレーションや当座預金残高の推移によって金融政策運営についての情報発信が行われる訳ではないと述べた。』

微妙に微妙な文言になっているような気がしますので、こういう時は英文議事要旨(http://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmsche_minu/minu_2011/g110125.pdf)の当該部分を読んでみます。

『A few members, while acknowledging that it was important for the Bank to continue conducting money market operations in a flexible manner in response to changes in the market situation, commented that the guideline for money market operations was decided at Monetary Policy Meetings, and that the Bank's communication regarding its conduct of monetary policy was not made through the daily market operations or the changes in the outstanding balance of current accounts at the Bank.』

・・・・・うーむ。

いやね、これって流して読むと「シグナルオペのような事はしていないという事を強調すべきですよね」という原則論を述べているようにも見えますけれども、それだと「日々のオペレーションや当座預金残高の推移によって金融政策運営についての情報発信が行われる訳ではないという点を折にふれて説明すべきである」というような言い方になると思いますし、英訳された(この英文の底本は日本語の議事要旨でして別個に独立したものではない)方でも市場の認識に対してどうこうというよりは「シグナルオペ、あるいはシグナルオペと取られるような事を実施すべきではない」という発言をしたと解釈した方が自然な英文っぽいんですけどね、the Bank's communication ・・・・・ was not madeっていう構文を見ますと。

とまあそんな話を昨日とかも一部のマニアの方とああでもないこうでもないと議論してたのでありまして、まあその辺りから出てきた想像の世界であって実際にどうなのよというのは内容無担保無保証である事はお断りしつつ話は続くのですけどね。


○12月会合でその辺って議論してたのかと思ったのだが・・・・・

んーっとですな、12月会合議事要旨ネタって結構後回しで書いたのですけど、この時に当時の金融市場に関する認識部分が妙だなと思ったんですよ。で、その時の駄文はこちらね。
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/seisaku10-02.html#seisaku110202

長々と引用するのも何なのでそっち見てちょという事ですが、まあその時に書きましたように、というか12月に散々声明文詐欺だの何だの悪態をついておりましたときの駄文でも見ていただきますとなお判りやすいと思いますが、12月に2年の金利が0.2%台に乗ってから迎えた1年TB入札が大コケした所から大供給が始まり、その後の決定会合で議事要旨に『この点と関連し、何人かの委員は、包括緩和における時間軸の明確化などが、短期ゾーンの市場金利を低位安定させる作用を持っている点を改めてしっかり示していくことが大事であると述べた。』とあったように、短期ゾーンの市場金利安定ということで更にオペレーションを強化する話でもあって、その流れとして年末対策にしては勢いの良すぎる短国買入連発攻撃とかによって短国市場の玉をカラカラにするわ当座預金残高はつみあがるわという流れになったと思ったのですよね。

ところが今回公表された議事要旨を見ると、その辺の市場的に見ればどう見てもオペレーションのスタンス変更っぽい動きに関して「シグナルオペは日銀は実施しないんですよ」という指摘が出てくるというのがちと不思議ちゃんでありましてまあマニア同士の議論も尽きないのですがそこは大人の事情で華麗にスルーの方向で(^^)。


○そもそも包括緩和のディレクティブが曖昧なのが良くないのですよ

いやまあ確かに政策委員会・金融政策決定会合において金融政策の方向性を決めて、それに則ったディレクティブが出てきて、そのディレクティブに沿った日々のオペレーションが行われる、というのが新法下における動きでありますから、いわゆる「シグナルオペ」と取られるような動きをオペレーション部隊が実施するのは越権行為と言われてしまえばどうもすいませんという話になるのでしょうけれども、小見出しに書いているように、そもそも足元で実施している包括緩和実施における政策の枠組みが微妙に曖昧であって、それが問題の根っこにあると思うのよね。

http://www.boj.or.jp/mopo/outline/sgp.htm/
物価安定のもとでの持続的成長へ向けた最近の政策運営

『(1) 金利誘導目標の変更
無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標水準を「0〜0.1%程度」とし、実質的にゼロ金利政策を採用していることを明確化

(3) 資産買入等の基金の創設
短期金利の低下余地が限界的となっている状況を踏まえ、金融緩和を一段と強力に推進するために、リスク性資産を含む資産買入等の基金の枠組みを整え、この活用を通じて、長めの市場金利の低下と各種リスク・プレミアムの縮小を促進』

ということで、(2)はまあ良いのですが、(1)と(3)って言うのが曖昧な部分になっているんじゃネーノって思うのですよね。


まず、(1)のディレクティブでの0〜0.1%というのが曖昧であって、そもそも原則的にどの金利に持って行こうとしているのかが訳わからんですよね。で、ディレクティブには書いていませんが、預金ファシリティ(に相当するもの)の金利が0.1%に設定されている事を鑑みると「0.1%前後で若干下回る程度の水準」を意識するのかなあとか思うのですけれども、まあその辺に関するMPMのコンセンサスってあるのかねというのが微妙ですよね。

で、この点に関連して大昔の低め誘導(0.5%をやや下回る誘導目標というのをやっていた10年以上前の話ですが)時の議事録が暫く前に公開されていましたけれども、その中で金融市場局長が「どの程度まで下がるのを容認するのかとかをこちらで勝手に決めろというのも困る」的な話をしていたり、中原伸之さんだか武富さんだか忘れましたが(その両方かも)、「低め誘導の中でどの辺のレンジに持って行くのかは公開する必要は無いがある程度議論すべきではないか」というような話をしていたというような記憶がありまして、昨日ちょっとサルベージを試みましたがサルベージ失敗したので記憶だけで勘弁。

まあつまりですね、まず第1にディレクティブの「レンジ」というのがどうなのよという部分があって、まあその辺に関して何らかの内部的な意思表示が政策委員会の方で実施されているならそれはそれで良いのですが、そうじゃないと曖昧にも程があるような気がしますなあというのが第1点。

#どっかの取り手が「ストレステストで試し取り」とかやった途端に加重平均が0.10%台に乗ってしまうコール市場の薄さが金利0.1%攻撃で促進される中で無担保コールを誘導目標にしたままでどうなのよという議論もあるがそれは別の大ネタ


まあそれよりも問題なのは(3)でして、リスク性資産の買入のほうはまあ良いとしまして、『長めの市場金利の低下』というのが曖昧にも程がある話でありますわなと思う次第。

いやまあ勿論こういう事を書かれて、2年までの国債を買いますとか言われますと、そらまあ市場のファーストアクションは「なるほど2年までの金利を下げようということですね」と反応したくなるのでありますし、まあオペレーション部隊としては12月に2年金利が0.2%に上昇と包括緩和どころか0.1%への利下げ以降にそんなレートついてましたっけ状態になってしまった所で「長めの市場金利の低下」に適合するようにオペを実施し、それを12月中旬以降は更に強力に実施しましたですよ、という話だと思うのですが、そうは言いましてもその前の動きがどちらかと言えば中立的な調節で放置プレイだったので「これはスタンスが変更になった」とゆー認識に市場ちゃんがなる訳ですな。

で、その市場ちゃんの認識が(ってあたくしもそういう話をしましたけど)起きたのが如何なものかという話をされましても、それはまあ困りますがなというのがオペ部隊の本音ではないかと思われる(勝手に妄想しているだけなので違ったらゴメンナサイ)のですが、結局のところこの「長めの市場金利の低下」の「長め」とはどの程度なのというような点もこれまた曖昧じゃないのと思うのでありますよ。

一方で、さっき引用した過去の駄文にありますように、ディレクティブにも包括緩和の考え方のどこにも書いていませんけれども、12月決定会合議事要旨においては『ある委員は、包括緩和の中で時間軸を明確にしているにもかかわらず、一部のターム物金利が強含んだのは、短期金融市場の裁定機能が損なわれつつあることを反映している可能性があると述べた。』という微妙にアレな発言がありますように、短期市場の「市場機能論」みたいなのが一方であって、その市場機能論とやらを受けると中立的なオペレーションをするようなイメージが沸いてくる部分もある訳で、そらまあオペやる方はあれもこれもみたいな話をされると困りますわなという感じですよね。


つーことでですな、包括緩和で示している文書が曖昧かつ市場機能がどうのこうのとか、そもそもオペレーションは中立で実施すべきという理念的な問題(それは平常時はそうだと思いますが、足元では包括緩和でじゃぶじゃぶにしますと言っているのですから、基本的には市場に対してわんこそば状態で供給オペレーションを実施するのが正しいと思うのですが・・・・)とか、まあその辺の諸々の部分とのコンフリクトが起きたのが包括緩和決定以降12月半ばくらいまでの短期市場の波乱を招いた要因だと思われる訳でして、まあ今後のことも考えますと、包括緩和政策に関しては、現状の微妙に曖昧な部分があちこちある状態に対してもうちょっと詰めた議論が必要だと思うのですよ。

で、その結果に関してはまあ出すか出さないかというのは微妙(例えばコールレートを実際問題としてレンジのどの辺を中心に見るのかという問題とかは、足元のようにある程度レートがコントローラブルになっていると市場が見なしているときに公表すると却って話がややこしくなるから別に公開する必要は無いと思います)ではありますが、というか多分出す必要は無いのですけれども、金融市場局の現場にマルナゲータされても困りますがなという所なので、どの辺までの「長めの金利」なのかとかコールのレンジのどの辺を意識するのかとかと言った面に関しての政策委員会のコンセンサスはコンセンサスで取っておくものではないかと思います。まあ既に取っているのならそれで良いのですけれども、今回公表された議事要旨の引用部分を見ますとそういう感じがしませんので・・・・・

しかしまあどうでも良いですがよくよく考えたらこの2年国債とか短期国債の買入がそもそも金利を下げたいのか量を出したいのかがここまで来ると何だか良く判らんですわな(基金等買入ということで量を幾ら出すという話をしているのですから)という気もしますし、というか少なくとも力技で2年の金利を下げるというのは物理的に無理があると言うのが明白になってきましたし、そういう論点からもこの包括緩和に関する棚卸をした方が良い(公表文書にするのかどうかは兎も角として)のではないかと思いますけどねえ。

以上、超マニアのみにしか意味プーな話が延々と続きまして誠に恐縮でありました。

#最後まで書いてから気がついたのですが、そもそもディレクティブが「コール」だけど「長めの金利低下」にはGCレポ市場のコントロールをしなければいけないという話もありましたな、時間が無いから追記だけで勘弁。

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2011/02/16

さて決定会合は超無難な結果になったのですが(^^)。

声明文はこちら→
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/k110215a.pdf(今回)
前回声明文はこちら→
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/k110125a.pdf(前回)

○上方修正といえば上方修正ですが「見通しの修正」ではないですから

声明文を読みますと判りますが、見通しが上方修正されている訳ではなく、足元の現状判断の部分の変化というのは従来の見通し部分にあった、『世界経済の成長率が、新興国・資源国に牽引される形で再び高まっていくと考えられることなどから』という部分が足元の現状判断に反映されたという変化でありまして、つまり「従来の見通しの線上にある」ので、「時間の経過と共に徐々に景気が回復していきますよ」というだけの話でもあったりしますわな。

ただまあ皆様読んでお分かりのように、今回は先行き見通しの中の文言が上記の理由で現状判断に反映されることになった事から、先行き見通しが従来と同じではあるものの、表現がスッキリした感が強まりまして、そういう意味ではまあ先行きに自信を深めているという印象を与えますわな。

ということで中身を確認、まずは現状判断から。

・総括判断

『わが国の景気は、改善テンポの鈍化した状態から徐々に脱しつつある。』(今回)
『わが国の景気は、緩やかに回復しつつあるものの、改善の動きに一服感がみられる。』(前回)

ご案内の通り引き上げ。

・輸出・生産

『すなわち、世界経済の成長率は、新興国・資源国に牽引される形で再び高まってきており、その下で、輸出や生産は、増加基調に復する動きがみられる。』(今回)

『輸出はやや弱めとなっている。こうした内外需要のもとで、生産はやや減少している。』(前回)

でもって、この世界経済云々の部分と総括判断部分の上方修正というのは、前回までの先行き見通しにあった、

『わが国経済は、世界経済の成長率が、新興国・資源国に牽引される形で再び高まっていくと考えられることなどから、景気改善テンポの鈍化した状況から徐々に脱し、緩やかな回復経路に復していくとみられる。』(前回)

という見通しが実現しましたね、という事でありまして、その結果として輸出と生産も回復経路に復したとゆー話ですわな。

・・・・ということでまあここの判断はどどーんと上がっているのですが、他の需要項目はそんなに変わっていないのでして。


・設備投資・雇用所得環境

『設備投資は持ち直しつつある。雇用・所得環境は引き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでいる。』(今回)

前回と文言同じなので今回分のみ引用しました。


・個人消費・住宅投資

『個人消費は一部の財に駆け込み需要の反動がみられるが、住宅投資は持ち直しつつある。』(今回)
『個人消費は一部の財に駆け込み需要の反動がみられるが、住宅投資は持ち直しに転じつつある。』(前回)

個人消費は変わらずですが、住宅投資に関して持ち直しに「転じつつ」だったのが「持ち直しつつある」に微妙に上方修正となっていますな。


ということで、よくよく見ると掴みではインパクトがあるものの、需要項目に関して言えば輸出と生産(まあその2項目はとてもでかいと言えばその通りなのですけれども)の引き上げ以外は引き上げになっていませんので、そーゆー意味では掴みのインパクトほどの上方修正でも無いですよね、という話かと。


・金融環境

これまた前回と同じです。

『この間、金融環境をみると、引き続き、緩和の動きが強まっている。』(今回)


・消費者物価

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、基調的にみると下落幅が縮小を続けている。』(今回)
『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、マクロ的な需給バランスが緩和状態にあるもとで下落しているが、基調的にみると下落幅は縮小を続けている。』(前回)

需給バランスの緩和状態文言削除キタコレ。といいましてもだからどうなのと言われると相変わらず下落は下落なのですけど、まあ先行き物価見通しがプラスになりますよという願望に繋がる話にはなりますわなという感じですかそうですか。


・先行き見通し

『先行きの中心的な見通しとしては、わが国経済は、景気改善テンポの鈍化した状況から脱し、緩やかな回復経路に復していくとみられる。物価面では、引き続き、消費者物価の前年比下落幅は縮小していくと考えられる。』(今回)

『先行きの中心的な見通しとしては、わが国経済は、世界経済の成長率が、新興国・資源国に牽引される形で再び高まっていくと考えられることなどから、景気改善テンポの鈍化した状況から徐々に脱し、緩やかな回復経路に復していくとみられる。物価面では、引き続き、消費者物価の前年比下落幅は縮小していくと考えられる。』(前回)

ということで、最初に書きましたように、世界経済の成長率が云々の部分が現状判断部分に移動した事からかなりすっきりした表現になっています。まあこの手の文学っていうのは表現がスッキリしている事が即ち自信の表れでありまして、ああでもないこうでもないというヘッジクローズが多い文章の場合は自信が無かったり何か話を韜晦しようとしていたりというのが基本だったりしますし・・・・・とか書いていたら何かブーメランが飛んできたような気がするorz


・リスク要因

あんまり変化は無いのですが。

『リスク要因をみると、景気については、上振れ要因として、旺盛な内需や海外からの資本流入を受けた新興国・資源国の経済の強まりなどがある。一方、下振れ要因としては、引き続き、米欧経済の先行きや国際金融市場の動向を巡る不確実性がある。』(今回)

『リスク要因をみると、景気については、上振れ要因として、旺盛な内需や海外からの資本流入を受けた新興国・資源国の経済の強まりなどがある。一方、下振れ要因としては、米国経済に対する懸念は一頃に比べて後退しているものの、米欧経済の先行きや国際金融市場の動向を巡る不確実性がある。』(前回)

米国経済に対する懸念云々が抜けましたが、でも米国経済ってどちらかというと足元楽観モードですからこれが抜けたのは不思議ではないですかね。それとも米国経済が楽観に振れているから反動のリスクはあるという含意・・・・というのは読みすぎですかそうですか。

『物価面では、新興国・資源国の高成長を背景とした国際商品市況の一段の上昇により、わが国の物価が上振れる可能性がある一方、中長期的な予想物価上昇率の低下などにより、物価上昇率が下振れるリスクもある。』(今回)

物価に関しては前回と同じであります。


○総裁会見は特に問題も無かったようですな

で、会見要旨は今日出ますけれども、ヘッドラインで特に突拍子の無いものも無く、報道されている内容でもそんなに変な話も無かったように見えました。

まあ何ですな、ここもとの総裁定例会見はすっかり安定気味になってきて、変に自信満々というか妙に強気の話も出ませんですし、市場機能論みたいな麿節も出てきませんし、いい感じで落ち着いてきたと思われます。まあその背景には足元の景気が比較的順調に推移している事から先行きに自信を深め、その結果としてコメントが安定したという事なんでしょうかね、と勝手に思うのでありまする。



○英国の物価4%ですかそうですかという話など少々雑感

12月位のMPCでは来年の春にも4%近くに接近とか予想していたのですが、更に物価上昇が加速でござるの巻。

http://www.bbc.co.uk/news/business-12462901
UK inflation rate rises to 4% in January

『The UK Consumer Prices Index (CPI) annual inflation rate rose to 4% in January, up from 3.7% in December, as the effects of the VAT rise were felt.』(上記URLより)

ということでBBCニュースの記事をほっほーと読んでおりましたが、まあ利上げをすると経済がしょんぼりしちゃいますし、一方で物価上昇をどうすんのというのもあって、中々難しいですな。まあBBCの論調だけ見ていると(ってBBCだけ見て判断しちゃいけませんですので何ですが)「とは言え早期利上げをあまり前のめりで実施するのもどうなのよ」という論調になっているように見えますので、もう少しだけBOEには余裕があるのかなあなどと思いました(が、他の報道機関が大騒ぎしてたりするかもしれないのでよー知らんがの)。

1月のMPC議事要旨にありましたように、経済の余剰生産力のある中では基調的な物価に低下圧力が掛かりやすいので云々というロジックが足元の賃金動向などを見るとやや崩れつつあるというのが英国の場合は遺憾なのでございますが、あたくしの勝手な妄想をベースにすると、英国って日本や米国などよりも金融とかの比重が大きいイメージが勝手にありまして、金融って設備的な意味での余剰生産力という概念は製造業よりも相対的にも低くて結局労働力の問題です罠と思いますからあまりそのスラックがどうのこうのというのが割と柔軟に調整が効くのかなあなどと思うのれす。それから、英国金融業そのものは物凄い勢いで国有化状態とかにされたりしていてヘロヘロはヘロヘロですけれども、グローバルに金が回りだすと英国金融業界というのは何だか知らんけれども金が通過するような構造になっているようで、おこぼれが落ちるというメリットが得やすいみたいですから、そーゆー点からも意外に英国経済の方が(グローバルに金が回っていくという前提の下では)戻りが良いのかも知れませんなあとか思いました。

いやまあ思っているだけなので根拠も何もないけど。


それから更にどうでも良いがスウェーデン利上げとな。
http://www.riksbank.com/templates/Page.aspx?id=46061
Repo rate raised by 0.25 percentage points to 1.5 per cent

声明文を見ると更に利上げをやりそうですな、うんうん。

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2011/02/09

○まあオトナの事情もありますからねえ

昨日は「レポートがねえ」などと申し上げましたが、よくよく確認したら7日の時点で愛知県に格付けを付与している(長期AA-)S&Pから格付けに影響なしのリリースが出てまして、三菱UFJ証券さんからも関連レポートが出てました。謹んでお詫びいたします、どうもサーセン(他にも出てたかも知れませんがあたくしが見たのその2本でしゅ)。

ということでネットで閲覧できるのがS&PのリリースですのでそのURLをこちらに。
http://www2.standardandpoors.com/portal/site/sp/jp/jp/page.article/1,0,0,0,1204864627889.html
知事選の結果、愛知県の格付けに影響なし

こちらのリリースはあっさり味となっていますが、何本かのレポートを読みました所、まあとりあえず把握したのは「減税するから地方債を出す」という無茶振りは(普通税率以下に下げる場合は)総務省が許さんらしいって事なのですが、皆様のレポートなどを拝読しますと、「まあそのような法的な問題もありますから減税は歳出削減で賄う事になりますので財政規律自体は維持されるでしょう」という趣旨になっておりましたです。

まあオトナの事情もあるからそれ以上突っ込んで書くのも何だとゆーのも判りますが、本当に読みたいのは「で、その市県民税10%恒久的削減って実際問題としてワーク出来るのですか」という事だったのですが、そこら辺に関しては華麗にスルーというのが心温まるものであります。そして実際に恒久財源が確保できない場合に帳尻あわせでどんな弊害が起きるのかというような話まで突っ込んでいただきますと大変に素敵なのですけれどもまあそれはそれということで(ニヤニヤ)。

しかしまあ何ですな、「財政の組み換えで財源はウン十兆円出ます!」「埋蔵金を活用して財源はウン十兆円出ます!」とかいう八百長政権公約を掲げて選挙で大勝利して発足した政権が「期待外れ」だからと言って既存政党への不信になった結果、またまた財源の根拠が怪しい(としかあたくしには思えないのですけれどもねえ)「減税」を掲げる人を圧勝させてしまうとか、有権者の皆様におかれましてはどんだけ「毛ばり」に弱いのよと思うのですが、そういえば懐かしの「毛ばり」発言のご子息様が最近はすっかり毛ば(以下自主規制)。

しかしこの期に及んでまた減税ネタが席巻となりますと、ソブリンも含めまして財政の維持可能性がどうなんですかねえとガクブルですが、まあ名古屋の皆様には誠に恐縮ながら、その財政改革とやらで減税した結果、どのような事になるのかというのを盛大に実験していただきまして、そらまあ上手く行けば万々歳ですし、市政サービスがボロボロになって大変な事になったらなったで盛大な反面教師となりますわな。まあ日本全国焼け野原になるよりはマシですが、困ったからと言ってつボイノリオさんの歌のように新幹線を名古屋で止めちゃうのは勘弁して下さいね(^^)。


○中銀ネタとかやっているうちに市場が少々アレな件について

昨日はこういうのは普通こけないでしょうとか言われていた40年入札が微妙に滑った結果(前場引けが2.215/2.225に対して落札利回りは2.24%)、前場は何故か堅調だった債券相場(と言っても前場から中短期が微妙にうんこだったのですが)は下落して10年1.30%の買いで暫く支えていましたが陥落したら引けに掛けてベアスティープでござるの巻。

長い所も微妙にアレですし、最近は5年がズルズルと重くなっておりまして、昨日の引けはカレントで0.580%と12月のマーライオン相場の安値に接近中というのがこれまた素敵な展開。今週になって東京時間にトレジャリーが妙に弱かったり、香ばしいテイストを醸し出す昨今の相場ちゃんなのでありますが皆様いかがお過ごしでございましょうか(−−)。

で、その中短期ですが、2年とかその手前とかも最近すっかりうんこ状態になっておりまして、そらまあ5年が0.50どころか0.60に接近となれば2年が0.15とか言ってる訳にも行かないでしょうから売られるちゅう所なのでしょうけれども、今回は11月終わりから12月半ばまでの動きと違って足元の日銀の資金供給は潤沢に回っていてGCレートが動揺している訳ではありませんので、そういう意味で言えば今回の2年金利の上昇こそが昨日悪態を申し上げた金融市場レポートでいう「長期金利などの上昇の影響による金利上昇」でありまして(以下悪態の為割愛^^)。

つまりですな、別の言い方をしますと、前回の中短期金利上昇の時は日銀の資金供給オペのスタンスを変化させた(というかようやく包括緩和本来の趣旨に則ったスタンスになったという事ですが)ところで中短期債に対して心理的に買いを入れやすくなるという止まり所としての切っ掛けがあり、丁度5年金利も0.60%に接近となっていたので止まり所となったのですが、今回の場合はその日銀ちゃんのサポートは既に実施してますから(まあ基金国債買入でも連発すれば効くかもしれないけれども、あんまり意味なさそうですし、オペレーションはあまりホイホイとスタンスを変えないで淡々と実施した方が期待の安定化に良いと思いますし)、今回の止め役は日銀以外となりますわな。米債なのか水準感でどどーんと買いが来るとかなのかは知らんけど。

ということで2年が0.22%とかになりますと(この前は0.23%まで上昇したんでしたっけ)さすがに1年も0.14%などと言ってる訳にもいかず、先週金曜辺りから引け値も修正されて昨日の引けは残存1年の2年289回債で0.160%となりました。一方でGCレートはまあ相変わらず0.105%辺りで推移するという状態で、さてこのバランスはどう取るのやらとか思っておりましたら、昨日の3か月TB入札は足切りが0.11%乗せになったと思ったら結局引けも0.110%(たぶん実力はあと0.001%か0.002%か微妙だけど安そう)となりました。一昨日の6か月TBは0.125%の引けになっていますからそらまあ0.11%割れはGC的にまあそれでも良いかもしれないけれども、後ろとのバランス的にどうよという話になったのでしょうな。

という事で、0.1075/0.1100でイ・マオカ選手(実在のやきゅう選手とは多分関係ありません^^)の三塁守備のように動かないとか申し上げたら変なフラグを立ててしまったようで誠に申し訳ございませんことであります(誰に謝る??)。


○そういえば久々にオペが札割れしなかった件について

昨日のオペ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110208.htm(オファー)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110208.htm(結果)

トムスタートで16日エンドという短い期間の供給オペが久々に札割れにならなかったでござるの巻です。ついでに言えば基金共通担保の3Mが一昨日より按分率下がってますな。

さすがに当座預金残高15兆円台だと足元がキツく、さらに今月の場合は15日に財政大幅払い超が年金定時払い要因でありますので、年金の払いによって15日に資金繰りが大幅に余剰方向に振れる業態の皆様におかれましては、15日を越えるタームの資金を取っちゃうと15日以降が無駄取りになってしまうという関係上、超足元の資金繰りがタイトになりやすくなるとゆー事情もありまして、無担保コールが一昨日は0.094%で昨日は0.098%と強かったと言うこともあってトムスタートのショートタームのオペが入りました罠とゆー所ですかそうですか。

まあスポットスタートの方は引き続き札割れしておりまして、別にGCが上昇って事も無いですし、オペ残自体も高水準ですけれども、15日の所で財政が大幅払い超になるので、そこで自動的にオペ残が落ちる事になると思いますが、そうなった所でどういう風になるかは一応確認したいなとは存じます。まあちゃんと札割れするまで資金供給するというスタンスが維持されたら(そうすると当座預金残高の水準が足元の16兆とかからまた増えると思います)特に波乱にはならないと思いますけどね。

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2011/02/01

○それはそれとして日銀のサイトがリニューアルされた件について

http://www.boj.or.jp/index.html/

今度のページは右の方に色々と普段使いそうなトピックへのリンクが張ってありまして使い勝手は多分よくなっているように思えますが、案の定過去のリンクが殆ど死んでいまして、会見とか金融経済月報とかPDFの類は全部死んでいますので(市場情報のインデックスページ(marketというのがある奴)は生きているようなのですが)、あたくしのようにあちゃこちゃにページへのリンクを張っている人は涙目の展開になりやがりました(-_-メ)。

ということで、1月以前のページのリンクがあちこちで死んでいますので、あたくしのページから参考資料に当たる際には誠に申し訳ございませんが、ご不便ご寛恕の程をお願いいたしたく。まあ時間があればリンク切れをちょこちょこ直していきますけど、根がものぐさ太郎でございますので、とりあえず現在使っているページ(=今期分)のあたりは何とか努力しようと思ってますが期待しないで下さい(−−。

ま、慣れるまでは何なのですが(階層が多いのが前のページの難点でしたけれども、まあ慣れれば別に苦にはならない)、恐らく多くのアクセスのあるページと、日銀的に説明したい所を中心にトップのページにリンク張っているので、まあ使いやすいんじゃないですかねえ。

しかしリニューアルでリンクが切れるのは(まあ事情もあるし放置するとどんどんサイトの量が増えるのも判るんですが)何とかならんのですかなあ。


○更にその前に市場雑談

市場雑談と申しましても10年入札ではなくてオペの話。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_o.htm
オペレーション(日次公表分)

このページはリニューアル前とアドレスが同じでして、ついでに今回からトップページにリンクがあるのでかなり便利になったと思う。

31日のオペオファーと結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110131.htm(オファー)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110131.htm(結果)

2日スタートのオペオファーが14000億円に対して応札が1695億円で、4日スタートのオペオファーが10000億円に対して応札が3865億円。

ということで、これまた毎度お馴染みの上田八木短資さんの資金需給予想を見ますと、明日2日の絶賛税揚げ日の当座預金残高予想は現状で164300億円となるとの事で。
http://www.ueda-net.co.jp/uedayagi/02-market/02_1.html

これはまた豪快に当座預金残高減りますなと思いますが、何せ2日スタートのオペは既に打ち込んで絶賛札割れという事ですので、今日もオペオファーするんでしょうけれども応札が少ないということになるなら「札割れしている位供給していますが当座預金残高は減少しています」という素敵な流れになるのですな、うんうん。

とは言いましても、そもそもオペの応札が少ないという位ですからGCのレートが上がるわけでもなく落ち着いて推移している訳でして、まあ一応当座預金残高はそれはそれで重要なメルクマールではあるのですが、その時の資金需給によってオペ残が変わってくるという事もありまして、当座預金残高自体は明日このままだと17兆割れとかになるのですけれども、オペ残(金利入札方式の共通担保オペ+基金共通担保オペで計算しています)はあたくしの計算が間違ってなければ今日が41兆少々で明日が42兆少々となるので、そーゆー意味ではオペによる調達とのトレードオフになりやすいGC市場的には資金供給が確り行われているという形になっていると思うのですな。

てな訳で、明日か明後日辺りに短期市場ネタで当座預金残高が減ってどうのこうのという記事が出たときに金利村でも勘違いする人がいる可能性がある(短期の人で勘違いする人はいない^^)気がしたので念の為メモメモであります、などと書いたが間違える奴が市場にお布施してくれた方がメシの種になるのでしたなorz。

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2011/01/28

お題「S&Pソブリン格下げネタ雑談」

昨日どどーんと出しをしたのでネタがNeeee!と思ったらネタが出るとは。

○市場が大して反応しねえじゃねえかああああああ

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aESPS8ykNmdc
S&P:日本の長期国債を「ダブルAマイナス」に格下げ(Update3)

何か引け後に気がつけば(おいおい)為替が動いてて債券先物が下がっておりやして「S&Pが日本国債格下げ」とかぬかしてやんの。んでまあ債券先物は139円75銭近辺から55銭近辺まで下がってドル円は82円20銭近辺から瞬間83円台になったのですが、その後は押し戻されて83円抜けるでも無くもさもさと推移と。

で、海外でどの位円安になって下さるのかと思って起きてみたら何のこたあねえドル円82円台後半じゃあ別に何も変わってねえじゃんよと誠に遺憾に存じます次第でありまする。

世界各国では格下げがどうのこうのとか財政リスクプレミアムがどうのこうのとか言っているのですが、本邦の市場の中の人たち(と言っても他の市場はよー知らんので債券市場ですが)は格下げのニュースを見て「何だこれだけしか円安にならないとかつまらん」とか言い出す有様でございまして(^^)、誠に不謹慎にも程がございます(棒読み)。ちなみに引け後は確か10年カレントが1.250%(引けの2.5甘)で出合ったのですけれども、そもそも昨日の場中に1.245/1.250の板までやっていましたので、まあ昨日の場中の安値というか寄り近辺まで戻した(というか謎のツイストスティープしてるので実は中期とか先物はそこまで押していない)だけですからねえ。

ところでですね、昨日紹介した白川総裁定例会見で「日本のソブリンCDSスプレッドの拡大」の質問をしていた人がいましたし、先般ではどこぞの経済新聞がネタにしてた(のがピークなのがお洒落なのですがそれは兎も角)りしていましたように、ここ暫くの間ってCDSのスプレッドに動意があったらしいのですが、このスプレッドの動きと今般の格下げ発表には当然ながら全く何の関係も無いものであると確信しておりますので念の為申し添えます(棒読み)。


○日経クイックのヘッドラインに悪意成分が強い件について(^^)

何かね、ブルームバーグニュースのヘッドラインを見てたら野田財務大臣が普通にコメントしているように見えたんですけどね。

JBN 17:35 *野田財務相:為替の動きについてはコメント控える
JBN 17:36 *野田財務相:財政規律を守るメッセージを出し市場の信認得たい
JBN 17:38 *野田財務相:新成長戦略の本格実施と財政規律を堅持した予算を提出
JBN 17:38 *野田財務相:年度内に来年度予算を成立させたい
(以上ブルームバーグニュースのヘッドラインから)

これがクイック(ちなみにデリバティブコメントではなくてNQNニュースの方です)のヘッドラインだとこうなるのよね。

17:45 <NQN>◇野田財務相、S&Pの格下げ「民間会社の評価、コメント控える」
(クイックのヘッドラインから)

・・・・コメント控えるってお前そりゃないだろと思っちゃいますよね(^^)。

で、すっかり有名になった菅首相の「そういうことに疎い」発言もここぞとばかりに報道してたのは日経クイックニュース。

http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C9381949EE0E5E2939F8DE0E5E2E3E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
菅首相、日本国債格下げに「そういうことに疎い」
(最後の部分を見ますと〔日経QUICKニュース〕と思いっきり書いてあります)

まあお遍路さんの日本語能力は勘弁して欲しいと思う訳で、「詳しい内容を確認してから改めてコメントします」とでも言えば良いのに「疎い」とかどうでも良い所で一言多いわけで、もうお前は永遠に黙ってろと思うのですが、わざわざこれをどどーんとニュースにする日経新聞及びクイックの悪意成分の強さに激しくワロタです。

#今朝7時の公共放送ニュースでもネタにされてやんの、あっはっは

もしかしてこれはトンチキ発言に見える不用意発言部分(まあその不用意発言をするお方は可及的速やかに永遠にお遍路の旅でもして頂きたく存じますが)をクローズアップする事によって更なる円安進行をさせていこうというNQN様の深慮遠謀なのであるのであれば大変に素晴らしいと存じますが、単にオモシロヘッドラインを打とうとしているだけだったらつまんねえなあと思った昨日の夕方なのでございました(^^)。

#カップ麺の値段だとか漢字の読み方で首相を批判してた連中に盛大なブーメランという事で、人間正しい道を踏まないと結局自分に災いが降りかかるという話ですな

まあしかし何ですな、どうせですから菅さんと野田さんが格下げに関する会見と称して一緒に(片方だけでも良いけど)出てきて全身網タイツ姿で腰の下辺り(^^)に天狗のお面をつけて「天狗じゃ!天狗の仕業じゃ!!」と踊りだす位のパフォーマンスをやっていただければドル円が30円くらい飛んでくれて株価は上昇するわ輸入物価は上昇してデフレ脱却が進むわ対外資産は儲かるわ外為特会の穴は全部埋まるわと良い事ずくめではないかと思う次第でありまして、格下げ一発でドル円1円も動かないとか残念な所ではございます(←って何かが違う^^)。


○更に雑談の続き

まあそもそもAA−の格付けだとFitchさんが既に付けているので、何か「ふーん」という反応しかないのですが、S&Pの見通しがネガティブのままだとまだ下がる余地があるという話だから何ですなあとか思いながら久々に(普段そんなの見ないから)端末叩いて国債の格付けを見たら何か見慣れないものがありました。

大公国際信用格付

長期外貨建見通し   STABLE
長期自国通貨建見通し NEG
自貨建長期ソブリン格付 AA-
外貨建長期ソブリン格付 AA

・・・・・( ゚д゚) ナンダコノタイコウコクサイカクツケッテ

効力発生日確認したら2010年7月11日でして、中国が米国に対抗したんだか何だか知らんけど変な格付けおっ始めた格付けで、大公国際資信評価という会社の付けている格付けなのでした(^^)。ちなみに中国の国債の外貨建がAAAで自貨建がAA+という俺様スタンダードな評価をしているのは言うまでもありません。

ということで、日本国債の格付けなんぞここ半年以上真面目に端末叩いて確認していないというのがバレるのでありましたが(^^)、画面見た瞬間に感じる違和感は中々凄いので端末叩いて画面をご覧になる事を推奨いたします。

ちなみに、S&Pの見通しはご存じのようにNEGATIVEからSTABLEに変更になりました。


それはそれとしまして、毎度お馴染みの厭債害債さんのエントリーに感服。
http://ensaigaisai.at.webry.info/201101/article_8.html
外圧の使い方

『同じ格下げでも、市場にインパクトのある形で行うには、このような膠着感のある地合いのときが効果的だった。もちろん市場が簡単に見切ってしまって円安効果そのものは長続きしないかもしれないけれど、少なくとも財務省や財政再建に軸足を移した政府にとって今回の格下げがもたらす悪い要素は少ないだろう。』

『陰謀論は(本当は好きだけれど)あまり格好良くないけれど、これが格付け会社を巻き込んだ「外圧」ごっこだったとしたら、なかなか上出来ではないか、と思ったりする。』

(以上厭債害債さんの上記URLより)

確かにまあこれが外圧となって財政問題をもうちょっと真面目に考えて頂く機会になるとそれはそれで慶賀すべき事ではないかと思いますな。


○備忘録メモなど

本当は今日は格下げ雑談だけじゃなくて先日途中で終わっているミネアポリス連銀コチャラコタ総裁の講演の続きであります「資産買入などの非伝統的金融政策に関する現在の論点整理」部分のネタを投入する積りだったのですが、雑談ネタをあれこれ考えているうちに時間と気力がなくなったので(昨日沢山ネタ投入したのでバッテリー残量が少ないという事で勘弁)週明けにでも投入の所存。

ちょっとだけこの前も書きましたが、コチャラコタ総裁の論点整理は端で見ているあたくし的には非常にしっくり来る整理でございまして、まあ一部ちょっと微妙な部分もあるのですけれども、コロコロ話が変わってすっかり福井の俊ちゃんのような風格が備わっているバーナンキ議長を初めとした執行部の皆様のお話よりはFRBの政策の整理には良いと思います、のでお楽しみに。

それからですな、昨日は微妙に黒歴史的な期間の決定会合議事録が出た訳ですが。
http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/gijiroku/data/gjrk.htm

これって議事録の正本と思われるものをスキャンして画像ファイルにしているものなので、ネタにするときは自力でタイプしていかないといけないという大変に手間隙のかかるものでありますし、多分今回のはまあ読む場所もかなり長くなると思いますので、ネタにできるかどうかは正直怪しいけど、何はともあれこの間の議論は読んでおきたいものであります。

・・・・・もしかしてこの議事録ネタを経済ニュースの注目から外すためにS&Pが格下げのタイミングを選んだんでしょうか(超大嘘^^)。

あとど〜でも良いですが昨日の2年入札は微妙にアレでしたな。いやまあ絶対水準の0.20%で買いが入るのは判るけど何ぼ何でもオファーサイドの向こうの100円0銭5厘で切れんでも・・・・・キャピタル狙えなさそうなのに良く頑張りますな。

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2011/01/17

○資金供給オペは引き続き積極姿勢ですが・・・

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110114.htm

その結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110114.htm

2本とも札割れでござるの巻でございますが、18日はオペの期落ちが無い(19日は全店金利入札の期落ちが8000億円ある)ので、ロールのニーズが無かった事から札の集まりがイマイチで、20日は資金不足日は資金不足日なのでございます(国債発行要因)が、この日もオペの期落ちが本店オペの4000億円(元は札割れオペ)しか無いのと、T+4という事でこれまた札の集まりがイマイチでしたな。まあ国債発行要因と言いましても今月の場合は1年TBの分くらいですからそんなにニーズが無かったのもあるでしょうけれども、それはそれとして20日の資金不足日に向けてオペ供給をしようとしているんですよという姿勢を示すオペと言う事で、今回の積み期間に入っても資金は供給して行きますよ(キリッ)というのは把握いたしました。

まあそんな所なのですが、何か不思議なのは先週短国買入オペが通常のも基金のもオファーが無かった事でして、年末年始で入札が無く時にオペ連発して玉のスッカラカン状態になるのに一役買ったというのに、今週のTB3発入札を前に何故かオペがスルーというのもナンジャラホイという感じがしますな。ま、足元の資金供給オペ札割れ攻撃が連発しているので、そーゆー意味では買入系のオペを入れやすいので今週は普通に短国買入のオペが入るのでしょうなあとは思うのですが、超スッカラカン状態から実質的に次の積み期間になったところで微妙に売れ残りモードになってきた(まあそもそも論からして0.10カツカツで3か月TBが延々と推移するというのは超越量的緩和状態にならないと難しいと言う事ですが)のであらら感もあったり無かったり。いやまあ足元の需給が悪い訳ではないと思いますし、水曜の短国入札が前週よりも強い結果になっていたから買入をスルーしたのでしょうけどね。

それからCP買入は地味に落札利回り低下してて、出来上がりの平均が0.127%となりますとa-1格の大手系その他金融さんの新発3か月のレートとほぼ同じ水準という感じで(前回は平均0.142%の足切り0.131%でして、同じ比較対象となる発行体さんのレートより1bpほど高かった印象があります)、こちらは順調に落札利回りが低下しているようですな。うんうん。

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2011/01/14

○2兆6千億円の供給が入りましたけど・・・・

短期市場のみが注目した13時のオペオファー(債券市場の関心は30年国債入札ですからね^^)はこの通り。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110113.htm

ということで、トムスタートで6000億、スポットスタートで2本立て2兆円のオペオファーとなりまして、まあとりあえず資金供給は多めにやりますよってえのが示された格好でございましたが、このオペのオファーが行われるまでの状況がど〜なっとったかと申しますと、コールがビット確り(最近の市場環境において積み最終近くになると良くある話、理由は敢えて詳しくは書かない)になっていたり、T+0のGCオファー(=資金の取り)がしつこく残っていたり(とは言えどっちもレート上げれば直ぐに取れる筈なので別に金が無い訳ではない)という動きがあったり、17日スタートのGCも微妙に資金の出が悪かったりとゆー感じで、0.105-0.110とかのイメージでまあ市場の地合いがあまり宜しくない状態だったようですな。

でもって上記のオペ2.6兆円攻撃で一安心ということでその後は17日のGCも資金の出し安心感が出たのか何だか知りませんが、まあ地合い好転して0.100-0.105とかのイメージになったようで落ち着いて良かったですねという感じのようでございまする。

・・・・ということでですな、まあオペ実施で最終的に地合いは落ち着いたのですけれども、昨日の前場の地合いとか見てますと、昨日のオペオファーを確認するまでは「日銀が梯子外して来るんじゃねえのか」というリスクに対する懸念(その時点の金利水準からすると予想通り打ち込んできてもそんなに金利が下がる訳ではないけれども、間違って梯子外されたらあばばばばばー状態になってしまうのでそらまあ資金の出し手も出し渋る罠)が市場(というかGC市場)の参加者様におかれましてはご認識されていたという事が示されたというのが昨日のインプリケーションだったりすると思うのですよね。


○先日付取引なので匙加減にも工夫が必要でしょうなあという件

つーことで昨日のオペはまあ「次の積み期間でも資金供給は多め(潤沢と書いていないのがミソですがそれは後ほど)に出しますよ」というのは大体伝わったという感じでございますが、そもそもGC取引というのは基本が証券業者の在庫ファンディングなのでポジションがほぼ確定するのがT+3のアウトライト取引が終了した時点で、そこからカバーという事になってT+2で取引というのが多い(年末に日銀から短期市場のレポートが出てましたわな)ので、実は資金供給に関しても例えばの話トムのオペで足りなさそうだったら出せば良いやというスタンスだと資金供給スタンスに対する絶対的な安心感が無い場合は昨日の前場のようにしらっと地合いが悪化しちゃう訳ですな。

これが仮に昨日の供給が1兆6000億円とかで今日になってトムで2兆とか入れてくるというようなパターンだと、最終的にT+1とかT+0のところでGCレートは下がる(のでそのうち地合いは安定するかもしれませんが)んですが、T+2の所が落ち着くのに時間が掛かりますし、上がったものを下げることになるので、落ち着かせる為には恐らくは資金の供給をする必要量が多くなると思われる訳ですな。

つーこって、まあ昨日の前場の地合いからしますと、先行きの資金需給的に不足が予想されるポイントポイントで先日付のスタートの供給とかをやって「梯子は外しませんのでご安心を」という雰囲気を醸成していくのがまだ必要なのかも知れませんな。まあその辺のスタンスに対する安心感があれば別に先日付とかやらないで普通にT+2(一度に打ち込むのが大変な時でもT+3程度)でオペ打っても大丈夫なのでしょうけれども。

つまりまあ何だかんだと言いましても、昨年の包括緩和アナウンス以来の当座預金17兆円攻撃の継続によって「包括緩和とか言ってるけど短期に関しては市場機能重視なんでしょ」というイメージが付いてしまったという意味では、まだまだ「潤沢な供給」という点に関しては市場が全面的に信用している訳ではないという事ですからして、信用を落とすのは簡単だが作るのは難しいとは良く言ったもんだと何時の間にか悪態になっているのはあたくしの仕様ですので気にしないように(^^)。


○当座預金残高とかオペ残高とか

またまや上田八木短資さんのページから(このページは毎日の日銀ネットが締まった後に更新されているのでURLは昨日と同じ、つまり14日の夕方以降に開けますと別の日の資金需給の表がでますのでそのへんご承知おきを。過去分を見る場合には画面左上の「履歴メニュー」をご覧あれ)。

http://www.ueda-net.co.jp/uedayagi/02-market/02_1.html

資金需給が微妙に当初見込みからぶれていることもありまして、2.6兆円の供給によって17日の当座預金残高の見込み額は現状で207,400億円となっておりますが、上田八木短資さんも予想していますように、今日は17日スタートでもう一発供給して当座預金残高を21兆円台(どうせなら1兆円打って21兆後半まで持っていったほうが安心感が更に増すと思うのですが)に持っていくざましょという所ですかにゃ。

と申しますのは、当座預金残高もそうですが、あたくしの手計算ベースでのオペ残高(買入と成長基盤強化を除いた共通担保オペの金利入札+基金固定の合計)が昨日のオペ実施後で17日の所が40兆円を回復した所でございまして、12月の積み初日のオペ残の入りが42.5兆円程あったのと比較すると少々少ないので、まあ当座預金残高20兆円乗せは多めは多めなのでしょうが、潤沢に資金が入って金が余ってますねというイメージまでには行かなさそうなのと、どうせ今月は資金不足月で20日、21日に財政要因で不足があるので、どうせ来週後半に向けてオペを入れていかないといけないですから、今日もまあトムスタートは入るでしょうかねえという感じですが外しても謝罪も賠償もしませんので悪しからず。

ちなみに、今月の資金需給日足予想の元ネタはこれまた上田八木短資さんのここからでございます(月次更新なので月末近辺になって来月の数字を見たい時にちと困るのですが^^)。

http://www.ueda-net.co.jp/uedayagi/02-market/02_5.html


○そういえば3か月TB

水曜に0.1055/0.1063というまあ足元玉が無かったからシャーナイナイな入札をやりました3MTBちゃんでございますが、昨日は足元のGC市場中心に地合いがイマイチさんだった事も手伝ったのか売り優勢モード。

つーかまあ今回の積み期間で超過準備積まない為に渾身のキャッシュ潰しの動きが入った分と、入札が2週間以上実施されないのに短国買入を通常のオペと基金オペで5連発とか資金供給姿勢を見せる為の日銀攻撃によって流通玉が吸い上げられた分によってマーケットの玉がスッカラカンになって、期内償還の短国が平気な顔で0.095%だの0.09%だの0.08%だのという(ただのショートカバーで超小額の出合いですからあまり意味は無いですが0.05%ってのもありましたっけ)出合いをしていた訳ですが、まーそういう成行買いが一巡すると0.10%割った水準で短国を買う人(成行でキャッシュを潰しに行くか円転スワップで超低利資金が入っているかのケース)のニーズだけで毎週4.8兆円の玉を捌くのはさすがに無理があるということでしょうかね、という感じです。

とは言いましても、短期資金の運用ニーズ自体は相変わらずの状況でございますので、レートがちょっと上がったらピラニアのように買いがやってくるという動きには変化が無いと思われる所です(足元資金自体はありますので)から、まー別にだから短国がじり安シーザーになってズルズルという訳ではなかろうとゆー所ですかね。よー知らんが。

さすがに3MTBが0.10%カツカツという前提じゃないと2年の0.15%というのも中々難しいですよねとか思っておりましたら、足元2年とかも微妙にまた金利上昇しているのがチャーミングですが、そーは言いましても別にGCが跳ねる訳ではないのでしたら3MTBの金利もそんなにアガランチ会長だと思います(11から12の間とかになるんでしょ)ので、まあ来週入札3連発ありますけれども、大過熱感は終了して普通に堅調入札になるんでしょうなあと思いますが、これまた外しても謝罪も賠償もしませんので投資は自己責任でよろしくお願いいたします。


○その他世間話雑談

昨日のオペ結果ですが1番上に注目
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110113.htm

オファー額6000億円に対して応札6000億円とか目方でドンのピタリ賞ですかという感じ(歳がばれます)ですが、日曜の昼と言えばやはり100円均一つかみ取り大会とかの大正テレビ寄席でしょうとか言ったら更に歳がばれますかそうですか(^^)。

しかしこんなピタリ賞は珍しいですな。これ応札したの何名なのか興味があります(けれどもそれは残念ながら非公開)。10社とかが応札してこの結果だったら凄いですが、「ピタリ賞なので特別に2倍供給致します」と言われても単に迷惑なだけなのが残念な所です(あたりまえ)。


一昨日の話で既に話題になっていますから今更ですが。

http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc11/bis1101a.htm
国際決済銀行(BIS)理事会による「白川総裁のBIS理事会副議長任命」に関するプレス・リリースの発表について

これは素直にすげえええええと思いましたが、これによってBISビューバリバリになってマクロプルーデンスで日本が率先して金融緩和の縮小とか訳判らん事をするのは止めてちょと思うのは気にしすぎですかそうですか。

しかし前任が「ブンデスバンクのティートマイヤー」さんですかそうですか(^^)。

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2011/01/13

○3か月TB入札とか次の積み期間に向けた当座預金残高とか

ここもと0.10%カツカツだったり0.10%割れ(!)とかで業者間で堂々の出合いを展開している残存3か月以内の短期国債でございますが、本年2発目の3か月TB(先週金曜に6か月TBの入札があったので短国としては3発目ね)入札の結果はこんな感じ。

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul230112.htm

(3)募入最低価格 99円97銭3厘5毛
(募入最高利回り) (0.1063%)

(5)募入平均価格 99円97銭3厘7毛
(募入平均利回り )(0.1055%)

先週木曜の3か月は0.1087/0.1107でしたが、その後更に短い所のキャッシュ潰し攻撃となって期内償還のTBの0.10%割れの出合いがあったのが金曜ですから、まあ出来上がりとしては先週より落札が強いのはシャーナイナイという所でして、まあ今週に入って4月償還物まで強くなっていましたから(ただし強いのはTBで利付国債はそこまで強くなかったりする)、落札結果としては強い結果でございましたが、セカンダリーでは0.105%オファーとか平均落札オファー(0.1055%ですな)とかになっておりまして、さすがに4兆8000億円を全部0.10%カツカツとか0.10%割れで捌くほどのニーズは世の中には無かったようで(成行で買うのは超過準備付利と関係ない人と、超過準備を積みたくない成行買いの人になるけれども、今回は発行日が17日なので今回の積み期間とは関係ない)ございますにゃ(^^)。まーそこまで過熱しなくて良かった良かった。

でまあ来週は1年、3か月、2か月と入札が3連発ありますし、準備預金の積み期間が新しくなりますので、年末年始の入札の無い時期に親の敵のように買入を打ち込みまくった日銀攻撃によって需給が猛烈に引き締まった状態から徐々にまあ普通に需給が良いですね(日銀の資金供給がちゃんと潤沢な状態で継続することが前提ですが)状態になるのかなあとは思うのでありまする。


でですな、来週月曜から(正確には日曜から)準備預金の積み期間が新しくなるのですが、17日の当座預金残高をどの位に持っていこうとするのか、というのがマニアの注目材料。

上田八木短資さんのサイトを参考にしますとですな・・・・
http://www.ueda-net.co.jp/uedayagi/02-market/02_1.html

表の右の方にあります「当社需給予想」の1月17日の所を見ますと、昨日時点で確定しているオペの新規実行&期落ちと予想される資金需給(まあ短資さんが予想する数値から実際の需給もそう派手にはぶれないので参考になります)を勘案すると17日はこのまま何もしないと当座預金残高が17.6兆円になる見込みでございますわな。

という事で、積み初日の時点で当座預金残高を20兆円ペースに持って行くと考えますと、17日の所であと3兆近くは資金供給を打ち込まないと積み初日に「潤沢な資金供給」感が出ないんじゃネーノと思うのでありますけれども、17日は固定金利オペ(基金共通担保)のロールが無いので通常の金利入札オペで3兆打つのかと思うと中々目頭が熱くなるのでありまして(6Mの基金共通担保を新規に打てば8000億円分は稼げる)、今日はオペ連発になるのかいなという感じですかねえと思うのです。

いやまあ明日トムで追加打てば良いのですけれども、今日の打ち方がしょぼいと「積み期間が変わったら『潤沢な供給』スタンスが後退するのかよおおおおおおお!!!!!」というイメージを与えかねないのでどうなんでしょうかね♪オペ残高も年末年始は堂々の42兆円(うち固定オペが24.8兆円)でしたが、足元では(年末年始に買入をバカスカ入れた分も効いているのかもしれませんが)オペ残高38.6兆円とかになっている(ただしこの数値あたくしの手元でエクセルちゃんでへこへこ集計した物なので間違っていたらスイマセン)状況でござんす。まあ足元の残高減少はオペ札割れしているから別にそれで不足感は高まっている訳では無いのですが、今回の積み期間で年末年始に22兆円ペースで当座預金残高を引っ張った関係で積が進捗しすぎた為の札割れ要因もありますので、積み期間が変わった所でオペ残高がそのままだとやはり不足感が出てくるんじゃないですかねえとか思うのでした。

という超マニアな話でございましたが、まあ地味に今日のオペもマニア的に注目でございますなあという話でした。

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2011/01/11

○やっと来ました包括緩和らしい動き

金曜は業者間で期内償還の短国でこんな動きが。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=afG3TdmpKhes
年度内償還のTBが0.1%割れ、資金余剰でオペ札割れ続く−入札順調

ということで、期内償還の短国が大変にお洒落な展開になっているのでありますが、金曜に3M短国入札(は木曜に実施された)の話を書いて、短国が玉枯渇してますねという話と、まあ普通に考えると他の短期物の金利も影響するかねというような話を書いて「来週に注目」などと書いた訳ですが、相変わらず走り出すと一気にやるのが好きな相場のようでありまして(^^)、金曜はCPとか短い一般債とかの買い意欲もいきなり高まるわ短国は勢い余って0.10%割れ(しかもそれなりにロットで出合っていた)とかやるわという大変に素敵な展開に。

まあね、そもそも包括緩和の実施ということで「潤沢な資金供給を行い長めの金利の低下を促す」という話をしているのですからして、当然ながら市場ちゃん的にはこういう風に成らないと長めの市場金利は下がらないのでありまして、つまりは包括緩和という事で声明文で表明された内容に則したらこうなる筈という事でございますので、そーゆー意味では「やっと包括緩和らしくなってきましたよ」という所なのでしょう。

いやまあ10月5日の包括緩和の翌日にいきなり包括緩和効果を全部織り込むような金利低下をやったのはフライングにも程がありましたけれども、その後の資金供給も市場機能重視ちっくな17兆円攻撃だった事もありまして、GCレートがサガランチ会長どころか上昇しちゃって、そーゆー時にまた間の良いあるいは悪い事に米国の2年やらユーロドル金先やらFF先物やらが絶賛金利上昇と来ましたので、散々悪態をついた状況になった訳でありますな。

まー何ですな、そもそも包括緩和で長めの市場金利の低下を促そうというのであれば、市場機能を重視して足元のGC金利というターム物金利の起点になる金利の形成を市場の需給で振らされるようにする、という「市場機能論」は包括緩和とは両立し得ないものでありますからして(足元のGC金利が振れるのであればその分だけタームのリスクプレミアムが発生しますわな、そらまあ政策金利の下げ余地があるというのなら話は別ですが)、まあやっと本来の文脈での「包括緩和に則った資金供給オペレーションの実施」が行われるようになって市場の方も包括緩和らしくなってきましたなという事で、少々遅れてやって来ました包括緩和ちゅう事でしょう。途中で随分と余計な回り道をしているのですが・・・・

・・・・・何かね、この流れって2008年の時のCP市場などのレート上昇およびその後の特別オペ導入の流れと相似形みたいな感じがする訳でして、妙な所で市場機能重視みたいな事を言い出すもんだから市場がその機能を遺憾なく発揮して金融緩和効果を相殺する方向に暴れるのを市場機能重視で放置プレイとなって、火消しのためにより強力な策を打ち出さないと落ち着かなくなるという流れって白川日銀の仕様なんですかねえ、何だかなあという感じですが。

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2011/01/07

○3か月TB入札堂々の平均落札0.11%割れですかそうですか

いやまあ予想の範囲内の展開ではあるのですが昨日の短国入札。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul230106.htm

(3)募入最低価格 99円97銭3厘0毛
(募入最高利回り)(0.1107%)

(5)募入平均価格 99円97銭3厘5毛
(募入平均利回り )(0.1087%)

ということで貫禄の0.10%台ということで、落札結果発表後も堅調推移していたようで、まあ既発債が流通玉枯渇状態でありましたこともありまして新発も入札日から普通に0.11%割れ水準での流れとまあ順当ちゃあ順当なのですが、前回の入札対比ではえらい勢いで強くなりましたなあという所です。とは言いましても、ここ2週間程入札が無く(年末年始の日程上の都合)その間に準備預金の進捗はヤケクソ供給の効果でドンドン進み、更に短国買入をレギュラーオペと基金買入で合計4回(20日の入札日にやった基金買入を含めると5回)打ち込んでおりまして、そらまあ玉が枯渇するわなという所でございます。

超過準備が積み上がりそうになってくる銀行さんがキャッシュを潰しに短国とか短い国債とか買っているのでしょうなあと思うのですけれども、そろそろ年始本格始動になる普通の投資家(普通か普通じゃないかというカテゴリーも不穏当な言い方ですねすいません)が「さて運用するか」と言った時に運用するものがNEEEE!という状態になると今度はCPとか短い一般債とかも強くなってくると思うのですが、足元短国(とGCの運用ニーズ)だけが走っている状態でして、これがどうなるのかは来週生温かく注目しておきまひょかという所でございます。まあ普通に考えると足元での気合の資金供給が続けば超過準備候補の運用ニーズが高いままで推移しますので、0.10%以上のレートなら買いましょーってな事になって、他の投資家もスピルオーバー効果みたいにその辺の周辺商品の買いが入りますなという事になろうかと存じますけど。

ということで、短国入札の話はするものの長国入札の話は完全にスルーするのがドラめもんクオリティ。あれだけ押し込んだのに平均がそんなに高くなかったなあという印象、と思ったらその後もぱっとしなかったという感じなんですか、よく判らんが。

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2011/01/06

○日銀の何か知らんが気合の供給なのかこれ

昨日のオペ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110105.htm

・・・・・(;゚д゚)

10時10分の「輪番+短国買入同時実施」というのもあまり見たことが無いのですけれども(しかも輪番は1年以内と1〜10年のセットなので1年以内の買入が利付国債と短期国債の2本立てという形になる)、13時の供給でも(手前の3本はまあ良いとして)わざわざ12日スタート(12日は10年国債発行要因で財政が揚げ超になる資金不足日)のオペを打ち込んでくるという形で4本立て供給。

というのを見て反応したのかどうかは知りませんが、13時のオファーの後2年カレントが5糸強堂々の買われという事で反応したのもチャーミングでございましたが、長い所も何か反応して債券相場上昇でござるの巻。

いやあ何と申しますか、11月後半までの市場機能重視というか当座預金残高17兆円維持というか、そんな調節スタンスから今度はわんこ蕎麦大食い大会状態かというような調節スタンスとなっておりまして、そらまあ声明文からしたらこれは整合性のある動きにやっとなりましたなと言う事なのですけれども、あーた振れが極端過ぎですがなという感じでございまして、もうちょっとこう「市場の金が少々余る程度に安定的に供給」ってゆー風にいかないもんかねと思うのですけど、まあ昨日申し上げたようにGC市場の需給を正確に読んで調節するのも難しいのは難しいので、無いものねだりかもしれませんが、もうちょっと何とかならなかったのかねえとは思います。

しかしまあ何ですな、どうせならこの気合の供給は今日の13時に見せていただきますと、3か月TBの入札と10年国債の入札が終わった直後で世の中が全員ロングポジションになっていますから皆さんハッピーハッピーなのでありますが、その1日前に相場を持ち上げるようなオペ(まあどうせ今日は米債要因で下がるから同じちゃあ同じですけど)をして入札のレベルを上げる辺りが一昨年の「12月1日臨時政策決定会合開催(ただしアナウンスが11時1分)」というのと似たKYテイストを感じる所でございますな(−−;)。

いやまあ別にどうでもいいちゃあどうでもいいんですけどね(^^)。今日の3か月TBはどの位強いんでしょうかね〜♪

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2011/01/05

○年始早々札割れとか

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110104.htm

これはまた見るからに札割れオペと思ったら案の定札割れでござるの巻。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110104.htm

ということで当座預金残高22兆円攻撃が続いている事から放っておくと準備預金が無駄に進捗する惧れがある為にとりあえず短い所の国債とか短期国債とかで運用しておく動きで先週末には2年299回債が0.155%とかお洒落にも程がある展開を示したのですが、短期国債は買い攻撃によって業者の在庫がスッカラカンになった挙句にこの有様。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=aq_rcK2AR3Vc
新発TB3カ月物0.10%に低下、日銀の潤沢供給受け−オペ札割れ続く

・・・・(;∀;)イイハナシダナー

いやーもう何と申しますか急に出すようになったら今度は潰すべきキャッシュが世の中に溢れる状態になるとか(昨日も申し上げましたが)極端に振れますわなあと思いますが、これで資金を引いたら更にトンチキにも程がありますので、何ぼなんでもこの調子で暫く行くと思いますが、結局の所「ターム物金利の一段の低下」と「市場機能の維持」というのは、現状のターム物金利がコールではなくて実質的にGCレポを起点に形成されており、そのGCレポ市場が日銀がコントロールするのにコールのようにホイホイと簡単に上げ下げしにくいという部分がある事からも難しいですわなという所なのではないかなあなどと呆然と妄想するあたくしなのでした。

つまり、GC取引が先日付であるというのは前から申し上げていますが、もう一つの問題としてGC市場で一番金を出しているのが実質3人くらいしかいないという市場の特殊性(投信などの他の参加者もいるけれども測定誤差の世界)があって、債券ディーラーの資金ポジションが現物国債の需給および参加者のポジションの大小によって増えたり減ったりする訳ですが、そのポジションが全員資金取り方向になった途端に市場の出し手が直ぐにレートをホイホイ上げてしまうので、市場機能重視的なオペレーションをすると何らかの事情(資金繰りが読みにくい所を跨ぐ取引とか)が起きた場合にアッというまにGCレポレートがホイホイ上昇となるわけです罠。現在のように業者が全体で資金調達超過状態になっている(と思われる)場合だと一部の出し手さんが資金出さないでいるとドンドン業者の運用が先行しちゃって資金出し損ないリスクがあるのでGCを低いところで資金出し方向になるんでしょうけれども・・・・・

まあ業者のポジション自体も市場動向に左右されますし、逆にGCが無限にアベイラビリティーあると思えばポジションを直ぐにホイホイ拡大するような動きが起こる事も想像に難くない所でして、まーこの辺りの状況把握をするのも中々難しいというかスキルが必要っぽい話でして、どうしたら良いのかというのは結構考え出すと頭が痛くなる話ではございますな、って傍観者のあたくしが悩んでどうするという話ですが(^^)。

非常にそもそも論かつ何の解決にもならない話としては「0.10%という低金利&金利抑え込みという状況が困るのよ」という事になりますけれども、そこはそういう話をしても解決にならないのでありまして、複雑なパズルの話がこの後続く予定なのですが、頭の中が纏まっていないので以下後日(急に話がワープしておりますがまあその内考えた事をうだうだ書きますです、汗)。

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