分類不能の雑文

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とりあえずここにぶち込んでおきますが、いずれ整理する所存(^^)

過去の雑談

2005年上期
2004年下期
2004年上期
2003年下期(以前の整理はまだできていない)

最近の雑談

2006/03/30「29日の補足」
2006/03/29「ま た 日 経 か !」
2006/03/28「3月10日の衆議院予算委員会・・・でしょうも無い質疑をしてる人たち」
2006/03/17「金融庁、謎の誤発注実態調査(その2)」
2006/03/16「金融庁、謎の誤発注実態調査」
2006/03/14「なおもNHK問題補足」
2006/03/13「10日の話の補足というか訂正とお詫び」
2006/03/10「NHKの報道姿勢はいかがなものか」
2006/02/27「民主党大塚議員のメルヘン質問」
2006/02/08「経済財政諮問会議における成長率と長期金利論争」
2006/02/06「連合会長のお前が言うな」
2006/01/25「ライブドア株式そろそろ寄りそうです」
2006/01/23「無責任な経済評論家の言説に軽く反応」
2006/01/20「北浜先生は髪様です!/その他」
2006/01/17「ライブドア社強制捜査雑感」
2006/01/13「官業の信用をバックに商売?」
2006/01/10「日経金融お得意の与太記事」
2006/01/06「寒波の経済効果ねえ・・・」
2006/01/05「構造改革したら景気回復ですかそうですか」
2006/01/04「29日のエントリーちょっと訂正」
2005/12/30「年末年始読書室」
2005/12/29「Web2.0談義/そのファイナンシャルプランニングは如何なものか」
2005/12/28「これは豪快な法令違反ですね/相場神のお告げ」
2005/12/27「無理が通れば道理引っ込む」
2005/12/21「ジェイコム株式事件、色々と論点がありますな」
2005/12/16「浅薄なる改革派(「霞ヶ関改革プロジェクトK」雑感)」
2005/12/15「誤発注事件続き:取ろう取ろうは取られの元(笑)」
2005/12/14「さすがにそれは浅ましいだろうUBS証券さんよ」
2005/12/13「誤発注事件の余談:日経恐怖新聞の法則」
2005/12/12「誤発注事件、どうも東証がアホアホのようです」
2005/12/09「ジェイコム株式誤発注事件」
2005/12/08「得意技とは言え呆れて物も言えない日経金融のマッチポンプ記事」
2005/12/06「経済財政諮問会議ヲチ:竹中さんお得意の空論」
2005/11/25「怪電波コラム発見」
2005/11/09「気になるインチキ説明(道路特定財源問題)」
2005/11/01「内閣改造雑感」
2005/10/28「国会の質問でギャグを交えたと自慢する大馬鹿議員」
2005/10/24「興味深い議論(ブログ紹介)」
2005/10/21「日銀株式が買占められたらどうするかという馬鹿質問をする自民党田村議員」
2005/10/20「経済財政諮問会議ヲチ:財政健全化のお話」
2005/10/19「佐藤ゆかり議員の???な国会質問」
2005/10/07「相場神恐るべし」
2005/10/06「断じてリバタリアンではない!(ブログ紹介)」


2006/03/30

○???な記事の補足

昨日「また日経か!」などと申し上げた28日の日経金融2面記事。よくよく見たら「BOJウォッチャー」という良く怪電波を発信しているコーナーから電波を感知致しましたので雑談がてらご紹介。

福井総裁が27日の参議院予算委員会(しかし今月何回国会に引っ張りだされているんでしょう。そんなに呼び出さなきゃいけない程の質問をお前らはしているのかと小一時間)で「デフレ脱却の時点を定義し、そこに縛りを設けて金融政策を行うことは好ましくない」って話をしてたそうで、まあその話を敷衍しながらコラムが続くのですが、こんな件に「???」なものを感じてしまいました。

『政府は早ければ今夏にもデフレ脱却を宣言するとの見方も強まっている。しかし、福井総裁はデフレの定義や脱却の時点について「見る人によって見解は分かれる」と指摘。デフレ脱却を宣言することは難しいとの主張を崩していない。』

・・・・・いやあのそもそも日銀はデフレを脱却したと思ったから量的緩和を解除してますし、政府がデフレ脱却宣言するのが難しいって主張はしてないと思うんですが。多分デフレ脱却をジャストタイミングで把握するのは難しい(後になってから「今にして思えばあの時にデフレを脱却してましたねえあっはっは」と言う事は出来るって意味)って福井総裁は言ってるとは思うんですが。ま、文の推敲をしているうちに途中を端折って書いたのかもしれませんが、微妙に怪電波の香りが漂うコラムでございました。

で、毎日申し上げますが、この新聞を金融機関とかの偉い人が読んで真に受けてしまうのが一番困る訳でして、クオリティーペーパーとしてもうちょっと頑張って頂きたいものであります。

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2006/03/29

○また日経か!その1は「オペの刻み幅変更」記事

昨日の日経新聞1面の隅の方にあった記事「金融機関向け資金、最低金利0.01%に上げ、日銀金融正常化へ前進」という見出しで「日銀がオペの金利の刻み幅を0.001%から0.01%に変更して早ければ4月中にも実施」という話題が出てました(というかさっき書いたオペ金利の与太話をしている時に人に教えて貰ったという激しく間抜けなあたくしだというのはここだけの話)。

まあ何と申しますか「ま た 日 経 か」という記事でございまして、恐らくは昨日財務省が公表していた「FB入札の刻み幅を0.01銭から0.05銭に戻す」というのと話がごっちゃになっていて理解力が無い人が書いているのでしょうなあというのがバレバレな記事でございます。

確かに財務省ではFB入札の応札価格の刻みを0.05銭に拡大しますが、この措置は「実勢を反映」したものです。と申しますのは、価格刻みの0.01銭は13週間もののFBの利回りで0.0004%くらい(現在の0.06%くらいの時)に相当するのですが、ご案内のように本年に入ってFBの利回りが上昇し、ここのところは0.06%だの0.07%だのというのをやっているわけで、そんな中で入札の刻みが0.0004%じゃあ面倒なこと夥しい訳です。

ところが、オペの刻み幅を今の段階で0.01%に変更するというのは、無担保コール翌日物金利が相変わらず0.01%を割り込みまくっている状況ですからこれは日銀による「能動的な市場金利引き上げ」になる訳でして、んな事を今の日銀がやるとは思えません(昔ギャグで「こうすれば何も政策変更せずに利上げできます」って書きましたが^^)ですわな。まあ政策金利が0.25%とかになれば当然ながら刻み幅は0.01%になるでしょうけれども、現実問題として刻み幅を0.01%に変更するのは、実勢のコール金利がもっと上昇して刻みが細かいのが面倒だって話になってきてからでしょう。

財務省の刻み幅変更と日銀の刻み幅変更が平仄合って動く必要はさらさら無い訳でして、まあよくもまあこういう記事を書くもんだと呆れる次第でございます。何でも「日銀の金利正常化」って話に結び付けて無理矢理な報道をするのはいい加減止めてもらいたいというか、こういうのが1面に出てしまうのはどういう編集をやっているんだ日経新聞。

ちなみにロイター日本語版には日銀担当部局のコメントとして「んなこたあ無い(意訳)」というのが出ていたようです。当たり前ですが。


○また日経か!その2は毎度お馴染み金融新聞

毎度お馴染みの日経金融2面の「ポジション」欄。

お題は「当座預金ヒントにならず、残高10兆円でも利上げか」というお話でして、当座預金の所要と目されている6兆円前後への当座預金残高への縮減ペースに関して観測記事を書いております。

まあこれもまた無意味な記事でして、量的緩和政策の解除に伴いまして、当座預金残高の量には特段意味が無い(緩め調節とかきつめ調節とかが復活すればその部分に関する意味はあるけど)わけでして、意味があるのは「金利」でございますわな。極端に言えば当座預金残高30兆円だって政策金利の引き上げをすることは可能でして、無担保コールの誘導水準は幾らだけど、まあ当座預金残高あるうちは中々そこまで行きませんなああっはっはって事で運営すりゃいいだけの話。金利をどうしても上げたければ一挙に資金吸収をぶち込めばよいだけですな。

という訳で、記事の結論として「当座預金の縮減ペースは利上げのタイミングを測るヒントにならない」というのは正しいのですが、それは「犬が西向きゃ尾は東」というのを偉そうに書いているだけの話でございます。著作権の絡みがありそうなのであんまり引用しませんが、それにしても頭がクラクラする書き方でして、例えば・・・・

・『日銀は当座預金の残高が6兆円になってから、ゼロ金利政策の解除に踏み切ると見るのが素直な読みだろう』

→上記の理由でんなこたあ無い。大体からして昔みたいな所要きっちりに揃える資金繰りをするのは高金利で時点決済をやっている時代なら兎も角、今はリターン(というか機会損失)対比のリスクがでかいので超過準備の保有(ブタ積み)は残るでしょう(それ以前の問題として郵政公社がそんな芸術的な資金繰りの経験無いし人材もいるわけないでしょ)。よって所要トントンの6兆円まで下げると思っている人は短期市場には多分皆無。

・『万が一、(引用者注:金融機関が)資金繰りを読み間違って資金ショートを起こせば、即座に経営危機につながる。』

→経営状況に問題がありまくりんぐで恒常的に資金ショートだったらそりゃまあ危機ですけど、単なる資金繰りでは経営危機にはなりませんが何か?それとも記者様におかれましてはクレジットカードの支払いが1日遅れたら破産の申し立てを受けても異存は無いとでも仰せで?

・『日銀ウォッチャーらは当座預金の削減ペースから利上げ時期を読み解こうとしている』
→そんな日銀ウォッチャーはモグリですが何か?

いやあの物凄く勘弁して欲しいわけでして、その1の見事な飛ばし記事よりはまだ(結論はあっているので)マシなのですが、それにしても論理展開が変な記事です。どうもこう日経の解説記事やら金融政策にかかわる記事は(滝田編集委員の記事のように大変に良くできた記事もあるんですが)総じてこの手の微妙に変あるいは激しく変なものが目につきます。で、短期市場に近い人は「んなこたあない」と読み飛ばすのですが、中々世の中そうも行かずということで非常に困るわけですな。特に偉い人は相変わらず読むので。

ま、市場との対話を重視するならこの手のしょうも無い記事を書かせないようにするのも吉ですなあ、何てのは嘘ですよ嘘。でももうちょっと何とかして欲しいものでございます。

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2006/03/28

○中盤以降の質疑はどっちかというと・・・・・

自民党越智隆雄委員による質疑応答の部分は日銀が説明しやすいような内容になっていますので、まあその部分だけ読んでれば大体日銀の説明が判るというところですわな。中盤以降はイマイチ。

・佐藤ゆかり委員

2番打者の自民党佐藤ゆかり委員の質疑応答なんですが、「インタゲ導入しろ」という話をしたいのは判るのですが、物の見事に話が噛み合っていませんですな。自分の土俵に話を持っていけないようで。

『ただ、せっかく御回答いただいたんですが、諸外国でインフレターゲットを導入して、そのルールの上にのっとって裁量を使いながらうまく運営をされている中央銀行は多々あるわけでございます。日本銀行の今回御回答された形では、ルールなしに裁量だけが前に出ているという気がしてならないわけですけれども、やはり金融市場にとりましても、それではなかなか期待が収れんしにくいという問題がありまして、期待が収れんしにくいということであれば、ますます最終的な物価の目標も達成しにくいということになるのではないかと思います。』

「ルールか裁量か」ってお話をするのであれば、日銀から「今回の新しい運営方針はルールか裁量か」って所を重点的に突っ込む方が良いのではないかと思うのですが、話の流れで「ルールの上の裁量」って方向に行ってしまいますと、結局裁量が重要ですなって日銀の土俵に見事に乗せられていますなあ。

ま、ご本人も質疑の最後の方では『議論がやや平行線のような印象を受けるんですけれども、ぜひともやはり期待の収れんに向けて、期待が発散しないように、ある程度明確なメッセージをぜひとも金融、経済に向けて出していただいて、そして早期の安定的なインフレ経済の実現に向けて御努力いただきたいというふうに思います。』と言ってますんで話が噛み合ってない点に関してはご機嫌斜めだったものと思料。

最後に変な話をしてましたな。

『実際のところ、短期の金利がかなり金融市場では、金先を含めて、ことし利上げを既に織り込んでしまっている状況ですが、短プラ、短期プライムレートが上がりますと、当然ながら今後貸出金利が上がってくるという状況になると思います。その一方で、利上げあるいはこの当預の引き下げのペースが速いと、預金金利の方はなかなか上がらないというラグの問題が出てきますが、その結果、貸出金利が上がって預金金利はそのままというような、やや国民生活にとってマイナスとも思われるような状況もあり得るのではないかと思われますが、このあたりのペースについて少しお伺いしたいと思います。』

白川理事が答弁してましたが、当然ながらこの部分に関する答えは華麗にスルーしております。まあ答えようがないですわな。


・小沢鋭仁委員

民主党小沢委員なんですが・・・いやまあこの人の質疑は凄くて、15回質問をしているのですが、何を言いたいのかさっぱり判らないという代物です。どうも「日銀は責任を取れ!」という話をしているような気がするのですが、その話をしたいがため何でしょうが、量的緩和政策に対する評価が質問の中でコロコロ変ったりしてるのも凄いのですが、メディアの報道でこういわれている(具体的にどこの新聞で書いてあるじゃなくて「どこの新聞でもこう言ってる」って言いかた)って散々言ってるのに最後には「報道が変にとりあげる点については自分も同じ事を考える」みたいな言い方をしていて、じゃあ今までの質問はいいがかりかよ!と言いたくなるくだりありと、こりゃまあ答える方も相手しててうんざりするだろうなあって感じでした。

まあ質疑になってませんわな。何だかなあって感じです。その中で腰が思わず砕けたのはこのあたり。

『その一つの例として、日本銀行はかつてよいデフレ論という話を言っておりました。これは今、撤回されているんですか。』

まあ勿論日銀はそんなこと言ってませんが何か?でかわされていますが、良いデフレという話に文句を言うなら、まずお前の党の参議院議員でありますところの大塚耕平議員に言えと(笑)。

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2006/03/17

○脊髄反応の続き

昨日脊髄反応して湯気をポッポーと立てておりました過誤発注がどうのこうのという一件、金融庁のWebに当然ながら掲載されておりました→http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/syouken/20060315-2.html


で、こちらを見ますと誤発注の件数が14,318件とか書いてあって、「売買代金1億円超の誤発注は667件。損失金額1億円超の誤発注は1件。」だそうです。

でね、その直ぐ次に『(注)全国証券取引所の平成17年の約定件数(現物株式)は概算で549百万件。これに対する誤発注発生率は100万分の26(0.0026%)となる。また、売買代金1億円超の誤発注発生率は100万分の1.2(0.00012%)となる。』と書いてあるのに、この点について報道で触れていたニュースは昨日朝の時点であたくしが複数のニュース番組をはしごして見ている中では皆無でした。

ちなみにhttp://www.tse.or.jp/market/yakujo/index.htmlを見ていただきますと判りますが、「約定件数」ではなく「注文件数」で考えますと、一日あたり軽く400万件以上ありまして、立会いが年間250日くらいあるのだから注文件数で言えば10億件/年はあるわけでして、その中でまあ委託注文はいくらくらいあるのか知らんですが、まあ誤発注の率は物凄く少ないという話になるような気がするんですが(どこからどこまでを誤発注にしてるのか良く判らんですけど。委託取引で過誤訂正した分を誤発注扱いにしたんじゃねえかと勝手に想像)。

報道では「1万4千件誤発注してるんですよ」という言い方になってしまうのは甚だ遺憾でございますが、よく見りゃ金融庁の発表内容も何だかな〜って感がします。管理体制についての実態調査結果みたいなのが上記URLの『(3) 株式等の売買発注業務の管理』って所にあるんですが、曰く、

@ 発注制限・警告の解除への管理者の関与の状況
A 売買システムを統括するCIOなどの選任状況
B 株式売買発注業務に関する研修等の実施状況

売買の現場でどういう状況が生じているのかちゃんと把握しているのでしょうかとか(@ね)、形式的な責任者を設置したり、実戦と関係ない研修をやってどの程度の意味があるのかお判りでしょうか費用対効果というお言葉をご存知でしょうか(しかも何故だかOJTは研修等じゃないそうです・・・・)って(A、B)とか突っ込みを入れたくなるようなたいへんにすばらしいじったいちょうさをしておいでのようで。

まあアレだ。どうもこの公表文書を読んでいると「証券会社の管理体制に不備が多いから1万4千件誤発注が生じてますよ酷いですねえ」という風に読めてしまいまして、まあそんなニュアンスで報道発表してるからニュース番組でもそういう扱いになってるんじゃないかなどと勝手に妄想を膨らませるのは被害妄想ですかそうですか。

別に調査するなとかいう事をいう積りはないですけど何だかな〜って感じ。

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2006/03/16

○その前に朝からニュースに脊髄反応

オール証券会社@日本で発注ミスが年間に1万4000件ありましたとか鬼の首を取ったように発表されてますが、1秒を争う発注業務をお前らやった事あるのかと小一時間(という自分も大してやった訳ではないっす。証券自己ポジションの売買注文なら山のようにしましたが・・・)ですわなあ(しかも最近は取引所の詳しい板情報が情報ベンダー経由で提供されているので、注文入力までの速度がが早いか遅いかってのが発注している顧客様に直ぐ判ってしまうんですよ)。

そりゃまあ間違えないのが良いに決まってますし、ちゃんと確認して間違えないように努力するのは当然ですが、人間のやることだからミスは一定比率で発生する可能性はありますわな。だからこそ間違えが起きた時に被害が最小で済むような方策を考える方が重要なのではないかと思いますけどねえ。ありえない過大注文をそのまま通して板に5分間晒しっぱなしの取引所なんてのは勘弁ということでしょうなあ。

そうですなあ、公正中立な報道にとっては、放送での過誤というのは大変に重大な問題ではないかと思料されますので、例えば生放送のニュース番組での過誤放送(要するに言い間違え^^)は1年間に何件あるんでしょうか実態を知りたいですなあ。金融庁さまが大変に有益なご検査をなさったようですので、総務省でも検査してみたら如何でしょうか、おほほのほ。

ついでに、NHKの7時のニュースのヘッドラインでは「株式市場を大混乱に陥れたみずほ証券の売買誤発注。証券会社全体で同じような誤発注が1年間で1万4000件もあったということが金融庁の調査で判りました」などと言ってます。しかもニュースの場面では画面に「大量誤発注」の文字が。「同じような」誤発注はそんなに起きて無いでしょうよ。なんちゅう印象操作だ(ちなみに7時29分にもう一度ヘッドラインを読むのですが、この時には「同じような」は言いませんでした。あたくしの念波が到達したのでせうか、笑)。

#と、脊髄反応で証券会社が開き直って悪態ついているとしか思えない事を書いてしましたただの愚痴ですすいません

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2006/03/14

○NHKスクープ問題なおも補足

昨日引き続き本件に関して指摘のメールを頂戴致しました。いや〜どうもありがとうございますm(__)m

「日銀のHPによると今回の金融政策決定会合が終わったのが14時7分で、対外的に公表したのがベンダーのフラッシュニュースを見ると14時40分ごろ」と言われまして改めて金融政策決定会合のディレクティブを見ると確かに14時7分に会合終了しております。で、あたしゃー金曜に脊髄反射で拙文を書いた時に「14時7分に途中退席した人云々」などと書いてましたが、んなこたあねえ訳でしてまあ自分の迂闊さに恥じ入る所であります。

ではなぜそのような迂闊な勘違いをしたかと申しますとこれには理由というものがございまして、実は当日のベンダーニュースで「決定会合が終了、間もなく結果発表」というヘッドラインが打たれたのが、14時20分ごろ(ちなみにブルームバーグの過去ログにあるタイムスタンプを見ると14時22分となっています)だったようです。そして結果発表がご指摘のように14時40分頃という事で、確かに時間かかり過ぎです(まあその前に何かフラッシュが出たりしてて無茶苦茶な状態にはなっていたようですが)。

ちなみに、NHKのフラッシュは14時ごろに出てたと記憶してたのですが、ブルームバーグの過去ログ見ると13時51分になっておりまして、まあ決定会合終了前のような気もしますし、何だかちょこちょこ手元で調べられるものを見ているうちに訳が判らなくなってまいりました(大汗)。

ま、いずれにしても決定会合終了から結果の発表まで恐ろしく時間が掛かったことは事実ですんで、日銀的には晴れの舞台の筈の量的緩和解除の段取りがよろしくございませんでしたなあと思うと同時に、もしかして3月解除は事務方にも不意打ちだったのでしょうかなどと妙な連想をしてしまうあたくしでした。



○結果公表までの時間は一定に戻して欲しいのですが

当初は金融政策決定会合終了から結果公表まで5分だか10分だか忘れましたが(多分5分)終了のアナウンス時に結果発表時刻の公表がありまして、その間債券市場は見事に板がスカスカになるという状況もあったりしたのですが(まあ何かあるかもしれないって時には当然ですわな)、その後「発表時間の迅速化を図る」というような大義名分で「終了後速やかに公表」という今の形になりました。

でもこの「速やかに公表」が曲者でして、何も無いときは3分程度で結果発表するのに、ややこしい話があるとき(当時だと当座預金残高引き上げとかね)には5分とか7分とか掛かるという傾向がありまして、一頃は発表まで時間がかかると何か先物を仕掛ける人とか出てきたりして甚だ迷惑(いやまあスペキュレーターにしてみりゃ面白いのでしょうが、対顧客取引でマーケットメークしているようなディーラーにとっては甚だ迷惑なのよ)でございました。

いやまあ大変なのかもしれませんが、終了後結果発表までの時間は一定時間(それが大引けとかにぶつかるのであれば配慮してもらうとなお結構、と言っても2日制だからそんなことも起きないでしょう)にして貰いたいものです。

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2006/03/13

○NHKのスクープに関して補足

さて、金曜日にNHKのスクープを「どっかのリーク」と決め打ちして書いておりましたが、リークではない可能性もあるようで、決めうちして書いて悪態をついて大変失礼しました。当該部分は謹んで撤回させていただきますがNHKには悪態継続です。

読者様からのご指摘によりますと、9日にどこぞの民放ニュース番組で「今日の動き」みたいなのを報道していたそうなんですが、実は9日の決定会合では議長提案で解除の議事になって、採決が出る前に最終確認の為に担当大臣に連絡が行ったそうです。で、テレビでは国会出席中の大臣にメモを渡す光景(とそのメモのズーム映像)が放送されていたそうです。

まあそんな状況があれば大体解除の提案があったであろうという想像はできそうな気はしますし、国会にはカメラを各局入れてるんですからそのメモを気合入れて望遠レンズで見るとかすればなおのこと判るでしょうな(つーかその民放も気が付いていたかもしれませんね。ニュース速報を打たなかったのは適切な判断だと思います)。

しかしそれにしても、決定会合が終わって日銀から発表がされる前に報道するのはちょっと酷いんじゃないでしょうかねえ>NHK

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2006/03/10

○NHKの報道姿勢を批判致します

昨日の決定会合ですが、ご案内のようにまだ会合中の14時過ぎにNHKが「福井総裁が量的緩和政策の解除を提案」とニュース速報のテロップを流しました。

総裁が提案したって事を知りえるのは出席者(まあ事務方も知ってるでしょうが)しかありえません。で、昨日の会合を途中退席したのはhttp://www.boj.or.jp/seisaku/05/pb/k060309_f.htmの下のほうをご覧になれば判るように財務省と内閣府の出席者しかいませんですな。しかも退席時間が14時07分ですので、まさにNHKのニュース速報のタイミングとドンピシャです。

いままでも会合終了後に決定会合での票決が何対何だった(今は票数まで発表されるようになりましたが)などという事が報道される事があり、あたくしは文句言いまくりましたが、会合終了「前!」にニュースが出てしまったのはさすがに酷すぎます。主要先進国の中央銀行の政策会合とは思えない。って日銀が悪いわけではなく、事の重要性を全く理解せずにペラペラ喋る人間(まあ誰だか想像はつきますが)が悪い、というか万死に値する行為であって、罷免ものでしょう。何で罷免にならないのかなあ。

しかしまあ喋る方も喋る方だが、
報道する方も報道する方としか言いようが無いです。知人の某通信社外国人記者なんて「何で日銀が発表する前にNHKが報道できるのか全く判らない」って完全に呆れてましたよ。

最近のNHKのニュース速報は、LD本社の地検強制捜査報道、文仁親王妃紀子殿下のご懐妊報道と、情報の入手方法と公表のタイミングに関して大いに疑問を抱かざるを得ない事例がございました。本件に関しても報道のモラルという点に関して大いに問題があるものであったと言わざるを得ません。

などと丁寧に書きましたが、要するにアレだ、NHKと会合内容をリークした大馬鹿野郎は逝って良しって事だ。

(追記:必ずしもリークではなさそうな傍証があるというメールを頂きまして、確かに仰るとおりですので、リークと決め打ちして書いた部分は一旦取り下げておきます。それにしてもNHKの最近のスクープ報道は現場の暴走なのか上層部の焦りなのか判りませんが、何か大丈夫かって感じですね)

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2006/02/27

○そういや大塚議員のメルヘン質問ですが

この質疑応答は実況中継(参議院インターネット中継)でちょっとだけ聞いていたんですが、大塚センセイからは「良いデフレ」とか「構造改革の成果が良いデフレになっている」とか「この10年で家計の利子所得がいくら失われたのか日銀にお伺いしたい」とか非常に香ばしいメルヘンが炸裂していました。

で、ゼロ金利による家計の利子所得が云々に関しては白川理事が答弁させられていましたが、まあ大塚議員の時間は何と申しますか頓珍漢な問答状態になっていましたな。今週後半にでも議事録がでたら笑いのネタにするかもしれません。

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2006/02/08

本日のネタは2月1日に行われた経済財政諮問会議の議事要旨からでござる→http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2006/0201/shimon-s.pdf


○相変わらず成長率と長期金利の関係の話をしておりますが

議事要旨の10ページ目あたりから竹中議員が本件について話をしております。本来は全部引用しないといかんのでしょうが、今回の議事要旨は全体で17ページもありますので、あたくしが「本件はこの辺で議論になってるんだろうな」などと勝手に理解した所を引用しちゃいます。

竹中議員の成長率と長期金利のお話。

『では、まず長期的なファクトはどうかについて。私が経済財政政策担当大臣をしていた時のアメリカのCEA委員長で、今、ハーバード大学教授のマンキューという有名な経済学者がいる。マンキューがCEAに入る前に、「デフィシットギャンブル」という大変有名な論文を書いているが、その中でマンキューは過去120 年、過去70 年、過去50 年のアメリカの国債金利と名目成長率の関係を整理している。答えは簡単で、過去120 年の場合も、70 年の場合も、50 年の場合も、いずれも成長率が国債金利を上回っている。ミシュキンが、国際的な比較を行っているが、他の主要国についても、成長率の方が金利より高かったということを明らかにしている。』

で、そのあとより理論的な話をしてますが、そこまで引用すると長くなるので割愛。この竹中さんの指摘に対して吉川さんはこのように指摘しております。

『最後に、個別の問題になるが、長期的に名目成長率と名目金利がどのような関係になるのか。これについても竹中議員からお話があったので、私の考えを述べておきたい。まずは長期の平均をとってみる。竹中議員の御指摘のとおり、アメリカだと成長率の方が少し高くなる。しかしイギリスだと、逆に金利の方が高くなるという関係が出てくる。いずれにしても私が指摘したいことは、多くの国で長い時系列をとると、国債市場で規制がきつい時期があった。例えば、日本の場合だと、戦後かなり遅くまで規制市場であった。民間のシンジケート等が国債を保有して、国債をマーケットで売却するようなことを禁じていた時代もあった。要は、規制金利でそれが低くなっていた時期がかなりある。そうした時期を参考にするのは適当ではない。繰り返し話しているとおり、「官から民へ」ということは、マーケットを尊重することであり、まさか規制金利の時代に戻ろうということはないはずであって、そうなると、自由市場で決まる金利ということになり、データの扱い等に注意が必要だと考える。』

で、議論のあとの方で本間議員からの指摘がございまして。

『その上(引用者注:これは議事要旨の16ページになりますので、「その上」が何を指すのかはそちらをご参照と手抜き)で金利と成長率を分離して議論できるかどうか。この点は幾分私も吉川議員に賛成であり、これはやはり連動するだろう。全くそれを分離することが金融政策でできるのだろうか、あるいはその他の手段でできるのだろうか、この辺も整理していく必要性があるという気がする。これはシミュレーションの段階で、また相当詰めなければならないテーマだと思うが、論点だけ指摘させていただいた。』


で、竹中議員はこの要旨をみるとどうもたじたじの図に見えるのですが。

『手短にするが、我々は成長モデルを議論するためにここに集まっているのではない。これから10 年、20 年の財政健全化と経済成長をどうしようかという観点から議論している。したがって当然のことながら、国債残高が発散するかというときは、国債金利を我々は議論してきたわけで、これからも議論していかなければいけないと思う。』


昨日のブルームバーグニュースによりますと、27日に行われた財務省の財政制度審議会では長期金利が名目成長率を上回ることが自然との見方で一致したそうですな。まあ長期金利の見込みを高く置いたほうが緊縮財政路線をやるのに都合が良いというのもあるので色々と政治的というか思惑も入るのかなあという気がしないでもないですが、どうも竹中先生分が悪そうですなあ。


○竹中先生やや混乱しているような気も

その金利と成長率論議の中で竹中議員はこんな話も。

『長期の金利はマーケットで決まる。しかし同時に中央銀行は、それに対して影響力を与える。極端に言葉尻をとらえるつもりはないが、金利はマーケットで決まると言ってしまえば、これは中央銀行の存在意義が問われてしまう。ここに対して金融政策というのは、なにがしかの影響を与えることはできるわけだ。』

で、最後の方では(成長モデルを議論するために云々発言の続き)このように話をしているのですが・・・・

『それと、今日の私のペーパーは1つの考え方の整理として出しているから、当然、それによってどの程度の歳出の増加があるかとか、そのときにプライマリー・バランスがどう変わっているかということは、時系列の中でダイナミックに議論するのは当たり前の話。無理に資源配分を歪めるように名目金利を低くしろなどということは全く申し上げていない。私が申し上げているのは、名目成長率と名目金利がほぼ同じぐらいの自然の運営ができるはずであるということ。』

どうも中央銀行に長期金利のケツを持って行こうというように読めて仕方ないのはあたくしが竹中さんを嫌いだからですかそうですか(笑)。

まあこの論議は正直経済学の素養が無いあたくしには難しいのでどんな本を読んで勉強すりゃよいのか教えて。計算式の入って無い本を激しく希望するのですが(←あほです)。


どうもこの議事要旨を見ていると竹中先生激しく劣勢に見えるのですが、どこぞのレポートでは首相は竹中さんに軍配みたいな事を書いていたような気がしましたが、あたくしにはそう読めませんでした。


○ところで今更気が付いたのですが

経済財政諮問会議はわざわざドメインを別に取っていまして、あたくしも久しくhttp://www.keizai-shimon.go.jp/をブックマークしていて気が付かなかったのですが、今年に入って内閣府のWebページがリニューアルされていまして、内閣府のトップページにおける経済財政諮問会議の場所が随分と引っ込んでしまっております。トップページから直接行けなくなってまして、「内閣府の政策」の一番最初に「経済財政」ってのはありますが、そのリンク先にいくと諮問会議へのリンクがあるという状態でございます。

以前は内閣府のトップページに並んでいる中で一番最初に経済財政諮問会議があり、いきなり諮問会議のドメインに行けたのですが、まあ何と申しますか担当大臣が与謝野さんに変ってちょっと位置づけが変化してきてるのかなあ何て思っちゃったりするのは深読みのしすぎでしょうか(笑)。

#引用だらけの手抜きで恐縮。

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2006/02/06

あまり深い考えなく反応するのを「釣りに引っ掛かった」とも申します(苦笑)。

連合会長「正社員賃下げも」パート格差是正で
http://www.chunichi.co.jp/00/kei/20060204/mng_____kei_____000.shtml

中日&東京新聞のインタビューで連合の高木会長様が仰せだそうです。

いやまあ労働組合員じゃなくなってからn(1≦n≦9)年程経過しておりますので、こいつの食い扶持があたくしの懐から鐚一文たりとも出ていないのが唯一の救いとしか言いようの無いニュースでございますな。もうね、アホかと馬鹿かと。未組織労働者の待遇改善をして全体の底上げを図るのがお前らの社会的使命ではないかと小一時間問い詰めたいとはまさにこのことでございますわな。発想が相変わらずデフレ不景気状態から一歩も出ていないのではないでしょうか。ちなみに別のニュースを見るとこんな感じなのですが。

http://www.asahi.com/job/news/TKY200602030373.html
「格差社会の解消という社会的使命を担った交渉でもある。こんな条件のいいときに、成果を上げられないようでは労働組合失格と言われても仕方ない」だそうですので、連合会長そのものが失格ですなあ。

まあ正論かも知れんがお前が言うなと。どうも最近その手の発言があちこちで目立つように思えるのは、偉い人たちの面の皮が厚くなっているのかなあとも思う訳ですが、えっ?あっしがひねくれているからですか?

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2006/01/25

○怪しさ満点の4753の板・・・・

社長逮捕が何で材料出尽くしなのかあたくしにはよー判らんのですが、そんな気分を後押ししてくれたのは前場の時点でライブドア株の板に1000万株以上の買い板が入っていたのもあったように思えるのですがどうでしょうか。

こんな事なら気配情報の画面コピーでも取っておけばよかったのですが、んなものは無いのでてめえのメモベースで昨日の4753の怪しさをご報告いたしますが、前場の時点で1400万株くらいの買いがあって(売りはいつもどおり2億株とかございましたが)、前場の時点では「この調子で買いがくるなら下手したら今日寄るかも」などと思わせる感じでした。その後はあんまり買いが増えなかったのですが、まあ引けのちょっと前でも1700万株くらいの買い板がございましたようです。

で、引けてから「いや今日はどのくらい出来たのかなあ」って見たら出来高が107万株ちょっと。あの買い板はどこに逝ったのかと小一時間問い詰めたい所でございまして、どうみても見せ板です。本当にありがとうございました。

いやまあ買収がどうのこうので一株純資産がどうのこうのとか言う話はあるんでしょうけれども、企業がそんな状態になってしかも現金はございますって状況になった時にはあんな人たちやそんな人たちがピラニアの如く群がって現金を毟りに来るのが世の習いではなかろうかと思うあたくし的にはその現金がいつまでも無事でいるとは思えませんので、開示資料ベースでのバランスシート分析して買いとか言うのは如何なものかと思いますが、まあ割り切り系なんでしょうな。いやまあ本業が儲かってるというのなら買収メリットはあるかも知れんが。。。。。

ま、買収価値どうのこうのよりそのインチキの香りがする昨日の買い板は何だったんだという方が激しく気に掛かるのですが、あたしゃー。


○もひとつおまけの雑談

ライブドアが寄ったら取引パンクする懸念があるのでこの銘柄だけ立会時間を短くしますそうそう売買に制限を加えるかもしれませんのでよろしく。と東証が仰せです。

http://www.tse.or.jp/news/200601/060124_g.html

ここのリリースにもありますが、「当該銘柄は、上場単位数ベースで当取引所の全上場銘柄の約45%を占めており」ってある訳ですが、取引処理能力でパンクするとか言うのであれば今までそんな状況をよくもまあ放置してましたねさすが東証って感じでございます。

東証も色々な問題が起き続けで災難といえば災難ではございますが、危機対応能力というよりは危機がどうなると起きるかという観点が物凄く欠如した結果がここの所の混乱に拍車を掛けているんでしょうなあと思うわけで、どこぞから最高情報責任者とか言うのを引っ張ってくるのは悪いとは言いませんが、何か努力する方向が間違っているような悪寒が。

まあシステム問題起こしたすぐ後に「夜間取引市場の設置を検討」とかいう話をしちゃう(ご参考:http://www.nikkansports.com/ns/general/f-so-tp0-051216-0024.html)とってもメルヘンなお方がトップにいるという時点で大変に香ばしい訳ですがねえ・・・・

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2006/01/23

○本題の前に相変わらず血圧の上昇するコーナー

毎度お馴染み月曜のテレビ東京モーニングサテライト(^^)。血圧が上がるから見なけりゃ良いのですが、ネタの一環としては秀逸な某経済評論家のお方は今日も朝から楽しい寝言。

「志の低い人間が会社ごっこをしてどういうことになるのか」「投資する会社が何をしているか、経営者が何をしているのか」などと「かねてから」言っておられたんですかそうですか。

フジテレビ騒動の時はあなた全力でブタエモンを応援していましから〜〜残念!

「このような事があるとまた『株が悪い』という話になっってはならない」とか言ってますが、悪いのは株式投資じゃなくて公共の電波でその場その場で勢いのあるものに提灯つけて煽ってるあんたたちですから。

で、このセンセイ最近は「グローバル化によって賃金の低い国と高い国が同じ土俵で戦うことになっている」っていう経済的トンデモの類になります「中国発のデフレ」の焼き直し理論(追記:ここの書き方が微妙で誤解を招きましたが、中国発のデフレってのが経済の理屈的にトンデモだという意味です)がお気に入りらしく、今日もその話をしてましたが、その強引な理屈はもしかして従業員(や臨時従業員)の待遇を改善したくない人たちのご意向でございますかねえ??

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2006/01/20

○もはや髪の思し召しとしか・・・・・

北浜先生恐るべし。

昨日の朝寄り前に珍しく出されたエントリー→http://blog.livedoor.jp/orion3/archives/50344735.html
『市場オープンとともに圧倒的な売りが来ることを覚悟しておきたいものです。もちろん反対もあります。でも確率は10%以下でしょう。』

・・・・・・降参です。

ちなみに、お昼になってから「前場の動き」を予想されても困るんですが→http://blog.livedoor.jp/orion3/archives/50344962.html
『ライブドア問題は引き続き尾を引く。これは避けられないが、早ければ前場には回復に転じるだろう。』

下のタイムスタンプを目をゴシゴシして見るべし(笑)。

まあこのセンセはブログの投稿時間を捏造できる機能とかを使わないで素のまま投稿するので、それがまた人気を博する所ではありますが、北浜先生の黄金伝説にまた1ページが加わったという事のようですが、このセンセが群を抜いて人気があるのは判る気が致します。。。。とだけ言うとアレですので、センセの良い所ですけどね、いや一度生で講演聴いたことあるんですが、アンチョコを殆ど見ないで立て板に水でお話してて、中々面白く眠気を催す暇が無かったんですよ。いやマジで講演はオモロカッタ。


○自殺ですかそうですか

いやまあ自殺ですかそうですか。自然死じゃない状況が発見されてから自殺とリリースされるまでの時間が妙に短いんですけど何なんでしょうか・・・・・・(追記:ライブドア元役員でHS証券副社長が沖縄のカプセルホテルで謎の自殺を遂げたって話です)

うわなにをするやめろくぁwせdrftgyふじこlp;@

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2006/01/17

○さすがにこれは・・・・・

まあニッポン放送買収騒動の頃から「ライブドアはけしからん」と言い続けて証券市場関係者としてその発言はどうよとご批判も賜りましたが、当時からこの会社のやってる事は如何なものかと言ってたら今頃になってこれですかって所で、まあ昔から仕込んでいた銘柄が大化けしたような(って別にポジションがある訳ではないが)気分ではございます(苦笑)。

2000年のアイテーバブル崩壊の前はアイテー銘柄が爆騰したかと思えば次はバイオが爆騰(年末年始からの協和発酵と寶酒造の連続S高には驚きました)して、その後またアイテーが上昇。そして2月にあの懐かしき「野村日本株戦略ファンド」が出て2月の終わりだか3月の頭だかに週刊文春の光通信関連記事が出て暫くしてから大崩壊というのが実に懐かしい思い出。

で、今回は監視委員会がちょろっと捜査に来たとかいう次元じゃなくて地検特捜部まで出てきて強制捜査(しかし昼間に捜査すると営業妨害になるから夜なんでしょうが、徹夜で捜査されたら会社の中の人たちも溜まりませんわな)モードで、何だかゾロゾロと容疑が出てくるという実に香ばしい状態。まあライブドアとその関連企業群は本日暴落祭りになるのでしょうけれども、さすがにこれは新興市場には影響するでしょうな。

まあ前回のアイテーバブル崩壊も別にその時置いていかれていた内需関連とかのバリュー株は特に影響なく推移してましたし、今回は不良債権問題で銀行シバキアゲってのも無い(そもそも日経平均が10000円割れるような騒ぎは銀行シバキアゲによる信用不安モードが主因かと。アイテーバブル崩壊と直接関係があったかどうかは謎ですわな)ですから、影響は限定的なものに留まる・・・・と良いなあとは思いますが、資金の回転が止まった場合の影響に関しては、前回のアイテーバブルよりも大きいかもしれませんし、最近日本に金持ってやって来てる海外の新規投資家の皆様がどういう評価を下すかも気にかかる所ではあります。

ま、せいぜい証券市場で合法ギリギリで派手にやらかしている誰かさんや誰かさんにおかれましては次は自分の番ということでガクガクブルブルしていただければと存じますがね。

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2006/01/13

○全然市場と関係ないですが・・・・・

松下がストーブのリコールで全世帯に葉書を送るというニュースを聞き、松下頑張りますなあと思いつつ、それだけ古い製品でも使われているだろうという自信みたいなものも感じ(ちなみにあたくしのCDラジカセは15年選手ですが現役でピンピン活動中)たのですが・・・・

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060112it04.htm (恐らく過去記事はリンク切れかと思います。全世帯宛にリコールの案内を送るという記事です)

ふと思ったのは「どうやって全世帯に葉書を送るんだ??」という疑問でして、その記事を見たら「あて先を特定せずに各戸に郵送できる日本郵政公社のサービスを利用するという」ってあったので、郵政公社がそんな商品をやっているのかと初めて知りました。

で、まあこれが郵政省時代からやっているものなら以下の話は思いっきり勘違いに類するものなので「トンチンカンな事言ってやがるぜバーカバーカ」で終了して頂きたいのですが、もしかして郵政公社になって始めたサービスだとすると何かイマイチ釈然としませんな。

と申しますのは、要するにこのサービスってぶっちゃけチラシのポスティングをやりますよって話と大差ないお話に見える訳でして、集合住宅(じゃなくてもそうですが)で日々ぶち込まれてゴミを沢山発生させているチラシポスティングは一応どこでも「無断でそんなもん配るんじゃねえ」と掲示してるのが当たり前の状態ですわな。従ってまあ配る方もコソコソ配りにきてコソコソ帰る訳ですが、商業チラシでも迷惑チラシ(成人ビデオの宣伝とか)がございますが、政治関連のビラを配ってこんな事件も生じる訳で(っていきなりソースが赤旗になるのも何というかアレでございますが、あ、この裁判に関する意見は今のところ「良く状況がわからないので保留」です)。→http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-12-10/2005121002_01_2.html

まあ要らんDMとかもやってきますが、基本的に住所と名前を書いてあるので届くものを配っているから郵便局の人が配っていても「お勤めご苦労様です」って気分になっている訳でして、民営化するから当たり前だゴルァと言われそうですが、「郵便配る人」ってんで各戸を堂々と回っていた人たちがいきなり商業チラシのポスティングおっぱじめられると何か今までの信用と申しますか信頼と申しますか何と言ったら良いのか表現がムツカシイのですが、そーゆー「官業の信用力をバックにしていきなり商売開始ですかそうですか」っていう違和感(あ゛ーうまく表現できないよーーー)を感じてしまうのは、あたくしがひねくれているからなのでしょうか。。。。。

で、最後に念の為繰り返しますが、郵政省時代からこのサービスやっているとか、別に上記のサービスは商業チラシのポスティングのようなものじゃないとかいうのであれば(郵政公社のWeb見てもそれらしい商品の説明が見当たらなかった)この項目全部取り消しさせて頂きますので申し添えます。(じゃあ書くなと言われそうですが)

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2006/01/10

○この欄はどうにかならんのか

毎度お馴染み日経金融新聞。2面に「ポジション」という欄があって、編集委員の方が交代で執筆されていまして、結構な記事もあるのですが(と一応フォロー)、先週金曜の記事に関してはそりゃあーた如何なものよって感じ。

記事のお題は「国債買い入れ消却変身 財務省が金融緩和」となっていまして、要するに買い入れ消却が長期金利の押し下げ効果がありますよってお話になっております。そりゃまあ財政特会の準備金取り崩して長期国債買うのですから効果は無いとは申しませんが、その効果に挙げている3つのうち2つ目と3つ目には「???」が涌いて来ます(1つ目にもちと?なのですがそれは兎も角)。

『二つ目は買い入れ消却対象の多様化により利回り曲線への影響だ。』という事で長いのを買えば事実上の金融緩和効果が大きくなるという話をしているのですが、財務省は国債発行を長期化(市場の要望でもありますが)しているという話をスルーして買入消却の増加の話をしますですかそうですかという感が致しますが。だいたい日銀の長期国債買入残高を銘柄別に見れば判るように、普通に市場から買い入れを行うと残存2年以下の国債がやたらめったら入ってしまいますけど(ってどういうやり方をするのかはまだ確定してないから何とも言えないけど)。

記事には『買い入れ対象の調整で、特定の期間の利回りの上昇を抑える効果も期待できる。』ってあるのですが、そんなモロに露骨な介入は市場重視で(市場の人々からは)評判のよろしい財務省が行うとは思えませんが。今の買い入れ消却は買い入れ対象年限が最初から判っているのですが、買い入れ消却の時にいきなり「今日は残存○年の国債対象」とか言い出したら、その年限を誰がどのように決めるのかという問題が物凄い勢いで発生すると思いますが。

市中以外からの買い入れ消却って日銀と財政融資資金から5.5兆円ずつなんですけど、これって結局のところ統合政府の中での付け替え(というか両建解消)に過ぎないお話ではないかと思いますが。


『三つ目は、日銀へのけん制だ。十二兆円のうち、五兆五千億円は日銀から買い入れる。保有国債の圧縮につながり、その分、日銀の国債買い入れ余力が増す。量的金融緩和の解除をめざす日銀に、国債買い入れ余力が増す。量的金融緩和の解除をめざす日銀に、国債買い入れを減らさないよう促す狙いがある。』というお話なのですが、国債買い入れ余力が無いから量的緩和を縮小するというような議論は誰もしてないと思いますが。まあ敢えて混同して書いているんでしょうが、量的緩和解除と国債買い入れの論議は実際問題としてはリンクせんでしょうし、日銀の買入銘柄って2年未満のものがやたら多いので償還もそれに併せてやたら多く、そう簡単に余力が無くなるという話にならんと記憶してますが。

で、話が何故か『問題は買い入れ消却に原資が伴うのは一年の期間限定であることだ。』となって、今後も買い入れ消却の原資を見つけないといけないという話になって、『高度なリスク管理の導入で財政特会の金利変動準備金の余剰をあぶりだしたような工夫がほかの特別会計に求められるだろう。』と仰せなのはギャグか何かでしょうかと小一時間問い詰めたくなりますな。

署名記事をあたくし如き三下が名指しでいちゃもんつけるのもまあアレですけど、正直この記事書いている編集委員のO氏がこのポジション欄を書くと何と申しますか「何でもとにかくセンセーショナルに」って感じが非常に強く漂って参りまして、何か記事書く前にストーリー作り上げてから材料を拾ってきてませんですかと思いたくなってしまう香ばしさがございます。もうちょっと何とかなりませんか?

同日の紙面の隣(3面)の「視点論点」でみずほ証券の高田さんが「債券運用の局面転換」というお題で、「金利上昇はリスクか」と金利上昇すると金融機関の経営が大変でエライコッチャと囃し立てる人たちに対して「それはいかがなものか」と提言しているコラムに深く頷いてから、ポジション欄を読んだので激しくコケてしまいましたわな(^^)。

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2006/01/06

○そのレポートはいかがなものか

毎度毎度話題狙いなのか提灯なのか知りませんが、「○○の経済効果は○○円」っていう効用の方ばかりやたら強調するレポートを出す事で著名な某経済研究所がこんなリリースを出していまして、昨日はあたくしの知人友人の間で「さすがにそれは調子に乗りすぎ」という結論に。

http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/news_index.html

お題は 「寒波が日本経済に及ぼす影響 〜85年度並みの厳冬となれば、短期的に実質GDPを約6,567億円押し上げ〜」 です。本文は下のURL先。

本文PDF→http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/news/pdf/nr2005_30.pdf

最初のニュースリリースのインデックス見てると「父の日の経済効果はナンボで母の日の経済効果に及ばない」とか、よくもまあ世間ウケ狙いのレポートを出しますわなあと思うのですが、寒波由来の悪天候で特急電車が脱線転覆したり、スキー場で雪崩が起きたりする今日この頃(石川県白山市では雪で屋根が潰れて2名がお亡くなりになられたそうです。ご冥福をお祈りいたします)にこのレポートにというのは「悪ノリのし過ぎ」ではないかと思うのでした。

いやまあ父の日の経済効果だのGWの経済効果だのというネタレポート(父の日によって消費が行われた分は他の消費が減るんジャマイカとかいう分析は華麗にスルーするのは如何なものかってのはいつも指摘されてますが)が毒にも薬にもならない話ですんで、出てくる分にはまあ苦笑してスルー致しますが・・・・もはや自然災害状態になっている昨今、その自然災害状態を「経済効果はどうのこうの」とかいうレポートを出す神経には墨痕鮮やかに「デリカシー欠如」という文字をお贈りしたいと存じます(-_-メ)。あーたの会社の親会社様のお客様には大雪や寒波で困っている人だって沢山いるんじゃないでしょうかねえ。いやまあ冷暖房完備の東京で立派な建物の中でたかいおきゅうりょうをもらってれぽうととやらをかくひとはかんがえることがすばらしいですなあ(棒読み)。


で、今朝はそんな事をちらっと書いてやろうと思っていたら尚のこと血圧が上昇したのはモーサテ東京スタジオからの第一声。今日のマクラはまさにこのレポートでして、キャスターさまも暢気にGDP押し上げの話をしておりました。こういうのを一々話題にするからしょうもないネタレポートが連発される訳で、出すほうも出すほうだが話題にする方も話題にする方でしょう。しかも今回は不謹慎じゃねえのかよと思うのですがねえ。

ちなみに、この番組について昨日のドラめもんで「いくらてめえの番組が5日スタートだからってマーケット関連のニュースが5日に臆面も無く「明けましておめでとうございます」はねえだろう」って感じのことを書いたのですが、読者様からもご賛同のメールを頂戴しちゃいました(^^)。

まあ何ですな、モーサテの皆さんも東京唯我独尊思想に毒されてませんですかねえ(追記:こういうのを最近一部では「ゲーム脳」をもじって「東京脳」と揶揄するそうです)とゆー感じですが、まあ朝から血圧の気になるあたくしの血圧をまた上昇させてくれる話題ではございました。

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2006/01/05

お題「だいたい世間話」

1月5日になって明るく「あけましておめでとうございます」と言われると何か激しくこけますわな。そういや昨日はやってませんでしたが、ちょっとお間抜け感が漂いますよ>モーサテ

○こりゃ今年も安心だ

例によって人の日経金融新聞を見るあたくしなのですが、年初ですので今年の相場展望みたいなのがトップ記事になっておりますわな。で、真っ先に入った見出しが「日経平均、年末18000円」というものでございました。

えーっと、年末が16111円ですからここから15%しか上りませんですかそうですかっていうお話で、そんなに低水準の値動きしかしないというのはさすがに予想としてどうよって思うのですが、まあそれを見て大発会の株式市場も安心したのか(嘘)ご案内の通りの上昇と相成った訳でございます。

まあ日経新聞がカンカンの強気になって2万5000円間違いなしとか2万円は通過点(ちなみにあたくし現状では2万円くらいあっさり行くでしょと思ってますが)とか言い出すと調整もあるのでしょうななどと相変わらず説得力の無いお話をしている自分なのでありました。日経新聞におかれましては引き続き慎重スタンスでお願いします(笑)。

まあ問題があるとすれば不動産ではないかと。不動産投資ファンドなどへの資金流入が続いているうちは大丈夫でしょうけれども、ローンの利回り下がりすぎじゃネーノかとか、あまり真面目にフォローしてないのでこういう事書くのも何ですが、この前暇つぶしに某不動産ファンドの公表資料から保有物件の入替状況を見てたら何かこれ同じ資本系列同士で物件が動いてませんでしょうかねえと眉に唾をつけたくなるようなものがあったの(最近暇じゃないので全然フォローしてませんすいませんすいません)をちらっと見つけてしまったりとか、どうもこう調子乗りすぎ感が漂うのであります。

まあ不動産でバブルになってると言うような状況ではないでしょうし、今更土地の価格がこれ以上下がるとも思えないので何かあってもそんなに大問題にはならないでしょうけれども。。。。



○構造改革したから経済成長ですかそうですか

首相の年頭会見。構造改革をしたら経済成長をしましたかそうですか。いやまあ政治のアピールとして言いたくなるのは判るんですけど、別にシバキアゲたから不良債権片付いた訳じゃないと思いますがねえ。

構造改革万歳の人たちからは「自助努力と構造改革」で経済成長したというのがどうもコンセンサスになっているようですが、何というか過程の分析に思いっきり???感のあるものを出されますと今はともかく将来またまた経済状況が悪化した時にまたまた無茶な処方箋がでてきそうで実にオソロシスではございます・・・が、どうせ結果よければ全て良しとか逝って有耶無耶にされるんでしょうな。化学実験に例えると不謹慎ですけど、実験でうまく行かなくてもそれは「このやり方はうまくない」という重要な知見。再現できない実体経済なんだからより精緻にフィードバックすべきじゃねえのかと思うのですが。

で、その構造改革原理主義問題(?)ですが、普段あたくしが巡回しておりますpogemutaさんの「ダメオタ官僚日記」(http://d.hatena.ne.jp/pogemuta/)の1月3日のエントリー(http://d.hatena.ne.jp/pogemuta/20060103)で規制改革・民間開放推進会議のお話が出ておりまして、大変に興味深く読みました。肝心の元であります会議の議事録を斜め読みしかしてないんですが、何か乱暴な論議が行われてますなあという印象で、こんなんで規制改革民間開放推進をやってるのねえと吐息が出てしまうのでありました。

で、まあ最後の方にあったpogemutaさんの意見というか感想を読んで全くその通りですなあと共感したのでそこを引用しようと思ったら既にbewaadさんが深くうなづいて引用してましたので引用省略(^^)。

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2006/01/04

○29日のエントリーの訂正エントリー

29日にキムタケブログに出てたフィナンシャルジャパン記事のエントリーに関してあたくしが行いましたおなじみグロソブの説明に少々どころかだいぶ問題箇所がございましたので新年早々お詫びして補足致します。

あたくしはこう書きました(再掲)。

グロソブ毎月分配型の基準価格ってhttp://www.kokusai-am.co.jp/に堂々掲載されているように8000円そこそこなんですけど「元本を毀損させることなく」ってのは悪い冗談としか思えませんな。(途中割愛)基準価格が10000円割りながら分配を続ける投信という事は、元本を取り崩して分配しているという意味なんですが(ここ数年の基準価格は8000円台で上ったり下がったりです)。

で、ここの部分の説明のどこがおかしいかという件に関して読者様(本当のCFP)からご指摘頂きました。さすがCFPの方はお詳しいので勉強になります。

投資信託の平均元本は、”各受益者が追加設定した時の基準価格の加重平均”であり、グロソブのように8000円台での設定が多ければその近辺にあるのが当然で、1万円と比較することに_全く_意味はないっす。

ご指摘その通りでございまして(大汗)、あたくしの書き方だと10000円で買ったのが8000円になって元本取り崩しとなっているかのような表現ですがな。10000円と比較する意味は無いですわな、公社債投信んじゃないんだから。ご指摘のように、この投信はここ数年で恐ろしく元本が増えている投信ですんで、8000円台での追加設定(誤差を押して言えば後から購入した人という意味)が多けりゃ基準価格が8000円を上回るのは大変なお話です。毎月分配しちゃってるんだし。


グロソブの毎月分配型自体が複利運用でも何でも無い投信であるので、ドル建ての毎月分配投信を「複利の効果が享受できない」ってわざわざ毎月分配型のグロソブに乗り換える意味があるんでしょうかって所に関しては見解は変りませんけど、説明部分に瑕疵がございました事に関しては謹んでお詫び申し上げます。ご教授頂きまして大変感謝しておりますので、皆様におかれましてもドンドンツッコミ頂きますと大変に助かります。

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2005/12/30

お題「年末年始読書室」

ここ半年くらいめっきり書評を書いてませんでしたな。来年はもっと本を読まないといけませんなあ。

○ここ暫くの間に読んだ本(債券市場と全然関係ない本ばかり)

・「「俺様国家」中国の大経済」(山本一郎著、文春新書)

まあ昨年の今頃とは違って大陸中国に対する投資がバラ色の未来で云々って雰囲気は落ち着いてきたとは思うのですが、まあ巨大なる消費市場がそこにあって売り込みに行きましょうって話は相変わらずですわな。で、まあそういう人は読めという所ですか。いつもの切込隊長節で大陸中国の経済に関する不透明さ加減に関して斬るわ斬るわといった所ですな。

・・・って書いたら放映中のブルームバーグテレビで相変わらずの大陸中国投資万歳ニュースをやっておりますな。あっはっは。

ISBN4-16-660469-4 C0233 \790


・「世界ファシスト列伝」(長谷川公昭著、中公新書クラレ)

冷静に考えればいても何らおかしくないのですが、英国や米国にもファシストっていたんですねーなどと思いながら読んでおりました。現代史ってのは歴史的評価で揉めるので色々な角度から論じているものを読まないといかんなあと思ってます。この本はどちらかというと「マイナーなファシストをご紹介しましょう」って内容ですので、まあ思想的に偏ってどうのこうのって物ではございません。第1次大戦から第2次大戦の間の歴史を知る助けになるといったら大げさですが、一般的な歴史物とは違う視点で読めると思います。

ISBN4-12-150127-6 C1222 \880


・「秘録東京裁判」(清瀬一郎著、中公文庫BIBLO)

東京裁判で東条英機元首相の主任弁護人を務め、その後文部大臣や衆議院議長をつとめた方の著書。初出は昭和42年3月です。東京裁判に関する書籍やら論やらというのは山のように出ておりますが、当事者の書いたものということで有益ではないかと思います。中にある「東条遺言の摘記」を読むと(まあよく言われてますが)東条氏は超優秀な官僚であっても政治家(ステイツマン)ではなかったんだなあって思うんですが。

ISBN4-12-204062-0 C1120 \857


・「戦国策」(近藤光男編・解説、講談社学術文庫)

まあめっきり大陸中国と関係の悪化している昨今ではございますが、日本の思想形成というと大げさですが、漢籍を寺子屋でも読んでいた位ですからまあ中国古典は読んでおけと思うあたくし。「戦国策」は前漢の学者劉向が天子の書庫の整理をしていたときに出てきた竹簡を整理して33篇としたものでして、戦国時代の遊説の士の策を紹介したものですな。

「蛇足」とか「まず隗より始めよ」とかご存知ですよね?

ISBN4-06-159709-4 C0197 \1250


・「中立国の戦い」(飯山幸伸著、光人社NF文庫)

第2次世界大戦の欧州で連合国にも枢軸国にも加わらなかったスイス・スウェーデン・スペインの直面した困難とその苦心について中立国の立場から書いてます。まあだいたい戦勝国の立場から「こいつらコウモリ」って評するものは見る事が多いので、こういう見方も必要でしょう。

で、これを見て思うのですが、日本の地理的条件で中立政策を採るというのは国土を物凄い勢いで軍事要塞にでもしないとムリムリですわなあと思ってしまうのでありました。予備知識としてスイスとかバルト帝国の歴史も書いてありますので、そちらも中々役に立ちました。

ISBN4-7698-2463-7 C0195 \724


・「下流社会 新たな階層集団の出現」(三浦展著、光文社新書)

ご存知今年沢山売れた本。たまたま人から貰ったので読みましたが、借りたのではなく何故か貰った理由は10ページも読んでいれば判るという本です。本のカバーに「マーケティング・アナリストである著者が豊富なデータを元に書き上げた」ってあるのですが、そのデータというのが著者が経営するマーケ調査会社のもので、しかもサンプルが統計の名に値しない量。で、山の手は上流だの渋谷は下流だのひたすらレッテル張りをするという実に下らん本でして、この本を読むのに費やした1時間弱を返せと申し上げたい。

つーかこの本をもてはやす大手メディアの皆様は全員揃って腹を切って死んでいただきたいと心の底から思うのでありました。まあ昨今あたくしが悪態をつきまくっている「結論先にありき」のテクニックを学ぶ本としてお使いになるのがよろしいかと思います。

抗議の意味を込めて光人社新書は金輪際読まない事を強く決意いたしました。一応ISBNコードを置いておきますが。

ISBN4-334-03321-0 C0236 \780

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2005/12/29

○Web2.0が早速日経金融に出ましたか

昨日(28日)の日経金融を見てのけぞってしまいました。1面のトップに踊る見出しが「資金呼ぶ知の交流」「『Web2.0』新風」「VC・証券動く」って事で、記事の小見出しは「ブログファンド」「来年IPO続々」「アナリスト推奨」と来てしまいました。

まあ記事を読むともうWeb2.0時代がやって来ますよ最新のトレンドですよ投資したら大儲けですよと言わんばかりの大変に香ばしい記事になっておりまして、何と申しますかイット革命でどこぞの会社の時価総額が日本の高炉全部の時価総額よりも高くなったとかいう時代を思い起こさせるような記事の作りで勘弁していただきたい物でございます。Web2.0という言葉が妙に流行しだしたのはつい最近ですけれども、あたしゃーこの「Web2.0」と「LOHAS」ってのが商売臭があまりにも強くて今年の嫌いな言葉双璧と言った所でしょうか。

などとあたくしの悪態を読んでもしょうもないと言われそうですので、参考になる見解として「R30マーケティング社会時評」という結構有名なブログでWeb2.0について良い感じで指摘していたエントリーがあったのでご紹介しておきますね。

http://shinta.tea-nifty.com/nikki/2005/12/cybozunite_20_16a6.html

ま、直接にWeb2.0というよりは本件はサイボウズがネタになってるのですけど、そのエントリーのトラックバック先やコメント欄なんかも参考にされると吉かと存じます。

要するにアレですな。新しいコンセプトをぶち上げて投資家の皆さんからお金を集めようという楽しい動きだったりするのですが、まあ皆が金を突っ込めば値上がりもするでしょう。そーゆーもんだと割り切って突っ込むのも一興なのかもしれませんが、まあだいたいこの手の「画期的な」概念は以下自主規制だと思いますんで。

「情報や知恵を広く募り価値あるコンテンツを作って共有するようになったネットの新潮流」(日経金融記事より)とか言われますと、「オープンソース」という言葉を懐かしく思い出す訳ですが、「ブリタニカからウィキペディアへ」とか言われましても、狭いコミュニティの間では情報の共有も有益だけど、拡大していくとノイズの方が増えていって情報の単位辺りの価値(というのが適切な表現かどうか判らんが)は劣化していくと思いますがね。暫く前はWikipediaも面白がって参照してましたが、最近のは妙にノイズが多くなってきて、あまり参照しなくなった自分がいるのでありました。


○こんな投資はしてはいけないですかそうですか

これも暇ネタですが。

http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2005/12/__2991_1.html

毎度お馴染みの木村剛さまのブログですが、こちらは木村さんが編集長のフィナンシャル・ジャパン誌の記事からのエントリーのようですな。内容はファイナンシャルプランナーのアドバイスというお話でして、話の前半部分(セブンイレブンの上場時に企業のコンセプトに感心したので株を買ってそのまま持ってたら100倍以上になったって話です)はまあ確かに長期投資の王道かもしれませんが、後半の投資商品アドバイス話がいただけませんですな。60歳医師のお方のポートフォリオ改善提案なのですが。

『ポートフォリオを見させていただくと、三〇〇〇万円分のドル建て毎月分配投信を保有しているだけ。しかもドル安で元本が一〇%毀損していた。毎月の分配金も少なくなってきているので、手取りは年率二%程度。しかも、分配金は毎月自動で円転されるから、そのたびに為替手数料も取られていた。集中投資しているからかなりのリスクがあるし、分配金もそれほど高くない。複利の効果も享受できないので、良い資産運用とはいえなかった。』

全体の資産がどうなっているのかよく判らん(まさか資産全部が外貨建て投信などという人はいないと思うんですが)ので何とも言えませんが、まあ元本が10%毀損ってんですから随分前に流行っていたドル建て分配型投信の残骸なんでしょうな。ナムナム。

で、このプランナー氏は(プランナー氏は上記URL先にあるように、木村剛さんとは関係ないっつーか寄稿者だから全く知らない人じゃないんでしょうけれども、この提案は木村さんの考えではありませんので念の為申し添えます^^)どういう提案をしたかといいますと・・・・

『リスクを多くは取れないと考え、二〇〇〇万円をグローバル・ソブリンに移行することによって、為替の分散投資を図るとともに、毎月の分配金を増やした。』『円高になった場合のリスクが残るので、もうひとひねり。九五年以降の経験則では、円高になると日本株が上がる傾向がある。そこで、五〇〇万円を日本株式型投資信託で運用。』

円高になると日本株が上る傾向があるってのは海外からの投資資金流入がどうのこうのって話なのかもしれませんが、既にそのフェーズは終わっているような気もしますが。この前だって円高にビックリして平均株価下がりましたわな。この手の経験則ほどあてにならない物はございませんで、単に相場の方向性に張っていると思わないと逝けませんですな。まあそれは兎も角。

『それらの結果、元本を毀損させることなく、毎月約九万円の分配金をもらえるポートフォリオを組成することができた。お客さまには大変喜んでもらっている。』

グロソブ毎月分配型の基準価格ってhttp://www.kokusai-am.co.jp/に堂々掲載されているように8000円そこそこなんですけど「元本を毀損させることなく」ってのは悪い冗談としか思えませんな。それに複利運用はどこへ行ったの(株式投信がどうも複利運用だということのようですが)かと。基準価格が10000円割りながら分配を続ける投信という事は、元本を取り崩して分配しているという意味なんですが(ここ数年の基準価格は8000円台で上ったり下がったりです)・・・・・(゜д゜)(この部分舌足らずなので訂正エントリーを1月4日に上げてます)

前半の「投資の王道」という部分がまあありきたりとは言え良い例を出していたので後半部分の具体的アドバイス事例のグタグタ振りが実に残念ですな。このエントリーのお題が「こんな投資はしちゃいけない」ってなっているのが空しく響くのでありました(苦笑)。

確かに集中投資はリスクは大きいのですが、変にリスク分散を図ろうとしても必ずしも経験則どおりにマーケットが相関する訳では有りませんので、ちゃんとコントロールできるというのであればある程度集中した方が「こんな筈じゃ無かった」っていう事にもならないと思います。勿論その辺の匙加減は難しいのですが、「リスクの所在をちゃんと把握した上で自分で管理できるリスクを取る」ってのが重要じゃないかという事ですな。

などと似非ファイナンシャルプランナーになってしまいました(苦笑)。

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2005/12/28

○これは豪快な法令違反ですね

金融庁様におかれましては昨日ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社(長いのでGSAMにします)に対して行政処分ということで業務改善命令をお出しになっていました。
http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/syouken/f-20051227-3.html

毎度不思議に思うのですが、証券取引等監視委員会では各種処分などをこれみよがしにトップページに掲載してるのに、金融庁ではこの手の処分のリリースがトップページの新着情報に掲載されない(「報道発表等」というカテゴリーをクリックすると一覧が出てくる)んですよね。証券会社に対する待遇が随分と宜しくない事でなどというのは僻みですかそうですか。

まあそれは兎も角として今回の法令違反行為は上記URLに書いてあるのですが、ここに書いてある通りだと「間違い商いの付替」「ファンド間売買」「届出書提出前の事前勧誘」とj今日びコンプライアンスに関して皆さんナーバスになっている時代に随分と豪快な法令違反行為で大変に頭の下がる思いです。間違い商い付替えなんて今時やる奴いるのかよ。。。。

何となく2番目あたりは単にロールの売買が同じタイミングで行われただけのような気がしないでも無いですが(本当に対当させてたらアフォ)、まあそれにしても今時こんな法令違反しないでしょうって内容でして、何か行政処分とかがあるとさっくりと発注停止になる今日この頃ですが、郵政公社でご採用になられたGSAMの投信商品はどういう扱いになるんでしょうかねえと存じます。


○相場神のお告げ

昨日ブルームバーグテレビのインタビューで相場の神様であらされるところの某D証券のM大先生様が来年の日本株見通しに関して日経平均で18000円以上の水準まで上昇する可能性があるとのご託宣。

で、リスク要因として米国長期金利上昇(長期で6%とか)を挙げていたら早速10年VS2年金利が瞬間逆イールドになっていたのには思わずひれ伏してしまうわけですが、日経平均株価の上値メドの根拠について相場神はこう語りました。

『需給相場の中で、日経平均株価が1万8000円、1万9000円まで過熱する状況はあり得ないわけではなく、仮に2万円になっても、1.5%という長期金利との比較で割高とは言えないというのがベースにある』(ブルームバーグニュース記事より)

・・・・・日経平均が2万円になっている時に長期金利が1.5%で納まっている訳はねえだろうと思うのですが。まあしかし改めてこの部分を引用したんですが、ここから2000円とか3000円上った位で「過熱」とか言われても「はぁ?」って感じはしますので、このお告げはよく考えると解釈に困りますな。


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2005/12/27

お題「無理が通れば道理引っ込む?」

○因果関係が逆ですが

実は日経新聞読んでない人なので(読むのはネタ拾いの時だけ)気が付かなかったのですが、昨日の日経新聞「経済教室」では「預金金利が3%になると個人金融資産1000兆円に対して30兆円の所得増効果があって経済が活性化」という信じ難い理論が展開されていたようですな。(本石町日記さんのエントリーで初めて知ったという日経ヨクヨマナイなあたくしでありました)

経済が活性化した結果として金利が上昇するというのであればまあ良いのですが、どうしてそういう理屈になるのやら。まー確かにあたくしも昔は預金金利が上ると個人所得が増えてどうのこうのって理屈に対して激しく同意してたというような恥ずかしい時代もあったので、こういう理屈による宣伝(というかプロパガンダ)には一定の訴求効果があるのは理解できるのですが、それにしても論がお粗末でございますわな。

預金金利が3%になって個人金融資産に所得増効果って時には、個人金融資産の反対サイドにある負債部門に負担が発生しているんですが、そちらはスルーとは素晴らしいゆんゆん理論ですな。ここもとの不良債権整理局面において政府部門に物凄い勢いでケツを拭かせているからこその景気回復であると理解しているあたくしとしては、「金利上昇で経済活性化」という意味の判らん議論は「政府部門を見てから言え」と申したくなりますわな。


と申しましても、この素晴らしい理屈は暫く前にご紹介した経済同友会の提言だのでも似たようなお話が出ていたりする訳で、どうも「金利を正常化すると経済が正常化する」という凄い理屈で一般向けに量的緩和解除の妥当性を訴求する作戦に出ているのかと思うと実に嘆かわしいものがございます。

昨日ご紹介した経団連での福井総裁挨拶にも実はおなじようなゆんゆんフレーズがございまして、紹介の際にはめんどいので華麗にスルーしちゃったのですが、呆れてしまったのでご紹介しておきます。昨日引用した部分の続きになるのですが。

『現在、量的緩和政策の効果は、短期金利がゼロであることによる効果が中心になってきており、枠組みの変更自体によって、政策効果の面で大きな変化は生じないと考えています。むしろイールド・カーブが市場の中で自然に形成されるようになり、経済の活性化を促す方向に働くようになると思われます。』

別に量的緩和政策をやっていても10年金利は0.5%になったり1.9%になったりしてましたがそれらの動きは自然な形成ではないですかそうですか、という突っ込みは兎も角として、こちらでも「金利が正常化(とは何のことですか?と言い出すと長くなるわな)すると経済が活性化する」という因果関係を思いっきり逆にしたお話を絶賛展開中。


○この手の話が多すぎやしないかと思うんですが

まず結論先にありきで、その為に訴求するアピールを考えて宣伝するってスタイルが世の中横行しているような気がする訳ですよ。暫く前にご紹介した「霞ヶ関改革プロジェクト」では目的と手段をひっくり返した素晴らしい決意表明が行われていましたが、政策全般に渡ってその調子でやってるとその場その場はトンデモ理論でアピールして物事が進行するのかもしれませんが、将来のことを考えた場合にそれで良いのかよと思うあたくしは政治を判っていませんですかそうですか。

事実関係やら因果関係やらを無茶苦茶にしてその場を通しても先々にひずみがくると言うか何というか。過去の説明を正当化しながら理論を構築していくので、先へ行けば行くほどロジックが無茶苦茶になって来ているのは現在の日銀のロジック崩壊ぶりを見れば明らかなんですけど、常にいきあたりばったりなのは日本の伝統芸能ですかそうですか。

で、ふとだいぶ前のbewaadさんのエントリーを思い出したのですが、今年8月26日のエントリー「構造改革原理主義の誤りを具体的に指摘してみると」ってのがございまして(http://bewaad.com/20050826.html)、構造改革原理主義を支える理屈の拠って立つものが事実を意識的にか無意識的なのか捻じ曲げて説明してませんでしょうかねえということを判りやすく論じています。まあご一読ありたし。

その中で取り上げられていたブログの人(それなりに有名な人で、自民党の機関紙に論文を出したりする人です)がでコメント(http://bewaad.com/20050826.html#c04)してたのですが、そこを読むと中々良い感じで腰が砕けるのでありますわな。

『尚、政治の世界の論理からすれば。「本当に政府は大きいのか」よりは「政府が大きいと思われている」ことのほうが重要かもしれません。「外交官は六千人なのに、郵政は二十数万人。多過ぎると思わないか」。小泉総理の演説の一節ですけれども、こうした訴え掛けは、かなり強烈でしょう。』

有権者に対して実態を説明しないプロパガンダによるアピールを持って判断させる政治手法を容認する政治学者ってのも実に香ばしい。事実は兎も角アピールが訴求すればそれで良しってのは全く困ったものです。


○まあそういうのがスルーするというのも問題なのですが

でもまあアレですわな。そーゆー理屈になってないプロパガンダが通ってしまうのはマスメディアにも問題が大有りな訳でして、日経新聞のくだんの「経済教室」にしたって(日経がアフォを晒し上げする意図で掲載してるのなら話は別ですが)掲載段階で「いや先生、この理屈は幾らなんでも勘弁していただけませんでしょうか」って話にならないんですかねえということですわな。

「大きな政府」議論もそうですけど、政策をやろうって人たちの宣伝に対して実態はどうなんですかってのを検証するのが「社会の木鐸」としての役目ではないでしょうかと思うあたくしは商売を判ってませんですかそうですか。は〜。鳴り物入りで実施された政策の後検証も全然してる気配無いですし(先日郵政公社の国際送金手数料が引き上げ(窓口で行う国内送金も)になってましたなあ、利用者サービス向上するんじゃなかったのかなあ)。

今更メディアの猛省を促しても蛙のツラに何とやらって奴でしょうが(吐息)。

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2005/12/21

○論点が山のように出てくるジェイコム株事件

例のジェイコム株事件ですが、日証協が証券会社に収益返上を「お願い」するって何じゃそりゃですわな。「お願い」如きで収益吐き出しなんて会社の利害関係者にどうやって申し開きするんだよと小一時間ですな。「取引が法的に問題無い」って言っちゃったら利益返上の理由無いじゃん。もうね、アホかと馬鹿かと。>日本証券業協会

東証の社長とあと2名が辞任するそうですが、旭硝子ヘタ株事件の強制解け合いの時は東京証券業協会理事全員が引責辞任してまして、強制解け合いってのはそれほど重大事件だという認識が東証にあるのか実に怪しいですな。だいたいこんなにシステムに問題起こしてるのに先週末の新聞報道見たら「東証が夜間取引市場創設を検討」って出てましたが、「寝言は寝てから言え」という言葉がこれほどしっくりくるニュースもございませんですわな。

本件に関しては論点が後から後から発生するという稀有の事態でして、まあ色々な面から考えるのには非常に使えるお話。あちこちのブログで色々な側面から論じられていて勉強になります。そのうち纏めてみる所存。


○ところでうっかりしてたのですが(大株主の短期売買制限)

本件の売買(というか現金決済になったのですが)であたくしが気になっているのは「大株主の短期売買」という点。証取法164条によりますと、議決権ベースで10%以上の株主が6ヶ月以内の短期売買(買い→売りだけじゃなくて売り→買いも含まれるのか?)で利益を得た場合には発行会社にお返しすべしという規定がございますわな。例えばこちら→
https://www.daiwa.co.jp/HomeTrade/hukousei/husei_main_c.html

で、ジェイコムの場合は10%以上に引っ掛かってくるのは1450株になりますので、敢えて1000株しか購入しなかった野村證券の法令に対するガードの堅さが非常に良く判るというものであります。またノムラか!って奴ですな(^^)。

もしかしてジェイコム株が連日アフォのように上昇しているのは、まかり間違ってジェイコムに利益返還されたらもうウハウハになるからって思惑がある・・・・わけはねえか(笑)。値動きの軽い値嵩に足の速い資金が行ってるだけだとは思いますが。


という話は兎も角として、この大株主の短期売買制限の趣旨ですけれども、要するにこんな感じですわな。企業の行動に影響を与える事のできる大株主が自己の短期的利益の為に影響力を悪用すると、公正な株価形成を阻害する恐れがあるので制限を設けてるんですよね。

で、この大株主の短期売買規制に関して11月の後半に金融庁が「投資ファンドは対象外」っていう見解をだしていたらしいのですが、(色々調べ物してたら見つかった)金融庁のWebを見ても良く判らんし、元の新聞記事(11月24日の読売新聞)は既にアーカイブになっているので、gooのニュースのアーカイブを拾ってみました。
http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/keizai/20051124/20051124i201-yol.html

本件について言及している幾つかのサイトを見ると、記事で紹介されていた金融庁の見解は「投資ファンドの実質的な株主はファンド出資者。議決権はファンドに無い。ファンドは窓口に過ぎないから主要株主とは見なされない。だから規制も適用されない」というものだそうですわな。

するってえと何ですか、村上某が「ファンドの代表」として企業にあれこれいちゃもんをつけるのはどういう扱いにする積りなんでしょうか金融庁様は。先生、株主でも無い人が経営に介入してます!って話になりますがどうするんですか?

短期売買規制をファンドに関して緩和するなら、ファンドが大株主として経営に介入する行為を制限しないといけないのではないでしょうか?金融庁さまにおかれましては何でこんな筋の通らない「規制緩和」をするのでしょうか。全く意味判らんのですが、やはりこう何か投資ファンド様を優遇ごほごほげっほげっほ。

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2005/12/16

○改革派ですかそうですか

時々話題になっていたのでチェックしていた霞ヶ関改革プロジェクトK(ブログはhttp://blogs.yahoo.co.jp/projectk2005、本はどうせアレなので買ってません。それからブログのコメント欄にもありましたが、中央官庁を改革したいんなら「霞が関」なんですけどねえ。駅舎の改革でもする積りですかこのプロジェクトは)なんですが、先日東京新聞の記事をみたら「改革を進める為に官邸からトップダウンで動いてもらう事も考える」みたいなのがあって「???」感を強めていたのですが、branchさんの「続・航海日誌」(http://www.seri.sakura.ne.jp/~branch/diary0512.shtml#1214)とbewaadさん(http://bewaad.com/20051215.html)が鋭く突っ込みを入れてましたんで、その突っ込みに激しく同意しつつURLをご紹介させていただきました(と、例によって人の褌攻撃)。

何かこーゆー「改革真理教」の人たちが浅薄なメディアで祭り上げられて時の人になった挙句、地方首長になったり国会議員になったりするんじゃないかと思うと激しく鬱になる年の瀬でございました。正直こういうのは勘弁して欲しいとか言ってるあたくしは抵抗勢力ですかそうですか。

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2005/12/15

○取ろう取ろうは取られのもと

頭が最初から最後まできちんと稼動した場合に限り囲碁4段のあたくしですが、その囲碁の格言だか何だかに小見出しのようなものがございます(^^)。

で、ご案内のジェイコム株式問題ですが、どこでどういう話になったのか良く判らんのですが、S安で注文がさらされている間に買いを入れてた証券会社の皆様が急に利益を返還するとかいう話になっておりますな。

どうせ返すならみずほ証券に返してもアレなんで環境対策でも歳末助け合いでも良いんですが、何かもうちょっと楽しい返還方法でもありませんですかねえって気もしないでもないのですが、どういう処理をするのかヤヤコシイですな。まーこの取引は最初から無茶苦茶な話なんで、どこまで逝っても処理は無茶苦茶な異例処理になるんでしょうが(笑)。

野村證券が1000株しか買ってなかったんですが、勝手に想像するとどう考えても明らかにおかしい注文(発行済み株式数を死にそうに上回る売りだから)に付け込んだ買いってのに対して「これは純粋な投資として買いましたが何か?」と言えるロットが幾らですかって考えた結果として1000株しか買わなかった、というか買ったものの当日中に売却してしまい、持ち越したのが1000株だったのではないかという気もしますが、まあそういう事をきっちりと考えて買い玉を残してたと思うんですよ。

まあ他の証券でもせいぜい3000株とか4000株とか、要するに流通株式の範囲内に買い玉を抑えておく事によって「いや割安だと思ったので純粋投資」って申し開きができるように考えてはいたのではないかと思います。

ところが、UBS証券が欲の皮突っ張り過ぎで3万株以上というそれこそ「ありえない株数」の購入を行ったというのが出て「こりゃ幾らなんでも・・・」って話を呼び起こす破目になってしまったのではないでしょうかねえ。3万株はねえだろう3万株は。欲張り爺さんが欲張りすぎて全部パーになるというような昔話ってなんでしたっけ(笑)?


ちなみに、この返還はケシカランと金融市場の中の人では評判が悪いのですが、数年前にどこぞの外資系証券が個人向けe-ワラントの売買で価格呈示を間違えててそれに気が付いた一般投資家が大喜びで購入したら、約款の解釈を盾にとって「その売買は成立してません」と押し通してしまったという事件があった事をあたしゃ忘れておりませんです、あっはっは。

まあこれってみずほ証券のやられのかなりの部分が「間違い注文を取り消し出来ない状態で5分以上も晒していた」という東証の不手際による部分がありまして、みずほ証券が東証に賠償請求って話になると東証の負担になって、それは結局東証の会員企業に降りかかってくる(この程度なら別に直接的に金くれ攻撃にはならんでしょうけど)話になるということになると、例によって例の如く「数多くの損VS特定大手の儲け」はケシカランって論法になったのかなあなどと思ったりもするのでした。

まあ何にせよ最初から最後(まだ全部収まってませんが)まで異例ずくめもいい所で誠に香ばしい話ですな。是非ここはジェイコム様からUBS相手に「大株主の短期売買利得の返還要求」を出していただいて話をもっとややこしくして欲しいものでございます(完全に野次馬モード)。

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2005/12/14

ジェイコム株式事件ですが、UBS証券のグループが発行済み株式の2倍に当たる買入をしたそうで、電通株のリベンジが出来てよかったねと言いたい所ですが、さすがにこれは・・・・

一つには明らかに過大な買い付けなので、作為的相場の形成行為に該当する可能性があるという点(ちなみに現物株のでストップ比例配分狙いで大目の注文を出すのは作為的相場の形成行為に該当しますのでご注意下さい)。まあ別名義なんでしょうし、そもそもの売り注文が過大注文なんですけれども(^^)。二つめとしては「大株主の短期売買による利得」に該当する可能性があることで、名義をせっせと分けていても、実質的に同じって裁判所に言われちゃったら儲けたお金は持っていかれちゃいますわな。UBSが現実に株式を手にした訳ではないのでここの適用は非常にグレーなんですが。

ま、どっちにしても発行済み株式の2倍買うと言うのはなかなか浅ましい香りが漂ってきてよろしいんじゃないかと。わはははは。

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2005/12/13

○昨日書き忘れたのですが・・・・・

昨日書きました株式売買誤発注問題は結局強制解け合いで解決。55年ぶりって事ですので旭硝子ヘタ株事件以来で損失が400億円ですかそりゃまあ災難でございましたねえとゆー所ですが、昨日書く積りで拾っていた余談ネタを書き忘れたので一個ご披露(笑)。

「日経新聞の法則」という恐怖の法則があるのは時々ご紹介しております。今年の白眉は今年の6月28日だったっけな?10年金利が1.2%割った時に「10年金利1.2%割れ、一段の低下余地も」って日経金融新聞が1面トップで堂々と記事を出したら、7月に入ってから10年金利は上昇するわじょうしょうするわ。まさに神業としか言いようがないのですが。

その日経グループのより専門向けの「日経公社債情報」という月曜発行の週刊誌がございまして、先週の日経公社債情報の特集が何と「みずほ証券の挑戦」というお題でして、記事の趣旨が「元々債券部門が強かったみずほ証券が最近は株式部門が躍進している」という物でして、まあ毎度お馴染みのチョウチごほごほ分析記事なのでありました。まあひたすらみずほ証券の株式部がもう大変素晴らしく躍進してますよって話。

で、その週の木曜日に大災厄が発生したのはご案内の通りでございますが、神業を発揮するのはせめて相場だけにしておいて頂きますと誠に恐悦至極に存じます。

で、その日経がバブルだとか高値警戒とか言ってる内は株式市場は大丈夫と言う事で宜しいのではないでしょうか。本人は物凄く大真面目にそういう話をするんですが、これがまた偉い人とかにそういう話をすると元々ディーラー上りの人以外には全くウケないどころか馬鹿者扱いされて人事査定に響くという諸刃の剣(というか刃が自分にしか向いていない気がするが)でして、お勧めできません(^^)。

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2005/12/12

お題「金曜の補足」

というわけで、まあどうでもいい話と言えばそうなのですが、ああ誤発注の続き。

○取り消しが出来なかったとはご愁傷様です

今朝入ってきたニュースによりますと、誤発注した売買の取り消しが出来なかったという素晴らしいバグが東証側にあったそうでして、そりゃみずほ証券運が悪かったですなあというところで。まあとんでもない間違えをそのまま通してしまったのがそもそもの問題ですが。

それなら尚の事板を止めればそこまでの受注分の決済だけで何とかなったんで300億円とかの損害まで逝かなかった訳でして、金曜日の朝テレビニュースでやっていた東証の記者会見を見たときに思った印象を別のところで書いた(ドラめもんに追加できなかったので)のを再掲。

(金曜に書いたもの)NHKのトップニュースで誤発注事件が出てましたが、東証の記者会見のくだりで顎が外れそうになったのは、「発注の取り消しが出来なかったのはみずほ証券が手順を間違えたから」とか東証は見事に責任転嫁発言(したこと)。

おまえら気が付いているなら板止めるとか注文取消しを通すとかしろよあほと思うのですが。下がりだした時に取り消し間に合ってたらS安まで逝かなかったかもしれませんしねえ。想像するに注文集中で処理追いつかなかったのでは?

まあしかしあの会見はちと頭にきましたね。
(以上金曜に書いた駄文)

てな訳で、やっぱ変ですわなあと思っていたらこの有様。つーか売買管理部門の連中は無駄飯食いかと小一時間ですわな。みずほ証券が誤発注したのが問題とは言え、東証のその後の対応は余りにもアホアホであって、てめえら上場とかいう寝言は寝てから言えという所で。


○ところで参加証券会社がテッポウを撃った場合はどうなるか

金曜日にちょっと書いた参加証券会社がヤケクソで破綻した場合の処理ですけれども、株式市場のお方から説明を頂きましたのでそれをご紹介。

(頂いたメールより)
誤発注した証券会社が破綻した場合、制度上は次の順番で損失の穴埋めを行うようになっています。

@不履行参加者の預託金(Cの内です。)
A株主(取引所)による損失補償:違約損失準備金 合計108.5億円(東証69億円 大証26億 JASDAQ10億 名証3億 札福0.5億)(東証・大証・JASADQ・名古屋については会員組織から株式会社組織に
移行した時点で違約損失準備金として積み立てられていた金額)
B清算機関(JSCC)の剰余金 数億円程度
C相互補償 (現在の預託金は現物分として1072億円。預託金所要額は過去の売買高の実績に応じて決められている。)
DCで不足する分は全参加者が預託金所要額の比率に応じて按分で負担。
(ここまで)

ご教授大変ありがとうございました。さすがに東証が倒産することは制度上有りえませんでしたね。そりゃまあ当たり前でございますが、金曜は少々間抜けな事を書いてしまいました。大変失礼いたしました。

全然違う話になりますが、こんな事態を考えるとどこぞのグリーンメーラーが吼えていた「準備金を配当汁!」という主張はちと如何なものかって所でもあるというお話になりそうですな。


○解け合いしかありませんわなあ

金曜にはくだんのジェイコム株式は売買停止。翌日になってから売買停止とは対応が遅いとしか申し上げようがございませんが、まあ売停になったところで「ああこりゃ解け合いか」という話にはなってましたが、週末の報道を見ると解け合いで決済するという線で収拾する(それしか収拾のしようが無いのですけれども)事になったようで。

ちなみに、解け合いについてもこんなのがありますって事でご紹介いただいてますので自分の備忘録代わりに載せておきます。

(1)総解け合い:売り方の全部と買い方の全部が全部の建玉について解け合うことで、「全部解け合い」ともいいます。
(2)抜け解け合い:売り方の一部と買い方の一部が個々に協議の上、その協議して決めた値段により解け合うことで、「一部解け合い」ともいいます。また、「抜けもらい」ともいいます。
(3)強制解け合い:売買当事者間で協議が出来ないとき等において、取締官庁の命令または取引所の理事会などによって強制的に行わせる解け合いであって、強制的にする総解け合いを「強制解け合い」といいます。
(4)任意解け合い:売買両当事者が合意の上で行う解け合いであって、この場合には両者協議の値段により市場で反対売買を行う。この解け合いを「合意解け合い」ともいいます。

今回は(1)か(3)に該当するんでしょうか。全部を強制解け合いにするのは旭硝子ヘタ株事件以来らしいですな。ちなみに旭硝子ヘタ株事件の時は発行日取引が制度としては確立してなかったんですが、この事件の反省によって上場規定、新株引受権規定が定められて発行日取引が制度として発足したそうですな。

なお、この時は全国を巻き込む一大仕手戦になって、最終的には買い方の圧勝になったものの、売り方に中小業者が多いことも考慮されて解け合い価格は最終売買価格の531円よりも低い514円になった(インチキ解け合いとの声も上ったようです)そうですが、それでも支払不能になった証券会社が続出。混乱の責任を取って東京証券業協会理事全員が引責辞任する事になったそうで。

まぁ今回は思いっきり局地的な瞬間の出来事でしたからまあ最終売買価格に少々プレミアム乗せて決済とかになるんでしょうが、注文の取り消しが出来なかったのが東証の問題だとすると売り方(ってみずほ証券しかいませんが)も粘るかもしれませんですな。買い方代表ってのも見当たらないし、東証の事態収拾能力が問われる状況にはなっておりますな。


○ということで東証の問題点まとめ

1.一口の注文で発行済み株式数を上回る売買が執行可能になっている状態
→そもそもそんな売買は確信犯でやっているとしても過大売買であって、いわゆる「作為的相場の形成行為」に該当します。そんな売買を通すなよ。

2.異常な注文が出た時に売買を止める事はできないのか
→昔のように人力が入っているとこういう時に注文を止めるんですけどね。何でもかんでも自動化してヒューマンエラーを排除できなくなるのは如何なものかと。

3.注文取消しが出来ないバグ
→論外。というか上にあるように東証が板を止めて取り消しの処理をしていればここまで大事になるとも思えませんが。

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2005/12/09

○ああ誤発注

昨日の金融市場はこの話で持ちきりでしたが、まぁあちこちで報道されてますので経緯はご案内の通りって感じですが、色々と疑問があったりする訳で。

前回の豪快な誤発注は電通株式上場初日にUBSウォーバーグ証券(当時)がやらかしたのですが、この時は公募株式数以上に売りをかましたものの、発行済み株式数の範囲内であったことから受渡に関しては大株主の共同通信や時事通信から借株をして凌いだんですけど、今回は総発行済み株式数14500株しかないんですよね。ガクガクブルブル。

・間違い注文が何故5分間も晒されてたんでしょうか

9時27分に寄り付いた後暫くしてから売りがでたのですが、S安に張り付いていた時間が9時30分から9時37分。最後の最後に467140株が一発で出来てましたんでそれがみずほ証券の反対売買注文だとは思うのですが、その間何やってたんだか・・・・・

報道される記者会見内容によると取り消ししようとしたけどうまくいかずにって事のようですが、晒され時間の長さ(と言っても債券ヲチャーのあたくしは後から調べたんですけどね)はどうも意味ワカランチ会長ですわな。みずほ証券も何やったんだかという所ですが、電通株式の時みたいに全部他社に持っていかれなくてよかったですねという所ですか。


・電通事件の教訓が生かされていないのですが

2001年11月の電通事件でもまるっきり同じケースだったのでしたが、株式上場初日の制限値幅が初値が決定しないと決定しないのでシステム的に初日のみ入力価格が青天井の発注が可能(普段の売買は制限値幅オーバーの売買注文を入れても弾かれる)でとんでもない注文が入りましたって奴ですわな。

まぁ電通事件だけじゃなくて、時々売買単位間違え注文ってのは起きる話で(1株単位の株式を1000株単位の積りで入力しちゃうというのがありがち)、電通事件の衝撃以来IPO常連の会社ではそんな誤発注が起きないようにガードを掛けたりしてたと思うんですけれども、普段リテールやってない(と思われる)みずほ証券(リテールやってるのは新光証券とみずほインベスターズ証券)だけに抜かってたんでしょうか。信じがたい話だが。


で、東証も思いっきりトンマとしか言いようがないのでして、前回の時も過大注文が何故スルーするのかという問題に関して「1注文に対する総売買金額」でガードを掛けているために、価格と数量をドテンした場合に過大注文として認識されませんでしたって事だったと記憶(ここは記憶なんですけど)してます。

何であの時にその「売買金額」の算定を「直近売買価格」×「注文数量」でチェックするという変更をしなかったんでしょうかねえ。いやまあ後知恵と言われればそれまでなんですけど、今回も同じ事例が発生するというのは東証お前は何やってたんだという感じでございます。


・東証の問題点思いつくところ

上記のように過大注文をあっさり通すシステム上の問題もございますが、明らかにおかしな注文が出たのに板を止めないというのも理解に苦しむ次第。以前は債券先物なんかでも明らかに過大注文が入ると入れた証券会社には東証の直通電話が鳴り響き(事実確認のため)、板は止められるという事になってました。あれは東証職員じゃなくて実栄証券(才取会員)が判断してやっていたんでしょうかねえ。あまり詳しくないのでよー知らんが。

板は止めないわ、(みずほ証券の説明が正しければ)取り消し注文が通らないわってのは東証おまえは当事者意識があるのかという所でございますな。しかし手口が公開されないからいつまでもどこがやらかしたってのが判らなくて他の証券株まで叩き売りになってしまったのは悲惨な話でした。

で、今回はやらかしたのがみずほ証券だし、まぁ殆ど買い戻せているということですからまぁ体力的に損害に耐えられる(受渡の問題はあるけど)とは思いますが、もしかしてまかり間違って61万株全部が売れてしまって買戻し追いつかなくなってたら損害が4桁億円とかになる所でして、そんなことになったら証券会社がお父さん→東証の準備金取り崩し→それでも駄目なら東証までお陀仏さんという無茶苦茶な状況になってたかもしれません。

証券会社がヤケクソで鉄砲(意味が判らない人はその辺にいる株好きに聞いて下さい)をやらかすという前提にどうせ立っていないのが現状だと思いますが、先日の構造計算書偽造問題雑感でも申し上げましたが、まあ性善説前提でシステムを回していくというのは如何なものかと思うのでありました。今回の場合はヒューマンエラーを素通しすると言う時点でそれ以前の問題ではございますが。


・ゲロするのが遅すぎ

「どこがやらかした」モードになって証券株が次々と売られまして、特に公開の幹事証券は軒並み売られちゃった訳ですが、誰も何も言わないもんだから昼過ぎからは幹事証券でも何でも無い会社の名前まで取り沙汰されて、幹事でも何でもない証券会社まで「うちはやってません」って発表をする破目になっていたのは実に香ばしい光景でした。

で、公表が引け後も引け後。4時過ぎになって発表ってそりゃねーだろうという事でして、危機管理意識が無いとか会見で言ってましたが、危機管理というよりははた迷惑以外の何物でもないでしょうな。

しかしまあUBSウォーバーグもみずほ証券も大手町ファーストスクエアだったと思うんですが、やはりこれは将門の首塚と方位の相性に問題があるのではないかなどと訳の判らん事を言い出すのであった。

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2005/12/08

○マッチポンプ恐るべし(某金融新聞ヲチ)

日本が誇る金融のプロフェッショナル向けのクオリティーパーパー(笑)としてなんちゃら金融新聞という日刊紙がございます。何せ1部220円ですよ先生。で、まぁその新聞さまは昨日の最終面「スクランブル」記事で「オプション売りの怖さ−相場急伸で思惑外れる」ってお話を書いておられました。

あんまり記事を引用しまくると著作権がどうのこうのという話になりますので端折って紹介すると、相場膠着を見越して暫く前まで大流行だったオプションの売り(基本的にはストラングル売りですな)でお小遣い稼ぎをしていた投資信託やら個人投資家やらがここもとの相場急伸で香ばしい事態になっているというお話でございます。で、顎が外れそうになったのは記事中のこのくだり。

『オプション建玉の増加には、ネット証券の普及で取引開始までの障壁が下がり、オプションを売る個人が増えた事も背景にある。(中略)プロの投資家にも難しいオプション売りに、個人がどの程度リスクを認識しているかは微妙だ。』(日経金融新聞12月7日朝刊20面記事より引用・・・あ、名前書いちゃった!)

え?当たり前の記事じゃんと思うのはヲチャーとしてはまだまだでして、ここを見て「あれれ?」と思ったあたくしはてめぇのドラめもん過去ログを調べてみるとこれがまたあるわけですよウッシッシ。本年5月12日のドラめもんで暇ネタ的に採り上げたのが5月9日朝刊の日経金融新聞1面記事でございます。

という訳で昔書いたものを引っ張り出します。

(本年5月12日に書いたお話)
週明けの経済新聞はネタが困るらしくて色々と楽しい記事が登場するものであります。で、ちと古い話ですが今週月曜の日経金融新聞1面の楽しい煽り記事について。(以下あまり債券投資と関係ない話が延々と続きますのでヨロシク)

記事のお題は「個人も参戦『プロ市場』」ってことで、最近ネット専業証券を中心に債券先物やら株価指数先物の取引をやってみましょ(注:ここ変ですな。やってますよの間違いでしょう>自分)って事になっているんですな。ど〜せてめぇが個人で出来ない(注:証券会社の人は先物などの「投機的取引」を個人でやるのは厳禁です)話には思いっきり疎いあたくしは「ほうほう」と感心することしきり。

まぁ大体この手の記事は「皆さんも参加しましょうおっほっほ」という話なのですが、紹介されている取引がお題の順に「先物の裁定取引=比較的堅実」「オプション売り=それなりのリスク」「債先売り・株先買い=かなりプロ向け」、さよですか。
(蒸し返し終了)

売買を煽る記事を書くときには「それなりのリスク」と標榜しておきながら「プロの投資家でも難しい」「個人がどの程度リスクを認識しているかは微妙だ」と早速叩きに回るという素晴らしいマッチポンプクオリティには頭が下がりまくって立位体前屈モードになってしまいます。もうね、アホかと馬鹿かと。ええまあ書いている人は(そのときの記事をスクラップするまでマメではないので正確には判らないのが残念ですが)別人だとは思いますけど、同じ新聞で売買を煽る(いやまあ只の事例紹介記事ですよというのが公式見解でしょうけど)だけ煽っておいて、不具合が発生すると今度は「それ見たことか」的な記事を書くのは如何なものかと思いますけどねえ。

そんなのに一々粘着していちゃもんつけるあたくしも如何なものかとは思いますけれども、あっはっはっはっは(自爆)。

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2005/12/06

お題「久々に諮問会議議事ヲチ/その他雑談」

○構造計算書捏造問題雑感いまさら

あまり背景知識の無い事に脊髄反射で反応すると碌な事にならないのですが、どうも気になるので一点。

捏造発覚絶賛拡大中に何度か(あたくしは少なくとも2回)耳にしたり目にしたコメントとしてあったのが「偽造するという前提でチェックしていなかった」って点ですわな。本件に関してもそうですけれども、あたくしの本業たる証券取引に関しても現在のチェック体制や罰則が「放置しておくと悪事を働く」というのをいまだに前提にしてないんじゃないかと思う次第。

かつてどこぞの証券会社が某機関投資家の保有株式流動化(ETF編成)案件で業者間のコンペでとんでもないスプレッドを呈示して取引を獲得しておいて(そこまではまあ良いのですが)、引値関与しまくって結局機関投資家様におかれましてはETFの条件が不利になるという正しく「安物買いの銭失い」となったという事例があり、平成15年事業年度のいつだか忘れましたが証券取引等監視委員会で犯則事例として摘発されてました。

が、別に不当利得が返還された形跡も無く、処分で課徴された金額は引値関与で稼いだ額には遠く及ばずという事でしたわな。

いやまあ規制緩和で事後チェック行政という方向性が間違ってるというつもりは無いんですが、チェックする方が従来の性善説対応だったり、犯則事例に対して取りうる罰則が整備されてないとか、まぁそういう点の整備をしないと「やったもん勝ち」の跳梁跋扈は止められない(全くゼロにするのは無理ですけど)のではないかと。



○相変わらず上滑りした理屈が展開されております

ちと昔の話になりますが11月22日の経済財政諮問会議。政府系金融機関の再編関係がお題でして、政府系金融機関を全部まとめてしまうというお話に関してこんな論議があったようで。

http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2005/1122/shimon-s.pdf

の8ページあたりから始まる議論。いや麻生さん相変わらず良い味出してますがな。

商工組合中央金庫(商工中金)と政策投資銀行を統合しちゃうって話に絡んで二階経済産業大臣が意見を出したあたりから。発言に関してはまともに引用するとやたら長くなるので一部をぶった切って引用します。上記URL先をご覧いただけると幸いかと。

(二階議員)『中小企業というのは、そう簡単に融資を受けられるわけではなく、現在の融資先約8万、組合に入っていて潜在的な融資先というのは280万いると言われるので、その中小企業に不安感を起こさせないためにどうするかということが大事である。中小企業は今日までの自らの経験で、銀行はいざというときには助けてくれないと、世間ではそういうことがよく言われているので、我々は、政治として、その民の声はちゃんと聞いておく必要があると思う。』

まあこれは一つの意見としてありうべきお話ですが、竹中先生の返しが謎。

(竹中議員)『商工中金の果たす役割は大変重要であり、だからこそ市場の中でしっかりとやっていけるような仕組みで出発をさせてあげる、そういう制度設計をしていくことが大変重要だと思う。』

いやですから二階さんは中小企業金融を民営企業オンリーに任せて大丈夫でしょうかって話してるのに、「商工中金が市場の中でしっかりやっていけるように」ってんじゃあそもそも答えになってませんが。まぁこの部分は「中小企業金融が何かの拍子にシュリンクしないような制度設計をする」という風にも取れるのでまあそういう事だと好意的に解釈しますがその次が凄い。

『民間議員から、A案だけれども留保条件というようなお話がしきりに出てきたが、私はその議論がよくわからない。私自身金融機関で働いた者として、金融の機能として、中小企業の融資と国際融資には、やはりエコノミー・オブ・スコープが働くと思う。だからこそ東京三菱銀行も三井住友銀行も、100万円の個人融資と国際融資を分けていない。それが金融の世界の常識であると思う。』

ここにある「エコノミー・オブ・スコープ」っつーのは前回の諮問会議から出てる言葉でして、要するに「範囲の経済」って奴なんですが、『金融の機能として、個人融資と国際融資には、やはりエコノミー・オブ・スコープが働く』ってのはそりゃちょっと違うんじゃネーノと思いますが。それに個人融資と国際融資を組織上分けているみずほFGはスルーですかそうですか(笑)。

それ以前の問題として、竹中先生のお勤めになっていた日本開発銀行は100万円の個人融資はお取扱になってないと思うんですが、その経験とやらを持って金融機関で働いた者として云々とか言われても困る訳ですが。それに先生は調査畑じゃないの?

それから、最近の大手(だけじゃないが)銀行って法人融資関連取引の機能を基幹店舗や本部に集約して、営業店によっては個人取引と出納業務に特化するってのが主要な流れだと思うんですが。確かに同じ会社の傘の下にはいますけど、そういう意味では別に範囲の経済が働いている訳ではなくて、単純に社内分業状態になってるだけじゃないでしょうかねえ。

で、その後ひとくさり本間議員が竹中議員の意見(A案留保条件の議論が分からないって所)に関して説明しているのですが、その後に出ました麻生センセイ。イイヨイイヨー、ということでこのくだりはそのまま引用。

(麻生臨時議員)A案が良いという話の中で、大銀行もそうだったという説があったが、だから大銀行はだめだったのではないか。

(竹中議員) 大銀行でも、良いところと悪いところがある。

(麻生臨時議員) 忘れないでほしい。政府としては、大銀行を救うために幾ら金を突っ込んだか。

ということで、麻生さん良い所で突っ込むわ〜って感じですね。


時々思い立つとこの経済財政諮問会議の議事要旨を読むのですが、読むたびに何というか脱力感を激しく感じるのは気のせいではあるまいて。困ったもんです。

今回の竹中さんの理屈に関しても、「まず政府系金融機関を一つにする」という結論があって、それに対して理論構築をするので、「国際融資と個人融資に範囲の経済が働く」という無茶な話(しかも根拠が個人融資をお取扱いでは無かった筈の金融機関にお勤めになった経験??)が飛び出してくる訳で、本気で言ってるのなら理解に苦しみますし、結論に持っていくためにトンデモを承知の上で理論展開しているのであれば、それは誠実さに欠ける態度では無いかと思う訳ですよ。

まあ結論先にありきで強引な理屈を展開する人って言えばどこかにもいたような気がしますが、どっちもどっちじゃんという感じですわな。とほほ。

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2005/11/25

○何じゃこのコラムは?

日経金融新聞という金融のプロ向けに発行されているという新聞がございます。で、ここの1面コラムに「複眼独眼」という金融関連の識者な方々が交代で皆様ペンネームでお書きになっているものがございます。で、昨日のコラムから強烈な電波を感知したのでご報告申し上げます。

お題は「財政再建は支出削減から」というものでして・・・

『郵政問題にカタがついて、いよいよ財政赤字削減が政治目標に上ってきた。赤字を埋めるには二つの方策がある。支出を削ることと、税金を増やすことだ。現実にはこの両方の組み合わせが解になるのだろうが、両極端を議論すれば、その中間はおのずと議論したことになる。』

何か両極端を・・・のあたりで???が飛び交いますが次。

『税金を増やすという方策は、今使っているお金は削減すべきでないものだから税金を上げなければならないということだ。一方、支出を減らすというのは、現在の支出には無駄があるから削ればいいということだ。』

いきなり極端な話がなお極端になっておりましてその強烈な電波に肩こりも治る(大嘘)というものです。つーかこの話の飛躍振りに却って肩が凝りますな、あっはっは。

・・・この調子で引用していくと全部引用になっちゃいますんで端折りますとこのあと郵政民営化に話が繋がっていくのですよ。もう凄いの何のって。

『ここで何故郵貯簡保の民営化が必要かという議論を思い出してみると、(中間部分割愛)すなわち、無駄に使われるのはお金を集めるからであり、だからこそ郵貯簡保を民営化しなければならないという理屈だった。』

『郵貯簡保が集めたお金が無駄に使われるのなら、税金であつめても無駄に使われる。(途中を省略して後の段落部分の引用と繋げます)郵政改革の論理に従えば、郵貯簡保が集めても、税金で集めても、無駄にお金が使われると考えるのが正しい。』

貴方は無政府主義者ですか?と突っ込みたくなるような凄い論理展開。何でそう簡単に何でもかんでも一般化するですか?で、この「風説」氏なんですが、この素晴らしい論理に関してこのようにも仰せです。

『これまで郵政民営化に熱心だった人は、増税よりも支出削減で財政再建という議論にくみしているようだ。首尾一貫している人は信用される。信用される人が改革を行えば改革が信用される。』

首尾一貫という点で言えば、共産党だって又吉イエスだって(笑)。


・・・・ま、というよりは「増税論議をする人間は郵政改革の論理を判っていない人間であって、それらは地獄の火の中に投げ込まれ・・じゃなくて、抵抗勢力であって大変にケシカラン」という誠に政治的にほにゃららなお話なんでしょうけど、プロパガンダにしてもちょっとこうレベルがどうなのよ(電波レベルは極めて高いが^^)と申しますか、などと書いているとあたくしも抵抗勢力扱いですねそうですね。

まあ、電波覚悟で鏑矢を打ち込んだって事かもしれませんけど、これもポスト小泉を巡るプロパガンダ合戦の一環なんでしょうかね(吐息)。

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2005/11/09

「道路特定財源を一般財源化すると5兆超あるので消費税率2%に相当します」って今まさに目の前の経済ニュース番組でお話してるのですが、ちょっと待て。特定財源が無くなった分の道路関連の予算はどこから手当てするのかと小一時間。どうしてそういう説明(テレビ東京が独自にそういう説明してるのなら救いはあるのだが、内閣方面でそういう宣伝をしているのではないかという激しい悪寒がします)になるんだろうか。道路建設も整備も来年度から一切行わないってのならその説明でも結構ですけどね。

郵政公社を民営化すると資金が官から民に流れる(形式上は半官企業から民間になるから確かに流れるが)とかいう説明もそうでしたが、この手のトリックというかインチキな説明が罷り通る「改革」に対して物凄く不信を感じるあたくしは抵抗勢力ですかそうですか。

一般財源化するんじゃなくて、目的税部分を廃止して本当に揮発油税とか重量税とかが必要なのかって事を考えて改めて必要ならば賦課するって話じゃないのかと。シロウト考えの思いつきで恐縮ですが、この辺りの税金を廃止あるいは大幅に下げると輸送用燃料価格の下げに繋がって経済効果が高いような気がするんですが。消費税上げてこっち下げる方が良くねぇか?(って政治的に無理ってツッコミを受けそうだが)「既に確保した徴税手段は手放さない」ってのも一種の既得権益(以下自粛)。

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2005/11/01

○内閣改造雑感

いやまぁあんまり興味なかったんですが、竹中さんが金融行政絡みから外れたのはちょっと驚きました。で、与謝野さんが後任なのですが、金融政策的な話になると割と日銀よりな人が金融担当大臣になったんで、日銀としては量的緩和政策の解除(とは言ってはいけません、枠組みの見直しです^^)に対するプレッシャーがちょっと弱くなるでしょうなって感じですか。やや金融市場的には早期解除というか早期の金利引き上げへの思惑が強くなりそうな気がします。

どっちかというと「銀行シバキアゲ」政策が(りそな救済で事実上政策転換しているとは言え)終わってくれるのを期待したいのですが、既に銀行に対する大昔の産業政策状態路線は確立されているともいえるのでまぁどうなんでしょうかねぇという所です。

やたら論功行賞が目立ちますなぁという所でしょうか。ところであの記念撮影で赤い絨毯にやたらと映える青い服を着ていた人がいましたが、あの場所にドレスであの色は(以下自主規制)。

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2005/10/28

○「逝って良し!」な某議員の続報

読者様からのご指摘によって発見したネタなのですが(^^)。

先週金曜日のドラめもんで20日の参議院財政金融委員会のお話をしましたですな。主なネタは相変わらずその発言は軽率じゃネーノ(などというような穏当な言い方ではありませんでしたが^^)、本来最初に書こうと思っていたネタは「おまけ」と称した部分でした。以下再掲。

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途中から聴いたので話の流れはちと判らんのですが、昨今の企業買収(というかただの株式買占めなのだがそれは兎も角)の話をした後に、ジャスダック上場の日銀株(本当は出資証券)のお値段がここの所大幅に上昇していると言う指摘をしてこんな趣旨の質問をしておった人がいたんですよこれが。

「日銀はそれこそ輪転機があって通貨を発行できる訳ですが、株を大量購入して日銀資産を有効に活用するように要求する株主が現れた場合の企業防衛策というのはどのように考えているでしょうか(思いっきり意訳ですが、まぁそんな質問)」

お前は国会を子供電話相談室と勘違いしているのかと小一時間。というかその位下調べしてから質問しねぇのかこの馬鹿はとしか言いようが無いです(ちなみに当然ながら総裁の出る必要もなく小林理事が説明してました)。
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(以上先週金曜日にあたくしが書いた話)

てな訳で参議院中継のストリーミング放送を見た(というより聴いた)時の感想をこのように申し上げたのですが、くだんの議員センセイ様はご本人のWebでこのような事を書いております。

http://www.apionet.or.jp/~koutaro/news/2005-10/news20.html

『午後は日銀総裁相手。阪神ファンだと聞いていたので、阪神球団上場問題を問うてみたが、見事に逃げられた。お得意の金融市場についての質問には、丁寧に的確に答弁いただいた。日銀株が急騰していることを引っ掛けて「福井総裁。阪神の問題は他人事ではありませんよ。今買い占めにあうのはキャッシュリッチな(現金をたくさん保有している)会社。日銀は究極のキャッシュリッチ企業ですよ。防衛策は大丈夫ですか?」なんてわざとらしく聞いてみた。もちろん、日銀の株は議決権がないし、配当も法律で上限が規制されている。村上ファンドもこんな会社は狙わないだろう。』

まぁ阪神球団上場に関しては兎も角として、日銀株問題に関する質問は「わざとらしく」って感じには見えませんでしたが(まぁあたくしの印象ですからアレですが)、こちらの議員さまにおかれましては国会における審議(本件は日銀報告の参考人質疑になるのかな?)という貴重な機会を何と心得ているのでしょうかねぇ。

で、次のくだりを読んで血圧急上昇ですよ。

『今回はこのようなギャグも織り交ぜて質問を作ったので、委員会では「田村さんもひねりが利いてきたね」などとけっこう受けがよかったようだ。』

国会でギャグですか?国会の運営に掛かる費用は誰が出しているんでしょうかねぇ?それに国会に出席するために日銀総裁を筆頭に幹部の人たちが通常業務をおっぽりだして時間を割いているんですけど???

本当に「ギャグで質問」しているのであれば、ふざけたこと甚だしい話であって、屁のような額とは言え納税をしている国民として憤りまで感じてしまいます。何か懇親会とかの席上で日銀総裁に聞いてみたってのならギャグでも良いかも知れませんが、国会審議ですよ国会!!、まぁあたくしの読み筋は「下調べもろくにしないで間抜けな質問をしたのに気が付いたのでギャグと言う事にしようとした」って線なのですが、どちらにしても逝って良しという所でしょう。

委員会質疑で質問の時間が十分に回ってこない会派だってあるというのに・・・・

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2005/10/24

○興味深い議論

何か毎度毎度この方のブログを紹介しているあたくしは人の褌で相撲を取っておりますですかそうですか(超大汗)。

http://bewaad.com/20051022.html

『今月の抵抗勢力「教職員&文部科学省」』ってお題ですが、ちょうどあたくしも当該新聞記事(ただし毎日のではなく東京新聞ですが)を読んで「教員の待遇ってそんなに大騒ぎして切り下げないといけないような状態なんだったっけ??」と疑問に思っていた話題だったので、大変に興味深く読めました。

で、そのコメント欄での議論が益々興味深いので、エントリーともどもご一読をお勧めしたく存じます。いやまぁ毎度紹介しているあたくしはコバンザメみたいでアレですが。

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2005/10/21

○おまけ:もう一人の「逝ってよし!」はもっと酷いです

そんな質疑応答が行われた参議院財政金融委員会ですが、途中でストリーミング放送を聴く気がなくなったのはその前にメガトン級の大馬鹿野郎が大馬鹿質問をしていた為です。

途中から聴いたので話の流れはちと判らんのですが、昨今の企業買収(というかただの株式買占めなのだがそれは兎も角)の話をした後に、ジャスダック上場の日銀株(本当は出資証券)のお値段がここの所大幅に上昇していると言う指摘をしてこんな趣旨の質問をしておった人がいたんですよこれが。

「日銀はそれこそ輪転機があって通貨を発行できる訳ですが、株を大量購入して日銀資産を有効に活用するように要求する株主が現れた場合の企業防衛策というのはどのように考えているでしょうか(思いっきり意訳ですが、まぁそんな質問)」

お前は国会を子供電話相談室と勘違いしているのかと小一時間。というかその位下調べしてから質問しねぇのかこの馬鹿はとしか言いようが無いです(ちなみに当然ながら総裁の出る必要もなく小林理事が説明してました)。

以前民主党(の一部議員)が乱発する質問主意書をつらつらと眺め、「その質問内容は公開情報で判る範囲内のことで、お前が自分で調べろよ政策秘書だっているんだろうに」などと思った事があるのですが、自民党にもこんなのがいるとはもう今の国会は情け無い限りでございます。「田村君」とか呼ばれてたんで、はて誰でしょうと思ったらこの人でした。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/profile/335.htm

ま、プロバイダー経由で訴状が来ても困りますので(それはそれで身を張ったネタになるが^^)この華麗な(笑)経歴を何じゃこりゃなどと言う気は毛頭ございませんが、あなた証券会社にいたら「日銀株」ネタって話のネタに使いませんかって思うのですが、この人は一体全体何をやっていたんでしょうかねぇ。

頼むから国会では下調べをして質問して欲しいものです。「日銀政策」とかいう新語を編み出す人が衆議院にいるかと思えば参議院はこの有様。何かどっちも業界出身な所に激しく情け無いものを感じます。

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2005/10/20

○経済財政諮問会議

一昨日の諮問会議で「福井総裁が量的緩和政策の長期化を求める政府を牽制した」という報道がありまして、昨日の債券市場ではちょっと話題になっておりました。諮問会議ヲチャーを自称するあたくし(思いっきり嘘です)としては禿げ上がるほど不覚でございました(汗)。

経済財政諮問会議の議事要旨や配布資料は内閣府のWebから経済財政諮問会議ってのがうだうだ並んでいるメニューの一番最初にありますので、そこから辿れば見つかると思いますが、債券市場で話題になったのは後半部分の「財政健全化の4つの経験則について」という民間議員が提案したペーパーに基づく議論の所ですな。

福井総裁はこの配布資料についてそりゃちょっとどうよって指摘したのですが、それを議事要旨から拾うとこんな感じです。

『経験則1、2、3、4の中の3と4について、念のためコメントする。』

『まず経験則3は、リスクプレミアムの縮小という表現になっているが、今マーケットで仕事をしている人たちから言えば、現実には、リスクプレミアムはこれ以上下がりようもないところまで下がっている。今後はいかにしてリスクプレミアムを発生させないかという見方がされており、更に低下というと違和感がある感じがする。リスクプレミアムをいかに発生させないかということが重要ではないか。』

配布資料の「経験則3」にあるくだんの部分ですが、まぁ資料を見ると判るのですが、改革(小さな政府に向けた取組み)をすると国民の信頼が高まり、将来に対する期待が発生しますってフローチャートになっておりますわな。で、この将来に対する期待とやらが『将来の税負担増の軽減』『財政破綻のリスク低下⇒長期金利の低下(リスクプレミアムの縮小)』ってモノなんですな。

・・・・・そりゃ福井総裁じゃなくてもツッコミは入れたくなると思うんですが。幾らなんでも「財政リスクプレミアムが縮小すると長期金利が低下」っちゅうのは一般論としてはともかく、現状認識をしてこれから施策を打っていこうという会議で言い出す事ではないと思うぞ。

ちなみに、将来に対する期待の先には「生涯所得の増加」⇒「民需拡大」ってなってるのですが、「小さな政府に向けた取組み」で将来の税負担が軽減するって言ったってじゃあ財政支出が減る方はどこでどう埋めるのかと聞きたくなりますが。何かどこぞの政党のWebで「郵政民営化をすると社会保障は充実するわ戦略的外交で安全保障は確立できるわ安心で安全な社会が維持できるわともうウハウハですよ(意訳)」って図があった(今でもありますが)のを思い出しますな。いやまぁ気持ちは判らんでもないけどさぁ。。。。。


『経験則4では、財政収支の黒字化にはデフレの克服が急務とあるが、財政収支の黒字化は今後の長期的な課題なので、デフレ克服の後どういう経済運営が行われるかということがより重要であり、実体経済が持続的に成長し、かつ物価が安定しているということが大事ではないか。デフレを克服すればあとは黒字化、というようには直結しないという気がする。』

こちらでは「デフレが継続すると自然減収するからデフレを克服しろ」ってまぁ基本的に当たり前の話をしています。ただこの資料の書き方もどうかと思うのは、内容が「2001年以降歳出削減しているけどもデフレ継続で自然減収してるんじゃゴルア!(意訳)」って図になってるんですな。

で、この最初の「デフレの克服が急務」ってお題で、インタゲ(及びその類似政策)導入に相当反対な福井総裁としては「カチン」と来た(「まずデフレを止めよ」という本がございますな^^)んでしょう。そのカチンと来た所で資料を見れば、「日銀がデフレを放置しているから財政再建が進まないんじゃゴルア!」と読んでしまってもおかしくない訳でして(笑)、上記の発言になったのではないかとあたくしにしては珍しく日銀総裁寄りの解釈をしてみるのでありました。

まぁインタゲ導入に対して釘を刺したというのが福井総裁の真意ではないかと勝手に人の胸中を憶測するあたくしでございました。


ま、前半の政府系金融機関の統廃合議論の方が面白いと思いますよ。






2005/10/19

お題「金融のエキスパート(笑)」

昨日の某金融専門(笑)日刊紙の2面。マーケット解説記事なのですが、どうも「金先マーケットの市場は来年末までゼロ金利が続くと言ってます」ちゅう趣旨の記事に見えました。どうも金先の各限月価格からインプライドフォワードレートを出して分析しているようなのですが、絶対水準は気にしないんですかそうですか。

記事のお題を見た瞬間に激しく「?????」で何度も読み返したのですけれども、そ〜ゆ〜風に書いていた(現物は手元に無い)と思うんですが、ちと幾らなんでもそりゃ無いでしょ。先日も申し上げましたが、2006年9月きりの金先が金利換算で0.4%近傍というのは2006年9月のSQ(株のSQとは別の日)時点で3ヶ月Tiborが0.4%になっちゃうんですかねぇと市場で言ってる訳なんですが、それでゼロ金利ですかぁ?一応記事チェックしてから出してると思うんですけど、そりゃど〜よ。

というのは前置きで本日はこちらが本題。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009516320051012002.htm

10月12日の衆議院財務金融委員会で颯爽とご登場した佐藤ゆかり議員と武藤副総裁の質疑応答を含む会議録が昨日アップされたのでちょっと読んでみるのでありました。


○本当に言ってるよ「日銀政策」

『それから、本題でありますが、財政再建と日銀政策につきまして、以下六、七問、時間の許す限りお伺いさせていただきたいと思います。』

この後も「日銀政策」という謎のキーワードが続きますが、どうも「金融政策」の事を言いたいらしいです。うーむ。


○その理屈はどうかと思うのだが

『現在は、十年国債の利回りが一・五%近辺と、いまだ低水準ではございますが、財務省試算によりますと、これもやはり、十年金利が二%を超えてまいりますと、国債の利払い費が急速に上がってくるというような状況で、やや財政の持続性に対する懸念も上がってくるというような金利水準というふうに伺っております。』

えー多分2%位まで上昇する可能性を前提に予算だか発行計画だかってございませんでしたっけ?まぁそれはともかくとして。
 
『財政再建は、そういう意味で、やはり今、金利上昇が始まる前からある程度手だてを打っておくべきことではないかというふうに考えておりまして、やはり金利が上昇し始めてから初めて手を打つのでは手おくれではないかというような形で考えております。』

金利が上昇できないような経済状況で財政再建をしたら景気が悪化すると思うんですがその辺は如何お考えでございましょうか??


○今一歩会話が成立していない希ガス

『そこで、デフレ対策としての位置づけではなくて、財政再建に向けました国債管理政策という新たな枠組みの中で、今後政府と日銀がどう一体化政策をとる余地があり得るのかどうかという点につきまして、財政再建の観点から、日銀政策の今後について、まず武藤副総裁にお伺いをさせていただきたいと存じます。』

まぁ要するに金融政策を国債管理政策の一環としてとらえる意思や如何という質問なんでしょうな。で、武藤副総裁の答弁。

『今、我が国の国債残高、巨額な国債残高を抱えたマーケットというものを考えますと、この国債を順調に消化して、市場での円滑な価格形成を促すということが極めて重要なことであると認識しております。そういう中で、恐らく御質問の御趣旨は、これから金融政策が量的緩和政策から何らかの形で出口政策という形で移っていったときに、長期金利の動向、ひいてはそれが財政にどのような影響を与えるかということについてのお尋ねであろうかと思います。』

『日本銀行といたしましては、基本的には、この長期金利というものは、経済の状況、それから人々の物価に対する見方によって決まるものというふうに考えております。したがいまして、日本銀行としてなすべき最大のことは、金融経済情勢を見きわめながら適切な金融政策を運営することによりまして、物価の安定と持続的な経済成長の実現に努めていく、そういう形で、ひいては財政再建でありますとか、あるいは円滑な国債消化にも寄与することができるのではないかというふうに考えておるわけでございます。』

思いっきり一般論でスルーされているようですな。

『ありがとうございます。日本経済にとりまして、やはり今後中期的に最重要課題と見られます財政再建の観点で申し上げますと、やはり政策変更で金利上昇を引き起こすような事態になります結果、国の利払い費が増大して、その結果、また新発国債を発行せざるを得ないような状況になりますと、政策としては本末転倒ではないかというような気もいたします。』

言ってることの意味が判りませんが。


○いまさら2008年問題ですかそうですか

佐藤さん延々と2008年問題がどうのこうのという質問をなさっておられます。

『九八年度の、先ほど申しました緊急経済対策で増発しました十年国債が集中満期を迎えます二〇〇八年度問題ですけれども、残されましたそれまでの向こう三年間というのは、毎年度国債の償還額が増加の一途をたどる現状にございます。財務省の試算でも、当初は二〇〇八年度に償還額が百三十兆円台の大台に乗るという見込みも出まして、その結果、財務省の方でも、国債の前倒し償還ですとかいろいろなものが工夫として計画されておりまして、償還の分散化を図っておられるということは伺っております。』

国債を前倒しで償還したら大変な事が起きますなどというのは野暮なツッコミですが(買入消却のことを言いたかったんでしょうね)、いまさら2008年問題で大騒ぎしてる債券市場関係者はいないと思いますよ。まぁこの質問に絡めて日銀政策(笑)と国債管理政策がどうのこうのという質問をまたしてるので、2008年問題は話のマクラなのかもしれませんが、結局質疑応答が2008年問題がらみのお話になっていますな。


○質問が延々と「財政再建に日銀も協力しろ」なのは・・・・

『そこで、国債管理政策のもとで日銀が協調政策を選ぶのか、あるいは一線を画しまして、あくまで日銀の独立性を最重要視するのか。この二〇〇八年度問題を意識した観点で、対応策について、日銀の基本見解を武藤副総裁にお伺いしたいと思います。』

というような感じで何度も武藤副総裁に質問していますが、まぁあたりさわりのない一般論で返されているという感じの質疑応答が続いています。このネタばかりで引っ張っているのはやはり財務省うわなにをするぁwせdrftgyふじこlp;@:

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2005/10/07

○恐るべし相場神

昨日一昨日と平均株価は豪快に下落してしまいましたが、一昨日の恐怖金融新聞朝刊で「株価が上昇ですよ」って特集をやっていて、相場神様(某外資系証券の超有名ストラテジスト、肩書きはチーフインベストメントオフィサーでしたっけ?)が「長期上昇トレンド、3−5年後には日経平均2万円」というご託宣があったというのは皆様ご存知かと思います(^^)。

で、あたしゃーこのお告げの解釈に関して当初は「これはもしかしたら3−5年後を待たずして2万円なのか?」とか「そもそも今1万4千円近いのに5年で4割しか上らんというのが強気見通しなのか?」などと悩んでしまったのですが(笑)・・・・

同日にもう一人の天災株式アドバイザーであらされるところの「髪(タイプミスではない)」と一部ヲチャーに称され絶大な人気を誇る某氏(いや一度この人の講演聞いた事あるんですけど、話面白いですよ)がご自身のブログで「日経平均1万4千円はすぐにでも」とカンカンの強気になっていたと気が付きガクガクブルブル。しかもこちらの先生に到っては9月の上昇相場の時に「相場の上昇が早すぎで黄色信号」みたいな警戒モードだったのに、その警戒モードが外れた途端に平均株価が2日で450円(昨日の日経平均は引けで何だか妙に値が飛んでました。引値で見れば2日で400円ですな)とか下落するのは・・・・これはもう神のコラボレーション(謎)としか言いようがないですわな。おーオソロシ。

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2005/10/06

○これはお勧め

いつも引き合いに出してますから読者の皆様におかれましては既にご覧になっているかもしれませんが、毎度お馴染みbewaadさんの昨日のエントリーhttp://bewaad.com/20051005.htmlの最初の話「(小泉首相の政治理念=リバタリアンという話に対して)断じてリバタリアンではない!」は、最初にこの「小泉=リバタリアン」話を読んだ時にあたくしが感じた「?????」感への答えになっています。

「小さな政府」とか「規制緩和」とかとりあえず一般ウケするというか否定しにくいスローガンは出すものの、その実金融行政ではもの凄い勢いでああせえこうせえとまるで大昔の産業指導状態だったりしているのはスルーですかそうですかっていうのが相変わらずの日経クオリティですわなぁという感じ。

まぁ何というか困ったもんですなぁと思います。




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