相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2010年10月〜2011年03月)

(本当は債券市場の話をすべきなのですが、多分短期が中心になります)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

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過去の相場後講釈はこちらです。

2010年上期
2009年下期
2009年上期
2008年下期
2008年上期
2007年下期
2007年上期
2006年下期
2006年上期
2005年下期
2005年上期
2004年下期
2004年上期
2003年下期(工事中)
2003年上期(工事未着工^^)
2002年下期(工事メド立たず)


今期の見出し

2011/03/31「短期はすっかりレートが潰れる/東電関連は波乱が続く」
2011/03/30「末初国債買現先オペは盛大に札割れ」
2011/03/29「月曜相場はプチトリプル安/短期はレートは戻ったが流動性は戻らず」
2011/03/28「CP買入実施など」
2011/03/25「CP市場やっと落ち着いてきたようで」
2011/03/24「3か月TB入札は順調で資金も出てきたようです」
2011/03/23「1年ぶりにCP買現先オペ実施/即日オペは規模縮小」
2011/03/22「18日の市場メモ、まだまだオペ先の向こう側へは資金が回っていないようで」
2011/03/18「為替市場で急激な円高、市場も引き続きややストレスが掛かっています」
2011/03/17「20年入札と短国入札を何とか通過して落ち着いたように見えたのですが/その他雑感」
2011/03/16「福島原発の問題深刻化とのとのニュースで市場にストレスが」
2011/03/15「大地震翌営業日の相場について」
2011/03/14「大地震、その時の債券市場メモ」
2011/03/03「3MTB入札は0.12%足きりの後反発」
2011/02/28「資金供給オペが久々に0.10%オーバー/短国市場で何か知らんがモノが出る」
2011/02/18「6M基金オペの按分率が低下に転じました」
2011/02/17「5年入札が何故か滑ったり3か月TBが0.11%後半に上昇したり」
2011/02/15「1年TB入札は0.17%まで上昇した後買いが入る」
2011/02/10「9日は10年1.35%まで金利上昇したのでメモメモ」
2011/02/09「またまた相場がミニマーライオン/資金供給オペ久々に札割れず」
2011/02/02「オペが更に豪快に札割れ中」
2011/02/01「オペ札割れが続き当座預金残高減少」
2011/01/28「S&Pがソブリン格下げ」
2011/01/24「短国買入が何故か2週連続でスキップ」
2011/01/21「20年入札で踏み入札/短国入札は堅調/当座預金残高が18兆に減少」
2011/01/17「短国買入がスルーですが、まあ一応出す姿勢は見せてるっぽい」
2011/01/14「とりあえず厚め供給の姿勢は見せましたが前場はまだ疑心暗鬼モードだったようで」
2011/01/13「次の積み期間に掛かるオペに注目」
2011/01/11「包括緩和らしき動きがやっと来ました」
2011/01/07「3か月TB入札平均落札0.11%割れ」
2011/01/06「日銀引き続きの積極供給が続く」
2011/01/05「年始早々資金供給オペ札割れ」
2011/01/04「年末は相場上昇&短期は資金余りまくり」
2010/12/30「札割れ確定のオペを実施して姿勢を見せたか日銀」
2010/12/29「月末スタートの全店オペが札割れ」
2010/12/28「基金短国買入が妙にハイペースですね」
2010/12/21「3か月TB入札は流れたもののセカンダリーの買いは旺盛」
2010/12/20「早速空腹で焼肉を食いだす債券相場とな」
2010/12/17「ゲロゲロマーライオンのやり過ぎでついに腹が減ってきたか??」
2010/12/16「3か月TB入札が流れた後に買いが到来
2010/12/15「1年TB入札がボロボロに/ターム物市場は火事ボーボー状態に」
2010/12/14「相場が全然落ち着きません/札割れ辞さずの供給姿勢が欲しいですなあ」
2010/12/13「2年金利上昇牽制のオペを実施したものの・・・・」
2010/12/10「大荒れの債券市場/しらっと2年が0.22%」
2010/12/09「5年が0.5%とか2年が0.2%とか」
2010/12/08「ブッシュ減税継続ネタで米債大暴落とな」
2010/12/07「基金社債買入レビュー/とりあえずGCは落ち着きましたが・・・」
2010/12/03「GCレートは何と0.10%割れに」
2010/12/02「入札は何とか通過/GCレートが低下」
2010/12/01「さて3ヶ月と1年の入札で/2年0.20%に対する白川総裁のコメント」
2010/11/30「2年金利が0.20%に上昇!!」
2010/11/29「2年とか中期の金利が益々上昇」
2010/11/26「短国金利益々上昇加速」
2010/11/25「短国金利更に上昇」
2010/11/24「相場の動きがワケワカンネ/TB金利が上昇」
2010/11/19「超長期入札前に超長期強くしたので入札後ヘロヘロに/中短期も重いようで」
2010/11/18「3か月入札は弱かったもののその後は順調/20年入札前に20年強くするとは」
2010/11/17「大下げして戻した国内債券市場」
2010/11/15「どうも市場の動きが訳わからん」
2010/11/12「10年金利1%に上昇!」
2010/11/11「GCや短国レートが下がりません/5年入札プレビュー/米国の短期金利が華麗に上昇」
2010/11/09「中短期の金利が微妙に上昇傾向な件について」
2010/11/05「米国はFOMCを受けて更にスティープ/GC上昇しコールは0.104%」
2010/10/28「米国金利上昇/GCレートが下がったと思ったらまた上昇」
2010/10/27「GCレートが暫く微妙に高止まりしていましたな」
2010/10/22「超長期入札レビュー/GCレートが下がらない件」
2010/10/21「超長期入札ですな」
2010/10/07「思い切った緩和決定による相場の反応メモ」
2010/10/01「末初のT+0GCが寝転がり連中のせいでやたらと上昇」

2011/03/31

○例によって市場メモ

昨日の国債買現先オペは貫禄の応札100億円という大いなる札割れとなっておりましたが、まあそんな感じでありますのでCPレートとかも低下してまさかの震災前水準状態に低下。まあ月曜のCP現先オペが札割れしてましたからそういう展開もありますわなあという所でしたけど。

その他金融の大手さんの新発3か月物CPレートが先週頭から毎日2bp位の勢いで低下という感じで進行しましてどう見ても震災前水準です本当にありがとうございましたというレートに低下するとは当座預金残高40兆円恐るべしという所ではございますが、そもそもCPよりもお洒落な展開になっているのはTBでして、期末要因とかもあるのですけれども3か月以内のTBについてはいい感じでスッカラカンモードとなってまして、多分ちゃんとしたロット(100とか500とか)買いに行こうとすると0.10%割れを買いに行かないと物出てこないんじゃないでしょうかという素敵な状態になっているものと思料される次第。

ま、日銀が資金供給攻撃で何とかできる所であります範囲に関しては震災による取引縮小の影響はだいぶ軽減されてきたという所(そらまあ震災直後はいつ停電になるか判らんとか交通機関がいつ止まるか判らんとかだったし、震災の翌週は結構頻繁に電話が通じにくくなっていたりしたから、取引がきちんと回らないリスクがあった訳で、取引そのものを控えるという動きがあったのは仕方ないですわな)かと思います。

で、まあ最近の動きになっている訳ですが、これが積極的にリスク取るようなリスクアペタイト復活によるものなのか、単に金が物理的に余って押し出されてきたという事なのかは正直言ってよー判らんあたくしなのでありました。


○これまたただのメモ(東電関連雑談)

昨日何気に話題になっていたのは引け際の東電株の動き。引け際までS安絶賛特別売り気配4000万株売り超過になっていたのが何か気配分さっくり買いが入ったでござるの巻だったとか。何か凄いニュースでもあったのかよと思ったのですが、特に引け後新たなネタも出ていませんでしたな。強いて言えばこの辺りのニュースでございましょうかね。

http://www.47news.jp/news/2011/03/post_20110330184601.html
東電に1兆9千億円融資 大手金融機関が緊急支援

みずほコーポレート銀行が早速昨日5000億円融資したとの事ですけれども、まあ2兆円規模の融資を期内に実行という話は先週から出ていた話ではございましたが、その後政治方面で余計な雑音を出す人たちがいたので確かにまあ普通に無担保融資がすんなり出るもんかいなという懸念もあったかもしれませんな。メガ4行3行(追記:みずほはCBだけの参加ですのでメガは3行の間違いでした)に信託、信金中金と揃い踏みでご登場という事でありまして、政府が何かすっかり浮き足立っている中で民間銀行の方が基幹インフラを支えましょうという動きをしているという時点で今の政治のテイタラクがよく示されているというものですなあという感じであります。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aQ8C1wqSdh.Q
自民:東電の事業継続で政府系金融活用に言及−災害対策提言(1)

まあさよですな。つーか普通に今回政策金融公庫の危機対応勘定発動スキームだと思うのですけれども、いつになったら出てくるのやらという感じで。

昨日東京新聞の特報面(ネットには出ないので引用不能)で東電の賠償がどうなるという話がありましたが、そこでみんなの党の渡辺代表が思いっきりドヤ顔で「フットワークのある政治家ならまず最初に東電の国有化を考える」とか、原発事故の収拾に全力を挙げるステージで何をお前は清算主義の話をしているんだというご発言をして頭がクラクラして参りました。

いやね、そういう話は当面の危機が収まってからすれば良いのでありまして、そらまあ株式市場はその辺りを意識して動くのは仕方ないですし、別にそれに対して変な気休めを言わなくても良いとは思いますが、何もそこに燃料を投下するような発言をドヤ顔でせんでも良いと思うのでありまして、何かこの人本当に金融担当大臣やっていたのかよとゆーか、金融担当大臣やってて何の勉強をしたのだと呆れる次第でございました。てかサブプライム問題が発生した以降に何故か日本の金融市場が妙に貰い事故状態になっていましたが、金融担当大臣この人だったよなあとか思うのでありまして、もうアホか馬鹿かと。

ということで当時の参考URLでも(^^)。
http://hongokucho.exblog.jp/9081324/
http://ensaigaisai.at.webry.info/200807/article_9.html


そういえばあたくしの書き物で引用するのブルームバーグにしていますけど、やはりこいつら毛唐資本だけに日本の危機は他人事的な発想があるんじゃねえのというようなニュースの書きっぷりが時折見られる(英文ニュースで先週酷いヘッドラインのニュースがあったが引用するのも業腹なので引用しない)のですが、昨日のこの記事なんかもそうですなあ。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=alK65DGd4fSE
東電株は3日連続ストップ安、原発や国有化懸念−賠償10兆円とも(1)

ここでネタにされているBOAメリルのレポートはあたくしも読んだのですけれども(ちゃんとしたリサーチレポートなので引用はしません)、当該レポートの趣旨ってここの記事にあるような危機煽り系では全く無くて、趣旨としては「解決に数年かかるような最悪シナリオだと賠償が増える可能性も」というような話で、極めて冷静な分析をしているレポートだったのですけれども、「最悪の場合」って所だけ切り取って報道するとかどう見てもブルームバーグのニュース報道姿勢ってこの状況を面白がって書いてるだろと思ってしまいますなあとゆー所ではありますな。URL紹介でブルームバーグ使うの止めようかなと思う今日この頃。

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2011/03/30

○末初現先オペ盛大に札割れとな

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110329.htm

国債買現先 20,000 2011年3月31日 2011年4月1日

その結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110329.htm

国債買現先(3月31日スタート分) 604 604 0.100 0.100

2兆円のオファーに対して貫禄の600億円のオペ応札となりまして、末初の資金ニーズとかいう話ではありませんわなという素敵な状況に(^^)。

でまあ当座預金残高40兆円攻撃は引き続き継続しておりますのでコールレートの方もこの辺りの最近の実績をポチポチ叩くと判ると思うのですけれども、先週の水曜からコール加重平均は0.07%台に低下しております。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_m.htm

ただまあ現状ではディレクティブが0-0.10%となっておりますのでコールが0.07%になっても無問題というファンタスティックな状態になっておりますので別に下がって宜しいのですけれども、結果的には基金買入が拡大して量的緩和状態になるというのが一足先に来ましたよね、という状態になっておりますがな。

で、その量的緩和状態になってしまいますと、そもそも市場取引がシュリンクしやすくなる上に、今回の量的緩和状態においては預金ファシリティーという金利付きの量的緩和となっていますので、超過準備の保有コストが低くなっているっつーか市場取引するよりも預金ファシリティーに置いていた方がお得というお洒落な状態ですから、資金余っている人が預金ファシリティーの外側にいる人以外の場合は市場に資金を放出する必要がなくなります罠という傾向が更に強まりますな。

そーなりますと例えばGCで資金出しまひょかとなっても、預金ファシリティーを使うことが出来る人は純粋に資金運用の観点に立った場合は9bpだの9.5bpだのという資金を放出する意味が無い(オペ用担保のショートカバー以外でニーズが無くなる)ので市場取引そのものがヘロヘロになります。


・・・・・・・・となりますと市場機能がどうのこうのという論点からしますと現状ではまさに量的緩和の弊害状態ではあるのですけれども、まあ今回は震災非常時モードということでの対応でありますので、さすがに市場機能論がど〜のこ〜のという話が日銀から飛んでくるとは思えないのですけれども、ま〜現実問題として資金は対日銀でキャッチボール中になっていて、回っているという感じではないというのはその通り。

とは申しましても、じゃあ当座預金残高をホイホイ引いて通常運転に戻す事が出来るのかというとこれまた難しい面がありそうですし、何かこう足元の債券市場では特に長期から先の債券が日々頭重くてスティープっぽい動きをしているので、こーゆー時に下手に短期の所を引いて中短期金利を上昇させちゃうと債券市場全体の地合いを悪くしやすく、そうなって来ると日銀何やってるんだとか言われそうな悪寒が大変に強くするのでありまして、まー期初になってからの短国入札とかの動向やオペの札割れ具合とかを見ながら慎重に対処されることをあたくし的には願って止みません。つーかやはり震災前のように市場でバンバン回るということになるのは当分無理なんじゃないのと思ってますけどね。

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2011/03/29

○市場メモメモ

期末直前ということで相変わらず売買が低調な今日この頃でございますが、昨日は株価は下落するわ債券は弱いわドル円は円安に振れるわと、プチトリプル安ちっくな展開であたくしと致しましてはあまり気分のよろしいものではありませんでございました。

まー別に昨日の相場見て「トリプル安だ大変だ」という話でも無いっちゃあ無いのですけれども、どうも最近は株価が戻った方が何となく安心感が出るようでありまして、震災前の「株が上がれば債券安」という図式が必ずしも当てはまらないんじゃないの、というのも超目先的には感じられる今日この頃であります(まあ株が大きく戻るとそれはそれで債券の上値が重くなりますが)。

一方短期ちゃんの方は月末近辺ということでCP発行もそこそこありましたけれども、こちらのレートは更に落ち着いた感じでして、さすがに震災前のまんまという訳には参りませんが、水準としては震災前から1bp乗ったかというようなイメージの所まで戻ってきた感じです。また短国に関しては期末の残高調整やキャッシュ潰しのニーズもあって3か月以内のところは在庫がかなり無い状態となっておられるようで、この辺りに関しては日銀の資金大供給によって余った資金がこの辺の市場に回っていますなという所でござんしょ(ただし昨日も申し上げたように市場で資金が回っているのかというとそれは別問題)。昨日は基金短国買入と基金長国買入(長国と言っても残存1年から2年ですが)も実施されましたが、出来上がりベースのレートは短国で0.122/0.115、長国で0.201/0.200で、長国の方は2年ゾーンギリギリの所が入ったんでしょうなあというところですが、短国のほうはレートから見ると6か月ゾーン辺りまで入ってるかもな水準ですの。

つーことで何となく一頃のフリーズ状態からは改善しているとは思いますけれども、じゃあ市場の流動性が元に戻っているのかというとそこまで安心する話でも無いですし、まあ原発のニュースは相変わらずでありますし、ど〜も原発のニュースが出て株価が下がっているのを見ると相場見てても気分的にどよよ〜んとなるのでありまして、安心するにはまだ遠そうな感じではありますなあorz

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2011/03/28

○例によって市場雑談

金曜は基金買入枠拡大後の初のCP買切実施。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110325.htm
CP等買入(資産買入等基金) 3,000 2011年3月30日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110325.htm
CP等買入(資産買入等基金) 5,860 3,000 0.043 0.056

出来上がりレートで言いますと平均レート0.156%で足切りレートが0.143%とゆーことで、まあ先週のCP発行レートから考えると妥当な水準かなあという感じではございます。

でまあそのCP市場ちゃんですけれども、金曜はスポットが29日ということで期末前の発行がまーそこそこあったのですけれども、発行レートの方は木曜から更に低下して震災前水準のちょっと上程度まで戻ったでござるの巻と誠に結構な傾向。一般債でもまあ短い所では高格付け物中心に買いも復活傾向にあるようで、とりあえず足元の供給大会および3月の国債償還の余剰資金、および日銀のCP関連のオペ実施も一応心理的に効いている・・・のかどうかは知らんですが、日銀も今回は市場機能でおじゃるとか言わないでマーケットの金詰まりが起きないように意識している、という姿勢を出しているというのはまー安心感を出す方向になっているかなあという所でしょうか。

あとまあとりあえず震災直後は何せ突発事態ですからどういう資金の動きが起きるかとかワケワカランというのもあったでしょうし、先々週はそれこそ株は大暴落するわ停電の影響がどうなるか判らんわというような状態でもありましたが、先週になって国債償還の資金が全部余剰となってきた事や、原発関連のニュースが落ち着いたような気がしてきた(気がするだけで野菜だの水道水だの海水だのという話が出たり、この週末は放射能漏れのロットがかなり大きいという話が出たりと碌なもんじゃないのですけれどもね)のもありましたが、まあ今回に関しては震災直後から日銀が金融市場の動揺というかシュリンクを止めるように迅速に動いたのは中々でございました。

つーてもまあ市場機能が戻っているのかと言いますと、単に足元では資金が絶賛大余剰になっているからというのもありますし、しかも間が悪いことに期末なので普通でもリスクを取る動きが無い訳ですから、こーゆー非常時に至っては益々リスクをとる人がいませんので、現実問題としては日銀のサポートが引くとエライコッチャになるんでしょうから別に元に戻っている訳ではないのですが、今後は期初になってどのくらいその辺の動きが戻ってくるのかですかな。

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2011/03/25

○CP市場など落ち着くでござるの巻のようで

昨日の市場ちゃんですが、2年国債入札もまあ順調(ちょっと前場は押してみましたが、結局平均は前場引けのオファーサイドで決まってその後セカンダリーも順調)でしたし、1年ゾーンとかも日本相互証券さんの引けベースでも軒並み1毛強という状況となっておりまして(実力はもうちょっと強いと思うが)、震災明けの月曜にはFTQ的な買いで強くしたものをその後FTQじゃなくてキャッシュ選好の間違いではないでしょうか的な短期ゾーンズタボロモードにして一気に雰囲気を悪くした流れがやっと反転した感じを漂わせて世のため人のためには誠に結構な展開。

・・・・とは言いましても原発とか停電とか余震とかでコロッと変わるリスクは常にあるのですけど、まあそれはそれと致しまして。

んでもって前の日も書きましたけど、足元で資金動向が見えてきた感じの人たちが取りあえず短期部分の余資を単純に抱え込んで日銀当座預金に放り込むだけではない動き的なものも少々は出ているような気もせんでもないというテイストでありまして、昨日はスポットが28日スタートになりますのでそこそこCPの発行もあって、そのレートも前日に続いて低下傾向。一番雰囲気が悪かったのが概ね先週の水曜〜金曜あたり(CP入札は基本的に前場に行われるので、昼以降の相場変動は翌日以降に影響してくる)だったかなあと思いますが、その辺りから比較すると5bp以上は状況が改善しているイメージでござんして、まあ世のため人のためには大変に宜しい事ではないかという感じではございます。

ということで、超短期の所はややマシになってきているような感じ(まあそうは言いましてもリスクアペタイトが完全復活している訳ではないのでCPなどのクレジット物は震災前水準に戻っている訳ではない)ですし、短国に至っては業者のショートカバーでの出合いとは言え新発3か月で0.10%割れとか出合ったりする有様(いやまあそれは限界的な話で実際に投資家がそこまで買うのは特殊な事情が無いと進みませんけど)となっております罠。

ただまあ一方で例によって例の如く債券先物の売買高は低調ですし、中長期債の方は相変わらず流動性が低い的な相場展開を示しているようで、その辺り両方見ていると、温度差を思いっきり感じると同時に、さてこの温度差どっちに収斂されるのでしょ、というのも気になるところではございます。

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2011/03/24

○短期周りの市場雑感

昨日は即日オペ無しとなりました。まあ前日の朝一恒例の即日オペが応札1300億円しか無くて、更に一日終わってみたらコールの加重平均が0.084%と順調に低下していましたし、22日の国債大量償還によって資金は益々潤沢になったし、という所で朝からコールの気配7bp近辺とかでしたから即日スルーの巻。

でですな、その後のスポネ国債買現先オペもいい感じで札が少なくて、前日はしっかり入っていた応札(前日は2兆円のオファーに対して20598億円の応札)だったのですが、今日はあっさり味で9417億円の応札(なので札割れ)となりまして、こちらも資金が充足してきた感じを示すのでありました。

・・・・という事で、前日の2か月TB入札は0.12%乗せの水準でやっていた短国ちゃんなのですが、3か月TBの入札結果はご覧の通り。

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul230323.htm

(3)募入最低価格 99円97銭0厘5毛
(募入最高利回り) (0.1183%)

(5)募入平均価格 99円97銭1厘6毛
(募入平均利回り ) (0.1139%)

・・・・・うーむ、これだと震災前の水準と変わらないのだが(^^)、などと思っていたら、やはり人によっては予想以上に強かった(まあ2社程どどーんと落札されて居たようですのでその人たちに取っては予想通りですが^^)という結果だったようで、セカンダリーではショートカバーも入って0.085%をマークしたとかいう報道がございましたわな、オソロシス。

昨日は前週までの資金動向読みにくい状況から、原発関連ニュースもやや落ち着きを取り戻した(と言いつつ昨日の午後に東京の水がどうしたこうしたという話が出てきましたが・・・)事や、22日の国債大量償還(およびオペ残高の拡大)によって目先の資金が見えてきて、今度は資金が余ってきましたなモードになった事などから、やっと資金運用というか資金潰しの動きが顕在化してきた、という所なのでしょうかね、よー知らんが。

それから、TBに関しては期末期初の関係上昨日の入札(発行日は来週月曜)が年度内最後の入札でして、短めの短国で期内の資金を潰すということになりますと、ロットで確保するタイミングが昨日の新発が最後という事になりますので、まあ資金使えますねという人の動きが出てきて、そもそも資金が無い訳でなく、リスク回避(株価だの為替だの原発問題だのに起因する)で固まっていたというのもありますので、凍っていた土がいきなり溶けて泥濘状態になってしまいましたなという後付講釈になるのでありました、って後付の話をしても意味は無いですかそうですか。

CP発行レートちゃんも同じような感じで低下したみたいで、情報ベンダーのニュースによると4bp低下とかいう話ですが、体感的には3bp前後下がったという感じではないかと思いますが、まあこの辺は色々とよーわからんすが、とにもかくにも買いが入ってレートが下がりました(と言いましてもこっちは震災前の水準から見たらまだまだレートは高い状態ではあります)という事で。


てな訳で、とりあえず昨日の市場状況(ただし短期周りの一部)を見ますと、震災後起きていた「皆さん揃ってまずは資金を抱え込み(「資金の買い溜め」と言った方が適切かな^^)」という動きが一巡し、とりあえず落ち着いて来たので出せるものは出しますか的な感じになってきているような気もしますが、さりとてGCが市場でバンバン出合っているとかいう訳でもない(今はそもそもGCで取らなくてもオペで取れているというのもありますけれども)ですし、まあこれは短期とは違いますけど、債券市場でも先物の出来高とかまだ少なめではございますので、平常運転からはまだ距離のある話だとは思いますが、とりあえず目先のストレスはやや緩和されたのではないでしょうか、と勝手に思っていますけれども実際どうなんでしょうかね。

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2011/03/23

○CP買現先オペ久々の実施とか

昨日の日銀オペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110322.htm

CP買現先 3,000 2011年3月24日 2011年4月6日

・・・・・ということでCP買現先オペ久々の登場でござるの巻であります。どの位久々かと申しますと、直近でCP買現先の残高があったのが昨年の4月28日のエンド物でありまして、スタート日で一番直近なのが昨年の3月29日スタート(なので3月25日オファー)という事で見事に1年振りのオファーと相成りました。

えーっとですな、まあ短期周りの方はご案内の通りだとは存じますが、何せ足元の状況は(今週になってやや改善傾向になっていますが)日銀がオペで資金供給してもその金が中々オペ先から外に染み出してこないという大変に遺憾な展開が続いておりまして、その結果としてあたくしの駄文でも日々同じような話が続くという壊れたレコード状態になっていた今日この頃なのでございまして、その状況を緩和すべく日銀のオペレーションで1年ぶりのCP買現先を実行したという話と推察しますが如何でしょうか?

で、その結果はこの通り。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110322.htm

CP買現先 4,590 2,860 0.140 0.164
左から順に、応札額、落札額、足切り利回り、平均利回り、となっておりますけれども、一応CP現先オペだって日銀担保適格銘柄を対象にしての資金供給オペの筈ですから、担保掛目の事を考えても平均0.164%はどうなのよという感じでございますなあという結果。

ま、CPの場合は在庫持っているのが基本的に銀行さんか短資さん(証券さんも持っているが基本あまり持たない)だと思う、というか圧倒的に銀行さんとこで持っていると思うのですが、まあその行内仕切りレートの問題とか、オペで入れた場合の資金は誰のものとか、いろいろと大人の事情があるのではという所ではあろうかと存じますが、それにしてもここまでレートが高い(共通担保オペに入れに行けば0.10%でファンディングが付くのですから)というのはナンデデスネンという事を推察するに、まあCPの在庫がちょっと多めになっているのでしょうなあという所が推測される所であります。

#というかそういう状況だからCP買現先を実施したのですが

でね、このCP買現先ですが、基本的に現先一本打った位でCP市場のファンディングが軽くなって業者(銀行ですが)がCP在庫を増やしたくなる、などというような甘い代物ではございません(筈なのに以前「CP買現先オペはCPレートを引き下げる効果があった」とかドヤ顔で日銀レビューが出たときにはさすがに如何なものかと思ったわけですがまあいっか)のでありますが、日銀が「CP市場の動向も注意していますよ」とアナウンスするという意味は無かったような有った様なという所でござんしょうかねえ。

つまりですね、先週月曜の追加緩和では「リスク性資産の買い入れを拡大」したように、今回の東北関東大地震後の市場においてまず喫緊に必要な「緩和」は「量的緩和」ではなくて「信用緩和」である、というのはあたくしここ数日しつこく申し上げている通りでございますが、日銀も今回の追加緩和においては「信用緩和」的な色彩の濃い動きをする事によって、市場の沈静化を図ろうとしている、という意味が昨日のCP買現先オペには含まれていると思われます。

ただまあ現先やっても本質的な意味でのリスクエクスポージャーが落ちる訳でもないというのが残念なところでありますので、ここは一発基金オペで追加したCP買入をバシバシと打って頂いて、期末に向けた過剰な金利の跳ね上がりを防止するとなおお洒落ではないか(昨日も書いたが、こういう時に「市場機能がどうのこうの」とか言っている場合ではないので買うならホイホイ買ってしまえばヨロシアルね)と思うのでありまする。

しかしまあ何ですな、この「包括緩和」ってのもコウモリというか鵺みたいな概念でありまして、基金買入における購入等となる対象資産によって、買入拡大の「追加金融緩和政策」が「量的緩和」なのか「信用緩和」なのかを使い分ける事ができるのねと思う次第でございまして、まあ何つーか都合よく出来ている概念ですわなあとか思いながらも、「基金の配分をいじることによって量的緩和にも信用緩和にもなる」というのはこら短期周りの人間とか趣味の日銀かんさつにっきでも書いている人ならば概念として理解できますが、一般ピープル(というか債券市場の人でも)には中々伝えにくい概念ですわなあと思うのでありました。


○更に短期ネタだが今日は即日オペがだいぶ減りましたな

さっきのオファーの所とか落札の所とか見ていただきたいのでありますが、昨日の日銀オペでは共通担保全店オペの即日スタート物が2兆円のオファーに対して応札額は1300億円ぽっちとなりまして(当然全額0.10%で落札)、その後もコールレートなどが落ち着いていた事もあってか、先週のような即日オペ乱打もなくそのままスルーしていきましたがコール平均は0.084%に低下。

特に今日は四半期20日お約束の国債大量償還日に当りまして、そのため国庫からの国債償還金要因によって財政は速報ベースで9兆1000億円の払い超となっておりましたが、まあこの国債償還金も入ってきましたので、短期金融市場に回せる金も出てきてもおかしくはない(ただし相も変わらず銀行セクターからはあんまり資金が出てこないようですが)というのと、元々この日にあったオペのエンドとかもジャンジャンロールしてしまったので業者のファンディングにもやや余裕が出てきたというような要因もあったと思いますけれども、そんなこんなでツンドラの永久凍土を思わせる資金の動きの悪さが徐々に改善に向かっているという所かと存じます。

それにしても昨日は速報ベースで日銀当座預金残高が何と41兆6200億円と空前の残高になってしまった訳ですが(実は今日の方が予想段階では当座預金残高が拡大する)、その結果準備預金の積みは絶賛大進捗して明日以降の残り積み所要積数を1日辺りの数字に直すと18300億円(ちなみに今積み期の所要は1日辺り52500億円)まで来ておりまして、今回の積み期間で絶賛大ブタ積み発生が確実視されておりますわな。

まあこの非常時にトン調節とかやっている場合ではありませんので別にこれはこれで当然の流れではあるのですけれども、逆にここまでジャブジャブにしてしまうと、引くのがまた難しいかと思われます。と申しますのは、何せこの市場にストレス掛かり状態というのはまだ続いている訳でして、そういう状況下において「市場機能重視」みたいな事を始めますとストレスがそのまま価格形成に反映し、その結果更に市場のストレスが自己実現的に拡大するというリスクがあるっつー状況でもある訳で、変に慌てて調節を引きだしますと、その暴れん坊将軍の市場に点火するリスクがあり、まあそんな事をこの非常時にやらかしたら打ち首獄門扱いになってしまいますから難しいですなあという事でありまする。

でありますので、どっかのベンダーで「日銀の資金供給が市場に安心感を」みたいなコメントを見たような気がするのですが、そらまあ日銀のオペ先の範囲内は適格担保の範囲内で資金が回ります罠という風情ではございまして、昨日は財政要因で資金がどどーんと出てきているからそらまあ即日オペのニーズが減りましたけど、肝心のオペ先の外側に資金が回らないと政策効果が発揮できませんので、そーゆー観点からすると市場のストレスが解消されるまでは頑張って供給をお願いしたいという所でございますわな。

じゃあ市場のストレスがどういう数字見てたら解消されたとか判るのかと言われますとこれまた難しい所でありますが、まあいずれにせよ当面はオペジャブジャブ攻撃を継続し、GC市場あたりで資金がもうちょっと動くようになる(銀行さんがGCの資金を出すようになる)と緊張感も緩和してくると見れば良いのかなあ、などとちょっと思ったのでありまする。

ちなみに、まあどうでも良いのですが、あたくしが手元で集計している(単にエクセルで計算させているだけ)オペ残高ですが、昨日は共通担保全店オペ297000億円、基金オペ(固定金利資金供給)228000億円、国債買現先オペ20000億円と、全部足すと60.5兆円という膨大な額に。これに成長基盤強化が入って各種の資産買入もあるのですから、まあ凄い額になってしまいましたですなあという所でしょうか。

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2011/03/22

○金曜の相場備忘録、あるいは今求められる資金供給は「潤沢」よりも「きめ細かい」供給という話

金曜はと申しますと、朝の段階では木曜午後の海江田経産相のフルーツバスケット攻撃によって何かこう慌しい日になった翌日という事で前日までに戻ってきた人とかの流れが再び落ち込んできたのもありますし、何となく落ち着かない朝でしたが、G7で為替協調介入発動という事で、単独じゃなくて協調介入というのはさすがにインパクトありましたし、福島原発問題に関しても水曜辺りまでの「もう何か良く判らないけど大変みたいだよ」状態の話から、徐々に電源工事だの放水活動だのが進んでいる(関係者の皆様のご苦労に感謝であります)という話が増えてきた事もあって何となくその辺りも落ち着きを与えたのか株価の方が上昇傾向に。

ということで、まあ為替の無茶振りと株の底抜けが一旦落ち着いたという事によりまして、債券市場の方も金曜はあまり無茶振り相場にはならずという感じだったようですけれども、まーそうは言いましても先物売買高14377枚とか取引自体が多い訳でも無く、ちょっとした売買で値が飛ぶような感じのようで、まあ引き続きまだまだ通常モードに戻るには時間が掛かるという所では無いかと存じます次第。

現状では災害の様々な影響(被災地での銀行券需要という直接的な部分に加えて、計画停電や交通機関の減便などによって、直接的な被災地以外でも予備的な銀行券需要が高まる可能性があるとか)によってどのような感じで資金が出て行くのかとかというような事が読みにくい事もありますし、今後の災害復旧に向けた動向も読みにくいし、被災地以外でも停電等の影響によってあまり余計な取引をしないようにという意識がどうしても起きてしまう(鉄道の減便によって事務方の人員が不足してたり、早く帰宅させるように動いていたり、さらには木曜のように急に早く帰るようにというような事も起こりえるし)、更にまた間の悪い事に多くの日本企業の決算期末に当っている事もあって、取引そのものが普通にしていても低調になりやすい所ですので、どうしても取引が薄くなってしまいがちですわなという事で。

で、現状では日銀が絶賛資金供給オペレーションによってその辺りを補強しているのではございますが、結局のところ日銀が取引の間に入ってどうのこうのが出来るのはオペ先であり、オペの適格担保の範囲内の話でありますので、これは先週末も申し上げたように、日銀におかれましてはオペ先の所だけはなく、オペ対象の外側の市場動向とか、適格担保の外側(つまり無担保市場)の動向とかも注意して頂きたいと重ね重ね申し上げる次第でございますです、はい。

つまりね、さっきの小見出しの所で書いたんですけれども、「潤沢な資金供給」はそらまあ重要でありますけれども、何せ現状はそのオペ先から外に出る資金というのが依然としてあまり多くない状態になっている訳でして、それは別に個別金融機関がケチだからとか言うのではなく、色々な意味で不確実性が高まっている上に、余計なことに決算期末要因がぶつかって資金が市場でいい感じでグルグル回るという風になりにくくなっている訳ですよ。従って、短期市場への目配りという点で言えば、単に量を出せば良いという話でもなくて、やはり信用緩和的な政策、つまり今般実施を決定した社債やCPの買入追加を前倒しで実施して行くというような動きとかのような「きめ細かい」資金供給、というか信用緩和政策的な動きが必要となっていると思います。

まあこういう時に「市場機能論」とか言い出す馬鹿は居ないと思いますが、市場機能重視でとか寝ぼけた事を言っていますと、こういう時には市場が無駄に暴走するリスクがあり、そのリスクを増幅させるだけの悪影響しかないという物であることは、リーマンショック後の国内市場の動きを思い出せばお分かりの通りでありますし、そういう時には変な原則論が無意味である、というのは米国の実施した前提に無理のあるストレステストに関して皆がそのストレステストのインチキな前提条件(失業率とかの前提無茶だったですよね)を敢えてスルーする事によって当面の危機をスルーした事によっても示されていることではないかと存じます。

何か最後の方は判ったようなわからんような話でどうもすいません。

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2011/03/18

○ということで昨日の市場メモ

朝起きたら為替が79円台とかになっていて「福島原発問題の深刻化を受けて安全資産の円への買いが高まった」とオモシロ解説をする某経済クオリティ番組などがいましたなあとか昨日は書いたと思いますが、その後朝7時過ぎ位になってみるとドル円が77円とかイミフの展開になりまして、結局76円前半(ベンダーによって25銭という所と36銭という所がある位のカオスっぷり)まで行った後で反発して朝の8時40分ごろには79円台まで戻すという豪快なカオス状態。

えーっとですね、こんなのがリパトリのフローによるものの訳は無く、そもそも時間がシドニーだかウェリントンだかの板のスッカスカな中での話でありまして、どうせオプション引っ掛けて強制ロスカットさせようとかいうような動きが打ち込まれたという事なんでしょと思うのですが、あたしゃ為替の事はよー知らんけえ詳しい人に聞いてつかーせとゆー所でありまする。

#もちろん、材料が「日本の原発での放射能漏出」なので円を安全資産だと思って買っている訳ではございません

#ちなみに、この為替水準を見てどうせ介入するなら米国債なんて屁の役にも立たないものじゃなくて救援物資や燃料を兆円単位のドル建で買ったら凄いことになるのではないかなどと訳の判らん妄想をしていたあたくしは連日の相場とニュースで頭が沸いていますかそうですかorz

まあそんなこんなで株は下落スタートだわ債券はまたまた上昇スタートだわということになったのでありますが、140円35銭(+63銭)で寄り付いた後は基本的には売りに押される展開。イールドカーブ的には超長期債の大逆襲が今日も続くでござるの巻というような展開になったようで、先物が押し込む中で超長期ゾーンのビット確りの展開。

で、昨日については原発関連のニュースでは寄り前に米国のなんちゃらとかいう所が日本在留中の米国人向けに福島原発の半径50キロ圏内から退避を検討するようにとアナウンスしたとかしないとかいうのがマインドを冷やしやがるニュースでございましたが、場中のニュースではここ数日のように「何か片付いたと思ったらまた更に悪質っぽいネタが出てくる」みたいな負のスパイラルのようなニュースもあまり見当たらず(すいません、正直言って原発関連のニュースヘッドライン見るのがストレスなんでそんなにきちんとフォローはしてないですが、多分市場がどどーんと反応するようなネタは無かったと思います)とゆー感じでありまして、株価指数がグイグイ戻ってきた事やら、9501東京電力株式がようやく寄って大商いモードになっていたりして、何となく株価がまたまた底打ちチックな動きを示したりした事が影響したのか債券先物は上値妙に重い展開に。

まあ何ですな、足元での先物と他の現物の動きがグチャグチャなのは地震および原発問題を受けた動きで、こらまあリスクオフはリスクオフですけれども、それよりもポジションクローズの動きと言った方が適切なような気がします。一方で昨日も今日もフラットニングの展開となっている債券市場の長いところちゃんの動きなのですが、まあ大地震前に形成していたカーブに対してその後に先物がスーパー独歩高となった動きの反動というのもあると思います。

でですね、更にもうちょっと長いタームの話となりますと、日本の原発問題を機に海外でも原発のあり方が見直されるというようなモードになっているやに報道などでは見受けられる訳でありまして、世界各地で原発見直しという事になりますと、電力供給能力の低下によって生産や消費にブレーキを掛け、経済成長にもブレーキを掛けますよね、という話に発展する可能性があるでしょうから、そーゆー文脈から世界経済が停滞モードになって来るってな感じの絵を描いた場合に、今回の大地震の前にあった世界経済が緩和的な金融政策を背景に回復基調を高め、その中で物価も上昇傾向にというような従来の絵とは違った光景が見られる訳でして、そーゆーところを勘案するとああ長いところが買われるのね、というのもあるかも知れませんなあという所です。

#原発の代替エネルギーの開発が急務という事ですと救世主にイベルドローラ(http://www.iberdrola.es/←スペイン語のサイトだが英語ページもあるでよ。ちなみに本社所在地はスペインのバスク自治州ビスカヤ県ビルバオ市である^^)急浮上ということですね、わかります(かどうかは知らんがの)

もちろん、他のシナリオもあると思いますから、あくまでも一つの考え方、ということになるのかなあとは思っていますけどね。



さてさて、それはそれとして短い所なんですが、ご案内の通り日銀による絶賛資金供給に伴いまして、足元のGCレートは落ち着いて・・・・と申しますか、取引のカウンターパーティーが日銀になってしまっている状態となっておりますので、そもそも市場レートがどうのという話ではないですけれども、まあとりあえずオペ先は日銀にオペ玉を持って行けば0.10%でファンディングできますよね、という状態になっています。

それを反映したのか、はたまた毎度お馴染みの為替がらみなのかは存じませんが、水曜日に0.1436/0.1501というレベルの入札になっていた新発TB3か月物は買いが入って更に強くなって0.105%レベル近辺まで金利が低下。まあ0.105%という水準ですとオペ見合いで買うようなレートというのは少々無理があるので、何らかのキャッシュ潰しニーズかコストの安い円資金があったのかなあとかいう感じも致しますが、まあ短国も堅調でござるの巻。

ただまあ昨日も同じような事を書きましたが、引き続き少々微妙なテイストを醸し出しているのが2年以下とかのゾーンでありまして、昨日の2年カレントも上値重いですね状態だったと思われる次第。BBの引けは0.220%で前日より強くしていますけれども、場中は普通に引けオファーとかいう時間が結構長かったかと思われる所であります。

更に、CPとか社債とかの短い所のレートも、これはまあ足元で震災関連でキャッシュの需要(「資金需要」ではなくて物理的な銀行券需要とか、流動性確保のための解約等のニーズ)に対応した部分がどの位の規模になるのかというような所が中々読みにくい所でもある訳でして(現に資金需給予測のプロ中のプロにも程がある職人様がおいでと仄聞している日銀の金融市場局が日々公表している資金需給見込みの銀行券要因が今週に入って昨日までの間で常に予想以上に銀行券増発方向にぶれているのですよ)、そんなこんなで短期金融市場の中でも対日銀取引で最終のケツは回せてしまう人たち以外の部分においては、今般の大地震以降の影響が若干来ていますなという感じなのではないかと思われます。

で、今回金融市場に(少々、かな??)掛かっているストレスは、別にまあどこかが放漫経営したからとか皆がバブルに踊りまくった反動だとかいうのではなく、純粋に地震と言う自然災害によって起こされた(それ以降の原発問題の方が海外投資家などにはインパクトあったのかもしれませんが)ものでありますので、日銀におかれましては、これらインターバンクおよびレポ市場の外側にも十分な目配りをして、これまでのように「火が点くまで火消しをしないから火が広がって収拾に大変な苦労を要した」というようなトンチキな事が起こらないように万全を期し、更に必要な追加施策があるようでしたらちゃっちゃと実行(企業支援オペの復活とか1年以内の社債買入復活とか)したり、今般導入を決定した基金買入の増額分に関してより積極的に前倒しでの実行をして行くとかも念頭によーーーーーーーく注目して頂きたいものと存じますです、はい。

以上、微妙に表現を持って回ったり婉曲的にしている部分があるような気がしないでもないのですが、判る人にご理解頂ければ有り難い所ではあります。

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2011/03/17

商売柄仕方ないのですが、原発関係のニュースヘッドラインをこれでもかと出されるとストレスが掛かりますので、せめて家ではテレビでしたり顔して色々と解説する煽り報道番組だけは見るの止めないとしんどい今日この頃ですが、被災者の皆様や被災地での救援やインフラ維持、原発の事故被害拡大防止の為に日々尽力されていらっしゃる方々などなどの皆さまの事を思えば屁のような事で悩むというのも我ながら何ともorzであります。

・・・・・ちょっと待てモーサテ、「福島第一原発問題の解決が難航しているから『安全資産』としての円買いが入った」ってその後付解説は何ぼなんでも話が違うんじゃないのかよおおおおおおおお。ポジションのアンワインドの動きとかじゃねえのかああああああ????

ちなみに公共放送は「福島第一原発のトラブルを嫌気した米国株価の下落によるドル売り円買いの動きと、日本企業が海外に保有する資産を手元に戻して円に換える動きが強まるとの見方から」円高が進行した、と比較的丁寧な説明をしていました。

#下に書きましたけど、昨日の市場は株高で何となくほっとした感じもあったのですが、海外株安の円高進行とはまた今日もorzな展開ですか・・・

○20年入札と3か月TB入札

諸般の事情であまり詳しくは見ていないのですが、昨日の債券市場は前場は短国と20年のダブル入札を前に弱いスタート。と言いましても株式市場が戻り歩調になっている事から雰囲気も何となく良くなってきまして、といいましても超長期ゾーンは入札を前に寄付き直後はアホのように弱かったのですが、前場途中からやや20年の気配が復活気味。2.2クーポンで発行されたのも好材料という感じになりまして、まあこれは2.2%100円が止まり所になるでしょう、というのを意識してクーポンを設定したということなのでしょうなあという所でしたけれども、前場引けは先物68銭安に対して新発20年国債は2.125/2.130(20年ゾーンの気配としては4.5甘オファーとかのレベルかと)と先物対比では確り気味になりました。というか前日の先物周りだけ高いというカーブの修正が入ったとも言えますが。

後場の寄りは前場引けから若干強くなって始まりまして、落札結果の方はといえば平均100.97円=2.130%で足切り100.75円=2.146%と、前場引けの板と比べてみると強くは無いですが、前日までの地合いと足元の流動性の低下を勘案した場合に、20年ゾーンの1.1兆円の打ち込み(つーか発行ですけれども)でどの位まで流れちゃうのよという懸念もあったのでして、堅調な結果という評価で宜しかったかと存じます(つーかまた買占めかという感じもするんですけど)。

でまあ現物の気配も特に長い所の復活が顕著という形になりまして、引けてみますと先物56銭安に対して20年ゾーンが5糸強〜1毛強の引けという事になりまして、前日比でもそうですし、前場引け対比でも復活でござるの巻となっております(と言っても地震前のバランスから考えたらまだ思いっきりスティープしてますがまあそれはそれ)。

3か月TBちゃんの方はと言いますと、0.1436/0.1501と足切り水準が0.15%に乗ってしまいましたでござるの巻にはなりましたが、セカンダリーでは強くなりまして最後はたぶん0.135%近辺とかの水準ではないか(日本相互証券の引けは0.140%です)という感じになったようで、こちらもまあ踏みとどまりましたなあという感じです。

まあそんな感じで懸念されていたダブル入札は堅調な結果になりました事と、それはそれとしてやはり株価が上昇したのは相場の雰囲気を良くするかとゆー感じでありまして、イールドカーブ的には昨日の過激なオモシロカーブをややお返しするような感じになったのはチャーミングでございました。

ま、あたくし的にビミョーなのは2年とかの動きではございますが・・・・


○まあ無力参加者のたわごとなんですけどね

2年辺りの水準が地震前の水準、即ち追加緩和実施前の水準でもありますが、そこら辺まで戻ってしまっている所(つーか正確には微妙に甘い)とか、まあさっき書いた3か月TBに関しても入札堅調とか言いましても、よくよく考えてみればここもとでは金利が上がっても0.120%届くか届かないかという状況だった事を考えるとまだ甘いというのが何とも微妙なテイストを感じる所であります。

まあ背景に株価が急落しちゃったから決算益出しするとか、昨日の昼のあの放送見たら何か売りたくなっちゃうとゆーのもまあ判らんでも無いですけれども、そもそも日銀のオペ直接参加者の場合は資金繰りに関しては日銀の超越資金供給で賄えばよいですし、今回の地震での罹災地域でオペだのやっている人的余裕無しというような方々がキャッシュポジションを厚めにする為に売却するとかいうのは勿論当然の動きなのですが、あまりそういう災害の直接的影響が相対的に大きくない人が「決算対策!」とか言い出して中短期債市場にストレス掛けるっていうのはどうなんでしょとはちと思ってしまう所ではありますけどね。

つまりさ、日銀が超越的大量に資金供給してるのって、オペ先をお助けする為だけにある訳じゃなくて、そのオペ先が銀行なら個人や企業などへの資金供給を円滑に行う事が役割期待としてあるでしょうし、証券業者などならば金融市場の流動性を維持する事によって資金の円滑な流通に寄与する事が役割期待としてあるってえ事だと思うのよね。そらまあ非常時でストレスが掛かっているから市場のスプレッドとか貸出のスプレッドが開くとかいうのは止むを得ない話ではありますが、まあ市場安定化の役割期待がある中で市場安定化の逆になるような動きをわざわざやるような人がいたらそれはちょっと違うんじゃないのと思う所ではございます。

・・・・・って昨日は「原発問題があると市場にストレス掛かっても仕方ないですかな」とかいう話をお前はしてたじゃネーノと言われそうですが、まあちょっとそんな事を昨日の昼間は考えていたのですよ、という事で昨日の今日で微妙に話のニュアンス違いますなあってのも我ながら如何なものかと思いますし、所詮は無力参加者のたわごとですので、まあ別にどうでも良いっちゃあどうでも良いのではありますけどね。

#なお、この部分はabz2010さんの直近の2本前のエントリー『今は「市場メカニズム」の出番ではない』に触発されて纏まりも無く書いてみたのですが、その他の直近エントリーも中々興味深いのでトップページのリンクをつけさせて頂きます
http://d.hatena.ne.jp/abz2010/

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2011/03/16

○この市場ストレスの解消は結局福島原発が落ち着かないと・・・・・

昨日の市場はまあ報道の通りでご存知かという感じですがメモメモ。

元々のベースとして福島原発の問題が継続しているというニュース(2号機の格納機が破損したとか何とか)が朝からあったのでまあ寄りから株下げ債券上げでスタートしたのですが、10時過ぎに原発関連のニュース(4号機で爆発音が起こったとか何とかだったっけ、もう何が何だか覚えてないけど)がまた流れた辺りから株が下がるわ債券が上がるわという流れになって参りました。

で、11時過ぎの菅総理の会見および枝野官房長官の会見で避難範囲は拡大するわ、漏洩した放射線が人体に直ちに影響のある大きな量だというような話が伝わり、公共放送の解説なんぞを聞いていると、その400ミリシーベルトという数値が巨大な数字であってもう本当に大変だというような状況という印象をどう見ても与える流れになっておりまして日経平均先物は現物の昼休み時間中に大暴落。会見前には第4号機の火災というような話が出てまして、その時点(11時10分ごろ)で8700円とかに下がっていたのですが、会見が終わって公共放送の解説を聞いてもう一度先物を見たら11時50分過ぎ位には8000円割れのレベルまで下落。

その後4号機の火災が鎮火したというニュースが入って12時15分頃には日経平均先物は8300円レベルに戻っていました。そのあと後場にも原発関連ニュース(もはや何が何だか覚えていない)とかで売りがもう一発来て先物は7800円安値(は12時45分過ぎでしたっけ)とかまで下がったりしてましてもうエライコッチャになりましたが、その後徐々に株式市場は戻りましたが、下落率でスターリン暴落を上回り、リーマンショックに次ぐ下落率になった(日経平均および旧ダウベース)のはご案内の通りですな。


・・・・・と、株の話をするのがメインではなくてですな、この間に債券市場ってどうなっていたのよという話をしますとですね、債券市場ってまあ前場は高寄りした後前場引けに掛けて株下げに呼応して債券上昇していた訳ですけれども、時間の経過と共に前日および当日の朝イチは堅調だった中短期が徐々に失速、というか2年は前日比レート気配が上昇とかになって来たのですな。

そして例の会見をやっている中で1年TBの入札時限を迎えた訳ですが、その落札結果は0.1853%/0.1953%という結果になりまして、前日の残存1年ゾーンの2年国債の引けが0.135%(それはそれでちょっと過大評価だと思うのだが)に対してまあ流れましたわという結果ですが、そもそもあの会見やっている中で札がちゃんと2倍以上入っている方がエライのかもしれませんな。

で、まあその落札結果ちゃんが出る前の後場寄り付きでは債券先物は前場の引けからギャップアップしてスタートして更に141円17銭の高値をマークとかしていたのですが、そうやって2年とか重いわ、1年TBの入札は流れるわと1年だの2年だの3年だのというゾーンの債券が換金売りっぽい感じにもなり、そもそも戻り売りが多い5年も売られて来ましたとか思っていたら10年も前日比レート上昇というような展開になり先物は前日比プラスではあったのですが、現物は殆どのゾーンで金利が上昇。しかもイブニングでは先物も下落していましたな。

今日入札実施予定の20年国債とかこの2日で債券先物が108銭上昇する中で6毛甘くなっていまして、まあ実弾がどうのこうのという訳でもなく甘くなっていると思われる節があるのがおそロシアな展開でございますが、この調子で今日の入札どうなっちゃうんでしょ。


まあ特に短い所に関しては昨日の動きは「マーケットにストレスが掛かっている」というテイストが出てきている次第でありまして、そのストレスを軽減するために日銀は昨日も渾身の資金供給は行っているのですが、何せ今回のストレスの根本にあるのは原発における放射能漏れとかの話ですから日銀一手でどうにか出来るかというとこれまたムツカシヤな所ではございます。何せ足元の動きに関して言えば、単に株が下がって急遽益出しをしているとかいう話ならまだ良いのですけれども、これが「質への逃避」から「資金化の動き」という展開を示しているように見える部分もありまして、マジでそういう動きだったらちとマズーではあるかなとは存じます。

月曜相場での「計画停電の影響で経済に悪影響」という時点では株は下がるけど債券は中短期なども買われていましたので、「景気に悪影響」的な認識になっていましたが、昨日の相場、特に原発の相次ぐ火災だの放射能だのというニュースヘッドラインがジャンジャン飛んでくる状態になった以降の相場のステージとはまあ違ってきたっていう感じを受けてしまったりする訳で、まだそれが本格的な訳では無いと思うのですけれども、中々こう日銀だけでどうしようもない世界の話ではございますなあとも思う次第であります。

まあこのストレスちゃんは、昨晩は東北地方で地震が起きたと思ったらその直後に静岡県東部で大きな地震があったりとか、今朝も余震があったりとか、余震の方も続いていますし(まあ昨日はそもそも朝5時台にも強めの地震がありましたけれども・・・・)、原発に関しては一々途中経過の説明を延々と報道してくれるのですが、結局どうなのかがワカランチ会長で、「もしかしたらこうなるかも」みたいな話がその間に解説されるというような流れでは市場が落ち着けというのが無理ですがなと思われる次第でして、厳しいもんがあるかと存じます次第です、とほほのほ。

これで円安に振れないのがある意味不思議ちゃんではございますが、まあ足元での動きっていうのは色々なところでポジションをクローズに向かっている所という事もまた言えるかと思いまして、為替という面で言えば外への投資が結構あったということに繋がるのではないかと存じます。

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2011/03/15

○市場メモを判る範囲内で申し上げたく

昨日の債券市場と短期市場について超簡単にメモメモ。

債券市場は朝から当然のように上昇スタート(63銭高の139円83銭)だったのですが、この間戻り売りも結構あったようで徐々に上値は重くなったのですが、前場引けに掛けて余震の揺れやら原発の報道やらがあった辺りから切り返しだして、決定会合で追加緩和を協議っていうようなヘッドラインが出た所で更に上昇して寄付き直後の高値140円近辺まで上昇。

後場寄り付きは更に上昇して、高値140円29銭までマークしましたが、これまた戻りは売りの方が多くて徐々に押し戻される展開。決定会合の結果が出た後若干上下にぶれましたが、利下げとかまではなかったせいかそんなにぶれずでした。

イールドカーブは5年と先物がやたら強くて、2年も堅調ですが10年以降は重くて、後場途中に一瞬10年がかなり復活する場面もあったようですが結局は伸びきれず。イメージ的には先物〜10年〜20年でざっくり5毛ずつスティープする感じでしたが引けでは先物から10年は3毛スティープとなりました。

でまあ一応長いところに関しては保険会社さんたちの業態の支払いに向けた現金化が予想されるので云々という後付講釈もあるのかもしれませんけれども、実際に売りが出るのってそんな超長期よりも流動性の高い方に先に来ると考えるのが現実的ですし、そもそも昨日ってそんな売買ないでしょ、と思いますので、単純に投資家層が薄く、かつ通常でもマーケットの流動性が低めの当該ゾーンが叩かれやすかったというだけの話で、実際にフローがあってこうなったという訳では無いと思うのですけれどもどうなんでしょ、よー知らんが。


で、短期のほうはご案内の通りですが、朝イチの無担保コールの気配は0.12%位だったと思うのですが、即日オペ連発でござるの巻。まず朝イチ9時01分に共担即日7兆円という気合のオペ打ち込みがありまして、その後は9時30分に国債買現先即日(国債買現先は昨年の7月28日だか29日だかに残高がゼロになって以来の実施です)オペを3兆円打ち込んで、その後も10時30分に共坦即日5兆円、12時50分に共坦即日3兆円とオファー額都合18兆円の豪華供給を実施。

一応オペは全部札割れでしたが、それでも実行ベースで共坦即日が11兆2808億円、国債買現先が2兆3546億円で合計13兆6000億円を超える資金供給が実施されました。

翌日物以降スタートオペでも基金オペのロールは兎も角として、トムスタートの共坦オペ(ちなみに今日の共坦は全部全店)を3兆円実施しました。こちらは札が49733億円とこれまたがっつり入りました。

まあ今日は当然ながら皆さん資金の確保がまず第一ですので、とりあえずオペに入れるだけ入れて皆さん日銀から資金を確保。んでもってその資金が余ったら日銀当座預金に放り込んでお返しというのが尋常の姿となるのは当然の動きでありますので、まあ普通にこういう感じになるんだろうなあとは思いましたが、それにしても日銀もかなり気合でオペ打ちまくって不安心理の解消に努めたかと存じますし、まあ今日に関して言えば地震の直接的な被災に伴う資金需要だけではなく、関東地方の計画停電(どうでも良いがネパールに旅行した人から「ネパールでは計画停電ってのがあるんだよね〜」というお話を聞いたりしてたのですが)の影響で決済事務が円滑に回らないケースを想定したリスク回避の動きがあったかと思います。つーてもこの計画停電は当面続くようですから、その間はとりあえず日銀の強力な資金供給の継続が求められるかと思います。

決定会合の結果を受けて金先が押し込んだのは、その前に妙に利下げを織り込みに行って強くなった反動というチャーミングな動きによるものであったかと存じますです、はい。

まあマネーマーケットに関して言えば、日銀と直接取引をしている人で、担保がちゃんとあれば、流動性に関してはこういう非常事態発生時には日銀がきちんと面倒を見るというのが貫禄の日銀クオリティでありますので、そーゆー点では問題が起きない(ソルベンシーの問題で流動性危機が起きている訳ではないからですな)のですが、まあこういう時にやや問題が起きる可能性があるのは日銀との取引の外側にある参加者、即ち金融市場のプレーヤーで言えば保険会社さんとか投信さんとか年金さんとかになるかと思いますし、更に事業法人さんとかになる(個人の人たちに関しては基本的に銀行なりゆうちょさんがきっちり対応するのが日本クオリティ)かなあと思う訳で、その辺りを勘案した追加緩和が日銀から打たれたのはまあ中々。

そういや追記メモ:昨日のオペ残高(共通担保+基金共通担保+国債買現先)はあたくしの集計ベースだと55兆円に接近(549,791億円)53兆円近く(526,245億円)と相成っておりますな(訂正:3月15日夜)

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2011/03/14

○地震発生時の相場ですが

最初縦揺れが長時間来て「これは凄く大きいぞ」とか言ってたら横揺れが凄い勢いで来まして、その揺れが続く中で債券先物がドンドン上昇。株も下がっておりましたが、その揺れが徐々に収まるに連れて先物の価格も下落していきましたが、良く良く考えて見たらこんな大地震で円債買いなのかよという気が思いっきりする中でBBは現物の売買止めるわ、そもそも専用回線以外の電話が繋がらなくなるわと大変な事になる中でとりあえず15時を迎えました。

ブルームバーグのメールはさすがにクローズなシステムなだけに繋がっていましたし、インターネット経由のメールも比較的無事でしたが、電話線も怪しい中でBBの引けは16時15分頃にちゃんと出まして(先物から何となくカーブを引いてみましたという感じでしたが)、まあ良く頑張ってプライス出ましたと感心する次第。

株式市場は当然の如く下落しましたがイブニングセッションは10000円割れとかやってましたがその後は若干戻っていました。為替は地震の時には円安に振れていましたけれども・・・・・

しかし海外市場で「レパトリの思惑」で円高になって米債が売られるとは何と言う反応と思ってしまいましたです。日本売りにならないというのは日本の今まで蓄積した力がどんだけあるんだよという所であります。

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2011/03/03

○3か月TB入札が0.120%に乗ったと思ったら早速反発した件について

昨日の3か月TB入札結果。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul230302.htm

(3)募入最低価格 99円97銭0厘0毛
(募入最高利回り) (0.1203%)

(4)募入最低価格に 12.6461%
  おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭0厘4毛
(募入平均利回り )(0.1187%)

・・・・・あらま0.120%乗せ。という事ですが、入札前の前場引けではWIで0.119%の出合いがバカスカあったらしいので、まあ0.120%まで届いたのねという感じなのであります。まあ足元で短めの短国に何だか良くわかんないけど売りがあって、やや引き気味での入札になったという事なのでしょうが、その一方で足元ではGCのレートも別に上昇するでもなく、というか低下気味になっていますし、昨日実施された基金共通担保3か月物のオペは按分率が30.8%と月曜の24.7%からさっくり上昇致しまして、そーゆー意味では短期のオープン系市場の資金需給ってどっちかと言えば金が余り気味じゃネーノと思う所でした(ってちなみに基金オペのオファーは短国入札の後ですので、ちょっと今の説明にはインチキ成分が入っているのにはご留意ありたし)ので、0.120%まで届くとはねえって感じだったのですが・・・・・

落札結果出た後は平均落札レベルもあっさり買いになって結局昨日の新発の引けは0.115%レベルとゆー感じのようでやんすので、入札でちょっと引いた業者のカバーも入ったのかな言った所でございますけれども、まあ新発は何のかんの言ってニーズがあって、それは足元で新発3Mに対するニーズがありますよねという所なのでしょうけれども、まあその場合短い所に売りが出ていて妙にそちらが重くなってて、3Mまでのイールド形成がフラット気味になっているという不思議展開になっているのがワケワカランチ会長ではありまする。

まーこの時期ですので色々とお家の事情的なものもありまして話がヤヤコシになるというのもありますけれども、背景がサパーリ判らん所ではございます。何となく妄想は出来るのですが妄想の範囲内を出ないのでパス。

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2011/02/28

○資金供給オペが久々に0.10%よりも高くなった件について

金曜のオペ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110225.htm(オファー)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110225.htm(結果)

ということで、28日スタート3月11日エンドの共通担保オペの平均落札利回りが0.103%に上昇でござるの巻なのですが、今年に入ってからはご案内のように連日札割れ攻撃などによってずーっと平均落札0.100%足切りレート0.10%という大変に素敵な展開が続いていたのですが、金曜は今年初の(^^)0.11%応札が入りましたよという結果に。

まあ直接的な背景としては足元で短い所の短国とか2年債とかに投資家売りが出てて業者の在庫が重い事からオペへの応札ニーズが高まったという普通の事情があると思われますが、構造的な話をすると固定金利オペおよび買入系のオペ、つまり基金オペ残高の積み上がりによってこういう事になりますわなという面もありますという事で。

つまりですな、足元で資金供給オペ残高(買入はめんどいので計算割愛)自体はそんなに減っていないのですけれども、固定金利オペがその間に増えていく(6か月オペの実施がつみあがってきている)とその分短い期間のオペとなる共通担保の金利入札方式のオペの残高が減ってしまいます罠。で、まあ証券会社が在庫ファンディングするのにベースとなる部分は固定オペで安定調達しておいてもよかよかという所なのですが、足元の債券打ち込まれ攻撃にもありますように、業者のポジションというのは結構な規模でぶれる(特に銀行勢が短期ゾーンを動かしてくると「面」で買ったり売ったりしてくるので)ので、固定オペで全部の在庫ファンディング需要を充足しちゃうような運営をすると在庫玉持って行かれた時に今度はオペの「入れすぎ」状態になるリスクがありまして、そーなりますと今度はオペ玉を確保するためにGC成行買いみたいなことになってややこしくて敵わんですから、そう考えますとあまり長い期間のオペばかりでの調達構成にするのも宜しくはない、という事になりますわな。

ま、そんなこんなの事情があって、ちょうど足元重いですし、更に言えばどうせこの売った分どこかで買いが来るでしょうから、そーゆー事を考えると3月11日エンドというオペは使いやすかったという所だったと思料されます。


でね、この現象ですけど、今後基金オペが積み上がって来る中で金利入札方式のオペが減ってくるとなりますと、足元の資金需給が国債売買の動きがどどーんとあったような場合とか、年金定時払いとか、税揚げとかの要因があった場合には足元の金利だけぶれるというような動きが起きるかなあとか思うのであります。まあ国債売買の場合はそのものズバリで国債のレートにも反映しますけど、最初からわかっている財政要因の場合、その財政要因に向けて資金の運用調達を調整していく中でレートが瞬間的に跳ねるような事がおき、金利入札方式の短い期間のオペが少なくなっている関係上、その部分の調整がスムーズに行かないケースもあるかなあと思います。2月の年金定時払いを前に積み最終に入ってくる資金と積み進捗の調整を睨みながらコールレートがやや上昇したのとかもその動きの一環ではないかと存じます。

#と、マニア以外に全く意味プーネタでどうもすいません


○不思議な先週の短国市場

終わってから不思議云々とかいうのも何なのですがorz

先週の短国市場ちゃんなのですけれども、その前の週末(つまり18日)のロンドン時間辺りから短国の買いが優勢となりまして、あっという間に玉がスッカラカン状態になり、カレント3か月物は(入札で投資家に嵌っていた事もあって)0.110%オファーサイド近くまでレートが低下したでござるの巻となったんですな。

ところが、水曜の3か月TB入札は足切り水準は0.115%越えになりまして「????」と思っていたら木曜金曜と短国市場では1か月から2か月程度の短国に売りが出ていたらしく重そうにしていましたという感じで、その動きもさっき申し上げた資金供給オペ札入りーのレート上昇しーのの背景になったものと見られます。

いやまあ別にそういう事もあるかも知れませんなあという事なのでしょうけれども、週の頭と週後半でこうまで状況が違う(しかも外部環境が特にその間に何か変わったのかといえば変わったとも思えず)というのも中々でありますのでメモメモという感じです。

短国じゃなくて短い利付国債では残存1年程度とかのモノに売りが出てたようでありますが、まあ利付国債の方はまたぞろ季節的に決算絡みとかの要因でございますかなあとか言うのは判らんでも無いのですが、短国は普通決算がらみでどうのこうのとは聞かない(期末の最後の最後に債券残高の調整で買う人がいる場合はあると思いますが)のですが、資金繰りで売りを入れるタイミングでもないでしょうし、何が何やらサパーリワカランチ会長でございまするのです。ということで誰か教えてくださいな。

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2011/02/18

○市場雑感やその他雑談

・6M基金オペの按分率上昇とな

昨日のオペ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110217.htm(オファー)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110217.htm(結果)

昨日は6か月ものの基金オペが実施されたのですが、按分率は21.9%となりました。前回の6か月ものは2月1日にオファーされたのですが、按分率が27.0%でしたので今回は按分率低下の巻。

1月終わりから2月の前半に掛けては資金需給の関係上オペのオファーが多く、またGC市場的に見た場合の資金偏在が軽かったということもあって、基金オペの按分率が上昇傾向となっていましたけれども、足元では債券市場でやや中短期債中心に売りが嵩んでいて年末年始よりも業者のポジションが拡大したと見られる(年末年始は決算要因でポジションが縮小する面もありますし)のと、財政払い超での資金は当然ながら債券ディーラーとは無関係な所に回りますので余剰資金が回ってくるまでお時間が少々掛かるというような事であろうかと存じますので、そーゆー所からも按分率上昇ということになるんですかね、よー知らんが。

まあこの基金オペが札割れとかしちゃいますと、当然の事ながら包括緩和における資金供給として「オペと買入の基金で35兆円の資金供給」という数値を掲げておりますので、それが未達となるとマズーでもありましたので、オペレーション部隊的には基金オペの按分率がちょっと低下してホッとしたんじゃないですかね(ニヤニヤ)。

つーてまあ短国のレートがジャンジャン上昇する訳でもなく、新発3か月TBは今週の入札で上昇したと言っても0.12%切っている程度にしか上昇せんわけでして、まー安定していますから、日銀としてはやる事は一応やっていますよという話ですわな。うんうん。


・業態別当座預金残高

一昨日出てたのを今更。

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/jcabs.pdf

1月積み期間では超過準備額について外国銀行と信託銀行が大きく減っていますが、うち信託は単に12月積み期間の絶賛じゃぶじゃぶ供給による増加分が落ちただけと見えますが、外国銀行の方は11月積み期間までの趨勢的な数値からもやや減っているので、これはまあ為替絡みのポジションが縮小したとかゆーよーな事ですかね、よー知らんけど(平残の数値ね)。

で、都市銀行なんですけれども、こちらが何とじゃぶじゃぶ供給だった12月積み期間よりも超過準備が増えていまして、これは一体どうした事ぞという感じがする訳でございますな。

昨年8月くらいまでの数値を見ますとお分かりのように、以前は都市銀行さんの所では超過準備を積まないようなトンペースでの積みをしていくとゆー傾向があったのですが、じゃぶじゃぶ供給の12月よりも超過準備が拡大というのはトンでの準備預金積みをするような姿勢に変化が生じていますわなあというイメージを受けますが、まあ実際にどうしてそうなったというのは中の人じゃないからわしゃ知らんがの。

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2011/02/17

○市場メモ書く時間が無くなったorz

無くなったのでマジで箇条書き。

・5年国債入札が意外にも滑った件について

いやまあ2月のこの時期ですから来年度への積みったって0.6オーバーを慌てて買う訳ではないって事なんでしょうけれども、事前にあれだけ評判が良かったのは何だったのよと小一時間問い詰めたい。

・2年カレントが0.245%に上昇した件について

来週の2年国債が0.3クーポンになったら胸の熱くなる展開ですけれども、こちらも何だか微妙なテイスト。つーか米国の2年金利とかも先週後半に米債の長いところの金利が低下している中でも全然サガランチ会長になっていているのも気になる所でございます。

・3か月TB入札が0.11%台後半になった件について

いや先週の0.11割れから良くぞ調整しましたねという感じですが、とりあえず0.12手前で寸止めですからここは足元絶賛オペ供給の効果が効いている部分なのでしょうかねという所だったりするのです。

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2011/02/15

○本当は市場雑談を書きたいのだがイマイチなのでメモだけ

えーっとですね、何か知らんけど昨日は3連休明けのせいなのかどうも頭のエンジンが空回りモードでして(中身が空だからではないかというツッコミはしないように)どうにもこうにもという感じでしたのでメモだけ。

・とりあえず当座預金残高はどどーんと増えますな

http://www.ueda-net.co.jp/uedayagi/02-market/02_1.html

今日は積み最終ですが、年金払い日なので物凄い勢いで財政が払い超になるのですが、その金ってえのは当然ながらGCで資金を取ってる債券ディーラーの方には直接入らないので、GC市場的には資金偏在モードになりますから当座預金残高が増えないと間尺に合いません。まあ金利入札オペは昨日も札割れでしたので足りないということも無いんですよね。コールが微妙に高いのはよーするに今日以降は金が余る予定の人が足元で長い資金いらないからオペに行かず、当然ながら足元で運用もせずという所だったと存じますので。

・1年TBは足きり0.17になりましたですか

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul230214.htm

(3)募入最低価格 99円82銭8厘
(募入最高利回り)(0.1727%)

(5)募入平均価格 99円83銭2厘
(募入平均利回り) (0.1687%)

何か知らんけどここもと1年だの2年だのというような短期に近いゾーンの既発の利付国債が売り物勝ちで1年ゾーンの既発2年国債の利回りが0.16%だの0.165%だのというようなテイストを示していましたので、まあこんなもんっちゃあこんなもんなのかも知れませんが、17まで届きましたかそうですかという感じです。ま、事前イメージよりも流れた時っていうのは得てして「そんなに安いなら俺も買う」というのが御到来するので、投資家買いを誘発して業者の在庫が捌きやすくなる(極端に大流れするとビビリになって更に死亡となる可能性もありますが)ようで、日本相互証券の引けは0.160%に置いてましたんで、まあ入札は流れたけどそこから一段安のようなあばばばばーな事には成らなかったですかそうですかという感じっすかね。


と、短い所の話は書くが、長いところに関しては何が何だか良く判らんので(特に先週の40年とかここもとの20年と30年の動きの差とかもう何が何やら)華麗にスルーするのがドラめもんクオリティーであります。

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2011/02/10

○市場雑談メモ

単なる俺様備忘録メモですが(汗)。

えーっと、昨日の債券市場は米国3年債入札が滑った事から2年が0.85だの10年が3.75だのというような水準に上昇しやがって、前日の40年国債入札が滑って雰囲気が悪化した東京市場ちゃんも朝から威勢良く5年0.605%が出合ったりするなどの流れ。

んでもって朝から中短期が妙に弱くてヘロヘロとなる一方で超長期の30年とかはこれまた確りしててイールドカーブはベアフラット、ただし新発40年国債だけうんこ状態となりました。そして後場の寄りからまた下値トライになりまして(東京の昼くらいにトレジャリーが若干甘くなったのが怪しいかもと勝手に妄想)13時前には10年1.35%まで金利上昇したですな。ところが13時位になって相場が反発となりまして、まあさすがに10年1.35%ということで買いも入ったんでしょうなあとゆー所でありますが、どっちかというと戻りは長期とか超長期。中短期が微妙にアレでして、2年とか0.24%とかまで上昇してたりしてる場面もありましたな。

その後格下げに関するウワサがネタになったのかどうかは知らんけど為替がちょっとだけ円安に振れて債券も下がったのですけれども、そのMoody'sの説明会で、なのかその前なのか知りませんが、ブルームバーグニュースがMoody'sの中の人のコメントとして「格付けは安定的」とか言うのが出たら相場様はまたまた反発して華麗に高値引け(と言っても前日比19銭安ですけど)。超長期ゾーンは前日比金利低下とかするし前場うんこだった40年も引け近辺まで戻るとか、まあ不思議相場ではございました。

というのは単なる俺様メモなのですけれども、しかしまあこの間見てて何ともアレでしたのはやはり中短期でございまして、2年債の引け値を眺めておりますと残存1年半で0.200%となりやがっております次第でありまして、なんぼ売りが出てますねんという感じ(ちなみに売りが出てたのは多分昨日がメインではなくその前から断続的に出てたと思われるが)でございます。5年も引けに掛けてやや戻ったとは言え、先物ゾーンより甘い3毛甘のカレントで0.610%の引けだし、7年との関係は前場引けより悪化してるし、まあ戻る中で長期超長期と比較して戻りが鈍いにも程がある状態で、中短期メインプレーヤーの大手銀行さんがあまり頑張らないという感じですかそうですか。

ちなみに、日銀のオペは引き続ききっちり出してまして、トムとスポットスタートで合計2兆円の共通担保オペをオファーしましたが、うちトムスタートの方が札割れでスポットスタートの方が久々に応札1.8倍と札が入ったでござるの巻。まあさすがに当座預金残高15兆円台が続いておりますし、15日の財政払い超で金が余るのが見えているからあまり長い資金を取らないでショート気味の運営をしている人たち(年金定時払いで資金ポジションが余剰に大きく振れる見込みの人たち)がいる事もあってコールは高めですし、15日の所でオペ残高が自動的に落ちてしまう事もありますしってな感じでオペの札も入って当座預金残高も増えてきそうですな。

足元ではこの当座預金残高の水準だし短国レートも上昇してますからGCに銀行とかからの金が出にくく、一方でオペ残高が高水準なのでそれでGCレートがあまりあがらないというのもあるかなあと思いますので、15日の所でオペ残高が落ちた場合には、足元で中短期の打ち込みが多くて業者のポジションが重くなっている節があるので微妙な気もします。まあ跳ねないように運営すれば良いのですけれども、跳ねてから下げるのはオペレーションのコストが掛かりますのでご注意をってな感じですな、うんうん。

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2011/02/09

○中銀ネタとかやっているうちに市場が少々アレな件について

昨日はこういうのは普通こけないでしょうとか言われていた40年入札が微妙に滑った結果(前場引けが2.215/2.225に対して落札利回りは2.24%)、前場は何故か堅調だった債券相場(と言っても前場から中短期が微妙にうんこだったのですが)は下落して10年1.30%の買いで暫く支えていましたが陥落したら引けに掛けてベアスティープでござるの巻。

長い所も微妙にアレですし、最近は5年がズルズルと重くなっておりまして、昨日の引けはカレントで0.580%と12月のマーライオン相場の安値に接近中というのがこれまた素敵な展開。今週になって東京時間にトレジャリーが妙に弱かったり、香ばしいテイストを醸し出す昨今の相場ちゃんなのでありますが皆様いかがお過ごしでございましょうか(−−)。

で、その中短期ですが、2年とかその手前とかも最近すっかりうんこ状態になっておりまして、そらまあ5年が0.50どころか0.60に接近となれば2年が0.15とか言ってる訳にも行かないでしょうから売られるちゅう所なのでしょうけれども、今回は11月終わりから12月半ばまでの動きと違って足元の日銀の資金供給は潤沢に回っていてGCレートが動揺している訳ではありませんので、そういう意味で言えば今回の2年金利の上昇こそが昨日悪態を申し上げた金融市場レポートでいう「長期金利などの上昇の影響による金利上昇」でありまして(以下悪態の為割愛^^)。

つまりですな、別の言い方をしますと、前回の中短期金利上昇の時は日銀の資金供給オペのスタンスを変化させた(というかようやく包括緩和本来の趣旨に則ったスタンスになったという事ですが)ところで中短期債に対して心理的に買いを入れやすくなるという止まり所としての切っ掛けがあり、丁度5年金利も0.60%に接近となっていたので止まり所となったのですが、今回の場合はその日銀ちゃんのサポートは既に実施してますから(まあ基金国債買入でも連発すれば効くかもしれないけれども、あんまり意味なさそうですし、オペレーションはあまりホイホイとスタンスを変えないで淡々と実施した方が期待の安定化に良いと思いますし)、今回の止め役は日銀以外となりますわな。米債なのか水準感でどどーんと買いが来るとかなのかは知らんけど。

ということで2年が0.22%とかになりますと(この前は0.23%まで上昇したんでしたっけ)さすがに1年も0.14%などと言ってる訳にもいかず、先週金曜辺りから引け値も修正されて昨日の引けは残存1年の2年289回債で0.160%となりました。一方でGCレートはまあ相変わらず0.105%辺りで推移するという状態で、さてこのバランスはどう取るのやらとか思っておりましたら、昨日の3か月TB入札は足切りが0.11%乗せになったと思ったら結局引けも0.110%(たぶん実力はあと0.001%か0.002%か微妙だけど安そう)となりました。一昨日の6か月TBは0.125%の引けになっていますからそらまあ0.11%割れはGC的にまあそれでも良いかもしれないけれども、後ろとのバランス的にどうよという話になったのでしょうな。

という事で、0.1075/0.1100でイ・マオカ選手(実在のやきゅう選手とは多分関係ありません^^)の三塁守備のように動かないとか申し上げたら変なフラグを立ててしまったようで誠に申し訳ございませんことであります(誰に謝る??)。


○そういえば久々にオペが札割れしなかった件について

昨日のオペ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110208.htm(オファー)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110208.htm(結果)

トムスタートで16日エンドという短い期間の供給オペが久々に札割れにならなかったでござるの巻です。ついでに言えば基金共通担保の3Mが一昨日より按分率下がってますな。

さすがに当座預金残高15兆円台だと足元がキツく、さらに今月の場合は15日に財政大幅払い超が年金定時払い要因でありますので、年金の払いによって15日に資金繰りが大幅に余剰方向に振れる業態の皆様におかれましては、15日を越えるタームの資金を取っちゃうと15日以降が無駄取りになってしまうという関係上、超足元の資金繰りがタイトになりやすくなるとゆー事情もありまして、無担保コールが一昨日は0.094%で昨日は0.098%と強かったと言うこともあってトムスタートのショートタームのオペが入りました罠とゆー所ですかそうですか。

まあスポットスタートの方は引き続き札割れしておりまして、別にGCが上昇って事も無いですし、オペ残自体も高水準ですけれども、15日の所で財政が大幅払い超になるので、そこで自動的にオペ残が落ちる事になると思いますが、そうなった所でどういう風になるかは一応確認したいなとは存じます。まあちゃんと札割れするまで資金供給するというスタンスが維持されたら(そうすると当座預金残高の水準が足元の16兆とかからまた増えると思います)特に波乱にはならないと思いますけどね。

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2011/02/02

○オペが引き続き豪快に札割れしている件について

ほったらかしだと昨日は当座預金残高16兆円台コースでしたが、それにも関わらず昨日はトムスタートのオペが実施されませんでしたな。ということで、世の中的にあばばばばーな事でも無い限り当面はスポットスタートでオペを打っていくという事なんでしょうなあ。

昨日のオペオファーと結果。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110201.htm
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110201.htm

3日スタートの金利入札方式の共通担保オペがオファー10000億円に対して応札が818億円と盛大に札割れしたでござるの巻。これで今日の当座預金残高が164300億円の予定で明日がオペが無いとすると上田八木短資さんの予想ベースでは177100億円ということですが、まあこの数字もあまり気にされない(足元でオペが札割れ大会なのですから当たり前ですが)のはまあ結構な事ではございますな。

でですな、それはそれとして昨日は6か月物の共通担保オペが実施されたのですけれども、こちらの按分率が27.0%となりまして、前回(1月13日オファー)の23.7%、前々回(12月24日オファー)の23.1%という水準から上昇してきておりまして、この調子で金利入札オペの札割れ合戦が続くと固定尾オペの札割れも視野に入るのかねという感じ(そもそも基金関連での買入が増えるとこれはこれで資金供給要因ですし)ですけれども、まあ15日の年金での財政払い超で金利入札のオペ残高が落ちたらその時点でもうちょっとオペのニーズが高まるとは思いますけど、買入がつみあがって来るとそもそもオペ残が少なくても市場の資金ニーズが充足できるようになってくる気がします。

当座預金残高自体は目標無いですからオペが札割れ大会してれば残高が落ちてもモウマンタイだと思いますけど、固定オペの方は何せ基金オペとして残高を幾ら実施します(キリッ)という事で目標化しているので、固定オペが札割れすると中々由々しき事態になっちゃいますから今後の推移をニヤニヤしながら眺めたいと存じます。

ま、足元ではGCも安定してますし、今日の3か月も0.11%乗るか乗らないか位で無難に推移するんでしょうな。

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2011/02/01

○更にその前に市場雑談

市場雑談と申しましても10年入札ではなくてオペの話。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_o.htm
オペレーション(日次公表分)

このページはリニューアル前とアドレスが同じでして、ついでに今回からトップページにリンクがあるのでかなり便利になったと思う。

31日のオペオファーと結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110131.htm(オファー)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110131.htm(結果)

2日スタートのオペオファーが14000億円に対して応札が1695億円で、4日スタートのオペオファーが10000億円に対して応札が3865億円。

ということで、これまた毎度お馴染みの上田八木短資さんの資金需給予想を見ますと、明日2日の絶賛税揚げ日の当座預金残高予想は現状で164300億円となるとの事で。
http://www.ueda-net.co.jp/uedayagi/02-market/02_1.html

これはまた豪快に当座預金残高減りますなと思いますが、何せ2日スタートのオペは既に打ち込んで絶賛札割れという事ですので、今日もオペオファーするんでしょうけれども応札が少ないということになるなら「札割れしている位供給していますが当座預金残高は減少しています」という素敵な流れになるのですな、うんうん。

とは言いましても、そもそもオペの応札が少ないという位ですからGCのレートが上がるわけでもなく落ち着いて推移している訳でして、まあ一応当座預金残高はそれはそれで重要なメルクマールではあるのですが、その時の資金需給によってオペ残が変わってくるという事もありまして、当座預金残高自体は明日このままだと17兆割れとかになるのですけれども、オペ残(金利入札方式の共通担保オペ+基金共通担保オペで計算しています)はあたくしの計算が間違ってなければ今日が41兆少々で明日が42兆少々となるので、そーゆー意味ではオペによる調達とのトレードオフになりやすいGC市場的には資金供給が確り行われているという形になっていると思うのですな。

てな訳で、明日か明後日辺りに短期市場ネタで当座預金残高が減ってどうのこうのという記事が出たときに金利村でも勘違いする人がいる可能性がある(短期の人で勘違いする人はいない^^)気がしたので念の為メモメモであります、などと書いたが間違える奴が市場にお布施してくれた方がメシの種になるのでしたなorz。

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2011/01/28

お題「S&Pソブリン格下げネタ雑談」

昨日どどーんと出しをしたのでネタがNeeee!と思ったらネタが出るとは。

○市場が大して反応しねえじゃねえかああああああ

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aESPS8ykNmdc
S&P:日本の長期国債を「ダブルAマイナス」に格下げ(Update3)

何か引け後に気がつけば(おいおい)為替が動いてて債券先物が下がっておりやして「S&Pが日本国債格下げ」とかぬかしてやんの。んでまあ債券先物は139円75銭近辺から55銭近辺まで下がってドル円は82円20銭近辺から瞬間83円台になったのですが、その後は押し戻されて83円抜けるでも無くもさもさと推移と。

で、海外でどの位円安になって下さるのかと思って起きてみたら何のこたあねえドル円82円台後半じゃあ別に何も変わってねえじゃんよと誠に遺憾に存じます次第でありまする。

世界各国では格下げがどうのこうのとか財政リスクプレミアムがどうのこうのとか言っているのですが、本邦の市場の中の人たち(と言っても他の市場はよー知らんので債券市場ですが)は格下げのニュースを見て「何だこれだけしか円安にならないとかつまらん」とか言い出す有様でございまして(^^)、誠に不謹慎にも程がございます(棒読み)。ちなみに引け後は確か10年カレントが1.250%(引けの2.5甘)で出合ったのですけれども、そもそも昨日の場中に1.245/1.250の板までやっていましたので、まあ昨日の場中の安値というか寄り近辺まで戻した(というか謎のツイストスティープしてるので実は中期とか先物はそこまで押していない)だけですからねえ。

ところでですね、昨日紹介した白川総裁定例会見で「日本のソブリンCDSスプレッドの拡大」の質問をしていた人がいましたし、先般ではどこぞの経済新聞がネタにしてた(のがピークなのがお洒落なのですがそれは兎も角)りしていましたように、ここ暫くの間ってCDSのスプレッドに動意があったらしいのですが、このスプレッドの動きと今般の格下げ発表には当然ながら全く何の関係も無いものであると確信しておりますので念の為申し添えます(棒読み)。


○日経クイックのヘッドラインに悪意成分が強い件について(^^)

何かね、ブルームバーグニュースのヘッドラインを見てたら野田財務大臣が普通にコメントしているように見えたんですけどね。

JBN 17:35 *野田財務相:為替の動きについてはコメント控える
JBN 17:36 *野田財務相:財政規律を守るメッセージを出し市場の信認得たい
JBN 17:38 *野田財務相:新成長戦略の本格実施と財政規律を堅持した予算を提出
JBN 17:38 *野田財務相:年度内に来年度予算を成立させたい
(以上ブルームバーグニュースのヘッドラインから)

これがクイック(ちなみにデリバティブコメントではなくてNQNニュースの方です)のヘッドラインだとこうなるのよね。

17:45 <NQN>◇野田財務相、S&Pの格下げ「民間会社の評価、コメント控える」
(クイックのヘッドラインから)

・・・・コメント控えるってお前そりゃないだろと思っちゃいますよね(^^)。

で、すっかり有名になった菅首相の「そういうことに疎い」発言もここぞとばかりに報道してたのは日経クイックニュース。

http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C9381949EE0E5E2939F8DE0E5E2E3E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
菅首相、日本国債格下げに「そういうことに疎い」
(最後の部分を見ますと〔日経QUICKニュース〕と思いっきり書いてあります)

まあお遍路さんの日本語能力は勘弁して欲しいと思う訳で、「詳しい内容を確認してから改めてコメントします」とでも言えば良いのに「疎い」とかどうでも良い所で一言多いわけで、もうお前は永遠に黙ってろと思うのですが、わざわざこれをどどーんとニュースにする日経新聞及びクイックの悪意成分の強さに激しくワロタです。

#今朝7時の公共放送ニュースでもネタにされてやんの、あっはっは

もしかしてこれはトンチキ発言に見える不用意発言部分(まあその不用意発言をするお方は可及的速やかに永遠にお遍路の旅でもして頂きたく存じますが)をクローズアップする事によって更なる円安進行をさせていこうというNQN様の深慮遠謀なのであるのであれば大変に素晴らしいと存じますが、単にオモシロヘッドラインを打とうとしているだけだったらつまんねえなあと思った昨日の夕方なのでございました(^^)。

#カップ麺の値段だとか漢字の読み方で首相を批判してた連中に盛大なブーメランという事で、人間正しい道を踏まないと結局自分に災いが降りかかるという話ですな

まあしかし何ですな、どうせですから菅さんと野田さんが格下げに関する会見と称して一緒に(片方だけでも良いけど)出てきて全身網タイツ姿で腰の下辺り(^^)に天狗のお面をつけて「天狗じゃ!天狗の仕業じゃ!!」と踊りだす位のパフォーマンスをやっていただければドル円が30円くらい飛んでくれて株価は上昇するわ輸入物価は上昇してデフレ脱却が進むわ対外資産は儲かるわ外為特会の穴は全部埋まるわと良い事ずくめではないかと思う次第でありまして、格下げ一発でドル円1円も動かないとか残念な所ではございます(←って何かが違う^^)。


○更に雑談の続き

まあそもそもAA−の格付けだとFitchさんが既に付けているので、何か「ふーん」という反応しかないのですが、S&Pの見通しがネガティブのままだとまだ下がる余地があるという話だから何ですなあとか思いながら久々に(普段そんなの見ないから)端末叩いて国債の格付けを見たら何か見慣れないものがありました。

大公国際信用格付

長期外貨建見通し   STABLE
長期自国通貨建見通し NEG
自貨建長期ソブリン格付 AA-
外貨建長期ソブリン格付 AA

・・・・・( ゚д゚) ナンダコノタイコウコクサイカクツケッテ

効力発生日確認したら2010年7月11日でして、中国が米国に対抗したんだか何だか知らんけど変な格付けおっ始めた格付けで、大公国際資信評価という会社の付けている格付けなのでした(^^)。ちなみに中国の国債の外貨建がAAAで自貨建がAA+という俺様スタンダードな評価をしているのは言うまでもありません。

ということで、日本国債の格付けなんぞここ半年以上真面目に端末叩いて確認していないというのがバレるのでありましたが(^^)、画面見た瞬間に感じる違和感は中々凄いので端末叩いて画面をご覧になる事を推奨いたします。

ちなみに、S&Pの見通しはご存じのようにNEGATIVEからSTABLEに変更になりました。


それはそれとしまして、毎度お馴染みの厭債害債さんのエントリーに感服。
http://ensaigaisai.at.webry.info/201101/article_8.html
外圧の使い方

『同じ格下げでも、市場にインパクトのある形で行うには、このような膠着感のある地合いのときが効果的だった。もちろん市場が簡単に見切ってしまって円安効果そのものは長続きしないかもしれないけれど、少なくとも財務省や財政再建に軸足を移した政府にとって今回の格下げがもたらす悪い要素は少ないだろう。』

『陰謀論は(本当は好きだけれど)あまり格好良くないけれど、これが格付け会社を巻き込んだ「外圧」ごっこだったとしたら、なかなか上出来ではないか、と思ったりする。』

(以上厭債害債さんの上記URLより)

確かにまあこれが外圧となって財政問題をもうちょっと真面目に考えて頂く機会になるとそれはそれで慶賀すべき事ではないかと思いますな。


○備忘録メモなど

本当は今日は格下げ雑談だけじゃなくて先日途中で終わっているミネアポリス連銀コチャラコタ総裁の講演の続きであります「資産買入などの非伝統的金融政策に関する現在の論点整理」部分のネタを投入する積りだったのですが、雑談ネタをあれこれ考えているうちに時間と気力がなくなったので(昨日沢山ネタ投入したのでバッテリー残量が少ないという事で勘弁)週明けにでも投入の所存。

ちょっとだけこの前も書きましたが、コチャラコタ総裁の論点整理は端で見ているあたくし的には非常にしっくり来る整理でございまして、まあ一部ちょっと微妙な部分もあるのですけれども、コロコロ話が変わってすっかり福井の俊ちゃんのような風格が備わっているバーナンキ議長を初めとした執行部の皆様のお話よりはFRBの政策の整理には良いと思います、のでお楽しみに。

それからですな、昨日は微妙に黒歴史的な期間の決定会合議事録が出た訳ですが。
http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/gijiroku/data/gjrk.htm

これって議事録の正本と思われるものをスキャンして画像ファイルにしているものなので、ネタにするときは自力でタイプしていかないといけないという大変に手間隙のかかるものでありますし、多分今回のはまあ読む場所もかなり長くなると思いますので、ネタにできるかどうかは正直怪しいけど、何はともあれこの間の議論は読んでおきたいものであります。

・・・・・もしかしてこの議事録ネタを経済ニュースの注目から外すためにS&Pが格下げのタイミングを選んだんでしょうか(超大嘘^^)。

あとど〜でも良いですが昨日の2年入札は微妙にアレでしたな。いやまあ絶対水準の0.20%で買いが入るのは判るけど何ぼ何でもオファーサイドの向こうの100円0銭5厘で切れんでも・・・・・キャピタル狙えなさそうなのに良く頑張りますな。

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2011/01/24

○その他少々

・短国買入が2週連続でスキップされた件について

えーっとですな、先々週と先週は短国買入が2週連続でスルー。その間に基金短国買入はあったのですが、あれは1年新発が出た翌日なので思いっきり新発1年しか入らないというお助けオペなのですけど、それ以前の問題として基金短国買入は利回り競争入札であって、売買参考統計値からの利回り較差競争入札ではないので、絶対水準の高い1年物が入る仕組みになっていまして、2か月とか3か月が1年と逆イールドにでもならない限り短い所はハイランチ会長という代物。

ということで、もしかして3か月と2か月の新発短国入札が堅調だったからスキップしたのかもしれないのですが、そうは言いましても2週連続でスキップとなると何か微妙に???感はするのでありまして、つまりそこに何らかの意図、即ち短国金利に関する意思があって、そこのレートが低すぎるだの高すぎるだのの意図が入っているのではないかとゆー思惑を呼びそうな悪寒が。

いやまあ今の政策フレームで一応その短期のターム物金利押し下げの話もあるので、意思がどうのこうのというのがあるのかも知れませんけれども、スキップが長いとあまり金利を下げたくないのかなあとか思われちゃいますし、逆に年末年始の買い攻撃は何故よという話になるような気もするので、中々この辺の匙加減というのは難しいもんですなあと思うのでした、って一々ネタにするお前はどこの発言小町に出てくる姑かというツッコミは謹んで却下させて頂きたく存じます(^^)。


・そういえば決定会合

さくらレポートも先行きの明るさを示していた(足元は下げたけど)という今日この頃ではございますので、まあMPMでは普通に「今後の緩やかな回復」の見通しのライン通りにあるという見通しがでるんでしょうなとは思いますが、ちょうど物理的な事情で足元の当座預金残高が18兆円台に落ちている(詳しくは毎度お馴染みの上田八木短資さんのデイリーシグナルhttp://www.ueda-net.co.jp/uedayagi/02-market/02_1.htmlをご覧あれ)中ですので、変にそれを絡めてネタにするアホウが出てくるに1万ドラクマ。

まあ札割れ連発ではありますが、さすがに先週末は1兆2千億円のオペがほぼ埋まる(惜しくも札割れでした)という結果。最近またスポットスタートだけのオペになって来たのですが、これはトムは打たないから市場で何とかしろというお告げなのでしょうかねえと思う今日この頃(と書いたら判る人には判るかと)であります。上田八木短資さんの予想も今日はスポットスタートのオペ2発という見方ですかそうですか。そろそろ短国買入が入るんじゃないかと思うのですけど(^^)。金曜の輪番がちょっと早い気がしたんですが・・・・・

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2011/01/21

○久々に踏ませ入札となった超長期入札とか

今週は5年と20年の入札があったのですが、何か20年入札をコンプリートする前までは何か微妙にへにゃへにゃな相場展開を示しておりまして、火曜の5年入札は結構堅調で5年はその日に強くなったのに水曜にはズルズル下落。水曜のズル下げ状態の中で10年312回(カレントですね)だけ妙に堅調だったのと20年が下げの中で割と堅調(ただし30年はうんこ)という事で何と申しますか「買いのある所だけ堅調だけど全体として買いが無いですなあ」っぽい相場が続いておった訳ですな。

で、昨日は昨日で米国市場様が株安債券高で戻ってきましたが20年国債入札前に前場は先物14銭上げても新発は引け近辺といい感じで押し込んで入札を迎えたのですが、落札結果は2.045%/2.046%(本当は価格ですけどね)と、前場引けの2.055%/2.060%の板を突き抜けた落札結果。

後付ですから何とでも言えますが(苦笑)、先週金曜の地合いが悪かった(外部環境が絶好の筈なのに全然伸びなかった)辺りから「何か買う人が全然いないんですけど」状態になっていて、まあ新発の事業債とか地方債とかは売れても見合いの玉が出てみたりというような残念な展開ですなあと言う事で、ちょっと警戒モードに傾いていた所で、入札の事前準備も結構入念に入っていたような感じでしたので、見事に踏まされる結果になりまして、(後場の寄りから先物が飛んでいたのですが、その上に)落札結果発表後は20年新発ショートカバー祭りであっという間に2.000%回復とか大変に素敵な展開。

まあどう見ても狙って上に札をどどーんと突っ込んだ感じで、他の人たちはど必殺の積りで入れた札しか入らなかったでござるの巻と思われますので、誰が何考えて上に札入れたのか存じませんが、踏ませようとする仕掛けだったら仕掛けとしてはお上手ですが、誰得だよコノヤローという所でもございまする(-_-メ

ということで、結局10年1.200%に吸い寄せられるように戻って来た訳ですが、米国様が経済指標が素敵な結果で華麗に金利上昇しておりまして、30年4.6%とかとっても素敵で超長期債をはじめとしてさて本日はどうなるんでしょうなあウッシッシ。

と、忘れないうちに債券市場メモ(書いておかないと自分も忘れるのでただの備忘録でどうもスイマセン)でした。


○3か月TB入札と2か月TB入札とか

水曜が3MTB入札で昨日が2MTB入札。

先週中盤まではご案内のように超過準備回避の為のキャッシュ潰し祭りが開催されたので既発の特に期内償還あたりが0.10%割れ祭りとかになったのですが、受渡ベースで積み期間も変わる所でさすがに新発3か月も残ったと言う事で、入札前の時点では流通玉がまともにあるのが新発3兄弟(3Mと6Mと1Y)だけで既発玉はカラカラ帝浴場状態という微妙な流れになっておりした。

で、3か月入札の前段階では前週入札の3M既発が0.1068%辺りがオファーになっていて、入札時の前場引けではWIで0.11%とかの出合いもあったのですが、そもそも入札前段階で「新発3MTBが0.11%に乗ったら買いたい」的な声が多かったという状況でしたので、大体そういう時は0.11%が買えない時というのが市場様の仕様でありまして、案の定落札結果は0.1079/0.1083と0.11%の1つ手前で切れたでござるの巻。

なお、余談になりますが、上記の市場様の仕様の別バージョンとして、「0.11%に乗ったら買いたいとか言ってた癖に、実際に0.11%でホイホイ買える状況になると今度はビビリが入るのか欲張りになるのか知らんが急に買いが止まる」というのも市場(特に短国)の仕様でありまして、何と申しますか人間の業の深さというのを毎度毎度垣間見る事が出来て大変に良い精神修養の場になるのが市場様という事であります(違)。

てな事は兎も角として、結局水曜の3M新発は平均落札レベルもあっさり完売状態になって何だ0.11じゃなくてもニーズあるじゃんってそもそも0.11で買いたいと投資家が(以下同文^^)でして、まあこれなら2Mも強いでしょうなあとか思ったら今度は0.10カツカツになる0.1008/0.1020という落札結果。いや正直平均が0.10割るかとびびっておりました(汗)。

で落札結果後業者間で華麗に0.10%の出合いとか0.10%割れのビットとかナンジャソリャという展開になっておりましたのですが、何ぼなんでも0.10割れを買う投資家というのは少ない(買うのは為替スワップ絡みで0.10割れ買っても十分にウハウハな人とか、海外中銀とか、この前みたいな無理矢理超過準備回避とか、流動性確保のために必要最低限自動的に購入せざるを得ない部分とか)のでありまして、新発2Mは3月25日償還と使いやすい玉ではあると思いますが、さすがに2兆5000億円はそれだけで埋まる事はありませんでしたという事のようで、その後は普通に0.10%乗せモードのようですわな。何かお約束のような展開で微苦笑を禁じ得ませんけれども。


○当座預金残高関連ネタ

ということで上田八木短資さんのデイリーシグナルを毎度使っておりますが、例によって今日の夕方以降はアップデートされちゃいますので念の為。
http://www.ueda-net.co.jp/uedayagi/02-market/02_1.html

若干資金需給が当初予想よりも上振れした結果今日の当座預金残高は18兆円に乗るのですけれども、昨日のオペ前の時点では「トムのオペを打ち込まないと18兆円割れですなあ」とか思いながら13時のオペ実行を待っておった訳です。

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110120.htm

トムでも一部打つのかと思ったら結局スポットスタートだけでの供給オペ実施。GC市場でT/Nのオファーが残っていたのでトムスタートとスポットスタートに分けて打ってくる(トム6000のスポット8000とか)のかとも思ったのですが、割とあっさり味でスポット1兆2000の供給で結果は微妙に札割れ。

いやまあ連日のように札割れしているので供給してますよと言う事なのではございますし、R/NのGCも多分0.100-0.105とかなのですけれども、割とあっさり味で当座預金残高が18兆まで落ちて来ましたなあという感じでござんして、この調子ですとどこかでGC上がるような気がするんだが、その割には金利入札供給はまだ札割れなのねという所ですが、昨日の場合だともしかしたらトムとスポットに分けた方が札の入りは良かったかもしれないですなあとは思います。まあ足元では銀行さんの資金ポジションが以前に比べて改善(たぶん債券を年末に掛けて外していてその分資金ポジションが改善しているのではないかと妄想するのだが)しているのかなあとも思うのですけれども、超過準備が増えてくると金の回りが悪くなるので、その分当座預金残高の積み上げが必要になる筈なんで、その辺の匙加減は難しいなあとは思います(が、18兆で今積み期間最後までやったらどこかでGCが跳ねると思う)。


それからこれまた月曜に出たネタを今更なのですが。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/jcabs.pdf
業態別の日銀当座預金残高

ま、あれだけわんこそば大会のように資金供給オペを打ち込んだらこうなるわなという感じですが、特に超過準備額を抑えるように推移させていた都市銀行さんと地方銀行さんの超過準備額が12月積み期間ではかなり拡大したなあという感じでございます。まあシャーナイナイなところでもありますが、この辺の業態の人たちが「ま、いっか」って感じで超過準備置き攻撃を始めちゃうと市場の資金の巡りが悪くなるのは事実としてあるので、今後どういう感じになっていくのかというのは気になる所でもあります。

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2011/01/17

○資金供給オペは引き続き積極姿勢ですが・・・

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110114.htm

その結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110114.htm

2本とも札割れでござるの巻でございますが、18日はオペの期落ちが無い(19日は全店金利入札の期落ちが8000億円ある)ので、ロールのニーズが無かった事から札の集まりがイマイチで、20日は資金不足日は資金不足日なのでございます(国債発行要因)が、この日もオペの期落ちが本店オペの4000億円(元は札割れオペ)しか無いのと、T+4という事でこれまた札の集まりがイマイチでしたな。まあ国債発行要因と言いましても今月の場合は1年TBの分くらいですからそんなにニーズが無かったのもあるでしょうけれども、それはそれとして20日の資金不足日に向けてオペ供給をしようとしているんですよという姿勢を示すオペと言う事で、今回の積み期間に入っても資金は供給して行きますよ(キリッ)というのは把握いたしました。

まあそんな所なのですが、何か不思議なのは先週短国買入オペが通常のも基金のもオファーが無かった事でして、年末年始で入札が無く時にオペ連発して玉のスッカラカン状態になるのに一役買ったというのに、今週のTB3発入札を前に何故かオペがスルーというのもナンジャラホイという感じがしますな。ま、足元の資金供給オペ札割れ攻撃が連発しているので、そーゆー意味では買入系のオペを入れやすいので今週は普通に短国買入のオペが入るのでしょうなあとは思うのですが、超スッカラカン状態から実質的に次の積み期間になったところで微妙に売れ残りモードになってきた(まあそもそも論からして0.10カツカツで3か月TBが延々と推移するというのは超越量的緩和状態にならないと難しいと言う事ですが)のであらら感もあったり無かったり。いやまあ足元の需給が悪い訳ではないと思いますし、水曜の短国入札が前週よりも強い結果になっていたから買入をスルーしたのでしょうけどね。

それからCP買入は地味に落札利回り低下してて、出来上がりの平均が0.127%となりますとa-1格の大手系その他金融さんの新発3か月のレートとほぼ同じ水準という感じで(前回は平均0.142%の足切り0.131%でして、同じ比較対象となる発行体さんのレートより1bpほど高かった印象があります)、こちらは順調に落札利回りが低下しているようですな。うんうん。

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2011/01/14

○2兆6千億円の供給が入りましたけど・・・・

短期市場のみが注目した13時のオペオファー(債券市場の関心は30年国債入札ですからね^^)はこの通り。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110113.htm

ということで、トムスタートで6000億、スポットスタートで2本立て2兆円のオペオファーとなりまして、まあとりあえず資金供給は多めにやりますよってえのが示された格好でございましたが、このオペのオファーが行われるまでの状況がど〜なっとったかと申しますと、コールがビット確り(最近の市場環境において積み最終近くになると良くある話、理由は敢えて詳しくは書かない)になっていたり、T+0のGCオファー(=資金の取り)がしつこく残っていたり(とは言えどっちもレート上げれば直ぐに取れる筈なので別に金が無い訳ではない)という動きがあったり、17日スタートのGCも微妙に資金の出が悪かったりとゆー感じで、0.105-0.110とかのイメージでまあ市場の地合いがあまり宜しくない状態だったようですな。

でもって上記のオペ2.6兆円攻撃で一安心ということでその後は17日のGCも資金の出し安心感が出たのか何だか知りませんが、まあ地合い好転して0.100-0.105とかのイメージになったようで落ち着いて良かったですねという感じのようでございまする。

・・・・ということでですな、まあオペ実施で最終的に地合いは落ち着いたのですけれども、昨日の前場の地合いとか見てますと、昨日のオペオファーを確認するまでは「日銀が梯子外して来るんじゃねえのか」というリスクに対する懸念(その時点の金利水準からすると予想通り打ち込んできてもそんなに金利が下がる訳ではないけれども、間違って梯子外されたらあばばばばばー状態になってしまうのでそらまあ資金の出し手も出し渋る罠)が市場(というかGC市場)の参加者様におかれましてはご認識されていたという事が示されたというのが昨日のインプリケーションだったりすると思うのですよね。


○先日付取引なので匙加減にも工夫が必要でしょうなあという件

つーことで昨日のオペはまあ「次の積み期間でも資金供給は多め(潤沢と書いていないのがミソですがそれは後ほど)に出しますよ」というのは大体伝わったという感じでございますが、そもそもGC取引というのは基本が証券業者の在庫ファンディングなのでポジションがほぼ確定するのがT+3のアウトライト取引が終了した時点で、そこからカバーという事になってT+2で取引というのが多い(年末に日銀から短期市場のレポートが出てましたわな)ので、実は資金供給に関しても例えばの話トムのオペで足りなさそうだったら出せば良いやというスタンスだと資金供給スタンスに対する絶対的な安心感が無い場合は昨日の前場のようにしらっと地合いが悪化しちゃう訳ですな。

これが仮に昨日の供給が1兆6000億円とかで今日になってトムで2兆とか入れてくるというようなパターンだと、最終的にT+1とかT+0のところでGCレートは下がる(のでそのうち地合いは安定するかもしれませんが)んですが、T+2の所が落ち着くのに時間が掛かりますし、上がったものを下げることになるので、落ち着かせる為には恐らくは資金の供給をする必要量が多くなると思われる訳ですな。

つーこって、まあ昨日の前場の地合いからしますと、先行きの資金需給的に不足が予想されるポイントポイントで先日付のスタートの供給とかをやって「梯子は外しませんのでご安心を」という雰囲気を醸成していくのがまだ必要なのかも知れませんな。まあその辺のスタンスに対する安心感があれば別に先日付とかやらないで普通にT+2(一度に打ち込むのが大変な時でもT+3程度)でオペ打っても大丈夫なのでしょうけれども。

つまりまあ何だかんだと言いましても、昨年の包括緩和アナウンス以来の当座預金17兆円攻撃の継続によって「包括緩和とか言ってるけど短期に関しては市場機能重視なんでしょ」というイメージが付いてしまったという意味では、まだまだ「潤沢な供給」という点に関しては市場が全面的に信用している訳ではないという事ですからして、信用を落とすのは簡単だが作るのは難しいとは良く言ったもんだと何時の間にか悪態になっているのはあたくしの仕様ですので気にしないように(^^)。


○当座預金残高とかオペ残高とか

またまや上田八木短資さんのページから(このページは毎日の日銀ネットが締まった後に更新されているのでURLは昨日と同じ、つまり14日の夕方以降に開けますと別の日の資金需給の表がでますのでそのへんご承知おきを。過去分を見る場合には画面左上の「履歴メニュー」をご覧あれ)。

http://www.ueda-net.co.jp/uedayagi/02-market/02_1.html

資金需給が微妙に当初見込みからぶれていることもありまして、2.6兆円の供給によって17日の当座預金残高の見込み額は現状で207,400億円となっておりますが、上田八木短資さんも予想していますように、今日は17日スタートでもう一発供給して当座預金残高を21兆円台(どうせなら1兆円打って21兆後半まで持っていったほうが安心感が更に増すと思うのですが)に持っていくざましょという所ですかにゃ。

と申しますのは、当座預金残高もそうですが、あたくしの手計算ベースでのオペ残高(買入と成長基盤強化を除いた共通担保オペの金利入札+基金固定の合計)が昨日のオペ実施後で17日の所が40兆円を回復した所でございまして、12月の積み初日のオペ残の入りが42.5兆円程あったのと比較すると少々少ないので、まあ当座預金残高20兆円乗せは多めは多めなのでしょうが、潤沢に資金が入って金が余ってますねというイメージまでには行かなさそうなのと、どうせ今月は資金不足月で20日、21日に財政要因で不足があるので、どうせ来週後半に向けてオペを入れていかないといけないですから、今日もまあトムスタートは入るでしょうかねえという感じですが外しても謝罪も賠償もしませんので悪しからず。

ちなみに、今月の資金需給日足予想の元ネタはこれまた上田八木短資さんのここからでございます(月次更新なので月末近辺になって来月の数字を見たい時にちと困るのですが^^)。

http://www.ueda-net.co.jp/uedayagi/02-market/02_5.html


○そういえば3か月TB

水曜に0.1055/0.1063というまあ足元玉が無かったからシャーナイナイな入札をやりました3MTBちゃんでございますが、昨日は足元のGC市場中心に地合いがイマイチさんだった事も手伝ったのか売り優勢モード。

つーかまあ今回の積み期間で超過準備積まない為に渾身のキャッシュ潰しの動きが入った分と、入札が2週間以上実施されないのに短国買入を通常のオペと基金オペで5連発とか資金供給姿勢を見せる為の日銀攻撃によって流通玉が吸い上げられた分によってマーケットの玉がスッカラカンになって、期内償還の短国が平気な顔で0.095%だの0.09%だの0.08%だのという(ただのショートカバーで超小額の出合いですからあまり意味は無いですが0.05%ってのもありましたっけ)出合いをしていた訳ですが、まーそういう成行買いが一巡すると0.10%割った水準で短国を買う人(成行でキャッシュを潰しに行くか円転スワップで超低利資金が入っているかのケース)のニーズだけで毎週4.8兆円の玉を捌くのはさすがに無理があるということでしょうかね、という感じです。

とは言いましても、短期資金の運用ニーズ自体は相変わらずの状況でございますので、レートがちょっと上がったらピラニアのように買いがやってくるという動きには変化が無いと思われる所です(足元資金自体はありますので)から、まー別にだから短国がじり安シーザーになってズルズルという訳ではなかろうとゆー所ですかね。よー知らんが。

さすがに3MTBが0.10%カツカツという前提じゃないと2年の0.15%というのも中々難しいですよねとか思っておりましたら、足元2年とかも微妙にまた金利上昇しているのがチャーミングですが、そーは言いましても別にGCが跳ねる訳ではないのでしたら3MTBの金利もそんなにアガランチ会長だと思います(11から12の間とかになるんでしょ)ので、まあ来週入札3連発ありますけれども、大過熱感は終了して普通に堅調入札になるんでしょうなあと思いますが、これまた外しても謝罪も賠償もしませんので投資は自己責任でよろしくお願いいたします。


○その他世間話雑談

昨日のオペ結果ですが1番上に注目
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110113.htm

オファー額6000億円に対して応札6000億円とか目方でドンのピタリ賞ですかという感じ(歳がばれます)ですが、日曜の昼と言えばやはり100円均一つかみ取り大会とかの大正テレビ寄席でしょうとか言ったら更に歳がばれますかそうですか(^^)。

しかしこんなピタリ賞は珍しいですな。これ応札したの何名なのか興味があります(けれどもそれは残念ながら非公開)。10社とかが応札してこの結果だったら凄いですが、「ピタリ賞なので特別に2倍供給致します」と言われても単に迷惑なだけなのが残念な所です(あたりまえ)。


一昨日の話で既に話題になっていますから今更ですが。

http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc11/bis1101a.htm
国際決済銀行(BIS)理事会による「白川総裁のBIS理事会副議長任命」に関するプレス・リリースの発表について

これは素直にすげえええええと思いましたが、これによってBISビューバリバリになってマクロプルーデンスで日本が率先して金融緩和の縮小とか訳判らん事をするのは止めてちょと思うのは気にしすぎですかそうですか。

しかし前任が「ブンデスバンクのティートマイヤー」さんですかそうですか(^^)。

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2011/01/13

○3か月TB入札とか次の積み期間に向けた当座預金残高とか

ここもと0.10%カツカツだったり0.10%割れ(!)とかで業者間で堂々の出合いを展開している残存3か月以内の短期国債でございますが、本年2発目の3か月TB(先週金曜に6か月TBの入札があったので短国としては3発目ね)入札の結果はこんな感じ。

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul230112.htm

(3)募入最低価格 99円97銭3厘5毛
(募入最高利回り) (0.1063%)

(5)募入平均価格 99円97銭3厘7毛
(募入平均利回り )(0.1055%)

先週木曜の3か月は0.1087/0.1107でしたが、その後更に短い所のキャッシュ潰し攻撃となって期内償還のTBの0.10%割れの出合いがあったのが金曜ですから、まあ出来上がりとしては先週より落札が強いのはシャーナイナイという所でして、まあ今週に入って4月償還物まで強くなっていましたから(ただし強いのはTBで利付国債はそこまで強くなかったりする)、落札結果としては強い結果でございましたが、セカンダリーでは0.105%オファーとか平均落札オファー(0.1055%ですな)とかになっておりまして、さすがに4兆8000億円を全部0.10%カツカツとか0.10%割れで捌くほどのニーズは世の中には無かったようで(成行で買うのは超過準備付利と関係ない人と、超過準備を積みたくない成行買いの人になるけれども、今回は発行日が17日なので今回の積み期間とは関係ない)ございますにゃ(^^)。まーそこまで過熱しなくて良かった良かった。

でまあ来週は1年、3か月、2か月と入札が3連発ありますし、準備預金の積み期間が新しくなりますので、年末年始の入札の無い時期に親の敵のように買入を打ち込みまくった日銀攻撃によって需給が猛烈に引き締まった状態から徐々にまあ普通に需給が良いですね(日銀の資金供給がちゃんと潤沢な状態で継続することが前提ですが)状態になるのかなあとは思うのでありまする。


でですな、来週月曜から(正確には日曜から)準備預金の積み期間が新しくなるのですが、17日の当座預金残高をどの位に持っていこうとするのか、というのがマニアの注目材料。

上田八木短資さんのサイトを参考にしますとですな・・・・
http://www.ueda-net.co.jp/uedayagi/02-market/02_1.html

表の右の方にあります「当社需給予想」の1月17日の所を見ますと、昨日時点で確定しているオペの新規実行&期落ちと予想される資金需給(まあ短資さんが予想する数値から実際の需給もそう派手にはぶれないので参考になります)を勘案すると17日はこのまま何もしないと当座預金残高が17.6兆円になる見込みでございますわな。

という事で、積み初日の時点で当座預金残高を20兆円ペースに持って行くと考えますと、17日の所であと3兆近くは資金供給を打ち込まないと積み初日に「潤沢な資金供給」感が出ないんじゃネーノと思うのでありますけれども、17日は固定金利オペ(基金共通担保)のロールが無いので通常の金利入札オペで3兆打つのかと思うと中々目頭が熱くなるのでありまして(6Mの基金共通担保を新規に打てば8000億円分は稼げる)、今日はオペ連発になるのかいなという感じですかねえと思うのです。

いやまあ明日トムで追加打てば良いのですけれども、今日の打ち方がしょぼいと「積み期間が変わったら『潤沢な供給』スタンスが後退するのかよおおおおおおお!!!!!」というイメージを与えかねないのでどうなんでしょうかね♪オペ残高も年末年始は堂々の42兆円(うち固定オペが24.8兆円)でしたが、足元では(年末年始に買入をバカスカ入れた分も効いているのかもしれませんが)オペ残高38.6兆円とかになっている(ただしこの数値あたくしの手元でエクセルちゃんでへこへこ集計した物なので間違っていたらスイマセン)状況でござんす。まあ足元の残高減少はオペ札割れしているから別にそれで不足感は高まっている訳では無いのですが、今回の積み期間で年末年始に22兆円ペースで当座預金残高を引っ張った関係で積が進捗しすぎた為の札割れ要因もありますので、積み期間が変わった所でオペ残高がそのままだとやはり不足感が出てくるんじゃないですかねえとか思うのでした。

という超マニアな話でございましたが、まあ地味に今日のオペもマニア的に注目でございますなあという話でした。

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2011/01/11

○やっと来ました包括緩和らしい動き

金曜は業者間で期内償還の短国でこんな動きが。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=afG3TdmpKhes
年度内償還のTBが0.1%割れ、資金余剰でオペ札割れ続く−入札順調

ということで、期内償還の短国が大変にお洒落な展開になっているのでありますが、金曜に3M短国入札(は木曜に実施された)の話を書いて、短国が玉枯渇してますねという話と、まあ普通に考えると他の短期物の金利も影響するかねというような話を書いて「来週に注目」などと書いた訳ですが、相変わらず走り出すと一気にやるのが好きな相場のようでありまして(^^)、金曜はCPとか短い一般債とかの買い意欲もいきなり高まるわ短国は勢い余って0.10%割れ(しかもそれなりにロットで出合っていた)とかやるわという大変に素敵な展開に。

まあね、そもそも包括緩和の実施ということで「潤沢な資金供給を行い長めの金利の低下を促す」という話をしているのですからして、当然ながら市場ちゃん的にはこういう風に成らないと長めの市場金利は下がらないのでありまして、つまりは包括緩和という事で声明文で表明された内容に則したらこうなる筈という事でございますので、そーゆー意味では「やっと包括緩和らしくなってきましたよ」という所なのでしょう。

いやまあ10月5日の包括緩和の翌日にいきなり包括緩和効果を全部織り込むような金利低下をやったのはフライングにも程がありましたけれども、その後の資金供給も市場機能重視ちっくな17兆円攻撃だった事もありまして、GCレートがサガランチ会長どころか上昇しちゃって、そーゆー時にまた間の良いあるいは悪い事に米国の2年やらユーロドル金先やらFF先物やらが絶賛金利上昇と来ましたので、散々悪態をついた状況になった訳でありますな。

まー何ですな、そもそも包括緩和で長めの市場金利の低下を促そうというのであれば、市場機能を重視して足元のGC金利というターム物金利の起点になる金利の形成を市場の需給で振らされるようにする、という「市場機能論」は包括緩和とは両立し得ないものでありますからして(足元のGC金利が振れるのであればその分だけタームのリスクプレミアムが発生しますわな、そらまあ政策金利の下げ余地があるというのなら話は別ですが)、まあやっと本来の文脈での「包括緩和に則った資金供給オペレーションの実施」が行われるようになって市場の方も包括緩和らしくなってきましたなという事で、少々遅れてやって来ました包括緩和ちゅう事でしょう。途中で随分と余計な回り道をしているのですが・・・・

・・・・・何かね、この流れって2008年の時のCP市場などのレート上昇およびその後の特別オペ導入の流れと相似形みたいな感じがする訳でして、妙な所で市場機能重視みたいな事を言い出すもんだから市場がその機能を遺憾なく発揮して金融緩和効果を相殺する方向に暴れるのを市場機能重視で放置プレイとなって、火消しのためにより強力な策を打ち出さないと落ち着かなくなるという流れって白川日銀の仕様なんですかねえ、何だかなあという感じですが。

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2011/01/07

○3か月TB入札堂々の平均落札0.11%割れですかそうですか

いやまあ予想の範囲内の展開ではあるのですが昨日の短国入札。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul230106.htm

(3)募入最低価格 99円97銭3厘0毛
(募入最高利回り)(0.1107%)

(5)募入平均価格 99円97銭3厘5毛
(募入平均利回り )(0.1087%)

ということで貫禄の0.10%台ということで、落札結果発表後も堅調推移していたようで、まあ既発債が流通玉枯渇状態でありましたこともありまして新発も入札日から普通に0.11%割れ水準での流れとまあ順当ちゃあ順当なのですが、前回の入札対比ではえらい勢いで強くなりましたなあという所です。とは言いましても、ここ2週間程入札が無く(年末年始の日程上の都合)その間に準備預金の進捗はヤケクソ供給の効果でドンドン進み、更に短国買入をレギュラーオペと基金買入で合計4回(20日の入札日にやった基金買入を含めると5回)打ち込んでおりまして、そらまあ玉が枯渇するわなという所でございます。

超過準備が積み上がりそうになってくる銀行さんがキャッシュを潰しに短国とか短い国債とか買っているのでしょうなあと思うのですけれども、そろそろ年始本格始動になる普通の投資家(普通か普通じゃないかというカテゴリーも不穏当な言い方ですねすいません)が「さて運用するか」と言った時に運用するものがNEEEE!という状態になると今度はCPとか短い一般債とかも強くなってくると思うのですが、足元短国(とGCの運用ニーズ)だけが走っている状態でして、これがどうなるのかは来週生温かく注目しておきまひょかという所でございます。まあ普通に考えると足元での気合の資金供給が続けば超過準備候補の運用ニーズが高いままで推移しますので、0.10%以上のレートなら買いましょーってな事になって、他の投資家もスピルオーバー効果みたいにその辺の周辺商品の買いが入りますなという事になろうかと存じますけど。

ということで、短国入札の話はするものの長国入札の話は完全にスルーするのがドラめもんクオリティ。あれだけ押し込んだのに平均がそんなに高くなかったなあという印象、と思ったらその後もぱっとしなかったという感じなんですか、よく判らんが。

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2011/01/06

○日銀の何か知らんが気合の供給なのかこれ

昨日のオペ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110105.htm

・・・・・(;゚д゚)

10時10分の「輪番+短国買入同時実施」というのもあまり見たことが無いのですけれども(しかも輪番は1年以内と1〜10年のセットなので1年以内の買入が利付国債と短期国債の2本立てという形になる)、13時の供給でも(手前の3本はまあ良いとして)わざわざ12日スタート(12日は10年国債発行要因で財政が揚げ超になる資金不足日)のオペを打ち込んでくるという形で4本立て供給。

というのを見て反応したのかどうかは知りませんが、13時のオファーの後2年カレントが5糸強堂々の買われという事で反応したのもチャーミングでございましたが、長い所も何か反応して債券相場上昇でござるの巻。

いやあ何と申しますか、11月後半までの市場機能重視というか当座預金残高17兆円維持というか、そんな調節スタンスから今度はわんこ蕎麦大食い大会状態かというような調節スタンスとなっておりまして、そらまあ声明文からしたらこれは整合性のある動きにやっとなりましたなと言う事なのですけれども、あーた振れが極端過ぎですがなという感じでございまして、もうちょっとこう「市場の金が少々余る程度に安定的に供給」ってゆー風にいかないもんかねと思うのですけど、まあ昨日申し上げたようにGC市場の需給を正確に読んで調節するのも難しいのは難しいので、無いものねだりかもしれませんが、もうちょっと何とかならなかったのかねえとは思います。

しかしまあ何ですな、どうせならこの気合の供給は今日の13時に見せていただきますと、3か月TBの入札と10年国債の入札が終わった直後で世の中が全員ロングポジションになっていますから皆さんハッピーハッピーなのでありますが、その1日前に相場を持ち上げるようなオペ(まあどうせ今日は米債要因で下がるから同じちゃあ同じですけど)をして入札のレベルを上げる辺りが一昨年の「12月1日臨時政策決定会合開催(ただしアナウンスが11時1分)」というのと似たKYテイストを感じる所でございますな(−−;)。

いやまあ別にどうでもいいちゃあどうでもいいんですけどね(^^)。今日の3か月TBはどの位強いんでしょうかね〜♪

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2011/01/05

○年始早々札割れとか

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of110104.htm

これはまた見るからに札割れオペと思ったら案の定札割れでござるの巻。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba110104.htm

ということで当座預金残高22兆円攻撃が続いている事から放っておくと準備預金が無駄に進捗する惧れがある為にとりあえず短い所の国債とか短期国債とかで運用しておく動きで先週末には2年299回債が0.155%とかお洒落にも程がある展開を示したのですが、短期国債は買い攻撃によって業者の在庫がスッカラカンになった挙句にこの有様。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=aq_rcK2AR3Vc
新発TB3カ月物0.10%に低下、日銀の潤沢供給受け−オペ札割れ続く

・・・・(;∀;)イイハナシダナー

いやーもう何と申しますか急に出すようになったら今度は潰すべきキャッシュが世の中に溢れる状態になるとか(昨日も申し上げましたが)極端に振れますわなあと思いますが、これで資金を引いたら更にトンチキにも程がありますので、何ぼなんでもこの調子で暫く行くと思いますが、結局の所「ターム物金利の一段の低下」と「市場機能の維持」というのは、現状のターム物金利がコールではなくて実質的にGCレポを起点に形成されており、そのGCレポ市場が日銀がコントロールするのにコールのようにホイホイと簡単に上げ下げしにくいという部分がある事からも難しいですわなという所なのではないかなあなどと呆然と妄想するあたくしなのでした。

つまり、GC取引が先日付であるというのは前から申し上げていますが、もう一つの問題としてGC市場で一番金を出しているのが実質3人くらいしかいないという市場の特殊性(投信などの他の参加者もいるけれども測定誤差の世界)があって、債券ディーラーの資金ポジションが現物国債の需給および参加者のポジションの大小によって増えたり減ったりする訳ですが、そのポジションが全員資金取り方向になった途端に市場の出し手が直ぐにレートをホイホイ上げてしまうので、市場機能重視的なオペレーションをすると何らかの事情(資金繰りが読みにくい所を跨ぐ取引とか)が起きた場合にアッというまにGCレポレートがホイホイ上昇となるわけです罠。現在のように業者が全体で資金調達超過状態になっている(と思われる)場合だと一部の出し手さんが資金出さないでいるとドンドン業者の運用が先行しちゃって資金出し損ないリスクがあるのでGCを低いところで資金出し方向になるんでしょうけれども・・・・・

まあ業者のポジション自体も市場動向に左右されますし、逆にGCが無限にアベイラビリティーあると思えばポジションを直ぐにホイホイ拡大するような動きが起こる事も想像に難くない所でして、まーこの辺りの状況把握をするのも中々難しいというかスキルが必要っぽい話でして、どうしたら良いのかというのは結構考え出すと頭が痛くなる話ではございますな、って傍観者のあたくしが悩んでどうするという話ですが(^^)。

非常にそもそも論かつ何の解決にもならない話としては「0.10%という低金利&金利抑え込みという状況が困るのよ」という事になりますけれども、そこはそういう話をしても解決にならないのでありまして、複雑なパズルの話がこの後続く予定なのですが、頭の中が纏まっていないので以下後日(急に話がワープしておりますがまあその内考えた事をうだうだ書きますです、汗)。

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2011/01/04

○その前に市場メモ

30日は前場で終了しない所かイブニングセッションまで普通にあるという実に風情の無い相場でございましたが、何か知らんけど相場大躍進の図と相成りました。長いところも堅調でしたけれども、びっくらこいたのは2年とかの強さで、カレント2年が2毛5糸強の0.170%とかになっておりましたが、受渡がレギュラーで既にモノがだいぶ枯渇気味の2年299回債(新発の300回債は17日渡)に至っては3毛強の0.155%が業者間で買われるという有様でござんして、全力でキャッシュ潰しの買いが入ってますがなという風情。

いやまあ木曜の場合は板が薄いというのもあるので、ちょっとした買いでも値が飛んでしまうってえのもあるとは思いますが、それにしても大納会で見事な債券相場上昇というのはあららのらという感じでしたわな。

ま、そもそも先週火曜夜の米債5年国債入札の滑りによる米債大下げと、水曜夜の7年国債入札順調による米債大戻りがワケワカンネという感じでございましたが、米債の下げの方には大して反応せず、上げの方には大きく反応するでござるの巻というのは中々アレな展開ではございました。


でですな、まあ長いところは兎も角、短い所に関しては急に人が変わったのか変なものでも食ったのかと思うような日銀の資金供給攻撃で潰すべきキャッシュが余りまくり状態となっているようですので、短国とか2年とかいい感じで金利が潰れるという流れになりましたが、現場でやってる方の感覚からすると「ここまでドカドカ出す破目になるのだったら最初からもうちょっとGCレートの上昇に配慮した資金供給をしておけばよかったんじゃないですかねえ」と思うのですけれども、「市場機能重視オペ」を実施して金利がアホほど上昇してから一転して今度は親の敵のように資金供給をして金利を下げてくるというのはオペレーションの費用対効果とでも申しますか、効率と申しますか、まあそういう意味(何となく言いたい事判りますでしょうか、汗)からしますと、何か無駄にバタバタしてるなと思うわけですよ。

つまりですね、これって2008年のレポレート上昇から始まったCPレートなどの上昇時の反省というか検証がちゃんとできていないんじゃネーノという話にもなると思うのですが、あの時もレポレート上昇に対して資金供給は普通のスタンスで推移し、CPレート上昇に対してCP買い現先オペの実施を決定したのに現先オペは最初に1発実施した後全然実施せずにCP発行レートはドンドン上昇(なのに「CP買い現先オペの実施でCPレートの低下が起きた」というふざけた日銀レビューシリーズが出てあたくしがトサカに来て悪態ついたと思いますが)して、金融市場だけではなく産業界からも文句が出まくる始末。で、結局沈静化の為にCPの買取に加えて力技にも程がある企業金融支援特別オペの実施までする破目になったと思うのですよ。

てな感じでありまして、市場というのは基本的に一度ゴロゴロと一方方向に転がり出すとそれを止める為には通常モード以上の対応が必要になる訳でござんして、従いまして普段の小まめな火消しをした方が使う政策のコストが低くなるんじゃないのかねえと思いますが、どうも白川日銀体制におけます市場機能重視というマジックワードは市場がローリングストーン状態になるまで放置プレイという政策対応を誘発しやすいようでございまして、まあ足元の資金供給に関しては放置プレイが解除になって急に金が出てきたので状態になるという反省したんだか変なもんでも食ったんだかは知らんですが、まーそういう対応になりましたけど、今後もどこかのマーケットで同じような事案が生じるのかなあなどと思う年の瀬でございました。

#と市場メモと言いつつ新年早々悪態ですかそうですか(^^;

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2010/12/30

○これはまた札割れを最初から意識したオペ実施とな

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of101229.htm

共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>
オファー額 8,000
スタート日 2010年12月30日
エンド日 2011年1月12日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba101229.htm

応札額 1,300
落札額 1,300

・・・・・前日に30日スタートの資金供給オペが華麗に札割れしているというのに更に打つとはこらまた露骨にも程があるプレイでございますなあと思いますけど、まあこんなもんっちゃあこんなもんなのかも知れません。

と申しますのはですな、やはり相変わらず日銀の資金供給スタンスが年末越えを通過したらしらっと自然体オペに戻ってしまうのではないですかねえという警戒感は残っているみたいでして、何せ債券市場と致しましても11月終わりから12月に掛けてこの絶賛金利上昇で長期もそうですけれどもマーライオン相場で胃腸を禿しくおかしくしたのは中短期ゾーンでございまして、まだまだその辺りに関しては気にする向きも多そうでしたので、札割れ覚悟の供給打ち込みというのは短期市場とか債券市場には「厚め供給を行っていますよ」ってメッセージとしては伝わったんジャマイカと思われる次第なので、一見無駄に見えるけどまあ打つのは「姿勢を見せる」という意味では宜しいんじゃないですかにゃとゆー感じで。

更に、足元ではドル円が怪しげな雰囲気を漂わせていますので、ここで日銀が資金供給の手を緩めただの何だの言われると円高になると直ぐにギャーギャー騒ぎ出す外野に絶好の日銀叩き材料を提供することになりかねませんので、ここは駄目押しのように資金を打ち込んでいるようにアピっておかないといかんでしょうという配慮も滲ませておりますな。

・・・・と一応ヨイショしておりますがね、ついこの前までのオペから見ると足元の供給姿勢が思いっきり違うように見えますなというか、はっきり言ってスタンスの振れが極端にも程がある訳でございまして、そもそも論から言えば何かの外的ショックでも発生した訳でもないのに同じディレクティブの元でこうまで極端に供給スタンスを振らすというのはどうなのよと思うのでありまして、いやまあ従来あたくしが悪態をついていた流れから申し上げますと「ようやく包括緩和の趣旨を反映した供給スタンスに近くなりましたなあ」という所なのですけど、同じディレクティブの元でこうまでスタンスを振らす余地があるというのを見せ付けてしまうこと自体が短期市場のボラ拡大の元になると思うのですよ。

いやまあポジショントーク的に申し上げればボラがある市場の方が色々とポジションのいじりようがあって結構は結構なのですけれども、金融政策運営という意味ではちょっとどうなのよと思います。今の包括緩和のディレクティブの範囲内で市場機能重視的なオペレーションが可能という事であれば、外部環境(というか米国でしょうけれども)が改善したらまたすっかり忘れたようにダマテンで市場機能重視に戻すかもねとゆー懸念は残るでしょうなあとか思うあたくし。


しかしまあ何ですな、とりあえず姿勢を見せたのか何だか知らないですけれども(単に一昨日札割れしたので「おかわり」を入れただけかもしれませんので^^)、もし姿勢を見せようとしているのであれば、どうせ包括緩和そのものが「他市場への働き掛け」を重視している(ように見える)訳ですから、「資金供給オペ連日の札割れ」という金利村の人たちにしか判らんような微妙なオペしないで「連日の国債買入実施(基金オペを前倒しして)」くらい打ち込めば面白いのですが(^^)。

資金供給オペが連日札割れというのは、まあ昨日とかも申し上げたように別に困った話でも何でもない(ただまあ札割れ恒常化というのもどうかなとは思いますが)のですが、報道のされ方によっては「日銀打つ手なし」みたいな報道をするアホウが出てもおかしくはない(というか今に始まった訳ではないですけれどもしょーもない報道が多すぎですからねえ)ので、金融市場へのアピールとしては昨日のオペは中々見せっぷりが良かったとは思いますけど、アピールの仕方は今後も工夫が必要かもしれませんですな(^^)。

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2010/12/29

お題「資金供給オペ札割れとな」

何か米国2年債が0.74%とか訳判らん展開になっとるのですが・・・

#本日は諸般の事情により雑談を簡単にで勘弁ざます

○共通担保全店供給オペが札割れとな

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of101228.htm

ここもと資金供給が多めに出ていましたので月末の所に関しては資金調達超というイメージだったのですが、更にダメ押しのように月末スタートの供給オペを実施。

えーっと、このオペってニーズあるんかいな(年末ですから今月の末初が4日ありまして、資金余ったサイドとしても出来るだけ運用しておきたいというニーズが高まるので、マーケットが全体として金が余っているっつー時に供給オペ打っても金いらんがな(というより運用したし状態)となる訳ですな)という感じで思っていたのではありますが、正直あんまり結果を気にしてなくて結果出て暫くしてから札割れに気がつくあたくし(大汗)。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba101228.htm

応札総額5,984
落札総額5,984

・・・・・(^^)


いやあ足元で急に何か変なもんでも食ったのかと思う位に資金を積極的に供給するようになった日銀ちゃんの供給姿勢で、これでもかとしつこく資金を出してきまして、最後の最後に札割れでござるとなりましたが、昨日ちょっと書きましたように、基金短国買入はホイホイと毎週打つわ、札割れするまでオペを打つわという何がどうなってここまで急に極端に積極的になるのよという感じがしますけれども(まあ決定会合で何らかの議論がなされたのではないっすかねえと想像するに難くは無いのですが)、まーそーゆーことで貫禄の資金供給オペ札割れと相成りました。


○ところで資金供給オペ札割れを気にする必要があるのかという論点

てな訳で資金供給オペ貫禄の札割れということになったのですが、資金供給オペ札割れと言いますと、量的緩和政策で当座預金残高目標を設定していた時分に資金供給オペが札割れ大会になってエライコッチャでございますがなというのを思い出すのでございますが・・・・・

えーっとですな、現在の金融政策運営は当時と違いまして、当座預金残高に特段の目標があるわけではなく、潤沢な資金供給を行った結果として当座預金残高が増えるでしょという話になりますので、資金供給オペが札割れになっても別にそれ自体がエライコッチャな訳ではなく、それよりも「潤沢な資金供給姿勢で臨んだ所、金融市場のニーズが完全に充足されてしまったので札割れになったんですよ(キリッ)」とドヤ顔でアピールしておけば良いので、特に無問題という話ではないかと思うのですよ、って前も書いたような気がしますけどね。

ま、資金供給オペが毎回札割れだとさすがにそれはどうかと思いますけれども(市場のニーズを丸無視してオペを打ってますよっていうのもどうなのよっていう事でございます)、別にまあこういう感じでオペが札割れするのは構わんのではないっすかねえと存じます次第。量的緩和やってて当座預金残高の目標を設定しているときは、資金供給オペ札割れというのがディレクティブ未達に繋がるのでそらまあエライコッチャとなりまして、当座預金残高目標を達成させる為に短国買入をしまくって市場の短期国債の流通玉を全部吸い上げるような勢いとなって、FB入札が100円落札とかいうような素敵な事態になってしまった訳ですが、今回は別に札割れがディレクティブ未達の危機に繋がる訳ではなく、むしろ資金供給を行っている結果という事ですので、そんなに気にしなくてよいのかなあとは思います。


○とは言いましてもこの結果を受けてどうなるのかは気になりますなあ

などとゆー事をつらつらと考えた昨日なのでありますけれども、良く良く考えて見ますとついこの前まで市場機能がどうのこうの(というか一昨日も市場機能論全開のレポートがどうしたとか悪態をついていたと思いますが^^)というような話も日銀サイドから散々出ていたというのもございまして、この札割れを見て「これは市場機能低下を意味しているのでケシカラン」というような評価が日銀の中で為された挙句、「やっぱり市場機能維持の為にも短期金融市場で金利がある程度動いた方が良いでしょ」というような話になってしまうと元の木阿弥にも程がある状態になってしまうのでございますな。

つーことで、まーこの札割れ事態あたしゃ別に構わねえんじゃネーノとは思うのですが、日々のオペレーションに対してどうだこうだというのを判断するのは日銀の中の人たちでございますので、この結果どーゆー判断になって来るのかと言う点は1月の資金供給がどうなっていくのかというのを見ていく必要があるんじゃないですかね、と思うのであります。

まー何ぼ何でも市場機能維持重視ちっくなオペレーションの結果短期のターム物金利が上昇しましたよね、という認識はさすがに日銀ちゃんでも理解しているとは思っております(まー色々とアレな部分がありますから公的にはそのネタは微妙にスルーの方向になるとは思いますけど^^)ので(だから足元のオペ姿勢になったんでしょ^^)、いきなり1月に資金をホイホイ引いてまた市場機能重視と言う事にはならないとは思いますけれども、まー1月分の積み期間入りとなる1月後半の動きとかも見ていかないと中々安心は出来ないなあと思うあたくしなのでございました。


○まあ結局のところ超足元以外の金利コントロールというのは難しいということで

米国にしろ日本にしろ、今般の追加緩和措置の実施にあたって足元以外の金利に関して「低下を促す」的な政策の枠組みを作ってみた訳ですが、米国は長期金利という外野が見ても無理がありそうなネタを出して盛大に自爆している次第ですし、日本に関しても基金国債買入で2年までの国債を買うということで、明言はしていませんけどまあ常識的に考えれば「2年までの金利をベタベタにしますよ」と言わんばかりの枠組みを作ったものの、市場機能を残そうとした結果こちらも華麗にターム物金利上昇の巻ですし、まあ3か月とかの短国はすっかりモノナシになって0.11%台前半とかに金利は戻ってきましたけれども、2年金利は相変わらず0.2%と包括緩和って何でしたっけ状態に留まるの図となっておりますわな。

つーことでですな、やはりまあ中央銀行の金利コントロールを力技で出来る範囲っていうのは、これだけ市場で好き勝手動くようになっている時代には超足元およびその影響がある程度及ぶ範囲内の所限定であって、それを越えた部分に関して「金利の低下/上昇を促す」みたいな話って言うのは、やはり難しいのではないでしょうかというのがここもとの日米中央銀行が示した事なのかなあなどと思う年の瀬なのですよ。

つまりですね、鬼に笑われそうですが、来年の日米中銀の金融緩和政策の中では徐々に「市場金利のコントロール」的な話をフェードアウトさせて、あくまでも「時間軸効果の強調によってイールドカーブ形成に働きかける」という流れに持って行った方が政策効果がどうのこうのという点でややこしい事にならないでしょうね、という風にあたしゃ思うのですけど、日本はともかくとして米国の場合はセントルイス連銀総裁のブラードさんが出していたペーパー(去年今年の8月にネタにしましたが)にあるように「低金利継続のコミットメントを行うのは自らデフレ均衡に嵌りに行くようなもの」という見方も強そうでして、どういう風に落とし前をつけるのかは中々予想をしにくい所ではございます。

#ということで年始のFOMC議事要旨も楽しみなんですけどね

てな訳で諸般の事情により簡単な雑談で恐縮至極でございましたm(__)m

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2010/12/28

○市場は閑散なんですが話題は基金の短国買入ですかねえ

昨日のオペレーション。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of101227.htm

ということで、短国の基金買入と長期国債(と言っても2年以内なので長期国債というよりは中短期ですが)の基金買入がオファーされたんでござんすが、特にこの短国の買入の方がここに来て毎週のペースで実施されているでござるという状態。11月から買入がおっ始まったのですけれども、当初はエライのんびりしたペースでの実施(あたくしの帳面によると11/9の次が11/30)でして、それが今月になってから13日、20日、昨日と急にペースが早まるの巻。

当座預金残高も昨日が21.6兆円で今日が見込みで22兆円乗せになりそうでございまして、何か足元急にやる気を出したのか何だか知りませんが、これまでの市場機能重視ちっくなオペとはまた打って変わって資金出す気満々っぽい動きになっておりまして、まあGCもコールも低位安定してますし、短国に至っては3か月以内辺りモノ無し無しのニーズ有り有り状態となってまして(まあ短国の場合は長い所でマーライオンをしていた人たちが粥代わりにお食事モードとなっておられるような気もしますけど)、そこへ来て上記のオペレーションと言う事で、何か急にターム物金利を下げる気になったのか、それとも潤沢な資金供給を実施というのはやりましょうって気になったのか、単に年末なので波乱防止に多く出しているのかってえのはサパーリ判りませんけど、オペのスタンスが足元ではちと違ってますかねえという所で。

まあ当座預金残高の方もそうですけど、短国買入に関しては前倒しでじゃんじゃん実施した場合、どの年限が入るかにもよります(まあ今の「絶対水準方式」だと普通に考えて残存の一番長いのが入るから11か月ものから12か月ものが入ります罠)けれども、償還で落ちが来ないとこのペースだと予算というか枠を使い切ってしまいますので、ペースをいじるのか途中で終了しちゃうのか、はたまた使い切ったらさっくりと増額しましょって話になるのか、微妙に需給に影響するのかも知れませんね。

まあ何にせよ、市場機能重視ちっくなオペレーションで短期ターム物金利が却って押し上げになってしまった(まあそもそも足元の資金取引の需給を市場に任せながらターム物金利の押し下げをするのは無理であって、市場を潰しに行く勢いで資金供給しないと押し下げはできませんです罠)ので、やはり厚めの資金供給と資産買入の前倒しを実施しましょうって事になったのであれば、(ポジショントーク的な論点はさておきまして^^)包括緩和政策との整合性という点では良い傾向ジャマイカと思いますけどね。

#とは言え年初どうなるかとかってなってみないと判らんのですけどね

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2010/12/21

今日の決定会合で資産買入規模をいじるという予想が為替市場の一部にあるというモーサテのコメントに朝から( ゚Д゚)ポカーンなのれすけれども・・・・

○3か月TB入札後付雑談

とまあそういうことで昨日は年内最後の3か月TB入札。償還が4月になるというのはあんまり関係ないと思うのですが、何か知らんが入札前はあまり盛り上がらずにWIで0.13%オファーとかやっていたらしいのですが、落札結果は平均0.1297%の足切り0.1319%で按分は32.1443%と事前のWIの感じからしたら比較的マシな結果に。どうも業者サイドがあんまり盛り上がらなかったようで、平均が0.13%割れとはなったものの、どっかの業者がごっそり落札したというのでは無かったっぽいですな。

ただまあセカンダリーでは買いが入って0.13%はあっさりビットサイドになったようで、最終的には0.125/0.130(その間のどこにあるのかは知らん)という感じでしたからまあ妥当っちゃあ妥当なのではありますが・・・・・


えーっとですな、昨日も書いたような気がしますが、足元では日銀が急に資金供給をバカバカ出すようになった結果、GCレートが0.100%近辺で推移している(=昨日も申し上げたように、ショートカバーやその他のお家の事情的な買い及び超過準備付利の範囲外の参加者によるGC買い以外で0.100%以下のGCの買いは無いはずなんですけどね)つー流れになっておりますし、更に申し上げますと昨日は基金による短期国債買入を入札にぶつけるタイミングで実施とゆーことで、それもまた「ほほー」という感じ。基金による短期国債買入は包括緩和実施決定当初は割とのんびりしたタイミングで実施していたと思うのですけれども、ここもとややそのペースが前倒しっぽくなっており、こちらもまた足元の短国市場やら2年やらの動向をちったあ気にしているかのような日銀の動きがある訳ですよ足元で。

となりますと、もうちょっと短国の買い安心感的なものが出てもおかしくは無い筈なのですが、昨日の3MTB入札が割とあっさり味で0.13%乗せとなった(その後買われましたけれども)というのを見ますと、これはまあ参加者の皆様におかれましては、足元の日銀の資金出し攻撃が所詮一時的なものに留まり、別に恒常的にGCを0.10%カツカツとなるレベルに押さえ付けて市場機能を抑えに行くようなオペをする訳ではないんでしょ、というようなイメージが比較的強いっつー事でしょうかねえと思うのであります。つーかもうちょっと露骨に申し上げますと、足元では日銀は多め供給で短期のターム物やら2年辺りの市場金利の上昇に配慮した動きをしているけれども、そのスタンスの持続性に対してはまだ全然信用してないっつー事だと思われる昨今の短国市場の動向、ということでありまして、「市場機能オペ」とやらを実施した結果として、包括緩和政策実施における声明文で謳われた「長めの市場金利の低下」というお題目に対して市場の信頼はゼロ近傍まで低下しているっつーこってすな。もう声明文詐欺には騙されませんよってなもんでござる。


と、いつの間にやら悪態になっているのがドラめもんクオリティなのでございますけれども(^^)、今日まで実施する金融政策決定会合におかれましては、足元で発生しております声明文詐欺状態に関して、ボードメンバーの中でのコンセンサス作りを進めて頂きたいものだと思います。即ち、包括緩和で示されている「長めの市場金利の低下」と白川総裁あたりが良く言及する「市場機能の維持」という話の折り合いをどの程度まで付けるのかとかというのをもうちょっと何とかしないと、オペレーションがどっちつかずになってしまって無駄なボラティリティーの元になるだけではないかと存じます次第でございます。

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2010/12/20

○何となく市場雑感(毎日雑感ばっかですな)

金曜の駄文では「短い所から落ち着きつつ」などと申し上げた訳ですが、米債が強くなって戻ってきたと思ったら円債ちゃんもマーライオンからいきなり焼肉でも食いに行くかの如きの勢いでの債券市場上昇モードとなってしまいました。いやはや何とも。

短い所に関しても堅調となりまして、1年の0.15%、2年の0.20%と言った辺りがビットサイドとなるという流れになりまして、いやまあやっと金利下がったという感じですが、まあ落ち着いたのかというとこれがまた良く判らん所で、とりあえず目先また急にマーライオン相場になるという事も無いとは存じますが、何せこの短期ゾーンマーライオンが元を辿れば金融調節における市場機能重視とやらによる声明文詐欺に起因するものでありますので、調節のスタンスがどっちなのというのが確認できないでホイホイと買うと、金利が下がったからとか言って安心してサックリと足を掬われる可能性もあるのですよね。

しかしまあ何ですな、金曜も資金供給拡大という事で、また20日スタートで供給してきたのですけれども、29日エンドとかまた使えないエンドの物を打って来まして資金を出しまして、20日の当座預金残高は23兆円水準となりまして、GCレートは0.095-0.100水準に低下となったのですが、まーこれまでは当座預金残高17兆円攻撃をしていたと思ったら今度は急に親の敵のように資金供給しだすとか相変わらず押したり引いたりが派手でございますなあという感じです。

結局のところは、市場機能をある程度潰すようなオペレーションをして、GCで言えば債券ディーラー総体のファンディングを日銀のオペで賄えて業者がGCのビットサイドに回るようになれば、GCは平均的には0.10%をちょっと超えたレベルで安定する(0.10%以下でのGC買いはショートカバーか超過準備付利制度の外側にいる人しか買う意味が無いので、年がら年中GCが0.10%割れというのは基本的には現在の国内の資金保有状況から言うと多分無いはず)と思いますし、市場機能重視とか言ってGCレートが0.105〜0.13程度の間で時々跳ねるような動きを容認するのであれば、まあターム物金利は現状水準からそうホイホイと低下はせんじゃろという結論になろうかと思います。

で、肝心の調節がどっちなのかが判らん。金曜のオペだけ見ていると気分が変わって「ターム物金利抑制のために市場機能は潰してもターム物金利を潰します」と腹を括ったようにも見えるのですが、そう思ったらやっぱり単なる年末対策でしたというオチが待っているかも知れないという気もするのでありまして、まあ年内はこの調子で足元金利低位安定なのでしょうけれども、さてそれがどこまで持続するのかというのはまた先々のオペレーション次第という所ですわな、うーむ。

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2010/12/17

○今日も今日とて市場雑感

何か最近雑談ばかりでどうもすいませんm(__)m

昨日は米債ゲロゲロで戻ってきた割には比較的打たれ強い展開のような印象を受けたのですが、それは短期国債がやたら強くなって2年とか3年とかが前日比強くなっているという方に目が行きやすいあたくしの仕様によるものであるかも知れません(汗)がそれは兎も角。

火曜の1年TB入札がゲロゲロ入札で、水曜の3か月TB入札は入札そのものはゲロゲロでしたがその後持ち直しとなった訳ですが、昨日は中短期(の特に短い部分)は買い意欲強くて、新発3か月TBはたぶん0.12%レベルとか新発1年TBはたぶん0.15%レベルとかと相成りまして、まあ「長めの市場金利の低下を促す」という例の鷺文言の事をスルーして足元のGCレートが中心0.11位で推移して(ちなみにGCレートが恒常的に(瞬間的な話は別)0.10になるのは超越供給によって資金調達サイドが完全に消滅しないと中々難しいようで)という事になりますと、まー手前からの足し算という観点ではこの位のリスクプレミアム乗せろやという話になるんでしょうかねえというような気がしてきた(が、その状況は声明文詐欺ではないかというツッコミは勿論残存する)。

(注)以下お食事中の方に一部不適切な例えがございますのでご注意ください^^;

でまあ2年とか3年とかも堅調だったようで、まあどこのどなたが買っておられるのかは存じませんが、さすがにこうゲロゲロとやり過ぎて人心地ついて来ますと気がつけば人間腹が減っていたりするもんで、まずは胃に重くなさそうな味噌汁やら粥やら素うどんあたりから腹ごしらえをするのが人間の常という風に勝手に妄想すると話だけはうまく繋がる(^^)、実態はどうなのかはよー知らんが。

とは申しましても、悪酔いが残っているうちにうっかり勢いに乗って唐揚げ弁当とか食いだすと再度アレになってしまうリスクもございますので、これがまた匙加減の難しい所っちゅー事ですが、まー中短期の短い所が落ち着いてきてサガランチ会長になってきたのは比較的よい傾向ですかねえとゆー所で(サガランチなのは価格ね^^)。


あと、それが継続するのかどうかは兎も角としてなのですが、昨日はここもとの暴れん坊将軍相場で需給要因で無闇矢鱈と安くなっていたゾーンに見直し買いみたいなのも入ったような感じがせんでもないのも結構な話かなあとか思った次第でして、そーゆー歪みというかオーバーシュートを修正するような動きが入るというのは落ち着く中では必要な動きですかねえとか思うのです。

#ま、米債が大戻りしているので今度は逆のオーバーシュートをおっぱじめるとなるとまた落ち着かなくなるのだが・・・・・

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2010/12/16

お題「短期国債が入札流れた後買い到来/その他市場雑談で勘弁」

米債10年3.5%に30年4.58%ですかそうですか・・・・

#昨日の反動で本日は軽めで勘弁m(__)m

○3か月入札がうんこだったけどその後は押し目買いとな

昨日は3か月TBの入札があった訳ですが。

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul221215.htm

(1)応募額 10兆5,437億円

(2)募入決定額 4兆4,327億6,000万円

(3)募入最低価格 99円96銭2厘0毛
(募入最高利回り)(0.1415%)

(4)募入最低価格に 75.9934%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円96銭2厘3毛
(募入平均利回り )(0.1404%)


えー、0.14%っていつ頃の数字か申しますと、昨年12月1日の10年国債入札の売りヘッジを終了した前場引け後に臨時決定会合開催のアナウンスという大変にお洒落なプレイによって長期国債のマーケットメーカーに大損を食らわした事によって著名な(と古傷を一々ほじくり返すのがあたくしの粘着質クオリティ^^)臨時会合によってターム物金利引下げの為に固定金利方式の共通担保オペを導入しましたってえのがございましたが、この直前の昨年11月30日の3か月TBが0.155%レベルでして、決定後の12月1日が0.125%レベルに低下となったのでありまして、つまりこれは「ターム物金利引き下げ政策実施した分が全部パー」という水準という事で、大変に素敵な結果であった訳ですな。しかも応札10兆しか無いし・・・・・

とは言いましても、どうも事前にはもっと悪い(0.145%乗せとか)のではっつー懸念もあったみたいで、これでも実は事前予想よりはマシな結果と言う事のようでござんす。まあ前日の1年入札が素敵な結果になったので参加者の方も耐性が出来ているというのもあったようですな(^^)。

で、まあさすがにその水準ってえのは何ぼ何でも安かろうという事になったと思われまして、落札結果発表後は買いがお越しになったようでBB引けは0.130%と実にこう普通の水準(って言いましても上にありますように、そもそも固定金利オペの導入を決定した時点で3か月TBが0.125%レベルに低下した事に見られますように、0.13%レベルだって金利水準としては結構高い部類じゃネーノと思うのですが、ただしGCが跳ねまくらない事が前提^^)と相成りました。

3か月TB入札が(入札結果単体で見るとどう見てもクソ入札ですが)無事に通過してセカンダリーでの買いも確認された事から、前日の華麗なうんこ入札だった1年新発TBなどにも安心買いというか何ぼなんでも拾えるでしょうというような感じで買いが来たようで、1年TBのBB引けは0.16%となり、これまたとりあえずマーライオン相場(つーか短国の場合はマー状態になるというよりは次から次へと発行されるものをどう捌くかという感じで、参加者がケロケロとマーライオン大会になる長めの債券とはちとテイストが違うと思いますけどね)から押し目のバーゲンハンティングモードになっている感じで誠に結構でございます。

#マーライオン連呼という事で、食事中のおよびシンガポール観光協会の皆様におかれましては大変に恐縮でございますm(__)m

まあこの短国は20日発行ですので、償還やら利金のキャッシュ潰しに来る人もいるでしょうし、そもそも3か月TBは(昨日も書いた気がしますが)6か月〜2年のような大手銀行さんの一人(一人じゃないけど)舞台という需給状況とは微妙に違いまして、投信(短期公社債投信など)やら信託(有価証券運用信託など)やら海外(中銀など)やらと、基本的に持ちきり系の最終投資家のバラエティーが相対的に広い商品なので、大手銀行がドン引きしたらそらまあシェアから言って悲惨になりますけれども、6か月以降ほど極端な壊滅をしないというのもあったのかなあとも思います。勝手な想像ですけど。

てな訳で、結局何かポジションが片付くまで甘くさせられて良く考えたらその間の最大の売り手って財務省なので財務省涙目の展開という気が思いっきりするのでありますが、やはり昨日散々悪態を付きましたように、長めの市場金利の低下とか言うのは声明文詐欺であって為替市場と株式市場がフェーバーならそんな事は気にしねえというのでしたら、振り出しに戻らないと一旦リセットされないと言う事ですかそうですか。

・・・と、書いているうちに「はて振り出しって幾らでしたっけ??」と思って昔のノートを引っ張り出したのですが、昨年の11月30日の時点では2年カレントが0.225%、残存1年の2年既発国債が0.170%で1年短国が0.165%、3か月短国が0.155%という水準でしたが、この時はGCが税揚げ前とドバイショック絡みの需給要因で上昇して0.15%とかになっていました。また、11月中のGCレートは概ね0.13%水準でして、そもそものGCの位置が違うという所(振り出しの前ですからね!)を考慮に入れてまあ上記の水準を記憶しておくのも吉かという感じですかねえ(って底打ちしてから書くなとかいう突っ込みは華麗にスルーの所存^^)。


○そういや昨日も長いところは中々強烈でしたが

いやまあ正直無力参加者のあたくしと致しましては何が何だかワカランチ会長なのでございまして、そういう話は有力参加者の方にお伺いされるのが吉かと存じます次第なのですが、前場特にワンダホーだったのは10時10分に「えええ!今日輪番ねえのかよおおおおおお!!」という華麗な日銀のスループレイ。

いやまあ別に概ね週に1本実施するのでどうせ昨日実施しなくても今日か明日には実施するという話なのですけれども、足元では6/12月利払い銘柄の振替停止期間の絡みで利付国債の買入系オペを見送り状態になっていて、昨日はレギュラー渡しが20日になった日でしたし、米国債券市場がゲロゲロマーライオン相場になって戻ってきた日でもあったので、ここぞとばかりに千両役者登場が期待されたのでございますが、そーゆー時に何故か輪番オペをスルーというのが日銀クオリティでございまして、8年とか9年とかが重くて重くて大変でござるとなっております債券ディーラーの皆様がまたまた大憤激という素敵な流れに。

いやまあ別に輪番はそーゆー意図で実施するもんじゃないですし、スケジュール感としては別に水曜でも木曜でも金曜でも大差ない話でしょと言ってしまえばそれまでなのですけれども、従来のパターン的には水曜に入るのが一番自然かなあと言う所でしらっと輪番スルーというのは中々こうお洒落なKY感が漂うのでありました。

まーしかし昨日の前場途中は先物99銭安とかやってましたけど、前場の引けは先物が80銭安で超長期1毛甘とかもうワケワカンネという豪快な動きになっておりまして、ナンジャソラという所でしたが、後場大いに相場が持ち直して(まあそれでもカーブが相当ぐちゃぐちゃな動きですが)その辺のムチャクチャ振りがややマイルドになったのは良い話なのかもしれませんがよー判らんです。

#またまた米債の馬鹿野郎が金利上昇してやがるのがアレなのですが

イールドカーブの動きがどう見ても需給です本当にありがとうございましたとなっていたのとかは、まあリスク管理相場ちゅうかマーライオン相場っちゅうかという感じなんでしょうなあと誰でも思いつきそうな事しか申しておりませんが、段々動き方が極端になっているのは最終局面近しとか思いたくなりますけれども、どうせ最終局面が近いとか皆が思っている内は最終局面じゃなくて、皆が地獄の1丁目に入りました棺桶に片足突っ込みました早く逃げて〜ってな感じにならないと最終局面にならないのが相場様クオリティではないでしょうかとも思うのでした。

まあ救いは前半で申し上げた短国市場が何となく底打ちしたような気がせんでもないという所でしょうけれども、これもまあGCがピョコピョコ跳ねるとなれば元の木阿弥になってしまう惧れもまだある(オペがそもそもGCの振れを容認するのかしないのかが判らないですしねえ)ので微妙ですけれども、短期が落ち着けばそこから中期、更にその先と波及するかなあとは思うのでありました。

#てな感じでしょーもない市場雑談でしたが、例によってこういう感じで書いておかないと直ぐに忘却しちゃうのがニワトリ並みの記憶力を誇るあたくしでございますので勘弁ということでよろしくお願いします。

#ということで、今日は昨日の3分の1の量でお送りいたしました(しかも全部与太話)

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2010/12/15

○1年入札がゲロゲロになった件

昨日は20年入札があったのですが、それよりも華麗に話題を攫ったのが1年短国の入札だったりしまして、そういう時に事前に注目とか何も書いてなかったりするのがドラめもんクオリティorz

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul221214.htm

(1)応募額 4兆2,950億円

(2)募入決定額 2兆3,691億円

(3)募入最低価格 99円81銭1厘
(募入最高利回り)(0.1893%)

(4)募入最低価格に 98.5000%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円82銭4厘
(募入平均利回り )(0.1763%)

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

レートが流れた(正直あんまりあてにならないけど前日のBB引けが0.145%レベルで1年ゾーンの利付国債の居場所0.165とか0.17レベルだったような気がする)のもさることながら、応札倍率が2倍いかないってこらまたニーズの無い入札(ちなみに先月の1年TB入札は同じ発行予定額で応募額が7兆3744億円で落札利回りは平均0.1224%の足きり0.1255%でこのときも大流れとか言ってたりする(先月の15日の入札ね)のですが)でござんしたなあという所ですし、市場推計の落札結果では最終投資家札と見られる不明玉が1.2兆円もありまして、それだけ投資家が入れてもこの流れっぷりかよという中々驚愕の結果と相成りました。

でですな、その後落札結果にビックリして2年とかがまた5糸甘オファーとかの気配になりやがるという大変に素敵な展開になったのですが、その後さすがにこれはイカンと思ったのか13時のオペ(1年TBの落札結果発表は12:35)で日銀の資金供給が結構厚めにオファーされました。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of101214.htm

共通担保オペ3本立てというのもさることながら、20日という国債償還日(のために需給上は資金余剰になるけれども、明らかにその余剰資金は日銀当座預金に積まれたままになるのが多くて、資金偏在が大きくなるであろうと思われる日なので、需給上は余剰だけれども、GCレポ市場的に言えば金の需給がタイトになるのです)スタートのオペを1本打ち込んだのは、先週金曜に16日スタートのオペを実施したのと同じようなテイストのするオペレーションな訳ですにゃ。

でまあこの供給を見てなのかどうか知りませんが、まあタイミングから言ってそういう感じなのでしょうが、1年新発TBとか2年とかもちっと先の中短期ゾーンとかに押し目買いだか見直し買いだか知らんけど入ったようなイメージで気配を回復しまして、結局引けでは2年は5糸強の0.225%となり、投げ投げゲロゲロとはならずに一息という感じではございます。

つーても短国とか全般に(そらまあ1年がそれだけ流れれば引っ張られるけど)甘くなりまして、BBさんの引けベースだと1年新発が0.170%(確か出合いベースではなかったかと)となって、先週入札のあった3か月は0.130%とか中々胸の熱くなるような利回りとなっておりまして、今日は3か月TBの入札あるんですがどうするんじゃろ(まあ1年と違って3か月は一定量のニーズがあって、金利水準上がれば上がるだけニーズ増えると思いますので1年みたいな大コケはしないと思いますけど)という風情になっている冬のひとときなのでございました。

で、以下マニア向け悪態その他が続くので興味のあるマニアの方はどうぞ。


○火事ボーボーになってからの消火は必要な資源が余計に掛かるという話

ということで1年TB入札で日銀ちゃんの庭で火がボーボーという事態になったものの、厚めの資金供給実施という消火活動によって大火災は回避できた訳なのですが、そこであたくしなんぞが思うのは「入札流れてから多めに供給する位なら何で前日のオペで出しておかないのよ」という論点でございます。

そもそもですな、昨日の朝の駄文でうだうだとマニア向けの話題としてこんな事を書いた訳ですが、再掲しますと・・・・

>金曜に16日スタートの共通担保を打ってニーズを集めたというのに何で昨日16日スタートのオペを入れないのか理解に苦しむ。3Mの基金共通担保のロールを入れただけですとまあ受け取る方としては「金利上昇を抑制してGCを押さえつける気は無いのですねえやっぱり」という事になるようですし、そもそも16日の積み初日のところってGCレポ市場での最大の資金の出し手さんである所の都銀さんがギリギリまで資金をあまり出さない傾向があるという事もござんすので、早速GCレートも少々ですが上昇したようでございます。結局GC上昇するのはおっけーという事でしたらどうもオペレーションがなんちゅうか一貫してねえんですよねえマッタクモウとゆー所で。(以上昨日の駄文より)

とゆー事でありまして、入札流れたのを見て金利上昇するのを抑制するようなオペレーションをするくらいだったら、そもそも入札が流れる前にGCレート放置プレイをしているんじゃないんですよというオペレーションを実施しておけば、もうちょっと結果は違っていた可能性はあると思うのですけどねえ。勿論、1年TBの主要投資家層でありますメガバンクさんのアベイラビリティー低下なのか1年なんぞ買ってる場合かヴォケという状況なのか知らんですが、まあその辺の事情があって、前日にオペを実施していても結果は同じだったかもしれない、というのはありますけれども、こうやってモグラ叩きのような事をやっていると、ターム金利は中々落ち着きませんし、そうなれば当然の如くターム物に対するリスクプレミアムが要求される訳ですから、「長めの市場金利の低下」という10月5日の包括緩和実施時の声明文にあります「金融緩和を一段と強力に推進する」という話との整合性が取れませんなあといういつもの悪態になるのでした。

それとですね、金利が上がってから火消し供給をするというのは、まずそもそも論としてドタバタ感が物凄いするのもありますし、更に言えばこのようなドタバタをやっているうちに市場の方は「日銀はどの位の金利上昇を容認するのか」みたいなゲームを始めてしまい、更なるドタバタを招くという惧れもある訳でして、どうせ金利上昇を容認しないのであれば、火が出てから火消しをするのではなく、火が出る前に水撒きをせっせと行って火がボーボーにならないようにした方が余計に沢山出す必要が無いような気がするんですよね。ここもとの調節って結局のところGCを抑える気があるのか無いのかとか、そもそもGC市場を気にしているのか放置プレイで市場の価格形成に任せようとしているのかとかも微妙でして、市場が日銀の包括緩和に関する真意を測りかねているが故にドタバタ状態となっている事から、この辺りに関するコンセンサスの構築に関しても時間が相当かかるんじゃないかなあと思われる次第で、その間のコストも掛かりますなあとか思うのですよね。


○そもそも包括緩和における「長めの市場金利の低下」とは何だったのかという話について

折角だから10月5日の包括緩和実施時の声明文のURLをつけて進ぜよう。
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc10/k101005.pdf

『3.このような情勢判断を踏まえ、日本銀行は、以下のとおり、金融緩和を一段と強力に推進することが必要と判断した。』

『第3に、短期金利の低下余地が限界的となっている状況を踏まえ、金融緩和を一段と強力に推進するために、長めの市場金利の低下と各種リスク・プレミアムの縮小を促していくこととした。こうした措置は、中央銀行にとって異例の措置であり、特に、リスク・プレミアムの縮小を促すための金融資産の買入れは、異例性が強い。この点を明確にしたうえで、市場金利やリスク・プレミアムに幅広く働きかけるために、バランスシート上に基金を創設し、多様な金融資産の買入れ、およびこれと同じ目的を有する固定金利方式・共通担保資金供給オペレーションを行うことが適当と判断した。このうち、基金による長期国債の買入れは、現行の長期国債買入とは異なる目的のもとで、臨時の措置として行うものである。このため、基金による買入れにより保有する長期国債は、銀行券発行残高を上限に買入れる長期国債と区分のうえ、異なる取り扱いとする。』

つまり、3か月と6か月の固定金利オペおよび基金が実施する国債と短期国債の買入に関しては「金融緩和を一段と強力に推進するために」「長めの市場金利の低下」を実現させるものであり、「この点を明確に」するために「市場金利」に「幅広く働きかける」ための「基金を創設」した中の一環ですよ、という話をしている訳ですわな。

でですね、いやまあ確かに補完当座預金金利(=いわゆる超過準備付利金利)を下げていないという時点で怪しいと思う部分はございますけれども、ここの文言を素直に解釈致しますと、当然ながらここは一発市場機能の低下を辞さずにターム物金利の抑制を行い、その期間としても当初の3か月が先般6か月になり、今回は思い切って2年まで延ばしてみたのですね、という風に解釈するのが自然なんじゃないかと思うのですよね。異論は認めるが(^^)。

その上、当日の白川総裁の記者会見ではこのような話があった訳ですな。URLをつけて進ぜよう。
http://www.boj.or.jp/type/press/kaiken07/kk1010a.pdf

『今、リスク・フリーの金利は、相当低い金利になっています。特に短期の金利は非常に低いです。そうしたもとで、金融政策によって金融緩和効果を上げようとすると、論理的に残されている道は、従来より少し長めの方向かリスク・プレミアムに働きかけていくことになります。』

『日本銀行が潤沢な資金供給を行っている結果、今でも無担保コールレート・オーバーナイト物が、誘導目標水準の0.1%を幾分下回ることが生じていますが、今後、資産買入等の基金を通じて、一層潤沢な資金供給を行うと、日によっては、これがより大きく下回る可能性が高まることも予想されます。資産買入等の基金を通じて、長めの市場金利の低下やリスク・プレミアムの縮小を図ろうという目的を達成するためには、そうしたオーバーナイト金利の一時的な振れを明示的に許容する方が効果的であると判断しました。』

・・・・とまあこんな話までされたら、これはまあ日銀はターム物金利抑制の為に当然ながらそのベースになるGCレートを低位に押さえつけるオペレーションを行い、コールの下振れも容認するんですよね、という風に考えたくなる訳なのですが、実際には当座預金残高は17兆円から18兆円近辺でそんなに別にじゃぶじゃぶ感を出して来る訳でもなく、GCレートが0.12とかの水準に上昇しても特に気にしないで放置プレイという事になってしまった為に徐々に短期の金利が下がりにくくなって段々とポジションが重くなって来た所にQE2空振りで華麗に短期先物金利が上昇した米国市場という燃料が投下されて更に不安定になっていき、最後に大火災になったのが先月下旬からの展開という事になるわけですわな。

ところが、先日来審議委員とかの講演や会見を見ていて微妙にあれれと思っておりましたのは、(昨日も書いたかもしれませんが)白川総裁と森本審議委員とで包括緩和に関する政策の効果とか波及ルートとかの力点が微妙に違うことでして、覚えておられると思いますが、白川さんはどちらかというと「マインドの好転」に働きかけるという、為替ルートや株価ルートを用いた流れに重点を置いたような話をしていましたけれども、森本さんはストレートに「ターム物金利の低下」に力点を置き、もともと須田さんは国債買入追加に反対しているからまあ当然違ったアプローチではありますが、その中でも国債買入に関しては同様に「ターム物金利の低下」ルートの説明(須田さんの場合はそのルートの有効性に懐疑的なので反対したのですが)になっている、という具合に、そもそも政策委員会の中でも今回の包括緩和に関する政策波及ルートに関するコンセンサスが取れておらず、その微妙な部分が日々のオペレーションにも現れているのではないかという気がせんでもない次第なのでありまする。

まあそう考えますとオペに悪態ばっかりつくのも何でして、そもそも包括緩和とは何ぞやというのをもうちょっときっちりと詰めていただきませんと、短期金融市場および債券市場的には、日銀の行おうとしている事、およびその政策波及ルートなどに関する考察のやりようが無くて困る訳なのよねという所でございます。

正直言ってこのままだと「包括緩和」というお題目だけ出して期待だけ持たせておいて、盛大に梯子を外した結果として、1年の金利が2ヶ月前の5年金利に接近するようなアホウな上昇をしていて何が包括緩和じゃコノヤローという話だけに終わってしまうのでありまして、声明文で書いてあった事はつまり「声明文詐欺」であったということなんですねそうですかそうですかもう日銀の話なんて信用しませんからってえ事になるのを憂慮する次第なのでございますが如何なもんでしょうかねえ。


○誇大妄想VS誇大広告

何か小見出しが悪態状態になっているように見えるのは何かの勘違いです(^^)。

えーっとですな、これはどういう事かと申しますと、どこぞの逆さ絵のモデルのようなおじさんが議長をやっている某合衆国の連銀様との比較でどっちも悪態という話になるのでありますが(^^)。

FRB(って名前出すなら最初から出せと)の場合、ああでもないこうでもないとか言いながら、11月に実施した追加緩和の時には長期国債購入の本格的な再開において思いっきり「長期金利の低下」というのを政策波及ルートとして明示していた訳でございますが、まあその話ってその前から延々としていて(時に話が金利の低下になったり、期待インフレ率の引き上げになってみたりしてましたが)、それでQE2期待のヤッホーホトラララ相場になっていた訳でございますが、結果としてはやはり長期金利を中央銀行が直接コントロールをするのは無理(ただし市場をぶっ壊してしまえば話は別なのですが、その話はここでは措きます)という事になったというのがここまでの流れ。

つまりですね、FRBの場合は端から出来るかどうかが非常に怪しかった「中央銀行による長期金利のコントロール」に案の定(今のところ)失敗しており、しかもお洒落なのは今回のFOMCステートメントの時点ではその事をすっかりすっとぼけるという梯子外しプレイを炸裂させるという点において、緩和政策実施時点において自分たちの市場コントロール能力に関する「誇大妄想」をしていた事になるというのが残念ながら現状における結果ではないかと思われるのですよ。

然るに、日銀ちゃんの場合はその辺の分を弁えておられまして、包括緩和で実施するのはあくまでも「長めの市場金利」と言って長期金利を普通は意図しているとは思えないような言い方およびそれに則った行動(買入する国債が2年までですから)をしていたので、逆に市場ちゃんと致しましても、2年は確かにちと怪しい面もあるかもしれない(量的緩和の時だって2年は0.25%とかまで上昇した事があって、その後にコミットメントの明確化が行われた経緯がある)けれども、まあ市場機能はある程度封殺しながらGCレートなどをベタベタにして3か月くらいの金利は下限近くになっていくのでしょうね、ってな雰囲気を漂わせるような声明文および総裁会見を出しつつも、そこで当座預金残高をじゃぶじゃぶにして来るでもなく、どちらかと言えば市場での自由な価格形成に任せるというスタンスのオペレーションを実施していったという点で言えば、「その気になれば超ベタベタにもできるのにやらない」という面では包括緩和の「誇大広告」という感じがするのは気のせいですかそうですか。

いやまあ勿論の事、市場機能を全部日銀がやるようになるというのもデメリットがあって、そのメリットデメリットを勘案した結果現在のようになったというのだとは思うのですが、そうなのであればそうだという部分をある程度明確化(別に文章にする必要はなくて、今のようなどこに重点を置いているのかが良く判らんオペレーションという状態からもうちょっと判りやすくなるだけで良いと思うのだが・・・)して、スタンスをきっちりとして頂きたいものだと存じます次第っす。しつこいようですが、今の状態だと声明文にある「長めの市場金利の低下」が全然実現できていない所か(米国のせいという言い訳をするのでしょうが)包括緩和実施どころかその前段階まで金利が上昇していて、どこがどう長めの市場金利の低下で時間軸の明確化なのかさっぱり判らんですがな状態で、そらまあ為替と株が今の所フェーバーだったら別に金利市場がどうなっても困る人は少ないとは思いますけれども(というか再投資利回りが上昇するから緩やかな金利上昇およびカーブのスティープ化は派手派手でなければ大きくは困らないのではないかと)、米国市場が反転した時に「包括緩和実施前よりも金利が上昇しているのはおかしい」という話になった場合に、結局のところ日銀が火達磨になって生贄の羊にされる事を恐れているのでありまして、別にイチャモンをつけるのが目的な訳ではないという事については念の為申し添えたいと存じます次第でございます。

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2010/12/14

で、今日は米債が買われて戻ったので債券上昇ですかそうですか。

○5年カレント0.58%とか2年カレント0.23%とか(ただのメモ)

昨日の債券市場は米債売られて戻ってきたらお約束のようにゲロゲロ。更に昼前くらいから米債が売られて後場の寄りで窓を開けて下寄りする始末。先物はまたまた下がるわ、中短期がマーライオンだわで何がなにやらという感じでございましたが、8〜9年ゾーンから手前のうんこ振りと、中期のゲロゲロ感が大変に残念な相場展開となっておったようでございます。

つーかですな、何もここまで親の敵のように売らなくても良いのにとは思うのですが、まー相場が暴れ馬と申しますか、リスク管理状態とでも申しますか、何かそれこそ親の敵の如く成行売り状態になっているような向きがあるんですかねえという感じでして、月曜からまあよーやりますなあという相場でございました。ユーロ円金先も相変わらず堂々の順イールド状態となっておりますし、長いところもまあ良くやりますなあとは思いますけれども、2年の0.230%とか5年の0.580%というのは何か展望レポートだの包括緩和で時間軸の明確化だのという話と全然違う流れになっていると思われるのでございまして、足元金利と政策金利の推移の足し算である程度の所まで想定できる中短期ゾーンをせっせと売るのはそらまあリスク削減モードなんでしょうなあと勝手に想像するあたくしなのでございました。

一方で30年とかやたら堅調ですし、今日入札のある20年も比較的確り。長い所では10年カレントは堅調とゆーのは、よーするにマーライオン状態の向きがケロケロするモノが無い/少ないゾーンだと売りが無い/少ないので絶対水準で見た買い手の買いが相場の下げを抑えているということですね、わかります。

・・・・と誰でも書けそうなメモでスイマセンが、どうせ1か月もするとそのときの状況忘れてしまうのがニワトリ脳のあたくしの仕様でございますのでとりあえずただのメモで勘弁。


○当座預金残高目標もO/N振れも容認しているのだから札割れ辞さずでエエンチャウノ

以下世の中で20人くらいしか注目して無さそうなマニアネタ。

えーっとですな、昨日は金曜実施のオペを久々に気が効いてるじゃんと申し上げたのですが、昨日のオペはまたまた早速微妙なテイストを。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of101213.htm

基金買入の短国を微妙に前倒ししたかのような雰囲気で実行しているのは一応短国金利の上昇に気を使ったのかなあとは思うのですが、金曜に16日スタートの共通担保を打ってニーズを集めたというのに何で昨日16日スタートのオペを入れないのか理解に苦しむ。3Mの基金共通担保のロールを入れただけですとまあ受け取る方としては「金利上昇を抑制してGCを押さえつける気は無いのですねえやっぱり」という事になるようですし、そもそも16日の積み初日のところってGCレポ市場での最大の資金の出し手さんである所の都銀さんがギリギリまで資金をあまり出さない傾向があるという事もござんすので、早速GCレートも少々ですが上昇したようでございます。結局GC上昇するのはおっけーという事でしたらどうもオペレーションがなんちゅうか一貫してねえんですよねえマッタクモウとゆー所で。

今月は20日に国債の四半期償還があるので資金需給上では20日に大幅余剰になり、確かにまあ16日の所の供給を厚くすると20日が大余剰になるのはなるのですけれども、そもそも20日の国債償還の所って資金の偏在が拡大する所でもあるので、その時点で資金は大余剰にしておかないとレポレートが上昇しやすくなると思われますが、その辺はどういうイメージなんだか。

もし「落ち着かせたい」「ターム物金利を低位で安定させたい」というのであれば、まずは今の債券市場の構造的にファンディングレートの基本部分となっているGCレートを落ち着かせないと話が始まらないのでありまして(これから利下げしますとか言うのであれば話は別です、為念)、そうするためには債券ディーラーのGCレポファンディングをトータルでオペ調達でまかなえる(まあ人によってはずーっとショートファンディングするのもいるでしょうからミクロで見たら全員が全員という事にはならんでしょうが)水準までオペを打っていくのが吉かと思うのですけれども。

勿論そうやって行くとどこかでオペが札割れとかいう事も起きるかも知れませんけれども、現在は当座預金残高目標を実施している訳ではないので、それによって目標が未達という事にもなりませんし、超過準備付利がある以上、利下げへの思惑が相当程度高まらない限り固定金利オペ(=基金共通担保オペ)が未達になる事も無いでしょう(資金の偏在とかも勘案すると固定金利オペ30兆円になってもおそらくそれだけでは足りないような感じがするのだがよー判らん)し、そもそも論として資金供給オペが札割れになったらそこで麿がドヤ顔で「我々は資金を非常に潤沢に供給しております、その証拠に最近は資金供給を行っても市場からの応札がその額に届かなくなっている位なんですよ凄いでしょう(キリッ)」とコメントすればヨロシアル。

しかもですな、コールレートが下振れをするのを容認していますから、市場で資金がじゃぶじゃぶになってGCが恒常的に0.10にちょっとだけ毛が生えた水準(0.100/0.105)とかになった結果としてコールレートが時々0.06だの0.05だのとかになっても全く問題無い所か、そうなった場合には麿がドヤ顔で以下同文。

然るに、GCは微妙にぶれるわ、コールはろくすっぽ下がらず包括緩和前と何がどう違うんじゃという状況になっているのは如何なものかと存じます次第でございまして、いやまあそら金利がベタベタになると商売上がったりという気もせんでもないのですが(苦笑)鐘や太鼓を鳴らして包括緩和でどうのこうのと銘打っておいて実は超短期のオペレーションは何も変わってませんですよえっへっへというのはやはりこう何と申しますか非常にアレなものを感じるものでございます。

と、誰も気にしないマニアネタでどうもすいません。

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2010/12/13

○2年辺りの金利の上昇を牽制したいのは把握したけど

金曜は米債上昇を受けて、というか米債が上昇したのでやっと買う気になったので、という感じなのでしょうけれども債券市場は威勢良く上昇した訳ですが、その間に2年のケツが重いのが気になるところでございました。つーか場中2年1毛甘とか出合っていたのはナンナンダという所でございまして、この辺の超短いゾーンの戻りが鈍いというのは包括緩和実施後のポジションの積み上がりが大きくてイカレポンチな状況の傷がそれなりに深いっちゅう事でしょうな。

で、金曜の資金供給オペですが。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of101210.htm

何の変哲も無いように見えますが、金曜は年末越えの共通担保を2本打っていまして、更に2本目は16日スタートという微妙に先のスタートで打っているのが気が効いているオペであります。

と申しますのは、足元での資金需要への配慮をしたオペですなあという所がある訳でして、年末越えのニーズはあり手前で落ちる資金に関してはそんなに需要無いでしょ、という点と、足元での資金需要は積み最終日の15日までとその先では当然ながら違ってくるという点を考えたオペであるという事で、まあ要するにこういう感じで年末みたいなイベントの前には共通担保の入札方式の方で3週間から1か月程度(まあ市場の地合いによって違うけれども2か月くらいまで)のオペを入れていくと(まあそれでもショートファンディングばっかりする向きもいますが)市場のショートファンディングも軽くなってGCが落ち着きやすくなると思いますし、この辺の配慮を示してGCレートを落ち着かせたいというのが伝われば徐々に短国の金利から落ち着いてきて2年の0.2%台というのも落ち着いてくるかも知れませんな。

とは言いましても、結局のところGCレートがベタベタになるか、追加緩和への期待が出てこないとタームのリスクプレミアムを勘案してみると中々こう2年とかの金利って下がってくれないのかなあとも思われるところでございます。でもそれって「長めの金利に働きかける」という包括緩和のお題目に対してどうなのという感じがしますが・・・・・

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2010/12/10

禿しく訳の判らん相場展開が続きますが皆様お元気でおられますでせうか。

○底を打ったと思ったら調子に乗って持ち上げて下がったでござるの巻

昨日の債券市場ですがもう何が何だかという大変にカオスな展開。債券先物で言えば寄りから30銭ちょっと上がってまた同じくらい下がって前場引け近くは寄りの20銭上くらいとなり、入札の後は相場が豪快に上昇して70銭位上昇したと思ったら失速して逝き最後は高値から1円近く下がるとかもう訳判りません><;

何か前場から5年入札に向けた調整が入ってまして・・・と言いたいのですけれども、2年とかの中短期ゾーンが入札前の調整というようなレベルを超越した弱さを呈していまして、前場途中の安値近辺で確か2年カレントが2毛5糸甘の0.230%とか先週月曜に衝撃の0.21%とか言っていた筈なのですが(いやまあその間に新発出たから一応2年カレントの償還が1か月伸びてはいるのですが)更に驚愕の展開でして、何か親の敵のように中短期を外している人がおりますなあってな感じでして、5年入札に暗雲が。

でまあ入札の方はクソ大流れするかという懸念程ではない結果となりました(とは言っても前場引けの0.560/0.565の気配からしたら0.565/0.574ですし応札6兆しかなくて大概にうんこな入札だったのですが)上に、市場推計の落札結果で不明札が(たぶん)8000億くらいと比較的多く、いやあやっと投資家さん(まあ要するに銀行さんでしょ)がどどーんとケツ入れをしてくれましたなあという雰囲気になって相場様は上昇。

上昇する間に5年とか10年とかは先物の上昇について行っているようですし、何かこの間に3月限チーペストが挙動不審モードで3限とチーペストの辺りも買いモードになっていましたようで、相場は何か知らんが勢い良く上昇しやがって、さすがに「おいおい先週来時々やってる謎の急反発じゃねえかこんなに戻すと明日また米債次第でヤバイんじゃないの」とか仲間内で言ってたのですが(本当)、13時40分過ぎ(だと思う)の先物高値139円97銭から相場は失速。その後は途中で揉む所もあったようですが、何か引けに掛けて下げるわ下げるわという展開になりやがりまして、引け際は139円とび台まで下がるでござるの巻と。

カレンダースプレッドは拡大した後縮小してまして、素直に読めばショートロールがドカドカ入った後にロングロールがドカドカ入ったという事になるのでしょうが、こちらもまあ久々に良く動きやがりましたなあという感じです。それから先物に関しては、3月限チーペストは同じ償還に3銘柄あるというパターンで、12月限チーペストの289回債のような複数回発行銘柄じゃないのでちょっとした大きな買いが入ったりすると品薄になりやすい上に、昨今の先物回りドカ売られの影響で輪番オペにこのゾーンが結構打ち込まれているものと推測され、まあこちらも色々とありそうな悪寒。


しかしまあ何ですな、後場途中からの下げが正直さっぱりワカランチ会長でございまして、必ずしも昨日の場合は先物主導でもなかったような感じで、その間に現物の売買もそこそこ入っていたような感じですから、どこの誰が売ってるんですか><;という所ですけど、一昨日とか昨日の前場とかの動きとか見てても思うのですけれども、シャッター下ろしモードになっている向きが順番に出てきて循環物色ならぬ循環投げになっているのではないかという悪寒もするのでございます。コマッタモンダ。

何せ昨日の場合は5年国債入札がちょっと悪かったけれども、これはどう見てもバンク様ケツ入れです本当にカムサハムニダとなって相場も戻って安心感を漂わせて来た所にいきなり大鉄槌下るの巻という諸葛孔明の罠のような展開になってしまいまして、いやはや参ったとゆー感じではございました。昨日は後場の上げが途中から上げすぎだし、余計に上げたら今度は売りを誘発して余計に下がったでござるという感じかなあと思う次第でありまして、おじちゃん怒らないから昨日後場カチ上げ買いをした人ちょっと出てきなさいとゆー所でございます(−−;)。

つーことで相変わらずチョッピーな展開なので落ち着きませんが、米債様が落ち着いてくれたのかどうか知らんが昨晩はそんなに引け対比だけは動いていませんしそろそろ落ち着けやと思うのでありました。

#何の考察も無いただの相場後追いメモでどうもすいません


○2年カレントの引けが0.220%ですかそうですか

つーことでさっき書きましたように相場は何が何やらの素敵なカオスになっているのですけれども、その間に更にワカランチ会長なのは2年とかのゾーン。

昨日は前場中期の売りもさることながら2年とかの短い所も気配を下げまくりまして、カレントが0.23%ヒットとかやっておる訳でして、時間軸の強化とかより長めの金利の低下を促すとか何処に逝ってしまわれたのでしょうという大変にビューテホーな展開になっております。いやあ日銀様の庭のお向かいさんが大火災でボーボー山のボーボー鳥という風情となっておりまして、いやまあ米国貰い事故の面もあるにはあるのですが、そもそも包括緩和実施以降にあのステートメントの文言で普通に想定できるシナリオの「GCレートは0.10%カツカツでベタベタ、無担保コールは0.08%とか時々0.05%近くまで低下するかもね、まあマーケットは縮小するけどシャーナイナイ」という流れを見事に裏切るGC市場機能重視(??)オペレーションを実施して延々とGCがぶれるのを容認した結果、期待で積みあがったポジションの解消とかも入りだしてゲロゲロになりましたなあというのがありますので猛省を促したい所であります(まあ為替円高と株安の方は一服してますが、今の金利状況でもし為替と株が反転しだしたらどう見てもナントカ経済新聞を筆頭に日銀を釜茹での刑に処すべしというキャンペーンが打たれると思いまっせ)。

まあしかしここまで壮麗に崩壊してしまいますと、そう簡単に戻ってくれるわけはござーませんですわなという感じでして、昨日はまあ6月/12月利払い債の振替停止期間入りに関わる売買最終日の絡みもあったと思いますが、レギュラーネクストのGCは0.09%台に低下しているというのに、そんなのお構いなし状態の2年売りモードという事でございましたし、年末越えのオペは相変わらず0.11%の札が中心ですから必ずしも全部が全部金が余っているわけでもございません。短国買入も甘め(ただしこれは引けが強い分甘く見えるというテクニカルな分があるのでそこは割り引いて見る必要がある)でしたし、全体的に重かったりするんですなあという展開に落涙を禁じ得ません。

もうね、とりあえずオペをどどーんと出すとか、長めのオペ打つとか(基金共通担保の固定オペじゃなくて)、まあ足元でクーポン物の関係で国債の担保玉が薄い所なので超足元で別に金が無い訳ではないと思うのですが、まあここは一発何か危機感持ってますよ的な姿勢を(先週前半の当座預金20兆円攻撃みたいに)見せて、まあ見せたからといって直ぐに中短期ゾーンが落ち着く訳でもないでしょうけれども、大火災ボーボー状態を拱手して居る訳ではないですよという姿勢で落ち着きを取り戻させるようにしないと。長期とか超長期はまあ米国もらい事故で言い訳できるけど、さすがに基金買入を新設して「2年までの国債を新規に購入」と銘打っているのですから、2年の金利が包括緩和前どころか年初来最高水準に上昇しているというのは何ぼなんでも日銀としては言い訳が苦しいと思いますけどね。

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2010/12/09

お題「5年0.5%とか2年が再度0.2%とかまあ色々雑談を」

金融維新とかいう著書で「銀行預金は経営者が個人保証すべきだ」などと大層威勢の良い事を仰っていたお方が保釈保証金の供託能力がおありになるとは摩訶不思議な話ですなあ(ニヤニヤ)。

てな話はまあいいのですが、米債2年って0.6%なのね、ふ〜ん。

#しかし財政拡張ネタ(なので財政による景気拡大もあるけど財政懸念ネタもあると思うのだが)で米国長期金利上昇しているのに「金利上昇でドル買い」とか反応しているのは何っちゅう反応だよ為替市場・・・

○ゲロゲロなのは中期とか先物とかっすかそうですか

昨日の債券市場ですが、米国債券が大甘となった事から下落して推移した訳ですが、昼以降に米債がヘロヘロ(30年が4.4%とか10年が3.25%とか)になっていたり、輪番オペの超長期対象が前場の引けのビットサイドの向こう側の決着になっていたり、3か月TB入札がまさかの滑りの結果となってみたりとか、まあ微妙に雰囲気を悪くするネタが相次いで、先物が140円50銭切った辺りから下げが加速して安値更新してから更にゲロゲロに。押し目買いとかで戻ったりする中で中期の戻りがやたら悪く、如何にも中期に売りが出ましたとゆー動き。

んでまあ引け値ちゃんを見ますと2年が2.5毛甘の0.205%とまたまた日銀の庭先がボーボー炎上してますよ!!!という所でございますが、5年は華麗に10毛甘の0.515%となり(新発のWIは知らん)先物ちゃんの所はチーペストで12毛甘、先物価格では111銭安となって、10年カレントが7毛甘の1.240%とゆーことで10年よりも5年の方が甘いと言うお洒落な展開。どう見ても中期ゾーンぶん投げ大会です本当にありがとうございました。

先物ちゃんも何かカレンダースプレッド拡大してやがって(7年10年が5毛フラットしとるちゅうのに)当限が最終日前日だから先物に売りを被せる人が当限叩き売ってすかさずカレンダーでショートロールを入れて来るとゆーよーな動きがあってカレンダーが妙に拡大したのでは無いかと勝手に妄想するのであったりするあたくしですが、単なる妄想かもしれませんので念の為(^^)。

ということで、5年が何と0.5%乗せとなってしまった訳ですが、本日は償還が3か月伸びる新発5年国債ちゃんの入札でございまして、頑張ってここから3毛位甘くしたら夢の0.6クーポンまで展望できる(いやさすがにそれは無いと思うが、笑)というおそロシアな状態になっておりまして、包括緩和とは一体なんだったのかと(ちなみに包括緩和決定翌日の5年カレントの引けは0.20%でございましたが^^)いう所ですわな。


○3か月TB入札が滑っているのが気になるのだが

昨日の3か月TB入札結果。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul221208.htm

(1)応募額 16兆1,912億円

(2)募入決定額 4兆3,994億8,000万円

(3)募入最低価格 99円96銭6厘0毛
(募入最高利回り) (0.1253%)

(4)募入最低価格に 2.3533%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円96銭6厘6毛
(募入平均利回り ) (0.1231%)

前回債は入札が流れた後でセカンダリーが好調だった事から0.12%ビットサイドとかやっていたりもしたのですが、入札は想定していた足切り水準よりも流れた(まあ按分極薄ですけれども)ですなあという感じで、まだ0.12%台なんですかそうですかという風情。

昨日の資金供給オペでも2本あったうち16日に落ちる方は0.100%でしたけれども、1月6日エンドの方はがっつり0.11%の札が入って平均落札利回りは0.111%(足きりは0.10%だけど按分極薄)に上昇していまして、まあ端的に申し上げればこの結果は日銀のオペによる資金供給姿勢に関して、「この前は厚め供給をして2年0.20%乗せに対応したけど、どうせ金利が落ち着いたらまた資金供給を引いちゃうんでしょ」と市場が認識していると言う事を示しているでしょうなあと思われる次第です。

即ち、足元では積み最終が近づく中で資金は余っているものの、次の積み期間になったらどうなのよという点とか、20日の国債償還に伴う資金余剰によってオペ残を落としてくるんでしょうなあという事を考えていますなというところでして、当座預金残高に関しても先週は20兆円ペースに拡大しましたが、レポレート下がったと思ったらあっさり18兆円割れペースになってきて、その間にオペが徐々に落ちて来てますし、まあそんな動きを見ていたら日銀のオペでGCをベタベタに押さえつけるというような動きが想定しにくいのは当然ちゃあ当然。その上追加緩和期待が皆無の今日この頃でありますから、そらまあターム物金利には当然ながら足元金利に対して期間のリスクプレミアムが乗りますわなという所でありまして、まあ要するに市場機能論とターム物金利の引き下げという話は両立しないんですよとっととどっちにするのか決めやがれとゆー毎度の悪態になるのでござました。

しかしまあ長期とか超長期は米国貰い事故で話を済ませても良いのかもしれませんけど、2年0.20%とかはやはり包括緩和実施時に示した金融政策運営に関する公表文の内容と話が一致しませんし、この辺りの金利が不安定、っつーか上昇している事が中期ゾーンの金利がアンカーされない事に繋がり、本来米国が少々動揺しても問題なかった筈の中期ゾーンに壮大なぶん投げ祭りを巻き起こしたとも言える部分は多々ございますので、もうちょっとその辺何とかならんのかねとは思うのですが、オペで工夫するって言いましても一旦「包括緩和で長めの金利に働きかけるって言ってたのは嘘八百だったんですね」と信頼を失ってしまった市場の信頼を取り戻すのはそう簡単に行くものではないですし、そもそもGCレートをずーっと押さえつける気も無さそうですし、そう考えますと中短期のアンカー度合いが強化されるのには残念ながら時間が掛かるかもしれません。

普通に考えたら時間軸もあるし中短期の今のレート形成ってどうなのよとは思うのですけれども、何せ市場の動きが普通じゃないですからねえ・・・・

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2010/12/08

うーん、株高でウヒャウヒャ言うよりも債券大下げの方がどうかと思うのだが、まあ不景気の株高でもええっちゅうなら別に良いのかねえ>モーサテの皆様

#と思ったら引けでダウマイナスになってやんの

○さあ盛り上がってまいりました!!

ブッシュ減税延長ネタで東京時間の昼間では10年米債が5毛甘程度だったと思うのですけれども海外時間になったら随分売り込まれたようで誠に香ばしい展開。30年が4.37%(13甘)で10年が3.13%(20甘ですと?)2年が0.53%(10甘)とか中々お洒落な展開ではございます(細かい数字は丸めているので勘弁)。

時あたかも先日の雇用統計が(陰謀論になってアレなのだが、最近の雇用統計は債券市場を動かそうとして最初の速報時点で微妙に手心を加えて後から改定しているのではないかと思ってしまうくらい絶妙な数字の出方をするんだが^^まあそれは兎も角)少々アレな数字でございまして、バーナンキ先生が「長期国債買入を更に拡大する気満々」という発言をした後でございまして、どう見ても通貨安政策です本当にありがとうございましたという風情でございます。

つーかさ、長期国債の買入で失業が改善するというのがサパーリ判らんのでありますが、まあ長期国債買います財政拡張しますで債券市場がビビットに反応というのも実にこう昔々の日本を思い出すのでございますけれども(^^)、市場の反応が通貨安政策的な反応をしている市場を見ますと、先般のバーナンキ議長がECBのコンファランスだか何だかで行った講演がお笑いに見えてくるのだが。曰く、

『Fully aware of the important role that the dollar plays in the international monetary and financial system, the Committee believes that the best way to continue to deliver the strong economic fundamentals that underpin the value of the dollar, as well as to support the global recovery, is through policies that lead to a resumption of robust growth in a context of price stability in the United States.』
(At the Sixth European Central Bank Central Banking Conference, Frankfurt, Germany November 19, 2010)

まー大体からして失業率がそうホイホイと改善するわきゃあ無いですから、こうなって参りますと、失業減らないのはQE2が足りないせい→QE3催促相場→QE3実施→失業減らないのは・・・・となりながらイールドカーブが華麗にスティープして元々の政策波及効果として説明している長期金利の低下という話がドンドン遠のくという楽しい話になるのでしょうか。

いやまあ物理的に買い捲ればそこまでのゾーンの金利は下がるかもしれないけど、30年は買い対象に入っている訳でもない(ちょっとしか買っていない)ですし、そもそもその前に財政マネタイゼーション懸念(つーか既にマネタイズ状態だが)から米国債買わねえよとか海外が言い出したらどうすんねんという所ですが、そうなった場合はもしかして国際決済通貨が日本円になるという胸熱の展開・・・は外準がその頃大幅毀損しているから無理か、残念無念(^^)。

まーいずれにせよ、実験室で数ミリグラムのオーダーで実験するようなもんではないですから、あまり盛大な実験をされても迷惑する人が多いのですけれども、米国はどうなるんだかという感じですな。


いやまあ欧州も大概に香ばしい事になっているのですが、これは不良債権処理の押し付け合い問題という話になっているので、ゲルマン野郎はちゃんと負担をしやがれと申しますか、アングロサクソンやらゲルマン共目線の報道を見ていると、南欧諸国に対する上から目線的なものを非常に感じるのでありまして、まあ貧すりゃ鈍すじゃないですけれども、北側の皆様が潜在的に持っているその辺りの意識が思いっきり露出してきて話が更にややこしくなっているのではないかなあなどと、個人的にはラテン系に親和性が高いあたくしは思うのであります。

まー現状ってのは救済などによって更にユーロ通貨圏の経済的な実質的な統合が高まるのか、それとも各国バラバラに戻って昔の大陸欧州に戻るのかという瀬戸際にあるんでしょうなあなどと柄にも無い大げさな事を思うあたくしなのでございました。スペインペセタとかポルトガルエスクードとか懐かしさにこれまた胸が熱くなる展開ではございますが。


ということで、まあどうでも良いのですが、日銀様に置かれましては米国ドルの財政マネタイズ系から来る恐怖のドル安リスク(さすがにそれをやると米国が輸出で潤う前に輸入物価と商品価格がスパークして死ねると思うので、よーやらんとは思うのだが・・・)も何となく感じられる事でもありますので、とりあえず自分の所の市場機能論的なGC上昇放置オペのような短期ゾーンのターム物金利上昇を誘発するようなトンチキオペをして隙を作るような事の無いように心からお願いしたいものでございます。

#日銀のオペがGCをベタベタにする気があるのか確信もてないので3か月だの6か月だのの短国の金利がイマイチ下がらないんだと思いますよ

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2010/12/07

○各種市場雑感

・先週末に社債買入オペがあった訳だが

すいませんすいません今更ですいません。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba101203.htm

出来上がりの日銀購入レートの平均が0.181%で足きりが0.151%(按分は極薄ですが)という事ですが、2年カレントの金曜の引けが0.185%とかでござんしたので、まあ1年から2年のどこを入れるかにもよりますが、うっかりすると国債アンダーで日銀様お買い上げという中々結構な結果。

最初はもっとアレな銘柄をどんどん打ち込んでレートがそこそこ高いという流れになるかいなとも思わないでもなかったのですが、現実問題としては社債買入やる以前からクレジットスプレッドが縮小していて、かなりの銘柄のセカンダリーでのスプレッドが潰れていましたので、そもそものコストがそんなに良い訳でもないですから突っ込む物もそんなに無かったということですかねえ、よー知らんが。

ところで、話としてデリケートだから書きたくは無いのですが、一応申し上げておきますと、個社名を挙げて日銀の買入の対象になったならないという報道をしているベンダーがいるようなのだが、これクレジット市場の環境が良いから結果的には大きな問題にはなっていないようですが、平場でこんなのが報道として思いっきり表に出てしまうというのは、世が世ならテロ行為に等しい事案でありまして、報道機関としての節度もへったくれも無い(だから他社がこの件で追随報道をしない)行為にも程がありますし、報道するベンダーもベンダーだが、そもそも論から言えばどこかのどアホウがベンダーに話をしないと案件が始まらないのであって、そういうマターをベンダーに軽々しく話すアホウは市場に関わる人間として失格でありまして、話した数名のお方(元ニュースによればそう書いてあった)におかれましては可及的速やかに西方浄土への片道旅行をお勧めしたいものでございます。

#本件はスルーしたかったのだが、昨日もその1社だけ続報をドヤ顔で打ってまして、問題を全然認識してないと思われるので晒しageという事で

という話はまあ兎も角としまして、まあレートが比較的強い所まで入っておりますので、これだとAA格とかの銘柄でも十分ワークしそうでございまして、まー次回はシメシメとばかりに仕込が増えるのかもしれませんが、その時点で国債の金利の方がまた前のように低下しているとスプレッド的には美味しくなかったりするので(絶対金利的には美味しいが)、そのあたりをどう評価するのかはよーわからんです。


・GCレートの件

えーっと、先週後半にはGCレート華麗に0.10%割れとかもあったようでございますが、まあ昨日はとりあえずショートカバー的なビットが一巡したところで0.10%から0.105%とかいう感じのようです。足元でオペ残高が(買入と成長基盤強化を除いて基金共通担保を含む)44兆円ペースまでつみあがりましたので、業者のGC要調達額がオペで充足する形になり、0.12だの0.13だのでのGCでの資金調達ニーズが絶滅し、業者の全体のポジションがGCでの市場運用超になった事からレートの方は落ち着くでござるの巻。

今月は日銀券が月中で5兆円以上の不足地合い(日銀の公表した見込みによると前年比で6000億円の不足拡大になるのですが、今年は年末がロングじゃないですけど不足拡大というのは単純に営業日の問題なのか、実は経済活動が上向きで券の流通が活発化しているのかというのがちょっとだけ興味があります、どうでもいい話ですが^^)見込みになっていて、財政は3兆円弱の余剰地合いでトータルの資金需給は2.3兆円程度の不足超になりますから、まあ資金供給オペは入れやすく、オペ残は自然体でもそこそこの額になりますにゃ。ただまあ、個別の日足を見た場合には20日に財政の払い超が5兆円以上見込まれていますので、ここでオペ残を自然体で落としちゃうと微妙かなあという感じがしますわな。

結局のところですね、基本的にGC市場のレートを落ち着かせたいというのであれば、業者のGC要調達額をオペで充足させる形にして、トータルで見た業者の資金ポジションがGC市場での資金運用超になるようにしておかないと、結局のところ何らかの拍子でGCレートが上がる→資金出し手の目線が上がってしまう→そもそも資金の出し手が頭数少ないので直ぐにレートに反映→最初に戻る、という金利上昇スパイラルに嵌りやすい構造は変わらないと思われる次第。最大の資金の出し手の大手銀行さんが「0.105%じゃないとGCで資金出せませんと諦める」というような状態にならないと落ち着くというのはムツカシヤという事で、即ち「超ベタベタ状態」と「何かあったら突如金利上昇スパイラル」というどっちかしか選択肢が無いという希ガス。

で、金利コントロールしようとしても、先般申し上げましたようにGC市場って足元の資金供給オペにビビットに反応してくれない(先日付取引なので致し方ない)ので、「金利が跳ねる」→「慌てて資金供給を増やす」→「金利が下がるまで少々お時間が掛かる」→「その間に資金の出しすぎになる」→「金利が急低下」→「安心して資金供給を引く」→「気がついたら引きすぎになる」→「最初に戻る」の繰り返しという香ばしい流れに一旦嵌ると永久機関状態になりやすいので注意が必要という話ではございますな。うんうん。

ま、目先は直近のGCレート上昇放置プレイに起因する2年金利0.2%への上昇という事に関して日銀ちゃんがどの程度自分の所のせいなのよという認識をしているのかとか、それに対してマズーと思っているのかいないのかとかゆー所を今後の日々の調節を見ながら見極めていく展開という中々お洒落な日々になりそうではございます(ニヤニヤ)。

#また世の中で気にしているのが30人くらいしかいないネタになってしまったorz

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2010/12/03

○短期市場が面白状態で振り回される1週間ちょいでありました

・・・・ありましたって申しましてもあと1日あるんですがorz

さてさて、昨日のGC市場ちゃんにおかれましては、何かよー知らんのですけれどもGCレートが益々低下して0.10%とか0.10%切る勢いの水準と言うことのようで先週後半に金利が上昇して連日あたくしが湯気ポッポーになっておりました流れの真逆のような展開。

水曜に入札が行われた新発3か月TBに関しても昨日は0.120%が堂々のビットサイドで、0.11%台後半のどこか(よーわからん)が居場所だと思いますが、1日にして入札の落札レベルから1bp近く動いた計算になる中々お洒落(1bpってまあ他の市場から見たら屁のような数字ですけれども、その1bpでヒイコラ言うのが短期市場(特にキャッシュの)クオリティでございまする)な動きになっております。まあ足元GCが見事なまでの低下した割には1bpで済んでいるとも言えそうですが、あまりにも低下がどどーんと来たのと、これがどの位持続性が有るのかっていうのが結局のところ日銀の資金供給オペ次第という所があるので、こんなもんなのなんでしょうかね、よー知らんが。

と言う訳でございまして、先週金曜辺りからせっせと資金供給を実施して、基金オペの2回目を月曜に(やっと2回目というのも何なのですが)実施してという形で衝撃の2年0.20%乗せに対して資金供給オペで対抗した成果が出たというのか、資金供給オペが増えたから資金の取り手が急がなくなったのか、税揚げの資金繰りが見えてきたからバンクの資金がきっちり出てくるようになったのか、どこが主因かよー知らんですけれども(まあ資金供給オペがしょぼいとレートは下がらんというのはあるけど)、GCがすっかり低下しちゃいましたなあという所でござんすけれども、先般湯気ポッポーで悪態つきまくった時に申し上げたように(^^)、GCレートが上昇した後に低下させるべく資金供給を実施したら今度は資金供給攻撃が効き過ぎてレートが禿しく低下という楽しい事態になりましたな。

しかしここで安心して供給を引くと、またまたカウンターアタックになるのでございまして(^^)、まあ要するに本来的に言えば当日スタートの無担保コール翌日物と、スポネだのレギュラーネクストだのが主体のGCレポ取引では資金供給での微調整の匙加減が違うと言う事でして、どどーん即日オペで動かせば即座に需給がぶれてくるので少々上昇(低下)したのを見てから牽制供給(吸収)を打ち込めば良いというもんでもなく、もし安定させたいのであれば「金利が跳ねた時点で負け」という認識でオペレーションをして頂きたいもんだという所であります。

いやまあそこは市場機能ですよ、って言うのなら別にそれはそれで良いのですけれども、包括緩和の趣旨から言って(以下いつもの悪態なので詳細割愛^^)。まーあんまり足元のGCレポレートを乱高下させない方が宜しいのではないかと存じます。いやまあ乱高下してくれた方が商売的にはウマーな部分はあるんですけれども、包括緩和で長めの金利を下げますという金融政策の趣旨からしてもそうですし、大体からして足元で円高も株安も止まっているから良い様なモンで、これがまた反転してきたら包括緩和政策実施後に(長期金利はまあ言い訳できるから良いけど)短期国債やら2年の金利が上昇しているというのに注目されて「日銀何やっているんだ」と円高やら株安やらが復活した時にその全責任がおっかぶさってA級戦犯扱いで絞首刑になるだけの事でございますので、やはりまあ如何なものかと存じます次第ではございます。

いやはや、しかし本来無風な筈の短い所で1週間以上市場ネタを引っ張る事ができるというのは想定外にも程がある動きでございました事よ、ふー。

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2010/12/02

○まあ入札があった訳だが

昨日は10年の入札と3か月の入札があったのですが、10年入札というのに前場から中期(5年)が強くて、前場の途中からは10年も堅調となって入札となったのですが、落札はちょっと流れてしまい、1.2%クーポンの100円ヒット!!と思ったらいきなりそこから怒涛の切り返しという最早何が何だかわからん展開でした。まあ何か強い相場でしたねえという所でしたが、10年もさることながら、昨日は中短期が強かったので何か良い感じになったかなあと思ったのではございますが、一晩明けてみると米国10年債が17毛甘とか訳の判らん事になっているのでまたワカランチ会長に(汗)。

で、まあそれはそれとしましてマニア注目の3か月TB入札ちゃんの方はと申しますと、前場引けの所で0.125%はオファーサイドだったのと、前日はGCは低くて2年とかも戻ってきた中でも1年ゾーンは重くて6か月から手前のTBも売り物勝ちだったというのもありまして、入札そのものは0.128%レベルの所まで足切りになるかもというような話もあったみたいですけれども、蓋を開けてみたらその1つ上の刻みの所で足切りになるの巻。

んでもってセカンダリーも絶好調で0.125%どころか最後は0.120%のオファーも無くなるでござるの巻となっておりまして、そらまあGCレートが連日の資金供給および税揚げの資金繰りも見えてきましたねとかいうような諸々の要因でGC市場ちゃんにおける資金の巡りが良くなってきたことがサポートとなって0.10-105レベルまで低下しているっぽいので、買いの勢いがつきましたねとゆー所かと。

でまあこのGCレート0.105%辺りというのが安定的に続いてレートがベタベタになるのならば更にタームの方は安定化するのでしょうけれども、まあそこまでホンマニヤルンカイナという所に関しては微妙な気もする次第でございます。市場機能維持という名目でGCの振れを容認するのか、それともターム物金利の低位安定化を目的にGCを押さえつけるのかというまあ二律背反のどっちを取ろうとしているのかはよー判らんですからね。

ま、ここ1週間ほどの流れを見ておりますと、とりあえず2年の0.20%乗せは日銀的にはマズーだというニュアンスは判ったのですが、何せ昨日軽めの悪態と共に引用した総裁様の記者会見だと2年金利上昇しても海外のせいでおじゃるそんなのは知らないでおじゃると読めそうなコメントをしているのが実にこうアレな訳でして、その辺の麿総裁様のご意向を忖度致しますと、ここもとのオペレーションだけで「やあ日銀はやっとGCを押さえつけるんですね」と安心するのも早計のような気もせんでもない訳ですな。

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2010/12/01

○さて10年入札と3か月TB入札

昨日は何か知らんが中期が復活して超長期が弱いというインデックス長期化(+0.16年なので若干長め)の月にしてはなんですねんという展開でしたがまあそれは良いとしまして、今日は10年カレントが1.2%水準での入札ちゅうことで、だいたい地合いが悪くなると急に買い手がいなくなる(中期は銀行で超長期は生保というコア投資家がいるのだが)というお洒落なゾーンではございますが、今回は新発の償還が伸びますのでカーブの分だけ見た目利回りも高くなりますし、さてどうなるんでしょという所ですが、正直言ってどうなるのかは知らんがな(じゃあそこまでウダウダ書くなという突っ込みは却下^^)。

とか何とかダラダラ書いて頭のエンジンを起動したところで(おいおい)マニア注目の3か月TBちゃんの入札な訳ですが(^^)、昨日の短い所の動向はと申しますと、さすがに0.2%台の2年カレントというのは何ぼ何でも物価安定の理解と展望レポートの見通しを合計した場合に、一旦買ってみても負けはせんじゃろ(勝つかどうかは判らん)というところでの買いでも入ったか、2年カレントの引けは0.190%とかに低下しておりまして(つーか5年が強かったのでその影響かもしれませんが)、日銀の資金供給がやっとやる気らしきものを出した件も効いて来たかいなという感じっすけど、GCレートの方も0.11近辺とか超足元だともうちょっと下の水準とかになってきたのですが、短期国債自体はまだちょっと重いのかイマイチな状態だったようです。

てな訳で3か月TB入札を迎える訳ですが、まあ既発の感じからしても入札レベルが0.12%に乗せるというあたくしの記憶(と帳面)によれば半年以上前の水準に戻ると言う大変に胸の熱くなる状況な訳ですが、とりあえず0.12%台後半(話が細かくてスイマセン)のどこかで止まるってえ入札にはなってくれるでしょうという位のイメージしか沸かないのであります。まあここもと長期どころか中短期まで豪快な売りが出ていたような感じもございまして、その分の金が短期ゾーン最大の流動性を誇る3か月TBに流れてきても別におかしくは無いので、そーゆー金でも入ってくれば(カレンダーベースで月も替わりますし)そこまでコケないかもしれませんが、まあ昨日も売り物勝ちという感じだったですし、税揚げが明日なのでそこまでは資金繰りが読みにくいといのもあるでしょうから、まーそんなに劇的に強くなってくれるとも思えませんし・・・・

ということで、結論としてはどっちの入札もどっちに転ぶのかのイメージがよー判らんというのは別にあたくしが寝起きでボケているからというわけではございませんで(と思う^^)、ど〜も足元の相場ちゃんの動きって、一つ一つの動きは、例えば「中期に買いが入ったみたい」とか「短国が重いみたい」とか判るのですが、それが「ど〜してこのタイミングなのこの水準なの」ってのがサパーリ判らんがなというワケワカラン動き(と言うときは基本的に「お家の事情による」という事が往々にしてあるのでしょうなあと思いますけれども・・・・)になっているので、実際問題として足元の需給ってどうよというのを確認するのに丁度良い(特に長期ゾーンの入札は先々週の20年以降暫く無かったので)のかなあという誰でも考えるような当たり前の雑感をウダウダと書いてどうするという所ではございます。

まー10年の方は知らんが(おいおい)、短国に関して言えば、足元2年が0.20%とかまで上昇という素敵な展開を受けたのか受けないのか知りませんが、オペがその辺を意識しているのかも知れませんなあ的な動きになっている訳ですが、そもそも市場機能とやらを意識してGCレートがある程度ぶれる事を容認するようなオペレーションスタンスそのものが変わらないというのであれば(つまり今はタームが上がりすぎたから下げるけれども有る程度下がったらまた放置プレイに戻るという事ね)GCが0.11〜0.12で時々0.13とかいう状況だったら3か月は0.12位貰わないと間尺に合わないし、それより長いところはタームプレミアムが乗ってくるので、別に1年0.15で2年0.20でもタームプレミアム分ですから勘弁してね(はあと)という事になりますから、その辺明確にターム金利を潰しに行くのか、GCの日々の振れを容認するのかをはっきりしてくんなましという所ではございますわな。

#いやまあ追加緩和期待があれば足元が振れてもタームは低くなりますがね


○白川総裁講演を飛ばして会見の方を先に(つーかメモね)

講演なんですけど、香港の方もそうなんですけど、足元の円高傾向一服と株価の下落傾向一服にすっかり安心して毎度お馴染みの麿節と申しますか、低金利政策の長期化予想が金融の不均衡を招くでおじゃる的な、それは正論かもしれないが包括緩和を強力に推進すると言う状況でその話はせんで宜しいがな的なテイストを感じるものだったりするのでその悪態は後日(^^)。

会見につきましては、昨日ブルームバーグの記事から引用したネタの内容を確認しておきたかったので(^^)、当該部分をとりあえず引用するでおじゃる。

http://www.boj.or.jp/type/press/kaiken07/kk1011c.pdf

最後から2番目の質疑応答が素敵です(^^)。

『(問)先ほどの長期金利についての質問と多少重なるところがありますが、新発2年債の利回りが本日0.21%と、昨年以来の水準に上昇しています。この2年債の利回りは、日銀がやや長めの金利を低めに誘導するという政策目的の対象になっている金利だと思います。先ほどはもう少し長めの金利についてコメントをされていましたが、こうした2年債金利の上昇は、あまり問題視されていないという理解で良いのでしょうか。(後半割愛)』

これはこれは(^^)。

『(答) 最初の点ですが、金融市場は非常にグローバル化していますから、各国の国債の金利はグローバルな動きの中で変動しているという側面があります。これはFRBについてもそうですが、実際に国債の買入れを行った後は、金利が上昇しています。もっとも、だからと言って国債買入れの効果はないということではありません。やはり国債の買入れ自体は金利の低下要因になっていると思います。』

国債の買入どうのこうのじゃなくてお前らの市場機能重視だか何だか知らんがGCの振れを容認するオペレーション&追加緩和期待の後退がタームプレミアムを復活させているのですけれども。

『日本銀行の国債買入れも、長めの金利に働きかける中で、相応の影響を及ぼしていると思っています。ただし、先ほども申し上げたとおり、日本銀行の包括的な金融緩和政策は、これだけ金利水準が下がっている中でどのように政策効果を出していくかということで考えた政策ですから、是非パッケージとして捉えて欲しいと思っています。』

全く意味が判らん。これでは2年金利の上昇について別に懸念していないという風にしか読めないのだが・・・・

2年というのは日銀の庭先の隣くらいのゾーンでもありますし、質問にもありますようにそもそも包括緩和による基金買入という「リスクプレミアムの低下を促す」という新しいコンセプト(=従来の「成長通貨供給」ではない)による2年以下の国債購入を行っているのだから、その政策意図からすれば「足元での2年金利の上昇に関しては包括緩和政策で意図する方向とはやや違った動きを示している」とか何とか牽制するような話でもするのじゃねえのかという所でありまして、こーゆー事を麿が言うもんだから折角の思い切った(ETFにJ−REITにBBB格の2年社債の買取って買っているものの質から言えば随分と頑張った政策なんですよ、量の話しかしない人が多くて困りますが)政策の印象がしょぼくなるという点に関しては、まあ「この正直者!」というのは人間としては好感が持てますが、折角の政策に自分で火消ししてどうするんだという事で、可及的速やかに福井の俊ちゃん辺りと一緒に階段落ちして中身を入れ替えて頂きたく存じます次第でございます。

#いやまあ白川さんの話も良いんですけど、こーゆー火事場モードにおけるインチキパワーに関しては俊ちゃんの方が一日どころか百万年くらいの長がありますので

ああ今日も悪態になってしまったorz

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2010/11/30

○2年が0.2%乗せてみたり基金買入のレートが華麗に0.2%になったり

昨日の債券市場は何かさっぱり判らんのですが先物回りが一人旅のように堅調推移。長期ゾーンまでが比較的確りで超長期は妙に弱いのですけれども、まあそれはそれとして昨日も香ばしいというか何というかなテイストを醸し出していたのが2年ゾーンとかの短期ゾーンでございます。何せ昨日は一時0.21%が出合った(1毛5糸甘)というような素敵な展開になったらしいのですが、昨日は週末の厚め資金供給が継続した事に加え、基金買入での2年以内国債買切オペを1500億円実施致しまして、そちらの落札利回りは日銀の買入レートのベースで0.202%平均の0.201%足切りという素敵な結果。しかもこれって良く考えたら新発の299以外の銘柄でこのレートになっているのですから中々良い感じの遠投モードでございます。

恐らくその遠投モードの影響とかもあるのかなあとは思うのですが、ユーロ円金先は久々の順イールドが拡大していまして、足元のユーロ円TIBOR3か月金利よりも高い利回り(=値段は下落)となっておりまして、いろんなもののヘッジが打ち込まれており、そのヘッジ玉が大量に押し寄せて来るので、0.4%という絶対水準はどう見ても買いです本当にありがとうございましたという根来鉄砲衆が羽柴秀吉の大量の軍勢に圧倒されて絶賛大敗走となるの図というテイストも醸し出す金先市場というのも大変に物悲しい次第でございます。

まあそれはそれとして、1500億円ほどレーザービームで日銀にブツが投げ込まれた後暫くしたら13時の供給オペも引き続き厚めの供給を行ったのが好感されたのか、それとも連日の供給に加えて基金買入の国債購入を実施したのでやる気がちったあ有るのかということになったのか(基金買入の国債購入って実施要綱を決定した直後の11月8日に1回目を実施したのは良いのですが、その後は6か月掛けて購入というスケジュールをきっちり遵守するということで2度目が出ていないという状態でしたので・・・)はたまたさすがに時間軸から考えて0.20%乗ってたらさすがに負けはせんじゃろという事なのか存じませんが、若干買いも入って戻ったようで、2年カレントの引け値は0.200%となっておりました。

ただまあ相変わらず日銀の庭先である筈の1年ゾーンとかもうんこになっておりまして、来年11月償還の2年286回債は0.150%の引けとこれまた素敵なレート。今月は債券インデックスの年限長期化が0.16年程度と若干長めになりますので、それに対応してインデックス落ちの1年近辺債券の売りがどどーんと出ることが予想されるのですが、何せGCレポレートがこの前まで連日悪態をついた状態になっており、また中期以降の債券はまだ投げっぽい動きもあって(そろそろ止まると思うのですが)全般的に重いという状態になっておりますので、持っているのも中々しんどいという事で、それなら暫く持っていられるレベルまで甘くしておかないと厳しいっすという事でここまで甘くなったんでございましょうなあという所で。

とまあそんな状況ではございますが、とりあえず12月は年末(および外資系の決算月)という事もあるので厚めの資金供給をするのかなあと思わせてくれる動きになっているので、その辺りのスタンスが確認できましたらGCの目線も0.12辺りから0.105-11とかに下がってきて、徐々に短国のレートが落ち着けば先のほうにも波及してくるとは思うのですけれども、まあやっぱり年明けたら市場機能がどうのこうのスタンスになるリスクもありますし、そもそも連日悪態をついたように「包括緩和で長めの金利の引き下げを促す」というのが実際に日銀が出来るGCレポレートの低位安定をさせるという行為を伴わないというやるやる詐欺でしたねという認識がレポなどの方面で定着しつつあるんじぇネーノと思う(あたくしのお友達に聞いて回っているだけなので類は友を呼んでいる可能性が高い点には留意が必要です、為念^^)のでありまして、包括緩和実施当時に期待されたような2年くらいまでの金利がベタベタになって低位安定するでしょう、というのは(問題が日銀と市場のコミュニケーションの断絶に起因するものだけに)少々時間が掛かるのかもしれませんなあという所です。

でまあそんな中白川総裁は会見でこんな話をしておられるようで。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a81kh2YpRWyc
白川日銀総裁:長期金利上昇の背景に米長期金利の動向(Update2)

いやまあ長期金利は米国貰い事故の面は多々有ると思いますし、そもそも日銀の包括緩和で長期金利までコントロールするとは全くコメントしていませんでしたのでそちらは別に良い(実は良くない部分も有るけど今日はスルーしとく^^)のですが、2年金利の上昇に関しても長期金利と同じ文脈で話をするとか意味判らん。

『29日の債券市場では、新発2年債利回りが0.21%まで上昇、昨年12月1日以来の水準を更新した。日銀は包括緩和で長めの金利に働きかけることを政策的な狙いとして挙げているが、こうしたやや長めの金利の上昇は問題視していないのか、という質問も出た。』

『白川総裁は「金融市場は非常にグローバル化しているので、各国の国債金利も含めて、国際的な動きの中で変動を示している面がある」と指摘。「FRBの国債買い入れもそうだが、実際に買い入れを行った後、金利が上昇している。かといって、国債の買い入れの影響、効果がないということではなくて、この買い入れがある状況とない状況を比べてみれば、やはり金利の低下要因になっていると思う」と述べた。』(以上引用は上記ブルームバーグ記事)

長期金利はそれで良いのですけれども、実際問題として包括緩和実施後って短国の金利とか上昇してます(別に包括緩和直前に思惑で下がっただけではなくて、現実問題として足元で償還が来ている3か月物TBの入札時の平均落札利回りって11月22日償還の131回で0.1103%、11月29日償還の132回で0.1047%とかでして、その前からずーっと0.11%絡みだったのが足元では金利上昇して0.12%乗せとかになっているんですよねえ)し、それって海外市場がどうのこうのじゃないですよね。

つーかね、先般の包括緩和政策実施の時に物価安定の理解の明確化という事で実質的に時間軸政策の強化を行った筈で、その時間軸政策の強化とターム物金利の低下を促すという話って米国の金利がどうしたこうしたは関係ない筈の話でしょ(より長いところは別のファクターがあるが、時間軸を効かせに行ってる所は違うでしょ、という話)と思う次第でして、長期金利は兎も角、2年辺りの金利まで海外要因の一言で終了させるのはどうなんでございましょうかねえと思いますけどねえ。

#気がついたらまた悪態になっていました(−−;

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2010/11/29

○短国だけではなく中期辺りまでヘロヘロです

先週金曜は先物とかも下げましたが中短期の下げが目立つ展開。朝からちと弱めだったのですが、日中に投げっぽい動きが出たのかどうか知りませんが、中期ゾーンがヘロヘロとなりまして、前日に入札が行われた2年新発の引けは0.195%になりまして、5年カレントに至っては0.460%の引けとなっちゃいまして、包括緩和を実施した筈なのに中短期の金利が随分と上昇しちゃいましたなあという動きになっておりまする。

でまあ短い所に関してもグダグダとなっておりまして、残存1年の2年286回債(2011年11月償還)の引けも前日比1毛甘の0.145%となりまして、ついこの前の2年債利回りというか包括緩和実施直後の3年債の利回り水準まで上昇しているでござるの巻。

えーっと、毎日申し上げておりますが、より長めの金利を引き下げて金融緩和効果を出す、と包括緩和実施時に思いっきり仰っていた筈ですが、その後の動きはしつこく申し上げておりますようにGCレポ市場の金利を低めに抑えるような動きをするでもなく、それよりも資金偏在に対応した厚め供給を行わない事によってGCレポレートを包括緩和実施前よりも高めの水準になるのを放置する攻撃となってしまい、まあ要するにGCレポ市場的に言えば資金供給を実質的に絞っている状態になっている弊害が徐々に後ろの方に波及して来ましたなあという感じで甚だ遺憾の極みでございます。

米国のQE2が金利の引き下げに効かずに米国の2年などの金利が上昇し、QE2追加の盛り上がりどころかQE2早期打ち切りネタまで出る(それは現状では有り得ないと思うが)次第で、その結果日本の追加緩和への期待というか思惑が絶賛撤収となってしまったというのは勿論あるのですけれども、国内債券市場で足元起きているのは、GCレートが微妙に上昇した水準で安定している事から3か月などの短国市場が崩れだし、1年ゾーンにも波及しているという現象でもありまして、今回の中短期金利の上昇に関してはGCレートを低位安定させないオペレーションをしている「ターム物金利引下げやるやる詐欺」にも責任の一翼が思いっきりあると思いますがどうですかねえ。

つまりですな、日銀による包括緩和実施で時間軸の実質強化のような説明をするわ「より長めの金利の引き下げを促す」とか言うわという政策の方向性が示された訳でして、追加として2年以下の国債の購入ということで、普通に考えますと「2年以下の国債金利を低位安定させるようにしますよ」という施策を打った訳でして、その日銀の説明を額面通りに受け止めれば当然の事ながら、2年はもとより中期ゾーンの5年辺りまでの金利が低位安定状態になるという話になる筈ですわな。

然るに、ターム物の金利を低下させるようなオペレーションは実施されずに却って金利上昇となり、徐々にその影響がボディーブローのように効いてきた事から3か月だの1年だのの金利が上昇してきたと思ったら2年などにも波及し、5年は5年で全然下げ止まらない状態になるとかトンチキ以外の何物でもない訳でございます。何せ包括緩和実施の翌日の引け利回りって2年カレントが0.110%で5年カレントが0.200%でして、まあ勢いでやっちまった部分はあるにせよ、そこからの利回り2倍上昇ですよ2倍。

まあここまで来ますと投げ回転(回転していないような気もするが)みたいになってしまって、地合いの悪さに拍車が掛かりますので、まあ誰かが強力に買ってくれれば別ですけれども、勢いがついちゃっているのがひじょーに遺憾な中短期ゾーンという所でありまする。


で、更に悪態を申し上げますと、足元の金利上昇傾向ですが、米国の金利上昇の貰い事故での金利上昇という面も勿論ありまして、その米国金利上昇というのはどう見てもFOMCが最近強調する「長期金利コントロール」的な発想に無理があって、そのチョンボによるものである、というのはその通りだと思うのですけれども、少なくともFRBは大真面目に長期金利のコントロールを実施しようとして(今のところ)失敗しているのであって、それは単に「出来ない事をやろうとしたら(今のところ)失敗している」という文脈でございますが、日銀の場合はGCレートを抑えつけようと思えば抑え付けられる能力があるのに、市場機能重視だか何だか存じませんけれども、包括緩和で示された「より長めの金利を低下させることによって金融緩和効果をもたらす」って内容に沿えばGCレートの抑え付けを行う筈なのに、GCレートが上昇しても特に資金供給を増やす訳でもなく、という動きを(先週末近辺になってやっと資金供給が増えて来ましたが)しておりまして、これは怠慢なのか詐欺なのかどちらか存じませんが、市場参加者的には見事に梯子外しやがってコノヤローという所ではなかろうかと存じます。

つまりね、もともとできない事をやれると言って(今のところ)失敗しているFRBは単に大口叩きの失敗なのですが、GCレート上昇を放置してターム物から1年とか2年とかの金利を上昇させてしまった日銀の場合はできる事をやっていない結果なのですからこっちの方が問題じゃないですかねえという悪態な訳です罠。

でね、まあ思惑が外れてポジションが逆に行っちゃいましたなあというのは世の中良くある話でそれはそれでいつもの市場の光景として生温かく眺めるものなのですけれども、何せ今回に関しては「包括緩和」で示された方向性に対して日々のオペレーションで(結果から見ますと)思いっきり梯子を外された格好になっているのが如何なものかと思うわけでして、こ〜ゆ〜のやってしまいますと市場が日銀の言う事を信用しなくなるというのが最大の問題では無いかと思うのですよね。最初から市場機能とやらを重視するからGCレートは0.10%近辺に抑え付けるようなオペレーションを実施する訳ではありませんというニュアンスの話でもすれば(そらまあ露骨には言えませんが)良い訳でございまして、これでは「包括緩和実施で示された話と実際にやっている事が違うじゃないか」という話になって、日銀と市場の対話にも問題となると思いますというのは先週も散々書きましたけどね。

何かね、これってコールを0.10%に引き下げて超過準備付利の0.10%と同じにした後の妙な市場機能重視的なコールレートの微妙な誘導という2008年から2009年の時と同じようなテイストを感じるのでありまして、何だかなあという感が思いっきりするのでありまする。

ということで月曜の朝から悪態でございましたが、金曜はさすがに資金供給のオペを厚めに実施してきまして、今日の当座預金残高がほぼ20兆円になるような資金供給オペを実施してきまして、GCレポレートの方も0.11%〜0.12%の水準に低下したようでございます。まあこの調子で厚めの供給を継続すればGCレートは低下するとは思いますし、その状況が継続的になれば短国のレートが落ち着いて後ろにも波及していくと思いますけれども、債券市場ちゃん的には一旦投資家の投げモードになってしまうと投げ回転を止めて傷が癒えるのには時間が掛かるというものでありまして、まあ金曜も申し上げましたように、「金利が上昇してから対処する」というのは時すでにお寿司状態になっているとしか申し上げようが無く、甚だ遺憾でございますです。それにGC落ち着いたらまた平壌運転に戻ってしまうのであれば結局同じ事の繰り返しになりますので、学習効果の出来た市場参加者は日々の受給で決まるGCレートは兎も角として、短国のレート形成の前提とするGCレートをそこまで下げないですから、その点で言えばそう簡単にターム物金利ベタベタということにはならないんじゃないですかねえ、と思うのであります。

以上、マニア向けの悪態大会で短期だのオペだのにご興味の無い方にはポカーンな話ばかりで申し訳ございませんでした。

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2010/11/26

2年国債入札もヘロヘロだったのですが、それよりも感謝祭前の米国市場での中期債とかユーロドル先物の豪快な暴落は何だったのかが気になりまする。つーか米国であれやられたら2年入札ぱっとせんわな・・・

○短国が相変わらずな件に関してなど

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aLRqXgfJ020w
日銀が資金供給オペを拡大、TB利回り上昇で−証券会社の調達圧力も

ということでブルームバーグ報道によりますと水曜日に入札が行われた新発3か月物は入札時に0.12%手前で寸止めとなったのですが、その翌日であります昨日は0.123%だの0.124%だの(刻みがやたら細かいのは短期市場の仕様なので勘弁)と利回り絶賛上昇。

昨日の資金供給オペの結果。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba101125.htm

短国買入のレートも上昇してますし、共通担保オペの落札平均利回りも特に短いタームに関しては強含みだしという所ですが、GCレートも(昨日の場合はレギュラーが月末でスポットは売れ残りモードの3か月新発短国発行日という要因はありますが)上昇傾向で0.13%だのその上だのというような水準を見に行くでござるの巻。

とまあそういうことで、一応気にしているのか気にしていないのか存じませんけれども、昨日の着地ベースでは当座預金残高を18兆円に乗せて来まして(元々の見込みだと18兆円ちょい割れ位)今日は18.3兆円くらいになる見込みになっておりますので、まあ上記URLにありますように一応資金供給拡大っちゃあ拡大なのですが・・・・・・


えーっとですな、そもそも無担保コール翌日物みたいに当日物取引だったら資金供給を拡大したらそれがビビットに市場金利に反応してくれるというメカニズムになるのですが、レポ取引は基本的に先日付取引ですから、先行きの見通しとか先行きの資金繰りとかを見ながらの取引になりますので、金利が上昇してから資金供給を拡大するのでは遅いんですよねって話は2008年のリーマンショック以降に発生したGC金利絶賛大上昇によるオープン金利上昇などの問題が起きた時に毎日のように悪態をついた筈なのですけれども、何が悲しゅうて同じ悪態をまた書かなきゃいかんのよという所でございまして、甚だ遺憾の極みでございます。

つまり、ちょっと落ち着くと直ぐに供給が絞り気味になって、GCレートが少々動いても気にしない供給をしている、と市場が一旦認識してしまうと、当然ながら価格形成がそれを前提としたものとなってしまいますし、先日付取引なので先の見通しをベースに動く関係上、金利上昇してから資金供給拡大してもその効果が出てくるまで数日のラグを伴う(従って低下するときも同じ理屈となるので、下げようとして資金を出すと途中で出し過ぎモードになってしまう)のでありまして、GCレートを低位安定させようというのであれば「金利が上昇してから供給を拡大する」のではなく、「そもそも金利が上昇しないように供給を行う」ようにしないといけないのでありまして、っていうのは2008年の時に学習効果として蓄積されていないのかと思う次第でありますが、まあGC上昇放置するスタンスなら別に関係ないのですが、気にするので資金供給拡大しましょうというのであれば、今の方式だと常に資金供給の拡大タイミングが時すでにお寿司状態になってしまうのですけどね。

これまた毎日悪態をついておりますように、包括緩和とやらで「より長めの金利を低下させることによって金融緩和効果をもたらす」と思いっきり声明文で表明しておりまして、そのために2年だのの国債の購入を新たに実施した訳ですが、当然ながらターム物金利を安定化させる為にはそのベースにあり、国債等債券取引業者のファンディングコストに影響を与えるGCレポレートを低位安定させなければいけない筈なのですが、このオペレーションのやり方は包括緩和の趣旨に沿っているのですかねえと小一時間問い詰めたいのですが。

で、ここで悪態の矛先がいきなりあらぬ方向に飛びますが(^^)、更にトサカに来るのはど〜でも良いタイミングで緩和しろ緩和しろ、緩和しても足りない足りないとかゆすりたかりのように散々煽っていた経済クオリティー新聞様あたりがこの辺りの事情をスルーしている所でありまして、あれだけ偉そうに金融政策のべき論だか何だかをぶち上げて日銀を追い込んだり、非不胎化介入がどうしたこうしたとか散々っぱら調節技術上の問題をミスリードするような論陣を張っていたくせに、肝心の短期金融市場動向に関して事後は何も見ないとか無知なのかやる気無いのか知りませんが、金融政策および短期金融市場関連の取材能力はどうなっているのかと小一時間でありますわな。株が上昇してドル安が止まっているからご機嫌なのかもしれませんが、その程度の認識で金融政策がどうのこうのとか社説や記事で書いて市場撹乱要因になるのは迷惑なんじゃヴォケと申し上げたくなる次第でありまして、誠に痛惜の念を禁じ得ません。

ということで、段々血圧が上昇気味の昨今でございますが(−−)、包括緩和で「長めの金利の低下を促す」とか言わなければ別にこんな悪態はつかない訳でございまして、つまり悪態の基本にあるのは「言行一致しないとは中央銀行のスタンスとして如何なものか」という所であるという点は念の為申し添えます。

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2010/11/25

○3か月TBが華麗に0.12%に上昇している件についてとか

しかしまあ昨日もグチモードでしたが、最近の相場の動き、というか相場様の動きのバックグラウンドと申しますか、動かしている人が何をどう考えて動いているのかがさっぱりワカランチ会長なので非常に悩む今日この頃。ということでただのメモでサーセン。


昨日は3か月TBの入札。でまあ落札結果ですが足切りは0.1192%の刻みの所まで届きまして按分はほぼ2割となったのですが、前回の入札では弱めの所から堅調コースになったのですが、今回はイマイチさんだったようで、何か知らんが0.12%とか外すお方もいたようで、12投げるなら最初から札入れるなよとか好き勝手なグチを申したくなりますが、まあニーズがそんなに無いのならそうなんでしょという話になる次第ではございます。

でですな、色々と背景はあると思いますけど、やはり何と申しましても「ターム物金利を押し下げる」という話をしている筈の追加緩和決定以降の資金供給オペレーションがターム物金利を押し下げる、即ちGCレートを0.10%〜0.105%辺りでベタベタに押し付けてターム物金利を上げさせない、というような動きになっておりませんで、それよりもGCレートが振れるのを気にしないようなオペレーションをしている所でございまして、追加緩和(包括緩和)決定時に『短期金利の低下余地が限界的となっている状況を踏まえ、金融緩和を一段と強力に推進するために、長めの市場金利の低下と各種リスク・プレミアムの縮小を促していくこととした。』という話は何処へ行ったのでしょう(そもそもその為にコールレートの下振れを容認するようにディレクティブを変更したんでしょ)という所でありますわな。

いやまあ為替の円高傾向も一服しているし、株価も戻ってきているから結構結構というのかも知れませんけれども、短期金融市場(と債券市場でも短い所をちゃんと見ている人)的にはまあキツイ言い方をすれば騙し討ち食らっているようなもんでして、市場との対話って意味でどうなんでしょと思いますけどねえ。それで市場機能がどうのこうのとか言われましてもヘソが茶を沸かす訳でしてね。

というのが悪態ですが、まあその他つらつらとテキトーに考えるのは9年10年が上がっても下がっても重いって何か敗戦処理でもしている人でもいるんですかねえとか、今日の2年債入札を控えて、ところで2年の居場所で適正なのってどの位なのよとか、まあそんな所でありますけれども、2年に関しては追加利下げの可能性が殆ど無いということになってしまいますと、足元金利を差っぴいた出来上がりのタームプレミアムが2だの3だのというレベルだとしんどいという事になるのかなあ、と量的緩和時代の2年もの金利の位置を見ながら思うのでございましたです、はい。


と、毎度毎度おれさまにっきというかグチというかただのメモでどうもすいません。

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2010/11/24

○例によって俺様メモ

どうも最近の相場様は訳わからん(いやまあ以前から訳判らないんですけどね)ので一応メモでも。

・金曜は訳判らん強さでしたが月曜は訳判らん弱さ

えーっとですな、金曜の債券市場って妙に堅調に推移してまして、しかも7年から10年が強い(超長期も強かった)とかどうした事ぞとか思っていたら月曜は月曜で寄りからいきなり30銭近く下でよってその後も親の敵のように9年とか10年が弱いというこれまた訳判らん展開。

いやまあ売りがあったんでしょうとか買いがあったんでしょうという話になるとは思うのですが、特にこの9年だの10年だのという所は板気配を見ていると動いた要因となっているそれなりの大口の買いとか売りとかがありそうなもんなのですけれども、何でそのタイミングでそのようなアクションがあるの??ってのが今いちワカランチ会長だったりするのでございまする。

で、今日は今日とて朝鮮半島情勢なのかアイルランドなのか知らんですけれども株は安いわ米債は強いわという事ですので、またお洒落な展開があるんでしょうなあ。よー知らんけどね。

・3か月TB入札

最近地味に重いのが短国。先週は1年、3か月、2か月と入札があって、1年が流れてあららだったのですが、3か月は長期債売った金が入ってきたような感じで入札そのものは水準弱めでしたけれども弱くしたので捌けたという感じ。ただ2か月の方は3か月買った人の買いがイマイチでこちらは入札弱いわセカンダリーもパッとしないわということで、この2か月の発行日になる25日スタートのGCレートも高めという残念な展開。

まーいつも発行されている3か月ですから、今日の方は一定の需要はあるでしょうということで、ど〜せ0.120%に上昇してくれば売れるのでしょうけれども、相も変わらずGCがサガランチ会長となっている中ですので、どうも短国のレートも下がらず、というか追加緩和実施前の水準よりもレートが上昇しているのはどういう事ぞという所でございます。

#そういや今日は朝鮮半島問題対応で即日オペでも実施するのかね、やる意味はないけどさ

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2010/11/19

何か債券市場ちゃんが暴れているので今朝も俺様メモを少々。

○入札前に超長期強くしちゃうから

昨日の債券市場ですが、超長期の入札だというのに前場から先物とかは下げるのに超長期は下がらないという嫌がらせのような展開。10時半過ぎにセットアップの売りでも入ったかと思ったらいきなりそこでも先回り買いなのか嫌がらせの買いなのか事前ヘッジの戻しなのか知りませんが、まあ20年入札だというのに20年が強くなって業者のヘッジコストが禿しく悪化するという入札。

まーこうなりますとショートカバー分はシャーナイから上のほうに入れるけど、そうじゃない分の札は下の方に入れてしまうんじゃネーノとか思いつつ、あとは投資家のニーズがどの位見えているか次第ですなあとか思っていたのですが、落札結果は平均はまあ前場引けの板の所でしたが、テールはちゃっかり下になるでござるの巻。

でまあその後相場が押したと思ったら戻して、ほほーと思っていたらもう一発下げて10年1.10%出合いとかやってあらあら状態。その後また急に中期と先物が大復活したと思ったら引けに掛けて先物とか長いところとかがゲロゲロになるという動きで、何と申しますかこう相場様の方は普通の動きとゆーよりは投資家のプチ踏みプチ投げみたいな動きとかも入っているんでしょうなあというようなテイストを感じさせる動きでありました。

でまあ引けにニケーイ平均(の現物インデックスの方)が1万両を回復したら更に叩かれて安値引け・・・・って思ったら引け後更に売られてしまって場中は10年1.1%がとりあえず押し目買いも来て何となく粘っていたような感じでしたが、イブニングセッションであっさり抜けてしまったでござるの巻。

まあ何ですな、確かに先日の超長期1.97%だか1.98%だかの所で結構な買いがあって相場が戻ったというのはそーなんですけれども、それは水準がその位置にあったから買いがあったのであって、1.9%そこそこで同じように買いが来るのかよと考えると厳しかったんですねとは後からだったら何とでも言えますけれども、入札前に変に戻った上に、カーブ的にも数日の間に強くしてしまい、ついでに入札当日の前場にも強くしちゃった結果、業者が入札行くのが厳しくなっちゃいましたねという残念な結果。

まあ今月の入札スケジュールでは中長期国債の新規供給が昨日までで、次は来月頭の10年入札まで無いというのと、月末のボンドインデックスの長期化幅がやや長めの月に当たる(と思った)というのがあるので、20年国債入札から先は需給が好転する一方というイメージがありますので、その分余計な先回り買いみたいなのとかが入ってしまったという所なのでしょうかねえ、よー知らんけどさ。


○更に俺様メモでありますが2年とか5年とか

正直最近の動きってよーわからんですタイという(この前も書いたか^^)ところなんすけど、まあひじょーにざっくりと纏めろと言われると、「包括緩和とQE2相場で作ったポジションのアンワインド」ってえところになるんでしょうなあって感じなんすかね、よー知らんが。

で、そのアンワインドと言えば地味に金利が上昇しているのが2年とかその後ろとかの中短期ゾーン。特に3年とか4年とかは売りが嵩んで需給が悪いようなのですが、2年カレントの利回りも昨日は(引け値は0.155%でしたが)0.16%とかまで上昇する有様。

えーっとですな、ヤケクソ緩和実施の時にあたくしも「潤沢な資金供給を実施して、2年以内の国債金利を0.10%まで下げるような買入を行い、更に時間軸を強化したんですから、2年までの金利が最終的には0.10%に近づくと言う事ですなあ」などと申し上げた口です(10月6日とか7日あたりにそんな事を書いているあたくしなのでございます)ので人の事は言えないのですけれども(超大汗)、あの緩和政策に米国がQE2をこれから実施という流れで、追加緩和の追加緩和だってあり得るでしょうというイメージを持ってりゃそらまあそう考えます罠、と自分の言い訳をするあたくし。

然るに、GCレートは何故か0.11%どころか0.12%水準で推移のが放置されるわ、米国様のQE2が意外や意外に非難轟々となってQE2のおかわりどころか途中で終了するのではないか位の話になってしまい、米国の金融市場ではQE2期待で積み上げたポジションの巻き戻し相場となってしまうでござるの巻(QE2実施時のロジックからしたら普通におかわりになる筈なのですが・・・・)となるわという事で、話が違うがなという状況になっているわけです罠。

つまり、日銀も追加緩和のおかわりが来るのは必至という見方だったのが、おかわりは無さそうですなあとなったという事で、その変化でこれだけやってしまうのもまーシャーナイナイなのかも知れませんが、前提がコロリと変わると変わるもんですなあという所です。特に前回の量的緩和時にはコールが既にゼロ状態で延々と続いており、今回の追加緩和時はコールレートの下げ余地が一応あるというのが違うのでありまして、その分だけ先の金利は下がる余地があった分だけ期待で動いた分の戻しもありますわな、という所なんでしょうかね。どうも表現がうまくなくてスイマセンが。

5年もまあそんな訳で、追加緩和実施時には0.2-0.3ですかなどと申し上げていたのがアセアセにも程がありますが、だって追加緩和のおかわりがあるのと無いのじゃ話が違う(別に追加緩和のおかわりは完全に無くなった訳ではなくて、米国の流れがまた戻ったらあっさり戻るでしょ)のでシャーナイナイという事にしておきましょう(汗)。

ま、その流れで短国の方に資金が戻ってきたんで今日の2か月とかは普通に無難だと思いますし、GCもさすがに馬鹿上がりはしなくなったかなあとは思うのですが、当座預金残高17兆円に何でそう拘るような調節なのかいなというのは疑問ではございまする。まあその話はまたいずれ。

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2010/11/18

○市場俺様メモ

・3か月TB入札

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul221117.htm

(3)募入最低価格 99円96銭8厘5毛
(募入最高利回り)
(0.1173%)

(5)募入平均価格 99円96銭8厘7毛
(募入平均利回り )
(0.1166%)

前場引けのビットサイドでの決着となったようですが、さすがに0.115%越えということでセカンダリーでは平均落札価格はビットサイドになったようですので、金利水準自体はちょっと上昇したけれども投資家の買い水準も確認できましたねっていう結果なので、月曜の1年TB入札でげげげのげとなった流れでやや懸念もあったのですが、さすがに水準を訂正したら無事に消化できたでござるの巻という所でほっと一息。

まーそもそも足元では中長期債の売りが結構出ていた(ので債券市場が下げた)というのがありまして、その中長期債を売った人の資金がTB辺りに流れてきてもおかしくは無い、と言いますかGC市場に既に流入していた感じもありましたので、そーゆー意味では買いのニーズ自体は増えていたということでして、水準さえ訂正すれば無事消化できましたねってえ所なのでしょうか。


・20年入札前に20年が強くて先物が弱いとな

昨日の債券市場ですが、米国の債券市場が強かったので強いのかと思ったら寄りからあっさり前日引け近辺となってその後もイマイチぱっとせず。

その一方で超長期がやたら強くて先物前日比ちょっと安に対して2毛強とか翌日に超長期入札があるというのに先回り買いとかすんじゃねええええよと思うのですが、まーそんな感じで推移した後午後になったら何か知らんが相場様下落。輪番オペの結果がイマイチ宜しくなかったのが引き金っぽいのでありますが、やたら先物が叩かれる一方で最後にはちょっと調整しましたけれども先物142円割りそうな所で超長期前日比変わらず近辺とか妙に堅調な動きになったようで。

前日にあれだけ中期と先物が強かった(超長期も強かったけど)のに1日で先物ヘロヘロとかワケワカンネという所でございますが、それよりもこの調子だとカーブ的に踏み入札にされてしまいますので、せめて相場水準の方を前場に修正した方がよろしかバイと思うのですがどうなるんでしょうかねえ。そらまあ先回り買い以上にまだまだニーズがあるなら良いのですが。

とここまで俺様メモ。

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2010/11/17

○昨日の市場が良く動いたので俺様メモ

いやあ昨日はよー動きましたな。米国の金利が上昇してナンジャラホイと思ったら債券市場ちゃんは寄りから大下げ、というかユーロ円金先とか朝から期先が2ティックだの3ティックだの素敵な売られ方となっていまして、債券先物はいきなり50銭近く下げてスタートするわ5年は0.41%になるわ10年は1.09%になるわ20年は1.98%になるわと如何にも寄り前からぶん投げた人が居ますよと言わんばかりの動きに。

でまあその後は全力買いも入ったみたいですが、前場途中にはまた下げる場面とかあってどうなる事やらとか思っていたら後場に入って今度は債券先物は戻るわ金先は戻るわという動きでして、まあ寄り前の下げの時に中短期にも叩きが入ったもののそれが前場から後場寄り直後辺りに掛けて気合の買いで吸収されましたねえというのと、そもそも前場から超長期は下げる中で比較的堅調でしたので、こらまあ超長期方面にも水準到達でここまで我慢をしていた投資家さんの買いがありましたかそうですかという流れ。

また、先物も買戻しだか何だか知りませんが(買戻しにしては速報ベースの残った建玉が相変わらず高水準、ただし転売買戻し訂正でいきなり減る事もあるのですが)こちらも強いんですが、そもそもこの下げ過程の中で先物をしつこく叩いているような動きがあったので、先物の意識的なショートが溜まっているでしょうと思う所でもございまして、先物は戻る時は早いですなあという感じでしたので(先週金曜にも先物だけ大反発相場がありましたが)、中短期の堅調とあわせてまー買戻し的な買いが入ったんでしょうなあと思われまするですがな。

でですな、一方で10年辺りはイマイチでして、9年とか10年とか昨日の反発の中で5年超のカーブ上では一番弱いとゆー事でして、こっちは下げ過程での売りが影響しているっつーのと、戻り過程における買いが超長期と中期と債券先物という事でして、まあ中期は買うけれども10年買いを突っ込むほどまで元気ではないという所なのでしょうなあと言った感じでごんす。

先物も出来高多かったですし、当然ながら現物売買は活況だったようでございますし、金先まで派手に下げて上げていましたので、そーゆー意味では日銀のヤケクソ追加緩和と米国QE2絡みでのロングポジションの整理というか振り落としというかお掃除も進んだという事でしょうなあとか思うのですが、全ては現象を繋ぎあわせたあたくしの脳内妄想メーカーに基づく話ですので内容の正確性については保証致しかねます^^;

米国様次第の面はありますけど、その米国様では株は下がるわ債券は強いわという事ですので、まーとりあえず昨日の流れは正当化されるという感じですかねえ、とは思いますけど、何か折角新発超長期の2%クーポンの目が出てきたのに戻ってしまうとは残念な気は致しますですなあ。まあ1.9でも良しとしますかね。


ということでただの雑談でした。

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2010/11/15

・相変わらずストーリーがうまく繋がらない件について

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920018&sid=adhkfbBQMNik
11月12日の海外株式・債券・為替・商品市場

・・・・読んでいて一つ一つの動きは「ほうほうなるほど」と思うのですけれども、全体を通して見ると結局何がどうなっているのかがサパーリ判らんですがなという動きだなあというのが足元の印象。中国の金融引き締め観測やらアイルランドの債務問題で動くなら米債が売られるというのが訳判らんですし、その一方で為替はドル強いとか難しいっす。

まーあんまり考えても仕方ない時というのはございますので、そーゆー時は下手に考えないのが吉なのかとは思うのですが(それかよ)特に米国の金利市場の動きはワケワカンネという所でありますな。どうもQE2のおかわりが来ないのではないかという事で積みあがったポジションの解消が進んでいるのでしょうが・・・

んでまあ話を国内に持って行きますと、債券市場の日々の動きに関してもそらまあどこのゾーンが売られただの買われただのという話はあるのですけれども、さてこの売買って何をどう考えて動いているのよというのを考えた場合にこれまた話が繋がらないのが不思議ちゃんな動きでして、「何でこのゾーン売られるの?この水準で売った人って売った分でどうしてるの??」とか考えた場合に訳判らんですがなという(まあやってる本人はご存知でしょうけれども)のが多くて、ってあたくしが単にマーケット見えていないだけだったら残念過ぎなので見えている偉い人教えてジェネラルなのでございまするが、どーもこう判りませんなあと頭の中に「???」マークが飛び交う今日この頃なのでありまする。

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2010/11/12

○10年1%ですかそうですか(途中から米国金融市場雑感だが)

昨日の5年入札。前場は中期とか比較的堅調に推移させやがったせいで惜しくも0.3%クーポンのリオープン。0.4クーポンが業者ショート気味で0.3クーポンが業者ロング気味でしたので、0.4のショートカバーは進むものの0.3はいらない子状態になってしまいまして、入札そのものはまあ事前予想のどんぴしゃ状態だったと思うのですが、不明札少なくて業者中心っぽい内容だわ、セカンダリーの販売がそんなに盛り上がらないわとかやっておりましたら、前場から弱かった超長期に引っ張られたのかどうか知らんですが引けに掛けて10年310回債も1%と。

何せ追加ヤケクソ緩和によって普通はブル転しますので、それこそ昨日も申し上げましたように例えば5年は金利上がって精々0.3%でしょとかもう10年1%割れが定着傾向になるんでしょうなあとかいうイメージになる訳でして、そーゆー意味では何と申しますかナンジャコリャという所でございますが、ブル転しちゃってロングに入るタイミングが皆さん早くなったでしょうからその辺も影響しちゃったのかも知れませんな、よー知らんが。

まーしかし何ですな、QE2で米国金利が低位安定してドル安圧力が高まってそうなると日銀も追加緩和の追加緩和をしないと済まなくなるでしょうなあというような認識だったのですが、QE2のヒャッハー相場によって米国様に置かれましては金利先物市場で国債買入の期限来た所でいきなり利上げを織り込むかの如き動きになるとか斜め上にも程がある展開になってしまったのは正直ビックリですし、話の前提が変わってしまうがなという所ですわな。

つまりですな、先般のFOMC声明文を見ますと、ケシカランと言っているのは物価水準と失業率の推移であって、資産購入の絶賛拡大によって企図しているのは何かと言いますと。

『To promote a stronger pace of economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at levels consistent with its mandate, the Committee decided today to expand its holdings of securities. 』

ということで、望ましい水準への物価上昇を促すという事になっておりますので、足元のCPIなりPCEデフレーターなりがある程度改善しないと資産買入って止められないんじゃないの〜とは思うのですけれども、市場の方が勝手に期待インフレを盛り上げて長期金利(ただし10年まではFRBの力技で抑え付け状態になるのでしょうが)が上昇したり、金利先物市場が利下げではなく利上げサイクルを織り込みに行く、という話になると「中長期的な期待インフレ率の引き上げが具現化された」とも言えてしまう訳で、昨日も申し上げましたけれども金融政策の影響がリアルの物価に反映される前に「市場のインプライする期待インフレ率だけ上昇」となってしまった場合にはFRBはややこしい事になるのでしょうし、その場合って「いやそうは言っても資産買入引っ張るでしょ」という見方と「資産買入終了してFF引き上げに行くのでは」という見方がガチンコ対決になりそうですな。そしてそうなりますと短期金利のターム物上昇でめでたく日米金利差問題が解消されるという話になるのですけれども・・・・

ただ、足元で斜め上の展開になっているのは「QE2やるやる詐欺状態の引っ張りすぎ」によってポジションが大量に積みあがったものの巻き戻しが来ているからだとは思われますけれども、バーナンキ先生におかれましては(確かWSJだったと思いますが)どこぞの寄稿で「株価が上昇して期待形成に成功してFRB大勝利」とか喜んでいる場合なのかという点に関しては非常に怪しいなあと思うのでありまする。

#と、いつの間にか米国市場雑感になってしまった(大汗)

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2010/11/11

○GCとか短国とか5年入札とか雑感

・一昨日と同じネタだが5年国債入札

今日は5年入札ちゃんでございますが、追加緩和実施直後の10月6日に5年カレントが0.200%の引値となっておったのですが、昨日の5年カレントの引け(償還は一緒ですが今のカレントは10月6日のカレントとクーポンが違います。まあ利回りベースでは大差ないので勘弁)は何と0.350%となっておりまして、ふと気がつけば0.15%も上昇してやがるでござるの巻で久々に3か月日本円TIBOR(と比較する事に何の意味があるかと言われると意味は無いと思いますけど)の利回りを上回ってしまいました。

一昨日も書きましたけれども、追加緩和で時間軸の強化となりましたし、あの時点では米国次第では更に追加緩和の追加緩和みたいなイメージも強かった訳でして、普通に時間軸強化と更なる追加緩和の可能性というセットを勘案すればもう5年って磐石で0.20-0.30でしょというイメージで、0.30%になったら全力買いが入ります罠とゆー話だったのですが、うっかりすると0.4%クーポンが出てもおかしくない勢い(今日は米債反発したけど為替はドル高でどっちになるのでございますかねえ??)という全くの予想外展開にも程がある状況に。

という所までは一昨日の繰り返しみたいなもんですが、今日は5年国債の入札ちゃんでありまして、まあここで買ってやろうという人たちが買いを我慢しているんでしょうかねえとは思うものの、押し目買いらしい押し目買いが無いままにズルズルと下がるというこの動きは正直よーわからん所ではございます。まあ普通に考えた場合は入札で買いを確認して一旦ズルズル状態は終了って事になると思うのですが、どうも最近の動きは普通じゃないですからねえ。


・ここもとと同じネタだがGCとか短国とか

昨日は3か月TBの入札があったんですけれども、落札結果はこの通り。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul221110.htm

(3)募入最低価格 99円97銭0厘0毛
(募入最高利回り) (0.1117%)

(5)募入平均価格 99円97銭0厘1毛
(募入平均利回り )(0.1113%)

・・・・平均利回り0.11%乗せキタコレ。

そらまあ足元のGCレートが中々下がらなくて、先週末にやっと0.11%近辺まで下がったと思ったら昨日辺りからまた上昇して0.12%水準に戻っていたりする訳で、短国を商品在庫として持っている債券ディーラーの在庫ファイナンスのコストが利回り対比厳しい状況が延々と続いていれば(固定金利オペで業者の在庫ファイナンスが充足できればその限りではないと思いますが、現状ではそういう状況でもなさそうですし)そらまあ0.11%割れの国債を在庫で持っているのは厳しいですわなあという所で、3か月TBちゃんも0.11%に乗りましたわなあという所でございます。

で、これまたいつもの雑感と言うか悪態になるのですが、GCレートが微妙に高い水準で推移しているのを放置プレイで当座預金残高を17兆円近辺で回していて、しかもその数値が「9月15日の介入実施直前の当座預金残高水準の15兆円+介入の2兆円」を意識してるんじゃないですかねえという水準なのが何とも香ばしい所でございまして、不毛な非不胎化介入論議を意識しているのは良いのですけれども「長めのターム物金利の一段の低下を促す」んじゃ無かったんでしたっけという悪態を申し上げたくなる次第なのですけれども、どうも為替市場の水準と株価の水準が変調にならないと経済クオリティペーパー様を始めとする外野の皆様は何も言わないのが仕様のようでありますので、念の為悪態を申し上げておきますです、はい。


・金先が順イールドっぽくなっている件について

これまた一昨日の雑談の続き

昨日の夕方6時くらい(エエカゲンな取り方ですいません)のユーロ円金先ですが、2010年12月限から順に各コントラクトを利回りに引きなおすと0.330%、0.325%、0.325%、0.330%、0.335%というような数値になっておりまして、微妙ちゃああ微妙程度の変化ではございますが、順イールドっぽくなっているのがチャーミング。

足元で米国様の短期物の先物とかが素敵な動きをしていて、QE2ちゃんが炸裂した先週木曜の高値(金利で言えば低いという意味)からここもと物凄い勢いで期先のコントラクトが売られて、どう見ても来年3Q(つまり国債買入終了と共に)に利上げです本当にありがとうございましたという価格形成になっていまして、米国ちゅうのは何と言うデジタルな反応をするんじゃこいつらアホじゃねえかと言う大変に素敵な展開になっているのが何となく影響しているのかなあとも思われますが、追加緩和の追加緩和期待で金先がどうのこうのというのは何処へやらという所でございます。

#先日の総裁会見では「TIBORなどのターム物金利が包括緩和の影響で低下しています(キリッ)」と麿は仰せでございましたがね(ニヤニヤ)

まー金先に関しては米国のアホウ展開というかある意味神展開となっている動きの貰い事故みたいな面もあるかとは思いますが、足元でGCレートがもうちょっと低くて短国が0.11%割れで0.10%接近とかやっていたら雰囲気はちと違っているのではないかという気も思いっきりする所ではございまして、何だかなあ感はするのでございます。


○金融市場だけ先に走り出しましたなあ

ふむふむなるほど。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=a7fq9jGKR9pQ
米国債:下げ幅縮小、NY連銀の購入額発表で−30年債入札は不調

『30年債は同年限の入札を嫌気し、下落する場面もあった。米財務省が実施した160億ドル規模の30年債入札で、最高落札利回りは4.32%と、市場予想の4.288%を上回った。応札倍率は2.31倍と、2009年11月以来の低水準。』(ブルームバーグニュースさんの上記URLより)

いやあ30年4.3%とか実に香ばしい展開でございますが(さっきブルームバーグのインターネットページを確認したら30年は前日比0.01%金利低下して4.238%のようですな)、結局前回の国債大量購入と同じパターンになりつつあるように見えるのが素敵な所でございます。

まーFRBとしては「30年金利の上昇は期待インフレ率の上昇によるものですから良い金利上昇」ってな形で正当化しちゃうのかもしれませんけれども、先ほど申し上げた短期物の先物の極端な振れっぷりとか(何ぼなんでもあの動きはおかしいと思うが)、国債購入絶賛拡大実施→QE2ヒャッハー相場で商品市場フィーバー→インフレ期待で長期金利上昇というような大変に素敵な速さで市場が反応しているわけでして(当たり前ちゃあ当たり前ですが)、金融政策が実体経済に効く速度と、期待で動く金融市場の速度とのギャップによって、期待した効果と違う結果が出てくるのではないかというような懸念が益々してくるのでありまして、バーナンキ大先生が髭を剃ってお詫びするのか、議会証言かどこかの講演辺りで髭を毟られるというような神展開になる悪寒も益々高まるのでございます。

何にせよちょっと捌きが難しくなりました罠>FRB

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2010/11/09

・市場雑談ですが・・・・

えーっとですな、当座預金残高17兆円攻撃を続けていたらやっと準備預金の進捗が進んできたのかどうか知りませんが、GCレートちゃんの方はようやく資金の出しが増えてきて0.11-0.115%とかの水準に低下して来ましたが、まあ今回の積み期間はGCレートが妙に高止まりましたな。

で、別にまあそれが直接影響している訳ではないのでしょうけれども、GCのレートが高止まりすると3か月とかの短国のレートが下がらなくなり、というか若干上昇モードになって0.11%オファーとかのレベルになっているのですが、それが心理的に圧迫しているのか、単に買わない言い訳に使われているだけなのかはサパーリ判りませんが、5年カレント物の金利がしらっと上昇。

いやまあ木曜に5年入札があるから買いの手が鈍るというのはあるとは思うのですけれども、この前のヤケクソ追加緩和によって時間軸は強化されるわ、コールの一時的な下振れは容認するわ、「長めのターム物金利の低下を促す」とか言われるわという流れからして、「5年は0.20-0.30のレンジですなあ」ってなイメージが市場の皆様に置かれましても作られたのではないかと思うのですが(あたくしもそんな事書いたと思う)、ふと気が付けば5年カレントが0.32%オファーとかに上昇しとるのよ。

一頃TIBOR3か月が5年金利の下限ってなイメージがあったのですが、追加緩和期待とかでそのラインをぶち抜けた後はすっかりTIBORよりも低い水準が定着していたのですが、そんなこんなでTIBOR3か月のレートに5年カレント国債の金利が再接近しているのがチャーミング(日本円TIBOR3か月は0.34%とかだったと思う)な訳です。

でですな、そもそも時間軸強化だの長めの市場金利抑制(2年国債の買入もまさにそうですわな)だのという追加緩和がありますから中期ゾーン辺りまでの金利が低位安定してその辺りが頭鉄板裏目無しという認識の下にその先の金利がどうなのよとゆー話をしている筈ですので、ここで5年カレント金利が何か特に抵抗もせずにダラダラと上昇して0.3%台に乗っても更にダラダラというのはちょっと話の前提が変わっちゃいますよねという所で、まあ裏目千両というようなテイストを感じるのでございます。

何かユーロ円金先のカーブを見てもフラットになってきてますし、追加緩和の追加緩和が実施される観測というか盛り上がりというかテンションの低下が背景にあるのか、単なる入札前の一時的な需給なのか(まあ入札で流れがあっさり変わるかもしれませんからねえ)はよー知らんですが、この辺りの動きを足元のGCレートやら短国レートの動向と絡めてこじつける(もしかしたらこじつけじゃないかも知れませんけどね^^)と、GCレートを高止まりさせるような調節やった結果市場金利が結局下がらないのって追加緩和実施で言ってた話と整合性が取れませんよねえとか言われ兼ねないと思いますけどどうなんでしょうかねえ(ってあたくしが率先して言ってますかそうですか^^)。

#なお、最後のパラグラフの最後の部分はこじつけ成分がかなり入っている点につきましては大事な話ですので念の為もう一度申し添えます(^^)

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2010/11/05

○米国様におかれましては何か経済効果出る前に市場だけ走る悪寒が

いやまあ常にこの手の話ばっかりするのが仕様のあたくしですがね(^^)。

さて、米国は今日も今日とてカーブのスティープが進行というか手前だけブルスティープと言うかって事で、まあとりあえず流動性相場と言うか金融相場モードをやっているというのは把握したってえ感じですか。

http://www.bloomberg.co.jp/markets/index_americas.html

米国10年国債 2.487 -0.081 101.188
米国30年国債 4.065 0.027 96.734
(東京の朝6時ごろの数字でござる)

今回の決定って10年くらいまでのトレジャリーに関して言えば市場の流通量を思いっきり買い上げる攻撃になるようですので、力技攻撃と言う事で10年の金利が低下しておられるようでございますが、その一方で30年国債の金利は正直にサガランチ会長。まあ流動性相場で株は上昇するわ金価格は上昇するわとリスク資産の価格が上昇し、おまけにまたドル安も進行してますから債券の長いところが売られるのはシャーナイナイという所でございますかな。

でまあ今回は「マンデート達成の為に必要な水準になるまで」資産買入を継続するという威勢の良い話をしていますので、長いところが金利上昇すると言っても力技で10年くらいまでの国債を買う攻撃をしていますので、そこまでの金利は需給要因の大勝利により低下というのが前回の資産買入と違うチャーミングなところではございます。

つーてもですな、国際商品価格は上昇するわドルは下がるわという流れを思いっきり作ってしまったので米国様におかれましては輸入サイドを中心に川上の物価上昇圧力が高まるのが必至という所かと存じますが、その川上の物価上昇圧力が消費者物価に跳ねるのか、それとも川下まで波及しないで中間部分でのマージン圧縮で吸収して企業業績の悪化に跳ねるのかというのも興味津々ですし、足元の30年債の金利がとりあえず上昇と言うほどの上昇はしていませんけれども、ここから上昇した場合に(10年とかの金利が力技攻撃で下がり続けたらさすがに後ろの金利がそんなに上昇しないと思いますけれども)米国の住宅市場(と家計のバランスシート調整の進捗が)大丈夫なのかとかも興味津々だったりするのです。

まあ行き着く先はコストプッシュのスタグフレーションになるか、それとも期待インフレは上昇したり川上の物価が上昇する中で企業収益なり住宅市場なりがコケてリアルの物価が上昇する前に副作用の方が先に出てくるとか、どうもこう碌でもない事ばかり考えるのはあたくしの根性に問題があるのでございますが、はてさてバーナンキ先生はどう捌いて行くのか生温かく見守って生きたいと存じます。

とりあえず足元では商品とかの価格が上昇して金融相場モードになるのでございましょうけれども、その後どうなるのかというのはよーわからん世界で頭の体操の世界でござんすにゃ。というか頭の体操をダラダラここで書いただけなのでしてどうもすいませんm(__)m



○GCが上昇したりコールが0.104%になっている件について

昨日の無担保コール翌日物金利(速報)。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/mp101104.htm

<平均> 0.104 %
<最高> 0.150 %
<最低> 0.080 %

さて、先般の包括緩和(もうちょっと言い方があると思うのですが・・・例えば「ダブル緩和(量的緩和と信用緩和のセットという意味で^^)」とかどうでしょうかねえ^^)によって決定されたディレクティブは以下の通り。

『(1)金利誘導目標の変更(全員一致(注1))

無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0〜0.1%程度で推移するよう促す(注2)(公表後直ちに実施)。』(10月5日会合声明文より)

ということでございまして、更に総裁会見では、

『日本銀行が潤沢な資金供給を行っている結果、今でも無担保コールレート・オーバーナイト物が、誘導目標水準の0.1%を幾分下回ることが生じていますが、今後、資産買入等の基金を通じて、一層潤沢な資金供給を行うと、日によっては、これがより大きく下回る可能性が高まることも予想されます。資産買入等の基金を通じて、長めの市場金利の低下やリスク・プレミアムの縮小を図ろうという目的を達成するためには、そうしたオーバーナイト金利の一時的な振れを明示的に許容する方が効果的であると判断しました。』(10月5日会見より)

という話をしてた筈なのですが、足元ではGCレポレートも(東京レポレートのS/N取引の数字辺りを見ていただくと大体の目安になるのですけれども)ずーっと強含み状態になっていまして、昨日ちょっと足元のGCが下がってくれたようなのですけれども、ここもと延々と0.12%だの0.13%だのというような水準で取引されてたり、T/Nとかが逼迫すると更にその上のレートになってみたりというような動きが散見される訳でございまして、まあ要するにGCレポの金利が下がりにくくなっているのですわな。

でまあ何でそうなっているのかと見ますと、今積み期間では準備預金の残り所要を見ていると準備預金の進捗が遅く、まあ当座預金残高が若干抑え気味になっているのもあるのですが、恐らくはGCなどに資金を出したがらない(事務コストと事務リスクを考えたらスタッフが少ない金融機関(ってつまり外銀とかですな)だったらGCで12bp出すのと超過準備で10bpの比較したら超過準備を選ぶ人がいても全く不思議ではない)金融機関の所に超過準備が滞留して資金の流れが悪くなっているのでGCレートが上昇しやすくなっている、というのもあるのでしょうな。

更に言えば、全体の準備預金積み進捗がやや遅れているという事は大手銀行さんのところでの準備預金積み操作が従来よりも遅めになっているという事だと思われますので、それはつまりGC市場の主要な資金出し手さんの大手銀行さんの所で資金がそんなに余っていないという事になるのではと思います、よー知らんけど。


ということで、何を申し上げたいかと言いますと、足元GCが12bpだのという状況が結構続いているのですけれども、その辺りに関しては意図してやっているのか意図しないでやっているのか知りませんけど、上の方で引用した総裁会見での説明と整合性取れているんですかねえという話なのです罠。

即ち、GCレートが12bpだのという状況が(瞬間跳ねるのはまあ良いとして)それなりに続くと言う事になると、現状での金利水準からすると1年以内の国債持っていると逆鞘になってしまうので、債券ディーラーとしてはそうそう長く持っている訳にも行きませんし、投資家と言えどもファンディングコストという概念はある人が多いので、ベースの金利水準が包括緩和前よりも(極めて微妙ではございますが)レートが上昇しちゃってますよねという状態が続くのは、上記総裁会見にあります「長めの市場金利の低下」と話が合ってないように思えるんですけどどうなんでしょうかねえと言う所です。

しかも昨日に至ってはコールの加重平均が0.104%になっちまいまして、いやまあディレクティブは「0〜0.1%程度」と「程度」というヘッジクローズも入っていますので0.104%だからディレクティブの範囲内の世界ちゃあ世界なのですが、期末でも年末でも税揚げでもない日で0.104%ですかそうですかと言うところで益々2008年の頃に日々調節に悪態をついていた頃を思い出させる今日この頃なのでございまして、微妙なテイストを醸し出している次第です。

#なお、昨日は財政要因の払いが多いので資金需給的には余剰日ですけれども、財政要因で余剰の時の方が資金繰りのブレが大きいのでコールが上がりやすくなるというのはあるにはありますので念の為申し添えます。

何かね、資産買入が始まってから当座預金残高を増やすというような事を考えているのかなあという気がするんですけれども、そんなのんびりした話しててエエノジャロウカノウという気がする訳でして、何かそのあたりに2008年を思い出す今日この頃だったりするという訳なんですけど、判る人に判っていただければという雑談というか雑感と言うか悪態なのでございました。


#などという雑感を書いていたら時間がなくなってしまったので本日は何が何だか訳の判らない雑談だけになってしまって恐縮至極でありまする。なお、書くと言ってた決定会合議事要旨のネタが無いのは気のせいです(大汗)

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2010/10/28

○米国金利上昇とな

ほほう。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aS8G3LXT8Hz0
米国債:10年債、6日続落−追加緩和が小規模にとどまるとの観測で

ブルームバーグによりますと米国10年債が2.720%で30年債が4.056%とゆーことのようで、30年が4%抜けちゃいましたなあ(とりあえず寸止めで粘っていた)というのもありますし、10年も2.7%とは随分戻りましたなあという所でございます。

でまあそれはそれで良いのですが、記事にありますように『30年債利回りは続伸。2年債利回りはほぼ変わらず。良好な経済統計の内容を背景に、FRBの金融緩和策では追加購入する国債の規模がトレーダー予想を下回るとの見方が広がった。』(上記URLより)ということで、何でもWSJとかにその手の記事が出たとか言ってましたけど、こりゃFRBの捌きが難しくなって来ましたなあという感じがするざます。

つまりですな、元々金融緩和期待で米国長期金利が低下してきたのは良いのですけれども、9月のMinuteが出る前後からその追加緩和ネタが「通貨(切り下げ)戦争」だの「プリンディングマネー」だのという扱いになってインフレ期待のような物が盛り上がったと思うので、実際に国債買入を大規模に実施したら瞬間は買われるにしてもその後ってやっぱ「プリンティングマネー」「財政マネタイズ」というネタで長いところの金利は上昇しても不思議じゃないと思っていたのですが、昨晩の米国債市場の結果からすると追加緩和の規模が小幅だとそれはそれで売られるという事なのでしょうか。

何か単に足元の経済指標がそんなに悪くないので、ここもと実は景気悪化の方を織り込みすぎていた反動が来ているだけなのかも知れませんが、金融緩和というか国債の買入の規模に関してもマーケットがどの程度の期待をしていて、規模によってどのような反応をするのかという点に関してFOMCの市場コミュニケーションがどのようになるのかをニヤニヤしながら眺めたいと思いまする。

一応あたくし基本的にメインで考えているのは、米国はそうは言ってもFOMC議事要旨などにあるように、長期金利(30年のMBSとか)低下によってゲロゲロの住宅市場の支えになっているというような認識でいると思われますので、長期金利(特により長い所)の金利をホイホイ上げるわけに行かずという事なので、そんなに派手派手に国債買入をぶち上げて「プリンティングマネー」の発想が先に来て市場だけ金利上昇で走っちゃうというのを避けるから、そんなに急にでかい規模での国債買入を打ち込まないかなあとか漠然と思っていたのですけれども、上記のニュースのような感じで「小規模だったら失望売り」が30年金利の辺りまでどどーんと来るのであれば、小規模というのも難しいのかなと思い出しまして、益々来週のFOMCが楽しみになって参りました。


まあいずれにしても「国債買入が大規模」→「期待インフレ率が市場だけ先行して盛り上がって長期金利上昇」→「長期金利上昇が景気の足を引っ張る」→「実際のCPI上昇率が回復する前に景気悪化でデフレの罠に」とか、「国債買入が小規模」→「期待インフレ率が上昇しない」→「引き続きCPI上昇率低下でデフレの罠に」などという神展開を見せていただきまして、バーナンキ大先生におかれましてはお詫びに髭でも剃って頂くという神展開になる事を妄想して止まないあたくしは性格に問題がありますですかそうですか(^^)。


○GCが下がったと思ったらまた上がったでござるの巻

昨日はGCレートまた0.12%水準に。

いやあ何か今週になってオペがGC放置プレイじゃ無くなって来ましたね何てことを昨日書いたのが変なフラグになったのかどうか知りませんが、昨日は資金供給オペがそんなに多くなくてまたさっくりGC0.12%水準に戻ってやがりますな。まあトモネとかは一応低いみたいなのですが、ど〜もGCの水準が暫く0.12%乗せで推移していたせいか、目線がちょっと高くなってしまっていて、ちょっとこう供給が気持ち少なめですなあとなるとあっさり0.12%に戻るというのも何ですなあという感じです。

いやまあ昨日もああでもないこうでもないと書きましたので繰り返しになっちゃうのですけれども、金融政策決定会合およびその後の会見などでの話のトーンだけ見ると直ぐにでもホイホイと資金供給を増やすかのようなトーンではございますが、一方で実際のオペレーションでそんなにホイホイと供給オペが出るでもなく、いつもと同じ状況ですなあというのって、2008年後半の動きを彷彿させる所ではあるのですけれども、まあ2008年の時みたいにGCレートがロンバート水準まで上昇してオープン金利が高止まりになってCPレートが爆発というような切迫したような動きではなく、単にGCが0.105/11なのか0.12/125なのかという話ではありますと言ってしまえばまあそれだけとも言えるので、この状況でいきなりどうしたこうしたというのがある訳では無いのですけど・・・・

で、ついでに話の筋が脱線しますが、確かにまあ介入の時の総裁談話とか見ますと威勢の良さそうな話をしていますが、冷静に今月の追加緩和の内容を読めば「向こう1年掛けて資産買入を行っていきますよ」という話であって、しかもその内容はこれから決まるという事でもありますので、そーゆー意味で言えば別に当座預金残高が現時点で大して増えていないで、GCレートに反映されるようにタイト目の資金供給オペが実施されていますなあという現在の状況は、まーそれはそれで良く良く考えますと別にインチキでは無いのですけれども、ど〜もこう何だかなあという感じがする訳ですな。そんなこんなでちょっとこう市場との温度差があるんジャマイカとゆー気がする今日この頃なのでありますが、別にあたくしの脳内妄想で考える市場との温度差というのがただの脳内妄想なのかも知れないので、その辺の判断は留保しておきます。ただ、例えば金先とか2年債利回りとかTB利回りとかのプライスアクション見てると温度差あるんじゃないの??って気はしますということで。

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2010/10/27

○GCが高止まりですなあと書こうと思ったら低下しました

まあ要するに小見出し書いたらそれで終了という話なのですが(^^)。

えーっとですな、9月の為替介入実施で非不胎化介入がどうのこうのという話が一瞬盛り上がった訳ですが、日銀当座預金残高ちゃんはそれ以降17兆円前後での推移という調節が続いておりまして、まあその数字ってどうせ介入実施した9月15日前後の当座預金残高15兆円に介入額の2兆円を足した数字を意識してるんでしょという所なのでございます。

でですな、その数値をそのままキープしていたら新しい積み期間に先週から入ったのですけれども、当座預金残高は相変わらず17兆かつかつの水準で推移するような資金供給という事で推移してたらGCレートが0.12%近辺で高止まりするでござるの巻。7月とか8月とかの数字を見てますと積み前半期間(つまり月の後半)は大体当座預金残高が18兆円ペースで回していまして、その点で言えば微妙に当座預金残高が少なめなのと、資金需給の関係で、当座預金残高水準が17兆円前後だとオペ残が31兆円近辺になってしまいますので(企業支援貸付を乗っけると4600億円ほどそれに乗りますけれども)、オペ残水準が少な目という感じになるのですな(例えば8月後半から9月前半はオペ残が35兆円から38兆円)。

でまあその結果として、積みの前半にしては資金供給がきつめという形になってしまいまして、GCレートが0.12%〜0.125%辺りで妙に高止まりする状態がここ2週間近く継続していまして、そろそろ悪態でも書いてやろうと思ったら一昨日辺りからGCレートが低下してきて昨日のGCレートもレギュラーで0.115%水準に低下と相成った次第で、ちょっとタイミングがずれたなあと思っているのであります(^^)。

ここへ来てのGC落ち着きに関しては、22日の財政揚げ超に対応して資金供給オペが増えて(企業支援抜きベースで)オペ残がやや増えたのと、今週になって当座預金残高が18兆円台になるようなオペレーションになって(今日は17.6兆円になるようですが)来たのが影響していると思われますが、よーするにそれまでは当座預金残高17兆円を意識していたのかどうかは知りませんが、そっちの方はきっちりキープする中でGCレートが0.12%レベルに上昇するのを放置プレイだったという中々こう意味の判らん動きになっておった訳ですな。


いやね、そんな中でも3か月TBは0.11%割れ水準で推移していましたし、(昨日は買いでも入ったのか0.105%レベルにまた低下)1年TBは0.11%辺りで推移していますし、そーゆー意味では「より長めの金利」は大して上昇しなかったのですけれども、追加緩和実施の時に1年は0.105%に低下して3か月は0.10%を買いそうな勢いだったのから比較するとやや残念な展開でもあります。というか2年国債の金利って昨日とか0.135%がオファーレベルだと思うのですが、追加緩和期待というか追加緩和やるんでしょ状態になってい先月末(9月末ね)の水準が0.130%だったので、それよりもレートが上昇しているというのもこれまた残念なお話でありますが、GCレートが0.12%水準定着とかになっちゃいますと、それよりも低い利回りの債券は業者的には持っているだけで逆鞘になりますから、そらまあその辺の利回りが下がりませんなあという事になりますわな。

てな訳で、何でGC0.12%水準が続いているのにオペが増えないのよという悪態でも書こうかと思ったのですが、さすがにそれはどうかという事になったのか今週になってちょっと供給オペが増えましたという所だと思います。


でですな、まあそのGCレートが微妙に高いのが続いているからオペを少し多めにしましたというのは良いのですが、ど〜もこの資金供給オペのスタンスが読みにくいというか明快じゃなくて、今週になって供給オペが増える前の状況を見ていると当座預金残高の17兆円水準を意識しているのか、それともコールレートが過度に下がらないように意識しているのかというイメージを受けるのですけれども、今週になるとGCの高止まりに対応したようなイメージがある訳です。一方で9月15日の介入前後の日銀の声明だか談話だかみたいなのとか、今月の包括緩和実施で示されている話によればもうちょっと威勢良く資金供給オペを実施して金利を下げましょうという話をしているようにも見えますしとゆー感じでありまして(ディレクティブでもコールの下振れ容認しているんですし・・・・)まあ要するに何をターゲットにしてどうしようとしているのかがヒジョーに読みにくいというか首尾一貫していないというかというのが何ともという感じです。

いやね、別に何がターゲットでも良いのですが、オペレーションの上げ下げをするのにどこの数字を見ているのかというのが一定していないように見えるというのはつまり金融調節がどんな感じで回っていくのかが読みにくいという話になりますわな。で、ここもとずーっとそうなのですが、追加の緩和みたいな措置が実施された後に妙に短期国債が強くなってから「あらら」と失速するというようなのが続いたりするのって、もちろん他の要因もありますけれども、オペが何見て打たれているのかが良く判らなくてGCが微妙な振れ方をするのも原因ではないかという気がするざます。

いや別にGCが振れるのが悪いのではなくて、GC放置プレイなら放置プレイな調節を一貫して実施していれば良いのですけれども、時にはGCを気にしたような調節をやるかと思えば、放置プレイみたいな調節になってみたりとか言うのが予測可能性を下げるのでやりにくくなるんですよねという話であります。ただまあエライ人の発言とかだと如何にも資金供給を景気良く実施しますよ的なニュアンスがある、とゆーのもありますので、何だかどうも訳判らんですなあというのがある次第でございます。


#と、延々と債券市場の人でもたぶん関心の範囲外というか何の話をしているのかさっぱり判らない話をしてどうもすいません

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2010/10/22

○市場雑談系の雑談

・20年国債入札でしたが

えーっとですな、まあ結局トレンドが出るような話にはなりませんでしたなあというありがちな結論なのですが、入札そのものは何となく前場引けよりも強くしてみたり、そもそも前場にそんなにコンセッションしなかったりという感じで中々結構な感じだったのですが、終わってみれば10年カレントの方が20年カレントよりも強いというワケワカランチな引けに。何か20年入札の落札結果出た後に20年から10年に入替でもしたのかよというような動きでございまして、前場のバランスでは10年のほうが弱かったので、なんちゅう嫌がらせのような動きですかという所ですが、まあトレンド出るような話にはなりませんですわなあという感じだったんですかね、よー知らんが。


・GCが妙に下がらない件について

先週更新をサボっている間に積み最終を迎えて今週は新しい積み期間に入っているわけですが、先週末の積み最終日とかコールの加重平均が0.098%とかいう大変にお洒落な数値になっていたのですね。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/md101015.htm

いやまあディレクティブは『無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0〜0.1%程度で推移するよう促す。』ということで「程度」というのが入っているので0.1%をちょっと越えても「程度」の範囲内なのかも知れませんが、「包括緩和ですよ実質ゼロ金利ですよ」と鉦や太鼓で触れ回った直後にさっくりコールが0.1%に乗ったらそれはそれで極めて香ばしい展開になっていたかと思うと意味不明の感に耐えないのでありまする(−−)。

何かよー判らんのですが、足元のGCが妙に下がらなくて、0.10%台どころか0.11%〜0.12%辺りで相変わらず推移していて、一方でTBは3か月で0.105%で1年で0.11%というような感じになっているという微妙な展開。GCの資金のところがあんまり回っていないのか、ショートファンディングが溜まっているのか(まあその合わせ技っぽいですが)という所なのですが、そもそも論として別に今日明日に追加緩和の追加緩和で利下げが来る訳でもないと思うのに、何でそうショートファンディングが溜まるのかねという気はするざます。固定じゃな方のオペでも0.11%が取れるのですから、そんなにショートファンディングに傾くもんなのかなあとか不思議に思ったりする今日この頃なのでありますが、ど〜ゆ〜感じなのか教えてエロイ人という所です(結論は人のふんどしなのですが)。

あとね、「包括緩和」だの「介入資金も利用して潤沢な資金供給」と言っている割にはそんなにオペが増えてないような気がしますなあとか、6Mの固定オペってまだ2本しか打ってませんよねえ(あたくしの計算間違ってたらすいません)とか、まー微妙なところはありますな。つーか包括緩和でディレクティブ変更した時のイメージからするともっとオペがバンバン出て銀行はブタ積み(付利があるからブタには成らないが)をバンバン増やすという感じだったのですが、そんなに大手銀行さんが超過準備を積み上げている風も無く、何だかねえという感じはするのですが・・・・どうもこれって08年の時の何つーか微妙なオペレーションの匂いを感じるのは考えすぎですかねえ。

#08年の微妙なオペレーションというのは当時(09年の10月〜11月あたり)の悪態並べた駄文をご参照下さい(^^)

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2010/10/21

○20年国債入札ですなあ

最近相場雑談をしておりませんが、微妙に相場見るのさぼっていたらすっかりプライスアクションのイメージが訳判らなくなってしまいましたというのと、追加緩和炸裂で中期までが安定しちゃって動くのがカーブの一番後ろだけみたいな感じになっているというのもありまして、ど〜もこうピンと来ないのはあたくしのせいなんですけれども(汗)。

と言う訳で(どういうわけだ)本日は20年国債入札なので、これでちったあ動くかなあと思うのでございますが、足元では超長期の所が売りが出ていたっぽくて何となく重そうにしているようにも見えるし、そうは言いましても売りが出たとかいう割には相場の位置が下がると買いたい人もいるみたいで重い重いという割には妙に値持ちしているようにも見えますし、こーゆー微妙な時には需給動向に変化が起きるという意味で入札前後の動向でも見ておきましょうという話になるって感じなんでしょうか。

まあここもとの入札って頑張ってその前に調整しておいて入札を迎えるからそこまで悲惨な結果にはならないのですが、何か知らんが入札後のセカンダリーでそんなに売れない上に別の年限売りに来るアホウとかがいたりして結局の所ロングが残るという変なパターンが続いているみたいですけれども、さて本日はどうなるのやら。ここ2日ほどはあんまりコンセッションしてませんけど、そもそも10年とかから見たら散々甘くなっていますのでそういう意味ではやはりコンセッションはしてるちゃあしてるのですが・・・・

ということで別に予想でもなんでもなくて、単なる俺様備忘メモでございましたです。結局の所米国FOMC様に置かれまして実施予定のQE2ちゃんの結果で米国のイールドカーブ(の長い所)がどう動くのか次第でそれの様子見モードですがなという所だと思いますので、目先いきなりトレンドは出ないのかも知れませんが、出るとしたら入札がきっかけになると思いますので、とりあえずメモにしただけという話でした(大汗)。

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2010/10/07

○市場メモ雑談

日経新聞の昨日の社説は「一日前の社説じゃないの」というふざけた内容だったようで、なんつーかもしかしてこの新聞社って実施された金融政策の効果に関して目先のドル円市場のプライスアクションだけ見て評価しているんじゃねえの頭おかしいんじゃねえのという非常に素敵な内容でありまして、まあ日経新聞は各種データだけ正確に報道すりゃええんじゃボケという感慨を深くする昨日の朝のひと時でありましたがそれは兎も角として市場メモメモ。

長いところに関しては、昨日は見事に10年ゾーン(というか9年近辺以降)の買いが強くて10年の所に向けたブルフラット恐るべしの展開に。中期は5年の所がカレントの引けを0.200%にしてまして、一時たぶん0.2割れとかにもなっていたような気がする(よく覚えてない)次第で、まあこちらも堅調ですけれども、さすがに水準が水準なだけに1ミリも売られない(というのはオーバーですが^^)けれども強くなるのも限界的という感じ。

まあ何ですな、強力時間軸攻撃で中期3年半あたりの金利まで0.12%だの0.125%だのという素敵な平坦化となっておりまして(と言う事はまあ3年半は0-0.1%状態ですなあという認識なんざんしょ^^)、辛うじてその後ろからカーブらしいものが発生するという状態な訳ですが、まあそれに引っ張られて5年も0.20%とかになっている次第で、さてそうなって来ると5年の0.2%水準が絶対水準として間尺に合うのかとゆー話になるんでしょうな、うんうん。

で、その先のほうまで手前からカーブを潰していくというのがよくあるお話なのでしょうが、そもそも金利の絶対水準が必要な収益に足りないですがなというお銀行様の懐事情もお有りなのかどうか知りませんが、より金利収入出るところに行かないととなりますと裁定ゾーンの後ろの方にもやってくるという話になりますし、更に言えば従来5年ゾーンでドンパチやっていた分に関しては強力時間軸で5年がウゴカンチ会長&水準が足りませんがなという事になりますと、その先で流動性が高くて利回り水準もまああるって話になるとやはり10年という話になるんでしょうなあ、ということで10年近辺に向けて強い買いご登場と。

一方で超長期はさすがにこの前のお縄先生ショック(本当にお縄要因で売られた訳ではないと思うけどすっかりそういうネタ扱い^^)で痛い目にあった記憶も新しいのでそっちでオリャオリャというのもまだ早いという事なのか、それとも今般の追加緩和によって資産買入を行うと言うあたりにさすがに影響有りと感じているのかどうか知りませんが、こっちは伸び弱し。10年が貫禄の高値絶賛大更新をする間に20年120回という8月の絶賛高値入札が行われた銘柄のお値段は昨日の引けでも99円3銭6厘という入札レベルからほど遠い水準というのが実に心温まる状況。

ま、オリャオリャ大会が「10年の0.8%台では利回りが足りない」とか言い出すと20年にもまた祭りの神輿がやってくるのでしょうが、とりあえずお祭りは裁定ゾーンの後ろで絶賛実施中ということで。


短い所ですが、昨日はTB3か月の入札が行われましたが、こちらの水準はこの通り。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/tbill/tbillnyusatu/resul221006.htm

(3)募入最低価格 99円97銭2厘5毛
(募入最高利回り)
(0.1035%)

(4)募入最低価格に 94.1870%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭2厘6毛
(募入平均利回り )
(0.1031%)

いやまあいきなり0.10%に張り付いたらどうしようとか前日の時点では少々びびっておりましたが、そもそも資金供給ちゃんはこれから増えていく話で、足元で突如何兆円も打ち込まれた訳ではないということで、昨日はGC市場のレートも0.105%水準と特に派手な下げをした訳でもなく、まあ更に愚考するに、昨日は9年とか10年とかを買うのに皆様ご多忙のようで、3か月短期国債のことなんぞ知った事かという状態だったのではないかと(^^)。

いやまあ水準そのものは0.103%ですから十分低いですし、ど〜せこれから超過準備が積みあがって来れば徐々に0.100%に収斂するんでしょうけれども、まあ今回の「金利下振れ容認」はあくまでも自然体で低下するのはOKという事で、無理矢理コールを押し下げに行っているわけではないから当然ちゃあ当然でしたな(汗)。

昨日のコール。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/mp101006.htm
平均0.085%

一昨日のコール。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/md101005.htm
平均0.090%

ということで、まあ一応下がるには下がってますなあ程度のお話で、いきなり6だの7だのには下がりませんでしたな(大汗)。

それから、TIBORがちゃっかり下がっていて、リファレンス銀行の出したレートの変化を見ると中々こう味わいの深いものがあったり無かったりするのですが、その辺に関する考察は割愛いたします(^^)。

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2010/10/01

○末初のGCが上昇したらしいのですが

全然荒れませんなあとか変なフラグを立ててみたら昨日は末初のGCが上昇。何か朝から成行売り(=GCの売りは資金の調達)状態になっている向きがあったようで、大変に香ばしい展開になっておられたらしく、一時はロンバート近辺まで上昇したようでおじゃる。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=aPhvT1sSA0qk
期末のレポ金利が大幅上昇、日銀オペ期待の反動−ロンバートに接近

とは言いましてもここの記事にありますように、

『国内証券のディーラーは、大方の金融機関が通常より高めの金利でも早めに資金手当てを進めており、日銀の対応を期待して行動をとらなかった金融機関にも責任があると指摘する。』

つー感じですし、それ以前の問題としてギリギリまで手前のGCやらコールでファンディングしてその分コスト下げているんですから、別に末初一日だけ0.30取ったって問題ねえじゃんと思うのですが、どこのベンダーだか何かで見たのか忘れましたが、日銀のオペ姿勢がどうのこうのとか言ってる人がいたとか居なかったとかゆー話もあったようで誠に香ばしい話です。

いやね、それって只のポジショントーク&物乞いじゃねえのという感じでございまして、末になったらT+0のGCなんて大手銀行さんが決算の数字を固めるからシュリンクしまくる(末残で銀行が資金取引を増やすとバーゼル規制上カウンターパーティーリスクが掛かってリスクアセットが増えちゃうじゃん)んですから、何でそこまで粘るのよ(前日にT+1で末初GCをやっていた時にも思いましたが)という所で、文句言うほうも言うほうでしょという感じですな。

つーか、文句言いたいのでしたら思い切って嫌がらせにロンバートで千億ロットで借入をしておいてどっかの日銀叩きの好きなベンダーなりに「日銀のオペに問題があるからロンバート借入が出た」みたいなわけの判らんネタでも持ち込めば喜んで記事になって短期市場の中の人たちは失笑するけど、何かとりあえず日銀が悪いという話が好きな人たちがまた喜んで飛びつくの図というのが見られたのにねという感じですが(苦笑)。

ま、その人(人なのか人たちなのか知らんが)の調達が一巡して午後になったらレートは低下したみたいですし、まあ別にここの金利上昇が何かターム物金利などに影響を与えたかといえば1ミリも影響を与えておりませんので、まあ別にど〜でもよかろとは思いますが、最後に妙にドタバタ的な雰囲気でご苦労様でございましたなという所でございます。

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