分類不能の雑文

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とりあえずここにぶち込んでおきますが、いずれ整理する所存・・・と言い続けて早や・・・もうサイト作ってから6年以上になるのか・・・・整理していません。

過去の雑談

2010年下期
2010年上期
2009年下期
2009年上期
2008年下期
2008年上期
2007年下期
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2005年下期
2005年上期
2004年下期
2004年上期
2003年下期(以前の整理はまだできていない)

2011/09/29「みんなの党は相変わらずのようで」
2011/09/14「枝野さんが経済産業大臣になっていきなりのアンチビジネス発言を」
2011/09/05「新内閣発足で雑談」
2011/08/30「民主党代表選挙雑談:お縄先生&前張先生プギャーとな」
2011/08/23「相変わらず電波の洋一先生をwhat_a_dudeさんが詳しく解説^^/その他少々雑談小ネタ」
2011/08/03「高橋洋一さんの電波の電波振りの解説紹介/何でもかんでも賠償対称にするなよ」
2011/08/02「みんなの党江田議員の外為特会使い込み提案(笑)/高橋洋一先生も電波発信中」
2011/07/29「減税日本(笑)愛知県大村知事は介入の依頼をしていますが相手を間違えてます」
2011/07/07「ロイターの壊滅的クオリティ記事」
2011/06/29「静岡県川勝知事は出資と融資の区別がつかない知能の残念な人のようです/産経ブーメラン(笑)」
2011/06/22「東証社長の見苦しい言い訳/みんなの党中西健介議員の頭の足りない外為特会活用提言」
2011/06/17「財政マネタイズを主張する馬鹿が200人以上国会にいるようです(メモ)」
2011/06/15「東電法案閣議決定も枝野官房長官しつこく妄言/東大岩本教授(経済学)の電波発言」
2011/06/09「河野太郎スキームあえなく崩壊ざまあ/自民党もなんかおかしいぞこれ/産経電波浴」
2011/06/08「東証社長が個別の上場企業に関するコメントをするのはそもそもおかしいのではないかという話」
2011/06/07「東証社長と河野太郎議員のブログで東電株と電力債が大変なことに/富士通総研の根津利三郎ってのは馬鹿じゃないでしょうか」
2011/06/03「内閣不信任案は盛大な茶番でした」
2011/06/02「昨日の訂正/R&Iも東電格下げなど」
2011/06/01
「社会保障と税の一体改革案が出たところでネガティブウォッチとな」
2011/05/31「S&Pが東京電力格下げ/しかし政治はスタック状態」
2011/05/26「枝野官房長官国会で見苦しい言い逃れを行うの巻」
2011/05/20「枝野発言で東京電力およびその他も含めてCDS、社債スプレッドは急拡大」
2011/05/19「法案提出に時間がかかるのでと発送電分離ネタに飛びつくのは危険だと思われますが」
2011/05/18「更に話がねじれている東電問題」
2011/05/17「経済界は反発し、官房長官は開き直り、法案提出は先送りとな」
2011/05/16「東電賠償スキーム関連の悪態はなお続く」
2011/05/14「特別更新:2閣僚の無法発言に抗議するエントリー」
2011/05/13「金融機関への法的根拠無き恫喝スキーム発動とはこれ如何に」
2011/05/12「東京電力賠償スキームに謎の項目が/河野太郎議員のキチガイ主張」
2011/05/11「東京電力賠償支払スキーム案が出てきたようで」
2011/05/10「中部電力浜岡原発に見る現政権の無法体質」
2011/05/06「どうも投資評論家とやらは開示資料の確認もしないで嘘書いて通用するらしいですな」
2011/04/27「妙な商品を上場しようとしている東京金融先物取引所」
2011/04/22「交付国債とかソルベンシーUについて/想定元本130兆円ってどうしたの三菱証券さん」
2011/04/15「bewaadさんの所から補足」
2011/04/14「相変わらずカオスな政府/bewaadさんのところから」
2011/04/12「この内閣はなんでそう東電に全部おっかぶせようとするのかね」
2011/04/08「東証は取引時間をむしろ短縮すべきと思いますが」
2011/04/07「国会鑑賞会:大門さんの名演説と自民党西田昌司さんの支離滅裂質問」
2011/04/06「東京新聞の馬鹿社説」


2011/09/29

○その他どうでもいい雑談(ここまでもどうでもいい雑談とか言わないでちょ^^)

・東電といえばみんなの党(ナンジャソラ)

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=au_nTyJSIh9Q
みんなの党・渡辺代表:東電は「ゾンビ企業」になる前に破綻処理を

・・・・・・いやあ渡辺先生におかれましては自分の政党の現状を非常に正しく認識しておられると思ったら東電でしたかこれは失礼いたしました。

で、破綻処理をすると賠償原資が何故か大量に捻出できるそうですが、そらまあ法律的に同順位の債権の片方だけ削減するという無法措置取れば原資は出てくると思いますけど、法的破綻処理というのは法の下で実施しないと法的破綻処理になり得ませんので、どこからどう見ても無理筋とか計算以前の問題(元々の計算も変だと思うが)の話をしているのが立法府の人間としてのハイブロー振りを示しておられますなあと思うのでありました。

みんなの党ネタではwhat_a_dudeさん(毎度勝手にネタにしまして恐縮です)の最新エントリーのツッコミが面白かったので勝手にURLを置いときますね。

http://d.hatena.ne.jp/what_a_dude/20110927
2011-09-27
法律の書ける経済学者様がブレーンの某政党の人々の発言は流石に趣があるなー(棒)と言う感じのリスト

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2011/09/14

○まったく反省していない・・・・・・・

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110913-OYT1T00501.htm
東電債権者の負担「当然」…枝野経産相

『枝野経済産業相は13日の閣議後の記者会見で、東京電力による福島第一原子力発電所の損害賠償を政府が支援する枠組みについて、「税金の支援がない場合に生じたはずの負担を(金融機関などの)債権者に当然負ってもらう」と述べた。』

『東電は政府の支援を受け法的整理を回避しながら賠償を進めるが、東電の特別事業計画には、金融機関による債権の一部放棄や返済猶予などが含まれるべきだとの考えを示したものだ。』

『枝野氏は官房長官時代の今年5月にも金融機関による債権放棄が必要だとの考えを表明したが、東電の特別事業計画を認可する経産相としての発言は、今後の計画立案にも大きな影響を与える可能性がある。』(2011年9月13日12時56分 読売新聞)

ということで、おもわず全部引用してしまいまして読売新聞さんすいませんすいませんという所ですが、相変わらず何の反省も無い枝野大臣なのであったというのが判明して誠に遺憾の極み。

事後法で優先劣後の順番をひっくり返す話とかのアホラシさに関しては既にこのアホウが官房長官時代に行なった無法発言に関してああだこうだと悪態を申し上げた通りでございまして、まあ何と申しますか全く経済というか金融というかを理解しておらず、あれだけ散々市場を引っ掻き回した件に関してもどうもこの人的には悪いのは東電だと思っているんでしょうなあマッタクモウ。

優先劣後の件をさておきましても、まあそら国家権力は最終兵器みたいなもんでございますから東電の特別事業計画認可しないで賠償機構を作らないというようなワケワカラン大技を繰り出すと脅せば枝野大臣ご所望の展開になるかもしれませんけれども、当然ながらそんな事をやったら債権放棄させられた東京電力向けも当然の事ながら、一発事故が起きたら大変な事になる原子力発電所のオペレーター(原発は停止している時だって事故が起きるリスクあるわけですし・・・・・)、即ち沖縄電力以外の全ての電力会社に対する融資も引き上げないと危なくてやってられませんがな、という話に普通になっちゃいますし、そうなった場合に日本の産業および国民生活の基盤を担う電力会社の資金繰りとかはどうなるの、というような事に対する想像力に致命的な欠陥があるとしか思えない枝野経済産業大臣なのでありました。

まあ何と申しますか、この超目先の事にしか想像できず、先行きの損得に関する件を全く考えていないというこの枝野経済産業大臣ってえのは、「朝三暮四」の故事成語に登場する狙公の飼ってるエテ公にも劣る(エテ公はトータルの数字が一緒で朝三なのか朝四なのかで文句言ったわけですからねえ・・・・・)ようでございまして、猿にも劣るような目先の利益に飛びつく存在ということですから欲豚なんでしょうなきっと。

確かウォール街の相場格言とかいうのだったと思いますが、「ブル(=強気)は時々儲ける。ベア(=弱気)も時々儲ける。しかしホッグ(=欲張り)は決して儲けない。」ってのがあったと思いますが、目先の賠償金負担を減らすために無理筋の話を持ってきて、その結果将来に大きなコストを払わせる事になるというのに全く気がつかない(その上以前その発言をして大混乱を起こしたことへの反省も無く同じ発言を繰り返しているから救いようが無い・・・・・)この欲豚さんはどうにかならんのですかねえ・・・・・・

まあ、目先「金のあるところから無理矢理御用金を召し上げる」ということだけ考えて、叩くと世間的に受けそうな金融機関を無法措置で痛めつければ良いというようなアンチビジネス的な発想を持つ人間を経済産業大臣という重要な経済閣僚ポストに就けるとか野田首相のセンスがそもそも全く意味不明で、民主党っつーのはまともなのは居ないのかと頭がクラクラするんですけどね。

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2011/09/05

まあしかし組閣名簿見ても市場が反応のしようのない展開ではありましたが・・・・

○新内閣が出たので何となく雑談

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110902-OYT1T00384.htm
閣僚名簿発表…国家公安委長に小沢側近の山岡氏

金利の市場の人たち的には財務大臣の安住氏ってのに「?????」感が爆裂。まあ安住さんというとかの著名なガソリンプール発言位しか印象がなくて、財政政策に関する話とかしていた記憶がほとんど無いのでありますけれどもとおもったらやっぱり経歴的に今まであまり財政とか金融とかに縁の無さそうな人。

・・・・・・・えーっとですな、初入閣で財務大臣とか大蔵大臣って方ってゆーのを戦後からちょっと確認したのですが、普通に大物だらけでして、これだけの軽量級(失礼ながら)となりますと第2次吉田内閣で就任して2か月でクビ(というか議員辞職)に追い込まれた泉山三六大蔵大臣ってのがいますが、この人だって帝銀(三井)行員だったんですけどいやはやどうなんすかねえ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/泉山三六

#そういう意味では財務副大臣だけで財務大臣になった野田さんェ・・・・

まあ何ぼなんでも最初はおとなしくしていると思いますが、そのうち微妙に知識をつけた所で生兵法は怪我の元を絵に描いたようなプレーが炸裂して自爆するに100ガロンでありますが、もしかしたら御馬鹿発言をして日本売りを呼んで円高対策にしようとでもしているのでしょうか(笑)。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aQTUW8z3VGq0
安住財務相:円高対策早期実施を首相指示−景気下振れリスク懸念(1)

まあとりあえず就任記者会見は無難だったみたいです(というか就任会見でやらかしたら洒落にならん)けれども、何か他の大臣もこれですし、何でもかんでも日銀にお願い攻撃またキタという感じですなあ。今更何の金融緩和するねんという感じなのですけれども。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=apzH3iX6PJis
古川経財相:円高対応策で日銀の金融緩和に期待感−就任会見


しかしまあ何ですな、今回の閣僚人事って外相とか財務相とかの辺りは身内で固めましたけど、後は見事な派閥人事をしているようにしか見えませんし、政策決定に関しては党政調の権限を拡大するとか、まるで自民党時代に戻ったかのうような状態。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011090300322
政調突出?あつれき懸念も=仙谷氏の代行就任

そうなりますとまあこういう話も出るわけで、これはたまたまネットを漁ったら最初に引っ掛かったのが信濃毎日の社説なんでそいつを引用しますけどね。

http://www.shinmai.co.jp/news/20110904/KT110903ETI090003000.html
民主党政調 先祖返りにならぬよう
09月04日(日)

『民主党の新しい政策決定手続きがまとまりつつある。マニフェストで掲げた「内閣への一元化」原則を撤回し、政策調査会長の了承を原則とすることになりそうだ。党の力は格段に強まる。旧自民党政権では政務調査会で事前審査を受ける仕組みが族議員の温床になり、国会審議を形骸化させた―。民主党が2年前、マニフェストで一元化を打ち出したのはそんな考えからだった。政調の“復権”は政策決定のあり方が先祖返りする危険をはらむ。透明性をどうやって保つか、野田佳彦首相のかじ取りがここでも問われる。』(上記URLより、段落分け部分を改変して以下割愛)

・・・・・・・まあそ〜ゆ〜批判をしたくなるのは判るのですが、逆に考えてみると自民党時代の政策決定プロセスが幅広い関係者の利害調整とかをするのに対して有効にワークしていたという面もあったのではないかとか、内閣に参加しない党の議員も政策決定に参画することによって政策立案能力を高めて政権与党として必要なレベルの確保維持をする事に繋がっていたという点では合理的だったんじゃないですかねえとか思うのですけどね。まあどうでもいいですが。

まーしかし財務大臣に言っちゃあ何だがど素人を嵌め込むとかその真意はどこにあるのやらというのは不思議である。まさか財務省を国会議員の研修施設か何かと勘違いしているのではないかと・・・・・・

#と、柄にも無い床屋政談でございました

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2011/08/30

○ということで民主党代表選挙雑談

まあ皆様ご案内の投票結果ですが俺様備忘録として。

1回目投票

海江田143
野田102
前原74
鹿野52
馬淵24

ということで、この結果を見て「野田さん随分と取ってるじゃん」ということで、先週の頭に前原さんが立候補して「野田さん危うし」という事もあって(まあ米債がその前の週末高値から木曜までの間に30毛甘くなったというのもありますが)その前の週末金曜の10年0.985%から先週末は1.040%にと金利が上昇しておりましたし、昨日も1.04とか1.045とかをやっていた債券市場ちゃんは先物買戻しモード^^;

債券先物は142円30銭近辺から20銭少々上昇して142円50銭〜60銭あたりに上昇しまして、まあ先物が強いですねという展開になりました。んでもって同時に株式市場の方では先物とか下落してTOPIXは一時マイナスに。

どんだけ株式市場に人気無いんだとか思ったのですが、しかし海江田さんになった場合って「3党合意見直し」とか思いっきり言ってた人なのですから、国会がまた空転して第3次補正予算どころの話じゃなくなってしまうと容易に想像できるのですから、海江田さんだったら株は上昇という訳でもないと思いますし、どちらかと言えば野田さんの方が国会は正常化しやすそうですから予算関連とかの話は通り易くなるので、野田さんだからって株を売る事もないだろうにとか思いながら見てましたです、はい。

2回目投票

野田215
海江田177

結果が出た時の債券市場の反応が実に香ばしいというか何だかという感じだったのですが、結果が出て債券先物は全然動かず(というか出た瞬間2銭位下がっていました)という事で、まあ一応ネタにしてみたものの、よくよく考えると海江田さんでも野田さんでもそう極端に違う事ができる訳も無い(野田さんだって民主党代表選挙の期間中に増税話を「いや別に直ぐに増税する訳じゃないですし」とトーンダウンしてましたし、逆に海江田さんになっても国会が空転する事を考えたらそうドラスティックに「マニフェスト遵守」ってなわけにはいかないでしょ)という事なのか、単に1回目投票の結果を見て決戦で逆転確実で全部織り込んでしまったのかは知りませんが、最終結果が出たのにウゴカンチ会長とか中々ワロタです。

・・・・・・というのが市場ちゃんの直接的な反応でございましたが、まあ自爆したり適当にやらかして後は放置プレーとかを得意技とする前原さんにならなくて個人的にはホッとしたと申しますか、「野田じゃあ反小沢で勝てないから本家の俺様が登場してやる」とばかりにドヤ顔で立候補した前原プギャーという所でございまして、実に良いもん見せて貰いましたという所であります。

まあ野田さんだと妙な無茶はしなさそうですけれども、同じことですが「おお!」というような変化も無さそう、という感じではございます。ただまあ領土問題とか安保問題に関してはかなりの強硬派ですから、対中外交ではどこかでひと悶着起きるんでしょうなあとゆー感じ(まあ中国の方がアレという議論は思いっきりあるのでその辺は却って支持率アップになるのかも知れませんけどね)ってところ位ですかね。

結果に関して申し上げれば、先日の菅下ろし不発に続いて連発で失敗となったお縄先生はどうせ党の金庫は握りそこなうでしょうから、お縄一派がこれからどうなるんですかねえ(棒読み)とか、前原さんが世論調査で圧倒的な人気(あたくしはあの自爆属性は精々偽メール問題で党を自爆させる位に留めて欲しいのであって、宰相になって日本を自爆させるのは勘弁とか思っていますから1ミリも支持できないんですけど)ですけど人望が無いんですねえとか、色々と楽しい内容で昨日はいいもん見せて貰いましたです(^^)。

いずれにせよ党人事と閣僚人事を見てまた市場が反応する(変な事にならなければ反応しないでしょうけど)という形になるのでしょうが、官房長官に変な人気取り政治家を連れてくるとかいうようなアフォーな事をしないようにしていただければと存じます次第。あと財務大臣誰になるんですかねえ、そうそう、菅直人なんてどうでしょう(大嘘)。

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2011/08/23

○その他少々雑談というかメモ

・what_a_dudeさんの洋一愛に感動した!

まあ読んで味噌(^^)。
http://d.hatena.ne.jp/what_a_dude/20110822/p1
ただのメモゆえお気になさらず

・これはwwwww

http://www.asahi.com/politics/jiji/JJT201108220092.html
海外から電力輸入を=小沢元環境相
2011年8月22日20時6分

・・・・・えーっと、海外から電力輸入って言いましても電力輸入できると思われる(途中の送電ロスとか大丈夫なのかね、とは思うのだが)隣国全てと領土問題で係争中の日本と地続きで全部友好国の大陸欧州とは話が違うような気がするんだが。

しかし『国と国の間に海底ケーブルを1本引けば全て解決する』(上記記事より)って何か「日銀が復興国債を引き受ければ全て解決する」みたいな物言いと被って見えて実にこう何と申しますか。国家経営はシムシティーじゃないんですけどねえ。

・充実したペーパーが揃っているように見えます

http://www.boj.or.jp/research/imes/dps/dps11.htm/
金融研究所ディスカッション・ペーパー・シリーズ
2011年収録分

いつも充実しているのですが、今年はまた題名見ると読みたくなるものが多いのですけれども、いずれ読む所存。

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2011/08/03

・昨日ネタにした高橋洋一さんの記事関連

what_a_dudeさんの所でちゃんとしたツッコミがありましたのでご紹介。

http://d.hatena.ne.jp/what_a_dude/20110801/p1
2011-08-01
ダメ解析、ダメ議論の見本

・・・・と思ったら追加エントリーがありました(^^)。

http://d.hatena.ne.jp/what_a_dude/20110802/p1
2011-08-02
昨日の続き:主張を弱くしてみたみたいだけど・・・・


・何でもかんでも賠償させようとかするんじゃねえよ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110802-00000343-yom-soci
安愚楽牧場、賠償の可能性ある…細野原発相
読売新聞 8月2日(火)11時39分配信

・・・・・あのさあ、こういうのって経営が震災以前から悪化してたとか、震災以前から既にチャリンコ状態になっていたとかいうケースの可能性だってある訳で、そういうのをちゃんと精査する為にナントカ委員会とか作っているのに、前後の事情を正確に把握しているわけでも無い大臣がこういう事をしゃしゃり出て言うとかふざけるなと。

便乗して偽装倒産とかが続出したらどうする気なのかとか考える頭が全く無く、どうせ「賠償」とか言ってれば打ち出の小槌の如く金が出てくるから人気取りにどんどん賠償とやらをしようってえ事くらいしか頭の中にないと思われますが、本来関係ないものにまで賠償が出てしまうと、それは最終的には税金として国民負担になるのか、東京電力の費用拡大要因となって東京電力の利用者の電力料金に跳ねるかは兎も角、結局一般ピープルに大盤振る舞いのツケが回ってくるのですから、本来救済すべき人たちには迅速かつ十分な救済が必要ですが、そうでは無いものに関して大ザルの大盤振る舞いとかされましてもツケ回される方が困るんですけどねえ。

そらまああんさんの選挙区は東電管轄じゃないから(東電が払うなら)選挙民の皆様にも関係ないかもしれませんけど、全く持ってそういう後先のこと考えずに軽々しく発言するとか勘弁して頂きたい訳でございまして、おまえは夜の裏道にでもすっこんで三流芸能人と路チューでもしてりゃ良いんで表に出てくんなと申し上げたい所ではございます。

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2011/08/02

○どうでもいい雑談(だいたい電波浴)

まあ最近は産経だけではなくても電波浴ができるので肩凝りにはよい筈なのですが、電波浴をすると更に肩が凝ったり頭が痛くなるのは何故でしょう(^^)。

・だから外為特会の原資は国庫短期証券という国債なんですって

本人のサイトにリンクするのも何なのでBLOGOSにリンクしておくか
http://news.livedoor.com/article/detail/5750503/
シリーズ/復興財源、100兆円の外貨準備を活用せよ・・・・・・復興増税10兆円!
2011年08月01日09時59分

みんなの党のお方のご主張のようですが、未だにこのような主張を大真面目に行っておられるとは頭が痛いを通り越して何だかなあという感じです。

『さて、今回の提案は、この復興債を、日銀引受の他に、100兆円にものぼる外貨準備の活用で、外為特会が引き受けるというものだ。政府がドル建て復興債を発行しても良いし、復興に携わる政府系金融機関等がドル建ての財投機関債を発行しても良い。それを満期になり外為特会に償還されてくる米国債の米ドル資金(毎年15兆円程度)で引き受ける。』(上記URLより)

何か以下次回に続くらしいのですが、これって暫く前(6月7日)に超絶電波浴としてネタにした富士通総研の根津なにがし(毎日新聞社の出しているほうの雑誌「エコノミスト」で『第1特集:米国債を売れ! ◇復興財源に外貨準備を活用せよ』とか凄い事を言っていた人ね)の受け売りなのではなかろうかと思われるのですが、最近の政治家先生ってどうしてそう「これで問題は一発解決ですよウェーハッハッハ」みたいなインチキ提言にホイホイと乗ってしまうのよと実にこう残念感に堪えない所でありまして、立法府の連中がこの手の「オイシイ話」にホイホイ乗る連中の集まりになりますと国家として大丈夫なのかと思うのですが杞憂だと良いですね(棒)。


・これはまた凄い「簡単にわかるドル円相場」

まあこの手の話をネタにするのも宣伝になるからあまりネタにするのも何ですが。

高橋洋一「ニュースの深層」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/14190?page=2
史上最高値をうかがう円高は「人災」。
復興増税を狙う財務省と日銀の日本的官僚制度が犯人だ
欧州危機や米国債問題は本質ではない

まあ米国債問題は確かに本質じゃないですけど、欧州危機も円高の本質ではないとは中々素敵でございますが、そこの『複雑な動きをするとされる為替レートがこれほど単純に説明できるのはかなり衝撃的だ。』というのについ釣られてみる。

・・・・えーっとですな、これ計測期間が2007年1月からってたったそれだけの期間ですかそうですかという感じで、そこで回帰分析したから因果関係があるかのような説明ってそもそも話が飛躍(回帰分析では相関関係は出るけど、その相関と因果関係は別問題でしょ)してますし、大体からしてその程度の計測期間で回帰分析して相関が出たからと言って、その後相関するかどうかの保証は無いですし、そもそも分析するなら日本が量的緩和政策実施していた時期とか、その前の円高期間とかの時期も持ち出さないとフェアじゃないでしょと思うのですが。

いやまあモーサテとかで為替のインチキコメンテーターが「ドル円市場とナントカの相関」みたいなネタ振りを、それこそ上記URLでの期間よりも更に短い期間の表を出して(うっかりすると「お前それ相関してねえだろ」というのも出てくる^^)説明してますけど、あれって正直言って超短期的な目先の話で相場のネタ、というよりはセールストークやらポジショントークのネタにするものであって、あんなの真に受けてポジション取ったら碌な事にならないのはお約束のようなもんなのですが、何と申しますか(釣りで言ってるんでしょうけど)『複雑な動きをするとされる為替レートがこれほど単純に説明できるのはかなり衝撃的だ。』とか言われますとおいおい大丈夫かとしか申し上げようが・・・・・

まあ何と申しますか、さっきの江田さんのアレもそうですけれども「ほらこんなに簡単な答えがあるんですよ」的なのを求める動きの一環みたいなもんなのかもしれませんけれども、そう世の中簡単なもんじゃないと思うのですけどねえ・・・・・

#他にも電波浴があったのですが時間がなくなったのでいずれまた

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2011/07/29

・更にどうでもいいニュースから

昨日の金融市場に健やかな失笑を巻き起こしたニュースをクリップしておこう。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=acVHhuCE..iI
円が上昇、欧米債務懸念で買い圧力−対ドルで4カ月ぶり高値圏

円高の方ではなくて、この中にあるこの件ね。

『与謝野経済財政担当相は28日、大村秀章愛知県知事から為替介入の要請を受けたのに対し、「当面は8月2日のところだ」と述べ、米国の債務上限引き上げ問題の動向を見極める姿勢を示したと時事通信が報じた。与謝野氏は、「介入については1兆円、2兆円するような話はなかなか難しい」とも語ったという。』(上記URLより)

時事通信の記事がネットで拾えなかったので時事通信の記事を引用しているブルームバーグの記事で勘弁ということですが(汗)、いやあ「減税日本」さんって自分の所の減税は熱心にやるのに国の金使って逆行ったら損こく話になる筈の為替介入はやれっていうんですねえ随分とご立派な人ですねえと感心するのもあるのですが、それよりも失笑の渦を起こしたのは、この知事さん要請する相手間違えている件でありまして、主管大臣じゃない国務大臣に要請してどうすんねんとしか申し上げようが無く、昨日はそこら中の市場関係者に爆笑の発作を起こさせたのは想像に難くない所でございます。

まあ何ですな、愛知県債のスプレッドや起債に影響を与えないと良いですね(棒読み)と言った所でございますなあっはっは。

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2011/07/07

○これはまた感動的に破壊的クオリティ記事

昨日はこんな記事があると教わって朝から腰が砕けますた。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-22046920110705?sp=true
現先運用に浸み出す企業マネー、国債暴落のマグマ膨張か
2011年 07月 5日 18:41 JST

・・・・・・・えーっとですな、まあ要するに「国債暴落」というキャッチーな結論となる記事を書きたかったので、何か材料は無いかと探していたらそれらしい(とロイターの中の人たちが思う)素材が出てきたので記事を作りました、という事だろうなあと想像するのでありますが、記事の内容があまりにも素敵過ぎでございまして、貫禄の署名入り記事でこの内容ってゆーのがロイターさん良い度胸してますなあと思うのでございますが、それがデスクを通ってしまうというのが更に香ばしいとしか申し上げようがございません。

まあ何ですな、この記事どう見ても変という部分のほうが多いというかなり素敵なクオリティを発揮しておられまして、市場関連記事としては壊滅的な内容ございますけれども、どこがどう変なのかという点について国内円金利部門に配属されて3か月、と言いたい所ですがそこは勘弁して半年以上経過した若い衆にテストをする素材として大変に使える記事かと存じます。つーか半年以上経過しているのにこの記事のツッコミ所探しで間違い続出とか漏れだらけだった反省の為にお遍路送りですなお遍路送り(^^)。

という事で、まあツッコミの方は敢えて本日は行いませんが、折角ですので1箇所だけ突っ込みを入れてあげると、現先取引の説明をしている第6パラグラフの最初の所を引用して進ぜよう(^^)、曰く。

『現先取引では、債券などを一定期間後に一定価格で買い戻す(売り戻す)契約を結び、その間の債券価格の変動リスク軽減が可能だ。』(上記URLより)

・・・・・・ほほう、債券現先で売現をするとその間に金利が上昇しても当該銘柄の価格が値下がりしないとはこれまた画期的ですな。いやまあ償還あるいは償還数日前まで売現をするならそらそうかも知れませんけど、普通に長期債で売現やった(まあそもそも長期債を売現するんかいなという話までしだすと長くなるのでそこは敢えてスルー)時にそんな画期的な事が出来るとは金利部門フロント生活10ウン年のあたくしとしては初耳にも程があるのですが、もしかしたら不勉強なジジイのあたくしが知らぬ間に最先端の金融工学を駆使してそのような事が可能になったのでしょうかねえwwwwwww

というような感じで、あちこち素敵なツッコミ所があって正直あたくしもその箇所の勘定していない(1人で読んでいると途中で頭がクラクラして来るので人と読み合わせしないと勘定できませんって^^)のですが、何かもう数々のツッコミ所がありますので、これは中々の練習問題である。

・・・・・つーかですな、この記事の最大の被害者(?)は国債暴落という結論を導き出す為の素材として財政再建関連のコメントを求められた結果、この素敵な記事にコメンテーターとして名前が思いっきり出てしまった西岡さんと坂口さんのような気がします。ご両者のコメントは単に財政問題に関する普通のコメントなのですが、前後に書かれている記事のクオリティが本物のアレな風格を漂わせるアレなクオリティを誇っておられますので、何かカワイソスな気がしてまいりますです、合掌。

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2011/06/29

・静岡県債を買うと静岡県に対して好き勝手な要求が出来るらしいです(嘘)

読売新聞ニュースより。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110628-OYT1T00062.htm
静岡知事、お茶の「伊藤園」空港広告撤去要求

『川勝平太・静岡県知事は27日、静岡空港にある大手飲料メーカー「伊藤園」(東京)の広告看板を撤去するよう、空港ターミナルビルを運営する「富士山静岡空港株式会社」(静岡県牧之原市)に要請した。』(上記URLより)

という事で、静岡空港って県営じゃ無いはずなんですけどと思ったら同じ記事中にこのような大変に素敵な川勝知事のお言葉がございました。

『空港会社は県からの出資を受けない民間企業。記者会見で、企業間の契約に県が口を挟むことの是非を問われると、川勝知事は「県が27億円余りを貸している会社で、要請する資格はある」と話した。』(上記URLより)

>「県が27億円余りを貸している会社で、要請する資格はある」
>「県が27億円余りを貸している会社で、要請する資格はある」
>「県が27億円余りを貸している会社で、要請する資格はある」

これはまた大変に素敵な理屈を展開して下さる知事様でいらっしゃいまして、この理論だと静岡県の公債を購入すると県政に対して好き勝手要求する資格があるという事のようでして、株式担当部門で議決権行使についての意思決定をどうするという件について色々と忙しいというのは存じておりましたが、まさか債券担当部門で議決権行使のような事で悩まないと行けないとは大変に画期的なお話であろうかと存じます。

てかさ、こんなこと知事が言い出したらしまいに「指定金融機関は県が資金を大量に預金しているので経営に関与する資格はある」とか無茶苦茶な事を言い出しそうでございまして、いつからこの国はこの手の「法の支配」という概念の理解が存在しない暗黒中世国家の暗黒王みたいなアホウが権力機構の中にウジャウジャ揃うようになったのかと血圧が急上昇する思いでございまする。

・・・・・・もしかして川勝知事様におかれましては「他の自治体ではそのような事は無いですが、静岡県では公債を購入すると県の行政に好き勝手に要請する資格が発生しますので是非当県の公債をご購入下さい」という新手の公債販売促進政策をお取りになられているのでしょうかねえ(−−)。


・おまえが言うなおまえが

しばらく前までのzakzakでの注目記事トップになっていた記事ですが。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110624/plt1106241635005-n1.htm
悲しき無知…菅&枝野ビビッて「債権放棄」発言撤回のワケ
2011.06.24

まあ産経クオリティーな上にzakzakクオリティーだから記事の内容がどこからどこまでアレなのかというのがアレなのですけれども、

『先の関係者は「金融に詳しくない人物。金融や市場に関する知識に浅い者が、安易に金融機関の債権放棄を入れ知恵した。それが関係者を混乱させ、銀行株の急落をはじめとする市場の混乱を引き起すことになった」と内幕を明かす。』(上記URLより)

まあさもありなんという話ですが、これを捕まえて『悲しき無知』とは産経様もこれまた大きく出たなと思うわけでございまして、産経新聞様と言えば時々ネタに困った時の(いえいえそんなことはありませんよ^^)電波浴シリーズに見られますように、大変に素敵な記事を書かれる事で一部のヲチャーを楽しませてくれるのが仕様だと思うのですけどにゃあ。

まあ経済ネタでは脅威の「田村秀男の日曜経済教室」が素敵なのですが、それ以外にも素敵なネタシリーズがありまして、先日来これまた話題になっていたのでご存知の方も多いと存じますが、どう見ても永久機関、あるいは単なる位置エネルギーを利用した超効率の悪い装置を捕まえて「夢の新発明」扱いするというチャレンジャーにも程がある記事があると思ったらその内容が更に拡大して詳報されるという有様に頭がクラクラしておりました所、Yosyanさんの所のブログ「新小児科医のつぶやき」で記事への詳しいツッコミをしておられましたので(ちなみに医療関連とか科学関連のエントリーが客観的かつ医療現場の状況などを反映しているので勉強になりますです、はい)ので一読推奨。

http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20110627
2011-06-27 さすがは産経
(コメント欄も中々面白いです)

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2011/06/22

・これはまた見苦しい言い訳

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aKoBX5nXtBF8
東証社長「東電の処理について発言していない」、午前延長は11月(1)

『6月21日(ブルームバーグ):東京証券取引所の斉藤惇社長は21日の定例記者会見で、同社長が東京電力の法的整理が望ましいと発言したと今月上旬に一部報道で伝えられたことに関し、「東電の処理について発言したわけではない」と述べた。』

とりあえず今すぐ三途の川で行水しろという感じですが、これから原発停止して電力需要がどうのこうのとか言ってるのにまだ午前延長とか言ってるのかよという感じでありまして困ったもんよ。ピーク電力削減に協力の意味で言えば後場の取引無しにして前場12時までで終了してそれじゃ足りないなら4時過ぎから締め後取引でもすりゃエエジャンとか思うのですけどにゃあ。


・外貨建て復興国債????????

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=ahbGAf75FABg
野田財務相:外為特会活用した復興ドル債の引き受けに慎重姿勢

『6月21日(ブルームバーグ):野田佳彦財務相は21日午前の参院財政金融委員会で、外国為替資金特別会計を活用した「復興ドル債」の引き受けについて「財政規律上問題がある」として慎重な姿勢を示した。みんなの党の中西健治氏への答弁。復興ドル債は、外為特会が保有する満期を迎えた米国債を、東日本大震災の復興費用調達のため、ドル建ての日本国債や財投機関債に振り替えて発行する仕組み。』

野田さんの意見ではなくてこのみんなの党の中西健治とやらの意見に?????

『中西氏は、1年で約15兆円もの満期を迎える米国債を再投資せずに日本政府や財投機関が復興ドル債の形で発行して外為特会が購入し、為替スワップを通じて円資金に換えることで復興に活用できると提唱。』

いやだからそれやった後の見合いの為券の償還どうするのよという話で、ただの外準使い込みと本質的に全く変わらないと思う(外為特会に購入する金が無いのでその分外為特会が為券発行しないといけないはずですが・・・・)のですが、この前ご紹介した根津なんちゃらとかいう人の脳味噌が乾燥後のヘチマで構成されているのではないかと疑いを持たざるを得ないご提言と同じじゃねえのかと思うのでありますし、為替中立にしたいから為替スワップ取引とかいってるようですが、そんなロットでドル円フォワードのフロー打ち込んだらボラれて更にスワップのコストが無駄に掛かると思います(まあ儲かるのは業者だけなんですけど)。

中西センセイにおかれましては残念なことに最近の暑さで思考機能に一部不具合が生じておられる可能性があるのではないかと存じますので、医師のご診察を受けられたほうが宜しいのではないかと存じます次第。

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2011/06/17

高橋是清という偉大な財政家をもってしても「一時の便法」の出口政策が出来なかった訳ですが、最近の与野党には自分たちが高橋是清よりも偉大なる財政家であると誇大妄想でもしておられるのか、それとも財政マネタイズの歴史的結末についてご理解しておられないような方が200人以上もおいでのようで誠に遺憾の極みとしか申し上げようがございません。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=aCZqhH4DbBME
超党派議員:増税に反対、日銀は復興債の全額買いオペを−211人署名

安倍晋三なんてかつての政権放り出しっぷり見ますと財政マネタイズの出口政策を強固な意志持って実施するとか「絶対」無理だと思いますがねえ。

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2011/06/15

○さて東電賠償スキーム法案と

http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/taiou_honbu/index.html
『平成23年6月14日閣議において原子力損害賠償支援機構法案が閣議決定されましたので公表します。』

ということで法案が閣議決定されたようですが、早速枝野センセイが謎の発言を連発。

午前中はこのようなお話。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=awaM4wOSSiUs
枝野氏:電力料金に転嫁することなく賠償進めてほしい−東電

『6月14日(ブルームバーグ):枝野幸男官房長官は14日午前の閣議後会見で、同日閣議決定された原子力損害賠償支援機構法案をめぐり、東京電力は電力料金に転嫁することなく賠償を進めてほしいと述べた。』(上記URLより)

・・・・・・えーっと、枝野先生におかれましては金は天から降ってくるとでも思っておられるのでしょうか????いずれにせよ何らかの形で誰かの所に負担が回ってくる話で、東京電力の単年度における通常の収益力及び事業用以外の余剰資産の範囲内で原発事故処理と賠償の費用が賄えないのが自明な以上、どこかにそのケツは回ってくるのですけれども、電力料金引き上げをしなかったら東電の賠償支払い完了まで何百年掛かるんでしょうかねえ。


更に午後はこのようなお話。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a9bMesdP.8kQ
枝野官房長官:東電と金融機関の協議見守る、債権放棄問題−会見(1)

『6月14日(ブルームバーグ):枝野幸男官房長官は14日午後の会見で、福島第一原子力発電所事故を受けて閣議決定した原子力損害賠償支援機構法案に基づく資金援助を東京電力に行うにあたっては、債権放棄などの協力状況について同社と金融機関などステークホルダーとの協議を見守った上で判断する考えを示した。』

『同法案は「東電が金融機関等から得られる協力の状況については政府に報告してもらうスキームになっているし、東電に支援を行うにあたってはさまざまなことを考慮して最終的には主務大臣の認定を得るとなっている」と指摘。その上で、「今後の東電と関係ステークホルダーとの協議を見守りたい」と強調した。』(上記URLより)

・・・・・・えーっと、法案通ってもスキーム発動しないつもりみたいな発言とか全く意味ワカンネ。もうふざけんなとしか申し上げようが無いんですけどねえ。

ま、単に意地になって妄言を吐いているだけだと存じますが、枝野官房長官様におかれましては可及的速やかにお遍路に旅立って頂きたいものであるとの感を禁じざるを得ません次第であります。


で、みんなの党が相変わらず「東電救済だから反対」とか言っててイミワカンネ(東電を今法的にコカしたら後の賠償は国庫負担になるから東電却って楽になるんですけどねえという意味)とか思いますが、ブルームバーグニュースのURLが見当たらなかったので華麗にスルー。



これはただの余談ですがちょっと前に結構呆れたのがありましてね・・・・・

東京大学の岩本先生(経済学)のブログ(先週木曜なので法案出る話が出てこないときの話です、為念)
http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/35690629.html
福島原発事故損害賠償支払いスキーム設計における法学者の役割

『原発事故の損害賠償が巨額になることで東電が債務超過となって,債務再編がこの順番に処理されると,社債保有者が保護され、被害者の求償権がカットされることになる。 多くの人が,このことには釈然としない思いを抱いている。原子力損害賠償法(原賠法)は原子力事業者(今回の事故では東電)に無限責任を課すという異例の措置をとっているのだが,このような形で賠償支払い能力に制約がかかっていることを何とかしたい,というのが様々なスキームの提案が腐心しているところである。』(上記URLより)

いやあの釈然としないも何もそういう決まりで資金調達とかしてるんですから。

『一方で,今回の事故処理について事後的にルールを決めることによって,社債保有者と事故被害者の優先劣後関係を逆転させてしまうことに対する批判がある。資本市場の予見可能性を著しく損なうというのは事実である。』

と思ったら一応理解されておられるという事ですかそうですか、と思ったらその次に凄まじい理屈が展開されるのである。

『したがって,社債保有者の債権がカットされ,それが損害賠償の支払い原資となるスキームが成立するとすれば,それは事後的な対応ではなく,原賠法の成文の不備を補って,立法の趣旨に沿うものであるという理論構成が必要である。制度設計を考えることは経済学者の仕事に含まれるが,現在の成文法から立法趣旨の解釈を導くことには経済学者の出番はなく,法学者の仕事となるだろう。』

・・・・・・・・あのですな、事後法作って頂いた方がまだ責任の所在というのがはっきりする(それによる日本からの資本逃避とかの責任は事後法を制定した立法府の責任ですからねえ)のですが、「法律の解釈論で優先順位をひっくり返すべき」とか更に無茶苦茶な話で、そんなのが横行したら日本の法律の文言すら信頼に値しないという話になって、先生がドヤ顔(かどうか知らんが)で仰せの「資本市場の予見可能性」とやらは事後法制定以上に低下すると思いますけれども、それが「法学者の仕事」とか意味わかんないですぅ。

とまあ思ったので晒し上げしてみただけのおまけコーナーでありました。

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2011/06/09

お題「世に悪態の種は尽きまじということで悪態雑談であるorz」

今日は雑談の巻で勘弁でおじゃる。

○優先順位は引っくり返らないようで何より、つーか当たり前じゃヴォケ

直リン自粛ですが例の人のブログ。
http://www.taro.org/2011/06/post-1023.php
一部修正 平成23年原子力事故による被害に係わる緊急措置に関する法律案
2011年06月07日 14:34

えーっと、一昨日悪態をつきましたが、よくよく調べてみたら河野センセイの「優先順位をひっくり返す」ネタは思った以上に金融市場で話題というか恐怖の対象になっていまして、勿論「そんなアホな話あるかよ(法の支配という観点的にありえないでしょという話で)」という反響なのですが、自民党も大丈夫かよという認識が金融市場(といってもネタが社債の優先順位云々ですから金利方面限定でしょうが)方面に拡大中なのは自民党さんも把握すべきでは無いかと存じます。

ということで、一部修正とやらが入ったのですが、そちらにはこのような記述が。

『6月4日付のブログに載せた、自民党の農水部会と経産部会が議員立法で提案しようとしている「平成23年原子力事故による被害に係わる緊急措置に関する法律案」の条文を衆議院法制局と確認したところ、一般担保よりもこの法案による国の求償権を優先する規定は盛り込まれなかった。

シャドウキャビネットの議論では、国がこの法案に基づいて行った仮払いによる東電に対する求償権は、電力債よりも優先的に弁済されることになるとのことだったが、そうするためには特例の条項が必要となる。その条文が現段階では法案に盛り込まれていないので、このままのかたちで提出されれば、国の求償権より電力債の方が優先される。』(上記URL先より)

河野太郎ざまあと言った所ではございますが、その車道キャビネットとやらの議論が何で部会の方に反映されないのか意味が判りませんなあと申しますか、ああつまり河野先生は言うだけ番長さんなんですねえと申しますか、その件が盛り込まれないことに関して何で政治家として自分の主張が通るべく努力しないでひとごとのように「規定は盛り込まれなかった」とか書くだけなのですかねえと甚だ不思議に思うのでありました。

つーかそれ以前の問題として、ここにある「シャドウキャビネットの議論」とやらの方がオソロシスでございまして、河野太郎センセイ以外のシャドウキャビネットのメンバーがこの事後法により物権の優先劣後をひっくり返すとゆー無茶苦茶な事後法炸裂スキームを了承してるんですかと思いますと自民党も相当頭のネジが外れているんじゃネーノという懸念が高まるものでございまする。いやまあどうせ「議論」って言ったって河野センセイが一人でその話してただけだと思う(もしシャドウキャビネットが全員でそれを了承しているのだったら部会でそれが引っくり返った事になるんですがそれってどうよという感じですわな)のですけれども、何だかなあという感を深くする昨日のひとときでございました。

そもそもですな、一昨日も悪態を申し上げましたが、事前に法的に定められている物権の優先劣後順位を国家権力が事後的にひっくり返すという行為を普通だと思うような感覚を持った人間を国政の場に置いて良いのか、という議論になる訳でありまして、近代法治国家における立法府の人間としての適格性を問われるべき(つーか議員に不適格)問題でありますわな。これは氏の主義主張の問題以前であって、このような手合いに国家権力握らせたら法治もへったくれも無い無茶苦茶な事が起きてそれこそ皆様の生活もいつ国家によって収奪されるかも判りませんというようなキチガイ国家になるのではという懸念(当然ながらそんなキチガイ国家に投資やら融資やらする人は居なくなりますよねえ)まで起こるのはあたくしが心配性だからでしょうかねえ・・・・・・・



○住宅ローンの免除を義務化・・・・・・ですと??????

昨日の公共放送ニュース。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110608/k10013379991000.html
二重ローン問題 支援策の原案
6月8日 4時54分

『東日本大震災に伴う、いわゆる「二重ローン」問題で、政府と民主党は被災者の負担軽減を図るため、金融機関から中小企業に対する債権を買い取るファンドを新たに設けることを柱にした支援策の原案をまとめました。』(上記URLより)

ということで話が出ているのですが、最後の一文に呆然。

『この問題について、自民党は、住宅ローンの免除を金融機関に義務づけることなどを求めており、今後、与野党の調整も行われる見通しです。』(上記URLより)

>自民党は住宅ローンの免除を金融機関に義務づけることなどを求めており
>自民党は住宅ローンの免除を金融機関に義務づけることなどを求めており
>自民党は住宅ローンの免除を金融機関に義務づけることなどを求めており

・・・・・(;゚д゚)

住宅ローンの免除の「義務化」ってナンデスカソレ????????

えーっと、つまり「津波で流されるような住宅に融資を行った銀行は貸し手責任があるのでローンは債権放棄すべきである」とまあ自民党様はそのように仰せだという事で理解すれば宜しいのでしょうか。で、その放棄した分の穴は金融機関が被れという大変にワンダホーな認識でおられるという風に理解すれば宜しいでしょうか???

今朝(というか昨晩遅く)のニュースで続報がありましたが。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110608/t10013408961000.html
二重ローン対策 民主が原案了承
6月8日 23時48分

『二重ローン対策を巡っては、自民党なども住宅ローンの免除を金融機関に義務づけるなど独自の案をまとめており、民主党では、来週から野党とも協議を始め、合意できる部分があれば、改めて政府側に提言していくことにしています。』(上記URLより)

いやね、報道ベースの一言だけで、自民党の案そのものを見ている訳じゃないからまさかに自民党が枝野発言もびっくりの「国家による債権放棄の強制」法案を作ろうなどとは思いません(というか思いたくない)でして、これは公共放送が自民案をちゃんと理解しないでローンの免除に関わる部分を端折って紹介しただけだと思うのでありますが、民間企業である銀行の債権放棄をそう簡単に扱われても困る訳でございまして、「被災者がカワイソウ」の感情論先行でそこの部分だけ部分最適の行動とかされても困りますがな。

大体からして「義務化」とか言うのって国家による私権の強制的な収奪に他ならないのでありまして、義務化して債権放棄した分の穴を政府が全部埋めてくれるとでも言うのなら兎も角、そうじゃないのに「義務化」と言い出したら自民党の方が枝野官房長官のはるか上を逝くという話でありますが大丈夫なんでしょうか自民党。

まさか「銀行は金があってケシカランので負担させればよい」とか素敵な事でも考えているのでしょうかとも懸念される次第でありまして、その「何かとりあえず金が有りそうだから取って来る」みたいな暗黒中世国家もビックリの発想が出て来るのは立法に携わる者としての適格性(以下同じ悪態なので割愛^^)。


それにさ、住宅ローンの免除分は国が埋めますみたいな話をした場合であっても、それってローンの残債によって不公平がでまくる話ですし、そもそも家を自己資金で買っていた人や住宅ローンを完済した人には何の救済も無いという意味不明な展開になると思うのでして、それなら津波などで被災して自宅が流されちゃったという人に対して、当時の固定資産台帳(とかが流れているのかもしれませんが・・・・・)などを参考にしながら住宅流れた分の相当額あるいはその一部を国が救済措置として支給するみたいにするほうが話の筋じゃネーノという気がするんだが。

もしね、本当に強制放棄という話になるんだったら、今後銀行が住宅ローンを出す時には火災保険に加えて地震保険などを鬼のようにガチガチに取って貰ってその保険証券にも担保設定しないとおっかなくて融資できませんがなという話になるのでございまして(当然ながらローンの審査も厳しくしないといけませんわなあ)、つまり目先の被災者救済の為に将来の住宅ローン借入者のコストが増大するという甚だトンチキな結果を招くのではなかろうかと存じますけどあたくしのイメージ間違っておりますでしょうかねえ。

つーかさ、そんなに貸し手責任言われるんだったら自由民主党様辺りに貸している銀行さんもそのうち何言われるか判らないからさっさと回収される事をお勧めしたく存じます次第ですなあウェーハッハッハ。



○こっちの方がクローズアップされるんだからさあ

この話最初に出たときにも悪態ついたけどさあ。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aiwCB1NqxDaY
自民:Xデーで金融機関に経営不安も、日銀は潤沢な資金供給を(2)

『6月8日(ブルームバーグ):自民党は8日、将来の償還への不安から国債価格が急落(金利は急上昇)し市場の動揺が収まらない状況が起こった場合、一部の金融機関の財務状況が大きく変化して経営不安を引き起こす可能性があると警告した報告書を公表した。このような事態に対処するため日本銀行は前例にとらわれないで思い切った潤沢な資金供給を行う必要があると強調している。』(上記URLより)

んでもって上記記事(およびブルームバーグニュース見てて流れてたヘッドライン)を参照しますと、どうも今回の提言の目的は

『報告書は、その作成目的として「民主党政権の財政政策に対して警鐘を鳴らすこと」を挙げ、政府・民主党に対し、税と社会保障改革に関する議論を軌道に乗せていくなど財政健全化に向けた取り組みを着実に進めることや民主党のマニフェスト(政権公約)の抜本的な見直しを行うよう求めた。』(上記URLより)

という事のようなのですが、金融市場フィルターが掛かるとブルームバーグの見出しにあるように、

『報告書では日銀の取るべき対応について「前例にとらわれず思い切った潤沢な資金供給を金融市場に対し機動的に行う」と指摘。具体的な対応として国債の買い切りオペレーションの大幅増のほか、「リスク資産等の購入も思い切って行わなければならない」ことを挙げている。』(上記URLより)

というどうせマネー増やせばどうのこうのって方々が主張している話の部分だわなあと思われる話がクローズアップされるわけよ。

でもさ、そこの記事で第一生命経済研究所の熊野さんも指摘していますけど、そもそも「国債大暴落」という話になる時っていうのは「ソブリンのソルベンシー問題」とか「通貨の大暴落」とか「財政の猛烈な発散懸念」とか、まあその手の症状が起きているのであって、そんな時に日銀が資金供給しても焼け石に水にもならないし、財政発散懸念で大暴落してる時にうっかり日銀が国債買入拡大したら財政マネタイズの更なる拡大の懸念から大暴落に拍車を掛けるだけで、焼け石に水どころか焼け石にガソリン投下になると思うのですけど大丈夫か自民党。

・・・・・とまあそういう感想を金融市場の中の人的には考えてしまうのでありまして、たぶんこれはあたくしだけではなく普通に金融市場でやっている人の感覚として共有できると思うのでありますけれども、何かこう自民党も激しくネジが外れていますなあという懸念がするものでありまして、こうなって参りますと日本の資本主義の最後の砦はやはり大門実紀史先生(ただし日本共産党)しかおられないのではないかと実に悲しい思いをする昨日のひと時なのでございました。


○悪態ついでに産経電波浴

毎度お馴染みの産経電波浴のお時間です(^^)。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110605/plc11060508250007-n2.htm
【日曜経済講座】編集委員・田村秀男 大復興の鍵握る「新結合」
2011.6.5 08:21 (2/3ページ)

ほうほうそうですかという事なのですが、田村先生何時の間にか「電力の自由化で大復興」という主張をされている(3ページ目ご参照)ようですが、上記URLの2ページ目の小見出しを見て椅子から落ちそうになったあたくし。曰く、

『◆効率の悪い財政支出』

・・・・・・・えーっと、ついこの前は「外貨準備を担保に復興国債数十兆円発行しろ」とか何とか仰ってませんでしたっけ田村先生。

(ご参考)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110327/fnc11032708140000-n3.htm

何かさ、こういうのが「編集委員」で「日曜経済講座」とかやってて大丈夫なのかねというか書いてて恥ずかしくならないのかねとか思うのです(あたくし如きのチンピラゴロツキだってこうやって世間の片隅で誰も得しない駄文書いてる中で変なこと書いたり矛盾した話したりすると物凄く恥ずかしい思いをして訂正したりするんですけどねえ)けどまあ何とも。


・・・・・と思ったらこんなのも。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110603/fnc11060321240015-n1.htm
【復興を問う】国債の日銀引き受けも選択肢 早稲田大学政治経済学術院教授 若田部昌澄氏
2011.6.3 21:22 (1/2ページ)

えーっとですな、まあ日銀引受に関する主張に関してはまあそういう主張もされるのも宜しいんじゃないか(あたくしは現状でやるメリットよりもやった結果起きるデメリットのほうが破滅的に大きいと思われるのでやる必要なしと思いますけど)と存じますが、これはないでしょこれは。

『−−日銀は国債の直接引き受けが「通貨の信認」低下を招いて悪いインフレにつながると否定している

 「(戦前に)高橋是清が日銀に国債を引き受けさせたが、是清の存命中はハイパーインフレになっていない。日銀は毎年、民間が購入せずに残った国債を事実上引き受けている。物価上昇が通貨の信認を脅かすなら、世界中の通貨は信認を失っている」』(上記URLより)

何か3つの文とも突っ込みどころがありますけれども、とりあえず2番目の

>日銀は毎年、民間が購入せずに残った国債を事実上引き受けている

というのは何を指して仰っているのかさっぱり判りません。主張をされるのであれば、その根拠に事実と乖離していると思われるような話を為されないほうが宜しいかと存じますけどねえ。

ちなみに、1番目の文に関しては「是清の死後が問題顕在化した件を問題にしているのに何でそこで話を終わりにするのよ」ですし、3番目の文の「物価上昇が通貨の信認を脅かす」とかそれ話が逆で「通貨の信認が喪失したら破滅的で誰も得しない物価上昇が起きるという話をしているのに何で話をすりかえるんですか」という話でございまして、こういう理屈にもならない理屈を言われましても建設的な話になりませんがなという所なんですけどねえとは思います。


#ということで今日も誰得な与太話大会で誠に申し訳ございません

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2011/06/08

昨日の悪態の補足をさらっと。

○やはり東証の社長がそもそもコメントをすべきではないという論点について

昨日東証の社長のインタビューに関してああだこうだと申し上げましたけれども、お仲間の人たちとその後も話をしていましたら「そもそも東証という取引所運営機関の人間が個別企業に関するコメントをすること自体が不適切にも程がある」という論点を皆さんから頂戴しました。

確かにその通りでありまして、今回のような「法的整理」という問題となりますとそれは上場廃止などにも繋がる問題(というか斉藤社長はその手の処理策に関しても言及しているようですし)であって、個別企業の上場廃止云々に関わる問題っていわゆる「重要事実」並に扱いが重要なモノであり、かつ取引所そのものの中の人がそのような問題に関して見通しなどを発言するっていうのはコンプライアンス上どうなのよという論点がそもそも論としてありましたなあという所でございます。

つーかさ、今回は社長コメントだったけど、東証の審査部門とか売買管理部門の担当者が外部に向けて個別企業の問題についてホイホイと勝手に発言したらマズイんじゃないかと思うわけなのですが、東証はそーゆー件に関して内部的にちゃんと規制してるんでしょ、何で社長が率先してあんな話するかなあという所で、まあこの社長ただの目立ちたがり屋の軽率なお調子者だったのですかねえとガッカリ感が否めない次第でございまする。

というかさ、取引所の立場ある人が上場している個別企業の問題について規定に則った以外の対応やコメントをするというのは、月曜の株式市場で実例を示したように株価に重大な影響を与える場合がある訳でございまして、全くもって不適切極まりない行動(=発言の内容云々以前に個別企業の経営見通しに関して取引所の社長という立場の人間が発言するという行為)によって株価を下げた斉藤社長の行為は罪万死に値するというかとっとと社長辞めろやヴォケという感じでしょうかねえ。

ご参考までに野村證券の証券用語集のリンクを張りますが、意味が何かあるわけではございませんので念の為申し添えます(^^)。
http://www.nomura.co.jp/terms/japan/i/innsaida.html

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2011/06/07

お題「今日も悪態シリーズになってしまいますたorz」

東電関連はどうしてこう悪態ネタばかりが出てくるのでしょうか・・・・ということで、やはり6月6日は6月6日でしたという悪態雑談で今日は勘弁。

○東証社長のインタビュー記事で大変なことに

http://www.asahi.com/business/update/0604/TKY201106030609.html
東証社長、東電の法的整理を主張 「日航と同様に」
2011年6月4日10時26分

良く見ますとネットの記事は土曜の午前中に出ていたようで(一応日曜にはそんなのあるなあとは思ったがここまで大事になるとは思わなかったし、そもそも火消し出るだろと思ってたですorz)、新聞だと朝日新聞の日曜の朝刊の経済面に出ていたとか何とかだと思いましたが、新聞に関してはそのものズバリを確認していないので良く判らん。

んでもって記事より。

『東京証券取引所グループの斉藤惇社長は、原発事故で経営危機にある東京電力について、法的整理による再建が望ましいという見解を明らかにした。朝日新聞のウェブマガジン「法と経済のジャーナル Asahi Judiciary」のインタビューに答えた。』

『1990年代の金融システム危機を参考にした処理案も提示。特別法をつくり、東電の資産内容を厳しく調査。債務超過ならば一時国有化し、銀行には債権放棄を求める。その場合、東電は上場廃止になるが、数年後に発電会社として再上場する案を示した。送電設備の売却や原発の国有化の可能性も指摘した。』(上記URLより)

ということで、オリジナルのインタビュー記事内容は上記のWebマガジン(有料です)を見ないと判らないのですが、途中まではこちらで読む事ができるようでございます。

http://astand.asahi.com/magazine/judiciary/articles/2011053100009.html
「東電は法的処理が望ましい」「政治のリーダーシップが必要」
東電賠償問題で斉藤惇東証社長が提言
2011年06月03日(約10400字)

『東京電力の福島第一原子力発電所放射能漏れ事故の損害賠償を支援する政府の枠組みをめぐり、東京証券取引所グループの斉藤惇社長が「できることなら東電は日本航空(JAL)と同様の法的処理が望ましい」「政治のリーダーシップがあれば可能だ」「その結果、東電が上場廃止になっても受容せざるを得ない」などと語った。政府が東電に融資している金融機関に「債権放棄」を求めたことに斉藤社長が「異義」を唱えた真意を尋ねるインタビューの中での発言。破綻した原発中心の電力ビジネスの在り方についても聞いた。』


・・・・・・で、その結果ですが市場はこういう反応を。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aEQvzj82iVqU
東電株がストップ安で安値、東証社長の法的整理望ましい発言報道(3)

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aTKJpPBBreB4
東電CDS、東証社長発言で社債保証コストが1000bp台に拡大


そらまあそういう事になりますわなという感じですが、どうもインタビュー記事が途中までになっているので斉藤社長の説明が良く判らん(質問と答えの流れが微妙に何だかなあという感じなので)のですが、どうも読んでいると何だこの人不見識じゃんという感じも漂ってくる気がするのでありますが、まあこういうのは最初から最後まで見ないと判らんですし、そもそも書いているのが朝日新聞なので本件に関しては朝日新聞フィルターが入っている可能性があって即断は避けておこうかと思います。

とは言え一言。上記インタビューの中で斉藤アンディーさんが「銀行の貸し手責任がある」とか言ってますけど、貸し手責任というのは「返済の可能性が低いのが明らかなのに貸出あるいは追い貸しをしているケース」を言うのであって、国策としてのインフラ企業であり、かつ当時の日本航空と違って累積赤字の山でも何でもない企業である電力供給会社に対しての融資を捕まえて「貸し手責任」と言うとは頭おかしいんじゃねえのとしか申し上げようが無いのですけど。真っ赤っ赤なのに表面化恐れて延命していた住専融資とかと話を一緒くたにするとか意味わかんねえ。

インタビューでアンディーさん「銀行は債権者で一部株主だからガバナンス働かせろ」というような事も言っているようですが、屁みたいな持分で東電様みたいな取引先に何か言える訳ねえだろという感じですし、潰れそうな企業に貸してるんじゃないんですから銀行がそんなに取引先企業に対してガバナンスとやらを効かせる事なんて出来ないんですけど。大体からして原発は国策で推進していて、それに関しては経済産業省やら原子力ナントカ保安院やら何やらと色々な政府関与のある世界で、取引先銀行如きが口だせるかってえの。

#大体からして「ガバナンスを効かせる」とか言って銀行が取引先の事業展開に口を出して融資引き上げたら「貸し渋り」とか「貸し剥がし」とか朝日新聞あたりが先頭切って銀行叩きするでしょうが・・・・・


○発言そのものがそもそも不適切な上に事後処理も糞な東証は腹を切って(自粛)

話がちと脱線しましたが、まーそれは兎も角として、5月13日の枝野官房長官会見において枝野さんの「債権放棄恫喝発言」を引き出した質問をしたのが朝日新聞の記者さんでして、翌日の社説でも枝野発言を絶賛しておられたのもこれまた朝日新聞でありますので、こちらのインタビューに掛かれば「東京電力は法的整理が望ましい」という発言部分がクローズアップされるのは火を見るより明らかでありまして、記事になった時にどういうインパクトを与えるかというのって普通に斉藤社長および東証サイドで想像がつくはず。

でね、そういうヘッドラインが出るというのは、まあ例えとしてどうかと思うけど、八百屋が店頭で売ってる商品を捕まえて「この商品は本来廃棄すべきだがそのまま陳列しています」というようなもん(多分もっと質が悪いが)であって、そもそも証券取引所という立場の人間、しかもトップの位置にある人間が、自分の所で上場しているだの企業に対して「法的整理すべき」とか発言するとか全く持って意味が判らない訳でして、そういう問題に対しては取引所はルールに則って中立に対処しないと取引所としての機能が果たせないと思いますがねえ。

まあ記事を読むと別に今すぐ法的整理しろといっている訳ではないのですけれども、少なくともそのように取られる発言をするのがトンチキにも程がありますし、しかも相手が朝日新聞であって、従来の論調からしたら「東電解体」的な発言にビビットに反応するの見え見えなのでありまして、何ドヤ顔でインタビュー受けてるんだという感じですし、大体からしてインタビュー記事見たらやれ原発の国有化だの電力事業の送電分離とか、お前は取引所の社長という立場でそこに上場している企業の有り方とかに何か言う資格あるのかヴォケというような感じでありますが、まあ「取引所のトップ」という立場からしたら脇が甘いですなあと思いますがどうでしょうかねえ。


でね、まあその発言についてはそんな感じでありますが、更にトンチキなのは小見出しにあるように東証の対応が糞にも程があること。

まあ朝日新聞サイドでも一応武士の情けというか、気を使ったんでしょうなあと思うのは、このネタを新聞記事ベースにしたのはネットに出たのが4日の土曜で紙の記事になったのが5日の日曜(らしい、土曜かもしれないけど兎に角記事になったのは月曜朝刊よりも前)でして(そもそものWebマガジンはマイナーなので話題にならんかったでしょ^^)、東証サイドでは当該記事に関しての何らかの火消しを月曜の立会い時間開始前に行う事が十分に可能であった筈。

然るに、東証の対応はこんな感じ。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=av1ShxIlwYWE
東証:現時点で東電が上場廃止基準に抵触すべき事実ない−報道受け

『6月6日(ブルームバーグ):東京証券取引所は6日、東京電力の上場廃止などに関する一部報道について、「現時点で東電が上場廃止基準に抵触すべき事実はないと認識している」とのコメントを発表した。』(上記URLより)

これは昼休み時間帯に出たコメントで、ああこれだけなのね肝心の斉藤社長の「法的整理」発言へのフォローは無いのねと思っていたら、ようやく引け後も引け後、夕方の6時になってやっとこんなのが。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=adN1D5p78bv0
東証:一般的に債権放棄が求められる場合について答えた−東電報道

『6月6日(ブルームバーグ):東京証券取引所の斉藤惇社長が東京電力について法的整理による再建が望ましいという見解を明らかにしたとの一部報道を受け、東証は6日、「一般的に債権放棄などが求められる場合には会社更生法やそれに代わる特別法などの法律に基づき明確なルールのもとで対応が行われるべきであるという考えをお答えしたもの」とするコメントを発表した。』(上記URLより)

・・・・・あのさ、一日取引終わってから3時間もしてからノコノコと今更何をコメント出してるのアホじゃないの東証ってとしか申し上げようが無いのでありまして、その間に株価はクソ下がりするわCDSは絶賛拡大するわで散々動いておりまして、まさにアフターフェスティバルにも程があるとはこの事であろうかと。折角朝日新聞が武士の情けで(かどうか知らんが)火消しをする時間を与えてくれているというのに東証および斉藤社長の牛の涎のようなダラダラとした対応によりまして時既にお寿司になってしまっているという事で、これはまあ朝日新聞のセンセーショナルな見出しの出し方もどうかと思いますけど、それよりも東証の対応があまりにも糞過ぎて泣けてくるというものであります。

つーかそもそもアンディーの発言が糞なのであればアンディーは腹を切って(自粛)なだけではなく、唯一ネ申又吉イエスの手によって地獄の火の中に投げ込まれるべきであるものであろうかと存じますが。どうもあのインタビュー記事見てると「一般的に債権放棄などが求められる場合」という話にはあまり見えない気がせんでもない(ただし朝日新聞フィルター入り)ですしねえ。


と言うわけで、読者様のお役に全く立たず、更に誰も得しない悪態をつい延々と書いてしまいまして誠に申し訳ございません申し訳ございませんm(__)m


○折角ですので他にも東電関連ネタ

・枝野官房長官会見より

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a1xtDz4vrjLI
枝野長官:東電の法的整理は大変な問題生じる、避けねばならぬ(1)

『6月6日(ブルームバーグ):枝野幸男官房長官は6日午後の会見で、東京証券取引所グループの斉藤惇社長が、東京電力は法的整理による再建が望ましいとの見解を示した、と一部報道で伝えられたことについて、法的整理されると「大変な問題を生じる」ため政府としては回避したいとの考えを示した。』

ほう。

『枝野氏は東電への対応について「賠償債権がしっかりと確保される、事故処理に関係している多くの事業者、特に中小企業等が有する債権がしっかりと確保されなければ原発の収束に影響を与えることになる」と指摘。その上で、東電の法的整理について「この2つの債権には優先権がないので大変な問題が生じるということを政府としては一貫して危惧をして、このことは避けなければいけないと考えている」と訴えた』(以上上記URLより)

ああやっと気がついたのね・・・・・・っておせーよお前それでも法曹出身かよという感じですが、そもそも関連の枠組み作るときにちゃんとした人からちゃんとしたレクを受けていれば最初の時点で理解している筈であって、政権に入りこんで訳の判らん入れ知恵をしている魑魅魍魎(どこぞの禿みたいなのが著名ですが有象無象は沢山いるようで)の話ばっかり聞いてるからそういうことになるのよね。

同じ会見記事でロイターから。
http://jp.reuters.com/article/politicsNews/idJPJAPAN-21546420110606
東電の法的整理は避ける、債権放棄発言していない=官房長官

>債権放棄発言していない
>債権放棄発言していない
>債権放棄発言していない

・・・・・・・・・・「トラストミー」発言で著名な鳩ポッポ先生が「人間はウソをついてはいけない」と先日仰せでございましたがさて・・・・・・・


・しかし枝野官房長官の恫喝よりも凄いのが自民党にもいたりする

と書けば判るようにお馴染みのポピュリズム全開の河野太郎先生ネタ。

昨日の朝こんなニュースが。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110606/t10013330771000.html
自民 原発賠償金仮払いへ法案
6月6日 4時14分

ほほうと思ってみていたのですが、当該法案に関して河野太郎先生がブログでご宣伝。(直リン自主規制中)

http://www.taro.org/2011/06/post-1021.php
平成23年原子力事故による被害に係わる緊急措置に関する法律案
2011年06月04日 21:03

『東電の発行する電力債は、一般担保付き社債として、他の債務よりも優先して弁済されることになっている。つまり、東電が法的整理をされた時に、電力債は、賠償金や金融機関からの借り入れよりも優先的に弁済され、残った資産で賠償金と金融機関からの借り入れが同じように弁済されることになる。』

お分かりのようで。

『電力債の弁済が行われ、資産が残らなければ、賠償は国民負担になる。しかし、国がこの仕組みで仮払いをして東電に対する求償権を持つことにより、賠償が電力債よりも優先的に弁済されることになる。』(以上上記URLより)

・・・・・・・えーっとですな、あたくし破産法を専門に勉強していた訳ではないから良く判らないのですけれども、国として先取特権としての優先順位があるのは「国税債権」でありまして、賠償金の立替払いをしたものの求償権って国税債権扱いにならないような気がするんですけどどうなんでしょ。

という技術的な問題も去ることながら、河野先生のこの発想と言うのは危険極まりないわけでありまして、即ちこの発想のそもそもの問題として、「物権の優先劣後関係を国家権力が事後法によってひっくり返そう」という意図があるのは明白でありまして、それってそもそもの近代法治国家としての根幹を揺るがす発想に他ならないと思いますけど如何でしょうか。

つまりですな、枝野官房長官の債権放棄恫喝発言(本人は「言っていない」との事ですが、笑)は無法発言なのですが、河野議員のこの発想は近代法治国家の根幹を揺るがす発想であり、最早無法を通り越して暗黒中世国家への逆戻りを容認する発想としか申し上げようがございません訳で、こんなの横行したら日本で安心して商取引できませんがなという話になりますがなと思う訳で、こんな手合いを「影の内閣 行政刷新・公務員制度改革担当大臣」にしている自民党も何考えてるんだという感じですな。

ま、自民党はそんなアホな意図でこの法案作った訳では無いとおもいますけどね。


・ああ時間が無くなったけど全然別件

どうでもいいが今週号のエコノミスト(本家ではなく毎日新聞系で出してる奴)の宣伝ツイートで面白いのを見かけたので一応悪態。というかこのページ見た瞬間に大爆笑したわwwwwwwwwww
http://mainichi.jp/life/money/kabu/eco/

爆笑の第一特集。
http://mainichi.jp/life/money/kabu/eco/summary/news/20110603org00m020076000c.html
第1特集:米国債を売れ!
 ◇復興財源に外貨準備を活用せよ
 ◇根津利三郎(ねづ・りさぶろう=富士通総研経済研究所エグゼクティブ・フェロー)

・・・・・・・・いやもう爆笑過ぎて腹痛い(外準って別に余剰金積んでるんじゃないから為券償還したら何も残らないどころかいまだと赤じゃねえのとかいうツッコミはもうしない^^)のですが、あたくし不覚にもこの方存じ上げませんけれども、経済研究所の人という肩書き入りで堂々とこんな事書いて恥ずかしいくないのかねと思う次第でありまして、富士通総研って確か日銀総裁になる前の福井の俊ちゃんが社長をやってたと思うのですが、こらまた随分なお方を飼っておられるなあと感心致します。

まあこちらの著者様におかれましては反省してお遍路にでも出かけて頂くと宜しいかと存じますが、まあお遍路に行っても全然反省も進歩もしない人が日本国の首相をやっておりますようですので、どうせですから御社目の前の竹芝埠頭から手漕ぎのボートか足漕ぎスワンボートで伊豆七島縦覧の旅にでもお出掛けになられると宜しいかと存じます。

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2011/06/03

○昨日は鳩ポッポ三文芝居で腰が砕けましたですなあ皆様

昨日はwktkのお縄劇場だと思ったら鳩ポッポの三文お笑い芝居だったとは全く意味不明ですが、退陣時期に関して数時間前の話をひっくり返すという息をするように嘘を吐く人が内閣総理大臣という事でございますので、この政権のコミットメントなどは全く役に立たないということは非常によく判りましたよorz

#松木>>>>>>>>>>>>>>>>>>>原口というのも把握したwwww

しかしまあウソツキが現首相でそのウソに簡単に引っ掛かる大馬鹿(いや引っ掛かった振りしてガス抜きしているんだったらそれはそれで中々のタマなんだがどうみても只の大馬鹿です本当にありがとうございました)が前首相とは日本国民として実に情け無いっすなあ。

#しかし退陣表明が1日持たずに引っくり返るとか斜め上過ぎるわ

しかし公共放送は「来年1月退陣」、テレひがしは「長期続投に意欲」、赤坂テレビは「年明けまで続投?」というお題でしたが「具体的な言質を取られないような言い方に終始」と、解釈にも苦労する展開となっておりまして今後の展開を考えると落涙を禁じ得ないのですけれども、この調子だと政権延命の為に原発を(以下想像したく無いので自主規制)。

とにかく2次補正と東電賠償支払支援スキームをちゃんとした形で作って(特例公債法案もそうですけどアレは復興関連法案を真面目に作ったらさすがに野党も通すでしょ)とっとと実施しやがれコノヤローとしか申し上げようが無いのでございまして、確かに政局やってる場合ではないと言えばそうですけれども、今の「延命の為にしか動かない政権」状態だと2次補正も東電賠償支援も進まないのですけどねえとあたくしは思うのでありました。

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2011/06/02

○昨日の間違いを訂正でござるの巻(すいませんすいません)

昨日のあたくしMoody'sの日本国債(ソブリン)に関する格付けアクションについて駄文を書かせて頂きましたが、そちらで今般のアクションについて「ネガティブアウトルック」と書きましたが、これは「ネガティブウオッチ」が正しゅうございまして、思いっきり勢いで間違えを書いてしまいましたすいませんすいませんすいません。

「見通しの方向性の表明」というのと「格付けの見直し検討」というのは何となく似ていますが似て非なる物でございまして、これをゴッチャにするのは大変残念な間違え方でございますので、注意しましょうなのでございます>自分

朝日新聞(asahi.com)の記事がきれいに説明できてるじゃん。

http://www.asahi.com/business/update/0531/TKY201105310304.html
ムーディーズ、日本国債格下げ方向で見直し
2011年5月31日13時50分

『ムーディーズは2月、日本国債の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に変更した。その際は、菅政権が「税と社会保障の一体改革」が実現できなければ格付けを見直すと説明していた。

 今回は、さらに踏み込んで格下げ方向の見直しを表明したかたちになる。今後、3カ月後をめどに実際に格下げするかどうか最終判断するという。改革に実効性が乏しいなどと判断した場合、「Aaレンジの格付けを維持できる可能性が低下するだろう」とし、2段階以上の格下げの可能性も示唆している。』(上記URLより)


先週末に格付けアクションをしたFitchの場合はこういうリリース。
http://www.fitchratings.co.jp/web/

こちらのページの真ん中当りにある『最新リリース』に『2011-5-27 日本の格付アウトルックを「弱含み」に変更』とございます、リリース内容を見るには会員登録が必要でございますので中身に関してはスルーしますが、こっちは「アウトルックネガティブ」になるんすかな。うんうん。


という事で、このあたりの用語を間違えると大変に恥ずかしい思いをしますので、皆様におかれましてもご注意ありたく、自らの恥を大々的に宣伝するのでありまして、謹んで昨日の訂正を致しまして謝罪はしますが賠償は致しかねます。


と、ひとしきり恥を晒した所でまずは雑談。


○だいたい雑談コーナー

・R&Iは1ノッチ下げですかそうですか(9501)

格付投資情報センターさん昨日は東電格下げアクション。
http://www.r-i.co.jp/jpn/
とりあえずR&IはA格維持ですにゃ。

リリースはこちら
http://www.r-i.co.jp/jpn/body/cfp/news_release_A/2011/06/news_release_2011-A-264_01.pdf

いやまあこちらのリリースにもございますし、S&Pの格付けアクションもそうなのですけど、今回は「賠償支払支援スキームの具体化が進んでいない」という点をレーティングアクションの大きな理由の一つにしている訳でございまして、いやまあそう言われますとそらそうですなとしか申し上げようが無いでござる。

まあ悪態(格付け会社向けではなくて政権向けね)は火曜日にも書いたので今更なのでございますが、何か微妙にフワフワな「案」だけ出して(しかもただの関係閣僚会議合意であって閣議決定ですらない)その具体化に向けての所で「ステークホルダーの協力」に関して関係閣僚の発言が食い違う(上に無法発言をする内閣官房長官がいるわ)という状態で話が宙に浮く位だったら、スキーム案まだ検討中って感じの方が良かったんじゃねえのとか(実際にはそれはそれで問題になるんでしょうけど)愚痴りたくもなりますにゃ。

何はともあれこのままダラダラとされても誰も得をしない展開になります訳でして、現政権におかれましてはもうちょっと物事の優先順位というものを考えていただきたく存じます次第でございます、あ、それから法治国家としてのあり方もお忘れなきように。

毎日新聞でもこんな記事があったんですな。うんうん。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110531ddm008020131000c.html
東京電力:「投資不適格」 社債市場回復に水 契機は債権放棄要求発言
毎日新聞 2011年5月31日 東京朝刊


・どうでも良いがこれは高度なギャグ

http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C9381949EE2E3E293EB8DE2E3E2E4E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
菅首相、原発対応「思いつきの危険性知っている」
2011/6/1 15:28

・・・・・・・・ギャグが高度すぎて何が何だかさっぱり判りませんorz

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2011/06/01

さあ内閣不信任案提出ですよ(・∀・)ニヤニヤ

まあしかしこの内閣は「積算根拠無い独断専行」をリーダーシップだとおもっているんでしょうね、ちょっと知能というか人間としての良識を疑っちゃうんですけどにゃあ。これはワロタというか情けない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110531-00000146-mai-pol
<菅首相>太陽光パネル発言で陳謝 「聞いてない」閣内不満
毎日新聞 5月31日(火)22時25分配信

ということでお縄先生劇場が開演されるのか見物人だけ集めて不発になるのかワクワクテカテカなのでありまふ。

○日本国債のネガティブアウトルックが揃ってまいりました

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aNKH.wPWFPXY
ムーディーズ:日本国債格付け「Aa2」を引き下げ方向で見直し(3)

『5月31日(ブルームバーグ):米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは31日、日本政府の自国通貨建てと外貨建ての債務格付「Aa2」を引き下げ方向で見直しの対象にしたと発表した。東日本大震災に伴う経済・財政コストの増大に加え、政府による財政赤字削減の見通しが不透明なことなどを理由に挙げている』(上記URLより)

社会保障と税制の一体改革の原案の内容が判明しました♪というニュースが出た日にいきなりネガティブアウトルックネガティブウォッチ(スイマセン間違えてました)攻撃とはムーディーズさんお洒落ですなあ(棒読み)という感じですが、何だか知らんが昨日は珍しくドル円が若干円安に振れるわ債券市場では超長期がヘロヘロになるわと、多分別の要因で動いたと思うのですが(^^)、珍しく反応したかのような動き(正確に言うと債券市場で超長期とか先物がダメダメになったのは10時過ぎからなんで順序が逆なんですけどね^^)と相成りました。

まあ別にだからどうしたのと言う感じ(そもそも先週末はフィッチレーティングが日本のAA−をネガティブアウトルックにしてますし)ではございますが、

『政府の取り組みについて「人口動態上の圧力の高まりや、危機後の不安定かつ不確実なグローバル経済環境において発生しうる新たなショックに対して、長期的財政再建戦略がぜい弱」との見方を示した。』(上記URLより)

というのにワロタとしか申し上げようがございませんですな。まあ目先的にだからどうなのよという感じではございますが、今回ちょっとだけ違うのは貿易収支が赤くなっている事っすかねえ。だから直ちに経常収支に影響を与えるものではござーませんけど、気分的な問題として(どうせ市場ちゃんの目先の動きは気分次第ですから^^)貿易赤字をホイホイ見せられると何でございましょうかなあというのは無い訳でもない、気分だけの話だが。

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2011/05/31

○S&Pが東電格下げとか

こちらはニュース。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=axAZifqKovqM
東京電力の会社格付けを5段階引き下げ、ジャンク級に−S&P (1)

『5月30日(ブルームバーグ):格付け会社スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は30日、東京電力の格付けをジャンク級(投機的格付け)に引き下げた。銀行借り入れについて何らかの債務再編がなされる可能性が高まっているとの見解を示した。

発表によると、長期会社格付けば「B+(シングルBプラス)」に5段階引き下げた。長期優先債券格付けは2段階引き下げ「BB+(ダブルBプラス)」とした。いずれも従来は「BBB(トリプルB)」。短期会社格付けも「B」に2段階引き下げた。すべての格付けは方向性不確定の「クレジット・ウォッチ」を継続する。』(上記URLより)


んでもってS&Pのリリース(登録しないでも見れる奴)。
http://www2.standardandpoors.com/portal/site/sp/jp/jp/page.article/1,0,0,0,1204866766588.html
東京電力の債券格付けを「BB+」に、CP格付けを「B」に引き下げ
会社格付けは「B+/B」に引き下げ、すべて方向性不確定の「クレジット・ウォッチ」を継続

ということで、長期優先債務と長期会社格付けが思いっきりスプリットになったのですけれども、どっちも格下げ攻撃となったんすよね。銀行融資が債務再編に掛かった場合には他の債権者的にはオイチイ話のような気もするのですけれども、まあ(Q&Aみたいなのがリリースされてるようなのでそれを見れば書いていると思うけど)新規でのファイナンスと言う観点からしたら銀行融資を債務再編しようかという企業が一般担保付とは言え社債発行したらそれってどうなのよとか言われるとまあそーゆー事なんですかねえ、よー知らんが。

で、上記S&Pのリリースにもありますけど、今回の決定理由の中に『1)政府による損害賠償支援の内容や正式決定の時期などが依然として不透明である』というのがございまして、まあ要するに「政府は早く東電の賠償支払いスキームの具体化と法案整備をしやがれコノヤロー」だというのだけは把握しました。

この前政府案出た時に格下げしたばっかりで、何か随分とタイミング早くねえかという感じではございます(まあ銀行決算発表後なのだけは気を使ったのかもしれませんが^^)けれども、まあ政府案のようなものが関係閣僚会議で公表された後絶賛たなざらし状態になっているので格付け会社がイラっとさんになりましたという事だと存じますが、そもそもどこぞの馬鹿官房長官が馬鹿な前提条件を恫喝的に言い出したのが本件具体化に向けての話をややこしくした原因でありまして、馬鹿官房長官におかれましてはミニ水力発電の研究の為に三途の川を視察に逝かれる事を心からお勧めして止まないものであります。

何かまあ短期的にはこの前の2兆円融資が効いて資金繰りダイジョーブ的な余裕ぶっかましモードになっているから政府案の具体化が全然進まないという事があるのかもしれませんが、まあたなざらしが長くなりすぎると色々と騒ぐ動きも出てきますがなっちゅう事ですので、実効性があって、変に債務再編とかしない賠償支払いスキーム(長期に渡って東電がタコ部屋送りになるようなスキームが今の政府案と理解してますが)の具体化を望む訳でございまする。


○でもまあ政治の方は政局モードで

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110531k0000m010084000c.html
民主党:不信任案めぐり攻防 小沢氏は党内の風探る

お縄先生お得意の壊し屋稼業キタコレ(・∀・)

・・・・・・まあ何か足元で電力供給能力の低下とかが懸念される中で「発送電の分離」とか「自然エネルギー」とかそれはそれで長期的な課題としては取り組む話ではあると思うのですけど、隣家で火事ボーボーとなっているのに「そもそも防火とは何ぞや」みたいな話をしているかのようなテイストを醸し出している馬鹿内閣におかれましては早々にご退場頂きたいものではありますが、そうは言ってもこの内閣コケたあと更に碌な事言い出さない河野某とか渡辺某とかが出てきて電力自由化とか東電解体(一般担保債権者が数兆円分あるのにそう簡単に解体とか言われましても債権者が許さんのだが)とか更に法的前提をまる無視して無茶振りをしてくるリスクもあるのですけどにゃあorz


そんな中で社会保障と税の一体改革(明後日出るんすか)の話も出てきたようで。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110531/t10013216751000.html
一体改革 原案の全容明らかに
5月31日 5時14分

『2015年度には、社会保障の充実化で4兆円かかり、抑制策の実施で、1兆3000億円程度を減額しても、社会保障の追加の費用として2兆7000億円程度が必要になると試算しています。これに加え、基礎年金の国庫負担の割合を2分の1に維持するための財源や、高齢化に伴う社会保障費の自然増などの費用の確保が必要だとして、2015年度までに消費税率を段階的に10%まで引き上げるとしており、法制上の措置を今年度中に講じるとしています。』(上記URLより)

あたしゃよく判らんのだが、何で出す方を先に決めて足りないから増税という話になるのやらという所なのですし、大体経済復興しないといけないのに今から消費税率上げとかナンデスカソラという感じなのですけれども、まあこれはあたくしよー判らんのでとりあえずスルーします。確か海外格付け会社がこの改革案の内容次第では日本ソブリンの格付けを見直す気満々だったような記憶がある(記憶違いだったらゴメンナサイ)ので、まあ原案が正式に出てからwktkしたいと思いますけど、明後日は内閣不信任案が出てそうな気も(^^)。

#年金支給開始70歳とかおめえ70まで働かせるのかよ勘弁じゃろ・・・・・

とまあそんな感じでどうも政治がスタックしてて困ったもんです。

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2011/05/26

ということで今日も悪態が来るのだが。

○てめえふざけるなああああああああああああ!!!!!

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=ax1hBHBJim_Y
枝野氏:「私は求めていない」、東電向け銀行債権放棄−国会答弁(1)

『5月25日(ブルームバーグ):東京電力福島第一原子力発電所事故の賠償スキームをめぐり銀行が東電向け債権を放棄する必要性があるかどうかの問題について、枝野幸男官房長官は25日の国会答弁で、記者会見での質問に対し見解を示しただけで、自ら債権放棄を求めたものではないと強調した。』(上記URLより)

・・・・・・・・・(゚Д゚#)ゴルァァアアアァァァ!!

えーっと、どうもこの官房長官様は無法者の上に自分の発言の意味が判っておられないようで、まあきっとお気楽野党の評論家気分で権力を振り回しておられるということなんでしょうかねえ。

『また、同氏は25日の答弁で、原発事故の収束に向けた関連企業の業務継続、原発事故賠償、東電管内の電力供給安定の3点を確保するため「会社更生等の法的手続きは残念ながら取れないと考えている」と述べた。』(上記URLより)

>残念ながら
>残念ながら
>残念ながら

・・・・・・・・??????????

何でこう意味不明に強硬なのかと考えますと、そもそも原子力政策を推進していた政府がありまして、原子力保安院とか作って管理監督を責任取って実施していた筈なのですが、その論点を一連の無法発言でスルーさせようという事なんですかね、とでも考えないとイミワカンネ。

大体ですな、物権に関する法の前提を平気でひっくり返して融資の放棄だのを要請するような発言を内閣官房長官が平然と行うっつー時点で、「この国は後付で法的枠組みがひっくり返される国」(事後法でいきなり逮捕されたりいきなり財産没収されるようなアホな事の起きない国)という認識になる訳でございまして、従来はアジアの中でその手のリスクの無い国として日本は扱われていた筈でありましたが、枝野官房長官の債権放棄要請発言ってそれを突き崩すという意味で激しく国益を損ねるリスクのある発言なんですよね。

然るに、「そんな話をした訳ではない」と「勝手に解釈するお前らが悪い」と言わんばかりの発言とはこれまた酷い開き直りでして、発言を撤回して謝罪しないとそもそも話が始まらないと思うのですけど、何と申しますかこの官房長官様におかれましては可及的速やかに天寿を全うして頂きたいものでございますとしか申し上げようがございませんな。

ということで、金融市場に(゚Д゚#)ゴルァの反響を巻き起こした官房長官のご発言に関してメモメモ悪態なのでございました。

ちなみに、政策投資銀行も債権放棄に関してはこのように仰せのようで(^^)。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a2m.Rw8eR_f0
政投銀の荒木副社長:債権放棄に慎重「まず政府と東電間で協議を」

『5月25日(ブルームバーグ):日本政策投資銀行の荒木幹夫副社長は25日の決算会見で、東京電力の原発事故補償の枠組みは金融機関の債権放棄が前提になるとの枝野幸男官房長官に発言について、「まずは東電と政府で考え方を整理し、金融機関を含む関係者とそれを共有させてもらわないと、われわれ自身も判断できない」と慎重姿勢を示した。

同副社長は一般論として「債権放棄は金融支援としては不快だ。当然事業者もその後の調達に支障が生じる。最後の手段ということだと思う。その辺を含め考え方をきちっと理解したい」と言及。ただ「電力は国、産業、生活にとって重要なインフラで具体的要請なり枠組みが見えてきた段階ではお手伝いできることは力を尽くしたい」と述べた。』(上記URLより)

・・・・・・・(;∀;)イイハナシダナー

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2011/05/20

いやね、悪態ばっか書いてもシャーナイナイなのですけどついついネタが出るとそんな餌に俺様がクマーになってしまうあたくしorz


○益々意地になっておられる人がおいでのようで

市場に乾いた笑いと頭痛を巻き起こしたのは昨日もこの人でありました。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=ah_7Q16_e3G8
枝野氏:東電は「普通の民間とは違う」−債権放棄発言への批判に(1)

はあはあそうですか、で、何と仰せなのでしょう。以下の『』内は上記URLの記事からね。

『5月19日(ブルームバーグ):枝野幸男官房長官は19日午前の記者会見で、東京電力について「公的な目的のために国として一定の支援を行う限りにおいては普通の民間企業とは違う」と述べ、福島第一原子力発電所事故賠償への政府支援は震災前債権の放棄など金融機関による協力が前提になるとした自らの発言への理解を求めた。』

いやまあ普通の民間企業とは違うかもしれませんけど、あんさん先週金曜日には「民民の関係」とか何とか仰っておられませんでしたっけ????いやですから政府がちゃんと関与するというのであれば、法的枠組みに則って賠償の支払いと電力の安定供給(と原発事故の収束)が継続できるようなやり方を取って頂ければヨロシイ訳でして、震災前債権の放棄を「自主的に行う」のを「協力要請」するという”法に則らない行動”をしろというから銀行どころか経済界が反発するのですけどねえ。

『枝野氏は金融機関や東電の株主に対し、「当事者である東電が貸し手に限らず株主も含めてさまざまなステークホルダーの皆さんに、政府からの支援がない場合の財務状況を前提にして、さまざまなご協力をお願いしていく。そのことについて国民の理解が得られなければ国としてのスキームが前に進むことはない」と述べ、あらためて賠償への協力を求めた。』

あーもしもし???アナタ今「普通の民間企業とは違う」って仰ったのに、何で「協力」する時の前提が「政府からの支援が無い場合」になるんでしょうか???大体法的枠組み考えたらこうなりますというスキーム作って、その説明をするのがあんさんらの仕事であって、「国民感情」とやらに阿って法律無視の横車通すのが政府の仕事ってどこのファッショだよという感じっすけどねえ。

つーことで、最初の話にある「民間企業とは違う」発言とこの段落の部分って論理矛盾してるようにしか見えないのですが、いやこんな弁護士に弁護頼んだら瞬時に敗訴確定ですなああっはっはとしか申し上げようがございませんねえ。

まあ何ですな、枝野センセイにおかれましては「政府様が関与するのだからお前ら言うこと聞きやがれ」ってゆー話をしているように見えますが、そもそも民間企業の活動に対して法に則らない行為を恫喝交じりに強要しようとしているのに対して反発が起きているのに、この人その点全く把握してないでしょっつー所で残念ですなあ。

『一方、東電債権を放棄すれば金融機関自身が株主代表訴訟を提起される可能性があるとの指摘が出ているとの質問に対しては、「金融機関がどういうロジックを持っているか直接コメントする立場にはない」と述べるにとどめた。』

・・・・・・・いやあのそれは金融機関のロジック云々じゃなくて普通に商法だの会社法だのを普通に解釈するとそうなりますがなという世界であって、別に金融機関が勝手に問題点をでっち上げている訳でも何でも無いのですけれども、もしかして枝野大先生におかれましては「俺様がルールブック」という古代暴君伝説もビックリの法律運用を当然であるとでも思っているのでしょうかねえ。


とまあそういう事で、何せ官房長官がネックという素敵な状態になっている上に、益々無茶振りの発言をエスカレートするという状態ですので、まあこの人の発言を何とかして「無かった事」にするという方向、そして例の6項目目の「協力」に関しては「期限がこれからやってくる貸出金のリファイナンスへの協力」というような方向で解釈して、枝野発言に関しては菅さんが撤回なり訂正する(本来なら今回の無法発言は「政府高官が法の支配の原則を逸脱した」という意味からすると罷免して議員辞職勧告モノだと思いますけど、まあさすがにそれは難しいでしょうからね)ことによって、まずは賠償支払スキームが実際にワークして、東電のリファイナンスを回すようにしないと賠償支払い以前に原発事故収束も電力の安定供給も回らないと思うのですけどねえマッタクモウ。


昨日のMoody'sの発表のニュース。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=akMWl3pgOeCo
ムーディーズ:東電、銀行が金利減免なら、デフォルトへ格下げ検討(2)

3月末に格下げした時は、先行きの方向性とか全然見えていない段階でいきなり格下げしたので格下げテロ呼ばわりした覚えがございますが(^^)、まあ今回の動きに関しても何だかなあとは思いますけど、そらまあ言うわなと3月末のような怒りよりも乾いた笑いのような感情が起こるわけで、というか怒りの方はどこぞの無法官房長官に向かいますがね。



○2次補正→賠償スキーム→エネルギー政策見直しとな

ふむふむ。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=auwg.LBU1UwY
電力株下落率1位、首相発言で電力行政警戒−地域独占や発送電分離

いやね、これ株が下がるのも厳しいですけど、発送電分離とか軽々しく言われましてもじゃあ既存の貸出や社債はどうなるのという話になった時にこの政府何も考えないで後から変な「協力」でも求めてきやがるんじゃないかとかまで心配したくもなる(常識的にはそういうアホな事は有りえないのだが、枝野発言によってこの政府はそういう契約履行などに関する常識が通用しないリスクがあるというステージになっているからねえ)訳ですし、まあそれ以前の問題として直近で債権放棄を求められる状態の中で、他の電力で似たような事態が起きたらどうすんのというような話になったらそらまあ電力会社への融資のレートは少なくとも上げてくれないと困りますがな(従来の御用金調達レートでは厳しいですなあ)という話になりゃーしまへんかねというのが気になるざますわよ奥様。

つまりですな、ただでなくさえ原発見直しの方向が続いて発電コストが上がり、その上電力供給能力に対する不安もありますねという中で、電力会社の資金調達に悪影響を与えるような事を国が推進してどないすんねんと思うのでありまして、昨日も申し上げましたように、今まさに緊急の課題は電力の安定供給(東電はそれに原発関連が加わりますが)の確保なのに、自由化論議とかこのタイミングで行ってどうするんじゃいとあたしゃ思うのですけどねえ。


まあ何ですな、2次補正の話をしてたら財源論で大騒ぎになったから収拾が付かなくなって先送り、賠償スキームの話をしたら債権放棄云々で大騒ぎになったから収拾が付かなくなってこれまた先送り、となりまして、何か支持率アップと政権延命のネタは無いかという事で今度はエネルギー政策どうのこうのとなって発送電分離というのに飛びついてみたという事だとは思うのですが、やることが一々証券市場や金融市場の迷惑でございまして、内閣の皆様におかれましては可及的速やかに西方浄土へのご訪問をお勧めしたく存じます。

#ちなみにどうでも良いが、発送電分離してあちこちで小規模発電とかいう話って見た目は美しいですけど、現在の技術水準でそれやると「土法高炉」状態にならんかねと懸念しとるんじゃが素人なのでよー知らん

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2011/05/19

○ちょっとだけ悪態的雑談

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110518-00000038-maip-pol
福島第1原発 菅首相、発・送電の分離検討
毎日新聞 5月18日(水)21時3分配信

・・・・・・いやあのですね、発送電分離の話とか(表題には無いけど)エネルギー政策の見直しとかの話をする前に今やるべきことは福島第一原発事故の安定化と、経済復興の為にも重要な電力供給の安定化であって、しかもそれは待ったなしの話だと思うのですけどねえ。

その為にも東電の賠償支払いスキームを実効性のあるもの(無法発言によって債権放棄を強要するとか論外にも程があるのですわ)として、東電の今後のリファイナンスを確実なものにすると共に、他の電力会社に対しても無駄に変な負担を掛けたり先行きのリスクを高めたりすることによって資金調達に負荷を掛けるような事をしない事が最重要であって、クリーンエネルギーとか発送電分離とかいうのはその辺りが落ち着いてから追々やれば良い話ではないかと思うのですけれども、誰に変な話吹き込まれたのか知りませんが、喫緊の課題を先送りにするのは熱心なようで非常に困ったもんだとしか申し上げようがございませんわな。

などと血圧を上げていると健康に宜しくないのでまあちょっと毒出ししてみただけね。

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2011/05/18

お題「結局また東電関連雑談になってしまったorz」

まあ大概にと言いつつも実に何ともなネタなので東電関連クリップは続く。

○結局のところ「枠組み」の「6項目目」が明らかにクソな訳ですな

昨日の閣議後の会見を報じたブルームバーグから。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=auI22n.A.9oE
野田財務相:東電と金融機関が対応協議を−債権放棄問題(1)

『5月17日(ブルームバーグ):野田佳彦財務相は17日午前の閣議後会見で、東京電力の賠償スキームに絡んで枝野幸男官房長官が金融機関の債権放棄が前提との認識を示したことを受け、「具体的に政府で協議したことはない」としながらも、「全てのステークホルダーの協力を得ていくのが基本的な姿勢。その中で国民負担の最小化を図るという原則がある。それに基づいた対応を東電と金融機関が民民の関係で協議いただくことが基本姿勢だ」との認識を示した。』(上記URLより)

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=airlH_5CmTtw
自見金融相:債権放棄「民間当事者同士で話し合うべき」−東電賠償

『5月17日(ブルームバーグ):自見庄三郎金融担当相は17日午前の閣議後会見で、東京電力原発電所事故の賠償の枠組みに関連して、「東電支援は国民の理解を得ることが重要。民間当事者間同士で話し合うべき事柄だ」と述べた。』(上記URLより)

・・・・・まあ野田財務大臣も言うように、「政府が公式な機関決定として民間金融機関に債権の放棄などを強要している訳ではない」(したらどこの暗黒中世国家だという話ですけど)という事なのでしょうが、まあ既に枝野官房長官が金融機関の債権放棄などを事実上の政府による支援条件とする発言をした後に、自見さんのように『東電支援は国民の理解を得ることが重要。』という発言をしちゃいますと、「財務省も金融庁も金融機関による債権放棄などを要求している」と取られちゃうリスクが高い訳でございまして、益々ヘッドラインリスクを高めるというものでございまする。つーかこれって「東電支援」じゃなくて「賠償支払い支援」でしょ自見さん・・・・・

まあ要するに例の6項目の最後の項目が明らかに余計、というかそれを「条件」にした時点で「政府による金融機関への法的根拠無き強要」になっているというのが問題にも程があるのである訳ですよね。

まあ毎日書いてるから耳タコですいませんが、お金のやりとりにおける契約関係に関して、後から国家権力が法律の枠組みを壊すような形で「世間的に反発されにくい取りやすい所から取立てますか」というようなスキームを炸裂させちゃいますと、そらあーた金融なんてやってられまへんがなという事ですし、大体からして世間受けの悪い「金持ち」とかが「この国に金を置いておくと何かあった時に大事なお金を法律の枠組みを超えて国家に収奪されちゃうリスクがある」と認識するんじゃないですかという話なのですが、まあ金融だの金持ちだのというのは(あたくしは金融屋だが金には縁が・・・orz)世間的に嫌われますので、迫害の対象になる事に関してはナーバスなんじゃネーノと思いますけどねえ。


ま、電力事業の主務大臣様であらされる経済産業大臣がこれだから困るのだが。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aFCRivCI0gB4
海江田氏:金融機関もいろんな協力してくれると思う−東電賠償(1)

『5月17日(ブルームバーグ):(冒頭部分割愛)海江田氏は金融機関の協力の在り方について「基本的には民と民の関係であり、私どもがああしろ、こうしろということを今の段階で直接口を挟むということではなしに、金融機関の方もいろんな協力をしてくれるだろうと思っている」と述べた。』(上記URLより)

えーっと、思いっきり圧力掛けてますが海江田さん永易さんの会見内容を見てないんですかねえ。更に話がこじれるだけじゃねえのこれじゃあ話が百年経っても進まねえよ・・・・・しかも主務大臣が「事業分割」の話をしているのだが、この会社って公募社債での資金調達が多いのだから、そんなに簡単に事業分割を口にされますと困るんですけどねえ(社債の元利金返済のきちんとした承継スキームがあるなら別だが)。



というのが、共同通信ニュースになるとこうなります。

http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051701000296.html
東電と金融機関で協議を 債権放棄めぐり野田財務相

まあシャーナイわなという感じですが、こんな感じでヘッドラインリスクがホイホイ出てくるというのは全く持って何なんですかという所ではございまする。


まあこの辺とか見てると微妙に無法路線の修正をしようとしているのかなあという気もするのでその辺に期待したいですが
http://www.asahi.com/politics/update/0517/TKY201105170560.html
原発被災者「国策の被害者」と明記 政権の取り組み方針

おせえよという感じではありますが、まあちったあ前進ですかねえ。




○官房長官は益々意地になっておられるようですなあ

公共放送ニュースより
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110516/t10015922781000.html
官房長官 支援法案は合理化策後に 5月16日 19時43分

『東京電力の清水社長は、16日の衆議院予算委員会で、福島第一原発の事故を受けた賠償金の支払いを支援する枠組みに必要な法案について、今国会での成立を要請しました。これについて、枝野官房長官は記者会見で、「支援の大前提として、東京電力による資産の売却や、安全に関わらない経費の徹底的な節減、それに関係者の協力が得られることが求められる」と述べ、東京電力に対し、早急に経営の合理化策を示すよう求めました。そのうえで、枝野長官は「『早く法案の成立を』と言う前に、情報公開と内部努力を進めることが、前に早く進む何よりの要因だ。東京電力が事業主体として責任を果たしているという国民的な理解が得られなければ前に進まない」と述べ、法案の提出時期は、東京電力が経営の合理化策を示したあとになるという認識を示しました。』(上記URLより)

ということで、どうも「債権放棄」に関して直接言及するのは避けているようにも見えますが、相変わらず『関係者の協力』とか言ってるし、『支援の前提として資産の売却』などの『合理化が先』という話になっているようで、益々意固地になっておられるように見えるのですがどうなんすかねえ。

つーかさ、合理化策は良いんですけど、役員報酬削減だったら別にホイホイと決められますけど、退職者年金の削減とか給与削減って交渉相手がいることですし、資産売却だって今日売ると言って明日ホイホイ売れるものでもない上に、尾瀬の土地みたいに横槍入ったりもするでしょうし、まあそれ以前の問題として一般担保付の社債という長期負債が山ほどある会社において「重要な資産の処分」をホイホイ行うのは一般担保の社債権者との権利関係の問題もある訳で、そらまあ鉛筆舐め舐めのお絵かき策だったら簡単に出せるかもしれないけど、まともに実効性のある話をしろといわれた場合に今日の明日とかに合理化策を出すのも大変でしょ。その間に時間は経過していくんですけどねえ・・・・


ま、こんな調子でそこらじゅうから批判されて更に意地になっていると見た。

http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210518001.html
【原発】枝野長官の債権放棄に経済界から批判(05/18 05:50)

「あの」テレビ朝日でもこの調子ですからにゃあ。


○しらっと書いてあったが何だかなという話

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aH0h7UrjcFwI
東電賠償スキーム、銀行債権放棄、政府見解でなし−支援に不透明感(1)

最後の部分が盛大な釣り針で・・・・・・

『東電広報担当の松本直之氏は、金融機関に債権放棄を「要請するかは現在コメントできない」とし、「これまで通り低コストの資金供給などの支援を願いたい」と述べた。「政府に支援してもらいながら被害者への公正かつ迅速な補償に向け準備を進めている」という。』(上記URLより)

>これまで通り低コストの資金供給などの支援を願いたい
>これまで通り低コストの資金供給などの支援を願いたい
>これまで通り低コストの資金供給などの支援を願いたい

・・・・・・・・・・いやあのどういう文脈で仰ったのか良く判らないですからあんまり悪態はつきたくないのですが、社長が資金が回らなくて政府に支援要請とか言ってる会社で、しかも政府から金融機関に公然圧力モードになっていて今後の融資どうすんのというような話になっている状態なのに『低コスト』の融資寄越せとか金融機関の首脳がこれ見たらカチンと来るんじゃネーノと思うのですが。

まあまさか素でそういう話をしたとも思えず、文脈の中で切り取られただけだとは思う(というか思いたい)のですが、こういう風に報道されるリスクのあるような物の言い方を避けないと「東電の態度は何なんだ」という感情的反発を呼んでまとまるものもまとまらなくなってくる訳でございまして、だから不良債権処理時代の銀行からちったあ勉強した方が良いんじゃないのとか思うのでありまする。

報道機関ってこういう時にできるだけオモシロヘッドラインを作ろうとするのでありまして、まあ例えば清水社長の企業年金削減に関する話とかだって法的な筋論としては別に間違った話をしている訳では無さそうなのですが、兎に角こういう時にはヘッドラインとして「東電ケシカラン」という結論になるような報道のされ方をするものですからもうちょっと何とかした方が良いと思いますけどって先日も書いたけど多分時既にお寿司ではあるのですけどね。


○更に脱線雑談:こんな国で財政マネタイズ道具与えちゃいかんでしょ

最近ちょっと下火になった、というか単に2次補正が先送りになったので、予算が先送りになれば財源論も先送りになるというだけの事だと思われる「日銀が財政マネタイズ(=財源としての国債引受)をしろ論」なのでございますがね。

まあ小見出しの通りでございましてですな、財政マネタイズに反対するクチと致しましては、主な論点として「一旦財政マネタイズを認めると足元は兎も角、将来に渡って安易に財政マネタイズを乱発する結果、財政インフレという誰も得しない展開になりませんか」というのがあって、そーゆーのに対して「財政規律を法律で縛れば」「日銀がインフレターゲットをすれば」という話が出てくるのでありますわな。

でもね、今般の東電賠償スキーム策定において内閣官房長官という政府高官が堂々の無法発言をするような国において、「国債の市中消化」という原則を崩したら打ち出の小槌を物凄い勢いで振りまくってそんな財政規律法律だのスルーしちゃうんじゃ無いのという懸念が思いっきりあると存じますし、そうなったらインフレターゲットも糞も無いと思うのですけど、その辺に関してはどうお考えなのでしょうかと思うのですよ。

「いやそんな事したら選挙で落とされるから政治家がやらない」というのかも知れませんが、一旦財政インフレ的な動きになったら次の選挙で血祭りになったとしてもその時には国民生活は破壊されている訳ですから、んなもん歯止めになるかいなという風に思うのでありまして、やはり国債の市中消化という原則をそう簡単に崩す必要は無いと思うのですけどねえ。

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2011/05/17

お題「まあ東電ネタは大概にしたいのだが雑談メモメモ」

市場の話はすっかりスルーでどうもすいませんすいません。

○政権の無茶振りにさすがの銀行もお怒りのようです

ブルームバーグニュースから
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aOZHcYQHF1G0
大手銀5G決算:与信費用減で6割増益1兆7631億円−今期予想は慎重

『5月16日(ブルームバーグ):(途中割愛ね)三菱UFJの永易克典社長は、政府部内で銀行の債権放棄が前提との見解がある東電賠償の枠組みについて「債権放棄とは実効性のある再建計画を企業と一緒に作っていく過程で応じるのが金融のルールだ。非常な違和感がある」と強調。再生の可能性がなければ株主代表訴訟になるなどと指摘した。東電からまだ話はきていないという。』(上記URLより)

>債権放棄とは実効性のある再建計画を企業と一緒に作っていく過程で応じるのが金融のルールだ
>債権放棄とは実効性のある再建計画を企業と一緒に作っていく過程で応じるのが金融のルールだ
>債権放棄とは実効性のある再建計画を企業と一緒に作っていく過程で応じるのが金融のルールだ


読売新聞から
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110516-OYT1T00953.htm
三菱UFJ社長、債権放棄は「かなり難しい」

『三菱UFJフィナンシャル・グループの永易克典社長は16日の決算記者会見で、枝野官房長官が東京電力への融資について債権放棄を求めていることに、「唐突で、違和感のある発言だった。民間と民間の関係に政府が直接的に関与するのはいかがなものか」と不快感を示した。』(上記URLより)

>民間と民間の関係に政府が直接的に関与するのはいかがなものか
>民間と民間の関係に政府が直接的に関与するのはいかがなものか
>民間と民間の関係に政府が直接的に関与するのはいかがなものか

『また、永易社長は「金融協力には金利減免やリスケ(返済期日の延期)などがあり、債権放棄はその極にある」と指摘した。永易氏は「東電が抜本的な再建計画を作る中で、どういう金融協力ができるかを考える」と述べたが、その前提として「(東電の)大リストラが前提になる」と強調した。(2011年5月16日21時02分 読売新聞)』(上記URLより)

>金融協力には金利減免やリスケ(返済期日の延期)などがあり、債権放棄はその極にある
>金融協力には金利減免やリスケ(返済期日の延期)などがあり、債権放棄はその極にある
>金融協力には金利減免やリスケ(返済期日の延期)などがあり、債権放棄はその極にある

どう見ても騙し討ちを食らった銀行がお怒りのようです・・・・・って当たり前としか申し上げようがございませんが、こーゆー風になるの当たり前にも程がありまして、まあ何と申しますか本当はただのおまいらの説明放棄であり利害関係者の調整努力を1ミリもしないで全く使い物にならない「案」とやらとドヤ顔で作って勝手な「国民感情」を持ち出して圧力掛けるだけしか能の無い政権の仕打ちにいつまでも甘い顔してたら銀行にどんだけ無理無体が飛んでくるか判りませんがなという所でございましょう。

しかしブルームバーグの方にありましたが、「東電からまだ話はきていない」っていうのが実際問題としてどのような段階(打診段階なのか本当に何も来ていないのか)なのかは判らんですけど、交渉以前の問題である、というのであればそもそも政府は何を考えてあんな無茶振りの前提条件付きの構想を出したのか全く理解に苦しみますが、どうせ支持率アップの為に何か出そうとか、決算発表までに何か出そうとか、そういうのが先に有って、本当に重要な「実際にワークする施策を作るために利害関係者間の調整を粘り強く行う」という地味な事はやらないでパフォーマンスだけ政治やってるからこういう話になるんでしょとゆー所ですわなあっはっはorz

しかしまあ東電も何か相変わらず危機感あるのか無いのか判らん(少なくとも「話がきてない」と言われるレベルの動きしかしてないと言うことでしょ)ですし、まあ元々が借入にしろ社債発行にしろ(激しく自主規制)であらされた流れをまだ引きずっているんでしょうかねえ。

まあしかし本件に関しては(少なくとも表面的には)結構こじれてしまったなあと言う感じでありますし、少なくともあの一連の無法発言ですっかり信頼関係が壊れてしまった感があります次第で、そもそもこの手の交渉するのに信頼関係もへったくれも無いという状況から開始するとなるとまあ話が中々進まんわなという所であります。唯一の救いは菅さんが収拾に乗り出すコースかなあ(恫喝的発言に対して菅さんが撤回するという感じ、まあよーやらんでしょうが)とは思いますけどねえ。



○しかし相変わらずの調子なのがこのお方

またまたブルームバーグニュースから。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aF571yB_qf5g
枝野氏:東電の資産売却、経費削減が大前提、政府の賠償支援−会見

『5月16日(ブルームバーグ):枝野幸男官房長官は16日午後の会見で、東京電力福島第一原子力発電所事故をめぐる賠償問題について、政府の支援は同社が資産売却、経費削減を徹底的にするのが大前提だと述べた。また、ステークホルダーにどう協力してもらうか明確にする必要があるとも指摘した。』(上記URLより)

>ステークホルダーにどう協力してもらうか明確にする必要がある
>ステークホルダーにどう協力してもらうか明確にする必要がある
>ステークホルダーにどう協力してもらうか明確にする必要がある

おいこらまだ言ってるのかお前自分の発言の意味判ってるのかてめえ一般担保の債権者で自主的な「協力」とかする奴いると思ってるのかという所でありまして、枝野様におかれましては金融関連の法的な問題に関してはどうもあまりお得意ではなく、却って話をこじらせる方向に作用される事でもございますので、それよりも脱原発のクリーンエネルギー開発研究方面に貢献して頂きたいと存じます次第でございまして、例えばブルジュ・ハリーファの最上階からイカロスの翼の稼動実験の実演を行っていただくなどというような貢献を是非ともお願いしたい所でございます。


より詳しいニュースはこっちでしたな(汗)。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=al7SN1PfjYK4
枝野氏:発送電分離など東電事業形態見直しも選択肢−記者会見(1)

『5月16日(ブルームバーグ):枝野幸男官房長官は16日午前の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所事故を受けた今後の同社の在り方に関し、発電・送電部門の分離を含めた事業形態見直しも選択肢としてあり得るとの認識を示した。 』(上記URLより)

・・・・・まあそれやってエンロンリターンズとかニューヨーク大停電リターンズとかになられても困る訳で、今回の震災で固定回線も携帯回線も役立たず振りを発揮したどこぞの禿のようなのが電力事業に参入されても何だかなという感じなのでございますけれども、まあそれはとりあえず措くとしませう。

でね、それはまあ措くとしましても、発送電分離とかいう話になると社債的に申し上げますとそれは「重要な資産の売却」という事になると存じます次第でございまして、そういう場合は同社の負債をどういう形で継承するのかという点についてキチンとした形で詰めないと社債の失期事由に引っ掛かった社債権者が売却差し止め請求とかを飛ばすことになる(つーか社債管理会社が社債権者の権利保全に動かないと今度は社管がエライコトになる)とかいうような素敵な話になってしまうのでございますが、ど〜せそんな事この人たち何も考えて無いでしょ。

つーかさ、これ昨日も書いたけど、将来的に事業形態見直しされるというような話が見えていて、かつ一連の閣僚発言で「この政権に掛かると何を言い出すか判らない」という状態になっているのに誰がそんな企業に追加融資するのよという話になって、問題が益々ややこしくなるのでありまして、事業形態の見直しがどうのこうのというのであれば、検討の際には必ず同社の債務をその時点でどういう形にするのかという所を明示しないとダメだろという所でありまする。これが自民党政権時代だったらその辺あまりきっちり書いてなくても当然の如くその辺りを勘案した動きをするという安心感がございました(まあ金融行政に関して言えば竹中プラン時代に随分やってくれましたのでやはり微妙にアレな所があると思いますけどね)けれども、現政権は全くその辺の安心感が無いですからねえ。


○そして法案提出先送りだとおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!

共同通信(47NEWS)から
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051601000929.html
東電の賠償支援法案も先送り 政府民主、臨時国会へ

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

原発事故の避難者や農業漁業などの被害者に対して迅速な措置を取り、かつ賠償の支払いを東京電力に確実に履行させる為に急いで今回の仕組みを作ろうとしたんじゃないんでしょうか???????????????

『菅直人首相は今国会を6月22日の会期末で閉じたい意向で、40日を切った残り会期中に処理する法案を絞り込みたい思惑もある。本格復興のための2011年度第2次補正予算に加え、賠償支援法案の処理も先送りとなれば、野党が反発するのは必至だ。』(上記URLより)

えーっと、2次補正先送りに加えて賠償支払いスキームも先送りとか要するに震災復興も原発事故被害者支援も先送りして政権延命をしたいということでしょうか?

『これに関し枝野幸男官房長官は16日の記者会見で、東電の清水正孝社長が賠償支援法案の今国会成立を求めたことに対し「まず東電が経費節減の努力を示し、責任を果たしているとの理解が得られなければ前に進めない」と不快感を表明。岡田氏も会見で「政府の準備状況がはっきりしない」として、早期提出の状況にないとの認識を示した。』(上記URLより)

東京電力の経営陣の対応の仕方が如何にもマズいのはそうなのですが、本当の問題は元々出たプランの前提条件にある「ステークホルダーの協力」という法的根拠無く一部の利害関係者に損失を押し付けるような部分やら、もっとそもそも論を言えば現在のプランがあまりにもフワフワで最終案の体を為していないというのもありまして、まあ結局のところ本案を作成するにあたって政府が何か調整の努力をする訳でもなく、「金融機関の協力」問題に関しては内閣官房長官御自らが「民民の問題」と言いつつ「協力が無いと国民の理解が得られない」などと恫喝的な言辞を弄するだけという現政権の何もしない攻撃が問題なのですけど、こらまた明らかに東電(と金融機関)に話が進まない責任をおっかぶせる気が満々とか意味判りませんなあ。

・・・・まあそんなこんなで昨日も血圧の上昇する一日であったことよ、という所でございますな、いやはや全く精神衛生によろしくありませんですなあorz

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2011/05/16

お題「引き続き東電関連の雑感が続くあたくし(−−;」

基本的に営業日にもさもさ更新するのがあたくしの仕様ですが、土曜日は珍しくトサカパワーで書いたのでこの下の方に載っけております(^^)。

○これはこれは

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110515-00000037-jij-pol
東電存続、前提とせず=「発送電部門分離も」―玄葉戦略相
時事通信 5月15日(日)14時38分配信

『賠償支払いの枠組みに関し、玄葉氏は政府案の前提となった東電のリストラ策について「不十分だ」と述べ、さらなる合理化の必要性を強調。枝野幸男官房長官が金融機関の債権放棄の必要性に言及したことについては「言い過ぎた感じがする。東電が自主的に協力を求めていくことが一番適切だ」と苦言を呈した。』(上記URLより)

いやまあ東電のやりかたがトンマなのは金融危機以降の金融機関へのあの風当たりっぷりをお前ら見てなかったのかという感じですが、金融機関の場合はいくつかあってホイホイと血祭りに上げる事ができたので途中で金融機関も気がついてだいぶ平身低頭モードになったのですが、まあ繰延税金資産問題で梯子を外す攻撃に出た後は色々とアレでございましたわな。

でね、玄葉さん的には枝野海江田発言の火消しをした積りなのでしょうけれども、既に「ステークホルダー、特に金融機関の協力を求める」というのが「条件」となっているペーパー出しておいて「東電が自主的に協力を求めていくことが一番適切」とか茶番以外の何物でもない訳で、まあ残念ですなあ玄葉さんという感じです。

つーか「東電存続前提とせず」とか言ったら東電への融資や社債のリファイナンスをどうするんだよという感じでありまして、更に話がヤヤコシイ事になるじゃろとしか思えんのですけどねえ。


○権力が暴走する件に関して

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110515-00000023-maip-pol
毎日世論調査 浜岡原発停止「評価する」66% 
毎日新聞 5月15日(日)21時15分配信

まあどうせそんなもんになるんだろうなあと思うのですが、毎日とか朝日とか基本的に左翼系のメディアが一連の流れをやたら褒めていますからそらまあ毎日新聞が世論調査してもそうなるんでしょ。

でまあ浜岡原発が止まった時に申し上げた事の蒸し返しになっちゃいますけど、国家権力(だけじゃなくて権力一般というのものも含まれると思いますが)というのはまあ強制力であってある意味暴力装置のようなもんでありまして、その強制力を恣意的に濫用されたらその権力の下にいる構成員にとっては暗黒社会の到来に他ならないっすよね。で、その権力の濫用を防ぐのが法の支配という概念だという風にあたくしは理解している(ちなみにあたくし法律専攻じゃないから間違ってたら教えてちょ)訳でございます。

明治時代の最初の新聞は「藩閥政府の専制を指弾する」のが存在意義だったと思うのですけれども、今では権力の暴走を賞賛するとか新聞としてどうなのかと思いますが、まあ良く考えたら先の大戦の時だって新聞が先頭切って戦争を煽っていたのですからそんなもんなのでしょう。ゴミですなゴミ。


まあこちとら金融などという古今東西世間受けしない業務を生業としておりますと、こんな調子で権力が法の支配をいとも簡単に乗り越えた「国民感情」を基にした施策を打って来ますと、今度はこの権力は何を言い出すんでしょと心配になる訳でございまして、しまいには「財政赤字削減に協力する為に自主的協力を」とか言い出して以下自主規制という事でもあったらどうしようとかいうようなブラックスワンが気になってくる週末なのでありました。いやこれ富裕層が逃げ出し(本人は兎も角お金ね)てもおかしくない世界なんですけどねえ。


○まあしかしある意味今回の枝野さんの一件は良いリトマス試験紙になる訳で

と思って各社の社説を(新聞買い揃えるのはめんどいので手抜きでネットで)見たのですが、この件に関する社説であたくしが見つけたのは朝日と日経でございまして、他の新聞社はナニシトンネンと思いましたが、読売が割と批判的な解説をしていてホッと一息。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110514-OYT1T00240.htm
東電融資に政府が異例介入…金融界、一斉反発

記事の後半を引用するだよ。(段落分けのみ改変しています)

『枝野長官が言及したのは、震災後に大手行が行った約2兆円の緊急融資を除いた約2兆円についてだ。東電が優良企業だったこともあり、大半は担保を取っていない無担保融資だ。このため、東電が債権放棄などの金融支援を要請した場合、取引金融機関は貸し倒れに備えた引当金を大幅に積み増し、最大数千億円の損失計上を迫られる。新たな融資をすればするほど損失を計上する必要があり、取引行は「新規融資には応じられなくなる」(幹部)と反発している。

 金融機関に負担を求めるのは当然という感情論だけでは、枠組みの前提となる金融機関の協力が得られなくなる可能性が高い。

 東電の信用力も低下するのは確実で、13日の東京株式市場で東電株は大幅続落した。企業が破綻するリスクを取引する金融派生商品(クレジット・デフォルト・スワップ)のうち、東電のスプレッド(保証料率)も急拡大した。「破綻確率が高まった」と受け止めた投資家が増えたためだ。

 社債などの発行は一段と困難になる可能性が高く、東電が市場からも資金調達ができなくなり、東電を破綻させずに損害賠償を進めていく政府の枠組みが機能しなくなる危うさをはらんでいる。

 銀行が債権放棄に応じるためには、東電が実質的な債務超過に陥っていることが前提となる。しかし、現時点では被災者への損害賠償や、福島第一原発の廃炉に必要な費用も見積もれない段階で、債務超過の認定ができるのか、疑問視する声が多い。(是枝智、越前谷知子)(2011年5月14日10時04分 読売新聞)』(上記URLより)

という事で、この解説記事は論点がほぼ過不足無く織り込まれておりまして、何でこれをベースに社説書かないのよと思うのですけれども、特に「リファイナンスを回さないとワークしない」という論点と「現時点で銀行が債権放棄をするのは法的に無理がある」という論点をきっちり押さえていて、まあこの程度書いていただかないと新聞として困るっちゃあ困りますが、宜しい感じですな。


日経新聞14日社説。
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0EAE7E0E3EAE4E2E3E6E2E7E0E2E3E38297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
原発賠償への一歩を踏み出す東電と国
2011/5/14付

『枝野幸男官房長官は13日の記者会見で、東電支援の枠組みに関連して、銀行に債権放棄を求めていると取れる発言をした。債権放棄は通常、借り手の深刻な経営難が前提だ。補償総額が不明ななか、国が東電を助ける枠組みが決まった直後の発言は極めて軽率で、真意を測りかねる。』(上記URLより)

という辺りはまあ一応指摘してて良いのですが・・・・・

『しかし、銀行などの債権者や株主、そして何よりも国の責任の取り方について、まだ合意ができたとはいえない。国が金融機関以外の企業を破綻前に救済することには、賛否両論がある。』(上記URLより)

この「責任」という部分ですが、債権者や株主の「責任」と国の「責任」というのは責任の次元が違う筈だと思うのですが、何でそれを一緒くたにして「責任」として表現するのか日経新聞の社説子の意図が理解できません。即ち、債権者や株主の責任負担というのは当該企業の経営状況が悪化することによって結果的に負担することになる経済的な責任ですが、国の責任は原子力政策における許認可、監督者としての責任であって、つまりは「原発事故の責任」であるという意味で話の次元が全然違う訳ですが、日経新聞社説におけるこの表現はその辺りを混同するようにミスリードするそれこそ軽率な表現であろうかと存じます。

あと、2文目の「救済」というのもこれまたどうかと思うわけで、現行の法的な枠組みなどから考えて将来の長い期間に渡って東京電力に事故賠償金を支払わせる事を担保するためのスキーム(ただ前提に「金融機関の協力」がある時点で現行の法的な枠組みを飛び出しているのでダメダメなのですがそれは措く)として作っているつもりの物であって、「東電救済」とかメディアが言うから話が更にややこしくなって、「じゃあ金融機関にお願いしよう」とかいう無茶苦茶な流れになったんでしょとか思いますけどねえ。

ということで、日経社説は読売のさっきの記事に遠く及びませんな。


朝日新聞14日社説。
http://www.asahi.com/paper/editorial20110514.html#Edit2
原発事故賠償―株主や貸手も責任を

『これでは、とうてい納得できない。東京電力福島第一原発の事故を受けて、菅政権が13日に決めた賠償策のことだ。電力10社の出資で「機構」をつくり、東電の資金繰りを支援する。政府も公的資金を投じるが、最終的には東電と他の電力各社が弁済するため「国民負担は生じない」という。

 だが、賠償金の支払いや電力の安定供給を名目に、生かさず殺さずで東電を存続させる今回の案は、責任の所在をあいまいにしたまま、電力業界を守り続ける枠組みになりかねない。

 まず、株主や金融機関に負担を求めないのはなぜなのか。

 確かに、株価下落や無配転落で株主は一定の損を被る。金融機関についても、政府は債権放棄がなければ公的支援はしないとの揺さぶりをかけ、協力を引き出す構えだ。

 だが、実質的に経営破綻(はたん)の企業を公的に救済する以上、必要な減資や債権放棄は枠組みの中できちんと位置づけるべきだ。』(上記URLから)

>金融機関についても、政府は債権放棄がなければ公的支援はしないとの揺さぶりをかけ、協力を引き出す構えだ。
>金融機関についても、政府は債権放棄がなければ公的支援はしないとの揺さぶりをかけ、協力を引き出す構えだ。
>金融機関についても、政府は債権放棄がなければ公的支援はしないとの揺さぶりをかけ、協力を引き出す構えだ。

・・・・・・・無法措置をこれだけ賞賛する新聞社も珍しいですが、このような無法を主張するような新聞社に対する融資を行うのは金融機関としての社会的責任という意味からして如何なものかと思われますので、融資のロールオーバーとか応じない方が宜しいのではないでしょうかねえマッタクモウ。

ということで、朝日新聞は唯一ネ申によって地獄の火の中に投げ込まれるべきものであるというのが良く理解できました。


まあ以下おまけですけど。

ロイター
http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20110513-00000852-reu-bus_all
東電賠償スキーム、事実上株主・社債権者などを免責
5月13日(金)12時38分配信 ロイター

『[東京 13日 ロイター] 政府が13日発表した福島第1原子力発電所事故による東京電力の損害賠償支援スキームは、株主や社債権者などの各ステークホルダーを事実上、免責するものとなった。巨額の損害賠償が発生し、債務超過に陥れば優先・劣後関係の中で損失を負担していくのが金融市場の原則だが、”too big to fail”(大きすぎて潰せない)との主張の前に、最初にき損されるべき株主も守られるスキームだ。「リスク・リターンの原則もないがしろ。究極のモラルハザード案」(外資系証券幹部)との指摘も出ている。』(上記URLより)

ということで、書いてあることは会社法上の優先劣後の関係について述べているのですが、題名の所で株主と社債権者を同列にしている時点でマイナス100万点としか申し上げようがありません。記者会見などでニュースの見出しがミスリードというのはロイターの得意技なのでサプライズは無いですがこの記事見出しの時点で論外。

あと、記事の後半の方もなんか変な事書いてある気がするけど、読む気が起きないのでツッコミはしない。いやあロイターさんって市場関係者向けベンダーの販売を頑張っている筈なんですけど随分楽しい記事書きますねえ。


更におまけ

abz2010さんのブログから
http://d.hatena.ne.jp/abz2010/20110515/1305449669
あまりに「アウトロー」な民主党政府の原発事故賠償スキームについて

特に最後の部分が冷静で、あたくしのような湯気ポッポーの悪態しか書けないあたくしとしては頭が下がりますので勝手に引用。

『枝野官房長官や仙石官房副長官は弁護士出身であり、法律については当然詳しいと考えられるが、弁護士としての法律への接し方と政府としての法律への接し方は本来違うはずである。

弁護士としてはとにかく依頼者の利益を守るべく法律を最大限都合よく解釈して(時には明らかな拡大解釈と見えるようなものまで駆使して)勝訴を目指すのが本来の職務なのかもしれないが、法律の専門家がそのような法律への接し方をしても法律に対する信頼感が(大きくは)毀損しないのは、最終的に裁判官が法律に則って判断するからである。

ところが、同じような法律への接し方を政府が行い、かつその解釈を政府と民意の圧力で押し付けるようなことが起こったなら、法律への信頼感は急速に毀損するだろう。

そうなれば、「いざとなれば法律も信用できない」という前提で国民は行動しなければならなくなり、個々に準備・対応すべきリスクは格段に大きくなる。 又、「原子力損害賠償法」で原子力発電を国策として推進したような対策も従来のようには効果を発揮しなくなるだろう。市場原理主義を信奉する人間にとってはそれこそが本来の姿ということかもしれないが、少なくとも国としての手持ちのカードを一つ捨てるということであり、そうでなくても手持ちのカードの少ない日本にとって良い事は殆ど無いはずである。』(上記エントリーの最後の部分)

全く同感です。


一方でこんな人もいるようですが、金融の専門家でメシ食ってる人の発言とは思えん。
http://twitter.com/#!/yamagen_jp/status/69324778250571776

引用するのも忌々しいので引用はしませんがまあ読んでちょ。

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2011/05/14

お題「現政権は日本の金融の仕組みそのものを破壊したいのでしょうか」

という訳で昨日は13日の金曜日らしく斜め上の要人発言が相次いだので、トサカに来たあたくしは久しぶりに土曜の朝(つーか昼だが)に湯気ポッポーパワーで書き物をするのだ。

○東電の賠償金支払スキームの案のようなものが出ていましたので一応メモ

経済産業省のページから
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/taiou_honbu/index.html
原子力発電所事故に関する賠償などについて

http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/songaibaisho_110513_01.pdf
東京電力福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償に関する政府の支援の枠組みについて

「関係閣僚会合決定」で閣議決定とかじゃないようですな。

で、そちらにも政府の出した例の6条件がありますが。

『第一に、賠償総額に事前の上限を設けることなく、迅速かつ適切な賠償を確実に実施すること、第二に、東京電力福島原子力発電所の状態の安定化に全力を尽くすとともに、従事する者の安全・生活環境を改善し、経済面にも十分配慮すること、第三に、電力の安定供給、設備等の安全性を確保するために必要な経費を確保すること、第四に、上記を除き、最大限の経営合理化と経費削減を行うこと、第五に、厳正な資産評価、徹底した経費の見直し等を行うため、政府が設ける第三者委員会の経営財務の実態の調査に応じること、第六に、全てのステークホルダーに協力を求め、とりわけ、金融機関から得られる協力の状況について政府に報告を行うこと、について東京電力に確認を求めたところ、これらを実施することが確認された。』

>第六に、全てのステークホルダーに協力を求め、とりわけ、金融機関から得られる協力の状況について政府に報告を行うこと

んでまあ昨日は「金融機関への恫喝キター」などと書いていた訳ですが、さすがの金融市場連中も想像できないような発言が昨日の昼休み直前の枝野官房長官会見で行われ、それが報道されたのを見た金融市場はあまりの斜め上ぶりにビックリするのでありました。


○枝野官房長官の無法発言キタコレ

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=afFpAbxcloyw
枝野氏:政府の東電支援、債権放棄など金融機関の協力前提−会見(4)

いやまあ前日から「金融機関の協力が無いと政府は支援しません」みたいな無茶苦茶な話をしてて、責任と判断を金融機関に押し付けた挙句に法的根拠の無い「協力」を「要請」されるとか言う意味不明にも程がある発言を枝野さんはしてました(から金融機関への恫喝キターとか書いたのですが)けれども、その「協力」の内容が金利減免とかリスケ程度ならともかく(15日追記:金利減免とかリスケでも「協力を要請」するのは如何なものかという感じですが)「債権放棄」って何だよそれ。

すいませんあの上場維持を今後も維持する会社の債権放棄とかってその行為の経済的な合理性が極めて高いとか、何らかの法的根拠があるとかなら兎も角、単なる「協力のご依頼」如きで実施したら株主や預金者に対する背任行為で牢屋行きになっても不思議じゃないレベルの話なのですけど、弁護士ご出身と聞きましたが枝野先生民法とかご存知ないのでございましょうか????

『枝野氏は金融機関が3月11日の東日本大震災前に東電に対して行っていた融資の債権放棄が一切なされなくても公的資金の活用に国民の理解が得られるかとの質問に対し、「現時点では『民民』の関係なので発言に注意したいと思うが、国民の理解得られるかといったら、それは到底、得られることはないだろうと思っている」と語った。』(上記URLより)

これだけ露骨に会見とかやって圧力掛けて、更に「政府支援の条件は金融機関などの協力」という公表文書まで出しておいて「民民の関係」とか聞いて呆れる発言でございますが、ここまで国家権力者が露骨に法的手続きを経ない恫喝的圧力を掛けるとかどこのマグナカルタ以前の中世国家だよとしか申し上げようがありません。

国有化して下位権利者の株式について消滅させて、その後公的資金を入れるからその為に応分の負担をして下さいつきましては債権の一部(か全部か知らんが)をカットしますとか言うのであれば話の筋は通りますが、どこの世界に「株式の上場を維持したまま進めたいから株式よりも上位権利者であるローン債権保有者の権利を消滅させたい」とか国家権力が先頭切って言い出す国があるんだよという事でもありまして、これは国家が法的に定められている物権の関係を政治的な都合あるいは権力者の一存で勝手に事後的に変更できるという事に繋がる重大な問題であり、日本ソブリンが投資不適格扱いになるレベル(厭債害債さんが既に渾身のエントリーを2本(http://ensaigaisai.at.webry.info/201105/article_2.htmlhttp://ensaigaisai.at.webry.info/201105/article_3.htmlです)上げておられます^^)でもあるという厭債害債さんのご指摘に深く同意せざるを得ません。

大体からして「国民の理解」がどうのこうのとか言ってるけど、金融機関に対して預金者や株主に対する背任的な無法行為を取らせて国民の理解を得るとか意味が全く判らないというか、政府サイドの義務放棄にも程がある話でありまして、法的な手続きを踏んだ結果これが現在の最善の策であるというのを説明して国民の理解を得るのはお前らの仕事だろとしか申し上げようが無い訳でして、枝野発言のこの部分は金融面から見た場合には国家の信用を危殆に陥れる可能性を大きく孕んだ発言であると同時に、民主主義国家における代議員としての役割放棄発言でもある訳ですな。



ついでに言えば「貸し手責任」という概念に対する枝野さんの話も無茶苦茶でして。

『枝野氏は閣議後の会見で、震災前の東電への融資に関して「原発事故のリスクというものも広い意味では、当然のことながら考慮に入れて融資がなされるというのがマーケットの基本だ」と指摘。その上で、「この事故によって生じた財務内容を前提にした中で金融機関についても当然、協力をいただけるものと思っている」と述べた。』(上記URLより)

いやね、原発事故のリスク云々はそうかも知れないけど、だからと言って金融機関の融資が一方的に大損になるという債権の優先劣後の関係を完全に無視した「協力」をする必然性は全く無いのではないでしょうか。それとも何ですか枝野サン的には原発事故の責任は融資した金融機関にあるから債権放棄しろとでも仰るのでございましょうか???そういう話だったらそのうち銀行って住宅ローンで金貸した相手の日々の素行調査までしないと何の責任を負わされるか判ったもんじゃないから大変なことになりますねえwwwww

つーかさ、貸し手責任の言葉で法的に応じる根拠の無い債権放棄を応諾するように国家権力が圧力掛けるような国で金融業が成り立つのかよという根源的な問題になってくると思うのですけどねえ。

そういやさっきの経済産業省のページにあったPDFの方の3ページにある『(具体的な支援の枠組み)』の3番に『原子力事業者を債務超過にさせない。』と書いてあるのですけれども、金融機関に債権放棄を先にさせておいてドヤ顔で「原子力事業者を債務超過にさせない(キリッ)」とか言われてもギャグで書いているのなら兎も角、真面目に考えているとしたら文章の作成者の頭の中に詰まっているのはゲロかうんこなのではないかと思ってしまいますなあ。


まあ枝野官房長官様におかれましては、弁護士であらされた事もあるとお聞きいたしましたが、遵法精神の欠片もなさそうな大変に素晴らしい認識をお持ちのようであり、国家権力の中におられますと極めて遺憾でありますので、可及的速やかに1号機あたりに特攻して頂きたく心から願う次第でございます。なお、1号機と申しましても特定の設備を指しているわけではございませんで、偶々一般名詞として「1号機」という単語がふと頭に浮かんだだけであり、それ以上の意味は全く存在しないという事を念の為付け加えさせていただきますw



○更に海江田経済産業大臣が張り合って妄言とな

参議院のホームページとか、ユーチューブ辺りに音声付の画像があるようなのですけれども、何故かネットではこの発言のニュースが拾えなかったので、日経QUICKニュースから。

<NQN>◇経産相、東電賠償への協力「株主も社債保有者も当然入る」

確か昨日の16時50分前後(メモしたのですが時間書き忘れたわ)のニュースになりますが、記事によりますと『「全てのステークホルダーに協力を求める」との表現について「当然のことながら株主も社債保有者も入る」』(上記日経QUICKニュース記事より)との事だそうです。

えーっとですな、「協力」って何ですか「協力」って???株主が保有株式を任意で寄贈でもしろというのでしょうか?????一般担保付の先取特権がある公募社債保有者に対して任意で元利金の受け取りを放棄しろとでも言うのでしょうか????

まあ株式の話は置いといて債券市場の片隅におります者として社債の話をしますと、この手の公募社債を保有しているのはお昼のワイドショーで貯蓄アドバイザーが出てきてドヤ顔で「中期国債ファンドとスーパーMMC、どっちがお得でしょう」とか説明しているようなコーナーを見ながらてめえのヘソクリを使って購入しているような方だけではなくて、というよりそういう人は少数派でありまして、一般的には銀行や保険会社などの運用や、年金基金や投資信託の運用の一環として保有している人たちでありまして、これらの人たちに取ってみたら、例えば銀行であれば所謂プロパー勘定ではあってもその運用資金の原資は一般預金者などの資金でありますし、年金基金や投資信託のような他人勘定であれば、運用者は受益者に対して運用における忠実義務を負っている訳でありまして、一般の個人が義援金ホイホイ出すようなノリで「協力」とか出来ませんがな。

まあそれ以前の問題として、上位一般担保付債権者に「協力」しろとか言い出すという時点でこの国は投資した資金が権力者の都合で以下同文という所でありまして、うっかり債券投資も出来ないカントリーリスクの塊ですなあという話になると思うのでありますよ、マッタクモウ。

まあきっと海江田経済産業大臣さまにおかれましては、枝野官房長官の発言によって銀行株が下落(http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011051300683)したり東電のCDSが急拡大(http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a5hs1IzC_n58)したのを見て対抗意識を燃やして更なる妄言をしようと試みたのではないかと存じますが、最初のブルームバーグニュースにあるんですけど、昼間はこのような発言をしていた筈で、どうも海江田サンにおかれましては、重度の健忘症にでもなられておられるのではないかと大変に心配でございますw

『一方、海江田万里経済産業相は同日の閣議後会見で、東電の社債と株式上場の扱いについて言及した。社債については「同じ債権の中でも優先権があるので法律に基づいた優先権が維持されるということになろうかと思う」と指摘。上場に関しては「上場企業として東電が引き続きしっかりとした電力の供給を行ってもらいたいというのが私どもの要請なので、そういうことになろうかと思う」と述べ、維持されるとの認識を示した。』(一番上にあるブルームバーグニュース記事と同じ記事より)

まあ何ですな、お茶の間貯蓄アドバイザーレベルの方であればその程度の認識でも仕方ないのかもしれない(まあ正直それでは貯蓄アドバイザーとしても失格でしょうが)ですけれども、経済産業大臣としてこれはどうなのかという感じが非常に強く感じますですなあ。なお、先ほどから申し上げておりますお茶の間貯蓄アドバイザー云々というのは特定の個人を想定しての話ではなく、あくまでも一般的にありそうな光景として想像しただけである事を念の為申し添えたいと存じますwww



○さらにこのスキームの案らしきものについての雑感

大体ですな、東京電力が電力供給のオペレーターとして事業を回すためには、資金繰りを回さないといけない訳でして、通常のオペレーションに関しては電力料金が見合いで入ってくる話しですからそらまあ回りますけれども、社債や借入金の元利払い、賠償金の支払い、福島第1原発の事故処理費用や今後の火力・タービン発電施設の整備など、その他に必要な資金は色々とある筈でございますが、そのリファイナンスどう回すのかの観点はどうなっているのよと心配でございます。

まあこのスキームだと東電は借金返済マシーン状態になる訳ですから、基本的には社債発行での資金調達は無理でしょ(そらまあBBB格ギリギリ並のスプレッドでもつければ調達できるかもしれないが、そんな社債が年間数千億から兆円単位で発行するとか無理だし、そんな事したら東電のオペレーションコストが上がって電力料金に跳ねるがな)という話ですからそもそも市場調達は厳しい話になるでしょう。

では銀行融資で、という話になるかとは思うのですが、その前に国有化なり法的破綻なりしてその更正企業としての事業体への融資ならまだ判りますが、一旦「協力」によって(仮に一部であっても)債権放棄をしたという時点で債務者としては破綻懸念先とかそういう類の債務者区分になる訳で、そんな所にそう簡単に追い貸しできませんなあという事になると思いますがどうなんでしょうかねえ。

まあそれに対して「政府保証をつける」という話になって、それなら金融機関も融資しますがな、という事になるのかも知れませんけど、今回の調子で「協力」を求める政府がいる中で原子炉の廃棄費用が想定異常に嵩んだとか、原子炉の停止に向けた期間が長引いて賠償額が拡大したとか言って東電の損失が拡大した場合に、同じノリで「協力要請」とかしてきて政府保証を反故にするのではないかとまで最悪のケースだったら容易に想定できてしまう訳でして、政府保証をつけるのであればかなり明示的というか法的というか、何か担保するものをつけてくれないと「政府保証だから安心」とも言い切れませんがな、という話になっても不思議ではないというのが枝野官房長官発言および今回の賠償支払スキームにおける6条件お恐ろしい所でございますわな。


・・・・・それにさ、これって問題は他の電力にも掛かる話で、何か大きな事故があった場合に株式よりも優先する筈の無担保ローン債権に対して「事故のリスクも考えて融資をしたというのが常識」とかドヤ顔で政府要人が発言しながら「債権放棄の協力」への恫喝が飛んでくる、という事になりますと、他の電力会社への融資に関しても継続してて良いのですかというような話になりかねない訳ですし、まあ少なくとも資金調達コストが上昇して各電力会社の費用負担が大きくなり、結果的に電力料金の上昇として国民生活における費用の上昇ならびに日本企業のコスト上昇に繋がり、家計消費への悪影響や日本企業の国際競争力の低下あるいは企業の国外移転を促すという事にもつながる話であって、このスキームは一見四方八方丸く収まるような書かれ方をしていますが、肝心の資金繰り(リファイナンス)に対する配慮がいささか欠けているのではないかという所が懸念される所でございます。


○まあいずれにせよ「法的根拠の無い恫喝」が幅を利かせる国家に成り果てたのかと

先般の浜岡原発ですっかり「法的根拠の無い恫喝」に味を占められたようで(まあよくよく確認するとそれ以前からも色々と無法措置が横行しているようで、詳しくはBOAメリルの上田アナリストが13日付けで出しているレポートが秀逸ですのでBOAメリルまでどうぞ^^)、今回は金融という大変にデリケートな部分のある問題に対してあちこちに法的根拠の無い恫喝的な「協力」を求める始末。

こんな国で果たして金融の仕事やってて良いのかとか真剣に悩んでしまう13日の金曜日なのでございましたが、折角ですから最後は有名なマルティン・ニーメラー牧師の「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき」でもWikipediaから引用させて頂いて悪態の締めとしたいと存じます。

ナチ党が共産主義を攻撃したとき、私は自分が多少不安だったが、共産主義者でなかったから何もしなかった。

ついでナチ党は社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが、社会主義者ではなかったから何もしなかった。

ついで学校が、新聞が、ユダヤ人等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった。

ナチ党はついに教会を攻撃した。私は牧師だったから行動した ―しかし、それは遅すぎた。

― 『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』


(Wikipedia日本語版より引用
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BD%BC%E3%82%89%E3%81%8C%E6%9C%80%E5%88%9D%E5%85%B1%E7%94%A3%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E8%80%85%E3%82%92%E6%94%BB%E6%92%83%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%8D

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2011/05/13

○何か金融機関に浜岡原発作戦方式を発動しようとしてねえかこれ???

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a6SOnIeqd1aM
枝野氏:東電賠償枠組み、今夕にも決定−電力値上げによらず(2)

ちょwwwおまwwwww「電力値上げによらず」ってそもそも原発止めるとかしたらそれだけでも燃料費上昇するのに電力料金上げないでどうやって賠償金の支払いがオンされた収益払いますねんとヘッドライン見て腰を抜かしたのですが・・・・・

『枝野氏は電力料金の値上げもスキームに含まれるかどうかについて、「賠償額全体が残念ながら見通しすら十分に立てられない状況なので確定的なことは言えないが、基本的に電力料金の値上げによらずに賠償の資金を出す、そのためのスキームを作ったつもりだ」と強調した。』(上記URLより)

つまり燃料費の上昇とかによる値上げは別問題ですよという話のようですけれども、こんな言い方したらどう見ても当分「燃料費上昇および火力比率の引き上げによるコスト上昇に伴う電力料金の引き上げ」も出来ない状態に陥るんじゃネーノ(「電力料金引き上げせず」が当然の如くヘッドラインとして広がりますからねえ)と思うのですが、何かこの内閣あちこちのご機嫌取ろうとしてるように見えるわけで、普天間基地移転問題とかいやーな記憶がいやまあいいですけど。

んでもって現実問題として損害が出ているのですからどこかが負担しないといけない筈なのですが、どうもその辺りに関しての話がザルな気がしますなあとか思ったら同じ記事を見ますとこんな素敵な発言があったとの報道。

『同氏は関係金融機関ついては「スキームは自動的に政府が支援を続けるというものではない。金融機関等の協力の在り方について着実に進まなければ、それはそれで支援をどうするかということは途中の段階でもいろいろ判断する」と述べ、賠償資金確保への十分な協力が必要との認識を示した。』(上記URLより)

>金融機関等の協力の在り方について着実に進まなければ、それはそれで支援をどうするかということは途中の段階でもいろいろ判断する

金融機関への恫喝キターーーーーーーー(・∀・)ーーーーーーーーーー!

いやあ浜岡原発停止スキームで発動した「自主的判断」を今度は金融機関に適用ですかそうですかという所でございますが、結局個別に押し付ける先は銀行でございますかああ日本の銀行って大変ですなあとか思うのですけれども、「金融機関の自主的判断でどうにかしないと政府支援しないよ」ということですので、金融機関が「えー何で個別攻撃でウチに負担来るのですかねえ」などと文句を言おうものなら金融機関が「賠償金支払いの妨害をする悪者」になるという素敵なスキームとなる訳ですが、まあ昨日も申し上げましたが、それで既存貸出は金利減免なりリスケなりする事ができてもリファイナンスどうするんでしょうかねえ。いやまあ金利減免だのリスケしたローンとか今後のリファイナンスに政府保証でも付けて回るようにするとは思いますけど。

んでまあ結局今日決まるようですが、夕方はこのニュースでずっこけましたわ。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=auvdFKZN8x54
政府:東電原発事故賠償スキーム、13日に再度議論する−菅首相

まあ決まる方向のようなので結構な話ですけどね(棒読み)。

だいたいからして原子力政策は国策で昔からやってた話だし、原子力発電所の安全基準とか監督とか国が思いっきり関与していたのに何か国(というか民主党政権)は兎に角東京電力がケシカランので向こう十数年に渡って賠償の支払いでケツの毛まで抜きますがなという話ばかりで、政府の責任問題はどこに逝っておられるのやらとも思いますが、そーゆー辺りの責任転嫁能力だけは超一流なのが民主党政権クオリティですから困ったもんだと思うのですが、今回は賠償支払いスキーム(これを東電救済とか言ってるメディアもどうかと思いますけどねえ、延々と賠償支払するし公的資金は最終的に全部返済する話だと思いますが・・・・)の決定は宜しいのですけれども、肝心な所で「金融機関への協力のお願い」とか出ちゃう所が民主党クオリティだと感心することしきりなのでございました。

ということでまあ他に悪態だの見通しだの書こうかなとも思ったが段々めんどくさくなってきたのでまあ後はスキーム案決定してその後の国会審議の状況を遺憾の念を持ちつつ注意深く見守りたいwと存じます次第だすにゃ。

・・・・しかしまあ早速こんなニュースが出てポカーンでありますにゃ。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110512mog00m040004000c.html
尾瀬:東電保有地の売却、群馬県が懸念 知事「絶対阻止」
◇東電は否定 法規制で困難も

・・・・・?????

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2011/05/12

○今日もまた東電雑談(だがあまり深くは突っ込みません)

まあこの案件は極めて政治的なテイストを醸し出している事もありまして、昨日は(あたくしの見落としでしたらスイマセンが)東電賠償支払いスキームに関する解説レポートとか無かったですなあとも思いますが、まー微妙にふにゃふにゃしながら書きますわ(^^)。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110511-OYT1T00618.htm
東電、賠償策支援条件6項目を受け入れ

『東京電力は11日、東京電力福島第一原子力発電所事故の賠償策で、政府が支援の前提として示した6項目の「確認事項」を受け入れると海江田経済産業相に回答した。これにより、6月をメドに創設する「原発賠償機構(仮称)」を柱とする賠償策の枠組みが、一両日中にも決まる見通しとなった。』(上記URLより)

ということで、6項目の確認事項って何でしたっけと思いながら見てたのですが、よくよく見ますと何か微妙に意味わかんない項目がありまして、昨日はこちらの駄文で「落とし所はこの辺なのですかねえ」とか申しておりましたが、よくよく見ると何だかなあ感が漂って参りますけどねえ。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-21015920110510?sp=true
東京電力の賠償額に上限設けず、6項目の措置提示=海江田経産相

『1)賠償総額に事前の上限を設けることなく、じん速かつ適切な賠償を確実に実施すること。

 2)東京電力福島原子力発電所の状態の安定化に全力を尽くすとともに、従事する者の安全・生活環境を改善し、経済面にも十分配慮すること。

 3)電力の安定供給、設備などの安全性を確保するために必要な経費を確保すること。

 4)上記を除いて、最大限の経営合理化と経費削減を行うこと。

 5)厳正な資産評価、徹底した経費の見直しなどを行うため、政府が設ける第三者委員会の経営財務の実態の調査に応じること。

 6)全てのステークホルダーに協力を求め、とりわけ、金融機関から得られる協力の状況について政府に報告を行うこと。』(上記URLより)

・・・・・でまあよく見るとこの6番目が何ですねんという項目でありまして、これを翻訳すると「銀行は融資の金利減免やリスケをしやがれ」という話にしか読めないのですが、3月末にメガバンク・信託銀行や信金中金などが総額2兆円弱の緊急融資を無担保で頑張って実行した訳ですが、その銀行に対しての仕打ちがこれですかねというのはさすがにちょっと何か銀行カワイソスとしか申し上げようが無いのですし、大体からしてそんなの銀行として株主にどうやって申し開きするんですかいなという所ではないかと思いますが、どうするんでしょうかねえこの部分・・・・・・

つーかさ、「全てのステークホルダーに協力を求め」って言ってるけど公募社債に「協力を求め」とかいうの法的なスジ論として有り得ないわけで、そういうの国内政治的には話が通っても金融市場としての国際的な常識から見たら有り得ないと思う(法的にコカすなら協力もへったくれも無くて社債権者がロスるのもあり得るが法的にコカす時点で賠償が確定債務になっていないとそもそもコカす意味が無く、1項目目にあるように賠償が将来に渡ってまだ全額が確定しないという状態だったらそもそも法的にコカす意味が無いです罠)のですけどどうなんでしょ。

まあ物理的な話からしても、公募した債券のホルダーに対して「協力を求め」というのは不可能だし同意取れないでしょうから、実際問題としてはこの項目で公募社債に関しては想定していないものと思われますし、何ぼ民主党政権が非常識でもそこまでの斜め上の話が出るとは想定してませんが(^^)。

しかし緊急融資協力した挙句に「協力を求め」られる銀行さんですけど、まあそれを拒否しても銀行が政治的に叩かれて味方してくれる人が殆どいないというどこの浜岡原発だよという話になるんでしょうから最終的には何らかの「ご協力」はする事になるんでしょうけれども、そういう仕打ちをした場合に既存の融資分のご協力はともかくとしてその先どうするのかとかちゃんと考えたスキームを出して頂きたく存じます次第ではございます。


でもまあ世間的にはこうなるんだよなあと思うのが今朝の朝日新聞の記事。

http://www.asahi.com/business/update/0511/TKY201105110556.html
原発事故、賠償枠組み決定へ 東電特損1兆円計上

『政権は、5月下旬にも機構設立のための法案の閣議決定を目指す。ただ、この枠組みは東電の存続が前提で、金融機関や社債権者の負担がなく、最終的に電気料金の値上げにつながるため、国会審議が難航する可能性もある。』(上記URLより)

いやあの金融機関には「協力を求め」て「その状況を報告する」とあるんですから相当の負担が掛かると思いますけし、社債権者は先取特権がありますので社債権者の元利金受取に関する負担を掛けたらその時点でそれよりも劣後する債権者である賠償金債務は飛ぶんですけど何言ってるんですかこの新聞は????(つーかスプレッド拡大してるから今市場で売りに行ったら負担掛かるんすけど)

まあ昨日の社説の時点でナンジャソラという感じなんですがね。
http://www.asahi.com/paper/editorial20110511.html#Edit1
原発事故賠償―東電温存にこだわるな

いやもう突っ込む気力がおきませんが、この調子で批判が飛ぶ中で浜岡原発の件ですっかり民意受けを狙って強権発動する味をしめた首相様が政府案に関してどういう反応するのやらと気になる所ではございますな。

そういや原発問題で積極的に扇動されておられる議員様のブログではこんな感じ。
http://www.taro.org/2011/05/post-1002.php(直リン自主規制)
政府与党案をぶっつぶせ

『政府与党は、国民負担を増やして東電を救済しようとしている。』(上記URLより)

法的な枠組みから言いましてこういう風にしないと賠償金の支払いに支障を来たす訳であって、このスキーム自体は東電救済じゃなくて賠償金の支払いを最終的に担保する為のものの筈なんですが、どうも「東電救済」みたいな話ばっかりわあわあと出ている訳で、これがまた話をややこしくしているのですが、こういう話をするのが自民党の影の行政改革担当相という所に激しい絶望感を受けるのはあたくしだけでございましょうかね。

『次の問題は、東電の資産が保全されていないことだ。被災者への賠償金も東電が銀行から借りたお金も同じような債務だ。もし、今、東電が銀行からの借金をせっせと返していたら、被災者への賠償金の支払い能力は減っていく。銀行は無傷でお金を返してもらったのに、賠償金は支払えないから国民が負担しますということになっていいはずがない。』(上記URLより)

いやあの借入金は元利払いの期限が来たら返済するのが筋なんですけど・・・・・・

『だからまず、東電が勝手に債務を選択的に返済しないように、政府は東電の資産を保全させなければならない。そうなると、東電の取引先は、東電に対して現金での支払いを要求するようになる。そうなると、東電は一時的にキャッシュが不足しかねない。だから政府が東電の支払いを保証してやる必要がある。そうすれば、東電の資金繰りは回っていくので、当面、問題はない。JALと違って、東電は地域独占だからお客は逃げていかれない。毎月数千億円の収入がある。ゆっくりと電力業界の改革を考えながら、賠償金を確定させればよい。』(上記URLより)

・・・・・・・全く意味が判らんのですが、政府が支払い保証するんだったら政府案よりもよっぽど債権者寄りの対策(ここまで出た政府案に関する報道のどこをどう見ても今後の東電のリファイナンスに関する政府保証があるとは読めない)になるのですけれども、その辺この人判ってるのかなあ。

しかしもっと判らんのはこれ以降の説明。

『東電の資産を保全し、キャッシュフローを保証したら、再生機構なりが管財人として乗り込んで、まずコストカットをやる。広告宣伝費に何百億円を使っているぐらいだから、いくらでもコストカットはできるだろう。相当利益を増やせるはずだ。そうしているうちに、賠償金額が確定するだろう。もちろん東電の資産では払いきれない。債務を支払えないということは、その企業は破綻するということになる。』(上記URLより)

・・・・・・・えーっと貴方さっき「政府が東電の支払いを保証してやる必要がある」と言ってた筈ですけれども、結局コカすとかイミワカンネ。つーかそうなるのが見えてる会社に対してどこの誰がリファイナンスに応じるのか全く意味が判らないのですけれども、賠償額の確定をする前にリファイナンス回らなくなったらどうする積りなんですかねえ。

などなど、突っ込んでいくとツッコミ所が大杉で泣きたくなる話ですが、こういうのが自民党の影の行政改革大臣とかやってて大丈夫か自民党という感じが致しますなあ。

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2011/05/11

○引き続き電力関連雑談

昨日のニュースから。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110510-OYT1T00695.htm
東電社長、政府に支援要請…追加燃料費1兆円

『東京電力の清水正孝社長は10日午前、首相官邸を訪れ、福島第一原子力発電所事故の被害者への損害賠償策について、政府に支援を要請した。(途中割愛)要請書では、今年度、火力発電への依存度が高まって燃料費が追加で1兆円近くかかるうえ、社債や借入金の償還・返済でも約7500億円が必要となることなどを説明。「資金面で早晩立ちゆかなくなり、補償に影響を与える恐れがあるばかりでなく、電気の安定供給に支障を来す恐れがある」として、政府に対し、支援の枠組みを早急に策定してもらうよう求めた。(2011年5月10日14時31分 読売新聞)』(上記URLより)

ということで東京電力が支援要請ですが、まあお芝居のお約束みたいなもんだとは思いますが『資金面で早晩立ちゆかなくなり』とか出ましてマッタクモウという感じではございますが、結論はこういう感じのようで。

今朝のニュースから。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110510-OYT1T00996.htm?from=top
東電賠償額に上限設けず…希望退職・年金削減も

『東京電力福島第一原子力発電所の事故の賠償策を巡り、政府は10日、東電による賠償を支援する前提となる6項目の「確認事項」をまとめた。 東電の賠償総額に上限を設けないとしたほか、政府が設置する第三者委員会が東電の財務実態を調査し、東電を事実上、公的管理することなどを盛り込んだ。東電は11日に確認事項受け入れを表明する方針で、「原発賠償機構(仮称)」の新設を柱とする賠償策の枠組みが一両日中に決定する。(以下割愛)(2011年5月11日03時05分 読売新聞)』(上記URLより)

スキームは多分最初の方に出た奴と同じような感じだと思うので、「東電の社債をコカすけれども賠償は払う」みたいな事後法で債権の優先劣後順位がひっくり返されるような(金融屋としての常識を激しく覆して世界中に日本のリーガルリスクを宣伝するような困った)事態が生じることは避けられるのかなあとゆー事で、その点はまあ一安心なのですが(とは言っても最終的に決定するまで安心できないのが民主党政権クオリティなのですけど、さすがに金融問題が絡むから馬鹿な方向に暴走しないとは思いますけどね)、結局東京電力は生かされるのは生かされるけれども延々と低収益会社になるようなスキームに落ち着きそうですわな。それに他の電力会社にも負担が来そうな話ですしまあ何だかなあとは思いますけど、この辺が落とし所になるのかねという感じではございまする。よー知らんけどな。


まあ詳しくは本職の方が色々レポート出すからそれでも見ることにしますが、このスキーム作って東電に延々と返済させながらその内「電力自由化」とか言い出したら東電にあまりにも酷な話だとは思います。けどあの東電ちゅうのも態度が悪いにも程がある訳で、公的資金導入になるまでの銀行の叩かれっぷりとリストラ大会再編大会を10年くらい見てて何も勉強しなかったのかという訳でして、リストラ策が上(役員)に甘すぎだろお前らというのは金融屋としては思うのでありますが・・・・・ま、余計なことっちゃあ余計な事ではありますが、事態は極めて政治的な話になっているので、東電におかれましては不良債権処理問題における各行の対外的対応(というか態度)を少しは研究した方が宜しいかと思いますが時既にお寿司ですかそうですか。


ところで、電力関連と言えば昨日吹いたのはこのニュース。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110510-OYT1T00531.htm
国家戦略相「事前に相談がなかった。遺憾だ」

『玄葉国家戦略相(民主党政策調査会長)は10日の閣議後記者会見で、菅首相による浜岡原子力発電所の全面停止要請について、「私や(民主党)政調会に事前に相談がなかった。遺憾だ」と不快感を示した。
 その上で、「時としてそういう首相のリーダーシップがあってもよい。決断は適切だった」と決定には理解を示した。(2011年5月10日11時43分 読売新聞)』(上記URLより)

・・・・・・短いニュースなのにどこからどう突っ込んで良いのか困るとは中々お洒落な話ですが(^^)、原子力行政に関わる国家戦略のような案件であっても国家戦略担当大臣に相談も無いとは恐れ入った国家戦略でございますし、脱官僚・政治主導というのは確か政権与党が政策立案段階からより強く関与するという話だと聞かされておりましたが、実は官邸の一部の人間が勝手にコソコソと主導する事だったのですねえとか感心するやらと、この短いニュースの中にツッコミどころ大杉で泣きたくなりますな。

更に何だかなあと思うのは後半部分で、「手続きは遺憾だが決定は正しい」とか言うこの人の頭を疑いたくなる訳ですよね。「結果が良ければ途中の手続きはどうでもよい」とか民主主義国家の運営として有り得ない理屈であって、何らかの行政執行をする際に手続きを踏まえる過程が民主主義における法治国家としての意義ではないかと思いますがね。

結果が良ければプロセスがどうでも良いとか、この人民主主義国家における政策決定および国家運営を何かのゲームと勘違いしてねえかと思いますし、まあその理屈って造反有理とか愛国無罪みたいなもんじゃんとゆー事で、それこそこーゆー決定過程に対して築地新聞さま辺りが「ぐんぐつの音が聞こえる」とか批判しないのかと思うのですが、ネットで社説をさらっと見たらそんな感じが1ミリもしていないのがブンヤクオリティなのであります。

と、何時の間にかブンヤ批判になっていますが、それ以前の問題として結果が良いかどうかだって本件判らんのがチャーミングなんですけどねえ・・・・・

#ま、その前に適切だと思うなら遺憾とか言うなよそれは引かれ者の小唄っつーんだというのもありますが・・・・

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2011/05/10

○おまけだがまあ相変わらず電力関連の雑談とか何とか

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110509-00000047-maip-bus_all
浜岡原発 原子炉停止…電力不足ドミノの恐れは?

ということで中部電力浜岡原発が停止になった(防潮堤できたら再開みたいですけど数年掛かるんですよね)ようですが、まあ技術的な問題はあたしゃーよー知らんので止める必要があったのかどうかは知らんのですけど(暫く前に静岡県東部震源のでかい地震ありましたな)、そもそもこの話が菅首相の先週金曜の緊急記者会見だか何だかで急に飛び出して、しかもそれが「首相からのお願いベース」というのがどうも何だかねという感じでありまする。

いやあのちゃんとプロセス踏んで色々と検討して法的にちゃんとしたルートで実施してるのでしたら別にどうという話でも無いのですけれども、突如何でこのタイミングでこんな話が出たのやらという所でございまして、これって例の東電の補償問題にも通じるのですけれども、「日本の政治プロセスに掛かると従来の法的な枠組みと全然違う話が飛び出しますね」という認識になるのが金融屋としての理解になると思われます次第でございまして、そうなりますと「日本は法的枠組みが後付でひっくり返されてしまうリーガルリスクが高く投資には不適切ですなあ」という話になると思うのですよね。

まあそんなこんなで(前も書きましたが)従来は「安定的なユーテリティー銘柄」であった筈の電力各社に対する認識が「地震国における巨大偶発リスクを抱える銘柄」という風になりつつある流れ(現実問題として運用難の最中だというのに電力銘柄の社債スプレッドは渦中の東京電力が当然ながら壮大に拡大しましたが、他の電力会社に関しても華麗に拡大していますし買い手も減ります罠という事であります)が一連の原発問題への対応で更に加速するんじゃネーノと思うのであります。

そうなりますと、装置産業であります電力会社のコストとして思いっきり効いて来る資金コスト(借入金利とかですな)が拡大して電力料金に跳ねますなあという話はこれまた先日書いたので今更繰り返しません。

ただまあこの調子で原発止める話が続く(定期点検で止めたら再開しにくいとかね)と供給制約の解消に時間が掛かりますというか、それ以前の問題として電力供給問題が更に全国的に拡大ですなあ(関電とか九電とか原発比率高いんでしたっけ)という話になるんでしょうなあという悪寒はする次第にてごじゃります。今のところ止める「ご依頼」は浜岡だけみたいで拡大しないようなのでまだ悪寒は杞憂の世界ですけれども・・・・・・

ということで後は人のふんどしで。

abz2010さんの所
http://d.hatena.ne.jp/abz2010/20110509/1304943563
東電が免責されないとどうなるか、

別の視点ですが非国民通信さんの所
http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/e/859e8433d2e1d22ec23f2d171cd34c10
菅にとっては簡単な決断なんだろうけれど

『こうなるともう、製造業は外国に出て行くしかない、とりわけ電力不安の影響を受けやすいハイテク産業ほど日本からの脱出を考えざるを得ない状況になることでしょう。必然的に雇用機会も減り、社会的に弱い人ほどしわ寄せを受けるものです。総合的に見てバランスのとれた判断を下すべきなのか、それとも国民が過敏になっているものを脇に追いやることを優先し、その弊害は無視するのが正しいのか、その辺は考えて欲しいところです。』(上記エントリーより)

・・・・・・・確かにさいですな。

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2011/05/06

○東電関連雑談

先週のニュースなので最近どうなっているのか知らん(何せ休み中は微妙にネットとか新聞とかスルーしている事が多いしテレビは元々見ないしということで浦島太郎状態になるのがあたくしの仕様)ですけど、海江田さんのこの発言はナンジャソラという感じであります。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110429-OYT1T00774.htm
原発賠償負担、電力各社リストラで…海江田氏

『東京電力福島第一原子力発電所事故の賠償策を巡って、海江田経済産業相は読売新聞のインタビューで、東電だけでなく、原発を保有する他の電力会社にも資産売却などのリストラを求める考えを表明した。』(上記URLより)

えーっと、だから他の電力会社に波及するという話になるとそもそも電力会社の株とか債券とかが従来考えられていた「安定したユーティリティ銘柄」じゃなくて「地震国において巨大偶発リスクを抱える銘柄」になってしまいますので、電力会社の資金調達コストに跳ねて、それは電力料金という形で国民負担になりますし、更に言えば産業などにおけるコストの増大から国際競争力への影響とかそういう話になるんですけど。

大体からして原発推進ってそもそも電力コストの引き下げとエネルギー調達の分散という国策に則って実施しているとあたしゃ理解している訳で、電力会社的に言えば別に火力発電バンバン作っても結局総額原価方式(とか言うんでしたっけ?)で電力料金に跳ねればヨロシという話だと思うのですけどねえ。

というように思っていたらこれまた先週のネタですが、著名な人らしい人のブログでこんなのがあったので晒してみる。

http://www.tachibana-akira.com/2011/04/2481
東京電力は日本政府を訴えるべき

題名が???ですけれども、最初のところを見て激しく腰が砕けました。

『3.それでも賠償資金が足りない場合は、株式会社のルールに則って、株主が損失を負担する。すなわち会社更生法か民事再生法を申請して、株主責任を明確にする。

4.そのうえで、債権者に損失の負担を求める。東京電力の負債は約5兆円の社債と約2兆円の銀行融資だが、後者は原発事故発生後の緊急融資で、当時の状況を考えればなんらかの保証は必要だろう。だが5兆円の社債についてはこうした事情を斟酌する余地はなく、損害賠償額によっては全額デフォルトすべきだ。』

『一般企業が債務不履行に陥れば事業の継続は難しくなるが、東京電力は地域独占で安定した利益を約束されているのだから、社債をデフォルトしても本業にはなんの影響もない。社債の利払いや償還に必要な資金を損害賠償にあてればいいのだから、原発事故による資金問題は本来であれば存在しない。』(上記URLより)

いやあ何かこのお方って「海外投資の勧め」みたいな著書とかをはじめとする投資関連の著書が多数あってで有名らしい(あたくしは一冊も読んだことは無い、名前は聞いたことあるけど)のですが、投資をお勧めするにしては随分と法令とかの理解が無いようで、それでよくもまあ(リーガルリスクに注意すべきな)投資のお勧めとかが出来るもんだと大変に素晴らしいものを感じる訳であります。

まずですな、そもそもの時点で電力会社の社債は一般担保ですので先取特権があって損害賠償債権よりも優先してしまいますので、所謂法的整理をしちゃいますと損害賠償債権が社債権者よりも劣後しちゃいますから社債がデフォルトあるいはヘアカットとなるときには損害賠償債権は全額取りっぱぐれになります罠。

でまあその後に損害賠償を政府が改めて払う、というのは技術的には可能であるとは思いますが、そもそもがその損害賠償負担で法的整理という話になっているのに、損害賠償を事後的に政府が負担すると言うことは、社債権者との関係で言えば債権の優先劣後関係が事後法によって逆転するということになりますし、ローンを出している銀行との関係で言えば同順位債権者の法の下の平等関係が事後法によって逆転することになるのでこれまたおかしいです罠。

しかももっとどうかと思うはこのセンセイ、『東京電力の負債は約5兆円の社債と約2兆円の銀行融資だが』と仰せなのですが、東京電力の決算短信は同社のHPで見ることが出来ましてですね、

http://www.tepco.co.jp/ir/tool/kessan/index-j.html

第3四半期の決算短信
http://www.tepco.co.jp/ir/tool/kessan/pdf/1103q3tanshin-j.pdf

そこの11ページ(PDFファイルだと14ページ目)に昨年12月末基準の貸借対照表の負債の部が思いっきり書いてあるのですが、ご覧の通り以前から同社は銀行借入がありますので、借入金は先般の2兆円(文脈見れば判るように2兆円の銀行融資は3月末から4月頭に掛けて実施した大手銀行の融資を意味しているようですからね)だけでは無いのですけど、もしかしてこちらのセンセイは投資を行う際に開示資料も見ないで投資をされているのでしょうかねえ(ニヤニヤ)。

しかもイミフなのは銀行融資に関して『後者は原発事故発生後の緊急融資で、当時の状況を考えればなんらかの保証は必要だろう。』と仰せなのですが、常識的に言って事故発生後の融資をしている方がリスクの発生を把握した後に実施しているのですから、リスクを承知で融資したという話になると思うのですけど、何でその融資を後付で『なんらかの保証は必要だろう』という話になるのかさっぱり意味が判り兼ねますけれども、何かネットでの反響見てると「正論」とか言う人がうじゃうじゃいるのがオソロシス。

ま、政治家まで利権陰謀論に走っているようですから困ったもんですなあとも思いますけれども、ご参考までに「dongfang99の日記」さんの最新エントリー。

http://d.hatena.ne.jp/dongfang99/20110429
2011-04-29 全く信用できない

エントリーの趣旨に同意でありまする。

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2011/04/27

○ヘッジのヘッジとは?????

意味不明の商品を上場してコケるのが様式美の世界となっている東京金先様でございますが、まあいつかは化けるかもしれませんからスクラップ&ビルドは重要かもしれませんなあ(棒読み)

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aoRUnYe3Qojs
東京金融取:6カ月LIBOR先物を上場へ、金利スワップのヘッジに

まあどうせどっかのスワップ系のハウスに吹き込まれたのでしょうけれども、この上場における需要について、記事では『同取引所では、円金利スワップ取引をヘッジするための需要を見込んでいる。』と中々斬新なアイデアを。

えーっとですな、そもそもスワップってオフバランス取引でして、いやまあ当然スペキュレーションのスワップもありますけれども、オフバランス取引って基本的にはオンバランスの取引のヘッジとして機能するのがスタート地点だと思う(合百のようなものは別^^)次第でございますが、東京金先様におかれましては、今回の先物商品に関しまして「オンバランス取引のヘッジ商品のヘッジ」という中々不思議なニーズを見込んでおられるというのはお洒落ですなあと。

いやまあ変動金利の金利リセットタイミングのヘッジをしたいとかいうニーズがあるのかも知れませんけど、何かそもそもがヘッジ商品としての基本機能のある取引のヘッジニーズって何ですねんという突っ込みをしたかったのでちょっと書いてみただけの話です(^^)。

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2011/04/22

・人のふんどしコーナー

東電の補償機構がどうのこうのの記事がありましたが、補償機構が政府保証で財投機関債発行して(預金保険機構の2年債みたいなイメージ)資金調達してくれるのかなあとか思ったら交付国債オンリーになりそうなので交付国債のネタでもやろうと思ったが手抜きで人のふんどしで勝手に牛熊さんのところをご紹介するのでそれで勘弁。
http://bullbear.exblog.jp/14643388/

別件ですがソルベンシーUに関しても色々と勉強しないといかんですなあと思っていたらちょうどこれまた天の助けのように厭債害債さんの所でエントリーがあったので人のふんどし。
http://ensaigaisai.at.webry.info/201104/article_2.html


・想定元本130兆円???

いやなんかどこぞの証券会社サンがいい感じで損かましたようなのですが、そもそもグロスポジション規制とかカウンターパーティーリスク規制とかに引っ掛からなかったの????と不思議なのですが、不思議ですなあと一言書きたかっただけなのでそんだけの話。

クレジット絡まないで金利リスクだけで800億だか何だか飛ばすとかどうやって飛ばすのか全く判らんとか思ってたのですが、まあグロスでそんだけポジション持っててアーブとかやってたら飛ばすのかねとか思いますが、スワプションなんてエキゾチックはエキゾチックですけどプレーンからそんなに距離が無いから管理難しくないと思うのですがまあ不思議ですわな。

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2011/04/15

○bewaadさんとこ補足などなど

bewaadさんのエントリー紹介、というよりはbewaadさんのエントリーで思いっきりネタとして引用された自分の宣伝(おいおい)を昨日した訳でございますが、その時に申し上げた「4月1日のエントリーが非表示に変更されてます」状態は再び元に戻って1日のエントリーが読めるようになりましたので改めてリンクはっておきますね(本編と補足編がありますので日付ベースのURLをつけて
おきます)→http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20110401

で、昨日ご紹介したbewaadさんの13日のエントリーに山本幸三先生のページにおける「日銀が恒常的に国債引受しているじゃないか」という主張のご紹介部分がありまして、何か山本幸三先生が色々とアピールというか何と言うかをしておられるのを知った訳ですが、その中にある奴でこれはさすがにどうかと。

http://www.yamamotokozo.com/news/20110405.htm
日銀・財務省マフィアに打ち克てるか?

・・・・・・山本幸三先生にしてその「フリーメイソンの陰謀」「コミンテルンの陰謀」みたいな陰謀論展開するとか何とも残念感がする訳ですが、何で「新規の中長期国債発行の日銀直接引受」VS「復興増税」の2者択一になってしまうのかさっぱり意味がワカランチ会長でポカーンなのはあたくしだけでは無いと思いますけど。

で、bewaadさんのエントリーで説明されていますように、山本幸三先生までもが償還乗換の1年TB引受と中長期国債の日銀直接引受という直球ストレートの財政マネタイズ政策を混同して主張する(つーかこの前あたくしが「東京新聞に絶望した」と言いながらご紹介した東京新聞の頭の悪い社説と同じ主張なのですが)とか、もっと山本幸三先生ってまともな人だと思っていたのですが、「目的の遂行の為ならインチキ説明も陰謀論も辞さず」というお方だったのですかと残念感が拭えませんわな。政治活動にあたってインチキ説明をベースにするというのは憲政に携わる人としてどうなのよと思いますけどねえ(当然ながら山本幸三先生の事ですから償還乗換の引受と中長期国債引受による直球の財政マネタイズ政策の違いをご理解していると思っていますけど、これでただの無理解だったら更に情けない)。

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2011/04/14

○この内閣はどこがどう責任とって指揮しているのやら

東電関連で昨日は読売が記事を。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110412-OYT1T01201.htm
他の電力会社にも負担させる福島原発の賠償原案

今日も同じような感じでフォロー記事。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110414-OYT1T00174.htm?from=main3
政府と東電、賠償金支払いに基金創設検討

ただ、その間に枝野官房長官がまたまた例によって例の如く否定してたりしましたけれども・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aIekAsBkMSXM
枝野氏:政府として検討対象になってない−他の電力会社の負担案

えーっとですな、昨日1日だけでも「誰がこう言った」「いやそれは違う」というのが何本あったかという感じでありまして、この調子で連日東電の(他の事でもそうですが)ネタでフワフワした話が出てその度に金融市場が振り回されるとか国益に悖る事夥しいと思います、まあ連日言ってるけどさ。

東電は株式としても発行総額大きい(つーか暫く前に増資しましたし)ですし、債券発行残高も大きいですし、銀行借入だって大きい訳で、そういう大きな影響のある会社の問題について腹の据わっていない話がああでもないこうでもないと出るのは非常に困るのですが、どうなっているんでしょうかねこの内閣。

以下延々と悪態を書こうと思ったが書いているうちに空しくなったのでまた怒りゲージを溜めてから参ります(^^)。


○これは恐れ入ります

bewaadさんの最新エントリー3本の一発目から
http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20110413/p1
「アリフレ政策の議」の補足その3

1日のエントリーが非表示になってしまった(どうもまたまた休筆宣言のときと同じことが起きたようで)のが残念ですが、その後のエントリーが出たのは良かったなあと思ったらいきなりあたくしの駄文が引用されてて汗顔の至りでありまする。といいつつお前ちゃっかり自己宣伝しているじゃないのというツッコミは大人の対応でしない方向でお願いします。

あっしの駄文と切込隊長さんの説明がたたき台になっていますので当然ながらbewaadさんのエントリー(同日にその5まである)に同意でありまする。

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2011/04/12

○この期に及んで何をいう海江田さん

日経新聞ネット版から
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C9381949EE3E3E290878DE3E3E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
海江田氏、補償「東電は責任から逃れることなく向き合って」
2011/4/11 18:38

『東京電力に対しては「第一義的な責任は東電にあり、賠償の責任から逃れることなくしっかり正面から向き合ってほしい。1都8県への電力供給という責任を果たす中で、収益から賠償できるような体制を取らなければならない」と求めた』(上記URLより)

・・・・・・・あのー、この期に及んで何を仰っているのでしょうか海江田さんは?????「収益から賠償できるような体制」ってお前ら賠償名目でなんぼ払うのかという話がドンドン拡大しそうな勢いの話ばっかりしている中でどうやって収益から賠償するですねんという感じですし、そもそも電力会社ってそんなにバカスカ儲かる商売じゃない(事故らなければ損はしない)のですから(バカスカ儲かるように料金設定したら大変な事になりますがな)収益から賠償とか現実問題として何年掛かる話なのかとか認識した上で話をしているのかよと思います。

が、悲しいことに電力関連の権限って最終的にこの人の所にあるという事でございまして、何を今更責任の押し付け合いみたいな話をしているのやこのアホウはとしか思えません次第で、この人を当選させた東京1区は責任とって計画停電しろと思いますが、東京1区を計画停電すると丸の内や霞ヶ関が停電ですかあっはっは。

日経新聞ネット版はURLがなげえええええよ。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381949EE3E3E2EB9C8DE3E3E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
経団連会長、原発事故「甘かったのは国の安全基準」
2011/4/11 16:19

『損害賠償などによって東電の経営不安説が流れていることに関しては「(事故原因は)天災であり、国が支援するのは当然のこと」と語った。国有化論については「全然ありえない。一部の政治家が口にしたせいでどれだけ東電の株価が下落したか」と非難した。〔日経QUICKニュース〕』(上記URLより)

(以前ネタにしましたが)ドヤ顔で国有化を主張しているみんなの党の党首もそうですが、他にも国有化とかいう話あったかなと思ってちょっとグーグル先生に問い合わせたらそういや枝野さんまで言ってますな(「多くの可能性を検討」という言い方ですが)。

同じく産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110411/biz11041119000023-n1.htm
経団連会長、「原発賠償は国の責任」 東電国有化論は一蹴
2011.4.11 19:01

『東電の経営体制については、原子力の安定供給体制を維持するため「法律に基づき国は東電を民間事業者として全面支援すべきだ」と語り、政府内の一部で浮上している東京電力の国有化論を一蹴(いっしゅう)した。また、福島第1原発の損傷についても「原発は国によって安全基準が定められ、設計、建設されている」と指摘、国の安全基準が甘かったとの認識を示した。

一方、「政治家が国有化という言葉を使っただけで、どれだけ東電の株価が下落したか」と非難。海外にも広がっている放射能の風評被害についても、「もっと正しい情報を発信するとともに、場合によってはWTO(世界貿易機関)に提訴すべきだ」と語った。』(上記URLより)

まあ事故経過の話や放射線の影響についての話も重大な話ととりあえずそんなに慌てなくて良いレベルの話がごちゃごちゃになって出てくるからさっぱり判らないという状態だし、国内でそうならそらまあ海外はもっと大げさになりますわなあ(韓国で放射線量がどうのこうのとか偏西風の影響考えたら福島原発の影響の訳ねえだろってか韓国で騒ぐレベルの放射線量だったら日本人全員死んでるがな)とゆー感じで、全く困ったもんであります。

それから東電の経営がどうのこうのの話については、そもそも枝野さんが原子力賠償法に関連して「国は払わない」とか言い出したのが間違いの始まりであって、この前は菅さんがまた何も考えないで「民間事業者として頑張って欲しい」みたいな発言するし、何がどうなるのかさっぱり判らないままで話だけフワフワと流れ、その間に賠償額が増えそうな話ばかりが続くと言う風になりますと、金融市場の方もいつまでもイライラした状態が続く訳でして、とりあえずどういう風に今後持っていくのかという点についてはフワフワな話じゃなくてキチンとした形を示して貰いませんと先送り大会で済ませられる問題じゃないと思いますけどどうなんでしょうかねえ。

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2011/04/08

○各種雑談

・これは大変に当たり前すぎる結果だが・・・・

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110408/t10015172811000.html
東証 取引時間延長を先送りへ
4月8日 4時56分

『東日本大震災による電力不足に対応するため、東京証券取引所は、来月導入を予定していた取引時間の延長を、ことしの秋以降に先送りする方向で調整を進めています。

東京証券取引所は、株式市場の取引量を増やすため、昼休みの時間を短縮する代わりに株式の取り引き時間を来月9日から30分間延長する予定でした。しかし、関係者によりますと、東京証券取引所は、震災による電力不足に対応するため、取引時間の延長をことしの秋以降まで見合わせる方向で、金融庁や証券会社などと話し合いを進めているということです。』(上記NHKホームページURLより)

こちらに関しては証券業界有志による反対署名とかも行われていたそうですが、この状況下で取引時間延長を強行しようというスタンスで直近までいたというのが既に東証の頭の中を疑うものでありまして、どちらかといえば夏場の電力需要ピークに合わせて夏場の昼休みを延長するとかいうレベルの問題だったのではないかと思われるのですが、何せ東証というのは証券業界にありながら超越的に硬直的かつ(以下悪態に付き割愛)。

あたくしとしては夏場の取引時間の短縮を望みますけどねえ。別に時間長くしたから取引が増える訳でもないし、時間長くしたら多くの証券業者がそれに対応してシステムを長時間稼動させる事になるのですから、時間短くしてもエエンチャウノと思いますけどねえ。

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2011/04/07

以下国会鑑賞会ね。

さて、久々に大門先生の質問を鑑賞しようと思って会議録をみたのですが・・・・・

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0105/177/17703250060004a.html

共産党の大門さんの質疑を鑑賞しようと思ったらその前に自民党の西田昌司委員の質疑が途中からいい感じで残念になるので鑑賞を。

○いやあのだから結局どっちですねん

質疑の最初の方ではこんな話をしてデフレ脱却の重要性を力説。

『○西田昌司君 (質問の主要部分割愛)それと同時に、もう一つ大事な視点は、震災復興とか強靱な国をつくるというだけではなくて、この日本が震災の起きる前一番大きな問題の一つに、やっぱりデフレということがあったわけなんですよ。このデフレをどう脱却して成長路線に持っていくかと。財政再建ということはもちろん必要なんですけれども、財政を再建しようと思えば、これは当たり前の話ですけれども、借金を返済しようと思えば、デフレでは借金返済絶対できないんですよ。少なくともデフレではできない。インフレ状況でないとこれできないわけなんですよ、これ当たり前の話。ですから、そのためにもデフレ脱却をどうすべきかということをこの予算の中でも考えるべきだと思っていたわけです。(以下割愛)』

んでまあ日銀に国債の買いオペ増やせと言う話をしているのですが、買いオペと日銀直接引受を途中からごっちゃにしているのが非常に残念なのですけれども、まあ円安になるならエエジャネエノという話をしているのはこれはこれでまあ理屈としては筋通ってますな。だから国債引受とかアホかと思いますが。

#ちなみにどうでも良いがあたくしは「財政出すなら赤字国債やむなしですが復興が立ち上がったらその分の償還考えないといけませんね(はあと)」というイメージ(なので増税はねえだろと思う)で、「現状で国債引受はする必要無い(政策としてのリスクリターンが全く合っていない)」という人ですので念の為

『○西田昌司君(前半割愛)そして私が申し上げたいのは、昨日も日銀総裁がお話しになったけれども、要するに日銀引受けでどんどん国債を発行しちゃうと、インフレ懸念なんですよね、インフレになっちゃいますよと。ということは、要するに金利も上がってくるという話ですね。それから、円が安くなってしまうと。通貨をたくさん発行し過ぎて円が安くなっちゃうと、こういう話なんですよね。ところが、今起こっている状況というのは、今日本の経済が苦しんでいるのは不当な円高ですよね。そして、デフレという状況で物の物価がどんどん下がっちゃっているという話なんですよ。それで経済活動が滞っているという話なんですね。

 だから、日銀総裁が懸念されている話というのは、むしろ今のこの状況からすると、状況を改善することになるんじゃないですか。だから、総裁の昨日おっしゃったような懸念というのは、まさに杞憂にすぎないと思いますが、どのようにお考えでしょう。状況は、つまりそういう方向に、多少インフレの方向に、円安の方向に振れて、問題ないんじゃないですか。』

とまあここまでは話の筋が通っているのですが、では何で財政を出して復興するかという話になると急に話がアレになるのだ。

『○西田昌司君 (前半割愛)それともう一つは、私が実は非常に懸念していますのは、通貨発行によるインフレじゃないんです。生産力が落ちてしまったことによるインフレの方がもっと怖いんですよ。戦後のインフレというのはまさにそれなんです。あれは、国債が多かったからじゃないんですよ。まさに生産手段がなくなってしまったから、供給不足によってインフレが起こっている。今起きている、例えば石油の値段が上がってきているのもそこなんですよ。だから、そのためにもまず喫緊にやらなきゃならないのは、インフラを整備して生産力を回復させるということなんですよ。それをしないと、とんでもないことになるんです。だから、皆さん方にそのことを訴えているわけです。もう時間が来たのかな。』

・・・・・・・えーっと先生さっき何て仰ってましたっけ????

『○西田昌司君 そろそろですか、はい。そろそろということですから、これで終わりますが、一言ずつお願いしたいのは、だから、復興のためにやっぱり非常事態だということを認識して、デフレ脱却のためにあらゆる手段を取るんだと。(以下割愛)』

・・・・・・・・先生1つ前の発言で何て仰ってましたっけ???????????


どうもね、この先生日銀の国債引受がどうのこうのという質問に関しても、最初のうちは「引受じゃなくて買いオペ拡大で良いのでやるという決意を示せ」(それは総裁の一存で決められる話ではないので答えようが無いのだが)という話をしていたのですが、最後のお話(前半割愛ってした2つ前の所)では「高橋財政のように国債引受を実施しろ」という話をしているという事で、どうも一つ一つの主張は単体で筋が通っているのですが、話を総合すると整合性が無いという不思議なクオリティーを示しておられる中々奥の深い質問をしておられて、読んでて椅子から落ちそうになった事をご報告させていただきます。

つーか、国会に大臣だの日銀総裁だの呼んで話がこれっていうのも何だかなあという感じでございます。


○では大門先生の質疑(というか演説)鑑賞会を

毎度お馴染みの日本共産党大門実紀史先生(^^)。長いが余計な茶々入れずに引用します(手抜きとか言わないように^^)。

『○大門実紀史君 昨日から日銀の国債引受けが議論になっております。先ほども西田さんからございました。私は大体西田さんとは意見がほとんど合うんですけれども、この問題だけはかなり見解が違うなと思います。

 振り返れば、日銀に国債を引き受けさせろという話は、もうこの十年来絶えず出てきている話で、速水さんのときからあった話でございます。何かあるたびに日銀に国債を買えという圧力といいますか、これがずっとありまして、その都度私は日銀の味方をして、圧力に屈すべきではないということを一貫して申し上げてまいりましたけれども、日銀は迫られて迫られて、結局今六十兆ですか、何だかんだいって六十兆ですかね、引き受けている、持っているわけですね。

 もちろん、今回の大震災の規模というのは国債発行は避けられないという認識は私も持っております。いわゆる復興国債ということですね。それをどこが引き受けるかということなんですが、先ほど予算委員会の公聴会の話がありましたが、西田さんから言われたとおり、日銀が積極的にというのもありましたけれども、私も提案いたしましたが、今余剰資金のあるところ、企業にしろ個人でも一億、三億持っている、金融資産を持っている人が百何十万人になってきているわけですから、国難ですからね、そういう方々の余剰資金にもお願いするということも含めて、国民みんなでまずやるべきだと、我が党はそういう考えでございます。

 ところが、そういう中で、まず日銀にという話がこれだけわあわあ出てくるのが私ちょっと異常じゃないかなと思っておりまして、一つは産経新聞が火を付けたようなところがありますけれども、従来から日銀に、こういうことがなくても日銀に国債を買わせようという、リフレ派というんですか、よく分かりませんけれども、何考えているのかよく分からない人たちですけれども、そういう人たちがこれを機会にやらせてしまおうと、どさくさ紛れに言っているようなところが多分に感じられます、はっきり申し上げてですね。

 場合によっては、日銀法を変えて日銀に言うことを聞かせようなんてとんでもないことを考えたりする議員連盟もあるわけですね。私はそれはとんでもないことだと思っておりますし。あえてもう少し良識的な方でも、こういうときなんだから日銀がアコードという形でいざというときには引き受けますというようなメッセージも含めてやるべきじゃないか、若干良識的な意見もあるんですけれども。

 どうしても、私はこういうことだと思うんですね、復興は必ずやり遂げなければなりません。人の命も救わなければなりません。お金が掛かります。国債発行が必要です。しかし、市中で吸収できない、消化できないという事態になればこれは日銀が引き受けるという、まさに非常事態ですからこれはあり得ることかなと。そこまで私は否定するつもりはございませんけれども、今市中で吸収できる力はあるわけですね。その時点でいきなり日銀に先に引き受けろとか、あるいは引き受けることをあらかじめメッセージ出せとか、私はこれは大変、何といいますか、後々何をもたらすのか大変恐れるところでございます。

 高橋是清の話もよく分かっておっしゃっているのかどうかと思うんだけれども、よく出てくるんですけれども、高橋是清というのは物すごい財政規律論者でございました。だからこそ二・二六で命を奪われたわけですよね、軍部にですね。

 要するに、あのときは大恐慌がありまして景気対策をやらなきゃいけないと、しかし市中に引き受ける力がないから日銀に国債を引き受けさせた。そして、当時は公共事業といっても軍需産業が最大の公共事業ですから軍事費を拡大するという形になって、もちろんそこで雇用は生まれたわけですけれども。高橋是清は、一定景気が回復したところで、やはり国債をこれ以上どんどん発行するのはまずい、歯止めを掛けなければいけない、財政規律をやっぱり戻さなきゃいけないということをやったんですけれども、軍事費拡大というのは軍部の言うことの表裏一体なものでございましたから、そういうことを言うともう軍部から反発を食って命を奪われたわけですね。

 したがって、財政規律を守るために高橋是清は命を奪われたわけでございます。高橋是清が殺されたものですから、どんどんどんどん国債が発行されて、軍事費が膨脹して、戦争に突入して日本を破滅させたと、こういう流れになるわけですから、高橋是清から学ぶべきは、命懸けで財政規律を守ったということだと私は思っているわけでございます。

 この点で、私は、日銀が引き受けると簡単にハイパーインフレになるとか、金利がどうなるとか、それは大丈夫だとか、そんな話よりも、まず中央銀行の信頼とか通貨の信認とかがどういうふうになってしまうのかと私大変危惧を抱いておりますけれども、それをもう少しやっぱり白川さんの方から踏み込んで、メッセージとしてきちっと説明してもらうことが必要かと思いますが、いかがですか。』

・・・・・・・延々と引用してしまいましたが、途中で茶々を入れる必要が無いっつーか何で日本「共産党」の人がこういう質問(というより演説ですが^^)が出来るのかがある意味不思議でなりませんな(って褒めてますので念の為^^)。

で、白川さんの答弁はスルーしまして更に大門先生。

『○大門実紀史君 昨日もございましたけれども、一定まあ良識のある提案の中で、銀行券ルールの範囲内ならばそういうこともやるべきではないかという御意見もあったりするわけですけれども、私はこれも慎重に考えなきゃいけないと思っているんです。

 銀行券ルールもこの委員会でさんざんいろんな議論がありました。ちょっといろんな方が勘違いしているのもあるのかと思いますが、銀行券ルールの上限といいますか発行額範囲内というのは、別に、何といいますか、カードローンの上限とは違うわけですよね。そういう意味じゃないんですよね。ですから、カードローンだって目いっぱい使っている人はやっぱり余り、分かっちゃったら信用されないというのはありますけれども、銀行券ルールの重みもちょっとこの機会にきちっとお話ししてほしいなと思うんですけれども。』

「カードローンだって目いっぱい使っている人はやっぱり余り、分かっちゃったら信用されないというのはありますけれども」に吹いた(^^)。

まあ正直言って大門先生の質疑時間をもっと確保すべきではないかと存じます。

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2011/04/06

○東京新聞に絶望

昨日の東京新聞の社説を見て呆然。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011040502000053.html
【社説】震災復興策を考える 青写真と手法を早く 2011年4月5日

『◆日銀は国債引き受けを

国債の日銀引き受けを禁じ手とする意見がある。財政法は国会議決があれば引き受けを禁じていない。実際、日銀は財務省と合意のうえで償還期限が到来した保有国債について毎年、借換債を引き受けてきた。それでインフレになったわけではない。二〇一一年度も一一・八兆円を引き受ける。』

えーっとですね、財政法がどうのこうのだから禁じ手なのではなくて、歴史的に中銀の財政マネタイズを一旦実施すると歯止めが効かなくなって財政インフレが起きて国民厚生的に誰も得をしないことが起きるからなんですけど、というのは兎も角として、どう見てもアホとしか思えないのは後半部分であります。

つまりですね、確かに日銀って引受の実施してますけど、それは買入等によって日銀が保有している国債の償還期限が来た時に行う償還乗り換えであって、その買入する国債は「割引短期国債」ということで「1年で償還になる」ものであって、復興財源として発行する中長期国債とは全然話が違うものなんですけれども、その辺の背景を全部無視してあたかも日銀が中長期国債の引受を行っているように説明するのは、知らないのであれば不勉強にも程がありますし、知っているのであれば悪質なインチキ説明にも程がある、ということですわな。

ちょっと日銀のHP探せば直ぐに出てきますが。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2010/mpo1012a.htm/
平成23年度中に償還期限の到来する本行保有国債の借換えのための引受けおよび平成23年度における国債買入消却への対応に関する件

『1.平成23年度中に償還期限の到来する本行保有国債(以下「償還期限到来国債」という。)の借換えのための引受け(以下「借換引受け」という。)にかかる取扱いについて、 「対政府取引に関する基本要領」(平成11年3月26日決定)2.の規定に基づき、次のとおり定めること。

(1) 償還期限到来国債のうち、利付国債額面総額11兆8,000億円については、割引短期国債をもって、借換引受けを行うこと。

(2) 償還期限到来国債のうち、「平成22年度中に償還期限の到来する本行保有国債の借換えのための引受けに関する件」(平成21年12月24日決定)1.に基づき借換引受けを行った割引短期国債については、償還期限到来国債である利付国債の額面総額が(1)に定める金額を下回ることになると認められる場合に限り、当該差額につき、割引短期国債をもって、借換引受けを行うこと。

(3) (2)の借換引受けの要否については、総裁が決定すること。』

ということで、基本的には償還来た中長期国債を1年物割引短国で引き受けて、その償還が来た場合に1度だけ再乗換の可能性が限度付きであります、というだけの話で、「償還乗換」で引き受けた国債はあっという間に償還になってしまうのであって、復興目的で出す中長期国債の引受論議とは全然違うレベルの話であります。

しかも東京新聞のさっきの社説の続きでは、その「市中を通さない新発中長期国債の引受」と「一旦市中消化という形で市場メカニズムを通してからの買入」の差が無いような話をしていまして、いや今までは経済記事に関してはどっかの経済クオリティーペーパーなんかよりも比較的まともなことを書く新聞だと評価しておったのですが、日銀引受に関する部分での壊滅的なクオリティ(そこまでの話はそう無茶ではないのだが)に正直絶望したので購読やめるかねと思う今日この頃でありました。

『日銀が財政出動に伴う円高を避けるためにも、引き受けか市中国債の買い入れ増額を決断する。いまは、それほどの非常時である。』

・・・・・つーか財政出動したら財政悪化懸念ネタで円安アタックの材料を与える可能性はあっても円高になるという話は意味がさっぱり判りません。