分類不能の雑文

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とりあえずここにぶち込んでおきますが、いずれ整理する所存・・・と言い続けて早や・・・もうサイト作ってから9年以上になるのか・・・・整理していません。

2012年度下期
2012年度上期
2011年度下期
2011年度上期
2010年度下期
2010年度上期
2009年度下期
2009年度上期
2008年度下期
2008年度上期
2007年度下期
2007年度上期
2006年度下期
2006年度上期
2005年度下期
2005年度上期
2004年度下期
2004年度上期
2003年度下期(以前の整理はまだできていない)

2013年度上期の見出し

2013/09/18「結局消費税増税のようだが、真正リフレ派として一貫した主張をする山本幸三先生や、増税反対論を一貫して主張する本田悦朗先生に対して浜田宏一先生は主張に対する根拠とか一貫性とか全然ないのは何なんでしょう」
2013/08/29「今は景気に悪影響があるから増税は良くないが1年後に延期した場合は景気に関係なく増税を断行するべきという珍理論を展開する浜田内閣参与は(自粛)なのではなかろうかという気がするのだが」
2013/08/02「麻生副総理のナチ云々発言は見識以前に何を言ってるのかが分からんわこれ」
2013/07/16「相変わらずの浜田さんは今度は消費税増税延期の話を強調するとな」
2013/05/31「浜田先生は発言に指導が入ったようでww/甘利さん引き続き発言がアレ」
2013/05/29「甘利さん調子に乗らない方が良いと思う/浜田先生は何故日銀の足を引っ張るのやら」
2013/05/27「甘利再生相はちょっと発言が調子に乗り過ぎじゃないかと思われる」
2013/05/24「長期金利が1%や株式市場大下落のコメントは安倍さん麻生さんGoodで菅さん甘利さんは・・・」
2013/04/10「浜田先生大劇場は続く、つーかこの爺さん黙った方が安倍さんのためにもなると思うのだが」
2013/04/09「異次元緩和で異次元言説が浜田先生もそうですが本職の何とかストからもでるのでした」
2013/04/08「異次元緩和を批判する中原伸之さんの見識はさすがでありますがリフレ派は全員スルーしていますね」
2013/04/04「岩田木久扇理論で山本幸三先生が計算するシミュレーションが色々とダメダメな件について」
2013/04/03「国会笑劇場は今日も行く」
2013/04/02「ロイターはヘッドライン詐欺をいい加減に自粛べきである」

2013/09/18

○消費税はようやく予定通りの決着のように見えますけど・・・・・・・

こんなニュースがあったのか。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130914-OYT1T00283.htm
浜田氏「自然な流れ」、本田氏は懸念…消費増税
(2013年9月14日10時03分 読売新聞)

『安倍首相の経済ブレーンの浜田宏一・内閣官房参与(米エール大名誉教授)は13日、首相が来年4月から消費税率を5%から8%へ引き上げ、5兆円規模の経済対策をまとめるとの意向を固めたことについて「適当な方向だ」と一定の理解を示した。』(上記URLより、以下同様)

えーっと先生消費税増税してその分財政打つのは愚の骨頂という話をしていた筈なのに何でまたここで急に転びますねん。

『「政治の自然な流れなのだろう」とも述べた。首相官邸で記者団に語った。』

・・・・・・・・・んーっと、専門家としての知見から考えたらおかしいけれども、政治の流れだから適当であるとかそういう物分かりの良い話をされますと、経済政策の専門家としてわざわざ内閣参与として起用されている意味ががががと思いますし、だったら消費税先送りについてこれだけの大騒ぎにせんでも良かったんじゃないですかと存じますが、まあ浜田先生が土壇場で急にコロッと転ばれてしまいましたので、こらまあ普通に消費税増税は予定通りに実施という事で安倍ちゃんも腹を括ったんでしょうなあというのだけは把握しました(^^)。

ちなみに上記記事の続きには(表題にあるように)本田先生の発言もありまして、

『一方、同じく首相の経済ブレーンの本田悦朗・内閣官房参与(静岡県立大教授)は同日、記者団に「日本の置かれた状況は複雑で深刻だ」として、首相の消費増税に対する懸念を表明した。「15年間のデフレが、半年の実質国内総生産(GDP)で判断できるのか」とも強調した。』

うむ、まあ本田先生の方が話の筋は通している(結論には賛成しないが)なあという所ですね。


なお、本石町日記さんが紹介していたので私も山本幸三先生の主張を張っておきますね。

http://www.yamamotokozo.com/2013/09/130912report/
混乱している有識者会議の議論 2013.9.12 衆議院議員 山本幸三

まあ中身は見て下さいという所ですが、従来の「デフレは貨幣的現象なのでデフレ脱却には金融政策で対応」という主張が爽快なまでに一貫しておりまして、

『増税慎重派の主張のポイントは「消費税増税によって個人消費が落ち込み、需給ギャップが拡大して、デフレ脱却が遠のいてしまう。」という点にあるが、本当にそうだろうか。こうした主張を、これまで日銀に積極的な金融緩和政策を求めてきたリフレ派と呼ばれる経済学者達までが唱え始めていることに私は違和感を覚えるのである。私の結論は、「デフレ脱却と消費税増税は全く関係ない。」ということである。その理由は、「デフレは貨幣現象であるので、金融政策がしっかりしてさえいれば、必ず脱却できる。」という点にある。リフレ派の主張は、正にそこにあったのではないか。それが突然金融政策のことを忘れた議論を始めるのは首尾一貫性に欠けるというものだ。』(上記URLより)

リフレ派の本来の主張を一貫しておられましてさすがとしか申し上げようがございません。まーアタクシ個人としては内容自体にはちょっと賛成致しかねる部分がございますが、主張として一貫しているというのは実に結構なお話でして、山本幸三先生の主張されている理論的背景が実際の経済にマッチするのであれば、こうやって一貫した理論的バックボーンで政策を実施すれば上手くいく、とまあそういう話になると思うのですよね。

然るに一部の方面では「一つ一つの主張自体は見解として有り得る主張」なんですけれども、「前の主張と首尾一貫していない」ということで「その場その場で別の理論的背景を持ってくる」という方々がおいでになるのがアレというものでありまして、結局の所それは政策としての効果が本当に出るのかよという話になる訳ですよねと思うんですけどどうなんでしょうかね。

大体からしてマンデルフレミングだから財政効かないよ金融政策が重要だよと言ってた人たちが何で消費税増税に反対する時になると急に増税で景気が腰折れしてデフレ脱却が遠のくという話になるんだよとゆー所で、って山本先生も上にありますように仰せですが、その場その場で何か自分の主張に合いそうな理屈を繰り出して来るのは結構なのですが、その理屈が首尾一貫していないとアクセルとブレーキを同時に全力で踏むような支離滅裂政策になる訳でして、そういう支離滅裂政策にならないために学識者のバックボーンが必要だという話だと思うのですけどにゃあ。

ま、それは兎も角として結論としては消費税増税は予定通りの実施でファイナルアンサーっぽくなったということでめでたしめでたし・・・・・なのかな????

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2013/08/29

・浜田先生ェ・・・・・・・・・・・・・・

昨日は木久扇師匠マダー(・∀・)っ/凵⌒☆っと思いつつニュースヘッドラインなどを眺めておりましたが、その前に顎が盛大に外れそうになったニュースが出ておりましてですなあ・・・・・・・・・

http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013082801000996.html
浜田氏「1年延期後は増税決行」 景気にかかわらず
2013/08/28 10:47 【共同通信】

『消費税増税の1年延期を主張している内閣官房参与の浜田・米エール大名誉教授は28日のテレビ番組で、1年後の対応について「(その時点で)景気が上向いていなくても、断固として決行する」と述べ、1年延期後は景気動向にかかわらず増税に踏み切るべきだとの考えを示した。』(上記URLより、以下同様)

これ共同が報じていたので地方紙があっと言う間にリファーしてネットで見ると地方紙のサイトの殆どで報じられていましたな。

『浜田氏は「優柔不断さが日本経済に多少のもやもやを及ぼし、債券市場にも影響している」との認識を示し、増税の際は、法人税率も含む税制見直しなど「消費税の悪影響を中和するような政策が必要だ」と強調。「税制の構造改革で、消費増税でも日本経済がものともしないような体質に変わっていくことに期待したい」と語った。』

・・・・・・・・・・そもそも消費税増税の延期論というのは「折角回復しだしている景気に悪影響を与える」から打ち出された話だと理解していたのですが、1年先送りしてその後は「景気が上向いて無くても断固として決行する」って従来の増税慎重ロジックとの整合性があたくしのような浅学菲才で下賤の者には全くもって理解致しかねる訳で、それこそが「優柔不断」というものではないのか等とあたしゃ思ってしまうのですが、どういうロジックでそういう話になるのか難しすぎですぞな。なお、今回先送りが決まって何か悪影響が出た時にそもそもの言いだしっぺとして糾弾されるリスクに気が付いたので急に日和ったなんてそんな事は全く無いと存じますので念のため申し添えます(棒)。

ちなみに、技術的に見て難しいというのと、小刻みの場合増税部分の価格転嫁をするのに対して流通における中間業者や製造における下請企業などのような弱い立場の人たちが価格転嫁しにくくて結果的に増税分を幾分(下手したら全部)被る破目になりかねないという問題があるので現実論としては難しいのですが、まあ1%ずつ小刻み増税というのも継続的な(ただの名目であって実質の話では無いにせよ)物価上昇を政策的に演出できるかもしれないという意味ではお話としての可能性はありますし、増税した側から大規模財政打ったらそもそも何のために増税しているのか意味ないだろという浜田参与の指摘(火曜日の経済財政諮問会議分室での提出資料でも指摘されておられます)もご尤もではあるのですけれどもという話でも雑談の続きでしようかと思った矢先にこの奥の深すぎる発言にシビレ節になってしまいますたという事で。

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2013/08/02

・ローゼンェ・・・・・・・・

麻生さんの例の発言に関しては週前半から何か色々と出ていましたが、朝日新聞デジタルに発言全文書き起こしと思われるものが掲載されたので観賞鑑賞。

http://www.asahi.com/politics/update/0801/TKY201307310772.html
麻生副総理の憲法改正めぐる発言の詳細
2013年8月1日2時18分

まあ下手に一部だけ引用するとアレですし、これだけ長いのを全文引用するのはさすがに如何なものかと思うので引用割愛します(しばらくすると朝日の場合はアーカイブになってしまいますので読めなくなるのが難点ですが)けれども・・・・・・・・

うーむ、麻生さんは真意が伝わっていなかったようだが云々という話をしているのだが、そもそもこの文字起こしで出てきた話自体が何か前後の文章で同じことを違う文脈で説明するから話に脈絡が無くて真意が伝わるも伝わらんもそもそも何を言いたいのかが判らん。まあ前後の文脈を勝手に補完すると解釈は可能なのだが、これだと補完の仕方によって真逆の解釈も可能(=前後で話の脈絡がないからどっちを取るかで真逆になる)という中々凄まじい案件ですな。

#ちなみに「静かに改憲」云々の部分はどうみても歴史認識相違だとおもう

何か大騒ぎモードになってきたのでメモメモ。

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2013/07/16

○消費税増税に関する浜田参与発言とな

こんなん出てましたが。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE96C02220130713
5%の消費増税、日本経済へのショック大きい=浜田内閣官房参与
2013年 07月 14日 08:15 JST

『[東京 13日 ロイター] - 安倍晋三首相のブレーンで内閣官房参与を務める浜田宏一・米エール大名誉教授は13日、2015年度までに現行5%の消費税率が10%まで段階的に引き上げられる計画になっていることについて、5%の消費増税による日本経済へのショックはかなり大きいと語った。都内で開かれたセミナーで述べた。』(上記URLより、以下同様)

確か木曜に名古屋で同じような講演をしていたと思いますが、消費税引き上げに浜田先生が慎重となという事で、まあ従来からそういう話をしていたのでそう来るなあとは思いましたが。

『政府は現在の5%の消費税率を来年4月に8%、2015年10月に10%に段階的に引き上げることを計画している。これに対して浜田氏は「政府の公式見解ではない」と前置きしたうえで、2年後に消費税率が5%上昇することの日本経済へのショックは「かなり大きい」と指摘。』

ふむふむ。だったら円安ドライブのコストプッシュでインフレを2%いやまあどうでも良いです。

『そうしたショックを軽減するための補正予算編成など財政措置は「変動相場制の下では財政は効かないので期待すべきでない」とし、「法人税制で刺激するのがいい」との見解を示した。』

あたくし頭が禿しく悪いのでさっぱりワカランチ会長なのですが、「変動相場制の下では財政は効かない」のに「消費税増税のショックがかなり大きい」という理屈はどうなるとそうなるのでしょうか。「財政措置が効かない」んだったら「マイナスの財政」の増税も効かないと思うのですが何でそうなるんでしょうマジで判らん。消費増税が消費性向の高い所に悪影響とかいう話だったら再配分の問題ではないかと思うのですが・・・・・・・・・・

ま、いずれにせよ判断するのもうちょっと先の話らしいですけどね>消費税増税

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2013/05/31

・まあ市場雑談でも無い上にどうでも良いが

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL300O4_Q3A530C1000000/
浜田内閣官房参与、株価急落「そんなにびっくりしていない」
2013/5/30 16:57

『荒い値動きが続く市場に対し感想を求められたが「しゃべるなと叱られたので、今がどうとは言えない」と言及を避けた。』(上記URLより)

ほほうwww


http://jp.reuters.com/article/idJPTYE94T04L20130530?sp=true
長期金利上昇には日銀が適切に対応、市場動向を注視=経済再生相
2013年 05月 30日 17:38 JST

最後の所ですけどね。

『期待に働きかけてデフレマインドを変える──。アベノミクスのポイントについて甘利担当相はこう語り、「デフレマインドを一変させるためには、戦力の逐次投入ではなく、戦力の同時集中投入を行うことだ。成果があがるまで徹底的にやり続ける。(アベノミクスの)成功の秘訣は成功するまでやりつづけることだ」と決意を語った。』(上記URLより)

「成功の秘訣は成功するまでやりつづける」とな!!!

ちなみに更にどうでも良いのですが、このニュース記事最初に出た時(昨日の15時前)はこの最後の部分だけの内容でして、記事の題名が思いっきり上記の部分になっていたのですけれども、何故か題名が差し替えになっているのはいやまあどうでもいいです。

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2013/05/29

○甘利さんとか浜田先生とかの発言ネタでも

・甘利さんは口が絶好調のようで

http://jp.reuters.com/article/idJPL3N0E90C320130528
UPDATE 1-日本市場もまもなく落ち着いてくる=株価乱高下で甘利経済再生相
2013年 05月 28日 11:08 JST

『乱高下が続く金融市場動向だが、甘利担当相は「一時的に乱気流に突入した機長のような心境だ。航行上、当機の安全に問題はありません。落ち着いて席にお着きください。当機はまもなく乱気流を抜ける予定です」と、平静を装った。』(上記URLより)

・・・・・・・・最後の「と、平静を装った」というのにロイターの悪意が思いっきり感じられましてクソワロタ訳ですが、甘利さんちょっと発言が上滑り気味じゃネーノというのがロイターのこの記事の書かれ方にも現れていますなあという風に思うのですけどね。

つーかこの前も申し上げましたが、安倍さんにしろ麻生さんにしろ市場の具体的な値動きについて一々コメントしなくなっている訳でして、折角そういう感じで要らんノイズを出さないようにしている中で内閣府は何やっとるんだとしか申し上げようが無いのですが、まさか内閣府の中の人たちが存在感を出そうとして無用なアピールをしようとしてねえか大丈夫かとか思いたくなりますぞ。


・浜田先生ェ・・・・・・・・・

この前も同じ趣旨の話をしていましたけれども、またこのヘッドラインが出て梯子外しキタコレというのが浜田先生インタビュー。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MNHXYP6JIJWQ01.html
浜田参与:日銀は必要なら一段の緩和を−インタビューで語る
更新日時: 2013/05/28 18:07 JST

・・・・・・・・あれ?昼に出ていたヘッドラインの内容は????

ということで慌てて探すとトレーダーズ・ウェブ・エフエックスさんの所や
http://www.traderswebfx.jp/news/default.aspx?newscode=389383&dispmode=list#newshead
05/28 11:35 【発言】浜田内閣参与「為替のレベルは競争力ある状態からほど遠くない」

『浜田内閣参与
「最も重要なゴールは雇用と生産」
「インフレ率は補助的なゴール」
「現在の為替のレベルは競争力ある状態からほど遠くない」』(上記URL先から)

フィスコさんの所(のヤフーニュースファイナンス)
http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20130528-01000002-fisf-bus_all.vip
【要人発言】浜田参与:2%物価目標は「補助的」目標、雇用と生産が大事
5月28日(火)11時51分配信 フィスコ

まあこの話自体は3月の時点でもこういう話をしていたので、その時と趣旨は同じと言うことで特段の驚きでは無いのですけれども・・・・・・

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL080NO_Y3A300C1000000/
浜田氏「インフレ目標未達でも雇用・景気が回復すればいい」
2013/3/8 14:23


・・・・・・・えーっとですな、マジレス致しますと、4月4日に絶賛ローンチされました異次元緩和政策によりまして、「2年で2%の目標を達成するのに適切と判断されるまで異次元緩和(ただしくは量的・質的金融緩和ね)を継続する」という形で緩和政策の継続に関するガイダンスを出している中で、「目標行かなくても雇用景気が良ければいいじゃないか経済だもの」という話をするというのはちょっとどうかと思われます。

と申しますのは、「2%物価目標達成するのに適切と判断されるまで」という形でやや微妙な表現ではあるにせよ、ガイダンス文言で時間軸的な効果を出そうとしているのですから、そこで物価目標に対して日和る姿勢を出すとなりますと、当たり前の話ですが時間軸が短期化するリスクが有る訳でして、すなわち金融緩和効果を減殺するリスクがあるという事です。

まー本当にCPI2%継続状況が国民的に今の時点で耐えられるのかとか、そーゆー問題もありますというのは分かるのですけれども、少なくともそのような話は実際のCPIが絶賛マイナス推移する状況下で言うべき話では無くて、実際にCPIが1%(もちろん消費税の直接寄与分を除く)水準辺りに上昇してから「はてこのままで本当に良かったでしたっけ」というような議論をするというのは有り得ないことも無い(大体からして昨日も申し上げましたように2%目標の定義も微妙に曖昧だし)のですけれども、アクチュアルのコアCPIがマイナス0.5%だの何だのというような目標未達にも程がある現時点で「目標行かなくても」という話をするのは、フォワードガイダンス政策による金融緩和効果という意味で有り得ない話ですし、大体からしてほんの2か月弱前に言ったことをいきなり反故にするとか信認問題になりますぞなもしという話ではあるので、まあ如何な物かなと思います。

とまあここまでマジレスしておきましたが、以下は淡々と過去の記事でも貼っておきましょう。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEJ7MB6JTSFI01.html
安倍総裁ブレーン・浜田氏:日銀新総裁は数カ月以内のデフレ脱却可能
更新日時: 2012/12/05 09:08 JST

『浜田氏は日銀が2、3%のインフレ目標を設定すべきだとし、目標達成まで金融緩和の手綱を緩めるべきではないと主張。さらに、16日の衆院選で自民党が勝利し、より金融緩和に積極的な人物が日銀総裁に選ばれた場合、同目標の達成は困難ではないと述べた。』(上記URLより、強調は引用者によるよん)

http://jp.reuters.com/article/idJPTYE8BQ04C20121227
インタビュー:日銀は無制限緩和を、物価目標2─3%が適切=浜田宏一教授
2012年 12月 28日 08:47 JST

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2013/05/27

○甘利さんェ・・・・・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE94N00E20130524
経済再生は順調に進展、日銀も市場との対話実践=甘利再生相
2013年 05月 24日 10:44 JST

『再生相は株価の大きな下落幅について「想定外とか想定内とか言うことが、市場に無用の混乱を与えることになるのでコメントしない」と評価を避け、「市場関係者はいろいろな思いで(取引に)参加している。不安や疑心暗鬼、いろいろあると思う。その動きにいちいちコメントはしない」とも述べたが、同時に「アベノミクスは順調に進展している。日銀は市場との対話をきちんとやっていくことを、総裁自ら実践している」と指摘。政府・日銀の取り組み姿勢を強調した。』(上記URLより)

>日銀は市場との対話をきちんとやっていくことを、総裁自ら実践している
>日銀は市場との対話をきちんとやっていくことを、総裁自ら実践している
>日銀は市場との対話をきちんとやっていくことを、総裁自ら実践している

・・・・・・・・・・・・・orz

でまあロイターの上記記事のタイムスタンプだと10時過ぎになっていますが、実際には9時35分前後に共同とかクイックとかが「日銀は市場との対話を実践している」とかいうヘッドラインを打っておりまして、そのヘッドラインが出た直後辺りから債券先物がズルズルと下落した訳でございまして、まあ実際問題として発言を全部通しで見るとちょっと印象が変わるのかもしれませんけれども、この発言を見ると債券市場的には「ああそうですかこの債券市場の動きでも対話をきちんとやっているという認識なんですかそうですか金利上昇容認なんですね」という風に受け止めて更にスネてしまいますがなという所でございます。


そういや金曜にネタにしようかと思ったもののその時間のプライスアクションをちゃんと見ていなかったので良く判らんなあと思って確認してから引用しようと思ったのですが、木曜にもこんな事案があったのよね。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MN8TKY6S972F01.html
ロンドン外為:円急伸、100円台−甘利再生相の発言後 (引用者注記:これは23日のニュースです)
更新日時: 2013/05/23 17:54 JST

『5月23日(ブルームバーグ):ロンドン時間23日午前の外国為替市場で円が急伸、1ドル=100円台となった。この日の日本株下落について甘利明経済再生担当相が「ろうばいせず」やっていくと述べた後に上げ幅を広げた。』(上記URLより、念のためもう一度追記するとこれは23日のニュースです)

でまあ金曜に確認してみたら確かに甘利さんの緊急会見での「ろうばいせず」云々のヘッドラインが出た所でオリャーと円買いドル売りになっておりましたようで誠に遺憾の極みでございますな。

つーかさ、例の「甘利越え」もそうなのですが、甘利さん微妙にサービス発言成分が多めになっておりまして、そういうのって上げ相場の時は良いのですけれども、波乱相場になって来ると発言が一々裏目に出るリスクが高まるので、安倍さんや麻生さんを見習ってあまりコメントをしない方が無難な気がするんですけれどもとは思います。つーか内閣府ってこの前も余計な黒田発言公表で債券市場の下げを助長するような事をしておりましたが、頼むから静観してくらはいと思うのでありました。

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2013/05/24

○色々とコメントさせられて大変ですなあ

何せ昨日の場合は・・・・・・・

前場はこれ。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130523/k10014779011000.html
長期金利1年2か月ぶり1%まで上昇
5月23日 12時18分

後場はこれ。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130523/k10014791821000.html
日経平均株価 13年ぶり急落
5月23日 15時51分

ということでコメントさせられているのですが。

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0E40K720130523
UPDATE 1-日銀が適切に対応していく=長期金利上昇で菅官房長官
2013年 05月 23日 11:45 JST

『日銀の市場との対話はうまくいっていると思うかとの質問に、官房長官は「うまくいっていると思う。全幅の信頼を置いている」と答えた。さらに「株が上がれば金利が一時的に上がるのは、ある意味で自然なことだ。そうしたことも踏まえ、日銀では金利動向が落ち着くような形で市場調節や市場取引全般に関して、これまで以上に密接な意見交換の場を作っている。安心して見ているし、適切に対応されるだろう」と語った。』(上記URLより)

・・・・・・・・・・orz

これ株式市場が債券の前場引け以降謎の急落を開始してたし、まあ債券自体も戻り基調になっていたこともあって、官房長官発言について特段注目されなかったので良いようなもんで、長期金利上昇が「自然」だの、日銀の市場との対話が「うまくいっている」だの、もしこの発言がそれこそ1%付けて株が絶賛上昇しているタイミングとかでリリースされたら更に債券の下げに拍車を掛けるようなキーワードが並んでおりまして、まあこれに関しては材料にならなくて良かったですねとしか申し上げようがない話でして、いやまあ金利上昇に関して何か安心感を与えるようなコメントをしましたというお気持ちは十分にくみ取れるのでありますが、具体的なコメントをする場合っていうのは余程注意してコメントしないと、却って「何をズレた話をしているんだこの人は」という風に受け止められて逆効果になり兼ねない(昨日偶々ならなかったのはラッキーの世界)のですよ。

特に債券市場(の中でも特に円債)に置きましては、個人投資家の参戦が無いからポピュラーじゃありませんので、大体からして日陰者とかマイナーという認識があって世の中に中々知られていないという風に思っている人が多いと思われる所でして、「ど〜せ皆に理解されないんだ〜」とウジウジとしておりますと不肖このアタクシのように普段からブツブツと微妙な悪態を付くのが仕様になる、という風になるものでありまして(お前は特殊だろこのヴォケとか言われそうですが^^)、そもそもが「ああこの人債券市場理解してないで喋ってるなあ」というのに対してくらーい反応を示すのが仕様となっている、と考えられる節が大いにございますので(^^)、債券市場に関するコメントの際にはあまりややこしいことを言わない方が吉だと思います。


しかしまあ当然ながら株式市場に対する反応の方が大きい訳で。

http://jp.reuters.com/article/idJPTYE94M07420130523
訂正:日本経済は堅調に回復、うろたえる必要ない=株急落で甘利再生相
2013年 05月 23日 20:22 JST

『再生相は日経平均が急落した原因として、HSBCが日本時間午後に発表した5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が7カ月ぶりの低水準となったことに言及。「このことを受けて、日経平均は連続で上がり続けていたので、利益確定売りのタイミングを探していた投資家が集中してしまったためだと思う」と分析した。』(上記URLより)

うむ、そういう細かい話を一々せんでも良いと思いますけどねえ、というか「うろたえる必要ない」とかわざわざ会見を実施して発言する方がヘイヘイピッチャービビってるよ!という印象を与えるので別にわざわざ会見を別途設定とかせんでも良いと思うのでして・・・・・


http://jp.reuters.com/article/idJPTYE94M07920130523
株式市場についてはコメントしない=安倍首相
2013年 05月 23日 19:50 JST

『[東京 23日 ロイター] - 安倍首相は23日夜、国際交流会議「アジアの未来」であいさつし、株式市場についてはコメントしないと語った。』(上記URLより)


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130523/k10014798941000.html
麻生氏 コメントはしない
5月23日 19時10分

『株価の急落について、麻生副総理兼財務大臣は、23日夕方、財務省で記者団に対し「基本的に株価は上がったり下がったりするものだから、私の立場としてこれがいいとか悪いとかをコメントするつもりはない」と述べました。』(上記URLより)

ってな感じで、安倍ちゃんや麻生さんみたいな対応で問題ないと思うのですけど、まあ何にせよ相場の暴れで昼は金利、夕方は株式とコメント求められてお疲れ様でございました。

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2013/04/10

○ですからもう政策は動き出したのですからあまりツッコまれるネタを提供しない方が・・・・・

きくちゃん劇場がすっかり見られなくなって寂しいのですが絶好調の浜田大大大先生は今日も行くのでした。

http://jp.reuters.com/article/idJPTYE93804L20130409?sp=true
インタビュー:消費増税先送りも選択肢、ドル100円程度は「妥当」=浜田参与
2013年 04月 9日 17:40 JST

『──今回の緩和策によって2%の物価目標を2年程度で達成することは可能か。

「金融政策が資産市場に効くことはわかっていたが、白川(方明前総裁)体制では(金融緩和)を出し惜しみしていたため、(効果が)わからなかった。現在は想定以上に円安、株高が進み、資産に関しては実験済みとなった」

「(2%の物価目標を)2年で達成できるかはわからない。財・サービスや消費、投資、雇用などにどれだけ的確に早く(効果が)及ぶかがこれからの問題だ。経済が回復してくれれば、1%に越したことはない。過剰設備を解消し、失業率も次第に改善し、有効求人倍率も1より大きな地域が増える状態が望ましい」』(上記URLより、以下同様)

えーっと先生デフレ脱却は数か月で可能で2%を2年程度で達成できない日銀総裁はクビだというお話をしていたのはアレは何だったのでしょうか、というのはこの前もあったのでまあここははいはい満州満州という所ですが。

『──仮に追加緩和が必要になった場合、日銀に手段はあるのか。

「例えば国債をすべて買い切るつもりでやってもいい。REIT(不動産投資信託)やETF(上場投資信託)はいくら買ってもいい。その他の手段も考えられる」』

いくら買ってもいいってそれ財政政策っつーかただの資産バブル発生装置なのではないかと思いますが、それよりもアチャーなのはこの次。

『「問題は行き過ぎた場合にうまく止められないと、引き締めなどで(政策が)ギクシャクする。行き過ぎないよう、なだらかに収めることができれば名人芸だ。しかし、日本経済全体を行き過ぎたインフレに導くようになった場合、今まで金融を拡張し続けてきたので、引き締めることは悪いことではない」』

いやあのですね、緩和をやり過ぎた結果物価に効いてしまった場合には金融政策の効果のラグから考えて国民厚生的にインフレ高進でとんでもない災厄になるから何でもかんでも盛大にやれば良いってもんじゃないと思いますし、極端な政策をやればその分だけその辺のコントロールが難しくなるのだから、出口をどうするのかも良く考えて実施しないといけませんよねという話なのに「なだらかに収めることができれば名人芸だ」とか「行き過ぎたインフレに導くようになった場合には・・・・引き締めることは悪いことではない」って何という他人事感爆裂のお話なんですかと思うのですがねえ。

あの中原伸之さんをして「緩和のやり過ぎ」と言わしめるほどの極端な金融緩和政策を実施しようというのですから、当然ながら効きすぎたり望ましくないパスが発生するようなリスクが高まる筈で、しかもインフレ高進とかバブル発生と崩壊とか、いったん発生すると取り返しがつかなくなって国民厚生的に大問題が発生するかもしれませんよねという話に対して何でここまで他人事のような説明になるのか正直さっぱり分かりません。

いやまあ何ぼなんでも黒田総裁や岩田副総裁はちったあそういう問題も考えているでしょうし、毎回の会合でそういうことを点検すると会見でも総裁は言っていましたので、ちゃんと配慮してくれるとは思うのですが、先般の「実験」発言(某テレビニュース番組でその「実験」発言も放映されていたようですな、見ていた人の話によりますと)と言い、この手の無責任発言と取られそうな発言を政策ブレーンの内閣府参与様が連発すると、経済が望ましいパスを描けば問題は起きないでしょうが、ちょっとコケた時にフルボッコになって大変にオソロシスな結末になりそうでございますな。

きくちゃんがすっかりお静かになられたので、すっかり浜田大大大大先生の独擅場と化しておられるのですが、せっせと将来への地雷を敷設して回っているようにしか思えず、先生様におかれましてはあまり舞台に上がって来られない方が吉なのではないかと斯様思うのであります。

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2013/04/09

○オモシロ言説ヲチという名前の若干悪態

異次元緩和で異次元の為色々と異次元な言説が出てくるのが実に香ばしいですなあという所で。

まずは浜田大大先生様キタコレ。
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013040500859
資産市場に強い効果=日銀緩和を評価−浜田内閣参与
(2013/04/05-19:14)

『浜田宏一内閣官房参与は5日、自民党本部を訪れ、石破茂幹事長ら党幹部と会談した。浜田氏は会談後、記者団に対し、最近の円安・株高について「アベノミクスの第1の矢(金融政策)が、少なくとも資産市場には強く効くことが分かってきた。大変良い証拠だ」と述べ、日銀の新たな量的緩和策を評価した。「こんなに大規模な実験は世界でもそれほど行われてない」とも指摘した。』

いやあの「少なくとも資産市場には強く効くことが分かってきた」ってそもそもMB増やして物価が幾らになると為替が幾らになって株価が幾らになりますって精緻な理論を皆様が展開しておられた筈なのですが、「分かってきた」って今までの精緻な理論はただのハッタリだったんですかと小一時間な訳ですが、それよりもアレなのはやはりここ。

>「こんなに大規模な実験は世界でもそれほど行われてない」
>「こんなに大規模な実験は世界でもそれほど行われてない」
>「こんなに大規模な実験は世界でもそれほど行われてない」

・・・・・・・・・・・・・・・・orzorzorz

いやあの世界的に標準的なグローバルスタンダードで米国や英国の中央銀行も行っている標準的な金融政策であり、学界も推奨の理論に基づく普通の金融政策を実施しろというお話を学界の権威であらされる所の大大先生様が推奨なされていたという触れ込みだったとしかこちらには記憶がございませんのですが、何でまたそれが「実験」になるんですかあのすいません1億2千万人の運命を実験材料にしないで下さいお願いしますお願いしますという所ですが。

・・・・・・・・・・まあ確かに大規模な実験ではあるのですが、政策を推奨している方々がそれ言っちゃあ拙いでしょと思うのでありまして、こういうお茶目な発言が飛び出すあたり浜田先生は非常に正直なお方なのかとは思うのですが、さすがに強烈な金融政策を打たせておいて「実験」とか言っちゃうのは(って時事の報道ベースなので本当に実験と仰ったかはその場にいた訳ではないので分かりませんけれどもさすがにここで誤報はせんでしょ)何ぼなんでもマズーだと思いますので、もう政策は動き出したのですから、あまり余計なこの正直者発言をして台無しにしない方が良いと思います。株高円安ヒャッハーってなっているからこの発言特に目立っていないですけれども、望ましいパスを経過しなかった場合にこういう発言が後からほじくり返されて地雷になると思いますのでね。


まあ浜田先生は愛嬌として、昨日何とかストのレポート見ていてトサカに来たのと盛大に吹いたのが各一本あったので簡単に。

トサカの方なのですが、どことは言わないですけれども某社でリフレ系のレポートを書いていた某エコノミストの方の今後の金融政策についての話でして、その中で「インフレ率が2%に到達するかどうかが最大の焦点では無い」とか「望ましい状態の数値をあえて挙げれば、名目長期金利は1%以下の低位安定でインフレ率が1%程度、名目GDP成長率が2%程度が新たな定常状態」とか何とかいう趣旨のレポートがありまして、さすがに「お前は何を言ってるんだ」と思いましたぞな。

2%達成するまで毎年MB60〜70兆円拡大して長期国債残高50兆円拡大する政策を打ちこんでいるのにインフレ率が1%程度の定常状態になるとか何を寝言を言っているのかという所ではありますし、大体からしてその数字って従来の日銀の物価安定の目途のまんまじゃねえか今までの日銀批判レポートは嘘八百だったのかよという所ですが、まあつまりこうやって2%物価目標が行かない場合や、コストプッシュで物価が上昇して世間のインフレフォビアが爆発した時に向けて逃げを打ち出しているという辺り実に見苦しくて可及的速やかにドラム缶で逝く大阪南港海底クルーズツアーででもご参加いただきたいものであると思いましたが何処の誰の話なのかはここ数日のレポートでも見てくらはい。

んでもって吹いた方は「黒田総裁は日本のボルカーを目指す」っていう某社の何とかストのお方のレポートでありまして、いやまあ確かにMB目標突っ込んで金融政策運営の枠組みを変更したのはボルカーも黒田さんも一緒ですが、金融政策の方向性という意味で言えばボルカーは強烈引き締めを行ったんだし、今でも金融規制論者でありますので、やっている方向性が真逆にも程がありまして「ボルカー」というのは例えに出すのにどう見ても不適切で、QE2でレジームシフトを試みたバーナンキに例えてやれよと思うのですが、この方のレポートを見ると米国出張して顧客にボルカー話をしたらメイクセンスされたみたいな下りがあって、それ顧客に馬鹿にされてるぞ多分と思いながら楽しませて頂きましたどうもありがとうございますという所です。

いや〜異次元金融政策で異次元な話が色々とあって面白いですねえ(棒読み)。

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2013/04/08

○中原伸之さんの正論キタコレ!!!

http://jp.reuters.com/article/idJPTYE93306B20130404
インタビュー:急激な円安や金利上昇心配=中原元日銀審議委員
2013年 04月 5日 08:42 JST

『[東京 5日 ロイター] 元日銀審議委員の中原伸之氏は4日、ロイターのインタビューに応じ、日銀が打ち出したマネタリーベース(資金供給量)を2年で倍増させる量的緩和について、あまりに急激・巨額な金融緩和であり、「急激な円安や長期金利上昇などが起きないか私も心配」と懸念を示した。中原氏は2001年の量的緩和導入の先導役だった。』(上記URLより、以下同様)

ということで。

『これまでも中原氏は、安倍晋三首相の事実上のアドバイザーとして、現在は50兆円超の当座預金残高を年末まで100兆円に引き上げるなどの量的緩和策の再採用を提唱してきた。ただ同氏は2012年末に138兆円だったマネタリーベースを14年末に270兆円まで拡大するとの日銀の発表について「あまりに急激な金融緩和で驚いた」と指摘した。』

そうですよね〜。岩田副総裁の精緻なる理論による試算について先般山本幸三先生が同じくロイターのインタビューで答えていましたけれども、そちらによりますと『山本氏は、日銀副総裁に就いた岩田規久男氏が学習院大学教授当時に作成したシミュレーションから、消費者物価上昇率2%達成には、現在145兆円のマネタリーベースを160兆円─170兆円に増やしていく必要があるとした。』ということですし、『さらに消費者物価指数を3%にするためには、マネタリーベースを180兆円程度に拡大させる必要があるとし、ドル/円は108円程度、株価は1万3600円程度になるだろうと試算する。』(先日来引用している4月3日のロイター記事より)でしたもんね、と毎日しつこいこのあたくし。

まあ上記数字は並べられると胡散臭さ爆発で、まあ計算についてはもうちょっと差があるのかもしれませんけれども、それにしてもその辺のシミュレーションから見たらMBを年末に200兆円、来年末には270兆円にする、という事になったらMB増やせと言ってた人たちの数値からしたら物価が騰貴して大変な事になるよね、という話を誰かしないのかと金曜も申し上げましたが、今回こうやって従来からの主張と整合的な見解が出てきたのはホッとしましたというか中原伸之さんの主張がさすがとしか申し上げようがございません。

『「市場と駆け引きしながら政策を出していくのが資本主義経済での中央銀行だが、今後2年間の政策の手の内を見せてしまった。リーマン・ショックのような危機が起きた際に追加手段が残されていないのでは」と懸念。先々の政策を縛る今回の発表手法は「戦時中の統制経済を連想させる。日銀の『資産倍増計画』だ」と表現した。』

まあ今回は(後で引用しますが)まず最初に手を全部打ちました、という風に言ってますからね。

『その上で「巨額な資金供給を行うのに必要な国債を市場から買い集めることが可能なのか、政策の実効性も不透明だ」「量は質に転嫁する。急激な金融緩和で円安や長期金利上昇が起きかねない」と懸念する』

正直、当座預金100兆だって結構怪しいのに170兆とかどうやってやりますねんと思いますよ。

『更に「従来政策からの大幅な方向転換にもかかわらず、審議委員が全員一致で決めたのには驚いた」と述べ、委員らの有識者としての見識が問われると同時に「結論ありきで会合が進んだ印象」と警戒感を示した。』

別に凄く新しいことを始めた訳では無くて、やっている事は従来やってたことを全部まとめて大緩和したという所ですが、とは言いましても従来は「非伝統的政策は効果と副作用がよく判らないので斬新的に実施していきましょう」というのがいきなり全部打ち込む方式になったのと、そもそもその出す額といい購入する国債の年限と言い(正直言って平均5年程度とかで月5兆から精々6兆だろと思ってましたしそれでも随分大きい話だと思ってましたぞな)凄い事になっているので、まあこういう風に言われますといやーあっはっはという所でしょうかねえ(だからこそこれもしつこく言いますが3月会合の白井提案が余計過ぎ)。

ということで気が付いたら記事全部引用していましたが(すいません)、まあ後半の方に関しては兎も角として、冒頭の部分にあります「これはMBの出し過ぎ」という点に関しては岩田副総裁およびリフレ派諸氏の見解をぜひお伺いしたいものでございます。というか岩田副総裁については記者会見の場などがあると思いますので、記者の皆様におかれましてはこの辺りに関しての質問を是非ともお願い致したいですよね。それに対して従来の主張と整合的なお答えをしないというのはつまり岩田さんやその周囲の方々におかれましては尤もらしい話を適当にでっち上げて権力者に吹き込んでいたというまあ曲学阿世の徒って言うんでしたっけそういう方々だったという話になりますわなあとゆー所で。

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2013/04/04

○どうでも良いが色々と残念な画期的理論

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE93204D20130403?sp=true
インタビュー:2%達成にはマネタリーベース拡大を=自民・山本氏
2013年 04月 3日 15:54 JST

『山本氏は、日銀副総裁に就いた岩田規久男氏が学習院大学教授当時に作成したシミュレーションから、消費者物価上昇率2%達成には、現在145兆円のマネタリーベースを160兆円─170兆円に増やしていく必要があるとした。』(上記URLより、以下同様)

はあそうですか。

『試算は、リーマンショック後のマネタリーベースの量と予想インフレ率の目安となるブレークイーブン・インフレ率(インフレ期待を測る代表的な指標)の関係からはじき出したもので、同時に円レートや株価との相関式に当てはめると、ドル/円は98円、株価は1万1600円になるだろうとしている。』

あのもしもし株価下がるんですか??????

『さらに消費者物価指数を3%にするためには、マネタリーベースを180兆円程度に拡大させる必要があるとし、ドル/円は108円程度、株価は1万3600円程度になるだろうと試算する。』

あのもしもし株価1000円ちょっとしか上がらないんですか??????

『一方で山本氏は、金融緩和の強化が日銀による「財政ファナンス」になるとの懸念を回避するために何らかの基準を設ける必要はないとし、「(物価上昇率)2%までは国債を買うがそれを超えたら止めるのが物価安定目標政策だ。物価安定目標政策こそ、最大の財政ファイナンスに対する歯止めであり、ハイパーインフレに対する歯止めだ」と述べている。』

えーっと、物価というのは経済に遅行するものとされておりまして、2%まで国債買ってその後止めるだけで物価が2%で止まるとかどんだけ画期的な理論なんですか?????????

・・・・・・・・・でまあここで悪態並べようかと思ったのですが、並べる気力もわかないような話でございまして、山本先生昔はもうちょっと普通の話をしていた筈なのですが、何でここまでイミフな事を言い出すようになったんでしょうか。

なお、当然そういうタイミングだとは思いましたが、最後の所を見て吹いた。

『山本氏は自民党の「デフレ・円高解消を確実にする会」の会長を務める。インタビューは2日に実施した。』

えーっと、2日の日経平均は日中安値も11600円よりも高かったという記憶しかございませんが、どういう画期的なシミュレーションなんでしょうかねえとか思うのですが、それを作っているのが(つーかそれシミュレーションでも何でも無くて単なる直線番長じゃねえかという気がするが)きくちゃんである、という所に実に味わいの深いものを感じる訳でございまするorzorzorz

他にもそもそもBEIとマネタリーベースの回帰分析とか言われましてもBEIってリーマンショック前後で無茶苦茶振れてますがなとか、かつてのCPI基準年見直しショックとか、色々と別の要因があるんですがもしかして単回帰だけしてるんじゃねえだろうな疑惑とか突っ込む程アタクシは頭が良くないので以下割愛という事で^^;。

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2013/04/03

○国会笑劇場ニュース雑談

・まあ国会では喋ってもよいのですけれども&段々物の言い方が雑になってきましたよ大丈夫ですか

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MKMB3A6KLVRE01.html
黒田日銀総裁:基金と輪番オペを合体、日銀券ルールは廃止審議へ (1)
更新日時: 2013/04/02 17:52 JST

『4月2日(ブルームバーグ):日本銀行の黒田東彦総裁は2日午後の衆院予算委員会で、長期国債の買い入れについて、資産買い入れ等基金と、成長通貨供給のために行っている輪番オペを統合する考えを示すとともに、日銀券ルールも廃止を含め審議する必要があると述べた。』(上記URLより)

まあ国会ですから良いのですけれども何かさすがにペラペラしゃべり過ぎじゃないですかねえと思いましたがそれより後の方の記事内容にワロタというか何というか。

『大胆な金融緩和に反対票が出る可能性については「政策委員会は9人の委員からなる合議体なので、賛否がいろいろあるというのは当然だ」と指摘。その上で「合議体として、既に1月に2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現する、そのために金融緩和を推進するということまでは、政策委員会としての決定事項なので、その時の賛否に関わらず、それを実施していく義務がある」と述べた。』(上記URLより)

・・・・・・・・・いやあの否だったら実施しちゃいかんと思うのですけれども先生お疲れのようでこちらの記事小見出しにも『賛否あるのは当然だが実施する義務ある』とか合議制を総裁が自ら無視したような言い方をしているように書かれてまして表現には注意した方が良いかと。

まあ黒田さんは「細かい政策の具体的部分に賛否があるのは当然だけれども、2%の物価目標を決めたのだからそれに向けて金融緩和を実施していく義務がある」という話をしたのだと思いますが、ちょっと表現がアレという所ですな。


でまあそのアレな表現はもうちょっと先にも。

『その上で「私としては、金融政策の効果が浸透していく期間として、通常2年程度のタイムスパンを考えるというのが多くの中央銀行の例なので、2年程度の期間を念頭に置きながら、期待に裏付けになるような量的にも質的にも大胆な金融政策を行うということでなければならないと思っている」と語った。』(上記URLより)

・・・・・・・・・えーっともしもし?2年間で達成すると言ってるのに金融政策の効果が2年程度のタイムスパンで浸透するんだったら「2年で達成」って出来るんですか大丈夫ですかというのが最初にありますし、大体からして効果が浸透するまで2年もタイムスパンがあるんだったらこの前発言していた「2%の目標を達成するまで金融緩和」なんて実施したら2年分も金融緩和をオーバーシュートさせて打つことになってそれは2%インフレを大幅に上に逸脱するリスクが高いんじゃないでしょうかおじちゃん大丈夫ですか国会に7時間も呼ばれてお疲れになってませんかという所ですな。

その後にこういうのもありまして。

『黒田総裁はまた「何としても2%の物価安定目標を、2年という期間を念頭に置いて実現したい、実現する必要があると考えており、国債、特に期間の長い長期国債を含めて、量的にも質的にも、大胆な金融緩和を進める必要がある」と語った。』(上記URLより)

いやだから効果が浸透するのに2年かかるのに何で2年で物価目標が達成できますねん・・・・・・

てな訳で、何か段々ボロが出てきている気がするんですが、ボロが出るのはせめて夏まで我慢して頂きたい(まあその間に成長して頂ければ良いのですが^^)という所でございまする。


・安倍ちゃんそれはちょっと今までの話と違うだろうよ・・・・・・・

これは酷い。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MKLX016S972Y01.html
安倍首相:日銀の物価目標2%達成、できない場合もある−衆院予算委
更新日時: 2013/04/02 12:03 JST

『4月2日(ブルームバーグ):安倍晋三首相は2日午前の衆院予算委員会で、日本銀行が目指す2%の物価安定目標の2年間での達成は世界経済の動向などによってはできないこともあり得るとして、その場合は日銀が政府や国会に説明責任を果たせばいいとの認識を示した。前原誠司氏(民主)への答弁。』(上記URLより)

・・・・・・・・・何か浜田大先生の生霊が憑依したのかと思いましたが、確か白川総裁時代には2%の物価目標について外部環境のせいにするとか敗北主義者で人民裁判で吊るされるべきであり目標達成しなかったら断頭台送りだとばかりの勢いで安倍大先生様はお話をしていたとしか記憶しておりませんが(つーか元々3%って言ってただろ安倍ちゃん)、自分のお気に入りを総裁副総裁に送り込んだらいきなり豹変とか何なんですかちょっともう。

いやまあできない場合もあるのはそら正論なのだが、今までそのような事を言う日銀ケシカランとか散々言ってた人間がどの口で言うのやらという所で。

で、それが英文になるとこうなる。

http://www.bloomberg.com/news/2013-04-02/abe-says-boj-may-miss-2-price-goal-should-global-economy-change.html
Abe Says BOJ May Miss Price Target If Global Economy Changes
By Isabel Reynolds & Mayumi Otsuma - Apr 2, 2013 8:00 PM GMT+0900

『Japanese Prime Minister Shinzo Abe said that the central bank shouldn’t pursue a 2 percent inflation target “at all costs” and may fail to achieve it should global conditions change.』(上記URLより)

ブルームバーグだけじゃなくて他の英文メディアでも「Abe Says BOJ May Miss Price Target If Global Economy Changes」というような表現になっていて、これじゃあ「姿勢が後退」としか海外も受け止めないだろと思うのですが。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO53504800S3A400C1MM0000/
黒田日銀総裁、大胆緩和「期待を裏打ち」
2年で物価2% 衆院予算委 2013/4/2付

『安倍首相は日銀が2%物価目標を2年程度で達成できなかった場合、「政府や国会に説明責任を果たせばその通りだとなる」と指摘。従来より日銀に柔軟に応じる姿勢をみせた。自民党の山本幸三氏や民主党の前原誠司氏らの質問に答えた。』(上記URLより)

「従来より日銀に柔軟に応じる姿勢をみせた」って言われるわなあ・・・・・・


・無税国家のパラドックスネタキタコレ

同じく安倍ちゃんの答弁ネタ。

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK064581320130402
UPDATE1: 中銀がデフレ脱却に効果与えることできなければ、財政ファイナンス可能になる=安倍首相
2013年 04月 2日 10:04 JST

これニュースの題名が訳わからん書き方をしているからアレですが、要するにいわゆる「バーナンキの背理法」とか言われている奴の話で、「中銀が国債買い続けたら必ずインフレになりますよ」という話です。

でまあそれはそれで話の筋は通っているのですけれども、そもそもその「中銀が国債を買い続けたら必ずインフレになる」(=インフレにならないのであれば国債を全部中銀がマネタイズしてもインフレにならないと夢の無税国家が誕生するけどそれは有り得ないから、という事です)という話って、単に「中銀が政府の財政マネタイズを無限に実施したら必ずどこかの時点財政インフレが起きる」という話をしているのに過ぎないのであって、その財政インフレというのは只の誰得インフレであって政府部門の信認崩壊や信用秩序の崩壊を伴うものなのでして、だから中銀はインフレを起こせます(キリッ)とか言われましても困るのですが。

つまり、中央銀行が何でも良くてヤケクソになって良ければインフレは直ぐに起こせる(中銀が便所紙買入オペと称して便所紙を1メートル100億円で買いオペすれば一瞬でハイパーインフレですよやったねパパって所でしょ極端に言えば)訳で、でもそうやってインフレを起こすのは国民経済に対して何の意味があるインフレ何ですか意味があるインフレにしないとダメですよね、という事でさてどうしたもんかという話をするのであって、いわゆるバーナンキの背理法と言われる話ってレトリックとしては面白いのですが、だから中央銀行はインフレ起こせます(キリッ)とか言われましてもあまりにもナイーブ過ぎてそれは政策論の中で真面目に話す事では無いと思うのですけれどもねえと思うのですが。

まあ安倍ちゃんが勉強しようとしているという努力は把握したが、もうちょっと努力の方向性を検討した方が良いような気がします。

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2013/04/02

・これは酷いヘッドライン詐欺ですね

4月なので全銀協会長行が青の銀行から緑の銀行に交代。

http://jp.reuters.com/article/jpeconomy/idJPTYE93005920130401
インタビュー:アベノミクスで悪い金利上昇生じるリスクも=全銀協会長
2013年 04月 1日 17:06 JST

・・・・・・・・・・・・・えええええ?????

で良く良く見ると2ページ目の所にその辺のコメントがあるのですが、

『――「悪い金利上昇」が生じる可能性は

「蓋然(がいぜん)的には、起こる確率は低いだろう。そういう意味ではテールリスクかもしれない。滅多には起こらないだろう」』(上記URL先の2ページ目より)

ということで、財政問題などでの悪い金利上昇云々は滅多におこらないとか言っているのにわざわざ発言のうちのかなり些末な部分を捕まえて「全銀協会長が政権批判をした」というヘッドラインを打って対立煽るとか、ロイターっつーのは何ですか全銀協に何か恨みでもあるんですかという所でありまして、ちょっとマジでお前の所の編集はどういう脳味噌をしているのかと小一時間問い詰めたいというか頭の中身を見てみたいのですが脳味噌が真っ黒に変色してませんか大丈夫ですかという所でありまする。

ちなみにブルームバーグではこういう報道。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123
全銀協会長:アベノミクスを支援、政府は3本目の矢の実行を
更新日時: 2013/04/01 16:02 JST

普通こうなるだろと思うのですがロイターのヘッドライン詐欺は酷いわと思うのですが、これがまた(自分でURL貼っておいて言うのも何ですが)当然ながら詐欺ヘッドラインの為に「ナンジャソラ」となってアクセスが増えるので人気記事と勘違いしてしまい、更にヘッドライン詐欺に拍車が掛かるというのが最近のベンダーの良くない所でありまして、アクセス数だけで記事の人気を判断してというような傾向が続くと内容の質の向上よりもとにかくキャッチーでアクセス取れれば良い、というような編集傾向となり、その結果質の方がドンドン低下して誰も読まないぞなもしという事になって経費削減の結果としておめーらの馬鹿割高契約がバカスカ切られるんじゃヴォケとまあそういう話になる訳でございますなあと思う昨日のひとときでありました。

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